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特表2024-537454停電時における電源のパルス動作の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】停電時における電源のパルス動作の制御
(51)【国際特許分類】
   G01R 21/00 20060101AFI20241003BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20241003BHJP
   H02J 9/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01R21/00 S
G01R35/00 F
H02J9/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523990
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022046956
(87)【国際公開番号】W WO2023069389
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/506,528
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】ブージークルーズ,ダグ
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015GB01
5G015JA32
5G015JA52
(57)【要約】
交流電流(AC)停電時に電気メータ用電源の動作を制御する電源制御回路が、電源の出力電圧の表示および電力損失信号を受信するように構成された入力部と、電力損失信号および出力電圧の表示に基づいて、出力信号を生成するように構成されたコンパレータ部と、コンパレータ部からの出力信号に基づいて、電源へのフィードバック信号を制御するように構成されたフィードバック制御部と、を含む。コンパレータ部からの出力信号によって起動されると、フィードバック制御部は、出力電圧に基づいて、フィードバック回路からのフィードバック信号に対してフィードバック信号を変化させるように構成される。フィードバック信号の変化により、電源は出力電圧の供給を停止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電流(AC)停電時に電気メータ用電源の動作を制御する電源制御回路であって、
電源の出力電圧の表示および電力損失信号を受信するように構成された入力部と、
電力損失信号および出力電圧の表示に基づいて、出力信号を生成するように構成されたコンパレータ部と、
コンパレータ部からの出力信号に基づいて、電源へのフィードバック信号を制御するように構成されたフィードバック制御部と、を備え、
コンパレータ部からの出力信号によって起動されると、フィードバック制御部は、出力電圧に基づいて、フィードバック回路によって生成されたフィードバック信号に対してフィードバック信号を変化させるように構成され、
フィードバック信号の変化により、電源は出力電圧の供給を停止する、電源制御回路。
【請求項2】
前記入力部は、電源の出力電圧の表示を受信するように構成された第1スイッチング素子と、
電力損失信号を受信するように構成された第2スイッチング素子と、を備え、
第2スイッチング素子は、電力損失信号を受信した場合、第1スイッチング素子を起動するように構成され、
第1スイッチング素子は、第2スイッチング素子によって起動された場合、出力電圧の表示を前記コンパレータ部へ供給するように構成される、請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項3】
前記コンパレータ部は、第1入力において出力電圧の表示を受信して、出力信号を生成するように構成されたコンパレータと、
出力電圧の上側閾値および出力電圧の下側閾値を設定するように構成されたフィードバックコンポーネントと、を備え、
コンパレータはさらに、出力電圧が上側閾値に到達した場合、出力電圧が下側閾値に到達するまで出力信号を第1値で生成し、そして、出力電圧が下側閾値に到達した場合、出力信号を第2値で生成するように構成される、請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項4】
前記コンパレータはさらに、第2入力において基準電圧の表示を受信するように構成され、基準電圧の表示は、電気メータのコンポーネントの動作のための最小電圧を表す、請求項3に記載の電源制御回路。
【請求項5】
前記フィードバックコンポーネントは、下側閾値を、電気メータのコンポーネントの動作のための最小電圧を表す値よりも高い値に設定するように構成される、請求項3に記載の電源制御回路。
【請求項6】
前記フィードバックコンポーネントは、上側閾値を、電源の調整ポイントの表示よりも低い値に設定するように構成される、請求項3に記載の電源制御回路。
【請求項7】
前記フィードバック制御部は、コンパレータ部からの出力信号によって起動された場合、フィードバック回路によって供給される電流を変化させることによって、フィードバック信号を変化させるように構成された第3スイッチング素子を備える、請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項8】
AC電力が利用可能である場合、電源へのフィードバック信号は、出力電圧に応じてフィードバック回路によって生成される信号だけに基づいている、請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項9】
電源と、
交流電流(AC)停電時に電気メータ用電源の動作を制御する電源制御回路と、を備え、
該電源制御回路は、
電源の出力電圧の表示および電力損失信号を受信するように構成された入力部と、
電力損失信号および出力電圧の表示に基づいて、出力信号を生成するように構成されたコンパレータ部と、
コンパレータ部からの出力信号に基づいて、電源へのフィードバック信号を制御するように構成されたフィードバック制御部と、を備え、
コンパレータ部からの出力信号によって起動されると、フィードバック制御部は、出力電圧に基づいて、フィードバック回路によって生成されたフィードバック信号に対してフィードバック信号を変化させるように構成され、
フィードバック信号の変化により、電源は出力電圧の供給を停止する、電気メータ。
【請求項10】
電源制御回路の入力部は、電源の出力電圧および電力損失信号を受信し、電力損失信号を受信した場合、該出力電圧をコンパレータ部へ供給するように構成された1つ以上のコンポーネントを備える、請求項9に記載の電気メータ。
【請求項11】
電源制御回路のコンパレータ部は、第1入力において出力電圧に基づいた電圧を受信して、出力信号を生成するように構成されたコンパレータと、
出力電圧の上側閾値および出力電圧の下側閾値を設定するように構成されたフィードバックコンポーネントと、を備え、
コンパレータはさらに、出力電圧が上側閾値に到達した場合、出力電圧が下側閾値に到達するまで出力信号を第1値で生成し、そして、出力電圧が下側閾値に到達した場合、出力信号を第2値で生成するように構成される、請求項9に記載の電気メータ。
【請求項12】
前記コンパレータはさらに、第2入力において基準電圧を受信するように構成され、基準電圧は、電気メータのコンポーネントの動作のための最小電圧を表す、請求項11に記載の電気メータ。
【請求項13】
前記フィードバックコンポーネントは、下側閾値を、電気メータのコンポーネントの動作のための最小電圧よりも高い値に設定するように構成される、請求項11に記載の電気メータ。
【請求項14】
前記フィードバックコンポーネントは、上側閾値を、電源の調整ポイントの表示よりも低い値に設定するように構成される、請求項11に記載の電気メータ。
【請求項15】
電源制御回路のフィードバック制御部は、コンパレータ部からの出力信号によって起動された場合、フィードバック回路によって供給される電流を変化させることによって、フィードバック信号を変化させるように構成された第3スイッチング素子を備える、請求項9に記載の電気メータ。
【請求項16】
前記電源は、オフライン・スイッチング電源である、請求項9に記載の電気メータ。
【請求項17】
AC電力が利用可能である場合、電源へのフィードバック信号は、出力電圧に応じてフィードバック回路によって生成される信号だけに基づいている、請求項9に記載の電気メータ。
【請求項18】
交流電流(AC)停電時に電気メータ用電源の動作を制御する方法であって、
電源制御回路によって、AC電力損失信号を受信するステップと、
電源制御回路によって、電源への偽のフィードバック信号を生成するステップであって、偽のフィードバック信号は、電源の出力電圧によって生成されるフィードバック信号とは異なり、偽のフィードバック信号は、電源に、出力電圧の供給を停止させる、ステップと、
電源の出力電圧が下側電圧閾値に到達したことを判断するステップと、
電源の出力電圧が下側電圧閾値に到達したという判断に応答して、偽のフィードバック信号の生成を停止するステップと、を含む方法。
【請求項19】
下側電圧閾値を、電気メータのコンポーネントの動作のための最小電圧よりも高い値に設定するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
電源の出力電圧が上側電圧閾値に到達したことを判断するステップと、
電源の出力電圧が上側電圧閾値に到達した判断に応答して、電源制御回路によって、偽のフィードバック信号を生成するステップと、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
上側電圧閾値を、電源の調整ポイントの表示よりも低い値に設定するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
偽のフィードバック信号を生成するステップは、電気メータのフィードバック回路によって提供されるフィードバック信号のための電流を変化させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
AC電力が利用可能である場合、電源へのフィードバック信号は、出力電圧に応じて電力メータのフィードバック回路によって生成される信号だけに基づいている、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに別段の指示がない限り、このセクションに記載されている題材は、本願の請求項に対する先行技術ではなく、このセクションへの包含によって先行技術であるとは認定されない。
【背景技術】
【0002】
電気メータは、電気公共事業提供者の顧客によって消費される電力を測定する。電気メータは、建物またはその他の構造物での筐体内に搭載されたメータソケットに差し込まれ、電力配電グリッドから動作電力を引き出す。電気メータは、電気エネルギー消費量を記録し、監視および課金のために、その情報およびメータ自体の状態情報を電力提供者に伝達する。停電が発生した場合、電気メータは電力提供者と通信できなくなる。
【0003】
停電が発生した場合、電気メータが電力提供者に「ラストガスプ(last gasp: 最後の一息)」通信を提供できるように無線を動作させるために、電気メータは、限定された時間内に通信回路の動作を維持するために、蓄積キャパシタに蓄積されたエネルギーを頼りにすることがある。蓄積されたエネルギーは、電気メータ電源を動作させて無線動作を維持するのに充分である必要がある。無線を長時間動作させるのに充分なエネルギーを蓄積するために必要なキャパシタは、大型で高価になることがある。効率的な電源動作により、蓄積キャパシタから利用可能な限られたエネルギーで無線が動作できる時間を最大化できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
停電時に電気メータ用のオフライン・スイッチング電源の動作のためのシステムおよび方法が提供できる。
【0005】
種々の態様によれば、交流電流(AC)停電時に電気メータの電源の動作を制御するための電源制御回路が提供される。いくつかの態様では、電源制御回路は、電源の出力電圧の表示および電力損失信号を受信するように構成された入力部と、電力損失信号および出力電圧の表示に基づいて、出力信号を生成するように構成されたコンパレータ部と、コンパレータ部からの出力信号に基づいて、電源へのフィードバック信号を制御するように構成されたフィードバック制御部と、を含んでもよい。コンパレータ部からの出力信号によって起動されると、フィードバック制御部は、出力電圧に基づいて、フィードバック回路によって生成されたフィードバック信号に対してフィードバック信号を変化させるように構成できる。フィードバック信号の変化により、電源は出力電圧の供給を停止できる。
【0006】
種々の側面に従って、電気メータが提供される。いくつかの態様では、電気メータは、電源と、交流電流(AC)停電時に電気メータ用電源の動作を制御する電源制御回路と、を含んでもよい。電源制御回路は、電源の出力電圧の表示および電力損失信号を受信するように構成された入力部と、電力損失信号および出力電圧の表示に基づいて、出力信号を生成するように構成されたコンパレータ部と、コンパレータ部からの出力信号に基づいて、電源へのフィードバック信号を制御するように構成されたフィードバック制御部と、を含んでもよい。コンパレータ部からの出力信号によって起動されると、フィードバック制御部は、出力電圧に基づいて、フィードバック回路によって生成されたフィードバック信号に対してフィードバック信号を変化させるように構成される。フィードバック信号の変化により、電源は出力電圧の供給を停止できる。
【0007】
種々の態様によれば、交流電流(AC)停電時の電気メータ用電源の動作を制御する方法が提供される。いくつかの態様では、該方法は、電源制御回路によって、AC電力損失信号を受信するステップと、電源制御回路によって、電源への偽のフィードバック信号を生成するステップであって、偽のフィードバック信号は、電源の出力電圧によって生成されるフィードバック信号とは異なり、偽のフィードバック信号は、電源に、出力電圧の供給を停止させるステップと、電源の出力電圧が下側電圧閾値に到達したことを判断するステップと、電源の出力電圧が下側電圧閾値に到達したという判断に応答して、偽のフィードバック信号の生成を停止するステップと、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
種々の実施形態の態様および特徴は、添付図面を参照して例を説明することによって、より明らかになるであろう。
【0009】
図1】本開示のいくつかの態様によるユーティリティ(公共事業)管理システムの一例を示す図である。
図2】本開示の種々の態様による電気メータの一例を示す簡略化ブロック図である。
図3】本開示のいくつかの態様による電源制御回路を含む電気メータの一例を示す簡略化ブロック図である。
図4】本開示のいくつかの態様による電源制御回路の一例を示す簡略化した概略図である。
図5】本発明の態様による停電時の電気メータ用オフライン・スイッチング電源の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の実施形態を説明しているが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、保護の範囲を制限することを意図していない。ここで説明する装置、方法およびシステムは、種々の別の形態で具現化できる。さらに、ここで説明した例示の方法およびシステムの形態において、種々の省略、置換および変更を保護の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0011】
電気メータが、電気公共事業(ユーティリティ)提供者の顧客によって消費される電力を測定する。電気メータは、建物またはその他の構造物での筐体内に搭載されたメータソケットに差し込まれ、電気公共事業によって供給される電力と顧客との接続を提供する。電気メータは、電力グリッドを介して顧客施設に供給される電気を測定し制御する。電気メータは、通信モジュールと組み合わせて、メータは、他のメータおよび電力公共事業と通信できるようにする。電気メータは、ユーティリティ管理システムの一部であってもよい。
【0012】
図1は、本開示の種々の態様に係る、ユーティリティ管理システム100の一例を示す図である。図1を参照すると、ユーティリティ管理システム100は、電気メータ105と、ヘッドエンドシステム110と、ストレージデバイス120とを含むことができる。図1は説明容易のために1つの電気メータ105を示しているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、複数の電気メータ105が、開示されるユーティリティ管理システム100に含められることは理解するであろう。
【0013】
電気メータ105は、顧客施設130におけるエネルギー使用量を監視および/または記録して、エネルギー使用量に関する情報をヘッドエンドシステム110に伝達できる。例えば、電気メータ105は、顧客施設130における合計エネルギー使用量を継続的に監視し記録できる。本開示の種々の態様に従って、電気メータ105は、顧客施設130におけるエネルギー使用量に関連する日の曜日および時刻を監視および/または記録し、その情報をヘッドエンドシステム110に伝達できる。さらに、電気メータ105は、異常な測定値および/またはイベント、例えば、停電(これに限定されない)を検出および/または記録するセンサとして機能できる。当業者であれば、例えば、平均消費電力、ピーク電力など(これらに限定されない)の他の情報が電力メータ105によって監視され伝達できることを理解するであろう。
【0014】
電気メータ105は、特定の通信インタフェースに適した通信プロトコルを用いて、当業者に知られている有線または無線の通信インタフェースを介してヘッドエンドシステム110と通信できる。様々な有線または無線の通信インタフェースおよび関連する通信プロトコルが、ヘッドエンドシステム110との通信のために電気メータ105に実装できる。例えば、いくつかの実施形態では、有線通信インタフェースが実装されるとともに、他の実施形態では、電気メータ105とヘッドエンドシステム110との間の通信のために無線通信インタフェースが実装されてもよい。いくつかの実施形態では、無線メッシュネットワークが、複数の電気メータ105と接続できる。複数の電気メータ105は、他のネットワークと通信して、ヘッドエンドシステム110にデータを送信するコレクタ(図示せず)にデータを送信できる。電気メータ105は、無線周波数(RF)、セルラー、または電力線通信を使用して通信できる。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、別の通信方法が使用できることを理解するであろう。
【0015】
ヘッドエンドシステム110は、ストレージデバイス120を含んでもよい。ストレージデバイス120は、例えば、1つ以上のハードディスクドライブ、ソリッドステートメモリデバイス、または他のコンピュータ読み取り可能なストレージメディアなど(これらに限定されない)でもよい。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、他のストレージ構成が使用できることを理解するであろう。データベース125は、ストレージデバイス120に保存できる。データベース125は、電気メータ105から収集された情報を保存できる。例えば、データベース125は、負荷の動作情報、例えば、負荷によって消費される平均電力、負荷によって消費されるピーク電力など(これらに限定されない)と相関する日の曜日および時間を含んでもよい。当業者であれば、この情報は例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、他の情報がデータベース125に含められることを理解するであろう。
【0016】
ヘッドエンドシステム110および電気メータ105は、電力分配グリッド140に接続できる。電力分配グリッド140は、電力(不図示)を発生する発電所(不図示)、送電のために電圧を昇圧したり、配電のために電圧を降圧したりする変電所(不図示)、高電圧送電線(不図示)、および配電線(不図示)を含むことができる。
【0017】
図2は、本開示のいくつかの態様に係る電気メータ200の一例を示す簡略化ブロック図である。電気メータ200は、例えば、図1の電気メータ105でもよい。電気メータ200は、スマートメータまたはスマート電気メータとも呼ばれる。電気メータ200は、制御回路205と、メモリ220と、通信モジュール230と、各種センサ240と、電源260と、1つ以上の蓄積キャパシタ270とを含むことができる。
【0018】
制御回路205は、プロセッサ210と、メモリ220と、測定回路250と、電源制御回路265とを含むことができる。プロセッサ210は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスでもよい。プロセッサ210は、メモリ220、通信モジュール230およびセンサ240と電気通信できる。プロセッサ210は、電気メータ200の全体動作を制御できる。プロセッサ210は、エネルギー使用量、電圧、電流など(これらに限定されない)を含む、電気メータ200の種々のセンサ240によって生成されるデータを受信し、そのデータまたはその処理について演算を実行できる。プロセッサ210は、通信モジュール230と通信して、種々の動作パラメータ(例えば、エネルギー使用量など)、診断データ(例えば、エラー状態など)、または他の電気メータ情報(例えば、GPS座標など)を、有線または無線ネットワークを介してヘッドエンドシステムおよび/または他の電気メータに送信できる。
【0019】
メモリ220は、例えば、ソリッドステートストレージデバイスまたは他のストレージデバイスなどのストレージデバイスでもよく、揮発性または不揮発性のストレージまたはメモリの組合せでもよい。いくつかの実施形態では、メモリの一部が、プロセッサ210に含まれてもよい。メモリ220は、プロセッサ210によって実行可能な命令、そして電気メータ200の各種センサ240およびプロセッサ210によって実行可能なその他のアプリケーションによって生成されたデータを保存するように構成できる。
【0020】
通信モジュール230は、例えば、AMIプロトコル、RFプロトコル、セルラープロトコル、PLCネットワークプロトコルなど(これらに限定されない)、当該分野で知られている種々の有線または無線プロトコルを介して通信するように動作可能な有線または無線トランシーバでもよい。通信モジュール230は、通信モジュール230の動作を制御するように構成されたプロセッサ235を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール230は、AMI無線および/またはAMR無線237を含むAMIデバイスおよび/またはAMRデバイスを含んでもよい。AMI無線および/またはAMR無線237は、無線周波数(RF)技術または電力線通信(PLC)を使用して、ヘッドエンドシステムとの間でデータを送受信できる。通信モジュール230により、電気メータ200は、ネットワーク(例えば、AMIネットワークなど)内の他の電気メータおよびユーティリティプロバイダ(例えば、ヘッドエンドシステムなど)と通信できる。通信モジュール230は、データおよびアラーム信号をユーティリティプロバイダに送信し、更新されたプログラム命令、ファームウェアの更新、その他の設定の更新、またはその他の通信のいずれかを受信できる。
【0021】
センサ240は、電圧センサ、電流センサ、加速度計、傾斜スイッチ、温度センサ、および電気メータ200の電気的特性および物理的特性を監視するように構成された他のセンサ(これらに限定されない)を含んでもよい。
【0022】
測定回路250は、センサ240とインタフェース接続できる。測定回路250は、センサ240からアナログ信号を受信し、そのアナログ信号を、プロセッサ210で処理できるデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタル(A/D)コンバータ256を含んでもよい。
【0023】
電源260は、直流(DC)電源であり、電気メータ200が接続されるグリッドからの1次交流(AC)電圧を整流することによって生成される1次DC電圧を受信できる。電源260は、ここではオフライン・スイッチング電源またはオフライン電源とも称することがある。いくつかの実装では、電源260は、1次AC電圧を受信して整流してもよい。電源260は、1次DC電圧からより低い2次DC電圧を生成できる。電源260によって生成される2次DC電圧は、電気メータ200の他のコンポーネントにDC電力を供給できる。
【0024】
電源制御回路265は、グリッドからの1次AC電圧の損失の際に、電源260がその動作スイッチング周波数で動作できる時間の量を制御できる。電源制御回路265は、AC電力損失信号を受信し、2次DC電圧が所定の下側閾値まで減少した後だけ電源260を動作させ、2次DC電圧が所定の上側電圧閾値まで上昇した場合、電源260の動作を停止させることができる。電源制御回路265は、2次DC電圧が下側閾値および上側閾値に到達すると、1次ホールドアップキャパシタ270に蓄積されたエネルギーが枯渇するまで、電源260のオン/オフ・デューティサイクルを継続させることができる。
【0025】
電気メータ200はさらに、1つ以上の安定化電源262を含んでもよい。安定化電源262は、電源260から出力される2次DC電圧を受けて、2次DC電圧を、例えば、AMI無線および/またはAMR無線237など(これらに限定されない)の電気メータ200の他の回路を動作させるためにより低いDC電圧に調整できる。
【0026】
蓄積キャパシタ270は、停電直後に短時間で1次電力を電気メータ200に供給できる。蓄積キャパシタ270は、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタとも称される電気二重層キャパシタ(EDLC)、または他のタイプのキャパシタでもよい。蓄積キャパシタ270は、電気メータ200がヘッドエンドシステムに「ラストガスプ」メッセージを送信できるように、限定された時間の間に電源260を動作させるのに充分なエネルギーを蓄積できる。「ラストガスプ」メッセージは、停電の通知、そして、停電時のその他の情報(例えば、エネルギー使用量、エラー状態、その他の電気メータ情報など)を含んでもよい。
【0027】
オフライン・スイッチング電源は、低い負荷に電力を供給しながら、効率を増加させるために動作を変更できるが、動作が低い効率(例えば、50%未満)で損失が多くなることがある。オフライン・スイッチング電源のデフォルトの低負荷制御メカニズムは、出力の良好な調整を維持し、そのため、調整を維持するために、kHz範囲の周波数でスイッチングサイクルを動作させる。
【0028】
本開示のいくつかの態様によれば、オフライン・スイッチング電源のパルス動作によって、電気メータが「ラストガスプ」メッセージを送信する動作時間が延長できる。パルス動作は、オフライン・スイッチング電源へのフィードバック信号をオーバーライド(上書き)することによって達成でき、それによってオフライン・スイッチング電源のオンオフ周期動作のオフ時間を通常時間よりも長く延長できる。オフライン・スイッチング電源が再びオンになると、電源効率曲線上でより高い全負荷に近い状態で動作できる。
【0029】
延長されたオフ時間は、2次電圧に大きなリップルを導入する可能性があるが、停電時に電気メータに電力を供給するなど、一部のアプリケーションでは、増加したリップルは許容されることがある。オフライン・スイッチャーのパルス動作により、より高い効率のスイッチングサイクルを使用できるため、電源の1次側から2次側へのより高いエネルギー転送に変換する。エネルギー転送量が高くなるほど、停電時に電気メータの2次電圧のより長いホールドアップ時間をもたらすことができる。電気メータでの想定される使用事例アプリケーションでは、ホールドアップ時間の約7.5%の増加が提供できる。
【0030】
図3は、本開示のいくつかの態様による電源制御回路365を含む、電気メータ300の一例を示す簡略化ブロック図である。図3を参照すると、電気メータ300は、オフライン・スイッチング電源310と、第1安定化電源320と、第2安定化電源325と、制御回路305とを含むことができる。制御回路305は、例えば、図2の制御回路205でもよい。電源制御回路365は、制御回路305の一部でもよく、制御回路とは別個の回路でもよい。電源制御回路365は、例えば、図2の電源制御回路265でもよい。オフライン・スイッチング電源310は、電気メータ300の1次DC電圧からの入力電圧で動作できる。1次DC電圧は、全波整流器302によって整流されたACライン電圧から生成できる。1次DC電圧は、例えば、350ボルトDC(VDC)または他のDC電圧でもよい。オフライン・スイッチング電源310は、第1安定化電源320および第2安定化電源325に2次DC電圧Vsecを供給できる。
【0031】
オフライン・スイッチング電源310は、1次DC電圧を、より低い2次DC電圧Vsecに変換するように動作可能なスイッチング電源、例えば、昇降圧(buck-boost)電源またはその他の電源(これらに限定されない)でもよい。2次DC電圧Vsecは、例えば、12VDCまたは他のDC電圧でもよい。オフライン・スイッチング電源310は、結合インダクタ315の1次巻線に蓄積されたエネルギーを、結合インダクタ315の2次巻線に周期的に転送することによって、1次DC電圧を2次DC電圧Vsecに変換できる。1次DC電圧に接続された回路と2次DC電圧に接続された回路との間の電気絶縁(例えば、ガルバニック絶縁)は、結合インダクタ315によって設けてもよい。いくつかの実装では、結合インダクタ315は、変圧器でもよい。2次DC電圧Vsecの絶縁フィードバックが、絶縁デバイス312、例えば、オプト(光)カプラ、またはその他の絶縁デバイス(これらに限定されない)などを介してオフライン・スイッチング電源310に提供できる。
【0032】
第1安定化電源320は、オフライン・スイッチング電源310によって供給される2次DC電圧Vsecを、より低い電圧、例えば、3.6VDCまたは他のDC電圧などに変換するように動作可能なスイッチング電源またはその他の電源でもよい。第1安定化電源320は、電気メータ300のコンポーネント、例えば、AMI無線および/またはAMR無線330など(これらに限定されない)に電力を供給できる。
【0033】
第2安定化電源325は、オフライン・スイッチング電源310によって供給される2次DC電圧Vsecを、より低い電圧、例えば、3.3VDCまたは他のDC電圧に変換するように動作可能なスイッチング電源またはその他の電源でもよい。第2安定化電源325は、AC停電時に動作する必要のない補助回路および/またはコンポーネントに電力を供給できる。補助回路340および/またはコンポーネントは、AC停電時にスイッチオフになることがある。
【0034】
AC停電が発生した場合、電源制御回路365は、AC電力の損失を示すAC電力損失検出回路(不図示)からAC電力損失信号352を受信できる。電源制御回路365は、絶縁デバイス312を介してオフライン・スイッチング電源310に偽のフィードバック信号354を提供するように動作する場合がある。偽のフィードバック信号354は、2次DC電圧Vsecが実際の2次DC電圧Vsecよりも高いという指示をオフライン・スイッチング電源310に提供する場合がある。2次DC電圧Vsecが実際の2次DC電圧Vsecよりも高いことを示す偽のフィードバック信号を提供することにより、オフライン・スイッチング電源310が長時間に渡ってオフ状態(例えば、スイッチングなし)のままになる可能性がある。
【0035】
2次DC電圧Vsecが所定の下側閾値に到達した場合、電源制御回路365は、実際のフィードバック信号(例えば、実際の2次DC電圧Vsecによって生成されたフィードバック信号)をオフライン・スイッチング電源310に提供できる。下側閾値は、電気メータの所定のコンポーネント、例えば、AMP/AMR無線やその他のコンポーネントなど(これらに限定されない)を動作させるのに必要な最小電圧でもよい。実際のフィードバック信号は、オフライン・スイッチング電源装置310に、2次DC電圧Vsecが調整ポイントより低いという指示を提供し、これによりオフライン・スイッチング電源装置310をフル動作周波数デューティサイクルで動作することを開始させ、通常の安定化2次DC電圧Vsec出力に迅速に到達しようとする。いくつかの実装では、オフライン・スイッチング電源は、固定デューティサイクルおよび可変スイッチング周波数で動作してもよい。こうした実装では、オフライン・スイッチング電源は、そのスイッチング周波数を増加でき、通常の安定化2次DC電圧Vsec出力に到達しようとする。
【0036】
2次DC電圧Vsecが所定の上側閾値に到達した場合、電源制御回路365は再び動作して、オフライン・スイッチング電源310に偽のフィードバック信号354を提供する場合がある。所定の上側閾値は、通常の安定化2次DC電圧よりも低く設定される場合がある。偽のフィードバック信号354は、2次DC電圧Vsecが実際の2次DC電圧Vsecよりも高いという指示を提供することがあり、これによりオフライン・スイッチング電源310をオフにする(例えば、スイッチングを停止する)。電源制御回路365は、2次DC電圧が下側電圧閾値および上側電圧閾値に到達すると、1次ホールドアップキャパシタ370に蓄積されたエネルギーが枯渇するまで、オフライン・スイッチング電源310のオン/オフ・デューティサイクルを継続させてもよい。
【0037】
図4は、本開示のいくつかの態様に係る電源制御回路400の一例を示す簡略化した概略図である。電源制御回路400は、例えば、図3の電源制御回路365でもよい。図4を参照すると、電源制御回路365は、入力部401、コンパレータ部402、およびフィードバック制御部403を含むことができる。
【0038】
入力部401は、AC電力損失352および出力電圧Vsec404を監視し、コンパレータ部402に入力信号を提供するように機能するコンポーネントを含むことができる。例えば、コンパレータ部への出力電圧Vsec404の印加は、第1スイッチング素子405によって制御でき、第2スイッチング素子410は、AC電力損失352を監視できる。スイッチング素子は、トランジスタ、例えば、MOSFET、バイポーラトランジスタ、またはその他のトランジスタタイプなどでもよい。いくつかの実装では、入力部401の機能は、オペアンプなどのアナログ回路によって提供され、あるいは、AC電力損失を監視し、出力電圧を制御するように構成されたプロセッサによって提供され、あるいは、プロセッサによって制御される論理ゲートを介して提供されてもよい。
【0039】
コンパレータ部402は、コンパレータ420と、フィードバックコンポーネントとを含んでもよい。コンパレータは、例えば、オペアンプ、プロセッサ、論理ゲートなど(これらに限定されない)でもよい。フィードバック制御部403は、第3スイッチング素子415を含んでもよい。
【0040】
電気メータの通常動作時は、フィードバック回路450は、出力電圧Vsec404を検知し、検知信号452を絶縁デバイス312に提供する。検知信号452により、絶縁デバイス312は、オフライン・スイッチング電源310へのフィードバック信号354を生成する。フィードバック信号354により、オフライン・スイッチング電源310は、出力電圧Vsec404を、所定の電圧、例えば、12VDCまたは他のDC電圧に調整できるようになる。
【0041】
オフライン・スイッチング電源310の出力電圧Vsec404は、第1スイッチング素子405に印加されてもよい。いくつかの実装では、出力電圧Vsec404の表示が、第1スイッチング素子405に適用されてもよい。例えば、この表示は、電圧分配器のスケール設定された出力電圧でもよく、あるいは、出力電圧Vsec404に依存する他の電圧が第1スイッチング素子405に印加されてもよい。第1スイッチング素子405は、例えば、pチャネルMOSFETまたは他のスイッチング素子でもよい。AC電力の損失が検出された場合、電源損失検出回路(不図示)は、第2スイッチング素子410にAC電力損失信号352を生成できる。第2スイッチング素子410は、例えば、nチャネルMOSFETまたは他のスイッチング素子でもよい。
【0042】
AC電力損失信号352が受信された場合、第2スイッチング素子410は、第1スイッチング素子405に、オフライン・スイッチング電源310の出力電圧Vsec404、または出力電圧Vsec404の表示を、コンパレータ420の第1入力422(例えば、正入力)に提供させてもよい。基準電圧406が、コンパレータ420の第2入力424(例えば、負入力)に印加されてもよい。基準電圧406は、所定のコンポーネント、例えば、AMV/AMR無線330などのための動作電圧、または電気メータの回路の他の部分の動作電圧でもよい。基準電圧406は、オフライン・スイッチング電源310の出力電圧Vsec404を、より低い電圧、例えば、3.6VDCまたは他の電圧に調整することによって生成される電圧でもよい。いくつかの実装では、基準電圧406の表示が、コンパレータ420の第2入力424に印加されてもよい。例えば、この表示は、電圧分配器のスケール設定された出力電圧でもよく、あるいは、所定のコンポーネントのための動作電圧に依存した他の電圧がコンパレータ420の第2入力424に印加されてもよい。
【0043】
AC電力損失信号352が受信された直後に、コンパレータ420の第1入力422に印加される出力電圧Vsec404または出力電圧Vsec404の表示を用いて、コンパレータ420の出力信号は、フィードバック信号を変化させてもよい。例えば、コンパレータ420の出力信号は、ハイ状態になることができ、これにより第3スイッチング素子415は電流を導通させる。第3スイッチング素子415は、例えば、nチャネルMOSFETまたは他のスイッチング素子でもよい。第3スイッチング素子415を経由して導通される電流は、絶縁デバイス312を介して引き出され、これにより絶縁デバイス312に、出力電圧Vsec404に基づいて、フィードバック回路450によって提供される検知信号452から生成されるものよりも高いフィードバック信号354(例えば、偽のフィードバック信号)を生成させる。たとえ実際の出力電圧Vsec404が、出力電圧Vsec404について所定の調整ポイントより下方に減少したとしても、より高いフィードバック信号354により、オフライン・スイッチング電源310をオフ状態(例えば、スイッチングなし)にできる。いくつかの実装では、コンパレータ420の動作により、フィードバック信号を減少させてもよい。
【0044】
ある時間の後、オフライン・スイッチング電源310がオフ状態になるため、出力電圧Vsec404は、所定の下側閾値、例えば、4VDCまたは他のDC電圧まで減少してもよい。下側閾値は、電気メータの所定のコンポーネント、例えば、AMI/AMR無線やその他のコンポーネントなど(これらに限定されない)を動作させるのに必要な最小電圧よりも高くてもよい。出力電圧Vsec404が所定の下側閾値に減少した場合、コンパレータ420の出力信号は、ロー状態に変化でき、第3スイッチング素子415に電流の導通を停止させる。フィードバック回路450によって提供される検知信号452により、実際の出力電圧Vsec404に基づいて、絶縁デバイス312にフィードバック信号354を生成させることができる。実際の出力電圧Vsec404は、出力電圧Vsec404の所定の調整ポイントよりもかなり低い(例えば、4VDC)可能性があるため、フィードバック信号354により、オフライン・スイッチング電源310は、実質的にそのフルの動作スイッチング周波数デューティサイクルでオンになり、出力電圧Vsec404を調整にできる。
【0045】
出力電圧Vsec404が、所定の調整ポイント(例えば、12VDC)に向けて増加すると、上側閾値に到達する可能性がある。上側閾値は、所定の調整ポイント(例えば、10VDCまたは他の電圧)よりも低くてもよい。いくつかの実装において、上側閾値は、所定の調整ポイントのスケール設定された表示でもよい。例えば、この表示は、電圧分配器のスケール設定された出力電圧、あるいは、所定の調整ポイントに依存するその他の電圧でもよい。出力電圧Vsec404が上側閾値に到達した場合、コンパレータ420の出力信号は、再びロー状態からハイ状態に変化して、第3スイッチング素子415は電流を導通させる。ハイ状態にあるコンパレータの出力信号は、出力電圧Vsec404に比例してもよく、出力電圧Vsec404の減少とともに減少してもよい。第3スイッチング素子415によって導通される電流により、絶縁デバイス312は、偽の(例えば、より高いまたはより低い)フィードバック信号354を生成することができ、これにより出力電圧Vsec404が所定の調整ポイント未満であっても、オフライン・スイッチング電源310をオフ状態(例えば、スイッチングなし)できる。
【0046】
電源制御回路400は、出力電圧Vsec404が下側閾値および上側閾値に到達すると、1次ホールドアップキャパシタ370に蓄積されたエネルギーが枯渇するまで、オフライン・スイッチング電源310のオン/オフ・デューティサイクルを継続させることができる。コンパレータ420の状態を変化させる上側および下側の電圧閾値は、コンパレータ部402内のフィードバックコンポーネントの適切な選択によって設定でき、当業者に知られているように、コンパレータ420のためのヒステリシスを提供できる。
【0047】
図5は、本発明の態様に係る、停電時に電気メータ用のオフライン・スイッチング電源の動作方法500の一例を示すフローチャートである。図5を参照すると、ブロック510において、AC電源損失信号が受信できる。デューティサイクル制御回路、例えば、電源制御回路400は、電気メータへのAC電力の損失を示す、AC電力損失検出回路からのAC電力損失信号を受信してもよい。
【0048】
ブロック520において、偽のフィードバック信号が生成できる。AC電力損失信号を受信すると、電源制御回路は、オフライン・スイッチング電源(例えば、オフライン・スイッチング電源310)に偽の(例えば、より高いまたはより低い)フィードバック信号を生成できる。偽のフィードバック信号は、オフライン・スイッチング電源の出力電圧が実際の出力電圧よりも高いという指示をオフライン・スイッチング電源に提供できる。偽のフィードバック信号により、オフライン・スイッチング電源を長時間に渡ってオフ状態(例えば、スイッチングなし)のままにできる。
【0049】
ブロック530において、出力電圧が下側閾値に到達したかどうかが判断できる。下側閾値は、電気メータの所定のコンポーネント、例えば、AMI/AMR無線またはその他のコンポーネント(これらに限定されない)など、を動作させるのに必要な最小電圧よりも高い電圧でもよい。出力電圧が下側閾値に到達していないという判断に応答して(530-N)、ブロック520において偽のフィードバック信号が引き続いて生成されてもよい。
【0050】
出力電圧が下側閾値に到達したという判断に応答して(530-Y)、ブロック540において、偽のフィードバック信号の生成が停止されてもよい。電源制御回路は、オフライン・スイッチング電源へ偽の(例えば、より高いまたはより低い)フィードバック信号を生成するのを停止できる。実際のフィードバック信号は、電力メータのフィードバック回路によって生成できる。フィードバック回路は、出力電圧を検知し、絶縁デバイスに検知信号を提供し、実際の出力電圧に基づいて、絶縁デバイスにオフライン・スイッチング電源へのフィードバック信号を生成させる。フィードバック信号により、オフライン・スイッチング電源は、出力電圧404を所定の電圧、例えば、12VDCに調整することが可能になる。
【0051】
ブロック550において、出力電圧が上側閾値に到達したかどうかが判定できる。出力電圧Vsec404が、出力電圧について所定の調整ポイント(例えば、12VDC)に向けて増加すると、上側閾値に到達する可能性がある。上側閾値は、所定の調整ポイント(例えば、10VDCまたは他の電圧)よりも低い場合がある。いくつかの実装では、上側閾値は、所定の調整ポイントのスケール設定された表示でもよい。出力電圧が上側閾値以上ではないとの判断に応答して(550-N)、ブロック540において、偽のフィードバック信号ではなく、実際のフィードバック信号が引き続いて生成できる。
【0052】
出力電圧が上側閾値に到達していないとの判断に応答して(550-Y)、ブロック520において、偽のフィードバック信号が再び生成される可能性がある。電源制御回路は、出力電圧が下側および上側電圧閾値に到達すると、1次ホールドアップキャパシタに蓄積されたエネルギーが枯渇するまで、オフライン・スイッチング電源のオン/オフ・デューティサイクルを継続させてもよい。
【0053】
図5に示す具体的な動作は、本開示の実施形態に従って、停電時に電気メータ用のオフライン・スイッチング電源の特定の動作方法を提供する。他の動作シーケンスは、代替の実施形態に従って実行してもよい。例えば、本開示の代替の実施形態では、上述した動作を異なる順序で実行してもよい。さらに、図5に示す個々の動作は、個々の動作にとって適切なように種々のシーケンスで実行できる複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定のアプリケーションに応じて追加の動作が追加または除去されてもよい。
【0054】
方法500は、プロセッサ、コンピュータ、または他のプログラム可能なデバイスに、方法の動作を実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含むプログラムを内部に保存している、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、メモリ220または当業者に知られているその他の非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体(これらに限定されない)上で具現化できる。
【0055】
ここで説明する例および実施形態は、説明目的のためだけである。これを踏まえた種々の変更または変化は、当業者には明らかであろう。これらは、本願の精神および範囲内、ならびに添付の請求項の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】