IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カリブー・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-537471エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ
<>
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図1
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図2
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図3
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図4
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図5
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図6
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図7
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図8
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図9
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図10
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図11
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図12
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図13
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図14
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図15
  • 特表-エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】エキソヌクレアーゼ連動式リアルタイムエンドヌクレアーゼ活性アッセイ
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/44 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
C12Q1/44 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525018
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022078583
(87)【国際公開番号】W WO2023076857
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,091
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515251115
【氏名又は名称】カリブー・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・スミス
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ34
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR14
4B063QR32
4B063QR58
4B063QS28
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を評価する高速in vitro方法、およびそのための基質を含む。組成物、診断方法、およびキットも開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドヌクレアーゼの活性を検知するための核酸基質であって:
(a)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
(b)エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの核酸鎖における少なくとも1つの構造;ならびに
(c)エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含む核酸基質。
【請求項2】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項3】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項4】
アクセプターフルオロフォアは、クエンチャーフルオロフォアである、請求項1に記載の基質。
【請求項5】
ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、1~12ヌクレオチド離して配置されている、請求項1に記載の基質。
【請求項6】
ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、基質の同じ鎖上に配置されている、請求項1に記載の基質。
【請求項7】
ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、基質の異なる鎖上に配置されている、請求項1に記載の基質。
【請求項8】
一本鎖により形成されている、請求項1に記載の基質。
【請求項9】
ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアの一方は、基質の5’末端またはその付近に配置されている、請求項1に記載の基質。
【請求項10】
ドナーフルオロフォアは、5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM)、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2’,4’,1,4,-テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、クマリン色素、Alexa Fluor色素、IRDye 800CW、カスケードブルー、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、テキサスレッド、およびBODIPY(登録商標)色素からなる群から選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項11】
アクセプターフルオロフォアは、テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラプロパノ-6-カルボキシローダミン(ROX)、DABSYL、DABCYL(4-[[4-(ジメチルアミノ)-フェニル]-アゾ]-安息香酸)、Cy5およびCy5.5、アントラキノン色素、ニトロチアゾール色素、ニトロイミダゾール色素、LC-Red610、LC-Red640、LC-Red705、JA286、DDQ-I、DDQ-II、QSY-7、QSY-21、IRDye QC1、Iowa Black FQ、Iowa Black RQ、HEX(ヘキサクロロ-フルオレセイン)、TET(テトラクロロ-フルオレセイン)、JOE(5’-ジクロロ-ジメトキシ-フルオレセイン)、BODIPY(登録商標)色素、Eclipseクエンチャー(4-[[2-クロロ-4-ニトロ-フェニル]-アゾ]-アニリン、BHQ-1([(4-(2-ニトロ-4-メチル-フェニル)-アゾ)-イル-((2-メトキシ-5-メチル-フェニル)-アゾ)]-アニリン)、BHQ-2([(4-(1-ニトロ-フェニル)-アゾ)-イル-((2,5-ジメトキシ-フェニル)-アゾ)]-アニリン)、ならびにピリジニル-イソキノリン-ジオン色素からなる群から選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項12】
エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼである、請求項1に記載の基質。
【請求項13】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびBAL31エキソヌクレアーゼから選択される、請求項12に記載の基質。
【請求項14】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項1に記載の基質。
【請求項15】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼである、請求項14に記載の基質。
【請求項16】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項15に記載の基質。
【請求項17】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなる、請求項16に記載の基質。
【請求項18】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである、請求項1に記載の基質。
【請求項19】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼである、請求項18に記載の基質。
【請求項20】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼである、請求項19に記載の基質。
【請求項21】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項20に記載の基質。
【請求項22】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’から選択される配列からなる、請求項21に記載の基質。
【請求項23】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)は、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなる、請求項21に記載の基質。
【請求項24】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項14に記載の基質。
【請求項25】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項24に記載の基質。
【請求項26】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項24に記載の基質。
【請求項27】
NATNAは、基質中の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項24に記載の基質。
【請求項28】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項24に記載の基質。
【請求項29】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項24に記載の基質。
【請求項30】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項31】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項1に記載の基質。
【請求項32】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項31に記載の基質。
【請求項33】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項32に記載の基質。
【請求項34】
エンドヌクレアーゼはデオキシリボヌクレアーゼであり、基質はDNAを含有する、請求項1に記載の基質。
【請求項35】
エンドヌクレアーゼはリボヌクレアーゼであり、基質はRNAを含有する、請求項1に記載の基質。
【請求項36】
リボヌクレアーゼは、リボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、DNAザイム、PNAザイム、またはエンジニアリングされたエンドリボヌクレアーゼから選択される、請求項35に記載の基質。
【請求項37】
請求項1に記載の核酸基質を含み、エキソヌクレアーゼをさらに含む、エンドヌクレアーゼの活性を検知するための組成物。
【請求項38】
エンドヌクレアーゼをさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼである、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびBAL31エキソヌクレアーゼから選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項41】
エキソヌクレアーゼは、ニックから加水分解を開始することが可能である、請求項37に記載の組成物。
【請求項42】
エキソヌクレアーゼは、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼBal31、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項43】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項37に記載の組成物。
【請求項44】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項46】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項47】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項49】
NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項50】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項46に記載の組成物。
【請求項51】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項52】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項53】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項54】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
エンドヌクレアーゼの活性を検知する方法であって:
(a)エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼを、核酸基質を含む反応混合物に接触させることであって、核酸基質は:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含むこと、ならびに
(b)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すこと
を含む方法。
【請求項57】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
工程(a)における接触させることは、同じNATNAを含む一連の反応混合物を一連の異なるエンドヌクレアーゼに接触させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項72】
工程(a)における接触させることは、同じエンドヌクレアーゼを含む一連の反応混合物を一連の異なるNATNAに接触させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項73】
工程(a)における接触させることは、同じ成分を含む一連の反応混合物を異なる反応条件下で接触させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項74】
工程(a)における接触させることは、同じ成分を含む一連の反応混合物をエンドヌクレアーゼの異なる単離物に接触させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項75】
工程(a)における接触させることは、同じエンドヌクレアーゼを含む一連の反応混合物を、異なる配列を含む一連の異なる核酸基質に接触させることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項76】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項77】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項78】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
核酸基質またはエンドヌクレアーゼは未精製形態にある、請求項56に記載の方法。
【請求項81】
エンドヌクレアーゼの活性を検知するためのキットであって:
(a)核酸基質であって:
(i)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
(ii)エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびに
(iii)エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含む核酸基質と;
(b)エキソヌクレアーゼと
を含むキット。
【請求項82】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項81に記載のキット。
【請求項83】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項81に記載のキット。
【請求項84】
試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項81に記載のキット。
【請求項85】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項84に記載のキット。
【請求項86】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項84に記載のキット。
【請求項87】
試験されるエンドヌクレアーゼと複合体を形成することが可能な核酸ターゲティング核酸(NATNA)をさらに含む、請求項84に記載のキット。
【請求項88】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項87に記載のキット。
【請求項89】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項87に記載のキット。
【請求項90】
NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項87に記載のキット。
【請求項91】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項87に記載のキット。
【請求項92】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項87に記載のキット。
【請求項93】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項81に記載のキット。
【請求項94】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項81に記載のキット。
【請求項95】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項94に記載のキット。
【請求項96】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項95に記載のキット。
【請求項97】
請求項1に記載の基質を用いてエンドヌクレアーゼの活性を検知するための装置であって:酵素反応を行うための反応チャンバおよび蛍光検知器を含む装置。
【請求項98】
サンプル中のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:
(a)エンドヌクレアーゼと、エキソヌクレアーゼと、ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能な核酸プローブとを含む反応混合物にサンプルを接触させることであって、プローブは:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含むこと、ならびに
(b)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すこと
を含む方法。
【請求項99】
エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項98に記載の方法。
【請求項103】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
NATNAは、プローブの一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項105に記載の方法。
【請求項110】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項111】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項112】
エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項98に記載の方法。
【請求項113】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
サンプルは核酸の粗製剤を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項116】
サンプル中の2つ以上のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:
(a)エンドヌクレアーゼと、エキソヌクレアーゼと、2つ以上の核酸プローブとを含む反応混合物にサンプルを接触させることであって、核酸プローブは、各々が2つ以上のターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能であり、各プローブが:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含むこと、ならびに
(b)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すこと
を含む方法。
【請求項117】
2つ以上の核酸プローブの各々が、少なくとも1つの異なるフルオロフォアを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
2つ以上の核酸プローブのすべてが、同じフルオロフォアを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項119】
エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項120】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項121】
2つ以上のターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項122】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項116に記載の方法。
【請求項123】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
少なくとも1つのNATNAが、2つ以上のプローブの各々のために使用され、各NATNAは、少なくとも1つのプローブの一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項125に記載の方法。
【請求項130】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項131】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項132】
エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項116に記載の方法。
【請求項133】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項134】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
サンプルは核酸の粗製剤を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項136】
サンプル中のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:
(a)サンプル中のターゲット核酸に:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を結合させることにより、修飾された核酸を形成すること、ならびに
(b)エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼにサンプルを接触させること;
(c)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すこと
を含む方法。
【請求項137】
エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
工程(a)における結合させることは、ドナーフルオロフォア、アクセプターフルオロフォア、およびエキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造を含むアダプターのライゲーションを介する、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
工程(a)における結合させることの前に、ターゲット核酸がPCRによって増幅される、請求項136に記載の方法。
【請求項141】
結合させることは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造を含む増幅プライマーを用いた1つまたはそれ以上のラウンドの伸長を介する、請求項136に記載の方法。
【請求項142】
ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項143】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項136に記載の方法。
【請求項144】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項143に記載の方法。
【請求項146】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項143に記載の方法。
【請求項147】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項146に記載の方法。
【請求項149】
NATNAは、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項146に記載の方法。
【請求項150】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項146に記載の方法。
【請求項151】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項146に記載の方法。
【請求項152】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項153】
エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項154】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
サンプルは核酸の粗製剤を含む、請求項136に記載の方法。
【請求項157】
請求項116に記載の方法に従う診断手順を行うためのキットであって:
エンドヌクレアーゼと、
ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能な核酸プローブと
を含み、プローブは:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含み、かつ、
(b)反応混合物により放出された蛍光を測定し、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示し、
ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、キット。
【請求項158】
エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項157に記載のキット。
【請求項159】
エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択されるエキソヌクレアーゼをさらに含む、請求項157に記載のキット。
【請求項160】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項157に記載のキット。
【請求項161】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項160に記載のキット。
【請求項162】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項160に記載のキット。
【請求項163】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、核酸ターゲティング核酸(NATNA)と複合したCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項160に記載のキット。
【請求項164】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項163に記載のキット。
【請求項165】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項163に記載のキット。
【請求項166】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項163に記載のキット。
【請求項167】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項157に記載のキット。
【請求項168】
エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項157に記載のキット。
【請求項169】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項168に記載のキット。
【請求項170】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項169に記載のキット。
【請求項171】
サンプル中のターゲット核酸の存在を検知するためのキットであって、方法は、修飾された核酸を形成するためにターゲット核酸に結合させることが可能な1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドは:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造
を含み;
修飾された核酸は、エンドヌクレアーゼのための認識配列、およびエンドヌクレアーゼを含み、
ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、キット。
【請求項172】
エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項171に記載のキット。
【請求項173】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項171に記載のキット。
【請求項174】
結合させることは、ターゲット核酸へのオリゴヌクレオチドのライゲーションを介し、キットは場合により、リガーゼを含む、請求項171に記載のキット。
【請求項175】
結合させることは、増幅プライマーとして作用するオリゴヌクレオチドを用いた1つまたはそれ以上のラウンドの伸長を介し、キットは場合により、増幅を行うための試薬を含む、請求項171に記載のキット。
【請求項176】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項171に記載のキット。
【請求項177】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項176に記載のキット。
【請求項178】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項176に記載のキット。
【請求項179】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項176に記載のキット。
【請求項180】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項179に記載のキット。
【請求項181】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項179に記載のキット。
【請求項182】
NATNAは、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項179に記載のキット。
【請求項183】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項179に記載のキット。
【請求項184】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項179に記載の方法。
【請求項185】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項171に記載の方法。
【請求項186】
エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項171に記載の方法。
【請求項187】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
エンドヌクレアーゼ消化反応を最適化する方法であって:
(a)エキソヌクレアーゼおよび核酸基質を用いて、一連の反応混合物を製造することであって、核酸基質は:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含むこと;
(b)一連の反応混合物の各々を異なる量のエンドヌクレアーゼに接触させること;
(c)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すこと;
(d)反応混合物の最も高い蛍光または反応混合物の蛍光の最も高い増加率をもたらすエンドヌクレアーゼの量を最適なエンドヌクレアーゼ濃度として選択すること
を含む方法。
【請求項190】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項189に記載の方法。
【請求項192】
反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる、請求項189に記載の方法。
【請求項193】
反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる、請求項189に記載の方法。
【請求項194】
反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない、請求項189に記載の方法。
【請求項195】
エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである、請求項189に記載の方法。
【請求項196】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項195に記載の方法。
【請求項198】
核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼおよび核酸ターゲティング核酸(NATNA)を含む、請求項195に記載の方法。
【請求項199】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項198に記載の方法。
【請求項201】
NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項198に記載の方法。
【請求項202】
NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である、請求項198に記載の方法。
【請求項203】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項198に記載の方法。
【請求項204】
エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTTエンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項189に記載の方法。
【請求項205】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項189に記載の方法。
【請求項206】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項205に記載の方法。
【請求項207】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
CRISPRエンドヌクレアーゼ消化反応を最適化する方法であって:
(a)CRISPRエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、および核酸基質を用いて、一連の反応混合物を製造することであって、核酸基質は:
i.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;
ii.エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびに
iii.エンドヌクレアーゼのための認識配列
を含むこと;
(b)一連の核酸ターゲティング核酸(NATNA)の各々を接触させること;
(c)反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すこと;
(d)反応混合物の最も高い蛍光をもたらすNATNAを最適なNATNAとして選択すること
を含む方法。
【請求項209】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項208に記載の方法。
【請求項211】
反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる、請求項208に記載の方法。
【請求項212】
反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる、請求項208に記載の方法。
【請求項213】
反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない、請求項208に記載の方法。
【請求項214】
CRISPRエンドヌクレアーゼは、クラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項208に記載の方法。
【請求項215】
CRISPRエンドヌクレアーゼは、Cas9エンドヌクレアーゼまたはCas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む、請求項208に記載の方法。
【請求項216】
NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである、請求項208に記載の方法。
【請求項217】
NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む、請求項208に記載の方法。
【請求項218】
NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む、請求項208に記載の方法。
【請求項219】
NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む、請求項208に記載の方法。
【請求項220】
エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される、請求項208に記載の方法。
【請求項221】
核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む、請求項221に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2021年10月26日に出願された米国特許仮出願第63/272,091号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、核酸修飾酵素の分野に関し、より詳細には、活性エンドヌクレアーゼの開発および試験の分野に関する。
【0003】
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する記載
なし。
【0004】
配列表
プレースホルダー。
【背景技術】
【0005】
エンドヌクレアーゼは、研究室業務および分子診断業界において広く使用されている酵素である。新しい改善されたエンドヌクレアーゼを設計し単離するプロセスには、エンドヌクレアーゼ活性を評価する迅速かつ簡便な方法が必要である。最も広く使用されているエンドヌクレアーゼアッセイは煩雑であり、スループットが低い。さらに、一般的に使用されている方法は定量的ではない。エンドヌクレアーゼの異なる供給源、変異体、またはロットの間の活性における差を測定する確立された手段はない。同様に、エンドヌクレアーゼの特異性を正確に決定できるように異なるターゲットを評価する容易または迅速な手段はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の技術水準のエンドヌクレアーゼアッセイの多くは、宿主ヌクレアーゼがターゲットDNAを急速に分解するため、粗製の細胞ライセートまたは部分的に精製されたタンパク質製剤において使用するのに不適である。精製プロセスの初期工程からの粗製ライセートおよび半粗製溶出画分において機能する迅速なエンドヌクレアーゼアッセイに関する満たされていない需要が存在する。そのようなアッセイは、酵素の精製および製作を改善する取り組みに役立ち、全体的な酵素エンジニアリングプロセスを加速させるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エンドヌクレアーゼ活性を評価するための方法、組成物、およびキットを提供する。本発明は、レポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォアで標識された二本鎖末端保護核酸基質を利用する。エンドヌクレアーゼが基質を切断した後にのみ、エキソヌクレアーゼが基質を加水分解し、蛍光が生じることを可能にする。
【0008】
一実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知するための核酸基質であって:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの核酸鎖における少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む核酸基質である。エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、アクセプターフルオロフォアは、クエンチャーフルオロフォアである。ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、1~12ヌクレオチド離して、基質の同じ鎖上に、または基質の異なる鎖上に配置することができる。いくつかの実施形態において、基質は一本鎖により形成されている。いくつかの実施形態において、ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアの一方は、基質の5’末端またはその付近に配置されている。いくつかの実施形態において、ドナーフルオロフォアは、5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM)、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2’,4’,1,4,-テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、クマリン色素、Alexa Fluor色素、IRDye 800CW、カスケードブルー、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、テキサスレッド、およびBODIPY(登録商標)色素からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アクセプターフルオロフォアは、テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラプロパノ-6-カルボキシローダミン(ROX)、DABSYL、DABCYL(4-[[4-(ジメチルアミノ)-フェニル]-アゾ]-安息香酸)、Cy5およびCy5.5、アントラキノン色素、ニトロチアゾール色素、ニトロイミダゾール色素、LC-Red610、LC-Red640、LC-Red705、JA286、DDQ-I、DDQ-II、QSY-7、QSY-21、IRDye QC1、Iowa Black FQ、Iowa Black RQ、HEX(ヘキサクロロ-フルオレセイン)、TET(テトラクロロ-フルオレセイン)、JOE(5’-ジクロロ-ジメトキシ-フルオレセイン)、BODIPY(登録商標)色素、Eclipseクエンチャー(4-[[2-クロロ-4-ニトロ-フェニル]-アゾ]-アニリン、BHQ-1([(4-(2-ニトロ-4-メチル-フェニル)-アゾ)-イル-((2-メトキシ-5-メチル-フェニル)-アゾ)]-アニリン)、BHQ-2([(4-(1-ニトロ-フェニル)-アゾ)-イル-((2,5-ジメトキシ-フェニル)-アゾ)]-アニリン)、ならびにピリジニル-イソキノリン-ジオン色素からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼである。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびBAL31エキソヌクレアーゼから選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼ、例えば、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、基質は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、PAMは、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなる。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、PAMは、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’から選択される配列からなる。いくつかの実施形態において、PAMは、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなる。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質中の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはデオキシリボヌクレアーゼであり、基質はDNAを含有する。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはリボヌクレアーゼであり、基質はRNAを含有する。いくつかの実施形態において、リボヌクレアーゼは、リボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、DNAザイム、PNAザイム、またはエンジニアリングされたエンドリボヌクレアーゼから選択される。
【0009】
一実施形態において、本発明は、上述の核酸基質と、エキソヌクレアーゼと、場合によりエンドヌクレアーゼとを含む、エンドヌクレアーゼの活性を検知するための組成物である。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼである。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびBAL31エキソヌクレアーゼから選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、ニックから加水分解を開始することが可能である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、およびエキソヌクレアーゼBal31から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’ 5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。
【0010】
一実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知する方法であって:エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼを、核酸基質を含む反応混合物に接触させることであって、核酸基質は:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含むこと、ならびに反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すことを含む方法である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる。いくつかの実施形態において、反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’ 5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、同じNATNAを含む一連の反応混合物を一連の異なるエンドヌクレアーゼに接触させることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、同じエンドヌクレアーゼを含む一連の反応混合物を一連の異なるNATNAに接触させることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、同じ成分を含む一連の反応混合物を異なる反応条件下で接触させることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、同じ成分を含む一連の反応混合物をエンドヌクレアーゼの異なる単離物に接触させることを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、同じエンドヌクレアーゼを含む一連の反応混合物を、異なる配列を含む一連の異なる核酸基質に接触させることを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。いくつかの実施形態において、核酸基質またはエンドヌクレアーゼは未精製形態にある。
【0011】
一実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知するためのキットであって:核酸基質であって:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む核酸基質と;エキソヌクレアーゼとを含むキットである。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、該キットは、試験されるエンドヌクレアーゼと複合体を形成することが可能な核酸ターゲティング核酸(NATNA)をさらに含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。
【0012】
一実施形態において、本発明は、請求項1に記載の基質を用いてエンドヌクレアーゼの活性を検知するための装置であって:酵素反応を行うための反応チャンバおよび蛍光検知器を含む装置である。
【0013】
一実施形態において、本発明は、サンプル中のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:エンドヌクレアーゼと、エキソヌクレアーゼと、ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能な核酸プローブとを含む反応混合物にサンプルを接触させることであって、プローブは:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含むこと、ならびに反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すことを含む方法である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、プローブの一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。いくつかの実施形態において、サンプルは核酸の粗製剤を含む。
【0014】
一実施形態において、本発明は、サンプル中の2つ以上のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:エンドヌクレアーゼと、エキソヌクレアーゼと、2つ以上の核酸プローブとを含む反応混合物にサンプルを接触させることであって、核酸プローブは、各々が2つ以上のターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能であり、各プローブが:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含むこと、ならびに反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すことを含む方法である。いくつかの実施形態において、2つ以上の核酸プローブは、少なくとも1つの異なるフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、2つ以上の核酸プローブのすべてが、同じフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、2つ以上のターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのNATNAが、2つ以上のプローブの各々のために使用され、各NATNAは、少なくとも1つのプローブの一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。いくつかの実施形態において、サンプルは核酸の粗製剤を含む。
【0015】
一実施形態において、本発明は、サンプル中のターゲット核酸の存在を検知する方法であって:サンプル中のターゲット核酸に:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を結合させることにより、修飾された核酸を形成すること、ならびにエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼにサンプルを接触させること;反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示すことを含む方法である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、結合させることは、ドナーフルオロフォア、アクセプターフルオロフォア、およびエキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造を含むアダプターのライゲーションを介する。いくつかの実施形態において、結合させることの前に、ターゲット核酸がPCRによって増幅される。いくつかの実施形態において、結合させることは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造を含む増幅プライマーを用いた1つまたはそれ以上のラウンドの伸長を介する。いくつかの実施形態において、ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。いくつかの実施形態において、サンプルは核酸の粗製剤を含む。
【0016】
一実施形態において、本発明は、請求項116に記載の方法に従う診断手順を行うためのキットであって:エンドヌクレアーゼと、ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能な核酸プローブとを含み、プローブは:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含み、かつ、反応混合物により放出された蛍光を測定し、蛍光における変化はサンプル中のターゲット核酸の存在を示し、ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、キットである。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによるプローブの切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、該キットは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択されるエキソヌクレアーゼをさらに含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、プローブは、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、核酸ターゲティング核酸(NATNA)と複合したCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。
【0017】
一実施形態において、本発明は、サンプル中のターゲット核酸の存在を検知するためのキットであって、方法は、修飾された核酸を形成するためにターゲット核酸に結合させることが可能な1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドは:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造を含み;修飾された核酸は、エンドヌクレアーゼのための認識配列、およびエンドヌクレアーゼを含み、ターゲット核酸は、細菌に特徴的な配列、ウイルスに特徴的な配列、寄生体に特徴的な配列、および患者の疾患または状態に特徴的な患者の配列から選択される、キットである。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、結合させることは、ターゲット核酸へのオリゴヌクレオチドのライゲーションを介し、キットは場合により、リガーゼを含む。いくつかの実施形態において、結合させることは、増幅プライマーとして作用するオリゴヌクレオチドを用いた1つまたはそれ以上のラウンドの伸長を介し、キットは場合により、増幅を行うための試薬を含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼまたはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えば、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、ターゲット核酸または修飾されたターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾、例えば、1つまたはそれ以上の(5つ以上の)ホスホロチオエート結合から選択される。
【0018】
一実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼ消化反応を最適化する方法であって:エキソヌクレアーゼおよび核酸基質を用いて、一連の反応混合物を製造することであって、核酸基質は:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含むこと;一連の反応混合物の各々を異なる量のエンドヌクレアーゼに接触させること;反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すこと;反応混合物の最も高い蛍光または反応混合物の蛍光の最も高い増加率をもたらすエンドヌクレアーゼの量を最適なエンドヌクレアーゼ濃度として選択することを含む方法である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる。いくつかの実施形態において、反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない。
【0019】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼのような核酸誘導型エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)、またはCRISPR Cas9エンドヌクレアーゼもしくはCRISPR Cas12aエンドヌクレアーゼを含み、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、核酸誘導型エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼならびに核酸ターゲティング核酸(NATNA)、例えばシングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、エンドヌクレアーゼと相互作用することが可能である。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される。いくつかの実施形態において、核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む。
【0022】
一実施形態において、本発明は、CRISPRエンドヌクレアーゼ消化反応を最適化する方法であって:CRISPRエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、および核酸基質を用いて、一連の反応混合物を製造することであって、核酸基質は:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア;エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの鎖における少なくとも1つの構造;ならびにエンドヌクレアーゼのための認識配列を含むこと;一連の核酸ターゲティング核酸(NATNA)の各々を接触させること;反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すこと;ならびに反応混合物の最も高い蛍光または反応混合物の蛍光の最も高い増加率をもたらすNATNAを最適なNATNAとして選択することを含む方法である。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する少なくとも1つの構造は、3’-5’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各3’末端における構造、5’-3’エキソヌクレアーゼによる切断を阻害する各5’末端における構造、またはその両方から選択される。いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVII、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼT、BAL-31エキソヌクレアーゼ、RecJfエキソヌクレアーゼ、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PH、エキソリボヌクレアーゼI、およびエキソリボヌクレアーゼIIから選択される。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼに同時に接触させる。いくつかの実施形態において、反応混合物を最初にエンドヌクレアーゼに接触させ、その後にエキソヌクレアーゼに接触させる。
【0023】
いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない。
【0024】
いくつかの実施形態において、CRISPRエンドヌクレアーゼは、クラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、CRISPRエンドヌクレアーゼは、Cas9エンドヌクレアーゼまたはCas12aエンドヌクレアーゼであり、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、シングルガイドおよびデュアルガイドから選択されるCRISPRガイドRNAである。いくつかの実施形態において、NATNAは、crRNAおよびtracrRNAを含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、基質の一領域にハイブリダイズすることが可能なターゲティング領域を含む。いくつかの実施形態において、NATNAは、DNAおよびRNAヌクレオチドを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造は、ヘアピン、鎖オーバーハング、および核酸修飾から選択される。いくつかの実施形態において、核酸修飾は、1つまたはそれ以上のホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態において、核酸修飾は、5つ以上のホスホロチオエート結合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る基質および方法の図である。
図2】エキソヌクレアーゼ連動式蛍光検知の有用性の実験的妥当性検証(実施例2)を示す図である。
図3】Cas12aエンドヌクレアーゼによる基質(図1)の切断(実施例3)を示す図である。
図4】Cas12a RNP濃度に関するアッセイの直線範囲の実験的決定(実施例4)を示す図である。
図5】エキソヌクレアーゼはDNAを加水分解するがCas12aはDNAを加水分解しないことの実験的確認(実施例5)を示す図である。
図6】DNA基質濃度に関するアッセイの直線範囲の実験的決定(実施例6)を示す図である。
図7】CRISPRエンドヌクレアーゼのためのFAM標識基質の詳細図である。
図8】Cas12aエンドヌクレアーゼによるFAM標識基質(図7)の切断へのエキソヌクレアーゼアッセイの適用(実施例9)を示す図である。
図9】Cas12aエンドヌクレアーゼによるTAMRA標識基質の切断へのエキソヌクレアーゼアッセイの適用(実施例10)を示す図である。
図10】FAMフルオロフォアの配置が異なるFAM標識基質の図である。
図11】Cas12aエンドヌクレアーゼによる様々なFAM標識基質(図10)の切断へのエキソヌクレアーゼアッセイの適用(実施例11)を示す図である。
図12図11に示したデータをまとめた図である。
図13】反応混合物の蛍光変化率(実施例11)を示す図である。
図14】Cas12aエンドヌクレアーゼによる非ターゲットFAM基質の切断に適用されたアッセイにおけるエキソヌクレアーゼの滴定(実施例12)を示す図である。
図15】Cas9エンドヌクレアーゼによるFAM標識基質の切断へのエキソヌクレアーゼアッセイの適用(実施例13)を示す図である。
図16】制限エンドヌクレアーゼによるFAM標識基質の切断へのエキソヌクレアーゼアッセイの適用(実施例14)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
以下の定義は本開示の理解を助けるために提供される。
【0028】
「エンドヌクレアーゼ」という用語は、ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)内にある2つのヌクレオシド残基(いずれのヌクレオシド残基も末端にあるものではない)の間のホスホジエステル結合の加水分解を触媒する酵素を指す。
【0029】
「エキソヌクレアーゼ」という用語は、ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)内の末端ヌクレオシド残基と末端から2番目のヌクレオシド残基との間のホスホジエステル結合の加水分解を触媒する酵素を指す。エキソヌクレアーゼは、前進型である、すなわち核酸鎖の末端からの複数のヌクレオシド残基の段階的除去が可能である場合がある。
【0030】
「CRISPRリピート」または「CRISPRリピート配列」という用語は、最小限のCRISPRリピート配列を指す。
【0031】
「エンドリボヌクレアーゼ」という用語は、RNA内のホスホジエステル結合の加水分解を触媒する酵素を指す。いくつかの実施形態において、エンドリボヌクレアーゼは、部位指向性ポリペプチドであり得る。エンドリボヌクレアーゼは、CRISPRシステム(例えば、I型、II型、III型)のメンバーであり得る。エンドリボヌクレアーゼは、タンパク質のRAMP(Repeat Associated Mysterious Protein)スーパーファミリー(例えば、Cas6、Cas6、Cas5ファミリー)を指し得る。エンドリボヌクレアーゼは、RNase A、RNase H、RNase I、RNase IIIファミリーメンバー(例えば、Drosha、Dicer、RNase N)、RNase L、RNase P、RNase PhyM、RNase T1、RNase T2、RNase U2、RNase V1、RNase Vも含み得る。
【0032】
「阻害する」という用語は、化学反応を部分的または完全に阻害する化学構造の能力を指す。当業者には、阻害が部分的であるか完全であるかは検知方法の感度に依存することが理解されるであろう。ヌクレアーゼに関する「切断を阻害する」という用語は、切断産物の量を検知可能に減少させる能力を指す。ヌクレアーゼに関する「切断を防止する」という用語は、切断産物の量を検知レベル未満に減少させる能力を指す。
【0033】
「NATNA」という用語は、核酸ターゲティング核酸を指す。NATNAは、CRISPRシステムのようなプログラム可能なエンドヌクレアーゼシステムの一部であり得る。NATNAは、CRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)を含む2つの核酸ターゲティングポリヌクレオチド(「デュアルガイド」)から構成されることがある。NATNAは、融合領域(リンカー)によって接続されたcrRNAおよびtracrRNAを含むエンジニアリングされた単一の核酸ターゲティングポリヌクレオチド(「シングルガイド」)から構成されることもある。またNATNAは、天然に発生するシングルガイド(例えば、Cas12aガイドRNA)から構成されることもある。crRNAは、ターゲティング領域および活性化領域を含み得る。tracrRNAは、crRNAの活性化領域にハイブリダイズすることが可能な領域を含み得る。「ターゲティング領域」という用語は、ターゲット核酸中の配列にハイブリダイズすることが可能な領域を指す。「活性化領域」という用語は、CRISPRヌクレアーゼなどのポリペプチドと相互作用する領域を指す。
【0034】
ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャー)で標識された核酸は、普及している種類のプローブまたは酵素基質である。フルオロフォアで標識された核酸は、普及している種類のプローブまたは酵素基質である。特に普及しているのは、FRET対を形成する2つのフルオロフォアで標識されたプローブおよび基質である。普及している種類の二重標識プローブには、Taqmanおよび分子ビーコンプローブが含まれる。
【0035】
Taqmanアッセイ(米国特許第5,210,015号)では、二重標識オリゴヌクレオチドプローブがPCR中に新生増幅産物にハイブリダイズする。DNAポリメラーゼの5’-3’エキソヌクレアーゼ活性が2つのフルオロフォアの間でプローブを加水分解すると、蛍光が検知される。
【0036】
分子ビーコンは、ヘアピン形状の二重標識プローブであり、プローブがそのターゲットに結合するとヘアピンが解ける。この解けることによりFRET対が分離し、ドナーフルオロフォアの蛍光を検知することが可能になる。Tyagi Sら、(1996)Molecular beacons:probes that fluoresce upon hybridization.Nat Biotechnol.14(3):303。
【0037】
FRET対を形成する、条件付き蛍光が可能な2つのフルオロフォアで標識された核酸基質を使用することで、in vitro酵素活性を検知することができる。酵素活性は、例えば、サンプル中の感染性因子の存在を示し得る。微生物汚染を検知するためのフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォアで標識されたプローブの使用は、米国特許第10,663,459号に記述されている。この方法によれば、サンプル中に微生物が存在すると、1つまたはそれ以上のヌクレアーゼ(例えば、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼ)によるプローブの切断が生じる。起こり得る切断のすべてが、フルオロフォアとクエンチャーとの物理的分離、およびサンプル中の微生物の存在を示す検知可能な蛍光の放出をもたらす。
【0038】
類似の原理が米国特許第10,653,800号において用いられており、この場合、RNA基質が2’-O-メチル修飾ピリミジンを組み込み、マイコプラズマRNaseに対して独特の感受性を示す。この基質はフルオロフォアおよびクエンチャーで標識されている。サンプル中にマイコプラズマが存在すると、マイコプラズマRNaseによるプローブの消化、およびサンプル中のマイコプラズマの存在を示す検知可能な蛍光の放出が生じる。
【0039】
フルオロフォアおよびクエンチャーで標識された二本鎖核酸基質は、CRISPRエンドヌクレアーゼの特異的編集活性を検知するためにも使用されている。例えば、Smithら、(2020)Probing CRISPR-Cas12a Nuclease Activity Using Double-Stranded DNA-Templated Fluorescent Substrates、Biochemistry 59:1474には、CRISPR Cas12aヌクレアーゼのトランス切断(「トランスシュレッディング」)活性による、そのような基質の切断が記述されている。トランスシュレッディング活性は、二本鎖DNAターゲットへのCas12a-crRNA複合体の結合によって誘発される。トランスシュレッディングヌクレアーゼ活性は、Cas12a-crRNA-ターゲット複合体の近傍にある、あらゆる二本鎖DNAに向けられる。フルオロフォアおよびクエンチャーで標識された基質のシュレッディングは、サンプル中のCas12a-crRNA-ターゲット複合体の形成を示す検知可能な蛍光の放出をもたらす。
【0040】
CRISPR-Casヌクレアーゼの活性は、典型的には、リボ核タンパク質複合体(RNP)をモデル基質と共にインキュベートした後、アガロースゲル電気泳動によってインタクトな基質から切断された断片を分離することで測定される。このアプローチは低スループットであり、概してエンドポイント分析に限定され、したがって反応速度に関する情報をほとんどまたは全く提供しない。
【0041】
Cas12aについては蛍光ベースのアッセイも記述されているが、このアッセイはCas12a酵素の非特異的トランス活性しか測定しない(上記のSmith CW、Biochemistry.2020を参照されたい)。Cas12a RNPがターゲット配列に結合してこれを切断すると(シス活性)、Cas12aが活性化されて、DNAの短い断片を非特異的に分解する(トランス活性または「トランスシュレッディング」活性)。シス活性の指標としてトランス活性を測定することには、いくつかの制限がある。第1に、シス活性とトランス活性との正確な相関関係は不明である。第2に、2つの反応が同じ酵素によって行われ、切り離すことができないため、サロゲートアッセイは、シス活性に関する限られた速度情報を提供する。最後に、多くのエンドヌクレアーゼはトランス活性を示さないため、このアッセイには一般的適用性がない。
【0042】
Cas9活性を測定するための蛍光アッセイが2018年に開発された(Seamonら、(2018)、Versatile High-Throughput Fluorescence Assay for Monitoring Cas9 Activity、Anal.Chem.、2018、90、11、6913~6921頁を参照されたい)。しかし、このアッセイは、エンドヌクレアーゼ切断後のDNA基質の変性に依存するため、エンドポイント分析しか提供せず、リアルタイムデータは提供しない。
【0043】
本発明は、エンドヌクレアーゼ活性についての簡便なリアルタイムアッセイを提供することにより、これらの欠点を克服する。本発明は、評価およびクオリティコントロールのツールとしての単純で高スループットの蛍光ベースのアッセイを含む。
【0044】
本発明は、サンプル中の診断ターゲットの存在を示すエンドヌクレアーゼの比活性についての診断アッセイをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知および評価するための基質分子である。図1、パネルAに示すように、いくつかの実施形態において、基質は少なくとも1つの二本鎖領域を有する核酸である。いくつかの実施形態において、基質は一本鎖である。いくつかの実施形態において、基質は、ハイブリダイゼーションを介して二重鎖を形成する2つの核酸鎖を含む二本鎖核酸である。他の実施形態において、基質は、ハイブリダイゼーションを介してヘアピンなどの二本鎖領域を含む二次構造を形成する単一の核酸鎖である。当業者であれば、ハイブリダイゼーションおよび二本鎖領域の形成が核酸鎖の全長にわたる100%の相補性を必要としないことを認識するであろう。バッファーのイオン力および温度によって定義される好適な条件下では、2つの核酸鎖の間の相補性が100%未満、例えば、90%、80%、75%またはそれ以下の安定なハイブリッド(二本鎖領域)が生じ得る。
【0046】
さらに図1に見られるように、核酸基質は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォア)を含む。
【0047】
フルオロフォアおよびクエンチャーは、二本鎖核酸基質上の様々な場所に配置することができる。さらに、複数のフルオロフォアを使用することができる。図10に示すように、フルオロフォアおよびクエンチャーは、ターゲット鎖、非ターゲット鎖、およびターゲット鎖と非ターゲット鎖との両方に配置することができる。
【0048】
Foerster(またはForster)共鳴エネルギー移動としても知られる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、蛍光および再吸収を伴わない、ある分子から別の分子への励起エネルギーの移動である。ドナー発色団は、特定の波長の光を吸収した後、電子励起状態に入る。ドナーはエネルギーをアクセプターに移動させ、アクセプターは電子励起状態に高められる。その後、アクセプターの電子励起状態は減衰し、その結果、検知可能な光が放出される。アクセプターはドナーの蛍光を減少させる、すなわちクエンチするため、アクセプターはクエンチャーと呼ばれることがある。ドナーはレポーターと呼ばれることがある。従来のFRET技術では、ドナーおよびアクセプターの両方がフルオロフォアである。ドナーフルオロフォアは、特定の吸収波長の光を吸収し、アクセプターは、吸収波長よりも長い特定の放出波長の光を放出する。FRETは、ドナーおよびアクセプターが近く(例えば、1~10nm)にあるときに起こる。いくつかの実施形態において、ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、0~12ヌクレオチド離して配置されている。ドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォアは、基質の同じ鎖上に、または基質の異なる(対向する)鎖上に配置される。ドナー、アクセプター、またはドナーとアクセプターとの両方はいずれも、核酸鎖の末端、例えば5’末端または3’末端の近くに配置することができる。ドナーおよびアクセプターフルオロフォアは、同じ鎖上にあってもよく、対向する鎖上にあってもよい。当業者は、フルオロフォアの所望の近接性(例えば、1~10nm)が達成されるように二本鎖基質内にドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャー)を配置する様々な選択肢を認識するであろう。
【0049】
既存の文献は、FRETが可能である適切なレポーター・クエンチャー対の選択についての十分な指針を提供している。例えば、米国特許第5,538,848号;同第8,350,038号;および同第8,137,616号を参照されたい。概して、米国特許出願公開第US20060088855号において推奨されているように、ドナーフルオロフォアは、350~800nm、好ましくは350~600nmまたは500~750nmの範囲で吸収し、ドナーとアクセプターとの距離は10~100オングストロームである。Pesceら編、Fluorescence Spectroscopy(Marcel Dekker、New York、1971);Whiteら、Fluorescence Analysis:A Practical Approach(Marcel Dekker、New York、1970);Berlman、Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules、第2版(Academic Press、New York、1971);Griffiths、Color and Constitution of Organic Molecules(Academic Press、New York、1976);Bishop編、Indicators(Pergamon Press、Oxford、1972);Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes、Eugene、1992);Pringsheim、Fluorescence and Phosphorescence(Interscience Publishers、New York、1949);なども参照されたい。
【0050】
FRET現象を示す多くのドナー、アクセプター、およびドナー/アクセプター対が市販されている。普及しているドナーとしては、5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM)、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2’,4’,1,4,-テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、および2’,7’-ジメトキシ-4’,5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)のようなフルオレセイン色素が挙げられる。他のドナーとしては、クマリン色素、Alexa Fluorファミリーの色素、IRDye 800CW、カスケードブルー、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、およびテキサスレッドが挙げられる。普及しているアクセプターとしては、テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)およびテトラプロパノ-6-カルボキシローダミン(ROX)のようなローダミン色素、DABSYL、DABCYL、Cy5およびCy5.5を含むシアニン色素、アントラキノン、ニトロチアゾール、ならびにニトロイミダゾール化合物が挙げられる。さらなるアクセプターには、LC-Red610、LC-Red640、LC-Red705、JA286、DDQ-I、DDQ-II、QSY-7、QSY-21、IRDye QC1、Iowa Black FQおよびIowa Black RQ、ならびに米国特許第6,027,709号において開示されているスルホン化シアニン色素がある。普及しているドナーとアクセプターの組合せとしては、フルオレセイン/ローダミン、特にカルボキシフルオレセイン/テトラメチル-ローダミン(FAM/TAMRA)が挙げられる。クエンチャーとしてのTAMRAを、HEX(ヘキサクロロ-フルオレセイン)、TET(テトラクロロ-フルオレセイン)、JOE(5’-ジクロロ-ジメトキシ-フルオレセイン)およびシアニン色素のようなドナーと対にすることもできる。別のドナー/アクセプター対が米国特許第9,796,746号において開示されており、これは、酸化型のcarbaNADHベースの第1のフルオロフォアと、445~540nmの波長および560nmを超える放出最大値を有する光で励起可能である第2のフルオロフォアとから構成されている。
【0051】
別の群の蛍光化合物は、アルファ位またはベータ位にアミノ基を有するナフチルアミンである。そのようなナフチルアミノ化合物には、1-ジメチル-アミノナフチル-5-スルホネート、1-アニリノ-8-ナフタレンスルホネート、および2-p-トルイジニル-6-ナフタレンスルホネートが含まれる。他の色素には、3-フェニル-7-イソシアナトクマリン、9-イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジのようなアクリジン;N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド;ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ならびにピレンが含まれる。
【0052】
フルオロフォアの別のカテゴリーは、米国特許第5,994,063号に記述されているBODIPY(登録商標)色素である。「BODIPY(登録商標)」は、親複素環式分子がジピロメテンボロンジフルオリド化合物である、修飾されたスペクトル的に差別的なフルオロフォアの一種である。ほとんどのBODIPY(登録商標)フルオロフォアは、約450~700の吸収最大値および約450~700の放出最大値を有する。例としては、BODIPY(登録商標)503/512-SE(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、BODIPY(登録商標)523/547(4,4-ジフルオロ-5-フェニル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、BODIPY(登録商標)530/550(4,4-ジフルオロ-5,7-ジフェニル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、BODIPY(登録商標)558/568(4,4-ジフルオロ-5-(2-チエニル)-4ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、BODIPY(登録商標)564/570(4,4-ジフルオロ-5-スチリル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、BODIPY(登録商標)576/589(4,4-ジフルオロ-5-(2-ピロリル)-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)、およびBODIPY(登録商標)581/591(4,4-ジフルオロ-5-(4-フェニル-1,3-ブタジエニル)-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸)が挙げられる。
【0053】
クエンチャーの一種は「ダーククエンチャー」である。これらの非蛍光アクセプターは、低いバックグラウンド蛍光を可能にし、そのため、アッセイ感度を改善する。ダーククエンチャーが使用される際、ドナーフルオロフォアは、クエンチャーがドナーの近くから除去されるまで光を放出しない。例えば、ドナーおよびクエンチャーがオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされている場合、ドナーの蛍光は、クエンチャーがヌクレアーゼによるオリゴヌクレオチドの加水分解によって除去されたときにのみ生じ得る。ダーククエンチャーの一例は、380~530nmの範囲のドナー色素をクエンチするDABCYL(4-[[4-(ジメチルアミノ)-フェニル]-アゾ]-安息香酸)である。別のダーククエンチャーは、530nmの吸収最大値を有し、520~670nmのスペクトルにわたって効率的にクエンチする、Eclipseクエンチャー(4-[[2-クロロ-4-ニトロ-フェニル]-アゾ]-アニリン(Epoch Biosciences,Inc.から入手可能)である。ダーククエンチャーのさらに別のカテゴリーは、BHQ-1([(4-(2-ニトロ-4-メチル-フェニル)-アゾ)-イル-((2-メトキシ-5-メチル-フェニル)-アゾ)]-アニリン)およびBHQ-2([(4-(1-ニトロ-フェニル)-アゾ)-イル-((2,5-ジメトキシ-フェニル)-アゾ)]-アニリン)(すべてBiosearch Technologies,Inc.から入手可能)のようなブラックホールクエンチャーである。
【0054】
別の種類のクエンチャーとしては、米国特許第8,350,038号において開示されているピリジニル-イソキノリン-ジオン誘導体が挙げられる。これらの化合物は、低いバックグラウンドシグナルおよび高いクエンチング効率を特色とする。クエンチャーのさらに別のカテゴリーは、米国特許第6,348,596号において開示されているリンカー化合物を介してヌクレオチドの塩基に結合した非蛍光シアニンクエンチャー化合物である。クエンチャーのさらに別のカテゴリーは、米国特許第8,093,411号において開示されている1つまたはそれ以上のヘテロ芳香族クエンチング部分によって置換された弱発光性シアニンである。これらのクエンチャーは、観察可能な発光をほとんどまたは全く示さず、幅広い発光性化合物を効率的にクエンチする。
【0055】
オリゴヌクレオチドを合成する方法およびフルオロフォアを核酸に共有結合させる方法は、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第3,996,345号;同第4,351,760号;同第4,757,141号;同第4,739,044号;同第4,997,928号;同第5,538,848号;同第5,188,934号;同第5,231,191号;および同第7,759,469号;ならびにEckstein(編)、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1991);Zuckermanら、Nucleic Acids Research、15:5305~5321頁(1987)(オリゴヌクレオチド上の3’チオール基);Sharmaら、Nucleic Acids Research、19:3019(1991)(3’スルフヒドリル);Giustiら、PCR Methods and Applications、2:223~227頁(1993);Agrawalら、Tetrahedron Letters、31:1543~1546頁(1990)(ホスホロアミデート結合を介した結合);Sproatら、Nucleic Acids Research、15:4837(1987)(5’メルカプト基);Nelsonら、Nucleic Acids Research、17:7187~7194頁(1989)(3’アミノ基)を参照されたい。標識された核酸プローブを合成するには、官能基および連結部分を使用することができる。一般的に使用されているように、予め合成されたフルオロフォア標識ヌクレオチドが、標準的なホスホロアミダイトベースの化学を使用してオリゴヌクレオチドに組み込まれる。そのようなヌクレオチドをオリゴヌクレオチド中の所望の位置に組み込むことにより、ドナーおよびアクセプターフルオロフォアをオリゴヌクレオチド中の任意の内部位置または末端位置に組み込むことができる。予め合成されたフルオロフォア標識ヌクレオチドにおいて、標識には、例えば、ヌクレオチドの塩基のアミノ基に結合した官能基が結合していてもよい。他の実施形態において、標識は、連結部分を介してヌクレオチドの一部に結合している。例えば、いくつかの実施形態において、ヌクレオチド塩基は、標識へのコンジュゲーションを可能にするように修飾される。例えば、米国特許第7,759,469号は、フルオロフォアにコンジュゲートさせることができる置換されたニトロインドールヌクレオチドを開示している。
【0056】
いくつかの実施形態において、二本鎖核酸基質は、約10~約90塩基対の長さである。例えば、エンドヌクレアーゼCas12aの場合、基質は35~90塩基対の長さであり、PAM(5nt)、スペーサー(20nt)、末端保護(各末端で5nt)の合計35塩基対を含み得る。概して、エンドヌクレアーゼは、様々なサイズおよび構造の認識配列を有する。したがって、試験される各エンドヌクレアーゼについて、基質の最適な長さは、上記の計算を使用して決定することができる。最適な長さおよび配列は、in silicoで決定するか、または経験的に見出すことができる。そのような最適な長さは、過剰な長さを有することなく、立体障害のないエンドヌクレアーゼによる最も効率的な消化を可能にする。過剰な長さは、過剰な製作コストに関連し、本明細書に記述される方法を行うためにエキソヌクレアーゼの追加のユニットおよび追加の時間を必要とする。試験される各エンドヌクレアーゼのための二本鎖核酸基質の最適な長さは、そのような検討事項のうちの1つまたはそれ以上を加味したものであり得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明の核酸基質は化学修飾を含む。いくつかの実施形態において、修飾は、核酸二重鎖の安定性を増加させる。いくつかの実施形態において、修飾は、ヌクレアーゼ消化に対する抵抗性またはヌクレアーゼの阻害をもたらす。いくつかの実施形態において、修飾は、エキソヌクレアーゼ消化に対する抵抗性またはエキソヌクレアーゼの阻害をもたらす。
【0058】
いくつかの実施形態において、修飾は、骨格修飾である。骨格修飾の一種は、修飾されたヌクレオシド間結合である。例えば、修飾は、ホスホロチオエート結合およびヘテロ原子ヌクレオシド間結合を含む。
【0059】
別の種類の骨格修飾は、糖部分の修飾である。いくつかの実施形態において、修飾は、リボースまたはデオキシリボース環の代わりに6員モルホリノ環の組み込みを伴う。別の骨格修飾は、リボースまたはデオキシリボースの代わりにシクロヘキセニル環の組み込みを伴う(ceNA)。さらに別の骨格修飾は、2’-ヒドロキシル基がリボースの4’炭素原子に結合することによって2’-C,4’-C-オキシメチレン結合を有する二環式構造を形成しているロックド核酸(LNA)の組み込みを伴う。LNAは、二重鎖安定性および3’-5’エキソヌクレアーゼ消化に対する抵抗性によって特徴付けられる。
【0060】
いくつかの実施形態において、修飾は、窒素塩基修飾である。例えば、二本鎖核酸基質は、1つまたはそれ以上の5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH3)ウラシルおよびシトシンおよびピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンを組み込み得る。修飾された核酸塩基は、三環式ピリミジン、例えばフェノキサジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-クランプ、例えば置換フェノキサジンシチジン(例えば9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド(4,5-b)インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(Hピリド(3’,2’:4,5)ピロロ(2,3-d)ピリミジン-2-オン)、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジンおよび2-ピリドンを含み得る。核酸塩基は、ポリヌクレオチド化合物の結合親和性を増加させるのに有用であり得る。これらは、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびにN-2、N-6および0-6置換プリン、例えば2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンを含み得る。5-メチルシトシン置換は、核酸二重鎖安定性を0.6~1.2℃増加させることができ、好適な塩基置換であり得る(例えば、2’-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合)。
【0061】
当業者には理解されるであろうが、核酸修飾は、エンドヌクレアーゼがその修飾によって阻害されないことが確立されていない限り、その修飾がエンドヌクレアーゼ活性に干渉し得る場合には、試験されるエンドヌクレアーゼのための認識部位に含まれるべきではない。同様に、当業者には理解されるであろうが、エキソヌクレアーゼ消化を阻害することが知られている核酸修飾は、本明細書に記述される方法の実施を阻止または阻害しないように、基質のうちエンドヌクレアーゼ認識部位とフルオロフォアとの間に位置する部分に含まれるべきではない。
【0062】
本明細書に記述される方法および組成物はエキソヌクレアーゼを利用する。エキソヌクレアーゼは当技術分野において公知であり、多くが市販されている。例えば、Lovett S.T.(2011).The DNA Exonucleases of Escherichia coli.EcoSal Plus、4(2)およびShevelev、I.、Hubscher、U.(2002)The 3’-5’exonucleases.Nat Rev Mol Cell Biol 3、364~376頁を参照されたい。多くのエキソヌクレアーゼがNew England Biolabs(Ipswich、Mass.)から入手可能である。例えば、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼT、およびエキソヌクレアーゼVIIは、一本鎖DNAに対して活性をもつ3’-5’エキソヌクレアーゼである。RecJfは、一本鎖DNAに対して活性をもつ5’-3’エキソヌクレアーゼである。エキソヌクレアーゼIIIは、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAに対して活性をもつ3’-5’エキソヌクレアーゼである。T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼV、エキソヌクレアーゼVIII、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびT5エキソヌクレアーゼは、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAに対して活性をもつ5’-3’エキソヌクレアーゼである。エキソヌクレアーゼV(RecBCD)およびBAL-31は、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAに対して活性をもつ、同時に5’-3’および3’-5’のエキソヌクレアーゼである。試験されるエンドヌクレアーゼの作用によって生成される核酸末端の種類に応じて、当業者は適切なエキソヌクレアーゼを選択することができる。適切なエキソヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼによって生成された1つまたは複数の末端を利用し、本明細書に記述される核酸基質を加水分解する。エキソヌクレアーゼによる加水分解は、蛍光または蛍光における変化を検知することができるように、フルオロフォアのFRET対(例えば、ドナーおよびアクセプターまたはレポーターおよびクエンチャー)を分離する。
【0063】
図1に示すように、基質は、末端の少なくとも1つに、エキソヌクレアーゼによる消化を阻害または防止する構造を含む。本明細書に記述される方法、組成物およびキットに含まれるエキソヌクレアーゼの選択は、核酸基質における末端保護をもたらすエキソヌクレアーゼ阻害構造の選択の情報源となる。例えば、エキソヌクレアーゼのための好ましい基質が3’末端であるならば、核酸基質は、3’末端の各々にエキソヌクレアーゼ阻害構造を有する。エキソヌクレアーゼのための好ましい基質が5’末端であるならば、核酸基質は、5’末端の各々にエキソヌクレアーゼ阻害構造を有する。エキソヌクレアーゼが3’末端および5’末端の両方に対して活性をもつならば、核酸基質は、3’末端および5’末端の各々にエキソヌクレアーゼ阻害構造を有する。
【0064】
エキソヌクレアーゼの選択は、試験されるエンドヌクレアーゼによって生成される切断および利用可能な末端の種類と合致する必要もある。エキソヌクレアーゼ(またはエキソヌクレアーゼの混合物)は、本明細書に記述される核酸基質の末端に存在する阻害構造によって阻害されると共に、試験されるエンドヌクレアーゼによって生成される種類の末端(突出、平滑または陥凹、ヒドロキシルまたはホスホリル)に対して活性をもつ必要がある。
【0065】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼ、すなわち、二重鎖の一方の鎖のみを切断し、ニックを生成するエンドヌクレアーゼである。この実施形態において、エキソヌクレアーゼは例えば、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびBAL31エキソヌクレアーゼであり得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、二重鎖の両鎖を切断し、二本鎖切断を生成する。いくつかの実施形態において、二本鎖切断は、平滑末端を有する。いくつかの実施形態において、二本鎖切断は、ジグザグ末端(staggered end)を有する。いくつかの実施形態において、ジグザグ末端は、突出3’末端を有し得る。いくつかの実施形態において、ジグザグ末端は、突出5’末端を有し得る。当業者であれば、試験されるエンドヌクレアーゼによって生成された特定の種類の末端から所望の方向における加水分解を開始することが可能なエキソヌクレアーゼ(または2つ以上のエキソヌクレアーゼの混合物)を選択することができるであろう。例えば、New England Biolabs,Inc.(Ipswich、Mass)は、生化学的特性(例えば、必要な末端の種類および加水分解の方向性)によってグループ分けされた利用可能なエキソヌクレアーゼのリストを公開している。
【0067】
さらに図1、パネルBに見られるように、基質は、エンドヌクレアーゼのための認識配列(または認識部位)を含む。試験されるエンドヌクレアーゼに応じて、認識部位は、切断部位を含み得、1つまたはそれ以上の追加の要素を有し得る。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼまたはCRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPR Cas9またはCRISPR Cas12a(Cpf1)エンドヌクレアーゼである。
【0068】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはデオキシリボヌクレアーゼであり、基質は一本鎖または二本鎖DNAである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはリボヌクレアーゼであり、基質は一本鎖または二本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、リボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、DNAザイム、PNAザイム、または例えばChoudhury、R.ら、(2012)Engineering RNA endonucleases with customized sequence specificities.Nature Comm.、3:1147に記述されている種類のエンジニアリングされたエンドリボヌクレアーゼのようなリボヌクレアーゼである。
【0069】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPR座位によってコードされるエンドヌクレアーゼであるか、またはそれに関連する。CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)ゲノム座位は、多くの原核生物ゲノムに見出され、外来核酸の侵入に対する抵抗性を提供する。CRISPR座位の構造、命名法および分類は、Makarovaら、Evolution and classification of the CRISPR-Cas systems.Nature Reviews Microbiology.2011 June;9(6):467~477頁において概説されている。
【0070】
簡潔に述べると、典型的なCRISPR座位は、スペーサーが規則的に挿入された、いくつかの短いリピートを含む。CRISPR座位は、CRISPR関連(Cas)遺伝子のコーディング配列も含む。スペーサー・リピート配列ユニットは、crisprRNA(crRNA)をコードする。In vivoでは、pre-crRNAまたはpre-crRNAアレイと呼ばれる多シストロン性転写物から成熟crRNAがプロセシングされる。リピートに結合し、リピートを切断して成熟crRNAを遊離させるCasコードタンパク質により、pre-crRNAアレイにおけるリピートが認識される。CRISPRシステムがターゲット核酸の切断を行い、Casタンパク質およびcrRNAがCRISPRリボ核タンパク質(crRNP)を形成する。crRNA分子がcrRNPをターゲット核酸(例えば、細菌細胞に侵入する外来核酸)に誘導し、Casヌクレアーゼタンパク質がターゲット核酸を切断する。
【0071】
クラス1、I型CRISPRシステムは、サブユニットCasA、B、C、DおよびEから構成されたCascade(CRISPR-associated complex for antiviral defense)と呼ばれる多タンパク質複合体を含むpre-crRNAアレイをプロセシングするための手段を含む。Cascade-crRNA複合体は、ターゲット核酸とcrRNAのハイブリダイゼーションを通じてターゲット核酸を認識する。結合した核タンパク質複合体は、Cas3ヘリカーゼ/ヌクレアーゼを動員してターゲット核酸の切断を促進する。
【0072】
クラス2、II型CRISPRシステムは、トランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)を含む。tracrRNAは、pre-crRNAアレイ内のcrRNAリピートにハイブリダイズし、内因性RNaseIIIを動員してpre-crRNAアレイを切断させる。tracrRNA/crRNA複合体は、ヌクレアーゼ、例えば、Cas9と会合することができる。crRNA-tracrRNA-Cas9複合体は、ターゲット核酸とcrRNAのハイブリダイゼーションを通じてターゲット核酸を認識する。crRNAがターゲット核酸にハイブリダイズすると、Cas9ヌクレアーゼが活性化してターゲット核酸を切断する。
【0073】
クラス1、III型CRISPRシステムは、1つまたはそれ以上のCRISPRポリメラーゼ様タンパク質を用いてpre-crRNAアレイを切断するエンドリボヌクレアーゼ(例えば、Cas6)のRAMPスーパーファミリーを含む。
【0074】
クラス2、V型CRISPRシステムは、I~III型CRISPRシステムにおけるCas遺伝子の遠いホモログであるCsf1、Csf2、Csf3およびCsf4を含む、異なるセットのCas様遺伝子を含む。
【0075】
図1、パネルBに示すように、基質は、エンドヌクレアーゼのための認識配列(または認識部位)を含む。いくつかの実施形態において、認識配列および切断部位は同じである。いくつかの実施形態において、認識部位は、II型制限エンドヌクレアーゼに特徴的な回文配列であり、切断は回文配列内で起こる。いくつかの実施形態において、認識配列は切断部位とは異なる。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRSIPR Cas9エンドヌクレアーゼであり、認識配列は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)であり、切断部位は、PAMに隣接している。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRSIPR Cas12aエンドヌクレアーゼであり、認識配列は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)であり、切断部位は、非ターゲット鎖上のPAMから16~18塩基離れており、ターゲット鎖上のPAMから23~25塩基離れている。Strohkendl、I.ら、(2018)Kinetic Basis for DNA Target Specificity of CRISPR-Cas12a、Mol.Cell、71(5):816~824.e3を参照されたい。
【0076】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、ニッカーゼ、すなわち、二重鎖の一方の鎖のみを切断し、ニックを生成するエンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、二重鎖の両鎖を切断し、二本鎖切断を生成する。二本鎖切断は、平滑末端またはジグザグ末端を有し得る。ジグザグ末端は、突出3’末端または突出5’末端を有し得る。5’末端は、5’-ホスホリルまたは5’-ヒドロキシル基を有することができ、3’末端は、3’-ホスホリルまたは3’-ヒドロキシル基を有することができる。
【0077】
CRISPRヌクレアーゼは、固定された配列を切断するのではなく、上述のように核酸ガイドによって誘導される。ガイドRNAに加えて、CRISPRヌクレアーゼは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)と呼ばれる追加の配列を認識する。いくつかの実施形態において、本発明の基質は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼである実施形態において、基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである実施形態において、基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。
【0078】
CRISPRヌクレアーゼは、固定された認識配列を切断するのではなく、「ガイドRNA」と呼ばれる(本明細書では「核酸ターゲティング核酸(NATNA)」と呼ばれる)核酸ガイドによって誘導される。ガイドRNA(NATNA)は、エンドヌクレアーゼ切断部位に相補的な「スペーサー」配列を含む。試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRエンドヌクレアーゼである実施形態において、基質は、NATNAの一部分(「スペーサー」)にハイブリダイズすることが可能なターゲット配列を含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。そのようなエンドヌクレアーゼを含む反応混合物は、核酸ターゲティング核酸(NATNA)をさらに必要とする。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAはガイドRNAである。エンドヌクレアーゼは、1つまたはそれ以上のガイドRNAとリボ核タンパク質複合体(RNP)を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、クラス2、II型CRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAは、tracrRNAおよびcrRNAを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、クラス2、V型CRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAは、crRNAを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、NATNAは、米国特許第9,260,752号に記述されている実施形態から選択される。簡潔に述べると、NATNAは、5’から3’の順に、スペーサー伸長部、スペーサー、最小限のCRISPRリピート、シングルガイドコネクター、最小限のtracrRNA、3’tracrRNA配列、およびtracrRNA伸長部を含み得る。場合によっては、核酸ターゲティング核酸は、tracrRNA伸長部、3’tracrRNA配列、最小限のtracrRNA、シングルガイドコネクター、最小限のCRISPRリピート、スペーサー、およびスペーサー伸長部を任意の順序で含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、ガイド核酸ターゲティング核酸は、シングルガイドNATNAを含み得る。NATNAは、ターゲット核酸配列にハイブリダイズするようにエンジニアリングすることができるスペーサー配列を含む。NATNAは、tracrRNA配列にハイブリダイズすることができる配列を含むCRISPRリピートをさらに含む。場合により、NATNAは、スペーサー伸長部およびtracrRNA伸長部を有し得る。これらの要素は、NATNAの安定性に寄与し得る要素を含み得る。CRISPRリピートおよびtracrRNA配列は、塩基対合した二本鎖構造を形成するように相互作用することができる。この構造は、NATNAへのエンドヌクレアーゼの結合を促進し得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、シングルガイドNATNAは、最小限のCRISPRリピートと最小限のtracrRNA配列との間のハイブリダイゼーションの領域を含む第1の二重鎖の5’に位置するスペーサー配列を含む。第1の二重鎖の途中にバルジがあってもよい。バルジは、NATNAへのエンドヌクレアーゼの動員を促進する。バルジの後には、最小限のCRISPRリピートと最小限のtracrRNA配列とを接続するリンカーを含む第1のステムが続いてもよい。第1の二重鎖の3’末端における最後の対合したヌクレオチドは、第1の二重鎖をmid-tracrRNAに接続する第2のリンカーに接続していてもよい。mid-tracrRNAは、1つまたはそれ以上の追加のヘアピンを含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、NATNAは、ダブルガイド核酸構造を含み得る。ダブルガイドNATNAは、スペーサー伸長部、スペーサー、最小限のCRISPRリピート、最小限のtracrRNA配列、3’tracrRNA配列、およびtracrRNA伸長部を含む。ダブルガイドNATNAは、シングルガイドコネクターを含まない。その代わり、最小限のCRISPRリピート配列が3’CRISPRリピート配列を含み、最小限のtracrRNA配列が5’tracrRNA配列を含み、ダブルガイドNATNAは、最小限のCRISPRリピートおよび最小限のtracrRNA配列を介してハイブリダイズすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、NATNAは、1つまたはそれ以上のDNA残基を含むエンジニアリングされたガイドRNA(CRISPRハイブリッドRDNAまたはchRDNA)である。いくつかの実施形態において、NATNAは、米国特許第9,650,617号に記述されている実施形態から選択される。簡潔に述べると、クラス2 CRISPRシステムで使用される一部のchRDNAは、上方二重鎖領域、下方二重鎖領域、バルジ、ターゲティング領域、ネクサス、および1つまたはそれ以上のヘアピンから構成された活性化領域を含む二次構造を形成する2つの鎖から構成される場合がある。ターゲティング領域の直ぐ下流のヌクレオチド配列は、様々な割合のDNAおよびRNAを含み得る。他のchRDNAは、ターゲティング領域と、下方二重鎖領域、上方二重鎖領域、融合領域、バルジ、ネクサス、および1つまたはそれ以上のヘアピンから構成された活性化領域とを含む、II型CRISPRシステムで使用されるシングルガイドD(R)NAであり得る。ターゲティング領域の直ぐ下流のヌクレオチド配列は、様々な割合のDNAおよびRNAを含み得る。例えば、ターゲティング領域は、DNAまたはDNAとRNAとの混合物を含むことができ、活性化領域は、RNAまたはDNAとRNAとの混合物を含むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、ガイドRNAは、核酸修飾、例えば、リボヌクレアーゼに対する抵抗性をもたらす修飾を含む。この特色は、以下に記述する粗製ライセートアッセイにおいて特に有利である。
【0086】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、制限エンドヌクレアーゼである。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、II型、II型、またはIV型制限エンドヌクレアーゼである。本発明の基質は、各エンドヌクレアーゼについて適切な認識配列を含有する。IV型制限エンドヌクレアーゼの場合、本発明の基質は、エンドヌクレアーゼによる切断に必要な1つまたはそれ以上のメチル化残基も含有する。
【0087】
試験されるエンドヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、または制限エンドヌクレアーゼFok Iの非特異的切断ドメインにコンジュゲートされたZFNである実施形態において、ターゲット配列は、約22~52塩基の長さであり、一対のZFN認識配列を含み、ZFN認識配列は、各々9~18ヌクレオチドの長さであり、スペーサーによって分離されており、スペーサーは4~18ヌクレオチドの長さである(例えば、Kim Y.G.ら、(1996).Hybrid resticrion enzymes:zinc finger fusions to Fok I cleavage domain、Proc Natl Acad Sci USA.93(3):1156~1160頁を参照されたい)。
【0088】
試験されるエンドヌクレアーゼが、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、またはTALEN-Fok I融合物である実施形態において、ターゲット配列は、約48~85ヌクレオチドの長さであり、一対のTALEN認識配列を含み、TALEN認識配列は、各々18~30塩基の長さであり、スペーサーによって分離されており、スペーサーは12~25塩基の長さである(例えば、Christian M.ら、(2010)Targeting DNA double-strand breaks with TAL effector nucleases、Genetics.186(2):757~61頁を参照されたい)。
【0089】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、Argonaute(Ago)エンドヌクレアーゼである。Agoエンドヌクレアーゼは認識配列を有しないが、低分子干渉DNAガイド(siDNA)によって誘導されて相補的DNAを切断する。Heggeら、(2019)DNA-guided DNA cleavage at moderate temperatures by Clostridium butyricum Argonaute、N.A.R.47(11):5809。
【0090】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、Arcusエンドヌクレアーゼである。Arcusは、22塩基長のターゲット配列を有するI-CreIエンドヌクレアーゼである(例えば、Durrenbergerら、(1991)Double-strand break induced recombination in Chlamydomonas reinhardtii chloroplasts、N.A.R.24(17):3323を参照されたい)。
【0091】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼはエンドリボヌクレアーゼであり、基質はRNAを含む。いくつかの実施形態において、基質は一本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、基質は二本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、基質はRNA-DNAハイブリッドである。そのようなアッセイで使用されるエキソヌクレアーゼは、選択された基質に適応するように、エキソデオキシリボヌクレアーゼまたはエキソリボヌクレアーゼである。そのような基質の1つまたはそれ以上を切断するエンドリボヌクレアーゼの例としては、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase Pが挙げられる。エンドリボヌクレアーゼの他の例は、Cas13およびCas7-11から選択されるCRISPRエンドリボヌクレアーゼである。
【0092】
エキソリボヌクレアーゼの例としては、RNase R、RNase II、RNase D、RNase T、RNase BN、RNase PHのような3’-5’方向に切断するもの、ならびにエキソリボヌクレアーゼIおよびエキソリボヌクレアーゼIIのような5’-3’方向に切断するものが挙げられる。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記述される基質を使用してエンドヌクレアーゼの活性を検知する方法である。図1、パネルBに示すように、該方法は、試験されるエンドヌクレアーゼを:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォア)、ならびに試験されるエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む二本鎖核酸基質を含む反応混合物に接触させることを含む。反応混合物は、認識配列のエンドヌクレアーゼ切断に好適な条件下でインキュベートされる。
【0094】
該方法は、反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることをさらに含む。エキソヌクレアーゼ、基質、およびエンドヌクレアーゼは、同時に添加してもよく、任意の順序で連続的に添加してもよい。
【0095】
図1、パネルB~Cに示すように、二本鎖核酸基質の構造は、エンドヌクレアーゼ切断が起こるまでエキソヌクレアーゼが二本鎖核酸基質を加水分解しないようになっている。二本鎖核酸基質の適切な末端は、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を含む。本明細書に記述されるように、エンドヌクレアーゼによって生成される末端に応じて、エキソヌクレアーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼであり、基質の3’末端が、エキソヌクレアーゼ阻害構造によって保護される。他の実施形態において、エキソヌクレアーゼは5’-3’エキソヌクレアーゼであり、基質の5’末端が、エキソヌクレアーゼ阻害構造によって保護される。いくつかの実施形態において、3’-5’エキソヌクレアーゼと5’-3’エキソヌクレアーゼとの混合物が使用される。そのような実施形態では、基質の3’末端と5’末端の両方が、エキソヌクレアーゼ阻害構造によって保護される。
【0096】
図1、パネルCに示すように、反応混合物は、二本鎖核酸基質のエキソヌクレアーゼ切断に好適な条件下でさらにインキュベートされる。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼ切断および後続のエキソヌクレアーゼ切断のための条件は同じである。そのような実施形態では、バッファーまたはインキュベーション条件の変更は必要ない。いくつかの実施形態において、反応混合物をエンドヌクレアーゼに接触させることと反応混合物をエキソヌクレアーゼに接触させることとの間に精製工程は行われない。
【0097】
該方法の利点の1つは、フルオロフォアおよびクエンチャーを非常に近くに配置することができるためにバックグラウンドシグナルが最小限に抑えられることである。また、例えばフルオロフォアが切断部位の片側にあり、クエンチャーが反対側にあるように、フルオロフォアクエンチャー対が切断部位付近に組み込まれた場合に起こる可能性が高い立体効果も回避される。
【0098】
いくつかの実施形態において、該方法によって試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。そのような実施形態では、NATNAも該方法において利用される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAはガイドRNAである。
【0099】
いくつかの実施形態において、該方法によって試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、該方法において使用される二本鎖核酸基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。該方法によって試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである実施形態において、該方法において使用される二本鎖核酸基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、該方法によって試験されるエンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼのうちの1つである。これらの実施形態では、該方法において使用される二本鎖核酸基質は、好適な認識部位を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、該方法は、いくつかのエンドヌクレアーゼをスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。これらの実施形態において、該方法は、同じ成分を含む一連の反応混合物を一連の異なるエンドヌクレアーゼに接触させることを含む。いくつかの実施形態において、一連のエンドヌクレアーゼは、一連の核酸誘導型エンドヌクレアーゼであり、同じ成分を含む一連の反応混合物中の反応混合物は、同じNATNAも含む。いくつかの実施形態において、一連のエンドヌクレアーゼは、一連のCRISPRエンドヌクレアーゼであり、同じ成分を含む一連の反応混合物中の反応混合物は、同じガイドRNAも含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは核酸誘導型エンドヌクレアーゼであり、該方法は、いくつかのNATNAをスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。これらの実施形態において、該方法は、同じエンドヌクレアーゼを含む、同じ成分を含む一連の反応混合物を、一連の異なるNATNAに接触させることを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAはガイドRNAである。これらの実施形態において、該方法は、同じCRISPRエンドヌクレアーゼを含む、同じ成分を含む一連の反応混合物を、一連の異なるガイドRNAに接触させることを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、該方法は、同じエンドヌクレアーゼのいくつかの製剤をスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。これらの実施形態において、該方法は、同じ成分を含む一連の反応混合物を、同じエンドヌクレアーゼの一連の異なる製剤に接触させることを含む。異なる製剤は、同じエンドヌクレアーゼの異なる単離物であり得る。異なる製剤は、エンドヌクレアーゼを単離することを目的としたクロマトグラフィー手順からの溶出アリコートでもよい。本発明は、クロマトグラフィー手順から出てくる溶出画分について本明細書に記述されるエンドヌクレアーゼ活性アッセイを行うことによりエンドヌクレアーゼの溶出をモニターし、最も高いエンドヌクレアーゼ活性を有する溶出画分を保持する方法を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、該方法は、エンドヌクレアーゼのための好ましいまたは最適なターゲット配列を特定するために、いくつかの核酸配列をスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。これらの実施形態において、該方法は、同じエンドヌクレアーゼを含む同じ成分を含む一連の反応混合物を、異なる配列を有する一連の二本鎖核酸基質に接触させることを含む。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、同じ成分を含む一連の反応混合物中の反応混合物は、同じガイドRNAも含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、該方法は、エンドヌクレアーゼのための好ましいまたは最適な反応条件を特定するために、いくつかの反応条件をスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、異なるバッファー構成を含む一連の反応混合物を同じエンドヌクレアーゼに接触させることを含む。いくつかの実施形態において、一連の反応混合物はまた、エンドヌクレアーゼ消化工程中に異なる温度プロファイルに供される。
【0106】
いくつかの実施形態において、該方法は、核酸切断反応における好ましいまたは最適なエンドヌクレアーゼ濃度を特定するために、いくつかの反応条件をスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。いくつかの実施形態において、該方法は、試験される同じエンドヌクレアーゼの濃度が異なること以外は同一である一連の反応混合物を接触させることを含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、該方法は、CRISPRエンドヌクレアーゼのための好ましいまたは最適なgRNAを特定するために、いくつかのCRISPRポリヌクレオチドガイド(ガイドRNAまたはgRNA)をスクリーニングすること、試験すること、または比較することを含む。これらの実施形態において、該方法は、ガイドRNAが異なること以外は同一である一連の反応混合物を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、CRISPRポリヌクレオチドガイドは、1つまたはそれ以上のDNA残基を含む(CRISPRハイブリッドRDNAまたはchRDNA)。これらの実施形態において、該方法は、chRDNAが異なること以外は同一である一連の反応混合物を接触させることを含む。
【0108】
図1、パネルDに示すように、該方法は次に、反応混合物により放出された蛍光を測定することであって、蛍光における変化はエンドヌクレアーゼの活性を示すことを含む。蛍光における変化は、蛍光シグナルの色(波長)における変化だけでなく、蛍光が以前に検知できなかったところでの蛍光の出現も含む。いくつかの実施形態において、測定は定性的であり、エンドヌクレアーゼ活性の存在または非存在を示す。他の実施形態において、測定は定量的であり、エンドヌクレアーゼ活性の相対量を示す。いくつかの実施形態において、蛍光における変化は、蛍光の強度における変化、および試験されるサンプル間の蛍光における差をさらに含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、本明細書に記述される方法は、単離された核酸基質および単離されたポリペプチド(例えば、エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ)を用いて行われる。他の実施形態において、アッセイは、実質的な精製工程を用いずに粗製混合物を用いて行われる。いくつかの実施形態において、例えば、エンドヌクレアーゼの生産または精製プロセスを迅速に評価するために、単離または精製された核酸基質がエンドヌクレアーゼの粗製単離物または溶出画分に添加される。いくつかの実施形態において、単離または精製されたポリペプチド(例えば、エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ)は、患者における感染性因子の存在を迅速に検知するために、核酸の粗製単離物、例えば、最小限に処理された患者サンプルに添加される。
【0110】
いくつかの実施形態において、本発明は、二本鎖核酸基質、および該基質を製造する方法である。該基質は、例えば、ホスホロチオエート結合のようなエキソヌクレアーゼ末端保護を有する。1つ、2つ、3つ、4つ、または約5つのホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合で置換することができる。例えば、エキソヌクレアーゼIIIが使用される場合、両鎖の3’末端にてホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合で置換することができる。場合により、各鎖の3’末端の末端リン酸部分(存在する場合)をホスホロチオエートで置換してもよい。
【0111】
該基質はフルオロフォア(レポーター)およびクエンチャーも有する。レポーターおよびクエンチャーは、二本鎖核酸基質の一方の鎖の一方の末端の近くに配置することができる。フルオロフォアおよびクエンチャーの一方を一方の鎖の末端に結合させてもよい。例えば、エキソヌクレアーゼIIIを使用する場合、フルオロフォア-クエンチャー対の一方のメンバーをターゲット鎖の5’末端に結合させてもよく、メンバーは末端から1、2、3、4、または約5ヌクレオチド離れたヌクレオチドに結合させてもよい。例えば、一方の鎖は、5’末端から第3位のヌクレオチドにチミン結合フルオレセインを、5’末端にIowa Black(登録商標)クエンチャーを有し得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、両鎖の配列(例えば、II型制限エンドヌクレアーゼによって認識される回文配列)を認識する。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼは、一方の鎖の配列(例えば、CRISPR Casエンドヌクレアーゼのためのターゲット配列)を認識する。そのような実施形態では、ターゲット核酸はターゲット鎖および非ターゲット鎖を有する。CRISPR Cas12aのための基質の一例を図7に示す。該基質のターゲット鎖は、試験されるエンドヌクレアーゼのためのターゲティング可能な配列を含む。例えば、Cas12a(Cpf1)のための切断可能部位が、Zetsche、B.ら、(2015)Cpf1 is a single-RNA guided endonuclease of a Class II CRISPR-Cas system、Cell、163:759頁に記述されている。図7に示すように、該基質は、CRISPRガイド核酸によって認識されるスペーサー配列、フルオロフォア、クエンチャー、および各鎖の末端またはその付近におけるホスホロチオエートヌクレオチドのようなエキソヌクレアーゼ末端保護をさらに含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、フルオロフォアはターゲット鎖上に配置される。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは非ターゲット鎖上に配置される。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、ターゲット鎖と非ターゲット鎖の両方に配置される。図10は、代替的なフルオロフォアの配置を有する図7の基質を示す。図10において、トップ鎖の明色および暗色のブロックは、CRISPRエンドヌクレアーゼのための認識(ターゲット)配列(明色のブロックはPAM、暗色のブロックはスペーサー)を表している。フルオロフォアは星として、クエンチャーは暗色の半月として表されている。暗色の八角形は、ホスホロチオエートヌクレオチドのようなエキソヌクレアーゼ阻害修飾を表す。
【0114】
いくつかの実施形態において、フルオロフォアの配置はアッセイの性能に影響する(実施例11ならびに図11、12および13を参照されたい)。
【0115】
二本鎖核酸基質は、好適なバッファー(例えば、TE)を含む反応混合物において2つの鎖(ターゲット鎖および相補的な非ターゲット鎖)を組み合わせることによって製造することができる。最適なアニーリングのために、混合物を90℃超に加熱し、室温まで自然降温させてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、本明細書にて開示されるエンドヌクレアーゼアッセイにおける使用を意図した各エキソヌクレアーゼについて、エキソヌクレアーゼ保護の有効性が試験される。本明細書に記述される各二本鎖核酸基質に対し、エキソヌクレアーゼ保護を欠いているコントロール二本鎖核酸基質が作製される。エキソヌクレアーゼ活性および蛍光の両方のための好適な反応条件下の好適なバッファー(例えば、エキソヌクレアーゼIIIおよびフルオレセインのためのNEBuffer1、pH7.0)中のエキソヌクレアーゼに両基質が曝露され、例えば蛍光リーダーによって蛍光が測定される。エキソヌクレアーゼ保護がエキソヌクレアーゼに好適であれば、未保護の基質については蛍光シグナルが生成されるが、保護された基質については生成されない。
【0117】
いくつかの実施形態において、本明細書に記述される二本鎖核酸基質は、エンドヌクレアーゼ活性を検知するために使用される。該基質は、エキソヌクレアーゼ保護、フルオロフォアおよびクエンチャー(例えば、両鎖の3’末端における1つ、2つ、3つ、4つ、または約5つのホスホロチオエート結合、ならびにターゲット鎖の5’末端から第3位のヌクレオチドにおけるチミン結合フルオレセイン、および5’末端におけるIowa Black(登録商標)クエンチャー)を有する。該基質を、エキソヌクレアーゼ活性、エンドヌクレアーゼ活性および蛍光のための好適な反応条件下の好適なバッファー(例えば、エキソヌクレアーゼIII、AsCas12aおよびフルオレセインのためのNEBuffer1、pH7.0)中でエキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに接触させる。好適なバッファーの選択についての指針は、エンドヌクレアーゼ販売者(例えば、制限エンドヌクレアーゼについてはNew England Biolabs)から、または公表された研究、例えば、Gasiunas、G.ら、(2020)A catalogue of biochemically diverse CRISPR-Cas9 orthologs、Nature Comm.11、文献番号:5512 doi:10.1038/s41467-020-19344-1から得ることができる。
【0118】
エンドヌクレアーゼが核酸誘導型エンドヌクレアーゼである場合、核タンパク質複合体(例えば、リボ核タンパク質複合体、RNP)をアセンブルし、核タンパク質複合体の形態の反応混合物にエンドヌクレアーゼを添加する。核タンパク質複合体は、エンドヌクレアーゼと、例えばCas12a(Cpf1)のためのCRISPRガイドRNA(crRNA)のようなcrRNAなどの核酸ターゲティング核酸(NATNA)とを含み、このcrRNAの好適な配列は、例えば、Yamano T.ら、(2016)Crystal structure of Cpf1 in complex with guide RNA and target DNA、Cell 165:949頁に見出すことができる。核タンパク質複合体をアセンブルするには、NATNTAをエンドヌクレアーゼと共に、37℃で10分間などの好適な条件下でインキュベートする。NATNTAは、適切な二次構造形成を可能にするために、加熱することにより(例えば、95℃まで2分間)前処理し、室温までゆっくりと自然降温させることができる。
【0119】
反応混合物の蛍光が測定される。エキソヌクレアーゼ保護基質については、エキソヌクレアーゼとエンドヌクレアーゼの両方が存在するときにのみ蛍光シグナルが生成される。
【0120】
いくつかの実施形態において、基質濃度の最適範囲およびエンドヌクレアーゼ濃度に関する感度を決定するために、エンドヌクレアーゼ濃度および核酸基質の濃度に関するアッセイの直線範囲が試験される。
【0121】
いくつかの実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知するための組成物である。該組成物には、基質の3’末端(または5’末端、またはその両方)における構造によって阻害される3’-5’エキソヌクレアーゼ(または5’-3-エキソヌクレアーゼ、またはその両方)をさらに含む、本明細書に記述される核酸基質が含まれる。該組成物は二本鎖核酸基質を含み、二本鎖核酸基質は:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォア);エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する各末端における構造;ならびに試験されるエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む。
【0122】
該組成物は、エキソヌクレアーゼも含み得る。エンドヌクレアーゼによって生成される末端に応じて、該組成物は、3’-5’エキソヌクレアーゼまたは5’-3’エキソヌクレアーゼ、または両方の混合物を含む。いくつかの実施形態において、基質ごとに複数のフルオロフォアを有することによってシグナルが増強される。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼの正確な特性は不明である。そのような実施形態では、核酸切断のあらゆる可能な向きおよび化学に適応するように、両鎖の両末端が標識される。そのような実施形態のいくつかでは、異なる波長において放出する異なるフルオロフォアによって末端が標識される。放出波長は、切断された鎖の同一性および切断の化学を示す。3’-5’エキソヌクレアーゼの場合、二本鎖核酸基質は、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を各3’末端に有する。5’-3’エキソヌクレアーゼの場合、二本鎖核酸基質は、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を各5’末端に有する。いくつかの実施形態において、3’-5’エキソヌクレアーゼと5’-3’エキソヌクレアーゼとの混合物が使用される。そのような実施形態では、基質の3’末端と5’末端の両方が、エキソヌクレアーゼ阻害構造によって保護される。
【0123】
いくつかの実施形態において、基質は、生化学的特性が試験時に完全には分かっていないエンドヌクレアーゼを含む数種類のエンドヌクレアーゼに適応するように設計される。そのような基質は、両鎖の両末端またはその付近に位置するフルオロフォアおよびクエンチャーの対を有することになる。そのような二重に標識された基質は、両方向の加水分解が可能なエキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼVまたはエキソヌクレアーゼVII)を含有する反応混合物において利用することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、該組成物によって試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。そのような実施形態では、NATNAも該組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、NATNAはガイドRNAである。
【0125】
いくつかの実施形態において、該組成物によって試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、該組成物中の二本鎖核酸基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。該組成物によって試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである実施形態において、該組成物中の二本鎖核酸基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、該組成物によって試験されるエンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼのうちの1つである。これらの実施形態では、該組成物中の二本鎖核酸基質は、好適な認識部位を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、該組成物は、エキソヌクレアーゼIIIと、(i)1つまたはそれ以上のホスホロチオエートで保護されたdsDNAを含む両3’末端;(ii)レポーターフルオロフォア、および(iii)二本鎖核酸基質がインタクトであるときにドナー蛍光をクエンチするように位置させた適合性のある蛍光クエンチャーを含む二本鎖核酸基質と、目的のエンドヌクレアーゼとを含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、本発明は、いくつかのエンドヌクレアーゼの評価、スクリーニング、試験、または比較のための簡便なツールとして使用するのに好適な方法を提供する。このツールはさらに、どの条件が最も高いレベルまたは比率のエンドヌクレアーゼ活性を可能にするかを決定できるようにすることにより、一組のエンドヌクレアーゼ切断条件を評価できるようにする。このツールはさらに、エンドヌクレアーゼの単離および精製方法の評価を可能にする。具体的には、このツールを適用することで、タンパク質単離画分を比較して、単離されたタンパク質を含有する画分を特定することができる。そのような実施形態では、すべての構成要素、例えば、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、NATNA(使用される場合)が、活性をもつことが可能であり、かつ粗製剤中で酵素分解から少なくとも部分的に保護されることを確実にするために、修飾が行われる。このツールは、例えばタンパク質精製プロセスをモニターするために、新生画分に迅速に適用することができる。なおもさらに、このツールを使用すると、異なる配列を有する複数のエンドヌクレアーゼ基質をスクリーニングして、エンドヌクレアーゼのターゲット配列をすみやかに特定することができる。
【0129】
本明細書にて開示される方法および組成物は、診断アッセイにおいて使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明は、サンプル中の特定の核酸の存在を検知する方法であって、核酸がエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む方法である。いくつかの実施形態において、サンプルは、患者のサンプルである。核酸は、ウイルスまたは細菌を含む微生物に特徴的なものであり得る。核酸は、その存在が患者における検知すべき疾患または状態に関連する多型または配列も含み得る。
【0130】
該方法は、サンプルからの核酸を操作することを伴う。いくつかの実施形態において、サンプルは、対象または患者から取得される。いくつかの実施形態において、サンプルは、例えば生検によって対象または患者から取得された固形組織または固形腫瘍の断片を含み得る。サンプルは、核酸を含有し得る体液(例えば、尿、痰、血清、血液、または血液画分、すなわち、血漿、リンパ液、唾液、痰、汗液、涙液、脳脊髄液、羊水、滑液、囲心腔液、腹腔液、胸膜液、嚢胞液、胆汁、胃液、腸液、または糞便サンプル)も含み得る。他の実施形態において、サンプルは、核酸の単離源となり得る細胞および流体を含有する組織培養物などの培養サンプルである。いくつかの実施形態において、サンプル中に存在するまたは存在する疑いのある目的の核酸は、ウイルス、細菌、原生動物または真菌のような感染性因子に由来する。
【0131】
いくつかの実施形態において、該方法は、各ターゲット核酸から特定のアンプリコンを生成するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介してサンプル中の核酸を増幅させる予備増幅手順を含む。いくつかの実施形態において、フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護は、アダプターのライゲーションによってアンプリコンに組み込まれる。平滑末端の形成、Aテーリングおよびアダプターライゲーションは、例えば、超並列シークエンシングのための配列ライブラリーの形成と併せて開発された方法によって行うことができる。いくつかの実施形態において、フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護は、増幅プライマーに直接組み込まれる。フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護を含有する余剰のプライマーまたはアダプターは、エンドヌクレアーゼアッセイを行う前に精製手順を介して除去することができる。フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護を含むアンプリコンは、本明細書にて開示される方法において直接使用される二本鎖核酸基質である。
【0132】
いくつかの実施形態において、フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護を含むプローブであるエンドヌクレアーゼ基質は、サンプル中のターゲット核酸またはターゲット核酸のアンプリコンにハイブリダイズされる。いくつかの実施形態において、プローブ、ターゲット核酸またはアンプリコンは一本鎖である。いくつかの実施形態において、プローブ、ターゲット核酸またはアンプリコンは二本鎖であるが、プローブにハイブリダイズされる前に一本鎖にされる。フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護を含むプローブにハイブリダイズされたターゲット核酸によって形成される二重鎖が、本明細書にて開示される方法において直接使用される二本鎖核酸基質になる。
【0133】
上述の代替的方法のいずれかによって形成された核酸基質は、精査すべき診断上重要な核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、目的の配列、例えば、微生物に特徴的な配列、またはその存在が患者における検知すべき疾患もしくは状態に関連する多型もしくは配列を含む配列をターゲティングするエンドヌクレアーゼに、核酸基質を接触させる。エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼ切断部位を含む目的の配列が核酸基質中に存在する場合にのみ、切断を行う。
【0134】
本明細書にて開示される診断アッセイにおいて特に有利であるのは、CRISPRエンドヌクレアーゼである。CRISPRエンドヌクレアーゼのためのガイドRNA(例えば、crRNA)は、いかなる目的の診断用配列にハイブリダイズするように設計してもよい。フルオロフォア、クエンチャー、および末端保護を含み、かつ診断上の目的のターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能であるプローブに、サンプルを接触させる。このサンプルを、ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なガイドRNAにさらに接触させる。プローブおよび設計されたガイドRNAにハイブリダイズすることが可能な配列がサンプル中に存在する場合にのみ、CRSIPRエンドヌクレアーゼが切断を行い、蛍光が検知可能になる。
【0135】
いくつかの実施形態において、診断方法はマルチプレックスである。すなわち、同じ反応混合物中で複数のターゲット配列が検知される。そのような実施形態では、複数の核酸プローブがサンプルに添加される。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼがCRISPRエンドヌクレアーゼである場合、複数のガイドRNAもサンプルに添加され、同じCRISPRエンドヌクレアーゼが切断を行って、検知可能なシグナルの生成をもたらす。いくつかの実施形態において、異なるプローブの各々が、異なるフルオロフォアで標識される。いくつかの実施形態において、異なるプローブの全部または一部が、同じ標識で、例えば、細菌配列にハイブリダイズする一組のプローブは1つの標識で、ウイルス配列にハイブリダイズする一組のプローブは別の標識で、またはグラム陽性菌配列にハイブリダイズする一組のプローブは1つの標識で、グラム陰性菌配列にハイブリダイズする一組のプローブは別の標識で標識される。
【0136】
エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼは、サンプルに連続的に添加してもよく、同時に添加してもよい。エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼは、二本鎖核酸基質の添加の前にサンプルに添加してもよい。エキソヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼが以前に切断を行った故にエキソヌクレアーゼにとってアクセス可能な末端が作成されている場合にのみ、鎖切断(加水分解)を行う。エキソヌクレアーゼによる二本鎖核酸基質の加水分解は、フルオロフォアおよびクエンチャーを分離し、検知可能な蛍光シグナルを生じさせる。蛍光シグナルの存在は、サンプル中の目的の配列の存在を示す。いくつかの実施形態において、アッセイは、目的の配列(例えば、微生物に特徴的な配列、またはその存在が患者における検知すべき疾患もしくは状態に関連する多型もしくは配列)がサンプル中に存在することを報告する工程を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、本発明は、エンドヌクレアーゼの活性を検知するためのキットである。該キットは、本明細書に記述される核酸基質のアリコートを含む。組成物は二本鎖核酸基質を含み、二本鎖核酸基質は:蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォア);エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する各末端における構造;ならびに試験されるエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む。
【0138】
該キットは、エキソヌクレアーゼのアリコートをさらに含み得る。エンドヌクレアーゼによって生成される末端に応じて、該キットは、3’-5’エキソヌクレアーゼまたは5’-3’エキソヌクレアーゼを含む。3’-5’エキソヌクレアーゼの場合、二本鎖核酸基質は、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を各3’末端に有する。5’-3’エキソヌクレアーゼの場合、二本鎖核酸基質は、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を各5’末端に有する。該キットは、3’-5’エキソヌクレアーゼと5’-3’エキソヌクレアーゼの両方を有し得る。該キットは、エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する構造を3’末端および5’末端の両方に有する二本鎖核酸基質を含み得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、該キットによって試験されるエンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。そのような実施形態では、該キットは、NATNAのアリコートも含み得る。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、キット中に存在するNATNAはガイドRNAである。
【0140】
いくつかの実施形態において、該キットによって試験されるエンドヌクレアーゼは、CRISPRクラスI(CASCADE)エンドヌクレアーゼであり、該キットに含まれる二本鎖核酸基質は、5’-AAG-3’、5’-AGG-3’、5’-ATG-3’、5’-GAG-3’、5’-CAG-3’、5’-GTG-3’、5’-TAA-3’、5’-TGG-3’、5’-AAA-3’、5’-AAC-3’、5’-AAT-3’、5’-ATA-3’、5’-TAG-3’、および5’-TTG-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。該キットによって試験されるエンドヌクレアーゼがCRISPRクラスIIエンドヌクレアーゼである実施形態において、該キットに含まれる二本鎖核酸基質は、5’-NGG-3’、5’-NGGNG-3’、5’-NNAAAAW-3’、5’-NNNNGATT-3’、5’-GNNNCNNA-3’、および5’-NNNACA-3’、5’-TTN-3’、5’-TTTN-3’および5’-TTTV-3’から選択される配列からなるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、該キットによって試験されるエンドヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、Fok IにコンジュゲートされたZFN、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、EndoTT一本鎖エンドヌクレアーゼ、Argonauteエンドヌクレアーゼ、Arcusエンドヌクレアーゼ、RNase III、RNase A、RNase T1、RNase A、RNase H、RNase ZおよびRNase P、Cas3およびCas7-11から選択されるエンドリボヌクレアーゼ、ならびに制限エンドヌクレアーゼのうちの1つである。これらの実施形態において、該キットに含まれる核酸基質は、好適な認識部位を含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、該キットは、本明細書に記述される方法によってエンドヌクレアーゼの活性を試験する方法を行うことについての説明書をさらに含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、本発明は、診断手順を行うためのキットである。該キットには、診断上の目的のターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を形成するドナーフルオロフォアおよびアクセプターフルオロフォア(またはレポーターフルオロフォアおよびクエンチャーフルオロフォア);エキソヌクレアーゼによる基質の切断を阻害する各末端における構造;ならびに試験されるエンドヌクレアーゼのための認識配列を含む、プローブのアリコートが含まれる。該キットは、エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼのアリコートをさらに含み得る。エキソヌクレアーゼは、プローブ上に存在する阻害構造によって阻害されることが可能である。エンドヌクレアーゼは、プローブおよびターゲット配列によって形成された二重鎖に結合し、それを切断することが可能である。いくつかの実施形態において、エンドヌクレアーゼは、核酸誘導型エンドヌクレアーゼである。そのような実施形態では、該キットは、ターゲット核酸にハイブリダイズすることが可能なNATNAのアリコートも含み得る。いくつかの実施形態において、試験されるエンドヌクレアーゼはCRISPRエンドヌクレアーゼであり、キット中に存在するNATNAはガイドRNAである。
【0144】
いくつかの実施形態において、該キットは、本明細書に記述される診断アッセイを行うことについての説明書をさらに含む。
【0145】
本明細書にて開示される方法は、専用の装置を用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、本発明は、酵素反応を行うための1つまたはそれ以上の反応チャンバおよび蛍光検知器を含む、エンドヌクレアーゼの活性を検知するための装置である。該装置は、本明細書に記述される反応混合物の構成要素を送達および分配するための手段をさらに含み得る。該装置は、例えば、マルチウェルプレート(マイクロウェルプレート)における高スループットスクリーニングに適用することができる。
【0146】
該装置は、Tecan、ThermoFisher Scientific(BioTek instruments)、およびMolecular Devicesから入手可能なもののようなマルチウェルプレート蛍光リーダーまたはチューブフルオロメーターを含み得る。
【実施例1】
【0147】
実施例1。二本鎖エンドヌクレアーゼ基質の製造
この実施例では、両鎖の3’末端が一連のホスホロチオエート結合で保護された60塩基対の二本鎖核酸コンストラクトを製造し、一方の鎖をフルオロフォアおよびクエンチャーで標識した。両鎖の3’末端における最後の4つのホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合で置換した。各鎖の3’末端における末端リン酸部分もホスホロチオエートで置換した。さらに、ターゲット鎖の5’末端から第3位のヌクレオチドにチミン結合フルオレセイン部分を組み込み、Iowa Black(登録商標)クエンチャーを同じ鎖の5’末端に結合させた。dsDNAターゲットには、アシドアミノコックス属Cas12a酵素(AsCas12a)切断部位を含む十分に特性解析されているモデルのAsCas12aターゲティング可能配列を含めた。切断は、TTTCプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の第1のチミンから19~28bpで起こり、PAMは基質の5’末端から16位に位置し、スペーサー配列の最終のヌクレオチドは基質の5’末端から39位に位置する。あらゆる類の末端保護を欠いていることを除いては第1のdsDNAターゲットと同一である第2のdsDNAターゲットを製造した。修飾を含むオリゴヌクレオチドはIntegrated DNA Technologies(Coralville、Iowa)に注文した。
【0148】
二本鎖基質を配列番号1および配列番号2の一本鎖からアセンブルした。dsDNAが適切にアニーリングされることを確実にするために、ターゲット鎖および相補的な非ターゲット鎖のオリゴヌクレオチドを1X TEバッファー(10mM Tris-HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA)中で各々50uMの最終濃度にて組み合わせ、この混合物を95℃まで2分間加熱し、次いでゆっくりと室温に冷却することにより、二本鎖DNAターゲットを製造した。
【0149】
【化1】
【0150】
ホスホロチオエート保護を欠いているコントロール二本鎖基質を配列番号3および配列番号4の一本鎖からアセンブルした。
【0151】
【化2】
【実施例2】
【0152】
実施例2:エキソヌクレアーゼ連動式蛍光検知の有用性
この実施例では、実施例1に記述した100nMの基質を、37℃でpH7.0の1X NEBuffer(商標)1中で0.5U/uLのエキソヌクレアーゼIII(いずれもNew England Biolabs製、Ipswich、Mass.)と共にインキュベートした。蛍光を励起波長485nmおよび放出波長520nmにおいて経時的にモニターした。未保護の基質については蛍光シグナルが生成されたが、保護された基質については生成されなかった。シグナルはSpectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して読み取った。結果を図2に示す。エキソヌクレアーゼIIIの存在下における未保護の基質についてのみ、蛍光の増加が観察される。
【実施例3】
【0153】
実施例3:Cas12aエンドヌクレアーゼによる基質の切断
この実施例では、ホスホロチオエートで保護されたdsDNA基質をAsCas12aによって切断すると、ホスホロチオエートで保護された基質がエキソヌクレアーゼIIIによる消化を受けやすくなり、リアルタイムでモニターすることができる蛍光シグナルが生じることを実証する。
【0154】
実施例1に記述した60bpの二本鎖DNA(dsDNA)ホスホロチオエートで保護されたターゲットを使用した。精製された組換えCas12aタンパク質を合成crRNAと共に37℃で10分間インキュベートすることにより、Cas12aおよびガイドRNA(crRNA)からなるCas12aリボ核タンパク質(RNP)を形成した。RNP形成の前に、crRNAを95℃まで2分間加熱し、ゆっくりと室温に冷却して、適切な二次構造の形成を可能にした。RNPのcrRNA構成要素は、二本鎖基質のトップ鎖に存在するモデルAsCas12aターゲティング可能配列に対する特異性をもたらした。保護されたdsDNAターゲット100nMを、2.5U/uLのエキソヌクレアーゼIII単独と共に、または2.5U/uLのエキソヌクレアーゼIIIおよび112.5nMのAsCas12a RNPと共にインキュベートした。インキュベーションはpH7.0の1X NEBuffer(商標)1中で行った。コントロール反応物には、未保護のdsDNAターゲットおよびエキソヌクレアーゼIIIを含めたが、RNPは含めなかった。反応物を37℃でインキュベートし、蛍光読み取り値(励起:485nm、放出:520nm)を600分間にわたって30秒ごとに、Spectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して取得した。結果を図3に示す。蛍光における急速な増加がCas12a RNPの存在下でのみ観察され、RNPなしコントロールでは観察されず、これにより、末端保護されたdsDNAターゲットがCas12a切断後に分解されたことが示された。未保護のdsDNAターゲットはエキソヌクレアーゼIII単独により分解された。蛍光の連続的読み取りの間、実験開始からおよそ200分後に停電が起こった。読み取りはすみやかに再開したが、停電によってすべてのサンプルで蛍光シグナルにスパイクが生じ、これは読み取りの再開からおよそ10分後に安定化した。
【実施例4】
【0155】
実施例4。Cas12a RNP濃度に関するアッセイの直線範囲。
この実施例では、実施例3と概ね同様に、ただし1X Cutsmart(登録商標)、pH7.9バッファー(New England Biolabs、Ipswich、Mass.)を使用して、二本鎖基質、Cas12a RNPおよびエキソヌクレアーゼの間の反応を行った。RNP濃度は0.11nM~112.5nMの範囲とした。ネガティブコントロールには、crRNAなし、またはCas12a RNPなしを含めた。ポジティブコントロールには、エキソヌクレアーゼIIIのみで未保護の基質を含めた(実施例1を参照されたい)。結果を図4に示す。RNP濃度と反応速度との間には直接相関がある。より低いRNP濃度での反応は、より低い蛍光強度にてプラトーに達する。0.11nMのサンプルでさえ、Cas12aを欠いている反応物について観察されたものと比べて、蛍光における測定可能な増加を検知することができる。この結果は、0.11nMから7nMのCas12a濃度に対する直線的な用量応答を示す。広範囲のCas12a濃度に対するアッセイ感度は、このクオリティコントロール(QC)アッセイの有用性を立証する。
【実施例5】
【0156】
実施例5。エキソヌクレアーゼはDNAを加水分解するが、Cas12aはDNAを加水分解しないことの確認
Cas12aは、非特異的エキソヌクレアーゼ活性(「トランスシュレッディング」)を有するという点で、エンドヌクレアーゼの中でも独特である。この実施例では、Cas12a自体のトランス活性ではなく、エキソヌクレアーゼIIIが、Cas12a-RNPによる最初の切断後のdsDNAターゲットの分解の原因であることを実証する。
【0157】
この実施例では、実施例3と概ね同様に、ただしNEBuffer(商標)1、pH7.0を使用して、二本鎖基質、Cas12a RNPおよびエキソヌクレアーゼの間の反応を行った。dsDNAの濃度は様々であった。さらに、コントロール反応物にはエキソヌクレアーゼを含めなかった。このコントロールを含めたのは、Cas12aがトランス活性として知られる二次的な非特異的ヌクレアーゼ活性によって基質を単独で(エキソヌクレアーゼなしで)分解するかどうかを決定するためであった。結果を図5に示す。エキソヌクレアーゼIIIの非存在下で蛍光のいくらかの増加が観察され、これにより、Cas12aトランス活性からのシグナル全体への限定的な寄与の可能性が示唆された。しかし、蛍光の最大率はエキソヌクレアーゼIIIの存在下では約3.3倍高く、これにより、反応速度がCas12aトランス活性によって限定されないことを確実にする十分な濃度でエキソヌクレアーゼIIIが存在することが示唆された。観察された最大率は、エキソヌクレアーゼIII単独を含む未保護のdsDNA基質についてであり、これにより、エキソヌクレアーゼIII活性が速度を限定しないことが示された。
【実施例6】
【0158】
実施例6。DNA基質濃度に関するアッセイの直線範囲。
この実施例では、実施例5と同様に、二本鎖基質、Cas12a RNPおよびエキソヌクレアーゼの間の反応を行った。他の試薬はすべて一定に保ち、DNA基質の濃度を2.06nMから500nMの間で変化させた。結果を図6に示す。このアッセイは、少なくとも4.1nMまでのターゲットdsDNA配列を検知するのに十分な感度があり、広範囲のターゲットdsDNA濃度に対して直線的な用量応答を示すことが観察された。
【実施例7】
【0159】
実施例7(予測的):Cas9エンドヌクレアーゼによる基質の切断。
この実施例では、Cas12aエンドヌクレアーゼの代わりにCas9エンドヌクレアーゼを用いて、実施例3に記述した実験を行う。二本鎖DNA(dsDNA)ホスホロチオエートで保護されたターゲットは、Cas9によって認識されるPAM配列を含むことを除いては、配列番号1/配列番号2と同様である。さらに、dsDNAターゲットは、非ターゲット鎖およびターゲット鎖の5’末端にフルオロフォアおよびクエンチャーの対を含む。インキュベーションは1X Cutsmart(登録商標)バッファー中で行う。精製された組換えCas9タンパク質を合成crRNAと共に37℃で10分間インキュベートすることにより、SpyCas9(化膿連鎖球菌Cas9)およびガイドRNA(crRNA)からなるCas9リボ核タンパク質(RNP)を形成する。RNPのcrRNA構成要素は、SpyCas9および二本鎖基質に対する特異性をもたらす。保護されたdsDNAターゲットは、エキソヌクレアーゼIIIおよびCas9 RNPのいずれかと共にインキュベートする。1つまたはそれ以上のコントロール反応物、例えば、RNPを除外したもの、エキソヌクレアーゼを除外したもの、またはエキソヌクレアーゼ保護を除外したものを含める。反応物を37℃でインキュベートし、レポーターフルオロフォアの放出波長に対応する蛍光読み取り値を600分間にわたって30秒ごとに、Spectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して取得する。
【実施例8】
【0160】
実施例8(予測的):制限エンドヌクレアーゼによる基質の切断
この実施例では、Cas12aエンドヌクレアーゼの代わりにII型制限エンドヌクレアーゼなどの制限エンドヌクレアーゼを用いて、実施例3に記述した実験を行う。二本鎖DNA(dsDNA)ホスホロチオエートで保護されたターゲットは、試験される制限エンドヌクレアーゼのための認識配列を含むことを除いては、配列番号1/配列番号2と同様である。保護されたdsDNAターゲットを、制限エンドヌクレアーゼ活性とエキソヌクレアーゼIII活性の両方を許容できる適切なバッファー中で、エキソヌクレアーゼIIIおよび制限エンドヌクレアーゼと共にインキュベートする。1つまたはそれ以上のコントロール反応物、例えば、制限エンドヌクレアーゼを除外したもの、エキソヌクレアーゼを除外したもの、またはエキソヌクレアーゼ保護を除外したものを含める。反応物を37℃でインキュベートし、レポーターフルオロフォアの放出波長に対応する蛍光読み取り値を600分間にわたって30秒ごとに、Spectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して取得する。
【実施例9】
【0161】
実施例9。CRISPR Cas12aによるFAM基質の切断
この実施例では、図7に示す基質(「FAM基質」)を設計した。60bpのターゲットには、Cas12aのプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)および十分に特性解析されたAAVS1スペーサー配列を含めた。この基質は、PAM上流の5’末端に、Iowa Blackダーククエンチャーと対になったデオキシチミジン(dT)コンジュゲート型フルオレセイン(FAM)を有する。両3’末端がホスホロチオエート結合(Pt)で保護されている。コントロール基質は3’末端にPt保護を有しないものとした(「未保護のFAM基質」)。
【0162】
FAM基質、Exo III、およびAsCas12aリボ核タンパク質複合体(RNP)を、RNP 0.42~18nM、ExoIII 2.5kU/mLおよびdsDNAターゲット100nMでNEBuffer1中に含有する反応混合物において、基質(図7)を切断した。反応を37℃で進行させ、図8に示す蛍光データを収集した。50~150分の期間における蛍光増加率をCas12a濃度の関数としてプロットした。
【実施例10】
【0163】
実施例10。CRISPR Cas12aによるTAMRA基質の切断
この実施例では、デオキシチミジン(dT)コンジュゲート型フルオレセイン(FAM)の代わりにTAMRA-NHSエステルを使用したことを除いては図7に示したFAM基質と同一である基質(「TAMRA基質」)を設計した。FAM基質(図7)と同様に、両3’末端をホスホロチオエート結合(Pt)で保護した。コントロール基質は3’末端にPt保護を有しないものとした(「未保護のTAMRA基質」)。
【0164】
TAMRA基質、Exo III、およびAsCas12aリボ核タンパク質複合体(RNP)を含有する反応混合物において、基質を切断した。反応混合物は、NEBuffer 1中に18nMのRNP(またはコントロール1x NCAバッファー)、2.5kU/mLのExo III、および100nMのdsDNA基質を含んでいた。反応を37℃で進行させ、図9に示す蛍光データを収集した。
【実施例11】
【0165】
実施例11。代替的なフルオロフォアの配置
この実施例では、一連のCRISPR Cas12a基質(図7に示すものと同様)で代替的なフルオロフォアの配置を有するものを設計した。図10は、「非ターゲットFAM」基質(図7に示すものと同じ、FAMを同じ鎖上でPAMの上流に有する)、「ターゲットFAM」基質(PAMとは反対の鎖にFAM)、および「二重FAM」基質(PAMと同じ鎖と反対の鎖の両方にFAM)を示す。
【0166】
3つのFAM基質のうちの1つ、Exo III、およびAsCas12aリボ核タンパク質複合体(RNP)を含有する反応混合物において、3つの基質を切断した。反応混合物は、NEBuffer1中に18nMのRNP(またはコントロール1x NCAバッファー)、2.5kU/mLのExo III、100nMのdsDNA基質を含んでいた。反応を37℃で進行させ、蛍光データを収集した(図11に示す)。このデータは、すべての保護された基質の比較(図12)および様々な反応混合物における蛍光変化率(図13)としても表されている。
【実施例12】
【0167】
実施例12。エキソヌクレアーゼ濃度の最適化。
この実施例では、エキソヌクレアーゼを滴定し、エキソヌクレアーゼ濃度を最適化した。切断反応は、NEBuffer1バッファー中でセットアップし、「ターゲット鎖」FAM基質(図10)、RNP 20.25nMのAsCas12a RNP(cas12a:crRNA 2:1)、様々な量のExoIII(156.25~2500U/mL)、およびFAM標識基質を含めた。コントロール反応物には、未保護の基質、またはRNPなし、またはExoIIIなしを含めた。反応を37℃で進行させた。結果を図14に示す。
【実施例13】
【0168】
実施例13。Cas9エンドヌクレアーゼによる切断
この実施例では、Cas9へのアッセイの適用可能性を実証した。この実施例は、予測的実施例7の妥当性検証からなる。実施例7において提唱したように、図1および図7に従って二本鎖DNA(dsDNA)を設計した。基質はホスホロチオエートで保護され、Cas9によって認識されるPAM配列、PAMと同じ鎖(非ターゲット鎖)上のスペーサー配列、フルオロフォアおよびクエンチャーを含んでいた。この実験において、Cas9ガイドは、Cas12aガイドとは反対の鎖をターゲティングした。
【0169】
crRNAとtracrRNAとを組み合わせたCas9エンドヌクレアーゼのためのシングルガイドRNA(sgRNA)を設計した。実施例7において提唱したように、インキュベーションは1X Cutsmart(登録商標)バッファー中で行う。精製された組換えCas9をsgRNAと共に37℃で10分間インキュベートすることにより、SpyCas9(化膿連鎖球菌Cas9)およびガイドRNA(シングルガイドRNA(sgRNA))からなるCas9リボ核タンパク質(RNP)を形成した。反応物には、200uLの反応体積で50nMのSpyCas9、1kU/mLのExoIII(New England Biolabs、Ipswich、Mass.)、および110nMのdsDNA基質を含めた。実施例7において提唱したように、RNPを除外したコントロール反応物(ExoIIIのみ反応物)を含めた。反応物を37℃でインキュベートし、レポーターフルオロフォアの放出波長に対応する蛍光読み取り値を1000分間にわたって30分ごとに、Spectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して取得した。すべての反応を三連で行い、各データ点の平均結果を図15に示した。
【実施例14】
【0170】
実施例14。制限エンドヌクレアーゼによる切断
この実施例では、II型制限エンドヌクレアーゼへのアッセイの適用可能性を実証した。この実施例は、予測的実施例8の妥当性検証からなる。
【0171】
実施例8において提唱したように、二本鎖DNA(dsDNA)ホスホロチオエートで保護された基質を図1に従って設計した。これらの基質には、制限エンドヌクレアーゼBsaI、BcoDIおよびSalIのうちの1つのための認識配列を含めた。実施例7において提唱したように、各基質を1X Cutsmart(登録商標)バッファー中でエキソヌクレアーゼIIIおよび制限エンドヌクレアーゼと共にインキュベートした。各反応混合物には、BsaI HF v2、BcoDIおよびSalI(New England Biolabs)のうちの1つを300U、ExoIIIを1.25kUで含めた。反応物を37℃でインキュベートし、レポーターフルオロフォアの放出波長に対応する蛍光読み取り値を300分間にわたって毎分、Spectramax i3xプレート(Molecular Devices、San Jose、Cal.)を使用して取得した。結果を図16に示す。
【0172】
具体例を参照して本発明を詳細に記述したが、本発明の範囲内で様々な改変を行えることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は本明細書に記述される例によって限定されるべきではなく、以下に提示される特許請求の範囲によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【配列表】
2024537471000001.xml
【国際調査報告】