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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20241003BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20241003BHJP
   A24F 40/85 20200101ALI20241003BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/85
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525081
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2022127951
(87)【国際公開番号】W WO2023078154
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111291754.3
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】程鵬
(72)【発明者】
【氏名】廖▲えん▼程
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC11
4B162AC22
4B162AC34
4B162AF01
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(1)は、一端に収容室(100)が形成されているケーシング(10)、取り外し可能に収容室(100)に収容される加熱モジュール(30)、及びケーシング(10)に設けられる弾性機構(50)を含む。加熱モジュール(30)にはエアロゾル形成基質(9)を収容するための加熱室(310)が形成されている。上カバー組立体(20)には、エアロゾル形成基質(9)を挿入するための挿入孔(210)が形成されている。弾性機構(50)はロック位置及び解除位置を有する。弾性機構(50)がロック位置から解除位置へ切り替えられる際に、弾性機構(50)は、加熱モジュール(30)を収容室(100)の開口(101)の方向に向かって運動可能とする。このとき、加熱モジュール(30)を取り出して、加熱モジュール(30)をクリーニングするか、新たな加熱モジュール(30)に交換することが可能となる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に収容室(100)が形成されているケーシング(10)、取り外し可能に前記収容室(100)に収容される加熱モジュール(30)、及び前記ケーシング(10)に設けられる弾性機構(50)を含み、前記加熱モジュール(30)にはエアロゾル形成基質(9)を収容するための加熱室(310)が形成されており、
前記弾性機構(50)はロック位置及び解除位置を有し、前記弾性機構(50)が前記ロック位置から前記解除位置へ切り替えられる際に、前記弾性機構(50)は、前記加熱モジュール(30)を前記収容室(100)の開口の方向に向かって運動可能とすることを特徴とするエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記加熱モジュール(30)は、内部に前記加熱室(310)が形成されている加熱管(31)と、前記加熱室(310)に伸入する発熱体(32)を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記発熱体(32)は円柱状をなしていることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記加熱モジュールはベース(33)を含み、前記発熱体(32)は、前記ベース(33)に固定されるとともに前記加熱室(310)内に収容されることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記加熱モジュール(30)における前記発熱体(32)から離隔する表面には、前記発熱体(32)に電気的に接続される電気接点(34)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置は、更に、前記ケーシング(10)内に設けられて、前記電気接点(34)に接触して導通するための弾性電極(81)を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記エアロゾル発生装置は、更に、取り外し可能に前記収容室(100)に収容される上カバー組立体(20)を含み、前記上カバー組立体(20)には、前記エアロゾル形成基質(9)を挿入するための挿入孔(210)が形成されており、
前記弾性機構(50)が前記解除位置にあるとき、前記弾性機構(50)は、前記加熱モジュール(30)及び前記上カバー組立体(20)を前記収容室(100)の開口の方向に向かって運動可能とすることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記加熱モジュール(30)の上端は前記挿入孔(210)内に伸入し、前記上カバー組立体(20)は、前記加熱モジュール(30)を押圧して、前記収容室(100)の開口から離隔する方向へ前記加熱モジュール(30)を運動可能とすることで、前記加熱モジュール(30)を前記収容室(100)内の位置にロックすることを特徴とする請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記挿入孔(210)の内壁面は内側に突出することで位置決め部(211)を形成しており、前記加熱モジュール(30)の上端の外縁は外側に突出することで位置規制フランジ(313)を形成しており、前記位置規制フランジ(313)は、前記位置決め部(211)に押圧されることで前記加熱モジュール(30)を運動可能とすることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記エアロゾル発生装置は、更に、摺動可能に前記ケーシング(10)内に設けられる摺動部材(40)を含み、前記弾性機構(50)は、前記摺動部材(40)を運動させることで、前記上カバー組立体(20)及び前記加熱モジュール(30)を運動させることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記摺動部材(40)と前記上カバー組立体(20)は磁気吸着により接続されることを特徴とする請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記摺動部材(40)には収容孔(41)が形成されており、前記加熱モジュール(30)は前記収容孔(41)内に挿設されることを特徴とする請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記摺動部材(40)内には、前記ケーシング(10)からの前記摺動部材(40)の抜けを回避するよう、位置規制構造が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記位置規制構造は前記ケーシング(10)に固定的に接続され、前記位置規制構造は、摺動可能に前記摺動部材(40)内に設けられる位置規制ロッド(65)と、前記位置規制ロッド(65)から横方向に伸出する位置規制部材(45)を含むことを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記エアロゾル発生装置は、更に、前記位置規制部材(45)に設けられて前記上カバー組立体(20)を吸着するために用いられる第2磁気吸着部材(43)を含むことを特徴とする請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記弾性機構(50)は、前記加熱モジュール(30)を運動させるための第1弾性組立体(51)と、前記第1弾性組立体(51)をロック又は解除するための第2弾性組立体(52)を含むことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記第1弾性組立体(51)は、縦方向に移動可能に前記ケーシング(10)内に設けられるプッシュロッド(511)と、前記プッシュロッド(511)に接続される第1弾性部材(512)を含み、前記第2弾性組立体(52)は、横方向に移動可能に前記ケーシング(10)内に設けられるロック部材(521)と、前記ロック部材(521)に接続される第2弾性部材(523)を含み、前記弾性機構(50)が前記ロック位置にあるとき、前記プッシュロッド(511)と前記ロック部材(521)は互いに係接されることを特徴とする請求項16に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記プッシュロッド(511)及び前記ロック部材(521)には、それぞれ、互いに係止及び連携する第1係接部(5114)及び第2係接部(5213)が形成されており、前記第1係接部(5114)及び第2係接部(5213)は、互いに係合又は離脱することで、前記プッシュロッド(511)をロック又は解除することを特徴とする請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記ケーシング(10)の表面には押しボタン(11)が設けられており、前記押しボタン(11)は、前記ロック部材(521)を押圧することで、前記ロック部材(521)に前記プッシュロッド(511)のロックを解除させることが可能であることを特徴とする請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
前記プッシュロッド(511)は、縦方向に上から下に順に接続される第1ロッド区間(5111)、第2ロッド区間(5112)及び第3ロッド区間(5113)を含み、前記第2ロッド区間(5112)の外部の横断面サイズは、前記第1ロッド区間(5111)及び前記第3ロッド区間(5113)の外部の横断面サイズよりも大きいことを特徴とする請求項17に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の分野に関し、より具体的には、エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱型の霧化装置は、低温の非燃焼・加熱方式で霧化材料を加熱することで、吸入可能なエアロゾルを形成するエアロゾル発生装置である。現在、非燃焼・加熱型の霧化装置は、通常、加熱シートのようなヒータをエアロゾル形成基質に挿入して加熱する。そして、加熱温度を制御することでエアロゾル形成基質中の成分を揮発させ、エアロゾルを発生させて吸入させる。
【0003】
エアロゾル形成基質は、加熱後に粘着を生じやすく、ヒータ上に残留物を形成することで、例えば焦げ臭を発生させるというように、ヒータの次回使用時の加熱効果に影響を及ぼす。そのため、ヒータを一定期間使用したあとは、加熱モジュールをクリーニングするか、新たな加熱モジュールに交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、改良したエアロゾル発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。即ち、一端に収容室が形成されているケーシング、取り外し可能に前記収容室に収容される加熱モジュール、及び前記ケーシングに設けられる弾性機構を含むエアロゾル発生装置を構成する。前記加熱モジュールにはエアロゾル形成基質を収容するための加熱室が形成されている。前記上カバー組立体には、前記エアロゾル形成基質を挿入するための挿入孔が形成されている。
【0006】
前記弾性機構はロック位置及び解除位置を有する。前記弾性機構が前記ロック位置から前記解除位置へ切り替えられる際に、前記弾性機構は前記加熱モジュールを前記収容室の開口の方向に向かって運動可能とする。
【0007】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュールは、内部に前記加熱室が形成されている加熱管と、前記加熱室に伸入する発熱体を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記発熱体は円柱状をなしている。
【0009】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュールはベースを含む。前記発熱体は前記ベースに固定されるとともに前記加熱室内に収容される。
【0010】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュールにおける前記発熱体から離隔する表面には、前記発熱体に電気的に接続される電気接点が設けられている。
【0011】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、前記ケーシング内に設けられて、前記電気接点に接触して導通するための弾性電極を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、取り外し可能に前記収容室に収容される上カバー組立体を含む。前記上カバー組立体には、前記エアロゾル形成基質を挿入するための挿入孔が形成されている。
【0013】
前記弾性機構が前記解除位置にあるとき、前記弾性機構は、前記加熱モジュール及び前記上カバー組立体を前記収容室の開口の方向に向かって運動可能とする。
【0014】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュールの上端は前記挿入孔内に伸入する。前記上カバー組立体は、前記加熱モジュールを押圧することで、前記加熱モジュールを前記収容室内の位置にロック可能とする。
【0015】
いくつかの実施例において、前記挿入孔の内壁面は内側に突出することで位置決め部を形成しており、前記加熱モジュールの上端の外縁は外側に突出することで位置規制フランジを形成している。前記位置規制フランジは、前記位置決め部に押圧されることで前記加熱モジュールを運動可能とする。
【0016】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、摺動可能に前記ケーシング内に設けられる摺動部材を含む。前記弾性機構は、前記摺動部材を運動させることで、前記上カバー組立体及び前記加熱モジュールを運動させる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記摺動部材と前記上カバー組立体は磁気吸着により接続される。
【0018】
いくつかの実施例において、前記摺動部材には収容孔が形成されており、前記加熱モジュールは前記収容孔内に挿設される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記摺動部材内には、前記ケーシングからの前記摺動部材の抜けを回避するよう、位置規制構造が設けられている。
【0020】
いくつかの実施例において、前記位置規制構造は前記ケーシングに固定的に接続される。前記位置規制構造は、摺動可能に前記摺動部材内に設けられる位置規制ロッドと、前記位置規制ロッドから横方向に伸出する位置規制部材を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、前記位置規制部材に設けられて前記上カバー組立体を吸着するために用いられる第2磁気吸着部材を含む。
【0022】
いくつかの実施例において、前記弾性機構は、前記加熱モジュールを運動させるための第1弾性組立体と、前記第1弾性組立体をロック又は解除するための第2弾性組立体を含む。
【0023】
いくつかの実施例において、前記第1弾性組立体は、縦方向に移動可能に前記ケーシング内に設けられるプッシュロッドと、前記プッシュロッドに接続される第1弾性部材を含む。前記第2弾性組立体は、横方向に移動可能に前記ケーシング内に設けられるロック部材と、前記ロック部材に接続される第2弾性部材を含む。前記弾性機構が前記ロック位置にあるとき、前記プッシュロッドと前記ロック部材は互いに係接される。
【0024】
いくつかの実施例において、前記プッシュロッド及び前記ロック部材には、それぞれ、互いに係止及び連携する第1係接部及び第2係接部が形成されている。前記第1係接部及び第2係接部は、互いに係合又は離脱することで、前記プッシュロッドをロック又は解除する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記ケーシングの表面には押しボタンが設けられている。前記押しボタンは、前記ロック部材を押圧することで、前記ロック部材に前記プッシュロッドのロックを解除させることが可能である。
【0026】
いくつかの実施例において、前記プッシュロッドは、縦方向に上から下に順に接続される第1ロッド区間、第2ロッド区間及び第3ロッド区間を含む。前記第2ロッド区間の外部の横断面サイズは、前記第1ロッド区間及び前記第3ロッド区間の外部の横断面サイズよりも大きい。
【0027】
いくつかの実施例において、前記第1弾性部材はバネとして前記第3ロッド区間に覆設してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明を実施することで、少なくとも以下の有益な効果を有する。即ち、加熱モジュールは取り外し可能に設られる。よって、エアロゾル発生装置を一定期間使用したあとは、弾性機構を操作して加熱モジュールを解除してから、加熱モジュールを取り出すことで、加熱モジュールをクリーニングするか、新たな加熱モジュールに交換することが可能である。
【0029】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明のいくつかの実施例におけるエアロゾル発生装置の防塵カバーが閉止されたときの立体構造の概略図である。
図2図2は、図1に示すエアロゾル発生装置の防塵カバーが開放されてエアロゾル形成基質が挿入されたときの立体構造の概略図である。
図3図3は、図2に示すエアロゾル発生装置の分解構造の概略図である。
図4図4は、図2の加熱モジュールの分解構造の概略図である。
図5図5は、図2の加熱モジュールの断面構造の概略図である。
図6図6は、図2の弾性機構の分解構造の概略図である。
図7図7は、図2に示すエアロゾル発生装置のA-A縦方向断面の概略図である。
図8図8は、図2に示すエアロゾル発生装置がロック解除後に第2位置まで上方に移動したときのA-A縦方向断面の概略図である。
図9図9は、図2に示すエアロゾル発生装置の横方向断面の概略図である。
図10図10は、図2に示すエアロゾル発生装置のB-B縦方向断面の概略図である。
図11図11は、図2に示すエアロゾル発生装置がロック解除後に第2位置まで上方に移動したときのB-B縦方向断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0032】
本発明の記載において、理解すべき点として、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「天井」、「底」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係、或いは、本発明の製品を使用する際の慣習的な配置の方向又は位置関係であって、本技術方案の記載の便宜上のものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。また、本発明で使用する「垂直」、「水平」、「縦方向」、「横方向」との用語及び類似の表現は説明の便宜上のものにすぎず、唯一の実施形態を表すものではない。
【0033】
更に、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」、「固定する」「設ける」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体をなしていてもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよいし、2つの部材内部の連通であってもよいし、2つの部材の相互作用関係であってもよい。また、一方の部材が他方の部材の「上」又は「下」にあると称される場合、当該部材は、「直接的」又は「間接的」に他方の部材上に位置してもよいし、1つ又はより多くの仲介部材が存在してもよい。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、本技術方案の記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示していると解釈すべきでも、指摘する技術的特徴の数を示唆していると解釈すべきでもない。従って、「第1」、「第2」、「第3」等の特徴が限定されている場合には、1つ又はより多くの当該特徴を明示的又は暗示的に含み得る。当業者であれば、具体的状況に応じて、本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0034】
図1図11は、本発明のいくつかの実施例におけるエアロゾル発生装置1を示す。当該エアロゾル発生装置1は、内部に挿接されたエアロゾル形成基質9を低温でベーキング加熱することで、エアロゾル形成基質9内のエアロゾル抽出物を非燃焼状態で放出させる。当該エアロゾル発生装置1は略楕円柱状をなしていてもよい。また、当該エアロゾル形成基質9は、円柱状をなしていてもよく、且つ、植物の葉系の固体状の基質を含んでいてもよい。理解し得るように、その他の実施例において、前記エアロゾル発生装置1は、楕円柱状に限らず、円柱状、四角柱状等のその他の形状をなしていてもよい。
【0035】
図1図3及び図7に示すように、当該エアロゾル発生装置1は、筒状のケーシング10と、ケーシング10に収容される上カバー組立体20、加熱モジュール30、電池70及び回路基板80を含む。電池70は、ケーシング10の下部に設けてもよく、加熱モジュール30にエネルギーを供給するために用いられる。また、回路基板80はケーシング10の中央部に設けてもよい。回路基板80には関連の制御回路が配置されている。当該制御回路は、それぞれ、電池70及び加熱モジュール30に電気的に接続されて、電池70から加熱モジュール30への電気供給を制御するために用いられる。ケーシング10には、更に、スイッチ13及びディスプレイ12が設けられていてもよい。当該スイッチ13は、ユーザの操作を受け付けることで、回路基板80を起動して、電池70から加熱モジュール30への電気供給を制御するために用いられる。前記ディスプレイ12は、エアロゾル発生装置1の状態表示、又は、ユーザへの提示のために使用可能である。
【0036】
ケーシング10の上端には収容室100が形成されている。また、収容室100の天井部には開口101が備わっている。上カバー組立体20及び加熱モジュール30は、いずれも取り外し可能に収容室100内に収容される。上カバー組立体20には、エアロゾル形成基質9を挿入するための挿入孔210が形成されている。加熱モジュール30内には、エアロゾル形成基質9を収容及び加熱するための加熱室310が形成されている。エアロゾル形成基質9は、挿入孔210を経由して加熱室310内に挿入可能である。加熱モジュール30は、通電により発熱したあと、エアロゾル形成基質9に熱を伝達することで、エアロゾル形成基質9のベーキング加熱を実現可能とする。加熱モジュール30の加熱方式は制限せず、例えば、抵抗加熱、電磁加熱、赤外線放射加熱又は複合加熱等としてもよい。
【0037】
上カバー組立体20は、分離可能に収容室100内に取り付けられるとともに、第1位置と第2位置の間で往復摺動可能である。上カバー組立体20は、上下に摺動可能に収容室100に設けられる上カバー21と、水平に摺動可能に上カバー21の上側に設けられる防塵カバー22を含む。上カバー21には、挿入孔210が縦方向に貫通するよう形成されている。当該挿入孔210の形状及びサイズは、エアロゾル形成基質9に合致していてもよい。上カバー組立体20が第1位置にあるとき、上カバー21は収容室100内に収容される。また、上カバー組立体20が第2位置にあるとき、上カバー21は少なくとも一部が収容室100から露出する。このとき、上カバー組立体20を収容室100から抜き出し可能となる。
【0038】
防塵カバー22は、挿入孔210の遮蔽又は露出に用いられる。エアロゾル発生装置1を使用する必要のないときには、防塵カバー22を押し動かして挿入孔210を遮蔽することで、挿入孔210への埃の進入を防止可能とする。また、使用する必要のあるときには、防塵カバー22を押し動かして挿入孔210を露出させることで、エアロゾル形成基質9を挿入孔210から挿入可能とする。
【0039】
図5図7図8に示すように、加熱モジュール30は、分離可能に収容室100内に取り付けられるとともに、第1位置と第2位置の間で往復摺動可能である。いくつかの実施例において、加熱モジュール30と上カバー組立体20は分離可能に設けられる。加熱モジュール30の上端は挿入孔210内に伸入可能である。また、挿入孔210内には位置決め部211が更に形成されていてもよい。当該位置決め部211が加熱モジュール30の上端に嵌め合わされることで、上カバー組立体20は加熱モジュール30を押下して位置ロックすることが可能となる。当該位置決め部211は、挿入孔210の内壁面から内側に延伸することで形成可能である。本実施例では、位置決め部211を2つ有する。当該2つの位置決め部211は、それぞれ、挿入孔210の周方向の両側に位置する。その他の実施例では、位置決め部211を複数有してもよい。また、別のいくつかの実施例では、位置決め部211を1つ有し、且つ環状としてもよい。理解し得るように、その他の実施例において、加熱モジュール30と上カバー組立体20は、分離可能に組み付けられる場合に限らず、例えば、加熱モジュール30と上カバー組立体20は一体的に結合されてもよい。
【0040】
加熱モジュール30は、加熱管31、加熱管31の底部に設けられるベース33及びベース33に設けられる発熱体32を含んでもよい。加熱管31は管状をなしており、内壁面がエアロゾル形成基質9を収容するための加熱室310を規定する。加熱管31の内壁面は、内側に突出することで環状突起315を形成してもよい。エアロゾル形成基質9が加熱室310内に収容されるとき、エアロゾル形成基質9の下端面は環状突起315の上端面に当接し得る。加熱管31の上端の外壁面には、位置決め部211に嵌め合わされる位置規制フランジ313が形成されていてもよい。位置規制フランジ313は、位置決め部211に押圧されることで加熱モジュール30を下方へ移動可能とし、且つ、摺動部材40に押し動かされることで加熱モジュール30を上方へ移動可能とする。いくつかの実施例において、位置規制フランジ313は環状をなしていてもよく、且つ、加熱管31の上端の外壁面から径方向に外側へ突出することで形成される。位置決め部211の下端面は、位置規制フランジ313に当接可能である。よって、上カバー組立体20を下方に押圧することで、加熱モジュール30を収容室100の開口101から離隔する方向へ下方に移動させられる。その他の実施例において、位置決め部211は加熱管31の上端面に当接してもよい。これにより、加熱管31に位置規制フランジ313を設けなくてもよくなる。
【0041】
いくつかの実施例において、加熱室310の室壁の内表面には、更に、少なくとも2つのガス経路突条311が突出するよう形成されていてもよい。各ガス経路突条311は、いずれも加熱室310の軸方向に沿って延伸している。エアロゾル形成基質9が加熱室310内に収容されたあと、エアロゾル形成基質9の外表面は少なくとも1組の2つのガス経路突条311に当接可能となる。エアロゾル形成基質9の外表面と、当該少なくとも1組の2つのガス経路突条311との間には、ガスを通過可能とするガス経路312が形成される。具体的には、エアロゾル形成基質9の外表面と、当該少なくとも1組の2つのガス経路突条311の間における加熱室310の室壁の内表面との間に隙間が形成され、当該隙間がガス経路312を形成する。こうすることで、吸入時の気流の円滑な通過を保証可能となる。好ましくは、ガス経路突条311を複数有する。当該複数のガス経路突条311は、加熱室310の周方向に沿って均一な間隔で分布してもよい。いくつかの実施例において、ガス経路突条311の数は6~12本である。エアロゾル形成基質9の外表面と、各隣り合う2つのガス経路突条311との間にガス経路312がそれぞれ形成されることで、吸入時の気流の通過をより円滑とすることができる。
【0042】
いくつかの実施例において、前記複数のガス経路突条311は、同一の水平断面における内輪郭が同一円周上に位置する。また、加熱室310は、軸方向に対向して設けられる第1端及び第2端を有する。当該第1端は室口3101を有しており、エアロゾル形成基質9を挿入するために用いられる。即ち、当該第1端は上カバー組立体20に近接する一端であり、当該第2端はベース33に近接する一端である。前記複数のガス経路突条311は、同一の水平断面における内輪郭で取り囲む円形の直径が、第1端から第2端に向かう方向において徐々に小さくなっていてもよい。こうすることで、エアロゾル形成基質9の挿入時における案内効果を形成可能となる。本実施例において、各ガス経路突条311は、いずれも、第1区間突条3111と、軸方向において第1区間突条3111の下端に接続される第2区間突条3112を含んでもよい。第1区間突条3111及び第2区間突条3112は、異なる斜面の傾斜角度を有していてもよく、第1区間突条3111の斜面の傾斜角度αが第2区間突条3112の斜面の傾斜角度β以上であってもよい。いくつかの実施例において、第1区間突条3111の斜面の傾斜角度αは10~40度であってもよく、第2区間突条3112の斜面の傾斜角度βは1~10度であってもよい。上方に位置する第1区間突条3111の斜面の傾斜角度を大きくすることで、エアロゾル形成基質9の素早い導入に有利となり得る。また、下方に位置する第2区間突条3112の斜面の傾斜角度を小さくすることで、エアロゾル形成基質9の周方向の位置決めを実現し得るとともに、ガスを通過させるガス経路312が形成される。その他の実施例において、各ガス経路突条311は、軸方向において少なくとも3つの区間突条を順に接続することで形成されてもよい。当該少なくとも3つの区間突条は異なる斜面の傾斜角度を有してもよく、上方に位置する区間突条の斜面の傾斜角度が下方に位置する区間突条の斜面の傾斜角度以上であってもよい。
【0043】
図4に示すように、ベース33は、加熱管31の底部の開口に嵌設可能であり、且つ、加熱管31にフック接続可能である。具体的に、ベース33の外周面は、外側に向かって突出することで少なくとも1つのフック部332を形成してもよい。また、加熱管31には、当該少なくとも1つのフック部332に対応して少なくとも1つの係接溝314が形成されている。当該少なくとも1つのフック部332と当該少なくとも1つの係接溝314が互いに掛合することで、加熱管31とベース33が互いに掛合及び固定される。本実施例では、係接溝314を2つ有し、且つ、それぞれを加熱管31の周方向の両側に設けてもよい。また、これに応じて、ベース33の周方向の両側には、当該2つの係接溝314に対応して2つのフック部332がそれぞれ形成されている。また、その他の実施例では、加熱管31とベース33が一体的に成形されてもよい。
【0044】
発熱体32はシート状又は柱状をなしていてもよい。発熱体32の下端はベース33内に挿設されて固定可能である。発熱体32の上端は、加熱室310内に収容されるとともに、エアロゾル形成基質9内に挿入されてエアロゾル形成基質9を加熱することが可能である。本実施例において、発熱体32は、円柱状をなしていてもよく、且つ円錐状のヘッド部321を有していてもよい。当該円錐状のヘッド部321によって、エアロゾル形成基質9内への挿入に有利となり得る。また、発熱体32は円柱状をなしているため、エアロゾル形成基質9の加熱が完了したあとに、手動でエアロゾル形成基質9を回転させることで、エアロゾル形成基質9を発熱体32における加熱後の粘着部分から分離させたあと、エアロゾル形成基質9を抜き出すことが可能である。
【0045】
図4図7図8に示すように、いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置1は、更に、ケーシング10内に設けられて、回路基板80に電気的に接続される少なくとも2つの弾性電極81を含んでもよい。また、ベース33における加熱室310とは反対側の表面であるベース33の底面には、発熱体32に電気的に接続される少なくとも2つの電気接点34が設けられていてもよい。発熱体32は、当該少なくとも2つの電気接点34を介して、少なくとも2つの弾性電極81と接触して導通するか、分離して切断されることが可能である。更に、電気接点34、弾性電極81をいずれも複数有してもよい。また、当該複数の電気接点34、複数の弾性電極81は、更に、発熱体32に設けられる温度検出部材等の電子部品との電気的接続に用いられてもよい。
【0046】
再び、図5に示すように、いくつかの実施例において、前記加熱モジュール30は、シールリング35を更に含んでもよい。シールリング35はシリコーン等の弾性材料を用いて製造してもよい。シールリング35は、密封状に発熱体32の外側に覆設可能であり、環状突起315の下端面とベース33の上端面の間にしっかりと挟まれる。
【0047】
図3図6図9図10図11に示すように、前記エアロゾル発生装置1は、更に、ケーシング10内に設けられる弾性機構50、ケーシング10内に設けられるホルダ組立体60及び摺動可能にケーシング10に設けられる摺動部材40を含んでもよい。前記弾性機構50はロック位置及び解除位置を有する。弾性機構50がロック位置から解除位置へ切り替えられる際に、弾性機構50は、上カバー組立体20及び加熱モジュール30を収容室100の開口101の方向に向かって上方に運動可能とする。
【0048】
いくつかの実施例において、前記弾性機構50は、互いに連携する第1弾性組立体51及び第2弾性組立体52を含んでもよい。第1弾性組立体51は、摺動部材40の下方に支持されており、摺動部材40を上方に移動させることが可能であるとともに、摺動部材40に押圧されて下方に移動することが可能である。第1弾性組立体51は、縦方向に移動可能にケーシング10内に設けられるプッシュロッド511と、プッシュロッド511に接続される第1弾性部材512を含んでもよい。第2弾性組立体52は、第1弾性組立体51をロック又は解除するために用いられ、横方向に移動可能にケーシング10内に設けられるロック部材521と、ロック部材521に接続される第2弾性部材523を含んでもよい。プッシュロッド511及びロック部材521には、それぞれ、互いに係止及び連携する第1係接部5114及び第2係接部5213が形成されていてもよい。第1係接部5114と第2係接部5213が互いに係合又は離脱することで、第1弾性組立体51のロック又は解除が実現される。プッシュロッド511とロック部材521が互いに係接されるとき、第1係接部5114の上端面は、第1弾性部材512及び第2弾性部材523の弾性力の作用により第2係接部5213の下端面にしっかりと当接することで、第1弾性組立体51をロックする。また、ロック部材521が外力の作用で横方向に内側へ移動する際に、第2係接部5213は、横方向に内側へ移動して第1係接部5114から離脱することで、第1弾性組立体51のロックを解除する。すると、プッシュロッド511は、第1弾性部材512の弾性力の作用で上方に運動し、摺動部材40を運動させることで、上カバー組立体20及び加熱モジュール30を運動させる。
【0049】
具体的に、前記第1弾性組立体51及び第2弾性組立体52はホルダ組立体60内に取り付け可能である。ホルダ組立体60は、互いに嵌め合わせ及び取り付け可能な第1ホルダ61及び第2ホルダ62を含んでもよい。電池70及び回路基板80は、いずれも第1ホルダ61と第2ホルダ62の間に収容可能である。ホルダ組立体60内には、更に、プッシュロッド511及び第1弾性部材512を支持するための支持部材66が固定的に取り付けられていてもよい。プッシュロッド511は、縦方向に摺動可能にホルダ組立体60内に設けられ、軸方向において上から下に順に接続される第1ロッド区間5111、第2ロッド区間5112及び第3ロッド区間5113を含んでもよい。第2ロッド区間5112の外部の横断面サイズは、第1ロッド区間5111及び第3ロッド区間5113の外部の横断面サイズよりも大きい。ホルダ組立体60は天井壁63を有する。天井壁63には、第1ロッド区間5111を摺動可能に挿通するための貫通孔64が設けられている。当該貫通孔64の横断面形状及びサイズは、第1ロッド区間5111の横断面形状及びサイズに合致していてもよい。第1ロッド区間5111は、貫通孔64を貫通して摺動部材40の底壁に当接することで、摺動部材40を上方に移動可能とする。
【0050】
第3ロッド区間5113は円柱状をなしていてもよい。第3ロッド区間5113の下端は、縦方向に摺動可能に支持部材66内に挿設される。第1弾性部材512は、柱状のバネとして第3ロッド区間5113に覆設してもよい。第1弾性部材512の上端は第2ロッド区間5112の下端面に当接可能であり、第1弾性部材512の下端は支持部材66の上端面に当接可能である。第1弾性部材512は圧縮状態及び解放状態を有する。弾性機構50がロック位置にあるとき、第1弾性部材512は圧縮状態となる。また、弾性機構50がロック位置から解除位置に切り替えられると、第1弾性部材512の長さが増大して弾性復元力が発生し、当該弾性復元力がプッシュロッド511に作用して上方に移動させる。また、その他の実施例において、第1弾性部材512は、皿状のバネ、弾性片又はねじりバネ等の弾性変形を発生可能なその他の構造としてもよい。弾性変形が発生して弾性復元力が生じると、当該弾性復元力がプッシュロッド511に作用して上方に移動させる。
【0051】
第1係接部5114は第2ロッド区間5112に形成可能である。第2ロッド区間5112は略四角柱状をなしていてもよい。第2ロッド区間5112におけるロック部材521に面する側は、内側に陥凹してスロット5115を形成してもよい。これにより、第2ロッド区間5112とロック部材521との干渉を回避可能となる。スロット5115の内壁面は、内側に突出することで第1係接部5114を形成している。
【0052】
ケーシング10には、第2弾性組立体52に対応して押しボタン11が設けられている。押しボタン11及びディスプレイ12は、ケーシング10の両側にそれぞれ設置可能である。押しボタン11は、外力を受けて押圧されると、ロック部材521を横方向に内側へ移動可能とする。また、押圧が解除されると、ロック部材521及び押しボタン11は、第2弾性部材523の弾性力の作用により、横方向に外側へ移動して位置復帰可能となる。ロック部材521は、本体部5211と、本体部5211の一方の側から外側に向かって延伸するよう形成される第2係接部5213を含んでもよい。本体部5211は四角形の筒状をなしていてもよい。本体部5211のうち押しボタン11に面する側には、横方向に内側へ延伸するよう取付孔5212が形成されており、第2弾性部材523を取り付けるために用いられる。また、第1係接部5114の下端面及び第2係接部5213の上端面には、更に、第1案内斜面5116及び第2案内斜面5214がそれぞれ形成されていてもよい。プッシュロッド511が押下されると、第1案内斜面5116と第2案内斜面5214との連携を経て、ロック部材521を横方向に内側へ移動させることが可能となる。これにより、第1係接部5114は、下方に向かって第2係接部5213の下方まで移動して第2係接部5213に係合可能となる。
【0053】
前記第2弾性組立体52は、更に、ホルダ組立体60内に固定的に取り付けられる取付部材52を含んでもよい。当該取付部材52はシート状をなしていてもよく、第2弾性部材523の位置規制に用いられる。第2弾性部材523はバネであってもよく、且つ、取付孔5212内に設置可能である。第2弾性部材523は、一端が取付孔5212の孔底壁に当接してもよく、他端が取付部材52に当接してもよい。
【0054】
摺動部材40は略楕円柱状をなしていてもよい。摺動部材40は、摺動可能にケーシング10内に取り付けられるとともに、第1位置と第2位置の間で往復摺動可能である。摺動部材40には、更に、縦方向に貫通するよう収容孔41が形成されていてもよい。加熱モジュール30は収容孔41内に挿設される。摺動部材40内には、更に、摺動部材40の最大上移動位置を規制して、ケーシング10からの摺動部材40の抜けを回避するために、位置規制構造が設けられていてもよい。当該位置規制構造は、ホルダ組立体60に固定的に接続可能であり、縦方向に摺動可能に摺動部材40内に設けられる位置規制ロッド65と、位置規制ロッド65から横方向に伸出する位置規制部材45を含んでもよい。前記位置規制ロッド65は、ホルダ組立体60の天井壁63から上方に延伸するよう形成してもよい。前記位置規制部材45は、横向きに設けられる略シート状をなしていてもよく、位置規制ロッド65の上端側に固定的に取り付けられてもよい。
【0055】
摺動部材40は、上カバー21の下方に当接可能に取り付けられるとともに、上カバー21に磁気吸着により接続可能である。摺動部材40及び上カバー組立体20が第2位置にあるとき、上カバー組立体20は、一部のみがケーシング10の収容室100の外側に露出する。且つ、上カバー組立体20は、摺動部材40に磁気吸着して、収容室100から跳び出すことはない。上カバー21内には、更に、摺動部材40に磁気吸着により接続される第1磁気吸着部材23が設けられていてもよい。及び/又は、摺動部材40内には、更に、上カバー21に磁気吸着により接続される第2磁気吸着部材43が設けられていてもよい。第1磁気吸着部材23は、磁石であってもよく、且つ、上カバー21の底部に嵌設されてもよい。第2磁気吸着部材43は、磁石であってもよく、且つ、摺動部材40内に懸装されてもよい。また、当該第2磁気吸着部材43は、位置規制部材45の下側に固定的に取り付けられてもよい。位置規制部材45は、第2磁気吸着部材43により吸着可能な磁性材料としてもよく、例えば、鉄製の材料で製造してもよい。
【0056】
図2図7図9及び図10に示すように、通常、エアロゾル発生装置1を使用する際には、弾性機構50がロック位置となり、プッシュロッド511の第1係接部5114とロック部材521の第2係接部5213が互いに係合する。また、上カバー組立体20、加熱モジュール30、摺動部材40はいずれも第1位置となり、上カバー組立体20と摺動部材40が磁力により互いに吸引し合う。また、加熱モジュール30は収容室100の開口101内に位置し、加熱モジュール30の底部における電気接点34がケーシング10内に設けられる弾性電極81に接合されて導通する。加熱管31の外縁における位置規制フランジ313の上端面は、挿入孔210内の位置決め部211の下端面に当接する。また、位置規制フランジ313の下端面と摺動部材40の上端面との間には隙間が形成されてもよい。なお、その他の実施例では、位置規制フランジ313の下端面が摺動部材40の上端面に当接してもよい。また、上カバー21は収容室100内に完全に収容されてもよい。上カバー21の天井部は、収容室100の開口101内に位置してもよいし、収容室100の開口101と面一となってもよい。また、その他の実施例において、上カバー21は、部分的に収容室100の開口101の外側に露出してもよい。防塵カバー22は、ユーザが操作しやすいよう、ケーシング10の外側に露出してもよい。
【0057】
図8及び図11に示すように、エアロゾル発生装置1を一定期間使用したあと、加熱モジュール30をクリーニングする必要が生じた場合には、ケーシング10の表面の押しボタン11を内側に向かって押圧し、ロック部材521を横方向に内側へ運動させることで、ロック部材521の第2係接部5213とプッシュロッド511の第1係接部5114を互いに離脱させる。すると、プッシュロッド511は、第1弾性部材512の弾性力の作用で上方に移動し、摺動部材40、上カバー組立体20、加熱モジュール30を上方に向かって第2位置まで移動させる。このとき、上カバー組立体20及び加熱モジュール30はいずれも収容室100の開口101の外側に部分的に露出するため、上カバー組立体20及び加熱モジュール30を順に取り出して、加熱モジュール30をクリーニングするか、新たな加熱モジュール30に交換することが可能となる。クリーニングの完了後は、再び加熱モジュール30及び上カバー組立体20を収容室100内に順に装入する。そして、上カバー組立体20を押下して、加熱モジュール30及び摺動部材40を再び下方に向かって第1位置まで移動させるとともに、摺動部材40を介してプッシュロッド511を下方に移動させることで、プッシュロッド511の第1係接部5114とロック部材521の第2係接部5213を再び係合させる。
【0058】
理解し得るように、上記の各技術的特徴は、制限なく任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0059】
以上の実施例は本発明の具体的実施形態を示したにすぎず、比較的具体的且つ詳細に記載したが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本発明の請求項の範囲で行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項が網羅する範囲に属するものとする。
図1
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【国際調査報告】