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特表2024-537474動力車両用の超音波センサ装置並びに超音波センサ構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】動力車両用の超音波センサ装置並びに超音波センサ構成
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/521 20060101AFI20241003BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
G01S7/521 B
G01S15/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525095
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 DE2022200236
(87)【国際公開番号】W WO2023078515
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021212410.0
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021212426.7
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022202859.7
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ハーファーカンプ・マルティン
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AB13
5J083AD04
5J083AE06
5J083AF06
5J083AF07
(57)【要約】
動力車両用の超音波センサ装置並びに超音波センサ構成
本発明は、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底(5)を有するポット型メンブレン(4)、並びに、その内周壁(9)が、メンブレン(4)の外側のマントル面(17)に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域(8)を包含するデカップリング・リング(1)を有する超音波センサ(3)を備えた動力車両用の超音波センサ装置(2)に関する。その際、メンブレン(4)は、デカップリング・リング(1)と共に動力車両のフェアリング部品(7)、特に、バンパの切り欠き部(6)に、少なくとも部分的にはめ込み可能である。本発明によれば、メンブレン底(5)とは逆側のリング部(8)の軸方向末端(14)には、少なくとも部分的にリング部(8)を取り巻いている、軸方向末端(14)から軸方向(Z)にメンブレン底(5)の方向へ向い、且つ、ラジアル方向(R)外側に向かって広がっているプリテンションエレメント(11)が、配置されている。更に、本発明は、フェアリング部品(7)、特にバンパを有する動力車両用の超音波センサ構成(16)、並びに、この様な超音波センサ装置(2)にも関するが、該超音波センサ装置(2)は、フェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取付け自在である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底(5)を有するポット型メンブレン(4)、並びに、その内周壁(9)が、メンブレン(4)の外側のマントル面(17)に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域(8)を包含するデカップリング・リング(1)を有する超音波センサ(3)を備え、該メンブレン(4)が、デカップリング・リング(1)と共に動力車両のフェアリング部品(7)、特に、バンパの切り欠き部(6)に、少なくとも部分的にはめ込み可能である動力車両用の超音波センサ装置であって、メンブレン底(5)とは逆側のリング部(8)の軸方向末端(14)に、少なくとも部分的にリング部(8)を取り巻いている、軸方向末端(14)から軸方向(Z)にメンブレン底(5)の方向へ向い、且つ、ラジアル方向(R)外側に向かって広がっているプリテンションエレメント(11)が、配置されていることを特徴とする動力車両用の超音波センサ装置(2)。
【請求項2】
プリテンションエレメント(11)が、軸方向末端(14)から直接、軸方向(Z)に沿ってメンブレン底(5)の方向へ延び、ラジアル方向(R)外側へ広がっていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項3】
プリテンションエレメント(11)が、周方向ラジアル内側へ湾曲する様にデザインされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項4】
プリテンションエレメント(11)が、全断面形状を通して、本質的に、一定のマテリアル厚を有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項5】
プリテンションエレメント(11)のリング部(8)に向いている側の表面に、軸方向(Z)のプリテンション力をプリテンションエレメント(11)内へと導入するためのフォース導入エレメント(11a)が、配置されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項6】
デカップリング・リング(1)が、少なくとも三つのリング部(8)の外周に分散されたプリテンションエレメント(11)を有しており、プリテンションエレメント(11)が、好ましくは、リング部(8)の外周上に一様に分散されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項7】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)のメンブレン底(5)とは逆側の軸方向末端(14)に少なくとも一つのリング部(8)の外周壁(10)に対して垂直且つラジアル方向(R)外側に広がる、メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、フェアリング部品(7)に形成されているリミット面(13)と共に作用するリミットエレメントを形成している周縁部位(12)を有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項8】
周縁部位(12)が、周方向において、プリテンションエレメント(11)に対して直接的に境を接して配置されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項9】
周方向において、それぞれ二つの隣接するプリテンションエレメント(11)の間に周縁部位(12)が配置されていることを特徴とする請求項6及び8に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項10】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)全体を取り巻く唯一のプリテンションエレメント(11)を有していることを特徴とする請求項1から5のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項11】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に、リング部(8)の周囲側を取り巻き、且つ、リング部(8)からラジアル方向(R)の自由端側へ延びる少なくとも一つの湾曲(20)を有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項12】
メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、湾曲(20)の自由端が、フェアリング部品(7)と接触していることを特徴とする請求項11に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項13】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に二つの湾曲(20)を有しているが、該二つの湾曲(20)が、軸方向(Z)に互いに間隔を持って配置されていることを特徴とする請求項11から12のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項14】
デカップリング・リング(1)が、一体に形成されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項15】
フェアリング部品(7)、特にバンパと請求項1から14のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)からなる動力車両用の超音波センサ構成であって、超音波センサ装置(2)が、フェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取付けられることを特徴とする動力車両用の超音波センサ構成(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底を有するポット型メンブレン、並びに、その内周壁が、メンブレンの外側のマントル面に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域を包含するデカップリング・リングを有する超音波センサを備えた動力車両用の超音波センサ装置に関する。その際、メンブレンは、デカップリング・リングと共に動力車両のフェアリング部品、特に、バンパの切り欠き部に、少なくとも部分的にはめ込み可能である。更に、本発明は、フェアリング部品、特にバンパを有する動力車両用の超音波センサ構成、並びに、この様な超音波センサ装置にも関するが、該超音波センサ装置は、フェアリング部品の切り欠き部に取付け自在である。
【背景技術】
【0002】
今日の動力車両は、一般的に、例えば、駐車アシスタントシステム及び/或いは制動アシスタントシステムなどのドライバー・アシスタント装置に帰属され、動力車両の周辺部、特に、周辺部にある障害物やオブジェクト、並びに、それらから動力車両までの距離に関する情報を与える複数の超音波センサ装置を有している。この様な超音波センサ装置は、動力車両の周り、少なくとも車両のフロントとリア領域に配置され、通常、フェアリング部品、特に、バンパに組み込まれている。
【0003】
この際、この様な超音波センサ装置は、通常、動力車両のフェアリング部品の開口部乃至切り欠き部内に、超音波センサ装置の超音波センサのポット型メンブレンの先端側乃至前側メンブレン底が、本質的に、フェアリング部品の該表面に揃う、但し、作動中は、メンブレン底から超音波が、送信できる、乃至、そこで受信できる様に配置されている。超音波センサ、乃至、超音波センサのメンブレンは、その際通常、デカップリング・リングを介してデカップリングされている。この様にすることで、特に、妨害の要因となり得る超音波センサの構造伝播ノイズが、フェアリング部品に伝播されることを阻止できる。
【0004】
冒頭に述べた種に属する超音波センサ装置と超音波センサ構成は、DE 20 2014 011 304 U1やEP 2 812 723 B1から既知であり、本質的な意味に関しては、これら双方の文献の開示全体を参照するものとする。その際、デカップリング・リングは、超音波センサとバンパとの間のデカップリング・リングのリング部の軸方向の末端に、リング部の外周壁に対して垂直、且つ、ラジアル方向外側に広がり、リング部を全周取り巻いている縁を有している。この全面的な縁から、該縁に対して軸方向に垂直に、本質的に同軸に取り巻いている柔軟性を有するリブが広がっているが、リブの間の周方向には、それぞれ、凹部乃至中断部が配置されている。リブは、超音波センサとバンパ間のデカップリング・リングの軸方向へプリテンションを与える圧力バネの様な作用を担っている。
【0005】
しかし、この様な形態では、バンパのマテリアルの厚みの種類が、2から4mm程度であっても、軸方向の超音波センサとバンパとの間のデカップリングのプリテンションが非常にばらつくという欠点がある。デカップリング・リングの全高が5mmの場合、バンパのマテリアルの厚みが2から4mmと変化することにより、極端な場合には、全高1mmに圧縮されなければならないため、縁とリブ様のマテリアルの厚みは、約0.7mm程度しか実現できない。先ず、バンパの厚みが厚くなるにつれ、リブは、有意に高くなるプリテンション力を発生させる。逆に、バンパの厚みが厚くなるにつれ、リブが折り曲がる危険性、即ち、リブが反転し、その結果、プリテンション力が、有意に低くなると言う問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 20 2014 011 304 U1
【特許文献2】EP 2 812 723 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって本発明が解決しようとする課題は、超音波センサ装置の改善された形態、並びに、それに応じた超音波センサ構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題は、請求項1及び請求項15の総合的な教えによって解決される。本発明の目的に適った実施形態と発展形態は、従属請求項並びに以下の明細書に説明されている。
【0009】
それによれば、動力車両用の超音波センサ装置は、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底を有するポット型メンブレン、並びに、その内周壁が、メンブレンの外側のマントル面に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域を包含するデカップリング・リングを有する超音波センサを包含している。その際、メンブレンは、デカップリング・リングと共に動力車両のフェアリング部品、特に、バンパの切り欠き部に、少なくとも部分的にはめ込み可能である。
【0010】
本発明によれば、メンブレン底とは逆側のリング部の軸方向末端には、少なくとも部分的にリング部を取り巻いている、軸方向末端から軸方向にメンブレン底の方向へ向い、且つ、ラジアル方向外側に向かって広がっているプリテンションエレメントが、配置されている。
【0011】
この様なリング部へのプリテンションエレメントの接続及びプリテンションエレメントの形態により、先ず、リング部のメンブレン底とは逆方向の軸方向末端の領域にラジアル方向に、超音波センサ装置が取付けられた状態において、プリテンションエレメントがその変形によって少なくとも部分的に押し込まれることが可能なスペースが得られる。これにより、バンパ厚の最少から最大の範囲において、プリテンション力を一定に設定でき、特にバンパ厚が厚くなった場合でも、有意には増加しなくなり、加えて、プリテンションエレメントのマテリアル厚を十分に厚めに実現できる。
【0012】
よって、本発明に係る形態は、総合的に、超音波センサ装置の改善された形態を提供できると言う長所を有している。
【0013】
このプリテンションエレメントは、軸方向への屈曲バネの様な作用を有し、メンブレンとデカップリング・リングが取り付けられた状態では、フェアリング部品の切り欠き部内において、超音波センサとフェアリング部品との間のデカップリング・リングを軸方向へ引っ張る。
【0014】
デカップリング・リングは、好ましくは完全に、柔軟性を有するマテリアル、好ましくは、ポリマー、好ましくは、シリコンから構成されていることが有利である。
【0015】
ある好ましい実施形態においては、プリテンションエレメントは、軸方向末端から直接、軸方向に沿ってメンブレン底の方向へ延び、ラジアル方向外側へ広がっている。即ち、プリテンションエレメントは、リング部の軸方向末端に直接つながっている。よって、デカップリング・リングは、特に、リング部のメンブレン底とは逆側の軸方向末端に、リング部の外周壁に対して垂直、且つ、ラジアル方向に外側に広がり、リング部を全周取り巻いている縁を有していない。
【0016】
ある更なる好ましい実施形態においては、プリテンションエレメントは、周方向ラジアル内側へ湾曲する様にデザインされている。即ち、該プリテンションエレメントは、ラジアル内側のリング部の方向に向いている湾曲を有している。尚、該プリテンションエレメントは、その際、その全長に沿って、周方向ラジアル内側へ湾曲する様にデザインされていることが好ましい。
【0017】
ある更なる好ましい実施形態においては、該プリテンションエレメントは、全断面形状を通して、本質的に、一定のマテリアル厚を有している。
【0018】
ある好ましい実施形態においては、プリテンションエレメントのリング部に向いている側の表面に、軸方向のプリテンション力をプリテンションエレメント内へと導入するためのフォース導入エレメントが、配置されている。即ち、該プリテンションエレメントは、リング部に向いている側の表面に、それを介してメンブレンとデカップリング・リングがフェアリング部品の切り欠き部に取り付けられている状態において、軸方向のプリテンション力が、プリテンションエレメント内へ導入されるフォース導入エレメントを有しているが、該フォース導入エレメントは、軸方向において、プリテンションエレメントの表面から突出して広がっていることが好ましい。周方向には、フォース導入エレメントが、特に、プリテンションエレメントの部分領域のみを介して広がっているが、該フォース導入エレメントは、周方向において、好ましくは、プリテンションエレメントのリング部に向いている側の表面の中央部に配置されている。尚、該フォース導入エレメントは、楔状の断面形状を有していることが有利である。
【0019】
また、デカップリング・リングは、少なくとも二つのリング部の外周に分散されたプリテンションエレメントを有していることが有利であるが、該プリテンションエレメントは、リング部の外周上に一様に分散されていることが好ましく、且つ、二つのプリテンションエレメントは、周方向に互いに間隔を置いて配置されていることが好ましい。その際、該二つのプリテンションエレメントは、外周方向に同様の広がりを有していることが有利であり、更に双方のプリテンションエレメントは、互いに同一に構成されていることが特に好ましい。尚、プリテンションエレメントは加えて、各々一つのフォース導入エレメントを有していることが好ましいが、該フォース導入エレメントは、互いに同一に構成されていることが好ましい。
【0020】
ある更なる好ましい実施形態においては、デカップリング・リングは、少なくとも三つのリング部の外周に分散されたプリテンションエレメントを有しているが、該プリテンションエレメントは、リング部の外周上に一様に分散されていることが好ましく、且つ、該プリテンションエレメントは、周方向に互いに間隔を置いて配置されていることが好ましい。その際、これら全てのプリテンションエレメントは、外周方向に同様の広がりを有していることが有利であり、更に全てのプリテンションエレメントは、互いに同一に構成されていることが特に好ましい。尚、全てのプリテンションエレメントは、各々一つのフォース導入エレメントを有していることが好ましいが、該フォース導入エレメントは、互いに同一に構成されていることが好ましい。
【0021】
ある更なる好ましい実施形態においては、該デカップリング・リングは、リング部のメンブレン底とは逆側の軸方向末端に少なくとも一つのリング部の外周壁に対して垂直且つラジアル方向外側に広がる、メンブレンとデカップリング・リングがフェアリング部品の切り欠き部に取り付けられている状態において、フェアリング部品に形成されているリミット面と共に作用するリミットエレメントを形成している周縁部位を有している。
【0022】
その際、ある更なる好ましい実施形態においては、該周縁部位は、周方向において、プリテンションエレメントに対して直接的に境を接して配置されている。
【0023】
ある更なる好ましい実施形態においては、該デカップリング・リングは、少なくとも三つのリング部の外周に分散されたプリテンションエレメントを有しているが、該プリテンションエレメントは、リング部の外周上に一様に分散されていることが好ましく、且つ、リング部のメンブレン底とは逆側の軸方向末端に少なくとも三つのリング部の外周壁に対して垂直且つラジアル方向外側に広がる、メンブレンとデカップリング・リングがフェアリング部品の切り欠き部に取り付けられている状態において、フェアリング部品に形成されているリミット面と共に作用する各々のリミットエレメントを形成している周縁部位を有している。その際、それぞれ二つの隣接するプリテンションエレメントの間、周方向に周縁部位が配置されているが、各周縁部位は、それに隣接する双方のプリテンションエレメントに直接的に境を接して配置されている。
【0024】
ある更なる好ましい実施形態においては、該デカップリング・リングは、唯一のリング部を全周取り巻いているプリテンションエレメントを有している。このケースでは、該デカップリング・リングは、周縁部位を有していないことが特に好ましい。
【0025】
ある更なる好ましい実施形態においては、該デカップリング・リングは、リング部の外周壁に、リング部の周囲側を取り巻き、且つ、リング部から、特に好ましくは外周壁に対して垂直に、ラジアル方向の自由端側へ延びる少なくとも一つの湾曲を有している。好ましくは、該湾曲は、リング部の全周を取り巻いている。尚、該湾曲の断面がリング部から自由端に向かって徐々に細くなっていることが有利である。この湾曲により、デカップリング・リングの付加的にラジアル方向へも柔軟に減衰する効果が得られる。
【0026】
ある更なる好ましい実施形態においては、メンブレンとデカップリング・リングがフェアリング部品の切り欠き部に取り付けられている状態において、湾曲の自由端は、フェアリング部品と接触している。これによりデカップリング・リングは、付加的にラジアル方向にも、柔軟に減衰されることができる。
【0027】
ある更なる好ましい実施形態においては、該デカップリング・リングは、リング部の外周壁に二つの湾曲を有しているが、該二つの湾曲は、軸方向に互いに間隔を持って配置されている。好ましくは、該湾曲は、それぞれ、リング部の全周を取り巻いている。尚、各々の湾曲の断面がリング部から自由端に向かって徐々に細くなっていることが有利である。双方の湾曲は、ラジアル方向に同じ距離だけ広がっている、或いは、ラジアル方向に異なる広がりを有していることができる。デカップリング・リングは、二つよりも多く、この様な湾曲を有していることができる。尚、メンブレンとデカップリング・リングがフェアリング部品の切り欠き部に取り付けられている状態において、各々の湾曲のそれぞれの自由端は、フェアリング部品と接触していることが有利である。
【0028】
ある更なる好ましい実施形態においては、デカップリング・リングは、一体に形成されている。
【0029】
超音波センサ装置は、超音波センサ装置をフェアリング部品に固定するためのセンサホルダを有していることが有利であるが、この場合、超音波センサ及び/或いはデカップリング・リングは、少なくとも区画単位でセンサホルダの取付部位に配置されている。
【0030】
更に、本発明は、フェアリング部品、特にバンパを有する動力車両用の超音波センサ構成、並びに、本発明に係る超音波センサ装置に関するが、該超音波センサ装置は、特に、該メンブレンは、デカップリング・リングと共に、フェアリング部品の切り欠き部に取付けられる。
【0031】
尚、本発明に係る超音波センサ装置に対して記述された長所及び好ましい実施形態は、本発明に係る超音波センサ構成においても同様に有効である。
【0032】
尚、超音波センサ装置は、フェアリング部品の切り欠き部に、メンブレンのメンブレン底とフェアリング部品の外側が同一面上にある様にはめ込まれることが有利である。
【0033】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいてより詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、デカップリング・リングを上視図として
図2図2は、図1に係るデカップリング・リングを遠近法的な図として、並びに、図3aと3bの断面の位置を、
図3a図3aは、図2に係るデカップリング・リングのプリテンションエレメントの断面を、
図3b図3bは、図2に係るデカップリング・リングの周縁部位の断面を、
図4a図4aは、バンパと取り付けられた状態の図1から3bに係るデカップリング・リングを備えた超音波センサ装置からなる超音波センサ構成を、プリテンションエレメントを通る断面図として、
図4b図4bは、図4aに係る超音波センサ構成を、デカップリング・リングの周縁部位を通る断面図として、
図5図5は、代案的実施形態のデカップリング・リングを、プリテンションエレメントを通る断面図として、
図6図6は、代案的実施形態のデカップリング・リングを、遠近法的な図として、
図7図7は、図6に係るデカップリング・リングを通る断面を、
図8図8は、バンパと取り付けられた状態の図6から7に係るデカップリング・リングを備えた超音波センサ装置からなる超音波センサ構成の断面を、
図9図9は、代案的実施形態のデカップリング・リングを、上視図として、
図10図10は、図9に係るデカップリング・リングを、遠近法的な図として示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
互いに対応する部分は、全ての図において常に同じ符号がつけられている。
【0036】
図1から3bには、超音波センサ装置2のデカップリング・リング1の実施例が、様々なアングルから描かれている。超音波センサ装置2は、デカップリング・リング1に加え、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するためのメンブレン底5を備えたポット型メンブレン4を有する超音波センサ3も包含しており、動力車両のバンパ7の切り欠き部6内に少なくとも部分的に配置される様に構成されている。デカップリング・リング1は、柔軟性を有するマテリアルから一体に形成されている。
【0037】
図1には、該デカップリング・リング1が、上視図として描かれている。デカップリング・リング1は、内周壁9と外周壁10を有する中空シリンダ状に形成されたリング領域8を包含している。更に、デカップリング・リング1は、リング部8の外周に一様に分散され、それぞれ部分的にリング部8を取り巻いている六つのプリテンションエレメント11を有している。プリテンションエレメント11は、それぞれ、その広がり全体の周方向沿って、リング部8の方向に、ラジアル方向内側へ湾曲する様にデザインされている。プリテンションエレメント11は、周方向にそれぞれ同じ広がりを有しており、互いに同一に形成されている。超音波センサ装置2が取付けられた状態において、これら各々のプリテンションエレメント11は、軸方向Zへ、屈曲バネの様な作用を有しており、超音波センサ3とバンパ7との間において、デカップリング・リング1に軸方向へプリテンションを与える。
【0038】
加えて、該デカップリング・リング1は、周方向に、それぞれ二つの隣り合うプリテンションエレメント11の間に、直接的に境を接して、二つの隣り合ったプリテンションエレメント11に対して、一つの対応する周縁部位12、即ち、六つのリング部8の周囲に一様に分散された周縁部位12を有している。周縁部位12は、それぞれ、リング部8の外周壁10に対して直角且つラジアル方向R外側に延び、それぞれ、リング部8を部分的に取り巻いている。周縁部位12は、周方向にそれぞれ同じ広がりを有しており、互いに同一に形成されている。超音波センサ装置2が取り付けられている状態において、周縁部位12は、各々バンパ7に形成されている対応するリミット面13と相互に作用するリミットエレメントを形成している。
【0039】
図2は、図1に係るデカップリング・リング1を遠近法的な図、並びに、図3aと3bの断面の位置を示しているが、図3aは、デカップリング・リング1のプリテンションエレメント11を通る断面を、図3bは、デカップリング・リング1の周縁部位12を通る断面を示している。
【0040】
図2と3aからは、プリテンションエレメント11は、リング部8の軸方向末端14に直接的に配置されている、即ち、軸方向末端14から直接的に延びている。超音波センサ装置2が取り付けられている状態においては、この軸方向末端14が、超音波センサ3のメンブレン4のメンブレン底5とは逆側のリング部8の軸方向末端14である。その際、該プリテンションエレメント11は、それぞれ、軸方向末端14から、軸方向Zに、リング部8の向かい側の他の軸方向末端15に向かって、即ち、超音波センサ3のメンブレン4のメンブレン底5の方向且つラジアル方向Rに向かって延びている。加えて、プリテンションエレメント11は、それぞれ、その断面プロファイル全体を通して一定のマテリアル厚を有している。この様な形態により、先ず、リング部8のメンブレン底5とは逆方向の軸方向末端14の領域にラジアル方向Rに、超音波センサ装置2が取付けられた状態において、複数のプリテンションエレメント11がその変形によって少なくとも部分的に押し込まれることが可能なスペースが得られる。これにより、バンパ厚の最少から最大の範囲において、これらプリテンション力を一定に設定でき、特にバンパ厚が厚くなった場合でも、有意には増加しなくなり、加えて、プリテンションエレメント11と周縁部位12のマテリアル厚を十分に厚めに実現できる。
【0041】
加えて、図2と3bからは、周縁部位12も、それぞれ、リング部8の軸方向末端14に直接的に配置され、そして、この軸方向末端14から、リング部8の外周壁10に対して垂直、且つ、ラジアル方向R外側に広がっている。
【0042】
図4aは、バンパ7と取り付けられた状態の図1から3bに係るデカップリング・リング1を備えた超音波センサ装置2からなる動力車両用の超音波センサ構成16を、プリテンションエレメント11を通る断面図として示している。該超音波センサ装置2は、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するためのメンブレン底5を備えたポット型メンブレン4を有する超音波センサ3とデカップリング・リング1を包含している。
【0043】
デカップリング・リング1は、そのリング部8の内周壁9とメンブレン4の外側のマントル面17が接触するように配置されている。超音波センサ装置2乃至メンブレン4は、デカップリング・リング1と共に、バンパ7の切り欠き部6に挿入され、メンブレン4のメンブレン底5及びバンパ7の外側18が、一枚のレベル面を形成している。超音波センサ装置2は、超音波センサ装置2をバンパ7に固定するためのセンサホルダ19を有しているが、超音波センサ3とデカップリング・リング1は、少なくとも区画単位でセンサホルダ19の取付部位に配置されている。
【0044】
図4aの描写において、プリテンションエレメント11の末端乃至先端は、バンパ7内にはみ出しているように誤って描かれている(そうしなければプリテンションエレメント11の末端乃至先端の屈曲を作図プログラムが描けないため)。現実では、プリテンションエレメント11は、言うまでも無く、寸法に合わせて曲げられている。即ち、これらのプリテンションエレメント11は、軸方向Zに屈曲バネの様に作用し、超音波センサ3とバンパ7との間において、デカップリング・リング1に軸方向へプリテンションを与える。
【0045】
図4bは、図4aに係る超音波センサ構成16を、デカップリング・リング1の周縁部位12を通る断面図として、示している。図4bからも、それぞれバンパ7に形成されているリミット面13と相互に作用するリミットエレメントを形成する周縁部12を確認できる。
【0046】
図5は、代案的実施形態のデカップリング・リング1を、プリテンションエレメント11を通る断面図として示している。デカップリング・リング1は、図1から4bに示したデカップリング・リング1と本質的に同様であるが、このデカップリング・リング1は、リング部8の外周壁10に、それぞれラジアル方向Rに、リング部8から垂直に外周壁10方向、自由端側へ延びている二つの湾曲20を有している。二つの湾曲20は、軸方向Zに、互いに間隔を置いて配置され、それぞれ、リング部8の全周を取り巻いている。加えて、双方の湾曲20は、ラジアル方向Rには、同じ広がりを有している。超音波センサ装置2が取付けられた状態では、各々の湾曲20のそれぞれの自由端は、バンパ7と接触しており、これによりデカップリング・リング1は、付加的に、ラジアル方向Rに柔軟性をもって減衰する効果を有している。
【0047】
図6から7には、更なる代案的実施形態の超音波センサ装置2のデカップリング・リング1が、様々なアングルから描かれている。図6には、該デカップリング・リング1が、遠近法的な描写で示されている。図7には、該デカップリング・リング1が、断面図として描かれている。
【0048】
このデカップリング・リング1は、図1から4bに示したデカップリング・リング1と本質的に同様であるが、ここでは、デカップリング・リング1は、リング部8全体を取り巻く唯一のプリテンションエレメント11を有している。これにより、デカップリング・リング1は、周縁部位12は、有していない。
【0049】
更に、該プリテンションエレメント11は、リング部8の軸方向末端14に直接的に配置されている、即ち、軸方向末端14から直接的に延びている。超音波センサ装置2が取り付けられている状態においては、この軸方向末端14が、超音波センサ3のメンブレン4のメンブレン底5とは逆側のリング部8の軸方向末端14である。その際、該プリテンションエレメント11も、軸方向末端14から、軸方向Zに、リング部8の向かい側の他の軸方向末端15に向かって、即ち、超音波センサ3のメンブレン4のメンブレン底5の方向且つラジアル方向Rに向かって延びている。この様な形態によっても、先ず、リング部8のメンブレン底5とは逆方向の軸方向末端14の領域にラジアル方向Rに、超音波センサ装置2が取付けられた状態において、プリテンションエレメント11がその変形によって少なくとも部分的に押し込まれることが可能なスペースが得られる。これにより、バンパ厚の最少から最大の範囲において、プリテンション力を一定に設定でき、特にバンパ厚が厚くなった場合でも、有意には増加しなくなり、加えて、プリテンションエレメント11のマテリアル厚を十分に厚めに実現できる。
【0050】
加えて、リング部8の外周壁10には、ラジアル方向Rにリング部8から直角に外周壁10、自由端に延び、リング部8の全周を取り巻いている唯一の湾曲20が形成されている。超音波センサ装置2が取付けられた状態では、湾曲20の自由端は、バンパ7と接触しており、これによりデカップリング・リング1は、付加的に、ラジアル方向Rに柔軟性をもって減衰する効果を有している。
【0051】
図8は、断面図として、バンパ7と取り付けられた状態の図6から7に係るデカップリング・リング1を備えた超音波センサ装置2からなる動力車両用の超音波センサ構成16を示しているが、ここでは、リング部8の外周壁10にある湾曲20は、描写されていない。
【0052】
該超音波センサ装置2は、超音波シグナルを送信及び/或いは受信するためのメンブレン底5を備えたポット型メンブレン4を有する超音波センサ3とデカップリング・リング1を包含している。デカップリング・リング1は、そのリング部8の内周壁9とメンブレン4の外側のマントル面17が接触するように配置されている。超音波センサ装置2乃至メンブレン4は、デカップリング・リング1と共に、バンパ7の切り欠き部6に挿入され、メンブレン4のメンブレン底5及びバンパ7の外側18が、一枚のレベル面を形成している。超音波センサ装置2は、超音波センサ装置2をバンパ7に固定するためのセンサホルダ19を有しているが、超音波センサ3とデカップリング・リング1は、少なくとも区画単位でセンサホルダ19の取付部位に配置されている。
【0053】
図8の描写において、プリテンションエレメント11の末端乃至先端は、バンパ7内にはみ出しているように誤って描かれている(そうしなければプリテンションエレメント11の末端乃至先端の屈曲を作図プログラムが描けないため)。現実では、プリテンションエレメント11は、言うまでも無く、寸法に合わせて曲げられている。即ち、このプリテンションエレメント11は、軸方向Zに屈曲バネの様に作用し、超音波センサ3とバンパ7との間において、デカップリング・リング1に軸方向へプリテンションを与える。
【0054】
図9から10には、更なる代案的実施形態の超音波センサ装置2のデカップリング・リング1が、様々なアングルから描かれている。図9には、該デカップリング・リング1が、上視図として示されている。図10には、該デカップリング・リング1が、遠近法的に描写されている。
【0055】
このデカップリング・リング1は、図1から4bに示したデカップリング・リング1と本質的に同様であるが、ここでは、デカップリング・リング1は、それぞれリング部8を部分的に取り巻く七つの一様にリング部8の周囲に分散されたプリテンションエレメント11を有している。ここでも、該プリテンションエレメント11は、それぞれ、その広がり全体の周方向沿って、リング部8の方向に、ラジアル方向内側へ湾曲する様にデザインされている。プリテンションエレメント11は、周方向にそれぞれ同じ広がりを有しており、互いに同一に形成されている。超音波センサ装置2が取付けられた状態において、これら各々のプリテンションエレメント11は、軸方向Zへ、屈曲バネの様な作用を有しており、超音波センサ3とバンパ7との間において、デカップリング・リング1に軸方向へプリテンションを与える。
【0056】
ここでは、プリテンションエレメント11は、それぞれ、リング部8に向いている側の表面に、軸方向Zのプリテンション力をプリテンションエレメント11内へ導入するためにフォース導入エレメント11aを有している。各々のフォース導入エレメント11aが、軸方向Zにそれぞれ対応するプリテンションエレメント11の表面を超えて延びている。周方向には、各々のフォース導入エレメント11aが、対応するプリテンションエレメント11の部分領域のみを介して広がっているが、各フォース導入エレメント11aは、周方向において、対応するプリテンションエレメント11のリング部8に向いている側の表面の中央部に配置されている。該フォース導入エレメント11a自体は、楔状の断面形状を有している。この様なプリテンションエレメント11に配置されたフォース導入エレメント11aが、それぞれのプリテンションエレメント11内への非常に有利なプリテンション力のフォース導入に貢献している。
【0057】
このデカップリング・リング1も、周方向に、それぞれ二つの隣り合うプリテンションエレメント11の間に、直接的に境を接して、二つの隣り合ったプリテンションエレメント11に対して、一つの対応する周縁部位12、即ち、七つのリング部8の周囲に一様に分散された周縁部位12を有している。周縁部位12は、それぞれ、リング部8の外周壁10に対して直角且つラジアル方向R外側に延び、それぞれ、リング部8を部分的に取り巻いている。周縁部位12は、周方向にそれぞれ同じ広がりを有しており、互いに同一に形成されている。超音波センサ装置2が取り付けられている状態において、周縁部位12は、各々バンパ7に形成されている対応するリミット面13と相互に作用するリミットエレメントを形成している。
【0058】
加えて、リング部8の外周壁10には、ラジアル方向Rにリング部8から直角に外周壁10、自由端に延び、リング部8の全周を取り巻いている湾曲20が形成されている。超音波センサ装置2が取付けられた状態では、湾曲20の自由端は、バンパ7と接触しており、これによりデカップリング・リング1は、付加的に、ラジアル方向Rに柔軟性をもって減衰する効果を有している。
【符号の説明】
【0059】
1 デカップリング・リング
2 超音波センサ装置
3 超音波センサ
4 メンブレン
5 メンブレン底
6 切り欠き部
7 バンパ
8 リング部
9 内周壁
10 外周壁
11 プリテンションエレメント
11a フォース導入エレメント
12 周縁部位
13 リミット面
14 軸方向末端
15 他の軸方向末端
16 超音波センサ構成
17 マントル面
18 外側
19 センサホルダ
20 湾曲
R ラジアル方向
Z 軸方向
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
加えて、リング部8の外周壁10には、ラジアル方向Rにリング部8から直角に外周壁10、自由端に延び、リング部8の全周を取り巻いている湾曲20が形成されている。超音波センサ装置2が取付けられた状態では、湾曲20の自由端は、バンパ7と接触しており、これによりデカップリング・リング1は、付加的に、ラジアル方向Rに柔軟性をもって減衰する効果を有している。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底(5)を有するポット型メンブレン(4)、並びに、その内周壁(9)が、メンブレン(4)の外側のマントル面(17)に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域(8)を包含するデカップリング・リング(1)を有する超音波センサ(3)を備え、該メンブレン(4)が、デカップリング・リング(1)と共に動力車両のフェアリング部品(7)、特に、バンパの切り欠き部(6)に、少なくとも部分的にはめ込み可能である動力車両用の超音波センサ装置であって、メンブレン底(5)とは逆側のリング部(8)の軸方向末端(14)に、少なくとも部分的にリング部(8)を取り巻いている、軸方向末端(14)から軸方向(Z)にメンブレン底(5)の方向へ向い、且つ、ラジアル方向(R)外側に向かって広がっているプリテンションエレメント(11)が、配置されていることを特徴とする動力車両用の超音波センサ装置(2)。
2.
プリテンションエレメント(11)が、軸方向末端(14)から直接、軸方向(Z)に沿ってメンブレン底(5)の方向へ延び、ラジアル方向(R)外側へ広がっていることを特徴とする上記1に記載の超音波センサ装置(2)。
3.
プリテンションエレメント(11)が、周方向ラジアル内側へ湾曲する様にデザインされていることを特徴とする上記1又は2に記載の超音波センサ装置(2)。
4.
プリテンションエレメント(11)が、全断面形状を通して、本質的に、一定のマテリアル厚を有していることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
5.
プリテンションエレメント(11)のリング部(8)に向いている側の表面に、軸方向(Z)のプリテンション力をプリテンションエレメント(11)内へと導入するためのフォース導入エレメント(11a)が、配置されていることを特徴とする上記1~4のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
6.
デカップリング・リング(1)が、少なくとも三つのリング部(8)の外周に分散されたプリテンションエレメント(11)を有しており、プリテンションエレメント(11)が、好ましくは、リング部(8)の外周上に一様に分散されていることを特徴とする上記1~5のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
7.
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)のメンブレン底(5)とは逆側の軸方向末端(14)に少なくとも一つのリング部(8)の外周壁(10)に対して垂直且つラジアル方向(R)外側に広がる、メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、フェアリング部品(7)に形成されているリミット面(13)と共に作用するリミットエレメントを形成している周縁部位(12)を有していることを特徴とする上記1~6のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
8.
周縁部位(12)が、周方向において、プリテンションエレメント(11)に対して直接的に境を接して配置されていることを特徴とする上記7に記載の超音波センサ装置(2)。
9.
周方向において、それぞれ二つの隣接するプリテンションエレメント(11)の間に周縁部位(12)が配置されていることを特徴とする上記6及び8に記載の超音波センサ装置(2)。
10。
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)全体を取り巻く唯一のプリテンションエレメント(11)を有していることを特徴とする上記1~5のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
11.
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に、リング部(8)の周囲側を取り巻き、且つ、リング部(8)からラジアル方向(R)の自由端側へ延びる少なくとも一つの湾曲(20)を有していることを特徴とする上記1~10のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
12.
メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、湾曲(20)の自由端が、フェアリング部品(7)と接触していることを特徴とする上記11に記載の超音波センサ装置(2)。
13.
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に二つの湾曲(20)を有しているが、該二つの湾曲(20)が、軸方向(Z)に互いに間隔を持って配置されていることを特徴とする上記11又は12に記載の超音波センサ装置(2)。
14.
デカップリング・リング(1)が、一体に形成されていることを特徴とする上記1~13のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)。
15.
フェアリング部品(7)、特にバンパと上記1から14のうち何れか一つに記載の超音波センサ装置(2)からなる動力車両用の超音波センサ構成であって、超音波センサ装置(2)が、フェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取付けられることを特徴とする動力車両用の超音波センサ構成(16)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波シグナルを送信及び/或いは受信するメンブレン底(5)を有するポット型メンブレン(4)、並びに、その内周壁(9)が、メンブレン(4)の外側のマントル面(17)に、少なくとも部分的に接触するように配置されている中空シリンダ状に形成されたリング領域(8)を包含するデカップリング・リング(1)を有する超音波センサ(3)を備え、該メンブレン(4)が、デカップリング・リング(1)と共に動力車両のフェアリング部品(7)、特に、バンパの切り欠き部(6)に、少なくとも部分的にはめ込み可能である動力車両用の超音波センサ装置であって、メンブレン底(5)とは逆側のリング部(8)の軸方向末端(14)に、少なくとも部分的にリング部(8)を取り巻いている、軸方向末端(14)から軸方向(Z)にメンブレン底(5)の方向へ向い、且つ、ラジアル方向(R)外側に向かって広がっているプリテンションエレメント(11)が、配置されていることを特徴とする動力車両用の超音波センサ装置(2)。
【請求項2】
プリテンションエレメント(11)が、軸方向末端(14)から直接、軸方向(Z)に沿ってメンブレン底(5)の方向へ延び、ラジアル方向(R)外側へ広がっていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項3】
プリテンションエレメント(11)が、周方向ラジアル内側へ湾曲する様にデザインされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項4】
プリテンションエレメント(11)が、全断面形状を通して、本質的に、一定のマテリアル厚を有していることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項5】
プリテンションエレメント(11)のリング部(8)に向いている側の表面に、軸方向(Z)のプリテンション力をプリテンションエレメント(11)内へと導入するためのフォース導入エレメント(11a)が、配置されていることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項6】
デカップリング・リング(1)が、少なくとも三つのリング部(8)の外周に分散されたプリテンションエレメント(11)を有しており、プリテンションエレメント(11)が、好ましくは、リング部(8)の外周上に一様に分散されていることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項7】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)のメンブレン底(5)とは逆側の軸方向末端(14)に少なくとも一つのリング部(8)の外周壁(10)に対して垂直且つラジアル方向(R)外側に広がる、メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、フェアリング部品(7)に形成されているリミット面(13)と共に作用するリミットエレメントを形成している周縁部位(12)を有していることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項8】
周縁部位(12)が、周方向において、プリテンションエレメント(11)に対して直接的に境を接して配置されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項9】
周方向において、それぞれ二つの隣接するプリテンションエレメント(11)の間に周縁部位(12)が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項10】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)全体を取り巻く唯一のプリテンションエレメント(11)を有していることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項11】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に、リング部(8)の周囲側を取り巻き、且つ、リング部(8)からラジアル方向(R)の自由端側へ延びる少なくとも一つの湾曲(20)を有していることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項12】
メンブレン(4)とデカップリング・リング(1)がフェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取り付けられている状態において、湾曲(20)の自由端が、フェアリング部品(7)と接触していることを特徴とする請求項11に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項13】
デカップリング・リング(1)が、リング部(8)の外周壁(10)に二つの湾曲(20)を有しているが、該二つの湾曲(20)が、軸方向(Z)に互いに間隔を持って配置されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項14】
デカップリング・リング(1)が、一体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の超音波センサ装置(2)。
【請求項15】
フェアリング部品(7)、特にバンパと請求項1から14のうち何れか一項に記載の超音波センサ装置(2)からなる動力車両用の超音波センサ構成であって、超音波センサ装置(2)が、フェアリング部品(7)の切り欠き部(6)に取付けられることを特徴とする動力車両用の超音波センサ構成(16)。
【国際調査報告】