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特表2024-537477BGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】BGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/302 20220101AFI20241003BHJP
【FI】
H04L45/302
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525145
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2022109512
(87)【国際公開番号】W WO2023071359
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111243804.0
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭 少 富
(72)【発明者】
【氏名】譚 斌
(72)【発明者】
【氏名】劉 愛 華
(72)【発明者】
【氏名】熊 泉
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030LB05
(57)【要約】
本開示の実施例は、BGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法を提供し、BGP-intentルートの受信方法は、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートの受信方法。
【請求項2】
前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項3】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップの後、
intent識別子を前記BGP-intentルートから取得し、前記intent識別子に基づいてintent templateをローカル検索して意図情報を取得するステップと、
前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、をさらに含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項4】
前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップは、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリック、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数及びメトリック・クレジット・ピースに基づいて、現在のBGP speakerと、前記現在のBGP speakerの下流のネイバーBGP speakerとの間の伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値を決定するステップと、
前記確立された伝送経路又は選択された既存の伝送経路のメトリックタイプの合計メトリックを、前記メトリック・クレジット・ピース基準値以下に限定して、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、を含む、請求項3に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項5】
前記BGP-intentルートに含まれるメトリック・クレジット情報が、ソースに関連する合計メトリック・クレジットのみを含み、明示的なメトリック・クレジット・ピースを含まない場合、各ソースに対応するメトリック・クレジット属性に対して、
合計メトリック・クレジットを推定BGPホップ数で割って、エンドツーエンド経路における隣接する2つのBGP Speaker間の平均メトリック・クレジットを得るステップと、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るステップと、をさらに含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項6】
全てのソースに対して平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックを計算するステップを含み、
本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値は、全てのソースに対して計算された平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む、請求項5に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項7】
前記BGP-intentルートに明示的なメトリック・クレジット・ピースがさらに含まれる場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、
本BGP Speakerのエンドツーエンド経路における位置番号に基づいて、BGP-intentルートから前記本BGP Speakerに対応するメトリック・クレジット・ピースを取得するステップと、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るステップと、を含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項8】
全てのソースに対してメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックを計算するステップを含み、
本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値は、全てのソースに対して計算されたメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む、請求項7に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項9】
本BGP Speakerは、下流のBGP Speakerへの、メトリック・クレジット・ピース基準値を満たす伝送経路が存在しないことを発見した場合、全ての候補伝送経路から、メトリックタイプの合計メトリックがメトリック・クレジット・ピース基準値に最も近い経路を選択するステップをさらに含む、請求項4に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項10】
前記本BGP Speakerから下流のBGP Speakerへの伝送経路は、少なくとも、最短転送経路、トラフィックエンジニアリング経路のうちの1つを含み、
前記伝送経路は、複数のサブ経路を含み、前記複数のサブ経路により、負荷を分散させるか、又は高速再ルーティング(FRR)保護を形成するか、又はマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成し、前記複数のサブ経路によりマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成する場合、前記複数のサブ経路間のメトリック差は、設定された限定値を満たすべきである、請求項5~9のいずれか一項に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項11】
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項12】
前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む、請求項11に記載のBGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項13】
前記メトリックタイプに対応するメトリックは、下流のネイバーBGP speakerから受信されたBGP-intentルートアドバタイズに含まれるメトリックと、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の前記メトリックタイプに対応する合計メトリックとの和であり、
或いは、本BGP speakerが元のアドバタイズノードである場合、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、設定されたある初期値である、請求項11に記載のBGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項14】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するように構成された受信モジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる受信モジュールを含む、BGP-intentルートの受信装置。
【請求項15】
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするように構成されたアドバタイズモジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるアドバタイズモジュールを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ装置。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項11~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、前記コンピュータプログラムによって請求項1~10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項11~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサと、を含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年10月25日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111243804.0であり、発明の名称が「BGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、データ通信の分野に関し、具体的には、BGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大規模な複数のドメインに跨るネットワークにおいて、一般的にボーダーゲートウェイプロトコル(Border Gateway Protocol、BGPと略称する)を利用してエンドツーエンドの感知意図(intent)の経路を提供し、感知意図の経路とは、BGPルートが次ホップを反復する場合に明確な意図に基づいてより下位層の伝送経路を選択することを指し、これは、BGPルートがアドバタイズされる場合に意図情報を運ぶ必要があることを意味する。より下位層の伝送経路は、特定の意図に基づいて確立されたトラフィックエンジニアリング経路(Traffic Engineering Path)であるため、伝送サービスを提供するネットワークにおいて、意図は、トラフィックエンジニアリング目標と呼ばれてもよい。現在、BGPルートがアドバタイズされる場合に意図を運ぶ方法は複数あり、例えば、draft-kaliraj-idr-bgp-classful-transport-planes-12は、「Classful Transport」SAFI NLRIと「Transport Class」Route Target extended communityを定義して意図情報を運び、draft-dskc-bess-bgp-car-02は、BGP CAR SAFI NLRIを定義して意図情報を運び、draft-zhou-idr-inter-domain-lcu-02は、Color extended communityを直接使用して意図情報を運ぶ。本明細書において、このようなBGPルートをBGP-intentルートと総称する。
【0004】
一般的には、BGP-intentルートアドバタイズメッセージを受信したノードは、ローカルで意図設定情報(intent-templateとも呼ばれる)に基づいて意図を解読して、伝送経路を確立するか、又はメッセージアドバタイザーへの、意図を満たす既存の伝送経路を選択する。意図設定情報には、一連の制約条件の集合が含まれ、例えば、経路において提供される必要があるリンク帯域幅の大きさ、最小遅延及び最大遅延の制限、遅延ジッタの制限、パケットロス率の制限、特定のノード又はリンクの包含又は排除、特定の仮想ネットワーク内で経路を計算する制限などがある。ネットワークにおけるIngress PEノード(即ち、サービスアクセスを担当するノード)において、サービスのSLA(Service Level Agreement)に基づいて、サービス需要に合致することができる、Egress PEへのBGP-intentルートを選択し、即ち、Ingress PEノードにおける意図設定情報は、一般的に、サービスSLAと一致するが、これは中間ノードにおける意図設定情報もサービスSLAと一致することを意味するわけではない。例えば、複数のドメインに跨るBGPルートの転送行為を観察すると、サービスのSLAが「Ingress PEからEgress PEへの遅延上限が100msである経路を1つ提供する」ことであることを満たす必要があり、明らかに、遅延100msは、BGPルート転送時の中間のあるセグメントの経路の累積遅延を指すものではなく、エンドツーエンドの累積遅延上限を指し、つまり、経路の中間にある各BGP speakerも遅延100msを指標として、次のBGP speakerへの伝送経路を確立するか又は次のBGP speakerへの既存の伝送経路を選択することができない。この問題をどのように解決するかに関して、経路内の異なるBGP speaker上で設定されたintent-templateに、異なる遅延指標(又は遅延クレジットと呼ばれる)を含ませる複雑な設定方法がある。しかしながら、このような静的設定の方式は、あるintent-templateが必ずしも特定のエンドツーエンド経路にバインディングされているとは限らず、複数の経路にサービスする可能性があるため、明らかな欠陥がある。
【0005】
関連技術におけるBGP-intentルートに含まれる内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題に対して、未だに、効果的な解決手段が提案されていない。
【0006】
したがって、関連技術の欠点を解消するために、関連技術を改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、関連技術におけるBGP-intentルートに含まれる内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を少なくとも解決するためのBGP-intentルートの受信方法及びBGP-intentルートのアドバタイズ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施例の一態様によれば、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートの受信方法が提供される。
【0009】
本開示の実施例の別の態様によれば、BGP-intentルートをネイバーBGP speakerにアドバタイズするステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ方法が提供される。
【0010】
本開示の実施例の別の態様によれば、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するように構成された受信モジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる受信モジュールを含む、BGP-intentルートの受信装置が提供される。
【0011】
本開示の実施例の別の態様によれば、BGP-intentルートをネイバーBGP speakerにアドバタイズするように構成されたアドバタイズモジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるアドバタイズモジュールを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ装置が提供される。
【0012】
本開示の実施例の別の態様によれば、さらに、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、該コンピュータプログラムは、実行されると、上記いずれかの方法を実行するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【0013】
本開示の実施例の別の態様によれば、さらに、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、上記プロセッサは、コンピュータプログラムにより上記いずれかの方法を実行する、電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信し、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれ、これにより、関連技術におけるルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を解決し、伝送経路の確立効率を向上させる。
【0015】
(図面の簡単な説明)
ここで説明された図面は、本開示をさらに理解するためのものであり、本開示の一部を構成し、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示を解釈することに用いられ、本開示を不当に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信方法のコンピュータ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例に係るBGP-intentルートのアドバタイズ方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施例に係るmetric-credit attributeフォーマットの概略図である。
図5】本開示の実施例に係る同一のソース及びシンク間の異なる意図の伝送経路の概略図である。
図6】本開示の実施例に係るマルチペアのソース及びシンク間の同じ意図の伝送経路の概略図である。
図7】本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信装置のブロック構成図である。
図8】本開示の実施例に係るBGP-intentルートのアドバタイズ装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、当業者が本開示の解決手段をよりよく理解するように、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、全てではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で取得した全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するべきである。
【0018】
なお、本開示の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は前後順を記述するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために用いられるものである。そのように使用されるデータは、本明細書に記載される本開示の実施例が、本明細書に図示又は記載されるもの以外の順序でも実施されるように、適切に交換されることが理解されるべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は設備は、明確に示されたステップ又はユニットに限定されず、明確に示されていないか又はこれらの過程、方法、製品又は設備に固有の、他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0019】
本開示の実施例に係る方法の実施例は、コンピュータ端末又は類似の演算装置において実行することができる。コンピュータ端末上で動作することを例として、図1は、本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信方法のコンピュータ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、コンピュータ端末は、1つ又は複数(図1には、1つのみが示される)のプロセッサ102(プロセッサ102は、マイクロプロセッサ(Microprocessor Unit、MPUと略称する)又はプログラマブルロジックデバイス(Programmable logic device、PLDと略称する)を含むが、これらに限定されない)と、データを記憶するように構成されたメモリ104とを含んでもよく、例示的な一実施例において、上記コンピュータ端末は、通信機能のための伝送装置106及び入出力装置108をさらに含んでもよい。当業者であれば理解できるように、図1に示すような構造は、単に概略的なものであり、上記コンピュータ端末の構造を限定するものではない。例えば、コンピュータ端末は、図1に示されるより多いか又はより少ないコンポーネントを含んでもよいか、又は図1に示されるものと同等の機能又は図1に示されるものより多くの機能を持つ異なる構成を有してもよい。
【0020】
メモリ104は、アプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュール、例えば、本開示の実施例におけるBGP-intentルートの受信方法に対応するコンピュータプログラムを記憶するように構成されてもよく、プロセッサ102は、メモリ104内に記憶されるコンピュータプログラムを実行することにより、様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、つまり上記方法を実現する。メモリ104は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、例えば、1つ又は複数の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体メモリなどの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ104は、プロセッサ102に対して遠隔的に設置されるメモリをさらに含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してコンピュータ端末に接続されてもよい。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0021】
伝送装置106は、1つのネットワークを介してデータを送受信するように構成される。上記ネットワークの具体例としては、コンピュータ端末の通信事業者が提供する無線ネットワークを含んでもよい。一実施例において、伝送装置106は、基地局により他のネットワーク機器に接続されてインターネットと通信可能なネットワークアダプタ(Network Interface Controller、NICと略称される)を含む。一実施例では、伝送装置106は、無線方式によりインターネットと通信するように構成される無線周波数(Radio Frequency、RFと略称される)モジュールであってもよい。
【0022】
図2は、本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信方法のフローチャートである。図2に示すように、該方法は、以下のステップS202を含む。
【0023】
ステップS202では、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信し、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0024】
上記ステップにより、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信し、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれ、これにより、関連技術におけるBGP-intentルートに含まれる内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を解決し、BGP-intentルートにメトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報を含ませることにより、伝送経路の確立効率をさらに向上させる。
【0025】
さらに、一実施例において、前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む。
【0026】
なお、上記リンク遅延メトリックは、リンクの遅延を含んでもよいが、これに限定されない。
【0027】
なお、上記リンク・ノード遅延メトリックは、リンクの遅延とノード内の遅延を同時に含んでもよいが、これに限定されない。
【0028】
さらに、一実施例において、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップの後、具体的には、intent識別子を前記BGP-intentルートから取得し、前記intent識別子に基づいてintent templateをローカル検索して意図情報を取得するステップと、前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、を含む技術的手段がさらに提供される。
【0029】
さらに、一実施例において、前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択する技術的手段が提供され、該技術的手段は、前記BGP-intentルートに含まれるメトリック、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数及びメトリック・クレジット・ピースに基づいて、現在のBGP speakerと、前記現在のBGP speakerの下流のネイバーBGP speakerとの間の伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値を決定するステップと、前記確立された伝送経路又は選択された既存の伝送経路のメトリックタイプの合計メトリックを、前記メトリック・クレジット・ピース基準値以下に限定して、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、を含む。
【0030】
さらに、一実施例において、前記BGP-intentルートに含まれるメトリック・クレジット情報が、ソースに関連する合計メトリック・クレジットのみを含み、明示的なメトリック・クレジット・ピースを含まない場合、各ソースに対応するメトリック・クレジット属性に対して、合計メトリック・クレジットを推定BGPホップ数で割って、エンドツーエンド経路における隣接する2つのBGP Speaker間の平均メトリック・クレジットを得て、そして、前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得る。
【0031】
さらに、一実施例において、全てのソースに対して平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックを計算するステップを含み、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値は、全てのソースに対して計算された平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む。
【0032】
さらに、一実施例において、具体的には、前記BGP-intentルートに明示的なメトリック・クレジット・ピースがさらに含まれる場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、本BGP Speakerのエンドツーエンド経路における位置番号に基づいて、BGP-intentルートから前記本BGP Speakerに対応するメトリック・クレジット・ピースを取得するステップと、前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るステップと、を含む技術的手段が提供される。
【0033】
さらに、一実施例において、全てのソースに対してメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックを計算するステップを含み、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値が、全てのソースに対して計算されたメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む。
【0034】
さらに、一実施例において、本BGP Speakerは、下流のBGP Speakerへの、メトリック・クレジット・ピース基準値を満たす伝送経路が存在しないことを発見した場合、全ての候補伝送経路から、メトリックタイプの合計メトリックがメトリック・クレジット・ピース基準値に最も近い経路を選択する。本開示の実施例において、本BGP Speakerにおいて条件を満たす伝送経路が存在しない場合、条件を緩和してマージンを増加させ、全ての候補伝送経路からメトリックタイプの合計メトリックがメトリック・クレジット・ピース基準値に最も近い経路を選択することができる。
【0035】
さらに、前記本BGP Speakerから下流のBGP Speakerへの伝送経路は、少なくとも、最短転送経路、トラフィックエンジニアリング経路のうちの1つを含み、前記伝送経路は、複数のサブ経路を含み、前記複数のサブ経路により、負荷を分散させるか、又は高速再ルーティング(FRR)保護を形成するか、又はマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成し、前記複数のサブ経路によりマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成する場合、前記複数のサブ経路間のメトリック差は、設定された限定値を満たすべきである。
【0036】
図3は、本開示の実施例に係るBGP-intentルートのアドバタイズ方法のフローチャートである。図3に示すように、該方法は、以下のステップS302を含む。
【0037】
ステップS302では、BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズし、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0038】
上記ステップにより、BGP-intentルートをネイバーBGP speakerにアドバタイズし、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれ、これにより、関連技術におけるBGP-intentルートに含まれる内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を解決し、BGP-intentルートにメトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報を含ませることにより、伝送経路の確立効率をさらに向上させる。
【0039】
さらに、一実施例において、前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む。
【0040】
さらに、一実施例において、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、下流のネイバーBGP speakerから受信されたBGP-intentルートアドバタイズに含まれるメトリックと、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の前記メトリックタイプに対応する合計メトリックとの和であり、或いは、本BGP speakerが元のアドバタイズノードである場合、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、設定されたある初期値である。
【0041】
なお、上記初期値は、0であってもよいが、これに限定されない。
次に、BGP-intentルートを受信したBGP speakerは、より柔軟かつ正確な意図で次のBGP speakerへの伝送経路を確立するか又は次のBGP speakerへの既存の伝送経路を選択することができるように、以下の実施例を参照してより一般的な方法を検討する。
【0042】
一実施例において、以下のステップ1~2を含む技術的手段が提供される。
ステップ1では、BGPを拡張し、あるBGP speakerは、その上流のネイバーにBGP-intentルートをアドバタイズする場合、選択的なメトリックタイプ(metric-type)、メトリック(metric)、及びメトリック・クレジット情報を含む。メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット(total-metric-credit)、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピース(metric-credit-piece)からなる。メトリック・クレジット情報は、特定のソース(即ち、特定のIngress PE)に関係なく、1つ情報のみを含んでもよく、各特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含んでもよい。
【0043】
ステップ2では、BGP-intentルートアドバタイズを受信したBGP speakerは、ルートアドバタイズからintent識別子を取得し、intent templateをローカル検索して意図情報を取得し、意図情報に基づいて伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択する。特に、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択する際に、ルートアドバタイズに含まれるメトリック(metric)、合計メトリック・クレジット(total-metric-credit)、推定BGPホップ数、及び明示的なメトリック・クレジット・ピース情報に基づいて、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の「メトリック・クレジット・ピース基準値」を取得して、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択する必要があり、使用される伝送経路の対応するmetric typeの合計metricが「メトリック・クレジット・ピース基準値」を超えないように限定する。
【0044】
上記ステップ1をよりよく理解するために、以下のBGPについての推奨される具体的なプロトコルの拡張形態を参照されたい。
【0045】
RFC4271には、BGPのPath Attributesが定義され、BGPルートアドバタイズに伴って含まれ、ルートの様々な属性を示す。本開示は、上記メトリックタイプ(metric-type)、メトリック・クレジット(metric-credit)などの属性をそれぞれ示すために、以下のAttribute Type Codes及びそのattribute valuesを追加するが、これに限定されない。注:メトリック(metric)属性は、RFC7311で定義されているAIGP Attributeである。
【0046】
なお、一実施例において、上記メトリックタイプ(metric-type)属性及びメトリック・クレジット(metric-credit)属性について説明し、具体的には、以下のとおりである。
【0047】
a)メトリックタイプ(metric-type)属性とは、Path AttributeのType Code=TBD1(IANA(Internet Assigned Numbers Authority、インターネット番号割当機関)での割り当て待ち)の場合、attribute valueに含まれるのは長さが1バイトであるmetric-type属性であることを示す。metric-type属性は、選択可能で転送不可能な属性であり、AIGP Attributeに含まれるmetricがどのタイプのmetricであるかを示し、現在の値は、以下のとおりである。
【0048】
0:IGP Metric(RFC5305、RFC2328、RFC5340で定義される)、
1:Unidirectional Link Delay(RFC7810で定義される)、
2:TE default metric(RFC5305で定義される)、
3:Bandwidth Metric(draft-ietf-lsr-flex-algo-bw-con-01で定義される)、
4:Deterministic Delay Metric(他の文書で議論されているように、上記Unidirectional Link Delayは、リンク遅延のみを考慮しているのに対し、Deterministic Delayは、リンク遅延だけでなく、ノード内の遅延も含む)、
5~255:将来定義される。
【0049】
b)メトリック・クレジット(metric-credit)属性とは、Path AttributeのType Code=TBD2(IANAでの割り当て待ち)の場合、attribute valueに含まれるのは以下のフォーマットのmetric-credit属性であることを示す。metric-credit属性は、選択可能で転送不可能な属性であり、エンドツーエンドの合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースなどの情報を示す。
【0050】
一実施例において、図4を参照しながら、メトリック・クレジット(metric-credit)属性を説明することができる。図4は、本開示の実施例に係るmetric-credit attributeフォーマットの概略図である。図4におけるフィールドについて、以下のように説明する。
【0051】
Count of Sourcesとは、1バイトを占め、その値が少なくとも1であり、Sourceのカウント結果、即ち、どれだけのSource(即ち、Ingress PE)に対応するメトリック・クレジット情報があるかを示す。各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報は、「Flags」、「Network Address of Source」、「Total Metric Credit for Source」、「Estimated BGP Hops Count for Source」、「Current Hop Number」、「Metric Credit Piece[]」からなる。
【0052】
Flagsとは、1バイトを占め、フラグビットである。現在、3つのフラグが定義され、それぞれ以下のとおりである。
【0053】
S-Flagとは、Source Address Flagであり、Network Address of Sourceフィールドを含むか否かを示す。0は、含まれないことを示し、1は、含まれることを示す。
【0054】
F-Flagとは、Family Flagであり、Network Address of Sourceのアドレスクラスタを示す。S-Flagが1である場合、F-Flagに基づいてNetwork Address of Sourceの長さを決定し続け、0は、4バイトのIPv4アドレスを示し、1は、16バイトのIPv6アドレスを示す。
【0055】
P-Flagとは、Piece Flagであり、具体的なメトリック・クレジット・ピース情報(「Current Hop Number」、「Metric Credit Piece[]」からなる)を含むか否かを示し、0は、含まれないことを示し、1は、含まれることを示す。
【0056】
Network Address of Sourceとは、バイト数が可変であり、SourceのIPアドレスを示す。S-Flagが0である場合、本フィールドは存在せず、S-Flagが1であり、かつF-Flagが0である場合、本フィールドは、4バイトのIPv4アドレスであり、S-Flagが1であり、かつF-Flagが1である場合、本フィールドは、16バイトのIPv6アドレスである。Network Address of Sourceが存在しないと、メトリック・クレジット情報が特定のSourceと無関係であることを示し、これは、一般的に、メトリック・クレジットに基づいて伝送経路の確立を制御することを望む粗粒度的なシーンに発生し、例えば、単一のAS内において、Egress PEは、本AS内の複数のIngress PEにBGP-intentルートをアドバタイズする場合、Sourceとは関係なく、統一的な単一のメトリック・クレジット情報のみを含む。
【0057】
Total Metric Credit for Sourceとは、4バイトを占め、特定のSource(又は任意のSource、Network Address of Sourceが存在しない場合)からEgress PEへの合計メトリック・クレジットを示す。
【0058】
Estimated BGP Hops Count for Sourceとは、1バイトを占め、特定のSource(又は任意のSource、Network Address of Sourceが存在しない場合)からEgress PEへの推定BGPホップ数を示し、BGP-intentルートアドバタイズを受信する時にBGP Next-hopを自体に修正する必要があるBGP Speakerのみを計算する。例えば、5つのBGP Speakerからなるアドバタイズ経路S-A-B-C-Dにおいて、SがIngress PEであり、DがEgress PEであり、A/B/Cが3つの中間BGP Speakerノードであり、かつそれらがいずれもBGP-intentルートアドバタイズを受信する時にBGP Next-hopをその自体に修正すると、この時の推定BGPホップ数は、4であり、即ち、アドバタイズ経路全体は、4セグメントからなる。
【0059】
Current Hop Numberとは、1バイトを占め、配列Metric Credit Piece[]の現在の下付き文字を示す。なお、「Current Hop Number」及び「Metric Credit Piece[]」フィールドは、P-Flagが0の場合に存在しない。Egress PEによって、その隣接する上流のBGP Speakerネイバーに送信されたBGP-intentルートアドバタイズメッセージにおいて、Current Hop Numberの初期値は、0であり、BGP-intentルートアドバタイズメッセージは、1つのBGP Speakerを通過するたびに、かつ該BGP SpeakerがルートのBGP Next-hopをその自体(当該BGP Speaker)に修正する場合、配列Metric Credit Piece[]から下付き文字のCurrent Hop Numberに従って要素を読み取り、本BGP Speakerから下流のBGP Speakerネイバーへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピースを取得し、その後、メッセージにおけるCurrent Hop Numberをインクリメントして上流のBGP Speakerネイバーにルートをアドバタイズし続ける。なお、下付き文字のCurrent Hop Numberを用いて配列Metric Credit Piece[]から要素を読み取る場合、配列の境界を超えることを避ける必要がある。
【0060】
Metric Credit Piece[]とは、配列として、含まれる要素の数は、Estimated BGP Hops Count for Sourceにより指定され、各要素は、2バイトを占める。BGP-intentルートがアドバタイズされる過程において、途中の各BGP Speakerは、ルートのBGP Next-hopをその自体に修正する場合、いずれもCurrent Hop Numberを下付き文字として該配列にアクセスして、明示的なメトリック・クレジット・ピース情報を取得する。メトリック・クレジット・ピースの使用には、非常に厳格な制限条件があり、即ち、BGP-intentルートは、Egress PEが望むアドバタイズ経路に厳密に従ってホップごとに特定のSourceにアドバタイズされなければならない。異常が発生した場合、BGP Speakerは、受信されたBGP-intentルートアドバタイズメッセージにおけるCurrent Hop Number値が既にEstimated BGP Hops Count for Source値以上であることを発見すると、メトリック・クレジット・ピース情報に基づいて伝送経路を探すことを停止しなければならない。
【0061】
上記ステップ2をよりよく理解するために、下記実施例を組み合わせてステップ2を説明することができる。
(実施例1)
本実施例において、BGP-intentルートアドバタイズメッセージに含まれるメトリック・クレジット属性情報にSourceに関連する合計メトリック・クレジットのみが含まれ、明示的なメトリック・クレジット・ピース情報が含まれない場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して以下の操作を行うことができる。
【0062】
操作1:変数total_metric_credit_valueをTotal Metric Credit for Sourceの値に設定し、
操作2:変数bgp_hops_countをEstimated BGP Hops Count for Sourceの値に設定し、
操作3:変数metric_valueを、受信されたBGP-intentルートのAIGP Attributeに含まれるmetricの値に設定し、
操作4:変数metric_residual_valueを残りのメトリックに設定し、metric_residual_value=total_metric_credit_value-metric_valueである。
【0063】
なお、複数のSourceに対応するメトリック・クレジット情報が存在する場合、BGP-intentルートがアドバタイズされる場合に大きなmetric_valueが蓄積される可能性があるため、あるSourceに対応するmetric_residual_valueが負の値であり、他のSourceに対応するmetric_residual_valueが正の値である。
【0064】
操作5:変数average_metric_credit_valueを、エンドツーエンド経路における各隣接BGP Speaker間の平均メトリック・クレジットに設定し、average_metric_credit_value=total_metric_credit_value/bgp_hops_countであり、
また、全てのSourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、以下の操作を行うことができる。
【0065】
操作6:変数min_metric_residual_valueを、全てのSourceに対応するmetric_residual_valueのうちの最小の正の値に設定し、
操作7:変数min_average_metric_credit_valueを、全てのSourceに対応するaverage_metric_credit_valueのうちの最小値に設定し、
本実施例における1つのBGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の「メトリック・クレジット・ピース基準値」は、min_metric_residual_value及びmin_average_metric_credit_valueのうちの最小のものである。
(実施例2)
本実施例において、BGP-intentルートアドバタイズメッセージに明示的なメトリック・クレジット・ピース情報がさらに含まれる場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して以下の操作を行うことができる。
【0066】
操作8:変数total_metric_credit_valueをTotal Metric Credit for Sourceの値に設定し、
動作9:変数bgp_hops_countをEstimated BGP Hops Count for Sourceの値に設定し、
操作10:変数metric_valueを、受信されたBGP-intentルートのAIGP Attributeに含まれるmetricの値に設定し、
操作11:変数metric_residual_valueを残りのメトリックに設定し、metric_residual_value=total_metric_credit_value-metric_valueである。
【0067】
なお、複数のSourceに対応するメトリック・クレジット情報が存在する場合、BGP-intentルートがアドバタイズされる場合に大きなmetric_valueが蓄積される可能性があるため、あるSourceに対応するmetric_residual_valueが負の値であり、他のSourceに対応するmetric_residual_valueが正の値である。
【0068】
操作12:変数explicit_metric_credit_piece_valueを、下付き文字のCurrent Hop Numberを用いて配列Metric Credit Piece[]から読み取る要素の値に設定する。ただし、読み取りが境界を超えると、explicit_metric_credit_piece_valueが0であると見なす。
【0069】
また、全てのSourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、以下の操作を行うことができる。
【0070】
操作13:変数min_metric_residual_valueを、全てのSourceに対応するmetric_residual_valueのうちの最小の正の値に設定し、
操作14:変数min_explicit_metric_credit_piece_valueを、全てのSourceに対応するexplicit_metric_credit_piece_valueのうちの最小の正の値に設定する。
【0071】
本実施例における1つのBGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の「メトリック・クレジット・ピース基準値」は、min_metric_residual_value及びmin_explicit_metric_credit_piece_valueのうちの最小のものである。
【0072】
上記実施例により、上記実施例によって計算された「メトリック・クレジット・ピース基準値」の目的が、使用されるこの伝送経路の合計メトリック(metric)が「メトリック・クレジット・ピース基準値」を超えないように制限することであることを決定することができるが、場合によっては、本BGP Speakerは、上記要求を満たすことができる伝送経路が存在しないことを発見するため、このような制限を適切に緩和することができるが、本BGP Speakerが最終的に使用する伝送経路は、他の候補伝送経路に比べて、その対応するメトリックタイプ(metric-type)の合計メトリック(metric)が「メトリック・クレジット・ピース基準値」に最も近い。
【0073】
本BGP Speakerで生成されたBGP-intentルートにおいて、含まれるメトリックタイプ(metric-type)は、受信されたルートアドバタイズからコピーされ、含まれるメトリック(metric)属性値は、受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック(metric)に、使用された伝送経路の対応するメトリックタイプ(metric-type)を加えた合計メトリック(metric)に更新され、含まれるメトリック・クレジット(metric-credit)属性は、受信されたルートアドバタイズからコピーされる(なお、Current Hop Numberは、インクリメントされる)。
【0074】
また、本BGP Speakerは、上流のBGP Speakerネイバーに上記生成されたBGP-intentルートをアドバタイズし続けてBGP Next-hopをその自体に修正することができ、この場合、ルートアドバタイズには、上記更新されたメトリック(metric)属性及びメトリック・クレジット(metric-credit)属性が含まれる。
【0075】
次に、以下の実施例により本開示の実施例のBGP-intentルートの受信方法を説明する。
(実施例3)
図5を参照しながら本実施例を説明する。図5は、本開示の実施例に係る同一のソース及びシンクの異なる意図の伝送経路の概略図である。図5に示すネットワークは、2つのIGP domain(IGPドメイン)を含み、PE1とABRとの間、ABRとPE2との間にBGPネイバーを確立し、BGP-intentルートをアドバタイズする。例えば、draft-zhou-idr-inter-domain-lcu-02に記載の方法に従って、Egress PE2は、BGPを介してそのloopbackルート(loopback-PE2と記す)をABRにアドバタイズし、ルートアドバタイズには、意図情報が含まれるように、Color extended communityが含まれる。ABRは、該ルートアドバタイズを受信した後、BGPを介してPE1にアドバタイズし続け、即ち、Ingress PE1、ABR、及びEgress PE2は、前述の技術的手段におけるBGP Speakerである。
【0076】
この例では、2つのタイプのサービスがIngress PE1とEgress PE2との間で通信する必要があると仮定すると、1つのタイプのサービスの意図は、使用される伝送経路のエンドツーエンド総遅延が10msを超えないことであり、別のタイプのサービスの意図は、使用される伝送経路のエンドツーエンド総遅延が100msを超えないことである。同じソース/宛先の間に2つの意図に関連する経路を表す必要があるため、本実施例において、Egress PE2に2つのColorを設定する必要があり、Color-1000及びColor-2000と記される。
【0077】
なお、Color-1000に対応する意図設定は、metric-type:Unidirectional Link Delay(単位は、msである)、total-metric:10、metric-credit enabledである。
【0078】
なお、Color-2000に対応する意図設定は、metric-type:Unidirectional Link Delay(単位は、msである)、total-metric:100、metric-credit enabledである。
【0079】
上記2つのcolorに対応する意図設定情報も他のBGP Speakerノード(ABR、Ingress PE1)に統一的に設定される。なお、意図設定情報にmetric-credit enabledコマンドが含まれているため、これらの他のBGP Speakerは、下流のBGP SpeakerネイバーからBGP-intentルートアドバタイズを受信した後、意図設定情報に含まれるtotal-metricのみに基づいて下流のBGP Speakerネイバーへの伝送経路を計算するのではなく、受信されたBGP-intentルートアドバタイズからメトリック・クレジット情報を取得し、これに基づいて、意図を満たす伝送経路を確立するか、意図を満たす既存の伝送経路又は使用する。或いは、これらの他のBGP Speakerノードに設定された意図設定には、total-metric情報が含まれなくてもよい。
【0080】
本実施例において、以下のステップ1)~3)を含む技術的手段が提供される。
ステップ1)では、Egress PE2は、BGP-intentルートを生成してABRにアドバタイズし、即ち、Egress PE2において、それぞれに対応する<prefix=loopback-PE2、color=1000>及び<prefix=loopback-PE2、color=2000>という2つのBGP-intentルートを生成し、それぞれABRにアドバタイズし、ルートアドバタイズにおけるBGP Next-hopは、Egress PE2である。
【0081】
なお、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>がアドバタイズされる場合、ルートアドバタイズに含まれる情報は、color-1000に対応する意図設定情報に基づいて設定されてもよく、即ち、metric-typeは、Unidirectional Link Delayに設定され、初期metricは、0に設定される。
【0082】
そして、メトリック・クレジット情報は、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=0、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:10、Estimated BGP Hops Count for Source:2(Ingress PE1に到達するために、2つのBGP Speakerを経由する必要がある)に設定される。
【0083】
また、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>をアドバタイズされる場合、ルートアドバタイズに含まれる情報は、color-2000に対応する意図設定情報に基づいて設定され、即ち、metric-typeは、Unidirectional Link Delayに設定され、初期metricは、0に設定される。そして、メトリック・クレジット情報は、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=0、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:100、Estimated BGP Hops Count for Source:2(Ingress PE1に到達するために、2つのBGP Speakerを経由する必要がある)に設定される。
【0084】
ステップ2)では、ABRは、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、ABRは、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、Egress PE2である。
【0085】
なお、ABRが受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、ABR)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、Egress PE2)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が5ms(合計メトリック・クレジットを2で割る)であることを知ると、ABRノードは、内部でCSPF(Constraint Shortest Path First、制約付き最短経路優先)計算モジュールを呼び出して、Egress PE2への5msを超えない極低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-12であると仮定すると、その遅延が4msである。したがって、ABRで生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=1000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-12になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを4に設定する。ABRは、上流のBGP Speakerネイバー(Ingress PE1)にBGP-intentルートをアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、4であり、BGP Next-hopは、ABRに修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0086】
同様に、ABRがBGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、Egress PE2である。ABRが受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、ABR)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、Egress PE2)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が50ms(合計メトリック・クレジットを2で割る)であることを知ると、ABRノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、Egress PE2への50msを超えない低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-22であると仮定すると、その遅延が40msである。したがって、ABRで生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=2000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-22になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを40に設定する。ABRは、上流のBGP Speakerネイバー(Ingress PE1)にBGP-intentルートをアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、40であり、BGP Next-hopは、ABRに修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0087】
ステップ3)では、Ingress PE1は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、Ingress PE1は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、ABRである。
【0088】
なお、Ingress PE1が受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、Ingress PE1)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、ABR)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が5ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が5であり、残りのメトリック・クレジットが6であり、小さい値を取る)であることを知ると、Ingress PE1ノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、ABRへの5msを超えない極低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-11(経路-11)であると仮定すると、その遅延が4msである。したがって、Ingress PE1で生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=1000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-11になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを8(=4+4)に設定する。
【0089】
同様に、Ingress PE1がBGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、ABRである。Ingress PE1が受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、Ingress PE1)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、ABR)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が50ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が50であり、残りのメトリック・クレジットが60であり、小さい値を取る)であることを知ると、Ingress PE1ノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、ABRへの50msを超えない低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-21(経路-21)であると仮定すると、その遅延が40msである。したがって、Ingress PE1で生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=2000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-21になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを80(=40+40)に設定する。
【0090】
このように、本実施例において、ルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報により、各BGP Speakerにおいて、差別化された伝送経路を根拠を持って確立し、優れた極低遅延リンクリソースを競合することを回避することができる。
(実施例4)
図5に示すネットワークを参照し、2つのIGP domainが単一のサービスプロバイダによって管理され、該サービスプロバイダがネットワークの性能指標を熟知し、BGP-intentルートアドバタイズの伝播経路が明確であるため、この時、Egress PE2にローカルポリシーを設定して、アドバタイズされたBGP-intentルートに明示的なメトリック・クレジット・ピース情報を含ませることができる。主なステップは、以下のとおりである。
【0091】
ステップ1)では、Egress PE2は、BGP-intentルートを生成してABRにアドバタイズし、即ち、Egress PE2において、それぞれに対応する<prefix=loopback-PE2、color=1000>及び<prefix=loopback-PE2、color=2000>という2つのBGP-intentルートを生成し、それぞれABRにアドバタイズし、ルートアドバタイズにおけるBGP Next-hopは、Egress PE2である。
【0092】
なお、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>がアドバタイズされる場合、ルートアドバタイズに含まれる情報は、color-1000に対応する意図設定情報に基づいて設定されてもよく、即ち、metric-typeは、Unidirectional Link Delayに設定され、初期metricは、0に設定される。
【0093】
そして、メトリック・クレジット情報を、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=1、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:10、Estimated BGP Hops Count for Source:2(Ingress PE1に到達するために、2つのBGP Speakerを経由する必要がある)、Current Hop Number:0、Metric Credit Piece[2]:[0]=4、[1]=6に設定する。
【0094】
なお、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>がアドバタイズされる場合、ルートアドバタイズに含まれる情報は、color-2000に対応する意図設定情報に基づいて設定されてもよく、即ち、metric-typeは、Unidirectional Link Delayに設定され、初期metricは、0に設定される。
【0095】
そして、メトリック・クレジット情報を、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=0、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:100、Estimated BGP Hops Count for Source:2(Ingress PE1に到達するために、2つのBGP Speakerを経由する必要がある)、Current Hop Number:0、Metric Credit Piece[2]:[0]=40、[1]=60に設定する。
【0096】
ステップ2)では、ABRは、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、ABRは、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、Egress PE2である。
【0097】
なお、ABRが受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、ABR)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、Egress PE2)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が4ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が5であり、メトリック・クレジット・ピース[0]要素が4であり、小さい値を取る)であることを知ると、ABRノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、Egress PE2への4msを超えない極低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-12であると仮定すると、その遅延が4msである。したがって、ABRで生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=1000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-12になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを4に設定する。ABRは、上流のBGP Speakerネイバー(Ingress PE1)にBGP-intentルートをアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、4であり、BGP Next-hopは、ABRに修正され、メトリック・クレジット情報は、Current Hop Numberが1にインクリメントされることである。
【0098】
同様に、ABRがBGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、Egress PE2である。ABRが受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、ABR)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、Egress PE2)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が40ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が50であり、メトリック・クレジット・ピース[0]要素が40であり、小さい値を取る)であることを知ると、ABRノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、Egress PE2への40msを超えない低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-22であると仮定すると、その遅延が40msである。したがって、ABRで生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=2000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-22になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを40に設定する。ABRは、上流のBGP Speakerネイバー(Ingress PE1)にBGP-intentルートをアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、40であり、BGP Next-hopは、ABRに修正され、メトリック・クレジット情報は、Current Hop Numberが1にインクリメントされることである。
【0099】
ステップ3)では、Ingress PE1は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、Ingress PE1は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、ABRである。
【0100】
なお、Ingress PE1が受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、Ingress PE1)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、ABR)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が5ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が5であり、残りのメトリック・クレジットが6であり、メトリック・クレジット・ピース[1]要素が6であり、小さい値を取る)であることを知ると、Ingress PE1ノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、ABRへの5msを超えない極低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-11であると仮定すると、その遅延が4msである。したがって、Ingress PE1で生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=1000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-11になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを8(=4+4)に設定する。
【0101】
同様に、Ingress PE1がBGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=2000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、ABRである。Ingress PE1が受信されたルートアドバタイズに含まれるメトリック・クレジット情報に基づいて、本BGP Speaker(即ち、Ingress PE1)から下流BGP Speakerネイバー(即ち、ABR)への「メトリック・クレジット・ピース基準値」が50ms(合計メトリック・クレジットを2で割った値が50であり、残りのメトリック・クレジットが60であり、メトリック・クレジット・ピース[1]要素が60であり、小さい値を取る)であることを知ると、Ingress PE1ノードは、内部でCSPF計算モジュールを呼び出して、ABRへの50msを超えない低遅延経路を計算し、図5におけるTE path-21であると仮定すると、その遅延が40msである。したがって、Ingress PE1で生成されたBGP-intentルーティングテーブルエントリ<prefix=loopback-PE2、color=2000>は、BGP Next-hopの下位層の伝送経路がTE path-21になるまで反復し、それに応じてルーティングテーブルエントリのmetricを80(=40+40)に設定する。
(実施例5)
図6を参照しながら、本実施例における技術的手段を説明する。図6は、本開示の実施例に係るマルチペアのソース及びシンク間の同じ意図の伝送経路の概略図である。図6に示すネットワークは、3つのAS(Autonomous System)を含み、PE1とASBR1との間、ASBR1とASBR2との間、ASBR1とASBR3との間、ASBR2とPE2との間、ASBR3とPE3との間にBGPネイバーを確立し、BGP-intentルートをアドバタイズする。例えば、draft-zhou-idr-inter-domain-lcu-02に記載の方法に従って、Egress PE2は、BGPを介してそのloopbackルート(loopback-PE2と記す)をASBR2にアドバタイズし、Egress PE3は、BGPを介してそのloopbackルート(loopback-PE3と記す)をASBR3にアドバタイズし、ルートアドバタイズには、意図情報が含まれるように、Color extended communityが含まれる。ASBR2/ASBR3は、該ルートアドバタイズを受信した後、BGPを介してASBR1にアドバタイズし続け、ASBR1は、該ルートアドバタイズを受信した後、BGPを介してIngress PE1にアドバタイズし続け、即ち、Ingress PE1、ASBR1、ASBR2、ASBR3、Egress PE2、Egress PE3は、前述の技術的手段におけるBGP Speakerである。
【0102】
この例において、同じタイプのサービスは、Ingress PE1とEgress PE2との間、及びIngress PE1とEgress PE3との間で通信する必要があり、このタイプのサービスの意図は、使用される伝送経路のエンドツーエンドの総遅延及び距離に関連する特定の値であると仮定する。
【0103】
なお、Egress PE2に、対応するcolor-1000が設定されると仮定すると、それに対応する意図設定は、metric-type:Unidirectional Link Delay(単位は、msである)、(実際の距離が短いことを考慮して)total-metric:200、metric-credit enabledである。
【0104】
なお、Egress PE3に、対応するcolor-1000が設定されると仮定すると、それに対応する意図設定は、metric-type:Unidirectional Link Delay(単位は、msである)、(実際の距離が長いことを考慮して)total-metric:300、metric-credit enabledである。
【0105】
上記colorに対応する意図設定情報も他のBGP Speakerノード(ASBR1、ASBR2、ASBR3、Ingress PE1)に統一的に設定され、total-metric情報が含まれなくてもよい。
【0106】
具体的なプロセスは、前述の実施例と同様であり、ここでは、重要な内容のみを説明する。
【0107】
ステップ1)では、Egress PE2は、BGP-intentルートを生成してASBR2にアドバタイズし、即ち、Egress PE2において、それぞれに対応するBGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を生成してASBR2にアドバタイズし、含まれる主な情報は、以下のとおである。BGP Next-hopをloopback-PE2に設定し、metric-typeをUnidirectional Link Delayに設定し、初期metricを0に設定する。
【0108】
そして、メトリック・クレジット情報を、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=0、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:200、Estimated BGP Hops Count for Source:3(Ingress PE1に到達するために、3つのBGP Speakerを経由する必要がある)に設定する。
【0109】
ステップ2)では、Egress PE3は、BGP-intentルートを生成してASBR3にアドバタイズし、即ち、Egress PE3において、それぞれに対応するBGP-intentルート<prefix=loopback-PE3、color=1000>を生成してASBR3にアドバタイズし、含まれる主な情報は、以下のとおりである。BGP Next-hopをloopback-PE3に設定し、metric-typeをUnidirectional Link Delayに設定し、初期metricを0に設定する。
【0110】
そして、メトリック・クレジット情報を、Count of Sources:1、Flags:S-Flag=1、F-Flag=0、P-Flag=0、Network Address of Source:loopback-PE1(IPv4アドレスと仮定する)、Total Metric Credit for Source:300、Estimated BGP Hops Count for Source:3(Ingress PE1に到達するために、3つのBGP Speakerを経由する必要がある)に設定する。
【0111】
ステップ3)では、ASBR2は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、ASBR2は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopがloopback-PE2であり(メトリック・クレジット・ピース基準値66に応じて、PE2の伝送経路がTE path-13になるまで反復する)、metricが60であり(TE path-13の累積遅延60msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0112】
また、ASBR2は、該BGP-intentルートをASBR1にアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、60であり、BGP Next-hopは、ASBR2に修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0113】
ステップ4)では、ASBR3は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、ASBR3は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE3、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopがloopback-PE3であり(メトリック・クレジット・ピース基準値100に応じて、PE2の伝送経路がTE path-23になるまで反復する)、metricが100であり(TE path-23の累積遅延100msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0114】
また、ASBR3は、該BGP-intentルートをASBR1にアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、100であり、BGP Next-hopは、ASBR3に修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0115】
ステップ5)では、ASBR1は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、ASBR1は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopがASBR2であり(メトリック・クレジット・ピース基準値66に応じて、ASBR2の伝送経路がTE path-12になるまで反復する)、metricが70であり(TE path-12の累積遅延10msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0116】
また、ASBR1は、該BGP-intentルートをIngress PE1にアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、70であり、BGP Next-hopは、ASBR1に修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0117】
同様に、ASBR1がBGP-intentルート<prefix=loopback-PE3、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopがASBR3であり(メトリック・クレジット・ピース基準値100に応じて、ASBR3の伝送経路がTE path-22になるまで反復する)、metricが110であり(TE path-22の累積遅延10msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0118】
また、ASBR1は、該BGP-intentルートをIngress PE1にアドバタイズし続け、metric-typeは、Unidirectional Link Delayであり、metricは、110であり、BGP Next-hopは、ASBR1に修正され、メトリック・クレジット情報は、以前に受信されたルートアドバタイズにおけるメトリック・クレジット情報と変わらないままである。
【0119】
ステップ6)では、Ingress PE1は、BGP-intentルートを受信すると、BGP Next-hopへの、意図を満たす下位層の伝送経路を確立し、即ち、Ingress PE1は、BGP-intentルート<prefix=loopback-PE2、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成し、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopは、ASBR1であり(メトリック・クレジット・ピース基準値66に応じて、ASBR2の伝送経路がTE path-11になるまで反復する)、metricが130であり(TE path-11の累積遅延60msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0120】
同様に、Ingress PE1がBGP-intentルート<prefix=loopback-PE3、color=1000>を受信すると、ローカルで対応するルーティングテーブルエントリを生成してもよく、主な属性は、metric-typeがUnidirectional Link Delayであり、BGP Next-hopがASBR1であり(メトリック・クレジット・ピース基準値100に応じて、ASBR1の伝送経路がTE path-21になるまで反復する)、metricが210であり(TE path-22の累積遅延100msが累積される)、metric-credit情報が受信されたルートアドバタイズにおける情報と変わらないままであることを含む。
【0121】
上記実施例における技術的手段を用いることにより、意図的なルートの伝送経路の確立を根拠を持って制御し、差別化された転送リソースを提供し、全てのサービスが優れたリソースを競合することを回避することができる。
【0122】
また、上記実施例における技術的手段は、IPRAN/SPN、メトロポリタンエリアネットワーク/バックボーンに適用できるが、これに限定されない。
【0123】
図7は、本開示の実施例に係るBGP-intentルートの受信装置のブロック構成図である。図7に示すように、BGP-intentルートの受信装置は、
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するように構成された受信モジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる受信モジュール702を含む。
【0124】
上記解決手段によれば、BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信し、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれ、これにより、関連技術におけるBGP-intentルートに含まれ内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を解決し、BGP-intentルートにメトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報を含ませることにより、伝送経路の確立効率をさらに向上させる。
【0125】
さらに、前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む。
【0126】
なお、上記リンク遅延メトリックは、リンクの遅延を含んでもよいが、これに限定されない。
【0127】
なお、上記リンク・ノード遅延メトリックは、リンクの遅延とノード内の遅延を同時に含んでもよいが、これに限定されない。
【0128】
さらに、BGP-intentルートの受信装置は、intent識別子を前記BGP-intentルートから取得し、前記intent識別子に基づいてintent templateをローカル検索して意図情報を取得し、そして、前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するように構成された取得モジュールをさらに含む。
【0129】
さらに、取得モジュールは、さらに、前記BGP-intentルートに含まれるメトリック、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数及びメトリック・クレジット・ピースに基づいて、現在のBGP speakerと、前記現在のBGP speakerの下流のネイバーBGP speakerとの間の伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値を決定し、そして、前記確立された伝送経路又は選択された既存の伝送経路のメトリックタイプの合計メトリックを、前記メトリック・クレジット・ピース基準値以下に限定して、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するように構成される。
【0130】
さらに、BGP-intentルートの受信装置は、前記BGP-intentルートに含まれるメトリック・クレジット情報が、ソースに関連する合計メトリック・クレジットのみを含み、明示的なメトリック・クレジット・ピースを含まない場合、各ソースに対応するメトリック・クレジット属性に対して、合計メトリック・クレジットを推定BGPホップ数で割って、エンドツーエンド経路における隣接する2つのBGP Speaker間の平均メトリック・クレジットを得て、そして、前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るように構成された第1メトリック取得モジュールをさらに含む。
【0131】
さらに、第1メトリック取得モジュールは、さらに、全てのソースに対して平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックを計算するように構成され、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値が、全てのソースに対して計算された平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む。
【0132】
さらに、BGP-intentルートの受信装置は、前記BGP-intentルートに明示的なメトリック・クレジット・ピースがさらに含まれる場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、本BGP Speakerのエンドツーエンド経路における位置番号に基づいて、BGP-intentルートから前記本BGP Speakerに対応するメトリック・クレジット・ピースを取得し、そして、前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るように構成された第2メトリック取得モジュールをさらに含む。
【0133】
さらに、第2メトリック取得モジュールは、さらに、全てのソースに対してメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックを計算するように構成され、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値が、全てのソースに対して計算されたメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む。
【0134】
さらに、取得モジュールは、さらに、本BGP Speakerが下流のBGP Speakerへの、メトリック・クレジット・ピース基準値を満たす伝送経路が存在しないことを発見した場合、全ての候補伝送経路から、メトリックタイプの合計メトリックがメトリック・クレジット・ピース基準値に最も近い経路を選択するように構成される。
【0135】
さらに、一実施例において、前記本BGP Speakerから下流のBGP Speakerへの伝送経路は、少なくとも、最短転送経路、トラフィックエンジニアリング経路のうちの1つを含み、前記伝送経路は、複数のサブ経路を含み、前記複数のサブ経路により、負荷を分散させるか、又は高速再ルーティング(FRR)保護を形成するか、又はマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成し、前記複数のサブ経路によりマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成する場合、前記複数のサブ経路間のメトリック差は、設定された限定値を満たすべきである。
【0136】
図8は、本開示の実施例に係るBGP-intentルートのアドバタイズ装置のブロック構成図である。図8に示すように、BGP-intentルートのアドバタイズ装置は、
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするように構成されたアドバタイズモジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるアドバタイズモジュール802を含む。
【0137】
上記解決手段によれば、BGP-intentルートをネイバーBGP speakerにアドバタイズし、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれ、これにより、関連技術におけるBGP-intentルートに含まれる内容によるBGP-intentルートの伝送経路の確立効率が低いという問題を解決し、BGP-intentルートにメトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報を含ませることにより、伝送経路の確立効率をさらに向上させる。
【0138】
さらに、一実施例において、前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む。
【0139】
なお、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、下流のネイバーBGP speakerから受信されたBGP-intentルートアドバタイズに含まれるメトリックと、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の前記メトリックタイプに対応する合計メトリックとの和であり、或いは、本BGP speakerが元のアドバタイズノードである場合、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、設定されたある初期値である。
【0140】
なお、上記初期値は、0であってもよいが、これに限定されない。
例示的な一実施例において、上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、USBディスクや、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROMと略称される)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称される)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスクなどのコンピュータプログラムを記憶できる様々な媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0141】
本実施例における具体的な例は、上記実施例及び例示的な実施形態に説明される例を参照できるので、本実施例は、ここでは説明を省略する。
【0142】
本開示の実施例において、さらに、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、コンピュータプログラムを実行して上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実行するように構成されるプロセッサとを含む電子装置が提供される。
【0143】
選択的には、本実施例において、上記プロセッサは、コンピュータプログラムにより、
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップS1を実行するように構成されてもよい。
【0144】
選択的には、他の実施例において、上記プロセッサは、コンピュータプログラムにより、
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップS1を実行するように構成されてもよい。
【0145】
例示的な一実施例において、上記電子装置は、上記プロセッサに接続される伝送機器及び上記プロセッサに接続される入出力機器をさらに含んでもよい。
【0146】
本実施例における具体的な例は、上記実施例及び例示的な実施形態に説明される例を参照できるので、本実施例は、ここでは説明を省略する。
【0147】
明らかに、当業者は、上述した本開示における各モジュール又は各ステップが汎用コンピューティングデバイスで実現されてもよく、それらが単一のコンピューティングデバイスに集中されてもよく、又は複数のコンピューティングデバイスで構成されたネットワークに分布されてもよく、それらがコンピューティングデバイスで実行可能なプログラムコードで実現されてよいので、それらを記憶装置に記憶してコンピューティングデバイスで実行し、また、いくつかの場合で、本明細書とは異なる順序で、図示又は記載されたステップを実行することができ、又はそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに作り、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路に作って実現することを理解すべきである。これにより、本開示は、いかなる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0148】
以上は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示に対する様々な変更と変化を行うことができる。本開示の原則内で行われるいかなる修正、均等な置換及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートの受信方法。
【請求項2】
前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項3】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するステップの後、
intent識別子を前記BGP-intentルートから取得し、前記intent識別子に基づいてintent templateをローカル検索して意図情報を取得するステップと、
前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、をさらに含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項4】
前記意図情報に基づいて、前記BGP-intentルートに伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップは、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリック、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数及びメトリック・クレジット・ピースに基づいて、現在のBGP speakerと、前記現在のBGP speakerの下流のネイバーBGP speakerとの間の伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値を決定するステップと、
前記確立された伝送経路又は選択された既存の伝送経路のメトリックタイプの合計メトリックを、前記メトリック・クレジット・ピース基準値以下に限定して、伝送経路を確立するか又は既存の伝送経路を選択するステップと、を含む、請求項3に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項5】
前記BGP-intentルートに含まれるメトリック・クレジット情報が、ソースに関連する合計メトリック・クレジットのみを含み、明示的なメトリック・クレジット・ピースを含まない場合、各ソースに対応するメトリック・クレジット属性に対して、
合計メトリック・クレジットを推定BGPホップ数で割って、エンドツーエンド経路における隣接する2つのBGP Speaker間の平均メトリック・クレジットを得るステップと、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るステップと、をさらに含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項6】
全てのソースに対して平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックを計算するステップを含み、
本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値は、全てのソースに対して計算された平均メトリック・クレジット及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む、請求項5に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項7】
前記BGP-intentルートに明示的なメトリック・クレジット・ピースがさらに含まれる場合、各Sourceに対応するメトリック・クレジット情報に対して、
本BGP Speakerのエンドツーエンド経路における位置番号に基づいて、BGP-intentルートから前記本BGP Speakerに対応するメトリック・クレジット・ピースを取得するステップと、
前記BGP-intentルートに含まれるメトリックを合計メトリック・クレジットから減算して、残りのメトリックを得るステップと、を含む、請求項1に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項8】
全てのソースに対してメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックを計算するステップを含み、
本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路のメトリック・クレジット・ピース基準値は、全てのソースに対して計算されたメトリック・クレジット・ピース及び残りのメトリックのうちの最小の正の値を含む、請求項7に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項9】
本BGP Speakerは、下流のBGP Speakerへの、メトリック・クレジット・ピース基準値を満たす伝送経路が存在しないことを発見した場合、全ての候補伝送経路から、メトリックタイプの合計メトリックがメトリック・クレジット・ピース基準値に最も近い経路を選択するステップをさらに含む、請求項4に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項10】
前記本BGP Speakerから下流のBGP Speakerへの伝送経路は、少なくとも、最短転送経路、トラフィックエンジニアリング経路のうちの1つを含み、
前記伝送経路は、複数のサブ経路を含み、前記複数のサブ経路により、負荷を分散させるか、又は高速再ルーティング(FRR)保護を形成するか、又はマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成し、前記複数のサブ経路によりマルチストリームのコピー及び削除用の経路を形成する場合、前記複数のサブ経路間のメトリック差は、設定された限定値を満たすべきである、請求項5に記載のBGP-intentルートの受信方法。
【請求項11】
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするステップであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるステップを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項12】
前記メトリックタイプは、IGPメトリック、リンク遅延メトリック、リンク・ノード遅延メトリック、TEデフォルトメトリック、及び帯域幅メトリックを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、合計メトリック・クレジット、推定BGPホップ数、及びメトリック・クレジット・ピースを含み、
前記メトリック・クレジット情報は、特定のソースに関係なく、1つの情報のみを含むか、或いは、複数の特定のソースに1対1で対応する複数の情報を含む、請求項11に記載のBGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項13】
前記メトリックタイプに対応するメトリックは、下流のネイバーBGP speakerから受信されたBGP-intentルートアドバタイズに含まれるメトリックと、本BGP speakerから下流のネイバーBGP speakerへの伝送経路の前記メトリックタイプに対応する合計メトリックとの和であり、
或いは、本BGP speakerが元のアドバタイズノードである場合、前記メトリックタイプに対応するメトリックは、設定されたある初期値である、請求項11に記載のBGP-intentルートのアドバタイズ方法。
【請求項14】
BGP speakerからアドバタイズされたBGP-intentルートを受信するように構成された受信モジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれる受信モジュールを含む、BGP-intentルートの受信装置。
【請求項15】
BGP-intentルートをネイバーBGP Speakerにアドバタイズするように構成されたアドバタイズモジュールであって、前記BGP-intentルートには、メトリックタイプ、メトリック、及びメトリック・クレジット情報のうちの少なくとも1つが含まれるアドバタイズモジュールを含む、BGP-intentルートのアドバタイズ装置。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項11~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、前記コンピュータプログラムによって請求項1~10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項11~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサと、を含む、電子装置。
【国際調査報告】