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特表2024-537480逆オーバーハングボリュートを備える遠心圧縮機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】逆オーバーハングボリュートを備える遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20241003BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F04D29/44 U
F04D17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525239
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2022038546
(87)【国際公開番号】W WO2023079936
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】17/517,789
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】ドレイク,ミドリ
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA14
3H130AB27
3H130AB46
3H130AB69
3H130AC11
3H130BA97A
3H130CA08
3H130CA09
3H130DD01Z
3H130EA07A
3H130EA08C
3H130ED04A
(57)【要約】
第一段インペラと、第一段ディフューザと、第二段インペラと、第二段ディフューザと、第二段ボリュートとを備えるチラーの遠心圧縮機を提供する。第一段インペラは、入口から冷媒を受けるよう配置される。第二段ボリュートは、第二段ディフューザの下流側に配置されて、冷媒が圧縮された後に冷媒を受ける。第二段ボリュートは、逆オーバーハング構成を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口から冷媒を受けるよう配置される第一段インペラと、
第一段ディフューザと、
第二段インペラと、
第二段ディフューザと、
前記第二段ディフューザの下流側に配置されて、前記冷媒が圧縮された後に、前記冷媒を受ける第二段ボリュートと、
を備え、
前記第二段ボリュートは、逆オーバーハング構成を有する、
チラーの遠心圧縮機。
【請求項2】
前記遠心圧縮機の軸方向において、前記第二段ディフューザは、前記第二段インペラと前記第二段ボリュートの軸方向中心との間に配置されている、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記第一段インペラと前記第二段インペラとを囲う圧縮機ハウジングと、
前記第一段インペラと前記第二段インペラとを駆動するように配置されるモータであって、前記第二段インペラが前記遠心圧縮機の軸方向において前記モータと前記第一段インペラとの間に配置されるよう、前記圧縮機ハウジングの第二段側に配置されるモータと、を更に備え、
前記第二段ボリュートの軸方向中心が、前記第二段ディフューザに対して前記モータに向かう側に配置されている、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記モータは、前記圧縮機ハウジングの前記第二段側に接続されるモータハウジングを有しており、
前記第二段ボリュートの少なくとも一部は、前記軸方向に垂直な方向に沿って見たときに、前記モータハウジングと重なっている、
請求項3に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記第一段インペラと前記第二段インペラとは、前記第二段インペラを貫通し、前記第一段インペラに固定される軸によって、前記モータに接続されている、
請求項3に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記第一段インペラと前記第二段インペラとを囲う圧縮機ハウジングを更に備え、
前記第二段ボリュートは前記圧縮機ハウジングの外側に取り付けられている、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
モータハウジングを有するとともに、前記圧縮機ハウジングの第二段側に配置されているモータを更に備え、
前記第二段ボリュートの少なくとも一部は、前記遠心圧縮機の軸方向に垂直な方向に沿って見たときに、前記モータハウジングと重なっている、
請求項6に記載の遠心圧縮機。
【請求項8】
モータハウジングを含むモータと、
前記第二段ボリュートを形成する第二段ボリュート形成部材であって、前記モータハウジングと前記圧縮機ハウジングの第二段階側との間に配置される第二段ボリュート形成部材と、
を更に備える、
請求項6に記載の遠心圧縮機。
【請求項9】
前記第二段インペラの外周に配置されるとともに前記第二段ボリュート形成部材と前記圧縮機ハウジングとの間に配置されるインサートであって、前記第二段ボリュート形成部材の内面に対向するディフューザ形成壁面を有するインサートを更に備え、
前記第二段ボリュートの内部空間の少なくとも一部が、前記インサートに対して前記モータに向かう側に配置されている、
請求項8に記載の遠心圧縮機。
【請求項10】
前記遠心圧縮機は低GWP冷媒を用いて使用するよう構成されている、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項11】
前記第一段インペラと前記第二段インペラとは、前記遠心圧縮機の軸方向に沿ったインライン構成で配置される、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項12】
前記第二段ボリュートは、前記第二段インペラの回転中心軸を含む平面に沿った断面において非対称な断面形状を有する、
請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項13】
チラー用の遠心圧縮機であって、
少なくとも一つのインペラを有する圧縮機ハウジングであって、前記遠心圧縮機の軸方向に沿って入口側と吐出側とを有する圧縮機ハウジングと、
前記圧縮機ハウジングの前記吐出側に逆オーバーハング構成を有するボリュートを形成するボリュート形成部材であって、前記圧縮機ハウジングの外側に取り付けられているボリュート形成部材と、
を備える遠心圧縮機。
【請求項14】
モータハウジングを有するモータであって、前記圧縮機ハウジングの前記吐出側に配置されるモータハウジングを更に備えており、
前記ボリュートの少なくとも一部が、前記軸方向に垂直な方向に沿って見たときに、前記モータハウジングと重なっている、
請求項13に記載の遠心圧縮機。
【請求項15】
前記ボリュート形成部材は、前記モータハウジングと前記圧縮機ハウジングの前記吐出側との間に配置されている、
請求項14に記載の遠心圧縮機。
【請求項16】
前記ボリュート形成部材と前記圧縮機ハウジングとの間に配置されるインサートであって、前記ボリュート形成部材の内面に対向するディフューザ形成壁面を有するインサートを更に備え、
前記ボリュートの内部空間が、前記軸方向に垂直な方向に沿って見たときに、前記インサートとは重ならない、
請求項13に記載の遠心圧縮機。
【請求項17】
チラー用の多段遠心圧縮機であって、
前記多段遠心圧縮機の軸方向に沿って入口側と吐出側とを有する圧縮機ハウジングと、
少なくとも第一段インペラ及び第二段インペラであって、前記第一段インペラ及び前記第二段インペラは前記圧縮機ハウジング内に配置され、前記第一段インペラは、前記軸方向に垂直な方向に第一半径を有するとともに、前記第二段インペラと前記圧縮機ハウジングの前記入口側との間に配置されている、第一段インペラ及び第二段インペラと、
前記圧縮機ハウジングの前記吐出側に配置されるとともに、逆オーバーハング構成を有する吐出ボリュートと、
を備え、
前記第一段インペラと前記第二段インペラとの間の距離に対する前記第一半径の比率は0.5以上1.0以下である
多段遠心圧縮機。
【請求項18】
前記比率は0.65以上8.5以下である、
請求項17に記載の多段遠心圧縮機。
【請求項19】
モータハウジングを有するモータであって、前記モータハウジングは、前記圧縮機ハウジングの前記吐出側に配置されるモータと、
前記吐出ボリュートを形成するボリュート形成部材であって、前記モータハウジングと前記圧縮機ハウジングの吐出側との間に配置されるボリュート形成部材と、
を更に備える、
請求項17に記載の多段遠心圧縮機。
【請求項20】
前記ボリュート形成部材と前記圧縮機ハウジングとの間に配置されるインサートと、
前記ボリュート形成部材と前記インサートの第一側との間に形成されるディフューザと、
前記圧縮機ハウジングと前記インサートの第二側との間に形成されるインジェクション空間と、
を更に備えており、
前記第一側と前記第二側とは、前記軸方向において互いに反対側にある、
請求項19に記載の多段遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、チラーシステムにおいて用いられるよう構成される遠心圧縮機に関する。本発明は、特に、逆オーバーハング構成を有するボリュートを備える遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
チラーシステムは、媒体から熱を奪う冷凍機械または装置である。一般に、水等の液体が媒体として用いられ、チラーシステムは、蒸気圧縮冷凍サイクルで動作する。その後この液体が、熱交換器を通って循環することによって、必要に応じて空気または器材を冷却することができる。冷凍サイクルには、副産物として廃熱が不可避であり、廃熱は、周囲に吐出するか、効率を高めるために加熱目的のために回収するしかない。従来のチラーシステムは、多くの場合、ターボ圧縮機とも呼ばれる遠心圧縮機を利用する。したがって、このようなチラーシステムを、ターボチラーと呼ぶこともできる。あるいは、他のタイプの圧縮機、例えばスクリュー圧縮機を利用することもできる。
【0003】
従来の(ターボ)チラーにおいては、冷媒は、遠心圧縮機において圧縮されて、熱交換器に送られ、そこで冷媒と熱交換媒体(例えば液体)との間で熱交換が行われる。この熱交換器は、冷媒を凝縮させるので、凝縮器と呼ばれている。その結果、熱は、媒体(液体)へ移動し、したがって、媒体は加熱される。凝縮器から出てきた冷媒は、膨張弁によって膨張され、他の熱交換器に送られ、そこで冷媒と交換媒体(例えば液体)との間で熱交換が行われる。この熱交換器は、冷媒を加熱する(蒸発させる)ので、蒸発器と呼ばれている。その結果、熱は、媒体(液体)から冷媒へと移動し、液体は加熱される。その後、蒸発器からの冷媒は遠心圧縮機に戻され、そして、サイクルが繰り返される。利用される液体は、多くの場合、水である。
【0004】
従来の遠心圧縮機は、基本的に、ケーシング(ハウジング)と、インレットガイドベーンと、インペラと、ディフューザと、モータと、種々のセンサと、制御器とを有する。冷媒は、インレットガイドベーン、インペラ及びディフューザを順に流れる。そのため、インレットガイドベーンは、遠心圧縮機のガス吸入ポートに連結され、ディフューザは、インペラのガス出口ポートに連結される。インレットガイドベーンは、インペラへの冷媒気体の流量を制御する。インペラは、冷媒気体の速度(運動エネルギー)を増加させる。ディフューザは、インペラから吐出される冷媒気体の速度(動圧)を(静)圧力へと変換するよう機能する。ボリュートは、ディフューザから出てくる冷媒を受け、冷媒を遠心圧縮機に接続された吐出パイプに、冷媒の速度を維持可能としながら、案内する。モータはインペラを回転させる。制御器は、モータと、インレットガイドベーンと、膨張弁と、を制御する。こうして、冷媒は従来の遠心圧縮機において圧縮される。システムの容量を調整するため、インレットガイドベーンは通常調整可能であり、モータ速度は通常調整可能である。さらに、また、ディフューザも、システムの容量をさらに調整するために調整可能である。モータ、インレットガイドベーン、膨張弁の制御に加えて、制御器はディフューザなどのさらなる制御可能な要素をさらに制御することができる。
【0005】
あるチラーの遠心圧縮機は、より高い圧縮度を実現するために複数の圧縮段を備える。ある多段遠心圧縮機は、複数のインペラが遠心圧縮機の軸方向に隣接して配置されるとともにモータが圧縮機ハウジングの一方の側(吐出側など)に配置されるインライン構成を有する。また、モータが二段遠心圧縮機の間に配置される二段遠心圧縮機もある。
【0006】
チラー用の従来のインライン遠心圧縮機では、モータの出力軸は、通常、ギア機構とインペラに接続されている二次軸とを介して、インペラに接続される。モータのモータハウジングは通常、圧縮機ハウジングの吐出側に配置され、ギア機構はモータハウジングと圧縮機ハウジングとの間に配置される。二次軸は、通常、モータの出力軸から出力軸の径方向にオフセットされ、モータの出力軸の軸方向と平行な方向に延設されるよう配置される(図8参照)。通常、ボリュートはモータ及びギア機構から離間するよう(遠心圧縮機の第一段側に向かう側に)ずれており、第二段インペラの外側または周囲に配置される。
【発明の概要】
【0007】
チラーシステムにおいて使用するよう構成されるインライン遠心圧縮機の軸方向長さは、小さくする必要がある。設置面積を小さくすることによって、遠心圧縮機を種々の場所に設置できる利点がある。これは、多段遠心圧縮機、及びエコノマイザまたは冷媒回路の他の部分から多段遠心圧縮機の中間段に冷媒を導入するためのインジェクションノズルを有する多段遠心圧縮機の場合に、特に当てはまる。段、インジェクションノズル、及びインジェクションノズルから冷媒が導入されるインジェクション空間の追加は、それぞれ、遠心圧縮機の軸方向の長さを大きくする。従来、チラーで使用される遠心圧縮機は、上述の通り、吐出側に前方オーバーハングボリュートを有する(二段圧縮機の場合、第二段側)。すなわち、従来の遠心圧縮機では、ボリュートは、ディフューザに対してインペラに向かう側にずれており、インペラ(二段遠心圧縮機では第二段インペラ)の外周の周辺領域のスペースにおける他の部品と競合する。
【0008】
本発明の目的は、チラーの遠心圧縮機、特に、インライン多段遠心圧縮機の軸方向長さを小さくすることにある。
【0009】
既知の技術の状況に鑑み、本開示の一の面では、チラーの遠心圧縮機を提供する。遠心圧縮機は、第一段インペラと第一段ディフューザと第二段インペラと第二段ディフューザと第二段ボリュートを有する。第一段インペラは、入口から冷媒を受けるよう配置される。第二段ボリュートは、第二段ディフューザの下流側に配置されて、冷媒が圧縮された後の冷媒を受ける。第二段ボリュートは、逆オーバーハング構成を有する。
【0010】
本開示の他の面では、遠心圧縮機が圧縮機ハウジングとボリュート形成部材とを有するチラーの遠心圧縮機を提供する。圧縮機ハウジングは、少なくとも一つのインペラを囲む。圧縮機ハウジングは、多段遠心圧縮機の軸方向に沿って入口側と吐出側とを有する。ボリュート形成部材は、圧縮機ハウジングの吐出側に逆オーバーハング構成を有するボリュートを形成する。ボリュート形成部材は、圧縮機ハウジングの外側に取り付けられている。
【0011】
本発明の他の面では、チラーの多段遠心圧縮機を提供する。多段遠心圧縮機は、圧縮機ハウジングと、少なくとも第一段インペラ及び第二段インペラと、吐出ボリュートと、を有する。圧縮機ハウジングは、多段遠心圧縮機の軸方向に沿って入口側と吐出側とを有する。第一段インペラと第二段インペラとは、圧縮機ハウジングに配置されている。第一段インペラは軸方向に垂直な方向に第一半径を有し、第一段インペラは第二段インペラと圧縮機ハウジングの入口側との間に配置されている。吐出ボリュートは、圧縮機ハウジングの吐出側に配置されるとともに、逆オーバーハング構成を有する。第一段インペラと第二段インペラとの間の距離に対する第一半径の比率は0.5以上1.0以下である。
【0012】
これら及び他の目的、特徴、態様、及び利点は、添付の図面と組み合わせて、本発明の好ましい態様を開示する以下の説明から当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
当開示の一部をなす添付の図面を参照しながら以下に説明を行う。
図1図1は、本発明の実施形態にかかる周状圧縮機を有するチラーシステムを示す。
図2図2は、遠心圧縮機の軸方向に沿って見たときの遠心圧縮機の吐出側の側面図である。
図3図3は、図2に示す切断線に沿って見た遠心圧縮機の長手方向の断面図である。
図4図4は、図3に示す断面に垂直な切断面における遠心圧縮機の長手方向の断面図である。
図5図5は、図3から抽出した拡大部分断面図である。
図6図6は、モータと、第二段ボリュートと、第二段インペラと、インサートを示す分解断面図である。
図7図7は、前方オーバーハングボリュート構成と対称ボリュート構成とを示す。
図8図8は、従来のチラー用のインライン多段遠心圧縮機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
選択的な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
【0015】
まず、図1を参照して、本発明の例示的実施形態にかかる、少なくとも遠心圧縮機12を有するチラーシステム10を説明する。チラーシステム10は、好ましくは、従来の通り冷水及び冷却水を利用する水チラーである。ここで例示するチラーシステム10は、二段チラーシステムである。なお、チラーシステム10が一段チラーシステムまたは三段以上の複数段チラーシステムとできることは、本開示から当業者には明らかであろう。
【0016】
チラーシステム10は、基本的に、ループ冷凍サイクルを形成するよう互いに直列に接続される遠心圧縮機12と、冷却制御器14と、凝縮器16と、エコノマイザ18と、膨張弁20,22と蒸発器24とを有する。さらに、種々のセンサS,Tを、チラーシステム10の回路の全体にわたって配置することができる。チラーシステム10は、膨張弁20,22の代わりに、オリフィスを有することもできる。
【0017】
図1及び図3を参照して、遠心圧縮機12は、例示の実施形態の二段インライン遠心圧縮機である。ここで例示する遠心圧縮機12は、二つのインペラを有する二段遠心圧縮機である。なお、遠心圧縮機12を、一段遠心圧縮機または三つ以上のインペラを有する多段遠心圧縮機とすることができる。例示の実施形態の二段インライン遠心圧縮機12は、第一段インペラ26と第二段インペラ28とを有する。第一段インペラ26は入口30から冷媒を受けるよう配置されている。また、遠心圧縮機12は、第一段ディフューザ32と第二段ディフューザ34とを有する。第一段ディフューザ32は、第一段インペラ26の下流側であって第二段インペラ28の上流側に配置されている。第二段ディフューザ34は、第二段インペラ28の下流側に配置されている。第二段ボリュート36は、冷媒が圧縮された後に冷媒を受けるよう、第二段ディフューザ34の下流側に配置されている。第二段ボリュート36は、逆オーバーハング構成を有する。遠心圧縮機12は、さらに、第一段インレットガイドベーン38と、第二段インレットガイドベーン40と、圧縮機モータ42と、加えて種々のセンサ(一部のみ図示)と、を有する。ある態様では、圧縮機モータ42が、磁気軸受アッセンブリ44を有してもよい。磁気軸受アッセンブリ44は、圧縮機モータ42の出力軸48を磁気的に支持する。任意選択的に、軸受システムは、ローラ部材、動圧軸受(ハイドロダイナミック・ベアリング)、静圧軸受(ハイドロスタティック・ベアリング)、オイル・ベアリングならびに/もしくは磁気軸受、及び/またはこれらの任意の組み合わせを有することができる。遠心圧縮機12の構造については、後で詳細に説明する。圧縮機モータ42は、モータハウジング50を有する。
【0018】
以下で詳細に説明する通り、冷却制御器14は、種々のセンサから信号を受けて、インレットガイドベーン38,40、圧縮機モータ42及び磁気軸受アッセンブリ44を制御する。冷媒は、第一段インレットガイドベーン38、第一段インペラ26、第一段ディフューザ32、第二段インレットガイドベーン40、第二段インペラ28、第二段ディフューザ34及び第二段ボリュート36を、この順に通って流れる。インレットガイドベーン38,40は、それぞれ、インペラ26,28への冷媒気体の流量を制御する。インペラ26,28は、圧力を実質的に上昇することなく、冷媒気体の速度を上昇させる。圧縮機モータ42の速度に応じて、冷媒ガスの速度の上昇量が決定される。第一段ディフューザ32及び第二段ディフューザ34は、冷媒の圧力を増加させる。第一段ディフューザ32及び第二段ディフューザ34は、圧縮機ハウジング46に対して移動不能に固定されている。圧縮機モータ42は、軸を介して、例えば圧縮機モータ42の出力軸48または出力軸48に連結される第二軸を介して、インペラ26,28を回転させる。こうして、冷媒は、遠心圧縮機12において圧縮される。
【0019】
具体的には、チラーシステム10の動作において、遠心圧縮機12の第一段インペラ26及び第二段インペラ28が圧縮機モータ42によって回転され、チラーシステム10における低圧の冷媒が第一段インペラ26によって入口30を通って吸引される。冷媒の流速は、第一段インレットガイドベーン38によって調整される。第一段インペラ26によって吸引された冷媒は中間圧力へと圧縮され、冷媒圧力は第一段ディフューザ32によって高められ、そして、冷媒は第二段インペラ28へと導入される。冷媒の流速は、第二段インレットガイドベーン40によって調整される。第二段目インペラ28は冷媒を加速して圧縮し、冷媒圧力は第二段ディフューザ34によって、中間圧力から高圧へと高められる。その後、高圧ガス冷媒は、第二段ボリュート36を通ってチラーシステム10へと吐出される。
【0020】
図1を参照して、チラーシステム10において、エコノマイザ18は、凝縮器16と蒸発器24との間に配置される。エコノマイザ18は、入口ポート18aと液出口ポート18bとガス出口ポート18cとを有する。入口ポート18aは、凝縮器16から二相冷媒をエコノマイザ18へと導入するために設けられる。液出口ポート18bは、二相冷媒から分離される液冷媒を蒸発器24へと吐出するよう設けられる。ガス出口ポート18cは、二相冷媒から分離されるガス冷媒を遠心圧縮機12の中間段へと吐出するよう設けられる。ガス出口ポート18cは、遠心圧縮機12のインジェクションノズル52に接続される。入口ポート18aへと流れ込む冷媒の流速は、凝縮器16とエコノマイザ18との間に配置される膨張弁20によって、制御される。
【0021】
動作において、凝縮器16で凝縮するよう冷却される冷媒は、膨張弁20によって中間圧力に減圧され、そしてエコノマイザ18へと導入される。エコノマイザ18へと入口ポート18aから導入される二相冷媒は、エコノマイザ18によってガス冷媒と液冷媒とに分離される。いくつかの条件では、ガス冷媒は、エコノマイザ18の気体出口ポート18cから遠心圧縮機12のインジェクションノズル52へとパイプを介してインジェクションされる。いくつかの条件では、液冷媒は、液出口ポート18bから蒸発器24へと案内され、またはエコノマイザ18の液蓄積部に蓄積でき、または遠心圧縮機12の第一段ディフューザ32及び/または第二段ディフューザ34へとパイプを介してインジェクションできる。また、凝縮器16からの液体冷媒は、遠心圧縮機12の第一段ディフューザ32及び/または第二段ディフューザ34へとパイプを介してインジェクションすることもできる。
【0022】
インジェクションノズル52にインジェクションされたガス冷媒は、遠心圧縮機12のインジェクション空間54へと入り、遠心圧縮機12の第一段インペラ26によって圧縮された中間圧力の冷媒と混合される。混合冷媒は、第二段インペラ28へと流れ込み、さらに圧縮される。
【0023】
圧縮機ハウジング46は、入口部(入口側)46Aと出口部(吐出側)46Bとを有する。入口部46Aは入口30を有し、第一段インペラ26を収容する。第二段部46Bは第二段インペラ28を収容し、第二段ボリュート36(詳細は後述)と係合する。第一段インペラ26は第一回転軸A1回りに回転可能であり、第二段インペラ28は第二回転軸A2回りに回転可能である。例示の実施形態では、図3に示すように、第一及び第二回転軸A1及びA2は同一線上にあるが、ある態様では、二つの回転軸を径方向にオフセットすることもできる。第二段ディフューザ34は、第二段インペラ28の下流側であって、第二段ボリュート36の上流側に配置されている。
【0024】
次に、図2図6を参照して、例示の実施形態にかかる遠心圧縮機12をさらに詳しく説明する。遠心圧縮機12は、逆オーバーハング構成のボリュートを有する多段インライン遠心圧縮機である。具体的には、本実施形態にかかる遠心圧縮機12は、第一段と第二段との二段を有する。ある態様では、遠心圧縮機12は、二段を超える段数を有することもできる。上述の通り、遠心圧縮機12は、第一段インペラ26と、第二段インペラ28と、第一段ディフューザ32と、第二段ディフューザ34と、第二段ボリュート36と、を有する。第一段ディフューザ32は、第一段インペラ26の下流側であって、第二段インペラ28の上流側に配置されている。第二段ディフューザ34は、第二段インペラ28の下流側に配置されている。第二段ボリュート36は、冷媒が圧縮された後に冷媒を受けるよう、第二段ディフューザ34の下流側に配置されている。第二段ボリュート36は、逆オーバーハング構成を有する。つまり、第二段ボリュート36は、圧縮機ハウジング46の入口側に向かって軸方向に内向きではなく、圧縮機モータ42に向かって軸方向に外側に膨出している。
【0025】
ある態様では、第二段ボリュート36は、第二段ディフューザ34が第二段インペラ28と第二段ボリュート36の軸方向中心Cとの間に配置されるよう、構成され配置されている。言い換えれば、遠心圧縮機の軸中心線(つまり、例示の実施形態においては回転軸A1,A2)を含む断面図において、第二段ボリュート36の断面形状の幾何学中心(軸方向中心C、図5を参照)は、遠心圧縮機12の軸方向に沿って第二段ディフューザ34を基準として第二段インペラ28とは反対側にある。
【0026】
圧縮機ハウジング46は、第一段インペラ26と第二段インペラ28とを囲う。圧縮機モータ42は、第一段インペラ26と第二段インペラ28とを駆動するよう配置されている。圧縮機モータ42は、遠心圧縮機12の軸方向において第二段インペラ28が圧縮機モータ42と第一段インペラ26との間に配置されるよう、圧縮機ハウジング46の第二段側に配置される。したがって、第二段ボリュート36の軸方向中心Cは、第二段ディフューザ34に対して圧縮機モータ42に向かう側に配置される。
【0027】
ある態様では、圧縮機モータ42のモータハウジング50は、圧縮機ハウジング46の第二段側に接続され、第二段ボリュート36の少なくとも一部が、軸方向に垂直な方向から見たときに、つまり回転軸A1,A2に垂直な方向から見たときに、モータハウジング50と重なっている。また、ある態様では、出力軸48が第二段インペラ28を貫通し部分的に第一段インペラ26内に存在するよう、第一段インペラ26と第二段インペラ26とが圧縮機モータ42の出力軸48に接続される。出力軸48は、第一段インペラ26と第二段インペラ28とに固定されており、これにより、出力軸48が両方のインペラを同時に回転させることができる。
【0028】
ある態様では、圧縮機ハウジング46は第一段インペラ26と第二段インペラ28とを囲み、遠心圧縮機12の軸方向に垂直な方向に沿って見たときに、つまり回転軸A1,A2に垂直な方向に沿って見たときに、第二段ボリュート36の少なくとも一部がモータハウジング50と重なるよう、第二段ボリュート36は圧縮機ハウジング46の外側に取り付けられている。
【0029】
図4図6を参照して、図示の実施形態では、遠心圧縮機12は、圧縮機ハウジング46及びモータハウジング50とは別体であり、第二段ボリュート36を形成するボリュート形成部材56(第二段ボリュート形成部材)を有しており、ボリュート形成部材56は、モータハウジング50と圧縮機ハウジング46の第二側(吐出側)の出口部46Aとの間に配置されている。遠心圧縮機12は、第二段インペラ28の外周に配置されるとともにボリュート形成部材56と圧縮機ハウジング46との間に配置されるインサート58を有する。インサート58の一方の側は、ボリュート形成部材56の内面56aと対向するディフューザ形成壁面58aを有する。第二段ディフューザ34は、ボリュート形成部材56とインサート58の一方の側との間に形成されており、インジェクション空間54は、インサート58の他方の側(つまり、遠心圧縮機12の軸方向においてディフューザ形成壁面58aとは反対側)と圧縮機ハウジング46の内壁との間に形成される。第二段ボリュート36の内部空間36aの少なくとも一部は、インサート58に対して圧縮機モータ42に向かう側に配置されている。言い換えると、ボリュート形成部材56は、第二段ボリュート36が圧縮機ハウジング46からモータハウジング50に向かって膨出し、内部空間36aの少なくとも一部がモータハウジング50と重なるように、逆オーバーハング構成を有する。
【0030】
図示の実施形態では、ボリュート形成部材56は、圧縮機ハウジング46の外周に形成されるフランジ60と係合するよう構成されている。ボリュート形成部材56の係合部は、圧縮機ハウジング46の外周面と係合する内部円周面を有することができる。また、ボリュート形成部材56の係合部は、遠心圧縮機12の軸方向において圧縮機ハウジング46のフランジと係合する軸方向係合面を有してもよい。ボリュート形成部材56を、フランジ60に固定器62で固定することができる。インサート58を、ボリュート形成部材56と圧縮機ハウジング46との間にクランプ固定することによって、定位置に保持することができる。例えば、インサート58は、ボリュート形成部材56の係合部と圧縮機ハウジング46(例えばフランジ60)との間でクランプ固定されるよう構成される環状突起64を有することもできる。他の取付構成を用いることもできるが、ボリュート形成部材56を圧縮機ハウジング46及びインサート58とは別の部品とすることが好ましく、ボリュート形成部材56が内部空間36a全体を形成することが好ましい。
【0031】
ある態様では、軸方向(回転軸A1,A2)に垂直な方向に沿って見て、第二段ボリュート36の内部空間36aがインサート58と重なり合わないよう、ボリュート形成部材56とインサート58とを構成して配置することもできる。言い換えれば、第二段ボリュート36の内部空間36a全体がボリュート形成部材56によって形成され、第二段ディフューザ34のみが、ボリュート形成部材56の面とインサート58の面とを(つまり、内面56aとディフューザ形成壁面58aとを)対向させることによって形成される。また、ある態様では、第二段ボリュート36は、第二段インペラの回転中心軸(すなわち、回転軸A1,A2)を含む平面に沿った断面において非対称な断面形状を有する。つまり、対称型構成または前方オーバーハング構成(図7及び図8を参照)を有するチラーシステムで使用される従来の遠心圧縮機とは異なり、本開示にかかる第二段ボリュート36は、逆オーバーハング構成(つまり圧縮機モータ42に向かう側にずれた形状)を有しており、断面視において非円形状または他の非対称形状を有することができる。
【0032】
ある形態では、第一段インペラ26と第二段インペラ28との間の距離に対する第一段インペラ26の半径の比率は0.5以上1.0以下である。より好ましくは、比率は0.65以上8.5以下である。距離は、例えば、二つのインペラ26,28の裏側(つまり、入口側)の間で測定される。これらの範囲の比率は、本開示にかかる逆オーバーハング第二段階ボリュートを有する遠心圧縮機によって達成できることがわかる。比率の値が小さいほど、インペラ26,28が近くにあるため、よりコンパクトな構造になっていることを示す。ある態様では、第一段インペラ26と第二段インペラ28の半径(直径)は実質的に同じであるが、遠心圧縮機12は、インペラの半径が同一の構成に限定されない。
【0033】
冷媒の大気への放出による環境への影響を低減するために、チラーシステムや他のHVAC用途では、いわゆる「低地球温暖化係数(低GWP)」冷媒への移行が一般的な動向である。GWPとは、大気中に放出される温室効果ガスの指標であり、GWPが1であると定義されるCO2と比較して基準が定められている。したがって、GWPは、冷媒やその他のガスが地球温暖化を進行させる可能性がある温室効果ガスとして振る舞う可能性の指標である。GWP評価(または「GWP値」)が低いほど、冷媒が大気中に放出されたときに温室効果ガスとして振る舞う可能性が低い。HVAC用途の低GWP冷媒の例には、R1233zd、R1234ze、R1234yfが含まれる。R1233zd、R1234ze、R1234yfはそれぞれ、地球温暖化係数(GWP)が10未満である。本願では、「低GWP冷媒」とは、GWP値が10未満の冷媒をいう。
【0034】
ある態様では、遠心圧縮機12を、GWPが低い冷媒で使用されるように特に構成することができる。低GWP冷媒は、チラーシステムにおいてより一般的に使用されるようになっている。なお、遠心圧縮機12は、低GWP冷媒を用いて使用するよう最適化された構成には限定されない。
【0035】
第二段ボリュート36の逆オーバーハング構成により、第二段ボリュート36が圧縮機モータ42に向かう側にずれて圧縮機ハウジング46及び第二段インペラ28から離間するので、第一段インペラ26と第二段インペラ28と間の距離を低減できる。その結果、従来では第二段ボリュート36で占められていたスペースの一部を利用して、インジェクションノズル52のような他の機能に必要な空間を犠牲にすることなく、第一段インペラ26と第二段インペラ28とを互いにより近づけることができる。また、第二段ボリュートの逆オーバーハング構成によりインペラをコンパクトに配置することによって、ギア機構や二次軸を使用することなく(例えば図3図8を比較されたい)、圧縮機モータ42の出力軸48によってインペラを直接駆動する構成が容易となる。言い換えると、ギア機構を排除し、モータハウジングを適切にサイジングすることで、遠心圧縮機12のモータ側(吐出側)の空間を適切に解放し、第二段ボリュート36の逆オーバーハング構成を利用することができる。これにより、第一段及び第二段インペラ間の距離を小さくし、第一段及び第二段インペラを支持する軸の部分の長さを小さくでき、遠心圧縮機12の軸方向全体の長さを小さくすることができる。
【0036】
図示の実施形態の遠心圧縮機12は二段遠心圧縮機であるが、任意の数のインペラを有する遠心圧縮機でも同様の利点が得られる。遠心圧縮機は、少なくとも一つのインペラを囲う圧縮機ハウジングと、圧縮機ハウジングの吐出側に逆オーバーハング構成のボリュートと、有する限り、逆オーバーハング構成によって遠心圧縮機の軸長の低減がもたらされる。
【0037】
<用語の概括的な説明>
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、群、一体物、及び/またはステップが有ることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、構成要素、群、一体物、及び/またはステップが有ることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「部分/部品(パート)」、「部分(セクション)」、「部/部分(ポーション)」、「部材」あるいは「要素」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。
【0038】
コンポーネント、装置の部(セクション)あるいは部品/部分(パート)を説明するためにここで用いられる語「構成される(コンフィギュアされる)」は、所望の機能を実現するよう構築される(コンストラクトされる)かつ/またはプログラムされるハードウェア及び/またはソフトウェアを含む。
【0039】
ここでは、「ほぼ」、「およそ」、「約」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、変更された項目の妥当な量の乖離を意味するものとして用いる。
【0040】
また、ここで用いる「低地球温暖化係数(GWP)冷媒」とは、チラーの冷却回路での使用に適しており、CO2ガスと比較して基準が定められた地球温暖化を進行させる可能性が低い任意の冷媒またはその混合冷媒を意味する。冷媒R1233zd、R1234ze、及びR1234fyを、本願において、低GWP冷媒の例として挙げておく。しかし、冷凍分野における当業者には、本発明がこれらの冷媒に限定されないことは理解されよう。
【0041】
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じて及び/または所望により、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いと直接的に連結あるいは接触するよう示した構成要素は、それらの間に中間構造体を有することができる。一つの要素の機能は二つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の実施形態の構造及び機能を他の実施形態に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の実施形態にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的あるいは機能的思想を含む出願人によるさらなる発明の内容として付帯的に考慮されるものとする。このように、前述の本発明にかかる実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0042】
10 チラーシステム
12 遠心圧縮機
26 第一段インペラ
28 第二段インペラ
30 入口
32 第一段ディフューザ
34 第二段ディフューザ
36 第二段ボリュート
36a 内部空間
42 モータ
46 圧縮機ハウジング
48 軸
50 モータハウジング
56 ボリュート形成部材(第二段ボリュート形成部材)
56a 内面
58 インサート
58a ディフューザ形成壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】