(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】双方向RF回路および使用方法
(51)【国際特許分類】
H03F 3/62 20060101AFI20241003BHJP
H03F 3/21 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03F3/62
H03F3/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525270
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022053796
(87)【国際公開番号】W WO2023122265
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523057703
【氏名又は名称】リーチ パワー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Reach Power,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ダニ,アスミタ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴランテス,クリストファー ジョセフ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA42
5J500AA55
5J500AC36
5J500AF17
5J500AF18
5J500AH02
5J500AH09
5J500AH10
5J500AH33
5J500AK29
5J500AK42
5J500AK52
5J500AM13
5J500AQ04
5J500AT01
5J500CB04
5J500CK07
5J500WU08
(57)【要約】
好ましくは、複数の端子、スイッチ、トランジスタ、結合器、およびフィードバックネットワークを含む、双方向RF回路。回路は、ドレイン整合ネットワーク、入力整合ネットワーク、および/または1つまたは複数の同調入力を任意選択で含むことができる。いくつかの変形例では、回路は、フィードバックネットワークの代わりに使用されるインピーダンスネットワークなどの1つまたは複数のインピーダンスネットワークを任意選択で含むことができ、いくつかのそのような変形例では、回路は、結合器、スイッチ、および/または入力整合ネットワークを含まなくてもよい。好ましくは、増幅器モードで動作すること、整流器モードで動作すること、および/または動作モード間で遷移することを含む、回路動作のための方法。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向回路システムであって、
スイッチング端子、第1のスイッチ端子、および第2のスイッチ端子を備えるトランジスタと、
前記第1のスイッチ端子に電気的に結合されるRF電源端子と、
ローパスフィルタを介して前記RF電源端子および前記第1のスイッチ端子に電気的に結合されるDC端子と、
RF信号入力端子と、
第1の端子および第2の端子を備えるモード制御素子であって、前記第1の端子は、前記スイッチング端子に電気的に結合され、前記第2の端子は、前記RF信号入力端子に電気的に結合される、モード制御素子と
を備え、前記システムは、
回路が、前記RF信号入力端子でRF入力信号を受け取り、前記DC端子でDC電力入力を受け取り、前記RF信号入力に基づいて増幅信号を生成し、前記RF電源端子で前記増幅信号を供給するように構成される、増幅器モードと、
回路が、前記RF電源端子で前記RF電力入力を受け取り、前記RF電力入力を整流してDC電力出力を生成し、前記DC端子でDC電力出力を供給するように構成される、整流器モードと
の間で動作可能である、双方向回路システム。
【請求項2】
前記モード制御素子は、スイッチを備え、前記スイッチは、
前記スイッチが、前記第1の端子を前記第2の端子に電気的に接続する、第1の構成と、
前記スイッチが、前記第1の端子を前記第2の端子に電気的に接続しない、第2の構成と
の間で動作可能であり、
前記システムが前記増幅器モードにある場合、前記スイッチは、前記第1の構成になり、
前記システムが前記整流器モードにある場合、前記スイッチは、前記第2の構成になる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RF電源端子と前記第1のスイッチ端子との間に電気的に結合された方向性結合器であって、
前記RF電源端子に電気的に接続された入力ポートと、
前記第1のスイッチ端子に電気的に結合された送信ポートと、
結合ポートと
を備える方向性結合器と、
前記結合ポートを前記スイッチの第3の端子に電気的に結合するフィードバックネットワークと
をさらに備え、
前記第2の構成では、前記スイッチは、前記第1の端子を前記第3の端子に電気的に接続する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記フィードバックネットワークは、可変移相器を備えるフィードバックチューナーを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記フィードバックチューナーは、可変利得増幅器をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記フィードバックネットワークは、前記フィードバックチューナーと前記第3の端子との間に電気的に結合された電力増幅器をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記整流器モードにおいて、前記システムは、前記システムの整流効率を最適化するために、前記フィードバックチューナーの動作を同調させるように動作可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
第2のローパスフィルタを介して前記スイッチング端子に電気的に結合された同調入力をさらに備え、前記同調入力は、前記スイッチング端子にバイアス電圧を供給するように構成され、前記整流器モードにおいて、前記システムは、前記システムの整流効率を最適化するために、前記同調入力の動作を同調させるように動作可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フィードバックネットワークは、可変利得増幅器を備えるフィードバックチューナーを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信ポートと前記第1のスイッチ端子との間に電気的に結合され、インピーダンス整合を実行するように動作可能である、ドレイン整合ネットワークと、
前記第1の端子と前記スイッチング端子との間に電気的に結合され、インピーダンス整合を実行するように動作可能である、入力整合ネットワークと、
第2のローパスフィルタを介して前記スイッチング端子に電気的に結合され、前記スイッチング端子にバイアス電圧を供給するように構成された、同調入力と
をさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記スイッチの第3の端子に電気的に結合されたインピーダンスネットワークをさらに備え、前記第2の構成において、前記スイッチは、前記第1の端子を前記第3の端子に電気的に接続する、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記インピーダンスネットワークは、実質的に固定されたインピーダンスを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の端子と前記スイッチング端子との間に電気的に結合され、インピーダンス整合を実行するように動作可能である、入力整合ネットワークをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記モード制御素子は、可変インピーダンスネットワークを備え、
前記システムが前記増幅器モードにある場合、前記可変インピーダンスネットワークは、前記RF信号入力端子と前記スイッチング端子との間のインピーダンス整合を実行するように動作可能であり、
前記システムが前記整流器モードにある場合、前記可変インピーダンスネットワークは、前記トランジスタの同期駆動として機能する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記モード制御素子は、前記第2の端子および前記可変インピーダンスネットワークに電気的に結合されたスイッチをさらに備え、前記スイッチは、
前記スイッチが前記可変インピーダンスネットワークを前記第2の端子に電気的に接続する第1の構成と、
前記スイッチが前記可変インピーダンスネットワークを前記第2の端子に電気的に接続しない第2の構成と
の間で動作可能であり、
前記システムが前記増幅器モードにある場合、前記スイッチは、前記第1の構成になり、
前記システムが前記整流器モードにある場合、前記スイッチは、前記第2の構成になる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
第2のローパスフィルタを介して前記スイッチング端子に電気的に結合された同調入力をさらに備え、前記同調入力は、前記スイッチング端子にバイアス電圧を供給するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
インピーダンスネットワークをさらに備え、前記モード制御素子は、前記第1の端子、前記第2の端子、および前記インピーダンスネットワークを電気的に結合する方向性結合器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記インピーダンスネットワークは、実質的に固定されたインピーダンスを示す、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記方向性結合器は、前記第1の端子と前記第2の端子との間の結合比を変化させるように動作可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記送信ポートと前記第1のスイッチ端子との間に電気的に結合され、インピーダンス整合を実行するように動作可能である、ドレイン整合ネットワークと、
前記第1の端子と前記スイッチング端子との間に電気的に結合され、インピーダンス整合を実行するように動作可能である、入力整合ネットワークと、
第2のローパスフィルタを介して前記スイッチング端子に電気的に結合され、前記スイッチング端子にバイアス電圧を供給するように構成された、同調入力と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のシステムにおいて、
前記システムを前記増幅器モードで動作させるステップであって、
前記RF信号入力端子で前記RF入力信号を受信するステップと、
前記DC端子で前記DC電力入力を受け取るステップと、
前記RF信号入力に基づいて前記増幅信号を生成するステップと、
前記RF電源端子で前記増幅信号を供給するステップと
を含むステップと、
前記システムを前記整流器モードで動作させるステップであって、
前記RF電源端子で前記RF電力入力を受け取るステップと、
前記RF電力入力を整流してDC電力出力を生成するステップと、
前記DC端子で前記DC電力出力を供給するステップと
を含むステップと
を含む、双方向回路動作のための方法。
【請求項22】
双方向回路において、
増幅期間中に、
RF信号入力端子でRF入力信号を受信するステップと、
DC端子でDC電力入力を受け取るステップと、
前記RF信号入力に基づいて増幅信号を生成するステップと、
RF電源端子で前記増幅信号を供給するステップと、
整流期間中に、
前記RF電源端子でRF電力入力を受け取るステップと、
前記RF電力入力を整流してDC電力出力を生成するステップと、
前記DC端子で前記DC電力出力を供給するステップと
を含み、前記増幅期間は、前記整流期間と重ならない、方法。
【請求項23】
前記増幅期間は前記整流期間に先行し、前記方法は、前記増幅期間と前記整流期間との間に、双方向回路動作を増幅モードから整流モードに切り替えるステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記整流期間の後、双方向回路動作を前記整流モードから前記増幅モードに切り替えるステップと、
双方向回路動作を前記整流モードから前記増幅モードに切り替えた後、前記双方向回路において、
前記RF信号入力端子で第2のRF入力信号を受信するステップと、
前記DC端子で第2のDC電力入力を受け取るステップと、
前記第2のRF信号入力に基づいて第2の増幅信号を生成するステップと、
前記第2の増幅信号を前記RF電源端子に供給するステップと
をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記整流期間中、前記双方向回路のトランジスタの同期駆動として機能するように前記双方向回路の可変インピーダンスネットワークを制御するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記増幅期間中、前記可変インピーダンスネットワークにおいて、前記RF信号入力端子と前記トランジスタのスイッチング端子との間のインピーダンス整合を実行するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記増幅期間中、前記双方向回路のスイッチは、前記RF信号入力端子を前記可変インピーダンスネットワークに電気的に結合し、
前記整流期間中、前記スイッチは、前記RF信号入力端子を前記可変インピーダンスネットワークに電気的に結合しない、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記整流期間は、前記増幅期間に先行し、前記方法は、前記整流期間と前記増幅期間との間に、
前記RF信号入力端子を前記可変インピーダンスネットワークに電気的に結合するように前記スイッチを構成するステップと、
前記RF信号入力端子と前記スイッチング端子との間のインピーダンス整合を実行するように前記可変インピーダンスネットワークを構成するステップと
をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記増幅期間または前記整流期間の少なくとも一方において、前記トランジスタの前記スイッチング端子にバイアス電圧を供給することによって双方向回路動作を同調させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記バイアス電圧は、ローパスフィルタを介して前記スイッチング端子に供給される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記双方向回路は、方向性結合器、インピーダンスネットワーク、入力整合器、およびトランジスタをさらに備え、
前記入力整合器は、前記方向性結合器を前記トランジスタのスイッチング端子に電気的に結合し、
前記方法は、前記増幅期間および前記整流期間中に、前記方向性結合器において、前記RF信号入力端子、前記インピーダンスネットワーク、および前記入力整合器を電気的に結合するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記インピーダンスネットワークは、前記増幅期間および前記整流期間を通じて実質的に固定されたインピーダンスを示す、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記増幅期間は、前記整流期間に先行し、
前記方向性結合器は、前記RF信号入力端子と前記入力整合器との間の結合比を定義し、
前記方法は、前記増幅期間と前記整流期間との間に、前記結合比を変更するように前記方向性結合器を構成することによって、双方向回路動作を増幅モードから整流モードに切り替えるステップをさらに含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記増幅期間中、前記結合比は、第1の値を有し、
前記整流期間中、前記結合比は、前記第1の値より実質的に小さい第2の値を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記双方向回路は、スイッチ、入力整合器、およびトランジスタをさらに備え、
前記入力整合器は、前記スイッチを前記トランジスタのスイッチング端子に電気的に結合し、
前記増幅期間中、前記スイッチは、前記RF信号入力端子を前記入力整合器に電気的に結合し、
前記整流期間中、前記スイッチは、前記RF信号入力端子を前記入力整合器に電気的に結合しない、請求項22に記載の方法。
【請求項36】
前記双方向回路は、方向性結合器およびフィードバックネットワークをさらに備え、
前記方向性結合器は、前記RF電源端子、前記トランジスタのスイッチ端子、および前記フィードバックネットワークの間に電気的に結合され、
前記フィードバックネットワークは、前記方向性結合器を前記スイッチに電気的に結合し、
前記整流期間中、前記スイッチは、前記フィードバックネットワークを前記入力整合器に電気的に結合する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記整流期間中に、
前記方向性結合器において、前記RF電力入力の一部を前記フィードバックネットワークに結合するステップと、
前記フィードバックネットワークにおいて、移相、増幅、または減衰のうちの少なくとも1つを実行することによって前記RF電力入力の前記一部を変更するステップと、
前記RF電力入力の変更された前記一部を前記入力整合器に供給するステップと
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記フィードバックネットワークは、可変移相器を備えるフィードバックチューナーを備え、
前記RF電力入力の前記一部を変更する前記ステップは、前記RF電力入力の一部を移相するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記フィードバックチューナーは、可変利得増幅器をさらに備え、
前記RF電力入力の前記一部を変更する前記ステップは、前記RF電力入力の一部を増幅するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記フィードバックネットワークは、前記フィードバックチューナーと前記スイッチとの間に電気的に結合された電力増幅器をさらに備える、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記増幅期間は、前記整流期間に先行し、
前記方法は、前記増幅期間と前記整流期間との間に、前記フィードバックネットワークを前記入力整合に電気的に結合し、前記RF信号入力端子を前記入力整合器に電気的に結合しないように前記スイッチを構成することによって、双方向回路動作を増幅モードから整流モードに切り替えるステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月22日に出願された米国仮出願第63/292,932号および2022年6月15日に出願された米国仮出願第63/352,432号の利益を主張し、本参照によりそれぞれその全体が組み込まれる。
【0002】
(政府支援の声明)
本発明は、国防高等研究計画局により授与された契約番号HR0011210126に基づく政府の支援により行われた。政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、概して、高周波(RF)エレクトロニクス分野に関するものであり、より具体的には、新規で有用な双方向RF回路および使用方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、双方向RF回路の一実施形態の概略図である。
【
図2】
図2Aは、増幅器モードで構成された回路の一例の概略図である。
図2Bは、整流器モードで構成された回路の一例の概略図である。
【
図4】
図4は、双方向RF回路の使用方法の一実施形態の概略図である。
【
図5】
図5Aは、双方向RF回路の第1の変形例の概略図である。
図5Bは、双方向RF回路の第2の変形例の概略図である。
図5Cは、双方向RF回路の第3の変形例の概略図である。
図5Dは、双方向RF回路の第4の変形例の概略図である。
図5Eは、第1のモードで構成された双方向RF回路の第4の変形例の具体例の概略図である。
図5Fは、第2のモードで構成された双方向RF回路の第4の変形例の具体例の概略図である。
【
図6】
図6Aは、本方法の第1の部分の例の概略図である。
図6Bは、本方法の第2の部分の例の概略図である。
【
図7】
図7は、双方向RF回路の一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の好ましい実施形態についての以下の説明は、本発明をこれらの好ましい実施形態に限定することを意図するものではなく、当業者が本発明を実現し、使用できるようにすることを意図するものである。
【0006】
1.概説
双方向RF回路100は、(例えば、
図1、
図2A、
図2B、および/または
図3に示されるように)、複数の端子110、スイッチ120、トランジスタ130、結合器150、およびフィードバックネットワーク160を含むことが好ましい。この回路は、任意選択で、ドレイン整合ネットワーク140、入力整合ネットワーク180、および/または1つまたは複数の同調入力190を含むことができる。いくつかの変形例では、回路100は、任意選択で、フィードバックネットワーク160の代わりに使用されるインピーダンスネットワークなど、1つまたは複数のインピーダンスネットワーク170を含むことができ、いくつかのそのような変形例では、回路100は、
図5A~
図5Fに例として示されるように、結合器150、スイッチ120、および/または入力整合ネットワーク180を含まなくてもよい。しかしながら、本回路は、追加的または代替的に、任意の他の適切な素子を含むことができる。
【0007】
回路動作のための方法200は、(例えば、
図4に示されるように)、増幅器モードで動作するステップS210、整流器モードで動作するステップS220、および/または動作モード間で遷移するステップS230を含むことが好ましい。しかしながら、本方法は、追加的または代替的に、任意の他の適切な素子を含むことができる。
【0008】
2.双方向RF回路
回路100は、増幅器モードと、(例えば、RF電力入力が整流される)整流器モードとの間で動作可能であることが好ましく、より好ましくは、回路100は、その構成を増幅器モードと整流器モードとの間で遷移させるように制御できる。増幅器モードでは、回路は、(例えば、RF入力信号を増幅し、増幅された信号をRF電力出力として供給する)電力増幅器として機能することが好ましい。整流器モードでは、回路は、(例えば、RF電力入力を整流し、整流された電力をDC電力出力として供給する)同期整流器として機能することが好ましい。回路100は、これらの機能(あるいは、増幅のみまたは整流のみなどのそのサブセット)を高効率で実行することが好ましい(しかしながら、任意の適切な増幅および/または整流効率を有することもできる)。
【0009】
回路100は、増幅器モードと整流器モードとの間の動作(例えば、効率的な動作、任意の動作など)のために回路を構成するように機能することができるモード制御素子を含む(例えば、モード制御素子は、回路がどちらのモードで動作するか、および/または動作するように構成されるかを制御する)ことが好ましい。このモード制御素子は、(例えば、
図7に示されるように)RF信号入力と回路の他の素子との間に電気的に接続されることが好ましいが、追加的または代替的に、任意の他の適切な方法で接続することもできる。例では、モード制御素子は、スイッチ(例えば、スイッチ120)、インピーダンスネットワーク(例えば、可変インピーダンスネットワークなどのインピーダンスネットワーク170)、結合器(例えば、RF信号入力に電気的に接続された可変結合器)、および/または任意の他の適切な素子を含むことができる。しかしながら、回路は、代替的に、そのようなモード制御素子を含まなくてもよく、またはモード制御素子は、可変ではなく固定の特性を有する(例えば、RF信号入力は、可変、制御可能、および/または設定可能な素子ではなく、固定回路素子によって回路の他の素子に電気的に結合される)こともできる。
【0010】
いくつかの実施形態では、双方向RF回路100は、主経路101およびフィードバック経路102を画定する。主経路は、増幅器モードと整流器モードの両方で使用されることが好ましく、フィードバック経路は、(例えば、
図2Aおよび
図2Bに示されるように)増幅器モードで使用されるが、増幅器モードでは使用されないことが好ましい。しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の適切な機能を備えた任意の他の適切な回路経路を画定することができる。
【0011】
2.1 端子
端子110は、(例えば、
図1、
図2A、および/または
図2Bに示されるように)RF信号入力111、DC電源端子112、およびRF電源端子113を含むことが好ましい。しかしながら、回路100は、追加的または代替的に、任意の他の適切な端子を含むことができる。
【0012】
回路が(例えば、
図2Aに示されるように)増幅器モードで構成される場合、RF信号入力111は、回路によって増幅されるRF信号を受信するための入力端子として機能することが好ましい。回路が(例えば、
図2Bに示されるように)整流器モードで構成される場合、RF信号入力111は、回路から切り離されることが好ましい(したがって、RF信号入力は、整流器モードでは機能を実行しないことが好ましい)。
【0013】
回路が(例えば、
図2Aに示されるように)増幅器モードで構成される場合、DC電源端子112は、DC電力を受け取るように機能することが好ましい。回路が(例えば、
図2Bに示されるように)整流器モードで構成される場合、DC電源端子は、回路からDC電力を出力するように機能することが好ましい。
【0014】
回路は、DC電源端子において1つまたは複数のDC電力装置(例えば、DC電力供給された負荷および/またはDC電源)に電気的に結合(例えば、接続)されることが好ましい。例えば、回路は、DC電源端子にDC電力を供給するように、および/またはDC電源端子からDC電力を受け取るように動作可能な1つまたは複数の充電式電池(および/または電池および/または回路によって電力供給されるように構成された素子)に接続することができる。
【0015】
DC電源端子は、回路の主経路に電気的に接続されることが好ましい。より好ましくは、DC電源端子は、ローパスフィルタ(例えば、誘導素子)または(例えば、DC電源端子がティーのDCバイアス側に配置される)バイアスティーを介して主経路に電気的に接続される。しかしながら、DC電源端子は、代替的に、ドレインバイアスネットワークを介して、および/または任意の他の適切な方法で、回路に(例えば、主経路に)接続することができる。
【0016】
回路が(例えば、
図2Aに示されるように)増幅器モードで構成される場合、RF電源端子は、増幅されたRF信号を回路から出力するように機能することが好ましい。回路が(例えば、
図2Bに示されるように)整流器モードで構成される場合、RF電源端子は、整流されるRF電力を受け取るように機能することが好ましい。回路は、RF電源端子を介して1つまたは複数のアンテナ(例えば、フェーズドアンテナアレイ)に電気的に結合(例えば、接続)されることが好ましい。
【0017】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の他の適切な端子を含むことができる。
【0018】
2.2 スイッチ
スイッチ120は、システムを増幅器モードと整流器モードとの間で遷移させるように機能することが好ましい。スイッチ120は、単極双投(SPDT)スイッチであることが好ましい。スイッチは、
図2Aおよび
図2Bに例として示されるように、RF信号入力111、またはフィードバックネットワーク160の出力のいずれかを、回路に(例えば、トランジスタ130のゲートに)接続するように動作可能であることが好ましい。
【0019】
(例えば、
図2Aに示されるように)RF信号入力111が回路に接続される第1のスイッチ位置では、回路は、増幅器モードで構成され、RF入力信号を増幅するように動作可能である。この構成では、フィードバック経路102は、切断され、フィードバックネットワーク160は、使用されないことが好ましい。
【0020】
(例えば、
図2Bに示されるように)フィードバックネットワーク160が回路に接続される第2のスイッチ位置では、回路は、整流器モードで構成され、RF電力入力を整流するように動作可能である。この構成では、RF信号入力111は、切断され、使用されない。
【0021】
いくつかの変形例では、スイッチは、代替的に、単極単投(SPST)スイッチとすることができる。例えば、フィードバックネットワークの代わりにインピーダンスネットワーク170が使用されるなど、回路がフィードバックネットワーク160を含まない変形例では、システムは、任意選択で、RF信号入力を(
図5Eに例として示されるようにスイッチが閉じた位置で)回路に接続し、RF信号入力を(
図5Fに示されるようにスイッチを開いた位置で)回路から切断するように機能する(例えば、
図5D~
図5Fに示されるような)SPSTスイッチを含むことができる。
【0022】
いくつかの変形例では、回路は、追加的または代替的に、本明細書に記載されるスイッチの機能を提供するように(例えば、整流器モードと増幅器モードとの間でシステムを構成するか、またはそれを構成するのを支援するように)構成された1つまたは複数の非スイッチ素子を含むことができる。例えば、システムは、整流器モードおよび増幅器モードでの動作のためにゲート整合を同調させる(または同調を支援する)ように機能することができる(例えば、入力整合ネットワークに統合された)同調可能な伝送線路を含むことができる(例えば、同調可能な伝送線路の同調は、整流器モード動作と増幅器モード動作との間で変更することができ、それにより、所望のモードでの動作に対してゲート整合を最適化するなど、所望のモードでの動作に対してゲート整合を同調させるように機能する。特定の一例では、伝送線路上に配置された、および/または伝送線路に電気的に結合された1つまたは複数の可変コンポーネント(例えば、電圧制御集中コンポーネント)を制御することによって、伝送線路同調を変更することができる。しかしながら、伝送線路同調は、追加的または代替的に、任意の他の適切な方法で制御することができ、および/またはシステムは、追加的または代替的に、この機能を提供するように構成された任意の他の適切な非スイッチ素子を含むことができる(またはそのような素子を含まないこともできる)。
【0023】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の他の適切なスイッチを含むことができ、および/または任意の他の適切な方法で回路を増幅器モードと整流器モード(および/または任意の他の適切な動作モード)との間で遷移させるように動作可能とすることができる(例えば、回路は、
図5Bに例として示されるように、スイッチ120を含まなくてもよい)。
【0024】
2.3 トランジスタ
回路が増幅器モードで構成される場合、トランジスタは、RF信号入力に基づいてDC電力入力を変調するように機能することが好ましい。回路が整流器モードで構成される場合、トランジスタは、(例えば、フィードバックネットワークから受信した)フィードバック制御に基づいてRF電力入力を変調するように機能することが好ましい。
【0025】
トランジスタは、MOSFETなどの電界効果トランジスタ(FET)(しかしながら、代わりに、接合ゲートFET(JFET)または他の適切なFET)であることが好ましい。しかしながら、トランジスタは、追加的または代替的に、任意の他のトランジスタタイプ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)など)であってもよく、および/または回路は、(任意の適切なタイプの)複数のトランジスタおよび/または類似の機能を提供するように構成された任意の他の適切な素子を含むことができる。当業者であれば、トランジスタがFETである実施形態に対応して、本明細書ではトランジスタの端子を「ゲート」、「ソース」、および「ドレイン」と呼ぶが、異なるタイプのトランジスタの端子は、異なる名前で呼ばれる場合があり、例では、そのような端子は、同様に、それぞれIGBTの「ゲート」、「エミッタ」、および「コレクタ」、またはそれぞれBJTの「ベース」、「エミッタ」、および「コレクタ」であり得ることを認識するであろう。場合によっては、トランジスタのタイプに関係なく適用できる一般的な用語でこのような各端子を参照すると、理解を助ける場合があり、例えば、FETまたはIGBTの「ゲート」とBJTの「ベース」は、それぞれ「スイッチング端子」と呼ぶことができ、その他の端子は、それぞれ「スイッチ端子」と呼ばれることがある。
【0026】
トランジスタのゲートは、(例えば、任意選択で入力整合ネットワークを介して)スイッチに電気的に接続されることが好ましい。トランジスタのソースは、グランドに接続されることが好ましい。トランジスタのドレインは、主経路101に接続されることが好ましく、ドレイン整合ネットワークとDC電源端子との間に接続されることがより好ましい。例えば、回路は、ドレイン、ドレイン整合ネットワーク、およびDC電源端子を接続するバイアスティーを含むことができる(ここで、DC電源端子は、バイアスティーのDCバイアス側にある)。さらに、当業者は、ドレインがグランドに接続され、ソースが主経路に接続されるように、トランジスタの端子を逆にした類似の回路を作製できることを認識するであろう(ここで、「ドレイン整合ネットワーク」は、より適切には「ソース整合ネットワーク」と呼ぶことができる)。
【0027】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の適切な構成で任意の他の適切なトランジスタを含むことができる。
【0028】
2.4 ドレイン整合ネットワーク
回路は、(例えば、高効率の増幅および/または整流を可能にするために、)任意選択で、トランジスタのドレインでインピーダンス整合を実行するように機能することができるドレイン整合ネットワーク140(ドレイン整合器)を含むことができる。ドレイン整合ネットワークは、ドレインに電気的に結合されることが好ましい。(上記したように、当業者であれば、回路は、追加的または代替的に、類似の方法でトランジスタソースに接続された類似のソース整合ネットワークを含むことができることを認識するであろう。)
【0029】
ドレイン整合ネットワークは、高調波終端されることが好ましい。例えば、ドレイン整合ネットワークは、高調波終端クラスF-1トポロジを定義できる。しかしながら、ドレイン整合ネットワークは、追加的または代替的に、任意の他の適切な整合トポロジを定義することができる。
【0030】
さらに、回路は、追加的または代替的に、任意の他のドレイン整合ネットワークを含むことができ、および/またはそのようなネットワークを含まないこともできる。
【0031】
2.5 結合器
回路が整流器モードで構成される場合、結合器150は、RF電力入力を主経路101とフィードバック経路102との間で分割するように機能することが好ましい。結合器は、RF電力入力の大部分を主経路に結合しながら、RF電力入力のごく一部(例えば、-10~-30dB)のみをフィードバック経路に結合することが好ましい。しかしながら、結合器は、追加的または代替的に、任意の他の適切な結合比(例えば、-3dB結合器のような実質的に等しい結合)を示すことができる。
【0032】
結合比は、固定または可変にすることができる。結合比が可変である例では、方法200に関して(例えば、結合比が最適化のための同調パラメータとして扱われるような整流器動作の同調に関して)、以下に説明するように比を同調させることができ、追加的または代替的に、回路が増幅器モードで構成される場合、結合比は、任意選択で、フィードバック経路への信号結合を最小化するために同調させることができる(例えば、ゼロに設定する、最小化するなどすることができる)。
【0033】
結合器150は、主経路からフィードバック経路への最小の結合を示す(例えば、結合を示さない、または実質的に結合を示さない)ことが好ましい。したがって、回路が増幅器モードで構成される場合、(例えば、ドレイン整合ネットワークを介した)トランジスタのドレインでの増幅されたRF信号出力は、フィードバック経路へ最小の結合で(例えば、結合せずに、または実質的に結合せずに)RF電源端子に送信されることが好ましい。しかしながら、結合器は、代わりに、主経路からフィードバック経路への任意の適切な信号結合を示すこともできる。一例では、回路が増幅器モードで構成されている間にフィードバック経路に結合された信号は、切断されたスイッチ端子で信号の反射を引き起こす可能性があるが、増幅器モードで動作中にフィードバック経路に結合された信号は、追加的または代替的に、任意の他の適切な結果を得ることができる、および/または任意の他の適切な方法で処理することができる。
【0034】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の適切な特性を有する任意の他の適切な結合器を含むことができる。あるいはまた、回路は、
図5A、
図5B、および/または
図5Dに例として示されるように、(例えば、回路がフィードバックネットワーク160を含まない変形例において、例えば、フィードバックネットワークの代わりにインピーダンスネットワーク170が使用される場合、)結合器150を含まなくてもよい。
【0035】
2.6 フィードバックネットワーク
回路が整流器モードで構成される場合、フィードバックネットワーク160は、整流効率の同調(例えば、最適化)を可能にするように機能することが好ましい。フィードバックネットワークは、フィードバックチューナー161を含むことが好ましく、任意選択でドライバ増幅器162を含むことができる。
【0036】
フィードバックチューナー161は、フィードバック信号の位相および/または振幅を制御するように機能することが好ましい。フィードバックチューナーは、整流効率の最適化を可能にする移相器を含むことが好ましい。移相器は、可変移相器であることが好ましく、2πラジアンの全範囲にわたって(あるいは任意の適切な範囲にわたって)移相制御を可能にすることがより好ましい。しかしながら、移相器は、任意の他の適切な特性を代替的に有することもできる。
【0037】
フィードバックチューナーは、可変利得増幅器(VGA)を含むことが好ましく、これは、(例えば、「整流器動作を同調させること」に関してなど、方法200に関して以下に説明するように、)例えば、最適化のための追加のパラメータに対する制御を提供することによって、整流効率のさらなる最適化を可能にすることができる。VGAは、追加的または代替的に、移相器に関連する損失などの損失を補償するように機能することができる。
【0038】
VGAは、フィードバック経路に沿って移相器の後に配置される(例えば移相器の出力に接続される)ことが好ましいが、代わりに移相器の前に配置されるか、または任意の他の適切な配置を有することもできる。
【0039】
代替例では、フィードバックチューナーは、追加的または代替的に(例えば、VGAの代わりに、またはVGAに加えて)、(例えば、固定増幅段の後または前など、フィードバック信号を増幅するのではなく、制御可能に減衰させることによって、)フィードバックネットワークの全体的な利得の制御を可能にするように機能することができる可変減衰器を含むことができる。
【0040】
フィードバックネットワークは、任意選択で、追加の利得(例えば、固定量の利得)を提供するように機能することができるドライバ増幅器162を含むことができる。ドライバ増幅器162は、フィードバック経路に沿ってフィードバックチューナー161の後に配置される(例えば、フィードバックチューナーの出力に接続される)ことが好ましいが、代わりに、フィードバックチューナーの前、またはフィードバックチューナーの素子間(例えば、移相器とVGAとの間)に配置することもできる。
【0041】
代替実施形態では、フィードバックチューナーは、(例えば、フィードバックネットワークがドライバ増幅器を含まない場合、)フィードバックネットワーク内で望まれる利得のすべてまたは実質的にすべてを提供することができる。しかしながら、そのような実施形態は、(例えば、固定ドライバ増幅器が続く同等の低電力VGAと比較して、高電力VGAの電力要件が増加するため)整流器の全体的な電力効率を低下させ、および/または放熱要件を増加させる可能性のある高電力VGAの使用を必要とする可能性がある。
【0042】
しかしながら、フィードバックネットワーク160は、追加的または代替的に、任意の適切な配置で任意の他の適切な素子を含むことができる。あるいはまた、回路は、
図5A~
図5Dに例として示されるように、(例えば、フィードバックネットワーク160の代わりにインピーダンスネットワーク170が使用される変形例において)フィードバックネットワーク160を含まなくてもよい。
【0043】
2.7 インピーダンスネットワーク
いくつかの変形例では、回路は、(例えば、整流器モードで)トランジスタ130の同期駆動として機能することができる1つまたは複数のインピーダンスネットワーク170を含むことができる。さらに、いくつかの例では、インピーダンスネットワーク170は、任意選択で、(例えば、入力整合ネットワーク180の代わりに)増幅器モードで入力整合を実行するように機能することができる。
【0044】
(例えば、
図5A~
図5Dに示されるように)回路がフィードバックネットワークの代わりにインピーダンスネットワーク170を含む変形例では、整流器モードで動作すると、RF入力の(好ましくはわずかな)部分がトランジスタ130を通ってトランジスタのゲート(または同様にトランジスタのベース)から漏れる可能性がある。そのような変形例では、この漏れ電流は、インピーダンスネットワーク170に到達し、それを反射してトランジスタのゲートに戻り、そこでトランジスタの動作を制御するように機能することができる。したがって、インピーダンスネットワークは、この反射した漏れ電流がRF入力の効率的な整流をもたらす方法でトランジスタを駆動する(例えば、RF入力がハイの場合、トランジスタをオフにし、RF入力がローの場合、トランジスタをオンにする)ように、適切なインピーダンスを示すように構成されることが好ましい。
【0045】
いくつかの例では、インピーダンスネットワークは、固定(または実質的に固定)インピーダンスを示す(すなわち、インピーダンスネットワークは、固定インピーダンスネットワークである)。例えば、インピーダンスネットワークは、固定値の電気素子(例えば、固定RLCネットワークを規定するような、抵抗性、誘導性、および/または容量性素子)を含むことができる。
【0046】
他の例では、インピーダンスネットワークは、可変(例えば、制御可能な)インピーダンスを提示することができる(すなわち、インピーダンスネットワークは、切り替え可能、同調可能、および/または他の方法で制御可能とすることができる可変インピーダンスネットワークである)。第1の特定の例では、インピーダンスネットワークは、1つまたは複数の同調可能な素子(例えば、可変RLCネットワークを規定するような固定値素子に加えて、および/またはその代わりに、同調可能な抵抗性、誘導性、および/または容量性素子)を含む。第2の特定の例では、インピーダンスネットワークは、異なる特性を有する(例えば、異なるインピーダンスを示す)インピーダンスネットワーク(好ましくは、固定インピーダンスネットワークであるが、追加的または代替的に、同調可能なインピーダンスネットワークおよび/または任意の他の適切なネットワーク)の(切り替え可能な)バンクを含み、バンクは、その中に含まれる1つまたは複数の異なるインピーダンスネットワークを示すように制御できる。したがって、インピーダンスネットワークの第2の例は、(例えば、様々な状況下で回路動作を最適化するために)それが示すインピーダンスを制御するように機能することができる。
【0047】
第1の変形例では、インピーダンスネットワークは、
図5Aに例として示されるように、スイッチ120を挟んでRF信号入力111に対向して配置される(例えば、スイッチは、RF信号入力111またはインピーダンスネットワーク170のいずれかをトランジスタ130のゲートなどの回路に電気的に接続するように動作可能である)。この変形例では、インピーダンスネットワークは、固定インピーダンスネットワークまたは可変インピーダンスネットワークとすることができる。この第1の変形例の代替例では、スイッチは、
図5Cに例として示されるように、結合器に置き換えられ(例えば、結合器は、RF信号入力111とインピーダンスネットワーク170の両方をトランジスタ130のゲートなどの回路に電気的に結合し)、この例の変形例では、結合器は、固定結合器、可変結合器、または任意の他の適切な結合器とすることができる。
【0048】
第2の変形例では、
図5Bに例として示されるように、インピーダンスネットワークを、RF信号入力とトランジスタ130のゲートとの間の回路内に(例えば、スイッチ120および/または入力整合ネットワーク180の代わりに)配置することができる。この変形例では、インピーダンスネットワークは、可変インピーダンスネットワーク(例えば、同調可能、切り替え可能、および/またはその他の方法で制御可能)であることが好ましい。回路が整流器モードで動作する場合、インピーダンスネットワークは、(例えば、上記のように)同期駆動として機能するように制御されることが好ましい。回路が増幅器モードで動作する場合、インピーダンスネットワークは、(例えば、以下に説明する入力整合ネットワーク180と同様の)入力整合器として機能するように制御されることが好ましい。しかしながら、インピーダンスネットワークは、追加的または代替的に、任意の他の適切な方法で制御することができるか、または代替の実施形態では、固定インピーダンスネットワークおよび/または任意の他の適切なネットワークとすることができる。この第2の変形例の代替例では、回路は、(例えば、
図5D~
図5Fに示されるように)RF信号入力とインピーダンスネットワークとの間に配置されたスイッチ(例えば、SPSTスイッチ)を含む。このスイッチは、RF信号入力がインピーダンスネットワークに電気的に結合されるかどうかを制御するように機能することが好ましい(例えば、
図5Eに示されるように、整流器モードではスイッチを閉じて、RF信号入力をインピーダンスネットワークに結合することができ、
図5Fに示されるように、増幅器モードではスイッチを開いて、RF信号入力がインピーダンスネットワークに結合するのを防ぐことができる)。
【0049】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の適切な配置で任意の他の適切なインピーダンスネットワークを含むことができる(またはそのようなネットワークを含まないこともできる)。
【0050】
2.8 入力整合ネットワーク
この回路は、任意選択で、トランジスタのゲートにおける高い小信号利得を可能にするように機能することができる入力整合ネットワーク180を含むことができる。入力整合ネットワークは、スイッチ120とゲートとの間に結合されるなど、ゲートに電気的に結合されることが好ましい。
【0051】
入力整合ネットワーク180は、ゲートにRFインピーダンス整合を提供するための任意の適切なトポロジを有することができる。入力整合ネットワークは、同調可能な入力整合器であることが好ましいが、追加的または代替的に、任意の他の適切な特性を有することができる。一例では、入力整合ネットワークにはクラスF-1高調波終端が含まれる。
【0052】
しかしながら、回路は、追加的または代替的に、任意の他の適切な入力整合ネットワーク180を含むことができ、および/またはそのようなネットワークを含まないこともできる。
【0053】
2.9 同調入力
回路には、任意選択で、整流器モードおよび/または増幅器モードで回路効率の最適化を可能にするように機能することができる同調入力を含めることができる。同調入力により、ゲートバイアスVgg(好ましくは、DCまたは実質的に一定のゲートバイアスであるが、代替として、任意の他の適切なバイアス)の印加が可能になることが好ましい。
【0054】
同調入力は、トランジスタのゲートに電気的に接続されることが好ましく、ローパスフィルタまたはバイアスティーを介して接続されることがより好ましい。例えば、回路は、ゲートとスイッチとの間(例えば、回路が入力整合ネットワークを含む実施形態では、「ゲートと入力整合ネットワークとの間)に同調入力(バイアスティーのDCバイアス側)を接続するバイアスティーを含むことができる。しかしながら、同調入力は、代わりに、ゲートバイアスネットワークを介して、および/または任意の他の適切な方法で、トランジスタのゲートに接続することもできる。
【0055】
さらに、回路は、追加的または代替的に、回路の任意の適切な素子に電気的に接続された任意の他の適切な同調入力を含むことができる。
【0056】
2.10 統合
いくつかの実施形態では、回路100は、2021年11月17日に出願された「無線電力受け取りのためのシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR WIRELESS POWER RECEPTION)」という名称の米国特許出願第17/528,869号、および/または2021年10月13日に出願された「無線電力送出のための方法およびシステム(METHOD AND SYSTEM FOR WIRELESS POWER DELIVERY)」という名称の米国特許出願第17/500,652号に記載されているような、1つまたは複数の素子を含む、および/またはそれに結合される(例えば、電気的に結合される)ことができ、これらのそれぞれは、その全体がこの参照により本明細書に組み込まれ、例えば、回路100は、米国特許出願第17/528,869号および/または米国特許出願第17/500,652号の送信機および/または受信機(例えば、送信機および受信機の両方として動作するように構成されたノード)の素子として機能することができる。
【0057】
一実施形態では、回路100は、送信モードと受信モードとの間で切り替えるように動作可能な無線電力メッシュネットワークのノードに結合される(例えば、統合される)。ノードは、RF電源端子に電気的に結合された(例えば、接続された)1つまたは複数のアンテナ(例えば、フェーズドアンテナアレイ)と、DC電源端子に電気的に結合(例えば、接続)された1つまたは複数のDC電力デバイス(例えば、DC電源端子112に関して上記したような、DC電力供給された負荷および/またはDC電源)と、回路100の動作を制御するように構成されたコントローラとを含むことが好ましい。例では、コントローラは、(例えば、スイッチ位置を制御することによって)回路動作モードを制御し、同調入力および/または可変回路コンポーネントの一部またはすべてを制御し、RF信号入力を供給し、および/または任意の他の適切な方法で回路動作を制御するように構成することができる。この実施形態では、回路100は、ノードが(例えば、ノードによって送信されるRF信号を増幅する)送信機として動作するとき、増幅器として機能するように動作可能とすることができ、ノードが(例えば、ノードによって受信されたRF電力を整流する)受信機として動作するとき、整流器として機能するように動作可能とすることができる。
【0058】
しかしながら、回路100は、追加的または代替的に、任意の適切な配置で任意の他の適切な素子を含み、任意の他の適切な機能を有し、および/または任意の適切な方法で任意の他の適切なシステム(複数可)と統合することができる。
【0059】
3.方法
方法200は、上記の双方向RF回路100を使用して実行されることが好ましい。しかしながら、この方法は、追加的または代替的に、任意の他の適切なシステムを使用して実行することができる。
【0060】
3.1 増幅器モードでの動作
増幅器モードで動作するステップS210は、
図6Aに例として示されるように、(例えば、DC電源端子で)DC電力を受け取ること、(例えば、RF信号入力で)RF入力信号を受信すること、(例えば、増幅器モードに構成された回路100を使用して)RF入力信号を増幅すること、および増幅されたRF出力を(例えば、RF電源端子で)供給することを含むことが好ましい。S210には、任意選択で、増幅器動作を同調させることを含めることができる。
【0061】
増幅器動作を同調させることは、ゲートバイアスを同調させること、1つまたは複数の整合ネットワーク(例えば、入力整合ネットワーク、ドレイン整合ネットワークなど)を同調させること、および/または回路の任意の他の適切な可変素子を同調させることによって実行することができる。増幅器動作を同調させることには、増幅器効率の最適化(例えば、出力および/または入力電力を測定し、その比を最大化すること、例えば、所与の入力電力に対する出力電力を最大化すること)が含まれることが好ましい。増幅器動作は、周期的に同調される、1つまたは複数の入力メトリックの実質的な変化(例えば、DC電力入力ドレインバイアスの実質的な増加または減少、RF入力信号特性の実質的な変化など)の検出に応答して同調される、および/または任意の他の適切なタイミングで同調されることができる。
【0062】
しかしながら、S210は、追加的または代替的に、他の適切な方法で、増幅器モードで動作することを含むことができる。
【0063】
3.2 整流器モードでの動作
整流器モードで動作するステップS220は、
図6Bに例として示されるように、(例えば、RF電源端子で)RF電力を受け取ること、RF電力を整流すること、および整流された電力を(例えば、DC電源端子で)DC電力出力として供給することを含むことが好ましい。S220には、任意選択で、整流器動作を同調させることを含めることができる。
【0064】
整流器動作を同調させることは、ゲートバイアスを同調させること、フィードバックネットワークを同調させること(例えば、移相器および/またはVGAを同調させること)、1つまたは複数の整合ネットワーク(例えば、入力整合ネットワーク、ドレイン整合ネットワークなど)を同調させること、および/または回路の任意の他の適切な可変素子を同調させることによって実行することができる。整流器動作を同調させることには、整流器効率を最適化すること(例えば、出力および/または入力電力を測定し、その比を最大化すること、例えば所与の入力電力に対する出力電力を最大化すること)が含まれることが好ましい。
【0065】
一例では、整流器の動作を同調させることには、(例えば、ラインサーチの実行によって)ゲートバイアスを最適化すること、次いでフィードバックネットワークパラメータを最適化すること(例えば、フィードバックチューナー移相器およびVGAによって定義される二次元パラメータ空間にわたって最適な探索を実行すること)、任意選択で、その後、最適化されたフィードバックネットワーク条件下で、(例えば、新しいラインサーチを実行することによって)ゲートバイアスを再最適化することが含まれる。変形例では、この反復最適化のアプローチは、任意の適切な反復回数だけ繰り返すことができる。しかしながら、同調パラメータは、追加的または代替的に、任意の他の適切な方法で最適化することができる。
【0066】
整流器の動作は、周期的に同調させることができるし、1つまたは複数の入力メトリクスの実質的な変化(例えば、RF入力電力の実質的な増加または減少)の検出に応答して同調させることができる、および/または任意の他の適切なタイミングで同調させることができる。
【0067】
しかしながら、S220は、追加的または代替的に、他の適切な方法で、整流器モードで動作することを含むことができる。
【0068】
3.3 動作モード間の遷移
動作モード間で遷移するステップS230は、スイッチ構成を変更することを含むことが好ましい。S230は、RF信号入力を回路に接続するようにスイッチを構成することによって増幅器モードに遷移することを含むことができるか、またはフィードバック経路を回路に接続するようにスイッチを構成することによって整流器モードに遷移することを含むことができる。
【0069】
いくつかの変形例(例えば、スイッチおよび/または入力整合ネットワークの代わりに配置されるなど、制御可能なインピーダンスネットワークがRF信号入力とトランジスタのゲートとの間の回路内に配置される変形例)では、S230は、追加的または代替的に、(例えば、インピーダンスネットワーク170に関して上述したように)所望の動作モードに基づいてインピーダンスネットワークを制御することを含むことができる。S230は、入力整合として機能するようにインピーダンスネットワークを構成することによって、増幅器モードに遷移することを含むことができるか、または(例えば、上記のようにスイッチを構成するのではなく、または上記のようにスイッチを構成するのに加えて)同期ドライブとして機能するようにインピーダンスネットワークを構成することによって、整流器モードに遷移することを含むことができる。
【0070】
追加的または代替的に、S230は、所望の動作モードに基づいて、1つまたは複数の同調素子(例えば、DCゲートバイアスなどのゲートバイアスVggをトランジスタのゲートへ印加するように構成された素子)を制御することを含むことができる。例えば、S230は、増幅器モードへの遷移の一部として第1のゲートバイアス(またはゲートバイアスの第1の範囲内のバイアス)に切り替えること、または整流器モードへの遷移の一部として第2のゲートバイアス(またはゲートバイアスの第2の範囲内のバイアス)に切り替えることを含むことができる。
【0071】
しかしながら、S230は、追加的または代替的に、任意の他の適切な方法で動作モード間の遷移を含むことができ、および/または方法200は、追加的または代替的に、任意の適切な方法で実行される任意の他の適切な素子を含むことができる。
【0072】
図は、好ましい実施形態、例示的構成、およびそれらの変形例によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各々のブロックは、指定された論理機能(複数可)を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、ステップ、またはコードの一部を表すことができる。また、いくつかの代替の実装形態では、ブロック内に示される機能は、図に示される順序から外れて発生する可能性があることにも留意すべきである。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行される場合もあれば、関係する機能に応じて、時にはブロックが逆の順序で実行される場合もある。ブロック図および/またはフローチャート図の各々のブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する特殊な目的のハードウェアベースのシステム、または特殊な目的のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装できることにも留意すべきである。
【0073】
当業者であれば、前述の詳細な説明、図面および特許請求の範囲から分かるように、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に修正および変更を加えることができる。
【国際調査報告】