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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
D06F37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525569
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 KR2022015279
(87)【国際公開番号】W WO2023080458
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148579
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンミン
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA05
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA15
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA04
3B165CA11
3B165CB01
3B165CB02
3B165CB31
3B165CB32
3B165CB37
3B165CB55
3B165CD02
3B165CD05
3B165CD15
3B165DW01
3B165DW03
3B165DW05
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA25
3B165JM02
3B165JM03
(57)【要約】
本発明は、投入口が備えられたキャビネット;キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、投入口に連結されるタブ投入口が備えられたタブ;タブの内部に回転自在に備えられ、タブ投入口に供給される衣類が収容される空間を提供するドラム;ドラムの回転中心を囲むリング状に備えられ、ドラムに固定される基部、基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、基部の内側縁に沿ってリング状に備えられ、基部及び第1面と共に循環経路を形成する第2面、及び循環経路に沿って移動可能なボールが備えられたバランサー;及び基部に備えられ、バランサーをドラムに固定する締結部;を含むことを特徴とする衣類処理装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理装置であって、
投入口を備えたキャビネット;
前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口を備えたタブ;
前記タブの内部に回転自在に備えられ、前記タブ投入口に供給される衣類を収容する空間を付与するドラム;
前記ドラムの回転中心を囲むリング状に備えられ、前記ドラムに固定される基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、前記基部の内側縁に沿ってリング状に備えられ、前記基部及び前記第1面と共に循環経路を形成する第2面、及び前記循環経路に沿って移動可能なボール、を備えたバランサー;及び
前記基部に備えられ、前記バランサーを前記ドラムに固定する締結部;を備えることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記ドラムは、
前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;
前記ドラム体のうち、前記タブ投入口を備えた方向に位置する前方カバー;
前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;
前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び
前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口;を備え、
前記バランサーは、前記前方カバーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記締結部は、
前記基部に備えられた固定体;及び
前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定される締結体;を備えることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置することを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記前方カバーは、
前記ドラム投入口が備えられる前方カバー体;
前記前方カバー体に前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる前方取付部;及び
前記前方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する前方連結部;を備え、
前記固定体及び前記前方連結部は、前記締結体によって前記ドラム体に固定されることを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記固定体は、前記基部から前記前方取付部に向かって突出するように備えられ、
前記前方取付部は、前記固定体を収容する前方取付溝を備えることを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記第1面から前記前方取付部に向かって延在する第1延在部;を更に備え、
前記固定体は、前記第1延在部と前記基部を連結することを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記第1面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第1体部に向かって曲がった第1連結面;及び
一端は前記第1延在部に固定され、他端は前記第1連結面に固定され、前記第1延在部と前記第1連結面との間隔を維持する第1支持部;を更に備えることを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記第2面から前記ドラム投入口に向かって突出した突出部;を更に備えることを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記第2面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第2体部が位置した方向に向かって曲がった第2連結面;
前記突出部から前記前方取付部に向かって延在し、前記ドラム投入口を囲むリング状に構成された第2延在部;及び
一端は前記第2延在部に固定され、他端は前記第2連結面に固定され、前記第2延在部と前記第2連結面との間隔を維持する第2支持部;を更に備えることを特徴とする、請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記突出部から前記延在部の自由端までの距離は、前記突出部から前記基部の外周面までの距離の1/2倍以上に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記支持部は、前記延在部の自由端から前記連結面を連結する傾斜部を更に備えることを特徴とする、請求項11に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記第2延在部の厚さは、前記第2面の厚さ以下に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記ドラムは、
前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;
前記ドラム体のうち、前記タブ投入口を備えた方向に位置する前方カバー;
前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;
前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び
前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口;を備え、
前記バランサーは、前記後方カバーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記締結部は、
前記基部に備えられた後方固定体;及び
前記後方固定体を前記ドラム体と前記後方カバーのうちの少なくとも1つに固定する後方締結体;を備えることを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記後方固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置することを特徴とする、請求項15に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
前記後方カバーに固定された駆動軸によって前記ドラムを回転させる駆動部;を更に備え、
前記後方カバーは、
前記駆動軸が固定される後方カバー体;
前記後方カバー体に前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる空間を提供する後方取付部;及び
前記後方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する後方連結部;を備え、
前記後方固定体及び前記後方連結部は、前記後方締結体によって前記ドラム体に固定されることを特徴とする、請求項15に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、衣類を洗濯するか衣類を乾燥する装置の総称であって、衣類処理装置が洗濯又は乾燥する対象物(処理対象)は、衣類のみならず洗濯や乾燥が可能な全てのものとなる。
【0003】
洗濯が可能な衣類処理装置は、水が貯留されるタブ、前記タブに水を供給する給水部、前記タブの水を排出する排水部、前記タブの内部に備えられ、衣類(処理対象)が収容される空間を提供するドラム、及び前記ドラムに備えられ、前記タブに貯留された水を前記ドラムの内部に流入させる連通孔(穴)を含むように備えられる。
【0004】
前述した構造の衣類処理装置は、水が貯留されたタブの内部において前記ドラムを回転させることにより、前記ドラムの内部の衣類から異物を除去した。衣類から異物が除去される場合、前記排水部を介してタブの内部の水はタブから排出され、水が排出されたタブの内部において前記ドラムを回転させて衣類から水を除去した。
【0005】
前述した過程の進行中にはドラムに振動が発生する場合がある。前記ドラムの所定の領域に衣類が密集した状態で前記ドラムが高速に回転する場合、前記ドラムは動的均衡(dynamic equribrium又はdynamic balance)が破れた状態で回転することが原因である。
【0006】
衣類処理装置において動的均衡は、ドラムが回転するとき、ドラムの回転軸を中心とした衣類の質量分布が許容範囲内にある場合(ドラムが許容範囲内で振動しながら回転する場合)であり、ドラムが回転するとき、ドラムの回転軸を中心とした質量分布が許容範囲から外れた状態(ドラムが許容範囲から外れて振動する状態)は、動的不均衡状態(アンバランス、unbalance)である。アンバランス状態で前記ドラムが回転する場合、ドラムに発生した振動は、タブだけではなく、衣類処理装置の全体を振動させ、騒音及び耐久性の低下の問題を誘発する。
【0007】
アンバランス制御のために、従来の衣類処理装置は、前記ドラムにバランサー(balancer)を固定した(米国登録特許 US8,522,580)。従来の衣類処理装置に備えられたバランサーは、ドラム投入口が備えられたドラムの前方面に固定された前方バランサー、回転軸が固定されたドラムの後方面に固定された後方バランサーのうちの少なくとも1つを含むように備えられた。
【0008】
前記前方バランサー及び後方バランサーは、リング状に備えられ、前記ドラムの前方面又はドラムの後方面に固定された体部(ボディー:本体:body)、前記体部の内部に備えられた循環経路、前記循環経路に沿って移動するように備えられたボールを含むように備えられた。アンバランス状態で回転するドラムは、アンバランスを誘発する衣類の位置に応じて回転速度が変化するが、前記ボールは、ドラムの回転速度が低くなるとき(ボールに作用する遠心力が低くなるとき)、アンバランスを誘発する衣類が位置した地点と反対方向に移動するので、ドラムの偏心を減らすことができる。
【0009】
前記前方バランサーは、ドラム投入口に近い内側円周面と、前記ドラムの円周面に近い外側円周面とを有するリング状に備えられ、前記後方バランサーは、ドラムの回転軸に近い内側円周面と、前記ドラムの円周面に近い外側円周面とを有するリング状に備えられる。
【0010】
前述した構造のバランサーは、前記外側円周面と前記ドラムの円周面を連結するボルトによって前記ドラムに固定される。前記ドラムが回転するとき、前記ボールに前記ドラムの径方向に沿って作用する遠心力が入力されるため、バランサーの外側円周面と前記ドラムの円周面を固定させることが、前記体部の変形を防止するために有利である。
【0011】
但し、前記体部の外側円周面をドラムの円周面に固定する方式は、前記外側円周面に前記締結具が固定される固定体が必要となり、このような構造は、前記循環経路の直径を減らし、前記循環経路の直径が減らすことは、前記ボールに作用する遠心力を減らすことになる。ボールに作用する遠心力の減少は、ドラムのアンバランス状態を解消するために長い時間が必要であることを意味する。
【0012】
一方、従来の後方バランサー(米国登録特許US7,975,514)は、ドラムの後方面に形成された溝にバランサーの体部を挿入し、ドラムの後方面に備えられ、ドラムの回転軸が固定される軸固定部によって前記体部を前記溝に固定している。このような構造のバランサーは、前述した短所は防止できるものの、ドラムの体積が減らすという短所がある(処理容量がバランサーによって制限される短所)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ドラムのアンバランス状態を素早く解消できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0014】
本発明は、ドラムの体積の減少を最小化し、且つボールに作用する遠心力を極大化できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0015】
本発明は、ボールに作用する遠心力による耐久性の低下を最小化できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、投入口が備えられたキャビネット;前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口が備えられたタブ;前記タブの内部に回転自在に備えられ、前記タブ投入口に供給される衣類が収容される空間を提供するドラム;前記ドラムの回転中心を囲むリング状に備えられ、前記ドラムに固定される基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、前記基部の内側縁に沿ってリング状に備えられ、前記基部及び前記第1面と共に循環経路を形成する第2面、及び前記循環経路に沿って移動可能なボールが備えられたバランサー;及び前記基部に備えられ、前記バランサーを前記ドラムに固定する締結部;を含む(備える;構成する;構築する;設定する;包接する;包含する;含有する)衣類処理装置を提供する。
【0017】
前記ドラムは、前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;前記ドラム体のうち、前記タブ投入口が備えられた方向に位置する前方カバー;前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入(付与:導入:投入)させるドラム投入口;を含み、前記バランサーは、前記前方カバーに固定される。
【0018】
前記締結部は、前記基部に備えられた固定体;及び前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定する締結体;を含む。
【0019】
前記固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置するように備えられる。
【0020】
前記前方カバーは、前記ドラム投入口が備えられる前方カバー体;前記前方カバー体に前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる前方取付部;及び前記前方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する前方連結部;を含み、前記固定体及び前記前方連結部は前記締結体によって前記ドラム体に固定される。
【0021】
前記固定体は、前記基部から前記前方取付部に向かって突出するように備えられ、前記前方取付部には前記固定体が収容される前方取付溝が備えられる。
【0022】
前記第1面から前記前方取付部に向かって延在する第1延在部;をさらに含み、前記固定体は、前記第1延在部と前記基部を連結するように備えられる。
【0023】
前記衣類処理装置は、前記第1面と前記基部が連結される角(地点)に位置し、前記基部から前記第1体部に向かって曲がった第1連結面;及び一端は前記第1延在部に固定され、他端は前記第1連結面に固定され、前記第1延在部と前記第1連結面との間隔を維持する第1支持部;をさらに含む。
【0024】
前記衣類処理装置は、前記第2面から前記ドラム投入口に向かって突出した突出部;をさらに含む。
【0025】
前記衣類処理装置は、前記第2面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第2体部が位置した方向に向かって曲がった第2連結面;前記突出部から前記前方取付部に向かって延在し、前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられた第2延在部;及び一端は前記第2延在部に固定され、他端は前記第2連結面に固定され、前記第2延在部と前記第2連結面との間隔を維持する第2支持部;をさらに含む。
【0026】
前記突出部から前記延在部の自由端までの距離は、前記突出部から前記基部の外周面までの距離の1/2倍以上に設定される。
【0027】
前記支持部は、前記延在部の自由端から前記連結面を連結する傾斜部をさらに含む。
【0028】
前記第2延在部の厚さは、前記第2面の厚さ以下に設定される。
【0029】
前記ドラムは、前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;前記ドラム体のうち、前記タブ投入口が備えられた方向に位置する前方カバー;前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口;を含み、前記バランサーは、前記後方カバーに固定される。
【0030】
前記締結部は、前記基部に備えられた後方固定体;及び前記後方固定体を前記ドラム体と前記後方カバーのうちの少なくとも1つに固定する後方締結体;を含む。
【0031】
前記後方固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置するように備えられる。
【0032】
前記衣類処理装置は、前記後方カバーに固定された駆動軸によって前記ドラムを回転させる駆動部;をさらに含み、前記後方カバーは、前記駆動軸が固定される後方カバー体;前記後方カバー体に前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる空間を提供する後方取付部;及び前記後方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する後方連結部;を含み、前記後方固定体及び前記後方連結部は、前記後方締結体によって前記ドラム体に固定される。
【0033】
本発明は、円筒状のドラム体、前記ドラム体の前方面を形成する前方カバー、前記ドラム体の後方面を形成する後方カバー、前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔、及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口が備えられたドラム;前記ドラムを回転させる駆動部;前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記前方カバーに向かう方向に位置する基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、及び前記基部の内側縁に沿って備えられるリング状の第2面が備えられた第1体部;前記第1面、前記第2面、及び前記基部によって形成される循環経路を閉鎖する第2体部;前記循環経路に沿って移動可能なボール;及び前記基部に備えられた固定体、及び前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定する締結体が備えられた締結部;を含む衣類処理装置を提供する。
【0034】
本発明は、投入口が備えられたキャビネット;前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口が備えられたタブ;前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体、前記ドラム体のうち、前記タブ投入口が備えられる方向に位置する前方カバー、前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー、前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔、及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口が備えられたドラム;前記ドラムを回転させる駆動部;前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記前方カバーに向かう方向に位置する基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、及び前記基部の内側縁に沿って備えられるリング状の第2面が備えられた第1体部;前記第1面、前記第2面、及び前記基部によって形成される循環経路を閉鎖する第2体部;前記循環経路に沿って移動可能なボール;及び前記基部に備えられた固定体、及び前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定する締結体が備えられた締結部;を含む衣類処理装置を提供する。
【0035】
前記前方カバーは、前記ドラム投入口が備えられる前方カバー体;前記前方カバー体に前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる前方取付部;及び前記前方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する前方連結部;を含み、前記固定体及び前記前方連結部は、前記締結体によって前記ドラム体に固定される。
【0036】
前記前方取付部は、前記前方カバー体が前記後方カバーに向かって折り曲げられた溝で備えられる。
【0037】
前記固定体は、前記基部から前記前方取付部に向かって突出するように備えられ、前記前方取付部には前記固定体が収容される前方取付溝が備えられる。
【0038】
前記衣類処理装置は、前記第1面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第1体部に向かって曲がった第1連結面;及び前記第1面から前記前方取付部に向かって延在する第1延在部;をさらに含み、前記固定体は、前記第1延在部と前記基部を連結するように備えられる。
【0039】
前記第2体部から前記第1延在部の自由端までの距離は、前記第2体部から前記基部の外周面までの距離と等しく設定される。
【0040】
前記衣類処理装置は、前記第1延在部、前記固定体、及び前記基部を連結するように備えられる固定体支持部;をさらに含む。
【0041】
前記衣類処理装置は、一端は前記第1延在部に固定され、他端は前記第1連結面に固定され、前記第1延在部と前記第1連結面との間隔を維持する第1支持部;をさらに含む。
【0042】
前記第1支持部は、前記ドラム投入口の中心を基準として互いに同じ間隔に離隔した複数のリブ(第1支持板);で備えられる。
【0043】
前記衣類処理装置は、前記第2面から前記ドラム投入口に向かって突出した突出部;をさらに含む。
【0044】
前記衣類処理装置は、前記第2面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第2体部が位置した方向に向かって曲がった第2連結面;前記突出部から前記前方取付部に向かって延在し、前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられた第2延在部;及び一端は前記第2延在部に固定され、他端は前記第2連結面に固定され、前記第2延在部と前記第2連結面との間隔を維持する第2支持部;をさらに含む。
【0045】
前記突出部から前記第2延在部の自由端までの距離は、前記突出部から前記基部の外周面までの距離の1/2倍以上に設定される。
【0046】
前記第2支持部は、前記第2延在部の自由端から前記第2連結面を連結する傾斜部をさらに含む。
【0047】
前記第2支持部は、前記ドラム投入口の中心を基準として互いに同じ間隔に離間した複数のリブ(第2支持板);で備えられ、各々のリブは、前記基部の中心を基準として7度~15度ずつ離隔した位置に備えられる。
【0048】
前記第2延在部の厚さは、前記第2面の厚さ以下に設定される。
【0049】
前記第2延在部の厚さは、前記第2面の厚さの0.7倍~0.9倍に設定される。
【0050】
前記第2面と前記第2延在部を連結する前記第2支持部の高さは、前記突出部から前記第2延在部の自由端までの距離の0.3倍以上に設定される。
【0051】
前記第2支持部の厚さは、前記第2面の厚さの1/2倍に設定される。
【0052】
本発明は、投入口が備えられたキャビネット;前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口が備えられたタブ;前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体、前記ドラム体のうち、前記タブ投入口が備えられた方向に位置する前方カバー、前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー、前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔、及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口が備えられたドラム;前記後方カバーに固定された駆動軸によって前記ドラムを回転させる駆動部;前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記後方カバーに向かう方向に位置する後方基部、前記後方基部の外側縁に沿って備えられるリング状の後方第1面、及び前記基部の内側縁に沿って備えられるリング状の後方第2面が備えられた後方第1体部;前記後方第1面、前記後方第2面、及び前記後方基部によって形成される後方循環経路を閉鎖する後方第2体部;前記後方循環経路に沿って移動可能なボール;及び前記後方基部に備えられた後方固定体、及び前記後方固定体を前記ドラム体と前記後方カバーのうちの少なくとも1つに固定する後方締結体が備えられた後方締結部;を含む衣類処理装置を提供する。
【0053】
前記後方カバーは、前記駆動軸が固定される後方カバー体;前記後方カバー体に前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記後方基部が取り付けられる空間を提供する後方取付部;及び前記後方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する後方連結部;を含み、前記後方固定体及び前記後方連結部は、前記後方締結体によって前記ドラム体に固定される。
【0054】
前記後方固定体は、前記後方基部から前記後方取付部に向かって突出するように備えられ、前記後方取付部には前記後方固定体が収容される後方取付溝が備えられる。
【0055】
本発明は、投入口が備えられたキャビネット;前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口が備えられたタブ;前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体、前記ドラム体のうち、前記タブ投入口が備えられた方向に位置する前方カバー、前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー、前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔、及び前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口が備えられたドラム;前記後方カバーに固定された駆動軸によって前記ドラムを回転させる駆動部;前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記前方カバーに向かう方向に位置する基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、及び前記基部の内側縁に沿って備えられるリング状の第2面が備えられた第1体部;前記第1面、前記第2面、及び前記基部によって形成される循環経路を閉鎖する第2体部;前記循環経路に沿って移動可能なボール;及び前記基部に備えられた固定体、及び前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定する締結体が備えられた締結部;前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記後方カバーに向かう方向に位置する後方基部、前記後方基部の外側縁に沿って備えられるリング状の後方第1面、及び前記基部の内側縁に沿って備えられるリング状の後方第2面が備えられた後方第1体部;前記後方第1面、前記後方第2面、及び前記後方基部によって形成される後方循環経路を閉鎖する後方第2体部;前記後方循環経路に沿って移動可能なボール;及び前記後方基部に備えられた後方固定体、及び前記後方固定体を前記ドラム体と前記後方カバーのうちの少なくとも1つに固定する後方締結体が備えられた後方締結部;を含む衣類処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0056】
本発明は、ドラムのアンバランス状態を素早く解消できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供する。
【0057】
本発明は、ドラムの体積の減少を最小化し、且つボールに作用する遠心力を極大化できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供する。
【0058】
本発明は、ボールに作用する遠心力による耐久性の低下を最小化できるバランサーが備えられた衣類処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】衣類処理装置の一例を示す。
図2】ドラムの一例を示す。
図3-6】バランサーの一例を示す。
図7】バランサーに備えられた第2面と第2延在部との長さ比による第2補強部の剛性の変化を示すグラフである。
図8】後方バランサーの一例を示す。
図9】前方バランサー、ドラム、及び後方バランサーの結合構造の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、添付図面を参考しながら衣類処理装置の実施例について詳細に説明する。
【0061】
図1に示す衣類処理装置100は、キャビネット1、前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供するタブ2、前記タブの内部に回転自在に備えられ、衣類が収容される空間を提供するドラム7を含む。
【0062】
前記キャビネット1は、前記衣類処理装置100の外観を形成するように備えられる。前記キャビネットの一面には、衣類を前記タブ2に導く投入口11が備えられるが、図1は、前記投入口11がキャビネット1の前方面(衣類処理装置の正面に向かう面)に備えられた場合を一例として示している。
【0063】
前記投入口11は、前記キャビネット1に回転自在に固定されたドア13によって開放又は閉鎖される。前記キャビネット1の前方面のうち、前記投入口11の上部空間又は下部空間には制御パネル15が備えられる。
【0064】
前記制御パネル15には、入力部151及び表示部153が備えられる。前記入力部151は、前記制御パネルによって制御部(未図示)に制御命令を入力する手段であり、前記表示部153は、前記入力部によって選択可能な制御命令の表示、及び前記入力部によって選択された制御命令の実行情報を表示する手段として備えられる。
【0065】
前記タブ2は、内部が中空の円筒状のタブ体21として備えられる。前記タブ体21は、タブ支持部によって前記キャビネット1の内部に固定されるが、図1は前記タブ支持部がダンパー22及びバネ23で備えられた場合の一例を示す。
【0066】
前記ダンパー22は、前記タブ体21の振動を吸収するように、前記タブ体21の下部領域と前記キャビネット1の底面に連結するように備えられる。前記バネ23は、前記タブ体21に入力される外力が無くなる場合(タブ体が振動しない場合)、前記タブ体21が初期位置に移動する復元力を提供する手段である。
【0067】
前記バネ23は、前記タブ体21の上部領域(タブ体の中心を通過する水平線の上部に位置した空間)を前記キャビネット1の上部面に連結するように備えられてもよく、前記タブ体21の下部領域を前記キャビネット1の底面に連結するように備えられてもよい。
【0068】
前記タブ体21の体積が大きくなるほど(衣類処理装置の処理容量が増加するほど)、前記ダンパー22とバネ23がいずれも前記タブ体21の下部領域をキャビネットに連結するように備えられた方がタブ体21の振動の制御に有利である。
【0069】
前記タブ体21の前方面にはタブ投入口211が備えられる。前記タブ投入口211は、前記投入口11に連結されるように備えられる。図1において、前記タブ投入口211は、前記投入口11に直接に連結されたものとして示されているが、前記タブ投入口211と投入口11はゴムなどで制作されたコルゲート管(corrugate tube)を介して連結されてもよい(前述した構造のタブ支持部が備えられれば、コルゲート管は省略してもよい)。
【0070】
前記タブ体21に貯留された水を加熱するために、前記タブ体21の内部にはヒーター24が備えられてもよい。
【0071】
前記タブ2は、給水部3によって水が供給され、前記タブに貯留された水は、排水部4によってキャビネット1の外部に排出される。
【0072】
前記給水部3は、給水源と前記タブ体21を連結する給水管31、32、前記給水管を開閉する給水弁33からなり、前記排水部4は、前記タブ体21の内部の水を前記キャビネット1の外部に導く排水管41、及び前記排水管41の開閉を制御する排水弁42からなる。
【0073】
前記タブ体21に洗剤を供給するために、前記衣類処理装置100には洗剤供給部がさらに備えられてもよい。前記洗剤供給部は、第1供給部5と第2供給部6のうちの少なくとも1つを含むように備えられるが、図1は前記第1供給部5及び第2供給部6がいずれも備えられた場合を一例として示している。
【0074】
前記第1供給部5は、前記キャビネット1から引き出されるように備えられ、洗剤が収容される空間を提供する引出し51、及び前記キャビネットの内部に備えられ、前記引出し51が収容される空間を提供する引出しハウジング52を含むように備えられる。
【0075】
前記キャビネット1の一面には前記引出し51の出入りのための引出口が備えられるが、図1は前記引出口が前記キャビネット1の前方面に備えられた場合を示している。
【0076】
前記引出し51には洗剤が収容される空間を提供するチャンバー511、前記チャンバー511の内部の洗剤を前記引出しハウジング52に排出するチャンバー排出口512が備えられる。前記チャンバー511は、上部面が開放された構造であり、前記チャンバー排出口512は、前記チャンバー511の内部の水位が設定された水位を超えた場合、前記チャンバーの内部の液体を前記引出しハウジングに排出するウォータトラップ(water trap、siphon flow path)として備えられる。
【0077】
前記引出し51は、前記引出しハウジング52の上部面を形成するように備えられる(チャンバーの上部に位置するように備えられる)ノズル54を介して水が供給され、前記チャンバー排出口512によって前記引出しハウジング52に排出された液体は、ハウジング排出口53を介して引出しハウジング52から排出される。この場合、前記給水管は、前記ノズル54と給水源を連結する第1給水管31及び前記ハウジング排出口53とタブ体21を連結する第2給水管32を含むように備えられる。前記給水弁33は、前記第1給水管31に備えられることが好ましい。
【0078】
前記第2供給部6は、前記第2給水管32を介して前記タブ2に洗剤を供給するように備えられる。
【0079】
前記第2給水管32は、前記ハウジング排出口53に連結された第1ホース321、前記タブ体21の後方面に連結された第2ホース322、及び前記2つのホースを連結するコネクター323を含むように備えられる。この場合、前記第2供給部6は、液状洗剤が貯留される洗剤貯留部61、前記洗剤貯留部と前記コネクター323を連結する供給管62、及び前記洗剤貯留部61の内部の洗剤を前記供給管62によって前記コネクター323に移動させるポンプ63からなる。
【0080】
前記第2供給部6は、前記ドラム7に投入される衣類の量(布量)に応じて必要な洗剤量を判断し、判断した量の洗剤を前記コネクター323に移動させるように備えられる。例えば、衣類の量は、前記ドラム7を予め設定した角度に回転させるために、駆動部76に供給される電力量から制御部が判断を行い、前記制御部は、実験によって設定された量(布量に応じる適宜洗剤量)の洗剤が前記コネクター323に移動するように前記ポンプ63を制御する。
【0081】
前記ドラム7は、前記タブ2の内部に位置する円筒状のドラム体71、前記ドラム体71のうち、前記タブ投入口211が備えられた方向に位置(ドラムの前方面を形成)する前方カバー72、前記前方カバー72に対向する位置に備えられ、前記ドラムの後方面を形成する後方カバー73を含むように備えられる。
【0082】
前記タブ2に貯留された水が前記ドラム7の内部に供給されるように、前記ドラム体71には複数の連通孔711が備えられ、前記前方カバー72には前記タブ投入口211に流入された衣類を前記ドラム体71の内部に導くドラム投入口722が備えられる。
【0083】
前記ドラム体71の内部にはリフター712が備えられる。前記リフター712は、前記ドラム体71の円周面から前記ドラム体71の回転中心に向かって突出した形状で備えられる。前記ドラム7が回転するとき、衣類は、前記リフター712によって前記ドラム7の内部において上昇と落下を繰り返し、この過程が異物を衣類から分離することを促進する。
【0084】
前記ドラム7の体積が大きくなるほど(衣類処理装置の処理容量が大きくなるほど)、前記ドラム7に大きい負荷(タブに貯留された水とドラムの摩擦力、ドラムの内部に収容された衣類の重さなど)が入力される。前記ドラム7の耐久性の低下を防止(ドラムの歪み、前方カバーや後方カバーがドラム体から分離される現象などを防止)するために、前記ドラム7には、前記前方カバー72と後方カバー73を前記ドラム体21に固定する固定軸74をさらに含むように備えられる。
【0085】
前記固定軸74は、一端は前記前方カバー72に固定され、他端は前記後方カバー73に固定されるバー(bar)として備えられる。前記固定軸74がドラム体71の内部に露出しないように、前記固定軸74は、前記リフター712を貫通するように備えられる。
【0086】
前記ドラム7は、前記駆動部76によって回転する。前記駆動部76は、前記後方カバー73に固定された駆動軸761、及び前記駆動軸761の回転に必要な動力を供給するモーター767からなる。
【0087】
前記駆動軸761は、前記タブ体21の後方面を貫通するように備えられる。この場合、前記駆動軸761は、前記キャビネット1の底面と平行に備えられるか、前記キャビネットの底面に対して90度未満の角度で傾斜するように備えられる。
【0088】
前記駆動軸761は、前記モーター767に直結された構造で備えられる。すなわち、前記モーター767が前記タブ2の後方面に固定され、回転磁界を形成するステーター、及び回転磁界によって回転するローターで備えられる場合、前記駆動軸761は、一端は前記後方カバー73に固定され、他端は前記ローターに固定されるように備えられる。
【0089】
図示のように、前記駆動軸761は、プーリとベルトによって前記モーター767が提供する動力が伝達されるように備えられてもよい。この場合、前記モーター767の回転軸には主動プーリ765が備えられ、前記駆動軸761には従動プーリ764が備えられ、2つのプーリ765、764はベルト766を介して連結されるように備えられる。
【0090】
前記駆動軸761は、軸固定部762によって前記後方カバー73に固定される。
【0091】
前記駆動軸761が前記後方カバー73の中心に別の装置なく直接に固定される場合、前記後方カバー73の中心に応力が集中し、後方カバー73の耐久性が低下する危険がある。前記軸固定部762は、前述した危険を低減する手段であって、前記後方カバー73の直径より短い直径を有するディスク状の板として備えられる。
【0092】
前記駆動軸761は、前記タブ2の後方面を貫通して、前記軸固定部762と従動プーリ764を連結するように備えられるため、前記タブ2の後方面には前記駆動軸761を前記タブ2に回転自在に固定する軸受763が備えられる。
【0093】
図示していないが、前記駆動軸761は、前記キャビネットの底面に対して直交するように備えられる。この場合、前記投入口は、前記キャビネット1の上部面に備えられ、前記タブとドラムは、タブ投入口及びドラム投入口が前記キャビネット1の上部面に位置した投入口に向かうように構造を変更する必要がある。
【0094】
前記ドラム7は、回転時に振動を誘発する。前記ドラム体71の所定の領域に衣類が密集した状態で前記ドラム7が高速回転する場合、前記ドラム7は、動的均衡(dynamic equribrium又はdynamic balance)が破れた状態で回転することになる。
【0095】
衣類処理装置において動的均衡は、ドラムが回転するとき、ドラムの回転軸を中心とした衣類の質量分布が許容範囲内にある場合であると定義できる。すなわち、ドラムが回転するとき、ドラムの回転軸を中心とした質量分布が許容範囲から外れた状態(ドラムが許容範囲から外れて振動する状態)は、動的不均衡状態とみられ、通常、このような状態をアンバランス状態(unbalance)という。
【0096】
アンバランス状態で前記ドラムが回転する場合、ドラムに発生した振動は、タブだけではなく、衣類処理装置の全体を振動させ、騒音及び耐久性低下の問題を誘発する。
【0097】
ドラムのアンバランス状態を解消するために(制御するために)、前記衣類処理装置100にはバランサー8、9がさらに備えられてもよい。
【0098】
図1及び図2は、前記バランサーが前記ドラムの前方面(前方カバー)72に固定された前方バランサー8及び前記ドラムの後方面(後方カバー)73に固定された後方バランサー9をいずれも含むように備えられる場合を一例として示している。図示していないが、前記バランサーは、前記前方バランサー8と前記後方バランサー9のいずれか1つのみで備えられてもよい。
【0099】
図2に示すように、前記前方バランサー8は、前記ドラム体71又は前記前方カバー72に固定され、前記ドラム投入口722を囲むリング状の体部81、82を含むように備えられる。前記体部は、前記ドラム7に固定される第1体部81(前方第1体部)、前記第1体部に固定された第2体部82(前方第2体部)、及び前記第1体部及び第2体部を貫通するように備えられ、前記ドラム投入口722が貫通する貫通穴83(前方貫通穴)を含むように備えられる。
【0100】
図3に示すように、前記第1体部81は、前記ドラム投入口722を囲むリング状に備えられた基部813(前方基部)、前記基部813の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面811(前方第1面)、及び前記基部813の内側縁に沿って備えられるリング状の第2面812(前方第2面)を含むように備えられる。
【0101】
前記基部813は、前記第1体部81のうち、前記前方カバー72が位置した地点に向かうリング状の平面として備えられる。前記基部813がリング状に備えられる場合、前記基部813には前記ドラム投入口722に近い内側円周面(内側縁)と前記ドラム体71の円周面に近い外側円周面(外側縁)が形成される。
【0102】
前記第1面811は、前記基部813の外側縁から前記タブ2の前方面(タブ投入口が形成された面)に向かって突出した壁として備えられ、前記第2面812は、前記基部813の内側縁から前記タブ2の前方面に向かって突出した壁として備えられる。よって、前記第2面812は、前記ドラム投入口722を囲むリング状の壁を形成し、前記第1面811は、前記第2面を囲むリング状の壁を形成する。
【0103】
前記第1面811の自由端と前記第2面812の自由端との間には開放面(前方開放面)が形成されるが、前記開放面は、前記第2体部82によって閉鎖される。よって、前記前方バランサー8の内部には、前記基部813、第1面811、第2面812、及び前記第2体部82によって循環経路84(前方循環経路)が形成される。前記循環経路84は、前記ドラム投入口722を囲むリング状の経路になる。
【0104】
前記前方バランサー8には、前記循環経路84に沿って移動可能なボール841が備えられるが、前記ボール841の数は、必要に応じて複数備えられる。前記循環経路84には、ボールの速度が過度に早くなることを防止する液体が貯留されてもよいが、この場合、前記第2体部82には、液体を前記循環経路84に流入する注入口821(前方注入口)が備えられる。
【0105】
前記前方バランサー8は、締結部85(前方締結部)を介して前記ドラム7に固定される。図3に示すように、前記締結部85は、前記基部813に備えられた固定体851(前方固定体)、及び前記固定体851を前記ドラム体71と前記前方カバー72のうちの少なくとも1つに固定する締結体852(前方締結体)で備えられる。
【0106】
図3は前記締結体852が前記固定体851を前記ドラム体71及び前方カバー72に固定する場合を一例として示している。この場合、前記締結体852は、前記前方バランサー8をドラム7に固定する手段であるだけではなく、前記ドラム体71と前方カバー72も結合する手段となる。
【0107】
前記固定体851が前記第2面812に位置付けられる場合、前記前方バランサー8は、前記ドラム投入口722や前方カバー72に固定される必要がある。しかし、前記ドラム投入口722の直径より前記貫通穴83の直径が長いため、前記ドラム投入口722に前方バランサー8を固定することは容易ではない。
【0108】
また、前記前方カバー72に前記前方バランサー8を固定するためには、前記締結体852は前記前方カバー72に直交するように備えられるが、これは前記ドラムが回転するときに発生する遠心力が前記締結体に剪断応力(shear stress)を誘発する結果となるため、ドラムや第1体部の耐久性を低下する恐れがあり、また前記ドラムの内部の衣類を損傷する問題を引き起こす可能性がある。
【0109】
前記前方バランサー8の耐久性の低下の恐れは、前記貫通穴83の直径が増加するほど大きくなり、前記前方バランサーの破損は、循環経路の内部の液体漏れのような問題を引き起こす(このような問題は、商業用洗濯機のように、ドラムの直径の長い衣類処理装置においてより重要な設計的解決課題に相当する)。
【0110】
一方、前記固定体851が前記第1面811に備えられ、前記締結体852が前記ドラム体71の円周面と前記固定体851を結合するように備えられる場合、前述した問題なく、前記前方バランサー8をドラム7に容易に固定することができる。
【0111】
但し、前記第1面811に前記固定体851が位置付けられる場合、前記循環経路84の直径が短くなるが(固定体の設置に必要な空間確保のために、第1面をドラム投入口が位置した方向に移動させる必要がある)、前記循環経路の直径が短くなることは、前記ドラムが回転するとき、前記ボール841に作用する遠心力が小さくなることを意味し、前記ボール841に作用する遠心力の減少は、前記ドラムのアンバランスの解消に長い時間が求められるという短所がある。
【0112】
前記固定体851が前記基部813に備えられる場合、前記ボール841に作用する遠心力を極大化し、ドラムのアンバランス状態を短時間に解消するという効果が具現できる。
【0113】
図2に示すように、前記前方カバー72は、前記ドラム投入口722が備えられる前方カバー体721、前記前方カバー体721に前記ドラム投入口722を囲むリング状に備えられ、前記基部813が取り付けられる前方取付部723、及び前記前方取付部723から延在し、前記ドラム体71の円周面に接触する前方連結部725を含むように備えられる。前記前方取付部723は、前記前方カバー体721が前記後方カバー73に向かって折り曲げられた溝として備えられる。
【0114】
前記ドラム7が回転するとき、遠心力によって前記第1面811は変形されるが、前記前方カバー72が前述した構造である場合、前記前方連結部725が前記第1面811の変形を抑制する役割を果たす。
【0115】
前記固定体851が前記基部813から前記前方取付部723に向かって突出するように備えられる場合、前記前方取付部723には前記固定体851が収容される前方取付溝724がさらに備えられる。
【0116】
前記前方取付溝724は、前記前方取付部723が前記後方カバー73に向かって折り曲げられた溝として備えられる。前記固定体851は複数備えられる。各々の固定体851は、前記貫通穴83の中心を基準として互いに同じ角度だけ離隔した位置に備えられ、前記前方取付溝724は、前記固定体851の数と同数で備えられる。
【0117】
前記締結体852は、第1固定穴713に挿入され、前記固定体851を前記ドラム体71に固定するが、前記第1固定穴713は、前記ドラム体71の円周面と前記前方連結部725を貫通して、前記前方取付溝724に連結されるように備えられる。
【0118】
前記固定体851が前記前方取付溝724に挿入されるように備えられる場合、前記前方バランサー8と前記ドラム7の締結力を高めることができる。
【0119】
前記固定体851の上端の高さは、図3に示すように、前記第1面811の高さと同一であってもよく、前記第1面811の高さより低い地点に備えられてもよく(H)、図4に示すように、前記第1面811の高さより高い地点に位置するように備えられてもよい。
【0120】
図4の固定体851の構造は、前記ボール841に作用する遠心力を極大化するだけではなく、前記固定体851が前記前方連結部725に支持されるようにして、前記体部81、82の変形が最小化できるという効果がある。
【0121】
前記ドラム7が回転するときに発生する遠心力によって、前記第1面811が変形されることを最小化するために、前記前方バランサー8には、第1補強部86(前方第1補強部)がさらに備えられてもよい。
【0122】
図5に示すように、前記第1体部81には、前記第1面811と前記基部813が連結される角に位置する第1連結面813a(前方第1連結面)及び前記第2面812と前記基部813が連結される角に位置する第2連結面813b(前方第2連結面)を含むように備えられる。前記第1連結面813aは、前記基部813から前記第1体部811に向かって曲がった曲面で備えられ、前記第2連結面813bは、前記基部813から前記第2体部812に向かって曲がった曲面で備えられる。
【0123】
前記第1補強部86は、前記第1面811から前記前方カバー72に向かって(前方取付部に向かって)突出した第1延在部861(前方第1延在部)、及び一端は前記第1延在部861に固定され、他端は前記第1連結面813aに固定された第1支持部862(前方第1支持部)を含むように備えられる。前記第1支持部862は、前記第1延在部861の変形を最小化し、また前記第1延在部861と前記第1連結面813aとの間隔を維持する手段である。
【0124】
前記第2体部82から前記第1延在部861の自由端までの距離(L3)は、前記第2体部82から前記基部813の外周面までの距離と等しく設定されることが好ましい(第1延在部の自由端は、基部と同一平面に位置するように備えられる)。前記前方バランサー8の取り付けのために、前記前方カバー72に求められる空間を最小化するためである。
【0125】
前記第1支持部862は、前記貫通穴83の中心(ドラム投入口の中心)を基準として、互いに同じ間隔に離隔した複数のリブ(第1支持板)で備えられる。図示していないが、前記第1補強部86は、前記第1延在部861と第1支持部862のいずれか1つのみで備えられてもよい。
【0126】
図6に示すように、前記第1延在部861が備えられる場合、前記固定体851は、前記第1延在部861と前記基部813を連結するように備えられる。前記固定体851が前述のように備えられる場合、前記第1延在部861及び前記第1面811が変形する可能性をさらに下げることができる。
【0127】
遠心力による前記第1面811及び基部813の変形を最小化し、前記固定体851の耐久性を高めるために、前記前方バランサー8には、固定体支持部853(前方固定体支持部)がさらに備えられてもよい。
【0128】
前記固定体支持部853は、前記第1延在部861、前記固定体851、及び前記基部813を連結する手段であって、前記第1延在部861と前記基部813を連結する支持体、前記支持体の上端と前記固定体851を連結する上端連結体、及び前記支持体の下端と前記固定体851を連結する下端連結体を含むように備えられる。
【0129】
前記固定体支持部853は、前記固定体851の左側に備えられた固定体第1支持部、及び前記固定体851の右側に備えられた固定体第2支持部で備えられることが好ましい。
【0130】
前記ドラム7が回転するときに発生する遠心力によって前記第2面812が変形されることを最小化するために、前記前方バランサー8には、第2補強部87(前方第2補強部)がさらに備えられてもよい。
【0131】
図5に示すように、前記第2補強部87は、前記第2面812から前記ドラム投入口722に向かって突出した突出部871(前方突出部)として備えられる。前記貫通穴83を形成する前記第2面812に前記突出部871が備えられる場合、遠心力による前記第2面812の変形を最小化することができる。
【0132】
前記第2補強部87は、前記突出部871から前記前方カバー72に向かって延在(前方取付部に向かって延在)する第2延在部872(前方第2延在部)をさらに含むように備えられる。前記第2延在部872は、前記ドラム投入口722を囲むリング状の壁(前記貫通穴)を形成する。
【0133】
前記第2延在部872が備えられる場合、前記第2補強部87には、一端は前記第2延在部872に固定され、他端は前記第2連結面813bに固定される第2支持部873(前方第2支持部)がさらに備えられてもよい。
【0134】
前記第2支持部873は、前記貫通穴83の中心を基準として(ドラム投入口の中心を基準として)互いに同じ間隔に離隔した複数のリブ(第2支持板)で備えられる。
【0135】
図6に示すように、前記第2支持部873は、前記貫通穴83の中心(基部の中心)を基準として同じ角度(A)に離隔した複数のリブで備えられ、実験によれば、角度(A)は、7度~15度に設定されるとき、前記前方バランサー8の変形を効果的に防止可能であることが確認できた。さらに、前記第2支持部873の厚さ(T4)は、前記第2面812の厚さ(T1)の1/2倍以上に設定されることが好ましい。
【0136】
図5に示すように、前記突出部871から前記第2延在部872の自由端までの距離(L2)は、前記突出部871から前記基部813の外周面までの距離(L1)の1/2倍以上に設定されるとき、前記第2面812の変形を効果的に防止することができる。
【0137】
図7は前記第2延在部872の長さ(L2)と前記第2面812の長さ(L1)との比による前記第2支持部873の強度変化に関するグラフである。図7のグラフによれば、L2とL1の長さ比(L2/L1)が0.5未満である場合、長さ比に応じて前記第2支持部873の強度が大きく変化するが、前記長さ比が0.5以上である場合は、前記第2支持部873の強度変化は大きくないことが確認される。よって、最小限の費用で最大の効果を具現するL2とL1の長さ比は、0.5以上1以下とみられる。
【0138】
図5に示すように、前記第2延在部872の長さ(L2)が前記第2面812の長さ(L1)より短く設定される場合、前記第2支持部873の自由端には、傾斜部874(前方傾斜部)が備えられることが好ましい。前記第2支持部873の広さが広くなるほど前記第2面812の変形防止に有利であるからである。前記傾斜部873は、前記第2延在部872の自由端から前記第2連結面813bを連結する傾斜面として備えられる。
【0139】
前記第2延在部872の厚さ(T3)は、前記第2面812の厚さ(T1)以下に設定されるとき、第2面812の変形防止に効果的であり、前記第2延在部872の厚さ(T3)が前記第2面の厚さ(T1)の0.7倍~0.9倍に設定されるとき、最も効果的であることが確認できた。
【0140】
一方、前記第2面812と前記第2延在部872を連結する前記第2支持部873の高さ(T2)は、前記突出部871から前記第2延在部872の自由端までの距離(L2)の0.3倍以上に設定されるとき、第2面812の変形防止に効果的である。
【0141】
図8は前記後方バランサー9の一例を示し、前記後方バランサー9の構造は、前述した前方バランサー8の構造と同様に備えられる。
【0142】
すなわち、前記後方バランサー9は、前記ドラム体71又は前記後方カバー73に固定され、前記駆動軸791を囲むリング状の後方体91、92を含むように備えられる。前記後方体は、前記ドラム7に固定される後方第1体部91、前記後方第1体部に固定された後方第2体部92、及び前記後方第1体部及び後方第2体部を貫通するように備えられ、前記駆動軸791が貫通する後方貫通穴93を含むように備えられる。
【0143】
図9に示すように、前記後方第1体部91は、前記駆動軸761を囲むリング状に備えられた後方基部913、前記後方基部913の外側縁に沿って備えられるリング状の後方第1面911、及び前記後方基部813の内側縁に沿って備えられるリング状の後方第2面912を含むように備えられる。
【0144】
前記後方基部913は、前記後方第1体部91のうち、前記後方カバー73が位置した地点に向かうリング状の平面で備えられる。前記後方基部913がリング状に備えられる場合、前記後方基部913には前記駆動軸761に近い内側円周面(内側縁)と前記ドラム体71の円周面に近い外側円周面(外側縁)が形成される。
【0145】
前記後方第1面911は、前記後方基部913の外側縁から前記タブ2の後方面に向かって突出した壁として備えられ、前記後方第2面912は、前記後方基部913の内側縁から前記タブ2の後方面に向かって突出した壁として備えられる。よって、前記後方第2面912は、前記駆動軸761を囲むリング状の壁を形成し、前記後方第1面911は、前記後方第2面を囲むリング状の壁を形成する。
【0146】
前記後方第1面911の自由端と前記後方第2面912の自由端との間には開放面が形成されるが、前記開放面は、前記後方第2体部92によって閉鎖される。よって、前記後方バランサー9には、前記後方基部913、後方第1面911、後方第2面912、及び前記後方第2体部92によって後方循環経路94が形成される。前記後方循環経路94は、前記駆動軸761を囲むリング状の経路となる。
【0147】
前記後方バランサー9には、前記後方循環経路94に沿って移動可能なボール941(後方ボール)が備えられ、ボールの速度が過度に早くなることを防止するために、前記後方循環経路94には液体が貯留される。
【0148】
前記後方バランサー9は、後方締結部95を介して前記ドラム7に固定される。前記後方締結部95は、前記後方基部913に備えられた後方固定体951、及び前記後方固定体951を前記ドラム体71と前記後方カバー73のうちの少なくとも1つに固定する後方締結体952で備えられる。図9は、前記後方締結体952が前記後方固定体951を前記ドラム体71及び後方カバー73に固定する場合を一例として示している。
【0149】
前記後方固定体951が前記後方基部913に備えられる場合、前記ボール941に作用する遠心力を極大化し、ドラムのアンバランス状態を短時間に解消するという効果を具現することができる。
【0150】
前記後方固定体951の上端の高さは、前記後方第1面911の高さと等しいか、前記第1面811の高さより低い地点に備えられてもよく(H)、前記後方第1面911の高さより高い地点に位置するように備えられてもよいが、図9は後者の場合を一例として示している。
【0151】
図8に示すように、前記後方カバー73は、前記駆動軸761が固定される後方カバー体731、前記後方カバー体731に前記駆動軸761を囲むリング状に備えられ、前記後方基部913が取り付けられる後方取付部733、及び前記後方取付部733から延在し、前記ドラム体71の円周面に接触する後方連結部735を含むように備えられる。
【0152】
前記ドラム7が回転するとき、遠心力によって前記後方第1面911は変形されるが、前記後方カバー73が前述した構造である場合、前記後方連結部735が前記後方第1面911の変形を抑制する役割を果たす。
【0153】
前記後方固定体951が前記後方基部913から前記後方取付部733に向かって突出するように備えられる場合、前記後方取付部733には前記後方固定体951が収容される後方取付溝734がさらに備えられてもよい。前記後方取付溝734は、前記後方取付部733が前記前方カバー72に向かって折り曲げられた溝として備えられる。
【0154】
前記後方固定体951は複数備えられてもよい。各々の後方固定体951は、前記後方貫通穴93の中心を基準として互いに同じ角度だけ離隔した位置に備えられ、前記後方取付溝734は、前記後方固定体951と同数で備えられる。
【0155】
前記後方締結体952は、第2固定穴715に挿入され、前記後方固定体951を前記ドラム体71に固定するが、前記第2固定穴715は、前記ドラム体71の円周面と前記後方連結部735を貫通して、前記後方取付溝734に連結されるように備えられる。
【0156】
前記後方固定体951が前記後方取付溝734に挿入されるように備えられる場合、前記後方バランサー9と前記ドラム7の締結力を高めることができる。
【0157】
前述した構造の衣類処理装置は、ドラムのアンバランス状態を短時間に解消可能であるだけではなく、前記後方バランサー9の取り付けのために、前記後方カバー73に求められる空間が最小化できるという効果がある。
【0158】
前記ドラム7が回転するときに発生する遠心力によって、前記後方第1面911及び前記後方第2面912が変形されることを最小化するために、前記後方バランサー9には、後方第1補強部96及び後方第2補強部97のうちの少なくとも1つがさらに備えられてもよい。
【0159】
前記後方第1補強部96及び前記後方第2補強部97の構造は、前述した前方バランサーの第1補強部86及び第2補強部87の構造と同様に備えられる。
【0160】
図5に示すように、前記後方第1体部91には、前記後方第1面911と前記後方基部913が連結される角に位置する後方第1連結面913a及び前記後方第2面912と前記後方基部913が連結される角に位置する後方第2連結面913bを含むように備えられる。前記後方第1連結面913aは、前記後方基部913から前記後方第1体部911に向かって曲がった曲面として備えられ、前記後方第2連結面913bは、前記後方基部913から前記後方第2体部912に向かって曲がった曲面として備えられる。
【0161】
この場合、前記後方第1補強部96は、前記後方第1面911から前記後方カバー73に向かって突出した後方第1延在部961、及び一端は前記後方第1延在部961に固定され、他端は前記後方第1連結面913aに固定された後方第1支持部962を含むように備えられる。前記後方第1支持部962は、前記駆動軸761を基準として互いに同じ間隔に離隔した複数のリブ(後方第1支持板)で備えられる。
【0162】
図6に示すように、前記後方第1延在部961が備えられる場合、前記後方固定体951は、前記後方第1延在部961と前記後方基部913を連結するように備えられ、前記後方固定体951の両側には、後方固定体支持部953が備えられる。
【0163】
前記後方固定体支持部953は、前記後方第1延在部961、前記後方固定体951、及び前記後方基部913を連結する手段であって、前記後方第1延在部961と前記後方基部913を連結する支持体、前記支持体の上端と前記後方固定体951を連結する上端連結体、及び前記支持体の下端と前記後方固定体951を連結する下端連結体を含むように備えられる。
【0164】
前記後方固定体支持部953は、前記後方固定体951の左側に備えられた後方固定体第1支持部、及び前記後方固定体951の右側に備えられた後方固定体第2支持部で備えられることが好ましい。
【0165】
図5に示すように、前記後方第2補強部97は、前記後方第2面912から前記ドラムの回転中心(駆動軸)に向かって突出した後方突出部971、前記後方突出部971から前記後方カバー73に向かって延在する後方第2延在部972、及び一端は前記後方第2延在部972に固定され、他端は前記後方第2連結面913bに固定される後方第2支持部973を含むように備えられる。
【0166】
前記後方第2支持部973は、前記後方貫通穴93の中心を基準として互いに同じ間隔に離隔した複数のリブ(後方第2支持板)で備えられ、前記後方第2支持部973の自由端には、後方傾斜部974が備えられる。
【0167】
前記後方第2補強部97は、前記後方突出部971のみで備えられてもよく、前記後方突出部971及び後方第2支持部973のみで備えられてもよく、前記後方突出部971及び後方第2延在部972のみで備えられてもよい。前記前方バランサーに備えられた第2補強部87も同様である。
【0168】
前述した後方第1補強部96及び後方第2補強部97の厚さ、長さ及び配置に関する特徴は、前述した前方バランサー8の第1補強部86及び第2補強部87と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0169】
図9に示すように、前記前方カバー72の厚さと前記後方カバー73の厚さの設定は異なってもよい。前記後方カバー73に前記駆動軸761から外力が入力されることを考慮すれば、前記後方カバー73の厚さが前方カバー72の厚さより厚く設定されることを好ましい。
【0170】
この場合、前記ドラム体71には、前記第1固定穴713を前記ドラム投入口722が位置した方向に向かって移動させる収容溝714がさらに備えられてもよい。前記前方バランサー8と後方バランサー9を同じ構造で設計して、前記前方カバー72と後方カバー73の厚さが異なる場合、前記第1固定穴713の位置を前記前方バランサー8の固定体851に接触する地点まで移動しなければ、前記前方バランサー8の耐久性の低下を最小化することができない。
【0171】
前述した実施例による前方バランサー8及び後方バランサー9の循環経路84、94の内部には、ボール841、941のみが備えられてもよく、ボール及び液体がいずれも備えられてもよく、液体のみが備えられてもよい。
【0172】
前述した衣類処理装置は、様々な形態に変更して実施されることができ、本発明の権利範囲は前述した実施例に限られない。
【0173】
〔特許請求の範囲(国際出願時)〕
〔請求項1〕
衣類処理装置であって、
投入口を備えたキャビネット;
前記キャビネットの内部に備えられ、水が貯留される空間を提供し、前記投入口に連結されるタブ投入口を備えたタブ;
前記タブの内部に回転自在に備えられ、前記タブ投入口に供給される衣類を収容する空間を付与するドラム;
前記ドラムの回転中心を囲むリング状に備えられ、前記ドラムに固定される基部、前記基部の外側縁に沿って備えられるリング状の第1面、前記基部の内側縁に沿ってリング状に備えられ、前記基部及び前記第1面と共に循環経路を形成する第2面、及び前記循環経路に沿って移動可能なボール、を備えたバランサー;及び
前記基部に備えられ、前記バランサーを前記ドラムに固定する締結部;を備えることを特徴とする、衣類処理装置。
〔請求項2〕
前記ドラムは、
前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;
前記ドラム体のうち、前記タブ投入口を備えた方向に位置する前方カバー;
前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;
前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び
前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口;を備え、
前記バランサーは、前記前方カバーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
〔請求項3〕
前記締結部は、
前記基部に備えられた固定体;及び
前記固定体を前記ドラム体と前記前方カバーのうちの少なくとも1つに固定される締結体;を備えることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
〔請求項4〕
前記固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置することを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
〔請求項5〕
前記前方カバーは、
前記ドラム投入口が備えられる前方カバー体;
前記前方カバー体に前記ドラム投入口を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる前方取付部;及び
前記前方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する前方連結部;を備え、
前記固定体及び前記前方連結部は、前記締結体によって前記ドラム体に固定されることを特徴とする、請求項3に記載の衣類処理装置。
〔請求項6〕
前記固定体は、前記基部から前記前方取付部に向かって突出するように備えられ、
前記前方取付部は、前記固定体を収容する前方取付溝を備えることを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
〔請求項7〕
前記第1面から前記前方取付部に向かって延在する第1延在部;を更に備え、
前記固定体は、前記第1延在部と前記基部を連結することを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
〔請求項8〕
前記第1面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第1体部に向かって曲がった第1連結面;及び
一端は前記第1延在部に固定され、他端は前記第1連結面に固定され、前記第1延在部と前記第1連結面との間隔を維持する第1支持部;を更に備えることを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
〔請求項9〕
前記第2面から前記ドラム投入口に向かって突出した突出部;を更に備えることを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
〔請求項10〕
前記第2面と前記基部が連結される角に位置し、前記基部から前記第2体部が位置した方向に向かって曲がった第2連結面;
前記突出部から前記前方取付部に向かって延在し、前記ドラム投入口を囲むリング状に構成された第2延在部;及び
一端は前記第2延在部に固定され、他端は前記第2連結面に固定され、前記第2延在部と前記第2連結面との間隔を維持する第2支持部;を更に備えることを特徴とする、請求項9に記載の衣類処理装置。
〔請求項11〕
前記突出部から前記延在部の自由端までの距離は、前記突出部から前記基部の外周面までの距離の1/2倍以上に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
〔請求項12〕
前記支持部は、前記延在部の自由端から前記連結面を連結する傾斜部を更に備えることを特徴とする、請求項11に記載の衣類処理装置。
〔請求項13〕
前記第2延在部の厚さは、前記第2面の厚さ以下に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の衣類処理装置。
〔請求項14〕
前記ドラムは、
前記タブの内部に位置する円筒状のドラム体;
前記ドラム体のうち、前記タブ投入口を備えた方向に位置する前方カバー;
前記前方カバーに対向する位置に備えられた後方カバー;
前記ドラム体を貫通するように備えられた連通孔;及び
前記前方カバーを貫通するように備えられ、衣類を前記ドラム体に流入させるドラム投入口;を備え、
前記バランサーは、前記後方カバーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
〔請求項15〕
前記締結部は、
前記基部に備えられた後方固定体;及び
前記後方固定体を前記ドラム体と前記後方カバーのうちの少なくとも1つに固定する後方締結体;を備えることを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
〔請求項16〕
前記後方固定体の最上端の高さは、前記第1面の最上端の高さよりも低い地点に位置することを特徴とする、請求項15に記載の衣類処理装置。
〔請求項17〕
前記後方カバーに固定された駆動軸によって前記ドラムを回転させる駆動部;を更に備え、
前記後方カバーは、
前記駆動軸が固定される後方カバー体;
前記後方カバー体に前記駆動軸を囲むリング状に備えられ、前記基部が取り付けられる空間を提供する後方取付部;及び
前記後方取付部から延在し、前記ドラム体に接触する後方連結部;を備え、
前記後方固定体及び前記後方連結部は、前記後方締結体によって前記ドラム体に固定されることを特徴とする、請求項15に記載の衣類処理装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】