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特表2024-537506オストミーバッグからの尿廃液の排出用の排液アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】オストミーバッグからの尿廃液の排出用の排液アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525750
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022046988
(87)【国際公開番号】W WO2023076073
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/273,238
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524156342
【氏名又は名称】ジーブイ ソリューションズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,マリオン アール.
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC18
4C098CD10
4C098DD25
(57)【要約】
オストミーバッグと共に用いられる排液アセンブリ、及び排液アセンブリを利用して尿を排液するオストミーバッグ装置。排液アセンブリは、オストミーバッグに取り付けられるように構成されたコネクタを含む。可撓性導管はコネクタから延びる。吐出弁は、コネクタからの可撓性導管の遠位端に位置決めされる。可撓性導管は、オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の排液位置にオストミーバッグ着用者が吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミーバッグへの取付用の排液アセンブリであって、
前記オストミーバッグに取り付けられるように構成されたコネクタと、
前記コネクタから延びる可撓性導管と、
前記コネクタからの前記可撓性導管の遠位端における吐出弁と
を含み、
前記可撓性導管は、前記オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置に前記オストミーバッグ着用者が前記吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む、
排液アセンブリ。
【請求項2】
前記排液アセンブリは、前記吐出弁の出口を覆うように配設及び配置されたキャップを含む、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項3】
前記可撓性導管は、前記オストミーバッグ着用者の衣服内の目立たない後退位置と前記吐出位置との間で操作するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項4】
前記可撓性導管及び前記吐出弁は、一体の構成要素である、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項5】
前記コネクタ、前記可撓性導管、及び前記吐出弁は、一体の構成要素である、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項6】
前記吐出弁は、前記吐出弁を容易に操作するための細長い幾何学形状を含む、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項7】
前記吐出弁は、回転弁アクチュエータを備えた薄型弁である、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項8】
前記可撓性導管の長さは、3インチ~8インチである、請求項1に記載の排液アセンブリ。
【請求項9】
オストミーバッグからの廃尿の排出用のオストミーバッグ装置であって、
オストミーバッグ着用者からの廃尿を受け入れるためのオストミーバッグと、
前記オストミーバッグに着脱可能に係合された排液アセンブリであって、
前記オストミーバッグに取り付けられるように構成されたコネクタと、
前記コネクタから延びる可撓性導管と、
前記コネクタからの前記可撓性導管の遠位端における吐出弁と
を含む、排液アセンブリと
を含み、
前記可撓性導管は、前記オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置に前記オストミーバッグ着用者が前記弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む、
オストミーバッグ装置。
【請求項10】
前記排液アセンブリは、前記吐出弁の出口を覆うように配設及び配置されたキャップを含む、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項11】
前記可撓性導管は、前記オストミーバッグ着用者の衣服内の目立たない後退位置と前記吐出位置との間で操作するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項12】
前記可撓性導管及び前記吐出弁は、一体の構成要素である、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項13】
前記コネクタ、前記可撓性導管、及び前記吐出弁は、一体の構成要素である、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項14】
前記吐出弁は、前記吐出弁を容易に操作するための細長い幾何学形状を含む、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項15】
前記吐出弁は、回転弁アクチュエータを備えた薄型弁である、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項16】
前記可撓性導管の長さは、3インチ~8インチである、請求項9に記載のオストミーバッグ装置。
【請求項17】
オストミーバッグへの取付用の排液アセンブリの組立用のキットであって、
複数の可撓性導管であって、各可撓性導管は、コネクタへの及び前記可撓性導管の遠位端での吐出弁への取付を許容する構成を有し、前記コネクタは、前記オストミーバッグに取り付けられるように構成される、複数の可撓性導管と、
前記コネクタからの遠位端での前記可撓性導管への接続を許容するように構成された前記吐出弁と
を含み、
前記可撓性導管は、前記コネクタ及び前記吐出弁に組み付けられる場合、前記オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置に前記オストミーバッグ着用者が前記吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む、
キット。
【請求項18】
前記吐出弁の頂部を覆うためのキャップを更に含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記キットの要素を受け入れるための封止可能な容器を更に含む、請求項17に記載のキット。
【請求項20】
前記可撓性導管の各可撓性導管の長さは、3インチ~8インチである、請求項17に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に出願された“BOBTAIL TUBE EXTENSION WITH VALVES FOR ELIMINATION OF URINE WASTE FROM AN OSTOMY BAG”という名称の、米国仮特許出願第63/273,238号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、概して、医療器具を対象とする。特に、本開示は、オストミーバッグからの尿廃液の排出用の排液アセンブリ及びオストミーバッグ装置を対象とする。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
オストミーバッグ又はパウチは、胃壁におけるストーマから排液される尿を捕捉するために使用される。現在のオストミーバッグから様々な方法で排液される。一部のバッグは、閉じたバッグの底部を挟持するための長いピン状の装置を有する。他のオストミーバッグは、栓をすることができる開口部又は開状態若しくは閉状態になる弁のいずれかである弁を有する。
【0004】
あらゆる既知のオストミーバッグでは、空にするために面倒な方法が行われる。立っている又は座っている間に空にするために、オストミーバッグを衣服から引き抜かなければならない。これには、尿の排液を可能にするためにピン又は栓が取り外され、及び/又は、弁が開かれるときに、着用者又は介護者がバッグを保持することが必要となる。男性でも女性でも同じ方法でバッグが空にされる。バッグの排液はバッグの底部にある開口部から行われ、このことは、廃棄場所に向かっている間、開口部を保持しなければならないことを意味する。あらゆるオストミーバッグを空にする現在のプロセスでは、バッグの底部に非常に短い弁又は栓が使用されている。これらの弁又は栓は、約1/2インチしか延びていない。この排液方法は、望ましくない正確さの欠如をもたらし、こぼれ及び汚れを生じさせる。
【0005】
排液アセンブリ、オストミーバッグ装置、及び既存のオストミーバッグよりも簡便で目立たず且つ正確に尿を排液するための方法が必要とされている。他の特徴及び利点は、本明細書から明らかになるであろう。開示する教示は、前述の要求の1つ又は複数を満たすかどうかにかかわらず、特許請求の範囲に含まれる実施形態に及ぶ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本開示は、オストミーバッグの男性及び女性の着用者が目立たないように且つより正確に尿廃液のバッグを空にすることを可能にする排液アセンブリ及びオストミーバッグ装置を対象とする。例えば、本開示によるオストミーバッグ装置によって、男性の着用者が、吐出弁を備えた可撓性導管を単に引き出して弁を開くだけで小便器にいる間に装置を使用することが可能となる。同様に、本開示による排液アセンブリは、女性が大便器の方を向いて立ち、オストミーバッグから排液することを可能にする。より長い排液アセンブリは、様々な衣類品に対応するのに役立つ。排液アセンブリはまた、男性又は女性が容易に着座してオストミーバッグの中身を大便器内に出すことを可能にする。排液アセンブリによって、全ての使用者にプライバシー及び正確性が与えられる。
【0007】
本開示の実施形態によれば、オストミーバッグと共に用いられる排液アセンブリが提供される。排液アセンブリは、オストミーバッグに取り付けられるように構成されたコネクタを含む。可撓性導管はコネクタから延びる。吐出弁は、コネクタからの可撓性導管の遠位端に位置決めされる。可撓性導管は、オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置にオストミーバッグ着用者が吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を有する。
【0008】
本開示の実施形態によれば、オストミーバッグからの廃尿の排出用のオストミーバッグ装置が提供される。オストミーバッグ装置は、オストミーバッグ着用者からの廃尿を受け入れるためのオストミーバッグを含む。オストミーバッグ装置はまた、オストミーバッグに着脱可能に係合された排液アセンブリを含む。排液アセンブリは、オストミーバッグに取り付けられるように構成されたコネクタを含む。可撓性導管はコネクタから延びる。吐出弁は、コネクタからの可撓性導管の遠位端に位置決めされる。可撓性導管は、オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置にオストミーバッグ着用者が吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を有する。
【0009】
本開示の実施形態によれば、オストミーバッグへの取付用の排液アセンブリの組立用のキットが提供される。キットは、複数の可撓性導管を含み、各可撓性導管は、可撓性導管の遠位端においてコネクタ及び吐出弁への取付を許容する構成を有する。コネクタは、オストミーバッグに取り付けられるように構成される。吐出弁は、コネクタからの遠位端において可撓性導管への接続を許容するように構成される。可撓性導管は、コネクタ及び吐出弁に組み付けられる場合、オストミーバッグからの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服の外側の吐出位置にオストミーバッグ着用者が吐出弁を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を一例として示す添付図面と併せて解釈される、好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な説明
図1】本開示の実施形態による排液アセンブリを概略的に示す。
図2】本開示の実施形態による排液アセンブリを利用するオストミーバッグアセンブリを概略的に示す。
図3】本開示の実施形態による排液アセンブリを利用するオストミーバッグアセンブリを有するオストミーバッグ着用者を概略的に示す。
図4】本開示の実施形態による排液アセンブリが代替位置にある図3のオストミーバッグ着用者を示す。
図5】着用者の衣服を通して本開示の実施形態による排液アセンブリの一部の向きを定める図3のオストミーバッグ着用者を示す。
図6】本開示の実施形態による、オストミーバッグへの取付用の排液アセンブリの組立用のキットを示す。
図7】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる吐出弁を示す。
図8】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる代替吐出弁を示す。
図9】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる代替吐出弁を示す。
図10】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる代替吐出弁を示す。
図11】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる代替吐出弁を示す。
図12】本開示の実施形態による排液アセンブリと共に用いられる代替吐出弁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可能な限り、図面全体を通じて同じ部品を表すように同じ参照番号が使用される。
【0013】
発明の詳細な説明
本明細書では、人工膀胱造設術を受けたことがある人などの、オストミーバッグ着用者が、オストミーバッグからの尿廃液のより目立たない排液と、尿廃液の流れの大きな制御の両方を行うことができるようにする、新規で有用な装置及びシステムが開示される。例えば、本開示によるオストミーバッグ装置は、小便器の使用時に男性の着用者に正常であるという感覚を与える。加えて、本開示によるオストミーバッグ装置は、小便器内、大便器内、又は他の適切な排液容器内のいずれかに簡便に、正確に且つ目立たないようにオストミーバッグの中身を出すことができるという安心感を、男性と女性の両方のオストミーバッグ使用者に与える。
【0014】
本開示による排液アセンブリを使用することによって、男性は、本開示による排液アセンブリが取り付けられたオストミーバッグを着用し、着用者の衣服からオストミーバッグを取り出す必要なしに、目立たないように小便器の前に立っている間にオストミーバッグを空にすることができる。同様に、本開示による排液アセンブリの使用によって、男性又は女性は、大便器に着座している間に尿の流れ及び方向をより大きく制御してバッグを空にする。オストミーバッグ着用者は、まるで膀胱を空にする自然な方法のように、排液アセンブリの端部を小便器内に向けることによって、空にする尿の流れの方向を大きく制御して、オストミーバッグから排液し得る。代替的に、排液アセンブリは、吐出弁が便座よりも下にある着座位置にオストミーバッグ着用者が位置する状態で位置決めされ得、これによって、男性又は女性が、オストミーバッグからの簡便で目立たない排液を利用することが可能となる。別の実施形態では、例えば、利用できるトイレがない場合、吐出弁を廃液容器内に向けることができ、オストミーバッグの中身が、ボトル又は他の容器などの、簡便な廃液容器内へ出され得る。本開示の発明の更なる目的及び利点は、公共の場でオストミーバッグを空にする簡便で目立たない仕方を提供する方法を可能にすることである。
【0015】
図1及び図2は、本開示の実施形態によるオストミーバッグ201及びオストミーバッグ装置200(図2を参照)と共に使用される排液アセンブリ100(図1を参照)を示す。排液アセンブリ100は、オストミーバッグ201に取り付けられるように構成されたコネクタ103を含む。コネクタ103は、オストミーバッグ201に着脱可能に係合する。コネクタ103は、フック、戻り止め、ねじ切り部、留め具、締結具、又はオストミーバッグ201にコネクタが着脱可能に係合することを可能にする任意の他の接続機構などの、機構を含み得る。特定の実施形態では、コネクタ103は、夜間用バッグへの接続などの、他のオストミーバッグ付属品への接続のための、オストミーバッグ製造業者から市販されているコネクタであり得る。可撓性導管105は、コネクタ103に取り付けられ、コネクタ103から延びる。可撓性導管105は、一体の構成要素としてコネクタ103に接続され得るか、又はホースバーブ若しくはテーパ状コネクタなどの、適切な取付機構によって取り付けられ得る。様々な構成のコネクタ103が存在する。1つのタイプのコネクタ103は、オストミーバッグ201又はパウチの底部に位置する排液弁の遠位端に見られるポート上にスナップ留めすることによって接続する。他のコネクタ103は、栓が取り外された時点でテーパーコーンの雄型端部を排液チューブに押し込むことによって接続する。このタイプは、弁がなく栓付きチューブを使用するバッグと共に使用される。排液栓が引き抜かれ、コーンが挿入される。一実施形態では、コネクタ103は、長いチューブ、通常は4~6フィートのチューブをオストミーバッグ201又はパウチの排液開口部に接続し、遠位端において夜間排液回収システム(図示せず)に接続するために使用され得る構成を有する。
【0016】
吐出弁107は、コネクタ103からの可撓性導管105の遠位端に位置決めされる。コネクタ103と同様に、可撓性導管105は、ホースバーブ又はテーパ状コネクタなどの、適切な取付機構によって吐出弁107に取り付けられ得、又は可撓性導管105及び吐出弁107は、一体の構成要素であり得る。可撓性導管105は、オストミーバッグ201からの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者301の衣服の外側の吐出位置にオストミーバッグ着用者301が吐出弁107を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を有する。可撓性導管105の適切な長さは、約3インチ~約8インチの長さを含む。代替的に、本開示による、可撓性導管105を含む排液アセンブリ100の長さは、4インチ~8インチであり得、使用者の好みに依存し得る。可撓性導管105の長さは、排液容器内への排液を許容する位置への吐出弁107の位置決めを可能にするのに十分に長いが、よじれ又は保管の問題を回避するのに十分に短い長さとなるように制限される。加えて、排液アセンブリ100の全長が非常に短い場合、排液するために衣服を通して排液アセンブリ100を引っ張ることが困難であり及び/又は引っ張るのに不便である。排液アセンブリ100が短すぎると、排液アセンブリ100がパンツの中に滑り込むことがあり、その結果、着用者は、衣服の内側の排液アセンブリ100を探し出す又は排液アセンブリ100に手を伸ばす必要が生じる場合がある。可撓性導管105の長さは、オストミーバッグ201の簡便な排液を可能にし、着用者がオストミーバッグ装置200を快適に着用することを許容する役割を果たす。可撓性導管105が長すぎると、吐出弁107及び可撓性導管105が着用者の脚へ落下するか又は着用者の性器に当たることがある。
【0017】
可撓性導管105は、尿又は他の体液と接触するのに適した任意の可撓性材料から製造され得る。例えば、可撓性導管105は、ラテックス不使用のビニルチューブなどの、熱可塑性ポリマー又はフッ素樹脂ポリマーであり得る。可撓性導管105の適切な材料としては、限定されるものではないが、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、シリコーン、ナイロン、Nalgene、熱可塑性エラストマー(TPE)、又は他の適切な可撓性管材が挙げられる。構造材料の曲げ弾性率に加えて、可撓性導管105の可撓性は壁厚によってもたらされる。可撓性導管105の直径及び壁厚は、廃尿の排液と排液アセンブリ100の柔軟な操作とに適した直径である。例えば、一実施形態では、可撓性導管105の直径は、約5mm~約15mm、又は約7mm~約13mm、又は約8mm~約10mm若しくは約9mmであり得る。同様に、一実施形態では、壁厚は、約1.0mm~約2.0mm若しくは約1.25mm~約1.75mm、又は約1.4mm~約1.6mm若しくは約1.5mmであり得る。材料の可撓性は、液体の流れを可能にする開放チューブを維持するのに十分に高い又は十分に硬いが、吐出弁107の移動及び位置決めを許容するのに十分に低い又は十分に柔軟な曲げ弾性率を含む。更に、可撓性導管105は、よじれ及び液体の流れの遮断を防ぐのに十分な可撓性を有する。加えて、可撓性導管105は、曲げられた又は圧縮された後に元の形状に弾性的に戻るのに十分な弾性を有し、及び/又は伸張若しくは拡張された後にその形状に素早く戻るのに十分な弾力性を有する。加えて、可撓性導管105は、きつい曲げでのねじれに耐える硬度を有する必要がある。可撓性導管105の硬度は、デュロメータとして測定され、異なるスケール、すなわち、ショアA、ショアD、及びロックウェルRは、一般的にプラスチック及びゴム材料に対して使用される。スケール数値が低いほど、材料はより柔らかく、より柔軟になる。例えば、典型的なラテックスチューブの硬度評価は、ショアA35である。ポリウレタンチューブは、それほど柔らかくないため、ショアA70~A95の間で測定することができる。ナイロン及びポリエチレンのようなより硬い材料は通常、ショアDスケールで測定され、他の材料(例えば、ポリプロピレン)では、ロックウェルRスケールが使用される。可撓性はまた、硬度又はデュロメータ及び壁厚の関数であり得る。加えて、可撓性導管105の全長も可撓性に影響を及ぼし得る。例えば、長さ6インチの可撓性導管105は、2.5インチの可撓性導管よりも可撓性が高い。より低いデュロメータ数値が可撓性導管105には望ましい。
【0018】
一実施形態では、可撓性導管105は、Thermo Fisher Scientific(Waltham, Massachusetts)、Convatec(Reading, Berkshire, England, UK)又はSaint Gobain Performance Plastics(La Defense, Courbevoie, France)から市販されている医療用チューブから形成され得る。取り外し可能なキャップ109は、任意選択的に、吐出弁107からの望ましくない尿の流れを防止するために、吐出弁107上に位置決めされ得る。キャップ109は、吐出弁107の近傍にキャップ109を保持するためのテザー又は同様の保持機構を含み、例えば小便器又は大便器での、キャップ109の紛失又は落下を防止し得る。別の実施形態では、可撓性導管105は、バッグを曲げる又はねじることなく、オストミーバッグ201の底部からジッパー開口部まで曲がることをより容易にするための可撓性コルゲートチューブである。
【0019】
図2は、本開示の実施形態によるオストミーバッグ装置200を示す。オストミーバッグ装置200は、腎臓から体外のバッグ又はリザーバへの尿の方向転換をもたらす、人工膀胱造設術又は他の類似の医療処置を受けた人からの廃尿を受け入れるように構成されたオストミーバッグ201を含む。本明細書で用いられる場合、「オストミーバッグ」とは、尿を収集するために用いられるバッグ又はパウチを指す。オストミー「バッグ」及び「パウチ」という用語は、本明細書では交換可能に用いられる。例えば、オストミーバッグ着用者301は、人工膀胱造設術を受けたことがある可能性がある。人工膀胱造設術は、患者の腹部にストーマを作成する手術である。具体的には、ストーマは、尿を体外に流出させるために尿路内の場所に取り付けられる。人工膀胱のほとんどは右側に設置され、臍の高さよりも上又は下に位置する可能性がある。ストーマにおいて、オストミーバッグ201は、廃棄のために尿を収集する目的で、着用者に取り付けられ得るか又は他の方法で位置決めされ得る。多数の異なる製造業者から入手可能である、多数の構成のオストミーバッグ201が存在する。これらのオストミーバッグ201は、オストミーバッグ201からの廃尿の排液を許容するオストミーバッグ201の端部における排液開口部205及びストーマからの尿を受け入れるための入口開口部203をオストミーバッグ201の側面に含む。図2に示すように、オストミーバッグ201は、バッグからの意図しない尿の流れを制御するために、排液開口部205に弁を含み得る。図2はこの弁を示しているが、弁は省略されることがあり、キャップ109、ピン、挟持接続部、又は他の流れ抑制機構が含まれ得る。図2に示すように、意図しない尿の流れを防止するために、弁に加えて排液キャップ207が利用され得る。
【0020】
排液アセンブリ100は、特定のオストミーバッグ201からの排液に適合するようにコネクタ103を構成することによって、構成又は製造業者にかかわらず、任意のオストミーバッグ201に取り付けられ得る。コネクタ103は、オストミーバッグ201の嵌合機構209と着脱可能に係合する。嵌合機構209は、バーブ、テーパ部、ねじ切り部、留め具、突起、又はコネクタ103に着脱可能に係合して液体の漏出を防止する他の接続機構を含む、任意の適切な機構を含み得る。これらの機構は、例えば、製造業者又はオストミーバッグ装置によって異なり得る。例えば、オストミーバッグ201は、Hollister(Libertyville, Illinois)、Convatec(Reading, England, United Kingdom)、及びColoplast(Humlebaek, Denmark)を含む様々な製造業者から入手可能である。これらの製造業者の嵌合機構209と嵌合するコネクタ103は、様々な直径及び構成を有し得る。しかしながら、コネクタ103は、本開示の実施形態によれば、排液アセンブリ100の可撓性導管105と一体であるか、又は可撓性導管105に接続する。例えば、コネクタ103は、可撓性導管105に接続するのに適したホースバーブ又は他の接続部を含み得る。嵌合機構209及びコネクタ103は、夜間用容器などの、オストミーバッグ付属品への取付用に排液アセンブリ100がオストミーバッグ201から容易に取り外され得るように、又はバッグが長い着用期間にわたって着用者に対して薄い形状を有するように、着脱可能である。
【0021】
図3は、オストミーバッグ201が装着されたストーマ303を有するオストミーバッグ着用者301を示す。オストミーバッグ201は、本開示によるオストミーバッグ装置201の一部である。図2に示すように、オストミーバッグ装置200は、オストミーバッグ201に取り付けられるコネクタ103を有する排液アセンブリ100を含む。コネクタ103は同様に、吐出弁107に延びる可撓性導管105に取り付けられる。図4は、可撓性導管105及び吐出弁107が代替位置にある、図3に示し説明したようなオストミーバッグ装置200を含む。排液アセンブリ100における可撓性導管105の使用によって、そのような位置決めが可能となる。吐出弁107及び可撓性導管105の位置決めは、図3図5に示す位置決めに限定されるものではないが、可撓性導管105によって提供される範囲内の任意の位置決め又は保管を含み得る。例えば、吐出弁107は、着用者の衣服501のポケット又はウエストバンド内に位置決めされ又は押し込まれ得る。別の実施形態では、吐出弁107を含む遠位端が、着用者の衣服501によって見えない所に隠された、下着の開口部から又は開口部を通って少なくとも部分的に突き出た状態で、オストミーバッグ装置200が着用されることが可撓性導管105によって可能となる。吐出弁107及び可撓性導管105の柔軟な位置決めによって、オストミーバッグ着用者301の衣服内での吐出弁107及び可撓性導管105の目立たない簡便な保管及び位置決めが許容される。
【0022】
図5は、本開示による実施形態を示し、この実施形態では、小便器又は大便器などの、外部排液容器内へのオストミーバッグ201からの排液を許容するために、オストミーバッグ着用者の衣服501における開口部を通して吐出弁107の向きが定められている。吐出弁107の位置決めは、図5に示す位置決めに限定されるものではなく、着用者の衣服501のウエストバンドの上への、着用者のスカート若しくは半ズボンの下への、又は着用者の衣服501の他の開口部を通しての位置決めを含み得る。
【0023】
図6は、本開示の実施形態による、オストミーバッグ201への取付用の排液アセンブリ100の組立用のキット601を示す。キット601は、長さの異なる複数の可撓性導管105を含み、各可撓性導管105は、コネクタ103への及び可撓性導管105の遠位端での吐出弁107への取付を許容する構成を有する。図6は、3つの可撓性導管105を示すが、本発明はそのように限定されるものではない。3つよりも多い又は少ないなどの、任意の数の可撓性導管105がキット601で提供され得る。例えば、一実施形態では、キットにおける可撓性導管の長さは、バッグ着用者301の快適さに応じて、短い、中程度、長い、及び極めて長いに分類される。例えば、適切なサイズの可撓性導管105は、排液アセンブリ100に以下の全長、すなわち、短い-7.62cm(3インチ)、中程度-10.16cm(4インチ)、長い-15.24cm(6インチ)、及び極めて長い-20.32cm(8インチ)を与えるために、キット601で提供され得る。他の実施形態では、色分け又は他の印又は複数の長さのセットが提供され得る。コネクタ103は、キット601とは別個に提供される、オストミーバッグ201の嵌合機構209に取り付けられるように構成される。別の実施形態では、キット601は、排液アセンブリ100のコネクタ103に着脱可能に係合する嵌合機構209を備えたオストミーバッグ201を含み得る。コネクタ103及び吐出弁107の各々は、コネクタ103及び吐出弁107の各々への可撓性導管105の組み付けを可能にするための、ホースバーブ又はテーパ状コネクタなどの、接続機構を含む。吐出弁107は、コネクタ103からの遠位端での可撓性導管105への接続を許容するように構成される。キット601はまた、キャップ109を含み得る。キャップ109は、吐出弁107からの望ましくない尿の流れを防止するために、吐出弁107上に位置決めされ得る。キャップ109は、吐出弁107の近傍にキャップ109を保持するためのテザー又は同様の機構を含み、例えば小便器又は大便器での、キャップ109の紛失又は落下を防止し得る。可撓性導管105は、コネクタ103及び吐出弁107に組み付けられる場合、オストミーバッグ201からの尿廃液の吐出のためのオストミーバッグ着用者の衣服501の外側の吐出位置にオストミーバッグ着用者301が吐出弁107を位置決めすることを許容するのに十分な長さ及び十分な可撓性を含む。キット601は、封止可能な容器に含まれ得るか、又は封止可能な容器を含み得る。別の実施形態では、キット601は、排液アセンブリ100の構成要素を持ち運ぶ若しくは保管するための、又はアセンブリ排液アセンブリ100を持ち運ぶ若しくは保管するためのバッグ若しくは持ち運び容器を含み得る。この実施形態では、バッグ又は持ち運び容器は、好ましくは、臭気又は残留液を封じ込めるように封止可能である。
【0024】
本開示による排液用オストミーバッグ装置200を利用するために、オストミーバッグ装置200の着用者は、排液容器の近傍に自らを位置決めする。例えば、着用者は小便器の前に立つ又は大便器に着座する。次に、着用者は、オストミーバッグ201から廃液容器内への廃尿の直接の流れを可能にする位置にオストミーバッグ装置200の吐出弁107を向ける。吐出弁107の位置決めは、可撓性導管105によって許容される。特に女性の着用者に関連する、別の実施形態では、着用者は、大便器の方を向いて立ち、吐出弁107を大便器に向けることができる。この実施形態では、例えば8インチ以上の可撓性導管を含む、より長い可撓性導管105を有することが望ましい場合がある。別の実施形態では、排液アセンブリ100は、アセンブリ排液アセンブリ100を持ち運ぶ又は保管するための、バッグ又は持ち運び容器を含み得る。この実施形態では、バッグ又は持ち運び容器は、好ましくは、臭気又は残留液を封じ込めるように封止可能である。この実施形態では、着用者は、排液アセンブリ100をバッグ又は持ち運び容器から取り出し、排液アセンブリ100をオストミーバッグ201に接続し、排液の完了時に、排液アセンブリ100をバッグ又は持ち運び容器に戻す。
【0025】
図7図12は、本開示による排液アセンブリ100と共に用いられるのに適した吐出弁107の様々な構成を示す。吐出弁107の各々は、閉位置と開位置との間で弁を作動させるための弁アクチュエータ701を含む。加えて、吐出弁107は、弁アクチュエータ701に接続された弁体703を含む。弁アクチュエータ701は、弁体703の作動を許容する方式で、弁体703の側面に、上部に又は別様に装着され得る。例えば、弁体703は、弁アクチュエータ701が筒を1/4回転させて開位置から閉位置に弁を作動させる内筒を含み得る。この作動によって、弁体703自体を長手方向に位置合わせして流体の流れを可能にするように、弁体703のボアが位置決めされる。弁アクチュエータ701を、上下左右に移動させ得るか、又は1/4回転による位置合わせのために回転させ得る。上記は1/4回転の作動として説明されているが、1/4回転の作動よりも大きい又は小さい回転の作動が使用され得る。加えて、吐出弁107は、排液アセンブリ100からの尿の吐出を許容する吐出端705を含む。吐出端705は、廃尿の流れを所望の廃液容器内に導くことを許容する幾何学形状を含む。加えて、吐出端705は、吐出弁107からの望ましくない尿の流れを防止するためのキャップ109(図1及び図2を参照)の追加を許容する幾何学形状を有する。吐出弁107は、可撓性導管105(図7図9に示す可撓性導管105)に接続する吐出弁コネクタ707を更に含む。吐出弁コネクタ707は、可撓性導管105への接続を可能にするホースバーブ、テーパ部、突起、又は他の機構を含む。図7図12は、吐出弁コネクタ707の様々な構成を示す。別の実施形態では、吐出弁107は、縁部及び全体の寸法を最小限に抑える平滑な薄型弁アクチュエータ701を含み得る。この例示的な構成は、着用者の衣服501への引っ掛かりに対する軽減をもたらす。吐出弁107の他の構成も、本開示による排液アセンブリ100と共に利用され得る。
【0026】
図に示し本明細書で説明する例示的な実施形態は現時点では好ましいが、これらの実施形態は単なる例として提供されることを理解すべきである。したがって、本出願は、特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正形態に及ぶ。いかなるプロセス又は方法ステップの順序又は順番も、代替実施形態に従って変更又は再順序付けされることがある。
【0027】
様々な例示的な実施形態の構造及び配置が単なる例示的なものであることに留意することが重要である。本開示では、一部の実施形態のみが詳細に説明されているに過ぎないが、本開示を検討する当業者であれば、特許請求の範囲に記載された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータ値、取付配置、材料の使用、色、向きなどの変更)が可能であることを容易に認識するであろう。例えば、一体に形成されたものとして示された要素は、複数の部分又は要素から構築されることがあり、要素の位置は逆転又は他の方法で変更されることがあり、別個の要素又は位置の性質又は数が修正又は変更されることがある。したがって、そのような修正は全て本出願の範囲に含まれるように意図されている。いかなるプロセス又は方法ステップの順序又は順番も、代替実施形態に従って変更又は再順序付けされ得る。特許請求の範囲において、いずれかのミーンズプラスファンクション条項は、記載された機能を果たすものとして本明細書で説明した構造、及び構造的な均等物だけでなく均等な構造も網羅するように意図されている。本出願の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置において他の置換、修正、変更及び省略がなされ得る。
図1
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【国際調査報告】