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特表2024-537507医療器具、特に経皮的外科/医療処置用の医療器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】医療器具、特に経皮的外科/医療処置用の医療器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61B17/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525815
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 IB2022060518
(87)【国際公開番号】W WO2023079439
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】21206825.8
(32)【優先日】2021-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520503072
【氏名又は名称】スパイアカット ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SPIRECUT SA
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】モンゴンド,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】シューインド,フレデリック
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF01
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN11
(57)【要約】
特に、経皮的外科/医療処置用の医療器具(10)が記載されており、この医療器具が、オペレータによる医療器具(10)の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分(H)と、このハンドル部分(H)に固定された細長いロッド部材(100)とを備える。細長いロッド部材(100)は、ハンドル部分(H)から遠位端まで延びている。細長いロッド部材(100)の遠位端に近接する少なくとも一部分には、超音波検査下で識別可能なマーキング(200)が設けられている。マーキング(200)は、細長いロッド部材(100)の位置および回転方向を超音波画像内で一意に検出できるように構成された回転非対称マーキング(200A、200B)として設計されている。マーキング(200)は、細長いロッド部材(100)に沿って反対方向に延びる第1および第2の回転非対称マーキング(200A、200B)を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具、特に経皮的外科/医療処置用の医療器具(10;10)であって、
オペレータによる医療器具(10;10)の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分(H;H)と、前記ハンドル部分(H;H)に固定された細長いロッド部材(100;100)とを備え、
前記細長いロッド部材(100;100)が、前記ハンドル部分(H;H)から遠位端まで延びており、
前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端に近接する少なくとも一部分には、超音波検査下で識別可能なマーキング(200;200)が設けられ、
前記マーキング(200;200)が、前記細長いロッド部材(100;100)の位置および回転方向が超音波画像で一意に検出できるように構成された回転非対称マーキングとして設計され、
前記マーキング(200;200)が、前記細長いロッド部材(100;100)に沿って反対方向に延びる第1および第2の回転非対称マーキング(200A、200B;200A、200B)を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項2】
請求項1に記載の医療器具(10;10)において、
前記第1および第2の回転非対称マーキングが、前記細長いロッド部材(100;100)の外周に沿って形成された第1および第2の回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)であることを特徴とする医療器具。
【請求項3】
請求項2に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)が、1または複数の螺旋状のターンからなることを特徴とする医療器具。
【請求項4】
請求項3に記載の医療器具(10;10)において、
前記第1および第2の回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)が、反対の螺旋方向を有することを特徴とする医療器具。
【請求項5】
請求項3または4に記載の医療器具(10;10)において、
前記第1の回転非対称溝(200A;200A)の近位端と前記第2の回転非対称溝(200B;200B)の近位端とを隔てる距離(D)が、各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)のピッチ(P)と実質的に等しいことを特徴とする医療器具。
【請求項6】
請求項5に記載の医療器具(10;10)において、
前記距離(D)および前記ピッチ(P)が、約2mmであることを特徴とする医療器具。
【請求項7】
請求項2~6の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の幅(w;w )が、0.5mm~1mmの間に含まれることを特徴とする医療器具。
【請求項8】
請求項2~7の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の深さ(d )が、0.1mm~0.2mmの間に含まれることを特徴とする医療器具。
【請求項9】
請求項2~8の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の深さが一定であることを特徴とする医療器具。
【請求項10】
請求項2~8の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の深さが、回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の長さ方向に沿って変化することを特徴とする医療器具。
【請求項11】
請求項2~10の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
各回転非対称溝(200A、200B;200A、200B)の内面が構造化されていることを特徴とする医療器具。
【請求項12】
先行する請求項の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)が、実質的に規定された平面(P0)内で湾曲および/または屈曲しており、
前記第1および第2の回転非対称マーキング(200A、200B;200A、200B)が、前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端に近接する前記細長いロッド部材(100;100)の湾曲セクション(100a)または角度付きのセクション(100b)に沿って配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項13】
請求項12に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端が、組織を切断するための切断デバイスとして機能するように構成された先細の端部(100A;100A’;100A’’;100A;100A**;100A***)を備え、
前記先細の端部(100A;100A’;100A’’;100A;100A**;100A***)が、第1の表面およびその反対側の第2の表面、すなわち、前記規定された平面(P0)に対して傾斜している第1の傾斜面(SA;SA)と、前記規定された平面(P0)に実質的に平行である第2の凹状面(SB;SB)とによって、少なくとも部分的に輪郭が描かれていることを特徴とする医療器具。
【請求項14】
経皮的開放術用の医療器具(10;10)であって、
オペレータによる医療器具(10;10)の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分(H;H)と、前記ハンドル部分(H;H)に固定された細長いロッド部材(100;100)とを備え、
前記細長いロッド部材(100;100)が、前記ハンドル部分(H;H)から遠位端まで延び、実質的に規定された平面(P0)内で湾曲および/または屈曲しており、
前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端が、組織を切断するための切断デバイスとして機能するように構成された先細の端部(100A;100A’;100A’’;100A;100A**;100A***)を含み、
前記細長いロッド部材(100;100)の先細の端部(100A;100A’;100A’;100A;100A**;100A***)が、第1の表面およびその反対側の第2の表面(SA、SB;SA、SB)、すなわち、前記規定された平面(P0)に対して傾斜している第1の傾斜面(SA;SA)と、前記規定された平面(P0)に対して実質的に平行である第2の凹状面(SB;SB)とによって、少なくとも部分的に輪郭が描かれていることを特徴とする医療器具。
【請求項15】
請求項13または14に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)の先細の端部(100A;100A’;100A’;100A;100A**;100A***)が、前記傾斜面(SA;SA)の少なくとも一部および前記凹状面(SB;SB)の少なくとも一部の横に側部傾斜を形成する一対の側面(SC;SC)によってさらに輪郭が描かれていることを特徴とする医療器具。
【請求項16】
請求項15に記載の医療器具(10;10)において、
前記凹状面(SB;SB)に対する各側面(SC;SC)の傾斜角度(δ;δ)が、25°~35°の間に含まれることを特徴とする医療器具。
【請求項17】
請求項13~16の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
前記規定された平面(P0)に対する前記傾斜面(SA;SA)を含む平面の傾斜角度(γ;γ)が、10°~15°の間に含まれることを特徴とする医療器具。
【請求項18】
請求項13~17の何れか一項に記載の医療器具(100;110)において、
前記規定された平面(P0)に対して垂直に測定される、前記先細の端部(100A;100A’;100A’’;100A;100A**;100A***)の厚さ(t;t+h;t;t+h)が、1mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【請求項19】
請求項13~18の何れか一項に記載の医療器具(100;110)において、
前記規定された平面(P0)内で測定される、前記先細の端部(100A;100A’;100A’’;100A;100A**;100A***)の幅(w;w)が、2mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【請求項20】
請求項13~19の何れか一項に記載の医療器具(100;110)において、
前記先細の端部(100A’;100A’’;100A**;100A***)が、前記凹状面(SB;SB)から離れる方向に突出する長手方向隆起部(150’;150’’;150**;150***)を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項21】
請求項20に記載の医療器具(100;110)において、
前記規定された平面(P0)に対して垂直に測定される、前記長手方向隆起部(150’;150’’;150**;150***)の高さ(h;h)が、0.5mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【請求項22】
請求項20または21に記載の医療器具(100;110)において、
前記長手方向隆起部(150’;150’’;150**;150***)の前縁が、先細に形成され、かつ前記先細の端部(100A’;100A’’;100A**;100A***)の前縁の少し手前で終わることを特徴とする医療器具。
【請求項23】
先行する請求項の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)が母線(GX)に沿って延び、前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端を含む前記母線(GX)に沿った任意の点で測定される前記細長いロッド部材(100;100)の横方向の幅が、2mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【請求項24】
先行する請求項の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)の断面積が、2.5mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【請求項25】
先行する請求項の何れか一項に記載の医療器具(10;10)において、
前記細長いロッド部材(100;100)が、前記細長いロッド部材(100;100)の遠位端の上流側で、実質的に円形または多角形の断面を有し、その横方向の幅が1.5mmを超えないことを特徴とする医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療器具に関し、特に、経皮的外科/医療処置、具体的には、経皮的手根管開放術や経皮的A1プーリー開放術に限定されるものではないが、これらを含む上肢または下肢の経皮的開放術を実行するために使用される医療器具に関する。また、本発明は、超音波検査下で行われる他の外科または医療処置、例えばこれに限定されるものではないが、生検、浸潤、注射、穿刺、異物除去、腱剥離、腱切除、腱切除-延長、腱膜切開、神経剥離、神経切離、および手根管開放術や指/母指プーリー開放術に加えて他の外科的開放術、例えば、デュプイトレン病、ドケルバン症候群、テニス肘、モートン神経腫の治療、および一般にあらゆる解剖学的部位における任意の経皮的処置にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
手根管症候群(CTS)やばね指症候群(TFS)は、経皮的な外科的開放術によって簡便に治療することができる。これらの処置は通常、単純な穿刺針、またはより複雑なフックナイフやプッシュナイフを使用して実行される。そのような医療器具は、モートン神経腫の治療、足根管開放術、ドケルバン症候群、上顆炎、肩関節手術、および同様の開放術のような、上肢または下肢の他の外科的開放術にも使用することができるが、このリストはすべてを網羅するものではない。
【0003】
例えば、米国特許US5,507,800(A)号、US5,029,573(A)号、およびUS8,603,124(B1)号から、様々な解決策が当技術分野で知られているが、それらの解決策は、経皮的な開放術を実行するのに適していない。
【0004】
米国特許公開US2014/0296974(A1)号は、医療器具の位置決めを補助するシステムおよび方法を開示している。より具体的には、このシステムは、回転インジケータ要素を含むシースまたはスリーブなどの中空の管状部材を備える。このシステムは、細長いロッドをさらに備え、この細長いロッドは、その遠位端にブレード(PMPブレードとも呼ばれる)を有し、ブレードの向きと位置合わせされた回転インジケータ要素と、その近位端近傍のストッパとを備える。ブレード自体は、組織を切断するための切断デバイスとして機能するようには設計または構成されていない。むしろ、ブレードは、心室の乳頭筋間の空間の位置を指すための、すなわちその位置を示すための乳頭筋ポインタ(PMP)として機能するために使用される。この点に関して、PMPブレードは、特に、PMPブレードを乳頭筋間の空間に挿入できるように、互いに平行な2つの対向する実質的に平坦な表面を呈する。前述した細長いロッドとブレードが経皮的開放術を実行するために使用できるという記載や示唆は存在しない。
【0005】
経皮的開放術は、単純な穿刺針を使用して実行することができる。しかしながら、開放術の実行は容易ではなく、隣接する構造に対して潜在的に危険であるため、この解決策は満足のいくものではない。より精巧な解決策が米国特許US5,782,850(A)号に開示されているが、そこで開示されている関連医療器具の構成は依然として比較的複雑であり、特に医療器具を引き抜く際に、周囲の組織や構造に望ましくない損傷を与える可能性がある。
【0006】
本出願人による国際(PCT)公開WO2020/003263(A1)号(その内容全体が引用により本明細書に援用される)は、真に経皮的な開放術のための様々な医療器具、特に、超音波検査下で、すなわち超音波検査プローブと組み合わせて使用されるように設計されたそのような医療器具を開示している。WO2020/003263(A1)によれば、特に、医療器具の細長いロッド部材の異なる部分に沿ってエンボスの形態で複数のマーキングを設けることが企図されており、それらマーキングが、超音波検査下で区別できるように設計されている。エンボスを設けることは、超音波画像において細長いロッド部材を識別し、細長いロッド部材の遠位端の位置を検出するのに役立つかもしれないが、WO2020/003263(A1)に特に企図されているようなマーキングは、細長いロッド部材の向きおよびその先端を適切に特定するには必ずしも十分ではない可能性がある。
【0007】
仏国特許公開FR2272633(A1)号は、穿刺針の長さ方向に沿って分布する外周環状溝を含むタイプの穿刺針を開示しており、この穿刺針は本質的に直線状である。それらの外周環状溝は、超音波を分散させる効果を有し、よって超音波画像における穿刺針の位置を容易に特定することができる。医療器具のエコー源性を高めることを目的としたさらなる解決策は、米国特許US4,582,061(A)号、US4,977,897(A)号、US5,490,521(A)号、米国特許公開US2012/0150208(A1)号、US2014/0265024(A1)号、US2016/0074130(A1)号、US2020/0069330(A1)号および欧州特許EP1132049(B1)号、EP2384146(B1)号に開示されている。
【0008】
これらの解決策は、エコー源性を向上させるある程度の能力を提供するが、医療器具の軸周りの実際の回転方向を検出することができないという点で、完全に満足できるものではない。したがって、医療器具の関連する細長いロッド部材の位置だけでなく回転方向も検出および識別することができる改善された解決策が依然として求められている。
【0009】
WO2020/003263(A1)に開示の医療器具を参照すると、医療器具の切断端部のエコー源性を改善しながらも、組織、特に、切断するには適度に硬い組織である靭帯を切断する能力がより優れた、そのような医療器具を提供する必要性も依然としてある。
【発明の概要】
【0010】
本発明の全体的な目的は、改良された医療器具、特に、(これに限定されるものではないが)経皮的開放術、例えば、経皮的手根管開放術や経皮的指/母指プーリー開放術などの上肢または下肢の経皮的開放術、並びに、例えば本明細書の導入部分に列挙したような疾患または症候群の治療に使用される他の経皮的開放術のための、改良された医療器具を提供することである。
【0011】
より具体的には、本発明の目的は、そのような医療器具のエコー源性を改善すること、特に、細長いロッド部材を含む医療器具であって、ロッド部材が、ハンドル部分から遠位端まで延び、好ましくは、細長いロッド部材および特にその遠位端の位置および回転方向の識別および検出を容易にする観点から、実質的に規定平面内で湾曲および/または屈曲される、医療器具のエコー源性を改善することである。
【0012】
これらの目的および他の目的は、本発明の第1の態様によれば、請求項1に規定された解決策、すなわち、医療器具、特に経皮的外科/医療処置のための医療器具であって、オペレータによる医療器具の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分と、このハンドル部分に固定された細長いロッド部材とを備え、この細長いロッド部材が、ハンドル部分から遠位端まで延びる、医療器具によって達成される。細長いロッド部材の遠位端に近接する少なくとも一部分には、超音波検査下で識別可能なマーキングが設けられている。この本発明の第1の態様によれば、マーキングは、細長いロッド部材の位置および回転方向が超音波画像において一意に検出できるように構成された回転非対称マーキングとして設計されている。さらに、マーキングは、細長いロッド部材に沿って反対方向に延びる第1および第2の回転非対称マーキングを含む。
【0013】
特に好ましい実施形態によれば、第1および第2の回転非対称マーキングは、細長いロッド部材の外周に沿って形成された第1および第2の回転非対称溝である。
【0014】
有利には、各回転非対称溝は、1または複数の螺旋状のターンから構成され得る。好ましくは、第1および第2の回転非対称溝は、反対方向の螺旋の向きを有し、これにより、特に、超音波画像における検出可能性を促進して、医療器具の実際の回転方向の特定を容易にする。さらに具体的には、第1の回転非対称溝の近位端と第2の回転非対称溝の近位端とを隔てる距離は、各回転非対称溝のピッチに実質的に等しくてもよい。上記距離およびピッチは、好ましくは約2mmである。
【0015】
さらなる有利な実施形態によれば、各回転非対称溝は、0.5mm~1mmの間に含まれる幅、および/または0.1mm~0.2mmの間に含まれる深さを示すものであってもよい。
【0016】
さらに、ある実施形態の一態様では、各回転非対称溝の深さが一定であってもよい。ある実施形態の別の態様では、各回転非対称溝の深さが、回転非対称溝の長さ方向に沿って変化するものであってもよく、この実施形態の別の態様は、エコー源性を増強および調節するさらなる変数が導入される点で特に有利である。
【0017】
さらなる改良として、各回転非対称溝の内面が、エコー源性をさらに高めるように構造化されることがさらに考えられる。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、細長いロッド部材は、実質的に規定平面内で湾曲および/または屈曲しており、第1および第2の回転非対称マーキングは、細長いロッド部材の遠位端に近接する細長いロッド部材の湾曲セクションに沿って、または角度付きのセクションに沿って配置されている。この後者の態様において、細長いロッド部材の遠位端は、好ましくは、組織を切断する切断デバイスとして機能するように構成された先細の端部を含み、この先細の端部は、少なくとも部分的に、第1の表面およびその反対側の第2の表面、すなわち、規定された平面に対して傾斜している第1の傾斜面と、規定された平面に対して実質的に平行である第2の凹状面とによって輪郭が形成されている。実際に、この後者の態様は、前述した本発明の第1の態様とは独立して潜在的に適用可能な本発明の別の態様を形成する。
【0019】
すなわち、独立請求項14に規定されるように、本発明の第2の態様によれば、経皮的開放術のための医療器具がさらに提供され、この医療器具は、オペレータによる医療器具の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分と、このハンドル部分に固定された細長いロッド部材とを備え、この細長いロッド部材が、ハンドル部分から遠位端まで延び、実質的に規定平面内で湾曲および/または屈曲している。細長いロッド部材の遠位端は、組織を切断する切断デバイスとして機能するように構成された先細の端部を備える。この本発明の第2の態様によれば、細長いロッド部材の先細の端部は、第1の表面およびその反対側の第2の表面、すなわち、規定された平面に対して傾斜している第1の傾斜面と、規定された平面に対して実質的に平行である第2の凹状面とによって、少なくとも部分的に輪郭が描かれている。
【0020】
この細長いロッド部材の先細の端部の特定の構成は、特に、医療器具の遠位端のエコー源性を高めることを目的としており、医療器具の遠位端のエコー源性をさらに高めるという観点から、以下のような追加の手段が考えられる。
【0021】
好ましくは、細長いロッド部材の先細の端部は、傾斜面の少なくとも一部および凹状面の少なくとも一部の横に側部傾斜を形成する一対の側面によってさらに輪郭が描かれ得る。この態様において、凹状面に対する各側面の傾斜角度は、好ましくは25°~35°の間に含まれる。
【0022】
さらに、規定された平面に対する(よって凹状面に対する)、傾斜面を含む平面の傾斜角度は、10°~15°の間に含まれる。
【0023】
有利な実施形態によれば、規定された平面に対して垂直に測定される先細の端部の厚さは1mmを超えず、かつ/または、規定された平面内で測定される先細の端部の幅は2mmを超えない。
【0024】
本発明の有利な態様によれば、先細の端部は、凹状面から離れる方向に突出する長手方向の隆起部を含む。この長手方向隆起部の存在は、結果として先細の端部のエコー源性が改善されるという点で有用である。好ましくは、規定された平面に対して垂直に測定される長手方向隆起部の高さは、0.5mmを超えない。さらに、長手方向隆起部の前縁は、先細にすることができ、また、治療対象の領域における医療器具の挿入中の干渉をさらに最小化し、先細の端部の前縁の切断特性および鋭利さへの影響を防止する観点から、先細の端部の前縁の少し手前で終わるように設けることができる。
【0025】
好ましくは、細長いロッド部材は、母線に沿って延び、細長いロッド部材の遠位端を含む母線に沿った任意の点で測定される細長いロッド部材の横方向の幅は、2mmを超えない。
【0026】
さらに、細長いロッド部材の断面積は、好ましくは2.5mmを超えない。
【0027】
さらに、細長いロッド部材は、特に、細長いロッド部材の遠位端の上流で、実質的に円形または多角形の断面を有することができ、その横方向の幅は、1.5mmを超えない。
【0028】
本発明のさらに有利な実施形態については後述する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、単なる非限定的な例として提示されて添付の図面により例示される本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
図1図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る医療器具の斜視図であり、この医療器具は、手根管症候群の治療における経皮的手根管開放に特に適している。図1Bは、異なる角度から見た図1Aの医療器具の斜視図である。図1Cおよび図1Dは、それぞれ、図1Aおよび図1Bに示す医療器具の細長いロッド部材の遠位端(または先端)の拡大図である。
図2図2Aは、図1A図1Dに示す第1の実施形態の一態様に係る医療器具の細長いロッド部材の側面図であり、細長いロッド部材が延びる規定された平面に対して垂直に示されている。図2Bは、図2Aの細長いロッド部材の遠位端の拡大図であり、その先細の端部がより詳細に示されている。図2Cは、図2Aおよび図2Bの細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。図2Dは、図2Bで特定される断面A-Aに沿った、図2Bおよび図2Cに示す先細の端部の断面図である。図2Eは、図2Aの細長いロッド部材の遠位端に近接する部分に沿って設けられたマーキングの一部を拡大した部分切欠斜視図である。
図3図3Aは、図1A図1Dおよび図2A図2Eに示す実施形態のさらなる態様に係る医療器具の細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。図3Bは、図2Dと同じ断面に沿った、図3Aに示す先細の端部の断面図である。
図4図4は、図3Aおよび図3Bに示す実施形態の一態様に係る医療器具の細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。
図5図5Aは、本発明の第2の実施形態に係る医療器具の斜視図であり、この医療器具は、ばね指症候群の治療における経皮的A1プーリー開放に特に適している。図5Bは、異なる角度から見た図5Aの医療器具の斜視図である。図5Cおよび図5Dは、それぞれ、図5Aおよび図5Bに示す医療器具の細長いロッド部材の遠位端(または先端)の拡大図である。
図6図6Aは、図5A図5Dに示す第2の実施形態の一態様に係る医療器具の細長いロッド部材の側面図であり、細長いロッド部材が延びる規定された平面に対して垂直に示されている。図6Bは、図6Aの細長いロッド部材の遠位端の拡大図であり、その先細の端部がより詳細に示されている。図6Cは、図6Aおよび図6Bの細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。図6Dは、図6Bで特定される断面B-Bに沿った、図6Bおよび図6Cに示す先細の端部の断面図である。図6Eは、図6Aの細長いロッド部材の遠位端に近接する部分に沿って設けられたマーキングの一部の拡大図である。
図7図7Aは、図5A図5Dおよび図6A図6Eに示す実施形態のさらなる態様に係る医療器具の細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。図7Bは、図6Dと同じ断面に沿った、図7Aに示す先細の端部の断面図である。
図8図8は、図7Aおよび図7Bに示す実施形態の一態様に係る医療器具の細長いロッド部材の先細の端部の拡大側面図である。
図9図9Aは、例えば図5A図5Dおよび図6A図6Eに示すような、本発明に係るマーキングが設けられた医療器具の細長い部材の末端部分を示す超音波画像の写真図であり、この医療器具は、第1の回転方向に配置されている。図9Bおよび図9Cは、図9Aの医療器具の細長い部材の末端部分が2つのさらなる回転方向に配置された状態を示す超音波画像の写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、様々な例示的な実施形態に関連して説明される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に規定されるように、本明細書に開示の医療器具の特徴のすべての組合せおよび部分的な組合せを包含することを理解されたい。
【0031】
本明細書に記載されているように、2以上の部品または構成要素が互いに接続され、取り付けられ、固定または結合されていると記載されている場合、それらは、互いに直接、または1または複数の中間部品を介して、そのように接続され、取り付けられ、固定または結合され得る。
【0032】
図1A図1Dを参照すると、符号10で示される本発明に係る医療器具の第1の実施形態が示されており、この第1の実施形態は、手根管症候群(CTS)の治療における経皮的手根管開放に特に適している。この第1の実施形態の変形例が、図2A図2E図3A図3Bおよび図4にさらに示されている。
【0033】
図5A図5Dを参照すると、符号10で示される本発明に係る医療器具の別の実施形態が示されており、この別の実施形態は、ばね指症候群(TFS)の治療における経皮的A1プーリー開放に特に適している。この第2の実施形態の変形例が、図6A図6E図7A図7Bおよび図8にさらに示されている。
【0034】
図示の医療器具10、10は、特に、超音波検査下で、すなわち、超音波検査プローブと組み合わせて使用するように設計されている。
【0035】
すべての実施形態は、外科医または内科医(例えば、放射線科医またはリウマチ専門医を含む)などのオペレータによる医療器具の取り扱い、方向付けおよび操作を可能にするように設計されたハンドル部分H、H図2A図2Eから図4、および図6A図6Eから図8には示されていない)と、ハンドル部分H、Hに固定され、そこから遠位端まで延びる細長いロッド部材100、100とを含む多くの共通の特徴を共有する。細長いロッド部材100、100は、符号P0で示される規定された平面内で実質的に湾曲および/または屈曲される。
【0036】
図示のように、細長いロッド部材100、100の第1の直線状のセクションは、実質的に、ハンドル部分H、Hから離れる方向に、規定された平面P0内の第1の方向に沿って、すなわち、ハンドル部分H、Hの長手方向軸と平行に延びている。細長いロッド部材100、100の、第1の直線状のセクションの下流側の残りの部分は、規定された平面P0内で湾曲および/または屈曲している。図2A図2B図6Aおよび図6Bにおける符号GXは、母線を示し、これに沿って細長いロッド部材100、100が延びている。細長いロッド部材100、100図2Aおよび図6Aを参照)の第1の直線状のセクションの自由端は、ここでは、より良好な保持をハンドル部分H、H内に提供するために90°に曲げられている。
【0037】
さらに、以下により詳細に説明するように、細長いロッド部材100、100の遠位端は、組織を切断する切断デバイスとして機能するように構成された先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***を含む。この先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***の特定の構成は、本発明の一態様を形成する。
【0038】
図1A図1Dおよび図2A図2Eの実施形態をより具体的に参照すると(この考察は、図3A図3Bおよび図4に示す態様にも適用される)、細長いロッド部材100は、60°を超える角度α図1A図1D図3A図3Bおよび図4の実施形態に類推して適用される図2Aを参照)にわたって延びる湾曲セクション100aを含む。湾曲セクション100aの曲率半径R1は、約30~45mmである。例えば、角度αおよび曲率半径R1は、約68°および37mmに等しくなるようにそれぞれ選択することができるが、それらの値は、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。この例では、細長いロッド部材100の末端セクション100b(前述した先細の端部100A、100A’、100A’’を含む)は、湾曲セクション100aの端部に対して約20°(ここでは22°)の角度αだけ曲げられており、これにより、末端セクション100bは、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションが延びる方向に対して実質的に垂直に(すなわち、ハンドル部分Hの長手方向軸に対して実質的に垂直に)延びることを理解されたい。
【0039】
例えば、長手方向(図2Aを参照)で測定される細長いロッド部材100の全長L1は、約125mmとすることができる。そして、細長いロッド部材100の第1の直線状セクションの長さL2を約90mmとし、細長いロッド部材100の末端セクション100b(先細の端部100A、100A’、100A’’を含む)の長さL3を約4mmとすることができる。図示の例では、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションの自由端における屈曲部分の長さL0は約4mmである。
【0040】
好ましくは、細長いロッド部材100の遠位端を含む母線GXに沿った任意の点で測定される細長いロッド部材100の横方向の幅は、2mmを超えない。より具体的には、図示の例において、細長いロッド部材100は、好ましくは、細長いロッド部材100の遠位端の上流で、直径Dが1.5mmを超えない実質的に円形の断面を有する。しかしながら、同様に好ましくは横方向の幅が1.5mmを超えない、三角形、正方形、長方形、台形、六角形および他の多角形の断面を含む、他の断面形状も考えられる。多角形断面は、エコー源性がさらに改善されるという点で、円形断面よりも有利である可能性がある。
【0041】
より一般的には、細長いロッド部材100(先細の端部100A、100A’、100A’’を含む)の断面積は、好ましくは2.5mmを超えない。換言すれば、細長いロッド部材100は、穿刺針のような特に細い形状を有し、周囲の組織または構造に損傷を与えることなく医療器具10の挿入および引き抜きを行うのに有利である。
【0042】
図示の円弧形状により、処置全体を通じて、器具のハンドル部分と超音波検査プローブとの間で干渉することなく、超音波検査野内へと、開放される構造の下にまたは構造に対して医療器具10を導入することができる。この形状により、周囲の軟組織に望ましくない損傷を引き起こす危険性を伴うことなく、医療器具を引き抜くことも可能になる。
【0043】
図5A図5Dおよび図6A図6Eの実施形態を参照すると(この考察は、図7A図7Bおよび図8に示す態様にも適用される)、細長いロッド部材100は、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションに対して角度をなす3つの実質的に直線状のセクション100a、100b、100cおよび3つの湾曲セクションを含む、角度付きの構成を示している。図示の例では、各湾曲セクションが、約35°の角度α 、α 、α を有し、これは、角度付きのセクション100a、100b、100cが、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションに対して、それぞれ、約35°、70°、105°の角度をなしていることを意味する。換言すれば、末端の角度付きのセクション100cは、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションが延びる方向に対して、僅かに後方向ではあるが、ほぼ垂直に(すなわち、ハンドル部分Hの長手方向軸に対して実質的に垂直に)延びている。
【0044】
例えば、長手方向(図6Aを参照)で測定される細長いロッド部材100の全長L1は、約90mmとすることができる。そして、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションの長さL2を約60mmとし、角度付きのセクション100a、100bのそれぞれの長さL3、L4を約20mmとすることができる。細長いロッド部材100の末端セクション100c(先細の端部100A、100A**、100A***を含む)の長さL5は、約4mmとすることができる。図示の例では、細長いロッド部材100の第1の直線状のセクションの自由端における屈曲部分の長さL0が約4mmである。
【0045】
好ましくは、細長いロッド部材100の遠位端を含む母線GXに沿った任意の点で測定される細長いロッド部材100の横方向の幅は、同様に、2mmを超えない。より具体的には、図示の例において、細長いロッド部材100は、同様に、細長いロッド部材100の遠位端の上流で、直径Dが1.5mmを超えない実質的に円形の断面を有する。多角形断面を含む他の断面形状も同様に考えられる。
【0046】
より一般的には、細長いロッド部材100(先細の端部100A、100A**、100A***を含む)の断面積は2.5mmを超えない。換言すれば、細長いロッド部材100は、穿刺針と同様に、周囲の組織または構造に損傷を与えることなく医療器具10の挿入および引き抜きを行うのに有利な、特に細い形状である。
【0047】
同様に、図示の角度の付いた形状により、処置全体を通じて、器具のハンドル部分と超音波プローブとの間で干渉することなく、超音波検査野内へと、開放される構造の下にまたは構造に対して医療器具10を導入することができる。同様に、この形状により、周囲の軟組織に望ましくない損傷を引き起こす危険性を伴うことなく、医療器具を引き抜くことができる。
【0048】
したがって、細長いロッド部材100、100の湾曲部分または屈曲部分の一部は、特に手術中に、所望の組織の切断を容易にするための支点として利用できることが理解されよう。実際に、湾曲部分または屈曲部分の一部は、好適には、その下方の組織上で、またはまさにその目的のために挿入される追加の器具上で支えるために使用することができ、それにより、切断操作中に医療器具の操作のための支持を提供することができる。
【0049】
また、本発明の医療器具は、有利なことに、本質的に細長いロッド部材100、100の断面に対応する最小の断面を示し、これにより、治療対象の領域への医療器具の挿入中およびその引き抜き中の両方において最小限の干渉で、組織を貫通することが非常に容易になることも理解されよう。さらに、細長い部材の断面積が限られている(好ましくは、上述したように2.5mmを超えない)ことにより、穿刺のみで、医療器具の進入の時点で切開を必要とせずに、真に経皮的な方法で手術を実行することができ、それにより、点滴後と同じように、患者に目立った傷跡を残さずに治療することができる。
【0050】
本発明の重要な態様によれば、図1A図1D図2A図2E図5A図5D図6Aおよび図6Eに示すように、遠位端に近接する細長いロッド部材100、100の少なくとも一部分には、超音波検査下で識別可能なマーキング200、200が設けられている。より具体的には、このマーキング200、200は、細長いロッド部材の位置と回転方向を超音波画像内で一意に検出できるように構成された回転非対称マーキングとして設計されている。実際に、マーキング200、200は、超音波検査野における医療器具の実際の回転方向に応じて、超音波検査画像内に特有の特定のエコーを生成するようになっている。
【0051】
図1A図1D図2A図2Eの実施形態を参照すると(この考察は、図3A図3Bおよび図4に示す態様にも同様に適用される)、マーキング200は、好ましくは、図2Aに示すように、マーキング200の中央部分が細長いロッド部材100の末端セクション100bに対して約45°の角度βで位置するように、湾曲セクション100a上に配置されている。図5A図5D図6A図6Eの実施形態を参照すると(この考察は、図7A図7Bおよび図8に示す態様にも同様に適用される)、マーキング200は、好ましくは、図6Aに示すように、第2の角度付きのセクション100bの遠位端とマーキング200との間の距離dが約4mmとなるように、第2の角度付きのセクション100b上に配置されている。このようにして、マーキング200、200は、細長いロッド部材100、100の遠位端とともに超音波画像において視認可能となり、よって、細長いロッド部材の先端および先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***の位置および回転方向を識別および検出することが可能になる。
【0052】
このような検出は、訓練を受けたオペレータによって視覚的に実行することも、超音波画像内の関連するエコー/マーカーを適切に識別するために専用の画像処理ソフトウェアを使用して自動的または半自動的に実行することもできる。この場合には、特に、関連するマーキング200、200を使用して、超音波画像内の医療器具の位置を自動的に特定して向きを検出し、オペレータに視覚的な支援を提供することが考えられる。特に、この視覚的支援は、必要に応じて、超音波画像上に医療器具の仮想表現をリアルタイムで重ね合わせることを含むことができる。
【0053】
図1C図1Dおよび図5C図5Dにさらに詳細に示すように、マーキング200、200は、好ましくは細長いロッド部材100、100の外周に沿って形成された溝として構成される2つの回転非対称マーキングを含む。図示のように、2つの回転非対称な溝200A、200B、200A、200Bは、細長いロッド部材100、100に沿って反対方向に延びている。図示の例では、それらの溝200A、200B、200A、200Bは、ここでは実質的に互いの鏡像である。
【0054】
より具体的には、各非対称溝200A、200B、200A、200Bは、1回の螺旋状のターン、すなわち、約360°の展開角度を有する螺旋の一巻きからなる。しかしながら、複数の螺旋状のターンも考えられる。さらに、図示の例では、第1および第2の回転非対称溝200A、200B、200A、200Bが、有利には、反対方向の螺旋の向きを有し、第1の溝200A、200Aが、左巻き(すなわち、反時計回り)の螺旋の形態で、先細の端部100A、100Aから離れて延び、一方、第2の溝200B、200Bが、右巻き(すなわち、時計回り)の螺旋の形態で、先細の端部100A、100Aに向かって延びている。好ましくは、第1の溝200A、200Aの近位端と第2の溝200B、200Bの近位端を隔てる距離Dは、各溝のピッチPとほぼ等しい。図示の例では、距離DおよびピッチPが約2mmである。
【0055】
図示の実施形態、特に図1C図1Dおよび図5C図5Dを見ると、超音波プローブに対する細長いロッド部材100、100の先端の実際の回転方向に応じて、溝200A、200B、200A、200Bは、超音波プローブにより生成される入射超音波に対して2~4個の窪みを示し、それにより異なるエコーが生成され、さらに、独特で明確に区別可能な間隔および/または分布を有するエコーが生成されることが理解されよう。
【0056】
図9Aは、例えば図5A図5Dおよび図6A図6Eに示すように、本発明に係るマーキングが設けられた医療器具の細長い部材の末端部分を示す超音波画像の写真図である。図9Aに示す細長いロッド部材の表面には、関連する溝200A、200Bが設けられた4個の窪み(連続矢印で示す)と、関連する溝の存在を表す超音波画像内の関連する「影」(破線矢印で示す)が見える。それらのエコーおよびマーカーを利用して、医療器具の軸周りの実際の回転方向を特定することができる。また、図9Aには、医療器具の先細の端部(点線の矢印で示す)によって生成されるエコーが見え、このエコーは、以下でさらに詳細に説明するように、長手方向隆起部の存在によってさらに増強される。
【0057】
図9Bは、図9Aの医療器具の細長い部材の末端部分が異なる回転方向に配置された状態を示す写真図であり、細長いロッド部材の表面上に2個の窪み(連続矢印で示す)のみが依然として見える。関連する溝200A、200Bの螺旋の向きが反対方向であるため、それらの窪み間の間隔は、図9Cによって強調されるように、医療器具の回転方向の関数として変化し、それにより、医療器具がさらに異なる回転方向に配置されていることが示される。
【0058】
各回転非対称溝200A、200B、200A、200Bは、好ましくは、0.5mm~1mmの間に含まれる幅w図2Aおよび図2Eを参照)、w 図6Eを参照)を示す。図示の例では、この幅w、w が、約0.6mm~0.7mmである。各溝の深さは比較的小さく、有利には0.1mm~0.2mmの間に含まれる(図2Eおよび図6Eを参照/そのような深さは符号d、d で示される)。
【0059】
一実施形態では、各回転非対称溝200A、200B、200A、200Bの深さが一定であってもよい。別の実施形態では、各回転非対称溝200A、200B、200A、200Bの深さが、有利には、溝の長さ方向に沿って変化するようにしてもよく、それにより、超音波検査野におけるマーキングの実際の回転方向に応じて、差別化されるエコー源性を高めるさらなる変数が追加される。
【0060】
エコー源性を高めるためのさらなる手段には、各回転非対称溝200A、200B、200A、200Bの内面を構造化することが含まれる。これは、溝の内面に当たる超音波の分散に有利に働くためである。興味深いことに、各回転非対称溝200A、200B、200A、200Bの内面の構造化により、溝200A、200B、200A、200Bが周囲の軟組織に僅かにまとわりつく傾向があるため、触覚フィードバックにも好影響を与える可能性があり、また、医療器具の遠位端がどこにあるのかをオペレータが「感じる」のを助けることができる。
【0061】
各溝200A、200B、200A、200Bの特定のプロファイルにさらに変更を加えて、溝の内面に当たる超音波の特徴的な分散を引き起こすこともできる。具体的には、溝のプロファイルは本質的に円筒形であるか、またはある程度の非対称性を示すことができる。
【0062】
マーキングが全体として回転非対称な構成を保持する限り、他のマーキング構成も考えられることが理解されよう。例えば、図示の例では、2つの溝200A、200Bのうちの一方、または溝200A、200Bのうちの一方を、マーキング200、200のような単純な環状溝に完全に置き換えることも可能であり、その場合も、全体としては、その回転非対称性が依然として維持される。とはいえ、図示の解決策は、超音波画像においてより容易に識別可能であるという点で有利である。
【0063】
次に、上述したマーキングの使用とは独立して適用可能な本発明のさらなる態様を、図1C図1D図2B図2D図3A図3B図4図5C図5D図6B図6D図7A図7Bおよび図8を特に参照して、すなわち、細長いロッド部材100、100の先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***の特定の形状に関連して説明する。図示のように、それら先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***は、第1の表面およびその反対側の第2の表面SA、SB、SA、SB、すなわち、規定された平面P0に対して傾斜している第1の傾斜面SA、SAと、規定された平面P0に対して実質的に平行である第2の凹状面SB、SBとによって、少なくとも部分的に輪郭が描かれている。好ましくは、図示のように、先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***は、傾斜面SA、SAの少なくとも一部および凹状面SB、SBの少なくとも一部の横に、側部傾斜(特に、図1C図2B図2D図3A図3B図4図5C図6B図6D図7A図7Bおよび図8を参照)を形成する一対の側面SC、SCによってさらに輪郭が描かれている。このようにして、得られた先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***の前縁および側縁において、特に鋭い刃先を実現することができる。
【0064】
より具体的に図2B図2Dを参照すると(この考察は、図3A図3Bおよび図4に示す態様にも類推して適用される)、規定された平面P0(図2Bを参照)内で測定される、傾斜面SAの長さLAおよび細長いロッド部材100の先細の先端の長さLBは、図示の例ではそれぞれ、約1.5mmおよび2.6mmである。同様に規定された平面P0内で測定される、先細の端部100A、100A’、100A’’の幅wは、ここでは、例えば、約1.8mmであり、すなわち、細長いロッド部材100の関連する直径Dよりも僅かに大きい。理想的には、この幅wは2mmを超えるべきではない。凹状面SB(および先細の端部100A、100A’、100A’’)の長さLCは、図示の例では約1.8mmであり、規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100A、100A’、100A’’の厚さtは、約0.3mmである(図2C図3Aおよび図4を参照)。
【0065】
図3A図3Bおよび図4は、先細の端部100A’、100A’’のエコー源性をさらに改善することを目的とする、細長いロッド部材100の、符号100A’、100A’’でそれぞれ示される、先細の端部の変形例を示している。図1A図1Dおよび図2A図2Eに示す実施形態と比較した主な相違点は、先細の端部100A’、100A’’が、凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向の隆起部150’、150’’をさらに含むという事実にある。規定された平面P0に対して垂直に測定される、この長手方向隆起部150’、150’’の高さhは、好ましくは0.5mmを超えない。図示の例では、高さhが約0.3mmである。規定された平面P0内で測定される、長手方向隆起部150’、150’’の幅は、先細の端部100A’、100A’’の幅wのほんの一部(例えば、10%~20%)である。
【0066】
本出願人が実施した試験により、長手方向隆起部150’、150’’を設けることによって超音波検査下で先細の端部100A’、100A’’のエコー源性がさらに改善されることが実証されている。
【0067】
凹状面SC上の長手方向隆起部150’、150’’の存在により、図1A図1Dおよび図2A図2Eに示す先細の端部100Aの厚さと比較して、先細の端部100A’、100A’’の厚さが局所的に増大することが理解されよう。とはいえ、長手方向隆起部150’、150’’の寸法は、治療対象の領域における医療器具の挿入中の干渉を最小限に抑えるように選択される。さらに、長手方向隆起部150’、150’’の前縁は、好ましくは、医療器具の挿入中の干渉をさらに最小化するために先細になっている。さらに、長手方向隆起部150’、150’’の前縁は、その切断特性および鋭利さに影響を与えないように、先細の端部100A’、100A’’の前縁の少し手前で終わることにも留意されたい。例えば、図3Aおよび図4は、長手方向隆起部150’、150’’の前縁に適切な湾曲セクション(図3A)または面取りセクション(図4)を設けることを示している。
【0068】
図6B図6Dを参照すると(この考察は、図7A図7Bおよび図8に示す態様にも適用される)、具体的に、規定された平面P0(図6Bを参照)内で測定される、傾斜面SAの長さLAおよび細長いロッド部材100の先細の端部の長さLBは、図示の例では、それぞれ約1.5mmおよび2mmである。同様に規定された平面P0内で測定される、先細の端部100A、100A**、100A***の幅wは、ここでは、例えば、約1.25mmであり、すなわち、細長いロッド部材100の関連する直径Dより僅かに小さい。理想的には、この幅wも同様に2mmを超えるべきではない。凹状面SB(および先細の端部100A、100A**、100A***)の長さLCは、図示の例では約2mmであり、規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100A、100A**、100A***の厚さtは、約0.35mmである(図6C図7Aおよび図8を参照)。
【0069】
図7A図7Bおよび図8は、それぞれ符号100A**、100A***で示す、細長いロッド部材100の先細の端部の変形例を示しており、これは、先細の端部100A**、100A***のエコー源性をさらに改善することを目的としている。図5A図5Dおよび図6A図6Eに示す実施形態と比較した主な相違点は、先細の端部100A**、100A***が、凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向隆起部150**、150***をさらに含むという事実にある。規定された平面P0に対して垂直に測定される、この長手方向隆起部150**、150***の高さhは、好ましくは0.5mmを超えない。図示の例では、高さhが約0.3mmである。規定された平面P0内で測定される、長手方向隆起部150**、150***の幅は、先細の端部100A**、100A***の幅wのほんの一部(例えば、10%~20%)である。
【0070】
本出願人が実施した試験により、長手方向隆起部150**、150***を設けることによって、同様に、超音波検査下で先細の端部100A**、100A***のエコー源性がさらに改善されることが実証されている。
【0071】
凹状面SC上の長手方向隆起部150**、150***の存在により、図5A図5Dおよび図6A図6Eに示す先細の端部100Aの厚さと比較して、先細の端部100A**、100A**の厚さが局所的に増大することが理解されよう。とはいえ、長手方向隆起部150**、150***の寸法は、同様に、治療対象の領域における医療器具の挿入中の干渉を最小限に抑えるように選択される。さらに、長手方向隆起部150**、150***の前縁は、好ましくは、医療器具の挿入中の干渉をさらに最小化するために先細になっている。さらに、長手方向隆起部150**、150***の前縁は、その切断特性および鋭利さに影響を与えないように、先細の端部100A**、100A***の前縁の少し手前で終わることにも留意されたい。例えば、図7Aおよび図8は、長手方向隆起部150**、150***の前縁に適切な湾曲セクション(図7A)または面取りセクション(図8)を設けることを示している。
【0072】
規定された平面P0(図2C図3A図4図6C図7Aおよび図8を参照)に対する、傾斜面SA、SAを含む平面の傾斜角度γ、γは、好ましくは10°~15°の間に含まれ、一方、規定された平面P0に対する(すなわち、凹状面SB、SBに対する/図2D図3B図4Dおよび図7Dを参照)、側面SC、SCの傾斜角度δ、δは、好ましくは25°~35°の間に含まれる。
【0073】
これまでの説明を読めば分かるように、本発明の医療器具は単純な構造であり、よってかなり経済的に製造することができる。
【0074】
有利には、図1A図1Bおよび図5A図5Bに示すように、手術を行うとき、すなわち医療器具の遠位端が治療対象の領域に挿入されたときに、医療器具の向きを識別するために、視認可能なマーキング(レーザマーキングなど)をハンドル部分H、Hに設けることができる。この視認可能なマーキングは、特に、先細の端部100A、100A’、100A’’、100A、100A**、100A***と同じ方向を向くハンドル部分H、Hの内面に設けることができる。
【0075】
図1A図1Dから図8の図面では、細長いロッド部材100、100が、中実であり、中空でないものとして示されている。しかしながら、その代わりに中空のロッド部材を使用することも考えられ、その場合、血管が損傷した場合に、関連するロッドのキャビティを介して出血の可能性を検出する機能、および/または関連するロッドのキャビティ内に挿入される専用のシリンジを使用して局所麻酔薬(またはステロイドやコルチコステロイドなどの他の薬剤)を注入する機能を与えることができる。この場合、例えば、局所麻酔薬の注入を可能にするために、あるいは可能性のある血液の逆流の観察を可能にする窓を設けるために、同様にロッドのキャビティと連通する対応するキャビティを示すように、医療器具のハンドル部分H、Hをさらに適合させることが有利である。
【0076】
既に述べたように、本発明の医療器具は、特に、超音波検査の補助の下で、上肢または下肢の経皮的開放術を行う目的で使用することができる。しかしながら、他の用途も考えられる。さらに、上述した関連するマーキングの付与は、必ずしも経皮的開放術を行う目的で設計されていない医療器具にも想定され得るものであり、例えば生検プローブや異物を除去する目的で設計されたデバイスなど、他の外科的または医療的処置を実行する目的で設計されたあらゆる医療器具に適用することが可能である。
【0077】
例えば上述した医療器具10を使用した手根横靱帯(TCL)の開放、または例えば上述した医療器具10を使用したA1プーリーの開放のための関連する外科的処置に関して、そのような外科的処置は、本出願人による国際(PCT)公開WO2020/003263(A1)号に既に開示されているのと本質的に同じ方法で実施することができる。
【0078】
添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に様々な変更および/または改良を加えることが可能である。特に、本発明の実施形態は、経皮的手根管開放術および経皮的A1プーリー開放術を実施する目的で説明してきたが、本発明は、上肢または下肢、または頸部または脊椎などの身体の他の部分に対する、あらゆる経皮的開放術に一般に適用可能である。
【0079】
超音波検査下で識別可能な関連するマーキングの構成に関して、そのようなマーキングは、他の任意の適切な形状または構造をとることができ、必ずしも、図面に示すように細長いロッド部材の外周に形成された2本の別個の溝から構成される必要はないことが理解されよう。実際に、2本の溝は、溝の近位端を互いに接続することによって、共通の溝構造に統合することも可能である。さらに、マーキングは、細長いロッド部材の外周の一部分の周りに不均一に分布する一連の窪み、またはマーキングに回転非対称性を与える他の適切な構造またはパターンを含むことができる。しかしながら、溝を機械加工することは、所望のマーキングを形成するためのコスト効率のよい解決策であることに変わりはない。
【0080】
さらに、図1A図1Dから図8の実施形態は、先細の端部が厳密に平面を呈する医療器具を示しているが、特許請求の範囲は、各表面がほぼ平面的であるか、または僅かに凹状または凸状などの僅かな曲率を示すすべての態様を包含するものと解釈されるべきである。慣例として、関連する表面の面は、一般に、考察される各表面に最もよく近似する面として定義することができる。
【0081】
さらに、長手方向隆起部150’、150’’、150**、150***の断面は、実質的に長方形として示されている(これにより非常に良好な結果が得られる)が、そのような断面は、代替的には、V字形、台形、丸みを帯びた形状、または医療器具の先細の端部のエコー源性を高める他の任意の適切な形状を示すこともできる。
【符号の説明】
【0082】
10 本発明に係る医療器具(第1の実施形態)
H 医療器具10のハンドル部分
100 規定された平面P0内に延在する医療器具10の細長いロッド部材
100a 細長いロッド部材100の(単一の)湾曲セクション
100b 先細の端部100A、100A’、100A’’を含む細長いロッド部材100の末端セクション
100A 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部(図1A~1D、図2A図2E
100A’ 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部(図3Aおよび図3Bの変形例)
100A’’ 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部(図4の変形例)
150’ 凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向隆起(図3Aおよび図3Bの変形例)
150’’ 凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向隆起(図4の変形例)
200 超音波検査下で識別可能な回転非対称マーキング
200A 細長いロッド部材100の外周に沿って形成された、その遠位端に近接する(第1の)回転非対称溝(例えば、左巻き螺旋)
200B 細長いロッド部材100の外周に沿って形成された、その遠位端に近接する(第2の)回転非対称溝(例えば、右巻き螺旋)
SA 先細の端部100A、100A’、100A’’の第1の面の輪郭を描く傾斜面(第1の表面)/規定された平面P0に対して傾斜した表面
SB 先細の端部100A、100A’、100A’’の第1の面と反対側の第2の面の輪郭を描く凹状面(第2の表面)/規定された平面P0に実質的に平行な表面
SC 傾斜面SAの少なくとも一部および凹状面SBの少なくとも一部の横にある側部傾斜を形成する一対の側面
D 細長いロッド部材100の直径(または横方向の幅)
L0 細長いロッド部材100の近位端における屈曲部分の長さ
L1 細長いロッド部材100の全長
L2 細長いロッド部材100の(第1の)直線状のセクションの長さ
L3 末端セクション100b(先細の端部100A、100A’、100A’’を含む)の長さ
LA 規定された平面P0内で測定される、傾斜面SAの凡その長さ
LB 規定された平面P0内で測定される、細長いロッド部材100の先細の端部の凡その長さ
LC 規定された平面P0内で測定される、凹状面SB/先細の端部100A、100A’、100A’’の凡その長さ
h 規定された平面P0に対して垂直に測定される、長手方向隆起部150’、150’’の凡その高さ
R1 湾曲セクション100aの曲率半径
α 湾曲セクション100aの角度
α 湾曲セクション100aと末端セクション100bとの接合部における屈曲部分の角度
β 末端セクション100bとマーキング200の中央部分とのなす角度
γ 規定された平面P0に対する傾斜面SAの傾斜角度
δ 規定された平面P0/凹状面SBに対する側面SCの傾斜角度
w 規定された平面P0内で測定される、先細の端部100A、100A’、100A’’の幅
t 規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100Aの厚さ/規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100A’、100A’’の厚さ(長手方向隆起部150’、150’’を除く)
回転非対称溝200A、200Bの幅
10 本発明に係る医療器具(第2の実施形態)
医療器具10のハンドル部分
100 規定された平面P0内に延在する医療器具10の細長いロッド部材
100a 細長いロッド部材100の(第1の)角度付きのセクション
100b 細長いロッド部材100の(第2の)角度付きのセクション
100c 細長いロッド部材100の(第3の)角度付きのセクション(先細の端部100A、100A**、100A***を含む細長いロッド部材100の末端セクション)
100A 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部
100A** 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部(図7Aおよび図7Bの変形例)
100A*** 組織を切断する切断デバイスとして機能するように設計された細長いロッド部材100の先細の端部(図8の変形例)
150** 凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向隆起部(図7Aおよび図7Bの変形例)
150*** 凹状面SBから離れる方向に突出する長手方向隆起部(図8の変形例)
200 超音波検査下で識別可能な回転非対称マーキング
200A 細長いロッド部材100の外周に沿って形成された、その遠位端に近接する(第1の)回転非対称溝(例えば、左巻き螺旋)
200B 細長いロッド部材100の外周に沿って形成された、その遠位端に近接する(第2の)回転非対称溝(例えば、右巻き螺旋)
SA 先細の端部100A、100A**、100A***の第1の面の輪郭を描く傾斜面(第1の表面)/規定された平面P0に対して傾斜した表面
SB 先細の端部100A、100A**、100A***の第1の面と反対側の第2の面の輪郭を描く凹状面(第2の表面)/規定された平面P0に実質的に平行な表面
SC 傾斜面SAの少なくとも一部および凹状面SBの少なくとも一部の横にある側部傾斜を形成する一対の側面
細長いロッド部材100の直径(または横方向の幅)
L0 細長いロッド部材100の近位端における屈曲部分の長さ
L1 細長いロッド部材100の全長
L2 細長いロッド部材100の(第1の)直線状のセクションの長さ
L3 (第1の)角度付きのセクション100aの長さ
L4 (第2の)角度付きのセクション100bの長さ
L5 (第3の)角度付きのセクション100cの長さ
LA 規定された平面P0内で測定される、傾斜面SAの凡その長さ
LB 規定された平面P0内で測定される、細長いロッド部材100の先細の端部の凡その長さ
LC 規定された平面P0内で測定される、凹状面SB/先細の端部100A、100A**、100A***の凡その長さ
規定された平面P0に対して垂直に測定される、長手方向隆起部150**、150***の凡その高さ
(第2の)角度付きのセクション100bの遠位端とマーキング200との間の距離
α 細長いロッド部材100の(第1の)直線状のセクションと(第1の)角度付きのセクション100aとの間の湾曲セクションの角度
α (第1の)角度付きのセクション100aと(第2の)角度付きのセクション100bとの間の湾曲セクションの角度
α (第2の)角度付きのセクション100bと(第3の)角度付きのセクション100cとの間の湾曲セクションの角度
γ 規定された平面P0に対する傾斜面SAの傾斜角度
δ 規定された平面P0/凹状面SBに対する側面SCの傾斜角度
規定された平面P0内で測定される、先細の端部100A、100A**、100A***の幅
規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100Aの厚さ/規定された平面P0に対して垂直に測定される、先細の端部100A**、100A***の厚さ(長手方向隆起部150**、150***を除く)
回転非対称溝200A、200Bの幅
回転非対称溝200A、200Bの深さ
第1の回転非対称溝200A、200Aの近位端と、第2の回転非対称溝200B、200Bの近位端とを隔てる距離
回転非対称溝200A、200B、200A、200Bを形成する螺旋ターンのピッチ
GX 細長いロッド部材100、100が延在する母線
P0 細長いロッド部材100、100が延在する規定された平面
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】