IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ランザテク,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図1
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図2
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図3
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図4
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図5
  • 特表-動的スパージャーを備える反応器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】動的スパージャーを備える反応器
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/04 20060101AFI20241003BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C12M1/04
C12M1/00 D
C12N1/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526484
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022078973
(87)【国際公開番号】W WO2023081618
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/263,507
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518403425
【氏名又は名称】ランザテク,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】サシャ,マユール
(72)【発明者】
【氏名】クームス,ジョス アントン
(72)【発明者】
【氏名】コンラド,ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】モリン,グレゴリー ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA08
4B029AA27
4B029BB01
4B029CC01
4B029DB11
4B029GB08
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065BC05
4B065CA60
(57)【要約】
反応器、例えば生物学的反応器および化学反応器内で微細気泡を生成するための動的スパージャーに関するシステムおよび方法。スパージャーシステムは、反応器内に配置され、支持板と、支持板と係合する複数の環状シュラウドと、環状シュラウドの内面と対応するスパージャーの外面との間に間隙を画成する環状シュラウド内に配置されるスパージャーと、を備える。液体は、環状シュラウドの内面とスパージャーの外面との間に画成される間隙を通って流れる。間隙を通る液体の加速により、スパージャーの外面の気泡がせん断され、気泡または微細気泡が生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡を液体中に注入するためのスパージャーシステムであって、
支持板と、
前記支持板と係合する複数の環状シュラウドと、
前記環状シュラウド内に配置される複数のスパージャーであって、前記環状シュラウドの内面と対応するスパージャーの外面との間の間隙を画成する、複数のスパージャーと、を備え、
前記支持板、前記環状シュラウド、および前記スパージャーが、反応器の内部に配置される、スパージャーシステム。
【請求項2】
前記支持板および前記環状シュラウドが、単一の構成要素に一体化される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
二つ以上のスパージャーが、単一の環状シュラウド内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記スパージャーの長さが少なくとも10cmである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記間隙が約1mm~約20mmである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記支持板、前記環状シュラウド、および前記スパージャーが、前記反応器のトップ部または底部に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のスパージャーが複数のヘッダーと係合し、前記複数のスパージャーが、前記複数のヘッダーからガス供給を受けるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のヘッダーが、前記液体および気泡を含む流体を分散させるように構成されるバッフルをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記液体が少なくとも部分的に再循環する液体である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記支持板が、複数の穿孔をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記環状シュラウドが、前記反応器の垂直軸の約20度以内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記反応器の前記内部内に複数の垂直方向の層を形成するように配置される少なくとも一つの追加的な支持板をさらに備え、前記少なくとも一つの追加的な支持板が前記複数の環状シュラウドと係合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記反応器がバイオリアクターである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記反応器が、バイオリアクターであって、
液体増殖培地と、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質であって、前記複数のスパージャーが、前記液体増殖培地中に基質の気泡を注入するように構成される、基質と、
前記液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物であって、少なくとも一つの微生物の前記培養物が、前記基質を嫌気的に発酵させて少なくとも一つの発酵生成物を生成する、培養物と、を備えるバイオリアクター、である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
気泡を液体中にスパージングする方法であって、
反応器内に配置され、気泡を放出するように構成される複数のスパージャーによって、液体を収容する前記反応器内にガスをスパージングすることと、
前記反応器内で前記複数のスパージャーを取り囲む複数の環状シュラウドによって、前記液体の流れを、前記スパージャーの外面を横切るように向けることと、
前記スパージャーの前記外面を横切る前記液体の前記流れによって、前記複数のスパージャーの表面で前記気泡をせん断することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記環状シュラウドの内面と前記スパージャーの前記外面との間に形成される間隙によって、前記スパージャーの前記外面を横切る前記液体の前記流れを加速させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スパージャーの前記外面を横切る前記液体の前記加速された流れが、少なくとも0.3m/sの液空塔速度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のスパージャーの前記外面を横切る前記液体の前記加速された流れが、約0.3m/s~約10m/sの速度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記せん断された気泡が、約0.2mm~約2.0mmの直径を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
容器内の気相の空塔速度が少なくとも0.03m/sである、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記容器内の前記気相の空塔速度が約0.03m/s~約0.1m/sである、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記気泡が、液体増殖培地を収容するバイオリアクター内の基質の気泡であり、前記液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物が、前記基質を好気的に発酵させて、少なくとも一つの発酵生成物を生成する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月3日に出願された、米国仮特許出願第63/263,507号の優先権を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、概ね、気泡を液体中に注入するためのシステムおよび方法に関する。特に、本明細書に開示のシステムおよび方法は、概ね、気泡または微細気泡を生成し、化学反応器または生物学的反応器内の液体ブロス中に注入するための動的スパージャーに関する。さらに、有用な生成物、例えばエタノールまたは他の化学物質を製造するために炭素基質を生物学的に発酵させる液体微生物培養物を収容するバイオリアクター内にガス状炭素基質の微細気泡を注入するためのシステムおよび方法が本明細書に開示される。
【背景技術】
【0003】
スパージャーは、気体を液体に注入する装置である。スパージャーから液体中に気体が注入されると、液体中に気泡が形成される。工業プロセス中に液体中に気泡を生成および注入するためにスパージャーを使用する従来のシステムはよく知られている。バイオリアクター内で液体中に注入されたガス基質から有用な発酵生成物への変換を最大限に高めるには、スパージャーは、スパージャーを通過するガス流量を増加させて小さな気泡を生成する必要がある。しかし、従来のスパージャーシステムでは、ガス流量の増加に伴ってスパージャーの気泡サイズが増大するため、必要な小さな気泡サイズを達成することができない。そのため、バイオリアクター内でより高いガス流量で微細気泡を生成し、高い生産性を達成できるスパージャーシステムが必要とされている。さらに、液体が通過するスリーブで取り囲まれる多孔質リング(フリット)を備える従来の「フリットおよびスリーブ」スパージャーシステムは、通常、反応器の外部にあり、その結果、構成が非効率になり、必要な設置面積が増大する。
【0004】
本明細書に開示のスパージャーシステムは、以前のおよび従来の反応器システムの限界を克服する。具体的には、本明細書に開示のスパージャーシステムおよび基質供給ガスを反応器、例えばバイオリアクターの水性ブロス中に注入する方法は、小さな気泡サイズ、スパージャーを通るガス流量の増加、および反応器/バイオリアクターの高い生産性のためのより高いガスおよび液空塔速度を達成する。さらに、本明細書に開示のスパージャーシステムは、従来のシステムとは対照的に、完全に反応器内に構成される。
【発明の概要】
【0005】
以下に、本明細書に記載の様々な実施形態の簡略化した概要を示す。この概要は広範な概要ではなく、重要なまたは不可欠な要素を特定することも、特許請求の範囲を詳細に説明することをも意図していない。以下の概要は、以下に示されるより詳細な説明を紹介する前置きとして、単に、いくつかの概念を簡素化された形式で示しているにすぎない。
【0006】
上記の以前のシステムの制限を克服し、本明細書を読んで理解することで明らかになる他の制限を克服するために、本明細書に記載の実施形態は、生物学的反応器および化学反応器内に収容される液体中に気泡を効率的に注入するためのシステムおよび方法を対象とする。
【0007】
一実施形態では、本明細書に開示のシステムは、気泡を液体中に注入することに関する。このシステムは、支持板と、支持板と係合する複数の環状シュラウドと、環状シュラウド内に配置される複数のスパージャーとを備えることができる。いくつかの実施形態では、支持板および少なくとも一つの環状シュラウドは、単一の構成要素に一体化される。いくつかの実施形態では、シュラウド内面とスパージャー外面との間に間隙が画成されることができる。いくつかの実施形態では、支持板、環状シュラウド、およびスパージャーは、完全に反応器の内部に配置されることができる。いくつかの実施形態では、スパージャーの長さは少なくとも10cmであり、シュラウド内面とスパージャー外面との間の間隙の幅は約1mm~約20mmであってもよい。別の実施形態では、支持板、環状シュラウド、およびスパージャーは、反応器のトップ部または底部に配置されることができる。複数のスパージャーは複数のヘッダーと係合することができ、複数のスパージャーは複数のヘッダーからガス供給を受けるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数のヘッダーは、液体および気泡を含む流体を分散させるように構成されるバッフルをさらに備えることができる。さらに別の実施形態では、液体は、少なくとも部分的に再循環する液体であってもよい。いくつかの実施形態では、支持板は複数の穿孔をさらに備え、環状シュラウドは反応器の垂直軸の約20度以内に配置されることができる。一実施形態では、複数の支持板は反応器の内部に多層または多段を形成することができ、複数の支持板は複数の環状シュラウドを備えることができ、複数のスパージャーが複数の環状シュラウド内に配置されることができる。
【0008】
一実施形態では、反応器は、液体増殖培地と、少なくとも一つのC1炭素源を含む基質とを備えるバイオリアクターであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のスパージャーは、基質の気泡を液体増殖培地中に注入するように構成されてもよい。別の実施形態では、バイオリアクターは液体増殖培地中に少なくとも一つの微生物の培養物を含んでもよく、少なくとも一つの微生物の培養物は基質を嫌気的に発酵させて少なくとも一つの発酵生成物を生成することができる。
【0009】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示のシステムおよび方法は、液体中に気泡をスパージングする方法に関し、この方法は、反応器内に配置され、気泡を放出するように構成される複数のスパージャーによって液体を収容する反応器内にガスをスパージングする工程と、反応器内で複数のスパージャーを取り囲む複数の環状シュラウドによって、液体の流れをスパージャーの外面を横切るように向ける工程と、スパージャーの外面を横切る液体の流れによって、複数のスパージャーの表面で気泡をせん断する工程と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、環状シュラウドの内面とスパージャーの外面との間に形成される間隙によって、スパージャーの外面を横切る液体の流れを加速させる工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、スパージャーの外面を横切る液体の加速された流れは、液空塔速度が少なくとも0.3m/sであってもよく、複数のスパージャーの外面を横切る液体の加速された流れは、速度が約0.3m/s~約10m/sであってもよい。さらに別の実施形態では、せん断された気泡は、直径が約0.2mm~約2.0mmであってもよく、容器内の気相の空塔速度は少なくとも0.03m/sであってもよい。一実施形態では、容器内の気相の空塔速度は、約0.03m/s~約0.1m/sであってもよい。さらに別の実施形態では、気泡は、液体増殖培地を収容することができるバイオリアクター内の基質の気泡であってもよい。別の実施形態では、液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物は、基質を好気的に発酵させて、少なくとも一つの発酵生成物を生成してもよい。
【0010】
これらの特徴は、他の多くの特徴とともに、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に記載の実施形態およびその利点は、添付の図面を考慮して以下の説明を参照することによってより完全に理解されることができ、図面において、類似の参照番号は類似の特徴を示す。
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態による、液体および気泡の下降流モードを示す、反応器内に構成された動的スパージャーの配置を概略的に示す。
【0013】
図2図2は、本開示の別の実施形態による、液体および気泡の上昇流モードを示す、反応器内の別の動的スパージャーの配置を概略的に示す。
【0014】
図3図3は、本開示のさらに別の実施形態による、一つまたは複数の動的スパージャーシステム配置およびバイオリアクター内のそれらの様々な配置を含むバイオリアクターシステムを概略的に示す。
【0015】
図4図4は、本開示の別の実施形態による、水平に配置されたスパージおよび液体および気泡の上昇流モードを示す、反応器内の別の動的スパージャーの配置を概略的に示す。
【0016】
図5図5は、本開示の別の実施形態による、水平に配置されたスパージの群および液体および気泡の上昇流モードを示す、反応器内の別の動的スパージャーの配置を概略的に示す。
【0017】
図6図6は、図5の点525からの上面図における図5の装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成し、本明細書に記載の様々な実施形態が実施されることができる例示として示す添付の図面を参照する。他の実施形態が利用されてもよく、説明された実施形態の範囲から逸脱することなく構造的および機能的修正がなされてもよいことを理解されたい。本明細書に記載の実施形態は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施または実行されることができる。また、本明細書で使用される表現および用語は説明を目的としたものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。むしろ、本明細書で使用される語句および用語には、最も広い解釈および意味が与えられるべきである。「含む」および「備える」およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目およびその等価物を包含することを意味する。用語「取り付けられる」、「連結される」、「係合される」、「流体係合する」「結合される」、「配置される」、「構成される」、「配向される」および同様の用語の使用は、直接的および間接的の両方の、取り付け、連結、結合、配置および係合を含むことを意味する。
【0019】
スパージャーは、気泡として注入される気体を液体に導入し、それを撹拌する、または気体を液体に溶解させる装置を備えていてもよい。スパージャーの例としては、オリフィススパージャー、焼結スパージャー、およびドリルドパイプスパージャーが挙げられる。特定の構成では、穴あきパイプスパージャーを水平に取り付けてもよい。別の実施形態では、スパージャーは、垂直または水平に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、スパージャーは、多孔板またはリング、焼結ガラス、焼結鋼、多孔質ゴムパイプ、多孔質金属パイプ、多孔質セラミックまたはステンレス鋼パイプ、穴あきパイプ、ステンレス鋼の穴あきパイプ、高分子穴あきパイプ等であってもよい。スパージャーは、様々なグレード(空隙率)のものであってもよく、特定のサイズの気泡または気泡サイズの範囲を生成するために特定のサイズのオリフィスを備えていてもよい。
【0020】
本明細書に開示のシステムおよび方法は、微細気泡を生成するためのスパージャー構成を採用し、スパージャーを通るガス流量を増加させ、反応器の高い生産性を得るためにガス空塔速度および液空塔速度を増加させる。反応器の生産性の向上は、液体ブロス中に注入され微生物の発酵に利用できるガス基質の量を増やすことによって、および反応器の単位体積中の気泡の総表面積として定義される比界面積を増やすことによって達成されることができる。比界面積は気泡サイズに反比例し、ガスホールドアップに正比例する。ここで、ガスホールドアップとは、気泡が分散している流体の単位体積中に存在する気体の体積である。微細気泡を生成して気泡サイズを小さくすると、比界面積が増加する。比界面積の増加により、気体から液体への物質移動が向上する。反応器がバイオリアクターである実施形態では、気体から液体への向上した物質移動は、最終的に、有用な発酵生成物、例えばエタノールおよび他の化学物質に変換するための基質ガスの量を増加して微生物に供給する。気泡を生成するために使用されるシステムおよび方法の例には、米国特許第9,327,251号に記載されているものが含まれ、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。より高い反応器の生産性はまた、反応器内のガス空塔速度および液空塔速度全体の増加に関連する、より高いガスホールドアップによって達成されることができる。ガス空塔速度および液空塔速度の増加を利用して、スパージャー気泡を所望の微細気泡サイズに分解またはせん断することができる。下降流動作では、微細気泡は液体によって与えられる抗力よりも小さい浮力を受けるため、流体全体の下降流が生成され、微細気泡と液体を反応器内で下方に運ぶ。流体の下降流は、液体中の微生物の滞留時間を延長するのに役立ち、微生物がバイオリアクター内の基質の微細気泡を所望の生成物に変換する時間を延長させる。
【0021】
本明細書に開示のスパージャーシステムは、煙突シュラウド管または環状シュラウドの列と係合する板、および完全に反応器内に構成される円筒状スパージャーを使用することができる。一般的に、環状シュラウドの内径は、環状シュラウド内に構成される円筒形スパージャーの外径よりわずかに大きくてもよい。液体がシステム内にポンプで送られると、液体はスパージャーと環状シュラウドの間の制限された空間または間隙を強制的に通過する。液体は間隙を通過するときに加速され、スパージャーの表面付近で液体によってもたらされるせん断速度が増加する。せん断速度の増加により、スパージャーから液体中に注入されたガスの気泡サイズが小さくなり、微細気泡が生成される。
【0022】
図1は、反応器102を備えるバイオリアクターシステム100を概略的に示す。バイオリアクターシステム100は、発酵プロセスまたは化成処理に使用できる任意の装置を備えることができる。反応器102は、気泡生成および/または微細気泡生成のために、ならびにその後の気液接触、ガス吸収、生物学的または化学反応、例えば微生物発酵のために、一つまたは複数のガスおよび液体流または流れ101が導入されることができる容器またはコンテナであってもよい。用語「微生物発酵」、または「発酵」、または「ガス発酵」等は、一つまたは複数のガス状基質を受け取り、一つまたは複数のC1固定微生物の利用により一つまたは複数の発酵生成物を生成するプロセスとして解釈されてもよい。ガス状基質は、産業プロセス由来であってもよく、または合成ガスであってもよく、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。合成ガスは、改質、部分酸化、またはガス化プロセスから得られる場合がある。「C1固定微生物」は、C1炭素源から一つまたは複数の発酵生成物を生成する微生物(microorganism)または微生物(microbe)である。典型的には、本開示の微生物は、C1固定細菌である。「C1炭素源」とは、微生物のための部分的または唯一の炭素源として機能する一炭素分子を指す。例えば、C1炭素源は、CO、CO、CH、CHOH、またはCHのうちの一つまたは複数を含むことができる。一実施形態では、C1炭素源は、COおよびCOの一方または両方を含む。発酵プロセスは、一つまたは複数バイオリアクターの使用を含んでもよい。本明細書で使用される場合、語句「発酵」、「発酵プロセス」、または「発酵反応」等は、ガス状基質の増殖期および生成物生合成期の両方を包含することを意図している。C1固定微生物の例としては、Moorella、Clostridium、Ruminococcus、Acetobacterium、Eubacterium、Butyribacterium、Oxobacter、Methanosarcina、Desulfotomaculum、Clostridium autoethanogenum、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。一実施形態では、C1固定微生物は、Clostridium autoethanogenum、Clostridium ljungdahlii、またはClostridium ragsdaleiである。
【0023】
いくつかの実施形態では、液体101はシステム100内で再循環される。本明細書に開示の流体には、液体、気泡、および/または微細気泡が含まれてもよい。発酵ブロスまたは液体101は、本明細書に開示の構成成分の任意の混合物、例えば、栄養培地および培養物または一つもしくは複数の微生物を含んでもよい。発酵プロセスでは、発酵ブロスを利用して、基質の気泡または微細気泡を一つまたは複数の発酵生成物に発酵させることができる。細菌培養物は、微生物の増殖を可能にするのに十分な栄養素、ビタミン、および/またはミネラルを含む水性培地中で維持されることができる。バイオリアクターシステム100は、一つまたは複数の、反応器102および/または塔もしくは配管配置から構成されてもよい。好適なバイオリアクターとしては、例えば、連続撹拌槽反応器(CSTR)、固定化細胞反応器(ICR)、トリクルベッド反応器(TBR)、気泡塔、ガスリフト発酵槽、スタティックミキサー、循環ループ反応器、膜反応器、例えば、中空糸膜バイオリアクター(HFM BR)、もしくは他の容器、または気液接触に好適な他の装置が挙げられる。
【0024】
反応器102は、任意の特定の実施形態、例えば高さの直径に対する比にも限定されず、任意の特定の材料にも限定されてはならず、処理に好適な任意の材料、例えばステンレス鋼またはPVCから構成されることができる。反応器102には、内部構成要素、例えば生物学的および化学工学的処理で一般的な一つまたは複数のスタティックミキサーが含まれる場合がある。反応器102はまた、外部または内部の加熱または冷却要素、例えばウォータージャケットで構成される場合がある。反応器102はまた、システム100の液体、気泡、微細気泡、ならびに/または流体101、101a、および111を循環または再循環するために、ポンプと流体接触してもよい。図1に示すように、バイオリアクターシステム100の構成要素の寸法は、必要な用途またはプロセスに応じて変化することができる。特定の実施形態によれば、反応器102の直径は、例えば、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20.0メートルの間の任意の数値であることができる。他の実施形態によれば、反応器102の長さは、例えば5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.5、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0、31.0、32.0、33.0、34.0、35.0、36.0、37.0、38.0、39.0、40.0、41.0、42.0、43.0、44.0、45.0、46.0、47.0、48.0、49.0、以上、を超える、未満、に等しい、または~約50.0メートルの間の任意の数値であることができる。
【0025】
反応器102では、気相および液相、例えば流体111は、図2に示すように、ほぼ下向きの流れ、または例えばほぼ上向きの流れを含むように垂直方向に流れるまたは循環することができる。図1の反応器102に示すように、流体111内の気相および液相は、反応器102内で通常下向きに流れることができる。反応器内の液空塔速度Vは、以下の式V=Q/Aによって計算されることができ、式中、Qは液体の体積流量(m/s)であり、Aは反応器の断面積である。したがって、液空塔速度は、液相が反応器の断面積全体を占有する場合の液相の速度を表す。同じ液体流量について、ガス流量は実際の用途に応じて変化することができる。気相の空塔速度Vは、以下の式V=Q/Aによって求められることができ、式中、Qは、スパージャーから液体中に注入されたガスの体積流量(m/s)であり、Aは反応器の断面積である。したがって、ガス空塔速度は、気相が反応器の断面積全体を占有する場合の気相の速度を表す。いくつかの実施形態では、容器内の気相の空塔速度は、少なくとも0.03m/sであってもよい。別の実施形態では、容器内の気相の空塔速度は、約0.03m/s~約0.1m/sである。さらに他の実施形態では、容器内の気相の空塔速度は、例えば、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.12、0.13、0.14、以上、を超える、未満、に等しい、または~約0.15m/sの間の任意の数値であることができる。さらに別の実施形態では、容器内の気相の空塔速度は、例えば、約0.03~0.06m/sであってもよい。一実施形態では、液空塔速度は、少なくとも約0.3m/sであってもよい。上記のように、ガス空塔速度および液空塔速度を増加させることは、スパージャー気泡を所望の微細気泡サイズに分解またはせん断する有益な効果を有する。
【0026】
バイオリアクターシステム100は、気泡として注入されるガス基質を液体101に導入し、気体を撹拌するか、または液体101内に気体を溶解させるための少なくとも一つのスパージャー106を備えることができる。スパージャー106は、水平または垂直位置に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、スパージャー106は、オリフィススパージャー、焼結スパージャー、または穴あきパイプスパージャー、多孔板またはリング、焼結ガラス、焼結鋼、多孔質ゴムパイプ、多孔質金属パイプ、多孔質セラミックまたはステンレス鋼パイプ、穴あきパイプ、ステンレス鋼の穴あきパイプ、または高分子穴あきパイプであってもよい。スパージャー106は、様々なグレード(空隙率)のものであってもよく、特定のサイズの気泡を生成するために特定のサイズのオリフィスを備えていてもよい。スパージャーの空隙率は、通常、細孔を通って流れる気体の不十分な運動エネルギーがスパージャー細孔の上方で液体ヘッドを維持することができない場合に生じるウィーピングを回避するように設計されている。細孔を通る気体の動作速度は、均一なスパージングを確保するために、ウィーピング速度よりもかなり速く設計される。スパージャー106は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、以上、を超える、未満、に等しい、または~約50cmの間の任意の数値の長さを有してもよい。バイオリアクターシステム100は、ヘッダー108を介しスパージャー106によって気泡103として液体ブロス101中に注入されるC1炭素源を含むガス状基質を、受け取るように適合されることができる。
【0027】
バイオリアクターシステム100は、支持板104を備えてもよい。支持板104は、少なくとも一つの環状シュラウド105と係合するように構成されてもよい。環状シュラウド105の直径は、スパージャー106の直径よりも大きくてもよい。したがって、スパージャー106は、スパージャー106の外壁と環状シュラウド105の内壁との間の間隙または制限領域107を画成する環状シュラウド105内に配置されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、間隙107の幅は、約1~20mmである。別の実施形態では、間隙107の幅は、例えば、約0.25、0.50、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、以上、を超える、未満、に等しい、または~約50mmの間の任意の数値であることができる。
【0028】
スパージャー106および環状シュラウド105は、完全に反応器102の内部内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、支持板104、環状シュラウド105、およびスパージャー106は、反応器102のトップ部または上部に配置されてもよい。反応器102の上部に支持板104、環状シュラウド105、およびスパージャー106を配置することにより、反応器102のトップ部で静水圧を減少させ、エネルギー要件を削減しながら気体から液体への物質移動速度の向上を促進させるという別の利点を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示のシステムおよび方法は、少なくとも125m/minの気体から液体への物質移動速度を達成する。別の実施形態では、気体から液体への物質移動速度は、例えば、約100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、以上、を超える、未満、に等しい、または~約200m/minの間の任意の数値であることができる。あるいは、支持板104、環状シュラウド105、およびスパージャー106は、反応器102の底部または下部に配置されてもよい。さらに他の実施形態では、支持板104、環状シュラウド105、およびスパージャー106は、反応器102の上部1/3の部分、上部2/3の部分、または下部1/3の部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、環状シュラウド105は、標準パイプ、シームレスな管、溶接管、特注の管、またはそれらの組み合わせから作製されてもよい。環状シュラウド105の構成要素は、被覆アーク溶接、ガスタングステンアーク溶接、ガスメタルアーク溶接、フラックスコアードアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接によって支持板104に結合または固定されることができ、または溶接不要のチューブシート接合部現地圧延技術によって製造されることができる。別の実施形態では、発酵中の微生物の損傷を防ぐために、銀ろう付は避けたほうがよい。さらに他の実施形態では、支持板104は、固体破片の除去または排出を容易にするための穿孔109を備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数の支持板104は、反応器102内に複数の垂直方向の層を形成してもよい。支持板104の各垂直方向の層は、複数の環状シュラウド105、および複数のスパージャー106を備えてもよい。さらに他の実施形態では、環状シュラウド105は、支持板104に対して略垂直に配置されることができる。他の実施形態では、環状シュラウドは、例えば、反応器102の垂直軸の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、以上、を超える、未満、に等しい、または~約30度の間の任意の数値に配置されてもよい。
【0029】
図1に示すように、液体ブロス101は、反応器102のトップ部に入る。ガス基質は、ガス供給部/ヘッダー108に連結されるスパージャー106によって反応器102内の液体101中に注入される。液体101の流れの少なくとも一部は、スパージャー106の外面を横切るように向けられる。いくつかの実施形態では、液体101の流れのほぼすべてが、スパージャー106の外面を横切るように向けられる。液体101が環状シュラウド105とスパージャー106の外壁とによって画成される間隙107内に押し込まれると、液体は、スパージャー106および環状シュラウド105の垂直方向の長さを移動しながら加速される。加速された液体101aは、注入された気泡をスパージャー106の表面上でせん断し、注入された気泡を微細気泡103に分解する。せん断された微細気泡103は、約0.2~約2.0mmの直径を有してもよい。別の実施形態によれば、微細気泡の直径は、例えば、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、以上、を超える、未満、に等しい、または~約5.0mmの間の任意の数値であることができる。スパージャー106の外面を横切る液体101aの加速された流れは、少なくとも0.3m/sの速度を有してもよい。別の実施形態では、スパージャー106の外面を横切る液体101aの加速された流れは、約0.3~約10m/sの速度を有してもよい。別の実施形態では、スパージャー106の外面を横切る液体101aの加速された流れは、例えば、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、以上、を超える、未満、に等しい、または~約30m/sの間の任意の数値の液空塔速度を有してもよい。
【0030】
他の実施形態によれば、スパージャー106は、反応器102の底部または反応器102の中間部に配置されてもよい。別の実施形態によれば、スパージャー106は、水平方向に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー106は、反応器102の上部、中間部、および下部を含むように、反応器102全体にわたって複数の位置に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー106は、リングスパージャーまたは穴あきパイプスパージャーであってもよい。一実施形態によれば、個々のスパージャー106およびヘッダー108は、反応器の構造および/または部品の交換、一般的なメンテナンス、洗浄を容易にし、または要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするモジュール部品として構成されてもよい。他の実施形態によれば、多段のスパージャー106およびヘッダー108を反応器102内に積み重ねてもよい。さらに他の実施形態では、スパージャー106は、ヘッダー108の下方に垂直に延在するように構成されてもよく、またはスパージャー106は、ヘッダー108の上方に垂直に延在するように構成されてもよい。別の実施形態によれば、ヘッダー108の単一の段またはスタックは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20の間の任意の数の個々のヘッダー108を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー108は、環状ガス供給部として構成されてもよい。さらに別の実施形態では、流体の流れ111が反応器102全体に分散されるように、一つまたは複数の流体分配器(図示せず)を使用してもよい。一実施形態では、流体分配器は、間隙107の流体出口の近くに配置される。流体分配器は、不透過性の板またはベーンまたはトラフであってもよい。流体分配器は、スパージャー106の終端に取り付けられ、スパージャー106の下方で、間隙107の下方の領域を少なくとも部分的に横切って延在してもよい。
【0031】
図2は、図1のスパージャーシステムの別の配置を示す。図2に示すように、気相および液相の両方を有する液体201および流体211は、ループ型反応器システム内でほぼ垂直上向き方向に流れるまたは循環することができる。支持板204は、反応器内に収容される。再び、支持板204は、少なくとも一つの環状シュラウド205と係合するように構成されることができる。環状シュラウド205の直径は、スパージャー206の直径よりも大きくてもよい。したがって、スパージャー206は、スパージャー206の外壁と環状シュラウド205の内壁との間の間隙または制限領域207を画成する環状シュラウド205内に配置されるように構成されることができる。スパージャー206は、そこから延在する延長部213を通ってヘッダー208と流体係合されることができる。ヘッダー208は、スパージャー206によって液体ブロス201内に注入されるガス状基質を受け取るように構成されることができる。液体ブロス201は、反応器の底部から入ってもよい。液体201の少なくとも一部201aは、スパージャー206の外面を横切るように向けられる。いくつかの実施形態では、液体201の流れのほぼすべては、スパージャー206の外面を横切るように向けられる。液体201が環状シュラウド205とスパージャー206の外壁とによって画成される間隙207内に押し込まれると、液体201は間隙207を通って垂直上方に移動するにつれて加速される。加速された液体201aは、スパージャー206の外面上の注入された気泡をせん断して、微細気泡203を生成する。ヘッダー208から延在する垂直延長部213は、流体211の流れを方向転換または偏向させて、停滞流体のデッドゾーンを防止するように構成されるバッフル215を備えることができる。支持板204はまた、流体の停滞領域の排出および循環のための穴または穿孔217を備えてもよい。一実施形態では、環状シュラウドは、その同心のスパージャーとの調整を制御するために、ガイド(図示せず)内に配置されることができる。
【0032】
図2に示すように、ヘッダー208をスパージャー206の上方に配置することは、この構成が液体および気泡の上方への流れを妨げないため有利である。さらに、システム構成要素は、スパージャー106を含めて、システム内の構成要素の構築、保守、および交換を容易にするモジュール式であってもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー208は、反応器内に恒久的に設置されてもよく、その後、スパージャー106は、垂直延長部213および/またはヘッダー208に取り付けられてもよい。スパージャー206および垂直延長部213は、容易に搬送されて反応容器内に挿入され、そして容器に個別に連結される一連の個別の部品/構成要素であってもよい。図1に示すシステムと同様に、図2に示すシステムは、複数のヘッダー208を備えてもよく、複数の支持板204は、反応器内に複数の垂直方向の層を形成してもよい。支持板204の各垂直方向の層は、複数の環状シュラウド205と、複数の垂直延長部213およびヘッダー208と流体係合する複数のスパージャー206とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、反応容器は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、以上、を超える、未満、に等しい、または~約100の間の任意の数の支持板の垂直方向の層を備えてもよい。いくつかの実施形態では、各垂直方向の層は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、以上、を超える、未満、に等しい、または~約200の間の任意の数のスパージャーおよび/または環状シュラウドを備えてもよい。再び、このようなスパージャー構成は、図1および図2の両方に記載の反応器システム100および200で用いられてもよい。
【0033】
他の実施形態によれば、スパージャー206は、反応器の底部または反応器の中間部に配置されてもよい。別の実施形態によれば、スパージャー206は、水平方向に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー206は、反応器の上部、中間部、および下部を含むように、反応器全体にわたって複数の位置に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー206は、リングスパージャーまたは穴あきパイプスパージャーであってもよい。一実施形態によれば、個々のスパージャー206およびヘッダー208は、反応器の構造および/もしくは部品の交換、一般的な保守、洗浄を容易にし、または要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするモジュール部品として構成されてもよい。他の実施形態によれば、多段のスパージャー206およびヘッダー208を反応器内に積み重ねてもよい。さらに他の実施形態では、スパージャー206は、ヘッダー208の下方に垂直に延在するように構成されてもよく、またはスパージャー206は、ヘッダー208の上方に垂直に延在するように構成されてもよい。別の実施形態によれば、ヘッダー208の単一の段またはスタックは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20の間の任意の数の個々のヘッダー208を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー208は、環状ガス供給部として構成されてもよい。
【0034】
図3は、本明細書に開示のスパージャーシュラウドシステムを組み込んだループ型バイオリアクターシステム300および方法を示す。反応器304内を循環する液体ブロスは、スパージャーシュラウド組立品316および306の一方または両方によってガス基質とともに注入される。好適なスパージャーシュラウド組立品の例示的な詳細を図1および図2に示した。一実施形態では、反応器304のライザー部302に流入する液体ブロス301の流れの少なくとも一部は、環状シュラウドと、スパージャーシュラウド組立品316のスパージャーの外壁とによって画成される間隙に押し込まれる。液体ブロス301は、スパージャーとスパージャーシュラウド組立品316の環状シュラウドとによって画成される間隙を通って移動するにつれて加速される。加速された液体ブロス301は、スパージャーの表面上の注入された気泡をせん断し、それによって微細気泡を生成する。液体ブロスおよび微細気泡を含む結果として生じる流体311は、反応器304のライザー部302内を上向きに流れ、ライザー部302を出て分離部308内に入る。流体311の少なくとも一部は、分離部308から出て、ダウンカマー312に入る。この時点で、流体311はガス基質が枯渇し、ガス基質が枯渇した液体ブロス321を形成する可能性がある。必要に応じて、ダウンカマー312は、本明細書に開示の少なくとも一つのスパージャーシュラウド組立品306を備えてもよい。ダウンコマー312内に配置されるスパージャーシュラウド組立品306は、ガス基質の微細気泡を基質枯渇液体ブロス321中に注入して、その中の微生物に追加の基質を供給し、生存を延長させることができる。バイオリアクターシステム300はポンプ314を備え、液体ブロス301および流体311および基質枯渇液体ブロス321をバイオリアクターシステム300全体にわたって循環させることができる。
【0035】
図4に示すように、液体ブロス401は、反応器402の底部に入る。ガス基質は、ガス供給部/ヘッダー408に連結するスパージャー406によって反応器402内の液体401中に注入される。液体401の流れの少なくとも一部は、スパージャー406の外面を横切るように向けられる。いくつかの実施形態では、液体401の流れのほぼすべてが、スパージャー406の外面を横切るように向けられる。他の実施形態では、液体の流れ401の一部は、通路403を通ってスパージャー406の外面を迂回する。液体401が環状シュラウド405およびスパージャー406の外壁によって画成される間隙407内に押し込まれると、液体は、水平に配置されたスパージャー406および環状シュラウド405の周囲または垂直面を横切って移動しながら加速される。加速された液体401aは、スパージャー406の表面上の注入された気泡をせん断し、注入された気泡を微細気泡409に分解する。せん断された微細気泡409は、約0.2~約2.0mmの直径を有してもよい。別の実施形態によれば、微細気泡の直径は、例えば、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、以上、を超える、未満、に等しい、または~約5.0mmの間の任意の数値であることができる。微細気泡を含む流体の流れは、上昇流モード420で継続する。スパージャー406の外面を横切る液体401aの加速された流れは、少なくとも0.3m/sの速度を有してもよい。別の実施形態では、スパージャー406の外面を横切る液体401aの加速された流れは、約0.3~約10m/sの速度を有してもよい。別の実施形態では、スパージャー406の外面を横切る液体401aの加速された流れは、例えば、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、以上、を超える、未満、に等しい、または~約30m/sの間の任意の数値の液空塔速度を有してもよい。
【0036】
他の実施形態によれば、スパージャー406は、反応器402の底部または反応器402の中間部に配置されてもよい。図4は、スパージャー406が水平方向に配置される実施形態を示す。さらに別の実施形態によれば、スパージャー406は、反応器402の上部、中間部、および下部を含むように、反応器402全体にわたって複数の位置に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー406は、リングスパージャーまたは穴あきパイプスパージャーであってもよい。一実施形態によれば、個々のスパージャー406およびヘッダー408は、反応器の構造および/もしくは部品の交換、一般的な保守、洗浄を容易にし、または要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするモジュール部品として構成されてもよい。他の実施形態によれば、多段のスパージャー406およびヘッダー408を反応器402内に積み重ねてもよい。さらに他の実施形態では、スパージャー406は、反応器402の断面を跨いで水平に延在するように構成されてもよい。別の実施形態によれば、ヘッダー408の単一の段またはスタックは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20の間の任意の数の個々のヘッダー408または垂直延長部413を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー408は、環状ガス供給部として構成されてもよい。
【0037】
図4にさらに示すように、ヘッダー408をスパージャー406の上方に配置することは、この構成が液体および気泡の上方への流れを妨げないため有利である。図4では、スパージャー406は、反応器402内に水平方向に配置される。さらに、システム構成要素は、スパージャー406を含めて、システム内の構成要素の構築、保守、および交換を容易にするモジュール式であってもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー408は反応器内に恒久的に設置されてもよく、垂直延長部413を有してもよい。スパージャー406、ヘッダー408、および垂直延長部413は、容易に搬送されて反応容器内に挿入され、そして容器に個別に連結される一連の個別の部品/構成要素であってもよい。図4に示されるシステムは、複数のヘッダー408と、反応器内で、かつ反応器の垂直方向に沿って複数の層を形成することができる複数のスパージャー406と、を備えることができる。各層は、複数の環状シュラウド405と、複数の垂直延長部413およびヘッダー408と流体係合する複数のスパージャー406と、を備えてもよい。特定の実施形態では、反応容器は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、以上、を超える、未満、に等しい、または~約100の間の任意の数のスパージャー、環状シュラウド、およびヘッダーのセットの垂直方向の層を備えてもよい。いくつかの実施形態では、各垂直方向の層は、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、以上、を超える、未満、に等しい、または~約200の間の任意の数のスパージャーおよび/または環状シュラウドを備えてもよい。先と同様に、このようなスパージャー構成は、図4、5、および6に記載の反応器システム400および500および600で用いられてもよい。
【0038】
他の実施形態によれば、スパージャー406は、反応器の底部または反応器の中間部に配置されてもよい。図4によると、スパージャー406は水平方向に配置される。さらに別の実施形態によれば、スパージャー406は、反応器の上部、中間部、および下部を含むように、反応器全体にわたって複数の位置に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー406は、リングスパージャーまたは穴あきパイプスパージャーであってもよい。一実施形態によれば、個々のスパージャー406およびヘッダー408は、反応器の構造および/もしくは部品の交換、一般的な保守、洗浄を容易にし、または要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするモジュール部品として構成されてもよい。他の実施形態によれば、多段のスパージャー406およびヘッダー408を反応器内に積み重ねてもよい。別の実施形態によれば、ヘッダー408の単一の段またはスタックは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20の間の任意の数の個々のヘッダー408を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダー408は、環状ガス供給部として構成されてもよい。
【0039】
側面図である図5、および図5の上面図である図6は、複数のスパージャー506が同じ環状シュラウド505内に配置されている実施形態を示す。複数のスパージャー506を同じ環状シュラウド505内に配置することにより、配管およびヘッダーまたはマニホールド連結を減らすことができる。図4と同様に、液体ブロス501は反応器502の底部に入る。ガス基質は、ガス供給部/ヘッダー508に連結するスパージャー506によって反応器502内の液体501中に注入される。液体501の流れの少なくとも一部は、スパージャー506の外面を横切るように向けられる。いくつかの実施形態では、液体501の流れのほぼすべてが、スパージャー506の外面を横切るように向けられる。他の実施形態では、液体の流れ501の一部は、通路503を通ってスパージャー506の外面を迂回する。液体501が環状シュラウド505およびスパージャー506の外壁によって画成される間隙507内に押し込まれると、液体は、水平に配置されたスパージャー506および環状シュラウド505の周囲または垂直面を横切って移動しながら加速される。加速された液体501aは、スパージャー606の表面上の注入された気泡をせん断し、注入された気泡を微細気泡509に分解する。微細気泡は、上記の通りである。図5および図6は、単一の環状シュラウド505内に配置される三つのスパージャー506を示す。単一の環状シュラウド内に配置されるスパージャーの数は、約2~約10まで変化することができる。
【0040】
本開示は、いくつかの具体的な実施形態で説明されてきたが、多くの追加の修正および変更が当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、具体的に説明される以外の方法で実施されることができることが理解されるべきである。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、制限的ではないとみなされるべきである。したがって、本開示の範囲は、例示した実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決定されるべきである。
実施形態
【0041】
実施形態1:
気泡を液体中に注入するためのスパージャーシステムであって、
支持板と、
支持板と係合する複数の環状シュラウドと、
環状シュラウド内に配置される複数のスパージャーであって、環状シュラウドの内面と対応するスパージャーの外面との間の間隙を画成する、複数のスパージャーと、を備え、
支持板、環状シュラウド、およびスパージャーが、反応器の内部に配置される、スパージャーシステム。
【0042】
実施形態2:
支持板および環状シュラウドが、単一の構成要素に一体化される、実施形態1に記載のシステム。
【0043】
実施形態3:
二つ以上のスパージャーが、単一の環状シュラウド内に配置される、実施形態1または2に記載のシステム。
【0044】
実施形態4:
スパージャーの長さが少なくとも10cmである、実施形態1~3のいずれか一つに記載のシステム。
【0045】
実施形態5:
間隙が約1mm~約20mmである、実施形態1~4のいずれか一つに記載のシステム。
【0046】
実施形態6:
支持板、環状シュラウド、およびスパージャーが、反応器のトップ部または底部に配置される、実施形態1~5のいずれか一つに記載のシステム。
【0047】
実施形態7:
複数のスパージャーが複数のヘッダーと係合し、複数のスパージャーが、複数のヘッダーからガス供給を受けるように構成される、実施形態1~6のいずれか一つに記載のシステム。
【0048】
実施形態8:
複数のヘッダーが、液体および気泡を含む流体を分散させるように構成されるバッフルをさらに備える、実施形態1~7のいずれか一つに記載のシステム。
【0049】
実施形態9:
液体が少なくとも部分的に再循環する液体である、実施形態8に記載のシステム。
【0050】
実施形態10:
支持板が、複数の穿孔をさらに備える、実施形態1~9のいずれか一つに記載のシステム。
【0051】
実施形態11:
環状シュラウドが、反応器の垂直軸の約20度以内に配置される、実施形態1~10のいずれか一つに記載のシステム。
【0052】
実施形態12:
反応器の内部内に複数の垂直方向の層を形成するように配置される少なくとも一つの追加的な支持板をさらに備え、少なくとも一つの追加的な支持板が複数の環状シュラウドと係合する、実施形態1~11のいずれか一つに記載のシステム。
【0053】
実施形態13:
反応器がバイオリアクターである、実施形態1~12のいずれか一つに記載のシステム。
【0054】
実施形態14:
反応器がバイオリアクターであって、
液体増殖培地と、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質であって、複数のスパージャーが、液体増殖培地中に基質の気泡を注入するように構成される、基質と、
液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物であって、少なくとも一つの微生物の培養物が、基質を嫌気的に発酵させて少なくとも一つの発酵生成物を生成する、培養物と、を備えるバイオリアクター、である、実施形態1~12のいずれか一つに記載のシステム。
【0055】
実施形態15:
気泡を液体中にスパージングする方法であって、
反応器内に配置され、気泡を放出するように構成される複数のスパージャーによって、液体を収容する反応器内にガスをスパージングすることと、
反応器内で複数のスパージャーを取り囲む複数の環状シュラウドによって、液体の流れを、スパージャーの外面を横切るように向けることと、
スパージャーの外面を横切る液体の流れによって、複数のスパージャーの表面で気泡をせん断することと、を含む、方法。
【0056】
実施形態16:
環状シュラウドの内面とスパージャーの外面との間に形成される間隙によって、スパージャーの外面を横切る液体の流れを加速させることをさらに含む、実施形態15に記載の方法。
【0057】
実施形態17:
スパージャーの外面を横切る液体の加速された流れが、少なくとも0.3m/sの液空塔速度を有する、実施形態15または16に記載の方法。
【0058】
実施形態18:
複数のスパージャーの外面を横切る液体の加速された流れが、約0.3m/s~約10m/sの速度を有する、実施形態15~17のいずれか一つに記載の方法。
【0059】
実施形態19:
せん断された気泡が、約0.2mm~約2.0mmの直径を有する、実施形態15~18のいずれか一つに記載の方法。
【0060】
実施形態20:
容器内の気相の空塔速度が少なくとも0.03m/sである、実施形態15~19のいずれか一つに記載の方法。
【0061】
実施形態21:
容器内の気相の空塔速度が約0.03m/s~約0.1m/sである、実施形態15~19のいずれか一つに記載の方法。
【0062】
実施形態22:
気泡が、液体増殖培地を収容するバイオリアクター内の基質の気泡であり、液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物が、基質を好気的に発酵させて、少なくとも一つの発酵生成物を生成する、実施形態15~21のいずれか一つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】