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特表2024-537526薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526689
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2022079661
(87)【国際公開番号】W WO2023078720
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】21206708.6
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】オスカル・アレクサンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ザンデル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066HH22
(57)【要約】
薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリであって、ハウジングと、ハウジングの中に配置されており、伸長位置から後退位置に向けてハウジングの中を軸線方向に移動するように構成されている送達部材カバーであって、軸線方向の貫通開口部を備えた半径方向壁部を有する、送達部材カバーと、除去可能なキャップアセンブリ(4)であって、送達部材カバー(17)におよび/またはハウジングにフィットされるように構成されているキャップ(5)であって、近位キャップ端部(5a)および遠位キャップ端部(5b)を有している、キャップ(5)、ならびに、半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアーム(13b)を有する送達部材シールド把持スリーブ(13)を含み、送達部材シールド把持スリーブ(13)は、キャップ(5)の中に配置されており、送達部材シールド把持スリーブ(13)は、アーム(13b)が送達部材カバーの貫通開口部を通って延在している初期位置から、キャップ(5)が送達部材カバーから引っ張られている第2の位置へ、遠位キャップ端部(5b)に向けてキャップ(5)の中をスライドするように構成されており、キャップアセンブリ(4)は、軸線方向構造体(33)を含み、軸線方向構造体(33)は、送達部材シールド把持スリーブ(13)が初期位置にあるときに、送達部材シールド把持スリーブ(13)に対して平行に延在し、アーム(13b)の半径方向内向きの移動を制限するように構成されており、アーム(13b)が、貫通開口部の半径方向寸法を超えて延在する半径方向寸法を有するようになっており、それによって、送達部材カバーが後退位置に向けて移動することを防止し、送達部材シールド把持スリーブ(13)は、送達部材シールド把持スリーブ(13)が第2の位置に向けて移動されるときに、軸線方向構造体(33)に対して移動するように構成されており、アーム(13b)が半径方向内向きに屈曲することおよび送達部材カバーの貫通開口部を通って移動することを可能にする、除去可能なキャップアセンブリ(4)と、を備える、サブアセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイス(1;1’)のためのサブアセンブリであって、
- ハウジング(3)と、
- 前記ハウジング(3)の中に配置されており、伸長位置から後退位置に向けて前記ハウジング(3)の中を軸線方向に移動するように構成されている送達部材カバー(17)であって、軸線方向の貫通開口部(17d)を備えた半径方向壁部(17c)を有する、送達部材カバー(17)と、
- 除去可能なキャップアセンブリ(4;4’)であって、
前記送達部材カバー(17)におよび/または前記ハウジング(3)にフィットされるように構成されているキャップ(5;5’)であって、近位キャップ端部(5a;5a’)および遠位キャップ端部(5b;5b’)を有している、キャップ(5;5’)、ならびに、
半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアーム(13b;13b’)を有する送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)
を含み、
前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、前記キャップ(5;5’)の中に配置されており、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、前記アーム(13b;13b’)が前記送達部材カバー(17)の前記貫通開口部(17d)を通って延在している初期位置から、前記キャップ(5;5’)が前記送達部材カバー(17)から引っ張られている第2の位置へ、前記遠位キャップ端部(5b;5b’)に向けて前記キャップ(5;5’)の中をスライドするように構成されており、
前記キャップアセンブリ(4;4’)は、軸線方向構造体(33;33’)を含み、前記軸線方向構造体(33;33’)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記初期位置にあるときに、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)に対して平行に延在し、前記アーム(13b;13b’)の半径方向内向きの移動を制限するように構成されており、前記アーム(13b;13b’)が、前記貫通開口部(17d)の半径方向寸法を超えて延在する半径方向寸法を有するようになっており、それによって、前記送達部材カバー(17)が前記後退位置に向けて移動することを防止し、
前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記第2の位置に向けて移動されるときに、前記軸線方向構造体(33;33’)に対して移動するように構成されており、前記アーム(13b;13b’)が半径方向内向きに屈曲することおよび前記送達部材カバー(17)の前記貫通開口部(17d)を通って移動することを可能にする、
除去可能なキャップアセンブリ(4;4’)と、
を備える、サブアセンブリ。
【請求項2】
前記キャップ(5;5’)は、近位に方向付けられた半径方向ストップ表面(5c;5c’)を含み、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、遠位に方向付けられたスリーブ半径方向表面(13e;13e’)を含み、前記遠位に方向付けられたスリーブ半径方向表面(13e;13e’)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記初期位置にあるときに、前記半径方向ストップ表面(5;5c’)に面しており、前記半径方向ストップ表面(5;5c’)から軸線方向に間隔を離して配置されており、前記スリーブ半径方向表面(13e;13e’)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記第2の位置にあるときに、前記半径方向ストップ表面(5c;5c’)に接触するように構成されている、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項3】
前記送達部材シールド把持スリーブ(13’)は、前記スリーブ半径方向表面(13e’)を備えた軸線方向スロット(12’)を有しており、前記半径方向ストップ表面(5c’)は、半径方向内向きに延在する突出部(5d’)の上に備えられており、前記半径方向内向きに延在する突出部(5d’)は、前記初期位置と前記第2の位置との間の前記送達部材シールド把持スリーブ(13’)の軸線方向移動の境界を定めるために遊びを伴って、前記軸線方向スロット(12’)の中へ延在している、請求項2に記載のサブアセンブリ。
【請求項4】
前記アーム(13b’)および前記軸線方向構造体(33’)は、前記半径方向壁部(17c)とねじりスナップフィットを形成している、請求項2または3に記載のサブアセンブリ。
【請求項5】
前記アーム(13b’)は、前記遠位キャップ端部(5b’)に向けて延在する第1のアームであり、前記近位キャップ端部(5a’)に向けて軸線方向に延在する半径方向に可撓性の第2のアーム(13f’)を含むシーソー構造体(13g’)の一部を形成しており、前記軸線方向構造体(33’)は、前記第2のアーム(13f’)の半径方向外向きに配置されており、前記送達部材シールド把持スリーブ(13’)が前記初期位置にあるときに、前記第2のアーム(13f’)を半径方向内向きに付勢し、前記第1のアーム(13b’)が半径方向外向きに屈曲することおよび前記貫通開口部(17d)の半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を取得することを引き起こす、請求項3または4に記載のサブアセンブリ。
【請求項6】
前記軸線方向構造体(33’)は、傾斜内側表面(33a’)を有しており、前記傾斜内側表面(33a’)は、前記第2のアーム(13f’)に当接し、前記第2のアーム(13f’)を半径方向内向きに付勢するように構成されており、前記傾斜内側表面(33a’)は、前記近位キャップ端部(5a’)に向かう方向に前記軸線方向構造体(33’)の半径方向寸法を増加させている、請求項5に記載のサブアセンブリ。
【請求項7】
前記送達部材シールド把持スリーブ(13)は、前記スリーブ半径方向表面(13e)を画定する半径方向外向きに延在するスリーブフランジ(13d)を有しており、前記半径方向ストップ表面(5c)は、半径方向内向きに延在しており、前記送達部材シールド把持スリーブ(13)が前記初期位置にあるときに、前記スリーブ半径方向表面(13e)から軸線方向に間隔を離して配置されており、前記半径方向ストップ表面(5c)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13)が前記第2の位置にあるときに、前記スリーブフランジ(13d)に当接するように構成されている、請求項2に記載のサブアセンブリ。
【請求項8】
前記軸線方向構造体(33)は、前記アーム(13b)の半径方向内向きに配置されている、請求項7に記載のサブアセンブリ。
【請求項9】
前記アーム(13b;13b’)は、傾斜部分(13c)を含み、前記傾斜部分(13c)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記初期位置にあるときに、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)の遠位スリーブ端部(14b;14b’)に向かう方向に、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)の半径方向寸法を徐々に増加させており、前記傾斜部分(13c)は、前記貫通開口部(17d)の前記半径方向寸法よりも大きい最大半径方向寸法を有している、請求項1から8のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項10】
前記半径方向壁部(17c)は、遠位に方向付けられた壁部表面(17e)を有しており、前記傾斜部分(13c)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)が前記初期位置にあるときに、前記遠位に方向付けられた壁部表面(17e)に対して遠位に配置されている、請求項9に記載のサブアセンブリ。
【請求項11】
前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、送達部材シールドと係合するように構成されている半径方向内向きに延在する可撓性のタブ(13a)を有している、請求項1から10のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項12】
前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)は、前記遠位キャップ端部(5b;5b’)において前記キャップ(5;5’)から外に延在しており、前記アーム(13b;13b’)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)の近位部分に配置されており、前記タブ(13a)は、前記送達部材シールド把持スリーブ(13;13’)の遠位部分に配置されている、請求項11に記載のサブアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジング(3)は、近位に面する表面(3c)を有しており、前記近位に面する表面(3c)は、前記キャップ(5)が前記送達部材カバー(17)にフィットされているときに、前記キャップ(5)に当接するように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のサブアセンブリを含む、薬剤送達デバイス(1;1’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
自己注射器などのような薬剤送達デバイスは、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能な針カバーと、を含むことが可能である。針カバーは、薬剤送達デバイスの初期状態においてハウジングから突出することが可能である。針カバーをハウジングの中へさらに押し込むことによって、デバイスは活性化させられることが可能である。これは、薬剤送達デバイスを注射部位に向けて押圧することによって、典型的に実施される。この構築に起因して、たとえば、デバイスを事故的に落下させることによる、薬剤送達デバイスの意図しない活性化のリスクが存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的は、先行技術の問題を解決するかまたは少なくとも軽減する、薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本開示の第1の態様によれば、薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリであって、ハウジングと、ハウジングの中に配置されており、伸長位置から後退位置に向けてハウジングの中を軸線方向に移動するように構成されている送達部材カバーであって、軸線方向の貫通開口部を備えた半径方向壁部を有する、送達部材カバーと、除去可能なキャップアセンブリであって、送達部材カバーにおよび/またはハウジングにフィットされるように構成されているキャップであって、近位キャップ端部および遠位キャップ端部を有している、キャップ、ならびに半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアームを有する送達部材シールド把持スリーブを含み、送達部材シールド把持スリーブは、キャップの中に配置されており、送達部材シールド把持スリーブは、アームが送達部材カバーの貫通開口部を通って延在している初期位置から、キャップが送達部材カバーから引っ張られている第2の位置へ、遠位キャップ端部に向けてキャップの中をスライドするように構成されており、キャップアセンブリは、軸線方向構造体を含み、軸線方向構造体は、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、送達部材シールド把持スリーブに対して平行に延在し、アームの半径方向内向きの移動を制限するように構成されており、アームが、貫通開口部の半径方向寸法を超えて延在する半径方向寸法を有するようになっており、それによって、送達部材カバーが後退位置に向けて移動することを防止し、送達部材シールド把持スリーブは、送達部材シールド把持スリーブが第2の位置に向けて移動されるときに、軸線方向構造体に対して移動するように構成されており、アームが半径方向内向きに屈曲することおよび送達部材カバーの貫通開口部を通って移動することを可能にする、除去可能なキャップアセンブリと、を備える、サブアセンブリが提供される。
【0005】
したがって、たとえば、事故的に落下されることに起因して、サブアセンブリを含有する薬剤送達デバイスが衝撃を受ける場合に、半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアームは、送達部材カバーのその後退位置に向けた移動を制限する。したがって、送達部材カバーが後退位置に移動することによって薬剤送達をトリガーするように構成されている場合に、事故的なトリガーが回避されることが可能である。
【0006】
本開示において、「遠位方向」という用語が使用されるときに、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に用量送達部位から離れる方を指し示す方向を指す。「遠位パーツ/端部」という用語が使用されるときに、これは、薬剤送達デバイスの使用下において、用量送達部位から最も遠くに位置付けされている送達デバイスのパーツ/端部、またはその部材のパーツ/端部を指す。それに対応して、「近位方向」という用語が使用されるときに、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に用量送達部位の方を指し示す方向を指す。
【0007】
「近位パーツ/端部」という用語が使用されるときに、これは、薬剤送達デバイスの使用下において、用量送達部位の最も近くに位置付けされている送達デバイスのパーツ/端部、またはその部材のパーツ/端部を指す。
【0008】
さらに、「長手方向の」、「長手方向に」、「軸線方向に」、または「軸線方向の」という用語は、典型的に、デバイスまたはそのコンポーネントに沿って、デバイスおよび/またはコンポーネントの最も長い延在の方向に、近位端部から遠位端部へ延在する方向を指す。
【0009】
同様に、「横断方向」、「横断方向の」、および「横断方向に」という用語は、長手方向に対して概して垂直の方向を指す。
【0010】
さらに、「円周」、「円周方向の」、または「円周方向に」という用語は、軸線(典型的に、デバイスおよび/またはコンポーネントの最も長い延在の方向に延在する中心軸線)に対する円周または円周方向を指す。
【0011】
同様に、「半径方向の」または「半径方向に」は、軸線に対して半径方向に延在する方向を指し、「回転」、「回転の」、および「回転方向に」は、軸線に対する回転を指す。
【0012】
1つの実施形態によれば、キャップは、近位に方向付けられた半径方向ストップ表面を含み、送達部材シールド把持スリーブは、遠位に方向付けられたスリーブ半径方向表面を含み、遠位に方向付けられたスリーブ半径方向表面は、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、半径方向ストップ表面に面しており、半径方向ストップ表面から軸線方向に間隔を離して配置されており、スリーブ半径方向表面は、送達部材シールド把持スリーブが第2の位置にあるときに、半径方向ストップ表面に接触するように構成されている。
【0013】
したがって、送達部材シールド把持スリーブは、初期位置から移動するときに、第2の位置よりもさらに移動することを防止される。
【0014】
1つの実施形態によれば、送達部材シールド把持スリーブは、スリーブ半径方向表面を備えた軸線方向スロットを有しており、半径方向ストップ表面は、半径方向内向きに延在する突出部の上に備えられており、半径方向内向きに延在する突出部は、初期位置と第2の位置との間の送達部材シールド把持スリーブの軸線方向移動の境界を定めるために遊びを伴って、スロットの中へ延在している。
【0015】
1つの実施形態によれば、アームおよび軸線方向構造体は、半径方向壁部とねじりスナップフィット(torsional snap fit)を形成している。
【0016】
1つの実施形態によれば、アームは、遠位キャップ端部に向けて延在する第1のアームであり、近位キャップ端部に向けて軸線方向に延在する半径方向に可撓性の第2のアームを含むシーソー構造体の一部を形成しており、軸線方向構造体は、第2のアームの半径方向外向きに配置されており、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、第2のアームを半径方向内向きに付勢し、第1のアームが半径方向外向きに屈曲することおよび貫通開口部の半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を取得することを引き起こす。
【0017】
1つの実施形態によれば、軸線方向構造体は、傾斜内側表面を有しており、傾斜内側表面は、第2のアームに当接し、第2のアームを半径方向内向きに付勢するように構成されており、傾斜表面は、近位キャップ端部に向かう方向に軸線方向構造体の半径方向寸法を増加させている。
【0018】
1つの実施形態によれば、送達部材シールド把持スリーブは、スリーブ半径方向表面を画定する半径方向外向きに延在するスリーブフランジを有しており、半径方向ストップ表面は、半径方向内向きに延在しており、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、スリーブ半径方向表面から軸線方向に間隔を離して配置されており、半径方向ストップ表面は、送達部材シールド把持スリーブが第2の位置にあるときに、スリーブフランジに当接するように構成されている。
【0019】
1つの実施形態によれば、軸線方向構造体は、アームの半径方向内向きに配置されている。
【0020】
1つの実施形態によれば、アームは、傾斜部分を含み、傾斜部分は、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、送達部材シールド把持スリーブの遠位スリーブ端部に向かう方向に、送達部材シールド把持スリーブの半径方向寸法を徐々に増加させており、傾斜部分は、貫通開口部の半径方向寸法よりも大きい最大半径方向寸法を有している。
【0021】
1つの実施形態によれば、半径方向壁部は、遠位に方向付けられた壁部表面を有しており、傾斜部分は、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、遠位に方向付けられた壁部表面に対して遠位に配置されている。
【0022】
1つの実施形態によれば、送達部材シールド把持スリーブは、送達部材シールドと係合するように構成されている半径方向内向きに延在する可撓性のタブを有している。
【0023】
1つの実施形態によれば、送達部材シールド把持スリーブは、遠位キャップ端部においてキャップから外に延在しており、アームは、送達部材シールド把持スリーブの近位部分に配置されており、タブは、送達部材シールド把持スリーブの遠位部分に配置されている。
【0024】
1つの実施形態によれば、ハウジングは、近位に面する表面を有しており、近位に面する表面は、キャップが送達部材カバーにフィットされているときに、キャップに当接するように構成されている。
【0025】
第2の態様によれば、第1の態様のサブアセンブリを含む薬剤送達デバイスが提供される。
【0026】
一般的に、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、本明細書において明示的に別段の定義がない限り、技術分野におけるその通常の意味にしたがって解釈されるべきである。「部材、装置、コンポーネント、手段など」へのすべての言及は、明示的に別段の記載がない限り、部材、装置、コンポーネント、手段などの少なくとも1つの事例を指すものとして、オープンに解釈されるべきである。
【0027】
ここで、本発明概念の特定の実施形態が、例として、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】薬剤送達デバイスの例の斜視図である。
図2図1の薬剤送達デバイスの分解図である。
図3】送達部材カバーの斜視図である。
図4】キャップアセンブリの例を示す図である。
図5図4のキャップアセンブリのキャップの縦断面である。
図6図4のキャップアセンブリが除去される前の、図1の薬剤送達デバイスの近位部分の縦断面を示す図である。
図7】キャップアセンブリが除去されているときの、図1の薬剤送達デバイスの近位部分の縦断面を示す図である。
図8】キャップアセンブリの別の例を示す図である。
図9図8のキャップアセンブリのキャップの斜視図である。
図10図8のキャップアセンブリが除去される前の、薬剤送達デバイスの近位部分の縦断面を示す図である。
図11図8のキャップアセンブリが除去されているときの、薬剤送達デバイスの近位部分の縦断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本発明概念は、添付の図面を参照して以降でより完全に説明されることとなり、添付の図面では、例示用の実施形態が示されている。しかし、本発明概念は、多くの異なる形態で具現化されることが可能であり、本明細書で記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、例として提供されており、本開示が、徹底的で完全なものとなり、本発明概念の範囲を当業者に十分に伝えるものとなるようになっている。説明の全体を通して、同様の番号は、同様の部材を指す。
【0030】
図1図11を参照して、薬剤送達デバイスのためのサブアセンブリが、本明細書において説明されることとなる。サブアセンブリは、ハウジング3と、ハウジング3の近位端部開口部から突出する送達部材カバー17と、除去可能なキャップアセンブリ4、4’と、を含む。
【0031】
サブアセンブリは、薬剤送達デバイスが非意図的にトリガーすることを防止するように構成されている。アセンブリを含む薬剤送達デバイスは、ハウジングに対する薬剤送達部材カバーの軸線方向移動によってトリガーされるように設計されている。ハウジングに対する薬剤送達カバーのこの軸線方向移動は、薬剤送達デバイスの中に含有されている薬剤が薬剤送達部位に送達されることを結果として生じさせる。
【0032】
このアセンブリの詳細な説明が、薬剤送達デバイスの1つの主な例の文脈において、下記に提供されている。このアセンブリは、ハウジングに対する送達部材カバーの軸線方向移動によってトリガーされる他のタイプの薬剤送達デバイスとともに使用されることも可能であるということが留意されるべきである。
【0033】
図1は、上述のサブアセンブリを含む薬剤送達デバイス1の例を示している。薬剤送達デバイス1は、本例では、自己注射器である。
【0034】
薬剤送達デバイス1は、ハウジング3を含む。サブアセンブリのハウジング3は、近位端部3aおよび遠位端部3bを有している。ハウジング3は、中空になっており、概してチューブ状になっていることが可能である。ハウジング3は、近位端部開口部を含むことが可能である。
【0035】
薬剤送達デバイス1は、キャップアセンブリ4を含む。サブアセンブリのキャップアセンブリ4は、キャップ5を含む。キャップ5は、ハウジング3の近位端部3aにフィットされるように、および/または、ハウジング3の近位端部開口部から突出する送達部材カバーの上にフィットされるように構成されている。
【0036】
図2は、薬剤送達デバイス1の分解図である。
【0037】
薬剤送達デバイス1は、シリンジ7などのような薬剤コンテナを収容するように構成されている。シリンジ7は、送達部材(このケースでは、針)を含む。送達部材シールドは、送達部材の周りに備えることが可能である。送達部材シールドは、たとえば、可撓性の針シールド9および/またはリジッドの針シールド11を含むことが可能である。それが可撓性の針シールド9およびリジッドの針シールド11を含む場合に、リジッドの針シールド11は、可撓性の針シールド9の半径方向外側に配置され、送達部材に装着されることが可能である。
【0038】
サブアセンブリのキャップアセンブリ4は、リジッドの針シールド11と係合するように構成されている送達部材シールド把持スリーブ13を含む。送達部材シールド把持スリーブ13は、たとえば、リジッドの針シールド11と係合するように構成されている半径方向内向きに延在するタブ13aを含むことが可能である。キャップ5が除去されるときに、それは、可撓性の針シールド9およびリジッドの針シールド11をそれとともに連れて行く。
【0039】
薬剤送達デバイスは、上述の送達部材カバー17を含む。送達部材カバー17は、ハウジング3の中にスライド可能に配置されており、ハウジング3の近位端部開口部6から、ハウジング3から延在している。
【0040】
送達部材カバー17は、伸長位置から後退位置へハウジング3に対して軸線方向に移動するように構成されており、後退位置では、ハウジング3は、伸長位置のときよりも、送達部材カバー17のより大きな部分を受け入れている。
【0041】
送達部材カバー17は、伸長位置に向けて付勢されている。薬剤送達デバイス1は、第1の弾性部材15を含み、第1の弾性部材15は、送達部材カバー17を伸長位置に向けて付勢するように構成されている。第1の弾性部材15は、たとえば、コイルスプリングであることが可能である。
【0042】
第1の弾性部材15は、たとえば、送達部材カバー17の半径方向表面とハウジング3の内側に備えられた半径方向表面との間において、送達部材カバー17の内側に延在するように配置されることが可能である。
【0043】
送達部材カバー17は、近位チューブ状部分17aと、ハウジング3の遠位端部3bに向けて遠位に延在する脚部17bと、を有している。
【0044】
薬剤送達デバイス1は、薬剤コンテナホルダー19を含む。薬剤コンテナホルダー19は、ハウジング3の中に配置されており、シリンジ7などのような薬剤コンテナを保持するように構成されている。
【0045】
ハウジング3は、たとえば、半径方向内向きに延在するレッジ部を含むことが可能であり、半径方向内向きに延在するレッジ部は、薬剤コンテナホルダー19が近位方向に(すなわち、ハウジング3の近位端部3aに向けて)移動することを防止する。
【0046】
薬剤送達デバイス1は、プランジャーロッド21を含む。プランジャーロッド21は、薬剤コンテナ(すなわち、この例では、シリンジ7)の中へ延在するように構成されている。
【0047】
プランジャーロッド21は、ハウジング3の内側で近位方向に移動されるように構成されている。プランジャーロッド21は、初期の軸線方向位置から最終的な位置へ移動されるように構成されており、最終的な位置は、初期の軸線方向位置よりも、ハウジング3の近位端部3aに近い。
【0048】
好適な例では、プランジャーロッド21は、半径方向凹部21aを含む。代替的に、プランジャーロッドは、プランジャーロッドの壁部の外側表面から半径方向に延在するレッジ部を含む。好適な例では、プランジャーロッド21は、中空になっている。代替的に、プランジャーロッドは、チューブ状セクションおよびロッドセクションを含む。
【0049】
好適な例では、薬剤送達デバイス1は、ロッド23および第2の弾性部材25を含む。ロッド23は、プランジャーロッド21の中に配置されるように構成されており、第2の弾性部材25(たとえば、スプリング)は、プランジャーロッド21の中のロッド23の周りに配置されることが可能である。代替的に、第2の弾性部材25は、プランジャーロッドの周りに部分的に配置されることが可能であり、そのケースでは、薬剤送達デバイスは、ロッド23なしの状態である。
【0050】
別の例では、薬剤送達デバイスは、ガスキャニスターと、初期の軸線方向位置からプランジャーロッドを駆動するためにガスキャニスターに接続されているバルブと、を含む。
【0051】
1つの例において、薬剤送達デバイスがロッド23および第2の弾性部材25を含む場合、薬剤送達デバイス1は、U字形状のブラケット27を含むことが可能である。U字形状のブラケット27は、U字形状のその底部がハウジング3の遠位端部3bに向けて面した状態で配置されている。第2の弾性部材25は、ハウジング3の遠位端部3bに向けてU字形状のブラケット27を付勢するように構成されている。
【0052】
好適な例では、薬剤送達デバイス1は、ローテーター29およびリアキャップ構造体31を含む。
【0053】
1つの例において、プランジャーロッド21が第2の弾性部材25によってハウジング3に対して近位方向に付勢されている場合、ローテーター29およびリアキャップ構造体31は、第2の弾性部材25からの付勢力に対してプランジャーロッド21を解放可能に保持するように構成されている。リアキャップ構造体31は、プランジャーロッド21と係合し、プランジャーロッド21をその初期の軸線方向位置に維持するように構成されている。リアキャップ構造体31は、半径方向に可撓性アーム31bを備えたチューブ状の近位部分31aを有している。それぞれの可撓性アーム31bは、薬剤送達デバイス1が薬剤送達を実施するために活性化またはトリガーされる前に、プランジャーロッド21のそれぞれの半径方向凹部21aと係合するように構成されている。
【0054】
ローテーター29は、チューブ状の近位部分31aの半径方向外側に、チューブ状の近位部分31aの周りに配置されている。
【0055】
ローテーター29は、第1の回転位置(それは、薬剤送達デバイス1の活性化の前に、第1の回転位置を保持する)から第2の回転位置へ、チューブ状の近位部分31aに対して回転するように構成されている。
【0056】
ローテーター29は、ローテーター29が第1の回転位置にあるときに可撓性アーム31bに当接する内側表面を有しており、可撓性アーム31bが半径方向凹部21aのそれぞれ1つから係合解除することを防止する。
【0057】
ローテーター29は、内側凹部またはウィンドウを備えた内側表面を有しており、内側凹部またはウィンドウは、ローテーター29が第1の回転位置にあるときに、可撓性アーム31bから円周方向にオフセットされて配置されている。
【0058】
ローテーター29は、送達部材カバー17が伸長位置から後退位置に向けて移動されるときに、送達部材カバー17と協働するように構成されている。ローテーター29は、送達部材カバー17の線形移動を回転に変換するように構成されている。ローテーター29は、ガイド構造体29aを有しており、ガイド構造体29aは、送達部材カバー17の脚部17bの半径方向内向きに延在するピンと協働するように構成されており、送達部材カバー17が後退位置に向けて移動されるときに、ピンがガイド構造体29aのカム表面に対して移動するようになっている。これは、第1の回転位置から第2の回転位置へのローテーター29の回転を引き起こす。送達部材カバー17が後退位置に到達するときに、ローテーター29の内側表面の内側凹部(または、ウィンドウ)は、リアキャップ構造体31の可撓性アーム31bと整合する。それによって、可撓性アーム31bは、半径方向外向きに屈曲し、プランジャーロッド21の半径方向凹部21aから係合解除することができ、したがって、プランジャーロッド21は、初期の軸線方向位置から最終的な位置に向けて軸線方向に移動するように解放される。
【0059】
プランジャーロッド21が解放されてその最終的な位置に到達するときに、以前にリアキャップ構造体31と係合していたU字形状のブラケット27が解放されて半径方向表面(たとえば、リアキャップ構造体31の内側)と衝突する。これは、可聴クリック音を引き起こし、薬剤送達動作が完了したことを示す。
【0060】
図3は、送達部材カバー17の斜視図を示している。送達部材カバー17は、半径方向壁部17cを含む。半径方向壁部17cは、送達部材カバー17の近位端部を形成している。半径方向壁部17cは、近位チューブ状部分17aの近位端部を形成している。
【0061】
半径方向壁部17cは、軸線方向の貫通開口部17dを備えている。貫通開口部17dは、近位チューブ状部分17aの内部の中へつながっている。
【0062】
図4は、キャップアセンブリ4を示している。例示されているキャップアセンブリ4は、キャップ5に取り付けられるように構成されているフロントパーツ35を含む。フロントパーツ35は、キャップアセンブリ4の近位端部を形成している。
【0063】
キャップ5は、近位キャップ端部5aおよび遠位キャップ端部5bを有している。フロントパーツ35は、近位キャップ端部5aにおいてキャップ5に接続されるように構成されている。
【0064】
キャップ5は、中空になっており、遠位キャップ端部5bにおいて開口している。キャップ5は、送達部材シールド把持スリーブ13の近位部分を受け入れるように構成されている。
【0065】
送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5の遠位キャップ端部5bを越えて遠位方向に延在している。送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5の遠位キャップ端部5bから突出している。
【0066】
送達部材シールド把持スリーブ13は、近位スリーブ端部14aおよび遠位スリーブ端部14bを有している。
【0067】
送達部材シールド把持スリーブ13は、半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアーム13bを有している。アーム13bは、遠位方向に、近位スリーブ端部14aから遠位スリーブ端部14bに向かう方向に延在している。
【0068】
アーム13bは、送達部材シールド把持スリーブ13の近位端部部分から遠位に延在している。タブ13aが、送達部材シールド把持スリーブ13の遠位端部部分に備えられている。
【0069】
貫通開口部17dは、アーム13bの少なくとも一部分を含む、送達部材シールド把持スリーブ13の一部分を受け入れるように構成されている。
【0070】
アーム13bは、傾斜部分13cを有しており、傾斜部分13cは、送達部材シールド把持スリーブ13の遠位端部に向かう方向に、送達部材シールド把持スリーブ13の半径方向寸法を徐々に増加させている。傾斜部分13cは、貫通開口部17dの半径方向寸法よりも大きい最大半径方向寸法を有している。
【0071】
また、アーム13bは、傾斜部分13cの直後に続く傾斜部分13dを有している。傾斜部分13dは、送達部材シールド把持スリーブ13の遠位端部に向かう方向に、送達部材シールド把持スリーブ13の半径方向寸法を徐々に減少させている。これは、薬剤送達デバイス1の組み立ての間に、貫通開口部17dの中への送達部材シールド把持スリーブ13の挿入を促進させる。
【0072】
送達部材シールド把持スリーブ13は、半径方向外向きに延在するスリーブフランジ13dを有している。スリーブフランジ13dは、近位スリーブ端部14aを形成している。
【0073】
スリーブフランジ13dは、スリーブ半径方向表面13eを画定している。スリーブ半径方向表面13eは、遠位に方向付けられている。したがって、スリーブ半径方向表面13eは、キャップアセンブリ4が送達部材カバー17にフィットされたときに、ハウジング3の遠位端部3bに面する。
【0074】
送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5の中にスライド可能に配置されている。送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5に対して初期位置から第2の位置へキャップ5の内側を移動されるように構成されている。
【0075】
キャップアセンブリ4は、軸線方向構造体33を含む。軸線方向構造体33は、キャップ5の内側を軸線方向に延在している。軸線方向構造体33は、たとえば、チューブ状または円筒形状になっていることが可能である。軸線方向構造体33は、キャップ5の遠位キャップ端部5bに向けて軸線方向に延在している。
【0076】
フロントパーツ35は、本例では、軸線方向構造体33を備えている。
【0077】
軸線方向構造体33は、送達部材シールド把持スリーブ13が初期位置にあるときに、アーム13bに隣接してアーム13bの半径方向内向きに配置されるように構成されている。たとえば、軸線方向構造体33がチューブ状であるときに、軸線方向構造体33は、送達部材シールド把持スリーブ13が初期位置にあるときに、アーム13bと同心円状にアーム13bの半径方向内向きに配置されるように構成されている。代替的に、軸線方向構造体は、送達部材シールド把持スリーブが初期位置にあるときに、アームに隣接して、アームと平行にアームの半径方向内向きに延在する壁部であることが可能である。軸線方向構造体33は、アーム13bが半径方向内向きに屈曲することを制限されるように、アーム13bの十分に近くに半径方向に配置されている。軸線方向構造体33は、送達部材シールド把持スリーブ13が初期位置にあるときに、キャップアセンブリ4が送達部材カバー17にフィットされた後に、それが貫通開口部17dを通過することができるような量だけ、傾斜部分13cが半径方向内向きに屈曲することを制限するように構成されている。
【0078】
サブアセンブリを組み立てる1つの例において、キャップアセンブリ4が組み立てプロセスにおいて送達部材カバー17にフィットされるときに、送達部材シールド把持スリーブ13を含有するキャップ5が送達部材カバー17の近位端部から送達部材カバー17の上をスライドされる。この時点では、フロントパーツ35は、概してまだフィットされておらず、送達部材シールド把持スリーブ13が貫通開口部17dを通って移動するときに、アーム13bが半径方向内向きに屈曲することを可能にする。次いで、フロントパーツ35が、キャップ5に取り付けられる。したがって、軸線方向構造体33は、アーム13bの半径方向内向きに送達部材シールド把持スリーブ13の内側に移動される。これは、アーム13bの半径方向内向きの移動を制限する。
【0079】
図5は、キャップ5の縦断面を示している。キャップ5は、近位に方向付けられた半径方向ストップ表面5cを有している。半径方向ストップ表面5cは、スリーブ半径方向表面13eに面するように構成されている。送達部材シールド把持スリーブ13が初期位置にあるときに、スリーブ半径方向表面13eは、半径方向ストップ表面5cから軸線方向に間隔を離して配置されている。キャップアセンブリ4が送達部材カバー17から引っ張られるときに、送達部材シールド把持スリーブ13は、半径方向ストップ表面5cがスリーブ半径方向表面13eに到達するまで、送達部材カバー17に対するその軸線方向位置を維持する。そのようにして、送達部材シールド把持スリーブ13は、その第2の位置に到達する。
【0080】
ここで、送達部材カバー17からのキャップアセンブリ4の除去が、図6図7を参照して説明されることとなる。
【0081】
図6では、キャップアセンブリ4は、送達部材カバー17にフィットされている。
【0082】
ハウジング3は、遠位キャップ端部5bに当接する近位に面する表面3cを有している。
【0083】
送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5に対して初期位置に配置されている。軸線方向構造体33は、アーム13bの半径方向内向きに配置されており、アーム13bの傾斜部分13cまでまたは本質的にアーム13bの傾斜部分13cまで、軸線方向に延在している。したがって、アーム13bは、半径方向内向きに屈曲することを制限されている。アーム13bは、送達部材カバー17の貫通開口部17dを通って延在している。
【0084】
送達部材カバー17の半径方向壁部17cは、遠位に方向付けられた壁部表面17eを有している。遠位に方向付けられた壁部表面17eは、傾斜部分13cに対して近位に配置されている。傾斜部分13cは、遠位に方向付けられた壁部表面17eの十分に近くに配置されており、薬剤送達デバイス1に対する衝突または衝撃が、薬剤送達デバイス1の活性化を引き起こすような程度までの送達部材カバー17の軸線方向移動につながることとならないようになっている。この例では、これは、ローテーター29が第2の回転位置に移動することができるべきでないということ意味している。傾斜部分13cは、たとえば、送達部材シールド把持スリーブ13が初期位置にあるときに、遠位に方向付けられた壁部表面17eに隣接して、または、遠位に方向付けられた壁部表面17eに当接して配置されることが可能である。
【0085】
送達部材シールド把持スリーブ13の遠位スリーブ端部14bは、キャップ5が送達部材カバー17にフィットされたときに、ハウジング3の内側に、ハウジング3の近位に方向付けられた表面に面して、および、それに隣接して配置されている。したがって、たとえば、薬剤送達デバイス1が(たとえば、落下されることに起因する)衝突を受ける場合に、送達部材シールド把持スリーブ13は、ハウジング3の近位に方向付けられた表面にぶつかることとなり、したがって、遠位方向への(すなわち、ハウジング3の遠位端部3bに向かう)その移動を制限する。図7は、キャップアセンブリ4が送達部材カバー17から引き抜かれている最中にあるときを図示している。送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5の中にスライド可能に配置されているので、送達部材シールド把持スリーブ13は、キャップ5が引き抜かれるときに、送達部材カバー17に対するその軸線方向位置を最初に維持する。図7に示されているように、半径方向ストップ表面5cがスリーブ半径方向表面13eに接触するような距離だけ、キャップ5が移動したときに、送達部材シールド把持スリーブ13は、最後にキャップ5とともに取り去られる。この時点では、軸線方向構造体33のほとんどは、アーム13bの下から外に移動されている。これは、キャップ5が送達部材カバー17から引っ張り続けられるときに、アーム13bが半径方向内向きに屈曲することを可能にし、送達部材シールド把持スリーブ13がキャップ5と同時に移動される。したがって、アーム13bは、遠位に方向付けられた壁部表面17eに対抗して傾斜部分13cが引っ張られるときに、半径方向内向きに屈曲することが可能である。したがって、アーム13bは、送達部材カバー17の貫通開口部17dを通って移動することができることとなる。送達部材シールド把持スリーブ13は、したがって、送達部材カバー17から引っ張り出されることが可能であり、キャップアセンブリ4は、ハウジング3および送達部材カバー17から分離されることが可能である。
【0086】
図8は、キャップアセンブリの別の例を示している。キャップアセンブリ4’は、キャップ5’および送達部材シールド把持スリーブ13’を含む。
【0087】
送達部材シールド把持スリーブ13’は、軸線方向スロット12’を有している。軸線方向スロット12’は、送達部材シールド把持スリーブ13’の近位部分の上に備えられている。
【0088】
軸線方向スロット12’は、近位スロット端部および遠位スロット端部を有している。近位スロット端部は、遠位に方向付けられたスリーブ半径方向表面13e’を有している。
【0089】
送達部材シールド把持スリーブ13’は、半径方向に可撓性の軸線方向に延在するアーム13b’を有している。アーム13b’は、遠位方向に、近位スリーブ端部14a’から遠位スリーブ端部14b’に向かう方向に延在している。
【0090】
アーム13b’は、送達部材シールド把持スリーブ13’の近位端部部分から遠位に延在している。
【0091】
アーム13b’は、遠位に延在する第1のアームであり、近位方向に軸線方向に延在する半径方向に可撓性の第2のアーム13f’を含むシーソー構造体13g’の一部を形成している。したがって、アーム13b’および第2のアーム13f’は、反対の軸線方向に延在している。
【0092】
図9は、キャップ5’の内部の斜視図を示している。キャップ5’は、近位に方向付けられた半径方向ストップ表面5c’を有している。半径方向ストップ表面5c’は、キャップ5’の半径方向内向きに延在する突出部5d’の上に備えられている。突出部5d’は、スロット12’の中へ延在している。突出部5d’とスロット12’との間に遊びが存在しており、突出部5d’がスロット12’の中で移動することが可能であるようになっている。
【0093】
以前の例と同様に、送達部材シールド把持スリーブ13’は、キャップ5’に対して初期位置から第2の位置へキャップ5’の内側をスライドするように構成されている。送達部材シールド把持スリーブ13’が初期位置にあるときに、突出部5d’および半径方向ストップ表面5c’は、スリーブ半径方向表面13e’から距離を離して配置されている。送達部材シールド把持スリーブ13’は、キャップ5’が送達部材カバー17から引っ張られ、半径方向ストップ表面5c’がスリーブ半径方向表面13e’に到達するときに、第2の位置を取得する。したがって、スロット12’は、キャップ5’に対する送達部材シールド把持スリーブ13’の軸線方向移動の境界を定める。
【0094】
キャップ5’は、この例では、軸線方向構造体33’を備えている。軸線方向構造体33’は、キャップ5’の内側に軸線方向に延在している。軸線方向構造体33’は、キャップ5’の円周方向において、突出部5d’からオフセットされて配置されている。このオフセットは、たとえば、90度であることが可能である。
【0095】
軸線方向構造体33’は、図10に示されているように、送達部材シールド把持スリーブ13’が初期位置にあるときに、第2のアーム13f’の半径方向外側に配置され第2のアーム13f’に当接している。
【0096】
図10を見てみると、キャップアセンブリ4’は、除去の前に送達部材カバー17にフィットされて示されている。
【0097】
アーム13b’は、送達部材シールド把持スリーブ13’が初期位置にあるときに、および、キャップ5’が送達部材カバー17にフィットされているときに、送達部材カバー17の貫通開口部17dによって受け入れられている。
【0098】
軸線方向構造体33’は、傾斜表面33a’を有しており、傾斜表面33a’によって、軸線方向構造体33’の半径方向寸法(または、半径方向厚さ)は、近位キャップ端部5a’に向かう方向に増加している。傾斜表面33a’は、第2のアーム13f’を半径方向内向きに付勢する。シーソー構造体13g’に起因して、アーム13b’は、半径方向外向きに屈曲される。したがって、アーム13b’は、遠位スリーブ端部14b’に向かう方向にアーム13b’の半径方向寸法を徐々に増加させる傾斜部分を有している。アーム13b’は、貫通開口部17dの対応する半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を取得する。したがって、送達部材カバー17は、たとえば、キャップアセンブリ4’がフィットされた薬剤送達デバイス1’が衝突または衝撃を受ける場合に、後退位置に移動することを防止される。
【0099】
以前の例と同様に、送達部材シールド把持スリーブ13’は、遠位スリーブ端部14b’がハウジング3の内側でハウジング3の近位に方向付けられた表面に面しており、それに隣接して配置されていることに起因して、遠位方向に移動することを制限される。
【0100】
図10では、スリーブ半径方向表面13e’は、半径方向ストップ表面5c’から軸線方向に間隔を離して配置されている。
【0101】
図11は、キャップアセンブリ4’が送達部材カバー17から引き抜かれているプロセスにあるときを示している。半径方向ストップ表面5c’は、スリーブ半径方向表面13e’に到達しており、送達部材シールド把持スリーブ13’は、したがって、キャップ5’の中の第2の位置に移動している。
【0102】
軸線方向構造体33’は、第2のアーム13f’から離れるように近位方向に移動しており、したがって、第2のアーム13f’は、半径方向に外に屈曲する。これは、アーム13b’が半径方向内向きに屈曲することを引き起こす。したがって、アーム13b’は、貫通開口部17dを通過することができる。
【0103】
半径方向ストップ表面5c’がスリーブ半径方向表面13e’と係合しているので、キャップ5および送達部材シールド把持スリーブ13’は、今では、送達部材カバー17から引き抜くことが可能である。
【0104】
本発明概念は、主に、いくつかの例を参照して上記に説明されてきた。しかし、当業者によって容易に認識されるように、上記に開示されているもの以外の他の実施形態が、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明概念の範囲内において同様に可能である。
【符号の説明】
【0105】
1、1’ 薬剤送達デバイス
3 ハウジング
3a 近位端部
3b 遠位端部
4、4’ キャップアセンブリ
5、5’ キャップ
5a、5a’ 近位キャップ端部
5b 遠位キャップ端部
5c、5c’ 半径方向ストップ表面
5d’ 突出部
6 近位端部開口部
7 シリンジ
9 可撓性の針シールド
11 リジッドの針シールド
12’ 軸線方向スロット
13、13’ 送達部材シールド把持スリーブ
13a タブ
13b、13b’ アーム
13c 傾斜部分
13d 傾斜部分、スリーブフランジ
13e、13e’ スリーブ半径方向表面
13f’ 第2のアーム
13g’ シーソー構造体
14a、14a’ 近位スリーブ端部
14b、14b’ 遠位スリーブ端部
15 第1の弾性部材
17 送達部材カバー
17a 近位チューブ状部分
17b 脚部
17c 半径方向壁部
17d 貫通開口部
17e 遠位に方向付けられた壁部表面
19 薬剤コンテナホルダー
21 プランジャーロッド
21a 半径方向凹部
23 ロッド
25 第2の弾性部材
27 U字形状のブラケット
29 ローテーター
29a ガイド構造体
31 リアキャップ構造体
31a チューブ状の近位部分
31b 可撓性アーム
33、33’ 軸線方向構造体
33a’ 傾斜表面
35 フロントパーツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】