IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 米思米(中国)精密機械貿易有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-自動販売機 図1
  • 特表-自動販売機 図2
  • 特表-自動販売機 図3
  • 特表-自動販売機 図4
  • 特表-自動販売機 図5
  • 特表-自動販売機 図6
  • 特表-自動販売機 図7
  • 特表-自動販売機 図8
  • 特表-自動販売機 図9
  • 特表-自動販売機 図10
  • 特表-自動販売機 図11
  • 特表-自動販売機 図12
  • 特表-自動販売機 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/54 20060101AFI20241003BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20241003BHJP
   F16H 7/02 20060101ALI20241003BHJP
   F16H 7/12 20060101ALI20241003BHJP
   G07F 9/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G07F11/54
F16H1/16 Z
F16H7/02
F16H7/12 A
G07F9/10 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545057
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2021142239
(87)【国際公開番号】W WO2023015825
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110930518.5
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524134247
【氏名又は名称】米思米(中国)精密機械貿易有限公司
【氏名又は名称原語表記】MISUMI(CHINA)PRECISION MACHINERY TRADING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 10,No. 999,North Huancheng Road,Fengxian District,Shanghai,201401 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 歓
(72)【発明者】
【氏名】楼 星融
(72)【発明者】
【氏名】虞 棟
(72)【発明者】
【氏名】丁 伝柱
【テーマコード(参考)】
3E044
3E046
3J009
3J049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DB05
3E044FB03
3E044FB05
3E046CB02
3E046CD01
3E046DA07
3E046EB01
3E046HA06
3J009EA06
3J009EA19
3J009EA23
3J009EA32
3J009FA30
3J049AA01
3J049BB05
3J049BH01
3J049CA10
(57)【要約】
ラック(4)と、ベース(1)と、回転ユニット(2)と、を備え、回転ユニット(2)は、駆動部(21)と、回転部(22)と、を含み、ラック(4)は、回転部(22)に固定され、駆動部(21)は、ベース(1)に固定され、駆動部(21)は、回転部(22)を回動させることができる自動販売機であって、可動部材である減衰部(31)をさらに備え、減衰部(31)の移動ストロークは、回転部(22)に当接する位置を含む。当該自動販売機が有する回転ユニットは、回転速度を向上させるとともに、高精度で安定した回転を維持することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックと、ベースと、回転ユニットとを備え、前記回転ユニットは、駆動部と回転部とを有し、前記ラックは前記回転部に固定され、前記駆動部は前記ベースに固定され、前記駆動部が前記回転部を回動させることができる自動販売機であって、可動部材である減衰部を備える減衰ユニットをさらに備え、前記減衰部の移動ストロークは、前記回転部に当接する抵抗位置を含むことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記回転部は、ドラムベースを含み、前記ドラムベースには、リセット孔及び/又は複数の計数孔が形成され、前記減衰ユニットは、セキュリティインサートをさらに含み、前記回転部が回転しないように前記セキュリティインサートは複数の計数孔のうちの1つに選択的に挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
扉体と、前記扉体に設けられたキャビネットドアとをさらに備え、前記セキュリティインサートは、前記キャビネットドアの開閉と連動するように動作することを特徴とする請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記減衰ユニットは、前記ドラムベースが回動するときにカウントセンサを経過した前記計数孔の数をカウントするためのカウントセンサ及び/又は前記ドラムベースが回動するときに前記リセット孔がゼロポジションセンサを経過したか否かを検出するためのゼロポジションセンサをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記減衰ユニットは、ガイドレールと第1アクチュエータとをさらに含み、前記ガイドレールは、スライドレールと、前記スライドレールにスライド可能に設けられたスライダーとを含み、前記第1アクチュエータは前記スライダーに固定され、前記スライダーには前記減衰部が固定され、前記減衰部は前記スライダーの移動に伴って前記回転部に当接又は離間する方向に移動することを特徴とする請求項2-4のいずれか1項に記載の自動販売機。
【請求項6】
前記減衰ユニットと通信接続され、前記カウントセンサの検出結果に基づいて前記減衰ユニットの動作を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の自動販売機。
【請求項7】
前記ラックは、複数の収納層を含み、各収納層には、複数の収納ボックスが形成され、前記制御部は、前記減衰部と前記ドラムベースとが抵抗位置で当接した後、前記ドラムベースを静止位置で停止させ、前記ドラムベースが静止位置にあるとき、ある1つの収納ボックスと前記キャビネットドアとが正対関係にするように、減衰ユニットの動作を制御するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の自動販売機。
【請求項8】
前記扉体には、前記キャビネットドアの開閉を感知するマイクロスイッチが設けられ、前記セキュリティインサートは、前記マイクロスイッチからの動作信号に基づいて前記計数孔に挿入されるとともに、前記マイクロスイッチからの信号または前記制御部からの動作信号に基づいて挿入先の前記計数孔から退出されることを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。
【請求項9】
前記回転部は、前記ドラムベースの下方に固定された回転部軸受をさらに含み、前記駆動部は、モータ及び前記モータに接続された減速機を含み、前記減速機に伝動軸が接続され、前記伝動軸の前記ベースから離れた一端が前記回転部軸受に固定されることを特徴とする請求項2-3、6-8のいずれか1項に記載の自動販売機。
【請求項10】
前記減速機はウォーム減速機であることを特徴とする請求項9に記載の自動販売機。
【請求項11】
前記伝動軸の前記ドラムベースに近い一端にプラットフォーム部が形成され、前記プラットフォーム部の上面に突出部が形成され、前記ドラムベースの前記伝動軸に近い側に凹み部が形成され、前記突出部が前記凹み部にマッチして嵌合されることを特徴とする請求項9に記載の自動販売機。
【請求項12】
前記回転部は、前記ドラムベースの下方に回転可能に固定された回転部軸受をさらに含み、前記駆動部は、モータと、前記モータに接続された減速機とを含み、前記減速機には、伝動軸が接続され、前記伝動軸の前記ベースから離れた一端は、前記回転部軸受に固定され、前記自動販売機は、エンコーダと、エンコーダ軸と、エンコーダタイミングベルトユニットとを含むエンコーダユニットをさらに備え、前記エンコーダタイミングベルトユニットは、エンコーダタイミングベルトと、エンコーダ第1タイミングプーリと、エンコーダ第2タイミングプーリとを含み、前記エンコーダ第1タイミングプーリは、前記伝動軸に固定的に外嵌され、前記エンコーダ第2タイミングプーリは、前記エンコーダ軸に固定的に外嵌され、前記エンコーダタイミングベルトは、前記エンコーダ第1タイミングプーリ及び前記エンコーダ第2タイミングプーリに伝動可能に接続され、前記エンコーダは、前記エンコーダ軸に固定されることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項13】
前記駆動部は、モータと、前記モータに接続される減速機とを含み、前記回転ユニットは、減速機伝動軸と、第1タイミングプーリと、第2タイミングプーリと、タイミングベルトとをさらに含み、前記減速機伝動軸は、前記減速機に固定的に接続され、前記第1タイミングプーリは、前記減速機伝動軸に外嵌され、前記第2タイミングプーリは、前記伝動軸に固定的に外嵌され、前記タイミングベルトは、前記第1タイミングプーリ及び前記第2タイミングプーリに伝動可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項14】
前記回転ユニットは、前記ベースに設けられた軸受台をさらに含み、前記軸受台内には軸受部が固定的に取り付けられ、前記軸受部の内輪が前記減速機伝動軸の前記ベースに近い一端にマッチすることを特徴とする請求項13に記載の自動販売機。
【請求項15】
前記回転ユニットは、前記ベースから離れた一端が前記ドラムベースに当接する複数のユニバーサルボールをさらに含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小売業用設備分野に関し、具体的には、自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
人件費及び店舗賃料の上昇などが原因となり、自動販売機はますます広く使用されている。自動販売機は、フットプリントが小さく、時間上の制限なしで商品販売を行うことができ、コストの低減に有利である。自動販売機は、通常、キャッシュレス決済及び/又は一般的な現金決済を採用し、一部の自動販売機は、クレジットカード、NFC決済又はQRコード(登録商標)決済などの複数種の電子決済手段に対応可能である。自動販売機は通常、ショッピングモール、オフィスビルやその他の人が集まる場所に設置され、消費者に希望の商品をより便利且つ迅速に提供することができる。
【0003】
自動販売機の発展に伴い、回転式自動販売機が登場し、このような自動販売機はラックを備え、ラックには複数の収納層が設けられ、各収納層には複数の収納ボックスを有し、各収納ボックスには対応する商品が置かれている。ユーザが希望の商品を選択して支払いを完了した後、回転式自動販売機は、ラックの回転によって対応する収納ボックスをキャビネットドアまで回転させ、ユーザがキャビネットドアを開いて商品を取り出してからキャビネットドアを閉め、購入プロセスを完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の回転式自動販売機は、安定した動作を可能にするために、ラックの回動速度が遅く、購入プロセス全体の時間が長くなり、ユーザが長時間待つ必要があり、買い物の効率を低下させる。したがって、ユーザの時間を節約し、買い物の効率を向上させるために、如何に安定した動作を維持しつつラックの回動速度を向上させるかが解決すべき課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、ラックと、ベースと、回転ユニットとを備え、回転ユニットは、駆動部と回転部とを有し、ラックは回転部に固定され、駆動部はベースに固定され、駆動部が回転部を回動させることができる自動販売機であって、可動部材である減衰部を備える減衰ユニットをさらに備え、減衰部の移動ストロークは、回転部に当接する抵抗位置を含むことを特徴とする自動販売機を提供する。
【0006】
上記技術案による自動販売機は、ラックと、ベースと、回転ユニットとを備え、ベースは、自動販売機の荷重受け部分であり、自動販売機の重量荷重を支持することに用いられ、自動販売機全体の安定性の確保に有利である。回転ユニットは、駆動部と回転部とを有し、ラックは回転部に固定され、駆動部はベースに固定され、駆動部が回転部を回動させることができることで、ラックを回転部に伴って所定の位置に回動させることができ、ユーザにとってラック上の商品が取りやすくなる。効率を向上させるために特定の構造により回転部の速度を向上させることに応じて、停止すべきときにラックが迅速に停止しにくく、揺れが生じやすい。本願の発明者は、上記課題に初めて着目し、それに応じて可動部材である減衰部を含む減衰ユニットを設けた。そのうち、減衰部の移動ストロークは、回転部に当接する抵抗位置を含む。上記デザインによれば、可動の減衰部によって回転部の運動に対する柔軟な干渉を実現し、減衰部の移動ストロークは回転部に当接する抵抗位置を含むことにより、減衰部の介入が必要な場合、減衰部は回転部に当接する抵抗位置に移動し、回転部に接触して抵抗を与えることで回転部を減速させ、そのため、回転ユニットの回転速度が高くてラックの慣性が大きい場合でも減衰部によって速く制動されることができ、ユーザの待ち時間を短縮させるとともに効率を向上させる。また、ラックの停止時の揺れを低減乃至解消することもでき、回転ユニットの安定性を向上させる。回転ユニットが回転しようとする際に、回転ユニットの正常運転が保証されるために減衰部と回転ユニットとの接触が解除される。
【0007】
好ましくは、回転部は、ドラムベースを含み、ドラムベースには、リセット孔及び複数の計数孔が形成され、減衰ユニットは、セキュリティインサートをさらに含み、回転部が回転しないようにセキュリティインサートは複数の計数孔のうちの1つに選択的に挿入可能である。
【0008】
上記技術案によれば、減衰ユニットは、回転部が回転しないように複数の計数孔のうちの1つに選択的に挿入可能なセキュリティインサートをさらに含む。回転部が減衰部に接触したら減速するが、直ちに停止せず前へ僅かに回転し続けることを考慮すると、減衰ユニットは、減衰部を利用して速度を低下させるとともに、セキュリティインサートがさらに設けられて最終的な位置決め役割を果たし、減衰部とセキュリティインサートとが補完し合い、連携して回転部を確実に減速させかつ位置決められることで、回転部を回転し続けることがなく確実に停止させることができる。このように、ユーザが商品を取るときにラックにぶつかっても、ラックが不用意に回動することがなく、安全性が向上する。
【0009】
好ましくは、セキュリティインサートは、回転部が不正常に動作するときに計数孔のいずれかに挿入されて、回転部が動作を継続しないようにする。
【0010】
好ましくは、自動販売機は、キャビネットと、キャビネットに設けられたキャビネットドアとをさらに備え、セキュリティインサートは、キャビネットドアの開閉と連動するように動作する。
【0011】
上記技術案によれば、キャビネットドアの開閉に連動的に動作するようにセキュリティインサートの動作タイミングを特に工夫する。より具体的には、キャビネットドアを開けるタイミングでセキュリティインサートを計数孔に挿入させることができ、キャビネットドアが開いた後にユーザがラックにぶつかることによるラックの回動を回避する。さらに、キャビネットドアを閉じるタイミングでセキュリティなインサートを計数孔から退避させることができ、ラックの後続の正常な回動に影響しない。
【0012】
好ましくは、減衰ユニットは、ドラムベースが回動するときにカウントセンサを経過した計数孔の数をカウントするためのカウントセンサ及び/又はドラムベースが回動するときにリセット孔がゼロポジションセンサを経過したか否かを検出するためのゼロポジションセンサをさらに含む。
【0013】
上記技術案によれば、計数孔は、回動する角度の位置決めに用いることができ、計数孔に対応的にカウントセンサを設けることで、回転ユニットに対する確実な制御を実現することができる。具体的には、カウントセンサは、計数孔を通過した数を検出して、ドラムベースの回転角度を算出することができる。
【0014】
ドラムベースには、リセット孔が設けられ、ドラムベースが回転すると、ゼロポジションセンサは、リセット孔が該ゼロポジションセンサを経過したか否かを検出することができ、ゼロポジションセンサがリセット孔の経過を検出できたら、ドラムベースがリセット状態まで回転したことを特定することができる。
【0015】
より好ましくは、カウントセンサ及びゼロポジションセンサは光電センサであり、検出対象に接触することなく検出することができ、取り扱い性がよく、且つドラムベースが比較的に高速で回転する場合でも関連情報をタイムリーに検出することができる。
【0016】
好ましくは、減衰ユニットは、ガイドレールと第1アクチュエータとをさらに含み、ガイドレールは、スライドレールと、スライドレールにスライド可能に設けられたスライダーとを含み、第1アクチュエータはスライダーに固定され、スライダーには減衰部が固定され、減衰部はスライダーの移動に伴って回転部に当接又は離間する方向に移動する。
【0017】
上記技術案によれば、ガイドレールは、スライドレールと、スライドレールにスライド可能に設けられたスライダーとを含むことで、スライダーに固定された減衰部が所定の方向に沿って精度の高い往復直線運動を行う。第1アクチュエータによってスライダーを押すことだけで、スライダーに取り付けられた減衰部を押して往復運動させることができ、回転部であるドラムベースに抵抗を加える必要がある場合、第1アクチュエータである第1電気シリンダは減衰部を押して前方へ運動させるとともにドラムベースの外周と接触して一定の圧力を保持し、慣性力の作用によってドラムベースが減衰部を連れて一定の距離だけ回転させた後、安定的に回転を停止する。ドラムベースが回動する必要があるとき、第1電気シリンダは、予め減衰部を引いて後退させて抵抗を解放する。減衰ユニットは、トルクリミッタをさらに含み、回転部にかかる抵抗の大きさは、トルクリミッタによって調整され得る。
【0018】
好ましくは、減衰ユニットと通信接続され、カウントセンサの検出結果に基づいて減衰ユニットの動作を制御する制御部をさらに備える。
【0019】
好ましくは、ラックは、複数の収納層を含み、各収納層には、複数の収納ボックスが形成され、制御部は、減衰部とドラムベースとが抵抗位置で当接した後、ドラムベースを静止位置で停止させ、ドラムベースが静止位置にあるとき、ある1つの収納ボックスとキャビネットドアとが正対関係にするように、減衰ユニットの動作を制御するように構成される。
【0020】
上記技術案によれば、制御部は、減衰ユニットと通信接続され、カウントセンサの検出結果に基づいて減衰ユニットの動作を制御する。したがって、内部カメラやラックの回転に対する他の検出装置を利用する場合に比べて、カウントセンサの検出結果を利用してフィードバック制御を行うことで、回転部の回転に直接関連するカウントセンサの検出結果がより正確になり、検出装置の構造を大きく簡素化し、減衰ユニットの動作をよりよく制御することができる。また、制御部は、減衰部が抵抗位置でドラムベースに当接した後にドラムベースが静止位置で停止し、ドラムベースが静止位置にあるときに、ある1つの収納ボックスとキャビネットドアとが正対関係にあるように減衰ユニットの動作を制御するように構成されている。従って、ドラムベースが減衰部に接触した後も前に少し回転し続け、抵抗位置から静止位置に移動してから完全に停止することを考慮すると、カウントセンサの検出情報に基づいて、収納ボックスとキャビネットドアとの位置関係に工夫し、収納ボックスがまだキャビネットドアに正対していないときに減衰部を関与させ、ドラムベースが静止位置にあるときに、ある1つの収納ボックスとキャビネットドアとを正対関係にあるようにして、作業性とユーザの取り扱い性をさらに向上させる。
【0021】
好ましくは、キャビネットには、キャビネットドアの開閉を感知するマイクロスイッチが設けられ、セキュリティインサートは、マイクロスイッチからの動作信号に基づいて計数孔に挿入されるとともに、マイクロスイッチからの信号または制御部からの動作信号に基づいて挿入先の計数孔から退出される。
【0022】
上記技術案によれば、セキュリティインサートとキャビネットドアの開閉の連動がキャビネットに設けられたマイクロスイッチによるものであり、構造が簡単で、設置及び制御も容易である。
【0023】
好ましくは、回転部は、ドラムベースの下方に固定された回転部軸受をさらに含み、駆動部は、モータ及びモータに接続された減速機を含み、減速機に伝動軸が接続され、伝動軸の前記ベースから離れた一端が回転部軸受に固定されている。
【0024】
上記技術案によれば、回転部軸受は、回転部の運動中の摩擦係数を低減するとともに回転時の回転精度を確保することができる。モータは、回転ユニットに動力を提供するために用いられ、モータに接続された減速機は、減速させるとともに出力トルクを向上させることもでき、また、減速機によって負荷イナーシャを低減し、モータの保護にも寄与する。モータの動力が減速機を介して伝動軸に伝達され、伝動軸が回転する時にドラムベース、回転部軸受に固定的に接続されることで、回転ユニットの運動安定性の保証に寄与する。
【0025】
好ましくは、減速機はウォーム減速機である。
【0026】
上記技術案によれば、ウォームホイールとウォームシャフトは主に2つの食い違い軸の間の運動と動力を伝達するために用いられ、ウォーム減速機は一段伝達比が大きいという利点を有し、構造がコンパクトで騒音が小さい。しかしながら、ウォーム減速機のバックラッシはドラムベースの揺れを引き起こすため、本願の発明者は、上記のような減衰ユニットを設計した。
【0027】
好ましくは、伝動軸のドラムベースに近い一端にプラットフォーム部が形成され、プラットフォーム部の上面に突出部が形成され、ドラムベースの前記伝動軸に近い側に凹み部が形成され、突出部が前記凹み部にマッチして嵌合される。
【0028】
上記技術案によれば、突出部と凹み部とのマッチングにより、突出部と凹み部とをより緊密に嵌合し固定することができる。突出部と凹み部は、ドラムベースと伝動軸が固定的に接続される時に位置決めの役割を果たすことができる。
【0029】
好ましくは、回転部は、ドラムベースの下方に回転可能に固定された回転部軸受をさらに含み、駆動部は、モータと、モータに接続された減速機とを含み、減速機には、伝動軸が接続され、伝動軸の減速機から離れた一端は、回転部軸受に固定され、自動販売機は、エンコーダと、エンコーダ軸と、エンコーダタイミングベルトユニットとを含むエンコーダユニットをさらに備え、エンコーダタイミングベルトユニットは、エンコーダタイミングベルトと、エンコーダ第1タイミングプーリと、エンコーダ第2タイミングプーリとを含み、エンコーダ第1タイミングプーリは、伝動軸に固定的に外嵌され、エンコーダ第2タイミングプーリは、エンコーダ軸に固定的に外嵌され、エンコーダタイミングベルトは、エンコーダ第1タイミングプーリ、エンコーダ第2タイミングプーリに対して伝動可能に接続され、エンコーダは、エンコーダ軸に固定される。
【0030】
上記技術案によれば、回転ユニットの回転中に、伝動軸がエンコーダの第1タイミングプーリを回転させ、さらにエンコーダタイミングベルト、エンコーダ第2タイミングプーリ及びエンコーダ軸を順に回動させることで、エンコーダによってエンコーダ軸の回転から回転ユニットの回転状況を検出することができる。エンコーダは、検出した信号またはデータを解析して角変位を電気信号に変換することができるので、エンコーダにより回転ユニットの回転状況を正確に計測することができる。
【0031】
好ましくは、回転ユニットは、減速機伝動軸と、第1タイミングプーリと、第2タイミングプーリと、タイミングベルトとをさらに含み、減速機伝動軸は減速機に接続され、第1タイミングプーリは減速機伝動軸に外嵌され、第2タイミングプーリは伝動軸に外嵌され、タイミングベルトは第1タイミングプーリ及び第2タイミングプーリに対して伝動可能に接続される。
【0032】
上記技術案によれば、モータ及び減速機は、タイミングベルト伝動の手段によって駆動力を伝動軸に伝達することで、一定の緩衝、制振性能を有し、回転ユニットの運転時の安定した伝動や、騒音低減効果に寄与する。また、タイミングベルト伝動の伝動効率が高く、メンテナンスが便利であり、使用コストの節約に寄与する。
【0033】
好ましくは、回転ユニットは、ベースに設けられた軸受台をさらに含み、軸受台内に軸受部が固定的に取り付けられ、軸受部の内輪が伝動軸のベースに近い一端にマッチする。
【0034】
上記技術案によれば、軸受台及び軸受台に設けられた軸受部により、伝動軸の回転安定性及び回転精度を向上させることができる。
【0035】
好ましくは、回転ユニットは、ベースから離れた一端がドラムベースに当接する複数のユニバーサルボールをさらに含む。
【0036】
上記技術案によれば、複数のユニバーサルボールはドラムベースを支持することができ、ドラムベースの外周が受ける荷重が大きすぎることによる回転の不安定を回避し、またユニバーサルボールはドラムベースをスムーズに回転させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の自動販売機の部分構造の斜視図である。
図2】本発明の自動販売機の他の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る回転ユニット及び減衰ユニットの斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るラックの斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る回転ユニットの分解図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る減速機の断面斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る伝動軸の斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態に係るドラムベースの斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る回転ユニット及びラックの斜視図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る減衰ユニットの斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るエンコーダユニットの斜視図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る回転ユニットの斜視図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る回転ユニットの他の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施例における技術案を、本発明の実施例における図面に合わせて、明確且つ完全に説明し、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことが明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働なしに取得される他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0039】
第1実施形態
【0040】
本発明は自動販売機を提供し、図1は本発明の自動販売機の部分構造の斜視図であり、図1に示すように、自動販売機はベース1、回転ユニット2及びラック4を含む。図2は本発明の自動販売機の他の斜視図であり、図2に示すように、自動販売機はキャビネット8をさらに含み、キャビネット8はキャビネットドア81を含み、ユーザが商品を購入した後、ラック4は回転ユニット2の作用である一つのキャビネットドア81に対向する位置に回動し、キャビネットドア81が開いた後、ユーザはラック4上の対応する商品を取ることができる。
【0041】
図3は、本発明の第1実施形態に係る回転ユニット2及び減衰ユニット3の斜視図であり、図3に示すように、回転ユニット2は、駆動部21と回転部22とを含み、図1に示すラック4は、回転部22に固定され、駆動部21は、ベース1に固定され、駆動部21は、回転部22を回動させることができ、自動販売機は、減衰ユニット3をさらに含み、減衰ユニット3は、可動部材である減衰部31を含み、可動部材であることは、減衰部3が外力の作用で移動可能であることを意味し、より具体的には、減衰部31の移動ストロークは、回転部22に当接する抵抗位置を含む。ここで、抵抗位置とは、減衰部31が回転部22に接触し始めてその動きに抵抗を生じさせることができる位置である。
【0042】
より具体的には、回転部22はドラムベース222を含み、好ましくは、減衰部31はドラムベース222の外周に接触可能であり、このとき、外周において減衰部31に接触し始める位置は抵抗位置になる。図3では、抵抗位置Rを模式的に示している。
【0043】
さらに、ベース1は、自動販売機の荷重受け部分であり、後述するキャビネットの支持と、自動販売機内の他の部品の重量の荷重受けに用いられる。ベース1は複数の支持脚11を有し、自動販売機全体の安定性の保証に寄与する。
【0044】
図4は、本発明の第1実施形態に係るラックの斜視図であり、図4に示すように、ラック4は、商品を載置するための収納ボックス41を有する。ラック4はドラムベース222に固定的に接続され、回転ユニット2は駆動部21を介して回転部22を回転させ、さらにラック4を回転運動させる。ユーザが購入する商品が載置される収納ボックス41は、キャビネットドアに対応する位置まで回転される。回転ユニット2は、停止時に揺れが発生することにより、ラック4も揺れ、ひいては揺れによってキャビネットドアと不完全に対向する位置に停止してしまうため、ドラムベース222の縁に減衰部31を設けてドラムベース222に制振を与えることにより、回転ユニット2の安定性が向上する。また、回転ユニット2の回転速度が高く、ラック4の慣性が大きい場合でも、減衰部31により速く制動されることができ、ユーザの待ち時間が短縮されるとともに効率が向上する。回転ユニット2が回転しようとする際に、回転ユニット2の正常運転に影響しないように、減衰部31と回転ユニット2との接触が解除され、回転ユニット2に対する制振の印加が停止する。
【0045】
図10に示すように、本実施形態において、減衰部31は、ホイール状構造の減衰ホイールであり、減衰部31の外周311は、ゴム層である。ゴム材質は、摩擦係数が大きく、摩擦中に大きな摩擦力を生成することができるため、良好な減衰効果を奏し、回転ユニット2及びラック4の揺れを顕著に低減乃至解消することに有利である。また、ゴム材質の外周311により、減衰部31と回転ユニット2との接触摩擦時にドラムベース222への損傷を低減でき、ドラムベース222の保護に有利である。
【0046】
本実施形態において、ラック4の材料は、SUS304を採用し、SUS304は、良好な耐食性、耐熱性及び機械的特性を持つ上で加工性がよく、靭性が高いという特徴を有する。SUS304を採用することにより、十分な構造強度を維持することができ、且つ錆、腐食などによる損傷を回避でき、ラック4の耐用年数を延ばすのに有利である。
【0047】
図5は、本発明の第1実施形態の回転ユニット2の分解図であり、図5に示すように、好ましくは、駆動部21は、モータ211と、モータ211に接続される減速機212とを含み、回転ユニット2は、伝動軸23をさらに含み、回転部22は、回転部軸受221をさらに含み、伝動軸23の減速機212から離れた一端は、ドラムベース222に固定される。
【0048】
モータ211は、回転ユニット2に動力を与えるものであり、モータ211の起動や停止により、回転ユニット2の回転と停止を制御することができる。モータ211に接続される減速機212は、減速させるとともに出力トルクを向上させることもでき、また、減速機212によって負荷回動イナーシャを低減し、モータ211の保護にも寄与する。モータ211は、第1フランジを有し、減速機212は、第2フランジを有し、第1フランジは、第2フランジにマッチし、ねじ接続によりお互いに固定される。フランジ接続は、取り外しの利便性と良い密封性は主な特徴であるため、モータ211と減速機212との間の接続の緊密性と安定性の向上に有利であり、取り外し可能な接続方式は、その後にメンテナンスが必要な状況が発生した時の減速機212とモータ211に対する点検が容易になる。
【0049】
本実施形態において、モータ211は交流モータであり、交流モータは、構造が簡単で、製造コストが低く、メンテナンス及び修理が簡単であるという利点を有する。本発明の他の実施形態において、モータ211は、例えば直流モータなどほかのタイプであってもよく、ここでは特に限定されない。
【0050】
回転部軸受221は、回転部22の運動中の摩擦係数を低減し、回転時の回転精度を確保することができる。モータ211の動力が減速機212を介して伝動軸23に伝達され、伝動軸23が回転する時にドラムベース222、回転部軸受221に固定的に接続されることで、伝動軸23が動力をドラムベース222に伝達することができ、回転ユニット2の運動安定性を確保する。
【0051】
好ましくは、回転ユニット2は、ベース1に設けられるフレーム6をさらに含み、回転部軸受221は、内輪2211と外輪2212とを含み、外輪2212は、フレーム6に固定的に接続され、内輪2211は、伝動軸23に嵌設される。
【0052】
フレーム6は、荷重受け及び安定化の役割を果たし、フレーム6のコーナー位置に補強リブ61が設けられ、補強リブ61は、フレーム6の強度と剛性を高めることができ、フレーム6の荷重受け能力を高める。回転部軸受221の外輪2212とフレーム6とは、ねじ接続の手段によりお互いに固定的に接続されることで、伝動軸23によって内輪2211を回転させるとき、外輪2212は安定のままでいられる。
【0053】
好ましくは、回転部軸受221はクロスローラ軸受である。クロスローラ軸受は、剛性が高く、荷重能力が高く、荷重方向が唯一ではなく、または高回転速度でも高い精度を確保できるという利点を有し、回転ユニット2の使用シーンに適用される。
【0054】
図6は、本発明の第1実施形態に係る減速機212の断面斜視図であり、図6に示すように、減速機212はウォーム減速機である。
【0055】
ウォーム減速機の基本構成は、主に、ウォームホイール2121、ウォームシャフト2122、筐体2123等の部材を有する。ウォーム減速機は、一段伝達比が大きく、構造がコンパクトで、騒音が小さいという利点を有するため、自動販売機の使用環境に適用される。本実施形態において、ウォームホイール2121には、軸孔21211を有するとともにキー溝21212が設けられ、軸孔21211は伝動軸23の伝動の安定性を確保するように伝動軸23にマッチする。ウォームホイール2121及び伝動軸23にキー溝21212を設けることにより、ウォームホイール2121と伝動軸23との間のキー接続が容易になる。
【0056】
図7は、本発明の第1実施形態に係る伝動軸23の斜視図であり、図7に示すように、伝動軸23は、ドラムベース222に位置する一端に、突出部232を有するプラットフォーム部231が形成される。図8は、本発明の第1実施形態に係るドラムベース222の斜視図であり、図8に示すように、ドラムベース222の伝動軸23に位置する側に、凹み部2221にマッチする突出部232が形成される。
【0057】
本実施形態において、突出部232と凹み部2221とのマッチにより、突出部232と凹み部2221とがお互いより緊密に係合固定される。突出部232及び凹み部2221は、ドラムベース222が伝動軸23に固定的に接続される時の位置決め作用を有し、これにより、伝動軸23の回動中にドラムベース222が伝動軸23に安定的に接続されることができ、回転ユニット2の伝動時の安定性の向上に有利である。
【0058】
図5図7図8に示すように、ドラムベース222には、環状に分布している複数の第1座ぐり孔2224が形成され、内輪2211には、複数の第1ねじ孔22111が形成され、プラットフォーム部231には、中心に近い位置に複数の貫通孔2311が形成される。本実施形態では、第1座ぐり孔2224、第1ねじ孔22111及び貫通孔2311は、それぞれ12個であることが好ましい。ドラムベース222の12個の第1座ぐり孔2224、内輪2211の12個の第1ねじ孔22111及びプラットフォーム部231の12個の貫通孔2311は、お互いにマッチし相応的なファスナによってねじ接続されることで、伝動軸23が回転する時にドラムベース222、回転部軸受221との間にがたつきが生じることを回避し、ドラムベース222、伝動軸23及び回転部軸受221がより緊密かつ強固に接続され、回転ユニット2の運動安定性を確保する。また、座ぐり孔による構造により、ファスナがドラムベース222から突出することを回避し、ドラムベース222の表面の平坦性を確保する。
【0059】
また、ドラムベース222の第1座ぐり孔2224の外部には、環状に分布する第2座ぐり孔2225が形成され、プラットフォーム部231の貫通孔2311の外部には、環状に分布する第2ねじ孔2312が形成され、第2ねじ孔2312は、第2座ぐり孔2225の位置に対応し、且つファスナによってねじ接続され、ドラムベース222と伝動軸23との接続の安定性を向上させる。本発明の他の実施形態において、座ぐり孔、貫通孔及びねじ孔は他の数であってもよく、接続及び締め付けの安定性を確保でき、且つドラムベース222の回転に影響を与えなければよく、ここで特に限定しない。
【0060】
図9は、本発明の第1実施形態に係る回転ユニット2及びラック4の斜視図であり、図7に示すように、ドラムベース222には、複数の腰形孔2222が形成され、ラック4のドラムベース222に近い面には、複数のスタッド42が形成され、腰形孔2222とスタッド42とは、数、サイズ及び外形がお互いにマッチする。スタッド42が腰形孔2222に挿入された後、ナット等の部品によって固定されることで、ラック4とドラムベース222とが緊密に接続される。調整すべき距離が不定しているとともに複数のスタッド42が理想的な位置決め位置に同時に達することが困難であるため、ドラムベース222に腰形孔2222を設けることにより、一定の調整マージンを与え、使用中には取付位置を調整しやすくなり、位置決め効果の向上及び取付難度の低減に有利である。
【0061】
図10は、本発明の第1実施形態に係る減衰ユニット3の斜視図であり、図10に示すように、減衰ユニット3は、ガイドレール32と、第1アクチュエータ33とをさらに含み、ガイドレール32は、スライドレール321と、スライドレール321にスライド可能に設けられたスライダー322とを含み、減衰部31は、スライダー322に固定され、第1アクチュエータ33は、スライダー322に固定的に接続され、スライダー322を直線運動させることができる。本実施形態では、第1アクチュエータ33は、第1電気シリンダ33である。電気シリンダは、応答が速く、効率が高いという利点を有する。ガイドレール32が直線往復運動に用いられる場合、一定のトルク負荷を負担することができ、高負荷で高精度な直線運動を実現することができる。好ましくは、スライドレール321とスライダー322とはボールを介して接触するため、スライダー322の運動時の揺れが小さく、スライドレール321がスライダー322上で運動する時の安定性が保持される。トルクリミッタ36は、減衰部31に対応的に接続されることで、トルクリミッタ36を調整することにより、減衰ユニット3が回転部22に与える抵抗の大きさを調整することができる。
【0062】
図10に示すように、自動販売機は、回転ユニット2の回動角度を検出可能なカウントセンサ5をさらに含む。具体的には、カウントセンサ5は、減衰部31に隣接して設けられ、図8に示すように、ドラムベース222は、複数の計数孔2223を有し、複数の計数孔2223は、ドラムベース222の外周に沿って環状に均一に分布する。カウントセンサ5により、ドラムベース222が回動するときにカウントセンサ5を経過した計数孔2223の数をカウントする。もちろん、カウントセンサ5の位置は特に限定されず、減衰部31から離れた位置に設けてもよい。
【0063】
本実施形態において、ドラムベース222は、180個の計数孔2223を有し、2つの計数孔2223毎の間の距離に対応する回動夾角は2°である。計数孔2223は、回転ユニット2の回動角度を計測するためのものであり、例えば、カウントセンサ5が3つの計数孔2223を経過したと検出する場合、ドラムベース222が6°回転したと判断することができる。本発明の他の実施形態では、計数孔2223の数は180個に限定されず、計数孔2223は他の数であってもよく、例えば計数孔2223は120個があってもよく、それに応じて、2つの計数孔2223毎の間の距離に対応する回動夾角は3°になる。
【0064】
図8に示すように、ドラムベース222にリセット孔2226が設けられ、リセット孔2226の数が1つであるため、ドラムベース222が回転すると、図10に示すゼロポジションセンサ51は、リセット孔2226が経過したか否かを検出することができ、ゼロポジションセンサ51がリセット孔2226の経過を検出したら、ドラムベース222がリセット状態まで回転したことを特定することができる。
【0065】
好ましくは、本実施形態におけるカウントセンサ5は光電センサであり、検出対象に接触することなく検出することができ、計数孔2223の情報を検出して電気信号に変換することができる。光電センサは従来技術であるため、その動作原理及び具体的な構造については省略する。
【0066】
図2は、本発明の自動販売機の他の斜視図である。図2に示すように、自動販売機はキャビネット8をさらに含み、キャビネット8はキャビネットドア81を有する。本実施形態では、キャビネットドア81は複数設けられており、必要に応じてキャビネットドア81を開ける。ユーザが商品を購入した後、ラック4は、ある1つの収納ボックス41が開けようとするキャビネットドア81に対向する位置まで回動し、ユーザは、開いたキャビネットドア81を介して商品を取る。
【0067】
ユーザがキャビネットドア81を介して商品を取る際に、意図せずラック4にぶつかったり、ラック4が意図しない回動をしたりすると、ユーザにダメージを与える安全上の問題が生じる可能性がある。したがって、図8に示すように、減衰ユニット3は、セキュリティインサートと、セキュリティインサートに接続される第2アクチュエータ35とをさらに含む。本実施形態において、セキュリティインサートは具体的にはセキュリティピン34であり、第2アクチュエータは具体的には第2電気シリンダ35である。第2電気シリンダ35は、セキュリティピン34に固定され、セキュリティピン34の計数孔2223に対する挿脱を駆動する。図2に示すように、キャビネットドア81には、キャビネットドア80の開閉を検知可能なマイクロスイッチ811が設けられている。マイクロスイッチの信号は後述する制御部に伝送することができるものであり、市販の製品を採用すればよい。マイクロスイッチは従来技術であるため、その構造及び動作原理について、ここでは説明を省略する。
【0068】
また、セキュリティインサートは、回転部22が不正常に動作するときに計数孔2223のいずれかに挿入することで回転部22が動作し続けないようにしてもよい。
【0069】
本実施形態では、自動販売機は、その各部を制御可能な制御部(図示せず)をさらに備える。制御部の具体的な構成は特に限定されず、各部を制御可能であればよい。具体的には、制御部は、回路基板に実装され、回転ユニット2、減衰ユニット3及びカウントセンサ5を含む各部材と通信接続されるチップであってもよい。また、制御部は、例えば、回転速度情報を受信する受信モジュール、減衰ユニット3又は回転ユニット2に対して作動指令を発するための指令モジュール、及び商品情報などの各種データを記憶する記憶モジュールなど各機能モジュールを含む。なお、各モジュールは例示的なものに過ぎず、必要に応じて、回路ロジックを利用して設定を相応的に変更することができる。制御部は、外部サーバと通信接続して外部データを受信し、自動販売機の各部をさらに制御してもよい。好ましくは、制御部は、カウントセンサ5の検出結果に基づいて減衰ユニット3及び/又は回転ユニット2の動作を制御する。また、制御部は、インバータを介してモータ211の回転数を制御することもできる。
【0070】
次に、本実施形態の自動販売機の動作について説明する。
【0071】
まず、ユーザが商品を購入したら、制御部は、記憶された商品データに基づいて動作指令を発し、回転ユニット2における駆動部21を動作させ、駆動部21のモータ211の回転が減速機212に伝達され、さらに減速機212に固定された伝動軸23に伝達され、伝動軸23がそれに応じて回転することで、伝動軸23に固定されたドラムベース22が回転し、ラック4を、ある1つの収納ボックス41が開けようとするキャビネットドア81と対向する位置まで回転させる。
【0072】
次に、減速機212はウォーム減速機であるため、構造上の原因で、バックラッシュによって回転止め時にガタツキが生じ、ラック4も不必要に揺れたり移動したりしてしまう。このような問題を解消するために、本実施形態では、この収納ボックス41が開けようとするキャビネットドア81に対向する位置に移動する前に減衰ユニット3の減衰部31の介入でラック4をこの開けようとするキャビネットドア81に対向する位置に確実に停止させる。具体的には、該収納ボックス41が開けようとするキャビネットドア81に対向する位置に移動する前のタイミングで、制御部は回転ユニット2の動作を制御し、モータ211を停止させ、さらに減衰ユニット3の動作も制御し、第1電気シリンダ33はガイドレール32上でスライドすることでスライダー322上の減衰部31を移動させ、減衰部31をドラムベース222の外周の抵抗位置Rに当接させるとともに一定の圧力を保持することにより、ドラムベース222の運動に制振を加え、ドラムベース222は慣性力の作用下で回動し続けることで減衰部31を連動して一定の距離だけ回動させ、減衰部31はドラムベース222に摩擦抵抗を加えることで、ドラムベース222の回動を停止させ、最終的に図1又は図3に示す静止位置Pに停止させる。静止位置Pで停止しているときには、当該収納ボックス41は、開けようとするキャビネットドア81に正対している。なお、静止位置Pと抵抗位置Rとの間の距離は、ラック4における商品の種類、モータトルク、減衰部31の当接力などの各要素に応じて変化させることができ、実際の操作において、事前にテストを行った後、関連データを制御部の記憶モジュールに入力して必要な時に呼び出すことで、減衰ユニット3の動作を制御するタイミングを決定することができる。また、回転ユニット2の動作を制御するタイミングと減衰要素3の動作を制御するタイミングは、時系列の前後限定がなく、商品の種類、モータトルク、減衰部31の当接力等の各データに基づいて決定することができる。
【0073】
さらに、ドラムベース222の回動が停止し最終的に図1又は図3に示す静止位置Pに止まる場合、ユーザが商品を取るときにラック4にぶつかると、ラック4が容易かつ不必要に揺れたり移動したりしてしまう。上記問題を解消するために、本実施形態において、セキュリティインサートであるセキュリティピン34は、開けようとするキャビネットドア81に設けられたマイクロスイッチ811と連動し、制御部はマイクロスイッチ811からキャビネットドア81が開いたとの信号を受信すると、減衰ユニット3の動作を制御して、第2アクチュエータである第2電気シリンダ35によりセキュリティピン34を押して上昇させてセキュリティピン34をドラムベース222上の周辺の計数孔2223内に挿入可能にし、それによりラック4が固定され、キャビネットドア81を開けるときのラック4の誤動作よるセキュリティ上のリスクを回避し、自動販売機の安全性を向上させることに有利である。セキュリティインサートの形は特に限定されず、計数孔2223に挿入可能であればよい。
【0074】
最後に、ユーザが商品を取って該キャビネットドア81を閉じた後、制御部はマイクロスイッチ811からキャビネットドア81が既に閉じられたとの信号を受信すると、減衰ユニット3の動作を制御して、第1電気シリンダ33により駆動スライダー322をガイドレール32においてドラムベース222から離れる方向に沿ってスライド移動させ、これにより、減衰部31をドラムベース222の外周との接触が解除されるとともにセキュリティピン34が計数孔2223から脱出し、ドラムベース222が正常に回動することができるようになる。
【0075】
第2実施形態
【0076】
本実施形態と第1実施形態との相違点は、減衰ユニット3にカウントセンサ5を設けることなく、エンコーダユニット7を設けることで回転ユニット2の回転角度を検出すことにある。
【0077】
図11は、本発明の第2実施形態に係るエンコーダユニット7の斜視図である。図11に示すように、好ましくは、エンコーダユニット7は、エンコーダ71と、エンコーダ軸72と、エンコーダタイミングベルトユニット73とを含み、エンコーダタイミングベルトユニット73は、エンコーダタイミングベルト731と、エンコーダ第1タイミングプーリ732と、エンコーダ第2タイミングプーリ733とを含み、エンコーダ第1タイミングプーリ732は、伝動軸23に固定的に外嵌され、エンコーダ第2タイミングプーリ733は、エンコーダ軸72に固定的に外嵌され、エンコーダ軸72の一端は、エンコーダ71に内嵌される。
【0078】
エンコーダ71は、検出した信号やデータを解析して伝送及び記憶可能な信号形式に変換する装置である。エンコーダ71は角変位を電気信号に変換することができるので、エンコーダ71により回転ユニット2の回転状況を正確に計測することができる。本実施形態において、エンコーダ71は高精度なメカトロ機器であるため、回転ユニット2の伝動軸23の運動の不安定によるエンコーダ71の損傷を回避するために、エンコーダ軸72と回転ユニット2の伝動軸23との間にエンコーダタイミングベルト731のような伝動手段を採用する。伝動軸23はエンコーダ第1タイミングプーリ732に固定的に接続され、エンコーダ軸72はエンコーダ第2タイミングプーリ733に固定的に接続され、エンコーダタイミングベルト731はエンコーダ第1タイミングプーリ732及びエンコーダ第2タイミングプーリ733に外嵌される。エンコーダタイミングベルト731は、正常に動作する前にプリテンションが必要であり、一定時間運転した後、エンコーダタイミングベルト731が緩んでしまい、エンコーダタイミングベルト731の伝動能力を確保するには、再びテンションを行う必要があり、さもなければ、正常に作動することができない。エンコーダタイミングベルト731の正常運転を確保するには、エンコーダタイミングベルト731を張り状態にするためにテンション装置74が設けられている。回転ユニット2の回転中、伝動軸23によりエンコーダ第1タイミングプーリ732を回転させ、さらにエンコーダタイミングベルト731、エンコーダ第2タイミングプーリ733及びエンコーダ軸72を順に回動させることで、エンコーダ71によってエンコーダ軸72の回転から回転ユニット2の回転状況を検出することができる。
【0079】
第3実施形態
【0080】
本実施形態と第1実施形態に係る自動販売機との相違点は、伝動方式を変更したことにある。すなわち、タイミングベルト26による伝動で伝動軸23を駆動する方式に変更したことにある。図12は、本発明の第3実施形態に係る回転ユニット2の斜視図であり、図12に示すように、第1実施形態と同じ部材に加えて、回転ユニットは、減速機伝動軸27、第1タイミングプーリ24、第2タイミングプーリ25及びタイミングベルト26をさらに含み、減速機伝動軸27と減速機212とは、例えばキー接続により固定的に接続され、第1タイミングプーリ24は、減速機伝動軸27に外嵌され、第2タイミングプーリ25は、伝動軸23に外嵌され、タイミングベルト26は、第1タイミングプーリ24及び第2タイミングプーリ25に対して伝動可能に接続される。
【0081】
図13は本発明の第3実施形態の回転ユニット2の他の斜視図であり、図12図13に示すように、モータ211の駆動力が減速機212を介して減速機伝動軸27を回動させ、減速機伝動軸27が第1タイミングプーリ24と合わせて第1タイミングプーリ24を回動させる。第1タイミングプーリ24、第2タイミングプーリ25はタイミングベルト26によって伝動可能に接続されるため、第2タイミングプーリ25は第1タイミングプーリ24及びタイミングベルト26によって回動させる。第2タイミングプーリ25は伝動軸23にキー連結され、第2タイミングプーリ25により伝動軸23を回転運動させることで、さらにドラムベース222を回転させる。
【0082】
タイミングベルト26による伝動は、伝動比が正確で、軸に対する作用力が小さいという利点を有し、タイミングベルト26による伝動により、伝動を安定させ、一定の緩衝、減衰性能を有し、運転時の騒音低減効果がある。また、タイミングベルト26による伝動の伝動効率が高く、メンテナンスが便利であるため、使用コストの節約に有利である。
【0083】
ベース1には軸受部281を安定的に支持するために用いられる軸受台28が設けられ、軸受部281は伝動軸23に対応的に接続される。軸受台28及び軸受部281は、伝動軸23のベース1に近い一端に対して位置制限作用を果たし、伝動軸23のベース1に近い一端の揺れを防止する。軸受台28及び軸受部281を設けることにより、伝動軸23が回転中に安定して回転することができ、伝動軸23の回転精度が確保される。
【0084】
また、本実施形態では、フレームの構造さえ改良され、フレーム6には複数のシート29が固定的に取り付けられ、各シート29にはそれぞれユニバーサルボール291が設けられる。ユニバーサルボール291のベース1から離れた一端はドラムベース222に当接し、ユニバーサルボール291がドラムベース222から受けた荷重は、シート29、フレーム6を順に介してベース1に移転することで、ドラムベース222への付勢を安定させる。ユニバーサルボール291の回動が自由自在であるため、ドラムベース222を支持する際に非常に柔軟にスライドすることができ、ドラムベース222を構造的に安定させるとともにスムーズに回転させることができる。本実施形態において、ユニバーサルボール291の数は4つで、ドラムベース222からの圧力を均一に分担することができる。本発明の他の実施形態において、他の数のユニバーサルボール291を用いてもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0085】
当業者は、各実施形態における具体的な技術的特徴を適応的に分解または組み合わせてもよいことが理解できる。このような具体的な技術的特徴に対する分解や組み合わせを実施しても技術案は本発明の原理から逸脱することがなく、分割や組み合わせた技術案は、いずれも本発明の保護範囲に属する。本願の記載において、特に明確な限定がない限り、「複数」の意味は、2つ以上である。
【0086】
ここまでは、本発明の態様を、図面に示された複数の実施形態と合わせて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の態様はいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 ベース
11 支持脚
2 回転ユニット
21 駆動部
211 モータ
212 減速機
2121 ウォームホイール
21211 軸孔
21212 キー溝
2122 ウォームシャフト
2123 筐体
22 回転部
221 回転部軸受
2211 内輪
22111 第1ねじ孔
2212 外輪
222 ドラムベース
2221 凹み部
2222 腰形孔
2223 計数孔
2224 第1座ぐり孔
2225 第2座ぐり孔
2226 リセット孔
23 伝動軸
231 プラットフォーム部
2311 貫通孔
2312 第2ねじ孔
232 突出部
24 第1タイミングプーリ
25 第2タイミングプーリ
26 タイミングベルト
27 減速機伝動軸
28 軸受台
281 軸受部
29 シート
291 ユニバーサルボール
3 減衰ユニット
31 減衰部
311 外周
32 ガイドレール
321 スライドレール
322 スライダー
33 第1電気シリンダ
34 セキュリティピン
35 第2電気シリンダ
36 トルクリミッタ
4 ラック
41 収納ボックス
42 スタッド
5 カウントセンサ
51 ゼロポジションセンサ
6 フレーム
61 補強リブ
7 エンコーダユニット
71 エンコーダ
72 エンコーダ軸
73 エンコーダタイミングベルトユニット
731 エンコーダタイミングベルト
732 エンコーダ第1タイミングプーリ
733 エンコーダ第2タイミングプーリ
74 テンション装置
8 キャビネット
81 キャビネットドア
811 マイクロスイッチ
R 抵抗位置
P 静止位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】