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特表2024-537555電子部品パッケージ及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電子部品パッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563311
(86)(22)【出願日】2023-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2023112139
(87)【国際公開番号】W WO2024041390
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】202211020943.1
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318000156
【氏名又は名称】ダイオーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】リン,シャオ―シ
(57)【要約】
本発明は、電子部品パッケージ及びその製造方法に関する。ある実施例では、前記電子部品パッケージは、第1金属層と、高圧トランジスタ半導体ベアチップと、第1モールドコンパウンド層と、第2金属層と、第1垂直接続構造と、第2垂直接続構造と、制御回路ベアダイと、第2モールドコンパウンド層とを含む。本発明の電子部品パッケージは、金属層と垂直接続構造をリードフレームと電気リード線の代わりに使用することで、チップの電気接続の位置がよりフレキシブルになり、また放熱効果もさらに良くなっている。リードフレーム及び電気リード線と比べると、本開示の電子部品パッケージの方が、高圧または大電流のチップをパッケージングすることに適している。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品パッケージにおいて、
互いに直接接触しない第1外部端子、第2外部端子及び第3外部端子を含む第1金属層と、
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有する高圧トランジスタ半導体ベアチップであって、前記ドレイン電極は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの片側に位置し、前記ゲート電極及び前記ソース電極は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの対向する他側に位置し、かつ前記高圧トランジスタ半導体ベアチップが前記第1金属層上に設置され、かつ前記ドレイン電極が前記第2外部端子と連結されている高圧トランジスタ半導体ベアチップと、
互いに対向する第1側及び第2側を有する第1モールドコンパウンド層であって、前記第1モールドコンパウンド層は、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップを被覆し、さらに前記第1金属層の少なくとも一部を被覆しており、前記第1外部端子、前記第2外部端子及び前記第3外部端子が前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側から露出している第1モールドコンパウンド層と、
互いに直接接触しない第1金属層部分及び第2金属層部分を含む第2金属層であって、前記第2金属層が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側上に配置されている第2金属層と、
前記第1モールドコンパウンド層を貫通し、かつ前記第1金属層部分を前記第1外部端子に連結する第1垂直接続構造と、
前記第1モールドコンパウンド層の一部を貫通し、かつ前記第2金属層部分を前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結する第2垂直接続構造と、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極及び前記ソース電極に対面するアクティブ面を有する制御回路ベアダイであって、前記アクティブ面が、前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分に対応して連結される第1制御端子及び第2制御端子を含む制御回路ベアダイと、
互いに対向する第1側及び第2側を有する第2モールドコンパウンド層であって、前記第1モールドコンパウンド層上に設置され、かつその前記第1側が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側と貼合されることで、前記制御回路ベアダイと前記第2金属層を被覆する第2モールドコンパウンド層と、を含み、
前記制御回路ベアダイの前記第1制御端子は前記第1金属層部分及び前記第1垂直接続構造によって前記第1外部端子に連結されており、
前記制御回路ベアダイの前記第2制御端子は前記第2金属層部分及び前記第2垂直接続構造によって前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結されており、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極が前記第3外部端子に連結されていることを特徴とする、
電子部品パッケージ。
【請求項2】
前記第1垂直接続構造は第1導電ビアを含み、かつ前記第2垂直接続構造は第2導電ビアを含み、前記第1導電ビアは第1側及び第2側を含み、前記第2導電ビアは第1側及び第2側を含み、かつ前記第1導電ビアの直径は前記第1導電ビアの前記第2側から前記第1導電ビアの前記第1側に向かって縮小しており、前記第2導電ビアの直径は前記第2導電ビアの前記第2側から前記第2導電ビアの前記第1側に向かって縮小している、請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
前記第2導電ビアは、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸しており、かつ前記第2導電ビアの前記第2側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側は共面であり、前記第2導電ビアの前記第1側が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極のゲート金属層と接触している、請求項2に記載の電子部品パッケージ。
【請求項4】
前記第1導電ビアは、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸しており、かつ前記第1導電ビアの前記第2側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側は共面であり、前記第1導電ビアの前記第1側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側は共面ではない、請求項3に記載の電子部品パッケージ。
【請求項5】
前記第1導電ビアの前記第1側が前記第1外部端子と接触している、請求項4に記載の電子部品パッケージ。
【請求項6】
前記第1垂直接続構造は、前記第1導電ビアと前記第1外部端子との間に配置された第1導電柱をさらに含み、前記第1導電柱は第1側及び第2側を含み、かつ前記第1導電柱の直径は前記第1導電柱の前記第2側から前記第1導電柱の前記第1側に向かって不変を保持しており、前記第1導電ビアの前記第1側は前記第1導電柱の前記第2側と接触しており、前記第1導電柱が前記第1導電ビアの前記第1側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸することで、前記第1導電柱の前記第1側を前記第1外部端子に接触させる、請求項4に記載の電子部品パッケージ。
【請求項7】
前記第1導電ビアの前記第1側が前記第2導電ビアの前記第1側と共面である、請求項6に記載の電子部品パッケージ。
【請求項8】
前記第2金属層は、前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分と直接接触しない第3金属層部分をさらに含み、かつ前記第2金属層部分が前記第1金属層部分と前記第3金属層部分との間に位置している、請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項9】
前記第1モールドコンパウンド層の一部を貫通し、かつ前記第3金属層部分を前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極に連結する第3垂直接続構造と、
前記第1モールドコンパウンド層を貫通し、かつ前記第3金属層部分を前記第3外部端子に連結して、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極を前記第3外部端子に連結する第4垂直接続構造と、をさらに含む、
請求項8に記載の電子部品パッケージ。
【請求項10】
前記第3垂直接続構造は第3導電ビアを含み、かつ前記第4垂直接続構造は第4導電ビアを含み、前記第3導電ビアは第1側及び第2側を含み、前記第4導電ビアは第1側及び第2側を含み、かつ前記第3導電ビアの直径は前記第3導電ビアの前記第2側から前記第3導電ビアの前記第1側に向かって縮小しており、前記第4導電ビアの直径は前記第4導電ビアの前記第2側から前記第4導電ビアの前記第1側に向かって縮小している、請求項9に記載の電子部品パッケージ。
【請求項11】
前記第3導電ビアは、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸しており、かつ前記第3導電ビアの前記第2側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側は共面であり、前記第3導電ビアの前記第1側が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極のソース金属層と接触している、請求項10に記載の電子部品パッケージ。
【請求項12】
前記第4導電ビアは、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸しており、かつ前記第4導電ビアの前記第2側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側は共面であり、前記第4導電ビアの前記第1側と前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側は共面ではない、請求項11に記載の電子部品パッケージ。
【請求項13】
前記第4導電ビアの前記第1側が前記第3外部端子と接触している、請求項12に記載の電子部品パッケージ。
【請求項14】
前記第4垂直接続構造は、前記第4導電ビアと前記第3外部端子との間に配置された第2導電柱をさらに含み、前記第2導電柱は第1側及び第2側を含み、かつ前記第2導電柱の直径は前記第2導電柱の前記第2側から前記第2導電柱の前記第1側に向かって不変を保持しており、前記第4導電ビアの前記第1側は前記第2導電柱の前記第2側と接触しており、前記第2導電柱が前記第4導電ビアの前記第1側から前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側に向かって延伸することで、前記第2導電柱の前記第1側を前記第3外部端子と接触させる、請求項12に記載の電子部品パッケージ。
【請求項15】
前記第4導電ビアの前記第1側が前記第3導電ビアの前記第1側と共面である、請求項14に記載の電子部品パッケージ。
【請求項16】
一体式導電部材をさらに含み、一体式導電部材が、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極のソース金属層上に設置されている第1部分であって、
上面図で見ると、前記一体式導電部材の前記第1部分が前記ソース電極の前記ソース金属層から前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの外に向かって延伸することで、前記一体式導電部材の前記第1部分の第1端が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップに重なっており、前記一体式導電部材の前記第1部分の第2端は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップと重なっていない第1部分と、
前記一体式導電部材の前記第1部分の前記第2端と前記第3外部端子との間に非垂直及び非水平に連結されている第2部分と、を有する、
請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項17】
前記単一の導電部材が前記第1モールドコンパウンド層によって被覆されている、請求項16に記載の電子部品パッケージ。
【請求項18】
前記第1金属層部分に配置され、かつ前記制御回路ベアダイの前記第1制御端子上の金属層を前記第1金属層部分に連結する第1はんだボールと、
前記第2金属層部分に配置され、かつ前記制御回路ベアダイの前記第2制御端子上の金属層を前記第2金属層部分に連結する第2はんだボールと、をさらに含む、
請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項19】
前記第2モールドコンパウンド層が、前記第1はんだボール及び前記第2はんだボールを被覆している、請求項18に記載の電子部品パッケージ。
【請求項20】
電子部品パッケージの製造方法において、
仮キャリアを提供することと、
前記仮キャリア上に、互いに直接接触しない第1外部端子、第2外部端子及び第3外部端子を含む第1金属層を形成することと、
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有する高圧トランジスタ半導体ベアチップであって、前記ドレイン電極は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの片側に位置して前記第2外部端子に連結され、前記ゲート電極及び前記ソース電極が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの対向する他側に位置している高圧トランジスタ半導体ベアチップを前記第1金属層上に設置することと、
前記仮キャリア上に、互いに対向する第1側及び第2側を有する第1モールドコンパウンド層を形成して前記高圧トランジスタ半導体ベアチップ及び前記第1金属層の少なくとも一部を被覆することと、
前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側上に、互いに直接接触しない第1金属層部分及び第2金属層部分を含む第2金属層を形成することと、
前記第1金属層部分を前記第1外部端子に連結することと、
前記第2金属層部分を前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結することと、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極及び前記ソース電極に対面するアクティブ面を有し、前記アクティブ面が、前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分に対応して連結される第1制御端子及び第2制御端子を含む制御回路ベアダイを前記第1モールドコンパウンド層上に設置することと、
互いに対向する第1側及び第2側を有し、かつその前記第1側が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側と貼合されることで、前記制御回路ベアダイと前記第2金属層を被覆する第2モールドコンパウンド層を前記第1モールドコンパウンド層上に形成することと、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極を前記第3外部端子に連結することと、
前記仮キャリアを除去して前記第1外部端子、前記第2外部端子及び前記第3外部端子を前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側から露出させることと、を含む、ことを特徴とする、
製造方法。
【請求項21】
第1側及び第2側を含む第1導電柱であって、前記第1導電柱の前記第1側は前記第1外部端子と接触し、かつ前記第1導電柱の直径は前記第1導電柱の前記第2側から前記第1導電柱の前記第1側に向かって不変を保持している第1導電柱を前記第1外部端子上に配置することと、
第1側及び第2側を含む第2導電柱であって、前記第2導電柱の前記第1側は前記第3外部端子と接触し、かつ前記第2導電柱の直径は前記第2導電柱の前記第2側から前記第2導電柱の前記第1側に向かって不変を保持している第2導電柱を前記第3外部端子上に配置することと、
前記仮キャリア上に前記第1モールドコンパウンド層を形成して前記第1導電柱と前記第2導電柱を被覆することと、
前記第1モールドコンパウンド層内に複数の開口を形成することにより前記第1導電柱の一部、前記第2導電柱の一部、前記ゲート電極のゲート金属層の一部及び前記ソース電極のソース金属層の一部を露出させることと、をさらに含む、
請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
第1側及び第2側を含む第1導電ビアであって、前記第1導電ビアの前記第1側は前記第1導電柱の前記第2側と接触し、かつ前記第1導電ビアの直径が前記第1導電ビアの前記第2側から前記第1導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第1導電ビアを前記第1導電柱上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第2導電ビアであって、前記第2導電ビアの前記第1側は前記ゲート金属層と接触し、かつ前記第2導電ビアの直径は前記第2導電ビアの前記第2側から前記第2導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第2導電ビアを前記ゲート金属層上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第3導電ビアであって、前記第3導電ビアの前記第1側は前記ソース金属層と接触し、かつ前記第3導電ビアの直径が前記第3導電ビアの前記第2側から前記第3導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第3導電ビアを前記ソース金属層上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第4導電ビアであって、前記第4導電ビアの前記第1側は前記第2導電柱の前記第2側と接触し、かつ前記第4導電ビアの直径が前記第4導電ビアの前記第2側から前記第4導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第4導電ビアを前記第2導電柱上に形成することと、
前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分に直接接触しない第3金属層部分であって、前記第2金属層部分は前記第1金属層部分と前記第3金属層部分の間に位置しており、かつ前記第3金属層部分を前記第3導電ビア及び前記第4導電ビアに連結することにより、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極を前記第3外部端子に連結する第3金属層部分を前記第1モールドコンパウンド層上に形成することと、をさらに含む、
請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記第1導電ビアの前記第2側と、前記第2導電ビアの前記第2側と、前記第3導電ビアの前記第2側と、前記第4導電ビアの前記第2側が、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側と共面である、請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記第1導電ビアの前記第1側と、前記第2導電ビアの前記第1側と、前記第3導電ビアの前記第1側と、前記第4導電ビアの前記第1側が、前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側と共面ではない、請求項22に記載の製造方法。
【請求項25】
前記第1導電ビアの前記第1側と、前記第2導電ビアの前記第1側と、前記第3導電ビアの前記第1側と、前記第4導電ビアの前記第1側が共面である、請求項22に記載の製造方法。
【請求項26】
前記仮キャリア上に前記第1モールドコンパウンド層を形成して前記第1外部端子と前記第3外部端子を被覆することと、
前記第1モールドコンパウンド層内に複数の開口を形成することにより前記第1外部端子の一部、前記第3外部端子の一部、前記ゲート電極のゲート金属層の一部及び前記ソース電極のソース金属層の一部を露出させることと、
第1側及び第2側を含む第1導電ビアであって、前記第1導電ビアの前記第1側は前記第1外部端子と接触し、かつ前記第1導電ビアの直径が前記第1導電ビアの前記第2側から前記第1導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第1導電ビアを前記第1外部端子上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第2導電ビアであって、前記第2導電ビアの前記第1側は前記ゲート金属層と接触し、かつ前記第2導電ビアの直径が前記第2導電ビアの前記第2側から前記第2導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第2導電ビアを前記ゲート金属層上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第3導電ビアであって、前記第3導電ビアの前記第1側は前記ソース金属層と接触し、かつ前記第3導電ビアの直径が前記第3導電ビアの前記第2側から前記第3導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第3導電ビアを前記ソース金属層上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第4導電ビアであって、前記第4導電ビアの前記第1側は前記第3外部端子と接触し、かつ前記第4導電ビアの直径が前記第4導電ビアの前記第2側から前記第4導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第4導電ビアを前記第3外部端子上に形成することと、
前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分と直接接触しない第3金属層部分であって、そのうち、前記第2金属層部分は前記第1金属層部分と前記第3金属層部分の間に位置しており、かつ前記第3金属層部分を前記第3導電ビア及び前記第4導電ビアに連結することにより、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極を前記第3外部端子に連結する第3金属層部分を前記第1モールドコンパウンド層上に形成することと、をさらに含む、
請求項20に記載の製造方法。
【請求項27】
一体式導電部材を形成することであって、一体式導電部材が、
前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極のソース金属層上に設置されている第1部分であって、
上面図で見ると、前記一体式導電部材の前記第1部分が前記ソース電極の前記ソース金属層から前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの外に向かって延伸することで、前記一体式導電部材の前記第1部分の第1端が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップに重なっており、前記一体式導電部材の前記第1部分の第2端は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップと重なっていない第1部分と、
前記一体式導電部材の前記第1部分の前記第2端と前記第3外部端子との間に非垂直及び非水平に連結されている第2部分と、を含む一体式導電部材を形成することと、
前記仮キャリア上に前記第1モールドコンパウンド層を形成することにより前記一体式導電部材と前記ソース金属層の一部を被覆することと、
前記第1モールドコンパウンド層内に複数の開口を形成することにより、前記第1外部端子の一部及び前記ゲート電極のゲート金属層の一部を露出させることと、
第1側及び第2側を含む第1導電ビアであって、前記第1導電ビアの前記第1側は前記第1外部端子と接触しており、かつ前記第1導電ビアの直径が前記第1導電ビアの前記第2側から前記第1導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第1導電ビアを前記第1外部端子上に形成することと、
第1側及び第2側を含む第2導電ビアであって、前記第2導電ビアの前記第1側は前記ゲート金属層と接触しており、かつ前記第2導電ビアの直径が前記第2導電ビアの前記第2側から前記第2導電ビアの前記第1側に向かって縮小している第2導電ビアを前記ゲート金属層上に形成することと、をさらに含む、
請求項20に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品パッケージ及びその製造方法に関し、より具体的には、高圧トランジスタ半導体ベアチップ及び制御回路ベアダイを有する電子部品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品(例えばチップや集積回路(IC))パッケージでは、リードフレーム(lead frame)パッケージ技術を使用し、かつ電気リード線(wire)によってチップ端の電気接続を提供することができる。パッケージ技術の高密度化及び小型化が進むにつれて、パッケージの入出力(input/output、I/O)接続ピンの数やその内部接続線(interconnection)が増加し、より複雑になっている。リードフレームは1層の配線しか提供できないため、チップの電気接続の位置が制限され、この空間上の制限が、マルチチップパッケージの技術的ボトルネックになっている。また、放熱問題も深刻になって、チップの性能に影響する可能性がある。
【0003】
フリップチップ(flip-chip)パッケージ技術でもマルチチップパッケージを実現できるが、これは、チップの面を下向きにして、パッケージ基板(package substrate)を通して相互接続するというものである。リードフレームを使用することに比べると、フリップチップパッケージ技術は製造コストが増加する可能性があり、しかも製造工程がかなり複雑なので、その生産率(throughput)も低下する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は電子部品パッケージに関する。前記電子部品パッケージは、互いに直接接触していない第1外部端子、第2外部端子及び第3外部端子を含む第1金属層と、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有する高圧トランジスタ半導体ベアチップであって、そのうち、前記ドレイン電極は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの片側に位置し、前記ゲート電極及び前記ソース電極は前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの対向する他側に位置し、かつ前記高圧トランジスタ半導体ベアチップが前記第1金属層上に設置され、前記ドレイン電極が前記第2外部端子と連結されている高圧トランジスタ半導体ベアチップと、互いに対向する第1側及び第2側を有する第1モールドコンパウンド層であって、前記第1モールドコンパウンド層は、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップを被覆し、さらに前記第1金属層の少なくとも一部を被覆しており、そのうち、前記第1外部端子、前記第2外部端子及び前記第3外部端子が、前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側から露出している第1モールドコンパウンド層と、互いに直接接触しない第1金属層部分及び第2金属層部分を含む第2金属層であって、そのうち、前記第2金属層が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側上に配置されている第2金属層と、前記第1モールドコンパウンド層を貫通し、かつ前記第1金属層部分を前記第1外部端子に連結する第1垂直接続構造と、前記第1モールドコンパウンド層の一部を貫通し、かつ前記第2金属層部分を前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結する第2垂直接続構造と、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極及び前記ソース電極に対面するアクティブ面を有する制御回路ベアダイであって、前記アクティブ面が、前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分に対応して連結される第1制御端子及び第2制御端子を含む制御回路ベアダイと、互いに対向する第1側及び第2側を有する第2モールドコンパウンド層であって、前記第1モールドコンパウンド層上に設置され、かつその前記第1側が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側と貼合されることで、前記制御回路ベアダイと前記第2金属層を被覆する第2モールドコンパウンド層と、を含み、そのうち、前記制御回路ベアダイの前記第1制御端子は前記第1金属層部分及び前記第1垂直接続構造によって前記第1外部端子に連結されており、そのうち、前記制御回路ベアダイの前記第2制御端子は前記第2金属層部分及び前記第2垂直接続構造によって前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結されており、そのうち、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極は前記第3外部端子に連結されている。
【0005】
本開示の実施例は、電子部品パッケージの製造方法に関する。前記方法は、仮キャリアを提供することと、前記仮キャリア上に、互いに直接接触していない第1外部端子、第2外部端子及び第3外部端子を含む第1金属層を形成することと、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有する高圧トランジスタ半導体ベアチップであって、そのうち、前記ドレイン電極が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの片側に位置して前記第2外部端子に連結され、前記ゲート電極及び前記ソース電極が前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの対向する他側に位置している高圧トランジスタ半導体ベアチップを前記第1金属層上に設置することと、前記仮キャリア上に、互いに対向する第1側及び第2側を有する第1モールドコンパウンド層を形成して前記高圧トランジスタ半導体ベアチップ及び前記第1金属層の少なくとも一部を被覆することと、前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側上に、互いに直接接触しない第1金属層部分及び第2金属層部分を含む第2金属層を形成することと、前記第1金属層部分を前記第1外部端子に連結することと、前記第2金属層部分を前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極に連結することと、前記第1モールドコンパウンド層上に、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ゲート電極及び前記ソース電極に対面するアクティブ面を有し、前記アクティブ面が、前記第1金属層部分及び前記第2金属層部分に対応して連結される第1制御端子及び第2制御端子を含む制御回路ベアダイを設置することと、前記第1モールドコンパウンド層上に、互いに対向する第1側及び第2側を有し、かつその前記第1側が前記第1モールドコンパウンド層の前記第2側と貼合されることで、前記制御回路ベアダイと前記第2金属層を被覆する第2モールドコンパウンド層を形成することと、前記高圧トランジスタ半導体ベアチップの前記ソース電極を前記第3外部端子に連結することと、前記仮キャリアを除去して前記第1外部端子、前記第2外部端子及び前記第3外部端子を前記第1モールドコンパウンド層の前記第1側から露出させることと、を含む。
【0006】
本開示の若干の実施例の形態は、図面と結び付けて以下の詳細な説明を閲読することにより、最適に理解することができる。各種の構造は比例通りに作成しなくてもよいという点には注意が必要である。実際には、論述を明確にするという見地から、各種の構造の大きさを任意に拡大または縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの断面図を示している。
図1B】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの斜視図を示している。
図1C】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの斜視図を示している。
図2】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの断面図を示している。
図3】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの断面図を示している。
図4A】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図4B】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図4C】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図4D】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図4E】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図4F】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5A】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5B】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5C】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5D】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5E】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図5F】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6A】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6B】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6C】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6D】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6E】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
図6F】本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
同一または類似する部品は、図面及び詳細な説明において、同じ参照符号を使用して示している。本開示の若干の実施例は、以下の詳細な説明及び図面により、速やかに理解することができる。
【0009】
以下の開示では、提供される標的の様々な特徴を実施するための多くの異なる実施例または範例を提供している。以下では、部品及び配置の具体的な実例を記述している。もちろん、これらは単なる範例なので、限定的でないことが望ましい。本開示では、第2の特徴の上方または上に第1の特徴を形成するという引用は、第1の特徴と第2の特徴が直接接触を形成する実施例を含むことができ、かつ第1の特徴と第2の特徴との間に第1の特徴と第2の特徴が直接接触を形成しなくてよい別の特徴を形成する実施例を含むこともできる。また、本開示では、各実施例の中で図面符号及び/または文字が重複してもよい。この重複は、簡単かつ明確にするために行われるものであり、それ自体が、議論されている各実施例及び/または配置間の関係を示しているわけではない。
【0010】
以下では、本開示の実施例について詳細に議論している。しかし、本開示が様々な特定の環境下で具体化することができる多くの適用概念を提供していることを、理解しておかなければならない。議論されている具体的な実施例は説明的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0011】
本開示では、電子部品パッケージ及びその製造方法を提供している。本開示の電子部品パッケージは、高圧トランジスタ半導体ベアチップと制御回路ベアダイを1つのパッケージ内に統合しているので、小型化の需要を満たすことができるだけでなく、プリント基板(printed circuit board、PCB)またはテンプレート上の回路配線面積を減らすこともできる。また、本開示の電子部品パッケージは、金属層(例えば再配線層(redistribution layer、RDL))及び垂直接続構造(例えば導電柱(conductive pillar)または導電ビア(conductive via)をリードフレーム及び電気リード線の代わりとして使用することで、チップの電気接続位置がよりフレキシブルになり、また放熱効果もさらに良くなっている。リードフレーム及び電気リード線と比べて、本開示の電子部品パッケージは、高圧または大電流のチップをパッケージングすることにより適している。さらに、本開示のチップのアクティブ面(またはアクティブ領域)は金属層を通して対面で突き合わせることができるので、チップ間の伝達経路を短縮して、伝達速度を上げることもできる。
【0012】
図1Aを参照すると、図1Aは本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージ1の断面図を示している。電子部品パッケージ1は、電子部品10及び12と、封止材(encapsulant)11、13と、第1金属層(外部端子m11、m12及びm13を含む)と、第2金属層(金属層部分m21、m22及びm23を含む)を含むことができる。
【0013】
第1金属層の外部端子m11、m12及びm13は、互いに直接接触しなくてもよい。例えば、外部端子m11、m12及びm13は、封止材11によって互いに離間することができる。例えば、外部端子m11、m12及びm13は、互いに直接接続されていなくてよい。外部端子m12は、外部端子m11とm13の間に位置することができる。
【0014】
外部端子m11、m12及びm13の大きさ(例えば、幅、厚さ、面積など)は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。図1Aに示すように、外部端子m12の幅は、外部端子m11またはm13の幅よりも大きくてよい。いくつかの実施例では、外部端子m12の面積は、電子部品10の面積(例えば表面積)の約1~2倍であってよい。また、図1Aに示すように、外部端子m11、m12及びm13の厚さは互いに同じであってよい。外部端子m11、m12及びm13は、それぞれ金属または金属合金などの導電材料を含むことができる。導電材料の実例には、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、その他の金属または合金、またはその中の2つ以上の組み合わせを含むことができる。外部端子m11、m12及びm13は、電子部品パッケージ1と外部装置(例えばPCB、その他のパッケージまたはその他の電子部品)との間の電気接続を提供することができる。
【0015】
電子部品10は、半導体チップ(またはベアチップ)を含むことができる。チップは、集積回路(IC)を形成するためのトランジスタ、抵抗器、キャパシタ及び相互接続構造などの回路部品を含むことができる。いくつかの実施例では、電子部品10は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)、例えばNMOS、PMOS、CMOS、電圧帰還デバイス及び/またはスイッチを含むことができる(但し、これらに限らない)。
【0016】
いくつかの実施例では、電子部品10は、比較的高い破壊電圧(または耐圧)を有する高圧トランジスタを含むことができ、しかも高入力電圧及び/または高出力電圧の回路に応用することもできる。さらに言えば、電子部品10は、動的ランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)及び各種のタイプの不揮発性メモリ(プログラマブル読み取り専用メモリ(programmable read-only memory、PROM)及びフラッシュメモリ(flash memory)を含む)を含むメモリデバイス(memory device)、光電デバイス(optoelectronic device)、論理装置(logic device)、通信装置(communication device)及びその他のタイプの装置など、あらゆるタイプの集積回路を含むことができる。
【0017】
電子部品10は、表面101と、表面101に対向する表面102と、表面101と表面102との間に延伸する表面(または側面)103とを有することができる。1つまたは複数の電気端子(electrical terminals)は、電子部品10の表面101及び/または表面102から露出することができる。例えば、電子部品10のゲート電極(gate)及びソース電極(source)が電子部品10の同じ側に位置し、ドレイン電極(drain)が対向する側に位置することができる。電子部品10のドレイン電極は表面101に位置し、かつゲート電極とソース電極は表面102に位置することができる。
【0018】
電子部品10は第1金属層上に位置することができる。電子部品10のドレイン電極は、第1金属層の外部端子m12と連結(または電気接続)することができる。電子部品10のドレイン電極は、第1金属層の外部端子m12と接触することができる。ドレイン電極のドレイン金属層(即ち外部端子m12)は表面101に位置し、ゲート電極のゲート金属層10e1及びソース電極のソース金属層10e2は表面102に位置することができる。
【0019】
封止材11は電子部品10及び第1金属層の少なくとも一部を被覆することができる。封止材11は、モールドコンパウンド(molding compound)(例えば、エポキシ樹脂(epoxy)モールドコンパウンド)またはその他の適当な材料を含むことができ、その中には、エポキシ樹脂(epoxy resins)、フェノール樹脂(phenolic resins)、シリコン含有樹脂(silicon-containing resins)など、またはその組み合わせが含まれる(但し、これらに限らない)。
【0020】
封止材11は、表面111と、表面111に対向する表面112とを有することができる。第1金属層の外部端子m11、m12及びm13は表面111から露出することができる。いくつかの実施例では、第1金属層の外部端子m11、m12及びm13は、それぞれ表面111と面一または共面であってよい。
【0021】
第2金属層の金属層部分m21、m22及びm23は、封止材11の表面112に位置することができる。言い換えれば、第1金属層と第2金属層は封止材11の対向する側に位置するということである。第1金属層は封止材11内に部分的に埋め込むことができ、第2金属層は封止材11の表面112から突出することができる。
【0022】
第2金属層の金属層部分m21、m22及びm23は互いに直接接触しなくてよい。例えば、金属層部分m21、m22及びm23は、封止材13によって互いに離間することができる。例えば、金属層部分m21、m22及びm23は、互いに直接接続されてよい。金属層部分m22は、金属層部分m21とm23との間に位置することができる。
【0023】
金属層部分m21、m22及びm23の大きさ(例えば、幅、厚さ、面積など)は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。図1Aに示すように、金属層部分m23の幅は、金属層部分m21または金属層部分m22の幅より大きくてよい。また、図1Aに示すように、金属層部分m21、m22及びm23の厚さは互いに同じであってよい。金属層部分m21、m22及びm23は、それぞれ金属または金属合金などの導電材料を含むことができる。導電材料の実例には、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、その他の金属または合金、またはその中の2つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0024】
第2金属層は封止材11と13の間に封入することができる。第2金属層は、電子部品パッケージ1の内部相互接続構造(interconnect structure)の一部とすることができる。第2金属層は再配線層を含むことができる。第2金属層は、電子部品10と12との間の電気接続を提供し、電子部品10と第1金属層との間の電気接続を提供し、かつ電子部品12と第1金属層との間の電気接続を提供することができる。
【0025】
いくつかの実施例では、金属層部分m21は、電子部品12と外部端子m11との間の電気接続を提供することができる。例えば、金属層部分m21は、封止材11の少なくとも一部を貫通する垂直接続構造によって外部端子m11に連結することができる。図1Aに示すように、垂直接続構造は、導電ビアv1及び導電柱p1を含むことができる。導電柱p1は外部端子m11と導電ビアv1との間に配置することができる。導電柱p1は、導電ビアv1の片側(例えばその底部)から封止材11の表面111に向かって延伸し、外部端子m11と接触することができる。導電柱p1は、外部端子m11と接触する第1側(例えばその底部)と、導電ビアv1と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電柱p1の直径は、第2側から第1側に向かって不変を保持することができる。例えば、導電柱p1の頂部直径と底部直径は等しい。導電ビアv1は、導電柱p1と金属層部分m21の間に配置することができる。導電ビアv1は、導電柱p1と接触する第1側(例えばその底部)と、金属層部分m21と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電ビアv1の直径は、第2側から第1側に向かって縮小することができる。例えば、導電ビアv1の直径は、金属層部分m21に近い側が導電柱p1に近い側より大きい。例えば、導電ビアv1の頂部直径は底部直径より大きい。導電ビアv1は、封止材11の表面112から表面111に向かって延伸することができる。導電ビアv1の第1側(例えばその底部)は表面111と共面でなくてよく、導電ビアv1の第2側(例えばその頂部)は表面112と共面であってよい。
【0026】
いくつかの実施例では、金属層部分m22は、電子部品10と12との間の電気接続を提供することができる。例えば、金属層部分m22は、封止材11の少なくとも一部を貫通する垂直接続構造によって電子部品10のゲート電極のゲート金属層10e1と連結することができる。図1Aに示すように、垂直接続構造は導電ビアv2を含むことができる。導電ビアv2は、ゲート金属層10e1と金属層部分m22の間に配置することができる。導電ビアv2は、ゲート金属層10e1と接触する第1側(例えばその底部)と、金属層部分m22と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電ビアv2の直径は、第2側から第1側に向かって縮小することができる。例えば、導電ビアv2の直径は、金属層部分m22に近い側がゲート金属層10e1に近い側より大きい。例えば、導電ビアv2の頂部直径は底部直径より大きい。導電ビアv2は、封止材11の表面112から表面111に向かって延伸することができる。導電ビアv2の第1側(例えばその底部)は表面111と共面でなくてもよく、導電ビアv2の第2側(例えばその頂部)は表面112と共面であってよい。
【0027】
いくつかの実施例では、金属層部分m23は、電子部品10と外部端子m13との間の電気接続を提供することができる。例えば、金属層部分m23は、封止材11の少なくとも一部を貫通する垂直接続構造によって電子部品10のソース電極のソース金属層10e2と連結することができる。図1Aに示すように、垂直接続構造は導電ビアv3を含むことができる。導電ビアv3は、ソース金属層10e2と金属層部分m23の間に配置することができる。導電ビアv3は、ソース金属層10e2と接触する第1側(例えばその底部)と、金属層部分m23と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電ビアv3の直径は、第2側から第1側に向かって縮小することができる。例えば、導電ビアv3の直径は、金属層部分m23に近い側がソース金属層10e2に近い側より大きい。例えば、導電ビアv3の頂部直径は底部直径より大きい。導電ビアv3は、封止材11の表面112から表面111に向かって延伸することができる。導電ビアv3の第1側(例えばその底部)は表面111と共面でなくてもよく、導電ビアv3の第2側(例えばその頂部)は表面112と共面であってよい。
【0028】
いくつかの実施例では、金属層部分m23は、封止材11の少なくとも一部を貫通する垂直接続構造によって外部端子m13に連結することができる。図1Aに示すように、垂直接続構造は、導電ビアv4及び導電柱p2を含むことができる。導電柱p2は外部端子m13と導電ビアv4と間に配置することができる。導電柱p2は、導電ビアv4の片側(例えばその底部)から封止材11の表面111に向かって延伸し、外部端子m13に接触することができる。導電柱p2は、外部端子m13と接触する第1側(例えばその底部)と、導電ビアv4と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電柱p2の直径は、第2側から第1側に向かって不変を保持することができる。例えば、導電柱p2の頂部直径と底部直径は等しい。導電ビアv4は、導電柱p2と金属層部分m23の間に設置することができる。導電ビアv4は、導電柱p2と接触する第1側(例えばその底部)と、金属層部分m23と接触する第2側(例えばその頂部)を含むことができる。導電ビアv4の直径は、第2側から第1側に向かって縮小することができる。例えば、導電ビアv4の直径は、金属層部分m23に近い側が導電柱p2に近い側より大きい。例えば、導電ビアv4の頂部直径は底部直径より大きい。導電ビアv4は、封止材11の表面112から表面111に向かって延伸することができる。導電ビアv4の第1側(例えばその底部)は表面111と共面でなくてもよく、導電ビアv4の第2側(例えばその頂部)は表面112と共面であってよい。
【0029】
いくつかの実施例では、導電柱p1の高さp1hは導電柱p2の高さp2hと等しくてよい。導電柱p1の外部端子m11と接触する第1側(例えばその底部)と、導電柱p2の外部端子m13と接触する第1側(例えばその底部)は共面であってよい。導電柱p1の導電ビアv1と接触する第2側(例えばその頂部)と、導電柱p2の導電ビアv4と接触する第2側(例えばその頂部)は共面であってよい。いくつかの実施例では、導電柱p1の導電ビアv1と接触する第2側(例えばその頂部)は、ゲート金属層10e1(またはソース金属層10e2)の1つの表面と共面であってよい。いくつかの実施例では、導電柱p2の導電ビアv4と接触する第2側(例えばその頂部)は、ゲート金属層10e1(またはソース金属層10e2)の1つの表面と共面であってよい。
【0030】
いくつかの実施例では、導電ビアv1の高さv1h、導電ビアv2の高さv2h、導電ビアv3の高さv3h及び導電ビアv4の高さv4hは等しくてよい。導電ビアv1の導電柱p1と接触する第1側(例えばその底部)、導電ビアv2のゲート金属層10e1と接触する第1側(例えばその底部)、導電ビアv3のソース金属層10e2と接触する第1側(例えばその底部)、及び導電ビアv4の導電柱p2と接触する第1側(例えばその底部)は共面であってよい。導電ビアv1の金属層部分m21と接触する第2側(例えばその頂部)と、導電ビアv2の金属層部分m22と接触する第2側(例えばその頂部)と、導電ビアv3の金属層部分m23と接触する第2側(例えばその頂部)と、導電ビアv4の金属層部分m23と接触する第2側(例えばその頂部)は共面であってよい。
【0031】
電子部品12は封止材11の表面112上に位置することができる。電子部品12は第2金属層上に位置することができる。電子部品12は半導体チップ(またはベアチップ)を含むことができる。チップは、集積回路(IC)を形成するためのトランジスタ、抵抗器、キャパシタ及び相互接続構造などの回路部品を含むことができる。いくつかの実施例では、電子部品12は制御回路を含むことができる。さらに言えば、電子部品12は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理装置(graphics processing unit、GPU)、マイクロプロセッサ(micro processing unit、MPU)、特定用途向け集積回路(Application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate or grid array、FPGA)、マイクロコントローラ(microcontroller)、システムオンチップ(system-on-chip、SoC)などの、あらゆるタイプの制御回路を含むことができる。電子部品12は、電子部品10に連結されて、電子部品10を制御することができる。
【0032】
電子部品12は、表面121と、表面121に対向する表面122とを有することができる。表面121は、アクティブ面(active surface)または能動面を含むことができ、表面122は、非アクティブ面または裏面(backside surface)を含むことができる。電子部品12の表面121は、電子部品10の表面102と対面することができる。電子部品12の表面121は、電子部品10のゲート電極及びソース電極と対面することができる。1つまたは複数の制御端子(または電気端子)は、電子部品12の表面121から露出することができる。例えば、制御端子(または電気端子)の金属層12e1及び12e2は、表面121に位置することができる。
【0033】
金属層12e1は、電気接続部材12s1を介して第2金属層の金属層部分m21に連結し、さらに外部端子m11と連結することができる。金属層12e2は、電気接続部材12s2を介して第2金属層の金属層部分m22と連結し、さらに電子部品10のゲート電極のゲート金属層10e1と連結することができる。
【0034】
いくつかの実施例では、電気接続部材12s1及び12s2はそれぞれ、例えば制御崩壊チップ接続(controlled collapse chip connection(C4)bump)、ボールグリッドアレイ(ball grid array、BGA)、またはランドグリッドアレイ(land grid array、LGA)などのはんだボール(solder balls)を含むことができる。
【0035】
封止材13は、電子部品12、電気接続部材12s1及び12s2、第2金属層の少なくとも一部を被覆することができる。封止材13は封止材11の表面112に貼合することができる。いくつかの実施例では、封止材13は、封止材11について列挙されている材料を含むことができる。いくつかの実施例では、封止材13と封止材11との間に界面があってもよい。しかし、他の実施例では、封止材13と封止材11との間に界面がなくてもよい。
【0036】
図1Bは、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの斜視図を示している。いくつかの実施例では、図1Bに示す電子部品パッケージは、図1Aに示すような断面図を有することができる。図1Bでは、簡潔にするために封止材11及び13を省略している。図1Bに示す電子部品パッケージでは、図1Aに示す電子部品パッケージ1と同一または類似する素子は同じ符号で表示しており、同一または類似する素子の詳細な説明は繰り返し述べないものとする。
【0037】
図1Bに示す電子部品パッケージは、仮キャリア40上に配置されている。仮キャリア40は、セラミック基板、半導体基板、誘電体基板、ガラス基板などの基板を含むことができる。仮キャリア40は導電性を有することができ、例えば、金属基板を含み、またはその上に金属層または導電層を有する。第1金属層は仮キャリア40上に配置されている。
【0038】
第1金属層は、複数の外部端子m11及び複数の外部端子m13を含むことができる。複数の外部端子m11は、電子部品10の1つの側面に沿って配列することができる。図1Bには5つの外部端子m11が描かれているが、外部端子m11の数はこれに限らない。いくつかの実施例では、設計要求によって、任意の数の外部端子m11が存在してよい。例えば、外部端子m11の数は、電子部品12の表面121上の制御端子の数に対応することができる。例えば、複数の電気接続部材12s1、複数の金属層部分m21、複数の垂直接続構造(それぞれ導電ビアv1及び導電柱p1を含む)を対応する外部端子m11上に配置することで、対応する制御端子を対応する外部端子m11に連結することができる。
【0039】
複数の外部端子m13は、電子部品10のもう1つの側面(例えば表面103)に沿って配列することができる。図1Bには5つの外部端子m13が描かれているが、外部端子m13の数はこれに限らず、また外部端子m11の数と異なっていてもよい。いくつかの実施例では、設計要求によって、任意の数の外部端子m13が存在してよい。例えば、電子部品10のソース電極の電流が大きくなるほど、外部端子m13及びその上方の垂直接続構造(それぞれ導電ビアv4及び導電柱p2を含む)が多くなり、それにより、より多くの電流経路を提供し、放熱効果を高めることができる。
【0040】
いくつかの実施例では、図2に示すように、導電柱p1及びp2を省略して、導電ビアv1を外部端子m11に直接連結し、かつ導電ビアv4を外部端子m13に直接連結することができる。但し、導電柱に導電ビアを加えて外部端子m11及び外部端子m13上の垂直接続構造とすることは、導電ビアだけを使用する場合に比べて、電気導電性を向上させることができる。
【0041】
第1金属層は、電子部品10の表面101に位置してドレイン電極と接触する単一層の外部端子m12を含むことができる。よって、本開示では、外部端子m12は、電子部品10のドレイン金属層と呼ぶこともできる。前述のように、外部端子m12の面積は、電子部品10の面積(例えば表面積)の約1~2倍とすることができる。複数の外部端子m11及び複数の外部端子m13は、それぞれ外部端子m12の対向する側に位置することができる。
【0042】
電子部品10は、複数のゲート電極と複数のゲート金属層10e1を含むことができる。いくつかの実施例では、電子部品10は、単一のソース電極及び単一の層のソース金属層10e2を含むことができる。但し、電子部品10のゲート電極またはソース電極の数は、これに限定されない。例えば、電子部品10のゲート電極の数は、電子部品12の表面121上の制御端子の数に対応させることができる。例えば、複数の電気接続部材12s2、複数の金属層部分m22及び複数の導電ビアv2を対応するゲート金属層10e1上に配置して、対応する制御端子を対応するゲート電極に連結することができる。
【0043】
第2金属層は、複数の金属層部分m21及び複数の金属層部分m22を含むことができる。前述のように、金属層部分m21及びm22の数は、電子部品12の表面121上の制御端子の数に対応させることができる。金属層部分m21は、それぞれ1つの電気接続部材12s1と1つの導電ビアv1との間に位置することができる。金属層部分m22は、それぞれ1つの電気接続部材12s2と1つの導電ビアv2との間に位置することができる。
【0044】
第2金属層は、単一層の金属層部分m23を含むことができる。金属層部分m23は、電子部品10のソース電極を複数の外部端子m13に連結することができる。但し、金属層部分m23の数はこれに限らない。例えば、電子部品10が複数のソース電極を含む場合は、複数の金属層部分m23を介してソース電極を対応する外部端子m13に連結することができる。
【0045】
図1Cは、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの斜視図を示している。いくつかの実施例では、図1Cに示す電子部品パッケージは、図1Aに示すような断面図を有することができる。図1Cでは、簡潔にするために、封止材11及び13を省略している。図1Cに示す電子部品パッケージは、図1Bに示す電子部品パッケージに類似しているので、以下ではその差違について記述する。
【0046】
複数の外部端子m13及びその上方の垂直接続構造(それぞれ導電ビアv4及び導電柱p2を含む)は、電子部品10の3つの側面に沿って配列することができる。例えば、複数の外部端子m13及びその上方の垂直接続構造は、電子部品10の3つの側面を取り囲むことができる。金属層部分m23は、電子部品10を被覆し、かつ電子部品10の3つの側面を超えて延伸することができる。前述のように、電子部品10のソース電極の電流が大きくなるほど、外部端子m13及びその上方の垂直接続構造が多くなり、それにより、より多くの電流経路を提供し、放熱効果を高めることができる。
【0047】
図2は、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージ2の断面図を示している。図2に示す電子部品パッケージ2は図1Aに示す電子部品パッケージ1と類似しているので、同一または類似する部品は同じ符号で表示しており、同一または類似する部品の詳細な記述については繰り返し述べず、以下ではその差違について記述している。
【0048】
電子部品パッケージ2は、導電柱p1及びp2を省略して、導電ビアv1を外部端子m11に直接連結し(または接触させ)、かつ導電ビアv4を外部端子m13に直接連結している(接触させている)。導電ビアv1の高さv1h及び導電ビアv4の高さv4hは等しくてよい。導電ビアv1の高さv1h及び導電ビアv4の高さv4hは、それぞれ導電ビアv2の高さv2h及び導電ビアv3の高さv3hより大きくてよい。
【0049】
いくつかの実施例では、導電ビアv2の幅(例えば最大幅)v2wは、導電ビアv1の幅v1w、導電ビアv3の幅v3w及び導電ビアv4の幅v4wのうちのいずれかより小さくてよい。導電ビアv2の幅v2wは、約50~200マイクロメートル(μm)の間とすることができる。いくつかの実施例では、導電ビアv4の幅(例えば最大幅)v4wは、導電ビアv1の幅v1w、導電ビアv2の幅v2w及び導電ビアv3の幅v3wのうちのいずれかより大きくてよい。
【0050】
いくつかの実施例では、導電柱p1及びp2を省略しているので、電子部品パッケージ2の製造工程のステップをかなり少なくすることができる。また、導電柱を使用することに比べて、導電ビアだけを使用しているので、電流の大きさに基づいて垂直接続構造の大きさを調整しやすい。例えば、電流が大きくなるほど、導電ビアを広げることで、大きな電流を伝達することができる。
【0051】
図3は、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージ3の断面図を示している。図3に示す電子部品パッケージ3は図2に示す電子部品パッケージ2と類似しているので、同一または類似する部品は同じ符号で表示しており、同一または類似する部品の詳細な記述については繰り返し述べず、以下ではその差違について記述している。
【0052】
電子部品パッケージ3は、一体式導電部材30を導電ビアv3、金属層部分m23及び導電ビアv4の代わりに使用して、ソース金属層10e2を外部端子m13に連結している。一体式導電部材30は、ソース金属層10e2と重なり、かつ電子部品10の外に向かって延伸する端部を有することができ、例えば表面103を超えて延伸している。例えば、一体式導電部材30は、ソース金属層10e2から外向きに水平に延伸する部分301を有することができる。水平に延伸する部分301は、ソース金属層10e2と重なる片端と、ソース金属層10e2と重ならない他端を有することができる。また、一体式導電部材30は、水平に延伸する部分301を外部端子m13に連結するもう1つの部分302を有することができる。部分302は、部分301の片端と外部端子m13との間で、非垂直及び非水平に延伸することができる。いくつかの実施例では、一体式導電部材30は、封止材13によって被覆されていてもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、電子部品パッケージ2と比べて、電子部品パッケージ3の製造工程のステップをより少なくすることができる。しかも、導電柱または導電ビアを使用してソース金属層10e2を外部端子m13に連結することに比べて、電子部品パッケージ3の電流経路をより短くすることができる。いくつかの実施例では、複数の外部端子m13(例えば図1B)を含む場合、一体式導電部材30は、電子部品10のソース電極(1つか複数かに関わらず)を複数の外部端子m13に連結することができる。
【0054】
図4A~4Fを参照すると、図4A~4Fは、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の形態をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。
【0055】
図4Aを参照すると、前記製造方法は、仮キャリア40を提供することを含む。仮キャリア40は、セラミック基板、半導体基板、誘電体基板、ガラス基板などの基板を含むことができる。仮キャリア40は導電性を有することができ、例えば、金属基板を含み、またはその上に金属層または導電層を有する。
【0056】
前記製造方法は、第1金属層を仮キャリア40上に配置することを含む。第1金属層は、電気めっきまたは化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)によって形成することができる。第1金属層は、パターン化によって外部端子m11、m12及びm13を形成することができる。
【0057】
次に、導電柱p1、電子部品10及び導電柱p2を、外部端子m11、m12及びm13にそれぞれ配置する。電子部品10のドレイン電極は、外部端子m12と下向きに接触することができる。ゲート電極のゲート金属層10e1及びソース電極のソース金属層10e2は表面102に位置することができる。いくつかの実施例では、導電柱p1の高さp1hは導電柱p2の高さp2hと等しくてよい。いくつかの実施例では、導電柱p1の頂部は、ゲート金属層10e1(またはソース金属層10e2)の1つの表面と共面であってよい。いくつかの実施例では、導電柱p2の頂部は、ゲート金属層10e1(またはソース金属層10e2)の1つの表面と共面であってよい。
【0058】
図4Bを参照すると、仮キャリア40上に封止材11を形成して導電柱p1、電子部品10、導電柱p2及び第1金属層の少なくとも一部を被覆している。いくつかの実施例では、封止材11は、例えばトランスファー成形(transfer molding)または圧縮成形(compression molding)などの成形技術によって形成される。
【0059】
次に、封止材11の一部を除去して開口11t1、11t2、11t3及び11t4を形成することができる。開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、それぞれ導電柱p1、ゲート金属層10e1、ソース金属層10e2及び導電柱p2の一部を露出させている。
【0060】
いくつかの実施例では、開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、傾斜率の異なる上部部分及び下部部分を有することができる。上部部分は下部部分より広くてよい。上部部分は下部部分に向かって徐々に狭くなってよい。上部部分は、仮キャリア40に向かって徐々に狭くなってよい。いくつかの実施例では、開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、レーザー穴あけ加工(laser drilling process)によって形成することができる。
【0061】
図4Cを参照すると、開口11t1、11t2、11t3及び11t4の中に導電材料を形成することにより、導電ビアv1、v2、v3及びv4を形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、スパッタリングや吹付けなどの物理気相蒸着(physical vapor deposition、PVD)によって形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、電気めっきまたはCVDによって形成することができる。いくつかの実施例では、平坦化操作、研磨操作または別の適切な除去操作によって、導電ビアv1、v2、v3及びv4の頂部を共面にすることができる。
【0062】
図4Dを参照すると、第2金属層が封止材11の表面112上に配置されている。第2金属層は電気めっきまたはCVDによって形成することができる。第2金属層は、パターン化によって金属層部分m21、m22及びm23を形成することができる。
【0063】
図4Eを参照すると、電子部品12は第2金属層上に配置されている。制御端子(または電気端子)の金属層12e1は、電気接続部材12s1を介して第2金属層の金属層部分m21に連結されている。制御端子の金属層12e2は、電気接続部材12s2を介して第2金属層の金属層部分m22に連結されている。
【0064】
図4Fを参照すると、封止材11上に封止材13を形成することにより、電子部品12、電気接続部材12s1及び12s2、第2金属層の少なくとも一部を被覆している。いくつかの実施例では、封止材13は、例えばトランスファー成形または圧縮成形などの成形技術によって形成される。その後、仮キャリア40を取り除いて外部端子m11、m12及びm13を露出させる。
【0065】
以上のステップを経て形成された半導体構造は、図1Aに示す電子部品パッケージ1と同じであってよい。
【0066】
図5A~5Fを参照すると、図5A~5Fは、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の形態をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。
【0067】
図5Aを参照すると、前記製造方法は、仮キャリア40を提供することを含む。仮キャリア40は、セラミック基板、半導体基板、誘電体基板、ガラス基板などの基板を含むことができる。仮キャリア40は導電性を有することができ、例えば、金属基板を含み、またはその上に金属層または導電層を有する。
【0068】
前記製造方法は、第1金属層を仮キャリア40上に配置することを含む。第1金属層は電気めっきまたはCVDによって形成することができる。第1金属層は、パターン化によって外部端子m11、m12及びm13を形成することができる。
【0069】
次に、電子部品10を外部端子m12に配置する。電子部品10のドレイン電極は、外部端子m12と下向きに接触することができる。ゲート電極のゲート金属層10e1及びソース電極のソース金属層10e2は表面102に位置することができる。
【0070】
図5Bを参照すると、仮キャリア40上に封止材11を形成して電子部品10及び第1金属層の少なくとも一部を被覆している。いくつかの実施例では、封止材11は、例えばトランスファー成形または圧縮成形などの成形技術によって形成される。
【0071】
次に、封止材11の一部を除去して開口11t1、11t2、11t3及び11t4を形成することができる。開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、それぞれ、外部端子m11、ゲート金属層10e1、ソース金属層10e2及び外部端子m13の一部を露出している。
【0072】
いくつかの実施例では、開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、傾斜率の異なる上部部分及び下部部分を有することができる。上部部分は下部部分より広くてよい。上部部分は下部部分に向かって徐々に狭くなってよい。上部部分は仮キャリア40に向かって徐々に狭くなってよい。いくつかの実施例では、開口11t1、11t2、11t3及び11t4は、レーザー穴あけ操作によって形成することができる。
【0073】
図5Cを参照すると、開口11t1、11t2、11t3及び11t4の中に導電材料を形成することにより、導電ビアv1、v2、v3及びv4を形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、スパッタリングや吹付けなどのPVDによって形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、電気めっきまたはCVDによって形成することができる。いくつかの実施例では、平坦化操作、研磨操作または別の適切な除去操作によって、導電ビアv1、v2、v3及びv4の頂部を共面にすることができる。
【0074】
図5D~5Fのステップは図4D~4Fと同じなので、ここでは繰り返し述べない。その後、仮キャリア40を取り除いて外部端子m11、m12及びm13を露出させる。
【0075】
以上のステップを経て形成された半導体構造は、図2に示す電子部品パッケージ2と同じであってよい。
【0076】
図6A~6Fを参照すると、図6A~6Fは、本願のいくつかの実施例に基づく電子部品パッケージの製造方法の中の1つ、または複数の段階を示している。これらの図面の少なくともいくつかは、本開示の形態をより適切に理解できるよう、すでに簡略化されている。
【0077】
図6Aを参照すると、前記製造方法は、仮キャリア40を提供することを含む。仮キャリア40は、セラミック基板、半導体基板、誘電体基板、ガラス基板などの基板を含むことができる。仮キャリア40は導電性を有することができ、例えば、金属基板を含み、またはその上に金属層または導電層を有する。
【0078】
前記製造方法は、第1金属層を仮キャリア40上に配置することを含む。第1金属層は電気めっきまたはCVDによって形成することができる。第1金属層は、パターン化によって外部端子m11、m12及びm13を形成することができる。電子部品10を外部端子m12に配置する。電子部品10のドレイン電極は、外部端子m12と下向きに接触することができる。ゲート電極のゲート金属層10e1及びソース電極のソース金属層10e2は表面102に位置することができる。
【0079】
続いて、一体式導電部材30によってソース金属層10e2を外部端子m13に連結する。
【0080】
続いて、仮キャリア40上に封止材11を形成することにより、電子部品10、一体式導電部材30及び第1金属層の少なくとも一部を被覆する。
【0081】
図6Bを参照すると、封止材11の一部を除去して開口11t1及び11t2を形成することができる。開口11t1及び11t2は、それぞれ外部端子m11及びゲート金属層10e1の一部を露出している。
【0082】
いくつかの実施例では、開口11t1及び11t2は、傾斜率の異なる上部部分及び下部部分を有することができる。上部部分は下部部分より広くてよい。上部部分は下部部分に向かって徐々に狭くなってよい。上部部分は仮キャリア40に向かって徐々に狭くなってよい。いくつかの実施例では、開口11t1及び11t2は、レーザー穴あけ操作によって形成することができる。
【0083】
図6Cを参照すると、開口11t1及び11t2の中に導電材料を形成することにより、導電ビアv1及びv2を形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、スパッタリングや吹付けなどのPVDによって形成することができる。いくつかの実施例では、導電材料は、電気めっきまたはCVDによって形成することができる。いくつかの実施例では、平坦化操作、研磨操作または別の適切な除去操作によって、導電ビアv1及びv2の頂部を共面にすることができる。
【0084】
図6D~6Fのステップは図4D~4Fと同じなので、ここでは繰り返し述べない。その後、仮キャリア40を取り除いて外部端子m11、m12及びm13を露出させる。
【0085】
以上のステップを経て形成された半導体構造は、図3に示す電子部品パッケージ3と同じであってよい。
【0086】
本文中では、記述しやすいように、「の下」、「下面」、「下部」、「上方」、「上部」、「左側」、「右側」などの空間に対応する用語を使用して、図面に示す1つの部品または特徴と別の1つまたは複数の部品または特徴との関係を記述している。図面に記載されている方向の他に、空間に対応する用語は、装置の使用時または運転時の異なる方向をカバーすることもある。他の方式で装置の方向(90度回転、またはその他の向き)を決めることができ、かつ同様に相応の方式により本文中で使用する空間に対応する用語を解釈することもできる。部品が他の部品に「接続され」、または「連結され」ていると書かれている場合は、他の部品に直接接続または連結されていてもよいし、中間部品が存在してもよいという点を理解しておかなければならない。
【0087】
本文で使用されているように、用語の「概ね」、「基本的に」、「ほぼ」及び「約」は、小さな変化を記述及び解釈するために使用される。イベントまたは状況と結び付けて使用される場合、前記用語は、イベントまたは状況が間違いなく発生した実例、及びイベントまたは状況が発生間近の実例を指すことができる。本文で所定の値または範囲に関して使用される場合、用語の「約」は、全体的に所定の値または範囲の±10%、±5%、±1%または±0.5%内にあることを意味する。本文では、範囲を1つの端点からもう1つの端点まで、または2つの端点の間として表している。本文で開示しているすべての範囲には、別途明示していない限り、端点が含まれている。「ほぼ共面」という用語は、2つの表面が同一平面に沿って位置決めされている位置の差が数マイクロメートル(μm)以内にあること、例えば、同一平面に沿って位置決めされている位置の差が10μm以内、5μm以内、1μm以内、または0.5μm以内にあることを指すことができる。数値または特性が「基本的に」同一とされる場合、前記用語は、前記値の平均値の±10%、±5%、±1%または±0.5%以内の値を指すことができる。
【0088】
前述の内容は、いくつかの実施例の特徴及び本開示の詳細な面を概述している。本開示に記載されている実施例は、同一または類似する目的を実施するため、及び/または本文で紹介している実施例の同一または類似する利点を実現するためにその他の工程及び構造を設計し、または修正するための基礎として容易に用いることができる。このような同等の構造が本開示の主旨及び範囲から逸脱せず、かつ本開示の主旨及び範囲から逸脱しない状況において、各種の改変、置換及び変更を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
【国際調査報告】