(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-11
(54)【発明の名称】冷媒圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20241004BHJP
F16C 35/067 20060101ALI20241004BHJP
F16C 33/58 20060101ALI20241004BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F04B39/00 103Q
F16C35/067
F16C33/58
F04C29/00 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565866
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 KR2022014869
(87)【国際公開番号】W WO2023059019
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021126248.8
(32)【優先日】2021-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セット, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クロッテン,トーマス
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
3J117
3J701
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB06
3H003AC03
3H003CA02
3H129AA02
3H129AB03
3H129BB44
3H129CC17
3J117AA03
3J117DA02
3J117DB05
3J117DB07
3J701AA01
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA56
3J701BA77
3J701EA01
3J701FA35
3J701FA46
3J701GA29
(57)【要約】
【課題】電気冷媒圧縮機の圧縮機構を駆動するためのメインベアリングを回転に対して固定し、それにより冷媒圧縮機の圧縮機ハウジングの磨耗を低減する。
【解決手段】圧縮機ハウジング(4)と、圧縮機ハウジング(4)内に配置された圧縮機構を駆動する駆動軸(3)と、駆動軸(3)を支持するメインベアリング(2)とを備える冷媒圧縮機であって、圧縮機ハウジング(4)に支持され、駆動軸(3)に固定された内輪(6)と、圧縮機ハウジング(4)に圧入された外輪(5)とからなり、歯状突起(9)が突出し、圧縮機ハウジング(4)の隣接壁(4a)に圧入する複数のハウジング(4)が、外輪(5)のリング軸(8)の方向にある外輪(5)の端面(5a)に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機ハウジング(4)、前記圧縮機ハウジング(4)内に配置された圧縮機構を駆動するための駆動軸(3)と、前記駆動軸(3)を貫通させて前記圧縮機ハウジング(4)上に支持させ、前記駆動軸(3)に固定された内輪(6)と、前記圧縮機ハウジング(4)内に圧入される外輪(5)とを含むメインベアリング(2)とを含み、前記圧縮機ハウジング(4)の隣接壁(4a)に圧入される突出する歯状突起(9)は、前記外輪(5)のリング軸(8)の方向に前記外輪(5)の端面(5a)上に配置されることを特徴とする冷媒圧縮機。
【請求項2】
前記圧縮機ハウジング(4)の材質は、前記歯状突起(9)を介して塑性変形することを特徴とする請求項1に記載の冷媒圧縮機。
【請求項3】
前記メインベアリング(2)と前記圧縮機ハウジング(4)の間に形状カスタマイズ接続が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
【請求項4】
前記歯状突起(9)は、前記端面(5a)の全幅にわたって半径方向にそれぞれ個別に延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
【請求項5】
前記歯状突起(9)は、前記外輪(5)の全周にわたって円周方向に一定に分散配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
【請求項6】
前記外輪(5)は一体型で製造されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
【請求項7】
前記外輪(5)は、鍛造工程で一体的に製造されたことを特徴とする請求項6に記載の冷媒圧縮機。
【請求項8】
前記リング軸(8)方向に突出した歯状突起(9)は、前記外輪(5)と共に鍛造工程を経て生成されることを特徴とする請求項7に記載の冷媒圧縮機。
【請求項9】
前記冷媒圧縮機はスクロール圧縮機であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の冷媒圧縮機。
【請求項10】
前記メインベアリング(2)はボールベアリング(2)であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒圧縮機に係り、より詳細には、自動車用空調システム用の電動冷媒圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気冷媒圧縮機では、軸はスクロール圧縮機のような圧縮機構を駆動するために使用され、圧縮機構に必要な軸やその他のコンポーネントは圧縮機ハウジング内に配置される。シャフトをガイドし、可能な限り摩耗のない駆動を保証するために、シャフトは、ほとんどの場合、ボールベアリングが使用されるメインベアリングによって支持される。メインベアリングは、圧縮機ハウジング内に圧入される外輪を含んでいる。このような圧入は、外輪が回転しないようにするためである。一般的にアルミニウムで形成される圧縮機ハウジングの熱膨張係数は、一般的にスチールで形成されるメインベアリングの外輪の熱膨張係数と異なるため、この2つの部品間の圧入嵌合(press fit)は、運転中に温度が上昇すると同時に縮小し、ほぼ完全に停止することがある。圧入嵌合の収縮は、メインベアリングを回転させ、圧縮機ハウジングの摩耗を引き起こし、結果として冷媒圧縮機の損傷を引き起こす可能性がある。高い軸方向力と一緒に回転する外輪は、フライス工具のように動く。
【0003】
温度上昇のような状況で軸受の回転を防止するために、様々な従来技術のソリューションが提案されている。例えば、SBN WSalzlager GmbH&Co.KGが提案したような、いわゆる熱補償ベアリング(thermal Compensation bearings)が知られている発明であり、上記従来技術では、ベアリングの外輪に溝がフライス加工されているのが特徴である。このようなプラスチックリングは、アルミニウムハウジングと同じかそれ以上の熱膨張係数を有する。これは、高温でも十分に高い圧入嵌合を保証する。
【0004】
このようなソリューションの欠点は、熱補償ベアリングの製造に必須の追加工程が必要であることである。まず、ベアリングの外輪には溝を形成するために機械加工が必要である。また、プラスチック製のリングは射出成形で製造され、溝の内部に流入する必要がある。この方法は製造を複雑にし、製造コストの上昇をもたらす。
【0005】
特開平09-84293号公報は、さらなる解決策を開示している。この特許の例では、ボールベアリングの外輪が後方に配置された4つの突出部を有するように設計され、それぞれの突出部はボールベアリングの軸方向に延びる。 また、4つの穴は、ベアリングハウジング、ワッシャまたはフラットディスクの背面にある各ケース内に形成され、ベアリングのそれぞれの突出部は、シャフトまたはフラットディスクの穴内に嵌合するように形成されている。突起は、ワッシャの穴を貫通し、ベアリングハウジングの穴に挿入される。この解決策によれば、外輪は、ボールベアリングの各突起をベアリングハウジングの穴に嵌め込み、回転を防止する。ボールベアリングの外周に取り付けられたゴムリングがないため、ボールベアリングをベアリングハウジングに簡単に取り付けることもできる。しかし、この解決策では、ベアリングハウジング、ワッシャー、スプリングなどの追加部品が必要であり、複雑さとコストの上昇をもたらす。コンポーネントは連動するために正確な位置に配置する必要があるため、製品の組み立てがより困難になる。 また、ベアリングハウジングの提供により、ベアリングの設置スペースが狭くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、圧縮機構駆動のための電気冷媒圧縮機の回転を防止し、それによる冷媒圧縮機の圧縮機ハウジングの摩耗を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、冷媒圧縮機、好ましくは、以下の請求項1の特徴を含む電気冷媒圧縮機によって達成することができる。好ましいさらなる発展例は、従属項に開示されている。
【0008】
前記冷媒圧縮機は、圧縮機ハウジング、前記圧縮ハウジング内に配置された圧縮機構を駆動するための駆動軸を含み、前記駆動軸を貫通させて圧縮機ハウジング上に支持させるメインベアリングは、前記駆動軸に固定された内輪と、前記圧縮機ハウジングの内部に圧入される外輪と、を含み、前記圧縮機ハウジングの隣接壁に圧入される突出する歯状突起は、前記外輪のリング軸の方向に前記外輪の端面上に配置される。
【0009】
上記の概念によれば、外輪は、温度が上昇するにつれてベアリングが回転するのを防ぐ。以下、歯形部(teeth)とも呼ばれる歯状突起は、軸方向にメインベアリングの外輪に追加的に取り付けられている。これらの歯状突起は、メインベアリングが圧入されると、圧縮機ハウジングに圧入される。これにより、ベアリングの外輪とハウジングの間に半径方向への圧入嵌合がない場合でも、外輪の回転を防止するのに十分である。
【0010】
圧縮機ハウジングの材料を塑性変形させるように押し込む力を選択することができる。このような圧縮機ハウジングの塑性変形は、メインベアリングの歯形要素と同じ形状を有し、2つのコンポーネント間の形状に合わせた接続を実現することができる。好ましくは、メインベアリングと圧縮機ハウジングの間に、形状に合わせた接続が存在する。したがって、メインベアリングの外輪の回転に対する安全性は、温度とそれに伴うそれぞれの異なる圧入嵌合とは無関係である。
【0011】
本発明の利点を有する実施形態によれば、歯状突起は、端面の全幅の上部に前記半径方向にそれぞれ個別に延びている。好ましくは、歯状突起は、端面の全周にわたって円周方向に一定に分散配置されている。
【0012】
前述の熱補償ベアリングとは対照的に、軸方向歯型のメインベアリングの外輪は一体的に製造することができ、このように製造することが有利である。これは、外輪が一体的に形成されていることが望ましいことを意味する。熱補償軸受では、溝は必ず外輪の内側にフライス加工されなければならない。その後、プラスチックリングを溝の中に挿入する必要がある。このような追加工程は、本発明によるメインベアリングでは必須ではなく、歯状要素の製造は外輪製造の鍛造工程の一部であるため、本発明によるメインベアリングの外輪は、軸方向に突出した歯状要素を備えている。このため、外輪は、鍛造工程で歯部が既に形成されているように設計することができる。その結果、追加の機械加工工程は必要ない。追加のコンポーネントも必要ない。
【0013】
好ましくは、冷媒圧縮機はスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機は、スパイラル圧縮機とも呼ばれ、圧縮機構を構成するコンポーネントとして、圧縮機ハウジング内に2つの挿入(インターリーブ)スパイラルがあり、1つは固定されたスパイラルであり、もう1つのスパイラルは、円形の軌道を周回する旋回スパイラルとして偏心して動くことができ、2つのスパイラル間に形成された圧縮室の容積は、スパイラルの動きによって周期的に変化することができる。スクロール圧縮機では、駆動軸が旋回螺旋を駆動します。
【0014】
長期的な動作安定性を確保するために、メインベアリングは動作中に軸方向の動きから保護されなければならず、そうでない場合、外輪の回転に対する安全性は保証できない。スクロール圧縮機の背圧のおかげで、軸方向の力は常に300Nと910Nの間にあり、この範囲は常に十分に高い加圧力を保証する。これにより、メインベアリングの外輪の回転に対する安全性と動作安全性を向上させることができる。
【0015】
好ましくは、メインベアリングは転がり軸受(rolling bearing)であり、特に好ましくは、ボールベアリング(ball bearing)が使用される。
本発明の実施形態のさらなる詳細、特徴および利点は、関連する図面を参照して、以下の例示的な実施形態の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面を以下に示す。
【
図1】従来技術(Prior Art)の熱補償軸受を示す。
【
図2】圧縮機機構を駆動するための軸のメインベアリングの領域にある電気冷媒圧縮機の一部の断面図である。
【
図3B】ボール通路に向かう方向におけるメインベアリングの外輪の断面図である。
【
図4】鋳造後の鋳造ブランク(Cast Blank)から始まり、外輪の仕上げを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、温度上昇の場合でも軸受の回転を防止するために熱補償軸受として設計された従来技術によるボールベアリングAを示す。ボールベアリングAは、外輪B、内輪C、および外輪Bと内輪Cの間に半径方向に配置され、ベアリングケージの円周方向に分布し、摩擦抵抗を低減するために互いに離間するボールEが転がり要素として内部に挿入される環状ベアリングケージDを含む。
図1に示すボールベアリングは、例えば、SBN WSalzlager GmbH&Co.KGの特許で提案された熱補償軸受を示しており、溝Fが軸受の外輪Bの内側にフライス加工されている。この溝Fの内側にプラスチックリングGが挿入されている。このプラスチックリングGは、アルミニウムで形成された圧縮機ハウジング(
図1に図示せず)の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有する。プラスチックリングGの高い熱膨張係数は、より高い温度でも十分に高い圧入嵌合を保証します。このような解決策の欠点は、熱補償ベアリングの製造に多くの追加工程が必要であることである。まず、ボールベアリングAの外輪Bは、溝Fを形成するために機械加工が必要である。また、プラスチックリングGは射出成形で製造され、溝Fに流入する必要がある。
【0018】
図2は、以下、駆動軸3と呼ぶ軸3のメインベアリング2が配置された電気冷媒圧縮機1の一部を示す断面図である。電気冷媒圧縮機では、駆動軸3は、圧縮機構を駆動するために、例えば、駆動軸3および圧縮機構に不可欠な他の構成要素が圧縮機ハウジング4内に配置されたスクロール圧縮機の機構を駆動するために使用される。スクロール圧縮機は、スパイラル圧縮機とも呼ばれ、圧縮機構を構成するコンポーネントとして、圧縮機ハウジング内に2つのインターリーブ螺旋があり、1つは固定された螺旋であり、もう1つの螺旋は円形の軌道を周回する旋回螺旋として偏心して動くことができ、2つの螺旋の間に形成された圧縮室の容積は、螺旋の動きによって周期的に変化することができる。スクロール圧縮機では、駆動軸3が旋回螺旋を駆動する。
【0019】
駆動軸3をガイドし、可能な限り摩耗のない動作を保証するために、駆動軸はメインベアリング2に支持されている。メインベアリング2は、圧縮機ハウジング4に圧入される外輪を含んでいる。この圧入嵌合は、外輪5が回転できないことを保証する。
図2の例に示すように、メインベアリングは、外輪5、駆動軸3に固定される内輪6、および外輪5と内輪6の間に転動体として配置されたボール7を含むボールベアリングである。
【0020】
図2に示すように、以下、歯形部(teeth)とも称され、軸方向、例えば外輪5のリング軸8方向に突出した歯状突起9が、メインベアリング2の外輪5の端面5aに配置される。
【0021】
図2は、歯形部9が圧縮機ハウジング4の隣接壁4aに圧入されるように、外輪5上の軸方向突出歯形部9を有するメインベアリングが圧縮機ハウジング4に圧入される様子を概略的に示している。このような状態は、メインベアリングの軸方向歯形噛み合いとも呼ばれる。歯形部9が圧縮機ハウジング4の材料を塑性変形させるように押圧力を選択することができる。圧縮機ハウジング4の塑性変形は、メインベアリング2の外輪5の歯部9と同じ形状を有する。これにより、2つのコンポーネント、例えば、メインベアリング2と圧縮機ハウジング4との間に、形状に合わせた接続が提供される。このような接続は、メインベアリングの外輪と圧縮機ハウジングの間で、半径方向に外輪5に対する圧入嵌合がない回転を防止するのに十分である。つまり、メインベアリング2と圧縮機ハウジング4間の形状に合わせた接続のおかげで、メインベアリングの外輪5の回転に対する安全性は、温度やそれによって引き起こされる他の圧入嵌合とは無関係であることを意味する。
【0022】
図3Aは、軸方向に突出する複数の歯形部9を有する円形のリング状端面5a方向に示されたメインベアリングの外輪5の斜視図である。端面5aの全幅にわたって半径方向にそれぞれ延びる歯形部9は、外輪5の全外周にわたって円周方向に均一に分布して配置される。
図3Aの実施例では、合計二列の軸方向突出歯形部9は、時計回り前面部上の数字配列方式で、外輪5の円環状端面5aにわたって分散されている。外輪5の内面には、ボール形状に調整された凹状の断面を有するボール通路(ball race)10が外輪5の全内周部にわたって形成される。
図3Bは、ボール通路10を示す方向に示されたメインベアリングの外輪5の詳細断面図である。
図3Bはまた、本断面の軸方向に突出した歯形部9を示している。突出した歯形部9は、歯形部が軸方向に突出する高さ(約0.2mm)の約5倍の円周方向幅がある。これらの寸法は、歯形部がハウジングに完全に収まるまで押圧力がハウジングを塑性変形させるのに十分な大きさになるように選択することが望ましい。また、塑性変形は、圧縮機の機能や構成要素に影響を与えないように、塑性変形が最小限で済むようにする必要がある。幅1mm、嵌合深さ0.2mmの2つの歯部9を使用することは、特定の用途において特に有益で実用的であることが証明されている。正確な寸法は、各アプリケーションに合わせてケースごとに再定義し、評価することができる。
【0023】
図4は、外輪が実際に仕上げられる順序と、外輪の製造方法がこの順序によって簡略化される方法を概略的に示している。
図1に示す熱補償軸受とは対照的に、軸方向に噛み合う主軸受の外輪は一体的に製造することができる。熱補償軸受では、
図1と比較して、溝は必ず外輪にフライス加工する必要がある。プラスチックリングは必ず溝の内側に挿入しなければならない。歯形部の製造は、外輪の製造のための鍛造工程の一部とすることができるので、メインベアリングの外輪に軸方向突出歯形部が形成されたふるいを備える本発明に従って使用されるメインベアリングには、このような追加の作業工程は必要ない。
【0024】
つまり、外輪の鍛造工具は、鍛造工程で歯形部が一緒に生成されるように設計することができる。その結果、鋳造ブランクを機械加工するための次の機械加工ステップ(STEP)IからIVを除いて、それ以上の追加的な機械加工ステップは必要ない。追加のコンポーネントも必要ない。
【0025】
まず、鋳造ブランクの前面側は、ステップIで機械加工が残っている状態である。ステップIIでは、裏面側の機械加工が完了する。その後のステップIIIでは、鋳造ブランクは外径領域の機械加工を行う。最後に、ステップIVで、内部ボール通路の機械加工を行う。
【符号の説明】
【0026】
1 電気冷媒圧縮機の一部
2 メインベアリング、ボールベアリング
3 ドライブシャフト
4 圧縮機ハウジング
4a 圧縮機ハウジングの壁
5 外輪
5a 外輪の端面
6 内輪
7 ボール、転動体
8 外輪のリング軸
9 歯状突起、歯形部
10 外輪のボール通路
【国際調査報告】