IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インフィコン インコーポレイティドの特許一覧

特表2024-537559蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング
<>
  • 特表-蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング 図1
  • 特表-蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング 図2
  • 特表-蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング 図3
  • 特表-蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング 図4
  • 特表-蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-11
(54)【発明の名称】蒸着及びエッチングチャンバのための上流プロセスモニタリング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20241004BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500414
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 US2022036277
(87)【国際公開番号】W WO2023283282
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,032
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520435429
【氏名又は名称】インフィコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ラピドット マタン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーリ シャイ
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004AA16
5F004BA04
5F004BB18
5F004BB28
5F004BC03
5F004CA08
5F004CB01
5F004CB02
5F004CB04
5F045AA03
5F045AA06
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045EE01
5F045EE02
5F045EE04
5F045EE05
5F045EF05
5F045EH12
5F045GB04
5F045GB05
5F045GB07
(57)【要約】
半導体製造システムは、混合ボウルと、混合ボウルからガスの混合物を受け入れる分配システムと、基板上で様々な半導体プロセス、例えば、蒸着プロセス及びエッチングプロセスを実行するための分配システムと流体連通するプロセスチャンバとを含む。複数の混合ボウルセンサが、混合ボウルのキャビティ内に配置され、検出されたガスの種類及び流量を示すガス信号を発する。さらに、少なくとも1つのプロセスチャンバセンサが、プロセスチャンバ内に設けられ、基板に近接して配置される。プロセスチャンバセンサは、半導体プロセスにさらされると、すなわち、センサの表面上に蒸着材料が蓄積すると変化する共振特性を有し、基板の表面上の予測された材料を示す材料プロセス信号を発する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で半導体プロセスを実行するために使用される材料のガス状混合物を受け入れるためのキャビティを画定する混合ボウルと、
材料の前記ガス状混合物の少なくとも1つのガスを検出するために前記混合ボウルの前記キャビティ内に配置された複数の混合ボウルセンサであって、前記センサが、検出された前記ガスを示すガス信号を発する、混合ボウルセンサと、
前記混合ボウルからガス状材料を受け入れ、プロセスチャンバ内に前記ガス状材料を分配するための材料分配システムと、
基板及び前記基板の表面に近接した少なくとも1つのプロセスチャンバセンサを収容するためのプロセスチャンバであって、前記プロセスチャンバが、前記少なくとも1つのプロセスチャンバセンサの存在下で、前記混合ボウルから材料の前記ガス状混合物を受け入れ、前記基板の前記表面上で半導体プロセスを実行するために前記材料分配システムと流体連通し、
前記プロセスチャンバセンサが、前記半導体プロセスにさらされると変化する共振特性を有し、前記プロセスチャンバセンサが、前記基板の前記表面上の予測される前記材料を示す材料プロセス信号を発する、プロセスチャンバと、
前記ガス信号及び前記材料プロセス信号に応答して、前記混合ボウル内のガス状材料及び前記基板上の予測される前記材料の混合を制御するためのコントローラと
を備える、半導体製造システム。
【請求項2】
前記分配システムが、前記ガス状混合物の流れをプロセスチャンバに分配するための複数のスプリンクラーヘッドを含む、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項3】
前記分配システムが、前記ガス状混合物の流れを前記プロセスチャンバに直接送るための少なくとも1つの導管を含む、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項4】
前記分配システムが複数の導管を含み、前記導管の各々が、前記ガス状混合物の流れを前記プロセスチャンバに分配する、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項5】
前記混合ボウルセンサが、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサ、光学分光計センサ、及び質量分析計センサの群からのセンサを含む、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項6】
前記材料プロセスチャンバセンサが、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサ、及び微小電気機械(MEM)センサの群からのセンサを含む、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項7】
前記混合ボウルが、いくつかのキャビティ壁開口部を有する円形の平面形状を画定し、混合ボウルセンサが、前記混合ボウルから流れ出し、前記スプリンクラーヘッドの選択された1つに向かうガス状材料を検出するために各キャビティ壁開口部の近位に配置される、請求項2に記載の半導体製造システム。
【請求項8】
前記混合ボウルが、各導管へのガス状材料の流れを促進するために前記キャビティ壁に開口部を画定し、前記複数の混合ボウルセンサのうちの少なくとも1つが、前記混合ボウルから流れ出し、前記スプリンクラーヘッドの選択された1つに向かうガス状材料を検出するために前記キャビティ壁開口部の近位に配置される、請求項5に記載の半導体製造システム。
【請求項9】
前記混合ボウルが、前記ガス状混合物を封じ込めるためのキャビティを画定し、前記複数の混合ボウルセンサのうちの少なくとも1つが、前記混合ボウルから流れ出すガス状材料を検出するために前記キャビティの上面に沿って配置される、請求項5に記載の半導体製造システム。
【請求項10】
前記混合ボウルが、前記ガス状混合物を封じ込めるためのキャビティを画定し、前記複数の混合ボウルセンサのうちの少なくとも1つが、前記キャビティの内周面に沿って配置された水晶振動子マイクロバランス(QCM)であり、前記複数の混合ボウルセンサのうちの少なくとも別のものが、前記混合ボウルから流れ出すガス状材料を検出するために前記キャビティの上面に沿って配置される質量分析計センサである、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項11】
複数のプロセスチャンバセンサをさらに備え、各プロセスチャンバセンサが、前記基板の表面に近接しており、前記材料プロセス信号が、前記基板と前記プロセスチャンバセンサとの間の相間データを強化するために前記基板に対する前記プロセスチャンバセンサの距離及び方向に従って相互に関連付けられている、請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項12】
ガス分配システムからガスの混合物を受け入れる半導体プロセスチャンバにおいて半導体製造プロセスをモニタリングするための方法であって、前記ガス分配システムが、下流端で前記半導体プロセスチャンバと流体連通する複数のスプリンクラーヘッドと、上流端で混合ボウルと流体連通する複数の導管とを有し、前記方法が、
ガス状材料の少なくとも1つのガスを検出するために前記混合ボウルのキャビティ内に複数の混合ボウルセンサを配置し、検出された前記ガスを示すガス信号を発するステップと、
前記分配システムの前記スプリンクラーヘッドを介して前記半導体プロセスチャンバへのガス状材料の流れを分配するステップと、
前記半導体プロセスチャンバ内で基板と、前記基板に近接するプロセスチャンバセンサとを支持するステップであって、前記プロセスチャンバセンサが、その検出表面上の蒸着プロセス及びエッチングプロセスを検出して、前記基板の前記表面上の蒸着プロセス及びエッチングプロセスと相互に関連付けるようにする、ステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記プロセスチャンバセンサの共振特性が、前記半導体プロセスにさらされ、前記センサの前記検出表面上に蒸着された材料が蓄積すると変化し、
前記基板の前記表面上の予測される前記材料を示す材料プロセス信号を発するステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
プロセスチャンバ内に複数のセンサを配置して、前記複数のセンサの各々の近位で発生する材料プロセスデータを測定するステップであって、第一のセンサが前記プロセスチャンバ内の第一の空間位置を画定し、第二のセンサが前記プロセスチャンバ内の第二の空間位置を画定し、前記第一の空間位置が前記第二の空間位置とは異なる角度方向を有する、ステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
米国特許法第119条及び米国特許規則1.53の関連部分に従って、本出願は、2021年7月7日に出願された米国特許出願第63/219,032号の利益及び優先件を主張し、その全内容は本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プラントでの蒸着及びエッチングプロセスは、半導体集積回路(IC)産業においてデバイス製造の間、広く一般的に使用されている。寸法を削減する半導体産業の試みは、従来、二次元構造のリソグラフィー解像度によって制限されていたが、三次元構造(例えば、3Dゲート及び3D NAND)の蒸着及びエッチングプロセス制御に移行している。複数のガスの種類を含むガス混合物(gas mixture)が、蒸着及びエッチングプロセスのシーケンスを通じて、メインシーケンスの前段階でも後段階でも、何度も使用される。さらに、デバイスの限界寸法は、蒸着及びエッチングプロセスを制御する能力によってますます大きな影響を受ける。
【0003】
プラズマエッチングプロセスは、多くの場合、プラズマ状態の点火ガス(化学反応の活性化エネルギーを駆動する)によって誘電体、半導体、又は金属層を除去するために使用される。材料の除去は、(非プラズマ状態で)反応性ガスを流すことによって、又はウェットエッチング(液体状態で)ステーションを通じて実行することもできる。チャンバコンポーネント及び処理された基板上の膜の蒸着は、プラズマ加速(PE)化学蒸着(CVD)、低大気圧CVD、熱CVD、原子層堆積(ALD)、プラズマ加速原子層堆積などのような様々な方法によって適用され得る。エッチング及び蒸着プロセスは、プロセスステップに応じて等方性又は異方性(反応性イオンエッチング-RIEなど)であり得る。
【0004】
IC製造プロセスなどの基板蒸着プロセスでは、異なる反応及び様々なプロセス物質の状態を通じて、ウェハ(基板である)上に多くの異なる層の蒸着を達成できる。技術の例としては、プラズマ(PECVD及び高密度プラズマ-HDP)、ガス-低大気圧CVD(SACVD)及び液体(電気めっき)が挙げられる。蒸着層及びデバイス製造特性を制御するための重要なパラメータの例のいくつかには、厚さ、応力、質量、抵抗、粒子及び屈折率がある。これらのパラメータは、(ウェハ又はウェハのバッチにわたる)平均値だけではなく、ウェハの変動性及び格子間ウェハの変動性も測定及び制御される。プロセスの変動性を減らすことは、終端(end of line)(EOL)プロセスでの製造歩留まりの向上に寄与する。
【0005】
例えば、以下のステップが基板エッチングに使用される。製造されたデバイスに(リソグラフィーステップと併せて)パターンを適用するためのウェハエッチングステップ、汚染からのウェハの洗浄、トランジスタ間のトレンチの作製、接点とアイソレータとの間の可能な分離、蒸着前及びフォトレジストの除去のためのウェハ表面の反応。ウェハ上のエッチングプロセスを制御するための重要なパラメータは、エッチング速度、厚さ、応力、粒子及び欠陥の制御などの定義された特徴のための限界寸法と、他の電気的及び光学的パラメータとである。
【0006】
基板のエッチング及び蒸着は、同じプロセスチャンバ内で同時プロセス(例えば、HDPプロセスの一部では、エッチング及び蒸着は、連続して又は同時に発生する場合がある)、チャンバ内で連続的、チャンバ内で非連続的、又は異なるチャンバ内であっても、あるいはそうでなくてもよい。
【0007】
集積センサを使用したプロセスモニタリングのための公知の方法のいくつかには、質量分析計、光学分光計、RFセンサ、及び真空計が含まれる。しかしながら、そのような方法は局所的ではなく、異なるチャンバ位置で蓄積又は除去された膜に関する詳細な情報を与えることができない。非局所的プロセス制御の一例には、発光分析、残留ガス分析装置及びチャンバインピーダンス測定のようなプラズマ洗浄法が含まれる。しかしながら、これらの方法の全てはチャンバ全体からの畳み込み信号を測定し、異なるチャンバ位置におけるプロセス材料の均一性又は均質性を特定しない。温度センサのような他の公知のセンサは、様々なチャンバコンポーネントの表面に沿って位置を特定して測定値を読み取ることができるが、これらの表面のコーティングに関連する膜の状態に関する詳細な情報を提供しない。
【0008】
ガス混合物又は流れのタイミングに関する問題をモニタリングするための現在の解決策は、プロセスチャンバ及び排気ラインにある。プロセス障害(「誤った」ガス混合物)がプロセスチャンバ又はチャンバの排気口に到達すると、既に手遅れであり、材料の損傷が既に発生している。
【0009】
特許文献1(Wajid)は、膜コーティング又はエッチングに関する情報を提供するQCMを開示しているが、単一の位置を採用しており、異なるチャンバ位置でのプロセスの均一性又は均質性に関する情報を提供することができない。ここで、チャンバのサイズが大きくなるにつれて、プロセスデータの精度及び値は低下する。
【0010】
特許文献2(Martinsonら)は、異なるチャンバ位置間を移動するQCMプローブを記載している。しかしながら、この解決策は、研究室に限定されており、製造に真空が必要とされる製造環境にのみ適合する。さらに、この解決策では、異なるチャンバ位置でのQCMセンサの同時モニタリングが容易にならない。
【0011】
したがって、(i)不正確又は不均衡なガス混合物を特定し、(ii)蒸着及びエッチングプロセス中のより厳密なプロセス制御を可能にするために蒸着及びエッチングツールのタイミングを制御する必要性が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0201954号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0053779号明細書
【発明の概要】
【0013】
半導体製造システムは、混合ボウルと、混合ボウルからガスの混合物を受け入れる分配システムと、基板上で様々な半導体プロセス、例えば蒸着及びエッチングプロセスを実行するための分配システムと流体連通するプロセスチャンバとを含む。複数の混合ボウルセンサが、混合ボウルのキャビティ内に配置され、検出されたガスの種類及び流量を示すガス信号を発する。さらに、少なくとも1つのプロセスチャンバセンサが、プロセスチャンバ内に設けられ、基板に近接して配置される。プロセスチャンバセンサは、半導体プロセスにさらされると、すなわち、センサの表面上に蒸着材料が蓄積すると変化する共振特性を有し、基板の表面上の予測された材料を示す材料プロセス信号を発する。コントローラがガス及び材料プロセス信号に応答して、混合ボウル内のガスの混合及び基板の表面上の予測された材料を制御する。
【0014】
さらに別の実施形態において、半導体プロセスをモニタリングするための方法が提供される。その方法は、(i)ガス状材料の少なくとも1つのガスを検出するために混合ボウルのキャビティ内に複数の混合ボウルセンサを配置し、検出されたガスを示すガス信号を発するステップと、(ii)分配システムによって半導体プロセスチャンバへのガス状材料の流れを分配するステップと、(iii)半導体プロセスチャンバ内で基板と、基板に近接するプロセスチャンバセンサとを支持するステップであって、プロセスチャンバセンサが、その検出表面上の蒸着プロセス及びエッチングプロセスを検出して、基板の表面上の蒸着プロセス及びエッチングプロセスと相互に関連付けるようにする、ステップと、(iv)混合ボウルに入るガスの流れ及びプロセスチャンバ内で実行される半導体プロセスを制御して、半導体回路の製造を最適化するステップとを含む。
【0015】
上記の実施形態は単なる例示である。本明細書に記載される他の実施形態も開示された主題の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の特徴を理解できるように、特定の実施形態を参照することによって、詳細な説明を述べることができ、そのいくつかを添付の図面に例示する。しかしながら、図面は、特定の実施形態のみを例示するもので、したがって、開示された主題の範囲が他の実施形態を同様に包含するため、その範囲を限定的に考慮するものではないことに留意されたい。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、一般に、特定の実施形態の特徴を説明することに重点が置かれている。図面において、同様の数字は、様々な図を通して同様のパーツを示すために使用される。
【0017】
図1】混合ボウル、分配システム及びプロセスチャンバを含む半導体製造システムの斜視図である。
図2図1の線2-2に実質的に沿った断面図である。
図3】混合ボウル及びプロセスチャンバによって画定された垂直軸に直交する面に沿った、図2の線3-3に実質的に沿った断面図である。
図4】半導体製造システムの別の実施形態の斜視図であり、分配システムが複数の導管を含み、導管のうちの少なくとも1つがガスをプロセスチャンバに直接分配する。
図5】半導体製造システムの別の実施形態の斜視図であり、混合ボウルセンサが、複数の水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサ及び複数の光学分光計/質量分析計を備え、分配システムがガス混合物を複数のプロセスチャンバに導く。
【0018】
対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応するパーツを示す。本明細書に記載される例は、いくつかの実施形態を示すが、決して範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、半導体製造制御を含む半導体製造の分野に関する。より具体的には、一例では、半導体製造システムは、戦略的な上流及び下流の位置、すなわち、上流の混合ボウル及び下流のプロセスチャンバに配置されたセンサを利用して、半導体製造プロセスをモニタリングし、蒸着及びエッチングプロセスの精度及び均質性を向上させる。例えば、本明細書では、スプリンクラーヘッドによる分配前及びプロセスチャンバの上流で、混合ボウル内の上流位置でガス混合物をモニタリングするための特有の方法を開示する。有利なことに、上流と下流の両方の位置にセンサを配備すると、上流の混合ボウル及び下流のプロセスチャンバ内のプロセスの不均質性に起因して、異なる材料特性(質量密度及び応力)の測定が容易になる。
【0020】
図1図2及び図3において、製造システム10の概略斜視図及び断面図は、混合ボウル12と、混合ボウル12と流体連通する分配システム16と、分配システム16と流体連通するプロセスチャンバ20を含む。混合ボウル16は、いくつかの外部ガス供給源18からガス混合物を受け入れ、混合ボウル16によって画定されたキャビティ24の内部に配置された複数のガスセンサ22を含む。ガスセンサ22は以下でさらに詳細に記載されるが、この時点であえて言うと、ガスセンサ22は、ガス状混合物(gaseous mixture)の少なくとも1つのガスを検出し、ライン26に沿ってガス信号を発する。ガスセンサ22は、混合ボウルキャビティ24内に均一に分散されてもよいが、それらは好ましくは、混合ボウルキャビティの各開口部に近接して配置され、すなわち、横方向又は円筒状キャビティ壁28(図3に最適に見られる)を介して近接して配置される。開口部は、分配システム16の複数の半径方向のパイプ又は導管30と流体連通し、次に分配システム16は、ガス状混合物をプロセスチャンバ20の上に配置された、いくつかのスプリンクラーヘッド34に分配する。分配システム16は、一端で混合ボウル12と流体連通し、他端で1つ以上のスプリンクラーヘッド34と流体連通する複数の導管30を含んでもよい。あるいは、分配システム16は、各々が専用のプロセスチャンバ20に直接つながる1つ以上の導管30を含んでもよい。この実施形態は本開示の図4に示される。
【0021】
多くの異なるタイプのセンサが本開示で利用され得る。例えば、水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサ又は微小電気機械(MEM)センサが配備され得る。混合ボウル16内の水晶振動子マイクロバランス(QCM)センサ22は、プロセスチャンバ20内で実行される蒸着及びエッチングプロセスを増強する。モニタリングされるエリア又は領域の近くに配置されたQCMセンサ22は、QCMの表面に対する変化が、基板36の表面上で実行される同じプロセスと相互に関連付けられていると想定できるため、半導体プロセスに関する情報を提供する。一実施形態では、QCMセンサ22は、半導体プロセスにさらされると変化する共振特性を有する。質量の変化はQCM結晶の共振応答を変化させ、これは基板36上で起こる予測される変化を示す。プロセスチャンバ20及びプロセスチャンバセンサ42に関して後の段落で説明するように、同一又は類似の指標はプロセスチャンバ20内の半導体製造プロセスに対して想定され得る。本開示の一実施形態では、QCMセンサ22及び42は、局所的なプロセス条件をモニタリングするために厚さ及び応力の既知の蓄積において温度、流量、圧力などのようなプロセス条件をモニタリングする。QCMセンサの代わりに、MEMセンサも同様に使用することができる。
【0022】
本開示で使用するためのMEMセンサの一例は、表面弾性波センサである。当業者であれば、QCM及びMEMセンサがどのように作製され、使用されるかを容易に理解するであろう。本開示は、混合ボウル16内の異なる位置に配置されたこのような様々なセンサを利用して、検出されたガスの種類、温度、流量、濃度などを特定する。
【0023】
1つ以上の実施形態において、以下のセンサタイプのいずれかの組み合わせをセンサとして使用することができる:コンデンサセンサ、光電陰極、光検出器センサ、微細加工された超音波トランスデューサ、エネルギー又は質量の変化を測定するように構成された発振器デバイス、共振電気/光学デバイス、抵抗測定センサ、プラズモン反応を生成するのに適した金属層又は金属パターンと接触する誘電体導波路を有するセンサ、発光デバイス、電子ビーム源、超音波源、光共振器、マイクロリング共振器、フォトニック結晶構造共振器、温度センサ。
【0024】
混合ボウル16内の上流及びプロセスチャンバ20内の下流の両方の位置でQCMセンサを使用することによって、チャンバ内及び基板36上で発生するリアルタイムのプロセス均質性を反映する重要な情報を得ることができる。
【0025】
プロセスの均質性の測定は、蒸着シーケンスの開始から始まりプラズマ洗浄シーケンスで終わるQCM周波数値を測定することによって取得できる(所与の製造方法の場合)。さらに、終了から開始までの異なる実行間の周波数の差又はデルタは、特定の位置でのプロセスの安定性に関する重要な情報を提供する。
【0026】
プロセスの均質性の測定の別の例は、(同じ方法についての)異なるウェハ間のウェハ蒸着の開始と終了との間の周波数差に関する。次いで、特定の相関パラメータ又は方程式(QCMの位置に基づく)を計算して、ウェハの厚さ及び厚さのばらつきを予測することができる。これは、厚さの測定にテストウェハを使用することを回避するのに役立ち得るか、又は基板蒸着の前もしくは後の異なるプロセス操作を制御するためのフィードフォワードもしくはバックワード情報として使用することができる。QCMセンサの代わりに、MEMセンサも同様に使用することができる。
【0027】
プロセスの均質性はまた、異なるQCM位置からプラズマ洗浄中の最大周波数を取得することによっても測定でき、これにより、ユーザが特定の位置に膜がアンダーエッチング又はオーバーエッチングで蓄積されているかどうかを知ることができる。プロセスエンドポイントを決定するためのアルゴリズムは、異なる位置に分散された複数のQCMセンサからの周波数情報を使用することができ、洗浄のプロセスエンドポイント(EP)を最適化するために使用することができる。例えば、閾値に到達するまで、すなわち、洗浄のエンドポイントに到達すると、周波数の導関数が大幅に低くなるまで、周波数導関数の移動平均をモニタリングすることができる。例えば、異なる部分についてのこのオーバーエッチング又はアンダーエッチングは、意図的に到達又は達成することができる。同じ又は類似のアプローチを、アンダーコート、プレコートなどのような材料の追加又は除去を使用する他の時間ベースのプロセスにも適用できる。
【0028】
プラズマ又は熱(前処理又はベークアウト)を使用した、蒸着、エッチング、高密度化、及び汚染除去などのウェハベースのプロセスのエンドポイント検出はまた、異なる位置に分散された複数のQCMセンサ22、42からの信号入力を使用して実現することもできる。混合ボウル16及びプロセスチャンバ20内の異なる位置にあるQCMセンサ22、42は、異なる蒸着及びエッチング速度を測定して、プロセスの均一性に関する情報を与えることができる。
【0029】
さらに、少なくとも2つのQCMセンサ22、42を各位置で、すなわち、混合ボウル16及びプロセスチャンバ20において、各々異なる角度方向(基板36の面に対して)で実装することによって、基板36上の異なる角度でのプロセス速度を測定及び/又は計算して、基板面におけるプロセス及びプロセス速度に関する三次元情報を与えることができる。
【0030】
ガス状混合物は、様々な位置においてプロセスチャンバ20内に分散され、図1図2、及び図3に示される実施形態では、ガス状混合物は、プロセスチャンバ20内の4つの位置、又は4つの象限の各々においてプロセスチャンバに入る。上述したように、プロセスチャンバセンサ42は、プロセスチャンバ20内のいくつかの位置に配置され、この位置で発生している半導体プロセスを示す材料プロセス信号を発する。
【0031】
図4及び図5に示される他の実施形態では、混合ボウル12は複数のプロセスチャンバ20に供給することができる。プロセスチャンバ20に専用の単一の混合ボウル12があるのではなく、混合ボウル16はいくつかのプロセスチャンバ20に直接供給することができる。図5では、混合ボウル16は、プロセスチャンバ20の上流の位置でさらに追加の情報を提供するために、QCMセンサ22と光学分光計/質量分析計52の組み合わせを含む。QCMセンサは、混合ボウル16の内周の周りに配置され、一方、光学分光計/質量分析計は、その上面又は表面に沿って配置される。
【0032】
コントローラ50は、(i)混合ボウル16内のガスセンサ22によって発せられるガス信号26、及び(ii)プロセスチャンバ20内のプロセスチャンバセンサ42によって発せられる材料プロセス信号46に応答して、混合ボウル16及びプロセスチャンバ20の両方においてガス状材料の混合物を制御する。閉ループフィードバックループを使用して、基板36の表面の上に蒸着されるか、又はそれから除去される材料を予測しようとしてプロセスチャンバ20に入るガス状混合物の混合、流量及び濃度を制御することができる。
【0033】
要約すると、本開示の半導体製造システム10は、欠陥を修正するには既に遅すぎる可能性がある場合、プロセスチャンバ20又は排気ライン(図示せず)に十分に先立って、ガス混合物に関する情報を提供する。さらに、本開示は、半導体製造デバイスのプロセスチャンバ内での誤ったガス混合物及び/又はそれに関連するタイミングの問題(例えば、ガスバルブの機能不全による)の検出を容易にする半導体製造システム及びそのための方法を提供する。混合ボウルセンサ(すなわち、QCM又は質量分析計センサ)は、混合ボウル12の入口、混合ボウル12の内部、又は混合ボウル12からスプリンクラーヘッド34に通じるか、もしくはプロセスチャンバ20に直接通じる排気導管30内に配置され得る。
【0034】
したがって、本開示の半導体製造システム10は、欠陥を修正するには既に遅すぎる可能性がある場合、プロセスチャンバ20又は排気ライン(図示せず)に十分に先立って、ガス混合物に関する情報を提供する。ガス混合物に加えて、半導体製造システム及び方法は、ガス供給ラインにおける大気漏れ又は内部漏れの特定を容易にする。例えば、O2及びSiH4は発熱反応を引き起こす可能性があり、その結果、粒子汚染を生じる可能性がある。本開示の半導体製造システム10は、混合ボウル12の上流でこの反応を検出して、システムへの損傷を回避することができる。同様に、QCMセンサ22は、製品ウェハの固体状態又は粒子汚染を検出することができる。
【0035】
追加の実施形態は、上述の実施形態のうちの任意の1つを含み、そこで、その構成要素、機能性又は構造の1つ以上が、上述の異なる実施形態の構成要素、機能性又は構造の1つ以上と交換、置換又は増強される。
【0036】
本明細書に記載された実施形態に対する様々な変更及び修正は、当業者には明らかであることを理解されたい。そのような変更及び修正は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、かつその意図する利点を減少させることなく、行うことができる。したがって、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態が前述の明細書に開示されているが、当業者には、本開示が関係し、上述の説明及び関連する図面に示される教示の利益を有する本開示の多くの変更及び他の実施形態が思い浮かぶであろうことが理解される。したがって、本開示は、本明細書で上記に開示された特定の実施形態に限定されず、多くの修正及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図することが理解される。さらに、特定の用語が本明細書、及びそれに続く特許請求の範囲において採用されているが、それらの用語は、一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、本開示、及びそれに続く特許請求の範囲を限定する目的はない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】