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特表2024-537564EP4拮抗剤化合物及びその塩、結晶多形並びに使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-11
(54)【発明の名称】EP4拮抗剤化合物及びその塩、結晶多形並びに使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/20 20060101AFI20241004BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241004BHJP
【FI】
C07D231/20 CSP
A61K31/415
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P35/00
A61P25/04
A61P3/00
A61P15/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61K39/395 N
A61P43/00 121
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513882
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2022116768
(87)【国際公開番号】W WO2023030492
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111034159.1
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521265704
【氏名又は名称】武漢人福創新薬物研発中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】張学軍
(72)【発明者】
【氏名】楽洋
(72)【発明者】
【氏名】臧楊
(72)【発明者】
【氏名】雷四軍
(72)【発明者】
【氏名】夏慶豊
(72)【発明者】
【氏名】李園
(72)【発明者】
【氏名】劉哲
(72)【発明者】
【氏名】楊俊
(72)【発明者】
【氏名】李莉娥
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076DD50E
4C076DD50N
4C076DD50Q
4C076FF33
4C076FF34
4C076FF36
4C076FF63
4C085AA14
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086GA13
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA08
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC21
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
式(I)に示されるEP4拮抗剤であって、具体的には、その結晶形、薬学的に許容される塩又はその結晶形及びそれらの製造方法、それらを含む組成物並びに関連化合物の薬学的使用を含む。そのうち、式Iの構造は以下に示される、
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物の構造が以下に示される、
ことを特徴とする、式Iの化合物の結晶形。
【化1】
【請求項2】
前記結晶形は式Iの化合物の遊離酸結晶形Aであり、前記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、11.00、12.13、16.10、19.75、20.65、21.04、22.92、23.53、26.69に回折ピークを有し、或いは、前記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、11.00、12.13、16.10、19.75、20.65、23.53に回折ピークを有し、更に、前記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、11.00、12.13、13.59、15.50、16.10、19.44、19.75、20.65、21.04、22.92、23.53、25.32、26.44、26.69、27.67に、また更に、前記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、10.31、10.49、11.00、11.46、12.13、12.82、13.59、15.29、15.50、15.72、16.10、18.27、18.70、19.04、19.44、19.75、20.65、21.04、21.62、21.97、22.27、22.92、23.53、24.22、25.32、25.81、26.21、26.44、26.69、27.67、28.99、29.35、30.17、31.12、31.65、32.18、33.44、33.97、35.78、36.84、37.18、37.99に回折ピークを有し、その上また更に、前記遊離酸結晶形Aは基本的に図1に示されるXRPDパターンを有し、
好ましくは、前記遊離酸結晶形Aは、
(1)遊離酸結晶形AのTGA曲線は150.0±3℃に約0~2%、好ましくは約0~1%(例えば0.84%)の重量損失を有する、
(2)遊離酸結晶形AのDSC曲線は134.0±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は136.8±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の結晶形。
【請求項3】
前記結晶形は式Iの化合物の遊離酸結晶形Bであり、前記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.38、8.91、11.07、17.85、18.52、19.38、23.05、26.01、26.76に回折ピークを有し、更に、前記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.38、8.91、11.07、12.01、17.85、18.52、19.38、23.05、26.01、26.76に回折ピークを有し、また更に、前記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.56、6.00、7.38、8.91、11.07、11.58、12.01、13.58、14.16、14.78、17.85、18.52、19.38、22.33、23.05、24.64、26.01、26.76に回折ピークを有し、その上また更に、前記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.56、6.00、7.38、8.27、8.91、11.07、11.58、12.01、13.58、14.16、14.78、15.73、17.85、18.52、19.38、22.33、23.05、24.64、26.01、26.76に回折ピークを有し、その上また更に、前記遊離酸結晶形Bは基本的に図5に示されるXRPDパターンを有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の結晶形。
【請求項4】
式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形であって、
前記薬学的に許容される塩は、式Iの化合物がアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)、アンモニウム塩、或いは生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基と形成する塩から選ばれ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、ベタイン、モノエタノールアミン、カフェイン、尿素、ニコチンアミド、イソニコチン、ジメチルグルコサミン、エチルグルコサミン、グルコサミン、メグルミン、リジン、アルギニン、コリン、アンモニア水、ジシクロヘキシルアミン、1,6-ヘキサンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、サルコシン、セリノール、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロピレングリコール、トロメタミン、ジエチルアミン、イミダゾールなどの塩基と形成する塩であり、好ましくは、前記式Iの化合物の薬学的に許容される塩は式Iの化合物のトロメタミン塩、ジエチルアミン塩及びリジン塩であり、前記式Iの化合物の構造は以下に示される、
ことを特徴とする、式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形。
【化2】
【請求項5】
前記結晶形は式Iの化合物のトロメタミン塩結晶形Aであり、前記トロメタミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは6.03、9.01、13.50、15.06、18.09、24.27に回折ピークを有し、更に、前記トロメタミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは6.03、9.01、13.50、15.06、16.03、18.09、24.27、27.28、30.39、36.72に回折ピークを有し、また更に、前記トロメタミン塩結晶形Aは基本的に図6に示されるXRPDパターンを有し、好ましくは、前記トロメタミン塩結晶形Aは、
(1)トロメタミン塩結晶形AのTGA曲線は120.0±3℃に約1.0~3.5%、好ましくは約2.0~3.0%(例えば2.41%)の重量損失を有する、
(2)トロメタミン塩結晶形AのDSC曲線は124.5±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は139.2±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有し、
より好ましくは、前記トロメタミン塩結晶形AのTGAパターンは図7に示され、前記トロメタミン塩結晶形AのDSCパターンは図8に示され、前記トロメタミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルは図9に示される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の式Iの化合物の薬学的に許容される塩の結晶形。
【請求項6】
前記結晶形は式Iの化合物のジエチルアミン塩結晶形Aであり、前記ジエチルアミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.29、9.79、10.53、18.30、19.61、19.99、21.10、25.33、26.45に回折ピークを有し、更に、前記ジエチルアミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.29、9.79、10.53、11.20、12.52、14.85、15.20、16.22、16.86、18.30、19.61、19.99、21.10、22.12、22.47、24.57、24.85、25.33、26.45、27.39、28.01、29.61、32.13、35.00、37.44に回折ピークを有し、また更に、前記ジエチルアミン塩結晶形Aは基本的に図10に示されるXRPDパターンを有し、
好ましくは、前記ジエチルアミン塩結晶形Aは、
(1)ジエチルアミン塩結晶形AのTGA曲線は100.0±3℃に約0.50~3.00%、好ましくは約1.00~2.50%(例えば1.80%)の重量損失を有し、210.0±3℃に約2.00~5.00%、好ましくは約3.00~4.50(例えば3.99%)の重量損失を有する、
(2)ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±10℃及び121.5±10℃に2つの吸熱ピークを有し、特に、ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±5℃及び121.5±5℃に2つの吸熱ピークを有する、といった1つ又は2つの特徴を有し、
より好ましくは、前記ジエチルアミン塩結晶形AのTGAパターンは図11に示され、前記ジエチルアミン塩結晶形AのDSCパターンは図12に示され、前記ジエチルアミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルは図13に示される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の式Iの化合物の薬学的に許容される塩の結晶形。
【請求項7】
前記結晶形は式Iの化合物のリジン塩結晶形Aであり、前記リジン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.12、10.44、15.56、18.07、19.61、21.10に回折ピークを有し、更に、前記リジン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.12、10.44、15.56、18.07、19.61、21.10、24.22、32.97に回折ピークを有し、また更に、前記リジン塩結晶形Aは基本的に図14に示されるXRPDパターンを有する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の式Iの化合物の薬学的に許容される塩の結晶形。
【請求項8】
請求項2に記載の式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの製造方法であって、
方法1、式Iの化合物を、酢酸エチル、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、イソプロパノール、水から選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒Iに加え、室温で揮発させる、
方法2、式Iの化合物を、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、ジメチルアセトアミドから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IIにおいて、水、イソプロピルエーテル、トルエン、メタキシレン、4-メチルイソプロピルベンゼン、n-ペンタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る逆溶媒を添加して結晶させ、撹拌中に沈殿が析出しない場合、系に逆溶媒を加える、
方法3、式Iの化合物を、n-ペンタン、トルエン、メタキシレン、イソプロピルエーテル、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、水、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸メチル、ジクロロメタン、アセトニトリルから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IIIにおいて、室温で懸濁させ、撹拌して結晶させる、
方法4、式Iの化合物を、メチルシクロヘキサン、イソプロピルベンゼン、水、1,4-ジオキサン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、n-ヘキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、n-ペンタン、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、トルエン、イソブタノール、クロロホルム、メタキシレンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IVにおいて、40~60℃(例えば50℃)で懸濁させ、撹拌して結晶させる、
方法5、式Iの化合物を、エタノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフランから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒Vにおいて、湿式研磨して結晶させる、
という方法を含む、製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載の式Iの化合物の遊離酸結晶形Bの製造方法であって、
式Iの化合物の遊離酸結晶形Aを、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれる有機溶媒B1に溶解した後、アルカン系有機化合物、好ましくはC1-C7アルカン系有機化合物、例えばn-ペンタン、n-ヘプタン、シクロヘキサンから選ばれる有機溶媒B2の雰囲気で気液拡散させることにより得られるステップを含み、好ましくは、式Iの化合物の遊離酸結晶形AをMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解した後、n-ペンタン雰囲気で気液拡散させて前記式Iの化合物の遊離酸結晶形Bが得られる、
ことを特徴とする、製造方法。
【請求項10】
請求項4~7の何れか一項に記載の式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形の製造方法であって、
式Iの化合物と塩形成試薬(例えば、相応する塩基)とを、適切な溶媒において混合するステップを含み、好ましくは、前記溶媒はエタノール、ヘプタン、酢酸エチル、MTBE、アセトニトリル、水、アセトンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせである、
ことを特徴とする、製造方法。
【請求項11】
医薬組成物であって、
請求項1~7の何れか一項に記載の式Iの化合物の結晶形、式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形のうちの1種又は複数種を含む、
ことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
EP4関連疾患を治療又は予防する薬物の製造における、請求項1~7の何れか一項に記載の式Iの化合物の結晶形、式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形、或いは、請求項11に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
前記EP4関連疾患は、炎症性疾患、疼痛、がん、代謝性疾患、泌尿系疾患から選ばれる少なくとも1つを含み、前記炎症性疾患は、関節炎、関節リウマチから選ばれる少なくとも1つを含み、前記疼痛は、変形性関節症による疼痛、子宮内膜症による疼痛を含む、
ことを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記式Iの化合物の結晶形、式Iの化合物の薬学的に許容される塩又はその結晶形又は医薬組成物が放射線治療及び/又は抗体療法と併用することができ、そのうち前記抗体療法はCTLA4抗体療法、PDL1抗体療法及びPD1抗体療法から選ばれる何れか1つ又はそれらの組み合わせである、
ことを特徴とする、請求項12又は13に記載の使用。
【請求項15】
EP4関連疾患を治療又は予防する方法であって、
治療有効量の請求項1~7の何れか一項に記載の式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)又は請求項11に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記EP4関連疾患は、炎症性疾患、疼痛、がん、代謝性疾患、泌尿系疾患から選ばれる少なくとも1つを含み、前記炎症性疾患は、関節炎、関節リウマチから選ばれる少なくとも1つを含み、前記疼痛は、変形性関節症による疼痛、子宮内膜症による疼痛を含む、
ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、出願人が2021年9月3日に中国国家知識産権局に提出された、特許番号が202111034159.1、発明名称が「EP4拮抗剤化合物及びその塩、結晶多形並びに使用」である先行出願の優先権を主張する。当該先行出願の全文は、引用により本願に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は医薬分野に属し、EP4拮抗剤化合物及びその塩、結晶多形、並びにそれらの製造方法及び使用に関する。
[背景技術]
プロスタグランジンE2(Prostaglandin E2、PGE2)は内因性生物学的に活性な脂質であり、PGE2はプロスタグランジン受容体を活性化することにより、広範囲の上流及び下流に依存する生物学的反応を引き起こし(Legler, D. F. et al, hit. J Biochem. Cell Biol. 2010, 42, p. 198-201)、炎症、疼痛、腎機能、心血管系、肺機能及びがんなどを含む多くの生理学的及び病理学的プロセスの調節に関与する。PGE2は、各種のがんのがん組織において高度に発現されることが報告されており、且つPGE2が患者のがん及び疾患状態の発症、成長及び進行に相関していることが既に確認されている。PGE2は細胞増殖及び細胞死(アポトーシス)の活性化に関連し、且つがん細胞増殖、疾患進行及びがん転移のプロセスにおいて重要な役割を果たすと一般的に考えられている。
【0002】
PGE2の受容体には、EP1、EP2、EP3及びEP4の4種類のサブタイプが存在し、これらは各種の組織に広く分布している。これらのサブタイプのうち、PGE2は、EP4受容体を介して、炎症反応(免疫炎症反応を含む)、平滑筋の弛緩、発痛、リンパ球分化、メサンギウム細胞の肥大又は増殖、胃腸粘液の分泌などに関与する。従って、EP4受容体拮抗剤は、炎症性疾患、各種の疼痛を伴う疾患などの、PGE2-EP4経路に関連する疾患を治療するための消炎及び/又は鎮痛剤として有望であると考えられる。
【0003】
EP4は、関節リウマチ及び変形性関節症の齧歯類動物モデルにおける関節炎症性疼痛に関与する主要な受容体であり(例えば、J.Pharmacol.Exp.Ther.,325,425(2008)を参照)、活性化後、細胞内シグナル分子cAMPの蓄積をもたらす。研究により、疼痛受容体の末梢神経終末、マクロファージ及び好中球でEP4受容体の発現が検出されており、これらの細胞型が子宮内膜症にとって極めて重要であることが証明されている。研究により、経口EP4拮抗剤は、2型糖尿病マウスのタンパク尿を軽減し、糖尿病性腎症の進行を阻害できることが報告されている。別の研究により、膀胱粘膜におけるEP4の活性化及びPGE2産生の増加は、前立腺炎が過活動膀胱を引き起こす重要な原因であり、EP4拮抗薬の膀胱内注射が前立腺炎後の過活動膀胱を効果的に改善できることが報告されている。従って、選択的EP4拮抗剤は、関節炎疼痛及び子宮内膜症、糖尿病性腎症、過活動膀胱を含む関節炎の治療に用いることができる。既存の関節炎の治療薬は、従来のNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)又は選択的COX-2阻害剤が主であり、これらは心臓血管及び/又は胃腸の副作用をもたらす場合がある。選択的EP4拮抗剤は、心臓血管の副作用を生じる可能性が比較的低い。
【0004】
PGE2は、腫瘍微小環境において、腫瘍微小環境におけるEP受容体(腫瘍細胞によって大量に産生される)を持続的に活性化し(Ochs et al, J Neurochem. 2016, 136, p. 1142-1154; Zelenay, S. et al, Cell 2015, 162, p. 1257-1270)、腫瘍関連マクロファージ2型(TAMS)、Treg細胞及び骨髄由来サプレッサー細胞(MDSCs)を含む複数種の免疫サプレッサー細胞の蓄積を促進し、その活性を増強する。腫瘍微小環境を免疫抑制する主な特徴の1つは、MDSCs及びTAMの存在が多く、これらは、胃がん、卵巣がん、乳がん、膀胱がん、肝細胞がん(HCC)、頭頸部がん及び他の種類のがん患者の全生存率と密接に相関している。それ以外、PGE2は、腫瘍における抗原提示樹状細胞(DC)の蓄積を阻害し、及び腫瘍浸潤性DCの活性化を阻害することによって免疫寛容を誘導することが報告されている(Wang et al, Trends in Molecular Medicine 2016, 22, p. 1-3)。これらのPGE2媒介効果の全ては、免疫監視からの腫瘍細胞の回避を共同で補助する。PGE2は、腫瘍の発生及び進行を促進する上で非常に重要な役割を果たす。PGE2及びその関連受容体EP2、EP4の発現レベルの増加は、結腸がん、肺がん、乳がん及び頭頸部がんなどの様々な悪性腫瘍に見出され、多くの場合、予後不良と密接に相関している(Bhooshan, N .et al. Lung Cancer 101 ,88-91)。従って、EP2及びEP4シグナル伝達経路を選択的に遮断するには、腫瘍微小環境を変化させ、腫瘍免疫細胞を調節することによって、腫瘍の発生及び進行を阻害することができる。
【0005】
現在の前臨床研究データは、EP2及びEP4特異的拮抗剤が、結腸がん、食道がん、肺がん及び乳がんなどの動物モデルにおいて、腫瘍の成長を異なる程度で予防又は阻害できることを示している。臨床に入ったPGE2受容体薬物のうち、ファイザー社が開発したEP4拮抗剤Grapiprantは、イヌ関節炎の治療のためにFDAによって承認されており、同時に2015年に、前立腺がん、非小細胞肺がん及び乳がんなどの複数種の固形腫瘍の治療のために、抗腫瘍の臨床第II相研究に入場している(De Vito ,V .et al .J Pharm Biomed Anal 118 ,251-258)。エーザイ社が開発したEP4拮抗剤E7046は、2015年に臨床第I相の関連研究を展開し、2017年に結合放射線療法又は化学療法による直腸がんの治療のための第Ib相臨床測定を展開している。Ono Pharmaceuticalが開発したONO-4578は、2017年に進行性又は転移性固形腫瘍の臨床第I相研究を展開し、2018年に進行性固形腫瘍を治療するための単剤又はnivolumabとの併用の臨床第I/II相測定を展開している。
【0006】
中国特許出願CN202110240347.3は、以下の式Iの構造を開示する。
【0007】
【化1】
【0008】
当該式Iの化合物は、EP4受容体活性に効果的に拮抗でき、EP4関連疾患の治療薬の製造に幅広い応用の見込みがあるため、式Iの化合物及びその塩結晶形、結晶形を更に検討することは、効果的な治療薬の開発に重要な意味を有する。
[発明の概要]
従来技術に存在する問題を解決するために、一態様によれば、本発明は、構造が以下に示される式Iの化合物の結晶形を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】
幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形Aを提供し、上記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、11.00、12.13、16.10、19.75、20.65、21.04、22.92、23.53、26.69に回折ピークを有し、或いは、上記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、11.00、12.13、16.10、19.75、20.65、23.53に回折ピークを有し、更に、上記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、11.00、12.13、13.59、15.50、16.10、19.44、19.75、20.65、21.04、22.92、23.53、25.32、26.44、26.69、27.67に、また更に、上記遊離酸結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.88、8.08、10.31、10.49、11.00、11.46、12.13、12.82、13.59、15.29、15.50、15.72、16.10、18.27、18.70、19.04、19.44、19.75、20.65、21.04、21.62、21.97、22.27、22.92、23.53、24.22、25.32、25.81、26.21、26.44、26.69、27.67、28.99、29.35、30.17、31.12、31.65、32.18、33.44、33.97、35.78、36.84、37.18、37.99に回折ピークを有し、その上また更に、上記遊離酸結晶形Aは基本的に図1に示されるXRPDパターンを有する。
【0011】
幾つかの実施形態において、上記遊離酸結晶形Aは、
(1)遊離酸結晶形AのTGA曲線は150.0±3℃に約0~2%、好ましくは約0~1%(例えば0.84%)の重量損失を有する、
(2)遊離酸結晶形AのDSC曲線は134.0±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は136.8±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有する。
【0012】
幾つかの実施形態において、上記遊離酸結晶形Aは、
(1)遊離酸結晶形AのTGA曲線は150.0±3℃に約0.84%の重量損失を有する、
(2)遊離酸結晶形AのDSC曲線は134.0±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は136.8±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有する。
【0013】
幾つかの実施形態において、上記遊離酸結晶形AのTGAパターンは図2に示され、上記遊離酸結晶形AのDSCパターンは図3に示され、上記遊離酸結晶形Aの1H NMRスペクトルは図4に示される。
【0014】
幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形Bを提供し、上記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.38、8.91、11.07、17.85、18.52、19.38、23.05、26.01、26.76に回折ピークを有し、更に、上記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは7.38、8.91、11.07、12.01、17.85、18.52、19.38、23.05、26.01、26.76に回折ピークを有し、また更に、上記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.56、6.00、7.38、8.91、11.07、11.58、12.01、13.58、14.16、14.78、17.85、18.52、19.38、22.33、23.05、24.64、26.01、26.76に回折ピークを有し、その上また更に、上記遊離酸結晶形Bの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.56、6.00、7.38、8.27、8.91、11.07、11.58、12.01、13.58、14.16、14.78、15.73、17.85、18.52、19.38、22.33、23.05、24.64、26.01、26.76に回折ピークを有し、その上また更に、上記遊離酸結晶形Bは基本的に図5に示されるXRPDパターンを有する。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩を提供し、式Iの化合物がアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)、アンモニウム塩、或いは生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基と形成する塩から選ばれてもよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、ベタイン、モノエタノールアミン、カフェイン、尿素、ニコチンアミド、イソニコチン、ジメチルグルコサミン、エチルグルコサミン、グルコサミン、メグルミン、リジン、アルギニン、コリン、アンモニア水、ジシクロヘキシルアミン、1,6-ヘキサンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、サルコシン、セリノール、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロピレングリコール、トロメタミン、ジエチルアミン、イミダゾールなどの塩基と形成する塩である。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩は式Iの化合物のトロメタミン塩、ジエチルアミン塩及びリジン塩である。
【0017】
本発明の実施形態によれば、当業者であれば、上記式Iの化合物が塩基と塩を形成する場合、上記式Iの化合物と塩基とのモル比が5:1~1:5であってもよく、例えば3:1、2:1、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3である。好ましくは、上記式Iの化合物と塩基とのモル比は1:1であると理解されるべきである。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩の結晶形を提供する。
【0019】
幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iの化合物のトロメタミン塩結晶形Aを提供し、上記トロメタミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは6.03、9.01、13.50、15.06、18.09、24.27に回折ピークを有し、更に、上記トロメタミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは6.03、9.01、13.50、15.06、16.03、18.09、24.27、27.28、30.39、36.72に回折ピークを有し、また更に、上記トロメタミン塩結晶形Aは基本的に図6に示されるXRPDパターンを有する。
【0020】
幾つかの実施形態において、上記トロメタミン塩結晶形Aは、
(1)トロメタミン塩結晶形AのTGA曲線は120.0±3℃に約1.0~3.5%、好ましくは約2.0~3.0%(例えば2.41%)の重量損失を有する、
(2)トロメタミン塩結晶形AのDSC曲線は124.5±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は139.2±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有する。
【0021】
幾つかの実施形態において、上記トロメタミン塩結晶形Aは、
(1)トロメタミン塩結晶形AのTGA曲線は120.0±3℃に約2.41%の重量損失を有する、
(2)トロメタミン塩結晶形AのDSC曲線は124.5±3℃に1つの吸熱ピークの開始点を有する、
(3)遊離酸結晶形AのDSC曲線は139.2±3℃に1つの吸熱ピークを有する、といった1つ、2つ又は3つの特徴を有する。
【0022】
幾つかの実施形態において、上記トロメタミン塩結晶形AのTGAパターンは図7に示され、上記トロメタミン塩結晶形AのDSCパターンは図8に示され、上記トロメタミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルは図9に示される。
【0023】
幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iの化合物のジエチルアミン塩結晶形Aを提供し、上記ジエチルアミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.29、9.79、10.53、18.30、19.61、19.99、21.10、25.33、26.45に回折ピークを有し、更に、上記ジエチルアミン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.29、9.79、10.53、11.20、12.52、14.85、15.20、16.22、16.86、18.30、19.61、19.99、21.10、22.12、22.47、24.57、24.85、25.33、26.45、27.39、28.01、29.61、32.13、35.00、37.44に回折ピークを有し、また更に、上記ジエチルアミン塩結晶形Aは基本的に図10に示されるXRPDパターンを有する。
【0024】
幾つかの実施形態において、上記ジエチルアミン塩結晶形Aは、
(1)ジエチルアミン塩結晶形AのTGA曲線は100.0±3℃に約0.50~3.00%、好ましくは約1.00~2.50%(例えば1.80%)の重量損失を有し、210.0±3℃に約2.00~5.00%、好ましくは約3.00~4.50(例えば3.99%)の重量損失を有する、
(2)ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±10℃及び121.5±10℃に2つの吸熱ピークを有し、特に、ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±5℃及び121.5±5℃に2つの吸熱ピークを有する、といった1つ又は2つの特徴を有する。
【0025】
幾つかの実施形態において、上記ジエチルアミン塩結晶形Aは、
(1)ジエチルアミン塩結晶形AのTGA曲線は100.0±3℃に約1.80%の重量損失を有し、210.0±3℃に約3.99%の重量損失を有する、
(2)ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±10℃及び121.5±10℃に2つの吸熱ピークを有し、特に、ジエチルアミン塩結晶形AのDSC曲線は104.3±5℃及び121.5±5℃に2つの吸熱ピークを有する、といった1つ又は2つの特徴を有する。
【0026】
幾つかの実施形態において、上記ジエチルアミン塩結晶形AのTGAパターンは図11に示され、上記ジエチルアミン塩結晶形AのDSCパターンは図12に示され、上記ジエチルアミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルは図13に示される。
【0027】
幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iの化合物のリジン塩結晶形Aを提供し、上記リジン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.12、10.44、15.56、18.07、19.61、21.10に回折ピークを有し、更に、上記リジン塩結晶形Aの2θ±0.2°回折角度で表されるX線粉末回折パターンは5.12、10.44、15.56、18.07、19.61、21.10、24.22、32.97に回折ピークを有し、また更に、上記リジン塩結晶形Aは基本的に図14に示されるXRPDパターンを有する。
【0028】
別の態様によれば、本発明は、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの製造方法を提供し、以下の幾つかの方法を含む。
【0029】
方法1、式Iの化合物を、酢酸エチル、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、イソプロパノール、水から選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒Iに加え、室温で揮発させる。
【0030】
方法2、式Iの化合物を、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、ジメチルアセトアミドから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IIにおいて、水、イソプロピルエーテル、トルエン、メタキシレン、4-メチルイソプロピルベンゼン、n-ペンタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る逆溶媒を添加して結晶させ、撹拌中に沈殿が析出しない場合、系に逆溶媒を加える。
【0031】
方法3、式Iの化合物を、n-ペンタン、トルエン、メタキシレン、イソプロピルエーテル、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、水、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸メチル、ジクロロメタン、アセトニトリルから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IIIにおいて、室温で懸濁させ、撹拌して結晶させる。
【0032】
方法4、式Iの化合物を、メチルシクロヘキサン、イソプロピルベンゼン、水、1,4-ジオキサン、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、n-ヘキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、n-ペンタン、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、トルエン、イソブタノール、クロロホルム、メタキシレンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒IVにおいて、40~60℃(例えば50℃)で懸濁させ、撹拌して結晶させる。
【0033】
方法5、式Iの化合物を、エタノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフランから選ばれる1種又は複数種の組み合わせであり得る有機溶媒Vにおいて、湿式研磨して結晶させる。
【0034】
別の態様によれば、本発明は、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形Bの製造方法であって、式Iの化合物の遊離酸結晶形Aを、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれる有機溶媒B1に溶解した後、アルカン系有機化合物、好ましくはC1-C7アルカン系有機化合物、例えばn-ペンタン、n-ヘプタン、シクロヘキサンから選ばれる有機溶媒B2の雰囲気で気液拡散させることにより得られるステップを含み、幾つかの実施形態において、式Iの化合物の遊離酸結晶形AをMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解した後、n-ペンタン雰囲気で気液拡散させて上記式Iの化合物の遊離酸結晶形Bが得られる、製造方法を提供する。
【0035】
本発明は、上記式Iの化合物の薬学的に許容される塩の製造方法であって、式Iの化合物と塩形成試薬(例えば、相応する塩基)とを、適切な溶媒において混合するステップを含む、製造方法を更に提供する。幾つかの実施形態において、上記溶媒はエタノール、ヘプタン、酢酸エチル、MTBE、アセトニトリル、水、アセトンから選ばれる1種又は複数種の組み合わせである。
【0036】
更なる態様によれば、本発明は、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)のうちの1種又は複数種を含む、医薬組成物を提供する。
【0037】
更なる態様によれば、本発明は、EP4関連疾患を治療又は予防するための薬物の製造における、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)又は上記医薬組成物の使用を提供する。
【0038】
本発明の実施形態によれば、上記EP4関連疾患は、炎症性疾患、疼痛、がん、代謝性疾患、泌尿系疾患から選ばれる少なくとも1つを含み、上記炎症性疾患は、関節炎、関節リウマチから選ばれる少なくとも1つを含み、上記疼痛は、変形性関節症による疼痛、子宮内膜症による疼痛を含む。
【0039】
本発明の実施形態によれば、上記式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)又は上記医薬組成物は、放射線治療及び/又は抗体療法と併用することができ、そのうち上記抗体療法はCTLA4抗体療法、PDL1抗体療法及びPD1抗体療法から選ばれる何れか1つ又はそれらの組み合わせである。
【0040】
本発明の実施形態によれば、上記がんは固形がんを含む。幾つかの実施形態において、上記がんは、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、海綿芽細胞腫、頭頸部がん、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、髄芽腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん及び尿路がんを含む。
【0041】
本発明の実施形態によれば、上記代謝性疾患は糖尿病を含み、上記泌尿系疾患は過活動膀胱を含む。
【0042】
本発明の実施形態によれば、本発明に記載の式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)又は上記医薬組成物を使用することで、必要とする患者に、より優れた、より効果的な臨床治療薬又は治療計画を提供することができる。
【0043】
本発明はまた、EP4関連疾患を治療する方法であって、治療有効量の上記式Iの化合物の遊離酸結晶形(例えば遊離酸結晶形A、遊離酸結晶形B)、式Iの化合物の薬学的に許容される塩(その結晶形の形態を含む)又は上記医薬組成物を含む薬物製剤を患者に投与することを含む、方法に関する。
【0044】
用語の定義と解釈
特に説明のない限り、本願の明細書及び特許請求の範囲に記載される基と用語の定義は、その実例としての定義、例示的な定義、好ましい定義、表に記載される定義、実施例における具体的な化合物の定義などを含み、互いに任意に組み合わせたり、結合したりすることができる。このように組み合わせ、結合した後の基の定義と化合物の構造は、本願の明細書に記載される範囲に属すべきである。
【0045】
特に説明のない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値範囲は、少なくともその中のそれぞれの具体的な整数値が記載されていることに相当する。例えば、2つ以上は、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上を表す。幾つかの数値範囲が「数」として定義又は理解される場合、その範囲の2つの端点、その範囲内の各整数及びその範囲内の各小数が記載されていると理解すべきである。例えば、「0~10の数」は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10という各整数が記載されているだけでなく、少なくともそのうちの各整数と0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9のそれぞれとの和も記載されていると理解すべきである。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲に、ある数値について「約」が記載される場合は、当該数値自体、及び当該分野で許容される当該数値の前後範囲内の数値、例えば当該数値±15%範囲内の数値、当該数値±10%範囲内の数値、当該数値±5%範囲内の数値などが含まれる。例えば、約10は、10±1.5範囲内、即ち8.5~11.5範囲内の数値、10±1.0範囲内、即ち9.0~11.0範囲内の数値、及び10±0.5範囲内、即ち9.5~10.5範囲内の数値を含むことを表す。
【0047】
「患者」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物を指し、好ましくは、マウス、ラット、他のげっ歯類動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ又は霊長類動物であり、最も好ましくはヒトである。
【0048】
「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医が組織、システム、動物、個体又はヒトにおいて探している生物学的又は医学的反応を誘発する活性化合物又は薬物の量を指し、以下の1項又は複数項を含む:(1)疾患の予防:例えば、疾患、障害又は病症に感染しやすいが、疾患の病理又は症状がまだ経験又は発症していない個体における疾患、障害又は病症の予防、(2)疾患の抑制:例えば、疾患、障害又は病症の病理又は症状が経験又は発症している個体における疾患、障害又は病症の抑制(即ち病理及び/又は症状の更なる進行の防止)、(3)疾患の緩和:例えば、疾患、障害又は病症の病理又は症状が経験又は発症している個体における疾患、障害又は病症の緩和(即ち病理及び/又は症状の逆転)。
【0049】
「薬学的に許容される」という用語は、処方成分又は活性成分が一般的な治療目標の健康に過度の悪影響を与えないことを意味する。
【0050】
「薬学的に許容される賦形剤又は担体」という用語は、ヒトへの使用に適しており、十分な純度及び十分に低い毒性を有していなければならない、1種又は複数種の適合性固体又は液体充填剤又はゲル物質を意味する。ここでの「適合性」は、組成物の各成分が本発明の化合物及びそれらの間と、化合物の薬効を明らかに低下させることなく、互いに混合することができることを意味する。薬理学的に許容される賦形剤又は担体部分の例には、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロースなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなど)、硫酸カルシウム、植物油(大豆油、ゴマ油、ピーナッツ油、オリーブ油など)、ポリオール(プロピレングリコール、グリセロール、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、着色剤、調味料、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、パイロジェンフリー水などがある。
有益な効果
1)本発明は、良好な医薬特性を有する式Iの化合物の結晶形を提供する。そのうち、遊離酸結晶形Aは、比較的低い吸湿性及び良好な物理的と化学的安定性を有し、薬物の貯蔵、品質安定性及び更なる薬剤化に有利である。
【0051】
2)本発明は、最適化測定スクリーニングによって式Iの化合物の薬用可能な塩が得られ、更に、塩の結晶形生成物、例えばトロメタミン塩結晶形A、ジエチルアミン塩結晶形A、リジン塩結晶形Aが得られ、そのうち、トロメタミン結晶形Aは、比較的低い吸湿性及び良好的な物理的と化学的安定性を有し、生物溶媒に対する溶解度が更に高く、更に良好な薬剤化価値を有する。
[図面の簡単な説明]
図1]式Iの化合物の遊離酸結晶形AのXRPDパターンである。
図2]式Iの化合物の遊離酸結晶形AのTGAパターンである。
図3]式Iの化合物の遊離酸結晶形AのDSCパターンである。
図4]式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図5]式Iの化合物の遊離酸結晶形BのXRPDパターンである。
図6]式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図7]式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのTGAパターンである。
図8]式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのDSCパターンである。
図9]式Iの化合物トロメタミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図10]式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図11]式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのTGAパターンである。
図12]式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのDSCパターンである。
図13]式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図14]式Iの化合物リジン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図15]37℃での動的溶解度曲線図である。
図16]H2O中の遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図17]SGFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図18]FaSSIFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図19]FeSSIFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図20]SGFにおけるトロメタミン塩結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図21]FeSSIFにおけるトロメタミン塩結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図22]遊離酸結晶形AのDVSパターンである。
図23]DVS測定前後の遊離酸結晶形AのXRPDオーバーレイである。
図24]トロメタミン塩結晶形AのDVSパターンである。
図25]DVS測定前後のトロメタミン塩結晶形AのXRPDオーバーレイである。
図26]遊離酸結晶形Aの安定性評価サンプルのXRPDオーバーレイである。
図27]トロメタミン塩結晶形Aの安定性評価サンプルのXRPDオーバーレイである。
[発明を実施するための形態]
以下、具体的な実施例に合わせて、本発明の技術案を更に詳しく説明する。下記の実施例は、単に本発明を例示的に説明し解釈するものであり、本発明の請求範囲を限定するものとして解釈されるべきではないと理解すべきである。本発明の上記内容に基づいて実現される技術は、何れも本発明による請求範囲内に含まれる。
【0052】
特に説明のない限り、下記の実施例に使用される原料及び試薬は何れも市販品であり、又は既知の方法によって製造することができる。
【0053】
本発明で使用される機器及び検出方法は、以下の通りである、
一、X線粉末回折(XRPD)
XRPDパターンは、PANalytacal製のX線粉末回折分析装置で収集され、スキャンパラメータは下記表A-1に示されている。
【0054】
【表1】
【0055】
二、熱重量分析(TGA)及び差示スキャン熱量測定(DSC)
TGA及びDSCパターンは、それぞれTA Q5000/5500熱重量分析装置及びTA Q2000/2500示差スキャン熱量測定装置で収集され、下記表A-2に測定パラメータがリストされている。
【0056】
【表2】
【0057】
三、動的水分吸着(DVS)
動的水分吸着(DVS)曲線は、SMS(Surface Measurement Systems)のDVS IntrInsicで収集された。25℃での相対湿度は、LiCl、Mg(NO3)2及びKClの潮解点で補正された。DVS測定パラメータは下記表A-3にリストされている。
【0058】
【表3】
【0059】
四、液態核磁気(1H NMR)
液態核磁気共鳴スペクトルは、CD3ODを溶媒として、Bruker 400M核磁気共鳴装置で収集された。
【0060】
五、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
測定における純度測定、動的溶解性及び安定性測定は、アジレント1260高速液体クロマトグラフによって実行され、分析条件は下記表A-4に示されている。
【0061】
【表4】
【0062】
本発明で使用する試薬は、下記表A-5に示される
【0063】
【表5】
【0064】
実施例1 中間体Aの製造
【0065】
【化3】
【0066】
室温で原料5-クロロ-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ギ酸(5 g、23.8 mmol)(特許出願WO2011151369A1を参照して合成)をDCM(ジクロロメタン)(200 mL)に加え、(S)-4-(1-アミノエチル)安息香酸メチル(5.1 g、28.6 mmol)、HATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート)(10.9 g、28.6 mmol)、DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)(4.6 g、35.7 mmol)を加え、室温で16 h撹拌し、水(200 mL)を加え、DCM(50 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮させ、残留物はシリカゲルカラムにより分離して精製され(石油エーテル:酢酸エチル(V/V)=3:1)、白色固体(S)-4-(1-(5-クロロ-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル)安息香酸メチル(中間体A)(5.6 g、収率63.3%)を得た。
【0067】
LCMS (ESI) m/z: 372.5 [M+H]+
実施例2 式Iの化合物の製造
【0068】
【化4】
【0069】
ステップ1:2-(3-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)ピナコルボレート(化合物I-B)
【0070】
【化5】
【0071】
室温で1-ブロモ-3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンゼン(800 mg、3.62 mmol)を1,4-ジオキサン(30 mL)に加え、二ホウ酸ピナコールエステル(17.0 g、156.3 mmol)、ヨウ化第一銅(2.5 g、13.0 mmol)、L-プロリン(2.76 g、10.86 mmol)、醋酸カリウム(710 mg、7.24 mmol)、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(295 mg、0.36 mmol)を加え、窒素ガス保護で90℃に加熱し、16 h撹拌した。室温に冷却し、水(200 mL)を加えて希釈し、ジクロロメタン(80 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮させ、残留物はシリカゲルカラムにより分離して精製され(純石油エーテル)、無色液体粗生成物2-(3-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)ピナコルボレート(化合物I-B)(900 mg、収率92.7%)を得た。
【0072】
ステップ2:3-(1,1-ジフルオロエチル)フェノール(化合物I-C)
【0073】
【化6】
【0074】
室温で2-(3-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)ピナコルボレート(化合物I-B)(900 mg、3.36 mmol)をTHF(15 mL)及び水(15 mL)に加え、過ホウ酸ナトリウム一水和物(1.01 g、10.07 mmol)を加え、室温で16 h撹拌した。水(200 mL)を加えて希釈し、DCM(50 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮させ、残留物はシリカゲルカラムにより分離して精製され(石油エーテル:酢酸エチル(V/V)=8:1)、無色液体3-(1,1-ジフルオロエチル)フェノール(化合物I-C)(280 mg、収率52.7%)を得た。
【0075】
ステップ3:(S)-4-(1-(5-(3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル)安息香酸メチル(化合物I-D)
【0076】
【化7】
【0077】
室温で化合物(S)-4-(1-(5-クロロ-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル)安息香酸メチル(中間体A)(650 mg、1.75 mmol)をDMF(12 mL)に加え、3-(1,1-ジフルオロエチル)フェノール(I-C)(360 mg、2.27 mmol)、水酸化カリウム(147 mg、2.62 mmol)を加え、120℃に加熱し、2 h撹拌した。室温に冷却し、水(200 mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(80 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮させ、無色液体粗生成物(S)-4-(1-(5-(3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル)安息香酸メチル(化合物I-D)(1.2 g、粗生成物)を得た。
【0078】
LCMS (ESI) m/z: 494.6 [M+H]+
【0079】
ステップ4:(S)-4-(1-(5-(3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル))安息香酸(化合物I)
【0080】
【化8】
【0081】
室温で原料(S)-4-(1-(5-(3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル)安息香酸メチル(化合物I-D)(1.0 g、2.03 mmol)をTHF(5 mL)に加え、水(4 mL)、水酸化リチウム一水和物(340 mg、8.11 mmol)を加え、室温で16 h撹拌した。反応液を濃縮させ、白色固体(S)-4-(1-(5-(3-(1,1-ジフルオロエチル)ベンジル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド)エチル))安息香酸(化合物I)(88 mg、収率7.9%)を製造した。
【0082】
LCMS (ESI) m/z: 480.5 [M+H]+
1H NMR (400m Hz, DMSO-d6) δ12.8 (s, 1H), 8.10 (d, 1H), 7.71 (d, 2H), 7.53 (t, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.11 (t, 1H), 7.11 (d, 2H), 7.07 (dd, 1H), 4.88 (t, 1H), 3.74 (s, 3H), 1.96 (t, 3H), 1.96 (d, 3H).
実施例3 式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの製造
実施例2の方法に従って製造した式Iの化合物をジクロロメタン及びn-ヘキサン(1:10、v/v)の混合溶媒に溶解し、濃縮後に式Iの化合物の遊離酸結晶形Aを得た。
【0083】
得られた式Iの化合物の遊離酸結晶形AのXRPDは図1に示された。TGA/DSC結果(図2~3)は、サンプルを150℃に加熱する場合、0.84%の重量損失を有し、136.8±3℃に1つの吸熱ピークを有することを示した。遊離酸結晶形Aの1H NMR結果は図4に示される。遊離酸結晶形AのTGA重量損失が比較的低く、且つDSCに単一の溶融吸熱シグナルのみを有するため、それが無水結晶形であると推測された。
【0084】
得られた式Iの化合物の遊離酸結晶形AのXRPD解析データは下記表3-1に示される、
【0085】
【表6】
【0086】
実施例4 式Iの化合物の遊離酸結晶形Bの製造
遊離酸結晶形AをMIBK(メチルイソブチルケトン)に透明になるまで溶解した後、n-ペンタン雰囲気で気液拡散させて得られた(そのXRPDパターンは図5に示される)。
【0087】
遊離酸結晶形Bを室温で乾燥した後、遊離酸結晶形Aに変換した。
【0088】
得られた式Iの化合物の遊離酸結晶形BのXRPD解析データは下記表4-1に示される、
【0089】
【表7】
【0090】
実施例5 式Iの化合物塩型の製造及びスクリーニング
約20 mgの出発遊離酸結晶形Aのサンプル及び等モル量の塩形成製剤(即ち遊離酸と塩を形成する塩基)を秤量してHPLCバイアルに入れ、0.5 mLの溶媒を加えて混合して懸濁液を得て、塩形成製剤をまず相応する溶媒で希釈した後に出発サンプルと混合した。室温で約3日間懸濁させて撹拌した後、遠心分離により固体を分離し、室温で一晩真空乾燥させた。室温でのコロイド形成系の場合は、50~5℃に設定して循環昇温・降温を行い、結晶化を誘導し、室温の清澄系の場合は、5℃又は-20℃に設定して撹拌しながら結晶化を誘導した。得られた固体XRPDの特徴付けの結果は、塩型スクリーニング測定において合計3種類の塩型を得たことを示した(下記表5-1に示される)。
【0091】
【表8】
【0092】
実施例6 式Iの化合物のトロメタミン塩結晶形Aの製造
遊離酸結晶形A及び等モル量のトロメタミンをMTBEで室温で3日間スラリー化した後、遠心分離により固体を分離し、室温で真空乾燥させた後に式Iの化合物トロメタミン塩結晶形Aを得た。
【0093】
トロメタミン塩結晶形AのサンプルのXRPDパターンは図6に示される。TGA/DSC結果は図7~8にリストされた。TGA結果は、サンプルを120℃に加熱した場合、2.41%の重量損失を有することを示し、DSC結果は、サンプルが139.2℃(ピーク値温度)に1つの吸熱ピークを有することを示した。1H NMRはCD3ODで測定し、その結果は図9に示される。結果は、トロメタミン塩結晶形Aにおいて、トロメタミンと遊離酸とのモル比が1:1であり、且つMTBE溶媒の残留が観察されなかったことを示した。
【0094】
得られた式Iの化合物のトロメタミン塩結晶形AのXRPD解析データは下記表6-1に示される、
【0095】
【表9】
【0096】
実施例7 式Iの化合物のジエチルアミン塩結晶形Aの製造
遊離酸結晶形Aのサンプル及び等モル量のジエチルアミンをMTBEで室温で3日間スラリー化した後、遠心分離により固体を分離し、室温で真空乾燥させた後に式Iの化合物のジエチルアミン塩結晶形Aを得た。
【0097】
ジエチルアミン塩結晶形AのサンプルのXRPDパターンは図10に示される。TGA/DSC結果は図11~12に詳細に示される。TGA結果は、サンプルを100.0℃に加熱した場合、1.80%の重量損失を有し、100.0℃から210.0℃に加熱した場合、サンプルが3.99%の重量損失を有することを示し、DSC結果は、サンプルが104.3℃及び121.5℃(ピーク値温度)に2つの吸熱ピークを有することを示した。1H NMRはCD3ODで測定し、その結果は図13に示される。結果は、ジエチルアミン塩結晶形Aにおいて、ジエチルアミンと遊離酸とのモル比が1:1であり、且つMTBE溶媒の残留が観察されなかったことを示した。
【0098】
得られた式Iの化合物のジエチルアミン塩結晶形AのXRPD解析データは下記表7-1に示される、
【0099】
【表10】
【0100】
実施例8 式Iの化合物のリジン塩結晶形Aの製造
遊離酸結晶形Aのサンプル及び等モル量のリジンをEtOAcで室温で3日間スラリー化した後、遠心分離により固体を分離し、室温で真空乾燥させた後に式Iの化合物のリジン塩結晶形Aを得た。当該サンプルをXRPD特徴付けした(図14を参照)。
【0101】
得られた式Iの化合物のリジン塩結晶形AのXRPD解析データは下記表8-1に示される、
【0102】
【表11】
【0103】
実施例9 動的溶解度実験
10 mg/mLの固体投入濃度(遊離酸として40 mgの固体を4 mLの溶媒に投入)で37℃で回転混合し、且つ異なる時点(1、2、4及び24時間)に水、SGF、FaSSIF及びFeSSIFの4つの系における各サンプルの溶解度を測定した。各時点でサンプリングした後、遠心分離(10000 rpm)によりろ過し(0.45 μmのPTFEフィルターヘッド)、ろ液のHPLC濃度及びpH値を測定し、遠心分離後の固体サンプルに対してXRPDを測定した。溶解度の測定結果は表9-1にまとめ、溶解度曲線は図15を参照し、溶解度測定後のサンプルのXRPD結果は図16-21に示される。結果は、異なる溶媒におけるトロメタミン塩結晶形Aの溶解度が何れも遊離酸結晶形Aより優れ、溶媒溶解度測定後の遊離酸結晶形Aの結晶形が変化せず、溶解度測定後のトロメタミン塩結晶形AがSGF及びFeSSIFにおいて遊離酸結晶形Aに変換された。
【0104】
【表12】
【0105】
生物学的溶媒の調製説明:
胃液を模擬する調製(SGF)
200.3 mgのNaCl及び105.0 mgのトリアナトンX-100を秤量して50 mLのフラスコに入れ、透明になるまで精製水を加えた。136 μLの濃塩酸(12 M)を加え、1 Mの塩酸又は1 MのNaOH溶液でpHを1.8に調節した。精製水を加えて定容した。
【0106】
絶食状態を模擬する腸液の調製(FaSSIF)
0.34 gの無水NaH2PO4、0.44 gのNaOH及び0.62 gのNaClを秤量して50 mLのフラスコに入れた。透明になるまで精製水を加え、1 Mの塩酸又は1 MのNaOH溶液でpHを6.5に調節した。精製水を加えて定容し、且つ0.11 gのSIF粉末を秤量して透明になるまで溶解させた。
【0107】
摂食状態を模擬する腸液の調製(FeSSIF)
0.82 mLの氷醋酸、0.40 gのNaOH及び1.19 gのNaClを50 mLのフラスコに入れた。透明になるまで約48 mLの精製水を加え、1 Mの塩酸又は1 MのNaOH溶液でpHを5.0に調節した。精製水を加えて定容し、且つ0.56 gのSIF粉末を秤量して透明になるまで溶解させた。
【0108】
実施例10 吸湿性
動的水分吸着装置(DVS)により遊離酸結晶形A及びトロメタミン塩結晶形Aの吸湿性を評価した。0%RHから開始し、測定において、25℃の恒温条件で、湿度変化(0%RH-95%RH-0%RH)時のサンプルの質量変化百分率を収集した。DVS測定結果及びDVS測定前後のXRPD結果は図22~25に示される。結果は、25℃/80%RHでの遊離酸結晶形Aのサンプルの水分吸着が0.07%であり、ほとんど吸湿性がないことを示し、25℃/80%RHでのトロメタミン塩結晶形Aのサンプルの重量が0.6%であり、僅かな吸湿性があることを示した。DVS測定後の遊離酸結晶形A及びトロメタミン塩結晶形Aのサンプル結晶形は変化しなかった。
【0109】
実施例11 固態安定性
遊離酸結晶形A及びトロメタミン塩結晶形Aを、それぞれ25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件で1/4週間開口状態にして置いた後、XRPD及びHPLCによりサンプルの物理的と化学的安定性が検出された。純度データは表11-1にリストされ、XRPD結果は図26~27にリストされた。結果は、遊離酸結晶形A及びトロメタミン塩結晶形Aを対応する条件で置いた後のHPLC純度が明らかに変化せず、且つ結晶形が変化しなかったことを示した。
【0110】
【表13】
【0111】
実施例12 式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの異なる製造プロセス
実施例2のプロセス方法に従って式Iの化合物を製造し、且つ以下の方法に従って、何れも遊離酸結晶形A(XRPDにより同定)を製造することができる。
【0112】
12.1 5 mLのバイアルに20 mgの式Iの化合物を加え、0.4~1.0 mLの溶媒をそれぞれ加え、溶解した後にろ過し、シールフィルムでバイアルを密封し、且つ2つのピンホールを突き刺し、室温で置いて徐々に揮発させ、得られた固体を収集した。上記溶媒は、酢酸エチル、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、イソプロパノール/水(3:1)から選ばれる1種である。
【0113】
12.2 20 mLのバイアルに20 mgの式Iの化合物を加え、0.4~1.0 mLの溶媒をそれぞれ加え、固体が析出されるまで、撹拌(1000 rpm)しながら清澄溶液に逆溶媒(約5 mLであり、固体が析出されるまで当該清澄溶液に撹拌(1000 rpm)しながら逆溶媒を滴下するか、或いは、加えた逆溶媒の総体積が5 mLに達した後、固体が析出されていないサンプルを5℃で懸濁させて撹拌し、依然として固体が析出されていない場合、-20℃で懸濁させて撹拌し、最後の清澄サンプルを室温で揮発させる)を加え、得られた固体を収集した。上記溶解用溶媒はメタノールを使用する場合、逆溶媒は水を使用し、上記溶解用溶媒はメチルエチルケトンを使用する場合、逆溶媒は4-イソプロピルトルエン又はn-ヘプタンを使用し、溶解用溶媒は酢酸イソプロピルを使用する場合、逆溶媒はシクロヘキサン又はメタキシレンを使用し、溶解用溶媒はテトラヒドロフランから選ばれる場合、逆溶媒は水又はトルエンを使用し、溶解用溶媒はメチルtert-ブチルエーテルから選ばれる場合、逆溶媒はメチルシクロヘキサンを使用し、溶解用溶媒はジメチルアセトアミドから選ばれる場合、逆溶媒は水から選ばれる。
【0114】
12.3 20 mgの式Iの化合物を0.4~0.6 mLの溶媒で完全に溶解させた。当該清澄溶液を撹拌(1000 rpm)しながら5 mLの逆溶媒に滴下し、析出された固体を収集した。上記溶解用溶媒はイソプロパノール、酢酸エチル又は2-メチルテトラヒドロフランのうちの1種を使用し、逆溶媒はn-ヘプタンを使用し、溶解用溶媒はアセトン、酢酸tert-ブチル又はクロロホルムのうちの1種を使用する場合、逆溶媒はトルエンを使用し、溶解用溶媒はアセトニトリルを使用する場合、逆溶媒は水を使用した。
【0115】
12.4 約20~90 mgの式Iの化合物を秤量してHPLCガラスバイアルに入れ、0.5 mLの溶媒をそれぞれ加え、得られた懸濁液を室温で約4日磁気撹拌(1000 rpm)した後、遠心分離(10000 rpm、2 min)して固体を収集した。上記溶媒は、n-ペンタン、メタキシレン、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、水、メタノール/水(1:5)、N,N-ジメチルホルムアミド/水(1:4)、2-メチルテトラヒドロフラン/n-ヘキサン(1:5)、アセトン/n-ヘプタン(1:4)、アニソール/n-ヘプタン(1:4)、酢酸メチル/シクロヘキサン(1:4)、メタノール/4-イソプロピルトルエン(1:4)、ジクロロメタン/メチルn-ヘキサン(1:5)、アセトニトリル/トルエン(1:4)から選ばれる1種である。
【0116】
12.5 約20~50 mgの式Iの化合物を秤量してHPLCガラスバイアルに入れ、0.5 mLの溶媒をそれぞれ加え、得られた懸濁液を50℃で約3日磁気撹拌(1000 rpm)した後、遠心分離(10000 rpm、2 min)して固体を収集した。上記溶媒は、メチルシクロヘキサン、イソプロピルベンゼン、水、1,4-ジオキサン/水(1:9)、ジメチルアセトアミド/水(1:9)、テトラヒドロフラン/n-ヘキサン(1:9)、2-メチルテトラヒドロフラン/シクロヘキサン(1:4)、シクロペンチルメチルエーテル/n-ペンタン(1:4)、メチルエチルケトン/イソプロピルベンゼン(1:7)、酢酸イソプロピル/トルエン(1:9)、イソブタノール/4-イソプロピルトルエン(1:4)、クロロホルム/メタキシレン(1:4)から選ばれる1種である。
【0117】
12.6 約20 mgの式Iの化合物を秤量してHPLCガラスバイアルに入れ、0.5 mLの溶媒をそれぞれ加え、得られた懸濁液を温度循環(50~5℃、0.1℃/min、2つの循環)で磁気撹拌(1000 rpm)し、遠心分離(10000 rpm、2 min)して固体を収集した。上記溶媒は、トルエン、n-ヘプタン、4-イソプロピルトルエン、エタノール/水(1:4)、酢酸エチル/メチルシクロヘキサン(1:9)、シクロペンチルメチルエーテル/n-ヘキサン(1:3)、クロロホルム/n-ヘプタン(1:7)、メチルエチルケトン/メタキシレン(1:9)から選ばれる1種である。
【0118】
12.7 約20 mgの式Iの化合物を秤量して研磨鉢に入れ、0.2 mLの溶媒をそれぞれ加え、サンプルを2~3分間研磨し、固体を収集した。上記溶媒は、エタノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフランから選ばれる1種である。
【0119】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明の精神及び原則の範囲内でなされた何れの修正、同等置換、改良等も、本発明の請求範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0120】
図1】式Iの化合物の遊離酸結晶形AのXRPDパターンである。
図2】式Iの化合物の遊離酸結晶形AのTGAパターンである。
図3】式Iの化合物の遊離酸結晶形AのDSCパターンである。
図4】式Iの化合物の遊離酸結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図5】式Iの化合物の遊離酸結晶形BのXRPDパターンである。
図6】式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図7】式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのTGAパターンである。
図8】式Iの化合物トロメタミン塩結晶形AのDSCパターンである。
図9】式Iの化合物トロメタミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図10】式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図11】式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのTGAパターンである。
図12】式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形AのDSCパターンである。
図13】式Iの化合物ジエチルアミン塩結晶形Aの1H NMRスペクトルである。
図14】式Iの化合物リジン塩結晶形AのXRPDパターンである。
図15】37℃での動的溶解度曲線図である。
図16】H2O中の遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図17】SGFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図18】FaSSIFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図19】FeSSIFにおける遊離酸結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図20】SGFにおけるトロメタミン塩結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図21】FeSSIFにおけるトロメタミン塩結晶形Aの溶解度サンプルのXRPDオーバーレイである。
図22】遊離酸結晶形AのDVSパターンである。
図23】DVS測定前後の遊離酸結晶形AのXRPDオーバーレイである。
図24】トロメタミン塩結晶形AのDVSパターンである。
図25】DVS測定前後のトロメタミン塩結晶形AのXRPDオーバーレイである。
図26】遊離酸結晶形Aの安定性評価サンプルのXRPDオーバーレイである。
図27】トロメタミン塩結晶形Aの安定性評価サンプルのXRPDオーバーレイである。
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【国際調査報告】