(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-11
(54)【発明の名称】銑鉄を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法
(51)【国際特許分類】
C21B 11/10 20060101AFI20241004BHJP
C21B 13/00 20060101ALI20241004BHJP
C22B 1/24 20060101ALI20241004BHJP
C22B 1/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C21B11/10
C21B13/00 101
C22B1/24
C22B1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024522623
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022078607
(87)【国際公開番号】W WO2023066794
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513200003
【氏名又は名称】ポール ワース エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリュル,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ハンスマン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パパリア,カティア
【テーマコード(参考)】
4K001
4K012
【Fターム(参考)】
4K001AA10
4K001BA02
4K001CA11
4K001CA25
4K001DA05
4K001DA10
4K001GA09
4K001GA16
4K001GB09
4K001HA01
4K001HA09
4K001HA11
4K012CA02
4K012CA03
4K012CA04
4K012CA09
4K012DB07
(57)【要約】
銑鉄(P)を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法であって、(a)ジュール効果に及び/又はマイクロ波加熱に基づいて、第一の電気予熱器(10)内で、600℃超の温度まで、鉄鉱石微粉(A)を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉(B)を得る工程と、(b)高温還元ガス(J)の存在下で、1つ以上の流動床反応器(50)内で、予熱された鉄鉱石微粉(B)を部分的に還元し、部分還元鉄(K、L)を得る工程と、(c)上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む浸漬型アーク炉(70)に、部分還元鉄(K、L)を供給する工程と、(d)炭素質材料(M)の存在下で、浸漬型アーク炉(70)内で、部分還元鉄(K、L)を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄(P)を得る工程と、を含み、工程(b)において、高温還元ガス(J)は、水素(D)、シンガス(I)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物を含み、前記シンガス(I)は、天然ガス又はバイオメタン(F)、高炉ガス(G)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物から、空気若しくは酸素富化空気、蒸気若しくは二酸化炭素(E)の存在下で、1つ以上の改質反応器(40)内で製造され、工程(b)において、高温還元ガス(J)は、550℃超の温度を有し、工程(b)において、部分還元鉄(K、L)は、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度を有する、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銑鉄(P)を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法であって、
a)ジュール効果に及び/又はマイクロ波加熱に基づいて、第一の電気予熱器(10)内で、600℃超の温度まで、鉄鉱石微粉(A)を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉(B)を得る工程と、
b)高温還元ガス(J)の存在下で、1つ以上の流動床反応器(50)内で、前記予熱された鉄鉱石微粉(B)を部分的に還元し、部分還元鉄(K、L)を得る工程と、
c)上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む浸漬型アーク炉(70)に、前記部分還元鉄(K、L)を供給する工程と、
d)炭素質材料(M)の存在下で、前記浸漬型アーク炉(70)内で、前記部分還元鉄(K、L)を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄(P)を得る工程と、を含み、
工程b)において、前記高温還元ガス(J)は、水素(D)、シンガス(I)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物を含み、前記シンガス(I)は、天然ガス又はバイオメタン(F)、高炉ガス(G)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物から、空気若しくは酸素富化空気、蒸気若しくは二酸化炭素(E)の存在下で、1つ以上の改質反応器(40)内で製造され、工程b)において、前記高温還元ガス(J)は、550℃超の温度を有し、工程b)において、前記部分還元鉄(K、L)は、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度を有する、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の流動床反応器(50)が、循環型である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素(D)が、第二の電気予熱器(20)内で予熱され、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、及び任意選択的に前記冶金プラントからの他のオフガス(H)が、第三の電気予熱器(30)内で予熱され、第二及び第三の予熱器の両方が、独立して、700℃超の温度への、ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱に基づく、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程d)における前記炭素質材料(M)が、任意選択的に、最大40重量%などの解体木材、及び/又は最大20重量%などの廃プラスチックを含む、バイオマスによって製造されたバイオ炭を含むか、又はバイオ炭からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鉄鉱石微粉(A)が、0.1~1mmの範囲の、粒度分布を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)が、部分還元鉄鉱石微粉(K)を高温ブリケット化して、ブリケット化された部分還元鉄(L)を得る工程を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記冶金プラントの前記他のオフガス(H)が、コークス炉プラント、直接還元鉄プラント、及び塩基性酸素炉からのオフガスの1つ以上を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記予熱器(複数可)及び前記浸漬型アーク炉において、好ましくは前記方法の全ての工程において必要とされる、全ての電気エネルギーが、再生可能電気である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
好ましくは請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実施することによって、カーボンフットプリントが低減された銑鉄(P)を製造するための、冶金プラントであって、
-ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱基づいて、600℃超の温度で、鉄鉱石微粉(A)を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉(B)にするように構成された、第一の電気予熱器(10)と、
-熱還元ガス(J)の存在下で、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度まで、前記予熱された鉄鉱石微粉(B)を部分的に還元し、部分還元鉄(K、L)にするように構成された、1つ以上の流動床反応器(50)と;
-前記部分還元鉄(K、L)を受容し、炭素質材料(M)の存在下で、前記部分還元鉄(K、L)を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄(P)を得るように構成された、上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む、浸漬型アーク炉(70)と、を備え、
前記冶金プラントは、1つ以上の改質反応器(40)を更に備え、前記改質反応器は、天然ガス若しくはバイオメタンのフィード(F)、高炉ガスのフィード(G)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)及び前記冶金プラントからの他のオフガス(H)の1つ以上のフィード、又はそれらの2つ以上の混合物のフィードと、空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素(E)のフィードとから、シンガス(I)を生成するように構成され、前記冶金プラントは、水素のフィード(D)と、高温還元ガス混合装置であって、前記1つ以上の改質反応器(40)、及び前記水素(D)のフィード、及び任意選択的に、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)の及び前記冶金プラントの他のオフガス(H)の前記フィードの1つ以上、又はそれらの2つ以上の混合物のフィードの1つ以上と、上流で流体接続され、並びに前記1つ以上の流動床反応器(50)の入口と、下流で流体接続された、高温還元ガス混合装置と、を備え、前記高温還元ガス混合装置は、水素(D)、シンガス(I)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物を含む、550℃超の温度の、高温還元ガス(J)を供給するように構成された、冶金プラント。
【請求項10】
前記1つ以上の流動床反応器(50)が、循環型である、請求項9に記載の冶金プラント。
【請求項11】
前記水素フィード(D)と前記高温還元ガス混合装置との間で流体接続された、ジュール効果および/またはマイクロ波加熱に基づく、第二の電気予熱器(20)と、前記浸漬型アーク炉の前記1つ以上のオフガス供給部(O)と任意選択的に前記冶金プラントの他のオフガス(H)との間で流体接続された、ジュール効果および/またはマイクロ波加熱に基づく、第三の電気予熱器(30)と、前記高温還元ガス混合装置とを備え、前記第二および第三の電気予熱器(20、30)は、関連するオフガス(複数可)及びシンガスを、700℃超の温度に予熱するように構成される、請求項9又は10に記載の冶金プラント。
【請求項12】
前記炭素質材料(M)が、任意選択的に、最大40重量%などの解体木材を、及び/又は最大20重量%などの廃プラスチックを含む、バイオマスによって製造されたバイオ炭を含むか、又はバイオ炭からなる供給源から提供される、請求項9~11のいずれかに記載の冶金プラント。
【請求項13】
部分還元鉄鉱石微粉(K)を、ブリケット化された部分還元鉄(L)にブリケット化するように構成された、高温ブリケット化装置を更に備える、請求項9~12のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【請求項14】
前記冶金プラントが、コークス炉プラント、直接還元鉄プラント、高炉、及び塩基性酸素炉の1つ以上を備え、前記冶金プラントの前記他のオフガス(H)を供給する、請求項9~13のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【請求項15】
前記予熱器(複数可)及び前記浸漬型アーク炉において、好ましくは前記冶金プラントの全ての電気装置において必要とされる、全ての電気エネルギーが、再生可能電気である、請求項9~14のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、銑鉄を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法、及びカーボンフットプリントが低減された銑鉄を製造するための冶金プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
世界的なCO2排出量を削減する必要性及び義務は、主要な責任あるプレーヤーの1つである、鉄鋼産業に影響を及ぼしている。世界的な脱炭素化は、化石燃料の代替として、「グリーン」電気エネルギー、並びに再生可能な還元剤及び燃料などの、いわゆる「グリーン」源の最大化に基づいて、より持続可能な製造のための移行に向けて、鉄鋼メーカーを押し進めている。
【0003】
水素は、現在のCO2削減、特に、将来の脱炭素化された鋼生産のための、新しい重要な因子であると考えられる。脱炭素目標を達成するために、水素は二酸化炭素排出なしで製造されるべきであり、これは、例えば、再生可能資源からの電気エネルギーによって供給される、電気分解プロセスによる製造を意味する。このようにして、二酸化炭素排出を完全に含まない、「グリーン」水素が製造される。それにもかかわらず、グリーン水素製造コストは現在高く、今後数年で減少が予測されるが、これは、鉄鋼製造プロセスにおける膨大なエネルギー及び流量の需要のために、将来のシナリオでさえ、製鋼部門におけるその適用の実現可能性を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、鉄鉱石微粉からのより持続可能な銑鉄製造のための新規な経路、特に、統合された製鋼所などの冶金プラントに設置するのに好適な、銑鉄製造のための方法を提供することであって、方法は、カーボンフットプリントを低減する際のより緩やかな移行を確実にするか、又は特定の再生可能資源が一時的に利用できない場合に、少なくとも低い二酸化炭素排出量で運転することを可能にするなどのために、二酸化炭素排出量を0に制限する範囲で運転、フレキシビリティを提供するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の問題を克服するために、本発明は、第一の態様では、銑鉄を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法であって、
a)ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱に基づいて、第一の電気予熱器内で、600℃超、好ましくは700~900℃、特に750℃~850℃、例えば約800℃の温度まで、鉄鉱石を予熱し、予熱された鉄鉱石を得る工程と、
b)高温還元ガスの存在下で、1つ以上の流動床反応器内で、予熱された鉄鉱石を部分的に還元し、部分還元鉄を得る工程と、
c)上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む浸漬型アーク炉に、部分還元鉄を供給する工程と、
d)炭素質材料の存在下で、浸漬型アーク炉内で、部分還元鉄を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄を得る工程と、を含み、
工程b)において、高温還元ガスは、水素、シンガスすなわち合成ガス、流動床反応器(複数可)のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他の(CO含有)オフガス、又はそれらの混合物を含み、前記シンガスは、天然ガス又はバイオメタン、高炉ガス、浸漬型アーク炉自体又は別の浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他のオフガス、それらの2つ以上の混合物から、(使用される改質プロセスに応じて)空気若しくは酸素富化空気、水蒸気若しくは二酸化炭素の存在下で、1つ以上の(触媒若しくは非触媒)改質反応器内で製造され、工程b)において、高温還元ガスは、550℃超の温度を有し、工程b)において、部分還元鉄は、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度を有する、方法である。
【0006】
第二の態様では、本発明は、好ましくは第一の態様による、銑鉄を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法を実施することによって、カーボンフットプリントが低減された銑鉄を製造するための冶金プラントを提案し、冶金プラントは、
-ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱基づいて、600℃超、好ましくは700~900℃、特に750℃~850℃、例えば約800℃の温度で、鉄鉱石微粉を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉にするように構成された、第一の電気予熱器と、
-高温還元ガスの存在下で、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度まで、予熱された鉄鉱石微粉を部分的に還元し、部分還元鉄にするように構成された、1つ以上の流動床反応器と、
-部分還元鉄を受容し、炭素質材料の存在下で、部分還元鉄を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄を得るように構成された、上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む、浸漬型アーク炉と、を備え、
冶金プラントは、1つ以上の(触媒又は非触媒)改質反応器を更に備え、改質反応器は、天然ガス若しくはバイオメタンのフィード、高炉ガスのフィード、浸漬型アーク炉のオフガス及び冶金プラントからの他のオフガスの1つ以上のフィード、又はそれらの混合物のフィードと、(選択される改質プロセスに応じて)空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素のフィードとから、シンガスを製造するように構成され、冶金プラントは、水素のフィードと、高温還元ガス混合装置であって、1つ以上の(触媒または非触媒)改質反応器、及び水素のフィード、及び任意選択的に、浸漬型アーク炉のオフガス及び冶金プラントの他のオフガスの前記フィードの1つ以上、又はそれらの混合物のフィードの1つ以上と、上流で流体接続され、並びに1つ以上の流動床反応器の入口と、下流で体接続された、高温還元ガス混合装置と、を更に備え、前記高温還元ガス混合装置は、水素、シンガス、流動床反応器(複数可)のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントの他のオフガス、又はそれらの2つ以上の混合物を含む、550℃超の温度の、高温還元ガスを提供するように構成された、冶金プラントである。高温還元ガス混合装置は、専用の混合ユニットであってもよく、(予熱された)水素、(触媒又は非触媒の)改質反応器からのシンガス、流動床反応器(複数可)のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、及び冶金プラントの他のオフガスのフィードの、合流のみであってもよい。
【0007】
本発明の文脈において、冶金プラントからの他のオフガスは、任意の利用可能かつ適切なCO含有オフガス、又はそれらの2つ以上の混合物であってもよい。それらは、コークス炉プラント、DRI(直接還元鉄)プラント、塩基性酸素炉、電気炉(本方法で使用される浸漬型アーク炉以外)などからの、1つ以上のオフガスから選択することができる。
【0008】
したがって、提案された方法及び冶金プラントの中核は、製錬及び還元の完了が行われる、高温ガス状還元剤のみに基づく、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度までの、1以上の流動床反応器における、部分的(予備)還元工程と、それに続く、浸漬型アーク炉(SAF)タイプの電気製錬装置とに基づく。
【0009】
その結果、本発明は、以下の3つの発見の組合わせを利用する:(1)鉄鉱石微粉の還元の速度曲線が、最大70~75%まで非常に急勾配であることは、例えば、20~30分以内に75%の金属化度に達することができるが、同じ条件で75%~95%までの更なる金属化は2時間超かかることを意味することと、(2)この部分還元は、還元剤として高温還元ガスのみを用いて行われた場合に得ることができ、更に、冶金プラントで利用可能なオフガス、例えば、方法自体又は他のプロセスの浸漬型アーク炉のオフガス、及び以下に詳述する他のオフガスにも少なくとも部分的に基づくことができることと、(3)この部分還元は、天然ガス、バイオメタン、若しくはそれらの混合物、及び/又は高炉ガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他のオフガス、若しくはそれらの混合物が、触媒又は非触媒改質反応器で、直接的にそのまま、又は可変割合の水素及び/若しくは他のCOリッチで利用可能なオフガス(複数可)と組合わせて使用される、効率的な還元(シン)ガスに変換される場合に、それらに、少なくとも部分的に基づいて得ることができることと、(4)更なる還元剤として作用する固体炭素質材料の存在下での浸漬型アーク炉での更なる処理が、部分的にのみ還元された鉄鉱石を、銑鉄に変換することを可能にすることとの、組合せを利用する。
【0010】
本発明によれば、工程b)の高温還元ガスは、水素、シンガス、流動床反応器(複数可)のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他の(CO含有)オフガス、又はそれらの混合物を含むか、又はそれらからなる。好ましくは、前記高温還元ガスは、(使用される改質プロセスに応じて)空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素の存在下で、1つ以上の(触媒又は非触媒)改質反応器内で、天然ガス若しくはバイオメタン、高炉ガス、流動床反応器のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他のオフガス、又はそれらの2つ以上の混合物から生成されるシンガスを意味する、本文脈で定義されるような、少なくともシンガスを含むか、又はそれからなる。これは、任意選択的に、有利には、(追加の)水素、流動床反応器(複数可)のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他の(CO含有)オフガス、又はそれらの2つ以上の混合物を含む。実施形態では、前記高温還元ガスは、前記シンガス、(追加の)水素、並びに流動床反応器のオフガス、浸漬型アーク炉のオフガス、及び冶金プラントからの他の(CO含有)オフガスから選択される、少なくとも1つのガスを含むか、又はそれらからなる。
【0011】
この目的のための好ましい流動床反応器は、高い質量及び熱伝達係数をもたらす、ガスと固体との間の高い滑り速度を提供する、循環型流動床反応器である。したがって、1つ以上の流動床反応器は、好ましくは、循環型である。
【0012】
浸漬型アーク炉(SAF)は、還元プロセスを行うのに好適な、特別なタイプの電気(アーク)炉である。浸漬型アーク炉では、電極の先端がスラグに埋め込まれ、そこで、有効電力がジュール効果によって熱エネルギーに変換され、反応が起こる。塊状鉱石、及び/又は凝集した微粉鉱石、及び/又は予備還元鉱石、フラックス、及び炭素担体からなる負荷は、炉のスループットに従って降下し、加熱される。反応ゾーンに入ると、最も低い融点を有する酸化物が、液化する。エネルギー密度が電極に向かって増加するにつれて、全ての酸化物が、最終的に溶融する。したがって、固体炭素含有材料による、炭素熱還元が起こる。温度制御及びスラグ融点に応じて、金属酸化物は、炭素による還元に必要な電気エネルギーの需要の順に、還元される。スラグは、主として脈石によって作られた液体層を形成し、この液体層を通って、還元された金属液滴が降下して、炉床の底部に金属浴を形成する。スラグ中の炭素熱還元を保証するために、浴は炭素飽和であり、したがって、最終生成物は、例えば、3~4%の炭素含有量を有する、高温銑鉄である。本発明の文脈において、「浸漬型アーク炉」又は「SAF」という用語は、特定の用途に最適化された、全ての異なる可能な電気アーク炉タイプ、例えば、直流炉、交流炉、開放浴炉、円形タイプ、長方形タイプなどを含む。
【0013】
その結果、浸漬型アーク炉は、鉄鉱石、又は予備還元鉄(若しくは直接還元鉄、DRI)の両方として投入された、金属酸化物の還元を行うことができる、フレキシブルな電気製錬所と見なすことができる。一般的に言えば、鉄製造用途では、電力エネルギー消費を制限し、プラント全体の効率を改善するために、浸漬型アーク炉間に、予備還元工程を有することが望ましい。にもかかわらず、最先端の電気アーク炉(EAF)の場合とは異なり、浸漬型アーク炉では、高いDRI金属化は必要とされない。これにより、本発明者らは、(主に固着の問題のための)可用性の問題、及び生産性の低下、滞留時間の延長、効率の低下などの、実現可能性を損なう可能性がある制約のために、最も重要な部分として経験されている、分離された反応器で行われる金属化の最後の部分である、金属化の55~75%、好ましくは60~70%という、本発明の最適なトレードオフ運転点を見出すことができた。
【0014】
更に、本明細書に記載の方法及び冶金プラントは、エネルギー源、並びに「グリーン」水素、バイオ炭、及び「グリーン」電気などの、固体及び気体還元剤として再生可能な資源を利用するように、特に適合されている。更に、この方法は、資源の利用可能性に応じて、フルグリーン運転(二酸化炭素排出量ゼロ)に柔軟かつ徐々に変換することができ、流動床反応器の水素は、再生可能電気(「グリーン」H2)を使用した電気分解(のみ)によって製造することができるか、CO2捕捉技術を適用した化石資源によって製造することができるか(「ブルー」H2)、又は化石資源によって製造することができ(「グレー」H2)、化石炭及び/又はバイオ炭は、浸漬型アーク炉で使用することができ、統合された製鋼ガスなどの他の冶金プラントのオフガスを、流動床反応器に供給することができる。この方法はまた、(様々な割合の)水素、再循環CO含有冶金オフガス(複数可)、及びシンガスとの混合運転を可能にし、供給源の可用性及びコストに応じて、「グリーン」運転への変換のフレキシビリティを高めることを、特に目的とする。これに関して、提案された方法は、使用されるエネルギー資源の種類及び量に応じて、二酸化炭素排出を完全に回避することから、限られた排出まで、フレキシブルに運転することができ、同じ冶金プラントには、再生可能エネルギー源、還元ガス、バイオメタン、及び固体還元剤(炭素質材料)のみを供給することができ、CO2排出量はゼロであるか、又は化石資源(例えば、グレー/ブルー水素、石炭、天然ガス、化石燃料からの電気など)をなお部分的に供給することができ、CO2フットプリントは限られているが、いずれの場合も、現在使用されている鉄製造技術よりも少ない。
【0015】
バイオメタンは、農業バイオマス(専用作物、副産物、及び農業廃棄物及び動物廃棄物)、農産業(食品プロセスチェーンからの廃棄物)、並びに有機画分都市固形廃棄物(OFMSW)から誘導される、再生可能エネルギー源である。バイオメタンは、2つの段階で得られる:生バイオガスの製造-主に、バイオマスの嫌気性消化-及びその後の非適合性成分(CO2)の除去を通じた、「アップグレード」としても知られるプロセス。バイオメタンは、化石天然ガスと同様の品質を有し、90%以上のメタン濃度を有する。したがって、本発明の生成物は、再生可能な供給源のみが、エネルギー入力、並びに固体及び気体還元剤として使用される場合、完全にCO2非含有で製造することができる、「グリーン」銑鉄である。
【0016】
結果として、有利な実施形態では、方法又は冶金プラントで必要とされる、電気エネルギーの少なくとも一部、好ましくは全てが、再生可能電気である。特に、予熱器(複数可)、及び浸漬型アーク炉で必要とされる、電気エネルギーの少なくとも一部は、再生可能な電気である。
【0017】
代替的又は追加的に、工程d)の炭素質材料は、任意選択的に、最大40重量%などの解体木材、及び/又は最大20重量%などの廃プラスチックを含む、バイオマスによって製造されたバイオ炭を含む(又はバイオ炭からなる)。炭素質材料は、それ自体が浸漬型アーク炉に供給され、部分還元鉄を、別に形成することができる。しかしながら、部分還元鉄と組合わせて又は混合して、炭素質材料を、少なくとも部分的に浸漬型アーク炉に供給することが、有益であり得る。前記炭素質材料を添加する特に有利な1つの方法を、本明細書で以下に記載する。
【0018】
さらに、プロセスは、「循環経済」概念に従って、工程a)で鉄鉱石微粉のフィードに添加すること、及び/若しくは工程a)で得られた予熱された鉄鉱石微粉に添加すること、並びに/又は工程b)で得られた部分還元鉄に添加することのいずれかによって、一定の割合の、一体化された鋼固体残留物をリサイクルするように容易に構成することができ、追加の環境及び経済の両方の利益を伴う。
【0019】
本発明における改質は、任意の適切な改質反応器、又は2つ以上の改質反応器の組合わせで行うことができ、これらは、同じタイプであってもよく、異なる技術を使用してもよく、シンガス製造の技術分野で知られている。改質反応器は、触媒又は非触媒改質反応器のいずれかであり、そのような反応器の例は、触媒水蒸気改質(CSR)反応器、乾式改質(DR)反応器、自己熱改質(ATR)反応器などの、水蒸気改質反応器、触媒部分酸化(CPO)反応器などの、部分酸化(POX)反応器、膜改質(MR)反応器、又は2つ以上の異なるタイプの反応器の任意の組合わせである。
【0020】
水蒸気改質(SMR)は、炭化水素と水蒸気の形態の水との反応によって、シンガスを生成するプロセスである。反応は、以下の反応によって表すことができる:
CH4+H2O⇔CO+3H2(1)
【0021】
乾式改質(DR)は、二酸化炭素改質としても知られており、典型的には、Ni又はNi合金などの貴金属触媒を用いて、メタンなどの炭化水素と二酸化炭素との反応から、シンガスを生成するプロセスである。乾式改質反応は、以下の反応によって表すことができる:
CH4+CO2⇔2CO+2H2(2)
【0022】
自己熱改質(ATR)は、メタンとの反応において、酸素、及び二酸化炭素又は水蒸気を使用して、シンガスを形成する。反応は、メタンが部分的に酸化される、単一のチャンバ内で行われる。反応は、発熱性である。ATRが二酸化炭素を使用する場合、生成されるH2:CO比は、1:1であり、ATRが水蒸気を使用する場合、生成されるH2:CO比は、2.5:1である。合成ガスの出口温度は、950~1100℃である。反応(1)に加えて、ATRは、以下の反応を導入する:
CH4+0.5O2⇔CO+2H2(3)
【0023】
部分酸化(POX)は、準化学量論的な燃料空気混合物が改質器で部分的に燃焼され、水素に富んだシンガスを生成する時に起こる。熱部分酸化(TPO)と、触媒部分酸化(CPO)とは、区別される。
【0024】
触媒部分酸化(CPO)のプロセスはまた、反応(3)に基づいており、ここで、酸素は、空気、又は酸素富化空気、又は酸素と窒素の組合せに由来してもよく、反応は、数ミリ秒の衝突によって行われ、ガス状の予混合反応物は、極めて高温の触媒表面を通って流れる。起源となる迅速かつ選択的な化学作用は、触媒粒子を周囲する、薄い固相気相間領域の内側に限定される。ここで、分子は、典型的には、600~1200℃の間で変化する温度で、非常に短い時間を費やす。技術的開発の重要な問題は、「比較的低い」温度に保たれなければならない気相への、反応の伝播を回避する可能性にある。この条件は、連鎖反応を阻害する一次反応生成物(すなわち、CO、及びH2)の形成を促進する。
【0025】
膜改質(MR)反応器は、酸素分離、水蒸気改質(SR)、及び部分酸化(POX)が、単一の工程で組合わされる反応器である。
【0026】
好ましい実施形態では、水素、及び/又は高炉ガス、浸漬型アーク炉のオフガス、冶金プラントからの他のオフガス、又はそれらの混合物は、ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱に基づく、1つ以上の更なる(例えば、第二、又は第二及び第三の)電気予熱器(複数可)で、700℃超の温度まで予熱された後、流動床反応器に供給され、好ましくは触媒又は非触媒改質反応器からの(既に高温の)シンガスと混合され、前記シンガスは、天然ガス、又はバイオメタン、および任意選択的に特定の割合の高炉ガスから、生成される。循環流動床反応器(複数可)の場合、それらの排出物は、好ましくは、再循環される前に、別個の電気加熱器、又は有利には第二の電気予熱器のいずれかで再加熱される。
【0027】
さらに好ましい実施形態では、鉄鉱石微粉は、0.05~2mmの範囲、有利には0.1~1mmの範囲の、粒度分布を有する。
【0028】
必要又は所望であれば、本方法は、工程b)において、ブリケット化された部分還元鉄を得るために、部分還元鉄鉱石を(高温で)ブリケット化する工程を更に含み、ブリケット化された部分還元鉄は、好ましくは浸漬型アーク炉に高温投入される。既に簡単に上述したように、炭素質材料は、有利には、少なくとも部分的に(例えば、少なくとも60重量%、例えば少なくとも80重量%、又は更に少なくとも90重量%)、好ましくは全体的に、部分還元鉄と組合わせて又は混合して、浸漬型アーク炉に供給される。最も好ましくは、炭素質材料の少なくとも一部、好ましくは全体が、最初に、高温ブリケット化中にブリケット化された部分還元鉄に導入され、次いで、工程d)で、浸漬型アーク炉に供給される。したがって、このような実施形態では、炭素質材料は、部分還元鉄でブリケット化されて、(炭素質と混合された)還元された鉄ブリケットになり、工程d)で即座に使用できる。ブリケットに添加される炭素質材料、及び別々に添加される炭素質材料は、石炭及びバイオ炭などのように、異なっていてもよい。特定の炭素含有量を有するDRIブリケットを製造するために、特定の割合の炭素質微細材料をDRI微粉と混合することは、高温金属の最終C含有量のより良好な制御を含む、電気製錬プロセスを最適化するのに有用であり得る。HBI製錬に必要な炭素質材料の残余の部分は、最先端のプロセスで行われるように、電気製錬所に別々に投入することができる。
【0029】
実際に、電気アーク炉又は浸漬型アーク炉などにおける、直接還元鉄(DRI)及び高温ブリケット化鉄(HBI)製錬のための、最先端の電気製錬プロセスでは、一般に、固体炭素が、酸化鉄還元を完了するために使用され、固体石炭は、DRIからの炭素含有量に加えて、他の投入原料と共に、電気炉内でトップチャージされる。
【0030】
しかしながら、本発明者らは、(電気アーク炉への供給前に)部分還元鉄に添加された炭素質材料が、外部から投入された石炭/バイオ炭などの別個に供給された炭素質材料よりも、電気製錬プロセスにおいて効率的であることを見出した。実際、本発明者らは、最終製品において達成されるべき、より低い消費量、最適化されたプロセスパラメータ、及びよりフレキシブルな炭素含有量に注目した。本発明者らは、これらの利点が、部分還元鉄と混合及び/又はブリケット化された炭素質材料が、微細な顆粒形態であり、部分還元鉄微粉と均一に混合され、製錬プロセスにおける石炭の使用をより効率的にするという事実に起因することを認めているが、一方で、別個の石炭投入では、オフガスとの石炭のキャリーオーバ、炭素の焼失、及び低い還元効率などの、いくつかの望ましくない現象が観察されており、これらはすべて、より高い消費量、及びより低い生産性をもたらす。
【0031】
特に興味深い1つのトピックは、その使用に応じて必要とされる金属製品中のC含有量、及び統合された製鋼所への設置の状況に起因して、本プロセスの初期工程中に提供されるC含有量である。実際、既存の下流プロセス(例えば、高炉)の利用可能性を利用できるようにするために、4重量%超(典型的には、4.5重量%)のC含有量が、高炉熱間金属と同様に、製造された高温金属では、必要である。この目標が満たされる場合、既存の下流の熱間金属処理プラントを、設置/変更する必要はない。
【0032】
しかしながら、部分還元鉄のC含有量は、直接還元プロセスに強く依存し、本方法のようなガスベースの直接還元の場合、部分還元鉄中の特定のC含有量は、基本的に、シンガスなどのCO含有還元剤に由来する。最新技術で一般的に使用されている天然ガス改質プロセスからの還元ガスよりも、低いCO含有量、したがって、高い水素含有量を有する、還元ガスの使用は、具体的な還元反応器の種類に応じて、0.1~3重量%の範囲などの、部分還元鉄中の炭素含有量が低いことを意味する。これはまた、Cを含む燃料及び還元剤を、水素で完全に置換すると、炭素含有量がゼロ、又はほぼゼロの、部分還元鉄が得られることを意味する。
【0033】
特に、そのようなゼロ又は非常に低い炭素含有量の場合、電気炉内の直接石炭投入は、工程d)の製錬プロセスに最適ではなく、上記で説明したように、消費量の増加、生産性の低下、及び製品特性のフレキシビリティの低下(主に、金属製品中の炭素含有量を指す)をもたらす。更に、これは、電気製錬プロセス全体のCO2フットプリントも増加させる可能性が高い。
【0034】
結論として、本発明は、天然ガス又はバイオメタンの触媒的又は非触媒的改質からの、シンガスによる濃縮によって強化された、CO富化シンガスの利用可能性を利用して、統合された製鋼所または冶金プラント内で、「グリーン」な銑鉄を製造し、鉄鉱石微粉の還元度を制限し、異なる再生可能エネルギー源を使用して浸漬型アーク炉で還元を完了し、用途の経済的実現可能性を改善するための特定の解決策を選択することを、目的とする。この方法はまた、特定の局所的な利用可能性及びコストに応じて、化石燃料及び還元剤で全体的又は部分的に運転するフレキシビリティがあり、特定の二酸化炭素フットプリントが予測され得るが、それは、最先端の経路と比較して制限され、実現可能なコストで利用可能な場合、より大量の「グリーン」資源に向かってさらに削減する可能性を含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
次に、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を例として記載する。
【
図1】カーボンフットプリントが低減された銑鉄を製造するための冶金プラント、又は銑鉄を製造するための冶金プラントを運転する際にカーボンフットプリントを低減する方法の、一実施形態の概略図である。
【0036】
本発明の更なる詳細及び利点は、添付の図面を参照して、いくつかの非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0037】
プラントには、一般に、0.05~5mm、例えば0.1~1mmの範囲の粒度分布を有する、低品位の鉄鉱石微粉が供給され、これは、事前凝集した超微粉粒子を含み得る。これに関連して、鉄鉱石微粉は、一般に、1,500~3,500kg/m3のかさ密度範囲を有する、様々な鉄含有量を有する、ヘマタイト、ゲーサイト、及びマグネタイトを含有することは、注目に値する。そのような鉄鉱石微粉は、還元ガスで流動化された時に部分還元を含む、本明細書に開示される方法に特によく好適である。一体化された鋼固体残留物が工程a)の供給原料に添加される場合、それらは、好ましくは鉄鉱石微粉の粒径と同様の粒径を有する。鉄鉱石微粉Aは、最初に、保管エリアから第一の電気予熱器10に搬送される。予熱は、任意選択的に熱回収システムと結合された、ジュール効果に基づく電気予熱器、又はマイクロ波加熱によって行われ、統合された製鋼所又は流動床反応器シンガスからの、利用可能な残留熱を利用する。
【0038】
次いで、予熱された鉄鉱石微粉Bは、チェーンコンベア又は空気搬送などの、微粉搬送に好適なハンドリング装置を介して、流動床投入システムに搬送され、流動床反応器50に供給される。流動床反応器50は、好ましくは循環型であり、流動床反応器の排出物Cは、好ましくは第二の電気予熱器20で(再)加熱された後に再循環され、熱交換及び滞留時間に関して、微粒子粒度分布のフレキシビリティの向上、及び最適なプロセス効率を可能にする。
【0039】
グリーン、若しくはブルー、若しくはグレー水素(又は、それらの混合物)Dは、流動床反応器50内の還元ガスJとして、使用することができる。水素D、他の(再循環)冶金プラントオフガス(複数可)H、シンガスI、又はそれらの混合物Jとの、完全な吸熱酸化鉄還元反応によって、鉄鉱石微粉だけでなく、好ましくは水素及び任意の他の冶金プラントオフガスも、流動床反応器50に供給される前に、1つ以上の更なる予熱器、10、20、30で、約800℃の温度まで予熱される。好ましい実施形態では、水素D及び流動床反応器の再循環排出物Cを予熱するために、第二の電気予熱器20が設けられ、任意選択的に、利用可能な製鋼ガスからの熱回収システムと結合され、第三の電気予熱器30が、浸漬型アーク炉のオフガス、及び任意の他の冶金プラントのオフガス(触媒又は非触媒改質反応器に供給される、高炉ガスを除く)を予熱するために設けられている。これにより、燃料として使用される、水素の消費量を低減することができる。
【0040】
流動床反応器50に供給される水素Dは、シンガスI、及び冶金プラントの他の(CO含有)オフガス(複数可)Hによって、部分的に置換することができる。一酸化炭素に富み、かつ一定量の水素を含む、前記シンガスは、触媒又は非触媒改質反応器又は改質器40で製造され、天然ガス及び/若しくはバイオメタンF、高炉ガスG、浸漬型アーク炉のオフガスO、及び/若しくは冶金プラントからの他のオフガスHと、使用される改質技術に応じて、空気若しくは酸素富化空気(自己熱改質、若しくは(触媒)部分酸化)、水蒸気(自己熱改質、若しくは水蒸気改質)若しくは二酸化炭素(乾式改質)Eとによって供給される(上記の反応(1)~(3)を参照のこと)。換言すれば、浸漬型アーク炉のオフガスO、及び/又は冶金プラントからの他のオフガスHが使用される場合、それらは、そのまま、又は事前の改質と共に、又はその両方で使用することができる。この「リサイクル」の主な利点は、水素消費量の低減であり、高炉ガスなどの限られた発熱量での、CO富化ガスの利用可能性を利用し、エネルギー生産よりも、還元プロセスで使用される効率を高めることができる。更に、流動床反応器50におけるCO含有シンガスの使用は、熱放出を伴う発熱性CO燃焼反応、及び部分還元鉄K又はL中に残存する特定の炭素含有量に起因して、プロセスに利益をもたらし、その結果、浸漬型アーク炉70における石炭/バイオ炭などの炭素質材料Mの消費量の低減、浸漬型アーク炉70におけるより効率的な還元プロセス、及び高温の部分還元鉄K又はLのハンドリングにおける制限された再酸化現象をもたらす。炭素質材料Mはまた、スラグ形成剤などの、更なる添加剤を含んでもよい。
【0041】
例えば、約60~70%に制限された予備還元金属化度を有する、微粉の形態の部分還元鉄Kは、再酸化現象を回避するために、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)中で、反応器から排出され搬送される。次いで、部分還元鉄微粉Kは、下流の電気アーク炉投入システムに取扱われる前に、それらの機械的特性を改善するために、浸漬型アーク炉70に直接供給されるか、又は好ましくは高温ブリケット化ユニット60で高温ブリケット化される。微粉又はブリケットとしての、浸漬型アーク炉への高温部分還元鉄投入の選択は、特定のプロジェクト条件(例えば、原材料の特徴、ユーティリティ、価格など)に依存し、浸漬型アーク炉の設計及び性能に影響を及ぼす。高温ブリケット化プロセスによって必要とされる場合(特定の装置のタイプに応じて)、600~650℃の温度で流動床反応器から排出される、高温部分還元鉄微粉は、例えば、(例えば、ジュール効果の概念、又はマイクロ波加熱に基づく)第三の電気ヒータを介して、700~750℃まで加熱することができる。有利な実施形態では、炭素質材料の少なくとも一部は、部分還元鉄と組合わせて又は混合して、電気アーク炉に供給することができる。炭素質材料の少なくとも一部をブリケット化還元鉄内に導入することが、特に有益である。実際、部分還元微粉を、石炭などの一定量の炭素質材料で、高温ブリケット化する概念は、製錬プロセスを最適化するのに有利である。炭素質材料非含有の、部分還元鉄微粉の高温ブリケット化と比較して、電気炉への適切な供給を促進するのに役立つこの有益な解決策は、以下を更に含んでもよい:
-炭素質材料(石炭など)のハンドリング、及び部分還元鉄との混合のための、不活性雰囲気中などの、追加のハンドリング装置の設置と、
-異なる入力供給物を処理するのに好適な、好ましくは修正された高温ブリケット加工機設計(例えば、サイズ、圧力など)と、
-任意選択的に、特定の部分的還元鉄微粉、及び炭素質材料特性(主に、温度、部分還元鉄の金属化度、炭素質材料の量など)に応じて、高温ブリケット化プロセスによって必要とされる場合には、炭素質材料予熱装置(例えば、200℃~400℃)。
【0042】
このような炭素質材料及び部分還元鉄のブリケット化は、炭素質材料と部分還元鉄微粉との混合物を、均質化及び圧縮することを可能にし、主に、石炭のキャリーオーバ、焼失、及びより粗い粒径に起因する、電気精錬所に充填される外部炭素質材料の効率の損失を制限する。
【0043】
ブリケット化システム(及び、場合によっては、その上流及び下流)は、好ましくは、部分還元鉄の望ましくない再酸化を回避するために、不活性雰囲気下で機能するように構成される。
【0044】
次いで、微粉K又はブリケットL(炭素質材料を含有するか否かに関わらず)の形態の、部分還元鉄を、約700℃で電気製錬所の浸漬型アーク炉タイプ70に高温投入し、そこで、還元完了及び製錬が、炭素質材料M(ブリケットLに含有され、及び/又は別々に添加される)によって行われる。
【0045】
完全に二酸化炭素非含有の銑鉄製造のために、提案された発明では、アンスラサイト又はコークスなどの、従来使用されている化石炭の代わりに、(ブリケットLの一部として、及び/又は別々に添加される)浸漬型アーク炉70内の炭素質材料M(還元剤)として、バイオ炭が使用される。バイオ炭は、最終的に、特定の割合の解体木材(最大40%)、及び廃プラスチック(最大20%)を含む、バイオマス焙焼プロセスによって製造することができる。バイオ炭の特性は、投入バイオマス及び焙焼プロセスの種類に依存し、いずれの場合にも、浸漬型アーク炉70への使用に好適である。
【0046】
浸漬型アーク炉70はまた、例えば、高炉又は塩基性酸素炉からのダスト及びスラッジ、ミルスケール、除塵ダストなどの、固体廃棄物注入Nとして、一定の割合の統合された製鋼所の固体残留物をリサイクルすることもできる。固形残留物のリサイクルは、埋め立ての回避、固体廃棄物の鉄、炭素、及び亜鉛含有量の回収により、本発明の適用の実現可能性及び環境上の利益を改善する。全浸漬型アーク炉投入原料の5%までの、残留物流量は、粒径100%<250ミクロンの、乾燥ダスト(水分<3%)の形態で、炉金属浴に直接注入することができる。湿潤及び/又は粗残留物は、電気浸漬型アーク炉注入の前に、乾燥機及び/又はミルで前処理する必要があるが、低水分及び微粉ダスト(例えば、ストックハウスダスト、BOFダスト)は、前処理なしで直接注入することができる。全浸漬型アーク炉投入原料の5%を超える、固体廃棄物注入流量の場合、追加の廃棄物は、混合、ペレット化又はブリケット化、及び乾燥プロセスに付随する、好適な低温凝集処理後に、乾燥ペレット又は低温ブリケットの形態で、上部に投入することができる。例えば、高炉スラッジ及びダストなどの、炭素含有固体残留物の場合、廃鉄鉱石の還元に追加のバイオ炭は必要なく、バイオ炭(又は石炭)消費量の全体的な節約を得ることができる。
【0047】
浸漬型アーク炉タイプの電気製錬所の運転のフレキシビリティは、最適ではない品質の部分還元鉄ブリケット、及び高温ブリケットのスクリーニングから生じる一定量の部分還元鉄ブリケット微粉も受け入れることを可能にし、これは、微粉の内部再循環を完全に又は部分的に回避する、高温ブリケット化プロセスの利用可能性を改善する。
【0048】
流動床50に供給される高温還元ガスJは、水素D、CO富化浸漬型アーク炉オフガスO、及び/又は他の再循環冶金プラントオフガス(複数可)H、並びに触媒又は非触媒改質反応器/改質器40で、天然ガス又はバイオメタンF、高炉ガスG、浸漬型アーク炉のオフガスO、他の冶金プラントからのオフガスHと、空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素Eとから製造されるシンガスIの、異なる割合の混合物であってもよい。この触媒又は非触媒改質反応器40の生成物は、例えば、一定量の水素又は他の再循環廃ガスを置換することによって、流動床反応器内の還元ガスJとして使用するのに適した、シンガスIである。この選択肢は、天然ガス又はバイオメタンF、及び高炉ガスG、浸漬型アーク炉のオフガスO、及び/又は冶金プラントHからの他のオフガスによって製造されたシンガスIで、一定量の水素Dを置換することにより、大きなOpEx利点を有することができる。
【0049】
提案された方法及び冶金プラントは、モジュール式サイズを有し、各流動床反応器50は、例えば、550ktyのDRIの最大生産量に達することができ、各浸漬型アーク炉70は、1.5Mtpyの高温銑鉄Pの最大サイズに達することができる。
【0050】
その後、高温鋳鉄Pは、鋳造ユニット80で、鋳鉄Qとして鋳造することができる。
【符号の説明】
【0051】
凡例:
10 第一の電気予熱器
20 第二の電気予熱器
30 第三の電気予熱器
40 改質反応器
50 流動床反応器
60 高温ブリケット化ユニット
70 浸漬型アーク炉
80 鋳造ユニット
A 鉄鉱石微粉
B 予熱された鉄鉱石微粉
C 流動床反応器の排出物
D 水素
E 空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素
F 天然ガス又はバイオメタン
G 高炉ガス
H 他の冶金プラントオフガス(複数可)
I シンガス
J(高温)還元ガス
K 部分還元鉄(微粉)
L 部分還元鉄(ブリケット)
M 炭素質材料(及び添加剤)
N 固体廃棄物注入
O 浸漬型アーク炉オフガス
P 高温金属/溶融銑鉄
Q 鋳造銑鉄
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銑鉄(P)を製造するための冶金プラントを運転する際のカーボンフットプリントを低減する方法であって、
a)ジュール効果に及び/又はマイクロ波加熱に基づいて、第一の電気予熱器(10)内で、600℃超の温度まで、鉄鉱石微粉(A)を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉(B)を得る工程と、
b)
還元剤としての高温還元ガス(J)
のみの存在下で、1つ以上の流動床反応器(50)内で、前記予熱された鉄鉱石微粉(B)を部分的に還元し、部分還元鉄(K、L)を得る工程と、
c)上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む浸漬型アーク炉(70)に、前記部分還元鉄(K、L)を供給する工程と、
d)炭素質材料(M)の存在下で、前記浸漬型アーク炉(70)内で、前記部分還元鉄(K、L)を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄(P)を得る工程と、を含み、
工程b)において、前記高温還元ガス(J)は、水素(D)、シンガス(I)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物を含み、前記シンガス(I)は、天然ガス又はバイオメタン(F)、高炉ガス(G)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントからの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物から、空気若しくは酸素富化空気、蒸気若しくは二酸化炭素(E)の存在下で、1つ以上の改質反応器(40)内で製造され、工程b)において、前記高温還元ガス(J)は、550℃超の温度を有し、工程b)において、前記部分還元鉄(K、L)は、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度を有する、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の流動床反応器(50)が、循環型である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素(D)が、第二の電気予熱器(20)内で予熱され、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、及び任意選択的に前記冶金プラントからの他のオフガス(H)が、第三の電気予熱器(30)内で予熱され、第二及び第三の予熱器の両方が、独立して、700℃超の温度への、ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱に基づく、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程d)における前記炭素質材料(M)が、任意選択的に、最大40重量%などの解体木材、及び/又は最大20重量%などの廃プラスチックを含む、バイオマスによって製造されたバイオ炭を含むか、又はバイオ炭からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鉄鉱石微粉(A)が、0.1~1mmの範囲の、粒度分布を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)が、部分還元鉄鉱石微粉(K)を高温ブリケット化して、ブリケット化された部分還元鉄(L)を得る工程を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記炭素質材料(M)が、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、高温ブリケット化中に前記ブリケット化された部分還元鉄(L)に導入され、工程d)において浸漬型アーク炉(70)に供給される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記冶金プラントの前記他のオフガス(H)が、コークス炉プラント、直接還元鉄プラント、及び塩基性酸素炉からのオフガスの1つ以上を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記予熱器(複数可)及び前記浸漬型アーク炉において、好ましくは前記方法の全ての工程において必要とされる、全ての電気エネルギーが、再生可能電気である、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
好ましくは請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実施することによって、カーボンフットプリントが低減された銑鉄(P)を製造するための、冶金プラントであって、
-ジュール効果及び/又はマイクロ波加熱基づいて、600℃超の温度で、鉄鉱石微粉(A)を予熱し、予熱された鉄鉱石微粉(B)にするように構成された、第一の電気予熱器(10)と、
-
還元剤としての熱還元ガス(J)
のみの存在下で、55~75%、好ましくは60~70%の金属化度まで、前記予熱された鉄鉱石微粉(B)を部分的に還元し、部分還元鉄(K、L)にするように構成された、1つ以上の流動床反応器(50)と;
-前記部分還元鉄(K、L)を受容し、炭素質材料(M)の存在下で、前記部分還元鉄(K、L)を更に還元及び溶融し、溶融銑鉄(P)を得るように構成された、上部スラグ層を有する溶融金属の浴を含む、浸漬型アーク炉(70)と、を備え、
前記冶金プラントは、1つ以上の改質反応器(40)を更に備え、前記改質反応器は、天然ガス若しくはバイオメタンのフィード(F)、高炉ガスのフィード(G)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)及び前記冶金プラントからの他のオフガス(H)の1つ以上のフィード、又はそれらの2つ以上の混合物のフィードと、空気又は酸素富化空気、水蒸気又は二酸化炭素(E)のフィードとから、シンガス(I)を生成するように構成され、前記冶金プラントは、水素のフィード(D)と、高温還元ガス混合装置であって、前記1つ以上の改質反応器(40)、及び前記水素(D)のフィード、及び任意選択的に、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)の及び前記冶金プラントの他のオフガス(H)の前記フィードの1つ以上、又はそれらの2つ以上の混合物のフィードの1つ以上と、上流で流体接続され、並びに前記1つ以上の流動床反応器(50)の入口と、下流で流体接続された、高温還元ガス混合装置と、を備え、前記高温還元ガス混合装置は、水素(D)、シンガス(I)、前記浸漬型アーク炉のオフガス(O)、前記冶金プラントの他のオフガス(H)、又はそれらの2つ以上の混合物を含む、550℃超の温度の、高温還元ガス(J)を供給するように構成された、冶金プラント。
【請求項11】
前記1つ以上の流動床反応器(50)が、循環型である、請求項
10に記載の冶金プラント。
【請求項12】
前記水素フィード(D)と前記高温還元ガス混合装置との間で流体接続された、ジュール効果および/またはマイクロ波加熱に基づく、第二の電気予熱器(20)と、前記浸漬型アーク炉の前記1つ以上のオフガス供給部(O)と任意選択的に前記冶金プラントの他のオフガス(H)との間で流体接続された、ジュール効果および/またはマイクロ波加熱に基づく、第三の電気予熱器(30)と、前記高温還元ガス混合装置とを備え、前記第二および第三の電気予熱器(20、30)は、関連するオフガス(複数可)及びシンガスを、700℃超の温度に予熱するように構成される、請求項
10又は11に記載の冶金プラント。
【請求項13】
前記炭素質材料(M)が、任意選択的に、最大40重量%などの解体木材を、及び/又は最大20重量%などの廃プラスチックを含む、バイオマスによって製造されたバイオ炭を含むか、又はバイオ炭からなる供給源から提供される、請求項
10~12のいずれかに記載の冶金プラント。
【請求項14】
部分還元鉄鉱石微粉(K)を、ブリケット化された部分還元鉄(L)にブリケット化するように構成された、高温ブリケット化装置を更に備える、請求項
10~13のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【請求項15】
前記冶金プラントが、コークス炉プラント、直接還元鉄プラント、高炉、及び塩基性酸素炉の1つ以上を備え、前記冶金プラントの前記他のオフガス(H)を供給する、請求項
10~14のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【請求項16】
前記予熱器(複数可)及び前記浸漬型アーク炉において、好ましくは前記冶金プラントの全ての電気装置において必要とされる、全ての電気エネルギーが、再生可能電気である、請求項
10~15のいずれか一項に記載の冶金プラント。
【国際調査報告】