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特表2024-537595ニトロソアミン不純物、ニトロソアミン不純物の生成を低減できるバレニクリン医薬組成物とその調製及び応用
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  • 特表-ニトロソアミン不純物、ニトロソアミン不純物の生成を低減できるバレニクリン医薬組成物とその調製及び応用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ニトロソアミン不純物、ニトロソアミン不純物の生成を低減できるバレニクリン医薬組成物とその調製及び応用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/55 20060101AFI20241008BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20241008BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20241008BHJP
   A01N 43/60 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K31/55
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/34
A61K47/12
A61K47/06
A61K47/46
A61K47/14
A61K47/44
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/20
A61K47/22
A61P1/04
A61P1/00
A61P17/00
A61P21/00
A61P29/00
A61P9/00
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/00
A61P25/18
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P9/12
A61P3/04
A61P1/14
A61P9/06
A61P35/00
A61P25/34
A61P25/30
A61P25/36
A61P25/06
A61P9/10
A61P25/08
C07D487/08 CSP
A61K9/20
A61K9/08
A61K9/10
A61P25/32
A01P7/02
A01N43/60 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507956
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2021122654
(87)【国際公開番号】W WO2021259396
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202110961274.7
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110997332.1
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519236848
【氏名又は名称】威智医薬股▲フン▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524049022
【氏名又は名称】山東威智百科薬業有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524049033
【氏名又は名称】山東威智中科薬業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100191204
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 春彦
(72)【発明者】
【氏名】魏彦君
(72)【発明者】
【氏名】バサヴァラージ・シダゴンナヴァル
(72)【発明者】
【氏名】李▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼中▲亜▼
(72)【発明者】
【氏名】裴慧
(72)【発明者】
【氏名】杜文峰
(72)【発明者】
【氏名】王建
(72)【発明者】
【氏名】孔猛
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼希望
(72)【発明者】
【氏名】▲しん▼▲艷▼平
(72)【発明者】
【氏名】徐青景
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4H011
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA16
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC03
4C076CC09
4C076CC11
4C076CC16
4C076CC18
4C076CC21
4C076CC27
4C076DD22Z
4C076DD23C
4C076DD26
4C076DD27
4C076DD28
4C076DD28C
4C076DD29
4C076DD34C
4C076DD38
4C076DD41C
4C076DD41Z
4C076DD42Z
4C076DD43Z
4C076DD46C
4C076DD51C
4C076DD57
4C076DD57C
4C076DD57Z
4C076DD59Z
4C076EE06H
4C076EE16
4C076EE16B
4C076EE23C
4C076EE27
4C076EE30
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4C076EE32
4C076EE32B
4C076EE38
4C076EE38B
4C076EE45
4C076EE53C
4C076EE58C
4C076FF61
4C076FF63
4C076FF67
4C086AA01
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4C086CB11
4C086GA13
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4C086MA03
4C086MA05
4C086MA16
4C086MA35
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4C086NA03
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4C086ZA02
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4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
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4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZA70
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB26
4C086ZC39
4H011AC04
4H011BB09
4H011DA13
4H011DE15
(57)【要約】
本発明は、ニトロソアミン不純物、ニトロソアミン不純物の生成を低減できるバレニクリン医薬組成物とその調製及び応用を開示する。本発明の医薬組成物は、第2級アミン化合物又はその組成物に薬学的に許容される酸を添加することによって、ニトロソアミン不純物の生成を効果的に低減・抑制し、第2級アミン化合物又はその組成物の安定性を向上させ、ニトロソアミンアミン遺伝毒性不純物の含有量を、安全要件を満たすような低いレベルまで抑えることができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2級アミン化合物と、薬学的に許容される酸とを含み、
前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第2級アミン化合物は塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンであることを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とモル比が1:(1~20)であることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(2~10)であることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物は、有効成分がバレニクリンであり、薬学的に許容される賦形剤を更に含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記薬学的に許容される賦形剤は、以下の(1)~(5)のいずれか1つ又は2つ以上を含む:
(1)希釈剤:前記希釈剤は、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム、マンニトール、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、デンプン、マルトデキストリン、寒天、及びグアーガムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(2)崩壊剤:前記崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスビドン、部分アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、アルファ化デンプン、アルファ化ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシル化メチルセルロースナトリウム、及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(3)流動化剤:前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、及びシリコンヒドロゲルのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(4)滑沢剤、前記滑沢剤:ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、鉱油、麦芽、モノステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(5)コーティング剤:前記コーティング剤はオパドライコーティング剤である、ことを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記薬学的に許容される賦形剤は、(1)~(4)又は(1)~(5)を同時に含むことを特徴とする、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物は固形製剤又は液体製剤であり、
前記医薬組成物は経口製剤であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記固形製剤が錠剤であることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
以下の試験条件で、前記医薬組成物は、pH値≦4であり、
前記医薬組成物が固形製剤である場合、前記試験条件は、前記医薬組成物をpH=6±0.1の水と混合して、濃度が20%~30%である分散液を形成し、得られるpH値を測定し、
前記医薬組成物が液体製剤である場合、前記試験条件は、前記液体製剤の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体製剤の濃度が20%~30%であり、得られるpH値を測定することを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
以下の試験条件で、前記医薬組成物のpH値が1~4であり、
前記医薬組成物が固形製剤である場合、前記試験条件は、前記医薬組成物をpH=6±0.1の水と混合して、濃度が20%~30%である分散液を形成し、得られるpH値を測定し、
前記医薬組成物が液体製剤である場合、前記試験条件は、前記液体製剤の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体製剤の濃度が20%~30%であり、得られるpH値を測定することを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記薬学的に許容される酸は、固体酸又は液体酸であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であることを特徴とする、請求項14に記載の医薬組成物
【請求項16】
前記薬学的に許容される酸は、固体酸であることを特徴とする、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記薬学的に許容される酸は、酒石酸であることを特徴とする、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬組成物は、下記の重量部を有する成分を含むことを特徴とする、請求項8に記載の医薬組成物:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤100~250重量部、
崩壊剤2~10重量部、
流動化剤0~5重量部、
滑沢剤0~5重量部、
薬学的に許容される酸0.01~15重量部。
【請求項19】
前記的医薬組成物は、下記の重量部を有する成分を含むことを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤184.47重量部、
崩壊剤4重量部、
流動化剤0.6重量部、
滑沢剤5重量部、
薬学的に許容される酸1.71~3.42重量部。
【請求項20】
前記医薬組成物は、以下のいずれかの配合であることを特徴とする、請求項19に記載の医薬組成物:
メソッド1:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される。
酒石酸バレニクリン1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部、
メソッド2:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
酒石酸バレニクリン1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部、
メソッド3:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
酒石酸バレニクリン1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部、
オパドライ ホワイト又はオパドライ ブルー6重量部、
メソッド4:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
酒石酸バレニクリン1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部、
オパドライ ホワイト又はオパドライ ブルー6重量部。
【請求項21】
前記医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量が7.5ppm以下であり、
前記ニトロソアミン不純物が、
【化1】
であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量が5.0ppm以下であることを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量が4.0ppm以下であることを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量が3.0ppm以下であることを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法であって、
全ての成分を混合して造粒し、錠剤に圧縮し、
その後、必要に応じてコーティングして得ることを含むことを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
【請求項26】
前記製造方法は、以下の工程を含む:
コロイド状二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酒石酸バレニクリン、及び前記薬学的に許容される酸を40メッシュの篩に通し、均一に混合し、
微結晶セルロース、部分アルファ化コーンスターチ及び粒内部分のステアリン酸を更に加え、均一に混合して、造粒し、
粒外部分のステアリン酸を更に加え、均一に混合して、錠剤に圧縮し、
必要に応じて、コーティングして得ることを特徴とする、請求項25に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項27】
前記造粒は、乾式造粒又は湿式造粒であり、
前記錠剤に圧縮する方法は、直接打錠法であることを特徴とする、請求項26に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項28】
請求項1~24のいずれか1項に記載の医薬組成物の医薬品の製造における応用であって、
前記医薬品は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニア、慢性痛、急性痛、セリアック病、嚢炎、血管収縮、不安、恐狂症、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症、認知機能障害、アルコール、バルビツレート系薬物、ビタミン欠乏症、レクリエーショナルドラッグ、鉛、ヒ素又は水銀に起因する認知障害、アルツハイマー病、老人性認知症、血管性認知症、パーキンソン病、多発性硬化症、エイズ、脳炎、外傷、肝腎性脳症、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群、前頭前野又は皮質下の認知症による認知障害、高血圧、過食症、拒食症、肥満、不整脈、胃酸過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン系、バルビツレート系、オピオイド系又はコカインの化学物質への依存と中毒、頭痛、片頭痛、脳卒中、外傷性脳損傷、強迫症、精神病、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、多動性障害、ディスレクシア、統合失調症、多発梗塞性認知症、加齢に伴う認知機能低下、てんかん、注意欠如・多動症又はトゥレット症候群という疾患の予防及び/又は治療に使用されることを特徴とする、医薬組成物の医薬品の製造における応用。
【請求項29】
前記医薬品は以下の条件a~cのいずれかを満たすことを特徴とする、請求項28に記載の医薬組成物の医薬品の製造における応用:
a.前記医薬品は、ニコチンの依存症、中毒症、又は離脱症状の治療に使用され、
b.前記医薬品は、タバコ製品の依存症、中毒症、又は離脱症状の治療に使用され、
c.前記医薬品は禁煙薬である。
【請求項30】
薬学的に許容される酸の、第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用であって、前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であることを特徴とする、薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項31】
以下の条件Ia~Icのうちの1つ又は2つ以上を満たすことを特徴とする、請求項30に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用:
Ia.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であり、
Ib.前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩であり、
Ic.前記薬学的に許容される酸は、固体酸又は液体酸であり、前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
Id.前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値≦4となる量であり、前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定する。
【請求項32】
前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値が1~4となる量であり、
前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、
前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、
前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定することを特徴とする、請求項31に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項33】
条件Ia~Idを同時に満たすことを特徴とする、請求項31に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項34】
以下の条件IIa~IIcのうちの1つ又は2つ以上を満たすことを特徴とする、請求項31に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用:
IIa.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(1~20)であり、
IIb.前記第2級アミン化合物が塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンであり、
IIc.前記薬学的に許容される酸が固体酸である。
【請求項35】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(2~10)であり、
前記薬学的に許容される酸が酒石酸である、ことを特徴とする、請求項34に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項36】
条件IIa~IIcを同時に満たすことを特徴とする、請求項34に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項37】
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減とは、
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化による
【化2】
の生成を抑制又は低減することであることを特徴とする、請求項34に記載の薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項38】
第2級アミン化合物又はその組成物を薬学的に許容される酸と均一に混合すればよく、
前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であることを特徴とする、第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項39】
第2級アミン化合物又はその組成物に、薬学的に許容される酸を加え、均一に混合することを含むことを特徴とする、請求項38に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項40】
前記第2級アミン化合物の組成物は、請求項1~24のいずれか1項に記載の薬学的組成物における、薬学的に許容される酸以外の全ての成分を含む、ことを特徴とする、請求項38に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項41】
以下の条件Ia~Icのうちの1つ又は2つ以上を満たすことを特徴とする、請求項38に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法:
Ia.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であり、
Ib.前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩であり、
Ic.前記薬学的に許容される酸が固体酸又は液体酸であり、前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
Id.前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値≦4となる量であり、前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定する。
【請求項42】
前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値が1~4となる量であり、
前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、
前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、
前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定することを特徴とする、請求項41に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項43】
条件Ia~Idを同時に満たすことを特徴とする、請求項41に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項44】
以下の条件IIa~IIcのうちの1つ又は2つ以上を満たすことを特徴とする、請求項41に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法:
IIa.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(1~20)であり、
IIb.前記第2級アミン化合物が塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンであり、
IIc.前記薬学的に許容される酸が固体酸である。
【請求項45】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(2~10)であり、
前記薬学的に許容される酸が酒石酸であることを特徴とする、請求項44に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項46】
条件IIa~IIcを同時に満たすことを特徴とする、請求項44に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項47】
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減することは、前記第2級アミン化合物のニトロサミン化による
【化3】
の生成を抑制又は低減することであることを特徴とする、請求項44に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項48】
下記式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物。
【化4】
【請求項49】
下記式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の殺虫剤としての応用。
【化5】
【請求項50】
前記殺虫剤は、ニセナミハダニを防除する殺虫剤であることを特徴とする、請求項49に記載の式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の殺虫剤としての応用。
【請求項51】
式P08で表される化合物が標準物質、参照物質又は検出項目としての、第2級アミン化合物の原薬又は製剤の不純物研究、品質管理もしくは検出方法における応用であって、
【化6】
前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であり、
前記検出方法は液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法であることを特徴とする、式P08で表される化合物の応用。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年8月20日に出願された中国特許出願2021109612747、及び2021年8月27日に出願された中国特許出願2021109973321に基づく優先権を主張し、中国特許出願CN2021109612747とCN2021109973321に記載された全ての記載内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は医薬品の分野に関し、特に、ニトロソアミン不純物、ニトロソアミン不純物の生成を低減できるバレニクリン医薬組成物とその調製及び応用に関する。
【背景技術】
【0003】
アリール縮合アザ多環化合物であるバレニクリン(Varenicline)は、コリン作動性を調節し、商品名がChantix(登録商標)又はChampix(登録商標)である酒石酸塩として販売されており、神経細胞性ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位と結合することができ、以下の疾患に用いることができる:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、及びクローン病(Crohn’s disease)を含むが、これらに限定されるものではない)、過敏性腸症候群、痙性ジストニア、慢性痛、急性痛、セリアック病(celiac sprue)、嚢炎(pouchitis)、血管収縮、不安、パニック障害(panic disorder)、うつ病、双極性障害(bipolar disorder)、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ(jet lag)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知障害、薬物/毒素による認知障害(例えば、アルコール、バルビツレート系薬物、ビタミン欠乏症、レクリエーショナルドラッグ(recreational drug)、鉛、ヒ素、水銀に起因する)、病気による認知障害(例えば、アルツハイマー病(若年性アルツハイマー病)、血管性認知症(vascular dementia)、パーキンソン病、多発性硬化症、AIDS、(大)脳炎、外傷、腎性脳症及び肝性脳症、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群、前頭葉(frontal)及び皮質下認知症(subcortical dementia)に起因する)、高血圧、過食症、拒食症、肥満症、不整脈、胃酸過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺(progressive supramuscular palsy)、化学物質への依存と中毒(例えば、ニコチン(及び/又はタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツレート系、オピオイド又はコカインへの依存及び中毒)、頭痛、片頭痛、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、運動亢進、失読症、統合失調症、多発性硬化症認知症、加齢に伴う認知機能低下、プチ・マル発作を含むてんかん、注意欠如・多動症(ADHD)、トゥレット症候群(Tourette’s Syndrome)の治療に用いられる。特に、禁煙治療を含むニコチンへの依存症、中毒症、離脱症状の治療で使用されている(CN1509174Aを参照)。
【0004】
ニトロソアミン化合物は、ニトロソ(N(R1)(R2)-N=O)構造を含み、特定の動物の遺伝毒性物質であり、国際がん研究機関(IARC)によって、ヒト発がん物質の可能性がある、又は潜在的なものとしてリストされているものもある。これらのニトロソアミン化合物は、医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization、ICH)のガイダンス文書M7(R1)では「懸念グループ」化合物として、医薬品におけるDNA反応性(突然変異)不純物を評価及び制御しながら、潜在的ながんリスクを抑制する(2018年3月)。ICHガイドラインでは、ニトロソアミン化合物を含む既知の突然変異/発がん物質の摂取をヒトの発がんリスクが無視できる程度に抑制することを推奨している。
【0005】
現在、7つのニトロソアミン不純物が米国食品医薬品局(FDA)によって特定されている。これらの不純物は、ニトロソアミンを形成させる可能性のある製造プロセスや材料を使用したため、理論的には、医薬品中に存在する可能性がある。7つの不純物は、N,N-ジメチルニトロソアミン(NDMA)、N-ニトロソジエチルアミン(NDEA)、N-ニトロソ-N-メチル-4-アミノ酪酸(NMBA)、N-ニトロソイソプロピルエチルアミン(NIPEA)、N-ニトロソジイソプロピルアミン(NDIPA)、N-ニトロソジブチルアミン(NDBA)、及びN-ニトロソメチルアニリン(NMPA)である。そのうちの5つの不純物(NDMA、NDEA、NMBA、NIPEA、NMPA)は、実際に原薬や医薬品から検出されていた。
【0006】
例えば、FDA試験のある予備結果では、一部のラニチジン製品におけるNDMAの含有量が許容レベルを超えていることを示した。近年、FDAにより、NDMA不純物が含まれたメトホルミン製品も発見され、NDMA含有量がFDAの推奨許容摂取量を超えたものも検出された。
【0007】
現在、技術的手段を通じてこれらのニトロソアミン不純物の生成を抑制する研究が行われている。例えば、CN109748905Aでは、サルタン原薬におけるNDMA及びNDEAの含有量を低減させるよう、亜硝酸ナトリウムの代わりに過酸化水素を使用した。CN111686087Aでは、粉末混合直接圧縮工程において、胃溶性フィルムコーティングプレミックスを用いてコーティングすることで、製造中に生じる過剰な熱を回避し、NDMAの発生リスクを低減している。CN113081990Aでは、原薬であるメトホルミン塩酸塩における不純物であるジメチルアミン、及び賦形剤であるヒプロメロースにおける不純物である亜硝酸塩の含有量を抑制することで、遺伝毒性不純物であるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)を抑制している。
【0008】
特に本発明に関しては、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩、結晶形、溶媒和物、組成物、製剤、及びその他の医薬化合物については、ニトロソアミン不純物の含有量が基準値を超えている可能性がある。
【0009】
従って、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩、結晶形、溶媒和物、組成物、製剤、及び他の医薬化合物におけるニトロソアミン不純物を検出し、抑制することも必要である。
【0010】
本発明は上記のことを鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来技術の問題点及び/又は不足に対し、ニトロソアミン不純物の生成を低減できる第2級アミン化合物(バレニクリン又はその薬学的に許容される塩)の医薬組成物を提供することを目的とする。該医薬組成物は、第2級アミン化合物又はその組成物に薬学的に許容される酸を添加することによって、ニトロソアミン不純物の生成を効果的に低減・抑制し、第2級アミン化合物又はその組成物の安定性を向上させ、ニトロソアミンアミン遺伝毒性不純物の含有量を、安全要件を満たすような低いレベルまで抑えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る医薬組成物は、第2級アミン化合物と、薬学的に許容される酸とを含み、前記第2級アミン化合物は、バレニクリン(互変異性体、立体異性体などを含む)又はその薬学的に許容される塩である。
【0013】
また、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記第2級アミン化合物はバレニクリンの薬学的に許容される塩である。好ましくは、前記第2級アミン化合物は塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンである。
【0014】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)(例えば、モル比が1:0.05、1:0.1、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30又は1:40等)である。好ましくは、前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(1~20)であり、より好ましくは、前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(2~10)である。
【0015】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、好ましくは、前記医薬組成物の有効成分がバレニクリンである。
【0016】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を更に含む。
【0017】
好ましくは、前記薬学的に許容される賦形剤は、以下の(1)~(5)のいずれか1つ又は2つ以上を含む。
【0018】
(1)希釈剤:前記希釈剤は、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム(無水物、水和物を含む)、マンニトール、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、デンプン、マルトデキストリン、寒天、及びグアーガムのうちから選択される1つ又は2つ以上である。好ましくは、前記希釈剤には微結晶セルロース及び/又は無水リン酸水素カルシウムが含まれる。より好ましくは、前記希釈剤は微結晶セルロース及び無水リン酸水素カルシウムである。更に好ましくは、前記有効成分と前記希釈剤の重量比が1:(100~300)であり、1:(150~250)であることが好ましく、1:(184~195)であることがより好ましい。
【0019】
(2)崩壊剤:前記崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスビドン、部分アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、アルファ化デンプン、アルファ化ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシル化メチルセルロースナトリウム、及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちから選択される1つ又は2つ以上である。好ましくは、前記崩壊剤は部分アルファ化デンプンである。より好ましくは、前記有効成分と前記崩壊剤の重量比が1:(1~10)であり、1:(2~6)であることが好ましく、1:(3.5~4.5)であることがより好ましい。例えば1:4である。
【0020】
(3)流動化剤:前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、及びシリコンヒドロゲルのうちから選択される1つ又は2つ以上である。好ましくは、前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。より好ましくは、前記有効成分と前記流動化剤の重量比は1:(0.1~8)であり、1:(0.2~5)であることが好ましく、1:(0.5~2.5)であることがより好ましく、1:(0.8~2)であることが特に好ましく、例えば1:0.8、1:1又は1:2である。
【0021】
(4)滑沢剤:前記滑沢剤は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、鉱油、麦芽、モノステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムのうちから選択される1つ又は2つ以上である。好ましくは、前記滑沢剤はステアリン酸又はステアリン酸塩であり、前記ステアリン酸塩はステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸ナトリウムである。より好ましくは、前記有効成分と前記滑沢剤との重量比は1:(0.1~8)であり、1:(0.2~5)であることが好ましく、1:(0.5~2.5)であることがより好ましく、1:(1~2)であることが特に好ましく、例えば1:1、1:1.4又は1:2である。
【0022】
(5)コーティング剤:好ましくは、前記コーティング剤はオパドライコーティング剤であり、例えば、白、青、黄、赤、緑、オレンジのオパドライコーティング剤である。より好ましくはOpadry(登録商標) White及び/又はOpadry(登録商標) Blueである。
【0023】
より好ましくは、前記薬学的に許容される賦形剤は、(1)~(4)又は(1)~(5)を同時に含む。
【0024】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は固形製剤又は液体製剤である。好ましくは、前記固形製剤は、素錠又はコーティング錠等の錠剤である。
【0025】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は経口製剤である。
【0026】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、以下の試験条件で、前記医薬組成物は、pH値≦4である。好ましくは、pH値が1~4であり、例えば1、1.5、2、2.5、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9又は4等である。
【0027】
前記医薬組成物が固形製剤である場合、前記試験条件は、前記医薬組成物をpH=6±0.1の水と混合して、濃度が20%~30%(即ち、0.2g/ml~0.3g/ml、例えば0.2g/ml)である分散液を形成し、得られるpH値を測定する。
【0028】
当前記医薬組成物が液体製剤である場合、前記試験条件は、前記液体製剤の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体製剤の濃度が20%~30%(g/ml)(例えば、20%)であり、得られるpH値を測定する。
【0029】
上記pH値の試験条件は医薬組成物に限定されるものではなく、上記の試験条件で測定したpH値が上記記載の値と同一又は誤差範囲内であれば、本発明の保護範囲内に該当する。
【0030】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記薬学的に許容される酸は固体酸又は液体酸である。
【0031】
好ましくは、前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上である。前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上である。
【0032】
より好ましくは、前記薬学的に許容される酸は固体酸である。更に好ましくは、前記薬学的に許容される酸は、酒石酸(L-(+)-酒石酸又はD-(-)-酒石酸)である。
【0033】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は、下記の重量部を有する成分を含む:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤100~250重量部、
崩壊剤2~10重量部、
流動化剤0~5重量部、
滑沢剤0~5重量部、
薬学的に許容される酸0.01~15重量部。
【0034】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は、下記の重量部を有する成分から構成される:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤100~250重量部、
崩壊剤2~10重量部、
流動化剤0~5重量部、
滑沢剤0~5重量部、
薬学的に許容される酸0.01~15重量部。
【0035】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は、下記の重量部を有する成分を含む:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤184.47重量部、
崩壊剤4重量部、
流動化剤0.6重量部、
滑沢剤5重量部、
薬学的に許容される酸1.71~3.42重量部。
【0036】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物は、以下のいずれかの配合である。
【0037】
メソッド1:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部。
【0038】
メソッド2:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部。
【0039】
メソッド3:
前記医薬組成物、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部、
オパドライ-ホワイト(Opadry White プレミックス)又はオパドライ-ブルー(Opadry Blue プレミックス)6重量部。
【0040】
メソッド4:
前記医薬組成物、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水炭酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部、
オパドライ-ホワイト(Opadry White プレミックス)又はオパドライ-ブルー(Opadry Blue プレミックス)6重量部。
【0041】
更に、上記いずれかの技術案(医薬組成物)において、前記医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量は、7.5ppm以下(例えば、7.4ppm、7.3ppm、7.2ppm、7.1ppm、7.0ppm、6.9ppm、6.8ppm、6.7ppm、6.6ppm、6.5ppm、6.4ppm、6.3ppm、6.2ppm、6.1ppm、6.0ppm、5.9ppm、5.8ppm、5.7ppm、5.6ppm、5.5ppm、5.4ppm、5.3ppm、5.2ppm、5.1ppm、5.0ppm、4.9ppm、4.8ppm、4.7ppm、4.6ppm、4.5ppm、4.4ppm、4.3ppm、4.2ppm、4.1ppm、4.0ppm、3.9ppm、3.8ppm、3.7ppm、3.6ppm、3.5ppm、3.4ppm、3.3ppm、3.2ppm、3.1ppm、3.0ppm、2.9ppm、2.8ppm、2.7ppm、2.6ppm、2.5ppm、2.4ppm、2.3ppm、2.2ppm、2.1ppm又は2.0ppm等)である。例えば、7.4ppm以下、7.3ppm以下、7.2ppm以下、7.1ppm以下、7.0ppm以下であり、6.9ppm以下、6.8ppm以下、6.7ppm以下、6.6ppm以下、6.5ppm以下、6.4ppm以下、6.3ppm以下、6.2ppm以下、6.1ppm以下、6.0ppm以下であり、5.9ppm以下、5.8ppm以下、5.7ppm以下、5.6ppm以下、5.5ppm以下、5.4ppm以下、5.3ppm以下、5.2ppm以下、5.1ppm以下、5.0ppm以下であり、4.9ppm以下、4.8ppm以下、4.7ppm以下、4.6ppm以下、4.5ppm以下、4.4ppm以下、4.3ppm以下、4.2ppm以下、4.1ppm以下、4.0ppm以下、3.9ppm以下、3.8ppm以下、3.7ppm以下、3.6ppm以下、3.5ppm以下、3.4ppm以下、3.3ppm以下、3.2ppm以下、3.1ppm以下、3.0ppm以下であり、2.9ppm以下、2.8ppm以下、2.7ppm以下、2.6ppm以下、2.5ppm以下、2.4ppm以下、2.3ppm以下、2.2ppm以下、2.1ppm以下又は2.0ppm以下である。
【0042】
更に、前記ニトロソアミン不純物は、
【化1】
である。
【0043】
本発明は、上記いずれか1項に記載の医薬組成物の調製方法を更に提供し、以下の工程を含む。即ち、全ての成分を混合して造粒し、錠剤に圧縮する。その後、必要に応じてコーティングして得る。
【0044】
好ましくは、前記製造方法は、以下の工程を含む:コロイド状二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、酒石酸バレニクリン、及び薬学的に許容される酸を40メッシュの篩に通して均一に混合する。次に、微結晶セルロース、部分アルファ化コーンスターチ、及び粒内部分のステアリン酸を更に加え、均一に混合し、造粒する。そして、粒外部分のステアリン酸を更に加え、均一に混合し、錠剤に圧縮する。その後、必要に応じて、コーティングして得る。
【0045】
より好ましくは、前記造粒は、乾式造粒又は湿式造粒である。前記錠剤に圧縮する方法は、直接打錠法である。
【0046】
本発明は、上記メソッドのいずれかに記載の医薬組成物の医薬品の製造における応用を提供する。前記医薬品は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニア、慢性痛、急性痛、セリアック病、嚢炎、血管収縮、不安、恐狂症、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症、認知機能障害、アルコール、バルビツレート系薬物、ビタミン欠乏症、レクリエーショナルドラッグ、鉛、ヒ素又は水銀に起因する認知障害、アルツハイマー病、老人性認知症、血管性認知症、パーキンソン病、多発性硬化症、エイズ、脳炎、外傷、肝腎性脳症、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群、前頭前野又は皮質下の認知症による認知障害、高血圧、過食症、拒食症、肥満、不整脈、胃酸過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン系、バルビツレート系、オピオイド系又はコカインの化学物質への依存と中毒、頭痛、片頭痛、脳卒中、外傷性脳損傷、強迫症、精神病、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、多動性障害、ディスレクシア、統合失調症、多発梗塞性認知症、加齢に伴う認知機能低下、てんかん(プチ・マル発作)、注意欠如・多動症又はトゥレット症候群という疾患の治療及び/又は予防に使用される。
【0047】
好ましくは、前記医薬品は次の条件a~cのいずれかを満たす:
a.前記医薬品は、ニコチンの依存症、中毒症、又は離脱症状の治療に使用される。
b.前記医薬品は、タバコ製品の依存症、中毒症、又は離脱症状の治療に使用される。
c.前記医薬品は禁煙薬である。
【0048】
本発明は更に、新たな応用(用途)を提供することを目的としている。
【0049】
具体的な技術案として、薬学的に許容される酸の、第2級アミン化合物のニトロサミン化(ニトロサミン化とは、第2級アミン構造がニトロサミン化されニトロソアミン構造を生成することを意味する)の抑制又は低減における応用であり、ここで、前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩である。
【0050】
本発明は更に、第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法を提供する。具体的に、第2級アミン化合物又はその組成物を薬学的に許容される酸と均一に混合すれば良い。ここで、前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩である。
【0051】
更に、前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法は、第2級アミン化合物又はその組成物に、薬学的に許容される酸を加えて、均一に混合することを含む。
【0052】
更に、前記第2級アミン化合物の組成物は、前述いずれかに記載の薬学的組成物における、薬学的に許容される酸以外の全ての成分を含む。
【0053】
更に、前記薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用、及び前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法は、独立して、以下の条件Ia~Icのうちの1つ又は2つ以上を満たす(例えば:単独に条件Iaを満たす、単独に条件Ibを満たす、単独に条件Icを満たす等)。
【0054】
Ia.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸のモル比が1:0.01~50(例えば、モル比が1:0.05、1:0.1、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30又は1:40等)である。
Ib.前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩である。
Ic.前記薬学的に許容される酸は、固体酸又は液体酸である。前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上である。前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上である。
Id.前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値≦4となる量である。前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、好ましくは、pH値が1~4であり、例えば1、1.5、2、2.5、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9又は4等である、前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%(例えば20%)の分散液を形成し、得られたpH値を測定する。前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%(例えば20%)であり、得られたpH値を測定する。
【0055】
好ましくは、前記薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用、及び前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法は、独立して、以下の条件IIa~IIcのうちの1つ又は2つ以上を満たす(例えば:単独に条件IIaを満たす、単独に条件IIbを満たす、単独に条件IIcを満たす等)。
【0056】
IIa.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(1~20)である。前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(2~10)であることがより好ましい。
IIb.前記第2級アミン化合物は塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンである。
IIc.前記薬学的に許容される酸は、固体酸である。前記薬学的に許容される酸は、酒石酸(L-(+)-酒石酸又はD-(-)-酒石酸)であることがより好ましい。
【0057】
前記薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用、及び前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法は、独立して、条件Ia~Id又はIIa~IIcを同時に満たすことがより好ましい。
【0058】
更に、前記薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用、及び前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法において、前記第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減させることとは、前記第2級アミン化合物のニトロサミン化による
【化2】
の生成を抑制又は低減させることである。
【0059】
本発明は、下記の式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。
【化3】
【0060】
本発明は更に、下記の式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の殺虫剤としての応用を提供する。
【化4】
【0061】
上記の式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の殺虫剤としての応用において、前記殺虫剤は、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)を防除する殺虫剤である。
【0062】
本発明は更に、下記の式P08で表される化合物が標準物質、参照物質又は検出項目としての、第2級アミン化合物の原薬又は製剤の不純物研究、品質管理もしくは検出方法における応用を提供する。ここで、前記第2級アミン化合物はバレニクリン又はその薬学的に許容される塩であり、前記検出方法は液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法である。
【化5】
【0063】
当該分野の常識に基づいて、上記の好ましい条件を任意に組み合わせれば、本発明の好ましい例を得ることができる。
【0064】
本発明で使用される試薬及び原料はいずれも市販の物である。
【0065】
本発明の主な効果として、本発明の医薬組成物は、第2級アミン化合物(バレニクリン又はその薬学的に許容される塩)又はその組成物に薬学的に許容される酸を添加することにより、ニトロソアミン不純物の生成を効果的に低減し、抑制することができる。これにより、第2級アミン化合物又はその組成物の安定性が向上し、ニトロソアミン遺伝毒性不純物の含有量が低レベルに抑えられる。よって、安全性要件及び医薬品規制を満たし、患者の薬物安全性をより確実に確保することができる。
【0066】
本発明は、当該分野における技術常識や慣用技術を用いて、本発明の基本的な技術的思想を逸脱することなく、その他の様々な変形、置き換え、変更も可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1図1は、化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06を高速液体クロマトグラフィーで検出したクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、実施例を用いて本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。下記の実施例において、特に条件を明記していない実験方法については、従来の方法や条件、又は製品の説明書に従って選択する。
【0069】
[実施例1]
【表1】
【0070】
ここで、バレニクリン酒石酸塩1.71mg/錠は、バレニクリン1mg/錠に換算できる。つまり、各錠剤には1mgの有効成分(バレニクリン)が含まれており、1mg素錠(又は1mgコーティング錠など)と表してもよい。一方、0.5mgの錠剤は1mgの錠剤を基準に各成分の量を半分に減らしたものであった。上記の配合では、微結晶セルロースと無水リン酸水素カルシウムが希釈剤として、部分アルファ化コーンスターチが崩壊剤として、コロイド状二酸化ケイ素が流動化剤として、ステアリン酸が滑沢剤として、L-(+)-酒石酸が酸性度調整剤(又はpH調整剤と称す)として、精製水がコーティング溶媒として、それぞれ使用された。
【0071】
製造方法(バッチ毎13万錠)、以下のステップを含む。
【0072】
(1)選別及び混合
a.コロイダルシリカ(PartI)と無水リン酸水素カルシウム(PartI)を40メッシュの篩に通し、アンローダー(直径1.2mm、速度400±10r/min)で選別した後、ミキサー(回転速度:15r/min)に加入して、2分間撹拌した。
b.酒石酸バレニクリンを40メッシュの篩に通し、アンローダー(直径1.2mm、速度800±15r/分)で選別した後、上記のミキサーに加入して、引き続き10分間撹拌した。
c.コロイダルシリカ(PartII)、無水リン酸水素カルシウム(PartII)及びL-(+)-酒石酸を40メッシュの篩に通して、アンローダー(直径1.2mm、速度400±15r/min)で選別した後、上記のミキサーに加入して、引き続き10分間撹拌した。
d.微結晶セルロース、部分アルファ化コーンスターチ、ステアリン酸(粒内部分)をアンローダー(直径1.2mm、速度100±5r/min)で選別した後、上記のミキサーに加入して、引き続き10分間撹拌した。
【0073】
(2)乾式造粒
上記の混合物を乾式造粒機LGS120で造粒した。具体的なパラメータは次のとおりである。スクリーン:1.0mm。送り速度:20~30rpm。ドラム速度:10±2rpm。ロールギャップ:0.5~3.0mm。油圧:60~70bar。回転数:100~140rpm。
【0074】
(3)ファイナルミックス
上記造粒により得られた粒子とステアリン酸(粒外部分)をミキサー(回転数15r/min)に加入して、10分間撹拌して最終混合物を得た。
【0075】
(4)打錠(1mgの素錠Aを得た)
上記最終混合物に打錠し、具体的なパラメータを表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
(5)コーティング(1mgの白コーティング錠Aを製造した)
オパドライ ホワイト(Opadry White プレミックス)を所定の配合比率で精製水に加え、均一に混合してコーティング分散液を得た。圧縮錠(素錠)をコーティング機でコーティングし、具体的なパラメータは以下の通り:
パン速度(Pan speed):3~12r/min、
給気/排気回転数(Inlet/outlet air rotating speed):1200/1600rpm、
給気温度(Inlet air temperature):60℃、
スプレイガン起動圧(Starting spray gun pressure):2.5±0.5bar、
霧化圧(Atomization pressure):2.0±0.5bar、
ラテックスチューブの直径(Latex tube diameter):4.00~5.00mm、
ペリスタルティックポンプ速度(Peristaltic pump rotating speed):20~50r/min。
【0078】
コーティング剤をオパドライ ブルー(Opadry Blue プレミックス)に変更した以外、その他の条件を変更せず、1mgの青コーティング錠Aを調製した。
【0079】
(6)アルミプラスチック包装。
【0080】
[実施例2]
配合B(規格1mg):L-(+)-酒石酸の用量を1.71mg/錠に変更した以外、その他の条件を変更しなかった。実施例1と同様の調製方法により、素錠B 1mg、白コーティング錠B 1mg、及び青コーティング錠B1mgを調製した。
【0081】
[実施例3]
配合Y(規格1mg):錠剤にL-(+)-酒石酸を添加しない以外、その他の条件を変更しなかった。実施例1と同様の調製方法により、素錠Y1mg、白コーティング錠Y1mg、及び青コーティング錠Y1mgを調製した。
【0082】
[実施例4]
調製したバレニクリン酒石酸塩錠剤を精製水に分散し(測定により、精製水のpH値=6.01)、濃度20%(g/ml)の分散液を形成し(100mlの溶液又は分散液には20gのバレニクリン酒石酸塩錠剤が含まれることを表す)、5分間の超音波処理を行った後、そのpH値を測定した。HPLC Q-Exactive-MS/MS(Vanquish HPLC Q-Exactive-MS/MS)を用いて、バレニクリン酒石酸塩錠剤におけるニトロソアミン不純物P08の含有量を検出した。
【化6】
【0083】
検出結果は表3~5に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
ここで、API(Active Pharmaceutical Ingredient):酒石酸バレニクリンの原薬である。
イニシャル:バレニクリン酒石酸塩錠剤を調製した直後に検出を行うこと。
高温試験:バレニクリン酒石酸塩錠剤を調製した後、60℃で一定の時間放置してから検出を行うこと(「中国薬局方」を参照)。
記号*:pH調整後の液体試料に対して検出を行うことを表す。
記号#:pH調整後の液体試料に対して高温試験を行った後検出を行うことを表す。
【0088】
[実施例5]
HPLC Q-Exactive-MS/MS(Vanquish HPLC Q-Exactive-MS/MS)法は、バレニクリン酒石酸塩錠剤におけるニトロソアミン不純物P08の定性的及び/又は定量的検出に使用され、方法論によって検証済みであった。検出結果は実施例4に示す。
【0089】
HPLC Q-Exactive-MS/MS のクロマトグラフィー条件及び質量分析条件の詳細については、表6に示す。
【0090】
【表6】
【0091】
1.溶液の調製
基準物質原液:ニトロソアミン化合物P08(純度98%以上)7.5mgを量り取り、100mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて溶解し定容した(定容溶液1A)。定容溶液1A1.0mlを取り、100mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて定容した(定容溶液1B)。定容溶液1B1.0mlを取り、20mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて定容し、基準物質原液を得た。
【0092】
基準物質溶液:基準物質原液1.0mlを取り、10mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて定容し、基準物質溶液を得た。
【0093】
試料溶液:酒石酸バレニクリン錠10錠を取り、10mlメスフラスコに入れ、精製水3ml及びアセトニトリル3mlを加え、30秒間超音波処理した後、アセトニトリルで標線まで希釈し、均一に混合した。
【0094】
試料標準添加溶液:酒石酸バレニクリン錠10錠を取り、10mlメスフラスコに入れ、精製水3ml及びアセトニトリル3mlを加え、30秒間超音波処理した後、標準物質原液1.0mlを更に加え、アセトニトリルを加え、標線まで定容し、均一に混合した。
【0095】
プラセボ溶液:プラセボ(有効成分を除いた錠剤に相当)1gを量り取り、10mlメスフラスコに入れ、精製水3ml及びアセトニトリル3mlを加え、30秒間超音波処理した後、アセトニトリルで標線まで希釈し、均一に混合した。
【0096】
プラセボ標準添加溶液:プラセボ1gを量り取り、10mlメスフラスコに入れ、精製水3ml、及びアセトニトリル3mlを加え、30秒間超音波処理した後、標準物質原液1.0mlを更に加え、アセトニトリルを加えて標線まで希釈し、均一に混合した。
ブランク:アセトニトリル。
【0097】
2.特異性
ブランク、標準溶液、試料溶液、プラセボ溶液、試料標準添加溶液、及びプラセボ標準添加溶液について、それぞれ試料注入して分析を行った。
【0098】
その結果は、標準溶液、試料溶液、及び標準添加溶液における対象物質の保持時間はいずれも約7.80minであり、対象物質のピーク位置に明らかな干渉がなく、分離度の要件を満たし、特異性が良好であることを示した。
【0099】
3.溶液安定性
標準物質溶液と試料溶液を室温に置き、0、2、4、6、8、10、12時間の間隔で試料注入して分析を行い、各時点とゼロ点におけるピーク面積比(ピーク面積変化率)を算出した。
【0100】
その結果は、12時間以内の標準物質溶液におけるニトロソアミン化合物P08のピーク面積変化率が12%未満であり、12時間以内の試料溶液におけるニトロソアミン化合物P08のピーク面積変化率が3.5%未満であることを示した。
【0101】
4.システム適合性
標準物質溶液について5回試料注入し分析を行い、算出した対象物質のピーク面積のRSDの結果が1.41%であり、システム適合性が良好であった。
【0102】
5.再現性
6つの試料溶液を並行して調製し、それぞれ、試料注入して分析を行った。その結果は、6つの試料溶液における不純物化合物P08の含有量のRSDが3.49%であり、合格基準を満たし、良好な再現性があることを示した。
【0103】
6.室内再現精度
2人の分析者が異なる時間に6つの試料溶液を量り、それぞれ試料注入し分析を行って、平均値とRSDを計算した。その結果は、RSD=5.93%であった。
【0104】
7.直線性
0.015ng/ml、0.38ng/ml、1.88ng/ml、3.77ng/ml、5.65ng/ml、18.83ng/ml、37.66ng/ml、753.2ng/mlの標準物質溶液をそれぞれ調製し、試料注入して分析した。対象物質の濃度(X)を横軸とし、ピーク面積(Y)を縦軸として、線形回帰を行い、線形方程式と線形相関係数rを算出した。
【0105】
その結果は、線形方程式:Y=462785X+1000000、線形相関係数r=0.9999、直線性が良好であり、0.015ng/ml~753.2ng/mlの濃度範囲内で直線性が良好であることを示した。
【0106】
8.真度
その結果は、試料標準添加溶液の回収率が85%~95%であり、RSDが2.03%であり、合格基準を満たし、真度が良好であることを示した。
【0107】
9.検出限界(LOD)
LOD=13.2ppb、対象ピークの平均S/N(信号対雑音比)は75.94であり、3を超える要件を満たし、高感度な方法であった。
【0108】
10.定量限界(LOQ)
LOQ=17.6ppb、対象ピークの平均S/Nは103.35であり、10を超える要件を満たし、高感度な方法であった。
【0109】
11.耐久性
クロマトグラフィーカラムの温度が±2℃変化した場合の結果から、該方法の耐久性が良好であることが判明した。
【0110】
下記の式に従って、試料におけるニトロソアミン不純物化合物P08の含有量を算出した。
C(ppm)=試料溶液におけるP08濃度(ng/ml)/試料溶液における酒石酸バレニクリン濃度(mg/ml)
【0111】
[実施例6]
ニトロソアミン化合物P08の調製。
【化7】
【0112】
100mL三口フラスコに、化合物M02(バレニクリン)4.0g、及びテトラヒドロフラン(THF)45mLを加え、撹拌しながら溶解した。NaNO水溶液(濃度0.4g/mL)8.2mL、及び酢酸2.9gを加え、52℃まで加熱し、TLCにより反応が完了したと検出されると、沈殿した固形物を濾過し、真空乾燥し、純度98.87%(面積百分率法)を有するニトロソアミン化合物P08を得た。
【化8】
【0113】
ニトロソアミン化合物P08のH-NMR、13C-NMR、及びIRスペクトルは、それぞれ、表7~9に示す。M+H=241.20、UV:アセトニトリル溶液中における最大吸収波長が204.40nmであった。
【0114】
【表7】
【0115】
【表8】
【0116】
【表9】
【0117】
[実施例7]
超高速液体クロマトグラフィートリプル四重極質量分析法(UPLC-MS/MS)は、バレニクリン酒石酸塩の原薬におけるニトロソアミン不純物(化合物P08)の定性的及び/又は定量的検出に使用され、方法論において検証済であった。
【0118】
UPLC-MS/MS のクロマトグラフィー条件及び質量分析条件は、表10に示す。
【0119】
【表10】
【0120】
1.溶液の調製
希釈剤:精製水
標準物質原液:ニトロソアミン化合物P08(純度98%以上)19.970mgを量り、容量10mlのメスフラスコに入れ、アセトニトリル8mlを加えた後、希釈剤を加えて溶解し、標線まで希釈し、均一に混合した。
【0121】
標準物質母液:標準物質原液37.5μlを10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合した。
【0122】
2.システム適合性
システム適合性溶液(100%限界レベル標準物質溶液):約100.0μlの標準物質母液を10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合した。
【0123】
6本のシステム適合性溶液を連続的に注入し、6本のシステム適合性溶液における対象物質のピーク面積のRSDを算出し、結果が4%であり、システム適合性が良好であった。
【0124】
3.直線性
検量線溶液:標準物質の母液50.0μl、100.0μl、150.0μl、200.0μlをそれぞれ、4つの10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合して、順に、直線性用溶液L-3、L-4、L-5、L-6とした。L-3溶液800μlを10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合して、L-2とした。L-2溶液1000μlを10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合して、L-1とした。
【0125】
検量線溶液についてそれぞれ試料注入によって分析し、対象物質の濃度(X)(単位:ng/ml)を横軸とし、ピーク面積(Y)を縦軸として、線形回帰を行い、線形方程式と線形相関係数rを算出した。その結果は、線形方程式:Y=7370X-12900、線形相関係数r=0.999、直線性が良好であり、0.2951ng/ml~147.6ng/ml(即ち:0.02951ppm~14.76ppm)の濃度範囲内で直線性が良好であることを示した。
【0126】
4.検出限界(LOD)
LOD溶液:L-1溶液5000μlを10mlメスフラスコに量り取り、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合して、LOD溶液とした。
【0127】
2本のLOD溶液を連続して試料注入すると、対象ピークのS/N(信号対雑音比)がそれぞれ11と8であり、3以上の要件を満たし、方法が高感度であった。LOD=0.01476ppm。
【0128】
5.定量限界(LOQ)
6本の定量限界溶液(L-1溶液)を連続的に試料注入すると、対象ピークのS/Nがそれぞれ23、24、17、12、24、14であり、10以上の要件を満たし、方法が高感度であった。LOQ=0.02951ppm。
【0129】
6.真度
試料溶液:試料(例:市販又は合成されたバレニクリン酒石酸原薬)約100mgを10mlメスフラスコに入れ、希釈剤を加えて標線まで希釈し、均一に混合した。並行して2部を調製した。
【0130】
真度用溶液:試料約100mgを量り取り、10mlメスフラスコに入れ、標準物質母液50.0μl(50%限界レベル)、100.0μl(100%限界レベル)、150.0μl(150%限界レベル)をそれぞれ加え、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合して得た。各真度の限界レベルごとに並行して3部を用意した。
【0131】
その結果は、50%限界レベルの真度用溶液の回収率が95%~102%で、RSDが4%であり、100%限界レベルの真度用溶液の回収率が90%~103%で、RSDが7%であり、150%限界レベルの真度用溶液の回収率が98%~100%で、RSDが1%であり、合格基準を満たし、真度が良好であることを示した。
【0132】
7.再現性
試料約100mgを量り取り、10mlメスフラスコに入れ、標準物質母液100.0μlを加え、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合した。並行して6部を調製した。
【0133】
その結果は、6つの再現性用溶液におけるニトロソアミン化合物P08の含有量のRSDが6%であり、合格基準を満たし、再現性が良好であることを示した。
【0134】
8.特異性
試料注入分析用に、それぞれ、ブランク溶液(希釈液)、100%限界レベル標準溶液、試料溶液(「再現性」における試料溶液と同一のもの)、及び100%限界レベル真度用溶液を取った。
【0135】
その結果は、試料溶液、100%限界レベル標準溶液、及び100%限界レベル真度用溶液における対象物の保持時間はいずれも3.47minであり、対象物のピーク位置に明らかな干渉がなく、分離の要件を満たし、特異性が良好であることを示した。
【0136】
9.室内再現精度
室内再現精度用溶液:試料約100mgを10mlメスフラスコに量り取り、標準物質母液100.0μlを加え、希釈液で標線まで希釈し、均一に混合した。並行して6部を調製した。更に、「7.再現性」における6つの溶液を含んだ。
【0137】
6つの室内再現精度用溶液と6つの再現性用溶液、合計12溶液の濃度のRSDが、9%と算出され、15%以下の要件を満たしており、合格基準を満たし、室内再現精度が良好であった。
【0138】
10.溶液安定性
100%限界レベルの真度用溶液を15℃に置き、一定の時間間隔で試料注入して分析を行い、各時点とゼロ点との濃度比が、21時間以内に96%~113%であると算出された。
【0139】
11.耐久性
クロマトグラフィーカラムの温度が±2℃、有機相の初期比率が±1%、流速が±0.01ml/min変化したとき、100%限界レベルの真度用溶液における対象物質の濃度を調べた。各条件下で2本試料注入して、同一パラメータの変化において、6つの溶液における対象物質の濃度のRSDが4%~6%であると算出され、方法の耐久性が良好であった。
【0140】
次の式に従って試料におけるニトロソアミン化合物P08の含有量を算出した。2回検出を行って、その平均値を取った。
P08含量:C(ppm)=試料溶液におけるP08濃度(ng/ml)/[m(mg)/V(ml)]
m:試料質量、mg、
V:試料希釈量、ml。
【0141】
[実施例8]
ニトロソアミン不純物化合物P08に遺伝毒性(変異原性又は発がん性)があるか否かを検出した。
【0142】
1 材料及び方法
1.1 実験株
ネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)TA97a、TA98、TA100、TA102、TA1535、供給元:米国MOLTOX社、上海Bioplus Biotech社から購入要件を満たしたと確認されたネズミチフス菌株を使用して試験を行った。
【0143】
1.2 代謝活性化システム
ラット肝臓S9、供給元:上海Bioplus Biotech社
【0144】
1.3 被験物質
名称:ニトロソアミン不純物化合物P08、特徴:白い粉末。
【0145】
1.4 主な機器と試薬
X SR-204電子天びん(メトラー・トレド株式会社、スイス)、高圧蒸気滅菌器(日本SANYO)、防水恒温培養器(SHANGHAI BLUEPARD INSTRUMENTS)、Stuart温度制御シェーカーインキュベーター(イギリスStuart社)、BHC-1300 II A2 バイオハザード対策用安全キャビネット(SUZHOU ANTAI AIR TECH CO.,LTD.)。
【0146】
グルコース6-リン酸、供給元:J&K Scientific。コエンザイム II、供給元:シノファーム(China National Pharmaceutical Group Corp.,CNPGC)。栄養ブロス、供給元:Beijing Land Bridge Technology Co., Ltd.。工業用寒天粉末、供給元:Guangdong Huankai Microbial Sci.&Tech.Co.,Ltd。注射用滅菌水、供給元:シセン・ファーマシューティカル(Cisen Pharmaceutical Co.,Ltd.)。フェナミノスルフ、供給元:ケムサービス社(CHEMSERVICE)。メタンスルホン酸メチル、供給元:J&K Scientific。2-アミノフルオレン、供給元:上海晶純試薬有限公司。1,8-ジヒドロキシアントラキノン、供給元:米国シグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.LLC)。シクロホスファミド、供給元:米国シグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.LLC)。アジ化ナトリウム、供給元:RIEDEL-SEELIE。
【0147】
1.5 試験方法(Ames試験平板混釈法)
実験は平板混釈法により行われた。
【0148】
1.5.1 用量の選択と被験物質の調製
用量設計:プレート毎に5mg、2.5mg、1.25mg、0.625mg、0.3125mg、0.15625mgを試験した。
【0149】
被験物質の調製:本品を取り、ジメチルスルホキシドを用いて50mg/ml溶液を調製し、ジメチルスルホキシドを用いて25mg/ml、12.5mg/ml、6.25mg/ml、3.125mg/ml、1.5625mg/mlに希釈した。
【0150】
1.5.2 試験方法
冷凍保存の菌液TA97a、TA98、TA100、TA102、TA1535 0.1mlを、それぞれ10ml栄養ブロス培地に接種し、37℃で振盪(100回/分)しながら10時間培養した。ヒスチジン0.5mmol/Lと、ビオチン0.5mmol/Lを含む上部培地2.0mlを試験管に分注し、0.103MPaで20分間滅菌し、50℃の水浴で保温した。次に、各試験管に被験物質溶液0.1ml、S9混合液(代謝活性化が必要な場合)0.5ml、及び菌液0.1mlを順に加え、均一に混合して、素早く底部寒天プレートに注ぎ、プレートを回転させ、均一に分散させた。プレートを水平に置いて、凝縮固化させた後、37℃の培養器に逆さまに置き、48時間培養した。そして、プレート毎に復帰変異コロニー数を計測した。各用量につき3枚の平行プレートを作成すると共に、自然復帰変異グループ、溶媒対照グループ、陽性対照グループを設けた。
【0151】
1.6 試験データの統計
データは平均±標準偏差として表され、SPSS19.0を用いてデータ分析と計算を行った。
【0152】
1.7 結果判定
被験物質の復帰変異コロニー数が、溶媒対照の復帰変異コロニー数に対して、2倍以上となる増加を示し、用量反応性を示した場合、該被験物質を変異原性陽性と判定した。被験物質がいずれの用量条件下で、陽性と反応し、再現性がある場合、該被験物質を変異原性陽性と判定した。被験物質が上記菌株の試験で、S9の添加の有無に関わらず、陰性と測定された場合、該被験物質を変異原性陰性と判定した。
【0153】
2 試験結果
【0154】
結果を表11に示す。
【0155】
【表11-1】
【0156】
【表11-2】
【0157】
Ames試験の結果から、S9を添加しない条件で、ニトロソアミン不純物化合物P08の用量が625μg/プレートの場合、TA1535コロニー数が溶媒対照グループの2倍以上を超えることが分かった。また、S9を添加する条件で、用量が2500μg/プレートである場合、TA98コロニー数が溶媒対照グループの2倍を超えており、用量が5000、2500、1250、625μg/プレートである場合、TA1535コロニー数が溶媒対照グループの2倍を超え、用量反応性を示した。これは、ニトロソアミン不純物化合物P08が、代謝活性化システムの有無に関わらず、ネズミチフス菌に対する変異原性について陽性であると判明した。
【0158】
[実施例9]
既存の技術基準又は技術規格(例えば、中国農業産業規格NY/T1156.4-2006農薬の実験室バイオアッセイガイドライン(Guideline for laboratory bioassay of pesticides)殺菌剤第4部:小麦うどんこ病の防除のための鉢植え植物試験。中国農業産業規格NY/T 1156.5-2006農薬の実験室バイオアッセイガイドライン 殺菌剤第5部:そら豆葉試験によるイネ紋枯病菌の防除法中国農業産業規格NY/T 1154.6-20066農薬の実験室バイオアッセイガイドライン 殺虫剤第6部:虫体浸漬法による殺虫活性試験、NY/T 1154.9-2008農薬の実験室バイオアッセイガイドライン殺虫剤第9部:噴霧等)に従って、ニトロソアミン不純物化合物P08の殺菌又は殺虫活性を測定した。
【0159】
ここで、中国農業産業規格NYT 1154.13-2008農薬の実験室バイオアッセイガイドライン 殺虫剤第13部:リーフディスク噴霧法に従って、試験生物としてニセナミハダニを使用し、ニセナミハダニ(成虫ダニ)をソラマメのリーフディスクに接種した。被験虫が葉上で安定した後、リーフディスクをPotterスプレータワーの下に置き、定量化(2.5mL)噴霧処理(薬剤:ニトロソアミン不純物化合物P08、DMFに溶解して1%母液を調製し、0.1%のポリソルベート80を含む蒸留水で試験濃度に希釈したもの)、処理後、24~26℃の観察室に置いて培養し、24時間後に結果を調べた。虫体をピンセットで触って反応がなければ死虫だと見なした。薬物を含まないブランク対照を別に設けた。
【0160】
その結果は、ニトロソアミン不純物化合物P08は、薬剤の濃度が500mg/Lである場合、ニセナミハダニの死亡率が約19.6%(ブランク対照の死亡率が0%)であり、ニセナミハダニに対して一定の防除効果があることを示した。また、防除効果は薬剤濃度の増加に伴ってある程度向上した。
【0161】
[実施例10]
ニトロソアミン化合物P06の調製。
【化9】
【0162】
100mL三口フラスコに、5.0gの化合物M01、及びのテトラヒドロフラン(THF)52mLを加え、撹拌して溶解した。NaNO水溶液(濃度が0.4g/mL)10mL、及び酢酸3gを加え、50℃まで加熱して反応した。TLC又はHPLCにより反応が完了したと検出されると、濃縮し、ジクロロメタン(DCM)50mL、及び飽和食塩水50mLを加え、撹拌して溶解した。静置した後、分液し、有機相を取り出して、飽和食塩水で1回洗浄した。そして、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、乾燥・濃縮して、純度93.69%(面積百分率法)のニトロソアミン化合物P06を得た。
【化10】
【0163】
ニトロソアミン化合物P06のH-NMR、13C-NMR及びIRスペクトルは、それぞれ、表12~14に示す。M+H=279.10、UV:アセトニトリル溶液における最大吸収波長が223.80nmであった。
【0164】
【表12】
【0165】
【表13】
【0166】
【表14】
【0167】
[実施例11]
ニトロソアミン化合物P07の調製
【化11】
【0168】
100mL三口フラスコに、化合物P064.0g、及びジクロロメタン(DCM)50mLを加え、撹拌して溶解した。パラジウム炭素触媒(Pd/C)1.0gを添加し、まず窒素で置換した後、次に水素を流し続け、25~30℃まで加熱し、一晩反応させた。TLCにより反応が完了したと検出されると、濾過し、乾燥・濃縮して、純度96.59%(面積百分率法)のニトロソアミン化合物P07を得た。
【化12】
【0169】
ニトロソアミン化合物P07のH-NMR、13C-NMR及びIRスペクトルは、それぞれ、表15~17に示す。M+H=219.20、UV:アセトニトリル:水=1:1溶液における最大吸収波長が212.00nmであった。
【0170】
【表15】
【0171】
【表16】
【0172】
【表17】
【0173】
[実施例12]
1.バレニクリン中間体の調製
【化13】
【0174】
(1)化合物A(製品の品質をより確実にするために、一般に化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量が500ppm以下であり、検出値が485ppmであることが求められる)3kg、及びパラジウム炭素(Pd/C、Pd5%)触媒0.35kgを、イソプロパノール36kgと精製水15kgとの反応釜に加え、反応温度を25~35℃に制御し、水素を流しながら撹拌して反応した。HPLCによって反応液における化合物Aの残存量が0.5%以下であると検出されると、反応を停止した。そして、パラジウム炭素触媒を除去するよう、珪藻土を充填して濾過し、化合物Bを含む反応液を得た。
【化14】
【0175】
(2)不活性ガス(窒素)の保護下で、(1)で得られた反応液に重炭酸ナトリウム75gを加え、グリオキサール水溶液(グリオキサール0.56kg及び水6.5kg)を徐々に加え、反応温度を20~30℃に制御し、撹拌して反応した。HPLCによって、反応液における化合物Bの残存量が0.5%以下となったと検出されると、反応を停止した。ほとんど留分が生成しなくなるまで、減圧蒸留(真空度≦-0.09MPa、40~50℃)した。そして、反応釜内の温度を20~30℃に制御し、精製水90kgを加え、2時間保温した後、遠心分離し、乾燥(45~50℃)して、化合物Cを得た。
【0176】
2.酒石酸バレニクリンの調製
【化15】
【0177】
a.不活性ガス(窒素)の保護下で、反応フラスコに、精製水20kg、水酸化ナトリウム0.81kg、ジクロロメタン8kg、及び化合物C(前工程で調製したもの)2kgを加入し、反応温度を20~35℃に制御しながら反応した。HPLCによって、反応液における化合物Cの残存量が0.5%以下になったと検出されると、反応を停止した。その後、反応釜にジクロロメタン18.5kgを加え、撹拌し、静置した。そして、分液し、有機相を取得した。ジクロロメタン(15kg×2)を用いて水相を抽出し、有機相を合わせ、有機相に無水硫酸ナトリウム5kgを加えて乾燥し、濾過した。濾液をほとんど留分が生成しなくなるまで(真空度≦-0.09MPa、40~50℃)減圧蒸留した。そして、無水エタノール10kgを加え、引き続き留分がほとんど生成しなくなるまで減圧蒸留(真空度≦-0.09MPa、40~50℃)し、バレニクリンを含む母液を得た。
【化16】
【0178】
b.工程aで得られたバレニクリンを含む母液に、無水エタノール30kg、及びL-(+)-酒石酸1.16kgを徐々に加え、反応温度を20~30℃に制御して、撹拌しながら16時間反応した後、反応を停止した。そして、遠心分離し、乾燥(70~75℃)して、バレニクリン酒石酸塩を得た。
【0179】
次に、バレニクリン酒石酸塩1gあたり8mlの溶媒量に従って、調製した酒石酸バレニクリンを叩解溶媒に加え、30~40℃で1.5時間叩解し、遠心分離した後、乾燥して得た。酢酸エチルによる叩解処理後の酒石酸バレニクリンにおいて、ニトロソアミン不純物化合物P08の含有量が3.04ppmであると検出され、ニトロソアミン不純物化合物P06及びP07の含有量が検出されなかった(検出限界未満)。
【0180】
[実施例13~15]
本発明の出発原料におけるニトロソアミン不純物化合物の含有量を更に抑える(例えば、化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量を250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下又は更に低い範囲内に抑える)ことや、叩解処理の回数を増やすことなどによって、ニトロソアミン不純物化合物P08の含有量がそれぞれ0.511ppm、0.205ppm、0.118ppmであるバレニクリン酒石酸塩を更に調製した。
【0181】
化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量が多すぎる場合には、以下の叩解処理方法によりP06の含有量を低減することができる。例えば、3.3kgの化合物A(ニトロソアミン不純物化合物P06の含有量が722ppm)を叩解溶媒(8.00kg(11.7L)のn-ヘプタン及び2.70kg(3L)の酢酸エチル)に加え、15~35℃で4~5時間叩解撹拌した後、遠心分離して、濾塊を水で洗浄し、再度遠心分離し、乾燥して得た。検出により、叩解処理後の化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量が0.03%(315ppm)であった。このことは、上記叩解処理を1回行うだけで、化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量を少なくとも半分以上低減できると示した。
【0182】
叩解処理の原理は、叩解溶媒を使用して、対象化合物における微量不純物を溶解して液中に保ち、固形物のままである不溶性の対象化合物を固液分離することで、対象化合物における不純物の含有量を低減することである。
【0183】
[実施例16]
表18に示す条件で、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法を用いて、本発明のバレニクリン酒石酸塩の原薬におけるニトロソアミン不純物化合物P07を定性的及び/又は定量的検出した。これは、方法論的に検証済みであった。
【0184】
【表18】
【0185】
1.溶液の調製
ブランク(希釈剤):水-アセトニトリル(95:5)
【0186】
標準物質原液:ニトロソアミン化合物P07(純度95%以上)25mgを量り取り、50mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて溶解し、標線まで定容し、均一に混合した(定容溶液I)。定容溶液I1.0mlを取り、100mlメスフラスコに入れ、希釈液を加え、標線まで定容した後、均一に混合し、標準物質原液を得た。
【0187】
標準物質溶液:標準物質原液0.45mlを取り、100mlメスフラスコに入れ、希釈剤を加え、標線まで定容した後、均一に混合し、標準物質溶液を得た。
【0188】
試料溶液:バレニクリン酒石酸塩原薬約100mgを取り、10mlメスフラスコに入れ、希釈液を加えて標線まで定容し、均一に混合した。
【0189】
2.システム適合性
5本連続の標準物質溶液について、ニトロソアミン不純物化合物P07のピーク面積のRSD≦15%、保持時間におけるRSD≦2.0%、隣接するピークと十分に分離でき、システム適合性が良好であった。
【0190】
3.直線性
濃度がそれぞれ、0.002688μg/ml、0.020157μg/ml、0.033594μg/ml、0.053751μg/ml、0.067189μg/ml、及び0.100783μg/ml(ニトロソアミン化合物 P07 に基づく)である標準物質溶液を調製した。
【0191】
上記異なる濃度の標準物質溶液を取り、それぞれ試料注入して分析し、対象物質の濃度(X)を横軸(単位:μg/ml)とし、ピーク面積(Y)を縦軸として、線形回帰を行い、線形方程式と線形相関係数rを算出した。その結果は、線形方程式:Y=3000000X+2671.7、線形相関係数r=0.998、直線性が良好であり、0.002688μg/ml~0.100783μg/ml(即ち:0.2688ppm~10.0783ppm)の濃度範囲内で直線性が良好であることを示した。
【0192】
4.検出限界(LOD)
LOD=0.1344ppm、対象ピークのS/N(信号対雑音比)が14.8、13.1などで、3を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0193】
5.定量限界(LOQ)
LOQ=0.2688ppm、対象ピークのS/Nが20.5、24.9等であり、10を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0194】
6.特異性
その結果は、ニトロソアミン不純物化合物P07の保持時間が約14.487分であり、隣接するピーク間に干渉がなく、分離度の要件を満たし、特異性が良好であることを示した。
【0195】
また、該検出方法の真度、精度、再現性、耐久性などが方法論的検証の規制と要件を満たしており、バレニクリン酒石酸塩の原薬におけるニトロソアミン不純物化合物 P07を定性的及び/又は定量的に十分に検出できることが検証された。
【0196】
[実施例17]
表19に示す条件で、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法を用いて、本発明のバレニクリン酒石酸塩原薬におけるニトロソアミン不純物化合物P06を定性的及び/又は定量的検出した。これは、方法論的に検証済みであった。
【0197】
【表19】
【0198】
1.溶液の調製
ブランク(希釈液):精製水
【0199】
標準物質原液:ニトロソアミン化合物P06(純度92%以上)25mgを量り取り、50mlメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて溶解し、標線まで定容した後、均一に混合した(定容溶液II)。定容溶液II1.0mlを取り、100mlメスフラスコに入れ、希釈液を加えて標線まで定容した後、均一に混合し、標準物質原液を得た。
【0200】
標準物質溶液:標準物質原液4.5mlを取り、50mlメスフラスコに入れ、希釈剤を加えて標線まで定容した後、均一に混合し、標準物質溶液を得た。
【0201】
試料溶液:酒石酸バレニクリン原薬約1000mgを取り、20mlヘッドスペースボトルに入れ、希釈液5.0mlを正確に量り取って溶解して、均一に混合した。
【0202】
2.システム適合性
5本連続の標準物質溶液について、ニトロソアミン不純物化合物P06のピーク面積のRSD≦15%、保持時間におけるRSD≦2.0%、隣接するピークと十分に分離でき、システム適合性が良好であった。
【0203】
3.直線性
異なる濃度の標準物質溶液を取り、それぞれ試料注入して分析し、対象物質の濃度(X)を横軸(単位:μg/ml)とし、ピーク面積(Y)を縦軸として、線形回帰を行い、線形方程式と線形相関係数rを算出した。その結果は、線形相関係数rが0.99より大きく、線形関係が良好であることを示した。
【0204】
4.検出限界(LOD)
LOD=0.0145ppm、対象ピークのS/N(信噪比)が5.8であり、3を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0205】
5.定量限界(LOQ)
LOQ=0.0289ppm、対象ピークのS/Nが12.0であり、10を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0206】
6.特異性
その結果は、ニトロソアミン不純物化合物P06の保持時間が約14.648minであり、隣接するピーク間に干渉がなく、分離度の要件を満たし、特異性が良好であることを示した。
【0207】
また、該検出方法の真度、精度、再現性、耐久性などが方法論的検証の規制と要件を満たしており、バレニクリン酒石酸塩の原薬におけるニトロソアミン不純物化合物 P06 を定性的及び/又は定量的に十分に検出できることが検証された。
【0208】
[実施例18]
バレニクリン酒石酸塩の原薬又は製剤におけるニトロソアミン不純物化合物(P06、P07及びP08を含み、ここで、P08はP06から中間生成物P07を経て転換されたため、P08はバレニクリン酒石酸塩の原薬又は製剤におけるニトロソアミン不純物の主な形態であり、P06は化合物Aなどの原料におけるニトロソアミン不純物の主な形態であり、P07は調製中における中間生成物である)の制限要件をより適切に確保するため、出発原料である化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06について、例えば、高速液体クロマトグラフィー(表20に示されるクロマトグラフィー条件)を用いて、定性的及び/又は定量的に検出する必要がある。
【0209】
【表20】
【0210】
1.検量線を作成する
ブランク(希釈剤):アセトニトリル-水(60:40)
【0211】
標準物質溶液:ニトロソアミン化合物P06(純度92%以上)25mgを量り取り、25mlメスフラスコに入れ、希釈剤を加えて標線まで定容した後、均一に混合し、標準物質溶液を得た。
【0212】
濃度がそれぞれ0.0001394mg/ml、0.0004645mg/ml、0.0007432mg/ml、0.000929mg/ml、0.001115mg/ml、0.001394mg/ml、0.001858mg/ml(ニトロソアミン化合物P06として計算)である標準物質溶液を調製した。
【0213】
上記異なる濃度の標準物質溶液を取り、それぞれ試料注入して分析し、対象物質の濃度(X)を横軸(単位:μg/ml)とし、ピーク面積(Y)を縦軸として、線形回帰を行い、線形方程式と線形相関係数rを算出した。その結果は、線形方程式:Y=228.94X+0.0025、線形相関係数r=0.999、直線性が良好であり、該濃度範囲内で良好な直線性を示した。
【0214】
検出限界:LOD=0.004%(即ち、40ppm)、対象ピークのS/N(信噪比)が6.4であり、3を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0215】
定量限界:LOQ=0.014%(即ち、140ppm)、対象ピークのS/Nが18.9であり、10を超える要件を満たしており、方法が高感度であった。
【0216】
特異性:試料と標準物質との混合溶液の検出結果から、ニトロソアミン不純物化合物P06の保持時間が約4.592min(分離度R=13.18)、化合物Aの保持時間が約7.587min(分離度R=6.82)、不純物M01の保持時間が約9.373min(分離度R=7.24)、不純物M02の保持時間が約12.45min(分離度R=5.25)であり、ピーク間に干渉がなく、分離度の要件を満たし、特異性が良好であることを示した。
【0217】
また、該検出方法は、真度、精度、再現性、耐久性などが方法論的検証の規制と要件を満たしており、化合物Aにおけるニトロソアミン不純物化合物P06を定性的及び/又は定量的に検出できることが検証された。
【0218】
2.試料に対して検出を行う
試料溶液:化合物A約25mgを取り、25mlメスフラスコに入れ、希釈剤を加え標線まで定容し、溶解して、均一に混合した。
【0219】
試料溶液を注入して、そのピーク面積データ及びクロマトグラム(図1を参照)を検出し、該ピーク面積データを上記標準物質溶液から得られた線形方程式に代入し、検出試料溶液におけるニトロソアミン不純物化合物P06の濃度データを算出した。
【0220】
次に、次の式に従って、試料(化合物A)におけるニトロソアミン不純物化合物P06の含有量を算出した。
P06含有量:C(%又はppmで表す)=試料溶液におけるP06の濃度(mg/ml)/[m(mg)/V(ml)]
m:試料質量、mg、
V:試料希釈量、ml。
【0221】
本発明は、その他の様々な実施形態も可能であることが言うまでもない。本発明の精神及び本質から逸脱することなく、当業者は本発明に従って様々な対応する変更及び/又は変形を行うことができる。これらの対応する変更及び/又は変形は、いずれも本発明に付属する請求項の保護範囲に属すべきである。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2級アミン化合物と、薬学的に許容される酸とを含み、
前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であり、
医薬組成物におけるニトロソアミン不純物の含有量が7.5ppm以下であり、
前記ニトロソアミン不純物が、
【化1】
であることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第2級アミン化合物は塩酸バレニクリン又は酒石酸バレニクリンであることを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
薬学的に許容される賦形剤を更に含み、前記薬学的に許容される賦形剤は、以下の(1)~(5)のいずれか1つ又は2つ以上を含む:
(1)希釈剤:前記希釈剤は、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム、マンニトール、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、デンプン、マルトデキストリン、寒天、及びグアーガムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(2)崩壊剤:前記崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスビドン、部分アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、アルファ化デンプン、アルファ化ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシル化メチルセルロースナトリウム、及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(3)流動化剤:前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、及びシリコンヒドロゲルのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(4)滑沢剤、前記滑沢剤:ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、鉱油、麦芽、モノステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムのうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
(5)コーティング剤:前記コーティング剤はオパドライコーティング剤である、ことを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
以下の試験条件で、前記医薬組成物は、pH値≦4であり、
前記医薬組成物が固形製剤である場合、前記試験条件は、前記医薬組成物をpH=6±0.1の水と混合して、濃度が20%~30%である分散液を形成し、得られるpH値を測定し、
前記医薬組成物が液体製剤である場合、前記試験条件は、前記液体製剤の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体製剤の濃度が20%~30%であり、得られるpH値を測定することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
以下の試験条件で、前記医薬組成物のpH値が1~4であり、
前記医薬組成物が固形製剤である場合、前記試験条件は、前記医薬組成物をpH=6±0.1の水と混合して、濃度が20%~30%である分散液を形成し、得られるpH値を測定し、
前記医薬組成物が液体製剤である場合、前記試験条件は、前記液体製剤の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体製剤の濃度が20%~30%であり、得られるpH値を測定することを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記薬学的に許容される酸は、固体酸又は液体酸であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であることを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記薬学的に許容される酸は、酒石酸であることを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物は、下記の重量部を有する成分を含むことを特徴とする、請求項に記載の医薬組成物:
第2級アミン化合物1.71重量部、
希釈剤100~250重量部、
崩壊剤2~10重量部、
流動化剤0~5重量部、
滑沢剤0~5重量部、
薬学的に許容される酸0.01~15重量部。
【請求項12】
疾患の治療及び/又は予防に使用される方法であって、それを必要としている被験者に、治療有効量の請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項13】
前記疾患は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニア、慢性痛、急性痛、セリアック病、嚢炎、血管収縮、不安、恐狂症、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症、認知機能障害、アルコール、バルビツレート系薬物、ビタミン欠乏症、レクリエーショナルドラッグ、鉛、ヒ素又は水銀に起因する認知障害、アルツハイマー病、老人性認知症、血管性認知症、パーキンソン病、多発性硬化症、エイズ、脳炎、外傷、肝腎性脳症、甲状腺機能低下症、ピック病、コルサコフ症候群、前頭前野又は皮質下の認知症による認知障害、高血圧、過食症、拒食症、肥満、不整脈、胃酸過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上性麻痺、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン系、バルビツレート系、オピオイド系又はコカインの化学物質への依存と中毒、頭痛、片頭痛、脳卒中、外傷性脳損傷、強迫症、精神病、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、多動性障害、ディスレクシア、統合失調症、多発梗塞性認知症、加齢に伴う認知機能低下、てんかん、注意欠如・多動症又はトゥレット症候群からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
薬学的に許容される酸の、第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用であって、前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であり、
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減とは、
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化によるニトロソアミン不純物
【化2】
の生成を抑制又は低減することであり、
前記ニトロソアミン不純物の含有量が7.5ppm以下であることを特徴とする、薬学的に許容される酸の第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用。
【請求項15】
前記薬学的に許容される酸の、第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減における応用は以下の条件Ia~Iのうちの1つ又は2つ以上を満たすことを特徴とする、請求項14に記載の応用:
Ia.前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であり、
Ib.前記第2級アミン化合物は、バレニクリンの薬学的に許容される塩であり、
Ic.前記薬学的に許容される酸は、固体酸又は液体酸であり、前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、
Id.前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値≦4となる量であり、前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定する。
【請求項16】
前記薬学的に許容される酸の添加量は、以下の試験条件下での混合物XのpH値が1~4となる量であり、
前記混合物Xは、前記薬学的に許容される酸と、前記第2級アミン化合物とを含み、
前記混合物Xが固体である場合、前記試験条件は、混合物XとpH=6±0.1の水とを混合し、濃度20%~30%の分散液を形成し、得られたpH値を測定し、
前記混合物Xが液体である場合、前記試験条件は、前記液体の溶媒がpH=6±0.1の水であり、前記液体の濃度が20%~30%であり、得られたpH値を測定することを特徴とする、請求項15に記載の応用。
【請求項17】
第2級アミン化合物又はその組成物を薬学的に許容される酸と均一に混合すればよく、
前記第2級アミン化合物は、バレニクリン又はその薬学的に許容される塩であり、
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化の抑制又は低減とは、
前記第2級アミン化合物のニトロサミン化によるニトロソアミン不純物
【化3】
の生成を抑制又は低減することであり、
前記ニトロソアミン不純物の含有量が7.5ppm以下であることを特徴とする、第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項18】
記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であり
記薬学的に許容される酸が固体酸又は液体酸であり、前記固体酸は、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフェニル酢酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、及び3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であり、前記液体酸は、塩酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸のうちから選択される1つ又は2つ以上であることを特徴とする、請求項17に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項19】
前記第2級アミン化合物と前記薬学的に許容される酸とのモル比が1:(0.01~50)であり、
前記薬学的に許容される酸が酒石酸であることを特徴とする、請求項18に記載の第2級アミン化合物のニトロサミン化を抑制又は低減する方法。
【請求項20】
下記式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物。
【化4】
【請求項21】
下記式P08で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その結晶形、その溶媒和物、又はその薬学的に許容される塩の溶媒和物の殺虫剤としての応用。
【化5】
【請求項22】
前記殺虫剤は、ニセナミハダニを防除する殺虫剤であることを特徴とする、請求項21に記載の応用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
メソッド1:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水リン酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
メソッド2:
前記医薬組成物は、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水リン酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
メソッド3:
前記医薬組成物、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水リン酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸3.42重量部、
オパドライ-ホワイト(Opadry White プレミックス)又はオパドライ-ブルー(Opadry Blue プレミックス)6重量部。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
メソッド4:
前記医薬組成物、以下の重量部を有する成分から構成される:
バレニクリン酒石酸塩1.71重量部、
無水リン酸水素カルシウム64重量部、
微結晶セルロース120.47重量部、
部分アルファ化コーンスターチ4重量部、
コロイド状二酸化ケイ素0.6重量部、
ステアリン酸5重量部、
L-(+)-酒石酸1.71重量部、
オパドライ-ホワイト(Opadry White プレミックス)又はオパドライ-ブルー(Opadry Blue プレミックス)6重量部。
【国際調査報告】