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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ばね支援式のリニア駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/14 20060101AFI20241008BHJP
   B23K 11/36 20060101ALI20241008BHJP
   F16H 19/04 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
F15B15/14 305
B23K11/36
F16H19/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508555
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021072258
(87)【国際公開番号】W WO2023016631
(87)【国際公開日】2023-02-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523429069
【氏名又は名称】ブロイアー ズュステームテヒニク ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Braeuer Systemtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Gewerbering 33, 09456 Annaberg-Buchholz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ニッツ
【テーマコード(参考)】
3H081
3J062
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081BB03
3H081BB14
3H081CC23
3H081DD18
3H081HH04
3J062AA21
3J062AB05
3J062AC07
3J062BA37
3J062CA15
(57)【要約】
本発明は、二重作用式のリニア駆動装置であって、純粋なリニア駆動装置定格力を超える、リニア駆動装置の片側での力増幅のために、(機械式/空気圧式/液圧式の)リニア駆動装置とばねとの組み合わせから成っている、リニア駆動装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重作用式のリニア駆動装置であって、純粋なリニア駆動装置定格力を超える、前記リニア駆動装置の片側での力増幅のために、(機械式/空気圧式/液圧式の)リニア駆動装置とばねとの組み合わせから成っている、リニア駆動装置。
【請求項2】
二重作用式のリニア駆動装置であって、前記リニア駆動装置のピストンロッド(7)には、ピストンロッド延長部(2)が設けられており、前記ピストンロッド延長部は、付加的なばね(4)およびその対応するばねストロークを受け入れるように寸法設定されており、前記ばね(4)は、その一方の端部で前記リニア駆動装置(5)に支持されていて、他方の端部で、前記ピストンロッド延長部(2)に堅固に結合された保持ディスク(3)上に支持されており、前記ばね(4)は、前記ピストンロッド延長部(2)の摺動によりピストンロッド側(7)で圧力負荷される場合に緊張させられ、前記リニア駆動装置(5)のピストン側の圧力負荷の際には、力伝達エレメントにおける直線運動を、最大のシステム力(Fシステム(sn)=Fシリンダ+Fばね(sn)=最大)で発動させ、この場合、緊張された前記ばね(4)は、前記保持ディスク(3)を押圧し、前記保持ディスクは、前記ピストンロッド延長部(2)との固定部を介して、前記ばね(4)の蓄えられた力を、前記リニア駆動装置(5)の力に加えて付加的に、前記力伝達エレメントへと導入する、リニア駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すべての技術領域で使用することができるが、特にキャップ交換システムのために開発されたリニア駆動装置に関する。
【0002】
このようなキャップ交換システムは、とりわけ、自動化された設備における、特に溶接トングのための、溶接電極シャフトから電極キャップを引き離すための装置を含む。
【0003】
このために、キャップ交換システムは、溶接ロボットが、この溶接ロボットに割り当てられた溶接トングに、キャップ交換システムで到達することができ、電極キャップが、その都度、設置されたキャップ交換システムに係合させられるように配置されている。
【0004】
このキャップ交換システムは、通常、工具回転軸線を中心として回転可能に支持された少なくとも1つの交換ヘッド工具を備えた工具支持体と、この交換ヘッド工具のための駆動装置とから成っている。
【0005】
このような装置の使用に起因して、このような装置のためのリニア駆動装置の可能な限り小さな構成サイズおよび質量に対する複雑な要件が生じている。
【0006】
(機械式/空気圧式/液圧式の)リニア駆動装置の使用は、従来技術により十分に公知である。
【0007】
同様に、リニア駆動装置と、予め規定された位置に達するための、または減衰システムの形態の、片側で負荷されるシステムのためのばねとの組み合わせも十分に公知である。
【0008】
例えば、空気圧および液圧では、ピストンロッドにおいて最大限得られる力は、負荷可能なピストン面の直径および利用可能な媒体圧に依存している。
【0009】
実際での技術的使用では、ピストンロッドの片側でより高い力が必要となることが多い。ピストン底面側に組み付けられるのか、またはピストンロッド側に組み付けられるかというセットアップの選択により、これに関して技術的に限定された最適化が達成される。
【0010】
寸法設定(ピストン直径、ひいてはリニア駆動装置の構造サイズ)の適合によってのみ、または供給ユニットにおけるシステム圧を高めることによってのみ、ピストンロッドに作用する力をさらに上昇させることが可能である。
【0011】
独国特許発明第19825770号明細書から公知の、電極キャップを被せ嵌めるための装置では、電極キャップマガジンの、引渡し開口とは反対の側に、被せ嵌め装置が配置されており、この装置は、空気圧式または液圧式に駆動されるシリンダピストンユニットから成っている。このような手段の一変化態様では、ばね力によって単にピストンが引き戻される。
【0012】
従来技術により公知の手段における欠点は、ピストン直径、ひいてはリニア駆動装置の構造サイズを拡大することによってしか、または供給ユニットにおけるシステム圧を高めることによってしか、より大きな力が得られないことにある。
【0013】
本発明の課題は、リニア駆動装置の構成サイズはほぼ同じままで、増大された力作用を実現することができるような解決手段を提供することにある。
【0014】
この課題は、純粋なリニア駆動装置定格力を超える、組み合わせの片側での力増幅のための、(機械式/空気圧式/液圧式の)リニア駆動装置とばねとの組み合わせにより解決される。
【0015】
この場合、本発明によれば、外部で位置決めされたばねシステムと、二重作用式の(両方向の)リニア駆動装置とを組み合わせることにより、リニア駆動装置の寸法または供給ユニットにおけるシステム圧を変更することなく、使用者固有に、リニア駆動装置の定格力を超える力の増幅が片側で実現される。
【0016】
以下に、本発明による手段を、キャップ交換機の実施例として、図1図5につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】例示的な空気圧式キャップ交換機を示す図である。
図2】空気圧式キャップ交換機を、ばね支援式のリニア駆動装置の一部の分解図で示す図である。
図3】空気圧式キャップ交換機を、ばね支援式のリニア駆動装置を含む部分図で示す図である。
図4】休止位置における無負荷状態のばね蓄力器を備えた空気圧式キャップ交換機を示す図である。
図5】負荷状態のばね蓄力器と開かれた交換ヘッド工具とを備えた空気圧式キャップ交換機を示す図である。
【0018】
ただし本発明の思想には、ばね支援式のリニア駆動装置5の本発明による解決手段を、他のあらゆる用途において使用することも含まれる。
【0019】
そのために、リニア駆動装置5の、力伝達エレメントとしてのラック6に結合されたピストンロッド7は、ピストンロッド延長部2を備えており、このピストンロッド延長部は、付加的なばね4およびその対応するばねストロークを受け入れるように寸法設定されている。
【0020】
ばね4は、この場合、その一方の端部でリニア駆動装置5に支持されていて、他方の端部で、ピストンロッド延長部2に堅固に結合された保持ディスク3上に支持されている。
【0021】
図4は、休止位置における空気圧式のキャップ交換機の出発位置を示している。
【0022】
リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダは、進出させられた終端位置に位置しており、支援するばね4は弛緩されていて、交換ヘッド工具8は閉じられている。
【0023】
キャップ交換プロセスを開始させるためには、交換ヘッド工具8を開かなければならない。これは、リニア駆動装置5としての空気圧シリンダに、ピストンロッド側7で圧縮空気を負荷することにより行われる。内側に位置するラック6と、接続された歯車とを介して、交換ヘッド工具8は開かれる。規定された位置でピストンロッド延長部2に結合された保持ディスク3は、ばね4を緊縮させる。
【0024】
リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダによってピストンロッド側で発生させられる力は、ばねを完全に緊縮させることができるように、ばね定格力よりも大きくなければならない。
【0025】
ばね支援式のリニア駆動装置の寸法設定は、作用工具において必要な力に応じて、この使用例では、溶接チャックの円錐部分から電極キャップを解除することができるようにするために、交換ヘッド工具で必要なトルクに応じて行われる。
【0026】
平歯車伝動装置を介して交換ヘッド工具8に必要なトルクを発生させることができるように、空気圧式のキャップ交換機のラック6に加えなければならない必要なシステム力[Fシステム]は、以下のように簡単に計算される:
Fシステム(s)=Fシリンダ + Fばね(s)。
【0027】
リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダの寸法設定は、通常、提供可能な空気圧、ピストン直径、および必要な行程長さに依存して行われる。
【0028】
ばね力による支援は、ばね定数に相応する、ばね予荷重の緊縮距離(s)に線形に依存することを考慮されたい。ばねの非緊縮状態L0(s=0mm)では、支援は0に等しい。
【0029】
Fばね(sL0)=0、 Fシステム(sL0)=Fシリンダ+0。
【0030】
Ln(ばねの最短長さ)もしくは最大緊縮距離snの場合のばねの最大許容緊縮状態では、ばね4による支援は最大である。
【0031】
Fばね(sn)=最大、Fシステム(sn)=Fシリンダ+Fばね(sn)=最大。
【0032】
空気圧式キャップ交換機を、開かれた交換ヘッド工具8で、解除すべきキャップの上方に位置決めし、これにより、解除すべきキャップが交換ヘッド工具8内で同心に位置するようにする。
【0033】
リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダのピストン側に対する圧縮空気負荷により、ラックに沿った直線運動が最大のシステム力(Fシステム(sn)=Fシリンダ + Fばね(sn)=最大)で開始させられる。
【0034】
緊縮されたばね4は、保持ディスク3を押圧しており、保持ディスクは、ピストンロッド延長部2との固定部を介して、ばね4の蓄えられた力を、リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダの力に加えて付加的に、ラックへと導入する。交換ヘッド工具は閉じて、解除すべきキャップを把持する。ばね力の他に、閉鎖中に交換ヘッド工具8の当接の際に高められた質量パルスが、円錐上にまだしっかりと装着されているキャップに対する解除作用を支援する。
【0035】
ラック6において実際に作用するシステム力/交換ヘッド工具8におけるトルクは、ばね予荷重の緊縮距離(s)の長さに線形に依存する。
【0036】
具体的な使用例では、システム圧p=6bar、ばねの最大緊縮距離sn=49.31mmの場合に、リニア駆動装置としての63mmのピストン直径を有する空気圧式シリンダの定格力に関して、78%のシステム力の上昇が認められた。
【0037】
Fばね(sn=49.31mm)=1454.42N
Fシリンダ=1870N
Fシステム(sn=49.31mm)=3324.42N
【0038】
s=42mmのときに、解除すべきキャップに交換ヘッド工具8が当接する場合は、p=6barで、リニア駆動装置5としての空気圧式シリンダの定格力に関して、59%のシステム力の上昇を認めることができた。
【0039】
Fばね(s=42mm)=1110.648N
Fシリンダ=1870N
Fシステム(s=42mm)=2980.648N
【0040】
リニア駆動装置の同様の支援により同等の作用が実現されるすべての公知のシステムは、ばねとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ交換システムにおける二重作用式のリニア駆動装置であって、前記リニア駆動装置のピストンロッド(7)には、ピストンロッド延長部(2)が設けられており、前記ピストンロッド延長部は、ばね(4)およびその対応するばねストロークを受け入れるように寸法設定されており、前記ばね(4)は、その一方の端部で前記リニア駆動装置(5)に支持されていて、他方の端部で、前記ピストンロッド延長部(2)に堅固に結合された保持ディスク(3)上に支持されており、前記ばね(4)は、前記ピストンロッド延長部(2)の摺動によりピストンロッド側(7)で圧力負荷される場合に緊張させられ、前記リニア駆動装置(5)のピストン側の圧力負荷の際には、力伝達エレメント(6)、好ましくはラックにおける直線運動を、最大のシステム力(Fシステム(sn)=Fシリンダ+Fばね(sn)=最大)で発動させ、この場合、緊張された前記ばね(4)は、前記保持ディスク(3)を押圧し、前記保持ディスクは、前記ピストンロッド延長部(2)との固定部を介して、前記ばね(4)の蓄えられた力を、前記リニア駆動装置(5)の力に加えて付加的に、前記力伝達エレメントへと導入する、リニア駆動装置。
【国際調査報告】