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特表2024-537604光アイソレータ安定化レーザ光学粒子検出器システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】光アイソレータ安定化レーザ光学粒子検出器システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/075 20240101AFI20241008BHJP
   G01N 15/1434 20240101ALI20241008BHJP
   G01N 21/49 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G01N15/075
G01N15/1434
G01N21/49 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512106
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2022044347
(87)【国際公開番号】W WO2023049242
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,449
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】セーラー, ドゥワイト
(72)【発明者】
【氏名】ロスタミ, サイード
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059BB04
2G059BB09
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE02
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG07
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059JJ17
2G059JJ19
2G059JJ20
2G059JJ22
2G059JJ30
2G059KK04
2G059MM05
(57)【要約】
粒子検出システムは、電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、ビームの経路に配置される光アイソレータと、ビームの経路に配置される粒子調査ゾーンであって、粒子調査ゾーン内の粒子が電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、粒子から散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される第1の光検出器と、第2の光検出器からの信号に基づいてビーム出力を調整するように構成されるコントローラとを含んでもよく、光アイソレータは、光フィードバックをフィルタリングするように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子検出システムにおいて、
電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、
前記電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、
前記レーザ光源と前記1つ以上のビーム成形要素との間にあり、前記ビームの経路内に配置される光アイソレータであって、前記システムから前記レーザ光源への反射光、散乱光又は放射光の10%以下の透過をもたらす、光アイソレータと、
前記ビームの前記経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、前記粒子調査ゾーン内の粒子が前記電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、
前記粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される光検出器と、
を備え、
前記粒子検出システムが、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成され、
前記レーザ光源が、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有する、
粒子検出システム。
【請求項2】
粒子検出システムにおいて、
電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、
前記電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、
前記レーザ光源と前記1つ以上のビーム成形要素との間にあり、前記ビームの経路内に配置される光アイソレータと、
前記ビームの前記経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、前記粒子調査ゾーン内の粒子が前記電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、
前記粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される第1の光検出器と、
前記ビームの出力を監視するように構成される第2の光検出器と、
前記第2の光検出器からの信号に基づいて前記ビーム出力を調整するように構成されるコントローラと、
を備え、
前記光アイソレータが、前記第2の光検出器に通じる光路から外に、前記粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするように構成され、
前記粒子検出システムが、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成され、
前記レーザ光源が、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有する、
粒子検出システム。
【請求項3】
粒子検出システムにおいて、
電磁放射線ビームを供給し、ハウジングを有するレーザ光源と、
前記電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、
前記レーザ光源と前記1つ以上のビーム成形要素との間にあり、前記ビームの経路内に配置される光アイソレータであって、前記レーザ光源の前記ハウジング内に配置される、光アイソレータと、
前記ビームの前記経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、前記粒子調査ゾーン内の粒子が前記電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、
前記粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される光検出器と、
を備え、
前記粒子検出システムが、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成され、
前記レーザ光源が、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有する、
粒子検出システム。
【請求項4】
前記光アイソレータが、前記レーザ光源からの前記電磁放射線ビームの50%以上の透過をもたらす、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項5】
前記光アイソレータが、前記システムから前記レーザ光源への反射光、散乱光又は放射光の10%以下の透過をもたらす、請求項1~4のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項6】
前記光アイソレータが、前記レーザ光源における光フィードバックを防止又は低減する、請求項1~5のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項7】
前記光アイソレータが、前記粒子調査ゾーン内の下流構成要素又は測定流体による後方反射又は散乱光によって引き起こされる前記レーザ光源の不安定性を低減する、請求項1~6のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項8】
前記光アイソレータがファラデー回転子を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項9】
前記光アイソレータが、自立しているか、又は前記レーザ光源のハウジングに組み込まれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項10】
前記光アイソレータが偏光依存性光アイソレータである、請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項11】
前記光アイソレータが、入力偏光子、ファラデー回転子、及び出力偏光子を備え、前記入力偏光子が前記レーザ光源と前記ファラデー回転子との間に配置され、前記出力偏光子が前記ファラデー回転子と前記粒子調査ゾーンとの間に配置される、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項12】
前記ファラデー回転子が、前記電磁放射線ビームの直線偏光を維持しながら非相反回転をもたらす、請求項11に記載の粒子検出システム。
【請求項13】
前記ファラデー回転子が、前記電磁放射線ビームの偏光面を45°~90°回転させる、請求項8~12のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項14】
前記出力偏光子が、前記ファラデー回転子から前記粒子調査ゾーンに向かって通過する前記電磁放射線ビームを透過するように構成される、請求項11~13のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項15】
前記入力偏光子が、前記ファラデー回転子から前記レーザ光源に向かって通過する光の透過を防止するように構成される、請求項11~14のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項16】
前記光アイソレータが偏光に依存しない光アイソレータである、請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項17】
前記光アイソレータが、入力複屈折くさび、ファラデー回転子、及び出力複屈折くさびを備え、前記入力複屈折くさびが前記レーザ光源と前記ファラデー回転子との間に配置され、前記出力複屈折くさびが前記ファラデー回転子と前記粒子調査ゾーンとの間に配置される、請求項16に記載の粒子検出システム。
【請求項18】
前記入力複屈折くさびが、前記レーザ光源からの前記ビームを第1の成分ビームと第2の成分ビームとに分割するように構成され、前記第1の成分ビームが前記ビームの垂直成分に対応し、前記第2の成分ビームが前記ビームの水平成分に対応し、前記出力複屈折くさびが、前記第1及び第2の成分ビームを前記ファラデー回転子の通過後に再結合するように構成される、請求項17に記載の粒子検出システム。
【請求項19】
前記ファラデー回転子が、前記第1及び第2の成分ビームの偏光面を回転させるように構成される、請求項18に記載の粒子検出システム。
【請求項20】
前記光アイソレータと前記レーザ光源との間に配置される第1のコリメータと、前記光アイソレータと前記粒子調査ゾーンとの間に第2のコリメータ位置とを備える、請求項16~19のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項21】
前記レーザ光源が固体レーザである、請求項1~20のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項22】
前記レーザ光源がレーザダイオード又はレーザ発振器である、請求項1~21のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項23】
複数のレーザ光源と複数の光アイソレータとを備える、請求項1~22のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項24】
前記レーザ光源がランダムに偏光された光を供給する、請求項1~23のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項25】
前記レーザ光源が、160nm~1500nmの範囲から選択される放射波長を有する光を供給する、請求項1~24のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項26】
前記1つ以上のビーム成形要素が、前記粒子調査ゾーンに光を集束させるための集束要素を少なくとも備える、請求項1~25のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項27】
前記光アイソレータと前記1つ以上のビーム成形要素との間において前記ビームの前記経路内に配置されるミラー又は他の非ビーム成形構成要素を備える、請求項1~26のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項28】
前記ビームの偏光を回復するために前記光アイソレータの後において前記ビームの前記経路内に半波長板を備える、請求項1~27のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項29】
前記粒子調査ゾーンが、前記粒子を含有する流体を流すためのフローセルを備える、請求項1~28のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項30】
前記粒子調査ゾーンが表面を備える、請求項1~29のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項31】
前記光検出器が1つ以上の二次元光検出器アレイを備える、請求項1~30のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項32】
前記光検出器が、前記粒子調査ゾーン内の粒子によって散乱される光を検出するように構成される、請求項1~31のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項33】
前記光検出器が、前記粒子調査ゾーンを透過した光を検出するように構成される、請求項1~32のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項34】
前記レーザ光源が出口窓を有し、前記窓と前記光アイソレータとの間の前記ビーム経路が300mm未満である、請求項1~33のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項35】
前記レーザ光源がハウジングを有し、前記第2の光検出器、コントローラ、及び光アイソレータが前記レーザ光源の前記ハウジング内に配置される、請求項1~34のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項36】
前記システムが、流体中の濃度を有する粒子を検出するように構成され、前記濃度が、20nm以上の有効直径を有する粒子について前記流体1リットル当たり1~10万粒子である、請求項1~35のいずれか一項に記載の粒子検出システム。
【請求項37】
粒子を検出する方法において、
電磁放射線ビームを生成するステップと、
光アイソレータに前記ビームを通過させるステップと、
1つ以上のビーム成形要素を介して前記ビームを成形するステップと、
前記成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、
前記粒子を前記粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、前記ビームが前記粒子調査ゾーン内の前記粒子と相互作用する、ステップと、
前記粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップと、
を含み、
前記光アイソレータが、前記システムから前記レーザ光源への反射光、散乱光、又は放射光の10%以下の透過をもたらす、 方法。
【請求項38】
能動的に安定化されたレーザ粒子検出システムを制御する方法において、
前記能動的に安定化されたレーザを介して電磁放射線ビームを生成するステップであって、前記ビームがビーム出力を有する、ステップと、
光アイソレータに前記ビームを通過させるステップと、
1つ以上のビーム成形要素を介して前記ビームを成形するステップと、
前記成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、
前記粒子を前記粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、前記ビームが前記粒子調査ゾーン内の前記粒子と相互作用する、ステップと、
第1の光検出器を介して前記粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップと、
第2の光検出器を介して前記ビーム出力を監視するステップと、
光アイソレータを介して、前記第2の光検出器に通じる光路から外に、前記粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするステップと、
前記監視するステップ及び前記フィルタリングするステップに応答してコントローラを介して前記ビーム出力を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項39】
前記光アイソレータを介した前記光源への光フィードバックを防止又は低減するステップを含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記光アイソレータがファラデー回転子を備える、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記光アイソレータが偏光依存性である、請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記光アイソレータにビームを通過させるステップが、
第1の偏光要素を介して前記ビームを直線偏光するステップと、
前記ビームの偏光面を45°回転させるステップと、
前記ビームを第2の偏光要素に通過させるステップであって、前記第2の偏光要素が、前記第1の偏光要素の偏光軸線に対して45°に位置合わせされる偏光軸線を有する、ステップと、
を含む、請求項37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の偏光要素に光を逆方向に通過させて偏光された逆光を形成するステップと、
前記偏光された逆光の偏光面を45°回転させるステップと、
前記第1の偏光要素を介して前記逆光を減衰させるステップと、
を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記光アイソレータが偏光に依存しない、請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記光アイソレータにビームを通過させるステップが、
前記ビームを第1の複屈折くさびに通過させて、e光線及びo光線を形成するステップと、
前記e光線及び前記o光線の偏光面を前記ファラデー回転子を介して45°回転させるステップと、
第2の複屈折くさびを介して前記e光線と前記o光線とを再結合するステップと、
を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の複屈折くさびに光を逆方向に通過させて、逆e光線及び逆o光線を形成するステップと、
前記ファラデー回転子を介して前記逆e光線及び前記逆o光線の偏光面を45°回転させるステップと、
前記第1の複屈折くさびを介して前記逆e光線及び前記逆o光線を発散させるステップと、
を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
コリメータを介して前記逆e光線及び前記逆o光線を減衰させるステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
光学粒子計数器におけるレーザ不安定性に起因するノイズ光検出器ノイズを低減するための請求項37~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
光学粒子計数器の安定性及び寿命を向上させるための請求項37~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
光学粒子計数器の誤粒子計数を低減するための請求項37~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
粒子検出システムにおける偽陽性検出事象を低減する方法において、
能動的に安定化されたレーザを介して電磁放射線ビームを生成するステップであって、前記レーザが300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有し、前記粒子検出システムが、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成される、ステップと、
光アイソレータに前記ビームを通過させるステップと、
1つ以上のビーム成形要素を介して前記ビームを成形するステップと、
前記成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、
前記粒子を前記粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、前記ビームが前記粒子調査ゾーン内の前記粒子と相互作用する、ステップと、
第1の光検出器を介して前記粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップと、
第2の光検出器を介して前記ビーム出力を監視するステップと、
光アイソレータを介して、前記第2の光検出器に通じる光路から外に、前記粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするステップと、
前記監視するステップ及び前記フィルタリングするステップに応答してコントローラを介して前記ビーム出力を調整するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2021年9月23日に出願された米国仮特許出願第63/247,449号の優先権の利益を主張する。
【発明の背景】
【0002】
[0002]クリーンルーム条件を必要とする技術の進歩により、ますます小さな粒子、更には低濃度の検出及び特性評価が必要になっている。例えば、マイクロ電子ファウンドリは、ますます敏感な製造プロセス及び製品に影響を及ぼす可能性があるため、サイズが20nm未満、場合によってはサイズが10nm未満の粒子の検出を追求している。プロセス流体中のこれらの粒子の濃度は、時折の偽陽性であっても、時間がかかり高価な製造停止を誤って引き起こす可能性があるような濃度であり得る。更に、医薬品及び生体材料の製造のための無菌処理条件の必要性は、健康及び人間の安全性に関するコンプライアンス基準に対処するために、生物粒子及び非生物粒子の正確な特性評価を必要とする。
【0003】
[0003]典型的には、これらの産業は、小粒子の検出及び特性評価のために光学粒子計数器に依存している。より小さな粒子を検出する能力には、レーザ出力の増加及び/又は安定性の改善を有する改善されたレーザが必要である。そのようなシステムは、光フィードバックに対してますます敏感である。そのようなフィードバックに関連する問題としては、周波数不安定性、緩和振動、増幅誘導放射、誤粒子計数、及び場合によっては光学的損傷が挙げられる。
【0004】
[0004]後方散乱は、例えば、空気と光学部品との間の界面、光学部品と水との間の界面などの屈折率の異なる2つの材料間の任意の界面の結果として発生する可能性がある。更に、粒子計数器が長期間にわたって動作すると、材料又はデブリが光路内の表面に徐々に蓄積する可能性があり、その結果、後方散乱、光放射が増加し、粒子計数器データの不安定性が増加する。光路の汚染は、空中の分子汚染、光化学反応、粒子汚染、及び/又は流体流路内の汚染残留物の蓄積によるものであり得る。これに加えて又は代えて、粒子について分析されている流体からの分子散乱は、レーザに戻ることができる。このタイプの後方散乱は、「ノイズ」と呼ばれることがある。
【0005】
[0005]場合によっては、後方散乱によるノイズは、振幅が粒子検出閾値を超える可能性がある異常な電子信号をもたらし、その結果、粒子検出の誤計数をもたらす可能性がある。この現象は、散乱光信号が1/d^6(dは粒子の直径である)のように減少するため、対象の粒子が小さくなるにつれて特に重要になってきた。したがって、非常に小さい粒子の検出は、ビームを通過する粒子が存在しない場合に粒子検出閾値を超える電子信号の生成を回避するために、より大きなレーザ安定性を必要とする。
【0006】
[0006]したがって、上記から分かるように、当技術分野では、小さなサイズ寸法を有する粒子の信頼性が高く再現可能な光学的検知を提供するシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本明細書では、光アイソレータ安定化レーザ光学粒子検出器のためのシステム及び方法が提供される。開示されたシステム及び方法は、ビームの光路内の材料間の界面に起因する後方散乱、光学部品の汚染に起因する後方散乱、及び/又はレーザに達することによる粒子調査領域内の流体からの分子散乱などの潜在的なノイズ源からレーザ光学粒子検出器システムを保護することができる。これらの改善の機能的利点としては、データ品質の向上、感度の向上、レーザ寿命の延長、及びシステムの期待値を挙げることができる。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、逆方向に進む光の透過を防止しながら、高透過率で一方向に光を透過させるファラデーアイソレータの能力を使用して、最新の高感度光学粒子検出器における光フィードバックの悪影響を低減することができる。
【0009】
[0009]一実施形態において、粒子検出システムは、電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、レーザ光源と1つ以上のビーム成形要素との間でビームの経路に配置される光アイソレータと、ビームの経路に配置される粒子調査ゾーンであって、粒子調査ゾーン内の粒子が電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される1つ以上の光検出器とを備えてもよい。
【0010】
[0010]一実施形態において、粒子検出システムは、電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、レーザ光源と1つ以上のビーム成形要素との間にあり、ビームの経路内に配置される光アイソレータであって、システムからレーザ光源への反射光、散乱光又は放射光の10%以下の透過をもたらす、光アイソレータと、ビームの経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、粒子調査ゾーン内の粒子が電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される光検出器とを備える。好ましくは、幾つかの実施形態において、粒子検出システムは、5nm~50nmの有効粒径の検出下限(例えば、確実に検出することができる最小粒径)を有するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、粒子検出システムは、20nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成されてもよい。レーザ光源は、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有してもよい。
【0011】
[0011]一実施形態において、粒子検出システムは、電磁放射線ビームを供給するレーザ光源と、電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、レーザ光源と1つ以上のビーム成形要素との間にあり、ビームの経路内に配置される光アイソレータと、ビームの経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、粒子調査ゾーン内の粒子が電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される第1の光検出器と、ビームの出力を監視するように構成される第2の光検出器と、第2の光検出器からの信号に基づいてビーム出力を調整するように構成されるコントローラとを備え、光アイソレータは、第2の光検出器に通じる光路から外に、粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするように構成される。粒子検出システムは、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成されてもよい。レーザ光源は、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有してもよい。
【0012】
[0012]一実施形態において、粒子検出システムは、電磁放射線ビームを供給し、ハウジングを有するレーザ光源と、電磁放射線ビームを受けるための1つ以上のビーム成形要素と、レーザ光源と1つ以上のビーム成形要素との間にあり、ビームの経路内に配置される光アイソレータであって、レーザ光源のハウジング内に配置される、光アイソレータと、ビームの経路内に配置される粒子調査ゾーンであって、粒子調査ゾーン内の粒子が電磁放射線ビームと相互作用する、粒子調査ゾーンと、粒子調査ゾーンから散乱及び/又は透過される光を検出するように構成される光検出器とを備える。粒子検出システムは、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成されてもよい。レーザ光源は、300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有してもよい。
【0013】
[0013]一実施形態では、レーザ光源が300ミリワット~10ワットのレーザ出力を有する。一実施形態では、レーザ光源が500ミリワット~10ワットのレーザ出力を有する。
【0014】
[0014]一実施形態において、粒子検出システムは、9nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成されてもよい。一実施形態において、粒子検出システムは、15nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成されてもよい。
【0015】
[0015]幾つかの実施形態において、光アイソレータは、レーザ光源からの前記電磁放射線ビームの50%以上の透過をもたらす。幾つかの実施形態において、光アイソレータは、システムからレーザ光源への反射光、散乱光又は放射光の10%以下の透過をもたらす。幾つかの実施形態において、光アイソレータは、前記レーザ光源における光フィードバックを防止又は低減する。
【0016】
[0016]幾つかの実施形態において、光アイソレータは、粒子調査ゾーン内の下流構成要素又は測定流体による後方反射又は散乱光によって引き起こされるレーザ光源の不安定性を低減する。幾つかの実施形態では、光アイソレータがファラデー回転子を備える。一実施形態では、光アイソレータが自立型である。代替的な実施形態では、光アイソレータがレーザ光源のハウジングに組み込まれる。
【0017】
[0017]幾つかの実施形態では、光アイソレータが偏光依存性光アイソレータである。例えば、一実施形態において、光アイソレータは、入力偏光子、ファラデー回転子、及び出力偏光子を備える。入力偏光子は、レーザ光源とファラデー回転子との間に配置されてもよく、出力偏光子は、ファラデー回転子と粒子調査ゾーンとの間に配置されてもよい。
【0018】
[0018]幾つかの実施形態において、ファラデー回転子は、前記電磁放射線ビームの直線偏光を維持しながら非相反回転をもたらす。例えば、ファラデー回転子(又はその系列)は、電磁放射線ビームの偏光面を45°~90°回転させる。
【0019】
[0019]幾つかの実施形態において、出力偏光子は、ファラデー回転子から粒子調査ゾーンに向かって通過する電磁放射線ビームを透過するように構成される。入力偏光子は、ファラデー回転子からレーザ光源に向けて通過する光の透過を防止するように構成されてもよい。
【0020】
[0020]幾つかの実施形態では、光アイソレータが偏光に依存しない光アイソレータである。例えば、一実施形態において、光アイソレータは、入力複屈折くさび、ファラデー回転子、及び出力複屈折くさびを備える。入力複屈折くさびは、レーザ光源とファラデー回転子との間に配置されてもよく、出力複屈折くさびは、ファラデー回転子と粒子調査ゾーンとの間に配置されてもよい。一実施形態において、入力複屈折くさびは、レーザ光源からのビームを第1の成分ビームと第2の成分ビームとに分割するように構成され、第1の成分ビームはビームの垂直成分に対応し、第2の成分ビームはビームの水平成分に対応する。出力複屈折くさびは、ファラデー回転子を通過した後に第1及び第2の成分ビームを再結合するように構成されてもよい。
【0021】
[0021]一実施形態において、ファラデー回転子は、第1及び第2の成分ビームの偏光面を回転させるように構成される。一実施形態において、システムは、光アイソレータとレーザ光源との間に配置される第1のコリメータと、光アイソレータと粒子調査ゾーンとの間に第2のコリメータ位置とを備える。
【0022】
[0022]一実施形態では、レーザ光源が固体レーザである。一実施形態では、レーザ光源がレーザダイオード又はレーザ発振器である。
【0023】
[0023]一実施形態では、システムが複数のレーザ光源及び複数の光アイソレータを備える。
【0024】
[0024]一実施形態において、レーザ光源は、0.01~200Wの範囲から選択される放射出力を有する光を供給する。一実施形態において、レーザ光源は、160nm~1500nmの範囲から選択される放射波長を有する光を供給する。
【0025】
[0025]一実施形態において、1つ以上のビーム成形要素は、前記粒子調査ゾーンに光を集束させるための集束要素を少なくとも備える。一実施形態において、システムは、光アイソレータと1つ以上のビーム成形要素との間においてビームの経路に配置されるミラー又は他の非ビーム成形構成要素を備える。
【0026】
[0026]一実施形態において、システムは、ビームの偏光を回復する又は円偏光光を下流構成要素に送達するために光アイソレータの後においてビームの経路に半波長板又は1/4波長板を備える。
【0027】
[0027]一実施形態において、粒子調査ゾーンは、粒子を含有する流体を流すためのフローセルを備える。幾つかの実施形態では、粒子調査ゾーンが表面を備える。例えば、一実施形態では、粒子調査ゾーンが半導体ウェハの表面を備える。
【0028】
[0028]一実施形態では、光検出器が1つ以上の二次元光検出器アレイを備える。一実施形態において、光検出器は、粒子調査ゾーン内の粒子によって散乱される光を検出するように構成される。一実施形態において、光検出器は、粒子調査ゾーンを透過した光を検出するように構成される。
【0029】
[0029]一実施形態では、レーザ光源が出口窓を有し、窓と光アイソレータとの間のビーム経路が500mm未満である。一実施形態では、レーザ光源が出口窓を有し、窓と光アイソレータとの間のビーム経路が300mm未満である。一実施形態では、レーザ光源が出口窓を有し、窓と光アイソレータとの間のビーム経路が100mm未満である。
【0030】
[0030]一実施形態において、システムは、流体中の濃度を有する粒子を検出するように構成され、濃度は、20nm以上の有効直径を有する粒子について流体1リットル当たり1~10万粒子である。一実施形態において、システムは、流体中の濃度を有する粒子を検出するように構成され、濃度は、20nm以上の有効直径を有する粒子について流体1リットル当たり10~10万粒子である。システムは、流体中の濃度を有する粒子を検出するように構成され、濃度は、20nm以上の有効直径を有する粒子について流体1リットル当たり100~10万粒子である。
【0031】
[0031]一実施形態では、レーザ光源がハウジングを有し、第2の光検出器、コントローラ、及び光アイソレータは、レーザ光源のハウジング内に配置される。
【0032】
[0032]一実施形態において、粒子を検出する方法は、電磁放射線ビームを生成するステップと、光アイソレータにビームを通過させるステップと、1つ以上のビーム成形要素を介してビームを成形するステップと、成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、粒子を粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、ビームが粒子調査ゾーン内の粒子と相互作用する、ステップと、粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップとを含み、光アイソレータが、システムからレーザ光源への反射光、散乱光、又は放射光の10%以下の透過をもたらす。
【0033】
[0033]一実施形態において、能動的に安定化されたレーザ粒子検出システムを制御する方法は、能動的に安定化されたレーザを介して電磁放射線ビームを生成するステップであって、ビームがビーム出力を有する、ステップと、光アイソレータにビームを通過させるステップと、1つ以上のビーム成形要素を介してビームを成形するステップと、成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、粒子を粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、ビームが粒子調査ゾーン内の粒子と相互作用する、ステップと、第1の光検出器を介して粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップと、第2の光検出器を介してビーム出力を監視するステップと、光アイソレータを介して、第2の光検出器に通じる光路から外に、粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするステップと、監視するステップ及びフィルタリングするステップに応答してコントローラを介してビーム出力を調整するステップとを含む。
【0034】
[0034]一実施形態において、方法は、光アイソレータを介した光源への光フィードバックを防止又は低減するステップを含む。一実施形態では、光アイソレータがファラデー回転子を備える。
【0035】
[0035]一実施形態では、光アイソレータが偏光依存性である。例えば、一実施形態において、光アイソレータにビームを通過させるステップは、第1の偏光要素を介してビームを直線偏光するステップと、ビームの偏光面を45°回転させるステップと、ビームを第2の偏光要素に通過させるステップであって、第2の偏光要素が、第1の偏光要素の偏光軸線に対して45°に位置合わせされる偏光軸線を有する、ステップとを含む。
【0036】
[0036]一実施形態において、方法は、第2の偏光要素に光を逆方向に通過させて偏光された逆光を形成するステップと、偏光された逆光の偏光面を45°回転させるステップと、第1の偏光要素を介して逆光を減衰させるステップとを含む。
【0037】
[0037]幾つかの実施形態では、光アイソレータが偏光に依存しない。例えば、一実施形態において、光アイソレータにビームを通過させるステップは、ビームを第1の複屈折くさびに通過させて、e光線及びo光線を形成するステップと、e光線及びo光線の偏光面をファラデー回転子を介して45°回転させるステップと、第2の複屈折くさびを介してe光線とo光線とを再結合するステップとを含む。一実施形態において、方法は、第2の複屈折くさびに光を逆方向に通過させて、逆e光線及び逆o光線を形成するステップと、ファラデー回転子を介して逆e光線及び逆o光線の偏光面を45°回転させるステップと、第1の複屈折くさびを介して逆e光線及び逆o光線を発散させるステップとを含む。一実施形態において、方法は、コリメータを介して逆e光線及び逆o光線を減衰させるステップを含む。
【0038】
[0038]幾つかの実施形態において、方法は、光学粒子計数器のノイズを低減するためのものである。幾つかの実施形態において、方法は、光学粒子計数器の安定性及び寿命を増加させるためのものである。
【0039】
[0039]本明細書に開示される光アイソレータ安定化システム及び方法は、広範囲の粒子検出システムで利用することができる。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器が散乱粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器がダークビーム粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器が側方散乱粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器が前方散乱粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器が差動粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器が干渉粒子検出器である。一実施形態では、光アイソレータ安定化粒子検出器がポンプビーム粒子検出器である。
【0040】
[0040]一実施形態において、粒子検出システムにおける偽陽性検出事象を低減する方法は、能動的に安定化されたレーザを介して電磁放射線ビームを生成するステップであって、レーザが300ミリワット~100ワットのレーザ出力を有し、粒子検出システムが、5nm~50nmの有効粒径の検出下限を有するように構成される、ステップと、光アイソレータにビームを通過させるステップと、1つ以上のビーム成形要素を介してビームを成形するステップと、成形されたビームを粒子調査ゾーンに向けて導くステップと、粒子を粒子調査ゾーンに通過させるステップであって、ビームが粒子調査ゾーン内の粒子と相互作用する、ステップと、第1の光検出器を介して粒子調査領域から散乱及び/又は透過される光の少なくとも一部を検出するステップと、第2の光検出器を介してビーム出力を監視するステップと、光アイソレータを介して、第2の光検出器に通じる光路から外に、粒子検出システムからの光フィードバックをフィルタリングするステップと、監視するステップ及びフィルタリングするステップに応答してコントローラを介してビーム出力を調整するステップとを含む。
【0041】
[0041]いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、本明細書に開示されるデバイス及び方法に関連する基本原理の信念又は理解について本明細書で議論することができる。任意の機構的説明又は仮説の最終的な正当性にかかわらず、それにもかかわらず、本発明の実施形態は動作可能且つ有用であり得ることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】粒子濃度対時間のプロットを示す。時間がX軸上に示され、粒子濃度がY軸上に示される。プロットは、同じ媒体をサンプリングする2つの粒子計数器ユニットからのデータを示す。
図2】本開示に係るレーザ放射方向に進む光における偏光依存性光アイソレータの光路の概略図である。
図3】本開示に係るノイズ源方向に進む光における偏光依存性光アイソレータの光路の概略図である。
図4A】本開示に係る、レーザ放射方向(上)に進む光における偏光に依存しない光アイソレータの光路、及びノイズ源方向(下)に進む光における偏光に依存しない光アイソレータの光路の概略図である。
図4B】本開示に係る、光アイソレータの一実施形態を通過してレーザ放射方向(上)に進むランダム偏光の光路、及び光アイソレータを通過してノイズ源方向(下)に進むランダム偏光の光路の概略図である。
図5】本開示の光アイソレータ安定化レーザ光学粒子計数器の一実施形態の概略図である。
図6】偏光ビームスプリッタキューブ(PBS)と、レーザ光が往路に沿って戻るのを防止するように配置された1/4波長板とを含む光アイソレータの一実施形態の概略図である。
図7】音響光アイソレータの一実施形態の概略図である。
図8】ビーム出力検出及びフィードバック制御ループを含む能動的に安定化されたレーザの概略図である。
図9】能動的に安定化されたレーザ粒子計数システムにおけるレーザ不安定性に起因する誤粒子計数の可能性のある経路を示す流れ図である。
図10A】検出された粒子計数対時間のプロットである。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。プロットは、多数の偽陽性検出事象を示す。
図10B】検出された粒子計数対時間のプロットである。データは、図10Aと同じ脱イオン水媒体をサンプリングする同じ機器にファラデーアイソレータを設置した後に収集された。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。
図11】検出された粒子計数対時間のプロットである。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。プロットは、ファラデー回転子が設置されるまで多数の偽陽性検出事象を示し、設置された時点でデバイスの偽陽性挙動は停止する。
図12】検出された粒子計数対時間のプロットである。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。プロットは、多数の偽陽性検出事象を示す。
図13】検出された粒子計数対時間のプロットである。データは、図12と同じ脱イオン水媒体をサンプリングする同じ機器にファラデーアイソレータを設置した後に収集された。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。
図14】検出された粒子計数対時間のプロットである。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。プロットは、多数の偽陽性検出事象を示す。
図15】検出された粒子計数対時間のプロットである。データは、図14と同じ脱イオン水媒体をサンプリングする同じ機器にファラデーアイソレータを設置した後に収集された。時間がX軸上に示され、粒子計数がY軸上に示される。
図16】検出された粒子計数対時間のプロットである。データは、図15の光アイソレータを備えたデバイスを介して収集され、同じ機器が図14及び図15と同じ脱イオン水媒体をサンプリングした。データは、デバイスの継続的な動作安定性及び有意な偽陽性検出事象の欠如を示す。
図17】ファラデー光アイソレータでランダム偏光光源を利用するための構成の概略図である。
【化合物及び用語に関する記載】
【0043】
[0061]一般に、本明細書中で使用される用語及び語句は、当業者に知られている標準的なテキスト、雑誌出典、及び、文脈を参照することにより見出され得るそれらの当技術分野で認識された意味を有する。以下の定義は、本発明との関連でのそれらの特定の使用を明確にするべく与えられる。
【0044】
[0062]「粒子」は、しばしば汚染物質と見なされる小さい物体を指す。粒子は、例えば2つの表面が機械的に接触して機械的な動きが存在するときに、摩擦の作用によって生成される任意の物質であってもよい。粒子は、塵、埃、煙、灰、水、煤、金属、酸化物、セラミック、鉱物、又はこれらもしくは他の材料もしくは汚染物質の任意の組み合わせなどの材料の凝集体から構成することができる。「粒子」はまた、生物学的粒子、例えば、細菌、真菌、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含むウイルス、胞子及び微生物を指し得る。幾つかの実施形態では、例えば、生物学的粒子は、0.1~15μmの範囲のサイズ寸法(例えば、有効直径)、場合により幾つかの用途では0.5~5μmの範囲のサイズ寸法によって特徴付けられる。粒子は、光を吸収、放射、又は散乱し、したがって光学粒子計数器によって検出可能な小さな物体を指すことができる。本明細書で使用される場合、「粒子」は、担体流体、例えば水、空気、プロセス液体化学物質、プロセスガスなどの個々の原子又は分子を除外することを意図している。幾つかの実施形態では、粒子は、最初に微細加工施設の工具表面などの表面上に存在し、表面から遊離し、続いて流体中で分析され得る。幾つかのシステム及び方法は、20nm、30nm、50nm、100nm、500nm、1μm以上、又は10μm以上の有効直径などのサイズ寸法を有する材料の凝集体を含む粒子を検出することができる。本発明の幾つかの実施形態は、10nm~150μmの範囲、場合により幾つかの用途では10nm~-10μm、場合により幾つかの用途では10nm~-1μm、場合により幾つかの用途では10nm~-0.5μmから選択される有効直径などのサイズ寸法を有する粒子を検出することができる。
【0045】
[0063]「粒子を検出する」という表現は、有効直径などのサイズ寸法に関して粒子を特徴付けるなど、粒子を感知、粒子の存在を識別、粒子を計数及び/又は粒子を特徴付けることを広く指す。幾つかの実施形態において、粒子を検出することは、粒子を計数することを指す。幾つかの実施形態では、粒子を検出することは、有効直径、断面寸法、形状、サイズ、空気力学的サイズ、又はこれらの任意の組み合わせなどの粒子の物理的特性を特徴付ける及び/又は測定することを指す。幾つかの実施形態では、粒子の検出は、0.05CFM~10CFMの範囲にわたって選択された体積流量を有するガスなどの流動流体中で、場合により幾つかの用途では0.1CFM~5CFM、場合により幾つかの用途では0.5CFM~2CFMで行われる。幾つかの実施形態では、粒子の検出は、1から1000mL/分の範囲にわたって選択される体積流量を有する液体などの流動流体中で行われる。
【0046】
[0064]「光学粒子計数器」又は「粒子計数器」は互換的に使用され、典型的には流体流中の粒子を分析することによって、光学検出を使用して粒子を検出する粒子検出システムを指す。光学粒子計数器は、例えば、流体流中の個々の単一粒子を検出することができるシステムを含む、液体粒子計数器及びエアロゾル粒子計数器を含む。光学粒子計数器は、電磁放射線(例えば、レーザ)のビームを分析領域に供給し、ビームは任意の粒子と相互作用し、次いでフローセルからの散乱、放射、又は透過光に基づいて粒子を検出する。検出は、粒子によって散乱、吸収、不明瞭化及び/又は放射される電磁放射に焦点を合わせることができる。例えば、単一の検出素子(例えば、フォトダイオード、光電子増倍管など)、検出器アレイ、カメラ、様々な検出器の向きなどを含む、光学粒子計数器の様々な検出器が当技術分野で知られている。光学粒子計数器は、凝縮粒子計数器、凝縮核計数器、分割ビーム差動システムなどを含む。凝縮粒子計数器の文脈で使用される場合、粒子計数器部分は検出システム(例えば、電磁放射線源、光学素子、フィルタ、光収集、検出器、プロセッサなど)を指す。一実施形態では、例えば、光学粒子計数器は、電磁放射線ビームを生成するための源、流体試料が流れている領域、例えばフローセルを通って流れる液体又は気体にビームを誘導及び集束させるためのビームステアリング及び/又は成形光学系を含む。典型的な光学粒子計数器は、前記フローセルと光学的に連通する光学検出器アレイなどの光検出器と、ビームを通過する粒子によって散乱、透過、又は放射される電磁放射を収集及び撮像するための収集光学系とを備える。粒子計数器は、電流-電圧変換器、パルス高さ分析器、並びに信号フィルタリング及び増幅電子機器を含む、光検出器によって生成された電気信号の読み出し、信号処理及び分析のための電子機器及び/又はプロセッサ構成要素を更に備えることができる。光学粒子計数器はまた、例えば体積流量によって特徴付けられる流れを生成するために、フローセルの検出領域を通って粒子を含有する流体試料を輸送するための流れを生成するためのポンプ、ファン又はブロワなどの流体作動システムを備えてもよい。1つ以上のガスを含む試料の有用な流量は、0.05CFM~10CFMの範囲にわたって選択された流量を含み、場合によっては幾つかの用途では0.1CFM~5CFM、場合によっては幾つかの用途では0.5CFM~2CFMである。1つ以上の液体を含む試料に有用な流速としては、1から1000mL/分の範囲にわたって選択される流速が挙げられる。
【0047】
[0065]統計的に有意なデータを提供する方法で清浄流体及び超清浄流体中の小さな粒子(例えば、有効直径が100nm未満)を検出及び計数するには、高い信号対雑音比(S/N)が必要である。高いS/N比は、ナノ粒子をノイズフロアの上方で明確に検出することを可能にする。本明細書で使用される場合、「統計的に有意なデータ」とは、流体中の汚染レベルを正確に評価することができるのに十分な単位時間当たりの粒子の検出を指す。幾つかの実施形態では、高いS/Nはサイジング精度に直接関係しない。例えば、幾つかの光学粒子計数器では、ビームウェストはフローセルチャネルのごく一部を占め、したがって、この手法は、粒子が放射照度が中心よりも小さいビームの縁部を通過することが可能であるように、全流量のサブセットを監視する。50nm粒子がビームの外縁を通過する場合、ビームの中心を通過する10nm粒子と同様の信号を生成することができる。したがって、幾つかの光学粒子計数器は、高いS/Nを有し、例えば20nmの粒子を検出することが可能であるが、あまり良好なサイジング精度を有していない。本光学粒子計数器及び方法の幾つかでは、最短時間で超高純度流体の汚染レベルの定量的、統計的に健全な評価を行うのに十分な粒子を計数できることが目標である。例えば、最新技術の粒子計数器は、最新技術の超純水システムを監視するときに統計的に適切な濃度(許容可能な相対標準偏差)測定を行うのに十分な粒子を計数するために最大40分を必要とし得る。本システム及び方法によって高いS/Nを改善及び維持することにより、この統計的に許容される最小粒子数を測定するために必要な時間間隔を10倍以上短縮することができる。これは、ユーザがプロセス制御限界からの偏差をより迅速に識別することを可能にするので、価値を提供する。
【0048】
[0066]「ノイズ」という用語は、粒子検出システムの精度又は精度を妨げる信号(例えば、光検出器の信号)の望ましくない変更を指す。ノイズは、ビームの光路内の材料間の界面に起因する後方散乱、光学部品の汚染に起因する後方散乱、及び/又はレーザに到達することによる粒子調査領域内の流体からの分子散乱などのソースから導出され得る。幾つかの実施形態では、後方散乱によるノイズは、振幅が粒子検出閾値を超える可能性がある異常な電子信号をもたらし、粒子検出の誤計数をもたらす可能性がある。
【0049】
[0067]「高い信号対雑音比」という表現は、小さな物理的寸法(例えば、200nm以下、任意選択的に幾つかの実施形態では100nm以下、任意選択的に幾つかの実施形態では50nm以下の有効直径)を特徴とする粒子を含む、流体流中の粒子の正確で高感度の検出に十分な光学粒子検出システムの信号対雑音比を指す。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、20nmという低い有効直径、場合によっては幾つかの用途では10nmという低い直径、場合によっては幾つかの用途では1nmという低い直径を有する粒子などの小さい物理的寸法を特徴とする粒子を感知するのに十分に高い信号対雑音比を指す。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、例えば、1~1000nmの範囲にわたって選択された有効直径を有する粒子の検出のために、50計数/L以下の誤検出率で粒子を正確に検出及び計数するのに十分に高い信号対雑音比を指す。一実施形態では、「高い信号対雑音比」は、従来の光学粒子計数器よりも少なくとも10倍少ない時間枠で統計的に許容される最小粒子計数を提供するのに十分に高い信号対雑音比を指す。本開示のシステム及び方法は、高い信号対雑音比を提供することができる。
【0050】
[0068]「ビーム伝播軸」は、電磁放射線ビームの進行方向に平行な軸線を指す。
【0051】
[0069]「光通信」とは、構成要素間で光が伝達できるように配置された構成要素を指す。
【0052】
[0070]「光軸線」は、電磁放射線がシステムを通って伝播する方向を指す。
【0053】
[0071]「光検出器アレイ」は、検出器の活性領域にわたって二次元で入力信号(例えば、電磁放射線)を空間的に分解することができる光検出器を指す。光検出器アレイは、画像、例えば検出器の活性領域上の強度パターンに対応する画像を生成することができる。一実施形態では、光検出器アレイは、本明細書ではピクセルとも呼ばれる個々の検出器素子のアレイ、例えば、光検出器の2次元アレイ、電荷結合素子(CCD)検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、アクティブピクセルセンサ、マイクロチャネルプレート検出器、又はフォトダイオードの2次元アレイを備える。
【0054】
[0072]「光源」は、電磁放射線を試料に送達することができるデバイス又はデバイス構成要素を指す。「光」という用語は、可視光ビームなどの可視放射に限定されず、可視放射、紫外線放射及び/又は赤外線放射も含む任意の電磁放射を含むように広い意味で使用される。光源は、幾つかの例を挙げると、ダイオードレーザ、ダイオードレーザアレイ、ダイオードレーザ励起固体レーザ、LED、LEDアレイ、気相レーザ、レーザ発振器、固体レーザなどのレーザ又はレーザアレイとして具現化されてもよい。
【0055】
[0073]「電磁放射線」及び「光」という用語は、本明細書では同義的に使用され、電場及び磁場の波を指す。本発明の方法に有用な電磁放射線には、紫外光、可視光、赤外光、又は約100ナノメートル~約15ミクロンの波長を有するこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
[0074]「粒子調査ゾーン」という用語は、1つ以上の粒子が入射ビーム及び/又はポンプビームと相互作用して光を散乱させる粒子検出システム内のゾーンを指す。幾つかの実施形態では、粒子調査ゾーンは、そこを通って流れる粒子含有液体を抑制するためのキュベット及び/又はフローセルを備え得る。他の実施形態では、粒子含有ガスの拘束されていないジェットは、粒子調査ゾーンを通って流れることができる。更に他の実施形態では、粒子調査ゾーンは、粒子について調査される表面を備えることができる。
【0057】
[0075]「光アイソレータ」という用語は、一方向の光の透過を可能にするが、反対方向の光の透過を低減又は排除する光学部品を指す。幾つかの実施形態では、例えば、光アイソレータは、50%以上、任意選択的に70%以上、任意選択的に90%以上、任意選択的に95%以上の1つ以上のレーザ光源からの光の透過をもたらすように構成される。幾つかの実施形態では、例えば、光アイソレータは、20%以下、任意選択的に10%以下、任意選択的に5%以下、及び任意選択的に1%以下の、粒子計数器の他の要素から1つ以上のレーザ光源(すなわち、反射透過)への光の透過をもたらすように構成される。幾つかの実施形態では、本開示の光アイソレータは、わずか0.001%の後方反射透過をもたらすことができる。本開示の光アイソレータは、ファラデー効果を介して動作して、粒子検出器のレーザの経路内に非相反光学素子を供給することができる。光アイソレータは、レーザ光源の下流のどこにでも設けることができるが、幾つかの実施形態では、光アイソレータがレーザ光源の下流の第1の光学素子であるように粒子検出器を構成することが特に有利であり得ることが分かった。本明細書で使用する場合、「下流」とは、別の構成要素と比較して、ビームの光路に沿ってレーザ光源から更に離れた構成要素を指す。本明細書で使用する場合、「上流」とは、別の構成要素と比較して、ビームの光路に沿ってレーザ光源により近い構成要素を指す。幾つかの実施形態では、光アイソレータをレーザのハウジングに組み込むことができる。
【0058】
[0076]本明細書で使用される場合、能動的に安定化されたレーザという用語は、フィードバック制御ループによって制御されるレーザ光光源を意味する。フィードバック制御ループは、レーザによって生成されたレーザビームの出力を監視するように構成された専用の光検出器を含むことができる。フィードバック制御システムはまた、光検出器から受信した信号に応答して生成されたビームの出力を調整するように構成されたレーザ出力コントローラを含むことができる。
【0059】
[0077]本明細書で使用される場合、「偽陽性検出事象」という用語は、粒子の検出を誤って示す粒子検出システムによって生成された1つ以上の信号を意味する。
【発明の詳細な説明】
【0060】
[0078]以下の説明では、本発明の正確な性質の完全な説明を与えるために、本発明のデバイス、デバイス構成要素、及び、方法の多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば分かるように、これらの具体的な詳細を伴わなくても本発明を実施できる。
【0061】
[0079]開示されたシステム及び方法は、光学粒子計数器内の高安定性レーザとビーム成形光学系との間に光アイソレータを使用することができ、それによって、システムからレーザに戻ってシステムに含まれる出力安定化システムを潜在的に混乱させる迷光の結合を防止する。幾つかの実施形態では、光アイソレータは偏光依存性光アイソレータであってもよい。他の実施形態では、光アイソレータは、偏光に依存しない光アイソレータであってもよい。
【0062】
[0080]流体中の低濃度の非常に小さな粒子の検出は、粒子検出システムの一部として能動的に安定化されたレーザを必要とする場合がある。能動的安定化、すなわち、レーザの出力を安定させるためのフィードバック制御システムは、粒子のより高感度の検出を可能にする。しかしながら、フィードバック制御システムはまた、誤粒子計数の可能性を導入し得る。ここで図9を参照すると、この望ましくない誤計数挙動の一例を示すフローチャートが示されている。第1に、能動的に安定化されたレーザは、粒子調査ゾーンを照射する。能動的に安定化されたレーザは、レーザの出口窓を出るビームの出力を連続的に監視するための光検出器と、それに応じてレーザの出力を調整するためのコントローラとを含むことができる。したがって、通常の動作条件下では、レーザの出力は安定し得る。
【0063】
[0081]しかしながら、システム内の1つ以上の後方散乱源により、後方反射光は、能動的に安定化されたレーザのレーザ幅に戻ることができる。後方反射光は、レーザ出力のサンプルと結合し、それによって、例えば、ビームの出力が高すぎることをコントローラに示すが、実際にはそうではない。このため、コントローラは、ビーム出力を誤って小さくしてしまう可能性がある。次いで、レーザ出力を監視する検出器は、このビーム出力の低下を検出することができ、コントローラは、ビーム出力を増加させることによって応答することができる。幾つかの実施形態では、この現象は、粒子調査ゾーンを監視する1つ以上の光検出器で粒子検出閾値を超えるのに十分な振幅の粒子調査ゾーン内のビーム出力の振動を引き起こす可能性がある。したがって、逆反射光のみが能動的に安定化されたレーザに戻る方法を見つけるために、調査ゾーンに粒子が存在しない場合、誤粒子計数が発生する可能性がある。幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、この問題に対処することができる。
【0064】
(実施例1-概念証明:動作中の粒子検出器におけるノイズ低減)
[0082]ここで図1を参照すると、本開示のシステム及び方法の有効性を実証するデータが示されている。具体的には、図1は、粒子濃度対時間のプロットを示す。時間がX軸上に示され、粒子濃度がY軸上に示される。プロットは、同じ媒体をサンプリングする2つの粒子計数器ユニットからのデータを示す。
【0065】
[0083]図から分かるように、ユニットの1つは、粒子が存在しない場合でも、光検出器が小さな粒子によって散乱された光のレベルと同じ大きさの光の変動を感知し、それによって粒子検出事象を生成する不安定な動作を示す。この不安定性は、上記の要因(光学部品上の汚染、粒子調査ゾーン内の流体からの分子散乱、異なる屈折率を有する材料間の界面などを含む)によるものであり得る。グラフ上に特定された時点で、本発明による光アイソレータを設置した。光アイソレータの設置後、第2のユニットは信号ノイズを示さなくなるように見え、2つの粒子計数器の粒子濃度データは密接に一致する。
【0066】
(実施例2-偏光依存性アイソレータ)
[0084]幾つかの実施形態では、偏光依存性ファラデーアイソレータは、入力偏光子、ファラデー回転子、及び出力偏光子の3つの主要な構成要素からなる。図2に示すように、順方向に進む光は、入力偏光子を通過し、例えば垂直面内で偏光される。ファラデー回転子を通過すると、偏光面は軸線上で45°回転していることになる。入力偏光子の偏光軸線に対して45°の偏光軸線と位置合わせされた出力偏光子は、光が妨げられずに通過することを可能にする。
【0067】
[0085]図3に示すように、逆方向に進む光は、出力偏光子を通過して45°の偏光となる。次いで、光は、ファラデー回転子を通過し、更に45°の非相反回転を受ける。このとき、光は水平面内で偏光され、垂直面内で偏光された光のみが妨げられることなく通過することを可能にする入力偏光子によって拒絶される。したがって、上流方向に進む光を高度に減衰させることができ、ソースレーザの安定性を向上させることができる。
【0068】
[0086]直線偏光を維持しながら非相反回転をもたらすファラデーアイソレータの能力は、それをλ/4板偏光子タイプのアイソレータと区別するものであり、より高いアイソレーション及びより高い安定性を提供することを可能にすることが分かった。幾つかの実施形態では、1/2波長板をシステムに追加して、下流構成要素への入力偏光を維持することができる。
【0069】
[0087]図示の例は、偏光面を順方向に45°回転させるように構成された単一のファラデー回転子を使用し、入力偏光子及び出力偏光子はファラデー回転子の45°回転に従って配置されているが、他の回転量を利用する他の構成も本開示の範囲内である。例えば、幾つかの実施形態では、光アイソレータ安定化レーザ光学粒子計数器システムは、2段光アイソレータを備える。2段光アイソレータは、3つの偏光子及び2つのファラデー回転子を備えることができ、ファラデー回転子は偏光子の間に挟まれる。
【0070】
(実施例3-偏光に依存しないアイソレータ)
[0088]幾つかの実施形態では、偏光に依存しないアイソレータは、入力複屈折くさび、ファラデー回転子、及び出力複屈折くさびを備えることができる。図4Aの例では、入力複屈折くさびは、その通常の偏光方向を垂直として示され、その異常な偏光方向を水平として示されている。図4Aの例では、出力複屈折くさびは、その通常の偏光方向が45°であり、その異常な偏光方向が-45°であるように示されている。
【0071】
[0089]図4Aに示すように、順方向に進む光は、入力複屈折くさびによってその垂直成分(0°)及び水平成分(90°)に分割され、それぞれ通常光線(o-ray)及び異常光線(e-ray)と呼ばれる。ファラデー回転子は、o光線及びe光線の両方を45°回転させる。これは、o光線が今や45°にあり、e光線が-45°にあることを意味する。次に、出力複屈折くさびは2つの成分を再結合する。
【0072】
[0090]逆方向に進む光は、複屈折くさびにより、45でo光線、-45°でe光線に分離される。ファラデー回転子は、再び両方の光線を45°回転させる。ここで、o光線は90°にあり、e光線は0°にある。第2の複屈折くさびによって集束される代わりに、光線は発散する。したがって、上流方向に進む光を高度に減衰させることができ、ソースレーザの安定性を向上させることができる。
【0073】
[0091]幾つかの実施形態では、アイソレータの両側に1つずつ、第1及び第2のコリメータが使用されてもよい。そのような実施形態では、透過方向において、ビームは分割され、次いで結合されて出力コリメータに集束される。分離された方向では、ビームは分割され、次いで発散されるので、コリメータに焦点を合わせない。
【0074】
[0092]図4の光アイソレータは、一段の光アイソレータとして示されているが、他の実施形態も本開示の範囲内である。例えば、幾つかの実施形態では、光アイソレータは、多段の偏光に依存しない光アイソレータであってもよい。一例では、2段の偏光に依存しない光アイソレータは、ビームの経路に沿って直列に配置された図4に示すような2つの単段アイソレータを備えることができる。
【0075】
(実施例4-ランダムに偏光されたレーザ光源)
[0093]前述したように、ファラデーアイソレータは、その入力偏光子が直交偏光を拒絶するので、直線偏光レーザ光源と共に使用することができるが、図17に示すように、ランダム偏光レーザ光源は、出力ビーム用に統合されたファラデーアイソレータを用いて直線偏光ビームを送達するようにビーム結合を介して良好に構成することができる。後にビーム結合技術なしで、各直交偏光レーザビームにファラデーアイソレータを使用することができる。粒子計数機器へのファラデーアイソレータの組み込みは、図2図3に示す特定の入力又は出力偏光配向、又は図4Bに示すランダム偏光レーザ光源のための特定のビーム結合技術に限定されないことに留意すべきである。
【0076】
(実施例5-光アイソレータ安定化レーザ光学粒子計数器システム)
[0094]幾つかの用途に好ましい実施形態では、光アイソレータは、レーザと第1の光学素子との間に配置されてもよい。そのような構成は、屈折率界面及び/又は光アイソレータの上流の潜在的に汚染された光学素子表面の最小化に起因して、改善された安定性を提供し得ることが分かっている。
【0077】
[0095]ここで図5を参照すると、1つのそのようなシステムが示されている。図5に見られるように、システムは、レーザ光源の近位且つシステム内の任意の他の光学部品の上流にある光アイソレータを用いて構成される。動作中、レーザから放射された光は、50%以上、任意選択的に70%以上の透過率などの高透過率で光アイソレータを透過することができる。光アイソレータの下流では、光は、1つ以上のビーム成形光学素子を通過する前に、任意選択の光シャッタを通過することができる。次いで、成形されたビームは、粒子調査ゾーン、この場合、一体化された光学素子を有するサンプルセル、及び粒子について分析される流体のための流路に集束され得る。粒子調査ゾーン内の粒子/ビーム相互作用からの散乱光及び/又はレーザからの光源光は、1つ以上の光検出器によって検出することができる。上流方向に伝播する反射光又は後方散乱光の量を低減するために、非散乱光をビームダンプに導くことができる。
【0078】
[0096]図示のように、図5のシステムは、光アイソレータがなければレーザに戻り、信号ノイズを引き起こす可能性がある後方散乱又は反射の多数の潜在的な発生源を含む。これらのソースは、各表面/流体境界における屈折率界面、光学素子のいずれかの潜在的な汚染、及びサンプルセル内を流れる流体からの分子散乱を含む。したがって、図5のシステムは、ビーム成形及び/又は方向光学系(例えば、レンズ、アパーチャ、プリズム、フィルタ、ミラー、ビームスプリッタ、分散素子など)などの下流システム要素、粒子調査ゾーンの要素(例えば、フローセルの表面、窓、開口など)、撮像光学系、ビームストップ、検出器などを含む散乱及び/又は放射からの光の低い透過率、例えば、10%以下、任意選択的に5%以下の透過率を特徴とする光アイソレータを組み込むことによって、従来の粒子検出器システムを超える改善された性能を達成する。
【0079】
[0097]図5の実施形態に示すように、光アイソレータは、レーザ光源の下流の第1の光学素子である。前述したように、レーザ光源と光アイソレータとの間のビーム経路を光学素子なしに保つことは、レーザへのフィードバックの低減において最大の利点を提供し得ることが発見された。更に、レーザ光源の窓と光アイソレータとの間のビーム経路が短くなるように、例えば500mm未満、又は任意選択的に300mm未満になるようにシステムを構成することが有利であり得る。
【0080】
[0098]一実施形態では、レーザ光源と光アイソレータとの間に集束要素はない。一実施形態では、レーザ光源と光アイソレータとの間に偏光要素は存在しない。一実施形態では、レーザ光源と光アイソレータとの間にコリメート要素はない。
【0081】
[0099]或いは、幾つかの実施形態では、光アイソレータは、光学窓のすぐ内側又はレーザ出力制御検出回路の下流でレーザハウジング自体に一体化することができる。
【0082】
[0100]図5のシステムは、単一のレーザ及び単一の光アイソレータを有するものとして示されているが、幾つかの実施形態では、光アイソレータ安定化レーザ光学粒子計数器システムは、複数のレーザ及び/又は複数の光アイソレータを含むことができる。例えば、一実施形態では、粒子検出器システムは、それぞれが独自の光アイソレータを有する2つのレーザを含むことができる。
【0083】
(実施例6-状態変化アイソレータ)
[0101]幾つかの実施形態では、特に粒子検出システム及び/又は方法がサンプリング領域内の円偏光を許容できる場合、偏光ビームスプリッタキューブ(PBS)と1/4波長板との組み合わせを配置して、レーザ光が往路に沿って戻るのを防ぐことができる。
【0084】
[0102]ここで図6を参照すると、そのような一実施形態が示されている。図6の図示の実施形態では、レーザビームは、ビームスプリッタ接合部を通過して1/4波長板に入ることを可能にするP面偏光を有する立方体に入る。1/4波長板のファスト軸線が45度に配向されると、入射直線ビーム偏光は右手円(RHC)になる。次いで、任意の物体がビームに遭遇すると反射光が生じ、元の方向に反射して戻る光については、その偏光は180度の位相変化を受け、左手円(LHC)になる。1/4波長板を通って戻ると、LHC光はS平面線形になり、PBSからビームダンプに向け直される。このようにして、レーザ光がその光源に戻ることが防止される。
【0085】
(実施例7-音響光アイソレータ)
[0103]幾つかの実施形態では、音響光学セルはアイソレータとして機能することができる。ここで図7を参照すると、音響光アイソレータの一実施形態が示されている。図示の実施形態では、周波数アップシフトされたブラッグ回折光の一部は、ミラーによってそれ自体に反射され、その経路を辿ってセルに戻り、次いで、第2の周波数アップシフトを伴う第2のブラッグ回折を受ける。戻り光の周波数は元の光の周波数と音の周波数の2倍だけ異なるので、フィルタを使用してそれを遮断することができる。或いは、フィルタは、検出プロセスが周波数シフトされた光に反応しない用途及び/又は方法のために除去されてもよい。
【0086】
(実施例8-能動的に安定化されたレーザ粒子検出器システムの制御)
[0104]幾つかの実施形態では、粒子検出システムのレーザ光源は、能動的に安定化されたレーザである。ここで図8を参照すると、そのような能動的に安定化されたレーザの一例の概略図が示されている。図示の実施形態では、固体レーザは、光検出器(すなわち、粒子検出システムの1つ以上の光検出器とは別個の光検出器)によってサンプリングされるビームを生成する。検出器は、コントローラと電子通信する。コントローラは、光検出器からの信号を分析し、レーザの出力を安定させるためにレーザの出力を(例えば、ポンプ出力の制御又はレーザ共振器内又は外側の損失の制御を介して)調整する。
【0087】
[0105]粒子検出システムでは、粒子検出からの光フィードバックは、前述したように、レーザに戻ることができる。このようなフィードバックは、光検出器によって検出され、レーザシステムの誤調整を引き起こす可能性があるため、能動的に安定化されたレーザ粒子検出システムの動作に特に有害であり得る。これは、レーザシステムに戻る光フィードバックがビーム出力制御ループによってピックアップされ、コントローラが出力を下げることによって誤って応答し、光フィードバックが一時的に停止し、コントローラがビーム出力の低下を感知し、レーザ出力を増加させることによって応答し、光フィードバックが戻り、サイクルが繰り返され、ビームの出力が高度に不安定化される、システム内の周期的な不安定挙動を引き起こす可能性がある。
【0088】
[0106]したがって、図8に見られるように、幾つかの実施形態では、粒子検出システムの能動的に安定化されたレーザは光アイソレータを含むことができる。光アイソレータは、レーザシステムの一体部分であってもよく、すなわち、光アイソレータは、レーザシステムのハウジングの内側に配置されてもよく、ビームサンプリングは、ビームがレーザシステムの出口窓を出る前に行われる。
【0089】
[0107]したがって、一実施形態では、能動的に安定化されたレーザ粒子検出システムを制御する方法は、能動的に安定化されたレーザを介して電磁放射線ビームを生成することを含む。ビーム出力は、ビーム出力サンプリング光検出器を介して監視することができる。ビーム出力は、ビーム出力サンプリング光検出器からの入力を使用してコントローラを介して調整することができる。ビームは、レーザシステムの窓を出る前、又は窓の後の距離が非常に近くのいずれかで、光アイソレータを通過することができる。次いで、ビームは、1つ以上のビーム成形要素を介して成形され、粒子調査ゾーンに向けられてもよい。ビームは、粒子調査ゾーン内の粒子と相互作用することができる。前述した要因のいずれかに起因して、光は、粒子検出システムから元のレーザに向かって透過されてもよい。レーザに戻る光は、光アイソレータを介してフィルタリングされ、フィードバックループによって引き起こされる不安定性を防止又は低減することができる。
【0090】
[0108]図8の実施形態は、能動的に安定化されたレーザのハウジング内のコントローラ及びビーム出力監視光検出器を示しているが、他の実施形態では、コントローラ及び/又はビーム出力監視光検出器は、ハウジングの外側に配置されてもよい。
【0091】
[0109]次に図10A図16を参照すると、光アイソレータを備えた場合と備えていない場合の能動的に安定化されたレーザ粒子検出システムの挙動の幾つかの例が示されている。例えば、図10Aは、検出された粒子計数対時間のプロットである。プロットは、急速に連続して発生する多数の偽陽性検出事象を示す。ファラデー光アイソレータがデバイスに設置され、図10Bに示すように、デバイスの偽陽性検出挙動は、光アイソレータの設置に応答して停止する。同様に、図11は、ファラデー回転子が設置されるまで発生する多数の偽陽性検出事象を示しており、設置された時点で、デバイスの偽陽性挙動は停止する。図12は、図13に示すように、ファラデー光アイソレータが設置され、偽陽性挙動が停止するまでの多数の偽陽性検出事象を示す。図14は、図15に示すように、ファラデー光アイソレータが設置され、偽陽性挙動が停止するまでの多数の偽陽性検出事象を示す。図16は、デバイスの継続的な動作安定性及び有意な偽陽性検出事象の欠如を示す。
【参照による組み込みに関する記載及び変形例】
【0092】
[0110]この出願の全体にわたって挙げられる全ての引用文献、例えば、発行済み或いは許可済みの特許又はその同等物、特許出願公開を含む特許文献、及び、非特許文献、又は、他の原資料は、あたかも各引用文献がこの出願における開示と少なくとも部分的に矛盾しない程度まで参照により個別に組み込まれるかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する引用文献は、引用文献の部分的に矛盾する部分を除いて参照により組み込まれる)。
【0093】
[0111]本明細書中で使用されてきた用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語として使用されておらず、また、そのような用語及び表現の使用においては図示されて説明された特徴又はその一部の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求の範囲に記載される発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施形態、典型的な実施形態、及び、随意的な特徴により本発明を具体的に開示してきたが、本明細書中に開示される概念の変更及び変形が当業者により成されてもよく、また、そのような変更及び変形が添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。本明細書中で与えられる特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、また、当業者であれば分かるように、本発明は、この明細書本文に記載されたデバイス、デバイス構成要素、及び、方法ステップの多数の変形を用いて実行されてもよい。当業者に明らかなように、この方法に有用な方法及びデバイスは、多数の随意的な組成物及び処理要素及びステップを含むことができる。
【0094】
[0112]本明細書中及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別段明確に指示しなければ、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセル、及び、当業者に知られているその等価物を含む。同様に、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ以上」、及び、「少なくとも1つの」という用語は、本明細書中では置き換え可能に使用され得る。また、「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び、「有する(having)」という用語が置き換え可能に使用され得ることにも留意されるべきである。「請求項XX-YYのいずれかに記載の」(XX及びYYは請求項番号を指す)という表現は、複数の従属請求項を選択的形態で与えるように意図され、幾つかの実施形態では、「請求項XX-YYのいずれか一項に記載の」という表現と置き換え可能である。
【0095】
[0113]明細書中で範囲、例えば温度範囲、時間範囲、或いは、組成又は濃度の範囲が与えられるときは常に、全ての中間範囲及び部分範囲、並びに、与えられたその範囲に含まれる全ての個々の値が開示内に含まれるように意図される。言うまでもなく、本明細書中の説明に含まれる任意の部分範囲或いは1つの範囲内又は部分範囲内にある個々の値は、特許請求の範囲から排除され得る。
【0096】
[0114]明細書中で言及される全ての特許及び公報は、本発明が関連する技術における当業者のレベルを示す。本明細書中で挙げられる引用文献は、それらの公開日又は出願日の技術の状態を示すために参照によりそれらの全体が本願に組み込まれ、また、従来技術にある特定の実施形態を排除すべく、必要に応じて、この情報を本明細書中で使用できることが意図される。例えば、物質の組成が特許請求の範囲に記載される場合、本明細書中に引用される文献で可能な開示が与えられている化合物を含めて、出願人の発明の前に当該技術分野で知られて入手可能な化合物は、本明細書中の物質請求項の組成に含まれるように意図されないことが理解されるべきである。
【0097】
[0115]本明細書中で使用される「備える」は、「含む」、「包含する」、又は、「によって特徴付けられる」と同義であるとともに、包括的或いは非制限的であり、更なる挙げられていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書中で使用される「から成る」は、特許請求の範囲に記載される要素で特定されない任意の要素、ステップ、又は、成分を排除する。本明細書中で使用される「から本質的に成る」は、特許請求の範囲の基本的で新規な特徴に実質的に影響を与えない材料又はステップを排除しない。いずれの場合にも、用語「備える」、「から本質的に成る」、及び、「から成る」は、他の2つの用語のいずれかと置き換えられてもよい。本明細書中に例示的に記載される発明は、本明細書中に具体的に開示されない任意の1つ以上の要素、1つ以上の限定の不存在下で実施されてもよい。
【0098】
[0116]任意のそのような材料及び方法の当該技術において知られる全ての機能的等価物は、この発明に含まれるように意図される。使用されてきた用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語として使用されておらず、また、そのような用語及び表現の使用においては図示されて説明された特徴又はその一部の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求の範囲に記載される発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施形態及び随意的な特徴により本発明を具体的に開示してきたが、本明細書中に開示される概念の変更及び変形が当業者により成されてもよく、また、そのような変更及び変形が添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】