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特表2024-537606微細構造を備えたディスプレイおよびそのディスプレイを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】微細構造を備えたディスプレイおよびそのディスプレイを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241008BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241008BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241008BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20241008BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G09F9/33
G09F9/00 338
F21S2/00 492
H01L33/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513047
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022041193
(87)【国際公開番号】W WO2023038789
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/242,772
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ガハガン,ケヴィン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ククセンコフ,ドミトリ ウラディスラヴォヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シェンピン
【テーマコード(参考)】
3K244
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
3K244AA04
3K244BA01
3K244BA06
3K244BA11
3K244BA18
3K244CA02
3K244DA01
3K244GB03
3K244GB13
3K244GB14
5C094AA06
5C094AA10
5C094BA03
5C094BA23
5C094ED12
5F142AA01
5F142BA32
5F142CB23
5F142CD02
5F142DB18
5F142GA02
5G435AA02
5G435AA03
5G435BB04
5G435GG43
5G435KK05
(57)【要約】
ディスプレイは、バックプレーン、バックプレーンに結合された一連の光源、および一連の光源の上に配置されたカバープレートを備える。カバープレートは、一連の光源に面した第一面および第一面と反対にある第二面を有する。カバープレートは、微細構造層および吸収層を備える。微細構造層は、カバープレートの第一面上に配置されている。吸収層は、一連の光源に面する微細構造上に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイにおいて、
バックプレーン、
前記バックプレーンに結合された一連の光源、および
前記一連の光源の上に配置されたカバープレートであって、前記一連の光源に面した第一面および該第一面と反対にある第二面を有するカバープレート、
を備え、
前記カバープレートは、
該カバープレートの第一面上に配置されている微細構造層と、
前記一連の光源に面する前記微細構造層上に配置されている吸収層と、
を備えた、ディスプレイ。
【請求項2】
発光ダイオード(LED)ディスプレイにおいて、
バックプレーン、
前記バックプレーンに結合された一連のLED、
前記一連のLEDに取り付けられ、該一連のLEDと揃えられている一連の集束微細構造、および
前記一連の集束微細構造に取り付けられたカバープレート、
を備えたLEDディスプレイ。
【請求項3】
ディスプレイにおいて、
基板、
前記基板上に配置された一連の光源、
前記基板上に配置され、前記一連の光源の光源を取り囲む第1の微細構造層、および
前記第1の微細構造層上に配置された第1の吸収層、
を備えたディスプレイ。
【請求項4】
ディスプレイを製造する方法において、
転写キャリア上に一連の集束微細構造を形成する工程、
光源ウェハーから選択された光源を転写して、前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第一面を該選択された光源に永久的に結合する工程、
前記一連の集束微細構造から前記転写キャリアを除去する工程、および
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに結合する工程であって、該第二面は前記第一面の反対にある、工程、
を含む方法。
【請求項5】
転写キャリアであって、
基板、
前記基板に取り付けられた一時的接着剤層、および
各々が前記一時的接着剤層に取り付けられた第一面を有する一連の集束微細構造、
を備えた転写キャリア。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2021年9月10日に出願された米国仮特許出願第63/242772号の米国法典第35編第119条の下で優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、ディスプレイに関する。より詳しくは、本開示は、ディスプレイの輝度とコントラストを改善するための微細構造を備えたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
ミニLEDやマイクロLEDなどの発光ダイオード(LED)ディスプレイが、より高い輝度、改善された効率、および熱安定性の利点がある、優位性のある発光ディスプレイ技術として現れている。マイクロLEDの小さいエミッタ領域は、マイクロLEDから放出される光をディスプレイから放出させつつ、エミッタ領域外の環境反射を抑制することによって、高い環境コントラストを達成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マイクロLEDからの放出は、典型的に、不均一であり、幅広い角度範囲に及び、かなりの量の光エネルギーがディスプレイ構造内に捕捉され、吸収されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施の形態は、ディスプレイに関する。そのディスプレイは、バックプレーン、バックプレーンに結合された一連の光源、および一連の光源の上に配置されたカバープレートを備える。カバープレートは、一連の光源に面した第一面および第一面と反対にある第二面を有する。カバープレートは、微細構造層および吸収層を備える。微細構造層は、カバープレートの第一面上に配置されている。吸収層は、一連の光源に面する微細構造層上に配置されている。
【0006】
本開示のさらに他の実施の形態は、発光ダイオード(LED)ディスプレイに関する。LEDディスプレイは、バックプレーン、バックプレーンに結合された一連のLED、一連の集束微細構造、およびカバープレートを備える。一連の集束微細構造は、一連のLEDに取り付けられ、一連のLEDと揃えられている。カバープレートは、一連の集束微細構造に取り付けられている。
【0007】
本開示のさらに他の実施の形態は、ディスプレイに関する。ディスプレイは、基板、基板上に配置された一連の光源、第1の微細構造層、および第1の吸収層を備える。第1の微細構造層は、基板上に配置されており、一連の光源の光源を取り囲む。第1の吸収層は、第1の微細構造層上に配置されている。
【0008】
本開示のさらに他の実施の形態は、ディスプレイを製造する方法に関する。この方法は、転写キャリア上に一連の集束微細構造を形成する工程を含む。この方法は、光源ウェハーから選択された光源を転写して、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第一面を選択された光源に永久的に結合する工程を含む。この方法は、一連の集束微細構造から転写キャリアを取り外す工程を含む。この方法は、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに結合する工程であって、第二面は第一面の反対にある、工程を含む。
【0009】
本開示のさらに他の実施の形態は、転写キャリアに関する。転写キャリアは、基板、基板に取り付けられた一時的接着剤層、および一連の集束微細構造を備える。各集束微細構造は、一時的接着剤層に取り付けられた第一面を有する。
【0010】
微細構造層、吸収層、および集束微細構造は、上面または下面発光光源(例えば、LED、ミニLED、マイクロLED)からの光抽出を向上させ、コントラストを改善する。ディスプレイ内の微細構造層および吸収層は、全内部反射(TIR)で入射光をカバープレート内に捕捉することによって、および/または微細構造層および吸収層で入射光の相互作用の数を増加させることによって、環境光反射を抑制する(例えば、約100分の1まで)。微細構造層および吸収層は、LED(例えば、ミニLED、マイクロLED)ディスプレイ製造プロセスに適合する表面も提供する。集束微細構造は、光源からの光を前方に向け、ディスプレイから出る光を均質化し、増加させる。集束微細構造は、環境光を捕捉し、その環境光をディスプレイの吸収領域に向けもする。集束微細構造は、発光波長以外の光を吸収する着色剤またはカラーフィルタを備え、コントラストをさらに向上させ、色純度を改善することができる。このディスプレイ製造プロセスは、転写プロセスを使用して、集束微細構造の製造とアライメントを可能にし、それによって、光源と集束微細構造とのアライメントおよび結合を改善することができる。それに加え、ディスプレイは、完成したカバーガラス部材上に直接製造され、費用を節約し、機械的信頼性を改善し、薄層形状因子を提供することができる。
【0011】
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたような実施の形態を実施することによって認識されるであろう。
【0012】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示に過ぎず、請求項の性質と特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があるのが理解されよう。添付図面は、さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施の形態を示しており、説明と共に、様々な実施の形態の原理および作動を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】バックプレーンに電気的に結合された光源の例示の配列の上面図
図1B】バックプレーンに電気的に結合された光源の例示の配列の上面図
図1C】バックプレーンに電気的に結合された光源の例示の配列の上面図
図1D】バックプレーンに電気的に結合された光源の例示の配列の上面図
図2A】微細構造層および吸収層を備えた例示のディスプレイの単純化された断面図
図2B】微細構造層および吸収層を備えた例示のディスプレイの単純化された断面図
図2C】微細構造層および吸収層を備えた例示のディスプレイの単純化された断面図
図3A図2A~2Cのディスプレイに使用され得る例示の微細構造層および吸収層の断面図
図3B図2A~2Cのディスプレイに使用され得る例示の微細構造層および吸収層の断面図
図3C図2A~2Cのディスプレイに使用され得る例示の微細構造層および吸収層の断面図
図4A】微細構造層および吸収層を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図4B】微細構造層および吸収層を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図4C】微細構造層および吸収層を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図5A図4A~4Cのディスプレイに使用され得る例示の微細構造層および吸収層の断面図
図5B図4A~4Cのディスプレイに使用され得る例示の微細構造層および吸収層の断面図
図6A】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図6B】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図6C】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図6D】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図6E】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図6F】微細構造層の例示の微細構造の等角図
図7A】集束微細構造を備えた例示のディスプレイの単純化された断面図
図7B】集束微細構造を備えた例示のディスプレイの単純化された断面図
図8A図7Aおよび7Bのディスプレイに使用され得る集束微細構造の例示の形状の断面図
図8B図7Aおよび7Bのディスプレイに使用され得る集束微細構造の例示の形状の断面図
図9A】集束微細構造を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図9B】集束微細構造を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図10A】集束微細構造を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図10B】集束微細構造を備えた他の例示のディスプレイの単純化された断面図
図11A】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11B】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11C】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11D】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11E】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11F】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11G】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図11H】集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図
図12A図11A~11Hの方法に使用され得る例示の転写キャリアの断面図
図12B図11A~11Hの方法に使用され得る例示の転写キャリアの断面図
図13A】一連の集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法を示す流れ図
図13B】一連の集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法を示す流れ図
図13C】一連の集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法を示す流れ図
図13D】一連の集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法を示す流れ図
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、その例が添付図面に示されている、本開示の実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を称するために、図面に亘り、同じ参照番号が使用される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここに述べられた実施の形態に限定されるものと解釈すべきではない。
【0015】
範囲は、「約」ある特定値から、および/または「約」別の特定値まで、とここに表現することができる。そのような範囲が表現された場合、別の実施の形態は、そのある特定値から、および/または他方の特定値まで、を含む。同様に、値が、「約」という先行詞を使用して、近似として表現されている場合、その特定値が別の実施の形態を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点が、他方の端点に関してと、他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0016】
ここに用いられている方向を示す用語-例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部、垂直、水平-は、描かれた図面に関してのみ使用され、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0017】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程を特定の順序で行うことを必要とすると解釈されることも、またはどの装置についても、特定の向きが要求されていることも決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に挙げていない場合、または装置の請求項が、個々の構成部材に対する順序または向きを実際に列挙していない場合、もしくはそれらの工程が特定の順序に限定されるべきことが、請求項または説明において他に具体的に述べられていない場合、もしくは装置の構成部材に対する特定の順序または向きが列挙されていない場合、順序または向きがいかようにも暗示されることは決して意図されていない。このことは、工程の配列、操作の流れ、構成部材の順序、または構成部材の向き;文法構成または句読法に由来する明白な意味;および明細書に記載された実施の形態の数またはタイプに関する論理事項を含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
【0018】
ここに用いられているように、名詞は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、構成部材に対する言及は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、そのような構成部材を2つ以上有する態様を含む。
【0019】
下面発光設計で製造されるマイクロLEDディスプレイは、典型的に、バックプレーン構造(例えば、金属線、薄膜トランジスタ(TFT)など)からの反射および基板と他の界面層内に捕捉されるマイクロLEDからの光のために、環境光での低い輝度および不十分な映像コントラストに悩まされている。TFTの代わりに、マイクロドライバICバックプレーンを使用すると、工程温度を全体的に低くすることができ(例えば、約325~600℃に対して、約200~250℃)、光学性能および他の設計並びに費用便益が改善された下面発光バックプレーンを製造するための材料、装置設計、およびプロセス選択の利用可能なセットが広がる。
【0020】
光源(例えば、LED、ミニLED、マイクロLED)からの発光は、典型的に、不均一であり、幅広い角度範囲に及び、かなりの量の光エネルギーがディスプレイ構造内に捕捉され、吸収されてしまう。それゆえ、ディスプレイから放出される光を均質化し、方向付けるための最適化光学設計が、ここに開示される。環境光反射を抑制して、上面発光および下面発光の両方の構成におけるディスプレイの光抽出および環境コントラストを改善するために、集束微細構造(例えば、逆角錐構造)および他の光学強化が使用される。光学的特徴を転写プロセスに組み込んで、精密アライメントで高収率転写を可能にすることによって、そのようなディスプレイ構造を製造する方法が、さらにここに開示される。
【0021】
ここで図1Aを参照すると、例示のディスプレイ100aの一部の上面図が示されている。ディスプレイ100aは、バックプレーン102aおよびバックプレーン102aに電気的に結合された一連の光源104を備える。バックプレーン102aは、一連のTFT、マイクロドライバ集積回路(IC)、または各光源を制御するために各光源104に電気的に結合された他の適切な電気回路を備えることがある。この例では、ディスプレイ100aの106aで示されているような各画素が、1つの光源104を備える。画素106aは、行と列で配列されている。図1Aには、5行と5列の画素106aが示されているが、他の実施の形態では、ディスプレイ100aは、いくつの適切な数の行といくつの適切な数の列の画素106aを備えてもよい。
【0022】
各光源104は、例えば、LED(例えば、約0.5ミリメートルより大きいサイズ)、ミニLED(例えば、約0.1ミリメートルと約0.5ミリメートルの間のサイズ)、マイクロLED(例えば、約0.1ミリメートルより小さいサイズ)、または約400ナノメートルから約750ナノメートルに及ぶ波長を有する別の適切な光源であることがある。他の実施の形態において、複数の光源104の各々は、400ナノメートルより短い、および/または750ナノメートルより長い波長を有することがある。
【0023】
図1Bは、例示のディスプレイ100bの一部の上面図である。ディスプレイ100bは、バックプレーン102bおよびバックプレーン102bに電気的に結合された一連の光源104を備える。バックプレーン102bは、一連のTFT、マイクロドライバIC、または各光源を制御するために各光源104に電気的に結合された他の適切な電気回路を備えることがある。この例では、ディスプレイ100bの106bで示されているような各画素は、互いに近接した2つの光源104を備える。各画素106b内の2つの光源104は、同じ発光色または異なる発光色を有することがある。画素106bは、行と列で配列されている。図1Bには、5行と3列の画素106bが示されているが、他の実施の形態では、ディスプレイ100bは、いくつの適切な数の行といくつの適切な数の列の画素106bを備えてもよい。
【0024】
図1Cは、例示のディスプレイ100cの一部の上面図である。ディスプレイ100cは、バックプレーン102cおよびバックプレーン102cに電気的に結合された一連の光源104を備える。バックプレーン102cは、一連のTFT、マイクロドライバIC、または各光源を制御するために各光源104に電気的に結合された他の適切な電気回路を備えることがある。この例では、ディスプレイ100cの106cで示されているような各画素は、互いに近接した3つ光源104を備える。各画素106cの3つの光源104は、一直線として示されているが、他の実施の形態では、各画素106cの3つの光源104は、別の適切な配列を有することがある。各画素106c内の3つの光源104は、同じ発光色または異なる発光色を有することがある。ある例示の実施の形態において、各画素106cは、赤色光源、緑色光源、および青色光源を備えることがある。画素106cは、行と列で配列されている。図1Cには、5行と2列の画素106cが示されているが、他の実施の形態では、ディスプレイ100cは、いくつの適切な数の行といくつの適切な数の列の画素106cを備えてもよい。
【0025】
図1Dは、例示のディスプレイ100dの一部の上面図である。ディスプレイ100dは、バックプレーン102dおよびバックプレーン102dに電気的に結合された一連の光源104を備える。バックプレーン102dは、一連のTFT、マイクロドライバIC、または各光源を制御するために各光源104に電気的に結合された他の適切な電気回路を備えることがある。この例では、ディスプレイ100dの106dで示されているような各画素は、互いに近接した4つ光源104を備える。各画素106dの4つの光源104は、2×2の配列として示されているが、他の実施の形態では、各画素106dの4つの光源104は、別の適切な配列(例えば、単列)を有することがある。各画素106d内の4つの光源104は、同じ発光色または異なる発光色を有することがある。ある例示の実施の形態において、各画素106dは、赤色光源、緑色光源、青色光源、および黄色光源を備えることがある。画素106dは、行と列で配列されている。図1Dには、3行と3列の画素106dが示されているが、他の実施の形態では、ディスプレイ100dは、いくつの適切な数の行といくつの適切な数の列の画素106dを備えてもよい。
【0026】
以下の図面に示された実施の形態は、図1Aに示されたような単一光源または図1Cに示されたような3つの光源を有する画素を備えたディスプレイを示しているが、その実施の形態は、図1Bに示されたような2つの光源または図1Dに示されたような4つの光源を有する画素を備えたディスプレイにも適用できる。
【0027】
図2Aは、例示のディスプレイ200aの単純化された断面図である。ディスプレイ200aは、バックプレーン202、一連の光源204(図2Aでは1つの光源204が見える)、およびカバープレート214を備える。一連の光源204は、バックプレーン202に電気的に結合されている。ある例示の実施の形態において、一連の光源204は、一連のミニLEDやマイクロLEDなどの一連のLEDを備えることがある。この実施の形態では、各光源204は、下面発光装置であることがある。
【0028】
バックプレーン202は、各光源を制御するために再分配層210により一連の光源204に電気的に結合された一連のマイクロドライバIC(uDIC)208(図2Aでは1つのマイクロドライバIC208が見える)を備える。ディスプレイ200aは、この一連の光源の多数の光源204(例えば、2、3、または4つの光源)に電気的に結合された1つのマイクロドライバIC208、もしくはこの一連の光源の各光源204に電気的に結合された1つのマイクロドライバIC208を備えることがある。マイクロドライバIC208は、被包材料および/またはヒートシンク212で被包されることがあり、再分配層210が、被包材料および/またはヒートシンク212の表面上に配置されることがある。
【0029】
カバープレート214が、一連の光源204の上に配置されている。カバープレート214は、一連の光源204に面する第一面216および第一面216と反対にある第二面218を有する。カバープレート214は、光学的に透明な層220、微細構造層222、吸収層224、および反射防止コーティング226を備えることがある。光学的に透明な層220は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラス(例えば、Gorilla(登録商標)ガラス、Ceramic Shield、EAGLE XG(登録商標)ガラス)などのガラス、もしくはプラスチック(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートスチレン(MS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS))などの別の光学的に透明な材料を含むことがある。微細構造層222は、カバープレート214の第一面216上の光学的に透明な層220上に配置されている。微細構造層222は、光学的に透明な層220と同じ材料であってもよい。吸収層224は、一連の光源204に面する微細構造層222上に配置されている。この実施の形態では、吸収層224はコンフォーマル吸収層である。吸収層224は、熱的かつ化学的に安定な光吸収材料であることがある。ある例示の実施の形態において、吸収層224は、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含むことがある。
【0030】
微細構造層222は複数の微細構造223を備え、これは、図3A~3Cおよび図6A~6Fを参照して、下記により詳しく記載される。いくつかの実施の形態において、微細構造層222は、吸収層224で反射した環境光の一部を微細構造層222内に閉じ込めるように作られている。微細構造層222は、各光源204と揃えられた区域225を含み、そこでは、微細構造223が排除されている。また、吸収層224は、破線205の間に示されるように、区域225において排除されて、各光源204により放出された光が、吸収層224および微細構造層222を通過することを可能にする。反射防止コーティング226が、カバープレート214の第二面218上の光学的に透明な層220上にある。
【0031】
カバープレート214は、ディスプレイ200aの表示コントラストを向上させる。この実施の形態では、微細構造層222および吸収層224は、微細構造223が、光源204のない区域に形成され、光源204がある区域225には形成されないようなやり方で形成されることがある。この実施の形態では、微細構造層222は、光源204からの光が区域225を透過して映像を表示できるように、可視光(例えば、約400~750ナノメートル)に透明である。微細構造223のサイズと形状は、カバープレート214全体に亘り同じであっても、カバープレート214のある区域から別の区域に変動してもよい。微細構造223は、カバープレート214に亘り周期的にまたは無作為に分布していることがある。
【0032】
微細構造層222は、微細構造223でパターンが形成され、その後、吸収層224で被覆された透明または中性密度層であることがある。微細構造223は、全内部反射(TIR)によりカバープレート214内に入射光を捕捉することにより、また吸収層224との多数の相互作用により、光の吸収を向上させる。吸収層224は、微細構造層22の全体に、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの厚さまで被覆された熱的かつ化学的に安定な光吸収材料を含むことがある。吸収層224は、次いで、光源204からの光の透過を可能にするために、区域225において選択的にエッチングされることがある。吸収層224に黒色ポリイミドを使用することには、コントラストを向上させつつ、ディスプレイを製造するプロセスに対して安定であるという利点があり、所望であれば、レーザリフトオフ技術で下面発光可撓性表示装置を製造することができる。
【0033】
図2Bは、例示のディスプレイ200bの単純化された断面図である。ディスプレイ200bは、ディスプレイ200bに関して、カバープレート214が一連の開口230(図2Bには、1つの開口230が見える)を備えるということを除いて、図2Aのディスプレイ200aと似ている。一連の開口230は、一連の光源204と揃えられている。各開口230は、微細構造層222および吸収層224を通って延在している。それゆえ、微細構造層222および吸収層224における開口230は、破線205の間に示されるように、各光源204により放出された光が、微細構造層222および吸収層224を通過することを可能にする。
【0034】
この実施の形態では、微細構造層222および吸収層224は、微細構造223が最初にカバープレート214の全区域に形成され、微細構造223に吸収層が施され、次いで、光源204からの光が区域230を通過して、映像を表示できるように、区域230において微細構造層222および吸収層224が除去される(例えば、エッチングまたはレーザアブレーションにより)ようなやり方で形成されることがある。この実施の形態では、微細構造層222は、可視光に対して透明または不透明であることがある。
【0035】
図2Cは、例示のディスプレイ200cの単純化された断面図である。ディスプレイ200cは、ディスプレイ200cが平坦化層232を備え、カバープレート214が光学的に透明な積層構造を備えることを除いて、図2Bのディスプレイ200bと似ている。光学的に透明な積層構造は、第1の光学的に透明な層220aおよび第2の光学的に透明な層220bを含む。ディスプレイ200cは2つの光学的に透明な層220aおよび220bを示しているが、他の実施の形態では、ディスプレイ200cは、3つ以上の光学的に透明な層など、2つより多い光学的に透明な層を含むことがある。層220aおよび220bは、同じ材料または異なる材料を含むことがあり、互いに直接溶融結合されても、もしくは光学的に透明な接着剤により互いに取り付けられてもよい。平坦化層232が、カバープレート214とバックプレーン202との間にあり、カバープレート214とバックプレーン202の間の空間を満たしている。平坦化層232は、光学的に透明な材料を含む。この実施の形態では、再分配層210が、平坦化層232上に形成されることがある。
【0036】
図3Aは、例示のカバープレート300aの一部の断面図である。いくつかの実施の形態において、カバープレート300aは、図2A~2Cのカバープレート214を提供することがある。カバープレート300aは、光学的に透明な層320、微細構造層322a、および吸収層324aを備える。光学的に透明な層320は、ガラス、またはプラスチックなどの別の光学的に透明な材料を含むことがある。微細構造層322aは、光学的に透明な層320上に配置されている。微細構造層322aは、光学的に透明な層320と同じ材料であることがある。吸収層324aは微細構造層322a上に配置されている。この実施の形態では、吸収層324aはコンフォーマル吸収層である。ある例示の実施の形態において、吸収層324aは、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。微細構造層322aは複数の微細構造323aを備え、これは、図6A~6Cおよび6Eを参照して、下記により詳しく記載される。この実施の形態では、微細構造323aは、角錐、円錐、または三角形トレンチ(trench)である。
【0037】
非光源区域における微細構造層322aおよび吸収層324aは、カバープレート中の複数の層の界面でのTIRを利用することにより、また微細構造323a内の多数回の光の跳ね返り(例えば、光の捕捉)によって、ディスプレイからの環境光反射をさらに減少させることがある。1つの実施の形態において、光学的に透明な層320の屈折率(n)は、微細構造層322aの屈折率(n)以上である。この場合、吸収層324aで反射したいくらかの環境光は、微細構造323aの壁角度328(α)が
α>arcsin(1/n
を満たす場合、光学的に透明な層320の前面(例えば、上面)と空気との間の界面でのTIRにより光学的に透明な層320内に閉じ込められ得る。それに加え、いくらかの環境光は微細構造323a内で多数回跳ね返る(例えば、捕捉される)。
【0038】
別の実施の形態において、光学的に透明な層320の屈折率(n)は、微細構造層322aの屈折率(n)より小さい。この場合、吸収層324aで反射したいくらかの環境光は、微細構造323aの壁角度328(α)が
α>arcsin(1/n
を満たす場合、光学的に透明な層320の前面(例えば、上面)と空気との間の界面でのTIRにより光学的に透明な層320内に閉じ込められ得る。それに加え、吸収層324aで反射したいくらかの環境光は、微細構造323aの壁角度328(α)が
α>arcsin(n/n
を満たす場合、光学的に透明な層320と微細構造層322aとの間の界面でのTIRにより微細構造層322a内に閉じ込められ得る。それに加え、いくらかの環境光は微細構造323a内で多数回跳ね返る(例えば、捕捉される)。ある例示の実施の形態において、そのような特徴は、吸収界面と多数回相互作用する反射光線のために、少なくとも5から10倍だけ、平面吸収界面と比べて反射率を減少させることがある。
【0039】
図3Aに示されるような直線断面壁面(例えば、角錐、円錐、または三角形トレンチ)を有する微細構造について、微細構造層322aは、例えば、約45度より大きい、ディスプレイの表面の平面に対する角度328を形成する表面326を含む微細構造323aを備えることがある。ある例示の実施の形態において、微細構造の壁角度328(α)は、約30度超、約45度超、約60度超、または約75度超である。微細構造層322aは、約0.1マイクロメートルと約10マイクロメートルの間のベース層厚330を有することがあり、その上に微細構造323aが形成される。各微細構造323aのベースは、例えば、約2マイクロメートルと約20マイクロメートルの間の範囲内の、332で示されるような幅を有することがある。334で示されるような各微細構造323aの高さは、約2マイクロメートルと約40マイクロメートルの間の範囲内にあることがある。他の実施の形態において、微細構造のベース層厚330は別の適切な厚さであることがあり、各微細構造323aは、別の適切なベース幅332および/または高さ334を有することがある。
【0040】
図3Bは、例示のカバープレート300bの一部の断面図である。いくつかの実施の形態において、カバープレート300bは、図2A~2Cのカバープレート214を提供することがある。カバープレート300bは、カバープレート300bが、吸収層324aの代わりに吸収層324bを備えることを除いて、図3Aのカバープレート300aと似ている。この実施の形態では、吸収層324bは、一連の光源に面する吸収層の表面336が平面であるように微細構造層322aを満たしている。この実施の形態では、吸収層324bは、追加のデバイス層の製造を容易にするための平滑面を提供する。
【0041】
図3Cは、例示のカバープレート300cの一部の断面図である。いくつかの実施の形態において、カバープレート300cは、図2A~2Cのカバープレート214を提供することがある。カバープレート300cは、光学的に透明な層320、微細構造層322b、および吸収層324cを備える。微細構造層322bは光学的に透明な層320上に配置されている。吸収層324cは微細構造層322b上に配置されている。この実施の形態では、吸収層324cはコンフォーマル吸収層である。ある例示の実施の形態において、吸収層324cは、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。微細構造層322bは複数の微細構造323bを含み、これは、図6Dおよび6Fを参照して、下記により詳しく記載される。この実施の形態では、微細構造323bは、ドームまたは部分楕円トレンチである。
【0042】
微細構造層322bは、約0.1マイクロメートルと約10マイクロメートルの間のベース層厚330を有することがあり、その上に微細構造323bが形成される。各微細構造323bのベースは、例えば、約2マイクロメートルと約20マイクロメートルの間の範囲内の、332で示されるような幅を有することがある。334で示されるような各微細構造323bの高さ(H)は、約2マイクロメートルと約40マイクロメートルの間の範囲内にあることがある。他の実施の形態において、微細構造のベース層厚330は別の適切な厚さであることがあり、各微細構造323bは、別の適切なベース幅332および/または高さ334(H)を有することがある。図3Cに示されるような非直線断面壁面(例えば、ドームまたは部分楕円トレンチ)を有する微細構造について、微細構造の壁角度328(α)は、340で示されるような微細構造の2/3高さ(H)の位置での表面勾配で定義される。2H/3での位置とディスプレイの表面の平面との間の角度は、例えば、約45度より大きいことがある。ある例示の実施の形態において、微細構造の壁角度336(α)は、約30度超、約45度超、約60度超、または約75度超である。
【0043】
図4Aは、別の例示のディスプレイ400aの断面図である。下面発光装置に関して先に述べられた実施の形態は、設計およびプロセスにいくらかの変更を加えて、上面発光装置にも適用できる。上面発光装置について、主な相違点は、バックプレーンと光源(例えば、LED、ミニLED、マイクロLED)が別々のTFT基板上に製造されることである。ディスプレイ400aは、基板402(例えば、TFT基板)、画素に配列された一連の光源404(図4Aには、3つの光源404を含む1つの画素が見える)、微細構造層406、および吸収層408を備える。一連の光源404は基板402上に配置されている。ある例示の実施の形態において、一連の光源404は、ミニLEDやマイクロLEDなどの一連のLEDを含む。微細構造層406は、基板402上に配置され、光源404を取り囲んでいる(例えば、光源404の各群が画素を提供する)。微細構造層406は複数の微細構造407を含む。吸収層408は微細構造層406上に配置されている。この実施の形態では、吸収層408はコンフォーマル吸収層である。ある例示の実施の形態において、吸収層408は黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。微細構造層406および吸収層408は、光源404のない区域において基板402の表面上に形成されている。この実施の形態では、微細構造層406および吸収層408の材料は、同じか異なるかのいずれであっても差し支えない。微細構造層406および吸収層408は、上面発光(例えば、マイクロLED)ディスプレイのコントラストを向上させることがある。
【0044】
図4Bは、別の例示のディスプレイ400bの断面図である。ディスプレイ400bは、図4Aの基板402、一連の光源404、微細構造層406、および吸収層408を備える。それに加え、ディスプレイ400bは、一連の光源404の上に配置されたカバープレート414を備える。カバープレート414は、光学的に透明な層420および反射防止コーティング426を備える。
【0045】
図4Cは、別の例示のディスプレイ400cの断面図である。ディスプレイ400cは、(第1の)微細構造層406および(第1の)吸収層408を備えた、図4Bのディスプレイ400bと似ている。しかしながら、ディスプレイ400cでは、カバープレート414が、第2の微細構造層430、第2の吸収層432、および一連の開口434(図4Cには、1つの開口434が見える)も備えている。第2の微細構造層430は一連の光源404に面している。第2の吸収層432は、一連の光源404に面する第2の微細構造層430上に配置されている。一連の開口434は、一連の光源404と揃えられ(例えば、光源404の各群が画素を提供する)、第2の微細構造層430と第2の吸収層432を通って延在している。第2の微細構造層430と第2の吸収層432は、図3A~3Cを参照して記載された微細構造層と吸収層と似ていることがある。
【0046】
図5Aは、図4A~4Cのディスプレイに使用できる、基板502(例えば、TFT基板)、微細構造層506a、および吸収層508aを備えた例示のディスプレイ500aの一部の断面図である。ある例示の実施の形態において、吸収層508aは黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。微細構造層506aは複数の微細構造507aを含み、これは、図6A~6Cおよび6Eを参照して、下記により詳しく記載される。微細構造層506aは基板502上に配置されている。吸収層508aは微細構造層506a上に配置されている。この実施の形態では、吸収層508aはコンフォーマル吸収層である。この実施の形態では、微細構造507aは、角錐、円錐、または三角形トレンチである。微細構造層506aは、例えば、約45度より大きい、ディスプレイの表面の平面に対する角度512を形成する表面510を含む微細構造507aを備える。微細構造507aを含む微細構造層506aの寸法は、図3Aの微細構造層322aおよび微細構造323aの寸法と似ていることがある。
【0047】
基板502上の微細構造層506aおよび吸収層508aは、微細構造507aを利用することによって、ディスプレイからの環境光反射をさらに減少させることがある。反射した環境光は、2つの群に分類されることがある。第1の群は、吸収層508aで一回跳ね返る環境光である。第2の群は、吸収層508aで少なくとも二回跳ね返る環境光である。吸収層508aで多数回跳ね返るために、この第2の群の環境光の反射は、著しく減少している。例えば、吸収層508aの反射率が約4パーセントである場合、微細構造507aによる少なくとも二回の跳ね返りのために、この第2の群の環境光の反射率は、約0.16パーセントに減少するであろう。全環境光の反射をより減少させるために、より多くの入射環境光が第2の群に分類されることが望ましい。第1の群の環境光の割合は、微細構造507aの壁角度512(α)に対する。吸収層508a上で少なくとも二回跳ね返る環境光の割合は、微細構造の壁角度512(α)の増加とともに増加する。ある例示の実施の形態において、微細構造の壁角度512(α)は、約30度超、約45度超、約60度超、または約75度超である。
【0048】
図5Bは、図4A~4Cのディスプレイに使用できる、基板502(例えば、TFT基板)、微細構造層506b、および吸収層508bを備えた例示のディスプレイ500bの一部の断面図である。微細構造層506bは基板502上に配置されている。吸収層508bは微細構造層506b上に配置されている。この実施の形態では、吸収層508bはコンフォーマル吸収層である。ある例示の実施の形態において、吸収層508bは、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。微細構造層506bは複数の微細構造507bを備え、これは、図6Dおよび6Fを参照して、下記により詳しく記載される。この実施の形態では、微細構造507bは、ドームまたは部分楕円トレンチである。微細構造層506bの各微細構造507bは、2H/3が516で示されるように、514で示された高さ(H)を有する。微細構造の壁角度518(α)は、ディスプレイの表面の平面に対する微細構造の2/3高さ(H)の位置での表面勾配で定義される。吸収層508b上で少なくとも二回跳ね返る環境光の割合は、微細構造の壁角度518(α)の増加とともに増加する。ある例示の実施の形態において、微細構造の壁角度518(α)は、約30度超、約45度超、約60度超、または約75度超である。
【0049】
図6A~6Fは、図2A~2Cの微細構造層222、図4A~4Cの微細構造層406、および/または図4Cの微細構造層430などの微細構造層の例示の微細構造の等角図である。図6Aは、四角錐微細構造600の等角図である。いくつかの実施の形態において、微細構造600のベースの長さと幅は、等しいことがある。他の実施の形態において、微細構造600のベースの長さと幅は、異なることがある。図6Bは、六角錐微細構造602の等角図である。他の例では、微細構造602は、三角、五角、七角、またはそれより多い角を有することがある。図6Cは、円錐微細構造604の等角図である。微細構造604のベースは、円形または楕円形であることがある。図6Dは、ドーム形微細構造606の等角図である。微細構造606のベースは、円形または楕円形であることがある。図6Eは、三角形トレンチ微細構造608の等角図である。各微細構造608は、カバープレートまたは基板の一端からそのカバープレートまたは基板の別の端まで延在することがある。図6Fは、部分楕円トレンチ微細構造610の等角図である。各微細構造610は、カバープレートまたは基板の一端からそのカバープレートまたは基板の別の端まで延在することがある。図6A~6Fの微細構造600、602、604、606、608、および610の寸法は、ディスプレイ内で一貫していても、ディスプレイの異なる区域で異なってもよい。
【0050】
図7Aは、例示のディスプレイ700aの単純化された断面図である。ディスプレイ700aは、バックプレーン702、一連の光源704(図7Aには、1つの光源704が見える)、光学的に透明な接着剤706a(フェニルシリコーン)、一連の集束微細構造708(図7Aには、1つの集束微細構造708が見える)、およびカバープレート710を備えている。一連の光源704は、バックプレーン702に電気的に結合されている。一連の光源704は、LED、ミニLED、マイクロLED、または他の適切な光源を含むことがある。一連の集束微細構造708は、光学的に透明な接着剤706aで一連の光源704に取り付けられ、その一連の光源に揃えられている。カバープレート710は一連の集束微細構造708に取り付けられている。カバープレート710は、ガラスなどの光学的に透明な層、またはプラスチックなどの別の光学的に透明な材料を含む。
【0051】
一連の集束微細構造の各集束微細構造708は、逆角錐台を構成することがある。図7Aに示されるように、集束微細構造708の壁は平面であることがある。他の例では、集束微細構造708は、集束微細構造800aの壁が放物型である、図8Aに示されるような集束微細構造800aで置換されることがある。さらに他の例では、集束微細構造708は、集束微細構造800bの壁が区分的に平面である、図8Bに示されたような集束微細構造800bで置換されることがある。図7Aの実施の形態において、一連の集束微細構造の各集束微細構造708は、一連の光源の単一光源704に対応する。しかしながら、他の実施の形態において、図10Bを参照して下記に記載されるように、各集束微細構造708は、2、3、または4個の光源など、少なくとも2つの光源704に対応することがある。ある例示の実施の形態において、各集束微細構造708は、約1.5より大きい屈折率を有する。
【0052】
各集束微細構造708は、712で示されるような光線を集束させて、ディスプレイから出す。集束微細構造708は、環境光反射を抑制しつつ、光の取出しを向上させることによって、ディスプレイの輝度とコントラストを向上させることがある。集束微細構造708は、全内部反射を利用する凹型集束ミラーにより光の取出しを向上させる。凹型ミラー微細構造がない状況では、光源704がカバープレート710に単に光学的に結合された場合には、光源の出力の半分超(臨界角(例えば、約1.5と等しい屈折率を有する多くのよくあるタイプのカバープレート材料について約42度)より大きい角度で光源から出る全ての光線)は、空気との界面でカバープレートの外面からの全内部反射により捕捉されることがある。適所に逆角錐台として形成された微細構造を備えた集束微細構造708について、大きい角度で生じる光線は、傾斜した角錐壁で全内部反射され、それゆえ、垂直に近い角度に向け直される。
【0053】
光の取出しに対する追加の利益は、高屈折率(例えば、約1.5より大きい)を有する材料で集束微細構造708を製造し、その集束微細構造を光源に光学的に結合させることによって、達成されることがある。これは、光学的に透明な接着剤706aを使用して光源704を集束微細構造708に接着することにより、または光源704をその接着剤に完全に埋め込むことにより、達成されることがある。光学的に透明な接着剤706aは、集束微細構造708の屈折率以上の屈折率を有することがある。この場合、光学的に透明な接着剤706aは、光源の新たな出力媒体(空気の代わり)となり、これにより、光源内に捕捉される光が減少することがある。
【0054】
外形に関して、各集束微細構造708の形状は、比較的広い範囲で変えられ、それでも、光の取出しに対する相当な利益を維持することがある。一例では、集束微細構造708の比率b:h:wは、約1:1.5:2と等しいことがあり、ここで、bは小さい方のベースサイズ(対称角錐についてはb×b)であり、hは高さであり、wは大きい方のベースサイズである。一例として、角錐は、狭い端部で約5×5マイクロメートル、広い端部で約10×10マイクロメートル、高さが約7.5マイクロメートルであり得る。他の例では、パラメータ範囲は、約0.5と約5の間と等しいアスペクト比(高さ/幅)、約1.5と約4の間と等しいテーパー(大きい方のベース/小さい方のベース)、および約15度と約45度の間と等しい側壁角度を含むことがある。
【0055】
図7Bは、例示のディスプレイ700bの単純化された断面図である。ディスプレイ700bは、ディスプレイ700bにおいて、光学的に透明な接着剤706aが光学的に透明な接着剤706bで置換されていることを除いて、図7Aのディスプレイ700aと似ている。この実施の形態では、光学的に透明な接着剤706bは、各光源704の側面に配置され、各集束微細構造708を対応する光源704とバックプレーン702に結合している。
【0056】
図9Aは、別の例示のディスプレイ900aの単純化された断面図である。ディスプレイ900aは、バックプレーン902a、一連の光源、光学的に透明な接着剤906、一連の集束微細構造908、カバープレート910、コントラスト向上層914、および平坦化層918を備える。一連の光源は、赤色光源904a、緑色光源904b、および青色光源904cを含む。一連の光源の各光源904a、904b、および904cは、バックプレーン902aに結合されている。一連の光源の各光源904a、904b、および904cは、LED、ミニLED、マイクロLED、または別の適切な光源を含むことがある。各光源904a、904b、および904cは、各光源に対応するマイクロドライバIC916aに電気的に結合されている。この実施の形態では、3つの光源904a、904b、および904cは、ディスプレイ900aの各画素を提供する。
【0057】
各集束微細構造908は、光学的に透明な接着剤906で対応する光源904a、904b、および904cに取り付けられ、対応する光源と揃えられている。カバープレート910は、一連の集束微細構造908に取り付けられている。カバープレート910は、ガラスなどの光学的に透明な層、またはプラスチックなどの別の光学的に透明な材料を含む。コントラスト向上層914が、カバープレート910の底面上の集束微細構造908の間にある。コントラスト向上層914は、カバープレート910上に数マイクロメートルから数十マイクロメートルの厚さまで被覆された熱的かつ化学的に安定な光吸収材料を含むことがある。ある例示の実施の形態において、コントラスト向上層914は、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含むことがある。他の実施の形態において、コントラスト向上層914は、先に記載され、図3A~3Cを参照して示されたような、微細構造層と吸収層を備える。平坦化層918が、カバープレート910とバックプレーン902aの間にある。
【0058】
図9Bは、別の例示のディスプレイ900bの単純化された断面図である。ディスプレイ900bは、ディスプレイ900bが、マイクロドライバIC916aの代わりにマイクロドライバIC916bを、集束微細構造908の代わりに集束微細構造908a、908b、および908cを備えることを除いて、図9Aのディスプレイ900aと似ている。この実施の形態では、各マイクロドライバIC916bは、3つの光源904a、904b、および904cに電気的に結合され、それらを制御する。それに加え、各集束微細構造908a、908b、および908cは、それぞれ、各対応する光源904a、904b、および904cの発光色と一致するように着色されている(例えば、染料または顔料で)。それゆえ、集束微細構造908aは赤色であり、集束微細構造908bは緑色であり、集束微細構造908cは青色である。この場合、各集束微細構造908a、908b、および908cは、反射集束素子とカラーフィルタの機能を併せ持つ。他の実施の形態において、着色された集束微細構造908a、908b、および908cの代わりに、またはそれに加え、各集束微細構造の上面(大きい方のベース)に吸収カラーフィルタが施されることがある。
【0059】
図10Aは、別の例示のディスプレイ1000aの単純化された断面図である。ディスプレイ1000aは、バックプレーン1002、一連の光源、光学的に透明な接着剤1006、一連の集束微細構造1008a、カバープレート1010、コントラスト向上層1014、および一連のスペーサ1018(図10Aには、1つのスペーサ1018が見える)を備える。一連の光源は、赤色光源1004a、緑色光源1004b、および青色光源1004cを含む。一連の光源の各光源1004a、1004b、および1004cは、バックプレーン1002に結合されている。バックプレーン1002は、一連の光源を制御するためのTFT基板1016を備えることがある。一連の光源の各光源1004a、1004b、および1004cは、LED、ミニLED、マイクロLED、または別の適切な光源を含むことがある。この実施の形態では、3つの光源1004a、1004b、および1004cは、ディスプレイ1000aの各画素を提供する。
【0060】
各集束微細構造1008aは、光学的に透明な接着剤1006で対応する光源1004a、1004b、および1004cに取り付けられ、対応する光源と揃えられている。カバープレート1010は、一連の集束微細構造1008aに取り付けられている。カバープレート1010は、ガラスなどの光学的に透明な層、またはプラスチックなどの別の光学的に透明な材料を含む。コントラスト向上層1014が、カバープレート1010の底面上の集束微細構造1008の間にある。ある例示の実施の形態において、コントラスト向上層1014は、黒色ポリイミドまたは別の適切な材料を含む。他の実施の形態において、コントラスト向上層1014は、先に記載され、図3A~3Cを参照して示されたような、微細構造層と吸収層を備える。各スペーサ1018が、カバープレート1010とバックプレーン1002の間にある。スペーサ1018は、画素間でディスプレイ1000aの追加の構造的支持を提供する。ある例示の実施の形態において、スペーサ1018は、集束微細構造1008aと同じ材料から作られることがある。光源1000a、1000b、および1000c並びにインターコネクト器上の機械的応力を最小にするために、スペーサ1018が、表示面に対する機械的衝撃を吸収するために、各集束微細構造1008aの高さより大きい厚さでバックプレーン1002またはカバープレート1010のいずれかに施されることがある。
【0061】
図10Bは、別の例示のディスプレイ1000bの単純化された断面図である。ディスプレイ1000bは、バックプレーン1002、一連の光源、光学的に透明な接着剤1006、およびカバープレート1010を備える。それに加え、ディスプレイ1000bは、集束微細構造1008b、微細構造層1020、および吸収層1022を備える。この実施の形態では、各集束微細構造1008bは、3つの光源1004a、1004b、および1004cを備えたディスプレイ1000bの画素に対応する。微細構造層1020と吸収層1022は、先に記載され、図3A~3Cを参照して示された微細構造層と吸収層に似ている。
【0062】
この実施の形態では、赤色、緑色、および青色の光源は、任意の色を生じることのできる画素を形成するために、互いに纏められている。その赤色、緑色、および青色の光源が、十分に小さく、互いに十分に近く配置されている場合、図10Bに示されたような単一の集束微細構造1008bが、カラー画素を形成する群全体に光学的に接続されることがある。図7Aを参照して記載された集束微細構造の寸法が、角錐台の小さい方のベースが光源群の複合サイズ以上であることを除いて、集束微細構造1008bに適用される。
【0063】
他の実施の形態において、光源は、蛍光体(例えば、量子ドットなど)型層と組み合わせて使用される青色半導体ダイオードであることがある。この場合、図7Aを参照して記載された集束微細構造の寸法が、光学的に透明な接着剤が蛍光体層に結合されるか、またはそれを被包することを除いて、まだ適応する。
【0064】
図11A~11Hは、集束微細構造を備えたディスプレイを製造する例示の方法の断面図である。図11Aは、例示の光源ウェハー1100の断面図である。光源ウェハー1100は、基板1102、複数の光源1104、および接着剤1106を備える。各光源1104は、LED、ミニLED、マイクロLED、または別の適切な光源であることがある。各光源1104は、基板1102上に製造されることがある。接着剤1106は、光源1104と基板1102の露出部分を覆って施される。ある例示の実施の形態において、接着剤1106は、硬化性接着剤であることがある。ある例示の実施の形態において、基板1102上の光源1104の密度は、光源を配置すべき完成したディスプレイ内の光源の密度より大きい。
【0065】
図11Bは、集束微細構造転写キャリア1110の断面図である。集束微細構造転写キャリア1110は、転写キャリア1112、一時的接着剤層1114、および複数の集束微細構造1116を備える。集束微細構造1116は、一時的接着剤層1114で被覆された転写キャリア1112上にフォトリソグラフィーまたはエンボス加工とエッチングを使用して製造されることがある。
【0066】
図11Cは、図11Bの集束微細構造転写キャリア1110と接触させられた図11Aの光源ウェハー1100の断面図である。光源ウェハー1100は、各集束微細構造1116が光源ウェハー1100の光源1104と揃えられるように集束微細構造転写キャリア1110と揃えられている。光源1104と揃えられた各集束微細構造1116の間に永久結合が形成される(例えば、接着剤1106により)。他の実施の形態において、接着剤1106は、ACF、レーザ溶接、または他の適切なプロセスで結合されることのある、透明半導体で置換されることがある。
【0067】
図11Dは、図11Cに示されたように接触させられた後に、光源ウェハー1100を集束微細構造転写キャリア1110から分離した後の断面図である。光源1104を光源ウェハー1100から分離するために、レーザリフトオフプロセスまたは別の適切なプロセスが使用されることがある。図11Cおよび11Dに示された工程は、光源ウェハー1100から他の光源1104を集束微細構造1116に転写するために繰り返されることがある。
【0068】
図11Eは、図11Dに示されたように光源1104が集束微細構造1116に結合された後の光源ウェハー1100と接触する直前のマイクロドライバIC転写キャリア1120の断面図である。マイクロドライバIC転写キャリア1120は、転写キャリア1122、一時的接着剤層1124、および複数のマイクロドライバIC1126を備える。各マイクロドライバIC1126は、対応する光源1104と揃えられている。
【0069】
図11Fは、各マイクロドライバIC1126を対応する光源1104に永久的に結合した後であって、集束微細構造1116から転写キャリア1112と接着剤1114を取り外した後の、マイクロドライバIC転写キャリア1120の断面図である。
【0070】
図11Gは、コントラスト向上層1132が上に配置されているカバープレート1130に図11Fの光源1104と集束微細構造1116が取り付けられた、マイクロドライバIC転写キャリア1120の断面図である。集束微細構造1116は、コントラスト向上層1132内の開口を通じてカバープレート1130に永久的に結合されている。マイクロドライバIC転写キャリア1120とカバープレート1130との間に平坦化層1134が形成されることがある。
【0071】
図11Hは、図11Gの転写キャリア1122および接着剤層1124を除去した後の断面図である。転写キャリア1122および接着剤層1124が除去されて、平坦化層1134および金属化層が、光源1104および/またはマイクロドライバIC1126とバックプレーン電極との間で相互接続されることがある。
【0072】
図11A~11Hの製造方法は、いくつかの利点を与える。集束微細構造は、最初に、ウェハーレベルで、ウェハーまたはキャリアソースからの光源を転写して、精密なアライメントで光源を永久的に光学的に結合する転写ピックアップ(transfer pick up)として機能する。マイクロドライバICアセンブリに結合する実施の形態では、このアライメントと結合は、ウェハーレベルでも行われ、集束微細構造の向きを反転させる別の転写工程の必要をなくす。このようにして、精密な光学的アライメントおよび強力な電気的かつ機械的結合が達成されることがある。それに加え、集束微細構造は、精密な特徴寸法を達成し、光源ウェハーからの転写に適合する高密度配列で着色剤などを加えるために、高解像度ウェハー製造工場内で製造されることがある。他の実施の形態において、集束微細構造は、受容基板上に転写または形成されることがあり、次いで、光源および/またはマイクロドライバICがその集束微細構造に転写され、取り付けられることがある。
【0073】
マイクロドライバICを備えたマイクロLED装置設計について、転写および組立てプロセスは、大規模堆積プロセスよりも印刷に近いと仮定すると、加工費は、印刷プラットホームが目的の用途にとって十分に大きい限り、規模の影響をそれほど受けない。歩留まりおよび材料費が、重要な牽引役となる。それゆえ、ディスプレイは、イオン交換されたカバーガラスの裏面に直接製造され、カバーガラスの強度や信頼性を損なわずに、ディスプレイ基板の必要性と費用がなくなるであろう。カバーガラスの裏面への直接製造を可能にするために、ディスプレイと他の電子機器(例えば、タッチパネル)は、カバーガラスが割れたり、損傷したりした場合にも、機能し続けるべきである。それに加え、カバーガラス、装置設計、および材料選択は、製造工程の歩留まりが、現行のディスプレイ基板上で達成できるのと同等またはそれより優れているように最適化されることがある。さらに、できるときはいつでも、材料の機能を組み合わせて、プロセスの全費用または複雑さを減少させてよい。
【0074】
カバーガラス材料は、高い耐久性、高い平坦性、小さい厚さ変動、および製造プロセスに望ましい他の属性を有することがある。それゆえ、フュージョン成形された「Gorilla」Glassおよび強化ガラスセラミックが使用されることがある。どの基板も十分な力が印加された場合には壊れるので、携帯機器などの用途には、カバーが損傷したり割れたりした場合に、表示電子回路は保護され、機能し続けることも望ましい。それゆえ、ディスプレイを保護するために、カバーガラスと電子回路との間に、(1つまたは複数の)界面層が使用されることがある。この層は、ディスプレイを製造するための工程条件に適合するべきである。コーティング(例えば、透明ポリイミド、黒色ポリイミドなど)は、厚さが適切であれば、ほとんどの衝撃に対する機械的保護を与えることができ、少なくとも約250℃の加工温度に適合し、その工程中に化学物質に対して安定である。十分な熱的かつ機械的安定性を与え、透明か、またはカラーフィルタ要素を持つ開口でパターン化された、透明ポリイミドの黒色ポリイミドとの組合せ、または黒色ポリイミドは、環境光コントラストを改善するための特別な利点を提示する。光学的特徴は、例えば、高温エンボス加工または他の手段でパターン化することができる。
【0075】
図12Aは、図11A~11Hの方法に使用できるような、例示の転写キャリア1200aの断面図である。転写キャリア1200aは、基板1202、一時的接着剤層1204、および一連の集束微細構造1206を備える。一時的接着剤層1204は基板1202に取り付けられている。一連の集束微細構造1206の各々は、一時的接着剤層1204に取り付けられる第一面1208を有する。ある例示の実施の形態において、永久的接着剤層1212が、各集束微細構造1206の第二面1210に取り付けられることがある。各集束微細構造1206は、角錐台を含むことがある。角錐台の壁は、図7A~8Bを参照して先に記載されたように、平面、放物型、または区分的平面であることがある。各集束微細構造1206は、約1.5より大きい屈折率を有することがある。一連の集束微細構造の各集束微細構造1206間の間隔は、選択された光源が、一連の集束微細構造に永久的に結合されるように作られている光源ウェハー上の光源間の間隔よりも大きいことがある。
【0076】
図12Bは、図11A~11Hの方法に使用できるような、例示の転写キャリア1200bの断面図である。転写キャリア1200bは、図12Aの基板1202、一時的接着剤層1204、および一連の集束微細構造1206を備える。それに加え、転写キャリア1200bは、一連のスペーサ1214を備える。各スペーサ1214は、一時的接着剤層1204に取り付けられる第一面1216を有する。このスペーサは、図10Aを参照して先に記載されたようなディスプレイに対する追加の構造的支持を与えることができる。
【0077】
図13A~13Dは、図9A~10Bのディスプレイ900a、900b、1000a、または1000bなどの、一連の集束微細構造を備えたディスプレイを製造するための例示の方法1300を示す流れ図である。1302で図13Aに示されるように、方法1300は、転写キャリア(例えば、図11Bの1112)上に一連の集束微細構造(例えば、図11Bの1116)を形成する工程を含む。方法1300は、1304で、光源ウェハー(例えば、図11Aの1110)から選択された光源を転写して、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第一面をその選択された光源に永久的に結合させる工程(例えば、図11C~11Dに示されるように)を含む。方法1300は、1306で、一連の集束微細構造から転写キャリアを除去する工程(例えば、図11Fに示されるように)を含む。方法1300は、1308で、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに永久的に結合させる工程であって、第二面は第一面の反対にある、工程(例えば、図11Gに示されるように)を含む。
【0078】
1310で図13Bに示されるように、方法1300は、一時的キャリアに取り付けられた一連のマイクロドライバ集積回路に選択された光源を永久的に結合させる工程(例えば、図11Eおよび11Fに示されるように)をさらに含むことがある。図13Cに示されるように、方法1300は、一連の集束微細構造を形成するのと同時に、一連のスペーサ(例えば、図12Bの1214)を形成する工程(例えば、図12Bに示されるように)をさらに含むことがある。方法1300は、1314で、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに永久的に結合させるのと同時に、一連のスペーサの各スペーサの表面をカバープレートに永久的に結合させる工程をさらに含むことがある。1316で図13Dに示されるように、方法1300は、一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに永久的に結合させる前に、カバープレート上に微細構造層(例えば、図10Bの1020)および吸収層(例えば、図10Bの1022)を形成する工程をさらに含むことがある。
【0079】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示の実施の形態に様々な改変および変更を行えることが当業者に明白であろう。それゆえ、本開示は、そのような改変および変更を、それらが、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に入るという前提で、包含することが意図されている。
【0080】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0081】
実施形態1
ディスプレイにおいて、
バックプレーン、
前記バックプレーンに結合された一連の光源、および
前記一連の光源の上に配置されたカバープレートであって、前記一連の光源に面した第一面および該第一面と反対にある第二面を有するカバープレート、
を備え、
前記カバープレートは、
該カバープレートの第一面上に配置されている微細構造層と、
前記一連の光源に面する前記微細構造層上に配置されている吸収層と、
を備えた、ディスプレイ。
【0082】
実施形態2
前記一連の光源が、一連のマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)を含む、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0083】
実施形態3
前記カバープレートが、光学的に透明な積層構造を有する、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0084】
実施形態4
前記カバープレートが、前記微細構造層および前記吸収層を通って延在する、前記一連の光源と揃えられた一連の開口を含む、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0085】
実施形態5
前記微細構造層が、複数の角錐、円錐、ドーム、またはトレンチを含む、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0086】
実施形態6
前記微細構造層が、約45度より大きい、前記ディスプレイの表面の平面に対する角度を形成する表面を有する微細構造を備えた、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0087】
実施形態7
前記吸収層が黒色ポリイミドから作られる、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0088】
実施形態8
前記カバープレートが、光学的に透明な層を備える、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0089】
実施形態9
前記微細構造層が、前記光学的に透明な層内の前記吸収層で反射した環境光の一部を閉じ込めるように作られている、実施形態8に記載のディスプレイ。
【0090】
実施形態10
前記一連の光源に面する前記吸収層の表面が、平面である、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0091】
実施形態11
前記カバープレートと前記バックプレーンとの間にある平坦化層、
をさらに含む、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0092】
実施形態12
前記吸収層が、コンフォーマル吸収層を構成する、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0093】
実施形態13
前記カバープレートが、該カバープレートの第二面上に反射防止コーティングを備える、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0094】
実施形態14
前記カバープレートがガラス層を備える、実施形態1に記載のディスプレイ。
【0095】
実施形態15
発光ダイオード(LED)ディスプレイにおいて、
バックプレーン、
前記バックプレーンに結合された一連のLED、
前記一連のLEDに取り付けられ、該一連のLEDと揃えられている一連の集束微細構造、および
前記一連の集束微細構造に取り付けられたカバープレート、
を備えたLEDディスプレイ。
【0096】
実施形態16
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、逆角錐台を構成する、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0097】
実施形態17
前記逆角錐台の壁が、平面、放物型、または区分的平面である、実施形態16に記載のLEDディスプレイ。
【0098】
実施形態18
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、一連のLEDの1つのLEDに対応する、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0099】
実施形態19
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、前記一連のLEDの少なくとも2つのLEDを含む画素に対応する、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0100】
実施形態20
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、前記一連のLEDの各対応するLEDの発光色と一致する、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0101】
実施形態21
前記一連の集束微細構造が、光学的に透明な接着剤で前記一連のLEDに取り付けられている、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0102】
実施形態22
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、約1.5より大きい屈折率を有する、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0103】
実施形態23
前記カバープレートが、
前記一連のLEDに面する微細構造層、
前記一連のLEDに面する前記微細構造層上に配置された吸収層、および
前記微細構造層および前記吸収層を通って延在する、前記一連の集束微細構造と揃えられた一連の開口、
を備える、実施形態15に記載のLEDディスプレイ。
【0104】
実施形態24
ディスプレイにおいて、
基板、
前記基板上に配置された一連の光源、
前記基板上に配置され、前記一連の光源の光源を取り囲む第1の微細構造層、および
前記第1の微細構造層上に配置された第1の吸収層、
を備えたディスプレイ。
【0105】
実施形態25
前記一連の光源が、一連のマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)を含む、実施形態24に記載のディスプレイ。
【0106】
実施形態26
前記第1の微細構造層が、複数の角錐、円錐、ドーム、またはトレンチを含む、実施形態24に記載のディスプレイ。
【0107】
実施形態27
前記微細構造層が、約45度より大きい、前記ディスプレイの表面の平面に対する角度を形成する表面を有する微細構造を備えた、実施形態24に記載のディスプレイ。
【0108】
実施形態28
前記第1の吸収層が黒色ポリイミドから作られる、実施形態24に記載のディスプレイ。
【0109】
実施形態29
前記一連の光源の上に配置されたカバープレート、
をさらに含む、実施形態24に記載のディスプレイ。
【0110】
実施形態30
前記カバープレートが、
前記一連の光源に面する第2の微細構造層、
前記一連の光源に面する前記第2の微細構造層上に配置された第2の吸収層、および
前記一連の光源と揃えられた、前記第2の微細構造層および前記第2の吸収層を通って延在する一連の開口、
を含む、実施形態29に記載のディスプレイ。
【0111】
実施形態31
前記一連の光源と前記カバープレートとの間にある、該一連の光源に揃えられた一連の集束微細構造、
をさらに含む、実施形態29に記載のディスプレイ。
【0112】
実施形態32
ディスプレイを製造する方法において、
転写キャリア上に一連の集束微細構造を形成する工程、
光源ウェハーから選択された光源を転写して、前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第一面を該選択された光源に永久的に結合する工程、
前記一連の集束微細構造から前記転写キャリアを除去する工程、および
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面をカバープレートに結合する工程であって、該第二面は前記第一面の反対にある、工程、
を含む方法。
【0113】
実施形態33
前記光源が、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)を含む、実施形態32に記載の方法。
【0114】
実施形態34
前記選択された光源を一時的キャリアに取り付けられた一連のマイクロドライバ集積回路に永久的に結合させる工程、
をさらに含む、実施形態32に記載の方法。
【0115】
実施形態35
前記一連の集束微細構造を形成するのと同時に一連のスペーサを形成する工程、および
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面を前記カバープレートに永久的に結合させるのと同時に、前記一連のスペーサの各スペーサの表面を該カバープレートに永久的に結合させる工程、
をさらに含む、実施形態32に記載の方法。
【0116】
実施形態36
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面を前記カバープレートに結合する前に、該カバープレート上に微細構造層および吸収層を形成する工程、
をさらに含む、実施形態32に記載の方法。
【0117】
実施形態37
転写キャリアであって、
基板、
前記基板に取り付けられた一時的接着剤層、および
各々が前記一時的接着剤層に取り付けられた第一面を有する一連の集束微細構造、
を備えた転写キャリア。
【0118】
実施形態38
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造の第二面に取り付けられた永久的接着剤層、
をさらに含む、実施形態37に記載の転写キャリア。
【0119】
実施形態39
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、角錐台を構成する、実施形態37に記載の転写キャリア。
【0120】
実施形態40
前記角錐台の壁が、平面、放物型、または区分的平面である、実施形態39に記載の転写キャリア。
【0121】
実施形態41
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造が、約1.5より大きい屈折率を有する、実施形態37に記載の転写キャリア。
【0122】
実施形態42
各々が前記一時的接着剤層に取り付けられた第一面を有する一連のスペーサ、
をさらに含む、実施形態37に記載の転写キャリア。
【0123】
実施形態43
前記一連の集束微細構造の各集束微細構造間の間隔が、選択された光源が、該一連の集束微細構造に永久的に結合されるように作られている光源ウェハー上の光源の間の間隔よりも大きい、実施形態37に記載の転写キャリア。
【符号の説明】
【0124】
100a、100b、100c、100d、200a、200b、200c、400a、400b、400c、500a、500b、700a、700b、900a、900b、1000a、1000b ディスプレイ
102a、102b、102c、102d、202、702、902a、902b、1002 バックプレーン
104、204、404、704、904a、904b、904c、1004a、1004b、1004c、1104 光源
106a、106b、106c、106d 画素
208、916a、916b、1126 マイクロドライバ集積回路
210 再分配層
212 ヒートシンク
214、300a、300b、300c、414、710、910、1010、1130 カバープレート
216 カバープレートの第一面
218 カバープレートの第二面
220、220a、220b、320 光学的に透明な層
222、322a、322b、406、430、506a、506b、1020 微細構造層
223、323a、323b、407、507a、507b、600、602、604、606、608、610 微細構造
、1022 226 反射防止コーティング
328 壁角度
332 ベース幅
334 ベース高さ
402、502、1102、1202 基板
434 開口
706a、706b 接着剤層
708、800a、800b、908、1008a、1008b、1116、1206 集束微細構造
906、1006 光学的に透明な接着剤
914、1014、1132 コントラスト向上層
918 平坦化層
1018、1214 スペーサ
1100 光源ウェハー
1106 接着剤
1110 集束微細構造転写キャリア
1112、1200a、1200b 転写キャリア
1114、1204 一時的接着剤層
1120 マイクロドライバIC転写キャリア
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
【国際調査報告】