(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】IP基盤RAPIEnetを支援する通信デバイスおよびこれを含むネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
H04L12/28 207
H04L12/28 100F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513956
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2022015771
(87)【国際公開番号】W WO2023120914
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186922
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ゴン
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033BA03
5K033CB06
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る通信デバイスにおいて、通信部;前記通信デバイスと他の通信デバイス間を連結する通信経路上にスタートポロジまたはライントポロジを含む第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、RAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)基盤の上位階層およびIP(Internet Protocol)基盤の下位階層に接近するための第1インターフェースを通じて前記他の通信デバイスに伝送するデータを構成し、前記通信部を通じて前記通信経路を利用して前記他の通信デバイスに前記データを伝送するプロセッサ;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスにおいて、
通信部;
前記通信デバイスと他の通信デバイス間を連結する通信経路上にスタートポロジまたはライントポロジを含む第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、RAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)基盤の上位階層およびIP(Internet Protocol)基盤の下位階層に接近するための第1インターフェースを通じて前記他の通信デバイスに伝送するデータを構成し、
前記通信部を通じて前記通信経路を利用して前記他の通信デバイスに前記データを伝送するプロセッサ;を含む、通信デバイス。
【請求項2】
前記データは第1データであり、
前記プロセッサは、
前記通信経路上に前記第1トポロジで構成されたネットワークが含まれなかった場合、前記第1インターフェースあるいは前記RAPIEnet基盤の上位階層およびRAPIEnet基盤の下位階層に接近するための第2インターフェースのうち一つを選択し、
選択された前記第1インターフェースあるいは前記第2インターフェースを通じて前記他の通信デバイスに伝送する第2データを構成し、
前記通信部を通じて前記通信経路を利用して前記他の通信デバイスに前記データを伝送する、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項3】
前記データは第1データであり、
前記プロセッサは、
前記他の通信デバイスから受信される第3データに含まれたヘッダー情報を識別し、
前記ヘッダー情報が前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含む場合、前記第1インターフェースを通じて前記第3データを受信する、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含むように前記データを構成する、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項5】
前記ヘッダー情報はDestination Address、Source Address、Destination SAP(Service Access Point)、Source SAP、Extension Data領域、Group Data領域を含む、請求項4に記載の通信デバイス。
【請求項6】
ネットワークシステムにおいて、
第1通信デバイスと第2通信デバイスを含む複数の通信デバイス;を含み、
前記第1通信デバイスは、
第1通信部;
前記第1通信デバイスと第2通信デバイス間を連結する通信経路上にスタートポロジまたはライントポロジを含む第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、RAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)基盤の上位階層およびIP(Internet Protocol)基盤の下位階層に接近するための第1インターフェースを通じて前記第2通信デバイスに伝送するデータを構成し、
前記第1通信部を通じて前記通信経路を利用して前記第2通信デバイスに前記データを伝送する第1プロセッサ;を含み、
前記第2通信デバイスは、
第2通信部;および
前記第1通信デバイスから受信される前記データに含まれたヘッダー情報を識別し、
前記ヘッダー情報が前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含む場合、前記第1インターフェースを通じて前記データを受信する第2プロセッサ;を含む、ネットワークシステム。
【請求項7】
前記第1プロセッサは、
前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含むように前記データを構成する、請求項6に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記ヘッダー情報はDestination Address、Source Address、Destination SAP(Service Access Point)、Source SAP、Extension Data領域、Group Data領域を含む、請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記第1通信デバイスと第2通信デバイス間を連結する通信経路上の少なくとも一つのイーサネットスイッチ;をさらに含む、請求項6に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
複数イーサネットポート基盤データリンク階層を使う第1通信方式の通信デバイスにおいて、
単一イーサネットポート基盤のデータリンク階層を使う第2通信方式で他の通信デバイスと通信できる、通信デバイス。
【請求項11】
前記第1通信方式および前記第2通信方式は連結非指向型通信方式であることを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項12】
前記第1通信方式はRAPIEnet通信であり、前記第2通信方式はUDP/IP通信であることを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項13】
前記通信デバイスは、前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信する場合、前記第2通信方式に必要なヘッダー情報を利用して通信することを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項14】
前記通信デバイスはリングトポロジまたはライントポロジのネットワークに存在し、前記他の通信デバイスはスタートポロジまたはツリートポロジのネットワークに存在する場合、前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信することを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記通信デバイスは、前記第1通信方式で前記他の通信デバイスと通信が失敗する場合、前記第2通信方式で通信を試みることを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記通信デバイスは、使用者入力によって選択された前記第1通信方式または前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信することを特徴とする、請求項10に記載の通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIP基盤RAPIEnetを支援する通信デバイスおよびこれを含むネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
IEC 61158-3 type 21、IEC 61158-4 type 21、IEC 61158-5 type21、IEC 61158-6 type 21、IEC 62439-7を含むRAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)はリングトポロジあるいはライントポロジを支援するイーサネット基盤の高可用性産業用ネットワークプロトコルを意味する。
【0003】
RAPIEnetは最適な送信経路、ネットワーク形状自動構成、リングマネジャー自動選出などの機能を遂行するために、各通信デバイスはネットワーク全体の情報をホップカウント(hop count)基盤でNIB(network information base、IEC 62439-7 4.5)に管理する。
【0004】
ホップカウントはネットワークを管理するためのフレームを通信デバイス間で理解できてこそ計算が可能であり、ネットワークがどのように連結されているかが分からない状況で最適な送信経路を探索するなどの機能を遂行するためには、ネットワーク上のすべての通信デバイスはRAPIEnetを支援できなければならない。
【0005】
このような特性のため、RAPIEnetを使って、スターやツリー状のネットワークトポロジを構成するためにはRAPIEnetを支援する別途の専用スイッチが必要である。一般の汎用イーサネットスイッチの場合、RAPIEnet Data Link階層でネットワーク構成のための交渉過程に対する情報を提供することができないため、一般の汎用イーサネットスイッチを使ってネットワークを増設したり、拡張することは不可能である。
【0006】
それに反し、RAPIEnetを利用する産業現場の多様な制御要求事項によって、一般の汎用イーサネットスイッチを使ってスターやツリー状のネットワークトポロジにおいてもRAPIEnetを支援できる機能に対するニーズが増加しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、汎用イーサネットスイッチを使ってスターやツリー状のネットワークトポロジにおいてもRAPIEnet基盤アプリケーションを動作できる通信デバイスおよびこれを含むネットワークシステムを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、RAPIEnet通信のためのRAPIEnet Data Link階層を具現できない一般の通信デバイスもRAPIEnetアプリケーションを利用してデータの送受信ができる通信デバイスおよびこれを含むネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例に係る通信デバイスにおいて、通信部;前記通信デバイスと他の通信デバイス間を連結する通信経路上にスタートポロジまたはライントポロジを含む第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、RAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)基盤の上位階層およびIP(Internet Protocol)基盤の下位階層に接近するための第1インターフェースを通じて前記他の通信デバイスに伝送するデータを構成し、前記通信部を通じて前記通信経路を利用して前記他の通信デバイスに前記データを伝送するプロセッサ;を含む。
【0010】
前記データは第1データであり、前記プロセッサは、前記通信経路上に前記第1トポロジで構成されたネットワークが含まれなかった場合、前記第1インターフェースあるいは前記RAPIEnet基盤の上位階層およびRAPIEnet基盤の下位階層に接近するための第2インターフェースのうち一つを選択し、選択された前記第1インターフェースあるいは前記第2インターフェースを通じて前記他の通信デバイスに伝送する第2データを構成し、前記通信部を通じて前記通信経路を利用して前記他の通信デバイスに前記データを伝送することができる。
【0011】
前記データは第1データであり、前記プロセッサは、前記他の通信デバイスから受信される第3データに含まれたヘッダー情報を識別し、前記ヘッダー情報が前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含む場合、前記第1インターフェースを通じて前記第3データを受信することができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含むように前記データを構成することができる。
【0013】
前記ヘッダー情報はDestination Address、Source Address、Destination SAP(Service Access Point)、Source SAP、Extension Data領域、Group Data領域を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例に係るネットワークシステムにおいて、第1通信デバイスと第2通信デバイスを含む複数の通信デバイス;を含み、前記第1通信デバイスは、第1通信部;前記第1通信デバイスと第2通信デバイス間を連結する通信経路上にスタートポロジまたはライントポロジを含む第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、RAPIEnet(Real-time Automation Protocols for Industrial Ethernet)基盤の上位階層およびIP(Internet Protocol)基盤の下位階層に接近するための第1インターフェースを通じて前記第2通信デバイスに伝送するデータを構成し、前記第1通信部を通じて前記通信経路を利用して前記第2通信デバイスに前記データを伝送するプロセッサ;を含み、前記第2通信デバイスは、第2通信部;および前記第1通信デバイスから受信される前記データに含まれたヘッダー情報を識別し、前記ヘッダー情報が前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含む場合、前記第1インターフェースを通じて前記データを受信する第2プロセッサ;を含む。
【0015】
前記第1プロセッサは、前記第1インターフェースに関するヘッダー情報を含むように前記データを構成することができる。
【0016】
本発明の一実施例に係るネットワークシステムにおいて、前記第1通信デバイスと第2通信デバイス間を連結する通信経路上の少なくとも一つのイーサネットスイッチ;をさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例に係る複数イーサネットポート基盤データリンク階層を使う第1通信方式の通信デバイスにおいて、単一イーサネットポート基盤のデータリンク階層を使う第2通信方式で他の通信デバイスと通信することができる。
【0018】
前記第1通信方式および前記第2通信方式は連結非指向型通信方式であり得る。
【0019】
前記第1通信方式はRAPIEnet通信であり、前記第2通信方式はUDP/IP通信であり得る。
【0020】
前記通信デバイスは、前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信する場合、前記第2通信方式に必要なヘッダー情報を利用して通信することができる。
【0021】
前記通信デバイスはリングトポロジまたはライントポロジのネットワークに存在し、前記他の通信デバイスはスタートポロジまたはツリートポロジのネットワークに存在する場合、前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信することができる。
【0022】
前記通信デバイスは、前記第1通信方式で前記他の通信デバイスと通信が失敗する場合、前記第2通信方式で通信を試みることができる。
【0023】
前記通信デバイスは、使用者入力によって選択された前記第1通信方式または前記第2通信方式で前記他の通信デバイスと通信することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施例によると、RAPIEnet基盤アプリケーションをスターやツリートポロジで構成されたネットワークにおいても使えるようにして多様なフィールド状況に合うようにネットワーク基盤制御システムを構成することができる。
【0025】
本発明の一実施例によると、RAPIEnet通信のためのRAPIEnet Data Link階層を具現できない一般の通信デバイスもRAPIEnetアプリケーションを利用してデータ送受信ができるところ、ネットワーク構成の柔軟性を付与することができる。
【0026】
本発明の一実施例によると、既存RAPIEnet通信を遂行できないトポロジを構成するネットワークにおいてもRAPIEnetアプリケーションを修正せずに使用できるところ、効率的かつ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】RAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステムを図示した図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係るRAPIEnetプロトコルスタックを図示した図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係るRAPIEnetプロトコルスタックを図示した図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るUDPインターフェースに関するヘッダー情報を図示した図面である。
【
図5】本発明の一実施例に係る通信デバイスの構成を図示したブロック図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステムを図示した図面である。
【
図7】本発明の他の実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステムを図示した図面である。
【
図8】本発明のさらに他の実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステムを図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。添付された図面と共に以下に開示される詳細な説明は本発明の例示的な実施形態を説明しようとするものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示そうとするものではない。図面で本発明を明確に説明するために、説明にかかわらない部分は省略でき、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を使うことができる。また、本発明の実施例で、第1、第2等のように序数を含む用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われ、単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0029】
図1は、RAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステムを図示した図面である。
【0030】
図1はネットワークシステム1の一例であり、複数の通信デバイス100がリングトポロジ、ライントポロジ、ツリートポロジの組み合わせでネットワークをなし、リングトポロジのネットワークとライントポロジのネットワークを連結するRAPIEnetリングスイッチ10、リングトポロジのネットワークとツリートポロジのネットワークを連結する汎用イーサネットスイッチ20を図示する。
【0031】
二つの物理階層を利用して構成されるRAPIEnetの場合、リングトポロジやライントポロジのネットワークにのみ適用が可能である。したがって、スタートポロジやツリートポロジ(以下、第1トポロジともいう。)でのみネットワークを構成できる制御フィールドでは、RAPIEnetプロトコルを支援するRAPIEnetリングスイッチ10を利用してRAPIEnet通信を遂行できる。しかし、リングスイッチ10の場合、収容できるポートの個数に制約があるためリングスイッチ10を通じて多様なトポロジを構成しようとする場合には適しておらず、リングスイッチ10自体が高価であるため適用に困難が存在する。
【0032】
現在産業領域に適用されているRAPIEnetの場合、産業用制御に合うようにタイミングがはやく、リアルタイムスケジューリングが可能であるようにUDP/IP階層を排除し、RAPIEnet Data Link階層からすぐにアプリケーション階層に通信されるように構成されている。したがって、UDP/IPフレームは理解するが、RAPIEnetプロトコルは理解できない汎用イーサネットスイッチ20は使用できないのが実情である。
【0033】
図1に図示された通り、リングスイッチ10に連結された汎用イーサネットスイッチ20はRAPIEnetプロトコルを理解できないところ、ツリートポロジで構成された通信デバイスはリングやライントポロジで構成された通信デバイスと通信できない。
【0034】
以下、本発明では、複数イーサネットポート基盤データリンク階層を使う第1通信方式の通信デバイスにおいて、単一イーサネットポート基盤のデータリンク階層を使う第2通信方式で他の通信デバイスと通信できる通信デバイスについて説明する。この時、第1通信方式はRAPIEnet通信であり、第2通信方式はUDP/IP通信であり得、第1通信方式および第2通信方式は連結非指向型通信方式である。
【0035】
すなわち、RAPIEnetプロトコルスタックでUDP/IP階層でも通信を可能にする発明について提案する。この場合、UDP/IPフレームでRAPIEnet通信が可能となるところ、安価で容易に使用できる汎用イーサネットスイッチを利用してスターやツリー状でもRAPIEnetネットワークを構成することができる。
【0036】
図2は、本発明の一実施例に係るRAPIEnetプロトコルスタックを図示した図面である。
【0037】
図2に図示されたプロトコルスタック200は、動作するアプリケーションが一般のアプリケーション(Generic application)である場合、すなわちRAPIEnetアプリケーション(Real-time application)である場合のプロトコル伝送経路を示す。
【0038】
より具体的には、プロトコルスタック200は物理階層210、RAPIEnet Data Link階層220、IP階層230、TCP/UDP階層240、RAPIEnet Application階層250、Application階層260を含む。
【0039】
物理階層210は一つのノードから隣接したノードにフレームあるいはパケットなどのデータをビット化して送る物理的な領域を意味し、LAN、WAN、MANのようなネットワーク標準に関連したプロトコルを定義する領域である。RAPIEnetを支援する通信デバイスは二つのポートを有している。
【0040】
RAPIEnet Data Link階層220は交渉過程を経て各通信デバイスまでのホップを算定して通信デバイス間の最適経路、ネットワーク形状構成に対する情報を獲得し管理する。一般的なRAPIEnet通信をする場合、データはスケジュールリング優先順位が高いRT-Q(Real Time-Queue)221を経て送受信される。本発明の一実施例によると、RAPIEnet Data Link階層220は複数イーサネットポート基盤のデータリンク階層であり得る。
【0041】
IP階層230はRAPIEnet Data Link階層220と類似するように、目的とする通信デバイスにデータを送るためにどのような経路を経るかを決定する階層である。この時、プロトコルスタック200でIP階層230もRAPIEnet Data Link階層220を経るものとして図示されているが、実際IP階層230から送られてきたデータをNRT-Q(Non Real Time-Q)222を経て物理階層210で伝達する過程で修正せず、そのまま物理階層210に伝達する。すなわち、IP階層230とRAPIEnet Data Link階層220間に相互依存性はない。ただし、IP階層230はRAPIEnet Data Link階層220のMAC address223というアドレス管理体系に基づいて物理階層210のどのポートにデータを送受信するかを決定するテーブルを管理する。
【0042】
TCP/UDP階層240はデータを伝送する方法を定義する領域である。TCP階層を通じた場合、連結指向型(connection-oriented)でデータが送受信される間、通信デバイス間連結が確立されて維持されるので、信頼性が保障される。UDP階層を通じた場合、TCPとは異なってデータをパケットに分けて再組み立てする過程を経ないところ、データの伝送速度が速く、連結非指向型(connectionless)でデータをやり取りする時、データを送信するという信号や、受信するという信号処理手続きを経ずに一方的に送受信する。
【0043】
この時、RAPIEnetのメッセージ通信方式は連結指向型プロトコルではなく連結非指向型プロトコルを使う。したがって、本発明では連結非指向型プロトコルタイプであるUDPを使ってIP階層に接近できるようにする。これを通じて、RAPIEnetアプリケーションを利用するためのデータにUDPヘッダーがつくことになるため、汎用イーサネットスイッチを利用して第1トポロジのネットワークを構成することができる。
【0044】
RAPIEnet Application階層250はTCP/UDP階層240と同様にデータ伝送階層であり、RAPIEnet Application階層250は上位/下位階層に接近するためにRAPIEnet DLインターフェース(RAPIEnet DL I/F)251とUDPインターフェース(UDP I/F)252を有する。RAPIEnet Application階層250では二つのインターフェースのうち一つを選択してデータを送受信することができる。
【0045】
したがって、本発明でRAPIEnetアプリケーションの通信経路は二つの経路を具現することができる。一つは一般RAPIEnet通信方式であって、RAPIEnet DLインターフェース251を通じてRAPIEnet Data Link階層220にデータを伝送したり、RAPIEnet Data Link階層220に入ってきたデータをRAPIEnet DLインターフェース251を通じて受信する経路である。他の一つは、本発明で具現しようとするIP階層230への伝送経路であって、IP階層230と通信するためにUDPインターフェース252を通じる。
【0046】
本発明の一実施例に係る通信デバイス100は、RAPIEnet通信である第1通信方式で他の通信デバイスと先に通信を試みて通信が失敗する場合、UDP/IP通信である第2通信方式で通信を試みることができる。また、これに限定されず、使用者入力によって選択された第1通信方式または第2通信方式で他の通信デバイスと通信することができる。
【0047】
この時、TCPインターフェースではなくUDPインターフェース252を利用する理由は、先立ってTCP/UDP階層240で説明した通り、RAPIEnetが連結非指向型プロトコルを使うためである。
【0048】
データがRAPIEnet Application階層250のUDPインターフェース252を経る場合、データはUDPインターフェースに関するヘッダー情報を含むことになる。これにより、TCP/UDP階層240がRAPIEnet Applicationデータを識別することができる。
【0049】
本発明の一実施例によると、通信デバイス100が第2通信方式、すなわちUDP/IP通信で他の通信デバイスと通信する場合、第2通信方式に必要なヘッダー情報を利用して通信を遂行する。すなわち、RAPIEnet基盤のデータにUDPインターフェースに関するヘッダー情報を付けて通信することができる。UDPインターフェースに関するヘッダー情報に対する詳しい内容は
図4で叙述する。
【0050】
Application階層260は送受信側間でデータをやり取りするためのサービスを定義する階層であり、一般のアプリケーションとRAPIEnetアプリケーションが含まれる。
【0051】
RAPIEnetアプリケーションは、例えば、クライアント/サーバーモデルでのデータ書き込み/読み取り機能、マスター/スレーブモデルでのデータ入出力機能、プロデューサー/コンシューマーモデルのデータ共有機能、リモートOSダウンロード機能、各種診断機能を遂行するアプリケーションを含む。
【0052】
RAPIEnetアプリケーションは予測可能な時間に動作をしなければならない特徴がある反面、一般のアプリケーションは動作に対する時点を予測することができない。したがって、コンベヤーベルトの順次的移動による自動車生産作業現場でのように、アプリケーションのリアルタイム制御動作が必要な場合にRAPIEnetアプリケーションを使う。
【0053】
本発明の一実施例によると、Application階層260のRAPIEnetアプリケーションはRAPIEnet Application階層250のRAPIEnet DLインターフェース251を通じてRAPIEnet Data Link階層220を経て通信を遂行でき、UDPインターフェース252を通じてUDP/IPを経て通信を遂行できる。
【0054】
このように、汎用イーサネットスイッチはUDPプロトコルを理解することができるので、汎用イーサネットスイッチを使ってツリーやスタートポロジのRAPIEnetネットワークを構成することができる。
【0055】
図3は、本発明の一実施例に係るRAPIEnetプロトコルスタックを図示した図面である。
【0056】
本図面に図示されたプロトコルスタック300は前述した
図2のプロトコルスタック200とは異なり、RAPIEnet Data Link階層220を除去した姿である。その他、IP階層320、TCP/UDP階層330、アプリケーション階層350については
図2のプロトコルスタック200の階層とその役割および機能が同一であるので、これを参照して理解する。
【0057】
図3のプロトコルスタック300は、RAPIEnet Data Link階層220を具現できない通信デバイスに適用することができる。RAPIEnet Data Link階層220を具現するためにはRT-Q221、NRT-Q222の機能を具現するハードウェア構成が必要である。しかし、このようなハードウェア構成を具現し難い通信デバイス、例えば、PCやHMI(Human Machine Interface)のようなエンベデッドデバイスなどの既存の通信のみ遂行できる通信デバイスは、RAPIEnet Data Link階層220を具現できない。この場合にも、先立って
図2に関連して叙述した通り、IP階層230はRAPIEnet Data Link階層220と依存性がなく、MAC address223を利用してデータ送信経路を決定するところ、RAPIEnet Data Link階層220を除去した
図3のプロトコルスタック300を適用することができる。
【0058】
すなわち、一般の通信デバイスはRAPIEnet Data Link階層220を具現することができなくても、Ethernet MAC310、IP階層320、UDP階層330を通じてRAPIEnet Application階層340のUDPインターフェース341を経てApplication階層350のRAPIEnetアプリケーションと通信を遂行できる。
【0059】
本発明の一実施例によると、RAPIEnet通信のためのRAPIEnet Data Link階層220を具現できない一般の通信デバイスも、UDPインターフェース341を通じてRAPIEnetアプリケーションを利用してデータ送受信ができるところ、ネットワーク構成の柔軟性を付与する。
【0060】
図4は、本発明の一実施例に係るUDPインターフェースに関するヘッダー情報400を図示した図面である。
【0061】
RAPIEnetアプリケーションはRAPIEnet Data Link階層の多様な機能を活用して効果的な通信方法を選択することができる。RAPIEnetアプリケーションはRAPIEnet Data Link階層の多様な伝送機能を活用するので、UDPインターフェースにヘッダー情報が追加されなければならない。
【0062】
ヘッダー情報は、1)Destination Address(RAPIEnet規格に従う)、2)Source Address(RAPIEnet規格に従う)、3)Destination SAP(Service Access Point)、(RAPIEnet規格に従う)、4)Source SAP(Service Access Point)、(RAPIEnet規格に従う)、5)Extension Data領域(RAPIEnet規格に準ずる)、6)Group Data領域(RAPIEnet規格に準ずる)の6つの項目を含む。以下、各項目に対して値と説明を表示した[表1]を参照して詳察する。
【0063】
1)Destination Address(DST_addr)
このフィールドはフレームが伝送されるノードの目的地アドレスを表す。RAPIEnetでメッセージの目的地アドレスは[表1]のように、0x0000~0xFFFFまで設定可能である。目的地アドレスが0xFFである場合、目的地MACアドレスフィールドはISO/IEC/IEEE 8802 3MACアドレスを含む。
【0064】
2)Source Address(SRC_addr)
このフィールドはフレームが生成されるノードのソースアドレスを表す。
【0065】
3)Destination SAP(Service Access Point)
このフィールドはDLPDUが伝送されるDLEのSAPを表し、許容される値の範囲は0~65535である。
【0066】
4)Source SAP(Service Access Point)
このフィールドはDLPDUが生成されるDLEのSAPを表し、許容される値の範囲は0~65535である。
【0067】
5)Extension Data領域
このフィールドはフレーム制御フィールドのVoEビットがTRUEに設定された場合に存在する。
【0068】
Group Mask Enableはフレームがブロードキャストまたはマルチキャストであるときにピア装置でフレームを受諾するかどうかを指定するビットフィールドである。値がTRUEに設定される場合、フレームを受信するピア装置でGroup Maskが活性化される。
【0069】
Group Maskフィールドはビットシーケンスを使ってメッセージ受信選択を表す。Group Mask EnableがTRUEに設定されるとGroup Maskフィールドが4オクテット単位で追加される(例:4、8、12~32オクテット)。各ビットは該当DLエンティティ識別子に対するフレームの受信選択を表す。1はフレーム受信に対してTRUEを意味し、0はFALSEを意味する。最初のビットは最上位DLエンティティ識別子に対するフレーム受信オプションを表す。
【0070】
Extension typeフィールドは拡張フィールドの類型を表す。0x00値は有効でない拡張類型を表し、他の値は後で使うために予約される。
【0071】
Extension lengthフィールドは拡張フィールドの長さを表す。Group Mask EnableがTRUEに設定され、拡張類型が0x00に設定されると拡張の長さはGroup Maskフィールドの長さを指定する。Group Mask EnableがFALSEに設定され、拡張類型が0x00以外の値で設定されると、拡張長さは拡張フィールドの長さを指定する。Group Mask EnableがTRUEに設定され、拡張類型が0x00と設定されなかった場合、最初の二つのオクテットはGroup Maskフィールドの長さを指定し、次の二つのオクテットは拡張類型を指定する。
【0072】
【0073】
図5は、本発明の一実施例に係る通信デバイス100の構成を図示したブロック図である。
【0074】
入力部110は通信デバイス100と他の通信デバイス、RAPIEnetリングスイッチ10、あるいは汎用イーサネットスイッチ20等を連結する少なくとも一つのポートを含む。この他にも入力部110は使用者入力に対応して入力データを発生させるための少なくとも一つの入力手段を含む。入力部110は入力端子、ボタン、ロータリスイッチ、キーパッド、ドームスイッチ、タッチパネル、ジョグシャトル、タッチキーなどを含むことができる。
【0075】
通信部120は他の通信デバイスのような外部装置、外部サーバー(図示されず)との通信を遂行する。このために、通信部120は5G(5th Generation communication)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)、LTE(Long Term Evolution)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)等の無線通信を遂行できる。通信部120は通信方式として、RF(radio frequency)、ジグビー(Zigbee)、ブルートゥース(bluetooth)、ワイファイ(Wi-Fi)、UWB(Ultra WideBand)およびNFC(Near Field Communication)等の無線通信を使うことができる。通信部120はワイファイ(Wi-Fi)などのようなAPと無線通信を遂行する無線通信モジュールや、ブルートゥースなどのような1対1ダイレクト無線通信を遂行する無線通信モジュールなどで具現され得る。
【0076】
ディスプレイ部130は通信デバイス100の動作に関連した表示データを表示する。ディスプレイ部130は液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED;Organic LED)ディスプレイ、マイクロ電磁系システム(MEMS;Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイおよび電子ペーパー(Electronic Paper)ディスプレイを含む。ディスプレイ部130は入力部110と結合されてタッチスクリーン(Touch Screen)で具現され得る。
【0077】
保存部140は通信デバイス100の動作プログラムを保存する。保存部140は電源提供の有無にかかわらずデータを保存できる不揮発性属性のストレージ(storage)と、プロセッサ150によって処理されるためのデータがローディングされ、電源が提供されないとデータを保存できない揮発性属性のメモリ(memory)を含む。ストレージにはフラッシュメモリ(flash-memory)、HDD(hard-disc drive)、SSD(solid-state drive)ROM(Read Only Memory)等があり、メモリにはバッファー(buffer)、ラム(RAM;Random Access Memory)等がある。
【0078】
プロセッサ150はプログラムなどのソフトウェアを実行してプロセッサ150に連結された通信デバイス100の少なくとも一つの他の構成要素(例:ハードウェアまたはソフトウェア構成要素)を制御でき、多様なデータ処理または演算を遂行できる。
【0079】
プロセッサ150は通信デバイス100と他の通信デバイス間を連結する通信経路上のネットワーク構成に基づいてUDPインターフェースを通じて他の通信デバイスに伝送するデータを構成し、通信部120を通じて通信経路を利用して他の通信デバイスにデータを伝送する動作を遂行できる。
【0080】
プロセッサ150は他の通信デバイスから受信されるデータに含まれたヘッダー情報を識別し、識別されたヘッダー情報がUDPインターフェースに関するヘッダー情報を含む場合、UDPインターフェースを通じてデータを受信する動作を遂行できる。
【0081】
図6は、本発明の一実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステム600を図示した図面である。
【0082】
本発明の一実施例に係るネットワークシステム600は、リングトポロジのネットワークとツリートポロジのネットワークで構成され、二つのネットワークはリングスイッチ10とリングスイッチ10に連結された汎用イーサネットスイッチ20に連結されている。本実施例ではリングトポロジのネットワークに含まれた第1通信デバイス101とツリートポロジのネットワークに含まれた第2通信デバイス102間通信する場合を確認する。第1通信デバイス101および第2通信デバイス102は先立って
図5で説明した通信デバイス100のうち一つであり、各通信デバイスに含まれる構成は
図5の説明を参照して理解する。
【0083】
図6で第1通信デバイス101はRAPIEnetネットワークのうち一つであるリングトポロジを構成するところ、
図2のプロトコルスタック200を利用して通信する。第2通信デバイス102の場合、RAPIEnetを支援する通信デバイスであれば
図2のプロトコルスタック200を利用することができるが、これに限定されず一般IP通信を遂行する通信デバイスである場合、
図3のプロトコルスタック300を利用することができる。すなわち、第2通信デバイス102はツリートポロジのネットワークを構成する通信デバイスであって、必ずしも二つの物理ポートを有するRAPIEnet通信デバイスである必要はない。
【0084】
第1通信デバイス101と第2通信デバイス102間を連結する通信経路上にスタートポロジおよびツリートポロジのうち少なくとも一つの第1トポロジで構成されたネットワークが含まれる場合、データはIP階層230に接近しなければならない。すなわち、スタートポロジあるいはツリートポロジ上の通信デバイスでデータを送受信するためには汎用イーサネットスイッチを通じなければならず、汎用イーサネットスイッチはIP基盤のプロトコルを理解することができるのでこのためのデータ伝送プロトコルの修正が必要である。
【0085】
第1通信デバイス101の第1プロセッサ151はIP階層230に入ってくるデータを受信するためにRAPIEnet基盤の上位階層に接近でき、RAPIEnet基盤のデータをIP基盤のプロトコルを付けて送信するためにIP基盤の下位階層に接近できる第1インターフェースであるUDPインターフェース252を使うことができる。この時、UDPインターフェース252はRAPIEnetアプリケーション階層250に存在することができる。
図2のプロトコルスタック200を参照すると、RAPIEnet基盤の上位階層はRAPIEnetアプリケーション階層250、アプリケーション階層260を意味し、IP基盤の下位階層はTCP/UDP階層240以下の階層を意味する。
【0086】
ただし、第1通信デバイス101はRAPIEnetリングネットワークに含まれた他の通信デバイスとも通信をするところ、RAPIEnet基盤の上位階層およびRAPIEnet基盤の下位階層に接近するための第2インターフェースであるRAPIEnet DLインターフェース251を使うことができる。
【0087】
すなわち、第1通信デバイス101の第1プロセッサ151はプロトコルスタック200のRAPIEnet Application階層250で下位階層に接近するために、RAPIEnet DLインターフェース251とUDPインターフェース252のうち一つを選択してデータを送信することができる。
【0088】
第1通信デバイス101の第1プロセッサは第2通信デバイス102との通信経路に基づいてUDPインターフェース252を通じて第2通信デバイス102に伝送するデータを構成することができる。あるいは第1通信デバイス101の第1プロセッサ150は、通信経路上の汎用イーサネットスイッチ20の存在の有無を識別してUDPインターフェース252を経る経路を選択しなければならないかを判断することができる。UDPインターフェース252を通じて構成されたデータは先立って
図4で叙述したUDPインターフェースに関するヘッダー情報を含む。
【0089】
第1通信デバイス101の第1プロセッサ151は、第2通信デバイス102との通信経路に沿って第2通信デバイス102にUDPインターフェース252に関するヘッダー情報を含むRAPIEnet基盤のデータを伝送することができる。
【0090】
第2通信デバイス102の第2プロセッサ152は、第1通信デバイス101から受信されるデータに含まれたヘッダー情報を識別する。識別されたヘッダー情報がUDPインターフェース252に関するヘッダー情報を含む場合、第2通信デバイス102はUDPインターフェース252を通じてデータを受信する。
【0091】
より具体的には、第2通信デバイス102は
図2のプロトコルスタック200を使う場合、RAPIEnet Data Link階層220のNRT-Q222を通じてIP階層230、TCP/UDP階層240を経てRAPIEnet Application階層250のUDPインターフェース252でデータを受信する。もし、前述した通り、第2通信デバイス102がPCやエンベデッド装置などの一般IP通信を遂行するデバイスである場合、
図3のプロトコルスタック300を使ってMAC階層310、IP階層320、UDP階層330を通じてRAPIEnet Application階層340のUDPインターフェース341を経てApplication階層350のRAPIEnetアプリケーションと通信を遂行できる。
【0092】
本発明の一実施例によると、既存のRAPIEnet通信を遂行できないトポロジを構成するネットワークにおいてもRAPIEnetアプリケーションを修正せずに使用できるところ、アプリケーション開発に必要とされるリソースが全く必要でない。また、RAPIEnet通信を支援しない通信デバイスにおいてもRAPIEnetアプリケーションを修正する必要なくRAPIEnetアプリケーションを使用できるところ、経済的である。
【0093】
図7は、本発明の他の実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステム700を図示した図面である。
【0094】
本発明の一実施例に係るネットワークシステム700はライントポロジのネットワークとツリートポロジのネットワークで構成され、二つのネットワークは汎用イーサネットスイッチ20に連結されている。本実施例ではライントポロジのネットワークに含まれた第1通信デバイス101とツリートポロジのネットワークに含まれた第2通信デバイス102間通信する場合を確認する。第1通信デバイス101および第2通信デバイス102は先立って
図5で説明した通信デバイス100のうち一つであり、各通信デバイスに含まれる構成は
図5の説明を参照して理解する。
【0095】
図7で第1通信デバイス101はRAPIEnetネットワークのうち一つであるライントポロジを構成するところ、
図2のプロトコルスタック200を利用して通信する。
【0096】
図7の場合、
図6と第1通信デバイス101が含まれたネットワークがそれぞれライントポロジ、リングトポロジであることに差があるだけで、状況は同一である。したがって、重複する点については省略し、追加的な内容について言及する。該当内容は
図6のネットワークシステム600にも補完適用できることは言うまでもない。
【0097】
本発明の一実施例によると、ライントポロジを構成する4個の通信デバイスは相互間の交渉過程を通じてラインネットワークマネジャーを設定する。この時、ラインネットワークマネジャーは4個の通信デバイスのうち両終端に位置する通信デバイスであり得る。
【0098】
ラインネットワークマネジャーは通信デバイスがRAPIEnet基盤のデータをラインネットワーク内でのみ送受信するようにする。これは、RAPIEnetプロトコルが汎用イーサネットスイッチ20で伝送されると、汎用イーサネットスイッチ20はこれを理解できないのでスイッチが壊れたり、誤動作し得るためである。したがって、ラインネットワークマネジャーはIP基盤のプロトコルを含むデータ、すなわちUDPインターフェース252、341に関するヘッダー情報を含むデータのみ汎用イーサネットスイッチ20側に送信する。
【0099】
この時、データ通信を開始するクライアント側である第1通信デバイス101では、RAPIEnet DLインターフェース251とUDPインターフェース252のうちいずれのインターフェースを使ってデータを伝送するかについて事前に情報を有していることがあり得る。これはクライアント側の通信パラメータの形態で存在し得、通信使用者(技術者)が設定することができる。
【0100】
反面、サーバー側通信デバイスである第2通信デバイス102でクライアントが要請したデータに応答をする時、受信したデータに含まれたヘッダー情報に基づいてRAPIEnet DLインターフェース251とUDPインターフェース252のうちいずれのインターフェースにデータが受信されたかを区別できるため、この情報を活用して該当するインターフェースに応答することができる。
【0101】
図8は、本発明のさらに他の実施例に係るRAPIEnetを支援する複数の通信デバイスで構成されたネットワークシステム800を図示した図面である。
【0102】
本発明の一実施例に係るネットワークシステム800はツリートポロジのネットワークで構成され、通信デバイスは汎用イーサネットスイッチ20に連結されている。本実施例ではツリートポロジのネットワークに含まれた第1通信デバイス101と第2通信デバイス102間通信する場合を確認する。第1通信デバイス101および第2通信デバイス102は先立って
図5で説明した通信デバイス100のうち一つであり、各通信デバイスに含まれる構成は
図5の説明を参照して理解する。
【0103】
本実施例で第1通信デバイス101および第2通信デバイス102の場合、RAPIEnetを支援する通信デバイスであれば
図2のプロトコルスタック200を利用することができるが、これに限定されず一般IP通信を遂行する通信デバイスである場合、
図3のプロトコルスタック300を利用することができる。すなわち、第1通信デバイス101および第2通信デバイス102はツリートポロジのネットワークを構成する通信デバイスであり、必ずしも二つの物理ポートを有するRAPIEnet通信デバイスである必要はない。
【0104】
第1通信デバイス101の第1プロセッサ151は第2通信デバイス102と通信するために第1通信デバイス101と第2通信デバイス102間を連結する通信経路を識別する。
【0105】
第1通信デバイス101と第2通信デバイス102は汎用イーサネットスイッチ20を通じて通信するので、データはIP階層230に接近しなければならない。
【0106】
第1通信デバイス101の第1プロセッサ151はRAPIEnet基盤の上位階層に接近でき、IP基盤の下位階層に接近できる第1インターフェースであるUDPインターフェース252を使うことができる。あるいは第1通信デバイス101がPCやエンベデッド装置などの一般IP通信を遂行するデバイスである場合、
図3のプロトコルスタック300のUDPインターフェース341を使ってRAPIEnet基盤の上位階層およびIP基盤の下位階層に接近することができる。
【0107】
第2通信デバイス102の第2プロセッサ152は第1通信デバイス101から受信されるデータに含まれたヘッダー情報を識別する。識別されたヘッダー情報がUDPインターフェース252に関するヘッダー情報を含む場合、第2通信デバイス102はUDPインターフェース252を通じてデータを受信する。もし、第2通信デバイス102がPCやエンベデッド装置などの一般IP通信を遂行するデバイスである場合、
図3のプロトコルスタック300のUDPインターフェース341を通信を遂行できる。
【0108】
本発明の一実施例によると、RAPIEnet通信のためのRAPIEnet Application階層が具現されていない通信デバイス間でもIP基盤のRAPIEnet通信が可能となる。
【国際調査報告】