IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インスセンセ アーペーエスの特許一覧

特表2024-537619中枢神経系の疾患の処置における使用のためのソルチリンモジュレーターとしての2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸誘導体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】中枢神経系の疾患の処置における使用のためのソルチリンモジュレーターとしての2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/74 20060101AFI20241008BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/472 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 319/18 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 241/40 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 215/12 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 209/08 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 217/02 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 277/62 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 231/12 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 231/56 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 239/26 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 213/36 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4409 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 233/61 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/417 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 213/65 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 213/64 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 213/61 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 277/64 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 235/06 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 249/18 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 307/79 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 311/16 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20241008BHJP
   C07C 229/12 20060101ALI20241008BHJP
   C07C 309/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C07D311/74 CSP
A61P25/00 ZNA
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P25/24
A61P25/22
A61P27/16
A61P35/00
A61P9/10
A61P27/06
A61P29/00
A61P25/04
A61P3/10
A61P27/02
A61P9/00
A61P13/12
A61P17/06
A61P21/02
A61P9/10 101
A61P9/06
A61P9/04
A61P43/00 121
A61K31/352
A61P43/00 123
A61K31/198
A61K31/472
A61K31/4045
A61K31/47
C07D319/18
A61K31/357
C07D241/40
A61K31/498
A61K31/437
C07D471/04 104Z
C07D215/12
C07D209/08
C07D217/02
C07D277/62
A61K31/428
C07D231/12 A
A61K31/415
A61K31/416
C07D231/56 Z
C07D239/26
A61K31/505
C07D213/36
A61K31/4409
C07D233/61
A61K31/417
A61K31/4406
A61K31/44
C07D213/65
C07D213/64
C07D213/61
C07D277/64
C07D471/04 113
A61K31/4375
C07D235/06
A61K31/4184
C07D249/18 502
A61K31/4192
C07D307/79
A61K31/343
C07D311/16 101
A61K31/353
A61K38/16
C07C229/12
C07C309/04
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514096
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022074536
(87)【国際公開番号】W WO2023031440
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】21194937.5
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522369739
【氏名又は名称】ベスパー バイオ アーペーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リトル,ポウル ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】カセス-トーマス,マヌエル ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】キョルビー,マス フールサング
(72)【発明者】
【氏名】ニュケーア,アナス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA24
4C084MA31
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA051
4C084ZA052
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZA121
4C084ZA122
4C084ZA151
4C084ZA152
4C084ZA161
4C084ZA162
4C084ZA221
4C084ZA222
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZA341
4C084ZA342
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB261
4C084ZB262
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA06
4C086BA08
4C086BA15
4C086BC13
4C086BC17
4C086BC28
4C086BC30
4C086BC36
4C086BC37
4C086BC38
4C086BC39
4C086BC42
4C086BC52
4C086BC61
4C086BC84
4C086CB05
4C086CB09
4C086GA14
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA24
4C086MA31
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZA37
4C086ZA38
4C086ZA45
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZC35
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206FA53
4C206KA01
4C206KA15
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA37
4C206MA41
4C206MA43
4C206MA44
4C206MA51
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA61
4C206MA63
4C206MA72
4C206MA75
4C206MA76
4C206MA78
4C206MA79
4C206MA80
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA05
4C206NA14
4C206NA15
4C206ZA01
4C206ZA02
4C206ZA05
4C206ZA08
4C206ZA12
4C206ZA15
4C206ZA16
4C206ZA22
4C206ZA33
4C206ZA34
4C206ZA36
4C206ZA37
4C206ZA38
4C206ZA45
4C206ZA81
4C206ZA89
4C206ZA94
4C206ZB11
4C206ZB26
4C206ZC35
4C206ZC75
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006AC52
4H006BJ50
4H006BM10
4H006BM30
4H006BM71
4H006BN10
4H006BP30
(57)【要約】
本発明は、ソルチリンに結合し、およびその活性をモジュレートする化合物であって、0.1より高い血液対脳のKpuuを有する、化合物に関する。化合物は、血液脳関門を通過する能力を有し、および中枢神経系の疾患の処置における使用のために好適である。本発明はまた、ソルチリン活性のモジュレーターである、式(I)の化合物、これらの化合物を含む医薬組成物およびソルチリン活性のモジュレーションが有益な医学的状態の処置または予防におけるこれらの化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソルチリンに結合し、およびその活性をモジュレートする化合物であって、0.1より高い血液対脳のKpuuを有する、前記化合物。
【請求項2】
中枢神経系の疾患の処置または予防における使用のための請求項1に記載の化合物であって、好ましくは、中枢神経系の前記疾患が、
運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択される神経変性障害;
双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択される精神医学的障害;
騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される難聴;
脳腫瘍、網膜症、緑内障、神経炎症、慢性疼痛ならびにミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患
から選択される、前記使用のための請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I):
【化1】

またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、光学異性体、N-オキシド、および/もしくはプロドラッグの化合物(式中、
、RおよびRは、ハロ、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、およびハロ-(C-C)アルケニルからなる群から各々独立して選択され;ならびに
は、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アリール、ハロ-(C-C)アリール、(C-C)ヘテロアリールおよびハロ-(C-C)ヘテロアリールからなる群から選択され;
は、(C-C20)-アリール、(C-C20)-ヘテロアリールおよび3~12員複素環式環からなる群から選択され;
前記アリール、ヘテロアリールもしくは複素環式環は、ハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、(C-C)ヒドロキシアルキル、ハロ-(C-C)アルキル、アセチル、(C-C)アルコキシ、ハロ-(C-C)アルコキシ、(C-C)アリールおよび(C-C)ヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているか;または
およびRは一緒になって6~20員複素環式環を形成しており;
前記複素環式環は、単環式、二環式もしくは三環式であり、ならびにハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C10)アルキル、アセチル、(C-C)アルコキシ、およびハロ-(C-C)アルコキシから独立し
て選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている)。
【請求項4】
、RおよびRが、ハロ、(C-C)アルキルおよびハロ-(C-C)アルキルからなる群から各々独立して選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
、RおよびRが、F、CHおよびCFから各々独立して選択される、請求項3または請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アリール、ハロ-(C-C)アリール、(C-C)ヘテロアリールおよびハロ-(C-C)ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項3~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
が、
(i)H (ii)CH (iii)CF
(iv)CHFおよび
【化2】

からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が、(C-C12)-アリール、(C-C12)-ヘテロアリールおよび5~12員複素環式環からなる群から選択され;
前記アリール、ヘテロアリールまたは複素環式環が、ハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、(C-C)ヒドロキシアルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ハロ-(C-C)アルコキシ、(C-C)アリールおよび(C-C)ヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、
請求項3~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
が、
【化3】

からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
およびRが一緒になって8~20員複素環式環を形成しており;
前記複素環式環が三環式である、
請求項3~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
およびRが一緒になって以下の構造:
【化4】

を形成している、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式(I)の前記化合物が、
(S)-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
rac-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(ベンジルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチ
ル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-2-(ベンズヒドリルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(3-メチルイソキノリン-8-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-8-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-2,2-ジフルオロ-1-フェニルエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-2,2-ジフルオロ-1-フェニルエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(((S)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(((R)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-2-((3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((2,3-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((3,5-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((2,5-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-クロロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-メトキシ-4-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロ-3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-2-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノキサリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2H-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-8-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-メトキシナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1H-インドール-2-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリミジン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(ピリジン-4-イル)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-({[3-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-({[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2-ジフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,7-ジメチル-1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1R)-1-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(6-メトキシナフタレン-2-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2-ジフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インドール-7-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチルピリミジン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-クロロ-4-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリミジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-アセチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1-エチル-1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1-ベンゾフラン-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(2-メトキシピリジン-4-イル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(5-ブロモピリジン-3-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(5-メトキシピリジン-3-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1R)-1-(ピリミジン-5-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(5-メチルピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2,3-ジメチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1S)-1-(ピリミジン-5-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2H-インダゾール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(6-メチルピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-クロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチルピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インドール-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(3-メチルピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-メトキシ-5-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-シアノフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-メトキシナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;および
(2S)-2-{[(3-メトキシ-2-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
である、請求項3~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
が、
(i)各々が、ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、フェニル、ナフチル、5または6員単環式ヘテロアリール、および9または10員縮合二環式ヘテロアリールであって、前記5または6員単環式ヘテロアリール基中の2個以下の環原子がヘテロ原子であり、および前記9または10員縮合二環式ヘテロアリール基中の3個以下の環原子がヘテロ原子である、前記フェニル、ナフチル、5または6員単環式ヘテロアリール、および9または10員縮合二環式ヘテロアリール;ならびに
【化5】

からなる群から選択される、請求項3~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
が、
(i)各々が、ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、アザインドリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、およびベンゾフラニル;ならびに
【化6】

からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、
(i)ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているフェニル;
(ii)ハロ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているピリジル;
(iii)各々が、(C-C)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、ピリミジニルおよびピラゾリル;
(iv)各々が、(C-C)アルキルおよび(C-C)アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、アザインドリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、およびベンゾフラニル;ならびに
【化7】

からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、以下の基:
【化8-1】

【化8-2】

【化8-3】

のうちの1つである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1および3~16のいずれか1項に記載の化合物ならびに医薬的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項18】
治療における使用のための、請求項1もしくは3~16のいずれか1項に記載の化合物、または請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、腎臓疾患、乾癬、遺伝性眼状態、難聴またはミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患の処置または予防における使用のための、請求項1および3~16のいずれか1項に記載の化合物、または請求項17に記載の医薬組成物であって;
好ましくは、前記神経変性障害が、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択され、好ましくは、前記運動ニューロン疾患が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症、および進行性筋萎縮症から選択され;
前記神経変性障害が、好ましくは、ミスフォールディングしたTAR DNA結合タンパク質43により特徴付けられる神経変性障害、例えば筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、または前頭側頭型認知症であり;
前記精神医学的障害が、双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択され;
前記炎症性障害が、炎症性疾患および神経炎症から選択されてもよく;
前記がんが、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、甲状腺がん、膵臓がん、神経膠芽腫および結腸直腸がんから選択され;
前記心臓血管疾患が、好ましくは、アテローム性動脈硬化症、心筋症、心臓発作、不整脈、心不全、および虚血性心臓疾患から選択され;ならびに
前記難聴が、騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される、
前記使用のための、請求項1および3~16のいずれか1項に記載の化合物、または請求項17に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソルチリンに結合し、およびその活性をモジュレートする化合物、ならびにこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、ソルチリン活性のモジュレーションが有益な医学的状態の処置または予防におけるそれらの使用に関する。特に、本発明は、血液脳関門を通過することができ、および中枢神経系の疾患の処置において有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ソルチリンは、いくつかのリガンドの受容体として作用するI型膜貫通タンパク質である(Petersen et al., 1997)。ソルチリンは、神経系のニューロンおよびミクログリア、内耳、ならびに代謝制御に関与する一部の末梢組織において豊富に発現される(Tauris et al., 2020;Goettsch et al., 2017;Willnow et al., 2011;Kjolby et al., 2010)。シグナル伝達に関与する受容体として作用する他に、ソルチリンは、細胞表面トランスゴルジネットワークと、エンドソーム経路との間での選択カーゴの選別を媒介する(Nykjaer & Willnow, 2012; Willnow, Petersen, & Nykjaer, 2008)。ソルチリンは、ソルチリンまたはVS10pドメイン受容体と命名される受容体のファミリーを定義するVPS10と表される大きい細胞外ドメインを宿す。ソルチリン中のVPS10Pドメインは、酵母VPS10Pに相同的であり、ならびに10翼のベータ-プロペラ構造およびシステインリッチ10CCモジュールにより構成される(Nykjaer & Willnow,
2012; Zheng, Brady, Meng, Mao, & Hu, 2011)。
【0003】
ソルチリンは、プロ-神経増殖因子(プロ-NGF)、プロ-BDNF、プロ-ニューロトロフィン-3、ニューロテンシン、およびApoBを含む、複数のリガンドに結合する(Chen et al., 2005;Kjolby et al., 2010;Mazella et al., 1998;Nykjaer et al., 2004;Quistgaard et al., 2009;Yano, Torkin, Martin, Chao, & Teng, 2009)。さらには、ソルチリンは、リソソームプロセスのセキュリティ保護、抗炎症応答、および神経栄養刺激を含む多くの細胞機能に関与する分泌されるタンパク質であるプログラニュリン(PGRN)に結合する(Galimberti, Fenoglio, & Scarpini, 2018)。ソルチリンは、急速なエンドサイトーシスおよび分解のためにPGRNを標的化し、ならびにソルチリンはPGRNのための最も重要なクリアランス受容体であることは現在よく確立されている(Hu et al., 2010)。そのため、ソルチリンは、末梢の他に脳においてPGRNの細胞外レベルを負に調節する。実際に、該受容体の欠如または遮断は、マウスおよびヒトの両方において血漿PGRNレベルを増加させる(Carrasquillo et al., 2010; Gass, Prudencio,
Stetler, & Petrucelli, 2012; Hu et al.,
2010; Lee et al., 2014; Miyakawa et al., 2020; Pottier et al., 2018)。
【0004】
前頭側頭型認知症は高度に遺伝性の認知症であり、PGRN遺伝子のハプロ不全はすべての症例の最大25%を占める(Gijselinck, Van Broeckhoven, & Cruts, 2008)。PGRN中にヘテロ接合性機能欠失型突然変異
を有する患者は、該タンパク質の細胞外レベルの>50%の低減を有し、FTDを例外なく発症して、PGRNを該疾患の原因遺伝子とする(Baker et al., 2006; Carecchio et al., 2011; Cruts & Van Broeckhoven, 2008; Galimberti et al., 2010)。追加的に、PGRN突然変異体アレルがアルツハイマー病(AD)患者において同定されており(Brouwers et al., 2008; Sheng, Su, Xu, & Chen, 2014)、細胞外PGRNの高いレベルは、ALS、パーキンソン病、卒中、関節炎、およびアテローム性動脈硬化症のモデルにおいて保護的である(Egashira et al., 2013; Laird et al., 2010; Martens et al., 2012; Tang et al.,
2011; Tao, Ji, Wang, Liu, & Zhu, 2012; Van Kampen, Baranowski, & Kay, 2014)。
【0005】
ソルチリンは、しかしながら、PGRNがその機能を誘発するために要求されない。それゆえ、ソルチリン発現を欠いたニューロンは、PGRN誘導性ニューロン派生物に対して等しく応答性である(De Muynck et al., 2013; Gass,
Lee, et al., 2012)。さらに、PGRNは、ソルチリン欠損細胞においてニューロンリソソームに成功裏に送達され、代替的なトラフィッキング経路の存在を示唆する。実際に、PGRNは、リソソームタンパク質、プロサポシン(PSAP)に結合することができる。PSAPがそのコグネイト受容体、陽イオン非依存性マンノース-6-リン酸受容体およびLRP1に結合した場合、それはPGRNをリソソームに運ぶ(Zhou et al., 2015)。最後に、モノクローナル抗ソルチリン抗体を用いたフェーズII臨床試験において、リソソーム完全性のマーカーは正常であった(NCT03987295)。
【0006】
機能的なPGRN受容体は依然として同定されていない。しかしながら、PGRNは、ニューロン生存を促進し、炎症を低減させ、およびミクログリアによるAβエンドサイトーシスを増加させることを研究は示唆している(Martens et al., 2012; Pickford et al., 2011; Yin et al., 2010)。
【0007】
ソルチリンへのPGRNの結合は、PGRNのC末端における3つのアミノ酸(ヒトにおいてQLL、マウスにおいてPLL)を要求し、PGRNの最後の24個のアミノ酸に由来するペプチドは、全長タンパク質と類似した親和性で結合する(Zheng et al., 2011)。このモードの結合は、ニューロテンシン結合(Zheng et
al., 2011)、すなわちソルチリンのNTIS1結合部位における結合に構造的に類似していることが提唱された。Aarhus Universityと共同で為されたソルチリン結合に対するニューロテンシンの遮断剤を同定した成功裏の小分子スクリーニングがある(Andersen et al., 2014; Schroder et al., 2014)。
【0008】
ソルチリンは、全長および選別コンピテントな受容体として存在するが、マルチマーシグナル伝達受容体-リガンドを形成する能力も有する。ソルチリンの部分はまた、形質膜から解放されて、リガンド(疼痛におけるNT)を掃除(scavenge)し、およびリガンドの活性を制御することができる。例えば、ソルチリンは、プロ-BDNFのBDNFへの変換速度を制御することによりシナプス可塑性に関与する。これはまた、他のプロニューロトロフィンに適用され得る。
【0009】
最後に、受容体のリガンドである、スパジン(spadin)とも命名される、ソルチリンのプロペプチドは、他の疾患の中でも、大うつ病の標的である、膜トランスポーター
TREK-1の活性を制御することが実証された。構造的に、ソルチリンは、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、ならびにシグナルペプチド、プロペプチド、Vps10pドメイン、10ccドメイン(10CCa+10CCb)、膜貫通ドメインおよび細胞質テイルを含む。ソルチリンの内腔ドメインは、6つの潜在的なN結合型グリコシル化部位を有し、細胞質テイルは、様々なアダプタータンパク質の動員を可能にする。
【0010】
ソルチリンは、膨大な数のリガンドおよび膜受容体に結合し、結果として、細胞シグナル伝達および選別において重要であることが知られる機能に関与する。例えば、ソルチリンは、プロニューロトロフィン:それぞれ神経増殖因子(プロ-NGF)、脳由来神経栄養因子(プロ-BDNF)、およびニューロトロフィン-3(プロNT3)のプロ形態によるシグナル伝達に関与する。タンパク質p75NTR(p75ニューロトロフィン受容体)との複合体において、ソルチリンは、細胞および動物モデルにおいて変性および細胞死に繋がるプロニューロトロフィン媒介性アポトーシス効果のための受容体を形成することが報告されている(Jansen et al., 2007; Tenk et al., 2005; Nykjaer et al., 2004)。
【0011】
先行する研究は、疾患、例えば糖尿病および肥満症と関連付けられる細胞選別およびシグナル伝達におけるソルチリンの役割を示唆している(Huang et al., 2013)。ソルチリンは、形質膜へのGLUT4の移行を促し、およびリソソームにおける分解からそれをレスキューする(Pan et al., 2017)。ソルチリンレベルは、これらの疾患と関連付けられる炎症のレベルによりモジュレートされることが示されている。炎症促進性サイトカイン、TNFαは、培養されたマウスおよびヒト脂肪細胞の他に、マウスに注射された場合にインビボにおいて、ソルチリンのmRNAレベルおよびタンパク質レベルの両方を低減させる(Kaddai et al., 2009)。ソルチリンはまた、サイトカイン分泌に影響を及ぼすことができ、免疫細胞におけるソルチリンの標的化は、炎症を減弱し、およびアテローム性動脈硬化症の疾患進行を低減させることが提唱されている(Mortensen et al., 2014)。追加的に、米国特許出願公開第2016/0331746号明細書は、ソルチリンの活性部位に結合する能力を有する小分子の様々なスキャフォールドを記載している。ソルチリンは、グルコース取込みの調節(Shi & Kandror. 2005)および脂質障害疾患の発症(Gao et al., 2017)に関与する。
【0012】
さらに、血漿ソルチリンレベルは、冠動脈心疾患または糖尿病のいずれかを有する患者を同定するための潜在的なバイオマーカーであることが報告されている(Oh et al., 2017; Moller et al., 2021)。血漿内のソルチリンレベルの増加を示し、したがって上記の状態を患っているとして同定可能な患者はまた、グルコースレベルの増強も示しており、これらの状態を処置するための治療標的としてソルチリンを示唆した。可溶性ソルチリンはまた、II型糖尿病の処置として提唱されている(国際公開第2021116290 A1号パンフレット、2021)。
【0013】
TAR DNA結合タンパク質43(TDP-43)は、様々な神経変性疾患に結び付けられている。例えば、TDP-43封入体は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、およびアルツハイマー病(AD)の症例において見出されている(Meneses et al., 2021)。
【0014】
TDP-43は、ソルチリンを含む、いくつかの遺伝子産物のスプライシングを調節する。ヒトにおいて、スプライシングは、潜在性エクソン17b(エクソン17と18との間)を含めることを伴い、これは、非膜結合型断片を潜在的に生成するストーク中の終止コドンを導入する(Prudencio et al., 2012)。さらには、PGRNは、不溶性TDP-43のレベルを低減させ、および軸索変性を減速させることがで
きることが示されている(Beel et al., 2018)。ソルチリン阻害は、PGRNレベルを増加させ、したがって、TDP 43が結び付けられる神経変性疾患の処置において有益である。
【0015】
ソルチリンは、中枢神経系(CNS)に影響する様々な状態に関連付けされている。一部の研究は、神経栄養因子の活性の変更に関し得る、精神医学的障害、例えばうつ病を有する患者における循環性ソルチリンの役割を示唆しており(Buttenshon et
al., 2015);ソルチリンは、脳の老化、アルツハイマー病および前頭側頭型認知症において役割を果たすこともまた報告されている(Xu et al., 2019)。しかしながら、血液脳関門を通過してCNSに至る能力を有する治療剤の送達は大きな課題を提示している。
【0016】
血液脳関門は、循環性血液中の溶質が、ニューロンが存在するCNSの細胞外流体中に非選択的に通過することを予防する内皮細胞の高度に選択的な半透性の境界である。神経学的疾患の治療は、したがって、血液脳関門を越える治療剤の制約された透過に起因して限定されている。
【0017】
CNS疾患を処置するための治療剤は、したがって、血液脳関門を通過する能力を有しなければならない。これに加えて、それらはまた、脳において十分な非結合薬物濃度を有しなければならず、というのは、遊離薬物仮説は、非結合化合物のみが、相互作用して薬理学的効果を誘発することができると述べているからである。
【0018】
試験化合物の非結合比率(Fub)を決定するために、試料上清は、方法、例えばタンデム質量分析を伴う液体クロマトグラフィー(LC-MS/MS)により分析されてもよい。非結合比率は次に、以下の式:
ub=CPBS/Cplasma
(式中、CPBSおよびCplasmaはそれぞれPBS(レシーバー)および血漿(ドナー)中のアナライト濃度である)にしたがって各々のマトリックスについて得られたピーク面積比から算出されてもよい。
【0019】
回収試料は、各々の条件において透析なしで調製されてもよく、以下の式:
回収%=100×(VPBS×CPBS+Vplasma×Cplasma)/Vplasma×Crecovery
(式中、VPBSは透析デバイスのレシーバー側(PBS)における体積であり、Vplasmaはドナー側(血漿)における体積である。Crecoveryは、回収試料から測定されたアナライト濃度である)を使用して透析実験からの回収の評価のために使用されてもよい。化合物、例えばプロプラノロールまたはフルオキセチンが、対照として実験において含まれてもよい。
【0020】
脳における非結合比率(Fub,brain)は、脳ホモジネートの調製において使用された希釈倍率を考慮に入れて、脳ホモジネートにおける測定された値(Fub,meas)から算出されてもよい:
【0021】
【数1】
【0022】
(式中、D=希釈倍率である)。
【0023】
脳/血漿非結合分配係数(Kpuu)は、血漿および脳における遊離化合物濃度の間の比として決定されてもよい:
【0024】
【数2】
【0025】
(式中、Cu,brain=脳における非結合濃度(C×Fub,brain)であり;
C=定常状態における濃度であり;
ub,plasma=血漿における非結合濃度(C×Fub)である)。
【0026】
CNS疾患の処置のために、Kpuuは、0を上回る最も高い可能な値を有することが望ましい。約1の値は、遊離画分化合物が血液脳関門を自由に透過することを指し示し;1を上回る値は、血液脳関門における能動的流入輸送機序が伴われていることを示唆し;1より低い値は、遊離画分化合物が、乏しい透過性であるか、または能動的流出機構により認識されて、血漿もしくはCSFに戻るように血液脳関門を通過させられながらCNSにおける曝露が低減されていることを指し示す。0または0に近いKpuu値は、所望される活性種のCNSにおける意味のある曝露に達する可能性をいずれの場合にも非常に低いものとする乏しい透過性の化合物または高度に能動的な流出機構を指し示す。
【0027】
上記を考慮して、中枢神経系の疾患の処置における使用のための、血液脳関門を通過する能力を有し、および0.1より高いKpuuを有するソルチリンモジュレーターに対する満たされていない必要性が存在する。中枢神経系の疾患は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択される神経変性障害;双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択される精神医学的障害;騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される難聴;脳腫瘍(例えば神経膠芽腫)、網膜症、緑内障、神経炎症、慢性疼痛ならびにミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患を含む。
【0028】
ソルチリンのモジュレーションが有益な医学的状態、例えば神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、腎臓疾患、乾癬、遺伝性眼状態、難聴またはミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患の処置および予防において使用され得る新たな化合物に対する満たされていない必要性もまた存在する。神経変性障害は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択されてもよく;精神医学的障害は、双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害および不安障害から選択されてもよく;炎症性障害は、炎症性疾患および神経炎症から選択されてもよく;がんは、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、甲状腺がん、膵臓がん、神経膠芽腫および結腸直腸がんから選択されてもよく;心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋症、心臓発作、不整脈、心不全、および虚血性心臓疾患から選択されてもよく;ならびに難聴は、騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択されてもよい。
【発明の概要】
【0029】
本発明は、ソルチリンに結合し、およびその活性をモジュレートする化合物であって、0.1より高い血液対脳のKpuuを有する、化合物に関する。そのようなソルチリンモジュレーターは、血液脳関門を通過することができ、および中枢神経系の疾患の処置または予防において使用され得る。中枢神経系の疾患は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害、および卒中を含む神経変性障害;双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害を含む精神医学的障害;騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される難聴;脳腫瘍(例えば神経膠芽腫)、網膜症、緑内障、神経炎症、慢性疼痛ならびにミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患から選択されてもよい。
【0030】
本発明はまた、式(I)の化合物、これらの化合物を含む医薬組成物およびソルチリン活性のモジュレーションが有益な医学的状態の処置または予防におけるこれらの化合物の使用に関する。そのような医学的状態は、神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、腎臓疾患、乾癬、遺伝性眼状態、難聴またはミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患を含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の化合物は、有効なソルチリンであるだけでなく、血液脳関門を通過することもできることを見出した。これは、ソルチリンの阻害剤で以前に見られていない特性であり、中枢神経系の疾患に対するより有効な治療を開発するための機会を提供する。
【0032】
そのため、第1の態様において、本発明は、ソルチリンに結合し、およびその活性をモジュレートする化合物であって、0.1より高い血液対脳のKpuuを有する、化合物を提供する。
【0033】
化合物は、したがって、血液脳関門を通過する能力を有し、および、本明細書に記載されるように、中枢神経系の疾患の処置における使用のために好適である。
【0034】
本発明は、第1の態様による化合物ならびに医薬的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0035】
第1の態様による化合物または医薬組成物は、中枢神経系の疾患の処置または予防において使用されてもよい。疾患は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択される神経変性障害;双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択される精神医学的障害;騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される難聴;脳腫瘍、網膜症、緑内障、神経炎症、慢性疼痛ならびにミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患から選択されてもよい。
【0036】
化合物は、0.1~10、0.1~5、0.1~3、0.1~2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.6、0.1~0.5、0.1~0.4、0.1~0.3、または
0.1~0.2のKpuuを有してもよい。第2の態様において、本発明は、式(I):
【0037】
【化1】
【0038】
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、光学異性体、N-オキシド、および/もしくはプロドラッグの化合物(式中、
、RおよびRは、ハロ、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、およびハロ-(C-C)アルケニルからなる群から各々独立して選択され;ならびに
は、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アリール、ハロ-(C-C)アリール、(C-C)ヘテロアリールおよびハロ-(C-C)ヘテロアリールからなる群から選択され;
は、(C-C20)-アリール、(C-C20)-ヘテロアリールおよび3~12員複素環式環からなる群から選択され;
アリール、ヘテロアリールもしくは複素環式環は、ハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、(C-C)ヒドロキシアルキル、ハロ-(C-C)アルキル、アセチル、(C-C)アルコキシ、ハロ-(C-C)アルコキシ、(C-C)アリールおよび(C-C)ヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているか;または
およびRは一緒になって6~20員複素環式環を形成しており;
複素環式環は、単環式、二環式もしくは三環式であり、ならびにハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C10)アルキル、アセチル、(C-C)アルコキシ、およびハロ-(C-C)アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている)
を提供する。
【0039】
第2の態様による式(I)の化合物および第1の態様によるソルチリンモジュレーターは、ソルチリンに結合し、およびソルチリンをモジュレートすることが見出されており、したがって、ソルチリン阻害が有益な状態において有用であり得る。そのような状態は、神経変性障害、精神医学的疾患、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、腎臓疾患、乾癬、遺伝性眼状態、難聴またはミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患を含む。神経変性障害は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択されてもよく;精神医学的障害は、双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択されてもよく;炎症性障害は、炎症性疾患および神経炎症から選択されてもよく;がんは、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、甲状腺がん、膵臓がん、神経膠芽腫および結腸直腸がんから選択されてもよく;心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋症、心臓発作、不整脈、心不全、および虚血性心臓疾患から選択されてもよく;ならびに難聴は、騒音性難聴、聴器毒性難
聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択されてもよい。
【0040】
本明細書において使用される場合、用語「ソルチリン」は、配列番号1もしくは配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する、シグナルペプチド、プロペプチド、Vps10pドメイン、10CCドメイン、膜貫通ドメインおよび大細胞質テイルを含む、全長ソルチリン(未成熟ソルチリンとしても参照される)を指すことがあるか、または、配列番号3に記載のアミノ酸配列を有する、Vps10pドメイン、10CCドメイン、膜貫通ドメインおよび大細胞質テイルを含む、成熟ソルチリン、もしくはその天然に存在する断片、ホモログもしくはバリアントを指すことがある。用語「ソルチリン」または「ソルチリン分子」は本明細書において交換可能に使用される。ソルチリンは、プロ-ニューロトロフィン分子と相互作用して、ソルチリン/プロ-ニューロトロフィン複合体を形成する能力を有することが理解される。このソルチリン/プロ-ニューロトロフィン複合体は、p75NTR分子と相互作用して、ソルチリン、プロ-ニューロトロフィンおよびp75NTRを含む三量体複合体を形成する能力を有してもよく、またはそうでなくてもよい。この三量体複合体は、有害な生物学的応答、例えば網膜および神経節細胞におけるアポトーシスの刺激、ならびに投射する軸索の成長円錐の後退の制御の原因となり得ることが理解される(Jansen et al., 2007; Nykjaer et al., 2004; Santos et al., 2012; Skeldal et al., 2012)。
【0041】
本明細書において使用される場合、用語「プロ-ニューロトロフィン」は、タンパク質分解切断を起こしてニューロトロフィンの成熟形態をもたらす、ニューロトロフィンのより大きい前駆体を指す。ニューロトロフィンは、ニューロンの生存、発生および機能を誘導するタンパク質のファミリーであり、増殖因子として一般的に参照される。プロ-ニューロトロフィンは、生物学的に活性であり、アポトーシスの誘導など、それらのニューロトロフィン対応物と比較して別個の役割を有する。プロ-ニューロトロフィンの例は、プロ-NGF、プロ-BDNF、プロNT3およびプロNT4を含む。プロ-ニューロトロフィンはまた、シナプス可塑性を制御し得る。成熟ニューロトロフィンはシナプス強度を誘導する一方、プロ形態においてそれらはシナプスを弱め得る。
【0042】
本発明の化合物は、ソルチリン阻害剤、結合剤、モジュレーターまたはアンタゴニストであってもよい。本明細書において使用される場合、用語「ソルチリンアンタゴニスト」、「ソルチリン阻害剤」、「ソルチリン結合剤」または「ソルチリンモジュレーター」(交換可能に使用される)は、プログラニュリン、もしくはニューロテンシンもしくは別の細胞外リガンド、もしくはプロ-ニューロトロフィン(例えば、プロ-NGF、プロNT3、プロ-BDNF)へのソルチリンタンパク質の結合に干渉するか、それを遮断するか、もしくは他にその効果を減弱するか、またはソルチリン、p75NTRおよびプロ-ニューロトロフィンの間の三量体複合体の形成を予防する物質を指す。用語「ソルチリンアンタゴニスト」はまた、高親和性の三量体複合体の形成に干渉する物質または剤を含む。後者のシナリオにおいて、ソルチリンがp75NTR(但しプロ-NGFではない)に結合することができ、およびp75NTRがプロ-NGFのNGFドメインに同時に結合することができるという点において三量体複合体が形成され得ることが認識される。しかしながら、結果としてもたらされる三量体複合体は、その受容体に対する親和性がより低いことがあり、結果として、上記される機序を介してアポトーシスを刺激する有意に低減された能力を有し得る。Skeldal et al. (2012)は、ソルチリンがその細胞内ドメインを欠いている場合に三量体複合体のアポトーシス機能は消失されることを実証した。用語「ソルチリンアンタゴニスト」はまた、p75NTRとのソルチリンタンパク質の相互作用に干渉するか、それを遮断するか、または他にその効果を減弱する物質または剤を含む。この相互作用は、完全に予防されてもよく、その場合、三量体複合体の形成は予防され、または部分的にのみ予防されてもよく、その場合、三量体複合体は、
形成されてもよいが、低減された生物学的効力を有し得る。Skeldal et al.は、ソルチリンとp75NTRとの間の複合体形成は受容体の細胞外ドメイン中の接触点に依拠すること、および相互作用はp75NTRの細胞外膜近傍23アミノ酸配列に決定的に依存することを示した。そのため、ソルチリンアンタゴニストは、分子中のこの23アミノ酸配列または近位配列に干渉してもよい。「ソルチリンアンタゴニスト」は、リガンド細胞内取込み阻害剤として作用してもよく、リガンドは、プログラニュリン、ニューロテンシン、BDNFなどであってもよい。
【0043】
、RおよびRは、ハロ、(C-C)アルキルおよびハロ-(C-C)アルキルからなる群から各々独立して選択されることが好ましい。
【0044】
本発明の好ましい態様において、R、RおよびRは、F、CHおよびCFから各々独立して選択される。最も好ましくは、R、RおよびRは同じである。例えば、本発明の例示的な化合物において、R、RおよびRは、各々、F、CHまたはCFであってもよい。
【0045】
本発明の別の好ましい態様において、Rは、H、(C-C)アルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アリール、ハロ-(C-C)アリール、(C-C)ヘテロアリールおよびハロ-(C-C)ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0046】
ヘテロアリールは、1、2またはより多くのヘテロ原子を含んでもよい。好ましくは、ヘテロアリールは1または2個のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子は、N、SまたはOから選択されてもよい。1つより多くのヘテロ原子が存在する基において、ヘテロ原子は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。
【0047】
アリールおよびヘテロアリール基は、単環式または二環式、好ましくは単環式であってもよい。好ましくは、アリールおよびヘテロアリール基は5~8個の炭素原子を有する。ヘテロアリール基は、6~12員、好ましくは6~8員の環サイズを有してもよい。
【0048】
一部の好ましい実施形態において、Rは、
(i)H (ii)CH (iii)CF
(iv)CHFおよび
【化2】

からなる群から選択される。
【0049】
本発明の別の好ましい態様において、Rは、(C-C12)-アリール、(C-C12)-ヘテロアリールおよび5~12員複素環式環からなる群から選択され;アリール、ヘテロアリールまたは複素環式環は、ハロ、-OH、シアノ、カルボニル、(C-C)アルキル、(C-C)ヒドロキシアルキル、ハロ-(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ハロ-(C-C)アルコキシ、(C-C)アリールおよび(C-C)ヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている。
【0050】
アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシ置換基は直鎖状または分岐鎖状であってもよい。
【0051】
置換基は、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式環の任意の位置において結合していてもよい。1つ以上の置換基が、炭素原子、ヘテロ原子またはその組合せに結合していてもよい。好ましくは、置換基は存在しないか、または1~5個の置換基が存在する。
【0052】
ヘテロアリールまたは複素環式環は、1、2またはより多くのヘテロ原子を含んでもよい。好ましくは、ヘテロアリールまたは複素環式環は1または2個のヘテロ原子を含む。ヘテロ原子は、N、SまたはOから選択されてもよい。1つより多くのヘテロ原子が存在する基において、ヘテロ原子は同じであってもよく、またはそれらは異なっていてもよい。
【0053】
複素環式環は脂肪族であってもよい。それは、単環式、二環式または三環式であってもよい。好ましくは、複素環式環は単環式または二環式である。好ましくは、複素環式環は、5~10員、より好ましくは5~9員を有する。
【0054】
アリールおよびヘテロアリール基もまた、単環式、二環式または三環式であってもよい。好ましくは、単環式または二環式である。好ましくは、アリールおよびヘテロアリール基は5~10員の環サイズを有する。
【0055】
好ましくは、Rは、以下からなる群から選択される:
【0056】
【化3】
【0057】
代替的に、RおよびRは一緒になって8~20員複素環式環を形成し、複素環式環は三環式である。
【0058】
好ましくは、RおよびRは一緒になって以下の構造を形成する:
【0059】
【化4】
【0060】
本発明の特定の化合物は、下記に列記されるものである。
(S)-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
rac-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(ベンジルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-2-(ベンズヒドリルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(3-メチルイソキノリン-8-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-8-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
【0061】
(2S)-2-{[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-2,2-ジフルオロ-1-フェニルエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-2,2-ジフルオロ-1-フェニルエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(((S)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-(((R)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ヘキサン酸;
(S)-2-((3-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((2,3-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((3,5-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(S)-2-((2,5-ジメトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-クロロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-メトキシ-4-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロ-3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
【0062】
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-2-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノキサリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2H-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)メチル]アミノ}
-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-8-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
【0063】
(2S)-2-{[(2-メトキシナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1H-インドール-2-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリミジン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(ピリジン-4-イル)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸;
(2S)-2-({[3-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-({[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2-ジフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1,7-ジメチル-1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1R)-1-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
【0064】
(2S)-2-{[(6-メトキシナフタレン-2-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2-ジフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インドール-7-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジメチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチル
ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2,2,2-トリフルオロエチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチルピリミジン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-クロロ-4-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
【0065】
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリミジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1S)-1-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-アセチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1-エチル-1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1-ベンゾフラン-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1S)-1-(2-メトキシピリジン-4-イル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(5-ブロモピリジン-3-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(5-メトキシピリジン-3-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1H-インドール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1R)-1-(ピリミジン-5-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
【0066】
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(5-メチルピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2,3-ジメチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1S)-1-(ピリミジン-5-イル)エチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2H-インダゾール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(6-メチルピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(イソキノリン-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-クロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-メトキシピリジン-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(2-フルオロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(2-メチルピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インドール-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
(2S)-2-{[(1R)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(3-メチルピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;
【0067】
(2S)-2-{[(3-メトキシ-5-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(3-シアノフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-メトキシナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-2-{[(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸;
(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリジン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸;および
(2S)-2-{[(3-メトキシ-2-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸。
【0068】
式(I)の好ましい化合物において、Rは、
(i)各々が、ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、フェニル、ナフチル、5また
は6員単環式ヘテロアリール、および9または10員縮合二環式ヘテロアリール;ならびに
【0069】
【化5】

からなる群から選択される。
【0070】
5または6員単環式ヘテロアリール基は5個の環原子を含有し、2個以下の環原子はヘテロ原子(好ましくはN)であり、および他の環原子はCである。
【0071】
9または10員縮合二環式ヘテロアリール基は、縮合して一緒になった2個の環を含有し、その結果、それらは2個の隣接する環原子を共有する。好ましくは、9または10員縮合二環式ヘテロアリール基は、5または6員環に縮合した6員環を含有する。
【0072】
9または10員縮合二環式ヘテロアリール基は9または10個の環原子を含有し、3個以下の環原子はヘテロ原子(好ましくはN、O、およびSから独立して選択される)であり、ならびに残りの環原子はCである。
【0073】
より好ましくは、Rは、
(i)各々が、ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、アザインドリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、およびベンゾフラニル;ならびに
【0074】
【化6】

からなる群から選択される。
【0075】
より好ましくは、Rは、
(i)ハロ、-OH、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ヒドロキシアルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、アセチル、シアノ、イミダゾリル、およびピリジルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているフェニル;
(ii)ハロ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されているピリジル;
(iii)各々が、(C-C)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、ピリミジニルおよびピラゾリル;
(iv)各々が、(C-C)アルキルおよび(C-C)アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、アザインドリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、およびベンゾフラニル;ならびに
【0076】
【化7】

からなる群から選択される。
【0077】
より好ましくは、Rは以下の基のうちの1つである:
【0078】
【化8-1】
【0079】
【化8-2】
【0080】
【化8-3】
【0081】
代替的に、RおよびRは一緒になって以下の基を形成する:
【0082】
【化9】
【0083】
式(I)の化合物において、R、RおよびRはすべてCHであることが非常に好ましい。
【0084】
好ましくは、Rが式(I)の化合物においてフェニルである場合、Rはフェニルである。
【0085】
好ましくは、式(I)の化合物は以下の構成を有する。
【0086】
【化10】
【0087】
本発明の式(I)の化合物は、神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、腎臓疾患、乾癬、遺伝性眼状態、難聴またはミスフォールディングしたタウにより特徴付けられる疾患の処置または予防における使用のために意図される。それらは、中枢神経系の疾患の処置または予防において使用されてもよい。
【0088】
好ましくは、神経変性障害は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、急性脳傷害、脊髄傷害および卒中から選択される。
【0089】
好ましくは、運動ニューロン疾患は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症、および進行性筋萎縮症から選択される。
【0090】
神経変性障害は、好ましくは、ミスフォールディングしたTAR DNA結合タンパク質43(tdp-43)により特徴付けられる神経変性障害である。換言すれば、神経変性疾患は、切断されたtdp-43および封入体により特徴付けられる。そのような疾患の例は、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、および前頭側頭型認知症を含む。
【0091】
好ましくは、精神医学的障害は、双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択される。
【0092】
好ましくは、炎症性障害は、炎症性疾患および神経炎症から選択されてもよい。
【0093】
好ましくは、がんは、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、甲状腺がん、膵臓がん、神経膠芽腫および結腸直腸がんから選択される。
【0094】
好ましくは、心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋症、心臓発作、不整脈、心不全、および虚血性心臓疾患から選択される。
【0095】
好ましくは、難聴は、騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される。
【0096】
そのため、一実施形態において、本発明による使用のための化合物は、ソルチリン分子とプロ-ニューロトロフィン分子との間の相互作用を妨害してもよく、またはソルチリン分子とp75NTR分子との間の相互作用を妨害してもよい。前記ソルチリン分子は成熟ソルチリンであってもよい。
【0097】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1または第2の態様による化合物ならびに1
つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0098】
本発明の第4の態様において、治療における使用のための、本発明の第1の態様による化合物、または本発明の第2の態様による医薬組成物が提供される。
【0099】
本発明の第5の態様によれば、神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、遺伝性眼状態または難聴の処置または予防における使用のための、本発明の第1もしくは第2の態様による化合物、または本発明の第3の態様による医薬組成物が提供される。
【0100】
好ましくは、神経変性障害は、運動ニューロン疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病および脊髄傷害から選択される。
【0101】
好ましくは、精神医学的障害は、双極性障害、大うつ病、外傷後ストレス障害、および不安障害から選択される。
【0102】
好ましくは、がんは、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、甲状腺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、および結腸直腸がんから選択される。
【0103】
好ましくは、難聴は、騒音性難聴、聴器毒性難聴、加齢性難聴、特発性難聴、耳鳴および突発性難聴から選択される。
【0104】
好ましくは、心臓血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、心筋症、心臓発作、不整脈、心不全、および虚血性心臓疾患(すなわち冠動脈疾患)から選択される。
【0105】
本発明の第6の態様によれば、神経変性障害、精神医学的障害、炎症性障害、がん、疼痛、糖尿病、糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎、心臓血管疾患、遺伝性眼状態または難聴の処置または予防用の医薬の生産のための、本発明の第1または第2の態様による化合物の使用が提供される。
【0106】
本発明の第7の態様によれば、ソルチリンモジュレーションに対して応答性の疾患または状態の処置または予防方法であって、治療有効量の本発明の第1もしくは第2の態様による化合物または本発明の第3の態様による医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0107】
本発明の化合物は、同位体標識および/または同位体濃縮された形態の化合物を含んでもよい。本明細書における発明の化合物は、そのような化合物を構成する原子の1つ以上において非天然の割合の原子同位体を含有してもよい。開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、塩素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、32P、35S、18F、36Clを含む。
【0108】
本発明の化合物は、そのまま、または、適切な場合、その薬理学的に許容される塩(酸もしくは塩基付加塩)として使用されてもよい。下記において言及される薬理学的に許容される付加塩は、化合物が形成することができる治療的に活性の非毒性の酸および塩基付加塩形態を含むことが意味される。塩基性の特性を有する化合物は、塩基形態を適切な酸で処理することによりそれらの医薬的に許容される酸付加塩に変換され得る。例示的な酸は、無機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸;ならびに有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、グリコール
酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸、安息香酸、およびアスコルビン酸などを含む。酸性の特性を有する化合物は、酸形態を適切な塩基で処理することによりそれらの医薬的に許容される塩基付加塩に変換され得る。例示的な塩基付加塩形態は、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩、ならびに医薬的に許容されるアミン、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ベンザチン、およびアミノ酸、例えばアルギニンおよびリジンなどとの塩である。付加塩という用語はまた、本明細書において使用される場合、化合物およびその塩が形成することができる溶媒和物、例えば、水和物およびアルコラートなどを含む。
【0109】
本開示の全体を通じて、所与の化学式または化学名はまた、そのすべての医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、N-オキシド、および/またはプロドラッグ形態を包含する。本発明の化合物は、化合物の式の任意のおよびすべての水和物および/または溶媒和物を含むことが理解されるべきである。ある特定の官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、および同様の基は、化合物の様々な物理的形態において、水および/または様々な溶媒と複合体および/または配位化合物を形成することが理解される。よって、上記の式は、それらの様々な水和物および/または溶媒和物を含むおよび表すことが理解されるべきである。
【0110】
本発明の化合物はまた互変異性体形態を含む。互変異性体形態は、プロトンの随伴的な移動と共に隣接する二重結合との単結合のスワッピングの結果としてもたらされる。互変異性体形態は、同じ実験式および全体電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体を含む。例示的なプロトトロピック互変異性体は、ケトン-エノールペア、アミド-イミド酸ペア、ラクタム-ラクチムペア、アミド-イミド酸ペア、エナミン-イミンペア、ならびにプロトンが複素環式系の2以上の位置を占有することができる環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールを含む。互変異性体形態は、平衡状態であるか、または適切な置換により1つの形態に立体的にロックされ得る。
【0111】
本明細書に記載される化合物は、不斉性であることができる(例えば1つ以上のステレオジェニック中心を有する)。他に指し示されなければ、すべての立体異性体、例えばエナンチオマーおよびジアステレオマーが意図される。不斉置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学的に活性のまたはラセミの形態で単離され得る。光学的に活性の出発材料から光学的に活性の形態を調製する方法は当技術分野において公知であり、例えばラセミ混合物の分解または立体選択的な合成により為される。オレフィン、およびC=N二重結合などの多くの幾何異性体もまた本明細書に記載される化合物において存在することができ、すべてのそのような安定な異性体が本発明において想定される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、これらは、異性体の混合物としてまたは分離された異性体形態として単離されてもよい。
【0112】
不斉炭素原子を含有する化合物の場合、本発明は、D型、L型、およびD,L混合物、ならびにまた、1つより多くの不斉炭素原子が存在する場合、ジアステレオマー形態に関する。不斉炭素原子を含有し、および概してラセミ体として生じる本発明の化合物は、例えば光学的に活性の酸を使用して、公知の方式において光学的に活性の異性体に分離され得る。しかしながら、光学的に活性の出発物質を最初から使用することもまた可能であり、対応する光学的に活性のまたはジアステレオマーの化合物が次に最終生成物として得られる。
【0113】
用語「プロドラッグ」は、生理学的条件下でまたは加溶媒分解により本発明の生物学的
に活性の化合物に変換され得る化合物を指す。プロドラッグは、それを必要とする対象に投与されるときに不活性であってもよいが、インビボで本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは、典型的には、例えば血液中での加水分解により、インビボで急速に変換されて、本発明の親化合物をもたらす。プロドラッグ化合物は、通常は、溶解性、組織適合性または哺乳動物生物における遅延放出の利点を与える(Silverman, R. B., The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Ed., Elsevier Academic Press (2004), 498~549頁を参照)。本発明の化合物のプロドラッグは、本発明の化合物中に存在する官能基、例えばヒドロキシ、アミノまたはメルカプト基を、ルーチンのマニピュレーションまたはインビボのいずれかで、修飾が切断されて本発明の親化合物になるように修飾することにより調製されてもよい。プロドラッグの例は、ヒドロキシ官能基の酢酸、ギ酸およびコハク酸誘導体またはアミノ官能基のフェニルカルバミン酸誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0114】
用語「処置」は、本明細書において使用される場合、挙げられた障害もしくは状態の防止、または障害が確立されてからの該障害の寛解もしくは排除を含むことがある。用語「予防」は、挙げられた障害または状態の防止を指す。
【0115】
本明細書において叙述される方法は、対象が特定の記載される処置を必要とするとして同定される方法を含む。そのような処置を必要とする対象の同定は、対象またはヘルスケア専門家の判断であることができ、および主観的(例えば所見)または客観的(例えば試験もしくは診断方法により測定可能)なものであることができる。
【0116】
他の態様において、本明細書における方法は、処置投与に対する対象の応答をモニターすることをさらに含む方法を含む。そのようなモニタリングは、処置レジメンのマーカーまたは指標として、対象組織、流体、検体、細胞、タンパク質、化学マーカー、遺伝材料などの定期的なイメージングまたはサンプリングを含んでもよい。他の方法において、対象は、そのような処置のための好適性の関連するマーカーまたは指標についての評価によりそのような処置を必要とするとして予備スクリーニングまたは同定される。
【0117】
本発明は、処置の進行をモニターする方法を提供する。方法は、本明細書において叙述される障害またはその症状を患っているかまたはそれに罹りやすい対象であって、疾患またはその症状を処置するために十分な治療的な量の本明細書における化合物を投与されている対象において、診断マーカー(マーカー)(例えば本明細書における化合物によりモジュレートされる本明細書において叙述される任意の標的もしくは細胞タイプ)のレベルの決定または診断測定(例えば、スクリーニング、アッセイ)を行う工程を含む。方法において決定されたマーカーのレベルは、対象の疾患状態を確立するために健常な正常対照または他の罹患した患者のいずれかにおけるマーカーの既知のレベルと比較され得る。好ましい実施形態において、対象におけるマーカーの第2のレベルが、第1のレベルの決定よりも後の時点において決定され、および2つのレベルは、疾患の経過または治療の有効性をモニターするために比較される。ある特定の好ましい実施形態において、対象におけるマーカーの処置前レベルが本発明による処置の開始に先立って決定され;マーカーのこの処置前レベルは次に、処置の有効性を決定するために、処置開始後の対象におけるマーカーのレベルと比較され得る。
【0118】
対象におけるマーカーまたはマーカー活性のレベルは、少なくとも1回決定されてもよい。例えば、同じ患者、別の患者、または正常な対象からの以前にまたは以後に得られたマーカーレベルの別の測定との、マーカーレベルの比較は、本発明による治療が所望される効果を有するかどうかの決定において有用であり得、それにより、適宜の投薬レベルの調整が可能になり得る。マーカーレベルの決定は、当技術分野において公知のまたは本明
細書に記載される任意の好適なサンプリング/発現アッセイ方法を使用して行われてもよい。好ましくは、組織または流体試料が最初に対象から取り出される。好適な試料の例は、血液、尿、組織、口または頬細胞、および毛根を含有する毛試料を含む。他の好適な試料は当業者に公知であろう。試料中のタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベル(例えば、マーカーレベル)の決定は、酵素イムノアッセイ、ELISA、放射性標識/アッセイ技術、ブロッティング/化学発光法、およびリアルタイムPCRなどを含むが、これらに限定されない、当技術分野において公知の任意の好適な技術を使用して行われ得る。
【0119】
臨床使用のために、本明細書に開示される化合物は、様々なモードの投与のための医薬組成物(または製剤)に製剤化される。本発明の化合物は、生理学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤(すなわちこれらの1、2、または3つすべて)と共に投与されてもよいことが理解される。本明細書に開示される医薬組成物は、任意の好適な経路により、好ましくは経口、直腸、経鼻、外用(眼、頬側および舌下を含む)、舌下、経皮、髄腔内、経粘膜または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与により投与されてもよい。他の製剤は、好都合には、単位投薬形態、例えば、錠剤および持続放出カプセル、ならびにリポソームにおいて提供されてもよく、薬学の技術分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。医薬製剤は、通常は、活性物質、またはその医薬的に許容される塩を、従来の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することにより調製される。賦形剤の例は、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、およびコロイド状二酸化ケイ素などである。そのような製剤はまた、他の薬理学的活性剤、ならびに従来の添加剤、例えば安定化剤、湿潤剤、乳化剤、香味剤、および緩衝剤などを含有してもよい。通常は、活性化合物の量は、調製物の重量の0.1~95%、好ましくは非経口使用のために調製物の重量の0.2~20%、より好ましくは経口投与のために調製物の重量の1~50%である。製剤は、公知の方法、例えば顆粒化、圧縮、マイクロカプセル化、スプレーコーティングなどによりさらに調製され得る。製剤は、従来の方法により錠剤、カプセル、顆粒、粉末、シロップ、懸濁液、坐剤または注射液の投薬形態において調製されてもよい。液体製剤は、水または他の好適な媒体中に活性物質を溶解または懸濁させることにより調製されてもよい。錠剤および顆粒は、従来の方式においてコーティングされてもよい。延長された時間的期間にわたり治療的に有効な血漿濃度を維持するために、本明細書に開示される化合物は、緩慢放出製剤に組み込まれてもよい。
【0120】
特有の化合物の用量レベルおよび投薬の頻度は、用いられる特有の化合物の効力、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、全般的健康状態、性別、食事、投与のモードおよび時間、排出の速度、薬物の組合せ、処置されるべき状態の重症度、ならびに治療を受けている患者を含む様々な要因に依存して変動する。1日当たりの投薬量は、例えば、各々約0.01mg~約25mgの用量で、単回または複数回投与される、体重1キロ当たり約0.001mg~約100mgの範囲内であってもよい。通常、そのような投薬量は経口的に与えられるが、非経口投与もまた選択され得る。
【0121】
定義
「任意選択的な」または「任意選択的に」は、引き続いて記載される事象または状況が起こってもよいが、その必要はないこと、ならびに該記載が、事象または状況が起こる事例およびそれが起こらない事例を含むことを意味する。
【0122】
用語「ヘテロ原子」は、O、N、またはSを意味する。
【0123】
用語「(C-C)アルキル」は、1~n個の炭素原子、すなわち1、2、3・・・
またはn個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式もしくは部分環式アルキル基を表す。「(C-C)アルキル」基が環式部分を含むために、それは少なくとも3個の炭素原子から形成されるべきである。範囲「(C-C)アルキル」の部分のためにそのすべてのサブグループが想定される。例えば、範囲(C-C)アルキルにおいて、すべてのサブグループ、例えば(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C)アルキル、(C-C)アルキル、(C)アルキルが想定される。「C-Cアルキル」の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、分岐鎖または環式もしくは部分環式ペンチルおよびヘキシルなどを含む。
【0124】
用語「ハロ-(C-C)アルキル」は、好ましくは、F、Cl、BrおよびI、より好ましくはFおよびCl、最も好ましくはFである少なくとも1つのハロゲン原子で置換されている上記されているC-Cアルキルを表す。
【0125】
用語が範囲を表す場合、例えば(C-C)アルキルの定義における「1~6個の炭素原子」において、各々の整数、すなわち1、2、3、4、5および6が開示されていると考えられる。
【0126】
用語「(C-C)アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、および2~6個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式もしくは部分環式アルキル基を表す。アルケニル基は、3~6個の炭素原子から形成される環を含んでもよい。範囲「(C-C)アルケニル」の部分のためにそのすべてのサブグループが想定される。例えば、範囲「(C-C)アルケニル」は、(C-C)アルケニル、(C-C)アルケニル、(C)アルケニルをカバーする。「(C-C)アルケニル」の例は、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-2-プロペニルなどを含む。
【0127】
用語「(C-C)アルコキシ」は、-O-((C-C)アルキル)であって、(C-C)アルキル基が上記に定義される通りであり、および酸素原子を通じて化合物の残りの部分に結合しているものを表す。「(C-C)アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびt-ブトキシを含む。
【0128】
用語「ハロ(C-C)アルコキシ」は、好ましくは、F、Cl、BrおよびI、より好ましくはFおよびCl、最も好ましくはFであるハロゲン原子で置換されている上記されている(C-C)アルコキシを表す。
【0129】
用語「ハロ」は、ハロゲン原子を意味し、好ましくは、F、Cl、BrおよびI、より好ましくはFおよびCl、最も好ましくはFである。
【0130】
用語「3~12員複素環式環」は、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子である3~12個の環原子を有する非芳香族環系を表す。
【0131】
「有効量」は、処置された対象において治療効果を付与する本発明の化合物の量を指す。治療効果は、客観的(すなわち何らかの試験もしくはマーカーにより測定可能)または主観的(すなわち対象は効果の兆候を与えるかもしくは効果を感じる)なものであっても
よい。
【0132】
本明細書において使用される場合、用語「投与」または「投与する」は、本明細書に開示される化合物のための投与の経路を意味する。例示的な投与の経路は、経口、眼内、静脈内、腹腔内、動脈内、および筋肉内を含むが、これらに限定されない。好ましい投与の経路は、様々な要因、例えば本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物の成分、潜在的なまたは実際の疾患の部位および疾患の重症度に依存して変動することができる。
【0133】
用語「対象」および「患者」は本明細書において交換可能に使用される。それらは、疾患または障害を罹患していることができるか、またはそれに罹りやすい、疾患または障害を有してもよく、またはそうでなくてもよいヒトまたは別の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマもしくは霊長動物)を指す。対象はヒトであることが好ましい。
【0134】
本発明の化合物は、名称または化学構造により開示されることがある。不一致が化合物の名称とその関連付けられる化学構造との間に存在する場合、化学構造が優先される。
【0135】
本発明はこれより以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。下記の特有の実施例は、単に実例的なものとして解釈されるべきであり、決していかなるようにも本開示の残りの部分を限定しない。さらなる詳述なしに、当業者は、本明細書における記載に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書において参照されるすべての参考文献および刊行物は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0136】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、当技術分野において周知のおよび理解される方法により以下の一般的合成手順のスキームにしたがって調製され得る。好適な反応条件は当技術分野において周知であり、溶媒および補助試薬の適切な置換は、当業者の技術常識内にある。同様に、合成中間体は、必要または希望に応じて様々な周知の技術により単離および/または精製され得ること、ならびに頻繁に、様々な中間体をほぼまたは全く精製せずに引き続いての合成工程において直接的に使用できることが当業者により理解される。さらには、当業者は、一部の状況において、部分が導入される順序は決定的でないことを理解する。式(I)の化合物を製造するために要求される工程の特定の順序は、当業者によりよく理解されているように、合成されている特定の化合物、出発化合物、および置換される部分の相対的な感受性(liability)に依存する。すべての置換基は、他に指し示されなければ、以前に定義された通りであり、すべての試薬は当技術分野において周知のおよび理解されるものである。
【0137】
単一のエナンチオマーとして光学的に活性であるかまたはラセミ混合物および一般式AA-1の保護されたアミノ酸としての好適な出発材料は、商業的に入手可能であるか、または様々な方法により調製されてもよい。例えば、一般的合成手順、スキーム1において示されるように、一般式AA-1の適切に置換されたアミノ酸のカルボン酸官能基は、遊離酸、PG=H、または好適な誘導体、例えばメチルエステルとして保護されたものとして使用され得る。AA-1中に存在する第一級アミンにおける置換基の挿入は、様々な方法により、および例示の目的のために、好適に置換されたカルボニル化合物Int-1、アルデヒド(R=H)またはケトン(RおよびR≠H)、ならびに、例えば酢酸およびジクロロメタンのような好適な溶媒混合物中のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムであるがこれに限定されない、還元試薬を伴う還元的アミノ化工程により行われ得る。AA-1中に存在する第一級アミンにおいて置換基を導入するための代替的な方法は、一般的合成手順のスキームにおいて表されるように、好適な保護されたAA-1とタイプInt-2の試薬との間のアルキル化工程を使用する。後者において、LGは、アセトニト
リルのような適切な溶媒中の、例えば、炭酸カリウムのような好適な塩基の存在下で、AA-1中の遊離アミンにより選択的に置換され得る、例えば、臭素原子としての、反応性脱離基を表す。
【0138】
一般的合成手順
【0139】
【化11】
【0140】
一般式(I)の化合物は、その一部が以下に記載される様々な手順により調製されてもよい。各々の工程の生成物は次に、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕、および結晶化などを含む従来の方法により回収され得る。
【0141】
一般式(I)の化合物は、1つ以上のステレオジェニック中心を含有する。それらは、利用可能な単一のエナンチオマー、タイプAA-1の光学的に活性の出発材料から導入され得る。存在するステレオジェニック中心の完全性は、例えばキラル支持体高圧クロマトグラフィーのような当業者に周知の分析技術により確認され得る。代替的に、ラセミ出発材料が使用される場合、所望される場合、単一の異性体生成物が、分取キラル支持体高圧クロマトグラフィーのような公知の技術により、単一のエナンチオマーとしてまたは単一のジアステレオ異性体として得られ得ることが理解される。
【0142】
当業者はまた、式(I)の化合物中の置換基のすべてが、化合物を合成するために用い
られるある特定の反応条件を許容するわけではないことを理解する。これらの部分は、合成における好都合な時点において導入されてもよく、または、当技術分野において周知のように、必要もしくは希望に応じて保護および次に脱保護されてもよい。当業者は、保護基は、本発明の化合物の合成における任意の好都合な時点において除去されてもよいことを理解する。本発明において使用される保護基を導入または除去する方法は当技術分野において周知であり;例えば、Greene and Wuts, Protective
Groups in Organic Synthesis, 4th Ed., John Wiley and Sons, New York (2006)を参照されたい。
【実施例
【0143】
略語
approx:約;aq:水性;br:ブロード;ca.:約(circa);CDI:1,1’-カルボニルジイミダゾール;d:ダブレット;DCM:ジクロロメタン;DIC:N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド;ジオキサン:1,4-ジオキサン;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMF:ジメチルホルムアミド;eq.:当量;EtN:トリエチルアミン;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;Fmoc:フルオレニルメトキシカルボニル;Boc:tert-ブトキシカルボニル;h:時間(hours);min:分:HATU:2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V);HPLC:高速液体クロマトグラフィー;IPA、イソプロパノール;LC:液体クロマトグラフィー;m:マルチプレット;M:モル濃度、分子イオン;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;MS:質量分析;NMR:核磁気共鳴;PDA:フォトダイオードアレイ;q:カルテット;rt:室温(約20℃);RT:保持時間;s:シングレット、固体;SPPS:固相ペプチド合成。t:トリプレット;TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド;TBME:tert-ブチルメチルエーテル;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;UPLC:超高速液体クロマトグラフィー;UV:紫外線。
【0144】
他の略語は、それらの一般に認められる意味を伝えることが意図される。
【0145】
一般的実験条件
すべての出発材料および溶媒は、商用の供給元から得られたか、または参照文献にしたがって調製した。反応混合物を磁気的に撹拌し、他に指し示されなければ室温(約20℃)で反応を行った。
【0146】
カラムクロマトグラフィーは、他に指し示されなければ、予備充填されたシリカ(40μm)カートリッジを使用して、自動化されたフラッシュクロマトグラフィーシステム、例えばCombiFlash Rfシステム上で行った。
【0147】
H-NMRスペクトルは、Bruker Avance AV-I-400またはBruker Avance AV-II-400機器上で400MHzにおいて記録した。化学シフト値は、他に注記されなければ、テトラメチルシランと比べたppm値において表す。以下の略語またはそれらの組合せをNMRシグナルの多重度のために使用する:br=ブロード、d=ダブレット、m=マルチプレット、q=カルテット、quint=クインテット、s=シングレットおよびt=トリプレット。
【0148】
分析方法
方法1 - UPLC_AN_BASE、装置:Waters IClass;バイナリポンプ:UPIBSM、SM:SOを伴うUPISMFTN;UPCMA、PDA:U
PPDATC、210~320nm、SQD:ACQ-SQD2 ESI;ELSD:ガス圧力40プサイ、ドリフトチューブ温度:50℃;カラム:Waters XSelect CSH C18、50×2.1mm、2.5μm、温度:25℃、流量:0.6mL/分、勾配:t0=5% B、t2.0分=98% B、t2.7分=98% B、ポストタイム:0.3分、溶出液A:水中の10mM重炭酸アンモニウム(pH=9.5)、溶出液B:アセトニトリル。
【0149】
方法2 - PREP_ACID-AS4A、装置:Agilent Technologies G6130B Quadrupole;HPLC機器の型:Agilent
Technologies 1290 preparative LC;カラム:Waters XSelect CSH(C18、100×30mm、10μ);流量:55mL/分;カラム温度:RT;溶出液A:水中の0.1%ギ酸;溶出液B:100%アセトニトリル、線形勾配:t=0分 20% B、t=2分 20% B、t=8.5分 60% B、t=10分 100% B、t=13分 100% B;検出:DAD(220~320nm);検出:MSD(ESI pos/neg)質量範囲:100~1000;MSおよびDADに基づく画分収集。
【0150】
方法3 - UPLC酸性方法、装置:Waters HClass;バイナリー溶媒ポンプ、SM-FTN、CMA、PDA、QDa;カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標) CSH(C18、1.7μm、2.1×30mm、40℃);検出:他に指し示されなければ210~400nmにおけるUV、エレクトロスプレーイオン化によるMS;溶媒:A:水中の0.1%ギ酸、B:MeCN勾配:
【0151】
【表1】
【0152】
方法4 - UPLC塩基性方法;装置:Waters HClass;バイナリー溶媒ポンプ、SM-FTN、CMA、PDA、QDa;カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH(C18、1.7μm、2.1×30mm、40℃);検出:他に指し示されなければ210~400nmにおけるUV、エレクトロスプレーイオン化によるMS;溶媒:A:水中の0.2%アンモニア、B:MeCN。勾配:
【0153】
【表2】
【0154】
方法5 - #acid3minb;装置:Agilent 1260;クォータナリーポンプ、HiP Sampler、カラムコンパートメント、DAD:G6150
MSD;カラム:Waters Cortecs(C18、30×2.1mm、2.7μm、40℃);検出:他に指し示されなければ260nm+/-90nmにおけるUV、エレクトロスプレーイオン化によるMS;溶媒:A:水中の0.1%ギ酸、B:MeCN。勾配:
【0155】
【表3】
【0156】
方法6 - #basic3minb;装置:Agilent 1260;クォータナリーポンプ、HiP Sampler、カラムコンパートメント、DAD:G6150
MSD;カラム:Phenomenex Evo(C18、30×2.1mm、2.6μm、40℃);検出:他に指し示されなければ260nm+/-90nmにおけるUV、エレクトロスプレーイオン化によるMS;溶媒:A:水中の0.2%アンモニア、B:MeCN;勾配:
【0157】
【表4】
【0158】
実施例1
【化12】
【0159】
(S)-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸1の合成
(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(100mg、0.51mmol)およびホルムアルデヒド(0.084mL、3.07mmol、6当量)をエタノール(2mL)中の7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン(90mg、0.51mmol、1当量)の溶液に加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。室温への冷却後に、白色沈殿物を濾過により収集した。フィルターをエタノール(5mL)でリンスし
、(S)-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸(45mg、0.130mmol、25の収率、96.96%の純度)を白色粉末として単離した。LCMS(方法1、0.817min;M+H=348.2;計算値348.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 7.54(t,J=6.6Hz,1H)、6.86-6.71(m,1H)、6.12(s,1H)、4.05(d,J=6.3Hz,2H)、3.17(t,J=6.1Hz,1H)、2.38(s,3H)、1.75-1.46(m,2H)、1.27-1.18(m,2H)、0.84(s,9H)。
【0160】
実施例2
【0161】
【化13】
【0162】
rac-2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸の合成
2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(100mg、0.51mmol)およびホルムアルデヒド(0.084mL、3.07mmol)をエタノール(2mL)中の7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン(90mg、0.51mmol、1当量)の溶液に加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。室温への冷却後に、白色沈殿物を濾過により収集した。フィルターをエタノール(5mL)でリンスし、2-(((7-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-8-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸(20mg、0.058mmol、11.2%の収率)を白色粉末として単離した。LCMS(方法1、0.826min;M+H=348.1;計算値348.1)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 7.57(d,J=8.7Hz,1H)、6.81(d,J=8.7Hz,1H)、6.15(s,1H)、4.13-4.01(m,2H)、3.22(t,J=6.1Hz,1H)、2.37(s,3H)、1.73-1.51(m,2H)、1.32-1.19(m,2H)、0.84(s,9H)。
【0163】
実施例3
【化14】
【0164】
(S)-2-(ベンジルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
ベンズアルデヒド(64μL、0.634mmol、1.01当量)をジクロロメタン(1mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(100mg、0.628mmol)および酢酸ナトリウム(77mg、0.942mmol、1.5当量)の混合物に加えた。混合物を室温で2時間撹拌した後にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(79mg、1.256mmol、2当量)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を水/メタノール(1:1、2mL)中の1M HCl中に入れ、塩基性逆相カラムクロマトグラフィー(12g Porapak RXn RP、水中のアセトニトリル5%→100%(0.1M炭酸アンモニウム)により精製した。生成物含有画分を合わせた。蒸発の間に白色沈殿物が形成された。これを濾去し、固体を2mL 2M塩酸中に溶解させ、凍結乾燥させて(S)-2-(ベンジルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(50mg、0.175mmol、27%の収率、94.82%の純度)を得た。LCMS(方法1、0.880min;M+H=250.0;計算値250.0)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 14.02(s,1H)、9.45(s,2H)、7.52(dq,J=4.8,2.7Hz,2H)、7.48-7.39(m,3H)、4.16(d,J=2.1Hz,2H)、3.88(dd,J=7.1,4.6Hz,1H)、1.97-1.73(m,2H)、1.33(td,J=13.1,4.9Hz,1H)、1.12(td,J=12.9,4.4Hz,1H)、0.86(s,9H)。
【0165】
以下の実施例は、(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(20mg、0.126mmol)およびそれらの対応するアルデヒドから開始して、実施例3と類似の方式において調製した。標的を分取HPLCにより精製した。
【0166】
【表5-1】
【0167】
【表5-2】
【0168】
【表5-3】
【0169】
【表5-4】
【0170】
【表5-5】
【0171】
実施例6
【0172】
【化15】
【0173】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
ジクロロメタン(1mL)中の1-メチル-1H-インドール-4-カルボアルデヒド(100mg、0.63mmol、1当量)、(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(100mg、0.63mmol)および酢酸(0.036mL、0.63mmol、1当量)の懸濁液を室温で2時間撹拌した後にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(266mg、1.26mmol、2当量)を加えた。得られた懸濁液を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水性水酸化ナトリウム(1M、1mL)を加え、層を分離させた。水性相を水性塩酸(2M)で酸性化させた。白色沈殿物が形成され、それを濾去した。固体をジオキサン/水(1:1、4mL)中の4M塩酸に溶解させ、凍結乾燥させて(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリド(66mg、0.195mmol、31%の収率、99%の純度)をオフホワイト固体として得た。LCMS(方法1、1.002min;M+H=303.1;計算値303.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 7.44-7.32(m,2H)、7.18-7.05(m,2H)、6.62(d,J=3.2Hz,1H)、4.19-3.99(m,2H)、3.79(s,3H)、3.10(t,J=6.1Hz,1H)、1.57(dq,J=11.9,6.1Hz,2H)、1.30-1.12(m,2H)、0.81(s,9H)。
【0174】
以下の実施例は、対応するアルデヒドから開始して、実施例6と類似の方式において調製した。
【0175】
【表6-1】
【0176】
【表6-2】
【0177】
【表6-3】
【0178】
【表6-4】
【0179】
【表6-5】
【0180】
【表6-6】
【0181】
【表6-7】
【0182】
【表6-8】
【0183】
【表6-9】
【0184】
【表6-10】
【0185】
【表6-11】
【0186】
【表6-12】
【0187】
【表6-13】
【0188】
【表6-14】
【0189】
【表6-15】
【0190】
【表6-16】
【0191】
【表6-17】
【0192】
【表6-18】
【0193】
実施例34
【0194】
【化16】
【0195】
(S)-2-((2-フルオロ-3-メトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、HClの合成
MeOH(3mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(75mg、1Eq、0.47mmol)、2-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(73mg、1eq、0.47mmol)およびEtN(48mg、66μL、1Eq、0.47mmol)の懸濁液を35℃で2h加熱した後に氷浴で冷却し、一度にNaBH(18mg、1Eq、0.47mmol)で処理した。混合物を次にrtに温めた後に乾燥状態まで濃縮した。これを次に水(5mL)に懸濁し、酢酸(57mg、54μL、2Eq、0.94mmol)を加えた。これをさらに水(5mL)およびMeCN(2mL)で希釈した後に濾過した。濾過された固体を次に1:1のアセトン:水(20mL)に80℃で20分間懸濁した後にrtに冷却し、濾過し、水(10mL)およびイソヘキサン(10mL)で洗浄した。固体を次に水(5mL)およびMeCN(5mL)に入れた後に水性濃HCl(0.2mL)を加えて溶液を得、それを濃縮して(S)-2-((2-フルオロ-3-メトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、HCl(122mg、0.36mmol、76%、98%の純度)を無色固体として得た。
UPLC(方法3、0.87min;M+H=298.3. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 14.03(s,1H)、9.36(s,2H)、7.28-7.18(m,2H)、7.17-7.12(m,1H)、4.25-4.12(m,2H)、3.96-3.92(m,1H)、3.86(s,3H)、1.94-1.74(m,2H)、1.33(app. td,J=13.0,4.7Hz,1H)、1.11(app. td,J=13.0,4.4Hz,1H)、0.86(s,9H)。19F NMR(471MHz,DMSO) δ -137.89。
【0196】
以下の実施例は、対応するアルデヒドから開始して、実施例34と類似の方式において調製した。
【0197】
【表7-1】
【0198】
【表7-2】
【0199】
【表7-3】
【0200】
実施例8
【0201】
【化17】
【0202】
(S)-2-(ベンズヒドリルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
ブロモジフェニルメタン(177mg、0.715mmol)をアセトニトリル(1mL)中の炭酸カリウム(198mg、1.431mmol)およびメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(75mg、0.358mmol)の懸濁液に加え、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フラッシュクロマトグラフィー(12gシリカ;ヘプタン中の酢酸エチル0%→50%)により精製してメチル(S)-2-(ベンズヒドリルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサノエート(61mg、0.126mmol、35.2%の収率)を白色固体として得た。生成物をアセトニトリル(1mL)/水(1mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(37.7mg、0.898mmol)を加えた。混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を酸性分取HPLC(4g ReproSil-Pur C18、水(+0.1%ギ酸)中のアセトニトリル2-50%)により精製し、生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥させた。白色固体を4mL MeCNに溶解させ、1mL塩酸(2M)を加え、バイル(vail)を再び凍結乾燥させて(S)-2-(ベンズヒドリルアミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(46mg、0.127mmol、35%の収率、92.91%の純度)を白色固体として得た。LCMS(方法1、1.137min;M+H=326.2;計算値326.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 10.18(s,1H)、7.70(dd,J=11.6,7.5Hz,4H)、7.48-7.32(m,6H)、5.53(s,1H)、2.54(s,2H)、2.02(s,1H)、1.78(d,J=17.7Hz,1H)、1.30-1.19(m,2H)、1.06(t,J=12.1Hz,1H)、0.83(s,9H)。7%(w/w)DMSOを含有する。
【0203】
実施例9
【0204】
【化18】
【0205】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
2-メトキシベンズアルデヒド(64.9mg、0.477mmol)をジクロロメタン(1mL)中のメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(100mg、0.477mmol)および酢酸ナトリウム(77mg、0.939mmol)の溶液に加えた。混合物を1h撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(80mg、1.273mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール(1mL)および水(1mL)中に入れた。水酸化リチウム(57.1mg、2.384mmol)を加え、混合物を50℃で終夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物をDMSOに入れ、分取HPLC(方法2)により精製した。生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥させた。白色固体をジオキサン/水(1:1、4mL)中の4M塩酸に溶解させ、凍結乾燥させて(S)-2-((2-メトキシベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(66.2mg、0.210mmol、44%の収率、100%の純度)を得た。LCMS(方法1、0.976min;M+H=280.2;計算値280.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 13.98(s,1H)、9.25(s,2H)、7.47(dd,J=7.5,1.7Hz,1H)、7.42(td,J=7.9,1.7Hz,1H)、7.08(d,J=7.3Hz,1H)、7.00(td,J=7.6,1.1Hz,1H)、4.13(q,J=13.1Hz,2H)、3.82(s,3H)、3.77(dd,J=7.1,4.7Hz,1H)、1.97-1.71(m,2H)、1.32(td,J=13.1,4.9Hz,1H)、1.12(td,J=12.9,4.5Hz,1H)、0.86(s,9H)。
【0206】
以下の実施例は、それらの対応するアルデヒドから開始して、実施例9と類似の方式において調製した。
【0207】
【表8-1】
【0208】
【表8-2】
【0209】
実施例14
【0210】
【化19】
【0211】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
水素化ホウ素ナトリウム(86.9mg、2.297mmol)を1,2-ジメトキシエタン(1.15mL)中の塩化亜鉛(157mg、1.152mmol)の懸濁液に0℃で加えた。混合物をRTまで温め、18hエージングした。アセトフェノン(69.0mg、0.574mmol)をメタノール(超脱水)(1.7mL)中のメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(139mg、0.661mmol)および炭酸カリウム(198mg、1.433mmol)の懸濁液に加えた。混合物を50℃で終夜加熱し、RTに冷却した。混合物をアセトニトリル(無水)(17mL)で希釈した。溶液をZn(BHの混合物に-40℃で加えた。-40℃で4hの後に、1mLアセトンを加え、混合物をRTまで温めた。5mL 1M HClを緩徐に加えた。アセトニトリルを真空中で除去し、混合物をTBME(3×3mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDMSOに入れ、分取HPLC(方法2)により精製した。生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥させた。白色固体をジオキサン/水(1:1、4mL)中の4M塩酸に溶解させ、凍結乾燥させて(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリド(12.1mg、0.040mmol、7%の収率、91.90%の純度)を得た。LCMS(方法1、0.930min;M+H=264.3;計算値264.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 9.40(br,1H) 7.54-7.38(m,5H)、4.36(d,J=7.1Hz,1H)、1.86-1.64(m,2H)、1.60(d,J=6.7Hz,3H)、1.22(td,J=12.9,4.8Hz,1H)、1.06(td,J=12.8,4.6Hz,1H)、0.81(s,9H)。
【0212】
実施例15
【0213】
【化20】
【0214】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリドの合成
アセトフェノン(60.1mg、0.5mmol)をメタノール(超脱水)(1mL)中のメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(121mg、0.575mmol)および炭酸カリウム(225mg、1.628mmol)の懸濁液に加えた。混合物を50℃で終夜加熱し、RTに冷却した。メタノールを除去し、残留物を乾燥テトラヒドロフラン(2mL)に懸濁した。懸濁液を水素化ホウ素ナトリウム(151mg、3.99mmol)に加えた。水/THFの20%(v/v)溶液(5mL)を2時間かけて緩徐に加えた。混合物を終夜撹拌した。反応を1mLのHCl(1M)の添加によりクエンチした。混合物をTBME(3×3mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物を酸性分取(方法2)により精製した。生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥させた。白色固体をジオキサン/水(1:1、4mL)中の4M塩酸に溶解させ、凍結乾燥させて(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸ヒドロクロリド(17.4mg、0.058mmol、11%の収率、89.33%の純度)を得た。
LCMS(方法1、0.952min;M+H=264.3;計算値264.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 13.95(br,1H)、9.30(br,2H)、7.57-7.50(m,2H)、7.48-7.40(m,3H)、4.40(q,J=6.9Hz,1H)、3.64-3.54(m,1H)、1.95-1.81(m,1H)、1.77-1.65(m,1H)、1.59(d,J=6.7Hz,3H)、1.27(td,J=13.1,4.8Hz,1H)、1.03(td,J=12.9,4.1Hz,1H)、0.85(s,9H)。
【0215】
実施例16
【0216】
【化21】
【0217】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸の合成
水素化ホウ素ナトリウム(86.9mg、2.297mmol)を1,2-ジメトキシエタン(1.15mL)中の塩化亜鉛(157mg、1.152mmol)の懸濁液に0℃で加えた。混合物をRTまで温め、18時間エージングした。2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエタン-1-オン(100mg、0.574mmol)をメタノール(超脱水)(1.7mL)中のメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(139mg、0.661mmol)および炭酸カリウム(198mg、1.433mmol)の懸濁液に加えた。混合物を50℃で終夜加熱し、室温に冷却した。混合物を無水アセトニトリル(17mL)で希釈した。溶液をZn(BHの混合物に-40℃で加えた。-40℃で4hの後に、1mLアセトンを加え、混合物を室温に温めた。5mL 1M HClを緩徐に加えた。アセトニトリルを真空中で除去し、混
合物をTBME(3×3mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物を酸性分取(方法2)により精製して(S)-5,5-ジメチル-2-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸(88.4mg、0.278mmol、48%の収率、99.69%の純度)を得た。LCMS(方法1、1.087min;M+H=318.3;計算値318.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 7.47-7.42(m,2H)、7.39(dq,J=7.4,2.1Hz,3H)、4.38(q,J=8.1Hz,1H)、3.20(d,J=11.9Hz,1H)、1.66-1.45(m,2H)、1.22(dd,J=9.8,7.0Hz,2H)、0.85(s,9H)。
【0218】
以下の実施例は、それらの対応するケトンから開始して、実施例16と類似の方式において調製した。
【0219】
【表9-1】
【0220】
【表9-2】
【0221】
【表9-3】
【0222】
実施例18
【0223】
【化22】
【0224】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸の合成
2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエタン-1-オン(87mg、0.5mmol)をメタノール(超脱水)(1mL)中のメチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエートヒドロクロリド(121mg、0.575mmol)および炭酸カリウム(225mg、1.628mmol)の懸濁液に加えた。混合物を50℃で終夜加熱し、RTに冷却した。メタノールを除去し、残留物をテトラヒドロフラン(乾燥)(2mL)に懸濁した。懸濁液を水素化ホウ素ナトリウム(151mg、3.99mmol)に加えた。水/THF(5mL)の20%(v/v)溶液を2時間かけて緩徐に加えた。混合物を終夜撹拌した。反応を1mLのHCl(1M)の添加によりクエンチした。混合物をTBME(3×3mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物を酸性分取(方法2)により精製して(S)-5,5-ジメチル-2-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ヘキサン酸(55mg、0.173mmol、30%の収率、99.78%の純度)を得た。LCMS(方法1、1.054min;M+H=318.4;計算値318.2)。
H-NMR(400MHz,DMSO) δ 12.52(br,1H)、7.53-7.44(m,2H)、7.44-7.32(m,3H)、4.39(q,J=7.8Hz,1H)、2.86(t,J=6.4Hz,1H)、1.50(tdd,J=13.3,8.1、5.0Hz,2H)、1.22(ddd,J=13.2,10.6、6.2Hz,1H)、1.05(ddd,J=13.1,10.5、6.7Hz,1H)、0.80(s,9H)。
【0225】
以下の実施例は、それらの対応するケトンから開始して、実施例18と類似の方式において調製した。
【0226】
【表10-1】
【0227】
【表10-2】
【0228】
【表10-3】
【0229】
実施例59
【0230】
【化23】
【0231】
(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)メタノール(59-a)の調製
【0232】
【化24】
【0233】
トリエチルアミン(8.07mL、57.9mmol)をジクロロメタン(5mL)中の1,2-ベンゼンジメタノール(2.0g、14.48mmol)およびTBDMS-Cl(1.96g、13.03mmol)の溶液に0℃の窒素雰囲気下で加えた。混合物を2時間撹拌した。反応混合物を0.5M水性塩酸(10mL)で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ;ヘプタン中の酢酸エチル0%→30%)により精製して、(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)メタノール(1.71g、6.77mmol、46.8%の収率)を無色油として得た。H-NMR(400MHz,CDCl3) δ 7.40-7.28(m,4H)、4.81(s,2H)、4.68(d,J=6.5Hz,2H)、3.17(t,J=6.4Hz,1H)、0.93-0.90(m,9H)、0.13(t,J=1.0Hz,6H)。
【0234】
2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンズアルデヒド(59-b)の調製
【0235】
【化25】
【0236】
ジクロロメタン(10mL)中の(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)フェニル)メタノール(1.70g、6.73mmol)にデス-マーチンペリヨージナン(3.14g、7.41mmol)を加え、混合物をRTで48時間撹拌した。反応混合物を飽和水性重炭酸ナトリウム(10mL)で洗浄し、有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンズアルデヒド(1.7g、6.79mmol、定量的収率)を白色固体として得た。LCMS(方法6、1.65min;M+H=251.2;計算値251.4)。
【0237】
(S)-2-((2-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘ
キサン酸ヒドロクロリド(化合物59)の合成
【0238】
【化26】
【0239】
ジクロロメタン(2mL)中の5,5-ジメチル-L-ノルロイシン(100mg、0.628mmol)に2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ベンズアルデヒド(236mg、0.942mmol)を加え、混合物をRTで2時間撹拌した後にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(266mg、1.256mmol)を加えた。添加後に、混合物をRTで16時間撹拌した。反応混合物を加熱により蒸発させ、残留物を2M塩酸(2mL)に溶解させ、RTで16時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を酸性分取(方法2)により精製した。生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥させ、4mL 1M塩酸に溶解させ、凍結乾燥させて、(S)-2-((2-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸ヒドロクロリド(66.2mg、0.21mmol、33.5%の収率)を白色固体として得た。LCMS(方法1、0.87min;M+H=280.2;計算値280.3)。H-NMR(400MHz,DMSO) δ 9.28(s,1H)、7.54-7.52(m,1H)、7.48-7.33(m,3H)、4.66(s,2H)、4.26(s,2H)、4.02-4.00(m,1H)、1.98-1.77(m,2H)、1.34(td,J=12.9,4.9Hz,1H)、1.13(td,J=12.8,4.6Hz,1H)、0.86(s,9H)。
【0240】
実施例108
【0241】
【化27】
【0242】
(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサン酸(int 108-a)の合成
1M水性硫酸(226mL、226mmol、3.0当量)を水(220ml)中の(R)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(12g、75mmol、1.0当量)に加えた。混合物を-5℃に冷却し、水(220ml)中の亜硝酸ナトリウム(31.2g、452mmol、6.0当量)の溶液を滴下で加え、温度を0℃未満に保った。添加
後に、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。
【0243】
混合物をEtO(4×200mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサン酸(8.98g、56.1mmol、74.4%の収率)を黄色固体として得た。1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ 4.28(dd,J=7.2,4.2Hz,1H)、1.92-1.80(m,1H)、1.75-1.62(m,1H)、1.41-1.27(m,2H)、0.90(s,9H)。
【0244】
メチル(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサノエート(int 108-b)の合成
SOCl(12ml、164mmol、2.93当量)をメタノール(120ml)中の(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサン酸(8.98g、56.1mmol、1当量)に0℃で加えた。添加後に、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。混合物を飽和水性NaHCOの添加によりpH 9にアルカリ化し、EtO(2×400mL)で抽出した。合わせた有機物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮してメチル(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサノエート(10.01g、55.0mmol、98%の収率)を黄色油として得た。4.2%(w/w)MeOHを含有する。1H-NMR(400MHz,CDCl) δ 4.18(dd,J=7.2,4.2Hz,1H)、3.80(s,3H)、1.84-1.72(m,1H)、1.67-1.52(m,1H)、1.37-1.21(m,2H)、0.89(s,9H)。
【0245】
メチル(R)-5,5-ジメチル-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサノエート(int 108-c)の合成
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.65mL、27.5mmol、1.10当量)をジクロロメタン(100mL)中のメチル(R)-2-ヒドロキシ-5,5-ジメチルヘキサノエート(4.36g、25.02mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(4.19ml、30.0mmol、1.2当量)の溶液に0℃で滴下で加えた。添加後に、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(250mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮してメチル(R)-5,5-ジメチル-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサノエート(7.14g、23.31mmol、49%の補正収率)を暗褐色油として得た。1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ 5.12(dd,J=6.9,5.0Hz,1H)、3.85(s,3H)、2.05-1.90(m,2H)、1.36-1.24(m,2H)、0.90(s,9H)。
【0246】
(S)-2-(((S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸(化合物108)-メタンスルホン酸の合成
ジクロロメタン中のメチル(R)-5,5-ジメチル-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサノエート(70mg、0.229mmol)をトリエチルアミン(104μl、0.743mmol)を含むジクロロメタン中の(S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エタン-1-アミン(41.4mg、0.229mmol)の溶液に滴下で加えた。混合物を終夜撹拌した。DCMを穏やかな空気流により除去し、残留物をアセトニトリル(1.000ml)および水(1.000ml)に入れた。水酸化リチウム(21.89mg、0.914mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。混合物を酸性分取HPLC(方法2)に供して(S)-2-(((S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸(33.5mg、0.104mmol、45.3%の収率)を得た。生成物をアセトニトリル(1.1ml)
に溶解させ、メタンスルホン酸(MeCN中0.1M)(1040μl、0.104mmol)を加えた。混合物を凍結乾燥させて、メタンスルホン酸を有する(S)-2-(((S)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸化合物(43.6mg、45.5%の収率、99.67%の純度)を得た。
LCMS(方法1、0.884min;M-H- MsOH=322.2;計算値322.2)。H-NMR(400MHz,DMSO) δ 14.32-13.95(br,1H)、9.47-8.85(br,2H)、7.13(d,J=1.9Hz,1H)、7.00(d,J=8.3Hz,1H)、6.95(dd,J=8.3,1.9Hz,1H)、4.37-4.29(m,1H)、3.77(s,3H)、3.77(s,3H)、3.38-3.29(m,1H)、2.31(s,3H)、1.79-1.62(m,2H)、1.60(d,J=6.8Hz,3H)、1.21(td,J=12.9,5.3Hz,1H)、1.07(td,J=12.6,4.6Hz,1H)、0.81(s,9H)。
【0247】
以下の実施例は、対応するエステルから開始して、実施例108と類似の方式において調製した。
【0248】
【表11-1】
【0249】
【表11-2】
【0250】
【表11-3】
【0251】
実施例131
【0252】
【化28】
【0253】
4-ブロモ-1,7-ジメチル-1H-インドール中間体131-aの合成
【0254】
【化29】
【0255】
DMF(3.0mL)中の4-ブロモ-7-メチル-1H-インドール(606mg、1Eq、2.88mmol)の溶液を0℃に冷却した後にNaH(鉱油上60%wt)(0.12g、60% Wt、1.0Eq、2.88mmol)を加えた。混合物をrtに温め、15分間撹拌した後にMeI(409mg、180μL、1.0Eq、2.88mmol)を加えた。反応混合物をrtで2時間撹拌した後にEtOAc(40mL)と飽和水性NHCl(30mL)との間で分配した。層を分離させ、有機相を1:1のブライン:水(2×30mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して4-ブロモ-1,7-ジメチル-1H-インドール(638mg、2.8mmol、97%、98%の純度)を、静置状態で固体化した褐色油として得た。
LCMS(方法#acid3minb、2.14min;M+H=n/a。1H NMR(500MHz,DMSO) δ 7.34(d,J=3.1Hz,1H)、7.08(d,J=7.6Hz,1H)、6.78(dd,J=7.6,1.0Hz,1H)、6.32(d,J=3.1Hz,1H)、4.06(s,3H)、2.70(d,J=0.9Hz,3H)。
【0256】
1,7-ジメチル-1H-インドール-4-カルボアルデヒド131-bの調製
【0257】
【化30】
【0258】
DMF(6.0mL)中の4-ブロモ-1,7-ジメチル-1H-インドール(400mg、1Eq、1.78mmol)、トリエチルアミン(545mg、750μL、3.01Eq、5.38mmol)、トリエチルシラン(619mg、850μL、2.98Eq、5.32mmol)およびPdCl(dppf)-DCM(60mg、0.041Eq、73μmol)の溶液をN流下で5分間脱気した後に密閉した。これをN(×3)でパージした後にCO(1.5bar)をチャージし、次に反応混合物を90℃に6h加熱した。rtに冷却した後に、反応混合物をEtOAc(40mL)に入れ、次に飽和水性NHCl(20mL)、水:ブライン(2×1:1、20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ(約1g)上で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ、0-70% EtOAc/iHex)により精製して1,7-ジメチル-1H-インドール-4-カルボアルデヒド(195mg、1.1mmol、62%、98%の純度)を黄色固体として得た。
LCMS(方法#acid3minb、1.68min;M+H=174.2. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 10.10(d,J=0.7Hz,1H)、7
.53(d,J=7.4Hz,1H)、7.47(d,J=3.0Hz,1H)、7.09-7.04(m,2H)、4.11(s,3H)、2.83(s,3H)。
【0259】
(S)-2-(((1,7-ジメチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、メシル酸131の調製
【0260】
【化31】
【0261】
MeOH(5.0mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(92mg、1.0Eq、0.58mmol)、1,7-ジメチル-1H-インドール-4-カルボアルデヒド(100mg、1Eq、577μmol)およびトリエチルアミン(59mg、81μL、1.0Eq、0.58mmol)の懸濁液を40℃で2h撹拌して溶液を形成させた。0℃に冷却した後に、水素化ホウ素ナトリウム(22mg、1.0Eq、0.58mmol)を加え、混合物を1hかけてrtに温めた。混合物を乾燥状態まで濃縮し、次に水(5mL)に懸濁した。酢酸(0.1mL)での処理を続いて行った後に濾過した。材料を次に水(10mL)およびアセトン(2mL)に懸濁した後に60℃で30分間加熱した。rtに冷却した後に、混合物を濾過して遊離塩基を得た。遊離塩基をMeCN(2mL)に懸濁し、MeCN(1当量)中の0.1M MsOHで処理し、音波処理して短時間に溶液を得た。これを次に乾燥状態まで濃縮して(S)-2-(((1,7-ジメチル-1H-インドール-4-イル)メチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、メシル酸(52mg、0.12mmol、21%、96%の純度)を無色固体として得た。
LCMS(方法#acid3minb、1.49min;M+Na=339.2. 1H
NMR(500MHz,DMSO) δ 9.12(v. br. s,2H)、7.32(d,J=3.2Hz,1H)、7.03(d,J=7.3Hz,1H)、6.89(d,J=7.3Hz,1H)、6.57(d,J=3.2Hz,1H)、4.36-4.26(m,2H)、4.07(s,3H)、3.82-3.76(m,1H)、2.74(s,3H)、2.30(s,3H)、1.88-1.70(m,2H)、1.32(app. td,J=13.1,4.7Hz,1H)、1.10(app. td,J=12.8,4.4Hz,1H)、0.84(s,9H)。
【0262】
実施例136
【0263】
【化32】
【0264】
(S)-5,5-ジメチル-2-((ピリミジン-4-イルメチル)アミノ)ヘキサン酸、HClの合成
MeOH(2mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(60mg、1Eq、0.38mmol)、ピリミジン-4-カルボアルデヒド(41mg、1Eq、0.38mmol)およびEtN(38mg、53μL、1Eq、0.38mmol)の懸濁液をヒートガンで間欠的に加熱して溶液を得、それをrtで2h撹拌した後に氷浴で冷却し、NaBH(16mg、1.1Eq、0.41mmol)で一度に処理した。混合物を次にrtに温めた後に1.5h撹拌した。反応混合物を乾燥状態まで濃縮した。残留物を水(5mL)に懸濁し、次に酢酸(45mg、43μL、2Eq、0.75mmol)を加えた。これをさらに水(5mL)で希釈した後に減圧下で溶媒を除去した。粗残留物をセライト上にドライロードし、RP Flash C18上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ、0-50%(MeCN中の0.1%ギ酸)/(水中の0.1%ギ酸))により精製して粗生成物を褐色固体(309mg)として得た。粗生成物を水(15ml)およびMeCN(10mL)に懸濁した後に水性濃HCl(1.04g、700μL、12molar、22Eq、8.40mmol)を加え、懸濁液を5分間撹拌して溶液を得た。これを次に乾燥状態まで濃縮し、MeCN(2×10mL)と共沸混合して(S)-5,5-ジメチル-2-((ピリミジン-4-イルメチル)アミノ)ヘキサン酸、HCl(100mg、0.33mmol、88%、95%の純度)をオフホワイト固体として得た。
UPLC(方法4、0.48min;M+H=252.3. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 9.75(brs,2H)、9.27(d,J=1.4Hz,1H)、8.88(d,J=5.2Hz,1H)、7.71(dd,J=5.1,1.4Hz,1H)、4.42(m,2H)、4.07(m,1H)、2.00-1.83(m,2H)、1.39(app. td,J=13.1,4.9Hz,1H)、1.17(app. td,J=12.8,4.5Hz,1H)、0.87(s,9H)。
【0265】
実施例137
【0266】
【化33】
【0267】
(S)-2-((3,4-ジメチルベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸
、メシル酸の合成
MeOH(3mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(50mg、1Eq、0.31mmol)、3,4-ジメチルベンズアルデヒド(42mg、1Eq、0.31mmol)およびEtN(32mg、44μL、1Eq、0.31mmol)の懸濁液を40℃で2h加熱した後に0℃に冷却し、NaBH(12mg、1Eq、0.31mmol)で処理した。混合物を次に室温に温めた後に乾燥状態まで濃縮した。混合物を次に水(5mL)に懸濁し、酢酸(42mg、40μL、2.2Eq、0.70mmol)で処理した後に濾過した。材料を水(10mL)およびアセトン(2mL)に懸濁した後に60℃で30分間加熱し、次に冷却し、濾過した。遊離塩基をMeCN(10mL)に懸濁し、MeCN(1eq)中の0.1M MsOHで処理して溶液を得、それを真空中で濃縮した。MeCN(2×5mL)を加えた後に溶媒を真空中で除去して(S)-2-((3,4-ジメチルベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、メシル酸(69mg、0.18mmol、58%、98%の純度)を無色固体として得た。LCMS(方法5、1.48min;M+H=278.2. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 14.02(s,1H)、9.16(s,2H)、7.25(s,1H)、7.22-7.14(m,2H)、4.08(s,2H)、3.90-3.84(m,1H)、2.30(s,3H)、2.24(s,3H)、2.24(s,3H)、1.89-1.71(m,2H)、1.32(app. td,J=13.2,4.7Hz,1H)、1.11(app. td,J=13.0,4.3Hz,1H)、0.85(s,9H)。
【0268】
実施例138
【0269】
【化34】
【0270】
(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸、メシル酸の合成
MeOH(3mL)中の(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(100mg、1Eq、628μmol)、1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボアルデヒド(101mg、1Eq、628μmol)およびEtN(64mg、88μL、1.0Eq、0.63mmol)の懸濁液を40℃で2h加熱した後に氷浴で冷却し、NaBH(24mg、1.0Eq、0.63mmol)で一度に処理した。混合物を次にrtに温めた後に乾燥状態まで濃縮した。これを次に水(5mL)に懸濁し、酢酸(84mg、80μL、2.2Eq、1.4mmol)を加えた。これをMeCN(20mL)で希釈し、次にセライト(約2g)上に濃縮した。粗生成物をRP Flash
C18上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ、5-30%(MeCN中の0.1%ギ酸)/(水中の0.1%ギ酸))により精製して粗生成物を得、それをMeCN(20mL)に懸濁し、MeCN(1eq)中の0.1M MsOHで処理して溶液を得、それを次に濃縮して(S)-5,5-ジメチル-2-(((1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)メチル)アミノ)ヘキサン酸、メシル酸(75mg、0.18mmol、28%、95%の純度)を無色固体として得た。
LCMS(方法5、0.97min;M+H=304.2. 1H NMR(500MH
z,DMSO) δ 8.54(s,1H)、7.73(d,J=7.5Hz,1H)、7.45-7.38(m,2H)、4.63-4.54(m,2H)、3.96(dd,J=6.9,4.7Hz,1H)、3.92(s,3H)、2.31(s,3H)、1.95-1.76(m,2H)、1.32(app. td,J=13.1,4.7Hz,1H)、1.10(app. td,J=12.9,4.4Hz,1H)、0.85(s,9H)。
【0271】
以下の実施例は、対応するアルデヒドから開始して、実施例138と類似の方式において調製した。
【0272】
【表12】
【0273】
実施例141および143
【0274】
【化35】
【0275】
(2-(((S)-1-(2-メトキシピリジン-4-イル)エチル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、HClの合成
THF(2mL)中の1-(ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(28mg、1Eq、0.23mmol)およびtert-ブチル(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサノエート(50mg、1Eq、0.23mmol)の溶液をEtN(23mg、32μL、1Eq、0.23mmol)およびAcOH(14mg、13μL、1Eq、0.23mmol)で処理した後に50℃で2h加熱した。反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、残留物をMeOH(1mL)に入れた後にNaBH(10mg、1.1Eq、0.26mmol)で処理した。混合物を室温で1時間撹拌した後に溶媒を真空中で除去した。粗生成物をRP Flash C18上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ、25-40%(MeCN中の0.1%ギ酸)/(水中の0.1%ギ酸))により精製してtert-ブチル(2S)-5,5-ジメチル-2-((1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)ヘキサノエート(21mg、65μmol、14%)を無色固体として得、tert-ブチル(2S)-5,5-ジメチル-2-((1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)ヘキサノエート(3mg、9μmol、2%)を無色ゴムとして単離した。
【0276】
tert-ブチル(2S)-5,5-ジメチル-2-((1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)ヘキサノエート(21mg、7Eq、65μmol)をジオキサン(4mL)中の4M HClで処理し、40℃で16h撹拌した後に乾燥状態まで濃縮し、MeCN(2mL)を用いて粉砕して、無色固体としての単一のジアステレオマーとして(2S)-5,5-ジメチル-2-((1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)ヘキサン酸、HCl(15mg、49μmol、75%、98%の純度)を得た。
LCMS(方法5、0.56min;M+H=266.2. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 14.03(s,1H)、10.14-9.71(m,2H)、9.23(s,1H)、9.02(s,2H)、4.56-4.51(m,1H)、3.66-3.57(m,1H)、1.92-1.83(m,1H)、1.80-1.72(m
,1H)、1.68(d,J=6.9Hz,3H)、1.24(app. td,J=13.2,4.7Hz,2H)、1.15-1.05(m,1H)、0.83(s,9H)。
【0277】
他のジアステレオマーを類似の方式を介して調製し、無色固体としての単一のジアステレオマー(3mg、9μmol、100%、95%の純度)として単離した。
LCMS(方法5、0.49min;M+H=266.2. 1H NMR(500MHz,DMSO) δ 9.17(s,1H)、8.93(s,2H)、4.33-4.22(m,1H)、3.75-3.65(m,1H)、1.87-1.68(m,2H)、1.59(d,J=6.9Hz,3H)、1.32-1.04(m,2H)、0.85(s,9H)。
【0278】
実施例142
【0279】
【化36】
【0280】
(S)-2-((3-シアノベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、HClの合成
バイアルに(S)-2-アミノ-5,5-ジメチルヘキサン酸(100mg、1Eq、628μmol)、3-ホルミルベンゾニトリル(82mg、1.0Eq、0.63mmol)、酢酸(38mg、36μL、1.0Eq、0.63mmol)およびNMP(3mL)をチャージした。懸濁液をrtで2h撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(266mg、2Eq、1.26mmol)を混合物に一度に加え、得られた混合物をrtで20h撹拌した。反応物をSCX(約1g)により精製し、最初にMeCN(30mL)を用いて溶出させた後にNH(MeOH中7M)/MeCN(1:2、100mL)を用いて生成物を溶出させた。アンモニア画分を減圧下で濃縮した。粗生成物をRP Flash C18上のクロマトグラフィー(12gカートリッジ、25-40%(MeCN中の0.1%ギ酸)/(水中の0.1%ギ酸))により精製して白色固体を得た。これをMeOH(1mL)に溶解させた後に、ジオキサン(1mL)中の4M HClで処理した。混合物をrtで30分間撹拌した後に、乾燥状態まで濃縮して(S)-2-((3-シアノベンジル)アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸、HCl(4mg、0.01mmol、70%、98%の純度)を無色固体として得た。
LCMS(方法5、1.23min;M+H=275.0。1H NMR(500MHz,DMSO-d6) δ 7.97(s,1H)、7.91(app. d,J=7.8Hz,1H)、7.82(d,J=7.8Hz,1H)、7.67(app. t,J=7.8Hz,1H)、4.22(s,2H)、4.01-3.91(m,1H)、1.92-1.74(m,2H)、1.36-1.27(m,1H)、1.16-1.07(m,1H)、0.87(s,9H)。
【0281】
実施例20~59および144
本発明による以下の実施例化合物を調製した:
実施例20:(2S)-5,5-ジメチル-2-({2-オキサ-9-アザトリシクロ[9.4.0.0]ペンタデカ-1(11),3(8),4,6,9,12,14-ヘプタエン-10-イル}アミノ)ヘキサン酸
実施例21:(2S)-2-{[(1S)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例22:(2S)-2-{[(1R)-2,2-ジフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例23:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例24:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例25:(2S)-2-({[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例26:(2S)-2-{[(2,3-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例27:(2S)-2-{[(3,5-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例28:(2S)-2-{[(2,5-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例29:(2S)-2-{[(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例30:(2S)-2-{[(3-クロロ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例31:(2S)-2-{[(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例32:(2S)-2-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
【0282】
実施例33:(2S)-2-{[(3-メトキシ-4-メチルフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例34:(2S)-2-{[(2-フルオロ-3-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例35:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-3-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例36:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-2-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例37:(2S)-2-{[(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例38:(2S)-2-{[(3,4-ジメトキシフェニル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例39:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例40:(2S)-2-{[(3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例41:(2S)-2-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例42:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノキサリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例43:(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸
実施例44:(2S)-5,5-ジメチル-2-[({1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル}メチル)アミノ]ヘキサン酸
実施例45:(2S)-2-{[(2H-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例46:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例47:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-8-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例48:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(キノリン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
【0283】
実施例49:(2S)-2-{[(2-メトキシナフタレン-1-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例50:(2S)-2-{[(1H-インドール-2-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例51:(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例52:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例53:(2S)-2-{[(1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例54:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(1-メチル-1H-インダゾール-6-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例55:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリミジン-5-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例56:(2S)-5,5-ジメチル-2-({[2-(ピリジン-4-イル)フェニル]メチル}アミノ)ヘキサン酸
実施例57:(2S)-2-({[3-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例58:(2S)-5,5-ジメチル-2-{[(ピリジン-4-イル)メチル]アミノ}ヘキサン酸
実施例59:(2S)-2-({[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メチル}アミノ)-5,5-ジメチルヘキサン酸
実施例144:(2S)-2-{[(5-メトキシピリジン-3-イル)メチル]アミノ}-5,5-ジメチルヘキサン酸
【0284】
【化37】
【0285】
任意の残りの実施例化合物は、他の実施例と類似の方式において調製した。
【0286】
生物学的データ
ニューロテンシンシンチレーション近接アッセイ
本発明の例示される化合物をニューロテンシン(NTS)シンチレーション近接アッセイ(SPA)において試験した。IC50データを下記の表1に示す。13アミノ酸の神経ペプチドであるNTSはソルチリンリガンドである。IC50は、ソルチリンへのNTSの結合を50%阻害するために要求される化合物の量の指標である。IC50値が低ければ低いほど、所望される効果を達成するために必要とされる化合物は少なくなり、結果として、望ましくないオフターゲット効果の可能性が低減されることを当業者は認識する。
【0287】
SPAフォーマットにおいてh-ソルチリンへの[H]-ニューロテンシン結合の置換を測定することにより化合物親和性を決定した。100mM NaCl、2.0mM CaCl2、0.1% BSAおよび0.1% Tween-20を含有する50mM HEPES pH 7.4アッセイ緩衝液中40μlの総体積とした。化合物を150nMの6his-ソルチリンと室温で30分間プレインキュベートした後に5nM [3H]-ニューロテンシンおよびNiキレートイメージングビーズ(Perkin Elmer)を加え、6時間後にプレートを360sの曝露時間と共にViewLux上で読み取った。化合物の用量応答評価を薬物の8つの濃度(3つの10進桁をカバーする)で行った。CDD Vaultソフトウェアを使用してシグモイド濃度応答(変数勾配)を使用して非線形回帰によりIC50値を算出した。報告されるすべての値は、少なくとも2回の決定の平均である。
【0288】
下記の表6におけるデータは、本明細書に開示される化合物はソルチリン阻害剤であることを示す。
【0289】
【表13-1】
【0290】
【表13-2】
【0291】
【表13-3】
【0292】
血液脳関門透過性
実施例60 - 迅速平衡透析によるマウスにおける研究化合物についての血漿タンパク質結合および脳ホモジネート結合
本発明の化合物が血液脳関門を通過する能力を有するかどうかを決定するために、実施例5、実施例6、および、本発明によるものではなく、以下の構造を有するソルチリンモジュレーターである比較例1についてKpuuを算出した:
【0293】
【化38】
【0294】
マウスに実施例5、実施例6および比較例1の化合物を投薬し、次に血漿および脳を特有の時点において取り出して化合物濃度について分析した。別々に、血漿タンパク質または脳ホモジネートに結合した化合物の比率を測定して遊離比率を評価した。
【0295】
遊離薬物仮説は、非結合化合物のみが、生体膜を通じて透過し、相互作用し、および薬理学的効果を誘発することができることを述べる。したがって、化合物は高い遊離脳濃度を有することが望ましい。しかしながら、遊離非結合薬物部分のみがクリアランス機序に供される。
【0296】
実際に、インビトロでの迅速平衡透析を使用して血漿および脳組織における非結合比率を評価した。別々に薬物動態研究をインビボで実行し、関心対象の化合物の投与をT=0の時点ならびにその後の時点(例えば0.5、1および4時間)において与え、血漿および別々に脳試料を関心対象の化合物の総濃度について分析した。これらの総濃度を次に、血漿および脳における非結合濃度を与えるために非結合比率を用いて調整することができた。非結合分配係数(Kpuu)を次に関心対象の区画、ここでは脳/CNSおよび血漿における遊離化合物濃度の間の比として決定した。
【0297】
迅速平衡透析
試験化合物を三連で5μMにおいて4時間、インサート(8K MWCO、Thermo scientific)を伴うREDデバイス中37℃のCD1マウス血漿および脳ホモジネート中でインキュベートした。350μLの150mMリン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.4)をレシーバー側溶液として使用した。試料を4時間の平衡化時間後に両側から収集し、ブランクPBSを使用してドナー側試料を希釈することにより、およびブランク血漿/リン酸緩衝食塩水を使用してレシーバー側試料を希釈することによりそれらのマトリックスを類似したものとした。インキュベーション後に、ドナー側マトリックスのアリコートを等体積のブランクレシーバー側マトリックスで希釈し、レシーバー側マトリックスのアリコートを等体積のブランクドナー側マトリックスで希釈した。内部標準品として100nMのレパグリニドを含有する2倍体積のアセトニトリルの添加によりすべての試料をタンパク質沈殿させた。13200rpmでの10分の遠心分離後に、試料上清をLC-MS/MSで分析して、試験化合物の非結合比率(Fub)を得た。各々のマトリックスについて得られたピーク面積比から非結合比率を算出した:
ub=CPBS/Cplasma
(式中、CPBSおよびCplasmaはそれぞれPBS(レシーバー)および血漿(ドナー)中のアナライト濃度である)。
【0298】
回収試料を各々の条件において透析なしで調製し、以下の式:
回収%=100×(VPBS×CPBS+Vplasma×Cplasma)/Vplasma×Crecovery
(式中、VPBSは透析デバイスのレシーバー側(PBS)における体積であり、Vplasmaはドナー側(血漿)における体積である。Crecoveryは回収試料から測定されたアナライト濃度である)を使用して透析実験からの回収の評価のために使用した。
【0299】
プロプラノロール(1μM)およびフルオキセチン(5μM)を対照化合物として実験に含めた。
【0300】
脳ホモジネートの調製において使用された希釈倍率を考慮に入れて、脳ホモジネートにおいて測定された値(Fub,meas)から脳における非結合比率(Fub,brain)を算出した:
【0301】
【数3】
【0302】
(式中、D=希釈倍率(ここでは5))。
【0303】
分析方法
機器:Waters Acquity UPLC + Waters Xevo TQ-XSトリプル四重極MS;カラム:プレカラムフィルターを有するWaters Acquity HSS T3(2.1×50mm、1.8μm)カラム;勾配溶出;A=0.1%ギ酸、B=アセトニトリル
【0304】
【表14】
【0305】
温度:40℃;注入体積:1.5μl;イオン供給源:ESI+;キャピラリー電圧:2400V;供給源温度:150℃;脱溶媒和温度:650℃;コーンガス流:240L/hr;脱溶媒和ガス流:1200L/hr;ネブライザーガス流:7Bar;コリジョンガス流:0.15mL/分;ソフトウェア:MassLynx 4.2
【0306】
【表15】
【0307】
平衡透析の結果
【0308】
下記の表は、マウスについての、血漿および脳ホモジネートにおける化合物実施例5、実施例6および比較例1の非結合比率を示す。
【0309】
【表16】
【0310】
実施例21 - PO投与後のマウスにおける研究化合物の血液脳関門透過性
化合物をT=0時間において好適な媒体中で動物に投与する。投与の1時間後に血漿および別々に脳を取り出し、調製し、総化合物濃度について分析する。
【0311】
試料調製 - 脳
4倍体積の150mMリン酸緩衝食塩水(PBS)(例えば400uL PBS + 100mg脳)を使用して、Omniビーズ粉砕機での均質化により分析のためにマウス脳試料を調製した。均質化後に、30μLホモジネート試料を60μLの内部標準溶液(1%ギ酸を含有するアセトニトリル(ACN)中の100ng/mlのレパグリニドおよびフェナセチン)と混合し、混合した。試料を20分間遠心分離(4000rpm、Thermo Scientific SL16)し、50μlの上清を100μlの50%アセトニトリルと共に分析プレートに移した。1体積のスパイキング溶液および9体積のブランクホモジネートを使用することによりブランク脳ホモジネートをスパイクして脳ホモジネート中0.1~10000ng/mlの濃度を得ることにより標準試料を調製した。1体積のスパイキング溶液および9体積のブランク脳ホモジネートを使用することにより3、30、300および3000ng/mlの濃度について品質管理(QC)試料を調製した。標準品およびQCを次に試料と同様に分析のために調製した。ブランク脳マトリックスを自社でCD-1マウスから収集した。
【0312】
試料調製 - 血漿
30μLの血漿試料を60μLの内部標準溶液(1%のギ酸を含むACN中の100ng/mlのレパグリニドおよびフェナセチン)と混合することにより試料を調製し、混合した。試料を20分間遠心分離(4000rpm、Thermo Scientific
SL16)し、50μlの上清を100μlの50%アセトニトリルと共に分析プレートに移した。10μlの希釈された試料を分析プレートに移し、190μlの50%アセトニトリルでさらに希釈した。1体積のスパイキング溶液および9体積のブランク血漿を使用することによりブランク血漿をスパイクして血漿中0.1~10000ng/mlの濃度を得ることにより標準試料を調製した。1体積のスパイキング溶液および9体積の血漿を使用することにより3、30、300および3000ng/mlの濃度について品質管理(QC)試料を調製した。標準品およびQCを次に試料と同様に分析のために調製した。ブランク血漿を自社でCD-1マウスから収集した。
【0313】
投薬の15分~4時間後に収集された実施例5の化合物の試料について、予想外に高い濃度に起因して追加の10倍希釈を行った(5μlの分析試料 + 45μlの沈殿したブランク血漿)。
【0314】
分析方法
機器:Waters Acquity UPLC + Waters TQ-Sトリプル四重極MS;カラム:プレカラムフィルターを有するWaters Acquity HSS T3(2.1×50mm、1.8μm)カラム;勾配溶出;A=0.1%ギ酸、B=アセトニトリル
【0315】
【表17】
【0316】
温度:40℃;注入体積:脳について1.5μl、血漿について4μl;イオン供給源:ESI+;キャピラリー電圧:3000V;供給源温度:150℃;脱溶媒和温度:650℃;コーンガス流:220L/hr;脱溶媒和ガス流:1200L/hr;ネブライザーガス流:7mL/分;コリジョンガス流:0.15mL/分;ソフトウェア:MassLynx 4.2
【0317】
【表18】
【0318】
結果
実施例5および6は0.1より高いKpuuを有し、血液脳関門を透過することを結果は示す。比較例1は0.1より低いKpuuを有し、血液脳関門透過を示さなかった。
【0319】
【表19】
【0320】
非結合分配係数(Kpuu)を血漿および脳における遊離化合物濃度の間の比として決定した:
【0321】
【数4】
【0322】
(式中、Cu,brain=脳における非結合濃度(C×Fub,brain);
C=定常状態における濃度;および
ub,plasma=血漿における非結合濃度(C×Fub)。
【0323】
CNS疾患の処置のために、Kpuuは0.1より高い値を有することが望ましく、これは、血漿中のある比率の非結合化合物が血液脳関門を透過することを指し示す。
【0324】
実施例146
Creoptix(GCI)法 - 配列番号4(マウスソルチリン)の使用
GCIアッセイは、タンパク質への小さい実体の結合を検出するために特に増強された理解される表面プラズモン共鳴方法論に基づく。表面に結合したタンパク質は、結合動態を生じさせる潜在的なリガンドを含有する溶液中に浸されて、KonおよびKoffレートの他に、Kが生成される。この方法論は、追加のトレーサーの使用を要求せず、既知のリガンドとの競合の要素ありまたはなしで使用され得る。
【0325】
試薬:
【表20】
【0326】
記載されるすべての緩衝液は0.2μmフィルター(製品番号:10300461、Nalgene)を使用して濾過し、使用に先立って15分間脱気した。
【0327】
25℃のフローセル温度を実験の全体を通じて使用した。
【0328】
チップのコンディショニングおよび固定化
予め設定されたコンディショニングウィザード(WAVE制御ソフトウェア)の注入:0.1Mボレート、1M NaCl(pH 9)、続いて0.2×ランニングバッファーの3回のスタートアップ注入を使用して0.2×濃度のランニングバッファー(ランニングバッファー組成:1XHBS-N、pH 7.4、3.4mM EDTA、1% DMSO)を使用してすべてのフローセルにわたり4PCHチップをコンディショニングした。
【0329】
緩衝液交換を行い、1×ランニングバッファー(1XHBS-N、pH 7.4、3.4mM EDTA、1% DMSO)を固定化手順の間に使用した:
EDC/NHS(1:1の比で混合)の初期注入を全4フローセルにわたり行ってリガンドのアミンカップリングのために表面を活性化させた。
【0330】
組換えソルチリンアリコートを手で急速に解凍させ、13,300rpmで10分間遠心分離した。10μg/mlタンパク質溶液を次にpH 5.0アセテート中で作製し、それぞれヒト、ヒト(フローセル2&3)、およびマウスソルチリンについてフローセル2、3および4に20分間1回注入し、続いて60秒の解離期間とした。
【0331】
50mM trisの最終の7分の不動態化注入をすべてのフローセルにわたり使用した。
【0332】
10μl/分の流速をすべてのコンディショニングおよび固定化サイクルのために使用した。
【0333】
迅速動態:中間結合剤
組み込まれた「中間結合剤」設定:100ul/分、45sのベースライン、25sの会合、300sの解離、5つ目の試料毎のブランクならびにDMSO補正(実験の開始および終了時の他に20サイクル毎の1.5% DMSO)を使用して1μMで化合物をスクリーニングした。10Hzの取得レートを実験の全体を通じて使用した。
【0334】
化合物を1μMの最終アッセイ濃度でスクリーニングし、最終DMSO濃度は1%であった。これを達成するために、化合物をDMSO中で10mMストックから100μM(100×最終アッセイ濃度)に希釈し、次にDMSOを含有しないランニングバッファー中に1:100で希釈して1μMの化合物の最終アッセイ濃度および1%の最終DMSO濃度[DMSO]を確立した。
【0335】
Bioshake機器を使用した1000rpmで60秒間のプレート振盪により化合物およびDMSOを混合した。
【0336】
100μl/分の流速を実験の全体を通じて使用した。
【0337】
データ評価:
標準的な1:1動態BioModelを使用してフィッティングされたデータを用いてGCI WAVE_controlソフトウェア中のRAPID動態分析ツールを使用してデータを評価した。
【0338】
【表21-1】
【0339】
【表21-2】
【0340】
本発明の化合物について、1.00E-4よりも低いKdを有することが有利である。本発明の実施例は、ソルチリンタンパク質に直接的に結合し、ならびにヒトおよびマウスの両方のソルチリンタンパク質に概して類似した方式で結合し、疾患の非ヒトモデルの開発のために有利であることを生成されたKデータは実証する。
【0341】
参考文献
Andersen, J et al., Identification of the first small-molecule ligand of the neuronal receptor sortilin and structure determination of the receptor-ligand complex. Acta Crystallogr D Biol Crystallogr (2014), 70(Pt 2), pp.451-460;
Baker, M.et al., Mutations in progranulin cause tau-negative frontotemporal dementia linked to chromosome 17. Nature (2006), 442(7105), pp. 916-919;
Brouwers, N.et al., Genetic variability in progranulin contributes to risk for clinically diagnosed Alzheimer disease. Neurology, (2008), 71(9), pp. 656-664;
Buttenshon, H.N. et al., Increased serum
levels of sortilin are associated with depression and correlated with BDNF and VEGF, Nature Translational Psychiatry (2015), 5(e677), pp. 1-7;
Carecchio, M., et al., Cerebrospinal fluid biomarkers in Progranulin mutations carriers. J Alzheimers Dis (2011), 27(4),
pp. 781-790;
Carrasquillo, M. et al.,. Genome-wide screen identifies rs646776 near sortilin as a regulator of progranulin levels in human plasma. Am J Hum Genet (2010), 87(6), pp. 890-897;
Chen, Z. Y.et al., Sortilin controls intracellular sorting of brain-derived neurotrophic factor to the regulated secretory pathway. J Neurosci (2005), 25(26), pp. 6156-6166;
Cruts, M. et al., Loss of progranulin function in frontotemporal lobar degeneration. Trends Genet (2008), 24(4), pp. 186-194;
【0342】
De Muynck, L. et al., The neurotrophic properties of progranulin depend on the granulin E domain but do not require sortilin binding. Neurobiol Aging (2013), 34(11), pp. 2541-2547;
Egashira, Y. et al., The growth factor progranulin attenuates neuronal injury induced by cerebral ischemia-reperfusion through the suppression of neutrophil recruitment. J Neuroinflammation (2013), 10, pp. 105;
Galimberti, D. et al.,. GRN variability contributes to sporadic frontotemporal lobar degeneration. J Alzheimers Dis (2010), 19(1), pp. 171-177;
Galimberti, D. et al.,. Progranulin as a
therapeutic target for dementia. Expert
Opin Ther Targets (2018), 22(7), pp. 579-585. doi:10.1080/14728222.2018.1487951Gao, A. et al., Implications of Sortilin
in Lipid Metabolism and Lipid Disorder Diseases. DNA and Cell Biology (2017), 36(12), pp.1050-1061;
Gass, J. et al., Progranulin regulates neuronal outgrowth independent of sortilin. Mol Neurodegener (2012), 7, pp. 33;
Gass, J. et al., Progranulin: an emerging target for FTLD therapies. Brain Res (2012), 1462, pp. 118-128;
Gijselinck, I., et al., Granulin mutations associated with frontotemporal lobar degeneration and related disorders: an update. Hum Mutat (2008), 29(12), pp. 1373-1386;
Goettsch, C., et al., Sortilin and Its Multiple Roles in Cardiovascular and Metabolic Diseases. Atherosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology (2017), 38(1),
pp. 19-25
【0343】
Jansen, P., et al., Roles for the pro-neurotrophin receptor sortilin in neuronal
development, aging and brain injury. Nature Neuroscience (2007), 10(11), pp.1449-1457;
Hu, F. et al., Sortilin-mediated endocytosis determines levels of the frontotemporal dementia protein, progranulin. Neuron (2010), 68(4), pp. 654-667;
Huang, G. et al., Insulin responsiveness
of glucose transporter 4 in 3T3-L1 cells depends on the presence of sortilin. Mol Biol Cell (2013), 24(19), pp.3115-3122;
Kaddai, V. et al. Involvement of TNF-α in abnormal adipocyte and muscle sortilin
expression in obese mice and humans. Diabetologia (2009) 52, pp. 932-940;
Kjolby, M.et al., Sort1, encoded by the cardiovascular risk locus 1p13.3, is a regulator of hepatic lipoprotein export.
Cell Metab (2010), 12(3), pp. 213-223;
Laird, A. S. et al., Progranulin is neurotrophic in vivo and protects against a mutant TDP-43 induced axonopathy. PLoS One (2010), 5(10), e13368;
Lee, W. et al., Targeted manipulation of
the sortilin-progranulin axis rescues progranulin haploinsufficiency. Hum Mol Genet (2014), 23(6), pp. 1467-1478;
Martens, L.et al., Progranulin deficiency promotes neuroinflammation and neuron loss following toxin-induced injury. J Clin Invest (2012), 122(11), pp. 3955-3959;
Mazella, J. et al., The 100-kDa neurotensin receptor is gp95/sortilin, a non-G-protein-coupled receptor. J Biol Chem (1998), 273(41), pp. 26273-26276;
Miyakawa, S. et al, Anti-sortilin1 Antibody Up-Regulates Progranulin via Sortilin1 Down-Regulation. Front Neurosci (2020), 14, pp. 586107;
【0344】
Moller et al. Sortilin as a Biomarker for Cardiovascular Disease Revisited. Frontiers in Cardiovascular Medicine (2021),
8, 652584;
Mortensen, M.B. et al., Targeting sortilin in immune cells reduces proinflammatory cytokines and atherosclerosis. J Clin
Invest (2014), 124(12), pp. 5317-5322;
Nykjaer, A et al., Sortilin is essential
for proNGF-induced neuronal cell death.
Nature (2014), 427(6977), pp. 843-848;
Nykjaer, A., & Willnow, T. E, Sortilin: a receptor to regulate neuronal viability and function. Trends Neurosci (2012), 35(4), pp. 261-270.
Oh, T.J. et al., Circulating sortilin level as a potential biomarker for coronary atherosclerosis and diabetes mellitus.
Cardiovascular Diabetology (2017), 16(92);
Pan, X. et al., Sortilin and retromer mediate retrograde transport of Glut4 in 3T3-L1 adipocytes. Mol Biol Cell (2017), 28(12), pp.1667-1675;
Petersen, C. et al., Molecular identification of a novel candidate sorting receptor purified from human brain by recepto
r-associated protein affinity chromatography. J Biol Chem (1997), 272(6), pp. 3599-3605;
Pickford, F.et al., Progranulin is a chemoattractant for microglia and stimulates their endocytic activity. Am J Pathol (2011), 178(1), pp. 284-295;
Pottier, C., et al., Potential genetic modifiers of disease risk and age at onset in patients with frontotemporal lobar degeneration and GRN mutations: a genome-wide association study. Lancet Neurol (2018), 17(6), pp. 548-558;
【0345】
Quistgaard, E. et al., Ligands bind to Sortilin in the tunnel of a ten-bladed beta-propeller domain. Nat Struct Mol Biol
(2009), 16(1), pp. 96-98;
Santos, A. M. et al., Sortilin Participates in Light-dependent Photoreceptor Degeneration in Vivo. PLoS ONE (2012), 7(4), pp. e36243-e36243.16. Kuruvilla, R. et
al., A neurotrophin signaling cascade coordinates sympathetic neuron development through differential control of TrkA trafficking and retrograde signalling. Cell (2004), 118(2), pp. 243-255;
Shi, J. & Kandror, K. V., Sortilin Is Essential and Sufficient for the Formation
of Glut4 Storage Vesicles in 3T3-L1 Adipocytes. Developmental Cell (2005), 9, pp. 99-108;
Schroder, T. et al., The identification of AF38469: an orally bioavailable inhibitor of the VPS10P family sorting receptor Sortilin. Bioorg Med Chem Lett (2014), 24(1), pp. 177-180;
Sheng, J. et al., Progranulin polymorphism rs5848 is associated with increased risk of Alzheimer’s disease. Gene (2014),
542(2), pp. 141-145;Skeldal, S. et al.,
Mapping of the Interaction Site between
Sortilin and the p75 Neurotrophin Receptor Reveals a Regulatory Role for the Sortilin Intracellular Domain in p75 Neurotrophin Receptor Shedding and Apoptosis.
J Biol Chem (2012), 21(287), pp. 43798-43809;
Tauris, J., et al., Proneurotrophin-3 May Induce Sortilin-Dependent Death In Inn
er Ear Neurons. Eur J Neuroscience (2020), 33(4), pp.622-31;
【0346】
Tang, W. et al., The growth factor progranulin binds to TNF receptors and is therapeutic against inflammatory arthritis in mice. Science (2011), 332(6028), pp. 478-484;
Tao, J.et al., Neuroprotective effects of progranulin in ischemic mice. Brain Res (2012), 1436, pp. 130-136;
Tenk, H.K., et al., ProBDNF induces neuronal apoptosis via activation of a receptor complex of p75NTR and sortilin. J Neuroscience (2005), 10(11), pp.1449-1457
Van Kampen, J. M., et al., Progranulin gene delivery protects dopaminergic neurons in a mouse model of Parkinson’s disease. PLoS One (2014), 9(5), e97032;
Willnow, T. E.et al., VPS10P-domain receptors - regulators of neuronal viability
and function. Nat Rev Neurosci (2008), 9(12), pp. 899-909;
Willnow, T.E., et al., Sortilins: new players in lipoprotein metabolism. Current
Opinion in Lipidology (2011), 22(2), pp. 79-85.
Wuts, P.G.M. and Greene, T.W, Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, John Wiley and Sons, New York (2006);
【0347】
Xu, S.H. et al., Regional and Cellular Mapping of Sortilin Immunoreactivity in Adult Human Brain, Frotiers in Neuroanatomy (2019), 13(31), pp. 1-27;
Yano, H., et al., Proneurotrophin-3 is a
neuronal apoptotic ligand: evidence for
retrograde-directed cell killing. J Neurosci (2009), 29(47), pp. 14790-14802;
Yin, F., et al., Exaggerated inflammation, impaired host defense, and neuropathology in progranulin-deficient mice. J Exp Med (2010), 207(1), pp. 117-128;
Zheng, Y., et al., C-terminus of progranulin interacts with the beta-propeller region of sortilin to regulate progranulin trafficking. PLoS One (2011), 6(6), e21023;
Zhou, X. et al., Prosaposin facilitates
sortilin-independent lysosomal trafficking of progranulin. J Cell Biol (2015), 210(6), pp. 991-1002;
Meneses et al., TDP-43 Pathology in Alzheimer’s Disease, Mol Neurodegeneration (2021), 16, 84;
Prudencio et al., Misregulation of human
sortilin splicing leads to the generation of a nonfunctional progranulin receptor, Proc Natl Acad Sci U S A (2012), 109(52): 21510-21515;
Beel et al., Progranulin reduces insoluble TDP-43 levels, slows down axonal degeneration and prolongs survival in mutant
TDP-43 mice, Mol Neurodegener. (2018), 13: 55.
【0348】
本明細書の全体を通じて参照され、および本明細書の部分を形成する配列
配列番号1(全長ソルチリン- アイソフォーム1)
1 MERPWGAADG LSRWPHGLGL LLLLQLLPPS TLSQDRLDAP PPPAAPLPRW
51 SGPIGVSWGL RAAAAGGAFP RGGRWRRSAP GEDEECGRVR DFVAKLANNT
101 HQHVFDDLRG SVSLSWVGDS TGVILVLTTF HVPLVIMTFG QSKLYRSEDY
151 GKNFKDITDL INNTFIRTEF GMAIGPENSG KVVLTAEVSG GSRGGRIFRS
201 SDFAKNFVQT DLPFHPLTQM MYSPQNSDYL LALSTENGLW VSKNFGGKWE
251 EIHKAVCLAK WGSDNTIFFT TYANGSCKAD LGALELWRTS DLGKSFKTIG
301 VKIYSFGLGG RFLFASVMAD KDTTRRIHVS TDQGDTWSMA QLPSVGQEQF
351 YSILAANDDM VFMHVDEPGD TGFGTIFTSD DRGIVYSKSL DRHLYTTTGG
401 ETDFTNVTSL RGVYITSVLS EDNSIQTMIT FDQGGRWTHL RKPENSECDA
451 TAKNKNECSL HIHASYSISQ KLNVPMAPLS EPNAVGIVIA HGSVGDAISV
501 MVPDVYISDD GGYSWTKMLE GPHYYTILDS GGIIVAIEHS SRPINVIKFS
551 TDEGQCWQTY TFTRDPIYFT GLASEPGARS MNISIWGFTE SFLTSQWVSY
601 TIDFKDILER NCEEKDYTIW LAHSTDPEDY EDGCILGYKE QFLRLRKSSM
651 CQNGRDYVVT KQPSICLCSL EDFLCDFGYY RPENDSKCVE QPELKGHDLE
701 FCLYGREEHL TTNGYRKIPG DKCQGGVNPV REVKDLKKKC TSNFLSPEKQ
751 NSKSNSVPII LAIVGLMLVT VVAGVLIVKK YVC
GGRFLVH RYSVLQQHAE
801 ANGVDGVDAL DTASHTNKSG YHDDSDEDLL E
【0349】
配列番号2(全長ソルチリン - アイソフォーム2)
1 MERPWGAADG LSRWPHGLGL LLLLQLLPPS TLSQDRLDAP PPPAAPLPRW
51 SGPIGVSWGL RAAAAGGAFP RGGRWRRSAP GEDEECGRVR DFVAKLANNT
101 HQHVFDDLRG SVSLSWVGDS TGVILVLTTF HVPLVIMTFG QSKLYRSEDY
151 GKNFKDITDL INNTFIRTEF GMAIGPENSG KVVLTAEVSG GSRGGRIFRS
201 SDFAKNFVQT DLPFHPLTQM MYSPQNSDYL LALSTENGLW VSKNFGGKWE
251 EIHKAVCLAK WGSDNTIFFT TYANGSCTDL GALELWRTSD LGKSFKTIGV
301 KIYSFGLGGR FLFASVMADK DTTRRIHVST DQGDTWSMAQ LPSVGQEQFY
351 SILAANDDMV FMHVDEPGDT GFGTIFTSDD RGIVYSKSLD RHLYTTTGGE
401 TDFTNVTSLR GVYITSVLSE DNSIQTMITF DQGGRWTHLR KPENSECDAT
451 AKNKNECSLH IHASYSISQK LNVPMAPLSE PNAVGIVIAH GSVGDAISVM
501 VPDVYISDDG GYSWTKMLEG PHYYTILDSG GIIVAIEHSS RPINVIKFST
551 DEGQCWQTYT FTRDPIYFTG LASEPGARSM NISIWGFTES FLTSQWVSYT
601 IDFKDILERN CEEKDYTIWL AHSTDPEDYE DGCILGYKEQ FLRLRKSSVC
651 QNGRDYVVTK QPSICLCSLE DFLCDFGYYR PENDSKCVEQ PELKGHDLEF
701 CLYGREEHLT TNGYRKIPGD KCQGGVNPVR EVKDLKKKCT SNFLSPEKQN
751 SKSNSVPIIL AIVGLMLVTV VAGVLIVKKY VCGGRFLVHR YSVLQQHAEA
801 NGVDGVDALD TASHTNKSGY HDDSDEDLLE
【0350】
配列番号3(成熟ソルチリン)
1 MTFGQSKLYR SEDYGKNFKD ITDLINNTFI RTEFGMAIGP ENSGKVVLTA
51 EVSGGSRGGR IFRSSDFAKN FVQTDLPFHP LTQMMYSPQN SDYLLALSTE
101 NGLWVSKNFG GKWEEIHKAV CLAKWGSDNT IFFTTYANGS CTDLGALELW
151 RTSDLGKSFK TIGVKIYSFG LGGRFLFASV MADKDTTRRI HVSTDQGDTW
201 SMAQLPSVGQ EQFYSILAAN DDMVFMHVDE PGDTGFGTIF TSDDRGIVYS
251 KSLDRHLYTT TGGETDFTNV TSLRGVYITS VLS
EDNSIQT MITFDQGGRW
301 THLRKPENSE CDATAKNKNE CSLHIHASYS ISQKLNVPMA PLSEPNAVGI
361 VIAHGSVGDA ISVMVPDVYI SDDGGYSWTK MLEGPHYYTI LDSGGIIVAI
401 EHSSRPINVI KFSTDEGQCW QTYTFTRDPI YFTGLASEPG ARSMNISIWG
451 FTESFLTSQW VSYTIDFKDI LERNCEEKDY TIWLAHSTDP EDYEDGCILG
501 YKEQFLRLRK SSVCQNGRDY VVTKQPSICL CSLEDFLCDF GYYRPENDSK
551 CVEQPELKGH DLEFCLYGRE EHLTTNGYRK IPGDKCQGGV NPVREVKDLK
601 KKCTSNFLSP EKQNSKSNSV PIILAIVGLM LVTVVAGVLI VKKYVCGGRF
651 LVHRYSVLQQ HAEANGVDGV DALDTASHTN KSGYHDDSDE DLLE
【0351】
配列番号4(マウスソルチリン)
>sp|Q6PHU5|SORT_MOUSE Sortilin OS=Mus musculus OX=10090 GN=Sort1 PE=1 SV=1
MERPRGAADGLLRWPLGLLLLLQLLPPAAVGQDRLDAPPPPAPPLLRWAGPVGVSWGLRA
AAPGGPVPRAGRWRRGAPAEDQDCGRLPDFIAKLTNNTHQHVFDDLSGSVSLSWVGDSTG
VILVLTTFQVPLVIVSFGQSKLYRSEDYGKNFKDITNLINNTFIRTEFGMAIGPENSGKV
ILTAEVSGGSRGGRVFRSSDFAKNFVQTDLPFHPLTQMMYSPQNSDYLLALSTENGLWVS
KNFGEKWEEIHKAVCLAKWGPNNIIFFTTHVNGSCKADLGALELWRTSDLGKTFKTIGVK
IYSFGLGGRFLFASVMADKDTTRRIHVSTDQGDTWSMAQLPSVGQEQFYSILAANEDMVF
MHVDEPGDTGFGTIFTSDDRGIVYSKSLDRHLYTTTGGETDFTNVTSLRGVYITSTLSED
NSIQSMITFDQGGRWEHLRKPENSKCDATAKNKNECSLHIHASYSISQKLNVPMAPLSEP
NAVGIVIAHGSVGDAISVMVPDVYISDDGGYSWAKMLEGPHYYTILDSGGIIVAIEHSNR
PINVIKFSTDEGQCWQSYVFTQEPIYFTGLASEPGARSMNISIWGFTESFITRQWVSYTV
DFKDILERNCEEDDYTTWLAHSTDPGDYKDGCILGYKEQFLRLRKSSVCQNGRDYVVAKQ
PSVCPCSLEDFLCDFGYFRPENASECVEQPELKGHELEFCLYGKEEHLTTNGYRKIPGDK
CQGGMNPAREVKDLKKKCTSNFLNPTKQNSKSNSVPIILAIVGLMLVTVVAGVLIVKKYV
CGGRFLVHRYSVLQQHAEADGVEALDSTSHAKSGYHDDSDEDLLE
【配列表】
2024537619000001.xml
【国際調査報告】