(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】予測のためにデータの前処理を改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20241008BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20241008BHJP
H04L 67/10 20220101ALI20241008BHJP
H04L 67/565 20220101ALI20241008BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q10/04
H04L67/10
H04L67/565
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024515618
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022043453
(87)【国際公開番号】W WO2023043788
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523074490
【氏名又は名称】ジェネシス クラウド サービシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラン、チトラ
(72)【発明者】
【氏名】ブリントン、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァスタヴァ、ヴィカス
(72)【発明者】
【氏名】フィコ、チャールズ、ディー.
【テーマコード(参考)】
5K201
5L010
【Fターム(参考)】
5K201BA11
5K201CC01
5K201DC04
5K201EC09
5L010AA04
(57)【要約】
一実施形態による予測のためにデータを事前処理するためのオンプレミスシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、複数の命令を記憶した少なくとも1つのメモリと、を備え、命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応じて、オンプレミスシステムに、クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を決定することと、ソース間隔について時間単位当たりの第1のインタラクション数と、デスティネーション間隔における第2の時間単位数とに基づいて、デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することと、を行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測のためにデータを前処理するためのオンプレミスシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
複数の命令を記憶した少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによる実行に応じて、前記オンプレミスシステムに、
クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、
ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、
デスティネーション間隔における第2の時間単位数を決定することと、
前記ソース間隔についての時間単位当たりの前記第1のインタラクション数と、前記デスティネーション間隔における前記第2の時間単位数とに基づいて、前記デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することと、を行わせる、オンプレミスシステム。
【請求項2】
コンタクトセンターシステムを更に備え、
前記コンタクトセンターシステムは、前記少なくとも1つのプロセッサと前記少なくとも1つのメモリとを備える、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項3】
前記第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項4】
前記第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項5】
前記第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項6】
前記デスティネーション間隔における前記第3のインタラクション数を決定することは、前記ソース間隔についての時間単位当たりの前記第1のインタラクション数に、前記デスティネーション間隔における前記第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項7】
前記デスティネーション間隔は、15分の時間間隔である、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項8】
前記クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する前記要求を受信することは、前記オンプレミスシステムから前記クラウドシステムに前記データを移行する要求を受信することを含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項9】
予測のためにデータを前処理するためのシステムであって、
(i)ユーザデバイスからコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、(ii)入力間隔について時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、(iii)出力間隔における第2の時間単位数を決定することと、(iv)前記入力間隔について時間単位当たりの前記第1のインタラクション数と、前記出力間隔における前記第2の時間単位数とに基づいて、前記出力間隔における第3のインタラクション数決定することと、を行うように構成されたオンプレミスシステムと、
前記出力間隔における前記第3のインタラクション数に基づいて、コンタクトセンターシステムデータを予測するように構成されたクラウドシステムと、を備える、システム。
【請求項10】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記出力間隔における前記第3のインタラクション数を決定することは、前記入力間隔について時間単位当たりの前記第1のインタラクション数に、前記出力間隔における前記第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記出力間隔は、15分の時間間隔である、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
予測のためにデータを前処理するための方法であって、
オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を決定することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、前記ソース間隔についての時間単位当たりの前記第1のインタラクション数と、前記デスティネーション間隔における前記第2の時間単位数とに基づいて、前記デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記デスティネーション間隔における前記第3のインタラクション数を決定することは、前記ソース間隔についての時間単位当たりの前記第1のインタラクション数に、前記デスティネーション間隔における前記第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記デスティネーション間隔は、15分の時間間隔である、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月14日に出願された米国非仮特許出願第17/474,791号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
予測及び/又は他の目的のためにデータを分析する多くのコンピューティングシステムは、データが特定の間隔(例えば、15分の時間間隔)にセグメント化され、明示的なインデックスで供給されることを必要とする。しかしながら、分析のためのデータが取り出されるデータソースが、異なる及び/又は一貫性のない間隔に従ってセグメント化されたデータを処理及び/又は記憶することは一般的である。データは、予測及び/又は他の処理を実行する分析コンピューティングシステムの予想されるセグメント化パラメータと一致するように前処理されなければならない。従来、システムは、データ内に「線を引いて」、複数の予期される間隔にわたるデータを対応する間隔に分割する。しかしながら、そのようなアプローチは、データがしばしば誤った間隔又は「バケット」に入るという点で不十分である。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態は、予測のためにデータを処理するための独自のシステム、構成要素、及び方法を対象とする。他の実施形態は、予測のためのデータを処理するための装置、システム、デバイス、ハードウェア、方法、及びそれらの組み合わせを対象とする。
【0004】
一実施形態によれば、予測のためにデータを前処理するためのオンプレミスシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、複数の命令を記憶した少なくとも1つのメモリと、を備え得、命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応じて、オンプレミスシステムに、クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を決定することと、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数と、デスティネーション間隔における第2の時間単位数とに基づいて、デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することと、を行わせる。
【0005】
いくつかの実施形態では、オンプレミスシステムは、コンタクトセンターシステムを更に含んでもよく、コンタクトセンターシステムは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数であり得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数であり得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定させることは、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数に、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を乗算させることを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、デスティネーション間隔は15分の時間間隔であってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することは、オンプレミスシステムからクラウドシステムにデータを移行する要求を受信することを含み得る。
【0012】
別の実施形態によれば、予測のためにデータを前処理するためのシステムは、ユーザデバイスからコンタクトセンターデータを予測する要求を受信し、入力間隔について時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定し、出力間隔における第2の時間単位数を決定し、入力間隔について時間単位当たりの第1のインタラクション数と、出力間隔における第2の時間単位数とに基づいて、出力間隔における第3のインタラクション数を決定するように構成されたオンプレミスシステムと、出力間隔における第3のインタラクション数に基づいて、コンタクトセンターシステムデータを予測するように構成されたクラウドシステムと、を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数であり得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数であり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間であり得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、出力間隔における第3のインタラクション数を決定することは、入力間隔について時間単位当たりの第1のインタラクション数に、出力間隔における第2の時間単位数を乗算することを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、出力間隔は15分の時間間隔であってもよい。
【0018】
更に別の実施形態によれば、予測のためにデータを前処理するための方法は、オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、クラウドシステムを使用してコンタクトセンターデータを予測する要求を受信することと、オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数を決定することと、オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を決定することと、オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数と、デスティネーション間隔における第2の時間単位数とに基づいて、デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することと、を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間であり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、デスティネーション間隔における第3のインタラクション数を決定することは、ソース間隔についての時間単位当たりの第1のインタラクション数に、デスティネーション間隔における第2の時間単位数を乗算することを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、デスティネーション間隔は15分の時間間隔であってもよい。
【0024】
この概要は、特許請求される主題の重要な又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定する助けとして使用されることも意図されていない。本出願の更なる実施形態、形態、特徴、及び態様は、本明細書とともに提供される説明及び図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書に説明される概念は、例として例示的なものであり、添付の図面における限定としてではない。例示を単純かつ明確にするために、図に例示される要素は、必ずしも縮尺通りに描画されていない。適切であると考えられる場合、参照ラベルは、対応する又は類似の要素を示すために図面間で繰り返されている。
【
図1】予測のためにデータを前処理するためのシステム及び方法の少なくとも1つの実施形態の簡略化されたシステムフロー図である。
【
図2】コールセンターシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図である。
【
図3】コンピューティングシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図である。
【
図4】予測のためにデータを前処理するための擬似コードの少なくとも1つの実施形態を示す図である。
【
図5】予測のためにデータを前処理するための擬似コードの少なくとも1つの実施形態を示す図である。
【
図6】予測のためにデータを前処理するための擬似コードの少なくとも1つの実施形態を示す図である。
【
図7】予測のためにデータを前処理するための擬似コードの少なくとも1つの他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態の余地があるが、具体的な実施形態が図面に例として示されており、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、その意図は、本開示及び添付の特許請求の範囲と一致する全ての修正、等価物、及び代替物を網羅することであることを理解されたい。
【0027】
「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」などの本明細書における言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ず含む場合があるか、又は含まない場合があることを示す。更に、かかる句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。「好ましい」構成要素又は特徴への言及は、一実施形態に関する特定の構成要素又は特徴の望ましいことを示すことができるが、本開示は、そのような構成要素又は特徴を省略し得る他の実施形態に関してそのように限定するものではないことを更に理解されたい。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して説明される場合、明確に説明されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への実装は、当業者の知見内であるものとする。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、様々な実施形態において、任意の好適な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせで組み合わされ得る。
【0028】
更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」の形態のリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A、B、及びC)を意味することができることを理解されたい。同様に、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」の形態で列挙された項目は、(A)(B)、(C)、(A及びB)、(B及びC)、(A及びC)、又は(A、B、及びC)を意味することができることを理解されたい。更に、特許請求の範囲に関して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び/又は「少なくとも1つの部分(at least one portion)」などの語及び句の使用は、具体的に反対のことが述べられていない限り、そのような要素の1つのみに限定されるように解釈されるべきではなく、「少なくとも一部の(at least a portion)」及び/又は「一部の(a portion)」などの句の使用は、具体的なに反対のことが述べられていない限り、そのような要素の一部のみを含む実施形態及びそのような要素の全体を含む実施形態の両方を包含するように解釈されるべきである。
【0029】
開示された実施形態は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。開示された実施形態はまた、1つ以上のプロセッサによって読み取られ実行され得る1つ以上の一時的又は非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)記憶媒体によって実行されるか又は記憶される命令として実装され得る。機械可読記憶媒体は、機械(例えば、揮発性若しくは不揮発性メモリ、メディアディスク、又は他のメディアデバイス)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の記憶デバイス、機構、又は他の物理的構造として具現化され得る。
【0030】
図面では、いくつかの構造的又は方法的特徴は、具体的な配置及び/又は順序付けで示され得る。しかしながら、そのような具体的な配置及び/又は順序付けは必要とされない場合があることを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、反対のことが示されていない限り、例示的な図面に示されているものとは異なる方法及び/又は順序で配置され得る。更に、特定の図に構造的又は方法的特徴を含めることは、そのような特徴が全ての実施形態で必要とされることを意味するものではなく、いくつかの実施形態では、含まれない場合があるか、又は他の特徴と組み合わされる場合がある。
【0031】
ここで
図1を参照すると、予測のためにデータを前処理するためのシステム100及び方法101のシステムフロー図が示されている。例示的なシステム100は、オンプレミスシステム102、クラウドシステム104、及びユーザ106を含む。加えて、図示のように、例示的なオンプレミスシステム102は、インタラクションオプティマイザ108及びオンプレミスデータ記憶装置110を含み、例示的なクラウドシステム104は、クラウドアップロードサービス112、クラウドデータ記憶装置114、及びクラウドデータ処理サービス116を含む。1つのオンプレミスシステム102、1つのクラウドシステム104、1つのユーザ106、1つのインタラクションオプティマイザ108、1つのオンプレミスデータ記憶装置110、1つのクラウドアップロードサービス112、1つのクラウドデータ記憶装置114、及び1つのクラウドデータ処理サービス116のみが
図1の例示的な実施形態に示されているが、他の実施形態では、システム100は、複数のオンプレミスシステム102、複数のクラウドシステム104、複数のユーザ106、複数のインタラクションオプティマイザ108、複数のオンプレミスデータ記憶装置110、複数のクラウドアップロードサービス112、複数のクラウドデータ記憶装置114、及び/又は複数のクラウドデータ処理サービス116を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、同じクラウドシステム104が、複数のオンプレミスシステム102からのデータを処理するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステム、サービス、及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、システム100から除外され得、独立しているものとして説明されるシステム、サービス、及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、別のシステム、サービス、及び/又は構成要素の一部を形成し得、かつ/又はシステム、サービス、及び/若しくは構成要素のうちの1つ以上の特徴は、独立し得る。
【0032】
オンプレミスシステム102、クラウドシステム104、ユーザ106(又はより具体的には、ユーザデバイス)、インタラクションオプティマイザ108、オンプレミスデータ記憶装置110、クラウドアップロードサービス112、クラウドデータ記憶装置114、及びクラウドデータ処理サービス116の各々は、本明細書で説明される機能を実行するのに適した任意のタイプのデバイス/システム、デバイス/システムの集合、及び/又はそれらの部分(例えば、
図3のコンピューティングデバイス300)として具現化され、それらによって実行され、それらの一部を形成し、又はそれらに関連付けられ得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態では、システム100及び/又はその一部は、以下に説明されるようなクラウドベースのシステムとして具現化されてもよい。いくつかの実施形態では、システム100の1つ以上の特徴は、
図2のコンタクトセンターシステム200と同様のコンタクトセンターシステムの一部を形成するか、又はそれを伴ってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、オンプレミスシステム102は、コンタクトセンターシステム200等のコンタクトセンターシステムの一部を形成し得るか、又はそれと通信可能に結合され得る。
【0033】
オンプレミスシステム102は、顧客のコンピューティング環境(すなわち、オンプレミス)に対してローカルなシステムとして本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、オンプレミスシステム102の一部が顧客のコンピューティング環境に対してリモートであってもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、オンプレミスシステム102は、特定の顧客のために展開される「クローズドクラウド」システムとして具現化され得る。更に、クラウドシステム104は、本明細書ではクラウドベースのコンピューティングシステムとして説明されるが、システム104は、他の実施形態では、クラウドコンピューティング環境の外部に位置付けられる1つ以上のデバイス/システムを含み得ることを理解されたい。
【0034】
本明細書で説明する技術は、予測及び/又は他の処理のためのデータの前処理を可能にすることを理解されたい。例えば、以下でより詳細に説明されるように、システム100は、オンプレミスシステム102(例えば、コンタクトセンターシステム200に関連付けられた)から、様々な間隔(本明細書で説明される技術の目的のために任意であり得る)にセグメント化されたデータを収集し、データをクラウドシステム104によって予想される所定の間隔セット(例えば、15分間隔)にセグメント化するために、データの前処理を実行し得る。前処理されたデータは、予測及び/又は他の処理のためにクラウドシステム104に送信されてもよい。いくつかの実施形態では、収集及び処理されるデータは、(例えば、コンタクトセンターシステム内の)エージェントに与えられたコールの数、エージェントによって取り扱われたコールの数、コール後作業(例えば、コールに関連付けられたフォームを完了すること)を含む総処理時間、コール後時間、及び/又は他のデータを含んでもよい。更に、データはインタラクションとして記述されてもよいことを理解されたい。
【0035】
使用中、システム100は、予測のためにデータを前処理するための
図1の方法101を実行することができる。図示のように、例示的な方法101は、フロー150~160を含む。方法101の特定のフローは、例として示されており、そのようなブロックは、反対のことが述べられていない限り、特定の実施形態に応じて、全体的又は部分的に組み合わされ、又は分割され、追加され、又は除去され、及び/又は並べ替えられ得ることを理解されたい。
【0036】
例示的な方法101は、フロー150で始まり、ユーザ106は、予測及び/又は他の処理のためにオンプレミスシステム102からクラウドシステム104にデータが転送されることを要求する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザ106は、インタラクションデータをクラウドシステム104にプリロードするために履歴データ転送を要求し、これは、クラウドシステム104内のインタラクションボリュームを予測するための予備データを提供する。いくつかの実施形態では、要求は、永続的なクラウドベースの動作のためにオンプレミスデータがクラウドシステム104に転送されることを要求するために、1回限りの動作(又は低頻度の動作)として生じ得る。例えば、いくつかの実施形態では、1回限りの動作は、顧客をオンプレミス労働力管理システムからクラウドベースのシステムに移行させることと併せて実行されてもよい。他の実施形態では、ユーザ106は、ユーザインターフェースを介してオンデマンドで要求を所望の回数行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、顧客は、オンプレミスシステム102の使用を維持するが、オンプレミスシステム102のユーザ106にアクセス可能なユーザインターフェースを介してクラウドシステム104の予測アルゴリズムを活用してもよい。
【0037】
フロー152において、オンプレミスシステム102のインタラクションオプティマイザ108は、オンプレミスデータ記憶装置110(例えば、顧客データベース)に記憶されたデータにアクセスし、本明細書で説明されるような予測のための前処理を実行する。例えば、
図4~
図6の擬似コードは、予測のためにデータを前処理する少なくとも1つの実施形態を記述し、
図7の擬似コードは、予測のためにデータを前処理する少なくとも1つの他の実施形態を記述する。上述したように、いくつかの実施形態では、読まれるデータは、(例えば、コンタクトセンターシステム200内の)エージェントに与えられたコールの数、(例えば、コンタクトセンターシステム200内の)エージェントによって取り扱われたコールの数、及びコール後作業を含むエージェントによる総コール処理時間を含むことを理解されたい。他の実施形態では、データは、エージェントのコール後時間(例えば、コール中処理時間を除く)及び/又はコールセンター予測に関連する他のデータを含み得る。
【0038】
例示的な実施形態では、クラウドシステム104の予測アルゴリズムは、データが、明示的な時間インデックス(例えば、時間における00、154、30、及び45の分間隔)で供給される15分間隔にセグメント化されることを必要とする。しかしながら、上述したように、オンプレミスシステム102は、(例えば、顧客の裁量で)別のフォーマットでデータを記憶してもよい。したがって、インタラクションオプティマイザ108は、データを事前処理して、データをソースフォーマット(例えば、オンプレミスシステム102の間隔を有する)からクラウドシステム104の15分間隔セグメント化に変換し、例示的な実施形態では、インタラクションオプティマイザ108は、ソースデータ間隔が任意の期間にわたって一貫していると仮定することなく、それを行う。例示的な実施形態は15分間隔を伴うが、クラウドシステム104は、他の実施形態において異なる長さの間隔を利用してもよいことを理解されたい。
【0039】
前処理を実行するための自然なステップは、1時間にわたってデータを平均化し、例えば、1時間のデータの全てを合計し、4分の1時間間隔に一致するようにデータを4つのブロックに分割することによってデータの均一な分布を生成することを試みることであり得ることを理解されたい。しかしながら、そのようなアプローチは、データの適切な粒度を4分の1時間間隔に提供しない。調査の下で、均一分布を「破壊」し、不正確な予測をもたらす理論的データセットが特定された。
【0040】
ここで
図4~
図6を参照すると、予測のためにデータを前処理するための例示的な擬似コードが示されている。例示的な擬似コードは、コード自体と、コードの機能を記述するコメントとを含み、コメントは明確にするために太字テキストで示されている。例示的な実施形態では、前処理アルゴリズムは、本質的に、ソース/入力間隔の時間単位当たりのインタラクションの数を決定し、その数にデスティネーション/出力間隔の時間単位を乗算することを含む。例えば、擬似コードに対するコメントに記載されているように、オンプレミスシステム102のインタラクションオプティマイザ108は、次のソース/入力間隔を決定し、1分当たりのインタラクションの数を計算することができる。間隔が、第1の時間の5:30、次の時間の6:00、及び91の値(すなわち、その間隔内の91個のインタラクション)を有すると仮定する。次の間隔は30分として計算され、その間隔に基づく1分当たりのインタラクションの数は3.03(91インタラクション/30分=3.03)である。インタラクションを適切に配分するために、インタラクションオプティマイザ108は、新しいデスティネーション間隔(5:15~5:30、長さ15分)を決定し、1分当たりのインタラクションの数(3.03)に間隔長(15分)を乗算することによって配分されたインタラクションを計算し、45.5の値を得る。このコードは、統計における全ての項目が分析され、前処理されるまで、同様に継続する。言い換えれば、擬似コードは本質的に、オフセットがどこにあるか、及びデータを「バケット」にどのように入れるかを決定している。分析されるデータは、記憶されている集約データである。ある意味で、集約データは、新しい対応する間隔内のデータの適切な配分を決定するために、異なる間隔にわたって重み付けされる。
図7は、予測のためにデータを前処理するための擬似コードの少なくとも1つの他の実施形態を示す。
【0041】
以下に示す表1~3は、本明細書で説明する予測前処理アルゴリズム及び技法を開発する際に利用される例示的なデータを示す。特に、表1はサンプルデータを含む。表2は、ソートされた時系列(例えば、系列の間隔に対する制約なし)に対するサンプル入力データを含む。表3は、特定の厳密な時間間隔に対して分配/平滑化されるサンプル出力データを含む。
図4~
図6の擬似コードで説明したように、入力系列に欠損値がある場合、例示的な実施形態では、出力系列は、それらの間隔に対して-1でポピュレートされる。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
再び
図1を参照すると、フロー154において、オンプレミスシステム102のインタラクションオプティマイザ108は、前処理されたデータを、予測のためにクラウドシステム104のクラウドアップロードサービス112に送信する。特に、フロー156において、クラウドシステム104のクラウドアップロードサービス112は、(例えば、将来の予測及び/又は他の処理において使用するために)クラウドシステム104のクラウドデータ記憶装置114にデータを記憶してもよい。いくつかの実施形態では、クラウドデータ記憶装置114は、1つ以上のAWS S3バケットを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、クラウドデータ記憶装置114が他のタイプのクラウドベースのデータ記憶装置を含んでもよいことを理解されたい。
【0046】
フロー158において、クラウドシステム104のクラウドデータ処理サービス116は、クラウドデータ記憶装置114からデータを取り出し、与えられるインタラクションを生成し、処理時間を平均化するために予測を実行することができる。いくつかの実施形態では、予測は、別の事前定義された間隔に従って毎晩及び/又は周期的に実行され得る。上述したように、他の実施形態では、予測は、ユーザ106の要求に応じてオンデマンドで実行されてもよい。いくつかの実施形態では、フロー160において、オンプレミスシステム102のインタラクションオプティマイザ108は、インタラクションオプティマイザ108が予測データを取り出してオンプレミスデータ記憶装置110(例えば、顧客のオンプレミスデータベース)に記憶することができるように、処理/予測が完了したときに通知されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム100は、時系列データの中間記憶を省略し、オンザフライで時間間隔を直接生成し、結果を出力データ構造に記憶することによって、メモリ及び速度の改善を組み込み得ることを理解されたい。時系列データセットにわたる冗長な反復を除去することによって、追加の速度改善を得ることができる。例示的な実施形態では、メモリ記憶装置はO(2n*m)からO(1*m)に改善され(式中、mは時間間隔データセット)、速度はO(logn*m)からO(1*m)に改善された(式中、mは時間間隔データセット)。更に、特に時系列データセットにわたる反復に関連する、著しい一定時間速度の改善がある。より具体的には、あまり効率的でない方法では、システム100は、オンプレミスシステム102上のソースからデータを取得し、データをオンプレミスシステム102上のデータ構造に(例えば、オンプレミスデータ記憶装置110に)コピーし、データをクラウドアップロードサービス112にアップロードするための最終データ構造にコピーしてもよい。メモリ効率の良い方法では、データがソースからアップロードされる出力データ構造に送信されるように、中間データ構造を省略することができる。
【0048】
フロー150~160は、比較的直列的に説明されているが、方法101の様々なブロックは、いくつかの実施形態では、並列に実施され得ることを理解されたい。
【0049】
次に
図2を参照すると、本明細書に説明される実施形態のうちの1つ以上と併せて使用され得る、通信インフラストラクチャ及び/又はコンテンツセンターシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図が示されている。コンタクトセンターシステム200は、コンタクトセンターサービス(例えば、コールセンターサービス、チャットセンターサービス、SMSセンターサービスなど)をエンドユーザに提供すること、及び別様に本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意のシステムとして具現化され得る。例示的なコンタクトセンターシステム200は、顧客デバイス205、ネットワーク210、スイッチ/メディアゲートウェイ212、コールコントローラ214、双方向メディア応答(interactive media response、IMR)サーバ216、ルーティングサーバ218、記憶デバイス220、統計サーバ226、エージェントデバイス230A、230B、230C、メディアサーバ234、知識管理サーバ236、知識システム238、チャットサーバ240、ウェブサーバ242、インタラクション(iXn)サーバ244、ユニバーサルコンタクトサーバ246、レポーティングサーバ248、メディアサービスサーバ249、及び分析モジュール250を含む。
図2の例示的な実施形態には1つの顧客デバイス205、1つのネットワーク210、1つのスイッチ/メディアゲートウェイ212、1つのコールコントローラ214、1つのIMRサーバ216、1つのルーティングサーバ218、1つの記憶デバイス220、1つの統計サーバ226、1つのメディアサーバ234、1つの知識管理サーバ236、1つの知識システム238、1つのチャットサーバ240、1つのiXnサーバ244、1つのユニバーサルコンタクトサーバ246、1つのレポーティングサーバ248、1つのメディアサービスサーバ249、及び1つの分析モジュール250のみが示されているが、コンタクトセンターシステム200は、他の実施形態では、複数の顧客デバイス205、ネットワーク210、スイッチ/メディアゲートウェイ212、コールコントローラ214、IMRサーバ216、ルーティングサーバ218、記憶デバイス220、統計サーバ226、メディアサーバ234、知識管理サーバ236、知識システム238、チャットサーバ240、iXnサーバ244、ユニバーサルコンタクトサーバ246、レポーティングサーバ248、メディアサービスサーバ249、及び/又は分析モジュール250を含み得る。更に、いくつかの実施形態において、本明細書に説明される構成要素のうちの1つ以上は、システム200から除外され得、独立しているものとして説明されている構成要素のうちの1つ以上は、別の構成要素の一部分を形成し得、かつ/又は別の構成要素の一部分を形成するものとして説明されている構成要素のうちの1つ以上は、独立し得る。
【0050】
本明細書では、「コンタクトセンターシステム」という用語は、
図2に描写されるシステム及び/又はその構成要素を指すために使用される一方、「コンタクトセンター」という用語は、より一般的に、コンタクトセンターシステム、これらのシステムを動作させる顧客サービスプロバイダ、及び/又はそれらに関連付けられた組織若しくは企業を指すために使用されることを理解されたい。したがって、別途具体的に限定されない限り、「コンタクトセンター」という用語は、概して、コンタクトセンターシステム(コンタクトセンターシステム200など)、関連する顧客サービスプロバイダ(コンタクトセンターシステム200を通して顧客サービスを提供する特定の顧客サービスプロバイダなど)、並びに顧客サービスが代理で提供されている組織又は企業を指す。
【0051】
背景として、顧客サービスプロバイダは、コンタクトセンターを通して多くのタイプのサービスを提供し得る。そのようなコンタクトセンターには、従業員若しくは顧客サービスエージェント(又は単に「エージェント」)が配置され得、エージェントは、会社、企業、政府機関、又は組織(以下、互換的に「組織」又は「企業」と称される)と、ユーザ、個人、又は顧客などの人々(以下、互換的に「個人」又は「顧客」と称される)との間のインターフェースとして機能する。例えば、コンタクトセンターのエージェントは、購入の決定、注文の受け付け、又はすでに受け取った製品若しくはサービスに関する問題を解決する際に顧客を支援することができる。コンタクトセンター内で、コンタクトセンターエージェントと外部エンティティ又は顧客との間のそのようなインタラクションは、例えば、音声(例えば、電話コール又はボイスオーバーIP、すなわち、VoIPコール)、ビデオ(例えば、ビデオ会議)、テキスト(例えば、電子メール及びテキストチャット)、画面共有、コブラウジング、及び/又は他の通信チャネルなどの様々な通信チャネルを介して、行われ得る。
【0052】
運用上、コンタクトセンターは、一般に、コストを最小限に抑えながら、質の高いサービスを顧客に提供するように努力する。例えば、コンタクトセンターが動作する1つの方法が、ライブエージェントとの全顧客インタラクションを取り扱うことである。このアプローチは、サービス品質の観点から十分に成功し得る一方、エージェントの労働の高いコストに起因して、法外に高価となる可能性が高いであろう。このため、ほとんどのコンタクトセンターは、ライブエージェントの代わりに、例えば、双方向音声応答(interactive voice response、IVR)システム、双方向メディア応答(IMR)システム、インターネットロボット、すなわち、「ボット」、自動チャットモジュール、すなわち、「チャットボット」、及び/又は他の自動処理されたなどの、あるレベルの自動プロセスを利用する。多くの場合、これは、自動プロセスが、特定のタイプのインタラクションを取り扱うのに非常に効率的であり、ライブエージェントの必要性を低減するのに効果的であり得るため、成功戦略であることが証明されている。そのような自動化により、コンタクトセンターが、人間のエージェントの使用をより困難な顧客インタラクションに標的化することを可能にする一方で、自動プロセスは、より反復的又は日常的なタスクを取り扱う。更に、自動プロセスは、効率を最適化し、繰り返し性を促進する方法で構造化され得る。人間のエージェント、すなわち、ライブエージェントは、特定の質問について尋ねる、若しくは特定の詳細を徹底的に追及することを忘れ得るが、そのような誤りは、典型的には、自動プロセスの使用によって回避される。顧客サービスプロバイダは、顧客とインタラクションする自動プロセスにますます依存する一方、顧客によるそのような技術の使用は、はるかに未発達のままである。したがって、インタラクションのコンタクトセンター側では、IVRシステム、IMRシステム、及び/又はボットが使用されて、インタラクションの一部を自動化する一方、顧客側のアクションは、顧客が手動で実施する状態に留まっている。
【0053】
コンタクトセンターシステム200は、様々なタイプのサービスを顧客に提供するために、顧客サービスプロバイダによって使用され得ることを理解されたい。例えば、コンタクトセンターシステム200は、自動プロセス(若しくはボット)又は人間のエージェントが顧客と通信するインタラクションに関与し、かつそれを管理するために使用され得る。理解されるべきであるように、コンタクトセンターシステム200は、企業を通して利用可能な製品及びサービスに関連する販売及び顧客サービスの機能を実施するためのビジネス又は企業の社内施設であり得る。別の実施形態では、コンタクトセンターシステム200は、別の組織に代わって、サービスを提供するように契約するサードパーティサービスプロバイダによって運用され得る。更に、コンタクトセンターシステム200は、企業又はサードパーティサービスプロバイダ専用の機器上に展開され、かつ/又は、例えば、複数の企業のために複数のコンタクトセンターをサポートするためのインフラストラクチャを備えたプライベート若しくはパブリッククラウド環境などのリモートコンピューティング環境内に展開され得る。コンタクトセンターシステム200は、オンプレミスで若しくはリモートで、又はそれらの何らかの組み合わせで実行され得るソフトウェアアプリケーション若しくはプログラムを含み得る。更に、コンタクトセンターシステム200の様々な構成要素は、様々な地理的位置にわたって分散され得、必ずしも単一の場所又はコンピューティング環境に含まれるわけではないことを理解されたい。
【0054】
更に、特に別様に限定されない限り、本発明のコンピューティング要素のいずれかは、クラウドベース又はクラウドコンピューティング環境内に実装され得ることを理解されたい。本明細書で使用され、更にコンピューティングデバイス300に関連して以下に説明されるように、「クラウドコンピューティング」又は単に「クラウド」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、記憶装置、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのユビキタスで便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義され、これは、仮想化を介して迅速にプロビジョンされ、最小限の管理努力若しくはサービスプロバイダインタラクションでリリースされ、次いで、それに応じてスケーリングされ得る。クラウドコンピューティングは、様々な特性(例えば、オンデマンドセルフサービス、広域ネットワークアクセス、リソースプーリング、迅速な拡張性、測定可能なサービスなど)、サービスモデル(例えば、サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service、「SaaS」)、サービスとしてのプラットフォーム(Platform as a Service、「PaaS」)、サービスとしてのインフラストラクチャ(Infrastructure as a Service、「IaaS」)、及び配備モデル(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウドなど)で構成され得る。「サーバレスアーキテクチャ」としばしば称されるクラウド実行モデルは、一般に、所望の機能を達成するために、リモートサーバの割り当て及びプロビジョニングを動的に管理するサービスプロバイダを含む。
【0055】
図2に関連して説明されたコンピュータ実装構成要素、モジュール、又はサーバのいずれも、例えば、
図3のコンピューティングデバイス300などのコンピューティングデバイスのうちの1つ以上のタイプを介して実装され得ることを理解されたい。理解されるように、コンタクトセンターシステム200は、一般に、電話、電子メール、チャット、又は他の通信機構を介したサービスの配信を可能にするために、リソース(例えば、人材、コンピュータ、電気通信機器など)を管理する。そのようなサービスは、コンタクトセンターのタイプに応じて変化し得、例えば、顧客サービス、ヘルプデスク機能、緊急応答、テレマーケティング、受注、及び/又は他の特性を含み得る。
【0056】
コンタクトセンターシステム200からサービスを受けることを所望する顧客は、顧客デバイス205を介して、コンタクトセンターシステム200へのインバウンド通信(例えば、電話コール、電子メール、チャットなど)を開始し得る。
図2は、1つのそのような顧客デバイス、すなわち顧客デバイス205を示しているが、任意の数の顧客デバイス205が存在し得ることを理解されたい。顧客デバイス205は、例えば、電話、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、又はラップトップなどの通信デバイスであり得る。本明細書に説明される機能によれば、顧客は、一般に、顧客デバイス205を使用して、電話コール、電子メール、チャット、テキストメッセージ、ウェブブラウジングセッション、及び他のマルチメディアトランザクションなど、コンタクトセンターシステム200との通信を開始、管理、及び実行し得る。
【0057】
顧客デバイス205からの、及び顧客デバイス205へのインバウンド通信及びアウトバウンド通信は、典型的には、使用されている顧客デバイスのタイプ及び通信の形態に依存するネットワークの性質により、ネットワーク210を横断し得る。一例として、ネットワーク210としては、電話、セルラー方式、及び/又はデータサービスの通信ネットワークが挙げられ得る。ネットワーク210は、プライベート若しくは公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、プライベートワイドエリアネットワーク(private wide area network、WAN)、及び/又はインターネットなどのパブリックWANであり得る。更に、ネットワーク210は、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)ネットワーク、モバイル通信のためのグローバルシステム(global system for mobile communications、GSM)ネットワーク、又は3G、4G、LTE、5Gなどを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で慣用の任意の無線ネットワーク/技術を含む、無線キャリアネットワークを含み得る。
【0058】
スイッチ/メディアゲートウェイ212は、顧客とコンタクトセンターシステム200との間の電話コールを受信及び伝送するために、ネットワーク210に結合され得る。スイッチ/メディアゲートウェイ212としては、センター内でのエージェントレベルルーティングのための中央スイッチとして機能するように構成されている電話スイッチ又は通信スイッチが挙げられ得る。スイッチは、ハードウェアスイッチングシステムであるか、又はソフトウェアを介して実装され得る。例えば、スイッチ212は、自動コールディストリビュータ、構内交換機(private branch exchange、PBX)、IPベースのソフトウェアスイッチ、及び/若しくは顧客からインターネットソース型インタラクション並びに/又は電話網ソース型インタラクションを受信し、これらのインタラクションを、例えば、エージェントデバイス230のうちの1つにルーティングするように構成されている専用ハードウェア及びソフトウェアを有する任意の他のスイッチを含み得る。したがって、一般に、スイッチ/メディアゲートウェイ212は、顧客デバイス205とエージェントデバイス230との間の接続を確立することによって、顧客とエージェントとの間の音声接続を確立する。
【0059】
更に示すように、スイッチ/メディアゲートウェイ212は、例えば、コンタクトセンターシステム200のスイッチと他のルーティング、監視、及び通信処理構成要素との間のアダプタ又はインターフェース接続として機能するコールコントローラ214に結合され得る。コールコントローラ214は、PSTNコール、VoIPコール、及び/又は他のタイプのコールを処理するように構成され得る。例えば、コールコントローラ214は、スイッチ/メディアゲートウェイ及び他の構成要素とインターフェース接続するためのコンピュータ電話統合(computer-telephone integration、CTI)ソフトウェアを含み得る。コールコントローラ214は、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)コールを処理するためのSIPサーバを含み得る。コールコントローラ214はまた、顧客の電話番号、IPアドレス、又は電子メールアドレスなどの着信インタラクションに関するデータを抽出し、次いで、インタラクションを処理する際に、これらを他のコンタクトセンター構成要素と通信し得る。
【0060】
双方向メディア応答(IMR)サーバ216は、自己ヘルプ機能又は仮想アシスタント機能を可能にするように構成され得る。具体的には、IMRサーバ216は、IMRサーバ216が音声に制限されず、様々なメディアチャネルもカバーし得ることを除いて、双方向音声応答(IVR)サーバと同様であり得る。音声を例示する例において、IMRサーバ216は、顧客に顧客のニーズを問い合わせるためのIMRスクリプトで構成され得る。例えば、銀行のコンタクトセンターは、顧客が自分の預金残高を取り出したい場合に「1を押す」ように、IMRスクリプトを介して顧客に指示し得る。IMRサーバ216との継続的なインタラクションを介して、顧客は、エージェントと話をすることを必要とせずに、サービスを受け得る。IMRサーバ216はまた、通信が、適切なリソースにルーティングされ得るように、顧客がコンタクトセンターに接触している理由を確認するように構成され得る。IMR構成は、コンタクトセンター環境(例えば、Genesys(登録商標)Designer)内で実行されるIVRアプリケーション及びルーティングアプリケーションを開発するためのウェブベースのツールを含むセルフサービス及び/又はアシストサービスツールの使用を通して実施され得る。
【0061】
ルーティングサーバ218は、着信インタラクションをルーティングするように機能し得る。例えば、インバウンド通信が、人間のエージェントによって処理されるべきであると判定されると、ルーティングサーバ218内の機能は、最も適切なエージェントを選択して、通信をそのエージェントにルーティングし得る。このエージェント選択は、どの利用可能なエージェントが通信を取り扱うために最適であるかに基づき得る。より具体的には、適切なエージェントの選択は、ルーティングサーバ218によって実装されるルーティング戦略又はアルゴリズムに基づき得る。これを行う際に、ルーティングサーバ218は、着信インタラクションに関連するデータ、例えば、特定の顧客、利用可能なエージェント、及びインタラクションのタイプに関連するデータを問い合わせ得、このデータは、本明細書に説明されるように、特定のデータベースに記憶され得る。エージェントが選択されると、ルーティングサーバ218は、コールコントローラ214とインタラクションして、着信インタラクションを対応するエージェントデバイス230にルーティング(すなわち、接続)し得る。この接続の一部として、顧客に関する情報が、選択されたエージェントに、それらのエージェントデバイス230を介して提供され得る。この情報は、エージェントが顧客に提供できるサービスを強化することを意図している。
【0062】
コンタクトセンターシステム200は、データをコンタクトセンターの機能に関連する1つ以上のデータベースに記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス(一般的に記憶デバイス220によって表される)を含み得ることを理解されたい。例えば、記憶デバイス220は、顧客データベースに維持される顧客データを記憶し得る。そのような顧客データとしては、例えば、顧客プロファイル、連絡先情報、サービスレベル合意書(service level agreement、SLA)、及びインタラクション履歴(例えば、以前のインタラクションの性質、処分データ、待ち時間、処理時間、及び顧客の問題を解決するためにコンタクトセンターによって取られたアクションを含む、特定の顧客との以前のインタラクションの詳細)が挙げられ得る。別の例として、記憶デバイス220は、エージェントデータをエージェントデータベースに記憶し得る。コンタクトセンターシステム200によって維持されるエージェントデータは、例えば、エージェントの利用可能性及びエージェントプロファイル、スケジュール、スキル、処理時間、及び/又は他の関連するデータを含み得る。別の例として、記憶デバイス220は、インタラクションデータをインタラクションデータベースに記憶し得る。インタラクションデータは、例えば、顧客とコンタクトセンターとの間の多数の過去のインタラクションに関連するデータを含み得る。より一般的には、別途具体的に指定されない限り、記憶デバイス220は、データベースを含み、かつ/又は本明細書に説明される情報のタイプのいずれかに関連するデータを記憶するように構成され得、これらのデータベース及び/又はデータは、本明細書に説明される機能を容易にする方法で、コンタクトセンターシステム200の他のモジュール又はサーバにアクセス可能であることを理解されたい。例えば、コンタクトセンターシステム200のサーバ又はモジュールは、そのようなデータベースを問い合わせて、データベース内に記憶されたデータを取り出すか、又は記憶のためにデータをデータベースに伝送し得る。記憶デバイス220は、例えば、任意の従来の記憶媒体の形態を採り得、ローカルに収容されるか、又はリモート位置から操作され得る。一例として、データベースは、Cassandraデータベース、NoSQLデータベース、又はSQLデータベースであり、Oracle、IBM DB2、Microsoft SQLサーバ、又はMicrosoft Access、PostgreSQLなどのデータベース管理システムによって管理され得る。
【0063】
統計サーバ226は、コンタクトセンターシステム200の性能及び動作態様に関連するデータを記録及び集計するように構成され得る。そのような情報は、統計サーバ226によってコンパイルされ、他のサーバ及びモジュール、例えば、レポーティングサーバ248が利用できるようにし得、次いで、レポーティングサーバは、データを使用して、コンタクトセンターの動作態様を管理し、本明細書に説明される機能に従って、自動化されたアクションを実行するために使用されるレポートを生成し得る。そのようなデータは、コンタクトセンターのリソースの状態、例えば、平均待ち時間、破棄率、エージェント占有、及び本明細書に説明される機能が必要とするであろう他のものに関連し得る。
【0064】
コンタクトセンターシステム200のエージェントデバイス230は、本明細書に説明される機能を容易にする方法で、コンタクトセンターシステム200の様々な構成要素及びモジュールとインタラクションするように構成されている通信デバイスであり得る。例えば、エージェントデバイス230は、通常の電話コール又はVoIPコールに適合された電話を含み得る。エージェントデバイス230は、コンタクトセンターシステム200のサーバと通信し、動作に関連付けられたデータ処理を実施し、本明細書に説明される機能に従って、音声、チャット、電子メール、及び他のマルチメディア通信機構を介して顧客とインターフェース接続するように構成されているコンピューティングデバイスを更に含み得る。
図2は、3つのそのようなエージェントデバイス230、すなわち、エージェントデバイス230A、230B、及び230Cを示すが、特定の実施形態では、任意の数のエージェントデバイス230が存在し得ることを理解されたい。
【0065】
マルチメディア/ソーシャルメディアサーバ234は、顧客デバイス205及び/又はサーバ242との(音声以外の)メディアインタラクションを容易にするように構成され得る。そのようなメディアインタラクションは、例えば、電子メール、音声メール、チャット、ビデオ、テキストメッセージング、ウェブ、ソーシャルメディア、コブラウジングなどに関連し得る。マルチメディア/ソーシャルメディアサーバ234は、マルチメディアイベント及び通信を受信、処理、及び転送するための専用ハードウェア及びソフトウェアを有する、当該技術分野で慣用の任意のIPルータの形態を採り得る。
【0066】
知識管理サーバ236は、顧客と知識システム238との間のインタラクションを容易にするように構成され得る。概して、知識システム238は、質問又はクエリを受信し、それに応じて回答を提供することができるコンピュータシステムであり得る。知識システム238は、コンタクトセンターシステム200の一部として含まれるか、又はサードパーティによってリモートで操作され得る。知識システム238は、参考資料として知識システム238に提出された百科事典、辞書、ニュースワイヤ記事、文学作品、又は他の文書などの情報源から情報を取得することによって、自然言語で提示された質問に回答することができる人工知能コンピュータシステムを含み得る。一例として、知識システム238は、IBMワトソン又は同様のシステムとして具現化され得る。
【0067】
チャットサーバ240は、顧客との電子チャット通信を行い、オーケストレーションし、かつ管理するように構成され得る。一般に、チャットサーバ240は、チャット会話を実装及び維持し、チャットトランスクリプトを生成するように構成されている。そのようなチャット通信は、顧客が、自動化されたチャットボット、人間のエージェント、又はその両方と通信するような方法で、チャットサーバ240によって行われ得る。例示的な実施形態では、チャットサーバ240は、チャットボット及び利用可能な人間のエージェントの間にチャット会話をディスパッチするチャットオーケストレーションサーバとして機能し得る。そのような場合、チャットサーバ240の処理ロジックは、利用可能なチャットリソース間でインテリジェントな作業負荷分配を活用するために、そのように駆動されるルールであり得る。チャットサーバ240は更に、顧客デバイス205又はエージェントデバイス230のいずれかで生成されるユーザインターフェース(user interfaces、UI)を含む、チャット機能に関連付けられたUIを実装、管理、及び円滑化し得る。チャットサーバ240は、特定の顧客との単一のチャットセッション内で、例えば、チャットセッションが、チャットボットから人間のエージェントに、又は人間のエージェントからチャットボットに転送するように、チャットを自動ソースと人間ソースとの間で転送するように構成され得る。チャットサーバ240はまた、例えば、関連する記事へのリンクが提供され得るように、チャット中に顧客によって提示された問い合わせに対する提案及び回答を受信するために、知識管理サーバ236及び知識システム238に結合され得る。
【0068】
ウェブサーバ242は、Facebook、Twitter、Instagramなど、顧客がサブスクライブする様々なソーシャルインタラクションサイトのサイトホストを提供するために含まれ得る。コンタクトセンターシステム200の一部として描写されているが、ウェブサーバ242は、サードパーティによって提供され得、及び/又はリモートに維持され得ることを理解されたい。ウェブサーバ242はまた、コンタクトセンターシステム200によってサポートされている企業又は組織のウェブページを提供し得る。例えば、顧客は、ウェブページを閲覧して、特定の企業の製品及びサービスに関する情報を受信し得る。そのような企業のウェブページ内で、例えば、ウェブチャット、音声、又は電子メールを介して、コンタクトセンターシステム200とのインタラクションを開始するための機構が提供され得る。そのような機構の一例が、ウェブサーバ242上にホストされるウェブページ又はウェブサイト上に展開され得るウィジェットである。本明細書で使用される場合、ウィジェットは、特定の機能を実施するユーザインターフェース構成要素を指す。いくつかの実装形態において、ウィジェットは、インターネットを介して顧客に表示されたウェブページ上にオーバーレイされ得るグラフィカルユーザインターフェースコントロールを含み得る。ウィジェットは、ウィンドウ又はテキストボックスなどに情報を示すか、又はファイルを共有若しくは開くこと、又は通信を開始することなど、特定の機能に顧客がアクセスすることを可能にするボタン又は他のコントロールを含み得る。いくつかの実装形態において、ウィジェットは、コンパイルなしで別個のウェブページ内にインストールされ、かつ実行され得るコードの可搬部分を有するユーザインターフェース構成要素を含む。いくつかのウィジェットは、対応する又は追加のユーザインターフェースを含み得、様々なローカルリソース(例えば、顧客デバイス上のカレンダー若しくはコンタクト情報)又はネットワークを介してリモートリソース(例えば、インスタントメッセージング、電子メール、又はソーシャルネットワーキングアップデート)にアクセスするように構成され得る。
【0069】
インタラクション(iXn)サーバ244は、コンタクトセンターの延期可能なアクティビティ、及び完了のための、そのアクティビティの人間のエージェントへのルーティングを管理するように構成され得る。本明細書で使用される場合、延期可能なアクティビティとしては、オフラインで実施され得るバックオフィスワーク、例えば、電子メールに対応すること、トレーニングに参加すること、及び顧客とのリアルタイム通信を必要としない他のアクティビティが挙げられる。一例として、インタラクション(iXn)サーバ244は、延期可能なアクティビティの各々を処理するのに適切なエージェントを選択するために、ルーティングサーバ218とインタラクションするように構成され得る。特定のエージェントに割り当てられると、延期可能なアクティビティは、そのエージェントにプッシュされ、その結果、延期可能なアクティビティは、選択されたエージェントのエージェントデバイス230上に表示される。延期可能なアクティビティは、選択されたエージェントが完了させるタスクとして、ワークビン内に表示され得る。ワークビンの機能は、例えば、リンクされたリスト、アレイなどの任意の従来のデータ構造、及び/又は他の好適なデータ構造を介して実装され得る。エージェントデバイス230の各々は、ワークビンを含み得る。一例として、ワークビンは、対応するエージェントデバイス230のバッファメモリ内に維持され得る。
【0070】
ユニバーサルコンタクトサーバ(universal contact server、UCS)246は、顧客データベースに記憶された情報を取り出し、及び/又は顧客データベースに記憶するために情報を顧客データベースに伝送するように構成され得る。例えば、UCS246は、特定の顧客とのチャットがどのように処理されたかに関する履歴を維持することを容易にするために、チャット機能の一部として利用され得、次いで、この履歴は、将来のチャット通信をどのように処理すべきかに関する参照として使用され得る。より一般的には、UCS246は、好ましいメディアチャネル及びコンタクトする最良の時間などの顧客選好の履歴を維持することを容易にするように構成され得る。これを行うために、UCS246は、例えば、エージェントからのコメント、顧客通信履歴などに関するデータなど、各顧客のインタラクション履歴に関連するデータを識別するように構成され得る。これらのデータタイプの各々は、次に、顧客データベース222又は他のモジュールに記憶されて、本明細書に記載の機能が必要とするときに、取り出され得る。
【0071】
レポーティングサーバ248は、統計サーバ226又は他のソースによってコンパイル及び集計されたデータからレポートを生成するように構成され得る。そのようなレポートは、準リアルタイムレポート又は履歴レポートを含み、例えば、平均待ち時間、破棄率、及び/又はエージェント占有など、コンタクトセンターリソース及び性能特性の状態に関係し得る。レポートは、自動的に、又は要求元(例えば、エージェント、管理者、コンタクトセンターアプリケーションなど)からの具体的な要求に応答して生成され得る。次いで、レポートは、本明細書に説明される機能に従って、コンタクトセンターの動作を管理するために使用され得る。
【0072】
メディアサービスサーバ249は、コンタクトセンター機能をサポートするために、オーディオサービス及び/又はビデオサービスを提供するように構成され得る。本明細書に説明される機能によると、そのような機能としては、IVR若しくはIMRシステムのプロンプト(例えば、オーディオファイルの再生)、保留音、ボイスメール/単一パーティの記録、マルチパーティの記録(例えば、オーディオ及び/若しくはビデオコールの)、音声認識、デュアルトーンマルチ周波数(dual tone multi frequency、DTMF)認識、ファックス、オーディオ及びビデオトランスコーディング、セキュアなリアルタイム転送プロトコル(secure real-time transport protocol、SRTP)、電話会議、ビデオ会議、コーチング(例えば、コーチが顧客とエージェントとの間のインタラクションを立ち聞きするための、及び顧客がコメントを聞くことなく、コーチがエージェントにコメントを提供するためのサポート)、コール分析、キーワードスポッティング、並びに/又は他の関連する機能が挙げられ得る。
【0073】
分析モジュール250は、本明細書に説明される機能が必要とし得る場合に、複数の異なるデータソースから受信されたデータに対して分析を実施するためのシステム及び方法を提供するように構成され得る。例示的な実施形態によれば、分析モジュール250はまた、例えば、顧客データ、エージェントデータ、及びインタラクションデータなどの収集されたデータに基づいて、予測因子又はモデルを生成、更新、トレーニング、及び修正し得る。モデルは、顧客又はエージェントの行動モデルを含み得る。行動モデルは、様々な状況で、例えば、顧客又はエージェントの行動を予測するために使用され得、それにより、本発明の実施形態が、そのような予測に基づいてインタラクションを調整するか、又は将来のインタラクションの予測される特性に備えてリソースを割り当てることを可能にし、それにより、全体的なコンタクトセンター性能及び顧客体験を改善する。分析モジュールは、コンタクトセンターの一部であると説明されているが、そのような行動モデルはまた、顧客システム(又は本明細書でも使用されているように、インタラクションの「顧客側」)に実装されて、顧客の利益のために使用され得ることが理解されよう。
【0074】
例示的な実施形態によれば、分析モジュール250は、顧客データベース及びエージェントデータベースを含む、記憶デバイス220に記憶されたデータへのアクセスを有し得る。分析モジュール250はまた、インタラクション及びインタラクションコンテンツ(例えば、その中に検出されたインタラクション及びイベントのトランスクリプト)、インタラクションメタデータ(例えば、顧客識別子、エージェント識別子、インタラクションの媒体、インタラクションの長さ、インタラクション開始及び終了時間、部門、タグ付きカテゴリ)、並びにアプリケーション設定(例えば、コンタクトセンターを通るインタラクション経路)に関係するデータを記憶するインタラクションデータベースへのアクセスを有し得る。更に、分析モジュール250は、例えば、機械学習技法を適用することによって、アルゴリズム及びモデルを開発及びトレーニングする際に使用するために、記憶デバイス220内に記憶されたデータを取り出すように構成され得る。
【0075】
含まれるモデルのうちの1つ以上は、顧客若しくはエージェントの行動、並びに/又はコンタクトセンターの動作及び性能に関連するアスペクトを予測するように構成され得る。更に、モデルのうちの1つ以上は、自然言語処理に使用されて、例えば、意図認識などを含み得る。モデルは、システムを記述する既知の第1原理方程式、実験モデルをもたらすデータ、又は既知の第1原理方程式とデータとの組み合わせに基づいて開発され得る。本実施形態で使用するためのモデルを開発する際に、第1原理方程式は、多くの場合利用可能でないか又は容易に導出されないため、収集及び記憶されたデータに基づいて経験的モデルを構築することが一般的に好ましくあり得る。複雑系の操作変数/外乱変数と制御変数との間の関係を適切に捕捉するために、いくつかの実施形態では、モデルが非線形であることが好ましくあり得る。これは、非線形モデルが、本明細書で考察されるものなどの複雑系に一般的である、操作変数/外乱変数と制御変数との間の直線関係ではなく、曲線関係を示す可能性があるためである。前述の要件を考慮すると、機械学習又はニューラルネットワークベースのアプローチが、モデルを実装するための好ましい実施形態であり得る。例えば、ニューラルネットワークは、高度な回帰アルゴリズムを使用して、経験的データに基づいて開発され得る。
【0076】
分析モジュール250は、オプティマイザを更に含み得る。理解されるように、オプティマイザを使用して、制約のセットが適用される「コスト関数」対象を最小化することができ、コスト関数は、所望の目的又はシステム動作の数学的表現である。モデルは非線形であり得るため、オプティマイザは、非線形プログラミングオプティマイザであり得る。しかしながら、本明細書に説明される技術は、線形プログラミング、二次プログラミング、混合整数非線形プログラミング、確率的プログラミング、グローバル非線形プログラミング、遺伝的アルゴリズム、粒子/スワーム技法などを含むが、これらに限定されない、様々な異なるタイプの最適化アプローチを個々に又は組み合わせて使用することによって実装され得ることが企図される。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、モデル及びオプティマイザは、一緒に、最適化システム内で使用され得る。例えば、分析モジュール250は、最適化システムを、コンタクトセンターの性能及び動作の態様が最適化されるか、又は少なくとも強化される最適化プロセスの一部として利用し得る。これは、例えば、顧客体験、エージェント体験、インタラクションルーティング、自然言語処理、意図認識、又は自動プロセスに関連する他の機能に関連する特徴を含み得る。
【0078】
図2(並びに本明細書に含まれる他の図)の様々な構成要素、モジュール、及び/又はサーバは各々、コンピュータプログラム命令を実行し、かつ本明細書に説明される様々な機能を実施するために、他のシステム構成要素とインタラクションする1つ以上のプロセッサを含み得る。そのようなコンピュータプログラム命令は、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの標準のメモリデバイスを使用して実装されるメモリ内に記憶されるか、又は例えば、CD-ROM、フラッシュドライブなどの他の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。サーバの各々の機能は、特定のサーバによって提供されるものとして記載されているが、当業者は、様々なサーバの機能が、組み合わされるか若しくは単一のサーバに統合され得るか、又は特定のサーバの機能が、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ以上の他のサーバにわたって分散され得ることを理解するべきである。更に、「インタラクション」及び「通信」という用語は、互換的に使用され、概して、電話コール(PSTN若しくはVoIPコール)、電子メール、Vメール、ビデオ、チャット、画面共有、テキストメッセージ、ソーシャルメディアメッセージ、WebRTCコールなどを含むが、これらに限定されない、任意の通信チャネルを使用する任意のリアルタイム及び非リアルタイムのインタラクションを指す。コンタクトシステム200の構成要素へのアクセス及びコンタクトシステム200の構成要素の制御は、顧客デバイス205及び/又はエージェントデバイス230上に生成され得るユーザインターフェース(UI)を通して影響を受けることがある。すでに述べたように、コンタクトセンターシステム200は、クラウドベースの環境又はクラウドコンピューティング環境などで一部又は全ての構成要素がリモートでホストされるハイブリッドシステムとして運用され得る。コールセンターシステム200のデバイスの各々は、
図3を参照して以下に説明されるコンピューティングデバイス300と同様の1つ以上のコンピューティングデバイスの一部として具現化されるか、それを含むか、又はそれを形成し得ることを理解されたい。
【0079】
次に
図3を参照すると、コンピューティングデバイス300の少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図が示されている。例示的なコンピューティングデバイス300は、本明細書に説明されるコンピューティングデバイス、システム、サービス、コントローラ、スイッチ、ゲートウェイ、エンジン、モジュール、及び/又はコンピューティング構成要素(例えば、説明を簡潔にするために、集合的に、コンピューティングデバイス、サーバ、又はモジュールと互換的に称され得る)の各々の少なくとも1つの実施形態を示す。例えば、様々なコンピューティングデバイスは、本明細書に説明される様々な機能を実施するために、コンピュータプログラム命令を実行しており、かつ他のシステムモジュールとインタラクションしている場合がある、1つ以上のコンピューティングデバイス300のうちの1つ以上のプロセッサ上で実行されているプロセス又はスレッドであり得る。別途具体的に限定されない限り、複数のコンピューティングデバイスに関連して説明される機能は、単一のコンピューティングデバイスに統合され得るか、又は単一のコンピューティングデバイスに関連して説明される様々な機能は、いくつかのコンピューティングデバイスにわたって分散され得る。更に、
図2のコンタクトセンターシステム200などの本明細書に説明されるコンピューティングシステムに関連して、そのシステムの様々なサーバ及びコンピュータデバイスは、ローカルコンピューティングデバイス300(例えば、コンタクトセンターのエージェントと同じ物理的位置のオンサイト)、リモートコンピューティングデバイス300(例えば、オフサイト、すなわちクラウドベースの環境内、又はクラウドコンピューティング環境内、例えば、ネットワークを介して接続されたリモートデータセンター内)、又はそれらの何らかの組み合わせ上に位置し得る。いくつかの実施形態では、オフサイトのコンピューティングデバイス上に位置するサーバによって提供される機能は、かかるサーバがオンサイトにあるかのように、仮想プライベートネットワーク(virtual private network、VPN)を介してアクセス及び提供され得るか、又は機能は、様々なプロトコルを使用してインターネットを介してアクセスされるサービスとしてのソフトウェア(SaaS)を使用して、例えば、拡張可能なマークアップ言語(extensible markup language、XML)、JSONを介してデータを交換することによって提供され得、及び/又は機能は、別様にアクセス/活用され得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス300は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ノートブック、ネットブック、Ultrabook(商標)、携帯電話、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、処理システム、ワイヤレスアクセスポイント、ルータ、ゲートウェイ、及び/又は本明細書に説明される機能を実施することができる任意の他のコンピューティングデバイス、処理デバイス、並びに/若しくは通信デバイスとして具現化され得る。
【0081】
コンピューティングデバイス300は、動作ロジック308に従ってアルゴリズムを実行し、かつ/又はデータを処理する処理デバイス302と、コンピューティングデバイス300と1つ以上の外部デバイス310との間の通信を可能にする入出力デバイス304と、例えば、入出力デバイス304を介して外部デバイス310から受信したデータを記憶するメモリ306とを含む。
【0082】
入出力デバイス304は、コンピューティングデバイス300が外部デバイス310と通信することを可能にする。例えば、入出力デバイス304は、送受信機、ネットワークアダプタ、ネットワークカード、インターフェース、1つ以上の通信ポート(例えば、USBポート、シリアルポート、パラレルポート、アナログポート、デジタルポート、VGA、DVI、HDMI、FireWire、CAT5、又は任意の他のタイプの通信ポート若しくはインターフェース)、及び/又は他の通信回路を含み得る。コンピューティングデバイス300の通信回路は、任意の1つ以上の通信技術(例えば、ワイヤレス又は有線通信)及び関連プロトコル(例えば、Ethernet、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使用して、特定のコンピューティングデバイス300に応じてそのような通信を行うように構成され得る。入出力デバイス304は、本明細書に説明される技術を実施するために好適なハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを含み得る。
【0083】
外部デバイス310は、データがコンピューティングデバイス300から入力又は出力されることを可能にする任意のタイプのデバイスであり得る。例えば、様々な実施形態において、外部デバイス310は、本明細書に説明されるデバイス/システム、及び/又はその一部分のうちの1つ以上として具現化され得る。更に、いくつかの実施形態において、外部デバイス310は、別のコンピューティングデバイス、スイッチ、診断ツール、コントローラ、プリンタ、ディスプレイ、アラーム、周辺デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンディスプレイなど)、及び/又は本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意の他のコンピューティング、処理、及び/又は通信デバイスとして具現化され得る。更に、いくつかの実施形態において、外部デバイス310は、コンピューティングデバイス300に統合され得ることを理解されたい。
【0084】
処理デバイス302は、本明細書に説明される機能を実施することが可能な任意のタイプのプロセッサとして具現化され得る。特に、処理デバイス302は、1つ以上のシングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、マイクロコントローラ、又は他のプロセッサ若しくは処理/制御回路として具現化され得る。例えば、いくつかの実施形態において、処理デバイス302は、算術ロジックユニット(arithmetic logic unit、ALU)、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、及び/又は別の好適なプロセッサを含むか、又はそれらとして具現化され得る。処理デバイス302は、プログラム可能なタイプ、専用のハードワイヤードステートマシン、又はそれらの組み合わせであり得る。複数の処理ユニットを有する処理デバイス302は、様々な実施形態において、分散処理、パイプライン処理、及び/又は並列処理を利用し得る。更に、処理デバイス302は、本明細書に説明される動作のみの実施専用であり得るか、又は1つ以上の追加の用途において利用され得る。例示的な実施形態において、処理デバイス302はプログラム可能であり、メモリ306に記憶されたプログラミング命令(ソフトウェア又はファームウェアなど)によって定義された動作ロジック308に従ってアルゴリズムを実行し、かつ/又はデータを処理する。追加的又は代替的に、処理デバイス302の動作ロジック308は、ハードワイヤードロジック又は他のハードウェアによって少なくとも部分的に定義され得る。更に、処理デバイス302は、入出力デバイス304から、又は他の構成要素若しくはデバイスから受信した信号を処理し、所望の出力信号を提供するために好適な任意のタイプの1つ以上の構成要素を含み得る。そのような構成要素は、デジタル回路、アナログ回路、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0085】
メモリ306は、ソリッドステートメモリ、電磁メモリ、光メモリ、又はそれらの組み合わせなどの、1つ以上のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。更に、メモリ306は、揮発性及び/又は不揮発性であり得、いくつかの実施形態において、メモリ306の一部又は全部は、ディスク、テープ、メモリスティック、カートリッジ、及び/又は他の好適な可搬型メモリなどの可搬型タイプのものであり得る。動作中、メモリ306は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、及びドライバなどのコンピューティングデバイス300の動作中に使用される様々なデータ及びソフトウェアを記憶し得る。メモリ306は、動作ロジック308を定義するプログラミング命令を記憶することに加えて、又はその代わりに、例えば、入出力デバイス304から受信される信号、及び/又は入出力デバイスに送信される信号を表すデータなどの、処理デバイス302の動作ロジック308によって操作されるデータを記憶し得ることを理解されたい。
図3に示すように、メモリ306は、特定の実施形態に応じて、処理デバイス302に含まれ得る、及び/又は処理デバイス302に結合され得る。例えば、いくつかの実施形態において、処理デバイス302、メモリ306、及び/又はコンピューティングデバイス300の他の構成要素は、システムオンチップ(system-on-a-chip、SoC)の一部を形成し、単一の集積回路チップに組み込まれ得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス300の様々な構成要素(例えば、処理デバイス302及びメモリ306)は、入出力サブシステムを介して通信可能に結合され得、入出力サブシステムは、処理デバイス302、メモリ306、並びにコンピューティングデバイス300の他の構成要素との入出力動作を容易にするための回路及び/又は構成要素として具現化され得る。例えば、入出力サブシステムは、メモリコントローラハブ、入出力制御ハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(すなわち、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント回路基板トレースなど)、並びに/若しくは入出力動作を容易にするための他の構成要素及びサブシステムとして具現化され得るか、又は別様にそれらを含み得る。
【0087】
コンピューティングデバイス300は、他の実施形態において、典型的なコンピューティングデバイス(例えば、様々な入出力デバイス及び/又は他の構成要素)に一般的に見られるものなど、他の又は追加の構成要素を含み得る。本明細書に説明されるコンピューティングデバイス300の構成要素のうちの1つ以上は、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散され得ることを更に理解されたい。言い換えれば、本明細書に説明される技術は、1つ以上のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムによって採用され得る。加えて、単一の処理デバイス302、I/Oデバイス304、及びメモリ306のみが
図3に例示的に示されているが、特定のコンピューティングデバイス300は、他の実施形態において、複数の処理デバイス302、I/Oデバイス304、及び/又はメモリ306を含み得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態において、2つ以上の外部デバイス310がコンピューティングデバイス300と通信し得る。
【0088】
コンピューティングデバイス300は、ネットワークによって接続された、又はネットワークを介して他のシステム/リソースに接続された複数のデバイスのうちの1つであり得る。ネットワークは、ネットワークを介して通信可能に接続された様々なデバイス間の通信を容易にすることができる通信ネットワークのうちの任意の1つ以上のタイプとして具現化され得る。したがって、ネットワークは、1つ以上のネットワーク、ルータ、スイッチ、アクセスポイント、ハブ、コンピュータ、クライアントデバイス、エンドポイント、ノード、及び/又は他の介在ネットワークデバイスを含み得る。例えば、ネットワークは、1つ以上のセルラネットワーク、電話ネットワーク、ローカル若しくはワイドエリアネットワーク、公衆利用可能なグローバルネットワーク(例えば、インターネット)、アドホックネットワーク、近距離通信リンク、若しくはそれらの組み合わせとして具現化されるか、又は別様にそれらを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークは、回路交換音声若しくはデータネットワーク、パケット交換音声若しくはデータネットワーク、及び/又は音声及び/又はデータを搬送することができる任意の他のネットワークを含み得る。特に、いくつかの実施形態において、ネットワークは、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)ベースのネットワーク及び/又は非同期転送モード(asynchronous transfer mode、ATM)ベースのネットワークを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークは、音声トラフィック(例えば、ボイスオーバーIP(Voice over IP、VOIP)ネットワークを介して)、ウェブトラフィック、及び/又は他のネットワークトラフィックを、特定の実施形態及び/又は互いに通信するシステムのデバイスに応じて取り扱い得る。様々な実施形態において、ネットワークは、アナログ又はデジタルの有線及び無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11ネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、統合サービスデジタル網(Integrated Services Digital Network、ISDN)、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、xDSL))、第3世代(Third Generation、3G)移動体通信網、第4世代(Fourth Generation、4G)移動体通信網、第5世代(Fifth Generation、5G)移動体通信網、有線Ethernetネットワーク、プライベートネットワーク(例えば、イントラネットなど)、ラジオ、テレビ、ケーブル、衛星、及び/又はデータを搬送するための任意の他の配信若しくはトンネリング機構、又はそのようなネットワークの任意の適切な組み合わせを含み得る。様々なデバイス/システムは、送信元及び/又は宛先デバイス/システムに応じて、異なるネットワークを介して互いに通信し得ることを理解されたい。
【0089】
コンピューティングデバイス300は、セキュアソケット層又はトランスポート層セキュリティなど、任意のタイプのゲートウェイ又はトンネリングプロトコルを介して、他のコンピューティングデバイス300と通信し得ることを理解されたい。ネットワークインターフェースとしては、コンピューティングデバイスを、本明細書に説明される動作を実施することができる任意のタイプのネットワークにインターフェース接続するために好適な、ネットワークインターフェースカードなどの内蔵型ネットワークアダプタが挙げられ得る。更に、ネットワーク環境は、様々なネットワーク構成要素が仮想化される仮想ネットワーク環境であり得る。例えば、様々なマシンは、物理マシン上で実行されるソフトウェアベースのコンピュータとして実装された仮想マシンであり得る。仮想マシンは、同じオペレーティングシステムを共有し得るか、又は他の実施形態において、異なるオペレーティングシステムが、各仮想マシンインスタンス上で実行され得る。例えば、複数の仮想マシンが、同じホスト物理マシン上で実行され、各々が、独自の専用ボックスを有するかのように機能する「ハイパーバイザ」タイプの仮想化が使用される。他のタイプの仮想化が、他の実施形態、例えば、ネットワーク(例えば、ソフトウェア定義ネットワーキングを介して)又は機能(例えば、ネットワーク機能仮想化を介して)で、採用され得る。
【0090】
それにより、本明細書に説明されるコンピューティングデバイス300のうちの1つ以上は、1つ以上のクラウドベースのシステムとして具現化されるか、又はその一部分を形成し得る。クラウドベースの実施形態において、クラウドベースのシステムは、例えば、複数の命令をオンデマンドで実行し、特定のアクティビティ/トリガによってプロンプトされたときにのみ命令を実行し、使用されないときにはコンピューティングリソースを消費しないサーバアンビギュアス(server-ambiguous)コンピューティングソリューションとして具現化され得る。すなわち、システムは、様々な仮想関数(例えば、ラムダ関数、Azure関数、Googleクラウド関数、及び/又は他の好適な仮想関数)が、本明細書に説明されるシステムの機能に対応して実行され得るコンピューティングシステム(例えば、デバイスの分散ネットワーク)「上に」存在する仮想コンピューティング環境として具現化され得る。例えば、イベントが発生する(例えば、データが処理のためにシステムに転送される)と、仮想コンピューティング環境が、(例えば、仮想コンピューティング環境のAPIへの要求を介して)通信され得、それにより、APIは、一連のルールに基づいて、正しい仮想機能(例えば、特定のサーバアンビギュアスコンピューティングリソース)に要求をルーティングし得る。したがって、データの伝送の要求が(例えば、システムへの適切なユーザインターフェースを介して)ユーザによってなされる場合、適切な仮想関数は、仮想関数のインスタンスを削除する前にアクションを実施するように実行され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測のためにデータを前処理するためのオンプレミスシステムであって、
ソースデータ構造のコンタクトセンターインタラクションデータを記憶したオンプレミスデータ記憶装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
複数の命令を記憶した少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによる実行に応じて、前記オンプレミスシステムに、
クラウドシステムを使用して前記コンタクトセンターインタラクションデータを予測する要求を受信することと、
前記ソースデータ構造の少なくとも一部で表される各ソース間隔について、前記コンタクトセンターインタラクションデータの対応するソース間隔についての時間単位当たりの対応する第1のインタラクション数を決定することと、
出力データ構造で表される対応するデスティネーション間隔における対応する第2の時間単位数を決定することと、
前記ソースデータ構造の前記少なくとも一部で表される各ソース間隔について、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数と、前記対応するデスティネーション間隔における前記対応する第2の時間単位数とに基づいて、前記対応するデスティネーション間隔における対応する第3のインタラクション数を決定することと、
各対応するデスティネーション間隔について、前記ソースデータ構造と前記出力データ構造との中間の第3のデータ構造を使用することなく、前記対応するデスティネーション間隔について決定された前記対応する第3のインタラクション数を表すデータを前記出力データ構造に直ちに記憶することと、を行わせる、オンプレミスシステム。
【請求項2】
コンタクトセンターシステムを更に備え、
前記コンタクトセンターシステムは、前記少なくとも1つのプロセッサと前記少なくとも1つのメモリとを備える、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項3】
前記対応する第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項4】
前記対応する第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項5】
前記対応する第1のインタラクション数は、コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項6】
前記デスティネーション間隔における前記対応する第3のインタラクション数を決定することは、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数に、前記対応するデスティネーション間隔における前記対応する第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項7】
前記対応するデスティネーション間隔は、15分の時間間隔である、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項8】
前記クラウドシステムを使用してコンタクトセンターインタラクションデータを予測する前記要求を受信することは、前記オンプレミスシステムから前記クラウドシステムに前記コンタクトセンターインタラクションデータを移行する要求を受信することを含む、請求項1に記載のオンプレミスシステム。
【請求項9】
予測のためにデータを前処理するためのシステムであって、
ソースデータ構造のコンタクトセンターインタラクションデータを記憶したオンプレミスデータ記憶装置を備えるオンプレミスコンタクトセンターシステムであって、(i)ユーザデバイスから前記コンタクトセンターインタラクションデータを予測する要求を受信することと、(ii)前記ソースデータ構造の少なくとも一部で表される各ソース間隔について、前記コンタクトセンターインタラクションデータの対応するソース間隔についての時間単位当たりの対応する第1のインタラクション数を決定することと、(iii)出力データ構造で表される対応する出力間隔における対応する第2の時間単位数を決定することと、(iv)前記ソースデータ構造の前記少なくとも一部で表される各ソース間隔について、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数と、前記対応する出力間隔における前記対応する第2の時間単位数とに基づいて、前記対応する出力間隔における対応する第3のインタラクション数を決定することと、(v)各対応するデスティネーション間隔について、前記ソースデータ構造と前記出力データ構造との中間の第3のデータ構造を使用することなく、前記対応するデスティネーション間隔について決定された前記対応する第3のインタラクション数を表すデータを前記出力データ構造に記憶することと、を行うように構成された、オンプレミスコンタクトセンターシステムと、
前記出力データ構造に基づいてコンタクトセンターシステムインタラクションデータを予測するように構成されたクラウドベースのコンピューティングシステムと、を備える、システム。
【請求項10】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記出力間隔における前記対応する第3のインタラクション数を決定することは、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数に、前記対応する出力間隔における前記対応する第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記対応する出力間隔は、15分の時間間隔である、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
予測のためにデータを前処理するための方法であって、
オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、クラウドシステムを使用して、前記オンプレミスコンタクトセンターシステムのオンプレミスデータ記憶装置に記憶されたソースデータ構造のコンタクトセンターインタラクションデータを予測する要求を受信することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、前記ソースデータ構造の少なくとも一部分で表される各ソース間隔について、前記コンタクトセンターインタラクションデータの対応するソース間隔についての時間単位当たりの対応する第1のインタラクション数を決定することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、出力データ構造で表される対応するデスティネーション間隔における対応する第2の時間単位数を決定することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、前記ソースデータ構造の前記少なくとも一部で表される各ソース間隔について、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数と、前記対応するデスティネーション間隔における前記対応する第2の時間単位数とに基づいて、前記対応するデスティネーション間隔における対応する第3のインタラクション数を決定することと、
前記オンプレミスコンタクトセンターシステムによって、各対応するデスティネーション間隔について、前記ソースデータ構造と前記出力データ構造との中間の第3のデータ構造を使用することなく、前記対応するデスティネーション間隔について決定された前記対応する第3のインタラクション数を表すデータを前記出力データ構造に直ちに記憶することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントに与えられたコールの数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによって取り扱われたコールの数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記対応する第1のインタラクション数は、前記コンタクトセンターシステムのエージェントによるコールの総処理時間を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記デスティネーション間隔における前記対応する第3のインタラクション数を決定することは、前記対応するソース間隔についての時間単位当たりの前記対応する第1のインタラクション数に、前記対応するデスティネーション間隔における前記対応する第2の時間単位数を乗算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記対応するデスティネーション間隔は、15分の時間間隔である、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】