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特表2024-537650電極組立体、電極組立体の製造方法、二次電池、電池パック、および自動車
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電極組立体、電極組立体の製造方法、二次電池、電池パック、および自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20241008BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20241008BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241008BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20241008BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20241008BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20241008BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20241008BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/02 Z
H01M10/052
H01M10/04 W
H01M50/107
H01M50/545
H01M50/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515721
(86)(22)【出願日】2023-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2023009487
(87)【国際公開番号】W WO2024010357
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0082557
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、テウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンスー
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC06
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB07
5H028CC08
5H028CC13
5H028EE10
5H028HH05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM07
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029EJ12
5H029HJ04
5H029HJ07
5H029HJ12
5H043AA03
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA03
5H043DA03
5H043EA08
5H043LA21D
5H043LA21E
5H050AA19
5H050BA08
5H050CA01
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
5H050FA05
5H050GA03
5H050GA07
5H050GA22
5H050HA03
5H050HA04
5H050HA07
5H050HA12
(57)【要約】
本発明は、第1電極、セパレータ、および第2電極が積層された電極組立体であって、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に第1活物質層が設けられ、他面に第2活物質層が設けられていない片面コーティング部;および前記集電体の両面に第1活物質層および第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含み、前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを含む電極組立体、これを含む二次電池、電池パック、自動車、および電極組立体の製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、セパレータ、および第2電極が積層された電極組立体であって、
前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、
前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部;および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含み、
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを含む、電極組立体。
【請求項2】
前記片面コーティング部の前記第2活物質層が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープをさらに含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1活物質層は、前記セパレータを介在させて前記第2電極に対向する面に設けられる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1活物質層は、前記電極組立体の長さ方向に前記第2電極よりも長く設けられる、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第2活物質層は、前記電極組立体の長さ方向に前記第2電極よりも短く設けられる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記電極組立体は、巻き取られたゼリーロール型である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第1電極は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体の最外側電極である、請求項6に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープは、前記ゼリーロール型電極組立体の前記第1電極の内周面に設けられる、請求項7に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記第1電極の前記集電体は、銅を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記第1電極は負極であり、前記第2電極は正極である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記電極組立体の長さ方向における前記スウェリングテープの長さは30mm以下である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記電極組立体の幅方向における前記スウェリングテープの幅は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープの全面積100%を基準として、前記第1活物質層を覆った前記スウェリングテープの面積が5%~20%である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記スウェリングテープは、前記第2電極と重ならない、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記スウェリングテープは、電解液により膨張する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記スウェリングテープは、ポリウレタンを含む、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項17】
第1電極、セパレータ、および第2電極を積層して電極組立体を製造する段階として、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部、および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含む電極組立体を製造する段階;および
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを配置する段階
を含む、電極組立体の製造方法。
【請求項18】
前記片面コーティング部の第2活物質層が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープを配置する段階をさらに含む、請求項17に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項19】
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように配置された前記スウェリングテープ上に吸着パッドが設けられ、
前記吸着パッドを用いて、第1電極の片面コーティング部から未コーティング部方向に前記スウェリングテープを押しつつ貼り付ける段階をさらに含む、請求項17に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項20】
前記吸着パッドは、前記第1電極の未コーティング部よりも片面コーティング部方向に厚さがさらに厚い段差部を有する、請求項19に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項21】
請求項17~20のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法により設けられる電極組立体。
【請求項22】
請求項1~16のいずれか一項に記載の電極組立体;
電解質;および
前記電極組立体と前記電解質を収納する電池缶を含む二次電池。
【請求項23】
前記第1電極の前記集電体は、前記電池缶と電気的に連結される、請求項22に記載の二次電池。
【請求項24】
請求項22に記載の二次電池を少なくとも一つ含む電池パック。
【請求項25】
請求項24に記載の電池パックを少なくとも一つ含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、電極組立体の製造方法、二次電池、電池パック、および自動車に関する。本出願は、2022年07月05日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0082557号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0003】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少可能であるという一次的な利点だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという利点も有するため、環境に優しさおよびエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在広く用いられる二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などが挙げられる。このような単位二次電池セルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数の二次電池を直列に連結して電池パックを構成したりもする。
【0005】
また、電池パックに求められる充放電容量に応じて、複数の二次電池を並列連結して電池パックを構成したりもする。したがって、前記電池パックに含まれる二次電池の数および電気的連結形態は、求められる出力電圧および/または充放電容量に応じて多様に設定されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電極組立体の負極において活物質層が片面にのみ設けられた片面コーティング部と、活物質層が設けられていない未コーティング部との境界を覆うようにスウェリングテープを設けることで、高エネルギー密度の実現が可能な電極組立体および電極組立体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明のまた一つの目的は、前記のような改善された構造を有する電極組立体を含む二次電池、電池パック、および自動車を提供することにある。
【0008】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した課題に限定されず、言及していない他の課題は、後述する発明の説明から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様は、第1電極、セパレータ、および第2電極が積層された電極組立体であって、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部;および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含み、前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを含む、電極組立体を提供する。
【0010】
本発明のまた一つの実施態様は、第1電極、セパレータ、および第2電極を積層して電極組立体を製造する段階として、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部、および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含む電極組立体を製造する段階;および前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを配置する段階を含む、電極組立体の製造方法を提供する。
【0011】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した実施態様による電極組立体を含む二次電池、電池パック、および自動車を提供する。
【発明の効果】
【0012】
高容量および高出力を要する二次電池の開発傾向により、限られた空間内に多量の電極を入れるために、集電体やセパレータの厚さ、電池缶およびトップキャップなどの大きさや構造を変更して最適化を進めている。
【0013】
負極の銅集電体を外側タブとして活用する場合、従来の電極組立体における外側タブとセパレータを除去し、電池缶に集電体が直接当接して電気的に連結されるため、セパレータおよび外側タブの投入量を減らすことができ、電極組立体の外径を減少させて前記電池缶内での空間確保が可能であり、コストを節減することができる。
【0014】
また、負極の銅集電体を外側タブとして活用する場合、電池缶内で空間を確保して二次電池の容量実現や出力を改善することができ、銅集電体が電池缶に当接して熱を伝達する面積が増加するため、発熱レベルが改善され、電極のエネルギー密度を増加させることができる。
【0015】
従来の電極組立体において、負極集電体の片面コーティング部ではなく、未コーティング部にスウェリングテープが貼り付けられる場合、ワインダー機器により切断されたスウェリングテープを移送して負極に置くことになるが、この際、薄い集電体の特性上、しわが発生し、今後の二次電池の組立工程で電極組立体を電池缶に挿入する際に電極組立体が損傷する危険がある。
【0016】
本発明の実施態様によれば、電極組立体は、負極において活物質層が片面にのみ設けられた片面コーティング部と、活物質層が設けられていない未コーティング部との境界を覆うようにスウェリングテープを設けることで、前記集電体のしわおよびスウェリングテープに発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、電極組立体の外径が増加するのを防止し、二次電池の組立工程で電極組立体を電池缶に挿入する際に電極組立体が損傷する危険を解消することができる。
【0017】
これにより、負極集電体に形成されたしわなどにより発生し得る安全上の問題を解消することができ、そこで、電池に印加される電流を安定的に増加するようにすることができる。したがって、高エネルギー密度の実現が可能であり、高容量および高出力の二次電池を提供することができる。
【0018】
ただし、本発明により得られる有利な効果は、前述した効果に限定されず、言及していない他の効果は、後述する発明の説明から当業者に明らかに理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明がその図面に記載された事項にのみ限定して解釈してはならない。
【0020】
図1】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を概略的に示す図である。
図2(a)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわが発生した場合を示す写真である。
図2(b)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわが発生した場合を示す写真である。
図3(a)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合を示す写真である。
図3(b)】前記第1電極集電体およびスウェリングテープのしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す写真である。
図4】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を概略的に示す図である。
図5】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態による電極組立体が巻き取られたゼリーロールにおいて、巻取軸方向に垂直な端部を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の実施形態による、巻き取られた電極組立体の外周面にシールテープを貼り付けた場合を示す写真である。
図8】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生していない場合を示す写真である。
図9】本発明の比較例による電極組立体において、第1電極集電体の浮き現象が発生する場合および第1電極集電体の浮き高さを測定する部分を示す写真である。
図10】本発明の実施形態による二次電池を含む電池パックの概略的な構成を示す図である。
図11】本発明の実施形態による電池パックを含む自動車の概略的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1、111 ・・・電極組立体
10、100 ・・・第1電極
11、110 ・・・第1電極集電体
12、120 ・・・第1電極の第1活物質層
13、130 ・・・第1電極の第2活物質層
14、140 ・・・第1電極の片面コーティング部
15、150 ・・・第1電極の未コーティング部
20、200 ・・・第2電極
30、300 ・・・セパレータ
40、400 ・・・スウェリングテープ
410 ・・・第1活物質層と未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ
420 ・・・第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ
430 ・・・第1活物質層を覆ったスウェリングテープの面積
440 ・・・未コーティング部を覆ったスウェリングテープの長さ
450 ・・・第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ
460 ・・・スウェリングテープの長さ
470 ・・・スウェリングテープの幅
50、500 ・・・吸着パッド
510 ・・・吸着パッドの段差部
600 ・・・二次電池
610 ・・・ゼリーロール
620 ・・・電池缶
630 ・・・シールテープ
700 ・・・電池パック
710 ・・・パックハウジング
800 ・・・自動車
W ・・・巻取方向
P ・・・電極組立体の長さ方向、巻取軸に垂直な方向
H ・・・電極組立体の幅方向、巻取軸方向
d ・・・第1電極集電体の浮き高さ
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0023】
本明細書の全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0024】
また、明細書に記載された「…部」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味する。
【0025】
本明細書に記載された実施形態および図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態にすぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点でこれらを代替可能な様々な等価物および変形例が存在し得ることを理解しなければならない。
【0026】
発明の理解を助けるために、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部の構成要素の寸法が誇張して示されてもよい。また、互いに異なる実施形態において、同一の構成要素に対しては同一の参照番号が付されてもよい。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0028】
本発明の一実施態様は、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200が積層された電極組立体111であって、前記第1電極100は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含み、前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体110の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140;および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含み、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含む、電極組立体111を提供する。
【0029】
電極組立体111は、第1電極集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を設けることで、前記集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0030】
図1は、本発明の比較例による従来の電極組立体1において、第1電極10と第2電極20が対面する形態を概略的に示す図である。
【0031】
図1を参照すれば、従来の電極組立体1において、第1電極集電体11の前記片面コーティング部14ではなく、前記未コーティング部15にスウェリングテープ40が貼り付けられる場合、ワインダー機器により切断されたスウェリングテープ40を移送して第1電極10に置くことになるが、この際、薄い集電体11の特性上、しわが発生し、今後の二次電池の組立工程で電極組立体1を電池缶に挿入する際に電極組立体1が損傷する危険がある。
【0032】
図2(a)および図2(b)は、本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわおよび浮きが発生した場合を示す写真であり、図3(a)は、本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合、図3(b)は、前記第1電極集電体およびスウェリングテープのしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す写真である。
【0033】
図2(a)および図2(b)を参照すれば、従来の電極組立体において、第1電極集電体11の前記片面コーティング部14ではなく、前記未コーティング部15にスウェリングテープ40が貼り付けられる場合、薄い集電体11の特性上、しわおよび浮きが発生し得る。前記第1電極集電体11にしわおよび浮きが発生すると、今後の二次電池の組立工程で電極組立体1を電池缶に挿入する際に、前記第1電極集電体11が破れたり折れたりするなど、電極組立体1が損傷し得る。
【0034】
図3(a)は、従来の電極組立体において、第1電極集電体の前記片面コーティング部ではなく、前記未コーティング部にスウェリングテープが貼り付けられる場合、左側の写真は、前記スウェリングテープの貼り付け時に気泡などが発生し、前記スウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合を示し、右側の写真は、前記スウェリングテープの貼り付け時のしわおよび気泡などの発生により前記第1電極集電体にしわが発生した場合を示す。
【0035】
図3(b)は、前記第1電極集電体およびスウェリングテープに発生したしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す。
【0036】
図3(a)および図3(b)を参照すれば、前記第1電極集電体11およびスウェリングテープ40に発生したしわがセパレータ30まで転写されると、電極にも直接的な影響を及ぼし、例えば、電極活物質が析出される危険がある。
【0037】
また、第1電極集電体11にしわが発生した場合、これを含む電極組立体1を缶に挿入する際に、最外側部の前記集電体11が破れるなど、電極組立体1が損傷し得る。
【0038】
図4および図5は、本発明の実施形態による電極組立体111において、第1電極100と第2電極200が対面する形態を概略的に示す図および斜視図であり、図6は、本発明の実施形態による電極組立体111が巻き取られたゼリーロール610において、巻取軸方向に垂直な端部を概略的に示す平面図である。
【0039】
図4~6を参照すれば、電極組立体111は、第1電極集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を設けることで、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に前記電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0040】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体111は、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200が積層された構造として、前記第1電極は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含む。
【0041】
前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体110の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140;および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含む。
【0042】
また、前記電極組立体111は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含む。
【0043】
前記第1電極100の活物質塗布部から前記スウェリングテープ410が貼り付けられることで、スウェリングテープ410内の気泡およびしわの発生を抑制することができ、これにより、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化することができる。
【0044】
このような第1電極100は、特に限定されず、当業界で周知の通常の方法により第1活物質層120および第2活物質層130を第1電極集電体110に結着した形態に製造することができる。
【0045】
一例として、前記第1電極100の片面コーティング部140において前記集電体110の一面に設けられた第1活物質層120は、前記第1電極100の活物質塗布部であってもよく、前記第1電極100において前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150は、前記第1電極100の無地部であってもよい。
【0046】
前記スウェリングテープ410は、前記第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられることで、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0047】
この際、前記巻き取られた電極組立体111の巻取中心部は、電極組立体111のコア部であってもよい。
【0048】
一実施態様によれば、前記電極組立体111は、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む。
【0049】
前記電極組立体111が充放電を繰り返すと、第2電極200の一端部が収縮または膨張するにつれ、対面する第1電極部分に応力が集中してクラックが発生し得るが、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合に、前記クラックの発生を防止することができる。
【0050】
また、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410と重ならないように設けられ、前記スウェリングテープ400が膨張して第1電極集電体110を巻取外側部から巻取中心部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620によく密着するようにして抵抗減少および放熱効果を有することができる。
【0051】
一実施態様によれば、前記第1活物質層120は、前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向する面に設けられ、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられる。
【0052】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0053】
前記第1活物質層120が前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向する面で前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられることで、前記電極組立体111の巻取時にも前記第1活物質層120が前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向するように位置することができ、この際、電極組立体111の充電時にもセパレータ300の損傷を防止し、電池の寿命減少を防止することができる。
【0054】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の第2活物質層130は、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも短く設けられる。
【0055】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0056】
前記第2活物質層130が前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも短く設けられることで、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられる前記第1活物質層120に比べて短く設けられることができる。そこで、第1電極100の第1および第2活物質層120、130は、ミスマッチの形態で設けられることができ、前記電極組立体111の巻取時にゼリーロール610の外周面に設けられる第1電極集電体110が外側部方向に露出することができる。
【0057】
一実施態様によれば、前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であり、前記第1電極100は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極である。
【0058】
前記第1電極100は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極であり、前記巻き取られたゼリーロール610の外周面で前記第1電極100に含まれる第1電極集電体110が外側部方向に露出することができる。
【0059】
一実施態様によれば、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410は、前記ゼリーロール型電極組立体610の第1電極100の内周面に設けられる。そこで、第1電極集電体110を外側タブとし、前記集電体110が電池缶620に当接して熱を伝達する面積が増加することができるため、発熱レベルが改善され、電極のエネルギー密度を増加させることができる。
【0060】
前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極である第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープ410を含むことで、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0061】
一実施態様によれば、前記電極組立体111において、第1電極集電体110は、銅を含む。前記電極組立体111において、第1電極集電体110は、当業界で公知の物質であれば限定なく使用可能であり、第1電極集電体110の非限定的な例としては、銅、金、ニッケルまたは銅合金、またはこれらの組み合わせにより製造される箔などが挙げられる。
【0062】
一例によれば、前記電極組立体111において、第1電極集電体110が銅を含む場合、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができ、この際、前記第1電極集電体110は、前記電池缶620と電気的に連結されることができる。
【0063】
一例によれば、前記電極組立体111において、第1電極100は負極であり、前記第2電極200は正極である。
【0064】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体111において、電極組立体の長さ方向(P)における前記スウェリングテープの長さ(460)は30mm以下である。
【0065】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0066】
前記スウェリングテープの長さ(460)は30mm以下、28mm以下、25mm以下、23mm以下、または21mm以下であってもよい。前記スウェリングテープの長さ(460)は10mm以上、13mm以上、15mm以上、または17mm以上であってもよい。
【0067】
前記スウェリングテープの長さ(460)が30mm超過である場合には、一つの長いスウェリングテープが前記未コーティング部に貼り付けられる貼り付け面積が長くなり、第1電極集電体のしわが激しくなり得る。前記スウェリングテープの長さ(460)が10mm未満である場合には、今後の電極組立体の電池缶への収納時に電解液により膨張したスウェリングテープが電極組立体を巻取中心部から巻取外側部方向に押す力が弱く、前記第1電極集電体をタブとして用いることができない。
【0068】
一実施形態によれば、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は1mm~3mmであってもよい。前記範囲は、電極組立体の大きさ、長さ、および比率に応じて多様に設定されることができる。
【0069】
一例として、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は1mm以上、1.3mm以上、または1.5mm以上であってもよい。一例として、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は3mm以下、2.7mm以下、または2.5mm以下であってもよい。
【0070】
前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)が前記範囲を満たす場合、前記スウェリングテープ410に発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0071】
前記スウェリングテープの長さ(460)は、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)と、前記未コーティング部を覆ったスウェリングテープの長さ(440)とを合わせた長さと等しい。
【0072】
一実施態様によれば、前記電極組立体111において、前記電極組立体の幅方向(H)における前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上である。
【0073】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の幅方向(H)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸方向(H)を意味する。
【0074】
前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、または70%以上であってもよい。前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して100%以下、98%以下、または96%以下であってもよい。
【0075】
前記スウェリングテープの幅(470)が前記範囲を満たす場合、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割を効果的に行うことができる。
【0076】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120の端部を覆うように設けられ、前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)が5%~20%である。
【0077】
前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)は5%以上、6%以上、7%以上、または8%以上である。前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)は20%以下、18%以下、16%以下、または14%以下である。
【0078】
前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)が前記範囲を満たす場合、前記スウェリングテープ410に発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0079】
また、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液により膨張したスウェリングテープ410が前記第1電極集電体110を電池缶620に当接するようにすることができるため、タブの役割を効果的に行うことができる。
【0080】
一例によれば、前記スウェリングテープ410は、第2電極200と重ならない。
【0081】
前記スウェリングテープ410が前記第2電極200と重ならないようにして前記第2電極200のリチウムイオンを十分に活用することができ、前記第1電極100の前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられ、第1電極の無地部に効果的に貼り付けられることができる。そこで、第1電極の無地部である第1電極集電体110を外側部に押し、電池缶620によく当接するようにすることができる。
【0082】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、電解液により膨張する。前記電解液は、有機溶媒を含んでもよく、例えば、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate、EC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate、EMC)であってもよい。前記電解液の溶媒により前記スウェリングテープ410が膨張することができる。
【0083】
前記スウェリングテープ410は、活性化工程およびサイクルを経て膨張することができる。この際、スウェリングテープ410が膨張するか否かは、活性化工程後のサイクル進行による直流抵抗値(DCR)の収束可否により確認することができる。
【0084】
具体的に、前記電極組立体111が巻き取られた形態であるゼリーロール610の外径に応じて交流抵抗値(ACR)の散布が異なり得る。すなわち、ゼリーロール610の外径が大きい場合には、前記第1電極集電体110が前記電池缶620に十分に当接することができ、抵抗が低くなるため、交流抵抗値(ACR)が小さく、その逆に、ゼリーロール610の外径が小さい場合には、前記第1電極集電体110が前記電池缶620に十分に当接することができず、相対的に抵抗が大きくなるため、交流抵抗値(ACR)が大きい。
【0085】
活性化工程後にサイクルを進行すると、交流抵抗値(ACR)ではなく、直流抵抗値(DCR)によりセルの性能が分かり、前記直流抵抗値(DCR)は、サイクル初期には差があるが、サイクルが進行するにつれて前記スウェリングテープ410が十分に膨張するため、前記直流抵抗値(DCR)が一定の値に収束することができる。
【0086】
したがって、直流抵抗値(DCR)の収束された数値により、前記スウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。例えば、活性化工程後、100サイクル進行後に直流抵抗値(DCR)が同等の直流抵抗値(DCR)に収束することでスウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。
【0087】
【表1】
【0088】
一例として、表1を参照すれば、互いに異なる交流抵抗値(ACR)を有するセルが100サイクル進行後に同等の直流抵抗値(DCR)に収束することを確認することができ、これにより、本発明によるスウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。前記スウェリングテープ410は、液体に含浸されて膨張または柔軟になるものであってもよく、高分子物質からなってもよい。
【0089】
前記高分子物質は、前記高分子物質が有する一つの特性として、高分子物質の鎖間に溶媒分子が浸透して体積が増加することができる。したがって、スウェリングテープ410は、電解液を吸収すれば膨張または柔軟になるため、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液により前記スウェリングテープ410が膨張し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割を効果的に行うことができる。
【0090】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、ポリウレタンを含む。前記スウェリングテープ410は、電解液により膨張するが、この際、電解液の溶媒により前記スウェリングテープ410に含まれたポリウレタンが膨張することができる。前記スウェリングテープ410が膨張することで、前記第1電極集電体110は、電池缶620に当接してタブの役割を効果的に行うことができる。
【0091】
本発明の一実施態様によれば、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200を積層して電極組立体111を製造する段階として、前記第1電極100は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含み、前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140、および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含む電極組立体を製造する段階;および前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を配置する段階を含む、電極組立体111の製造方法を提供する。
【0092】
前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0093】
一例によれば、前記電極組立体111に関する内容は、前述した実施態様による電極組立体111の内容と同様である。
【0094】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の製造方法は、前記片面コーティング部140の第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400を配置する段階をさらに含む。
【0095】
前記電極組立体111が充放電を繰り返すと、第2電極200の一端部が収縮または膨張するにつれ、対面する第1電極100部分に応力が集中してクラックが発生し得るが、前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合に、前記クラックの発生を防止することができる。
【0096】
また、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410と重ならないように設けられることができ、前記スウェリングテープ400が膨張して第1電極集電体110を巻取外側部から巻取中心部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620によく密着するようにして抵抗減少および放熱効果を有することができる。
【0097】
前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400は、前記電極組立体111の第2活物質層130から離隔(第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ450)して設けられることができる。前記スウェリングテープ400が前記第2活物質層から離隔(第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ450)して設けられることで、前記スウェリングテープ400が電解液により膨張する場合に応力集中によるクラックの発生を防止することができ、第1電極集電体110と電池缶620がよく密着するようにすることができる。
【0098】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の製造方法は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように配置された前記スウェリングテープ410上に吸着パッド500が設けられ、前記吸着パッド500を用いて、第1電極の片面コーティング部140から未コーティング部150方向に前記スウェリングテープ410を押しつつ貼り付ける段階をさらに含む。
【0099】
一例によれば、前記吸着パッド500は、前記第1電極の未コーティング部150よりも片面コーティング部140方向に厚さがさらに厚い段差部510を有することができる。
【0100】
前記段差部510を有する前記吸着パッド500を用いて、前記第1電極の片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を前記第1電極の片面コーティング部140から未コーティング部150方向に押しつつ貼り付けることができるため、前記スウェリングテープ410内の気泡およびしわの発生を抑制し、これにより、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化することができる。
【0101】
本発明の一実施態様によれば、前述した電極組立体111の製造方法により設けられる電極組立体111を提供する。
【0102】
前記電極組立体111に関する内容は、前述した実施態様による電極組立体111の内容と同様である。
【0103】
図7は、本発明の実施形態による、巻き取られた電極組立体の外周面にシールテープを貼り付けた場合を示す写真である。
【0104】
図6および7を参照すれば、シールテープ630は、前記電極組立体の巻取軸方向(H)に両端部に貼り付けられることができ、一例として、PETテープであってもよいが、これに限定されない。
【0105】
前記シールテープ630が前記電極組立体の巻取軸方向(H)に両端部に貼り付けられることで、前記シールテープ630が貼り付けられずに外部に露出する前記電極組立体111の最外側部の第1電極集電体110は、電池缶620に直接当接して電極タブの役割をすることができる。
【0106】
前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径を基準として90%以上、92%以上、または94%以上貼り付けられることができる。前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径を基準として100%以下、99%以下、または98%以下貼り付けられることができる。
【0107】
前記範囲を満たす場合、前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径の直径が増加するのを防止し、前記電極組立体111の緩みを防止し、前記電極組立体111が電池缶620に挿入されることを容易にすることができる。
【0108】
図8は、本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわが発生していない場合を示す写真である。
【0109】
図4および8を参照すれば、前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110および前記スウェリングテープ410のしわの発生を防止することができる。前記集電体110および前記スウェリングテープ410のしわの発生を防止して前記電極組立体111の外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0110】
図9は、本発明の比較例による電極組立体において、第1電極集電体の浮き現象が発生する場合および第1電極集電体の浮き高さを測定する部分を示す写真である。
【0111】
図4および9を参照すれば、前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110の浮きの発生を防止することができる。
【0112】
従来のスウェリングテープ40は、第1電極の未コーティング部15に設けられるが、この際、薄い集電体の特性上、前記スウェリングテープ40の貼り付け時にしわが発生しやすく、このため、第1電極集電体11に浮きが発生し得る。前記第1電極集電体11の浮きは、第1電極集電体の浮き高さ(d)を3D形状測定器により測定して確認することができる。
【0113】
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取終端部に設けられた第1電極集電体の端部では、前記第1電極集電体の浮きにより前記巻取終端部以前に巻き取られた第1電極集電体との間に空間を形成することができる。前記第1電極集電体の浮き高さ(d)は、前記巻き取られた第1電極集電体間の空間で巻取外側方向に最も高い部分の高さを指し、それを測定することで第1電極集電体の浮きの程度を判断することができる。
【0114】
本発明の実施形態による前記未コーティング部150の境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410は、巻き取られたゼリーロール型電極組立体610において前記第1電極集電体110最外側部の内周面に位置するが、前記スウェリングテープ410における前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆った部分により、前記第1電極集電体110のしわおよび浮きを防止して前記電極組立体111の外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0115】
本発明の一実施態様によれば、前述した実施態様による電極組立体111;電解質;および前記電極組立体111と前記電解質を収納する電池缶620を含む二次電池600を提供する。
【0116】
一例によれば、前記第1電極集電体110は、前記電池缶620と電気的に連結される。
【0117】
前記二次電池600は、前述した実施態様による電極組立体111を電池缶620に収納し、この際、電解液により膨張したスウェリングテープ410が第1電極集電体110を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が前記電池缶620と電気的に連結されてタブの役割をすることができるようにする。
【0118】
前記スウェリングテープ410は、前記第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられることで、前記電極組立体111の前記電池缶620への収納時に電解液により電極組立体111が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0119】
前記二次電池600は、前述した実施態様による電極組立体111、電解質、これらを収納する電池缶620、およびトップキャップを含むことができる。
【0120】
前記電極組立体111において、第1電極100は、負極であってもよく、第2電極200は、第1電極100と逆の極性である正極に該当してもよい。前記第1電極100および前記第2電極200は、シート状を有することができる。前記電極組立体111は、例えば、ゼリーロール(jellyroll)状を有することができる。すなわち、前記電極組立体111は、第1電極100、セパレータ300、第2電極200、セパレータ300を順次少なくとも1回積層して形成された積層体を巻取方向(W)に巻き取らせることで製造することができる。
【0121】
本発明において、正極板にコーティングされる正極活物質および負極板にコーティングされる負極活物質は、当業界で公知の活物質であれば限定なく使用可能である。
【0122】
前記正極活物質の非限定的な例としては、従来の電気化学素子の正極に使用できる通常の正極活物質が使用可能であり、特に、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物、またはこれらを組み合わせたリチウム複合酸化物を用いることができる。
【0123】
一例において、正極活物質は、一般化学式A[A]O2+z(Aは、Li、Na、およびKのうち少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ni、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru、およびCrから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;x、y、z、およびMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的に中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含むことができる。
【0124】
他の例において、正極活物質は、US6,677,082、US6,680,143などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM-(1-x)Li(Mは、平均酸化状態3を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、平均酸化状態4を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;0≦x≦1)であってもよい。
【0125】
また他の例において、正極活物質は、一般化学式Li Fe1-xy1-y 4-z(Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、およびAlから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V、およびSから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;a、x、y、z、M、M、およびMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的に中性を維持するように選択される)、またはLi(PO[Mは、Ti、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg、およびAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであってもよい。
【0126】
好ましくは、正極活物質は、一次粒子および/または一次粒子が凝集した二次粒子を含むことができる。
【0127】
負極活物質の非限定的な例としては、従来の電気化学素子の負極に使用できる通常の負極活物質が使用可能であり、特に、リチウム金属またはリチウム合金、炭素、石油コークス(petroleum coke)、活性化炭素(activated carbon)、グラファイト(graphite)、またはその他の炭素類などのリチウム吸着物質などが使用可能である。
【0128】
一例において、負極活物質としては、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、スズまたはスズ化合物などを用いることができる。電位が2V未満のTiO、SnOのような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などをいずれも用いることができる。
【0129】
正極集電体の非限定的な例としては、アルミニウム、ニッケル、またはこれらの組み合わせにより製造される箔などが挙げられる。
【0130】
セパレータ300としては、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子から製造された多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して用いることができる。他の例示として、セパレータ300としては、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を用いることができる。
【0131】
セパレータ300の少なくとも一方の表面には、無機物粒子のコーティング層を含むことができる。また、セパレータ300自体が無機物粒子のコーティング層からなってもよい。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子の間に間隙容量(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合した構造を有することができる。
【0132】
無機物粒子は、誘電率が5以上の無機物からなることができる。非限定的な例示として、前記無機物粒子は、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)、BaTiO、hafnia(HfO)、SrTiO、TiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO、およびYからなる群より選択された少なくとも一つ以上の物質を含むことができる。
【0133】
電解質は、Aのような構造を有する塩であってもよい。ここで、Aは、Li、Na、Kのようなアルカリ金属カチオンやこれらの組み合わせからなるイオンを含む。また、Bは、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、AlO 、AlCl 、PF 、SbF 、AsF 、BF 、BC 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、および(CFCFSOからなる群から選択されたいずれか一つ以上のアニオンを含む。
【0134】
また、電解質は、有機溶媒に溶解させて用いることができる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate、EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate、DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone、NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate、EMC)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)、またはこれらの混合物を用いることができる。
【0135】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した二次電池600を少なくとも一つ含む電池パック700を提供する。
【0136】
一例として、前記二次電池600は、円筒型二次電池であってもよい。
【0137】
前述した実施形態による円筒型二次電池600は、電池パック700を製造するのに用いることができる。
【0138】
図10は、本発明の実施形態による二次電池600を含む電池パック700の概略的な構成を示す図である。
【0139】
図10を参照すれば、本発明の実施形態による電池パック700は、円筒型二次電池600が電気的に連結された集合体、およびこれを収容するパックハウジング710を含む。円筒型二次電池600は、前述した実施形態による二次電池600である。図面では、図示の便宜上、円筒型二次電池の電気的連結のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品の図示を省略した。
【0140】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した電池パック700を少なくとも一つ含む自動車800を提供する。前記電池パック700は、自動車800に搭載されることができる。自動車800は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車、またはプラグインハイブリッド自動車であってもよい。自動車は、4輪自動車または2輪自動車を含む。
【0141】
図11は、図10の電池パック700を含む自動車800を説明するための図である。
【0142】
図11を参照すれば、本発明の一実施形態による自動車800は、本発明の一実施形態による電池パック700を含む。自動車800は、本発明の一実施形態による電池パック700から電力の供給を受けて動作する。
【0143】
実施例
実施例1
(1)電極組立体の製造
負極(負極集電体:Cu箔、負極活物質:人造黒鉛および天然黒鉛がそれぞれ50重量部)、シート状のポリエチレンセパレータ、正極(正極集電体:Al箔、活物質:LiCoO)、および前記ポリエチレンセパレータを順次積層して電極組立体を製造した。前記負極の厚さは187μm(Cu箔集電体:10μm)であり、前記正極の厚さは147μm(Al箔集電体:15μm)であり、セパレータの厚さはそれぞれ13μmであるものを2枚用いた。
【0144】
前記負極は、Cu箔において前記正極に対向する面に負極活物質層が設けられ、他面に負極活物質層が設けられていない片面コーティング部;およびCu箔の両面に負極活物質層が設けられていない未コーティング部を含む。そこで、片面コーティング部において前記セパレータを介在させて前記正極に対向する面に設けられた負極活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うようにポリウレタン材料のスウェリングテープを貼り付けた。
【0145】
前記スウェリングテープは、電極組立体の長さ方向(P)に前記負極活物質層を覆ったスウェリングテープの長さが2mmとなるようにし、巻き取られたゼリーロール型電極組立体においてCu箔の最外側部の内周面に位置するようにした。この際、前記負極活物質層を覆った前記スウェリングテープの面積は5%~20%となるようにした。前記スウェリングテープ(PU材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)20mm×電極組立体の幅方向(H)62mm、厚さ52μmであるものを用いた。
【0146】
また、負極において、巻き取られたゼリーロール型電極組立体においてCu箔の最外側部の外周面にポリウレタン材質のスウェリングテープをさらに取り付けた。この際、前記スウェリングテープは、正極端部をカバーできるように取り付けた。前記スウェリングテープ(PU材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)20mm×電極組立体の幅方向(H)62mm、厚さ52μmであるものを用いた。
【0147】
次に、スウェリングテープを含む積層された電極組立体を巻き取ってゼリーロール型電極組立体(端部の直径:20.38mm~20.64mm)を製造した。この際、製造された電極組立体の断面直径は20.4mm、巻取軸方向(H)の長さは66mmであった。
【0148】
前記巻き取られた電極組立体において巻取軸の両端部にPET材料のシールテープを貼り付けた。前記シールテープ(PET材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)62mm×電極組立体の幅方向(H)10mm、厚さ22μmであるものを用いた。
【0149】
(2)二次電池の製造
前記巻き取られた電極組立体を電池缶(断面直径:20.95mm~21.15mm)に挿入した後、エチレンカーボネート(EC):エテルメチルカーボネート(EMC)を30:70の体積比で混合した後、LiPFが1.0Mとなるように溶解した電解液を注液し、キャップ組立体で円筒型電池缶を密封して二次電池を製造した。
【0150】
比較例1
正極に対向する面に設けられた負極活物質層の端部を覆わないように負極集電体上にスウェリングテープを貼り付けたことを除いては、実施例1と同様の方法で電極組立体および二次電池を製造した。
【0151】
実験例
実験例1.電極組立体の数
前記実施例1の電極組立体のように製造し、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を合計59200個製造した。
【0152】
前記比較例1の電極組立体のように製造し、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を合計1024個製造した。
【0153】
実験例2.負極集電体のしわおよび浮き
負極集電体のしわは、スウェリングテープ貼り付け時の気泡などによる集電体無地部に形成されるしわを外観ビジョン検査および肉眼で観察した。実施例1の場合、比較例1と同一の数量である1024個は肉眼で全数検査し、残りは外観ビジョン検査で不良と判断されなかったため、肉眼検査を行わなかった。この際、外観ビジョン検査は、しわの例示写真をビジョンに入力し、同様の場合が出れば不良と判定する検査である。
【0154】
スウェリングテープ貼り付け時の負極集電体が浮く現象は、3D形状測定器(キーエンス形状測定器、モデル名:KEYENCE KOREA、ワンショット3D VR3200)を用いて測定した。この際、負極集電体の浮きの程度は、巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取終端部に設けられた負極集電体の端部で前記負極集電体の浮きにより前記巻取終端部以前に巻き取られた負極集電体との間に形成される空間での高さを測定して判断した。すなわち、負極集電体の浮き高さ(d)は、巻き取られた負極集電体間の空間で巻取外側方向に最も高い部分の高さを測定して判断し、電極組立体の端部の直径が20.38mm~20.64mmである場合、負極集電体の浮き高さ(d)が0.8mm以上であれば不良と判断した。
【0155】
実験例3.外径不良
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の外径をワインダーコンベヤの外径測定器で測定するか、または予め直径別に穴を開けておいた通止ゲージで測定した。
【0156】
前記実施例1により製造された電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径は20.38mm~20.64mmであった。そこで、前記電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径が20.64mmを超える場合に外径不良があると表示した。
【0157】
実験例4.電池缶に挿入時の損傷
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の外径の直径(電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径:20.38mm~20.64mm)が増加するかまたは集電体のしわおよび浮きにより、巻き取られた電極組立体が電池缶に挿入される際に最外側集電体が破れたり折れたりする場合を損傷したと表示した。
【0158】
すなわち、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を電池缶に挿入する際に、缶にゼリーロールの挿入を容易にする挿入ガイドを用いるが、前記電極組立体の前記挿入ガイドに入らずにエラーとして排出される場合、それを前記電池缶から再び取り出して肉眼で確認し、電池缶への挿入時に損傷があると表示した。
【0159】
実験例5.セパレータのしわ
セパレータにスウェリングテープのしわから転写されたしわまたは折れがある場合を肉眼で観察し、セパレータにしわがあると表示した。この際、しわは、単にうねった形態のしわではなく、手で触れる際に異物感が感じられる程度のものをしわと定義して判定した。
【0160】
実施例1の場合、比較例1と同一の数量である1024個は肉眼で全数検査し、残りは外観ビジョン検査で不良と判断されなかったため、肉眼検査を行わなかった。この際、外観ビジョン検査は、しわの例示写真をビジョンに入力し、同様の場合が出れば不良と判定する検査である。
【0161】
【表2】
【0162】
表2を参照すれば、本発明の実施例1で製造された電極組立体の場合、比較例1で製造された電極組立体に比べて、集電体上のしわおよび浮きがなく、それによる外径不良がなく、そこで、缶への挿入時にも損傷がないことを確認することができる。また、本発明の実施例1で製造された電極組立体の場合、比較例1で製造された電極組立体に比べて、集電体上に形成されたしわなどがセパレータにしわとして転写されないことを確認することができる。以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想および後述する特許請求の範囲と均等な範囲内で様々な実施が可能である。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、電極組立体の製造方法、二次電池、電池パック、および自動車に関する。本出願は、2022年07月05日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0082557号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0003】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少可能であるという一次的な利点だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという利点も有するため、環境に優しさおよびエネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在広く用いられる二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などが挙げられる。このような単位二次電池セルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数の二次電池を直列に連結して電池パックを構成したりもする。
【0005】
また、電池パックに求められる充放電容量に応じて、複数の二次電池を並列連結して電池パックを構成したりもする。したがって、前記電池パックに含まれる二次電池の数および電気的連結形態は、求められる出力電圧および/または充放電容量に応じて多様に設定されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電極組立体の負極において活物質層が片面にのみ設けられた片面コーティング部と、活物質層が設けられていない未コーティング部との境界を覆うようにスウェリングテープを設けることで、高エネルギー密度の実現が可能な電極組立体および電極組立体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明のまた一つの目的は、前記のような改善された構造を有する電極組立体を含む二次電池、電池パック、および自動車を提供することにある。
【0008】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した課題に限定されず、言及していない他の課題は、後述する発明の説明から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様は、第1電極、セパレータ、および第2電極が積層された電極組立体であって、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部;および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含み、前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを含む、電極組立体を提供する。
【0010】
本発明のまた一つの実施態様は、第1電極、セパレータ、および第2電極を積層して電極組立体を製造する段階として、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部、および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含む電極組立体を製造する段階;および前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを配置する段階を含む、電極組立体の製造方法を提供する。
【0011】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した実施態様による電極組立体を含む二次電池、電池パック、および自動車を提供する。
【発明の効果】
【0012】
高容量および高出力を要する二次電池の開発傾向により、限られた空間内に多量の電極を入れるために、集電体やセパレータの厚さ、電池缶およびトップキャップなどの大きさや構造を変更して最適化を進めている。
【0013】
負極の銅集電体を外側タブとして活用する場合、従来の電極組立体における外側タブとセパレータを除去し、電池缶に集電体が直接当接して電気的に連結されるため、セパレータおよび外側タブの投入量を減らすことができ、電極組立体の外径を減少させて前記電池缶内での空間確保が可能であり、コストを節減することができる。
【0014】
また、負極の銅集電体を外側タブとして活用する場合、電池缶内で空間を確保して二次電池の容量実現や出力を改善することができ、銅集電体が電池缶に当接して熱を伝達する面積が増加するため、発熱レベルが改善され、電極のエネルギー密度を増加させることができる。
【0015】
従来の電極組立体において、負極集電体の片面コーティング部ではなく、未コーティング部にスウェリングテープが貼り付けられる場合、ワインダー機器により切断されたスウェリングテープを移送して負極に置くことになるが、この際、薄い集電体の特性上、しわが発生し、今後の二次電池の組立工程で電極組立体を電池缶に挿入する際に電極組立体が損傷する危険がある。
【0016】
本発明の実施態様によれば、電極組立体は、負極において活物質層が片面にのみ設けられた片面コーティング部と、活物質層が設けられていない未コーティング部との境界を覆うようにスウェリングテープを設けることで、前記集電体のしわおよびスウェリングテープに発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、電極組立体の外径が増加するのを防止し、二次電池の組立工程で電極組立体を電池缶に挿入する際に電極組立体が損傷する危険を解消することができる。
【0017】
これにより、負極集電体に形成されたしわなどにより発生し得る安全上の問題を解消することができ、そこで、電池に印加される電流を安定的に増加するようにすることができる。したがって、高エネルギー密度の実現が可能であり、高容量および高出力の二次電池を提供することができる。
【0018】
ただし、本発明により得られる有利な効果は、前述した効果に限定されず、言及していない他の効果は、後述する発明の説明から当業者に明らかに理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明がその図面に記載された事項にのみ限定して解釈してはならない。
【0020】
図1】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を概略的に示す図である。
図2(a)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわが発生した場合を示す写真である。
図2(b)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわが発生した場合を示す写真である。
図3(a)】本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合を示す写真である。
図3(b)】前記第1電極集電体およびスウェリングテープのしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す写真である。
図4】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を概略的に示す図である。
図5】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極と第2電極が対面する形態を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態による電極組立体が巻き取られたゼリーロールにおいて、巻取軸方向に垂直な端部を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生していない場合を示す写真である。
図8】本発明の比較例による電極組立体において、第1電極集電体の浮き現象が発生する場合および第1電極集電体の浮き高さを測定する部分を示す写真である。
図9】本発明の実施形態による二次電池を含む電池パックの概略的な構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態による電池パックを含む自動車の概略的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1、111 ・・・電極組立体
10、100 ・・・第1電極
11、110 ・・・第1電極集電体
12、120 ・・・第1電極の第1活物質層
13、130 ・・・第1電極の第2活物質層
14、140 ・・・第1電極の片面コーティング部
15、150 ・・・第1電極の未コーティング部
20、200 ・・・第2電極
30、300 ・・・セパレータ
40、400 ・・・スウェリングテープ
410 ・・・第1活物質層と未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ
420 ・・・第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ
430 ・・・第1活物質層を覆ったスウェリングテープの面積
440 ・・・未コーティング部を覆ったスウェリングテープの長さ
450 ・・・第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ
460 ・・・スウェリングテープの長さ
470 ・・・スウェリングテープの幅
50、500 ・・・吸着パッド
510 ・・・吸着パッドの段差部
600 ・・・二次電池
610 ・・・ゼリーロール
620 ・・・電池缶
630 ・・・シールテープ
700 ・・・電池パック
710 ・・・パックハウジング
800 ・・・自動車
W ・・・巻取方向
P ・・・電極組立体の長さ方向、巻取軸に垂直な方向
H ・・・電極組立体の幅方向、巻取軸方向
d ・・・第1電極集電体の浮き高さ
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0023】
本明細書の全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0024】
また、明細書に記載された「…部」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味する。
【0025】
本明細書に記載された実施形態および図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態にすぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点でこれらを代替可能な様々な等価物および変形例が存在し得ることを理解しなければならない。
【0026】
発明の理解を助けるために、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部の構成要素の寸法が誇張して示されてもよい。また、互いに異なる実施形態において、同一の構成要素に対しては同一の参照番号が付されてもよい。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0028】
本発明の一実施態様は、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200が積層された電極組立体111であって、前記第1電極100は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含み、前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体110の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140;および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含み、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含む、電極組立体111を提供する。
【0029】
電極組立体111は、第1電極集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を設けることで、前記集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0030】
図1は、本発明の比較例による従来の電極組立体1において、第1電極10と第2電極20が対面する形態を概略的に示す図である。
【0031】
図1を参照すれば、従来の電極組立体1において、第1電極集電体11の前記片面コーティング部14ではなく、前記未コーティング部15にスウェリングテープ40が貼り付けられる場合、ワインダー機器により切断されたスウェリングテープ40を移送して第1電極10に置くことになるが、この際、薄い集電体11の特性上、しわが発生し、今後の二次電池の組立工程で電極組立体1を電池缶に挿入する際に電極組立体1が損傷する危険がある。
【0032】
図2(a)および図2(b)は、本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体にしわおよび浮きが発生した場合を示す写真であり、図3(a)は、本発明の比較例による従来の電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合、図3(b)は、前記第1電極集電体およびスウェリングテープのしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す写真である。
【0033】
図2(a)および図2(b)を参照すれば、従来の電極組立体において、第1電極集電体11の前記片面コーティング部14ではなく、前記未コーティング部15にスウェリングテープ40が貼り付けられる場合、薄い集電体11の特性上、しわおよび浮きが発生し得る。前記第1電極集電体11にしわおよび浮きが発生すると、今後の二次電池の組立工程で電極組立体1を電池缶に挿入する際に、前記第1電極集電体11が破れたり折れたりするなど、電極組立体1が損傷し得る。
【0034】
図3(a)は、従来の電極組立体において、第1電極集電体の前記片面コーティング部ではなく、前記未コーティング部にスウェリングテープが貼り付けられる場合、左側の写真は、前記スウェリングテープの貼り付け時に気泡などが発生し、前記スウェリングテープにしわおよび気泡が発生した場合を示し、右側の写真は、前記スウェリングテープの貼り付け時のしわおよび気泡などの発生により前記第1電極集電体にしわが発生した場合を示す。
【0035】
図3(b)は、前記第1電極集電体およびスウェリングテープに発生したしわおよび気泡がセパレータに転写された場合を示す。
【0036】
図3(a)および図3(b)を参照すれば、前記第1電極集電体11およびスウェリングテープ40に発生したしわがセパレータ30まで転写されると、電極にも直接的な影響を及ぼし、例えば、電極活物質が析出される危険がある。
【0037】
また、第1電極集電体11にしわが発生した場合、これを含む電極組立体1を缶に挿入する際に、最外側部の前記集電体11が破れるなど、電極組立体1が損傷し得る。
【0038】
図4および図5は、本発明の実施形態による電極組立体111において、第1電極100と第2電極200が対面する形態を概略的に示す図および斜視図であり、図6は、本発明の実施形態による電極組立体111が巻き取られたゼリーロール610において、巻取軸方向に垂直な端部を概略的に示す平面図である。
【0039】
図4~6を参照すれば、電極組立体111は、第1電極集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を設けることで、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に前記電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0040】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体111は、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200が積層された構造として、前記第1電極は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含む。
【0041】
前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体110の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140;および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含む。
【0042】
また、前記電極組立体111は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含む。
【0043】
前記第1電極100の活物質塗布部から前記スウェリングテープ410が貼り付けられることで、スウェリングテープ410内の気泡およびしわの発生を抑制することができ、これにより、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化することができる。
【0044】
このような第1電極100は、特に限定されず、当業界で周知の通常の方法により第1活物質層120および第2活物質層130を第1電極集電体110に結着した形態に製造することができる。
【0045】
一例として、前記第1電極100の片面コーティング部140において前記集電体110の一面に設けられた第1活物質層120は、前記第1電極100の活物質塗布部であってもよく、前記第1電極100において前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150は、前記第1電極100の無地部であってもよい。
【0046】
前記スウェリングテープ410は、前記第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられることで、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0047】
この際、前記巻き取られた電極組立体111の巻取中心部は、電極組立体111のコア部であってもよい。
【0048】
一実施態様によれば、前記電極組立体111は、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む。
【0049】
前記電極組立体111が充放電を繰り返すと、第2電極200の一端部が収縮または膨張するにつれ、対面する第1電極部分に応力が集中してクラックが発生し得るが、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合に、前記クラックの発生を防止することができる。
【0050】
また、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410と重ならないように設けられ、前記スウェリングテープ400が膨張して第1電極集電体110を巻取外側部から巻取中心部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620によく密着するようにして抵抗減少および放熱効果を有することができる。
【0051】
一実施態様によれば、前記第1活物質層120は、前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向する面に設けられ、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられる。
【0052】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0053】
前記第1活物質層120が前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向する面で前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられることで、前記電極組立体111の巻取時にも前記第1活物質層120が前記セパレータ300を介在させて前記第2電極200に対向するように位置することができ、この際、電極組立体111の充電時にもセパレータ300の損傷を防止し、電池の寿命減少を防止することができる。
【0054】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の第2活物質層130は、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも短く設けられる。
【0055】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0056】
前記第2活物質層130が前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも短く設けられることで、前記電極組立体の長さ方向(P)に前記第2電極200よりも長く設けられる前記第1活物質層120に比べて短く設けられることができる。そこで、第1電極100の第1および第2活物質層120、130は、ミスマッチの形態で設けられることができ、前記電極組立体111の巻取時にゼリーロール610の外周面に設けられる第1電極集電体110が外側部方向に露出することができる。
【0057】
一実施態様によれば、前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であり、前記第1電極100は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極である。
【0058】
前記第1電極100は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極であり、前記巻き取られたゼリーロール610の外周面で前記第1電極100に含まれる第1電極集電体110が外側部方向に露出することができる。
【0059】
一実施態様によれば、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410は、前記ゼリーロール型電極組立体610の第1電極100の内周面に設けられる。そこで、第1電極集電体110を外側タブとし、前記集電体110が電池缶620に当接して熱を伝達する面積が増加することができるため、発熱レベルが改善され、電極のエネルギー密度を増加させることができる。
【0060】
前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体610の最外側電極である第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープ410を含むことで、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0061】
一実施態様によれば、前記電極組立体111において、第1電極集電体110は、銅を含む。前記電極組立体111において、第1電極集電体110は、当業界で公知の物質であれば限定なく使用可能であり、第1電極集電体110の非限定的な例としては、銅、金、ニッケルまたは銅合金、またはこれらの組み合わせにより製造される箔などが挙げられる。
【0062】
一例によれば、前記電極組立体111において、第1電極集電体110が銅を含む場合、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができ、この際、前記第1電極集電体110は、前記電池缶620と電気的に連結されることができる。
【0063】
一例によれば、前記電極組立体111において、第1電極100は負極であり、前記第2電極200は正極である。
【0064】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体111において、電極組立体の長さ方向(P)における前記スウェリングテープの長さ(460)は30mm以下である。
【0065】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の長さ方向(P)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸に垂直な方向(P)を意味する。
【0066】
前記スウェリングテープの長さ(460)は30mm以下、28mm以下、25mm以下、23mm以下、または21mm以下であってもよい。前記スウェリングテープの長さ(460)は10mm以上、13mm以上、15mm以上、または17mm以上であってもよい。
【0067】
前記スウェリングテープの長さ(460)が30mm超過である場合には、一つの長いスウェリングテープが前記未コーティング部に貼り付けられる貼り付け面積が長くなり、第1電極集電体のしわが激しくなり得る。前記スウェリングテープの長さ(460)が10mm未満である場合には、今後の電極組立体の電池缶への収納時に電解液により膨張したスウェリングテープが電極組立体を巻取中心部から巻取外側部方向に押す力が弱く、前記第1電極集電体をタブとして用いることができない。
【0068】
一実施形態によれば、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は1mm~3mmであってもよい。前記範囲は、電極組立体の大きさ、長さ、および比率に応じて多様に設定されることができる。
【0069】
一例として、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は1mm以上、1.3mm以上、または1.5mm以上であってもよい。一例として、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)は3mm以下、2.7mm以下、または2.5mm以下であってもよい。
【0070】
前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)が前記範囲を満たす場合、前記スウェリングテープ410に発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0071】
前記スウェリングテープの長さ(460)は、前記電極組立体の長さ方向(P)における前記第1活物質層を覆ったスウェリングテープの長さ(420)と、前記未コーティング部を覆ったスウェリングテープの長さ(440)とを合わせた長さと等しい。
【0072】
一実施態様によれば、前記電極組立体111において、前記電極組立体の幅方向(H)における前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上である。
【0073】
前記電極組立体111は、巻き取られたゼリーロール型であってもよく、前記電極組立体の幅方向(H)とは、巻き取られた電極組立体の巻取軸方向(H)を意味する。
【0074】
前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、または70%以上であってもよい。前記スウェリングテープの幅(470)は、前記電極組立体の幅100%に対して100%以下、98%以下、または96%以下であってもよい。
【0075】
前記スウェリングテープの幅(470)が前記範囲を満たす場合、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液によりスウェリングテープ410が膨張し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割を効果的に行うことができる。
【0076】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120の端部を覆うように設けられ、前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)が5%~20%である。
【0077】
前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)は5%以上、6%以上、7%以上、または8%以上である。前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)は20%以下、18%以下、16%以下、または14%以下である。
【0078】
前記第1活物質層120を覆った前記スウェリングテープの面積(430)が前記範囲を満たす場合、前記スウェリングテープ410に発生する気泡を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0079】
また、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液により膨張したスウェリングテープ410が前記第1電極集電体110を電池缶620に当接するようにすることができるため、タブの役割を効果的に行うことができる。
【0080】
一例によれば、前記スウェリングテープ410は、第2電極200と重ならない。
【0081】
前記スウェリングテープ410が前記第2電極200と重ならないようにして前記第2電極200のリチウムイオンを十分に活用することができ、前記第1電極100の前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられ、第1電極の無地部に効果的に貼り付けられることができる。そこで、第1電極の無地部である第1電極集電体110を外側部に押し、電池缶620によく当接するようにすることができる。
【0082】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、電解液により膨張する。前記電解液は、有機溶媒を含んでもよく、例えば、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate、EC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate、EMC)であってもよい。前記電解液の溶媒により前記スウェリングテープ410が膨張することができる。
【0083】
前記スウェリングテープ410は、活性化工程およびサイクルを経て膨張することができる。この際、スウェリングテープ410が膨張するか否かは、活性化工程後のサイクル進行による直流抵抗値(DCR)の収束可否により確認することができる。
【0084】
具体的に、前記電極組立体111が巻き取られた形態であるゼリーロール610の外径に応じて交流抵抗値(ACR)の散布が異なり得る。すなわち、ゼリーロール610の外径が大きい場合には、前記第1電極集電体110が前記電池缶620に十分に当接することができ、抵抗が低くなるため、交流抵抗値(ACR)が小さく、その逆に、ゼリーロール610の外径が小さい場合には、前記第1電極集電体110が前記電池缶620に十分に当接することができず、相対的に抵抗が大きくなるため、交流抵抗値(ACR)が大きい。
【0085】
活性化工程後にサイクルを進行すると、交流抵抗値(ACR)ではなく、直流抵抗値(DCR)によりセルの性能が分かり、前記直流抵抗値(DCR)は、サイクル初期には差があるが、サイクルが進行するにつれて前記スウェリングテープ410が十分に膨張するため、前記直流抵抗値(DCR)が一定の値に収束することができる。
【0086】
したがって、直流抵抗値(DCR)の収束された数値により、前記スウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。例えば、活性化工程後、100サイクル進行後に直流抵抗値(DCR)が同等の直流抵抗値(DCR)に収束することでスウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。
【0087】
【表1】
【0088】
一例として、表1を参照すれば、互いに異なる交流抵抗値(ACR)を有するセルが100サイクル進行後に同等の直流抵抗値(DCR)に収束することを確認することができ、これにより、本発明によるスウェリングテープ410が十分に膨張したと判断することができる。前記スウェリングテープ410は、液体に含浸されて膨張または柔軟になるものであってもよく、高分子物質からなってもよい。
【0089】
前記高分子物質は、前記高分子物質が有する一つの特性として、高分子物質の鎖間に溶媒分子が浸透して体積が増加することができる。したがって、スウェリングテープ410は、電解液を吸収すれば膨張または柔軟になるため、今後の電極組立体111の電池缶620への収納時に電解液により前記スウェリングテープ410が膨張し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割を効果的に行うことができる。
【0090】
一実施態様によれば、前記スウェリングテープ410は、ポリウレタンを含む。前記スウェリングテープ410は、電解液により膨張するが、この際、電解液の溶媒により前記スウェリングテープ410に含まれたポリウレタンが膨張することができる。前記スウェリングテープ410が膨張することで、前記第1電極集電体110は、電池缶620に当接してタブの役割を効果的に行うことができる。
【0091】
本発明の一実施態様によれば、第1電極100、セパレータ300、および第2電極200を積層して電極組立体111を製造する段階として、前記第1電極100は、集電体110、および前記集電体110の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層120および第2活物質層130を含み、前記第1電極100のいずれか一端部は、前記集電体の一面に第1活物質層120が設けられ、他面に第2活物質層130が設けられていない片面コーティング部140、および前記集電体110の両面に第1活物質層120および第2活物質層130が設けられていない未コーティング部150を含む電極組立体を製造する段階;および前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を配置する段階を含む、電極組立体111の製造方法を提供する。
【0092】
前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110のしわの発生を最小化して外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0093】
一例によれば、前記電極組立体111に関する内容は、前述した実施態様による電極組立体111の内容と同様である。
【0094】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の製造方法は、前記片面コーティング部140の第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400を配置する段階をさらに含む。
【0095】
前記電極組立体111が充放電を繰り返すと、第2電極200の一端部が収縮または膨張するにつれ、対面する第1電極100部分に応力が集中してクラックが発生し得るが、前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合に、前記クラックの発生を防止することができる。
【0096】
また、前記片面コーティング部140の前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400をさらに含む場合、前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410と重ならないように設けられることができ、前記スウェリングテープ400が膨張して第1電極集電体110を巻取外側部から巻取中心部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620によく密着するようにして抵抗減少および放熱効果を有することができる。
【0097】
前記第2活物質層130が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープ400は、前記電極組立体111の第2活物質層130から離隔(第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ450)して設けられることができる。前記スウェリングテープ400が前記第2活物質層から離隔(第2活物質層とスウェリングテープの離隔長さ450)して設けられることで、前記スウェリングテープ400が電解液により膨張する場合に応力集中によるクラックの発生を防止することができ、第1電極集電体110と電池缶620がよく密着するようにすることができる。
【0098】
一実施態様によれば、前記電極組立体111の製造方法は、前記片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように配置された前記スウェリングテープ410上に吸着パッド500が設けられ、前記吸着パッド500を用いて、第1電極の片面コーティング部140から未コーティング部150方向に前記スウェリングテープ410を押しつつ貼り付ける段階をさらに含む。
【0099】
一例によれば、前記吸着パッド500は、前記第1電極の未コーティング部150よりも片面コーティング部140方向に厚さがさらに厚い段差部510を有することができる。
【0100】
前記段差部510を有する前記吸着パッド500を用いて、前記第1電極の片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410を前記第1電極の片面コーティング部140から未コーティング部150方向に押しつつ貼り付けることができるため、前記スウェリングテープ410内の気泡およびしわの発生を抑制し、これにより、前記第1電極集電体110のしわの発生を最小化することができる。
【0101】
本発明の一実施態様によれば、前述した電極組立体111の製造方法により設けられる電極組立体111を提供する。
【0102】
前記電極組立体111に関する内容は、前述した実施態様による電極組立体111の内容と同様である。
【0103】
図6参照すれば、シールテープ630は、前記電極組立体の巻取軸方向(H)に両端部に貼り付けられることができ、一例として、PETテープであってもよいが、これに限定されない。
【0104】
前記シールテープ630が前記電極組立体の巻取軸方向(H)に両端部に貼り付けられることで、前記シールテープ630が貼り付けられずに外部に露出する前記電極組立体111の最外側部の第1電極集電体110は、電池缶620に直接当接して電極タブの役割をすることができる。
【0105】
前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径を基準として90%以上、92%以上、または94%以上貼り付けられることができる。前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径を基準として100%以下、99%以下、または98%以下貼り付けられることができる。
【0106】
前記範囲を満たす場合、前記シールテープ630は、前記電極組立体111の外径の直径が増加するのを防止し、前記電極組立体111の緩みを防止し、前記電極組立体111が電池缶620に挿入されることを容易にすることができる。
【0107】
は、本発明の実施形態による電極組立体において、第1電極集電体およびスウェリングテープにしわが発生していない場合を示す写真である。
【0108】
図4およびを参照すれば、前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110および前記スウェリングテープ410のしわの発生を防止することができる。前記集電体110および前記スウェリングテープ410のしわの発生を防止して前記電極組立体111の外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0109】
は、本発明の比較例による電極組立体において、第1電極集電体の浮き現象が発生する場合および第1電極集電体の浮き高さを測定する部分を示す写真である。
【0110】
図4およびを参照すれば、前記電極組立体111の第1電極が、集電体110の一面にのみ第1活物質層120が設けられた片面コーティング部140と、第1および第2活物質層120、130が設けられていない未コーティング部150との境界を覆うようにスウェリングテープ410を含むことで、前記集電体110の浮きの発生を防止することができる。
【0111】
従来のスウェリングテープ40は、第1電極の未コーティング部15に設けられるが、この際、薄い集電体の特性上、前記スウェリングテープ40の貼り付け時にしわが発生しやすく、このため、第1電極集電体11に浮きが発生し得る。前記第1電極集電体11の浮きは、第1電極集電体の浮き高さ(d)を3D形状測定器により測定して確認することができる。
【0112】
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取終端部に設けられた第1電極集電体の端部では、前記第1電極集電体の浮きにより前記巻取終端部以前に巻き取られた第1電極集電体との間に空間を形成することができる。前記第1電極集電体の浮き高さ(d)は、前記巻き取られた第1電極集電体間の空間で巻取外側方向に最も高い部分の高さを指し、それを測定することで第1電極集電体の浮きの程度を判断することができる。
【0113】
本発明の実施形態による前記未コーティング部150の境界を覆うように設けられたスウェリングテープ410は、巻き取られたゼリーロール型電極組立体610において前記第1電極集電体110最外側部の内周面に位置するが、前記スウェリングテープ410における前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆った部分により、前記第1電極集電体110のしわおよび浮きを防止して前記電極組立体111の外観不良リスクを制御し、二次電池600の組立工程で電極組立体111を電池缶620に挿入する際に電極組立体111が損傷する危険を解消することができる。
【0114】
本発明の一実施態様によれば、前述した実施態様による電極組立体111;電解質;および前記電極組立体111と前記電解質を収納する電池缶620を含む二次電池600を提供する。
【0115】
一例によれば、前記第1電極集電体110は、前記電池缶620と電気的に連結される。
【0116】
前記二次電池600は、前述した実施態様による電極組立体111を電池缶620に収納し、この際、電解液により膨張したスウェリングテープ410が第1電極集電体110を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が前記電池缶620と電気的に連結されてタブの役割をすることができるようにする。
【0117】
前記スウェリングテープ410は、前記第1電極100において片面コーティング部140の前記第1活物質層120と前記未コーティング部150との境界を覆うように設けられることで、前記電極組立体111の前記電池缶620への収納時に電解液により電極組立体111が膨張する場合に、巻き取られた電極組立体111を巻取中心部から巻取外側部方向に押し、前記第1電極集電体110が電池缶620に当接するようにしてタブの役割をすることができるようにする。
【0118】
前記二次電池600は、前述した実施態様による電極組立体111、電解質、これらを収納する電池缶620、およびトップキャップを含むことができる。
【0119】
前記電極組立体111において、第1電極100は、負極であってもよく、第2電極200は、第1電極100と逆の極性である正極に該当してもよい。前記第1電極100および前記第2電極200は、シート状を有することができる。前記電極組立体111は、例えば、ゼリーロール(jellyroll)状を有することができる。すなわち、前記電極組立体111は、第1電極100、セパレータ300、第2電極200、セパレータ300を順次少なくとも1回積層して形成された積層体を巻取方向(W)に巻き取らせることで製造することができる。
【0120】
本発明において、正極板にコーティングされる正極活物質および負極板にコーティングされる負極活物質は、当業界で公知の活物質であれば限定なく使用可能である。
【0121】
前記正極活物質の非限定的な例としては、従来の電気化学素子の正極に使用できる通常の正極活物質が使用可能であり、特に、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物、またはこれらを組み合わせたリチウム複合酸化物を用いることができる。
【0122】
一例において、正極活物質は、一般化学式A[A]O2+z(Aは、Li、Na、およびKのうち少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ni、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru、およびCrから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;x、y、z、およびMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的に中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含むことができる。
【0123】
他の例において、正極活物質は、US6,677,082、US6,680,143などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM-(1-x)Li(Mは、平均酸化状態3を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、平均酸化状態4を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;0≦x≦1)であってもよい。
【0124】
また他の例において、正極活物質は、一般化学式Li Fe1-xy1-y 4-z(Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、およびAlから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V、およびSから選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;a、x、y、z、M、M、およびMに含まれた成分の化学量論係数は、化合物が電気的に中性を維持するように選択される)、またはLi(PO[Mは、Ti、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg、およびAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであってもよい。
【0125】
好ましくは、正極活物質は、一次粒子および/または一次粒子が凝集した二次粒子を含むことができる。
【0126】
負極活物質の非限定的な例としては、従来の電気化学素子の負極に使用できる通常の負極活物質が使用可能であり、特に、リチウム金属またはリチウム合金、炭素、石油コークス(petroleum coke)、活性化炭素(activated carbon)、グラファイト(graphite)、またはその他の炭素類などのリチウム吸着物質などが使用可能である。
【0127】
一例において、負極活物質としては、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、スズまたはスズ化合物などを用いることができる。電位が2V未満のTiO、SnOのような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などをいずれも用いることができる。
【0128】
正極集電体の非限定的な例としては、アルミニウム、ニッケル、またはこれらの組み合わせにより製造される箔などが挙げられる。
【0129】
セパレータ300としては、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子から製造された多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して用いることができる。他の例示として、セパレータ300としては、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を用いることができる。
【0130】
セパレータ300の少なくとも一方の表面には、無機物粒子のコーティング層を含むことができる。また、セパレータ300自体が無機物粒子のコーティング層からなってもよい。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子の間に間隙容量(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合した構造を有することができる。
【0131】
無機物粒子は、誘電率が5以上の無機物からなることができる。非限定的な例示として、前記無機物粒子は、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)、BaTiO、hafnia(HfO)、SrTiO、TiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO、およびYからなる群より選択された少なくとも一つ以上の物質を含むことができる。
【0132】
電解質は、Aのような構造を有する塩であってもよい。ここで、Aは、Li、Na、Kのようなアルカリ金属カチオンやこれらの組み合わせからなるイオンを含む。また、Bは、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、AlO 、AlCl 、PF 、SbF 、AsF 、BF 、BC 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、および(CFCFSOからなる群から選択されたいずれか一つ以上のアニオンを含む。
【0133】
また、電解質は、有機溶媒に溶解させて用いることができる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate、EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate、DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone、NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate、EMC)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)、またはこれらの混合物を用いることができる。
【0134】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した二次電池600を少なくとも一つ含む電池パック700を提供する。
【0135】
一例として、前記二次電池600は、円筒型二次電池であってもよい。
【0136】
前述した実施形態による円筒型二次電池600は、電池パック700を製造するのに用いることができる。
【0137】
は、本発明の実施形態による二次電池600を含む電池パック700の概略的な構成を示す図である。
【0138】
を参照すれば、本発明の実施形態による電池パック700は、円筒型二次電池600が電気的に連結された集合体、およびこれを収容するパックハウジング710を含む。円筒型二次電池600は、前述した実施形態による二次電池600である。図面では、図示の便宜上、円筒型二次電池の電気的連結のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品の図示を省略した。
【0139】
本発明のまた一つの実施態様は、前述した電池パック700を少なくとも一つ含む自動車800を提供する。前記電池パック700は、自動車800に搭載されることができる。自動車800は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車、またはプラグインハイブリッド自動車であってもよい。自動車は、4輪自動車または2輪自動車を含む。
【0140】
10は、図の電池パック700を含む自動車800を説明するための図である。
【0141】
10を参照すれば、本発明の一実施形態による自動車800は、本発明の一実施形態による電池パック700を含む。自動車800は、本発明の一実施形態による電池パック700から電力の供給を受けて動作する。
【0142】
実施例
実施例1
(1)電極組立体の製造
負極(負極集電体:Cu箔、負極活物質:人造黒鉛および天然黒鉛がそれぞれ50重量部)、シート状のポリエチレンセパレータ、正極(正極集電体:Al箔、活物質:LiCoO)、および前記ポリエチレンセパレータを順次積層して電極組立体を製造した。前記負極の厚さは187μm(Cu箔集電体:10μm)であり、前記正極の厚さは147μm(Al箔集電体:15μm)であり、セパレータの厚さはそれぞれ13μmであるものを2枚用いた。
【0143】
前記負極は、Cu箔において前記正極に対向する面に負極活物質層が設けられ、他面に負極活物質層が設けられていない片面コーティング部;およびCu箔の両面に負極活物質層が設けられていない未コーティング部を含む。そこで、片面コーティング部において前記セパレータを介在させて前記正極に対向する面に設けられた負極活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うようにポリウレタン材料のスウェリングテープを貼り付けた。
【0144】
前記スウェリングテープは、電極組立体の長さ方向(P)に前記負極活物質層を覆ったスウェリングテープの長さが2mmとなるようにし、巻き取られたゼリーロール型電極組立体においてCu箔の最外側部の内周面に位置するようにした。この際、前記負極活物質層を覆った前記スウェリングテープの面積は5%~20%となるようにした。前記スウェリングテープ(PU材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)20mm×電極組立体の幅方向(H)62mm、厚さ52μmであるものを用いた。
【0145】
また、負極において、巻き取られたゼリーロール型電極組立体においてCu箔の最外側部の外周面にポリウレタン材質のスウェリングテープをさらに取り付けた。この際、前記スウェリングテープは、正極端部をカバーできるように取り付けた。前記スウェリングテープ(PU材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)20mm×電極組立体の幅方向(H)62mm、厚さ52μmであるものを用いた。
【0146】
次に、スウェリングテープを含む積層された電極組立体を巻き取ってゼリーロール型電極組立体(端部の直径:20.38mm~20.64mm)を製造した。この際、製造された電極組立体の断面直径は20.4mm、巻取軸方向(H)の長さは66mmであった。
【0147】
前記巻き取られた電極組立体において巻取軸の両端部にPET材料のシールテープを貼り付けた。前記シールテープ(PET材料)としては、電極組立体の長さ方向(P)62mm×電極組立体の幅方向(H)10mm、厚さ22μmであるものを用いた。
【0148】
(2)二次電池の製造
前記巻き取られた電極組立体を電池缶(断面直径:20.95mm~21.15mm)に挿入した後、エチレンカーボネート(EC):エテルメチルカーボネート(EMC)を30:70の体積比で混合した後、LiPFが1.0Mとなるように溶解した電解液を注液し、キャップ組立体で円筒型電池缶を密封して二次電池を製造した。
【0149】
比較例1
正極に対向する面に設けられた負極活物質層の端部を覆わないように負極集電体上にスウェリングテープを貼り付けたことを除いては、実施例1と同様の方法で電極組立体および二次電池を製造した。
【0150】
実験例
実験例1.電極組立体の数
前記実施例1の電極組立体のように製造し、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を合計59200個製造した。
【0151】
前記比較例1の電極組立体のように製造し、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を合計1024個製造した。
【0152】
実験例2.負極集電体のしわおよび浮き
負極集電体のしわは、スウェリングテープ貼り付け時の気泡などによる集電体無地部に形成されるしわを外観ビジョン検査および肉眼で観察した。実施例1の場合、比較例1と同一の数量である1024個は肉眼で全数検査し、残りは外観ビジョン検査で不良と判断されなかったため、肉眼検査を行わなかった。この際、外観ビジョン検査は、しわの例示写真をビジョンに入力し、同様の場合が出れば不良と判定する検査である。
【0153】
スウェリングテープ貼り付け時の負極集電体が浮く現象は、3D形状測定器(キーエンス形状測定器、モデル名:KEYENCE KOREA、ワンショット3D VR3200)を用いて測定した。この際、負極集電体の浮きの程度は、巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取終端部に設けられた負極集電体の端部で前記負極集電体の浮きにより前記巻取終端部以前に巻き取られた負極集電体との間に形成される空間での高さを測定して判断した。すなわち、負極集電体の浮き高さ(d)は、巻き取られた負極集電体間の空間で巻取外側方向に最も高い部分の高さを測定して判断し、電極組立体の端部の直径が20.38mm~20.64mmである場合、負極集電体の浮き高さ(d)が0.8mm以上であれば不良と判断した。
【0154】
実験例3.外径不良
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の外径をワインダーコンベヤの外径測定器で測定するか、または予め直径別に穴を開けておいた通止ゲージで測定した。
【0155】
前記実施例1により製造された電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径は20.38mm~20.64mmであった。そこで、前記電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径が20.64mmを超える場合に外径不良があると表示した。
【0156】
実験例4.電池缶に挿入時の損傷
巻き取られたゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の外径の直径(電極組立体の巻取軸方向に垂直な端部の直径:20.38mm~20.64mm)が増加するかまたは集電体のしわおよび浮きにより、巻き取られた電極組立体が電池缶に挿入される際に最外側集電体が破れたり折れたりする場合を損傷したと表示した。
【0157】
すなわち、巻き取られたゼリーロール型電極組立体を電池缶に挿入する際に、缶にゼリーロールの挿入を容易にする挿入ガイドを用いるが、前記電極組立体の前記挿入ガイドに入らずにエラーとして排出される場合、それを前記電池缶から再び取り出して肉眼で確認し、電池缶への挿入時に損傷があると表示した。
【0158】
実験例5.セパレータのしわ
セパレータにスウェリングテープのしわから転写されたしわまたは折れがある場合を肉眼で観察し、セパレータにしわがあると表示した。この際、しわは、単にうねった形態のしわではなく、手で触れる際に異物感が感じられる程度のものをしわと定義して判定した。
【0159】
実施例1の場合、比較例1と同一の数量である1024個は肉眼で全数検査し、残りは外観ビジョン検査で不良と判断されなかったため、肉眼検査を行わなかった。この際、外観ビジョン検査は、しわの例示写真をビジョンに入力し、同様の場合が出れば不良と判定する検査である。
【0160】
【表2】
【0161】
表2を参照すれば、本発明の実施例1で製造された電極組立体の場合、比較例1で製造された電極組立体に比べて、集電体上のしわおよび浮きがなく、それによる外径不良がなく、そこで、缶への挿入時にも損傷がないことを確認することができる。また、本発明の実施例1で製造された電極組立体の場合、比較例1で製造された電極組立体に比べて、集電体上に形成されたしわなどがセパレータにしわとして転写されないことを確認することができる。以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想および後述する特許請求の範囲と均等な範囲内で様々な実施が可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、セパレータ、および第2電極が積層された電極組立体であって、
前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、
前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部;および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含み、
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを含む、電極組立体。
【請求項2】
前記片面コーティング部の前記第2活物質層が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープをさらに含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1活物質層は、前記セパレータを介在させて前記第2電極に対向する面に設けられる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1活物質層は、前記電極組立体の長さ方向に前記第2電極よりも長く設けられ、前記第2活物質層は、前記電極組立体の長さ方向に前記第2電極よりも短く設けられる、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極組立体は、巻き取られたゼリーロール型である、前記第1電極は、前記巻き取られたゼリーロール型電極組立体の最外側電極である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープは、前記ゼリーロール型電極組立体の前記第1電極の内周面に設けられる、請求項に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第1電極は負極であり、前記第2電極は正極である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記電極組立体の長さ方向における前記スウェリングテープの長さは30mm以下であるまたは、前記電極組立体の幅方向における前記スウェリングテープの幅は、前記電極組立体の幅100%に対して50%以上である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられた前記スウェリングテープの全面積100%を基準として、前記第1活物質層を覆った前記スウェリングテープの面積が5%~20%である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記スウェリングテープは、前記第2電極と重ならない、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記スウェリングテープは、電解液により膨張する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記スウェリングテープは、ポリウレタンを含む、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項13】
第1電極、セパレータ、および第2電極を積層して電極組立体を製造する段階として、前記第1電極は、集電体、および前記集電体の両面にそれぞれ設けられた第1活物質層および第2活物質層を含み、前記第1電極のいずれか一端部は、前記集電体の一面に前記第1活物質層が設けられ、他面に前記第2活物質層が設けられていない片面コーティング部、および前記集電体の両面に前記第1活物質層および前記第2活物質層が設けられていない未コーティング部を含む電極組立体を製造する段階;および
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように設けられたスウェリングテープを配置する段階
を含む、電極組立体の製造方法。
【請求項14】
前記片面コーティング部の第2活物質層が設けられていない他面に設けられたスウェリングテープを配置する段階をさらに含む、請求項13に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項15】
前記片面コーティング部の前記第1活物質層と前記未コーティング部との境界を覆うように配置された前記スウェリングテープ上に吸着パッドが設けられ、
前記吸着パッドを用いて、第1電極の片面コーティング部から未コーティング部方向に前記スウェリングテープを押しつつ貼り付ける段階をさらに含む、請求項13に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項16】
前記吸着パッドは、前記第1電極の未コーティング部よりも片面コーティング部方向に厚さがさらに厚い段差部を有する、請求項15に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項17】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電極組立体;
電解質;および
前記電極組立体と前記電解質を収納する電池缶を含む二次電池。
【請求項18】
前記第1電極の前記集電体は、前記電池缶と電気的に連結される、請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
請求項17に記載の二次電池を少なくとも一つ含む電池パック。
【請求項20】
請求項19に記載の電池パックを少なくとも一つ含む自動車。
【国際調査報告】