(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電力パターン生成方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241008BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J3/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515896
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2022013855
(87)【国際公開番号】W WO2023080429
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150947
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・スン・チョ
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066JA01
5G066JA07
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA10
5G503GD06
(57)【要約】
本明細書に開示される一実施形態に係るエネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム(ESS)の充放電パターンを生成するステップ、前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類するステップ、前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出するステップ、及び前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して、正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム(ESS)の充放電パターンを生成するステップと、
前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類するステップと、
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出するステップと、
前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップと、を含む、電力パターン生成方法。
【請求項2】
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の電力パターン生成方法。
【請求項3】
前記電力値に基づいて充放電量を演算するステップと、
前記充放電量に基づいて残存容量(SoC、State of Charge)情報を生成するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電力パターン生成方法。
【請求項4】
前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成するステップをさらに含み、
前記電力値を抽出するステップは、前記第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて、前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出する、請求項3に記載の電力パターン生成方法。
【請求項5】
正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成する段階をさらに含み、
前記第2値は、前記第1集合又は前記第2集合から選択される、請求項4に記載の電力パターン生成方法。
【請求項6】
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第1値及び前記第2値に基づいて電力値を抽出するステップ、前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ、前記電力値に基づいて前記充放電量を演算するステップ及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップを繰り返し行うステップをさらに含む、請求項5に記載の電力パターン生成方法。
【請求項7】
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整するステップをさらに含む、請求項6に記載の電力パターン生成方法。
【請求項8】
少なくとも一つの命令を格納するメモリ、前記メモリに格納された前記少なくとも一つの命令を実行するプロセッサ、及び前記プロセッサの実行結果を出力する出力部を含み、
前記プロセッサは、
最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して、任意の正規分布ベースの充放電パターンを生成し、前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類し、エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出し、前記電力値に基づいて電力パターンを生成する動作を行うように設定された、電力パターン生成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整する動作をさらに行うように設定された、請求項8に記載の電力パターン生成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記電力値に基づいて充放電量を演算し、前記充放電量に基づいて残存容量(SoC、State of Charge)情報を生成する動作をさらに行うように設定された、請求項8に記載の電力パターン生成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成する動作をさらに行うように設定され、
前記プロセッサが前記電力値を抽出する動作は、前記第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて、前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出する動作である、請求項10に記載の電力パターン生成装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成する動作をさらに行うように設定され、
前記第2値は、前記第1集合又は前記第2集合から選択される、請求項11に記載の電力パターン生成装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第1値及び前記第2値に基づいて電力値を抽出する動作、前記電力値に基づいて電力パターンを生成する動作、前記電力値に基づいて前記充放電量を演算する動作、及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成する動作を繰り返し行うように設定された、請求項12に記載の電力パターン生成装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整する動作をさらに行うように設定された、請求項13に記載の電力パターン生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年11月04日付けで出願された韓国特許出願第10-2021-0150947号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本明細書に開示された実施形態は、電力パターン生成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
新再生エネルギとは、石炭、石油、原子力及び天然ガスなどの化石燃料ではなく、日光、水、降水、生物有機体などを含んで再生可能な燃料を用いるエネルギを意味する。新再生エネルギの種類としては、太陽光エネルギ、バイオエネルギ、風力、水力、水素エネルギなどがある。
【0004】
エネルギ貯蔵システム(ESS;Energy Storage System)は、太陽光として代表される新再生エネルギ発電システムと電力貯蔵システムを連携したものであって、電力充電及び電力放電が可能なバッテリに新再生エネルギ又は電力系統の余剰電力を貯蔵し、必要時に、負荷に電力を供給するシステムである。一般に、新再生エネルギ発電システム連携型のエネルギ貯蔵システムは、新再生エネルギ又は系統の電力でバッテリを充電し、負荷に電力供給が必要なときに新再生エネルギ、系統、バッテリのうちいずれか一つによって負荷に電力を供給する。
【0005】
一般に、韓国内の標準電力は60Hzの交流として供給される。エネルギ貯蔵システムは、リアルタイムで変化する電力系統の周波数を60Hzに維持するために、エネルギ貯蔵システムの電力を充電及び/又は放電させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エネルギ貯蔵システムを設計する際、寿命を算定するに当たり、エネルギ貯蔵システムの電力充電パターン及び電力放電パターンを考慮せずに設計を進めたり、任意の電力充電パターン及び電力放電パターンを仮定して設計を進めたりするという問題がある。
【0007】
エネルギ貯蔵システムの電力充電パターン及び電力放電パターンを考慮せずにエネルギ貯蔵システムの設計を進める場合、設計に適用するための温度の算出に困難がある。また、エネルギ貯蔵システムの電力充電パターン及び電力放電パターンを任意に仮定してエネルギ貯蔵システムの設計を進める場合、ユーザが要求する範囲のパターンとは異なるパターンを利用するようになる可能性がある。
【0008】
エネルギ貯蔵システムの寿命をより正確に算定するためには、ユーザが要求する範囲における電力充電及び電力放電パターンを生成する必要がある。
【0009】
前記発明の背景技術及び前記解決しようとする課題において、従来技術として説明された事項は、本発明に対する理解を増進するためのものであるだけで、この技術分野において通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと理解されてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に開示される一実施形態に係るエネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム(ESS)の充放電パターンを生成するステップ、前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類するステップ、前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出するステップ、及び前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップを含むことができる。
【0011】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整するステップをさらに含むことができる。
【0012】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、前記電力値に基づいて充放電量を演算するステップ、及び前記充放電量に基づいて残存容量(SoC、State of Charge)情報を生成するステップをさらに含むことができる。
【0013】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成するステップをさらに含み、前記電力値を抽出するステップは、第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出することができる。
【0014】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成するステップをさらに含み、前記第2値は前記第1集合又は前記第2集合から選択されることができる。
【0015】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第2値に基づいて電力値を抽出するステップ、前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ、前記電力値に基づいて前記充放電量を演算するステップ、及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップを繰り返し行うステップをさらに含むことができる。
【0016】
一実施形態により、前記エネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整するステップをさらに含むことができる。
【0017】
本明細書に開示される一実施形態に係るエネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置は、少なくとも一つの命令を格納するメモリ、前記メモリに格納された前記少なくとも一つの命令を実行するプロセッサ、及び前記プロセッサの実行結果を出力する出力部を含み、前記プロセッサは、最大電力(Max CP-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して、任意の正規分布ベースの充放電パターンを生成するステップと、前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類するステップと、エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出するステップと、前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップと、を行うように設定されることができる。
【0018】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整するステップをさらに行うように設定されることができる。
【0019】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、前記電力値に基づいて充放電量を演算するステップと、前記充放電量に基づいて残存容量(SoC;State of Charge)情報を生成するステップをさらに行うように設定されることができる。
【0020】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成するステップをさらに行うように設定され、前記プロセッサが前記電力値を抽出するステップは、第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて、前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出することができる。
【0021】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成するステップをさらに行うように設定され、前記第2値は、前記第1集合又は前記第2集合から選択されることができる。
【0022】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第2値に基づいて電力値を抽出するステップ、前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ、前記電力値に基づいて前記充放電量を演算するステップ、及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップを繰り返し行うように設定されることができる。
【0023】
一実施形態により、エネルギ貯蔵システム用電力パターン生成装置の前記プロセッサは、前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整するように設定されることができる。
【発明の効果】
【0024】
本明細書の開示に係るエネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法は、ユーザが要求する範囲内で電力充電パターン及び電力放電パターンを生成することができる。
【0025】
本明細書の開示に係るエネルギ貯蔵システムの電力パターン生成方法によって生成された電力充電パターン及び電力放電パターンに基づいて、エネルギ貯蔵システムの寿命を相対的に正確に算定して設計を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書に開示された一実施形態に係る発電システム、エネルギ貯蔵システム、電力パターン生成装置及びユーザを示す図である。
【
図2】本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電力パターン生成方法を具体的に示すフローチャートである。
【
図4】本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【
図5】本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【0027】
図面の説明と関連し、同一又は類似の構成要素については同一又は類似の参照番号が使用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の様々な実施形態が添付の図面を参照して記載される。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の実施形態の様々な変更(modification)、均等物(equivalent)、及び/又は代替物(alternative)を含むものと理解されるべきである。
【0029】
本明細書の様々な実施形態及びそれに使用される用語は、本明細書に記載された技術的特徴を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の様々な変更、均等物、又は代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明と関連し、類似又は関連する構成要素については類似の参照番号が使用されることがある。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連する文脈上、明らかに別段の指示がない限り、前記アイテムの1個又は複数個を含むことができる。
【0030】
本明細書において、「A又はB」、「A及びBのうち少なくとも一つ」、「A又はBのうち少なくとも一つ」、「A、B又はC」、「A、B及びCのうち少なくとも一つ」、及び「A、B、又はCのうち少なくとも一つ」のような語句のそれぞれは、その語句のうち、該当する語句と共に並べられた項目のうちいずれか一つ、又はそれらの全ての可能な組み合わせを含むことができる。「第1」、「第2」、「第一」、「第二」、「A」、「B」、「(a)」又は「(b)」のような用語は、単に当該構成要素を他の当該構成要素と区分するために使用することができ、特に反対となる記載がない限り、当該構成要素は他の側面(例:重要性又は順序)で限定しない。
【0031】
本明細書において、ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に、「機能的に」又は「通信的に」という用語と共に、又はそのような用語なしで、「連結」、「結合」又は「接続」されると言及されるか、「カップルド」又は「コネクテッド」と言及された場合、それは前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接(例:有線で)、無線で、又は第3構成要素を介して連結され得るということを意味する。
【0032】
一実施形態によれば、本明細書に開示された様々な実施形態に係る方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されることができる。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者及び購買者の間で取引されることができる。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取ることができる格納媒体(例:compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、又はアプリケーションストアを介して、又は2つのユーザ装置間に直接、オンラインで配布(例:ダウンロード又はアップロード)されることができる。オンライン配布の場合に、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、又は中継サーバのメモリのような、機器で読み取ることができる格納媒体に少なくとも一時格納されるか、臨時的に生成されることができる。
【0033】
様々な実施形態によれば、上述した構成要素のそれぞれの構成要素(例:モジュール又はプログラム)は、単数又は複数の個体を含むことができ、複数の個体のうち一部は他の構成要素に分離配置されることもできる。様々な実施形態によれば、前述した当該構成要素のうち一つ以上の構成要素又は動作が省略されるか、又は一つ以上の他の構成要素又は動作が追加されることができる。代替的又は追加的に、複数の構成要素(例:モジュール又はプログラム)は一つの構成要素として統合されることができる。このような場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素のそれぞれの構成要素の一つ以上の機能を、前記統合以前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって行われるものと同一又は類似に行うことができる。様々な実施形態によれば、モジュール、プログラム、又は他の構成要素によって行われる動作は、順次的に、並列的に、反復的に、又はヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が他の順序で実行されるか、省略されるか、又は一つ以上の他の動作が追加されることができる。
【0034】
図1は、本明細書に開示された一実施形態に係る発電システム、エネルギ貯蔵システム、電力パターン生成装置、及びユーザを示す図である。
【0035】
図1を参照すると、発電システム10は電力を生成することができる。例えば、発電システム10は、新再生エネルギに基づいて電力を生成することができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
エネルギ貯蔵システム20(Energy Storage System;ESS)は、発電システム10と連携して動作することができる。実施形態によれば、エネルギ貯蔵システム20は、発電システム10から一定基準未満の電力が生成される場合、貯蔵された電力を放電することができる。他の実施形態によれば、エネルギ貯蔵システム20は、発電システム10から一定基準以上の電力が生成される場合、基準以上に生成された電力をエネルギ貯蔵システム20に充電することができる。
【0037】
電力パターン生成装置100は、エネルギ貯蔵システム20の仮想の電力パターンを生成することができる。電力パターンは、電力充電パターン及び電力放電パターンで構成されることができる。電力パターン生成装置100は、エネルギ貯蔵システム20の実際の電力充電パターン及び電力放電パターンと類似のエネルギ貯蔵システム20の仮想電力充電パターン及び電力放電パターンを生成することができる。電力パターン生成装置100が生成した仮想の電力パターンは、エネルギ貯蔵システム20の寿命を算定するのに使用されることができる。
【0038】
電力パターン生成装置100は、入力部110、メモリ120、プロセッサ130及び出力部140を含んで構成されてもよい。ユーザ30は、電力パターン生成装置100が電力パターンを生成するのに要求される係数値を電力パターン生成装置100の入力部110に入力することができる。実施形態によれば、ユーザ30は、エネルギ貯蔵システム20のシステムエネルギ(System Energy、単位:[Wh])、最大Cレート(Max C-rate)、等価サイクル(Equivalent Cycle)、単位充放電動作の所要時間(Time Step、単位:[s])、放電深さの基準値(DOD;Depth of Discharge、単位:[%])及び/又は基準繰り返し回数(Iteration Count)の係数値を電力パターン生成装置100の入力部110に入力することができる。
【0039】
実施形態によれば、システムエネルギ(System Energy)の係数値は、エネルギ貯蔵システム20に貯蔵されたエネルギを意味することができる。
【0040】
最大Cレート(Max C-rate)の係数値は、エネルギ貯蔵システム20で充電又は放電される最大電力を意味することができる。
【0041】
等価サイクル(Equivalent Cycle)の係数値は、システムエネルギ(System Energy)とエネルギ貯蔵システム20が使用するエネルギとの比を意味することができる。例えば、エネルギ貯蔵システム20のシステム100Whのエネルギを有するために使用する総エネルギが150Whであるとすると、等価サイクルの係数値は1.5と計算されることができる。
【0042】
単位充放電動作の所要時間(Time Step)の係数値は、エネルギ貯蔵システム20が電力を1回充電又は1回放電するのに要する時間を意味することができる。
【0043】
放電深さの基準値(DOD、Depth of discharge)は、ユーザ30が要求するエネルギ貯蔵システム20の放電深さを意味することができる。
【0044】
基準繰り返し回数(Iteration Count)の係数値は、電力パターン生成装置100がユーザ30から入力を受けた範囲内でエネルギ貯蔵システム20の電力パターンを生成するために、同一又は類似の条件で電力パターンを生成方法を繰り返す回数を意味することができる。
【0045】
メモリ120は、エネルギ貯蔵システム20に入力された係数値を格納することができる。電力パターン生成装置100のメモリ120は、エネルギ貯蔵システム20の仮想の電力充電パターン及び電力放電パターンを生成するための少なくとも一つの命令を格納することができる。
【0046】
プロセッサ130は、メモリ120に格納された係数値を用いてメモリ120に格納された命令を実行することができる。プロセッサ130は、各動作ステップを行うための専用プロセッサ(例:組み込みプロセッサ)、又はメモリ装置に格納された一つ以上のソフトウェアプログラムを実行することによって、当該動作を行うことができる汎用プロセッサ(generic-purpose processor)(例:CPU又はapplication processor)を意味することができる。
【0047】
出力部140は、本明細書の実施形態により生成されたエネルギ貯蔵システム20の仮想の電力充電パターン及び電力放電パターンを出力することができる。
【0048】
電力パターン生成装置100の具体的な動作については、以下の
図2~
図5を参照してさらに具体的に説明される。
【0049】
図2は、本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【0050】
図2を参照すると、本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成装置の動作方法は、最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム20の充放電パターンを生成するステップ(S100)、充放電パターンを電力の充電パターン及び電力の放電パターンに分類するステップ(S110)、充電値又は放電値のうちいずれか一つを電力値として抽出するステップ(S120)、及び電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ(S130)を含むことができる。
【0051】
以下では、前記S100ステップ~S130ステップについて
図1を参照して具体的に説明する。
【0052】
S100ステップにおいて、プロセッサ130は、エネルギ貯蔵システム20の充放電パターンを生成することができる。実施形態によれば、エネルギ貯蔵システム20の充放電パターンは離散的な値で構成されることができる。プロセッサ130は、正規分布に基づいて充放電パターンを生成することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、パイソン(Python)プログラムの正規分布乱数生成関数を用いて充放電パターンを生成することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、平均が0である正規分布に基づいて充放電パターンを生成することができる。充放電パターンを構成する値(すなわち、正規分布上のy軸の値)は、それぞれ、エネルギ貯蔵システム20の充電電力又は放電電力の量を意味することができる。プロセッサ130は、生成された充放電パターンを構成する各値に、ユーザ30から入力を受けた最大Cレート(Max C-rate)の係数値を乗じることができる。充放電パターンを構成する離散的な値の個数は、エネルギ貯蔵システム20の1日の電力充電及び電力放電の回数と同一であり得る。すなわち、エネルギ貯蔵システム20の充放電パターンは、[数学式1]の演算結果値と同じ個数の離散的な値で構成されることができる。
【0053】
【0054】
S110ステップにおいて、プロセッサ130は、S100ステップで生成された正規分布ベースの充放電パターンを電力充電パターン及び電力放電パターンに分類することができる。プロセッサ130は、正規分布ベースの充放電パターンを、正規分布上のx軸を基準に二等分して電力充電パターン及び電力放電パターンに分類することができる。本明細書に開示された実施形態により、プロセッサ130が、平均が0である正規分布に基づいて充放電パターンを生成した場合、プロセッサ130は、充放電パターンのうち正規分布上でx≧0に位置したパターンは充電パターンに分類し、充放電パターンのうち正規分布上でx<0に位置したパターンは放電パターンに分類することができる。プロセッサ130が充電パターンに分類した値は、エネルギ貯蔵システム20に充電される電力値を意味することができ、プロセッサ130が放電パターンに分類した値は、エネルギ貯蔵システム20から放電される電力値を意味することができる。プロセッサ130は、放電パターンに分類された値を負数に変換することができる。
【0055】
S120ステップにおいて、プロセッサ130は、エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための電力値を抽出することができる。プロセッサ130は、充電パターンの充電値又は放電パターンの放電値のうちいずれか一つを選択して電力値として抽出することができる。プロセッサ130は、仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて電力値を抽出することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、任意の数の集合G={1、2}を生成し、集合Gから任意の第1値を選択することができる。このとき、プロセッサ130は、第1値が1である場合には、充電パターンから充電値を電力値として抽出し、第1値が2である場合には、放電パターンから放電値を電力値として抽出することができる。
【0056】
S130ステップにおいて、プロセッサ130は、抽出された電力値に基づいてエネルギ貯蔵システム20の仮想の電力パターンを生成することができる。プロセッサ130は、充電値又は放電値のうちいずれか一つを電力値として抽出するステップS120を繰り返し、S120ステップで抽出された電力値を順番に配置することができる。このとき、順番に配置された電力値は、エネルギ貯蔵システム20の仮想の電力パターンであり得る。プロセッサ130は、電力値を抽出するステップS120を繰り返す前に、既に抽出された電力値を充電パターン又は放電パターンから削除することができる。プロセッサ130は、既に抽出された電力値を充電パターン又は放電パターンから削除することにより、充電パターンから既に抽出された充電値又は放電パターンから既に抽出された放電値と同じ電力値が抽出されることを防止することができる。
【0057】
プロセッサ130は、S120ステップ及びS130ステップによって、電力の充電及び放電動作を任意に交互に行う仮想の電力パターンを生成することができる。本明細書に開示された実施形態により生成されたエネルギ貯蔵システム20の仮想の電力パターンは出力部140を介して出力されることができる。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態に係る電力パターン生成方法を具体的に示すフローチャートである。
【0059】
図3を参照すると、本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成装置の動作方法は、最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム20の充放電パターンを生成するステップ(S200)、充放電パターンを電力の充電パターン及び電力の放電パターンに分類するステップ(S210)、エネルギ貯蔵システム20の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で充電パターンの充電値又は放電パターンの放電値の一部を調整するステップ(S220)、充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成するステップ(S230)、正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成するステップ(S240)、第1充電パターン、第2充電パターン、第1放電パターン及び第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出するステップ(S250)、電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ(S260)、電力値に基づいて充放電量を演算するステップ(S270)及び/又は充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップ(S280)を含むことができる。
【0060】
以下では、前記S200ステップ~S280ステップについて、
図1及び
図2を参照して具体的に説明する。
【0061】
S200ステップは、
図2のS100ステップと実質的に同一であり得る。
【0062】
S210ステップは、
図2のS110ステップと実質的に同一であり得る。
【0063】
S220ステップにおいて、プロセッサ130は、充電パターンの充電値の一部及び/又は放電パターンの放電値の一部を調整することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、充電パターンの充電値の一部及び/又は放電パターンの放電値の一部を縮小する調整を行うことができる。本実施形態によれば、電力パターン生成装置100は、S220ステップで充電値の一部及び/又は放電値の一部を縮小する調整を行うことにより、電力を過度に充電又は放電する電力パターンを生成することを防止することができる。
【0064】
プロセッサ130は、ユーザ30から入力を受けた等価サイクル(Equivalent Cycle)の範囲を満たす限度で充電パターンの充電値の一部及び/又は放電パターンの放電値の一部を調整することができる。ユーザ30から入力を受けた等価サイクルの範囲とは、充電の等価サイクル及び/又は放電の等価サイクルがそれぞれユーザ30から入力を受けた等価サイクルの係数値を超える範囲を意味することができる。プロセッサ130は、充電の等価サイクル及び/又は放電の等価サイクルがユーザ30から入力を受けた等価サイクル(Equivalent Cycle)の範囲を満たすか否かを判断することができる。本明細書に開示された実施形態によりプロセッサ130が充電の等価サイクル及び/又は放電の等価サイクルを演算する方法については、以下で具体的に説明する。
【0065】
プロセッサ130は、充電エネルギ及び/又は放電エネルギを演算することができる。プロセッサ130は、充電パターンに含まれた充電値を充電エネルギに変換するように演算し、放電パターンに含まれた放電値を放電エネルギに変換するように演算することができる。プロセッサ130は、充電エネルギ及び/又は放電エネルギを演算するために、以下の[数学式2]を参照することができる。
【0066】
【0067】
プロセッサ130は、充電の等価サイクル及び/又は放電の等価サイクルを演算することができる。プロセッサ130は、充電エネルギに基づいて充電の等価サイクルを演算し、放電エネルギに基づいて放電の等価サイクルを演算することができる。プロセッサ130は、充電の等価サイクル及び/又は放電の等価サイクルを演算するために、以下の[数学式3]を参照することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、充電の等価サイクル及び放電の等価サイクルの初期値を0に設定することができる。
【0068】
【0069】
S230ステップにおいて、プロセッサ130は、充電パターンに含まれた充電値の一部を第1充電パターンに、残りの充電値を第2充電パターンに分類することができる。S220ステップにおいて、プロセッサ130は、充電パターンを第1充電パターン及び第2充電パターンに分類する基準と、放電パターンを第1放電パターン及び第2放電パターンに分類する基準とを同一に設定することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、S220ステップで第1充電パターン及び第2充電パターンに含まれた各充電値の個数が同じであるように充電値を分類することができる。例えば、プロセッサ130は、充電パターンを2つのパターンに二等分して一つのパターンを第1充電パターンに、残りのパターンを第2充電パターンに分類することができる。プロセッサ130は、S230ステップをS210ステップ又はS220ステップと同時に行うか、又はS220ステップの後に行うことができる。プロセッサ130は、S230ステップで分類された第1充電パターンの充電値、第2充電パターンの充電値、第1放電パターンの放電値又は第2放電パターンの放電値を任意に抽出することができる。プロセッサ130は、S230ステップで細分化された充電パターン及び放電パターンを任意に抽出することにより、エネルギ貯蔵システム20の実際の電力パターンと近似した仮想電力パターンを生成することができる。プロセッサ130がS230ステップで細分化された充電値又は放電値を任意に抽出する具体的な方法については、S250の説明を参照することができる。
【0070】
S240ステップにおいて、プロセッサ130は、正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、正数及び負数を同じ比率で含む第1集合及び第2集合を生成することができる。例えば、プロセッサ130は、第1集合及び第2集合を{-1000、-999、-998、...、998、999、1000}で同一に生成することができる。プロセッサ130が生成した第1集合と第2集合に含まれた正数及び負数の比率は、必ずしも同一に固定されたものではない。実施形態によれば、プロセッサ130は、第1集合及び/又は第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整することができる。プロセッサ130は、S240ステップをS200ステップ、S210ステップ、S220ステップ、又はS230ステップの後に行うか、又は同時に行うことができる。
【0071】
S250ステップは、
図2のS120ステップと実質的に同一であり得る。S250ステップにおいて、プロセッサ130は、エネルギ貯蔵システム20の仮想充放電パターンを生成するための電力値を抽出することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、第1充電パターンの充電値、第2充電パターンの充電値、第1放電パターンの放電値及び第2放電パターンの放電値のうちいずれか一つを電力値として抽出することができる。プロセッサ130は、仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値及び第2値に基づいて電力値を抽出することができる。プロセッサ130は、第1値に基づいて第2値を選択することができる。プロセッサ130は、S250ステップをS230ステップ又はS240ステップの後に行うか、又はS240ステップと同時に行うことができる。
【0072】
実施形態によれば、プロセッサ130は、第1値を任意の数の集合G={1、2}から選択することができ、第2値を任意の数の集合E={11、12}又は任意の数の集合F={21、22}から選択することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、第2値を、第1値が1の場合、集合Eから選択することができ、第1値が2の場合、集合Fから選択することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、電力値を、第2値が11の場合は第1充電パターンから、第2値が12の場合は第1放電パターン(又は第2放電パターン)から、第2値が21の場合は第2充電パターンから、第2値が22の場合は第2放電パターン(又は第1放電パターン)から抽出することができる。
【0073】
他の実施形態によれば、プロセッサ130は、第1値を任意の数の集合G={1、2}から選択することができ、第2値をS240ステップにおいて生成された第1集合又は第2集合から選択することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、第2値を、第1値が1の場合、第1集合から選択することができ、第1値が2の場合、第2集合から選択することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、電力値を、第1値が1であり第2値が0又は正数である場合は第1充電パターンから、第1値が1であり第2値が負数である場合は第1放電パターン(又は第2放電パターン)から、第1値が2であり第2値が0又は正数である場合は第2充電パターンから、第1値が2であり第2値が負数である場合は第2放電パターン(又は第1放電パターン)から、抽出することができる。
【0074】
S260ステップは、
図2のS130ステップと実質的に同一であり得る。プロセッサ130は、充電値又は放電値のうちいずれか一つを電力値として抽出するステップ(S250)を繰り返し、S250ステップで抽出された電力値を順番に配置することができる。このとき、順番に配置された電力値は、エネルギ貯蔵システム20の仮想の電力パターンであり得る。プロセッサ130は、電力値を抽出するステップ(S250)を繰り返す前に、既に抽出された電力値を第1充電パターン、第2充電パターン、第1放電パターン又は第2放電パターンから削除することができる。プロセッサ130は、既に抽出された電力値を第1充電パターン、第2充電パターン、第1放電パターン又は第2放電パターンから削除することにより、既に抽出された充電値又は放電値と同じ電力値が抽出されることを防止することができる。
【0075】
S270ステップにおいて、プロセッサ130は、S250ステップで抽出した電力値を[数学式4]を参照して充放電量を演算することができる。プロセッサ130は、S270ステップをS250ステップ又はS260ステップの後に行うか、又は同時に行うことができる。
【0076】
【0077】
S280ステップにおいて、プロセッサ130は、S270ステップで演算した充放電量を[数学式5]を参照して残存容量(SoC;State of Charge、単位:[%])情報を生成することができる。プロセッサ130は、エネルギ貯蔵システム20の最初の残存容量を特定の値に予め設定することができる。一例として、プロセッサ130は、エネルギ貯蔵システム20の最初の残存容量を50%に設定することができる。プロセッサ130は、S280ステップをS270ステップの後に行うか、又は同時に行うことができる。
【0078】
【0079】
プロセッサ130は、残存容量情報に基づいてエネルギ貯蔵システム20の仮想の残存容量グラフを生成することができる。電力パターン生成装置100は、本明細書の実施形態により生成されたエネルギ貯蔵システム20の仮想の残存容量グラフを、出力部140を介して出力することができる。
【0080】
図4は、本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【0081】
図4を参照すると、電力パターン生成装置100がエネルギ貯蔵システム20の電力パターンを生成する方法は、プロセッサ130が残存容量情報から放電深さを計算するステップ(S300)、計算された放電深さの値が、ユーザ30が要求する放電深さの基準値(DOD)未満であるか否かを判断するステップ(S310)及び/又は電力パターン及び残存容量情報を出力するステップ(S320)を含むことができる。
【0082】
以下では、前記S300ステップ~S320ステップについて、
図1~
図3を参照して具体的に説明する。
【0083】
S300ステップにおいて、プロセッサ130は、残存容量情報から放電深さを計算することができる。プロセッサ130は、S300ステップを
図3のS280ステップの後に行うか、又は同時に行うことができる。プロセッサ130は、[数学式6]を参照して仮想パターンの放電深さを計算することができる。
【0084】
【0085】
S310ステップにおいて、プロセッサ130は、生成された電力パターンの放電深さが、ユーザ30が要求する範囲を満たすか否かを判断することができる。プロセッサ130は、S300で計算された放電深さがユーザ30から入力を受けた放電深さの基準値(DOD)未満であるか否かを判断することができる。プロセッサ130は、S300ステップで計算された放電深さがユーザ30から入力を受けた放電深さの基準値(DOD)以上である場合、生成された電力パターンの放電深さが、ユーザ30が要求する範囲を満たさないと判断することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、生成された電力パターンの放電深さが、ユーザ30が要求する範囲を満たさないと判断した場合、電力パターンを再び生成することができる。プロセッサ130は、電力パターンを再び生成するために、電力値を抽出するステップ(S120又はS250)、電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ(S130又はS260)、電力値に基づいて充放電量を演算するステップ(S270)及び充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップ(S280)を繰り返すことができる。プロセッサ130は、電力値を抽出するステップ(S120又はS250)を任意の第1値及び/又は第2値に基づいて行うため、同じ条件で再び生成された電力パターンの放電深さは、ユーザ30が要求する範囲を満たすことができる。
【0086】
S320ステップにおいて、出力部140は、プロセッサ130が生成した電力パターン及び残存容量情報を出力することができる。出力部140は、プロセッサ130がS310ステップで生成された電力パターンの放電深さが、ユーザ30が要求する範囲を満たすと判断した場合、S320ステップを行うことができる。
【0087】
図5は、本明細書に開示された一実施形態に係る電力パターン生成方法を示すフローチャートである。
【0088】
図5を参照すると、電力パターン生成装置100がエネルギ貯蔵システム20の電力パターンを生成する方法は、プロセッサ130が残存容量情報から放電深さを計算するステップ(S400)、計算された放電深さの値が、ユーザ30が要求する放電深さの基準値(DOD)未満であるか否かを判断するステップ(S410)、電力パターンを繰り返し生成した繰り返し遂行回数が、ユーザ30が要求する基準繰り返し回数(Iteration Count)を超えるか否かを判断するステップ(S420)、第1集合及び第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整するステップ(S430)、及び/又は電力パターン及び残容量情報を出力するステップ(S440)を含むことができる。
【0089】
以下では、前記S400ステップ~S440ステップについて、
図1~
図4を参照して具体的に説明する。
【0090】
S400ステップは、
図4のS300ステップと実質的に同一であり得る。
【0091】
S410ステップは、
図4のS310ステップと実質的に同一であり得る。プロセッサ130がS410ステップで電力パターンを再び生成する場合、プロセッサ130は電力パターン生成の繰り返し遂行回数を数えることができる。
【0092】
S420ステップにおいて、プロセッサ130は、繰り返し遂行回数が、ユーザ30が要求する範囲を満たすか否かを判断することができる。プロセッサ130は、繰り返し遂行回数がユーザ30から入力を受けた基準繰り返し回数(Iteration Count)を超えるか否かを判断することができる。プロセッサ130は、繰り返し遂行回数が基準繰り返し回数(Iteration Count)以下である場合、繰り返し遂行回数が、ユーザ30の要求する範囲を満たさないと判断することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、繰り返し遂行回数がユーザ30の要求する範囲を満たさないと判断した場合、既存の条件と同一又は類似の条件で電力値を抽出するステップ(S120又はS250)、電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ(S130又はS260)、電力値に基づいて充放電量を演算するステップ(S270)、及び充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップ(S280)を繰り返すことができる。類似の条件とは、プロセッサ130が第1集合及び第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整せずに、他の条件を変更した場合を意味することができる。
【0093】
S430ステップにおいて、プロセッサ130は、第1集合及び第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整することができる。プロセッサ130は、S420ステップにおいて、電力パターン生成の繰り返し遂行回数が、ユーザ30が要求する範囲を満たすと判断した場合、S430ステップを行うことができる。プロセッサ130は、第1集合及び第2集合に含まれた正数及び負数の比率を異なるように調整することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、第1集合に含まれた正数の比率が高くなるように第1集合を調整し、第2集合に含まれた負数の比率が高くなるように第2集合を調整することができる。実施形態によれば、プロセッサ130は、第1集合に含まれた全ての数を1だけ増加させ、第2集合に含まれた全ての数を1だけ減少させることができる。具体的な実施形態によれば、第1集合及び第2集合が{-1000、-999、-998、...、998、999、1000}である場合、プロセッサ130は、S430ステップで第1集合を{-999、-998、-997、...、999、1000、1001}に調整し、第2集合を{-1001、-1000、-999、...、997、998、999}に調整することができる。プロセッサ130は、S430ステップを行った後、電力値を抽出するステップ(S120又はS250)、電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ(S130又はS260)、電力値に基づいて充放電量を演算するステップ(S270)及び充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップ(S280)を繰り返し行うことができる。プロセッサ130は、S250ステップを繰り返す際に、正数及び負数の比率が調整された第1集合及び第2集合に基づいて電力値を抽出することができるため、再び生成された電力パターンは単位時間当たりの電力パターンを構成する電力充電パターン及び電力放電パターンの比率を異ならせることができる。
【0094】
S440ステップは、
図4のS320ステップと実質的に同一であり得る。
【0095】
以上に記載された「含む」、「構成する」、又は「有する」などの用語は、特に反対となる記載がない限り、当該構成要素を内在し得ることを意味するものであるため、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得るものと解釈されるべきである。技術的又は科学的な用語を含む全ての用語は、別段の定義がない限り、本明細書に開示された実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。辞書に定義された用語のように一般に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本明細書において明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されない。
【0096】
以上の説明は、本明細書に開示された技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであり、本明細書に開示された実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本明細書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本明細書に開示された実施形態は、本明細書に開示された実施形態の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本明細書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本明細書に開示された技術思想の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本明細書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0097】
10 発電システム
20 エネルギ貯蔵システム
100 電力パターン生成装置
110 入力部
120 メモリ
130 プロセッサ
140 出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して、正規分布に基づくエネルギ貯蔵システム(ESS)の充放電パターンを生成するステップと、
前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類するステップと、
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出するステップと、
前記電力値に基づいて電力パターンを生成するステップと、を含む、電力パターン生成方法。
【請求項2】
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の電力パターン生成方法。
【請求項3】
前記電力値に基づいて充放電量を演算するステップと、
前記充放電量に基づいて残存容量(SoC、State of Charge)情報を生成するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電力パターン生成方法。
【請求項4】
前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成するステップをさらに含み、
前記電力値を抽出するステップは、前記第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて、前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出する、請求項3に記載の電力パターン生成方法。
【請求項5】
正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成する段階をさらに含み、
前記第2値は、前記第1集合又は前記第2集合から選択される、請求項4に記載の電力パターン生成方法。
【請求項6】
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第1値及び前記第2値に基づいて電力値を抽出するステップ、前記
抽出した電力値に基づいて電力パターンを生成するステップ、前記
抽出した電力値に基づいて前記充放電量を演算するステップ及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成するステップを繰り返し行うステップをさらに含む、請求項5に記載の電力パターン生成方法。
【請求項7】
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整するステップをさらに含む、請求項6に記載の電力パターン生成方法。
【請求項8】
少なくとも一つの命令を格納するメモリ、前記メモリに格納された前記少なくとも一つの命令を実行するプロセッサ、及び前記プロセッサの実行結果を出力する出力部を含み、
前記プロセッサは、
最大Cレート(Max C-rate)及び単位充放電動作の所要時間(Time Step)を考慮して、任意の正規分布ベースの充放電パターンを生成し、前記充放電パターンを充電パターン及び放電パターンに分類し、エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第1値に基づいて前記充電パターン又は前記放電パターンから電力値を抽出し、前記電力値に基づいて電力パターンを生成する動作を行うように設定された、電力パターン生成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の等価サイクル(Equivalent Cycle)を満たす範囲で、前記充電パターンの充電値又は前記放電パターンの放電値の一部を調整する動作をさらに行うように設定された、請求項8に記載の電力パターン生成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記電力値に基づいて充放電量を演算し、前記充放電量に基づいて残存容量(SoC、State of Charge)情報を生成する動作をさらに行うように設定された、請求項8に記載の電力パターン生成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記充電パターンに基づいて第1充電パターン及び第2充電パターンを生成し、前記放電パターンに基づいて第1放電パターン及び第2放電パターンを生成する動作をさらに行うように設定され、
前記プロセッサが前記電力値を抽出する動作は、前記第1値及び前記エネルギ貯蔵システム(ESS)の仮想充放電パターンを生成するための任意の第2値に基づいて、前記第1充電パターン、前記第2充電パターン、前記第1放電パターン及び前記第2放電パターンのうちいずれか一つのパターンから電力値を抽出する動作である、請求項10に記載の電力パターン生成装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
正数及び負数の比率を考慮した第1集合及び第2集合を生成する動作をさらに行うように設定され、
前記第2値は、前記第1集合又は前記第2集合から選択される、請求項11に記載の電力パターン生成装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上である場合、前記第1値及び前記第2値に基づいて電力値を抽出する動作、前記
抽出した電力値に基づいて電力パターンを生成する動作、前記
抽出した電力値に基づいて前記充放電量を演算する動作、及び前記充放電量に基づいて残存容量情報を生成する動作を繰り返し行うように設定された、請求項12に記載の電力パターン生成装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記残存容量情報から取得される放電深さが基準値以上であり、前記繰り返し行うステップが基準繰り返し回数を超えて行われた場合、前記第1集合及び前記第2集合に含まれた正数及び負数の比率を調整する動作をさらに行うように設定された、請求項13に記載の電力パターン生成装置。
【国際調査報告】