(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】膨脹性ポリマー材料およびそれを組み込んだ有用な物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/53 20060101AFI20241008BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20241008BHJP
A61L 15/20 20060101ALI20241008BHJP
A61L 15/22 20060101ALI20241008BHJP
A61L 15/42 20060101ALI20241008BHJP
A61L 15/48 20060101ALI20241008BHJP
A01K 1/01 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61F13/53 300
A61F13/15 120
A61F13/15 130
A61L15/20 200
A61L15/22 200
A61L15/42 320
A61L15/48 200
A01K1/01 801Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516444
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022043373
(87)【国際公開番号】W WO2023043740
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523266073
【氏名又は名称】ソーン マテリアルズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】ソーン,デービッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,アリソン ホープ
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンズ,シドニー グリーノー
【テーマコード(参考)】
2B101
3B200
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101GB08
3B200AA01
3B200AA03
3B200AA11
3B200AA12
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3B200DB01
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3B200DB12
3B200DB20
(57)【要約】
本発明は、ヒドロゲル形成性膨脹性ポリマーおよび可塑剤を含む吸収性材料を提供し、該吸収性材料は、有利な性能特性、例えば有利な流体吸収能力、流体吸収速度および再湿潤化を示し、有利な性能特性は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される同様の特性の少なくとも約80%内にあるか、または有利な性能特性の累積的性能は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される性能と同等であるかもしくはそれより優れている。本発明は、かかる吸収性材料を含む製造物品および製造の方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマー;および
可塑剤
を含む、吸収性材料であって、
該吸収性材料は、生分解性であり、
該吸収性材料は、流体吸収能力、流体吸収速度および再湿潤化からなる群より選択される有利な性能特性を示し、有利な性能特性は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される同様の特性の少なくとも約80%内にあるか、または
有利な性能特性の累積的性能は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される性能と同等であるかもしくはそれより優れている、吸収性材料。
【請求項2】
吸収性材料は、堆肥化可能である、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項3】
少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマーは、超吸収性特性を示す、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項4】
少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマーは、多糖である、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項5】
多糖は、デキストリン、デキストラン、アガロース、セルロース、デンプンおよび前記のいずれかの誘導体からなる群より選択される、請求項4記載の吸収性材料。
【請求項6】
多糖は、キサンタンガム、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される、請求項4記載の吸収性材料。
【請求項7】
可塑剤は、小分子、ポリマー性ポリオールおよびオリゴマーからなる群より選択される、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項8】
界面活性剤をさらに含む、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項9】
1つ以上のさらなるバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマーをさらに含む、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項10】
第2の可塑剤をさらに含む、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項11】
可塑剤と第2の可塑剤の少なくとも1つは、小分子であり、小分子は、ポリオールである、請求項10記載の吸収性材料。
【請求項12】
ポリオールは、グリセロール、マルチトールおよびキシリトールからなる群より選択される、請求項11記載の吸収性材料。
【請求項13】
架橋剤をさらに含む、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項14】
機能性添加剤をさらに含む、請求項1記載の吸収性材料。
【請求項15】
予め指定された形状に固体生分解性吸収性材料を製造する方法であって、ここで該固体生分解性吸収性材料は、流体吸収能力、流体吸収速度および再湿潤化からなる群より選択される有利な性能特性を示し、有利な性能特性は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される同様の特性の少なくとも約80%内であるか、または有利な性能特性の累積的性能は、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーにより示される性能と同等であるかもしくはそれより優れており、該方法は:
少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマー、可塑剤および界面活性剤を含む液体組成物を調製する工程;
形状形成装置において液体組成物を加工する工程、ここで該形状形成装置は、押し出し成形機、金型、エレクトロスピナー、スロットダイおよび流体ディスペンサーからなる群より選択され、該形状形成装置は、液体製剤を、予め指定された形状と一致する選択された三次元形態に形成する;ならびに
選択された三次元形態を固化し、それにより、予め指定された形状を生じる工程
を含む、方法。
【請求項16】
少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性ポリマーは、多糖であり;
可塑剤は、グリセロールまたはキシリトールであり、
界面活性剤は、カプリルグルコシドまたはヘキシルグルコシドである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
予め指定された形状が、細長い鎖または平坦なシートである、請求項15記載の方法。
【請求項18】
固化工程は、選択された三次元形態を乾燥させ、予め指定された形状を形成するサブ工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
使い捨ての吸収性領域を含む製造物品であって、該使い捨ての吸収性領域は、請求項1記載の吸収性材料を含み、吸収性領域は、多層構造として組織化される、製造物品。
【請求項20】
多層構造は、吸収性材料の1つ以上の層を含み、吸収性材料は、発泡材料である、請求項19記載の製造物品。
【請求項21】
多層構造は、吸収性材料から形成された少なくとも1つの一次吸収性層、および少なくとも1つの二次吸収性層を含む、請求項19記載の製造物品。
【請求項22】
少なくとも1つの一次吸収性層は、シートとして形成される、請求項21記載の製造物品。
【請求項23】
シートは、1つ以上のアパーチャを用いて貫通される、請求項22記載の製造物品。
【請求項24】
少なくとも1つの一次吸収性層は、互いに重なる吸収性材料の部分を含み、ギャップを生じ、該ギャップは、流体に該層を通過させる、請求項21記載の製造物品。
【請求項25】
少なくとも1つの二次吸収性層は、紙ベースの材料を含む、請求項21記載の製造物品。
【請求項26】
少なくとも1つの二次吸収性層は、第1の一次吸収性層と第2の一次吸収性層の間にはさまれる、請求項21記載の製造物品。
【請求項27】
使い捨ての吸収性領域は、特殊化された内層および特殊化された外層の少なくとも1つをさらに含む、請求項19記載の製造物品。
【請求項28】
特殊化された外層は、バリア特性を有するバイオポリマーを含む、請求項27記載の物品。
【請求項29】
特殊化された内層は、機能性添加剤を含む、請求項27記載の物品。
【請求項30】
使い捨ての吸収性領域を、製造物品内の解剖学的に有利な領域の近位に配置する再利用可能な外殻をさらに含む、請求項19記載の製造物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年9月16日に出願された米国仮出願第63/245,129号の利益を主張する。上記出願の全内容は、本明細書において参照により援用される。
【0002】
出願の分野
本願は、膨脹性ポリマー材料およびそれから形成される物品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
以下により詳細に記載する超吸収性ポリマーは、特殊化され架橋されたポリマー網状構造であり、該ポリマー網状構造は、液体においてそれらの重量を多数回吸収し、その一方で、それ自体は吸収した液体の存在下で無傷のままでいる能力を特徴とする。それらの吸収性で保持する性質は、それらを、流体が、都合のよい形態要素に吸収され保持されることが必要とされる任意の設定に有用にし得る。従って、超吸収性ポリマー(SAP)は、それらが水性流体を吸収する能力に依存する多くの消費者製品、例えば乳児のダイヤパー、成人の失禁パッド、女性ケア製品等の基礎を形成する。
【0004】
SAPは、一般的な使用において、主にアクリル酸に由来し、このポリマーは、アクリレートモノマーから合成的に形成される。アクリレートモノマーは、それ自体は、石油化学製品供給源に由来し、石油工業に依存する非再生可能資源と考えられている。さらに、アクリレートモノマーからSAPを形成するのに必要なプロセスは、多大のエネルギーを消費し、出費を必然的に伴い、環境負荷を課す。現在、SAPは、従来の乳児のダイヤパーの重量の約27%を構成すると見積もられており、それらの製造は、ダイヤパー生産について地球温暖化潜在能力(CO2eq)の影響の約34.5%に寄与する。SAP生産および加工からのCO2放出の高い寄与は、従来のSAPの環境への影響を強調する。
【0005】
SAPヒドロゲルについての製造プロセスは、最終製品に埋め込まれることになる残存アクリレートモノマーを生じ得る。SAP中の残存モノマーは、吸収性ポリマー材料から周囲の水性流体へ浸出し得、該水性流体は、ヒト組織に接触し、環境に入る。技術はSAP中の残存モノマーのレベルを最小にするように工夫されてきたが、これらの物質の存在は、少量であっても、皮膚の刺激および健康問題を引き起こし得、環境を汚染し得る。
【0006】
従来のSAPにより課される最も重大な環境ハザードは、それらの生分解に対する耐性である。科学的研究により、通常の環境条件下でのSAP分解の遅い速度が示されてきた。土壌調整剤として使用されるポリアクリレートポリマーの生分解性を調査する研究により、ヒドロゲル中のポリアクリレートポリマーの主な長い鎖が、「あったとしても、6か月あたり0.12-0.24%の速度で」分解していることが見出された。(Biodegradability of a polyacrylate superabsorbent in agricultural soil Burkhard Wilske & Mo Bai & Beate Lindenstruth & Martin Bach & Zahra Rezaie & Hans-Georg Frede & Lutz Breuer, Environ Sci Pollut Res DOI 10.1007/s11356-013-2103-1)。研究により、より高い分子量のSAPについて、生分解の速度は、さらにより遅くあり得ることが示された。
【0007】
SAPを含む個人ケア品目、例えば乳児のダイヤパーおよび成人の失禁製品は、地方自治体の固体廃棄物として廃棄される。EPA報告によると、2018年において、330万トンの使い捨ての個人ケア品目が、ごみ埋立地に付託され;このトン数は、米国におけるその年の地方自治体の総固体廃棄物の約1.4%に等しかった。廃棄された使い捨てのダイヤパーは、分解するのに約450年要すると見積もられている。
【0008】
吸収性材料としての従来のSAPの限界、例えば、健康および安定性の懸念ならびに持続可能性の懸念に関わらず、該SAPは、広く採用されてきた。1つの報告には、90-95%の米国の乳児は、SAPを有するダイヤパーを使用し、約274億個の一回使用用(single use)のダイヤパーが毎年使用されていると示される。使い捨てのダイヤパーは、性能特徴を組み込み、これにより、延長された乾燥および低減した漏れが生じる。しかし、これらの製品が環境に配置される負荷を考慮すると、この製品を、より持続可能であり、一方で、その有益な特徴を保持するように向上するような必要性が、当該分野にある。天然供給源に由来する従来のSAPの代替物が提案されているが、これらの代替物は、従来のSAPと同じ高い性能を提供しない傾向にある。
【0009】
従って、従来のポリアクリレートSAPの代替物は、有利にも、天然供給源に由来し、環境に課すストレスが低い一方で、消費者に同様の性能を提供する。望ましいことに、天然かつ生分解性の超吸収性ポリマーは、SAP吸収性に対する代替を提供し得、吸収性物品の現存する製造プロセスに容易に組み込まれ得、従って、資本的支出を避け、商品化への経路が簡素化される。かかる材料は、他の適用、例えば、ペット排泄物の管理において、吸収性として使用され得;生分解性超吸収性ポリマーは、有利にも、粘土鉱物またはシリカゲルに対するより持続可能な代替物を提供し、該粘土鉱物またはシリカゲルは、例えば、動物のトイレの砂(litter)において、ペット排泄物吸収物として使用されることが構想される。
【発明の概要】
【0010】
概要
態様において、少なくとも1つのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマー、例えば、少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマー;および可塑剤を含む吸収性材料が、本明細書において開示され;ここで該吸収性材料は、流体吸収能力、流体吸収速度および再湿潤化からなる群より選択される有利な性能特性を示すか、該有利な性能特性は、従来の超吸収性ポリマーにより示される同様の特性の少なくとも約80%以内にあるか、または該有利な性能特性の累積的性能は、従来の超吸収性ポリマーにより示される性能と同等であるかもしくはそれより優れている。態様において、吸収性材料は、生分解性または堆肥化可能(compostable)である。態様において、少なくとも1つのポリマーは、生分解性合成ポリマーまたはバイオベースのものであり、態様において、少なくとも1つのポリマーは、超吸収性特性を示す。態様において、少なくとも1つのポリマーは、陰イオン性ポリマーであり、これは、アルギン酸塩またはカラギーナンであり得る。態様において、少なくとも1つのポリマーは、陽イオン性ポリマーまたは中性ポリマーである。態様において、ポリマーは、多糖であり、これは、デキストリン、デキストラン、アガロース、セルロースおよび前記のいずれかの誘導体からなる群より選択され得る。態様において、少なくとも1つのポリマーは、キサンタンガム、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される多糖である。態様において、可塑剤は、小分子、ポリマー性ポリオールおよびオリゴマーからなる群より選択される。態様において、吸収性材料は、第2の可塑剤を含む。態様において、可塑剤と第2の可塑剤の少なくとも1つは、小分子であり、小分子は、ポリオールであり、これは、グリセロール、グリセリン、マルチトールまたはキシリトールであり得る。態様において、可塑剤は、オリゴマーであり、これは、グルコースオリゴマーまたはセルロースオリゴマーであり得る。態様において、吸収性材料は、1つ以上のさらなるバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマーをさらに含む。態様において、吸収性材料は、架橋剤を含み、これは、共有結合性もしくはイオン性架橋剤、または二次架橋剤、例えば、体液中に見られる二価カチオンであり得る。吸収性材料は、その内部で、その表面で、またはそれらの両方で架橋され得る。吸収性材料は、架橋剤のための触媒をさらに含み得る。態様において、吸収性材料は、可塑剤添加剤または機能性添加剤をさらに含む。態様において、予め指定された形状の固体生分解性吸収性材料を形成する方法も本明細書において開示され、ここで該固体生分解性吸収性材料は、流体吸収能力、流体吸収速度および再湿潤化からなる群より選択される有利な性能特性を示すか、該有利な性能特性は、従来の超吸収性ポリマーにより示される同様の特性の少なくとも約80%以内にあるか、または該有利な性能特性の累積的性能は、従来の超吸収性ポリマーにより示される性能と同等であるかもしくはそれより優れており、該方法は、少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性膨脹性ポリマー、可塑剤および界面活性剤を含む液体組成物を調製する工程; 形状形成装置において液体組成物を加工する工程、ここで該形状形成装置は、押し出し成形機、金型、エレクトロスピナー、スロットダイおよび流体ディスペンサーからなる群より選択され、該形状形成装置は、液体製剤を、予め指定された形状と一致する選択された三次元形態に形成する;ならびに選択された三次元形態を固定し、それにより予め指定された形状を製造する工程を含む。態様において、固体生分解性吸収性材料は、半固体材料である。態様において、少なくとも1つのバイオベースのヒドロゲル形成性ポリマーは、多糖であり、可塑剤は、グリセロールまたはキシリトールであり、界面活性剤は、カプリルグルコシドまたはヘキシルグルコシドである。態様において、予め指定された形状は、細長い鎖または平坦な(flattened)シートまたは平坦な(flat)形状または卵形の形状である。態様において、形状形成装置は、押し出し成形機であり、これは、過剰な水を蒸発させるための揮発分除去能力を有し得る。態様において、固化工程は、選択された三次元形態を乾燥させ、予め指定された形状を形成するサブ工程を含む。態様において、ポリマーは、生分解性または堆肥化可能である。態様において、方法は、方向づける工程の前に、架橋剤をヒドロゲル混合物に添加する工程をさらに含む。態様において、方法は、方向づける工程の前に、有利な性質を有する添加剤をヒドロゲル混合物に添加する工程をさらに含み、ここで添加剤は、充填剤添加剤であり得、これは、フラッフパルプ、マイクロ繊維化セルロースおよびナノ繊維化セルロースからなる群より選択され得る。態様において、添加剤は、臭気吸収性添加剤である。態様において、添加剤は、特殊化された性質を有する。態様において、方法は、方向づける工程の後に、形成された吸収性材料を加熱する工程をさらに含む。
【0011】
使い捨ての吸収性領域を含む製造物品も開示され、ここで該使い捨ての吸収性領域は、本明細書において記載される吸収性材料を含み、該使い捨ての吸収性領域は、多層構造として組織化される。態様において、多層構造は、吸収性材料の1つ以上の層を含み、吸収性材料は、発泡材料である。態様において、多層構造は、吸収性材料から形成された少なくとも1つの一次吸収性層、および少なくとも1つの二次吸収性層を含む。態様において、少なくとも1つの一次吸収性層は、シートとして形成され得、これは、1つ以上のアパーチャにより貫通され得る。態様において、少なくとも1つの一次吸収性層は、互いに重なる吸収性材料の部分を含み、ギャップを生じ、該ギャップは、流体に該層を通過させる。態様において、少なくとも1つの二次吸収性層は、紙ベースの材料を含む。態様において、少なくとも1つの二次吸収性層は、第1の一次吸収性層と第2の一次吸収性層の間にはさまれる。態様において、使い捨ての吸収性領域は、特殊化された内層および特殊化された外層の少なくとも1つをさらに含む。特殊化された外層は、バリア特性を有するバイオポリマーを含み得る。特殊化された内層は、機能性添加剤を含み得る。態様において、製造物品は、再利用可能な外殻をさらに含み、該外殻は、使い捨ての吸収性領域を、製造物品内の解剖学的に有利な領域の近位に配置する。態様において、製造物品は、ダイヤパー、失禁パッド、女性の衛生製品、ペットのトイレの砂およびペット訓練パッドからなる群より選択される。物品は、個人ケア製品であり得、これは、ダイヤパー、成人の失禁製品、流体吸収パッドおよび女性の衛生製品からなる群より選択され得る。物品は、医療用途について意図され得、これは、創傷処置、血液凝固、皮膚条件の処置、医療または健康処置の表面適用および医薬処置の経皮散布からなる群より選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な説明
【
図1】
図1は、層になった吸収性領域の断面図を概略的に示す。
【
図2-1】
図2Aは、多層吸収性領域の断面図を概略的に示す。
【
図2-2】
図2Bおよび2Cは、各々、多層吸収性領域、例えば、
図2Aに示したものの上面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
1.再生可能な資源から形成される吸収性材料
態様において、再生可能な資源から形成されるバイオベースのヒドロゲルを含む吸収性材料が、本明細書において開示される。かかる材料は、天然に由来し、生分解性でありかつ環境的に持続可能であると理解される。用語「持続可能な」は現在の用法において、多くの意味を有し、これは、一般的に、ある期間にわたってある速度またはレベルで条件または挙動のセットを維持し得ることをいい;環境の文脈において使用される場合、この用語は、一般的に、天然資源の涸渇を避け、生態学的バランスを維持することをいう。有利にも、本明細書において記載される材料は、持続可能性のこの所望の目的に寄与することを意図し、該目的は、「条件を作成および維持すること、該条件下で、ヒトおよび自然は、生産的な調和で存在し得、これは、現在および将来の世代の社会的、経済的および他の要件を満たすことを可能にする」とEPAにより規定される(Executive Order 13514 (2009) Federal Leadership in Environmental, Energy, and Economic Performance)。
【0014】
本明細書において開示される吸収性材料は、持続可能性に寄与し、なぜなら、該吸収性材料は、天然に由来し、生分解性であり、非再生可能供給源、例えば石油(即ち、従来の超吸収性ポリマーまたはSAP)に由来する吸収性材料とは対照的であるからである。本明細書において使用される場合、「従来の超吸収性ポリマー」は、ポリアクリレート超吸収性ポリマー、例えば、架橋されたポリアクリレート超吸収性ポリマーである。態様において、本明細書において開示される吸収性材料は、個人的およびペットケア物品、例えば乳児のダイヤパー、成人の失禁パッド、女性の衛生製品および動物のトイレの砂に使用され得る。態様において、本明細書において開示される吸収性材料を含む物品は、有利な性能特性、例えば流体吸収能力および流体吸収速度(ウィッキング速度)、ならびに再湿潤化を示し、ここで、これらの性能特性の1つまたは1つより多くは、商業的に許容され得る範囲内にある。例えば、これらの性能特性の1つまたは1つより多くは、従来の超吸収性ポリマーを含む物品により示される同じまたは同様の特性の約80%内にあり得るか、あるいは同じもしくは同様の特性の約85%以内または同じもしくは(a)同様の特性の約90%以内にあり得る。別の例において、本明細書において開示される吸収性材料を含む物品において示される有利な性能特性の1つまたは1つより多くは、従来の超吸収性ポリマーを含む物品により示されるかかる特性と、同じ特性の約80%以内、または同じ特性の約85%以内、または同じ特性の約90%以内にあり、例えば、本発明の吸着性材料の流体吸収能力および流体吸収速度(ウィッキング速度)、および/または再湿潤化は、従来の超吸収性ポリマーを含む吸着性材料の流体吸収能力および流体吸収速度(ウィッキング速度)、および/または再湿潤化のそれぞれの約80%、85%または90%以内にあり得る。態様において、全ての性能特性の累積的性能は、商業的に許容され得る範囲内にあるが、孤立した性能特性には、従来の超吸収性ポリマーを含む物品により示される同様の特性の少なくとも約80%以内、または同様の特性の少なくとも約85%以内、または同様の特性の少なくとも約90%以内にあるものはない。態様において、性能特性の商業的に許容され得る範囲は、当業者により理解される。態様において、本明細書において開示される吸収性材料を含む物品についての有利な性能特性の累積的性能は、従来の超吸収性ポリマーを含む物品により示されるこれらの性能特性と同等であるかまたはそれより優れている。
【0015】
より詳細には、本明細書において開示されるヒドロゲルは、超吸収性特性を示すポリマーから形成され、用語「超吸収性」は、材料がその乾燥重量の少なくとも10倍の水性液体を吸収する能力をいう。用語「ポリマー」は、少なくとも1000の重合度を有する高分子をいう。態様において、ポリマーは、少なくとも1000ダルトンの分子量を有し得る。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは当業者によりそのようなものとして認識される他の高分子グループ(grouping)であり得;ポリマーは、直鎖、分岐鎖および/または架橋されたものであり得る。超吸収性ポリマー、例えば本明細書において開示されたものは、架橋され、浸透を介して流体を吸収し、比較的耐久性のゲルを形成する場合に理解され、これは、「ヒドロゲル」と称され得る。
【0016】
有利にも、本明細書において開示される超吸収性ポリマー(またはSAP)は、生きている生物体により全体的にまたは部分的に生産されるか、あるいは生きている生物体または他の再生可能な資源に由来する。本開示の目的のために、再生可能な資源は、かなり短い時間枠内、例えば、100年未満内に再補給、回復または再生された天然の製品である。対照的に、天然資源、例えば石油、石炭、地球からの鉱物および泥炭は、それ自体再補給するのに100年より長くかかり、従って、再生可能な資源としては含まれない。再生可能な資源は、天然に再補給され得るか、または農業技術もしくは他の工学技術を介して再補給され得る。農業技術としては、土地の農耕および動物、魚または他の生きている生物体(細菌、藻類、真菌等)の農業が挙げられる。例として、限定されないが、再生可能な資源としては、植物、動物、魚、細菌、真菌および林業製品または副産物が挙げられ、これらのいずれかは、天然に存在し得るか、雑種形成され得るか、または遺伝子工学で作り変えられ得、これらのいずれかは、これらの一次天然環境から、または作り変えられた環境、例えば培養物もしくは水耕園芸から入手し得る。かかる再生可能な資源に由来する材料は、「バイオベースの」材料とも称され得る。
【0017】
有利にも、本明細書において開示されるバイオベースのSAP材料は、生分解性かつ堆肥化可能である。生分解は、無機化であり(即ち、材料のその鉱物成分への分解、これは、単に、二酸化炭素および水であり得るか、またはこれとしては、他の鉱物、例えば硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン等が挙げられ得、材料自体の構成に依存する)、これは、微生物、例えば細菌および真菌の材料に対する作用から生じる。生分解により分解され得る材料は、「生分解性」と称され得、該用語が、本明細書において使用されるとおりである。対照的に、多くの合成材料、例えば石油由来プラスチックは、生分解に対して耐性であり、それらの分子量、化学構造、水溶性により部分的に制限されると理解される。重要なことに、これらの合成材料は、生体異物であり、即ち、最近まで環境中に存在しなかったものであり、これらは、進化プロセスに含まれなかったものであり、該進化プロセスは、これらの分解を生じ得る微生物内の代謝経路を形成したものである。対照的に、天然に存在するバイオベースのポリマーは、生きている生物体中に見いだされるか、またはこれに由来するものであるので、これらを分解し得る微生物との共生において進化したものである。従って、バイオベースのポリマーの生分解は、比較的迅速に生じ、加水分解可能な結合をそれらの主鎖に有するバイオベースのポリマー、例えばセルロース、ヘミセルロースおよび種々の多糖についてはことのほかである。
【0018】
生分解は、微生物とバイオベースの材料との遭遇で始まり、その後、微生物は、種々の細胞外酵素を分泌し、該細胞外酵素は、バイオベースの材料を脱重合させる。一旦、ポリマーがその断片を水溶性にするサイズに低減されると、これらの断片は、微生物により吸収され得、微生物の代謝経路に供され得、該代謝経路は、断片を無機化する。他の生体の活動に起因しない化学プロセス、例えば化学分解および光酸化は、生分解プロセスの一部として、これらの微生物駆動プロセスの前またはその間に生じ得る。用語「堆肥化可能」は、しばしば、生分解と交換可能に使用されるが、複数のより具体的な法的定義が、この用語を生分解と区別するために存在する。例えば、欧州標準EN13432は、パッケージング材料を堆肥化可能とみなすための最低限標準を定義する:1)崩壊(即ち、最終堆肥における断片化および可視性の喪失、ここで、少なくとも90%の堆肥化材料は、2x2mmふるいを通り抜け得る)、ここで、元の材料からの残りは、3か月後に元の質量の<10%である;2)生分解性、ここで、堆肥化材料の90%は、6か月以内に微生物の作用によりCO2に変換される;3)堆肥化プロセスの負の効果の非存在;4)ある具体量未満の重金属およびフッ素。
【0019】
2.バイオベースのヒドロゲルを含む吸収性材料
態様において、本明細書において開示される吸収性材料は、ヒドロゲルを形成するバイオベースの親水性かつ水膨脹性ポリマーを含む。本明細書において使用される場合、用語「バイオベースの」は、生きている生物体に由来する再生可能な資源、例えば植物、微生物または動物により形成された材料から得られ得る材料をいう。本明細書において使用される場合、用語「天然」は、かかる材料もいう。ヒドロゲルは、親水性ポリマーの三次元網状構造であると理解され、該親水性ポリマーは、水中で膨張しかつ比較的多量の水を保持し得、一方で、三次元構造を維持し、これは、成分ポリマー鎖の化学的または物理的相互作用のためである。本明細書において使用される場合、用語「ヒドロゲル」は、比較的水不溶性のゲルをいい、該水不溶性のゲルは、水膨脹性材料のマトリックス内に水を含むことにより形成されたものである。親水コロイドは、親水性ポリマーが水中に分散しているコロイド状の系(system)であり;親水コロイドは、ゾルまたはゲルであろうと、成分材料および利用可能な水の量に依存して、異なる状態をとり得る。親水コロイドは、例えば、先頭のまたは他の物理的または化学的薬剤に曝露される場合、ゾルおよびゲル状態の間で、交替もし得る。
【0020】
特定のヒドロゲルは、直鎖ホモポリマー、直鎖コポリマーまたはブロックもしくはグラフトコポリマーの、架橋されるかまたはもつれる網状構造で形成され得る。他のヒドロゲルは、相互浸透網状構造、物理的混合物または疎水性ドメインにより安定化される親水性網状構造として形成され得る。他の例において、ヒドロゲルは、ポリイオン-多価イオン複合体またはポリイオン-ポリイオン複合体または水素結合複合体として形成され得る。ヒドロゲルは、可逆的(物理的)ヒドロゲルまたは永久(化学的)ヒドロゲルであり得る。物理的ヒドロゲルは:水含有ポリマー性網状構造が分子もつれまたは晶子により一緒になって保持される単純もつれ系;網状構造が、反対の電荷の多価電解質と多価イオンの間の相互作用により安定化されるイオン媒介網状構造;および加熱または冷却に応答して三次元構造を形成する熱誘導網状構造を含む。化学的ヒドロゲルは、主に共有結合により支持され、架橋ポリマーもしくはコポリマーなどの結合された構造、または重合された相互浸透網状構造を含む。ヒドロゲルはまた、光の適用および温度変化などの外部刺激に応答して起こる架橋またはもつれにより形成され得る。光刺激は、その送達が制御および定量化するのに容易であるので、架橋適用に特に有利である。光は、オンおよびオフに切り替えられ得て、線量は、所望の機能的効果を達成するように正確に制御され得る。さらに、光波長は、得られるヒドロゲルにおいて所望の特性を生じるように特異的に選択され得る。紫外線曝露は有利であるが、適切な場合に他の波長が選択され得る。
【0021】
バイオベースのヒドロゲルを形成するために使用される材料は、比較的短い期間に有意な量の水または水性流体(体液を含むが、これに限定されない)を吸収する天然親水性ポリマーを含む。言い換えると、かかるポリマーは、水膨脹性である。水膨脹性ポリマーは、液相、例えば水中に分散され得、ここで該水膨脹性ポリマーは、かかる水を吸収し得;架橋された場合、水性環境中の水膨脹性ポリマーは、表面張力効果および水素結合を介して網状構造内の液体をわなにかける(ensnare)親水性ポリマー網状構造を形成し得、従って、ゲルを形成する。架橋された水膨脹性ポリマー、例えば本明細書において開示されたものは、水を吸い取り、該水と複合体形成し、または、そうでなければ、該水に結合し、ヒドロゲルとして公知の三次元網状構造を形成する。ポリマー上の親水性基は、水膨脹性ポリマー網状構造の強い親水性を説明し得る。水膨脹性ポリマー網状構造は、穏やかな吸収性、典型的にこれらの構造内に10-30wt.%の水を保持、から、超吸収、ここでこれらはそれらの重量の数倍の水性流体を保持する、までの範囲にわたり得る。水膨脹性ポリマー網状構造が安定な三次元ゲル構造に形成された場合、この構造は、上記したように、ヒドロゲルと称される。態様において、ヒドロゲルは、少なくとも10%の水を含む。
【0022】
水膨脹性ポリマーおよびこれらから形成されるヒドロゲルは、それ自体であるか、または天然材料に由来し得る。例えば、天然の水膨脹性ポリマーは、陰イオン性ポリマー、例えばアルギン酸塩およびカラギーナン、ならびに陽イオン性ポリマー、例えばキトサン、ならびに中性ポリマーが挙げられる。態様において、水膨脹性ポリマー材料は、その極性または荷電した官能基がそれらを水中で可溶性にして水膨脹特性をさらに付与する高分子量親水性ポリマーを含む天然に由来する親水コロイドを含み得る。天然に由来する水膨脹性ポリマーとしては、多糖ポリマー、例えばデキストラン、デキストリン、アガロース、セルロース、デンプンおよびそれらの誘導体が挙げられる。多糖は、生分解性、ならびに個人ケアならびに他の健康(health)および健康(wellness)適用についての十分認識されている規制と調和した許容というさらなる利点を有する。より詳細には、バイオベースの吸収性材料を形成するのに適切なヒドロゲルおよび親水コロイドは、限定されないが、キサンタンガム、ペクチン、アミロペクチン、カラギーナン(または、限定されないが、κ、ιまたはλカラギーナンを含む)、アルギン酸塩および複数のアルギン酸塩(限定されないが、誘導体、例えばアルギン酸プロピレングリコールを含む)、寒天-寒天、セルロースガム、セルロース(例えばカルボキシアルキルセルロース、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等であるがこれらに限定されない)、ペクチンエステル、ゴム、例えばゲランガム、グアーガムおよびグアール誘導体、アラビアゴム、ローカストビーンゴム、ジウタン(diutan)、ウェラン(welan)、タルン、乳香、カラヤ、ガッティ、ダマール、トラガカントゴム、または前記のいずれかの改変物もしくは混合物を含み得る。態様において、多糖、例えば本明細書において記載されるものは、高い分子量または高い粘度の製剤の場合にこれらの膨脹性性質について特に有利である。例えば、約90,000ダルトンまで、約100,000ダルトンまで、約150,000ダルトンまでの分子量、または約1,000,000ダルトンまでのより高い分子量、または約50,000~約2,000,000ダルトンの分子量を有する多糖は、ヒドロゲルを形成するのに有用である。特定の態様において、より低い分子量のポリマーは、有用であり、例えば約10,000~約100,000ダルトンの範囲、例えば約10,000ダルトンの分子量を有するセルロースエーテルポリマーである。
【0023】
天然に由来するヒドロゲルの混合物も、形成され得る。例として、多糖例えばデンプン、加工デンプン、アミロース、改質アミロース、セルロース、例えばセルロースエーテルおよびセルロースエステル、キトサン、改質キトサン、キチン、改質キチン、ゼラチン、コンニャク、改質コンニャク、コロハゴム、改質コロハゴム、メスキートゴム、改質メスキートゴム、アロエマンナン、改質アロエマンナン、酸化多糖、硫酸化多糖、陽イオン性多糖等は、単独でまたは任意の比で他のかかる材料と組み合わせて使用され得る。態様において、セルロースエーテルポリマーの混合物は、吸収性材料として使用するために調製され得る。例えば、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む製剤が、調製され得、可塑剤、例えばグリセロールおよび界面活性剤(例えば、カプリルグルコシド、ヘキシルグルコシド等)と任意に組み合わせて、吸収性ポリマーを形成する。製剤の高い分子量比または低い分子量比の成分は、調整されて有利な性質を提供し得る。態様において、約0.5%~約5%または約0.5%~約4%または約1%~約2%の天然に由来するヒドロゲルを含む製剤が、調製され得、界面活性剤および可塑剤を、ヒドロゲル部分対界面活性剤の比が約1:1.5比のヒドロゲル:界面活性剤~約2:1比のヒドロゲル:界面活性剤、例えば、1:1比のヒドロゲル:界面活性剤で、ヒドロゲル部分対可塑剤の比が約95:5比のヒドロゲル:界面活性剤~約99:1比のヒドロゲル:界面活性剤で含み得る。好ましい態様において、ヒドロゲルは、製剤の約1.2%を構成し、ヒドロゲル:界面活性剤の比が約1.5:1であり、ヒドロゲル:グリセロールの比が約95:5である。
【0024】
多糖ポリマーは、吸収性材料を形成するのに有利である。例として、キサンタンガム(XG)が、使用され得る。XGは、温度、pHおよび塩分の広範囲の変化に抵抗性であるアニオン性の多糖類である。XGは、その三糖類側鎖とそのポリマー主鎖の間の水素結合の利用可能性のために、頑強ならせん構造を形成し得る。結果的に、これらの頑強ならせんの無作為的な空間的方向は、架橋される場合に、それらに、高度に膨脹し得る性能を付与する。別の例として、アルギン酸ポリマーまたはアルギン酸ナトリウムが、使用され得る。アルギン酸は、(1→4)-結合β-D-マンヌロネート(M)およびα-L-グルロネート(G)残基のホモポリマー性ブロックのそれぞれが、異なる配列またはブロックで共有結合して一緒になっている直鎖コポリマーである。モノマーは、連続G-残基(G-ブロック)、連続M-残基(M-ブロック)のホモポリマーブロック、または交互のMおよびG-残基(MG-ブロック)中に見られ得る。α-L-グルロネートはβ-D-マンヌロネートのC-5エピマーであることに留意のこと。態様において、生分解性合成ポリマーも使用され得、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-コ-グリコール酸等またはそれらの混合物である。それらの重量の少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、少なくとも500倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍または少なくとも1000倍の水を吸収し得る多糖ポリマーは、特に有用である。
【0025】
高い分子量の膨脹性ポリマーは、高度にもつれた多孔性網状構造を生じるこれらの能力のために、膨張に特に有利であり得、態様において、より小さな分子量の分子に好ましくあり得る。他の態様において、より小さな分子量ポリマーから高度にもつれた網状構造を生成すること(または既に高い分子量のポリマーから「超」高分子量のポリマー網状構造を生成すること)は、膨張能力を大いに増大させ得る。ポリマー混合物は、電荷-電荷複合体形成により、この超高分子量の網状構造を生成するために使用され得る。態様において、高度に分岐し電荷を有する膨脹性ポリマーは、反対の電荷のポリマーと使用され混合され得る。次いで、分岐した構成要素は、結合され、安定な網状構造を形成し得る。態様において、可塑剤(以下により詳細に記載するような)、例えばグリセリンは、吸収を促進し、2つの反対の電荷のポリマーの間のアパーチャ、孔または他のチャネルが開放を支えるのを維持するために、使用され得る。本明細書において使用される場合、用語グリセロールは、グリセロール分子(1,2,3-プロパントリオール)の純粋な形態をいい、グリセリンは、約95%グリセロールを含む製剤をいう。グリセリンなどの可塑剤は、グリセリン中のグリセロールの存在のためにその有利な効果を発揮し;可塑剤として混り気のないグリセロールを使用することは同様に有利であることが理解される。
【0026】
少量の任意の中性に荷電した(neutrally charged)可塑剤、オリゴマーまたはポリマーはまた、ポリマー複合体の間で、過剰な凝集または沈澱を防止するために使用され得る。このように形成された網状構造は、十分に安定であり得、架橋が不要となるか、または架橋が最小となり得ることが構想される。
【0027】
態様において、正に荷電したポリマーは、大部分の成分として使用され得、負に荷電したポリマーは、ほとんど使用されず、結合を提供し得る。これらは変えられ得、負に荷電したポリマーは、膨張を行い、正に荷電したポリマーは、結合を生成する。種々の量が使用され得、例えば90:10~95:5の膨脹性ポリマー対結合ポリマーの比である。態様において、主なポリマー成分は、高度に膨脹性であり、他の態様において、両方の成分ポリマーは、高度に膨脹性である。態様において、陽イオン性デンプンは、反対の電荷のポリマー、例えばCMC、アルギン酸塩、ペクチン等と組み合わせて使用され得る。
【0028】
態様において、より多くの直鎖ポリマーの混合物が、単一の高い分子量のもつれたポリマーを生成するために調製され得、該単一の高い分子量のもつれたポリマーは、結合した分岐した構成要素を含むポリマーと異なるポリマー配置を有する。態様において、少量の正に荷電したポリマー、例えばキトサンが、より多くの量の費用対効果の高い負に荷電したポリマー、例えばCMC、アルギン酸塩、ペクチン等と共に使用され得る。可塑剤、例えばグリセリンが、鎖を滑らかにし、その開放を支え、より多くの水の取り込みを可能にし、凝集または沈殿を防止するために(the)、使用され得る。ポリマー電荷は、変えられ得るが、種々の量が、使用され得、例えば90:10~95:5の比である。態様において、主なポリマー成分は、高度に膨脹性であり、他の態様において、両方の成分ポリマーは、高度に膨脹性である。
【0029】
態様において、他の添加剤が、水膨脹性ポリマー製剤に含められ得(かかる製剤が単一のヒドロゲル形成性ポリマーのみを含むものであろうと、またはそれがかかるポリマーの混合物を含むものであろうと)、性能特性、例えば流体吸収(能力)、流体吸収速度(ウィッキング速度)および再湿潤化を改善する。例として、グリセリンまたは同様の化合物の製剤への添加により、性能の特定の局面、例えばウィッキング速度が改善され得る。態様において、グリセリンは、少量で添加され得、例えば、含めた(add-on)ポリマーの約0%~約30%、または約0%~約20%、または約5%~約15%、または約5~約10%の量である。態様において、グリセリンは、少量で添加され得、例えば、約0%~約5%、または約10%~約15%、または約15%~約20%、または約20%~約25%(between about 20% or about 25%)、または約25%~約30%の量である。例として、グリセリンは、約10%の量でXG製剤に添加され得:10% XGポリマーおよび1%グリセリンを含むコーティング製剤は、膨張性能を改善し、低減したはがれ落ちやすさおよび増大した延性を伴ってコーティングコンシステンシーを改善し得る。
【0030】
バイオベースのヒドロゲルにおける水取り込みは、可塑剤材料を添加することにより増大され得る。本明細書において使用される場合、用語「可塑剤」は、低揮発性で低い分子量の有機物質をいい、該有機物質は、例えば、その粘度を低減し、そのガラス転移温度(Tg)を変化させ、またはポリマー組成物の弾性率を改変することにより、その化学的性質を変化させることなく、その物理的/取扱い特性、例えばその可撓性、流動および/または熱可塑性を向上させるために、ポリマーに添加される。理論に拘束されることなく、可塑剤は、ポリマー鎖と相互作用し、それらの互いとの物理的相互作用を容易にすることによるか、またはポリマー鎖の間の空間を占有し、それらの間の自由体積を増大させることにより、ポリマー系の機械的性質を向上し得、それらをより自由にスライドおよび回転させ得、それにより、Tgおよび溶融粘度を低減させることが理解される。
【0031】
バイオベースのヒドロゲルにおいて水取り込みの向上に有用な可塑剤としては、1つ以上の型の低い分子量の吸湿性材料、例えば、小分子またはオリゴマーが挙げられ得る。小分子の例としては、ポリオール、例えばグリセロールまたはグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール、イソマルト等が挙げられる。ポリマー性ポリオール、例えばポリデキストロースも、使用され得る。他の例として、適切な可塑剤としては、他の吸湿性材料、例えばアセチン、グリセリルトリアセテート、尿素、コラーゲン等が挙げられ得る。オリゴマーも、可塑剤として使用され得、例えば二量体、三量体、四量体等である。オリゴマーの例としては、グルコースオリゴマー、例えばデキストロース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース等が挙げられる。セルロースオリゴマーも使用され得、例えばセロトリオース、セロテトラオース等である。これらの可塑剤材料のいずれも、単独でまたは互いに任意の比で組み合わせて使用され得、例えば、含めたポリマーの約0%~約30%、または約0%~約20%、または約5%~約15%、または約5~約10%の量である。態様において、可塑剤は、少量で添加され得、例えば、約0%~約5%、または約10%~約15%、または約15%~約20%、または約20%~約25%、または約25%~約30%の量である。可塑剤添加剤は、バイオベースのヒドロゲルマトリックスの速度、量および保持を増大させ得、例えば、体液、例えば尿のより迅速な取り込み、体液の体積を保持するためのより大きな能力および/または体液のヒドロゲルマトリックス内でのより長い期間の保持が可能になる。態様において、可塑化されたバイオベースのヒドロゲルは、選択された1つまたは複数のポリマーの高度に粘性の溶液から形成され得、該ヒドロゲルは、約1%~約50%の1つまたは複数のポリマーあるいは約5%~約25%の1つまたは複数のポリマーを含み、1つ以上の可塑剤は、含まれるポリマーの例えば約0%~約30%、または約0%~約20%、または約5%~約15%、または約5~約10%の量でそれに添加されるか、あるいは、可塑剤は、他の少量、例えば、約0%~約5%、または約10%~約15%、または約15%~約20%、または約20%~約25%、または約25%~約30%の量で、それに添加される。
【0032】
可塑化されたヒドロゲルが形成された後、それは、任意に架橋され得る。架橋剤は、製造プロセスの間に添加され得るか、または架橋前駆体が、添加され得、これは、ヒドロゲルが体液、例えば、尿に曝露された後に、形成することが意図される。態様において、ヒドロゲルは、製造プロセスの間または二次的に(例えば、体液への曝露の際に)のいずれかで、表面上で架橋され得る。他の態様において、ヒドロゲルは、その物質の内部で、部分的にまたは全体的に架橋され得る。さらに他の態様において、表面および内部の架橋の組合せが使用され得る。
【0033】
態様において、表面架橋は、ゲルブロッキングの防止に有利であり得る。ゲルブロッキングは、ヒドロゲル粒子が、ダイヤパーまたは個人ケア物品の吸収性パッド中で使用され得る場合に、特定の量の液体を吸収した後に詰め込まれ拡大する場合、生じ、その後、ヒドロゲル粒子は、変形し、移動(shift)し、互いに凝集し、吸収性パッドの支持マトリックス中の空隙をブロックし、吸収性パッドの他の部分への液体のさらなる透過(transmission)を阻害する。
【0034】
しかし、表面架橋は、比較的弱いように設計され、ビーズ膨張を妨げないが、結果として、表面架橋は、物品が着用(wear)される場合に、膨張のストレスまたは負荷耐久(bearing)に関連するストレスに耐えるような十分な強度を有し得ず、再湿潤化が容易に生じ得る。態様において、内部の架橋は、表面架橋に加えてまたはその代わりに有利であり得る。内部の架橋の増大は、液体-飽和吸収性粒子のゲル強度を増大させ得、それにより、吸収性層の構造的完全性を上昇させる。
【0035】
態様において、架橋は、特定の結果を達成するように作り変えられ得、複数の要素、例えばゲルブロッキングの防止、十分な構造的安定性の維持、ならびに十分な吸収能力および吸収速度の提供のバランスを保つ。態様において、吸収性粒子は、これらの要素の最適のバランスを容易にする形状に形成され得る。例えば、態様において、細長いまたは高いアスペクト比を有する粒子が形成され得、これは、吸収性を最適化し、構造的安定性をなお維持し、ゲルブロッキングに干渉するためである。
【0036】
ヒドロゲルに添加され得る架橋剤としては、共有結合性架橋剤およびイオン性架橋剤が挙げられる。共有結合性架橋剤としては、二および多機能性エポキシ、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)、ポリマー性メチレンジフェニルイソシアネート、ポリ(エチレングリコール)およびジグリシジルエーテルが挙げられる。イオン性架橋剤としては、二価イオンを有する塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。一価または他の多価の塩は、同様に使用され得る。触媒は、当業者により理解されるように、特定の架橋剤に添えるように添加され得る。架橋は、また、体液、例えば尿への曝露のために、二次的に行われ得る。尿は、二価カチオンを含み、該二価カチオンは、特定の陰イオン性ヒドロゲルポリマー、例えば、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース等を架橋し得る二次架橋剤として作用することが理解される。
【0037】
架橋剤のさらなる例としては、ポリグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド化合物、多価アルコール化合物、ポリアミン化合物およびポリイソシアネート化合物が挙げられる。多官能性エポキシド、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロール-1,3-ジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロポキシル化(propxylated)グリセリンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルおよび1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のようなポリグリシジルエーテル化合物は特に有利である。ハロエポキシ化合物の例としては、エピクロロヒドリンおよびa-メチルエピクロロヒドリンが挙げられる。ポリアルデヒド化合物の例としては、グルタルアルデヒド(glutaral-dehyde)およびグリオキサールが挙げられる。多価アルコール化合物の例としては、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンが挙げられる。ポリアミン化合物の例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリアミンの反応物としてのポリアミド樹脂および脂肪族ポリ塩基性酸およびポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂が挙げられる。ポリイソシアネート化合物の例としては、トルエンジイソシアネート、およびヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0038】
エポキシ架橋剤を使用する場合、塩基、第三級アンモニアおよび第四級アンモニウム触媒が、適切な架橋変換を達成するために添加され得る。使用される多糖類の供給源および等級に応じて、種々の量の架橋剤が使用され得る。これを達成するために、架橋部位の間に柔軟かつ伸長可能なアームを有する架橋剤が、選択され得、多糖コーティング内の内部ポリマー鎖は、液体の吸収の際に拡張され得、マトリックスが液体を保持し、膨張することを可能にする。
【0039】
態様において、架橋剤製剤は、オリゴマーアームを有する多機能性エポキシを含み得る。かかるかさ高い架橋剤は、拡散するのが遅く、吸収性粒子を生成するのに使用される粘性の溶液中ではことのほかである。この高い粘性の層は、架橋剤拡散率の低下を生じ、これは、反応を層の表面に優先的に方向づけ、その内部は拘束されずに架橋されないままである。コーティング層内の閉じ込められない内部は、その容易な拡張/膨脹を可能にする。さらに他の態様において、架橋は、必要とされないかまたは有利ではなく、従って、省略され得る。
【0040】
3.製造物品に使用するための吸収性材料の形状形成
本明細書において開示されるバイオベースのヒドロゲル製剤から形成される吸収性材料は、任意の有用な形状、例えばビーズ、ペレット、鎖、繊維、チップ、シート、プレート等が挙げられるがこれらに限定されないものに形成され得る。吸収性材料の形状は、上記した吸収性材料組成物を適切な形状形成装置を通して方向づけることにより、特定の適用のために作り変えられ得、該形状形成装置は、組成物を三次元形態に形成し得、該三次元形態は、所望の前もって指定された有用な形状への最終的な形成と一致する。形状形成装置は、押し出し成形機、エレクトロスピナー、スロットダイ、金型または液体製剤を固体または半固体構造に形成するのに当該分野で利用可能な任意の他の装置であり得、該固体または半固体構造は、予め指定された形状と一致する所定の三次元形態を有する。本明細書において使用される場合、用語「液体」は、その中でそれが保持され、固体ではない容器の形状をとるを材料をいい;液体としては、半流体材料、例えばゲルが挙げられ、該半流体材料は、流動可能であるが、高度に粘性である。対照的に、固体は、閉じ込められていない場合にその形状および密度を保持する物質の状態である。半固体材料は、容易に注げないが、固体より密度が低く堅くない非流動性材料である。その形成された形状のままである非流動性ゲルは、半固体と考えられ得る。以下により詳細に記載するように、形状形成装置は、液体または半流体材料を、前もって選択された形状を有する固体または半固体材料に変容させ得る。態様において、形状形成装置自体は、液体または半流体材料を、固体または半固体材料について予め指定された形状に形成するのに十分である。他の態様において、形状形成装置は、液体または半流体材料を、三次元形態に形成し、該三次元形態は、次いで、固体生分解性吸収性材料について予め指定された形状を生成するように乾燥され得る。
【0041】
吸収性材料についての形状は、吸収性物品についての商業的な必要性に基づいて選択され:例えば、平坦な鎖またはランダムな形状の粒子は、丸いビーズまたは鎖とは対照的に、ダイヤパー製造に、より有用であり得、該丸いビーズまたは鎖は、ダイヤパーの依存性領域に蓄積し得る。別の例として、鎖または繊維は、それ自体、動物のトイレの砂等の適用のための他の充填剤材料、例えば木材パルプまたはフラッフパルプとより良好に整列し得、該適用において、柔らかおよび「足の感触」が重要である。態様において、細長い形態の要素、特に高いアスペクト比を有するものは、ゲルブロックに寄与する可能性は低い。従って、細長い形状は、以前に述べた架橋戦略に加えて、吸収性物品におけるゲルブロックを防止するのに有利であり得る。複数の形状は、吸収性材料に作り変えられ得、これは、特定の吸収性物品の必要性に依存する。例えば、態様において、吸収性材料は、粒子、円柱またはビーズの代わりに、より低いアスペクト比を有する長い平坦な鎖として形成され得るか、または平坦なシートとして形成され得る。例えば、金型は、液体吸収性材料基板(substrate)を、前もって示された三次元構造に形成し得る。
【0042】
製造プロセスの1つのバージョンにおいて、高い粘度のヒドロゲル形成性ポリマーと可塑剤の混合物は、ドロップタワー(drop tower)に計り入れそれから汲み出し得、該ドロップタワーは、ドロップタワーヘッド中のオリフィスを通って押される流体から液滴の形成を可能にすることにより、形状形成装置として作用し、これは、シャワーヘッドからの水滴の形成に類似している。液滴がドロップタワーヘッドから下りるにつれて、該液滴は、固化し、対称の形状をとる。液滴の形状および硬さは、該液滴が、熱および対抗する(countervailing)気流への曝露により固化するにつれて、調節され得る。例えば、液滴流の底または側面にある送風機(air blower)は、液滴下降を遅らせるか、液滴サイズを調節するか、ゲル硬化を加速するか、または架橋を容易にするための気流および/または熱を提供し得る。架橋を増加することを意図する加工方法において、液滴は、上記したようにドロップタワーヘッドから放出され得、架橋溶液を含む浴に方向づけられ得る。得られた架橋された液滴は、ろ過、遠心分離または当該分野でよく知られた他の方法により浴から除去され得る。上記した技術により生成したヒドロゲル粒子は、さらに切断または加工され、所望のサイズまたは形状を得ることができる。
【0043】
製造プロセスの別のバージョンにおいて、押し出し成形機は、形状形成装置として使用され得る。例示的な態様において、選択された1つまたは複数の天然ポリマーおよび1つまたは複数の可塑剤を含む均質な高い粘度のヒドロゲル混合物は、混合タンク中で製造され、架橋剤は、必要な場合に添加され、他の添加剤は、任意に含まれる。有利な製剤は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の混合物を含み、これは、可塑剤、例えばグリセロールまたはグリセリン、および界面活性剤、例えばカプリルグルコシドまたはヘキシルグルコシドと組み合わされ;かかる製剤は、約95:5~約70:30の範囲、例えば80:20、または約95:5~約60:40の範囲のHEC:HPMC比を有し得る。製剤中の吸収性ポリマーは、重量による約1%~2%、例えば、約1.2%の量で添加される。吸収性ポリマー対界面活性剤の比は、約1.5:1であり、吸収性ポリマー対グリセロールの比は、約95:5である。
【0044】
例示的な製剤を調製するために、グリセロールは、水に添加され、約5分間磁気的に攪拌され得、その後、界面活性剤、例えばカプリルグルコシドまたはヘキシルグルコシドが、添加され得、オーバーヘッドミキサーにより行われ得る場合、さらに混合される。上記した選択されたポリマー(例えばCMCまたはHPMC)またはポリマーの混合物は、溶液に添加され、明記された期間(例えば、300rpmで5-20分、次いで、速度を、150rpmに下げ、さらなる6-10時間の混合)混合され得る。架橋剤は、例えば、即座ではない架橋剤を添加することにより、混合プロセスの任意の段階で添加され得;態様において、即座ではない架橋剤は、イオン性のもの(これは、即座に効果を生じる)を再配置し得、架橋は、反応の任意の段階で行われ得るが、他の態様において、イオン性架橋剤は、反応の最後に添加され得、即座に効果を生じ得る。触媒が架橋を容易にするために使用される場合、架橋剤は、任意の適切な点で添加され得、触媒は、反応期間の最後に添加される。
【0045】
成分が混合された後、得られた混合物は、揮発分除去能力を有する押し出し成形機を通して注入され、余分の水を蒸発させ、材料の押し出し成形された鎖を生成する。加熱の際に活性化される架橋剤および/または触媒は、混合物に含まれるか、または押し出し成形プロセスの間に添加され得、形成され押し出し成形された材料は、押し出し成形機を通る通過の際に、架橋され始める。加熱要素/設備は、押し出し成形の後に追加され、押し出し成形された材料を加熱し得、これは、十分な架橋を生じるためである。押し出し成形された材料の架橋および/または加熱は、該押し出し成形された材料を固化し得、該押し出し成形された材料は、所望の予め指定された形状をとり、保持する。
【0046】
製造プロセスの別の例示的なバージョンにおいて、繊維または鎖は、エレクトロスピニングにより形成され得る。かかるプロセスにおいて、選択された1つまたは複数の天然ポリマーおよび1つまたは複数の可塑剤を含む均質な高い粘度の混合物は、混合タンク中で製造され、架橋剤は、必要な場合に添加され、他の添加剤は、任意に含まれる。この目的に有用な製剤は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の混合物を含み、これは、可塑剤、例えばグリセロールまたはグリセリン、および界面活性剤、例えばカプリルグルコシドまたはヘキシルグルコシドと組み合わされ;かかる製剤は、約95:5~約70:30の範囲、例えば80:20、または約95:5~約60:40の範囲のHEC:HPMC比を有し得る。製剤中の吸収性ポリマーは、重量による約1%~2%、例えば、約1.2%の量で添加される。吸収性ポリマー対界面活性剤の比は、約1.5:1であり、吸収性ポリマー対グリセロールの比は、約95:5である。好ましい製剤は、HECおよびHPMCポリマーを、全溶液の1.2%の濃度で含み、吸収剤対グリセロールの比は約95:5であり、吸収剤対界面活性剤の比は約1.5:1である。溶液が混合された後、例えば、該溶液を、プラスチックチューブを通し、エレクトロスピニング装置のための溶液レザバに流すことにより、該溶液を、従来のエレクトロスピニング機に導入し得る。次いで、溶液は、溶液レザバから、エレクトロスピニング機の針の点に供給される。高い電圧が、針先で生じ、溶液は、針に注入され、先から出て、以下の収集器プレートに到達する。収集器プレートは、典型的に、研いだアルミニウムプレートである。針先と収集器プレートの間の電位の差により、ポリマー溶液は、針先から分離され(spin out of)、プレート上で繊維のアレイを生成し、繊維の寸法は、直径でナノメートルからマイクロメートルにわたる。これらの繊維は、無作為化されたポリマー網状構造として配置され得、該無作為化されたポリマー網状構造は、例えば、吸収性シートとして、他の形状に形成され得る。製造物品に使用するための押し出し成形されたまたはエレクトロスピニングされた材料から最終形状の製品を調製するために、このプロセスから得られたヒドロゲル鎖は、固化され得、乾燥し硬化され細長いヒドロゲル鎖を形成し、該ヒドロゲル鎖は、所望の細長い形状、卵形の形状、平坦な形状、または任意の規則的なもしくは不規則的なビーズ、繊維、鎖、シート、もしくはチップ形状に切断され得る。所望のビーズまたは鎖の直径は、おそらく、吸収性個人ケア品目に使用するために1~3mmであるか、または動物のトイレの砂等のペット吸収性製品に使用するためにより大きい(例えば、5-10mm)。上記プロセスはビーズまたは細長い鎖の形成に関して記載されたが、吸収性粒子についての最終形状は、特定の目的、例えば、ダイヤパー等の吸収性物品中に生じるゲルブロックの程度を低減すること、または平坦な吸収性シート中と同様に、広い平坦な吸収性表面を提供することを達成するために作り変えられ得ることが理解される。
【0047】
別の例として、高い粘度のヒドロゲル形成性ポリマーと可塑剤の混合物が、シートとして調製され得る。シート等の平坦な構造が、金型においてまたは押し出し成形プロセスにより形成され得、いずれの場合においても、液体吸収性材料構造が、形状形成装置に入り、装置の表面に閉じ込められるかまたはその上に広がり、固化、例えば、固体の平坦なシート様構造に乾燥し得る。金型を使用することにより、他の設計特徴をシートに追加することが可能になり、例えばパターン、アパーチャ、厚さのバリエーション、形成された特徴または他の形状バリエーションである。
【0048】
吸収性材料で形成されたシートは、吸収性物品中で個々に使用され得るか、または複数のシートが、物品に組み込まれ得る。シートは、任意の寸法または厚さであり得、種々の厚さまたは厚さのパターン化された変動性の領域を有し得る。シートは、特定の吸収性物品に有利なパターンで型押し細工され、例えば、ウィッキングの増大を促進しおよび/またはゲルブロッキングを軽減し得る。シートは、切り抜きもしくは他の空隙領域でパターン化され、例えば、水流動を促進し得るか、または該シートは、三次元チャネルまたはカラムで立体的に作られ(sculpt)得、例えば、同じ材料または他の材料の他の吸収性層へのウィッキングを促進し得る。態様において、シートは、積み重ねられ、互いに連結され、および/または他の材料、例えばパルプもしくは多孔性紙で作られた層に包まれ、それに印刷され、もしくはそうでなければ、それに組み込まれ得る。吸収性シートは、種々の吸収性物品において、例えば、平坦なもしくは形状のある吸収性物品、例えばダイヤパーもしくは失禁パッドのための、またはペット訓練もしくは「トイレ(potty)」パッドのための、または動物のトイレの砂、例えばネコのトイレの砂のためのパルプの層の間で、使用され得る。
【0049】
例示的な態様において、シートは、製剤、例えば上記したものを調製すること、およびオーバーヘッドミキサーで一晩攪拌し、その後、それを、シリコーンマットまたはカーボンパン上に広げ、3-7時間45または70℃でオーブンに配置し乾燥させ得ることにより形成され得る。それにより製造したシートは、乾燥の前もしくはその間にローラーで前もって選択した厚さに延ばされ得るか、または該シートは、乾燥の前に前もって選択した厚さに平坦化され得、厚さはシートが乾燥する場合に縮むことが認識される。例えば、湿った場合に2mmの厚さであるシートは、乾燥時に0.03mmの厚さまで縮み得る。態様において、約1.5~3.5mmの厚さの湿ったシートは、乾燥の間に約0.2mm~1mmの厚さまで縮み得る。一旦、マットまたはパン上のシートが乾燥すると、以下により詳細に記載するように、該シートは、パンからはがされ、製造物品に組み込まれ得る。
【0050】
特定の態様において、吸収性材料は、別々に前もって形づくられることはないが、前もって選択したパターンで生分解性担体上に分配され、ここで流体のためのディスペンサー(例えば液体分配設備、例えばノズル、噴霧器、押し出し成形機、スロットダイ等)は、形状形成装置として作用する。上記したように調製した吸収性材料は、製造物品に適切な配置で担体上に分配され得、吸収された流体は、有利にも、チャネルで運ばれるか、方向づけられるか、または保持される。担体は、広範な生分解性材料から選択され得る。態様において、木材パルプに由来する担体が、使用され得、例えば、紙ベースの材料またはフラッフパルプ等のパルプベースの製品である。異なるコンシステンシーの紙ベースの材料は、吸収性物品に異なる性質を提供し得:特定の紙ベースの材料(例えばペーパータオル等の製品に形成されたもの等)は、より吸収性を有し得るが、他の、顔または浴室ティッシュに形成されたものは、物品が皮膚に接触する場合に、より柔らかい表面を提供する。紙ベースの材料は、特定の製造物品に適切な場合と同様に、種々の厚さに製造され得、これらの有利な性質、例えば吸収または強度を最適化するように選択され得る。紙ベースの材料のより薄いシートは、層に配置され得、個々の層は、特定のパターンで流体を吸収またはウィッキングするために、吸収性材料で異なって処理され得る。特定の担体シートは、例えば、より疎水性に調製され得、より疎水性が低い他の担体シートの1つ以上の層と合わされ得る。態様において、内部または外部の担体シート、例えば、紙のシートは、油-、油脂-および/または水-耐性(OGWR)の性質を有するように処理され得る。態様において、OGWR性質を有するかかるシートもしくはOGWR性質を有する層になったシートのセットは、形成された物品の外部の(externa)局面にまたはその方へ配置され、それは、流体の、製造物品から環境への移動を防止する外部のバリアを提供し得る。
【0051】
本明細書において開示される吸収性材料で処理された担体シートの層状の配置は、吸収性材料自体のシートにより分離され、処理された担体シートの能力を利用し、吸収性材料が大量の流体を吸収する能力と組み合わせて流体の流動を方向づけ得る。製造物品中に吸収性領域を生成する層状のものの例示的な配置は、
図1に示される。
図1は、かかる吸収性領域100の断面図を概略的に示す。本明細書において使用される場合、用語「吸収性領域」、例えば
図1により示される吸収性領域100は、吸収性物品としてそれだけでの使用に適切なまたはより複雑な製造物品に組み込まれ得る吸収性構造をいう。より複雑な製造物品に組み込まれる場合、吸収性領域は、「吸収性コア」とも称され得、これは、吸収性領域の製造物品の他の特徴との関係に依存する。吸収性領域の例示的な用途、本図に関して記載されるものは、以下に提供される。
【0052】
図1に示される吸収性領域100の態様において、生分解性担体材料102の層は、吸収性材料108の層ではさまれる(interleave)。層状の配置は、層の間に空間を含むようであるが、かかる空間は、個々の層を、より容易に見えるようにするためだけである。層の間の空間は吸収性領域100に提供され得るが、より一般的には、層は、互いに密接に並べられる。態様において、担体材料102および吸収性材料108の層は、圧縮されて一緒になり、吸収性物品100についてのより薄い断面を生じる。示される態様において、担体材料102の層は、それらの上表面上に吸収性材料104の分散(dispersion)を運ぶ。担体材料102の表面上の吸収性材料104の複数の領域は、図において規則的に間隔を空けた液滴またはドットに見えるが、吸収性材料104についての分散の任意のパターンは、配置され得、これは、規則的であろうと不規則であろうと、連続的もしくは不連続、平行を有する直線、収束するもしくは重なる線、曲がりくねったもの、ドットのもの、散乱したもの、グリッドもしくは網状構造としての形状を有するもの、またはそれ以外であり得、これは、吸収性領域100の所望の目的を達成するためであることが理解される。態様において、担体材料102上に分散したかかる吸収性材料104は、任意である。態様において、吸収性材料108の層は、任意であり、担体材料102およびその上に配置される任意の吸収性材料104の1つ以上の層は、所望の吸収性を提供する。
【0053】
担体材料102上に吸収性材料104を分散するための方法は、当該分野でよく知られている。例えば、本明細書において開示される生分解性吸収性ポリマー溶液は、吸収性ポリマー溶液がなお液体形態である場合、アプリケーターから分配されるかまたは担体材料102上に噴霧され得る。かかる配置において、任意に、担体材料は、いくらかの疎水性性質を有し得、層に当たる任意の流体は、担体材料自体に非特異的に吸収される代わりに、吸収性ポリマー配置に優先的に方向づけられる。態様において、吸収性ポリマー溶液についての分散パターンは、特定の方向に流体を方向づけるために、例えば吸収性領域の一部を優先的に通るウィッキングのために、チャネルに配置される。次いで、その表面に液体吸収性ポリマー溶液を保持する担体材料102は、例えば、オーブン中で45-70℃で3-7時間乾燥され得、これは、吸収性材料104を保持する担体材料層102が、吸収性領域の他の構成要素と都合よく並び、その間にはさまれることを可能にする。特に、担体材料102上の吸収性材料104は、吸収性材料108の上に重なるシートと接触し得る。担体材料102の上に配置された吸収性材料104は、別個の吸収性材料層108中の吸収性材料と同じであるかまたは異なり得る。
【0054】
担体材料102(任意に吸収性材料104の分散を提供される)および吸収性材料108の層は
図1の示される態様において実質的に同様と示されるが、これらの層のいずれかは、サイズ、形状、物理的性質、吸収性等が異なるものとは異なり得ると理解される。担体材料102自体は、吸収性材料104の分散を提供することとは別に処理され得る。例えば、担体材料は、方向性をもつ流動または液体のウィッキングを可能にするために、パターンを有する型押し細工され得、液体が流れて通ることを可能にするために、穴をあけられ得る。態様において、担体材料102は、以下により詳細に記載されるように、これらの物質内に他の添加剤を含み得る。同様に、任意の吸収性層108が提供される場合、これらは、吸収性領域100の吸収性要件と一致して、互いに同様であり得るかまたは互いに異なり得る。いくつかの層は、吸収性を増大させるために、他のものよりも厚くあり得る。例えば、吸収性領域100の上方(まず液体114に曝露される箇所)に向かって吸収性が小さくなる吸収性層108を含めることは、液体が、吸収性領域100の上層を通り抜けて、吸収性領域100の上方と接触する皮膚または他の感受性の表面から離れてウィッキングすることを可能にし得る。吸収性領域構造自体または担体材料102の内に液体をトラップすることを避けるために、層は、例えば、穴、スリット、または流体流動を向上させる他の機械的特徴を提供することにより、液体移動を可能にするように別な具合に作り変えられ得る。態様において、吸収性領域は、優位の吸収性層108および担体材料102のより少ない層で形成され得る。
【0055】
図1に示されるように、任意の特殊化された内層および外層は、上記した層になった配置に追加され得る。例えば、より柔らかい材料の上層112は、皮膚または他の感受性の表面と接触する点として含まれ得る。この上層112は、以下により詳細に記載されるように、有利な性質を有する機能性添加剤を含み得:例えば、製品の柔らかさおよび優れた手触りを付与する添加剤、例えば可塑剤(例えばグリセリン、PEG、Pluronic等)、またはビタミン(例えばビタミンE)、またはダイヤパーかぶれもしくは他の皮膚条件を治療するための薬剤が、この内層に含まれ得る。望ましいことに、上層112は、それが遭遇する液体114に対して透過性であり、液体114は、皮膚または他の感受性の領域に接触しないままに、吸収性領域100の残りにより吸収され得る。特殊化された上層112およびかかる特殊化された上層112の性質を追加するかどうかは、吸収性領域100がその内に含まれるべき製造物品に基づいて決定され得る。例えば、個人ケア品目、例えばダイヤパーは、被験体の皮膚に近い特殊化された上層112についてより多くの用途を有し得、一般的な用途のために設計されたパッド、例えばイヌ訓練パッドまたは使い捨ての医療用アンダーパッドとは対照的であり、ここで、皮膚接触は存在しないか、または長くはない。
【0056】
底層110は、同様に、吸収性領域100に任意に適用され得る。態様において、底層は、水耐性または防水性であり、および/または油および油脂耐性であり得る。水、油および油脂耐性は、当該分野でよく知られている複数の技術により付与され得、これは、特定の製造物品における必要性に依存する。例えば、個人ケア品目についての外部防水性層は、任意の吸収した流体が吸収性領域100から環境へと通過するのを防ぎ得る。かかる層は、吸収性領域100が環境中の流体と遭遇することからも保護し得る。望ましいことに、外層110に付与された任意の特殊な性質は、生分解性ポリマー材料(「バイオポリマー」)を使用することにより生じ、その結果、製造物品全体が生分解性である。本明細書において使用される場合、用語「バイオポリマー」は、その寿命の間に生きている生物体により生成されるポリマーをいう。例示的な製剤は、バイオベースの材料、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセロール等の混合物を含み得、添加剤、例えばナノ繊維化セルロースおよびマイクロ繊維化セルロースを任意に含み、これは、2022年6月7日に出願されたU.S.特許出願17/834,521に記載されるとおりであり、その全内容は、参照により本明細書に援用される。かかる製剤は、以下の成分:メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセロールおよびマイクロ繊維化セルロースのいくつかまたは全てを含み得、例えば、水中の5%溶液として水耐性の外層への加工に利用可能になる。かかる溶液は、担体材料102の層上に噴霧され得るか、またはかかる層に水耐性性質を付与するために担体材料の層に組み込まれ得、次いで、これは、吸収性領域100の外層110を形成し得る。これらの成分を含む製剤は、代替的に、別個のシートとして形成され得、次いで、該シートは、吸収性領域の別個の外層110として機能し得る。
【0057】
水耐性および/または油-油脂耐性のためのバリア性質を有するバイオポリマーの例としては、限定されないが、菌体外多糖、例えば細菌性セルロース、ケフィラン、プルラン、レバン、ゲラン、ならびに他の多糖、例えばアルギン酸塩、セルロース、カラギーナン、アラビアゴム、デンプンおよび植物グルコマンナン、例えばローカストビーンゴム、マンナン、グアーガム等が挙げられる。有用なバイオポリマーとしては、バイオポリエステル、例えばポリヒドロキシ-アルカノエートおよびポリ乳酸誘導体も挙げられ得る。好ましい態様において、セルロースバイオポリマーが、製剤において使用され得、外層110について所望の程度(desired degree)の油/油脂または水耐性を提供する。ある範囲のセルロースポリマーが、異なる程度の疎水性または疎油性を有する種々のポリマーと共に存在し、セルロースポリマーは、外層110について所望の程度の油、油脂および/または水耐性を生じるように選択され得る。態様において、より大きな水耐性を提供するために、より疎水性の他の材料と1つ以上のセルロースポリマーを混合することは有益であり得る。例えば、メチルセルロースは、良好な油/油脂耐性を提供するが、水耐性はそれほどでもない。メチルセルロースは、別のセルロースバイオポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合され、より大きな水耐性を提供し得る。態様において、メチルセルロースとセルロースアセテートの混合物は、油/油脂耐性および水耐性の性質の両方を調節するために提供され得る。セルロースアセテートおよび脂質は、油/油脂耐性コーティングを、より疎水性に調節するために使用され得る添加剤のいくつかの例であり、これとより疎油性材料の組合せは、油および水耐性の両方を提供し得る。
【0058】
好ましい態様において、複数の層が、吸収性領域を形成するために、使用され得、ここで、吸収性材料の層は、それらの間にはさまれる二次吸収性シート、例えば紙ベースの材料により分離される。これらの原理による吸収性領域200の例示的な態様は、
図2Aに示される。この層になったアプローチを使用して、層の数およびこれらの組成は、特定の有用な物品の必要性により決定され得、これは、要素、例えば予想されるサービス義務、物品およびその構成層の液体保持能力、ならびに製品の所望の全体の厚さを考慮してのことである。多層構造、例えば
図2Aに示されるものは、少なくとも1つの一次吸収性層および少なくとも1つの二次吸収性シートを含み;態様において、複数の吸収性層は、二次吸収性シートにより分離され得、この箇所は、例えば、少なくとも1つの二次吸収性シートが2つの一次吸収性層の間にはさまれる箇所としてであり、これは、互いに同じかまたは異なり得る。吸収性材料の層または二次吸収性シートは、任意に、型押し細工されるか、または刻印されるか、またはそうでなければ、パターン化され、有効表面積を増大させ、および/または流入(incident)流体の横方向の透過を増強させ得る。かさ高い従来の設計、例えばSAPビーズコアの周囲の結合されていない(debonded)フラッフパルプと対照的に、本明細書において企図される層になった設計は、薄い断面プロフィールに役立つ。
図2Aの断面図に示される層になった吸収性領域200の態様は、本明細書において開示される吸収性材料202aの層を特徴づけ、これは、二次吸収性シート208により分離され得、二次吸収性シートおよびこれらの物質またはこれらの表面に付加された任意のパターンが有効表面積を増加させ、流体流動を方向づけ、またはその両方をする能力を利用し、これは、吸収性材料202aの層が大量の流体を吸収する能力と組み合わせてである。二次吸収性シート208は、選択された吸収性性質も有し、吸収性領域200の全体の吸収性を向上し得る。態様において、該二次吸収性シート208は、より厚い層を形成する吸収性材料202と、組成物中で同じであるかまたは異なる材料で形成され得る。好ましい態様において、二次吸収性シート208は、担体材料として使用するために記載されるように、例えば、
図1に関して記載されるように、吸収性材料202a、例えば、紙ベースの材料とは異なる材料で形成される。特定の好ましい態様において、二次吸収性シートは、紙ベースの材料を含むかまたはそれからなり、該紙ベースの材料は、高度にウィッキング性の低密度の高い多孔性の紙、例えばフィルターペーパー、ペーパータオル、ティッシュ紙等に使用されるものである。紙は、吸収性材料の層の上および下に層にして配置するために特に有利な材料であり:該紙は、その間に空隙を有する無作為に積み重ねられたパルプ繊維で作られるので、以下により詳細に記載されるように、共連続的マトリックスとして作用する。望ましいことに、高度にウィッキング性の低密度で高い多孔性の紙ベースの材料、例えばフィルターペーパー、ペーパータオル、ティッシュ紙等は、コーティングされた紙または高密度のシート(例えば事務用紙)よりも使用される。本明細書において開示される層になった配置は、広い範囲の設計選択およびプロセス許容範囲と一致する。例えば、上および底のゲル層は、間にある層と異なる多孔性を有し得、外部層(上および底)は、異なる組成およびテクスチャーを有し得る。
【0059】
図2Aに示されるように、吸収性材料202aの層(即ち、一次吸収性層)には、アパーチャ、例えば孔、穴、チャネル、または層に遭遇する流体214のいくらかが最小の吸収でそれを通り抜けることを可能にする他の空隙204aが提供される。他の態様において、アパーチャ、例えば孔、穴、チャネルまたは他の空隙は、特定の方向への、例えば、吸収性領域の中央の方への流体流動を容易にするために、または層の全体の吸収性を向上するために、設計され得る。例えば、特定の孔は、経壁的に(transmurally)伸び、流体の通り抜け(flow-through)通過を可能にするが、他の孔は、層中に部分的にのみ伸び、流体レセプタクルとして作用し、該流体レセプタクルは、流体がかかる層内に吸収されるのを促進する。チャネルは、また、周囲から中央に伸長し、より吸収性の中央領域に流体を濃縮し得るか、または中央から周囲またはそれ以外に伸長し、吸収性層をより一様に越える流体の配置(deposit)を分配し得る。吸収性材料202aの層は一様な厚さを有すると示されるが、任意の所望の厚さおよび任意の種類の厚さのバリエーションを有し得ると理解される。例えば、吸収性材料202aの一次層は、吸収性領域の真ん中でより厚くあり得、かかる領域での吸収を向上させ、これは、より大きな体積の流体がそこに配置される場合であるか、または該吸収性材料202aの一次層は、エッジに沿ってより厚く、これらの領域での吸収を増大させ得、これは、吸収性領域200全体からの流体の漏れを防止するためである。層の厚さの他の配置は、吸収の特定の目的を達成するために作り変えられ得る。層の間の空間が吸収性領域200において提供され得るが、より一般的には、層は、互いに密接に並べられる。態様において、吸収性材料202aの一次層および二次吸収性シート208は、圧縮されて一緒になり、吸収性物品200についてより薄い断面を生じる。
【0060】
図2Aにさらに示されるように、任意の特殊化された内層および外層は、上記した層になった配置に追加され得る。例えば、より柔らかい材料の上層212は、皮膚または他の感受性の表面と接触する点として含まれ得る。この上層212は、有利な性質を有する添加剤を含み得、これは、
図1において上層に関連して言及したものと同様であり:例えば、製品の柔らかさおよび優れた手触りを付与する添加剤、例えば可塑剤(例えばグリセリン、PEG、Pluronic等)、またはビタミン(例えばビタミンE)またはダイヤパーかぶれもしくは他の皮膚条件を治療するための薬剤は、この内層に含まれ得る。望ましいことに、上層212は、それが遭遇する液体214に対して透過性であり、液体214は、皮膚または他の感受性の領域に接触しないままに、吸収性領域200の残りにより吸収され得る。特殊化された上層212を吸収性領域およびかかる特殊化された上層212の性質に追加するかどうかは、吸収性領域200がその内に含まれるべき製造物品に基づく設計決定(design decision)である。例えば、個人ケア品目、例えばダイヤパーは、被験体の皮膚に密接する特殊化された上層212に、より使用され得、これは、最小身体接触用途、例えばイヌ訓練パッドのために設計されるパッド、または皮膚接触が存在しないかもしくは長くはないパッド、例えば使い捨ての医療用アンダーパッドとは対照的である。
【0061】
底層210は、同様に、吸収性領域200に任意に適用され得る。態様において、底層は、バリア特性を有し:例えば、該底層は、水耐性もしくは防水性であり得、および/または油および油脂耐性であり得る。水、油および油脂耐性は、当該分野でよく知られている複数の技術により付与され得、これは、特定の製造物品における必要性に依存する。例えば、個人ケア品目についての外部防水性層は、任意の吸収した流体が吸収性領域200から環境へと通過することを防止し得る。かかる層は、また、環境において流体と遭遇することから吸収性領域200を保護し得る。望ましいことに、外層210に付与される任意の特殊な性質は、バイオポリマーを使用して生じ、その結果、製造物品全体が生分解性である。
【0062】
図2Bは、吸収性材料202bの一次層の上面図を提供し、これは、
図2Aの断面図に示される同様の層(202a)に対応する。
図2Bに示されるように、複数のアパーチャ204bは、秩序だった幾何学的アレイにおいて対称に配列され、これは、
図2Aに示される秩序だった幾何学的アレイに概して対応する。しかし、アパーチャは、任意の秩序だったパターンに配置され得、これは、層の水はけおよび/または吸収性を最適化するためであるか、あるいはアパーチャは、無作為に配置され得ることが理解される。任意のくぼみまたはチャネル(示さず)は、流体がz面において材料を貫通することなく、x-y面において流体を方向づけるように、吸収性材料において表面上に形成され得る。アパーチャの配置を保持する吸収性材料202bの層は、当該分野でよく知られている方法により形成され得る。例示的な態様において、かかる層は、工業的に標準のリールからリールへの(reel-to-reel)プロセスを使用して形成され得、該プロセスは、特に空気集積(air-laying)と比べた場合に、十分に確立された経済的な製造技術である。処方ブレンドの後、全製剤を動いているシリコーンウェブ(または他の放出が容易な(easy-to-release)基板、例えばオレフィンまたはTeflonベルト)に注ぐことにより、プロセスは開始し得る。吸収性層を形成するのに使用される液体は、ローラー下で狭いギャップを通して任意にしぼられ、最終的なゲル層厚さを画定し得る。次いで、連続的なシートは、加熱/乾燥トンネルを通してまたは一連のIRランプ下で移動する。多くの工業的乾燥の選択肢(例えばマイクロ波または真空補助蒸発)は、この目的のために存在する。吸収性材料の乾燥したシートは、紙の層の間にはさまれ得、次いで、プロセスは、示された回数繰り返されて、多層積み重ねを生じ得る。リールからリールへのフィルム製造および多層積み重ねの当業者は、複数の機械的代替物または付属物を容易に開発し、本明細書において開示される発明の原理を組み込んだ物品の迅速かつ工業的スケールの製造を可能にし得る。一旦、連続的な積み重ねロールが製造されると、該ロールは、製造物品、例えばダイヤパーまたは個人ケア品目または他の吸収性物品についての吸収性領域のプロフィールと一致する部分に切断され得る。切断(例えば、一回の行程で鋭い工具を用いて穴をあける(punch)ことにより)から得られる層になった積み重ねの新たに生成されたエッジは、任意にプレスされるかまたはそうでなければ互いに固着され、強い密着を生じ得、モノリシックな一体化物品のように振る舞う多層積み重ねコアを生じる。
【0063】
態様において、上記したように、製造物品についての吸収性領域の形成に使用するための吸収性材料の層は、従来の工業的技術を使用してかたどられるかまたは貫通され、アパーチャ、孔、チャネル等を生成し、流体流動を制御し得る。例えば、吸収性材料の層は、部分的にまたは完全に乾燥されるシートとして調製され得、次いで、該吸収性材料の層は、表面においてアパーチャ、孔またはくぼみを生成するために、穴をあけられる。代替的に、吸収性材料は、孔形成要素を含む金型に注がれ、乾燥され得、材料が金型から取り除かれた場合、該材料は、孔形成要素に対応する刻印、チャネルまたは穴を含む。
【0064】
吸収性材料のシートまたは層にアパーチャ、孔またはくぼみを形成するための種々の方法が、貫通またはかたどりの他に利用可能である。
図2Cは、吸収性材料の一次層の上面図を示し、該上面図は、かかる代替の態様を示し、該図において、アパーチャ、孔または空隙は、吸収性材料の重なるストリップ、鎖またはブロックの上張り(overlay)により形成される。
図2Cに示されるように、
図2Aの多層構造の一次吸収性層は、吸収性材料の重なる部分で形成され得、該部分は、前もって選択した設計、例えば、十字形設計に配置される。
図2Cに示されるように、吸収性材料の垂直方向の部分、ストリップまたは鎖220の底配置は、吸収性材料の水平方向の部分、ストリップまたは鎖218の上層により覆われ得るか、あるいはその逆であり得る。開放領域222は、重なる垂直および水平の部分、ストリップまたは鎖の間に残り、このことにより、作り変えられた構造中のこれらのギャップが、層に伸長するかまたはそれに通る孔として作用するようになる。
図2Cに示される一次吸収性層は、1つ以上の二次吸収性シートにより分離され、組織化された多層構造、例えば
図2Aに概略的に示すものを形成し得る。
図2Cは重なる垂直および水平の部分、ストリップまたは鎖の幾何学的に秩序だった配置を示すが、吸収性材料の部分が互いに覆われる任意の配置が、アパーチャ、孔、チャネルまたは他のかかるギャップを生じ得、これらは、流体が層を通過するかまたはトラップされるようにすると理解される。例えば、吸収性材料の細長い鎖は、秩序だったまたは無作為の様式で互いの上に積み重ねられ得、アパーチャ、孔またはギャップは、それにより、鎖の間に形成される。態様において、一次吸収性層は、吸収性材料の重なる部分から全体的に形成され得、該重なる部分は、それらの間にギャップを生じ、該ギャップは、
図2Cに示されるように、流体が層に入りまたはそれを通るようにし、他の態様において、かかる層が形成され得、該層は、吸収性材料の重なる部分の領域またはセグメントを含み、該部分は、それらの間にギャップを生じ、流体が層に入りまたはそれを通るようにし;かかる領域またはセグメントは、吸収性材料であり得るかまたは以前に記載されるように担体材料であり得る他の材料に埋め込まれ得る。
【0065】
特殊化された発泡技術および発泡製品が、開発され、発泡吸収性材料が形成され、該発泡吸収性材料は、層として使用され、本明細書において開示される吸収性領域を形成し得る。2つの例示的な発泡形態が、同定され、該発泡形態は、吸収性材料を生成するように展開され得る:(1)連続的なゲル層中に分散し、面内(in-plane)即ちx/y方向の連結性を形成する程遠くには伸長していないが、z方向(即ち厚さ)貫通を生じるのに十分である空隙、それにより、以下により詳細に記載するように、流入流体の、下にある層、例えば、紙の層または他の吸収性の層への広がりが可能になる;および(2)多孔性ゲルマトリックスを構成するバイオポリマー糸と共混和している共連続的なからみ合う空の糸(例えば、細長い空の空間)、この場合、横方向及び垂直方向の広がりの両方は、ゲル層内で迅速に生じ得る。発泡形態の制御は、製剤中の界面活性剤濃度を変化させること、ポリマー濃度を調節すること、および高度の攪拌を課し、その後、混合物をシリコーン基板に注ぎ、乾燥させて、最終発泡性(即ち、多孔性)シートを製造することにより、生じ得る。上記した構成(1)または(2)のいずれかにおいて生じる発泡材料は、吸収性材料として使用するために有利な性質を有する。例えば、発泡が分散した空隙を用いて生じる場合(上記したように、構成(1)において)、流入液体は、下の紙の層にウィッキングして下り、迅速に横方向に広がり得る。これにより、紙の層の上および下の吸収性材料の層が効率的に液体に曝露され得、該液体が、ゲル層の以前に曝露されていない領域により、戻って吸収され得る。
【0066】
態様において、上記した発泡を調製するために使用される製剤は、吸収性ポリマー、例えば本明細書において記載されるものを含み得る。例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の混合物が、使用され得、80:20の比で使用され得、約1.2%の液体製剤を形成し;液体製剤の残りは、水、ならびに以下に記載されるように添加される可塑剤および界面活性剤である。可塑剤、例えばグリセロールは、最終製品の可撓性を増大させるために添加され得、例えば、約5:95の可塑剤:吸収性ポリマー比で吸収性ポリマー溶液に添加され得る。グルコシド界面活性剤は、可塑剤-ポリマー溶液に添加され得、これは、該溶液について発泡プロセスを容易にするためである。有用な界面活性剤としては、ヘキシルグルコシドおよびカプリルグルコシドが挙げられ、該界面活性剤は、一緒にまたは個々に添加され得る。1つまたは複数の界面活性剤は、約1:1.5の界面活性剤:吸収性ポリマー比で添加され得る。水は、これらの成分に添加され、製剤の全体積を形成する。このように生成された混合物は、攪拌され、完全に混合され、次いで、泡立てられるか、またはそうでなければ、攪拌され、製剤について発泡コンシステンシーを生じる。次いで、発泡製剤は、シートを形成するように展開され得、該シートは、最終固体または半固体製品を生じるようにオーブン中で乾燥され得、該製品は、本明細書において記載されるように、製造物品について吸収性領域を調製するために使用され得る。
【0067】
吸収性製剤に対する添加剤
有利な性質を有する添加剤は、高い粘度のヒドロゲル形成性ポリマーと可塑剤の混合物に含まれ得、および/または層になった吸収性領域、例えば
図1に関して上記したものにおいて、および吸収性材料の層自体、例えば
図2に関して上記したものにおいて、担体層に含まれ得る。望ましいことに、再生可能な供給源由来の堆肥化可能および生分解性材料は、添加剤として使用され得る。広い範囲の添加剤は、粒子、流体またはエマルジョンいずれであろうともそれとして、含まれ得、これとしては、限定されないが、活性炭、活性炭素、ゼオライト、重炭酸塩粉末、固体乾燥剤粉末、乳化油等が挙げられる。他の所望の添加剤は、当業者により構想され得る。
【0068】
より詳細には、例として、材料、例えば活性炭、活性炭素もしくはバイオ炭(ココナツの殻または他の天然材料で作られる)等は、ヒドロゲル混合物中に懸濁粒子として添加され、臭気を低減し、臭気制御を向上し得るか、または該材料は、1つ以上の担体層に注入され得るか、あるいはその両方である。かかる材料は、多孔性であり、毒性化学物質および臭気をトラップすることが公知である。態様において、臭気吸収性もしくは臭気中和性化学物質(例えばβ-シクロデキストリン、重炭酸塩、ペンタン-1,5ジオール等)、香水、芳香剤および他の臭気物質改変剤は、有利にも、ヒドロゲル混合物に導入され得るか、または担体材料に埋め込まれ得るか、あるいはその両方であり得る。精油および他の芳香剤は、吸収性材料、担体材料またはその両方に封入するために、封入された形態(例えば、シクロデキストリンに封入されたもの)で提供され得る。臭気吸収性添加剤を含む吸収性領域は、個人ケア品目、例えばダイヤパー、失禁パッドおよび女性の衛生製品について有用であり得る。他の態様において、臭気吸収性添加剤を含む吸収性領域は、ペットケア製品、例えば動物のトイレの砂について有用であり得る。
【0069】
別の例として、添加剤は、充填剤添加剤、例えばフラッフパルプ、マイクロ繊維化セルロースまたはナノ繊維化セルロースであり得、該充填剤添加剤は、費用を少なくし得、および/または得られた吸収性材料もしくは担体材料またはその両方について、より柔らかいまたは安定なテクスチャーに貢献する材料であり得る。より柔らかいより適合した吸収性材料は、包帯または個人ケア品目に使用され得、ここで、形状および展性は、性能を向上させ得る。ペットケア製品について、柔軟化添加剤は、「足の感触」を向上させ得、これは、動物のトイレの砂等の製品についての重要な特徴である。別の例として、重炭酸塩またはデンプンが、寸法安定性を向上するために添加され得る。さらに別の例として、指示器(indicator)として機能する添加剤が、使用され得る。色-変化指示器は、吸収性材料もしくは担体材料またはその両方が、例えば、ダイヤパーにおいてまたは動物のトイレの砂について、飽和した場合に示すように、使用され得る。指示器は、診断目的についても使用され得、ここで、指示器は、吸収性材料もしくは担体材料またはその両方において、尿中の特定の化学物質または特定のpH変化の存在を明らかにする。かかる指示器は、(動物のトイレの砂において)獣医学的目的について、または個人ケアのために吸収性物品を使用している小児科のもしくは老人病学の患者について、疾病、恒常性の破壊等についての情報を提供し得る。同様に、本明細書において開示される吸収性材料を含む包帯中の指示器は、吸収性材料が体液に曝露された場合、生理学的変化の信号を出し得る。
【0070】
特殊化された性質を有する他の添加剤は、本明細書において開示される吸収性材料もしくは担体材料またはその両方に含まれ、吸収性材料のマトリックスまたは担体材料のマトリックス中に埋め込まれるまたはそれに付着される材料を介してある範囲の有用な製品を生成し得る。例えば、ヒドロゲル自体または担体材料に組み込まれる個人ケア物品のための添加剤としては、製品の柔らかさおよび優れた手触りを付与するための可塑剤(例えばグリセリン、PEG、Pluronics等)が挙げられ得る。別の例として、皮膚若返り成分(例えばヒアルロン酸、アロエベラ、αリポ酸ならびにビタミンCおよびE)が、ヒドロゲルに負荷され得るか、または担体材料に埋め込まれ得る。薬物送達のためのビヒクルを作製するため、例えばダイヤパーかぶれまたは他の皮膚条件を治療するために、医薬品(例えばヒドロコルチゾン、抗真菌剤)が、ヒドロゲルもしくは担体材料またはその両方に組み込まれ得る。他の態様において、創傷包帯(dressing)が、本明細書において開示される吸収性材料およびその組合せを使用して、調製され得、さらなる薬剤が、ポリマー層もしくは担体材料層またはその両方に含まれ得、これは、例えば防腐剤、抗微生物剤、血液凝固剤等である。態様において、単独または担体層と組み合わせてのいずれかのヒドロゲル層は、包帯(bandage)または包帯(dressing)の構成要素として、皮膚の近位に保持されるか、またはそれに固定され得る。
【0071】
態様において、充填剤材料は、ヒドロゲルマトリックスに添加され、材料の費用を減らし得る。例えば、ポリマー、例えば低い分子量のデキストリン、デキストランまたは他の低い分子量の炭水化物は、高い粘度のヒドロゲル形成性ポリマーと可塑剤の混合物に添加され得、該添加剤は、また、ヒドロゲルが形成されるにつれて、膨張し得る。添加された充填剤の膨張能力は、吸収性のマトリックスにおけるより高価な構成要素についての必要性を低減し得る。
【0072】
態様において、充填剤およびより小さなオリゴマーが費用を減らす充填剤として使用され得るが、費用を減らし膨張を促進するために、発泡も使用され得る。上記したように調製した製剤が、使用され得、これは、水膨脹性ポリマーおよび可塑剤を含むが、混合物は、攪拌され得、泡が粘性の溶液に導入され、それにより、発泡を形成する。他の態様において、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤)が、使用され得、これは、泡生成およびその後の発泡形成を可能にするための力強い攪拌の代わりまたはそれに加えてのものである。態様において、粘性の溶液は、より容易に発泡することを促進し得るので、粘度を上昇させると当該分野で公知の成分が、混合物に導入され得る。発泡(泡)の添加により、ヒドロゲルの多孔性が増大され得、それにより、そこに水が吸収され保存され得る空隙が生成される。ヒドロゲル内のこの多孔性により、固有の膨脹がより少ないポリマーが使用され得るが、なお同等の水閉じ込めを促進する。上記した製剤の他の成分(例えば架橋剤)は、ヒドロゲルが発泡する場合と同様の様式で使用され得る。
【0073】
本明細書において開示される高い粘度のヒドロゲル形成性ポリマーと可塑剤の混合物は、他の粒子またはコア材料に対するコーティングとして使用され、複合吸収性材料を生成し得る。コーティング混合物は、添加剤を含み得、その例は、上記したものである。特定の態様において、多孔性コア材料が、提供され、混合物により部分的にまたは完全に包まれ得る。他の態様において、コア材料は、実質的に固体および非多孔性であり、混合物により部分的にまたは完全に包まれ得る。望ましいことに、コア材料は、再生可能材料から選択され得る。態様において、コア材料は、有利な性質、例えば安定性、または向上した臭気取り込みをコーティングされた複合構造に付与する。有用なコア材料としては、限定されないが、天然材料、例えば活性炭素、木炭、バイオ炭、クルミまたは他の堅果の殻、おがくず、フラッフパルプ、トウモロコシの苞葉、オオバコ種子の殻(psyllium husk)等が挙げられる。態様において、コア材料は、約0.2mm~約5mmのサイズまたは約0.2~約2mmのサイズである。態様において、コーティング厚さは、約1ミクロン~約100ミクロンの厚さであり、コア材料の表面上に一様にまたは非一様にのいずれかで適用される。態様において、コーティングされた粒子は、混合タンクにコア粒子および高い粘度のヒドロゲル形成性混合物を添加すること、ならびに加熱要素または他の同様の設備(オーブン、流体床乾燥機等)で得られた組合せを加熱することにより製造され得る。加熱の間またはその後、コア粒子は、混合物中で攪拌されるかまたはかきまぜられ、それらは分離され、一様なコーティングが可能になる(流体床乾燥機が使用される場合必ずしもそうではない)。
【0074】
5.例示的な製造物品
a.個人ケア品目
種々の個人ケア物品は、本明細書において開示されるように膨脹性材料および吸収性領域を使用して形成され得、これは、別々に、または配置された構造、例えば
図1に関して記載される吸収性領域中の他の非膨脹性材料と組み合わせてのいずれかである。態様において、吸収性製造物品、例えばダイヤパー、失禁パッド、女性の衛生製品等は、より経済的に形成され得、より都合よく快適に着用され得、吸収性領域、例えば本明細書において記載されるものを組み込むことにより、性能特性、例えば湿気ウィッキングおよび呼吸適合性の保持を有する。
【0075】
態様において、膨脹性材料の使用およびかかる膨脹性材料から形成された吸収性領域の使用は、全て、本明細書において開示されるものであるが、使い捨ての個人ケア品目、例えば乳児のダイヤパーまたは成人の失禁パッドの生分解性または堆肥能力を向上し得る。例として、従来の使い捨てのダイヤパーは、以下の構成要素:乳児の皮膚と接触し、排泄物流体に対する第1の接触の点を形成するトップシートまたは内層;排泄物流体を吸収し保持する吸収性コア領域;ダイヤパーの内部に流体を維持し、漏れの保護を提供するバリアを提供する防水性バックシートまたは外層を含む。従来の使い捨てのダイヤパーにおけるトップシートは、一般的に、織られた、織られていないまたは多孔性の形成された-フィルムのポリエチレンまたはポリプロピレン材料で作られる。バックシートは、トップシートと同じ材料で形成され得るが、典型的に、触ると柔らかい外部表面に加えて、ダイヤパー内に流体を維持する内部フィルムバリアを含む。流体吸収のためのSAPは、吸収性コア中に配置される。そこから形成される吸収性材料および吸収性領域は、全て、本明細書において開示されるものであるが、従来の石油由来SAPと置き換えられる場合、生分解性および堆肥能力を損なう要素は、製品から除去され:従って、該製品は、より持続可能になり、従来のバージョンの所望の性能特徴をなお保持する。持続可能性をさらに向上すると、トップシートおよびバックシートに使用される石油由来材料は、本明細書において記載されるそれ自体生分解性および堆肥化可能であるバイオベースの材料と交換され得、十分に生分解性および/または堆肥化可能の使い捨てのダイヤパーを目指す。本明細書において開示される吸収性領域は、従来のダイヤパー構成内に組み込まれ、十分に生分解性および/または堆肥化可能な製造物品を生じ得る。さらに、そこから形成される吸収性材料および吸収性領域は、全て、本明細書において開示されるものであるが、使い捨ての構造に組み込まれ得、該使い捨ての構造は、使い捨ての乳児のダイヤパーの他に他の個人ケア製品に使用され得る。
【0076】
態様において、製造物品、例えば従来のダイヤパーまたは個人ケア製品構成は、再利用可能な外部の覆いおよび吸収性領域を含む使い捨ての内部の構成要素を含むように改変され得る。態様において、この構成は、再利用可能な外殻、例えば(半永久的な)弾性メッシュおよび(一回使用の(used-once))使い捨ての組み込まれた吸収性構造または吸収性領域を含み、これらは、本明細書において開示されるように、バイオベースの吸収性材料から形成される。弾性メッシュは、使い捨ての吸収性内部構造を、製造物品内の解剖学的に有利な領域の近位に配置するために使用され、使い捨ての吸収性内部構造は、それらの送達の点から離れて体液をウィッキングし、それを吸収し得る。解剖学的に有利な領域は、吸収されるべき体液、例えば個人ケア品目について尿または糞便、衛生ナプキンについて月経流動、医療用または外科的包帯について創傷ドレナージ等に遭遇すると予想される製造物品の領域である。取りはずし可能および使い捨て以外の吸収性内部構造により、体液の衛生的かつ効率的な回収が可能になり、該体液は、吸収性内部構造の除去の間に容易に廃棄され得る。コアを取り換える時刻がくると、世話人は、単にシェル(shell)を引っ張って開放し、コアを曝露する。コアは薄い輪郭の紙-ゲル積み重ねであるので、物品全体は、巻いて包まれ、堆肥積み重ねまたはごみのビンに廃棄され得る。任意に、使い捨ての吸収性内部構造は、生分解性接着剤を有する再利用可能な外部の覆いに固定され得、これは、内部構造を、再利用可能な外部構造に軽く固定し得る。
【0077】
態様において、使い捨ての吸収性内部構造は、少なくとも以下の層:(a)皮膚に最も近い層、即ち体液を内部吸収性コアの方へウィッキングする皮膚保護層;(b)かかる層の外部の、吸収性材料を含む吸収性領域、これは、本明細書において記載されるもの、例えば、バイオベースの材料(木材パルプ、フラッフパルプ、マイクロ繊維化セルロース等)で形成されるマトリックス内に配置されるか、または上記した組織化される多層構造内の構成要素として配置されるもの;および(c)かかる層の外部の、疎水性層、例えば疎水性に処理された紙の層、ここで、該紙の層は、吸収性コア領域に湿気を保持し、漏れを防止する、を含むように形成される。この吸収性構造は、(i)内部皮膚保護層、(ii)吸収性材料および任意の担体材料(吸収性コア)を含む1つ以上の吸収性層、ならびに(iii)外部疎水性層を含むが、該吸収性構造は、3つ全ての性質(例えば
図1に示されるもの)についての層を含む1つの単一の構造として、または、複数の層として構築され得、該複数の層は、その中で、内部皮膚保護層、吸収性コアおよび外部疎水性層を提供する。
【0078】
態様において、本明細書において記載される再利用可能なシェルおよび吸収性コアを含む物品は、非常に薄い全体の輪郭を伴って形成され得る。本発明の原理と一致する使い捨ての吸収性内部構造は、汚れた場合に、再利用可能なメッシュ層の変更/交換の必要なく、変更/交換され得るように、形成され得、該メッシュ層は、同じ場所に残る。有利にも、使い捨てのコアは、薄く軽量で、成人の失禁パッドについて例えば、衣類の下で着用するのに都合がよく快適である。さらに、小さなサイズおよび軽量の製品により、それは、ビジネスモデル、例えば申し込み型家庭送達に適切となり、都合のよい用途を増やす。
【0079】
再利用可能な外部覆いは、材料、例えば防汚(stain-repellent)綿、Lycraとの混合織(mix-woven)綿(伸びやすい綿)、ポリエステル/綿ブレンド、運動着グレードのナイロン等で作られ得、該材料は、該覆いが洗濯されることおよび長い期間使用されることを可能にする。外部メッシュは、着用者の身体の輪郭に適合するように構築され得、耐久性の弾性材料(例えばLycra、スパンデックス、シリコーン等)で作製され得る。外部覆いのためのこのメッシュ構造(architecture)は、多孔性であるので、高度に通気性である。このアプローチの便利さに加えて、それは排泄物との皮膚接触時間を低減し、ダイヤパーかぶれなどの生じる皮膚刺激問題を軽減し得る。態様において、ファスナーは、金属の留め金であり得、これは、丈夫で、使用が簡単であり、繰り返しの使用のために作り変えられる。設計方式は、色彩に富みかつ個人的でさえあり得る。脚の穴は、適合を形成するために、高品質の弾性のバンドを有し得る。シェルを開放するために、単に、金属の留め金をはずし、シェルを十分に開放し、使用した/汚れたコアの回収を可能にし、新たなコアを再度適用し得る。再利用可能な外部覆いの目的および製品の商業上の方向と一致する他の改変物は、当業者により容易に構想され得る。
【0080】
有利にも、これらの系および方法に従って形成された吸収性コアは、天然に由来する生分解性材料からなり、該生分解性材料は、異例な性能を送達し得る。態様において、吸収性コア材料の性能は、ほとんどの従来の使い捨てのダイヤパーと同等であるかまたはそれより優れており、該ダイヤパーのコアは、かさ高く、合成の非分解性のSAP(超吸収性ポリマー)ビーズおよび高価なハンマーミルで結合を解除された(debonded)フラッフパルプで作られる。さらに、従来の使い捨ての吸収性材料、例えば、ダイヤパー中で使用されるものおよび他の個人ケア製品は、典型的に資本およびプロセスの両方が集約的な空気集積により製造されるが、本明細書中で開示される革新的なコアは、十分に確立された迅速な連続的なリールからリールへのプロセスを使用して製造され、商品の費用を有意に低下させる。
【0081】
コア-シェルダイヤパー構成は、専売の生分解性の高い吸収性の迅速ウィッキングの紙/ゲル多層積み重ねの本発明者らの開発により実行可能になったが、生態学および持続可能性に対して重要な密接な関係を有する。石油消費(合成SAPビーズを作るために必要な)が、実質的に低減されるか、または排除さえされるだけでなく、薄いコアは、完全に堆肥化可能でもある。シェルは再利用可能であるので、本発明は、有意な量(いくらかの見積もりにより30%)の将来のごみ埋立地体積を節約する潜在能力を有し、従来の使い捨てのダイヤパーは、この新規の技術により実質的に置き換えられると考えられる。
【0082】
さらなる特徴が、コア-シェルアセンブリに導入され得る。例えば、コアは、エッジの周囲に「ダム」を生じさせ得、これは、例えば、プレスの前にエッジを折り(以前のセクションで述べたように)、エッジをより厚くし、廃棄物の含有を補助することによってである。複数の幾何学的および設計の特徴は、コア-シェル一体化を促進するために構想され組み込まれ得る。全てのかかる改善は、本発明の精神および範囲内にあるものとする。
【0083】
態様において、多くの設計改善および機能性添加剤は、本基礎発明に組み込まれ、それを構築し得る。例えば、機能性添加剤、例えば臭気吸収剤は、ゲル層に組み込まれるか、または層の間に散在され得る。または、例えば、天然成分、例えば微粉状活性炭素(即ち、農業残留物の熱分解で作られるバイオ炭)、β-シクロデキストリンおよびキトサンバイオポリマーを含む機能性添加剤が、使用され得る。同様に、機能性添加剤、例えば芳香剤(例えば、アロマテラピーのための柑橘油(d-リモネン)、ラベンダー油および複数の他の精油)が、含まれ得る。態様において、機能性添加剤、例えば抗菌および抗真菌成分が、ゲルに任意に添加され得る。多くの他の尿ベースの実験室試験化学の中で、最も上の紙の層は、健康および健康センサー、例えばpH、グルコースデヒドロゲナーゼ(糖尿病検出)、タンパク質比色定量アッセイ(早期開始腎臓機能不全の検出)を含み得る。
【0084】
ダイヤパーおよび個人ケア製品構築についてのこのアプローチは、コーヒーマシンまたは真空掃除機のための交換可能フィルターと類似の取り換え可能な吸収性挿入物を使用しているが、既に消費者に良く知られており、物品全体の小さな部分のみが廃棄を必要とするので、明らかな値段および環境的な利点を提供する。伝統的な合成SAPの代わりに吸収性コアに生分解性材料を使用することにより、吸収性材料は、環境的に耐えがたい負担が本質的に少ない。使い捨てダイヤパーについての伝統的な形態因子と比較して、廃棄のためにより小さいサイズの吸収性コアを提供することにより、吸収性の個人ケア製品は、大規模処分施設の代わりに小規模な堆肥化に適切である。全体的に、このアプローチは、全使い捨てダイヤパー産業の環境的に持続可能な再想像を可能にし得る。
【0085】
b.動物のトイレの砂
従来の動物のトイレの砂(例えばネコのトイレの砂または「子猫のトイレの砂」)に使用するための材料は、典型的に、再生可能な資源に由来しない。粘土材料が、優位を占め、これは、特に、ベントナイト、例えばナトリウムベントナイトまたはカルシウムベントナイトである。動物のトイレの砂混合物に添加される他の粘土は、海泡石、モンモリロナイトおよびカオリナイトであり、これは、製剤(formula)がネコの尿に曝露された際に凝集することが意図されているかどうかに依存する。かかる材料は、水和珪酸アルミニウムであり、トラップされた湿気は、水および体液をひき寄せる負の全イオン性電荷を生じ、流体取り込みおよび材料の膨張を生じる。特定の製品において、珪酸ナトリウム結晶は、粘土に加えてまたはその代わりに使用される。しかし、全てのかかる材料は、生分解性または堆肥化可能ではない。使用の後、動物のトイレの砂の材料は、通常、地方自治体の固体廃棄物として廃棄され、ごみ埋立地に付託される場合、千年間の寿命を有する。
【0086】
動物のトイレの砂についての所望の性質としては、生分解性、吸収の高い速度および吸収体積容量、密着、凝集能力、アンモニアおよび他の臭気の遮蔽、標的動物に許容され得る密度およびテクスチャー、凝集強度、凝集したままの傾向、凝集重量ならびに費用が挙げられる。従来の動物のトイレの砂吸収剤を本明細書において開示される吸収性ヒドロゲル材料で置き換えることにより、生分解性の動物のトイレの砂を生じ得、該動物のトイレの砂は、環境により少ない負荷を課す。生分解性のネコのトイレの砂は、臭気吸収性添加剤を含む本明細書において開示される吸収性ヒドロゲル材料で生成され得、これは、他のバイオベースの材料と組み合わせてであり、該他のバイオベースの材料は、テクスチャー、強度、粉塵保護、および/または最終製品の費用を改善する。
【0087】
c.医療用途
本明細書において開示される吸収性材料は、複数の医療用途、例えば創傷処置、血液凝固、皮膚条件の処置、医療または健康処置の表面適用、および医薬処置の経皮散布に適合され得る。これらの物品は、他の活性成分、例えば医薬製品、健康薬剤、ビタミン、栄養素等についての担体として使用され、これらの活性成分を、それへの曝露から利益を生じ得る身体の領域と接触させ得る。
【実施例】
【0088】
実施例
実施例1-5で使用される材料および設備は:
●Corning攪拌プレート
●BINDER強制対流オーブン
●Sigma Aldrich化学物質
○グアーガム
○ペクチン
○デキストリン
○アルギン酸塩
○ローカストビーンゴム
○グリセロール
○ヒドロキシエチルセルロース[HEC]
○塩化ナトリウム
○塩化カルシウム
○塩化アンモニウム
○硫酸マグネシウム
○硫酸ナトリウム
○カルボキシメチルセルロースナトリウム
●他の化学物質:
○キサンタンガム:Amazon
○超吸収性ビーズ:Amazon
○FILMKOTE 54:Ingredion
○ERYSIS GE-36: Huntsman
を含む。
【0089】
実施例1:一元生分解性吸収剤
この実施例において、種々の天然ポリマーおよび化合物(以下の表2に列挙される)を、5wt.%濃度で水溶液中に調製した。各溶液を、半球のシリコーン金型(1cm直径)上の複数のウェルに配置し、70℃でBINDER強制対流オーブン中で乾燥させた。第1のセットの試験について、得られた固体乾燥ゲルを、小さな金属メッシュケージ中にそれらを配置することにより、膨張能力について試験し、該金属メッシュケージを、その後、0.104M模擬尿溶液(以下の表1に従って調製される)中に25℃で1分間沈めた。次いで、メッシュケージを、尿溶液から回収し、過剰な水を、1分間滴下し、ペーパータオルを使用して、ケージの周りの残存する湿気をふき取り、その後、膨張したゲルの重量を測定した。第2のセットの試験について、実験を、同じ条件(25℃で0.104M尿溶液)下で再現したが、乾燥固体ゲルポリマー/化合物を含むメッシュケージを、10分間沈めて、天然ポリマー/化合物が経時的に膨張し続けるかどうかを評価した。各試料についての吸収能力を、以下のEQ1に従って計算したが、得られたデータを、1分および10分の浸漬実験について、表2および3のそれぞれにおいて表にする。
【数1】
【表1】
【表2】
【表3】
【0090】
実施例2:二元生分解性吸収剤
本実施例についての試料を、グリセロールをDI水中に溶解し、その後、表4に列挙される天然ポリマーまたは化合物を2.5wt.%で添加することにより調製した。各溶液において、グリセロールを、天然ポリマー/化合物重量の10wt.%で添加した。実施例1に示す乾燥プロトコルを、表4に列挙されるポリマー/化合物から調製される試料についてたどり、乾燥試料を、模擬尿の温度が37℃であったことを除いて、実施例1の1分浸漬プロトコルを使用して試験した。結果を、以下の表4にまとめる。
【表4】
【0091】
実施例3:三元生分解性吸収剤
この実施例において、三元系を、グリセロールをDI水中に溶解し、その後、合わせた濃度2.5wt.%について表5に示す比で2つの天然ポリマーの混合物を添加することにより、調製した。グリセロールを、合わせた天然成分の30wt.%で添加した。例えば、300g試料溶液は、290.25g水、2.25gグリセロール、6.75g HECおよび0.75gアルギン酸塩を含んだ。
【0092】
実施例1に示す乾燥プロトコルを、表5に列挙されるポリマー対から調製した試料についてたどり、乾燥試料は、模擬尿の温度が37℃であった以外は、実施例1の1分浸漬プロトコルを使用して試験した。ポリマーの各対についての吸収能力を、以下の表5に列挙する。
【表5】
【0093】
実施例4:種々の分子量の天然吸収性ポリマー
4つの異なる分子量のヒドロキシエチルセルロース(表7に列挙される)を、1wt%水溶液として調製した。グリセロールはまた、10wt%のポリマー質量で各溶液に含めた。試料を、実施例1と同じ手順で乾燥させ、次いで、表6に示す0.154M模擬尿水溶液において試験した。実施例1に示す乾燥プロトコルを、表7に列挙される4つの分子量のヒドロキシエチルセルロースから調製した試料についてたどり、乾燥試料を、実施例1の1分浸漬プロトコルを使用して、表6の模擬尿を用いて、模擬尿の温度37℃を用いて試験した。各試料についての計算した吸収能力を、表7に示す。
【表6】
【表7】
【0094】
実施例5:共有結合的に架橋された天然吸収性ポリマー
本実施例は、実施例3に記載されるとおり調製されたヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸塩およびグリセロールの三元組成物を、非架橋形態および架橋有の両方で試験する。架橋形態について、架橋剤(プロポキシル化グリセリンのトリグリシジルエーテル)および触媒(ブチルトリエチル塩化アンモニウム)を、ヒドロキシエチルセルロース/アルギン酸塩/グリセロール溶液に、HECおよびアルギン酸塩の合わせた重量の1wt%で混合した。例として、ヒドロキシエチルセルロース、グリセロール、アルギン酸塩および架橋剤の溶液は、以下の成分: 290.10g DI水 + 2.25gグリセロール + 6.75gHEC + 0.75gアルギン酸塩 + 0.075g架橋剤 + 0.075g触媒を含み得る。得られた混合物(amalgam)を、実施例1の乾燥プロトコルに従って乾燥させ、各々を、模擬尿の温度が37℃であった以外は、実施例1の1分浸漬プロトコルを使用して試験した。架橋および非架橋試料の両方の吸収能力は、以下の表8に列挙される。
【表8】
【0095】
実施例6-7で使用される材料および設備は:
●Corning攪拌プレート
●BINDER強制対流オーブン
●メッシュティーフィルター
●シリンジ
●シリンジ針
●ビーカー
●脱イオン(DI)水
●Sigma Aldrich化学物質
○ゼラチン
○アルギン酸ナトリウム(アルギン酸塩)
○グアール
○デキストリン
○塩化ナトリウム
○塩化カルシウム
○ホウ酸
○四ホウ酸ナトリウム
○グリセロール
●他の化学物質:
○キサンタンガム(XG): Amazon
○超吸収性ビーズ: Amazon (ASIN B075DX8PZ2)
○Erisys GE-36
を含む。
【0096】
実施例6:膨脹性ビーズ
本実験を、実施し、天然材料で作られるヒドロゲルビーズを生成し、ビーズ形成を試験し、DI水に曝露された場合に膨張する程度を測定した。
【0097】
ヒドロゲルポリマーの粘性の溶液(表9に明記されたとおり)を、特定の比(全て表9に明記される)のポリマー粉末または単一のポリマー粉末(非混合物を使用した場合)を計り、該粉末をDI水にゆっくりと添加し、混合物を、攪拌プレート上で、最初は15-20分間強く攪拌し、次いで、より遅い速度で、全ての粉末が溶解し、溶液が均質になるまで攪拌することにより、生成した。別に、40gの架橋溶液を、架橋剤を粉末形態でDI水に添加し、全ての粉末が溶解するまで混合することにより、作製した(表1に明記されるように各試験について異なる)。架橋溶液を、攪拌プレート上ビーカー中で穏やかに攪拌し、約3mlの各粘性のヒドロゲル溶液(以前に記載されるように調製した)を、該ビーカーに滴下した。添加されたヒドロゲルは、CaCl2架橋溶液に滴下してほぼすぐビーズに形成されたが、他の架橋溶液は、同様にビーズ形成を補助したわけではなかったことを観察した。架橋剤溶液中に形成されたヒドロゲルビーズを、メッシュスクリーン上でろ過し(可能な場合)、DI水で完全に洗浄し、60℃のオーブン中で一晩乾燥させた。
【0098】
ヒドロゲルビーズを、表9に示す種々のヒドロゲル成分、ヒドロゲル濃度、ヒドロゲル比および架橋技術を用いて、上記の手順を使用して形成した。次いで、これらの試料ビーズを、以下のプロトコルに従って試験した:
【0099】
試験の前に、全ての試料を、60℃で15分オーブンに戻して配置し、湿気がビーズに存在しないことを確実にした。各試験について、30gの試験溶液(表2に明記されるとおり、室温でDI水または0.9% NaCl溶液のいずれか)を、ビーカーに計り、各試験試料からの約0.2gのビーズを、メッシュティーフィルターに計った。ビーズを含むメッシュティーフィルターを、試験溶液を含むビーカーに浸漬し、1分間穏やかに渦を巻かせた(X-Y方向のみ)。1分後、メッシュティーフィルターを、除去し、排水させた。フィルターの底を、ペーパータオルで拭き、ビーズを、再度計り、液体取り込みおよび全体の膨張を決定した。対照について、市販のSAPビーズを、同じプロトコルの後に試験した。対照試験および試料試験についての結果、ならびに観察者のコメントを、表10にみられるように示す。
【表9】
【表10-1】
【表10-2】
【0100】
実施例7:押し出し成形された鎖
ヒドロキシエチルセルロースおよびアルギン酸ナトリウム(80/20比)の10%混合物を、ポリマー粉末をDI水中10%グリセロール溶液にゆっくりと添加し、20分間強く攪拌し、次いで、全てのポリマーが溶解するまで、ゆっくりと攪拌することにより、混合タンク中で作製し、濃い粘性の溶液を製造し得る。次いで、Erisys GE36多機能性エポキシ架橋剤を、全ポリマーの添加の重量の5%で添加し得る。架橋剤を添加したヒドロゲル混合物を、揮発分除去能力を有する押し出し成形機に配置し得、次いで、脱水硬化ポリマーの鎖として押し出し成形され得(押し出し成形機内での加熱プロセスから蒸発された水の多くを有する)、ここで、鎖の直径は約1cmである。この鎖を、コンベヤーオーブンに移し得、該コンベヤーオーブンでは、該鎖を、60℃で2時間加熱し得る。オーブンからの取り出しの際に、鎖を、円筒形の小さなペレット(1cm長)に切断し、乾燥ビーズを形成し得るか、または該鎖を、約3インチ長で直径約1cmの長い鎖に切断し得る。他の形状および直径対長さ比を、同様の技術を使用して、同様に調製し得る。
【0101】
ペレットおよび鎖を、体温で0.9% NaCl溶液中で試験し、膨張能力を試験し得る。直径約1cmのビーズについてあり得る膨張能力結果は、約1400-1600%の重量利得を含み得る。約3インチ長の鎖についてあり得る膨張能力は、約1200-1400%の重量利得を含み得る。
【0102】
実施例8、9および10で使用される材料および設備は:
●攪拌プレート
●VWR強制対流オーブン
●OniLABオーバーヘッド攪拌器
●Sigma Aldrich化学物質
○ヒドロキシエチルセルロース(HEC)
○(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース(HPMC), Mn~120,000、およびMn~10,000
○グリセロール
○カプリルグルコシド
●ThermoFischer押し出し成形機(単一または平行スクリュー)
●スロットダイ押し出し成形機
●ドクターブレード
●支持体
○平坦なシリコーンシート
○平坦な炭素鋼パン
○200+空洞を有するシリコーン金型
を含む。
【0103】
実施例8:シートのための溶液
この実施例において、吸収性性質を有する溶液を、作製し、次いで、シートに広げた。吸収性ポリマー(HECおよびHPMC)を、全溶液の1.2%の濃度で一緒に評価した(sum)。吸収剤対グリセロールの比は、95:5に等しく、吸収剤対界面活性剤(カプリルグルコシド)の比は、1.5:1であり、水は、溶液の残りの量を構成した。溶液を調製するために、水を、ビーカーに添加し、次いで、グリセロールを添加した。このビーカーを、磁気攪拌バー上に配置し、中程度の剪断力で約5分間攪拌した。次いで、界面活性剤を、ビーカーに添加し、ビーカーを、150rpmのオーバーヘッド攪拌バー上に配置した。次いで、吸収剤を、計り、ビーカーに添加し、rpmを、300に上昇させた。この溶液を、300rpmで5-10分間混合し、次いで、混合速度を、150rpmに戻し、一晩攪拌させた(約12-24時間)。一旦溶液が十分に均質化すると、ドクターブレードを、使用して、支持体としての炭素鋼パンまたはシリコーンマットのいずれかの上に均一に溶液を広げた。シートの厚さを、2mmの厚さに調製したが、厚さはどの部位でも約0.5mm~約4mmの間であり得ると認識される。これらのシートは、70℃のオーブンに配置され、乾燥させる。
【0104】
一旦乾燥すると、シートを、支持体からはがし、吸収試験のために長方形断片に切断した。この試験について、水浴中に0.9% NaClを、調製し、尿の組成を模倣した。425-ミクロンのふるいを、浴に添加し、水は、上部開口まで(up)ほぼ半分に到達する。シートの各試料を、乾燥状態(dry)で計り、次いで、食塩水浴に配置し、約1分間放置した。次いで、これらの断片を、水から取り出し、計り、試料の膨張を決定する。膨張を、湿潤重量を乾燥重量で割ることにより(by dividing the dry weight from the wet weight)、決定した。膨張データを、以下の表11に列挙する。
【表11】
【0105】
実施例9:溶液および担体
この実施例において、溶液を、基板上に分配するために使用した。実施例8からの同じプロトコルの後に、ポリマー溶液を作製した。ポリマー溶液を、押し出し成形機/スロットダイに添加し、ペーパータオル、ティッシュ紙またはフラッフパルプ基板上に溶液の長い鎖を分配した。ほとんどの水は、押し出し成形加熱プロセスの間に蒸発し、基板上に硬化ポリマーを残した。次いで、この試料を、70℃のオーブン中に配置し、十分に乾燥するまで放置した。これらの試料を、上記実施例8で試験したように、吸収について、0.9%NaCl溶液浴中で試験した。
【0106】
実施例10:ポリマー網状構造
実施例8に従って調製した溶液を使用して、ポリマー網状構造を生成した。溶液を調製した後、該溶液を、多くの空洞を有するシリコーンベーキング金型上で乾燥させ、これは、該溶液が、xおよびy方向内の裂け目および空洞内に埋め込まれることを可能にし、前もって選択した網状構造様形態を生じた。乾燥の後、金型は、上側を下に向きを変え、乾燥材料を、その形態特徴を保存して放出した。次いで、その形態特徴を有する形状を有する材料を、70℃のオーブン中に配置し、さらに乾燥させた。十分な乾燥後、全ての形状を有する構造を、その下のストレーナー/ふるいを用いて、0.9%NaCl浴内に配置し;該構造を、1分間浴中に放置し、次いで、除去した。次いで、膨張を、湿潤重量を乾燥重量で割ることにより記録した。複数の形状を有する構造を、ペーパータオル、ティッシュ紙、ナプキンまたはフラッフパルプを用いて層にし得、かかる形状を有する構造は、異なる機械的もしくは吸収性の性質を明記された層に提供するために、および/または流体の、異なる速度での層へのもしくはそれを通る移動を促進するために、異なる形状の形態を有し得る。膨張データを、表3内に列挙し、高いMWのHPMCポリマーを、これらの試験のために使用した。
【表12】
【0107】
実施例11:吸収性シートのための製剤
この実施例において、HECは、全溶液の0.5~10%を構成し、グリセロールを、95:5のHEC対グリセロールの比で添加し、界面活性剤を、1.5:1比のHEC対カプリルグルコシドで添加し、残りは、水が構成した。まず、グリセロールを、水に添加し、磁気攪拌バー上に5分間配置した。次いで、カプリルグルコシドを、グリセロール水混合物に添加し、オーバーヘッドミキサー上に移動させた。最後に、HECを、計り、混合物にゆっくりと添加した。オーバーヘッドミキサーのrpmを、300に上昇させ、かかるレベルで5-20分間保持した。次いで、速度を、150rpmまで低減させ、溶液を、かかる速度で一晩攪拌し、均質化した。次いで、この溶液を、1.5mmの一様な厚さに、ドクターブレードを用いてシリコーンマットまたはカーボン金属パン上に広げ、45℃で5時間オーブン中に配置した。シートをオーブンから取り出したとき、該シートを、基板からはがし、吸収試験のために、小さな長方形に切断した。実施例8に説明される試験方法を、実施し、水によりシートがどれだけ拡張するかを測定した。膨張データを、以下の表13に列挙する。
【表13】
【0108】
実施例12:HEC:HPMC比の比較
実験を、処方におけるHECとHPMCの比を最適化するために行った。溶液を、実施例8のとおりに調製し、95:5、90:10、80:20、70:30および60:40の比が、HEC:HPMCの比であった。これらの溶液を、シリコーンマットまたはカーボン金属パン上で乾燥させ、上記実施例8で述べたのと同じ方法を使用して、膨張について試験した。膨張データを、以下の表14に列挙する。
【表14-1】
【表14-2】
【0109】
実施例13:発泡シート
この実施例において、溶液を、実施例8に記載されるとおりに調製した。一旦溶液を均質にすると、該溶液を、小さな混合ボウルに注ぎ、泡立て器でかきまぜ(beat)、泡を生成した。次いで、この溶液を、新たな泡を有したが、シリコーンマット上に注ぎ、乾燥させ、実施例8に記載されるとおりに、膨張について試験した。発泡シートについての膨張データを、表15に列挙する。
【表15】
【0110】
本発明は、その好ましい態様に関して特に示され、記載されるが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が本発明においてなされ得ることが当業者に理解される。
【国際調査報告】