(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】半導体デバイス及びその製造方法、電力増幅回路、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20241008BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20241008BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20241008BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L29/80 H
H01L29/44 L
H01L29/50 J
H01L21/28 301R
H01L29/44 Y
H01L29/80 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516635
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2021118619
(87)【国際公開番号】W WO2023039768
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,ジーリー
(72)【発明者】
【氏名】ゥラオ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ハイジュイン
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュウイミーン
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ミーン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB05
4M104BB06
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4M104BB14
4M104BB30
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4M104CC03
4M104DD08
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4M104FF02
4M104FF10
4M104GG12
5F102GB01
5F102GB02
5F102GC01
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5F102GV05
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5F102HC01
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5F102HC16
5F102HC21
5F102HC30
(57)【要約】
この出願の実施形態は、半導体デバイス及びその製造方法、電力増幅回路、並びに電子機器を提供し、半導体技術の分野に関し、裏面ビアを配置することによって生じる半導体デバイスへの影響を低減させる。当該半導体デバイスは、基板と、積層方式で基板上に順に配置されたチャネル層及びバリア層と、バリア層上に配置されたソース、ゲート、及びドレインと、基板からソースの下のバリア層までの領域を貫通する裏面ビアと、裏面ビアと基板の裏面とを覆う裏面導電層と、を含み、ソースが裏面導電層と接触して裏面導電層に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
積層方式で前記基板上に順に配置されたチャネル層及びバリア層と、
前記バリア層上に配置されたソース、ゲート、及びドレインと、
前記基板から前記ソースの下の前記バリア層までの領域を貫通する裏面ビアと、
前記裏面ビアと前記基板の裏面とを覆う裏面導電層であり、前記ソースが当該裏面導電層と接触して当該裏面導電層に接続されている、裏面導電層と、
を有する半導体デバイス。
【請求項2】
前記ソースの材料の仕事関数が4.3eVから6eVの範囲内である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記ソースの材料は、元素のチタン、金、及び白金のうちの少なくとも1つを有する、請求項1又は2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ソースは、少なくとも1つの導電層を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ソースは、順に積層された第1導電層及び第2導電層を有し、前記第1導電層はチタン元素を有し、前記第2導電層は金元素を有し、前記第1導電層が前記バリア層と接触して前記バリア層に接続されている、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
各導電層の厚さが1nmから10000nmの範囲内である、請求項4又は5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ソースは平面構造のものである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ソースは開口を持ち、該開口は前記裏面ビアの上に位置する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
当該半導体デバイスは更に、厚肉化ソースを有し、
前記厚肉化ソースは、前記ソースの表面上に配置されている、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
当該半導体デバイスは更に、厚肉化ソースを有し、該厚肉化ソースは、前記ソースの表面上に配置され、該厚肉化ソースは、前記開口を通じて前記裏面導電層と接触している、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
当該半導体デバイスは更に、フィールドプレートを有し、
前記フィールドプレートは、前記ゲートの前記基板から遠い側に配置され、前記ゲートと前記ドレインとの間に位置し、前記ゲートの投影と重なる、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
パッケージ構造と、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の半導体デバイスとを有し、前記半導体デバイスが前記パッケージ構造の内部にパッケージングされている、電力増幅回路。
【請求項13】
電力増幅器とアンテナとを有し、前記電力増幅器が、無線周波数信号を増幅し、該増幅された無線周波数信号を外部放射のために前記アンテナに出力するように構成され、前記電力増幅器は、請求項12に記載の電力増幅回路を有する、電子機器。
【請求項14】
基板上に、積層方式で配置されるチャネル層及びバリア層を順に形成し、
前記バリア層上にソース、ゲート、及びドレインを形成し、
前記ソースの下に裏面ビアを形成し、当該裏面ビアは、前記基板から前記ソースの下の前記バリア層までの領域を貫通し、
前記基板の裏面に裏面導電層を形成し、当該裏面導電層は、前記裏面ビアと前記基板の前記裏面とを覆い、前記ソースが当該裏面導電層と接触して当該裏面導電層に接続される、
ことを有する、半導体デバイスの製造方法。
【請求項15】
前記ソースの下に裏面ビアを前記形成することは、
前記裏面ビアを形成するように、前記基板の前記裏面から、ドライエッチングプロセスを用いることによって前記ソースの下の膜層にビアを作製し、
前記ビア内に残存するエッチング副生成物を、ドライエッチング又はウェットエッチングによって除去する、
ことを有する、請求項14に記載の半導体デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、半導体技術の分野に関し、特に、半導体デバイス及びその製造方法、電力増幅回路、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術の発展に伴い、高い熱伝導率、高い電子ドリフト速度、高温耐性、及び安定した化学的特性を有する半導体デバイスが、高周波、高温、及びマイクロ波の分野で広く使用されている。
【0003】
例えば、例えば電力増幅回路などの集積回路に半導体デバイスが用いられるとき、半導体デバイスのソースを接地する必要がある。半導体デバイスの寄生容量及びインダクタンスを低減させるために、通常、裏面ビア構造が用いられる。半導体デバイスのソースが直接接地されるように、半導体デバイスのソースは、裏面ビアを介して半導体の裏面に接続される。
【0004】
しかしながら、現在の技術では、ハイパワーのデバイスのソースを接地する必要があるときに、裏面ビアがソースの下に配置されている。斯くして、ソースのサイズが増大し、その結果、半導体デバイスのサイズ及び性能が影響を受ける。従って、半導体デバイスに対する裏面ビアの影響をどのように減らすかが、現在当業者によって解決される必要がある技術的な問題になる。
【発明の概要】
【0005】
この出願の実施形態は、裏面ビアを配置することによって生じる半導体デバイスへの影響を減らすための、半導体デバイス及びその製造方法、電力増幅回路、並びに電子機器を提供する。
【0006】
上述の目的を達成するために、この出願では以下の技術的ソリューションが使用される。
【0007】
この出願の実施形態の第1の態様によれば、半導体デバイスが提供され、当該半導体デバイスは、基板と、積層方式で基板上に順に配置されたチャネル層及びバリア層と、バリア層上に配置されたソース、ゲート、及びドレインと、基板からソースの下のバリア層までの領域を貫通する裏面ビアと、裏面ビアと基板の裏面とを覆う裏面導電層と、を含み、ソースが裏面導電層と接触して裏面導電層に接続される。
【0008】
この出願のこの実施形態では、ソースがバリア層と直にオーミック接触しており、ソースの下に裏面ビアが位置する。斯くして、裏面ビアがソースの下に配置され、裏面導電層が、裏面ビアを通じてソースと直接接触してソースに接続される。ソースから裏面導電層に信号が直接伝導され、それ故に、ソースへの伝送経路が短縮される。これは、半導体デバイスのインダクタンスを低減させ、半導体デバイスの周波数を高めることができる。また、裏面ビアの幅は、要求に応じて適切に設定されることができ、裏面ビアの幅を更に減らす必要がないことで、裏面ビアの製造プロセスの難度及び歩留まりを低減させ、裏面導電層の歩留まり及び信頼性を向上させ、その結果、半導体デバイスの歩留まり及び信頼性が向上される。従って、デバイスソースのサイズが小さくなり、それ故に、製造を通じて小型で低コストの半導体デバイスを得ることができる。
【0009】
一部の実施形態において、ソースの材料の仕事関数が4.3eVから6eVの範囲内である。ソースの材料は、高い仕事関数及び安定した化学的特性を有する金属(例えば、チタン、金、及び白金)又は元素を含む合金として選択され、もはや、例えばアルミニウムなどの反応性金属を含まない。半導体デバイスを製造するプロセスにおいて、ソースが裏面ビアのエッチングを遮ることが可能にされ、裏面ビアプロセスの湿式処理における腐食を回避することができる。結果として、裏面ビアプロセス中にソースに触れたとしても、ソースにダメージが生じることがない。従って、製造を通じて上述の半導体デバイスを得るために、ソースが裏面ビアを回避する必要がない。この製造プロセスは単純であり、処理難度を増加させる必要はない。これは実施するのが容易である。
【0010】
一部の実施形態において、ソースの材料は、元素のチタン、金、及び白金のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの一般的な金属元素が存在する。
【0011】
一部の実施形態において、ソースは、少なくとも1つの導電層を含む。ソースが1つの導電層を含む場合、構造が単純であり、製造プロセスが単純である。ソースが複数の導電層を含む場合、ソースの応力及び抵抗率が調整可能となるように、異なる材料の特性を共に融合させることができる。ソースは更に、複数の金属層間での拡散を阻止するように機能する導電層を含むことが可能となる。これにより、ソースの体積膨張によって生じる半導体デバイスへのダメージが回避される。
【0012】
一部の実施形態において、ソースは、順に積層された第1導電層及び第2導電層を含む。第1導電層はチタン元素を含み、第2導電層は金元素を含み、第1導電層がバリア層と接触してバリア層に接続される。積層された半導体層(例えば、バリア層)の表面上にチタン元素が配置される。導通機能が果たされながら、更に接着機能が果たされ得る。これは、積層された半導体層へのソース及びドレインの接続の効果を向上させる。
【0013】
一部の実施形態において、各導電層の厚さは、1nmから10000nmの範囲内である。各導電層の膜厚を適切に設定することで、補助的な電極を配設する必要なしに、ソース及びドレインの抵抗を低減させることができる。構造が単純であり、プロセス工程が少なく、製造効率が高い。
【0014】
一部の実施形態において、ソースは平面構造のものである。ソースが平面構造のものであることで、構造が単純となり、製造プロセスが単純となる。また、ソースに開口を配設され、ソースが、複数のストリップパターンを含む構造に分割された後に、複数のストリップ構造をどのように相互接続するかという問題を考慮する必要がない。
【0015】
一部の実施形態において、ソースは開口を持ち、該開口は裏面ビアの上に位置する。この出願のこの実施形態では、裏面ビア製造プロセスにおけるエッチングに起因してソースが腐食されることがない。換言すれば、裏面ビアプロセスにおいてソースに触れたとしても、ソースがダメージを受けることはない。従って、裏面ビアのプロセスによって引き起こされる腐食を回避するために、ソース上の開口を裏面ビアのサイズよりも大きく設定したりすることは必要ない。これは、ソースのサイズを小さくし、半導体デバイス全体のサイズを小さくする。
【0016】
一部の実施形態において、当該半導体デバイスは更に、厚肉化ソースを含み、該厚肉化ソースは、ソースの表面上に配置される。厚肉化されたソースが配設され、これは、ソースの厚さを増加させてソースの抵抗を減少させることと等価であり、その結果、半導体デバイスの電流導通能力が向上される。
【0017】
一部の実施形態において、当該半導体デバイスは更に、厚肉化ソースを含み、該厚肉化ソースは、ソースの表面上に配置され、該厚肉化ソースは、開口を通じて裏面導電層と接触する。
【0018】
一部の実施形態において、当該半導体デバイスは更に、厚肉化ドレインを含み、該厚肉化ドレインは、ドレインの表面上に配置される。厚肉化されたドレインが配設され、これは、ドレインの厚さを増加させてドレインの抵抗を減少させることと等価であり、その結果、半導体デバイスの電流導通能力が向上される。
【0019】
一部の実施形態において、当該半導体デバイスは更に、フィールドプレートを含む。該フィールドプレートは、ゲートの基板から遠い側に配置され、ゲートとドレインとの間に位置し、ゲートの投影と重なる。電界ピークはゲートの位置に発生しやすい。それ故に、ゲートの上にフィールドプレートを配置することで、半導体デバイス内の電界分布を調節し得る。これは、電界分布を均一にすることを可能にし、電界ピークが回避される。
【0020】
第2の態様によれば、電力増幅回路が提供され、当該電力増幅回路は、パッケージ構造と、第1の態様のいずれか一に従った半導体デバイスとを含む。半導体デバイスがパッケージ構造の内部にパッケージングされる。
【0021】
この出願のこの実施形態で提供される電力増幅回路は、第1の態様における半導体デバイスを含む。当該電力増幅回路の有益な効果は、半導体デバイスの有益な効果と同じである。詳細をここで再び説明することはしない。
【0022】
第3の態様によれば、電力増幅器とアンテナとを含む電子機器が提供される。電力増幅器が、無線周波数信号を増幅し、該増幅された無線周波数信号を外部放射のためにアンテナに出力するように構成され、該電力増幅器は、第2の態様に従った電力増幅回路を含む。
【0023】
この出願のこの実施形態で提供される電子機器は、第1の態様における半導体デバイスを含む。当該電子機器の有益な効果は、半導体デバイスの有益な効果と同じである。詳細をここで再び説明することはしない。
【0024】
第4の態様によれば、半導体デバイスの製造方法が提供され、当該製造方法は、基板上に、積層方式で配置されるチャネル層及びバリア層を順に形成し、バリア層上にソース、ゲート、及びドレインを形成し、ソースの下に裏面ビアを形成し、当該裏面ビアは、基板からソースの下のバリア層までの領域を貫通し、基板の裏面に裏面導電層を形成し、当該裏面導電層は、裏面ビアと基板の裏面とを覆い、ソースが当該裏面導電層と接触して当該裏面導電層に接続される、ことを含む。
【0025】
この出願のこの実施形態で提供される半導体デバイスの製造方法によれば、ソースが形成されるときに、ソースの材料が、高い仕事関数及び安定した化学的特性を有する金属(例えば、チタン、金、及び白金)として選択され、もはや反応性金属を含まない。ソースがバリア層と直にオーミックコンタクトを形成するように、ソースの材料又は製造プロセスが調整される。半導体デバイスを製造するプロセスにおいて、ソースが裏面ビアのエッチングを遮ることが可能にされ、裏面ビアプロセスの湿式処理における腐食を回避することができる。斯くして、最終的に形成された裏面ビアがソースの下に配置され、裏面導電層が、裏面ビアを通じてソースと直接接触してソースに接続される。ソースから裏面導電層に信号が直接伝導され、それ故に、ソースへの伝送経路が短縮される。これは、半導体デバイスのインダクタンスを低減させ、半導体デバイスの周波数を高めることができる。また、裏面ビアの幅は、要求に応じて適切に設定されることができ、裏面ビアの幅を更に減らす必要がないことで、裏面ビアの製造プロセスの難度及び歩留まりを低減させ、裏面導電層の歩留まり及び信頼性を向上させ、その結果、半導体デバイスの歩留まり及び信頼性が向上される。従って、デバイスソースのサイズが小さくなり、それ故に、製造を通じて小型で低コストの半導体デバイスを得ることができる。
【0026】
一部の実施形態において、ソースの下に裏面ビアを形成することは、裏面ビアを形成するように、基板の裏面から、ドライエッチングプロセスを用いることによってソースの下の膜層にビアを作製し、ビア内に残存するエッチング副生成物を、ドライエッチング又はウェットエッチングによって除去する、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】この出願の一実施形態に従った端末のフレームワークの概略図である。
【
図1B】この出願の一実施形態に従った基地局のフレームワークの概略図である。
【
図1C】この出願の一実施形態に従った電力増幅回路のフレームワークの概略図である。
【
図2A】この出願の一実施形態に従った集積回路の概略上面図である。
【
図2B】この出願の一実施形態に従った他の集積回路の概略上面図である。
【
図3A】この出願の一実施形態に従った更に他の集積回路の概略上面図である。
【
図4】この出願の一実施形態に従った半導体デバイスを製造することのフローチャートである。
【
図5A】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5B】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5C】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5D】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5E】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5F】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図5G】
図5A-
図5Gは、この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの製造プロセスの概略図である。
【
図6A】この出願の一実施形態に従った半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図6B】この出願の一実施形態に従った他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図6C】この出願の一実施形態に従った更に他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図7A】この出願の一実施形態に従ったまた他の半導体デバイスの構造の概略上面図である。
【
図7B】この出願の一実施形態に従った更にまた他の半導体デバイスの構造の概略上面図である。
【
図8】この出願の一実施形態に従ったまた他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図9A】この出願の一実施形態に従った更なるまた他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図9B】この出願の一実施形態に従った更なる半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図9C】この出願の一実施形態に従った更に更なる半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図10A】この出願の一実施形態に従ったまた更なる半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図10B】この出願の一実施形態に従った更にまた更なる半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図10C】この出願の一実施形態に従ったなおもまた他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【
図11】この出願の一実施形態に従ったなおも更に他の半導体デバイスの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この出願の実施形態における添付の図面を参照して、この出願の実施形態における技術的ソリューションを説明する。明らかなことには、説明される実施形態は、この出願の実施形態の全てではなく、その一部にすぎない。
【0029】
以下にて、この出願の実施形態において使用される技術用語を説明する。
【0030】
半導体: 半導体は、その導電性が常温において導電体と絶縁体との間にある材料である。半導体は、真性半導体と外因性半導体とを含む。不純物及び欠陥がなく、内部に同じ濃度の電子及び正孔を有する純粋な半導体を、真性半導体と呼ぶ。ある特定の量の不純物でドープされた半導体を、外因性半導体又は非真性半導体と呼ぶ。外因性半導体にドープされた不純物は、ある特定の濃度のキャリア(例えば、正孔又は電子)を提供することができる。電子を提供する不純物(例えば、5価のリン元素)でドープされた外因性半導体は、電子半導体又はN(negative,負)型半導体とも呼ばれる。正孔を提供する不純物(例えば、3価のボロン元素)でドープされた不純物半導体は、正孔半導体又はP(positive,正)型半導体とも呼ばれる。ドーピングは真性半導体の導電性を高めることができる。一般に、キャリア濃度が高くなるにつれて、半導体の抵抗率が低くなり、導電性は良好になる。この出願の実施形態において、半導体(又は半導体材料)を使用することによって製造されるデバイス内の層構造は、半導体層として参照される。
【0031】
以下、この出願の実施形態における用語“第1”、“第2”、及びこれらに類するものは、単に説明を容易にすることを意図しており、相対的な重要性を示したり意味したりするもの又は指し示される技術的機構の数量を暗示的に示すものとして理解されるものではない。従って、“第1”、“第2”、又はこれらに類するものによって制限される機構は1つ以上の機構を明示的又は暗示的に含み得る。この出願の説明では、別段の断りがない限り、“複数の”は2つ以上を意味する。
【0032】
この出願の実施形態において、“上”、“下”、“左”、及び“右”は、添付の図面に示されるコンポーネントの配置方向に対して定義されることに限定されない。理解されるべきことには、これらの方向用語は、相対的な概念であり、相対的な説明及び明確化のために使用され、添付の図面におけるコンポーネントの配置方向の変化に基づいて、それに対応して変わり得る。
【0033】
この出願の実施形態において、文脈によって別段に要求されない限り、明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、用語“含む”は、“オープンで包含的”、すなわち、“含むが、それに限られない”として解釈される。この明細書の記述において、例えば“一実施形態”、“一部の実施形態”、“一実施形態例”、“例えば”、“一部の例”、又はこれらに類するものなどの用語は、この実施形態又は例に関係した特定の機構、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを示すことを意図するものである。前述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を意味するわけではない。また、その特定の機構、構造、材料、又は特性は、何らかの適切なやり方で任意の1つ以上の実施形態又は例に含まれ得る。
【0034】
一部の実施形態が説明されるときに、“電気的に接続され”及び“接続され”並びにこれらの拡張の表現が用いられることがある。例えば、一部の実施形態が説明されるとき、用語“接続され”は、2つ以上のコンポーネントが互いに直に物理的に接触している又は電気的に接触していることを示すために使用され得る。他の一例では、一部の実施形態が説明されるとき、用語“電気的に接続され”は、2つ以上のコンポーネントが互いに直に物理的に接触している又は電気的に接触していることを示すために使用され得る。しかしながら、用語“電気的に接続され”はまた、2つ以上のコンポーネントが互いに直には接触していないが、なおも互いに協働又は相互作用することを示すこともある。ここに開示される実施形態は、必ずしもこの明細書の内容に限定されるわけではない。
【0035】
この出願の実施形態において、“及び/又は”は、単に、関連するオブジェクトを説明するための関連関係を記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、A及び/又はBは、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、及びBのみが存在する、を表し得る。また、この明細書における文字“/”は、通常、関連するオブジェクト間の“又は”関係を示す。
【0036】
別段に定義されない限り、この明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。この出願において、“少なくとも1つ(の層)”は、1つ(の層)又は複数(の層)を意味し、“複数(の層)”は、2つ以上(の層)を意味する。“以下のアイテムのうちの少なくとも1つ”又はその類似表現は、単数のアイテム、又は複数のアイテムの任意の組み合わせを含め、それらのアイテムの任意の組み合わせを意味する。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、aとb、aとc、bとc、又はaとbとcを表すことができ、a、b、及びcは単数であってもよいし、複数であってもよい。
【0037】
この出願の実施形態では、添付の図面において理想化された例として用いられる断面図及び/又は平面図及び/又は等価回路図を参照して、実装例が説明される。添付の図面では、明瞭さのために、層及び領域の厚さが拡大されている。故に、添付の図面に対する形状の変化が例えば製造技術及び/又は公差などの要因によって生じることが考えられ得る。従って、実装例は、この明細書に示される領域の形状に限定されるとして解釈されるべきでなく、むしろ、例えば製造などの要因によって生じる形状のずれを含む。例えば、矩形として示されるエッチング領域は、典型的に、曲がる特性を持つ。従って、添付の図面に示される領域は、本質的に例であり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すことを意図しておらず、実装例の範囲を限定することを意図していない。
【0038】
この出願の一実施形態は電子機器を提供する。当該電子機器は、例えばライダードライバ、レーザ、検出器、レーダ、及び5G(the 5th generation mobile network,第5世代モバイル通信技術)通信デバイスなど、異なるタイプのユーザ機器又は端末機器とし得る。当該電子機器は、代わりに、例えば基地局などのネットワーク装置であってもよい。あるいは、当該電子機器は、前述の電子機器において使用される例えば電力増幅器などの装置であってもよい。前述の電子機器の具体的な形態は、この出願の実施形態において特に限定されるものではない。
【0039】
例えば、この出願のこの実施形態で提供される電子機器は携帯電話である。
図1Aは、携帯電話100の構成の概略図である。携帯電話100は、プロセッサ110、外部メモリインタフェース120、内部メモリ121、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus,USB)インタフェース130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、モバイル通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ170A、レシーバ170B、マイクロフォン170C、ヘッドセットジャック170D、センサモジュール180、カメラ190、ディスプレイ191、及びこれらに類するものを含み得る。
【0040】
理解され得ることには、この出願のこの実施形態で示される構成は、携帯電話100に対する具体的な限定を構成するものではない。この出願の一部の他の実施形態において、携帯電話100は、図に示されるものよりも多数又は少数のコンポーネントを含んでいてもよく、一部のコンポーネントが組み合わされたり、一部のコンポーネントが分割されたり、異なるコンポーネント配置が使用されたりしてもよい。図に示されるコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装され得る。
【0041】
プロセッサ110は、1つ以上の処理ユニットを含み得る。例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor,AP)、モデムプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit,GPU)、画像信号プロセッサ(image signal processor,ISP)、コントローラ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、ベースバンドプロセッサ、及び/又はニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit,NPU)を含み得る。異なる処理ユニットは、独立したコンポーネントであってもよいし、1つ以上のプロセッサに統合されてもよい。
【0042】
プロセッサ110内に更にメモリが配置されてもよく、それが、命令及びデータを格納するように構成される。一部の実施形態において、プロセッサ110内のメモリはキャッシュである。該メモリは、プロセッサ110によって使用された又は繰り返し使用される命令又はデータを格納し得る。プロセッサ110がそれらの命令又はデータを再び使用する必要がある場合、それらの命令又はデータは該メモリから直接呼び出され得る。これは、繰り返しのアクセスを回避し、プロセッサ110の待ち時間を短縮し、システム効率を向上させる。
【0043】
一部の実施形態において、プロセッサ110は、1つ以上のインタフェースを含み得る。該インタフェースは、集積回路間(inter-integrated circuit,I2C)インタフェース、集積回路間サウンド(inter-integrated circuit sound,I2S)インタフェース、パルスコード変調(pulse code modulation,PCM)インタフェース、ユニバーサル非同期受信器/送信器(universal asynchronous receiver/transmitter,UART)インタフェース、モバイル業界プロセッサインタフェース(mobile industry processor interface,MIPI)、汎用入力/出力(general-purpose input/output,GPIO)インタフェース、加入者識別モジュール(subscriber identity module,SIM)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus,USB)インタフェース、及び/又はこれらに類するものを含み得る。
【0044】
充電管理モジュール140は、充電器から充電入力を受け取るように構成される。充電器は、無線充電器であってもよいし有線充電器であってもよい。有線充電の一部の実施形態において、充電管理モジュール140は、有線充電器の充電入力を、USBインタフェース130を介して受け取り得る。無線充電の一部の実施形態において、充電管理モジュール140は、携帯電話100のワイヤレス充電コイルを介して無線充電入力を受け取り得る。充電管理モジュール140は、バッテリ142を充電しながら、電力管理モジュール141を用いることによって携帯電話に電力を供給する。
【0045】
電力管理モジュール141は、バッテリ142、充電管理モジュール140、及びプロセッサ110に接続するように構成される。電力管理モジュール141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140から入力を受け、プロセッサ110、内部メモリ121、ディスプレイ191、カメラ190、及び無線通信モジュール160などに電力を供給する。電力管理モジュール141は更に、例えばバッテリ容量、バッテリサイクルカウント、及びバッテリ健康状態(漏電又はインピーダンス)などのパラメータを監視するように構成され得る。一部の他の実施形態において、電力管理モジュール141は代わりにプロセッサ110内に配置されてもよい。一部の他の実施形態において、電力管理モジュール141及び充電管理モジュール140は代わりに同一のデバイス内に配置されてもよい。
【0046】
携帯電話100の無線通信機能が、アンテナ1、アンテナ2、モバイル通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデムプロセッサ、及びベースバンドプロセッサなどによって実装され得る。
【0047】
アンテナ1及びアンテナ2は、電磁波信号を送受信するように構成される。携帯電話100内の各アンテナは、1つ以上の通信帯域をカバーするように構成され得る。アンテナ利用率を改善するために、異なるアンテナが更に多重化されてもよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシティアンテナとして多重化されてもよい。一部の他の実施形態において、アンテナは、同調スイッチと組み合わせて使用され得る。
【0048】
モバイル通信モジュール150は、2G、3G、4G、5G、及びこれらに類するものを含め、携帯電話100に適用される無線通信ソリューションを提供し得る。モバイル通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低雑音増幅器(low noise amplifier,LNA)、及びこれらに類するものを含み得る。モバイル通信モジュール150は、アンテナ1を介して電磁波を受信し、受信した電磁波に対して例えばフィルタリング又は増幅などの処理を実行し、復調のために電磁波をモデムプロセッサに送り得る。モバイル通信モジュール150は更に、モデムプロセッサによって変調された信号を増幅し、その信号を、アンテナ1を介した放射用の電磁波に変換し得る。一部の実施形態において、モバイル通信モジュール150内の少なくとも一部の機能モジュールは、プロセッサ110内に配置されてもよい。一部の実施形態において、モバイル通信モジュール150の少なくとも一部の機能モジュールは、プロセッサ110の少なくとも一部のモジュールと同じデバイス内に配置され得る。
【0049】
モデムプロセッサは変調器及び復調器を含み得る。変調器は、送信対象の低周波ベースバンド信号を中高周波信号に変調するように構成される。復調器は、受信した電磁波信号を低周波ベースバンド信号に復調するように構成される。そして、復調器は、復調を通じて得られた低周波ベースバンド信号を、処理のためにベースバンドプロセッサに送る。低周波ベースバンド信号が、ベースバンドプロセッサによって処理され、次いでアプリケーションプロセッサに送られる。アプリケーションプロセッサは、オーディオデバイス(これは、スピーカ170A又はレシーバ170Bなどに限られない)を用いることによってサウンド信号を出力したり、ディスプレイ191によって画像又は映像を表示したりする。一部の実施形態において、モデムプロセッサは独立したコンポーネントとし得る。一部の他の実施形態において、モデムプロセッサは、プロセッサ110とは独立とすることができ、モバイル通信モジュール150又は他の機能モジュールと同じデバイス内に配置される。
【0050】
無線通信モジュール160は、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity,Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(Bluetooth,BT)、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system,GNSS)、周波数変調(frequency modulation,FM)、近距離無線通信技術(near field communication,NFC)、及び赤外線(infrared,IR)技術といった、携帯電話100に適用される無線通信ソリューションを提供し得る。無線通信モジュール160は、1つ以上の通信処理モジュールを統合する1つ以上のデバイスとし得る。無線通信モジュール160は、アンテナ2を介して電磁波を受信し、該電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタリング処理を実行し、処理した信号をプロセッサ110に送る。無線通信モジュール160は更に、プロセッサ110から送信対象の信号を受け取り、該信号に対して周波数変調及び増幅を実行し、その信号を、アンテナ2を介した放射用の電磁波に変換し得る。
【0051】
一部の実施形態において、携帯電話100内で、アンテナ1とモバイル通信モジュール150とが結合され、アンテナ2と無線通信モジュール160とが結合され、その結果、携帯電話100は、無線通信技術を用いることによってネットワーク及び他の機器と通信することができる。該無線通信技術は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(global system for mobile communications,GSM)、汎用パケット無線サービス(general packet radio service,GPRS)、符号分割多元接続(code division multiple access,CDMA)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access,WCDMA)、時分割符号分割多元接続(time-division code division multiple access,TD-SCDMA)、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術、及び/又はこれらに類するものを含み得る。GNSSは、全地球測位システム(global positioning system,GPS)、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system,GLONASS)、北斗航法衛星システム(BeiDou navigation satellite system,BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system,QZSS)、及び/又は衛星ベース補強システム(satellite based augmentation systems,SBAS)を含み得る。
【0052】
携帯電話100は、GPU、ディスプレイ191、及びアプリケーションプロセッサなどを用いることによってディスプレイ機能を実装する。GPUは、画像処理用のマイクロプロセッサであり、ディスプレイ191及びアプリケーションプロセッサに接続される。GPUは、数学的及び幾何学的な計算を実行し、画像をレンダリングするように構成される。プロセッサ110は、表示情報を生成又は変更するためのプログラム命令を実行する1つ以上のGPUを含み得る。
【0053】
ディスプレイ191は、画像、映像、及びこれらに類するものを表示するように構成される。ディスプレイ191はディスプレイパネルを含む。ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode,OLED)、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(active-matrix organic light-emitting diode,AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(flex light-emitting diode,FLED)、ミニLED、マイクロLED、マイクロOLED、量子ドット発光ダイオード(quantum dot light-emitting diode,QLED)、又はこれらに類するものとし得る。一部の実施形態において、携帯電話100は、1つ又はN個のディスプレイ194を含むことができ、Nは、1より大きい正の整数である。携帯電話100は、ISP、カメラ190、ビデオコーデック、GPU、ディスプレイ191、及びアプリケーションプロセッサなどを用いることによって撮影機能を実装し得る。
【0054】
ISPは、カメラ190によってフィードバックされたデータを処理するように構成され得る。例えば、撮影時に、シャッターが押され、レンズを通してカメラの感光素子に光が伝達される。光信号が電気信号に変換され、カメラの感光素子が該電気信号を処理のためにISPに送り、電気信号が可視画像に変換される。ISPは更に、画像のノイズ、明るさ、及び肌の色についてアルゴリズム最適化を実行し得る。ISPは更に、例えば撮影シナリオの露出及び色温度などのパラメータを最適化し得る。一部の実施形態において、ISPはカメラ190内に配置されてもよい。
【0055】
カメラ190は、静止画像又はビデオをキャプチャするように構成される。被写体の光学像がレンズを通して生成され、感光素子上に投影される。感光素子は、電荷結合デバイス(charge coupled device,CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor,CMOS)フォトトランジスタとし得る。感光素子は、光信号を電気信号に変換し、そして、該電気信号を、電気信号をデジタル画像信号に変換するISPに送る。ISPは、デジタル画像信号を処理のためにDSPに出力する。DSPは、デジタル画像信号を例えばRGB又はYUVなどの標準フォーマットの画像信号に変換する。一部の実施形態において、携帯電話100は、1つ又はN個のカメラ190を含むことができ、Nは、1より大きい正の整数である。
【0056】
外部メモリインタフェース120は、携帯電話100のストレージ能力を拡張するために、例えばマイクロSDカードといった外部メモリカードに接続するように構成され得る。外部メモリカードは、データストレージ機能を遂行するために、外部メモリインタフェース120を介してプロセッサ110と通信する。例えば、音楽及びビデオなどのファイルが外部ストレージカードに格納される。
【0057】
内部メモリ121は、1つ以上のコンピュータプログラムを格納するように構成されることができ、該1つ以上のコンピュータプログラムは命令を含む。プロセッサ110が、内部メモリ121に格納された命令を実行して、携帯電話100が様々な機能アプリケーション、データ処理、及びこれらに類するものを実行することを可能にし得る。内部メモリ121は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを含み得る。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステムを格納し得る。プログラム記憶領域は更に、1つ以上のアプリケーション(例えばGallery又はContactsなど)及びそれに類するものを格納し得る。データ記憶領域は、携帯電話100の使用中に作成されたデータ(例えば、写真及び連絡先)及びそれに類するものを格納し得る。また、内部メモリ121は、高速ランダムアクセスメモリを含んでいてもよいし、例えば、1つ以上のディスクストレージコンポーネント、フラッシュストレージデバイス、又はユニバーサルフラッシュストレージ(universal flash storage,UFS)などの、不揮発性メモリを更に含んでいてもよい。一部の他の実施形態において、プロセッサ110が、内部メモリ121に格納された命令及び/又はプロセッサ内に配置されたメモリに格納された命令を走らせて、携帯電話100が様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行することを可能にし得る。
【0058】
携帯電話100は、オーディオモジュール170、スピーカ170A、レシーバ170B、マイクロフォン170C、ヘッドセットジャック170D、及びアプリケーションプロセッサなどを介して、例えば音楽再生及び録音といったオーディオ機能を実装し得る。
【0059】
オーディオモジュール170は、デジタルオーディオ情報をアナログオーディオ信号出力に変換するように構成され、さらに、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するように構成される。オーディオモジュール170は更に、オーディオ信号を符号化及び復号するように構成されてもよい。一部の実施形態において、オーディオモジュール170はプロセッサ110内に配置されてもよく、あるいは、オーディオモジュール170内の一部の機能モジュールがプロセッサ110内に配置される。
【0060】
スピーカ170Aは、“ラウドスピーカ”とも称され、オーディオ電気信号をサウンド信号に変換するように構成される。携帯電話100は、スピーカ170Aを用いて音楽を再生したりハンズフリーコールを受信したりすることができる。
【0061】
レシーバ170Bは、“イヤホン”とも称され、オーディオ電気信号をサウンド信号に変換するように構成される。携帯電話100が電話又は音声メッセージを受信するとき、音声が聞こえるように、人の耳の近くにレシーバ170Bが配置され得る。
【0062】
マイクロフォン170Cは、“マイク(mike又はmic)”とも称され、サウンド信号を電気信号に変換するように構成される。電話をかけるとき又は音声メッセージを送るとき、ユーザは、人の口をマイクロフォン170Cの近くに移動させて音を発することで、マイクロフォン170Cにサウンド信号を入力し得る。1つ以上のマイクロフォン170Cが携帯電話100に配置され得る。一部の他の実施形態において、サウンド信号を収集するとともにノイズ抑制機能を更に実装するために、2つのマイクロフォン170Cが携帯電話100に配置されてもよい。一部の他の実施形態において、代わりに3つ、4つ、又はそれより多くのマイクロフォン170Cが携帯電話100に配置されて、サウンド信号を収集し、ノイズを抑制し、更に音源を特定し、指向性録音機能を実装するなどしてもよい。
【0063】
ヘッドセットジャック170Dは、有線ヘッドセットに接続するように構成される。ヘッドセットジャック170Dは、USBインタフェース130であってもよいし、3.5mmオープンモバイル端末プラットフォーム(open mobile terminal platform,OMTP)標準インタフェース又は米国セルラーテレコミュニケーションズインダストリーアソシエーション(cellular telecommunications industry association of the USA,CTIA)標準インタフェースであってもよい。
【0064】
センサモジュール180は、圧力センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、距離センサ、光学式近接センサ、指紋センサ、温度センサ、タッチセンサ、周辺光センサ、骨伝導センサ、及びこれらに類するものを含み得る。
【0065】
この出願の実施形態において、タッチセンサは、“タッチ制御コンポーネント”とも称される。タッチセンサは、当該タッチセンサとディスプレイ191とで、“タッチスクリーン”とも称されるタッチ画面を構成するように、ディスプレイ191内に配置されてもよい。タッチセンサは、当該タッチセンサ上又はその近くで行われたタッチ操作を検出するように構成される。タッチイベントのタイプを決定するために、タッチセンサは検出したタッチ操作をアプリケーションプロセッサに伝達し得る。タッチ操作に関係付けられた視覚的出力が、ディスプレイ191を用いて提供され得る。一部の他の実施形態において、代わりに、複数のタッチセンサによって形成されたタッチセンサアレイのタッチパネルが、外付けアタッチメント形態でディスプレイパネルの表面に配置されてもよい。一部の他の実施形態において、タッチセンサは、代わりに、ディスプレイ191の位置とは異なる位置に配置されてもよい。タッチセンサの形態は、この出願のこの実施形態において限定されることではない。例えば、タッチセンサは、例えばキャパシタ又はバリスタなどのコンポーネントであってもよい。
【0066】
また、携帯電話100は更に、例えばボタン、モータ、インジケータ、及び加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カードインタフェースなどの、1つ以上のコンポーネントを含み得る。これは、この出願の実施形態において限定されることではない。
【0067】
例えば、この出願のこの実施形態で提供される電子機器は5G基地局である。5G基地局は、例えばベースバンド処理ユニット(base band unit,BBU)、アクティブアンテナユニット(active antenna unit,AAU)、中央ユニット-分配ユニット(central unit-distribute unit,CU-DU)、AAU、BBU、リモート無線ユニット(remote radio unit,RRU)、アンテナ(antenna)、CU-DU-RRU-アンテナ、及び統合5Gノード基地局(5G node base station,gNB)などの異なるアーキテクチャに分割され得る。
【0068】
図1Bは、BBU-RRUアーキテクチャの基地局200の一例を示している。基地局200は、BBU21、RRU22、及びアンテナ23を含み得る。BBU21とRRU22は光ファイバを介して接続され、BBU21とRRU22との間のインタフェースは、共通公衆無線インタフェース(common public radio interface,CPRI)及びオープン基地局アーキテクチャイニシアティブ(open base station architecture initiative,OBSAI)に基づく。BBU21は、RRU22を用いることによって、生成されたベースバンド信号を処理し、次いで、処理したベースバンド信号を送信のためにアンテナ23に送る。RRU22は、デジタル中間周波数モジュール221、トランシーバモジュール222、電力増幅器223(power amplifier,PA)、及びフィルタ224を含む。デジタル中間周波数モジュール221は、光ファイバを介して送られたベースバンド信号の変調及び復調、デジタルアップ及びダウンコンバージョン、デジタル-アナログ変換(digital to analog converter,D/A)、及びこれらに類するものを実行して、中間周波数信号を形成するように構成される。トランシーバモジュール222は、中間周波数信号から無線周波数信号への変換を完成させる。電力増幅器223は、ローパワーの無線周波数信号のパワーを増幅するように構成される。フィルタ224は、無線周波数信号をフィルタリングし、次いで、アンテナ23を介して無線周波数信号を送信するように構成される。
【0069】
この出願の一実施形態は更に電力増幅回路を提供する。当該電力増幅回路は、
図1Aに示した携帯電話100のモバイル通信モジュール150又は無線通信モジュール160の電力増幅器に使用されることができ、あるいは、
図1Bに示した基地局200のRRU22の電力増幅器に使用されることができる。確かなことには、具体的な適用シナリオは、
図1Aに示した携帯電話100及び
図1Bに示した基地局200に限定されるものではない。理解され得ることには、電力増幅器内の電力増幅回路を用いることによって信号を増幅する必要がある任意の電子機器が、この出願の実施形態の適用シナリオに属する。
【0070】
例えば、
図1Cは電力増幅回路30を示している。電力増幅回路30は、集積回路31と、パッケージ構造32とを含む。集積回路31がパッケージ構造32の内部にパッケージングされている。
図1Cに示すように、電力増幅回路30の特定のパッケージ構造が提供される。集積回路31は、電力増幅回路30のパッケージ構造32内にパッケージングされる。
【0071】
図1Cに示すように、パッケージ構造32は、具体的に、放熱ベース基板321を含んでいる。放熱ベース基板321の伝導性及び放熱を向上させるために、放熱ベース基板321は、例えば銅Cu/モリブデンMo/銅Cuによって形成されたラミネート構造といった、複合材料を使用し得る。集積回路31は、銀焼結を通じて放熱ベース基板321に接合され又は直接溶接される。
【0072】
集積回路31は、少なくとも1つのトランジスタを含む。トランジスタの一部の電極(例えば、ソースS)が放熱ベース基板321と導通されて、ソースSの接地を実現する。トランジスタの一部の電極(例えば、ドレインD及びゲートG)は、金ワイヤを用いることによるワイヤボンディングを通じてピンに接続される。それらのピンは絶縁層(例えば、絶縁セラミック)上に配置され、該絶縁層が、絶縁接着剤を用いて放熱ベース基板321に接合される。
【0073】
また、パッケージ構造32はパッケージハウジング322を含んでいる。パッケージハウジング322は、絶縁接着剤を用いて放熱ベース基板321に接合され、上記ピンの一端が、別の回路に接続するためにパッケージ構造から露出される。集積回路31は、パッケージハウジング322と放熱ベース基板321とによって取り囲まれた空間内に配置される。
【0074】
高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor,HEMT)デバイスは、半導体デバイスであり、例えば高い絶縁破壊電界、高いチャネル電子濃度、高い電子移動度、及び高温安定性などの、その利点のために、集積回路31内のトランジスタとして広く使用されている。以下では、説明のために、この出願のこの実施形態で提供される半導体デバイスがHEMTデバイスである例を用いる。
【0075】
一部の適用シナリオ(例えば、集積回路31が電力増幅回路内の回路構造である)において、HEMTデバイスのソースは接地される必要がある。グランドケーブルがソースの上部から引き出される。従って、グランドケーブルがHEMTデバイス内の別のリードと重なり合って、寄生容量が生成される。また、
図1Cに示すように、放熱ベース基板321がHEMTデバイスの裏面に位置する。グランドケーブルは、放熱ベース基板321へと引き出され、その結果、グランドケーブルの長さが増加されてしまい、インダクタンスが増加する。
【0076】
結果として、一部の実施形態において、HEMTデバイスの寄生容量及びインダクタンスを低減させるために、通常、裏面ビア構造が使用される。HEMTデバイスのソースは、接地のための裏面ビアを介してHEMTデバイスの裏面に直接接続される。斯くして、ソース、ゲート、及びドレインのリードの重なり合い、並びにグランドケーブルの長さを減少させることができ、HEMTデバイスの寄生容量及びインダクタンスが低減され得る。
【0077】
また、例えばプロセスなどの要因の制限により、裏面ビアの設計はソース(source,S)の幅を増加させ得るものであり、その結果、HEMTデバイスの全体サイズが影響を受ける。従って、HEMTデバイスのサイズに対するソースのサイズの影響を低減させるために、裏面ビア構造におけるソースのサイズをどのようにして小さくするかが、当業者によって解決される必要がある技術的な問題になる。
【0078】
HEMTデバイスにおける裏面ビアの位置に基づいて、裏面ビアは、一般に、活性領域裏面ビアと受動領域裏面ビアとに分類される。活性領域裏面ビアは、ソースの下に配置される1つ以上の裏面ビア構造である。受動領域裏面ビアは、複数のソースが受動領域の1つの位置に集約されるように接続された後に受動領域の位置に対応して配置される1つ以上の裏面ビアである。
【0079】
一部の実施形態において、
図2Aに示すように、この出願の一実施形態は集積回路31を提供する。集積回路31は、複数のHEMTデバイスを含む。HEMTデバイスの裏面ビアはソースSの外側に位置し、裏面ビアはソースボンディングパッドの下に位置する。裏面ビアは、受動領域に製造されて、HEMTデバイスのソースSを接地のために裏面に引き出す。
【0080】
図2Aに示す構造では、裏面ビアは活性領域のソースSの下に位置する必要がないので、ソースSのサイズを要求通りに設定することができ、裏面ビアの存在に起因してソースSの面積を増加させる必要がなく、それ故に、HEMTデバイスのサイズを小さくすることができる。
【0081】
しかしながら、
図2Aに示されるように、裏面ビアの構造が受動領域に配置され、複数のHEMTデバイスのソースSをソースボンディングパッドに電気的に接続する必要がある。従って、ソースSがゲート(gate,G)と交差する領域において、ソースSは、ソースボンディングパッドに電気的に接続されるために、誘電体ブリッジ(ソースSがゲートGと交差する領域に誘電体層が配置され、ゲートGの両側のソースSが、誘電体層上のクロスブリッジを介して電気的に接続される)又はエアブリッジ(ソースSがゲートGと交差する領域でソースSが飛び超え、ソースSとゲートGとの間にギャップが確保される)を介して交差エリアを横切る必要がある。
【0082】
結果として、HEMTデバイス内にエアブリッジ又は誘電体ブリッジを製造する必要があり、プロセスが複雑である。エアブリッジの構造は不安定であり、後のプロセスにおいてパッシベーション層にクラックが入りやすい。さらに、ソースSがゲートGと交差することで、大きい寄生容量が生じてしまい得る。また、裏面ビアがソースボンディングパッドの下に配置されるため、ソースボンディングパッドからソースSに信号を伝送する経路が長い。これは、HEMTデバイスのインダクタンスを増加させ、HEMTデバイスの周波数特性に影響を及ぼす。
【0083】
これに基づき、HEMTデバイスのインダクタンスを低減させるために、一部の実施形態において、
図2Bに示すように、この出願の一実施形態は集積回路31を提供する。集積回路31は、複数のHEMTデバイスを含む。HEMTデバイスの裏面ビアはソースSの下に位置する。裏面ビアは、活性領域に製造されて、HEMTデバイスのソースSを接地のために裏面に引き出す。
【0084】
裏面ビアがソースSの下に位置することで、ソースSに信号を伝送するための経路を短くすることができ、HEMTデバイスのインダクタンスが低減され得る。
【0085】
しかしながら、ソースSの材料は、通常、例えばアルミニウムなどの元素といった、反応性金属を含む。従って、HEMTデバイスの製造プロセスには2つの主なプロセス問題が存在する。第1に、裏面にエッチングを通じて裏面ビアを形成するプロセスにおいて、ソースSは、裏面ビアのエッチングを遮ることができず、裏面ビアエッチングはソースSの下面で留まることができない。第2に、裏面ビアプロセスにおけるウェットエッチングがソースSの金属を腐食させることになる。従って、
図2C(
図2BのA1-A2方向に沿った断面図)に示すように、ソースSに開口が配設され得る。ソースSからドレインDへの方向を幅方向(第1方向X)として定義する。裏面ビアプロセスによるソースSへのダメージが回避されるように、裏面ビアプロセスにおいてソースSが触れられることを回避するために、開口の幅M1が裏面ビアの幅M2よりも大きいことを確保する必要がある。すなわち、開口の輪郭が裏面ビアの輪郭を取り囲み、開口の輪郭と裏面ビアの輪郭との間にギャップLが存在する。いろいろな箇所のギャップL(例えば、
図2Cにおける左側及び右側のギャップL1及びL2)は同じであってもよいし、異なってもよい。ソースSが損傷しないことを確保するために、ギャップLの値は、通常、500nmから50000nmの範囲内である。
【0086】
ソースSの幅Mは、開口の幅M1に非開口部の幅を加えたものに等しい。従って、ギャップLの導入がソースS上の開口の幅M1(M1=M2+L1+L2)を増加させてしまい、その結果、HEMTデバイスの面積が増加する。また、ソースSに開口が形成された後、裏面ビアのエッチングを遮るために、厚肉化されたソースをソースS上に形成する必要があり、厚肉化ソースはバリア層とオーミックコンタクトを形成しない。
【0087】
従って、ソースSの幅M1を小さくするために、一部の実施形態において、開口の幅M1が小さくされるように、裏面ビアの幅M2が小さくされる。これにより、ソースSのサイズが縮小される。
【0088】
しかしながら、裏面ビアの幅M2を小さくすることは、裏面ビアの深さ-幅の比を増加させ、裏面ビアを形成することのプロセス難度を高め得る。さらに、裏面ビアの幅M2を小さくすることは、裏面ビアの表面を覆ってソースSと接触する裏面導電層を形成する際の難度を高め、裏面導電層の歩留まり及び信頼性に影響を及ぼし、その結果、HEMTデバイスの歩留まり及び信頼性が影響を受ける。
【0089】
これに基づき、一部の実施形態において、ソースSのサイズが大きいという問題を解決するために、別のHEMTデバイス構造が提供される。以下、幾つかの例を用いて、HEMTデバイスの構造を説明する。
【0090】
例1
【0091】
図3Aに示すように、この出願の一実施形態は集積回路31を提供する。集積回路31は、複数のHEMTデバイスを含む。HEMTデバイスの裏面ビアはソースSの下に位置する。裏面ビアは、活性領域に製造されて、HEMTデバイスのソースSを接地のために裏面に引き出す。
【0092】
図3B(
図3AのB1-B2方向に沿った断面図)に示すように、ソースSに開口を配設する必要はない。
【0093】
ソースSに開口を配設する必要がないので、
図2CにおけるギャップL1及びL2は存在しない。従って、裏面ビアの幅M2は、ソースSの幅Mとは無関係である。具体的には、裏面ビアの幅M2のサイズがソースの幅Mより小さいことを条件として、裏面ビアの幅M2を大きくすることは必ずしもソースSの幅Mを大きくすることを必要としない。斯くして、裏面ビアの幅M2は、必ずしもソースSのサイズを増加させることなく、十分に大きく設計されることができる。
【0094】
以下、
図3Bに示したHEMTデバイスの製造方法を示す。
【0095】
図4に示すように、当該HEMTデバイスの製造方法は以下の工程を含む。
【0096】
S10:
図5Aに示すように、基板41上に積層半導体層を形成する。
【0097】
一部の実施形態において、基板41上の積層半導体層は、積層方式で配置された核形成層、傾斜バッファ層、チャネル層42、挿入層、バリア層43、及びキャップ層を含む。チャネル層42とバリア層43とでヘテロ接合を形成し、チャネル層42の上に2次元電子ガス(two-dimensional electron gas,2DEG)44が生成される。
【0098】
図5Aは、積層半導体層を形成する方法を示しており、工程S10は以下の工程を含む。
【0099】
S11: 基板41上に核形成層を形成する。
【0100】
基板41は、例えば、炭化ケイ素(SiC)基板、シリコン(Si)基板、サファイア基板、又はダイヤモンド基板とし得る。基板41の材料は、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
【0101】
核形成層は基板41上に形成される。換言すれば、
図5Aに示すように、核形成層は基板41上に配置される。例えば、核形成層は基板41の表面上に配置される。
【0102】
核形成層は、例えば、有機金属化学気相成長(metal-organic chemical vapor deposition,MOCVD)法又は分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy,MBE)法を用いることによって形成され得る。
【0103】
核形成層の材料は、例えば、GaN(窒化ガリウム)、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)、及びAlN(窒化アルミニウム)のうちの1つ以上を含み得る。
【0104】
核形成層は、エピタキシャル品質を向上させ、上部エピタキシの成長を容易にするためのものである。
【0105】
S12: 核形成層上に傾斜バッファ層を形成する。
【0106】
あるいは、これは、核形成層の基板41から遠い側に傾斜バッファ層が形成されることとして理解される。
【0107】
換言すれば、
図5Aに示すように、傾斜バッファ層は、核形成層の基板41から遠い側に配置される。例えば、傾斜バッファ層は、基板41から遠い側の核形成層の表面上に配置される。
【0108】
傾斜バッファ層は、例えば、MOCVDプロセスを用いて、そのAl(アルミニウム)組成が徐々に減少するAlGaN傾斜層をエピタキシャル成長させることによって形成され得る。
【0109】
例えば、MOCVDプロセスを用いることによって、核形成層の基板41から遠い側に、Al0.8Ga0.2N層、Al0.5Ga0.5N層、及びAl0.2Ga0.8N層が順に形成されて、傾斜バッファ層を形成する。
【0110】
電子散乱によって生じる移動度の低下を抑制するために、傾斜バッファ層は、通常、ノンドープ構造を使用する。
【0111】
傾斜バッファ層の機能は次の通りである。傾斜バッファ層のバンドギャップとチャネル層42のバンドギャップは異なり、その結果、バリア層43とチャネル層42とによって形成されるヘテロ接合のポテンシャル井戸深さがいっそう深くなる。これは、2次元電子ガスの限界を高める。また、バッファ層は、通常、厚く、電圧に耐えるためのデバイスの主構造である。
【0112】
S13: 傾斜バッファ層上にチャネル層42を形成する。
【0113】
あるいは、これは、傾斜バッファ層の基板41から遠い側にチャネル層42が形成されることとして理解される。
【0114】
以上の説明から分かることには、核形成層及び傾斜バッファ層はどちらも基板41上に形成されている。従って、傾斜バッファ層の基板41から遠い側に形成されるチャネル層42も基板41上に位置する。
【0115】
チャネル層42は、例えば、MOCVD法又はMBE法を用いることによって形成され得る。
【0116】
チャネル層42の材料は、例えば、GaN、AlGaN、InAlN(窒化インジウムアルミニウム)、AlN、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)のうちの1つ以上を含み得る。
【0117】
一部の実施形態において、チャネル層42の厚さは、100nmから5000nmの範囲内である。例えば、チャネル層42の厚さは、500nm、1000nm、1500nm、2000nm、2500nm、3000nm、3500nm、4000nm、又は4500nmである。
【0118】
S14: チャネル層42上に挿入層を形成する。
【0119】
あるいは、これは、チャネル層42の基板41から遠い側に挿入層が形成されることとして理解される。換言すれば、
図5Aに示すように、挿入層は、チャネル層42の基板41から遠い側に配置される。例えば、挿入層は、基板41から遠い側のチャネル層42の表面上に配置され、2次元電子ガス44の移動度を向上させる。
【0120】
挿入層は、例えば、MOCVD法又はMBE法を用いることによって形成され得る。
【0121】
S15: 挿入層上にバリア層43を形成する。
【0122】
あるいは、これは、挿入層の基板41から遠い側にバリア層43が形成されることとして理解される。換言すれば、
図5Aに示すように、バリア層43は、挿入層の基板41から遠い側に配置される。例えば、バリア層43は、基板41から遠い側の挿入層の表面上に配置される。
【0123】
バリア層43は、例えば、MOCVD法又はMBE法を用いることによって形成され得る。
【0124】
バリア層43の材料は、例えば、GaN、AlGaN、InAlN、AlN、及びScAlNのうちの1つ以上を含み得る。
【0125】
チャネル層42の材料とバリア層43の材料は異なり、チャネル層42とバリア層43とでヘテロ構造を形成する。例えば、チャネル層42の材料はGaNを含み、バリア層43の材料はAlGaNを含む。
【0126】
一部の実施形態において、バリア層43の厚さは、2nmから50nmの範囲内である。例えば、バリア層43は、25nmの厚さを有して25%のアルミニウム組成を含むAlGaNからなる。例えば、バリア層43の厚さは、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、又は45nmである。
【0127】
バリア層43は、通常、ドープされない。バリア層43とその後に形成されるゲート(通常は金属材料からなる)との間の仕事関数差を用いることによって、一方向に電流を通す能力を持つバリア層がゲートの下に形成される。これは、ゲートがチャネル層42を制御する能力を確保しながら、さらに、ゲートの電気的リーク問題を効果的に抑制することができる。
【0128】
S16: バリア層43上にキャップ層を形成する。
【0129】
あるいは、これは、バリア層43の基板41から遠い側にキャップ層が形成されることとして理解される。
図5Aに示すように、キャップ層は、バリア層43の基板41から遠い側に配置される。例えば、キャップ層は、基板41から遠い側のバリア層43の表面上に配置される。
【0130】
キャップ層は、例えば、MOCVD法又はMBE法を用いることによって形成され得る。
【0131】
キャップ層の材料は、例えば、GaN又はSi3N4(窒化シリコン)とし得る。理解され得ることには、キャップ層は、ソース及びドレインとバリア層43との間のオーミックコンタクトに影響を及ぼすべきでない。上述の効果は、キャップ層をドーピング又はパターニングする(バリア層43を露出させる)ことによって達成され得る。
【0132】
キャップ層の厚さは、バリア層43を保護するには小さすぎる。キャップ層が過度に厚いと、HEMTデバイスの厚さが増加されてしまい得る。従って、一部の実施形態において、キャップ層の厚さは、例えば、1nmから20nmの範囲内とし得る。例えば、キャップ層の厚さは、5nm、10nm、又は15nmである。
【0133】
すなわち、
図5Aに示すように、基板41上の積層半導体層は、積層方式で配置された核形成層、傾斜バッファ層、チャネル層42、挿入層、バリア層43、及びキャップ層を含む。
【0134】
しかしながら、この出願のこの実施形態において、積層半導体層が形成されるとき、上述の工程S11-S16の全てが行われることは必要でない。これらの工程のうちの一部が行われてもよい。あるいは、基板41上に少なくとも、チャネル層42とバリア層43とを含むヘテロ構造が形成されることを条件として、他の工程が追加されてもよい。
【0135】
説明を容易にするために、
図5Bに示すように、後続のプロセスでは、基板41上に形成された積層半導体層がチャネル層42及びバリア層43を含む例のみを図示に用いる。
【0136】
S20:
図5Bに示すように、積層半導体層上にソース45及びドレイン46を形成する。
【0137】
例えば、積層半導体層において最も上の層にキャップ層が位置する場合、ソース45及びドレイン46はキャップ層上に形成される。あるいは、例えば、積層半導体層において最も上の層にバリア層43が位置する場合、ソース45及びドレイン46はバリア層43上に形成される。どの構造が使用されるかにかかわらず、ソース45及びドレイン46がバリア層43とオーミックコンタクトを形成することが確保されていればよい。
【0138】
図5Bは、ソース45及びドレイン46を形成する方法を示しており、S20は以下の工程を含む。
【0139】
S21: 積層半導体層を覆うフォトレジストを作製し、フォトエッチングを行って、ソース45が形成されるべき領域にソースボンディングパッド開口を形成するとともに、ドレイン46が形成されるべき領域にドレインボンディングパッド開口を形成する。
【0140】
例えば、
図5Bを参照されたい。先ず、積層半導体層上にフォトレジストをコーティングすることができ、フォトレジストを遮蔽するように遮光板(フォトマスクマスク)が構成される。遮光板の形状を
図5Bに示している。電極(例えば、ソース及びドレイン)が形成されるべき領域は光透過領域に設定され、残りの領域は非光透過領域である。そして、コーティングされたフォトレジストが硬化された後、光で遮光板を照らすことにより、光透過領域のフォトレジストが活性化され、光透過領域のフォトレジストが除去されて、ソースボンディングパッド開口及びドレインボンディングパッド開口を形成する。
【0141】
なお、この出願の実施形態の具体的な実装で言及されるフォトレジストは全て、ポジ型フォトレジストである。すなわち、フォトレジストは照射後に活性化され、そして、活性化したフォトレジストが除去される。確かなことには、実際の処理では代わりにネガ型フォトレジストが用いられてもよい。なお、ネガ型フォトレジストは、照射後に活性化されるのでなく、照射がないときに活性化される。従って、ネガ型フォトレジストが用いられる場合には、図における遮光板の光透過領域と非光透過領域とを入れ替える必要がある。具体的には、元の光透過領域が非光透過領域となり、元の非光透過領域が光透過領域となり、他の工程は変更されない。ポジ型フォトレジストを用いる方法及びネガ型フォトレジストを用いる方法はどちらも、この出願の実施形態の保護範囲内に入るものである。
【0142】
S22: ソースボンディングパッド開口及びドレインボンディングパッド開口を通してドナー不純物を注入し、活性化後にドーピング領域を形成する。
【0143】
ドナー不純物は、イオン注入プロセスを用いることによって、ソースボンディングパッド開口及びドレインボンディングパッド開口を通して注入されることができる。ドナー不純物は、例えば、シリコンイオンとすることができ、ドナー不純物は、単一元素であってもよいし、複数の元素の混ぜ合わせであってもよい。ドナー不純物の注入は、ソース45及びドレイン46とバリア層43との間のオーミックコンタクト抵抗の抵抗率を低減させることができ、更にバリア層43の抵抗率を低減させることができる。
【0144】
S23: フォトレジストを除去し、アニーリングプロセスを用いることによってドナー不純物のキャリアを活性化して、N型ドーピング領域を形成する。
【0145】
確かなことには、注入されたドナー不純物のキャリアは、代わりに、他の後続の膜層製造においてアニーリングプロセスを用いることによって活性化されてもよい。
【0146】
S24: 次いで、積層半導体層を覆うフォトレジストを作製し、フォトエッチングを行って、ソース45が形成されるべき領域にソースボンディングパッド開口を形成するとともに、ドレイン46が形成されるべき領域にドレインボンディングパッド開口を形成する。
【0147】
S25: フォトレジストを覆う金属膜を形成し、該金属膜は、ソースボンディングパッド開口及びドレインボンディングパッド開口を充填する。
【0148】
例えば、該金属膜は、金属堆積プロセス、スパッタリングプロセス、蒸着プロセス、又は電気めっきプロセスを用いることによって製造され得る。
【0149】
S26: フォトレジストを除去し、ソースボンディングパッド開口内に位置するソース45、及びドレインボンディングパッド開口内に位置するドレイン46を保持する。
【0150】
ソース45及びドレイン46の材料は、単体であってもよいし、合金又は多層積層金属であってもよい。
【0151】
一部の実施形態において、ソース45及びドレイン46の材料の仕事関数は、4.3eVから6eVの範囲内である。
【0152】
例えば、ソース45及びドレイン46の材料は、以下の元素のうちの少なくとも1つ、すなわち、チタン(Ti、仕事関数は4.33eV)、金(Au、仕事関数は5.1eV)、及び白金(Pt、仕事関数は5.65eV)のうちの少なくとも1つを含む。例えば、ソース45及びドレイン46の材料は窒化チタンを含む。
【0153】
一部の実施形態において、ソース45及びドレイン46の材料はアルミニウム(Al)元素を含まない。
【0154】
一部の実施形態において、ソース45及びドレイン46は、少なくとも1つの導電層を含む。
【0155】
例えば、ソース45及びドレイン46は導電層を含み、該導電層の材料は、例えばチタン、金、及び白金などの元素を含むことができる。ソース45及びドレイン46は単層構造のものであり、製造プロセスが単純であり、生産効率が高い。
【0156】
あるいは、例えば、ソース45及びドレイン46は複数の導電層を含み、各導電層の材料は同じであってもよいし、異なってもよい。
【0157】
ソース45及びドレイン46は複数の導電層を含み、ソース45及びドレイン46の応力及び抵抗率が調整可能となるように、異なる材料の特性を共に融合させることができる。ソース45及びドレイン46は更に、複数の金属層間での拡散を阻止するように機能する導電層を含むことが可能となる。これにより、ソース45及びドレイン46の体積膨張によって生じるHEMTデバイスへのダメージが回避される。
【0158】
一部の実施形態において、ソース45及びドレイン46が1つの導電層を含む場合、導電層の材料は、例えば、チタン元素を含み得る。
【0159】
ソース45及びドレイン46が複数の導電層を含む場合について、ソース45を例として用いる。例えば、ソース45は、順に積層された第1導電層及び第2導電層を含む。第1導電層はチタン元素を含み、第2導電層は金元素を含み、第1導電層がバリア層43と接触してバリア層43に接続される。
【0160】
積層された半導体層(例えば、バリア層43)の表面上にチタン元素が配置される。導通機能が果たされながら、更に接着機能が果たされ得る。これは、積層された半導体層へのソース45及びドレイン46の接続の効果を向上させる。
【0161】
ソース45及びドレイン46の応力及び抵抗率を総合的に検討した後、一部の実施形態において、ソース45及びドレイン46の各導電層の厚さは、1nmから10000nmの範囲内である。例えば、導電層の厚さは、100nm、500nm、1000nm、1500nm、2000nm、2500nm、3000nm、3500nm、4000nm、4500nm、5000nm、6000nm、7000nm、8000nm、又は9000nmである。
【0162】
確かなことには、導電層の厚さは、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではなく、必要に応じて適切に設定され得る。
【0163】
各導電層の膜厚を適切に設定することで、補助的な電極を配設する必要なしに、ソース45及びドレイン46の抵抗を低減させることができる。構造が単純であり、プロセス工程が少なく、製造効率が高い。
【0164】
図5Bに示すように、ソース45及びドレイン46は、積層半導体層(例えば、バリア層43)の表面に配置され、ソース45は、積層半導体層(例えば、バリア層43)に最も近い導通構造である。
【0165】
あるいは、これは、ソース45及びドレイン46が、積層半導体層(例えば、バリア層43)上に配置される導通構造の最初の層であり、ソース45及びドレイン46との間に他の導通構造が配置されないこととして理解される。
【0166】
一部の実施形態において、
図5Bに示すように、ソース45は平面構造のものである。
【0167】
あるいは、これは、例えば開口又は中空パターンなどの構造がソース45に配置されないこととして理解される。
【0168】
ソース45が平面構造のものであることで、構造が単純となり、製造プロセスが単純となる。また、ソース45に開口を配設され、ソース45が、複数のストリップパターンを含む構造に分割された後に、複数のストリップ構造をどのように相互接続するかという問題を考慮する必要がない。
【0169】
S30:
図5Cに示すように、ソース45とドレイン46との間に位置するゲート49を形成する。
【0170】
ゲート49の材料は、例えば、高い仕事関数を有する金属とし得る。例えば、ゲート49の材料は、例えば、ニッケル(Ni、仕事関数は4.6eV)、金、及びこれらに類するものとし得る。ゲート49は、バリア層43上に配置され、バリア層43とショットキーコンタクトを形成する。
【0171】
一部の実施形態において、
図5Cに示すように、工程S30は以下の工程を含む。
【0172】
S31: ソース45及びドレイン46上に第1の誘電体層47を形成する。
【0173】
第1の誘電体層47の材料は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、又は酸化アルミニウムなどの絶縁誘電体とし得る。第1の誘電体層47の厚さは、10nmから200nmの範囲内とし得る。例えば、第1の誘電体層47の厚さは、50nm、100nm、又は150nmである。
【0174】
例えば、第1の誘電体層47は、例えばプラズマ化学気相成長、原子層堆積、又は低圧化学気相成長などのプロセスを用いることによって形成され得る。
【0175】
なお、工程S31で形成される第1の誘電体層47は、
図5Cに示すように、ソース45及びドレイン46を露出させ得る。工程S31で形成される第1の誘電体層47は、代わりに、ソース45及びドレイン46を覆ってもよい。次いで、別の後続工程でパターニングが行われて、ソース45及びドレイン46を露出させる。
【0176】
S32: 第1の誘電体層47にゲートボンディングパッド開口48を形成する。
【0177】
ゲートボンディングパッド開口48を形成する方法は、次の通りである。例えば、フォトレジストが、ゲートボンディングパッド開口48を露出させるためのマスクとして第1の誘電体層47上に形成され得る。エッチングプロセス(ドライエッチング又はウェットエッチング)を用いて、ゲートボンディングパッド開口48を形成する。フォトレジストは除去される。
【0178】
第1の誘電体層47がソース45及びドレイン46を露出させている場合、第1の誘電体層47にゲートボンディングパッド開口48を形成するプロセスは、第1の誘電体層47上にソース45及びドレイン46を露出させるプロセスと同時に完了され得る。代わりに、それら2つのプロセスは数回で完了されてもよい。
【0179】
ゲートボンディングパッド開口48のサイズが、形成されるゲート49のサイズを制限する。一部の実施形態において、ゲートボンディングパッド開口48は溝である。該溝の幅は10nmから1000nmの範囲内である。例えば、該溝の幅は、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、又は900nmである。
【0180】
S33: ゲート49を形成する。
【0181】
ゲート49を形成するプロセスは、例えば、ソース45及びドレイン46を形成するプロセスと同じとし得る。上述の説明を参照されたい。第1の誘電体層47のゲートボンディングパッド開口48はソース45とドレイン46との間に位置し、最終的に形成されたゲート49もソース45とドレイン46との間に位置する。
【0182】
なお、この出願のこの実施形態において、上述の工程に示したように、先ずソース45及びドレイン46を同時に形成することができ、次いで、ゲート49が形成される。代わりに、先ずゲート49が形成されてもよく、次いで、ソース45及びドレイン46が同時に形成される。あるいは、ソース45、ドレイン46、及びゲート49が同時に形成されてもよい。
【0183】
S40:
図5Dに示すように、フィールドプレート(field plate,FP)51を形成する。
【0184】
フィールドプレート51の材料は任意の導電材料とし得る。フィールドプレート51は、ゲート49の基板41から遠い側に配置され、ゲート49とドレイン46との間の領域の上に位置する。基板41上へのフィールドプレート51の正投影が、基板41上へのゲート49の正投影と重なる。
【0185】
一部の実施形態において、
図5Dに示すように、工程S40は以下の工程を含む。
【0186】
S41: 第2の誘電体層50を形成する。
【0187】
第2の誘電体層50の材料は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、又は酸化アルミニウムなどの絶縁誘電体とし得る。第2の誘電体層50の厚さは、50nmから1000nmの範囲内とし得る。例えば、第2の誘電体層50の厚さは、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、又は900nmである。
【0188】
例えば、第2の誘電体層50は、例えばプラズマ化学気相成長、原子層堆積、又は低圧化学気相成長などのプロセスを用いることによって形成され得る。
【0189】
なお、工程S41で形成される第2の誘電体層50は、
図5Dに示すように、ソース45及びドレイン46を露出させ得る。工程S41で形成される第2の誘電体層50は、代わりに、ソース45及びドレイン46を覆ってもよい。次いで、別の後続工程でパターニングが行われて、ソース45及びドレイン46を露出させる。
【0190】
S42: フィールドプレート51を形成する。
【0191】
フィールドプレート51を形成する方法は、ソース45及びドレイン46を形成する方法と同じとし得る。上述の説明を参照されたい。
【0192】
フィールドプレート51は、フローティング状態にあることができ、如何なる信号もロードしない。フィールドプレート51は、代わりに、ソース45と接触してもよく、フィールドプレート51は更にゲート49と接触してもよい。
【0193】
電界ピークはゲート49の位置に発生しやすい。それ故に、ゲート49の上にフィールドプレート51を配置することで、HEMTデバイス内の電界分布を調節し得る。これは、電界分布を均一にすることを可能にし、電界ピークが回避される。
【0194】
S50:
図5Eに示すように、厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53を形成する。
【0195】
厚肉化ソース52は、ソース45上に配置され、ソース45と接触してソース45に接続される。厚肉化ドレイン53は、ドレイン46上に配置され、ドレイン46と接触してドレイン46に接続される。
【0196】
厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53の材料は限定されず、ソース45及びドレイン46の材料と同じであってもよいし、異なってもよい。厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53を製造する方法も、ソース45及びドレイン46を製造する方法と同じとし得る。上述の関連する説明を参照されたい。
【0197】
厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53の厚さは、例えば、500nmから10000nmの範囲内とし得る。例えば、厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53の厚さは、1000nm、2000nm、3000nm、4000nm、5000nm、6000nm、7000nm、8000nm、又は9000nmである。
【0198】
厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53が配設され、これは、ソース45及びドレイン46の厚さを増加させ、ソース45及びドレイン46の抵抗を減少させることと等価であり、その結果、半導体デバイスの電流導通能力が向上される。しかしながら、留意されたいことには、厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53のサイズは、ソース45及びドレイン46のサイズと同じである必要はなく、ソース45及びドレイン46のサイズよりも大きくても小さくてもよく、これらの全てが電流導通能力を向上させることができる。
【0199】
S60: デバイス上に周辺パッシベーション層又は防水層を堆積させる。
【0200】
具体的には、パッシベーション層(誘電体材料を含む)又は防水層(防水材料を含む)は、デバイスを保護するためにデバイスの周囲に巻き付けられる。
【0201】
S70:
図5Fに示すように、ソース45の下に裏面ビア54を形成する。
【0202】
裏面ビア54は、基板41からソース45の下のバリア層43までの領域を貫通する。あるいは、これは、チャネル層42から遠い側の基板41の裏面から、基板41に近い側のソース45の表面まで、裏面ビア54が貫通することとして理解される。換言すれば、裏面ビア54は、基板41上の積層半導体層を貫通して、基板41に近い側のソース45の表面に達する。
【0203】
一部の実施形態において、
図5Fに示すように、工程S70は以下の工程を含む。
【0204】
S71: 基板41の裏面を薄化する。
【0205】
基板41の前面のプロセスが完了した後、デバイスを通ってソース45から裏面への接続を遂行するために、基板41の裏面のプロセスを行う必要がある。基板41の前面のプロセスが完了した後には、基板41の支持力に対する要求が減少する。従って、基板41に裏面ビア54を形成する前に、先ず基板41を薄くすることができる。裏面ビア54の形成難度が低減され得る。また、最終的に形成される半導体デバイスの厚さを減少させることができる。
【0206】
一部の実施形態において、薄化後の基板41の厚さは、10μmから500μmの範囲内である。例えば、薄化後の基板41の厚さは、100μm、200μm、300μm、又は400μmである。
【0207】
S72: 基板41の裏面から、基板41側のソース45上の膜層にビアを作成して、裏面ビア54を形成する。
【0208】
基板41側のソース45上の膜層は、基板41と、基板41上に配置された積層半導体層とであるとし得る。
【0209】
例えば、先ず、基板41の裏面上にフォトレジストがコーティングされる。マスクプレートを用いてフォトレジストが露光される。フォトレジストが現像され、フォトレジストをマスクとして用いて、形成される裏面ビア54の領域を露出させる。ドライエッチングプロセス又はウェットエッチングプロセスを用いて、基板41側のソース45上の膜層にビアを作製して、裏面ビア54を形成する。フォトレジストは除去される。
【0210】
確かなことには、例えば金属層マスク層又は誘電体マスク層などの他のマスク層が孔マスクとして使用されてもよい。また、基板41上の積層半導体層がエッチングされる時、基板41がマスクとして用いられ得る。
【0211】
裏面ビア54及び後続のバックメタル層の製造難度を下げるために、裏面ビア54の幅は大きく設定されることができ、ソース45の幅に等しくてさえよい。裏面ビア54のサイズは、この出願のこの実施形態において限定されず、例えばプロセスなどの要因が総合的に検討された後に適切に選択されることができる。
【0212】
S73: ドライエッチング又はウェットエッチングを通じて、裏面ビア54内に残存するエッチング副生成物55を除去する。
【0213】
フォトレジストは、工程S72で除去されてもよいし、工程S73の後に除去されてもよい。
【0214】
ウェットエッチングのエッチング溶液は、例えば、塩酸、硝酸、水酸化カリウム(KOH)、又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などの溶液を含み得る。
【0215】
S80:
図5Gに示すように、基板41の裏面上に裏面導電層56を形成し、裏面導電層56が、裏面ビア54を通じて、ソース45と接触してソース45に接続される。
【0216】
図5Gに示すように、裏面導電層56は、裏面ビア54の表面と基板41の裏面とを覆う。ソース45が裏面導電層56と直接接触して裏面導電層56に接続される。
【0217】
裏面導電層56の材料は、例えば、金、及びチタン金を含み得る。裏面導電層56の厚さは、例えば、500nmから30000nmの範囲内とし得る。裏面導電層56は、例えば、電気めっきプロセス、蒸着プロセス、又はスパッタリングプロセスを用いることによって製造され得る。
【0218】
なお、この出願のこの実施形態で提供される半導体デバイスの製造方法は、上述の工程に限られず、必要に応じて、別の工程が追加されたり、上述の工程のうちの一部が除かれたりし得る。また、上述の製造方法における工程の順序は、単なる一例であり、必要に応じて調整されて入れ換えられ得る。
【0219】
図6Aに示すように、上述の製造方法を用いた製造を通じて得られる半導体デバイスは、基板41と、積層方式で基板41上に順に配置されたチャネル層42及びバリア層43とを含み、チャネル層42とバリア層43とでヘテロ接合を形成し、チャネル層42内に2次元電子ガス44が生成される。ソース45及びドレイン46が、バリア層43の表面に配置されて、バリア層43とオーミックコンタクトを形成する。ソース45は平面構造のものであり、ソース45は、バリア層43に最も近い導通構造である。ゲート49が、ソース45とドレイン46との間に位置してバリア層43上に配置される。フィールドプレート51が、ゲート49の基板41から遠い側に配置され、ゲート49とドレイン46との間に位置し、ゲート49の投影と重なる。
【0220】
ソース45の下に裏面ビア54が位置し、裏面ビア54は、チャネル層42から遠い側の基板41の裏面から、基板41に近い側のソース45の表面まで貫通する。裏面導電層56は、基板41の裏面上に配置され、裏面ビア54を通じて、ソース45と接触してソース45に接続される。
【0221】
一部の実施形態において、
図5Gに示したように、半導体デバイスは更に、厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53を含む。厚肉化ソース52は、ソース45上に配置され、ソース45と接触してソース45に接続される。厚肉化ドレイン53は、ドレイン46上に配置され、ドレイン46に接触してドレイン46に接続される。
【0222】
一部の実施形態において、
図6Bに示すように、半導体デバイスは更に、積層方式で基板41とチャネル層42との間に順に配置された核形成層及び傾斜バッファ層と、チャネル層42とバリア層43との間に配置された挿入層と、バリア層43の表面上に配置されたキャップ層とを含む。
【0223】
キャップ層の異なる材料に基づいて、例えば、
図6Bに示すように、キャップ層は、ソース45及びドレイン46とバリア層43との間に配置される。
【0224】
あるいは、例えば、
図6Cに示すように、ソース45及びドレイン46を露出させる開口がキャップ層に配設され、ソース45及びドレイン46がバリア層43と直接接触する。
【0225】
HEMTデバイスの動作原理は、次の通りである。ソース45及びドレイン46が別々にバリア層43と導通オーミックコンタクトを形成し、ゲート49がバリア層43とショットキーコンタクトを形成する。チャネル層42内の破線は2DEG44を表しており、これは、HEMTデバイス内でチャネル層42とバリア層43とによって形成されるヘテロ接合における分極によって生成される。2DEG44を用いて、電界の作用下で電子が効率的に導かれる。ソース45及びドレイン46は、電界の作用下でソース45とドレイン46との間のチャネル層42内を2DEG44が流れることを可能にするように構成され、チャネル層42内の2DEG44において、ソース45とドレイン46との間の導通が生じる。ゲート49は、ソース45とドレイン46との間に配置され、HEMTデバイスの導通と遮断を制御するように2DEG44の通過を可能にしたり阻止したりするように構成される。
【0226】
なお、上述のHEMTデバイスのうちのいずれかのデバイスに基づいて、HEMTデバイスが集積回路31に使用された後、一部の実施形態において、集積回路31に含まれる複数のHEMTデバイスの裏面導電層56が互いに接触して接続される。あるいは、一部の実施形態では、集積回路31に含まれる複数のHEMTデバイスにおいて、一部のHEMTデバイスの裏面導電層56が互いに接触して接続される。あるいは、一部の実施形態では、集積回路31に含まれる複数のHEMTデバイスにおいて、それらのHEMTデバイスの裏面導電層56は互いに独立である。
【0227】
この出願のこの実施形態では、ソース45がバリア層43と直にオーミック接触しており、ソース45の下に裏面ビア54が位置する。斯くして、裏面ビア54がソース45の下に配置され、裏面導電層56が、裏面ビア54を通じてソース45と直接接触してソース45に接続される。ソース45から裏面導電層56に信号が直接伝導され、それ故に、ソース45への伝送経路が短縮される。これは、半導体デバイスのインダクタンスを低減させ、半導体デバイスの周波数を高めることができる。また、裏面ビア54の幅は、要求に応じて適切に設定されることができ、裏面ビア54の幅を更に減らす必要がないことで、裏面ビア54の製造プロセスの難度及び歩留まりを低減させ、裏面導電層56の歩留まり及び信頼性を向上させ、その結果、半導体デバイスの歩留まり及び信頼性が向上される。従って、デバイスソース45のサイズが小さくなり、それ故に、製造を通じて小型で低コストの半導体デバイスを得ることができる。
【0228】
オプションで、半導体デバイスを製造するプロセスにおいて、ソース45の材料は、高い仕事関数及び安定した化学的特性を有する金属(例えば、チタン、金、及び白金)又は元素を含む合金として選択され、もはや、例えばアルミニウムなどの反応性金属を含まない。ソース45が裏面ビアのエッチングを遮ることが可能にされ、裏面ビアプロセスの湿式処理における腐食を回避することができる。
【0229】
オプションで、裏面ビア54の製造プロセスにおけるエッチングに起因してソース45が腐食されることがないように、合金を使用したり、プロセスを完了したりすることができる。
【0230】
結果として、裏面ビアプロセス中にソース45に触れたとしても、ソース45にダメージが生じることがない。従って、裏面ビアプロセスによって引き起こされる腐食を回避するために特にソース45を裏面ビア54から離して配置する必要はない。これは、ソース45のサイズを小さくし、半導体デバイス全体のサイズを小さくする。
【0231】
例2
【0232】
例2と例1との間の違いは、ソース45が開口を持つ点にある。
【0233】
図7Aに示すように、当該半導体デバイスのソース45は、もはや平面構造のものではなく、開口451を持ち、開口451は裏面ビア54の上に位置する。
【0234】
開口451の形状は限定されず、
図7Aにおける開口451の形状は一例にすぎない。
【0235】
理解され得ることには、ソース45が開口451を持つが、開口451の配設がソース45上の信号伝送に影響を及ぼすべきでない。
【0236】
一部の実施形態において、
図7Aに示すように、ソース45は開口451を持つが、ソース45はなおも何処もが相互接続された構造である。
【0237】
一部の他の実施形態では、
図7Bに示すように、ソース45の開口451がソース45を複数のストリップ構造に分割する。
図7C(
図7BのC1-C2方向に沿った断面図)に示すように、それらのストリップ構造は、例えば、厚肉化ソース52を用いて相互接続されることができる。具体的には、ソース45の各部分が厚肉化ソース52と接触して厚肉化ソース52に接続されて、ソース45の全ての部分の間の相互接続を実現する。
【0238】
換言すれば、
図8に示すように、一部の実施形態において、当該半導体デバイスは更に、厚肉化ソース52及び厚肉化ドレイン53を含む。厚肉化ソース52は、ソース45の開口451を通じて、裏面導電層56と接触して裏面導電層56に接続される。
【0239】
開口451と裏面ビア54との間の構造関係について、一部の実施形態では、開口451の幅M1は裏面ビア54の幅M2以下である。
【0240】
開口451の幅M1を裏面ビア54の幅M2よりも大きくする必要があることと比較して、開口451の幅M1が裏面ビア54の幅M2以下であることは、開口451の幅M1を縮小することと等価であり、その結果、ソース45の幅を小さくすることができる。
【0241】
開口451と裏面ビア54との間の構造関係によってもたらされるソース45と裏面導電層56との間の構造関係に基づいて、一部の実施形態において、裏面導電層56は、ゲート49の左側に近くて、ゲート49の右側から遠く、裏面導電層56の左側及び/又は右側がソース45と接触してソース45に接続される。
【0242】
一部の実施形態において、
図8に示すように、裏面導電層56の左側及び右側がソース45と正確にすれすれに接触する。
【0243】
換言すれば、開口451の左側及び右側と裏面ビア54との間にギャップがない。
【0244】
一部の他の実施形態では、
図9Aに示すように、裏面導電層56の左側はソース45と正確にすれすれに接触し、裏面導電層56の右側とソース45との間にはギャップがある。
【0245】
換言すれば、開口451の左側と裏面ビア54との間にはギャップがなく、開口451の右側と裏面ビア54との間にはギャップがある。
【0246】
一部の他の実施形態では、
図9Bに示すように、裏面導電層56の左側はソース45に正確に接合され、裏面導電層56の右側とソース45との間にはギャップがある。
【0247】
換言すれば、開口451の左側と裏面ビア54との間にはギャップがなく、開口451の右側と裏面ビア54との間にはギャップがある。
【0248】
一部の他の実施形態では、
図9Cに示すように、裏面導電層56の左側はソース45に接合され、裏面導電層56の右側はソース45と正確にすれすれに接触する。
【0249】
換言すれば、開口451の左側及び右側と裏面ビア54との間にギャップがない。
【0250】
一部の他の実施形態では、
図10Aに示すように、裏面導電層56の右側はソース45と正確にすれすれに接触し、裏面導電層56の左側とソース45との間にはギャップがある。
【0251】
換言すれば、開口451の右側と裏面ビア54との間にはギャップがなく、開口451の左側と裏面ビア54との間にはギャップがある。
【0252】
一部の他の実施形態では、
図10Bに示すように、裏面導電層56の右側はソース45に正確に接合され、裏面導電層56の左側とソース45との間にはギャップがある。
【0253】
換言すれば、開口451の右側と裏面ビア54との間にはギャップがなく、開口451の左側と裏面ビア54との間にはギャップがある。
【0254】
一部の他の実施形態では、
図10Cに示すように、裏面導電層56の右側はソース45に接合され、裏面導電層56の左側はソース45と正確にすれすれに接触する。
【0255】
換言すれば、開口451の左側及び右側と裏面ビア54との間にギャップがない。
【0256】
一部の他の実施形態では、
図11に示すように、裏面導電層56の右側はソース45に接合され、裏面導電層56の左側はソース45に接合される。
【0257】
換言すれば、開口451の左側及び右側と裏面ビア54との間にギャップがない。
【0258】
この出願のこの実施形態では、ソース45の下に裏面ビア54が配置される。ソース45に開口451が配設されるが、裏面ビア54の製造プロセスにおけるエッチングによってソース45が腐食されることはないとし得る。すなわち、裏面ビアプロセス中にソース45に触れたとしても、ソース45にダメージが生じることはない。従って、裏面ビア54のプロセスによって生じる腐食を回避するためにソース45の開口を裏面ビアのサイズよりも大きく設定することは必要でない。換言すれば、開口451の幅M1は裏面ビア54の幅M2以下であり、裏面ビア54の左側及び/又は右側と開口451との間にギャップがない。すなわち、裏面導電層56の左側及び/又は右側がソース45と接触してソース45に接続される。従って、必要に応じてソース45に開口451が配設される。しかし、開口451のサイズを小さくすることができ、その結果、ソース45のサイズを小さくすることができ、半導体デバイスのサイズを増加させなくてよい。
【0259】
なお、以上では、この出願の実施形態で提供される半導体デバイスがHEMTデバイスである例を用いているが、半導体デバイスがHEMTデバイスであることに限定されるものではない。この出願の実施形態で提供される半導体デバイスは、そのソースが接地される必要がある任意の半導体デバイスとし得る。
【0260】
以上の説明は、単にこの出願の特定の実装に過ぎず、この出願の保護範囲はそれに限定されるものではない。この出願に開示された技術的範囲内の如何なる変形又は置換もこの出願の保護範囲に入るものである。従って、この出願の保護範囲は請求項の保護範囲に従うものである。
【国際調査報告】