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特表2024-537679ポリマー発泡体製品の製造に使用するためのバリアコーティング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ポリマー発泡体製品の製造に使用するためのバリアコーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20241008BHJP
   C08J 9/36 20060101ALI20241008BHJP
   C08J 7/048 20200101ALI20241008BHJP
【FI】
C08J9/04 CER
C08J9/36 CEZ
C08J7/048
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517056
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022044992
(87)【国際公開番号】W WO2023055773
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,246
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ブードロー、チェイス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ウィークリー、ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ヘッペ、クリスティーン
(72)【発明者】
【氏名】フレイジャー、ローラ
【テーマコード(参考)】
4F006
4F074
【Fターム(参考)】
4F006AA12
4F006AA15
4F006AA16
4F006AA33
4F006AA35
4F006AA37
4F006AA38
4F006AA39
4F006AA40
4F006AB05
4F006AB16
4F006AB18
4F006AB19
4F006AB20
4F006AB37
4F006AB72
4F006AB76
4F006BA05
4F006CA04
4F006CA07
4F006DA04
4F074AA16
4F074AA23
4F074AA32
4F074AA33
4F074AA34
4F074AA59
4F074AA70
4F074AA71
4F074AA72
4F074AA74
4F074AA78
4F074AA87
4F074BA32
4F074BA35
4F074BA53
4F074BA73
4F074CA22
4F074CE16
4F074CE26
4F074CE49
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4F074CE64
4F074CE77
4F074DA02
4F074DA03
4F074DA07
4F074DA08
4F074DA32
4F074DA33
(57)【要約】
発泡したポリマー絶縁製品は、a)熱可塑性マトリックスポリマー組成物、及びb)発泡剤組成物を含む発泡性ポリマー組成物から形成されたポリマー発泡体を含む。バリアコーティングは、第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に直接形成され、バリアコーティングは、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーから選択される少なくとも1つのポリマー、及び粘度調整剤を含む少なくとも1つのポリマーの分散液を含むバリアコーティング組成物から形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡したポリマー絶縁製品であって、
第1の主な表面及び第2の主な表面を有するポリマー発泡体であって、前記ポリマー発泡体が、
a)熱可塑性マトリックスポリマー組成物、及び
b)発泡剤組成物を含む発泡性ポリマー組成物から形成される、ポリマー発泡体と、
前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に直接形成されたバリアコーティングであって、前記バリアコーティングが、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーから選択される20重量%~99.9重量%の少なくとも1つのポリマー、及び0.1重量%~20重量%の粘度調整剤を含むバリアコーティング組成物から形成される、バリアコーティングと、を含む、発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項2】
前記バリアコーティング組成物が、グラフェン、ナノクレイ、無機層状粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの膜形成添加剤を更に含む、請求項1に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項3】
前記発泡剤組成物が、フッ素化アルケン及び二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項4】
前記ポリマーが、分散液の総重量に基づいて約20重量%~約60重量%の固形分含有量を有する水性分散液を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項5】
前記発泡剤が、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン(HFC-161)、フルオロメタン(HFC-41)、HFO-1234ze-E、HFO-1336mzz-Z、HFO-1336mzz-E、HCFO-1233zd-E、HFC-365mfc、ギ酸メチル、メチラール、二酸化炭素、水、1つ以上の炭化水素、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項6】
前記マトリックスポリマーが、アルケニル芳香族ポリマー、スチレンポリマー、スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項7】
前記バリアコーティングが、前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面の上に直接形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項8】
前記バリアコーティングが、前記ポリマー発泡体の少なくとも1つのより小さな表面の上に直接形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項9】
前記発泡したポリマー絶縁製品が、180日後に少なくとも4.75/インチの熱抵抗値(R値)を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項10】
前記発泡したポリマー絶縁製品が、180日後に少なくとも5.0/インチの熱抵抗値(R値)を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項11】
発泡性ポリマー組成物であって、
a)85重量%~96重量%の熱可塑性マトリックスポリマー組成物と、
b)フッ素化アルケン及び二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む3.0重量%~10重量%の発泡剤組成物と、
c)ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせを含む0.05重量%~1.0重量%の少なくとも1つのポリマーと、を含む、発泡性ポリマー組成物。
【請求項12】
前記発泡性ポリマー組成物が、グラフェン、ナノクレイ、無機層状粒子、及びこれらの組み合わせを含む少なくとも1つの膜形成添加剤を更に含む、請求項11に記載の発泡性ポリマー組成物。
【請求項13】
前記発泡剤組成物が、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン(HFC-161)、フルオロメタン(HFC-41)、HFO-1234ze-E、HFO-1336mzz-Z、HFO-1336mzz-E、HCFO-1233zd-E、HFC-365mfc、ギ酸メチル、メチラール、二酸化炭素、水、1つ以上の炭化水素、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11又は12に記載の発泡性ポリマー組成物。
【請求項14】
前記熱可塑性マトリックスポリマー組成物が、アルケニル芳香族ポリマー、スチレンポリマー、スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11~13のいずれか一項に記載の発泡性ポリマー組成物。
【請求項15】
請求項11~14のいずれか一項に記載の発泡性ポリマー組成物から形成された発泡体を含む、発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項16】
前記発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に直接形成されたバリアコーティングを更に含み、前記バリアコーティングが、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む少なくとも1つのポリマーの分散液を含むバリアコーティング組成物から形成される、請求項16に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項17】
前記バリアコーティングが、前記発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面の上に直接形成される、請求項16に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項18】
前記バリアコーティングが、前記発泡体の少なくとも1つのより小さな表面の上に直接形成される、請求項16又は請求項17に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項19】
前記発泡したポリマー絶縁製品が、180日後に少なくとも4.75/インチの熱抵抗値(R値)を有する、請求項15~18のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項20】
前記発泡したポリマー絶縁製品が、180日後に少なくとも5.0/インチの熱抵抗値(R値)を有する、請求項15~19のいずれか一項に記載の発泡したポリマー絶縁製品。
【請求項21】
ポリマー発泡体を製造する方法であって、
a)マトリックスポリマー溶融物を押出機に提供することと、
b)前記押出機内の前記マトリックスポリマー溶融物に発泡剤組成物を注入して、発泡性ポリマー組成物を形成することと、
c)前記発泡性ポリマー組成物を押出して、第1の主な表面及び第2の主な表面を有するポリマー発泡体を形成することと、
d)前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの少なくとも1つに、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーから選択される20重量%~99.9重量%の少なくとも1つのポリマー、及び0.1重量%~20重量%の粘度調整剤を含むバリアコーティング組成物を直接塗布することであって、前記バリアコーティング組成物が、前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上にバリアコーティングを形成し、それによって、コーティングされたポリマー発泡体を形成する、塗布することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記コーティングされたポリマー発泡体が、180日後に少なくとも5.0/インチの熱抵抗値(R値)を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記発泡剤組成物が、フッ素化アルケンを含む、請求項21又は請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記発泡剤組成物が、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン(HFC-161)、フルオロメタン(HFC-41)、HFO-1234ze-E、HFO-1336mzz-Z、HFO-1336mzz-E、HCFO-1233zd-E、HFC-365mfc、ギ酸メチル、メチラール、二酸化炭素、水、1つ以上の炭化水素、又はこれらの組み合わせを含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記マトリックスポリマー溶融物が、アルケニル芳香族ポリマー、スチレンポリマー、スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマトリックスポリマーを含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記バリアコーティング組成物を塗布することが、ローラーを使用して、ブラシを使用して、前記バリアコーティングを塗布すること、又は前記バリアコーティング組成物を前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの前記少なくとも1つの上に直接噴霧することを含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記押出機内の前記マトリックスポリマー溶融物に、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む少なくとも1つのポリマーを注入することを更に含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記マトリックスポリマー溶融物が、
アルケニル芳香族ポリマー、スチレンポリマー、スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせを含むマトリックスポリマーと、
ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む少なくとも1つのポリマーと、を含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記バリアコーティングが、前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの前記少なくとも1つの上の第1のバリアコーティングであり、前記方法が、
前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの前記少なくとも1つに第2のコーティング組成物を塗布することであって、前記第2のコーティング組成物が、前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの前記少なくとも1つの上に第2のコーティングを形成する、塗布することを更に含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のコーティング組成物が、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーから選択される40重量%~99.9重量%の少なくとも1つのポリマー、及び0.1重量%~20重量%の粘度調整剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記バリアコーティング組成物及び前記第2のコーティング組成物が、同じポリマーを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記バリアコーティング組成物が第1のポリマーを含み、前記第2のコーティング組成物が前記第1のポリマーとは異なる第2のポリマーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリマー発泡体の前記第1の主な表面及び前記第2の主な表面のうちの少なくとも1つに、ポリウレタンの分散液を含むコーティング組成物を塗布することを更に含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリウレタンの分散体を含む前記コーティング組成物が、前記バリアコーティング組成物の上部に塗布される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記バリアコーティング組成物が、ポリ二塩化ビニリデンの分散液を含む、請求項33又は34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月28日に出願された米国仮特許出願第63/249,246号の利益及びそれに対する優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ポリマー発泡体を形成するためのプロセスに関し、特に、押出された熱可塑性発泡体の製造に関する。本発明は、所望の発泡特性を維持しつつ、熱可塑性ポリマー発泡体中に発泡剤を保持して、発泡剤のレベルを減少させるためのバリアコーティングの使用を提供する。
【背景技術】
【0003】
押出されたポリマー発泡体又は「XPS」発泡体などのポリマー発泡体は、一般に、ポリマーマトリックス組成物を溶融してポリマー溶融物を形成し、発泡剤及びポリマーの十分な混合を提供する条件下で、1つ以上の発泡剤及び他の添加剤をポリマー溶融物に組み込みながら、一方で、混合物が時期尚早に、例えば加圧下で発泡することを防止することによって製造される。次に、この混合物を、典型的には、単段又は多段押出ダイを通して押出して、冷却し、混合物にかかる圧力を低下させて、混合物を発泡させ、発泡した製品を製造する。理解されるように、ポリマー、発泡剤、及び添加剤の相対量;温度;及び圧力を低下させる方法は、得られる発泡体製品の品質に影響を与える。また、理解されるように、発泡性混合物は、押出ダイを通過するまで比較的高い圧力下に維持され、低圧力領域で膨張させられる。
【0004】
クロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbon、「CFC」)及び特定のアルカンなどの従来の発泡剤のポリマー溶融物への溶解度は、溶融粘度を低下させ、膨張したポリマー溶融物の冷却を改善する傾向がある。例えば、ペンタンと、Freon 11又は12のようなCFCとの組み合わせは、ポリスチレンに部分的に可溶性であり、一般的に許容される外観並びに表面仕上げ、セルサイズ及び分布、向き、収縮、断熱特性(R値)及び剛性のような物理的特性を示すポリスチレン発泡体を生成するために使用されてきた。
【0005】
しかしながら、このようなCFC化合物の使用に関する環境上の懸念に応じて、エアロゾル噴射剤、冷媒、発泡剤及び特殊溶剤などの用途におけるこのような化合物の広範な使用及び付随する大気放出は、政府規制によって近年劇的に低下しているか、又は排除されている。
【0006】
CFCの使用からの逸脱は、水素含有クロロフルオロアルカン(hydrogen-containing chlorofluoroalkane、HCFC)などの代替発泡剤の利用をもたらした。しかしながら、HCFCは、依然としていくらかの塩素を含有しており、したがってオゾン層破壊係数(ozone depletion potential、「ODP」)を有すると言われている。
【0007】
別の種類の発泡剤であるヒドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbon、HFC)は、ゼロODP及びより低い(しかし依然として潜在的に有意な)地球温暖化係数(global warming potential、GWP)などの望ましい改善を提供する、よりオゾンに優しい選択肢として使用されてきた。しかしながら、これらの化合物は高価であり、ポリスチレンへの溶解性が低い傾向があり、依然としてかなりのGWPを有し得る。例えば、HFC-134aは、1430のGWPを有する。
【0008】
フッ化アルケンの一種であるヒドロフルオロオレフィン(hydrofluoroolefin、HFO)発泡剤は、従来のハロゲン化発泡剤よりも環境に優しいと考えられている。例えば、HFOは、従来のフルオロカーボン及びヒドロフルオロカーボン発泡剤と比較して、ODP及びGWPが低下していると考えられる。しかしながら、これらの化合物は、高価である傾向があり、望ましい物理的特性を有するポリマー発泡体製品を製造するのに必要なこれらの化合物の量を最小限に抑える必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
一般的な本発明の概念は、発泡したポリマー絶縁製品であって、第1の主な表面及び第2の主な表面を有するポリマー発泡体と、第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に形成されたバリアコーティングと、を含む、発泡したポリマー絶縁製品に関する。ポリマー発泡体は、熱可塑性マトリックスポリマー組成物、及び発泡剤組成物を含む発泡性ポリマー組成物から形成される。バリアコーティングは、ポリ二塩化ビニリデン(polyvinylidene dichloride、PVDC)、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(styrene butadiene、SBR)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーの分散液を含むバリアコーティング組成物から形成される。いくつかの実施形態では、発泡したポリマー絶縁製品は、180日後に少なくとも4.75/インチ又は少なくとも5.0/インチの熱抵抗値(R値)を有する。
【0010】
更に他の実施形態では、発泡性ポリマー組成物は、a)85重量%~95重量%の熱可塑性マトリックスポリマー組成物と、b)5.0重量%~10重量%の発泡剤組成物と、c)ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーから選択される少なくとも1つのポリマーと、を含む。
【0011】
ポリマー発泡体を製造する方法であって、a)マトリックスポリマー溶融物を押出機に提供することと、b)押出機内のマトリックスポリマー溶融物に発泡剤組成物を注入して、発泡性ポリマー組成物を形成することと、d)発泡性ポリマー組成物を押出して、第1の主な表面及び第2の主な表面を有するポリマー発泡体を形成することと、e)ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つに、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーの分散液を含むバリアコーティング組成物を塗布することであって、バリアコーティング組成物が、ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上にバリアコーティングを形成し、それによって、コーティングされたポリマー発泡体を形成する、塗布することと、を含む、方法。
【0012】
いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物は、グラフェン、ナノクレイ、無機層状粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの膜形成添加剤を更に含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、発泡剤組成物は、フッ素化アルケンを含む。いくつかの実施形態では、発泡剤は、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、フルオロエタン(HFC-161)、フルオロメタン(HFC-41)、HFO-1234ze-E、HFO-1336mzz-Z、HFO-1336mzz-E、HCFO-1233zd-E、HFC-365mfc、ギ酸メチル、メチラール、二酸化炭素、1つ以上の炭化水素、又はこれらの組み合わせを含む。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、発泡性ポリマー組成物のマトリックスポリマーは、アルケニル芳香族ポリマー、スチレンポリマー、スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0015】
複数の実施形態では、バリアコーティングは、ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面の上に形成される。いくつかの実施形態では、バリアコーティングは、ポリマー発泡体の少なくとも1つのより小さな表面の上に直接形成される。
【0016】
複数の実施形態では、本方法は、バリアコーティング組成物を塗布することを更に含み、バリアコーティング組成物を塗布することが、ローラーを使用して、ブラシを使用して、バリアコーティングを塗布すること、又はバリアコーティング組成物を第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に噴霧することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、押出機内のマトリックスポリマー溶融物に、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む少なくとも1つのポリマーを注入することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、バリアコーティングは、ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上の第1のバリアコーティングであり、本方法は、第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つに第2のコーティング組成物を塗布することを更に含み、第2のコーティング組成物は、ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つの上に第2のコーティングを形成する。複数の実施形態では、第2のコーティング組成物は、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む少なくとも1つのポリマーの分散液を含む。いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物及び第2のコーティング組成物は、同じポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物は、第1のポリマーを含み、第2のコーティング組成物は、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、ポリマー発泡体の第1の主な表面及び第2の主な表面のうちの少なくとも1つに、ポリウレタンの分散液を含むコーティング組成物を塗布することを更に含む。複数の実施形態では、ポリウレタンの分散液は、バリアコーティング組成物の上部に塗布される。いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物は、ポリビニルアルコール又はエチレンビニルアルコールの分散液を含む。
【0020】
一般的な本発明の概念の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明を考慮することによって、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
例示的な実施形態は、以下に提供され、かつ添付の図面に示される特定の例示的な実施形態のより具体的な説明から明らかになるであろう。
図1】本明細書に示され、かつ記載される1つ以上の実施形態による方法を実施するのに有用な例示的な押出装置の概略図である。
図2】実施例1による様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図3】実施例2による押出装置に注入された様々な濃度のバリアコーティング組成物について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図4】実施例3によるコーティングAを有する様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図5】実施例3によるコーティングBを有する様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図6】実施例4による様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図7】実施例4による様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図8】実施例5による様々なバリアコーティング構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図9】実施例6による様々なPVDCコート重量構成について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図10】実施例7による様々な試料について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
図11】実施例7による0.50重量%のイソブタン及び様々なバリアコーティング構成を含む様々な試料について、時間(x軸)の関数としてのk係数(y軸)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、実施形態が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料が、種々の実施形態の実施又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料が本明細書に記載される。公開された若しくは対応する米国若しくは外国の特許出願、発行された米国若しくは外国の特許、又は任意の他の参考文献を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、それぞれ、引用された参考文献に提示される全てのデータ、表、図、及びテキストを含む、それらの全体が参照により組み込まれる。図面において、線、層、及び領域の厚さは、明確にするために誇張されることがある。図面全体にわたって見られる同様の番号は同様の要素を示すことに留意されたい。「組成物」及び「本発明の組成物」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。
【0023】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。
【0024】
別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、化学的特性及び分子的特性、反応条件などを表す全ての数は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうではないと示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明の例示的な実施形態によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、有効桁数及び通常の丸め手法を考慮して解釈されるべきである。
【0025】
他に示されない限り、任意の要素、特性、特徴、又は要素、特性、及び特徴の組み合わせは、要素、特性、特徴、又は要素、特性、及び特徴の組み合わせが、実施形態で明示的に開示されたかどうかにかかわらず、本明細書に開示される任意の実施形態で使用され得る。本明細書で説明される任意の特定の態様に関連して説明される特徴は、その特徴がその態様と互換性があるという条件で、本明細書で説明される他の態様に適用可能であり得ることが容易に理解されるであろう。特に、方法に関連して本明細書に記載される特徴は、絶縁製品に適用可能であってもよく、逆もまた同様である。方法に関連して本明細書に記載される特徴は、発泡性ポリマー組成物に適用可能であってもよく、逆もまた同様である。絶縁製品に関連して本明細書に記載される特徴は、発泡性ポリマー組成物に適用可能であってもよく、逆もまた同様である。
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入る全てのより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「発泡剤」という用語は、物理的発泡剤(例えば、溶解した気体状薬剤)又は化学的発泡剤(例えば、分解によって発生した気体)を含むと理解される。発泡剤は、一般に、例えば押出機内で、適切な条件下で溶融ポリマーに添加されて、発泡を開始し、発泡した熱可塑性物質を生成する。発泡剤は、樹脂を膨張させ、セル(例えば、開放した孔又は閉じた孔)を形成する。樹脂が固化又は硬化するにつれて、セル内に閉じ込められた発泡剤又はセル内の発泡剤を置き換える周囲空気のいずれかによって発泡体が生成される。本明細書で論じられる発泡剤は、当業者によって認識されるように、環境的に許容される発泡剤(例えば、それらは一般に環境に安全である)であることが好ましい。
【0028】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、発泡剤又は他の組成物の構成成分又は成分の値は、組成物中の各成分の重量パーセント又は重量%で表される。
【0029】
本開示に関連する場合、「閉じたセル」は、複数の気泡を有し、その少なくとも95%が閉じているポリマー発泡体を指す。しかしながら、本出願において、セルは、「開放セル」又は閉じたセルであってもよい(すなわち、本明細書に開示される特定の実施形態は、「開放セル」ポリマー発泡体構造を示し得る)。
【0030】
本開示は、発泡性ポリマー材料、発泡剤組成物、及び発泡剤組成物の拡散速度を停止又は遅らせるバリアコーティング又はバリア添加剤を含有する組成物から形成されるポリマー発泡体及びポリマー発泡体製品、例えば押出又は膨張したポリスチレン発泡体に関し、それによって、より少ない量の発泡剤組成物を添加して、得られる発泡体の同等の物理的特性を達成すること、又は発泡剤組成物の量を維持して、得られる発泡体の改善された絶縁特性を達成することを可能にする。本明細書でより詳細に記載されるように、バリアコーティングは、特定の実施形態に応じて、得られる発泡体製品の少なくとも1つの主な表面の上に提供することができ、かつ/又は発泡性組成物中に組み込むことができる。
【0031】
図1は、様々な実施形態による方法を実施するのに有用な従来の押出装置100を示す。押出装置100は、スクリュー104の周囲にバレル102を備え、スクリュー104の上にスパイラルフライト106が設けられ、スクリュー押出機に導入された材料を圧縮し、それによって加熱するように構成された、シングル又はダブル(図示せず)スクリュー押出機を備えていてもよい。図1に示されるように、ポリマー組成物は、ビーズ、顆粒若しくはペレットなどの流動性固体として、又は液体若しくは半液体溶融物として、1つ以上の(図示せず)供給ホッパ108からスクリュー押出機へと運ばれてもよい。
【0032】
基本的なポリマー組成物が、スクリュー押出機を通って進むにつれて、フライト106の間隔が減少していくことで、連続的により小さな空間を画定し、これを通り、ポリマー組成物は、スクリューの回転によって強制的に流される。この減少していく体積は、ポリマー組成物の温度を上昇させてポリマー溶融物を得る(固体出発材料が使用された場合)か、かつ/又はポリマー溶融物の温度を上昇させるように作用する。
【0033】
ポリマー組成物が、スクリュー押出機100を通って進むにつれて、ポリマー組成物に1つ以上の発泡剤及び任意選択的な添加剤を注入するための関連装置110、112を備えるバレル102を通って1つ以上のポートが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物は、以下により詳細に記載されるように、ポートの1つ以上を通って添加され得る。発泡剤がポリマー組成物に導入されると、得られた混合物は、各々の成分がポリマー組成物全体にわたってほぼ均一に分布してポリマー発泡性組成物を得るのに十分なある程度のブレンドに供される。
【0034】
次いで、ポリマー発泡性組成物は、押出ダイ114を通って強制的に流され、ダイを出て低圧力領域(大気圧未満であってもよい)に入り、それによって発泡剤が膨張し、ポリマー発泡体材料を生成することを可能にする。この圧力低下は、押出されたポリマー発泡性組成物が、ダイに設けられた連続的に大きくなる開口部を通って、又はポリマー発泡性組成物に加えられる圧力が低下するような様式にある程度まで制御するための押出ダイの下流に設けられたいくつかの適切な装置(図示せず)を通って進むにつれて、徐々に得られてもよい。ポリマー発泡体材料はまた、コーティング、カレンダー加工、水浸漬、冷却スプレー、又は得られるポリマー発泡体製品の厚さ及び他の特性を制御するための他の操作などの追加の処理に供されてもよい。
【0035】
例示的な実施形態のうちのいずれかでは、バリアコーティング組成物をポリマー発泡体製品に適用してもよい。バリアコーティング組成物は、例えば、様々なコーティング方法のうちのいずれか1つを使用して、ポリマー発泡体製品の1つ以上の主な表面に塗布することができる。例えば、バリアコーティング組成物は、ローラー、ブラシ、スプレーコーティング法、ディップコーティング、スピンコーティング、フローコーティング、カーテンコーティングなどによって塗布することができる。特定の実施形態に応じて、当該技術分野で公知であり使用されている他のコーティング方法を使用してもよい。次いで、バリアコーティング組成物を乾燥させて、ポリマー発泡体製品の表面の上にバリアコーティングを形成する。ポリマー発泡体製品の1つ以上の主な表面に塗布されるものとして記載されているが、バリアコーティング組成物は、これに加えて、又は代替的に、ポリマー発泡体製品の1つ以上のより小さな表面に塗布され得ることが理解されるべきである。例えば、バリアコーティング組成物は、得られるポリマー発泡体製品の上部及び/又は底部表面に加えて、又は代替的に、得られるポリマー発泡体製品の1つ以上の縁部に塗布することができる。バリアコーティングは、ポリマー発泡体製品の1つ以上の表面の上に連続コーティングを形成するように塗布されてもよく、又はバリアコーティングは、1つ以上の表面の上に部分的な不連続コーティングのみを形成してもよい。
【0036】
バリアコーティング組成物は、介在層なしでポリマー発泡体製品の表面に直接塗布されてもよい。バリアコーティング組成物の追加のコーティング層を含む追加のコーティング層を、第1のバリアコーティング組成物層の上に塗布することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、バリアコーティング組成物がポリマー発泡体製品の表面に間接的に塗布される(例えば、バリアコーティング組成物がポリマー発泡体製品の表面の上の層に塗布される)ように、1つ以上の層がバリアコーティング組成物とポリマー発泡体製品の表面との間に塗布され得ることが企図される。
【0037】
例示的な実施形態のいずれかでは、バリアコーティング組成物は、1つ以上のポリマーを含む分散液、溶液、又はエマルションを含んでもよい。ポリマーは、ポリ(塩化ビニリデン)(poly(vinylidene chloride)、PVdC)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVOH)、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)(poly(ethylene-co-vinyl alcohol)、EVOH)、ポリ(フッ化ビニリデン)(poly(vinylidene fluoride)、PVdF)、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(アクリレート)及びコポリマー、ポリアミド(例えば、ナイロン-6)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)、ポリ(エチレン2,5-フランジカルボキシレート)(poly(ethylene 2,5-furandicarboxylate)、PEF)、ポリ(ブチレンサクシネート)(poly(butylene succinate)、PBS)、バイオベースエチレン(bio-based ethylene、Bio-PE)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含んでもよい。コーティングにガスバリア特性を付与することができるものであれば、他のポリマーを組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、バリアコーティング組成物がポリマー発泡性組成物の一部として添加される場合など、ポリマーは、分散液、溶液、又はエマルションの代わりに、固体(例えば、樹脂)形態、又は溶融した(例えば、液体)形態で添加することができる。ポリマーが分散液の形態で添加される場合、分散液は、水性分散液(例えば、ポリマーが水中に分散されている)、又は溶媒系分散液であってもよい。
【0038】
ポリマーは、約25重量%~約62重量%、約35重量%~約60重量%、約40重量%~約58重量%、約45重量%~約56重量%、又はその中に含まれる任意の他の範囲若しくは部分範囲の固形分含有量を含む、組成物の総重量に基づいて約20重量%~約65重量%の固形分含有量を含む分散液又はエマルションとしてバリアコーティング組成物中に含まれ得る。
【0039】
いくつかの態様では、ポリマーはまた、バリアコーティング組成物中に存在する固形分の総量に基づいて、バリアコーティング組成物中に存在するポリマーの量によって特徴付けられ得る。例えば、ポリマーは、バリアコーティング組成物中に存在する固形分の総量に基づいて、例えば、約50重量%~約98重量%、約60重量%~約96重量%、約70重量%~約93重量%、及び約75重量%~約90重量%を含む(その中に含まれる任意の他の端点又は部分範囲を含む)、約40重量%~約100重量%の量で含まれてもよい。
【0040】
任意選択的に、バリアコーティング組成物は、1つ以上の膜形成添加剤を更に含む。膜形成添加剤は、例として、限定されないが、グラフェン、ナノクレイ、又は無機層状粒子を含むことができる。好適な膜形成添加剤としては、例として、限定されないが、セルロースナノ結晶(cellulose nanocrystal、CNC)、オルガノシラン、ペルフルオロアルキルエチルメタクリレート(perfluoroalkyl ethyl methacrylate、PPFEMA)、オルモサー(ormocer)、バイオワックス/ワックス、ナノクレイ/クレイ、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム膜(Al)、グラフェン/酸化グラフェン、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)、セレン化ニオブ(NbSe)、六方晶窒化ホウ素(hexagonal boron nitride、hBN)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。フィルム形成添加剤は、バリアコーティング組成物がポリマー発泡体製品の表面の上に連続フィルムを形成するのを助け、バリアコーティングのバリア特性に寄与し得る。フィルム形成添加剤は、含まれる場合、組成物中に存在する固形分の総量に基づいて、バリアコーティング組成物の0.5重量%~25重量%、1重量%~20重量%、又は5重量%~15重量%を含む、0.1重量%~50重量%の量でバリアコーティング組成物中に含まれ得る。
【0041】
任意選択的に、バリアコーティング組成物は、グラフェン、ナノクレイ、マイカ、タルク、及びアルミニウムフレークを含む無機層状粒子、又はこれらの組み合わせなどの血小板型添加剤などの1つ以上の充填剤を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上の充填剤は、組成物中に存在する固形分の総量に基づいて、バリアコーティング組成物の少なくとも0.25重量%で含まれ得る。1つ以上の充填剤は、組成物中に存在する固形分の総量に基づいて、バリアコーティング組成物の約1重量%~約35重量%、約5重量%~約30重量%、及び約10重量%~約25重量%(それらの間の任意の端点及び部分範囲を含む)を含む、約0.5重量%~約50重量%で含まれ得る。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態では、アスファルト組成物は、屋根ふき用途のためにアスファルト組成物に従来から添加されている様々な油、難燃性材料、及び他の化合物を更に含む。バリアコーティング組成物は、任意選択的に、レオロジー調整剤、UV吸収剤/安定剤、難燃剤、顔料、又は湿潤性を提供するための添加剤などの1つ以上の他の添加剤を更に含んでもよい。他の添加剤も企図され、可能である。任意のこのような添加剤の量は、特定の実施形態に応じて変化してもよく、一般に、組成物中に存在する総固形分に基づいて、バリアコーティング組成物の0.2重量%~25重量%、0.5重量%~20重量%、0.7重量%~18重量%、1重量%~15重量%、2重量%~12重量%、2.5重量%~10重量%、又は5重量%~8重量%(それらの間の任意の端点及び部分範囲を含む)を含む、0.1重量%~30重量%であり得る。
【0043】
ポリマー、任意の膜形成添加剤、及び任意の他の添加剤は、水及び/又は溶媒中に分散され、ブレンドされてバリアコーティング組成物を形成することができる。上述のように、バリアコーティング組成物は、ポリマー発泡体製品の少なくとも1つの主な表面に塗布され、乾燥されて、表面の上にバリアコーティングを形成する。いくつかの例示的な実施形態では、バリアコーティングは、バリアコーティングとポリマー発泡体製品の表面との間に接着剤、プライマー、又は他の層を使用することなく、ポリマー発泡体製品の表面の上に直接形成される。したがって、本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、ポリマー発泡体製品は、バリアコーティング組成物の前に発泡体製品に塗布されるいかなるポリアミドプライマーコーティングも含まない。
【0044】
上述のコーティング層の代わりに、又はそれに加えて、バリアコーティング組成物は、ポートなどを通して押出機に注入され、発泡性組成物に直接組み込まれてもよい。
【0045】
発泡性ポリマー組成物は、最終製品に強度、可撓性、靭性、及び耐久性を提供する。発泡性ポリマー組成物は特に限定されず、一般に、発泡することができる任意のポリマーを、樹脂混合物中の発泡性ポリマー(本明細書では「マトリックスポリマー」と称される)として使用することができる。マトリックスポリマーは、熱可塑性又は熱硬化性であってもよい。特定のポリマー組成物は、十分な機械的強度及び/又は最終の発泡したポリマー製品を形成するために利用されるプロセスを提供するように選択されてもよい。加えて、マトリックスポリマーは、好ましくは化学的に安定であり、すなわち、ポリマー発泡体の形成及びその後の使用の間に予想される温度範囲内で一般に非反応性である。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」という用語、並びにホモポリマー、コポリマー、及び/又はターポリマーの組み合わせの総称である。本明細書においてマトリックスポリマーとして使用するのに好適な発泡性ポリマーの非限定的な例としては、アルケニル芳香族ポリマー、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、塩素化ポリ塩化ビニル(chlorinated polyvinyl chloride、「CPVC」)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイソシアヌレート、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレンアクリロニトリル(styrene acrylonitrile、「SAN」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル/スチレン/アクリロニトリルブロックターポリマー(acrylic/styrene/acrylonitrile block terpolymer、「ASA」)、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリアクリル酸エステル、エチレンとプロピレンのコポリマー、スチレンとブタジエンのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンのコポリマー、ゴム変性ポリマー、熱可塑性ポリマーブレンド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態では、発泡性マトリックスポリマーは、アルケニル芳香族ポリマー材料である。好適なアルケニル芳香族ポリマー材料としては、アルケニル芳香族ホモポリマー、並びにアルケニル芳香族化合物と共重合可能なエチレン性不飽和コモノマーとのコポリマーが挙げられる。加えて、アルケニル芳香族ポリマー材料は、少量の非アルケニル芳香族ポリマーを含んでいてもよい。アルケニル芳香族ポリマー材料は、1つ以上のアルケニル芳香族ホモポリマー、1つ以上のアルケニル芳香族コポリマー、アルケニル芳香族ホモポリマー及びコポリマーのそれぞれの1つ以上のブレンド、又はそれらと非アルケニル芳香族ポリマーとのブレンドから形成され得る。
【0048】
アルケニル芳香族ポリマーの例としては、限定されないが、スチレン、アルファ-メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルベンゼン、ビニルトルエン、クロロスチレン、及びブロモスチレンなどのアルケニル芳香族化合物に由来するアルケニル芳香族ポリマーが挙げられる。少なくとも1つの実施形態では、アルケニル芳香族ポリマーは、ポリスチレンである。
【0049】
いくつかの実施形態では、少量のモノエチレン性不飽和モノマー、例えば、C~Cアルキル酸及びエステル、アイオノマー誘導体、並びにC~Cジエンが、アルケニル芳香族モノマーと共重合され、アルケニル芳香族ポリマーを形成し得る。共重合性モノマーの非限定的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル及びブタジエンが挙げられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、マトリックスポリマーは、ポリスチレンから実質的に形成されてもよく(例えば、95%を超える)、特定の例示的な実施形態では、完全にポリスチレンから形成されてもよい。マトリックスポリマーは、約60重量%~約99重量%の量で、約60重量%~約96重量%の量で、約70重量%~約95重量%の量で、又は約85重量%~約94重量%の量で発泡性ポリマー組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、マトリックスポリマーは、約90重量%~約99重量%の量で存在してもよい。本明細書で使用される場合、「重量%(% by weight)」及び「重量%(wt.%)」という用語は、互換的に使用され、乾燥成分の総重量の100%に基づくパーセンテージを示すことを意味する。
【0051】
本明細書に記載されるように、例示的な実施形態のいずれかでは、本明細書に記載されるバリアコーティング組成物は、発泡性ポリマー組成物中に組み込まれ得る。例えば、ポリマー発泡体製品の少なくとも1つの表面の上にコーティングとしてバリアコーティング組成物を塗布する代わりに、バリアコーティング組成物をスクリュー押出機100に注入することができる。バリアコーティング組成物のポリマーが樹脂である実施形態では、ポリマーは、ペレット形態で供給ホッパ108に導入されてもよい。押出機に注入される場合、バリアコーティング組成物の特定の特性は、ポリマー発泡体製品の表面の上にコーティングすることが意図されるバリアコーティング組成物の特性とは異なっていてもよく、特性としては、コーティング組成物の粘度及びバリアコーティング組成物の固形分充填量が挙げられるが、これらに限定されないことが理解されるべきである。
【0052】
上に示されるように、ポリマー発泡体は、発泡剤組成物を含有する組成物から形成される。本発明の一態様によれば、発泡剤組成物は、CO、フッ素化発泡剤、例えば、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、ヒドロブロモフルオロオレフィン、ヒドロフルオロケトン、ヒドロクロロオレフィン、及びフルオロヨードカーボン、アルキルエステル、例えばギ酸メチル、エタノール、水、炭化水素、又はこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。他の例示的な実施形態では、発泡剤は、CO、エタノール、HFO、HCFO、HFC、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む。
【0053】
例示的な実施形態のいずれかでは、発泡剤組成物は、例えば、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)及びヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)を含むフッ素化アルケンなどの低い地球温暖化係数(「GWP」)を有する材料を含んでもよい。本発明の発泡剤組成物中のヒドロフルオロオレフィン発泡剤としては、例えば、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf);2,3,3-トリフルオロプロペン;(シス及び/又はトランス)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、特にトランス異性体;1,1,3,3-テトラフルオロプロペン;2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf);(シス及び/又はトランス)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye);1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc);1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc);ヘキサフルオロプロペン(HFO-1216);2-フルオロプロペン、1-フルオロプロペン;1,1-ジフルオロプロペン;3,3-ジフルオロプロペン;4,4,4-トリフルオロ-1-ブテン;2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;オクタフルオロ-2-ペンテン(HFO-1438);1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-メチル-1-プロペン;オクタフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン;1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz);1,2-ジフルオロエテン(HFO-1132);1,1,1,2,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン;3-フルオロプロペン、2,3-ジフルオロプロペン;1,1,3-トリフルオロプロペン;1,3,3-トリフルオロプロペン;1,1,2-トリフルオロプロペン;1-フルオロブテン;2-フルオロブテン;2-フルオロ-2-ブテン;1,1-ジフルオロ-1-ブテン;3,3-ジフルオロ-1-ブテン;3,4,4-トリフルオロ-1-ブテン;2,3,3-トリフルオロ-1-ブテン;1,1,3,3-テトラフルオロ-1-ブテン;1,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;4,4-ジフルオロ-1-ブテン;1,1,1-トリフルオロ-2-ブテン;2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン;1,1,1,2-テトラフルオロ-2ブテン;1,1,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;2,3,3,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテン;1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン;及び1,3,3,3-テトラフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-プロペンが挙げられ得る。いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤又は共発泡剤は、HFO-1234ze及び/又はHFO-1336mzzを含む。
【0054】
いくつかの例示的な実施形態では、フッ素化アルケン発泡剤としては、例えば、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)(そのシス(HFO-1336mzz-Z)及び/又はトランス(HFO-1336mzz-E)異性体を含む);並びに(シス及び/又はトランス)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、特にトランス異性体が挙げられる。HFO-1336mzz-Zは、2のGWP及び0のオゾン破壊係数(ozone depletion potential、ODP)を有する。HFO-1336mzz-Zは、商品名Opteon(商標)1100で市販されている。同様に、HFO-1234zeは、1未満のGWP及び0のODPを有する。いくつかの例示的な実施形態では、低GWPフッ素化アルケンは、50未満、例えば30未満、25未満、15未満、10未満、5未満、2.5未満、又は1未満のGWPを有する。例示的な実施形態のいずれかでは、発泡剤は、HFO-1336mzz-Zを含んでもよく、追加のフッ素化アルケンを実質的に含まない。
【0055】
フッ素化アルケンは、含まれる場合、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも18重量%、少なくとも20重量%、少なくとも23重量%、少なくとも25重量%、少なくとも27重量%、及び少なくとも30重量%を含む、少なくとも5重量%で発泡剤組成物中に存在する。例示的な実施形態のいずれかでは、フッ素化アルケンは、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、52重量%以下、50重量%以下、47重量%以下、45重量%以下、42重量%以下、40重量%以下、37重量%以下、35重量%以下、32重量%以下、30重量%以下、及び25重量%以下の量を含む、98重量%以下の量で発泡剤組成物中に存在する。例示的な実施形態のいずれかでは、フッ素化アルケンは、例えば、5重量%~85重量%、5重量%~75重量%、5重量%~55重量%、10重量%~50重量%、12重量%~45重量%、及び15重量%~40重量%(これらの間の全ての端点及び部分範囲を含む)を含む、5重量%~98重量%の量で発泡剤組成物中に存在し得る。
【0056】
あるいは、フッ素化アルケンの量は、発泡性ポリマー組成物中に存在する量によって特徴付けられてもよい。したがって、このように特徴付けられる場合、フッ素化アルケンは、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.2重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.3重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも2.7重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも3.7重量%、少なくとも3.9重量%、及び少なくとも4.0重量%を含む、少なくとも0.3重量%で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。例示的な実施形態のいずれかでは、フッ素化アルケンは、8.0重量%以下、6.0重量%以下、4.5重量%以下、4.0重量%以下、3.8重量%以下、3.5重量%以下、3.2重量%以下、3.0重量%以下、2.8重量%以下、2.5重量%以下、2.3重量%以下、及び2.0重量%以下の量を含む、10.0重量%以下の量で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。
【0057】
あるいは、フッ素化アルケンの量は、マトリックスポリマー100グラム当たりのモル量によって特徴付けられてもよい。したがって、このように特徴付けられる場合、フッ素化アルケンは、マトリックスポリマー100グラム当たり0.1モル未満の(0.05モル以下、0.03モル以下、0.02モル以下、0.018モル以下、及び0.01モル以下を含む)量で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。例示的な実施形態のいずれかでは、フッ素化アルケンは、マトリックスポリマー100グラム当たり0.001モル~0.025モル、0.005モル~0.02モル、及び0.01モル~0.015モル(これらの間の全ての端点及び部分範囲を含む)を含む、マトリックスポリマー100グラム当たり0.0005モル~0.1モル未満の量で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。
【0058】
様々な実施形態では、発泡剤組成物は、炭化水素、ヒドロフルオロカーボン(「HFC」)、ヒドロクロロフルオロカーボン(「HCFO」)、二酸化炭素、ギ酸メチル、メチラール、及び水からなる群から選択される1つ以上の発泡剤又は共発泡剤を任意選択的に含んでもよい。
【0059】
いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤は、1つ以上の炭化水素を含んでもよい。好適な炭化水素としては、限定されないが、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブアタン(isobuatane)、及びネオペンタンなどのC1~C6脂肪族炭化水素、並びにメタノール、エタノール、n-プロパノール、及びイソプロピルアルコールなどのC1~C3脂肪族アルコールが挙げられる。
【0060】
いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤は、1つ以上のヒドロフルオロカーボンを含んでもよい。利用される具体的なヒドロフルオロカーボンは特に限定されない。好適な発泡性HFC発泡剤の例の非網羅的なリストとしては、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、ジフルオロメタン(HFC-32)、1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HF0-1234ze)、ペンタフルオロ-エタン(HFC-125)、フルオロエタン(HFC-161)、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ca)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-245ca)、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245ea)、1,1,1,2,3ペンタフルオロプロパン(HFC-245eb)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン(HFC-356mff)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤は、HFC-152aを含む。例示的なHFC発泡剤又はそのブレンドは、商品名FORMACEL(商標)で市販されており、限定されないが、FORMACEL(商標)B及びFORMACEL(商標)Z6を含む。
【0061】
例示的な発泡剤組成物は、発泡剤組成物の総重量に基づいて、15重量%~60重量%のHFO-1336mzz及びHFO-1234ze又はそれらの混合物から選択されるフッ素化アルケンと、40重量%~85重量%のHFC-152aと、任意選択的に二酸化炭素とを含む(それらの間の全ての端点及び部分範囲を含む)。別の言い方をすれば、例示的な発泡剤組成物は、発泡性ポリマー組成物の総重量に基づいて、2.5重量%~4.0重量%のHFO-1336mzzと、4.2重量%~4.9重量%のHFC-152aと、任意選択的に二酸化炭素とを含む組成物を含め、発泡性ポリマー組成物の総重量に基づいて、2.0重量%~4.5重量%のHFO-1336mzzと、3.5重量%~5.0重量%のHFC-152aと、任意選択的に二酸化炭素とを含んでもよい。更なる例示的な発泡剤組成物は、発泡性ポリマー組成物の総重量に基づいて、3.5重量%~4.5重量%のHFO-1234zeと、3.0重量%~3.9重量%のHFC-152aと、任意選択的に二酸化炭素を含む組成物を含め、発泡性ポリマー組成物の総重量に基づいて、3.0重量%~5.0重量%のHFO-1234zeと、2.5重量%~4.5重量%のHFC-152aと、任意選択的に二酸化炭素を含んでもよい。
【0062】
発泡剤はまた、1つ以上のヒドロクロロフルオロオレフィン(hydrochlorofluoroolefin、HCFO)、例えば、HCFO-1233;1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124);1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b);1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a);1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134);1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b);1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc);1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea);トンクロロフルオロメタン(tnchlorofluoromethane)(CFC-11);ジクロロジフルオロメタン(CFC-12);及びジクロロフルオロメタン(HCFC-22)を含み得る。
【0063】
「HCFO-1233」という用語は、全てのトリフルオロモノクロロプロペンを指すために本明細書で使用される。トリフルオロモノクロロプロペンには、シス及びトランス-1,1,1-トリフルオ-3,クロロプロペン(HCFO-1233zd又は1233zd)の両方が含まれる。「HCFO-1233zd」又は「1233zd」という用語は、本明細書では、それがシス形態又はトランス形態であるかどうかとは無関係に、1,1,1-トリフルオロ-3-クロロ-プロペンを指すために総称的に使用される。「シスHCFO-1233zd」及び「トランスHCFO-1233zd」という用語は、本明細書では、それぞれ1,1,1-トリフルオロ,3-クロロプロペンのシス形態及びトランス形態又はトランス異性体を記載するために使用される。
【0064】
いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤組成物は、炭化水素及び二酸化炭素などの2つ以上の発泡剤を含む。他の例示的な実施形態では、発泡剤配合物は、二酸化炭素及び/又は水を含まなくてもよい。様々な例示的な実施形態では、発泡剤組成物は、ヒドロフルオロカーボンを含まない。
【0065】
いくつかの実施形態では、発泡剤は、CO、任意選択的に、1つ以上の共発泡剤(例えば、炭化水素、HFO、及び/又はHFC)、及び任意選択的に、1つ以上の可溶化剤(例えば、ギ酸メチル、エタノール、イソブタン、プロピレンカーボネートなど)を含む。いくつかのそのような実施形態では、COは、発泡剤組成物の総重量に基づいて、25重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は更に98重量%以上の量で存在し得る。例示的な発泡剤組成物は、50重量%~99重量%のCO及び1重量%~20重量%の1つ以上の炭化水素、例えばイソブタン、65重量%~98重量%のCO及び2.0重量%~15重量%の1つ以上の炭化水素、並びに80重量%~96重量%のCO及び3重量%~12重量%の1つ以上の炭化水素を含む。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態では、発泡剤は、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも17重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも28重量%、少なくとも30重量%、少なくとも33重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも43重量%、少なくとも45重量%、少なくとも47重量%、及び少なくとも50重量%を含む、少なくとも0.1重量%で発泡剤組成物中に存在する。発泡剤組成物中に存在する発泡剤の量は、特定の実施形態に応じて変えることができる。例えば、二酸化炭素又は水などの発泡剤は、ポリスチレンへの溶解度が低いため、少量含まれてもよいが、ポリスチレンへの溶解度が改善された発泡剤は、より多くの量(例えば、少なくとも15重量%)含まれてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、二酸化炭素などの発泡剤は、ポリスチレンへの発泡剤の溶解度を増加させるために、可溶化剤と共に提供されてもよい。例示的な実施形態のいずれかでは、発泡剤は、70重量%以下、67重量%以下、65重量%以下、及び62重量%以下の量を含む、75重量%以下の量で発泡剤中に存在する。例示的な実施形態のいずれでは、発泡剤は、例えば、1重量%~75重量%、5重量%~75重量%、10重量%~75重量%、25重量%~75重量%、30重量%~70重量%、32重量%~67重量%、及び36重量%~63重量%を含む、0.1重量%~75重量%の量で発泡剤組成物中に存在し得る。
【0067】
発泡性ポリマー組成物中に存在するその重量%によって発泡剤を特徴付ける場合、発泡剤は、少なくとも3.2重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも3.7重量%、及び少なくとも3.9重量%を含む、少なくとも3.0重量%で存在する。例示的な実施形態のいずれかでは、発泡剤は、9.0重量%以下、8.5重量%以下、8.0重量%以下、7.8重量%以下、7.5重量%以下、7.2重量%以下、7.0重量%以下、6.8重量%以下、6.5重量%以下、6.3重量%以下、6.0重量%以下、5.5重量%以下、5.0重量%以下、4.8重量%以下、4.5重量%以下、4.2重量%以下、4.0重量%以下、及び3.9重量%以下の量を含む、10.0重量%以下の量で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。
【0068】
あるいは、発泡剤の量は、マトリックスポリマー100グラム当たりのモル量によって特徴付けられてもよい。したがって、このように特徴付けられる場合、第1の発泡剤は、マトリックスポリマー100グラム当たり0.01モル~0.09モル、0.03モル~0.08モル、及び0.04モル~0.075モルを含む、マトリックスポリマー100グラム当たり0.001モル~0.1モル未満の量で発泡性ポリマー組成物中に存在し得る。
【0069】
バリアコーティング組成物がスクリューフィーダに注入されるか、又は他の方法で発泡性ポリマー混合物に組み込まれる実施形態では、バリアコーティング組成物に含まれる水が、発泡剤の量、したがって発泡剤の発泡力を付け加えることを理解すべきである。
【0070】
驚くべきことに、本明細書に記載されるバリアコーティング組成物の使用により、発泡性ポリマー混合物に組み込まれる使用する発泡剤の量を低下させることができ、バリアコーティングを有さない他の点では同一の発泡体製品と比較して、改善された断熱値を有する発泡体製品を得ることができることが発見された。例えば、発泡剤組成物(すなわち、全ての発泡剤の総量)は、典型的には、発泡性ポリマー混合物の総重量に基づいて、約6.0重量%~12.0重量%の量で、より具体的には7.8重量%~8.0重量%の量で発泡性混合物中に存在する。しかしながら、いくつかの例示的な実施形態では、発泡性ポリマー混合物中に存在する総発泡剤組成物は、7.6重量%未満、例えば、約1重量%~約6.8重量%、いくつかの実施形態では、約2重量%~約6.65重量%、又は約2.5重量%~約6.4重量%(発泡剤組成物を除く発泡性組成物の総重量に基づく)の量まで低下され得る。いくつかの例示的な実施形態では、総発泡剤組成物は、発泡剤組成物を除く発泡性組成物の総重量に基づいて、約2.8~約4.2重量%を含む、約2.6~約4.5重量%の量で存在する。
【0071】
赤外線減衰剤、加工助剤、核生成剤、可塑剤、顔料、エラストマー、押出助剤、酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤、殺生物剤、殺シロアリ剤、界面活性剤、着色剤、油、ワックス、難燃相乗剤、及び/又はUV吸収剤/安定剤などの任意選択的な添加剤を発泡性組成物に組み込むことができる。これらの任意の添加剤は、発泡性ゲル又は得られる押出された発泡体製品の所望の特徴を得るのに必要な量で含まれてもよい。添加剤は、発泡性組成物に添加されてもよく、又はポリマーを作製するために使用される重合プロセスの前、最中、若しくは後に、発泡性組成物に組み込まれてもよい。
【0072】
上述したように、発泡性組成物は、得られる発泡体製品のR値を増加させるために、少なくとも1つの赤外線減衰剤(infrared attenuating agent、IAA)を更に含有してもよい。本組成物での使用に好適な赤外線減衰剤の非限定的な例としては、ナノグラファイトを含むグラファイト、カーボンブラック、粉末非晶質炭素、アスファルト、粒状アスファルト、粉砕ガラス、タルク、ガラス繊維ストランド、マイカ、黒色酸化鉄、金属フレーク(例えば、アルミニウムフレーク)、カーボンナノチューブ、血小板型ナノグラフェン、カーボンナノファイバー、活性炭、二酸化チタン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、赤外線減衰剤は、発泡性組成物中に、全組成物の0~5.0重量%の量で存在する。他の実施形態では、赤外線減衰剤は、0.05~3.0重量%、0.08~2.0重量%、又は0.1~1.0重量%の量で存在してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、赤外線減衰剤は、0.5重量%以下の量で組成物中に存在する。
【0073】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、赤外線減衰剤は、ナノグラファイトである。ナノグラファイトは、酸処理された天然グラファイトからの炉高温膨張、又は水分飽和天然グラファイトからのマイクロ波加熱膨張によって多層化することができる。加えて、ナノグラファイトは、100nm未満の厚さを有する少なくとも1つの寸法を有する多層ナノグラファイトであってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、グラファイトは、ナノグラファイト粒子を粉砕するためのエアジェットミリングなどによって機械的に処理されてもよい。粒子の粉砕は、ナノグラファイトフレーク及び粒子の他の寸法が150ミクロン未満であることを確実にする。
【0074】
ナノグラファイトは、化学修飾又は表面修飾されていてもよく、又はされていなくてもよく、ナノグラファイトの媒体及び担体の両方として使用されるポリエチレンアクリル酸メチルコポリマー(polyethylene methyl acrylate copolymer、EMA)中に配合されてもよい。ナノグラファイトのための他の可能な担体としては、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate、PMMA)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール(PVOH)、及びポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate、PVA)などのポリマー担体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、ナノグラファイトは、発泡体全体にわたって実質的に均一に分布している。本明細書で使用される場合、「実質的に均一に分布している」という語句は、物質(例えば、ナノグラファイト)が発泡体内に均一に分布しているか、又はほぼ均一に分布していることを示すことを意味する。
【0075】
赤外線減衰剤は、HFO及び/又はHFC発泡剤を含む発泡体のR値を増加させるが、赤外線減衰剤の添加はまた、発泡体中のセルのセルサイズを減少させる傾向があり、望ましくない最終の発泡した製品をもたらす。特に、小さいセルサイズは、ボード嵩密度を増加させ、製品コストを増加させ、押出プロセス中のプロセスウィンドウを低下させる傾向がある。しかしながら、驚くべきことに、発泡性組成物中に含まれる赤外線減衰剤の量は、バリアコーティング組成物がポリマー発泡体に、又はその中に塗布される場合に、低減又は排除され得ることが発見された。したがって、例示的な実施形態のいずれかでは、発泡性ポリマー組成物及び得られる発泡体製品は、0.2重量%未満、0.15重量%未満、0.10重量%未満、及び0.05重量%未満を含む、グラファイトなどの0.25重量%未満の赤外線減衰剤を含む。例示的な実施形態のいずれかでは、発泡性ポリマー組成物及び得られるポリマー発泡体は、グラファイトなどの赤外線減衰剤を含まない。そのような実施形態は、核剤(例えば、タルク、粘土、及び/又は炭酸カルシウムなどの無機物質)を発泡性ポリマー組成物に含めて、発泡体セルのサイズを制御することができることを理解されたい。
【0076】
発泡性組成物は、難燃剤を最大5.0重量%以上の量で更に含有してもよい。例えば、押出発泡体製造プロセスにおいて難燃性化学物質を添加して、押出された発泡体製品に難燃剤の特徴を付与することができる。本発明の組成物に使用するのに好適な難燃性化学物質の非限定的な例としては、ヘキサブロモシクロドデカン(hexabromocyclododecane、HBCD)及びペンタブロモシクロヘキサンなどの臭素化脂肪族化合物、臭素化フェニルエーテル、テトラブロモフタル酸のエステル、臭素化ポリマー難燃剤などのハロゲン化ポリマー難燃剤、リン酸化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0077】
発泡剤組成物、バリアコーティング組成物、及び任意選択的な追加の添加剤が発泡性ポリマー組成物中に導入されたら、得られた混合物を、ポリマー組成物全体にわたって添加剤のそれぞれをほぼ均一に分布させるのに十分ないくらかの追加のブレンドに供して、押出又は発泡性組成物を得る。
【0078】
本明細書に開示される発泡性ポリマー組成物は、押出プロセスによって硬質の発泡したポリマー絶縁製品を製造することができる。押出された発泡体は、セル膜及び支柱によって画定されるセルを有するセル構造を有する。支柱は、セル膜の交点に形成され、セル膜は、支柱間の相互接続する細胞窓を覆う。
【0079】
いくつかの例示的な実施形態では、ポリマー絶縁製品は、大気条件で製造された場合に、5pcf未満、3pcf未満、及び2.5pcf未満を含む、10pcf(立方フィート当たりのポンド数)未満の平均密度を有する。しかしながら、ポリマー絶縁製品が高減圧下で製造される場合、密度は、より低くなり得る。例示的な実施形態のいずれかでは、ポリマー絶縁製品は、2.40pcf以下、又は2.25pcf以下、又は2.20pcf以下、又は2.00pcf以下、又は1.60pcf以下の密度を有する。例示的な実施形態のいずれかでは、ポリマー絶縁製品は、1.40pcf~2.25pcf、1.40pcf~2.00pcf、1.40pcf~1.60pcf、1.45pcf~1.55pcf、2.10pcf~2.30pcf、及び2.20pcf~2.28pcfを含む、1.40pcf~2.40pcfの平均密度を有する。
【0080】
「実質的に閉じたセル」という語句は、ポリマー絶縁製品のセル構造中のセルの全て又はほぼ全てが閉じていることを示すことを意味することを理解されたい。例えば、「実質的に閉じたセル」は、セルの30.0%以下が開放セルであり、特に、10.0%以下、又は5.0%以下が開放セルであるか、又は別様に「閉じていない」セルであることを示すことを意味し得る。閉じたセル構造は、形成された発泡した断熱製品のR値を増加させるのに役立つ。しかしながら、開放セル構造を製造することは様々な実施形態の範囲内であるが、そのような開放セル構造は例示的な実施形態ではないことを理解されたい。
【0081】
ポリマー絶縁製品の平均セルサイズは、0.005mm(5ミクロン)~0.6mm(600ミクロン)、いくつかの例示的な実施形態では、0.05mm(50ミクロン)~0.4mm(400ミクロン)、又は0.1mm(100ミクロン)~0.2mm(200ミクロン)の範囲であってもよい。
【0082】
加えて、本明細書に開示される発泡性ポリマー組成物から製造されるポリマー絶縁製品は、4.0/インチより大きな絶縁値(R値)を示し、180日後に少なくとも4.0のR値を維持する。例示的な実施形態のいずれかでは、R値は、5.0/インチより大きく、又は6.0/インチより大きく、又は7.0/インチより大きい。したがって、いくつかの実施形態では、ポリマー絶縁製品は、5.0から7.0又は8.0/インチより大きなR値を含んでもよい。ポリマー絶縁製品は、硬質絶縁ボード、絶縁発泡体、包装製品、建築絶縁材、及び地下絶縁材(例えば、高速道路、空港滑走路、鉄道、及び地下ユーティリティ絶縁材)などの様々な製品を形成するために使用され得る。
【0083】
発泡性ポリマー組成物は、加えて、高い圧縮強度を有する押出された発泡体を製造することができ、圧縮強度は、発泡体材料が軸方向の押す力に耐える発泡体材料の能力を規定する。いくつかの例示的な実施形態では、発泡性ポリマー組成物は、約6~120psiである押出された発泡体の所望の範囲内の圧縮強度を有する。いくつかの例示的な実施形態では、発泡性ポリマー組成物は、20~100psi、30~80psi、及び35~60psiを含む、10~110psiの圧縮強度を有する。様々な例示的な実施形態では、発泡性ポリマー組成物は、40~50psiの圧縮強度を有する。
【0084】
したがって、本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、1つ以上の追加のコーティングがポリマー発泡体製品の表面上に塗布されてもよい。そのような追加のコーティングは、例えば、バリアコーティングの特性を増強するために、又はバリアコーティングを保護するために加えられてもよい。複数の実施形態では、1つ以上の追加のコーティングは、コーティングされたポリマー発泡体製品に疎水性又は耐水性を付与することができる。少なくとも1つの追加のコーティングは、コーティング組成物を表面に塗布し、コーティング組成物を乾燥させ、それによって少なくとも1つの追加のコーティングを形成することによって形成することができることを理解されたい。コーティング組成物は、例えば、分散液(例えば、水性又は溶媒系)、液体などであり得る。
【0085】
上述のように、1つ以上の追加のコーティングは、バリアコーティングが1つ以上の追加のコーティングとポリマー発泡体製品との間に配置されるように、バリアコーティングの上部に塗布されてもよい。他の実施形態では、1つ以上の追加のコーティングは、バリアコーティングとポリマー発泡体製品の表面との間に塗布されてもよい。1つ以上の追加のコーティングは特に限定されず、バリアコーティングと同じであっても異なっていてもよい。複数の実施形態では、バリアコーティングは、コーティングの第1の層であり、少なくとも1つの追加のコーティングは、同じコーティングの第2の層である。複数の実施形態では、バリアコーティングは、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む第1のポリマーを含み、少なくとも1つの追加のコーティングは、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール、ポリウレタン、スチレンブタジエン(SBR)、及びこれらの組み合わせ又はコポリマーを含む異なるポリマーを含む。複数の実施形態では、少なくとも1つの追加のコーティングは、1つ以上のポリウレタン、エポキシ、アクリル、又はこれらの組み合わせを含む。
【0086】
本発明の概念は、一般的に及び様々な例示的な実施形態に関しての両方で上述されている。一般的な本発明の概念を、例示的な実例的な実施形態であると考えられるものについて説明してきたが、当業者に知られている多種多様な代替形態を、一般的な開示内で選択することができる。加えて、以下の実施例は、本発明をよりよく説明することを意味するが、本発明の一般的な発明概念を決して限定するものではない。
【0087】
実施例1
SBRの水性分散液を含むバリアコーティング組成物を、押出されたポリスチレン発泡体試料の1インチ試料の1つ以上の表面にブラシ塗布し、乾燥させてバリアコーティングを形成した。バリアコーティング組成物の塗布位置を以下の表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
図2に示されるように、バリアコーティング組成物で少なくとも上部及び底部がコーティングされた各試料(試料A~C)は、対照試料(比較試料A)及び縁部のみがコーティングされた試料(試料D)と比較して、改善された熱特性(より低いk値及び増加したR値)を示した。
【0090】
実施例2
共回転ツインスクリューシングルスクリュータンデム押出発泡体ラインを使用して、押出されたポリスチレン発泡体試料を調製した。ポリスチレンを押出機内で溶融させ、注入された発泡剤組成物と混合して、均質な発泡性組成物を形成した。発泡性組成物(発泡剤を除く)には、100重量%のポリスチレン、難燃性マスターバッチ、及びグラファイトマスターバッチが含まれ、以下の表2に「固形分」として報告される。SBRの水性分散液(水中に50重量%の固形分)を、様々な濃度で押出機に直接注入した。発泡剤ブレンドは、全ての試料にわたって一定量で含まれていた。次いで、発泡性組成物を押出して、1インチのXPS発泡体試料を生成した。各発泡性組成物を以下の表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
以下の表3は、得られたXPS発泡体試料の特性を列挙したものである。
【0093】
【表3】
【0094】
表3及び図3に示されるように、0.05重量%~0.25重量%の量のSBR分散液を含む生成されたXPS発泡体は、対照(比較試料B)と比較して、改善された絶縁特性(例えば、より低いk値)を示した。加えて、表3に示されるデータは、バリアコーティング組成物が、発泡体特性に悪影響を与えることなく、発泡プロセス中に注入され得ることを示す。例えば、各実施例の圧縮強度及び圧縮弾性率は、対照試料(比較試料B)と比較して、増加した。
【0095】
実施例3
様々な量の2種類のバリアコーティング(エチレンビニルアルコール(EVOH)の水性分散液又はポリビニルアルコール(PVOH)の水性分散液)のうちの1つを、1インチXPS発泡体試料の様々な表面にブラシで塗布した。バリアコーティング組成物の塗布位置を以下の表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
表4及び図4~5に示されるように、EVOH及びPVOHコーティングは両方とも、対照(比較試料C)と比較して、改善されたR値及び低下した180日目のk値によって示されるように、発泡剤の拡散速度を有意に遅くするのに有効であった。試料Rでは、PVOHは、対照(比較試料C)と比較して、発泡体試料のR値を約23%改善した。
【0098】
実施例4
共回転ツインスクリューシングルスクリュータンデム押出発泡体ラインを使用して、押出されたポリスチレン発泡体試料を調製した。ポリスチレンを押出機内で溶融させ、注入された発泡剤組成物と混合して、均質な発泡性組成物を形成した。比較試料E~H及び試料T~Wの発泡性組成物(発泡剤を除く)には、100重量%のポリスチレン及び難燃剤マスターバッチが含まれていた。比較試料D及びI並びに試料X及びY(発泡剤を除く)の発泡性組成物には、100重量%のポリスチレン、難燃剤マスターバッチ、及びグラファイトマスターバッチが含まれていた。発泡剤ブレンドは、全ての試料にわたって一定量で含まれていた。発泡剤ブレンドは、フッ素化アルケン及びHFCを38/62の一定比で含み、発泡剤ブレンドの残りはCOであった。フッ素化アルケン及びHFCの量が低下するにつれて、COの量を増加させて、全発泡剤の一定レベルを維持した。次いで、発泡性組成物を押出して、各々が1.83pcfの密度を有する1インチのXPS発泡体試料を生成した。
【0099】
コーティングされた試料については、PVOH(ポリビニルアルコールの水性分散液)を塗布した。各試料の特性を以下の表5に示す。
【0100】
【表5】
【0101】
図6に示されるように、発泡体組成物からのグラファイトの除去は、k係数の増加をもたらし(比較試料Dと比較した、比較試料E~H)、フッ素化アルケン発泡剤の量が増加すると、増加はより小さくなっている。しかしながら、発泡体上のPVOHコーティングの使用(試料T~W)は、対照(比較試料D)を下回る量までk係数を低下させた。図7に示されるように、PVOHコーティングはまた、グラファイトを含む発泡体(試料X及びY)に対して改善された断熱特性を提供する。
【0102】
特に、図6及び7において、PVOHコーティングと、増加したレベルのフッ素化アルケン発泡剤との組み合わせは、絶縁特性において最大の改善をもたらした。しかしながら、図6及び7は、同じ又は改善された断熱特性を達成するために、より少ない発泡剤を使用することができることを示している。
【0103】
実施例5
以下の表6に示されるように、様々なコーティング及びコーティングの組み合わせを、1インチのXPS発泡体試料に塗布した。PUD 1及びPUD 2は、2種類の異なる市販のポリウレタン分散液である。試料BB及びCCについては、PVOHコーティング系を最初に発泡体表面に塗布し、乾燥させ、次いでPUD 1又はPUD 2をPVOHコーティングの上部に塗布した。
【0104】
【表6】
【0105】
図8に示されるように、PUD 1及びPUD 2が塗布されたコーティング自体(それぞれ、比較試料K及びL)は、発泡体にバリア特性を提供しなかった。しかしながら、塗布されたPVOHコーティングの表面に塗布されると(それぞれ試料BB及びCC)、PVOHコーティングのバリア特性を増強した(試料AA)。理論に束縛されるものではないが、より親水性であり、かつ水分の影響を受けやすい傾向があるPVOH又はEVOHコーティングへのPUD又は疎水性コーティングの塗布は、親水性コーティングを保護し、親水性コーティングの耐性特性を増強し得ると考えられる。
【0106】
実施例6
DIOFAN(登録商標)A050(Solvayから市販されている約58重量%の固形分を含有するPVDC分散液)を、バリアコーティングとして、1インチのXPS発泡体試料の様々な表面に、以下の表7に記載されているような様々なコーティング重量でブラシを用いて塗布した。
【0107】
【表7】
【0108】
表7及び図9に示されるように、発泡剤の拡散速度を有意に遅くするPVDCコーティングの有効性は、対照(比較試料M)と比較して、改善されたR値及び低下した180日目のk値によって示されるように、コーティング重量の増加と共に増加した。
【0109】
実施例7
様々な発泡剤組成物を含む押出されたポリスチレン発泡体を調製し、バリアコーティング組成物を用いてコーティングして、発泡体の熱伝導特性に対するバリアコーティングの効果を評価した。各発泡性組成物を以下の表8に示す。
【0110】
【表8】
【0111】
試料GG~KKには、DIOFAN(登録商標)A050を含むバリアコーティングを、縁部を含む発泡体試料の全ての表面に塗布した。比較試料N~Rは対照試料であり、コーティングは塗布されなかった。試料LLは、主な表面(例えば、上部及び底部)に塗布されたが、縁部には塗布されなかったDIOFAN(登録商標)A050コーティングを有していた。試料MM~OOは、上部及び底部並びにそれぞれ1つの側面、2つの側面、及び3つの側面に塗布されたコーティングを有していた。試料PPは、4つの側面のみに塗布されたコーティングを有していた。コーティング前及びコーティング後の、塗布されたバリアコーティングを有する発泡体試料の重量を表9に示す。
【0112】
【表9】
【0113】
比較試料N~R及び試料GG~PPのそれぞれについて、熱伝導率を、7日目(比較試料N~R及び試料GG~LL)又は8日目(試料MM~PP)(k)、20日目(k20)、28日目(k30)、58日目(比較試料N~Q)又は59日目(比較試料R及び試料GG~PP)(k60)、及び118日目(k120)に測定した。k値(Btu・in/h・ft・°F)を表10に報告する。測定された熱伝導率の回帰に基づいて、180日目の予測R値を計算し、これも表10に報告する。
【0114】
【表10】
【0115】
図10は、1重量%のイソブタン及び0.25重量%のイソブタンの両方を含む発泡剤を含む試料(バリアコーティングあり及びなしの両方)(比較試料N及びQ並びに試料GG及びJJ)について、日単位の時間(x軸)の関数としての測定された熱伝導率(k係数)(y軸)を示す。表10及び図10から分かるだろうが、DIOFAN(登録商標)A050コーティングの塗布は、ポリマー発泡体製品の熱伝導率を低下させるのに有効であり、その結果、ポリマー発泡体製品は、他の点では同一であるがコーティングされていないポリマー発泡体製品と比較して、より長い期間にわたって5以上のR値を有する。特に、この実施例で試験された試料について、R値5は、0.20Btu・in/h・ft・°F以下の熱伝導率で達成される。表10に示されるように、いずれの時点においても、R値5を達成した比較試料は1つもなかった。しかしながら、試料GG~OOの各々は、kにおいてR値5を達成し、試料GG~II及びLL~NNは、k30においてR値5を達成し、試料LLは、k60においてR値5を達成し、これは、比較試料を超える有意な改善である。
【0116】
図11は、0.50重量%のイソブタンを含み、かつその上にバリアコーティングを有する様々な表面を有する試料(比較試料P及び試料LL~PP)について、日単位の時間(x軸)の関数としての測定された熱伝導率(k係数)(y軸)を示す。図11に示されるように、ポリマー発泡体製品の主な表面へのバリアコーティングの塗布は、最大の影響を有するが、縁部のみのコーティングはほとんど影響を有さない。
【0117】
本発明は、特定の手段、材料、及び実施形態を参照しつつ記載されているが、前述の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、上で記載され、添付の特許請求の範囲に示された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な用途及び特徴に適合するように様々な変更及び修正を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】