(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】金属合金、医療機器及び方法
(51)【国際特許分類】
C22C 28/00 20060101AFI20241008BHJP
A61L 27/04 20060101ALI20241008BHJP
A61L 29/02 20060101ALI20241008BHJP
A61L 31/02 20060101ALI20241008BHJP
A61L 27/28 20060101ALI20241008BHJP
A61L 29/08 20060101ALI20241008BHJP
A61L 31/08 20060101ALI20241008BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20241008BHJP
B22F 3/24 20060101ALI20241008BHJP
C22C 1/04 20230101ALI20241008BHJP
C23C 4/10 20160101ALI20241008BHJP
C23C 4/06 20160101ALI20241008BHJP
C22C 27/04 20060101ALN20241008BHJP
C22C 27/06 20060101ALN20241008BHJP
C22C 27/02 20060101ALN20241008BHJP
C22C 9/00 20060101ALN20241008BHJP
C22C 14/00 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
C22C28/00 B
A61L27/04
A61L29/02
A61L31/02
A61L27/28
A61L29/08
A61L31/08
B22F1/00 R
B22F3/24 102Z
C22C1/04 E
C23C4/10
C23C4/06
C22C27/04 101
C22C27/04 102
C22C27/06
C22C27/02 103
C22C9/00
C22C14/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518408
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022039576
(87)【国際公開番号】W WO2023048840
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524035782
【氏名又は名称】ミルス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ロス、ノア
(72)【発明者】
【氏名】エネッティ、ラビ
(72)【発明者】
【氏名】バウマン、ジョーダン
【テーマコード(参考)】
4C081
4K018
4K031
【Fターム(参考)】
4C081AB00
4C081AB01
4C081AC06
4C081AC08
4C081AC09
4C081BA13
4C081BA15
4C081BB07
4C081BB08
4C081CG00
4C081CG01
4C081CG08
4C081DC03
4C081EA06
4C081EA15
4K018AA40
4K018BA20
4K018FA23
4K018KA70
4K031AA08
4K031DA01
4K031DA04
(57)【要約】
強化コーティング材料を含む高融点金属合金。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高融点金属合金であって、
レニウムと、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化剤と、及び/又は、それらの成分の内の1つ以上の合金と、を含み、
前記高融点金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合は、少なくとも98重量%であり、
前記高融点金属合金の外表面の少なくとも一部は、強化コーティング材料を含む、
高融点金属合金。
【請求項2】
前記強化コーティング材料は、同一又は異なるコーティング層組成からなる単層又は多層の材料であり得る、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項3】
前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項4】
前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、
請求項2に記載の高融点金属合金。
【請求項5】
前記強化コーティング材料は、Cr、Ti、Zr及びAlからなる群から選択される1つ以上の元素の窒化物及び/又は酸化物を含む、
請求項1に記載の高融点金属。
【請求項6】
前記強化コーティング材料は、Cr、Ti、Zr及びAlからなる群から選択される1つ以上の元素の窒化物及び/又は酸化物を含む、
請求項2~4のいずれか1項に記載の高融点金属。
【請求項7】
前記強化コーティング材料は、a)40~85重量%のCr、b)5~60重量%のN、c)60~99.99重量%のC、d)20~85重量%のTi、e)35~95重量%のZr、f)0~10重量%のRe、g)0~20重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~40重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項1に記載の高融点金属。
【請求項8】
前記強化コーティング材料は、a)40~85重量%のCr、b)5~60重量%のN、c)60~99.99重量%のC、d)20~85重量%のTi、e)35~95重量%のZr、f)0~10重量%のRe、g)0~20重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~40重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項2~6のいずれか1項に記載の高融点金属。
【請求項9】
前記強化コーティング材料は、a)5~60重量%のN、b)35~95重量%のZr、f)0~8重量%のRe、g)0~1重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~1重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項1に記載の高融点金属。
【請求項10】
前記強化コーティング材料は、a)5~60重量%のN、b)35~95重量%のZr、f)0~8重量%のRe、g)0~1重量%Si、h)0~35重量%のO、及び、i)0~1重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項2~8のいずれか1項に記載の高融点金属。
【請求項11】
前記強化コーティング材料は、第1のコーティング層と第2のコーティング層とを含み、
前記第1の層は、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含み、
第2のコーティング層は、前記第1の層の上面に付与され、
前記第2の層は、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む、
請求項1に記載の高融点金属。
【請求項12】
前記強化コーティング材料は、第1のコーティング層と第2のコーティング層とを含み、
前記第1の層は、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含み、
第2のコーティング層は、前記第1の層の上面に付与され、
前記第2の層は、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む、
請求項2~10のいずれか1項に記載の高融点金属。
【請求項13】
前記強化コーティング材料は、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウムの内の1つ以上(ZrOC)、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む、
請求項1に記載の高融点金属。
【請求項14】
前記強化コーティング材は、(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウムの内の1つ以上(ZrOC)、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む、
請求項2~12のいずれか1項に記載の高融点金属。
【請求項15】
前記強化コーティング材料は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術によって付与される、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項16】
前記強化コーティング材料は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術によって付与される、
請求項2~14のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項17】
前記強化コーティング材料は、金属合金の外観色の変更、コーティング表面の硬度の増加、コーティング表面の靱性の増加、コーティング表面への摩擦の低減、コーティング表面の衝撃摩耗の改善、耐食性及び酸化に対する耐性の改善、非粘着コーティング表面の形成、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の改善、及び、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減からなる群から選択される1つ以上の高融点金属合金の特性の改善に使用される、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項18】
前記強化コーティング材料は、金属合金の外観色の変更、コーティング表面の硬度の増加、コーティング表面の靱性の増加、コーティング表面への摩擦の低減、コーティング表面の衝撃摩耗の改善、耐食性及び酸化に対する耐性の改善、非粘着コーティング表面の形成、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の改善、及び、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減からなる群から選択される1つ以上の高融点金属合金の特性を改善するために使用される、
請求項2~16のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項19】
前記強化コーティング材料は、2ナノメートルから100ミクロンのコーティング厚さを有する、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項20】
前記強化コーティング材料は、2ナノメートルから100ミクロンのコーティング厚さを有する、
請求項2~18のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項21】
前記強化コーティング材料は、5~50GPaの硬度を有する、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項22】
前記強化コーティング材料は、5~50GPaの硬度を有する、
請求項2~20のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項23】
前記強化コーティング材料は、0.04~0.2の摩擦係数(COF)を有する、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項24】
前記強化コーティング材料は、0.04~0.2の摩擦係数(COF)を有する、
請求項2~22のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項25】
前記強化コーティング材料の摩耗率は、0.5×10
-7mm
3/N-m~3×10
-7mm
3/N-mである、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項26】
前記強化コーティング材料の摩耗率は、0.5×10
-7mm
3/N-m~3×10
-7mm
3/N-mである、
請求項2~24のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項27】
前記高融点金属合金は、0.1重量%未満の金属及び不純物を含む、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項28】
前記高融点金属合金は、0.1重量%未満の金属及び不純物を含む、
請求項2~26のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項29】
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金中の微小亀裂を低減するために制御された量の窒素、酸素及び炭素を含み、前記高融点金属合金中の窒素含有量は、前記高融点金属合金中の酸素と炭素の合計含有量よりも少なく、
前記高融点金属合金は、少なくとも約1.2:1の酸素対窒素の原子比率を有し、
前記高融点金属合金は、少なくとも約2:1の炭素対窒素の原子比率を有する、
請求項1に記載の高融点金属合金。
【請求項30】
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金中の微小亀裂を低減するために制御された量の窒素、酸素及び炭素を含み、前記高融点金属合金中の窒素含有量は、前記高融点金属合金中の酸素と炭素の合計含有量よりも少なく、
前記高融点金属合金は、少なくとも約1.2:1の酸素対窒素の原子比率を有し、
前記高融点金属合金は、少なくとも約2:1の炭素対窒素の原子比率を有する、
請求項2~28のいずれか1項に記載の高融点金属合金。
【請求項31】
請求項1に記載の高融点金属合金で少なくとも部分的に形成される医療機器。
【請求項32】
請求項2~30のいずれか1項に記載の高融点金属合金で少なくとも部分的に形成される医療機器。
【請求項33】
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの生物学的エージェントを含む、
請求項31に記載の医療機器。
【請求項34】
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの生物学的エージェントを含む、
請求項32に記載の医療機器。
【請求項35】
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含み、前記少なくとも1つのポリマーは、任意で、少なくとも1つの生物学的エージェントに少なくとも部分的にコーティング、封入又はそれらの組み合わせを施す、
請求項31に記載の医療機器。
【請求項36】
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含み、
前記少なくとも1つのポリマーは、任意で、前記少なくとも1つの生物学的エージェントに少なくとも部分的にコーティング、封入又はそれらの組み合わせを施す、
請求項32~34のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項37】
前記医療機器の外表面上に少なくとも1つの微小構造体をさらに含み、
前記少なくとも1つの微小構造体は、少なくとも部分的、ポリマー、エージェント、又はそれらの組み合わせからなる材料にから形成され、それらを含み、又はそれらの組み合わせである、
請求項31に記載の医療機器。
【請求項38】
前記医療機器の外表面上に少なくとも1つの微小構造体をさらに備え、
前記少なくとも1つの微小構造体は、ポリマー、エージェント又はそれらの組み合わせからなる材料から少なくとも部分的に形成され、前記材料を含み、又は、それらを組み合わせる、
請求項32~36のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項39】
前記医療機器は、高融点金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、
前記拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、
前記拡張可能フレームは、圧縮状態にあるときの前記拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態に完全に拡張されたときの前記拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、
前記拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後の反動が5%未満であり、
前記拡張可能なフレームは、前記圧縮状態から前記拡張状態に拡張された後の反動が5%未満であり、
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°である親水性を有し、
前記高融点金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたとき、1日当たり0.5μg/cm
2以下の前記高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、
前記主成分は、前記高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成し、
前記高融点金属合金は、前記患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内に、前記医療機器の周囲の組織における高融点金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す、
請求項31に記載の医療機器。
【請求項40】
前記医療機器は、高融点金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、
前記拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、
前記拡張可能フレームは、圧縮状態にあるときの前記拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態に完全に拡張されたときの前記拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、
前記拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後の反動が5%未満であり、
前記拡張可能なフレームは、前記圧縮状態から前記拡張状態に拡張された後の反動が5%未満であり、
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°である親水性を有し、
前記高融点金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたとき、1日当たり0.5μg/cm
2以下の前記高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、
前記主成分は、前記高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成し、
前記高融点金属合金は、前記患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内に、前記医療機器の周囲の組織における高融点金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す、
請求項32~38のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項41】
請求項1に記載の高融点金属合金を形成する方法であって、
粉末金属を提供するステップであって、前記粉末金属は、レニウム金属粉末と、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化剤粉末と、を含む、ステップと、
前記粉末金属を圧縮するステップと、
前記圧縮粉末金属を焼結して、前記金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合が少なくとも98重量%である金属合金を形成するステップと、
前記金属合金の外表面を前記強化コーティング材料でコーティングするステップであって、前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、ステップと、
を含み、
前記コーティングするステップは、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術による、
方法。
【請求項42】
請求項2~30のいずれか1項に記載の高融点金属合金を形成する方法であって、
粉末金属を提供するステップであって、前記粉末金属は、レニウム金属粉末と、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化剤粉末と、を含む、ステップと、
前記粉末金属を圧縮するステップと、
前記圧縮粉末金属を焼結して、前記金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合が少なくとも98重量%である金属合金を形成するステップと、
前記金属合金の外表面を前記強化コーティング材料でコーティングするステップであって、前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、ステップと、
を含み、
前記コーティングするステップは、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術による、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本開示は、2022年1月27日に出願された米国特許出願第17/586,270号の一部の継続であり、2021年7月28日に出願された米国仮出願第63/226,270号の優先権を主張し、参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、2022年7月14日に出願された米国仮出願第63/389,281号に対する優先権を主張し、参照により本開示に組み込まれる。
【0003】
本開示は、2022年5月31日に出願された米国仮出願第63/347,337号に対する優先権を主張し、参照により本開示に組み込まれる。
【0004】
本開示は、2021年9月23日に出願された米国仮出願第63/247,540号に対する優先権を主張し、参照により本開示に組み込まれる。
【0005】
本開示は、2022年3月3日に出願された米国仮出願第63/316,077号に対する優先権を主張し、参照により本開示に組み込まれる。
【0006】
(技術分野)
本開示は、概して、高融点金属合金などの高融点金属合金に関するが、これに限定されない、特に高融点金属合金用の保護コーティング、さらにより具体的には、少なくとも部分的に高融点金属合金で形成された医療機器に関する。
【背景技術】
【0007】
ステンレス鋼、コバルト-クロム合金、TiAlV合金は、医療機器に使用される一般的な金属合金の一部である。これらの合金は様々な医療機器の形成に成功しているが、いくつかの欠点がある。
【0008】
本開示は、高融点金属合金、特にレニウムを含む高融点金属合金に関し、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善する材料で部分的又は完全にコーティングされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、レニウムを含む高融点金属合金などの高融点金属合金用の保護コーティングに関し、さらに詳細には、少なくとも部分的に高融点金属合金で形成され、保護コーティングを含む医療機器に関する。本開示で定義されるように、高融点金属合金は、Mo、Re、Nb、Ta又はWの内の1つ以上を少なくとも20重量%含む金属合金である。非限定的な高融点金属合金は、MoRe合金、ReW合金、MoReCr合金、MoReTa合金、MoReTi合金、WCu合金、ReCr合金、Mo合金、Re合金、W合金、Ta合金、Nb合金などを含む。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも20重量%のレニウムを含む。レニウムを含む非限定的な高融点金属合金は、をMoRe合金、ReW合金、MoReCr合金、MoReTa合金、MoReTi合金、ReCr合金など含むが、これらに限定されない。
【0010】
本開示の非限定的な一態様によれば、医療機器は、整形外科用機器、PFO(卵円孔開存)機器、ステント、弁(例えば、心臓弁、TAVR弁、僧帽弁置換術、三尖弁置換術、肺動脈弁置換術など)、脊椎インプラント、脊椎椎間板、フレーム及び脊椎インプラントで使用する他の構造体、血管インプラント、グラフト、ガイドワイヤー、シース、カテーテル、針、ステントカテーテル、電気生理学カテーテル、ハイポチューブ、ステープル、切断装置、あらゆるタイプのインプラント、ペースメーカー、歯科インプラント、歯冠、歯科矯正器具、医療処置で使用されるワイヤー、骨インプラント、人工椎間板、人工脊椎椎間板、補綴インプラント、又は装置骨(例えば、肩峰、環椎、軸、踵骨、手根骨、鎖骨、尾骨、上顆、上滑骨、大腿骨、腓骨、前頭骨、大転子、上腕骨、腸骨、坐骨、下顎骨、上顎骨、中手骨、中足骨、後頭骨、肘頭骨、頭頂骨、膝蓋骨、指骨、橈骨、肋骨、仙骨、肩甲骨、胸骨、距骨、足根骨、側頭骨、脛骨、尺骨、頬骨、など)及び/又は軟骨を修復、交換及び/又は支持する機器、骨プレート、膝関節置換術、股関節置換術、肩関節置換術、足首置換術、釘、ロッド、ネジ、ポスト、ケージ、プレート、椎弓根ネジ、キャップ、ヒンジ、関節システム、アンカー、スペーサー、シャフト、アンカー、ディスク、ボール、テンションバンド、ロッキングコネクターその他の構造体アセンブリを含むが、これらに限定されない。ロッキングコネクターその他の構造体アセンブリは、構造体を支持したり、構造体を取り付けたり、(人体、動物の体などであるが限定されない)体内の構造体を修復したりするために体内で使用される。
【0011】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、部分的又は完全に高融点金属合金で形成された医療機器が提供される。一の非限定的な実施形態では、医療機器の50~100%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は高融点金属合金で形成されている。別の非限定的な実施形態では、少なくとも30重量%(例えば、30~100重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の医療機器は、レニウムを含む高融点金属合金(例えば、MoRe合金、ReW合金、MoReCr合金、MoReTa合金、MoReTi合金、ReCr合金など)から形成される。
【0012】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器の少なくとも一部を形成するために使用される高融点金属合金は、1つ以上の改善された特性(例えば、強度、耐久性、硬度、生体安定性、曲げ性、摩擦係数、ラジアル強度、柔軟性、引張強度、引張伸び、縦方向伸び、応力-ひずみ特性、反動低減、放射線不透過性、熱感受性、生体適合性、疲労寿命の向上、亀裂耐性、亀裂伝播抵抗、磁化率の低下など)、曲げたときの追従性の改善、反動の低減、降伏強度の増加、疲労延性の改善、耐久性の改善、疲労寿命の改善、組織有害反応の減少、金属イオン放出の減少、腐食の減少、アレルギー反応の減少、親水性の改善、毒性の減少、金属成分の厚さの減少、骨融合の改善、及び/又は、組織へのイオン放出の減少を有する。高融点金属合金のこれらの1つ以上の改善された物理的特性は、医療機器の嵩、容積、及び/又は、重量を増加させる必要なく、医療機器内で達成することができ、場合によっては、少なくとも部分的に従来のステンレス鋼、チタン合金、又はコバルトとクロムの合金材料で形成された医療機器と比較して、医療機器の体積、嵩、及び/又は、重量が減少した場合でも、これらの改善された物理的特性を得ることができる。
【0013】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される高融点金属合金は、従って、1)医療機器の放射線不透過性を増加させる、2)医療機器の半径方向の強度を増加する、3)医療機器の降伏強度及び/若しくは極限引張強度を増加させる、4)医療機器の応力-ひずみ特性を改善する、5)医療機器の圧縮特性及び/若しくは拡張特性を改善する、6)医療機器の屈曲性及び/若しくは柔軟性を向上させる、7)医療機器の強度及び/若しくは耐久性を向上させる、8)医療機器の硬度を増加させる、9)医療機器の反動特性を改善する、10)医療機器の生体安定性及び/若しくは生体適合性特性を改善する、11)医療機器の耐疲労性を向上させる、12)医療機器の亀裂に抵抗し、亀裂の伝播に抵抗する、13)医療機器の小型化、薄型化、及び/若しくは、軽量化が可能になる、14)圧縮された医療機器の外径を小さくする、15)医療機器が治療領域内で使用及び/若しくは拡張される際に、医療機器の治療領域の形状への追従性を向上させる、16)医療機器が治療領域内で拡張されるとき、治療領域の形状に対する医療機器の反動の量を低減する、17)医療機器の降伏強度を増加する、18)医療機器の疲労延性を向上させる、18)医療機器の耐久性を向上させる、19)医療機器の疲労寿命を向上させる、20)医療機器の埋め込み後の有害な組織反応を軽減する、21)医療機器の埋め込み後の金属イオンの放出を低減する、22)医療機器の埋め込み後の医療機器の腐食を軽減する、23)医療機器の埋め込み後のアレルギー反応を軽減する、24)医療機器の親水性を向上させる、25)医療機器のメタコンポーネントの厚さを減らす、26)医療機器による骨癒合の改善、及び/若しくは、27)医療機器から組織へのイオン放出が低下する、28)患者に埋め込まれた医療機器の磁化率を低下させる、並びに/又は、29)医療機器の埋め込み後の医療機器の毒性を軽減する。
【0014】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器には、任意で、1つ以上の製造プロセスが施される。これらの製造プロセスは、拡張、レーザー切断、エッチング、圧縮、焼きなまし、引き抜き、ピルジリング、電気メッキ、電解研磨、機械加工、プラズマコーティング、3D印刷、3D印刷コーティング、化学蒸着、化学研磨、洗浄、酸洗、イオンビーム蒸着又は注入、スパッタコーティング、真空蒸着などを含むが、これらに限定されない。一の非限定的な実施形態では、医療機器の一部又は全部は、3D印刷プロセスによって形成される。
【0015】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される高融点金属合金は、任意で、高融点金属合金全体にわたってほぼ均一な密度を有し、また、高融点金属合金の所望の降伏強度及び極限引張強さをもたらす。高融点金属合金の密度は、概して、少なくとも約5gm/cc(例えば、5gm/cc~21gm/cc並びにそれらの間のすべての値及び範囲、10~20gm/ccなど)であり、典型的には、少なくとも約11~19gm/ccである。この実質的に均一な高密度の高融点金属合金は、高融点金属合金の放射線不透過性を任意で改善することができる。
【0016】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、任意で、一定量の炭素及び酸素を含むが、これは必須ではない。これら2つの元素は、高融点金属合金の成形特性と脆性に影響を与えることが分かっている。高融点金属合金の炭素と酸素の制御された原子比を使用して、高融点金属合金を少なくとも部分的に医療機器に形成する間、及び/又は、身体通路内で医療機器を使用及び/又は拡張する間、高融点金属合金が微小亀裂を形成する傾向を最小限に抑えるために使用されることもできる。高融点金属合金中の炭素と酸素の原子比を制御することにより、高融点金属合金中の酸素の再分布が可能になり、高融点金属合金を少なくとも部分的に医療機器に形成する間、及び/又は、身体通路内で医療機器を使用及び/又は拡張する間、高融点金属合金における微小亀裂の傾向を最小限に抑えることができる。高融点金属合金における炭素と酸素の原子比率は、高融点金属合金における微小亀裂の傾向を最小限に抑え、高融点金属合金の伸びの程度を向上させることを促進すると考えられている。これらはいずれも、医療機器の形成及び/又は使用に有用又は望ましい高融点金属合金の1つ以上の物理的特性に影響を与える可能性がある。炭素対酸素の原子比率は、約0.2:1(例えば、0.2:1から50:1並びにそれらの間のすべての値及び範囲)まで低くすることができる。高融点金属合金の一の非限定的な配合では、高融点金属合金中の炭素対酸素の原子比率は、概して、少なくとも約0.3:1である。典型的には、高融点金属合金の炭素含有量は、約0.2重量%未満である(例えば、0重量%~0.1999999重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)。炭素含有量が多すぎると、高融点金属合金の物理的特性に悪影響を与える可能性がある。概して、酸素含有量は、非常に低いレベルに維持される。高融点金属合金の非限定的な配合物では、酸素含有量は、高融点金属合金の約0.1重量%未満である(例えば、0重量%~0.0999999重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)。高融点金属合金は、酸素含有量が高融点金属合金中のある量を超過した場合に炭素対酸素の比率を厳密に制御することにより、医療機器の形成中および医療機器が患者に挿入された後に微小亀裂を形成する傾向を非常に低くすると考えられている。一の非限定的な構成では、高融点金属合金中の酸素含有量が約100ppmより大きい場合、高融点金属合金中の炭素対酸素の原子比率は、少なくとも約2.5:1である。
【0017】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、任意で、制御された量の窒素を含むが、これは必須ではない。高融点金属合金中に大量の窒素を含むと、高融点金属合金の延性に悪影響を及ぼす可能性がある。これは、高融点金属合金の伸び特性に悪影響を与える可能性がある。高融点金属合金中の窒素含有量が高すぎると、高融点金属合金の延性が許容できないほど低下し始め、その結果、医療機器の形成及び/又は使用に有用又は望ましい1つ以上の高融点金属合金の物理的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。医ある非限定的な処方では、高融点金属合金は、約0.001重量%未満の窒素(例えば、0重量%~約0.0009999重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。高融点金属合金中の窒素含有量は、炭素又は酸素の含有量よりも少なくなるべきであると考えられている。高融点金属合金の一の非限定的な配合では、炭素対窒素の原子比率は、少なくとも約1.5:1(例えば、1.5:1から400:1並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。高融点金属合金の別の非限定的な配合では、酸素対窒素の原子比率は、少なくとも約1.2:1(例えば、1.2:1~150:1、及び、それらの間のすべての値及び範囲)である。
【0018】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様では、医療機器は、概して、少なくとも約5重量%の高融点金属合金(例えば、5~100重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含むように設計される。本開示の非限定的な一実施形態では、医療機器は、少なくとも約50重量%の高融点金属合金を含む。本開示の別の非限定的な実施形態では、医療機器は、少なくとも約95重量%の高融点金属合金を含む。1つの特定の構成では、医療機器が拡張可能フレームを含む場合、拡張可能フレームは、50~100重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金、典型的には、75~100重量%の高融点金属合金で形成される。
【0019】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様では、医療機器の全体又は一部を形成するために使用される高融点金属合金は、1)、任意で、別の金属上にクラッド、金属溶射、メッキ及び/又は成形(例えば、冷間加工、熱間加工など)しない、又は、2)、任意で、高融点金属合金上に別の金属又は金属合金金属が溶射、メッキ、クラッド、及び/又は、形成されていない。
【0020】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器の全体又は一部を形成するために使用される高融点金属合金は、1)別の金属上に金属をクラッド、金属溶射、メッキ及び/又は成形(例えば、冷間加工、熱間加工など)される、又は、2)高融点合金上に溶射、メッキ、クラッド及び/又は形成された別の金属又は合金金属を有する。
【0021】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、任意で、高融点金属合金のチューブ又はロッドから少なくとも部分的又は完全に形成されることも、医療機器の最終的な正味形状の少なくとも80%の形状に形成されることもできる。
【0022】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、少なくとも部分的又は完全に3D印刷によって形成することができる。
【0023】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器が本開示の高融点金属合金で少なくとも部分的に形成されるとき、高融点金属合金は、医療機器にプラスの影響を与えるいくつかの物理的特性を有する。本開示の非限定的な一実施形態では、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される本開示の高融点金属合金の平均ビッカース硬度は、任意で、少なくとも約150ビッカース(例えば、150~300ビッカース並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、160~240ビッカースであるが、これは必須ではない。本開示の高融点金属合金は、概して、ステンレス鋼(例えば、グレード304、グレード316)よりも高い平均硬度を有する。本開示の別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、本開示の高融点金属合金の平均極限引張強さは、任意で、少なくとも約100ksiである(例えば、100~350ksi並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が、これは必須ではない。本開示のさらに別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、本開示の高融点金属合金の平均降伏強度は、任意で、少なくとも約80ksiである(例えば、80~300ksi並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が、これは必須ではない。本開示のさらに別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される本開示の高融点金属合金の平均粒径は、任意で、約4ASTM以下(例えば、ASTME112並びにそれらの間のすべての値及び範囲を使用する場合、4ASTM~20ASTM、例えば、0.35ミクロン~90ミクロン、並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。本開示の高融点金属合金の粒径が小さいことにより、医療機器は、医療機器の形成、圧縮、及び/又は、拡張を可能にするのに有用な所望の伸び及び延性特性を有することができる。
【0024】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される本開示の高融点金属合金の平均引張伸びは、任意で、少なくとも約25%(例えば、25%~50%の平均引張伸び並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。高融点金属合金の平均引張伸びが少なくとも25%であると、医療機器が体内通路の治療領域に配置されたときに適切に拡張するのを容易にするのに有用である。少なくとも約25%の平均引張伸びを有さない医療機器は、医療機器の形成、圧縮、及び/又は、拡張中に微小亀裂及び/又は破損が形成されやすい可能性がある。
【0025】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、本開示の高融点金属合金における金属の独特の組み合わせと、高融点金属合金の所望の純度及び組成及び高融点金属合金の所望の粒径の達成と、の組み合わせにより、1)ほぼ室温で所望の高い延性を有する医療機器、2)所望の量の引張伸びを有する医療機器、3)高い放射線不透過性を有する高融点金属合金の均一溶液又は固溶体、4)医療機器を形成するためにチューブをサイズ決めし及び/又は切断する際の、本開示のチューブの高融点金属合金の微小亀裂の形成及び/又は破損の低減又は防止、5)医療機器が圧縮されるときの医療機器の微小亀裂の形成及び/又は破損の減少又は防止、6)医療機器が体内の通路内で曲げられ及び/又は拡張されたときの医療機器の微小亀裂の形成及び/又は破損の減少又は防止、7)所望の極限引張強度及び降伏強度を有する医療機器、8)非常に薄い壁厚を有し、かつ拡張時に医療機器を開いた状態に保持するのに必要な所望の半径方向の力を依然として有する医療機器、9)医療機器が送達システム上に圧縮されるとき、及び/又は、体内通路内で拡張されるときに、反動が少ない医療機器、10)医療機器が体内通路内で拡張されたときに、体内通路内の治療領域の形状への追従性の向上を示す医療機器、11)改善された疲労延性を示す医療機器、及び/又は、12)耐久性が向上した医療機器、をもたらす。
【0026】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、少なくとも30重量%(例えば、30~100重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも40重量%の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの内の1つ以上を含む。
【0027】
別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%(例えば、50~100重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの1つ以上と、0~40重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点合金と、を含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%(例えば、50~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの1つ以上と、0.1~40重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点合金と、を含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%(例えば、50~100重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル、又はタングステンの内の1つ以上と、0~40重量%(及びそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点合金と、含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含み、高融点合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~2重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%(例えば、50~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル、又はタングステンの内の1つ以上と、0.1~40重量%(及びそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点合金と、を含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含み、高融点合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~2重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも55重量%の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル、又はタングステンの内の1つ以上と、0~40重量%の高融点合金と、を含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含み、高融点合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~0.1重量%含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも55重量%の高融点金属合金は、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル又はタングステンの1つ以上と、0.1~40重量%の高融点合金と、を含む。高融点合金は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含み、高融点合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~0.1重量%含む。
【0028】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、少なくとも30重量%(例えば、30~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも30重量%(例えば、30~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~2重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも30重量%(例えば、30~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~0.1重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも35重量%(例えば、35~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも35重量%(例えば、35~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~2重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも35重量%(例えば、35~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~0.1重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも40重量%(例えば、40~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも40重量%(例えば、40~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上と、を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~2重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも40重量%(例えば、40~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム又は酸化ジルコニウムの内の1つ以上を含み、高融点金属合金は、他の金属、炭素、酸素及び窒素の組み合わせを0~0.1重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)含む。
【0029】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、少なくとも20重量%(例えば、20~99重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、レニウムを含む、高融点金属合金が提供される。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも20重量%(例えば、20~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~80重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも20重量%(例えば、30~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~80重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも30重量%(例えば、30~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、及び、0.1~70重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも30重量%(例えば、30~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~70重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上をと、含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも35重量%(例えば、35~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、及び、0.1~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも35重量%(例えば、35~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、35~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、40~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、35~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、40~65重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも40重量%(例えば、40~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも40重量%(例えば、40~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも50重量%(例えば、50~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~50重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のカルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、少なくとも50重量%(例えば、50~99.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.1~50重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の銅、クロム、ハフニウム、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金の内の1つ以上と、を含む。
【0030】
本開示の別の非限定的な態様では、高融点金属合金を形成するために使用される金属は、レニウムと、タングステンと、任意で、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、鉄、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、レニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、それらの成分の1つ以上の合金(例えば、WRe、WReMoなど)などの1つ以上の合金化剤を含むが、これらに限定されない。高融点金属合金は、1つ以上の金属及び/又は金属酸化物を含むものとして説明されているが、高融点金属合金中の金属及び/又は金属酸化物の一部は、セラミック、プラスチック、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、ゴム、ラミネート、不織布などの群から選択される1つ以上の材料と置き換えることができることが理解され得る。ある非限定的な処方では、高融点金属合金は、1~40重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、60~99重量%のタングステン(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、を含む。一の非限定的な実施形態では、タングステン-レニウム合金中のタングステンとレニウムの合計重量割合は、少なくとも約95重量%であり、典型的には、少なくとも約99重量%であり、より典型的には、少なくとも約99.5重量%であり、さらにより典型的には、少なくとも約99.9重量%である。重量%であり、さらにより典型的には、少なくとも約99.99重量%である。別の非限定的な処方では、高融点金属合金は、1~47.5重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、20~80重量%のタングステン(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、1~47.5重量%のモリブデン(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。タングステン、レニウム及びモリブデンの合計重量割合は、少なくとも約95重量%であり、典型的には、少なくとも約99重量%であり、より典型的には、少なくとも約99.5重量%であり、さらにより典型的には、少なくとも約99.9重量%であり、さらにより典型的には、少なくとも約99.99重量%である。一の非限定的な特定のタングステン-レニウム-モリブデン合金では、タングステンの重量割合は、レニウムの重量割合よりも大きく、またモリブデンの重量割合よりも大きい。別の非限定的な特定のタングステン-レニウム-モリブデン合金では、タングステンの重量割合は、タングステン-レニウム-モリブデン合金の50重量%より大きい。別の非限定的な特定のタングステン-レニウム-モリブデン合金では、タングステンの重量割合は、レニウムの重量割合より大きいが、モリブデンの重量割合より小さい。別の非限定的な特定のタングステン-レニウム-モリブデン合金では、タングステンの重量割合は、モリブデンの重量割合より大きいが、レニウムの重量割合より小さい。別の非限定的な特定のタングステン-レニウム-モリブデン合金では、タングステンの重量割合は、レニウムの重量割合未満かつまたモリブデンの重量割合未満である。
【0031】
本開示の別の非限定的な態様では、高融点金属合金を形成するために使用される金属は、レニウムと、モリブデンと、ビスマス、クロム、銅、ハフニウム、イリジウム、マンガン、ニオブ、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム及びジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金金属と、を含む。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウムと合金金属の合計重量割合は、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合以上である。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウムと合金金属の合計重量割合は、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合よりも大きい。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合は、少なくとも10重量%かつ60重量%未満(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、35~60重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の5~45重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、合金化金属の合計重量割合よりも大きい。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウム、モリブデン、及び1つ以上の合金化金属の合計重量割合は、少なくとも99.9重量%である。別の非限定的な実施形態では、合金金属は、クロムを含む。別の非限定的な実施形態では、合金化金属は、クロムと、ビスマス、ジルコニウム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン及びイットリウムからなる群から選択される1つ以上の金属を含む。別の非限定的な実施形態では、合金化金属は、クロムと、ビスマス、ジルコニウム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン及びイットリウムからなる群から選択される1つ以上の金属を含み、クロムの原子比率対ビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン及びイットリウムからなる群から選択される金属のそれぞれ又は全ての原子比率が、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、合金化金属は、クロムと、ジルコニウム、ニオブ及びタンタルからなる群から選択される1つ以上の金属を含む。別の非限定的な実施形態では、合金化金属は、ビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムからなる群から選択される第1の金属と、ビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムからなる群から選択される第2の金属と、を含み、第1の金属と第2の金属とは異なり、第1の金属対第2の金属の原子比率は、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、合金化金属は、クロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムからなる群から選択される第1の金属と、クロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムからなる群から選択される第2の金属と、であり、第1の金属と第2の金属とは異なり、第1の金属対第2の金属の原子比率は、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。
【0032】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、レニウムの重量割合と、ビスマス、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅及びイリジウムの合計重量割合の重量割合は、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合より大きい。一の特定の非限定的な処方では、レニウムの重量割合と、ビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムの合計重量割合の重量割合と、の合計は、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合より大きい。別の特定の非限定的な処方では、レニウムの重量割合と、クロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムの合計重量割合の重量割合との合計は、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合よりも大きい。別の非限定的な特定の非限定的な処方では、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合は、少なくとも10重量%かつ50重量%未満(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な特定の非限定的な処方では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、41~58.5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合は、少なくとも15~45重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のビスマス、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅及びイリジウムの合計重量割合は、11~41重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な特定の非限定的な処方では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、41~58.5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合は、少なくとも15~45重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムの合計重量割合は、11~41重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な特定の非限定的な処方では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、41~58.5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のモリブデンの重量割合は、少なくとも15~45重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、高融点金属合金中のクロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムの合計重量割合は、11~41重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。本発明の別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、高融点金属合金中のビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムの合計重量割合よりも大きい。別の非限定的な特定の非限定的な処方では、高融点金属合金中のレニウムの重量割合は、高融点金属合金中のクロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムの合計重量割合よりも大きい。
【0033】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金中の、レニウムの原子重量割合対ビスマス、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅及びイリジウムの組み合わせの原子重量割合は、0.7:1から1.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.8:1から1.4:1であり、より典型的には、0.8:1から1.25:1であり、さらにより典型的には、約0.9:1から1.1:1(例えば、1:1)である。一の特定の非限定的な処方では、レニウムの原子重量割合対ビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムの組み合わせの原子重量割合は、0.7:1~5.1:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.8:1~1.5であり、より典型的には、0.8:1から1.25:1であり、さらにより典型的には、約0.9:1から1.1:1(例えば1:1)である。一の特定の非限定的な処方では、レニウムの原子重量割合対クロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムの組み合わせの原子重量割合は、0.7:1~5.1:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.8:1~1.5:1であり、より典型的には、0.8:1~1.25:1であり、さらにより典型的には、約0.9:1から1.1:1(例えば、1:1)である。
【0034】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金がビスマス、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅及びイリジウムの内の2つを含む場合、その2つの金属の原子比率は、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.5:1~2:1である。一の特定の非限定的な処方では、高融点金属合金がビスマス、クロム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、イットリウム及びジルコニウムの内の2つを含む場合、2つの金属の原子比率は、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.5:1~2:1である。別の特定の非限定的な処方では、高融点金属合金がクロム、ニオブ、タンタル及びジルコニウムの2つを含む場合、2つの金属の原子比率は、0.4:1~2.5:1(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.5:1~2:1である。
【0035】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、少なくとも35重量%の高融点金属合金(例えば、35~75重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、レニウムを含み、高融点金属合金は、クロムも含む。一の非限定的な実施形態では、少なくとも25重量%の高融点金属合金(例えば、25~49.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、クロムを含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも30重量%の高融点金属合金は、クロムを含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも33重量%の高融点金属合金は、クロムを含む。別の非限定的な実施形態では、少なくとも50重量%の高融点金属合金(例えば、50~74.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、レニウムを含み、少なくとも25重量%の高融点金属合金(例えば、25~49.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、クロムを含み、0.1~25重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ビスマス、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、マンガン、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅、イットリウム、ジルコニウム及び/又はイリジウムの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の少なくとも55重量%(例えば、55~69.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、レニウムを含み、高融点金属合金の少なくとも30重量%(例えば、30~44.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、クロムを含み、0.1~15重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ビスマス、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、マンガン、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅、イットリウム、ジルコニウム及び/又はイリジウムの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の少なくとも60重量%(例えば、60~69.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、レニウムを含み、高融点金属合金の少なくとも30重量%(例えば、30~39.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、クロムを含み、0.1~10重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ビスマス、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、マンガン、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅、イットリウム、ジルコニウム及び/又はイリジウムの内の1つ以上を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の少なくとも62重量%(例えば、62~67.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、レニウムを含み、高融点金属合金の少なくとも32重量%(例えば、32~32.9重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)は、クロムを含み、0.1~6重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金は、モリブデン、ビスマス、ニオブ、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、マンガン、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅、イットリウム、ジルコニウム及び/又はイリジウムの内の1つ以上を含む。
【0036】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、約5重量%未満(例えば、0~4.999999重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の他の金属及び/又は不純物を含む。高純度レベルの高融点金属合金により、より均質な合金が形成される。その結果、高融点金属合金全体の密度がより均一になり、高融点金属合金の所望の降伏強度と極限引張強度も得られる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、約0.5重量%未満の他の金属及び/又は不純物を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、約0.2重量%未満の他の金属及び/又は不純物を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、約0.1重量%未満の他の金属及び/又は不純物を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、約0.05重量%未満の他の金属及び/又は不純物を含む。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金は、約0.01重量%未満の他の金属及び/又は不純物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示による高融点金属合金のいくつかの非限定的な例を、以下に説明する。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
実施例1~146では、上記の範囲のすべてが、その範囲と上記の範囲の間にある他の範囲との間の任意の値を含むことが理解され得る。記号≦を含む上記の値は、0から指定された値並びにそれらの間のすべての値及び範囲までの範囲を含む。
【0065】
上記高融点金属合金において、高融点金属合金の平均粒径は、約4~20ASTMであり、高融点金属合金の引張伸びは、25~50%であり、高融点金属合金の平均密度は、少なくとも約5gm/ccであり、高融点金属合金の平均降伏強度は、約70~250(ksi)であり、高融点金属合金の平均極限引張強さは、約80~550UTS(ksi)であり、平均ビッカース硬度は、234DPH~700DPHであり、ロックウェルC硬度は、77°Fで19~60であるが、これらは必須ではない。
【0066】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、任意で、スエージング加工によって少なくとも部分的に形成されるが、これは必須ではない。一の非限定的な実施形態では、スエージング加工は、医療機器の1つ以上の部分の最終寸法を少なくとも部分的に又は完全に達成するために、高融点金属合金上で実行される。スエージングダイは、医療機器の最終寸法に適合する形状にすることができるが、これは必須ではない。医療機器に中空構造体のアンダーカットがある場合(これは必須ではない)、別個の金属片をアンダーカットに配置して、ギャップを少なくとも部分的に埋めることができる。別個の金属片(使用時)は、後でアンダーカットから取り外せるように設計できるが、これは必須ではない。スエージング操作は、硬化する領域の医療機器上で実行できる。医療機器の丸い部分又は湾曲した部分の場合、スエージングは回転式にすることができる。医療機器の非円形部分の場合、医療機器の非円形部分のスエージングは、非回転のスエージングダイによって実行することができる。ダイは、回転することの代わりに、又は回転することに加えて、任意で、半径方向及び/又は長手方向に振動するように作成することができる。医療機器は、任意で、医療機器の所望の位置及び/又は方向の硬度を達成するために、単一の操作又は複数の操作で複数の方向にスエージング加工することができる。特定の高融点金属合金のスエージング温度は、異なる場合がある。高融点金属合金(MoRe合金など、ReW合金、ReCr合金など)の場合、スエージング温度は、スエージングが空気中又は酸化環境中で行われる場合、室温(RT)(例えば、10~27℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)から約400℃(例えば、10~400℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)で可能である。スエージング加工が制御された中性又は非還元環境(例えば、不活性環境)で実行される場合、スエージング温度は最大約1500℃(例えば、10~1500℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)まで上昇させることができる。スエージング加工は、医療機器の硬化される箇所を所望のスエージング温度において繰り返しハンマーで叩くことによって行うことができる。一の非限定的な実施形態では、スエージング加工中に、ホウ素及び/又は窒素のイオンが、レニウムを含む高融点金属合金中のレニウム原子に衝突させて、ReB2、ReN2及び/又はReN3を形成するが、これは必須ではない。ReB2、ReN2及び/又はReN3は、超硬質化合物であることが分かっている。理解されるように、Reを含み、スエージング加工を受ける他の高融点金属合金も、ReB2、ReN2及び/又はReN3を形成することができる。一の非限定的なプロセスでは、医療機器用の高融点金属合金は、高融点金属合金があまり硬化していない状態にあるときに、医療機器を少なくとも部分的に形成するように機械加工及び成形されることができるが、これは必須ではない。従って、原材料を最初に焼きなましして軟化させてから、所望の形状に機械加工することができる。高融点金属合金を成形した後、高融点金属合金を再硬化することができる。医療機器の高融点金属合金の硬化は、医療機器の耐摩耗性及び/又は形状保持を改善することができる。医療用高融点金属合金は、概して、焼きなましによる再硬化ができないため、特別な再硬化処理が必要となる。このような再硬化は、本開示のスエージング加工によって達成することができる。
【0067】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、任意で、窒化することができるが、これは必須ではない。高融点金属合金上の窒化物層は、医療機器を部分的又は完全に形成する際の高融点金属合金の任意の引き抜き中に潤滑表面として機能することができる。高融点金属合金が窒化された後、典型的には、高融点金属合金は、洗浄されるが、これは必須ではない。窒化処理中に、高融点金属合金の表面は窒素の存在によって改質される。窒化処理は、ガス窒化、塩浴窒化又はプラズマ窒化によって行うことができる。ガス窒化では、窒素が高融点金属合金の表面に拡散する。それにより窒化物層が形成される。得られた窒化層の厚さと相構成を選択し、必要な特定の特性に合わせてプロセスを最適化することができる。ガス窒化中、高融点金属合金は、概して、窒素ガス又は窒素ガス混合物(例えば、90~99%体積%の窒素と1~10体積%の水素など)の存在下で少なくとも10秒間窒化される。少なくとも約400℃の温度(例えば、400~1000℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)で窒化される。ある非限定的な窒化処理では、高融点金属合金は、窒素又は窒素と水素の混合物の存在下で少なくとも400℃、概して、約400~800℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の温度まで少なくとも10秒間(例えば、10秒から60分まで並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、概して、約1~30分加熱される。塩浴窒化では、シアン化物塩などの窒素含有塩が使用される。塩浴窒化中、高融点金属合金は、概して、約520~590℃の温度にさらされる。プラズマ窒化では、プラズマ窒化に使用されるガスは、通常は純窒素である。プラズマ窒化は、物理蒸着(PVD)プロセスと組み合わせて行われることがよくあるが、これは必須ではない。プラズマ窒化は、概して、220~630℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の温度で行われる。高融点金属合金は、窒化処理の前に任意でアルゴン及び/又は水素ガスに曝露されて、高融点金属合金を洗浄及び/又は予熱することができる。これらのガスは、高融点金属合金の表面から酸化物層及び/又は溶媒を除去するために任意で使用できる。窒化処理中に、高融点金属合金の表面上での酸化物の形成を抑制又は防止するために、高融点金属合金を水素ガスに任意で曝露することができる。窒化表面層の厚さは、約1mm未満である。一の非限定的な実施形態では、窒化表面層の厚さは、少なくとも約50ナノメートルかつ約1mm未満(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。別の非限定的な実施形態では、窒化表面層の厚さは、少なくとも約50ナノメートルかつ約0.1mm未満である。概して、窒化表面層中の窒素の重量割合は、0.0001~5重量%窒素(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。一の非限定的な実施形態では、窒化表面層中の窒素の重量割合は、概して、高融点金属合金の主成分の1つよりも少なく、典型的には、高融点金属合金の2つの主成分のそれぞれよりも少ない。例えば、MoRe合金の形態の高融点金属合金が窒化される場合、窒化表面層中の窒素の重量割合は、窒化表面層中のモリブデンの重量割合よりも少ない。また、窒化表面層中の窒素の重量割合は、窒化表面層中のレニウムの重量割合よりも少ない。MoRe合金(例えば、40~99重量%のMo、1~40重量%のRe)上の窒化表面層の一の非限定的な組成では、窒化表面層は、40~99重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲のモリブデンと、1~40重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のレニウムと、0.0001~5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の窒素と、を含む。窒化表面層の別の非限定的な組成では、窒化表面層は、40~99重量%のモリブデンと、1~40重量%のレニウムと、0.001~1重量%の窒素と、を含む。理解されるように、他の高融点金属合金も窒化することができる。このような他の高融点金属合金の場合、窒化物表面層は、典型的には、0.001~5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の窒素を含み、高融点金属合金(例えば、高融点金属合金の少なくとも5重量%を構成する金属)の主成分は、高融点金属合金中の窒素含有量よりも大きな重量割合で窒化物表面層に存在する。高融点金属合金のための窒化処理は、医療機器の表面の硬度及び/又は耐摩耗性を高めるために、及び/又は、高融点金属合金の変色(例えば、酸化による変色など)を抑制又は防止するために使用することができる。例えば、窒化処理は、医療機器の寿命を延ばすために、医療機器に使用される高融点金属合金の関節面又は表面の耐摩耗性を向上させるために、及び/又は、(膝、腰、肩などの関節インプラントのポリエチレンライナーなどの)医療機器上の係合面の摩耗寿命を延ばすために、医療機器の使用による粒子の発生を減らすために、及び/又は、医療機器上の高融点金属合金の表面の外観を維持するために使用することができる。
【0068】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金の表面は、高融点金属合金の少なくとも1つの引き抜きステップの前に、任意で、窒化される。
【0069】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金が焼きなまされた後、高融点金属合金は、任意で、引き抜きの前に窒化される。
【0070】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金を焼きなましする前に、高融点金属合金の表面上の窒化物化合物を除去するために任意で洗浄される。窒化物化合物は、グリットブラスト、研磨などを含むがこれらに限定されない様々なステップによって除去できる。高融点金属合金を焼きなました後、1つ以上の引き抜きステップの前に、高融点金属合金を再度窒化することができるが、これは必須ではない。理解されるように、高融点金属合金の外表面全体を窒化することもできるし、高融点金属合金の外表面の一部を窒化することもできる。
【0071】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金の異なる表面特性を得るために、高融点金属合金の外表面の選択された部分のみを任意で窒化することができるが、これは必須ではない。
【0072】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、最終的に形成された高融点金属合金は、任意で、窒化物外表面を含むことができる。
【0073】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の最終加工のため、部分的又は完全に所望の医療機器に形成される直前又は直後に、任意で、洗浄、研磨、滅菌、窒化などすることができる。本開示の非限定的な一実施形態では、高融点金属合金は、任意で、電解研磨される。この実施形態の非限定的な一態様では、高融点金属合金は、研磨溶液にさらされる前に洗浄されるが、これは必須ではない。洗浄プロセス(使用時)は、1)溶剤(例えば、アセトン、メチルアルコールなど)を使用し、キムワイプ又は他の適切なタオルで高融点金属合金を拭く、及び/又は、2)高融点金属合金を溶媒に少なくとも部分的に浸漬(dipping)又は浸漬(immersing)し、次いで高融点金属合金を超音波洗浄する、などを含むがこれらに限定されない様々な技術によって実行できる。理解できるように、高融点金属合金は、他の方法又は追加の方法で洗浄することができる。この実施形態の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、研磨溶液は、1つ以上の酸を含んでもよい。研磨溶液の非限定的な配合物は、約10~80体積パーセントの硫酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。理解されるように、他の研磨液組成物を使用することもできる。この実施形態のさらに別の及び/又は代替の非限定的な態様では、電解研磨プロセス中、約5~12ボルト(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が高融点金属合金に当てられるが、他の電圧レベルも使用できる。この実施形態のさらに別の及び/又は代替の非限定的な態様では、高融点金属合金を水及び/又は溶剤ですすぎ、乾燥させて高融点金属合金上の研磨液を除去する。
【0074】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器を部分的又は完全に形成するための高融点金属合金の使用は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、医療機器の強度、硬度、及び/又は、耐久性を高めるために使用することができ、従って、異なる金属で形成された医療機器と比較して、より少ない量の高融点金属合金を医療機器に使用して、同等の強度を達成することができる。そのため、得られる医療機器は、医療機器の強度及び耐久性を犠牲にすることなく、高融点金属合金を使用することによってより小さく、かさばらないように製造することができる。このような医療機器は、より小さな外形を有することができるため、より小さな領域、開口部及び/又は通路に挿入することができる。高融点金属合金は、医療機器の半径方向の強度も高めることができる。例えば、医療機器の壁及び/又は医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用されるワイヤーの厚さを薄くすることができ、ステンレス鋼、チタン合金又はコバルトとクロムの合金で形成されたより厚い壁の医療機器と比較して、同等又は向上した半径方向強度を達成することができる。高融点合金は、医療機器の応力-ひずみ特性、曲げ性及び柔軟性も向上させることができるため、医療機器の寿命が長くなる。例えば、医療機器は、医療機器が曲げられる領域で使用することができる。高融点金属合金による医療機器の物理的特性の向上により、このような頻繁な曲げ環境における医療機器の耐破壊性が向上した。加えて、又は代わりに、高融点金属合金の使用による医療機器の改善された屈曲性及び可撓性により、医療機器を身体の様々な領域により容易に挿入することができる。高融点金属合金は、また、医療機器の圧縮及び/又は拡張中の反動の程度を低減することもできる。例えば、医療機器は、高融点金属合金の使用により、その圧縮形状をより良く維持し、及び/又は、拡張後の拡張形状をより良く維持する。従って、医療機器が圧縮されるときに医療機器が送達装置上に取り付けられるとき、医療機器は、身体の様々な領域への医療機器の挿入中にそのより小さな外形をより良く維持する。また、医療機器は、拡張後にその拡張された外形をより良く維持し、治療領域での医療機器の成功を促進する。高融点金属合金の使用による医療機器の物理的特性の向上に加えて、高融点金属合金は、ステンレス鋼又はコバルト-クロム合金などの標準的な材料と比較して放射線不透過性が向上しているため、医療機器上のマーカー材料を使用する必要性が軽減又は排除される。例えば、高融点金属合金は、ステンレス鋼又はコバルト-クロム合金よりも少なくとも約10~20%放射線不透過性が高いと考えられている。
【0075】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、医療機器及び/又は治療領域の成功を促進する1つ以上のエージェントを含み、含有し、及び/又は、それでコーティングすることができる。「エージェント」という用語は、1つ以上の臨床的及び/若しくは生物学的事象を予防、抑制及び/若しくは治療するため、並びに/又は、治癒を促進するため、物質、医薬品、生物学的製剤、動物用製品、薬物及びその他の方法で処方及び/又は設計された類似体又は誘導体が含まれるが、これらに限定されない。1つ以上のエージェントによって対処できる臨床事象の非限定的な例は、ウイルス、真菌及び/又は細菌感染、血管疾患及び/又は障害、消化器疾患及び/又は障害、生殖器疾患及び/又は障害、リンパ系の疾患及び/又は障害、癌、インプラント拒絶反応、痛み、吐き気、腫れ、関節炎、骨の病気及び/又は障害、臓器不全、免疫疾患及び/又は障害、コレステロールの問題、血液疾患及び/又は障害、肺の病気及び/又は障害、心臓病及び/又は障害、脳の病気及び/又は障害、神経痛疾患及び/又は障害、腎臓の病気及び/又は障害、潰瘍、肝臓疾患及び/又は障害、腸の病気及び/又は障害、胆嚢疾患及び/又は障害、膵臓の病気及び/又は障害、精神障害、呼吸器疾患及び/又は障害、腺疾患及び/又は障害、皮膚疾患及び/又は障害、聴覚の病気及び/又は障害、口腔疾患及び/又は障害、鼻の病気及び/又は障害、目の病気及び/又は障害、倦怠感、遺伝性疾患及び/又は障害、やけど、瘢痕及び/又は傷跡、トラウマ、体重の病気及び/又は障害、依存症の病気及び/又は障害、脱毛、けいれん、筋肉のけいれん、組織修復、神経の修復、神経再生など、を含むが、これらに限定されない。使用できるエージェントの非限定的な例は、5-フルオロウラシル及び/又はその誘導体、5-フェニルメチマゾール及び/又はその誘導体、ACE阻害剤及び/又はその誘導体、アセノクマロール及び/又はその誘導体、アシクロビル及び/又はその誘導体、アクチリーゼ及び/又はその誘導体、副腎皮質刺激ホルモン及び/又はその誘導体、アドリアマイシン及び/又はその誘導体、L型などの細胞内Ca2+輸送を調節するエージェント(例えば、ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミルなど)又はT型Ca2+チャネル遮断薬(例えば、アミロライドなど)、α-アドレナリン遮断薬及び/又はその誘導体、アルテプラーゼ及び/又はその誘導体、アミノグリコシド及び/又はその誘導体(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシンなど)、アンジオペプチン及び/又はその誘導体、血管新生抑制性ステロイド及び/又はその誘導体、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト及び/又はその誘導体、アニストレプラーゼ及び/又はその誘導体、血管上皮増殖因子及び/又はその誘導体のアンタゴニスト、抗生物質、抗凝血化合物及び/又はその誘導体、抗線維症化合物及び/又はその誘導体、抗真菌化合物及び/又はその誘導体、抗炎症化合物及び/又はその誘導体、抗浸潤因子及び/又はその誘導体、抗代謝化合物及び/又はその誘導体(例えば、スタウロスポリン、トリコテセン、修飾ジフテリア及びリシン毒素、シュードモナス外毒素など)、アンチマトリックス化合物及び/又はその誘導体(例えば、コルヒチン、タモキシフェンなど)、抗菌剤及び/又はその誘導体、抗遊走剤及び/又はその誘導体(例えば、カフェ酸誘導体、ニルバジピンなど)、抗有糸分裂化合物及び/又はその誘導体、抗腫瘍性化合物及び/又はその誘導体、抗酸化剤及び/又はその誘導体、抗血小板化合物及び/又はその誘導体、抗増殖剤及び/又はその誘導体、抗血栓剤及び/又はその誘導体、アルガトロバン及び/又はその誘導体、ap-1阻害剤及び/又はその誘導体(例えば、チロシンキナーゼ、プロテインキナーゼC、ミオシン軽鎖キナーゼ、Ca2+/カルモジュリンキナーゼII、カゼインキナーゼIIなど)、アスピリン及び/又はその誘導体、アザチオプリン及び/又はその誘導体、β-エストラジオール及び/又はその誘導体、β-1-アンチコラゲナーゼ及び/又はその誘導体、カルシウムチャネル遮断薬及び/又はその誘導体、カルモジュリンアンタゴニスト及び/又はその誘導体(例えば、H7など)、カプトプリル及び/又はその誘導体、軟骨由来の阻害剤及び/又はその誘導体、ChIMP-3及び/又はその誘導体、セファロスポリン及び/又はその誘導体(例えば、セファドロキシル、セファゾリン、セファクロルなど)、クロロキン及び/又はその誘導体、化学療法化合物及び/又はその誘導体(例えば、5-フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、シスプラチン、ドキシルビシン、アドリアマイシン、タモシフェンなど)、キモスタチン及び/又はその誘導体、シラザプリル及び/又はその誘導体、クロピジグレル及び/又はその誘導体、クロトリマゾール及び/又はその誘導体、コルヒチン及び/又はその誘導体、コルチゾン及び/又はその誘導体、クマジン及び/又はその誘導体、キュラシン-A及び/又はその誘導体、シクロスポリン及び/又はその誘導体、サイトカラシン及び/又はその誘導体(例えば、サイトカラシンA、サイトカラシンB、サイトカラシンC、サイトカラシンD、サイトカラシンE、サイトカラシンF、サイトカラシンG、サイトカラシンH、サイトカラシンJ、サイトカラシンK、サイトカラシンL、サイトカラシンM、サイトカラシンN、サイトカラシンO、サイトカラシンP、サイトカラシンQ、サイトカラシンR、サイトカラシンS、チェトグロボシンA、ケトグロボシンB、ケトグロボシンC、ケトグロボシンD、ケトグロボシンE、ケトグロボシンF、ケトグロボシンG、ケトグロボシンJ、ケトグロボシンK、デオキサフォミン、プロキシホミン、プロトフォミン、ザイゴスポリンD、ザイゴスポリンE、ザイゴスポリンF、ザイゴスポリンG、アスポカラシンB、アスポカラシンC、アスポカラシンDなど)、サイトカイン及び/又はその誘導体、デシルジン及び/又はその誘導体、デキサメタゾン及び/又はその誘導体、ジピリダモール及び/又はその誘導体、エミナーゼ及び/又はその誘導体、エンドセリン及び/又はその誘導体内皮増殖因子及び/又はその誘導体、上皮成長因子及び/又はその誘導体、エポチロン及び/又はその誘導体、エストラムスチン及び/又はその誘導体、エストロゲン及び/又はその誘導体、フェノプロフェン及び/又はその誘導体、フルオロウラシル及び/又はその誘導体、フルシトシン及び/又はその誘導体、フォルスコリン及び/又はその誘導体、ガンシクロビル及び/又はその誘導体、グルココルチコイド及び/又はその誘導体(例えば、デキサメタゾン、ベタメタゾンなど)、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体抗体及び/又はその誘導体、GM-CSF及び/又はその誘導体、グリセオフルビン及び/又はその誘導体、成長因子及び/又はその誘導体(例えば、VEGF、TGF、IGF、PDGF、FGFなど)、成長ホルモン及び/又はその誘導体、ヘパリン及び/又はその誘導体、ヒルジン及び/又はその誘導体、ヒアルロネート及び/又はその誘導体、ヒドロコルチゾン及び/又はその誘導体、イブプロフェン及び/又はその誘導体、免疫抑制剤及び/又はその誘導体(例えば、副腎皮質ステロイド、シクロスポリンなど)、インドメタシン及び/又はその誘導体、ナトリウム/カルシウム対向輸送体の阻害剤及び/又はその誘導体(例えば、アミロライドなど)、IP3受容体及び/又はその誘導体の阻害剤、ナトリウム/水素対向輸送体の阻害剤及び/又はその誘導体(例えば、アミロライド及びその誘導体など)、インスリン及び/又はその誘導体、インターフェロンα-2-マクログロブリン及び/又はその誘導体、ケトコナゾール及び/又はその誘導体、レピルジン及び/又はその誘導体、リシノプリル及び/又はその誘導体、ロバスタチン及び/又はその誘導体、マレバン及び/又はその誘導体、メフロキン及び/又はその誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害剤及び/又はその誘導体、メトトレキサート及び/又はその誘導体、メトロニダゾール及び/又はその誘導体、ミコナゾール及び/又はその誘導体、モノクローナル抗体及び/又はその誘導体、ミュータマイシン及び/又はその誘導体、ナプロキセン及び/又はその誘導体、一酸化窒素及び/又はその誘導体、ニトロプルシド及び/又はその誘導体、核酸類似体及び/又はその誘導体(例えば、ペプチド核酸など)、ナイスタチン及び/又はその誘導体、オリゴヌクレオチド及び/又はその誘導体、パクリタキセル及び/又はその誘導体、ペニシリン及び/又はその誘導体、ペンタミジンイセチオネート及び/又はその誘導体、フェニンジオン及び/又はその誘導体、フェニルブタゾン及び/又はその誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はその誘導体、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1及び/又はその誘導体、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-2及び/又はその誘導体、血小板第4因子及び/又はその誘導体、血小板由来増殖因子及び/又はその誘導体、プラビックス及び/又はその誘導体、POSTMI75及び/又はその派生製品、プレドニゾン及び/又はその誘導体、プレドニゾロン及び/又はその誘導体、プロブコール及び/又はその誘導体、プロゲステロン及び/又はその誘導体、プロスタサイクリン及び/又はその誘導体、プロスタグランジン阻害剤及び/又はその誘導体、プロタミン及び/又はその誘導体、プロテアーゼ及び/又はその誘導体、プロテインキナーゼ阻害剤及び/又はその誘導体(例えば、スタウロスポリンなど)、キニーネ及び/又はその誘導体、放射性物質及び/又はその誘導体(例えば、Cu-64、Ca-67、Cs-131、Ga-68、Zr-89、Ku-97、Tc-99m、Rh-105、Pd-103、Pd-109、In-111、I-123、I-125、I-131、Re-186、Re-188、Au-198、Au-199、Pb-203、At-211、Pb-212、Bi-212、H3P32O4、など)、ラパマイシン及び/又はその誘導体、ヒスタミン及び/又はその誘導体の受容体アンタゴニスト、レフルダン及び/又はその誘導体、レチノイン酸及び/又はその誘導体、revasc及び/又はその派生物、リファマイシン及び/又はその誘導体、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又はその誘導体(例えば、DNA、RNA、プラスミドDNA、プラスミドRNAなど)、セラミン及び/又はその誘導体、ステロイド、セラミン及び/又はその誘導体、セロトニン及び/又はその誘導体、セロトニンブロッカー及び/又はその誘導体、ストレプトキナーゼ及び/又はその誘導体、スルファサラジン及び/又はその誘導体、スルホンアミド及び/又はその誘導体(例えば、スルファメトキサゾールなど)、硫酸化キチン誘導体、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体及び/又はその誘導体、TH1及び/又はその誘導体(例えば、インターロイキン-2、-12、及び-15、ガンマインターフェロンなど)、チオプロテーゼ阻害剤及び/又はその誘導体、タキソール及び/又はその誘導体(例えば、タキソテール、バッカチン、10-デアセチルタキソール、7-キシロシル-10-デアセチルタキソール、セファロマンニン、10-デアセチル-7-エピタキソール、7-エピタキソール、10-デアセチルバッカチンIII、10-デアセチルセファオルマンニンなど)、チクリド及び/又はその誘導体、チクロピジン及び/又はその誘導体、ダニ抗凝固ペプチド及び/又はその誘導体、チオプロテーゼ阻害剤及び/又はその誘導体、甲状腺ホルモン及び/又はその誘導体、メタロプロテイナーゼ-1及び/又はその誘導体の組織阻害剤、メタロプロテイナーゼ-2及び/又はその誘導体の組織阻害剤、組織血漿活性化剤、TNF及び/又はその誘導体、トコフェロール及び/又はその誘導体、毒素及び/又はその誘導体、トラニラスト及び/又はその誘導体、トランスフォーミング成長因子アルファ及びベータ及び/又はそれらの誘導体、トラピジル及び/又はその誘導体、トリアゾロピリミジン及び/又はその誘
導体、バピプロスト及び/又はその誘導体、ビンブラスチン及び/又はその誘導体、ビンクリスチン及び/又はその誘導体、ジドブジン及び/又はその誘導体、を含むが、これらに限定されない。理解されるように、エージェントは、上に列挙した化合物及び/又は他の化合物の1つ以上の誘導体を含み得る。一の非限定的な実施形態では、エージェントは、トラピジル、トラピジル誘導体、タキソール、タキソール誘導体(例えば、タキソテール、バッカチン、10-デアセチルタキソール、7-キシロシル-10-デアセチルタキソール、セファロマンニン、10-デアセチル-7-エピタキソール、7-エピタキソール、10-デアセチルバッカチンIII、10-デアセチルセファオルマンニンなど)、サイトカラシン、サイトカラシン誘導体(例えば、サイトカラシンA、サイトカラシンB、サイトカラシンC、サイトカラシンD、サイトカラシンE、サイトカラシンF、サイトカラシンG、サイトカラシンH、サイトカラシンJ、サイトカラシンK、サイトカラシンL、サイトカラシンM、サイトカラシンN、サイトカラシンO、サイトカラシンP、サイトカラシンQ、サイトカラシンR、サイトカラシンS、ケトグロボシンA、ケトグロボシンB、ケトグロボシンC、ケトグロボシンD、ケトグロボシンE、ケトグロボシンF、ケトグロボシンG、ケトグロボシンJ、ケトグロボシンK、デオキサフォミン、プロキシホミン、プロトフォミン、ザイゴスポリンD、ザイゴスポリンE、ザイゴスポリンF、ザイゴスポリンG、アスポカラシンB、アスポカラシンC、アスポカラシンDなど)、パクリタキセル、パクリタキセル誘導体、ラパマイシン、ラパマイシン誘導体、5-フェニルメチマゾール、5-フェニルメチマゾール誘導体、GM-CSF(顆粒サイトマクロファージコロニー刺激因子)、GM-CSF誘導体、スタチン又は高脂血症薬の一種を形成するHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、それらの組み合わせ、又はそれらの類似体、又はそれらの組み合わせ。を含むが、これらに限定されない。医療機器に含まれるエージェント及び/又は医療機器上にコーティングされるエージェントの種類及び/又は量は、変動し得る。2つ以上のエージェントが医療機器に含まれる、及び/又は、医療機器上にコーティングされる場合、2つ以上のエージェントの量は、同じであっても異なっていてもよい。医療機器上に含まれ、医療機器内に含まれ、及び/又は、医療機器とともに使用されるエージェントの種類及び/又は量は、概して、1つ以上の臨床事象に対処するために選択される。
【0076】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、エージェントが使用時、医療機器上に含まれ、医療機器内に含まれ、及び/又は、医療機器とともに使用されるエージェントの量は、1mm2当たり約0.01~100μg(及びその間のすべての値及び範囲)、及び/又は、機器の少なくとも約0.00001重量%であるが、他の量を使用することもできる。医療機器上の、医療機器内の、及び/又は、医療機器とともに使用される2つ以上のエージェントの量は、同じであっても異なっていてもよい。1つ以上のエージェントは、噴霧(例えば、噴霧スプレー技術など)、火炎スプレーコーティング、粉末堆積、浸漬コーティング、フローコーティング、ディップスピンコーティング、ロールコーティング(ダイレクト及びリバース)、超音波処理、ブラッシング、プラズマ蒸着、蒸着による堆積、MEMS技術、及び、回転モールド蒸着、などを含むがこれらに限定されない様々な機構によって、医療機器上にコーティング及び/又は医療機器に含浸させることができる。2つ以上のエージェントが使用時、医療機器上の、医療機器内の、及び/又は、医療機器とともに使用される2つ以上のエージェントの量は、同じであっても異なっていてもよい。
【0077】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器上及び/又は医療機器内の1つ以上のエージェントは、医療機器上で使用時、制御された方法で放出され得て、その結果、治療される問題の領域に、持続期間にわたって所望の用量のエージェントが提供される。理解できるように、医療機器上での1つ以上のエージェントの制御放出は、必ずしも必要ではなく、及び/又は、望ましいわけではない。従って、医療機器上及び/又は医療機器内の1つ以上のエージェントが、治療領域への医療機器の挿入中及び/又は挿入後に医療機器から制御されずに放出される可能性がある。また、医療機器上及び/又は医療機器内の1つ以上のエージェントは、医療機器から制御可能に放出することができ、医療機器上及び/又は医療機器内の1つ以上のエージェントは、医療機器から制御されずに放出できることも理解され得る。また、医療機器上及び/又は医療機器の1つの領域内の1つ以上のエージェントは、医療機器から制御可能に放出され得て、医療機器上及び/又は医療機器内の1つ以上のエージェントは、医療機器の別の領域から制御されずに放出され得ることも理解され得る。従って、医療機器は、1)医療機器上及び/又は医療機器内のすべてのエージェントが制御可能に放出される、2)医療機器上及び/又は医療機器内のエージェントの一部は制御可能に放出され、医療機器上のエージェントの一部は制御されずに放出される、又は、3)医療機器上及び/又は医療機器内のエージェントは制御可能に放出されない、のように設計できる、医療機器はまた、医療機器からの1つ以上のエージェントの放出速度が同じであるか、又は異なるように設計することもできる。医療機器はまた、医療機器上の1つ以上の領域からの1つ以上のエージェントの放出速度が同じであるか、又は異なるように設計することもできる。医療機器からの1つ以上のエージェントの放出を制御するために使用できる非限定的な構成は、1)1つ以上のエージェントを1つ以上のポリマーで少なくとも部分的にコーティングする、2)1つ以上のエージェントを1つ以上のポリマーに、及び/又は、1つ以上のポリマーとともに少なくとも部分的に組み込む、及び/又は、少なくとも部分的に封入する、及び/又は、3)医療機器の細孔、通路、空洞などに1つ以上のエージェントを挿入し、そのような細孔、通路、空洞などを1つ以上のポリマーで少なくとも部分的にコーティング又は覆う、を含む。理解されるように、医療機器からの1つ以上のエージェントの放出を制御するために、他の又は追加の構成を使用することができる。
【0078】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器からの1つ以上のエージェントの放出を少なくとも部分的に制御するために使用される1つ以上のポリマーは、多孔質であっても非多孔質であってもよい。1つ以上のエージェントは、医療機器上の1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体に挿入及び/又は付与することができ、及び/又は、医療機器の1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体を少なくとも部分的に形成するために使用することができる。従って、医療機器上の1つ以上のエージェントは、1)医療機器の1つ以上の表面領域にコーティングされている、2)医療機器の1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体などに挿入及び/又は含浸され、及び/又は、3)医療機器の構造体の少なくとも一部を形成するか、又は医療機器の構造体の少なくとも一部に含まれる。1つ以上のエージェントが医療機器上にコーティングされると、1つ以上のエージェントは、1)医療機器の1つ以上の表面に直接コーティングされる、2)1つ以上のコーティングポリマー又は他のコーティング材料と混合し、その後、医療機器の1つ以上の表面上に少なくとも部分的にコーティングする、3)医療機器上に少なくとも部分的にコーティングされた別のコーティング材料の表面に少なくとも部分的にコーティングされる、並びに/又は、4)a)医療機器の外面又は領域と1つ以上の他のコーティング材料、及び/若しくは、b)2つ以上の他のコーティング材料との間に少なくとも部分的に封入される。理解できるように、他の多くのコーティング構成を追加又は代替として使用することができる。1つ以上のエージェントが医療機器の1つ以上の内部構造体、表面構造体及び/又は微小構造体に挿入及び/又は含浸される場合、1)1つ以上の他のコーティング材料を、医療機器の1つ以上の内部構造体、表面構造体及び/又は微小構造体の上に少なくとも部分的に付与することができ、及び/又は、2)1つ以上のポリマーを1つ以上のエージェントと組み合わせることができる。従って、1つ以上のエージェントは、1)医療機器の構造体に埋め込まれている、2)医療機器の1つ以上の内部構造体に配置される、3)2つのポリマーコーティングの間に封入されている、4)基本構造体とポリマーコーティングの間に封入されている、及び/又は、5)少なくとも1つのポリマーコーティングを含む医療機器の基本構造体に混合される。加えて、又は代わりに、医療機器上の1つ以上のポリマーの1つ以上のコーティングは、1)非多孔性ポリマーの1つ以上のコーティング、2)1つ以上の多孔質ポリマーと1つ以上の非多孔質ポリマーとの組み合わせからなる1つ以上のコーティング、及び/又は、3)多孔質ポリマーの1つ以上のコーティング、を含むことができる。
【0079】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、異なるエージェントは、任意で、異なるポリマーコーティング層の中及び/若しくはその間、並びに/又は、医療機器の構造体上及び/若しくは構造体に配置することができる。また、理解されるように、多くの他の及び/又は追加のコーティングの組み合わせ及び/又は構成を使用することができる。1つ以上のエージェントの濃度、ポリマーの種類、医療機器の内部構造体の種類及び/又は形状、及び/又は、1つ以上のエージェントのコーティングの厚さを使用して、放出時間、放出速度、及び/又は、1つ以上のエージェントの投与量を制御することができるが、他の組み合わせ又は追加の組み合わせも使用できる。従って、エージェントとポリマーシステムの組み合わせと医療機器上の位置とは、多数有り得る。また、理解されるように、1つ以上のエージェントを医療機器の上面に堆積させて、1)1つ以上の非多孔質ポリマーを含む1つ以上のポリマー系の1つ以上の層を介した1つ以上のエージェントの制御放出、2)ポリマー系の1つ以上の層を介した1つ以上のエージェントの制御されない放出、の前に1つ以上のエージェントの初期の制御されないバースト効果を提供することができる。1つ以上のエージェント及び/又はポリマーは、噴霧(例えば、噴霧スプレー技術など)、浸漬コーティング、ロールコーティング、超音波処理、ブラッシング、プラズマ蒸着、及び/又は、蒸着による堆積、などを含むがこれらに限定されない様々な機構によって医療機器上にコーティングすることができる。
【0080】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、各ポリマー層及び/又はエージェントの層の厚さは、概して、少なくとも約0.01μmかつ概して約150μm未満である(例えば、0.01~149.9999μm並びにそれらの間のすべての値及び範囲)。一の非限定的な実施形態では、ポリマー層及び/又はエージェントの層の厚さは、約0.02~75μmであり、より具体的には、約0.05~50μmであり、さらにより具体的には、約1~30μmである。理解されるように、他の厚さを使用することもできる。
【0081】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、様々なポリマーを医療機器上にコーティングすることができ、及び/又は、医療機器の少なくとも一部を形成するために使用することができる。1つ以上のポリマー層が医療機器の少なくとも一部分上にコーティングされる場合、1つ以上のコーティングは、蒸着及び/又はプラズマ蒸着、噴霧、浸漬コーティング、ロールコーティング、超音波処理、霧化、ブラッシングなどを含むがこれらに限定されない様々な技術によって付与することができるが、他の又は追加のコーティング技術を使用することもできる。医療機器上にコーティングすることができる、及び/又は、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用することができる1つ以上のポリマーは、生分解性、生体再吸収性又は生体侵食性であると考えられるポリマー、生体安定性があると考えられているポリマー、及び/又は、修飾により生分解性及び/又は生体吸収性となるように作成できるポリマーであり得る。生分解性であると考えられるポリマーの非限定的な例は、添加剤(例えば、リン酸カルシウムガラス)の有無にかかわらず、生体吸収性又は生体侵食性脂肪族ポリエステル、ポリ(グリコール酸)及び/又はそのコポリマー(例えば、ポリ(グリコリド炭酸トリメチレン)、ポリ(カプロラクトングリコリド))、ポリ(乳酸)及び/又はその異性体(例えば、ポリ-L(乳酸)及び/又はポリ-D乳酸)及び/又はそのコポリマー(例えば、DL-PLA)、及び/又は、他のコポリマー(例えば、ポリ(カプロラクトンラクチド)、ポリ(ラクチドグリコリド)、ポリ(乳酸エチレングリコール))、ポリエチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(ラクチド)、ポリアルキレンスクシネート、ポリブチレンジグリコレート、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリヒドロキシブチレート/ポリヒドロキシバレレートコポリマー(PHB/PHV)、ポリ(ヒドロキシブチレート-co-バレレート)、ポリヒドロキシアルカオエート(PHA)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン-ポリエチレングリコール)コポリマー、ポリ(バレロラクトン)、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)及び/又はポリ無水物との混合物、ポリ(無水物-co-イミド)、ポリカーボネート(脂肪族)、ポリ(ヒドロキシル-エステル)、ポリジオキサノン、ポリ無水物、ポリ無水物エステル、ポリシアノアクリレート、ポリ(アルキル2-シアノアクリレート)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(フマル酸プロピレン)、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチレングリコール)、ポリ(フマル酸無水物)、フィブリノーゲン、フィブリン、ゼラチン、セルロース及び/又はセルロース誘導体及び/又はセルロース系ポリマー(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酪酸セルロース、セルロースエーテル、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セロファン)、キトサン及び/又はキトサン誘導体(例えば、キトサンNOCC、キトサンNOOC-G)、アルギネート、多糖類、でんぷん、アミラーゼ、コラーゲン、ポリカルボン酸、ポリ(エチルエステル-co-カルボキシレートカーボネート)(及び/又は他のチロシン由来ポリカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(BPA-イミノカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート-アミド)コポリマー及び/又は他の擬似ポリ(アミノ酸)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)/ポリ(ブチレンテレフタレート)コポリマー、ポリ(ε-カプロラクトン-ジメチルトリメチレンカーボネート)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(アミノ酸)及びその従来の合成ポリマー、ポリ(シュウ酸アルキレン)、ポリ(アルキルカーボネート)、ポリ(アジピン酸無水物)、ナイロンコポリアミド、NO-カルボキシメチルキトサンNOCC)、カルボキシメチルセルロース、コポリ(エーテル-エステル)(例えば、PEO/PLAデキストラン)、ポリケタール、生分解性ポリエーテル、生分解性ポリエステル、ポリジヒドロピラン、ポリデプシペプチド、ポリアリレート(L-チロシン由来)及び/又は遊離酸ポリアリレート、ポリアミド(例えば、ナイロン6-6、ポリカプロラクタム)、ポリ(フマル酸プロピレン-co-エチレングリコール)(例えば、無水フマレート)、ヒアルロネート、ポリ-p-ジオキサノン、ポリペプチドとタンパク質、ポリリン酸エステル、ポリリン酸エステルウレタン、多糖類、擬似ポリ(アミノ酸)、でんぷん、ターポリマー、(グリコリド、ラクチド、又は炭酸ジメチルトリメチレンのコポリマー)、レーヨン、トリ酢酸レーヨン、ラテックス、及び/又は上記のコポリマー、混合物、及び/又は、複合物、を含むが、これらに限定されない。生体安定性があると考えられるポリマーの非限定的な例は、パリレン、パリレンc、パリレンf、パリレンn、パリレン誘導体、無水マレイン酸ポリマー、ホスホリルコリン、ポリメタクリル酸n-ブチル(PBMA)、ポリエチレン-co-酢酸ビニル(PEVA)、PBMA/PEVA混合物又はコポリマー、ポリテトラフルオロエテン(テフロン(登録商標))及びその誘導体、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(ケブラー(登録商標))、ポリ(エーテルケトン)(PEEK)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(トランスルート(商標))、テトラメチルジシロキサン(側鎖又はコポリマー)、ポリイミド多硫化物、ポリエチレンテレフタレート)、ポリメチルメタクリレート)、ポリ(エチレン-co-メタクリル酸メチル)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロックコポリマー、ABS、SAN、アクリルポリマー及び/又はコポリマー(例えば、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、ポリヒドロキシエチル、メタクリレート/メチルメタクリレートコポリマー)、グリコサミノグリカン、アルキド樹脂、エラスチン、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、ポリ(オキシメチレン)、ポリオレフィン、シリコーンのポリマー、メタンのポリマー、ポリイソブチレン、エチレン-アルファオレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、フルオロシリコーン、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレンなど)、ポリ(ビニルエーテル)(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルケトン)、ポリ(ハロゲン化ビニリデン)(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルプリジンプロラスチン又はシルクエラスチンポリマー(SELP)、シリコーン、シリコーンゴム、ポリウレタン(ポリカーボネートポリウレタン、シリコーンウレタンポリマー)(例えば、クロノフレックス種、ビオネート種)、ハロゲン化ビニルポリマー及び/又はコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリアクリル酸、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキシルアルキルメタクリレート)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、及び/又は上記のコポリマー、混合物、及び/又は、複合物、を含むが、これらに限定されない。修飾により生分解性及び/又は生体吸収性となるようにすることができるポリマーの非限定的な例は、ヒアルロン酸(ヒアンルロン)、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ビニルモノマーのコポリマー、ポリアセタール、生分解性ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリイソシアネート、ポリアミド、及び/又は上記のコポリマー、混合物、及び/又は、複合物、を含むが、これらに限定されない。理解されるように、他の及び/又は追加のポリマー及び/又は上に挙げたポリマーの1つ以上の誘導体を使用することができる。1つ以上のポリマーは、噴霧(例えば、噴霧スプレー技術など)、浸漬コーティング、ロールコーティング、超音波処理、ブラッシング、プラズマ蒸着、及び/又は、蒸着による堆積などを含むがこれらに限定されない様々な機構によって医療機器上にコーティングできる。一の非限定的な実施形態では、医療機器は、パリレン、PLGA、POE、PGA、PLLA、PAA、PEG、キトサン及び/又はこれらのポリマーの1つ以上の誘導体を含む、及び/又は、それらでコーティングされる。別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、医療機器は、ポリアミド、パリレンC、パリレンN及び/若しくはパリレン誘導体を含むがこれらに限定されない非多孔質ポリマーを含む、並びに/又は、当該非多孔質ポリマーでコーティングされる。さらに別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、医療機器は、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、及びポリ(プロピレンオキシド)、シリコーンのポリマー、メタン、テトラフルオロエチレン(テフロン(商標)ブランドのポリマーを含む)、テトラメチルジシロキサンなどを含む、及び/又は、それらでコーティングされる。
【0082】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、1つ以上のエージェントを含む、及び/又は、1つ以上のエージェントでコーティングされる場合、1つ以上のエージェントを含むことができ、及び/又は、1つ以上のエージェントでコーティングすることができる。1つ以上のエージェントは、医療機器の異なる領域で同じ若しくは異なり、並びに/又は、医療機器の異なる領域で異なる量及び/若しくは濃度を有する。例えば、医療機器は、1)医療機器の少なくとも一部分が1つ以上の生物学的製剤でコーティングされている、及び/若しくは、それを含んでおり、医療機器の少なくとも別の部分がエージェントでコーティングされておらず、及び/若しくは、エージェントを含んでいない、2)医療機器の少なくとも別の部分上の1つ以上の生物学的製剤とは異なる、医療機器の少なくとも一部分上の1つ以上の生物学的製剤でコーティングされ、及び/若しくはそれを含む、及び/又は、3)医療機器の少なくとも別の部分における1つ以上の生物学的製剤の濃度とは異なる、医療機器の少なくとも一部分の濃度で1つ以上の生物学的製剤でコーティングされ、及び/若しくは、含まれる、などになり得る。
【0083】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器の1つ以上の部分は、任意で、1)同じ若しくは異なるエージェントを含む、2)同じ量若しくは異なる量の1つ以上のエージェントを含む、3)同じ若しくは異なるポリマーコーティングを含む、4)1つ以上のポリマーコーティングの同じ若しくは異なるコーティング厚さを含む、5)医療機器の1つ以上の部分が、1つ以上のエージェントを制御可能に放出及び/若しくは制御されずに放出する、並びに/又は、6)医療機器の1つ以上の部分が1つ以上のエージェントを制御可能に放出し、医療機器の1つ以上の部分が1つ以上のエージェントを制御されずに放出する。
【0084】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器の1つ以上の表面は、医療機器上にコーティングされる1つ以上のエージェント及び1つ以上のポリマーの所望のコーティング特性を達成するために任意で処理することができる。このような表面処理技術は、洗浄、バフ研磨、平滑化、窒化、焼きなまし、スエージング、冷間加工、エッチング(ケミカルエッチング、プラズマエッチングなど)などを含むが、これらに限定されない。理解されるように、医療機器の表面上に1つ以上のエージェント及び/又はポリマーをコーティングする前に、他の又は追加の表面処理プロセスを使用することができる。医療機器の1つ以上の表面領域が処理されると、ポリマー及び/又はエージェントの1つ以上のコーティングを医療機器の1つ以上の領域に付与することができる。エージェントの1つ以上の層は、様々な技術(例えば、浸漬、ローリング、ブラッシング、スプレー、粒子噴霧など)によって医療機器に付与することができる。一の非限定的なコーティング技術は、超音波を使用してエージェントの液滴を粉砕し、非常に微細な液滴のミストを形成する超音波ミストコーティング処理によるものである。これらの微細な液滴の平均液滴直径は、約0.1~3ミクロンである。微細な液滴ミストは均一なコーティング厚さの形成を促進し、医療機器上の被覆面積を増やすことができる。
【0085】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、医療機器を身体通路(例えば、血管、心臓弁など)内に適切に配置することを容易にするマーカー材料を任意で含むことができる。マーカー材料は、典型的には、電磁波(例えば、X線、マイクロ波、可視光、赤外線、紫外線など)、音波(例えば、超音波など)、磁気波(例えば、MRIなど)、及び/又は、他の種類の電磁波(例えば、マイクロ波、可視光、赤外線、紫外線など)に対して可視となるように設計されている。一の非限定的な実施形態では、マーカー材料は、X線で見える(つまり、放射線不透過性)。マーカー材料は、医療機器の全部又は一部を形成することができ、及び/又は、医療機器の1つ以上の部分(フレア部分及び/又は本体部分、医療機器の端部、本体部分とフレア部分の移行部又はその付近など)にコーティングすることができる。マーカー材料の位置は、医療機器上の1つ以上の位置にある。マーカー材料を含む1つ以上の領域のサイズは、同じであっても異なっていてもよい。マーカー材料は、所定の距離を互いに離間させて医療機器上に定規状のマーキングを形成し、身体通路内での医療機器の位置決めを容易にすることができる。マーカー材料は、硬い材料でも柔軟な材料でもよい。マーカー材料は、生体安定性材料又は生分解性材料であり得る。マーカー材料が剛性材料である場合、マーカー材料は、典型的には、金属材料(例えば、金属バンド、金属メッキなど)で形成されるが、他の材料又は追加の材料を使用することもできる。医療機器を少なくとも部分的に形成する金属は、マーカー材料として機能することができるが、これは必須ではない。マーカー材料が可撓性材料である場合、マーカー材料は、通常、それ自体がマーカー材料である、及び/又は、1つ以上の金属粉末及び/又は金属化合物を含む1つ以上のポリマーから形成される。一の非限定的な実施形態では、柔軟なマーカー材料は、パリレン、PLGA、POE、PGA、PLLA、PAA、PEG、キトサン及び/又は、これらのポリマーの1つ以上の誘導体と組み合わせた1つ以上の金属粉末を含む。別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、柔軟なマーカー材料は、アルミニウム、バリウム、ビスマス、コバルト、銅、クロム、金、鉄、ステンレス鋼、チタン、バナジウム、ニッケル、ジルコニウム、ニオブ、鉛、モリブデン、プラチナ、イットリウム、カルシウム、希土類金属、レニウム、亜鉛、銀、劣化放射性元素、タンタル及び/又はタングステン、及び/又は、それらの化合物の内の1つ以上の金属及び/又はそれらの金属粉末を含む。マーカー材料は、ポリマー保護材料でコーティングできるが、これは必須ではない。マーカー材料がポリマー保護材料でコーティングされている場合、ポリマーコーティングは、1)マーカー材料を体液から少なくとも部分的に隔離する、2)マーカー材料を医療機器上に保持しやすくする、3)医療処置中に損傷からマーカー材料を少なくとも部分的に保護する、及び/又は、4)医療機器上に所望の表面形状を提供する、の目的で使用できる。理解できるように、ポリマーコーティングは、他の用途又は追加の用途を持つことができる。ポリマー保護コーティングは、生体安定性ポリマー又は生分解性ポリマー(例えば、分解及び/又は吸収される)であり得る。保護コーティングポリマー材料のコーティング厚さは、使用時、典型的には、約300ミクロン未満である(例えば、0.001~299.999ミクロン並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が、他の厚さを使用することもできる。一の非限定的な実施形態では、保護コーティング材料は、パリレン、PLGA、POE、PGA、PLLA、PAA、PEG、キトサン、及び/又は、これらのポリマーの1つ以上の誘導体を含む。
【0086】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器又は医療機器の1つ以上の領域は、1つ以上の微小電気機械製造(MEMS)技術(例えば、マイクロマシニング、レーザーマイクロマシニング、レーザーマイクロマシニング、マイクロモールディング、3D印刷など)を使用して構築できるが、他の又は追加の製造技術を使用することもできる。
【0087】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、任意で、1つ以上の表面構造体(例えば、細孔、チャネル、ピット、リブ、スロット、ノッチ、バンプ、歯、針、ウェル、穴、溝など)を含むことができる。MEMS(例えば、マイクロマシニングなど)技術及び/又は他の種類の技術(例えば、3D印刷など)によって少なくとも部分的に形成することができる。
【0088】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、任意で、医療機器の表面に1つ以上の微小構造体(例えば、マイクロニードル、マイクロポア、マイクロシリンダー、マイクロコーン、マイクロピラミッド、マイクロチューブ、マイクロ直方体、マイクロプリズム、マイクロ半球、歯、リブ、リッジ、ラチェット、ヒンジ、ジッパー、結束バンド、類似の構造体など)を含むことができる。本開示で定義される「微小構造体」とは、少なくとも1つの寸法(例えば、平均幅、平均直径、平均高さ、平均長さ、平均深さなど)が約2mm以下であり、典型的には、約1mm以下の構造体である。理解できるように、医療機器が1つ以上の表面構造体を含む場合、1)すべての表面構造体は微小構造体にすることができる、2)すべての表面構造体が非微小構造体であってもよい、又は、3)表面構造体の一部は微小構造体であってもよく、一部は非微小構造体であってもよい。医療機器上に形成できる構造体の非限定的な例は、米国特許出願公開第2004/093076号明細書及び米国特許出願公開第2004/0093077号明細書に示されており、これらは参照により本開示に組み込まれる。典型的には、微小構造体(形成されるとき)は、外表面から又は外面内に約400ミクロン(0.01~400ミクロン並びにそれらの間のすべての値及び範囲)以下であり、より典型的には、約300ミクロン未満であり、より典型的には、約15~250ミクロン延びるが、他のサイズも使用できる。微小構造体は、一緒にクラスター化することもでき、医療機器の表面全体に分散させることもできる。同じ形状及び/又はサイズの微小構造体及び/又は表面構造体を使用することができ、又は異なる形状及び/又はサイズの微小構造体を使用することができる。1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体が、医療機器の表面から延在するように設計されている場合、1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、延びた位置に形成することができ、及び/又は、治療領域における医療機器の展開中及び/又は展開後に医療機器から延出するように設計することができる。微小構造体及び/又は表面構造体は、通路、空洞などを含む、及び/又は、通路、空洞などに流体接続されるように設計することができるが、これは必須ではない。1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、医療機器が患者上及び/又は患者内に配置されると、周囲の組織又は器官に係合及び/又は貫通するために使用することができるが、これは必須ではない。1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、医療機器の形状維持の形成を容易にするために使用することができる。一の非限定的な実施形態では、1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、少なくとも部分的にエージェントで形成され得る、及び/又は、ポリマーで形成され得る。表面構造体及び/又は微小構造体の内の1つ以上は、1つ以上の材料(例えば、エージェント、ポリマーなど)を含むことができる1つ以上の内部通路を含むことができるが、これは必須ではない。1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、様々なプロセス(例えば、機械加工、化学修飾、化学反応、MEMS(例えば、微細加工など)、エッチング、レーザー切断、3D印刷、フォトエッチングなど))によって形成することができる。医療機器の1つ以上のコーティング及び/又は1つ以上の表面構造体及び/又は微小構造体は、1)1つ以上のエージェント、接着剤、マーカー材料及び/又はポリマーの医療機器への結合及び/又は接着を増加させる、2)医療機器の外観又は表面特性の変更、及び/又は、3)1つ以上のエージェントの放出速度を制御する、などを含むがこれらに限定されない様々な目的に使用することができる。1つ以上の微小構造体及び/又は表面構造体は、生体安定性、生分解性などであり得る。MEMS技術によって少なくとも部分的に形成される医療機器の1つ以上の領域は、生体安定性、生分解性などであり得る。医療機器又は医療機器の1つ以上の領域は、医療機器の1つ以上の領域、及び/又は、医療機器の1つ以上の微小構造体、及び/又は、医療機器上の表面構造体を損傷から少なくとも部分的に保護するために、保護材料で少なくとも部分的に覆う、又は満たすことができる。医療機器の1つ以上の領域、並びに/又は、医療機器上の1つ以上の微小構造体及び/若しくは表面構造体は、医療機器が、1)包装及び/又は保チューブ、2)開梱されていない、3)別の医療機器に接続されている、及び/若しくは、他の医療機器に固定されている、及び/若しくは、配置されている、4)治療領域に挿入、並びに/又は、5)ユーザーによって取り扱われる、と損傷する可能性がある。理解されるように、医療機器は、他の方法又は追加の方法で損傷する可能性がある。保護材料は、医療機器及び/又は1つ以上の微小構造体及び/又は表面構造体をそのような損傷から保護するために使用することができる。保護材料は、上記で既に特定した1つ以上のポリマーを含み得る。保護材は、1)生体安定性及び/若しくは生分解性、並びに/又は、2)多孔質及び/若しくは非多孔質、である。別の及び/又は追加の非限定的な設計では、保護材料は、糖(例えば、グルコース、フルクトース、スクロースなど)、炭水化物化合物、塩(例えば、NaClなど)、パリレン、PLGA、POE、PGA、PLLA、PAA、PEG、キトサン、及び/又は、これらの材料の1つ以上の誘導体を含むが、他の及び/又は追加の材料を使用することもできる。さらに別の及び/又は追加の非限定的な設計では、保護材料の厚さは、概して、約300ミクロン未満(例えば、0.01ミクロン~299.9999ミクロン並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、約150ミクロン未満であるが、他の厚さを使用することもできる。保護材料は、本開示で前述した1つ以上の機構によってコーティングすることができる。
【0089】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、他の何らかの装置(例えば、バルーンなど)を使用することによって拡張できる拡張可能な装置であってもよい。
【0090】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器は、形状記憶特性を全く又は実質的に持たない材料から任意で製造することができる。
【0091】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、任意で、医療機器のフレーム及び/又は他の金属コンポーネントのためのニアネットプロセスが提供される。本開示の非限定的な一実施形態では、材料を粉末プレスし、任意で、追加の冷間加工を施すことによって焼結後の強度を高める方法が提供される。一の非限定的な実施形態では、グリーンパート(green part)は、プレスされ、その後焼結される。その後、焼結した部品に冷間加工を加えて機械的強度を高めるために、焼結した部品を再度プレスする。概して、焼結処理後のプレスプロセス中の温度は、20~100℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、20~80℃であり、より典型的には、20~40℃である。本開示で定義されるように、冷間加工は、150℃以下の温度(例えば、10~150℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)で行われる。最終部品(プレス、焼結及び再プレス)が最終成形部品の寸法要件を満たすように、再プレスされた焼結後部品の形状の変化を決定する必要がある。Mo47.5Re合金、MoRe合金、ReW合金、ReCr合金、その他の高融点金属合金の場合、1~300tsi(1平方インチあたり1トン)(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のプリプレス圧力を使用し、その後少なくとも1600℃の焼結処理(例えば、1600~2600℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、少なくとも20℃の温度で1~300tsiの圧力(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の後焼結プレス(例えば、20~100℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲、20~40℃など)と、を行うことができる。焼結後の部品を再プレスして材料に追加の冷間加工を加えることにより、プレスされた金属部品の機械的強度を高める任意のプロセスも提供される。それにより、機械的強度が向上する。金属粉末を使用して、ニアネット又は最終部品に粉末プレスする任意のプロセスも提供される。一の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品を形成するために使用される金属粉末は、最低40重量%のレニウムと少なくとも25重量%のモリブデンを含んでおり、残りは任意でタングステン、タンタル、クロム、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、チタン、ビスマス及びイットリウムの内の1つ以上の元素を含むことができる。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品を形成するために使用される金属粉末は、20~80重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、20~80重量%のモリブデン(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、任意で、タングステン、タンタル、クロム、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、チタン、ビスマス及びイットリウムの内の1つ以上の元素を含む。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、タングステン(20~60重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、レニウム(20~80重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、0~5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の1つ以上の他の元素と、を含む。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、タングステン(20~80重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、レニウム(20~80重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、モリブデン(0.01~15重量%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、0~5重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の1つ以上の他の元素と、を含む。
【0092】
別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、35~65重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、チタン、ビスマス及びイットリウムの内の2つ以上の元素を含む。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、35~65重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)モリブデン粉末、並びに、11~41重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の、クロム粉末と、任意で、ビスマス、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、ニオブ、ジルコニウム、イリジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス及びイットリウムからなる群から選択される1つ又は複数の金属の粉末と、の組み合わせを含む。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、35~65重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、クロムと、0.1~25重量%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の、モリブデン、ビスマス、ニオブ、タングステン、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、マンガン、ジルコニウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、オスミウム、銅、イリジウム及びイットリウムの内の1つ以上の元素と、を含む。別の非限定的な実施形態では、ニアネット又は最終部品の形成に使用される金属粉末は、25~95重量%のレニウム(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)と、カルシウム、炭素、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、ランタン酸化物、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、プラチナ、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、ジルコニウムの1つ以上、及び/又は、それらの成分の内の1つ以上の合金を含む。
【0093】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、任意で、ニアネット又は完成部品複合材のプレスが提供される。金属をプレスして完成部品のニアネットにするプロセスは、十分に確立されている。しかし、複雑な部品の形状及び発泡体のような構造体を作成する目的で、金属粉末とポリマーで形成された複合構造体をプレスすることは新規である。同様に、プレスプロセスを使用して特定の生物学的物質を金属マトリックスに付与することも新規である。一の非限定的な実施形態では、事前に定義された空隙を備えた金属部品を作成し、金属とポリマー粉末とを混合して構成される小柱又は発泡構造を作成することと、その後、粉末を完成部品又は半完成のグリーンパートに押し込むことと、その後、ポリマーの熱分解処理を通じてポリマーが金属を残す条件下で部品を焼結することと、のプロセスが提供される。得られた部品は、ポリマー粒子のサイズに関連した多孔性と、焼結前のプレス時の混合物の均質性と、に関連する。別の非限定的な実施形態では、熱分解後にポリマーの残留物が(金属基板上に)残され、ポリマーの残留物が何らかの望ましい生物学的影響(例えば、封入による身体からの金属のマスキング、細胞付着の促進、及び成長)を及ぼす、プロセスが提供される。ポリマーと金属の粉末は、様々なサイズで多数の空隙を作成できる。大きいものは細胞増殖の経路を作り、いくつかの小さいものは細胞の付着を促進するラフ表面を作る。
【0094】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ポリマーは、任意で、金属粉末とともに均一又は不均一に分散させることができる。例えば、最終成形部品が均一な密度と細孔構造体を持つ必要がある場合、ポリマー材料は、金属粉末とともに均一に分散され、その後ポリマーと金属粉末を一緒に固めてプレスし、続いて金属粉末を一緒に焼結して金属部品又は医療機器を形成する。あるいは、形成された金属部品又は医療機器が、形成された部品又は医療機器の内部及び/若しくはその外表面上に、1つ以上のチャネル、通路及び/又は空隙を有することになるとき、ポリマーの少なくとも一部は金属粉末とともに均一に分散されてないが、その代わり成形部品又は医療機器の内部及び/若しくはその外表面上の、1つ以上のチャネル、通路及び/若しくは空隙になることとなる領域全体に集中しているか、又はそれを形成しており、その結果、ポリマーと金属粉末とが焼結されると、ポリマーの一部又はすべてが分解され、部品又は医療機器から除去され、それによって、そのような1つ以上のチャネル、通路及び/又は空隙を、形成された部品又は医療機器の外表面上及び/若しくは内部に形成する。ポリマーの一部又は全部が分解され、部品又は医療機器から除去され、それによって形成された部品又は医療機器の外表面上及び/又は内部にそのような1つ以上のチャネル、通路及び/又は空隙が形成される。従って、金属粉末とポリマーを組み合わせて使用し、その後のプレス及び焼結を使用して、医療機器又は医療機器のニアネットフォームの新規のカスタマイズされた形状を形成することができる。概して、ポリマーは、焼結工程の前に、固化及びプレスされた材料の約0.1~70体積%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を構成し、典型的には、ポリマーは、焼結工程の前に、固化及びプレスされた材料の約1~60体積%を構成し、より典型的には、ポリマーは、焼結工程前の固化及びプレス材料の約2~50体積%を構成し、さらにより典型的には、ポリマーは、焼結工程前の固化及びプレス材料の約2~45体積%を構成する。従って、焼結工程の前にポリマーが固化及びプレスされた材料の約5体積%を構成する場合、焼結工程の後、ポリマーの少なくとも95%(例えば、95~100%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が分解され、部品又は医療機器から除去される場合部品又は医療機器から除去される場合、その部品は、医療機器内に最大約5体積%の空洞及び/又は通路を含む可能性がある。
【0095】
ポリマーの種類及び金属粉末の種類は、限定されない。ポリマー及び金属の粉末は様々なサイズにすることができ、複数の空隙/通路/チャネルを作成できる。複数の空隙/通路/チャネルを使用して、細胞増殖のための経路を作成し、細胞の付着を促進するラフ表面を作成し、1つ以上の空隙/通路/チャネルに生物学的エージェントを挿入し、1つ以上の空隙/通路/チャネルなどに生物学的材料を挿入することができる。一の非限定的な実施形態では、ポリマーの平均粒径は、焼結前の金属粉末の平均粒径よりも大きい。
【0096】
本開示の別の非限定的な態様では、焼結処理の後、ポリマーの少なくとも95体積%(95%~100%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、典型的には、ポリマーの少なくとも99体積%が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、より典型的には、ポリマーの少なくとも99.5体積%が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、さらにより典型的には、ポリマーの少なくとも99.9体積%が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、さらにより典型的には、ポリマーの少なくとも99.95体積%が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去される。得られる部品又は医療機器は、ポリマー粒子のサイズに関連した多孔性と、焼結前のプレス時の混合物の均質性に関連する。
【0097】
本開示の別の非限定的な態様では、焼結処理後、ポリマーの一部が場合によっては焼結部品又は医療機器に残る場合がある。焼結部品又は医療機器に残っているポリマーは、任意で、何らかの所望の生物学的影響(例えば、封入による身体からの金属のマスキング、細胞の付着及び成長の促進など)を有することができる。残りのポリマーは、焼結処理後も活性を維持する1つ以上の生物学的エージェントを任意で含むことができる。一の非限定的な実施形態では、ポリマーが焼結部品に残るように設計されている場合、焼結処理後、ポリマーの約5~99.9体積%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、典型的には、ポリマーの約10~95体積%が熱分解され、及び/又は、焼結材料から除去され、より典型的には、ポリマーの約10~80体積%が熱分解されて焼結材料から除去される。
【0098】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器を少なくとも部分的に形成するために使用される高融点金属合金は、最初にニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブなどに形成され、次に1つ以上の仕上げプロセス(例えば、センタレス研削、旋削、電解研磨、引き抜き、研削、レーザー切断、シェービング、研磨、EDM切断、微細加工、レーザー微細加工、微細成形、機械加工、穴開け(例えば、ガンドリルなど)、3D印刷、コールドワーディング、スエージング、洗浄、バフ研磨、スムージング、窒化処理、焼きなまし、プラグ引き抜き、エッチング(化学エッチング、プラズマエッチングなど)、化学修飾、化学反応、フォトエッチング、化学コーティングなど)、によって最終形状に仕上げられる。
【0099】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金ニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブなどは、1)高融点金属合金及び/又は高融点金属合金を形成する金属を溶解し(例えば、真空アーク溶解など)、その後、高融点金属合金を押し出し及び/又は鋳造してニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブ、などにする、2)高融点金属合金及び/又は高融点金属合金を形成する金属を溶解し、金属ストリップを形成し、次いでストリップを圧延及び溶接してニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブなどにする、3)高融点金属合金の金属粉末及び/又は高融点金属合金を形成する金属の金属粉末をニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブなどに固める(プレス、プレス及び焼結など)、及び/又は、4)金属合金をニアネットパーツ、ブランク、ロッド、チューブなどに金属合金を3D印刷する、などを含むがこれらに限定されない様々な技術によって形成できる。高融点金属合金がブランクに形成されるとき、ブランクの形状及びサイズは限定されない。高融点金属合金がロッド又はチューブに形成されるとき、ロッド又はチューブは概して約48インチ以下(例えば、0.1~48インチ並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の長さを有するが、より長いものも形成できる。一の非限定的な構成では、ロッド又はチューブの長さは、約8~20インチである。ロッド又はチューブの平均外径は、概して、約2インチ未満(すなわち、断面積約3.14平方インチ未満)であり、より典型的には、外径は約1インチ未満であり、さらにより典型的には、外径は約0.5インチ以下であるが、より大きな直径サイズのロッド又はチューブを形成することもできる。チューブについての一の非限定的な構成では、チューブは、約0.31インチ±約0.002インチの内径と、約0.5インチ±約0.002インチの外径と、を有する。チューブの壁厚は、約0.095インチ±約0.002インチである。理解できるように、これは形成できる様々なサイズのチューブの一例に過ぎない。一の非限定的なプロセスでは、医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどである。一の非限定的なプロセスでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを、金属又は高融点合金の1つ以上のインゴットから形成することができる。一の非限定的なプロセスでは、アーク溶解プロセス(例えば、真空アーク溶解プロセスなど)を使用して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを形成することができる。別の非限定的なプロセスでは、レニウム粉末と、タングステン粉末と、任意で、モリブデン粉末をるつぼ(例えば、シリカるつぼなど)に入れ、制御された雰囲気(例えば、真空環境、一酸化炭素環境、水素及びアルゴン環境、ヘリウム、アルゴンなど)下で誘導溶解炉により加熱し、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを形成することができる。理解できるように、他の金属粒子を使用して他の高融点金属合金(例えば、高融点金属合金、MoRe合金、MoReCr合金、WRe合金、ReCr合金、MoReTa合金、MoReTi合金、ReCr合金など)を溶解、焼結、粒子の圧縮と加熱などの様々なプロセスによって形成することができる。他のプロセス又は追加のプロセスを使用して、高融点金属合金を形成できることが理解され得る。高融点金属合金のチューブを形成する場合、チューブを形成するための押出プロセス中にぴったりとフィットするロッドを使用できるが、これは必須ではない。別の及び/又は追加の非限定的なプロセスでは、高融点金属合金のチューブは、高融点金属合金のストリップ又はシートから形成することができる。高融点金属合金のストリップ又はシートは、シート又はストリップの端を巻き、次にシート又はストリップの端を溶接することによってチューブに形成することができる。シート又はストリップの端の溶接は、a)エッジを一緒に保持し、真空中でエッジを電子ビーム溶接する、b)溶接されるべき巻かれたストリップ又はシートの端の上及び/又は下に高融点金属合金の薄いストリップを配置し、次に、1つ以上のストリップを巻かれたストリップ又はシートの端に沿って溶接し、次に外側のストリップを研削する、又は、c)真空、酸素低減雰囲気、又は不活性雰囲気中で、圧延されたシート又はストリップの端をレーザー溶接する、などを含むがこれらに限定されないいくつかの方法で行うことができる。さらに別の及び/又は追加の非限定的なプロセスでは、医療機器のニアネットフレーム、高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどは、金属粉末を固めることによって形成される。このプロセスでは、金属(例えば、Re、W、Mo、Ti、Cu、Ni、Crなど)の微粒子を添加剤とともに混合して、粒子の均質な混合物を形成する。典型的には、金属粉末の平均粒径は、約200メッシュ未満(例えば、74ミクロン未満、2~74ミクロン並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。平均粒径が大きいと、金属粉末の適切な混合が妨げられ、及び/又は、金属粉末から形成される医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどの1つ以上の物理的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。一の非限定的な実施形態では、金属粉末の平均粒径は、約230メッシュ未満(例えば、63ミクロン未満)である。別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、金属粉末の平均粒径は、約2~63ミクロンであり、より具体的には、約5~40ミクロンである。理解できるように、より小さな平均粒径を使用することができる。金属粉末の純度は、金属粉末に含まれる炭素、酸素及び窒素のレベルが非常に低くなるように選択する必要がある。典型的には、高融点金属合金を形成するために使用される金属粉末の炭素含有量は、約100ppm未満であり、酸素含有量は、約50ppm未満であり、窒素含有量は、約20ppm未満である。典型的には、高融点金属合金を形成するために使用される金属粉末は、少なくとも99.9、より典型的には、少なくとも約99.95の純度グレードを有する。続いて、金属粉末の混合物を一緒にプレスして、高融点金属合金の固溶体を形成して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを形成する。典型的には、プレスプロセスは静水圧プロセス(つまり、金属粉末のすべての面から均一な圧力が加えられる)によって行われるが、他のプロセスを使用することもできる。金属粉末を静水圧的に一緒にプレスする場合、典型的には、冷間静水圧プレス(CIP)を使用して金属粉末を固めるが、これは必須ではない。プレスプロセスは、不活性雰囲気、酸素低減雰囲気(例えば、水素、アルゴン及び水素混合物など)及び/又は真空下で行うことができるが、これは必須ではない。金属粉末を一緒にプレスすることによって達成されるニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの平均密度は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの最終平均密度の約80~95%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、又は、高融点金属合金の最小理論密度の約70~99%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。少なくとも約300MPa(例えば、300~800MPa並びにそれらの間のすべての値及び範囲)のプレス圧力が、概して、使用される。概して、プレス圧力は、400~700MPa程度であるが、他の圧力も使用できる。金属粉末を一緒にプレスした後、プレスされた金属粉末を少なくとも1600℃(例えば、1600~3500℃並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の温度で焼結して、金属粉末を部分的又は完全に融合させてニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを形成する。固化金属粉末の焼結は、酸素低減雰囲気(例えば、ヘリウム、アルゴン、水素、アルゴン及び水素混合物など)中、及び/又は、真空下で行うことができるが、これは必須ではない。高い焼結温度では、高水素雰囲気により、形成されたニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの炭素と酸素の量が両方とも減少する。焼結金属粉末は、概して、高融点金属合金の最小理論密度の約90~99.9%(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の焼結後の平均密度を有する。典型的には、焼結高融点金属合金は、少なくとも約5gm/cc(例えば、5~20gm/cc並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の最終平均密度を有し、典型的には、少なくとも約8.3gm/ccであり、約16グラム/cc以下又は超えてもよいが、これは必須ではない。形成されたニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの密度は、概して、使用される高融点金属合金の種類によって異なる。
【0100】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金の中実ロッドが形成されるとき、ロッドの外側断面積又は直径を減少させる前に、ロッドはチューブに形成される。ロッドは、切断又は穴開け(例えば、ガンドリルなど)、又は切断(例えば、EDM、EDMシンカー、ワイヤーEDMなど)又は3D印刷による、などを含むがこれらに限定されない様々なプロセスによってチューブに形成することができる。ロッド内に形成される空洞又は通路は、典型的には、ロッドを完全に貫通して形成されるが、これは必須ではない。
【0101】
本開示のさらなる及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが形成された後に、任意で、洗浄及び/又は研磨することができるが、これは必須ではない。典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、さらに加工される前に洗浄及び/又は研磨されるが、これは必須ではない。高融点金属合金のロッドがチューブに形成されるとき、形成されたチューブは通常、さらに加工される前に洗浄及び/又は研磨されるが、これは必須ではない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどのサイズ変更及び/又は焼きなましを行う場合、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、典型的には、サイズ変更及び/又は焼きなまし処理の前、及び/又は、それぞれ若しくは一連の後に、洗浄及び/又は研磨されるが、これは必須ではない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの洗浄及び/又は研磨は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面から不純物及び/又は汚染物質を除去するために使用される。、ブランク、ロッド、チューブなどの加工中に、不純物及び汚染物質が高融点金属合金に混入する可能性がある。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに不純物及び汚染物質が不用意に混入すると、高融点金属合金中に望ましくない量の炭素、窒素、酸素、及び/又は、その他の不純物が生じる可能性がある。高融点金属合金に不純物及び汚染物質を含むと、高融点金属合金における早期の微小亀裂の発生、及び/又は、高融点金属合金の1つ以上の物理的特性に悪影響(例えば、引張伸びの減少、延性の増加、脆性の増加など)、の可能性がある。高融点金属合金の洗浄は、1)溶剤(例えば、アセトン、メチルアルコールなど)を使用し、高融点金属合金をキムワイプ又は他の適切なタオルで拭く、2)高融点金属合金を溶媒に少なくとも部分的に浸漬又は浸漬し、次に高融点金属合金を超音波洗浄すること、及び/又は、3)高融点金属合金を酸洗液に少なくとも部分的に浸漬又は浸漬することによる、などを含むがこれらに限定されない様々な技術によって行うことができる。理解できるように、高融点金属合金は、他の方法又は追加の方法で洗浄することができる。高融点金属合金を研磨する場合、高融点金属合金は、概して、酸溶液を含む研磨溶液を使用して研磨されるが、これは必須ではない。非限定的な一例では、研磨溶液は、硫酸を含むが、他の酸又は追加の酸を使用することもできる。一の非限定的な研磨溶液では、研磨溶液は、体積で60~95%の硫酸と5~40%の脱イオン水(DI水)を含むことができる。概して、酸を含む研磨溶液は、溶液の作成中及び/又は研磨ステップ中に温度が上昇する。従って、研磨溶液は、典型的には、溶液の作成中及び/又は研磨ステップ中に撹拌及び/又は冷却される。研磨溶液の温度は、典型的には、約20~100℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、約25℃より高い。使用できる一の非限定的な研磨技術は、電解研磨技術である。電解研磨技術を使用する場合、研磨プロセス中に医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどに、約2~30V(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、典型的には、約5~12Vの電圧が印加されるが、他の電圧も使用できることが理解され得る。高融点金属合金の研磨にかかる時間は、医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどのサイズと、医療機器、のニアネットフレームから除去する必要がある材料の量と、の両方に依存する。医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどは、2段階研磨プロセスで加工でき、高融点金属合金片は、所定の期間(例えば、0.1~15分など)研磨溶液に少なくとも部分的に浸漬され、短時間(例えば0.02~1分など)すすぎ洗いされ(例えば、脱イオン水など)、続いて、ひっくり返し、最初と同じか同様の時間、再び少なくとも部分的に溶液に浸されるが、これは必須ではない。高融点金属合金は、溶媒(例えば、アセトン、メチルアルコールなど)ですすぐ前に、一定時間(例えば、0.01~5分間など)すすぐことができる(例えば、脱イオン水など)が、これは必須ではない。高融点金属合金は、清浄な表面上で乾燥させることができる(例えば、大気への曝露、不活性ガス環境内での維持など)。これらの研磨ステップは、医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどの所望の研磨量が達成されるまで繰り返すことができる。医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどは、均一に電解研磨又は選択的に電解研磨できる。医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどを選択的に電解研磨する場合、選択的電解研磨を使用して、医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどの異なる表面特性を得る、及び/又は、医療機器のニアネットフレーム、ブランク、ロッド、チューブなどの1つ以上の領域を選択的に露出させることができるが、これは必須ではない。
【0102】
本開示のさらにさらなる及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、医療機器の所望の寸法に合わせてサイズ変更できる。一の非限定的な実施形態では、ブランク、ロッド、チューブなどの断面積又は直径は、単一のステップにおいて又は一連のステップによって、最終的なニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの寸法に縮小される。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの外側断面積又は直径の縮小は、センタレス研削、旋削、電解研磨、引き抜き加工、研削、レーザー切断、シェービング、研磨、EDMカット、などによって実現できる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの外側の断面積又は直径のサイズは、1つ以上の引き抜き加工を使用することによって縮小できるが、これは必須ではない。引き抜き加工中、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの外側の断面積又は直径の縮小中に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに微小亀裂が形成されないように注意する必要がある。
【0103】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、概して、断面積が約25%以上(例えば、0.1~25%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)減少しない場合は、その都度ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが引き抜きでサイズダウンされる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが任意で窒化物層を含む場合、窒化層は、任意で、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの引き抜きを容易にするための引き抜き中に潤滑面として機能することができる。概して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが減少機構を介して引き抜かれる度に、断面積が約0.1~20%減少する。別の及び/又は代替の非限定的なプロセスステップでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが減少機構を介して引き抜かれる度に、断面積が約1~15%減少する。さらに別の及び/又は代替の非限定的なプロセスステップでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが減少機構を介して引き抜かれる度に、断面積が約2~15%減少する。さらに別の一の非限定的なプロセスステップでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが減少機構を介して引き抜かれる度に、断面積が約5~10%減少する。本開示の別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ダイを通して引き抜かれ、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの断面積を減少させる。概して、ニアネット医療用具、ブランク、ロッド、チューブなどをダイに通す前に、ニアネット医療用具、ブランク、ロッド、チューブなどの一端を絞り込み(ノーズ加工)、ダイを通して供給されるが、これは必須ではない。チューブの引き抜き加工は、典型的には、冷間引き抜き加工又はダイを通したプラグ引き抜き加工である。冷間引き抜き又はマンドレル引き抜き加工が使用されるとき、典型的には、潤滑剤(モリブデンペースト、グリースなど)がニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの外表面にコーティングされ、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどがその後ダイを通して引き抜かれる。典型的には、冷間引き抜き加工では熱はほとんど又はまったく使用されない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどがダイを通して引き抜かれた後、典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの外表面は、潤滑剤を除去して、高融点金属合金に組み込まれる不純物の量を制限するために溶剤で洗浄されるが、これは必須ではない。この冷間引き抜き加工は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの所望の外側断面積又は直径、内側断面積又は直径及び/又は壁厚が達成されるまで、数回繰り返すことができる。プラグ引き抜き加工は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどのサイズを決定するために、追加として、又は、その代わりに使用することもできる。プラグ引き抜き加工において、典型的には、引き抜き加工中に潤滑剤を使用しない。プラグ引き抜き加工は、典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを、ダイを通して引き抜く前及び/又は引き抜き中に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを加熱する加熱ステップを含む。潤滑剤の使用を排除することで、引き抜き加工中に高融点金属合金に不純物が混入する発生率を減らすことができる。プラグ引き抜き加工中、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、真空環境、非酸素環境(例えば、水素、アルゴンと水素の混合物、窒素、窒素など及び水素など)又は不活性環境を使用することで酸素から保護できる。一の非限定的な保護環境は、アルゴン、水素、又は、アルゴンと水素を含むが、他の又は追加の不活性ガスを使用することもできる。上で示したように、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、典型的に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面から不純物及び/又は他の望ましくない物質を除去するために、各引き抜きプロセス後に洗浄されるが、これは必須ではない。典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの温度が500℃以上、典型的には、450℃以上、より典型的には、400℃以上に上昇した場合、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは酸素及び窒素から保護される必要があるが、これは必須ではない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが約400~500℃を超える温度に加熱されると、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、窒素と酸素の存在下で、窒化物を形成し始める傾向がある。このような高温環境では、概して、水素環境、アルゴン及び水素環境などが用いられる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが400~500℃未満の温度で引き抜きされる場合、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが空気にさらされても悪影響はほとんど又はまったくないが、概して、不活性又はわずかに還元性の環境の方が望ましい。
【0104】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、焼きなまし後に冷却されるが、これは必須ではない。概して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金におけるシグマ相の形成を抑制又は防止するために、焼きなまし後にかなり速い速度で冷却されるが、これは必須ではない。概して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、焼きなまし後、少なくとも約50℃/分(例えば、50~500℃/分並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、典型的には、焼きなまし後少なくとも75℃/分、より典型的には、焼きなまし後少なくとも約100℃/分、さらにより典型的には、焼きなまし後約100~400℃/分、さらにより典型的には、焼きなまし後約150~350℃/分、さらにより典型的には、焼きなまし後毎分約200~300℃、さらにより典型的には、焼きなまし後毎分約250~280℃、の速度で冷却されるが、これは必須ではない。
【0105】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、1つ以上の引き抜き加工後に焼きなましされる。高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどは、各引き抜き加工後又は複数の引き抜き加工後に焼きなましすることができる。高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどは、典型的には、高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズを約60%縮小する前に焼きなましされる。言い換えれば、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、焼きなまし前に断面積が60%を超えて縮小されるべきではない(例えば、0.1~60%の縮小並びにそれらの間のすべての値及び範囲)。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを焼きなます前の引き抜き加工中に、高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどの断面積の減少が大きすぎると、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに微小亀裂が生じる可能性がある。一の非限定的な処理ステップでは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズを約50%減少させる前に焼きなましされる。別の及び/又は代替の非限定的な処理ステップでは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズを約45%縮小する前に焼きなましされる。本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズを約1~45%減少させる前に焼きなまされる。さらに別の及び/又は代替の非限定的な処理ステップでは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズが約5~30%減少する前に焼きなましされる。さらに別の及び/又は代替の非限定的な処理ステップでは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどは、高融点金属合金ブランク、ロッド、チューブなどの断面積サイズが約5~15%減少する前に焼きなましされる。
【0106】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを焼きなましする場合、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、典型的には、約500~1700℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の温度で約1~200分の期間(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)加熱されるが、他の温度及び/又は時間を使用することもできる。一の非限定的な処理ステップでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、約1000~1600℃の温度で約2~100分間焼きなましされる。別の非限定的な処理ステップでは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、約1100~1500℃の温度で約5~30分間焼きなましされる。焼きなまし処理は、典型的には、焼きなまし処理中に高融点金属合金に埋め込まれる可能性のある不純物の量を制限するために、不活性環境又は酸素削減環境で行われる。焼きなまし処理中に使用できる一の非限定的な酸素還元環境は、水素環境である。しかしながら、酸素低減環境を作り出すために、真空環境を使用することもできるし、あるいは1つ以上の他のガス又は追加のガスを使用することもできることが理解され得る。焼きなまし温度では、水素含有雰囲気によりニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの酸素量がさらに減少する。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが焼きなましされるチャンバーには、不純物(炭素、酸素及び窒素など)が実質的に存在しない(例えば、0~50ppm、及びその間のすべての値及び範囲)必要がある。焼きなまし処理中に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに埋め込まれる可能性のある不純物の量を制限するためである。焼きなましチャンバーは、典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが焼きなましされる際に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに不純物を与えない材料で形成される。焼きなましチャンバーを形成するために使用できる非限定的な材料は、モリブデン、レニウム、タングステン、モリブデンTZM合金、コバルト、クロム、セラミックなどを含むが、これらに限定されない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを焼きなましチャンバー内で拘束する場合、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを接触させるために使用される拘束装置は、典型的には、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの加工中に高融点金属合金に不純物が混入しない材料で形成される。拘束装置を少なくとも部分的に形成するために使用できる材料の非限定的な例は、モリブデン、チタン、イットリウム、ジルコニウム、レニウム、コバルト、クロム、タンタル、及び/又は、タングステンを含むが、これらに限定されない。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金が焼きなましを含むプロセス段階で150℃を超える温度にさらされると、高融点金属合金の加工中に高融点金属合金と接触する材料は、典型的には、クロム、コバルト、モリブデン、レニウム、タンタル、及び/又は、タングステンから作られる。高融点金属合金を低温(つまり150℃以下)で処理する場合は、テフロン(商標)部品で作られた材料を使用することも、あるいはその代わりに使用することもできる。
【0107】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、焼きなましのパラメータは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブの断面積若しくは直径に応じて、及び/又は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚に応じて、変更され得る。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどのパラメータに応じて焼きなましパラメータを変化させると、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの良好な粒径特性が達成できることが分かった。例えば、壁厚の減少に応じて焼きなまし温度も低下するが、焼きなましの時間を増やすこともできる。理解されるように、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの焼きなまし温度は壁厚が減少するに応じて低下する可能性があるが、焼きなまし時間は同じままであるか、壁厚が減少するに応じて短縮される可能性がある。各焼きなまし処理の後、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの金属の粒径は4ASTM以下である必要がある。概して、粒径の範囲は、約4~20ASTM(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)である。壁厚が減少するにつれて焼きなまし温度が低下するのに応じて、小さな粒径が得られると考えられている。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの中の金属の粒径は、できる限り均一である必要がある。また、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの金属のシグマ相は、可能な限り多く減らす必要がある。シグマ相は、高融点金属合金中の球形、楕円形又は正方晶形の結晶形状である。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの最終引き抜き後、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの最終焼きなましを行って、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの最終強化を行うことができるが、これは必須ではない。この最終焼きなまし処理を使用する場合、概して、約500~1600℃(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の温度で少なくとも約1分間行われるが、他の温度及び/又は期間を使用することもできる。
【0108】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、焼きなまし前及び/又は焼きなまし後に洗浄できる。洗浄プロセスは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面から不純物、潤滑剤(窒化化合物、モリブデンペースト、グリース、酸化物、炭化物など)及び/又はその他の物質を除去するように設計されている。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの1つ以上の表面にある不純物は、焼きなまし処理中にニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに永久に埋め込まれる可能性がある。これらの埋め込まれた不純物は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが医療機器に形成される際の高融点金属合金の物理的特性に悪影響を及ぼす可能性があり、及び/又は、医療機器の動作及び/又は寿命に悪影響を与える可能性がある。本開示の非限定的な一実施形態では、洗浄プロセスは、脱潤滑剤又は脱脂プロセス(典型的には、その後酸洗処理が行われる)を含むが、これは必須ではない。脱潤滑剤又は脱脂プロセスとそれに続く酸洗プロセスは、典型的には、引き抜き中にニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに潤滑剤が使用された場合に使用される。潤滑剤は、通常、炭素化合物、窒化物化合物、モリブデンペースト、その他の種類の化合物を含み、もし、このような化合物及び/又はその化合物中の元素が焼きなまし処理中に高融点金属合金と結合及び/又はそれに埋め込まれると、このような化合物が高融点金属合金に悪影響を与える可能性がある。脱潤滑剤又は脱脂プロセスは、1)溶剤(例えば、アセトン、メチルアルコールなど)を使用し、高融点金属合金をキムワイプ又は他の適切なタオルで拭く、2)高融点金属合金を溶媒に少なくとも部分的に浸漬又は浸漬し、次に高融点金属合金を超音波洗浄することによって、3)高融点金属合金のサンドブラスト、及び/又は、4)高融点金属合金を化学エッチングする、などを含むがこれらに限定されない様々な技術によって実行できる。理解できるように、高融点金属合金は、他の方法又は追加の方法で脱潤滑剤又は脱脂することができる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを脱潤滑剤又は脱脂した後、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを酸洗プロセスを使用してさらに洗浄することができるが、これは必須ではない。酸洗工程(使用時)ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面から不純物を除去するための1つ以上の酸の使用を含む。酸洗溶液として使用できる酸の非限定的な例としては、硝酸、酢酸、硫酸、塩酸及び/又はフッ化水素酸が挙げられるが、これらに限定されない。これらの酸は、典型的には、分析試薬(ACS)グレードの酸である。酸溶液及び酸濃度は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面に損傷を与えたり、過度にエッチングしたりすることなく、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面上の酸化物及び他の不純物を除去するように選択される。大量の酸化物及び/又は窒化物を含むニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面、典型的には、より強力な酸洗溶液及び/又は長い酸洗処理時間が必要である。酸洗溶液の非限定的な例は、1)25~60%の脱イオン水(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、30~60%の硝酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)及び2~20%の硫酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、2)40~75%酢酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、10~35%硝酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)及び1~12%フッ化水素酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、3)50~100%塩酸(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、を含む。理解できるように、酸洗プロセス中に1つ以上の異なる酸洗液を使用することができる。酸洗処理中、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面から不純物を除去するのに十分な時間、酸洗液に完全又は部分的に浸漬される。典型的には、酸洗時間は、約2~120秒(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であるが、他の期間も使用できる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを酸洗した後、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどから酸洗液を除去するために、典型的には、水(例えば、脱イオン水など)又は溶媒(例えば、アセトン、メチルアルコールなど)ですすぎ洗いされ、その後、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、乾燥させてもよい。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが引き抜き及び/又は焼きなましされる前に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの表面に酸化物が再形成されるのを抑制又は防止するため、すすぎ及び/又は乾燥プロセス中に保護環境に保たれてもよいが、これは必須ではない。
【0109】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、a)所望の未加工形状に成形された後、b)所望の外側断面積又は直径を有するように形成された後、及び/又は、c)所望の内部断面積又は直径及び/又は壁厚を有するように形成された後、続いて、医療機器(例えば、ステント、TAV弁、など)の所望の構成を少なくとも部分的に形成するために、切断及び/又はエッチングを行うことができる。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどは、1つ以上のプロセス(例えば、センタレス研削、旋削、電解研磨、引き抜き、研削、レーザー切断、シェービング、研磨、放電加工、エッチング、マイクロマシニング、レーザーマイクロマシニング、マイクロモールディング、マシニングなど)によって、切断又はその他の方法で形成できる。理解されるように、医療機器の一部又は全部は、3D印刷によって形成することができる。本開示の非限定的な一実施形態では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを部分的又は完全に形成するために使用される高融点金属合金は、レーザーによって少なくとも部分的に切断される。レーザーは、典型的には、高融点金属合金のニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを少なくとも約2200~2300℃までの温度まで加熱できるビーム強度を有することが望ましい。この実施形態の非限定的な一態様では、パルスNd:YAGネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:Y3Al5O12)又はCO2レーザーを使用して、高融点金属合金のブランク、ロッド、チューブなどから医療機器のパターンを少なくとも部分的に切り出す。この実施形態の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを部分的又は完全に形成するために使用される高融点金属合金のレーザーによる切断は、真空環境、酸素減少環境、又は不活性環境で行うことができるが、これは必須ではない。保護されていない環境でニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどをレーザー切断すると、切断されたニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに不純物が混入する可能性があることが分かっており、不純物が導入されると、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの切断中に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの微小亀裂が誘発される可能性がある。一の非限定的な酸素還元環境は、アルゴンと水素の組み合わせを含むが、酸素還元環境を形成するために、真空環境、不活性環境、又は他のガス又は追加のガスを使用することもできる。この実施形態のさらに別の及び/又は代替の非限定的な態様では、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを部分的又は完全に形成するために使用される高融点金属合金は、切断プロセス中のニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの振動を制限又は防止するため、安定化される。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどを安定させるために使用される装置は、切断プロセス中に、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに汚染物質が混入しないように、モリブデン、レニウム、タングステン、タンタル、コバルト、クロム、モリブデンTZM合金、セラミックなどで形成できるが、これは必須ではない。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの切断中のニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの振動によりニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどが切断されるとき、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどに微小亀裂が形成される可能性がある。ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの切断中の振動の平均振幅は、概して、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約150%(0~150%並びにそれらの間のすべての値及び範囲)以下であるが、これは必須ではない。この実施形態の非限定的な一態様では、振動の平均振幅は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約100%以下である。この実施形態の別の非限定的な態様では、振動の平均振幅は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約75%以下である。この実施形態のさらに別の非限定的な態様では、振動の平均振幅は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約50%以下である。この実施形態のさらに別の非限定的な態様では、振動の平均振幅は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約25%以下である。この実施形態のさらに別の非限定的な態様では、振動の平均振幅は、ニアネット医療機器、ブランク、ロッド、チューブなどの壁厚の約15%以下である。
【0110】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、ニアネット医療機器の部分的又は完全な形成に使用される高融点金属合金は、最終形状又は最終形状に近い形状に形成された後、任意で、洗浄、研磨、滅菌、窒化などをすることができる。本開示の非限定的な一実施形態では、医療機器は、電解研磨されている。この実施形態の非限定的な一態様では、医療機器は、研磨液にさらされる前に洗浄されるが、これは必須ではない。洗浄プロセス(使用時)は、1)溶剤を使用し、キムワイプ又はその他の適切なタオルで医療機器を拭く、及び/又は、2)医療機器を溶媒に少なくとも部分的に浸漬又は浸漬し、次いで医療機器を超音波洗浄することによる、などを含むがこれらに限定されない様々な技術によって実行できる。理解されるように、医療機器は、他の方法又は追加の方法で洗浄することができる。この実施形態の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、研磨溶液は、1つ以上の酸を含んでもよい。この実施形態のさらに別の及び/又は代替の非限定的な態様では、医療機器は、水及び/又は溶剤ですすぎ、乾燥させて医療機器上の研磨液を除去する。本開示の別の及び/又は代替の非限定的な実施形態では、形成された医療機器は、任意で、窒化される。医療機器が窒化された後、医療機器は、典型的には洗浄されるが、これは必須ではない。医療機器のための窒化処理中、医療機器の表面は、窒素の存在によって改質される。窒化処理は、医療機器の表面の硬度及び/又は耐摩耗性を高め、及び/又は、医療機器のフレームの表面の変色を制限又は呈するために使用することができる。例えば、窒化処理は、医療機器の関節面又は表面の耐摩耗性を高めて医療機器の寿命を延ばす、及び/又は、医療機器の合わせ面の摩耗寿命を延ばすため、及び/又は、医療機器の使用による微粒子の発生を減らすために使用することができる。
【0111】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金を強化コーティングでコーティングして、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善することができる(例えば、金属合金の外観の色を変更する、コーティング表面の硬度を高める、コーティング表面の靱性を高める、コーティング表面の摩擦を低減する、コーティング表面の衝撃摩耗を改善する、耐腐食性及び耐酸化性を向上させる、非粘着性のコーティング表面を形成する、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の向上、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減など)。高融点金属合金の外表面の一部又は全体に付与できる強化コーティングは、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウム(ZrOC)、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む。一の非限定的な実施形態では、1つ以上の強化コーティングは、材料を蒸発させて強化コーティング材料の薄層を堆積するためのエネルギー源を使用する真空プロセスで高融点金属合金の外表面全体の一部に施される。このような真空コーティング処理は、物理蒸着(PVD)プロセス(例えば、スパッタ蒸着、陰極アーク蒸着又は電子ビーム加熱など)、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、又は、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセスを含む。一の非限定的な実施形態では、コーティング処理は、PVD、CVD、ALD及びPE-CVDの1つ以上であり、コーティング処理は、200~400℃の温度(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)で少なくとも10分間行われる(例えば、10~400分間並びにそれらの間のすべての値及び範囲)。別の非限定的な実施形態では、コーティング処理は、PVD、CVD、ALD及びPE-CVDの1つ以上であり、コーティング処理は、220~300℃の温度で60~120分間行われる。1つ以上の強化コーティングの材料は、高融点金属合金内の1つ以上の金属と組み合わせることができ、及び/又は、窒素、酸素、炭素、又は他の元素と組み合わせることができ、これら元素は、強化された特性(例えば、強化コーティングは、肌焼き鋼より硬い、強化コーティングは、硬化クロムより傷つきにくい、強化コーティングは、耐食性が高い、など)を有することができる強化コーティングを高融点金属合金の外表面上に形成するために、高融点金属合金内に存在し、及び/又は高融点金属合金の周囲の大気中に存在するものである。別の非限定的な実施形態では、1つ以上の強化コーティングは、高融点金属合金の外表面上に様々なコーティング色を形成することができる(例えば、金、銅、真鍮、黒、ローズゴールド、クロム、青、銀、黄、緑など)。別の非限定的な実施形態では、強化コーティングの厚さは、1ナノメートルより大きく(例えば、2ナノメートルから100ミクロン並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、典型的には、0.1~25ミクロンであり、より典型的には、1~10ミクロンである。別の非限定的な実施形態では、強化コーティングの硬度は、5GPa(ASTMC1327-15又はASTMC1624-05)であり、典型的には、5~50GPa(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、より典型的には、10~25GPaであり、さらにより典型的には、14~24GPaである。別の非限定的な実施形態では、強化コーティングの摩擦係数(COF)は、0.04~0.2(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、0.6~0.15である。別の非限定的な実施形態では、強化コーティングの摩耗率は0.5×10-7mm3/N-m~3×10-7mm3/N-m(その間のすべての値及び範囲)であり、典型的には、1.2×10-7mm3/N-m~2×10-7mm3/N-mである。別の非限定的な実施形態では、シリコンベースの前駆体(例えば、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ヘキサクロロジシラン、シラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、トリス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン、トリシリルアミン、アリルトリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、n-sec-ブチル(トリメチルシリル)アミン、クロロペンタメチルジシラン、1,2-ジクロロテトラメチルジシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、1,3-ジエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、ジメトキシジメチルシラン、ドデカメチルシクロヘキサシラン、ヘキサメチルジシラン、イソブチル(トリメトキシ)シラン、メチルトリクロロシラン、2、4、6、8、10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルジシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、四臭化ケイ素、四臭化ケイ素など)を使用して、高融点金属合金の外表面の1つ以上の部分又は全体への強化コーティングの付与を容易にすることができる。
【0112】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、窒化クロム(CrN)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、窒化クロム(CrN)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、摩擦の低減、耐衝撃摩耗性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、及び/又は、様々な材料と接触した際のスティック表面の減少を目的として使用できる。一の非限定的な実施形態によれば、高融点金属合金、概して、40~85重量%のCr(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、15~60重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~2重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む強化コーティングでコーティングされる。一の非限定的なコーティング処理では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が最初にCr金属でコーティングされる。Cr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Cr金属のコーティングの厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Cr金属コーティングを窒素ガス及び/又は窒素含有ガス化合物に曝露して、窒素をCr金属コーティングと反応させて、Cr金属コーティングの外表面及び/又は高融点金属合金の外表面の上にCrNの層を形成する。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、65~80重量%のCr、15~30重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含む。
【0113】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、ダイヤモンド状炭素(DLC)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、ダイヤモンド状カーボン(DLC)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、摩擦の低減、耐衝撃摩耗性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、生体適合性の向上、及び/又は、多くの異なる材料と接触した際のスティック表面の低減を目的として使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部は、概して、60~99.99重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~2重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む強化コーティング組成物でコーティングされる。カーボンコーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。カーボン層は、メタン及び/又はアセチレンガスを使用して付与できる。しかしながら、他の又は追加の炭素源を使用することもできる。カーボンコーティングの厚さは、0.5~15ミクロンである。別の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部は、概して、90~99.99重量%のC、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のOを含む強化コーティング組成物でコーティングされる。
【0114】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、窒化チタン(TiN)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、窒化チタン(TiN)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部は、最初にチタン金属でコーティングされる。Ti金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Ti金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Ti金属コーティングを窒素ガス及び/又は窒素含有ガス化合物に曝露して、窒素をTi金属コーティングと反応させて、Ti金属コーティングの外表面及び/又は高融点金属合金の外表面の上にTiNの層を形成する。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、20~85重量%のTi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、5~30重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~2重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、70~80重量%のTi、20~25重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含む。
【0115】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、は、概して、窒化ジルコニウム(ZrN)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、窒化ジルコニウム(ZrN)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が、最初にZr金属でコーティングされる。Zr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Zr金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Zr金属コーティングを窒素ガス及び/又は窒素含有ガス化合物に曝露して、窒素をZn金属コーティングと反応させて、Zr金属コーティングの外表面、及び/又は、高融点金属合金の外表面上にZrNの層を形成する。ZrNコーティングは、金色の強化コーティング色を生成することが分かっている。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、35~90重量%のZr(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、5~25重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~2重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含む。
【0116】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が、最初にZr金属でコーティングされる。Zr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Zr金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Zr金属コーティングを酸素ガス及び/又は酸素含有ガス化合物に曝露して、酸素をZn金属コーティングと反応させて、Zr金属コーティングの外表面、及び/又は、高融点金属合金の外表面の上に酸化ジルコニウム(ZrO2)の層を形成する。酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティングは、青色の強化コーティング色を生成することが分かっている。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、35~90重量%のZr(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、10~35重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~2重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む。
【0117】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティングと窒化ジルコニウムコーティング(ZrN)の両方を含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティング及び窒化ジルコニウム(ZrN)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が、最初にZr金属でコーティングされる。Zr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Zr金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Zr金属コーティングは、a)酸素ガス及び/若しくは酸素含有ガス化合物及び窒素ガス及び/若しくは窒素含有ガス化合物の両方、b)窒素ガス及び/若しくは窒素含有ガス化合物、次いで酸素ガス及び/若しくは酸素含有ガス化合物、又は、c)酸素ガス及び/若しくは酸素ガス含有化合物、次いで窒素ガス及び/若しくは窒素ガス含有化合物、に曝露される。酸化ジルコニウム(ZrO2)コーティング及び窒化ジルコニウムコーティング(ZrN)のコーティング組成は、上で論じたものと同様又は同じである。
【0118】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、オキシ炭化ジルコニウム(ZrOC)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、オキシ炭化ジルコニウム(ZrOC)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が、最初にZr金属でコーティングされる。Zr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Zr金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Zr金属コーティングは、a)酸素ガス及び/若しくは酸素含有ガス化合物と、炭素及び/若しくは炭素含有ガス化合物(例えば、メタン及び/若しくはアセチレンガス)の両方、b)炭素及び/若しくは炭素含有ガス化合物、次いで酸素ガス及び/若しくは酸素含有ガス化合物、又は、c)酸素ガス及び/若しくは酸素含有ガス化合物、次いで炭素及び/若しくは炭素含有ガス化合物、に曝露される。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、40~95重量%のZr(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、5~25重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び10~40重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、40~65重量%のZr、5~25重量%のO、及び25~40重量%のC、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、及び、0~1重量%のSiを含む。
【0119】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、高融点金属合金は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善するために強化コーティングでコーティングされ、強化コーティング組成物は、概して、ジルコニウム-窒素-炭素(ZrNC)コーティングを含む。高融点金属合金の外表面の一部又は全部は、ジルコニウム-窒素-炭素(ZrNC)コーティングを含むことができる。強化コーティングは、硬度の向上、靱性の向上、耐腐食性と耐酸化性の向上、摩擦の低減、及び/又は、多くの異なる材料と接触する場合のスティック表面の低減に使用できる。一の非限定的な実施形態では、高融点金属合金の外表面の全部又は一部が、最初にZr金属でコーティングされる。Zr金属コーティングは、不活性環境でのPVD、CVD、ALD及びPE-CVDによって付与できる。Zr金属のコーティング厚さは、0.5~15ミクロンである。その後、Zr金属コーティングを窒素ガス及び/又は窒素含有ガス化合物にさらし、次に炭素及び/又は炭素含有ガス化合物(例えば、メタン及び/又はアセチレンガス)にさらす。ZrNCの色は、コーティング中のCとNとの量によって異なる。一の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物、概して、40~95重量%のZr(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、5~40重量%のN(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び5~40重量%のC(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~2重量%のO(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、0~10重量%のRe(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)、及び、0~20重量%のSi(並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を含む。別の非限定的な実施形態では、強化コーティング組成物は、概して、40~80重量%のZr、5~25重量%のN、及び5~25重量%のC、0~1重量%のO、0~8重量%のRe、及び、0~1重量%のSiを含む。
【0120】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な態様によれば、医療機器の全部又は一部を形成するために高融点金属合金を使用すると、他の材料で形成された医療機器に比べていくつかの利点が得られる。これらの利点は、以下のものを含むが、これらに限定されない。
【0121】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して強度及び/又は硬度が高いため、異なる金属で形成された医療機器と比較して、より少ない量の高融点金属合金を医療機器に使用して、同等の強度を達成することができる。従って、得られる医療機器は、医療機器の強度及び耐久性を犠牲にすることなく、高融点金属合金を使用することによってより小さく、かさばらないように製造することができる。医療機器は、より小さな外形を有することもできるため、より小さな領域、開口部、及び/又は、通路に挿入することができる。医療機器のフレーム又は他の部分を形成する高融点金属合金のより薄いストラットは、強度を有する医療機器のフレーム又は他の部分を形成するために使用することができ、当該強度はステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金で形成されるとき、医療機器のより厚いストラット又はその他の構造体が必要になるであろう。
【0122】
・高融点金属合金の強度の増加により、医療機器の半径方向の強度も増加する。例えば、医療機器の壁厚を薄く製造することができ、ステンレス鋼、コバルト及びクロム合金又はチタン合金で形成された厚い壁の医療機器と比較して、同等又は向上した半径方向強度を達成することができる。
【0123】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼及びクロム-コバルト合金と比較して、医療機器の応力-ひずみ特性、曲げ特性、伸び特性、及び/又は、柔軟性特性が向上しているため、医療機器の寿命が長くなる。例えば、医療機器は、医療機器が繰り返し曲げられる領域で使用することができる。高融点金属合金による医療機器の物理的特性の向上により、このような頻繁な曲げ環境における医療機器の耐破壊性が向上した。これらの改善された物理的特性は、少なくとも部分的には、高融点金属合金の組成、高融点金属合金の粒径、高融点金属合金の炭素、酸素及び窒素含有量、並びに/又は、高融点金属合金の炭素/酸素比に起因する。
【0124】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、医療機器の圧縮及び/又は拡張時の反動の度合いが軽減される。高融点金属合金で形成された医療機器は、高融点金属合金の使用により、その圧縮形状をより良く維持し、及び/又は、拡張後の拡張形状をより良く維持する。従って、医療機器が圧縮されるときに医療機器が送達装置上に取り付けられるとき、医療機器は、体内通路への医療機器の挿入中にそのより小さな外形をより良く維持する。また、医療機器は、拡張後にその拡張された外形をより良く維持し、治療領域での医療機器の成功を促進する。
【0125】
・医療機器に高融点金属合金を使用することにより、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金で形成された医療機器と比較して、身体通路内で拡張されたときに不規則な形状の身体通路に医療機器がより良く追従する。
【0126】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼又はコバルト-クロム合金などの標準的な材料と比較して放射線不透過性が向上しているため、医療機器にマーカー材料を使用する必要性が軽減又は不要になる。例えば、高融点金属合金は、ステンレス鋼又はコバルト-クロム合金よりも少なくとも約10~20%放射線不透過性が高い。
【0127】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金の冷間加工と比較して、冷間加工時の疲労延性が向上する。
【0128】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、耐久性が向上している。
【0129】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、親水性が向上している。
【0130】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、体内通路でのイオン放出が減少する。
【0131】
・高融点金属合金は、ステンレス鋼、コバルト-クロム合金又はチタン合金よりも身体への刺激が少ないため、炎症を軽減し、治癒を早め、医療機器の成功率を高めることができる。医療機器が体の通路内で拡張すると、通路の内部に軽度の損傷が発生する可能性がある。身体がこのような軽度の損傷を治癒し始めるとき、ステンレス鋼、コバルト-クロム合金又はチタン合金などの他の金属と比較して、高融点金属合金の存在に対する身体の悪影響は少なくなる。
【0132】
・高融点金属合金はCoCr合金、TiAlV合金及び/又はステンレス鋼よりも磁化率が低いため、患者が強い磁場を発生するMRI又はその他の医療機器にさらされた場合に、医療機器の潜在的な欠陥又は医療機器の埋め込み後の患者の合併症の発生率が低くなる。
【0133】
本開示の一の非限定的な目的は、医療機器を部分的又は完全に形成するために使用できる、本開示による高融点金属合金を提供することである。
【0134】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、部分的又は完全に本開示の高融点金属合金で形成され、処置の成功率が向上した、医療機器を提供することである。
【0135】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金の加工中の微小亀裂の形成を抑制又は防止する本開示により、高融点金属合金を形成するための方法及びプロセスを提供することである。
【0136】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、本開示による高融点金属合金から部分的又は完全に形成され、医療機器が向上した物理的特性を有する、医療機器を提供することである。
【0137】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、本開示による高融点金属合金で少なくとも部分的に形成され、強度及び/又は硬度が増大した、医療機器を提供することである。
【0138】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、本開示による高融点金属合金を少なくとも部分的に含み、この高融点金属合金により、従来の医療機器と比較して医療機器の強度を犠牲にすることなく、より少ない材料で医療機器を形成することができる、医療機器を提供することである。
【0139】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を医療機器にするプロセス中の微小亀裂の形成を抑制又は防止するために、本開示による高融点金属合金を形成するための方法及びプロセスを提供することである。
【0140】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金の亀裂の伝播及び/又は疲労破壊を抑制又は防止する本開示による、高融点金属合金を形成するための方法及びプロセスを提供することである。
【0141】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金の外表面上に窒化層を形成する窒化処理を有する高融点金属合金を含む医療機器を提供することである。
【0142】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、スエージング加工が施された高融点金属合金を含む医療機器を提供することである。
【0143】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、冷間加工プロセスが施された高融点金属合金を含む医療機器を提供することである。
【0144】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、より高い強度及び/又は硬度を有する高融点金属合金を含む医療機器を提供することである。
【0145】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、それにより、異なる金属で形成された医療機器と比較して、同等の強度を達成するために必要な高融点金属合金の量が少なくて済む、医療機器を提供することである。
【0146】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、異なる金属で形成された医療機器と比較して、より小さい圧縮形状を有する、医療機器を提供することである。
【0147】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、コバルトとクロムの合金又はチタン合金で形成された同じ形状のフレームよりも薄い壁及び/又はストラットを有し、高融点金属合金で形成されたこのようなフレームは、フレームが圧縮形状から拡張形状に拡張されたときに、ステンレス鋼、コバルト及びクロム合金又はチタン合金で形成されたフレームと比較して、同等又は増加した半径方向強度を有する、医療機器を提供することである。
【0148】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、チタン合金又はクロム-コバルト合金で形成された医療機器と比較して、改善された応力歪み特性、曲げ特性、伸び特性、及び/又は、柔軟性特性を有する、医療機器を提供することである。
【0149】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、ステンレス鋼、チタン合金又はクロム-コバルト合金で形成された医療機器と比較して寿命が長い、医療機器を提供することである。
【0150】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金で形成される同様のサイズ、形状及び構成のフレームと比較して、医療機器の圧縮及び/又は拡張中の反動の度合いが低減されている、医療機器を提供することである。
【0151】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、クロムコバルト合金又はチタン合金で形成された同様のサイズ、形状及び構成のフレームと比較して、身体通路内で拡張されたときに不規則な形状の身体通路によく追従する、医療機器を提供することである。
【0152】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、冷間加工を受けた場合、ステンレス鋼、クロムコバルト合金又はチタン合金で形成された同様のサイズ、形状、構成のフレームの冷間加工と比較して、疲労延性が向上する、医療機器を提供することである。
【0153】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して改善された耐久性を有する、医療機器を提供することである。
【0154】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、改善された親水性を有する、医療機器を提供することである。
【0155】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、ステンレス鋼、クロム-コバルト合金又はクロム-コバルト合金又はチタン合金と比較して、体内通路におけるイオン放出が低減された、医療機器を提供することである。
【0156】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金を含む医療機器であって、医療機器は、ステンレス鋼、コバルト-クロム合金又はチタン合金よりも身体への刺激が少ないため、炎症が軽減され、治癒が早くなり、医療機器の成功率が向上する、医療機器を提供することである。
【0157】
本開示の別の及び/又は代替の非限定的な目的は、高融点金属合金の1つ以上の特性を改善する(例えば、金属合金の外観の色を変更する、コーティング表面の硬度を高める、コーティング表面の靱性を高める、コーティング表面の摩擦を低減する、コーティング表面の衝撃摩耗を改善する、耐腐食性及び耐酸化性を向上させる、非粘着性のコーティング表面を形成する、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の向上、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減など)ために使用できる、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(TiN))、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、又は、オキシ炭化ジルコニウム(ZrOC)、の強化コーティングを含む、高融点金属合金を提供することである。
【0158】
これら及び他の利点は、この明細書を読んで以下に読むことにより当業者には明らかになるであろう。
【0159】
明確にするために、以下の説明では特定の用語が使用されるが、これらの用語は、図面で説明するために選択された実施形態の特定の構造体のみを指すことを意図しており、本開示の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。図面及び以下の説明において、同様の番号指定は同様の機能の構成要素を指すことが理解される。
【0160】
単数形「a」「an」「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0161】
本開示及び特許請求の範囲で使用される「含む」という用語には、「からなる」及び「本質的にからなる」実施形態を含むことができ、本開示で使用される「備える」、「含む」、「有している」、「有する」、「できる」、「有する」という用語及びその変形は、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する、無制限の移行句、用語又は単語であることを意図している。しかし、そのような説明は、組成物又はプロセスを、列挙された成分/ステップ「からなる」及び「本質的にからなる」とも記載しているものと解釈されるべきであり、これにより、結果として生じる可能性のある不可避的不純物とともに、指定された成分/ステップのみが存在することが許容され、他の成分/ステップは除外される。
【0162】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における数値は、同じ有効数字に換算したときに同じ数値、及び、値を決定するために本出願に記載されている型の従来の測定技術の実験誤差未満で記載された数値と異なる数値を含むものと理解されるべきである。
【0163】
本開示に開示されるすべての範囲は、列挙された終点を含み、独立して組み合わせることができる(例えば、「2グラムから10グラムまで」の範囲は、終点、2グラム及び10グラム、並びに、すべての中間値を含む)。
【0164】
「約」及び「およそ」という用語は、その値の基本的な機能を変更することなく変化する可能性のある任意の数値を含むために使用できる。範囲とともに使用されるとき、「約」及び「およそ」は、2つの端点の絶対値によって定義される範囲も開示し、例えば、「約2から約4」は、「2から4まで」の範囲も開示する。概して、「約」及び「およそ」という用語は、示された数値のプラス又はマイナス10%を指してもよい。
【0165】
別段の明示的な記載がない限り、元素のパーセンテージは、記載された元素の重量割合であると想定されるべきである。
【0166】
本開示による高融点金属合金で少なくとも部分的に形成される拡張可能な心臓弁などの医療機器は、CoCr合金、TiAlV合金及びステンレス鋼で形成される拡張可能な医療機器に存在するいくつかの満たされていないニーズを克服する。本開示による医療機器によって対処されるそのような満たされていないニーズは、1)圧縮された医療機器を心房血管又は他の血管に最初に挿入するために、大きな動脈血管又は他の血管に大きな穴を形成する必要がなく、それにより、治療中の致命的な出血の発生率が減少する、2)医療機器を作成することにより、心臓弁における焼成及び/又は動脈血管における焼成及び/又はプラークに起因して、異常な形状の心臓弁内又は異常な形状の動脈血管を通して、CoCr合金、TiAlV合金及びステンレス鋼で形成された医療機器より小さい圧縮形状の医療機器(例えば、ステント、人工心臓弁など)を送達及び埋め込むことを可能にする、3)高融点金属合金で形成されたフレームを使用することにより、医療機器が治療領域内で拡張されるとき、埋め込まれた医療機器の周りの弁周囲の漏れ及び/又は他の種類の漏れの発生率を低減し、高融点金属合金は、CoCr合金、TiAlV合金及びステンレス鋼で形成された従来技術の人工心臓弁と比較して、人工心臓弁の拡張時に異常な形状の心臓弁開口部の形状により良く追従し、それにより、脳卒中の発生率が減少し、及び/若しくは、埋め込まれた医療機器の成功率が増加する、4)拡張可能なフレーム内の拡張されたストラット、ポスト、及び/若しくは、ストラットジョイントの半径方向の強度、及び、医療機器の拡張後の拡張可能なフレーム自体の強度を改善する、5)医療機器の拡張可能フレームの圧縮、及び/若しくは、拡張中の拡張可能フレームの反動量を低減する、6)永久ペースメーカーを備えた心臓で、医療機器を使用できるようにする、7)治療領域での医療機器の挿入及び操作中の軽度の脳卒中の発生率を減らす、8)冠動脈口損傷の発生率を減少させる、9)短縮率を改善する、10)医療機器の埋め込み後のさらなる大動脈弁石灰化、及び/若しくは、血管内の石灰化を軽減する、11)医療機器をカテーテル又は他の種類の送達システムに挿入する際に、複数回の圧縮サイクルの必要性を低減する、12)医療機器の圧縮及び/又は拡張中のフレーム/ステントの破損の発生率を低減する、13)医療機器の埋め込み後のバイオフィルム心内膜炎の発生率を低減する、14)医療機器の埋め込み後の医療機器に対するアレルギー反応を軽減する、15)医療機器の親水性を改善して、埋め込まれた医療機器上及び/又はその周囲の組織成長を改善する、16)医療機器の磁化率を低減する、17)医療機器の毒性を軽減する、18)医療機器から放出される金属イオンの量を低減する、並びに/又は、19)医療機器の挿入後の小葉、及び/若しくは、ステント/フレーム、及び/若しくは、医療機器の他の構成要素の寿命を延ばす、などがある。
【0167】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用される。
【0168】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの生物学的エージェントを含む。
【0169】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含む。
【0170】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含み、少なくとも1つのポリマーは、少なくとも1つの生物学的エージェントを少なくとも部分的にコーティング、封入又はそれらの組み合わせを行う。
【0171】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、少なくとも1つの微小構造体が医療機器の外表面に配置され、少なくとも1つの微小構造体は、任意で、ポリマー、エージェント又はそれらの組み合わせからなる材料から少なくとも部分的に形成され、それらを含み、又は、それらを組み合わせである。
【0172】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、医療機器は、高融点金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、拡張可能フレームは、任意で、圧縮状態にあるときの拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態まで完全に拡張したときの拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後、任意で5%未満の反動(例えば、0.1~4.99並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を有し、拡張可能フレームは、圧縮状態から拡張状態に拡張された後、任意で5%未満の反動(例えば、0.1~4.99並びにそれらの間のすべての値及び範囲)を有し、高融点金属合金は、任意で、前記高融点金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°(例えば、0.1~4.99並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の親水性を有し、高融点金属合金は、任意で、患者の身体の上又は内部に挿入又は埋め込まれたときに、1日当たり0.5μg/cm2以下(例えば、0.001~0.5μg/cm2/日、並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の前記高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、主成分は、高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成し、高融点金属合金は、任意で、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内の、前記医療機器周囲の組織における高融点金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す。
【0173】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、少なくとも部分的に医療機器を形成するために使用され、医療機器は、拡張可能なステント又は拡張可能な人工心臓弁である。
【0174】
本開示の別の非限定的な目的では、レニウムと1つ以上の合金化金属とを含む高融点金属合金が提供され、高融点金属合金は、医療機器を少なくとも部分的に形成するために任意に使用され、1つ以上の合金化金属は、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、プラチナ、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、及び/又は、これらの1つ以上の合金成分からなる群から選択され、高融点金属合金中のレニウム、モリブデン及び1つ以上の合金化金属の合計重量割合は、少なくとも99.9重量%であり、高融点金属合金は、任意で、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたときに、1日あたり0.5μg/cm2以下(例えば、1日あたり0.001~0.5μg/cm2、並びにそれらの間のすべての値及び範囲)の高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、主成分は、高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成する。
【0175】
前述の説明から明らかとなった目的のうち、上記の目的が効果的に達成されることが分かるであろう。また、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、説明した構造体に特定の変更を加えることができるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるべきであることを意図している。本開示は、好ましい実施形態及び代替実施形態を参照して説明された。修正及び変更は、本開示に提供される開示の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者には明らかになるであろう。本開示は、本開示の範囲内にある限り、そのような修正及び変更をすべて含むものとする。また、以下の特許請求の範囲は、本開示に記載された開示の一般的及び特定の特徴のすべて、並びに、用語の問題として、それらの間にあると言われる開示の範囲のすべての記述を網羅することを意図していることも理解されるべきである。
【0176】
(付記)
(付記1)
高融点金属合金であって、
レニウムと、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化剤と、及び/又は、それらの成分の内の1つ以上の合金と、を含み、
前記高融点金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合は、少なくとも98重量%であり、
前記高融点金属合金の外表面の少なくとも一部は、強化コーティング材料を含む、
高融点金属合金。
【0177】
(付記2)
前記強化コーティング材料は、同一又は異なるコーティング層組成からなる単層又は多層の材料であり得る、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0178】
(付記3)
前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0179】
(付記4)
前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、
付記2に記載の高融点金属合金。
【0180】
(付記5)
前記強化コーティング材料は、Cr、Ti、Zr及びAlからなる群から選択される1つ以上の元素の窒化物及び/又は酸化物を含む、
付記1に記載の高融点金属。
【0181】
(付記6)
前記強化コーティング材料は、Cr、Ti、Zr及びAlからなる群から選択される1つ以上の元素の窒化物及び/又は酸化物を含む、
付記2~4のいずれか1つに記載の高融点金属。
【0182】
(付記7)
前記強化コーティング材料は、a)40~85重量%のCr、b)5~60重量%のN、c)60~99.99重量%のC、d)20~85重量%のTi、e)35~95重量%のZr、f)0~10重量%のRe、g)0~20重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~40重量%のC、の内の2つ以上を含む、
付記1に記載の高融点金属。
【0183】
(付記8)
前記強化コーティング材料は、a)40~85重量%のCr、b)5~60重量%のN、c)60~99.99重量%のC、d)20~85重量%のTi、e)35~95重量%のZr、f)0~10重量%のRe、g)0~20重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~40重量%のC、の内の2つ以上を含む、
付記2~6のいずれか1つに記載の高融点金属。
【0184】
(付記9)
前記強化コーティング材料は、a)5~60重量%のN、b)35~95重量%のZr、f)0~8重量%のRe、g)0~1重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~1重量%のC、の内の2つ以上を含む、
付記1に記載の高融点金属。
【0185】
(付記10)
前記強化コーティング材料は、a)5~60重量%のN、b)35~95重量%のZr、f)0~8重量%のRe、g)0~1重量%Si、h)0~35重量%のO、及び、i)0~1重量%のC、の内の2つ以上を含む、
付記2~8のいずれか1つに記載の高融点金属。
【0186】
(付記11)
前記強化コーティング材料は、第1のコーティング層と第2のコーティング層とを含み、
前記第1の層は、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含み、
第2のコーティング層は、前記第1の層の上面に付与され、
前記第2の層は、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む、
付記1に記載の高融点金属。
【0187】
(付記12)
前記強化コーティング材料は、第1のコーティング層と第2のコーティング層とを含み、
前記第1の層は、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含み、
第2のコーティング層は、前記第1の層の上面に付与され、
前記第2の層は、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む、
付記2~10のいずれか1つに記載の高融点金属。
【0188】
(付記13)
前記強化コーティング材料は、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウムの内の1つ以上(ZrOC)、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む、
付記1に記載の高融点金属。
【0189】
(付記14)
前記強化コーティング材は、(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウムの内の1つ以上(ZrOC)、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む、
付記2~12のいずれか1つに記載の高融点金属。
【0190】
(付記15)
前記強化コーティング材料は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術によって付与される、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0191】
(付記16)
前記強化コーティング材料は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術によって付与される、
付記2~14のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0192】
(付記17)
前記強化コーティング材料は、金属合金の外観色の変更、コーティング表面の硬度の増加、コーティング表面の靱性の増加、コーティング表面への摩擦の低減、コーティング表面の衝撃摩耗の改善、耐食性及び酸化に対する耐性の改善、非粘着コーティング表面の形成、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の改善、及び、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減からなる群から選択される1つ以上の高融点金属合金の特性の改善に使用される、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0193】
(付記18)
前記強化コーティング材料は、金属合金の外観色の変更、コーティング表面の硬度の増加、コーティング表面の靱性の増加、コーティング表面への摩擦の低減、コーティング表面の衝撃摩耗の改善、耐食性及び酸化に対する耐性の改善、非粘着コーティング表面の形成、コーティング表面を有する金属合金の生体適合性の改善、及び、コーティング表面を有する金属合金の毒性の低減からなる群から選択される1つ以上の高融点金属合金の特性を改善するために使用される、
付記2~16のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0194】
(付記19)
前記強化コーティング材料は、2ナノメートルから100ミクロンのコーティング厚さを有する、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0195】
(付記20)
前記強化コーティング材料は、2ナノメートルから100ミクロンのコーティング厚さを有する、
付記2~18のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0196】
(付記21)
前記強化コーティング材料は、5~50GPaの硬度を有する、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0197】
(付記22)
前記強化コーティング材料は、5~50GPaの硬度を有する、
付記2~20のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0198】
(付記23)
前記強化コーティング材料は、0.04~0.2の摩擦係数(COF)を有する、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0199】
(付記24)
前記強化コーティング材料は、0.04~0.2の摩擦係数(COF)を有する、
付記2~22のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0200】
(付記25)
前記強化コーティング材料の摩耗率は、0.5×10-7mm3/N-m~3×10-7mm3/N-mである、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0201】
(付記26)
前記強化コーティング材料の摩耗率は、0.5×10-7mm3/N-m~3×10-7mm3/N-mである、
付記2~24のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0202】
(付記27)
前記高融点金属合金は、0.1重量%未満の金属及び不純物を含む、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0203】
(付記28)
前記高融点金属合金は、0.1重量%未満の金属及び不純物を含む、
付記2~26のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0204】
(付記29)
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金中の微小亀裂を低減するために制御された量の窒素、酸素及び炭素を含み、前記高融点金属合金中の窒素含有量は、前記高融点金属合金中の酸素と炭素の合計含有量よりも少なく、
前記高融点金属合金は、少なくとも約1.2:1の酸素対窒素の原子比率を有し、
前記高融点金属合金は、少なくとも約2:1の炭素対窒素の原子比率を有する、
付記1に記載の高融点金属合金。
【0205】
(付記30)
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金中の微小亀裂を低減するために制御された量の窒素、酸素及び炭素を含み、前記高融点金属合金中の窒素含有量は、前記高融点金属合金中の酸素と炭素の合計含有量よりも少なく、
前記高融点金属合金は、少なくとも約1.2:1の酸素対窒素の原子比率を有し、
前記高融点金属合金は、少なくとも約2:1の炭素対窒素の原子比率を有する、
付記2~28のいずれか1つに記載の高融点金属合金。
【0206】
(付記31)
付記1に記載の高融点金属合金で少なくとも部分的に形成される医療機器。
【0207】
(付記32)
付記2~30のいずれか1つに記載の高融点金属合金で少なくとも部分的に形成される医療機器。
【0208】
(付記33)
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの生物学的エージェントを含む、
付記31に記載の医療機器。
【0209】
(付記34)
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つの生物学的エージェントを含む、
付記32に記載の医療機器。
【0210】
(付記35)
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含み、前記少なくとも1つのポリマーは、任意で、少なくとも1つの生物学的エージェントに少なくとも部分的にコーティング、封入又はそれらの組み合わせを施す、
付記31に記載の医療機器。
【0211】
(付記36)
前記医療機器の少なくとも1つの領域は、少なくとも1つのポリマーを含み、
前記少なくとも1つのポリマーは、任意で、前記少なくとも1つの生物学的エージェントに少なくとも部分的にコーティング、封入又はそれらの組み合わせを施す、
付記32~34のいずれか1つに記載の医療機器。
【0212】
(付記37)
前記医療機器の外表面上に少なくとも1つの微小構造体をさらに含み、
前記少なくとも1つの微小構造体は、少なくとも部分的、ポリマー、エージェント、又はそれらの組み合わせからなる材料にから形成され、それらを含み、又はそれらの組み合わせである、
付記31に記載の医療機器。
【0213】
(付記38)
前記医療機器の外表面上に少なくとも1つの微小構造体をさらに備え、
前記少なくとも1つの微小構造体は、ポリマー、エージェント又はそれらの組み合わせからなる材料から少なくとも部分的に形成され、前記材料を含み、又は、それらを組み合わせる、
付記32~36のいずれか1つに記載の医療機器。
【0214】
(付記39)
前記医療機器は、高融点金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、
前記拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、
前記拡張可能フレームは、圧縮状態にあるときの前記拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態に完全に拡張されたときの前記拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、
前記拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後の反動が5%未満であり、
前記拡張可能なフレームは、前記圧縮状態から前記拡張状態に拡張された後の反動が5%未満であり、
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°である親水性を有し、
前記高融点金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたとき、1日当たり0.5μg/cm2以下の前記高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、
前記主成分は、前記高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成し、
前記高融点金属合金は、前記患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内に、前記医療機器の周囲の組織における高融点金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す、
付記31に記載の医療機器。
【0215】
(付記40)
前記医療機器は、高融点金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、
前記拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、
前記拡張可能フレームは、前記圧縮状態にあるときの前記拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態に完全に拡張されたときの前記拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、
前記拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後の反動が5%未満であり、
前記拡張可能なフレームは、前記圧縮状態から前記拡張状態に拡張された後の反動が5%未満であり、
前記高融点金属合金は、前記高融点金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°である親水性を有し、
前記高融点金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたとき、1日当たり0.5μg/cm2以下の前記高融点金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、
前記主成分は、前記高融点金属合金の少なくとも2重量%を構成し、
前記高融点金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内に、前記医療機器の周囲の組織における高融点金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す、
付記32~38のいずれか1つに記載の医療機器。
【0216】
(付記41)
付記1に記載の高融点金属合金を形成する方法であって、
粉末金属を提供するステップであって、前記粉末金属は、レニウム金属粉末と、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化剤粉末と、を含む、ステップと、
前記粉末金属を圧縮するステップと、
前記圧縮粉末金属を焼結して、前記金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合が少なくとも98重量%である金属合金を形成するステップと、
前記金属合金の外表面を前記強化コーティング材料でコーティングするステップであって、前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、ステップと、
を含み、
前記コーティングするステップは、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術による、
方法。
【0217】
(付記42)
付記2~30のいずれか1つに記載の高融点金属合金を形成する方法であって、
粉末金属を提供するステップであって、前記粉末金属は、レニウム金属粉末と、カルシウム、炭素、酸化セリウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、酸化ランタン、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、酸化イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の合金化エージェント粉末と、を含む、粉末金属を提供するステップと、
前記粉末金属を圧縮するステップと、
前記圧縮粉末金属を焼結して、前記金属合金中のレニウムと1つ以上の合金エージェントとの合計重量割合が少なくとも98重量%である金属合金を形成するステップと、
前記金属合金の外表面を前記強化コーティング材料でコーティングするステップであって、前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、ステップと、
前記コーティングするステップは、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術による、
方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属合金であって、
レニウムと、
アルミニウム、ビスマス、カルシウム、炭素、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム及び/又はジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の
添加剤と
、を含み、
前
記金属合金中のレニウムと1つ以上の
前記添加剤との合計重量割合は、少なくとも98重量%であり、
前
記金属合金の外表面の少なくとも一部は、強化コーティング材料を含
み、
前記強化コーティング材料は、a)ジルコニウム若しくはチタン若しくはクロムと、炭素、窒素、酸素の内の1つ以上と、又は、b)少なくとも60重量%の炭素、を含む、
金属合金。
【請求項2】
前記強化コーティング材料は、同一又は異なるコーティング層組成からなる単層又は多層の材料であり得る、
請求項1に記載
の金属合金。
【請求項3】
前記強化コーティング材料は、a)少なくとも90重量%の炭素、b)少なくとも40重量%のクロムと、窒素、炭素及び酸素の内の1つ以上と、c)少なくとも20重量%のチタンと、窒素、酸素及び炭素の内の1つ以上と、並びに、d)少なくとも5重量%のジルコニウムと、窒素、酸素及び炭素の内の1つ以上と、を含む、
請求項1又は2に記載の金属合金。
【請求項4】
前記強化コーティング材料は、Cr、Ti、Zr及びAlからなる群から選択される1つ以上の元素の窒化物及び/又は酸化物を含む、
請求項1に記載の
金属合金。
【請求項5】
前記強化コーティング材料は、a)40~85重量%のCr、b)5~60重量%のN、c)60~99.99重量%のC、d)20~85重量%のTi、e)35~95重量%のZr、f)0~10重量%のRe、g)0~20重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~40重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項1に記載の
金属合金。
【請求項6】
前記強化コーティング材料は、a)5~60重量%のN、b)35~95重量%のZr、f)0~8重量%のRe、g)0~1重量%のSi、h)0~35重量%のO、及び、i)0~1重量%のC、の内の2つ以上を含む、
請求項1に記載の
金属合金。
【請求項7】
前記強化コーティング材料は、第1のコーティング層と第2のコーティング層とを含み、
前記第1の層は、80~90重量%のZr、10~20重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、0~1重量%のO、及び、0~1重量%のCを含み、
第2のコーティング層は、前記第1の層の上面に付与され、
前記第2の層は、70~80重量%のZr、20~30重量%、0~1重量%のN、0~8重量%のRe、0~1重量%のSi、及び、0~1重量%のCを含む、
請求項1に記載の
金属合金。
【請求項8】
前記強化コーティング材料は、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンド状炭素(DLC)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ジルコニウム窒素炭素(ZrNC)、オキシ炭化ジルコニウム
(ZrOC)の内の1つ以
上、及び、それらのコーティングの組み合わせを含む、
請求項1に記載の
金属合金。
【請求項9】
前記強化コーティング材料は、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術によって付与される、
請求項1に記載
の金属合金。
【請求項10】
前記強化コーティング材料は、2ナノメートルから100ミクロンのコーティング厚さを有する、
請求項1に記載
の金属合金。
【請求項11】
前記強化コーティング材料は、
a)5~50GPaの硬度
、b)0.04~0.2の摩擦係数(COF)、及び/又は、c)0.5×10
-7
mm
3
/N-m~3×10
-7
mm
3
/N-mの摩耗率、から選択される1つ以上の特性を含む、
請求項1に記載
の金属合金。
【請求項12】
前記金属合金は、0.1重量%未満のニッケル、0.1重量%未満のクロム及び/又は0.1重量%未満のコバルトを含む、
請求項1に記載の金属合金。
【請求項13】
前記金属合金は、50~75重量%のレニウム、25~50重量%のCr及び0.5~25重量%の前記1つ以上の添加剤を含み、
前記1つ以上の添加剤は、ビスマス、イリジウム、マンガン、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム、チタン、タングステン、イットリウム及びジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の金属を含む、
請求項1に記載の金属合金。
【請求項14】
前記金属合金は、0~2重量%の前記1つ以上の添加剤を含み、
前記1つ以上の添加剤は、レニウム、ビスマス、イリジウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム、イットリウム及びジルコニウム以外の金属からなる群から選択される、
請求項13に記載の金属合金。
【請求項15】
前記金属合金は、55~75重量%のレニウム、25~45重量%のCr及び0.5~25重量%の前記1つ以上の添加剤を含み、
前記1つ以上の添加剤は、ビスマス、イリジウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム、イットリウム及びジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の金属を含み、
前記金属合金は、0~0.1重量%の二次材料を含み、
前記二次材料は、a)レニウム、ビスマス、イリジウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム、イットリウム及びジルコニウム以外の金属、b)炭素、c)酸素、及び、d)窒素、からなる群から選択される、
請求項1に記載の金属合金。
【請求項16】
前記金属合金は、レニウムと、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、イリジウム、鉄、ランタン、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、オスミウム、白金、希土類金属、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、テクネチウム、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛及びジルコニウムからなる群から選択される1つ以上の添加剤と、を含み、
前記金属合金中のレニウムと1つ以上の前記添加剤との合計重量割合は、少なくとも98重量%であり、
前記金属合金の外表面の少なくとも一部は、強化コーティング材料を含み、
前記強化コーティング材料は、炭素、窒素、チタン、酸素、ジルコニウム及びケイ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含み、
前記強化コーティング材料は、窒化物及び/又は酸化物を含み、
前記強化コーティング材料は、a)少なくとも90重量%の炭素、b)少なくとも40重量%のクロムと、窒素、炭素及び酸素の内の1つ以上と、c)少なくとも20重量%のチタンと、窒素、酸素及び炭素の内の1つ以上と、並びに、d)少なくとも5重量%のジルコニウムと、窒素、酸素及び炭素の内の1つ以上と、を含む、
請求項1に記載の金属合金。
【請求項17】
前記金属合金は、0~0.1重量%の二次材料を含み、
前記二次材料は、a)レニウム、ビスマス、イリジウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム、イットリウム及びジルコニウム以外の金属、b)炭素、c)酸素、及び、d)窒素、からなる群から選択される、
請求項16に記載の金属合金。
【請求項18】
請求項1
又は2に記載
の金属合金で少なくとも部分的に形成される医療機器。
【請求項19】
前記医療機器は
、金属合金で形成された拡張可能なフレームを含み、
前記拡張可能なフレームは、複数のストラットを含み、
前記拡張可能フレームは、圧縮状態にあるときの前記拡張可能フレームの最大外径が、拡張状態に完全に拡張されたときの前記拡張可能フレームの最大外径よりも小さくなるように、圧縮状態に圧縮されるように構成され、
前記拡張可能なフレームは、第1の圧縮プロセスを受けた後の反動が5%未満であり、
前記拡張可能なフレームは、前記圧縮状態から前記拡張状態に拡張された後の反動が5%未満であり、
前
記金属合金は、前
記金属合金の表面上における水滴の接触角が25~45°である親水性を有し、
前
記金属合金は、患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれたとき、1日当たり0.5μg/cm
2以下の前
記金属合金の主成分の最大イオン放出量を有し、
前記主成分は、前
記金属合金の少なくとも2重量%を構成し、
前
記金属合金は、前記患者の身体の上又は内部に挿入され又は埋め込まれてから50日以内に、前記医療機器の周囲の組織におけ
る金属合金の用量当たりのイオン放出の絶対的な増加を示す、
請求項
18に記載の医療機器。
【請求項20】
コーティングされた金属合金を形成する方法であって、
金属粉末を提供するステップであって、前記
金属粉末は、レニウム金属粉末と
、1つ以上の
添加剤と、を含む、ステップと、
前記
金属粉末を
共に圧縮するステップと、
前記圧縮
金属粉末を焼結して、
請求項1又は2に記載の金属合金を形成するステップと、
前記金属合金の外表面を前記強化コーティング材料でコーティングするステップであって、前記強化コーティング材料は、クロム、炭素、窒素、チタン、ジルコニウム、酸素、アルミニウム、クロム及びホウ素からなる群から選択される2つ以上の元素を含む、ステップと、
を含み、
前記コーティングするステップは、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層蒸着(ALD)プロセス、プラズマ化学蒸着(PE-CVD)プロセス、イオン注入、指向性エネルギー堆積(DED)、及び/又は、プラズマアーク溶射、フレーム溶射、高速酸素燃料溶射(HVOF)などの溶射技術
の群から選択される1つ以上のプロセスによる、
方法。
【国際調査報告】