(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】第1多孔層、第2多孔層、および支持層を有する多孔材料を備える液体収集アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/44 20060101AFI20241008BHJP
A61B 5/154 20060101ALI20241008BHJP
A61F 5/455 20060101ALI20241008BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20241008BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61F5/44 Z
A61B5/154
A61F5/455
A61F5/453
A61M25/00 530
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518575
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 US2022044107
(87)【国際公開番号】W WO2023049109
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ヂィーフゥ
(72)【発明者】
【氏名】シマニアク カミル
(72)【発明者】
【氏名】デービス キャサリーン
(72)【発明者】
【氏名】アンデルソン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タン-ファヘド ブレンダン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C098
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UA10
4C038UB01
4C098AA09
4C098CC31
4C098CC37
4C098CC38
4C098CD01
4C098CD05
4C098DD13
4C098DD23
4C098DD26
4C267AA03
4C267BB02
4C267BB12
4C267CC26
4C267HH08
(57)【要約】
実施形態は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層間に延在する支持層とを有する多孔材料を備える液体収集アセンブリに関する。実施形態はさらに、当該液体収集アセンブリを備える液体収集システム、および当該液体収集アセンブリの形成および使用方法に関する。実施形態において、液体収集アセンブリが開示される。液体収集アセンブリは、チャンバと、少なくとも1つの開口と、チャンバとを少なくとも画定する不透液性層を有する。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置される多孔材料を有する。多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層間に配置および延在する支持層とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともチャンバ、少なくとも1つの開口、およびチャンバを画定する不透液性層と、
前記チャンバ内に配置される多孔材料とを備え、前記多孔材料は、
第1多孔層と、
第2多孔層と、
前記第1多孔層および前記第2多孔層間に配置および延在する支持層とを有する、
液体収集アセンブリ。
【請求項2】
前記多孔材料は、約1cmから約3cmの厚さを有する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項3】
前記多孔材料は、約150g/m
2から約800g/m
2の坪量を有する、請求項1または2に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項4】
前記第1多孔層は親水性である、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項5】
前記第1多孔層は、約400μm以下の厚さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項6】
前記第2多孔層は、前記少なくとも1つの開口から、前記第1多孔層よりも離間する、請求項1から5のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項7】
前記第2多孔層は疎水性である、請求項1から6のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項8】
前記第2多孔層は、導管を収容するように構成される穴を画定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項9】
前記第1多孔層は、第1平均マクロ孔径を有する複数の第1マクロ細孔を有し、前記第2多孔層は、第2平均マクロ孔径を有する複数の第2マクロ細孔を有し、前記第1平均マクロ孔径は約1mmから約8mmで、前記第2平均マクロ孔径は約1mmから約8mmである、請求項1から8のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項10】
前記第1多孔層は、第1平均マクロ孔径を有する複数の第1マクロ細孔を有し、前記第2多孔層は、第2平均マクロ孔径を有する複数の第2マクロ細孔を有し、前記第1平均マクロ孔径は前記第2平均マクロ孔径と略同一である、請求項1から9のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項11】
前記第1多孔層は、第1平均マクロ孔径を有する複数の第1マクロ細孔を有し、前記第2多孔層は、第2平均マクロ孔径を有する複数の第2マクロ細孔を有し、前記第1平均マクロ孔径は前記第2平均マクロ孔径と異なる、請求項1から9のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項12】
前記第1平均マクロ孔径は、第2平均マクロ孔径よりも大きい、請求項11に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項13】
前記第1多孔層は、第1形状を有する複数の第1マクロ細孔を有し、前記第2多孔層は、第2形状を有する複数の第2マクロ細孔を有し、前記第1形状は前記第2形状と略同一である、請求項1から12のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項14】
前記第1多孔層は、第1形状を有する複数の第1マクロ細孔を有し、前記第2多孔層は、第2形状を有する複数の第2マクロ細孔を有し、前記第1形状は前記第2形状と異なる、請求項1から12のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項15】
前記支持層は複数のマイクロフィラメントを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項16】
前記複数のマイクロフィラメントは、前記第1多孔層から前記第2多孔層まで略延在する、請求項15に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項17】
前記支持層は、前記第1多孔層または前記第2多孔層の少なくとも一方よりも高い空隙率を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項18】
前記支持層は親水性である、請求項1から17のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項19】
前記支持層は疎水性である、請求項1から18のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項20】
前記第1多孔層、前記第2多孔層、または前記支持層の内の少なくとも1つは、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース、綿、または竹の内の少なくとも1つから形成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項21】
前記第1多孔層の少なくとも一部上に配置され、前記開口全体に亘って延在する透液性膜をさらに備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載の液体収集アセンブリと、
貯液容器と、
真空源と、を備え、
前記液体収集アセンブリの前記チャンバ、前記貯液容器、および前記真空源は互いに流体連通することで、前記チャンバ内に1つ以上の体液が存在する際に、前記真空源から前記液体収集アセンブリの前記チャンバに提供される吸引により、前記チャンバ内から前記1つ以上の体液が除去され、前記体液が前記貯液容器内に溜められる、
液体収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれる、2021年9月23日に出願の米国仮特許出願第63/247,491号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
人または動物は、可動性が限られて、または損なわれて、通常の排尿処理が困難または不可能になり得る。例えば人は、可動性が損なわれるような障害を経験または持ち得る。人は、パイロット、運転手、および危険区域での作業員などが経験するように、行動条件が制限され得る。さらに、治験目的または健康診断に、体液の収集が必要となる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/306075号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォーリーカテーテルなどの尿道カテーテルは、失禁などのこれら状況の一部を解消できる。しかし、尿道カテーテルは不快感、苦痛を伴い得、また感染などの合併症を生じ得る。さらに、寝たきりの個人が排尿に使用する容器である、尿瓶が使用される場合もある。しかし、尿瓶は往々にして不便で、こぼれるなどその他衛生的な問題を生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に延在する支持層を有する多孔材料を備える液体収集アセンブリに関する。実施形態はさらに、当該液体収集アセンブリを備える液体収集システムと、当該液体収集アセンブリの形成および使用方法に関する。実施形態において、液体収集アセンブリが開示される。液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、チャンバとを画定する不透液性層を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置される多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在する支持層とを有する。
【0006】
実施形態において、液体収集システムが開示される。液体収集システムは液体収集アセンブリを備える。液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、チャンバとを画定する不透液性層を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置された多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在する支持層とを有する。液体収集システムはさらに、貯液容器と、真空源とを備える。液体収集アセンブリのチャンバと、貯液容器と、真空源とは互いに流体連通する。これにより、チャンバ内に1種類以上の体液が存在する際に、真空源から液体収集アセンブリのチャンバに提供される吸引により、1種類以上の体液がチャンバから除去されて、体液が貯液容器に溜められる。
【0007】
開示の実施形態うちの任意のものからの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わされて使用され得る。さらに、以下の詳細な説明および添付の図面を十分に考察することで、当業者には本開示の別の特徴および利点が明らかとなろう。
【0008】
図面は本開示のいくつかの実施形態を示すものであり、同一の参照符号は、異なる図面、または図面に示す実施形態での同一または同様の開示の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料の概略断面図である。
【
図2】本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料の概略断面図である。
【
図3A】実施形態に係る多孔材料を有する液体収集アセンブリの等角投影図である。
【
図3B】
図3Aに示す面3B-3Bに沿った、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図3C】
図3Aに示す面3C-3Cに沿った、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図4】実施形態に係る、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図5A】実施形態に係る、成形可能導管を有する液体収集アセンブリの断面図である。
【
図5B】面5B-5Bに沿った、実施形態に係る液体収集アセンブリの断面図である。
【
図6】実施形態に係る、液体収集アセンブリの断面図である。
【
図7】実施形態に係る、液体収集アセンブリの断面図である。
【
図8】実施形態に係る液体収集アセンブリに対する液体収集システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に延在する支持層を有する多孔材料を備える液体収集アセンブリに関する。実施形態はさらに、当該液体収集アセンブリを備える液体収集システムと、当該液体収集アセンブリの形成および使用方法に関する。例示的な液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、液体出口とを画定する不透液性層(例えば、不透液性バリア)を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置される多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層(例えば、透液性膜)と、第2多孔層と、支持層とを有する。第1多孔層は、第2多孔層の前に体液を受け入れるように、チャンバ内に配置され得る。支持層は、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在するように配置され得る。
【0011】
使用時、液体収集アセンブリは、多孔材料が尿道口(例えば、女性器)に隣接するように、または尿道口(例えば、男性器)を収容するように、個人に対して配置され得る。個人は、1種類以上の体液(例えば、尿、汗、血液など)を排出し得る。排出された体液は、多孔材料内に受け入れられ得る。体液は、不透液性層により画定された液体出口を通じて配置された導管の入口まで、多孔材料を通じて流れ得る。その後体液は、導管を通じて流れることで、液体収集アセンブリから除去され得る。実施形態において、導管から多孔材料に、真空が提供され得る。真空は、導管の入口への多孔材料を通じた体液の流れを促進し得る。真空はさらに、導管を通じた体液の流れも促進し得る。真空は、導管と流体連通する真空源から提供され得る。
【0012】
一部の従来の液体収集アセンブリの多孔材料は、ガーゼ、交差折り畳みされた(cross-lapped)多孔不織材料、または当該従来の液体収集アセンブリを使用する個人からの体液を最初に受け入れるように配置されるその他多孔材料を含む。当該多孔材料は、疎水性であるか、その他従来の液体収集アセンブリ内へと体液を吸い上げるように構成される。しかし、ガーゼ、交差折り畳みされた不織材料、または個人からの体液を最初に受け入れるように配置されるその他多孔材料の多くは、個人から排出された体液を捉えるのに不十分となり得ることが確認されている。これは、液体収集アセンブリからの体液の漏出の可能性を高めてしまう。さらに、個人が体液を排出した後に、ガーゼやその他多孔材料の多くは濡れたままとなることが確認されている。これにより、個人の皮膚への損傷なく、従来の液体収集アセンブリを長期間(例えば、12時間を超える期間)利用することが阻害される。
【0013】
本明細書に開示の液体収集アセンブリの多孔材料(即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間の支持層とを含む多孔材料)は、従来の液体収集アセンブリの多孔材料に関連したこれら問題の少なくとも一部を解消するものである。例えば、第1多孔層は、体液を効率的に受け入れるように構成される。これにより、体液の漏出を防止、または少なくとも抑制する。第1多孔層はさらに、体液を受け入れた後、比較的迅速に乾燥するように構成され得る。これにより、本明細書に開示の液体収集アセンブリは、長期間(例えば、約24時間から約36時間、約30時間から約42時間、または約36時間から約48時間など、約24時間を超える期間)、使用可能となる。より詳細に後述するように、例えば、第1多孔層の親水性、第1多孔層の平均マクロ孔径、第1多孔層の厚さ、多孔材料のその他層の特性の内の少なくとも1つにより、第1多孔層は乾燥したままで、効率的に体液を受け入れ得る。第2多孔層は、多孔材料から出て、導管の入口に向かう体液の流れを促進する。この流れにより、体液が液体収集アセンブリから除去され得る。より詳細に後述するように、例えば、第2多孔層の疎水性、第2多孔層の平均マクロ孔径、多孔材料の他の材料の特性の内の少なくとも1つにより、第2多孔層は当該流れを促進する。支持層は、第1および第2多孔層間の距離を維持し、体液がそれを通じて流れる効果的な経路を提供する。特に、支持層は、導管の入口に向かって流れる効果的な体液の経路を提供する。例えば、その空隙率が比較的高いこと、支持層を形成する繊維、当該繊維の延在方向、または多孔材料のその他層の特性の内の少なくとも1つにより、支持層は効果的な経路を提供し得る。
【0014】
図1は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料100の概略断面図である。多孔材料100は、第1多孔層102と、多孔材料100の第2側の第2多孔層104と、第1および第2多孔層102、104間で延在する支持層106とを備える。一般的に、多孔材料100は、個人の尿道口から排出される体液を、第2多孔層104および支持層106の前に受け入れるように配置される。したがって、使用時に、第1多孔層102は、第2多孔層104および支持層106の対応する(隣接する)部分よりも、開口に近接して配置される、またはその他尿道口に近接して配置され得る。
【0015】
上述のように、第1多孔層102は、個人の尿道口から排出される体液を、第2多孔層104および支持層106の前に受け入れるように構成される。したがって、第1多孔層102は、多孔材料100からの体液の漏出を防止、または少なくとも抑制するため、体液を効率的に受け入れるように構成される。本明細書で使用される、体液を効率的に受け入れるとは、大容積の体液を短期間で受け入れ、その内部に流す第1多孔層102の性能を示す。例えば、第1多孔層102は、第1多孔層102が約10ml/s以上、約20ml/s以上、約30ml/s以上、約40ml/s以上、約50ml/s以上、または約6ml/sから約10ml/s、約8ml/sから約12ml/s、約10ml/sから約15ml/s、約12.5ml/sから約17.5ml/s、約15ml/sから約20ml/s、約17.5ml/sから約22.5ml/s、約20ml/sから約25ml/s、約22.5ml/sから約27.5ml/s、約25ml/sから約30ml/s、約27.5ml/sから約35ml/s、約30ml/sから約40ml/s、約35ml/sから約45ml/s、または約40ml/sから約50ml/sの範囲にあるなどの、約6ml/s以上の体液を受け入れ、および/またはその内部に流し得る場合に、効率的に体液を受け入れ得るとされる。
【0016】
また、第1多孔層102が個人の尿道口に近接することで、第1多孔層102は、体液を受け入れた後に比較的迅速に乾燥するように構成される。これにより、多孔材料100を有する液体収集アセンブリが長期間使用される際に、肌の損傷を防止する、または少なくとも抑制する。本明細書で使用される第1多孔層102が比較的迅速に乾燥するとは、第1多孔層102が体液を受け入れた後、約1時間以下(例えば、約45分未満、約30分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分以下)で、体液が第1多孔層102の約10wt%以下(例えば、約7.5wt%以下、約5wt%以下、約2.5wt%以下、または約1wt%以下)を形成することを指す。
【0017】
一例において、第1多孔層102は、親水性であるため、体液を効率的に受け入れ得る。第1多孔層102が親水性であれば、第1多孔層102は、体液を第1多孔層102内へと引き込む。したがって、第1多孔層102は、効率的に体液を受け入れ可能となる。また、親水性第1多孔層102は、第1多孔層102を通じて体液を分散させる。これにより、第1多孔層102は比較的大量の体液の受け入れ、および第1多孔層102から支持層106への体液輸送の促進が可能となる。第1多孔層102の水との接触角が、約80°以下、約70°以下、約60°以下、約50°以下、約40°以下、約30°以下、約20°以下、約10°以下、または約0°から約20°、約10°から約30°、約20°から約40°、約30°から約50°、約40°から約60°、約50°から約70°、約60°から約80°、または約70°から90°の範囲内など、90°以下であれば、第1多孔層102は親水性であり得る。一般的に、第1多孔層102の親水性を上げる(即ち、水との接触角を下げる)ことで、第1多孔層102が体液を受け入れ得る効率が上がる。ただし、第1多孔層102の親水性を上げると、第1多孔層102の迅速な乾燥が困難となり得る。したがって、第1多孔層102の親水性は、特定の用途において、いずれの要件(効率的に体液を受け入れる、または第1多孔層102を迅速に乾燥する)がより重要かに基づいて、これら2つの要素のバランスに基づいて選択され得る。実施形態において、第1多孔層102は、親水性材料から形成される。実施形態において第1多孔層102は、その親水性を向上するように処理された材料(例えば、疎水性材料)、または親水性材料でコーティングされたベース層により形成される。
【0018】
第1多孔層102は、従来の液体収集アセンブリの多孔材料で従来使用されるトップ層の厚さよりもかなり小さな厚さt1を有し得る(例えば、従来の液体収集アセンブリのトップ層の厚さは1mm超であり得る)。例えば、第1多孔層102の厚さt1は、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約50μmから約150μm、約100μmから約200μm、約150μmから約250μm、約200μmから約300μm、約250μmから約400μm、または約300μmから約500μmの範囲内など、約500μm以下であり得る。第1多孔層102の厚さt1により、第1多孔層102を通じて体液が流れる必要のある距離が低減されることで、体液が効率的に第1多孔層102内に受け入れ可能となり得る。第1多孔層102の厚さt1はさらに、第1多孔層102を迅速に乾燥可能とし得る。第1多孔層102の厚さt1は、第1多孔層102に、任意の所与の時間、比較的少量の体液の保持のみを可能にするためである。第1多孔層102内に存在する比較的少量の体液は、容易に大気内へと、または液体収集アセンブリのチャンバに印加された真空により生じる気流により容易く除去され得(例えば蒸発)る。第1多孔層102内に保持される体液の量が限定されることで、第1多孔層102が親水性材料で形成可能となり得る。例えば、液体収集アセンブリに対する従来の材料選択は、特に尿道口近傍部分において、親水性材料の使用を妨げる。親水性材料は、体液を保持して、濡れたままになる傾向があるためである。したがって、液体収集アセンブリに対する従来の材料選択によると、疎水性材料(即ち、水との接触角が90°を超える材料)が使用される傾向にある。疎水性材料は大量の液体を保持しないためである。しかし、疎水性材料は、効果的に体液を受け入れない可能性がある。
【0019】
なお、一般的に厚さt1を減らすと、体液の第1多孔層102内の受け入れ効率が上がり、より早く第1多孔層102が乾燥し得る。一方で、厚さt1を減らすと、第1多孔層102の耐久性が下がる。厚さt1を低減することでさらに、長手軸108に略平行な方向への、体液の第1多孔層102内への拡散が規制され得る。これにより、体液の第1多孔層102から支持層106内への流れが促進され得る。
【0020】
第1多孔層102は、少なくとも部分的にその内部に延在する複数の第1マクロ細孔110を画定し得る。第1マクロ細孔110は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上である、最大寸法を有する細孔を含む。第1マクロ細孔110は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上である、または約1mmから約3mm、約2mmから約4mm、約3mmから約5mm、約4mmから約6mm、約5mmから約7mm、約6mmから約8mm、約7mmから約9mm、または約8mmから約10mmの範囲内の第1平均マクロ孔径D1を有し得る。第1平均マクロ孔径D1は、第1マクロ細孔110の最大寸法、または第1マクロ細孔110の平均寸法を利用して決定され得る。一般的に、第1平均マクロ孔径D1を大きくすると、第1多孔層102の体液受け入れ効率が上がる。一方で、第1平均マクロ孔径D1を大きくすると、第1多孔層102の表面粗さが増し、液体収集アセンブリの使い心地が損なわれ得る。なお、第1多孔層102はさらに、複数のマイクロ細孔(不図示)を画定し得る。マイクロ細孔は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以下である、最大寸法を有する細孔を含む。
【0021】
第1マクロ細孔110は、長手軸108と、第1多孔層102の外面111に並行な面に沿った任意の適切な断面形状を有し得る。例えば、第1マクロ細孔110は、略円形断面形状、略矩形(例えば、正方形)断面形状、略五角形断面形状、略六角形断面形状、略八角形断面形状、略楕円形または楕円体断面形状、略細長断面形状、またはその他任意の適切な形状を有し得る。第1マクロ細孔110の断面形状は、如何に第1多孔層が効率的に体液を受け入れるか、さらに如何に第1多孔層102が迅速に乾燥するかに影響し得る。例えば、第1マクロ細孔110が、他の断面形状と比較して、大きな表面積を有するような断面形状は、第1多孔層102が比較的親水性であれば、第1多孔層102内への体液の引き込みを促進し得る。一方で、第1マクロ細孔110が、他の断面形状と比較して、小さな表面積を有するような断面形状は、第1多孔層102の親水性が低い場合に、第1多孔層102内の体液の流れを促進し得る。
【0022】
上述のように、多孔材料100は、第2多孔層104を有する。一例において、第2多孔層104は疎水性である。第2多孔層104の疎水性は、支持層106内に存在する体液が、第2多孔層104内へと流れることを防止する、または少なくとも抑制する。したがって、第2多孔層104の疎水性は、概して、支持層106(即ち、体液がその内部を通じて流れる層)内に体液を留める。さらに、第2多孔層104の疎水性は、概して体液をはじくため、支持層106を通じた、および多孔材料100外への体液の流れを促進する。体液が支持層106を通じて流れることを促進することで、多孔材料100がより早く乾燥し、水分勾配により、より多くの体液が第1多孔層102から支持層106内へと引き込まれる。第2多孔層104の水との接触角が、約100°以上、約110°以上、約120°以上、約130°以上、約140°以上、約150°以下、約160°以上、約170以上、または約90°から約110°、約100°から約120°、約110°から約130°、約120°から約140°、約130°から約150°、約140°から約160°、約150°から約170°、または約160°から約180°の範囲内など、約90°以上となる場合に、第2多孔層104は疎水性となり得る。一般的に、第2多孔層104の疎水性を上げる(即ち、水との接触角を増加する)ことで、多孔材料100を通じた液体流が向上する。実施形態において、第1多孔層102は、その疎水性を上げるように加工された材料(例えば、親水性材料)から形成されるか、疎水性材料でコーティングされる。
【0023】
第2多孔層104は、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約50μmから約150μm、約100μmから約200μm、約150μmから約250μm、約200μmから約300μm、約250μmから約400μm、または約300μmから約500μmの範囲内など、約500μm以下の厚さt2を有し得る。上述のように、第2多孔層104は疎水性であり得、その内部の体液の流れを少なくとも抑制する。これにより、多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積が低減する。多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積が低減することで、体液がそこから漏出する可能性が高まり得る。したがって、第2多孔層104を上述した任意の比較的小さな厚さt2を有するようにすることで、多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積に対する第2多孔層104の影響を最小限にでき得る。また、比較的小さな厚さt2は、支持層106の全体的厚さ、並びにその内部を任意の所定の期間内に流れ得る体液の容積を増加し得る。
【0024】
第2多孔層104は、少なくとも部分的にその内部に延在する複数第2マクロ細孔112を画定し得る。第2マクロ細孔112は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上である、最大寸法を有する細孔を含む。第2マクロ細孔112は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上である、または約1mmから約3mm、約2mmから約4mm、約3mmから約5mm、約4mmから約6mm、約5mmから約7mm、約6mmから約8mm、約7mmから約9mm、または約8mmから約10mmの範囲内の第2平均マクロ孔径D2を有し得る。第2平均マクロ孔径D2は、第2マクロ細孔112の最大寸法、または第2マクロ細孔112の平均寸法を利用して決定され得る。第2マクロ細孔112が存在することで、支持層106を通じた体液流が向上し得ることが確認されている。一方で、一般的に、第2平均マクロ孔径D2を大きくすると、第2多孔層104により多くの体液が入ることが可能となる。第2マクロ細孔112内の体液の一部が、第2多孔層の疎水性層と非接触となり得るためである。第2多孔層104に接触しない当該体液は、特に多孔材料100が比較的乾燥し、支持層106を通じた流れが促進されない可能性がある。これは多孔材料100の乾燥を阻害し得る。したがって、第2平均マクロ孔径D2を大きくすることで、多孔材料100が若干より濡れるようになり得る。
【0025】
第2マクロ細孔112は、長手軸108と、第2多孔層104の外面111に並行な面に沿った任意の適切な断面形状を有し得る。例えば、第2マクロ細孔112は、略円形断面形状、略矩形(例えば、正方形)断面形状、略五角形断面形状、略六角形断面形状、略八角形断面形状、略楕円形または楕円体断面形状、略細長断面形状、またはその他任意の形状を有し得る。第2マクロ細孔112の断面形状は、第2多孔層104が疎水性である場合に、第2多孔層104が如何に効果的に体液をはじくかに影響し得る。
【0026】
上述のように、支持層106は、第1および第2多孔層102、104間に配置され、体液流用の経路を形成するように構成される。実施形態において、支持層106は、複数のマイクロフィラメントなどの複数の繊維から形成される。一例において、複数の繊維は、第1多孔層102から第2多孔層104に略延在する第1方向に沿って整列され得る(例えば、長手軸108に略垂直に整列され得る)。第1方向に沿って繊維を整列することで、支持層106は、より確実に第1および第2多孔層102、104を取り付けることが可能となる。さらに、体液は、繊維に平行な方向に若干より流れやすくなり得る。したがって、繊維を第2方向に整列することで、繊維が異なる配向をされた場合よりも、体液が支持層106を通じてより早く引き込まれ得る。これにより、体液が別の方向に整列された場合よりも、支持層106のより大きな割合に体液が流れ得る。支持層106のより大きな割合に体液を流すことで、任意の所与の時間で、より大きな容積の体液が多孔材料100を通じて流れ得、体液が多孔材料100から漏出する可能性が低減し得る。
【0027】
実施形態において、支持層106は、第1および第2多孔層102、104よりも高い空隙率を有し得る。空隙率は、固形材料が占めていない層の体積を、層の全体積で割ったものである。支持層106は、第1および第2多孔層102、104の空隙率よりも、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約75%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約250%以上、約300%以上、約400%以上、約500%以上、または約10%から約30%、約20%から約40%、約30%から約50%、約40%から約75%、約50%から約150%、約100%から約200%、約150%から約250%、約200%から約300%、約250%から約400%、または約300%から約500%の範囲内だけ、高い空隙率を有し得る。第1および第2多孔層102、104に対して、支持層106の空隙率を高くすることで、その内部の体液流が促進される。支持層106を通じた体液流が促進されると、いずれも第1多孔層102を、効率的に体液を受け入れ可能、比較的迅速に乾燥可能とし得る、水分勾配および/または水分子間の水素結合により、支持層106は第1多孔層102から体液を引き込み得る。
【0028】
驚くべきことに、親水性および/または疎水性材料のいずれでも、支持層106が形成され得ることが確認された。一例において、支持層106は、本明細書に開示の任意の親水性を有する親水性材料から形成され得る。上述のように、従来の液体収集アセンブリの多孔材料は、親水性材料から形成されない。当該材料は一般的に体液を保持するからである。一方で、第2多孔層104の疎水性は、支持層106に保持され得る体液を制限する。さらに、空隙率を高めることで、支持層106内に保持され得る体液が制限され、より大きな表面積に亘って体液が分散され、体液の蒸発が促進される。支持層106が親水性である場合、支持層106は、第1多孔層102よりも低い親水性(例えば、大きな水との接触角)を有することが一般的である。一例において、支持層106は、本明細書に開示の任意の疎水性を有する疎水性材料製であり得る。そのような例において、支持層106は、第2多孔層104よりも低い疎水性(例えば、小さな水との接触角)を有し得る。これにより、第1多孔層102から支持層106への体液流が促進され、第2多孔層104が体液をはじくことを可能とする。
【0029】
第1多孔層102、第2多孔層104、および支持層106は、任意の適切な材料で形成され得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の内の少なくとも1つは、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース、綿、竹、またはそれらの組み合わせの1つ以上から形成され得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の少なくとも1つは、材料でコーティングされたベース材料を含み得る。そのような例において、コーティング材料は、ベース材料と異なる親水性または疎水性を有し得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の少なくとも1つは、その親水性または疎水性が変化するように処理された少なくとも1つの材料から形成され得る。
【0030】
多孔材料100は、第1多孔層102から第2多孔層104まで測定される厚さTを有し得る。厚さTは、約7.5mm以上、約1cm以上、約1.25cm以上、約1.5cm以上、約1.75cm以上、約2cm以上、約2.25cm以上、約2.5cm以上、約2.75cm以上、約3cm以上、約3.5cm以上、約4cm以上、または約5mmから1cm、約7.5mmから約1.25cm、約1cmから約1.5cm、約1.25cmから約1.75cm、約1.5cmから約2cm、約1.75cmから約2.25cm、約2cmから約2.5cm、約2.25cmから約2.75cm、約2.5cmから約3cm、約2.75cmから約3.5cm、または約3cmから約4cmの範囲内など、約5mm以上であり得る。多孔材料100の厚さTは、多孔材料100が配置されるチャンバのサイズ、多孔材料100がチャンバ内で略平面構成または丸められて略円筒形構成で配置されるか、さらに第1多孔層102、第2多孔層104、および支持層106の厚さに依存し得る。
【0031】
多孔材料100は、約5kg/m3から約10kg/m3、約7.5kg/m3から約12.5kg/m3、約10kg/m3から約15kg/m3、約12.5kg/m3から約17.5kg/m3、約15kg/m3から約20kg/m3、約17.5kg/m3から約22.5kg/m3、約20kg/m3から約25kg/m3、約22.5kg/m3から約27.5kg/m3、約25kg/m3から約30kg/m3、約27.5kg/m3から約32.5kg/m3、約30kg/m3から約35kg/m3、約32.5kg/m3から約37.5kg/m3、約35kg/m3から約37.5kg/m3、約35kg/m3から約40kg/m3、約37.5kg/m3から約42.5kg/m3、約40kg/m3から約45kg/m3、約42.5kg/m3から約47.5kg/m3、または約45kg/m3から約50kg/m3の密度を有するように選択され得る。一般的に、多孔材料100の密度を上げると、多孔材料100の強度が増す。一方で、多孔材料100の密度を上げると、多孔材料100の気孔率が減少し得る。これは、多孔材料100に一時的に格納され得る体液の容積を低減し、多孔材料100を通じた体液の流量を低減し得る。したがって、多孔材料100の密度は、所望の強度、気孔率、多孔材料100を通じた体液の流量のバランスに基づいて選択され得る。
【0032】
多孔材料100は、約50g/m2から約100g/m2、約75g/m2から約125g/m2、約100g/m2から約150g/m2、約125g/m2から約175g/m2、約150g/m2から約200g/m2、約175g/m2から約225g/m2、約200g/m2から約250g/m2、約225g/m2から約275g/m2、約250g/m2から約300g/m2、約275g/m2から約325g/m2、約300g/m2から約375g/m2、約350g/m2から約450g/m2、約400g/m2から約500g/m2、約450g/m2から約550g/m2、約500g/m2から約600g/m2、約550g/m2から約650g/m2、約600g/m2から約700g/m2、約650g/m2から約750g/m2、約600g/m2から約700g/m2、約650g/m2から約750g/m2、約700g/m2から約800g/m2、約750g/m2から約850g/m2、約800g/m2から約900g/m2、約850g/m2から約950g/m2、または約900g/m2から約1000g/m2の坪量を有するように選択され得る。多孔材料100の坪量は、多孔材料100密度および厚さに基づく。したがって、多孔材料100の坪量は、多孔材料100密度および厚さと同じ任意の理由から選択され得る。
【0033】
実施形態において、
図1に示すように、第1および第2多孔層102、104それぞれの第1および第2マクロ細孔110、112は実質的に同じであり得る。例えば、第1および第2平均マクロ孔径は略同様であり得、第1および第2マクロ細孔110、112の断面形状は略同じであり得る。様々な理由で、第1および第2マクロ細孔110、112は実質的に同じであり得る。一例において、例えば、第1および第2多孔層102、104の少なくとも一方が、異なる水との接触角を有するようにコーティング、または処理され得る場合を除いて、第1および第2多孔層102、104が同じ材料製であれば、第1および第2マクロ細孔110、112は、実質的に同じであり得る。一例において、第1および第2マクロ細孔110、112が実質的に同じとなるように選択することで、例えば、処理に異なる材料が使用され得る場合を除いて、第1および第2多孔層102、104が同一の処理で形成され得る。
【0034】
一方で、本明細書に開示の多孔材料の第1および第2マクロ細孔は、異なり得る。例えば、
図2は本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る、多孔材料200の概略断面図である。本明細書に開示で別途開示されない限り、多孔材料200は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じ、または実質的に同様であり得る。例えば、多孔材料200は、第1多孔層202と、第2多孔層204と、第1および第2多孔層202、204間の支持層206とを有し得る。
【0035】
第1多孔層202は、複数の第1マクロ細孔210を有し、第2多孔層204は、複数の第2マクロ細孔212を有する。第1および第2マクロ細孔210、212は、互いに異なる。実施形態において、第1マクロ細孔210の第1平均マクロ孔径D1は、第2マクロ細孔212の第2平均マクロ孔径D2と異なり得る。第1および第2平均マクロ孔径D1、D2は、上述の理由から、所望の特性に基づいて、異なるように選択され得る。例えば、図示のように、第1平均マクロ孔径D1は、第2平均マクロ孔径D2よりも大きくなるように選択され得る。より大きな第1平均マクロ孔径D1の場合、第1平均マクロ孔径D1が第2平均マクロ孔径D2と同じ場合よりも、体液がより効率的に受け入れられ得る。より小さな第2平均マクロ孔径D2の場合、第2平均マクロ孔径D2が第1平均マクロ孔径D1と同じ場合よりも、多孔材料200がより乾燥可能となり得る。実施形態において、第1マクロ細孔210は、第2マクロ細孔212とは異なる断面形状を有し得る。第1および第2マクロ細孔210、212は、上述の理由で、異なる断面形状を有するように選択され得る。
【0036】
第1多孔層202および第2多孔層204を、異なる平均マクロ孔径および/または異なる断面形状を有するように形成することで、後述の液体収集アセンブリの形成がしやすくなり得る。例えば、いくつかの例において、本明細書に開示の多孔材料の第1および第2多孔層は視覚的同様であり得る(例えば、同様の色、同様の質感など)。そのような視覚的に同様な第1および第2多孔層の平均マクロ孔径および細孔の断面形状が同じであれば、第1多孔層が第2多孔層の前に体液を受け入れるように、多孔材料を適切に液体収集アセンブリ内に配置することが困難となり得る。液体収集アセンブリ内に多孔材料を不適切に配置することは、体液の大量漏出に帰結し得る。一方で、第1および第2多孔層202、204の平均マクロ孔径および/または断面形状を異ならせることで、当該多孔層を視覚的に区別しやすくなるので、後述の液体収集アセンブリの形成がしやすくなり得る。
【0037】
図3Aは、実施形態に係る多孔材料300を備える液体収集アセンブリ320の等角投影図である。
図3Bおよび3Cは、
図3Aに示す面3B-3Bおよび3C-3Cそれぞれに沿った、液体収集アセンブリ320の概略断面図である。液体収集アセンブリ320は、女性からの体液を受け入れ、収集するための、女性用液体収集アセンブリの例である。液体収集アセンブリ320は、少なくとも開口324と、チャンバ326と、液体出口328とを画定する不透液性層322(例えば、不透液性バリア)を有する。液体収集アセンブリ320はさらに、チャンバ326内に配置される多孔材料300を有する。多孔材料300は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じ、または略同様であり得る。液体収集アセンブリ320はさらに、導管330を有し得る。導管330は、その入口332がチャンバ326内に配置されるように、液体出口328を通じて配置される。
【0038】
不透液性層322は、チャンバ326(例えば、内部領域)および開口324を少なくとも部分的に画定する。例えば、不透液性層322の内面(1または複数)334は、液体収集アセンブリ320内のチャンバ326を少なくとも部分的に画定する。不透液性層322は、チャンバ326内に体液を一時的に格納する。不透液性ポリマー(例えば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ネオプレン、ポリカーボネートなど)、金属膜、天然ゴム、その他適切な材料、本明細書に開示のその他任意の不透液性材料、またはその組み合わせなど任意の適切な不透液性材料(1または複数)により、不透液性層322は形成され得る。したがって、不透液性層322は、体液による不透液性層322の通過を実質的に防止する。一例において、不透液性層322は、通気性且つ、不透液性であり得る。そのような例において、不透液性層322は、複数の細孔を画定する疎水性材料製であり得る。不透液性層322の少なくとも外面336の少なくとも1つ以上の部分は、柔らかい、および/または滑らかな材料製であり得る。これにより擦れが低減される。
【0039】
いくつかの例において、不透液性層322は、略円筒状(図示)、細長形状、角柱状、または扁平管等、管状(開口324を無視する)であり得る。使用時、不透液性層322の外面336が個人に接し得る。不透液性層322は、女性ユーザーの股の間の陰唇および/または臀裂間に嵌るようなサイズ、形状を有し得る。
【0040】
開口324は、チャンバ326に対する体液の侵入経路を提供する。開口324は、不透液性層322の内縁など、不透液性層322により画定され得る。例えば、開口324は、不透液性層322に形成され、外面336322から内面334まで、その内部に延在する。これにより、体液は、液体収集アセンブリ320外から、チャンバ326内へと進入可能となる。
【0041】
開口324は、不透液性層322内の細長孔であり得る。例えば、開口324は、不透液性層322の切込みとして画定され得る。開口324は、女性の尿道口に隣接配置されるように配置および成形され得る。開口324は、女性の股が閉じていると、女性の股間のスペースが比較的狭く、開口324の細長形状(例えば、長手方向に延在する開口324)に対応する経路に沿ってのみ体液が流れることができるように、細長形状を有し得る。
【0042】
液体収集アセンブリ320は、女性の尿道口に近接して配置され得、体液は、開口324を通じて液体収集アセンブリ320のチャンバ326に侵入し得る。液体収集アセンブリ320は、開口324を通じて、チャンバ326内に体液を受け入れるように構成される。使用時、開口324は、尿道口の下(例えば、肛門または膣口、或いはその近傍)の第1位置から、尿道口の上(例えば、膣口の上または陰毛、或いはその近傍)の第2位置まで延在する細長形状を有し得る。
【0043】
いくつかの例において、不透液性層322は、導管330を収容するサイズの液体出口328を画定し得る。少なくとも1つの導管330は、液体出口328を通じて、チャンバ326内に配置され得る。液体出口328のサイズおよび形状は、導管330、または少なくとも1つの管に対して、少なくとも実質的に液密封止を形成するものであり得る。これにより、体液のチャンバ326からの離脱が実質的に防止される。
【0044】
上述のように、多孔材料300は、チャンバ326内に配置される。多孔材料300は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じまたは実質的に同様であり得る。例えば、多孔材料300は、1多孔層302と、第2多孔層304と、支持層306とを有し得る。多孔材料300は、第1多孔層302が、第2多孔層304よりも個人の尿道口に近くなるように、チャンバ326内に配置され得る。例えば、第1多孔層302は、開口324全体に亘って延在し、液体収集アセンブリ320外に露出し得る。したがって、第1多孔層302は、液体収集アセンブリ320が個人の膣領域に隣接配置されると、膣領域に接触し得る。多孔材料300はさらに、第2多孔層304が導管330を収容する穴を画定するように配置され得る。
【0045】
多孔材料300は、略円筒形を有し得る。実施形態において、略円筒形を有する多孔材料300が提供され得る。実施形態において、多孔材料300はシート状に設けられ得る。そのような実施形態において、多孔材料300は、その反対側の縁同士を接触させて、略円筒形に丸められ得る。
【0046】
多孔材料300は、チャンバ326における、導管330の存在しない部位を実質的に完全に埋め得る。いくつかの例において、多孔材料300は、チャンバ326における、導管330の存在しない部位を実質的に完全に埋めなくてもよい。そのような例において、液体収集アセンブリ320は、チャンバ326内に配置される貯留部338を有する。
【0047】
貯留部338は、チャンバ326における実質的に空いている部分である。貯留部338は、不透液性層322と、多孔材料300との間に画定され得る。チャンバ326内の体液は、第1多孔層302から支持層306、および支持層306から貯留部338の液体を通じて流れ得る。貯留部338は内部に体液を貯留し得る。
【0048】
チャンバ326内の体液は、支持層306を通じて、貯留部338まで流れ得る。不透液性層322は、体液を貯留部338内に保持し得る。貯留部338は先端領域340内に図示されているが、基端領域342など、チャンバ326内の任意の箇所に配置され得る。貯留部338は、液体収集アセンブリの着用時に、液体収集アセンブリにおける重力方向最低点に配置されるように設計された、チャンバ326の部分に配置され得る。
【0049】
いくつかの例において(不図示)、液体収集アセンブリ320は、導管330(例えば、先端領域340)の入口に最も近い、チャンバ326の部位に配置された第1貯留部、およびチャンバ326における、基端領域342、またはその近傍の部分に配置された第2貯留部など複数の貯留部を有し得る。別の例において、多孔材料300は、少なくとも導管330の一部から離間し、貯留部338は、多孔材料300と、導管330との間の空間であり得る。
【0050】
導管330は、少なくとも部分的に、チャンバ326内に配置され得る。導管330は、チャンバ326から体液を除去するのに使用され得る。導管330は、入口332と、入口332の下流にある出口(不図示)と、通路とを画定する、少なくとも1つの壁を有する。導管330の出口は、導管330を通じてチャンバ326から流体を引き出す真空ポンプなどの、真空源に動作結合され得る。例えば、導管330は、基端領域342から不透液性層322内へと延在し得、さらに先端領域340の貯留部338に近接した点まで延在し得る。これにより、入口332が貯留部338に流体連通する。導管330は、チャンバ326を、貯液容器(不図示)または真空源(不図示)に流体結合する。
【0051】
導管330は、多孔材料300の穴(例えば、第2多孔層304により画定された穴)内を通じて延在し得る。実施形態において、導管330は、液体出口328から穴を通じて、貯留部338に近接した位置まで延在する。そのような実施形態において、入口332は、貯留部338内へと延在しなくてもよく、その代わりに、入口332は、多孔材料300内、またはその終端に配置され得る。実施形態において、導管330は貯留部338内に少なくとも部分的に配置され、入口332は、貯留部338内へと延在、またはその内部に配置され得る。液体収集アセンブリ320内に収集された体液は、導管330を通じてチャンバ326から除去され得る。
【0052】
入口332を、個人の着用時に、チャンバ326の重力方向最低点となることが予期される位置に、またはその近傍に配置することで、入口332が別箇所に配置された場合よりも導管330がより多くの体液を受け入れることができ、滞留(例えば、体液の滞留は、微生物繁殖および悪臭を生じ得る)の可能性が低減される。例えば、支持層306内の体液は、毛細管力により、任意の方向に流れ得る。しかし、体液は、重力方向に流れやすくなり得る。これは、支持層306の少なくとも一部に体液が飽和している場合に顕著である。したがって、入口332または貯留部338の一方または両方は、先端領域340など、液体収集アセンブリ320において、個人の着用時に、液体収集アセンブリ320の重力方向最低点となることが予期される位置に配置され得る。
【0053】
導管330の入口332および出口は、真空源(不図示)をチャンバ326(例えば、貯留部338)に流体結合(例えば、直接または間接的)するように構成される。真空源(
図7)が導管330に真空/吸引を印加すると、チャンバ326内(例えば、貯留部338内など、先端領域340における)の体液は、入口332内へと引き込まれ、導管330を通じて液体収集アセンブリ320外に流出し得る。いくつかの例において、導管330は、艶消しされ、または不透明(例えば、黒)であり得る。これにより内部の体液は見えにくくなる。
【0054】
上述のように、導管330は、少なくともチャンバ326内に挿入可能に構成され得る。一例において、導管330は、導管330の終端が、不透液性層322、または入口332を少なくとも部分的に塞ぐ、または閉塞し得る液体収集アセンブリ320のその他構成要素から離間するように、チャンバ326内に配置され得る。さらに、導管330の入口332は、入口332が、多孔材料300の終端よりも、液体収集アセンブリ320の基端領域342に近くなるように、多孔材料300の終端に対してずれていてもよい。このように多孔材料300の終端に対して入口332をずらすことで、入口332は、多孔材料300から直接体液を受け入れ可能となり、水素結合により、多孔材料300から導管330内へとより多くの体液が引き込まれる。
【0055】
本明細書に開示の多孔材料は、1つ以上の追加の層を有し得る。例えば、
図4は、実施形態に係る液体収集アセンブリ420の概略断面図である。本明細書に別途開示されない限り、液体収集アセンブリ420は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。例えば、液体収集アセンブリ420は、少なくとも開口424と、チャンバ426とを画定する不透液性層422を有する。液体収集アセンブリ420はさらに、チャンバ426内に配置される多孔材料400を有する。
【0056】
多孔材料400は、第1多孔層402と、第2多孔層404と、第1および第2多孔層402、404間に配置される支持層406とを有する。多孔材料400はさらに、透液性膜444を有する。透液性膜444は、第1多孔層402上に配置されて、開口424全体に亘って延在する。透液性膜444は、液体収集アセンブリ420の心地よさを向上し得る。例えば、第1多孔層402は、複数のマクロ細孔(不図示)を有し得る。上述のように、特にマクロ細孔が大きい場合に、第1多孔層402のマクロ細孔は個人の膣領域に対して不快となり得る。透液性膜444は、第1多孔層402よりも個人の膣領域に対して心地よくなり得る。したがって、多孔材料400に透液性膜444を含めることで、液体収集アセンブリ420の使い心地が向上し得る。
【0057】
透液性膜444は、開口424から体液を吸い上げるように構成され得る。これにより、体液がチャンバ426から離脱することが防止される。実施形態において、透液性膜444は、開口424からあらゆる体液を吸い上げるように構成され得る。これにより、体液がチャンバ426から離脱することが防止される。本明細書に記載の透液特性とは、で吸い上げる、毛細管現象、拡散、またはその同様の特性またはプロセスを示し得、それを本明細書において「透液性」および/または「吸い上げ」と称する。当該「吸い上げ」および/または「透液性」特性は、透液性膜444の少なくとも一部への体液の吸収を含まないものであり得る。言い換えると、材料が体液に露出され、体液から一時的に除去された後に、材料内への体液の吸収または溶解が略生じなくなり得る。吸収または溶解が望まれないものの、「吸収が略生じない」という表現は、透液性膜444(例えば、吸収性)内への、少量の体液の、吸収および/または溶解が許容され得る。当該量は、乾燥した透液性膜444の重量に対して約30wt%未満、乾燥した透液性膜444の重量に対して約20wt%未満、約10wt%未満、約7wt%未満、約5wt%未満、約3wt%未満、約2wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%以下などであり得る。透液性膜444はさらに、概してチャンバ426内へと、体液を吸い上げ得る。実施形態において、透液性膜444は、少なくとも1つの吸収性または吸着性材料を含み得る。なお、透液性膜444を多孔材料400内に含めることで、多孔材料400による体液受け入れ効率が低下し、多孔材料400が濡れたままとなる時間が延び得る。
【0058】
実施形態において、透液性膜444は、体液を吸い上げ得るあらゆる材料を含み得る。例えば、透液性膜444は、ガーゼ(例えば、シルク、リネン、または綿ガーゼ)などの生地、別の柔らかい生地、別の滑らかな生地、不織材料、竹繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維などの生地、本明細書に開示のその他任意の多孔材料、または上述のものの任意の組み合わせを含み得る。透液性膜444をガーゼ、柔らかい生地、および/または滑らかな生地で形成することで、液体収集アセンブリ420による擦れが低減され得る。
【0059】
多孔材料400は、透液性膜444に代えて、または加えて追加の層を含み得る。実施形態において、多孔材料400は、透液性膜444を支持するように構成された透液性サポートを有し得る。透液性膜444は、比較的折り曲げやすい、脆い、またはその他容易に変形可能な材料製であり得るためである。したがって、透液性サポートは、透液性膜444に接触しながら、そこから内側に延在し得る(例えば、透液性膜444と、第1多孔層402または導管430との間)。透液性サポートは、透液性膜444よりも頑丈であり得、例えば、多孔ポリマー(例えばナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)構造、または紡績ナイロン繊維などのオープンセルフォームを有し得る。実施形態において、多孔材料400は、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、またはポリエチレンフォームなどのフォームを含み得る。実施形態において、第1多孔層402、第2多孔層404、または支持層406の少なくとも1つが、多孔材料400が1つ以上の追加の層を含むことで省略され得る。本明細書に開示の追加の層は、本明細書に開示の任意の多孔材料、またはその他任意の適切な多孔材料により形成され得る。1つ以上の追加の層を形成し得る多孔材料のさらなる例が、2022年1月5日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/011281号、2022年9月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/042719号、2022年9月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/042725号、2021年9月8日に出願された米国仮特許出願第63/241,564号、2022年2月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/015418号、および2022年2月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/015420号に開示され、参照によりそれぞれの開示の全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
本明細書に開示の液体収集アセンブリは、第1多孔層と、第2多孔層と、支持層とを有する多孔材料とは異なる、またはそれに加えて、特徴(例えば、形状記憶材料)を有し得る。
図5Aは、実施形態に係る、成形可能導管530を有する液体収集アセンブリ520の断面図である。
図5Bは、実施形態に係る、面5B-5Bに沿った液体収集アセンブリ520の断面図である。本明細書で別途開示されない限り、液体収集アセンブリ520は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。例えば、液体収集アセンブリ520は、少なくとも1つの開口524と、チャンバ526と、液体出口528とを画定する不透液性層522を有する。液体収集アセンブリ520はさらに、少なくとも1つの多孔材料500と、導管530とを有する。
【0061】
導管530は、少なくとも第1通路531と、第2通路533とを画定する。第1通路531は、チャンバ526から体液を除去するように構成される。例えば、第1通路531は、貯液容器および真空源(例えば、
図8の貯液容器872および真空源874)と流体連通し得る。これにより、真空源からの吸引で、チャンバ526から体液が除去され、第1導管730を通じて貯液容器内に溜められ得る。第2通路533は、形状記憶材料535を収容するように構成され、チャンバ526から体液を受け入れるようには構成されていない。したがって、第2通路533は、貯液容器または真空源と流体連通しなくてもよい。第2通路533がチャンバ526から体液を受け入れるように構成されないので、第2通路533は、第1通路531の断面積よりも小さい(例えば、五分の一以下、または10分の一以下の)断面積を有し得る。
【0062】
第1および第2通路531、533は互いに個別に設けられる。例えば、導管530は、第1および第2通路531、533を互いに分離する内壁537を有する。内壁537は不透液性材料で、導管530の残部と一体形成され得る(例えば、単一部位構成となる)。実施形態において、導管530は、略円筒形の外壁539を有する。これにより、導管530は、円筒形導管を使用するように構成される液体収集アセンブリで使用可能となる。そのような実施形態において、内壁537は、外壁539から内方に延在し得る。これにより、第1通路531が略三日月形状を有し得る。
【0063】
上述のように、導管530は形状記憶材料535を有する。形状記憶材料535は、導管530の少なくとも一部を選択された形状(例えば、形状構成)に維持するようなサイズ、形状、および導管530内配置となり得る。導管530が少なくとも部分的にチャンバ526内に配置されるため、選択された形状によりさらに、液体収集アセンブリ520の残部は同様の形状となり得る。実施形態において、形状記憶材料535は、屈曲、成形、またはその他形態で変形(以降、まとめて「成形」、「成形した」、「成形すること」と記載する)するように構成される。一例において、形状記憶材料535はその長さ全体に亘って成形されるように構成される。形状記憶材料535をその長さ全体に亘って成形可能とすることで、液体収集アセンブリ520が、着用者の解剖学的特徴に略対応する形状となることが可能となり得る。一例において、形状記憶材料535は、その1つ以上の選択箇所で成形されるように構成される。そのような例において、形状記憶材料535の選択箇所は、形状記憶材料535の残部に対して優先的に成形され得る。形状記憶材料535を選択箇所で成形可能に構成することは、液体収集アセンブリ520が着用者の解剖学的特徴に略対応する形状となることを阻害し得る一方で、特に着用経験の少ない着用者に対して液体収集アセンブリ520を成形しやすくし得る。実施形態において、形状記憶材料535は、成形されるように構成されなくてもよい。その代わりに、形状記憶材料535は、着用者の解剖学的特徴に対応、または略対応する選択形状を有し得る。そのような実施形態において、形状記憶材料535は、液体収集アセンブリ520のその他部位よりも剛性および/または弾力性が高くなり得る。これにより、液体収集アセンブリ520の少なくとも一部が、形状記憶材料535の選択された形状に対応する。
【0064】
形状記憶材料535は、1つの形状記憶ポリマーおよび/または1つの金属を含み得る(例えば、形状記憶金属)。概して、形状記憶材料535は、刺激に応じて、一時的または永久的形状となるように構成される。刺激は、外部からの物理的力(屈曲力)、熱、電気的バイアス、または磁場を含み得る。「形状記憶」という用語が、本明細書におけるいくつかの「形状記憶材料」を表現するのに使用されるが、「形状記憶」と修飾された材料は、一般的な「形状記憶材料」の定義から理解されるように、刺激を受けたことに応じて元の選択された形状に戻る必要は必ずしもない。むしろ、本明細書に開示の形状記憶材料535の少なくとも一部は、特定の形状に曲げられた、固定された、または固化された、および/または特定の形状に冷却された際に、その後の刺激に関わらず、単純に選択された形状を維持し得る。形状記憶材料535は、刺激を受けると、元の形状に戻るか、新しい形状に変わり得る。例えば、第1形状に曲げられた金属ワイヤーが形状記憶材料535として利用され得、その後金属ワイヤーは、物理的力をかける、または熱により第2形状に変形され得る。一方、いくつかの実施形態において、形状記憶材料535は、上述のように選択された形状を有し得、特定の刺激を与えることで、形状記憶材料535は中間形状に変形し得る(例えば、弾性変形、または屈曲)。そのような実施形態において、形状記憶材料535は、中間形状を維持しないように、刺激が除かれると、初期形状に戻り得る。
【0065】
実施形態において、形状記憶材料535は、金属単体、合金、または形状記憶合金などの1つの形状記憶金属を含み得る。適切な形状記憶金属は、普通鋼、ステンレス鋼、炭素合金鋼、頭部処理鋼、アルミニウム、銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ベリリウム等を含み得る。適切な形状記憶合金は、ステンレス鋼、亜鉛めっき鋼、アルミニウム合金、ニチノール、Ni-Ti-Cu、Ni-Ti、Co等のニッケル-チタン合金、Cu-Zn-Al、Cu-Al-Ni、Cu-Al-Sn等の銅系合金、Co-Cr-Ni-Mo合金(例、Elgiloy(登録商標))等、または形状記憶特性を有するその他任意の合金を含み得る。上述のように、形状記憶金属または合金は単純に、選択された構成に成形され得る金属または合金であり得る。いくつかの例において、形状記憶金属または合金は、外部刺激を受けることで、初期形状に戻り得る。いくつかの例において、形状記憶金属の外面は、少なくとも部分的にポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)によりコーティング、陽極酸化、不動態化、またはその他の腐食防止処理がされ得る。少なくとも部分的に形状記憶金属をポリマーでコーティングすることでさらに、形状記憶材料535からの金属イオンがチャンバ526内に侵入し、膣領域に接することで、不快感を生じ得ることが防止される。
【0066】
形状記憶ポリマー(「SMP」)は、ポリ(s-カプロラクトン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、ポリ(N,N-ブタジエン)、ポリ(N-メチル-N-オキサゾリン)、ポリテトラヒドロフラン、またはポリ(ブチレンテレフタレート)の1つ以上のブロックを含むコポリマー(例、コポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルエステルなど)などのポリウレタン系SMP、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、アセタール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホンなどの熱可塑性ポリマー、ポリノルボネン、その他の変形性ポリマー、またはその他任意の形状記憶ポリマーを含み得る。
【0067】
液体収集アセンブリ520は、液体収集アセンブリ520を使用する着用者の体構造に沿うように成形され得る。これにより従来のデバイスよりも、使い心地が向上し、使用の間定位置に維持される。液体収集アセンブリ520は、着用者の股間領域の体構造に沿うように操作され得る。例えば、導管530は、液体収集アセンブリ520が略円弧形状を保つように、上向きに成形され得る。そのような例において、先端領域540は、着用者の臀裂内に配置され得る。基端領域542は、着用者の上膣領域または陰毛領域に対向して配置され得る。これらの間の部分は、着用者の体構造に沿うように成形され得る。着用者のサイズおよび形状に応じて、液体収集アセンブリ520内は多少円弧形状であり得る。したがって、液体収集アセンブリ520は、様々な異なるサイズの着用者により使用され得る。
【0068】
形状記憶材料535は、少なくとも1本のワイヤー(例えば、少なくとも1本のロッド)を有する。ワイヤーは、ワイヤーの長手軸に沿って測定される長さと、長さに対して垂直に測定される幅と、長さおよび幅に対して垂直に測定される厚さとを有する。ワイヤーは長さが、幅と厚さよりもかなり大きい。実施形態において、ワイヤーは、長さが不透液性層522の長手軸に略沿うようなサイズおよび構成とされる。そのような実施形態において、ワイヤーは、その長手軸に沿って、液体収集アセンブリ520の形状を変え得、および/または不透液性層522全体の形状を変え得る。実施形態において、ワイヤーは、長さが不透液性層522の長手軸に沿わないようなサイズおよび構成とされる。
【0069】
ワイヤーの長さは、チャンバ526内に配置される導管530の長手方向長さに対して、10%から100%、30%から100%、10%から40%、30%から60%、60%から90%、40%から80%、50%から100%、100%未満、70%未満など、少なくとも10%であり得、或いは、チャンバ526内に配置される導管530の長さの100%を超え得る。なお、ワイヤーの長さを、チャンバ526内に配置される導管530の実質的な長さ以上に選択することで、液体収集アセンブリ520の形状が全体的に変化可能となる。一例において、ワイヤーは、略円形断面形状を有し得る。
【0070】
実施形態において、導管530は、第2通路533内に配置されるプラグ551を有する。プラグ551は、形状記憶材料535の第2通路533内への過剰挿入を防止し得る。形状記憶材料535の第2通路533内への過剰挿入は、液体収集アセンブリ520の1つ以上の所望の領域の成形を妨げ得るためである。一例において、プラグ551は、液体出口528またはその近傍に配置され得る。これにより、形状記憶材料535が導管530の長さの略全体に亘って配置可能となる。したがって、形状記憶材料535が液体収集アセンブリ520の全体形状に影響可能となり得る。プラグ551はさらに、第2通路533内に略液密封止を形成し得る。これにより、第2通路533を通じた体液の流れが防止される。
【0071】
上述のように、液体収集アセンブリ520は、チャンバ526内に配置された多孔材料500を有する。実施形態において、不図示だが、多孔材料500は、
図1から4に示す多孔材料、即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間に配置される支持層とを有する。実施形態において、多孔材料500は、透液性外層502と、透液性内層504とを有する。一例において、外層502は、内層504よりも薄くなり得る。例えば、外層502は、約0.1mmから約0.5mmの厚さを有し得、内層504は、約5mmから約10mmの厚さを有し得る。
【0072】
外層502および内層504は、本明細書に開示の任意の多孔材料を有し得る。一例において、外層502および/または内層504は、
図1から4に示す多孔材料、即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間の支持層とを有し得る。一例において、外層502および/または内層504は、第1多孔層と、第2多孔層と、支持層との内の1つまたは2つを有する。一例において、外層502は透液性膜である。そのような例において、外層502は、ガーゼ、竹繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維、本明細書に開示の任意のその他透液性膜、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。外層502が透液性膜である場合、外層502は、約25g/m
2から約100g/m
2の密度を有し得る。当該密度を有する外層502が着用者からの体液を効率的に受け入れることが確認されているためである。ただし、外層502の透液性膜は、25g/m
2を下回るまたは100g/m
2を超える密度を有し得ることを付言する。一例において、内層504は、透液性サポートであり得る。そのような例において、内層504は、フォーム、本明細書に開示の任意のその他透液性サポート、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。内層504が透液性サポートである場合、内層504は、約100g/m
2から約350g/m
2の密度を有し得る。そのような密度を有する内層504が、その内部に体液を効率的に流すことが確認されているためである。ただし、内層504の透液性サポートは、100g/m
2を下回る、または350g/m
2を超える密度を有し得ることを付言する。実施形態において、多孔材料500は単一材料を含み得る。
【0073】
図3Aから4に示す液体収集アセンブリは、女性から体液を収集する(例えば、女性の尿道から尿を収集する)ように構成された女性用液体収集アセンブリの例である。ただし、本明細書に開示の液体収集アセンブリ、システム、および方法は、男性から体液を収集する(例えば、男性の尿道から尿を収集する)ような形状、サイズおよびその他構成を有する男性用液体収集アセンブリを含み得る。
図5は、実施形態に係る男性用液体収集アセンブリ520の断面図である。
【0074】
液体収集アセンブリ520は、ベース546(例えば、円環状ベース)と、シース548とを有する。ベース546は、男性の尿道口(例えば、男性器)周囲の肌に結合するようなサイズ、形状、材料製であり、その内部を通じてに男性の尿道口が配置される。例えば、ベース546は、開口550を画定し得る。ベース546は、男性の尿道口の周りに配置(例えば、男性器を囲って、および/または覆って配置)されるようなサイズおよび形状となり、開口550は、その内部を通じて男性の尿道口が配置されるように構成され得る。ベース546はさらに、男性の尿道口の周り(例えば、男性器の周り)の肌に結合されるような(例えばハイドロゲル接着剤を使用するなど、接着剤により取り付けられる)サイズ、形状、材料製、またはその他構成され得る。一例において、ベース546は、ベース546が結合されるように選択される肌面の一般的形状および輪郭を有し得る。ベース546は柔軟であり得る。これにより、ベース546は、肌面のあらゆる形状に合わせられ得る。ベース546は、横方向(例えば径方向)に延在するフランジ552を有し得る。ベース546はさらに、シース548を収容(例えば、封止する)ように構成された、中空領域を画定する。例えば、ベース546は、ベース546から上方に延在する、長手方向延在フランジ554を有し得る。長手方向延在フランジ554は、シース548が誤ってベース546から除去されるのを防止するのに十分高くなり得る(例えば、高さが少なくとも0.25cm、1cm、少なくとも3cm、または少なくとも5cmである)。ベース546は、液体収集アセンブリ520の(着用者に対する)基端領域542に配置され得る。
【0075】
シース548は、ベース546の中空領域内に嵌るサイズおよび形状となる不透液性層522を含む(例えば、それにより形成され得る)。例えば、シース548は、図示のとおり、略筒状、またはカップ状であり得る。略筒状、またはカップ状の不透液性層522は、シース548の外面536を少なくとも部分的に画定し得る。不透液性層522は、1つ以上の態様において、本明細書に開示の不透液性層と同様または同一であり得る。例えば、不透液性層522は、不透液性層用の、本明細書に開示の任意の材料により構成され得る。不透液性層522は、チャンバ526を少なくとも部分的に画定する。例えば、不透液性層522の内面534は、チャンバ526の外周を少なくとも部分的に画定する。チャンバ526は、その内部に少なくとも一時的に体液を保持し得る。図示のとおり、液体収集アセンブリ520は、その内部に多孔材料500を有し得る。多孔材料500は、1つ以上の態様において、本明細書に開示の多孔材料と同様または同一であり得る。例えば、多孔材料500は、第1多孔層502と、第2多孔層504と、第1および第2多孔層502間に配置される支持層506とを有し得る。任意で、多孔材料500は、第1多孔層502上に配置された透液性膜(不図示)を有し得る。これにより、透液性膜がチャンバ526内に配置された男性器に接し、心地良さが増す。不透液性層522は、また、男性の尿道口がその内部を通じて配置されるように構成された不透液性層522を通じて延在する開口524を画定し得る。
【0076】
シース548はさらにその内部に、チャンバ526内に少なくとも部分的に配置された導管530など、導管530の少なくとも一部を含み得る。例えば、不図示であるが、導管530は、先端領域540のシース548から、少なくとも開口524に近接した基端領域542まで延在し得る。基端領域542は、男性の尿道(例えば、男性器またはその周りの陰毛領域)の周囲の肌上またはその近傍に配置され得る。したがって、個人が仰向けになると、開口524近傍で、対象の肌に対向して体液(例えば尿)が溜まり得る。体液は、導管530を通じてチャンバ526から除去され得る。
【0077】
いくつかの例において、不透液性層522は、シース548が真空下に配置されると潰れることができるような材料製となり得る、および/または厚さを有し得る。これにより、使用時に液体収集アセンブリ520内の男性器の周りの空気が除去されるなどが実現される。そのような例において、導管530は、チャンバ526内の先端領域540へと、または内部へとのみ延在し得る(例えば、開口524の隣接領域を通じない)。そのような例において、尿は液体収集アセンブリ520から収集および除去され得る。
【0078】
一例において、男性の男性器のサイズおよび硬さが異なることから、チャンバ526は部分的に略空所であり得る。しかし、いくつかの例において、チャンバ526の最外領域(例えば、シース548の内部領域の周囲)は、多孔材料500を含み得る。例えば、多孔材料500は、不透液性層522の内面534に結合され得る。多孔材料500は、男性の尿道口からの尿の流れを鈍らせるように配置され得る(例えば、チャンバ526の先端)。これにより、体液の飛び散りが制限され、および/または体液がチャンバ526の選択領域に向けられる。チャンバ526は実質的に空であるので(例えば、チャンバ526の実質的に全体が貯留部を形成する)、体液はチャンバ526の重力方向最低点に溜まりやすい。チャンバ526の重力方向最低点は、個人の肌と、シース548内に形成された液体収集アセンブリ520の角、または着用者の向きに応じたその他適切な位置との間の接点であり得る。
【0079】
多孔材料500は、不透液性層522と、チャンバ526内に挿入された男性器との間に配置され得る。第1多孔層502は、第2多孔層504と、男性器との間、および支持層506と、男性器との間など、不透液性層522と、チャンバ526内に挿入された男性器との間に配置され得る。任意で、開口524と略反対のチャンバ526の端を含む内面534は、第2多孔層504により被覆され得る。第2多孔層504は、不透液性層522に貼着され(例えば貼り付けられ)得る。
【0080】
液体収集アセンブリ520は、先端領域540にキャップ556を有し得る。キャップ556は、内部経路を画定し得る。当該経路を通じて、体液が液体収集アセンブリ520から除去され得る。内部経路は、チャンバ526と流体連通する。キャップ556は、不透液性層522または多孔材料500の一方または両方の、先端領域540少なくとも一部上に配置され得る。キャップ556は、ポリマー、ゴム、またはその他任意の不透液性材料により形成され得る。キャップ556は、不透液性層522、多孔材料500、または導管530の内の1つ以上に取り付けられ得る。キャップ556は、液体収集アセンブリ520の先端領域540の少なくとも一部を被覆し得る。キャップ556は、導管530を収容し、液封止するようにサイズ形成および構成された液体出口528を画定し得る。導管530は、キャップ556内で、またはそれを通じてある距離延在し得る。即ち、多孔材料500まで、多孔材料500を通じて、または多孔材料500からずれた点までなどである。後者の例では、キャップ556の内部経路は、その内部に貯留部538を画定し得る。
【0081】
貯留部538は、キャップ556内などデバイスの空所であり、その他材料が存在しない。いくつかの例において、貯留部538は、多孔材料500およびキャップ556により少なくとも部分的に画定される。使用時に、チャンバ526内の体液は、多孔材料500を通じて貯留部538まで流れ得る。貯留部538は、その内部に体液の少なくとも一部を格納し得、および/または体液を導管530による除去のために配置し得る。いくつかの例において、多孔材料500の少なくとも一部が、内部経路およびチャンバ526の開口の少なくとも一部間で連続的に延在し得る。これにより、任意の体液が開口から貯留部538に直接吸い上げられる。
【0082】
いくつかの例において(不図示)、不透液性層522は、キャップ556をチャンバ526内に密閉するなど、キャップ556上または上方に配置され得る。
【0083】
基端領域542は、男性の尿道口周囲(例えば、男性器周囲)の肌上または近傍に配置され得、導管530の入口は基端領域542内に配置され得る。導管530の出口は、真空源に直接または間接的に結合され得る。したがって、体液は、導管530を通じてチャンバ526の基端領域542から除去され得る。
【0084】
ベース546、シース548、キャップ556、および導管530は、任意の適切な方法により互いに取り付けられ得る。例えば、ベース546、シース548、キャップ556、または導管530の内の少なくとも2つが、しまりばめ、接着剤、縫い合わせ、溶接(例えば超音波溶接)、テープ、その他任意の適切な方法、またはその組み合わせの内の少なくとも1つにより互いに取り付けられ得る。
【0085】
いくつかの例において(不図示)、液体収集アセンブリ520は、単一体設計を有し得る。その場合、シース548、ベース546、およびキャップ556の内の1つ以上が、単一の一体形成体となる。
【0086】
また図示のように、導管530は、少なくとも部分的に液体収集アセンブリのチャンバとともに配置され得る。導管530は、先端領域540から基端領域542まで延在し得る。例えば、導管530は、ベース546に隣接する点まで、キャップ556を通じて延在し得る。導管530は、貯液容器または真空源に結合されるようなサイズおよび配置となる(
図7)。導管530の出口は、直接または間接的に真空源に動作結合され得る。導管530の入口532は、使用時に液体収集アセンブリ520の重力方向最低点となることが予期される箇所など、チャンバ526内に配置され得る。入口532をユーザーの着用時に液体収集アセンブリの重力方向最低点となることが予期される箇所に配置することで、チャンバ526内に導入される体液は、導管530を通じて除去され得る。これにより、体液のチャンバ526内での滞留、留まりが防止される。
【0087】
いくつかの例において、真空源は、液体収集アセンブリ520から離間して配置され得る。そのような例において、導管530は、真空源および液体収集アセンブリ520間に配置され得る貯液容器に流体接続され得る。
【0088】
動作時に、液体収集アセンブリ520を使用する男性は、チャンバ526内に体液(例えば尿)を排出し得る。体液はチャンバ526内に溜まる、またはその他収集され得る。体液の少なくとも一部は、入口を通じて導管530内部に引き込まれ得る。体液は、真空源による真空/吸引により、液体収集アセンブリ520から引き出され得る。動作時、体液がチャンバ526内に導入され、そして実質的にそこから除去されても、真空安全弁(不図示)により、チャンバ526内の圧力が大気圧に実質的に保たれ得る。
【0089】
図6は、実施形態に係る、液体収集アセンブリ620の断面図である。液体収集アセンブリ620は、男性用液体収集アセンブリの一例だが、一部の実施形態では、液体収集アセンブリ620は、女性尿道口から体液を受け入れるのに使用され得る。本明細書に別途開示されない限り、液体収集アセンブリ620は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。液体収集アセンブリ620は、シース648およびベース646を有する。ベース646は、シース648に取り付けられるように構成される(例えば、永久に取り付けられる、または永久に取り付けられるように構成される)。ベース646も個人の尿道口(例えば、男性器)周りの領域に取り付けられるように構成される。
【0090】
シース648は、第1パネル658および第2パネル660から少なくとも部分的に形成される、不透液性層622を有する。第1パネル658および第2パネル660は、互いに取り付けられる、または一体形成される(例えば、単一体構成を有する)。実施形態において、図示のように、第1パネル658および第2パネル660は個別のシートである。不透液性層622はさらに、第1パネル658および第2パネル660間にチャンバ626を、シース648の基端領域642に開口624を、シース648の先端領域640に液体出口628を画定する。シース648はさらに、チャンバ626内に配置される少なくとも1つの多孔材料600を有する。
【0091】
不透液性層622の内面(1または複数)、例えば、第1および第2パネル658、660の内面は、液体収集アセンブリ620内にチャンバ626を少なくとも部分的に画定する。不透液性層622は、チャンバ626内に体液を一時的に格納する。不透液性層622は、本明細書に開示の任意の不透液性材料により形成され得る。したがって、不透液性層622は、体液が不透液性層622を通過することを実質的に防止する。
【0092】
実施形態において、第1パネル658または第2パネル660の少なくとも一方は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、またはポリ塩化ビニル等の、少なくとも部分的に透明な不透液性材料から形成される。第1パネル658または第2パネル660の少なくとも一方を少なくとも部分的に透明な不透液性材料で形成することで、個人(例えば医師)が男性器を調べることを可能とする。いくつかの実施形態において、第1パネル658および第2パネル660の両方が、少なくとも部分的に透明な不透液性材料から形成される。第1パネル658または第2パネル660の少なくとも一方を少なくとも部分的に透明な不透液性材料により形成することで、液体収集アセンブリ620を完全に男性器周囲の領域から取り外すことなく、男性器を調べることが可能となる。例えば、チャンバ626は、チャンバ626内に男性器が延在すると、個人の男性器を収容するように構成された男性器収容領域662を有し得る。男性器収容領域662は、少なくとも多孔材料600と、第1パネル658および/または第2パネル660の少なくとも部分的に透明な材料の少なくとも一部とにより画定され得る。言い換えると、男性器が開口624を通じてチャンバ626内へと挿入されると、多孔材料600が、男性器と、第1パネル658および/または第2パネル660の透明な部分の少なくとも一部との間に配置されないように、多孔材料600はチャンバ626内に配置され得る。多孔材料600は概して不透明であり、したがって、男性器収容領域662を画定する、第1パネル658および/または第2パネル660の少なくとも部分的に透明な材料の部分は、個人に男性器収容領域662内をのぞき込み、男性器を調べることを可能とする窓を形成する。
【0093】
不透液性層622により画定された開口624は、男性器が埋もれている場合に体液がチャンバ626内に侵入するため、および男性器が埋もれていない場合に、男性器がチャンバ626(例えば、男性器収容領域662)内に侵入可能とする侵入経路を提供する。開口624は、不透液性層622(例えば、不透液性層622の内縁)により画定され得る。例えば、開口624は、不透液性層622内に形成され、それを通じて延在する。これにより、体液が液体収集アセンブリ620外からチャンバ626内に侵入可能とする。
【0094】
不透液性層622は、導管630を収容するサイズの液体出口628を画定する。導管630は、チャンバ626内に少なくとも部分的に配置され、またはその他方法で液体出口628を通じてチャンバ626と流体連通し得る。液体出口628は、少なくとも導管630に対して略液密封止を形成するようなサイズおよび形状であり得る。これにより、体液のチャンバ626からの離脱が実質的に防止される。実施形態において、液体出口628は、第1パネル658および第2パネル660の、互いに取り付けられない、または一体形成されない部分から形成され得る。そのような実施形態において、不透液性層622は、不透液性層622の周囲部分よりも大きな剛性を有するキャップを含まなくてもよい。これにより、液体収集アセンブリ620を形成するのに使用される部品点数が減少し、液体収集アセンブリ620の製造が容易になり得る。キャップがないと、導管630を液体出口628に対してしばりばめで固定しにくくなり得る。したがって、導管630は、接着剤の使用、溶接、または液体出口628を液体出口628に結合するその他方法により、液体出口628に対して(例えば、第1および第2パネル658、660に対して)取り付けられ得る。一例において、導管630は、第1および第2パネル658、660を互いに取り付けるのと同じ製造工程で液体出口628に取り付けられ得る。一例において、不透液性層622は、キャップを有し、導管628はキャップに取り付けられ得る(例えば、しばりばめによる)。
【0095】
上述のように、シース648は、チャンバ626内に開示された少なくとも1つの多孔材料600を有する。多孔材料600は、男性器から液体出口628に向かってなど、チャンバ626の1つ以上の選択領域に体液を向け得る。多孔材料600は、本明細書に開示の任意の多孔材料製であり得る。例えば、多孔材料600は、第1多孔層602と、第2多孔層604と、第1および第2多孔層602、604間の支持層606とを有し得る。実施形態において、第1多孔層602は、男性器収容領域662の少なくとも一部を画定するように配置され得る。第2多孔層604は、第1パネル658に隣接して配置され得る。
【0096】
実施形態において、多孔材料600はシートであり得る。多孔材料600をシートとして形成することで、液体収集アセンブリ620が製造しやすくなり得る。多孔材料600をシートとして形成することで、第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600それぞれをシートとすることができる。液体収集アセンブリ620の製造時、第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600は積層され、同じ製造工程にて互いに取り付けられ得る。例えば、多孔材料600は、第1パネル658および第2パネル660と同じ、またはより好ましくは若干小さいサイズの形状を有し得る。したがって、第1パネル658および第2パネル660をその外縁に沿って互いに取り付けることで、多孔材料600も第1パネル658および第2パネル660に取り付けられ得る。多孔材料600は、第1パネル658および第2パネル660よりも若干小さくされ得る。これにより、第1パネル658および/または第2パネル660は多孔材料600の周りに延在する。したがって、多孔材料600は、不透液性層622を通じて、体液が漏出し得る経路を形成しない。また、多孔材料600を第1パネル658および/または第2パネル660に取り付けることで、液体出口628近傍で多孔材料600が固まるなど、多孔材料600がチャンバ626内で大きく移動することが防止され得る。一例において、多孔材料600は、第1パネル658を第2パネル660に取り付ける前、または後に、第1パネル658または第2パネル660(例えば、接着剤を介する)に取り付けられ得る。一例において、多孔材料600は、多孔材料600を第1パネル658または第2パネル660の少なくとも一方に取り付けることなく、単純にチャンバ626内に配置され得る。実施形態において、多孔材料600は、中空略円筒形等、シート以外の形状を有し得る。
【0097】
概して、男性器が男性器収容領域662内にない状態、およびシース648が平面に載置されている状態で、シース648は略平坦である。不透液性層622が略筒状の不透液性層ではなく、第1パネル658および第2パネル660により形成されるため、シース648は、略平坦である。さらに、上述のように、多孔材料600はシートであり得、これによってもシース648が略平坦となる。シース648がまた略平坦であり得るのは、液体収集アセンブリ620が、不透液性層622の周囲の部分よりも高い剛性を有し、シース648が略平坦となることを妨げ得る、比較的剛性なリングまたはキャップを有さなくてよいためである。なお、シース648は略平坦であると記載したが、それは、多孔材料600の厚さによっては、多孔材料600により、シース648に多少の膨らみが生じ得ること、液体出口628および/または導管630によりその周りに膨らみが生じ得ること、またはベース646はその周辺のシース648の部分の上に引き上げられ得ることの内の少なくとも1つによる。なお、シース648も柔軟となり得る。したがって、シース648は使用時に略平坦でなくてもよい。使用時に、シース648は非平坦面に載置され得る(例えば、睾丸上、会陰上、および/または股間に載置され得る)ためであり、シース648はこれら形状の平面に沿い得る。
【0098】
男性器が男性器収容領域662内に存在しない、およびシース648が平坦面上に載置されている際に、シース648が略平坦になれることで、液体収集アセンブリ620は、埋もれたおよび埋もれていない男性器とともに使用可能となる。例えば、液体収集アセンブリ620が埋もれた男性器と使用される場合、男性器は男性器収容領域662内へと延在しない。これにより、シース648はベース646の開口650全体に亘って、比較的平坦に載置される。シース648がベース646の開口650全体に亘って、比較的平坦に載置されると、多孔材料600は、開口624および開口650全体に亘って延在し、埋もれた男性器に近接する。したがって、多孔材料600は、埋もれた男性器から排出された体液の、個人の肌に対向した滞留を防止または抑制する。多孔材料600が、個人の肌に対向して滞留し得る体液の少なくとも大部分を受け入れる、または除去するためである。したがって、個人の肌の乾燥が保たれ、液体収集アセンブリ620の使い心地が向上し、肌の損傷が防止される。一方で、埋もれた男性器と使用されるように構成されたその他従来の液体収集アセンブリと異なり、液体収集アセンブリ620は埋もれていない男性器とも使用され得る。埋もれていない男性器が完全に勃起しても、男性器収容領域662に収容可能であるためである。さらに、シース648が略平坦となれることで、シース648が平坦でない場合と比較して、液体収集アセンブリ620はより個別状況に応じて使用可能となる。したがって、恥をかき得る各状況が防止される。
【0099】
シース648が略平坦であれば、多孔材料600は、チャンバ626の略全体に存在し、男性器収容領域662は潰れた状態となる(
図6では図示のため、男性器収容領域662が見られるように、潰れていない状態で示される)。言い換えると、シース648は、多孔材料600が常に存在しない領域を画定しなくてもよい。体液の滞留は、衛生上の問題を生じ、悪臭を発し、および/または個人の肌を体液に接触させ続け、不快感および肌の損傷を生じ得るため、多孔材料600がチャンバ626の略全体に存在することで、チャンバ626内に排出された体液が、長い間滞留しにくくする。
【0100】
上述のように、第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600は比較的柔軟となるように選択され得る。第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600がそれぞれ、支持なしでその形状を維持できなければ、第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600は比較的柔軟となる。第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600の柔軟性により、上述のようにシース648を略平坦にでき得る。第1パネル658、第2パネル660、および多孔材料600の柔軟性はさらに、男性器のサイズおよび形状が変化しても(例えば、勃起する)男性器の形状にシース648の形状が沿うことを可能とし得る。これにより、体液が滞留し得る、チャンバ626におけるあらゆる空所を最小化できる。
【0101】
上述のように、液体収集アセンブリ620は、シース648に取り付けられるように構成されるベース646を有する。例えば、ベース646は、シース648に永久に取り付けられるように構成される。例えば、液体収集アセンブリ620に、シース648に永久に取り付けられたベース646が設けられる場合、又はベース646が、シース648に永久に取り付けられていないが、将来的に何らかのタイミングでシース648に永久に取り付けられるように構成されるように設けられた場合に、ベース646は、シース648に永久に取り付けられるように構成される。永久に取り付けられるとは、シース648をベース646から離すためにブレードを使用する、および/またはシース648をベース646に取り付ける接着剤を溶かすのに化学物質を使用することで、シース648またはベース646の少なくとも一方を損傷することなく、シース648をベース646から取り外せないことを意味する。ベース646は、接着剤、縫い付け、熱封止、RF溶接、またはUS溶接により、シース648に永久に取り付けられ得る。実施形態において、ベース646は、シース648に取り外し可能に取り付けるように構成される。実施形態において、ベース646は、シース648と一体形成される。
【0102】
ベース646は、開口650を有する。ベース646は、開口650が開口624に揃えられるように、シース648の先端領域640に永久に取り付けられる。
【0103】
ベース646は、男性器周囲の肌(例えば、恥丘、太もも、睾丸、および/または会陰)に結合されるようなサイズ、形状、材料製であり、その内部に男性器が配置される。例えば、ベース646は、男性器がその内部に配置されるように構成された開口650を画定し得る。一例において、ベース646は、ベース646が結合するように構成された肌面の概略的形状または輪郭を有し得る。ベース646は柔軟であり得る。これにより、ベース646が肌面のあらゆる形状に沿うことができ、ベース646が肌面で引っ張られることが最小限に抑えられる。ベース646は横方向にシース648を通り過ぎて延在し得る。これにより、ベースを有さない略同様の液体収集アセンブリ620と比較して、液体収集アセンブリ620が取り付けられ得る、個人の肌の表面積が増加する。
【0104】
本明細書に開示の多孔材料を含み得る液体収集アセンブリのさらなる例は、2017年6月2日に出願された米国特許出願第15/612,325号、2016年9月8日に出願された米国特許出願第15/260,103号、2016年9月8日に出願された米国特許第10,390,989号、2020年8月19日に出願された米国仮特許出願第63/067,542号、および2019年6月6日に出願された米国特許出願第16/433,773号に開示され、参照によりそれぞれの開示の全体が本明細書に組み込まれる。
【0105】
図7は、実施形態に係る、液体収集アセンブリ720に対する液体収集システム770のブロック図である。液体収集システム770は、液体収集アセンブリ720と、貯液容器772と、真空源774とを備える。液体収集アセンブリ720は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じまたは実質的に同様であり得る。液体収集アセンブリ720と、貯液容器772と、真空源774とは1つ以上の導管730を通じて、互いに流体結合され得る。例えば、液体収集アセンブリ720は、導管730を通じて、貯液容器772または真空源774の一方または両方に動作結合され得る。液体収集アセンブリ720内に収集された体液は、液体収集アセンブリ720内へと突出する導管730を通じて、液体収集アセンブリ720から除去され得る。例えば、導管730の入口は、液体収集アセンブリ720内、その内部の貯留部等へと延在し得る。導管730の出口は、液体収集アセンブリ720または真空源774内へと延在し得る。導管730の出口に印加された吸引(例えば、真空)力に応じて、導管730の入口を通じて、液体収集アセンブリ720のチャンバ内へと、吸引力が導入され得る。
【0106】
吸引力は、真空源774により、直接、または間接的に、導管730の出口に印加され得る。吸引力は、貯液容器772を介して間接的に印加され得る。例えば、導管730の出口は、貯液容器772内に配置され得、追加の導管730が貯液容器772から真空源774に延在し得る。したがって、真空源774は、貯液容器772を介して液体収集アセンブリ720に吸引を印加し得る。吸引力は、真空源774から直接印加され得る。例えば、導管730の出口は、真空源774内に配置され得る。追加の導管730が、真空源774から貯液容器772まで等、液体収集アセンブリ720外の点まで延在し得る。そのような例において、真空源774は、液体収集アセンブリ720および貯液容器772間に配置され得る。
【0107】
貯液容器772は、その内部に体液を保持するサイズおよび形状となる。貯液容器772は、袋(例えば、排液袋)、ボトルまたはカップ(例えば、収集瓶)、または尿などの体液を貯蔵するその他密閉容器を含み得る。いくつかの例において、導管730は、液体収集アセンブリ720から延在し、貯液容器772の内部の第1点で取り付けられ得る。追加の導管730が、貯液容器772上の第2点に取り付けられ得、真空源774まで延在し、それに取り付けられ得る。したがって、貯液容器772を介して、液体収集アセンブリ720を通じて真空が抽出され得る(例えば、吸引)。尿などの体液は、真空源774を使用して、液体収集アセンブリ720から排出され得る。
【0108】
真空源774は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、変位ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、真空を生成するように構成された任意のポンプの1つ以上を含み得る。真空源774は、液体収集アセンブリ720から体液を除去するのに、真空または吸引を提供し得る。いくつかの例において、真空源774は、電源コード(例えば、コンセントに接続)、1つ以上の電池、またさらには手動電源(例えば、手動真空ポンプ)により駆動され得る。いくつかの例において、真空源774は、液体収集アセンブリ720の外部、上、または内部に嵌るような大きさ、および形状であり得る。例えば、真空源774は、1つ以上の小型ポンプ、または1つ以上のマイクロポンプを含み得る。本明細書に開示の真空源774は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、または真空源774の作動に適した任意のその他デバイスを含み得る。
【0109】
各種態様および実施形態が本明細書で開示されたが、その他態様および実施形態も考えられる。本明細書に開示の各種態様および実施形態はあくまで例示が目的であって、限定を意図したものではない。
【0110】
程度を表す用語(例えば、「約」、「略」、「概して」など)は、構造的、機能的に有意でない変動を示す。一例において、量を示す用語に、程度を表す用語が含まれる場合、程度を表す用語は、当該量を示す用語の、±10%、±5%、または+2%と解される。一例において、形状の変形に程度を表す用語が使用される場合、程度を表す用語は、程度を表す用語により変形される形状が、開示の形状の外観を有することを示す。例えば、形状が尖った角ではなく丸角を有し得る、直線の縁ではなく湾曲した縁を有し得る、そこから1つ以上の突起が延在し得る、楕円であり得る、開示の形状と同一であり得るなどを示すのに、程度を表す用語が使用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
、チャンバ、少なくとも1つの開口、および
液体出口を画定する不透液性層と、
前記チャンバ内に配置される
多孔材料と、
前記チャンバ内に設けられる導管であって、第1通路と、前記第1通路から分離された個別の第2通路とを画定する導管と、
前記第2通路内に設けられる形状記憶材料であって、選択された形状を保持できる形状記憶材料と、
前記第2通路内に配置される少なくとも1つのプラグと、を含む、液体収集アセンブリ。
【請求項2】
前記多孔材料は透液性内層および透液性外層を有する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項3】
前記多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、支持層とを有し、前記支持層は、前記第1多孔層の長さの少なくとも実質的な全体および前記第2多孔層の長さの少なくとも実質的な全体に亘って、前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項4】
前記多孔材料は、第1多孔層、第2多孔層、および前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される支持層を有し、前記第1多孔層はポリプロピレンを含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項5】
前記多孔材料は、第1多孔層、第2多孔層、および前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される支持層を有し、前記支持層は竹を含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項6】
前記多孔材料は、第1多孔層、第2多孔層、および前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される支持層を有し、前記第2多孔層はポリエステルを含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項7】
前記多孔材料は、第1多孔層、第2多孔層、および前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される支持層を含み、前記第2多孔層はフォームを含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項8】
前記多孔材料は、第1多孔層、第2多孔層、および前記第1多孔層と前記第2多孔層の間に延在配置される支持層を有し、前記第1多孔層がポリプロピレンを含み、前記支持層が竹を含み、前記第2多孔層がポリエステルを含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項9】
前記導管は略円筒形の外壁を含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項10】
前記第1通路は前記チャンバから体液を除去するように構成される、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項11】
前記導管は、前記第1通路を前記第2通路から分離する内壁を有する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項12】
前記導管は外壁を有し、前記内壁は前記外壁と共に単一部位構成を成す、請求項11に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項13】
前記導管は略円筒形の外壁を有し、前記第1通路は略三日月形状を有する、請求項11に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項14】
前記第2通路は、前記第1通路の断面積よりも小さい断面積を有する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項15】
前記第2通路の断面積は、前記第1通路の断面積の少なくとも五分の一以下である、請求項14に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項16】
前記形状記憶材料は、選択された形状に成形可能である、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項17】
前記形状記憶材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項18】
前記形状記憶材料は少なくとも1本のワイヤを有する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1本のワイヤは、長さが前記不透液性層の長手軸に略沿っている、請求項18に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1本のワイヤの長さは、前記チャンバ内に配置される前記導管の長さの約50%から約100%である、請求項18に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項21】
前記プラグは、前記液体出口に、または前記液体出口の近傍に配置される、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項22】
前記プラグは前記第2通路内に略液密封止を形成する、請求項1に記載の液体収集アセンブリ。
【請求項23】
液体収集アセンブリと、
貯液容器と、
真空源と、を備える液体収集システムであって、
前記液体収集アセンブリは、
少なくとも、チャンバ、少なくとも1つの開口、および液体出口を画定する不透液性層と、
前記チャンバ内に設けられる多孔材料と、
前記チャンバ内に設けられる導管であって、第1通路と、前記第1通路から分離された個別の第2通路とを画定する導管と、
前記第2通路に設けられる形状記憶材料と、
前記第2通路に配置される少なくとも1つのプラグと、を含み、
前記液体収集アセンブリの前記チャンバ、前記貯液容器、および前記真空源は互いに流体連通することで、前記チャンバ内に1種類以上の体液が存在する際に、前記真空源から前記液体収集アセンブリの前記チャンバに提供される吸引により、前記1種類以上の体液が前記チャンバから除去されて前記貯液容器内に溜められる、
液体収集システム。
【請求項24】
前記第1通路は、前記貯液容器および前記真空源と流体連通する、請求項23に記載の液体収集システム。
【請求項25】
前記第2通路は、前記貯液容器および前記真空源と流体連通しない、請求項23に記載の液体収集システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれる、2021年9月23日に出願の米国仮特許出願第63/247,491号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
人または動物は、可動性が限られて、または損なわれて、通常の排尿処理が困難または不可能になり得る。例えば人は、可動性が損なわれるような障害を経験または持ち得る。人は、パイロット、運転手、および危険区域での作業員などが経験するように、行動条件が制限され得る。さらに、治験目的または健康診断に、体液の収集が必要となる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/306075号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォーリーカテーテルなどの尿道カテーテルは、失禁などのこれら状況の一部を解消できる。しかし、尿道カテーテルは不快感、苦痛を伴い得、また感染などの合併症を生じ得る。さらに、寝たきりの個人が排尿に使用する容器である、尿瓶が使用される場合もある。しかし、尿瓶は往々にして不便で、こぼれるなどその他衛生的な問題を生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に延在する支持層を有する多孔材料を備える液体収集アセンブリに関する。実施形態はさらに、当該液体収集アセンブリを備える液体収集システムと、当該液体収集アセンブリの形成および使用方法に関する。実施形態において、液体収集アセンブリが開示される。液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、チャンバとを画定する不透液性層を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置される多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在する支持層とを有する。
【0006】
実施形態において、液体収集システムが開示される。液体収集システムは液体収集アセンブリを備える。液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、チャンバとを画定する不透液性層を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置された多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在する支持層とを有する。液体収集システムはさらに、貯液容器と、真空源とを備える。液体収集アセンブリのチャンバと、貯液容器と、真空源とは互いに流体連通する。これにより、チャンバ内に1種類以上の体液が存在する際に、真空源から液体収集アセンブリのチャンバに提供される吸引により、1種類以上の体液がチャンバから除去されて、体液が貯液容器に溜められる。
【0007】
開示の実施形態うちの任意のものからの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わされて使用され得る。さらに、以下の詳細な説明および添付の図面を十分に考察することで、当業者には本開示の別の特徴および利点が明らかとなろう。
【0008】
図面は本開示のいくつかの実施形態を示すものであり、同一の参照符号は、異なる図面、または図面に示す実施形態での同一または同様の開示の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料の概略断面図である。
【
図2】本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料の概略断面図である。
【
図3A】実施形態に係る多孔材料を有する液体収集アセンブリの等角投影図である。
【
図3B】
図3Aに示す面3B-3Bに沿った、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図3C】
図3Aに示す面3C-3Cに沿った、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図4】実施形態に係る、液体収集アセンブリの概略断面図である。
【
図5A】実施形態に係る、成形可能導管を有する液体収集アセンブリの断面図である。
【
図5B】面5B-5Bに沿った、実施形態に係る液体収集アセンブリの断面図である。
【
図6】実施形態に係る、液体収集アセンブリの断面図である。
【
図7】実施形態に係る、液体収集アセンブリの断面図である。
【
図8】実施形態に係る液体収集アセンブリに対する液体収集システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、第1多孔層と、第2多孔層と、第1多孔層および第2多孔層の間に延在する支持層を有する多孔材料を備える液体収集アセンブリに関する。実施形態はさらに、当該液体収集アセンブリを備える液体収集システムと、当該液体収集アセンブリの形成および使用方法に関する。例示的な液体収集アセンブリは、少なくともチャンバと、少なくとも1つの開口と、液体出口とを画定する不透液性層(例えば、不透液性バリア)を備える。液体収集アセンブリはさらに、チャンバ内に配置される多孔材料を備える。多孔材料は、第1多孔層(例えば、透液性膜)と、第2多孔層と、支持層とを有する。第1多孔層は、第2多孔層の前に体液を受け入れるように、チャンバ内に配置され得る。支持層は、第1多孔層および第2多孔層の間に配置および延在するように配置され得る。
【0011】
使用時、液体収集アセンブリは、多孔材料が尿道口(例えば、女性器)に隣接するように、または尿道口(例えば、男性器)を収容するように、個人に対して配置され得る。個人は、1種類以上の体液(例えば、尿、汗、血液など)を排出し得る。排出された体液は、多孔材料内に受け入れられ得る。体液は、不透液性層により画定された液体出口を通じて配置された導管の入口まで、多孔材料を通じて流れ得る。その後体液は、導管を通じて流れることで、液体収集アセンブリから除去され得る。実施形態において、導管から多孔材料に、真空が提供され得る。真空は、導管の入口への多孔材料を通じた体液の流れを促進し得る。真空はさらに、導管を通じた体液の流れも促進し得る。真空は、導管と流体連通する真空源から提供され得る。
【0012】
一部の従来の液体収集アセンブリの多孔材料は、ガーゼ、交差折り畳みされた(cross-lapped)多孔不織材料、または当該従来の液体収集アセンブリを使用する個人からの体液を最初に受け入れるように配置されるその他多孔材料を含む。当該多孔材料は、疎水性であるか、その他従来の液体収集アセンブリ内へと体液を吸い上げるように構成される。しかし、ガーゼ、交差折り畳みされた不織材料、または個人からの体液を最初に受け入れるように配置されるその他多孔材料の多くは、個人から排出された体液を捉えるのに不十分となり得ることが確認されている。これは、液体収集アセンブリからの体液の漏出の可能性を高めてしまう。さらに、個人が体液を排出した後に、ガーゼやその他多孔材料の多くは濡れたままとなることが確認されている。これにより、個人の皮膚への損傷なく、従来の液体収集アセンブリを長期間(例えば、12時間を超える期間)利用することが阻害される。
【0013】
本明細書に開示の液体収集アセンブリの多孔材料(即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間の支持層とを含む多孔材料)は、従来の液体収集アセンブリの多孔材料に関連したこれら問題の少なくとも一部を解消するものである。例えば、第1多孔層は、体液を効率的に受け入れるように構成される。これにより、体液の漏出を防止、または少なくとも抑制する。第1多孔層はさらに、体液を受け入れた後、比較的迅速に乾燥するように構成され得る。これにより、本明細書に開示の液体収集アセンブリは、長期間(例えば、約24時間から約36時間、約30時間から約42時間、または約36時間から約48時間など、約24時間を超える期間)、使用可能となる。より詳細に後述するように、例えば、第1多孔層の親水性、第1多孔層の平均マクロ孔径、第1多孔層の厚さ、多孔材料のその他層の特性の内の少なくとも1つにより、第1多孔層は乾燥したままで、効率的に体液を受け入れ得る。第2多孔層は、多孔材料から出て、導管の入口に向かう体液の流れを促進する。この流れにより、体液が液体収集アセンブリから除去され得る。より詳細に後述するように、例えば、第2多孔層の疎水性、第2多孔層の平均マクロ孔径、多孔材料の他の材料の特性の内の少なくとも1つにより、第2多孔層は当該流れを促進する。支持層は、第1および第2多孔層間の距離を維持し、体液がそれを通じて流れる効果的な経路を提供する。特に、支持層は、導管の入口に向かって流れる効果的な体液の経路を提供する。例えば、その空隙率が比較的高いこと、支持層を形成する繊維、当該繊維の延在方向、または多孔材料のその他層の特性の内の少なくとも1つにより、支持層は効果的な経路を提供し得る。
【0014】
図1は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る多孔材料100の概略断面図である。多孔材料100は、第1多孔層102と、多孔材料100の第2側の第2多孔層104と、第1および第2多孔層102、104間で延在する支持層106とを備える。一般的に、多孔材料100は、個人の尿道口から排出される体液を、第2多孔層104および支持層106の前に受け入れるように配置される。したがって、使用時に、第1多孔層102は、第2多孔層104および支持層106の対応する(隣接する)部分よりも、開口に近接して配置される、またはその他尿道口に近接して配置され得る。
【0015】
上述のように、第1多孔層102は、個人の尿道口から排出される体液を、第2多孔層104および支持層106の前に受け入れるように構成される。したがって、第1多孔層102は、多孔材料100からの体液の漏出を防止、または少なくとも抑制するため、体液を効率的に受け入れるように構成される。本明細書で使用される、体液を効率的に受け入れるとは、大容積の体液を短期間で受け入れ、その内部に流す第1多孔層102の性能を示す。例えば、第1多孔層102は、第1多孔層102が約10ml/s以上、約20ml/s以上、約30ml/s以上、約40ml/s以上、約50ml/s以上、または約6ml/sから約10ml/s、約8ml/sから約12ml/s、約10ml/sから約15ml/s、約12.5ml/sから約17.5ml/s、約15ml/sから約20ml/s、約17.5ml/sから約22.5ml/s、約20ml/sから約25ml/s、約22.5ml/sから約27.5ml/s、約25ml/sから約30ml/s、約27.5ml/sから約35ml/s、約30ml/sから約40ml/s、約35ml/sから約45ml/s、または約40ml/sから約50ml/sの範囲にあるなどの、約6ml/s以上の体液を受け入れ、および/またはその内部に流し得る場合に、効率的に体液を受け入れ得るとされる。
【0016】
また、第1多孔層102が個人の尿道口に近接することで、第1多孔層102は、体液を受け入れた後に比較的迅速に乾燥するように構成される。これにより、多孔材料100を有する液体収集アセンブリが長期間使用される際に、肌の損傷を防止する、または少なくとも抑制する。本明細書で使用される第1多孔層102が比較的迅速に乾燥するとは、第1多孔層102が体液を受け入れた後、約1時間以下(例えば、約45分未満、約30分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分以下)で、体液が第1多孔層102の約10wt%以下(例えば、約7.5wt%以下、約5wt%以下、約2.5wt%以下、または約1wt%以下)を形成することを指す。
【0017】
一例において、第1多孔層102は、親水性であるため、体液を効率的に受け入れ得る。第1多孔層102が親水性であれば、第1多孔層102は、体液を第1多孔層102内へと引き込む。したがって、第1多孔層102は、効率的に体液を受け入れ可能となる。また、親水性第1多孔層102は、第1多孔層102を通じて体液を分散させる。これにより、第1多孔層102は比較的大量の体液の受け入れ、および第1多孔層102から支持層106への体液輸送の促進が可能となる。第1多孔層102の水との接触角が、約80°以下、約70°以下、約60°以下、約50°以下、約40°以下、約30°以下、約20°以下、約10°以下、または約0°から約20°、約10°から約30°、約20°から約40°、約30°から約50°、約40°から約60°、約50°から約70°、約60°から約80°、または約70°から90°の範囲内など、90°以下であれば、第1多孔層102は親水性であり得る。一般的に、第1多孔層102の親水性を上げる(即ち、水との接触角を下げる)ことで、第1多孔層102が体液を受け入れ得る効率が上がる。ただし、第1多孔層102の親水性を上げると、第1多孔層102の迅速な乾燥が困難となり得る。したがって、第1多孔層102の親水性は、特定の用途において、いずれの要件(効率的に体液を受け入れる、または第1多孔層102を迅速に乾燥する)がより重要かに基づいて、これら2つの要素のバランスに基づいて選択され得る。実施形態において、第1多孔層102は、親水性材料から形成される。実施形態において第1多孔層102は、その親水性を向上するように処理された材料(例えば、疎水性材料)、または親水性材料でコーティングされたベース層により形成される。
【0018】
第1多孔層102は、従来の液体収集アセンブリの多孔材料で従来使用されるトップ層の厚さよりもかなり小さな厚さt1を有し得る(例えば、従来の液体収集アセンブリのトップ層の厚さは1mm超であり得る)。例えば、第1多孔層102の厚さt1は、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約50μmから約150μm、約100μmから約200μm、約150μmから約250μm、約200μmから約300μm、約250μmから約400μm、または約300μmから約500μmの範囲内など、約500μm以下であり得る。第1多孔層102の厚さt1により、第1多孔層102を通じて体液が流れる必要のある距離が低減されることで、体液が効率的に第1多孔層102内に受け入れ可能となり得る。第1多孔層102の厚さt1はさらに、第1多孔層102を迅速に乾燥可能とし得る。第1多孔層102の厚さt1は、第1多孔層102に、任意の所与の時間、比較的少量の体液の保持のみを可能にするためである。第1多孔層102内に存在する比較的少量の体液は、容易に大気内へと、または液体収集アセンブリのチャンバに印加された真空により生じる気流により容易く除去され得(例えば蒸発)る。第1多孔層102内に保持される体液の量が限定されることで、第1多孔層102が親水性材料で形成可能となり得る。例えば、液体収集アセンブリに対する従来の材料選択は、特に尿道口近傍部分において、親水性材料の使用を妨げる。親水性材料は、体液を保持して、濡れたままになる傾向があるためである。したがって、液体収集アセンブリに対する従来の材料選択によると、疎水性材料(即ち、水との接触角が90°を超える材料)が使用される傾向にある。疎水性材料は大量の液体を保持しないためである。しかし、疎水性材料は、効果的に体液を受け入れない可能性がある。
【0019】
なお、一般的に厚さt1を減らすと、体液の第1多孔層102内の受け入れ効率が上がり、より早く第1多孔層102が乾燥し得る。一方で、厚さt1を減らすと、第1多孔層102の耐久性が下がる。厚さt1を低減することでさらに、長手軸108に略平行な方向への、体液の第1多孔層102内への拡散が規制され得る。これにより、体液の第1多孔層102から支持層106内への流れが促進され得る。
【0020】
第1多孔層102は、少なくとも部分的にその内部に延在する複数の第1マクロ細孔110を画定し得る。第1マクロ細孔110は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上である、最大寸法を有する細孔を含む。第1マクロ細孔110は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上である、または約1mmから約3mm、約2mmから約4mm、約3mmから約5mm、約4mmから約6mm、約5mmから約7mm、約6mmから約8mm、約7mmから約9mm、または約8mmから約10mmの範囲内の第1平均マクロ孔径D1を有し得る。第1平均マクロ孔径D1は、第1マクロ細孔110の最大寸法、または第1マクロ細孔110の平均寸法を利用して決定され得る。一般的に、第1平均マクロ孔径D1を大きくすると、第1多孔層102の体液受け入れ効率が上がる。一方で、第1平均マクロ孔径D1を大きくすると、第1多孔層102の表面粗さが増し、液体収集アセンブリの使い心地が損なわれ得る。なお、第1多孔層102はさらに、複数のマイクロ細孔(不図示)を画定し得る。マイクロ細孔は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以下である、最大寸法を有する細孔を含む。
【0021】
第1マクロ細孔110は、長手軸108と、第1多孔層102の外面111に並行な面に沿った任意の適切な断面形状を有し得る。例えば、第1マクロ細孔110は、略円形断面形状、略矩形(例えば、正方形)断面形状、略五角形断面形状、略六角形断面形状、略八角形断面形状、略楕円形または楕円体断面形状、略細長断面形状、またはその他任意の適切な形状を有し得る。第1マクロ細孔110の断面形状は、如何に第1多孔層が効率的に体液を受け入れるか、さらに如何に第1多孔層102が迅速に乾燥するかに影響し得る。例えば、第1マクロ細孔110が、他の断面形状と比較して、大きな表面積を有するような断面形状は、第1多孔層102が比較的親水性であれば、第1多孔層102内への体液の引き込みを促進し得る。一方で、第1マクロ細孔110が、他の断面形状と比較して、小さな表面積を有するような断面形状は、第1多孔層102の親水性が低い場合に、第1多孔層102内の体液の流れを促進し得る。
【0022】
上述のように、多孔材料100は、第2多孔層104を有する。一例において、第2多孔層104は疎水性である。第2多孔層104の疎水性は、支持層106内に存在する体液が、第2多孔層104内へと流れることを防止する、または少なくとも抑制する。したがって、第2多孔層104の疎水性は、概して、支持層106(即ち、体液がその内部を通じて流れる層)内に体液を留める。さらに、第2多孔層104の疎水性は、概して体液をはじくため、支持層106を通じた、および多孔材料100外への体液の流れを促進する。体液が支持層106を通じて流れることを促進することで、多孔材料100がより早く乾燥し、水分勾配により、より多くの体液が第1多孔層102から支持層106内へと引き込まれる。第2多孔層104の水との接触角が、約100°以上、約110°以上、約120°以上、約130°以上、約140°以上、約150°以下、約160°以上、約170以上、または約90°から約110°、約100°から約120°、約110°から約130°、約120°から約140°、約130°から約150°、約140°から約160°、約150°から約170°、または約160°から約180°の範囲内など、約90°以上となる場合に、第2多孔層104は疎水性となり得る。一般的に、第2多孔層104の疎水性を上げる(即ち、水との接触角を増加する)ことで、多孔材料100を通じた液体流が向上する。実施形態において、第1多孔層102は、その疎水性を上げるように加工された材料(例えば、親水性材料)から形成されるか、疎水性材料でコーティングされる。
【0023】
第2多孔層104は、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、または約50μmから約150μm、約100μmから約200μm、約150μmから約250μm、約200μmから約300μm、約250μmから約400μm、または約300μmから約500μmの範囲内など、約500μm以下の厚さt2を有し得る。上述のように、第2多孔層104は疎水性であり得、その内部の体液の流れを少なくとも抑制する。これにより、多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積が低減する。多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積が低減することで、体液がそこから漏出する可能性が高まり得る。したがって、第2多孔層104を上述した任意の比較的小さな厚さt2を有するようにすることで、多孔材料100内に一時的に格納され得る体液の容積に対する第2多孔層104の影響を最小限にでき得る。また、比較的小さな厚さt2は、支持層106の全体的厚さ、並びにその内部を任意の所定の期間内に流れ得る体液の容積を増加し得る。
【0024】
第2多孔層104は、少なくとも部分的にその内部に延在する複数第2マクロ細孔112を画定し得る。第2マクロ細孔112は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上である、最大寸法を有する細孔を含む。第2マクロ細孔112は、長手軸108に直交して測定され、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上、約10mm以上である、または約1mmから約3mm、約2mmから約4mm、約3mmから約5mm、約4mmから約6mm、約5mmから約7mm、約6mmから約8mm、約7mmから約9mm、または約8mmから約10mmの範囲内の第2平均マクロ孔径D2を有し得る。第2平均マクロ孔径D2は、第2マクロ細孔112の最大寸法、または第2マクロ細孔112の平均寸法を利用して決定され得る。第2マクロ細孔112が存在することで、支持層106を通じた体液流が向上し得ることが確認されている。一方で、一般的に、第2平均マクロ孔径D2を大きくすると、第2多孔層104により多くの体液が入ることが可能となる。第2マクロ細孔112内の体液の一部が、第2多孔層の疎水性層と非接触となり得るためである。第2多孔層104に接触しない当該体液は、特に多孔材料100が比較的乾燥し、支持層106を通じた流れが促進されない可能性がある。これは多孔材料100の乾燥を阻害し得る。したがって、第2平均マクロ孔径D2を大きくすることで、多孔材料100が若干より濡れるようになり得る。
【0025】
第2マクロ細孔112は、長手軸108と、第2多孔層104の外面111に並行な面に沿った任意の適切な断面形状を有し得る。例えば、第2マクロ細孔112は、略円形断面形状、略矩形(例えば、正方形)断面形状、略五角形断面形状、略六角形断面形状、略八角形断面形状、略楕円形または楕円体断面形状、略細長断面形状、またはその他任意の形状を有し得る。第2マクロ細孔112の断面形状は、第2多孔層104が疎水性である場合に、第2多孔層104が如何に効果的に体液をはじくかに影響し得る。
【0026】
上述のように、支持層106は、第1および第2多孔層102、104間に配置され、体液流用の経路を形成するように構成される。実施形態において、支持層106は、複数のマイクロフィラメントなどの複数の繊維から形成される。一例において、複数の繊維は、第1多孔層102から第2多孔層104に略延在する第1方向に沿って整列され得る(例えば、長手軸108に略垂直に整列され得る)。第1方向に沿って繊維を整列することで、支持層106は、より確実に第1および第2多孔層102、104を取り付けることが可能となる。さらに、体液は、繊維に平行な方向に若干より流れやすくなり得る。したがって、繊維を第2方向に整列することで、繊維が異なる配向をされた場合よりも、体液が支持層106を通じてより早く引き込まれ得る。これにより、体液が別の方向に整列された場合よりも、支持層106のより大きな割合に体液が流れ得る。支持層106のより大きな割合に体液を流すことで、任意の所与の時間で、より大きな容積の体液が多孔材料100を通じて流れ得、体液が多孔材料100から漏出する可能性が低減し得る。
【0027】
実施形態において、支持層106は、第1および第2多孔層102、104よりも高い空隙率を有し得る。空隙率は、固形材料が占めていない層の体積を、層の全体積で割ったものである。支持層106は、第1および第2多孔層102、104の空隙率よりも、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約75%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約250%以上、約300%以上、約400%以上、約500%以上、または約10%から約30%、約20%から約40%、約30%から約50%、約40%から約75%、約50%から約150%、約100%から約200%、約150%から約250%、約200%から約300%、約250%から約400%、または約300%から約500%の範囲内だけ、高い空隙率を有し得る。第1および第2多孔層102、104に対して、支持層106の空隙率を高くすることで、その内部の体液流が促進される。支持層106を通じた体液流が促進されると、いずれも第1多孔層102を、効率的に体液を受け入れ可能、比較的迅速に乾燥可能とし得る、水分勾配および/または水分子間の水素結合により、支持層106は第1多孔層102から体液を引き込み得る。
【0028】
驚くべきことに、親水性および/または疎水性材料のいずれでも、支持層106が形成され得ることが確認された。一例において、支持層106は、本明細書に開示の任意の親水性を有する親水性材料から形成され得る。上述のように、従来の液体収集アセンブリの多孔材料は、親水性材料から形成されない。当該材料は一般的に体液を保持するからである。一方で、第2多孔層104の疎水性は、支持層106に保持され得る体液を制限する。さらに、空隙率を高めることで、支持層106内に保持され得る体液が制限され、より大きな表面積に亘って体液が分散され、体液の蒸発が促進される。支持層106が親水性である場合、支持層106は、第1多孔層102よりも低い親水性(例えば、大きな水との接触角)を有することが一般的である。一例において、支持層106は、本明細書に開示の任意の疎水性を有する疎水性材料製であり得る。そのような例において、支持層106は、第2多孔層104よりも低い疎水性(例えば、小さな水との接触角)を有し得る。これにより、第1多孔層102から支持層106への体液流が促進され、第2多孔層104が体液をはじくことを可能とする。
【0029】
第1多孔層102、第2多孔層104、および支持層106は、任意の適切な材料で形成され得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の内の少なくとも1つは、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロース、綿、竹、またはそれらの組み合わせの1つ以上から形成され得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の少なくとも1つは、材料でコーティングされたベース材料を含み得る。そのような例において、コーティング材料は、ベース材料と異なる親水性または疎水性を有し得る。一例において、第1多孔層102、第2多孔層104、または支持層106の少なくとも1つは、その親水性または疎水性が変化するように処理された少なくとも1つの材料から形成され得る。
【0030】
多孔材料100は、第1多孔層102から第2多孔層104まで測定される厚さTを有し得る。厚さTは、約7.5mm以上、約1cm以上、約1.25cm以上、約1.5cm以上、約1.75cm以上、約2cm以上、約2.25cm以上、約2.5cm以上、約2.75cm以上、約3cm以上、約3.5cm以上、約4cm以上、または約5mmから1cm、約7.5mmから約1.25cm、約1cmから約1.5cm、約1.25cmから約1.75cm、約1.5cmから約2cm、約1.75cmから約2.25cm、約2cmから約2.5cm、約2.25cmから約2.75cm、約2.5cmから約3cm、約2.75cmから約3.5cm、または約3cmから約4cmの範囲内など、約5mm以上であり得る。多孔材料100の厚さTは、多孔材料100が配置されるチャンバのサイズ、多孔材料100がチャンバ内で略平面構成または丸められて略円筒形構成で配置されるか、さらに第1多孔層102、第2多孔層104、および支持層106の厚さに依存し得る。
【0031】
多孔材料100は、約5kg/m3から約10kg/m3、約7.5kg/m3から約12.5kg/m3、約10kg/m3から約15kg/m3、約12.5kg/m3から約17.5kg/m3、約15kg/m3から約20kg/m3、約17.5kg/m3から約22.5kg/m3、約20kg/m3から約25kg/m3、約22.5kg/m3から約27.5kg/m3、約25kg/m3から約30kg/m3、約27.5kg/m3から約32.5kg/m3、約30kg/m3から約35kg/m3、約32.5kg/m3から約37.5kg/m3、約35kg/m3から約37.5kg/m3、約35kg/m3から約40kg/m3、約37.5kg/m3から約42.5kg/m3、約40kg/m3から約45kg/m3、約42.5kg/m3から約47.5kg/m3、または約45kg/m3から約50kg/m3の密度を有するように選択され得る。一般的に、多孔材料100の密度を上げると、多孔材料100の強度が増す。一方で、多孔材料100の密度を上げると、多孔材料100の気孔率が減少し得る。これは、多孔材料100に一時的に格納され得る体液の容積を低減し、多孔材料100を通じた体液の流量を低減し得る。したがって、多孔材料100の密度は、所望の強度、気孔率、多孔材料100を通じた体液の流量のバランスに基づいて選択され得る。
【0032】
多孔材料100は、約50g/m2から約100g/m2、約75g/m2から約125g/m2、約100g/m2から約150g/m2、約125g/m2から約175g/m2、約150g/m2から約200g/m2、約175g/m2から約225g/m2、約200g/m2から約250g/m2、約225g/m2から約275g/m2、約250g/m2から約300g/m2、約275g/m2から約325g/m2、約300g/m2から約375g/m2、約350g/m2から約450g/m2、約400g/m2から約500g/m2、約450g/m2から約550g/m2、約500g/m2から約600g/m2、約550g/m2から約650g/m2、約600g/m2から約700g/m2、約650g/m2から約750g/m2、約600g/m2から約700g/m2、約650g/m2から約750g/m2、約700g/m2から約800g/m2、約750g/m2から約850g/m2、約800g/m2から約900g/m2、約850g/m2から約950g/m2、または約900g/m2から約1000g/m2の坪量を有するように選択され得る。多孔材料100の坪量は、多孔材料100密度および厚さに基づく。したがって、多孔材料100の坪量は、多孔材料100密度および厚さと同じ任意の理由から選択され得る。
【0033】
実施形態において、
図1に示すように、第1および第2多孔層102、104それぞれの第1および第2マクロ細孔110、112は実質的に同じであり得る。例えば、第1および第2平均マクロ孔径は略同様であり得、第1および第2マクロ細孔110、112の断面形状は略同じであり得る。様々な理由で、第1および第2マクロ細孔110、112は実質的に同じであり得る。一例において、例えば、第1および第2多孔層102、104の少なくとも一方が、異なる水との接触角を有するようにコーティング、または処理され得る場合を除いて、第1および第2多孔層102、104が同じ材料製であれば、第1および第2マクロ細孔110、112は、実質的に同じであり得る。一例において、第1および第2マクロ細孔110、112が実質的に同じとなるように選択することで、例えば、処理に異なる材料が使用され得る場合を除いて、第1および第2多孔層102、104が同一の処理で形成され得る。
【0034】
一方で、本明細書に開示の多孔材料の第1および第2マクロ細孔は、異なり得る。例えば、
図2は本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリにおいて使用され得る、実施形態に係る、多孔材料200の概略断面図である。本明細書に開示で別途開示されない限り、多孔材料200は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じ、または実質的に同様であり得る。例えば、多孔材料200は、第1多孔層202と、第2多孔層204と、第1および第2多孔層202、204間の支持層206とを有し得る。
【0035】
第1多孔層202は、複数の第1マクロ細孔210を有し、第2多孔層204は、複数の第2マクロ細孔212を有する。第1および第2マクロ細孔210、212は、互いに異なる。実施形態において、第1マクロ細孔210の第1平均マクロ孔径D1は、第2マクロ細孔212の第2平均マクロ孔径D2と異なり得る。第1および第2平均マクロ孔径D1、D2は、上述の理由から、所望の特性に基づいて、異なるように選択され得る。例えば、図示のように、第1平均マクロ孔径D1は、第2平均マクロ孔径D2よりも大きくなるように選択され得る。より大きな第1平均マクロ孔径D1の場合、第1平均マクロ孔径D1が第2平均マクロ孔径D2と同じ場合よりも、体液がより効率的に受け入れられ得る。より小さな第2平均マクロ孔径D2の場合、第2平均マクロ孔径D2が第1平均マクロ孔径D1と同じ場合よりも、多孔材料200がより乾燥可能となり得る。実施形態において、第1マクロ細孔210は、第2マクロ細孔212とは異なる断面形状を有し得る。第1および第2マクロ細孔210、212は、上述の理由で、異なる断面形状を有するように選択され得る。
【0036】
第1多孔層202および第2多孔層204を、異なる平均マクロ孔径および/または異なる断面形状を有するように形成することで、後述の液体収集アセンブリの形成がしやすくなり得る。例えば、いくつかの例において、本明細書に開示の多孔材料の第1および第2多孔層は視覚的同様であり得る(例えば、同様の色、同様の質感など)。そのような視覚的に同様な第1および第2多孔層の平均マクロ孔径および細孔の断面形状が同じであれば、第1多孔層が第2多孔層の前に体液を受け入れるように、多孔材料を適切に液体収集アセンブリ内に配置することが困難となり得る。液体収集アセンブリ内に多孔材料を不適切に配置することは、体液の大量漏出に帰結し得る。一方で、第1および第2多孔層202、204の平均マクロ孔径および/または断面形状を異ならせることで、当該多孔層を視覚的に区別しやすくなるので、後述の液体収集アセンブリの形成がしやすくなり得る。
【0037】
図3Aは、実施形態に係る多孔材料300を備える液体収集アセンブリ320の等角投影図である。
図3Bおよび3Cは、
図3Aに示す面3B-3Bおよび3C-3Cそれぞれに沿った、液体収集アセンブリ320の概略断面図である。液体収集アセンブリ320は、女性からの体液を受け入れ、収集するための、女性用液体収集アセンブリの例である。液体収集アセンブリ320は、少なくとも開口324と、チャンバ326と、液体出口328とを画定する不透液性層322(例えば、不透液性バリア)を有する。液体収集アセンブリ320はさらに、チャンバ326内に配置される多孔材料300を有する。多孔材料300は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じ、または略同様であり得る。液体収集アセンブリ320はさらに、導管330を有し得る。導管330は、その入口332がチャンバ326内に配置されるように、液体出口328を通じて配置される。
【0038】
不透液性層322は、チャンバ326(例えば、内部領域)および開口324を少なくとも部分的に画定する。例えば、不透液性層322の内面(1または複数)334は、液体収集アセンブリ320内のチャンバ326を少なくとも部分的に画定する。不透液性層322は、チャンバ326内に体液を一時的に格納する。不透液性ポリマー(例えば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ネオプレン、ポリカーボネートなど)、金属膜、天然ゴム、その他適切な材料、本明細書に開示のその他任意の不透液性材料、またはその組み合わせなど任意の適切な不透液性材料(1または複数)により、不透液性層322は形成され得る。したがって、不透液性層322は、体液による不透液性層322の通過を実質的に防止する。一例において、不透液性層322は、通気性且つ、不透液性であり得る。そのような例において、不透液性層322は、複数の細孔を画定する疎水性材料製であり得る。不透液性層322の少なくとも外面336の少なくとも1つ以上の部分は、柔らかい、および/または滑らかな材料製であり得る。これにより擦れが低減される。
【0039】
いくつかの例において、不透液性層322は、略円筒状(図示)、細長形状、角柱状、または扁平管等、管状(開口324を無視する)であり得る。使用時、不透液性層322の外面336が個人に接し得る。不透液性層322は、女性ユーザーの股の間の陰唇および/または臀裂間に嵌るようなサイズ、形状を有し得る。
【0040】
開口324は、チャンバ326に対する体液の侵入経路を提供する。開口324は、不透液性層322の内縁など、不透液性層322により画定され得る。例えば、開口324は、不透液性層322に形成され、外面336322から内面334まで、その内部に延在する。これにより、体液は、液体収集アセンブリ320外から、チャンバ326内へと進入可能となる。
【0041】
開口324は、不透液性層322内の細長孔であり得る。例えば、開口324は、不透液性層322の切込みとして画定され得る。開口324は、女性の尿道口に隣接配置されるように配置および成形され得る。開口324は、女性の股が閉じていると、女性の股間のスペースが比較的狭く、開口324の細長形状(例えば、長手方向に延在する開口324)に対応する経路に沿ってのみ体液が流れることができるように、細長形状を有し得る。
【0042】
液体収集アセンブリ320は、女性の尿道口に近接して配置され得、体液は、開口324を通じて液体収集アセンブリ320のチャンバ326に侵入し得る。液体収集アセンブリ320は、開口324を通じて、チャンバ326内に体液を受け入れるように構成される。使用時、開口324は、尿道口の下(例えば、肛門または膣口、或いはその近傍)の第1位置から、尿道口の上(例えば、膣口の上または陰毛、或いはその近傍)の第2位置まで延在する細長形状を有し得る。
【0043】
いくつかの例において、不透液性層322は、導管330を収容するサイズの液体出口328を画定し得る。少なくとも1つの導管330は、液体出口328を通じて、チャンバ326内に配置され得る。液体出口328のサイズおよび形状は、導管330、または少なくとも1つの管に対して、少なくとも実質的に液密封止を形成するものであり得る。これにより、体液のチャンバ326からの離脱が実質的に防止される。
【0044】
上述のように、多孔材料300は、チャンバ326内に配置される。多孔材料300は、本明細書に開示の任意の多孔材料と同じまたは実質的に同様であり得る。例えば、多孔材料300は、1多孔層302と、第2多孔層304と、支持層306とを有し得る。多孔材料300は、第1多孔層302が、第2多孔層304よりも個人の尿道口に近くなるように、チャンバ326内に配置され得る。例えば、第1多孔層302は、開口324全体に亘って延在し、液体収集アセンブリ320外に露出し得る。したがって、第1多孔層302は、液体収集アセンブリ320が個人の膣領域に隣接配置されると、膣領域に接触し得る。多孔材料300はさらに、第2多孔層304が導管330を収容する穴を画定するように配置され得る。
【0045】
多孔材料300は、略円筒形を有し得る。実施形態において、略円筒形を有する多孔材料300が提供され得る。実施形態において、多孔材料300はシート状に設けられ得る。そのような実施形態において、多孔材料300は、その反対側の縁同士を接触させて、略円筒形に丸められ得る。
【0046】
多孔材料300は、チャンバ326における、導管330の存在しない部位を実質的に完全に埋め得る。いくつかの例において、多孔材料300は、チャンバ326における、導管330の存在しない部位を実質的に完全に埋めなくてもよい。そのような例において、液体収集アセンブリ320は、チャンバ326内に配置される貯留部338を有する。
【0047】
貯留部338は、チャンバ326における実質的に空いている部分である。貯留部338は、不透液性層322と、多孔材料300との間に画定され得る。チャンバ326内の体液は、第1多孔層302から支持層306、および支持層306から貯留部338の液体を通じて流れ得る。貯留部338は内部に体液を貯留し得る。
【0048】
チャンバ326内の体液は、支持層306を通じて、貯留部338まで流れ得る。不透液性層322は、体液を貯留部338内に保持し得る。貯留部338は先端領域340内に図示されているが、基端領域342など、チャンバ326内の任意の箇所に配置され得る。貯留部338は、液体収集アセンブリの着用時に、液体収集アセンブリにおける重力方向最低点に配置されるように設計された、チャンバ326の部分に配置され得る。
【0049】
いくつかの例において(不図示)、液体収集アセンブリ320は、導管330(例えば、先端領域340)の入口に最も近い、チャンバ326の部位に配置された第1貯留部、およびチャンバ326における、基端領域342、またはその近傍の部分に配置された第2貯留部など複数の貯留部を有し得る。別の例において、多孔材料300は、少なくとも導管330の一部から離間し、貯留部338は、多孔材料300と、導管330との間の空間であり得る。
【0050】
導管330は、少なくとも部分的に、チャンバ326内に配置され得る。導管330は、チャンバ326から体液を除去するのに使用され得る。導管330は、入口332と、入口332の下流にある出口(不図示)と、通路とを画定する、少なくとも1つの壁を有する。導管330の出口は、導管330を通じてチャンバ326から流体を引き出す真空ポンプなどの、真空源に動作結合され得る。例えば、導管330は、基端領域342から不透液性層322内へと延在し得、さらに先端領域340の貯留部338に近接した点まで延在し得る。これにより、入口332が貯留部338に流体連通する。導管330は、チャンバ326を、貯液容器(不図示)または真空源(不図示)に流体結合する。
【0051】
導管330は、多孔材料300の穴(例えば、第2多孔層304により画定された穴)内を通じて延在し得る。実施形態において、導管330は、液体出口328から穴を通じて、貯留部338に近接した位置まで延在する。そのような実施形態において、入口332は、貯留部338内へと延在しなくてもよく、その代わりに、入口332は、多孔材料300内、またはその終端に配置され得る。実施形態において、導管330は貯留部338内に少なくとも部分的に配置され、入口332は、貯留部338内へと延在、またはその内部に配置され得る。液体収集アセンブリ320内に収集された体液は、導管330を通じてチャンバ326から除去され得る。
【0052】
入口332を、個人の着用時に、チャンバ326の重力方向最低点となることが予期される位置に、またはその近傍に配置することで、入口332が別箇所に配置された場合よりも導管330がより多くの体液を受け入れることができ、滞留(例えば、体液の滞留は、微生物繁殖および悪臭を生じ得る)の可能性が低減される。例えば、支持層306内の体液は、毛細管力により、任意の方向に流れ得る。しかし、体液は、重力方向に流れやすくなり得る。これは、支持層306の少なくとも一部に体液が飽和している場合に顕著である。したがって、入口332または貯留部338の一方または両方は、先端領域340など、液体収集アセンブリ320において、個人の着用時に、液体収集アセンブリ320の重力方向最低点となることが予期される位置に配置され得る。
【0053】
導管330の入口332および出口は、真空源(不図示)をチャンバ326(例えば、貯留部338)に流体結合(例えば、直接または間接的)するように構成される。真空源(
図7)が導管330に真空/吸引を印加すると、チャンバ326内(例えば、貯留部338内など、先端領域340における)の体液は、入口332内へと引き込まれ、導管330を通じて液体収集アセンブリ320外に流出し得る。いくつかの例において、導管330は、艶消しされ、または不透明(例えば、黒)であり得る。これにより内部の体液は見えにくくなる。
【0054】
上述のように、導管330は、少なくともチャンバ326内に挿入可能に構成され得る。一例において、導管330は、導管330の終端が、不透液性層322、または入口332を少なくとも部分的に塞ぐ、または閉塞し得る液体収集アセンブリ320のその他構成要素から離間するように、チャンバ326内に配置され得る。さらに、導管330の入口332は、入口332が、多孔材料300の終端よりも、液体収集アセンブリ320の基端領域342に近くなるように、多孔材料300の終端に対してずれていてもよい。このように多孔材料300の終端に対して入口332をずらすことで、入口332は、多孔材料300から直接体液を受け入れ可能となり、水素結合により、多孔材料300から導管330内へとより多くの体液が引き込まれる。
【0055】
本明細書に開示の多孔材料は、1つ以上の追加の層を有し得る。例えば、
図4は、実施形態に係る液体収集アセンブリ420の概略断面図である。本明細書に別途開示されない限り、液体収集アセンブリ420は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。例えば、液体収集アセンブリ420は、少なくとも開口424と、チャンバ426とを画定する不透液性層422を有する。液体収集アセンブリ420はさらに、チャンバ426内に配置される多孔材料400を有する。
【0056】
多孔材料400は、第1多孔層402と、第2多孔層404と、第1および第2多孔層402、404間に配置される支持層406とを有する。多孔材料400はさらに、透液性膜444を有する。透液性膜444は、第1多孔層402上に配置されて、開口424全体に亘って延在する。透液性膜444は、液体収集アセンブリ420の心地よさを向上し得る。例えば、第1多孔層402は、複数のマクロ細孔(不図示)を有し得る。上述のように、特にマクロ細孔が大きい場合に、第1多孔層402のマクロ細孔は個人の膣領域に対して不快となり得る。透液性膜444は、第1多孔層402よりも個人の膣領域に対して心地よくなり得る。したがって、多孔材料400に透液性膜444を含めることで、液体収集アセンブリ420の使い心地が向上し得る。
【0057】
透液性膜444は、開口424から体液を吸い上げるように構成され得る。これにより、体液がチャンバ426から離脱することが防止される。実施形態において、透液性膜444は、開口424からあらゆる体液を吸い上げるように構成され得る。これにより、体液がチャンバ426から離脱することが防止される。本明細書に記載の透液特性とは、で吸い上げる、毛細管現象、拡散、またはその同様の特性またはプロセスを示し得、それを本明細書において「透液性」および/または「吸い上げ」と称する。当該「吸い上げ」および/または「透液性」特性は、透液性膜444の少なくとも一部への体液の吸収を含まないものであり得る。言い換えると、材料が体液に露出され、体液から一時的に除去された後に、材料内への体液の吸収または溶解が略生じなくなり得る。吸収または溶解が望まれないものの、「吸収が略生じない」という表現は、透液性膜444(例えば、吸収性)内への、少量の体液の、吸収および/または溶解が許容され得る。当該量は、乾燥した透液性膜444の重量に対して約30wt%未満、乾燥した透液性膜444の重量に対して約20wt%未満、約10wt%未満、約7wt%未満、約5wt%未満、約3wt%未満、約2wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%以下などであり得る。透液性膜444はさらに、概してチャンバ426内へと、体液を吸い上げ得る。実施形態において、透液性膜444は、少なくとも1つの吸収性または吸着性材料を含み得る。なお、透液性膜444を多孔材料400内に含めることで、多孔材料400による体液受け入れ効率が低下し、多孔材料400が濡れたままとなる時間が延び得る。
【0058】
実施形態において、透液性膜444は、体液を吸い上げ得るあらゆる材料を含み得る。例えば、透液性膜444は、ガーゼ(例えば、シルク、リネン、または綿ガーゼ)などの生地、別の柔らかい生地、別の滑らかな生地、不織材料、竹繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維などの生地、本明細書に開示のその他任意の多孔材料、または上述のものの任意の組み合わせを含み得る。透液性膜444をガーゼ、柔らかい生地、および/または滑らかな生地で形成することで、液体収集アセンブリ420による擦れが低減され得る。
【0059】
多孔材料400は、透液性膜444に代えて、または加えて追加の層を含み得る。実施形態において、多孔材料400は、透液性膜444を支持するように構成された透液性サポートを有し得る。透液性膜444は、比較的折り曲げやすい、脆い、またはその他容易に変形可能な材料製であり得るためである。したがって、透液性サポートは、透液性膜444に接触しながら、そこから内側に延在し得る(例えば、透液性膜444と、第1多孔層402または導管430との間)。透液性サポートは、透液性膜444よりも頑丈であり得、例えば、多孔ポリマー(例えばナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)構造、または紡績ナイロン繊維などのオープンセルフォームを有し得る。実施形態において、多孔材料400は、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、またはポリエチレンフォームなどのフォームを含み得る。実施形態において、第1多孔層402、第2多孔層404、または支持層406の少なくとも1つが、多孔材料400が1つ以上の追加の層を含むことで省略され得る。本明細書に開示の追加の層は、本明細書に開示の任意の多孔材料、またはその他任意の適切な多孔材料により形成され得る。1つ以上の追加の層を形成し得る多孔材料のさらなる例が、2022年1月5日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/011281号、2022年9月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/042719号、2022年9月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/042725号、2021年9月8日に出願された米国仮特許出願第63/241,564号、2022年2月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/015418号、および2022年2月7日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2022/015420号に開示され、参照によりそれぞれの開示の全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
本明細書に開示の液体収集アセンブリは、第1多孔層と、第2多孔層と、支持層とを有する多孔材料とは異なる、またはそれに加えて、特徴(例えば、形状記憶材料)を有し得る。
図5Aは、実施形態に係る、成形可能導管530を有する液体収集アセンブリ520の断面図である。
図5Bは、実施形態に係る、面5B-5Bに沿った液体収集アセンブリ520の断面図である。本明細書で別途開示されない限り、液体収集アセンブリ520は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。例えば、液体収集アセンブリ520は、少なくとも1つの開口524と、チャンバ526と、液体出口528とを画定する不透液性層522を有する。液体収集アセンブリ520はさらに、少なくとも1つの多孔材料500と、導管530とを有する。
【0061】
導管530は、少なくとも第1通路531と、第2通路533とを画定する。第1通路531は、チャンバ526から体液を除去するように構成される。例えば、第1通路531は、貯液容器および真空源(例えば、
図8の貯液容器872および真空源874)と流体連通し得る。これにより、真空源からの吸引で、チャンバ526から体液が除去され、第1導管730を通じて貯液容器内に溜められ得る。第2通路533は、形状記憶材料535を収容するように構成され、チャンバ526から体液を受け入れるようには構成されていない。したがって、第2通路533は、貯液容器または真空源と流体連通しなくてもよい。第2通路533がチャンバ526から体液を受け入れるように構成されないので、第2通路533は、第1通路531の断面積よりも小さい(例えば、五分の一以下、または10分の一以下の)断面積を有し得る。
【0062】
第1および第2通路531、533は互いに個別に設けられる。例えば、導管530は、第1および第2通路531、533を互いに分離する内壁537を有する。内壁537は不透液性材料で、導管530の残部と一体形成され得る(例えば、単一部位構成となる)。実施形態において、導管530は、略円筒形の外壁539を有する。これにより、導管530は、円筒形導管を使用するように構成される液体収集アセンブリで使用可能となる。そのような実施形態において、内壁537は、外壁539から内方に延在し得る。これにより、第1通路531が略三日月形状を有し得る。
【0063】
上述のように、導管530は形状記憶材料535を有する。形状記憶材料535は、導管530の少なくとも一部を選択された形状(例えば、形状構成)に維持するようなサイズ、形状、および導管530内配置となり得る。導管530が少なくとも部分的にチャンバ526内に配置されるため、選択された形状によりさらに、液体収集アセンブリ520の残部は同様の形状となり得る。実施形態において、形状記憶材料535は、屈曲、成形、またはその他形態で変形(以降、まとめて「成形」、「成形した」、「成形すること」と記載する)するように構成される。一例において、形状記憶材料535はその長さ全体に亘って成形されるように構成される。形状記憶材料535をその長さ全体に亘って成形可能とすることで、液体収集アセンブリ520が、着用者の解剖学的特徴に略対応する形状となることが可能となり得る。一例において、形状記憶材料535は、その1つ以上の選択箇所で成形されるように構成される。そのような例において、形状記憶材料535の選択箇所は、形状記憶材料535の残部に対して優先的に成形され得る。形状記憶材料535を選択箇所で成形可能に構成することは、液体収集アセンブリ520が着用者の解剖学的特徴に略対応する形状となることを阻害し得る一方で、特に着用経験の少ない着用者に対して液体収集アセンブリ520を成形しやすくし得る。実施形態において、形状記憶材料535は、成形されるように構成されなくてもよい。その代わりに、形状記憶材料535は、着用者の解剖学的特徴に対応、または略対応する選択形状を有し得る。そのような実施形態において、形状記憶材料535は、液体収集アセンブリ520のその他部位よりも剛性および/または弾力性が高くなり得る。これにより、液体収集アセンブリ520の少なくとも一部が、形状記憶材料535の選択された形状に対応する。
【0064】
形状記憶材料535は、1つの形状記憶ポリマーおよび/または1つの金属を含み得る(例えば、形状記憶金属)。概して、形状記憶材料535は、刺激に応じて、一時的または永久的形状となるように構成される。刺激は、外部からの物理的力(屈曲力)、熱、電気的バイアス、または磁場を含み得る。「形状記憶」という用語が、本明細書におけるいくつかの「形状記憶材料」を表現するのに使用されるが、「形状記憶」と修飾された材料は、一般的な「形状記憶材料」の定義から理解されるように、刺激を受けたことに応じて元の選択された形状に戻る必要は必ずしもない。むしろ、本明細書に開示の形状記憶材料535の少なくとも一部は、特定の形状に曲げられた、固定された、または固化された、および/または特定の形状に冷却された際に、その後の刺激に関わらず、単純に選択された形状を維持し得る。形状記憶材料535は、刺激を受けると、元の形状に戻るか、新しい形状に変わり得る。例えば、第1形状に曲げられた金属ワイヤーが形状記憶材料535として利用され得、その後金属ワイヤーは、物理的力をかける、または熱により第2形状に変形され得る。一方、いくつかの実施形態において、形状記憶材料535は、上述のように選択された形状を有し得、特定の刺激を与えることで、形状記憶材料535は中間形状に変形し得る(例えば、弾性変形、または屈曲)。そのような実施形態において、形状記憶材料535は、中間形状を維持しないように、刺激が除かれると、初期形状に戻り得る。
【0065】
実施形態において、形状記憶材料535は、金属単体、合金、または形状記憶合金などの1つの形状記憶金属を含み得る。適切な形状記憶金属は、普通鋼、ステンレス鋼、炭素合金鋼、頭部処理鋼、アルミニウム、銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ベリリウム等を含み得る。適切な形状記憶合金は、ステンレス鋼、亜鉛めっき鋼、アルミニウム合金、ニチノール、Ni-Ti-Cu、Ni-Ti、Co等のニッケル-チタン合金、Cu-Zn-Al、Cu-Al-Ni、Cu-Al-Sn等の銅系合金、Co-Cr-Ni-Mo合金(例、Elgiloy(登録商標))等、または形状記憶特性を有するその他任意の合金を含み得る。上述のように、形状記憶金属または合金は単純に、選択された構成に成形され得る金属または合金であり得る。いくつかの例において、形状記憶金属または合金は、外部刺激を受けることで、初期形状に戻り得る。いくつかの例において、形状記憶金属の外面は、少なくとも部分的にポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)によりコーティング、陽極酸化、不動態化、またはその他の腐食防止処理がされ得る。少なくとも部分的に形状記憶金属をポリマーでコーティングすることでさらに、形状記憶材料535からの金属イオンがチャンバ526内に侵入し、膣領域に接することで、不快感を生じ得ることが防止される。
【0066】
形状記憶ポリマー(「SMP」)は、ポリ(s-カプロラクトン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、ポリ(N,N-ブタジエン)、ポリ(N-メチル-N-オキサゾリン)、ポリテトラヒドロフラン、またはポリ(ブチレンテレフタレート)の1つ以上のブロックを含むコポリマー(例、コポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルエステルなど)などのポリウレタン系SMP、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、アセタール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルホンなどの熱可塑性ポリマー、ポリノルボネン、その他の変形性ポリマー、またはその他任意の形状記憶ポリマーを含み得る。
【0067】
液体収集アセンブリ520は、液体収集アセンブリ520を使用する着用者の体構造に沿うように成形され得る。これにより従来のデバイスよりも、使い心地が向上し、使用の間定位置に維持される。液体収集アセンブリ520は、着用者の股間領域の体構造に沿うように操作され得る。例えば、導管530は、液体収集アセンブリ520が略円弧形状を保つように、上向きに成形され得る。そのような例において、先端領域540は、着用者の臀裂内に配置され得る。基端領域542は、着用者の上膣領域または陰毛領域に対向して配置され得る。これらの間の部分は、着用者の体構造に沿うように成形され得る。着用者のサイズおよび形状に応じて、液体収集アセンブリ520内は多少円弧形状であり得る。したがって、液体収集アセンブリ520は、様々な異なるサイズの着用者により使用され得る。
【0068】
形状記憶材料535は、少なくとも1本のワイヤー(例えば、少なくとも1本のロッド)を有する。ワイヤーは、ワイヤーの長手軸に沿って測定される長さと、長さに対して垂直に測定される幅と、長さおよび幅に対して垂直に測定される厚さとを有する。ワイヤーは長さが、幅と厚さよりもかなり大きい。実施形態において、ワイヤーは、長さが不透液性層522の長手軸に略沿うようなサイズおよび構成とされる。そのような実施形態において、ワイヤーは、その長手軸に沿って、液体収集アセンブリ520の形状を変え得、および/または不透液性層522全体の形状を変え得る。実施形態において、ワイヤーは、長さが不透液性層522の長手軸に沿わないようなサイズおよび構成とされる。
【0069】
ワイヤーの長さは、チャンバ526内に配置される導管530の長手方向長さに対して、10%から100%、30%から100%、10%から40%、30%から60%、60%から90%、40%から80%、50%から100%、100%未満、70%未満など、少なくとも10%であり得、或いは、チャンバ526内に配置される導管530の長さの100%を超え得る。なお、ワイヤーの長さを、チャンバ526内に配置される導管530の実質的な長さ以上に選択することで、液体収集アセンブリ520の形状が全体的に変化可能となる。一例において、ワイヤーは、略円形断面形状を有し得る。
【0070】
実施形態において、導管530は、第2通路533内に配置されるプラグ551を有する。プラグ551は、形状記憶材料535の第2通路533内への過剰挿入を防止し得る。形状記憶材料535の第2通路533内への過剰挿入は、液体収集アセンブリ520の1つ以上の所望の領域の成形を妨げ得るためである。一例において、プラグ551は、液体出口528またはその近傍に配置され得る。これにより、形状記憶材料535が導管530の長さの略全体に亘って配置可能となる。したがって、形状記憶材料535が液体収集アセンブリ520の全体形状に影響可能となり得る。プラグ551はさらに、第2通路533内に略液密封止を形成し得る。これにより、第2通路533を通じた体液の流れが防止される。
【0071】
上述のように、液体収集アセンブリ520は、チャンバ526内に配置された多孔材料500を有する。実施形態において、不図示だが、多孔材料500は、
図1から4に示す多孔材料、即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間に配置される支持層とを有する。実施形態において、多孔材料500は、透液性外層502と、透液性内層504とを有する。一例において、外層502は、内層504よりも薄くなり得る。例えば、外層502は、約0.1mmから約0.5mmの厚さを有し得、内層504は、約5mmから約10mmの厚さを有し得る。
【0072】
外層502および内層504は、本明細書に開示の任意の多孔材料を有し得る。一例において、外層502および/または内層504は、
図1から4に示す多孔材料、即ち、第1多孔層と、第2多孔層と、その間の支持層とを有し得る。一例において、外層502および/または内層504は、第1多孔層と、第2多孔層と、支持層との内の1つまたは2つを有する。一例において、外層502は透液性膜である。そのような例において、外層502は、ガーゼ、竹繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維、本明細書に開示の任意のその他透液性膜、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。外層502が透液性膜である場合、外層502は、約25g/m
2から約100g/m
2の密度を有し得る。当該密度を有する外層502が着用者からの体液を効率的に受け入れることが確認されているためである。ただし、外層502の透液性膜は、25g/m
2を下回るまたは100g/m
2を超える密度を有し得ることを付言する。一例において、内層504は、透液性サポートであり得る。そのような例において、内層504は、フォーム、本明細書に開示の任意のその他透液性サポート、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。内層504が透液性サポートである場合、内層504は、約100g/m
2から約350g/m
2の密度を有し得る。そのような密度を有する内層504が、その内部に体液を効率的に流すことが確認されているためである。ただし、内層504の透液性サポートは、100g/m
2を下回る、または350g/m
2を超える密度を有し得ることを付言する。実施形態において、多孔材料500は単一材料を含み得る。
【0073】
図3Aから4に示す液体収集アセンブリは、女性から体液を収集する(例えば、女性の尿道から尿を収集する)ように構成された女性用液体収集アセンブリの例である。ただし、本明細書に開示の液体収集アセンブリ、システム、および方法は、男性から体液を収集する(例えば、男性の尿道から尿を収集する)ような形状、サイズおよびその他構成を有する男性用液体収集アセンブリを含み得る。図
6は、実施形態に係る男性用液体収集アセンブリ
620の断面図である。
【0074】
液体収集アセンブリ620は、ベース646(例えば、円環状ベース)と、シース648とを有する。ベース646は、男性の尿道口(例えば、男性器)周囲の肌に結合するようなサイズ、形状、材料製であり、その内部を通じてに男性の尿道口が配置される。例えば、ベース646は、開口650を画定し得る。ベース646は、男性の尿道口の周りに配置(例えば、男性器を囲って、および/または覆って配置)されるようなサイズおよび形状となり、開口650は、その内部を通じて男性の尿道口が配置されるように構成され得る。ベース646はさらに、男性の尿道口の周り(例えば、男性器の周り)の肌に結合されるような(例えばハイドロゲル接着剤を使用するなど、接着剤により取り付けられる)サイズ、形状、材料製、またはその他構成され得る。一例において、ベース646は、ベース646が結合されるように選択される肌面の一般的形状および輪郭を有し得る。ベース646は柔軟であり得る。これにより、ベース646は、肌面のあらゆる形状に合わせられ得る。ベース646は、横方向(例えば径方向)に延在するフランジ652を有し得る。ベース646はさらに、シース648を収容(例えば、封止する)ように構成された、中空領域を画定する。例えば、ベース646は、ベース646から上方に延在する、長手方向延在フランジ654を有し得る。長手方向延在フランジ654は、シース648が誤ってベース646から除去されるのを防止するのに十分高くなり得る(例えば、高さが少なくとも0.25cm、1cm、少なくとも3cm、または少なくとも5cmである)。ベース646は、液体収集アセンブリ620の(着用者に対する)基端領域642に配置され得る。
【0075】
シース648は、ベース646の中空領域内に嵌るサイズおよび形状となる不透液性層622を含む(例えば、それにより形成され得る)。例えば、シース648は、図示のとおり、略筒状、またはカップ状であり得る。略筒状、またはカップ状の不透液性層622は、シース648の外面636を少なくとも部分的に画定し得る。不透液性層622は、1つ以上の態様において、本明細書に開示の不透液性層と同様または同一であり得る。例えば、不透液性層622は、不透液性層用の、本明細書に開示の任意の材料により構成され得る。不透液性層622は、チャンバ626を少なくとも部分的に画定する。例えば、不透液性層622の内面634は、チャンバ626の外周を少なくとも部分的に画定する。チャンバ626は、その内部に少なくとも一時的に体液を保持し得る。図示のとおり、液体収集アセンブリ620は、その内部に多孔材料600を有し得る。多孔材料600は、1つ以上の態様において、本明細書に開示の多孔材料と同様または同一であり得る。例えば、多孔材料600は、第1多孔層602と、第2多孔層604と、第1および第2多孔層602間に配置される支持層606とを有し得る。任意で、多孔材料600は、第1多孔層602上に配置された透液性膜(不図示)を有し得る。これにより、透液性膜がチャンバ626内に配置された男性器に接し、心地良さが増す。不透液性層622は、また、男性の尿道口がその内部を通じて配置されるように構成された不透液性層622を通じて延在する開口624を画定し得る。
【0076】
シース648はさらにその内部に、チャンバ626内に少なくとも部分的に配置された導管630など、導管630の少なくとも一部を含み得る。例えば、不図示であるが、導管630は、先端領域640のシース648から、少なくとも開口624に近接した基端領域642まで延在し得る。基端領域642は、男性の尿道(例えば、男性器またはその周りの陰毛領域)の周囲の肌上またはその近傍に配置され得る。したがって、個人が仰向けになると、開口624近傍で、対象の肌に対向して体液(例えば尿)が溜まり得る。体液は、導管630を通じてチャンバ626から除去され得る。
【0077】
いくつかの例において、不透液性層622は、シース648が真空下に配置されると潰れることができるような材料製となり得る、および/または厚さを有し得る。これにより、使用時に液体収集アセンブリ620内の男性器の周りの空気が除去されるなどが実現される。そのような例において、導管630は、チャンバ626内の先端領域640へと、または内部へとのみ延在し得る(例えば、開口624の隣接領域を通じない)。そのような例において、尿は液体収集アセンブリ620から収集および除去され得る。
【0078】
一例において、男性の男性器のサイズおよび硬さが異なることから、チャンバ626は部分的に略空所であり得る。しかし、いくつかの例において、チャンバ626の最外領域(例えば、シース648の内部領域の周囲)は、多孔材料600を含み得る。例えば、多孔材料600は、不透液性層622の内面634に結合され得る。多孔材料600は、男性の尿道口からの尿の流れを鈍らせるように配置され得る(例えば、チャンバ626の先端)。これにより、体液の飛び散りが制限され、および/または体液がチャンバ626の選択領域に向けられる。チャンバ626は実質的に空であるので(例えば、チャンバ626の実質的に全体が貯留部を形成する)、体液はチャンバ626の重力方向最低点に溜まりやすい。チャンバ626の重力方向最低点は、個人の肌と、シース648内に形成された液体収集アセンブリ620の角、または着用者の向きに応じたその他適切な位置との間の接点であり得る。
【0079】
多孔材料600は、不透液性層622と、チャンバ626内に挿入された男性器との間に配置され得る。第1多孔層602は、第2多孔層604と、男性器との間、および支持層606と、男性器との間など、不透液性層622と、チャンバ626内に挿入された男性器との間に配置され得る。任意で、開口624と略反対のチャンバ626の端を含む内面634は、第2多孔層604により被覆され得る。第2多孔層604は、不透液性層622に貼着され(例えば貼り付けられ)得る。
【0080】
液体収集アセンブリ620は、先端領域640にキャップ656を有し得る。キャップ656は、内部経路を画定し得る。当該経路を通じて、体液が液体収集アセンブリ620から除去され得る。内部経路は、チャンバ626と流体連通する。キャップ656は、不透液性層622または多孔材料600の一方または両方の、先端領域640少なくとも一部上に配置され得る。キャップ656は、ポリマー、ゴム、またはその他任意の不透液性材料により形成され得る。キャップ656は、不透液性層622、多孔材料600、または導管630の内の1つ以上に取り付けられ得る。キャップ656は、液体収集アセンブリ620の先端領域640の少なくとも一部を被覆し得る。キャップ656は、導管630を収容し、液封止するようにサイズ形成および構成された液体出口628を画定し得る。導管630は、キャップ656内で、またはそれを通じてある距離延在し得る。即ち、多孔材料600まで、多孔材料600を通じて、または多孔材料600からずれた点までなどである。後者の例では、キャップ656の内部経路は、その内部に貯留部638を画定し得る。
【0081】
貯留部638は、キャップ656内などデバイスの空所であり、その他材料が存在しない。いくつかの例において、貯留部638は、多孔材料600およびキャップ656により少なくとも部分的に画定される。使用時に、チャンバ626内の体液は、多孔材料600を通じて貯留部638まで流れ得る。貯留部638は、その内部に体液の少なくとも一部を格納し得、および/または体液を導管630による除去のために配置し得る。いくつかの例において、多孔材料600の少なくとも一部が、内部経路およびチャンバ626の開口の少なくとも一部間で連続的に延在し得る。これにより、任意の体液が開口から貯留部638に直接吸い上げられる。
【0082】
いくつかの例において(不図示)、不透液性層622は、キャップ656をチャンバ626内に密閉するなど、キャップ656上または上方に配置され得る。
【0083】
基端領域642は、男性の尿道口周囲(例えば、男性器周囲)の肌上または近傍に配置され得、導管630の入口は基端領域642内に配置され得る。導管630の出口は、真空源に直接または間接的に結合され得る。したがって、体液は、導管630を通じてチャンバ626の基端領域642から除去され得る。
【0084】
ベース646、シース648、キャップ656、および導管630は、任意の適切な方法により互いに取り付けられ得る。例えば、ベース646、シース648、キャップ656、または導管630の内の少なくとも2つが、しまりばめ、接着剤、縫い合わせ、溶接(例えば超音波溶接)、テープ、その他任意の適切な方法、またはその組み合わせの内の少なくとも1つにより互いに取り付けられ得る。
【0085】
いくつかの例において(不図示)、液体収集アセンブリ620は、単一体設計を有し得る。その場合、シース648、ベース646、およびキャップ656の内の1つ以上が、単一の一体形成体となる。
【0086】
また図示のように、導管630は、少なくとも部分的に液体収集アセンブリのチャンバとともに配置され得る。導管630は、先端領域640から基端領域642まで延在し得る。例えば、導管630は、ベース646に隣接する点まで、キャップ656を通じて延在し得る。導管630は、貯液容器または真空源に結合されるようなサイズおよび配置となる(図8)。導管630の出口は、直接または間接的に真空源に動作結合され得る。導管630の入口632は、使用時に液体収集アセンブリ620の重力方向最低点となることが予期される箇所など、チャンバ626内に配置され得る。入口632をユーザーの着用時に液体収集アセンブリの重力方向最低点となることが予期される箇所に配置することで、チャンバ626内に導入される体液は、導管630を通じて除去され得る。これにより、体液のチャンバ626内での滞留、留まりが防止される。
【0087】
いくつかの例において、真空源は、液体収集アセンブリ620から離間して配置され得る。そのような例において、導管630は、真空源および液体収集アセンブリ620間に配置され得る貯液容器に流体接続され得る。
【0088】
動作時に、液体収集アセンブリ620を使用する男性は、チャンバ626内に体液(例えば尿)を排出し得る。体液はチャンバ626内に溜まる、またはその他収集され得る。体液の少なくとも一部は、入口を通じて導管630内部に引き込まれ得る。体液は、真空源による真空/吸引により、液体収集アセンブリ620から引き出され得る。動作時、体液がチャンバ626内に導入され、そして実質的にそこから除去されても、真空安全弁(不図示)により、チャンバ626内の圧力が大気圧に実質的に保たれ得る。
【0089】
図7は、実施形態に係る、液体収集アセンブリ720の断面図である。液体収集アセンブリ720は、男性用液体収集アセンブリの一例だが、一部の実施形態では、液体収集アセンブリ720は、女性尿道口から体液を受け入れるのに使用され得る。本明細書に別途開示されない限り、液体収集アセンブリ720は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じ、または実質的に同様である。液体収集アセンブリ720は、シース748およびベース746を有する。ベース746は、シース748に取り付けられるように構成される(例えば、永久に取り付けられる、または永久に取り付けられるように構成される)。ベース746も個人の尿道口(例えば、男性器)周りの領域に取り付けられるように構成される。
【0090】
シース748は、第1パネル758および第2パネル760から少なくとも部分的に形成される、不透液性層722を有する。第1パネル758および第2パネル760は、互いに取り付けられる、または一体形成される(例えば、単一体構成を有する)。実施形態において、図示のように、第1パネル758および第2パネル760は個別のシートである。不透液性層722はさらに、第1パネル758および第2パネル760間にチャンバ726を、シース748の基端領域742に開口724を、シース748の先端領域740に液体出口728を画定する。シース748はさらに、チャンバ726内に配置される少なくとも1つの多孔材料700を有する。
【0091】
不透液性層722の内面(1または複数)、例えば、第1および第2パネル758、760の内面は、液体収集アセンブリ720内にチャンバ726を少なくとも部分的に画定する。不透液性層722は、チャンバ726内に体液を一時的に格納する。不透液性層722は、本明細書に開示の任意の不透液性材料により形成され得る。したがって、不透液性層722は、体液が不透液性層722を通過することを実質的に防止する。
【0092】
実施形態において、第1パネル758または第2パネル760の少なくとも一方は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、またはポリ塩化ビニル等の、少なくとも部分的に透明な不透液性材料から形成される。第1パネル758または第2パネル760の少なくとも一方を少なくとも部分的に透明な不透液性材料で形成することで、個人(例えば医師)が男性器を調べることを可能とする。いくつかの実施形態において、第1パネル758および第2パネル760の両方が、少なくとも部分的に透明な不透液性材料から形成される。第1パネル758または第2パネル760の少なくとも一方を少なくとも部分的に透明な不透液性材料により形成することで、液体収集アセンブリ720を完全に男性器周囲の領域から取り外すことなく、男性器を調べることが可能となる。例えば、チャンバ726は、チャンバ726内に男性器が延在すると、個人の男性器を収容するように構成された男性器収容領域762を有し得る。男性器収容領域762は、少なくとも多孔材料700と、第1パネル758および/または第2パネル760の少なくとも部分的に透明な材料の少なくとも一部とにより画定され得る。言い換えると、男性器が開口724を通じてチャンバ726内へと挿入されると、多孔材料700が、男性器と、第1パネル758および/または第2パネル760の透明な部分の少なくとも一部との間に配置されないように、多孔材料700はチャンバ726内に配置され得る。多孔材料700は概して不透明であり、したがって、男性器収容領域762を画定する、第1パネル758および/または第2パネル760の少なくとも部分的に透明な材料の部分は、個人に男性器収容領域762内をのぞき込み、男性器を調べることを可能とする窓を形成する。
【0093】
不透液性層722により画定された開口724は、男性器が埋もれている場合に体液がチャンバ726内に侵入するため、および男性器が埋もれていない場合に、男性器がチャンバ726(例えば、男性器収容領域762)内に侵入可能とする侵入経路を提供する。開口724は、不透液性層722(例えば、不透液性層722の内縁)により画定され得る。例えば、開口724は、不透液性層722内に形成され、それを通じて延在する。これにより、体液が液体収集アセンブリ720外からチャンバ726内に侵入可能とする。
【0094】
不透液性層722は、導管730を収容するサイズの液体出口728を画定する。導管730は、チャンバ726内に少なくとも部分的に配置され、またはその他方法で液体出口728を通じてチャンバ726と流体連通し得る。液体出口728は、少なくとも導管730に対して略液密封止を形成するようなサイズおよび形状であり得る。これにより、体液のチャンバ726からの離脱が実質的に防止される。実施形態において、液体出口728は、第1パネル758および第2パネル760の、互いに取り付けられない、または一体形成されない部分から形成され得る。そのような実施形態において、不透液性層722は、不透液性層722の周囲部分よりも大きな剛性を有するキャップを含まなくてもよい。これにより、液体収集アセンブリ720を形成するのに使用される部品点数が減少し、液体収集アセンブリ720の製造が容易になり得る。キャップがないと、導管730を液体出口728に対してしばりばめで固定しにくくなり得る。したがって、導管730は、接着剤の使用、溶接、または液体出口728を液体出口728に結合するその他方法により、液体出口728に対して(例えば、第1および第2パネル758、760に対して)取り付けられ得る。一例において、導管730は、第1および第2パネル758、760を互いに取り付けるのと同じ製造工程で液体出口728に取り付けられ得る。一例において、不透液性層722は、キャップを有し、導管728はキャップに取り付けられ得る(例えば、しばりばめによる)。
【0095】
上述のように、シース748は、チャンバ726内に開示された少なくとも1つの多孔材料700を有する。多孔材料700は、男性器から液体出口728に向かってなど、チャンバ726の1つ以上の選択領域に体液を向け得る。多孔材料700は、本明細書に開示の任意の多孔材料製であり得る。例えば、多孔材料700は、第1多孔層702と、第2多孔層704と、第1および第2多孔層702、704間の支持層706とを有し得る。実施形態において、第1多孔層702は、男性器収容領域762の少なくとも一部を画定するように配置され得る。第2多孔層704は、第1パネル758に隣接して配置され得る。
【0096】
実施形態において、多孔材料700はシートであり得る。多孔材料700をシートとして形成することで、液体収集アセンブリ720が製造しやすくなり得る。多孔材料700をシートとして形成することで、第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700それぞれをシートとすることができる。液体収集アセンブリ720の製造時、第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700は積層され、同じ製造工程にて互いに取り付けられ得る。例えば、多孔材料700は、第1パネル758および第2パネル760と同じ、またはより好ましくは若干小さいサイズの形状を有し得る。したがって、第1パネル758および第2パネル760をその外縁に沿って互いに取り付けることで、多孔材料700も第1パネル758および第2パネル760に取り付けられ得る。多孔材料700は、第1パネル758および第2パネル760よりも若干小さくされ得る。これにより、第1パネル758および/または第2パネル760は多孔材料700の周りに延在する。したがって、多孔材料700は、不透液性層722を通じて、体液が漏出し得る経路を形成しない。また、多孔材料700を第1パネル758および/または第2パネル760に取り付けることで、液体出口728近傍で多孔材料700が固まるなど、多孔材料700がチャンバ726内で大きく移動することが防止され得る。一例において、多孔材料700は、第1パネル758を第2パネル760に取り付ける前、または後に、第1パネル758または第2パネル760(例えば、接着剤を介する)に取り付けられ得る。一例において、多孔材料700は、多孔材料700を第1パネル758または第2パネル760の少なくとも一方に取り付けることなく、単純にチャンバ726内に配置され得る。実施形態において、多孔材料700は、中空略円筒形等、シート以外の形状を有し得る。
【0097】
概して、男性器が男性器収容領域762内にない状態、およびシース748が平面に載置されている状態で、シース748は略平坦である。不透液性層722が略筒状の不透液性層ではなく、第1パネル758および第2パネル760により形成されるため、シース748は、略平坦である。さらに、上述のように、多孔材料700はシートであり得、これによってもシース748が略平坦となる。シース748がまた略平坦であり得るのは、液体収集アセンブリ720が、不透液性層722の周囲の部分よりも高い剛性を有し、シース748が略平坦となることを妨げ得る、比較的剛性なリングまたはキャップを有さなくてよいためである。なお、シース748は略平坦であると記載したが、それは、多孔材料700の厚さによっては、多孔材料700により、シース748に多少の膨らみが生じ得ること、液体出口728および/または導管730によりその周りに膨らみが生じ得ること、またはベース746はその周辺のシース748の部分の上に引き上げられ得ることの内の少なくとも1つによる。なお、シース748も柔軟となり得る。したがって、シース748は使用時に略平坦でなくてもよい。使用時に、シース748は非平坦面に載置され得る(例えば、睾丸上、会陰上、および/または股間に載置され得る)ためであり、シース748はこれら形状の平面に沿い得る。
【0098】
男性器が男性器収容領域762内に存在しない、およびシース748が平坦面上に載置されている際に、シース748が略平坦になれることで、液体収集アセンブリ720は、埋もれたおよび埋もれていない男性器とともに使用可能となる。例えば、液体収集アセンブリ720が埋もれた男性器と使用される場合、男性器は男性器収容領域762内へと延在しない。これにより、シース748はベース746の開口750全体に亘って、比較的平坦に載置される。シース748がベース746の開口750全体に亘って、比較的平坦に載置されると、多孔材料700は、開口724および開口750全体に亘って延在し、埋もれた男性器に近接する。したがって、多孔材料700は、埋もれた男性器から排出された体液の、個人の肌に対向した滞留を防止または抑制する。多孔材料700が、個人の肌に対向して滞留し得る体液の少なくとも大部分を受け入れる、または除去するためである。したがって、個人の肌の乾燥が保たれ、液体収集アセンブリ720の使い心地が向上し、肌の損傷が防止される。一方で、埋もれた男性器と使用されるように構成されたその他従来の液体収集アセンブリと異なり、液体収集アセンブリ720は埋もれていない男性器とも使用され得る。埋もれていない男性器が完全に勃起しても、男性器収容領域762に収容可能であるためである。さらに、シース748が略平坦となれることで、シース748が平坦でない場合と比較して、液体収集アセンブリ720はより個別状況に応じて使用可能となる。したがって、恥をかき得る各状況が防止される。
【0099】
シース748が略平坦であれば、多孔材料700は、チャンバ726の略全体に存在し、男性器収容領域762は潰れた状態となる(図7では図示のため、男性器収容領域762が見られるように、潰れていない状態で示される)。言い換えると、シース748は、多孔材料700が常に存在しない領域を画定しなくてもよい。体液の滞留は、衛生上の問題を生じ、悪臭を発し、および/または個人の肌を体液に接触させ続け、不快感および肌の損傷を生じ得るため、多孔材料700がチャンバ726の略全体に存在することで、チャンバ726内に排出された体液が、長い間滞留しにくくする。
【0100】
上述のように、第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700は比較的柔軟となるように選択され得る。第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700がそれぞれ、支持なしでその形状を維持できなければ、第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700は比較的柔軟となる。第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700の柔軟性により、上述のようにシース748を略平坦にでき得る。第1パネル758、第2パネル760、および多孔材料700の柔軟性はさらに、男性器のサイズおよび形状が変化しても(例えば、勃起する)男性器の形状にシース748の形状が沿うことを可能とし得る。これにより、体液が滞留し得る、チャンバ726におけるあらゆる空所を最小化できる。
【0101】
上述のように、液体収集アセンブリ720は、シース748に取り付けられるように構成されるベース746を有する。例えば、ベース746は、シース748に永久に取り付けられるように構成される。例えば、液体収集アセンブリ720に、シース748に永久に取り付けられたベース746が設けられる場合、又はベース746が、シース748に永久に取り付けられていないが、将来的に何らかのタイミングでシース748に永久に取り付けられるように構成されるように設けられた場合に、ベース746は、シース748に永久に取り付けられるように構成される。永久に取り付けられるとは、シース748をベース746から離すためにブレードを使用する、および/またはシース748をベース746に取り付ける接着剤を溶かすのに化学物質を使用することで、シース748またはベース746の少なくとも一方を損傷することなく、シース748をベース746から取り外せないことを意味する。ベース746は、接着剤、縫い付け、熱封止、RF溶接、またはUS溶接により、シース748に永久に取り付けられ得る。実施形態において、ベース746は、シース748に取り外し可能に取り付けるように構成される。実施形態において、ベース746は、シース748と一体形成される。
【0102】
ベース746は、開口750を有する。ベース746は、開口750が開口724に揃えられるように、シース748の先端領域740に永久に取り付けられる。
【0103】
ベース746は、男性器周囲の肌(例えば、恥丘、太もも、睾丸、および/または会陰)に結合されるようなサイズ、形状、材料製であり、その内部に男性器が配置される。例えば、ベース746は、男性器がその内部に配置されるように構成された開口750を画定し得る。一例において、ベース746は、ベース746が結合するように構成された肌面の概略的形状または輪郭を有し得る。ベース746は柔軟であり得る。これにより、ベース746が肌面のあらゆる形状に沿うことができ、ベース746が肌面で引っ張られることが最小限に抑えられる。ベース746は横方向にシース748を通り過ぎて延在し得る。これにより、ベースを有さない略同様の液体収集アセンブリ720と比較して、液体収集アセンブリ720が取り付けられ得る、個人の肌の表面積が増加する。
【0104】
本明細書に開示の多孔材料を含み得る液体収集アセンブリのさらなる例は、2017年6月2日に出願された米国特許出願第15/612,325号、2016年9月8日に出願された米国特許出願第15/260,103号、2016年9月8日に出願された米国特許第10,390,989号、2020年8月19日に出願された米国仮特許出願第63/067,542号、および2019年6月6日に出願された米国特許出願第16/433,773号に開示され、参照によりそれぞれの開示の全体が本明細書に組み込まれる。
【0105】
図8は、実施形態に係る、液体収集アセンブリ820に対する液体収集システム870のブロック図である。液体収集システム870は、液体収集アセンブリ820と、貯液容器872と、真空源874とを備える。液体収集アセンブリ820は、本明細書に開示の任意の液体収集アセンブリと同じまたは実質的に同様であり得る。液体収集アセンブリ820と、貯液容器872と、真空源874とは1つ以上の導管830を通じて、互いに流体結合され得る。例えば、液体収集アセンブリ820は、導管830を通じて、貯液容器872または真空源874の一方または両方に動作結合され得る。液体収集アセンブリ820内に収集された体液は、液体収集アセンブリ820内へと突出する導管830を通じて、液体収集アセンブリ820から除去され得る。例えば、導管830の入口は、液体収集アセンブリ820内、その内部の貯留部等へと延在し得る。導管830の出口は、液体収集アセンブリ820または真空源874内へと延在し得る。導管830の出口に印加された吸引(例えば、真空)力に応じて、導管830の入口を通じて、液体収集アセンブリ820のチャンバ内へと、吸引力が導入され得る。
【0106】
吸引力は、真空源874により、直接、または間接的に、導管830の出口に印加され得る。吸引力は、貯液容器872を介して間接的に印加され得る。例えば、導管830の出口は、貯液容器872内に配置され得、追加の導管830が貯液容器872から真空源874に延在し得る。したがって、真空源874は、貯液容器872を介して液体収集アセンブリ820に吸引を印加し得る。吸引力は、真空源874から直接印加され得る。例えば、導管830の出口は、真空源874内に配置され得る。追加の導管830が、真空源874から貯液容器872まで等、液体収集アセンブリ820外の点まで延在し得る。そのような例において、真空源874は、液体収集アセンブリ820および貯液容器872間に配置され得る。
【0107】
貯液容器872は、その内部に体液を保持するサイズおよび形状となる。貯液容器872は、袋(例えば、排液袋)、ボトルまたはカップ(例えば、収集瓶)、または尿などの体液を貯蔵するその他密閉容器を含み得る。いくつかの例において、導管830は、液体収集アセンブリ820から延在し、貯液容器872の内部の第1点で取り付けられ得る。追加の導管830が、貯液容器872上の第2点に取り付けられ得、真空源874まで延在し、それに取り付けられ得る。したがって、貯液容器872を介して、液体収集アセンブリ820を通じて真空が抽出され得る(例えば、吸引)。尿などの体液は、真空源874を使用して、液体収集アセンブリ820から排出され得る。
【0108】
真空源874は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、変位ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、真空を生成するように構成された任意のポンプの1つ以上を含み得る。真空源874は、液体収集アセンブリ820から体液を除去するのに、真空または吸引を提供し得る。いくつかの例において、真空源874は、電源コード(例えば、コンセントに接続)、1つ以上の電池、またさらには手動電源(例えば、手動真空ポンプ)により駆動され得る。いくつかの例において、真空源874は、液体収集アセンブリ820の外部、上、または内部に嵌るような大きさ、および形状であり得る。例えば、真空源874は、1つ以上の小型ポンプ、または1つ以上のマイクロポンプを含み得る。本明細書に開示の真空源874は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、または真空源874の作動に適した任意のその他デバイスを含み得る。
【0109】
各種態様および実施形態が本明細書で開示されたが、その他態様および実施形態も考えられる。本明細書に開示の各種態様および実施形態はあくまで例示が目的であって、限定を意図したものではない。
【0110】
程度を表す用語(例えば、「約」、「略」、「概して」など)は、構造的、機能的に有意でない変動を示す。一例において、量を示す用語に、程度を表す用語が含まれる場合、程度を表す用語は、当該量を示す用語の、±10%、±5%、または+2%と解される。一例において、形状の変形に程度を表す用語が使用される場合、程度を表す用語は、程度を表す用語により変形される形状が、開示の形状の外観を有することを示す。例えば、形状が尖った角ではなく丸角を有し得る、直線の縁ではなく湾曲した縁を有し得る、そこから1つ以上の突起が延在し得る、楕円であり得る、開示の形状と同一であり得るなどを示すのに、程度を表す用語が使用され得る。
【国際調査報告】