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特表2024-537742マルチパネルTXシナリオにおけるタイミングアドバンス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】マルチパネルTXシナリオにおけるタイミングアドバンス
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20241008BHJP
   H04W 8/18 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20241008BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241008BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W8/18
H04W4/08
H04W72/231
H04W16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518705
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2021121758
(87)【国際公開番号】W WO2023050170
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ラン・ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ビンチャオ・リウ
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ハイミン・ワン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE08
5K067EE10
5K067EE72
(57)【要約】
マルチパネルTXシナリオにおけるタイミングアドバンスのための方法および装置が開示される。ユーザ機器(UE)は、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサは、トランシーバを介して、ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、トランシーバを介して受信した情報から、ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することとを行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと
を備え、
前記プロセッサが、
前記トランシーバを介して、ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、前記ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、
前記トランシーバを介して受信した前記情報から、前記ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記トランシーバを介して、1つまたは複数のタイマを受信することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、前記1つまたは複数のリンクに関連付けられた前記TAの有効性を維持する、受信すること
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記トランシーバを介して、多重TAメンテナンスをサポートするUEケイパビリティを送信すること
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記タイマが、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する、請求項2に記載のUE。
【請求項5】
各TAが、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示される、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから受信した前記TACが、前記DL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはDLビームに関連付けられたULビームに適用される、
請求項5に記載のUE。
【請求項7】
各TACが、前記TACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される、請求項5に記載のUE。
【請求項8】
前記TAC MAC CEが、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものである、請求項7に記載のUE。
【請求項9】
前記リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容された前記TACが、プライマリリンクの前記TACとして決定される、請求項5に記載のUE。
【請求項10】
各TACが、前記TACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される、請求項5に記載のUE。
【請求項11】
前記MAC RARが、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものである、請求項10に記載のUE。
【請求項12】
構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられた前記タイマが満了した場合、前記ULリソース上での送信が一時停止され、または前記リンクに関連付けられたリソースがクリアされる、請求項2に記載のUE。
【請求項13】
ユーザ機器(UE)によって実施される方法であって、
ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信するステップであって、各TAが、前記ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、ステップと、
トランシーバから受信した前記情報から、前記ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
ネットワークデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと
を備え、
前記プロセッサが、
ユーザ機器(UE)から前記ネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成することであって、各TAが、前記ネットワークデバイスと前記UEとの間のリンクに関連付けられる、生成することと、
前記トランシーバを介して、複数のTAに関係する前記情報を前記UEに送信することと
を行うように構成される、ネットワークデバイス。
【請求項15】
ネットワークデバイスによって実施される方法であって、
ユーザ機器(UE)から前記ネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成するステップであって、各TAが、前記ネットワークデバイスと前記UEとの間のリンクに関連付けられる、ステップと、
前記複数のTAに関係する前記情報を前記UEに送信するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示する本主題は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、マルチパネルTXシナリオにおけるタイミングアドバンスのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書により次の略語が規定されており、そのうちの少なくともいくつかが、次に続く説明内で言及されている:New Radio(NR)、超大規模集積(VLSI)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、ユーザ機器(UE)、Evolved Node B(eNB)、次世代ノードB(gNB)、上りリンク(UL)、下りリンク(DL)、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、直交周波数分割多重(OFDM)、無線リソース制御(RRC)、ユーザエンティティ/機器(モバイル端末)、トランスミッタ(TX)、レシーバ(RX)、タイムアライメントまたはタイミングアドバンスまたはタイミング調整(TA)、タイミングアドバンスグループ(TAG)、プライマリTAG(PTAG)、セカンダリTAG(STAG)、タイミングアドバンスコマンド(TAC)、タイミングアドバンスタイマ(TAT)、ランダムアクセスチャネル(RACH)、ランダムアクセス応答(RAR)、送受信点(TRP)、時分割多重(TDM)、制御リソースセット(CORESET)、参照信号(RS)、媒体アクセス制御(MAC)、MACコントロールエレメント(MAC CE)、論理チャネルインデックス(LCID)、下りリンク共有チャネル(DL-SCH)、プロトコルデータユニット(PDU)、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)、チャネル状態情報(CSI)、サウンディング参照信号(SRS)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)。
【0003】
タイムアライメントまたはタイミングアドバンスまたはタイミング調整を表すことのできるTAは、下りリンクフレームタイミングに対する上りリンクフレームタイミングを調整するために使用される。タイミング調整の量とすることのできるTA値は、gNBからUEへの信号のプロパガンダ遅延に応じて決まる。したがって、UEが異なれば、gNBに対するTAが異なる。UEのMACエンティティが、UEのTAを管理する。
【0004】
従来、UEには、複数のサービングセルによってサービスすることができる。複数のサービングセルのうち、UL送信を構成されたときに同じタイミング参照セル(timing reference cell)および同じTA値を使用するセルのグループが、1つのタイミングアドバンスグループ(TAG)に属する。SpCellを含むTAGはプライマリTAG(PTAG)と呼ばれ、一方、他のTAGはそれぞれ、セカンダリTAG(STAG)と呼ばれる。
【0005】
図1は、レガシーPTAGおよびSTAGの一例を示す。図1から、SpCell#1およびSCell#2がPTAGに属しており、SCell#3がSTAGに属していると分かる。UEは、1つのTAGにつき1つのTA(例えば1つのTA値)を管理する。それが意味するのは、UEにとって、SpCell#1およびSCell#2は同じTA(例えばTA1)を有し、一方、SCell#3は別のTA(例えばTA2)を有する、ということである。UEから見た場合、あるセルのTA値(例えばSpCell#1のTA1)が別のセルのTA値(例えばSCell#2のTA1)と同じであるか、それともさらに別のセルのTA値(例えばSCell#3のTA2)とは異なるかにかかわらず、各セル(例えばSpCell#1、SCell#2、およびSCell#3のそれぞれ)は、1つのTAを有する。
【0006】
セルは、複数の(例えば2つの)TRPを有することがある。UEは、UL信号(例えばPUSCH送信および/またはPUCCH送信)を複数のTRPに送信することがある。NRリリース17では、複数のTRPは2つのTRPに限定されている。それに加えて、UEはUL信号を、例えばUEの2つのパネルを用いて、2つのTRPに、TDM様式で(すなわち同時にではなく非同期に)送信することしかできない。複数の(例えば2つの)TRPが十分に近いとき、UEと一方のTRPとの間のTA、およびUEと他方のTRPとの間のTAは、同じと見なすことができる。したがって、セルが複数の(例えば2つの)TRPを有することがあっても、UEはそれでもなおそのセルの1つのTA値を想定する。
【0007】
セルカバレッジを広げるために、複数のTRPがセル内の異なるロケーションに置かれる可能性がある。この条件下では、UEから複数のTRPのうちの1つまでのTAと、UEから複数のTRP(例えば2つのTRP)のうちの別のものまでのTAは、著しく異なることになる。それが意味するのは、UEは、UL信号をセルの1つのTRPに1つのTAを使用して送信し、同じUL信号または別のUL信号をそのセルの別のTRPに別のTAを使用して送信しなければならない、ということである。
【0008】
したがって、UEは、別々に位置する複数の(例えば2つの)TRPを有するセルの、少なくとも2つのTAを管理しなければならない。UEがUL信号をセルの複数の(例えば2つの)TRPに送信するとき、UEは一般に、複数の(例えば2つの)パネルを有し、そのそれぞれが、UL信号を異なるTRPに送信するために使用される。これは、マルチパネルマルチTRPシナリオと呼ぶことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、マルチパネルマルチTRPシナリオにおけるTAの強化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
マルチパネルTXシナリオにおけるタイミングアドバンスのための方法および装置が開示される。
【0011】
一実施形態では、UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサは、トランシーバを介して、ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、トランシーバを介して受信した情報から、ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することとを行うように構成される。プロセッサは、トランシーバを介して、1つまたは複数のタイマを受信することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、その1つまたは複数のリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する、受信することを行うようにさらに構成されてもよい。具体的には、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0012】
一実施形態では、プロセッサは、トランシーバを介して、多重TAメンテナンス(multiple TA maintenance)をサポートするUEケイパビリティを送信することを行うようにさらに構成される。
【0013】
別の実施形態では、タイマが、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0014】
何らかの実施形態では、初期アクセスを実施するために使用されるリンクが、プライマリリンクである。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。1つまたは複数の他のリンクが、セカンダリリンクである。各セカンダリリンクは、1つまたは複数のセルに関連付けられてもよい。
【0015】
一実施形態では、各TAは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示されてもよい。下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから受信したTACは、そのDL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはそのDLビームに関連付けられたULビームに適用されてもよい。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される。TAC MAC CEは、論理チャネル識別子(logical channel identity)(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。別法として、リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクのTACとして決定される。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される。MAC RARは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。
【0016】
何らかの実施形態では、構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられたタイマが満了した場合、そのULリソース上での送信が一時停止されてもよく、またはそのリンクに関連付けられたリソースがクリアされてもよい。
【0017】
別の実施形態では、ネットワークデバイスが、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、ユーザ機器(UE)からネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成することであって、各TAが、ネットワークデバイスとUEとの間のリンクに関連付けられる、生成することと、トランシーバを介して、複数のTAに関係する情報をUEに送信することとを行うように構成される。
【0018】
さらに別の実施形態では、UEによって実施される方法が、ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、トランシーバから受信した情報から、ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することとを含む。
【0019】
さらなる実施形態では、ネットワークデバイスにおいて実施される方法が、ユーザ機器(UE)からネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成することであって、各TAが、ネットワークデバイスとUEとの間のリンクに関連付けられる、生成することと、複数のTAに関係する情報をUEに送信することとを含む。
【0020】
上で簡単に説明した実施形態についてのより具体的な説明を、添付の図面中に示されている特定の実施形態を参照することによって提供する。これらの図面はいくつかの実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない、ということを理解した上で、実施形態について、添付の図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に説明し解説する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】レガシーPTAGおよびSTAGの一例を示す図である。
図2】第1の実施形態の第2の下位実施形態(sub-embodiment)の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態の第4の下位実施形態の一例を示す図である。
図4(a)】新規のTAC MAC CEフォーマットの例を示す図である。
図4(b)】新規のTAC MAC CEフォーマットの例を示す図である。
図4(c)】新規のTAC MAC CEフォーマットの例を示す図である。
図4(d)】新規のTAC MAC CEフォーマットの例を示す図である。
図4(e)】新規のTAC MAC CEフォーマットの例を示す図である。
図5】方法の一実施形態を示す概略フローチャート図である。
図6】方法のさらなる実施形態を示す概略フローチャート図である。
図7】一実施形態による装置を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者には理解されるように、実施形態のいくつかの態様は、システム、装置、方法、またはプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、実施形態は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよく、それらは全て、本明細書において一般に、「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれることがある。さらに、実施形態は、以後「コード」と呼ばれるマシン可読コード、コンピュータ可読コード、および/またはプログラムコードを記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイス内に具現化された、プログラム製品の形をとってもよい。記憶デバイスは、有形、非一時的、および/または非伝送的とすることができる。記憶デバイスは、信号を具現化しないことがある。ある特定の実施形態では、記憶デバイスは、コードにアクセスするためだけに信号を用いる。
【0023】
本明細書において説明するいくつかの機能ユニットは、それらの独立した実装をより具体的に強調するために、「モジュール」と呼ばれることがある。例えば、モジュールは、カスタム超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、または他のディスクリート部品などの標準品の半導体を備える、ハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブル論理デバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスとして実装されてもよい。
【0024】
モジュールは、さまざまなタイプのプロセッサによって実行するためのコードおよび/またはソフトウェアとして実装されてもよい。コードの特定のモジュールは、例として、実行可能コードの1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックを含んでもよく、それらは、例として、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成されてもよい。それにもかかわらず、特定のモジュールの実行可能ファイルは、物理的に一緒に位置する必要があるのではなく、異なるロケーション内に記憶され、論理的に1つに結合されるとモジュールを含み、モジュールの定められた目的を達成する、全く異なる命令を含んでもよい。
【0025】
実際、コードのモジュールは、単一の命令を収容してもよく、多数の命令を収容してもよく、さらには、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間で、またいくつかのメモリデバイスにわたって分散されてもよい。同様に、動作データが、本明細書においてモジュール内に識別され図示されることがあり、動作データは、任意の適切な形で具現化され、任意の適切なタイプのデータ構造内に編成されてもよい。この動作データは、単一のデータセットとして集められてもよく、異なるコンピュータ可読記憶デバイスにわたって、を含めて、異なるロケーションにわたって分散されてもよい。モジュールまたはモジュールの部分がソフトウェアとして実装される場合、ソフトウェア部分は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶デバイス上に記憶される。
【0026】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コードを記憶する記憶デバイスとすることができる。記憶デバイスは、例えば、必ずしもそうである必要はないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外、ホログラフィック、微小機械、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述のものの任意の適切な組合せとすることができる。
【0027】
記憶デバイスのより具体的な例の非網羅的リストには、次の、1つもしくは複数のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述のものの任意の適切な組合せが含まれる。本文献の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するかまたはそれに関連して使用するためのプログラムを収容または記憶することのできる、任意の有形の媒体とすることができる。
【0028】
実施形態の動作を実施するためのコードは、任意数のラインを含んでもよく、Python、Ruby、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、および/またはアセンブリ言語などの機械語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されてもよい。コードは、全体がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部がユーザのコンピュータ上かつ一部が遠隔のコンピュータ上で、または全体が遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で、実行されてもよい。一番最後のシナリオでは、遠隔のコンピュータはユーザのコンピュータに、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じて接続されてもよく、または(例えばインターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)接続が外部のコンピュータに対して行われてもよい。
【0029】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」、「一実施形態」、または類似の文言に言及する場合、それは、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して「1つの実施形態では」、「一実施形態では」という句、および類似の文言が出現する場合、必ずしもそうとは限らないが、全てが同じ実施形態に言及することがあるが、別段の明示的な指定のない限り「1つまたは複数の、ただし全てではない、実施形態」を意味することがある。「含む」、「備える」、「有する」という語、およびそれらの変形は、別段の明示的な指定のない限り、「限定はしないが~を含む」を意味する。項目の列挙されたリストは、別段の明示的な指定のない限り、それらの項目のうちのいずれかまたは全てが相互に排他的であることを示唆するものではない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という語は、別段の明示的な指定のない限り、「1つまたは複数」も指す。
【0030】
さらに、さまざまな実施形態の説明される特徴、構造、または特性は、任意の適切な様式で組み合わされてもよい。次に続く説明では、実施形態の完全な理解をもたらすために、プログラミング、ソフトウェアモジュール、ユーザ選択、ネットワークトランザクション、データベース照会、データベース構造、ハードウェアモジュール、ハードウェア回路、ハードウェアチップなどの例など、多数の具体的詳細が提供される。しかし、それらの具体的詳細のうちの1つもしくは複数がなくても実施形態を実践できること、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施形態を実践できることを、当業者なら認識するであろう。他の場合には、実施形態の態様のいかなる不明瞭化も避けるために、よく知られている構造、材料、または動作については詳細に図示または説明されない。
【0031】
異なる実施形態の態様については、下で、実施形態による方法、装置、システム、およびプログラム製品の概略フローチャート図および/または概略ブロック図を参照して説明する。概略フローチャート図および/または概略ブロック図の各ブロック、ならびに概略フローチャート図および/または概略ブロック図中のブロックの組合せを、コードによって実装できることが、理解されよう。このコードを、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して、マシンを生成することができ、したがって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、概略フローチャート図および/または概略ブロック図中に指定された1つまたは複数のブロックの機能を実装するための手段を作り出す。
【0032】
コードを、記憶デバイス内に記憶させることもでき、その記憶デバイスが、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスに、特定の様式で機能するように指令することができ、したがって、記憶デバイス内に記憶された命令は、概略フローチャート図および/または概略ブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定された機能を実装する命令を含む製品を生み出す。
【0033】
コードを、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードして、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実施させ、それによって、コンピュータ実装プロセスを生み出すこともでき、したがって、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行されるコードは、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定された機能を実装するためのプロセスをもたらす。
【0034】
図中の概略フローチャート図および/または概略ブロック図は、さまざまな実施形態による装置、システム、方法、およびプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、概略フローチャート図および/または概略ブロック図中の各ブロックは、指定された論理機能を実装するためのコードの1つまたは複数の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、または部分を表してもよい。
【0035】
いくつかの代替実装形態では、ブロック内に記された機能が、図中に記された順序から外れて行われることがあることにも留意されたい。例えば、関与する機能に応じて、連続して図示されている2つのブロックが実質的には同時に実行されることもあり、それらのブロックが時に逆順で実行されることもある。機能、論理、または1つもしくは複数のブロックもしくはその部分への効果の点で、図示の図に等価である他のステップおよび方法が、考え出されてもよい。
【0036】
フローチャートおよび/またはブロック図中でさまざまな矢印タイプおよび線タイプが用いられることがあるが、それらは、対応する実施形態の範囲を限定するものではないと理解される。実際、いくつかの矢印または他の連結記号は、図示の実施形態の論理フローを示すためだけに使用されることがある。例として、矢印は、図示の実施形態の列挙されたステップ相互間の、持続期間の指定のない待機期間または監視期間を示すことがある。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図中のブロックの組合せを、指定された機能もしくは行為を実施する専用ハードウェアベースのシステムによって、または専用ハードウェアとコードとの組合せによって実装できることにも留意されよう。
【0037】
各図中の要素についての説明は、進行中の図の要素に言及することがある。同様の番号は、同様の要素の代替実施形態を含めて、全ての図中で同様の要素を指す。
【0038】
ここで、添付の図面中にその例が示されている本出願のいくつかの実施形態を詳細に参照されたい。容易に理解できるようにするために、実施形態は、3GPP(登録商標) 5G、3GPP(登録商標) LTE、3GPP(登録商標) NR-U、共有スペクトルチャネルアクセスで動作するNR無線アクセスなど、特定のネットワークアーキテクチャおよび新たなサービスシナリオに基づいて提供される。本出願における全ての実施形態は、ネットワークアーキテクチャおよび新たなサービスシナリオの進展に加えて、同様の技術的課題にも適用可能であることが企図されている。さらに、本出願において記述された術語は変わることがあるが、それにより本出願の原理に影響は及ばないはずである。本開示の実施形態は、無認可スペクトルシナリオにも適用することができる。
【0039】
マルチパネルマルチTRPシナリオでは、UEは、(例えば同じTAGからの)複数のTAを同時に管理するように求められる。背景部分において言及したように、本出願において言及するTAとは、タイムアライメントまたはタイミングアドバンスまたはタイミング調整を指し、一方、本出願におけるTA値とは、タイミング調整の量を指す。
【0040】
第1の実施形態は、マルチパネルマルチTRPシナリオにおける複数のTAのモデリングに関する。「マルチTRP」とは、サービングセルが複数の(例えば2つの)TRPを有することができることを意味する。「マルチパネル」とは、UEが複数の(例えば2つの)パネルを有することができることを意味する。2つのパネル(例えばパネル#1およびパネル#2)を有するUEが、UL信号(PUCCHおよび/またはPUSCH送信)を、2つのTRP(例えばTRP#1およびTRP#2)を有するサービングセルに送信する条件下では、UEは、一方のパネル(例えばパネル#1)を使用して、UL信号を、サービングセルの一方のTRP(例えばTRP#1)に送信し、他方のパネル(例えばパネル#2)を使用して、UL信号を、サービングセルのもう1つのTRP(例えばTRP#2)に送信してもよい。
【0041】
サービングセルのTRP#1とTRP#2は別々に位置することがあり、それにより、UL信号をパネル#1からTRP#1に送信する際に採用されるTA(例えばTA1)と、UL信号をパネル#2からTRP#2に送信する際に採用されるTA(例えばTA2)とが、異なることになる。UEは、1つのサービングセルにつき複数の異なるTA(例えばTA1およびTA2)を管理するために必要である。TA1は、パネル#1からTRP#1へのリンク(例えばリンク#1)に関連付けられたTAとして示すことができ、TA2は、パネル#2からTRP#2へのリンク(例えばリンク#2)に関連付けられたTAとして示すことができる。
【0042】
本出願では、リンクは、異なるリンクが異なるTAに関連するように規定される。リンクは、パネルからTRPへとして示すことができる。UL信号を特定のTRP(例えばTRP#1)に送信するために特定のパネル(例えばパネル#1)が使用されるので、リンクは、パネルとして示されてもよく、TRPとして示されてもよい。例えば、パネル#1からTRP#1へのリンク#1がTA#1に関連し、パネル#2からTRP#1へのリンク#2がTA#2に関連する場合、リンク#1に関連付けられたTA#1を、パネル#1に関連付けられたTA#1として示すことができ、一方、リンク#2に関連付けられたTA#2を、パネル#2に関連付けられたTA#2として示すことができる。別の例として、パネル#1からTRP#1へのリンク#1がTA#1に関連し、パネル#1からTRP#2へのリンク#2がTA#2に関連する場合、リンク#1に関連付けられたTA#1を、TRP#1に関連付けられたTA#1として示すことができ、一方、リンク#2に関連付けられたTA#2を、TRP#2に関連付けられたTA#2として示すことができる。明らかなことに、リンクは別法として、仮に同じTAが(複数のパネルからなる)パネルセットまたは(複数のTRPからなる)TRPグループに関連付けられるとして、パネルセット(もしくはパネルグループ)またはTRPセット(もしくはTRPグループ)として示されてもよい。1つのパネルから、複数のビームが送出される。それに加えて、受信に使用される複数のビームが、1つのTRPに属する。したがって、別法として、1つのビーム、または複数のビームからなるビームセット(もしくはビームグループ)が、リンクを示してもよい。パネルは、(RSセットと呼ばれてもよい)参照信号(RS)のセットに対応する。TRPは、同じCORESETPoolIndexを有するCORESETのプールに対応する。したがって、別法として、RSセットまたはCORESETプールがリンクを示してもよい。別法として、セル(サービングセルまたは非サービングセル)がリンクを示してもよい。リンクを示すための上記の項目(例えばパネル、パネルセット、TRP、TRPセット、ビーム、ビームセット、RSセット、CORESETプール、セル)はそれぞれ、インデックス(ID)を有してもよく、それが意味するのは、別法として、上記の各項目のIDがリンクを示してもよいということである。それに加えて、別法として、ビーム障害検出IDがリンクを示してもよい。ついでながら、マルチTRP(すなわち複数のTRP(例えば2つのTRP))のシナリオでは、複数のTRP(例えば2つのTRP)が、異なるセル(例えば2つのセル)に属してもよい。この条件下では、リンクは複数の(例えば2つの)セルに関連付けられてもよい。
【0043】
第1の実施形態の第1の下位実施形態によれば、TAは、リンクごとに(例えばリンクごとにセルごとに(per link per cell))識別される。すなわち、各リンクは別々のTAを有する。それが意味するのは、1つのTA(a TA)(すなわち1つのTA(one TA))が各リンクに関連付けられるように構成されるということである。UEが、リンクごとに1つのTAを管理または維持する。TAタイマ(TAT)(例えばtimeAlignmentTimer)が、RRCシグナリングによって、TAごとに(すなわちリンクごとに)構成されるか、または複数のTAごとに(すなわちセルごとに)構成される(それが意味するのは、1つのセルの、異なるTAをそのそれぞれが有する全てのリンクが、同じTATを有するということである)。換言すれば、各TATは、1つまたは複数のリンクに関連付けられる。リンクに関連付けられたTATは、そのリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する。TAの有効性とは、どのくらい長くTAが有効であるか、またはどのくらい長くUEのMACエンティティがTAが有効であると見なすか、を意味する。
【0044】
オプションで、UEは、TAがリンクごとに識別され得るように、多重TAメンテナンスをサポートする(例えば「TAがリンクごとに識別される」ことをサポートする)UEケイパビリティを基地局(例えばgNB)に示してもよい。
【0045】
オプションで、初期アクセスを実施するために使用され、または構成され、または示されるリンクは、RRCシグナリングによって、「プライマリリンク」として規定し、または構成することができる。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。各セカンダリリンクは、1つまたは複数の(例えば2つの)セルに関連付けられてもよい。
【0046】
第1の実施形態の第1の下位実施形態によれば、リンクごとにそのそれぞれが識別される複数のTAが構成される場合、TAG(PTAGとSTAGのどちらか)は、基地局によって構成されることが許されず、またはTAGは、基地局によってそれが構成された場合でもUEによってディスエーブルされたものと見なされる。
【0047】
第1の実施形態の第2の下位実施形態によれば、TAは、TAGごとにリンクごとに(per TAG per link)(すなわち各TAG内のリンクごとに)識別される。すなわち、各TAG内の各リンクは別々のTAを有する。それが意味するのは、TAが各TAGの各リンクに関連付けられるということである。図2は、第1の実施形態の第2の下位実施形態の一例を示す。図2では、リンクはパネル(例えばパネル#1、パネル#2)によって示される。図2は、4つのリンク、すなわちPTAGのパネル#1、PTAGのパネル#2、STAGのパネル#1、およびSTAGのパネル#2を示す。したがって、UEは、4つのリンクのそれぞれについて1つのTAを管理または維持するために必要である。TAタイマ(例えばtimeAlignmentTimer)が、RRCシグナリングによって、TAごとに(すなわちTAGごとにリンクごとに)構成されるか、またはTAGごとに構成される(それが意味するのは、1つのTAGの、異なるTAをそのそれぞれが有する全てのリンクが、同じTATを有するということである)。例えば、timeAlignmentTimer_TAG 1-1がPTAGのパネル#1に関連付けられるように構成され、timeAlignmentTimer_TAG 1-2が、PTAGのパネル#2に関連付けられるように構成され、timeAlignmentTimer_TAG 2-1が、STAGのパネル#1に関連付けられるように構成され、timeAlignmentTimer_TAG 2-2が、STAGのパネル#2に関連付けられるように構成される。
【0048】
オプションで、UEは、TAがTAGごとにリンクごとに識別され得るように、多重TAメンテナンスをサポートする(例えば「TAがTAGごとにリンクごとに識別される」ことをサポートする)UEケイパビリティを基地局(例えばgNB)に示してもよい。
【0049】
オプションで、初期アクセスを実施するために使用され、または構成され、または示されるPTAGのリンクは、「プライマリリンク」として規定することができる。別法として、1つのリンクを、ネットワークによって、「プライマリリンク」として構成することができる。残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。オプションで、初期アクセスを実施するために使用され、または構成され、または示される各TAG(例えば各STAG)のリンクは、RRCシグナリングによって、「プライマリリンク」(例えば「そのSTAGのプライマリリンク」)として規定し、または構成することができる。別法として、TAG(例えばSTAG)内の1つのリンクを、ネットワークによって、「プライマリリンク」(例えば「そのSTAGのプライマリリンク」)として示し、または規定し、または構成することができる。そのTAG内の残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、そのTAGの「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。
【0050】
TAG構成は、レガシーTAG構成に従う。
【0051】
第1の実施形態の第3の下位実施形態によれば、レガシーTAGが再使用され、レガシーTAG内で示されるTAおよびレガシーTAGに関連するTATが、プライマリリンクに関連付けられたTAおよびTATとして見なされ、その場合、初期アクセスを実施するために使用され、または構成され、または示されるリンクは、RRCシグナリングによって、「プライマリリンク」として規定し、または構成することができる。残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。別法として、初期アクセスを実施するために使用され、または構成され、または示される各TAG(例えば各STAG)のリンクは、RRCシグナリングによって、「プライマリリンク」(例えば「そのSTAGのプライマリリンク」)として規定し、または構成することができる。別法として、TAG(例えばSTAG)内の1つのリンクを、ネットワークによって、「プライマリリンク」(例えば「そのSTAGのプライマリリンク」)として示し、または規定し、または構成することができる。そのTAG内の残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、そのTAGの「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。残りのリンクのTAは、リンクごとに識別される。新たなTAT(例えばtimeAlignmentTimer_additionalpanel)が、「セカンダリリンク」または「他のリンク」のそれぞれに関連付けられるように構成される。
【0052】
オプションで、UEは、多重TAメンテナンス(例えば「プライマリリンクを識別するためにレガシーTAGが再使用され、他のリンクに関連付けられた残りのTAがリンクごとに識別される」こと)をサポートするUEケイパビリティを基地局(例えばgNB)に示してもよい。第1の実施形態の第3の下位実施形態によれば、プライマリリンクのTAは、レガシーTAGによって識別することができ、他のリンクのTAは、リンクごとに識別することができる。
【0053】
第1の実施形態の第4の下位実施形態によれば、TAは、リンクごとにTAGごとに(per link per TAG)(すなわち各リンク内のTAGごとに)識別される。すなわち、各リンク内の各TAGは別々のTAを有する。それが意味するのは、TAGがリンクに関連付けられるように構成されるということである。図3は、第1の実施形態の第4の下位実施形態の一例を示す。図3では、リンクはパネル(例えばパネル#1、パネル#2)によって示される。図3は、4つのリンク、すなわちパネル#1のPTAG、パネル#2のPTAG、パネル#1のSTAG、パネル#2のSTAGを示す。したがって、UEは、4つのリンクのそれぞれについて1つのTAを管理または維持するために必要である。TAタイマ(例えばtimeAlignmentTimer)が、RRCシグナリングによって、TAごとに(すなわちリンクごとにTAGごとに)構成されるか、またはTAGごとに構成される(それが意味するのは、1つのTAGに関連する、異なるTAをそのそれぞれが有する全てのリンクが、同じTATを有するということである)。
【0054】
オプションで、UEは、TAがリンクごとにTAGごとに識別され得るように、多重TAメンテナンスをサポートする(例えば「TAがリンクごとにTAGごとに識別される」ことをサポートする)UEケイパビリティを基地局(例えばgNB)に示してもよい。
【0055】
オプションで、初期アクセスを実施するために使用され、もしくは構成され、もしくは示されるリンク、またはネットワークによって構成されるリンクは、プライマリリンクと呼ばれる。残りのリンク(すなわちプライマリリンクではないリンク)は、「セカンダリリンク」または「他のリンク」として規定することができる。
【0056】
TAG構成は、レガシーTAG構成に従う。
【0057】
全体として、第1の実施形態によれば、複数のTAが識別される。複数のTAのうちの少なくともいくつかが、本出願において提案される少なくとも1つのリンクに関連付けられるものとして識別される。1つのリンクに関連付けられる(すなわちそのリンクに関連付けられるTAに関連する)TAT、または複数のリンクに関連付けられる(すなわちその複数のリンクのそれぞれに関連付けられる各TAに関連する)TATが提案される。
【0058】
第2の実施形態は、複数のTA値を示すことに関する。
【0059】
従来技術によれば、UEのMACエンティティは、1つのTAGにつきただ1つのTAを維持する。各TAGのTAは、TAC MAC CE、またはRAR内のTACによって示される。複数のTAが導入されるときにTAを示すためにレガシーTAC MAC CEおよび/またはRAR内のレガシーTACが使用される場合、曖昧さが生じることがある。上記に鑑みて、複数のTA値を示すためのいくつかの新たな解決策が提案される。
【0060】
第2の実施形態の第1の下位実施形態によれば、DL TRP(またはDLビームセット)受信が、ULパネル(またはULビームセット)送信に関連付けられる。DL TRPとULパネルとの間(またはDLビームセットとULビームセットとの間)の関連付けは、ビーム管理の手順によって構成し、または示し、または事前規定し、または取得することができる。したがって、DL TRP(またはDLビームセット)から受信したTAC(すなわちTAC MAC CE内に収容されたTACまたはRAR内に収容されたTAC)は、DL TRPに関連付けられたULパネル(またはDLビームセットに関連付けられたULビームセット)に適用される。オプションで、(例えば第1の実施形態の第1の下位実施形態に従って)TAGが許されない場合、「TAG ID」というフィールドが無視されてもよい。
【0061】
第2の実施形態の第2の下位実施形態によれば、複数のTAを示すために新規のTAC MAC CEが提案される。新規のTAC MAC CEは、例えばリンクIDを含むことによってリンクを識別すべきである。新規のTAC MAC CEはまた、(例えば第1の実施形態の第2、第3、第4の下位実施形態に従って)TAを識別する際にTAGが使用される場合、例えばTAG IDを含むことによってTAGを識別すべきである。リンクを示すためにセル(例えばサービングセルまたは隣接セル)が使用される場合、「セルID」というフィールドを含めることができる。
【0062】
新規のTAC MAC CEは、固定サイズまたは可変サイズを有することができる。例えば、固定サイズを有する新規のTAC MAC CEは、固定数のTACフィールドを示すことができる。可変サイズを有する新規のTAC MAC CEは、1つのリンクのTA値をそのそれぞれが示す、1つまたは複数のTACフィールドを含んでもよい。新規のTAC MAC CEが固定サイズを有するか、それとも可変サイズを有するかは、異なるLCIDによって識別することができる。例えば、DL-SCHのためのLCIDの予約値を使用して、新規のTAC MAC CEを識別することができる。例えば、固定サイズを有するTAC MAC CEは、「35」というLCIDを有するMACサブヘッダによって識別されてもよく、可変サイズを有するTAC MAC CEは、「36」というLCIDを有するMACサブヘッダによって識別されてもよい。言うまでもなく、占有されていないLCIDの他の任意の値を使用して、新規のTAC MAC CEを識別することができる。第1の実施形態の第3の下位実施形態に従ってTAGが再使用される条件下でレガシーTAC MAC CEが受信される場合、レガシーTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクに関連付けられたTAを示すものとして決定される。
【0063】
新規のTAC MAC CEフォーマットのいくつかの例が、図4(a)から図4(e)に示されている。
【0064】
図4(a)は、固定サイズ(例えば1オクテット)を有し、LINK IDによって識別される1つのリンクに関連付けられたタイミングアドバンスコマンド(TAC)(TAを示す)を含む、TAC MAC CEの第1の例を示す。図4(a)のLINK IDフィールドは2ビットを有する。図4(a)のTACフィールドは6ビットを有する。
【0065】
図4(b)は、可変サイズ(例えばmオクテット、ただしmは整数)を有し、m個のLINK IDによって識別されるm個のリンクのうちの1つにそのそれぞれが関連付けられた1つまたは複数のTACを示す、TAC MAC CEの第2の例を示す。各LINK IDフィールドが2ビットを有するので、mは1、2、3、または4でしかあり得ない。図4(b)の各TACフィールドは6ビットを有する。
【0066】
図4(c)は、可変サイズ(例えば2からm+1オクテット、ただしmは1から8までの整数)を有し、所定のリンクを表すLINK0からLINK7のうちの1つにそのそれぞれが関連付けられた1つまたは複数のTACを示す、TAC MAC CEの第3の例を示す。LINKi(i=0から7)が1に設定される場合、LINKiに関連付けられたTACが含まれ、一方、LINKi(i=0から7)が0に設定される場合、LINKiに関連付けられたTACは含まれない。換言すれば、mは、1に設定されているLINKi(i=0から7)の数に等しい。図4(c)のLINK0フィールドからLINK7フィールドはそれぞれ、1ビットを有する。図4(c)の各TACフィールドは8ビットを有する。
【0067】
図4(d)は、可変サイズ(例えば2から2mオクテット、ただしmは整数)を有し、(例えば第1の実施形態の第2の下位実施形態に関して)TAG IDの1つのLINK IDによって識別される1つのリンク、または(例えば第1の実施形態の第4の下位実施形態に関して)LINK IDの1つのTAG IDによって識別される1つのリンクにそのそれぞれが関連付けられた1つまたは複数のTACを示す、TAC MAC CEの第4の例を示す。図4(d)の各TAG IDフィールドは2ビットを有する。図4(d)の各LINK IDフィールドは3ビットを有する。図4(d)の各TACフィールドは8ビットを有する。図4(d)の各R(予約)フィールドは1ビットを有する。1つのオクテット内の「TAG ID」フィールド、「LINK ID」フィールド、および3つの「R」フィールドをその1つのオクテット内で任意に配列できることが、明らかである。
【0068】
図4(e)は、可変サイズ(例えば3からm+2オクテット、ただしmは1から8までの整数)を有し、(例えば第1の実施形態の第2の下位実施形態に関して)(TAG IDによって示される)TAGの(所定のリンクを表すLINK0からLINK7のうちの1つによって示される)リンクによって識別される1つのリンクにそのそれぞれが関連付けられた1つまたは複数のTACを示す、TAC MAC CEの第5の例を示す。LINKi(i=0から7)が1に設定される場合、TAG IDによって示されるTAGのLINKiに関連付けられたTACが含まれ、一方、LINKi(i=0から7)が0に設定される場合、TAG IDによって示されるTAGのLINKiに関連付けられたTACは含まれない。換言すれば、mは、1に設定されているLINKi(i=0から7)の数に等しい。図4(e)のTAG IDフィールドは2ビットを有する。図4(e)の各LINK IDフィールドは1ビットを有する。図4(e)の各TAコマンドフィールドは8ビットを有する。図4(e)の各R(予約)フィールドは1ビットを有する。異なるTAG IDを有する複数のTAGのTACを示すために、Oct1からOct m+2を反復することができる。
【0069】
各フィールドのビット数(例えばLINK IDフィールドのビット数、TAG IDフィールドのビット数など)は、図4(a)から図4(e)に示すTAC MAC CEの各例に示されたビット数に限定されず、実際の使用に従って調整することができ、というのも、TAC MAC CEは可変サイズを有することができるためである。
【0070】
第2の実施形態の第3の下位実施形態によれば、DL TRP(またはDLビームセット)受信がULパネル(またはULビームセット)送信に関連付けられない場合、TACを示すために使用されるMAC RARが強化される。
【0071】
レガシーMAC RARは、RACH手順内で1つのTAをUEに示すことができ、その場合、その1つのTAは1つのTAGのためのもの(すなわち1つのセルのためのもの)である。リンクにそのそれぞれが関連付けられる複数のTAがMAC RARによってUEに示されなければならないとき、レガシーMAC RARは、強化されるために必要である。
【0072】
具体的には、新規のMAC RARは、TACに関連するリンクを、例えばリンクのリンクIDを含むことによって識別すべきである。それに加えて、MAC RARは、例えば1つのリンクIDフィールドによって識別される1つのリンクに関連付けられたTAをそのそれぞれが示す1つまたは複数のTACフィールドを含んでもよい。新規のMAC RARはまた、(例えば第1の実施形態の第2および第4の下位実施形態に従って)TAを識別する際にTAGが使用される場合、例えばTAG IDを含むことによってTAGを識別すべきである。
【0073】
第2の実施形態の第2の下位実施形態において提案された新規のTAC MAC CEと同様に、新規のMAC RARは、固定サイズまたは可変サイズを有することができる。それに加えて、新規のTAC MAC CEが固定サイズを有するか、それとも可変サイズを有するかは、異なるLCIDによって識別することができる。
【0074】
レガシーMAC RAR内に収容された既存のフィールド(例えば「Temporary C-RNTI」フィールドおよび/または「R」フィールド)を、新たな目的を有するように構成することができる。例えば、それらを使用して、RARペイロードの長さもしくはTACフィールドの数もしくはTACが示されるリンク数を示すことができ、または1つもしくは複数のTACフィールドが含まれるかどうかを示すことができる。
【0075】
ついでながら、(例えば第1の実施形態の第3の下位実施形態に従ってTAGが再使用される条件下で)レガシーMAC RARが受信される場合、レガシーMAC RAR内に収容されたTACは、プライマリリンクに関連付けられたTAを示すものとして決定される。
【0076】
オプションで、PDCCH指示によって開始されるRACH手順を、リンクにそのそれぞれが関連付けられる1つまたは複数のTAをUEが取得できることを示すように強化することができる。これは、新規のDCIフォーマットを導入することによって、またはDCIフォーマット1_0をいくつかの新規フィールドを追加することにより再使用することによって、達成することができる。別法として、これは、RACH手順を開始するようにRRCまたはMACシグナリングを設計することによって、または新規の手順を導入することによって、達成することもできる。
【0077】
上述した第2の実施形態では、TAがTACによって示される。別法として、プライマリリンクまたは示されたリンクまたは構成されたリンクについてのみ、TAがTACによって直接示される。一方、プライマリリンクまたは示されたリンクまたは構成されたリンクと比べたデルタ値を使用して、他のリンクのTAを示すことができる。例えば他のリンクのTA=デルタ値+プライマリリンクのTAである。
【0078】
第3の実施形態は、TATの強化に関する。
【0079】
TAT(例えばtimeAlignmentTimer)は、RRCシグナリングによって構成される、1つのリンクに関連付けられる(すなわちそのリンクのTAに関連する)タイマ、または複数のリンクに関連付けられる(すなわちその複数のリンクのそれぞれのリンクのTAに関連する)タイマである。TATが実行中であり、かつTATが満了する前に、そのTATに関連するリンクのTAは有効である。
【0080】
(1)TATの開始および停止
【0081】
1つまたは複数のリンクに関連付けられたTATが実行中であるとき、そのリンクの(新規の)TAを示す(新規の)TACがRAR内で受信されたとき、受信されたTACは無視されるべきである。
【0082】
UEがリンクのTAを適用することを決定したとき、1つまたは複数のリンクに関連付けられたTATが開始される。例えば、リンクのTACが受信されたとき、リンクに関連付けられた(すなわちそのTACによって示されるTAに関連する)TATが開始される。
【0083】
競合解決が不成功と見なされるとき、リンクに関連付けられたTATが停止される。
【0084】
それに加えて、SI要求について競合解決が成功と見なされるとき、UE競合解決識別子(Contention Resolution Identity)MAC CEを含むMAC PDUのためのHARQフィードバックを送信した後で、リンクに関連付けられたTATが停止される。
【0085】
(2)TATが実行中ではないときの挙動
【0086】
リンクに関連付けられたTAT(timeAlignmentTimer)が実行中ではないとき、(UEの)MACエンティティは、ランダムアクセスプリアンブルおよびMSGA送信を除き、そのリンク上でのどんな上りリンク送信も実施するものではない。
【0087】
それに加えて、プライマリリンクに関連付けられたTAT(timeAlignmentTimer)(構成されている場合)が実行中ではないとき、(UEの)MACエンティティは、SpCell上またはプライマリリンク上でのランダムアクセスプリアンブルおよびmsgA(メッセージA)送信を除き、どんなサービングセル上でのどんな上りリンク送信も、他のどんなリンク上でのどんな上りリンク送信も実施するものではない。
【0088】
(3)TAT(timeAlignmentTimer)が満了したときの挙動
【0089】
(3-1)リンクに関連付けられたTATが満了した場合、実行中のTAGに関連する任意のTATがあるときは、満了したTATに関連するリンク上で上りリンク送信を実施してはいけない。
【0090】
PTAGのリンクに関連付けられた全てのTATが満了した場合、次のステップが実施される:全てのサービングセルについて全てのHARQバッファをフラッシュする;構成されている場合、全てのサービングセルについてPUCCHを解放するようにRRCに通知する;構成されている場合、全てのサービングセルについてSRSを解放するようにRRCに通知する;構成された下りリンク割当ておよび構成された上りリンクグラントがあればそれをクリアする;セミパーシステントCSI報告のためのPUSCHリソースがあればそれをクリアする;実行中の全てのtimeAlignmentTimerを満了したものと見なす;全てのTAGの、TS 38.211 [8]において規定されているNTAを維持する。
【0091】
STAGの(すなわちPTAGのではなく)のリンクに関連付けられた全てのTATが満了した場合、そのSTAGに属する全てのサービングセルについて、次のステップが実施される:全てのHARQバッファをフラッシュする;構成されている場合、PUCCHを解放するようにRRCに通知する;構成されている場合、SRSを解放するようにRRCに通知する;構成された下りリンク割当ておよび構成された上りリンクグラントがあればそれをクリアする;セミパーシステントCSI報告のためのPUSCHリソースがあればそれをクリアする;そのSTAGの、TS 38.211 [8]において規定されているNTAを維持する。
【0092】
満了したTATが、構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられている場合、そのULリソース上での送信が一時停止され、またはそのリンクに関連付けられたリソースがクリアされる。
【0093】
さらに、満了したTATが、構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられている場合、かつ実行中の他のリンクに関連付けられた任意のTATがある場合、そのULリソース上での送信が一時停止され、またはそのリンクに関連付けられたリソースがクリアされる。
【0094】
TAGのリンクに関連付けられた全てのTATが満了した場合、そのTAGに関連する事前構成されたリソースを全てクリアする。
【0095】
図5は、本出願による方法500の一実施形態を示す概略フローチャート図である。いくつかの実施形態では、方法500は、遠隔ユニット(UE)などの装置によって実施される。いくつかの実施形態では、方法500は、プログラムコードを実行するプロセッサ、例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、CPU、GPU、補助処理装置(auxiliary processing unit)、FPGAなどによって実施されてもよい。
【0096】
方法500は、UEによって実施されてもよく、502ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、504トランシーバから受信した情報から、ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することとを含んでもよい。方法は、1つまたは複数のタイマを受信することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、その1つまたは複数のリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する、受信することをさらに含んでもよい。具体的には、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0097】
何らかの実施形態では、方法は、多重TAメンテナンスをサポートするUEケイパビリティを送信することをさらに含んでもよい。
【0098】
何らかの実施形態では、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0099】
初期アクセスを実施するために使用されるリンクが、プライマリリンクである。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。1つまたは複数の他のリンクが、セカンダリリンクである。各セカンダリリンクは、1つまたは複数のセルに関連付けられてもよい。
【0100】
各TAは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示されてもよい。下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから受信したTACは、そのDL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはそのDLビームに関連付けられたULビームに適用されてもよい。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される。TAC MAC CEは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。別法として、リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクのTACとして決定される。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される。MAC RARは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。
【0101】
構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられたタイマが満了した場合、そのULリソース上での送信が一時停止されてもよく、またはそのリンクに関連付けられたリソースがクリアされてもよい。
【0102】
図6は、本出願による方法600のさらなる実施形態を示す概略フローチャート図である。いくつかの実施形態では、方法600は、ベースユニット(base unit)またはネットワークデバイスなどの装置によって実施される。いくつかの実施形態では、方法600は、プログラムコードを実行するプロセッサ、例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、CPU、GPU、補助処理装置、FPGAなどによって実施されてもよい。
【0103】
方法600は、ネットワークデバイスによって実施されてもよく、602ユーザ機器(UE)からネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成することであって、各TAが、ネットワークデバイスとUEとの間のリンクに関連付けられる、生成することと、604複数のTAに関係する情報をUEに送信することとを含んでもよい。方法は、1つまたは複数のタイマを生成することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、その1つまたは複数のリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する、生成することと、1つまたは複数のタイマをUEに送信することとをさらに含んでもよい。具体的には、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0104】
何らかの実施形態では、方法は、多重TAメンテナンスをサポートするUEケイパビリティを受信することをさらに含んでもよい。
【0105】
何らかの実施形態では、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0106】
初期アクセスを実施するために使用されるリンクが、プライマリリンクである。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。1つまたは複数の他のリンクが、セカンダリリンクである。各セカンダリリンクは、1つまたは複数のセルに関連付けられてもよい。
【0107】
各TAは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示されてもよい。下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから送信されたTACは、そのDL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはそのDLビームに関連付けられたULビームに適用されてもよい。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される。TAC MAC CEは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。別法として、リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクのTACとして決定される。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される。MAC RARは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。
【0108】
図7は、一実施形態による装置を示す概略ブロック図である。
【0109】
図7を参照すると、UE(すなわち遠隔ユニットまたは端末デバイス)が、プロセッサと、メモリと、トランシーバとを含む。プロセッサは、図5において提案された機能、プロセス、および/または方法を実装する。
【0110】
UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサが、トランシーバを介して、ネットワークへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を受信することであって、各TAが、ネットワークのセルに関連付けられたリンクに関連付けられる、受信することと、トランシーバを介して受信した情報から、ネットワークの1つまたは複数のセルへの上りリンク送信を実施するための各TAを決定することとを行うように構成される。プロセッサは、トランシーバを介して、1つまたは複数のタイマを受信することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、その1つまたは複数のリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する、受信することを行うようにさらに構成されてもよい。具体的には、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0111】
何らかの実施形態では、プロセッサは、トランシーバを介して、多重TAメンテナンスをサポートするUEケイパビリティを送信することを行うようにさらに構成される。
【0112】
何らかの実施形態では、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0113】
初期アクセスを実施するために使用されるリンクが、プライマリリンクである。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。1つまたは複数の他のリンクが、セカンダリリンクである。各セカンダリリンクは、1つまたは複数のセルに関連付けられてもよい。
【0114】
各TAは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示されてもよい。下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから受信したTACは、そのDL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはそのDLビームに関連付けられたULビームに適用されてもよい。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される。TAC MAC CEは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。別法として、リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクのTACとして決定される。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される。MAC RARは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。
【0115】
構成された上りリンクグラントまたはULリソースに関連するリンクに関連付けられたタイマが満了した場合、そのULリソース上での送信が一時停止されてもよく、またはそのリンクに関連付けられたリソースがクリアされてもよい。
【0116】
図7を参照すると、gNB(すなわちベースユニットまたはネットワークデバイス)が、プロセッサと、メモリと、トランシーバとを含む。プロセッサは、図6において提案された機能、プロセス、および/または方法を実装する。
【0117】
ネットワークデバイスは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサは、ユーザ機器(UE)からネットワークデバイスへの上りリンク送信のための複数のタイミングアドバンス(TA)に関係する情報を生成することであって、各TAが、ネットワークデバイスとUEとの間のリンクに関連付けられる、生成することと、トランシーバを介して、複数のTAに関係する情報をUEに送信することとを行うように構成される。プロセッサは、1つまたは複数のタイマを生成することであって、各タイマが、1つまたは複数のリンクに関連付けられるとともに、その1つまたは複数のリンクに関連付けられたTAの有効性を維持する、生成することと、1つまたは複数のタイマをUEに送信することとを行うようにさらに構成される。具体的には、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0118】
何らかの実施形態では、プロセッサは、多重TAメンテナンスをサポートするUEケイパビリティを受信することを行うようにさらに構成される。
【0119】
何らかの実施形態では、タイマは、リンクごとのタイミングアドバンスグループ(TAG)に、またはTAGごとのリンクに関係する。
【0120】
初期アクセスを実施するために使用されるリンクが、プライマリリンクである。プライマリリンクは、1つのセルに関連付けられてもよい。1つまたは複数の他のリンクが、セカンダリリンクである。各セカンダリリンクは、1つまたは複数のセルに関連付けられてもよい。
【0121】
各TAは、タイミングアドバンスコマンド(TAC)によって示されてもよい。下りリンク(DL)送受信点(TRP)またはDLビームセットから送信されたTACは、そのDL TRPに関連付けられた上りリンク(UL)パネルまたはそのDLビームに関連付けられたULビームに適用されてもよい。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するTAC媒体アクセス制御(MAC)コントロールエレメント(CE)内に収容される。TAC MAC CEは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。別法として、リンクを識別しないTAC MAC CE内に収容されたTACは、プライマリリンクのTACとして決定される。別法として、各TACは、そのTACに関連するリンクを識別するMACランダムアクセス応答(RAR)内に収容される。MAC RARは、論理チャネル識別子(LCID)を有するMACサブヘッダによって識別される固定サイズまたは可変サイズのものとすることができる。
【0122】
無線インターフェースプロトコルの層は、プロセッサによって実装されてもよい。プロセッサを駆動するためのさまざまな情報を記憶するために、メモリがプロセッサと接続される。無線信号を送信および/または受信するために、トランシーバがプロセッサと接続される。言うまでもなく、トランシーバは、無線信号を送信するためのトランスミッタおよび無線信号を受信するためのレシーバとして実装されてもよい。
【0123】
メモリは、プロセッサの内部または外部に位置付けられ、よく知られているさまざまな手段によってプロセッサと接続されてもよい。
【0124】
上述した実施形態では、実施形態の構成要素および特徴が、所定の形で組み合わされる。各構成要素または特徴は、別段の明示的な定めのない限り、オプションと見なすべきである。各構成要素または特徴は、他の構成要素または特徴と関連付けられないように実装されてもよい。さらに、実施形態は、いくつかの構成要素および/または特徴を関連付けることによって構成されてもよい。実施形態において説明した動作の順序は、変更されてもよい。任意の実施形態のいくつかの構成要素または特徴は、別の実施形態に含められてもよく、別の実施形態に対応する構成要素および特徴と置き換えられてもよい。特許請求の範囲において明示的に引用されていない請求項同士が組み合わされて、一実施形態を成すこと、または新たな請求項に含められることが、明らかである。
【0125】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せによって実装されてもよい。ハードウェアによる実装の場合、ハードウェア実装形態に従って、本明細書において説明した例示的な実施形態は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどを使用することによって実装されてもよい。
【0126】
実施形態は、他の特定の形で実践されてもよい。説明した実施形態は、あらゆる点で、例示的なものにすぎず、制限的なものではないと、見なすべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味および範囲に含まれる全ての変更は、特許請求の範囲に記載の範囲内に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0127】
#1 SpCell
#2、#3 SCell
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図4(d)】
図4(e)】
図5
図6
図7
【国際調査報告】