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特表2024-537763連続的な材料ウェブの厚さを測定するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】連続的な材料ウェブの厚さを測定するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/08 20060101AFI20241008BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G01B21/08 101
G01B11/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519038
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 DE2022100640
(87)【国際公開番号】W WO2023046228
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】21198570.0
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243439
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】524116298
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ハックフォート
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ランシング
(72)【発明者】
【氏名】カルステン クレイングリーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゲリット ワンティア
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065BB11
2F065BB15
2F065CC02
2F065CC31
2F065DD14
2F065FF09
2F065HH05
2F065HH14
2F065JJ05
2F065MM03
2F065PP16
2F069AA46
2F069BB20
2F069CC06
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG63
2F069JJ13
2F069PP06
(57)【要約】
本発明は、連続的な材料ウェブ、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブの厚さを非接触式に測定するための組立体に関し、該組立体は:接触体、特に少なくとも部分的に円筒状の接触体の表面に案内される材料ウェブ;及び該材料ウェブの厚さを測定するためのセンサ組立体を含み、少なくとも1つの第1のセンサが該材料ウェブ上面に向けられ、該第1のセンサの反対側に延在する少なくとも1つの第2のセンサが該材料ウェブ底面に向けられている。本発明は、前記第2のセンサが、材料ウェブと接触体との間の接触領域の下に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブ(2)の非接触厚さ測定のための装置(1)であって:
特に少なくとも部分的に円筒状の接触体(3)の表面に案内される材料ウェブ(2);
該材料ウェブの厚さ(t)を測定するためのセンサ組立体(4)であって、少なくとも1つの第1のセンサ(5)が材料ウェブ上面(7)に向けられ、少なくとも1つの第2のセンサ(6)が該第1のセンサ(5)の反対側の材料ウェブ底面(8)に向けられている、前記センサ組立体(4);を備え、
該第2のセンサ(6)が、該材料ウェブ(2)と該接触体(3)との接触領域よりも下に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする、前記装置(1)。
【請求項2】
前記第2のセンサ(6)が、前記円筒状ローラ体(3)の断面(A)と少なくとも部分的に重なり、回転軸(R)と該円筒状ローラ体(3)の表面との間に配置されている、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第2のセンサ(6)の検出領域が、前記接触体の下面、特に前記円筒状ローラ体(3)の内面を少なくとも部分的に含む、請求項1又は2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記円筒状ローラ体(3)が、前記第2のセンサ(6)が収容される空洞部(9)を有する、請求項1~3のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項5】
前記円筒状ローラ体(3)が、スリーブ状の形態に形成されている、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項6】
前記接触体(3)、特に前記円筒状ローラ体(3)の表面が、前記第2のセンサ(6)の検出領域の少なくとも一部において、少なくとも1つの貫通部(10)を有する、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項7】
前記貫通部(10)が、前記円筒状ローラ体(3)の表面に沿って実質的に接線方向に延在する、請求項6記載の装置(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの中断部を有する前記貫通部(10)が、前記円筒状ローラ体(3)の全周にわたって延在する、請求項6又は7記載の装置(1)。
【請求項9】
前記円筒状ローラ体(3)の表面が、複数の平行に離間した貫通部(10)を有する、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項10】
前記円筒状ローラ体(3)の表面が、篩構造を有する、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項11】
前記センサ(5、6)が、前記材料ウェブの移動方向(X)に対して静止して配置されている、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項12】
前記センサ(5、6)が、前記材料ウェブの移動方向(X)に対して横方向に調整することができる少なくとも1つのリニアガイド(11)に取り付けられている、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項13】
前記円筒状ローラ体(3)が、薄いリング軸受を介してその端面で取り付けられている、前記請求項のいずれか一項記載の装置(1)。
【請求項14】
連続的な、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブ(2)の非接触厚さ測定の方法であって:
特に少なくとも部分的に円筒状の接触体(3)上に材料ウェブ(2)を案内するステップ;
第1のセンサ(5)による材料ウェブ上面(7)の検出と第2のセンサ(6)による材料ウェブ底面(8)の検出を同時に行うステップであって、両方のセンサ(5、6)の検出領域が互いに整合し、該第2のセンサ(6)が、該材料ウェブ(2)と該接触体(3)との間の接触領域よりも下に少なくとも部分的に配置される、ステップ;
該第1及び第2のセンサ(5、6)の取得したセンサ値を使用して、該ウェブの厚さ(t)を決定するステップを含む、方法。
【請求項15】
前記材料ウェブ(2)が、前記円筒状ローラ体(3)によって偏向される、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的な、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブの非接触厚さ測定のための装置に関し、該装置は:
特に少なくとも部分的に円筒状の接触体の表面に案内される材料ウェブ;
該材料ウェブの厚さを測定するためのセンサ装置であって、少なくとも1つの第1のセンサが材料ウェブ上面に向けられ、少なくとも1つの第2のセンサが、該第1のセンサの反対側の材料ウェブ底面に向けられている、センサ装置を備える。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願番号10 2019 121959 B4の文献により、プラスチックフィルムを製造する方法が公知であり、この方法では、溶融プラスチック材料がフラットノズルから搬送方向に吐出され、次いで冷却され、該フラットノズルは、該プラスチックフィルムの幅方向において、互いに隣接するいくつかのノズルボルト(Dusenbolzen)を有する。溶融プラスチック材料の吐出ギャップの大きさに影響を与え得るため、製造されるプラスチックフィルムの厚さの測定用の測定装置は、平坦なノズルの後方の搬送方向に配置されている。しかしながら、フィルムの厚さを測定するための測定装置は、搬送方向において昇降ローラの後方に配置されている。この配置には、フィルムが、支持装置を備えていない測定部位で自由浮動するため、振動や揺らぎが発生することがあり、測定結果が歪曲される可能性があるという不都合な点がある。
【0003】
欧州特許出願番号0 472 872 A3の文献により、被覆装置によってウェブに塗布される被覆の厚さを決定する方法及び装置が公知である。塗布ローラ上でキャリアウェブに塗布された被覆の厚さは、塗布ローラと被覆されるべきウェブとの接触領域の前方及び後方で測定され、該ウェブの厚さから除算された被覆の厚さが、測定されたフィルム厚の差から決定される。しかしながら、開示された装置には、測定結果が塗布ローラの同心性及び振動に依存するという不都合な点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、より正確な測定結果が得られるように、フィルム厚を測定するための装置又は方法を改善するという目的に基づいている。
【0005】
この目的は、本独立請求項の特徴を有する装置又は方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、第2のセンサが、材料ウェブと接触体との間の接触領域の下に少なくとも部分的に配置されるものとする。従って、本発明は、一方では、フィルムが厚さ測定の領域で接触体によって支持され、また一方では、フィルムの振動が回避されるという利点を有する。また、接触体によって誘発される影響変数は、フィルムの上面及び下面のフィルム厚を同時に測定することによって自動的に計算される。接触体が、平坦な接触領域を有するものとしてもよい。また、接触体が、少なくとも部分的に凸状の接触領域を有するものとしてもよい。具体的には、材料ウェブ下面が、接触領域において接触体の表面を通過して案内されるものとする。材料ウェブが所定の尺度で接触領域を通って偏向され、それにより、接触領域の前の材料ウェブと該接触領域の後の該材料ウェブとが0°を超える角度を成すものとしてもよい。具体的には、厚さ測定の領域における材料ウェブが、特に接触体によって少なくとも部分的に支持されるものとすることができる。材料ウェブは、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆されたフィルムであり得る。厚さ測定の範囲は、互いに対向するセンサの重複する検出範囲によって規定することができる。複数の対向するセンサ対が、材料ウェブの幅にわたって配置されるものとしてもよい。具体的には、各センサ対のセンサが、材料ウェブと接触体との間の接触領域の下に少なくとも部分的に配置されるものとしてもよい。センサを、距離を測定するよう設計するものとしてもよい。第1のセンサと材料ウェブ上面との距離を検出するための第1のセンサ、及び第2のセンサと材料ウェブ底面との距離を検出するための第2のセンサが形成されるものとしてもよい。第1のセンサ及び第2のセンサが、互いに所定の距離に配置されるものとしてもよい。
【0007】
従って、材料ウェブの厚さは、互いに対するセンサの所定の距離と第1及び第2のセンサの2つの測定距離の合計との差から計算することができる。
【0008】
第2のセンサが、円筒状ローラ体の断面と少なくとも部分的に重なり、回転軸と該円筒状ローラ体の表面との間に配置されるものとしてもよい。第2のセンサが、円筒状ローラ体の断面積内に完全に位置するものとしてもよい。
【0009】
また、第2のセンサの検出領域が、接触体の下面、特に円筒状ローラ体の内面を少なくとも部分的に含むものとすることもできる。第2のセンサの検出装置が、接触体の下面又は内面に面するものとしてもよい。第1のセンサの検出装置が、材料ウェブ上面に向けられるものとしてもよい。第1センサの検出範囲と第2のセンサの検出範囲が互いに正反対であるものとしてもよい。
【0010】
加えて、円筒状ローラ体が、第2のセンサが収容される空洞部を有するようにすることができる。空洞部は、円筒状ローラ体内の第2のセンサが、該第2のセンサの周りを回転する該円筒状ローラ体と接触することなく静止して配置できるような寸法にすることができる。さらに、円筒状ローラ体は、スリーブ状であり得る。円筒状ローラ体は、移動する材料ウェブが、特にすべることなく、その上を転がるように回転可能に取り付けることができる。円筒状ローラ体は、ガルバナイズ処理により製造することができる。
【0011】
円筒状ローラ体の表面が、第2のセンサの検出範囲内の少なくとも一部に少なくとも1つの貫通部を有するものとしてもよい。材料ウェブが貫通部を過ぎて案内されるものとしてもよい。貫通部が空洞部に通じることが意図され得る。
【0012】
また、貫通部が、円筒状ローラ体の表面に沿って実質的に接線方向に延在するものとしてもよい。その結果、貫通部は、該貫通部を過ぎて延出した材料ウェブに沿って該材料ウェブの移動方向に延在させることができる。貫通部は、幅を0.5cmよりも大きくしてもよい。貫通部は、円筒状ローラ体の材料における凹部であるものとしてもよい。
【0013】
加えて、貫通部が、円筒状ローラ体の全周の周囲に少なくとも1つの中断部を備えて延在するものとしてもよい。貫通部は、特に周期的に離間し、2つ、3つ、又は4つの中断部を有するものとしてもよい。外周上に分布する貫通部はそれぞれ、同じ長さを有することができる。中断部は、この領域に円筒状ローラ体の少なくとも1つの材料ウェブが供給され、それによって該円筒状ローラ体の構造が安定することを特徴とし得る。
【0014】
円筒状ローラ体の表面が、複数の平行に離間した貫通部を有するものとしてもよい。貫通部間の距離は同じにすることができる。貫通部は、バー状のスペーサーによって互いに離間させることができる。貫通部が、ウェブ状の間隔要素よりも広い幅を有するものとしてもよい。
【0015】
また、接触体、特に円筒状ローラ体の表面が篩構造を有するものとすることができる。この篩構造は、接触体、特に円筒状ローラ体の表面に、特に規則的に分布した複数の貫通部を有するものとしてもよい。貫通部は、細長くすることができる。この貫通部は、円形にすることができる。この貫通部は、楕円形にすることができる。貫通部は、角度を付けることができる。貫通部は、正方形にすることができる。貫通部は、長方形にすることができる。貫通部は、四辺形にすることができる。貫通部は、ハニカム状にすることができる。接触体の総表面積に対する貫通部の面積割合は、50%超、好ましくは60%超、特に好ましくは70%超であり得る。
【0016】
加えて、センサが、材料ウェブの移動方向に対して横方向に調整することができる少なくとも1つのリニアガイドに取り付けられようにすることができる。このリニアガイドは、電動で調整することができる。リニアガイドはまた、手動調整のための手段も備えることもできる。リニアガイドにより、センサ装置を材料ウェブの移動方向に対して横方向に調整して、該材料ウェブ上の様々な位置で厚さ測定を行うことが可能である。この装置は、リニアガイドを制御できる制御装置を有し得る。例えば、センサ組立体は、2つのセンサ対を含み得、これらのセンサは、互いに離間して、材料ウェブの移動方向に対して垂直に配置することができ、且つ該材料ウェブに対して垂直に直線的に調整可能である。センサ装置のセンサ対が、所定又は所望の材料の厚さの逸脱を検出したら、該センサ装置が検出された逸脱の方向に横方向に調整されるように、リニアガイドを制御することができる。さらに、制御は、最大許容逸脱厚さを超えると緊急停止を開始させ、例えば、さらなる材料の供給を停止することを含み得る。
【0017】
さらに、円筒状ローラ体を薄いリング軸受を介してその端面で取り付けるものとすることができる。別法では、高い同心度精度を保証する任意の追加の軸受を使用して、円筒状ローラ体を支持することもできる。
【0018】
さらに、センサが材料ウェブの移動方向に対して静止して配置されるようにすることができる。これにより、センサ組立体が、通過する材料ウェブの厚さを連続的に検出することが可能になる。さらに、センサが、材料ウェブの移動方向に対して横方向に連続的又は不連続的に調整されるようにすることができる。センサ組立体が、材料ウェブの外縁が到達するまで一方向に調整され、次いで、該材料ウェブの反対側の縁が到達するまで逆方向に調整されるものとしてもよい。
【0019】
本発明はまた、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブの非接触厚さ測定の方法に関し、この方法は:
特に少なくとも部分的に円筒状の接触体に材料ウェブを案内するステップ;
第1のセンサによる材料ウェブ上面の検出と第2のセンサによる材料ウェブ底面の検出を同時に行うステップであって、両方のセンサの検出範囲が互いに整合し、該第2のセンサが、該材料ウェブと該接触体との間の接触領域の下に少なくとも部分的に配置される、ステップ;
該第1及び第2のセンサの取得したセンサ値を使用して、該材料ウェブの厚さを決定するステップを含む。
【0020】
材料ウェブが接触体によって偏向されるようにすることができる。材料ウェブを通過させて偏向を生じせることにより、該材料ウェブが接触領域で接触体に支持され、該材料ウェブの振動が確実に回避されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の例示的な実施態様を、以下の図を参照して説明する。
【0022】
図1】(a)材料ウェブの厚さを検出するための従来技術から公知の第1の方法の断面図。(b)材料ウェブの厚さを検出するための従来技術から公知の第2の方法の断面図。
図2】(a)材料ウェブの厚さを検出するための従来技術から公知の第3の方法の断面図。(b)ウェブの厚さを検出するための従来技術から公知の第4の方法の断面図。
図3】材料ウェブの厚さを検出するための本発明による方法の実施態様の断面。
図4】材料ウェブの厚さを検出するための本発明によるセンサ装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1a及び図1bは、連続的な厚さ測定のための装置1を示し、この装置では、材料ウェブ2の厚さ測定は、光カーテン12によって行われ、材該料ウェブによって生じる陰影領域13は、該材料ウェブの厚さtを決定するための基礎となる。図1aでは、センサ装置4は、光カーテン12がローラ3の上面と面一になるように配置され、該ローラ3が該光カーテン12を直接遮断しないように、その上に材料ウェブ2が案内される。材料ウェブがセンサ組立体4の検出領域に案内されると、ローラ上面から突き出た該材料ウェブ2が、光カーテン12を遮断するため、該材料ウェブ2の材料の厚さtが陰影領域13の幅に一致する。以前に記録されたローラの振れ特性が、これから差し引かれる。しかしながら、この装置の不都合な点は、材料ウェブの厚さをローラ3の同心度トポグラフィーから間接的にしか計算できないことである。何らかの理由でローラ3の移動特性が変化すると、測定公差が生じる。
【0024】
図1bは、図1aの構造と比較してわずかに修正された、材料ウェブ2の厚さtを決定するための検出方法を示す。この検出方法では、センサ装置4は、材料ウェブを越えた光カーテン12がローラ3の縁部も検出するように配置されているため、たとえ該材料ウェブ2が存在しなくても、常に所定の陰影領域13が常に生じる。しかしながら、この方法の不都合な点は、ローラ3の公差が常に測定公差に含まれるため、この場合、材料ウェブ2の厚さtを測定結果から間接的にしか導き出すことできないことである。ローラ3の公差は、材料ウェブ2の隣の測定点と該材料ウェブ2上の測定点の同心度及び円筒度の逸脱によって決定される。
【0025】
図2a及び図2bは、材料ウェブ2の厚さtを検出するための従来技術から公知の2つのさらなる方法を示す。図2aの構造は、回転ローラ3によって材料の移動方向Xに案内される材料ウェブ2に対して垂直に向けられたセンサ装置4を含む。材料の厚さtは、センサによって放出される光線が材料の上面7及び他方の材料の底面8で反射される三角測量によって決定され、該材料の厚さtは、異なる反射光線の変位差に対応する。保存されたローラの振れ特性が差し引かれる。しかしながら、この装置の不都合な点はまた、材料ウェブの厚さtをローラ3の同心度トポグラフィーから間接的にしか計算できないことである。何らかの理由でローラ3の移動特性が変化すると、測定公差が生じる。
【0026】
これに対して、図2bに示す構造は、2つの偏向ローラ3を含み、該ローラによって材料ウェブ2が連続的に通過する。センサ組立体4が、偏向ローラ3間に配置され、該センサ組立体は、材料ウェブ上面7に向けられた第1のセンサ5及び該材料ウェブ底面8に向けられたセンサ6を有し、これらのセンサはそれぞれ、材料ウェブ2に対して垂直に配置され、且つ両方のセンサ5、6の検出領域が整合している。しかしながら、この装置の不都合な点は、自由浮動する材料ウェブが振動又は揺らぎやすいことである。スムーズな移動が、材料ウェブの公差によって妨げられる。
【0027】
図3は、特に可撓性、弾性、且つ/又は被覆された材料ウェブ2の非接触厚さ測定のための本発明の装置1の実施態様の断面図を示す。この装置は、円筒状ローラ体3を備え、該ローラ体3は、スリーブ状であり、連続した空洞部9を有する。ローラ体3は、円形の断面A及び回転軸Rを有する。材料ウェブ2は、円筒状ローラ体3の外側上面によって移動方向Xに案内され、該材料ウェブ2は、該円筒状ローラ体3によって偏向され、この上を滑らずに転がる。装置1は、材料ウェブ上面7に向けられた第1のセンサ5、及び材料ウェブ底面8に向けられた第2のセンサ6を有するセンサ装置4をさらに備える。センサは、検出装置を備え、その検出方向は、材料の表面又は底面に垂直である。両方のセンサ5、6の検出範囲は、材料ウェブ2の厚さtがその主な伝播方向に対して垂直に測定されるように、互いに正確に整合されている。第2のセンサ6は、円筒状ローラ体3の空洞部9内に配置され、円筒状ローラ装置3の外周とその回転軸Rとの間に位置する。円筒状ローラ体3は、その表面に複数の貫通部10を有し、これらの貫通部はそれぞれ、空洞部9に通じている。貫通部10は、ローラ体3の表面に沿って実質的に接線方向に延在するため、該円筒状ローラ体3が回転すると、センサ6の検出領域が、該円筒状ローラ体3の最大時間又は周方向部分にわたり、材料ウェブ底面8が、貫通部10を介して検出される。従って、円筒状ローラ体3は、基本的には篩構造を有するスリーブである。円筒状ローラ体3は、高い同心度精度を有し、ガルバナイズ処理により製造することができる。従って、本発明による装置の大きな利点は、材料ウェブ2が、円筒状ローラ体3によって両方のセンサ5、6の検出範囲で支持されるため、自由浮動する材料ウェブでのようには振動が生じ得ないことである。同時に、材料ウェブ2の上面7と底面8での検出が同時に行われるため、円筒状ローラ体3の同心度の誤差を常に排除することができる。
【0028】
図4は、本発明による装置1の実施態様の斜視図を示す。図から分かるように、円筒状ローラ体3は、複数の均一な貫通部10を有するスリーブの形態に形成されている。スリーブ3は、回転軸Rを有し、図示されていないが、薄いリング軸受を介してそれぞれの前面で取り付けられている。スリーブ3は、移動方向Xに移動又は回転するようにされている。分かりやすくするために、材料経路2は図に示されていない。貫通部10は、6つの等間隔のスロットがスリーブ3の外周にわたって分布するように設計され、これらのスロットは、短い材料ウェブによって互いに離隔されている。スリーブは、軸移動方向において、外周にわたって分布する複数の貫通部10を有し、これらの貫通部はそれぞれ、横方向に互いに規則的に離隔されている。貫通部10はそれぞれ、回転軸Rに対して垂直にさらに延びている。スリーブ3は、断面Aを取り囲み、空洞部9を有する。センサ組立体4は、センサキャリア17に取り付けられ、該センサキャリア17は、U字状にその縁領域にわたってキャリアアーム18によってスリーブ3に係合し、互いに横方向に離隔された、該センサキャリア17に取り付けられた2つの第1のセンサ5が、スリーブ3の外面に向けられ、横方向に間隔された、第1のセンサ5の反対側にある2つの第2のセンサ6が、スリーブ3の内面に向けられている。この場合、第1のセンサ5はそれぞれ、外側キャリアアーム18に取り付けられ、第2のセンサ6はそれぞれ、内側キャリアアーム18に取り付けられている。材料ウェブ2の移動方向Xに対して横方向にリニアガイド11を介して案内されるセンサキャリア17は、横方向に調整することができる。取っ手14は、センサキャリア17の両端部に取り付けられている。その結果、2つのセンサ対を、任意の位置で厚さ測定を行うことができるように、材料ウェブ2の全幅にわたって調整することができる。ヒンジ16を介したリニアガイド11はまた、カバー15にヒンジで固定され、該カバー15を、動作中のセンサ精度を高めるために折りたたんで、検出領域を暗くすることができる。カバー15はそれぞれ、該カバー15を操作するためのハンドル14を有する。
【0029】
上記の説明、図、及び特許請求の範囲に開示される発明の特徴は、個別及び任意の組み合わせの両方で本発明の実施に不可欠であり得る。
【0030】
参照符号一覧
1. 非接触厚さ測定のための装置
2. 材料ウェブ
3. 円筒状ローラ体
4. センサ装置
5. 第1のセンサ
6. 第2のセンサ
7. 材料ウェブ上面
8. 材料ウェブ底面
9. 空洞部
10. 貫通部
11. リニアガイド
12. 光カーテン
13. 影
14. 取っ手
15. カバー
16. ヒンジ
17. センサキャリア
18. キャリアアーム
A 断面
t 材料ウェブの厚さ
R 回転軸
X 材料ウェブの移動方向
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】