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特表2024-537778生物学的に活性なコラーゲンハイブリダイズペプチド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】生物学的に活性なコラーゲンハイブリダイズペプチド
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/78 20060101AFI20241008BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20241008BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20241008BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 38/39 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20241008BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 19/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20241008BHJP
   A61K 47/30 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20241008BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 17/02 20060101ALN20241008BHJP
   A61P 17/00 20060101ALN20241008BHJP
【FI】
C07K14/78
C07K19/00 ZNA
C07K14/47
A61K38/08
A61K38/10
A61K38/39
A61K47/64
A61K47/65
A61P43/00 105
A61P19/08
A61P19/04
A61K9/127
A61K9/107
A61K47/42
A61K47/30
A61K47/24
A61K47/46
A61K47/04
A61K8/64
A61P43/00 111
A61Q19/00
A61P17/02
A61P17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519338
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022077730
(87)【国際公開番号】W WO2023060218
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/253,473
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523102302
【氏名又は名称】スリーヘリックス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】3HELIX, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベニンク, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】カークネス, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー, ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ユ, マイケル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA95
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB24
4C076BB31
4C076CC09
4C076CC18
4C076CC19
4C076CC26
4C076CC41
4C076DD27
4C076DD63
4C076EE01
4C076EE41
4C076EE43
4C076EE56
4C076EE57
4C076EE59
4C076FF02
4C083AD411
4C083AD412
4C083CC02
4C083DD31
4C083DD35
4C083DD39
4C083DD45
4C083EE13
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA17
4C084BA18
4C084BA23
4C084BA41
4C084BA44
4C084CA59
4C084DA40
4C084MA16
4C084MA28
4C084MA58
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA961
4C084ZB211
4C084ZC201
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA40
4H045CA40
4H045EA20
(57)【要約】
修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)は、CHPに架橋した1つ又は複数の結合パートナーを含みうる。CHPは式(I):(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有する。1つ又は複数の結合パートナーは、インテグリン部位、インテグリン結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1、DDR2、SPARC結合ペプチド、フィブロネクチン結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位、カテプシンK(CATK)部位、及び破骨細胞関連受容体(OSCAR)からなる群から選択される。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)であって、CHPに架橋した1つ又は複数の結合パートナーを含み、式I:
(Gly-X-Y)a~b(式I)
(式中、Glyがグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つが、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aが3であり、bが20である)
により表される配列を有し、
前記1つ又は複数の結合パートナーが、インテグリン部位、インテグリン結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1、DDR2、SPARC結合ペプチド、フィブロネクチン結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位、カテプシンK(CATK)部位、及び破骨細胞関連受容体(OSCAR)からなる群から選択される、修飾されたCHP。
【請求項2】
前記1つ又は複数の結合パートナーがインテグリン部位を含む、請求項1に記載の修飾されたCHP。
【請求項3】
前記1つ又は複数の結合パートナーがインテグリン結合部位を含む、請求項1又は2に記載の修飾されたCHP。
【請求項4】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号1~16のうちのいずれか1つに対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むインテグリン結合部位を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項5】
前記インテグリン結合部位がインテグリンα1β1を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項6】
前記インテグリン結合部位がインテグリンα2β1を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項7】
前記インテグリン結合部位がインテグリンα10β1を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項8】
前記インテグリン結合部位がインテグリンα11β1を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項9】
前記1つ又は複数の結合パートナーが架橋部位を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項10】
前記1つ又は複数の結合パートナーが糖架橋部位を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項11】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号17に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む架橋部位を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項12】
前記1つ又は複数の結合パートナーがVWFを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項13】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、DDR1、DDR2、又はSPARC結合ペプチドを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項14】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号18~21のうちのいずれか1つに対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むVWF結合ペプチドを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項15】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号18~21のうちのいずれか1つに対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むDDR1、DDR2又はSPARC結合ペプチドを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項16】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、フィブロネクチン結合モチーフ又は配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項17】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号22又は23に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むフィブロネクチン結合モチーフを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項18】
前記1つ又は複数の結合パートナーが改変インテグリン結合モチーフを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項19】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号24又は25に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む改変インテグリン結合モチーフを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項20】
前記1つ又は複数の結合パートナーがMMP切断部位を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項21】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、配列番号26又は27に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むMMP切断部位を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項22】
前記CHPが、配列番号1~169からなる群から選択される配列を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項23】
1つの結合パートナーを有し、前記1つの結合パートナーが前記CHPのC末端に架橋している、請求項1~22のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項24】
1つの結合パートナーを有し、前記1つの結合パートナーが前記CHPのN末端に架橋している、請求項1~23のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項25】
2つの結合パートナーを有し、前記2つの結合パートナーのうちの一方が前記CHPのC末端に架橋しており、前記2つの結合パートナーのうちの他方が前記CHPのN末端に架橋している、請求項1~24のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項26】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、N末端で前記CHPに結合しており、C末端で別のCHPに結合している、請求項1~25のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項27】
前記1つ又は複数の結合パートナーがCHPに直接架橋している、請求項1~26のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項28】
前記1つ又は複数の結合パートナーが、1つ又は複数のスペーサーを介してCHPに架橋している、請求項1~26のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項29】
前記修飾されたCHPの前記N末端にキャップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項30】
前記キャップがアセチル基(Ac)を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項31】
前記CHPが前記キャップに直接架橋している、請求項29又は30に記載の修飾されたCHP。
【請求項32】
前記キャップと前記CHPとの間に1つ又は複数のスペーサーを含む、請求項29又は30に記載の修飾されたCHP。
【請求項33】
前記キャップと前記1つ又は複数の結合パートナーとの間に1つ又は複数のスペーサーを含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項34】
前記1つ又は複数の結合パートナーが前記キャップに直接架橋している、請求項29~32のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項35】
前記CHPが、前記キャップ-前記スペーサー-CHP-結合パートナー-CHPを含む、請求項29~34のいずれか一項に記載の修飾されたCHP。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の修飾されたCHPを含む組成物。
【請求項37】
前記修飾されたCHPが、他の修飾されたCHPと三重らせんを形成しない、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
担体をさらに含む、請求項36又は37に記載の組成物。
【請求項39】
化粧用組成物であり、前記担体が、ミセル、樹状突起、脂質、マイクロエマルション、ナノエマルション、固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質担体、リポソーム、トランスファーソーム、エトソーム、ニオソーム、コラーゲンマトリックス、細胞外マトリックス、及び人工細胞外マトリックスからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項36~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
対象におけるコラーゲン生成を増大させる方法であって、請求項36~39のいずれか一項に記載の化粧用組成物の前記修飾されたCHPを前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項41】
前記投与するステップが、注射、マイクロダーマル注射、又は局所適用により実施される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
対象におけるMMP生成を減少させる方法であって、請求項36~39のいずれか一項に記載の化粧用組成物の前記修飾されたCHPを前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項43】
前記投与するステップが、注射、マイクロダーマル注射、又は局所適用により実施される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
対象における皮膚修復を誘導する方法であって、請求項36~39のいずれか一項に記載の化粧用組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項45】
前記投与するステップが、注射、マイクロダーマル注射、又は局所適用により実施される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又は間葉系幹細胞(MSC)の細胞発現を調節する方法であって、請求項1~35のいずれか一項に記載の修飾されたCHPを、骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞及びMSCのうちのいずれか1つに接触させるステップを含む、方法。
【請求項47】
前記細胞発現が、コラーゲン、MMP、及び細胞外マトリックスタンパク質のうちの1つ又は複数の発現を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又はMSCを取り巻く微小環境における、非三重らせんコラーゲン濃度を減少させるステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又はMSCにおけるコラーゲン発現を増大させるステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
投与するステップが、局所注射、静脈内注射、局所適用、又は物理的適用により実施される、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記修飾されたCHPが、パテ、メッシュ、パッチ、接着剤、クリーム、縫合糸、又は点眼剤として投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記修飾されたCHPが担体とともに投与される、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記担体が、コラーゲン、細胞外マトリックス、人工細胞外マトリックス、ポリマー担体、タンパク質担体、鉱物、グリコサミノグリカン(GAGS)、生体活性ガラス、リポソーム、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項52に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]コラーゲン恒常性は、コラーゲンの合成及び分解の両方を伴う複雑な過程である。コラーゲン恒常性は主に、線維芽細胞と呼ばれる細胞の特殊化した群により厳密に制御される。線維芽細胞は、化学シグナル、細胞対細胞外マトリックス(ECM)相互作用、UV光及び力などの環境条件に応答して、コラーゲン及びマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の両方を生成する。最も豊富なECMタンパク質はコラーゲンである。コラーゲンは、線維芽細胞、MMP、カテプシンK、又はインテグリン、ディスコイジンドメイン受容体、破骨細胞関連受容体(OSCAR)及び他の多くのものを含む他の細胞型により認識されるための三重らせん形態となるのに必要な、存在する結合配列を有する。重要なことには、線維芽細胞は、インテグリンにより媒介されるコラーゲンとの相互作用を介して、機械的シグナルに応答する。
【0002】
[0002]変形性関節症などの疾患;老化などの自然事象(老化線維芽細胞老化);機械的刺激の減少;UV損傷、又は活性酸素種などの化学シグナルなどの環境因子などの多くの事象が、線維芽細胞に、コラーゲンの生成を減少させうる。コラーゲン合成の減少は、線維芽細胞にとって、相互作用するための周囲のコラーゲンが減少するため、機械的刺激の低減をしばしば引き起こす。この機械的刺激の減少は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)生成の増大を引き起こす可能性があり、実質的には、機械的刺激の低減がMMP生成の増大及びコラーゲン生成の減少を引き起こし、機械的刺激をさらに減少させる、負のフィードバックループを作り出す可能性がある。このことは、UV曝露の増大によるものであれ自然老化によるものであれ、老化した皮膚において皮膚線維芽細胞で起こりうる。同様の過程が、機械的に損傷コラーゲンを含有する、腱又は軟骨などの組織に起こりうる。
【0003】
[0003]線維芽細胞が結合するためのさらなる結合部位を与えることにより、この負のフィードバックループから線維芽細胞を逃がすことができる。微小環境に新たな機械的なきっかけを与えることで、コラーゲン生成が増大し、それにより正のフィードバックループを作り出すための、細胞にとっての機械的刺激が増大し、組織再生及び修復が促進される。ゆえに、ECMの構造上の完全性を回復させ、コラーゲン含有組織に対する損傷を修復するために、線維芽細胞を刺激してコラーゲン生成を増大させうる方法及び組成物が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一態様において、ECM成分、例えばコラーゲン及びMMPの生成を調節するために線維芽細胞を刺激する問題を解決するため、本開示は、修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)であって、CHPに架橋した1つ又は複数の結合パートナーを含む、修飾されたCHPを提供する。CHPは式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有する。1つ又は複数の結合パートナーは、インテグリン部位、インテグリン結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1、DDR2、SPARC結合ペプチド、フィブロネクチン結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位、カテプシンK(CATK)部位、及び破骨細胞関連受容体(OSCAR)からなる群から選択される。
【0005】
[0005]一態様において、対象におけるコラーゲン生成を増大させる問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0006】
[0006]一態様において、対象におけるコラーゲン分解を増大させる問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0007】
[0007]一態様において、対象におけるMMP生成を増大させる問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0008】
[0008]一態様において、対象におけるコラーゲン生成を減少させる問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0009】
[0009]一態様において、対象におけるMMP生成を減少させる問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0010】
[0010]別の態様において、本開示は、対象におけるコラーゲン生成を増大させる方法であって、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む化粧用組成物を対象に投与するステップを含む、方法をさらに提供する。
【0011】
[0011]一態様において、対象における皮膚修復を誘導する問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0012】
[0012]別の態様において、本開示は、対象における皮膚修復を誘導する方法であって、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む化粧用組成物を対象に投与するステップを含む、方法をさらに提供する。
【0013】
[0013]一態様において、対象における組織修復を誘導する問題を解決するため、本開示は、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む組成物を提供する。
【0014】
[0014]別の態様において、本開示は、対象における組織修復を誘導する方法であって、本明細書で開示される修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)を含む医療機器組成物を対象に投与するステップを含む、方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】生物活性配列に共有結合した三重らせん形成部分を含む、生物活性CHPを例示する図である。
図1B】生物活性CHPの独自の結合機序を表す図である。これによりCHPは単鎖構造では不活性となるが、損傷コラーゲンと三重らせんを形成すると活性化し、三重らせん形態となると、コラーゲン生成細胞が、新たに形成された三重らせんに結合し、新たに形成された三重らせんを機械的に感知することができる。
図2A】腱炎のin vivoマウスモデルにおける、コラゲナーゼ活性により誘導された損傷コラーゲンに対する、CHPによる標的化及び結合を示す図である。
図2B】染色されたヒト組織切片における、正常な膝関節と骨関節炎の(OA)膝関節との間のCHP結合の著しい差を示す画像である。
図2C】若い組織のヒト組織切片と比較した、皮膚の老化したヒト組織切片におけるCHP結合の増大を示す画像である。
図3A】本明細書で開示される生物活性CHPの熱融解曲線(T)からの一次導関数を示すグラフである。Tは、1分あたり0.5℃の速度で4℃~80℃で測定され、CHPが、秩序立った三重らせん構造からより無秩序なモノマー構造になると、熱転移温度を示す。一次導関数は、グラフの最小値としてTm曲線の変曲点を示す。この点はCHPの融解温度に相当し、すなわち、形成された任意のホモ三量体三重らせんを分解するのに必要な温度である。このことは、生物活性CHPが体温(37℃)に近いTmを有し、生物活性CHPが、体内で損傷コラーゲンと結合するための理想的な候補となることを示す。各CHPを、DI水中に150μM濃度で溶解させた。Tmを測定する前に、各CHPを、冷蔵庫(4℃)内に48時間配置することにより完全にフォールディングさせた。
図3B】B-G-(GfO)-結合部位-(GfO)中の、各生物活性結合部位におけるCHP結合の平均量を示すグラフである。1×PBS中、ブタ皮膚由来10%ゼラチン溶液(w/v)(Sigma-Aldrich 48724-100G-F)を作製した。これがゲル化しないように、10%ゼラチン溶液を常時加熱下(65℃)で維持した。次に、加熱された10%ゼラチン溶液25μLを添加して96ウェルプレートの底をコーティングし、次いで過剰量を即座に取り除いてゼラチンの薄層を残した。プレートを4℃で15分間冷却した。次いで、1×MES緩衝液、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)からなるEDC架橋溶液100μLを各ウェルの表面に添加し、4℃で一晩架橋させた。架橋溶液を除去し、次いで各ウェルを1×PBS 200μLで3回洗浄した。次に、CHP 50μLを濃度100μMで添加し、37℃で一晩結合させた。結合させた後、ウェルを1×PBS 200μLで3回洗浄し、FITC-ストレプトアビジンフルオロフォア(0.01mg/ml)20μLを各ウェルに添加し、室温で1時間結合させて、CHP結合の量を可視化した。
図4A】2.5Dゼラチン実験における、健康なモデル(図4A)、損傷モデル(図4B)及び生物活性CHPにより処理された損傷モデル(図4C)の、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)細胞の画像である。2.5Dゼラチン実験では、10%ゼラチン溶液を1×PBS中でブタ皮膚(Sigma-Aldrich 48724-100G-F)から作製し、使用前のゲル化を防止するため65℃で維持した。次に、10%ゼラチン溶液250μLを24ウェルプレートの各対応するウェルに添加した。プレートを4℃で15分間冷却した。次に、EDC架橋溶液400μL。架橋溶液を除去し、ウェルを、1×PBS 400μLを使用して3回洗浄した。次に、70% EtOHを各ウェルに添加し、プレートを滅菌のためにUV光下に1時間配置した。ウェルを1×PBS 1mLで5回洗浄した。CHPを80℃で15分間予熱した。ヒト皮膚線維芽細胞(ATCC)15,000個、20μM CHP 50μL及び10% FBS含有線維芽細胞増殖培地950μLのマスターミックスを、各処理において各ウェルにつき作製した。このミックス1000μLを各対応するウェルに添加した。ウェルを、EVOS Brightfieldの4倍の拡大率で、24時間時点で画像化した。画像をImageJソフトウェアで分析した。
図4B】2.5Dゼラチン実験における、健康なモデル(図4A)、損傷モデル(図4B)及び生物活性CHPにより処理された損傷モデル(図4C)の、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)細胞の画像である。2.5Dゼラチン実験では、10%ゼラチン溶液を1×PBS中でブタ皮膚(Sigma-Aldrich 48724-100G-F)から作製し、使用前のゲル化を防止するため65℃で維持した。次に、10%ゼラチン溶液250μLを24ウェルプレートの各対応するウェルに添加した。プレートを4℃で15分間冷却した。次に、EDC架橋溶液400μL。架橋溶液を除去し、ウェルを、1×PBS 400μLを使用して3回洗浄した。次に、70% EtOHを各ウェルに添加し、プレートを滅菌のためにUV光下に1時間配置した。ウェルを1×PBS 1mLで5回洗浄した。CHPを80℃で15分間予熱した。ヒト皮膚線維芽細胞(ATCC)15,000個、20μM CHP 50μL及び10% FBS含有線維芽細胞増殖培地950μLのマスターミックスを、各処理において各ウェルにつき作製した。このミックス1000μLを各対応するウェルに添加した。ウェルを、EVOS Brightfieldの4倍の拡大率で、24時間時点で画像化した。画像をImageJソフトウェアで分析した。
図4C】2.5Dゼラチン実験における、健康なモデル(図4A)、損傷モデル(図4B)及び生物活性CHPにより処理された損傷モデル(図4C)の、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)細胞の画像である。2.5Dゼラチン実験では、10%ゼラチン溶液を1×PBS中でブタ皮膚(Sigma-Aldrich 48724-100G-F)から作製し、使用前のゲル化を防止するため65℃で維持した。次に、10%ゼラチン溶液250μLを24ウェルプレートの各対応するウェルに添加した。プレートを4℃で15分間冷却した。次に、EDC架橋溶液400μL。架橋溶液を除去し、ウェルを、1×PBS 400μLを使用して3回洗浄した。次に、70% EtOHを各ウェルに添加し、プレートを滅菌のためにUV光下に1時間配置した。ウェルを1×PBS 1mLで5回洗浄した。CHPを80℃で15分間予熱した。ヒト皮膚線維芽細胞(ATCC)15,000個、20μM CHP 50μL及び10% FBS含有線維芽細胞増殖培地950μLのマスターミックスを、各処理において各ウェルにつき作製した。このミックス1000μLを各対応するウェルに添加した。ウェルを、EVOS Brightfieldの4倍の拡大率で、24時間時点で画像化した。画像をImageJソフトウェアで分析した。
図4D】12単位格子を作り出し、37℃で24時間インキュベーションした後の画像を収集することによる、2.5Dゼラチン実験におけるHDF細胞長の結果を示すグラフである。細胞長を分析するにあたって主観性を低減させるため、格子を無作為に選択し、1画像あたり100細胞を分析するまで計数した。細胞長を決定するため、個々の細胞を、内部ImageJ測定ツールにより測定した。
図4E】10%ゼラチン250μLにおける24時間インキュベーション後の平均細胞数を示すグラフである。細胞の数を計数するため、画像を、ImageJマキシマファインダーを使用して分析した。
図5A】GenoSkinから購入されたex vivo天然モデルによる、PBSからのデルタCT倍変化の値を示す図である。モデルはGenoSkinによる全てのOC試験を通過した。試料は、1型フォトタイプの皮膚を有する(明るい皮膚の)女性、69才、白人の腹部から外科的に除去した。ex vivoモデルを受け取ったら、供給されたGenoSkin培地1mLを各モデルに添加し、37℃で1時間かけてそのまま較正した。CHPを80℃に15分間加熱し、次いで氷上で迅速に急冷した(約30~90秒)。次に、100μM CHP 100μLを培地900μLに添加した。処理ごとに、培地を各モデルから除去し、新たな培地+CHP 1000μLを各ウェルに添加した。CHPをモデルの底から吸収させ、in situ注射をシミュレートした。培地+CHP混合物を毎日除去し補充した。手術後7日目(処理6日間)、Qiagen RNeasy Micro Kitプロトコルに従って、モデルをRNA抽出のためにホモジナイズし、溶解させた。RNAをナノ液滴において定量化した。逆転写をQiagen QuantiTect Reverse Transcription Kitに従って実施した。RT-PCRを、目的の遺伝子としてのCol1A1及びハウスキーピング遺伝子である18Sを含むTaqman試薬を使用して実施した。報告された値は、PBSウェルからのデルタCT倍変化である。
図5B】GenoSkinから購入されたex vivo天然モデルによる、PBSからのデルタCT倍変化の値を示す図である。モデルはGenoSkinによる全てのOC試験を通過した。試料は、1型フォトタイプの皮膚を有する(明るい皮膚の)女性、69才、白人の腹部から外科的に除去した。ex vivoモデルを受け取ったら、供給されたGenoSkin培地1mLを各モデルに添加し、37℃で1時間かけてそのまま較正した。CHPを80℃に15分間加熱し、次いで氷上で迅速に急冷した(約30~90秒)。次に、100μM CHP 100μLを培地900μLに添加した。処理ごとに、培地を各モデルから除去し、新たな培地+CHP 1000μLを各ウェルに添加した。CHPをモデルの底から吸収させ、in situ注射をシミュレートした。培地+CHP混合物を毎日除去し補充した。手術後7日目(処理6日間)、Qiagen RNeasy Micro Kitプロトコルに従って、モデルをRNA抽出のためにホモジナイズし、溶解させた。RNAをナノ液滴において定量化した。逆転写をQiagen QuantiTect Reverse Transcription Kitに従って実施した。RT-PCRを、目的の遺伝子としてのCol1A1及びハウスキーピング遺伝子である18Sを含むTaqman試薬を使用して実施した。報告された値は、PBSウェルからのデルタCT倍変化である。
図5C】ex vivo穴開けパンチ創傷治癒モデルにおけるプロコラーゲンIのELISA結果を示すグラフである。ex vivo穴開けパンチモデルをGenoSkinから購入した。試料は、5型フォトタイプの皮膚(暗い皮膚)を有する、女性、63才、アフリカ系アメリカ人の腹部から外科的に除去された。ex vivoモデルを受け取ったら、供給されたGenoSkin培地1mLを各モデルに添加し、37℃で1時間かけてそのまま較正した。毎日、GenoSkin培地を各モデルから除去し、新たな培地1000μLで置換した。CHPを80℃で15分間加熱し、次いで氷上で迅速に急冷した(約30~90秒)。次に、100μM CHP溶液100μLをモデルの上部に投与し、24時間ごとに置換した。培地を毎日収集し、次いで遠心処理し、100μl試料に等分した。これらの試料を-80℃で保存した。次いで試料を、AbcamのプロコラーゲンI ELISA Kits(AB120966)用の製造業者のプロトコルを使用して処理した。
図6】本明細書で開示される生物活性CHPにより引き起こされる遺伝子発現の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔詳細な説明〕
[0028]以下で、本開示の例示的な実施形態が詳細に記載される。しかし、本開示は以下で開示される実施形態に限定されないが、各種形態として実施されてもよい。以下の実施形態は、当業者が本開示の実施形態を具体化及び実行することを可能にするために記載される。
【0017】
[0029]開示される方法及び組成物に使用可能であるか、開示される方法及び組成物とともに使用可能であるか、開示される方法及び組成物の調製において使用可能であるか、又は開示される方法及び組成物の生成物である、物質、組成物、及び成分が開示される。これらの及び他の物質が本明細書で開示され、これらの物質の組合せ、部分集合、相互作用、群などが開示される場合、これらの化合物の各種個々のもの並びに集合的な組合せ及び順列についての特定の言及が明確に開示されない可能性があるが、それぞれが特に予期され本明細書に記載されることが理解される。例えば、ペプチドコンジュゲートが開示され論じられ、ペプチドコンジュゲートを含む複数の分子になされうる複数の改変形態が論じられる場合、それとは反対に特に示されない限り、ペプチドコンジュゲートのそれぞれの組合せ及び順列及び可能性のある改変形態が特に予期される。ゆえに、分子A、B、及びCのクラスが開示され、さらに分子D、E、及びFのクラス並びに組合せ分子の例A~Dが開示される場合、それぞれが個々に記載されていなくても、それぞれが個々に且つ集合的に予期される。ゆえに、この例において、組合せA~E、A~F、B~D、B~E、B~F、C~D、C~E、及びC~Fの各々が、特に予期され、A、B、及びC;D、E、及びF;及び例の組合せA~Dの開示から開示されると考えられるべきである。同様に、これらの任意の部分集合又は組合せも特に予期及び開示される。ゆえに、例えば、下位群A~E、B~F、及びC~Eが特に予期され、A、B、及びC;D、E、及びF;及び例の組合せA~Dの開示から開示されると考えられるべきである。この考え方は、開示される組成物を作製及び使用する方法におけるステップを含むがこれらに限定されない、本出願の全ての態様に適用される。ゆえに、実施可能な多様なさらなるステップが存在する場合、これらのさらなるステップの各々が、開示される方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組合せにより実施されうること、及びそれぞれのそのような組合せが特に予期され、開示されると考えられるべきであることが理解される。
【0018】
定義
[0030]用語、第1の、第2の、などが各種要素について記載するのに使用されうるが、これらの要素はこれらの用語により限定されない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するのに使用されるに過ぎない。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ばれてもよく、同様に、第2の要素は第1の要素と呼ばれてもよい。用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数のうちの任意のもの及び全ての組合せを含む。
【0019】
[0031]本明細書で使用される場合、添付の特許請求の範囲において、単数の形態「a」、「an」、及び「the」が、文脈が明確に別途定めない限り、複数の指示対象を含むことが留意されなければならない。ゆえに、例えば、「ペプチド(a peptide)」への言及は、複数のそのようなペプチドを含み、「ペプチド(the peptide)」への言及は、1つ又は複数のペプチド及び当業者に公知のそれらの同等物などへの言及である。同様に、語「又は」は、文脈が明確に別途示さない限り、「及び」を含むことが意図される。
【0020】
[0032]明細書及び特許請求の範囲においてここで使用される場合、1つ又は複数の要素のリストに関しての句「少なくとも1つの」は、要素のリストにおける要素のうちの任意の1つ又は複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するものと理解されるべきであるが、要素のリスト内に特に列挙されるそれぞれの要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリストにおける要素の任意の組合せを除外しない。この定義は、句「少なくとも1つの」が指す要素のリスト内で特に特定される要素以外の要素が、特に特定されるそれらの要素に関連があるなしに関わらず、任意選択で存在しうることも可能にする。ゆえに、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は、同等に、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同等に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せず、任意選択で1つ超を含む、少なくとも1つのA(任意選択でB以外の要素を含む);別の実施形態では、Aが存在せず、任意選択で1つ超を含む、少なくとも1つのB(任意選択でA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、任意選択で1つ超を含む、少なくとも1つのA、及び任意選択で1つ超を含む、少なくとも1つのB(任意選択で他の要素を含む);などを指すことができる。
【0021】
[0033]用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同様のものは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。同様に、「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」、及び同様のものは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。特に、これらの用語の各々は、「含む(comprising)」の一般的な米国特許法での定義と一致して定義され、ゆえにオープンな用語の意味「少なくとも以下のもの」と解釈され、さらなる特徴、制限、態様などを除外しないとも解釈される。ゆえに、例えば「構成要素a、b、及びcを有する機器」は、機器が少なくとも構成要素a、b及びcを含むことを意味する。同様に、句:「ステップa、b、及びcを伴う方法」は、方法が少なくともステップa、b、及びcを含むことを意味する。さらに、ステップ及び工程が、本明細書で特定の順序で概説されることがあるが、当業者は、特定の順序が文脈により明確に示されない限り、ステップ及び工程を指示することが変動しうることを認識する。
【0022】
[0034]本明細書で使用される場合、用語「約」は、明確に示されているかどうかに関わらず、例えば、整数、端数、及びパーセンテージを含む数値を指す。用語「約」は、当業者が、記載された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考える数値の範囲(例えば、記載された値の+/-5、6、7、8、9又は10%)を概して指す。一部の例において、用語「約」は、最も近い有効数字に端数を丸められた数値を含みうる。概して、用語「約」は、少なくとも、製造、製剤化及び/又は測定に対応する許容範囲に入る所与の量についての値を含む。
【0023】
[0035]本明細書で使用される場合、「コラーゲン」は、任意の組織型(例えば、骨、真皮、腱、靭帯など)由来であってもよい。コラーゲンは、ポリプロリンII様構造の3本のアルファ鎖が三重らせんに一緒にフォールディングされた分子を指しうる。それに加えて、コラーゲンは、I~XXVIII型コラーゲン及び細菌性コラーゲンを含む、三重らせん領域を含有する任意のタンパク質に適用されてもよい。用語「コラーゲン」は、本明細書で使用される場合、人工のコラーゲン及び加工又は別様に修飾されたコラーゲンを含む、全ての形態のコラーゲンを指しうる。一部の実施形態において、コラーゲンは、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、VIII型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型コラーゲン、XI型コラーゲン、XII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、XIV型コラーゲン、XV型コラーゲン、XVI型コラーゲン、XVII型コラーゲン、XVIII型コラーゲン、XIX型コラーゲン、XX型コラーゲン、XXI型コラーゲン、XXII型コラーゲン、XXIII型コラーゲン、XXIV型コラーゲン、XXV型コラーゲン、XXVI型コラーゲン、XXVII型コラーゲン、XXVIII型コラーゲン、及びそれらの組合せから選択される。
【0024】
[0036]本明細書で使用される場合、用語「プロリン又は修飾プロリン」は、アミノ酸プロリン、並びに天然及び非天然の異性体の両方を含む、各種異性体、アナログ及びそれらのバリアントを意味する。一例では、修飾プロリンは電子求引基を含む。修飾プロリンの例は、以下に限定されないが、ヒドロキシプロリン、メチル化プロリン、4-フルオロプロリン、及び4-クロロプロリンを含む。
【0025】
[0037]一部の実施形態において、方法は、対象から試料を収集することを除外する。一部の実施形態において、「対象」は、本明細書では、ヒト又は動物又は細菌又は前述の群のうちのいずれか由来の細胞培養物を指しうる。動物の非限定的な例は、脊椎動物、例えば霊長類、げっ歯類、家畜動物、又は狩猟動物を含む。霊長類は、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、及びマカク(例えば、アカゲザル)を含む。げっ歯類は、マウス、ラット、マーモット、フェレット、ウサギ、及びハムスターを含む。家畜及び狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、水牛、ヘラジカ、ネコの種(例えば、イエネコ)、及びイヌの種(例えば、イヌ、キツネ、オオカミ)を含む。魚は、軟骨魚類(軟骨魚)及び硬骨魚類(硬骨魚)を含む。対象は哺乳動物であってもよい。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、又はウシであってもよいが、これらの例に限定されない。それに加えて、本明細書に記載される方法は、家畜動物又は愛玩動物を診断及び/又は治療するのに使用可能である。この用語は、特定の年齢も性別も指さない。ゆえに、成体及び新生仔の対象、さらに胎仔が、オスであれメスであれ、この用語の範囲内に含まれることが意図される。
【0026】
[0038]用語「治療すること」は、特定の疾患、障害、及び/又は状態の1つ又は複数の症状又は特徴の、発症を部分的に又は完全に軽減すること、寛解させること、緩和すること、遅延させること、進行を阻害すること、重症度を低減させること、及び/又は発生率を低減させることを指す。例えば、コラーゲン損傷を伴う疾患又は傷害を「治療すること」は、損傷/変性したコラーゲンの量を低減させること又は排除することを指しうる。治療は、疾患、障害、及び/又は状態に関連する病理を発症するリスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/若しくは状態の徴候を呈していない対象、並びに/又は疾患、障害、及び/若しくは状態の早期の徴候のみを呈する対象に投与されてもよい。
【0027】
I.導入
[0039]添付の図を参照して、本開示の例示的な実施形態が以下で詳細に記載される。本開示を理解するのを助けるため、同様の数字は図の記載にわたって同様の要素を指し、同じ要素についての記載は繰り返されない。
【0028】
II.皮膚老化
[0040]加齢につれて、我々は、しわのある(且つ薄い)皮膚を引き起こす、皮膚におけるコラーゲン生成の減少及びMMP生成の増大を有する。図1は、線維芽細胞における、活性酸素種(ROS)及びMMPの老化誘導性の生成についての経路を例示する。まず、ROSが外部因子、例えばUV及び汚染への曝露により生成される。過剰のROSは、若い線維芽細胞を、ROS及びMMP生成増大の経路(負のフィードバックループ)へと押しやることにより、組織に対する損傷をさらに悪化させる。
【0029】
[0041]ECMにおけるコラーゲンの喪失及びROSレベルの増大により、皮膚線維芽細胞は丸くなり老化する。このことが、さらなるROS生成及びMMP生成を引き起こし、コラーゲン生成をさらに減少させ、それにより、伸展した「若い」形態において線維芽細胞を支持する、ECM中のコラーゲンを破壊する。コラーゲンの喪失は、線維芽細胞を、丸くなった「老化した」形態へとさらに押しやり、負のフィードバックループを加速させることを生み出す。同様の現象が、腱などのコラーゲン組織が、例えば、外傷(すなわち、裂傷)により損傷した場合に起こる。外傷から生じる高いROSレベル及びコラーゲンマトリックスの破壊が、線維芽細胞が丸くなることを加速させる。
【0030】
[0042]ECMに対する老化の効果を反転させるため又は損傷したコラーゲン組織を修復するため、丸くなった線維芽細胞に機械的刺激を与える問題が解決される必要がある。
【0031】
III.コラーゲン生成を増大させるため線維芽細胞を刺激すること
[0043]一態様において、コラーゲン生成を増大させるため線維芽細胞を刺激する問題を解決するため、本開示は、修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)であって、CHPに架橋した1つ又は複数の結合パートナーを含む、修飾されたCHPを提供する。CHPは式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有する。1つ又は複数の結合パートナーは、インテグリン部位、インテグリン結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1及び2、SPARC結合ペプチド、フィブロネクチン結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位、カテプシンK(CATK)部位、並びに破骨細胞関連受容体(OSCAR)からなる群から選択される。
【0032】
IIIa.コラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)
[0044]コラーゲンは、人体における最も豊富なタンパク質であり、ほぼ全ての器官及び組織の不可欠な成分であり、細胞接着及び増殖のための構造をもたらす。全ての種由来の全ての型のコラーゲンは、ほぼコラーゲンのみにみられる三重らせんタンパク質構造を共有する。
【0033】
[0045]ある特定の実施形態において、CHPは、無傷のコラーゲン分子では得られない構造上のモチーフ(例えば、アルファ鎖のポリプロリンII様らせん)を認識することにより、組織における損傷コラーゲンを特異的に標的とすることが可能な、短い反復トリペプチドを含む。特定の生物活性を誘導するようにCHPを改変することにより、CHPは、線維芽細胞周囲の微小環境を向上させるのに使用可能であり、ゆえにCHPは、ECMに接着し、機械的刺激及びECM内のフィードバックを増大させることによりコラーゲン生成を調節することができる。
【0034】
[0046]ある特定の実施形態において、CHPは特定の配列(本明細書で「活性配列又は生物活性配列」とも呼ばれる)を含み、特定の配列は、生物活性配列の両側で三重らせん形成部分に架橋することができる。線維芽細胞が生物活性配列を認識し、これらが三重らせん形態となると、それにより、CHPが、損傷コラーゲンを標的とし、三重らせんを形成し、ゆえに生物活性配列が確実に三重らせん構造とならない限り、線維芽細胞が生物活性配列に結合することが防止される。ゆえに、本開示の修飾されたCHPは、溶液中で線維芽細胞と結合しない。代わりに、線維芽細胞と修飾されたCHPとの間の結合は、線維芽細胞が、損傷コラーゲンに結合したCHPに局在化している場合にのみ起こる。
【0035】
IV.修飾されたコラーゲンハイブリダイズペプチド(CHP)
[0047]図6は、配列CF-Ahx-(GPO)-GFOGER-(GPO)を有する生物活性CHPの結果を示す。GFOGERは、α1β1及びα2β1インテグリンの結合部位である。修飾されたCHPは、インテグリン結合部位GFOGERのいずれかの側にGPO反復配列を有する、三重らせんを形成する傾向が高い配列も含む。これらの配列が、CHPが損傷コラーゲンに安定に結合しうることを確実にする。ゆえに、一例では、修飾されたCHPは配列CF-Ahx-(GPO)-GFOGER-(GPO)を有する。修飾されたCHPは、ゼラチン(スライドにコーティングされた)に組み込まれ、インテグリン結合部位GFOGERがCHPにのみ存在するようなコラーゲン三重らせんを形成する。α2β1インテグリンは主として単一のアルファ鎖とのみ相互作用し、少数の相互作用が第2のアルファ鎖で起こり、コラーゲン三重らせんの第3のアルファ鎖では起こらない。結果として、線維芽細胞とインテグリン結合ドメインとの間の結合は、CHPが分解されたコラーゲンに結合した場合に起こる。
【0036】
[0048]ある特定の実施形態において、コラーゲンが分解又は損傷した部位において線維芽細胞を動員する及び/又は線維芽細胞と結合し、それにより、コラーゲン生成を増大させるか、損傷コラーゲンをより早く除去するか、MMP生成を減少させるかのいずれか、又は組織修復を誘導するための上記のものの一部の組合せのために線維芽細胞を刺激するように、活性配列は線維芽細胞に特異的な分子及び/又はマーカーの結合部位となるように選択される。したがって、1つ又は複数の結合パートナーは、以下に限定されないが、MMP切断部位、インテグリン部位、インテグリン結合部位、フィブロネクチン結合部位、カテプシンK(CATK)結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1、DDR2、SPARC結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、及び破骨細胞関連受容体(OSCAR)を含んでいてもよい。
【0037】
[0049]ある特定の実施形態において、本明細書で開示される修飾されたCHPは、CHPに架橋した1つ又は複数の結合部位を含む。CHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、ヒドロキシプロリン及び/又は修飾プロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を含む。1つ又は複数の結合パートナーは、インテグリン部位、インテグリン結合部位、架橋部位、フォン・ウィルブラント因子(VWF)、ディスコイジンドメイン受容体(DDR)1、DDR2、SPARC結合ペプチド、フィブロネクチン結合ペプチド、改変インテグリン結合ペプチド、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)切断部位、カテプシンK(CATK)部位、及び破骨細胞関連受容体(OSCAR)からなる群から選択される。
【0038】
[0050]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン部位を含む。
【0039】
[0051]一例示的実施形態において、aは3であり、bは4である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは5である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは6である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは7である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは8である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは3であり、bは20である。
【0040】
[0052]一例示的実施形態において、aは4であり、bは5である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは6である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは7である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは8である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは4であり、bは20である。
【0041】
[0053]一例示的実施形態において、aは5であり、bは6である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは7である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは8である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは5であり、bは20である。
【0042】
[0054]一例示的実施形態において、aは6であり、bは7である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは8である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは6であり、bは20である。
【0043】
[0055]一例示的実施形態において、aは7であり、bは8である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは7であり、bは20である。
【0044】
[0056]一例示的実施形態において、aは8であり、bは9である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは8であり、bは20である。
【0045】
[0057]一例示的実施形態において、aは9であり、bは10である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは9であり、bは20である。
【0046】
[0058]一例示的実施形態において、aは10であり、bは11である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは10であり、bは20である。
【0047】
[0059]一例示的実施形態において、aは11であり、bは12である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは11であり、bは20である。
【0048】
[0060]一例示的実施形態において、aは12であり、bは13である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは12であり、bは20である。
【0049】
[0061]一例示的実施形態において、aは13であり、bは14である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは13であり、bは20である。
【0050】
[0062]一例示的実施形態において、aは14であり、bは15である。一例示的実施形態において、aは14であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは14であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは14であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは14であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは14であり、bは20である。
【0051】
[0063]一例示的実施形態において、aは15であり、bは16である。一例示的実施形態において、aは15であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは15であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは15であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは15であり、bは20である。
【0052】
[0064]一例示的実施形態において、aは16であり、bは17である。一例示的実施形態において、aは16であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは16であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは16であり、bは20である。
【0053】
[0065]一例示的実施形態において、aは17であり、bは18である。一例示的実施形態において、aは17であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは17であり、bは20である。
【0054】
[0066]一例示的実施形態において、aは18であり、bは19である。一例示的実施形態において、aは18であり、bは20である。一例示的実施形態において、aは19であり、bは20である。
【0055】
[0067]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン結合部位を含む。
【0056】
[0068]一部の実施形態において、本明細書に記載されるCHPは、以下の表1に示される配列番号1~169のうちのいずれか1つの配列を含む。
[0069]
【0057】
【表1】




【0058】
[0070]上記の表1で与えられるある特定の配列において、「NH」は、アミド化C末端を表す。上記の表1で与えられるある特定の配列において、「GfO」配列中の「f」は、2S、4S-4-フルオロプロリン(cis構造)を表す。上記の表1で与えられるある特定の配列において、「GcO」配列中の「c」は、c=cis-クロロプロリン(2S,4S-4-クロロプロリン)を表す。
【0059】
[0071]一部の実施形態において、CHPは、以下の表2から選択される配列を有する。
【0060】
【表2】
【0061】
[0072]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン結合部位を含む。インテグリン結合部位はインテグリンα1β1を含み、表3に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0062】
【表3】
【0063】
[0073]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン結合部位を含む。インテグリン結合部位はインテグリンα2β1を含み、表4に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0064】
【表4】
【0065】
[0074]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン結合部位を含む。インテグリン結合部位はインテグリンα10β1を含み、表5に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0066】
【表5】
【0067】
[0075]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したインテグリン結合部位を含む。インテグリン結合部位はインテグリンα11β1を含み、表6に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0068】
【表6】
【0069】
[0076]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋した架橋部位を含む。架橋部位は、表7に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0070】
【表7】
【0071】
[0077]表6において、「x」はアミノ酸残基、特に天然に存在するアミノ酸残基を指す。
【0072】
[0078]一部の実施形態において、架橋部位は糖架橋部位である。
【0073】
[0079]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、配列番号17に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む架橋部位を含む。
【0074】
[0080]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋した、VWF、DDR1、DDR2、及びSPARC結合ペプチドを含む。架橋部位は、表8で列挙される配列から選択される配列を有する。
【0075】
【表8】

[0081]表8において、「x」は、アミノ酸残基、特に天然に存在するアミノ酸残基を指す。
【0076】
[0082]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、配列番号18~21に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む、VWF、DDR1、DDR2、及びSPARC結合ペプチドを含む。
【0077】
[0083]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したフィブロネクチン結合モチーフを含む。架橋部位は、表9に列挙される配列から選択される配列を有する。
【0078】
【表9】

[0084]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、配列番号22又は23に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むフィブロネクチン結合モチーフを含む。
【0079】
[0085]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋した改変インテグリン結合モチーフを含む。
【0080】
[0086]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、配列番号24又は25に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む改変インテグリン結合モチーフを含む。
【0081】
[0087]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、式I:(Gly-X-Y)a~b(式中、Glyはグリシンであり、X及びYのうちの少なくとも1つは、プロリン、修飾プロリン、及び/又はヒドロキシプロリンであり、aは3であり、bは20である)により表される配列を有するCHPに架橋したMMP切断部位を含む。架橋部位は、表10に列挙される配列から選択される配列を有する:
【0082】
【表10】
【0083】
[0088]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、配列番号26又は27に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むMMP切断部位を含む。
【0084】
[0089]一部の実施形態において、CHPは、配列番号XXXからなる群から選択される配列を有する。
【0085】
[0090]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、CHPのC末端に架橋した1つの結合パートナーを有する。一部の実施形態において、修飾されたCHPは、CHPのN末端に架橋した1つの結合パートナーを有する。
【0086】
[0091]一部の実施形態において、修飾されたCHPは2つの結合パートナーを有する。2つの結合パートナーのうちの第1のものは、CHPのC末端に架橋しており、2つの結合パートナーのうちの第2のものは、CHPのN末端に架橋している。
【0087】
[0092]一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、CHPのC末端及びCHPのN末端に結合している。
【0088】
[0093]一部の実施形態において、修飾されたCHP及び1つ又は複数の結合パートナーは、CHPに直接架橋している。一部の実施形態において、1つ又は複数の結合パートナーは、ゼロ個以上のスペーサーによりCHPに架橋している。スペーサーの例は、以下に限定されないが、GGGなどのアミノ酸(複数可)、及び6-アミノヘキサン酸(Ahx)などの化学スペーサー(複数可)を含む。
【0089】
[0094]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、CHPのN末端にキャップを含む。一部の実施形態において、キャップはアセチル基を含む。一部の実施形態において、キャップは、CHPのN末端に直接結合している。一部の実施形態において、修飾されたCHPは、CHPのN末端とキャップとの間にスペーサーを含む。
【0090】
[0095]一部の実施形態において、修飾されたCHPの1つ又は複数の結合パートナーは、CHPのN末端に直接結合しており、その結果1つ又は複数の結合パートナーは、キャップとCHPのN末端との間に結合している。一部の実施形態において、修飾されたCHPは、CHPのN末端に結合した1つ又は複数の結合パートナー、1つ又は複数の結合パートナーに結合した1つ又は複数のスペーサー、及び1つ又は複数のスペーサーに結合したキャップを含み、その結果1つ又は複数のスペーサーは、キャップと1つ又は複数の結合パートナーとの間にある。一部の実施形態において、修飾されたCHPは、構造:キャップ-スペーサー-CHP-結合パートナー-CHPを有する。一部の実施形態において、キャップ及びCHPは直接結合している。一部の実施形態において、キャップ及び1つ又は複数の結合パートナーは直接結合している。
【0091】
V.修飾されたCHPを含む組成物。
[0096]本開示の一態様において、本明細書に記載される修飾されたCHPのうちのいずれかが、治療薬、医療機器、治療用医療機器、又は化粧用組成物に含まれていてもよい。一部の実施形態において、組成物中に含まれる修飾されたCHPが、他の修飾されたCHPと三重らせんを形成しないような組成物が製剤化される。
【0092】
[0097]一部の実施形態において、組成物は、例えば、上皮層を通って修飾されたCHPを運ぶための、担体を含む。担体の例は、以下に限定されないが、ミセル、樹状突起、脂質、マイクロエマルション、ナノエマルション、固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質担体、リポソーム、トランスファーソーム、エトソーム(ethosome)、ニオソーム、コラーゲン、細胞外マトリックス、及び人工細胞外マトリックスを含む。
【0093】
[0098]一部の実施形態において、組成物は、注射又は局所適用により投与されるために製剤化された化粧用組成物である。一部の実施形態において、化粧用組成物は、例えば、化粧用組成物を含むマイクロニードルの列を使用する、マイクロダーマル注射により投与されるために製剤化されてもよい。
【0094】
[0099]一部の実施形態において、修飾されたCHPを含む組成物は、局所注射、局所適用、又は物理的適用による投与のために製剤化される。
【0095】
[00100]一部の実施形態において、修飾されたCHPを含む組成物は、パテ、メッシュ、パッチ、接着剤、クリーム、縫合糸、点眼剤、及び/又は局所的に又は物理的適用により投与可能な他の製剤として製剤化される。
【0096】
[00101]一部の実施形態において、修飾されたCHPを含む組成物は、注射、経口投与、液滴、スプレー、静脈内、筋肉内注射、坐剤、注腸、気化器による全身投与として製剤化される。
【0097】
VI.修飾されたCHP及び修飾されたCHPを含む組成物の使用
[00102]本明細書で論じられてきたように、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物は、線維芽細胞形態を調節し、線維芽細胞接着を誘導し、それにより線維芽細胞をより多くのコラーゲンを生成するように誘導するのに使用可能である。
【0098】
[00103]したがって、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物は、対象におけるコラーゲン又はMMPの線維芽細胞生成を調節するのに使用可能である。一態様において、コラーゲン生成の増大はしわの出現の減少をもたらし、それにより対象の皮膚に対する老化の効果を低減させる。ゆえに、本開示の一態様において、対象におけるコラーゲン生成を増大させる方法は、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物を対象に投与することを含んでいてもよい。修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物の投与は、注射、マイクロダーマル注射又は局所適用により実施されてもよい。
【0099】
[00104]線維芽細胞の形態を変化させること及び線維芽細胞をより多くのコラーゲンを生成するように誘導することは、MMPの、線維芽細胞誘導性の生成をさらに低減させ、皮膚修復を増強しうる。したがって、本開示の一態様において、対象におけるMMP生成を減少させるための方法は、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物を対象に投与することを含んでいてもよい。修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物の投与は、注射、マイクロダーマル注射又は局所適用により実施されてもよい。
【0100】
[00105]別の態様において、CHP中の生物活性部位としてMMP部位を適用することにより、我々はコラーゲン分解速度を増大させることができる。部分的に損傷したコラーゲンをより早くより効率的に除去することで、新たに生成されたコラーゲンが既存の細線維により早く結合することができる。ゆえに、損傷コラーゲンを除去することにより、我々はコラーゲン細線維形成過程を有効に再出発させ、最終的により高密度で整列したコラーゲンマトリックスをもたらすことができる。
【0101】
[00106]線維芽細胞におけるコラーゲン生成の増大は、例えば、外傷又は老化により損傷した皮膚における皮膚修復を助けることができる。ゆえに、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物は、皮膚修復を、それを必要とする対象において誘導するのに使用可能である。したがって、本開示の一態様において、皮膚修復を、それを必要とする対象において誘導するための方法は、本明細書に記載される修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物を対象に投与することを含んでいてもよい。修飾されたCHPを含む組成物は、化粧用組成物又は治療用組成物であってもよい。一部の実施形態において、修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物の投与は、注射、マイクロダーマル注射又は局所適用により実施されてもよい。一部の実施形態において、修飾されたCHP及び/又は修飾されたCHPを含む組成物の投与は、パテ、メッシュ、パッチ、接着剤、クリーム、縫合糸又は点眼剤としての適用により実施されてもよい。
【0102】
[00107]修飾されたCHPは、各種架橋モチーフを含む多様な結合パートナーを含みうるため、修飾されたCHPは、多様な細胞の細胞発現を、それらの微小環境の改変により調節し、特定の細胞結合、又は細胞外マトリックス内のサイトカイン及び酵素的応答を誘導するのに使用可能である。用語「細胞発現」は、1つ又は複数のタンパク質、例えば、コラーゲン、MMP及び1つ又は複数の細胞外マトリックスタンパク質の細胞発現を指す。したがって、本開示の一態様において、ある特定の細胞型の細胞発現を調節するための方法は、修飾されたCHPを対応する細胞型に接触させることを含んでいてもよい。本明細書に記載される修飾されたCHPを使用して細胞発現が調節可能である細胞の例は、以下に限定されないが、骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又は間葉系幹細胞(MSC)を含む。
【0103】
[00108]一部の実施形態において、細胞発現を調節することは、細胞、例えば、骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又は間葉系幹細胞(MSC)を取り巻く微小環境における、非三重らせんコラーゲン濃度を減少させることを含んでいてもよい。一部の実施形態において、細胞発現を調節することは、細胞、例えば、骨細胞、腱細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、又は間葉系幹細胞(MSC)におけるコラーゲン発現を増大させることを含んでいてもよい。
【0104】
[00109]一部の実施形態において、修飾されたCHPは、局所注射、静脈内注射、局所適用、又は物理的適用により、修飾されたCHPを投与することによって、対応する細胞型と接触させられてもよい。一部の実施形態において、修飾されたCHPの投与は、パテ、メッシュ、パッチ、接着剤、クリーム、縫合糸又は点眼剤としての適用により実施されてもよい。一部の実施形態において、修飾されたCHPは、担体、例えば、コラーゲン、細胞外マトリックス、人工細胞外マトリックス、ポリマー担体、タンパク質担体、鉱物、グリコサミノグリカン(GAG)、生体活性ガラス、リポソーム、及びそれらの混合物とともに投与される。
【実施例
【0105】
実施例1:
[00110]図2Aは、腱炎のin vivoマウスモデルにおける、コラゲナーゼ活性により誘導された損傷コラーゲンに対する、CHPによる標的化及び結合を示す。
【0106】
[00111]マウス腱に対するCHPを試験するのに、C57BL/6Jマウスモデルを使用した。腱炎モデルを作り出すのに細菌性コラゲナーゼを使用した。
【0107】
[00112]10μl体積の1nmol CHP溶液を、皮下注射によりマウスに注射した。関節を特定の時点(2時間、5時間、24時間及び72時間)で画像化し、シャム(PBSを注射された膝)対コラゲナーゼを注射された膝を比較した。
【0108】
実施例2
[00113]図2Bは、正常な膝関節と比較した、骨関節炎の膝関節から得られたヒト試料における、損傷コラーゲンに対する、CHPによる標的化及び結合を示す。
【0109】
[00114]膝関節(骨関節炎の膝関節及び正常な膝関節)由来のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片について、標準的な脱パラフィンプロトコルに従い、その後CHP保存液を添加した。CHP保存液を20μMに調整し、80℃に5分間加熱し、氷上で約60秒間急冷し、その後組織切片に添加した。体積は、組織全体を覆うのに十分であった(100~200μl)。CHPを4℃で一晩染色させる。次いで1xPBSで3x5分間洗い落とし、その後DAPIで対比染色する。
【0110】
実施例3
[00115]図2Cは、若いヒト皮膚組織と比較した、老化したヒト皮膚組織における、損傷コラーゲンに対する、CHPによる標的化及び結合を示す。
【0111】
[00116]凍結切片について、OCTを1×PBSによる3×5分間の洗浄で洗い落とした。CHP保存液を20μMに調整し、80℃に5分間加熱し、次いで氷水中で約60秒間迅速に急冷し、その後組織切片に添加した。体積は、組織全体を覆うのに十分であった(100~200μl)。CHPを4℃で一晩染色させる。次いで1xPBSで3x5分間洗い落とし、その後DAPIで対比染色する。
【0112】
実施例4
[00117]図6は、本明細書で開示される生物活性CHPにより引き起こされる遺伝子発現の変化を示す。
【0113】
[00118]IMR-90ヒト肺線維芽細胞をITCCから購入した。細胞を解凍し、10% FBS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したEMEM中で培養した。細胞を80~95%コンフルエンスまで培養し、次いで3回継代する間継代培養し、その後実験に利用した。
【0114】
[00119]96ウェルゼラチンコーティングプレート(corning)のウェルに細胞培地100μLを添加することにより、又は48ウェル未コーティング細胞培養プレートのウェルに培地300μLを添加することにより、実験ウェルを調製した。以下に列挙されるペプチドを、各ウェルに添加した(96ウェルプレートに5μL、48ウェルプレートに10μL)。
[00120]CF-Ahx-(GPO)-GFOGER-(GPO)-加熱、2.5μM
[00121]CF-Ahx-(GPO)-GFOGER-(GPO)-非加熱(三重らせん)、2.5μM
[00122]CF-Ahx-(GPO)-EGORFG-(GPO)-2.5μM
[00123]ブタ皮膚由来ゼラチン(30μg/mL)
[00124]ウシ皮膚由来コラーゲン(30μg/mL)
[00125]継代の間、細胞を定量化し、IMR-90細胞2100個を96ウェルゼラチンコーティングプレートの各ウェルに添加した。未コーティングプレートについては、IMR-90細胞を各ウェルに添加した。さらなる培地を添加して、体積を200μL(96ウェル)又は500μL(48ウェル)にした。細胞を37℃、5%COで3日間培養し、次いで画像化した。IMR-90細胞はほとんどコンフルエントであり、培地に添加されたゼラチン又はコラーゲンを有していたウェルは、より大きいコンフルエンス及び細胞増殖におけるより高い方向性を有するように見受けられた。培地を1日後(4日目)に添加し、次いでさらに2日間培養し、その後細胞を画像化し溶解させた。cDNA合成後に細胞ライセートに対しqPCRを実施した(cell-to-CTキット、Thermo Fisher scientific)。
【0115】
[00126]別途示されない限り、成分、特性、例えば分子量、反応条件、並びに明細書及び特許請求の範囲において使用される他のものの量を表す全ての数字は、全ての例において用語「約」により修飾されていると理解されるべきである。したがって、それとは反対に示されない限り、明細書及び添付された特許請求の範囲に示される数値変数は、本開示により得られることが求められる所望の特性次第で変動しうる近似値である。少なくとも、さらには均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値変数は、報告される有効桁数に照らして、通常の端数を丸める技法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
【0116】
[00127]本開示の広い範囲を表す数値範囲及び変数は近似値であるが、特定の実施例において示される数値は可能な限り正確に報告される。しかし、任意の数値は、それらの各試験測定値にみられる標準偏差から必然的に生じるある程度の誤りを本質的に含有する。
【0117】
[00128]本明細書で開示される本開示の代替の要素又は実施形態の群分けは、限定的なものと解釈されるべきでない。各群メンバーは、個々に、又は本明細書にみられる群の他のメンバー若しくは他の要素との任意の組合せとして、言及及び主張されうる。利便性及び/又は特許性の理由から、群の1つ又は複数のメンバーが、群に含まれうること、又は群から削除されうることが予期される。任意のそのような包含又は削除が起こる場合、明細書は、改変されたように群を含有すると考えられ、このようにして添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュ群についての書面による記載を満たす。
【0118】
[00129]本開示のある特定の実施形態は、本開示を実施するために本発明者らに公知のベストモードを含めて、本明細書に記載される。当然のことながら、これらの記載される実施形態に対する変形形態が、前述の明細書を読めば当業者に明らかとなる。本発明者は、当業者が、そのような変形形態を必要に応じて利用することを予期し、本発明者らは、本開示が、本明細書に特に記載されるのとは別様に実行されることを意図する。したがって、本開示は、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての改変形態及び同等物を、適用法により許可されたものとして含む。さらに、先に記載された要素の、それらの可能性のある全ての変形形態としての任意の組合せが、本明細書で別途示されない限り、又は文脈と別途明確に矛盾しない限り、本開示により包含される。
【0119】
[00130]本明細書で開示される特定の実施形態は、「からなる」又は「から本質的になる」という言い回しを使用して、特許請求の範囲においてさらに限定されうる。移行語「からなる」は、特許請求の範囲において使用される場合、申請時のものであれ修正により追加されたものであれ、特許請求の範囲において指定されない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。移行語「から本質的になる」は、特許請求の範囲を、指定される物質又はステップ、及び基本的であり新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない物質又はステップに限定する。そのように主張される本開示の実施形態は、本明細書で本質的に又は特別に記載され、可能となる。
【0120】
[00131]本明細書で開示される本開示の実施形態が、本開示の原理の例示であることが理解されるべきである。利用可能な他の改変形態は本開示の範囲内である。ゆえに、例として、しかし限定するものではなく、本開示の代替の形態が、本明細書での教示に従って利用可能である。したがって、本開示は、示され記載される通りのものに限定されない。
【0121】
[00132]本開示は、各種特定の物質、手順及び例への言及により本明細書で記載及び例示されてきたが、本開示が、その目的のため選択される物質及び手順の特定の組合せに限定されないことが理解される。そのような詳細についての多数の変形形態が、当業者により理解されるものとして含意されうる。明細書及び実施例は例示的なものに過ぎないと考えられ、本開示の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲により示されることが意図される。本出願で言及される参考文献、特許、及び特許出願は全て、それらの全体にわたって、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6
【配列表】
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【国際調査報告】