(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】アミノ官能性有機ケイ素化合物の調製
(51)【国際特許分類】
C07F 7/10 20060101AFI20241008BHJP
C08G 77/388 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C07F7/10 W
C08G77/388
C07F7/10 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519592
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022077641
(87)【国際公開番号】W WO2023060153
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】フィゲロア、ルース
(72)【発明者】
【氏名】フィスク、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】モリトール、エーリヒ
(72)【発明者】
【氏名】デヴォア、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】クンバルカール、ムランマイ
(72)【発明者】
【氏名】フェリット、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】テルゲンホフ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】レッケン、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン、ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4H049
4J246
【Fターム(参考)】
4H049VN01
4H049VP02
4H049VQ23
4H049VQ35
4H049VQ78
4H049VR23
4H049VR41
4H049VT17
4H049VT52
4H049VU04
4H049VW02
4J246AA03
4J246AB01
4J246BA02X
4J246BB021
4J246BB02X
4J246CA24X
4J246CA34E
4J246CA34U
4J246CA34X
4J246CA57E
4J246CA57M
4J246CA57U
4J246CA57X
4J246CA76E
4J246CA76M
4J246CA76X
4J246FB213
4J246FC152
(57)【要約】
アミノ官能基を有する有機ケイ素化合物が調製される。アルデヒド官能性有機ケイ素化合物をアミン源及び水素と化合させるための触媒還元的アミノ化プロセスは、アミノ官能性有機ケイ素化合物を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、前記出発材料が、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素化触媒と、水素と、任意選択的に、溶媒と、を含み、それによって、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、式:R
Ald
xSiR
4
(4-x)のアルデヒド官能性シランを含み、式中、各R
Aldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基
【化1】
であり、Gは、脂肪族不飽和を含まない2~8個の炭素原子の直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
hのアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各R
Aldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、式中、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、前記単位式中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンが、
i)(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、cは、0~6であり、dは、3~12である)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単位式を有する、環状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
ii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
dを含む直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、かつ数量(a+b+c+d)≧2である、直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
iii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
mm(R
4
2R
AldSiO
1/2)
nn(SiO
4/2)
oo(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂であって、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、前記ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモル百分率を表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、かつ0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する、アルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂、
iv)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂であって、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である、アルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂、
v)式:R
AldSiR
12
3を含む分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、各R
12は、R
13及び-OSi(R
14)
3から選択され、各R
13は、一価の炭化水素基であり、各R
14は、R
13、-OSi(R
15)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
15は、R
13、-OSi(R
16)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
16は、R
13及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、ただし、R
12のうちの少なくとも2つが、-OSi(R
14)
3であることを条件とする、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
下付き文字b=2かつ、a=c=d=e=f=g=h=0であり、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、
【化2】
を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
各R
Aldが、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択される、請求項2~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各R
4が、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される、請求項2~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
工程I)の前に、ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることを含むプロセスによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を形成することを更に含み、前記出発材料が、
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、
(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒と、を含み、前記ビスホスファイト配位子が、式
【化3】
を有し、式中、
R
6及びR
6’が、各々独立して、水素、1~20個の炭素原子のアルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及び1~20個の炭素原子のアルコキシ基からなる群から選択され、
R
7及びR
7’が、各々独立して、3~20個の炭素原子のアルキル基、及び式-SiR
17
3の基からなる群から選択され、式中、各R
17が、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
R
8、R
8’、R
9、及びR
9’が、各々独立して、水素、アルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及びアルコキシ基からなる群から選択され、
R
10、R
10’、R
11、及びR
11’が、各々独立して、水素又は及びアルキル基からなる群から選択され、それによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
工程I)の前に、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
(F)前記アミン源が、
(F1)式:R
18NH
2(式中、R
18は、1~18個の炭素原子のアルキル基である)の一級アミン、
(F2)アンモニア、
(F3)ポリエーテルアミン、
(F4)式H
2N-D-NH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)のジアミン、及び
(F5)(F1)、(F2)、(F3)、及び(F4)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水素化触媒が、Co、Cu、Fe、Ni、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む、不均一系水素化触媒である、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水素化触媒の量が、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、1重量%未満~50重量%である、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
工程I)で、条件(i)及び(ii)のうちの一方又は両方が満たされ、条件(i)は、H
2圧力が10psig(68.9kPa)~1500psig(10,342kPa)であることであり、条件(ii)は、温度が0℃~200℃であることである、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
工程I)の前に、前記水素化触媒を前処理することを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
II)工程I)の最中及び/又は後に、前記反応生成物から前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記アミノ官能性有機ケイ素化合物が、式:R
N
xSiR
4
(4-x)のアミノ官能性シランを含み、式中、各R
Nは、独立して選択される式
【化4】
のアミノ官能基であり、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基であり、各R
19は、R
18、H、D-NH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)、及びポリエーテル基からなる群から選択される、請求項2に記載のプロセスによって調製されたアミノ官能性有機ケイ素化合物。
【請求項17】
前記アミノ官能性有機ケイ素化合物が、単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
NSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
NSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
NSiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
hのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各R
Nは、独立して選択される式
【化5】
のアミノ官能基であり、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基であり、各R
19は、R
18、H、D-NH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)、及びポリエーテル基からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセスによって調製されたアミノ官能性有機ケイ素化合物。
【請求項18】
前記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンが、
(R
4R
NSiO
2/2)
d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
NSiO
2/2)
d(式中、cは、0~6であり、dは、3~12である)からなる群から選択される単位式を有する、環状アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、
単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
NSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
NSiO
2/2)
dを含む直鎖状アミノ官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、かつ数量(a+b+c+d)≧2である、直鎖状アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、
単位式:(R
4
3SiO
1/2)
mm(R
4
2R
NSiO
1/2)
nn(SiO
4/2)
oo(ZO
1/2)
hを含むアミノ官能性ポリオルガノシリケート樹脂であって、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、前記ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモル百分率を表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、かつ0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する、アミノ官能性ポリオルガノシリケート樹脂、
単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
NSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
NSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
NSiO
3/2)
f(ZO
1/2)
hを含むアミノ官能性シルセスキオキサン樹脂であって、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である、アミノ官能性シルセスキオキサン樹脂、並びに
式:R
NSiR
12
3を含む分岐状アミノ官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、各R
12は、R
13及び-OSi(R
14)
3から選択され、各R
13は、一価の炭化水素基であり、各R
14は、R
13、-OSi(R
15)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
15は、R
13、-OSi(R
16)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
16は、R
13及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、ただし、R
12のうちの少なくとも2つが、-OSi(R
14)
3であることを条件とする、分岐状アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、からなる群から選択される、請求項17に記載のアミノ官能性有機ケイ素化合物。
【請求項19】
下付き文字b=2かつ、a=c=d=e=f=g=h=0であり、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物が、
【化6】
を含む、請求項17に記載のアミノ官能性有機ケイ素化合物。
【請求項20】
前記アミノ官能性有機ケイ素化合物が、式
【化7】
を有し、式中、各R
13は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択される、請求項17に記載のアミノ官能性有機ケイ素化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2021年10月6日に出願された米国特許仮出願第63/252,639号の利益を主張するものである。米国特許仮出願第63/252,639号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスが開示される。より具体的には、アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスは、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物のアミン源を用いた還元的アミノ化を含む。
【0003】
序論
ある特定のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、例えば、織物及び皮革処理用途において有用である。アミン末端ポリジオルガノシロキサンなどの他のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、ヘアケアなどのパーソナルケア用途において有用である。アミン末端ポリジオルガノシロキサンは、例えば、ヘアコンディショニング用途において有用であり得る。縮合によって作製されたアミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、経年劣化後の粘度変化及び/又はアンモニア臭の発生によって示されるような不安定性という欠点を抱えている場合があり、これはパーソナルケア用途には望ましくない。伝統的に、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、高価な出発材料及び触媒を必要とし、完了するために複数のプロセス工程を必要とするので、平衡化によって作製するには費用がかかる。
【0004】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサンを作製するための別の方法は、アリルアミン又はアリルアミンに加水分解する誘導体を使用する。これらは、SiH官能性ポリマーを用いてヒドロシリル化化学作用を行って、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンを形成するために使用されるが、しかしながら、この方法は、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン生成物が少なくとも微量のSiH又はアリルアミンのいずれかを含有する場合があり、アリルアミンの毒性及びSiHの反応性に起因して、生成物を任意のパーソナルケア用途に使用することができるようになる前にそのいずれかを除去しなければならないという欠点を抱えている。
【0005】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサンを作製する別の方法は、クロロプロピル末端シロキサンのアンモノリシスによるものである。この高価な多段階方法は、除去するのに大規模な洗浄を必要とし得る残留塩(すなわち、塩化アンモニウム)をアミン末端ポリオルガノシロキサン生成物中に残すという欠点を抱えている場合があり、これは費用効果が低く、持続可能性が低い。また、任意の残留塩化アンモニウムは、悪臭を生成する場合があり、これは、パーソナルケア用途には望ましくない。
【0006】
したがって、有機ケイ素産業において、比較的高い純度、高い選択性、及び/又は低い費用で広範囲のアミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するための合成方法に対する満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスは、還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、出発材料が、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素と、水素化触媒と、を含み、それによって、アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む還元的アミノ化反応生成物を形成する、化合させることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上で紹介したアミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスにおいて、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、既知であるアルデヒド官能性有機ケイ素化合物であり得、Pettyの米国特許第4,424,392号、Francesらの米国特許第5,021,601号、Graiverらの米国特許第5,739,246号、Asirvathamの米国特許第7,696,294号、及びSuttonらの米国特許第7,999,053号、Francesの欧州特許出願公開第0392948(A1)号、及びKuhnleらのPCT特許出願公開第WO2006027074号に記載されているような既知の方法によって作製され得る。
【0009】
ヒドロホルミル化
代替的に、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、ヒドロホルミル化プロセスによって調製され得る。このヒドロホルミル化プロセスは、1)ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、出発材料が、(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒などのヒドロホルミル化反応触媒と、を含み、それによって、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、化合させることを含む。
【0010】
本明細書に記載されるヒドロホルミル化プロセスは、(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子触媒と、を含む、出発材料を用いる。出発材料は、任意選択的に、(D)溶媒を更に含み得る。
【0011】
(A)合成ガス
ヒドロホルミル化プロセスにおいて使用されるガスである出発材料(A)は、一酸化炭素(CO)及び水素ガス(H2)を含む。例えば、ガスは、合成ガスであり得る。本発明で使用される場合、「合成ガス(syngas)」(合成ガス(synthesis gas)から)は、様々な量のCO及びH2を含有するガス混合物を指す。生成方法は、周知であり、例えば、(1)天然ガス又は液体炭化水素の水蒸気改質及び部分酸化、並びに(2)石炭及び/又はバイオマスのガス化を含む。CO及びH2は、典型的には、合成ガスの主要構成成分であるが、合成ガスは、二酸化炭素、並びにCH4、N2、及びArなどの不活性ガスを含有し得る。H2とCOとのモル比(H2:COモル比)は、大きく変化するが、1:100~100:1、代替的に1:10~10:1の範囲であり得る。合成ガスは市販されており、多くの場合燃料源として又は他の化学物質を生成するための中間体として使用される。代替的に、他の供給源(すなわち、合成ガス以外)からのCO及びH2は、本明細書において出発材料(A)として使用され得る。代替的に、本明細書で使用するための出発材料(A)中のH2:COモル比は、3:1~1:3、代替的に2:1~1:2、代替的に1:1であり得る。
【0012】
(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物
アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した少なくとも1つのアルケニル基を有する。代替的に、アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した2つ以上のアルケニル基を有し得る。出発材料(B)は、1つのアルケニル官能性有機ケイ素化合物であり得る。代替的に、出発材料(B)は、互いに異なる2つ以上のアルケニル官能性有機ケイ素化合物を含み得る。例えば、アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、(B1)シラン及び(B2)ポリオルガノシロキサンのうちの一方又は両方を含み得る。
【0013】
出発材料(B1)、アルケニル官能性シランは、式(B1-1):RA
xSiR4
(4-x)を有し得、式中、各RAは、独立して選択される2~8個の炭素原子のアルケニル基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である。代替的に、下付き文字xは、1又は2、代替的に2、代替的に1であり得る。代替的に、各R4は、独立して、1~12個の炭素原子のアルキル基、及び6~12個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、各R4は、独立して、1~8個の炭素原子のアルキル基、及び6~8個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、式(B1-1)中の各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択され得る。
【0014】
RAのアルケニル基は、末端アルケニル官能基を有し得、例えば、RAは、式
【0015】
【化1】
を有し得、式中、下付き文字yは、0~6である。代替的に、各R
Aは、独立して、ビニル、アリル、及びヘキセニルからなる群から選択され得る。代替的に、各R
Aは、独立して、ビニル及びアリルからなる群から選択され得る。代替的に、各R
Aは、ビニルであり得る。代替的に、各R
Aは、アリルであり得る。
【0016】
R4に好適なアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル(及び5~18個の炭素原子を有する分岐状異性体)によって例示され、アルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどのシクロアルキル基によって更に例示される。代替的に、R4のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチル、代替的に、メチル、エチル、及びプロピル、代替的に、メチル又はエチルからなる群から選択され得る。代替的に、R4のアルキル基は、メチルであり得る。
【0017】
R4に好適なアリール基は、単環式又は多環式であり得、ペンダントヒドロカルビル基を有し得る。例えば、R4のアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、及びナフチルが挙げられ、更に、ベンジル、1-フェニルエチル、及び2-フェニルエチルなどのアラルキル基が挙げられる。代替的に、R4のアリール基は、フェニル、トリル、又はベンジルなどの単環式であり得、代替的に、R4のアリール基は、フェニルであり得る。
【0018】
好適なアルケニル官能性シランは、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリエチルシラン、及びアリルトリメチルシランなどのアルケニル官能性トリアルキルシランによって例示される。これらのアルケニル官能性シランは全て、例えば、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania,USA)から市販されている。
【0019】
代替的に、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンを含み得る。当該ポリオルガノシロキサンは、環状、直鎖状、分岐状、樹脂状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。当該ポリオルガノシロキサンは、単位式(B2-1):(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hを含み得、式中、RA及びR4は、上記のとおりであり、各Zは、独立して、水素原子及びR5(式中、R5は、上記のとおりである)からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、式(B2-1)中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、かつ下付き文字g≧0、数量(a+b+c+d+e+f+g)≧2、かつ数量(b+d+f)≧1であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5であるような値を有する。同時に、数量(a+b+c+d+e+f+g)は、≦10,000であり得る。代替的に、e=f=g=0である場合、h≧0である。代替的に、式(B-2-1)中、各R4は、独立して、水素原子、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、各R4は、独立して、1~12個の炭素原子のアルキル基、及び6~12個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、各R4は、独立して、1~8個の炭素原子のアルキル基、及び6~8個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択され得る。代替的に、各Zは、水素又は1~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、各Zは、水素であり得る。
【0020】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり少なくとも1つのアルケニル基、代替的に、少なくとも2個のアルケニル基(例えば、上記の式(B2-1)中、下付き文字e=f=g=0の場合)を有する(B2-2)直鎖状ポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、当該ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B2-3):(R4
3SiO1/2)a(RAR4
2SiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(RAR4SiO2/2)dを含み得、式中、RA及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字aは、0、1、又は2であり、下付き文字bは、0、1、又は2、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0であり、ただし、数量(b+d)≧1、数量(a+b)=2、かつ数量(a+b+c+d)≧2であることを条件とする。代替的に、単位式(B2-3)中、数量(a+b+c+d)は、少なくとも3、代替的に少なくとも4、代替的に>50であり得る。同時に、単位式(B2-3)中、数量(a+b+c+d)は、10,000以下、代替的に、4,000以下、代替的に、2,000以下、代替的に、1,000以下、代替的に、500以下、代替的に、250以下であり得る。代替的に、単位式(B2-3)中、各R4は、独立して、アルキル及びアリール、代替的に、メチル及びフェニルからなる群から選択され得る。代替的に、単位式(B2-3)中の各R4は、アルキル基であり得、代替的に、各R4は、メチルであり得る。
【0021】
代替的に、単位式(B2-3)のポリジオルガノシロキサンは、単位式(B2-4):(R4
2RASiO1/2)2(R4
2SiO2/2)m(R4RASiO2/2)n、単位式(B2-5):(R4
3SiO1/2)2(R4
2SiO2/2)o(R4RASiO2/2)p、又は(B2-4)と(B2-5)との両方の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0022】
式(B2-4)及び(B2-5)中、各R4及びRAは、上記のとおりである。下付き文字mは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字mは、少なくとも2であり得る。代替的に、下付き文字mは、2~2,000であり得る。下付き文字nは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字nは、0~2000であり得る。下付き文字oは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字oは、0~2000であり得る。下付き文字pは、少なくとも2である。代替的に、下付き文字pは、2~2000であり得る。
【0023】
出発材料(B2)は、i)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、iii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、vi)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、vii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、viii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、ix)ビス-フェニル、メチル、ビニル-シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、x)ビス-ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、xi)ビス-ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、xii)ビス-ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、xiii)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、xiv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、xv)ビス-ジメチルヘキセニル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、xvi)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、xvii)ビス-ジメチルヘキセニル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、xviii)ジメチルヘキセニル-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、及びxix)i)~xviii)のうちの2つ以上の組み合わせなどのアルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンを含み得る。
【0024】
出発材料(B2)のための上記の直鎖状アルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンの調製方法、例えば、対応するオルガノハロシラン及びオリゴマーの加水分解及び縮合、又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第3,284,406号、同第4,772,515号、同第5,169,920号、同第5,317,072号、及び同第6,956,087号を参照されたく、これらは、アルケニル基を有する直鎖状ポリジオルガノシロキサンの調製について開示している。アルケニル基を有する直鎖状ポリジオルガノシロキサンの例は、例えば、商品名DMS-V00、DMS-V03、DMS-V05、DMS-V21、DMS-V22、DMS-V25、DMS-V-31、DMS-V33、DMS-V34、DMS-V35、DMS-V41、DMS-V42、DMS-V43、DMS-V46、DMS-V51、DMS-V52でGelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania,USA)から市販されている。
【0025】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、環状、例えば、単位式(B2-1)中、下付き文字a=b=c=e=f=g=h=0の場合であり得る。環状アルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B2-7):(R4RASiO2/2)dを有し得、式中、RA及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字dは、3~12、代替的に3~6、代替的に4~5であり得る。環状アルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンの例としては、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリビニル-シクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニル-シクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタビニル-シクロペンタシロキサン、及び2,4,6,8,10,12-ヘキサメチル-2,4,6,8,10,12-ヘキサビニル-シクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらの環状アルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、例えば、Sigma-Aldrich(St.Louis,Missouri,USA)、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)、及び他の業者から市販されている。
【0026】
代替的に、環状アルケニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B2-8):(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dを有し得、式中、R4及びRAは、上記のとおりであり、下付き文字cは、>0~6であり、下付き文字dは、3~12である。代替的に、式(B2-8)中、cは、3~6であり得、dは、3~6であり得る。
【0027】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、オリゴマー、例えば、上記単位式(B2-1)中、数量(a+b+c+d+e+f+g)≦50、代替的に≦40、代替的に≦30、代替的に≦25、代替的に≦20、代替的に≦10、代替的に≦5、代替的に≦4、代替的に≦3である場合であり得る。オリゴマーは、環状、直鎖状、分岐状、又はこれらの組み合わせであり得る。環状オリゴマーは、出発材料(B2-6)として上記のとおりである。
【0028】
直鎖状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例は、式(B2-10):
【0029】
【化2】
を有し得、式中、R
4は、上記のとおりであり、各R
2は、独立して、R
4及びR
Aからなる群から選択されるが、ただし、1分子当たり少なくとも1つのR
2は、R
Aであり、下付き文字zは、0~48であることを条件とする。代替的に、下付き文字zは、0~4、代替的に0又は1、代替的に0であり得る。代替的に、式(B2-10)中、z=0である場合、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーは、式(B2-10a):
【0030】
【化3】
を有し得る。直鎖状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例としては、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,3-ペンタメチル-3-ビニル-ジシロキサン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル-3-ビニル-トリシロキサン(それらの全ては、例えば、Gelest,Inc.(Morrisville,Pennsylvania,USA)又はSigma-Aldrich(St.Louis,Missouri,USA)から市販されている)が挙げられ得る。
【0031】
代替的に、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーは、分岐状であり得る。分岐状オリゴマーは、一般式(B2-11):RASiR12
3を有し得、式中、RAは、上記のとおりであり、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、式中、各R13は、一価炭化水素基(例えば、R4について上で記載し例示したようなアルキル基又はアリール基)であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有する。R12のうちの少なくとも2つは、-OSi(R14)3であり得る。代替的に、R12のうちの3つ全ては、-OSi(R14)3であり得る。
【0032】
代替的に、式(B2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造(B2-11a):
【0033】
【化4】
を有するようなR
13部分であり得、式中、R
13は、上記のとおりであり、R
Aは、上記のアルケニル基である。代替的に、式(B2-11a)中の各R
Aは、ビニルであり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0034】
代替的に、式(B2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造(B2-11b)を有するような-OSi(R15)3部分であり得、
【0035】
【化5】
式中、R
A及びR
15は、上記のとおりである。代替的に、各R
15は、上記のようにR
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0036】
代替的に、式(B2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各R12が-OSiR13(R14)2であるような各-OSi(R14)3においてR13であり得る。代替的に、-OSiR13(R14)2中の2つのR14は、各々、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造(B2-11c):
【0037】
【化6】
(式中、R
A、R
13、及びR
15は、上記のとおりである)を有するような-OSi(R
15)
3部分であり得る。代替的に、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0038】
代替的に、式(B2-11)中、1つのR12は、R13であり得、R12のうちの2つは、-OSi(R14)3であり得る。R12のうちの2つが-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各-OSi(R14)3中のR13であり、R12のうちの2つは、-OSiR13(R14)2である。代替的に、-OSiR13(R14)2中の各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造(B2-11d):
【0039】
【化7】
(式中、R
A、R
13、及びR
15は、上記のとおりである)を有するような-OSi(R
15)
3であり得る。代替的に、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。代替的に、アルケニル官能性分岐状ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり3~16個のケイ素原子、代替的に1分子当たり4~16個のケイ素原子、代替的に1分子当たり4~10個のケイ素原子を有し得る。アルケニル官能性分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例としては、式:
【0040】
【化8】
を有するビニル-トリス(トリメチル)シロキシ)シラン、
式
【0041】
【化9】
を有するメチル-ビニル-ジ(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シラン、
式
【0042】
【化10】
を有するビニル-トリス((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シラン、及び式
【0043】
【化11】
(Si10Hex)を有する(ヘキサ-5-エン-1-イル)-トリス((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シランが挙げられる。上記の分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーは、Grandeらによる「Testing the Functional Tolerance of the Piers-Rubinsztajn Reaction:A new Strategy for Functional Silicones」Supplementary Material(ESI)for Chemical Communications、著作権The Royal Society of Chemistry 2010に開示されているものなどの既知の方法によって調製され得る。
【0044】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、上記の分岐状オリゴマー、及び/又は上記の分岐状オリゴマーよりも、例えば、1分子当たりより多くのアルケニル基及び/又はより多くのポリマー単位を有し得る分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサン(例えば、式(B2-1)中、数量(a+b+c+d+e+f+g)>50の場合)などの分岐状であり得る。分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、(式(B2-1)中)分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンに、>0~5mol%の三官能性単位及び/又は四官能性単位を提供するに十分な数量(e+f+g)を有し得る。
【0045】
例えば、分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(B2-13):(R4
3SiO1/2)q(R4
2RASiO1/2)r(R4
2SiO2/2)s(SiO4/2)tのQ型分岐状ポリオルガノシロキサンを含み得、式中、R4及びRAは、上記のとおりであり、下付き文字q、r、s、及びtは、2≧q≧0、4≧r≧0、995≧s≧4、t=1、(q+r)=4であるような平均値を有し、(q+r+s+t)は、回転粘度計(試験方法とともに以下に記載される)によって測定される粘度>170mPa・sを、分岐状ポリオルガノシロキサンに付与するのに十分な値を有する。代替的に、粘度は、>170mPa・s~1000mPa・s、代替的に>170mPa・s~500mPa・s、代替的に180mPa・s~450mPa・s、代替的に190mPa・s~420mPa・sであってもよい。出発材料(B2-12)に好適なQ型分岐状ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、Crayらの米国特許第6,806,339号及びCrayらの米国特許出願公開第2007/0289495号に開示されているものによって例示される、既知の方法によって作製され得る。
【0046】
代替的に、分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、式(B2-14):[RAR4
2Si-(O-SiR4
2)x-O](4-w)-Si-[O-(R4
2SiO)vSiR4
3]wを含み得、式中、RA及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字v、w、及びxは、200≧v≧1、2≧w≧0、及び200≧x≧1であるような値を有する。代替的に、この式(B2-14)中、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択され、各RAは、独立して、ビニル、アリル、及びヘキセニルからなる群から選択される。出発材料(B2-14)に好適な分岐状ポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシリケート樹脂と、環状ポリジオルガノシロキサン又は直鎖状ポリジオルガノシロキサンとを含む混合物を、酸又はホスファゼン塩基などの触媒の存在下で加熱し、その後触媒を中和するなどの既知の方法によって調製され得る。
【0047】
代替的に、出発材料(B2-11)のための分岐状アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(B2-15):(R4
3SiO1/2)aa(RAR4
2SiO1/2)bb(R4
2SiO2/2)cc(RAR4SiO2/2)ee(R4SiO3/2)ddのT型分岐状ポリオルガノシロキサン(シルセスキオキサン)を含み得、式中、R4及びRAは、上記のとおりであり、下付き文字aa≧0、下付き文字bb>0であり、下付き文字ccは、15~995であり、下付き文字dd>0、かつ下付き文字ee≧0である。下付き文字aaは、0~10であり得る。代替的に、下付き文字aaは、12≧aa≧0、代替的に、10≧aa≧0、代替的に、7≧aa≧0、代替的に、5≧aa≧0、代替的に、3≧aa≧0であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字bb≧1である。代替的に、下付き文字bb≧3である。代替的に、下付き文字bbは、12≧bb>0、代替的に、12≧bb≧3、代替的に、10≧bb>0、代替的に、7≧bb>1、代替的に、5≧bb≧2、代替的に、7≧bb≧3であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字ccは、800≧cc≧15、代替的に400≧cc≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字eeは、800≧ee≧0、800≧ee≧15、代替的に、400≧ee≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字eeは、0であり得る。代替的に、数量(cc+ee)は、995≧(cc+ee)≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字dd≧1である。代替的に、下付き文字ddは、1~10であり得る。代替的に、下付き文字ddは、10≧dd>0、代替的に、5≧dd>0、代替的に、dd=1であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字ddは、1~10であり得、代替的に、下付き文字ddは、1又は2であり得る。代替的に、下付き文字dd=1の場合、下付き文字bbは、3であり得、下付き文字ccは、0であり得る。下付き文字bbの値は、シルセスキオキサンの重量に基づいて、0.1%~1%、代替的に0.2%~0.6%のアルケニル含有量を有する単位式(B2-15)のシルセスキオキサンを提供するのに十分であり得る。出発材料(B2-15)のための好適なT型分岐状ポリオルガノシロキサン(シルセスキオキサン)は、Brownらの米国特許第4,374,967号、Enamiらの米国特許第6,001,943号、Nabetaらの米国特許第8,546,508号、及びEnamiの米国特許第10,155,852号において開示されているものによって例示される。
【0048】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、式RM
3SiO1/2の単官能性単位(「M」単位)及び式SiO4/2の四官能性シリケート単位(「Q」単位)を含む、アルケニル官能性ポリオルガノシリケート樹脂を含み得、式中、各RMは、独立して選択される一価の炭化水素基であり、各RMは、独立して、上記のようなR4及びRAからなる群から選択され得る。代替的に、各RMは、アルキル、アルケニル、及びアリールからなる群から選択され得る。代替的に、各RMは、メチル、ビニル、及びフェニルから選択され得る。代替的に、RM基の少なくとも3分の1、代替的に少なくとも3分の2は、メチル基である。代替的に、M単位は、(Me3SiO1/2)、(Me2PhSiO1/2)、及び(Me2ViSiO1/2)によって例示され得る。ポリオルガノシリケート樹脂は、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、及びヘプタン等の液体炭化水素によって例示される、出発材料(D)として本明細書に記載されるものなどの溶媒中、又は低粘度直鎖状及び環状ポリジオルガノシロキサンなどの液体非官能性有機ケイ素化合物中で可溶性である。
【0049】
調製される場合、ポリオルガノシリケート樹脂は、上記のM単位及びQ単位を含み、ポリオルガノシロキサンは、ケイ素結合ヒドロキシル基、及び/又は上記の部分(ZO1/2)によって記載される加水分解性基を有する単位を更に含み、式Si(OSiRM
3)4のネオペンタマーを含み得、式中、RMは、上記のとおりであり、例えば、ネオペンタマーは、テトラキス(トリメチルシロキシ)シランであり得る。29Si NMR及び13C NMRスペクトル法を用いて、ヒドロキシル及びアルコキシ含有量、並びにM単位及びQ単位のモル比を測定し得、当該比は、M単位及びQ単位をネオペンタマーから排除した{M(樹脂)}/{Q(樹脂)}として表される。M/Q比は、ポリオルガノシリケート樹脂の樹脂性部分のトリオルガノシロキシ基(M単位)の総数と、樹脂性部分中のシリケート基(Q単位)の総数とのモル比を表す。M:Q比は、0.5/1~1.5/1、代替的に0.6/1~0.9/1であり得る。
【0050】
ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、存在するRMによって表される炭化水素基の種類などの様々な要因によって異なる。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、ネオペンタマーを表すピークが測定値から除外されるとき、GPCを使用して測定される数平均分子量を指す。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、1,500Da~30,000Da、代替的に、1,500Da~15,000Da、代替的に、>3,000Da~8,000Daであり得る。代替的に、ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、3,500Da~8,000Daであってもよい。
【0051】
米国特許第8,580,073号の第3欄の5行目~第4欄の31行目、及び米国特許出願公開第2016/0376482号の段落[0023]~[0026]は、MQ樹脂を開示するために参照により本明細書に組み込まれ、このMQ樹脂は、出発材料(B2)としての使用に好適なポリオルガノシリケート樹脂である。ポリオルガノシリケート樹脂は、対応するシランの共加水分解又はシリカヒドロゾルキャッピング法などの任意の好適な方法によって調製することができる。ポリオルガノシリケート樹脂は、Daudtらの米国特許第2,676,182号、Rivers-Farrellらの米国特許第4,611,042号、及びButlerらの米国特許第4,774,310号に開示されているものなどのシリカヒドロゲルキャッピングプロセスによって調製され得る。上記のDaudtらの方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルと、トリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン又はこれらの混合物とを反応させることと、M単位及びQ単位を有するコポリマーを回収することと、を伴う。得られたコポリマーは概ね、2~5重量パーセントのヒドロキシル基を含有する。
【0052】
ポリオルガノシリケート樹脂を調製するために使用される中間体は、トリオルガノシラン及び4つの加水分解性置換基を含むシラン又はアルカリ金属シリケートであることができる。トリオルガノシランは、式RM
3SiXを有し得、式中、RMは、上記のとおりであり、Xは、ヒドロキシル基、又は例えば、上記の式OZの加水分解性置換基を表す。4つの加水分解性置換基を有するシランは、式SiX2
4を有し得、式中、各X2は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、及びヒドロキシルからなる群から選択される。好適なアルカリ金属シリケートとしては、ナトリウムシリケートが挙げられる。
【0053】
上記のように調製されたポリオルガノシリケート樹脂は、典型的には、例えば、式HOSiO3/2のケイ素結合ヒドロキシル基を含有する。ポリオルガノシリケート樹脂は、上記のようなFTIR分光法及び/又はNMR分光法による測定で、最大3.5%のケイ素結合ヒドロキシル基を含み得る。特定の用途では、ケイ素結合ヒドロキシル基の量は、0.7%未満、代替的に0.3%未満、代替的に1%未満、代替的に0.3%~0.8%であることが望ましい場合がある。ポリオルガノシリケート樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロキシル基は、シリコーン樹脂を、適切な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラザンと反応させることによってトリ炭化水素シロキサン基又は異なる加水分解性基に変換することができる。加水分解性基を含有するシランは、ポリオルガノシリケート樹脂におけるケイ素結合ヒドロキシル基と反応するのに必要な量よりもモル過剰で添加され得る。
【0054】
代替的に、ポリオルガノシリケート樹脂は、2%以下、代替的に、0.7%以下、代替的に、0.3%以下、代替的に、0.3%~0.8%のヒドロキシル基、例えば、式XSiO3/2によって表されるものを含有する単位を更に含み得、式中、RMは上記のとおりであり、Xは、加水分解性置換基、例えば、OHを表す。ポリオルガノシリケート樹脂中に存在するシラノール基(式中、X=OH)の濃度は、上記のようにFTIR分光法及び/又はNMRを使用して決定され得る。
【0055】
本明細書で使用するために、ポリオルガノシリケート樹脂は、1分子当たり1つ以上の末端アルケニル基を更に含む。末端アルケニル基を有するポリオルガノシリケート樹脂は、Daudtらの生成物を、最終生成物中に3~30モルパーセントのアルケニル基を提供するのに十分な量の、アルケニル基含有末端封鎖剤及び脂肪族不飽和を含まない末端封鎖剤と反応させることによって調製され得る。末端封止剤の例としては、限定されないが、シラザン、シロキサン、及びシランが挙げられる。好適な末端封鎖剤は、当該技術分野において既知であり、Blizzardらの米国特許第4,584,355号、Blizzardらの同第4,591,622号、及びHomanらの同第4,585,836号において例示されている。単一の末端封鎖剤又はこのような薬剤の混合物を使用して、このような樹脂を調製し得る。
【0056】
代替的に、ポリオルガノシリケート樹脂は、単位式(B2-17):(R4
3SiO1/2)mm(R4
2RASiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含み得、式中、Z、R4、及びRA、並びに下付き文字hは、上記のとおりであり、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn>0、oo>0、かつ0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。代替的に、0.6≦(mm+nn)/oo≦4、代替的に、0.7≦(mm+nn)/oo≦4、代替的に、0.8≦(mm+nn)/oo≦4である。
【0057】
代替的に、(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、(B2-18)アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂、すなわち、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(ZO1/2)hの三官能性(T)単位を含有する樹脂を含み得、式中、R4及びRAは、上記のとおりであり、下付き文字f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、単位式(B2-19):(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(ZO1/2)hを含み得、式中、R4、RA、Z、並びに下付き文字h、e、及びfは、上記のとおりである。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、上記のT単位に加えて、式R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dの二官能性(D)単位、すなわち、DT樹脂を更に含み得、式中、下付き文字c及びdは、上記のとおりである。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、式(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)bの単官能性(M)単位、すなわち、MDT樹脂を更に含み得、式中、下付き文字a及びbは、単位式(B2-1)について上記のとおりである。
【0058】
アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、例えば、市販されている。トルエン中に溶解された単位式(B2-20):(Me2ViSiO1/2)25(PhSiO3/2)75を含むRMS-310は、DSCから市販されている。アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、Nollによる「Chemistry and Technology of Silicone」Academic Press(1968)、第5章、190~245頁に記載されているような方法を使用して、トリアルコキシシランの加水分解及び縮合又は混合物によって生成され得る。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、Beckerらの米国特許第6,281,285号出発材料Bankらの米国特許第5,010,159号に記載される方法を使用して、トリクロロシランの加水分解及び縮合によって生成され得る。D単位を含むアルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、米国特許出願第2020/0140619号及びSwierらの国際公開第2018/204068号に開示されている方法などの既知の方法によって調製され得る。
【0059】
出発材料(B)は、上記のアルケニル官能性有機ケイ素化合物のうちのいずれか1つであり得る。代替的に、出発材料(B)は、アルケニル官能性有機ケイ素化合物のうちの2つ以上の混合物を含み得る。
【0060】
(C)ヒドロホルミル化反応触媒
本明細書で使用するためのヒドロホルミル化反応触媒である出発材料(C)は、ロジウムと閉鎖末端ビスホスファイト配位子との活性錯体を含む。ビスホスファイト配位子は、対称的であり得るか、又は非対称的であり得る。代替的に、ビスホスファイト配位子は、対称的であり得る。ビスホスファイト配位子は、式(C1):
【0061】
【化12】
を有し、式中、R
6及びR
6’は、各々独立して、水素、少なくとも1個の炭素原子のアルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及び少なくとも1個の炭素原子のアルコキシ基からなる群から選択され、R
7及びR
7’は、各々独立して、少なくとも3個の炭素原子のアルキル基、及び式-SiR
17
3の基からなる群から選択され、式中、各R
17は、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、R
8、R
8’、R
9、及びR
9’は、各々独立して、水素、アルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及びアルコキシ基からなる群から選択され、R
10、R
10’、R
11、及びR
11’は、各々独立して、水素及びアルキル基からなる群から選択される。代替的に、各R
7及びR
7’のうちの1つは、水素であり得る。
【0062】
式(C1)中、R6及びR6’は、少なくとも1個の炭素原子、代替的に1~20個の炭素原子のアルキル基であり得る。R6及びR6’に好適なアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル(及び5~20個の炭素原子を有する分岐状異性体)によって例示され、アルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどのシクロアルキル基によって更に例示される。代替的に、R6及びR6’のアルキル基は、エチル、プロピル、及びブチル、代替的に、プロピル及びブチルからなる群から選択され得る。代替的に、R6及びR6’のアルキル基は、ブチルであり得る。代替的に、R6及びR6’は、アルコキシ基であり得、アルコキシ基は、式-OR6’’を有し得、式中、R6’’は、R6及びR6について上記のようなアルキル基である。
【0063】
代替的に、式(C1)中、R6及びR6’は、独立して、1~6個の炭素原子のアルキル基及び1~6個の炭素原子のアルコキシ基から選択され得る。代替的に、R6及びR6’は、2~4個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、R6及びR6’は、1~4個の炭素原子のアルコキシ基であり得る。代替的に、R6及びR6’は、ブチル基、代替的にtert-ブチル基であり得る。代替的に、R6及びR6’は、メトキシ基であり得る。
【0064】
式(C1)中、R7及びR7’は、少なくとも3個の炭素原子、代替的に3~20個の炭素原子のアルキル基であり得る。R7及びR7’に好適なアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。アルキル基は、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル(及び5~20個の炭素原子を有する分岐状異性体)によって例示され、アルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどのシクロアルキル基によって更に例示される。代替的に、R7及びR7’のアルキル基は、プロピル及びブチルからなる群から選択され得る。代替的に、R7及びR7’のアルキル基は、ブチルであり得る。
【0065】
代替的に、式(C1)中、R7及びR7’は、式-SiR17
3のシリル基であり得、式中、各R17は、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基である。一価の炭化水素基は、R6及びR6について、上記のような1~20個の炭素原子のアルキル基であり得る。
【0066】
代替的に、式(C1)中、R7及びR7’は、各々、独立して選択されるアルキル基、代替的に3~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、R7及びR7’は、3~4個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、R7及びR7’は、ブチル基、代替的にtert-ブチル基であり得る。
【0067】
式(C1)中、R8、R8’、R9、R9’は、R6及びR6’について、上記のような少なくとも1個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、R8及びR8’は、独立して、水素及び1~6個の炭素原子のアルキル基からなる群から選択され得る。代替的に、各R8及びR8’は、水素であり得る。代替的に、式(C1)中、R9’及びR9’は、独立して、水素及び1~6個の炭素原子のアルキル基からなる群から選択され得る。代替的に、各R9及びR9’は、水素であり得る。
【0068】
式(C1)中、R10及びR10’は、水素原子、又は少なくとも1個の炭素原子、代替的に1~20個の炭素原子のアルキル基であり得る。R10及びR10’のアルキル基は、R6及びR6’について、上記のとおりであり得る。代替的に、各R10及びR10’は、メチルであり得る。代替的に、各R10及びR10’は、水素であり得る。
【0069】
式(C1)中、R11及びR11’は、水素原子、又は少なくとも1個の炭素原子、代替的に1~20個の炭素原子のアルキル基であり得る。R11及びR11’のアルキル基は、R6及びR6’について、上記のとおりであり得る。代替的に、各R11及びR11’は、水素であり得る。
【0070】
代替的に、式(C1)の配位子は、(C1-1)6,6’-[[3,3’,5,5’-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジイル]ビス(オキシ)]ビス-ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、(C1-2)6,6’-[(3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ビス(オキシ)]ビス(ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン)、及び(C1-1)と(C1-2)との両方の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0071】
代替的に、配位子は、米国特許第10,023,516号の第11欄に開示されているような、6,6’-[[3,3’,5,5’-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジイル]ビス(オキシ)]ビス-ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンを含み得る(この化合物を配位子Dとして第22欄に開示している米国特許第7,446,231号、及び配位子Fとして第20欄の第40~60行目に開示している米国特許第5,727,893号も参照されたい)。
【0072】
代替的に、配位子は、Sigma Aldrichから市販されているビフェホスを含み得、米国特許第9,127,030号に記載されているように調製され得る。(配位子Bとして、米国特許第7,446,231号の第21欄、及び配位子Dとして、米国特許第5,727,893号の第20欄の第5~18行も参照されたい)。
【0073】
ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒である、出発材料(C)は、Billigらの米国特許第4,769,498号の第20欄の50行目~第21欄の40行目、及びBrammerらの米国特許第10,023,516号の第11欄の35行目~第12欄の12行目に開示されているものなどの当該技術分野で既知の方法によって、適切な出発材料を変えることによって調製され得る。例えば、ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体は、錯体を形成する条件下でロジウム前駆体と上記のビスホスファイト配位子(C1)とを化合させることを含むプロセスによって調製され得、次いで、この錯体は、上記の出発材料(A)及び/又は(B)のうちの一方又は両方を含むヒドロホルミル化反応媒体中に導入され得る。代替的に、ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体のその場での形成のために、ロジウム触媒前駆体を反応媒体に導入し、(C1)ビスホスファイト配位子を反応媒体に導入する(例えば、ロジウム触媒前駆体の導入の前、導入中、及び/又は導入後)ことによって、ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体は、その場で形成され得る。ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体を、加熱及び/又は出発材料(A)への曝露によって活性化して、(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒を形成し得る。ロジウム触媒前駆体は、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、Rh2O3,Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、及びRh(NO3)3によって例示される。
【0074】
例えば、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネートなどのロジウム前駆体、任意選択的に出発材料(D)、溶媒、及び(C1)ビスホスファイト配位子は、例えば、混合などの任意の好都合な手段によって化合され得る。得られたロジウム/ビスホスファイト配位子錯体は、任意選択的に過剰のビスホスファイト配位子とともに反応器に導入され得る。代替的に、ロジウム前駆体、(D)溶媒、及びビスホスファイト配位子は、反応器中で出発材料(A)及び/又は(B)、アルケニル官能性有機ケイ素化合物と化合され得、ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体が、その場で形成され得る。ビスホスファイト配位子及びロジウム前駆体の相対量は、10/1~1/1、代替的に5/1~1/1、代替的に3/1~1/1、代替的に2.5/1~1.5/1のビスホスファイト配位子/Rhのモル比を提供するのに十分である。ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体に加えて、過剰の(例えば、錯化されていない)ビスホスファイト配位子が反応混合物中に存在し得る。過剰のビスホスファイト配位子は、錯体中のビスホスファイト配位子と同じであり得るか、又は異なり得る。
【0075】
(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒(触媒)の量は、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物のヒドロホルミル化に触媒作用を及ぼすのに十分である。触媒の正確な量は、出発材料(B)のために選択されるアルケニル官能性有機ケイ素化合物の種類、その正確なアルケニル含有量、並びに出発材料(A)の温度及び圧力などの反応条件を含む様々な要因に依存する。しかしながら、(C)触媒の量は、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、少なくとも0.1ppm、代替的に0.15ppm、代替的に0.2ppm、代替的に0.25ppm、代替的に0.5ppmのロジウム金属濃度を提供するのに十分であり得る。同時に、(C)触媒の量は、同じ基準で、最大300ppm、代替的に最大100ppm、代替的に最大20ppm、代替的に最大5ppmのロジウム金属濃度を提供するのに十分であり得る。代替的に、(C)触媒の量は、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、0.1ppm~300ppm、代替的に0.2ppm~100ppm、代替的に0.25ppm~20ppm、代替的に0.5ppm~5ppmを提供するのに十分であり得る。
【0076】
溶媒
ヒドロホルミル化反応は、追加の溶媒なしで実行され得る。代替的に、ヒドロホルミル化反応は、例えば、アルケニル官能性ポリオルガノシリケート樹脂が出発材料(B)のために選択される場合、(C)触媒及び/又は出発材料(B)などの上記の出発材料のうちの1つ以上の混合及び/又は供給を促進するために、溶媒を用いて実施され得る。溶媒は、出発材料を溶解し得る脂肪族又は芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。追加の溶媒としては、THF、ジブチルエーテル、ジグリム、及びテキサノールが挙げられる。理論によって束縛されることを望むものではないが、溶媒は、出発材料の粘度を低減するために使用され得ると考えられる。溶媒の量は重要ではないが、存在する場合、溶媒の量は、アルケニル官能性有機ケイ素化合物である出発材料(B)の重量に基づいて、5%~70%であり得る。
【0077】
ヒドロホルミル化反応条件
本明細書に記載されるプロセスでは、工程1)は、比較的低温で実施される。例えば、工程1)は、少なくとも30℃、代替的に少なくとも50℃、代替的に少なくとも70℃の温度で実施され得る。同時に、工程1)における温度は、最大150℃、代替的に最大100℃、代替的に最大90℃、代替的に最大80℃であり得る。理論によって束縛されることを望むものではないが、より低い温度、例えば、30℃~90℃、代替的に40℃~90℃、代替的に50℃~90℃、代替的に60℃~90℃、代替的に70℃~90℃、代替的に80℃~90℃、代替的に30℃~60℃、代替的に50℃~60℃が、高い選択性及び配位子安定性を得るために望ましい場合があると考えられる。
【0078】
本明細書に記載されるプロセスでは、工程1)は、少なくとも101kPa(周囲圧力)、代替的に少なくとも206kPa(30psi)、代替的に少なくとも344kPa(50psi)の圧力で実施され得る。同時に、工程1)における圧力は、最大6,895kPa(1,000psi)、代替的に最大1,379kPa(200psi)、代替的に最大1000kPa(145psi)、代替的に最大689kPa(100psi)であり得る。代替的に、工程1)は、101kPa~6,895kPa、代替的に344kPa~1,379kPa、代替的に101kPa~1000kPa、代替的に344kPa~689kPaで実施され得る。理論によって束縛されることを望むものではないが、本明細書のプロセスにおいて比較的低い圧力、例えば、<~6,895kPaを使用することが有益であり得ると考えられ、本明細書に記載される配位子は、低圧ヒドロホルミル化プロセスを可能にし、高圧ヒドロホルミル化プロセスよりもコストが低く、安全性が良好であるという有益性を有する。
【0079】
ヒドロホルミル化プロセスは、固定床反応器、流動床反応器、連続撹拌タンク反応器(continuous stirred tank reactor、CSTR)、又はスラリー反応器などの1つ以上の好適な反応器を使用して、バッチ、セミバッチ、連続様式で実施され得る。(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物、及び(C)触媒の選択、並びに(D)溶媒が使用されるかどうかは、使用される反応器の大きさ及び種類に影響を及ぼし得る。1つの反応器、又は2つ以上の異なる反応器が使用され得る。ヒドロホルミル化プロセスは、1つ以上の工程で実行され得、その工程は、資本コストのバランスをとること、高い触媒選択性、活性、寿命、及び操作性の容易さを達成すること、並びに特定の出発材料の反応性及び選択される反応条件、並びに所望の生成物によって影響を受け得る。
【0080】
代替的に、ヒドロホルミル化プロセスは、連続様式で実施され得る。例えば、使用されるプロセスは、米国特許第10,023,516号に記載されているようなものであり得るが、ただし、そこに記載されているオレフィン供給流及び触媒は、各々本明細書に記載される(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物及び(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒に置き換えられる。
【0081】
ヒドロホルミル化プロセスの工程1)は、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含む反応流体を形成する。反応流体は、プロセスの工程1)の最中に意図的に用いられているもの、又はその場で形成されるもののいずれかなどの追加の材料を更に含み得る。同様に存在し得るこのような材料の例としては、未反応の(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物、未反応の(A)一酸化炭素及び水素ガス、並びに/又はその場で形成された副生成物、例えば配位子分解生成物及びその付加物、並びに高沸点液体アルデヒド縮合副生成物、並びに用いられる場合、(D)溶媒が挙げられる。「配位子分解生成物」という用語は、プロセスに使用される配位子分子のうちの少なくとも1つの1つ以上の化学変換から得られるありとあらゆる化合物を含むが、これらに限定されない。
【0082】
ヒドロホルミル化プロセスは、2)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含む反応流体から(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒を回収する工程などの1つ以上の追加の工程を更に含み得る。(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒を回収することは、吸着及び/又は膜分離(例えば、ナノ濾過)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の方法によって実施され得る。好適な回収方法は、例えば、Millerらの米国特許第5,681,473号、Priskeらの同第8,748,643号、及びGeilenらの同第10,155,200号に記載されている。
【0083】
しかしながら、本明細書に記載されるプロセスの1つの有益性は、(C)触媒を除去及び再利用する必要がないことである。必要とされるRhのレベルが低いことに起因して、(C)触媒を回収し再利用しないことが費用効率をより高くする可能性があり、プロセスによって生成されるアルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、触媒が除去されない場合でも安定である可能性がある。したがって、代替的に、上記のプロセスは、工程2)なしで実施され得る。
【0084】
代替的に、ヒドロホルミル化プロセスは、3)反応生成物の精製を更に含み得る。例えば、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、ストリッピング及び/又は蒸留などの任意の好都合な手段によって、任意選択的に減圧を用いて、上記の追加の材料から単離され得る。
【0085】
アルデヒド官能性有機ケイ素化合物
アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスにおいて出発材料として有用である。出発材料(E)は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した少なくとも1つのアルデヒド官能基を有するアルデヒド官能性有機ケイ素化合物である。代替的に、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した2つ以上のアルデヒド官能基を有し得る。ケイ素に共有結合したアルデヒド官能基は、式:
【0086】
【化13】
を有し得、式中、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価の炭化水素基である。Gは、直鎖状又は分岐状であり得る。Gについての二価のヒドロカルビル基の例としては、実験式-C
rH
2r-のアルカン-ジイル基が挙げられ、式中、下付き文字rは、2~8である。アルカン-ジイル基は、直鎖状アルカン-ジイル、例えば、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、若しくは-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、又は分岐状アルカン-ジイル、例えば、
【0087】
【化14】
であり得る。代替的に、各Gは、2~6個の炭素原子、代替的に2、3、又は6個の炭素原子のアルカン-ジイル基であり得る。アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、1つのアルデヒド官能性有機ケイ素化合物であり得る。代替的に、互いに異なる2つ以上のアルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、本明細書に記載されるプロセスにおいて使用され得る。例えば、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、アルデヒド官能性シラン及びアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンのうちの一方又は両方を含み得る。
【0088】
アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、式(E1-1):RAld
xSiR4
(4-x)の(E1)アルデヒド官能性シランを含み得、式中、各RAldは、上記のような独立して選択される式
【0089】
【化15】
の基であり、R
4及び下付き文字xは、以下のとおりであり、例えば、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xは、1~4である。
【0090】
好適なアルデヒド官能性シランは、(プロピル-アルデヒド)-トリメチルシラン、(プロピル-アルデヒド)-トリエチルシラン、及び(ブチル-アルデヒド)トリメチルシランなどのアルデヒド官能性トリアルキルシランによって例示される。
【0091】
代替的に、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンを含み得る。当該アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、環状、直鎖状、分岐状、樹脂状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。当該アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E2-1):(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hを含み得、式中、各RAldは、上記のような式
【0092】
【化16】
の独立して選択されるアルデヒド基であり、G、R
4、Z、及び下付き文字a、b、c、d、e、f、g、及びhは、上記のとおりである。
【0093】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、少なくとも1つのアルデヒド官能基、代替的に、少なくとも2つのアルデヒド官能基を有する(E2-2)直鎖状ポリジオルガノシロキサン(例えば、上記のアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンについての式(E2-1)中、下付き文字e=f=g=0である場合)を含み得る。例えば、当該ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E2-3):(R4
3SiO1/2)a(RAldR4
2SiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(RAldR4SiO2/2)dを含み得、式中、RAld及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字aは、0、1、又は2であり、下付き文字bは、0、1、又は2、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0であり、ただし、数量(b+d)≧1、数量(a+b)=2、かつ数量(a+b+c+d)≧2であることを条件とする。代替的に、上記の直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンについての単位式(E2-3)中、数量(a+b+c+d)は、少なくとも3、代替的に少なくとも4、代替的に>50であり得る。同時に、当該式中、数量(a+b+c+d)は、10,000以下、代替的に、4,000以下、代替的に、2,000以下、代替的に、1,000以下、代替的に、500以下、代替的に、250以下であり得る。代替的に、直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンについての単位式中、各R4は、独立して、アルキル及びアリール、代替的に、メチル及びフェニルからなる群から選択され得る。代替的に、当該式中の各R4は、アルキル基であり得、代替的に、各R4は、メチルであり得る。
【0094】
代替的に、単位式(E2-3)の直鎖状アルデヒド官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E2-4):(R4
2RAldSiO1/2)2(R4
2SiO2/2)m(R4RAldSiO2/2)n、単位式(E2-5):(R4
3SiO1/2)2(R4
2SiO2/2)o(R4RAldSiO2/2)p、又は(E2-4)と(E2-5)との両方の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0095】
式(E2-4)及び(E2-5)中、各R4及びRAldは、上記のとおりである。下付き文字mは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字mは、少なくとも2であり得る。代替的に、下付き文字mは、2~2,000であり得る。下付き文字nは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字nは、0~2000であり得る。下付き文字oは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字oは、0~2000であり得る。下付き文字pは、少なくとも2である。代替的に、下付き文字pは、2~2000であり得る。
【0096】
出発材料(E2)は、i)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(プロピル-アルデヒド)シロキサン)、iii)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリメチル(プロピル-アルデヒド)シロキサン、iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(プロピル-アルデヒド)シロキサン)、v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチル(プロピル-アルデヒド)シロキサン、vi)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチル(プロピル-アルデヒド)シロキサン)、vii)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、viii)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、ix)ビス-フェニル、メチル、(プロピル-アルデヒド)シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、x)ビス-ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、xi)ビス-ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン)、xii)ビス-ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキシ末端ポリメチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン)、xiii)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン)、xiv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン、xv)ビス-ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン)、xvi)ビス-ジメチル(プロピル-アルデヒド)シロキ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(ヘプチル-アルデヒド)シロキサン)、xvii)ビス-ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、xviii)ジメチル(ヘプチル-アルデヒド)-シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、及びxix)i)~xviii)のうちの2つ以上の組み合わせなどのアルデヒド官能性ポリジオルガノシロキサンを含み得る。
【0097】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、環状であり得、例えば、単位式(E2-1)中の場合、下付き文字a=b=c=e=f=g=h=0である。(E2-6)環状アルデヒド官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E2-7):(R4RAldSiO2/2)dを有し得、式中、RAld及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字dは、3~12、代替的に3~6、代替的に4~5であり得る。環状アルデヒド官能性ポリジオルガノシロキサンの例としては、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリ(プロピル-アルデヒド)-シクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラ(プロピル-アルデヒド)-シクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタ(プロピル-アルデヒド)-シクロペンタシロキサン、及び2,4,6,8,10,12-ヘキサメチル-2,4,6,8,10,12-ヘキサ(プロピル-アルデヒド)-シクロヘキサシロキサンが挙げられる。
【0098】
代替的に、(E2-6)環状アルデヒド官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E2-8):(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)dを有し得、式中、R4及びRAldは、上記のとおりであり、下付き文字cは、>0~6であり、下付き文字dは、3~12である。代替的に、式(E2-8)中、数量(c+d)は、3~12であり得る。代替的に、式(E2-8)中、cは、3~6であり得、dは、3~6であり得る。
【0099】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、例えば、上記単位式(E2-1)中、数量(a+b+c+d+e+f+g)≦50、代替的に≦40、代替的に≦30、代替的に≦25、代替的に≦20、代替的に≦10、代替的に≦5、代替的に≦4、代替的に≦3である場合、(E2-9)オリゴマーであり得る。オリゴマーは、環状、直鎖状、分岐状、又はこれらの組み合わせであり得る。環状オリゴマーは、出発材料(E2-6)として上記のとおりである。
【0100】
直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例は、式(E2-10):
【0101】
【化17】
を有し得、式中、R
4は、上記のとおりであり、各R
2’は、独立して、R
4及びR
Aldからなる群から選択され、ただし、1分子当たり、少なくとも1つのR
2が、R
Aldであり、下付き文字zは、0~48であることを条件とする。代替的に、下付き文字zは、0~4、代替的に0~1、代替的に0であり得る。代替的に、式(E2-10)中、z=0である場合、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーは、式(E2-10a):
【0102】
【化18】
を有し得、式中、R
4及びR
Aldは、上記のとおりである。直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例としては、1,3-ジ(プロピル-アルデヒド)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,3-ペンタメチル-3-(プロピル-アルデヒド)-ジシロキサン、及び1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル-3-(プロピル-アルデヒド)-トリシロキサンが挙げられる。
【0103】
代替的に、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーは、分岐状であり得る。分岐状オリゴマーは、一般式(E2-11):RAldSiR12
3を有し得、式中、RAldは、上記のとおりであり、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、各R13は、一価の炭化水素基であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有する。R12のうちの少なくとも2つは、-OSi(R14)3であり得る。代替的に、R12のうちの3つ全ては、-OSi(R14)3であり得る。
【0104】
代替的に、式(E2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造(E2-11a):
【0105】
【化19】
を有するようなR
13部分であり得、式中、R
13は、上記のとおりであり、R
Aldは、上記のアルデヒド基である。代替的に、式(E2-11a)中の各R
Aldは、プロパナールであり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0106】
代替的に、式(E2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造を有するような-OSi(R15)3部分であり得、
【0107】
【化20】
式中、R
Ald及びR
15は、上記のとおりである。代替的に、各R
15は、上記のようにR
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0108】
代替的に、式(E2-11)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各R12が-OSiR13(R14)2であるような各-OSi(R14)3においてR13であり得る。代替的に、-OSiR13(R14)2中の2つのR14は、各々、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンオリゴマーが、以下の構造:
【0109】
【化21】
を有するような-OSi(R
15)
3部分であり得、
式中、R
Ald、R
13、及びR
15は、上記のとおりである。代替的に、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【0110】
代替的に、式(B2-11)中、1つのR12は、R13であり得、R12のうちの2つは、-OSi(R14)3であり得る。R12のうちの2つが-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各-OSi(R14)3中のR13であり、R12のうちの2つは、-OSiR13(R14)2である。代替的に、-OSiR13(R14)2中の各R14は、分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーが以下の構造:
【0111】
【化22】
(式中、R
Ald、R
13、及びR
15は、上記のとおりである)を有するような-OSi(R
15)
3であり得る。代替的に、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。代替的に、アルデヒド官能性分岐状ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり3~16個のケイ素原子、代替的に1分子当たり4~16個のケイ素原子、代替的に1分子当たり4~10個のケイ素原子を有し得る。アルデヒド官能性分岐状ポリオルガノシロキサンオリゴマーの例としては、式:
【0112】
【化23】
を有する、3-(3,3,3-トリメチル-1-λ
2-ジシロキサンイル)プロパナール(プロピル-アルデヒド-トリス(トリメチル)シロキシ)シランとも称され得る)、
式
【0113】
【化24】
を有する、3-(1,3,5,5,5-ペンタメチル-1λ
3,3λ
3-トリシロキサンイル)プロパナール(メチル-(プロピル-アルデヒド)-ジ((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シランとも称され得る)、
式
【0114】
【化25】
を有する、3-(3,5,5,5-テトラメチル-1λ
2,3λ
3-トリシロキサンイル)プロパナール((プロピル-アルデヒド)-トリス((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シランとも称され得る)、
式
【0115】
【化26】
を有する、7-(3,5,5,5-テトラメチル-1λ
2,3λ
3-トリシロキサンイル)ヘプタナール((ヘプチル-アルデヒド)-トリス((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-シランとも称され得る)が挙げられる。
【0116】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、上記の分岐状オリゴマー、及び/又は上記の分岐状オリゴマーよりも、例えば、1分子当たりより多くのアルデヒド基及び/又はより多くのポリマー単位を有し得る分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン(例えば、式(E2-1)中、数量(a+b+c+d+e+f+g)>50の場合)などの分岐状であり得る。分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、(式(E2-1)中)分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンに、>0~5mol%の三官能性単位及び/又は四官能性単位を提供するに十分な数量(e+f+g)を有し得る。
【0117】
例えば、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E2-13):(R4
3SiO1/2)q(R4
2RAldSiO1/2)r(R4
2SiO2/2)s(SiO4/2)tのQ型分岐状ポリオルガノシロキサンを含み得、式中、R4及びRAldは、上記のとおりであり、下付き文字q、r、s、及びtは、2≧q≧0、4≧r≧0、995≧s≧4、t=1、(q+r)=4であるような平均値を有し、(q+r+s+t)は、回転粘度計(試験方法とともに以下に記載される)によって測定される粘度>170mPa・sを、分岐状ポリオルガノシロキサンに付与するのに十分な値を有する。代替的に、粘度は、>170mPa・s~1000mPa・s、代替的に>170mPa・s~500mPa・s、代替的に180mPa・s~450mPa・s、代替的に190mPa・s~420mPa・sであってもよい。
【0118】
代替的に、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、式(E2-14):[RAldR4
2Si-(O-SiR4
2)x-O](4-w)-Si-[O-(R4
2SiO)vSiR4
3]wを含み得、式中、RAld及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字v、w、及びxは、200≧v≧1、2≧w≧0、及び200≧x≧1であるような値を有する。代替的に、この式(E2-14)中、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択され、各RAldは、上記の式を有し、式中、Gは、2、3、又は6個の炭素原子を有する。
【0119】
代替的に、出発材料(E2-11)のための分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E2-15):(R4
3SiO1/2)aa(RAldR4
2SiO1/2)bb(R4
2SiO2/2)cc(RAldR4SiO2/2)ee(R4SiO3/2)ddのT型分岐状ポリオルガノシロキサン(シルセスキオキサン)を含み得、式中、R4及びRAldは、上記のとおりであり、下付き文字aa≧0、下付き文字bb>0であり、下付き文字ccは、15~995であり、下付き文字dd>0、かつ下付き文字ee≧0である。下付き文字aaは、0~10であり得る。代替的に、下付き文字aaは、12≧aa≧0、代替的に、10≧aa≧0、代替的に、7≧aa≧0、代替的に、5≧aa≧0、代替的に、3≧aa≧0であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字bb≧1である。代替的に、下付き文字bb≧3である。代替的に、下付き文字bbは、12≧bb>0、代替的に、12≧bb≧3、代替的に、10≧bb>0、代替的に、7≧bb>1、代替的に、5≧bb≧2、代替的に、7≧bb≧3であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字ccは、800≧cc≧15、代替的に400≧cc≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字eeは、800≧ee≧0、800≧ee≧15、代替的に、400≧ee≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字eeは、0であり得る。代替的に、数量(cc+ee)は、995≧(cc+ee)≧15であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字dd≧1である。代替的に、下付き文字ddは、1~10であり得る。代替的に、下付き文字ddは、10≧dd>0、代替的に、5≧dd>0、代替的に、dd=1であるような値を有し得る。代替的に、下付き文字ddは、1~10であり得、代替的に、下付き文字ddは、1又は2であり得る。代替的に、下付き文字dd=1の場合、下付き文字bbは、3であり得、下付き文字ccは、0であり得る。下付き文字bbの値は、シルセスキオキサンの重量に基づいて、0.1%~1%、代替的に0.2%~0.6%のアルデヒド含有量を有する単位式(E2-15)のシルセスキオキサンを提供するのに十分であり得る。
【0120】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、アルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂及び/又はアルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂などのアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン樹脂を含み得る。このような樹脂は、例えば、上記のようにアルケニル官能性ポリオルガノシロキサン樹脂をヒドロホルミル化することによって調製され得る。アルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂は、式RM’
3SiO1/2の単官能性単位(「M」単位)及び式SiO4/2の四官能性シリケート単位(「Q」単位)」を含み、式中、各RM’は、独立して、上記のようなR4及びRAldからなる群から選択され得る。代替的に、各RM’は、アルキル基、上に示される式のアルデヒド官能基、及びアリール基からなる群から選択され得る。代替的に、各RM’は、メチル、(プロピル-アルデヒド)、及びフェニルから選択され得る。代替的に、RM’基の少なくとも3分の1、代替的に少なくとも3分の2は、メチル基である。代替的に、M’単位は、(Me3SiO1/2)、(Me2PhSiO1/2)、及び(Me2RAldSiO1/2)によって例示され得る。ポリオルガノシリケート樹脂は、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、及びヘプタン等の液体炭化水素によって例示される、出発材料(D)として本明細書に記載されるものなどの溶媒中、又は低粘度直鎖状及び環状ポリジオルガノシロキサンなどの液体非官能性有機ケイ素化合物中で可溶性である。
【0121】
調製される場合、ポリオルガノシリケート樹脂は、上記のM’単位及びQ単位を含み、ポリオルガノシロキサンは、ケイ素結合ヒドロキシル基、及び/又は上記の部分(ZO1/2)によって記載される加水分解性基を有する単位を更に含み、式Si(OSiRM’
3)4のネオペンタマーを含み得、式中、RM’は、上記のとおりであり、例えば、ネオペンタマーは、テトラキス(トリメチルシロキシ)シランであり得る。29Si NMR及び13C NMRスペクトル法を使用して、ヒドロキシル及びアルコキシ含有量、並びにM’単位及びQ単位のモル比を測定し得、当該比は、M’単位及びQ単位をネオペンタマーから排除した{M’(樹脂)}/{Q(樹脂)}として表される。M’/Q比は、ポリオルガノシリケート樹脂の樹脂性部分のトリオルガノシロキシ基(M’単位)の総数の、樹脂性部分中のシリケート基(Q単位)の総数に対するモル比を表す。M’/Q比は、0.5/1~1.5/1、代替的に0.6/1~0.9/1であり得る。
【0122】
ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、存在するRM’によって表される炭化水素基の種類を含む様々な要因によって異なる。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、ネオペンタマーを表すピークが測定値から除外されるとき、GPCを使用して測定される数平均分子量を指す。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、1,500Da~30,000Da、代替的に1,500Da~15,000Da、代替的に、>3,000Da~8,000Daであり得る。代替的に、ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、3,500Da~8,000Daであってもよい。
【0123】
代替的に、ポリオルガノシリケート樹脂は、単位式(E2-17):(R4
3SiO1/2)mm(R4
2RAldSiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含み得、式中、Z、R4、及びRAld、並びに下付き文字hは、上記のとおりであり、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn>0、oo>0、かつ0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。代替的に、0.6≦(mm+nn)/oo≦4、代替的に、0.7≦(mm+nn)/oo≦4、代替的に、0.8≦(mm+nn)/oo≦4である。
【0124】
代替的に、(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、(E2-18)アルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂、すなわち、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(ZO1/2)hの三官能性(T’)単位を含有する樹脂を含み得、式中、R4及びRAldは、上記のとおりであり、下付き文字f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。代替的に、アルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂は、単位式(E2-19):(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(ZO1/2)hを含み得、式中、R4、RAld、Z、並びに下付き文字h、e、及びfは、上記のとおりである。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、上記のT単位に加えて、式(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)dの二官能性(D’)単位、すなわち、D’T’樹脂を更に含み得、式中、下付き文字c及びdは、上記のとおりである。代替的に、アルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、式(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)bの単官能性(M’)単位、すなわち、M’D’T’樹脂を更に含み得、式中、下付き文字a及びbは、単位式(E2-1)についての上記のとおりである。
【0125】
出発材料(E)は、上記のアルデヒド官能性有機ケイ素化合物のうちのいずれか1つであり得る。代替的に、出発材料(E)は、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物のうちの2つ以上の混合物を含み得る。
【0126】
アミノ官能性有機ケイ素化合物の調製
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスは、
I)水素化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることを含み、出発材料は、
(E)上記のアルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、
(F)アミン源と、
(G)水素化触媒と、
(H)水素と、
任意選択的に、(J)溶媒と、を含み、それによって、アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する。
【0127】
プロセスは、任意選択的に、工程I)の前に、1)ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、出発材料が、(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒と、を含み、それによって、上記のようなアルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、化合させることを更に含み得る。方法は、任意選択的に、工程I)の前及び工程1)の後に、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物から(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒を回収する工程2)を更に含み得る。しかしながら、工程2)は任意選択的あり、不要である場合もある。例えば、ヒドロホルミル化が(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を調製するために使用される場合、理論によって束縛されることを望むものではないが、触媒の量が、除去するのに費用効率が高くなく、かつ/又は触媒の選択及び量が、還元的アミノ化反応に悪影響を及ぼさないと考えられるため、ヒドロホルミル化反応触媒は除去する必要がない場合がある。プロセスは、任意選択的に、工程I)の前及び工程1)の後に、3)反応生成物を精製し、それによって、上記のように、追加の材料からアルデヒド官能性有機ケイ素化合物を単離することを更に含み得る。しかしながら、この工程3)は、任意選択的であり、例えば、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を調製するためのヒドロホルミル化反応に溶媒が使用され、同じ溶媒が出発材料(J)として使用される場合、不要である場合がある。
【0128】
プロセスは、任意選択的に、工程I)の前に、(G)水素化触媒を前処理することを更に含み得る。前処理は、触媒を活性化するため、及び/又は触媒の活性を高めるために実施され得る。前処理は、反応を開始する前に水素化触媒を水素に曝露することなどの任意の好都合な手段によって実施され得る。例えば、水素化触媒の充填床は、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物及び(F)アミン源を導入する前に水素でパージされ得る。
【0129】
(F)アミン源
本明細書で使用されるアミン源は、(F1)一級アミン、(F2)アンモニア、(F3)ポリエーテルアミン、(F4)ジアミン、又は(F1)、(F2)、(F3)、及び(F4)のうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。一級アミンは、式:R18NH2を有し得、式中、R18は、1~18個の炭素原子のアルキル基である。R18に好適なアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル(及び5~18個の炭素原子を有する分岐状異性体)によって例示され、アルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどのシクロアルキル基によって更に例示される。代替的に、R18のアルキル基は、エチル、プロピル、及びブチル、代替的に、エチル又はプロピル、代替的に、プロピル及びブチルからなる群から選択され得る。代替的に、R18のアルキル基は、プロピルであり得る。一級アミンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、及びイソブチルアミンは、Acros Organics又はSigma Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,USA)などの様々な供給元から入手可能である。代替的に、(F)アミン源は、式NH3を有する(F2)アンモニア、例えば、無水アンモニアを含み得る。アンモニアは、当該技術分野において既知であり、Air Products(Allentown,Pennsylvania,USA)を含む様々な供給元から市販されている。
【0130】
代替的に、(F)アミン源は、(F3)ポリエーテルアミンを含み得る。ポリエーテルアミンは、当該技術分野において既知であり、例えば、Huntsman Corporation(The Woodlands、Texas,USA)から商品名JEFFAMINE(商標)Mシリーズで市販されている。ポリエーテルアミンは、単位式(H2N)(C2H4O)jj(C3H6O)kk(H)を有し得、式中、下付き文字jj及びkkは、1分子当たりのエチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位(それぞれ)の平均数を表し、jj≧0、kk≧0であり、量(jj+kk)は、ポリエーテルアミンに600g/mol~3000g/mol、代替的に600g/mol~1000g/molの分子量を与えるのに十分な値である。
【0131】
代替的に、(F)アミン源は、(F4)ジアミンを含み得る。ジアミンは、式H2N-D-NH2を有し得、式中、Dは、二価ヒドロカルビル基を表す。Dについての二価ヒドロカルビル基の例としては、アルカン-ジイル基、アリーレン基、例えば、フェニレン、又はアルキルアリーレン基、例えば、
【0132】
【化27】
が挙げられる。Dについてのアルカン-ジイル基の例は、実験式-C
rH
2r-を有し得、式中、下付き文字rは、2~6である。アルカン-ジイル基は、直鎖状アルカン-ジイル、例えば、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、若しくは-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、又は分岐状アルカン-ジイル、例えば、
【0133】
【化28】
であり得る。代替的に、各Dは、2、3、又は6個の炭素原子のアルカン-ジイル基であり得る。代替的に、(F4)ジアミンはエチレンジアミンであり得る。エチレンジアミンなどのジアミンは、Alfa Aesar及びAcros Organicsなどの様々な供給元から市販されている。
【0134】
1つのアミン源が本明細書で使用され得る。代替的に、(F)アミン源は、上記のアミン源のうちの2つ以上の組み合わせ、例えば、(F1)一級アミンの2つ以上の種、(F1)一級アミンと(F2)アンモニアとの組み合わせ、又は(F2)アンモニアと(F3)ポリエーテルアミンとの組み合わせを含み得る。アミン源は、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物のアルデヒド官能性に対して超化学量論量のアミン官能性で使用され得る。例えば、出発材料(F)が上記のような一級アミン又はジアミンである場合、その量は、アミン基:アルデヒド基の10:1~1:1のモル比を提供するのに十分であり得る。代替的に、出発材料(F)がアンモニアである場合、その量は、アンモニア:アルデヒド基の1:1超、代替的に5:1以上、代替的に10:1~40:1のモル比を提供するのに十分であり得る。
【0135】
(G)水素化触媒
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスで使用される水素化触媒は、不均一系水素化触媒、均一系水素化触媒、又はこれらの組み合わせであり得る。代替的に、水素化触媒は、不均一系水素化触媒であり得る。好適な不均一系水素化触媒は、コバルト(cobalt、Co)、銅(copper、Cu)、鉄(iron、Fe)、ニッケル(nickel、Ni)、イリジウム(iridium、Ir)、パラジウム(palladium、Pd)、白金(platinum、Pt)、ロジウム(rhodium、Rh)、ルテニウム(ruthenium、Ru)、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む。代替的に、水素化触媒は、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Ru、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。代替的に、水素化触媒は、Co、Cu、Ni、Pd、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。代替的に、水素化触媒は、Co、Cu、Ni、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。水素化触媒は、アルミナ(alumina、Al2O3)、シリカ(silica、SiO2)、炭化ケイ素(silicon carbide、SiC)、又は炭素(carbon、C)などの担体を含み得る。代替的に、水素化触媒は、Rh/C、ラネーニッケル、ラネー銅、ラネーコバルト、Ru/C、Ru/Al2O3、Pd/C、Pd/Al2O3、Pd/CaCO3、Cu/C、Cu/Al2O3、Cu/SiO2、Cu/SiC、Cu/C、上記の担体上のニッケル触媒、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0136】
代替的に、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物のアルデヒド基と(F)アミン源のアミン基との反応を介して形成されたイミン中間体の水素化のための不均一系水素化触媒は、銅、クロム、ニッケル、ロジウム、又はこれらのうちの2つ以上が活性構成成分として適用される担体材料を含み得る。例示的な触媒は、0.3~15%の銅、0.3%~15%のニッケル、及び0.05%~3.5%のクロムを含む。担体材料は、例えば、多孔質二酸化ケイ素又は酸化アルミニウムであり得る。バリウムが任意選択的に、担体材料に添加され得る。代替的に、クロムフリー水素化触媒が使用され得る。例えば、Ni/Al2O3若しくはCo/Al2O3、又は酸化銅/酸化亜鉛含有触媒(これはカリウム、ニッケル、及び/又はコバルトを更に含む)、加えて、アルカリ金属が使用され得る。好適な水素化触媒は、例えば、米国特許第7,524,997号又は米国特許第9,567,276号及びそれらに引用されている参考文献に開示されている。代替的に、不均一系水素化触媒は、Sigma-Aldrichから入手可能なRh/C触媒、BASFから入手可能なNi-5256P、及び同様に市販されているCo-179など、市販され得る。
【0137】
本明細書で使用するのに好適な不均一系水素化触媒の他の例としては、ラネーニッケル、例えば、ラネーニッケル2400、Ni-3288、ラネー銅、Hysat 401塩(Cu)、炭素上ルテニウム(ruthenium on carbon、Ru/C)、炭素上ロジウム(rhodium on carbon、Rh/C)、炭素上白金(platinum on carbon、Pt/C)、炭化ケイ素上銅(copper on silicon carbide、Cu/SiC)が挙げられる。
【0138】
代替的に、均一系水素化反応触媒が本明細書で使用され得る。均一系水素化触媒は、金属錯体であり得、金属は、Co、Fe、Ir、Rh、及びRuからなる群から選択され得る。好適な均一系水素化触媒の例は、[RhCl(PPh3)3](ウィルキンソン触媒)、[Rh(NBD)(PR’3)2]+ClO4-(式中、R’は、アルキル基、例えば、Etである)、[RuCl2(ジホスフィン)(1,2-ジアミン)](ノヨリ触媒)、RuCl2(TRIPHOS)(式中、TRIPHOS=PhP[(CH2CH2PPh2)2]、Ru(II)(dppp)(グリシン)錯体(式中、dppp=1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)、RuCl2(PPh3)3、RuCl2(CO)2(PPh3)2、IrH3(PPh3)3、[Ir(H2)(CH3COO)(PPh3)3]、シス-[Ru-Cl2(ampy)(PP)][式中、ampy=2-(アミノメチル)ピリジン、かつPP=1,4-ビス-(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)]、ピンサーRuCl(CNNR)(PP)錯体[式中、PP=1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)]、かつHCNNR=4-置換アミノメチル-ベンゾ[h]キノリン、R=Me、Ph]、[RuCl2(dppb)(ampy)](式中、dppb=1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ampy=2-アミノメチルピリジン)、[Fe(PNPMeiPr)(CO)(H)(Br)]、[Fe(PNPMe-iPr)(H)2(CO)]、及びこれらの組み合わせによって例示される。
【0139】
プロセスで使用される水素化触媒の量は、プロセスがバッチモードで実行されるか連続モードで実行されるか、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の選択、不均一系水素化触媒が選択されるか均一系水素化触媒が選択されるか、並びに温度及び圧力などの反応条件を含む様々な要因によって異なる。しかしながら、プロセスがバッチモードで実行される場合、触媒の量は、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、1重量%未満~50重量%、代替的に5重量%~30重量%であり得る。代替的に、触媒の量は、少なくとも1、代替的に少なくとも4、代替的に少なくとも6.5、代替的に少なくとも8重量%であり得、同時に、触媒の量は、同じ基準で、最大50、代替的に最大20、代替的に最大14、代替的に最大13、代替的に最大10、代替的に最大9重量%であり得る。代替的に、例えば、反応器に不均一系水素化触媒を充填することによって、プロセスが連続モードで実行される場合、水素化触媒の量は、10時間-1の空間時間を達成するための反応器容積(水素化触媒で充填される)、又は触媒1m2当たり10kg/時間の基質を達成するのに十分な触媒表面積を提供するのに十分であり得る。
【0140】
(H)水素
水素は、当該技術分野で既知であり、様々な供給元、例えばAir Productsから市販されている。水素は、完全な反応を可能にするために、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物のアルデヒド官能性に対して超化学量論量で使用され得る。
【0141】
(J)溶媒
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスに任意選択的に使用され得る溶媒(J)は、反応に対して中性である溶媒から選択され得る。以下は、このような溶媒の具体的な例である:メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールなどの一価アルコール;ジオキサン、THFなどのエーテル;ヘキサン、ヘプタン、及びパラフィン系溶媒などの脂肪族炭化水素;並びにベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;塩素化炭化水素、及び水。これらの溶媒は、個々に、又は2つ以上の組み合わせで使用され得る。溶媒の量は重要ではなく、使用される各出発材料の種類及び量などの様々な要因によって異なり得る。例えば、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物がオリゴマーではなく樹脂である場合、より多くの溶媒が使用され得る。しかしながら、溶媒の量は、全ての出発材料の合計重量に基づいて0~99%であり得る。
【0142】
(K)吸着剤
プロセスの工程I)では、反応中に副生成物として生成された水を除去するために、吸着剤が任意選択的に添加され得る。好適な吸着剤の例は、無機微粒子であり得る。吸着剤は、10マイクロメートル以下、代替的に5マイクロメートル以下の粒径を有し得る。吸着剤は、水を吸着するのに十分な、例えば、10Å(オングストローム)以下、代替的に5Å以下、代替的に3Å以下の平均孔径を有し得る。吸着剤の例としては、菱沸石、モルデン沸石及び方沸石などの沸石、アルカリ金属のアルミノシリケート、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム及びこれらの組み合わせなどのモレキュラーシーブが挙げられる。
【0143】
市販の乾燥剤の例としては、乾燥モレキュラーシーブ、例えば、Grace Davidsonから商品名SYLOSIV(商標)で、及びZeochem(Louisville,Kentucky,U.S.A.)から商品名PURMOL(商標)で市販されている3Å(オングストローム)のモレキュラーシーブ、並びにIneos Silicas(Warrington,England)から入手可能なDoucil zeolite 4Aなどの4Åのモレキュラーシーブが挙げられる。他の有用なモレキュラーシーブとしては、MOLSIV(商標)ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A、及び5A(これらは全て、UOP(Illinois,U.S.A.)から市販されている)、SILIPORITE(商標)NK 30AP及び65xP(Atofina(Philadelphia,Pennsylvania,U.S.A.))、並びにW.R.Grace(Maryland,U.S.A.)から入手可能なモレキュラーシーブが挙げられる。他の好適な乾燥剤としては、MgSO4が挙げられる。吸着剤の量は、重要ではなく、出発材料(C)中のカルビノール基の量を含む様々な要因に依存する。
【0144】
還元的アミノ化反応は、加圧水素を使用して実施され得る。水素(ゲージ)圧力は、10psig(68.9kPa)~3000psig(20,685kPa)、代替的に10psig~2000psig(13,790kPa)、代替的に10psig~1500psig(10,342kPa)、代替的に200psig(1379kPa)~1200psig(8274kPa)であり得る。反応は、0~200℃の温度で行われ得る。代替的に、反応時間を短縮するために、50~150℃の温度が好適であり得る。代替的に、使用される水素(ゲージ)圧力は、少なくとも25psig、代替的に少なくとも50psig、代替的に少なくとも100psig、代替的に少なくとも150psig、代替的に少なくとも164psigであり得、同時に、水素ゲージ圧力は、最大800psig、代替的に最大400psig、代替的に最大300psig、代替的に最大200psig、代替的に最大194psigであり得る。反応のための温度は、少なくとも40℃、代替的に少なくとも50℃、代替的に少なくとも65℃、代替的に少なくとも80℃であり得、同時に、温度は、最大200℃、代替的に最大150℃、代替的に最大120℃であり得る。
【0145】
この反応は、バッチプロセスとして又は連続プロセスとして行われ得る。バッチプロセスでは、反応時間は、触媒の量及び反応温度を含む様々な要因によって異なるが、アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスの工程I)は、1分間~24時間実施され得る。代替的に、反応は、少なくとも1分間、代替的に少なくとも2分間、代替的に少なくとも1時間、代替的に少なくとも2時間、代替的に少なくとも3時間、代替的に少なくとも3.3時間、代替的に少なくとも3.7時間、代替的に少なくとも4時間、代替的に少なくとも4.5時間、代替的に少なくとも5.5時間、代替的に少なくとも6時間実施され得、同時に反応は、最大24時間、代替的に最大23時間、代替的に最大22.5時間、代替的に最大22時間、代替的に最大17.5時間、代替的に最大17時間、代替的に最大16.5時間実施され得る。
【0146】
代替的に、バッチプロセスでは、反応の終点は、反応を更に1~2時間継続した後に反応器圧力の減少がもはや観察されない時間であると考えられ得る。反応の過程で反応器圧力が減少する場合、水素及びアミン源の導入を繰り返すこと、及び反応時間を短縮するためにそれを高圧下で維持することが望ましい場合がある。代替的に、反応器は、水素及びアミン源で1回以上再加圧して、妥当な反応器圧力を維持しながら、アルデヒド官能基の反応のための水素及びアミン源の十分な供給を達成することができる。
【0147】
反応の完了後、水素化触媒は、加圧された不活性(例えば、窒素)雰囲気中で、例えば、珪藻土若しくは活性炭を用いた濾過若しくは吸着、沈降、遠心分離などの任意の好都合な手段によって、構造化パッキング若しくは他の固定構造中に触媒を維持することによって、又はこれらの組み合わせによって分離され得る。
【0148】
上記のように調製されたアミノ官能性有機ケイ素化合物は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した少なくとも1つのアミノ官能基を有する。代替的に、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、1分子当たり、ケイ素に共有結合した2つ以上のアミノ官能基を有し得る。ケイ素に共有結合したアミノ官能基RNは、式:
【0149】
【化29】
を有し得、式中、Gは、上記に記載及び例示したような、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基であり、R
19は、R
18(上記のアルキル基である)、H、式DNH
2の基(式中、Dは、上記の二価ヒドロカルビル基である)、及び例えば、単位式-(C
2H
4O)
jj(C
3H
6O)
kk(H)のポリエーテル基(式中、下付き文字jj及びkkは、上記のとおりである)からなる群から選択される。アミノ官能性有機ケイ素化合物は、少なくとも1つのR
AldがR
Nでプリプレイスされている(preplaced)、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物についての上記式のうちのいずれか1つを有し得る。
【実施例】
【0150】
これらの実施例は、当業者に本発明を例示するために提供され、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例で使用した出発材料を、以下の表1に記載する。
【0151】
【0152】
この実施例1では、式
【0153】
【化30】
の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを以下のように合成した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)2(25.2mg)、配位子1(150.5mg)、及びトルエン(17.07g)を、磁気撹拌子を用いて30mLのガラスバイアルに添加した。均質な溶液が形成されるまで、混合物を撹拌プレート上で撹拌した。この触媒溶液を、金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン(1000g)を2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ホルダに装着した。反応器を、浸漬管を介して窒素で100psig(689.5kPa)まで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く放圧した。反応器ヘッドスペースの不活性化のために、この工程を3回繰り返した。次いで、反応器を窒素で300psig(2068.4kPa)に加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psig(689.5kPa)に加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して80psig(551.6kPa)に加圧した。ガス取り込みが遅くなるまで反応温度を50℃に設定し、次いで温度を80℃に設定した。撹拌速度を800RPMに設定した。所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psig(689.5kPa)に設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、300mLの中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。98%超の変換率が22.5時間後に観察された。n/i比を、最終生成物の
1H NMR分析によって決定した。
【0154】
この実施例2では、実施例1に記載したように調製された120gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(120g)及び5重量%のRh/C触媒(18g)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(398g、24当量)を添加し、反応器を水素で519psig(3578.4kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、900psig(6205.3kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、810RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、116.0gの生成物を収集した。この生成物を、GC-FID、1H、13C、及び29Si NMRを使用して分析した。
【0155】
この実施例3では、実施例1に記載したように調製された120gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、トルエン(120g)及び5重量%のRh/C触媒(18g)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(398g、24当量)を添加し、反応器を水素で354psig(2440.7kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、1021psig(7039.5kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、802RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、110.9gの生成物を収集した。この生成物を、GC-FID、1H、13C、及び29Si NMRを使用して分析した。
【0156】
この実施例4では、実施例1に記載したように調製された120gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、ヘプタン溶媒(120g)及び5重量%のRh/C触媒(18g)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(398g、24当量)を添加し、反応器を水素で338psig(2330.4kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、1044psig(7198.1kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、800RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、102.2gの生成物を収集した。この生成物を、GC-FID、1H、13C、及び29Si NMRを使用して分析した。
【0157】
この実施例5では、実施例1に記載したように調製された140gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(140g)及びNi-5256P触媒(21.0g)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(580.5g、30当量)を添加し、反応器を水素で650psig(4481.6kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、850psig(5860.5kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、780RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、131.6gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、64.4重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)は、式:
【0158】
【0159】
この実施例6では、実施例1に記載したように調製された18gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、トルエン溶媒(18g)及びNi-5256P触媒(4.1g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(74.6g、30当量)を添加し、反応器を水素で550psig(3792.1kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、940psig(6481.1kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、825RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、17.0gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、59.7重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0160】
この実施例7では、還元的アミノ化実験を、300mLオートクレーブ反応器中で、Co-0179を用いて、110℃、800RPMで4時間行った。実施例1に記載したように調製された3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナール(16g)に、メタノール(16g)及びCo触媒(4.9g)とともに充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(74.6g、30当量)を添加し、反応器を水素で600psig(4136.8kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、1200psig(8273.7kPa)であることが観察された。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、16.0gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、65.7重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0161】
実施例2~7は、試験した条件下で異なる触媒を使用して、還元的アミノ化を成功裏に実施することができたことを示した。
【0162】
アンモニア当量の影響を以下の実施例8~14で研究した。還元的アミノ化反応を、300mL及び2Lのオートクレーブ反応器中で、5重量%のRh/Cを用いて90℃で実施した。
【0163】
この実施例8では、実施例1に記載したように調製された5gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(35.6g)及び5重量%のRh/C触媒(1.5g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(41.5g、60当量)を添加し、反応器を水素で600psig(4136.9kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、810psig(5584.8kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、840RPMで2時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去した。
【0164】
この実施例9では、実施例1に記載したように調製された10gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(2.5g)及び5重量%のRh/C触媒(2.9g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(41.5g、30当量)を添加し、反応器を水素で680psig(4688.4kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、980psig(6756.9kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、830RPMで2時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去した。
【0165】
この実施例10では、実施例1に記載したように調製された120gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(120g)及び5重量%のRh/C触媒(18g)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(398g、24当量)を添加し、反応器を水素で519psig(3578.4kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、900psig(6205.3kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、810RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去した。
【0166】
実施例8~10は、試験した条件下でRh/C水素化触媒を使用して、NH3当量が減少するにつれて、所望の生成物である3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)のGC-FID面積%が減少した一方で、二量体副生成物である(ビス(3-(3-(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンイル)プロピル)アミン)のGC-FID面積%が増加したことを示した。これらの結果を以下の表2に示す。表2の所望の生成物は、3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)を指す。
【0167】
【0168】
還元的アミノ化反応もまた、以下のように、90℃での2Lのオートクレーブ反応器中、様々なアンモニア当量でNi-5256P触媒を用いて実施した。
【0169】
この実施例11では、実施例1に記載したように調製された279.8gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(279.8g)及びNi-5256P触媒(63g)とともに、反応器に充填した。アンモニア(386.7g、10当量)を用いて還元的アミノ化化学を実施した。反応器を水素で576psig(3971.4kPa)まで加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、610psig(4205.8kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、847RPMで16.5時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、68.6重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0170】
この実施例12では、実施例1に記載したように調製された186.3gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール及びNi-5256P触媒(41.9g)とともに、反応器に充填した。アンモニア(514.8g、20当量)を用いて還元的アミノ化化学を実施した。反応器を水素で576psig(3971.4kPa)まで加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、680psig(4688.4kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、839RPMで17時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、68.5重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0171】
この実施例13では、実施例1に記載したように調製された139.6gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(139.6g)及びNi-5256P触媒(31.4g)とともに、反応器に充填した。アンモニア(578.8g、30当量)を用いて還元的アミノ化化学を実施した。反応器を水素で562psig(3874.9kPa)まで加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、820psig(5653.7kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、832RPMで17時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、70.1重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0172】
この実施例14では、実施例1に記載したように調製された111.6gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(111.6g)及びNi-5256P触媒(25.11g)とともに充填した。アンモニア(616.9g、40当量)を用いて還元的アミノ化化学を実施した。反応器を水素で550psig(3792.1kPa)まで加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、920psig(6343.2kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、815RPMで17.5時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、69.6重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0173】
実施例11~14は、試験した条件下でNi触媒を使用して、アンモニアの当量を変化させた場合に、3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)への選択性にほとんど差が観察されなかったことを示した。広範囲のアンモニア濃度にわたって良好な選択性が得られた。
【0174】
この実施例15では、実施例1に記載したように調製された13gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(52g)及びNi-5256P触媒(2.0g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(53.9g、30当量)を添加し、反応器を水素で554psig(3819.7kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、724psig(4991.8kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、828RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、12.8gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、70.3重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0175】
この実施例16では、実施例1に記載したように調製された140gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(140g)及びNi-5256P触媒(21.0g、BASF)とともに、2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(580.5g、30当量)を添加し、反応器を水素で648psig(4467.8kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、845psig(5826.1kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、820RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、131.3gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、69.8重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0176】
この実施例17では、実施例1に記載したように調製された19gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(4.8g)及びNi-5256P(2.9g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(78.8g、30当量)を添加し、反応器を水素で566psig(3902.4kPa)に加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、970psig(6687.9kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を90℃、823RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、19.4gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、64.0重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0177】
溶媒の量を変化させて実施例15~17を実施した。各実施例において、多量の所望の生成物である3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)が形成された。しかしながら、実施例16~18は、試験した条件下で、より高い割合のメタノール溶媒(実施例15及び16)が、より低い割合の溶媒(実施例17)よりもいくらか良好な3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)への選択性をもたらしたことを示した。
【0178】
この実施例18では、実施例17を繰り返して同じ結果を得た。
【0179】
この実施例19では、実施例1に記載したように調製された19gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(4.8g)及びNi-5256P(2.9g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(78.8g、30当量)を添加し、反応器を水素で660psig(4550.5kPa)に加圧した。反応器を120℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、1200psig(8273.7kPa)であることが観察された。還元的アミノ化を120℃、822RPMで4時間行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、18.7gの濃縮生成物を収集した。濃縮生成物は、GC-FIDを使用して分析した場合、66.7重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)であった。
【0180】
実施例18及び19では、変化する反応温度を研究した。これらの実施例は、反応温度を90℃~120℃まで変化させても選択性にほとんど影響がなかったことを示し、両方の試料は、試験した条件下で、3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)への良好な選択性を有した。
【0181】
冷却コイルを備えた2Lのオートクレーブ反応器中で溶媒をスクリーニングするために、5重量%のRh/Cを用いた還元的アミノ化実験を設計した。全ての実験を、90℃で、実施例1に記載したように調製された3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナール(ジアルデヒド)及び溶媒を、1:1の質量比のジアルデヒド及び溶媒を提供する量で用いて実施した。反応器が冷却し、アンモニア及び水素を排出した後、粗生成物を収集し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒をストリッピングした。表3に生成物質量を列挙する。これらの生成物の各々を、Vigreux蒸留工程を使用して精製して、3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)を含有する主留分を得た。
【0182】
【0183】
実施例20~22では、12インチVigreux分別蒸留装置を使用して軽質留分と塔底留分とを分離し、これらの生成物の各々から3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)主留分を得た。実施例20では、116.0gの生成物をリボイラー(250mL、三つ口丸底フラスコ)に充填した。リボイラー温度を150℃に設定し、1トール未満(0.13kPa未満)の真空を装置に適用した。留分-軽質(1.2g)、主(41.1g)、及び塔底(65.5g)を蒸留から得た。他の2つの生成物の蒸留についても同様の結果が得られた。主留分のGC-FID分析は、95面積%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)を示した。
【0184】
これら3つの蒸留から合わせた主留分(126.8g)を、充填カラム蒸留を使用して更に精製した。内径1インチ、長さ20インチの真空ジャケット付きカラムに、0.16インチのPro-Pakランダムパッキングを充填した。還流スプリッター及び凝縮器を充填カラムの頂部に取り付けた。リボイラー(250mL、三つ口丸底フラスコ)を140℃まで加熱し、凝縮器を22℃に維持した。還流比を5:1に設定し、真空を5トール未満(0.67kPa未満)に適用した。高純度の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)(91.8g、99.4GC-FID面積%)を、117℃のオーバーヘッド温度及び約3トール(0.4kPa)で収集した。
【0185】
3つの反応(実施例23、24、及び25)を、2Lのオートクレーブ反応器中で行った。各々において、実施例1に記載したように調製された140gの3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ジプロパナールを、メタノール(140g)及びNi-5256P(31.5g)とともに充填した。アンモニア(580.5g、30当量)を用いて還元的アミノ化反応を実施した。反応器を水素で600psig(4136.9kPa)まで加圧した。反応器を90℃まで加熱し、圧力が反応温度における反応器圧力よりも100psig(689.5kPa)高くなるまで水素を添加した。反応圧力は、1000psig(6894.8kPa)であることが観察された。反応を90℃で3時間実行した。反応器を室温まで冷却した後、アンモニアを排出した。次いで、反応器を800psig(5515.8kPa)の水素で加圧し、水素化を110℃で行った。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去した。濃縮生成物のGC-FID分析は、平均63重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)純度を示した。2回の複製反応を実施した。これら3つの反応からの濃縮生成物を混合し、短経路蒸留を用いて精製した。
【0186】
典型的な短行程蒸留装置を用いて、軽質留分と重質留分とを分離し、3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)主留分を得た。これらの3つの反応からの合計379gの濃縮生成物をリボイラー(500mL、三つ口丸底フラスコ)に供給した。リボイラーを150℃に設定し、1トール未満(0.13kPa未満)の真空に維持した。10.5gの軽質留分を収集した後、主留分のための新しい蒸留物レシーバーに切り替えた。GC-FIDを使用して主留分(259g)を分析し、90.3重量%の3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)の純度が示された。塔底留分(94.4g)は、高沸点物及び浸出したNi触媒を含有した。
【0187】
短行程蒸留からの主留分(259g)は、充填カラム蒸留のためのリボイラー(500mL、三つ口丸底フラスコ)への供給物であった。内径1インチ、長さ20インチの真空ジャケット付きカラムに、0.16インチのPro-Pakランダムパッキングを充填した。マルチレシーバーシステムを使用して、いくつかの軽質留分を収集した。充填カラム蒸留のためのプロセス条件は、85Wの一定電力で供給される加熱マントル、1トール未満(0.13kPa未満)の真空、5:1の還流比であった。この蒸留から、99.6重量%純粋な3,3’-(1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン-1,3-ジイル)ビス(プロパン-1-アミン)(GC-FIDアッセイ)の試料102gを得た。
【0188】
この実施例26では、560のDP及び式
【0189】
【化32】
を有するビス(プロピルアルデヒド末端)ポリジメチルシロキサン(式中、下付き文字ppは、1分子当たりの二官能性シロキサン単位の平均数を表し、558の値を有する)を、以下のように調製した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)
2(90.6mg、0.350mmol)、配位子1(550mg、0.656mmol)、及びトルエン(51.43g、558mmol)を、磁気撹拌子を用いて120mLのガラスボトルに添加した。均質な溶液が形成されるまで、混合物を撹拌プレート上で撹拌した。この溶液の一部分(1.45g)を、金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、1分子当たり平均558のジメチルシロキシ(D)単位(M
Vi
2D
558)を有するビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(195.3g、4.68mmol)を、300mLのParr反応器に充填した。反応器を密封し、ホルダに装着した。反応器を、浸漬管を介して窒素で100psi(689.5kPa)まで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く3回放圧した。次いで、反応器を窒素で300psi(2068.4kPa)に加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psi(689.5kPa)に加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して80psi(551.6kPa)に加圧した。反応温度を90℃に設定した。撹拌速度を600RPMに設定した。所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psi(689.5kPa)に設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、300mlの中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。反応を4時間実行した。得られた生成物は、560のDPを有するビス(プロピルアルデヒド末端)ポリジメチルシロキサンを含有した。生成物を
1H及び
29Si NMRによって特性評価した。
【0190】
この実施例27では、式:
【0191】
【化33】
の、560のDPを有するビス(3-アミノプロピル)末端ポリ(ジメチルシロキサン)(式中、下付き文字qqは、558であった)を以下のように調製した。300mLのオートクレーブ反応器に、実施例26に記載したように調製された末端ジプロピオンシロキサン、(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]-ω-[[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]オキシ]、又は(C
2H
6OSi)
nC
10H
22O
3Si
2(式中、n=560)(90.0g)、トルエン(63.7g)、及び5重量%のRh/C(4.5g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を800rpmで撹拌し、アンモニア(9.2g)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応器を水素で250psig(1723.7kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。反応器圧力は、340psig(2344.2kPa)であった。反応器の圧力を水素で716psig(4936.7kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4時間実行した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去して、83.9gの生成物を収集した。生成物を
29Si分析、GPC、及び粘度によって特性評価した。オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量を、GC分析によって測定した。
【0192】
この実施例28では、式
【0193】
【化34】
のジプロピオンアルデヒドシロキサン(式中、下付き文字rrは、1分子当たりの二官能性シロキサン単位の平均数を表し、328の値を有する)
(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]-ω-[[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]オキシ]、又は(C
2H
6OSi)
nC
10H
22O
3Si
2(式中、n=328))を以下のように調製した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)
2(90.6mg、0.350mmol)、配位子1(550mg、0.656mmol)、及びトルエン(51.43g、558mmol)を、磁気撹拌子を用いて120mLのガラスボトルに添加した。均質な溶液が形成されるまで、混合物を撹拌プレート上で撹拌した。この溶液の一部分(1.5g)を、金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、1分子当たり平均328のジメチルシロキシ(D)単位(M
Vi
2D
328)を有するビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(196g、7.95mmol)を、300mLのParr反応器に充填した。反応器を密封し、ホルダに装着した。反応器を、浸漬管を介して窒素で100psi(689.5kPa)まで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く3回放圧した。次いで、反応器を窒素で300psi(2068.4kPa)に加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psi(689.5kPa)に加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して80psi(551.6kPa)に加圧した。反応温度を90℃に設定した。撹拌速度を600RPMに設定した。所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psi(689.5kPa)に設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、300mlの中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。反応を4時間実行した。得られた生成物は、330のDPを有するビス(プロピルアルデヒド末端)ポリジメチルシロキサンを含有した。生成物を
1H及び
29Si NMRによって特性評価した。
【0194】
この実施例29では、式
【0195】
【化35】
(式中、下付き文字ssは、1分子当たりの二官能性シロキサン単位の平均数を表し、328の値を有する)のビス(3-アミノプロピル)末端ポリ(ジメチルシロキサン)ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[(3-アミノプロピル)ジメチルシリル]-ω-[[(3-アミノプロピル)ジメチルシリル]オキシ]、又は(C
2H
6OSi)
nC
10H
28N
2OSi
2(式中、n=約330)を以下のように調製した。300mLのオートクレーブ反応器に、実施例28に記載したように調製された90.6gのジプロピオンアルデヒドシロキサン、トルエン(60.3g)、及び5重量%のRh/C(4.5g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を800rpmで撹拌し、アンモニア(14.9g)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応器を水素で233psig(1606.5kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。反応器圧力は、317psig(2185.6kPa)であった。反応器の圧力を水素で728psig(5019.4kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4時間実行した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去して、83.4gの生成物を収集した。生成物を
29Si NMR分析、GPC、及び粘度によって特性評価した。オクタメチルシクロテトラシロキサン含有量を、GC分析によって測定した。
【0196】
この実施例30では、3-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナールを以下のように調製した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)2(13.6mg、0.0525mmol)、配位子1(84.5mg、0.101mmol)、及びトルエン(10.0g、108.5mmol)を、磁気撹拌子を用いて30mLのガラスバイアルに添加した。均質な溶液が形成されるまで、混合物を撹拌プレート上で撹拌した。この溶液を金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、ビニルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン(MDViM)(1000g、4.02mol)を2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ホルダに装着した。反応器を、浸漬管を介して窒素で100psi(689.5kPa)まで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く3回放圧した。次いで、反応器を窒素で300psi(2068.4kPa)に加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psi(689.5kPa)に加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して80psi(551.6kPa)に加圧した。反応温度を75℃に設定した。撹拌速度を800RPMに設定した所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psi(689.5kPa)に設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。得られた生成物は、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(MDPr-aldM)を含有した。粗製3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(MDPr-aldM)の一部分を真空蒸留によって精製した。真空蒸留装置は、PTFEコーティング磁気撹拌子を備えた500三口丸底フラスコ、サーモプローブで測定される内部温度をJ-CHEM(商標)によって制御される電気加熱マントル、及び250mLの予め風袋計量した収集フラスコに接続された12インチ(30.48cm)のVigreuxカラムを備えていた。真空マニホールドを、圧力を調節し真空を破壊するために、真空計及び窒素ラインを含んだシステムに接続した。蒸留物凝縮器上で水冷を使用し、より低沸点の構成成分を捕捉するために、蒸留システムとダイアフラム真空ポンプとの間にドライアイストラップを配置した。オーバーヘッド蒸気の温度を測定するために温度計を設置した。粗製の3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(MDPr-aldM)(341.5g)を500mLのリボイラーに充填することによって、蒸留を実行した。蒸留を2トール(266.6Pa)の圧力で実行した。軽質カット(13g)を、76℃のポット温度及び66℃のオーバーヘッド温度で収集した。精製された3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(MDPr-aldM)(243g)を含有する主留分を、80~85℃のポット温度及び67~69℃のオーバーヘッド温度で収集した。55gの底部材料も回収した。
【0197】
この実施例31では、N-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)ブタン-1-アミンを以下のように合成した。300mLのオートクレーブ反応器に、実施例30に記載したように調製された12.0gの3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール、トルエン(48.5g)、n-ブチルアミン(3.8g)、及び5重量%のRh/C(1.4g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を、800rpmで5分間撹拌した。反応器を水素で463psig(3192.3kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。反応器圧力は、452psig(3116.4kPa)であった。反応器の圧力を水素で651psig(4488.5kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4時間実行した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、反応器をトルエンですすいで、75.2gの材料を収集した。材料の一部分を、シリンジフィルタを通して濾過し、溶媒をストリッピングし、ガスクロマトグラフィ並びに1H及び13C NMR分析によって特性評価し、これにより、N-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)ブタン-1-アミンの存在を確認した。
【0198】
この実施例32では、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミン及びN-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)ブタン-1-アミンを以下のように合成した。300mLのオートクレーブ反応器に、実施例30に記載したように調製された11.7gの3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール、トルエン(48.4g)、n-ブチルアミン(3.9g、1.25当量)、及び5重量%のRh/C(1.2g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物にアンモニア(18.3g、25当量)を添加し、反応器圧力は、114psig(786kPa)であった。混合物を、800rpmで7分間撹拌した。反応器に水素を480psig(3309.5kPa)まで充填し、水素添加を停止した。反応器を60℃まで加熱し、この時点で、反応圧力は、580psig(3999kPa)であった。反応器の圧力を水素で798psig(5502kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4時間実行した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、反応器をトルエンですすいで、109.6gの液体を収集した。液体の一部分を、シリンジフィルタを通して濾過し、溶媒をストリッピングし、ガスクロマトグラフィ並びに1H及び13C NMR分析によって特性評価し、これにより、
67.4GC/FID面積%の3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミン
18.6GC/FID面積%のN-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)ブタン-1-アミン。
【0199】
この実施例33では、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミンを以下のように合成した。300mLのオートクレーブ反応器に、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(12.1g)、トルエン(48.4g)、及び5重量%のRh/C(1.3g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。800rpmの撹拌を開始し、混合物にアンモニア(19.9g、26.9当量)を添加し、反応器圧力は、117psig(806.7kPa)であった。反応物に水素を444psig(3061.3kPa)まで充填し、水素添加バルブを閉じた。反応器を60℃まで加熱し、この時点で、反応圧力は、610psig(4205.8kPa)であった。反応器を水素で463psig(3192.3kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。反応器の圧力を水素で816psig(5626.1kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4.5時間実行した。反応器を冷却し、排気した。所望の生成物を収集して、60.6gの液体を得た。液体の一部分を、シリンジフィルタを通して濾過し、溶媒をストリッピングし、ガスクロマトグラフィ並びに1H及び13C NMR及びGC/FID分析によって特性評価し、反応生成物中の3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミンの存在を確認した。
【0200】
この実施例34では、N-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)-58,61-ジメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62-ヘンイコサオキサペンタヘキサコンタン-64-アミン(MDM-M1000)を以下のように調製した。300mLのオートクレーブ反応器に、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(21.1g)、イソプロパノール(41.4g)、Jeffamine(商標)M1000(77.1g)、及び5重量%のRh/C(1.0g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を900rpmで撹拌し、反応器を水素で105psig(724kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。水素を315psig(2171.9kPa)の反応器圧力まで供給し、水素を連続的に添加しながら反応を4時間行った。反応器を冷却し、サンプリングした。追加の5重量%のRh/C触媒(1.0g)を添加し、反応を60℃及び315psig(2171.9kPa)の水素圧で4時間継続した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して真空下で溶媒を除去して、82.6gの生成物を得た。生成物を1H、29Si、及び13C NMR分析によって分析した。
【0201】
この実施例35では、N-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロピル)-7,10,13,16,19,22,25,28-オクタメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29-デカオキサドトリアコンタン-31-アミン(MDM-M600)を以下のように調製した。300mLのオートクレーブ反応器に、3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロパナール(25.0g)、イソプロパノール(50.0g)、Jeffamine(商標)M600(54.7g)、及び5重量%のRh/C(1.3g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を900rpmで10分間撹拌し、反応器を水素で102psig(703.3kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。水素を309psig(2130.5kPa)の反応器圧力まで供給し水素を連続的に添加しながら反応を4時間行った。反応混合物を冷却し、排気した。反応生成物を濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して真空下で溶媒を除去して、67.9gの生成物を得た。生成物を1H、29Si、及び13C NMR分析によって分析した。
【0202】
この実施例36では、3,3’-(1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17-オクタデカメチルノナシロキサン-1,17-ジイル)ジプロパナール(MPr-aldD7MPr-ald)を以下のように調製した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)2(9.3mg、0.0359mmol)、配位子1(58.1mg、0.069mmol)、及びヘプタン(10.0g、99.8mmol)を、磁気撹拌子を用いて30mLのガラスバイアルに添加した。均質な溶液が形成されるまで、混合物を撹拌プレート上で撹拌した。この溶液を金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、3,3’-(1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17-オクタデカメチルノナシロキサン-1,17-ジイル)ジビニル(MViD7MVi)(700g、1.027mol)を2Lのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ホルダに装着した。反応器を、浸漬管を介して窒素で100psi(689.5kPa)まで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く3回放圧した。次いで、反応器を窒素で300psi(2068.4kPa)に加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psi(689.5kPa)に加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して80psi(551.6kPa)に加圧した。反応温度を70℃に設定した。撹拌速度を800RPMに設定した所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psi(689.5kPa)に設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。得られた生成物は、3,3’-(1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17-オクタデカメチルノナシロキサン-1,17-ジイル)ジプロパナール(MPr-aldD7MPr-ald)を含有した。
【0203】
この実施例37では、N,N’-((1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17-オクタデカメチルノナシロキサン-1,17-ジイル)ビス(プロパン-3,1-ジイル))ビス(58,61-ジメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62-ヘンイコサオキサペンタヘキサコンタン-64-アミン)を以下のように調製した。300mLのオートクレーブ反応器に、29.9gの3,3’-(1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15,17,17-オクタデカメチルノナシロキサン-1,17-ジイル)ジプロパナール(MPr-aldD7MPr-ald)、イソプロパノ-ル(54.9g)、Jeffamine(商標)M1000(79.8g)、及び5重量%のRh/C(3.3g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を900rpmで撹拌し、反応器を水素で113psig(779.1kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。315psig(2171.9kPa)の圧力に達するように追加の水素を反応器に供給し、水素を連続的に添加しながら反応を5時間行った。水素圧を400psig(2757.9kPa)まで上昇させ、反応を23時間継続した。反応混合物を冷却し、反応器を排気した。反応生成物を濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して真空下で溶媒を除去して、94.4gの生成物を得た。生成物を1H、29Si、及び13C NMR分析によって分析した。
【0204】
この実施例38では、式:
【0205】
【化36】
の、560のDPを有するビス(3-アミノプロピル)末端ポリ(ジメチルシロキサン)(式中、下付き文字qqは、558であった)を以下のように調製した。ガラス容器に、実施例26に記載したように調製された末端ジプロピオンシロキサン、(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]-ω-[[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]オキシ]、又は(C
2H
6OSi)
nC
10H
22O
3Si
2(式中、n=558)(70.0g)及びトルエン(71.0g)を充填して、溶液を形成した。この溶液に、n-ブチルアミン(0.51g、2.1当量)を充填し、十分に混合した。混合物は濁った。MgSO
4(3.0g)を添加し、混合し、混合物を16時間保持した。混合物を濾過してMgSO
4を除去し、140gの透明な液体を得た。液体を
1H NMRによって分析して、ブチルイミンの存在を確認した。
【0206】
300mLのオートクレーブ反応器に、この実施例38で調製した末端ジイミンシロキサン、(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-(ブチルイミノ)プロピルシリル]-ω-[[ジメチル(3-(ブチルイミノ)プロピルシリル]オキシ]、又は(C2H6OSi)nC18H40O3N2Si2(式中、n=558)溶液(140g)、及び5重量%のRh/C(3.5g)を充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。混合物を800rpmで撹拌し、アンモニア(7.1g)を添加し、混合物を13分間撹拌した。反応器を水素で259psig(1785.7kPa)に加圧し、60℃まで加熱した。反応器圧力は、290psig(1999.5kPa)であった。反応器の圧力を水素で790psig(5446.9kPa)まで上昇させ、水素を連続的に添加しながら反応を4時間実行した。反応器を冷却し、排気した。反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を除去して、70.7gの生成物を収集した。生成物を29Si及び1H NMR分析によって特性評価した。
【0207】
この実施例39では、203のDPを有する(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]-ω-[[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]オキシ]、又は(C2H6OSi)nC10H22O3Si2(式中、n=201)を、上記の手順を使用して、203のDPを有するビス-ビニル末端ポリジメチルシロキサンのヒドロホルミル化反応によって調製した。
【0208】
この実施例40では、式:
【0209】
【化37】
の、203のDPを有するシロキサン(式中、下付き文字qqは、201であった)を以下のように調製した。窒素グローブボックス内で、実施例39からの5.000gの(ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)]、α-[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]-ω-[[ジメチル(3-オキソプロピル)シリル]オキシ]、又は(C
2H
6OSi)
nC
10H
22O
3Si
2(式中、n=201)、88μLのエチレンジアミン(Sigma Aldrich)、0.2508gの5%Rh/C(Sigma Aldrich)、及び18.723gの2-プロパノール(無水、Sigma Aldrich)を、60mLの広口バイアルに添加した。バイアルを反転させ、目に見えて均質になるまで振盪し、次いでドラフトに移し、そこで粘性スラリーを100mLのParr反応器底部に投入した。反応器を密封し、全ての接続を行ったら、窒素を使用して反応器を不活性化し、550psig(3792.1kPa)で漏れ検査を行った。反応器に漏れがないと判断し、反応器を90℃まで加熱し、温度は10分以内に達成された。加熱/撹拌開始の30分後に水素を添加した。30psig(206.8kPa)の安定した反応器圧力が認められ、水素質量流量制御装置を430psig(400psigのH
2)(2964.8kPa、(2757.9kPaのH
2))を維持するように設定した。反応器は、冷却及び排気前の2時間にわたって撹拌及び加熱を維持した。反応器を冷却し、ヘッドスペースを窒素でパージした後、反応器をドラフト内で開放し、21.13gの反応物質をガラスバイアルに収集した。収集した物質を、粉末セライトの2インチ(5.08cm)プラグを通して濾過して、触媒を除去し、バイアル/カラムを約12mLのプロパノールで2回すすいだ。濾過した物質のアリコートを、予備的なプロトン、炭素、及びケイ素NMR分析のために濃縮した。その後、残りを濃縮し、高真空下に置いて残留プロパノールを除去し、60℃まで加熱しながらゆっくり撹拌した。真空下での1日後、試料の重量は2.4082gであったが、NMR分析は、上に示した203のDPを有するシロキサン及びいくらかの残留プロパノールの存在を示した。
【0210】
【0211】
この実施例41では、式(上記)の3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロパナールを以下のように合成した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)2(31.6mg)、配位子1(165.2mg)、及びトルエン(40.02g)を化合して、均一溶液を形成した。この触媒溶液の一部分(2.88g)を、金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)-3-ビニルトリシロキサン(180g)を、300mLの圧力反応器に充填した。反応器を密封した。600RPMで撹拌しながら、反応器を、浸漬管を介して窒素で100psigまで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く放圧した。反応器ヘッドスペースの不活性化のために、この工程を3回繰り返した。次いで、反応器を窒素で300psigに加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psigに加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して100psigに加圧した。合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。反応温度を65℃に設定し、その後70℃まで上昇させた。撹拌速度を600RPMに設定した。圧力を100psigに設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、300mLの中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。18時間後、2.5gの追加の触媒溶液を添加した。更に24時間の反応時間後、99%超の変換率が観察された。n/i比は、最終生成物の1H NMR分析によって4.5対1であると決定された。
【0212】
この実施例42では、3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミンの合成を以下のように実施した。
窒素パージしたグローブボックス内で、4:1のおよその直鎖対分岐比を有する、実施例41で上述したように調製された式
【0213】
【化39】
を含むアルデヒド(6g)及び5%Ru/C(0.3g、5重量%)をガラスバイアルに添加し、次いでメタノール(28mL)で希釈した。混合物を振盪し、開放Parr反応器に移した。反応器を密封し、次いで関連する加熱/冷却/撹拌/排気/熱電対/圧力変換器/ノックアウトポットに接続した。低圧窒素(約35psig)を使用して、反応器を3回加圧/排気循環し、続いて高圧(約550psig)窒素を使用して、反応器及び関連する付属器具の漏れ検査をした。3psig/分未満の圧力低下が観察された場合、反応器は漏れがないと考えられた。30分間の添加の間の時間は、加熱の開始(アンモニア添加終了直後)と最初の水素添加との間の時間によって定義された。概して、反応器は、アンモニア添加が終了した5~10分後に加熱設定点にあった。水素が添加されたときに反応器タイマーを開始し、反応器は、圧力/温度を維持し、運転タイマーが経過するまで必要に応じて水素を添加した。反応温度は反応設定点であり、60℃の第1の温度は、アンモニア添加(約60当量)から水素添加後までの間に維持される温度を指し、105℃の第2の温度は、水素圧力が初期設定点で達成された後に確立された温度設定点を指す。
【0214】
2時間後、反応器は加熱を停止し、冷却を開始した。冷却は、DI水が供給される内部冷却コイルを介して行われ、30℃未満になるまで、又はオペレーターが反応器を減圧し始めるまで継続した。反応器圧力が10psig未満になったら、低圧窒素を使用して反応器をスイープし、5分間排気ラインにパージした。この時点で、反応器を切り離し、反応反応生成物を手動で収集するために開放した。反応生成物をドラフト内に収集し、反応生成物が容易に移動しない場合には、追加の反応溶媒を使用した。反応器を洗浄するために同体積以上の溶媒リンスを使用し、その後の洗浄のために代替溶媒を使用している場合もあった。
【0215】
反応生成物を、Celite(商標)を通して濾過し、次いで、NMR分析のために減圧下で濃縮した。約0.5gのベンゼン-d6中の150~200mgの材料を用いて試料を調製し、ケイ素スペクトル取得のために、0.04M CrAcAcのベンゼン-d6溶液を用いてより高い濃度で試料を調製した。回転蒸発によって濃縮された試料が透明でなかった(例えば、残留触媒を含有していた)か、又はNMRピークがブロードであった場合、試料を濾過し、NMR管に移している場合があった。3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロパン-1-アミン形成がNMRによって確認された。
【0216】
この実施例43では、3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)-N-メチルプロパン-1-アミンを、実施例42の手順と同様の手順を使用して調製し、ここで、4:1及び5:1の直鎖状異性体対分岐状異性体比を有する3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロパナールの2つの異なるバッチを使用した(プロトンNMRによって決定)。窒素パージしたグローブボックス内で、アルデヒド(50g)及びNi 5256(5g、10重量%)をガラスバイアルに添加し、次いでメチルアミン(35.3g、8当量、エタノール中33重量%)の溶液と化合した。追加の溶媒は添加しなかった。得られた溶液をグローブボックス内で不特定の時間(概して10分未満)撹拌し、開放Parr反応器に移した。各々50gの出発アルデヒドの3つの反応バッチを、300mLの反応器中で実行した。混合及び濃縮前に、3つ全てをNMR及びGCによって分析した。濃縮後、約125gの粗反応生成物を収集し、これを蒸留前に分析した。粗試料は淡い海緑色であった。
【0217】
粗反応生成物を濾過し、Propak蒸留パッキング(2.5cm×29cm)を有する充填床を使用して蒸留して、0.5トール及び75~80℃のオーバーヘッド温度で57.06gの主生成物留分を得た。NMR分析により、3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)-N-メチルプロパン-1-アミンの存在を確認した。
【0218】
この実施例44では、式、M0.24Mプロパナールアルデヒド
0.14TPh
0.62のT-フェニル樹脂プロパナールを以下のように合成した。窒素充填グローブボックス内で、Rh(acac)(CO)2(48.0mg)、配位子1(311.9mg)、及びトルエン(59.9g)を化合させて、均一系触媒溶液を形成した。この触媒溶液の一部分(5.8g)を、金属バルブを備えた気密シリンジに移し、続いてグローブボックスから取り出した。換気したドラフト内で、トルエン(90g)中に溶解したM0.24MVi
0.14TPh
0.62(90g)を、300mLの圧力反応器に充填した。反応器を密封した。600RPMで撹拌しながら、反応器を、浸漬管を介して窒素で100psigまで加圧し、ヘッドスペースに接続されたバルブを通して注意深く放圧した。反応器ヘッドスペースの不活性化のために、この工程を3回繰り返した。次いで、反応器を窒素で300psigに加圧することによって圧力試験した。圧力を解放した後、触媒溶液を試料充填ポートを介して反応器に添加した。反応器を合成ガスで100psigに加圧し、次いで3回放圧した後、浸漬管を介して100psigに加圧した。反応温度を70℃に設定した。撹拌速度を600RPMに設定した。所望の温度に到達したら、合成ガスを含有する中間シリンダーと反応器とを接続した。圧力を100psigに設定した。反応の進行を、減圧調整器を介して反応器に合成ガスを供給する際に、300mLの中間シリンダー内の圧力を測定したデータロガーによって監視した。最終生成物の1H NMR分析によって決定された99%超の変換率が、16時間後に観察された。トルエンを除去すると、式M0.24Mプロパンアルデヒド
0.14TPh
0.62のT-フェニル樹脂プロパナールの生成物が粘性液体として残った。
【0219】
M0.24Mプロピルアミン
0.139TPh
0.52の合成
この実施例45では、実施例44に記載されたような25.8gのM0.24Mプロパナールアルデヒド
0.14TPh
0.62をガラス丸底フラスコに充填した。THF溶媒(51.6g)を添加して、溶液を形成した。PTFEコーティング磁気撹拌子で撹拌しながら、N-ブチルアミン(2.55g、1.1当量)を溶液に添加した。MgSO4を添加して、溶液から水を吸着させた。MgSO4を濾過によって除去して、対応するN-ブチルイミン官能性フェニルシルセスキオキサン樹脂を含有する溶液を得た。イミン含有溶液を、5%Ru/C触媒(2.6g)とともに、300mLのオートクレーブ反応器に充填した。反応器を密封し、ヘッドスペースを窒素で不活性化した。アンモニア(8.3g、約15当量)を添加し、反応器を水素で530psigに加圧した。反応器を80℃まで加熱し、圧力が880psigになるまで水素を添加した。還元的アミノ化を80℃、880psig、800RPMで18.5時間行った。反応器を冷却し、排気した。還元的アミノ化反応生成物を収集し、濾過して触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去して、27.2gの濃縮反応生成物を収集した。濃縮生成物は、1H及び13C NMRによって決定した場合、単位式M0.24Mプロピルアミン
0.14TPh
0.62のプロピルアミン官能性フェニルシルセスキオキサン樹脂を含有した。
【0220】
産業上の利用可能性
上記の作用実施例は、様々なアルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、本明細書に記載されるプロセスを使用してアミノ官能性有機ケイ素化合物を形成するために成功裏に使用され得ることを示す。本明細書に記載されるプロセスは、ペンダント及び/又は末端アミノ官能基を有する多種多様なポリマーポリオルガノシロキサン及び有機ケイ素小分子を調製することができるという点で柔軟である。加えて、プロセスは、以下の利点のうちの1つ以上を有し得る:低コスト、単純なプロセス、150℃以下の低温(感受性分子を分解する可能性がより低く、資本コストがより低く、より安全である)、最小限の副生成物、不均一系触媒のほぼ完全な回収。加えて、本明細書に記載されるプロセスは、副反応がほとんど又は全く起こらずに高純度アミノ官能性有機ケイ素化合物を生成するという追加の利点のうちの1つ以上を提供することができ、アミノ官能性有機ケイ素化合物を回収するための容易な後処理(例えば、不均一系触媒を回収するための単純な濾過及び蒸留)を有する。プロセスはまた、従来の縮合反応プロセスよりも少ない若しくは全くなく塩副生成物ストリーム、短い反応時間、及び/又は低い環状シロキサン副生成物の生成を提供し得ると考えられる。更に、ヒドロホルミル化及び還元的アミノ化は、中間体を単離する必要なく1つの単一反応器で行われ得、最小限のプロセス工程を有し得る。
【0221】
理論によって束縛されることを望むものではないが、本発明の別の利点は、生成されたアミノ官能性有機ケイ素化合物が高い割合の直鎖状アミノ官能基を有すること、並びにこれが、分岐状アルデヒド部分を有するアルデヒド官能性有機ケイ素化合物が本明細書に記載されるプロセス中に反応及び分解し、これによりそれらが容易に除去され得るためであることであると考えられる。更に、生成されたアミノ官能性有機ケイ素化合物は、カルボン酸触媒を使用する縮合化学又は塩基触媒を使用する平衡化化学を介して生成されたアミノ官能性有機ケイ素化合物と比較して、低減された環状シロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、D4)含有量を有し得る。
【0222】
用語の定義及び使用
全ての量、比率、及び百分率は、別途指定がない限り、重量に基づく。組成物中の全ての出発材料の量は、総計100重量%である。「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。冠詞「a」、「an」、及び「the」は各々、明細書の文脈によって特に指示されない限り、1つ以上を指す。単数形は、別途記載のない限り、複数形を含む。「~を含む(comprising)」、「~から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「~からなる(consisting of)」という移行句は、Manual of Patent Examining Procedure Ninth Edition,Revision 08.2017,Last Revised January 2018のセクション§2111.03 I.、II.、及びIIIに記載されているように使用される。本明細書で使用される略語は、表Zにおける定義を有する。
【0223】
【0224】
本明細書では、以下の試験方法を使用した。FTIR:ポリオルガノシロキサン樹脂(例えば、ポリオルガノシリケート樹脂及び/又はシルセスキオキサン樹脂)中に存在するシラノール基の濃度を、ASTM規格E-168-16に従ってFTIR分光法を使用して決定した。GPC:ポリオルガノシロキサンの分子量分布を、Agilent Technologies 1260 Infinityクロマトグラフ及び溶媒としてトルエンを使用してGPCによって決定した。機器は、3つのカラム、PLゲル5μm、7.5×50mmガードカラム、及び2つのPLゲル5μm、Mixed-C 7.5×300mmカラムを備えていた。較正をポリスチレン標準物を使用して行った。試料を、ポリオルガノシロキサンをトルエン(約1mg/mL)中に溶解させることによって作製し、次いで、直ちに溶液をGPC(1mL/分の流量、35℃のカラム温度、25分の実行時間)によって分析した。29Si NMR:出発材料(B)のアルケニル含有量は、「The Analytical Chemistry of Silicones」A.Lee Smith編、Chemical Analysisの112巻、John Wiley&Sons,Inc.(1991)に記載されている技術によって測定され得る。粘度:粘度は、例えば、120mPa・s~250,000mPa・sの粘度を有するポリマー(例えば、ある特定の(B2)アルケニル官能性ポリオルガノシロキサン及び(E2)アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン)について、#CP-52スピンドルを備えたBrookfield DV-IIIコーンアンドプレート(cone & plate)粘度計で、25℃、0.1~50RPMで測定され得る。当業者は、粘度が増加するにつれて回転速度が減少し、適切なスピンドル及び回転速度を選択することができることを認識するであろう。
【0225】
上記の実施例におけるアルデヒド官能性有機ケイ素化合物及び還元的アミノ化反応生成物の混合物を、1H、13C NMR及び29Si NMR、GC/MS、GPC、並びに粘度によって分析した。上記の実施例における転換率及び収率は、主に1H NMRデータに基づいていた。
【0226】
本発明の実施形態
第1の実施形態では、アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスは、
1)ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、出発材料が、
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、
(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒と、を含み、ビスホスファイト配位子が、式
【0227】
【化40】
を有し、式中、
R
6及びR
6’が、各々独立して、水素、1~20個の炭素原子のアルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及び1~20個の炭素原子のアルコキシ基からなる群から選択され、
R
7及びR
7’が、各々独立して、3~20個の炭素原子のアルキル基、及び式-SiR
17
3の基からなる群から選択され、式中、各R
17が、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
R
8、R
8’、R
9、及びR
9’が、各々独立して、水素、アルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及びアルコキシ基からなる群から選択され、
R
10、R
10’、R
11、及びR
11’が、各々独立して、水素又は及びアルキル基からなる群から選択され、それによって、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、化合させることと、
2)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、出発材料が、(E)アルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、(F)アミン源と、(G)水素化触媒と、(H)水素と、任意選択的に、(J)溶媒と、任意選択的に、(K)吸着剤と、を含み、それによって、アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることと、を含む。
【0228】
第2の実施形態では、第1の実施形態のプロセスにおいて、出発材料(B)は、式(B1):RA
xSiR4
(4-x)のアルケニル官能性シランを含み、式中、各RAは、独立して選択される2~8個の炭素原子のアルケニル基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である。
【0229】
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態のプロセスにおいて、アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、単位式:
(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hのアルケニル官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各RAは、独立して選択される2~8個の炭素原子のアルケニル基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR5からなる群から選択され、式中、各R5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、式(B2-1)中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する。
【0230】
第4の実施形態では、第3の実施形態のプロセスにおいて、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、環状であり、かつ(R4RASiO2/2)d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(式中、cは、>0~6であり、dは、3~12である)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単位式を有する。
【0231】
第5の実施形態では、第3の実施形態のプロセスにおいて、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、直鎖状であり、かつ単位式(B3):(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dを含み、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、及び数量(a+b+c+d)≧2である。
【0232】
第6の実施形態では、第3の実施形態のプロセスにおいて、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)mm(R4
2RASiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含むアルケニル官能性ポリオルガノシリケート樹脂であり、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモルパーセントを表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、及び0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。
【0233】
第7の実施形態では、第3の実施形態のプロセスにおいて、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RASiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(ZO1/2)hを含むアルケニル官能性シルセスキオキサン樹脂であり、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。
【0234】
第8の実施形態では、第3の実施形態のプロセスにおいて、下付き文字b=2であり、a=c=d=e=f=h=0であり、アルケニル官能性有機ケイ素化合物は、
【0235】
【0236】
第9の実施形態では、第3~第8の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各RAは、独立して、ビニル、アリル、及びヘキセニルからなる群から選択される。
【0237】
第10の実施形態では、第3~第9の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される。
【0238】
第11の実施形態では、第1~第10の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、ビスホスファイト配位子において、R6及びR6’は各々、メトキシ基及びt-ブチル基からなる群から選択され、R7及びR7’は各々、t-ブチル基であり、R8、R8’、R9、R9’、R10、R10’、R11、及びR11’は各々、水素である。
【0239】
第12の実施形態では、第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、出発材料(C)は、出発材料(A)、(B)、及び(C)の合計重量に基づいて、0.1ppm~300ppmのRhを提供するのに十分な量で存在する。
【0240】
第13の実施形態では、第1~第12の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、出発材料(C)は、1/1~10/1のビスホスファイト配位子/Rhのモル比を有する。
【0241】
第14の実施形態では、第1~第13の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、工程1)の条件は、i)30℃~150℃の温度、ii)101kPa~6,895kPaの圧力、iii)3/1~1/3の合成ガス中のCO/H2のモル比、並びにiv)条件i)、ii)、及びiii)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
【0242】
第15の実施形態では、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒は、ロジウム前駆体とビスホスファイト配位子とを化合させて、ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体を形成すること、及びロジウム/ビスホスファイト配位子錯体と出発材料(A)とを、工程1)の前に加熱を用いて化合させることによって形成される。
【0243】
第16の実施形態において、第1の実施形態又は第2の実施形態のプロセスによって調製されたアルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、式(E1):RAld
xSiR4
(4-x)のアルデヒド官能性シランであり、式中、各RAldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である。
【0244】
第17の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態のプロセスによって調製されたアルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、単位式(E2-1):(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hを含み、式中、各RAldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR5からなる群から選択され、式中、各R5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、式(E2-1)中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する。
【0245】
第18の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、環状であり、かつ(R4RAldSiO2/2)d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(式中、cは、>0~6であり、dは、3~12である)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単位式を有する。
【0246】
第19の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、直鎖状であり、かつ単位式(E3):(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)dを含み、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、及び数量(a+b+c+d)≧2である。
【0247】
第20の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)mm(R4
2RAldSiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含むアルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂であり、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモルパーセントを表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、及び0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。
【0248】
第21の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RAldSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(ZO1/2)hを含むアルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂であり、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。
【0249】
第22の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐状であり、かつ単位式:RAldSiR12
3を含み、式中、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、各R13は、一価の炭化水素基であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、ただし、R12のうちの少なくとも2つが、-OSi(R14)3であることを条件とする。
【0250】
第23の実施形態では、第17の実施形態のプロセスにおいて、下付き文字b=2であり、a=c=d=e=f=h=0であり、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物は、
【0251】
【0252】
第24の実施形態では、第17~第23の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各RAldは、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択される。
【0253】
第25の実施形態では、第17~第24の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される。
【0254】
第26の実施形態において、第1~第25の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスは、工程2)の前にアルデヒド官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む。
【0255】
第27の実施形態では、第1~第26の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、(F)アミン源は、式(F1):R18NH2の一級アミンを含み、式中、R18は、1~18個の炭素原子のアルキル基である。
【0256】
第28の実施形態では、第1~第27の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、(F)アミン源は、(F2)アンモニアを含む。
【0257】
第29の実施形態では、第1~第26の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、(F)アミン源は、(F3)ポリエーテルアミンを含む。
【0258】
第30の実施形態では、第1~第29の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、(F)アミン源は、(F4)ジアミンを含む。
【0259】
第31の実施形態では、第1~第30の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、水素化触媒は、Co、Cu、Fe、Ni、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む、不均一系水素化触媒である。
【0260】
第32の実施形態では、第31の実施形態のプロセスにおいて、不均一系水素化触媒は、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む。
【0261】
第33の実施形態では、第32の実施形態のプロセスにおいて、不均一系水素化反応触媒は、Co、Ni、又はRhを含む。
【0262】
第34の実施形態では、第1~第33の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスの工程2)において、水素化触媒の量は、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、1重量%~50重量%である。
【0263】
第35の実施形態では、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスの工程2)において、H2圧力は、10psig(68.9kPa)~1500psig(10342kPa)である。
【0264】
第36の実施形態では、第35の実施形態のプロセスの工程2)において、H2圧力は、200psig(1379kPa)~1200psig(8274kPa)である。
【0265】
第37の実施形態では、第1~第36の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスの工程2)において、温度は、0℃~200℃である。
【0266】
第38の実施形態では、第37の実施形態のプロセスの工程2)において、温度は、50℃~150℃である。
【0267】
第39の実施形態では、第1~第38の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスは、工程2)の前に水素化触媒を前処理することを更に含む。
【0268】
第40の実施形態では、第1~第39の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスは、3)工程2)の後に反応生成物からアミノ官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む。
【0269】
第41の実施形態では、第2の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、式:RN
xSiR4
(4-x)のアミノ官能性シランを含み、式中、各RNは、独立して選択される式
【0270】
【化43】
のアミノ官能基であり、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基であり、各R
19は、R
18、H、DNH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)、及びポリエーテル基からなる群から選択され、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である。
【0271】
第42の実施形態では、第2の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RNSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RNSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RNSiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各RNは、独立して選択される式
【0272】
【化44】
のアミノ官能基であり、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基であり、各R
19は、R
18、H、D-DNH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)、及びポリエーテル基からなる群から選択され、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、式中、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、式(E2-1)中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する。
【0273】
第43の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、環状であり、かつ(R4RNSiO2/2)d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R4
2SiO2/2)c(R4RNSiO2/2)d(式中、cは、>0~6であり、dは、3~12である)からなる群から選択される単位式を有する。
【0274】
第44の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、直鎖状であり、かつ単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RNSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RNSiO2/2)dを含み、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、及び数量(a+b+c+d)≧2である。
【0275】
第45の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)mm(R4
2RNSiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含むアミノ官能性ポリオルガノシリケート樹脂であり、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモルパーセントを表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、及び0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。
【0276】
第46の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式:(R4
3SiO1/2)a(R4
2RNSiO1/2)b(R4
2SiO2/2)c(R4RNSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RNSiO3/2)f(ZO1/2)hを含むアミノ官能性シルセスキオキサン樹脂であり、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。
【0277】
第47の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、
【0278】
【化45】
を含み、式中、RNは上記のとおりであり、各R13は、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基から選択される一価炭化水素基である。
【0279】
第48の実施形態では、第44の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、単位式:(R4
2RNSiO1/2)2(R4
2SiO2/2)m(R4RNSiO2/2)n、単位式:(R4
3SiO1/2)2(R4
2SiO2/2)o(R4RNSiO2/2)p、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される直鎖状アミノ官能性ポリジオルガノシロキサンを含み、式中、各Rは4及びRNは、上記のとおりであり、mは、0又は正の数であり、nは、0又は正の数である。代替的に、下付き文字nは、0~2000であり得る。下付き文字oは、0又は正の数であり得る。代替的に、下付き文字oは、0~2000であり得る。下付き文字pは、少なくとも2である。代替的に、下付き文字pは、2~2000であり得る。
【0280】
第49の実施形態では、第48の実施形態のプロセスにおいて、直鎖状アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式:
【0281】
【化46】
を有し、式中、各R
2’’は、独立して、R
N及びR
4からなる群から選択され、式中、R
N及びR
4は、上記のとおりであり、下付き文字zは、0~48である。
【0282】
第50の実施形態では、第49の実施形態のプロセスにおいて、直鎖状アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、式:
【0283】
【化47】
を有し、式中、R
4及びR
Nは、上記のとおりである。
【0284】
第51の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐状であり、かつ一般式:RNSiR12
3を有し、式中、RNは、上記のとおりであり、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、各R13は、一価の炭化水素基であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR13
2]iiOSiR13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有する。
【0285】
第52の実施形態では、第51の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、
【0286】
【化48】
(式中、R
N及びR
15は、上記のとおりである)、
【0287】
【化49】
(式中、R
N、R
13、及びR
15は、上記のとおりである)、並びに
【0288】
【化50】
(式中、R
N、R
13、及びR
15は、上記のとおりである)からなる群から選択される構造を有する。
【0289】
第53の実施形態では、第52の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは、
【0290】
【化51】
からなる群から選択される構造を有し、式中、R
19は、上記のとおりである。
【0291】
第54の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、単位式:(R4
3SiO1/2)q(R4
2RNSiO1/2)r(R4
2SiO2/2)s(SiO4/2)tを有し、式中、R4及びRNは、上記のとおりであり、下付き文字q、r、s、及びtは、2≧q≧0、4≧r≧0、995≧s≧4、t=1、(q+r)=4であるような平均値を有し、(q+r+s+t)は、回転粘度計によって測定される粘度>170mPa・sを付与するのに十分な値を有する。
【0292】
第55の実施形態では、第54の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、単位式[RNR4
2Si-(O-SiR4
2)x-O](4-w)-Si-[O-(R4
2SiO)vSiR4
3]wを有し、式中、RN及びR4は、上記のとおりであり、下付き文字v、w、及びxは、200≧v≧1、2≧w≧0、及び200≧x≧1であるような値を有する。
【0293】
第56の実施形態では、第42の実施形態のプロセスにおいて、アミノ官能性有機ケイ素化合物は、単位式:(R4
3SiO1/2)aa(RNR4
2SiO1/2)bb(R4
2SiO2/2)cc(RNR4SiO2/2)ee(R4SiO3/2)ddを有し、式中、R4及びRNは、上記のとおりであり、下付き文字aa≧0、下付き文字bb>0であり、下付き文字ccは、15~995であり、下付き文字dd>0、かつ下付き文字ee≧0である。
【0294】
第57の実施形態では、第41の実施形態~第56の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各RNは、独立して、
-(C3H6)NH2、-(C4H8)NH2、-(C2H4)N(H)(C2H5)、-(C3H6)N(H)(C2H5)、-(C4H8)N(H)(C2H5)、-(C2H4)N(H)(C3H7)、-(C3H6)N(H)(C3H7)、-(C4H8)N(H)(C3H5)、-(C2H4)N(H)(C4H9)、-(C3H6)N(H)(C4H9)、-(C4H8)N(H)(C4H9)、
-(C2H4)N(H)(C2H4O)jj(C3H6O)kk(H)、-(C3H6)N(H)(C2H4O)jj(C3H6O)kk(H)、及び
-(C4H8)N(H)(C2H4O)jj(C3H6O)kk(H)からなる群から選択され、式中、下付き文字jj≧0、kk≧0であり、量(jj+kk)は、RNに600g/mol~3000g/mol、代替的に600g/mol~1000g/molの分子量を与えるのに十分な値である。
【0295】
第58の実施形態では、第41の実施形態~第57の実施形態のうちのいずれか1つのプロセスにおいて、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、前記出発材料が、式:
【化1】
(式中、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基である)を有するケイ素に共有結合した基を含むアルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素化触媒と、水素と、任意選択的に、溶媒と、を含み、それによって、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、式:R
Ald
xSiR
4
(4-x)のアルデヒド官能性シランを含み、式中、各R
Aldは、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択され、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、前記出発材料が、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素化触媒と、水素と、任意選択的に、溶媒と、を含み、それによって、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることを含み、
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
hのアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各R
Aldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、式中、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、前記単位式中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する、プロセス。
【請求項4】
前記アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンが、
i)(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、cは、0~6であり、dは、3~12である)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単位式を有する、環状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
ii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
dを含む直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、かつ数量(a+b+c+d)≧2である、直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
iii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
mm(R
4
2R
AldSiO
1/2)
nn(SiO
4/2)
oo(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂であって、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、前記ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモル百分率を表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、かつ0.5<(mm+nn)/oo<4であるような平均値を有する、アルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂、
iv)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂であって、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である、アルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂、
v)式:R
AldSiR
12
3を含む分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、各R
12は、R
13及び-OSi(R
14)
3から選択され、各R
13は、一価の炭化水素基であり、各R
14は、R
13、-OSi(R
15)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
15は、R
13、-OSi(R
16)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
16は、R
13及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、ただし、R
12のうちの少なくとも2つが、-OSi(R
14)
3であることを条件とする、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
下付き文字b=2かつ、a=c=d=e=f=g=h=0であり、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、
【化2】
を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
各R
Aldが、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択される、請求項3~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各R
4が、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される、請求項2~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
工程I)の前に、ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることを含むプロセスによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を形成することを更に含み、前記出発材料が、
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、
(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒と、を含み、前記ビスホスファイト配位子が、式
【化3】
を有し、式中、
R
6及びR
6’が、各々独立して、水素、1~20個の炭素原子のアルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及び1~20個の炭素原子のアルコキシ基からなる群から選択され、
R
7及びR
7’が、各々独立して、3~20個の炭素原子のアルキル基、及び式-SiR
17
3の基からなる群から選択され、式中、各R
17が、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
R
8、R
8’、R
9、及びR
9’が、各々独立して、水素、アルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及びアルコキシ基からなる群から選択され、
R
10、R
10’、R
11、及びR
11’が、各々独立して、水素又は及びアルキル基からなる群から選択され、それによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
工程I)の前に、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
(F)前記アミン源が、
(F1)式:R
18NH
2(式中、R
18は、1~18個の炭素原子のアルキル基である)の一級アミン、
(F2)アンモニア、
(F3)ポリエーテルアミン、
(F4)式H
2N-D-NH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)のジアミン、及び
(F5)(F1)、(F2)、(F3)、及び(F4)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水素化触媒が、Co、Cu、Fe、Ni、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む、不均一系水素化触媒である、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水素化触媒の量が、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、1重量%未満~50重量%である、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
工程I)で、条件(i)及び(ii)のうちの一方又は両方が満たされ、条件(i)は、H
2圧力が10psig(68.9kPa)~1500psig(10,342kPa)であることであり、条件(ii)は、温度が0℃~200℃であることである、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
工程I)の前に、前記水素化触媒を前処理することを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
II)工程I)の最中及び/又は後に、前記反応生成物から前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、前記出発材料が、式:
【化1】
(式中、Gは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価炭化水素基である)を有するケイ素に共有結合した基を含むアルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素化触媒と、水素と、任意選択的に、溶媒と、を含み、それによって、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、式:R
Ald
xSiR
4
(4-x)のアルデヒド官能性シランを含み、式中、各R
Aldは、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択され、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字xが、1~4である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
アミノ官能性有機ケイ素化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
I)還元的アミノ化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることであって、前記出発材料が、アルデヒド官能性有機ケイ素化合物と、アミン源と、水素化触媒と、水素と、任意選択的に、溶媒と、を含み、それによって、前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を含む反応生成物を形成する、化合させることを含み、
前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
hのアルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンを含み、式中、各R
Aldは、独立して選択される3~9個の炭素原子のアルデヒド基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、式中、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、前記単位式中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧2、及び数量(b+d+f)≧1であるような値を有する、プロセス。
【請求項4】
前記アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンが、
i)(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、下付き文字dは、3~12である)、(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(式中、cは、0~6であり、dは、3~12である)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される単位式を有する、環状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
ii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
dを含む直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、数量(a+b)=2、数量(b+d)≧1、かつ数量(a+b+c+d)≧2である、直鎖状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、
iii)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
mm(R
4
2R
AldSiO
1/2)
nn(SiO
4/2)
oo(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂であって、式中、下付き文字mm、nn、及びooは、前記ポリオルガノシリケート樹脂中の各単位のモル百分率を表し、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn≧0、oo>0、かつ0.5<(mm+nn)/oo<4であるような平均値を有する、アルデヒド官能性ポリオルガノシリケート樹脂、
iv)単位式:(R
4
3SiO
1/2)
a(R
4
2R
AldSiO
1/2)
b(R
4
2SiO
2/2)
c(R
4R
AldSiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
AldSiO
3/2)
f(ZO
1/2)
hを含むアルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂であって、式中、f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である、アルデヒド官能性シルセスキオキサン樹脂、
v)式:R
AldSiR
12
3を含む分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサンであって、式中、各R
12は、R
13及び-OSi(R
14)
3から選択され、各R
13は、一価の炭化水素基であり、各R
14は、R
13、-OSi(R
15)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
15は、R
13、-OSi(R
16)
3、及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、各R
16は、R
13及び-[OSiR
13
2]
iiOSiR
13
3から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、ただし、R
12のうちの少なくとも2つが、-OSi(R
14)
3であることを条件とする、分岐状アルデヒド官能性ポリオルガノシロキサン、からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
下付き文字b=2かつ、a=c=d=e=f=g=h=0であり、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物が、
【化2】
を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
各R
Aldが、独立して、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びヘプチルアルデヒドからなる群から選択される、請求項3~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各R
4が、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される、請求項2~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
工程I)の前に、ヒドロホルミル化反応に触媒作用を及ぼす条件下で、出発材料を化合させることを含むプロセスによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を形成することを更に含み、前記出発材料が、
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)アルケニル官能性有機ケイ素化合物と、
(C)ロジウム/ビスホスファイト配位子錯体触媒と、を含み、前記ビスホスファイト配位子が、式
【化3】
を有し、式中、
R
6及びR
6’が、各々独立して、水素、1~20個の炭素原子のアルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及び1~20個の炭素原子のアルコキシ基からなる群から選択され、
R
7及びR
7’が、各々独立して、3~20個の炭素原子のアルキル基、及び式-SiR
17
3の基からなる群から選択され、式中、各R
17が、独立して選択される1~20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
R
8、R
8’、R
9、及びR
9’が、各々独立して、水素、アルキル基、シアノ基、ハロゲン基、及びアルコキシ基からなる群から選択され、
R
10、R
10’、R
11、及びR
11’が、各々独立して、水素又は及びアルキル基からなる群から選択され、それによって、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を含むヒドロホルミル化反応生成物を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
工程I)の前に、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
(F)前記アミン源が、
(F1)式:R
18NH
2(式中、R
18は、1~18個の炭素原子のアルキル基である)の一級アミン、
(F2)アンモニア、
(F3)ポリエーテルアミン、
(F4)式H
2N-D-NH
2(式中、Dは、二価ヒドロカルビル基である)のジアミン、及び
(F5)(F1)、(F2)、(F3)、及び(F4)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水素化触媒が、Co、Cu、Fe、Ni、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属を含む、不均一系水素化触媒である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水素化触媒の量が、前記アルデヒド官能性有機ケイ素化合物の重量に基づいて、1重量%未満~50重量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
工程I)で、条件(i)及び(ii)のうちの一方又は両方が満たされ、条件(i)は、H
2圧力が10psig(68.9kPa)~1500psig(10,342kPa)であることであり、条件(ii)は、温度が0℃~200℃であることである、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
工程I)の前に、前記水素化触媒を前処理することを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
II)工程I)の最中及び/又は後に、前記反応生成物から前記アミノ官能性有機ケイ素化合物を回収することを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【国際調査報告】