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特表2024-537818安定性を改善されたバイパス・ゲート・トランジスタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】安定性を改善されたバイパス・ゲート・トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20241008BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L21/90 B
H01L29/80 H
H01L29/80 E
H01L29/50 J
H01L29/44 P
H01L27/04 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519727
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022075500
(87)【国際公開番号】W WO2023056145
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/492,032
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518066415
【氏名又は名称】マコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MACOM TECHNOLOGY SOLUTIONS HOLDINGS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ファイド、カーレッド
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、サイモン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F038
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104BB04
4M104BB05
4M104BB06
4M104BB07
4M104BB13
4M104BB18
4M104BB21
4M104BB28
4M104BB29
4M104CC03
4M104EE06
4M104EE12
4M104EE16
4M104EE17
4M104FF11
4M104GG12
4M104GG18
4M104HH20
5F033GG02
5F033HH08
5F033HH11
5F033JJ08
5F033JJ11
5F033KK08
5F033KK11
5F033RR04
5F033RR06
5F033TT02
5F033VV06
5F033XX05
5F038AC04
5F038AR19
5F038AR20
5F038AR21
5F038AZ04
5F102GA15
5F102GA16
5F102GA17
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ06
5F102GL04
5F102GL07
5F102GL08
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GS09
5F102GT01
5F102GT05
5F102GT06
5F102GV07
5F102GV08
(57)【要約】
トランジスタ・デバイスが含む複数のゲート・フィンガは、第1の方向に延在し、第2の方向において互いに間隔を空けており、ゲート・フィンガの各々が少なくとも備える第1及び第2のゲート・フィンガ・セグメントは、全体的に同一直線上にあって、間隔を空けて互いに電気的に接続されている。第1のゲート・フィンガ・セグメントは、第2の方向に延在する空隙領域によって、第2のゲート・フィンガ・セグメントから第1の方向に分離されている。この空隙領域には抵抗が配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層構造と、
前記半導体層構造の上面におけるソース・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面におけるドレイン・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面において前記ソース・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間に配置されたゲート・フィンガと、
前記ソース・コンタクトの上に配置された前記ゲート・フィンガの少なくとも一部に電気的に接続されたゲート・ジャンパと
を備え、
前記ソース・コンタクトは、前記ソース・コンタクトをセグメントに分割する空隙なしに、前記半導体層構造の前記上面において連続的に延在する、
トランジスタ・デバイス。
【請求項2】
前記ゲート・フィンガが不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備える、請求項1に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項3】
ゲート・バスをさらに備え、前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち少なくとも1つが、前記ゲート・ジャンパを通じて前記ゲート・バスに電気的に接続されている、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項4】
前記ソース・コンタクトが前記半導体層構造の第1の主表面上にあり、前記トランジスタ・デバイスは、
前記半導体層構造の第2の主表面上のソース・バス層と、
前記半導体層構造を通って延在して、前記ソース・コンタクトを前記ソース・バス層に電気的に接続する複数のソース・コンタクト・プラグと
をさらに備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項5】
前記ソース・コンタクトが、少なくとも、第1の拡大部分と、第2の拡大部分と、前記第1の拡大部分を前記第2の拡大部分に物理的且つ電気的に接続する狭窄部分とを含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2の拡大部分が、前記ソース・コンタクトの縦軸に対して垂直であって前記半導体層構造の下面に対して平行な方向において、前記狭窄部分よりも広い、請求項5に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項7】
ゲート信号分配バーをさらに備え、前記ゲート信号分配バーが、前記半導体層構造の上で前記ゲート・ジャンパと同じ高さにあり、前記ゲート・ジャンパから前記ゲート・フィンガの方へ延在する、請求項2から6までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項8】
前記ゲート信号分配バーが、前記ゲート・ジャンパと前記ゲート・フィンガの少なくとも一部との間の電気経路に挿入されている、請求項7に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項9】
前記ゲート信号分配バーが、導電性バイアによって前記ゲート・フィンガに電気的に接続されている、請求項8に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項10】
前記ゲート・バスを前記ゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備える、請求項7から9までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項11】
前記ソース・コンタクトの縦軸、前記ドレイン・コンタクトの縦軸及び前記ゲート・フィンガの縦軸が、それぞれ前記第1の方向に延在する、請求項1から10までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項12】
前記ゲート・ジャンパの前記縦軸が前記ソース・コンタクトの前記縦軸に対して平行である、請求項11に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項13】
半導体層構造と、
前記半導体層構造の上面において第1の方向に延在するソース・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面において前記第1の方向に延在するドレイン・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面において前記第1の方向に延在するゲート・フィンガであって、前記ソース・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間に配置されたゲート・フィンガと
を備え、
前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトのうち1つが、前記半導体層構造の前記上面に第1の拡大部分及び狭窄部分を含む、
トランジスタ・デバイス。
【請求項14】
前記ソース・コンタクトが前記第1の拡大部分及び前記狭窄部分を含む、請求項13に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項15】
前記ソース・コンタクトが第2の拡大部分をさらに含み、前記第1の拡大部分と前記第2の拡大部分とが、前記狭窄部分によって互いに物理的且つ電気的に接続されている、請求項14に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項16】
前記第1及び第2の拡大部分が、前記ソース・コンタクトの縦軸に対して垂直であって前記半導体層構造の下面に対して平行な方向において、前記狭窄部分よりも広い、請求項15に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項17】
ゲート・バスと、前記ゲート・バスに電気的に接続されたゲート・ジャンパとをさらに備え、前記ゲート・ジャンパが前記ソース・コンタクトの上に配置されており、前記ゲート・フィンガの少なくとも一部が、前記ゲート・ジャンパを通じて前記ゲート・バスに電気的に接続されている、請求項13から16までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項18】
前記ゲート・フィンガが不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備える、請求項13から17までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項19】
前記ゲート・ジャンパと同一の金属層に形成されたゲート信号分配バーをさらに備え、前記ゲート信号分配バーが前記ゲート・ジャンパから前記ゲート・フィンガの方へ延在する、請求項17又は18に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項20】
前記ゲート信号分配バーが、導電性バイアによって前記ゲート・フィンガの少なくとも一部に電気的に接続されている、請求項19に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項21】
前記ゲート・ジャンパの縦軸と、前記半導体層構造の前記底面によって定義された面とに対して垂直な面が、前記ソース・コンタクトの前記狭窄部分と前記導電性バイアとの両方を通って延在する、請求項20に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項22】
前記ゲート・バスを前記ゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備える、請求項19に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項23】
ソース・バス層と、
前記ソース・コンタクトを前記ソース・バス層に電気的に接続する複数のソース・コンタクト・プラグと
をさらに備える、請求項13から22までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項24】
前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントが、直列ゲート抵抗を通じて前記ゲート・バスに電気的に接続され、前記ゲート・ジャンパを通じて前記ゲート・バスに電気的に接続されない、請求項18に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項25】
半導体層構造と、
前記半導体層構造の上面において第1の方向に延在するソース・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面において前記第1の方向に延在するドレイン・コンタクトと、
前記半導体層構造の前記上面において前記第1の方向に延在するゲート・フィンガであって、前記ソース・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間に配置されており、複数の不連続なゲート・フィンガ・セグメントを備えるゲート・フィンガと、
ゲート・バスと、
前記ゲート・バスに電気的に接続されたゲート・ジャンパであって、前記ソース・コンタクトの上にあって前記第1の方向に延在する縦軸を有するゲート・ジャンパと、
前記ゲート・ジャンパと同一の金属層に形成されたゲート信号分配バーであって、前記ゲート・ジャンパから、前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントの方へ延在するゲート信号分配バーと
を備えるトランジスタ・デバイス。
【請求項26】
前記ソース・コンタクトが、前記半導体層構造の前記上面に、狭窄区分によって互いに物理的且つ電気的に接続された第1の拡大区分と第2の拡大区分とを含み、前記ゲート・ジャンパが前記ソース・コンタクトの上に配置され、前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントが、前記ゲート・ジャンパを通じて前記ゲート・バスに電気的に接続されている、請求項25に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項27】
前記ゲート信号分配バーが、導電性バイアによって前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち前記第1のゲート・フィンガ・セグメントに電気的に接続されている、請求項26に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項28】
前記ゲート・ジャンパの縦軸と、前記半導体層構造の前記底面によって定義された面とに対して垂直な面が、前記ソース・コンタクトの前記狭窄部分と前記導電性バイアとの両方を通って延在する、請求項27に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項29】
前記ゲート・バスを前記ゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備える、請求項25から28までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項30】
前記直列ゲート抵抗が前記ゲート・ジャンパの一部として実装されている、請求項29に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項31】
ソース・バス層と、
前記ソース・コンタクトを前記ソース・バス層に電気的に接続する複数のソース・コンタクト・プラグと
をさらに備える、請求項25から30までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項32】
前記不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第2のゲート・フィンガ・セグメントが、直列ゲート抵抗を通じて前記ゲート・バスに電気的に接続され、前記ゲート・ジャンパを通じて前記ゲート・バスに電気的に接続されない、請求項26に記載のトランジスタ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月1日出願の米国特許出願第17/492,032号の優先権を主張するものであり、米国特許出願第17/492,032号は、2020年6月22日出願の米国特許出願第16/907,983号の一部継続出願であり、米国特許出願第16/907,983は、2017年5月5日出願の米国特許出願第15/587,830号の分割出願として米国特許法120条の下の優先権を主張する、2018年11月7日出願の米国特許出願第16/182,642号の継続出願であり、米国特許出願第16/182,642号は、2016年3月17日出願の米国特許出願第15/073,201号の一部継続出願として米国特許法120条の下の優先権を主張するものであり、これら特許出願の各々の内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明される発明概念はマイクロ電子デバイスに関し、より詳細には、単位セル・ベースの構造を有する高出力の高周波トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、無線周波数(500MHz)、S帯(3GHz)及びX帯(10GHz)などの高周波数で動作する一方で高出力処理能力必要とする電気回路が、より普及している。高出力の高周波回路が増加しているので、無線周波数やマイクロ波周波数で確実に動作することができる一方で大電力負荷を扱うことができるトランジスタに対する需要が増加している。
【0004】
高出力を供給するために、ゲート周辺が大きいトランジスタが開発されている。トランジスタの有効なゲート周辺を大きくするための技術の1つには、並列接続された複数のトランジスタ・セルを設けるものがある。たとえば、高出力トランジスタは、図1に示されるように、それぞれの細長いソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に平行に延在する複数のゲート・フィンガを含み得る。
【0005】
詳細には、図1は、半導体構造20上にゲート・パッド12、ソース・パッド22及びドレイン・パッド32を含む従来のトランジスタ構造10の金属レイアウトを示す。図1は、デバイスの平面図(すなわちデバイスを上から見下ろした図)である。図1に示されるように、従来のトランジスタ10では、ゲート・パッド12は、ゲート・バス14によって、第1の方向(たとえば図1のy方向)に平行に延在する複数のゲート・フィンガ16に接続される。ソース・パッド22は、ソース・バス24を介して複数の平行なソース・コンタクト26に接続されており、ドレイン・パッド32は、ドレイン・バス34を介して複数のドレイン・コンタクト36に接続されている。各ゲート・フィンガ16は、一対の隣接したソース・コンタクト26とドレイン・コンタクト36との間で、y方向に沿って延びる。トランジスタ10の単位セルは、ボックス40で示され、隣接したソース・コンタクト26とドレイン・コンタクト36との間に延在するゲート・フィンガ16を含む。「ゲート長さ」は、x方向におけるゲートの金属化の距離を指し、「ゲート幅」は、ソース・コンタクト26とドレイン・コンタクト36とがy方向において重なる距離である。すなわち、ゲート・フィンガ16の「幅」は、隣接したソース・コンタクト26とドレイン・コンタクト36に対して平行に延在するゲート・フィンガ16の寸法(y方向に沿った距離)を指す。デバイスのゲート周辺は、デバイス10の各ゲート・フィンガ16のゲート幅の合計を指す。
【0006】
マルチセル・トランジスタ・デバイスのゲート周辺は、単位セルの追加に加えて、ゲート・フィンガをより広く(すなわちy方向においてより長く)することによって増加され得る。しかしながら、デバイスのゲート・フィンガがより広くなると、デバイスの高周波性能に悪影響が及ぶ可能性がある。加えて、ゲート・フィンガをより広くすることは、一般的には、ゲート・フィンガが増加した電流密度を扱わなければならないことを意味し、ゲート・フィンガ金属化のエレクトロマイグレーションを引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0066908A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0167023A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0061129号
【特許文献4】米国特許第7,906,799号
【特許文献5】米国特許第6,316,793号
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0102482A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施例によるトランジスタ・デバイスは、第1の方向に延在するソース・コンタクトと、ソース・コンタクトに隣接して第1の方向に延在するゲート・フィンガと、ゲート・フィンガに隣接したドレイン・コンタクトとを含む。ゲート・フィンガは、ドレイン・コンタクトとソース・コンタクトとの間にある。ゲート・パッドは、ゲート・フィンガに沿った複数のポイントにおいて、ゲート・フィンガに電気的に接続されている。
【0009】
トランジスタ・デバイスがさらに含むゲート・ジャンパは、第1の方向に延在し、ゲート・パッドに導電接続されている。ゲート・パッドは、ゲート・ジャンパを通じて、ゲート・フィンガに沿った複数のポイントのうち少なくとも1つに導電接続されている。
【0010】
トランジスタ・デバイスは、ゲート・ジャンパ及びゲート・フィンガに接続されたゲート・バスと、ゲート・フィンガにゲート・ジャンパを接続する、ゲート・バスから第1の方向に間隔を空けたゲート信号分配バーとをさらに含み得る。
【0011】
さらなる実施例によるトランジスタ・デバイスは、ゲート・パッドと、ゲート・フィンガ上の第1の位置でゲート・パッドと導電接触し、第1の方向に延在するゲート・フィンガと、ゲート・パッドと導電接触し、第1の方向に延在するゲート・ジャンパとを含む。ゲート・ジャンパは、ゲート・フィンガ上の第1の位置から間隔を空けた第2の位置においてゲート・フィンガに導電接続され、そのためゲート・パッドにおいて受け取られたゲート信号は、第1の位置及び第2の位置においてゲート・フィンガに印加される。
【0012】
さらなる実施例によるトランジスタ・デバイスは、ゲート・バスと、ゲート・フィンガ上の第1の位置でゲート・バスと導電接触し、第1の方向に延在するゲート・フィンガと、ゲート・バスと導電接触し、第1の方向に延在するゲート・ジャンパとを含み、ゲート・ジャンパは、ゲート・バスから第1の方向に間隔を空けた、ゲート・フィンガに沿った位置でゲート・フィンガと導電接触する。
【0013】
さらなる実施例によるトランジスタ・デバイスは、基板と、基板上のゲート・バスと、基板上で第1の方向に延在する第1及び第2のソース・コンタクト・セグメントとを含む。第1のソース・コンタクト・セグメントと第2のソース・コンタクト・セグメントは、空隙によって第1の方向に互いに分離されている。トランジスタ・デバイスは、基板上にあってゲート・バスに接続されたゲート・フィンガをさらに含む。ゲート・フィンガは、ソース・コンタクト・セグメントに隣接して第1の方向に延在する。トランジスタ・デバイスは、基板上でゲート・フィンガに隣接したドレイン・コンタクトであって、ドレイン・コンタクトとソース・コンタクト・セグメントとの間にゲート・フィンガがあるドレイン・コンタクトと、ソース・コンタクト・セグメントの上に設けられてゲート・バスに接続されたゲート・ジャンパであって、第1の方向に延在するゲート・ジャンパと、基板上のゲート信号分配バーであって、第1のソース・コンタクト・セグメントと第2のソース・コンタクト・セグメントとの間の空隙からゲート・フィンガまで延在するゲート信号分配バーとをさらに含む。ゲート信号分配バーは、ゲート・バスから第1の方向に間隔を空けたゲート信号分配ポイントにおいてゲート・フィンガと接触し、ゲート・ジャンパに導電接続されている。
【0014】
さらなる実施例によるトランジスタは、第1の軸に沿って延在するドレイン・コンタクトと、第1の軸と平行な第2の軸に沿って延在するソース・コンタクトと、ソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に延在するゲート・フィンガと、ゲート・フィンガに電気的に接続され、間隔を空けた複数のゲート抵抗とを含む。ゲート抵抗のうち少なくとも第1のゲート抵抗は、トランジスタを上から見たときゲート・フィンガの第1の終端と第2の終端との間にある、第1の軸と第2の軸との間の領域の一部に配設されている。
【0015】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、互いに電気的に接続された、同一線上の不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを含み得る。トランジスタは、ゲート・バスと第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間で電気的に接続されたゲート・ジャンパをさらに含み得る。第1のゲート抵抗は、ゲート・ジャンパと第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間の電気経路に沿って挿入され得る。トランジスタは、ゲート・ジャンパと第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間の電気経路に沿って挿入された第1のゲート信号分配バーも含み得る。第1のゲート抵抗は、第1のゲート信号分配バーと第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間の電気経路に沿って挿入され得る。各ゲート・フィンガ・セグメントは、それぞれのゲート・スプリットの一部でよく、トランジスタは、隣接した2つのゲート・スプリットの間に配置された奇数モード抵抗をさらに含み得る。
【0016】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトは同一直線上の複数の不連続なソース・コンタクト・セグメントを含み、ソース・コンタクトの上にゲート・ジャンパが延在する。隣接した2つのソース・コンタクト・セグメントの間の空隙に、第1のゲート信号分配バーが延在し得る。第1のゲート信号分配バーと、第1のゲート信号分配バーと同一線上の第2のゲート信号分配バーとの間に奇数モード抵抗が挿入され得る。なおまた、トランジスタは、同一直線上の複数の不連続なソース・コンタクト・セグメントを含む第2のソース・コンタクトを含み得、これらのソース・コンタクト・セグメントの上に延在するゲート・ジャンパはなく、この第2のソース・コンタクトの、隣接した2つのソース・コンタクト・セグメントの間に奇数モード抵抗があり得る。
【0017】
さらなる実施例によるトランジスタは、第1の方向に延在するソース・コンタクトと、第1の方向に延在するゲート・ジャンパと、互いに同一線上にあり得る不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備えるゲート・フィンガとを含む。このトランジスタは、ゲート・ジャンパに電気的に接続された、間隔を空けた複数のゲート抵抗をさらに含む。第1のゲート・フィンガ・セグメントは、第1のゲート抵抗を通じてゲート・ジャンパに接続されている。
【0018】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトは、不連続な複数のソース・コンタクト・セグメントを含み、隣接した2つのソース・コンタクト・セグメントの間の空隙に第1のゲート抵抗がある。ソース・コンタクト・セグメントのうち少なくともいくつかにわたってゲート・ジャンパが延在し得る。このトランジスタは、第1のゲート・フィンガに隣接して第1の方向に延在するドレイン・コンタクトであって、ソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に第1のゲート・フィンガが延在する、ドレイン・コンタクトと、第1の方向に延在する、同一直線上の不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備える第2のゲート・フィンガであって、第1のゲート・フィンガと第2のゲート・フィンガとの間にドレイン・コンタクトが延在する、第2のゲート・フィンガと、第2のゲート・フィンガに隣接して第1の方向に延在する不連続な複数のソース・コンタクト・セグメントを含む第2のソース・コンタクトとをさらに含み得る。第2のソース・コンタクトの2つの隣接したソース・コンタクト・セグメントの間の空隙に奇数モード抵抗が設けられ得る。
【0019】
ゲート・ジャンパと第1のゲート・フィンガの第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間や、ゲート・ジャンパと第2のゲート・フィンガの第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間に、第1のゲート信号分配バーが延在し得る。第1のゲート信号分配バーは、ソース・コンタクトの2つの隣接したソース・コンタクト・セグメントの間の空隙に配置され得る。第1のゲート信号分配バーと、複数の追加のゲート・フィンガのゲート・フィンガ・セグメントを第2のゲート・ジャンパに接続する第2のゲート信号分配バーとの間に、奇数モード抵抗が接続され得る。
【0020】
さらなる実施例によるトランジスタが含む複数のゲート・フィンガは、第1の方向に延在し、第1の方向に対して垂直な第2の方向において互いに間隔を空けている。ゲート・フィンガの各々が、全体的に同一線上で間隔を空けた第1のゲート・フィンガ・セグメントと第2のゲート・フィンガ・セグメントとを少なくとも備え、第1のゲート・フィンガ・セグメントは、第2の方向に延在する空隙領域によって、第2のゲート・フィンガ・セグメントから第1の方向に分離されている。この空隙領域には抵抗が配設されている。
【0021】
いくつかの実施例では、トランジスタは、第1の方向に延在する複数のソース・コンタクトをさらに含み、各ソース・コンタクトが、不連続な複数のソース・コンタクト・セグメントを含み、各ソース・コンタクトが、それぞれの対のゲート・フィンガのゲート・フィンガと第1の方向に延在する複数のドレイン・コンタクトとの間に延在し、各ドレイン・コンタクトが、それぞれの対のゲート・フィンガの間に延在する。ゲート・バスは、ゲート・フィンガに電気的に接続されてよく、ゲート・ジャンパは、ゲート・バスに電気的に接続されてよく、ゲート・ジャンパは、ゲート・フィンガ・セグメントのうち少なくともいくつかとゲート・バスとの間の電気経路に沿って挿入される。
【0022】
いくつかの実施例では、抵抗は、ソース・コンタクトのうち1つの、隣接した2つのソース・コンタクト・セグメントの間に配置される奇数モード抵抗でよい。他の実施例では、抵抗は、ゲート・ジャンパと、第1のゲート・フィンガの第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間の電気経路に沿って挿入されるゲート抵抗でよい。これらの実施例では、ゲート・ジャンパと、第1のゲート・フィンガの第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間に延在する第1のゲート信号分配バーに沿って、ゲート抵抗が挿入され得る。
【0023】
本発明のさらなる実施例に従って、半導体層構造を備えるトランジスタが提供される。半導体層構造の上面に、ソース・コンタクト、ドレイン・コンタクト、及びソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に配置されたゲート・フィンガが形成される。これらのトランジスタがさらに備えるゲート・ジャンパは、ゲート・フィンガの少なくとも一部に電気的に接続されたソース・コンタクトの上に配置されている。ソース・コンタクトは、ソース・コンタクトをセグメントに分割する空隙なしに、半導体層構造の上面において連続的に延在している。
【0024】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備え得る。
【0025】
いくつかの実施例では、トランジスタはゲート・バスをさらに含み得、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち少なくとも1つが、ゲート・ジャンパを通じて、このゲート・バスに電気的に接続される。
【0026】
いくつかの実施例では、半導体層構造の第1の主表面上にソース・コンタクトがあり得、このトランジスタは、半導体層構造の第2の主表面上のソース・バス層と、半導体層構造を通って延在してソース・コンタクトをソース・バス層に電気的に接続する複数のソース・コンタクト・プラグとをさらに備え得る。
【0027】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトは、少なくとも、第1の拡大部分と、第2の拡大部分と、第1の拡大部分を第2の拡大部分に対して物理的且つ電気的に接続する狭窄部分とを含み得る。第1及び第2の拡大部分は、ソース・コンタクトの縦軸に対して垂直であって半導体層構造の下面に対して平行な方向において、狭窄部分よりも広くてよい。
【0028】
いくつかの実施例では、トランジスタがさらに備え得るゲート信号分配バーは、半導体層構造の上でゲート・ジャンパと同じ高さにあり、ゲート・ジャンパからゲート・フィンガの方へ延在する。いくつかの実施例では、ゲート信号分配バーは、ゲート・ジャンパとゲート・フィンガの少なくとも一部との間の電気経路に挿入される。いくつかの実施例では、ゲート信号分配バーは、導電性バイアによって、ゲート・フィンガに電気的に接続され得る。
【0029】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ゲート・バスをゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備え得る。
【0030】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトの縦軸、ドレイン・コンタクトの縦軸及びゲート・フィンガの縦軸が、それぞれ第1の方向に延在する。
【0031】
本発明のさらなる実施例に従って提供されるトランジスタは、半導体層構造と、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するソース・コンタクトと、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するドレイン・コンタクトと、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するゲート・フィンガであって、ソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に配置されたゲート・フィンガとを備える。ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトのうち1つが、半導体層構造の上面に、狭窄部分によって互いに物理的且つ電気的に接続された第1の拡大部分と第2の拡大部分とを含む。
【0032】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトは、第1及び第2の拡大部分と狭窄部分とを含み得る。第1及び第2の拡大部分は、ソース・コンタクトの縦軸に対して垂直であって半導体層構造の下面に対して平行な方向において、狭窄部分よりも広くてよい。
【0033】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ゲート・バスと、ゲート・バスに電気的に接続されたゲート・ジャンパとをさらに備え得て、ゲート・ジャンパは、ソース・コンタクトの上に配置され、ゲート・フィンガの少なくとも一部が、ゲート・ジャンパを通じてゲート・バスに電気的に接続され得る。
【0034】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガは、不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントであり得る。
【0035】
いくつかの実施例では、トランジスタがさらに備え得るゲート信号分配バーは、ゲート・ジャンパと同一の金属層に形成されており、ゲート・ジャンパからゲート・フィンガの方へ延在する。いくつかの実施例では、ゲート信号分配バーは、垂直なコンタクト・プラグによって、ゲート・フィンガの少なくとも一部に電気的に接続され得る。
【0036】
いくつかの実施例では、ゲート・ジャンパの縦軸と、半導体層構造の底面によって定義された面とに対して垂直な面が、ソース・コンタクトの狭窄部分と垂直なコンタクト・プラグとの両方を通って延在し得る。
【0037】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ゲート・バスをゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備え得る。
【0038】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ソース・バス層と、ソース・コンタクトをソース・バス層に電気的に接続する複数のソース・コンタクト・プラグとをさらに備え得る。
【0039】
いくつかの実施例では、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントは、直列ゲート抵抗を通じてゲート・バスに電気的に接続されてよく、ゲート・ジャンパを通じてゲート・バスに電気的に接続されなくてよい。
【0040】
本発明のさらなる実施例に従って提供されるトランジスタは、半導体層構造と、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するソース・コンタクトと、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するドレイン・コンタクトと、半導体層構造の上面において第1の方向に延在するゲート・フィンガであって、ソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に配置されたゲート・フィンガと、不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントと、ゲート・バスと、ゲート・バスに電気的に接続されたゲート・ジャンパとを備え、ゲート・ジャンパは、ソース・コンタクトの上にあって第1の方向に延在する縦軸と、ゲート・ジャンパと同一の金属層に形成されたゲート信号分配バーとを有し、ゲート信号分配バーは、ゲート・ジャンパから、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントの方へ延在する。
【0041】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクトは、半導体層構造の上面に、狭窄区分によって互いに物理的且つ電気的に接続された第1の拡大区分と第2の拡大区分とを含み、ゲート・ジャンパは、ソース・コンタクトの上に配置され、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントが、ゲート・ジャンパを通じてゲート・バスに電気的に接続されている。
【0042】
いくつかの実施例では、ゲート信号分配バーは、垂直なコンタクト・プラグによって、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントに電気的に接続され得る。
【0043】
いくつかの実施例では、ゲート・ジャンパの縦軸と、半導体層構造の底面によって定義された面とに対して垂直な面が、ソース・コンタクトの狭窄部分と垂直なコンタクト・プラグとの両方を通って延在し得る。
【0044】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ゲート・バスをゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備え得る。いくつかの実施例では、直列ゲート抵抗はゲート・ジャンパの一部として実装され得る。
【0045】
いくつかの実施例では、トランジスタは、ゲート・バスをゲート信号分配バーに接続する電気経路に挿入された直列ゲート抵抗をさらに備え得る。
【0046】
いくつかの実施例では、不連続なゲート・フィンガ・セグメントのうち第2のゲート・フィンガ・セグメントは、直列ゲート抵抗を通じてゲート・バスに電気的に接続されてよく、ゲート・ジャンパを通じてゲート・バスに電気的に接続されなくてよい。
【0047】
添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本出願に組み込まれてその一部を構成し、本発明の特定の実施例(複数可)を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】従来のマルチセル・トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図2】いくつかの実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図3図2のトランジスタの部分等角図である。
図4図2のトランジスタの、図2のラインA-A’に沿って得られた部分断面図である。
図5図2のトランジスタの、より大きなバージョンの平面図である。
図6図5のトランジスタの、小部分の詳細平面図である。
図7図2のトランジスタ・デバイスの単位セルの、ラインB-B’に沿って得られた断面図である。
図8】さらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図9A図8のラインA-A’に沿って得られた部分断面図である。
図9B図8のラインB-B’に沿って得られた部分断面図である。
図10図8のトランジスタの、より大きなバージョンの平面図である。
図11図10のトランジスタの、小部分の詳細平面図である。
図12】さらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図13】さらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図14】さらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図15】さらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図16】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図17】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図18】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図19】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図20】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図21】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
図22】本発明のさらなる実施例による、トランジスタの金属レイアウトの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の実施例が示されている添付図面を参照しながら、本発明概念が、以下でより十分に説明される。しかしながら、この発明概念は、様々な形態で実施され得、本明細書で説明される実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が、十分な、完成されたものになるように提供され、当業者に対して発明概念の範囲を十分に伝えるはずである。全体にわたって同じ番号は同じ要素を指す。
【0050】
発明概念の実施例は、大きな有効ゲート幅を有するマルチセル・トランジスタ・デバイスを提供するものである。ゲート・フィンガの幅に沿った複数の位置においてゲート・フィンガにゲート信号を供給することにより、トランジスタの高周波利得性能が改善され得、通常は広いゲート・フィンガに関連するエレクトロマイグレーション問題が軽減され得きる。いくつかの実施例によれば、単位セルのソース領域の上に、ゲート・ジャンパとして働く金属の第2の層を追加することによって、マルチセル・トランジスタ・デバイスのより大きなゲート幅が組み込まれ得る。ゲート・フィンガに沿った様々な位置でゲート・ジャンパがゲート・フィンガに接続され、ゲート・フィンガを複数のセグメントへと効果的に分割する。ゲート・ジャンパは、ゲート・パッドをゲート・セグメントに接続するソース・コンタクトの上に延在する金属の第2の層によってもたらされ得る。いくつかの実施例では、ゲート・ジャンパは、ソース・コンタクトの上ではなく、ドレイン・コンタクト又はゲート・フィンガの上に延在することができる。
【0051】
ゲート・フィンガをセグメントへと効果的に分割し、ゲート信号を、ゲート・ジャンパによって、ゲート・フィンガ・セグメントの各々に分配することにより、トランジスタの利得性能が改善され得、またエレクトロマイグレーション問題が緩和され得る。
【0052】
したがって、発明概念の実施例は、各ゲート・フィンガについて、複数の単位セルを直列に定義するトランジスタ・レイアウトを提供するものである。単位セルの各々は、個々に、より短い有効ゲート幅を有する。しかしながら、各単位セルは、直列に接続されたとき、単一のゲート・フィンガの有効長さを増加することができる。直列接続された単位セルのゲート・フィンガは、単位セルのソース・コンタクトにわたって延びる第2の金属ブリッジによってゲート・バスに接続される。金属ブリッジは、ソース・コンタクトの間で接続バーに接続されており、接続バーは、ソース・コンタクトの間で基板の表面に沿って延びて、ゲート・フィンガに接続する。
【0053】
本明細書で説明されるようなレイアウトを有するトランジスタは、より高い周波数性能及びより大きい出力電力を有し得、同時に電流密度を低下し得て、デバイスの信頼性を改善することができる。
【0054】
本発明のさらなる実施例に従って、大きな有効ゲート幅を有するマルチセル・トランジスタが提供され、このマルチセル・トランジスタでは、デバイスの全体にわたって複数の直列ゲート抵抗(本明細書では「ゲート抵抗」とも称される)が分配されている。たとえば、このマルチセル・トランジスタはセグメント化されたゲート・フィンガを有し得、各ゲート・フィンガ・セグメント又は対のゲート・フィンガ・セグメントに直列ゲート抵抗が与えられ得る。この手法は、フィードバック・ループの損失を十分に大きくすることにより、トランジスタ構造のゲート・フィンガ及びドレインの内部の長いフィードバック・ループを分割して、高レベルの不安定性を防止する。分散型直列ゲート抵抗は、たとえばゲート・フィンガのゲート・フィンガ・セグメントの間に設けられた空隙領域に配置され得る。
【0055】
したがって、いくつかの実施例では、第1の軸に沿って延在するドレイン・コンタクトと、第1の軸に対して平行な第2の軸に沿って延在するソース・コンタクトと、ソース・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間に延在するゲート・フィンガとを含むトランジスタが提供される。ゲート・フィンガが備え得る、同一線上の、物理的に不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントは、1つ又は複数の他の構造(たとえばゲート・ジャンパ)によって、互いに電気的に接続されている。このトランジスタは、間隔を空けた複数のゲート抵抗をさらに含み、それらはゲート・フィンガに電気的に接続されている。ゲート抵抗のうち少なくとも1つは、トランジスタを上から見たときゲート・フィンガの第1の終端と第2の終端との間のある、第1の軸と第2の軸との間の領域の一部に配設されている。いくつかの実施例では、ゲート・ジャンパは、ゲート・フィンガ及びゲート・バスに電気的に接続され得る。ゲート・ジャンパは、第1のゲート・フィンガ・セグメントとゲート・バスとの間の電気経路に沿って挿入され得、第1のゲート抵抗は、ゲート・ジャンパと第1のゲート・フィンガ・セグメントとの間の電気経路に沿って挿入され得る。
【0056】
他の実施例では、第1の方向に延在するソース・コンタクトと、第1の方向に延在するゲート・ジャンパと、第1の方向に延在する不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメントを備えるゲート・フィンガとを含む、トランジスタが提供される。このトランジスタは、間隔を空けた複数のゲート抵抗をさらに含み、その各々がゲート・ジャンパに電気的に接続されている。第1のゲート・フィンガ・セグメントは、第1のゲート抵抗を通じてゲート・ジャンパに接続されている。
【0057】
本発明のさらなる実施例に従って、大きな有効なゲート幅を有するマルチセル・トランジスタが提供され、このデバイスの全体にわたって複数の奇数モード抵抗が分配されている。例示の実施例では、「ゲート・スプリット」の間に形成された空隙領域に奇数モード抵抗が設けられ得、ゲート・スプリットは、複数のゲート・フィンガ・セグメントが互いに平行に延在する領域を指す。トランジスタの安定性をさらに改善するために、これらの空隙領域の全体にわたって奇数モード抵抗が分配され得る。前述のゲート抵抗も、これらの空隙領域に配置されてよい。
【0058】
したがって、追加の実施例において提供されるトランジスタが含む複数のゲート・フィンガは、第1の方向に延在し、第1の方向に対して垂直な第2の方向に、互いに間隔を空けており、ゲート・フィンガの各々が少なくとも備える第1及び第2のゲート・フィンガ・セグメントは、全体的に同一直線上にあって、間隔を空けて互いに電気的に接続されており、第1のゲート・フィンガ・セグメントは、第2の方向に延在する空隙領域によって、第2のゲート・フィンガ・セグメントから第1の方向に分離されている。空隙領域に少なくとも1つの抵抗が配設されている。少なくとも1つの抵抗は、奇数モード抵抗及び/又は直列ゲート抵抗でよい。
【0059】
発明概念の実施例によるトランジスタは、大きな有効ゲート幅を有し得て、電力密度レベルの増加を支援し、従来のトランジスタに対して改善された周波数応答を示す。加えて、ゲート直列抵抗及び奇数モード抵抗が設けられると、トランジスタの動作周波数の範囲内又はそれに近い十分に低い周波数の不要信号を生成する可能性があるフィードバック・ループを防止するのを支援し得る。したがって、このトランジスタは安定性の向上も示し、それ故に、改善された生産収率及び/又はより優れた信頼性を有し得る。
【0060】
前述の実施例は、任意のやり方で結合され得ることが理解されよう。たとえば、分散ゲート抵抗と分散奇数モード抵抗との両方を含むトランジスタが提供され得る。同様に、セグメント化されてないゲート・フィンガを有するトランジスタは、分散ゲート抵抗及び分散奇数モード抵抗のいずれか又は両方を含み得る。
【0061】
次に、図2図15を参照しながら、本発明の実施例がより詳細に説明される。
【0062】
図2は、いくつかの実施例による、トランジスタ100の金属レイアウトの平面図である。以下でより詳細に説明される1つ又は複数のデバイス・エピタキシャル層を含む半導体構造120上に、トランジスタが形成される。図2のレイアウトは、分かりやすくするために簡素化されており、ゲート・バス114に接続されたゲート・パッド112と、ドレイン・バス134に接続されたドレイン・パッド132とを含む。ソース・パッド及びソース・バスは、図示の明瞭さのために図2から省略されているが、図5及び図6に示されている。
【0063】
複数のゲート・フィンガ116が、ゲート・バス114に接続されており、y方向に延在する。同様に、複数のドレイン・コンタクト136が、ドレイン・バス134に接続されており、ゲート・フィンガ116のそれぞれに隣接して平行に延在する。図2には、4つのゲート・フィンガ116及び3つのドレイン・コンタクト136しか示されていないが、トランジスタ100は、さらに多くのゲート・フィンガ116及びドレイン・コンタクト136を有し得、そのため多数の単位セルを有することが認識されよう。
【0064】
ソース・コンタクト162も設けられ、隣接したゲート・フィンガ116と、y方向において平行に延在する。ソース・コンタクト162は、y方向において、それぞれのソース・コンタクト・セグメント162a、162b及び162cへと分割される。ソース・コンタクト・セグメントは、デバイス構造を横切って横方向に(x方向に)延在するソース・コンタクト・バー128(図6)によって接続され得る。ソース・コンタクト・セグメント162a、162b、162cは、他の手段によって接続され得る。たとえば、各ソース・コンタクト・セグメント162a、162b、162cを、たとえばデバイスのより低いレベルに配置された共通の導電層に電気的に接続する、ソース・コンタクト・プラグが設けられてよい。
【0065】
ソース・コンタクト・セグメント162a~162cのうち隣接したものは、空隙162gによって分離されている。図2は、各ソース・コンタクト162について3つのソース・コンタクト・セグメント162a~162cを示しているが、発明概念は、そのような構成に限定されず、ソース・コンタクト162が2つ以上のソース・コンタクト・セグメント162a~162cを含み得ることが認識されよう。
【0066】
ゲート・フィンガ116は、ソース・コンタクト162の全長にわたってソース・コンタクト162と平行に延在し得る。しかしながら、ソース・コンタクト162はソース・コンタクト・セグメント162a~162cに分割されているので、ソース・コンタクト・セグメント162a、162b及び162cは、ゲート・フィンガ116の各々について複数の直列単位セル40a、40b、40cを定義する。すなわち、各ゲート・フィンガ116は、ゲート・フィンガ116が延在する、ゲート・フィンガ116の幅を定義する方向(y方向)にレイアウトされた複数の単位セル40a、40b、40cに対するゲート・コンタクトとして働く。したがって、各ゲート・フィンガ116がデバイス全体のゲート周辺に寄付する全幅は、ゲート・フィンガ116が、隣接したソース・コンタクト・セグメント162a、162b及び162cと、y方向において重なる距離と等しい。
【0067】
トランジスタ100がさらに含む複数のゲート・ジャンパ172は、ゲート・フィンガ116に対してy方向に沿って平行に延在する。ゲート・ジャンパ172は、ソース・コンタクト162の上に形成され得、たとえば誘電体層及び/又は空隙によってソース・コンタクト162から絶縁され得る。ゲート・ジャンパ172は、ゲート・バス114に電気的に接続され、ゲート・フィンガ116に沿った複数の位置において、各ゲート・フィンガ116をゲート・バス114に接続する。
【0068】
詳細には、ゲート・ジャンパ172をゲート・フィンガ116に接続するゲート信号分配バー174は、デバイスの幅に沿った複数の位置に設けられ、ソース・コンタクト・セグメント162a、162b及び162cのうち隣接したものの間の空隙162gの中で横方向に(x方向に)延在する。ゲート信号分配バー174は、それぞれのゲート信号分配ポイント176においてゲート・フィンガ116に接続する。したがって、ゲート・パッド112に印加された電気信号(「ゲート信号」)は、ゲート・バス114からゲート・ジャンパ172に伝えられ、ゲート・ジャンパ172によって、ゲート・フィンガ116の幅に沿った複数の位置(ゲート信号分配ポイント176)においてゲート・フィンガ116に分配される。したがって、図2の実施例では、ゲート信号は、ゲート・フィンガ116によってデバイスの全幅にわたって伝えられるのではなく、ゲート・ジャンパ172によってデバイスの幅の大部分にわたって伝えられ、次いで、デバイスの幅に沿った様々な位置においてゲート・フィンガ116に分配される。
【0069】
ゲート・ジャンパ172は、ゲート・フィンガ116よりも大きな断面積を有し得、したがって、エレクトロマイグレーションや高周波利得性能の低下などの通常はゲート幅の増加に関連する問題なしで、ゲート・フィンガ116よりも、高い電流密度をより良く扱うことができる。
【0070】
図3は、トランジスタ100の金属レイアウトの部分等角図であり、図4は、図2のラインA-A’に沿って得られた部分断面図である。図3及び図4に見られるように、ゲート・ジャンパ172が形成される金属レベルは、ソース・コンタクト・セグメント162a、162b、162c、ゲート・フィンガ116、ゲート・バス114及びゲート信号分配バー174の金属レベルよりも高い。ゲート・ジャンパ172は、垂直なコンタクト・プラグ178によって、ゲート・バス114及びゲート信号分配バー174に接続されている。
【0071】
ゲート・ジャンパ172、ゲート・バス114、垂直なコンタクト・プラグ178及びゲート信号分配バー174は、銅又はアルミニウムなどの導電材料で形成され得、非常に低抵抗である。
【0072】
図5は、トランジスタ100の大きなバージョンの平面図であり、図6は、図5の金属レイアウトの小部分150(すなわち図5の破線ボックス内の部分)の詳細な平面図である。トランジスタ100は、垂直方向に(y方向に)延在する複数の単位セル40を含む。単位セル40の各々が、デバイスの全幅にわたって延在する1つのゲート・フィンガ116を含み、上記で説明されたように、垂直方向(y方向)に配置された直列単位セル40a、40b、40cに細分されている。図5及び図6に示された実施例では、単位セル40の各々が1120ミクロンの全幅を有し、直列単位セル40a、40b及び40cは、それぞれ370ミクロン、380ミクロン及び370ミクロンの幅を有するが、発明概念はこれら特定の寸法に限定されない。このように、デバイスの有効ゲート幅が増大され得る。
【0073】
図6を参照して、構造の一端にゲート・パッド112及びゲート・バス114が設けられており、構造の他端にドレイン・パッド132及びドレイン・バス134が設けられている。ソース・パッド122は、構造の側部に設けられ、ソース・バス124に接続されている。ソース・バス124は複数のソース・コンタクト・バー128に接続されており、ソース・コンタクト・バー128は、横方向(x方向)に延在して、ソース・コンタクト・セグメント162a、162b、162cと接触する。前述のように、ソース・コンタクト・セグメント162a、162b、162cは、それぞれを共通の導電層に電気的に接続するソース・コンタクト・プラグの使用などの別のやり方で電気的に接続され得る。
【0074】
図6における、トランジスタ100のデバイス・レイアウトの一部の詳細図150は、ゲート・フィンガ116、ゲート・ジャンパ172、ゲート・フィンガ116と接触するゲート信号分配バー174、及びゲート信号分配ポイント176も示す。
【0075】
図7は、図2のトランジスタ・デバイス100の単位セル40の、ラインB-B’に沿って得られた断面図である。トランジスタ構造100が含む半導体構造120は、たとえば4H-SiC又は6H-SiCを含み得る基板200を含む。基板200上にチャネル層210が形成されており、チャネル層210上にバリア層220が形成されている。チャネル層210及びバリア層220は、III族窒化物ベースの材料を含み得、バリア層220の材料は、チャネル層210の材料よりもバンドギャップが大きい。たとえば、チャネル層210はGaNを含み得、バリア層220はAlGaNを含み得る。
【0076】
バリア層220とチャネル層210との間のバンドギャップの差、及びバリア層220とチャネル層210との間の界面での圧電効果によって、チャネル層210とバリア層220との間の接合部においてチャネル層210に2次元電子ガス(2DEG)が誘起される。2DEGは高導電性層として働き、デバイスの、それぞれソース・コンタクト・セグメント162bの下にあるソース領域とドレイン・コンタクト136の下にあるドレイン領域との間の導通を可能にする。ソース・コンタクト・セグメント162b及びドレイン・コンタクト136はバリア層220上に形成される。ゲート・フィンガ116は、バリア層220上のドレイン・コンタクト136とソース・コンタクト・セグメント162bとの間に形成される。ソース・コンタクト・セグメント162bの上に、ゲート・ジャンパ172が設けられ、垂直なコンタクト・プラグ178及びゲート信号分配バー174を通ってゲート・フィンガ116に接続されている。垂直なコンタクト・プラグ178及びゲート信号分配バー174は、ソース・コンタクト・セグメント162a~162cのうち隣接したものの間の空隙162gに設けられ、ソース・コンタクト・セグメント162a~162cと物理的に接触することはない。ソース・コンタクト・セグメント162bは、ラインB-B’(図2参照)に沿った切断からy方向にオフセットされているので、実際には図7の断面には存在しないが、上記の説明を容易にするために図7に示されていることに留意されたい。
【0077】
ドレイン・コンタクト136、ゲート・フィンガ116、ソース・コンタクト・セグメント162b及びゲート信号分配バー174の上に第1の層間絶縁層232が形成されている。層間絶縁層232は、SiN、SiO2などの誘電材料を含み得る。垂直なコンタクト・プラグ178は第1の層間絶縁層232に入り込む。ソース・コンタクト・セグメント162bからゲート・ジャンパ172を絶縁する第1の層間絶縁層232上に、ゲート・ジャンパ172が形成されている。第1の層間絶縁層232及びゲート・ジャンパ172の上に第2の層間絶縁層234が形成され得る。第2の層間絶縁層234は、SiN、SiO2などの誘電材料を含み得る。
【0078】
ゲート・フィンガ116の材料は、バリア層220の組成に基づいて選択され得る。しかしながら、特定の実施例では、窒化物ベースの半導体材料に対してショットキー接触を作製することができる、Ni、Pt、NiSi、Cu、Pd、Cr、W及び/又はWSiNなどの従来の材料が使用され得る。ドレイン・コンタクト136及びソース・コンタクト・セグメント162は、GaNに対してオーム接触を形成することができるTiAlNなどの金属を含み得る。
【0079】
本発明の実施例による高出力トランジスタには、このデバイスのゲート・フィンガ及びドレインの内部のフィードバック・ループを安定させるために、直列ゲート抵抗及び奇数モード抵抗が含まれ得る。高出力デバイスでは、ゲートは、このデバイスのゲート周辺を増大するために長いゲート幅を有し得、長いフィードバック・ループをもたらす。これらの高出力トランジスタは大きなトランスコンダクタンス値を有するので、フィードバック・ループが不安定になりがちである。詳細には、フィードバック・ループは、トランジスタの動作周波数帯域に対する不要信号の入力又はこの周波数帯域からの不要信号の出力を生成する可能性がある。いずれの場合にも、そのような信号の生成は問題であり、トランジスタが使用不可能になる可能性がある。フィードバック・ループの不安定性は、フィードバック・ループの長さとともに増す傾向がある。
【0080】
本発明のさらなる実施例に従って提供される高出力トランジスタは、デバイスの全体にわたって、特に、長いゲート・フィンガに沿って分配された、複数の直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗を含む。分散型の直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗は、特に、ゲート・フィンガをセグメント化したトランジスタにおいて、そのようなデバイスは、ゲート・フィンガの幅に沿った直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗を配置するための自然な位置である「ゲート・スプリット」間の空隙領域を含み得るので、有利であり得る。本明細書では、「ゲート・スプリット」という用語は、図2図7を参照しながら上記で論じたように、長いゲート・フィンガが複数のゲート・フィンガ・セグメントにセグメント化されるときに生じる、ゲート・フィンガ・セグメントのより短い配列を指す。隣接したゲート・スプリットの間に存在する空隙領域は、以下でより詳細に論じられるように、分散型の直列ゲート抵抗及び奇数モード抵抗を実装するのに好都合な位置であり得る。
【0081】
ゲート・フィンガの拡張された幅に沿って直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗を分配すると、フィードバック・ループが十分な損失を得て、潜在的な不安定性が克服され得ることが認められている。したがって、ゲート・フィンガの拡張された幅に沿って直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗を分配することにより、現場におけるデバイス収率の向上及び/又はデバイス故障率の低下が可能になり得る。なおまた、セグメント化されたゲート・フィンガのゲート・フィンガ・セグメントの間に、これらに沿って、直列ゲート抵抗及び/又は奇数モード抵抗を分配するとき、使用される抵抗レベルは比較的小さいものでよい。たとえば、トランジスタが3つのゲート・スプリットを有するなら、使用される抵抗レベルのサイズは、ゲート・フィンガがセグメント化されていない場合に使用されるものの約1/3になり得る。なおまた、実際には抵抗値の減少がさらに大きいことが分かっている。たとえば、3つのゲート・スプリットが使用されるとき、それぞれのゲート・セグメントに沿って含まれる直列抵抗の抵抗値は、ゲート・パッドに実装される直列ゲート抵抗の抵抗値の1/4~1/5でよい。より低い抵抗値を有する抵抗を使用すると損失が低下し、したがって、より大きい利得を有する一方で安定性も向上するトランジスタをもたらす。
【0082】
図8は、上記に論じたような分散型のやり方で直列ゲート抵抗と奇数モード抵抗の両方を実装する、さらなる実施例によるトランジスタ300の金属レイアウトの平面図(上面図)である。トランジスタ300は、1つ又は複数のデバイス・エピタキシャル層を含む半導体構造320上に形成されている。半導体構造320は、図7を参照しながら上記で論じた半導体構造120と同一のものでよい。前出の図と同様に、図8のレイアウトは分かりやすくするために簡素化されており、それぞれの対のゲート・バス314に接続された一対のゲート・パッド312、並びにドレイン・バス334に接続されたドレイン・パッド332を含む。トランジスタ300にはソース・パッド322及びソース・バスも含まれているが、図示の明瞭さのために図8から省略されている。ソース・パッド322は図10に示されている。
【0083】
複数のゲート・フィンガ316が、それぞれのゲート・バス314に接続されており、y方向に延在する。それぞれのゲート・フィンガ316が、3つのゲート・フィンガ・セグメント316a、316b及び316cへと、y方向に分割される。以下で説明されるように、各ゲート・フィンガ316のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cは、ゲート・ジャンパ372、ゲート信号分配バー374及び垂直なコンタクト・プラグ378(図9A)を介して互いに電気的に接続され得る。複数のドレイン・コンタクト336が、ドレイン・バス334に接続されており、ゲート・フィンガ316のそれぞれに隣接して平行に延在する。ゲート信号分配バー374は、以下で説明されるように、ドレイン・コンタクト336の上を通り越すことができるように、トランジスタ100のゲート分配バー174とはデバイスの中で異なる垂直レベルに形成され得る。ソース・コンタクト362も設けられ、隣接したゲート・フィンガ316とy方向において平行に延在する。ソース・コンタクト362は、y方向において、それぞれのソース・コンタクト・セグメント362a、362b及び362cへと分割される。ソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cは、ソース・コンタクト・プラグ364を介して互いに電気的に接続され得る。それぞれのソース・コンタクト・プラグ364が、それぞれのソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cを、ソース・バスとして働く共通の導電層に電気的に接続し得る。このソース・バスは、たとえばデバイスにおけるより低いレベルに配置され得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cごとに複数のソース・コンタクト・プラグ364が設けられてよい。図8では、1つのソース・コンタクト・セグメント362cの上に2つの代表的なソース・コンタクト・プラグ364が示されている。他のソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362c用のソース・コンタクト・プラグ364は、図面を簡素化するために、図8(並びに図9A図9B及び図12図13)から省略されている。図10及び図11は、たとえば、それぞれのソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362c用に一対のソース・コンタクト・プラグ364が設けられ得る様子を示す。ソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cも、たとえばソース・コンタクト・バーなどの他の手段によって電気的に接続され得る。図8には、合計16のセグメント化ゲート・フィンガ316、8つのセグメント化ソース・コンタクト362及び8つのドレイン・コンタクト336が示されている。しかしながら、トランジスタ300は、さらに多くのゲート・フィンガ316、ソース・コンタクト362及びドレイン・コンタクト336を有し得、そのため多数の単位セルを有することが認識されよう。他の実施例では、より少ないゲート・フィンガ316、ソース・コンタクト362、ドレイン・コンタクト336が設けられ得る。
【0084】
ゲート・フィンガ・セグメント316a~316cのうち隣接したものが空隙316gによって分離されており、ソース・コンタクト・セグメント362a~362cのうち隣接したものが空隙362gによって分離されている。図8は、それぞれのゲート・フィンガ316及びソース・コンタクト362について、3つのゲート・フィンガ・セグメント316a~316c及び3つのソース・コンタクト・セグメント362a~362cを示すが、発明概念はそのような構成に限定されない。したがって、ゲート・フィンガ316は2つ以上のゲート・フィンガ・セグメントを含み得、ソース・コンタクト362は2つ以上のソース・コンタクト・セグメントを含み得ることが認識されよう。
【0085】
ゲート・フィンガ316は、ソース・コンタクト362の全長にわたってソース・コンタクト362と平行に延在し得る。ゲート・フィンガ316及びソース・コンタクト362がセグメント化されているので、それぞれのゲート・フィンガ316に沿って複数の単位セル340a、340b、340cが定義される。すなわち、それぞれのゲート・フィンガ・セグメント316a~316cが、ゲート・フィンガ316が延在する方向(y方向)にレイアウトされた各単位セル340a、340b、340c用のゲート・コンタクトとして働く。ゲート・フィンガ・セグメント316a~316cの幅の合計が、それぞれのゲート・フィンガ316の全幅を定義する。したがって、各ゲート・フィンガ316が全体のデバイスのゲート周辺に寄付する全幅は、ゲート・フィンガ・セグメント316a~316cのy方向の幅の合計に等しい。
【0086】
トランジスタ300がさらに含む複数のゲート・ジャンパ372は、ゲート・フィンガ316に対してy方向に沿って平行に延在する。ゲート・ジャンパ372は、ソース・コンタクト・セグメント362、ゲート・フィンガ316及びゲート・バス314の金属レベルよりも高い金属レベルに形成され得る。ゲート・ジャンパ372は、ソース・コンタクト362の上に形成され得、たとえば誘電体層及び/又は空隙によってソース・コンタクト362から絶縁され得る。ゲート・ジャンパ372は、ゲート・バス314から最も遠いソース・コンタクト・セグメント362cを超えて延在する必要はない。ゲート・ジャンパ372は、ゲート・バス314に電気的に接続される。ゲート・ジャンパ372は、各ゲート・フィンガ316のゲート・フィンガ・セグメント316a~316cのうちいくつか又はすべてを、ゲート・バス314のうち1つに電気的に接続し得る。図8に表された実施例では、各ゲート・ジャンパ372が、ゲート・フィンガ・セグメント316b及び316cをゲート・バス314に電気的に接続し、ゲート・フィンガ・セグメント316aは、より直接的な接続によってゲート・バス314に接続されている。他の実施例では、ゲート・フィンガ・セグメント316aは、ゲート・ジャンパ372によってゲート・バス314に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ジャンパ372は、ソース・コンタクト362の上ではなく、ドレイン・コンタクト336又はゲート・フィンガ316の上に配置され得る。
【0087】
図9Aは、図8のラインA-A’に沿って得られた部分断面図である。図9Bは、図8のラインB-B’に沿って得られた部分断面図である。図8及び図9Aに見られるように、複数のゲート・ジャンパ372、ゲート信号分配バー374及び垂直なコンタクト・プラグ378が設けられている。ゲート・ジャンパ372は、垂直なコンタクト・プラグ378によって、ゲート・バス314及びゲート信号分配バー374に接続されている。ゲート・ジャンパ372は、ゲート信号分配バー374及び垂直なコンタクト・プラグ378が、各ゲート・フィンガ・セグメント316b~316cをゲート・バス314のうち1つに接続するために使用される。ゲート信号分配バー374は、デバイスにおいてゲート・フィンガ316よりも高い所にある金属層に形成され得る。たとえば、図9Aに示されるように、ゲート信号分配バー374は、デバイスのゲート・ジャンパ372と同一の金属層に形成され得る。垂直なコンタクト・プラグ378が、ゲート・ジャンパ372をゲート・バス314に接続し得る。追加の垂直なコンタクト・プラグ378(図9Aの断面には見られないが、図8の平面図において各ゲート信号分配バーがゲート抵抗380を避けて通るポイントに配置されている)が、ゲート信号分配バー374を、ゲート抵抗と、それに接続されたゲート・フィンガ・セグメント316a~316cとに、物理的且つ電気的に接続し得る。前述のように、ゲート・ジャンパ372はソース・コンタクト362の上に延在し得る。すべてのソース・コンタクト162の上に延在するゲート・ジャンパ172を含む図2図7のトランジスタ100とは対照的に、図8に見られるように、ゲート・ジャンパ372は、1つおきのソース・コンタクト362の上に設けられている。したがって、図8図9Bのトランジスタ300では、各ゲート・ジャンパ372は、トランジスタ100の場合のような2つのゲート・フィンガ116ではなく、4つのゲート・フィンガ316を与える。それぞれのゲート信号分配バー374は、2つのドレイン・コンタクト336の上を通り越して、4つのゲート・フィンガ・セグメント316a~316cのうち外側のものに接続することができるように、トランジスタ100のゲート分配バー174よりもデバイスにおいて高い所にある金属層に形成される。
【0088】
ゲート・ジャンパ372、ゲート・バス314、垂直なコンタクト・プラグ378及びゲート信号分配バー374は、銅又はアルミニウムなどの導電材料で形成され得、非常に低抵抗である。
【0089】
引き続き図8及び図9Aを参照して、ゲート信号分配バー374は、ソース・コンタクト・セグメント、362a、362b及び362cのうち隣接したものの間の空隙362gにおいて、横方向(x方向)に延在する。第1のゲート・フィンガ・セグメント316aに結合されたゲート信号分配バー374は、ゲート・フィンガ・セグメント316aのうち2つに結合され得る。第2のゲート・フィンガ・セグメント316b又は第3のゲート・フィンガ・セグメント316cに結合されたゲート信号分配バー374の各々が、ゲート・フィンガ・セグメント316b又は316cのうち4つに結合され得る。図8に見られるように、第1のゲート・フィンガ・セグメント316aに結合された各ゲート信号分配バー374が、ゲート抵抗380によって、ゲート・バス314のうち1つに接続され得る。ゲート・フィンガ・セグメント316aに接続するゲート信号分配バー374は、ドレイン・コンタクト336と交差する必要はないので、ゲート・フィンガ316又はゲート・ジャンパ372と同一の金属層の一部でよい。図8及び図9Aに見られるように、第2のゲート・フィンガ・セグメント316b又は第3のゲート・フィンガ・セグメント316cのいずれかに結合されたそれぞれのゲート信号分配バー374は、ゲート・ジャンパ372のうち1つを通じてゲート・バス314のうち1つに接続してよく、それぞれの垂直なコンタクト・プラグ378を通じてゲート・フィンガ・セグメント316b、316cに接続してもよい。直列ゲート抵抗380は、それぞれのゲート・フィンガ・セグメント316b、316cと、その関連するゲート信号分配バー374との間の電気経路上に設けられる。
【0090】
引き続き図8及び図9Aを参照して、次に、図8の左側のゲート・パッド312から図8の左端のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cに印加される電気信号の分配を論じる。ゲート・パッド312に印加されたゲート信号は、左側のゲート・バス314に伝えられる。ゲート信号は、左側のゲート・バス314から、第1のゲート信号分配バー374及び第1の直列ゲート抵抗380を通って、第1のゲート・フィンガ・セグメント316aまで進む。ゲート信号は、また、左側のゲート・バス314から、順に、ゲート・バス314をゲート・ジャンパ372に接続する第1の垂直なコンタクト・プラグ378と、ゲート・ジャンパ372と、第2のゲート信号分配バー374とを通って、第2の直列ゲート抵抗380を通じて左端の第2のゲート・フィンガ・セグメント316bに接続する第2の垂直なコンタクト・プラグ378まで進む。同様に、ゲート信号は、左側のゲート・バス314から、順に、第1の垂直なコンタクト・プラグ378と、ゲート・ジャンパ372と、第3のゲート信号分配バー374とを通って、第3の直列ゲート抵抗380を通じて左端の第3のゲート・フィンガ・セグメント316bに接続する第3の垂直なコンタクト・プラグ378まで進む。
【0091】
したがって、図8及び図9Aに示されるように、ゲート信号は、いずれかのゲート・フィンガ316の全体の長さを進むわけではなく、ゲート・フィンガ・セグメント(たとえばゲート・フィンガ・セグメント316a)の長さ、又はゲート・フィンガ・セグメントの長さ及びゲート・ジャンパ372の一部(たとえばゲート・フィンガ・セグメント316b)、又はゲート・フィンガ・セグメントの長さ及びゲート・ジャンパ372の全体の長さ(たとえばゲート・フィンガ・セグメント316c)に沿って進むのみである。ゲート・ジャンパ372は、ゲート・フィンガ316よりも大きな断面積を有し得、したがって、エレクトロマイグレーションや高周波利得性能の低下などの通常はゲート幅の増加に関連する問題なしで、ゲート・フィンガ316よりも、高い電流密度をより良く扱うことができる。ゲート信号は、また、ゲート信号分配バー374の一部及び垂直なコンタクト・プラグ378に沿って進む。しかしながら、図8は原寸に比例せず、ゲート信号がいずれかのゲート信号分配バー374に沿って進む距離は、図10図11に見られるように、y方向のゲート・フィンガ・セグメントの長さと比較して非常に短い(たとえば5%未満である)ことに留意されたい。垂直なコンタクト・プラグ378に沿って進んだ距離も非常に短い。したがって、ゲート信号が狭い導体線に沿って進む距離が短縮され得る。
【0092】
上記で論じたように、トランジスタ300は、デバイスの全体にわたって分配される複数の直列ゲート抵抗380を含む。詳細には、直列ゲート抵抗380は、それぞれのゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cの一端に、又はその近くに設けられる。図8に示されるように、ゲート・フィンガ316は、3つの「ゲート・スプリット」、すなわち、ゲート・フィンガ・セグメント316aを含む第1のゲート・スプリット382aと、ゲート・フィンガ・セグメント316bを含む第2のゲート・スプリット382bと、ゲート・フィンガ・セグメントを316cを含む第3のゲート・スプリット382cとに分割される。第1の空隙領域384aはゲート・バス314と第1のゲート・スプリット382aとの間に設けられ、第2の空隙領域384bはゲート・スプリット382aと382bとの間に設けられ、第3の空隙領域384cはゲート・スプリット382bと382cとの間に設けられている。
【0093】
図8に示されるように、直列ゲート抵抗380は前述の空隙領域384a~384cに形成され得る。直列ゲート抵抗380は、たとえば、ゲート・フィンガ316、ドレイン・コンタクト336、ソース・コンタクト362などを形成するために使用されている導電材料よりも抵抗率が高い導電材料を堆積することによって形成され得る。直列ゲート抵抗380は、トランジスタ300の任意の適切な垂直レベルに設けられ得る。例示の実施例では、図8及び図9Aから理解又は推測され得るように、直列ゲート抵抗380は、ソース・コンタクト362、ドレイン・コンタクト336及びゲート・フィンガ316と同一の金属化レベルに形成され得る。ゲート抵抗380(又は以下で論じられる奇数モード抵抗390)は、抵抗に対する機能的等価物として働く、たとえば直列インダクタ・キャパシタ回路などの他の損失要素で、置換され得ることも認識されよう。
【0094】
本発明の特定の実施例によるトランジスタに含まれる分散型直列ゲート抵抗380ではなく、図12を参照しながら以下で論じられるように、各ゲート・パッド312と、その関連するゲート・バス314との間に、単一の直列ゲート抵抗80が設けられてよい。直列ゲート抵抗が、各ゲート・パッド312と、その対応するゲート・バス314との間の単一の直列ゲート抵抗80として実装されるとき、デバイスにおける不安定性を軽減又は防止するために、各直列ゲート抵抗80は比較的高い抵抗値を有する必要があり得る。トランジスタ300において、デバイスのゲート・スプリット382の間に複数の直列ゲート抵抗380が配置する。ゲート抵抗380の各々が、ゲート・パッド312とゲート・バス314との間にゲート抵抗80のみが配置される場合に必要とされるゲート抵抗80と比較して、はるかに低い抵抗値を有し得る。
【0095】
いくつかの実施例では、それぞれのゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cについて直列ゲート抵抗380が設けられ得、他の実施例では、いくつかのゲート・フィンガ・セグメントが直列ゲート抵抗380を共有し得る。図8に表された特定の実施例では、ゲート・フィンガ・セグメント316b、316cのすべてが、関連付けられた独自の直列ゲート抵抗380を有し、一方、対のゲート・フィンガ・セグメント316aは単一の直列ゲート抵抗380を共有する。他の実施例では、ゲート・フィンガ・セグメント316a~316のうちいくつかには、関連付けられたゲート抵抗380がなくてもよいことも認識されよう。
【0096】
ゲート・フィンガ316に沿った2つ以上の位置に直列ゲート抵抗を分配することにより、トランジスタのゲート・フィンガ及びドレインの内部のフィードバック・ループが十分な損失を得て、不安定性が軽減又は解消され得る。これは、現場におけるデバイス収率を改善し得、且つ/又は装置故障の発生割合を低下し得る。なおまた、上記で説明されたように、図8にも見られるように、いずれかの特定のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cに沿った電流経路は、単一の直列ゲート抵抗380を通り抜けるのみでよい。直列ゲート抵抗380は比較的小さい抵抗値を有し得るので、電力損失が低減され、したがって、トランジスタ300は、所与のサイズのデバイスに対するより高い利得レベルを支援し得る。
【0097】
図8に見られるように、トランジスタ300は、第1の軸に沿ってy方向に延在するドレイン・コンタクト336と、第1の軸に対して平行な第2の軸に沿ってy方向に延在するソース・コンタクト362と、ソース・コンタクト362とドレイン・コンタクト336との間に延在するゲート・フィンガ316とを含む。ゲート・フィンガ316は、互いに電気的に接続された、同一直線上の不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cを備える。トランジスタ300は、間隔を空けた複数のゲート抵抗380をさらに含み、それらはゲート・フィンガ316に電気的に接続されている。各ゲート抵抗380は、ゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cのそれぞれと、それぞれのゲート信号分配バー374との間に結合され得る。ゲート抵抗380のうち少なくとも1つが、第1の軸と第2の軸との間に配設されている。ゲート・ジャンパ372は、ゲート・バス314とゲート・フィンガ316との間の電気経路に沿って挿入される。ゲート・ジャンパ372は、ゲート・フィンガ・セグメント316b及び316cとゲート・バス314との間のそれぞれの電気経路に沿って挿入され、それぞれのゲート抵抗380は、ゲート・ジャンパ372とゲート・フィンガ・セグメント316b、316cとの間のそれぞれの電気経路に沿って挿入される。
【0098】
これも図8に見られるように、トランジスタ300は、y方向に延在するソース・コンタクト362と、y方向に延在するゲート・ジャンパ372と、電気的に接続された不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cを備えるゲート・フィンガ316とを含む。トランジスタ300は、間隔を空けた複数のゲート抵抗380をさらに含む。ゲート・フィンガ・セグメント316b及び316cは、それぞれの第1及び第2のゲート抵抗380を通じてゲート・ジャンパ372に接続されている。ゲート・フィンガ・セグメント316aの対は、それぞれのゲート抵抗380を通じてゲート・バス314に接続されている。
【0099】
図8にさらに示されるように、トランジスタ300には奇数モード抵抗390も含まれる。奇数モード抵抗390は、このデバイスにおける長い奇数モードの不安定性フィードバック・ループを分割するために設けられている。詳細には、ゲート・ジャンパ372によって与えられるゲート・フィンガ316の数が増加すると、不安定性が生じる可能性がある。たとえば、トランジスタは、ゲート・ジャンパ372が与えるゲート・フィンガ316が4つなら安定し得、8つのゲート・フィンガ316を与えるゲート・ジャンパ372が使用されると不安定性が始まる可能性がある。いつ不安定になるかということは、ゲート・フィンガの幅及びデバイスの動作周波数の関数であり得る。奇数モード抵抗390は、隣接したゲート信号分配バー374の間に挿入され得る。トランジスタ300が通常動作をするとき、各奇数モード抵抗390の両側の電圧が同一であって、隣接したゲート信号分配バー374の間に電流は流れないはずである。
【0100】
奇数モード抵抗390は、隣接したゲート・スプリット382の間の空隙領域384に設けられてよい。図8及び図9Bに示されるように、奇数モード抵抗390は、たとえばゲート信号分配バー374及びソース・コンタクト362と同一の金属化レベルに実装され得、隣接した2つのゲート分配バー374の間に直接接続され得る。奇数モード抵抗390は、隣接したゲート・バス314の間にも挿入され得る。
【0101】
したがって、トランジスタ300が含み得る複数のゲート・フィンガ316は、y方向に延在し、x方向において互いに間隔を空けている。ゲート・フィンガ316の各々が含み得る、全体的に同一直線上の、間隔を空けた複数のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cは、互いに電気的に接続されており、空隙領域384b、384cによって分離されたそれぞれのゲート・スプリット382a、382b、382cに配置されている。奇数モード抵抗390は、空隙領域384b、384cに配設されている。例示の実施例では、奇数モード抵抗390は、隣接したゲート信号分配バー374の間に挿入され得る。
【0102】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクト362をセグメント化する必要がないことも認識されよう。詳細には、ゲート抵抗380と奇数モード抵抗とが、どちらもゲート信号分配バー374やゲート・ジャンパ372と同一の金属層に実装され得る。そのような実装形態では、ソース・コンタクト362をセグメント化する必要はない。したがって、他の実施例では、抵抗380、390は、ソース・コンタクト362の上に直接実装されてよく、又はソース・コンタクト362の上と側面とに実装されてよく、また、各ソース・コンタクト362が、単一の連続した(すなわちセグメント化されていない)ソース・コンタクト362でもよいことが認識されよう。
【0103】
図8が表すトランジスタ300は、セグメント化ゲート・フィンガ316及びセグメント化ソース・コンタクト362を含むが、本発明の実施例はそれに限定されないことが認識されよう。たとえば、他の実施例では、ドレイン・コンタクト336が類似のやり方でセグメント化され得、そのため、各ドレイン・コンタクトは、たとえば3つの個別のセグメントを含む。ドレイン・コンタクト336は、セグメント化されるとき、たとえばドレインコンタクト・プラグ及びデバイスにおける別の金属化層によって互いに電気的に接続され得る。ドレイン・コンタクトがセグメント化される実施例では、ソース・コンタクト362はセグメント化されてもされなくてもよい。加えて、ゲート・フィンガ316は、図8に示されるようにセグメント化されてよく、又は図2(並びに図14図15)に示されるようにセグメント化されなくてもよい。ドレイン・コンタクトをセグメント化すると、ゲート抵抗380及び/又は奇数モード抵抗390用のゲート・スプリットの間の領域に、さらなる空間をもたらし得る。セグメント化ドレイン・コンタクト336を有するそのような一実施例の簡単な一例として、図8のトランジスタ300は、それぞれ符号332がソース・パッドに、符号334がソース・バスに、符号336がソース・コンタクトに、変更され得、それぞれ符号362がドレイン・コンタクトに、符号362a/362b/362cがドレイン・コンタクト・セグメントに、符号364がドレイン・コンタクト・プラグに、変更され得る。言い換えれば、図8は、単にソースの機能とドレインの機能とを逆にすることにより、セグメント化ゲート・フィンガ316及びセグメント化ドレイン・コンタクト362を有する一実施例と見ることもできる。
【0104】
図10は、図8のトランジスタ300の、より大きなバージョンの平面図である。図11は、図10のトランジスタ300の、小部分302の詳細平面図である。
【0105】
図10及び図11を参照して、トランジスタ300は、垂直方向(y方向)に延在する複数の単位セルを含む。単位セルの各々が、デバイスの全幅にわたって延在するゲート・フィンガ316を含み、上記で説明されたように、垂直方向(y方向)に配置された直列単位セル340a、340b、340cに細分されている。図10図11に示された実施例では、単位セル340の各々が1120ミクロンの全幅を有し、直列単位セル340a、340b及び340cは、それぞれ370ミクロン、380ミクロン及び370ミクロンの幅を有するが、発明概念はこれら特定の寸法に限定されない。
【0106】
構造の一端に複数のゲート・バス314が設けられており、構造の他端にはドレイン・バス334が設けられている。ソース・パッド322は構造の側部に設けられ、たとえばデバイスのより低い金属化層(図示せず)に配置されたソース・バスに接続されている。ソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cは、ソース・コンタクト・プラグ364によってソース・バスに接続されている。
【0107】
図11におけるトランジスタ300のデバイス・レイアウトの一部の詳細図302は、ゲート・フィンガ316、ゲート・ジャンパ372、ゲート信号分配バー374、直列ゲート抵抗380及び奇数モード抵抗390も示す。
【0108】
発明概念の実施例によるトランジスタは、複数の層構造である半導体構造を含み得る。たとえば、図7を参照しながら上記で論じたようなトランジスタ100の半導体構造120は基板200(たとえば4H-SiC又は6H-SiC)を含み得、その上に、少なくともチャネル層210及びバリア層220が形成されている。本明細書で表された発明概念の実施例による他のトランジスタも同様である。したがって、図7の半導体構造120の議論は、本明細書で説明された他の実施例の各々の半導体構造にも同様に当てはまることが認識されるはずであるが、デバイスの金属化及び他の態様は、図に表された様々な実施例の間の相違点に基づいて変化することになる。したがって、たとえば、本明細書で説明されたトランジスタのすべてが、炭化ケイ素基板並びにIII族窒化物ベースのチャネル及びバリア層を含み得、これらのトランジスタの半導体構造は、図7を参照しながら説明されたやり方で動作し得ることが認識されよう。
【0109】
図12は、発明概念のさらなる実施例による、トランジスタ400の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ400は、トランジスタ300に含まれる分散型直列ゲート抵抗380の代わりに、各ゲート・パッド312とそれぞれのゲート・バス314との間に接続された直列ゲート抵抗80を使用することを除けば、図8図11を参照しながら上記で論じたトランジスタ300に類似である。この変更を除けば、2つのトランジスタ300と400とは基本的に同一であり得るので、トランジスタ400のさらなる議論は省略される。
【0110】
図13は、発明概念のさらなる実施例による、トランジスタ500の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ500は、それぞれの対の隣接したゲート・バス314の間に単一の奇数モード抵抗90を使用して、図8のトランジスタ300の空隙領域384b、384cに設けられた分散型奇数モード抵抗390は含まないことを除けば、図8図11を参照しながら上記で論じたトランジスタ300に類似である。この変更を除けば、2つのトランジスタ300と500とは基本的に同一であり得るので、トランジスタ500のさらなる議論は省略される。
【0111】
前述の実施例の機能は、複数の追加の実施例を作製するための任意のやり方で組み合わされ得ることが理解されよう。たとえば、図14は、図8の直列ゲート抵抗380と同一であり得る直列ゲート抵抗180を含むように変更されていることを除けば、上記で説明されたトランジスタ100と同一のトランジスタ100’の金属レイアウトの平面図である。別の例として、図15は、ゲート・フィンガ316がセグメント化されず、それに応じて直列ゲート抵抗380の位置が変更されていることを除けば、上記で説明されたトランジスタ300に類似のトランジスタ300’の金属レイアウトの平面図である。図14及び図15は、追加の実施例をもたらす種々の実施例のいくつかの可能な組合せを示すために提供されたものであることが認識されよう。
【0112】
上記で論じたように、いくつかの実施例では、ソース・コンタクト362は、セグメント化されることなく、それぞれが単一の連続したソース・コンタクト362として実装されている。図16は、そのような構成を含む発明概念の実施例による、トランジスタ600の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ600は、図8図11を参照しながら上記で論じたトランジスタ300に類似であり、それ故に、以下の説明は、トランジスタ600とトランジスタ300との間の相違点に的を絞ることにする。
【0113】
図16に示されるように、各ソース・コンタクト662は、セグメント化されることなく、単一の連続したソース・コンタクト662として実装されている。したがって、各ソース・コンタクト662のy方向の長さは、各ドレイン・コンタクト336のy方向の長さとほぼ同一であり得る。一方、上記で論じたように、トランジスタ300の各ソース・コンタクト362を形成するセグメント化されたソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cは、ソース・バイア364を通じて、半導体層構造320の下方のソース・バス層に共通して接続されており、各ソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cを隣接したソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cに接続する電気経路は比較的長くなる可能性があり、寄生インダクタンスが導入される。結果として、特に「コーナー」周波数の近くやそれ以上での動作において、トランジスタの挙動が歪められ、トランジスタの性能、周波数応答及び/又は安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。寄生インダクタンスによって、トランジスタの挙動を正確にモデル化することも困難になる可能性があり、設計プロセスが複雑になる。上記で論じた望ましくない影響は、図16に示されるように、半導体層構造320の上面において、セグメント化されていない連続したソース・コンタクト662を使用することによって軽減又は解消され得る。
【0114】
ソース・コンタクト662は、セグメント化されず連続しているので、ゲート・スプリットの間に回路素子を追加するための空間はより小さくなる。結果的に、図16に示されるように、トランジスタ600では、トランジスタ300のソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cの間の空隙362gに設けられる奇数モード抵抗390は省略される。同様に、図8のトランジスタ300において第2及び第3のゲート・スプリット(すなわち、それぞれソース・コンタクト・セグメント362b及び362cを含むゲート・スプリット)用に設けられた直列ゲート抵抗380が、トランジスタ600では省略され、ゲート・バス314において電気経路に沿ってそれぞれのゲート・ジャンパ372まで形成された複数の直列ゲート抵抗380aで置換されている。図16では、ゲート・バス314に形成された直列ゲート抵抗380aが示されているが、直列ゲート抵抗380aは、ゲート信号経路に沿って、ゲート・バス314と第2のゲート・スプリットや後続のゲート・スプリットとの間のどこかに形成され得ることが認識されよう。たとえば、他の実施例では、ゲート抵抗は、ゲート・バス314をゲート信号分配バー374(図17)又はゲート・ジャンパ372(図18参照)の内部のそれぞれのゲート・ジャンパ372に接続する導電性バイアの中に形成され得る。
【0115】
加えて、トランジスタ600では、あらゆるソース・コンタクト662の上にゲート・ジャンパ372が形成されるが、トランジスタ300では、ゲート・ジャンパ372は、1つおきのソース・コンタクト362の上にのみ形成されている。結果として、トランジスタ600の各ゲート・ジャンパ372は2つのゲート・フィンガ316を与えるのみであるが、トランジスタ300のゲート・ジャンパ372は、それぞれが4つのゲート・フィンガ316を与える。各ゲート・ジャンパ372がゲート・フィンガ316を2つしか与えないことの可能な利点の1つには、ゲート信号分配バー374がドレイン・コンタクト336を横切る必要がないことがある。これは、製造を簡素化し得、ゲート-ドレイン間の寄生キャパシタンスの低減も支援し得る。なおまた、特別なゲート・ジャンパ372を追加することにより、各ゲート信号が、各ゲート・フィンガ316の遠端に到着するために通過しなければならない導電経路の長さが同一になり得、これは図8図11のトランジスタ300にはなかったことである。トランジスタ600の設計は、ゲート信号経路の長さの差に基づいて生じる位相ばらつき問題の軽減を支援し得る。そのような位相ばらつき問題は、利得の損失をもたらす可能性があり、それ故に望ましくない。
【0116】
図9Aを参照しながら上記で論じたように、トランジスタ300では、ゲート信号分配バー374はゲート・ジャンパ372と同一の金属層に形成されている。図9Aの断面には見られないが、導電性バイア378は、図8図11を参照しながら上記で論じたように、それぞれのゲート信号分配バー374を、不連続なゲート・フィンガ316のそれぞれのセグメントに対して物理的且つ電気的に接続する。これらの導電性バイア378は図16に示されている。図8のトランジスタ300には不連続なソース・コンタクト362が使用されており、したがって、隣接したソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cの間の空隙362gに導電性バイア378用の十分な空間が用意される。トランジスタ600には(ソース・コンタクト662が連続しているので)空隙362gがなく、それ故に、導電性バイア378とソース・コンタクト662やドレイン・コンタクト336などの他の金属化との間の十分な許容差を保つ導電性バイア378用の空間はない可能性がある。結果的に、各ソース・コンタクト662にノッチが形成され得、ノッチでは、ソース・コンタクト662のその他の部分よりもソース・コンタクトの「幅」が狭くなる(すなわちx方向においてより小さくなる)。結果として、各ソース・コンタクト662が2つ以上の拡大部分662aを含み得、隣接した拡大部分662aは、介在する狭窄部分662bによって接続される。狭窄部分662bを設けると、さらなる空間が生じ、各ゲート分配バー374をそれぞれのゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cに接続する導電性バイア378のための空間ができる。ソース・コンタクト662の狭窄部分662bに隣接して、導電性バイア378が配置される。したがって、導電性バイア378の各々について、その関連するゲート・ジャンパ372の縦軸に対して垂直な面(すなわち、図16のx方向に延在する面)であって、半導体層構造320の底面によって定義された面に対して垂直な面(すなわち図16のz方向にも延在する面)が、導電性バイア378と、その関連するソース・コンタクト662の狭窄部分662bとの両方を通って延在する。
【0117】
他の実施例では(たとえばソース・コンタクト662に、ノッチのない導電性バイア378にとって十分な空間があるときには)ソース・コンタクト662の狭窄部分662bは省略され得ることが理解されよう。
【0118】
したがって、本発明のいくつかの実施例に従って、図16に示されるように、半導体層構造320を含むトランジスタ600が提供される。半導体層構造320の上面に、ソース・コンタクト662、ドレイン・コンタクト336、及びソース・コンタクト662とドレイン・コンタクト336との間に配置されたゲート・フィンガ316が形成される。トランジスタ600がさらに備えるゲート・ジャンパ372は、ゲート・フィンガ316の少なくとも一部に電気的に接続されたソース・コンタクト662の上に配置されている。ソース・コンタクト662は、ソース・コンタクト662をセグメントに分割する空隙なしに、半導体層構造320の上面において連続的に延在している。
【0119】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ316は、不連続な複数のゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cを備える。トランジスタ600は、ゲート・バス314をさらに備えてよく、不連続なゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cのうち少なくとも1つが、ゲート・ジャンパ372によってゲート・バス314に電気的に接続されている。ソース・コンタクト662は、少なくとも、第1の拡大部分662a-1と、第2の拡大部分662a-2と、第1の拡大部分662a-1を第2の拡大部分662a-2に物理的且つ電気的に接続する狭窄部分662bとを含み得る。第1の拡大部分662a-1及び第2の拡大部分662a-2は、ソース・コンタクト662の縦軸に対して垂直であって半導体層構造320の下面に対して平行な方向(すなわち図16のx方向)において、狭窄部分662b-1よりも広くてよい。
【0120】
トランジスタ600は、半導体層構造320の上に、ゲート・ジャンパ372と同じ高さにあるゲート信号分配バー374をさらに含み得る。ゲート信号分配バー374は、ゲート・ジャンパ372からゲート・フィンガ316の方へ延在し得、ゲート・ジャンパ372とゲート・フィンガ316の少なくとも一部との間の電気経路に挿入され得る。ゲート信号分配バー374は、導電性バイア378によってゲート・フィンガ316に電気的に接続され得る。直列ゲート抵抗380aが、ゲート・バス314をゲート信号分配バー374に接続する電気経路に挿入され得る。なおまた、ソース・コンタクト662の縦軸と、ドレイン・コンタクト336の縦軸と、ゲート・フィンガ316の縦軸とが、それぞれ第1の方向(図16のy方向)に延在し得る。
【0121】
これも図16に示されるように、本発明のさらなる実施例に従って、半導体層構造320と、半導体層構造320の上面に形成された、ソース・コンタクト662、ドレイン・コンタクト336、及びソース・コンタクト662とドレイン・コンタクト336との間に配置されたゲート・フィンガ316とを含むトランジスタが提供される。ソース・コンタクト662は、狭窄部分662bによって互いに物理的且つ電気的に接続された第1の拡大部分662a-1と第2の拡大部分662a-2とを含む。第1の拡大部分662a-1及び第2の拡大部分662a-2は、ソース・コンタクト662の縦軸に対して垂直であって半導体層構造320の下面に対して平行な方向(すなわちx方向)において、狭窄部分662bよりも広くてよい。このトランジスタは、ゲート・バス314と、ゲート・バス314に電気的に接続されたゲート・ジャンパ372とをさらに含み得、ゲート・ジャンパ372はソース・コンタクト662の上に配置され得る。ゲート・フィンガ316の少なくとも一部は、ゲート・ジャンパ372を通じてゲート・バス314に電気的に接続され得る。
【0122】
図16からも理解され得るように、本発明のさらなる実施例に従って、半導体層構造320と、ソース・コンタクト662と、ドレイン・コンタクト336と、複数の不連続なゲート・フィンガ・セグメント316a、316b、316cを備えるゲート・フィンガ316とを含むトランジスタが提供される。ソース・コンタクト662、ドレイン・コンタクト336及びゲート・フィンガ316は、それぞれが半導体層構造320の上面において第1の方向(x方向)に延在し、ゲート・フィンガ316は、ソース・コンタクト662とドレイン・コンタクト336との間に配置されている。このトランジスタは、ゲート・バス314と、ゲート・バス314に電気的に接続されたゲート・ジャンパ372とをさらに備え、ゲート・ジャンパ372は、ソース・コンタクト662の上にあって第1の方向に延在する縦軸を有する。このトランジスタは、ゲート・ジャンパ372と同一の金属層にゲート信号分配バー374も含み、ゲート信号分配バー374は、ゲート・ジャンパ372から、不連続なゲート・フィンガ・セグメント316bのうち第1のゲート・フィンガ・セグメントの方へ延在する。
【0123】
図16が表すトランジスタ600は、3つのゲート・スプリットを含むが、本発明の実施例はそれに限定されないことが認識されよう。たとえば、他の実施例では、トランジスタ600は、ゲート・スプリットを2つしか含まなくてよく、4つ以上のゲート・スプリットを含んでもよい。
【0124】
図17は、発明概念の実施例による、図16のトランジスタ600の変更バージョンであるトランジスタ600’の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ600’は、3つのゲート・スプリットのすべてに沿って直列ゲート抵抗380を含み、トランジスタ600に追加されていた直列ゲート抵抗380aは省略することを除けば、トランジスタ600と同一であり得る。図17の実施例では、直列ゲート抵抗380は、図14及び図15に表された実施例に類似のゲート信号分配バー374に実装されている。他の実施例では、直列ゲート抵抗380は、代わりに、ゲート・フィンガ・セグメント316b、316cの内部、又はゲート信号分配バー374をゲート・フィンガ・セグメント316b、316cに接続する導電性バイア378の内部に実装され得る。この変更を除けば、2つのトランジスタ600と600’とは基本的に同一であり得るので、トランジスタ600’のさらなる議論は省略される。
【0125】
図18は、発明概念の実施例による、図16のトランジスタ600の別の変更バージョンであるトランジスタ600”の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ600”は、各ゲート・ジャンパ372に沿って実装された直列ゲート抵抗380bを含み、トランジスタ600に追加されていた直列ゲート抵抗380aは省略することを除けば、トランジスタ600と同一であり得る。この変更を除けば、2つのトランジスタ600と600”とは基本的に同一であり得るので、トランジスタ600”のさらなる議論は省略される。
【0126】
図19は、発明概念のさらなる実施例による、トランジスタ700の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ700は、図16のトランジスタ600に類似であるが、いくつかの顕著な相違点を含む。第1に、トランジスタ700が含むのは、トランジスタ600に含まれる3つのゲート・スプリットの代わりの2つのゲート・スプリットのみである。加えて、トランジスタ700は、トランジスタ600における、不連続な複数のセグメント316a、316b、316cに分割されたゲート・フィンガの代わりに、連続したゲート・フィンガ316を含む。最後に、トランジスタ700では、ゲート・バス314と、ゲート・バス314と隣接するゲート・フィンガ316の終端との間の直接的な接続部が省略されるが、トランジスタ600では、これらの直接的な接続部に沿って直列ゲート抵抗380が挿入されていた。結果として、各ゲート・フィンガ316は、ゲート・ジャンパ372のうち1つを通じて中央から与えられる。この設計は、各ゲート・フィンガ316の中央に印加されるゲート信号と、各ゲート・フィンガ316の終端に印加されるゲート信号との間の位相差をさらに低減するという点において、位相ばらつきをさらに低減するので有利であり得る。これは利得の増加をもたらし得る。
【0127】
図20は、発明概念のさらなる実施例による、トランジスタ800の金属レイアウトの平面図である。トランジスタ800は、図16のトランジスタ600に類似であるが、トランジスタ800のゲート分配バー374は、それぞれのゲート・ジャンパ372の縦軸に対して、前述の他の実施例で示されたような直角ではなく、約45°の角度に配設されている。この手法は、ゲート信号経路を有利に短縮し得る。本明細書で開示された実施例のうち任意のものが、それぞれのゲート・ジャンパ372の縦軸に対して90°以外の角度で配置されたゲート信号分配バー374を有するように変更され得る(すなわち、ゲート信号分配バー374は、それぞれのゲート・ジャンパ372の縦軸に対して斜角に配置される)。
【0128】
他の実施例では、図8図11におけるトランジスタ300のソース・コンタクト362などのセグメント化ソース・コンタクトが使用され得、半導体層構造320の上面に、半導体層構造320の上面の不連続なソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cを電気的に接続する個別の電気接続部が設けられ得ることも認識されよう。たとえば、ソース・コネクタ・セグメントは、ゲート・ジャンパ372と同一の金属層又は別の金属層(より高い金属層又はより低い金属層)に実装され得る。これらのソース・コネクタ・セグメントは、導電性バイアを通じて、不連続なソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cに電気的に接続され得る。
【0129】
図21は、そのようなソース・コネクタ・セグメントを含むトランジスタ900の金属レイアウトの小部分の平面図である。図21に示されるように、トランジスタ900は、3つのソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cを含む不連続なソース・コンタクト362を含む。ゲート・ジャンパ372を含む金属層の上にある金属層に(すなわち半導体層構造よりも高い位置に)、ソース・コネクタ・セグメント963も実装される。導電性バイア964は、各ソース・コネクタ・セグメント963を、下にあるソース・コンタクト・セグメント362a、362b、362cに電気的に接続する。
【0130】
前出の図に示された実施例では、前述のように、ゲート・ジャンパ372は、それぞれのソース・コンタクト362/662の上に延びるように配置されているが、本発明の実施例はそれに限定されない。図22は、発明概念のさらなる実施例によるトランジスタ1000の金属レイアウトの平面図であり、ゲート・ジャンパ372がドレイン・コンタクト336の上に延びている。各ドレイン・コンタクト336は、ほぼゲート・バス314まで延在するが、ほとんどの各ドレイン・コンタクト336は、それぞれのゲート・ジャンパ372によって覆われているため、図22では各ドレイン・コンタクト336の約1/3しか見えないことが理解されよう。表された実施例では、ドレイン・コンタクト336とソース・コンタクト1062の両方が、いかなるノッチ(狭窄部分)も形成されない連続したコンタクトとして実装されている。他の実施例では、ソース・コンタクト1062は、図8のソース・コンタクト362などの不連続なソース・コンタクト又は図16のソース・コンタクト662などのノッチがある連続したソース・コンタクトで置換され得ることが理解されよう。
【0131】
発明概念の実施例は、III族窒化物ベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスに関連した用途に特にうまく適合し得る。本明細書で使用される「III族窒化物」という用語は、窒素と、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)である周期表のIII族の元素との間に形成された半導体化合物を指す。この用語は、AlGaNやAlInGaNなどの第3化合物や第4化合物も指す。これらの化合物は、すべて、1モルの窒素がIII族元素の合計1モルと結合した実験式を有する。
【0132】
本発明の実施例を利用する、GaNベースのHEMT用の適切な構造は、たとえば、同一出願人による、2002年6月6日公開の「Aluminum Gallium Nitride/Gallium Nitride High Electron Mobility Transistors Having A Gate Contact On A Gallium Nitride Based Cap Segment And Methods Of Fabricating Same」という名称の米国特許出願公開第2002/0066908A1号、2002年11月14日公開の「Group-III Nitride Based High Electron Mobility Transistor (HEMT) With Barrier/Spacer Layer」という名称の米国特許出願公開第2002/0167023A1号、2004年4月1日公開の「Nitride-Based Transistors And Methods Of Fabrication Thereof Using Non-Etched Contact Recesses」という名称の米国特許出願公開第2004/0061129号、2011年3月15日発行の「Nitride-Based Transistors With A Protective Layer And A Low-Damage Recess」という名称の米国特許第7,906,799号、及び2001年11月13日発行の「Nitride Based Transistors On Semi-Insulating Silicon Carbide Substrates」という名称の米国特許第6,316,793号に説明されており、これらの開示の全体が、参照によって、ここで本明細書に組み込まれる。
【0133】
本発明の特定の実施例では、基板200は、たとえば炭化ケイ素の4Hポリタイプといった半絶縁性炭化ケイ素(SiC)基板であり得る。他の炭化ケイ素のポリタイプの候補は、3C、6H、及び15Rのポリタイプを含む。
【0134】
チャネル層210の下の基板200上に、任意選択のバッファ層、核生成層及び/又は転移層(図示せず)が設けられてよい。たとえば、炭化ケイ素基板とデバイスの残りとの間の適切な結晶構造遷移をもたらすために、AlNバッファ層が含まれてよい。加えて、同一出願人による、2003年6月5日公開の「Strain Balanced Nitride Hetrojunction Transistors And Methods Of Fabricating Strain Balanced Nitride Heterojunction Transistors」という名称の米国特許出願公開第2003/0102482A1号で説明されているように、歪みバランス転移層(複数可)も提供され得、この開示は、本明細書で十分に説明されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。なおまた、バリア層220上に、SiNキャッピング層などの1つ又は複数のキャッピング層が設けられてよい。
【0135】
炭化ケイ素は、III族窒化物デバイス用の非常に一般的な基板材料であるサファイア(Al)よりも、III族窒化物に対する結晶格子の整合がはるかに近い。SiCのより近い格子整合は、サファイア上で一般に利用可能ものよりも高品質のIII族窒化皮膜をもたらし得る。炭化ケイ素は非常に高い熱伝導率も有し、そのため、炭化ケイ素上のIII族窒化物デバイスの総出力電力には、通常、サファイア上に形成された同一のデバイスのような、基板の熱放散による制限がない。また、半絶縁性炭化ケイ素基板の利用可能性は、デバイスの絶縁及び寄生容量の低減をもたらし得る。適切なSiC基板は、たとえば、本発明の譲受人であるノースカロライナ州ダーラムのCree社によって製造されている。
【0136】
炭化ケイ素は、基板材料として使用され得るが、本発明の実施例は、サファイア、窒化アルミニウム、窒化アルミニウム・ガリウム、窒化ガリウム、シリコン、GaAs、LGO、ZnO、LAO、InPなどの任意の適切な基板を利用し得る。いくつかの実施例では、適切なバッファ層も形成され得る。
【0137】
本発明のいくつかの実施例では、チャネル層210は、AlGa1-xN(0≦x<1)などのIII族窒化物であるが、これは、チャネル層210の伝導帯端のエネルギーが、チャネル層とバリア層の界面におけるバリア層220の伝導帯端のエネルギーよりも小さい場合に限られる。本発明の特定の実施例では、x=0は、チャネル層210がGaNであることを示す。チャネル層210は、InGaN、AlInGaNなどの他のIII族窒化物でもよい。チャネル層210は、非ドープでよく、非意図的にドープされてもよく、約20Åを超える厚さまで成長されてよい。チャネル層210は、超格子又はGaN、AlGaNの組合せなどの多層構造でもよい。
【0138】
チャネル層210は、バリア層220のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有し得、また、バリア層220の電子親和力よりも大きな電子親和力を有し得る。発明概念の特定の実施例では、バリア層220は、AlN、AlInN、AlGaN又はAlInGaNであり、約0.1nm~約10nmの厚さを有する。発明概念の特定の実施例では、バリア層22は十分に厚く、チャネル層210とバリア層220との間の界面においてかなりのキャリア濃度を誘起するために、十分に高いAlの組成及びドーピングを有する。
【0139】
バリア層220は、III族窒化物でよく、チャネル層210よりも大きなバンドギャップ及びチャネル層210よりも小さい電子親和力を有する。したがって、本発明の特定の実施例では、バリア層220は、AlGaN、AlInGaN及び/又はAlN或いはその層の組合せを含み得る。バリア層220の厚さは、たとえば約0.1nm~約30nmである。本発明の特定の実施例では、バリア層220は、非ドープであるか、又はn型ドーパントで約1019cm-3未満の濃度までドープされる。本発明のいくつかの実施例では、バリア層220はAlGa1-xNであり、0<x<1である。特定の実施例では、アルミニウム濃度は約25%である。しかしながら、本発明の他の実施例では、バリア層220は、アルミニウム濃度が約5%~約100%のAlGaNを含む。本発明の特定の実施例では、アルミニウム濃度は約10%よりも高い。
【0140】
本発明の実施例は、GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)構造を参照しながら説明されているが、本発明概念はそのようなデバイスに限定されない。したがって、本発明の実施例は、複数の単位セル及び制御電極を有する他のトランジスタ・デバイスを含み得る。本発明の実施例は、より広い制御電極が望ましい、デバイスの複数の単位セルが存在する任意の半導体デバイスで使用するのに適切であり得る。したがって、たとえば、本発明の実施例は、SiC、GaN、GaAs、シリコンなどを使用して製造される、MESFET、MMIC、SIT、LDMOS、BJT、pHEMTなどの様々なタイプのデバイスで使用するのに適切であり得る。
【0141】
本明細書では、様々な要素を記述するのに第1、第2などの用語が使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、単に1つの要素から別の要素を区別するために使用されるものである。たとえば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素とも称され得て、同様に、第2の要素が第1の要素とも称され得る。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された品目の1つ又は複数のあらゆる組合せを含む。
【0142】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例のみを説明するためのものであり、本発明を限定するようには意図されていない。本明細書で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、単数形であることを文脈が明瞭に示していなければ、複数形も含むように意図されている。「備える」、「備えている」、「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されたとき、明示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在若しくは追加を排除するものではないこともさらに理解されよう。
【0143】
本明細書で用いられる用語(技術用語及び科学用語を含む)は、別様に定義されなければ、すべて本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書で用いられる用語の意味は、本明細書の文脈及び関連技術におけるものの意味と一致すると解釈されるべきであり、本明細書で明白に定義されなければ、理想化された意味又は過度に形式的な意味には解釈されないはずであることもさらに理解されよう。
【0144】
層、領域又は基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、又は「上へ」延在すると称されるとき、その要素が直接他の要素上にあるか、又は直接他の要素上へ延在することができ、或いは介在要素も存在し得ることが理解されよう。それと対照的に、ある要素が別の要素に対して「の上に直接」ある、又は「の上に直接」延在する、と称されたときには、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と称されるとき、その要素は、別の要素に直接的に接続されるか若しくは結合され得、又は介在する要素があってもよいことも理解されよう。それと対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と称されたときには、介在する要素は存在しない。
【0145】
本明細書では、図に示された1つの要素、層、又は領域の、別の要素、層又は領域に対する関係を説明するために、「下の」、「上の」、「上部の」、「下部の」、「水平な」、「横の」又は「垂直な」などの相対語が使用されることがある。これらの用語は、デバイスの、図に示された配向に加えて別の配向も包含するように意図するものであることが理解されよう。
【0146】
本明細書では、本発明の実施例が、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照しながら説明されている。図面における層や領域の厚さは、明瞭さのために強調されていることがある。加えて、たとえば生産技術及び/又は公差の結果として、図の形状から変化することが予期される。したがって、本発明の実施例は、本明細書で示された領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、たとえば製造に由来する形状のずれを含む可能性がある。
【0147】
図面及び明細書では、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が採用されているが、それらは包括的且つ記述的な意味でのみ用いられており、以下の特許請求の範囲で説明される本発明の範囲を限定するためのものではない。
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【国際調査報告】