(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】カプシドタンパク質阻害剤と逆転写酵素阻害剤とを含む医薬組合せ
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20241008BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241008BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20241008BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241008BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20241008BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20241008BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61P43/00 107
A61P31/20
A61P1/16
A61K31/40
A61K31/522
A61K31/675
A61P43/00 123
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519834
(86)(22)【出願日】2022-10-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2022123799
(87)【国際公開番号】W WO2023056933
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202111172126.3
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.369 Yuzhou South Rd.,Lianyungang,Jiangsu 222062 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 中南
(72)【発明者】
【氏名】霍 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】張 弘
(72)【発明者】
【氏名】于 雅楠
(72)【発明者】
【氏名】王 翔
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA18
4C084MA02
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA57
4C084MA58
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4C084ZA751
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4C086AA01
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4C086MA04
4C086NA05
4C086NA10
4C086NA15
4C086ZA75
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、医薬化学分野に属し、カプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む医薬組合せに関する。具体的には、カプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはテノホビル、その薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む医薬組合せ、あるいはB型肝炎ウイルス感染症の治療におけるこれらの使用に関する。本発明に係る医薬組合せは、B型肝炎ウイルス感染症に優れた抗ウイルス効果を持つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む、医薬組合せ。
【請求項2】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む、医薬組合せ。
【化1】
【請求項3】
前記逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩から選択される、請求項2に記載の医薬組合せ。
【請求項4】
前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルマレイン酸塩、エンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル水和物、エンテカビル0.5~2水和物、またはエンテカビル一水和物から選択され、任意選択で、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組合せ。
【請求項5】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合が、遊離化合物の重量基準で1000:1~1:1000から選択され、任意選択で、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合が、遊離化合物の重量基準で1000:1、950:1、900:1、850:1、800:1、750:1、700:1、650:1、640:1、630:1、620:1、610:1、600:1、550:1、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、1:0.01、1:0.02、1:0.03、1:0.04、1:0.05、1:0.06、1:0.07、1:0.08、1:0.09、1:0.1、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択されることを特徴とする、請求項3または4に記載の医薬組合せ。
【請求項6】
前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1日3回、1日2回、1日1回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項7】
前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1回あたり0.005mg~5.0mgの用量で投与され、任意選択で、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1回あたり0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量で投与されることを特徴とする、請求項3~6のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項8】
前記テノホビルの薬学的に許容されるプロドラッグは、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアミブフェナミドを含み、
任意選択で、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグの薬学的に許容される塩は、フマル酸塩、オロチン酸塩、ジスルホン酸塩、リン酸塩、コハク酸またはアスパラギン酸塩から選択され、
任意選択で、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、テノホビル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミジスルホン酸塩、テノホビルジソプロキシルリン酸塩、テノホビルジソプロキシルコハク酸塩、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩、またはテノホビルアミブフェナミドフマル酸塩から選択される、請求項3に記載の医薬組合せ。
【請求項9】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合が、対応する遊離化合物の重量単位で、500:1~1:1000から選択され、任意選択で、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合が、対応する遊離化合物の重量単位で、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、39:1、38:1、37:1、36:1、35:1、34:1、33:1、32:1、31:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、10:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される、請求項3または8に記載の医薬組合せ。
【請求項10】
前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、または2日1回、または3日1回、または4日1回、または5日1回、または6日1回、または7日1回投されることができる、請求項3、8または9のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項11】
前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は、0.05mg~500mg、または0.1mg~400mg、または1mg~300mg、または5mg~200mg、または8mg~190mg、または10mg~185mg、または14mg~140mgであり、
任意選択で、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩は、1回あたり300mg投与され、
あるいは、テノホビルアラフェナミドは、1回あたり25mg投与され、
あるいは、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩は、1回あたり28mg投与される、請求項3、8~10のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項12】
前記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項13】
前記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgの用量で投与されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項14】
前記医薬組合せは、固定組合せであり、任意選択で前記固定組合せは、固体医薬組成物の形態であり、
任意選択で、前記固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、同一の固体医薬組成物に存在することを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項15】
前記医薬組合せは、非固定組合せであり、
任意選択で、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、
任意選択で、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在し、
任意選択で、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在しないことを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組合せ。
【請求項16】
B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組合せの使用。
【請求項17】
有効量の請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組合せを、これを必要とする個体に投与することを含む、B型肝炎ウイルス感染症の治療方法。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組合せから選択される、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬組合せ。
【請求項19】
B型肝炎ウイルス感染症の治療における、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組合せの使用。
【請求項20】
(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意選択で(c)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを併用するための取扱説明書とを含む、B型肝炎ウイルス感染症を治療するためのキット。
【化2】
【請求項21】
前記逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項20に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2021年10月08日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願第202111172126.3号の中国特許出願の優先権および利益を主張しており、当該出願の開示内容は、引用により全体として本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、医薬化学分野に属し、カプシドタンパク質阻害剤と逆転写酵素阻害剤とを含む医薬組合せに関する。具体的には、カプシドタンパク質阻害剤である式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルもしくはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との医薬組合せ、あるいはB型肝炎ウイルス感染症の治療におけるこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
世界保健機関の統計によると、世界中で約2.57億人がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している。肝炎患者が治療を受けられないと、肝不全、肝硬変、肝がんなどの長期にわたる致死的な疾患に直面することになる。
【0004】
HBV感染患者では、安定な共有結合閉環状DNA、すなわちcccDNAが宿主の肝細胞核内に形成され、HBVの継続的複製のテンプレートとして機能する。すべてのサブゲノムRNA(sgRNA)とプレゲノムRNA(pgRNA)はcccDNAから転写される。核を出た後、sgRNAは、Xタンパク質と他の3つのエンベロープタンパク質に翻訳され、pgRNAは、コアタンパク質とウイルスポリメラーゼに翻訳される。pgRNAとコアタンパク質はポリメラーゼの作用下で自己集合し、ヌクレオカプシドに包まれたRNAを形成する。ヌクレオカプシド内で、pgRNAはマイナス鎖DNAに逆転写され、そこからプラス鎖DNAがさらに合成されてrcDNAが形成される。ヌクレオカプシドに包まれたrcDNAは、一方では、再びカプシドを脱離して核に入り、cccDNAがさらに増幅されるが、他方では、エンベロープタンパク質と再結合し、小胞体を通って細胞外に放出されて、新たなHBVを形成する。HBV複製サイクルにおいて、ヌクレオカプシドの合成は、HBVゲノム複製プロセスの重要なステップであり、ウイルスDNAの合成は、ヌクレオカプシド内でのみ特異的に起こる。ヌクレオカプシドの集合は、HBVの多様性を制限する進化的に制約されたプロセスであり、微妙な分子の乱れにも非常に敏感である。ヌクレオカプシドの合成および分解プロセスに作用する標的は、さまざまなHBV遺伝子型および薬剤耐性株に対する新しい治療法の開発にとって非常に有望である。
【0005】
現在、慢性B型肝炎の治療のために認可されている従来の医薬には、ヌクレオシド(ヌクレオチド)系化合物とインターフェロンの2種類が含まれる。エンテカビルやテノホビルなどのヌクレオシド(ヌクレオチド)系化合物は、HBV DNA複製を阻害する可能性がある。
【0006】
B型肝炎ウイルス感染患者には多くの治療選択肢があるが、臨床使用にはより効果的な治療薬が依然として必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、カプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、1種または複数種の他の治療薬とを含む、医薬組合せを提供する。
【0008】
本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、WO2019185016、WO2019165374、WO2019241292、WO2021119081、またはWO2020156494に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩から選択される。本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、WO2019185016、WO2019165374、WO2019241292、WO2021119081、またはWO2020156494に記載の特定の化合物またはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0009】
本発明に係る1種または複数種の他の治療薬は、ヌクレオチド系化合物またはインターフェロンから選択される。本発明に係る前記1種または複数種の他の治療薬は、逆転写酵素阻害剤またはインターフェロンから選択される。
【0010】
本発明に係る1種または複数種の他の治療薬は、逆転写酵素阻害剤(ヌクレオチド系化合物)またはインターフェロン(例えば、短時間作用型インターフェロンまたは長時間作用型インターフェロン、具体的には、例えばインターフェロンα1b、インターフェロンα2a、インターフェロンα2b)から選択される。本発明に係る1種または複数種の他の治療薬は、逆転写酵素阻害剤(ヌクレオチド系化合物)から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記逆転写酵素阻害剤は、エンテカビル、テノホビル、ラミブジン、テルビブジン、アデホビル、クレブジン、CMX157、AGX-1009、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、エムトリシタビン、アバカビル、D-D4FC、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、カプラビリン、カラノリドA、TMC278、BMS-561390、およびDPC-083、またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物から選択される。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記逆転写酵素阻害剤は、エンテカビルまたはテノホビル、その薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物から選択される。いくつかの実施形態において、前記逆転写酵素阻害剤は、エンテカビル、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物から選択される。いくつかの実施形態において、前記逆転写酵素阻害剤は、テノホビル、その薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物から選択される。
【0013】
他の一態様では、本発明は、医薬組合せであって、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、
1)エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいは/ならびに
2)テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを含む医薬組合せを提供する。
【0014】
別の一態様では、本発明は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。本発明は、有効量の本発明に係る医薬組合せを、これを必要とする個体に投与することを含む、B型肝炎ウイルス感染症の治療方法をさらに提供する。本発明は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬組合せをさらに提供する。本発明は、B型肝炎ウイルス感染症の治療における本発明に係る医薬組合せの使用をさらに提供する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビル、またはその薬学的に許容される塩もしくはその水和物とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその一水和物とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルモノマレイン酸塩一水和物とを含む。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルジソプロキシルもしくはその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドフマル酸塩とを含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、1日3回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与されてもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり10mg~500mg、10~100mg、または10~50mg規格の用量(遊離化合物重量で換算)で投与される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1回用量(dose)は、10mg~500mg、10~100mg、または10~50mg規格の用量(遊離化合物重量で換算)である。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり0.0001~20mg/kg重量(遊離化合物重量で換算)投与される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1回用量(dose)は、0.0001~20mg/kg重量(遊離化合物重量で換算)である。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~2000mg、2~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mg投与される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1回用量(dose)は、1~2000mg、2~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、または10~1000mg(遊離化合物重量で換算)投与され、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は、0.05mg~500mg(テノホビルの重量で換算)である。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1回用量は(dose)、1~1500mg、または10~1000mg(遊離化合物重量で換算)であり、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は、0.05mg~500mg(テノホビルの重量で換算)である。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(対応する遊離化合物の重量単位で、カプシドタンパク質阻害剤化合物:テノホビル)が、500:1~1:1000から選択される。いくつかの実施形態において、前記本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(対応する遊離化合物の重量単位で換算)は、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、39:1、38:1、37:1、36:1、35:1、34:1、33:1、32:1、31:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、10:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算)が、100:1~1:100から選択される。いくつかの実施形態において、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算、カプシドタンパク質阻害剤化合物:テノホビル)が、100:1、98:1、96:1、94:1、92:1、90:1、88:1、86:1、84:1、82:1、80:1、78:1、76:1、74:1、72:1、70:1、68:1、66:1、64:1、62:1、60:1、58:1、56:1、54:1、52:1、50:1、48:1、46:1、44:1、42:1、40:1、38:1、36:1、34:1、32:1、30:1、28:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:38、1:40、1:42、1:44、1:46、1:48、1:50、1:52、1:54、1:56、1:58、1:60、1:62、1:64、1:66、1:68、1:70、1:72、1:74、1:76、1:78、1:80、1:82、1:84、1:86、1:88、1:90、1:92、1:94、1:96、1:98、1:100、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルジソプロキシルフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、1:300~1500:300、または10:300~1000:300から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルジソプロキシルフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、10:300、20:300、30:300、40:300、50:300、60:300、70:300、80:300、90:300、100:300、110:300、120:300、130:300、140:300、150:300、160:300、170:300、180:300、190:300、200:300、210:300、220:300、230:300、240:300、250:300、260:300、270:300、280:300、290:300、300:300、310:300、320:300、330:300、340:300、350:300、360:300、370:300、380:300、390:300、400:300、410:300、420:300、430:300、440:300、450:300、460:300、470:300、480:300、490:300、500:300、510:300、520:300、530:300、540:300、550:300、560:300、570:300、580:300、590:300、600:300、610:300、620:300、630:300、640:300、650:300、660:300、670:300、680:300、690:300、700:300、710:300、720:300、730:300、740:300、750:300、760:300、770:300、780:300、790:300、800:300、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドとの平均一日量(重量単位で換算)の割合が、1:25~1500:25または10:25~1000:25から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドとの平均一日量(重量単位で換算)の割合が、10:25、20:25、30:25、40:25、50:25、60:25、70:25、80:25、90:25、100:25、110:25、120:25、130:25、140:25、150:25、160:25、170:25、180:25、190:25、200:25、210:25、220:25、230:25、240:25、250:25、260:25、270:25、280:25、290:25、300:25、310:25、320:25、330:25、340:25、350:25、360:25、370:25、380:25、390:25、400:25、410:25、420:25、430:25、440:25、450:25、460:25、470:25、480:25、490:25、500:25、510:25、520:25、530:25、540:25、550:25、560:25、570:25、580:25、590:25、600:25、610:25、620:25、630:25、640:25、650:25、660:25、670:25、680:25、690:25、700:25、710:25、720:25、730:25、740:25、750:25、760:25、770:25、780:25、790:25、800:25、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、1:28~1500:28または10:28~1000:28から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、10:28、20:28、30:28、40:28、50:28、60:28、70:28、80:28、90:28、100:28、110:28、120:28、130:28、140:28、150:28、160:28、170:28、180:28、190:28、200:28、210:28、220:28、230:28、240:28、280:28、260:28、270:28、280:28、290:28、300:28、310:28、320:28、330:28、340:28、350:28、360:28、370:28、380:28、390:28、400:28、410:28、420:28、430:28、440:28、450:28、460:28、470:28、480:28、490:28、500:28、510:28、520:28、530:28、540:28、550:28、560:28、570:28、580:28、590:28、600:28、610:28、620:28、630:28、640:28、650:28、660:28、670:28、680:28、690:28、700:28、710:28、720:28、730:28、740:28、750:28、760:28、770:28、780:28、790:28、800:28、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、単回用量または複数回用量の形態で投与される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mg投与され、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は、0.005mg~10.0mgである。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の1回用量(dose)は、1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgであり、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は、0.005mg~10.0mgである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量(遊離化合物の重量単位で換算)の割合が、1000:1~1:1000から選択される。いくつかの実施形態において、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量(遊離化合物の重量単位で換算、カプシドタンパク質阻害剤化合物:エンテカビル)の割合が、1000:1、950:1、900:1、850:1、800:1、750:1、700:1、650:1、640:1、630:1、620:1、610:1、600:1、550:1、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、1:0.01、1:0.02、1:0.03、1:0.04、1:0.05、1:0.06、1:0.07、1:0.08、1:0.09、1:0.1、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量(遊離化合物のモル比で換算)の割合が、300:1~1:100から選択される。いくつかの実施形態において、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算、カプシドタンパク質阻害剤化合物:エンテカビル)は、300:1、290:1、280:1、270:1、260:1、250:1、240:1、235:1、230:1、225:1、220:1、215:1、210:1、205:1、200:1、190:1、180:1、170:1、160:1、150:1、140:1、130:1、120:1、110:1、100:1、98:1、96:1、94:1、92:1、90:1、88:1、86:1、84:1、82:1、80:1、78:1、76:1、74:1、72:1、70:1、68:1、66:1、64:1、62:1、60:1、58:1、56:1、54:1、52:1、50:1、48:1、46:1、44:1、42:1、40:1、38:1、36:1、34:1、32:1、30:1、28:1、26:1、24:1、22:1、20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、8:1、6:1、4:1、2:1、1:1、1:2、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:32、1:34、1:36、1:38、1:40、1:42、1:44、1:46、1:48、1:50、1:52、1:54、1:56、1:58、1:60、1:62、1:64、1:66、1:68、1:70、1:72、1:74、1:76、1:78、1:80、1:82、1:84、1:86、1:88、1:90、1:92、1:94、1:96、1:98、1:100、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とエンテカビル一水和物との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、1:0.5~1500:0.5または10:0.5~1000:0.5から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩(カプシドタンパク質阻害剤化合物は、遊離化合物で換算)とエンテカビル一水和物との平均一日量(重量単位で換算)の割合が、10:0.5、20:0.5、30:0.5、40:0.5、50:0.5、60:0.5、70:0.5、80:0.5、90:0.5、100:0.5、110:0.5、120:0.5、130:0.5、140:0.5、150:0.5、160:0.5、170:0.5、180:0.5、190:0.5、200:0.5、210:0.5、220:0.5、230:0.5、240:0.5、250:0.5、260:0.5、270:0.5、280:0.5、290:0.5、300:0.5、310:0.5、320:0.5、330:0.5、340:0.5、350:0.5、360:0.5、370:0.5、380:0.5、390:0.5、400:0.5、410:0.5、420:0.5、430:0.5、440:0.5、450:0.5、460:0.5、470:0.5、480:0.5、490:0.5、500:0.5、510:0.5、520:0.5、530:0.5、540:0.5、550:0.5、560:0.5、570:0.5、580:0.5、590:0.5、600:0.5、610:0.5、620:0.5、630:0.5、640:0.5、650:0.5、660:0.5、670:0.5、680:0.5、690:0.5、700:0.5、710:0.5、720:0.5、730:0.5、740:0.5、750:0.5、760:0.5、770:0.5、780:0.5、790:0.5、800:0.5、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、1種または複数種の他の治療薬とは、それぞれ、単回用量または複数回用量の形態で投与される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、単回用量または複数回用量の形態で投与される。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せは、固定組合せである。いくつかの実施形態において、前記固定組合せは、固体医薬組成物の形態である。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、1種または複数種の他の治療薬とは、同一の固体医薬組成物に存在する。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、同一の固体医薬組成物に存在する。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、同一の固体医薬組成物に存在する。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せは、非固定組合せである。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態である。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態である。
【0045】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在する。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在しない。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在する。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在しない。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態において、前記固体医薬組成物は、錠剤またはカプセルから選択される。
【0050】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0051】
別の一態様では、本発明はまた、有効量の本発明に係る医薬組合せを、これを必要とする個体に投与することを含む、B型肝炎ウイルス感染症の治療方法を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0052】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための本発明に係る医薬組合せを提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0053】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症の治療における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意選択で(c)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを併用するための取扱説明書とをさらに含む、B型肝炎ウイルス感染症を治療するキットを提供する。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、前記の通りである。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との両方を含む活性成分の使用であって、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、医薬組成物として製造される使用を提供する。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意選択で(c)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩とテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを併用するための取扱説明書とをさらに含む、B型肝炎ウイルス感染症を治療するキットを提供する。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物と、を含むものの使用であって、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、医薬組成物として製造される、使用を提供する。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意選択で(c)本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩とエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを併用するための取扱説明書とをさらに含む、B型肝炎ウイルス感染症を治療するキットを提供する。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係るカプシドタンパク質阻害剤またはその薬学的に許容される塩から選択される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は以下の通りである。
【化1】
【0061】
別の一態様では、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む、医薬組合せを提供する。
【化2】
【0062】
いくつかの実施形態において、前記逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0063】
他の一態様では、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを含む、医薬組合せを提供する。
【0064】
他の一態様では、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを含む、医薬組合せを提供する。
【0065】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。本発明は、有効量の本発明に係る医薬組合せを、これを必要とする個体に投与することを含む、B型肝炎ウイルス感染症の治療方法をさらに提供する。本発明は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬組合せをさらに提供する。本発明は、B型肝炎ウイルス感染症の治療における本発明に係る医薬組合せをさらに提供する。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、前記エンテカビル溶媒和物は、エンテカビル水和物から選択される。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル水和物は、エンテカビル0.5~2水和物から選択される。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル水和物は、エンテカビル一水和物から選択される。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩は、マレイン酸塩から選択される。本発明のいくつかの実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩は、モノマレイン酸塩から選択される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、エンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル一水和物、またはエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選択される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビル、またはその薬学的に許容される塩もしくはその水和物とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその一水和物とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルモノマレイン酸塩一水和物とを含む。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、前記テノホビルの薬学的に許容されるプロドラッグは、テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアミブフェナミドを含む。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグの薬学的に許容される塩は、フマル酸塩、オロチン酸塩、ジスルホン酸塩、リン酸塩、コハク酸またはアスパラギン酸塩から選択される。本発明のいくつかの実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグの薬学的に許容される塩は、フマル酸塩から選択される。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、テノホビル、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミジスルホン酸塩、テノホビルジソプロキシルリン酸塩、テノホビルジソプロキシルコハク酸塩、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩、またはテノホビルアミブフェナミドフマル酸塩から選択される。本発明のいくつかの実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドフマル酸塩から選択される。本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩から選択される。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、以下の構造から選択される。
【化3】
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミドフマル酸塩とを含む。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、1日3回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与される。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり10mg、または50mg規格の用量(式Iの化合物の重量で換算)で投与される。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、10mg、または50mg規格の用量(式Iの化合物の重量で換算)から選択される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり0.0001~20mg/kg重量(式Iの化合物の重量で換算)投与される。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり0.0001~20mg/kg重量(式Iの化合物の重量で換算)である。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mg投与される。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgである。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、または2日1回、または3日1回、または4日1回、または5日1回、または6日1回、または7日1回投与される。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、腎機能障害のある患者に関しては、クレアチニンクリアランス率(mL/min)≧50の患者では、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が24時間あたり1回投与され、クレアチニンクリアランス率(mL/min)≧30~49の患者では、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が48時間あたり1回投与され、クレアチニンクリアランス率(mL/min)≧10~29の患者では、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が72~96時間あたり投与され、血液透析患者に関しては、7日あたり1回または合計約12時間透析した後テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が投与される。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mgが1回あたり投与される。本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルアラフェナミド25mg、またはテノホビルアラフェナミドフマル酸塩28mgが1回あたり投与される。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の用量は1回あたり300mgである。本発明のいくつかの実施形態において、テノホビルアラフェナミドの用量は1回あたり25mgであり、またはテノホビルアラフェナミドフマル酸塩の用量は1回あたり28mgである。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は、0.05mg~500mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は0.1mg~400mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は1mg~300mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は5mg~200mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は8mg~190mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は10mg~185mg(テノホビルの重量で換算)である。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は14mg~140mg(テノホビルの重量で換算)である。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1日1回、1日2回、または2日1回投与されてもよい。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1回あたり0.5mg、または1.0mg規格の用量(エンテカビル重量で換算)で投与される。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の用量は、1回あたり0.5mg、または1.0mg規格の用量(エンテカビル重量で換算)である。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.005mg~10.0mgである。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.05mg~5.0mgである。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.10mg~2.0mgである。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.25mg~2.0mgである。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのエンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.5mg~1.0mgである。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、または10~1000mg(式Iの化合物の重量で換算)投与され、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は0.05mg~500mg(テノホビルの重量で換算)である。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり1~1500mg、または10~1000mg(式Iの化合物の重量で換算)であり、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の平均一日量は0.05mg~500mg(テノホビルの重量で換算)である。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩とテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(対応する遊離化合物の重量単位で、式Iの化合物:テノホビル)は、500:1~1:1000から選択される。いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩とテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(対応する遊離化合物の重量単位で、式Iの化合物:テノホビル)は、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、39:1、38:1、37:1、36:1、35:1、34:1、33:1、32:1、31:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、10:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算)は、100:1~1:100から選択される。いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算、式Iの化合物:テノホビル)は、100:1、98:1、96:1、94:1、92:1、90:1、88:1、86:1、84:1、82:1、80:1、78:1、76:1、74:1、72:1、70:1、68:1、66:1、64:1、62:1、60:1、58:1、56:1、54:1、52:1、50:1、48:1、46:1、44:1、42:1、40:1、38:1、36:1、34:1、32:1、30:1、28:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:38、1:40、1:42、1:44、1:46、1:48、1:50、1:52、1:54、1:56、1:58、1:60、1:62、1:64、1:66、1:68、1:70、1:72、1:74、1:76、1:78、1:80、1:82、1:84、1:86、1:88、1:90、1:92、1:94、1:96、1:98、1:100、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)とテノホビルジソプロキシルフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、1:300~1500:300、または10:300~1000:300から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)とテノホビルジソプロキシルフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、10:300、20:300、30:300、40:300、50:300、60:300、70:300、80:300、90:300、100:300、110:300、120:300、130:300、140:300、150:300、160:300、170:300、180:300、190:300、200:300、210:300、220:300、230:300、240:300、250:300、260:300、270:300、280:300、290:300、300:300、310:300、320:300、330:300、340:300、350:300、360:300、370:300、380:300、390:300、400:300、410:300、420:300、430:300、440:300、450:300、460:300、470:300、480:300、490:300、500:300、510:300、520:300、530:300、540:300、550:300、560:300、570:300、580:300、590:300、600:300、610:300、620:300、630:300、640:300、650:300、660:300、670:300、680:300、690:300、700:300、710:300、720:300、730:300、740:300、750:300、760:300、770:300、780:300、790:300、800:300、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)と、テノホビルアラフェナミドとの平均一日量(重量単位で換算)の割合は、1:25~1500:25または10:25~1000:25から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドとの平均一日量(重量単位で換算)の割合は、10:25、20:25、30:25、40:25、50:25、60:25、70:25、80:25、90:25、100:25、110:25、120:25、130:25、140:25、150:25、160:25、170:25、180:25、190:25、200:25、210:25、220:25、230:25、240:25、250:25、260:25、270:25、280:25、290:25、300:25、310:25、320:25、330:25、340:25、350:25、360:25、370:25、380:25、390:25、400:25、410:25、420:25、430:25、440:25、450:25、460:25、470:25、480:25、490:25、500:25、510:25、520:25、530:25、540:25、550:25、560:25、570:25、580:25、590:25、600:25、610:25、620:25、630:25、640:25、650:25、660:25、670:25、680:25、690:25、700:25、710:25、720:25、730:25、740:25、750:25、760:25、770:25、780:25、790:25、800:25、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)とテノホビルアラフェナミドフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、1:28~1500:28または10:28~1000:28から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)と、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、10:28、20:28、30:28、40:28、50:28、60:28、70:28、80:28、90:28、100:28、110:28、120:28、130:28、140:28、150:28、160:28、170:28、180:28、190:28、200:28、210:28、220:28、230:28、240:28、280:28、260:28、270:28、280:28、290:28、300:28、310:28、320:28、330:28、340:28、350:28、360:28、370:28、380:28、390:28、400:28、410:28、420:28、430:28、440:28、450:28、460:28、470:28、480:28、490:28、500:28、510:28、520:28、530:28、540:28、550:28、560:28、570:28、580:28、590:28、600:28、610:28、620:28、630:28、640:28、650:28、660:28、670:28、680:28、690:28、700:28、710:28、720:28、730:28、740:28、750:28、760:28、770:28、780:28、790:28、800:28、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、単回用量または複数回用量の形態で投与される。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mg投与され、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.005mg~10.0mgである。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgであり、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の平均一日量は0.005mg~10.0mgである。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合(遊離化合物の重量単位で換算)は、1000:1~1:1000から選択される。いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合(遊離化合物の重量単位で換算、式Iの化合物:エンテカビル)は、1000:1、950:1、900:1、850:1、800:1、750:1、700:1、650:1、640:1、630:1、620:1、610:1、600:1、550:1、500:1、450:1、400:1、350:1、300:1、250:1、200:1、150:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、1:0.01、1:0.02、1:0.03、1:0.04、1:0.05、1:0.06、1:0.07、1:0.08、1:0.09、1:0.1、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算)は、300:1~1:100から選択される。いくつかの実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との平均一日量の割合(遊離化合物のモル比で換算、式Iの化合物:エンテカビル)は、300:1、290:1、280:1、270:1、260:1、250:1、240:1、235:1、230:1、225:1、220:1、215:1、210:1、205:1、200:1、190:1、180:1、170:1、160:1、150:1、140:1、130:1、120:1、110:1、100:1、98:1、96:1、94:1、92:1、90:1、88:1、86:1、84:1、82:1、80:1、78:1、76:1、74:1、72:1、70:1、68:1、66:1、64:1、62:1、60:1、58:1、56:1、54:1、52:1、50:1、48:1、46:1、44:1、42:1、40:1、38:1、36:1、34:1、32:1、30:1、28:1、26:1、24:1、22:1、20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、8:1、6:1、4:1、2:1、1:1、1:2、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:32、1:34、1:36、1:38、1:40、1:42、1:44、1:46、1:48、1:50、1:52、1:54、1:56、1:58、1:60、1:62、1:64、1:66、1:68、1:70、1:72、1:74、1:76、1:78、1:80、1:82、1:84、1:86、1:88、1:90、1:92、1:94、1:96、1:98、1:100、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)と、エンテカビル一水和物との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、1:0.5~1500:0.5または10:0.5~1000:0.5から選択される。いくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩(式Iの化合物の遊離化合物で換算)と、エンテカビル一水和物との平均一日量(重量単位で換算)の割合は、10:0.5、20:0.5、30:0.5、40:0.5、50:0.5、60:0.5、70:0.5、80:0.5、90:0.5、100:0.5、110:0.5、120:0.5、130:0.5、140:0.5、150:0.5、160:0.5、170:0.5、180:0.5、190:0.5、200:0.5、210:0.5、220:0.5、230:0.5、240:0.5、250:0.5、260:0.5、270:0.5、280:0.5、290:0.5、300:0.5、310:0.5、320:0.5、330:0.5、340:0.5、350:0.5、360:0.5、370:0.5、380:0.5、390:0.5、400:0.5、410:0.5、420:0.5、430:0.5、440:0.5、450:0.5、460:0.5、470:0.5、480:0.5、490:0.5、500:0.5、510:0.5、520:0.5、530:0.5、540:0.5、550:0.5、560:0.5、570:0.5、580:0.5、590:0.5、600:0.5、610:0.5、620:0.5、630:0.5、640:0.5、650:0.5、660:0.5、670:0.5、680:0.5、690:0.5、700:0.5、710:0.5、720:0.5、730:0.5、740:0.5、750:0.5、760:0.5、770:0.5、780:0.5、790:0.5、800:0.5、または上記の任意の割合から構成される範囲から選択される。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せにおける式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、単回用量または複数回用量の形態で投与される。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せは、固定組合せである。いくつかの実施形態において、前記固定組合せは、固体医薬組成物の形態である。
【0106】
いくつかの実施形態において、前記固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、同一固体医薬組成物に存在する。
【0107】
いくつかの実施形態において、前記固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、同一固体医薬組成物に存在する。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せは、非固定組合せである。いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態である。
【0109】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在する。いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在しない。
【0110】
いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在する。いくつかの実施形態において、前記非固定組合せ中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、固体医薬組成物の形態であり、かつ、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の固体医薬組成物と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の固体医薬組成物とは、同一の薬袋に存在しない。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態において、前記固体医薬組成物は、錠剤またはカプセルから選択される。
【0112】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0113】
別の一態様では、本発明はまた、有効量の本発明に係る医薬組合せを、これを必要とする個体に投与することを含むB型肝炎ウイルス感染症の治療方法を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0114】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための本発明に係る医薬組合せを提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0115】
別の一態様では、本発明はまた、B型肝炎ウイルス感染症の治療における本発明に係る医薬組合せの使用を提供する。前記医薬組合せは、前記の通りである。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意選択で(c)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを併用するための取扱説明書とを含むB型肝炎ウイルス感染症を治療するキットをさらに提供する。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態において、逆転写酵素阻害剤またはその薬学的に許容されるプロドラッグ、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、前記の通りである。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態において、本願は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩との両方を含む活性成分の使用であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とは、それぞれ、医薬組成物として製造される使用を提供する。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意に、(c)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩とテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩とを併用するための取扱説明書とを含むB型肝炎ウイルス感染症を治療するキットをさらに提供する。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態において、本願は、B型肝炎ウイルス感染症を治療するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物との使用であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とは、それぞれ、医薬組成物として製造される使用を提供する。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明は、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する第1の医薬組成物と、(b)エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物を活性成分として含有する第2の医薬組成物と、任意に、(c)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物とを併用するための取扱説明書とを含むB型肝炎ウイルス感染症を治療するキットをさらに提供する。
【0122】
WO2019185016で示例される具体的な化合物(1~60)またはその薬学的に許容される塩は以下の通りである。
【化4】
【0123】
WO2019165374で例示的な具体的な化合物(1~56)またはその薬学的に許容される塩は、以下の通りである。
【化5】
【0124】
WO2019241292で例示される具体的な化合物(化合物1~759)またはその薬学的に許容される塩は以下の通りである。
【化6】
【0125】
WO2021119081で例示される具体的な化合物(1~188)またはその薬学的に許容される塩は、以下の通りである。
【化7】
【0126】
WO2020156494で例示される具体的な化合物(1~18)またはその薬学的に許容される塩は以下の通りである。
【化8】
またはその薬学的に許容される塩。
【0127】
〔式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩〕
前記式Iの化合物は、従来技術によるものであり、化学名が(S)-N-(3-シアノ-4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリメチル-5-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イル)アミノ)アセチル)-1H-ピロール-3-ホルムアミドであり、以下の構造式を有する。
【化9】
【0128】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法および化学的特性は、WO2019185016A1を参照することができる。
【0129】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の医薬組成物は、固体医薬組成物から選択され、好ましくは、錠剤またはカプセルから選択される。
【0130】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の形態であり、前記医薬組成物は、単回用量が1mg~1000mgの医薬組成物、好ましくは、単回用量が1mg~400mgの医薬組成物、単回用量が1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、または上記の任意の値から構成される範囲の医薬組成物から選択される。
【0131】
〔エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩、その溶媒和物、またはその医薬組成物〕
本発明で使用される場合、前記エンテカビルは、化学名が2-アミノ-9-[(1S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-2-メチレンシクロペンチル]-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オンであり、以下の構造式を有する。
【化10】
【0132】
一部の実施形態において、使用される前記エンテカビルは、その薬学的に許容される塩であってもよく、前記薬学的に許容される塩は、マレイン酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩は、モノマレイン酸塩から選択される。
【0133】
一部の実施形態において、使用される前記エンテカビルは、その溶媒和物であってもよく、前記溶媒和物は、エンテカビル水和物から選択される。一部の実施形態において、前記エンテカビル水和物は、エンテカビル0.5~2水和物から選択される。一部の実施形態において、前記エンテカビル水和物は、エンテカビル一水和物から選択される。
【0134】
一部の実施形態において、前記エンテカビルは、エンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル一水和物、またはエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選択される。
【0135】
一部の実施形態において、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、医薬組成物の形態である。好ましくは、前記医薬組成物は、固体医薬組成物から選択される。前記固体医薬組成物は、好ましくは、錠剤またはカプセルから選択される。
【0136】
一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の医薬組成物は、単回用量が0.01mg~5mgの医薬組成物、好ましくは、単回用量が0.01mg、0.02mg、0.05mg、0.08mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、または上記の任意の値から構成される範囲の医薬組成物から選択される。
【0137】
本発明で使用される場合、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはその医薬組成物は、市販品(例えば、エンテカビル分散錠:潤衆(商標))から選択されてもよい。
【0138】
〔テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物〕
本発明に係る前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物は、テノホビル遊離化合物、またはそのプロドラッグ、または薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物を含む。
【0139】
本発明で使用される場合、前記テノホビルは、化学名が[[[(R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル]オキシ]メチル]ホスホン酸((R)-9-(2-Phosphonomethoxypropyl)Adenine)であり、以下の構造式を有する。
【化11】
【0140】
一部の実施形態において、使用される前記テノホビルは、そのプロドラッグであってもよい。一部の実施形態において、前記テノホビルの薬学的に許容されるプロドラッグは、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルまたはテノホビルアミブフェナミドから選択される。
【0141】
一部の実施形態において、使用される前記テノホビルは、その遊離化合物またはプロドラッグの薬学的に許容される塩であってもよい。一部の実施形態において、前記テノホビル遊離化合物またはプロドラッグの薬学的に許容される塩は、フマル酸塩、オロチン酸塩、ジスルホン酸塩、リン酸塩、コハク酸またはアスパラギン酸塩を含む。
【0142】
一部の実施形態において、使用される前記テノホビルは、そのプロドラッグの薬学的に許容される塩であってもよい。一部の実施形態において、テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、またはテノホビルアミブフェナミドフマル酸塩から選択される。
【0143】
一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩中のテノホビルアラフェナミドとフマル酸分子との数の割合が2:1である。一部の実施形態において、前記テノホビルアラフェナミドフマル酸塩は、以下の構造から選択される。
【化12】
【0144】
一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩中のテノホビルジソプロキシルとフマル酸分子との数の割合が1:1である。一部の実施形態において、前記テノホビルジソプロキシルフマル酸塩は、以下の構造から選択される。
【化13】
【0145】
一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルアミブフェナミドフマル酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩中のテノホビルアミブフェナミドとフマル酸分子との数の割合が1:1である。一部の実施形態において、前記テノホビルアミブフェナミドフマル酸塩は、以下の構造から選択される。
【化14】
【0146】
一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩中のテノホビルジソプロキシルとオロチン酸分子との数の割合が1:1である。一部の実施形態において、前記テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩は、以下の構造から選択される。
【化15】
【0147】
一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩は、テノホビルジソプロキシルコハク酸塩から選択される。一部の実施形態において、前記テノホビルプロドラッグの薬学的に許容される塩中テノホビルジソプロキシルとコハク酸分子との数の割合が1:1である。一部の実施形態において、前記テノホビルジソプロキシルコハク酸塩は、以下の構造から選択される。
【化16】
【0148】
一部の実施形態において、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の形態である。好ましくは、前記医薬組成物は、固体医薬組成物から選択される。前記固体医薬組成物は、好ましくは、錠剤またはカプセルから選択される。
【0149】
一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、(テノホビルの遊離化合物で換算)単回用量が0.05mg~500mgの医薬組成物、好ましくは、単回用量が0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、または上記の任意の値から構成される範囲の医薬組成物から選択される。
【0150】
一部の実施形態において、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の医薬組成物は、単回用量が300mgの医薬組成物から選択される。
【0151】
一部の実施形態において、テノホビルアラフェナミドの医薬組成物は、単回用量が25mgの医薬組成物から選択される。
【0152】
一部の実施形態において、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩の医薬組成物は、単回用量が28mgの医薬組成物から選択される。
【0153】
本発明で使用される場合、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、市販品(例えば、フマル酸テノホビルジソプロキシル錠:晴衆(商標)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩錠:ベムリディ(VEMLIDY(商標)))から選択されてもよい。
【0154】
いくつかの実施形態において、前記個体は、治療を受けたことのある個体または治療を受けたことのない個体から選択される。いくつかの実施形態において、前記個体は、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、あるいはテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩による治療を受けたことのある個体から選択される。いくつかの実施形態において、前記個体は、治療を受けたことのない個体から選択される。いくつかの実施形態において、前記個体は、治療を受けたことのある個体から選択される。
【0155】
一部の実施形態において、前記個体は、血清ウイルス学基準:血清HBsAg陽性が6か月以上持続するか、または6か月の慢性B型肝炎の証拠があり、1000IU/mL≦HbsAg定量≦40000IU/mLのものから選択される。
【0156】
一部の実施形態において、治療を受けたことのある個体から選択された前記個体は、以下の条件を満たす必要がある。
1)被験者がスクリーニング前に同じNA治療(ETV/TDF)を同じ用量で12か月以上受けなければならない。
2)群に入る6か月前の病歴記録では、HBV DNA阻害<正常検査下限、スクリーニング期間では、HBV DNA阻害は<LLOQと定義する。
3)ALT≦5×ULN。
【0157】
一部の実施形態において、治療を受けたことのない個体から選択された前記個体は、以下の条件を満たす必要がある。
1)スクリーニングの際には、被験者がCHB治療を受けていないこと、すなわち
1.1 HBV抗ウイルス薬(NA)またはインターフェロン(IFN)による治療を受けたことがないこと、あるいは
1.2 被験者は治験薬の最初の使用から3か月以内にHBV抗ウイルス薬(NA)またはIFN薬(不定期に使用)による治療を受けていること、あるいは、
1.3 スクリーニング前の6か月以内にHBV抗ウイルス医薬(NA)またはIFN医薬治療を受けたことがないこと。
2)HBeAg陽性慢性B型肝炎患者では、HBV DNA>105copies/mL(または>20,000 IU/mL)、あるいは、HBeAg陰性患者では、HBV DNA>104copies/mL(または>2,000 IU/mL)
3)1.0×ULN≦ALT≦5×ULN。
【0158】
〔定義と説明〕
特に断りのない限り、本願において使用される下記用語は、次の意味を有する。特定の用語は、特に定義されない場合、不確定または不明確とみなされるべきではなく、当業者の一般的な意味に従って理解されるべきである。
【0159】
本発明で使用される場合、前記式Iの化合物は、その非塩形態(例えば、遊離酸または遊離塩基)を含み、また、その薬学的に許容される塩も含み、これらの非塩または塩は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0160】
本発明で使用される場合、前記エンテカビルは、その非溶媒和物の形態および溶媒和物の形態を含み、これらの非溶媒和物または溶媒和物は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。溶媒和物の形態から選択される場合、化合物と溶媒との物質量の割合は、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、または任意の端点によって形成される範囲、例えば、1:0.5~1:2、1:0.5~1:1.5、または1:1~1:1.5から選択されてもよい。例えば、前記エンテカビルは、非溶媒和物の形態である。例えば、前記エンテカビルは、水和物の形態である。例えば、前記エンテカビルは、一水和物の形態である。
【0161】
本発明で使用される場合、前記テノホビルは、そのプロドラッグの形態を含み、また、そのプロドラッグの塩の形態も含み、前記テノホビル、そのプロドラッグまたはその塩は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0162】
本発明で使用される場合、別段の指定がない限り、「重量で換算」とは、式Iの化合物、エンテカビルまたはテノホビルの遊離形態の重量で換算することをいう。
【0163】
「投与」、「投与する」または「投与している」という用語は、当業者に知られている複数の方法および送達システムのいずれかを使用して、治療薬を含む組成物を本体に物理的に導入することを意味する。
【0164】
「治療」という用語は、一般に、必要とされる薬理的および/または生理学的効果を得ることを意味する。この効果は、疾患および/または疾患に起因する副作用の部分的または完全な安定化または治癒に応じて治療的であり得る。本明細書で使用される「治療」は、患者の疾患に対するいかなる治療を包含し、(a)疾患の症状を抑制すること、すなわちその進行を阻止すること、または(b)疾患の症状を緩和すること、すなわち、疾患または症状の改善をもたらすことを含む。
【0165】
「有効量」という用語は、(i)特定の疾患、病態または障害を治療または予防する、(ii)特定の疾患、病態または障害の1つまたは複数の症状を緩和、改善または除去する、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、病態または障害の1つまたは複数の症状の発症を予防または遅延する、本願の明細書に記載の化合物の使用量を意味する。「治療有効量」を構成する本発明に係る化合物の量は、当該化合物、疾患状態およびその重症度、投与方法、および治療される哺乳類の年齢に応じて変化するが、当業者が自身の知識および本開示に基づいて日常的に決定することができる。
【0166】
「個体」または「被験者」という用語は、哺乳類を含む。一部の実施形態において、前記「個体」または「被験者」はマウスである。一部の実施形態において、「個体」または「被験者」はヒトである。
【0167】
本明細書で使用される場合、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口または胃腸外(例えば、静脈内)などの任意の適用可能な経路および方法で投与することができる。式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量は、約0.0001~20mg/kg重量/日、例えば0.001~10mg/kg重量/日を含むが、これらに限定されない。式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量の頻度は、重症度、疾患の応答性、治療に関連する毒性、患者の年齢および健康状態を含む、患者個体の要求によって決定され、例えば1日1回もしくは2回、またはそれ以上である。投与は間欠的であってもよく、例えば、被験者は、数日の間、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の1日用量を受け、次いで、数日以上の間、患者は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の1日用量を受けない。
【0168】
エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、経口、胃腸外、腹膜内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋内、直腸、経頬、鼻内、吸入、膣内、眼内、局所投与、皮下、脂肪内、関節内、腹膜内、および鞘内を含むが、これらに限定されない様々な経路で投与することができる。いくつかの特定の実施形態において、投与は、経口投与によって行われる。エンテカビルの投与量は、疾患の重症度、疾患の応答性、治療に関連する毒性、患者の年齢および健康状態によって決定されてもよい。例えば、エンテカビルの1日投与量は、例えば0.005mg~10.0mgであってもよい。エンテカビルは1日に1回以上投与されてもよい。いくつかの実施形態において、エンテカビルは、経口固形製剤で1日1回投与される。
【0169】
テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、経口、胃腸外、腹膜内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋内、直腸、経頬、鼻内、吸入、膣内、眼内、局所投与、皮下、脂肪内、関節内、腹膜内、および鞘内を含むがこれらに限定されない様々な経路で投与することができる。いくつかの特定の実施形態において、投与は、経口投与によって行われる。テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の投与量は、疾患の重症度、疾患の応答性、治療に関連する毒性、患者の年齢および健康状態によって決定されてもよい。例えば、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の1日投与量は、0.05mg~500mgであってもよい。テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日に1回以上投与されてもよい。いくつかの実施形態において、テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、経口固形製剤で1日1回投与される。
【0170】
「約」という用語は、平均値の3つの標準偏差または特定の分野における標準公差の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。いくつかの実施形態において、約0.5を超えない変動として理解されるべきである。「約」はその後に列挙されるすべての値を修飾する。例えば、「約1、2、3」は、「約1」、「約2」、「約3」を表す。
【0171】
「医薬組合せ」という用語は、2種以上の活性成分を同時に、並行して、または順次組合せて使用することを意味する。
【0172】
「固定組合せ」という用語は、活性成分(例えば、式Iの化合物、エンテカビルまたはテノホビル)が、一定の総用量または用量比率で、または単一実体、医薬組成物または製剤の形態で、被験者に同時に投与されることを意味する。一部の実施形態において、例えば、同一錠剤、同一カプセル、または同一の薬袋に存在する。
【0173】
「非固定組合せ」という用語は、2種以上の活性成分が別個の実体(例えば、医薬組成物、医薬製剤)として、同時、並行または順次に特定の時間的制限なしに個体に投与されることを意味し、ここで、前記個体に投与される活性成分は、治療有効量レベルに達している。非固定組合せの例としては、2種、3種またはそれ以上の活性成分の投与などのカクテル療法が挙げられる。非固定組合せでは、前記個々の活性成分は、完全に独立した医薬組成物として包装され、販売され、または投与され得る。「非固定組合せ」は、「固定組合せ」の間、または「固定組合せ」といずれか1種または複数種の活性成分の独立の実体との併用も含む。
【0174】
「医薬組成物」という用語は、1種または複数種の本発明に係る化合物、またはその医薬組合せもしくはその塩と、薬学的に許容される補助物質との混合物を意味する。医薬組成物は、本発明に係る化合物またはその医薬組合せを被験者に投与することを容易にすることを目的とする。
【0175】
「薬学的に許容される補助物質」という用語は、生体に対して明らかな刺激作用がなく、かつ当該活性化合物の生物活性および性能を損なうことのないそれらの補助物質を意味する。適切な補助物質は、当業者によく知られているものであり、例えば、炭水化物、ワックス、水溶性および/または水膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などである。
【0176】
本発明に係る医薬組成物は、本発明に係る化合物を、適切な薬学的に許容される補助物質と組合せて製造することができ、例えば、錠剤、丸薬、カプセル剤等の固形製剤に製造することができる。
【0177】
本発明に係る医薬組成物は、従来の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠剤製法、研磨法、乳化法、凍結乾燥法等、当業者に周知の方法を用いて製造することができる。
【0178】
「薬学的に許容される」という用語は、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激性、アナフィラキシー、または他の問題または合併症を伴うことなく、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した、信頼できる医学的判断の範囲内の化合物、材料、組成物および/または剤形を意味する。
【0179】
固形経口組成物は、従来の混合、充填または打錠方法により製造することができる。例えば、前記活性化合物と固体補助物質とを混合し、得られた混合物を任意に粉砕し、必要に応じて他の適切な補助物質を加え、次いでこの混合物を顆粒に加工して、錠剤または糖衣剤のコアを得ることにより得ることができる。好適な補助物質には、接着剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動助剤、甘味剤、または矯味剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0180】
「薬学的に許容される塩」(または「薬用可能な塩」)という用語は、「薬学的に許容される」の定義の範囲内にある本発明に係る化合物の塩を意味する。
【0181】
特に明記されない限り、単数の用語は複数の用語を含み、複数の用語は単数の用語を含む。特に明記されない限り、「1つ」または「1種」という用語などは、「少なくとも1つ」または「少なくとも1種」を意味する。特に断りのない限り、「または」(「もしくは」/「あるいは」)という用語などは「および/または」を意味する。
【0182】
本明細書では、特に断りのない限り、「含む」、「包含」、および「含有する」または同等の用語はオープンな表現であり、記載された要素、構成要素、およびステップに加えて、他の不特定の要素、構成要素、およびステップが含まれ得ることを意味する。
【0183】
「単回用量」という用語は、一定量の薬剤を含む最小包装単位を意味し、例えば、1箱の薬剤が7個のカプセルを有する場合、各カプセルは単回用量である。あるいは注射液1本あたり単回用量とする。「複数回用量」という用語は、複数の単回用量からなる。
【0184】
「遊離化合物」という用語は、本発明に係る化合物が遊離状態で存在することを意味し、具体的には、
【化17】
を指す。
【0185】
「溶媒和物」という用語は、本発明に係る化合物が製薬上許容される溶媒と結合して形成される物質を意味する。製薬上許容される溶媒には、水、アルコール等が含まれる。溶媒和物には、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。
【0186】
「プロドラッグ」という用語は、哺乳類被験者に投与されたときに、本発明の活性な親薬物をインビボで放出する、任意の共有結合した担体を含むことを意図している。本発明のプロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、通常の操作中にまたはインビボで破壊されて親化合物になるように修飾することにより製造される。
【0187】
「ヌクレオシド(ヌクレオチド)類似体」または「ヌクレオシド(ヌクレオチド)系薬物」(nucleos(t)ide analogue、NA)という用語は、B型肝炎の治療に有用である。例示的に、NAは、エンテカビル、テノホビル、ラミブジン、アデホビル、テルビブジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0188】
すべての特許、特許出願および他の特定された出版物は、説明および開示の目的のために、ここにおいて明示的に本明細書に引用によって組み込まれる。これらの出版物は、その公開が出願の出願日より前であることのみを理由として提供される。書類の日付または書類の内容に関するすべての表示は、出願人が入手可能な情報に基づくものであり、書類の日付または書類の内容の正当性に関するいかなる承認も構成しないものとする。また、いずれの国においても、本明細書におけるこれらの出版物への引用は、当該出版物が当該分野の公知の常識の一部であることの認識を構成しないものとする。
【0189】
〔投与方法〕
下記の内容は、本発明に係る医薬組合せの投与方式を制限するものではない。
【0190】
本発明に係る医薬組合せにおける活性成分は、それぞれ別個に製造されていてもよいし、その一部または全部が同時に製造されていてもよい。一実施形態において、本発明に係る医薬組合せは、単回または複数回の投与に適した医薬組成物に製造され得る。
【0191】
本発明に係る医薬組合せにおける活性成分は、それぞれ個別に投与されてもよいし、その一部または全部が同時に投与されてもよい。本発明に係る医薬組合せにおける成分は、実質的に同時に投与されなくてもよく、またはその一部または全部が実質的に同時に投与されてもよい。
【0192】
本発明に係る医薬組合せにおける活性成分は、それぞれ独立して、またはその一部または全部を、経口または胃腸外(静脈内、筋内、局所的または皮下的経路を介して)を含むがこれらに限定されない、適切な様々な経路で共同して投与することができる。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組合せの活性成分は、それぞれ独立して、またはその一部または全部を、静脈内注射または腹腔内注射のように、共同して経口投与または注射投与することができる。
【0193】
本発明に係る医薬組合せにおける活性成分は、それぞれ独立してもよく、またはその一部または全部が、錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤(例えば、硬カプセル、軟カプセル、腸溶性カプセル、マイクロカプセル剤)、エリキシル剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤(筋内、静脈内、腹腔内)、粉末剤、乳剤、懸濁液、溶液、分散剤、および経口投与または非経口投与のための徐放性製剤の剤形を含むがこれらに限定されるものではない。
【0194】
本発明に係る医薬組合せにおける活性成分は、それぞれ独立して、またはその一部または全部に、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を共通して含有してもよい。
【0195】
本発明に係る医薬組合せは、さらに別の治療薬を含んでもよい。一実施形態において、前記別の治療薬は、B型肝炎ウイルス感染の治療のための当分野で知られている治療薬であり得る。
【0196】
一部の実施形態において、本願の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の有効量を、同時に、順次、または間隔をおいて、これを必要とする個体に投与することができる。
【0197】
一部の実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の有効量を、同一または異なる投与形態で、これを必要な個体に投与することができる。
【0198】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、1日3回、1日2回、1日1回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与される。
【0199】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgの用量、好ましくは、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、220mg、240mg、260mg、280mg、300mg、320mg、340mg、360mg、380mg、400mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量で投与される。
【0200】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり1~1500mg、2~1000mg、3~800mg、3~600mg、4~550mg、5~500mg、5~450mg、5~400mg、5~480mg、5~460mg、5~450mg、5~430mg、6~400mg、7~380mg、8~360mg、9~340mg、または10~320mgの用量、好ましくは、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、220mg、240mg、260mg、280mg、300mg、320mg、340mg、360mg、380mg、400mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量である。
【0201】
一部の実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1回に1~320mg投与される。
【0202】
一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒合物は、1日3回、1日2回、1日1回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、1週1回、2週1回、または3週1回投与される。
【0203】
一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容されるもしくはその溶媒和物は、1回あたり0.005mg~5.0mg、好ましくは0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量で投与される。一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、1回あたり0.05mg~5.0mg、0.10mg~2.0mg、0.25mg~2.0mg、0.5mg~1.0mgの用量で投与される。
【0204】
一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の用量は、1回あたり0.005mg~5.0mg、好ましくは0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量である。一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物の用量は、1回あたり0.05mg~5.0mg、0.10mg~2.0mg、0.25mg~2.0mg、0.5mg~1.0mgの用量である。
【0205】
一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、0.10mg~2.0mgの用量で1日に1回投与される。一部の実施形態において、前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、0.5mgの用量で1日に1回投与される。一部の実施形態において、前記式Iの化合物は、1mg~100mgの用量で1日に1回投与される。前記エンテカビルまたはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物は、0.10mg~2.0mgの用量で1日に1回投与される。
【0206】
一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日1回、1日2回、2日1回、3日1回、4日1回、5日1回、6日1回、7日1回投与される。本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組合せのテノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与されてもよい。
【0207】
一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1回あたり0.05mg~500mg、好ましくは、0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、65mg、66mg、67mg、68mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、80mg、85mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、100mg、101mg、102mg、103mg、104mg、105mg、110mg、111mg、112mg、113mg、114mg、115mg、120mg、125mg、130mg、131mg、132mg、133mg、134mg、135mg、136mg、137mg、138mg、139mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、181mg、182mg、183mg、184mg、185mg、190mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量で投与される。一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、1回あたり0.05mg~200mg、0.10mg~190mg、1mg~160mg、10mg~150mgの用量で投与される。
【0208】
一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり0.05mg~500mg、好ましくは、0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、65mg、66mg、67mg、68mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、80mg、85mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、100mg、101mg、102mg、103mg、104mg、105mg、110mg、111mg、112mg、113mg、114mg、115mg、120mg、125mg、130mg、131mg、132mg、133mg、134mg、135mg、136mg、137mg、138mg、139mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、181mg、182mg、183mg、184mg、185mg、190mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、または上記の任意の値から構成される範囲の用量である。一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の用量は、1回あたり0.05mg~200mg、0.10mg~190mg、1mg~160mg、10mg~150mgの用量である。
【0209】
一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、10mg~150mgの用量で1日に1回投与される。一部の実施形態において、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、15mgまたは135.5mgの用量で1日に1回投与されてもよい。
【0210】
一部の実施形態において、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩は、300mgで1日に1回投与される。
一部の実施形態において、テノホビルアラフェナミドは、25mgで1日に1回される。
一部の実施形態において、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩は、28mgで1日に1回投与される。
【0211】
一部の実施形態において、前記式Iの化合物は、1mg~320mgの用量で1日に1回投与され、前記テノホビルまたはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、10mg~150mgの用量で1日に1回投与される。
【技術的効果】
【0212】
本発明に係る医薬組合せは、HBV DNAレベルを著しく低下させるか、または他のHBV指標を緩和することができる。また、本発明に係る医薬組合せは、単剤と比較して増強作用を示し、かつ耐性が良好である。これは、本発明に係る医薬組合せが良好な薬用価値を有することを示している。
【発明を実施するための形態】
【0213】
明確にするために、実施例を用いて本発明をさらに説明するが、実施例は本願の範囲を限定するものではない。本発明で使用される試薬はすべて市販されており、さらに精製することなく使用することができる。
【実施例1】
【0214】
HepG2.2.15細胞実験
1.1 試験方法
1)96ウェル細胞培養プレートにHepG2.2.15細胞を2×104個/ウェルでプレーティングし、1ウェルあたり細胞完全培地を100μLにした。
2)37℃、5%CO2インキュベータで一晩して培養した。
3)0日目には、新しい96ウェルプレートに異なる化合物を含む新鮮な完全培地を加えた。
4)化合物の製造と細胞処理。
単剤投与過程:化合物をDMSOで最高検出濃度の100倍に希釈し、次に、DMSOを用いて3倍勾配で8点希釈し、化合物を1ウェルあたり2μL加えて、均一に混合し、古い培地を捨て、均一に混合した化合物を含む完全培地を100μL加えた。
併用投与過程:化合物をDMSOで最高検出濃度の200倍に希釈し、次に、DMSOを用いて3倍勾配で8点希釈し、2種類の化合物の濃度毎に1ウェルあたり1μL加え、均一に混合し、古い培地を捨て、均一に混合した化合物を含む完全培地を100μL加えた。
5)6日目に細胞上清を収集し、5μLの上清を取ってウイルスDNAのqPCR検出をした。元の96ウェルプレートにCCK8反応液(1ウェルあたり培地100μL+CCK 10μLで製造)を110μL/ウェルで加え、37℃のインキュベータで0.5h培養し、450nm、630nmの検出波長で、OD値を測定した。
6)投与濃度を表1に示す。
【0215】
【0216】
7)上清DNA検出
まず、聖湘生物社製のHBV DNA定量キット(1段法)を取り出して室温まで平衡化し、キットの中の試薬が完全に溶けた後、均一に混合して、瞬間遠心分離を行った。
さらに、8チューブストリップに1ウェルあたり5μLの核酸放出剤を入れ、1ウェルあたり5μLの品質管理標準品、定量標準品、および薬物で6d処理した細胞培養上清サンプルを入れた後、5回ピペットして均一に混合し、室温で10min放置した。
さらにPCR混合液(PCR反応液38μL+酵素混合液2μL+内部標準0.2μL)をウェルの数に応じて製造し、40μL/ウェルの量でウェルに加えた、
瞬間遠心分離後、天隆社製のTL988 qPCR装置に入れ、qPCR検出を行った。
反応系:抽出液5μL+サンプル5μL+PCR混合液40μL(PCR反応液38μL+酵素混合液2μL+内部標準0.2μL)
検出チャネル:FAMチャネル(サンプル検出チャネル、Reportere:FAM、Quencher:None)、VICチャネル(内部標準検出チャネル、Reportere:VIC、Quencher:None)、ROXチャネル(基準検出チャネル:Passive Reference:ROX)。
【0217】
8)データ処理
HBV DNA阻害率(%)=(1-化合物投与群(IU/mL)/溶媒対照群(IU/mL))×100
DASソフトウェアを用いて試験データを分析し、組合せ指数(併用係数)を算出した。それぞれ50%、75%、90%、95%の阻害率の組合せ指数を算出し、平均組合せ指数(CIwt)を算出した。
平均組合せ指数(CIwt)=[1×CI50+2×CI75+3×CI90+4×CI95]/10
平均組合せ指数が0.9~1.1である場合、相加作用を表し、組合せ指数が0.9未満である場合、相乗作用を示し、組合せ指数が1.1を超える場合、拮抗作用を示す。
9)結果を表2に示す。
【0218】
【表2】
式Iの化合物とエンテカビルとを併用することにより、HBVに対する平均組合せ指数は0.695であり、相乗作用を示した。
【実施例2】
【0219】
AAV/HBVモデルマウス実験
2.1 実験材料
2.1.1 動物
rAAV8-1.3HBV(出所:北京五加和分子医学研究所、力価:1×1012 v.g/ml)を用いてAAV/HBVマウスモデル(種類:雄、C57BL/6)を作成し、ランダムに群分けした。
2.1.2 被験化合物の処理
溶媒:1%DMSO+99%PEG-400。
化合物:式Iの化合物、エンテカビル。
式Iの化合物をDMSOに溶解し、PEG-400を加えて清澄液1mg/mlを製造し、0.3、0.1、0.03mg/mlに溶媒で段階的に希釈し、調製した後、室温で保存した。
エンテカビルをDMSOに溶解して1mg/mlとし、生理食塩水(NS)で1000倍から0.001mg/mlに段階的に希釈し、1ml/本で分包して、ストックとして-20℃冷蔵庫に保存し、1日1本を取り、NSで10倍に希釈し、投与必要濃度0.0001mg/mlとし、毎日投与した。
2.1.3 rAAV8-1.3HBV
rAAV8-1.3HBV(D型、ayw)は、北京五加和基因科技有限公司より購入し、力価1×1012v.g/mLであった。
2.1.4 試薬および器具
B型肝炎ウイルス核酸測定キット(聖湘生物社)、高速冷凍遠心分離機(Sorvall Legend社)、リアルタイム蛍光定量PCR装置(TL988)。
【0220】
2.2 試験方法
AAV-HBVモデルマウス:rAAV8-1.3HBVを、注射前にあらかじめ無菌PBSで濃度5×1011v.g/ml溶液に調製しておいた。マウス1匹あたり尾静脈を介して200μLを注射し、つまりマウス1匹あたり1×1011v.g注射した。
群分け前の採血:ウイルス注射後14日目に、感染したすべてのマウスについて眼窩静脈から血液を約100μL採取して、血清収集に用いた。全血を室温で30分間静置した後、3000rpm、4℃で10分間遠心分離し血清を採取した。血清を-80℃で保存し、HBV DNA、HBeAg、およびHBsAgの検出に使用した。
化合物処理:すべてのマウスに溶媒または化合物を胃内投与した。初回投与日は実験0日目とし、投与は0~27日目まで持続した。エンテカビルは1日1回(QD)、式Iの化合物は1日1回(QD、投与間隔は8hr~16hr)投与する。投与体積は10mL/kgである。
【0221】
【0222】
非エンドポイント採血:7、14、21、28、35日目に、眼窩静脈から血液を約100μL採取して血清を収集し、HBV DNA検出に使用した。
実験エンドポイント:群i~iii、vは28日目にマウス安楽死を行った。群ivとviの実験エンドポイントは42日目であった。マウスについて心臓から採血して血清を採取し、HBV DNA検出に用いた。
【0223】
2.3 サンプル分析
実験方法は、B型肝炎ウイルス核酸測定キットの取扱説明書を参考にし、各PCR反応管に5μLの核酸放出剤を加え、さらに5μLの被験血清、陰性対照、陽性対照および定量参考品を加え、10分間分解した。さらにPCR-mixを40μL加えて、合計50μLの系とした。反応条件:50℃×2min、1サイクル、94℃×5min、1サイクル、94℃×15s、57℃×30s、45サイクル、25℃×10s、1サイクル。
2.4 結果の表4-1および表4-2。
【0224】
【0225】
【0226】
以上の結果から、式Iの化合物とエンテカビルの併用投与は、溶媒群と比較して、血清HBV DNAに対する阻害効果が顕著であり、単剤群よりも顕著に優れていることが示された。
【実施例3】
【0227】
1.試験薬物
式Iの化合物:規格10mgと50mgのカプセルを調製した。
エンテカビル:エンテカビル錠剤、規格0.5mg/錠(例えば、正大天晴薬業集団股フン有限公司製の潤衆(商標))。
プラセボ:式Iの化合物のプラセボ。
テノホビル:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、規格300mg/錠。テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、規格25mg/錠。
【0228】
2.群に入る被験者
次の基準を満たす必要がある。
1)18~75歳(境界値を含む)、男女問わず。
2)血清ウイルス学基準:血清HBsAg陽性が6か月以上持続するか、6か月慢性B型肝炎の証拠がある。1000IU/mL≦HBsAg量≦40000IU/mL。
3)研究者は明らかな肝硬変を認めなかった。
治療を受けた患者は以下の条件を満たす必要がある。
4)被験者がスクリーニング前に同じNA治療(ETV/TAF)を同じ投与量で12か月以上受けなければならない。
5)群に入る6か月前の病歴記録では、HBV DNA阻害<正常検査下限、スクリーニング期間では、HBV DNA阻害は<LLOQと定義した。
6)ALT≦5×ULN。
初回治療患者は以下の条件を満たす必要がある。
7)スクリーニングの際には、被験者がCHB治療を受けたことがないこと、すなわち、
◆HBV抗ウイルス薬(NA)またはインターフェロン(IFN)による治療を受けたことがないこと、あるいは
◆被験者は治験薬の最初の使用から3か月以内にHBV抗ウイルス薬(NA)またはIFN薬(不定期に使用)による治療を受けていること、あるいは
◆スクリーニング前の6か月以内にHBV抗ウイルス薬(NA)またはIFN薬による治療を受けていないこと。
注:被験者がスクリーニング前に3か月以上抗HBV薬による治療を受けていた場合、この件について話し合うためにスポンサーに連絡する必要がある。
【0229】
8)HBeAg陽性慢性B型肝炎患者では、HBV DNA>105copies/mL(または20,000 IU/mLを超える)、HBeAg陰性患者では、HBV DNA>104copies/mL(または2,000IU/mLを超える)
9)1.0×ULN≦ALT≦5×ULN。
【0230】
3.投与計画
式Iの化合物のカプセル/プラセボは、1日1回、空腹時(食前または食後少なくとも2時間)に投与され、1回の投与時間はほぼ同じである必要がある。
エンテカビルは1日1回投与され、エンテカビルは空腹時(食前または食後少なくとも2時間)に投与され、1回の投与時間はほぼ同じである必要がある。
テノホビルは1日1回投与され、テノホビルは食後(食後1時間以内)に投与し、1回の投与時間はほぼ同じである。
【0231】
4.有効性指標
指標としては、HBVマーカー(HBsAg、HBsAb、HBeAg、HBeAb、抗-HBc、HBV DNA定量、HBV RNA、およびHBcrAg)が含まれる。
【国際調査報告】