(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】二重鏡シアリング干渉計
(51)【国際特許分類】
G01B 9/02015 20220101AFI20241008BHJP
G01B 11/16 20060101ALI20241008BHJP
G01B 9/02098 20220101ALI20241008BHJP
【FI】
G01B9/02015
G01B11/16 G
G01B9/02098
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520662
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2022077085
(87)【国際公開番号】W WO2023057294
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021125813.8
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358453
【氏名又は名称】ホーホシューレ トリアー
【氏名又は名称原語表記】HOCHSCHULE TRIER
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ペトリー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シュス,ミカエル
【テーマコード(参考)】
2F064
2F065
【Fターム(参考)】
2F064AA11
2F064CC03
2F064EE08
2F064FF01
2F064GG12
2F064GG20
2F064GG22
2F064GG41
2F064HH03
2F064HH08
2F065AA65
2F065FF53
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL00
2F065LL12
2F065LL28
(57)【要約】
本発明は、干渉測定法を用いて物体(22)の表面の非破壊測定を行う測定装置であって、表面(24)に反射した光ビーム(100)としての光が当たる測定装置(10)に関し、測定装置(10)は、アパーチャ(21)を有するダイヤフラム(20)と、2つの鏡(32)を有する鏡機構(30)であって、2つの鏡(32)はそれぞれ鏡面(38)を有し、2つの鏡(32)のうちの1つは部分透明部分鏡(34)であり、2つの鏡(32)のうちの1つは完全鏡(36)であり、完全鏡(36)は、放射方向(S)の、部分透明部分鏡(34)の背後に配置されている、鏡機構(30)と、カメラレンズ(42)及びカメラ(40)と、を含み、入射光ビームはダイヤフラム(20)を通過し、このプロセスにおいて回折されてから鏡機構(30)に当たり、そこで分割及び偏向されて2つの部分ビーム(110、120)になり、2つの部分ビーム(110、120)はその後、カメラ(40)に到達してカメラ(40)内で干渉し、光ビーム(100)は、カメラ(40)の前のカメラレンズ(42)をビーム方向(S)に通過し、鏡機構(30)の鏡(32)の一方は、2つの鏡(32)が、鏡面(38)に垂直な面内に非ゼロ角度βを含むように、鏡(32)の他方に対して回転可能であり、カメラ(40)は、局所サンプリング周波数を有するカメラチップを含み、ダイヤフラム(20)の設計は、入射光ビーム(100)がダイヤフラム(20)を通過するときに回折されて、その空間周波数f_lightが、最大で、カメラチップ上での検出中のカメラチップの最大局所サンプリング周波数f_max_cameraと一致するように行われている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉測定法を用いて物体(22)の表面の非破壊測定を行う測定装置であって、前記表面(24)に反射した光ビーム(100)としての光が当たる前記測定装置(10)であって、
アパーチャ(21)を有するダイヤフラム(20)と、
2つの鏡(32)を有する鏡機構(30)であって、前記2つの鏡(32)はそれぞれ鏡面(38)を有し、前記2つの鏡(32)のうちの1つは部分透明部分鏡(34)であり、前記2つの鏡(32)のうちの1つは完全鏡(36)であり、前記完全鏡(36)は、放射方向(S)の、前記部分透明部分鏡(34)の背後に配置されている、前記鏡機構(30)と、
カメラレンズ(42)及びカメラ(40)と、
を含み、
前記入射光ビームは前記ダイヤフラム(20)を通過し、前記プロセスにおいて回折されてから前記鏡機構(30)に当たり、そこで分割及び偏向されて2つの部分ビーム(110、120)になり、前記2つの部分ビーム(110、120)はその後、前記カメラ(40)に到達して前記カメラ(40)内で干渉し、
前記光ビーム(100)は、前記カメラ(40)の前の前記カメラレンズ(42)をビーム方向(S)に通過し、
前記鏡機構(30)の前記鏡(32)の一方は、前記2つの鏡(32)が、前記鏡面(38)に垂直な面内に非ゼロ角度βを含むように、前記鏡(32)の他方に対して回転可能であり、
前記カメラ(40)は、局所サンプリング周波数を有するカメラチップを含み、前記ダイヤフラム(20)の設計は、前記入射光ビーム(100)が前記ダイヤフラム(20)を通過するときに回折されて、その空間周波数f
_lightが、最大で、前記カメラチップ上での検出中の前記カメラチップの最大局所サンプリング周波数f
_max_cameraと一致するように行われている、
測定装置。
【請求項2】
前記鏡機構(30)に入射した前記光ビーム(100)が前記カメラ(40)の方向に角度αで反射して前記カメラ(40)に当たり、前記角度αは、好ましくは少なくとも70°であり、非常に好ましくは少なくとも80°であり、特に好ましくは90°であり、又、好ましくは最大で110°であり、特に好ましくは最大で100°であるように、前記鏡機構(30)の前記鏡(32)のうちの一方の前記鏡(32)が位置合わせされていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記鏡機構(30)の前記鏡(32)の前記2つの鏡面(38)は、それらの間の距離がxであり、
前記距離xは、前記入射光ビーム(100)に向けられた前記2つの鏡(32)の前記鏡面(38)の間の、前記鏡面(38)に直交する距離であり、
好ましくは、前記距離xは、前記ダイヤフラム(20)の前記アパーチャ(21)の幅の70%以上であり、前記ダイヤフラム(20)の前記アパーチャ(21)の7倍未満であることを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項4】
前記角度βは、0.001°~20°の範囲にあり、好ましくは0.01°~10°の範囲にあり、より好ましくは0.1°~5°の範囲にあり、より好ましくは0.2°~1°の範囲にあり、特に好ましくは0.5°~1°の範囲にあることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記鏡機構(30)の前記完全鏡(36)は、前記部分鏡(34)に対して回転可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記カメラレンズ(42)は、ビーム方向(S)の前記ダイヤフラム(20)の前、又は前記鏡機構(30)と前記カメラ(40)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記ダイヤフラム(20)は、スリット幅がbであるスリットを含み、前記スリット幅bの最大値は、前記光ビームの波長λと、前記カメラレンズの焦点距離f
lensと、前記カメラチップの最大局所サンプリング周波数f
_max_cameraとの積以下であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
前記ダイヤフラム(20)は、直径がdである円形アパーチャを有し、前記直径dの最大値は、前記光ビームの前記波長λの1.22倍と、前記カメラレンズの焦点距離f
lensと、前記カメラチップの最大局所サンプリング周波数f
_max_cameraとの積以下であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記ダイヤフラム(20)はグレーティングダイヤフラムである、又は、前記ダイヤフラム(20)は偏光フィルタ又は周波数フィルタを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記部分鏡(34)は偏光を行うように設計されており、それによって、第1の部分ビーム(110)が反射し、直交偏光された第2の部分ビーム(120)が透過し、前記第2の部分ビーム(120)は前記完全鏡(36)に反射してから前記カメラ(40)に到達することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記光の前記2つの直交偏光された部分ビーム(110、120)を前記カメラ(40)に対して干渉可能にするために、前記鏡機構(30)と前記カメラ(40)との間に偏光解消素子が配置されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項12】
前記部分鏡(34)は反射率と透過率とが異なっており、前記透過率は前記反射率より高いことが好ましいことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記カメラ(40)で生成された測定信号を制御/評価ユニット(18)が受信して処理し、それによって、前記干渉する部分ビーム(110、120)の前記測定信号から、測定対象の前記物体(22)の前記表面(24)の測定変数特性が決定され、前記測定変数は、前記表面(24)の特性に関する言明が行われることを可能にすることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記カメラで生成された測定信号を評価ユニットが受信して処理し、それによって、前記干渉する部分ビームの前記測定信号から、測定対象の前記物体の前記表面の測定変数特性が決定され、前記測定変数特性は、前記表面の特性に関する言明が行われることを可能にする、請求項1~13のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項15】
干渉測定法により物体(22)の表面(24)の非破壊測定を行うこと、並びに、物体(22)の表面(24)の特性を決定することの方法であって、
測定装置(10)を用意するステップであって、ダイヤフラム(20)と、前記ダイヤフラム(20)の背後に配置された、2つの鏡(32)を有する鏡機構(30)であって、前記2つの鏡(32)はそれぞれ鏡面(38)を有し、前記2つの鏡(32)のうちの1つは部分透明部分鏡(34)であり、前記2つの鏡(32)のうちの1つは完全鏡(36)であり、前記完全鏡(36)は、放射方向(S)の、前記部分透明部分鏡(34)の背後に配置されている、前記鏡機構(30)と、カメラレンズ(42)と、局所サンプリング周波数を有するカメラチップを有するカメラ(40)と、を有する前記測定装置(10)を用意する前記ステップと、
光ビームを生成して、測定対象の前記物体(22)の前記表面(24)を照射するステップと、
前記表面(24)に反射した前記光ビーム(100)が前記ダイヤフラム(20)を通り、前記ダイヤフラム(20)の背後に配置された前記鏡機構(30)に直接当たるように、前記反射した光ビーム(100)をガイドするステップと、
前記光ビーム(100)が2つの部分ビーム(110、120)に分割され、その両方が前記カメラ(40)に方向付けられるように前記鏡(32)の一方を回転させることによって、前記部分鏡(34)と前記完全鏡(36)との間の所望の角度βを調節するステップと、
前記カメラ(40)により前記2つの部分ビーム(110、120)を記録し、それらの干渉重畳の測定信号を生成するステップと、
前記入射光ビーム(100)が前記ダイヤフラム(20)を通過するときに回折されて、その空間周波数f
_lightが、最大で、前記カメラチップ上での検出中の前記カメラチップの最大局所サンプリング周波数f
_max_cameraと一致するように、前記ダイヤフラム(20)を調節するステップと、
前記測定信号を評価して、測定対象の前記物体(22)の前記表面(24)の特性に関する言明が行われることを可能にする、前記表面(24)の測定変数特性を決定するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉測定法を用いて物体の表面の非破壊測定を行う測定装置に関する。この装置は、ダイヤフラム、鏡機構、及びカメラを含む。
【背景技術】
【0002】
干渉測定法による物体表面の非破壊測定は、原理的に知られており、信頼できる方法として確立されている。例えば、干渉計がこの目的で使用される。シアログラフィの原理に基づく干渉計も知られている。
【0003】
シアログラフィは、表面の非接触高感度欠陥検出を行う非破壊レーザ検査方法でもある。これは特に、繊維強化プラスチックで作られた現代的な軽量素材の測定に適する。シアログラフィは、航空宇宙産業において、又、自動車産業においてもますます、品質保証の中心的役割を果たしている。これらの分野では、エネルギ消費の低減及び資源の関連利用が今後の動向を決定する。
【0004】
現代のシアログラフィ測定装置は、自由に調節可能な「せん断(シア)」により動作する。これは、測定タスクに応じた感度を設定するための決定的なパラメータである。更に、シアログラフィ成分分析での定性的な結果及び定量化可能な結果の典型的なデータ処理に、今日ではいわゆる位相シフト法が用いられている。
【0005】
シアログラフィ及び空間位相シフトの原理に基づく測定装置が国際公開第2020164667A1号に記載されており、そこではマッハツェンダー干渉計が使用されている。レーザ光を照射された測定物体に反射したレーザ光が第1のビームスプリッタに当たって、2つの成分に分割される。各成分は、別々の鏡に向けられ、それらに反射する。1つの鏡は、45°の位置から角度βだけ傾いており、これによって、シアログラフィに必要な所望の「せん断」が作り出される。これら2つの成分は、その後、それぞれ1つのダイヤフラムを通過し、それによって、ダイヤフラムの1つが光学中心軸からずれる。これら2つの成分は、その後、第2のビームスプリッタにおいて再度マージされて、所望の干渉結果が得られる。これがカメラで画像化されて、シアログラフィ測定が実施可能になる。しかしながら、そのような測定システムの構築は複雑であり高価である。
【0006】
他のよく知られたシアログラフィ測定装置は、環境の影響に非常に敏感でもあり、工業用途での使用が困難である。特に、温度の変動、振動、又は邪魔な周囲光は、測定を妨げたり、測定結果を使用不能なレベルまで歪ませたりする外乱をたびたび引き起こす。これらのシステムを確実に使用可能にするために、動作が低速の測定装置が使用されるか、高安定化の取り組みが実施される。前者の場合は、しかしながら、複数回の測定が必要になり、後者の取り組みは、例えば、振動を絶縁する測定台、又は測定室の振動を打ち消す特殊な基礎を使用することによって行われる。多くの場合、強力な光源の使用(例えば、強力なレーザの使用)も測定のためには必要であり、これは、レーザ安全クラスを高くすることの強い必要性、及び強力なレーザのための高コストを必然的に伴う。更に、これらの測定システムは、行われる測定のために高価であるだけでなく、柔軟性に乏しく、移動が限定的であり、大きなセットアップを必要とし、使用に時間がかかる。更に、これらのシステムは、多くの場合、ユーザフレンドリではなく、工業環境において限定的にのみ使用可能である。
【0007】
独国特許発明第4231578C2号、米国特許第6,606,160B1号、特開平第63009802A号、及び欧州特許出願公開第0189482A1号に記載の測定セットアップ及びシステムは、必要な位相情報が測定中に時間経過とともに得られるシアログラフィ用光学センサセットアップを示している。これらは全て、測定中に横方向に動かされなければならない少なくとも1つの鏡、又は、測定中にその光学屈折率に関して制御されなければならない光学的伝送素子を有する。これらの特殊な、高精度の電気機械構成要素又は光電気構成要素が高コストであることに加えて、これらは、測定ごとに位相情報を取得するために絶えず制御を必要とすることにより、測定のロバスト性が大幅に低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで課題は、当該技術分野の現状の不利点を克服し、ユーザフレンドリであり、コスト効率の高い、改良された測定装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する測定装置と、請求項15に記載の特徴を有する方法とによって解決される。
【0010】
一態様では、本発明は、干渉測定法を用いて測定物体又は物体の表面の非破壊測定を行う測定装置であって、表面に反射した光ビームとしての光が当たる測定装置に関する。本発明による測定装置は、アパーチャを有するダイヤフラムと、鏡機構と、カメラレンズと、カメラとを含む。鏡機構は2つの鏡を有し、2つの鏡はそれぞれ鏡面を有し、2つの鏡のうちの1つは部分透明部分鏡であり、2つの鏡のうちの1つは完全鏡であり、完全鏡は、放射方向の、部分透明部分鏡の背後に配置されている。
【0011】
入射光ビームはダイヤフラムを通過し、回折されてから鏡機構に当たり、そこで2つの部分ビームに分割されて偏向されてからカメラに到達する。光ビームの部分ビーム同士がカメラ内で干渉する。光ビームは、カメラの前のカメラレンズをビーム方向に通過する。本装置では、鏡機構の一方の鏡は、2つの鏡が、鏡面に垂直な面内に非ゼロ角度βを囲むように、他方の鏡に対して回転可能である。
【0012】
本発明による測定装置では、カメラは、局所サンプリング周波数を有するカメラチップを有する。カメラチップの局所サンプリング周波数は、チップの感光画素間の距離である。画素は正方形であることが好ましい。最大で、カメラの2画素当たり1振動の空間周波数を有する光を検出できることが好ましい。局所サンプリング周波数の物理単位は[1/m]である。
【0013】
空間位相シフトを実施するためにはダイヤフラムの使用が必須である。本発明によれば、ダイヤフラムの設計は、反射した光ビームがダイヤフラムを通過する際に所望の様式で回折されるように行われる。光ビームの回折は、その空間周波数flight(すなわち、光の空間周波数)が、最大で、カメラチップ上での検出中のカメラチップの最大局所サンプリング周波数fmax cameraと一致するように行われる。光信号の空間周波数という用語は、空間軸上の明るい部分と暗い部分のシーケンスを意味し、これも単位は[1/m]である。従って、ダイヤフラムによる光回折の生成は、最大で、カメラに当たる光の1つの明るい干渉の山又は1つの暗い干渉の谷がカメラ画素上に画像化されるように行われる。
【0014】
従って、次式が適用されることが好ましい。
flight≦fmax camera又はflight≦1/(2×bpixel) (但し、bpixel=カメラチップの画素幅)
【0015】
別の態様では、本発明は、そのような測定装置と評価ユニットとを有する測定システムに関し、評価ユニットは、カメラで生成された測定信号を受信して処理し、それによって、干渉する部分ビームの測定信号から、測定対象の物体の表面の測定変数特性が決定され、この測定変数特性は、表面の特性に関する言明が行われることを可能にする。表面の特性として、表面のテクスチャ、品質、変形、歪み、及び欠陥(あれば)、又は表面の均一性が挙げられる。表面接続の品質も決定されてよい。
【0016】
本発明の別の態様は、対応する方法とコンピュータプログラム製品とストレージ媒体とに関し、コンピュータプログラム製品は、プログラムコードがコンピュータ上で実行されたときにこの方法の各ステップを実施するそのプログラムコードを含み、ストレージ媒体は、コンピュータ上で実行されたときに本明細書に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが格納されている。
【0017】
従属請求項には、本発明の好ましい実施形態が記載されている。当然のことながら、上述の特徴、及び後で説明される特徴は、各事例で示される組み合わせにおいて使用されてよいだけでなく、本発明の範囲から逸脱しない限り、他の組み合わせにおいても、又は単独でも使用されてよい。具体的には、本方法及びコンピュータプログラム製品は、従属請求項において測定装置に関して記載されている実施形態に従って実施されてよい。
【0018】
本発明の文脈では、光が測定装置に入ってからカメラに至る光路が、2つのビームスプリッタを含む、マッハツェンダーセットアップに基づく測定装置においては非常に長いこと、並びにこれによってカメラ画像において影が発生することが分かっている。つまり、大きな測定物体をキャプチャすることは簡単ではなく、幾つもの測定ステップを必要とする。これは、約400mmの典型的な測定距離での測定範囲がDIN A4ページのサイズに相当するものでしかないためである。光の光路は、マイケルソンセットアップの装置の場合もわずかに短いだけなので、同じ問題が発生する。
【0019】
更に、光が2つのビームスプリッタを通過するときに不要な光の反射や吸収が引き起こされ、これは、レーザ測定光の減少につながる。従って、物体を照明するために強力なレーザ源を使用しなければならず、それによって、レーザのコストが上昇し、レーザ安全クラスを高くするための更なるコストが発生する。更に、反射によって結果の品質が低下する。
【0020】
本発明の一部として、シアログラフィに必要な、2つの光ビームのシフトが別の方法で生成されうることも分かった。この目的のために、研究で明らかになったこととして、測定物体に反射した光ビームがまずダイヤフラムを通過し、その後、鏡機構に直接当たって、光ビームが2つの部分ビームに分割され、それによって、一方の鏡を傾けるかねじることによって部分ビーム同士を分岐させて、それらがカメラ内で干渉しうるようにした場合に、必要なシアを生成することが可能である。即ち、測定物体に反射した光ビームを回折させる、分割する、又は反射する構成要素が介在しない。
【0021】
従って、鏡機構の設計は、鏡機構に当たった光ビームが部分鏡において第1の部分ビームと第2の部分ビームとに分割されて、第1の部分ビームが反射してカメラに向けて方向付けられるように行われる。第2の部分ビームは、部分鏡を通過し、完全鏡に反射してカメラに向けて方向付けられる。第2の光ビームは部分鏡を再度通過するが、このときは、別の方向に且つ偏向されずに通過する。
【0022】
本発明による測定装置の利点として、独立したビームスプリッタを省略でき、測定装置内の光路を短くすることが可能である。光路が短くなることにより、測定中に影ができる作用が少なくなり、それによって、マッハツェンダーセットアップの2倍の広さの測定範囲が測定可能になる。反射及び吸収による損失が最小限になり、これは特に既知のセットアップの場合より顕著に少なくなるため、レーザ安全クラスが最も低い低出力レーザの使用が可能になり、これによってコストが下がり、又、レーザの安全性及び防護の高い要件がなくなる。
【0023】
先行技術と異なり、位相情報は、本発明によれば、「空間位相シフト」の原理を用いて生成される。更に、(特別に調節され、特別に配置された)標準的な構成要素が使用可能である。中心的な利点として、この光学セットアップには、測定中に動く又は連続的に制御される構成要素が含まれない。測定中に動かない構成要素は、測定のロバストネスを大幅に(およそ10倍)高める。このことは、この測定装置及び測定方法が厳しい工業環境でも初めて使用できることを意味する。
【0024】
本発明によれば、従って、そのような機構は又、二重鏡シアリング干渉計、具体的には、非常に狭い空間にセットアップ可能であって非常に良好であり信頼できる測定結果をもたらす小型二重鏡シアリング干渉計の基盤としての役割を果たす。この機構は、ほんのわずかな構成要素で実現可能であり、従って、低コストであり、又、環境の影響に対しても非常にロバストである。更に、設置及び調節の作業が軽減される。本システムは移動可能であり、所望の測定場所において容易に展開可能である。
【0025】
本発明による測定装置の好ましい実施形態では、鏡機構に当たった光ビームがカメラの方向に角度αで反射してカメラに当たるように、鏡機構の一方の鏡が位置合わせされる。角度αは、好ましくは少なくとも70°であり、非常に好ましくは少なくとも80°であり、特に好ましくは90°である。更に、角度αは最大で110°であり、好ましくは最大で100°である。理想的には、角度αは90°である。しかしながら、実際に有用である、許容可能な測定結果は、やはり±20°の角度範囲内で達成されうる。
【0026】
別の好ましい実施形態では、鏡機構の各鏡は、反射又は部分反射が起こる鏡面が互いに距離を置くように設計されている。この距離は0ではなく、それによって、鏡機構において形成される2つの部分ビームはオフセットされる。2つの鏡面の間の距離xは、入射光ビームに向けられた鏡面の間の、鏡面に直交する距離として定義されている。従って、鏡面は、入射光ビームの反射又は部分反射が起こる鏡の表面であると見なされる。好ましい実施形態では、鏡面同士のこの距離xは、使用されるダイヤフラムのアパーチャの幅の70%以上である。更に、実際的な研究の結果によれば、距離xは、ダイヤフラムのアパーチャの7倍より大きくてはならない。
【0027】
従って、次式が適用されることが好ましい。
bmax diaphragm×cos(45°)≦x≦10×bmax diaphragm×cos(45°)
【0028】
これらの条件の下では、カメラの視野方向から仮想二重スリットが見えており、これは、空間位相シフトのための、又は、光位相決定を目的とする空間周波数サンプリングのための、十分良好な空間周波数をもたらす。
【0029】
本発明による測定装置の別の同様に好ましい実施形態では、鏡機構の一方の鏡が鏡機構の他方の鏡に対して回転する角度は0.001°~20°の範囲にある。好ましくは、この角度βの範囲は0.01°~10°であり、より好ましくは、角度βは0.1°~5°の範囲にある。実際の使用時には、角度βが0.2°~1°の範囲にあるときに非常にロバスト且つ有効な測定値が得られた。角度βの範囲としては0.5°~1°が、物体の表面特性を決定する様々な測定における最適動作範囲として確定した。
【0030】
原理的には、鏡機構のどちらの鏡を回転可能にして、どちらの鏡を固定鏡として設計するかはどちらでもよい。しかしながら、実際の適用では、鏡機構のうちの完全鏡が部分鏡に対して回転可能である場合が有利であることが示された。従って、部分鏡が固定され、完全鏡が回転可能である。
【0031】
測定装置の好ましい実施形態では、良好な測定結果を生成するために、カメラレンズは、ビームの方向の、ダイヤフラムの前に配置されてよい。代替として、鏡機構とカメラとの間にカメラレンズを配置することが可能である。いずれの場合も同様に良好な測定結果が達成される。従って、カメラの用途及び設計に応じて、レンズの配置方式が異なる。
【0032】
本発明による測定装置の同様に好ましい実施形態では、ダイヤフラムは、スリット幅がbであるスリットを含み、スリット幅bの最大値は、光ビームの波長λと、カメラレンズの焦点距離flensと、カメラチップの最大局所サンプリング周波数fmax cameraとの積以下である。
【0033】
従って、ダイヤフラムの最大ギャップ幅に対して次式が適用されることが好ましい。
bmax diaphragm≦λ×f×fmax camera又はbmax diaphragm≦λ×f×1/2bpixel
【0034】
本測定装置の別の好ましい実施形態では、ダイヤフラムは、直径がdである円形アパーチャを含む。このことは、カメラ画像の空間解像度の向上、即ち、横方向の測定精度の向上につながる。直径dの最大値は、好ましくは、光ビームの波長λの1.22倍と、カメラレンズの焦点距離flensと、カメラチップの最大局所サンプリング周波数fmax cameraとの積以下である。
【0035】
従って、ダイヤフラムの最大円直径に対して次式が適用されることが好ましい。
dmax diaphragm≦1.22×λ×f×fmax camera又はdmax diaphragm≦1.22×λ×f×1/2bpixel
【0036】
本発明の別の好ましい実施形態では、本測定装置のダイヤフラムのアパーチャは、偏光フィルタを含み、従って、光ビームのうちの特定の偏光を有する光又は光成分だけを透過させる。これにより、追加コーティングが適用されること、並びに個々の波面が区別されることが可能になる。結果として、同時の追加の位相評価が可能である。又、それぞれが偏光フィルタを有する2つの、好ましくは直交するように位置合わせされたアパーチャ又はスリットをダイヤフラムが有することも好ましい。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態では、本測定装置のダイヤフラムのアパーチャは、特定の波長だけがダイヤフラムを通過できるようにする周波数フィルタを有する。これにより、やはり、追加コーティングが適用されることが可能になり(特に多波長照射の場合)、個々の波面を区別することが可能になる。結果として、同時の追加の位相評価が可能であり、例えば、いわゆる面内変形測定に関して可能になる。
【0038】
好ましくは、本測定装置は複数のダイヤフラムを有してよく、これらのダイヤフラムは様々な設計がなされており、例えば、上述のダイヤフラムの組み合わせである。
【0039】
本測定装置は、好ましくは、2つの鏡を有する鏡機構に加えて他の鏡も含んでよい。例えば、鏡機構は、2つの部分鏡と1つの完全鏡とを含んでよい。
【0040】
本測定装置のカメラは、好ましくは、CCDカメラ、偏光カメラ、又はカラーカメラであってよい。他のタイプのカメラも想定可能である。
【0041】
本測定装置の好ましい実施形態では、ダイヤフラムはグレーティングダイヤフラムとして設計されている。グレーティングダイヤフラムを使用すると、より多くの光がカメラチップに届くことが可能になり、それによって、単一アパーチャダイヤフラムでの測定に比べて露光時間が短くなり、全体として測定はよりロバストになる。グレーティングダイヤフラムにとって特に好ましいのは、2つの寸法の特定のアパーチャスリット幅を有することであり、それらのスリット幅は同じ寸法を有することが好ましい。もちろん、スリット幅は寸法が異なっていてもよい。
【0042】
別の好ましい実施形態は、第1の部分ビームが反射し、直交偏光された第2の部分ビームが透過するように、部分鏡が偏光されることを可能にする。第2の部分ビームは、その後、完全鏡に反射してからカメラに到達する。部分鏡は再度通過される。完全鏡に反射した光は「正しい」偏光を有するため、妨げられずに鏡を通過することが可能である。例えば、2つの鏡の間の時々の多重反射を防ぐために偏光部分鏡が使用されてよい。
【0043】
偏光部分鏡を使用する場合は、鏡機構とカメラとの間に偏光解消素子を配置することが好ましい。偏光解消素子は、二重鏡機構からの2つの偏光部分ビームを再度非偏光にするものであり、即ち、偏光をキャンセルして部分ビーム同士が干渉できるようにするものである。
【0044】
本測定装置の別の好ましい実施形態は、反射率と透過率とが異なる部分鏡を有する。透過率が反射率より高いことが特に好ましい。原理的には反射率及び透過率は1%~99%の範囲で可変であることにより、実際には反射率が40%で透過率が60%(いずれの場合も±10%)であるのが適切であると考えられる。反射率と透過率が同じであることも可能である。
【0045】
好ましい実施形態では、本測定装置は評価ユニットを有し、評価ユニットは、カメラで生成された測定信号を受信して処理する。このように、干渉した部分ビームの測定信号を使用して、測定対象の物体の表面の特性である測定変数が決定される。それによって、表面の特性に関する言明が行われることが可能である。
【0046】
別の好ましい実施形態では、本測定装置は、光ビームが通過することを可能にする開口を有するハウジングを含んでよい。ハウジングは、好ましくは、本測定装置の各要素、具体的には、ダイヤフラム、鏡機構、カメラレンズ、及びカメラを収容する。この場合、ダイヤフラムは、開口の背後に配置されることが好ましい。カメラレンズは、好ましくは、ダイヤフラムと開口との間、開口内、又は開口の前に配置されてよい。
【0047】
好ましくは評価ユニットも含む、本明細書に記載の測定装置及び/又はシステムを使用して、物体及び物体表面の特性に関する結論を引き出すために多数の測定を実施することが可能である。そのような測定として、例えば、粗さの測定、平面度の測定、表面形状勾配の測定、及び相対的な測定(例えば、相対的な厚さの測定、相対的な勾配の測定、及び相対的な歪みの測定)が挙げられる。所定の刺激による変形測定も可能である。これにより、表面上又は表面下の、ひび割れ、不均質性、層間剥離、異物混入、気泡等の欠陥に関する言明が行われることが可能である。従って、そのような測定は非破壊検査を意味する。別の測定方法として振動解析がある。その場合、各構成要素には振動荷重による応力がかかる。ここからは、添付図面に関連する幾つかの選択された実施形態に関して、本説明についてのより詳細な記述及び説明を行う。図面は次のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】ダイヤフラム及び鏡機構を有する、本発明による測定装置を示す図である。
【
図2】物体の表面を測定する測定システムであって、測定装置、光源、及び制御/評価ユニットを含む測定システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明による測定装置10は、アパーチャ21を有するダイヤフラム20と、2つの鏡32を有する鏡機構30と、カメラ40と、カメラレンズ42とを含む。
【0050】
鏡機構30の一方の鏡32は部分透明部分鏡34として設計されており、他方の鏡32は完全鏡36である。完全鏡36は、入射光ビーム100の放射方向(矢印)Sの、部分鏡34の背後に配置されている。ここで図示している実施形態では、部分鏡34は完全鏡36に対して角度βだけ回転しており、それによって、2つの鏡32の配置はもはや平行ではない。2つの鏡32は互いに間隔を置いて配置されており、その距離はxである。距離xは、2つの鏡32が互いに平行に配置されたときの鏡32の鏡面38同士の距離である。
【0051】
光ビーム100は、測定装置10に当たると、まずダイヤフラム20を通過し、その後、鏡機構30に向かってまっすぐに方向付けられる。これは、他の光学素子を全く介在させずに行われることが好ましい。光ビーム100は、部分鏡34の鏡面38に当たり、一部がそれに反射して第1の部分ビーム110となって、カメラの方向に偏向される。部分ビーム110はカメラレンズ42を通過してカメラ40に至り、ここでは図示していないカメラチップに当たる。
【0052】
光ビーム100の一部は部分鏡34を透過して、完全鏡36の鏡面38に当たる。光ビーム100のこの一部はそれに反射して、第2の部分ビーム120としてカメラ40に到達する。2つの部分ビーム110及び120はカメラ40内で互いに干渉し、それによって、これら2つの部分ビームは、カメラ40に当たるときには互いに平行ではない。空間位相シフトに必要なキャリア周波数は、2つの鏡32の間の距離xによって生成される。この結果として、ビーム方向が横方向にシフトする。鏡32の一方を回転させることにより、2つの鏡の間の距離、2つの鏡面の互いに対するシア角度も同時に変化する。従って、測定に関する調節は、非常にきめ細かく行われることが可能であり、小幅なステップで可変又は可能である。装置の微調節は容易に実施可能である。
【0053】
図1に示した測定装置は、部分鏡34が完全鏡36に対して回転することを可能にしている。ここで図示している実施形態では、完全鏡36に入射した光ビーム100が、完全鏡36に角度αで反射して、第2の部分ビーム120としてカメラ40に到達する。ここで図示した例では、角度αは90°又はほぼ90°である。
【0054】
代替として、且つ特に好ましくは、部分鏡34が固定されていて、完全鏡36が回転可能であり、それによって、部分鏡34に入射した光ビーム100と、反射した第1の光ビーム110との間の角度αは、部分鏡34の適切な配置により、70~110°の範囲にあり、 好ましくは90°±2°である。
【0055】
図2は測定システム12を示しており、これは、
図1の測定装置10と、測定装置10用のハウジング14と、レーザ16の形態の光源と、制御/評価ユニット18とを有し、制御/評価ユニット18は、一方ではレーザ16を制御及び調整することが可能であり、他方ではカメラ40から測定信号を受信し、これを処理して、測定対象物体22の表面の測定変数特性にする。
【0056】
レーザ16で生成されたレーザビームは、測定対象物体の表面24に向けて方向付けられ、そこで測定装置の方向に反射する。反射した光ビーム100は、開口15を通ってハウジング14に入り、まず測定装置10のダイヤフラム20を通過し、その後、鏡機構30に当たる。ここで、光ビーム100は、上述のように、第1の部分ビーム110と第2の部分ビーム120とに分割され、両部分ビームは、カメラ40に当たるときに互いに平行ではなく、そこで互いに干渉する。2つの鏡32を互いに対して回転させることにより、且つ、2つの鏡32の間の距離xによって引き起こされるオフセットにより、必要な「シア」が生成され、これがシアログラフィ評価のためには必要である。
【0057】
従って、本発明の測定装置は、非常に低コストであり、設計がシンプルであるという利点がある。カメラレンズ42を有するカメラ40以外で必要となるのは、ダイヤフラムと、部分透明部分鏡34(例えば、半透明半鏡)及び完全鏡36を有する二重鏡機構だけである。鏡32の一方、例えば、ここで図示しているように部分鏡34が完全鏡36に対して角度βだけ傾いているためにシアが生成され、これがシアログラフィのためには必要である。従って、この例示的実施形態では、部分鏡は、完全鏡36が位置している「45°位置」の外に回転している。反射した2つの成分(部分鏡34又は完全鏡36からの第1の部分ビーム110及び第2の部分ビーム120)は、カメラに向かっている途中でマージされるが、遅くともカメラ内でマージされるため、所望の干渉が発生する。結果として得られる干渉パターンがカメラで画像化されて、シアログラフィ測定が実施可能になる。カメラの視点から見ると、2つの鏡の間の横方向オフセット(距離x)によって仮想二重スリットが生成される。結果として、2つの光成分(第1の部分ビーム、第2の部分ビーム)の重畳には、空間位相シフトに使用される追加キャリア周波数が含まれる。
【0058】
使用する成分がごく少ないため、非常に小さいコンパクトな設計が可能である。この測定装置は、全体として、非常にロバストであり、且つ移動性が高いため、様々な場所で容易に使用できる。
【0059】
図2は任意選択のフィルタ44を示しており、これは、ダイヤフラム20の前のビーム経路内に配置される。フィルタ44は光学フィルタであり、例えば、色フィルタ又は偏光フィルタであってよい。フィルタ44は又、任意選択で、ダイヤフラム20と鏡機構30との間、又は鏡機構30とカメラ40との間に配置されてよい。但し、ダイヤフラムと鏡機構との間には、測定光を回折させる、分割する、又は反射する構成要素があってはならない。測定光は、測定物体に反射したレーザ光であり、これがカメラ内で干渉重畳される。
【0060】
図面及び記述を参照しながら本発明を包括的に記述及び説明してきた。この記述及び説明は、限定的ではなく例示的であることを意図している。本発明は、開示の実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明を使用することにより、又、図面、本開示、及び以下の特許請求項を詳細に分析することにより、他の実施形態又は変形形態が明らかになるであろう。
【0061】
特許請求項においては、「含む(comprising)」及び「有する(with)」という語は、他の要素又はステップを除外しない。不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。特許請求項に記載の複数の項目の機能が単一の要素又はユニットによって実現されてよい。要素、ユニット、装置、及びシステムの一部又は全てが、対応するハードウェア及び/又はソフトウェアによって実施されてよい。特定の手段が異なる複数の従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。
【0062】
特許請求項中の参照符号は、制限的に解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0063】
10 測定装置
12 測定システム
14 ハウジング
15 開口
16 レーザ
18 制御/評価ユニット
20 ダイヤフラム
21 アパーチャ
22 物体
24 表面
30 鏡機構
32 鏡
34 部分鏡
36 完全鏡
38 鏡面
40 カメラ
42 カメラレンズ
44 フィルタ
100 光ビーム
110 第1の部分ビーム
120 第2の部分ビーム
S 光ビームの方向
X 距離
【国際調査報告】