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特表2024-537861一貫性のあるギャップを備えるゴルフクラブセットを作成するためのボール飛行データ予測システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】一貫性のあるギャップを備えるゴルフクラブセットを作成するためのボール飛行データ予測システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A63B71/06 R
A63B71/06 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520812
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022077631
(87)【国際公開番号】W WO2023060145
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/262,128
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/263,222
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エム. ブローディー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ディ. ウッド
(57)【要約】
システムは、個人および基準ロフト角を有する基準クラブに関連付けられた基準ボール飛行データを活用して、基準ロフト角とは異なるロフト角を有する他の候補ゴルフクラブについての予測ボール飛行特性を計算するように構成されたプロセッサを備えている。予測ボール飛行特性は、一貫性のあるギャッピングが行われたゴルフクラブセットの最適ロフト角について計算された推奨を実現可能な候補ゴルフクラブを使用した場合に予想される個人のゴルフショットの予測距離を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善するシステムであって、
基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットの各々について、前記個人に特有の第1のデータセットを生成するトラッキング装置であって、前記第1のデータセットは、ゴルフボールの動きに関連する基準ボール飛行特性を含む、前記トラッキング装置と、
前記トラッキング装置と動作可能に通信し、前記第1のデータセットを1つ又は複数の候補ゴルフクラブの予測ボール飛行特性を定義する第2のデータセットに変換するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記複数のゴルフショットから得られた前記第1のデータセットによって定義される前記基準ボール飛行特性を正規化し、
前記ロフト角と前記ボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛距離の変化を予測するように構成された所定のボール飛行傾向関数に、正規化された前記基準ボール飛行特性と候補ロフト角とを入力することによって、前記候補ロフト角について予測ボール飛行特性のセットを生成し、
前記個人の1つまたは複数の前記基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する1つまたは複数の調整計算からの出力を適用することによって、前記予測ボール飛行特性のセットを調整し、前記1つまたは複数の調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって予測計算の精度を向上させる、システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数の調整計算は、基準ボール速度値に対する前記基準クラブの偏差および基準スピンレート値に対する前記基準クラブの偏差による各予測ボール飛行特性への影響をそれぞれ考慮するボール速度調整成分およびスピンレート調整成分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサはさらに、
前記ボール速度調整成分または前記スピンレート調整成分に基づいて、ロフト角の変化1度あたりの、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の値について予想される変化を表す1つまたは複数の個人に特有の勾配値を決定するとともに、
前記1つまたは複数の個人に特有の勾配値を、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の個人別勾配合計値に組み入れるように構成され、
前記個人別勾配合計値は、ロフト角の変化1度あたりの前記予測ボール飛行特性の値の変化を表しており、
前記個人別勾配合計値は、予測ボール速度勾配、予測打ち出し角勾配、および予測スピンレート勾配のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサはさらに、
前記個人別勾配合計値と、前記基準ロフト角と前記候補ロフト角の間のロフト角差分と、を使用して、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の値を決定するように構成され、
前記予測ボール飛行特性のセットは、予測されるボール速度、予測される打ち出し角度、および予測されるスピンレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサはさらに、
前記候補ロフト角に基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性に対する前記1つまたは複数の調整計算の前記ボール速度調整成分のための調整パラメータのセットを選択するとともに、
前記候補ロフト角、前記ボール速度調整成分、および前記予測ボール飛行特性のための前記ボール速度調整成分の前記調整パラメータのセットに基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性に対する個人別勾配値のセットに含まれる第1の個人別勾配値を決定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサはさらに、
前記候補ロフト角に基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性のための前記1つまたは複数の調整計算の前記スピンレート調整成分の前記調整パラメータのセットを選択するとともに、
前記ロフト角候補、前記スピンレート調整成分、および前記予測ボール飛行特性のための前記スピンレート調整成分の前記調整パラメータのセットに基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる前記予測ボール飛行特性の個人別勾配値のセットから第2の個人別勾配値を決定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、
第2のデータセットを生成して、複数の候補ロフト角に関連付けられた複数の候補ゴルフクラブについての複数の予測ボール飛行特性のセットを定義し、前記複数の予測ボール飛行特性のセットのぞれぞれは前記複数の候補ロフト角に含まれる候補ロフト角に対するとともに正規化された前記基準ボール飛行特性と前記候補ロフト角とを前記所定の傾向関数に入力することから導出され、
前記個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する1つまたは複数の調整計算からの出力を適用することによって、前記複数の予測ボール飛行特性のセットを調整するよう構成され、前記1つまたは複数の調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって精度を向上させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサはさらに、各候補ゴルフクラブについて利用可能な各候補ロフト角について調整された予測ボール飛行特性を評価することによって、前記複数の候補ゴルフクラブから最適なギャッピングを持つ組み合わせを決定するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサはさらに、
前記複数の候補ロフト角に含まれる各候補ロフト角について予測ボール飛行距離を決定するとともに、
前記複数の候補ゴルフクラブのそれぞれについて、前記複数の候補ゴルフクラブの予測距離値の一貫性を最大にする候補ロフト角を選択するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のデータセットは、前記トラッキング装置によって生成された、前記基準ゴルフクラブを介したゴルフボールの動きからボール飛距離測定基準を表す第1のデータ構造のセットを含み、前記第2のデータセットは、前記基準ロフト角とは異なる候補ロフト角を有する候補ゴルフクラブについて予測された擬似ボール飛距離測定基準を含む第2のデータ構造のセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサはさらに、前記基準ロフト角とは異なる前記候補ロフト角を有する前記ゴルフクラブについて予測された前記擬似ボール飛距離測定基準の視覚的表現を表示するように構成され、前記視覚的表現は、当該視覚的表現が前記個人に特有の予測ボール飛行特性をより正確に表すように、前記個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の偏差を調整する前記1つまたは複数の調整計算からの出力の適用を示している、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善するシステムであって、
基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットの各々について、前記個人に特有の第1のデータセットを生成するトラッキング装置であって、前記第1のデータセットは、ゴルフボールの動きに関連する基準ボール飛行特性を含む、前記トラッキング装置と、
前記トラッキング装置と動作可能に通信し、前記第1のデータセットを1つまたは複数の候補ゴルフクラブの予測ボール飛行特性を定義する第2のデータセットに変換するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
(a)ロフト角と一般的なボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成された所定のボール飛行傾向関数を実行することにより、候補クラブの予測ボール飛行特性を生成し、ここで、前記プロセッサは、
所定のボール飛行傾向関数の全体傾向成分を含む勾配関数を用いるとともに前記基準ボール飛行特性のセットに含まれる基準ボール飛行特性を用いて、ロフト角の変化1度のあたりの予測ボール飛行特性の変化率を示す勾配値を導出するとともに、
前記予測ボール飛行特性の前記勾配値、および前記候補クラブの候補ロフト角と前記基準ロフト角との差に基づき、前記候補クラブを用いた場合に予測される前記個人の予測ボール飛行特性の値を決定する、システム。
【請求項13】
前記プロセッサはさらに、
ロフト角の変化1度あたりの前記予測ボール飛行特性の前記変化率に対する調整を示す1つまたは複数の調整成分を評価する1つまたは複数の調整計算を実行し、前記1つまたは複数の調整計算は、前記基準ボール飛行特性、前記候補ロフト角、および前記候補ロフト角に基づいて選択された調整パラメータのセットを組み込むものであり、
前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測されたボール飛行特性の勾配値をもたらす、評価後の前記全体傾向成分の結果と評価後の1つまたは複数の調整計算の結果とを組み合わせて、所定の通常のショット傾向から前記個人に特有の異常を考慮した、調整された予測ボール飛行特性を導出するように構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する調整計算からの出力を適用することによって、前記予測ボール飛行特性を調整し、前記調整計算は、プレイヤーに特有の誤差を考慮することによって、計算された予測精度を向上させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、ステップ(a)を繰り返して前記候補クラブについて複数の予測ボール飛行特性を導き出し、前記複数の予測ボール飛行特性は、前記候補クラブロフト角を有する前記候補クラブを使用した場合に前記個人がボールを打つ際の予測ボールスピン、予測スピンレート、予測打ち出し角の少なくとも1つを含むように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記複数の予測ボール飛行特性の少なくとも1つを使用してボールの予測軌道をモデル化することにより、前記個人がボールを打つ際の予測距離を生成し、前記予測距離は、前記個人のための所定のギャッピング目標に対応する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善する方法であって、
プロセッサを用いて、基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットに対応付けられた基準ボール飛行特性を定義するデータセットにアクセスするステップと、
前記プロセッサによって前記基準ボール飛行特性と、複数の候補クラブに関連する複数の候補クラブロフト角とを所定のボール飛行傾向関数に入力することによって、複数の候補クラブの各々についての予測ボール飛行特性のセットを生成するステップであって、前記予測ボール飛行特性のセットは、各候補クラブについての予測ボール飛行データを定義し、前記所定のボール飛行傾向関数は、ロフト角とボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成され、ロフトの1度の変化当たりの所定のボール飛行特性における予測変化を考慮するものであり、
各候補クラブの前記予測ボール飛行特性のセットは、前記複数の候補クラブのうち隣り合うものの間に18個の予測されたギャップを設定される、方法。
【請求項18】
前記個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する調整計算からの出力を適用することによって、候補クラブについての前記予測ボール飛行特性のセットの少なくとも1つを前記プロセッサによって調整するステップをさらに備え、前記調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって、予測計算の精度を向上させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサにより、前記候補クラブに関連する前記予測ボール飛行特性のセットの少なくとも1つを使用してボールの投影軌道をモデル化することにより、前記個人が前記複数の候補クラブに含まれる候補クラブでボールを打つ場合の予測距離を決定するステップをさらに備え、前記予測距離は、前記個人の所定のギャッピング目標に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
各候補クラブについて予測ボール飛行特性のセットを活用して、各候補クラブで前記個人がゴルフボールを打つ予測距離を前記プロセッサによって決定するステップと、
前記複数の候補クラブから、予測距離間の平均ギャップを画定する予測距離が目標ギャップに最も近くなると予想される選択部分の組み合わせを推奨するステップと、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(クロスレファレンスによる優先権)
本願は2021年10月5日に出願された米国仮出願第63/262,128号、および2021年10月28日に出願された米国仮出願第63/263,222号に基づく優先権を主張するものであり、これら出願のすべては参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、コンピュータ実装のゴルフショット分析および最適クラブ選択のためのコンピューティングおよびトラッキング技術に関し、より詳細には、ゴルフクラブセットのための複数の候補クラブのボール飛行データを予測するために基準クラブのボール飛行データを利用するトラッキングシステム、およびコンピュータに実装されたボール飛距離予測システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的なゴルフクラブセットは、(ドライバー、フェアウェイ・ウッド、ハイブリッド、アイアン、及び/又はウェッジ等の)複数のゴルフクラブを備えており、それら複数のゴルフクラブのそれぞれは、固有のロフト角を有するクラブヘッドを備えている。ロフト角が異なることで、それぞれのゴルフクラブは異なる飛距離のショットを打つことができる。セットに含まれる各クラブの距離を最適化することを、「セット・ギャッピング」という。適切なセット・ギャッピングを行うことで、ゴルファーが様々な距離のゴルフショットを打たんとする際に、ゴルフクラブセットから、所望の距離から数ヤード程度の飛距離が出せることが分かっているクラブを選び出すことができる。一般的に、セット内に一貫性のあるギャッピングを実現するために、各クラブのロフト角はフィッティングを行う際に選択される。しかしながら、個々のプレイヤーにとって最適なギャッピングを効率よく行うためのゴルフセットの組合せの予測計算に関する技術が不足している。また、フィッティングの際にゴルファーに異なるロフト角を有するクラブヘッドのすべての組合せを試し打ちしてもらい、それぞれのショット距離を計測することで一貫性のあるギャッピングを行うのは、非常に時間のかかるプロセスであり、現実的ではない。
【0004】
従って、本開示の技術分野には、一貫性のあるセット・ギャッピングを得るために、特定の個人の異なるクラブヘッドによるショット距離を正確かつ効率的に予測し、その個人に対して各クラブヘッドの特定のロフト角を推奨することができる、改良されたボール飛行予測演算技術に対する技術的ニーズが存在する。さらに、1本のクラブのボール飛行を測定することにより、セット全体のショット距離を正確に予測する必要がある。これにより、フィッティング中にプレイヤーが利用可能な全てのロフト角のクラブヘッドで打たなくても、クラブセットを適切にギャッピングすることができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、トラッキング装置と、トラッキング装置と動作可能に通信するプロセッサとを含むコンピュータ実装システムの形態をとることができる。トラッキング装置は、基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットの各々について、個人に特有の第1のデータセットを生成する。第1のデータセットは、ゴルフボールの動きに関連する基準ボール飛行特性を含む。プロセッサは、第1のデータセットを1つまたは複数の候補ゴルフクラブについての予測ボール飛行特性を定義する第2のデータセットに変換するように構成される。具体的には、プロセッサは、複数のゴルフショットから得られた第1のデータセットによって定義される基準ボール飛行特性を正規化し、ロフト角とボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成された所定のボール飛行傾向関数に、正規化された基準ボール飛行特性と候補ロフト角とを入力することによって、候補ロフト角について予測ボール飛行特性のセットを生成し、個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する1つまたは複数の調整計算からの出力を適用することによって、予測ボール飛行特性のセットを調整し、当該1つまたは複数の調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって予測計算の精度を向上させる。いくつかの実施形態では、当該1つまたは複数の調整計算は、基準ボール速度値に対する基準クラブの偏差および基準スピンレート値に対する基準クラブの偏差による各予測ボール飛行特性への影響をそれぞれ考慮するボール速度調整成分およびスピンレート調整成分を含む。
【0006】
本開示の態様は、以下のステップを含む方法の形態をさらに取り得る:プロセッサによって、基準クラブロフト角を定義する基準クラブを使用して個人が打った複数のゴルフクラブショットのボール飛行特性に対応付けられたデータにアクセスするステップであって、データセットは、複数のゴルフショットの各々について、ボール速度、打ち出し角度、スピンレート、クラブヘッド速度、頂点の高さ、飛距離及び/又は総距離を含む、ステップと、プロセッサによって、データセット内の各ボール飛行特性の平均にボール飛行傾向関数を適用して、各々が候補ロフト角を定義する複数の候補クラブについての一般的なボール飛行予測のセットを生成するステップと、プロセッサにより、ボール飛行予測の各々に1つまたは複数のボール飛行特性の調整を適用して、複数の候補クラブについての調整後ボール飛行予測のセットを生成するステップと、各推奨クラブに関連する予測距離間のギャップのばらつきが最小となる複数の候補クラブの組み合わせ(推奨クラブ)の推奨を生成するステップと、を含む。
【0007】
本開示の態様は、さらに、以下を含む動作を実行するためにプロセッサによって実行される命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体の形態をとることができる:プロセッサによって、基準クラブロフト角を定義する基準クラブを使用して個人が打った複数のゴルフクラブショットのボール飛行特性に関連するデータにアクセスするステップであって、データセットは、複数のゴルフショットの各々について、ボール速度、打ち出し角度、スピンレート、クラブヘッド速度、頂点の高さ、飛距離、及び/又は総距離を含む、ステップと、プロセッサによって、データセット内の各ボール飛行特性の平均にボール飛行傾向関数を適用して、各々が候補ロフト角を定義する複数の候補クラブについての一般的なボール飛行予測のセットを生成するステップと、プロセッサによって、ボール飛行予測の各々に1つまたは複数のボール飛行特性の調整を適用して、複数の候補クラブについての調整されたボール飛行予測のセットを生成するステップと、目標ギャップを決定するステップであって、目標ギャップは、候補クラブについて予測された距離間の所望の平均ギャップである、ステップと、目標ギャップに最も近い、推奨クラブの予測された距離間の平均ギャップを生成する、候補クラブ(推奨クラブ)と候補クラブロフト角との組み合わせの推奨を生成するステップと、を含む。
【0008】
前述の形態は、以下の詳細な説明をより良く理解できるように、本開示による実施例の様々な態様、特徴、および技術的利点を大まかに概説するものである。例示的な実施例の方法、装置、およびコンピュータ読み取り可能媒体の文脈で説明した上記の動作は必須ではなく、1つまたは複数の動作が除外されてもよく、及び/又は本明細書で説明した他の追加の動作が含まれてもよいことをさらに理解されたい。以下、追加の特徴および利点について説明する。本明細書において図示および説明される構想および具体例は、本開示の同一目的を遂行するための他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用することができる。そのような等価な構造は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱するものではない。
【0009】
本開示は、コンピュータに実装される、ゴルフショット分析および最適クラブ選択のためのコンピューティングおよびトラッキング技術に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】トラッキング装置を用いて、ゴルファーが基準クラブで打った複数のゴルフショットから基準ボール飛行データを生成するコンピュータ実装システムの図であり、基準ボール飛行データを予測モデルに適用して、複数の候補クラブについての予測ボール飛行特性、およびギャッピングを最適化する推奨ゴルフクラブセットを生成する(コンピューティングデバイス等の)プロセッサの図である。
【0011】
図1B】候補クラブの予測ボール飛行特性データを計算するために、図1Aで示したプロセッサによって実行される予測モデルのさらなる特徴を示す概略ブロック図である。
【0012】
図2A】本明細書で参照される様々な候補クラブの打ち出し角とロフト角を示す図である。
図2B】本明細書で参照される様々な候補クラブの打ち出し角とロフト角を示す図である。
図2C】本明細書で参照される様々な候補クラブの打ち出し角とロフト角を示す図である。
【0013】
図2D】ギャッピングを最適化するために使用された基準クラブショット及び/又は候補クラブの予測に対する飛距離及び総距離を示す図である。
【0014】
図3図1Aに記載された基準ボール飛行特性データのセットに関連する正規化を示す図である。
【0015】
図4A】候補ロフト角を有する候補クラブの予測ボール速度、予測打ち出し角、および予測スピンレートを得るための、図1Aに示されたプロセッサによって実行される予測モデルによるボール飛行予測を示す図である。
【0016】
図4B図4Aに示す予測モデルのボール飛行予測を示す図であり、ボール飛行傾向関数と1つまたは複数の調整計算を含む。
【0017】
図5A図4Aおよび4Bに示されたボール飛行予測におけるボール速度予測を示す図である。
【0018】
図5B図4Aおよび4Bに示されたボール飛行予測における打ち出し角予測を示す図である。
【0019】
図5C図4Aおよび4Bに示されたボール飛行における予測のスピンレート予測を示す図である。
【0020】
図6】複数の候補クラブについて、図1Aに示されたプロセッサによって実行される予測モデルの複数のボール飛行予測を示す図である。
【0021】
図7】総距離及び/又は飛距離を含む複数のボール飛行予測に基づく複数の候補クラブと基準クラブのギャップを示す図である。
【0022】
図8】ギャッピングと複数のボール飛行予測に基づいて複数の候補クラブから1つまたは複数の推奨クラブを選択する様子を示す図である。
【0023】
図9】各予測距離間のギャップのばらつきが最小化された予測クラブセットの推薦を生成するために、図1Aのシステムを実施するための1つのプロセスを表すプロセスフロー図である。
【0024】
図10】各予測距離間のギャップが所定の目標ギャップについて最適化された予測クラブセットの推薦を生成するために、図1Aのシステムを実施するための代替プロセスを表すプロセスフロー図である。
【0025】
図11A】ハイブリッド候補クラブの予測ボール飛行特性データのセットを調整するための全体的なハイブリッド調整を示す図である。
【0026】
図11B】フェアウェイウッド候補クラブの予測ボール飛行特性データのセットを調整するための全体的なフェアウェイウッド調整を示す図である。
【0027】
図12図1Aのシステムを実施するためのプロセスを表すプロセスフロー図であり、システムはさらに、「プレイ不可能」と判定された予測クラブに対して交換クラブを推奨する図である。
【0028】
図13】本明細書で説明するシステムのさらなる非限定的な詳細を説明するための例示的なユーザーインターフェース(UI)のスクリーンショットである。
【0029】
図14】本明細書で説明するシステムのさらなる非限定的な詳細を説明するための例示的なユーザーインターフェース(UI)の別のスクリーンショットである。
【0030】
図15】本明細書に記載の機能を実行するために実装され得る例示的なコンピューティングシステムである。
【0031】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付図面を考慮することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の態様は、基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブでショットを打つ個人の基準ボール飛行データを測定し、(候補ゴルフクラブを使用した個人のボール飛行データを測定する必要なく)基準ロフト角とは異なるロフト角を有する他の候補ゴルフクラブの予測ボール飛行特性を計算するために基準ボール飛行データを活用するコンピュータ実装システム、およびこれに関連する方法に関する。予測ボール飛行特性は、一貫した、または予め定義されたギャッピング目標を有するゴルフクラブセットの最適ロフト角について計算された推奨を実現可能な候補ゴルフクラブを個人が使用した場合に予想されるゴルフショットの予測距離を含むことができる。
【0033】
このシステムは、プレイヤーがショットを打った1本のクラブから測定されたボール飛行データを記録し、そのデータをクラブセット全体に対するプレイヤーのボール飛行特性の予測に変換するものである。このシステムは、一般的なボール飛行傾向を適用し、正確な予測を行うためにプレイヤー特有の調整を加味する。一般的なボール飛行傾向は、プレイヤーのテストデータの大規模なサンプルから導き出される。プレイヤー特有の調整は、プレイヤーの測定データとボール速度やスピンレートなどの特定のボール飛行特性の平均値との間の偏差に対応する。
【0034】
より具体的には、システムは、基準クラブ(例えば、セット内のクラブのうちの1つ、好ましくは7番アイアンのようなミドルアイアン)によって打たれたゴルフショットのセットに対応する基準ボール飛行データを測定および記録する追跡デバイスを含むことができ、さらに、基準ボール飛行データを活用して、セット内の他の潜在的な候補クラブ(例えば、他のミドルアイアン、ショートアイアン、ロングアイアン、ハイブリッド、及び/又はフェアウェイウッド)のボール飛行に関する予測、または予測ボール飛行特性のセットを生成する(1つまたは複数の)プロセッサまたは処理装置を備えている。例えば、(候補クラブのロフト角等の)候補クラブに関連するパラメータを個人特有の基準ボール飛行データとともに予測モデルに適用することができ、予測モデルを実行するプロセッサは、そのような入力を利用して、1つまたは複数の候補クラブについての予測ボール飛行特性データを出力することができる。いくつかの例では、予測モデルは、予測されたボール飛行特性データを、所定のプレイヤー・パフォーマンス閾値からのプレイヤー特有の偏差を考慮して調整することができる1つまたは複数のプレイヤー特有の調整計算をさらに含む。
【0035】
加えて、プロセッサは、複数の候補クラブから選択された「推奨クラブ」のセットをさらに出力することができ、各候補クラブは、個人のためのギャッピングをまとめて最適化する「推奨ロフト角」を有する。このように、システムは、セットのギャッピングを最適化するためにセット内のすべてのクラブについて予測されたロフト角の最適な組合せを特徴とする、(予測モデルによって予め決定され、定義される)様々な計算に基づいて、複数の候補クラブから推奨される組合せまたはセットのクラブを推奨、選択、または特定することができる。システムは、本明細書に記載されるように、隣り合うクラブ間の各ギャップの予測ばらつきが総じて最小となるゴルフクラブ群を選択することによって、推奨クラブのセットのギャッピングを最適化することができる。いくつかの例では、システムは、個人によって指定された特定の基準を満たすギャップを総じて実現できる候補クラブからゴルフクラブを選択することによって、推奨クラブのセットのギャッピングを最適化することができる。
【0036】
本明細書で使用される「基準ゴルフクラブ」、「基準クラブ」、「例示ゴルフクラブ」、または「例示クラブ」という用語または語句は、トラッキング装置が基準ボール飛行データを生成するために測定する複数の基準ゴルフショットを打つためにプレイヤーによって使用される物理的なゴルフクラブとして定義することができる。基準ボール飛行データは、プレイヤーの個人特有のボール飛行傾向を決定するために測定、記録、正規化される、(ボール速度、スピンレート、打ち出し角度、高さ、頂点、飛距離、総距離等の)ボール飛行特性を含む。基準クラブは、ウッドタイプ、ハイブリッドタイプ、アイアンタイプのゴルフクラブを含む、ゴルフクラブセット内のどのクラブでもよい。
【0037】
本明細書で使用される「候補クラブ」または「候補ゴルフクラブ」という用語または語句は、クラブセットの組み合わせのギャッピングを最適化するために、クラブセットの組み合わせの一部として個人によって使用される可能性のあるゴルフクラブとして定義することができる。予測モデルは、多様な情報の中から候補クラブのパラメータを利用して、個人の候補クラブに関連する予測ボール飛行特性を計算する。所定の候補クラブについての予測ボール飛行特性は、予測スピンレート、予測打ち出し角、予測ボール速度、予測総距離及び/又は予測飛距離を含むことができる。
【0038】
本明細書で使用される「推奨クラブ」または「推奨ゴルフクラブ」という用語または語句は、ギャッピングを最適化するロフト角の組合せを有する「推奨クラブのセット」の合計を生成するために最適であるとシステムが識別する選択された候補クラブとして定義され得る。所定の推奨クラブは、複数の候補クラブのうちの1つであり、特定のロフト角と、本明細書で説明するような方法で生成された予測ボール飛行特性とを定義する。所定の推奨クラブについての予測ボール飛行特性データのセットは、予測スピンレート、予測打ち出し角、予測ボール速度、予測総距離、及び/又は予測飛距離を含み得る(これらの特性は、推奨クラブとして1つまたは複数の候補クラブを選択する前に、各候補クラブについて予測され得ることに留意されたい)。
【0039】
一般に、予測モデルを実行するシステムは、基準クラブから生成された個人特有のボール飛行データに基づいて、複数の候補クラブに対応する予測ボール飛行特性データのセットを生成し、さらに、個人のギャッピングを最適化する複数の推奨ゴルフクラブとして、候補クラブの特有の組み合わせを選択することができる。具体的には、各推奨クラブは選択された候補クラブであり、そのボール飛行特性が予測モデルに適用される基準クラブの測定および記録されたボール飛行特性データに基づいてシミュレートされる、個人が自分のゴルフバッグに含めるための理論的なゴルフクラブである。例えば、基準クラブは、7番アイアン(例えば、約25度から35度の間の(基準)ロフト角を有するアイアン型ゴルフクラブヘッド)であり得る。プレイヤーは7番アイアンで複数のゴルフショットを打つことができ、システムは、7番アイアンを使用した複数のゴルフショットの各々から(例えば、ボール速度、スピンレート、打ち出し角度、飛距離、総距離等の)基準ボール飛行特性を含む基準ボール飛行データを記録することできる。次に、システムは、予測モデルの実行により、任意の他の候補クラブ(例えば、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、および任意のフェアウェイウッド、ハイブリッド、および/またはウェッジ)の対応する予測ボール飛行特性のセットを生成することができる。候補クラブから選択された各推奨ゴルフクラブについて、特定のロフト角に関連する予測ボール飛行特性のセットを生成することができる。このように、システムは、様々なロフト角を有する複数の異なる候補クラブについての予測を作成することができる。各候補クラブに関連する予測ボール飛行特性を比較することによって、計算システムは、最も一貫したギャッピング(すなわち、各推奨クラブの距離間のギャップのばらつきが最も一貫している、または望ましいばらつきを有するギャッピング)を有するゴルフクラブセットを生成することが予測される組み合わせに従って、推奨クラブの最適な組み合わせを(候補クラブのセットから)推奨する。この方法により、個人がフィッティング中に全てのクラブを打つことなく、個人がゴルフクラブセットで使用するクラブの最適な組み合わせを予測できる。
【0040】
図1Aを参照すると、改善された計算予測機能を用いて個人101のボール飛行データを予測し、さらに、個人のために一貫性のあるギャッピングを提供するゴルフクラブセットを選択または推奨することができる、システム100と称される例示的なコンピュータ実装システムが示されている。図示されるように、システム100は概して、トラッキング装置102と、コンピューティング装置(例えば、コンピューティング装置140)と、クラウド環境などの一部として実装され得る少なくとも1つのプロセッサ104または処理装置と、を含む。図示されるように、プロセッサ104は、メモリ108に記憶されるか、または他の方法で記憶された予測モデル106を実行する。この予測モデル106は、プロセッサ104によって実行可能なコード及び/又は機械実行可能な指示として具現化可能であり、1つまたは複数のプロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、オブジェクト、ソフトウェアパッケージ、クラス、またはコマンド、データ構造、またはプログラムステートメント等の任意の組み合わせのうちの1つ以上を表すものであって良い。言い換えれば、本明細書に記載の計算されたボール飛行特性予測機能という特徴は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実装することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードで実装される場合、(例えば、コンピュータプログラム製品等の)予測モデル106の必要なタスクを実行するプログラムコードまたはコードセグメントは、メモリ108のようなコンピュータ可読媒体または機械可読媒体に格納されてもよく、プロセッサ104は、コードによって定義されたタスクを実行する。従って、プロセッサ104によって実行される予測モデル106は、本明細書に記載されるような様々な機能および機能性に従って、及び/又はそのような機能および機能性を定義して、計算されたボール飛行特性予測のためにプロセッサ104を構成する。
【0041】
一般に、トラッキング装置は、例えば、個人101が基準クラブ126を使用してゴルフボール122で複数の基準ショット124を完了する際に、それら複数のゴルフボール122の動きに関連する特性を測定することにより、基準ボール飛行データ120を定義する第1のデータセットを生成する。非限定的な例として、基準ボール飛行データ120は、基準クラブ126を用いた複数の基準ショット124の各々についてトラッキング装置102によって測定されたボール速度、スピンレート、打ち出し角、高さ、頂点、飛距離、総距離、または他の測定基準などの(ゴルフボール122の)基準ボール飛行特性を含み得る。いくつかの例では、基準クラブ126は7番アイアン(例えば、約25度から35度の間の(基準)ロフト角を有するアイアンタイプのゴルフクラブヘッド)であるが、トラッキング装置102は、個人101が基準クラブ126のために選択するクラブの任意のタイプ及びロフト角を使用して基準ボール飛行データ120を生成することができる。トラッキング装置102は、個人101が基準クラブ126で打った任意の数のショットの基準ボール飛行データ120を含むように、第1のデータセットを生成することができる。
【0042】
プロセッサ104は、基準ボール飛行データ120にアクセスし、予測モデル106を実行して、基準ボール飛行データ120を、1つまたは複数の候補クラブについての予測ボール飛行特性134を定義する第2のデータセットに変換する。より詳細には、いくつかの例では、基準ボール飛行データ120は、基準ボール飛行特性130のセットを導出するために正規化されるか、または他の方法で前処理される。次いで、プロセッサ104は、ボール飛行傾向関数の適用によって複数の候補クラブ(図2B~2Cの202)の各々について予測ボール飛行特性134を導出し、本明細書においてさらに説明されるように、基準ボール飛行特性130のセットおよび1つまたは複数の候補クラブパラメータ132(例えば、各候補クラブのロフト角値)を含む入力を考慮して予測モデル106によって定義される1つまたは複数の調整計算を適用することができる。図2A~2Cは、基準クラブ126を候補クラブ202、すなわち指定された第1の候補クラブ202Aおよび第2の候補クラブ202Bと比較する一般的な例を示す。図示の例では、予測モデル106は、第1の候補クラブ202Aの第1のロフト角204A、および第2の候補クラブ202Bの第2のロフト角204Bを含む候補クラブパラメータ132を活用して、第1の候補クラブ202Aおよび第2の候補クラブ202Bのそれぞれの予測ボール飛行特性を含む予測ボール飛行特性134を導出する。この例では、予測ボール飛行特性134は、第1の候補クラブ202Aおよび第2の候補クラブ202Bを使用して個人101がゴルフボールを打つ可能性が高い予測飛距離及び/又は総距離(図2Dに図示)を含み得る。さらに、図1Aに示されるように、予測ボール飛行特性134は、本明細書でさらに説明されるように、ギャッピングを最適化する、または他の有用性を提供する、個人101のための推奨クラブ136のセットを生成するために利用され得る。
【0043】
メモリ108は、トラッキング装置102によって得られた(基準ボール飛行特性130を含む)第1のデータセット、およびプロセッサ104が予測モデル106を実行することによって生成された第2のデータセット、予測モデル106によって定義された(基準ボール速度、基準スピンレート、および調整パラメータ等の)ボール飛行傾向関数を実行及び/又は調整するために使用された任意のデータ、ならびに候補ロフト角および各候補クラブに関連付けられた予測ボール飛行特性134のセットなどの候補クラブ202に関連する任意のデータを記憶することができる。さらに、システム100は、本明細書で説明されるデータのいずれかに関連する情報を表示する、プロセッサ104と通信する表示装置138を含むことができ、前述のいずれかに関連する情報は、他のコンピューティング装置(例えば、装置140)に送信されるか、または他の方法でアクセス可能にすることができる。
【0044】
次に、図9のプロセスフロー図を参照して、システム100の態様を実施または他の方法で説明する1つの方法900を説明する。ブロック901を参照すると、多くの実施例では、プロセッサ104は、本明細書で説明するようにトラッキング装置102によって生成された基準ボール飛行データ120にアクセスし、データを正規化して(例えば、利用可能な各ボール飛行特性の平均をとって)基準ボール飛行特性130を準備する。このステップのいくつかの例では、図3に示すように、プロセッサ104は、基準ボール飛行データ120のセットから、正規化ボール速度値231、正規化打ち出し角度値232、正規化スピンレート値233、正規化飛距離234、正規化トータル距離235、及び/又は正規化頂点高さを含む、個人101に特有の基準ボール飛行特性130を生成することができる。そのような正規化された値は、個人101の基準クラブ126の基準ロフト角(図2Aの206)に関連する全体的なボール飛行を特徴付けるために使用される。他の例では、プロセッサ104は、正規化されたボール速度値231、正規化された打ち出し角度値232、正規化されたスピンレート値233、正規化された飛距離234、正規化された総距離235、及び/又は正規化された頂点高さを含む、個人101に特有の基準ボール飛行特性130にアクセスする。ここで、基準ボール飛行特性130は、プロセッサ104による読み出し以前に既に正規化されている。プロセッサ104は、基準ボール飛行特性130の任意のボール飛行特性に対して、正規化された値に関して以下の関数および処理を適用することができる。様々な候補クラブ202についてプロセッサ104によって生成される予測値は、個人101のために選択され得る候補クラブ202の異なる候補ロフト角204に関連する平均ボール飛行特性の予測値であり得る。このようにして、システム100が一組のクラブの最適な組合せとして生成する推奨クラブ136のセットは正確である蓋然性が高く、個人101のフィールドでの高いパフォーマンスに相関する可能性が高い。
【0045】
一般的なボール飛行傾向
図1Bに示すように、プロセッサ104は、予測モデル106によって定義されたボール飛行予測プロセス150を基準ボール飛行特性130(これは、個人101が基準クラブ126を使用して複数のゴルフボール122を打ったときにトラッキング装置102が複数の基準ショット124を測定することから生成される)に適用して、候補クラブ202についての予測ボール飛行特性134のセットを生成する。ブロック902を参照すると、プロセッサ104は、予測モデル106によって定義されたボール飛行傾向関数152を適用して、まず、基準ボール飛行特性130を各候補クラブ202についての一般的なボール飛行予測154(例えば、1つまたは複数の予測ボール飛行特性の「全体的な傾向」成分)に変換する。ボール飛行傾向関数152は、クラブヘッドのロフト角とセット内の異なるクラブのボール飛行特性(例えば、ボール速度、スピンレート、および打ち出し角)との間にみられた関係、および正解データセット又はコーパス(例えば、データセット153)からの既知/過去のボール飛行データから導出された所定の関数であり、そのような観察された及び/又は既知の関係および過去のデータに基づいてボール飛行の変化を予測するように構成される。
【0046】
図4Aを参照すると、ボール飛行予測プロセス150は、個人101の基準ボール飛行特性130のセットを使用して、候補クラブ202の候補ロフト角204の予測ボール速度勾配258、予測打ち出し角勾配268、および予測スピンレート勾配278をそれぞれ決定するボール速度勾配関数250、打ち出し角勾配関数260、およびスピンレート勾配関数270を含むことができる。そして、予測モデル106は、予測ボール速度勾配258、予測打ち出し角勾配268、および予測スピンレート勾配278をそれぞれ使用して、予測ボール速度259、予測打ち出し角269、および予測スピンレート279をそれぞれ決定することができる。
【0047】
図4Bをさらに参照して示すように、プロセッサ104は、ボール飛行傾向関数152を適用して、ボール速度勾配の「全体傾向」154A、打ち出し角度勾配の「全体傾向」154B、およびスピンレート勾配の「全体傾向」154Cを含む一般的なボール飛行予測154を決定することができる。ボール飛行傾向関数152は、ボール速度勾配の「全体傾向」154Aを示すボール速度勾配関数250の「全体傾向成分」252、打ち出し角度勾配の「全体傾向」154Bを示す打ち出し角度勾配関数260の「全体傾向成分」262、およびスピンレート勾配の「全体傾向」154Cを示すスピンレート勾配関数270の「全体傾向成分」272を含み得る。特に、予測ボール飛行特性134を決定するために、プロセッサ104は、ボール飛行傾向関数152を適用して、クラブヘッドロフト角の変化1度あたりのボール速度に関連する「全体傾向」154A、クラブヘッドロフト角の変化1度あたりの打ち出し角に関連する「全体傾向」154B、およびクラブヘッドロフト角の変化1度あたりのスピンレートに関連する「全体傾向」成分154Cを決定することができる。ボール飛行傾向関数152は、多種多様な「ギャッピングテスト」から観察・収集されたボール飛行データを含む大規模なデータセット(例えば、データセット153)からさらに導出することができる。このようなギャッピングテストでは、ゴルファーは、ゴルフクラブセット内の各々が異なるロフト角を有する様々なクラブでいくつかのショットを打つ。多種多様なギャッピングテストを通じて得られたボール飛行データから、一般的なボール飛行傾向関数152を決定するために、典型的なプレイヤーのロフト角とボール飛行特性との間の一般的な関係が決定される。ボール飛行傾向関数152は、プロセッサ104によって基準ボール飛行特性130のセットに適用され、様々な候補クラブ202の一般的なボール飛行予測154を生成することができ、これは、異なる候補クラブ202について予想されるボール飛行特性値を近似するためのベースラインとして機能する。
【0048】
多くの場合、各ボール飛行特性とロフト角の関係は、ロフト角が1度変化するごとに期待されるボール飛行特性の値の変化(例えば、ボール速度勾配、打ち出し角勾配、スピンレート勾配)として特徴付けることができる。ほとんどの場合、各ボール飛行特性の値の変化は、異なるロフト角範囲に対応して変化する。例えば、34度のクラブと35度のクラブとの間で予想されるボール速度の変化は、59度のクラブと60度のクラブとの間で予想されるボール速度の変化よりも著しく高くなったり低くなったりし得る。ボール飛行傾向関数152は、このような誤差を考慮する。あらゆる可能なロフト角において、ボール飛行傾向関数152は、ロフト角が1度変化するごとに所定のボール飛行特性において予想される変化を表している。プロセッサ104は、基準ボール飛行特性130を入力としてボール飛行傾向関数152を実行し、複数の候補クラブ202に対する一般的なボール飛行予測154を生成する。
【0049】
別の言い方をすれば、ボール飛行傾向関数152は、基準クラブ126の基準ボール飛行特性130に鑑みて、本明細書で説明される所定のボール飛行に関する関係性を活用して、一般的なボール飛行予測154によって定義されるボール速度、スピンレート、打ち出し角、及び/又は他のボール飛行特性(例えば、「全体的な傾向成分」)の一般的な予測を生成する。例えば、基準クラブ(の第1の)データセットに関連付けられた任意の所定のスピンレートについて、任意の候補ロフト角について一般的なスピンレート予測を決定することができる。スピンレートの変化とロフト角の変化とを関連付ける「全体的な傾向」は、プロセッサ104によって基準スピンレートに適用され、各候補ロフト角についての一般的なスピンレート予測を決定することができる。プロセッサ104は、同じプロセスを適用して、一般的な打ち出し角予測および一般的なボール速度予測を生成することができる。このような予測から、プロセッサ104は、飛距離や総距離などの他のボール飛行特性についての一般的な予測を決定することができる。ボール速度、スピンレート、および打ち出し角の一般的な予測を生成するためにプロセッサ104によって採用されるプロセスは、以下のセクションでより詳細に説明される。
【0050】
ボール飛行特性の調整
一般的なボール飛行予測154は、基準クラブ126によるボール飛行データがあれば、平均的なプレイヤーのボール飛行特性を正確に予測することができる。しかしながら、ボール速度やスピンレートが平均的なプレイヤーのボール速度やスピンレートから逸脱しているプレイヤーの場合、ロフト角と各ボール飛行特性との関係は、典型的なプレイヤーのそれとは大きく異なる可能性がある。例えば、あるロフト角で平均以上のスピンレートを示すプレイヤーは、平均的なスピンレートを持つプレイヤーよりも、ロフト角1度当たりのボール速度、スピンレート、及び/又は打ち出し角の劇的な変化が期待できる可能性がある。同様に、所定のロフト角で平均以上のボール速度を示すプレイヤーは、平均的なボール速度を持つプレイヤーよりも、ロフト角1度当たりのボール速度、スピンレート、及び/又は打ち出し角の変化がより劇的であると予想される。したがって、一般的なボール飛行予測154だけでは、すべてのプレイヤーのすべての候補クラブ202のボール飛行特性を十分に正確に推定することができない場合があり得る。このような誤差を考慮するために、図9のブロック903に示されるように、プロセッサ104は、1つまたは複数のボール飛行特性調整計算156(本明細書では1つまたは複数の調整とも呼ばれる)を一般的なボール飛行予測154の結果にさらに適用して、特定のプレイヤーのための各候補クラブ202の調整されたボール飛行予測158を生成することができる。候補クラブ202に対する複数の予測ボール飛距離測定基準を生成するプロセッサ104によって駆動されるユーザインターフェース(UI)のスクリーンショット例を図12および13に示す。
【0051】
多くの例では、図4Bにさらに示されるように、複数のボール飛行特性調整計算156は、ベースラインボール速度およびベースラインスピンレートからの偏差に起因する各ボール飛行特性(例えば、ボール速度、スピンレート、打ち出し角など)への影響をそれぞれ考慮するためのボール速度調整156Aおよびスピンレート調整156Bを含む。ベースラインボール速度およびベースラインスピンレートはそれぞれ、複数のプレイヤーにわたって観察される平均ボール速度および平均スピンレートを表すことができる。プロセッサ104は、a)ロフト角とスピンレート、b)ロフト角とボール速度、およびc)ロフト角と打ち出し角のそれぞれの間の関係に対する異常なボール速度およびスピンレートの影響を考慮するために、ボール速度調整156Aおよびスピンレート調整156Bを全体的なギャッピング傾向に適用することができる。例えば、プロセッサ104は、ボール速度の異常(すなわち、平均以上または平均以下)とスピンレートの異常の両方がスピンレートとロフト角の関係に影響を与えるため、ボール速度の調整156Aとスピンレートの調整156Bの両方を一般的なスピンレート予測(例えば、スピンレートの傾きに関する「全体的な傾向」154C)に適用して、調整されたスピンレート予測(例えば、予測されたスピンレートの傾き278)を生成することができる。いくつかの例では、所定の個人101の基準ボール飛行特性130は、異常なスピンレートと正常な(例えば、ほぼ平均的な)ボール速度を示すことがある。この場合、ボール速度調整156Aは無視できる。他のケースでは、所定の個人101の基準ボール飛行特性130は、正常なスピンレートと異常なボール速度を示すことがある。この場合、スピンレート調整156Bは無視できる。
【0052】
プロセッサ104は、基準ボール飛行データ120から記録された正規化ボール速度に基づいてボール速度調整156Aを適用する。ボール速度調整156Aは、異常なボール速度が候補クラブ202の予測ボール飛行特性134に及ぼす影響を考慮する。異常なボール速度は、ロフト角の1度の変化あたりのボール速度、スピンレート、および打ち出し角の変化率に影響を与える。一般に、ボール速度調整156Aの重要性は、基準ボール速度に対する基準クラブ126から測定された正規化ボール速度の異常に比例する。例えば、特定のロフト角では、一般的なボール飛行予測154は、ロフト角が1度増加するごとに200rpmのスピン速度の増加があり得る場合が存在し得る。同じロフト角において、基準クラブのボール速度が平均より1mph高い第1のプレイヤーはロフト角の増加1度につき210rpmのスピンレートの増加があり得る可能性があり、基準クラブのボール速度が平均より2mph高い第2のプレイヤーはロフト角の増加1度につき220rpmのスピンレートの増加があり得る可能性がある。この状況では、最初のプレイヤーの特定のロフト角でのボール速度の調整はロフト角1度当たり10rpmであるのに対し、2番目のプレイヤーのボール速度の調整はロフト角1度当たり20rpmである。同様に、同じロフト角において、平均より1mph低い基準クラブボール速度を有する第3のプレイヤーは、ロフト角の増加1度につき190rpmの増加が期待される(1度につき-10rpmのボール速度調整)。プロセッサ104は、同様に、ボール速度調整156Aを適用して、特定のプレイヤーのロフト角1度当たりの打ち出し角の変化、および特定のプレイヤーのロフト角1度当たりのボール速度の変化を決定することができる。
【0053】
同様に、プロセッサ104は、基準ボール飛行データ120から記録された正規化スピンレートに基づいてスピンレート調整156Bを適用することができる。スピンレート調整156Bは、異常なスピンレートが候補クラブ202の予測ボール飛行特性134に及ぼす影響を考慮する。基準クラブから測定された異常なスピンレートは、ロフト角が1度変化するごとのボール速度、スピンレート、および打ち出し角の変化率に影響を与える。一般に、スピンレート調整156Bの重要性は、基準スピンレートに対する基準クラブ126から測定された正規化スピンレートの異常に比例する。例えば、特定のロフト角では、全体的なギャップの傾向は、ロフト角の1度の増加につき1mphのボール速度の増加があり得る可能性がある。同じロフト角で、基準クラブのスピンレートが平均より2000rpm高い第1のプレイヤーはロフト角の増加1度当たり0.9mphのボール速度の増加があり得るが、基準クラブのスピンレートが平均より4000rpm高い第2のプレイヤーの場合、ロフト角の増加1度当たり0.8mphのボール速度の増加が起こり得る可能性がある。この状況では、最初のプレイヤーのスピンレート調整はロフト角1度につき-0.1mphとなり、2番目のプレイヤーのスピンレート調整はロフト角1度につき-0.2mphとなる。同様に、同じロフト角で、スピンレートが平均より2000rpm低い第3のプレイヤーは、ロフト角の増加1度につき1.1mphのボール速度の増加があり得ることになる(ロフト1度につき0.1mphのスピンレートの調整)。プロセッサ104は同様に、スピンレート調整156Bを適用して、特定のプレイヤーのロフト1度当たりの打ち出し角の変化、および特定のプレイヤーのロフト1度当たりのスピンレートの変化を決定することができる。
【0054】
多くの場合、プレイヤーの基準ボール飛行データ120は異常なボール速度と異常なスピンレートの両方を示すことがあり、その場合、プロセッサ104はボール速度調整156Aとスピンレート調整156Bの両方を一般ボール飛行予測154に適用して調整ボール飛行予測158を生成する。ボール速度とスピンレートは独立して各ボール飛行特性に影響を与えるが、異常なボール速度と異常なスピンレートが所定のボール飛行特性に及ぼす複合的な影響は、各ボール飛行特性調整の単純な加算によって決定することができる。例えば、あるロフト角のスピンレートに適用されるボール速度の調整がロフト角1度当たり220rpmで、同じロフト角のスピンレートに適用されるスピンレートの調整がロフト角1度当たり100rpmであれば、スピンレートに適用される合計の調整はロフト角1度当たり320rpmとなる。同様に、あるロフト角のスピンレートに適用されるボール速度の調整がロフト角1度当たり100rpmで、同じロフト角のスピンレートに適用されるスピンレートの調整がロフト角1度当たり-200rpmの場合、スピンレートに適用される合計の調整はロフト角1度当たり-100rpmになる。
【0055】
一般的なボール飛行予測154に適用される調整計算156は、様々な候補クラブ202のボール速度、スピンレート、打ち出し角、及び/又は他のボール飛行特性の推定に関連する精度を高めることができる。調整されたボール飛行予測158から、プロセッサ104は、個人101のゴルフクラブセットで使用するために推奨または選択され得る各候補クラブ202の飛距離及び/又は総距離の正確な予測を生成することができる。
【0056】
予測ボール飛行特性の生成
図4Aおよび4Bを参照して上述したように、プロセッサ104は、基準ロフト角を有する基準クラブ126を使用して個人が打ったボールの基準ボール飛行特性130のセットを受信するように動作可能であり、基準クラブ126を使用して得られた基準ボール飛行特性130のセットに基づいて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202を使用して個人がボールを打った場合にボール飛行特性がどのように変化すると予想されるかを予測することができる。基準ボール飛行特性のセット130は、正規化ボール速度値および正規化スピンレート値を含むことができ、同じ個人および同じ基準クラブ126からの複数のサンプルにわたって正規化することができる。このセクションでは、基準クラブ126を使用して測定された基準ボール飛行特性130のセットを使用して、候補クラブ202の予測ボール飛行特性134のセットを生成することについて説明する。
【0057】
個人が基準クラブ126を使用してボールを打ったときに観察される一組の基準ボール飛行特性130に基づいて、プロセッサ104は、ボール速度勾配関数250を使用して、ロフト角の1度の変化当たりのボール速度の予想変化(例えば、予測ボール速度勾配258)を含む一組の個人特有の勾配値(例えば、調整ボール飛行予測158)を決定し、ボール速度勾配関数250を使用して、予測ボール速度勾配258)、打ち出し角勾配関数260を使用して、ロフト角の1度の変化当たりの打ち出し角の予測変化(例えば、予測打ち出し角勾配268)、およびスピンレート勾配関数270を使用して、ロフト角の1度の変化当たりのスピンレートの予測変化(例えば、予測スピンレート勾配278)を含む、一組の個人特有の勾配値(例えば、調整されたボール飛行予測158)を決定するように動作可能である。
【0058】
これらの個人に特有の勾配値(例えば、予測ボール速度勾配258、予測打ち出し角勾配268、および予測スピンレート勾配278)を使用して、プロセッサ104は、複数の候補クラブ202のそれぞれの候補クラブ202について、それぞれの候補クラブ202に関連付けられた候補ロフト角204の情報とともに、予測ボール速度259、予測打ち出し角269、および予測スピンレート279を含む予測ボール飛行特性134のセットを提供することができる。特に、
1.予測ボール速度勾配258を用いて、プロセッサ104は候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測ボール速度259を決定することができる。
2.予測打ち出し角勾配268を用いて、プロセッサ104は候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測打ち出し角269を決定することができる。
3.予測スピンレート勾配278を用いて、プロセッサ104は候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測スピンレート279を決定することができる。
【0059】
一態様では、プロセッサ104は、ロフト角とボール飛行特性の間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成されたボール飛行傾向関数152に、正規化された基準ボール飛行特性130のセットと候補ロフト角204を入力することによって(例えば、予測ボール速度勾配258の「全体的な傾向」154A、予測打ち出し角勾配268の「全体的な傾向」154B、および予測スピンレート勾配278の「全体的な傾向」154Cを決定することによって)、候補クラブ202の個人別勾配値のセットを生成することができる。
【0060】
プロセッサ104は、次に、個人の基準ボール飛行特性130のセットの1つまたは複数の所定の閾値(例えば、基準クラブ126の基準ボール速度値222および基準スピンレート値224を含む基準値)からの偏差を調整する1つまたは複数の調整計算156(調整ボール飛行予測158を示す)からの出力の適用によって、候補クラブ202のための個人特有の勾配値のセットを調整することができる。一例として、これらの1つまたは複数の調整計算156は、一組の個別特有勾配値の各個別特有勾配値についての「ボール速度調整」156Aおよび「スピンレート調整」156Bを含み得る(例えば、予測ボール速度勾配258のための「ボール速度調整成分」254および「スピンレート調整成分」264、予測打ち出し角度勾配268のための「ボール速度調整成分」264および「スピンレート調整成分」266、ならびに予測スピンレート勾配278のための「ボール速度調整成分」276および「スピンレート調整成分」278を含み得る)。
【0061】
予測ボール飛行特性のセットのそれぞれの予測ボール飛行特性134についての個人別勾配値のセットは、次に、予測ボール飛行特性134のセットのそれぞれの予測ボール飛行特性についての個人別勾配合計値(例えば、予測されたボール速度勾配258、予測された打ち出し角勾配268、および予測されたスピンレート勾配278)に統合または結合され得る。
【0062】
例えば、予測ボール速度勾配258に関する個人に特有の勾配値のセットは、予測ボール速度勾配の「全体傾向」成分154A、予測ボール速度勾配の「ボール速度調整」成分254、および予測ボール速度勾配の「スピンレート調整」成分256を含むことができ、予測ボール速度勾配に関する個人に特有の勾配値のセットを組み合わせて、予測ボール速度のための個人別勾配合計値(例えば、予測ボール速度勾配258)を得ることができる。次に、予測ボール速度勾配258を使用して、予測ボール飛行特性134のセットの予測ボール速度259を決定することができる。
【0063】
同様に、予測打ち出し角勾配268に対する個人に特有の勾配値のセットは、予測打ち出し角勾配の「全体傾向」成分154B、予測打ち出し角勾配の「ボール速度調整」成分264、および予測打ち出し角勾配の「スピンレート調整」成分266を含むことができ、予測打ち出し角に対する個人に特有の勾配値のセットを組み合わせて、予測打ち出し角に対する個人別勾配合計値(例えば、予測打ち出し角勾配268)を得ることができる。予測打ち出し角勾配268は、次に予測打ち出し角269を決定するために使用され得る。同様に、予測スピンレート勾配278のための個人に特有の勾配値のセットは、予測スピンレート勾配の「全体傾向」成分154C、予測スピンレート勾配の「ボール速度調整」成分274、および予測スピンレート勾配の「スピンレート調整」成分276を含むことができ、予測スピンレートのための個人に特有の勾配値のセットを組み合わせて、予測スピンレートのための個人別勾配合計値(例えば、予測スピンレート勾配278)を得ることができる。そして、予測スピンレート勾配278を使用して、予測ボール飛行特性134のセットの予測スピンレート279を決定することができる。
【0064】
上述したように、プロセッサ104は次に、調整された予測ボール速度勾配258と、基準ロフト角206と候補ロフト角204との間のロフト角の差とを用いて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202についての予測ボール速度259を決定することができる。同様に、プロセッサ104は、調整後の予測打ち出し角勾配268と、基準ロフト角206と候補ロフト角204との間のロフト角の差とを用いて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測打ち出し角269を決定することができる。同様に、プロセッサ104は、調整後の予測スピンレート勾配278と、基準ロフト角206と候補ロフト角204との間のロフト角の差とを用いて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測スピンレート279を決定することができる。
【0065】
プロセッサ104は、各々が異なる候補ロフト角204を有する複数の候補クラブ202の各候補クラブ202についてこのプロセスを反復して繰り返すことができ、複数の候補クラブ202にわたる個人の予測ボール飛行特性134のセットを収集することができる。予測ボール飛行特性134のセットに基づいて、プロセッサ104は、予測ボール飛行特性134の最適なセットを示す、個人のための複数の候補クラブ202から推奨クラブ136の最適なセットを選択することができる。
【0066】
A.ボール速度勾配関数
図5Aを参照すると、各候補クラブ202についてプロセッサ104によって評価されるボール速度勾配関数250は、個人に特有のロフト角の変化1度当たりのボール速度の予想変化を示すものであり、全体傾向成分252、ボール速度調整成分254、およびスピンレート調整成分256を含む。全体傾向成分252は、ロフト角の1度の変化当たりのボール速度の変化率における「全体傾向」を示すものであり、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定される。ボール速度調整成分254もまた、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準ボール速度値222に関して、基準クラブ126の個人に関連付けられた正規化ボール速度値231が組み込まれる。スピンレート調整成分256もまた、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準スピンレート値224に関して、基準クラブ126の個人に関連付けられた正規化スピンレート値233が組み込まれる。
【0067】
i)ボール速度勾配関数:全体傾向成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいてボール速度勾配関数250の全体傾向成分252を評価し、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第1の調整パラメータセット240Aを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の合計セットから、調整パラメータ240の第1のセット240Aの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、任意の数の分類範囲を使用して第1の調整パラメータセット240Aを割り当てることができ、第1の調整パラメータセット240Aの分類範囲および値は、ボール速度勾配関数250の全体傾向成分252に特有のものとすることができる。例えば、候補クラブ202の候補ロフト角204がn番目の分類範囲内に入る場合、プロセッサ104は、第1の調整パラメータセット240Aのパラメータ値の合計セットからn番目の値のセットを選択する。
【0068】
一例では、プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204を入力としてボール速度勾配関数250の全体傾向成分252を評価することができ、全体傾向成分252の第1の調整パラメータセット240Aは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0069】
ii)ボール速度勾配関数:ボール速度調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126について個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231に基づいて、ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254を評価する。特に、ボール速度調整成分254は、基準クラブ126の基準ボール速度値222に対する基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231を組み込んで、相対ボール速度変化値を示す。ボール速度調整成分254を評価する際には、プロセッサ104は、相対的ボール速度変化値を、第2の調整パラメータセット240Bを用いて全体傾向成分252と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0070】
全体傾向構成成分252と同様に、ボール速度調整構成成分254のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は、同様に、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第2の調整パラメータセット240Bを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の全セットから、調整パラメータ240の第2のセット240Bの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第2の調整パラメータセット240Bの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第2の調整パラメータセット240Bの分類範囲および値は、ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254のロフト角調整値に対して特有のものとすることができ、また、全体的な傾向成分252を評価するときに考慮されるものとは異なることができる。
【0071】
一例では、プロセッサ104は、正規化ボール速度値231と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力としてボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254を評価することができ、ボール速度調整成分254の第2の調整パラメータセット240Bは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0072】
iii)ボール速度勾配関数:スピンレート調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126について個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233に基づき、ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256を評価する。特に、スピンレート調整成分256は、基準クラブ126のベースラインスピンレート値224に関し、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233を組み込み、相対的スピンレート変化値を得る。スピンレート調整成分256を評価するとき、プロセッサ104は、相対的スピンレート変化値を、第3の調整パラメータセット240Cを用いて全体傾向成分252と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0073】
全体傾向構成成分252と同様に、スピンレート調整構成成分256のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は同様に、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択されても選択されなくてもよい第3の調整パラメータセット240Cを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の合計セットから、第3の調整パラメータセット240Cの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを使用して精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第3の調整パラメータセット240Cの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第3の調整パラメータセット240Cの分類範囲および値は、ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256に特有であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、プロ1501セッサ104は、分類範囲を考慮せず、代わりに、候補ロフト角204の値に関係なく、第3の調整パラメータセット240Cについて予め選択された値を使用してもよい。
【0074】
一例では、プロセッサ104は、正規化スピンレート値233と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力とし、第3の調整パラメータセット240Cを用いて、ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256を評価することができる。
【0075】
iv)ボール速度勾配を使った予測ボール速度の決定
次に、プロセッサ104は、全体傾向成分252、ボール速度調整成分254、およびスピンレート調整成分256の結果を組み合わせて、候補クラブ202の予測ボール速度勾配258を得る。
【0076】
次に、プロセッサ104は、予測ボール速度勾配258を使用して、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測ボール速度259を決定することができる。最初に、プロセッサ104は、候補ロフト角204と基準ロフト角206との間のロフト角の差を決定し、ロフト角差分を示すことができる。予測ボール速度を決定するために、プロセッサ104は、候補ロフト角204を有する候補クラブ202についての予測ボール速度259を示すために、ロフト角差分と予測ボール速度勾配との積をとることができる。
【0077】
B.打ち出し角勾配関数
図5Bを参照すると、プロセッサ104は同様のプロセスを適用して、打ち出し角勾配関数260を用いて候補クラブ202の予測打ち出し角勾配268を決定することができる。
【0078】
各候補クラブ202についてプロセッサ104によって評価される打ち出し角勾配関数260は、個人に特有なロフト角の変化1度あたりの打ち出し角の予想変化を示すものであり、全体傾向成分262、ボール速度調整成分264、およびスピンレート調整成分266を含む。全体傾向成分262は、ロフト角の変化1度あたりの打ち出し角の変化率における「全体傾向」を示すものであり、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定される。ボール速度調整成分264も候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準ボール速度値222に対して基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231を組み込んでいる。スピンレート調整成分266もまた、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準スピンレート値224に対して、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233を組み込んでいる。
【0079】
i) 打ち出し角勾配関数:全体傾向
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて、打ち出し角勾配関数260の全体傾向成分262を評価し、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第4の調整パラメータセット240Dを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の全セットから、調整パラメータ240の第4のセット240Dの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第4の調整パラメータセット240Dの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第4の調整パラメータセット240Dの分類範囲および値は、打ち出し角勾配関数260の全体傾向成分262に特有であってもよい。
【0080】
一例では、プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204を入力として、打ち出し角勾配関数260の全体傾向成分262を評価することができ、全体傾向成分262の第4の調整パラメータセット240Dは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0081】
ii) 打ち上げ角勾配関数:ボール速度調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126について個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231に基づいて、打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264を評価する。特に、ボール速度調整成分264は、基準クラブ126の基準ボール速度値222に対する基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231を組み込んで、相対的ボール速度変化値を示す。打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264を評価するとき、プロセッサ104は、相対的ボール速度変化値を、第5の調整パラメータセット240Eを使用して、ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254のロフト角調整値と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0082】
ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254と同様に、打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は、同様に、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される調整パラメータ240Eの第5のセットを組み込む。特に、プロセッサ104は、メモリ108に記憶されたパラメータ値240の全セットから、調整パラメータ240の第5のセット240Eの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて、精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第5の調整パラメータセット240Eの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第5の調整パラメータセット240Eの分類範囲および値は、打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264に特有であってもよい。
【0083】
一例では、プロセッサ104は、正規化ボール速度値231と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力として、打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264を評価することができ、ボール速度調整成分264の第5の調整パラメータセット240Eは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0084】
iii) 打ち出し角勾配関数:スピンレート調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126について個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233に基づいて、打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266を評価する。特に、スピンレート調整成分266は、基準クラブ126のベースラインスピンレート値224に関して、基準クラブ126の個人101に関する正規化スピンレート値233を組み込み、相対的スピンレート変化値を得る。スピンレート調整成分266を評価するとき、プロセッサ104は、相対的スピンレート変化値を、第6の調整パラメータセット240Fを使用して、ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256のロフト角調整値と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0085】
ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256と同様に、打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は、同様に、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第6の調整パラメータセット240Fを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の合計セットから、調整パラメータ240の第6のセット240Fの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを使用して、精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第6の調整パラメータセット240Fの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第6の調整パラメータセット240Fの分類範囲および値は、打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266に特有であってもよい。
【0086】
一例では、プロセッサ104は、正規化スピンレート値233と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力として、打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266を評価することができ、スピンレート調整成分266の第6の調整パラメータセット240Fは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0087】
iv)打ち出し角勾配を用いた予測打ち出し角の決定
次に、プロセッサ104は全体傾向成分262、ボール速度調整成分264、およびスピンレート調整成分266の結果を組み合わせ、候補クラブ202の予測打ち出し角勾配268を得る。
【0088】
そして、プロセッサ104は、予測打ち出し角勾配268を使用して、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測打ち出し角269を決定することができる。まず、プロセッサ104は、候補ロフト角204と基準ロフト角206との間のロフト角の差を考慮し、ロフト角差分を求める。予測打ち出し角度を決定するために、プロセッサ104は次にロフト角度差に予測打ち出し角度勾配268を乗じ、候補ロフト角度204を有する候補クラブ202の予測打ち出し角度269を得る。
【0089】
C.スピンレート勾配関数
図5Cを参照すると、プロセッサ104は同様のプロセスを適用して、スピンレート勾配関数270を用いて候補クラブ202の予測スピンレート勾配278を決定することができる。
【0090】
各候補クラブ202についてプロセッサ104によって評価されるスピンレート勾配関数270は、個人101に特有の、ロフト角の変化1度あたりのスピンレートの予想変化を示しており、全体傾向成分272、ボール速度調整成分274、およびスピンレート調整成分276を含んでいる。全体傾向成分272は、ロフト角の変化1度あたりのスピンレートの変化率の「全体傾向」を示すものであり、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定される。ボール速度調整成分274もまた、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準ボール速度値222に関して、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231を組み込む。スピンレート調整成分276もまた、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいて決定され、基準クラブ126の基準スピンレート値224に対して、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233を組み込む。
【0091】
i)スピンレート勾配関数:全体傾向成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づいてスピンレート勾配関数270の全体傾向成分272を評価し、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第7の調整パラメータセット240Gを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信可能なメモリ108に記憶されたパラメータ値240の全セットから、調整パラメータ240の第7のセット240Gの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第7の調整パラメータセット240Gの割当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、スピンレート勾配関数270の全体傾向成分272に対する第7の調整パラメータセット240Gの分類範囲および値は、スピンレート勾配関数270の全体傾向成分272に特有であってもよい。
【0092】
一例では、プロセッサ104は候補クラブ202の候補ロフト角204を入力としてスピンレート勾配関数270の全体傾向成分272を評価することができ、全体傾向成分272の第7の調整パラメータセット240Gは候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0093】
ii)スピンレート勾配関数:ボール速度調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231に基づいて、スピンレート勾配関数270のボール速度調整成分274を評価する。特に、ボール速度調整成分274は、基準クラブ126の基準ボール速度値222に関して、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化ボール速度値231を組み込んで、相対的ボール速度変化値を示す。スピンレート勾配関数270のボール速度調整成分274を評価する際に、プロセッサ104は、相対的ボール速度変化値を、第8の調整パラメータセット240Hを用いて、ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254のロフト角調整値および打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264のロフト角調整値と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0094】
ボール速度勾配関数250のボール速度調整成分254および打ち出し角勾配関数260のボール速度調整成分264と同様に、スピンレート勾配関数270のボール速度調整成分274のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第8の調整パラメータセット240Gを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信するメモリ108に記憶されたパラメータ値240の全セットから、調整パラメータ240の第8のセット240Gの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを用いて精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第8の調整パラメータセット240Gの割り当てに任意の数の分類範囲を使用することができ、第8の調整パラメータセット240Gの分類範囲および値は、スピンレート勾配関数270のボール速度調整成分274に特有であってもよい。
【0095】
一例では、プロセッサ104は、正規化ボール速度値231と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力として、スピンレート勾配関数270のボール速度調整成分274を評価することができ、ボール速度調整成分274の第8の調整パラメータセット240Gは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0096】
iii)スピンレート勾配関数:スピンレート調整成分
プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204に基づき、基準クラブ126について個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233に基づき、スピンレート勾配関数270のスピンレート調整成分276を評価する。特に、スピンレート調整成分276は、基準クラブ126の基準スピンレート値224に対して、基準クラブ126の個人101に関連付けられた正規化スピンレート値233を組み込むことで、相対的スピンレート変化値を得る。スピンレート調整成分276を評価するとき、プロセッサ104は、相対的スピンレート変化値を、第9の調整パラメータセット240Iを用いて、ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256のロフト角調整値および打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266のロフト角調整値と同様の方法で決定されるロフト角調整値と組み合わせる。
【0097】
ボール速度勾配関数250のスピンレート調整成分256および打ち出し角勾配関数260のスピンレート調整成分266と同様に、スピンレート勾配関数270のスピンレート調整成分276のロフト角調整値を決定するために、プロセッサ104は、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて(例えば、候補ロフト角204が該当する候補ロフト角値の範囲に基づいて)選択される第9の調整パラメータセット240Iを組み込む。特に、プロセッサ104は、プロセッサ104と通信するメモリ108に記憶されたパラメータ値240の合計セットから、第9の調整パラメータセット240Iの値を選択する。これらの値は経験的に決定することができ、多くの基準飛行を通じて得られたデータを使用して、精度を最適化することができる。プロセッサ104は、正確な結果を示すために、第9の調整パラメータセット240Iを割り当てるために任意の数の分類範囲を使用することができ、第9の調整パラメータセット240Iの分類範囲および値は、スピンレート勾配関数170のスピンレート調整成分276に特有であることができる。
【0098】
一例では、プロセッサ104は、正規化スピンレート値233と候補クラブ202の候補ロフト角204を入力として、スピンレート勾配関数270のスピンレート調整成分276を評価することができ、スピンレート調整成分276の調整パラメータ240Iの第9セットは、候補クラブ202の候補ロフト角204の分類範囲に基づいて選択される。
【0099】
iv)スピンレート勾配を用いた予測スピンレートの決定
次に、プロセッサ104は、全体傾向成分272、ボール速度調整成分274、およびスピンレート調整成分276の結果を組み合わせて、候補クラブ202の予測スピンレート勾配278を得る。
【0100】
次に、プロセッサ104は、予測スピンレート勾配278を用いて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測スピンレート279を決定することができる。まず、プロセッサ104は、候補ロフト角204と基準ロフト角206との間のロフト角の差を考慮し、ロフト角の差を求めます。予測スピンレート279を決定するために、プロセッサ104は次に、ロフト角差に予測スピンレート勾配278を乗じて、候補ロフト角204を有する候補クラブ202の予測スピンレート279を得る。
【0101】
一貫性のあるギャップを有するセットのための予測クラブロフト角の組み合わせの最適化
図6~8を参照すると、プロセッサ104は、最適化されたギャッピングを有する複数の候補クラブ202(図では候補クラブ202A~202nとして示されている)から選択された推奨クラブ136のセットを識別するために、調整された予測ボール飛行特性134を活用する。プロセッサ104は、各候補クラブ202について利用可能な各候補ロフト角204の調整後の予測ボール飛行特性134のセットを評価することによって、複数の候補クラブ202から推奨クラブ136の最適な組み合わせを決定する。具体的には、プロセッサ104は、各候補ロフト角204について予測飛距離282及び/又は予測総距離284を決定し、各推奨クラブ136の飛距離間のギャップ(図7および8)が一定となるように、推奨クラブ136のセットに対応する予測ロフト角を選択する。このように、プロセッサ104は、複数の候補クラブから、各予測クラブ間のギャップを集合的に最適にする推奨クラブセット136を選択する。
【0102】
一態様において、プロセッサ104は、候補ロフト角204を有する候補クラブ202について、候補ロフト角204についての予測ボール速度、予測打ち出し角及び/又は予測スピンレートを用いて、予測飛距離及び/又は予測ボール飛行特性134のセットの予測トータル距離を決定することができる。例えば、プロセッサ104は、予測ボール速度、予測打ち出し角度、および予測スピンレートを入力とし、予測頂点高さ、予測飛距離、および予測総距離のうちの少なくとも1つを含む、候補クラブ202を使用して仮想的に打ったボール飛行軌道をモデル化する推進運動関数を使用して、予測飛距離を決定することができる。
【0103】
定数および演算子を含む推進運動関数の特徴は、観測可能な相関関係および当業者によく理解されている物理原理に基づいて予め決定される。一般に、予測距離及び/又は飛距離は、ボール速度、打ち出し角、重力、空気抵抗、および揚力に依存し得る。空気抵抗は、ボールの速度、ボールの表面積、および経験的に導き出された抗力係数に依存することができ、抗力係数はスピンレートおよびボール速度に依存することができる。同様に、揚力は経験的に導き出された揚力係数に依存することができ、揚力係数はスピンレートとボール速度に依存する。
【0104】
任意的構成として、推進運動関数は、ボールの予測質量、予測空気温度、及び/又は予測空気密度のうちの少なくとも1つを組み込んで、予測ボール速度、予測打ち出し角、および予想スピンレートを用いて予測飛距離を決定することができる。さらなる態様において、プロセッサ104は、予測された飛距離を使用して、候補クラブ202についての予測ボール飛行特性134のセットの予測された総距離を決定することができ、任意的構成として、地表面(例えば、フェアウェイ、ラフ、グリーン等)の予測された摩擦係数を組み込むことができる。
【0105】
プロセッサ104は、セット内のクラブヘッドに使用され得る、あらゆる可能なロフト角のボール飛行特性の予測を生成することができる。典型的なゴルフクラブセットは、広いロフト角範囲に分布する限られた数のクラブ(一般に14本)を含む。ドライバーおよびパターを除いて、典型的なゴルフクラブセットは、約14度から約60度までのロフト角の範囲にわたってほぼ均等に分布するロフト角を有する12本のクラブからなる。有用なゴルフクラブセットの推奨を提供するために、プロセッサ104は、複数の候補クラブ202から、各推奨クラブ136の飛距離282の間に一貫性のあるギャップを提供するだけでなく、推奨クラブ136のセット全体を網羅する広い範囲のロフト角を提供する推奨クラブ136の組み合わせを特定しなければならない。いくつかの実施形態では、各候補ロフト角204は、特定のクラブ「番号」(すなわち、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアンなど)に対応するものとして分類することができる。例えば、34度から37.5度の間のロフト角候補204に対して生成された調整ボール飛行予測158は8番アイアンに対応するものとして分類することができ、一方で、38度から41.5度の間のロフト角候補204に対して生成された調整ボール飛行予測158は9番アイアンに対応するものとして分類することができる。プロセッサ104は、各クラブ番号に関連付けられた候補ロフト角204の各範囲から、ロフト角を有する1つの推奨クラブ136を特定するように構成され得る。各クラブ番号の1つの推奨クラブ136が選択されなければならないというパラメータの範囲内で、プロセッサ104は、それぞれの推奨クラブ136に関連付けられる予測ボール飛行距離(例えば、予測飛距離282及び/又は予測総距離284)の間に所望のギャップを生じさせる複数の候補ロフト角204からのロフト角の最適な組み合わせを特定することができる。これにより、プロセッサ104は、推奨クラブ136の完全なセットを構成するロフト角の組合せを特定することができ、しかも、推奨クラブ136のセット内で一貫性のあるギャッピングを提供することができる。最適なギャッピングを示す推奨クラブ136のセットの識別に続いて、システム100は、プロセッサ104と通信する表示装置138において、推奨クラブ136のセットに関連する情報を表示することができる(例えば、表示装置138は、推奨クラブ136のセットの推奨を含む情報を表示することができる)。
【0106】
多くの実施形態では、各クラブタイプに関連付けられるロフト角の範囲は、異なるクラブタイプ間で連続的であり得る。例えば、8番アイアンが34度から37.5度の間のロフト角と関連付けられる場合、7番アイアンは28度から33.5度の間のロフト角と関連付けられ、6番アイアンは24度から27.5度の間のロフト角と関連付けられていてもよい。代替的な実施形態では、各クラブタイプに関連するロフト角の範囲は、各隣り合うクラブタイプに関連するロフト角の範囲と重複し得る。そのような重複するロフト角の範囲は、最適化されたギャッピングを有する推奨クラブ136のセットを特定するためにプロセッサ104によって評価される可能なロフト角の組み合わせの数を増加させるすることを可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサ104は、いくつかの可能性のある組み合わせにおいて、34度の予測ロフト角を8番アイアンとして分類し、他の可能性のある組み合わせにおいて、34度の予測ロフト角を7番アイアンとして分類することができる。これにより、プロセッサ104は、最適化されたギャッピングを有する推奨クラブ136のセットを特定するために、推奨クラブ136のより多くの可能な組み合わせを評価することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、フィッティングセッション中にプレイヤーが打った基準クラブ126が基準ロフト角206に関連する7番アイアンであったとしても、システムは推奨クラブセット136の7番アイアンのロフト角の代替可能性を評価することができる。このように、推奨は、推奨クラブセット136内の7番アイアンとして使用するための基準クラブ126の特定のロフト角を選択することに限定されない。
【0108】
図8に示すように、プロセッサ104は、各クラブ番号に対応する1つのロフト角を選択して、複数の候補クラブ202から、セットを最もよく完成させる推奨クラブ136の組合せを特定することにより、推奨クラブ136のセットを特定する。すべての推奨クラブ136は、予測された距離と関連付けられ、推奨クラブ136の任意の所定のセットは、推奨クラブ136のセット内の各推奨クラブ136の予測された飛距離282または予測された総距離284に基づく所定のギャップを有している。図9のブロック904を参照すると、プロセッサ104は、推奨クラブ136のセット内でどの組み合わせが最も望ましいギャップを構成するかを決定するために、(例えば、それぞれの候補クラブ202に関連付けられた予測飛距離282または予測総距離284を評価し、予測飛距離282または予測総距離284の間の最も望ましいギャップを集合的に示す複数の候補クラブ202から推奨クラブ136のセットを特定することによって)複数の候補クラブ202から推奨クラブ136のセットのすべての可能な組み合わせを評価することができる。多くの実施形態では、プロセッサ104は、推奨クラブ136のどの組合せが各推奨クラブ136間のギャップの変動を最小にするかを決定することによって、一貫したギャップのあるセットを特定する(例えば、3番アイアンと4番アイアンとの間のギャップは、4番アイアンと5番アイアンとの間のギャップと実質的に同じである、等)。
【0109】
いくつかの実施形態では、プレイヤーは、可能な限り一貫性のあるギャップではなく、クラブ間の距離の特定の平均ギャップ(以下、「目標ギャップ」290と称する)を総じて有するゴルフクラブのセットを所望する場合があり得る。プロセッサ104は、予測されたクラブギャップ間の最小ばらつきを推奨するのではなく、クラブ間の平均予測ギャップが可能な限り目標ギャップ290に近い複数の候補クラブ202から推奨クラブ136のセットを特定し、この推奨クラブ136のセットを示す情報を表示することができる。このように、いくつかの実施形態では、プロセッサ104は、目標ギャップ290を示す入力データを受信することができる。例えば、特定のプレイヤーのために最も一貫性のあるギャッピングを達成しようとした場合の平均ギャップが約12ヤードであるケースが存在し得る。しかしながら、プレイヤーが約10ヤードの目標ギャップ290を望む場合、プロセッサ104は、推奨される予測ギャップが若干一貫性に欠けるとしても、各推奨クラブ136間の平均予測ギャップが可能な限り10ヤードに近い推奨クラブ136のセットを特定するように構成することができる。
【0110】
図10は、推奨クラブセット136が特定の目標ギャップ290に最適化される、プロセッサ104によって実行可能なプロセス1000の代替的な実施態様を概略的に示すプロセスフロー図である。ブロック1001,1002,1003は、プロセスフロー図900のブロック901,902,903と同様であり、各候補クラブ202の調整後ボール飛行予測158は、いずれの実施態様においても同様に作成される。ブロック1004を参照すると、プロセッサ104は、所定の目標ギャップ290を示す入力データを受信することができ、目標ギャップ290は、ゴルファーが所望する各推奨クラブ136の予測距離間の平均ギャップを含むことができる。ブロック1005を参照すると、プロセッサ104は、複数の候補クラブ202から、全体的な予測距離間の平均ギャップが目標ギャップ290に最も密接に一致する結果となる推奨クラブ136のセットを特定する。プロセッサ104は、図9に関連して上述したように、各候補クラブ202の候補ロフト角204のすべての可能な組み合わせの予測距離を評価することによって、推奨クラブ136の最適な組み合わせを決定する。
【0111】
いくつかの実施形態では、推奨クラブ136のセット内に複数の目標ギャップを有することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、プレイヤーは、低ロフト角のクラブ(すなわち、7番アイアンおよび7番アイアンよりもロフト角の低いクラブ)間の目標ギャップ290を小さくし、高ロフト角のクラブ(すなわち、7番アイアンよりもロフト角の高いクラブ)間の目標ギャップ290を大きくすること、あるいはその逆の仕様を望む場合があり得る。プロセッサ104は、複数の目標ギャップ290に対して最適なギャッピングを示す複数の候補クラブ202から推奨クラブ136のセットを特定するようにさらに構成され得る。
【0112】
ハイブリッドとフェアウェイウッドのトレードオフ
プロセッサ104はさらに、複数の候補クラブ202から、推奨クラブ136のセットに含めるためのフェアウェイウッド、ハイブリッド、およびアイアンの最適な組み合わせを特定するように動作可能であってもよい。所定のプレイヤーの低ロフト角のクラブに対するボール飛行特性によっては、別のプレイヤーは、所定のロフト角について異なるタイプのクラブ(すなわち、フェアウェイウッド、ハイブリッド、またはアイアン)を使用することでより高いパフォーマンスを達成することもあり得る。特定のプレイヤーは、低ロフト角のアイアンタイプのクラブを使用するのに適さないボール飛行特性を有している場合がある。例えば、特定のプレイヤー、特にスピンレートが比較的低いプレイヤーは、3番アイアンや4番アイアンのような低ロフト角のアイアンで苦労することがある。そのようなプレイヤーの場合、3番アイアンではなく3番ハイブリッドを使うなど、アイアンではなくハイブリッドやフェアウェイウッドを当該低ロフト角に用いることで、パフォーマンスが向上することが多々ある。ボール飛行特性が低ロフト角のアイアンを使用するのに適していない特定のプレイヤーにとって、そのような低ロフト角のアイアンは、そのプレイヤーにとって「プレイ不可能」であると考えることができる。プロセッサ104は、低ロフトアイアン用に調整された予測ボール飛行特性134のセットを使用して、どのアイアンが所定のプレイヤーにとってプレイ不可能になるかを決定することができ、セット内のそのようなプレイ不可能なアイアンに取って代わる適切なハイブリッド及び/又はフェアウェイウッドを特定することができる。
【0113】
一態様において、プロセッサ104は、候補クラブの材質(例えば、アイアン、ハイブリッド、フェアウェイウッドなど)に基づいて、候補ロフト角に対する予測ボール飛行特性セット134を調整することができる。例えば、候補クラブがハイブリッドクラブである場合、プロセッサ104は、それに応じて予測ボール飛行特性セット134を調整することができる。特に、候補ロフト角204について、プロセッサ104は、候補ロフト角204におけるアイアン候補クラブ202の予測ボール速度259、予測打ち出し角269、および予測スピンレート279を示す。上述のように、候補ロフト角204の初期一般ボール飛行予測を決定することができる。次に、同じ候補ロフト角204のハイブリッド候補クラブ202を反映するように予測ボール飛行特性のセット134を調整するために、プロセッサ104は、予測ボール速度259にハイブリッドボール速度調整を適用し、予測打ち出し角269にハイブリッド打ち出し角調整を適用し、予測スピンレート279にハイブリッドスピンレート調整を適用して、ハイブリッドボール速度、ハイブリッド打ち出し角、およびハイブリッドスピンレートを得ることができる。これは、以下により詳細に説明される全体的なハイブリッド調整300を示す図11Aに反映される。同様に、同じ候補ロフト角204のフェアウェイウッド候補クラブ202を反映するように予測ボール飛行特性のセット134を調整するために、プロセッサ104は、予測ボール速度259にフェアウェイウッドボール速度調整を適用し、予測打ち出し角269にフェアウェイウッド打ち出し角調整を適用し、予測スピンレート279にフェアウェイウッドスピンレート調整を適用して、フェアウェイウッドボール速度、フェアウェイウッド打ち出し角、およびフェアウェイウッドスピンレートを得ることができる。このことは、以下でさらに詳細に説明する全体的なフェアウェイウッド調整400を示す図11Bに反映されている。
【0114】
図11Aを直接参照すると、全体的なハイブリッド調整300は、ハイブリッドボール速度359、ハイブリッド打ち出し角369、およびハイブリッドスピンレート379を得る。図示されるように、全体的なハイブリッド調整300は、基準クラブ126を使用して個人が打ったボールからの正規化ボール速度値231を入力し、ハイブリッドボール速度調整320を出力するハイブリッドボール速度調整関数310を含む。いくつかの実施形態では、ハイブリッドボール速度調整関数310は、正規化ボール速度値231を第1のハイブリッド調整値312で割ることを含む。その結果の値が1より小さい場合、その結果値に第2のハイブリッド調整値314を乗じてハイブリッドボール速度調整320を得ることができる。逆に、結果の値が1より大きい場合、ハイブリッドボール速度調整320は第2のハイブリッド調整値314に等しい。ハイブリッド打ち出し角調整330は単純に第3のハイブリッド調整値316を含むことができ、ハイブリッドスピンレート調整340は、単純に第4のハイブリッド調整値318を含むことができる。ハイブリッドボール速度359を得るために、ハイブリッドボール速度調整320は、前のセクションで議論された候補ロフト角204についての予測ボール速度259に加算されるか、または他の方法で組み合わされ得る。同様に、ハイブリッド打ち出し角369を得るために、ハイブリッド打ち出し角調整330を、前のセクションで論じた候補ロフト角204についての予測打ち出し角269に加算するか、または他の方法で組み合わせることができる。また、ハイブリッドスピンレート379を得るために、ハイブリッドスピンレート調整340を、前のセクションで論じた候補ロフト角204についての予測スピンレート279に加算するか、または他の方法で組み合わせることができる。候補ロフト角204を有するハイブリッド候補クラブ202について、プロセッサ104は、ハイブリッドボール速度359、ハイブリッド打ち出し角369、およびハイブリッドスピンレート379を反映するように、予測ボール飛行特性134のセットを更新することができる。第1、第2、第3および第4のハイブリッド調整値312,314,316,318は、様々なロフト角のアイアンおよびハイブリッドクラブを使用して打った多くのテストショットの観察を通じて経験的に得られ、導出され得る。
【0115】
図11Bを直接参照すると、全体的なフェアウェイウッド調整400は、フェアウェイウッドボール速度459、フェアウェイウッド打ち出し角469、およびフェアウェイウッドスピンレート479を得る。図示されるように、全体的なフェアウェイウッド調整400は、基準クラブ126を使用して個人が打ったボールからの正規化ボール速度値231を入力し、フェアウェイウッドボール速度調整420を出力するフェアウェイウッドボール速度調整関数410を含む。いくつかの実施形態では、フェアウェイウッドボール速度調整関数410は、正規化ボール速度値231を第1のフェアウェイウッド調整値412で割ることを含む。結果の値が1より小さい場合、結果の値に第2のフェアウェイウッド調整値414を乗じてフェアウェイウッドボール速度調整420を得ることができる。逆に、結果の値が1より大きい場合、フェアウェイウッドボール速度調整420は第2のフェアウェイウッド調整値414に等しい。フェアウェイウッド打ち出し角調整430は単純に第3のフェアウェイウッド調整値416を含むことができ、フェアウェイウッドスピンレート調整440は単純に第4のフェアウェイウッド調整値418を含むことができる。フェアウェイウッドボール速度459を得るために、フェアウェイウッドボール速度調整値420を、前のセクションで論じた候補ロフト角204についての予測ボール速度259に加算するか、または他の方法で組み合わせることができる。同様に、フェアウェイウッド打ち出し角469を求めるために、フェアウェイウッド打ち出し角調整430を前述の候補ロフト角204の予測打ち出し角269に加算するか、または他の方法で組み合わせることができ、フェアウェイウッドスピンレート479を求めるために、フェアウェイウッドスピンレート調整440を前節で論じた候補ロフト角204の予測スピンレート279に加算するか、または他の方法で組み合わせることができる。候補ロフト角204を有するフェアウェイウッド候補クラブ202について、プロセッサ104は、フェアウェイウッドのボール速度459、フェアウェイウッドの打ち出し角469、およびフェアウェイウッドのスピンレート479を反映するように、予測ボール飛行特性134のセットを更新することができる。第1、第2、第3および第4のフェアウェイウッド調整値412,414,416,418は、様々なロフト角のアイアンおよびフェアウェイウッドクラブを使用して打った多くのテストショットの観察を通じて経験的に得られ、導出され得る。
【0116】
図12は、複数の候補クラブ202から推奨クラブ136のセットに含めるためのクラブタイプ(アイアン、ハイブリッド、またはフェアウェイウッド)の最適な組合せを特定するプロセッサ104の能力を概説する追加のプロセス1100のプロセスフロー図を示す。ブロック1201~1204は、先に説明した図9~10のステップと同様である。しかしながら、図12のブロック1205を参照すると、プロセッサ104は、低ロフト角のアイアンまたはハイブリッドの予測ボール飛行特性134を、隣り合う高ロフト角の候補クラブ202の予測ボール飛行特性134と比較することによって、どのクラブタイプ(アイアンまたはハイブリッド)が所定のプレイヤーにとってプレイ不可能であるかを決定する。特定の候補クラブ202のプレイ可能性またはプレイ不可能性は、基準クラブ126の予測された頂点の高さに対する候補クラブ202の予測された頂点の高さ、ならびに問題の候補クラブ202と隣り合うよりロフト角の高い候補クラブ202との間のギャップによって決定される。
【0117】
頂点の高さに関連して、プロセッサ104は、候補クラブ202の頂点の高さを基準クラブ126の頂点の高さで割った頂点の高さ比率を定義することができる。頂点の高さ比率は、問題の候補クラブ202の頂点の高さを基準クラブ126の頂点の高さのパーセンテージとして表すことができる。プロセッサ104はさらに、推奨クラブセット136内の任意の所定のクラブのプレイ可能性を決定するために使用することができる頂点高さプレイ可能性閾値を定義することができる。頂点の高さのプレイ可能性閾値よりも低い頂点の高さの比率を含む任意の候補クラブ202は、「プレイ不可能」とみなされ得る。
【0118】
頂点の高さのプレイ可能性閾値は、70%以上90%以下の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、頂点の高さのプレイ可能性閾値は、約70%~75%の間、75%~80%の間、80%~85%の間、または85%~90%の間であり得る。いくつかの実施形態では、頂点の高さのプレイ可能性閾値は、70%~80%の間、75%~85%の間、または80%~90%の間であり得る。いくつかの実施形態において、頂点の高さプレイ可能性閾値は、約75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、または90%とすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ104は、上記の範囲内で、アイアンタイプのクラブとハイブリッドタイプのクラブに対して別々の頂点の高さのプレイ可能性閾値を定義することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ104は、アイアンタイプの頂点高さプレイ可能性閾値およびハイブリッドタイプの頂点高さプレイ可能性閾値を定義することができる。候補クラブ202が関連する頂点高さプレイ可能性閾値を下回る頂点高さ比率を有する場合、候補クラブ202はプレイ不可能とみなされる。
【0119】
プレイ可能性を決定する候補クラブ202間のギャップに関連して、プロセッサ104は、ギャップのプレイ可能性閾値を定義することができる。ギャップのプレイ可能性閾値は、あるクラブタイプの特定の候補クラブ202と、推奨クラブセット136内のこれに隣り合う高ロフト角の推奨クラブ136との間のギャップが、候補クラブ202がプレイ可能であるというには小さすぎるか否かを判定するために使用される。ギャップのプレイ可能性閾値は、問題の候補クラブ202と推奨クラブ136のセット内の隣り合うより高ロフト角の推奨クラブ136との間のギャップと、推奨クラブ136のセット内のすべての推奨クラブ136の間の平均ギャップとの差の最大値として定義される。例えば、問題の候補クラブ202と推奨クラブ136のセット内でこれに隣り合う高ロフト角の推奨クラブ136との間のギャップが、推奨クラブ136のセット内の推奨クラブ136間の平均ギャップに対して小さすぎる場合、当該候補クラブ202はプレイ不可能と判定され得る。いくつかの実施形態では、ギャップのプレイ可能性閾値は、平均ギャップに関してではなく、隣り合う推奨クラブ136のギャップと目標ギャップ290との間の関係によって決定され得る。
【0120】
多くの実施形態において、ギャップのプレイ可能性閾値は、2ヤードから5ヤードの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、ギャップのプレイ可能性閾値は、約2ヤードと2.2ヤードの間、2.2ヤードから2.4ヤードの間、2.4ヤードから2.6ヤードの間、2.6ヤードから2.8ヤードの間、2.8ヤードから3ヤードの間、3ヤードから3.2ヤードの間、3.2ヤードから3.4ヤードの間、3.4ヤードから3.6ヤードの間であり、3.6ヤードから3.8ヤードの間、3.8ヤードから4ヤードの間、4ヤードから4.2ヤードの間、4.2ヤードから4.4ヤードの間、4.4ヤードから4.6ヤードの間、4.6ヤードから4.8ヤードの間、または4.8ヤードから5ヤードの間でありうる。いくつかの実施形態において、ギャップのプレイ可能性閾値は、2ヤードから3ヤードの間、2.25ヤードから3.25ヤードの間、2.5ヤードから3.5ヤードの間、2.75ヤードから3.75ヤードの間、3ヤードから4ヤードの間、3.25ヤードから4.25ヤードの間、3.5ヤードから4.5ヤードの間、3.75ヤードから4.75ヤードの間であり、または4ヤードから5ヤードの間である。いくつかの実施形態では、ギャップのプレイ可能閾値は、およそ2ヤード、2.25ヤード、2.5ヤード、2.75ヤード、3ヤード、3.5ヤード、3.75ヤード、または4ヤードであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ104は、上記の範囲内で、アイアンタイプのクラブおよびハイブリッドタイプのクラブについて別々のギャップのプレイ可能性閾値を定義することができる。このように、いくつかの実施形態では、プロセッサ104は、アイアンタイプのギャッププレイ可能性閾値およびハイブリッドタイプのギャップのプレイ可能性閾値を定義することができる。特定のタイプの所定の候補クラブ202と、推奨クラブ136のセット内でこれに隣り合う高ロフト角の推奨クラブ136との間のギャップと、推奨クラブ136のセット内のすべての推奨クラブ136の間の平均ギャップとの差が、ギャッププレイ可能性閾値よりも大きい場合、候補クラブ202はプレイ不可能であるとみなされる。
【0121】
ブロック1206を参照すると、プロセッサ104は、アイアン候補クラブ202がプレイ不可能であると考えられる条件を評価することができ、推奨クラブセット136に含めるために、プレイ不可能なアイアン候補クラブ202に取って代わるハイブリッドタイプ候補クラブ202を複数の候補クラブ202から特定することができる。推奨クラブセット136に含めるために選択されるハイブリッドタイプ候補クラブ202は、推奨クラブセット136のハイブリッドタイプ候補クラブ202とこれに隣り合うアイアン推奨クラブ136との間に望ましいギャップを示すロフト角を有することができる。同様に、プロセッサ104は、ハイブリッドタイプ候補クラブ202がプレイ不可能であると考えられる条件を評価することができ、推奨クラブセット136に含めるために、プレイ不可能なハイブリッドタイプ候補クラブ202に代わるフェアウェイウッドタイプ候補クラブ202を特定することができる。推奨クラブセット136に含めるために選択されるフェアウェイウッドタイプ候補クラブ202は、フェアウェイウッドタイプ候補クラブ202と推奨クラブセット136のこれに隣り合うハイブリッドタイプ推奨クラブ136との間に望ましいギャップを示すロフト角を有することができる。
【0122】
プロセッサ104は非限定的であり、その追加の構成成分は当業者によって理解されるであろう。幾つかの実施形態では、例えば、プロセッサ104は、個々のゴルファーまたはフィッターに対応するポータブルデバイスと動作可能に通信する。ポータブルデバイスは、ユーザインタフェースを実行し、本明細書に記載の基準ボール飛行特性130のセットまたは予測ボール飛行特性134に関連するデータにアクセスし、推奨クラブセット136のうちの1つまたは複数の推奨クラブ136を示す情報を受信し、個人がプロセッサ104で評価された後に他のフィードバック情報を受信するために使用され得る、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、または他のポータブルデバイスを含み得る。加えて、図示はされていないが、プロセッサ104は、プロゴルファーのショット情報、クラブ情報、および一般的なボール飛行特性の傾向を調整するために使用され得る他の形態の情報、または本明細書で説明される機能を修正するために使用され得る他の形態の情報などの、外部装置からのデータを利用することができる。
【0123】
プロセッサ104は非限定的であり、その追加の構成要素は当業者によって理解されるであろう。幾つかの実施形態では、例えば、プロセッサ104は、個々のゴルファーまたはフィッターに対応するポータブルデバイスと動作可能に通信する。ポータブルデバイスは、ユーザインタフェースを実行し、本明細書に記載の基準ボール飛行特性130のセットまたは予測ボール飛行特性134に関連するデータにアクセスし、推奨クラブセット136のうちの1つまたは複数の推奨クラブ136を示す情報を受信し、個人がプロセッサ104で評価された後に他のフィードバック情報を受信するために使用され得る、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、または他のポータブルデバイスを含み得る。加えて、図示はされていないが、プロセッサ104は、プロゴルファーのショット情報、クラブ情報、および一般的なボール飛行特性の傾向を調整するために使用され得る他の形態の情報、または本明細書で説明される機能を修正するために使用され得る他の形態の情報などの、外部装置からのデータを利用することができる。
【実施例1】
【0124】
例示的な予測クラブセットにおけるクラブ飛距離間のギャップの標準誤差を、特定のプレイヤーのコントロールゴルフセットにおけるクラブ飛距離間のギャップの標準誤差と比較した。コントロールゴルフクラブセットを用いて、プレイヤーは、標準的なロフト角度(すなわち、25~58度)のアイアンからなるゴルフクラブセットの各クラブについて複数のショットを打った。例示的な予測クラブセットは、上述の方法を用いて、プレイヤーの7番アイアンのボール飛行特性のみから確立された。表1は、コントロールセットのクラブと同様に、例示的な予測セットのクラブの飛距離を示している。表1はまた、例示的な予測セットとコントロールセットの両方のギャップ距離も示している。
【0125】
表1に示されているように、各クラブの飛距離を比較した場合、コントロールクラブセットと例示的な予測クラブセットとの間の最大の誤差は、わずか3.0%であった。各クラブの飛距離のギャップ距離を比較した場合、コントロールクラブセットと例示的な予測クラブセットとの間の最大の誤差は、わずか1.8%であった。予測クラブセットと測定されたコントロールクラブセットとの間の誤差が比較的低い場合、これは効果的な予測モデルであることを示している。具体的には、誤差が少ないということは、所定のプレイヤーの7番アイアンのスイング特性のみが提供された場合、ソフトウェアが標準的なゴルフクラブセットのクラブの飛距離とギャップ距離を正確に予測できることを示している。
【表1】
【実施例2】
【0126】
ある実施例では、プレイヤーは、平均ボール速度120mph、打ち出し角16度、スピンレート6,500rpmを含む7番アイアンのスイング特性を示していた。本予測モデルを用いて予測したギャップ距離のばらつきを、標準セットとカスタムギャップセットとで比較した。標準セットでは,候補となるロフト角は各クラブの標準的な市販のロフト角に基づいて選択された。言い換えれば、標準セットは、最適化されたセットを推奨するシステムを使用しない場合のプレイヤーのギャップ距離を反映している。カスタムギャップセットは、最適なギャップを生み出す候補クラブの推奨される組み合わせを含んでいた。
【0127】
プレイヤーの標準セットとカスタムギャップを有するセットの各クラブの飛距離、ならびにそれらセットの各クラブ間のギャップ距離を、以下の表2Aおよび表2Bに示す。7番アイアンからロングアイアンの各クラブ間のギャップ距離に加えて、カスタムギャップセットとプレイヤースタンダードセットの各クラブの予測平均飛距離を表2Aに示す。カスタムギャップセットの7番アイアンからロングアイアンまでの目標ギャップ距離は、12.5ヤードであった。
【表2A】
【0128】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットの7番アイアンからロングアイアンのギャップ距離の標準偏差は0.21であり、これは、同じ範囲のクラブのプレイヤーの標準的なゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より1.26ヤード低いものであった(バリアンスの減少85.7%)。
【0129】
プレイヤーの標準セットとカスタムギャップセットの各クラブの予測平均飛距離とウェッジから7番アイアンまでの各クラブ間のギャップ距離を、以下の表2Bに示す。カスタムギャップセットのウェッジから7番アイアンまでの目標ギャップ距離は、12ヤードであった。
【表2B】
【0130】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットのウェッジから7番アイアンのギャップ距離の標準偏差は0.49であり、これは、プレイヤーの標準的なゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より0.70ヤード低いものであった(バリアンスの減少58.8%)。
【0131】
実施例1で記載されたように、本明細書に記載された予測モデルは、所定のプレイヤーの基準クラブ特性に基づいて、ゴルフクラブセットの高精度の予測を提供する。上記の表に示されているように、システムは、高い一貫性のあるギャッピングを達成する推奨クラブセットを生成することができる。
【実施例3】
【0132】
別の実施例では、あるプレイヤーは7番アイアンのスイング特性を示し、ボール速度は平均113.2mphと比較的遅く、打ち出し角は18度、スピンレートは6,300rpmであった。本予測モデルを用いて予測されたギャップ距離のばらつきを、標準セットとカスタムギャップセットとで比較した。標準セットでは,候補となるロフト角は各クラブの標準的な市販のロフト角に基づいて選択された。言い換えれば、標準セットは、最適化されたセットを推奨するシステムを使用しない場合のプレイヤーのギャップ距離を反映している。カスタムギャップセットには、最適なギャップを生み出す候補クラブの推奨される組み合わせが含まれていた。
【0133】
プレイヤーの標準セットとカスタムギャップを有するセットの各クラブの飛距離、ならびにそれらセットの各クラブ間のギャップ距離を、以下の表3Aおよび表3Bに示す。7番アイアンからロングアイアンの各クラブについて、プレイヤーの標準セットとカスタムギャップを有するセットの各クラブの予測平均飛距離、ならびにそれらセットの各クラブ間のギャップ距離を表3Aに示す。
【表3A】
【0134】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットの7番アイアンからロングアイアンのギャップ距離の標準偏差は0.65であり、これはプレイヤーの標準的なゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より0.66ヤード低いものであった(バリアンスの減少50.4%)。
【0135】
7番アイアンクラブまでの各クラブについてのプレイヤーの標準セットとカスタムギャップセットの各クラブの予測平均飛距離、ならびにこれらセットの各クラブ間のギャップ距離を以下の表3Bに示す。
【表3B】
【0136】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットのウェッジから7番アイアンのギャップ距離の標準偏差は0.87であり、これはプレイヤーの標準的なゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より0.03ヤード低いものであった(バリアンスの減少3.3%)。
【0137】
実施例1で記載したように、本明細書に記載された予測モデルは、所定のプレイヤーの基準クラブ特性に基づいてゴルフクラブセットに関する高精度の予測を提供する。上記の表に示されているように、システムは、高い一貫性のあるギャッピングを達成する推奨クラブセットを生成することができる。
【実施例4】
【0138】
別の例では、あるプレイヤーは7番アイアンのスイング特性を示し、ボール速度の平均は132.1mphと比較的速く、打ち出し角は15.5度、スピンレートは6,800rpmであった。本予測モデルを使用した予測ギャップ距離のばらつきを、標準セットとカスタムギャップセットで比較した。標準セットでは、候補となるロフト角は各クラブの標準的な市販のロフト角に基づいて選択された。言い換えれば、標準セットは、最適化されたセットを推奨するシステムを使用しない場合のプレイヤーのギャップ距離を反映している。カスタムギャップセットには、最適なギャップを生み出す候補クラブの推奨される組み合わせが含まれていた。
【0139】
プレイヤーの標準セットとカスタムギャップセットの各クラブの飛距離と標準セットとカスタムギャップセットの各クラブ間のギャップ距離を表4Aおよび表4Bに示す。7番アイアンからロングアイアンについて、プレイヤーの標準セットとカスタムギャップセットの各クラブの予測平均飛距離、ならびにそれらセットの各クラブ間のギャップ距離を表4Aおよび表4Bに示す。
【表4A】
【0140】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットの7番アイアンからロングアイアンのギャップ距離の標準偏差は0.66であり、これは、プレイヤーの標準ゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より0.51ヤード低いものであった(バリアンスの減少47.7%)。
【0141】
ウェッジから7アイアンクラブまでの各クラブについて、プレイヤーの標準セットとカスタムギャップセットの各クラブの予測平均飛距離とギャップ距離とを以下の表4Bに示す。
【表4B】
【0142】
カスタムギャップを有するゴルフクラブセットのウェッジから7番アイアンのギャップ距離の標準偏差は0.54であり、これは、プレイヤーの標準的なゴルフクラブセットのギャップ距離の標準偏差より0.96ヤード低いものであった(バリアンスの減少64.0%)。
【0143】
実施例1で記載したように、本明細書に記載された予測モデルは、所定のプレイヤーの基準クラブ特性に基づいて、ゴルフクラブセットに関する高精度な予測を提供する。上記の表に示されているように、システムは、高い一貫性のあるギャッピングを達成する推奨クラブセットを生成することができる。
【実施例5】
【0144】
別の実施例では、あるゴルファーは、基準クラブとして使用された29度の7番アイアンを用いてボール速度90mph、打ち出し角17度、スピンレート5000rpmを示した。システムは、図3~6に関して上記で概説した方法を使用して、フルアイアンセット(4番アイアン~ロブウェッジ)に対するゴルファーの予測ボール飛行特性データのセットを決定することができる。以下の表5Aは、ゴルファーの予測ボール飛行特性データを示す。システムは、ゴルファーのための機能的なフル予測セットメイクを生成した。
【表5A】
【0145】
本システムは、アイアンタイプ、ハイブリッドタイプ、フェアウェイウッドタイプのクラブの最適な組み合わせを決定するように構成される。本システムは、最もロフト角の低いプレイ可能なアイアンを決定する。本実施例では、目標ギャップに対して3.5ヤードのギャップのプレイ可能性閾値と、基準クラブ(この場合は7番アイアン)の頂点高さに対して85%の頂点高さプレイ可能性閾値とが定義されている。本実施例では、目標ギャップは8.8ヤードと決定された。従って、この状況においては、4.3ヤード未満のギャップがプレイ不可能なギャップに該当する。表5Aから明らかなように、5番アイアンと6番アイアンの間のギャップは4.1ヤードであったため、5番アイアンはこの特定のプレイヤーにとってプレイ不可能と判断された。この例では、プレイ可能な頂点の高さの最小値は11.9ヤード(7番アイアンの頂点の高さの85%)であった。表5Aから明らかなように、4番アイアンの頂点高さ(10.8ヤード)は頂点高さのプレイ可能性閾値を下回っていたため、この特定のプレイヤーにとって4番アイアンはプレイ不可能と判断された。
【0146】
次のステップにおいては、ゴルファーのバッグの残りを埋めるために、どのフェアウェイとハイブリッドを選択すべきかを決定する。4番アイアンと5番アイアンを除外した後、ゴルファーにとってドライバー、パター、9番アイアン(6番アイアンからロブウェッジ)の11本のクラブが利用可能に残っている。この例では、ゴルファーは希望する最長のフェアウェイウッド(この場合は3番ウッド)を指定した。したがって、このセットには、ゴルファーの3番ウッドと6番アイアンの間のギャップを埋めるために2本のクラブが必要となる。本システムは、ゴルファーの最長のアイアン(6番アイアン)と最長のフェアウェイウッド(3番ウッド)の間に等しい総距離のギャップを作るための予測を生成した。アイアンの距離を予測するために使用された方法と同じ方法を使用して、(1本または複数本の)ハイブリッドとフェアウェイウッドの予測距離を生成し、上述の「ハイブリッドとフェアウェイウッドのトレードオフ」に記載のフェアウェイウッドタイプのクラブとハイブリッドタイプのクラブの調整係数を追加している。特に、ハイブリッド変換のための調整係数は、ハイブリッドボール速度の調整、ハイブリッド打ち出し角の調整、およびハイブリッドスピン速度の調整を含むことができる。同様に、フェアウェイウッドの変換のための調整係数は、フェアウェイウッドのボール速度の調整、フェアウェイウッドの打ち出し角の調整、およびフェアウェイウッドのスピンレートの調整を含むことができる。
【0147】
3番ウッドの総距離と6番アイアンの総距離のギャップに基づくと、望ましいハイブリッドとフェアウェイウッドの総ギャップは、各クラブ間で12.1ヤードであった。一実施例では、プロセッサ104は、フェアウェイとハイブリッドの数を均等に分け、奇数の場合はフェアウェイウッドを多くするように構成することができる。この例では、プロセッサ104は、1本のハイブリッドタイプのクラブと2本のフェアウェイウッドタイプのクラブを推奨した。プロセッサ104は、3番ウッドと6番アイアンの間のギャップが12.1ヤードの目標ギャップにできるだけ近くなるような解決策を生成するために、すべての可能な候補クラブのロフトオプションを反復した。表5Bに示すようなギャッピングのソリューションが例示のプレイヤーのために提示される。「ギャップ」の欄において、フェアウェイウッド、ハイブリッド、最もロフトの低いアイアンの間のギャップに総距離が使われ、そのようなギャップは「T」の文字で示されている。
【表5B】
【0148】
本例示における特定のプレイヤーに対して、プロセッサ104は、3番ウッド、7番ウッド、5番ハイブリッド、6番アイアン、58°ロブウェッジを推奨する。各ゴルファーは、異なる推奨クラブと異なる予測ボール飛行を持つ独自のソリューションを与えられる。
【0149】
コンピューティング装置
図15を参照すると、コンピューティング装置140の代わりとなり、1つまたは複数のアプリケーション1511またはコンピュータ実行可能な指示によって本明細書に記載の機能を実行するように構成され得るコンピューティング装置1500が図示されている。より詳細には、いくつかの実施形態において、本明細書における予測方法の態様は、ソフトウェアまたは機械レベルのコードに変換されてもよく、これは、コンピューティング装置1500が本明細書において説明される機能を実行するように構成されるように、コンピューティング装置1500にインストールされ、及び/又はコンピューティング装置1500によって実行されてもよい。コンピューティング装置1500は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、携帯デバイスまたはラップトップデバイス、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス、プログラム可能な消費者電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、論理回路、分散コンピューティング環境など、任意の数のデバイスを含み得る。
【0150】
コンピューティング装置1500は、プロセッサ1502、メインメモリ1504(例えば、システムメモリ)、およびコンピューティング装置1500の様々な成分をプロセッサ1502に結合するシステムバス1501などの様々なハードウェア成分を含み得る。システムバス1501は、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、および様々なバス・アーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれであってもよい。例えば、そのようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバス、およびメザニンバスとしても知られる周辺成分相互接続(PCI)バスが含まれ得る。
【0151】
コンピューティング装置1500は、取り外し可能/取り外し不可能媒体および揮発性/不揮発性媒体及び/又は有形媒体を含む様々なメモリデバイスおよびコンピュータ可読媒体1507をさらに含み得るが、一過性の伝搬信号は除外される。コンピュータ可読媒体1507は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体も含み得る。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報/データを記憶するために使用され得、コンピューティング装置1500によってアクセスされ得る他の媒体などの、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールもしくは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法もしくは技術において実装される、取り外し可能/取り外し不可能媒体および揮発性/不揮発性媒体を含む。
【0152】
通信媒体とは、搬送波などの変調データ信号中のコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータを含み、あらゆる情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」とは、信号中に情報を符号化するような方法でその特性の1つ以上が設定または変更された信号を意味する。例えば、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、および音響、RF、赤外線、及び/又は他の無線媒体などの無線媒体、またはそれらの組み合わせを含み得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体に記憶されたソフトウェアなどのコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。
【0153】
メインメモリ1504は、読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性/不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含む。(例えば起動時等に)コンピューティング装置1500内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、典型的には、ROMに格納される。RAMは、典型的には、プロセッサ1502が直ちにアクセス可能であり、及び/又は現在操作されているデータ及び/又はプログラムモジュールを含む。さらに、読み取り専用メモリ(ROM)またはその他の形態のデータ記憶装置1506は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびその他のプログラムモジュールおよびプログラムデータを記憶することができる。
【0154】
データ記憶装置1506は、他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含むこともできる。例えば、データ記憶装置1506は、取り外し不可能な不揮発性磁気媒体から読み出し、またはこれに書き込むためのハードディスクドライブ、取り外し可能な不揮発性磁気ディスクから読み出し、またはこれに書き込むための磁気ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、及び/又はCD-ROMなどのリムーバブルの不揮発性光ディスクから読み出しまたは不揮発性光ディスクに書き込む光ディスクドライブであってもよい。他の取り外し可能/取り外し不可能、かつ揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体には、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタル多用途ディスク、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどが含まれる。ドライブおよびそれらに関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピューティング装置1500のための他のデータのストレージを提供する。
【0155】
ユーザは、タブレット、電子デジタイザ、マイクロフォン、キーボード、及び/又は一般にマウス、トラックボール、またはタッチパッドと呼ばれるポインティングデバイスなどの入力デバイス1545を係合することによって、(モニタ1560を介して表示される)ユーザインタフェース1540を介してコマンドおよび情報を入力することができる。他の入力デバイス1545は、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星アンテナ、スキャナなどを含み得る。さらに、音声入力、(例えば、手または指を介した)ジェスチャー入力、または他の自然なユーザ入力方法も、マイク、カメラ、タブレット、タッチパッド、手袋、または他のセンサなどの適切な入力デバイスと共に使用することができる。これらおよび他の入力デバイス1545は、プロセッサ1502に動作可能に接続され、システムバス1501に結合されてもよいが、パラレルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインタフェースおよびバス構造によって接続されてもよい。モニタ1560または他のタイプの表示装置も、システムバス1501に接続されてよい。また、モニタ1560は、タッチスクリーンパネルなどと一体化されていてもよい。
【0156】
コンピューティング装置1500は、リモートコンピュータなどの1つまたは複数のリモートデバイスへのネットワークインターフェース1503の論理接続を使用して、ネットワーク化またはクラウドコンピューティング環境において実装され得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであってよく、典型的には、コンピューティング装置1500に関して上述した要素の多くまたは全てを含む。論理接続は、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)および1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)を含み得るが、他のネットワークを含み得る。このようなネットワーク環境は、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネットおよびインターネットにおいて一般的である。
【0157】
ネットワーク化された環境またはクラウドコンピューティング環境で使用される場合、コンピューティング装置1500は、ネットワークインターフェース1503を介してパブリックネットワーク及び/又はプライベートネットワークに接続され得る。そのような実施形態では、ネットワークを介した通信を確立するためのモデムまたは他の手段が、ネットワークインターフェース1503または他の適切な機構を介してシステムバス1501に接続される。インタフェースおよびアンテナを含むワイヤレスネットワーキング成分は、アクセスポイントまたはピアコンピュータなどの適切なデバイスを介してネットワークに結合されてもよい。ネットワーク環境では、コンピューティング装置1500に関連して描かれたプログラムモジュール、またはその一部が、リモートメモリストレージデバイスに格納されてもよい。
【0158】
特定の実施形態は、1つ以上のモジュールを含むものとして本明細書で説明される。そのようなモジュールは、ハードウェア実装され、したがって、特定の動作を実行することができる少なくとも1つの有形ユニットを含み、特定の方法で構成または配置されてもよい。例えば、ハードウェア実装モジュールは、特定の動作を実行するように(例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application-Specific Integrated Circuit)などの特殊用途プロセッサとして)恒久的に構成される専用回路から構成されてもよい。ハードウェア実装モジュールはまた、特定の動作を実行するようにソフトウェアまたはファームウェアによって一時的に構成される(例えば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるような)プログラマブル回路から構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンシステム、クライアントおよび/またはサーバコンピュータシステム、またはピアツーピアコンピュータシステム)または1つまたは複数のプロセッサは、本明細書に記載されるような特定の動作を実行するように動作するハードウェア実装モジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成されてもよい。
【0159】
したがって、「ハードウェア実装モジュール」という用語は、本明細書に記載される特定の態様で動作するように、および/または特定の動作を実行するように、物理的に構成されたエンティティ、恒久的に構成されたエンティティ(例えば、ハードワイヤード)、または一時的に構成されたエンティティ(例えば、プログラムされたエンティティ)である、有形エンティティを包含する。ハードウェア実装モジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェア実装モジュールの各々は、時間内の任意の1つのインスタンスにおいて構成またはインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェア実装モジュールが、ソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサから構成される場合、汎用プロセッサは、異なる時点でそれぞれの異なるハードウェア実装モジュールとして構成されてもよい。ソフトウェアは、それに応じて、例えば、ある時間のインスタンスにおいて特定のハードウェア実装モジュールを構成し、異なる時間のインスタンスにおいて異なるハードウェア実装モジュールを構成するように、プロセッサ1502を構成してもよい。
【0160】
ハードウェア実装モジュールは、他のハードウェア実装モジュールに情報を提供したり、他のハードウェア実装モジュールから情報を受信したりすることができる。従って、記載されたハードウェア実装モジュールは、通信可能に結合されているとみなすことができる。このようなハードウェア実装モジュールが複数同時に存在する場合、通信は、ハードウェア実装モジュールを接続する信号伝送(例えば、適切な回路及びバスを介する)を通じて達成され得る。複数のハードウェア実装モジュールが異なる時間に構成またはインスタンス化される実施形態において、そのようなハードウェア実装モジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェア実装モジュールがアクセスするメモリ構造における情報の記憶および検索を通じて達成されてもよい。例えば、1つのハードウェア実装モジュールは演算を実行し、その演算の出力を、通信可能に結合されたメモリデバイスに格納することができる。その後、さらなるハードウェア実装モジュールが、後の時点でメモリデバイスにアクセスし、保存された出力を取り出して処理することができる。ハードウェア実装モジュールは、入力デバイスや出力デバイスとの通信を開始することもできる。
【0161】
本明細書で言及するコンピューティングシステムまたは装置には、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット型電子書籍リーダ、パーソナルデジタルアシスタント、スマートフォン、ゲーム装置、サーバなどが含まれる。コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ伝送媒体を含むコンピュータ可読媒体にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、一過性の伝搬信号を含まない有形記憶装置である。例としては、一次メモリ、キャッシュメモリ、二次メモリ(DVDなど)などのメモリや、その他の記憶装置が挙げられる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、その上に記録された命令を有するか、または本明細書に記載される機能の態様を実装するコンピュータ実行可能な命令もしくはロジックで符号化され得る。データ伝送媒体は、有線または無線接続を介して、一過性の伝搬信号または搬送波(例えば、電磁気)を介してデータを伝送するために使用することができる。
【0162】
クレームされた1つ以上の要素の置換は、再構築を構成するものであり、修理ではない。さらに、特定の実施形態に関して、利点、他の効果、および問題に対する解決策を説明した。しかしながら、利点、利点、問題に対する解決策、および利点、効果、または解決策を生じさせるか、またはより顕著にする可能性のある任意の要素または要素は、請求項のいずれかまたはすべての重要な特徴または要素、必須の特徴または要素として解釈されるものではない。
【0163】
さらに、本明細書に開示された実施形態および限定は、(1)特許請求の範囲に明示的に記載されていない場合、および(2)均等物の原則に基づき、特許請求の範囲に記載された明示的な要素および/または限定と均等であるか、または均等である可能性がある場合には、均等物の原則に基づき、公衆に開示されるものではない。
【0164】
本開示の様々な特徴および利点が本明細書に記載されている。
【0165】
(条項)
[1]最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善するシステムであって、
基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットの各々について、前記個人に特有の第1のデータセットを生成するトラッキング装置であって、前記第1のデータセットは、ゴルフボールの動きに関連する基準ボール飛行特性を含む、トラッキング装置と、
前記トラッキング装置と動作可能に通信し、前記第1のデータセットを1つ又は複数の候補ゴルフクラブの予測ボール飛行特性を定義する第2のデータセットに変換するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記複数のゴルフショットから得られた前記第1のデータセットによって定義される前記基準ボール飛行特性を正規化し、
前記ロフト角と前記ボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛距離の変化を予測するように構成された所定のボール飛行傾向関数に、正規化された前記基準ボール飛行特性と候補ロフト角とを入力することによって、前記候補ロフト角について予測ボール飛行特性のセットを生成し、
個人の1つまたは複数の前記基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する1つまたは複数の調整計算からの出力を適用することによって、前記予測ボール飛行特性のセットを調整し、前記1つまたは複数の調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって予測計算の精度を向上させる、システム。
【0166】
[2]前記1つまたは複数の調整計算は、基準ボール速度値に対する前記基準クラブの偏差および基準スピンレート値に対する前記基準クラブの偏差による各予測ボール飛行特性への影響をそれぞれ考慮するボール速度調整成分およびスピンレート調整成分を含む、[1]に記載のシステム。
【0167】
[3]前記プロセッサはさらに:
前記ボール速度調整成分または前記スピンレート調整成分に基づいて、ロフト角の変化1度あたりの、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の値について予想される変化を表す1つまたは複数の個人に特有の勾配値を決定するとともに、
前記1つまたは複数の個人に特有の勾配値を、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の個人別勾配合計値に組み入れるように構成され、
前記個人別勾配合計値は、ロフト角の変化1度あたりの前記予測ボール飛行特性の値の変化を表しており、
前記個人別勾配合計値は、予測ボール速度勾配、予測打ち出し角勾配、および予測スピンレート勾配のうちの少なくとも1つを含む、[2]に記載のシステム。
【0168】
[4]前記プロセッサはさらに:
前記個人別勾配合計値と、前記基準ロフト角と前記候補ロフト角の間のロフト角差分と、を使用して、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性の値を決定するように構成され、
前記予測ボール飛行特性のセットは、予測されるボール速度、予測される打ち出し角度、および予測されるスピンレートのうちの少なくとも1つを含む、[3]に記載のシステム。
【0169】
[5]前記プロセッサはさらに:
前記候補ロフト角に基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性に対する前記1つまたは複数の調整計算の前記ボール速度調整成分のための調整パラメータのセットを選択するとともに、
前記候補ロフト角、前記ボール速度調整成分、および前記予測ボール飛行特性のための前記ボール速度調整成分の前記調整パラメータのセットに基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性に対する個人別勾配値のセットに含まれる第1の個人別勾配値を決定するように構成される、[2]に記載のシステム。
【0170】
[6]前記プロセッサはさらに:
前記候補ロフト角に基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測ボール飛行特性のための前記1つまたは複数の調整計算の前記スピンレート調整成分の前記調整パラメータのセットを選択するとともに、
前記ロフト角候補、前記スピンレート調整成分、および前記予測ボール飛行特性のための前記スピンレート調整成分の前記調整パラメータのセットに基づいて、前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる前記予測ボール飛行特性の個人別勾配値のセットから第2の個人別勾配値を決定するように構成される、[2]に記載のシステム。
【0171】
[7]前記プロセッサはさらに:
第2のデータセットを生成して、複数の候補ロフト角に関連付けられた複数の候補ゴルフクラブについての複数の予測ボール飛行特性のセットを定義し、前記複数の予測ボール飛行特性のセットのぞれぞれは前記複数の候補ロフト角に含まれる候補ロフト角に対するとともに正規化された前記基準ボール飛行特性と前記候補ロフト角とを前記所定の傾向関数に入力することから導出され、
個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する1つまたは複数の調整計算からの出力を適用することによって、前記複数の予測ボール飛行特性のセットを調整するよう構成され、前記1つまたは複数の調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって精度を向上させるように構成される、[1]に記載のシステム。
【0172】
[8]前記プロセッサはさらに、各候補ゴルフクラブについて利用可能な各候補ロフト角について調整された予測ボール飛行特性を評価することによって、前記複数の候補ゴルフクラブから最適なギャッピングを持つ組み合わせを決定するように構成される、[7]に記載のシステム。
【0173】
[9]前記プロセッサはさらに:
前記複数の候補ロフト角に含まれる各候補ロフト角について予測ボール飛行距離を決定するとともに、
前記複数の候補ゴルフクラブのそれぞれについて、前記複数の候補ゴルフクラブの予測距離値の一貫性を最大にする候補ロフト角を選択するように構成される、[7]に記載のシステム。
【0174】
[10]前記第1のデータセットは、前記トラッキング装置によって生成された、前記基準ゴルフクラブを介したゴルフボールの動きからボール飛距離測定基準を表す第1のデータ構造のセットを含み、前記第2のデータセットは、前記基準ロフト角とは異なる候補ロフト角を有する候補ゴルフクラブについて予測された擬似ボール飛距離測定基準を含む第2のデータ構造のセットを含む、[1]に記載のシステム。
【0175】
[11]前記プロセッサはさらに、前記基準ロフト角とは異なる前記候補ロフト角を有する前記ゴルフクラブについて予測された前記擬似ボール飛距離測定基準の視覚的表現を表示するように構成され、前記視覚的表現は、当該視覚的表現が個人に特有の予測ボール飛行特性をより正確に表すように、個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の偏差を調整する前記1つまたは複数の調整計算からの出力の適用を示している、[10]に記載のシステム。
【0176】
[12]最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善するシステムであって、
基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットの各々について、前記個人に特有の第1のデータセットを生成するトラッキング装置であって、前記第1のデータセットは、ゴルフボールの動きに関連する基準ボール飛行特性を含む、トラッキング装置と、
前記トラッキング装置と動作可能に通信し、前記第1のデータセットを1つまたは複数の候補ゴルフクラブの予測ボール飛行特性を定義する第2のデータセットに変換するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
(a)ロフト角と一般的なボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成された所定のボール飛行傾向関数を実行することにより、候補クラブの予測ボール飛行特性を生成し、ここで、前記プロセッサは:
所定のボール飛行傾向関数の全体傾向成分を含む勾配関数を用いるとともに前記基準ボール飛行特性のセットに含まれる基準ボール飛行特性を用いて、ロフト角の変化1度のあたりの予測ボール飛行特性の変化率を示す勾配値を導出するとともに、
前記予測ボール飛行特性の前記勾配値、および前記候補クラブの候補ロフト角と前記基準ロフト角との差に基づき、前記候補クラブを用いた場合に予測される個人の予測ボール飛行特性の値を決定する、システム。
【0177】
[13]前記プロセッサはさらに:
ロフト角の変化1度あたりの前記予測ボール飛行特性の前記変化率に対する調整を示す1つまたは複数の調整成分を評価する1つまたは複数の調整計算を実行し、前記1つまたは複数の調整計算は、前記基準ボール飛行特性、前記候補ロフト角、および前記候補ロフト角に基づいて選択された調整パラメータのセットを組み込むものであり、
前記予測ボール飛行特性のセットに含まれる予測されたボール飛行特性の勾配値をもたらす、評価後の前記全体傾向成分の結果と評価後の1つまたは複数の調整計算の結果とを組み合わせて、所定の通常のショット傾向から個人に特有の異常を考慮した、調整された予測ボール飛行特性を導出するように構成される、[12]に記載のシステム。
【0178】
[14]前記プロセッサは、個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する調整計算からの出力を適用することによって、前記予測ボール飛行特性を調整し、前記調整計算は、プレイヤーに特有の誤差を考慮することによって、計算された予測精度を向上させる、[12]に記載のシステム。
【0179】
[15]前記プロセッサは、ステップ(a)を繰り返して前記候補クラブについて複数の予測ボール飛行特性を導き出し、前記複数の予測ボール飛行特性は、前記候補クラブロフト角を有する前記候補クラブを使用した場合に個人がボールを打つ際の予測ボールスピン、予測スピンレート、予測打ち出し角の少なくとも1つを含むように構成される、請求項12に記載のシステム。
【0180】
[16]前記プロセッサは、前記複数の予測ボール飛行特性の少なくとも1つを使用してボールの予測軌道をモデル化することにより、個人がボールを打つ際の予測距離を生成し、前記予測距離は、個人のための所定のギャッピング目標に対応する、[15]に記載のシステム。
【0181】
[17]最適なゴルフクラブ・ギャッピングのためのロフト角の組み合わせの予測計算を改善する方法であって、
プロセッサを用いて、基準ロフト角を有する基準ゴルフクラブを使用して個人が打った複数のゴルフショットに対応付けられた基準ボール飛行特性を定義するデータセットにアクセスするステップと、
前記プロセッサによって前記基準ボール飛行特性と、複数の候補クラブに関連する複数の候補クラブロフト角とを所定のボール飛行傾向関数に入力することによって、複数の候補クラブの各々についての予測ボール飛行特性のセットを生成するステップであって、前記予測ボール飛行特性のセットは、各候補クラブについての予測ボール飛行データを定義し、前記所定のボール飛行傾向関数は、ロフト角とボール飛行特性との間の所定の相関関係に基づいてボール飛行の変化を予測するように構成され、ロフトの1度の変化当たりの所定のボール飛行特性における予測変化を考慮するものであり、
各候補クラブの前記予測ボール飛行特性のセットは、前記複数の候補クラブのうち隣り合うものの間に18個の予測されたギャップを設定される、方法。
【0182】
[18]個人の1つまたは複数の基準ボール飛行特性の所定の閾値に対する偏差を調整する調整計算からの出力を適用することによって、候補クラブについての前記予測ボール飛行特性のセットの少なくとも1つを前記プロセッサによって調整するステップをさらに備え、前記調整計算は、プレイヤー特有の誤差を考慮することによって、予測計算の精度を向上させる、[17]に記載の方法。
【0183】
[19]前記プロセッサにより、前記候補クラブに関連する前記予測ボール飛行特性のセットの少なくとも1つを使用してボールの投影軌道をモデル化することにより、個人が前記複数の候補クラブに含まれる候補クラブでボールを打つ場合の予測距離を決定するステップをさらに備え、前記予測距離は、個人の所定のギャッピング目標に対応する、[17]に記載の方法。
【0184】
[20]各候補クラブについて予測ボール飛行特性のセットを活用して、各候補クラブで個人がゴルフボールを打つ予測距離を前記プロセッサによって決定するステップと、
前記複数の候補クラブから、予測距離間の平均ギャップを画定する予測距離が目標ギャップに最も近くなると予想される選択部分の組み合わせを推奨するステップと、
をさらに備える、[19]に記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】