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特表2024-537873補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/00 20060101AFI20241008BHJP
   B60C 7/24 20060101ALI20241008BHJP
   B60B 3/02 20060101ALI20241008BHJP
   B60B 9/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60C7/24
B60B3/02
B60B9/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521091
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022077492
(87)【国際公開番号】W WO2023064688
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,671
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レインハルト,シャロン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ネスビット,アダム ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】リマイ,ベンジャミン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン,アンソニー ビー.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA11
3D131AA27
3D131BB19
3D131CC03
3D131CC05
3D131HA38
(57)【要約】
【解決手段】 非空気圧式タイヤは、リングと、リングの周りに配設された周方向トレッドと、リングから下方に延在する複数の支持構造体とを含む。各支持構造体の端部は、軸方向に延在する部材を含み、各支持構造体は、支持構造体の長さに沿って延在し、かつ軸方向に延在する部材の周りに巻き付く補強層を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリであって、
非空気圧式タイヤであって、
リングと、
前記リングの周りに配設された周方向トレッドと、
前記リングから半径方向下向きに延在する複数のスポークであって、
各スポークが、軸方向に延在する部材によって画定される下端で終端し、
各スポークが、前記軸方向に延在する部材の周りに少なくとも部分的に巻き付く補強材を含み、
前記補強材が、補強材料の複数のコード、補強材料のメッシュ、及び補強材料のシートからなる群から選択される、
複数のスポークと、を備える、非空気圧式タイヤと、
複数のマウントを含むリムであって、各マウントが、対応するスポークの前記軸方向に延在する部材を受容するように構成されている、リムと、を備える、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項2】
前記補強材は、前記非空気圧式タイヤの中心軸の周りに連続的に配設された蛇行補強材であり、前記蛇行補強材は、前記リングの内側部分に沿った、かつ各スポークの前記軸方向に延在する部材の周りの曲がりくねった経路をたどる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記補強材が、前記軸方向に延在する部材の下方で終端する第1の端部を有する第1の補強材と、前記軸方向に延在する部材の下方で終端する第2の端部を有する第2の補強材とを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の補強材の前記第1の端部は前記リムで終端し、かつ前記第2の補強材の前記第2の端部は前記リムで終端する、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
各軸方向に延在する部材はロッドであり、各マウントは第1の開口及び第2の開口を含み、各ロッドは、前記ロッドの第1の端部が前記第1の開口を通って延在し、前記ロッドの第2の端部が前記第2の開口を通って延在するように、対応するマウント内に受容される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
各ロッドは、前記ロッドが自由に回転し、半径方向に自由に並進するように、前記対応するマウント内に受容される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
各ロッドはねじ山付きロッドであり、各ロッドは、前記第1の端部に締結された第1のナット及び前記第2の端部に締結された第2のナットによって前記対応するマウントに取り付けられる、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項8】
各軸方向に延在する部材は、直方体形状を有するバーである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記補強材が、ポリマー材料に埋め込まれている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ポリマー材料が、保護材料でコーティングされている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
非空気圧式タイヤを作製する方法であって、
リングを提供することと、
複数の細長い部材を提供することと、
各細長い部材が、前記リングに対して軸方向に延在するように、前記細長い部材を、前記リングの内側に配置することと、
補強材料のリボンを提供することと、
前記補強材料のリボンを、前記リングの内面に沿った迂回経路に沿って、かつ前記細長い部材の各々の周りに巻き付けることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記補強材料のリボンが、未処理のエラストマー材料に埋め込まれた補強材料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記非空気圧式タイヤを加硫させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記補強材のリボンを迂回経路に沿って巻き付けることは、前記細長い部材のうちの1つと前記リングの内面との間の半径方向経路に沿って前記リボンの一部分を延在させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記補強材のリボンを迂回経路に沿って巻き付けることは、前記細長い部材のうちの1つと前記リングの内面との間の湾曲した経路に沿って前記リボンの一部分を延在させることを含む、請求項11に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補強された支持構造体を有する非空気圧式タイヤ及びその作製方法に関する。より具体的には、本開示は、細長い部材の周りに少なくとも部分的に巻きつけられた補強材を有する、補強されたスポーク又はウェビングを有する、非空気圧式タイヤ及びその作製方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする種々のタイヤの構造が開発されている。非空気圧式タイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクして加圧空気が完全に又は部分的に失われた後に、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気圧式タイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又はインナーリングをアウターリングに接続するその他の支持構造体を含んでもよい。
【0003】
一実施形態では、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリは、リングと、リングの周りに配設された周方向トレッドと、リングから半径方向下向きに延在する複数のスポークと、を有する非空気圧式タイヤを含む。各スポークは、軸方向に延在する部材によって画定された下端で終端する。各スポークは、軸方向に延在する部材の周りに少なくとも部分的に巻き付く補強材を含む。補強材は、補強材料の複数のコード、補強材料のメッシュ、又は補強材料のシートであってもよい。アセンブリはまた、複数のマウントを有するリムを含む。各マウントは、対応するスポークの軸方向に延在する部材を受容するように構成されている。
【0004】
別の実施形態では、非空気圧式タイヤを作製する方法は、リングを提供するステップと、複数の細長い部材を提供するステップと、各細長い部材がリングに対して軸方向に延在するように、リングの内側に細長い部材を配置するステップとを含む。本方法はまた、補強材料のリボンを提供することと、リングの内面に沿った迂回経路に沿って、細長い部材の各々の周りに、補強材料のリボンを巻き付けることとを含む。
【0005】
更に別の実施形態では、非空気圧式タイヤは、リングと、リングの周りに配設された周方向トレッドと、リングから下方に延在する複数の支持構造とを含む。各支持構造体の端部は、軸方向に延在する部材を含み、各支持構造体は、支持構造体の長さに沿って延在し、軸方向に延在する部材の周りに巻き付く補強層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面では、以下に提供される詳細な説明とともに、特許請求される本発明の例示的な実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素を、多数の構成要素に置き換えてもよく、多数の構成要素として示される要素を、単一の構成要素に置き換えてもよいことを理解されたい。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
図1図1は、非空気圧式タイヤの一実施形態の斜視図である。
図2図2は、図1の非空気圧式タイヤの骨格の拡大部分正面図である。
図3図3は、図1の非空気圧式タイヤのスポークの骨格の詳細図である。
図4図4は、スポークの骨格の代替的な一実施形態の詳細図である。
図5図5は、スポークの骨格の別の代替的な実施形態の詳細図である。
図6図6は、図1の非空気圧式タイヤの細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の正面図を示す概略図である。
図7図7は、細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の代替的な一実施形態の正面図を示す概略図である。
図8図8は、細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の別の代替的な実施形態の正面図を示す概略図である。
図9図9は、細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の更に別の代替的な実施形態の正面図を示す概略図である。
図10図10は、非空気圧式タイヤのウェビングの細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の正面図を示す概略図である。
図11図11は、非空気圧式タイヤの湾曲したスポークの細長い部材の周りに巻き付けられた補強層の正面図を示す概略図である。
図12図12は、細長い部材及びビードフィラーの正面図を示す概略図である。
図13図13は、事前加硫タイヤのスポークの一実施形態の正面図を示す概略図である。
図14図14は、事前加硫タイヤのスポークの代替的な一実施形態の正面図を示す概略図である。
図15図15は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの斜視図である。
図16図16は、リムマウントに受容されたスポークの細長い部材の一実施形態の詳細図である。
図17図17は、リムマウントに受容されたスポークの細長い部材の代替的な一実施形態の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下は、本明細書において用いられる選択用語の定義を含む。これらの定義には、用語の範囲に該当し、実施のために使用され得る構成要素の様々な例及び/又は形態が含まれる。例は、限定を意図するものではない。用語の単数形及び複数形は、いずれも定義の範囲内であり得る。
【0008】
「軸方向の」及び「軸方向に」は、タイヤの回転軸と平行な方向を指す。
【0009】
「周方向の」及び「周方向に」は、軸方向に対して垂直であるトレッドの表面の外周に沿って延在する方向を指す。
【0010】
「径方向の」及び「径方向に」は、タイヤの回転軸に対して垂直な方向を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「トレッド」は、通常の膨張度及び通常の荷重において、道路又は地面と接触するタイヤの部分を指す。
【0012】
以下の説明で使用される同様の用語によって一般的なタイヤ構成要素が説明されるが、当然のことながら、用語は若干異なる含意を有するため、当業者は、以下の用語のうちのいずれも、一般的なタイヤ構成要素の説明に使用される別の用語と純粋に交換可能であるとは考えないであろうことを理解されたい。
【0013】
本明細書では、方向は、タイヤの回転軸を基準にして述べられる。「上向きの」及び「上向きに」という用語は、タイヤのトレッドに向かう一般的な方向を指し、「下向きの」及び「下向きに」は、タイヤの回転軸に向かう一般的な方向を指す。したがって、「上部の」及び「下部の」又は「頂部の」及び「底部の」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、「上部の」又は「頂部の」要素は、「下部」又は「底部」の要素よりもトレッドの近くに離間配置される。追加的に、「上」又は「下」など相対的な方向用語が要素に関連して使用されるとき、別の要素の「上」にある要素は、他の要素よりもトレッドに近い。
【0014】
「内向きの」及び「内向きに」という用語は、タイヤの赤道面に向かう一般的な方向を指し、「外向きの」及び「外向きに」は、タイヤの赤道面から離れ、タイヤのサイドウォールに向かう一般的な方向を指す。したがって、「内部」及び「外部」など相対的な方向用語が要素と関連して使用されるとき、「内部」要素は、「外部」要素よりもタイヤの赤道面の近くに離間配置される。
【0015】
図1は、非空気圧式タイヤ100の一実施形態の斜視図である。非空気圧式タイヤ100は、環状バンド又はリング110を含み、リング110の周りに周方向トレッド120が配設されている。図示されている実施形態では、トレッド120は、リング110の周りに配設された別体のゴム構成要素である。トレッド120は、リブ、ブロック、溝、サイプ、又は他のトレッド要素(図示せず)を含んでもよい。トレッド120は、接着剤でリング110に取り付けられてもよい。あるいは、トレッド120は、硬化プロセス又は化学結合プロセスを通じてリング110に取り付けられてもよい。
【0016】
代替的な一実施形態(図示せず)では、リング自体が、タイヤのトレッドを形成する。したがって、それは、リブ、ブロック、溝、サイプ、又は他のトレッド要素(図示せず)を含んでもよい。
【0017】
図示されている実施形態では、スポーク130の形態の複数の支持構造体が、リング110から下方に(すなわち、回転軸に向かって)延在する。図示されている実施形態では、各スポーク130は、リング110全体にわたって軸方向に延在する。代替的な一実施形態では、各スポークは、リングにわたって部分的にのみ延在する。このような一実施形態では、2列以上のスポークが用いられてもよい。これらの列は、互いに位置合わせされてもよく、又は互いからオフセットされてもよい。
【0018】
図示されている実施形態では、スポーク130は、実質的に直線状であり、半径方向に延在する。代替的な実施形態では、スポークは、湾曲するか又は半径方向に対して鋭角に配設されてもよい。スポークはまた、V字形、十字形であってもよく、又は任意の幾何学的形状を有してもよい。あるいは、ウェビング又はその他の支持構造体が用いられてもよい。
【0019】
各スポーク130は、細長い部材140を有する下端で終端する。図示されている実施形態では、細長い部材140は、軸方向に延在する部材である。代替的な実施形態(図示せず)では、細長い部材は、軸方向ではない方向に延在し得る。
【0020】
細長い部材140は、タイヤ100の内径を画定する。図示されている実施形態では、各細長い部材140は、ピン、ポスト、タブ、又はねじ山付きロッドなどの、円筒形ロッドである。
【0021】
非空気圧式タイヤ100は、リング110及びスポーク130に沿って延在する補強層150を更に含む。補強層150は、各細長い部材140の周りに少なくとも部分的に巻き付いている。補強層150は、補強材料の複数のコード、補強材料のメッシュ、及び補強材料のシートの形態をとってもよい。例示的な補強材料としては、鋼又は他の金属、ナイロン、ポリエステル、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド、ガラス、ポリエチレン(ポリエチレンテレフタレート)が挙げられる。しかしながら、補強層は、いかなる特定の補強材料にも限定されない。
【0022】
非空気圧式タイヤ100を構築するために、補強層150を最初に埋め込み材料に埋め込んでもよい。例えば、補強層は、未処理のエラストマー材料と共押出しされて、未処理の補強リボンを形成してもよい。あるいは、補強層150は、タイヤ構築体において使用される別個の層であってもよく、これは、次いで、埋め込み材料で覆われる。例えば、補強材料のリボン又はシートをタイヤ構築体に適用し、次に埋込み材料のリボン又はシートを、補強層に適用することができる。次に、タイヤ構築体を加硫金型若しくはオートクレーブ内で、又は他の硬化手段によって、硬化させ得る。別の例として、補強材料のリボン又はシートがタイヤ構築体に適用され、次いで、タイヤ構築体は、射出成形金型又は圧縮成形金型内で埋め込み材料でオーバーモールディングされてもよい。
【0023】
一実施形態では、補強層は、未処理のエラストマー材料のリボンに埋め込まれた複数のコードである。特定の一実施形態では、コードはリボンの長手方向に延在する。このような実施形態では、コードは、各スポークに沿って半径方向に延在する。代替的な実施形態では、コードは、長手方向に対して斜めになっていてもよく、又は横方向に延在していてもよい。このような実施形態では、コードは、各スポークに沿って斜めの方向又は横方向に延在する。
【0024】
全ての実施形態において、埋め込み材料は、保護材料で更にコーティングされてもよい。例えば、埋め込み材料は、埋め込み材料よりも良好にオゾンへの曝露に耐える材料特性を有するように配合された材料で、コーティングされてもよい。そのような材料としては、タイヤサイドウォール化合物、ベニヤ化合物、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(ethylene propylene diene monomer、EPDM)ゴム、ネオプレン、ブチルゴム、水素化ジエンゴムなどの、合成ゴム、又はオゾンへの曝露に耐えるように配合された他の化合物が挙げられ得る。コーティングは、埋め込み材料とは異なる色であってもよい。
【0025】
単一の補強層150が図1に示されているが、2つ以上の補強層が用いられてもよいということを理解されたい。加えて、補強層の数は、タイヤ100の異なる部分で変化してもよい。例えば、リング110は、スポーク130よりも多くの補強層を有してもよい。あるいは、スポーク130は、リング110よりも多くの補強層を有してもよい。
【0026】
図2は、図1の非空気圧式タイヤ100の骨格200の拡大部分正面図である。骨格200は、骨格リング210及び複数の骨格スポーク230を含む。図3は、図1の非空気圧式タイヤの骨格スポーク230の詳細図である。骨格200は、図1及び図2の両方に関して説明される。
【0027】
骨格200は、例示目的のためだけのものであり、補強層150と非空気圧式タイヤ100の他の要素との間の関係を示す。骨格200は、補強されたタイヤを作製する1つの方法による部分的な構築体を表すことができるが、ここでは単に、全ての埋め込み材料を除去することができる場合、タイヤ100が理論的にどのように見えるかを示すために提示されている。
【0028】
図示されている実施形態では、補強層150は、メッシュとして示される。補強層150は、蛇行リボンとして示されているが、この蛇行リボンは、骨格200の中心軸の周りに連続的に配設され、骨格リング210の内側部分に沿った、各骨格スポーク230の細長い部材140の周りの曲がりくねった経路をたどる。図示されている実施形態では、補強層150は、骨格リング210から細長い部材140までの実質的に半径方向の経路をたどる。代替的な実施形態では、補強層は、骨格リングから細長い部材まで、半径方向以外の経路をたどってもよい。例えば、補強層は、湾曲した経路又は傾斜した経路をたどってもよい。
【0029】
一実施形態では、補強層150は、接着剤を用いて、又は硬化プロセス若しくは化学結合を通じて、各細長い部材140に接着される。そのような実施形態では、補強層150は、細長い部材140に直接接着されてもよく、又は補強層を内包する埋め込み材料が、細長い部材140に接着されてもよい。
【0030】
代替的な一実施形態では、補強層150は、細長い部材140に接着されない。そのような実施形態では、細長い部材140は、補強層150に対して自由に回転又は並進する。細長い部材140と補強層150との間の機械的相互作用は、したがって、異なる性能を達成するように選択され得る。いくつかの実施形態では、細長い部材が、補強層に対して固定されることが望ましい場合がある。他の実施形態では、細長い部材が、補強層に対して並進することなく、回転することが望ましい場合がある。更に他の実施形態では、細長い部材が、補強層に対して回転することなく、並進することが望ましい場合がある。更に他の実施形態では、細長い部材が、補強層に対して回転及び並進することが望ましい場合がある。
【0031】
引き続き図2及び図3を参照すると、細長い部材140はロッドである。一実施形態では、ロッドは、ねじ山付きロッドである。あるいは、ロッドは、ねじ山付き端部を有する滑らかなロッドであってもよい。そのような実施形態では、ロッドは、両端でねじ山付きナットを受容するように構成されてもよい。更に別の実施形態では、ロッドは滑らかなロッドである。
【0032】
図4は、骨格スポーク300の代替的な一実施形態の詳細図である。この実施形態では、骨格スポーク300は、以下に記載の相違点を除いて、骨格スポーク230と実質的に同じである。骨格スポーク300において、細長い部材は、スチールコード束310によって形成される。スチールコード束310は、空気圧式タイヤのビードに似ているので、ビード310と呼ばれることがある。
【0033】
図5は、骨格スポーク400の代替的な一実施形態の詳細図である。この実施形態では、骨格スポーク400は、以下に記載の相違点を除いて、骨格スポーク230及び300と実質的に同じである。骨格スポーク400において、細長い部材は、直方体形状を有するバー410によって形成される。代替的な実施形態(図示せず)では、バーは、任意の幾何学的断面を有し得る。
【0034】
図6図11は、細長い部材の周りに少なくとも部分的に巻き付けられた補強層の様々な実施形態の正面図を示す概略図である。これらの実施形態の各々は、円形断面を有する細長い部材(すなわち、ロッド)を描写するが、上記の細長い部材のうちのいずれが用いられてもよいことを理解されたい。
【0035】
図6は、図1の非空気圧式タイヤの細長い部材140の周りに巻き付けられた補強層150の正面図を示す概略図である。この図から分かるように、補強層150は、細長い部材140の周りに巻き付く連続層である。
【0036】
図7は、細長い部材140の周りに巻き付けられた補強層500の代替的な一実施形態の正面図を示す概略図である。この実施形態では、補強層500は、細長い部材140の左側の周りに巻き付き、細長い部材140の下方の第1の端部で終端する第1の補強層510を含む。補強層500は、細長い部材140の右側の周りに巻き付き、細長い部材140の下方及び第1の補強層510の一部分の下方の第2の端部で終端する第2の補強層520を、更に含む。この実施形態では、第1の補強層510の端部は、第2の補強層520の端部に取り付けられてもよい。
【0037】
図8は、細長い部材140の周りに巻き付けられた補強層600の別の代替的な実施形態の正面図を示す概略図である。この実施形態では、補強層600は、細長い部材140の左側の周りに巻き付き、細長い部材140の下方の第1の端部で終端する第1の補強層610を含む。補強層600は、細長い部材140の右側の周りに巻き付き、細長い部材140の下方の第2の端部で終端する第2の補強層620を、更に含む。しかしながら、この実施形態では、第1の補強層610及び第2の補強層620の端部は、互いに重なり合わない。その代わりに、第1の補強層510の端部及び第2の補強層520の端部は、リム又は他の構成要素に取り付けられてもよい。
【0038】
図9は、第1の補強層710及び第2の補強層720を有し、そのそれぞれが細長い部材730の周りに巻き付けられている補強層700の、更に別の代替的な実施形態の正面図を示す概略図である。図示されている実施形態では、細長い部材730は分割部材であり、第1の補強層710及び第2の補強層720はそれぞれ、分割された細長い部材730の中央チャネルを通過する。中央チャネルを通過した後、第1の補強層710は、細長い部材730の左下の部分の周りに部分的に巻き付き、第2の補強層720は、細長い部材730の右下の部分の周りに巻き付く。
【0039】
図10は、非空気圧式タイヤの例示的なウェビングの細長い部材140の周りに巻き付けられた補強層800の正面図を示す概略図である。ウェビングは任意の形状を有してもよく、この図に示されるウェビングは単に例示目的のためのものであるということを理解されたい。
【0040】
補強層800は、半径方向に延在するスポークの代わりに、補強層800がウェブの一部分を画定することを除いて、上述の他の補強層と実質的に同じである。補強層800は、ウェビングを形成する一連の剛性部材の周りに巻き付く連続層であってもよい。あるいは、補強層800は、複数の補強層によって形成されてもよい。例えば、図7図9に関して図示及び説明される多層の実施形態のいずれが、図10に示されるウェビングの実施形態に適用されてもよい。
【0041】
図11は、非空気圧式タイヤの例示的な湾曲したスポークの細長い部材140の周りに巻き付けられた補強層900の正面図を示す概略図である。スポークは任意の形状を有してもよく、この図に示される湾曲したスポークは、単に例示目的のためのものであるということを理解されたい。
【0042】
補強層900は、半径方向に延在するスポークを画定する代わりに、補強層800が湾曲したスポークを画定することを除いて、上述の他の補強層と実質的に同じである。補強層900は、タイヤの複数の細長い部材140の各々の周りに巻き付く連続層であってもよい。あるいは、補強層900は、複数の補強層によって形成されてもよい。例えば、図7図9に関して図示及び説明される多層の実施形態のいずれが、図11に示される湾曲スポークの実施形態に適用されてもよい。
【0043】
図12は、細長い部材140及びビードフィラー910の正面図を示す概略図である。ビードフィラー910は、細長い部材140の上方に配設され、追加の剛性を提供する。ビードフィラー910はまた、補強層からの摩耗を防止する。ビードフィラー910は、円形断面を有する細長い部材140(すなわち、ロッド)とともに示されているが、上述の細長い部材のいずれが用いられてもよいことを理解されたい。ビードフィラーは、エラストマー材料で構成されてもよい。一実施形態では、ビードフィラーは、埋め込み材料と同じ材料で構成される。代替的な一実施形態では、ビードフィラーは、埋め込み材料よりも硬い材料で構成される。例えば、ビードフィラーは、ガラス繊維又は金属から作製されてもよい。
【0044】
図示されている実施形態では、ビードフィラー910は、細長い部材140と接触している。代替的な一実施形態では、ビードフィラーは、細長い部材から離間している。
【0045】
図示されている実施形態では、ビードフィラー910は、実質的に三角形の形状と、細長い部材140の直径にほぼ等しい高さとを有するものとして示されている。しかしながら、ビードフィラーの形状及び寸法は、所望の性能を達成するために変更されてもよいということを理解されたい。例えば、ビードフィラー910は、スポークの高さの20%未満の高さを有してもよい。別の実施形態では、ビードフィラー910は、スポークの高さの20~40%に等しい高さを有してもよい。別の実施形態では、ビードフィラー910は、スポークの高さの40~60%に等しい高さを有してもよい。別の実施形態では、ビードフィラー910は、スポークの高さの60~80%に等しい高さを有してもよい。別の実施形態では、ビードフィラー910は、スポークの高さの80~100%に等しい高さを有してもよい。
【0046】
ビードフィラー910は、補強層150に対する、並びにリム上の取付点に対する、細長い部材140の回転を制御し得る。ビードフィラーの長さ及び他の寸法を変更することは、そのような回転に影響を及ぼす。
【0047】
加えて、ビードフィラー910は、圧縮中にスポークがどのように撓むのかに影響を及ぼし得る。ビードフィラーの材料及び寸法は、そのような撓みの量及び方向を制御するように選択され得る。
【0048】
図13は、非空気圧式タイヤのスポークの一実施形態の正面図を示す概略図である。この実施形態では、補強層150及び埋め込み材料1000が、細長い部材140の周りに巻き付けられている。図示されている実施形態では、補強層150及び埋め込み材料1000は、図1図9に示されるものと同様のスポークを形成する。しかしながら、埋め込み材料は、図10及び図11に示されるものなどの任意のスポーク又はウェビング設計、並びに上述の代替的設計に用いられてもよいということを理解されたい。
【0049】
図示されている実施形態では、埋め込み材料1000は、スポーク全体に沿って一貫した厚さを有するものとして示されている。一実施形態では、埋め込み材料1000は、単一の材料で構成される。埋め込み材料1000は、天然ゴム若しくは合成ゴムなどのポリマー材料、又はその他のエラストマー材料で構成されてもよい。あるいは、埋め込み材料1000は、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、又はポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)などの、より硬いポリマー材料で構成され得る。あるいは、埋め込み材料は、1つ以上の樹脂であってもよい。
【0050】
代替的な一実施形態において、埋め込み材料1000は、タイヤの異なる領域において、異なる材料から形成されてもよい。別の代替的な実施形態では、タイヤの異なる領域は、異なる材料の複数の埋め込み材料を有してもよい。
【0051】
埋め込み材料1000が軟化するように、タイヤを加硫させるか、又は他の方法で加熱し得る。そのようなプロセスの間、補強層150は、埋め込み材料1000内に埋め込まれ得る。したがって、最終タイヤは、2つの別個の層を有さなくてもよい。
【0052】
図14は、細長い部材140の周りに巻き付けられた、補強層150及び埋め込み材料1010の代替的な一実施形態の正面図を示す概略図である。図示されている実施形態では、補強層150及び埋め込み材料1010は、図1図9に示されるものと同様のスポークを形成する。しかしながら、埋め込み材料は、図10及び図11に示されるものなどの任意のスポーク又はウェビング設計、並びに上述の代替的設計に用いられてもよいということを理解されたい。
【0053】
図示されている実施形態では、埋め込み材料1010は、様々な厚みを有するものとして示される。ここで、スポークの左側は、スポークの右側よりも厚い埋め込み材料を有するものとして示されている。しかしながら、この図は単なる例示であるということを理解されたい。埋め込み材料1010の厚さは、タイヤに沿った任意の点で変化してもよい。
【0054】
一実施形態では、埋め込み材料1010は、単一の材料で構成される。埋め込み材料1010は、天然ゴム若しくは合成ゴムなどのポリマー材料、又はその他のエラストマー材料で構成されてもよい。あるいは、埋め込み材料1010は、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、又はポリ塩化ビニル(PVC)などの、より硬いポリマー材料で構成され得る。あるいは、埋め込み材料は、1つ以上の樹脂であってもよい。
【0055】
代替的な一実施形態において、埋め込み材料1010は、タイヤの異なる領域において、異なる材料から形成されてもよい。別の代替的な実施形態では、タイヤの異なる領域は、異なる材料の複数の埋め込み材料を有してもよい。
【0056】
埋め込み材料1010が軟化するように、タイヤを加硫させるか、又は他の方法で加熱し得る。そのようなプロセスの間、補強層150は、埋め込み材料1010内に埋め込まれ得る。したがって、最終タイヤは、2つの別個の層を有さなくてもよい。
【0057】
図15図17は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリを示す。図示されている実施形態では、図1の非空気圧式タイヤ100は、リム1100に取り付けられて示されている。しかしながら、これらの図は限定を意図するものではなく、上述した非空気圧式タイヤの代替的な実施形態のいずれも、リム1100上に取り付けることができるということを理解されたい。
【0058】
細長い部材とリムにおける取付点との間の機械的相互作用は、異なる性能を達成するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い部材は、リム取付点に対して固定されることが望ましい場合がある。他の実施形態では、細長い部材は、並進することなく、リム取付点に対して回転することが望ましい場合がある。更に他の実施形態では、細長い部材は、回転することなく、リム取付点に対して並進することが望ましい場合がある。このような実施形態では、タイヤの内径は、動作中に、細長い部材がリムに対して移動するにつれて、効果的に変化する。更に他の実施形態では、細長い部材は、リム取付点に対して回転及び並進することが望ましい場合がある。
【0059】
一実施形態では、スロット及び細長い部材はそれぞれ、回転を制限するために不規則な幾何学的形状を有する。例えば、細長い部材は、ストッパを形成する突出部を有してもよい。
【0060】
図15は、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリの一実施形態の斜視図である。非空気圧式タイヤ100は、リム1100に取り付けられる。一実施形態では、リム1100は、複数の細長い部材140のそれぞれの一部分を受容するように構成された周方向溝(図示せず)を含む。リム1100は、複数の開口1110を更に含み、その各々は、複数の細長い部材140のうちの1つを受容するようなサイズになっている。この実施形態では、周方向溝及び複数の開口1110は、ともに複数のマウントを画定し、各マウントは、対応するスポーク130の細長い部材140を受容するように構成されている。
【0061】
代替的な一実施形態では、リム1100は、周方向溝の代わりに、複数の軸方向に延在するスロット(図示せず)を含む。各スロットは、複数の細長い部材140のうちの1つの一部分を受容するように構成されている。この実施形態では、複数のスロット及び複数の開口1110は、ともに複数のマウントを画定し、各マウントは、対応するスポーク130の細長い部材140を受容するように構成されている。
【0062】
図16は、リムマウント1120の一実施形態に受容されたスポーク130の細長い部材140の詳細図である。細長い部材140の一部分は、スロット又は周方向溝1130内に受容される。細長い部材140の第1の端部及び第2の端部は、一対の開口1110を通って延在する。この図では単一の開口1110のみを見ることができるが、同一の開口が、リムマウント1120の反対側に位置するということを理解されたい。一実施形態では、細長い部材140は、ねじ山付きロッドであり、各ロッドは、第1の端部に締結された第1のナット及び第2の端部に締結された第2のナットによって、対応するマウントに取り付けられる。代替的な実施形態では、ピン、クリップ、又は他の締結具が、ナットの代わりに用いられてもよい。別の代替的な実施形態では、細長い部材の第1の端部は、フランジを含み、細長い部材の第2の端部のみが、ナット、ピン、又はクリップなどの締結具を受容する。
【0063】
説明される実施形態の各々において、開口1110は、細長い部材140の直径よりもわずかに大きい直径を有する、円形開口である。締結具は、細長い部材140が、円形開口1110内で回転することを可能にするように取り付けられる。締結具は、細長い部材140の軸方向並進を防止し、円形開口1110は、細長い部材140の半径方向又は周方向並進を防止する。
【0064】
図17は、リムマウント1200の代替的な実施形態に受容されるスポークの細長い部材140の詳細図である。細長い部材140の一部分は、一対のスロット又は周方向溝1210内に受容される。この図では単一の開口1210のみを見ることができるが、同一の開口がリムマウント1200の反対側に位置することを理解されたい。一実施形態では、細長い部材140は、ねじ山付きロッドであり、各ロッドは、第1の端部に締結された第1のナット及び第2の端部に締結された第2のナットによって、対応するマウントに取り付けられる。代替的な実施形態では、ピン、クリップ、又は他の締結具が、ナットの代わりに用いられてもよい。別の代替的な実施形態では、細長い部材の第1の端部は、フランジを含み、細長い部材の第2の端部のみが、ナット、ピン、又はクリップなどの締結具を受容する。
【0065】
説明される実施形態の各々において、開口1210は、半径方向に延在し、細長い部材140の直径よりもわずかに大きいサイズのスロットである。締結具は、細長い部材140がスロット1210内で回転することを可能にするように取り付けられ、一方、締結具は、細長い部材140の軸方向並進を防止する。スロットは、半径方向の並進を可能にするが、細長い部材140の周方向の並進を防止する。換言すれば、細長い部材140は、自由に回転し、半径方向に自由に並進する。
【0066】
一実施形態では、スロットは、2つ以上の別個の取付点を画定してもよい。細長い部材をスロット内のいずれかの位置に浮動させるのではなく、予め定められた取付点どうしの間で移動させるために、カム機構を用いることができる。そのような一実施形態では、タイヤ及びリムアセンブリは、使用中は静的な系である。ユーザは、タイヤが使用されていない間に、予め定められた取付点どうしの間でカムを調整し、カムを定位置にロックする。取付点は、このように、使用中に固定される。別のそのような実施形態では、タイヤ及びリムのアセンブリは、使用中は動的な系である。電気的、機械的、又はコンピュータシステムが、タイヤの使用中に、予め定められた取付点どうしの間でカムを調整する。
【0067】
別の実施形態では、リム取り付け点はスロットであり、細長い部材は、ばね、ガスケット、又は他の可撓性部材に取り付けられる。したがって、細長い部材は、制御された様式でスロット内で浮動することができる。ばね、ガスケット、又は可撓性部材の剛性は、スロット内の移動を最適化するように選択され得る。
【0068】
別の代替的な実施形態では、細長い部材は、ベアリングロッドによってリムに取り付けられた中空ロッドである。ベアリングロッドは、タイヤが回転するときにスポークの底部が自由に回転することを可能にする。
【0069】
上述の実施形態の各々において、スポーク130は、リムマウントに取り外し可能に取り付けられてもよい。ナット、クリップ又はピンなどの締結具を使用することにより、スポークをリムから容易に取り外すことができる。代替的な実施形態では、スポークはリムに永久的に取り付けられてもよい。
【0070】
「含む(includes)」又は「含む(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲で使用される範囲において、特許請求項で移行語として用いられる際に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様に、包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が用いられる(例えば、A又はB)範囲において、「A若しくはB、又は両方」を意味することが意図される。本出願人らが「両方ではなくA又はBのみ」を示すことを意図する場合、「両方ではなくA又はBのみ(only A or B but not both)」という用語が用いられる。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包括的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中に(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上に(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「~と直接接続する(directly connected to)」だけではなく、別の1つ以上の構成要素を介して接続するなどのように「~と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0071】
本出願をその実施形態の説明によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形式でも限定することは、出願人らの意図するものではない。追加の利点及び変更が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに用例に限定されるものではない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱がなされてもよい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリであって、
非空気圧式タイヤであって、
リングと、
前記リングの周りに配設された周方向トレッドと、
前記リングから半径方向下向きに延在する複数のスポークであって、
各スポークが、軸方向に延在する部材によって画定される下端で終端し、
各スポークが、前記軸方向に延在する部材の周りに少なくとも部分的に巻き付く補強材を含み、
前記補強材が、補強材料の複数のコード、補強材料のメッシュ、及び補強材料のシートからなる群から選択される、
複数のスポークと、を備える、非空気圧式タイヤと、
複数のマウントを含むリムであって、各マウントが、対応するスポークの前記軸方向に延在する部材を受容するように構成されている、リムと、を備える、非空気圧式タイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項2】
前記補強材は、前記非空気圧式タイヤの中心軸の周りに連続的に配設された蛇行補強材であり、前記蛇行補強材は、前記リングの内側部分に沿った、かつ各スポークの前記軸方向に延在する部材の周りの曲がりくねった経路をたどる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記補強材が、前記軸方向に延在する部材の下方で終端する第1の端部を有する第1の補強材と、前記軸方向に延在する部材の下方で終端する第2の端部を有する第2の補強材とを含み、前記第1の補強材の前記第1の端部が前記リムで終端し、前記第2の補強材の前記第2の端部が前記リムで終端する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
各軸方向に延在する部材はロッドであり、各マウントは第1の開口及び第2の開口を含み、各ロッドは、前記ロッドの第1の端部が前記第1の開口を通って延在し、前記ロッドの第2の端部が前記第2の開口を通って延在するように、対応するマウント内に受容され、各ロッドは、前記ロッドが自由に回転し、半径方向に自由に並進するように、前記対応するマウント内に受容される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記補強材が、保護材料でコーティングされたポリマー材料に埋め込まれている、請求項1に記載のアセンブリ。

【国際調査報告】