(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】除草性イミダゾール化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20241008BHJP
C07D 403/06 20060101ALI20241008BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20241008BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20241008BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C07D401/14
C07D403/06 CSP
C07D403/14
A01N43/54 B
A01P13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523191
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022078500
(87)【国際公開番号】W WO2023066783
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】デール スザンナ
(72)【発明者】
【氏名】エルヴス フィリップ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】キングストン チャールズ ウィリアム フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】モリス ジェイムズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ワトキン サミュエル ヴォーン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BB09
(57)【要約】
本発明は、式(I)、
(式中、Q、R
1及びR
2は、本明細書に定義される通りである)の化合物、又は前記化合物の農学的に許容される塩に関する。本発明はさらに、式(I)の化合物を含む除草剤組成物、及び、特に、有用な植物の作物における雑草の防除のための式(I)の化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中
Qは、フェニル又はC-結合6員ヘテロアリールであり、前記フェニル又は6員ヘテロアリールは、1つ以上のR
4で置換されていてもよく;
R
1は、ハロゲン、-CN、NO
2、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ-、-C(O)C
1~C
4アルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-からなる群から独立して選択され;
R
2は、ハロゲン、-CN、NO
2、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、-C(O)C
1~C
4アルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-S(O)
pC
1~C
4アルキル及びC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-CN、NO
2、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、-S(O)
pC
1~C
4ハロアルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル及び-C(O)NR
5R
6からなる群から選択され;
R
4は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-CN、NO
2、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、-S(O)
pC
1~C
4ハロアルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル及び-C(O)NR
5R
6からなる群から選択され;
R
5は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
R
6は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
m=1又は2であり;
p=0、1又は2である)
の化合物、又はその農学的に許容される塩。
【請求項2】
式(Ia)
【化2】
(式中、Q、R
1、R
2及びR
3は、上記の請求項1に定義された通りである)
のものである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
R
3が水素である、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1がクロロである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
2が-CF
3又はCF
2Hである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Qが:
【化3】
(式中、nは0、1又は2である)
からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Qが、Q-1、Q-3及びQ-7からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
nが1である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R
4が、シアノ、メチル、ハロゲン及び-CF
3からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Qが4-Cl-フェニル-である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物及び農学的に許容される製剤補助剤を含む除草剤組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の追加的な農薬をさらに含む、請求項11に記載の除草剤組成物。
【請求項13】
前記追加的な農薬が除草剤又は除草剤薬害軽減剤である、請求項12に記載の除草剤組成物。
【請求項14】
ある場所における雑草を防除する方法であって、雑草を防除する量の請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物を前記場所に施用することを含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の式(I)の化合物の除草剤としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な除草性化合物、それらの調製のためのプロセス、新規な化合物を含む除草性組成物、及び、特に、有用な植物の作物における雑草の防除のための、又は植物成長を阻害するためのそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
したがって、本発明によれば、式(I):
【化1】
(式中
Qは、フェニル又はC-結合6員ヘテロアリールであり、前記フェニル又は6員ヘテロアリールは、1つ以上の(例えば、1つ又は2つの)R
4で任意に置換されていてもよく;
R
1は、ハロゲン、-CN、NO
2、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ-、-C(O)C
1~C
4アルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシ及びC
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-からなる群から独立して選択され;
R
2は、ハロゲン、-CN、NO
2、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、-C(O)C
1~C
4アルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-S(O)
pC
1~C
4アルキル及びC
3~C
6シクロアルキルからなる群から選択され;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-CN、NO
2、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、-S(O)
pC
1~C
4ハロアルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル及び-C(O)NR
5R
6からなる群から選択され;
R
4は、ハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルキル-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシ-、C
1~C
4アルコキシC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル-、-CN、NO
2、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4アルキニル、-S(O)
pC
1~C
4アルキル、-S(O)
pC
1~C
4ハロアルキル、-C(O)OC
1~C
4アルキル及び-C(O)NR
5R
6からなる群から選択され;
R
5は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
R
6は、水素又はC
1~C
4アルキルであり;
m=1又は2であり;
p=0、1又は2である)
の化合物、又はその農学的に許容される塩が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0003】
C1~C4アルキル-及びC1~C6アルキル-は、例えば、メチル(Me、CH3)、エチル(Et、C2H5)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル及びtert-ブチル(t-Bu)を含む。C1~C2アルキルは、メチル(Me、CH3)又はエチル(Et、C2H5)である。
【0004】
C2~C4アルケニル-は、例えば、-CH=CH2(ビニル)及び-CH2-CH=CH2(アリル)を含む。
【0005】
C2~C4アルキニル-は、炭素及び水素原子のみで構成され、少なくとも1つの三重結合を含み、2~4つの炭素原子を有する直鎖又は分枝状炭化水素鎖ラジカル基を指し、これは単結合によって残りの分子に結合している。C2~C4アルキニルの例としては、プロパ-1-イニル、プロパルギル(プロパ-2-イニル)、及びブタ-1-イニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
ハロゲン(又はハロ)は、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。同じことがハロアルキルなどの他の定義の文脈において、対応してハロゲンに適用される。
【0007】
C1~C4ハロアルキル-は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル及び2,2,2-トリクロロエチル及びヘプタフルオロ-n-プロピルを含む。C1~C2ハロアルキルは、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、又は1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチルである。
【0008】
C1~C6アルコキシは、メトキシ及びエトキシを含む。
【0009】
C1~C4ハロアルコキシ-は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ又は2,2,2-トリクロロエトキシ、好ましくはジフルオロメトキシ、2-クロロエトキシ又はトリフルオロメトキシを含む。
【0010】
C1~C4アルコキシC1~C3アルキル-は、例えば、メトキシメチル-を含む。
【0011】
C1~C4アルコキシC1~C3アルコキシ-は、例えば、メトキシエトキシ-を含む。
【0012】
C1~C4アルコキシC1~C3アルコキシC1~C3アルキル-は、例えば、メトキシエトキシメチル-を含む。
【0013】
C3~C6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0014】
C1~C4アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ又はtert-ブチルチオ、好ましくはメチルチオ又はエチルチオを含む。
【0015】
C1~C4アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル又はtert-ブチルスルフィニル、好ましくはメチルスルフィニル又はエチルスルフィニルを含む。
【0016】
C1~C4アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル又はtert-ブチルスルホニル、好ましくはメチルスルホニル又はエチルスルホニルを含む。
【0017】
本発明の一実施形態では、mは1である。本発明の別の実施形態では、mは2である。
【0018】
本発明の一実施形態では、請求項1による式(I)の化合物が提供され、ここでmは1であり、これは式(Ia)
【化2】
(式中、Q、R
1、R
2及びR
3は、上に定義された通りである)
のものである。
【0019】
本発明の一実施形態では、R3は水素である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、R1はハロゲン(例えば、クロロ)である。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態では、R2はC1~C4ハロアルキル(好ましくは-CF3又はCF2H)である。
【0022】
本発明の別の実施形態では、Qは:
【化3】
(式中、nは0、1又は2である)
からなる群から選択される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、Qは、Q-1、Q-3及びQ-7からなる群から選択される。したがって、本発明のより好ましい実施形態では、式(I)の化合物は、(Iaa)、(Iab)及び(Iac):
【化4】
からなる群から選択される。
【0024】
別の好ましい実施形態では、nは1である。この実施形態では、R4は、好ましくはシアノ、メチル、ハロゲン及び-CF3からなる群から選択される。特に好ましい実施形態では、Qは4-Cl-フェニル-である。
【0025】
本発明の別の実施形態では、QはQ-3であり、nは2である。したがって、本発明のより好ましい実施形態では、式(I)の化合物は、式(Iaba):
【化5】
(式中、R
4aは、ハロゲン、好ましくはフルオロ又はクロロであり、R
4bは、好ましくはフルオロ又はクロロであり;R
1、R
2及びR
3は、式(I)に定義される通りである)の化合物である。より好ましい実施形態では、式(Iaba)(式中、R
1はクロロであり、R
2はCF
3又はCF
2Hであり、R
3は水素である)の化合物が提供される。式(Iaba)の化合物は、特にトウモロコシにおいて改善された作物選択性を示すため、本発明の状況において特に好ましい。
【0026】
式(I)の化合物は、不斉中心を含んでもよく、単一のエナンチオマー、任意の割合のエナンチオマーの対として存在してもよく、又は、2つ以上の不斉中心が存在する場合、ジアステレオ異性体を全ての可能な比で含んでもよい。典型的には、エナンチオマーの1つは、他の可能性と比較して高い生物学的活性を有する。
【0027】
本発明は、式(I)の化合物の農学的に許容される塩も提供する。式(I)の化合物の塩は、一級、二級、及び三級のアミンなどのアミン(例えばアンモニア、ジメチルアミン、及びトリエチルアミン)と共に形成されていてもよく、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基、遷移金属、又は四級アンモニウム塩基が好ましい。
【0028】
本発明の式(I)の化合物は、それ自体で除草剤として使用することができるものの、これらは一般的にはキャリア、溶剤及び表面活性剤(SAA)などの配合補助剤を用いて、除草剤組成物に配合される。そのため、本発明は、先行する請求項のいずれか一項に記載の除草剤化合物と、農学的に許容される配合補助剤とを含む除草剤組成物をさらに提供する。組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態であってもよいが、そのまま使用可能な組成物も製造することが可能である。最終的な希釈は通常は水で行われるが、水の代わりに、又は、水に追加して、例えば液体肥料、微量元素、生物有機体、油、又は溶剤で行うこともできる。
【0029】
除草剤組成物は、通常0.1~99重量%、特には0.1~95重量%の式Iの化合物と、1~99.9重量%の配合補助剤とを含み、配合補助剤は好ましくは0~25重量%の表面活性物質を含む。
【0030】
組成物は数種類の配合物タイプから選択可能である。これらとしては、乳化性濃縮物(EC)、懸濁液濃縮物(SC)、サスポエマルジョン(SE)、カプセル懸濁液(CS)、水分散性顆粒(WG)、乳化性顆粒(EG)、油中水型エマルジョン(EO)、水中油型(EW)エマルジョン、マイクロエマルジョン(ME)、油性懸濁性剤(OD)、油混和性流動性剤(OF)、油混和性液体(OL)、可溶性濃縮物(SL)、超低体積懸濁液(SU)、超低体積液体(UL)、工業用濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、可溶性粉末(SP)、水和剤(WP)、及び可溶性顆粒(SG)が挙げられる。いずれの事例において選択される配合物のタイプも、想定される具体的な目的、式(I)の化合物の物理的、化学的、及び生物学的特性に依存するであろう。
【0031】
可溶性粉末(SP)は、式(I)の化合物を、1種又は複数種の水溶性無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムなど)又は1種又は複数種の水溶性有機固形分(多糖類など)と、任意で、1種又は複数種の湿潤剤、1種又は複数種の分散剤又は前記薬剤の混合物と共に混合して水分散性/溶解度を向上させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物もまた水溶性顆粒(SG)に粒状化され得る。
【0032】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1種又は複数種の固体希釈剤又はキャリア、1種又は複数種の湿潤剤、好ましくは1種又は複数種の分散剤、任意で、1種又は複数種の懸濁剤と混合して液体中での分散を促進させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物もまた水分散性顆粒(WG)に粒状化され得る。
【0033】
顆粒(GR)は、式(I)の化合物と1種又は複数種の粉末化された固体希釈剤若しくはキャリアとの混合物を粒状化することにより、又は、予め形成されたブランクの顆粒から、式(I)の化合物(又は、好適な薬剤中のその溶液)を多孔性粒状材料(軽石、アタパルジャイトクレイ、フーラー土、キースラガー、珪藻土又は粉砕したトウモロコシ穂軸など)に吸収させることにより、又は、式(I)の化合物(又は、好適な薬剤中のその溶液)を硬質のコア材料(砂、ケイ酸、炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩鉱物など)に吸着させ、必要に応じて乾燥させることにより、形成され得る。吸収又は吸着を補助するために通例用いられる薬剤としては、溶剤(脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルなど)及び固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖質及び植物性油など)が挙げられる。1種又は複数種の他の添加剤もまた顆粒に含まれ得る(例えば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)。
【0034】
分散性濃縮物(DC)は、水、又は、ケトン、アルコール若しくはグリコールエーテルなどの有機溶剤中に式(I)の化合物を溶解させることにより調製され得る。これらの溶液は、表面活性剤を含有していてもよい(例えば、水による希釈を向上させるか、又は、噴霧タンク中での結晶化を防止するため)。
【0035】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油型エマルジョン(EW)は、有機溶剤(任意で、1種又は複数種の湿潤剤、1種又は複数種の乳化剤又は前記薬剤の混合物を含有する)中に式(I)の化合物を溶解させることにより調製され得る。ECにおける使用に好適な有機溶剤としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200(SOLVESSOは登録商標である)によって例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンなど)及びアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールなど)、N-アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8~C10脂肪酸ジメチルアミドなど)及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC生成物は、水が添加されると自然に乳化して、適切な器具による噴霧適用が可能である十分な安定性を有するエマルジョンをもたらし得る。
【0036】
EWの調製は、液体(室温で液体ではない場合には、典型的には70℃未満の適度な温度で溶融され得る)として、又は溶液(適切な溶剤中に溶解することにより)として式(I)の化合物を得るステップ、次いで、得られた液体又は溶液を1種以上のSAAを含む水中に高せん断下で乳化させてエマルジョンを得るステップを含む。EWにおける使用に好適な溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)、及び水への溶解度が低い他の適切な有機溶剤が挙げられる。
【0037】
マイクロエマルジョン(ME)は、1種又は複数種の溶剤と1種又は複数種のSAAとのブレンドと水を混合して、熱力学的に安定な等方性液体配合物を自然にもたらすことにより調製され得る。式(I)の化合物は、最初は、水又は溶剤/SAAブレンド中に存在する。MEにおける使用に好適な溶剤としては、EC又はEWにおける使用のために本明細書中上記に記載されているものが挙げられる。MEは、水中油型又は油中水型系(どの系が存在しているかは伝導率測定により判定され得る)であり得、同一の配合物中への水溶性及び油溶性有害生物防除剤の混合に好適であり得る。MEは、マイクロエマルジョンのまま、又は、従来の水中油型エマルジョンを形成する水での希釈に好適である。
【0038】
懸濁液濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微細な不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中の式(I)の固体化合物を、任意で1種又は複数種の分散剤と共にボールミル又はビーズミルにかけて化合物の微細な粒子懸濁液を生成することにより調製され得る。1種又は複数種の湿潤剤が組成物中に含まれていてもよく、懸濁剤が粒子が沈降する速度を低減するために含まれていてもよい。或いは、式(I)の化合物が乾式ミルにかけられ、本明細書前述の薬剤を含有する水に加えられて、所望される最終生成物がもたらされてもよい。
【0039】
エアロゾル配合物は、式(I)の化合物及び好適な噴射剤(例えばn-ブタン)を含む。式(I)の化合物はまた、好適な媒体(例えば水、又は、n-プロパノールなどの水和性の液体)中に溶解又は分散されて、非加圧式の手動式噴霧ポンプで用いられる組成物をもたらし得る。
【0040】
カプセル懸濁液(CS)はEW配合物の調製と同様に調製され得るが、油滴の水性分散体が得られ、油滴の各々が高分子シェルによるカプセルに入っていると共に式(I)の化合物及び任意でそのためのキャリア又は希釈剤を含有するよう追加の重合ステージを伴って調製され得る。高分子シェルは、界面重縮合反応又はコアセルベーション法によって生成され得る。この組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供し得、それらは、種子処理に使用され得る。式(I)の化合物はまた、生分解性高分子マトリックス中に配合されて、化合物の制御された緩効性をもたらし得る。
【0041】
組成物は、例えば、式(I)の化合物の、表面上での濡れ性、保持性、若しくは分散性;処理面上における雨への耐性;又は、取り込み若しくは可動性を改善することにより組成物の生物学的性能を向上させるために、1種又は複数種の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤(SAA)、例えば特定の鉱油又は天然植物油(大豆及びナタネ油など)といった油系噴霧添加剤、メチレート化ナタネ油(MRSO)などの変性植物油、及び、これらと他の生体活性増強(bio-enhancing)補助剤(式(I)の化合物の作用を補助又は修正し得る処方成分)とのブレンドが挙げられる。
【0042】
湿潤剤、分散剤、及び乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性、又はノニオン性のSAAであってもよい。
【0043】
好適なカチオン性SAAとしては、第4級アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン及びアミン塩が挙げられる。
【0044】
好適なアニオン性SAAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、並びに、ジ-イソプロピル-スルホン酸ナトリウム及びトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えばラウレス-3-硫酸ナトリウム)、エーテルカルボン酸塩(例えばラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種又は複数種の脂肪族アルコールと、リン酸(主にモノ-エステル)又は五酸化リン(主にジ-エステル)との反応、例えばラウリルアルコールと四リン酸との反応の生成物;さらに、これらの生成物がエトキシル化されてもよい)、スルホコハク酸塩、パラフィン又はオレフィンスルホン酸塩、タウレート、リグノスルホネート及びトリスチリルフェノールのリン酸塩/硫酸塩が挙げられる。
【0045】
好適な両性SAAとしては、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが挙げられる。
【0046】
非イオン性の好適なSAAとしては、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物など)と、脂肪アルコール(オレイルアルコール又はセチルアルコールなど)又はアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又はヘキシトール無水物由来の部分エステル;前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);レシチン及びソルビタン及びこれらのエステル、アルキルポリグリコシド及びトリスチリルフェノールが挙げられる。
【0047】
好適な懸濁剤としては、親水性コロイド(多糖、ポリビニルピロリドン、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等)、及び膨潤粘土(ベントナイト又はアタパルジャイト等)が挙げられる。
【0048】
本発明の化合物は、1つ以上のさらなる除草剤及び/又は植物成長調節剤との混合物中にも使用することができる。そのようなさらなる除草剤又は植物成長調節剤の例としては、アセトクロル、アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含む)、アクロニフェン、アメトリン、アミカルバゾン、アミノピラリド、アミノトリアゾール、アトラジン、ベフルブタミド-M、ベンキトリオン、ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含む)、ベンタゾン、ビシクロピロン、ビラナホス、ビピラゾン、ビスピリバク-ナトリウム、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロル、ブタフェナシル、カルフェントラゾン(カルフェントラゾン-エチルを含む)、クロランスラム(クロランスラム-メチルを含む)、クロリムロン(クロリムロン-エチルを含む)、クロロトルロン、クロルスルフロン、シンメチリン、クラシフォス、クレトジム、クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含む)、クロマゾン、クロピラリド、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シハロホップ(シハロホップ-ブチルを含む)、2,4-D(そのコリン塩及び2-エチルヘキシルエステルを含む)、2,4-DB、デスメジファム、ジカムバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロピルメチル、コリン、ジクロロプロップ、ジグリコラミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含む)ジクロスラム、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメタクロル、ジメテナミド-P、ジオキソピリトリオン、ジクワットジブロミド、ジウロン、エピリフェナシル、エタルフルラリン、エトフメセート、フェンオキサプロプ(フェノキサプロパ-P-エチルを含む)、フェノキサスルホン、フェンピラゾン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェン(フロルピラウキシフェン-ベンジルを含む)、フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含む)、フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含む)、フルフェナセット、フルメツラム、フルミオキサジン、フルオメツロン、フォメサフェン、フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含む)、フォメサフェン、フォラムスルフロン、グルホシネート(L-グルホシネート及び両方のアンモニウム塩を含む)、グリホセート(そのジアンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含む)、ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含む)、ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含む)、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザモックス(R-イマザモックスを含む)、イマザピク、イマザピル、イマゼタピル、インダジフラム、ヨードスルフロン(ヨードスルフロン-メチル-ナトリウムを含む)、イオフェンスルフロン(イオフェンスルフロン-ナトリウムを含む)、イオキシニル、イソプロツロン、イソキサフルトール、ランコトリオン、MCPA、MCPB、メコプロパ-P、メソスルフロン(メソスルフロン-メチルを含む)、メソトリオン、メタミトロン、メタザクロル、メチオゾリン、メトラクロル、メトスラム、メトリブジン、メトスルフロン、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキシフルオルフェン、二塩化パラクワット、ペンジメタリン、ペノクススラム、フェンメジファム、ピクロラム、ピノキサデン、プレチラクロル、プリミスルフロン-メチル、プロメトリン、プロパニル、プロパキザホップ、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含む)、ピラスルホトール、ピリデート、ピリフタリド、ピリミスルファン、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラク、キンメラク、キザロホップ(キザロホップ-P-エチル及びキザロホップ-P-テフリルを含む)、リミソキサフェン、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シマジン、S-メタロクロル、スルフェントラゾン、スルホスルフロン、テブチウロン、テフリルトリオン、テムボトリオン、テルブチラジン、テルブトリン、テトルフピロリメト、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリベヌロン(トリベヌロン-メチルを含む)、トリクロピル、トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含む)、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリピラスルホン、3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン、(4R)1-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸(その農薬的に許容されるエステル、例えば、メチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート、プロパ-2-イニル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート及びシアノメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート)を含む)、3-エチル-スルファニル-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルファニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、3-(イソプロピルスルホニル-メチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]-ピリジン-8-カルボキサミド、3-(エチルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、エチル-2-[[3-[[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]オキシ]アセテート、6-クロロ-4-(2,7-ジメチル-1-ナフチル)-5-ヒドロキシ-2-メチル-ピリダジン-3-オン、テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]-プロパノエート、(2R)-2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、テトラヒドロフラン-2-イルメチル2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパノエート、2-[(4-アミノ-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパン酸、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-[(R)-プロピルスルフィニル]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-プロピルスルフィニル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(2-フルオロフェニル)メチル6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-ピリミジン-4-カルボキシレート、6-アミノ-5-クロロ-2-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリミジン-4-カルボン酸、3-(3-クロロフェニル)-6-(5-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-ピラゾール-4-カルボニル)-1,5-ジメチル-キナゾリン-2,4-ジオン及び[4-[3-(3-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-2,4-ジオキソ-キナゾリン-6-カルボニル]-2,5-ジメチル-ピラゾール-3-イル]N,N-ジエチルカルバメートが挙げられる。
【0049】
式(I)の化合物の混合相手はまた、例えば、The Pesticide Manual,Sixteenth Edition,British Crop Protection Council,2012に記載されるように、エステル又は塩の形態であってもよい。
【0050】
式(I)の化合物はまた、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用され得、これらの例は、The Pesticide Manualに示されている。
【0051】
式(I)の化合物対混合相手の混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0052】
この混合物は、上記の配合物において有利に使用され得る(その場合、「有効成分」は、式(I)の化合物と混合相手とのそれぞれの混合物に関する)。
【0053】
本発明の化合物又は混合物はまた、1種以上の除草剤薬害軽減剤と組み合わせて使用され得る。このような薬害軽減剤の例としては、ベノキサコール、クロキントセット(クロキントセット-メキシルを含む)、シプロスルファミド、ジクロルミド、フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含む)、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン(イソキサジフェン-エチルを含む)、メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含む)、メトカミフェン及びオキサベトリニルが挙げられる。
【0054】
特に好ましいのは、式(I)の化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル及び/又はメトカミフェンとの混合物である。
【0055】
式(I)の化合物の薬害軽減剤はまた、例えば、The Pesticide Manual,16th Edition(BCPC),2012に記載されるように、エステル又は塩の形態であってもよい。クロキントセット-メキシルへの言及はまた、国際公開第02/34048号に開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用される。
【0056】
好ましくは、式(I)の化合物対薬害軽減剤の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1である。
【0057】
本発明は、また、ある場所における雑草を防除する方法であって、雑草を防除する量の、式(I)の化合物を含有する組成物を、前記場所に施用することを含む方法をさらに提供する。さらに、本発明は、作物植物及び雑草を含む場所での雑草の選択的な防除方法であって、雑草を防除する量の本発明の組成物を前記場所に施用することを含む方法をさらに提供し得る。「防除」は、枯死、成長の低減若しくは遅延、又は発芽の防止又は低減を意味する。本発明の化合物が、公知の構造的に類似した化合物と比較して、はるかに改良された選択性を示すことが留意される。一般的には、防除すべき植物は望ましくない植物(雑草)である。「場所」は、植物が成長しているか成長することになる領域を意味する。施用は、作物植物の出芽前及び/又は出芽後の場所に施用してもよい。複数の作物植物は、式(I)の化合物の除草効果に対して本質的に耐性を有し得る。好ましい作物植物としては、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ダイズ及びイネが挙げられる。
【0058】
式Iの化合物の施用量は、広い限度内で様々であってもよく、また土壌の性質、施用方法(出芽前又は出芽後;種子粉衣;まき溝への施用;非耕地施用等)、作物植物、防除すべき雑草、支配的な気候条件、並びに、施用方法、施用時期、及び標的作物によって左右される他の要因に依存する。本発明の式Iの化合物は、通常10~2500g/ha、特には25~1000g/ha、さらには25~250g/haの量で施用される。
【0059】
適用は、典型的にはトラクターに備え付けた大面積用噴霧器によって組成物を噴霧することにより一般に成されるが、散粉(粉末の場合)、滴下又は潅注などの他の方法もまた用いられることが可能である。
【0060】
作物植物には、従来の育種方法又は遺伝子工学によって別の除草剤又は除草剤の分類(例えばALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、HPPD-、PDS-、及びACCase-阻害剤)に対する耐性が付与された作物植物も含まれると理解すべきである。従来の育種方法によって例えばイマザモックスなどのイミダゾリノンに対する耐性が付与された作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え法により除草剤に対する耐性が付与された作物の例としては、例えば商標名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)として市販されているグリホセート-及びグルホシネート-耐性のトウモロコシ品種が挙げられる。本発明の化合物は、例えば国際公開第2020/236790号に教示されるようなSDPS-阻害除草剤に耐性の作物と組み合わせて使用することもできる。
【0061】
作物植物はまた、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性)、Bt綿(メキシコワタミゾウムシに耐性)及びBtジャガイモ(コロラドハムシに耐性)といった、遺伝子操作法によって有害な昆虫に対する耐性が付与されたものとして理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌バクテリアによって形成される天然のタンパク質である。毒素、又は、このような毒素を合成することができる遺伝子組換え植物の例が、欧州特許出願公開第451 878号明細書、欧州特許出願公開第374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427 529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1種又は複数種の毒素を発現する1種又は複数種の遺伝子を含む遺伝子組換え植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料は共に、除草剤に耐性であることが可能であると共に、同時に、昆虫による摂食に耐性であることが可能である(「スタック」遺伝子組換え体)。例えば、種子は、グリホサート耐性であると同時に、殺虫性Cry3タンパク質の発現能を有していることが可能である。
【0062】
作物植物はまた、従来の交配法又は遺伝子操作によって得られると共に、いわゆる出力形質(例えば向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した香味)を含むものが含まれると理解されるべきである。
【0063】
組成物は、望ましくない植物(集合的に「雑草」)を防除するために使用することができる。防除すべき雑草は、例えばコヌカグサ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、カラスムギ(Avena)、ビロードキビ(Brachiaria)、スズメノチャヒキ(Bromus)、シンクリノイガ(Cenchrus)、カヤツリグサ(Cyperus)、ヒメシバ(Digitaria)、ヒエ(Echinochloa)、オヒシバ(Eleusine)、ドクムギ(Lolium)、ミズアオイ(Monochoria)、ツノアイアシ(Rottboellia)、オモダカ(Sagittaria)、ホタルイ(Scirpus)、エノコログサ(Setaria)及びモロコシ(Sorghum)などの単子葉植物種、並びに例えばアブチロン(Abutilon)、アマランサス(Amaranthus)、ブタクサ(Ambrosia)、アカザ(Chenopodium)、キク(Chrysanthemum)、イズハハコ(Conyza)、アカネ(Galium)、サツマイモ(Ipomoea)、ナスタチウム(Nasturtium)、シダ(Sida)、シロガラシ(Sinapis)、ナス(Solanum)、ハコベ(Stellaria)、クワガタソウ(Veronica)、ビオラ(Viola)、及びオナモミ(Xanthium)などの双子葉植物種、の両方であってもよい。
【0064】
本発明のさらなる態様において、本明細書に定義される式(I)の化合物の除草剤としての使用が提供される。
【0065】
式(I)の化合物の調製のためのプロセス
化合物、例えば式(I)の化合物(これは任意にその農薬的に許容される塩であり得る)の調製のためのプロセスをここに記載し、本発明のさらなる態様を形成する。
【0066】
スキーム1に示すように、式(I)の化合物は、式2のアリールイミダゾールを、スルホラン又はN,N-ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中、炭酸カリウム又はセシウムなどの塩基の存在下、式3(式中、LGはハロゲンである)の化合物と共に加熱することによる求核置換によって調製することができる。反応は、典型的には50~110℃の範囲の温度で行われる。式2のイミダゾール化合物の形成のための条件は、文献(例えばJournal of Medicinal Chemistry,2000,43,2165 and Synthetic Communications,2020,50,700参照)に詳しく記述されている。
【0067】
スキーム1
【化6】
或いは、スキーム2に示すように、「C-H活性化」に基づく化学を用いて式(I)の化合物を調製することができる。式4の化合物を最初に、アセトニトリル又はN,N-ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中、炭酸カリウム又はセシウムどの塩基の存在下、式5(式中、LGはハロゲンである)の化合物と共に加熱することによる求核置換によって式6の化合物に変換することができる。得られた式6のアルキル化イミダゾールを、次いでSynlett,2020,31,1015に概略されるC-H活性化方法を用いてアリール化することができる。
【0068】
スキーム2
【化7】
式(I)の化合物を、アセトニトリルなどの適切な溶媒中、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド又はN-ヨードスクシンイミドなどの適切なハロゲン化剤を用いてさらにハロゲン化することができる。ハロゲンは、次いで文献(Bioorg Med Chem Lett.2020;30;1269282;国際公開第2020/132269号、2020)に報告されている方法によってさらに官能化され得る。
【0069】
スキーム3
【化8】
或いは、式I(式中、Q、R
2、R
3及びR
1
(m)は、上記の式Iに定義した通りである)の化合物は、スキーム4に従って調製することができる。
【0070】
スキーム4
【化9】
スキーム4において、式Iの化合物は、式12(式中、X
2は、例えば、塩素、臭素又はヨウ素のような脱離基である)の化合物と、式Yb
2-Q 13(式中、Qは上記の式Iに定義した通りであり、Yb
2は、例えばB(OH)
2又はB(OR
b2)
2(ここでR
b2は、C
1~C
4アルキル基であり得、又は2つの基OR
b2はホウ素原子と一緒になって5員環、例えばピコナールボロンエステルを形成し得る)などのホウ素由来官能基であり得る)の化合物との間の鈴木クロスカップリング反応によって調製することができる。反応は、炭酸ナトリウム、三リン酸カリウム又はフッ化セシウムのような塩基の存在下、例えばジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N-ジメチル-ホルムアミド、1,2-ジメトキシエタンと水の混合物、又はジオキサン/水の混合物、又はトルエン/水の混合物のような溶媒又は溶媒混合物中、好ましくは不活性雰囲気下で、パラジウムベースの触媒、例えばテトラキス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(0)、(1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロ-パラジウム-ジクロロメタン(1:1複合体)又はクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhosパラダサイクル)によって触媒され得る。反応温度は、優先的には室温~反応混合物の沸点の範囲であり得、又は、反応はマイクロ波照射下で行われ得る。そのような鈴木反応は、当業者に周知である。
【0071】
式12の化合物は、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0~120℃の温度で、当業者に周知の手順によって、式10の化合物の式11(式中、LG1は、ハロゲン、好ましくはヨウ素、臭素又は塩素(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の化合物によるアルキル化反応によって調製することができる。
【0072】
式10の化合物は、式9(式中、PG1は、N-保護基、例えば、他のアミノ保護基の中でも、アセチル、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブチルオキシカルボニルである)の化合物から保護基脱保護反応によって調製することができる。そのような反応は当業者に周知であり、例えば塩基触媒又はHClなどの酸触媒を用いて行うことができる。式9の化合物は、ハロゲン化反応を用いて式8の化合物から調製することができる。そのような反応は、他の塩基の中でも、ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムテトラメチルピペリジン、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基を使用するメタル化と、分子ヨウ素、臭素又は塩素などの適切に所望されるハロゲン化試薬でクエンチすることを含む2工程手順で行うことができる。或いは、ハロゲン化反応は、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤の存在下、N-ブロモスクシンイミドなどのハロゲン化試薬を使用するラジカル条件下で、1工程で行うことができる、式8の化合物は、保護基の導入により式7の化合物から調製することができる。そのような反応は、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド、塩化アセチル、ジ-tert-ブチルジカーボネートなどの適切な保護基試薬の存在下、及びテトラヒドロフラン、メタノール、水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下で行うことができる。
【0073】
式I-1の化合物は、式I(式中、R2は-CF2Hであり、R3は-H及びQであり、R1(m)は、式Iに定義した通りである)の化合物である。式I-1の化合物は、スキーム5に従って調製することができる。スキーム5では、式I-1の化合物は、式22(式中、X3は、例えば、塩素、臭素又はヨウ素のような脱離基である)の化合物と式Yb3-Q 23(式中、Qは、上記の式Iに定義した通りであり、Yb3は、例えばB(OH)2又はB(ORb2)2などのホウ素由来官能基であり得、ここでRb2は、C1~C4アルキル基であり得、又は2つの基ORb2は、式12の化合物の式Iの化合物への変換についてスキーム4に記載した手順に従って、ホウ素原子と一緒になって、例えばピナコールボロンエステルなどの5員環を形成し得る)の化合物との間の鈴木クロスカップリング反応によって調製することができる。
【0074】
式22の化合物は、中でもジエチルアミノ硫黄トリフロリド又はビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフロリドなどのフッ素化試薬を用いたフッ素化反応を介して、式21の化合物から調製することができる。式21の化合物は、他のアルコール酸化試薬の中でも、MnO2、SO3.ピリジン、重クロム酸ピリジニウム又はクロロクロム酸ピリジニウムなどの酸化試薬を用いた酸化反応を介して、式20の化合物から調製することができる。
【0075】
【0076】
或いは、式21の化合物は、スキーム6に従って調製することができる。
【0077】
スキーム6
【化11】
スキーム6において、式21の化合物は、式10の化合物を式12の化合物に変換するスキーム4に記載のものと類似の手順に従って、式30の化合物を式26の化合物と反応させることによって調製することができる。式30の化合物は、ハロゲン化とその後のN-脱保護反応を介して、式29の化合物から調製することができる。ハロゲン化反応は、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤の存在下、N-ブロモスクシンイミドなどのハロゲン化試薬を使用するラジカル条件下で、1工程で行うことができる。脱保護反応は当業者に周知であり例えば塩基触媒又はHClなどの酸触媒を用いて行うことができる。式29の化合物は、保護基の導入により式28の化合物から調製することができる。そのような反応は、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド、塩化アセチル、ジ-tert-ブチルジカーボネートなどの適切な保護基試薬の存在下、及びテトラヒドロフラン、メタノール、水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下で行うことができる。
【0078】
式20の化合物は、水素化リチウムアルミニウム又は水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤を使用した還元反応を介して、式19(式中、R21はC1~C6アルキルである)の化合物から調製することができる。式19の化合物は、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0~120℃の温度で、当業者に周知の手順により、式17の化合物を式18(式中、LG2はハロゲン、好ましくはヨウ素、臭素又は塩素(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の化合物と反応させることによって調製することができる。式17の化合物は、式7の化合物を式10の化合物に変換するスキーム4に記載のものと類似の手順に従って、式14の化合物から3工程で調製することができる(スキーム5)。
【0079】
或いは、式I-1の化合物は、スキーム7に従って調製することができる。
【0080】
スキーム7
【化12】
スキーム7において、式I-1の化合物は、中でもジエチルアミノ硫黄トリフロリド又はビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフロリドなどのフッ素化試薬用いたフッ素化反応を介して、式27の化合物から調製することができる。式27の化合物は、水素化ナトリウム又は水素化アルカリ土類金属、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)又は水酸化物などの塩基の存在下、任意にヨウ化カリウムの存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N-ジメチルホルムアミドDMF、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド又はアセトニトリルなどの不活性溶媒中、0~120℃の温度で、当業者に周知の手順によって、式25の化合物を式26(式中、LG
3はハロゲン、好ましくはヨウ素、臭素又は塩素(又は偽ハロゲン脱離基、例えば(ハロ)アルキル又はフェニルスルホネートエステル、例えばトリフレート)である)の化合物と反応させることによって調製することができる。式25の化合物は、他のアルコール酸化試薬の中でも、MnO
2、SO
3.ピリジン、重クロム酸ピリジニウム又はクロロクロム酸ピリジニウムなどの酸化試薬を用いた酸化反応を介して、式24の化合物から調製することができる。式24の化合物は、文献、例えばJ.Med.Chem.1995,38,2251-2255に報告されている手順に従って調製することができる。
【0081】
或いは、式27の化合物は、スキーム8に従って調製することができる。スキーム8では、式27の化合物は、式10の化合物を式12の化合物に変換するスキーム4に記載のものと類似の手順に従って、式25の化合物を式26の化合物と反応させることによって調製することができる。
【0082】
スキーム8
【化13】
式25の化合物は、式32の化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適切な還元剤と反応させることによって調製することができる。式32の化合物は、式31の化合物を水酸化アンモニウム又は同様の他のアンモニアサロゲートと反応させて、トリフルオロメチル基をシアノ基に変換することよって調製することができる。そのような反応は、文献(例えばMatthews,D.P.;Whitten,J.P.;McCarthy,J.R.J.Org.Chem.1986,51,3228参照)に詳しく記述されている。式31のイミダゾール化合物の合成は、文献(例えばJournal of Medicinal Chemistry,2000,43,2165及びSynthetic Communications,2020,50,700参照)に詳しく記述されている。
【0083】
以下の非限定的な実施例は、下記の表1に参照される本発明の代表的な化合物の特定の合成方法を提供する。
【0084】
実施例1:5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.001)。
【化14】
工程1:5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジンの合成
【化15】
アセトニトリル(4.8mL)及び水(0.04mL)の混合物中の4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール(204mg、1.469mmol)、炭酸カリウム(603mg、4.363mmol)及び5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(365mg、1.738mmol)の混合物を80℃で22時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(275mg、68%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.96(s,2H),7.94(s,1H),7.88(s,1H),5.58(s,2H)
【0085】
工程2:5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.001)の合成。
【化16】
5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(48mg、0.174mmol)、1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(33μL、0.217mmol)、ヨウ化銅(I)(69mg、0.362mmol)、酢酸パラジウム(II)(3mg、0.013mmol)、トリフェニルホスフィン(5mg、0.019mmol)及びDBU(56μL、0.361mmol)の1,4-ジオキサン(1.20mL)中の混合物をマイクロ波放射線下で140℃で2時間照射した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[4-(トリフルオロメチル)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(33mg、44%)を橙色固体として得た。
【0086】
実施例2:5-クロロ-2-[[2-(4-フルオロフェニル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.008)。
【化17】
工程1:2-(4-フルオロフェニル)-5-トリフルオロメチル-1H-イミダゾールの合成
【化18】
酢酸ナトリウム(866mg、10.5mmol)及び1,1-ジブロモ-3,3,3-トリフルオロアセトン(695μL、4.84mmol)の水(4.0mL)溶液を100℃で撹拌した後、室温に冷却した。混合物をアンモニア水溶液(4.0mL、35mmol、35質量%)及び4-フルオロベンズアルデヒド(430μL、4.01mmol)のメタノール(4.0mL)溶液で処理した。混合物を室温で3時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて2-(4-フルオロフェニル)-5-トリフルオロメチル-1H-イミダゾール(488mg、50%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=9.65(br s,1H),7.87-7.76(m,2H),7.44(s,1H),7.17-7.09(m,2H)
【0087】
工程2:5-クロロ-2-[[2-(4-フルオロフェニル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.008)の合成。
【化19】
2-(4-フルオロフェニル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール(61mg、0.252mmol)、5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(62mg、0.295mmol)及び炭酸カリウム(111mg、0.803mmol)のスルホラン(1.0mL)中の混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し、濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[2-(4-フルオロフェニル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(73mg、77%)をベージュ色固体として得た。
1H NMR(500MHz,クロロホルム)δ=8.72(s,2H),7.71-7.65(m,2H),7.47(s,1H),7.17-7.11(m,2H),5.35(s,2H)
【0088】
実施例3:5-クロロ-2-[[4,5-ジクロロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(化合物1.013)
【化20】
工程1:5-クロロ-2-[[4,5-ジクロロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジンの合成
【化21】
N-クロロスクシンイジム(succinidime)(41mg、0.301mmol)及び5-クロロ-2-[[4-クロロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(44mg、0.112mmol)のアセトニトリル(0.5mL)の溶液を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[4,5-ジクロロ-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(18mg、37%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.71(s,2H),7.75-7.70(m,2H),7.69-7.64(m,2H),5.40(s,2H)
【0089】
実施例4:5-[1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-2-イル]-3-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル(1.016)の調製
【化22】
工程1:トリメチル-[2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル]シラン(I1)の調製
【化23】
4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール(3.07g、22.6mmol)及び炭酸カリウム(9.14g、66.1mmol)のアセトニトリル(35.4mL)中の懸濁液に2-(クロロメトキシ)エチル-トリメチル-シラン(5.8mL、33mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物にさらなる2-(クロロメトキシ)エチル-トリメチル-シラン(1.9mL、11mmol)を入れ、室温でさらに4時間撹拌した。完了後、混合物をブラインで希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~60%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて、トリメチル-[2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル]シランを無色油I1(2.74g、収率46%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.65(s,1H),7.42-7.36(m,1H),5.31(s,2H),3.63-3.34(m,2H),1.02-0.83(m,2H),0.01(s,9H)
【0090】
工程2:2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(I2)の調製
【化24】
トリメチル-[2-[[4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル]シランI-1(5.31g、19.9mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)の溶液に-78℃でブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、10.0mL、25mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、ヨウ素(5.82g、22.9mmol)のテトラヒドロフラン(26mL)溶液で処理し、1時間撹拌した。完了後、混合物を室温に温まらせた後、水性チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、濃縮し、シクロヘキサン中0~50%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シランI2を淡黄色固体(6.90g、収率88%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.47(q,1H),5.25(s,2H),3.59-3.51(m,2H),1.00-0.88(m,2H),0.00(s,9H)
【0091】
工程3:2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール塩酸塩(I3)の調製
【化25】
2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シランI-2(7.2g、18mmol)のエタノール(70mL)の溶液に塩酸(脱イオン水中12M、7.35mL、88mmol)を加えた。混合物を70℃で29時間撹拌し、冷却し、濃縮して2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール塩酸塩I-3を黄色固体(5.50g、収率95%)として得た。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=7.80(q,1H)
【0092】
工程4:5-クロロ-2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(I4)の調製
【化26】
2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール塩酸塩I-3(348mg、1.166mmol)及びヨウ化カリウム(37mg、0.223mmol)の混合物にアセトニトリル(5.25mL)、炭酸カリウム(536mg、3.878mmol)、水(0.18mL)及び5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(279mg、1.329mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を冷却し、濃縮し、シクロヘキサン中0~100%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけて5-クロロ-2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジンを淡黄色固体I-4(381mg、収率84%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.69(s,2H),7.51(d,1H),5.34(s,2H).
【0093】
工程5:5-[1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-2-イル]-3-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル(1.016)の調製
【化27】
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの複合体(37mg、0.0453mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(286mg、1.13mmol)、酢酸カリウム(221mg、2.25mmol)及び5-ブロモ-3-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル(180mg、0.914mmol)の混合物に1,4-ジオキサン(2.4mL)を加え、得られた反応混合物をマイクロ波照射下で100℃で1時間加熱した。この混合物に、1,4-ジオキサン(1mL)中の溶液としての5-クロロ-2-[[2-ヨード-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジンI4(246mg、0.633mmol)及び三塩基性リン酸カリウム(水中1.0M、1.60mL、1.60mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波照射下で80℃で8時間加熱した。混合物をブラインで希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、シクロヘキサン中0~50%酢酸エチルを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけた。次いで残留物を水中30~70%アセトニトリル(両方とも0.1%ギ酸を有する)を使用するC-18シリカゲル上の逆相カラムクロマトグラフィーにかけて、5-[1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-2-イル]-3-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル1.016を白色固体(96mg、収率40%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.94(d,1H),8.75(s,2H),8.19(d,1H),7.59(d,1H),5.41(s,2H),2.63(s,3H).
【0094】
実施例5:5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(1.029)の調製
【化28】
工程1:[2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル]メタノール(I5)の調製
【化29】
スターラーバーを有する500mL丸底フラスコに4-フルオロベンズアミジン塩酸塩(5.104g、28.35mmol)、1,3-ジヒドロキシアセトン二量体(5.4g、29mmol)、水酸化アンモニウム溶液(140mL、35質量%)及び塩化アンモニウム(6.23g、116mmol)を加えた。冷却器を装着し、撹拌混合物を45℃に加熱した。24時間後、反応物を室温に冷却した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。水性相を2M HCl(100mL)でpH6に酸性化し、水性相を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた茶色有機層を真空下でカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~100% 3:1酢酸エチル:エタノール)の固体媒体上に濃縮した。画分を合わせ、真空下で濃縮して[2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル]メタノールI5(3.13g、純度90%、収率52%)を提供した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=12.62-12.21(m,1H),8.07-7.88(m,2H),7.36-7.19(m,2H),7.11-6.80(m,1H),5.23-4.76(m,1H),4.42(br s,2H)
【0095】
工程2:2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI6の調製:
【化30】
スターラーバーを有する100mL丸底フラスコに[2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル]メタノールI5(540mg、2.5287mmol)、酸化マンガン(IV)(3.03g、34.5mmol)及び酢酸エチル(25mL、255mmol)を加えた。混合物を室温で撹拌した。48時間後、反応混合物をKieselguhrで濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。黄色濾液を真空下で濃縮した。固体を酢酸エチルに再溶解し、真空下でカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中40~100%酢酸エチル)の固体媒体上に濃縮した。画分を合わせ、真空下で濃縮して淡黄色固体(249mg、49%、純度95%)2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI6(249mg、収率49%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=13.46(br s,1H),9.75(s,1H),8.11(m,3H),7.35(m,2H)
【0096】
工程3:1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-4-カルバルデヒド(I7)の調製
【化31】
スターラーバーを有するマイクロ波バイアルに、2-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI6(249mg、1.2439mmol)、5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(341mg、1.6241mmol)、炭酸カリウム(434mg、3.1401mmol)、ヨウ化カリウム(42mg、0.25mmol)、アセトニトリル(3.8mL)及び水(0.38mL)を加えた。混合物をマイクロ波中で90℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた橙色有機層を真空下でカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中30~80%酢酸エチル)の固体媒体上に濃縮した。画分を合わせ、真空下で濃縮して1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI7(273mg、収率66%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=9.94(s,1H),8.71(s,2H),7.84(s,1H),7.67(m,2H),7.15(m,2H),5.40(s,2H).
【0097】
工程4:5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(1.029)の調製
【化32】
スターラーバーを有する50mL三口丸底フラスコに1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI7(273mg、0.8189mmol)を加えた。フラスコを排気(evacuate)し、窒素を3回満たした後、ジクロロメタン(15mL、234mmol)及びジエチルアミノ硫黄トリフロリド(0.9mL、7mmol)を加えた。混合物を室温で67時間撹拌した。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。合わせた橙色有機層を真空下でカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~40%酢酸エチル)の固体媒体上に濃縮した。画分を合わせ、真空下で濃縮して、橙色ゲル5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(152.4mg、収率52%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.71(s,2H),7.67(m,2H),7.37(t,1H),7.13(t,2H),6.72(t,1H),5.35(s,2H).
【0098】
実施例6:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(1.037)の調製
【化33】
工程1:2-クロロ-3-フルオロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI8の調製。
【化34】
スターラーバーを有する丸底フラスコに酢酸ナトリウム水和物(1.207g、14.42mmol)、水(5.8mL、99質量%)及び1,1,-ジブロモ-3,3,3-トリフルオロアセトン(0.995mL、6.94mmol)を加えた。冷却器を装着し、反応混合物を90℃に30分間加熱し、次いで冷却して3,3,3-トリフルオロ-2-オキソ-プロパナールの溶液を得た。スターラーバーを有する別個の丸底フラスコに6-クロロ-5-フルオロ-ピリジン-3-カルバルデヒド(971mg、5.7816mmol)、メタノール(15mL)及びアンモニア水溶液(5.8mL、51mmol、35質量%)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、そこに3,3,3-トリフルオロ-2-オキソ-プロパナール(上で調製)の溶液を滴加し、反応混合物をさらに2時間撹拌し、次いで室温に温まらせ、20時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3X20mL)。有機層を収集し、真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中10%酢酸エチル)により精製した。画分を合わせ、真空下で濃縮して2-クロロ-3-フルオロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI8(794mg、49%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=13.60(br s,1H),8.86(dd,1H),8.37(dd,1H),8.13-8.09(m,1H).
【0099】
工程2:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(1.037)の調製
【化35】
スターラーバーを有するマイクロ波バイアルに、2-クロロ-3-フルオロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI8(485mg、1.7348mmol)、5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(450mg、2.1432mmol)、炭酸カリウム(598mg、4.3267mmol)、アセトニトリル(10mL)、ヨウ化カリウム(56mg、0.3373433mmol)及び水(1mL)を加えた。混合物をマイクロ波中で70℃に2時間加熱した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3x10mL)。合わせた有機層を真空下でカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0~40%酢酸エチル)の固体媒体上に濃縮した。画分を合わせ、真空下で濃縮して5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(トリフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.037(634mg、89%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.74(s,2H),8.63(d,1H),8.04(dd,1H),7.55(q,1H),5.39(s,2H).
【0100】
実施例7:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン(1.026)の調製:
【化36】
工程1 - メチル1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI9の調製:
【化37】
メチル1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(5.00g、39.6mmol)のMeCN(75mL)の溶液にK
2CO
3(13.7g、99.1mmol)を加えた。次いで2-(クロロメトキシ)エチル-トリメチル-シラン(10mL、57mmol)を、反応混合物の内部温度を30℃未満に維持しながら滴下漏斗を介して滴加した。完全な滴加後、反応混合物を室温で4時間、素早く撹拌した。反応を飽和NaCl(75mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)を加えた。相が分離し、水性相をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機物を合わせ、飽和NaClで洗浄し、顆粒化セライト上に濃縮した。粗生成物を、溶離液としてシクロヘキサン中0~100% EtOAcの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI9(2.56g、25%)を淡黄色油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.74(d,1H),7.63(d,1H),5.32(s,2H),3.92(s,3H),3.57-3.43(m,2H),1.04-0.75(m,2H),0.00(s,9H)
【0101】
工程2 - メチル2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI10の調製:
【化38】
メチル1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI9(2.02g、7.88mmol)及びN-ブロモスクシンイミド(1.84g、10.1mmol)のMeCN(20mL)の溶液にAIBN(0.1g、0.60mmol)を加え、反応物をN
2下で60℃に3時間加熱した。反応を2Mチオ硫酸ナトリウム(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)及びブライン(20mL)を加えた。相が分離し、水性相をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機物を合わせ、飽和NaClで洗浄し、顆粒化セライト上に濃縮した。粗生成物を、溶離液としてシクロヘキサン中0~100% EtOAcの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI10(1.57g、59%)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ= 7.78(s,1H),5.31(s,2H),3.91(s,3H),3.56(m,2H),0.94(m,2H),0.01(s,9H).
【0102】
工程3 - メチル2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート;塩酸塩I11の調製:
【化39】
メチル2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルボキシレートI10(1.57g、4.68mmol)のエタノール(40mL)の溶液に12M HCl(4.00mL)を加えた。反応物をN
2下で60℃に6時間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮してメチル2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート;塩酸塩I11(1.15g、収率96%)を得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.02(s,1H),3.91(s,3H)
【0103】
工程4 - メチル2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルボキシレートI12の調製:
【化40】
撹拌しているメチル2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート;塩酸塩I11(1.15g、4.52mmol)及びKI(0.15g、0.90mmol)のMeCN(20mL)中の懸濁液にK
2CO
3(2.19g、15.8mmol)及びH
2O(1.50mL)を加えた。5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン塩酸塩(1.14g、5.43mmol)を加え、反応物を80℃に2時間加熱した。反応物を飽和NaCl(10mL)でクエンチし、EtOAc(10mL)を加えた。相が分離し、水性相をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機物を合わせ、飽和NaClで洗浄し、顆粒化セライト上に濃縮した。粗生成物を、溶離液としてシクロヘキサン中0~100% EtOAcの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルボキシレートI12(1.36g、86%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.68(s,2H),7.80(s,1H),5.38(s,2H),3.90(s,3H)
【0104】
工程5 - [2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-イル]メタノールI13の調製:
【化41】
メチル2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルボキシレートI12(1.36g、3.90mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(20mL)の溶液に0℃でN
2下でヘキサン中DIBAL-H 1.0M(11.70mL、11.70mmol)を滴加した。反応物を0℃で1時間撹拌した後、室温に温めた。反応物を室温で16時間撹拌した。反応物をメチルtert-ブチルエーテル(10mL)で希釈し、0℃に冷却し、467μLの水、467μLの水中15% NaOHでクエンチした後、1.17mLの水を加えた。次いで反応物を室温に温め、室温で30分間撹拌した。セライト及びMgSO
4を加え、反応混合物を焼結漏斗で吸引下で濾過した。濾液を真空下で濃縮して[2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-イル]メタノールI13(1.16g、88%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ= 8.68(s,2H),7.08(s,1H),5.32(m,2H),4.59(s,2H),2.15(s,1H).
【0105】
工程6 - 2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI14の調製:
【化42】
[2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-イル]メタノールI13(1.16g、3.44mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(20mL)の溶液に室温でMnO
2(4.49g、51.6mmol)を加え、反応物を室温で24時間撹拌した。MnO
2(1.50g、17.3mmol)を加え、反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応物をEtOAc(100mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮して2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI14(0.77g、75%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=9.82(s,1H),8.69(s,2H),7.80(s,1H),5.40(s,2H).
【0106】
工程7 - 2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI15の調製:
【化43】
0℃に冷却した2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI14(0.77g、2.56mmol)のジクロロメタン(50mL)の溶液にジエチルアミノ硫黄トリフロリド(2.72mL、20.6mmol)を滴加した。反応物を0℃でN
2下で3時間素早く撹拌した。反応を飽和NaHCO
3(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(25mL)を加えた。相が分離し、有機物を顆粒化セライト上に濃縮した。粗生成物を、溶離液としてシクロヘキサン中0~100% EtOAcの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI15(0.45g、54%)を茶色油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.69(s,2H),7.37(t,1H),6.64(t,1H),5.36(s,2H).
【0107】
工程8 - 5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.026の調製:
【化44】
マイクロ波バイアルに2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI15(0.040g、0.12mmol)、2-クロロ-3-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(0.041g、0.16mmol)及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(5mg、0.006mmol)を加えた。容器をN
2の雰囲気下に置き、密封した。2-メチルテトラヒドロフラン(0.50mL)及び三塩基性リン酸カリウム(水中1.0M)(0.30mL、0.30mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波照射下で100℃で1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(10mL)及びEtOAc(10mL)を加えた。相が分離し、水性相をEtOAc(3x5mL)で抽出した。有機物を合わせ、セライト上に濃縮した。粗生成物を、溶離液として0~100% EtOAc/シクロヘキサンの勾配を用いてシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した後、溶離液として水中30~100% MeCN(0.1%ギ酸修飾剤を有する)の勾配を用いてC18逆相シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.026(14mg、31%)を無色油として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.81(s,2H),8.51(d,1H),8.09(dd,1H),7.69(t,1H),6.77(t,1H),5.56(s,2H).
【0108】
実施例8:5-クロロ-2-[[5-クロロ-2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.076の合成
【化45】
工程1:2-クロロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI16の合成
【化46】
酢酸ナトリウム(1.5g、18mmol)の水(10mL)溶液に1,1-ジブロモ-3,3,3-トリフルオロアセトン3,3-ジブロモ-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オン(2.3g、8.5mmol)を加えた。反応混合物を100℃に30分間加熱した。次いで反応物を室温に冷却した。この溶液にアンモニア水溶液(5.0ml)を加えた後、メタノール(20ml)中の6-クロロピリジン-3-カルバルデヒド(1.0g、7.1mmol)をゆっくり加え、14時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(20:80)を使用して(200-400)シリカにより精製して2-クロロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI16を淡黄色固体(1.0g、57%)として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.96(d,1H)8.32(dd,1H)7.32-7.44(m,2H).
【0109】
工程2:2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルボニトリルI17の合成
【化47】
2-クロロ-5-[4-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]ピリジンI16(0.5g、2.02mmol)、メタノール(2.5ml)及びアンモニア水溶液(4.8ml、30.291mmol)の混合物を密閉管内で70℃で10時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧蒸発させた。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(40:60)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルボニトリルI17(0.4g、96%)を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.93(dd,1H),8.32(dd,1H),8.03(s,1H),7.61(dd,1H).
【0110】
工程3:2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI18の合成
【化48】
撹拌している2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルボニトリルI17(0.51g、2.4924mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10.2ml)溶液に-78℃でトルエン中の水素化ジイソブチルアルミニウム(12mL、12.46mmol、1モル溶液)を滴加した。次いで反応塊を同じ温度で1時間撹拌し、0℃になるまで放置し、1時間撹拌した。反応塊を2N HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次いで有機層を水、ブラインでよく洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(30:70)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI18(160mg、30%)を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.83(s,1H),8.98(d,1H),8.38(dd, 1H),8.08(br s,1H),7.63(d,1H).
【0111】
工程4:2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI19の合成
【化49】
2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI18(0.16g、0.77mmol)のアセトニトリル(1.6mL)の溶液に炭酸カリウム(0.26g、1.92mmol)、ヨウ化カリウム(0.025g、0.15mmol)及び5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン(0.15g、0.92mmol)を加え、70℃に16時間加熱した。反応混合物を水で希釈し(100mL)、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗物質を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(20:80)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI19(0.2g、78%)を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.72(s,1H),8.69(s,1H),8.66-8.69(m,1H),8.55(dd,1H),8.10(s,1H),7.96-8.01(m,1H),7.46(dd,1H),5.50(s,2H).
【0112】
工程5:5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.028の合成
【化50】
2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI19(0.200g、0.56mmol)のジクロロメタン(12mL)の溶液にジエチルアミノ硫黄トリフロリド(0.6mL、4.5mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウム溶液(50mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗物質を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(20:80)を使用して(200-400)シリカにより精製して、5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.028(120mg、56%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.72(s,2H),8.09(dd,1H),7.43-7.47(m,2H),7.27(s,1H),6.73(t,1H),5.37(s,2H).
【0113】
工程6:5-クロロ-2-[[5-クロロ-2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.076の合成
【化51】
5-クロロ-2-[[2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.028(0.07g、0.19mmol)のアセトニトリル(1.4mL)の溶液にN-クロロスクシンイミド(0.035g、0.25mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、反応塊を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(20:80)を使用して(200-400)シリカにより精製して、5-クロロ-2-[[5-クロロ-2-(6-クロロ-3-ピリジル)-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.076を灰白色固体(45mg、58%)として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.72(s,2H),8.51(dd,1H),7.94(dd,1H),7.45(dd,1H),6.72(t,1H),5.43(s,2H).
【0114】
実施例9:5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルピリミジン-5-イル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.077の合成
【化52】
工程1:1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒド及び3-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒド(I20+I21)の合成
【化53】
1H-イミダゾール-4-カルバルデヒド(4.0g、42mmol)のテトラヒドロフラン(42mL)の溶液に水素化ナトリウム(1.2当量、50mmol、60質量%)を0℃で加えた。混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(8.5g、46mmol)を滴加した。滴加後、混合物を25℃で10時間撹拌した。反応塊を<5℃に冷却し、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチル(200mLx3)で抽出した。次いで有機層をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(30:70)を使用して(200-400)シリカにより精製して、1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒド(7.65g、収率81%)を、それぞれ2:1の比で異性体3-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒドを含むI20及びI21の混合物を得た。主要な異性体
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.90(s,1H),7.73(d,1H),7.69(s,1H),5.33(s,2H),3.47-3.54(m,2H),0.85-0.97(m,2H),-0.05-0.01(m,9H).少量の異性体
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.79(s,1H),7.87(s,1H),7.82(s,1H),5.69(s,1H),3.59-3.65(m,2H),0.85-0.97(m,2H),-0.05-0.01(m,9H).
【0115】
工程2:2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒド及び2-ブロモ-3-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒド(I22+I23)の合成
【化54】
撹拌している1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI20及びI21(2.5g、11mmol)の混合物の四塩化炭素(50mL)溶液にアゾビスイソブチロニトリル(0.093g、0.55mmol)、次いでN-ブロモスクシンイミド(2.2g、12mmol)を室温で加えた。反応塊を85℃で16時間加熱した。反応塊を室温に冷却し、チオ硫酸ナトリウムの10%水溶液でクエンチし、層を分離した。水性層を酢酸エチル(200mlx3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI22及び2-ブロモ-3-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI23(3.0g、9.8mmol、89%)の混合物を粗材料としての粘着性塊として得た。主要な異性体
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.66(s,1H),8.38(s,1H),5.38(s,2H),3.47-3.61(m,2H),0.82-0.90(m,2H),-0.10-0.04(m,9H)及び少量の異性体
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 9.62(s,1H),8.36(s,1H),5.41(m,2H),3.47-3.61(m,2H),0.82-0.90(m,2H),-0.10-0.04(m,9H)
【0116】
工程3:2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI24の合成
【化55】
2-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-4-カルバルデヒドI22及びI23(1.1g、3.6mmol)及び2,2,2-トリフルオロ酢酸(4.2mL、54mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷水に注ぎ、pHが中性になるまで固体重炭酸ナトリウムを撹拌下で加えた。反応塊を15分間撹拌し、次いで酢酸エチル(100mLx5)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(30:70)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI24(0.545g、2.96mmol、82%)を粘着性塊として得、これは放置すると固体となった。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ ppm 9.64(s,1H),7.78-7.95(m,1H).
【0117】
工程4:2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI25の合成
【化56】
2-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドI24(0.4g、2.28mmol)のアセトニトリル(9.14mL)溶液に炭酸カリウム(0.63g、4.57mmol)、ヨウ化カリウム(0.037g、0.23mmol)及び5-クロロ-2-(クロロメチル)ピリミジン(0.45g、2.51mmol)を加えた。反応混合物を60℃に16時間加熱した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mLx3)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(30:70)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI25及び2-ブロモ-3-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI26(0.455g、1.49mmol、65%)の混合物を得た。主要な異性体I25
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.81(s,1H),8.68(s,2H),7.80(s,1H),5.40(s,2H).少量の異性体I26
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.80(s,1H),8.60(s,2H),7.75(s,1H),5.39(s,2H).
【0118】
工程5:2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI27の合成
【化57】
2-ブロモ-1-[(5-クロロピリミジン-2-イル)メチル]イミダゾール-4-カルバルデヒドI25(0.45g、1.49mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に0℃でジエチルアミノ硫黄トリフロリド(1.66mL、11.94mmol)を滴加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、重炭酸ナトリウム溶液(30mL)でゆっくりクエンチし、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して粗物質を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(25:75)を使用して(200-400)シリカにより精製して、2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI27(0.234g、0.72mmol、48%)を薄茶色の粘稠液体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 8.68(s,2H),7.36(t,1H),6.62(t,1H),5.35(s,2H).
【0119】
工程6:5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルピリミジン-5-イル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.077の合成
【化58】
10mLマイクロ波バイアルに、1,4-ジオキサン(0.5mL)中の2-[[2-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イミダゾール-1-イル]メチル]-5-クロロ-ピリミジンI27(0.05g、0.15mmol)及び(2-メチルピリミジン-5-イル)ボロン酸(0.064g、0.46mmol)を加えた。この混合物に三塩基性リン酸カリウム(0.084g、0.386mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.016g、0.0196mmol)を加え、100℃で1時間加熱した。反応の完了後、反応塊を5ml水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して粗材料を得た。残留物を、酢酸エチル及びシクロヘキサン(30:70)を使用して(200-400)シリカにより精製して、5-クロロ-2-[[4-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルピリミジン-5-イル)イミダゾール-1-イル]メチル]ピリミジン1.077(0.03g、0.089mmol、58%)を粘着性塊として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 9.02(s,2H),8.70(s,2H),7.45(s,1H),6.71(t,1H),5.34(s,2H),2.77-2.81(s,3H).
【0120】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【0121】
生物学的実施例
様々な試験種:オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)(AMAPA)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種する。温室(24/16℃、昼/夜;14時間光;65%湿度)の中で制御された条件下で、1日の培養後(発芽前)又は8日間の培養後(発芽後)、0.5%のTween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、CAS RN 9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的有効成分の配合物から得られる水性噴霧溶液を植物に噴霧する。特に記載しない限り、化合物は、250g/haで施用される。その後、試験植物を、温室(24/16℃、昼/夜;14時間光;65%湿度)の中の制御された条件下で、温室で栽培し、1日に2回水やりした。発芽前及び発芽後について13日後、試験を、植物に生じた損傷パーセンテージについて評価する。生物学的活性が、5段階評価で以下の表に示される(5=81~100%;4=61~80%;3=41~60%;2=21~40%;1=0~20%)。
【0122】
【0123】
【国際調査報告】