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特表2024-537905バイポーラスフィンクテロトームのための最適化された電極間隔
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  • 特表-バイポーラスフィンクテロトームのための最適化された電極間隔 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】バイポーラスフィンクテロトームのための最適化された電極間隔
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20241008BHJP
   A61B 17/3209 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B17/3209
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523388
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022047000
(87)【国際公開番号】W WO2023069420
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/257,329
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジッタール, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】サイモン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カラザース, クリストファー, エー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK38
4C160KL03
4C160NN01
(57)【要約】
バイポーラスフィンクテロトームは、近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、長尺管状部材の外側に露出する切刃を含むアクティブパスと、長尺管状部材の外面の上に配置されるリターン電極と、を含み得る。各種の実施形態において、バイポーラスフィンクテロトームの軸方向断面において、リターン電極は横方向軸と交差しない。追加的又は代替的に、切刃とリターン電極との間の最小距離が少なくとも約0.050インチである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイポーラスフィンクテロトームであって、
近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、
前記長尺管状部材の外側に露出する切刃を含むアクティブパスと、
前記長尺管状部材の外面上に配置されるリターン電極と、
を含み、
前記バイポーラスフィンクテロトームの軸方向断面において、前記リターン電極は前記バイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差せず、前記横方向軸は前記バイポーラスフィンクテロトームの長さ方向軸及び前記切刃により画定される半径方向に対して垂直であり、
前記切刃と前記リターン電極との間の最小距離は少なくとも約0.050インチである、
バイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項2】
前記切刃と前記リターン電極との間の最小距離は0.060インチ~0.080インチの範囲内である、請求項1に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項3】
前記長さ方向軸に対して垂直で、及び前記切刃の絶縁されていない部分の近位端により画定される平面から遠位方向に延びる長さ方向の長さにわたり、前記リターン電極の表面積対前記切刃の表面積の比は少なくとも約3:1である、請求項1又は2に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項4】
前記長尺管状部材の外径は約0.050インチ~約0.100インチの範囲である、請求項1~3の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項5】
前記リターン電極は、前記切刃のための出口ポートを通過して近位方向又は前記切刃の固定点を通過して遠位方向の少なくとも一方に長さ方向に延びる、請求項1~4の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項6】
前記リターン電極は前記固定点を通過して遠位方向に延びる、請求項5に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項7】
前記リターン電極は、湾曲するように構成された前記長尺管状部材の遠位部分にわたって長さ方向に延びる、請求項1~6の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項8】
前記リターン電極は、前記リターン電極の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって前記横方向軸と交差しない、請求項1~7の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項9】
前記リターン電極は前記長さ方向の長さ全体にわたって前記横方向軸と交差しない、請求項8に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項10】
前記長尺管状部材が前記軸方向断面において少なくとも1つのルーメンを含む、請求項1~9の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項11】
バイポーラスフィンクテロトームであって、
近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、
前記長尺管状部材の外側に配置された切刃を含むアクティブパスと、
前記長尺管状部材の外面上に配置されたリターン電極と、
を含み、
前記切刃と前記リターン電極との間の最小距離は少なくとも約0.050インチである、
バイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項12】
前記最小距離は0.060インチ~0.080インチの範囲内である、請求項11に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項13】
前記長尺管状部材の外径は約0.050インチ~約0.100インチの範囲である、請求項11又は12に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項14】
前記リターン電極は、前記切刃のための出口ポートを通過して近位方向又は前記切刃のための固定点を通過して遠位方向の少なくとも一方に長さ方向に延びる、請求項11~13の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項15】
前記リターン電極は前記固定点を通過して遠位方向に延びる、請求項14に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項16】
前記リターン電極は、湾曲するように構成された前記長尺管状部材の遠位部分にわたって長さ方向に延びる、請求項11~15の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項17】
前記リターン電極は、長さ方向に前記リターン電極の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって前記長尺管状部材の外面の周囲に180度未満だけ円周方向に延びる、請求項11~16の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項18】
前記リターン電極は、前記長さ方向の長さの全体にわたって前記外面の周囲に180度未満だけ円周方向に延びる、請求項17に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項19】
前記リターン電極は前記長尺管状部材の外面の周囲で180度を超えて円周方向に延び、それによって前記リターン電極は少なくとも1箇所で前記バイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差する、請求項11~16の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【請求項20】
前記バイポーラスフィンクテロトームの長さ方向軸に垂直で、及び前記切刃の絶縁されていない部分の近位端により画定される平面から遠位方向に延びる長さ方向の長さにわたり、前記リターン電極の表面積対前記切刃の表面積の比は少なくとも約3:1である、請求項11~19の何れか1項に記載のバイポーラスフィンクテロトーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年10月19日に出願された米国仮特許出願第63/257,329号の優先権の利益を主張する。米国仮特許出願第63/257,329号の内容の全体を参照によって本願に援用する。
【0002】
本発明は一般に医療機器に関し、より詳しくはバイポーラスフィンクテロトームに関する。
【背景技術】
【0003】
スフィンクテロトームは、オッディ括約筋等の括約筋の切開が係わる括約筋切開術を行うために使用される医療機器である。括約筋は、その収斂性を弛緩させて1つ又は複数の医療機器を筋肉内に挿入できるようにするために切開する必要があり得る。例えば、胆管中に発生する問題、例えば胆管結石の形成又は乳頭部狭窄症は、胆管内に送達される医療機器を使って治療され得る。胆管に到達するために、医療機器はオッディ括約筋を通過し得る。医療機器をオッディ括約筋に通しやすくするために、スフィンクテロトームを使って括約筋が切開され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、患者の胃腸管内で、及び/又は括約筋を切開するために行われるものを含めた括約筋切開術の実行中にアーク発生の可能性を最小化するために切刃端とリターン電極との間の間隔を最適化した、バイポーラスフィンクテロトーム、電気手術システム、及び電気手術用医療機器の各種の実施形態を説明する。1つの実施形態において、バイポーラスフィンクテロトームは、近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、長尺管状部材の外側に露出する切刃を含むアクティブパスと、長尺管状部材の外面上に配置されるリターン電極と、を含み、バイポーラスフィンクテロトームの軸方向の断面において、リターン電極はバイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差せず、横方向軸はバイポーラスフィンクテロトームの長さ方向軸及び切刃により画定される半径方向に垂直である。
【0005】
他の実施形態において、バイポーラスフィンクテロトームは、近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、長尺管状部材の外側に配置される切刃を含むアクティブパスと、長尺管状部材の外面上に配置されるリターン電極と、を含み、切刃とリターン電極との間の最小距離は少なくとも約0.070インチである。
【0006】
他の実施形態も可能であり、実施形態の各々は単独でも又は組み合わせても使用できる。したがって、各種の実施形態を添付の図面に関して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電源に電気的に連結されたバイポーラスフィンクテロトームを含む電気手術システムの側断面図を示す。
図2】曲げられた状態の図1のバイポーラスフィンクテロトームの遠位部分の斜視図を示す。
図3図1のバイポーラスフィンクテロトームの遠位部分の例示的構成の、図1の線3-3に沿った軸方向断面図を示す。
図4図1のバイポーラスフィンクテロトームの遠位部分の別の例示的構成の、図1の線3-3に沿った軸方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、バイポーラ構成を有するスフィンクテロトームの各種の実施形態が説明され、これはバイポーラスフィンクテロトームとも呼ばれる。本明細書ではまた、電源に連結されたバイポーラスフィンクテロトームを含む電気手術システムの各種の実施形態が説明される。各種の実施形態において、バイポーラスフィンクテロトームは、長尺管状部材の外面上に配置されるリターン電極を有し、これは円周方向にバイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差しない。追加的又は代替的に、バイポーラスフィンクテロトームは切刃とリターン電極との間に最小距離を有し、これは少なくとも約0.050インチである。このような構成により、バイポーラスフィンクテロトームの、切刃とリターン電極との間のアーク発生の可能性を十分に低減させ、又は最小化させる最適化された特徴が提供され得る。
【0009】
図1は例示的な電気手術システム100の部分側断面図を示し、これは、電源104に連結されたバイポーラスフィンクテロトーム102を含む。本明細書の他の実施形態は、電源104を持たず、バイポーラスフィンクテロトーム102のみを含み得る。
【0010】
バイポーラスフィンクテロトーム102は、近位部分108から遠位部分110へと長さ方向に延びる長尺管状部材106(例えば、カテーテル)を含み得る。長尺管状部材106は、近位部分108から遠位部分110へと延びる本体112を含み得る。本体112は様々な適当な材料で製作され得て、これには非導電材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、ポリエチレン、ナイロン、又はフッ素化エチレンが非限定的な例として含まれる。追加的に、各種の実施形態において、長尺管状部材106の本体112の外径は約0.050インチ~約0.100インチの範囲であり得る。特定の実施形態において、この外径は0.085インチである。
【0011】
バイポーラスフィンクテロトーム102は、アクティブパスとリターンパスをさらに含み得る。一般に、アクティブパスとリターンパスは各々、導電素子であるか、又は各々、電源104と患者の体内の治療部位(例えば、括約筋)との間で電流を送達するように構成された素子のネットワークである。図1に示されるように、電源104(例えば、電気手術ユニット(ESU:electrosurgical unit)又は高周波(RF)発電機)は、アクティブポート114とリターンポート116を含む1対のポートを介して電流を出力するように構成され得る。アクティブパスは、アクティブポート114に電気的に連結されるように構成され得て、リターンパスはリターンポート116に電気的に連結されるように構成され得る。追加的に、患者の体内の治療部位において、アクティブパスの遠位部分は治療部位の組織の一部分と接触するように構成され、リターンパスの遠位部分は組織の他の部分と接触するように構成される。組織自体は、比較的低抵抗の経路を提供する。
【0012】
したがって、アクティブ及びリターンパスの遠位部分が組織と接触しているとき、電源、アクティブ及びリターンパス、並びに治療部位の組織が電気回路を形成し、それを通じて電源104により生成される電流が流れ得る。組織の中を流れる電流は、組織に対する特定の効果を生じさせ得て、これには切開、アブレーション、又は凝固等が非限定的な例として含まれる。追加的に、括約筋切開術等の電気手術処置では、電流は高周波(RF)電流等の交流(AC)であり得る。したがって、電気回路が形成されると、その極性に応じて、電源104により生成された電流は電源104のアクティブポート114からバイポーラスフィンクテロトーム102のアクティブパスを通り、治療部位の組織を通り、その後、リターンパスを通ってリターンポート116に戻るように流れ得るか、又はリターンポート116からリターンパスを通り、治療部位の組織を通り、その後、アクティブパスを通ってアクティブポート114へと戻るように流れ得る。
【0013】
図1のバイポーラスフィンクテロトームに関して、アクティブパスは導電性のアクティブワイヤ118(カッティングワイヤとも呼ばれる)を含み得て、これは近位部分108から遠位部分110へと長さ方向に延びる。図1に示されるもののような各種の実施形態において、アクティブワイヤ118は本体112内で長さ方向に延び得るが、遠位部分110は除かれ、そこでアクティブワイヤ118は出口ポート120において本体112内から本体112の外へと出て、本体112の外側で出口ポート120から固定点122へと遠位方向へと延び、固定点122でアクティブワイヤ118の遠位端が本体112に固定され、又は取り付けられる。アクティブワイヤ118のうち本体112の外側にある部分は切刃124と呼ばれ得て、アクティブワイヤ118の、治療部位で組織と接触するように構成される電極部である。例えば、括約筋切開術中に、切刃124はアクティブワイヤ118のうち括約筋と接触して電流がそこに送達されると括約筋を切開するように構成された部分である。各種の実施形態において、切刃124の直径は、約0.010インチ~約0.024インチの範囲であり得る。追加的に、各種の実施形態において、アクティブワイヤ118の切刃124以外の残りの部分の直径は、切刃124と同じでも又は異なっていてもよい。
【0014】
追加的に、アクティブワイヤ118は、例えば近位部分108から遠位部分110へと長さ方向に延びるアクティブワイヤルーメン(図1では図示せず)内に配置されることにより、本体112内で長さ方向に移動可能であり得る。本体112内で長さ方向に移動可能であることにより、アクティブワイヤ118は長尺管状部材106の遠位部分110を湾曲した形と湾曲していない形との間で動かすように構成され得る。図1は、湾曲していない形の遠位部分110を示している。図2は、湾曲した形の遠位部分110を示す。例えば、アクティブワイヤ118が長尺管状部材106に関して近位方向に引かれると、アクティブワイヤ118の遠位端は固定点122において長尺管状部材106に力を加え得て、それによって遠位部分110は図2に示されるように湾曲方向に曲がる。アクティブワイヤ118が近位側に引かれることによって遠位部分110が湾曲した形になると、切刃124は比較的緊張し、切開する形となり得る。バイポーラスフィンクテロトーム102を操作して括約筋切開術を行う術者は、バイポーラスフィンクテロトーム102を操作してアクティブワイヤ118を近位方向に引くことにより、遠位部分110を湾曲した形にし、切刃124が切開する形で緊張し、組織を切る状態とし得る。
【0015】
追加的に、バイポーラスフィンクテロトーム102のリターンパスは、遠位部分110にリターン電極126を含み得る。一般に、リターン電極126は、長尺管状部材106内から露出して、治療部位の組織と接触するように構成されたリターンパスの導電コンポーネントである。追加的に、図1に示されるもののような各種の実施形態において、リターン電極126は長尺管状部材106の本体112の外面128を覆い、その上若しくは周辺に配置され、及び/又は固定若しくは接着され得る。リターン電極126は様々な導電材料の何れからも製作され得て、これは例えば、非限定的な例として導電性インク、ペースト、フォイル、ワイヤ、又はシートメタルである。また、図には明確に示されていないが、バイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極126の導電材料を本体112の外面128に接着する1つ又は複数の中間層、例えばエポキシ層を含み得る。これに関して、外面128を覆い、その上若しくは周辺に配置され、及び/又はそれに固定若しくは接着されるリターン電極126は、必ずしもリターン電極126の導電材料が本体112の外面128と直接接触することを必要としない。追加的に、各種の実施形態において、リターン電極126は、切刃124もまた出口ポート120から固定点122へと長さ方向に延びる、長さ方向の長さにわたって延び得る。各種の実施形態において、切刃124の長さ方向の長さは7ミリメートルであるが、その他の長さも可能であり得る。また、これらの実施形態の少なくとも幾つかについて、リターン電極126はさらに長さ方向に、長尺管状部材106の出口ポート120を通過して近位方向又は固定点122を通過して遠位方向の少なくとも一方に延び得る。図1及び2は、出口ポート120を通過して近位方向にも、固定点122を通過して遠位方向にも延びるリターン電極126を示している。
【0016】
追加的に、リターンパスはリターンワイヤ又はその他の長尺導電素子130を含み得て、これは近位部分108から遠位部分110へと長さ方向に延び、リターン電極126に接続される。図1に示されるもののような各種の実施形態において、リターンワイヤ130は、例えば長尺管状部材106のリターンルーメン(図1及び2では図示せず)内に延びることにより、本体112内で長さ方向に延び得る。他の実施形態では、リターンワイヤ130の少なくとも一部分が本体112の外側に、例えばそれに沿って延びる。リターンワイヤ130をリターン電極126に接続する及び/又はリターンパスが近位部分108から遠位部分110へと長さ方向に延びるようにする様々な方法がとられ得る。
【0017】
バイポーラスフィンクテロトーム102は、長尺管状部材106とアクティブワイヤ118に動作的に連結されるハンドルアセンブリ132をさらに含み得る。各種の実施形態において、ハンドルアセンブリ132は、相互に関して移動可能で長尺管状部材106に関するアクティブワイヤ118の長さ方向の移動を制御する複数の部分を含み得る。例えば、図1に示される例示的構成において、ハンドルアセンブリ132は、フィンガリングの形態の第一の部分134とサムリングの形態の第二の部分136を含み得て、術者はハンドルアセンブリ132を握る際にそこにそれぞれ自分の親指以外の指と親指を挿入し得る。サムリング136は、アクティブワイヤ118に動作的に連結され得、フィンガリング134は長尺管状部材106に動作的に連結され得て、サムリング136をフィンガリング134に関して動かすことにより、アクティブワイヤ118が長尺管状部材106に関して長さ方向に移動し得る。それに対応して、術者は、ハンドルアセンブリ132を握り、手を開き、及び閉じることにより、それぞれサムリング136をフィンガリング134からさらに遠ざけ、及びそれにさらに近付け得る。フィンガリング134をサムリング136に向かって移動させると、アクティブワイヤ118が近位方向に引かれ得て、ひいては遠位部分110を図2に示されるような湾曲した形に動かし得る。追加的に、フィンガリング134をサムリング136から遠ざけると、遠位部分110は図1に示されるような湾曲していない形へと動き得る。図1に示されるハンドルアセンブリ132は単に例にすぎず、アクティブワイヤ118を長尺管状部材106に関して長さ方向に移動させやすくするためのハンドルアセンブリのその他の各種の構成が可能であり得る。
【0018】
追加的に、各種の実施形態において、電気手術システム100は、電源104をバイポーラスフィンクテロトーム102に電気的に連結するように構成された電気ケーブルを含み得る。電気ケーブルは、アクティブポート114に接続されるように構成されたアクティブケーブル138と、リターンポート116に接続されるように構成されたリターンケーブル140を含み得る。各種の実施形態において、電気ケーブルはバイポーラスフィンクテロトーム102のコンポーネントと考え得る。他の実施形態では、電気ケーブルは、バイポーラスフィンクテロトーム102とは別の電気手術システム100のコンポーネントと考え得る。
【0019】
また、図1に示されるもののような各種の実施形態において、ハンドルアセンブリ132はアクティブパス又はリターンパスの一方又は両方のコンポーネントを含み得る。例えば、アクティブケーブル138はハンドルアセンブリ132に接続されるように構成され得て、ハンドルアセンブリ132と一体の導電アクティブ素子142は、アクティブケーブル138がハンドルアセンブリ132に接続されると、アクティブケーブル138をアクティブワイヤ118に電気的に接続し得る。追加的又は代替的に、リターンケーブル140はハンドルアセンブリ132に接続されるように構成され得て、ハンドルアセンブリ132と一体の導電リターン素子144は、リターンケーブル140がハンドルアセンブリ132に接続されるとリターンケーブル140をリターンワイヤ130に電気的に接続し得る。各種の実施形態において、アクティブケーブル138及び/又はリターンケーブル140はハンドルアセンブリ132にしっかりと接続され、又は取り付けられ得る。他の実施形態において、アクティブケーブル138及び/又はリターンケーブル140は、ハンドルアセンブリ132に取外し可能に接続され、又は取り付けられ得る。
【0020】
図3は、バイポーラスフィンクテロトーム102の、図1の線3-3に沿った軸方向断面図を示す。図3の軸方向断面図は、バイポーラスフィンクテロトーム102の、長尺管状部材106の本体112の外側の切刃124が配置される遠位部分110の軸方向断面を概して表している。図2も参照すると、バイポーラスフィンクテロトーム102はワイヤガイドルーメン146を含み得て、その中にワイヤガイド148が移動可能に配置され得る。動作中、ワイヤガイド148は患者の体内に挿入され得て、ワイヤガイド148の遠位端は治療部位まで移動され得る。ワイヤガイドルーメン146はすると、ワイヤガイド148の周囲で挿入され得て、バイポーラスフィンクテロトーム102の遠位部分110は患者の体内で治療部位まで遠位方向に進められ得る。このようにして、ワイヤガイド148により、バイポーラスフィンクテロトーム102の遠位部分110を治療部位へと送達しやすくなる。一般に、ワイヤガイドルーメン146は、図2に示されるように、本体112内で近位部分108から遠位端150へと長さ方向に延びる。追加的に、少なくとも幾つかの実施形態について、アクティブワイヤ118及び/又はリターンワイヤ130のための1つ又は複数のルーメンは、出口ポート120で、又はその近位側で停止又は終結し得て、例えばワイヤガイドルーメン146等の1つのルーメンのみが、図3に示されるように、本体112の中で、切刃124が長さ方向に延びる長さ方向の長さにわたり長さ方向に延びる。複数のルーメンが本体112の中で、切刃124が長さ方向に延びる長さ方向の長さにわたり長さ方向に延びるものを含め、他の実施形態も可能であり得る。
【0021】
特に図3を参照すると、幾何学的に、長尺管状部材106は、図3の中心に位置付けられた点302により表される中心長さ方向軸の周囲に中央に長さ方向に位置付けられ得る。さらに、軸方向断面の中で、切刃124により画定される半径方向304は、長さ方向軸から(例えば点302から)切刃124を通って延びる。追加的に、横方向軸306は長さ方向軸302と交差し、長さ方向軸302及び半径方向304の両方に対して垂直である。
【0022】
追加的に、図3に示されるように、軸方向断面において、リターン電極126は外面128の周囲で第一の端308から第二の端310まで円周方向に延び得る。バイポーラスフィンクテロトームを設計する際、当業者は直感的に、リターン電極126を長尺管状部材106の外面128の周囲に、円周方向に少なくとも180度、又は少なくとも円周の半分にわたり延びるように構成し得る。そうする中で、軸方向断面では、リターン電極126は少なくとも1回(少なくとも1カ所で)横方向軸308と幾何学的に交差することになる。例えば、少なくとも180度にわたり円周方向に延びるリターン電極126は、その端308、310が横方向軸306の上に、若しくはそれと重複するように配置され得るか、又はリターン電極126はそれがその端308、310まで円周方向に延びる間に少なくとも1回、横方向軸306と交差し、又は「横切り」得る。設計者は、リターン電極126がバイポーラ形構成のために治療部位で組織と接触するのに十分な大きさの表面積を有し、それと同時にリターン電極126が切刃124に近すぎて不要なアークを生じるということがないことを確実にするために、リターン電極126を少なくとも180度にわたり円周方向に延びるように直感的に構成し得る。
【0023】
しかしながら、試験の中で、本発明者らは切刃124とリターン電極126との間の最小距離が、切刃124とリターン電極126との間のアークから十分に保護するためには少なくとも約0.050インチであるべきであることを発見した。本明細書において、切刃124とリターン電極126との間の最小距離とは、切刃124上の何れかの点からリターン電極126上の何れかの点まで延びる、バイポーラスフィンクテロトーム102を通って延びないあらゆる考え得る経路の最短の点間距離である。
【0024】
例えば胃腸(GI)管内等の括約筋切開術を施行しているとき、治療部位には組織、胆汁等の体液、及び空気又はその他の気体の混合物が含まれる。治療部位に電流を送達することから発せられる熱は、治療部位の混合物の組成にさらに影響を与え得る。本明細書に記載のバイポーラスフィンクテロトームの実施形態の開発中に、本発明者らは、患者の体内における括約筋切開術が行われる治療部位の環境をシミュレートする試験装置を作った。試験装置には、患者のGI管内の実際の環境と同様の、胆汁で分離された切刃を備えるアクティブワイヤとリターン電極を含めた。アクティブワイヤとリターン電極は発電機に電気的に連結され、それが電流を電極に、括約筋切開術中に使用されるものとマッチするパワー設定で送達した。切刃とリターン電極との間の距離を、胆汁にさらされた状態で変化させ、電流を送達した。
【0025】
試験を通じて、本発明者らは、最小距離が約0.050インチ未満であると、混合物のある組合せを含む経路上で、切刃124とリターン電極126との間のアーク発生の可能性が高くなりすぎることを発見した。したがって、本願に記載の各種の実施形態において、長尺管状部材106の外径が0.050インチ~0.100インチの範囲であるものを含め、バイポーラスフィンクテロトーム102の切刃124とリターン電極126との間の最小距離は少なくとも0.050インチである。これらの実施形態の幾つかにおいて、最小距離の上限は、リターン電極126の幅(すなわち、円周方向の距離)に依存し、又はそれによって制限される。特定の実施形態において、リターン電極の幅は少なくとも0.030インチ(以上)である。それに対応して、切刃124とリターン電極126との間の最小距離は0.050インチ以上の何れの値でもあり得るが、ただしさらにリターン電極126の幅が少なくとも0.030インチであるものとし、又はそれを条件とする。リターン電極126を幅が少なくとも0.030インチとなるように構成することにより、リターン電極126が小さすぎない、又は薄すぎないことが確実となり得、それによってリターン電極126と切刃124との表面積比は少なくとも3:1となり、及び/又は幅が手術中に組織と確実に十分に接触できるような大きさとなる。追加的又は代替的に、これらの実施形態の幾つかにおいて、最小距離は0.060インチ~0.080インチの範囲である。特にこれらの実施形態の中で、長尺管状部材106の外径は0.085インチであり、最小距離は少なくとも0.062インチである。
【0026】
それに対応して、いくつかの実施形態において、外径が約0.050インチ~約0.100インチの範囲の長尺管状部材106が0.050インチ以上の最小距離を有するには、リターン電極126は外面128の上で円周方向に、横方向軸306と交差しないように延び、その結果、リターン電極126は予想外の構成となる。横方向軸306と交差しないリターン電極126が図3に示されている。例えば、端308、310は各々、横方向軸306の「下」又は「下方」に配置され、リターン電極126は長尺管状部材106の外面128の周囲に180度未満にわたり円周方向に延びる。
【0027】
図1に戻ると、少なくとも幾つかの実施形態について、切刃124の一部分は、管状部材106の外側に配置されているにも関わらず、組織と接触してそれを切開しないように構成され得る。例えば、図1に示されるように、チューブ又はスリーブ等の絶縁カバー152が切刃124の一部分を覆い、又はその周囲に配置され得て、それによって切刃124のその部分が組織と接触して電流を組織に送達するのを阻止する。換言すれば、切刃124のうち絶縁カバー152により覆われる部分ではなく、絶縁カバー152が組織と接触するように構成される。絶縁カバー152は絶縁材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリイミド等であるが、その他の絶縁材料も可能)で製作され、したがって、それが接触する組織に電流を送達しないように構成される。絶縁カバー152を含めることにより、切刃124のうち組織と接触するように構成される表面積が、絶縁カバー152がまったく存在しない場合より縮小され得て、そのことが今度は切刃124が組織を切開する能力を高め得る。
【0028】
図1に示されるもの等の少なくとも幾つかの実施形態について、絶縁カバー152は出口ポート120から遠位方向に延びる。絶縁カバー152は、切刃124の長さ方向の長さの約半分にわたり延び得るが、絶縁カバー152のその他の長さ方向の長さも可能であり得る。
【0029】
絶縁カバー152の遠位端又は終端及び/又は切刃124の絶縁されず、組織と接触するように構成された近位端は、長尺管状部材106の長さ方向軸に垂直な平面154を画定し得る。この平面は図1において破線154で表されている。少なくとも幾つかの実施形態について、平面154から遠位端150まで遠位方向に延びるバイポーラスフィンクテロトーム102の長さ方向の長さにわたり、リターン電極126の表面積と切刃124の表面積との比は、少なくとも約3対1(3:1)であり得る。切刃124とリターン電極126とのこのような表面積比により、切刃124とリターン電極126との間の、括約筋切開術の施行にとって十分な、又は最適な接触比及び/又は電流密度比が提供され得る。それに対応して、リターン電極126は、切刃124とリターン電極126との間の最小距離が少なくとも約0.050インチとなり、リターン電極126と、切刃124の絶縁されていない近位端により画定される垂直平面154から遠位方向に延びる長さ方向の長さにわたる切刃124との間の表面積比が少なくとも3:1となるような大きさであり得る。
【0030】
再び図3を参照すると、図3の軸方向断面は、リターン電極126の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたるバイポーラスフィンクテロトーム102の軸方向断面の表現であり得る。すなわち、リターン電極126はリターン電極126の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって長さ方向に延びる軸方向断面の横方向軸306と交差しないことがあり得る。特定の実施形態において、リターン電極126は、その長さ方向の長さ全体にわたって長さ方向に延びる軸方向断面内の横方向軸306と交差しないことがあり得る。少なくとも幾つかの実施形態について、リターン電極126の全体又は最大の長さ方向の長さは約5センチメートル(cm)であるが、他の長さも可能であり得る。
【0031】
本明細書に記載の他の各種の実施形態において、バイポーラスフィンクテロトームの切刃124とリターン電極126との間の最小距離は少なくとも約0.050インチであり得、リターン電極126は少なくとも1カ所で横方向軸306と交差する。これらの実施形態の幾つかにおいて、リターン電極126は、リターン電極126の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって少なくとも1箇所で横方向軸306と交差し得る。特にこれらの実施形態の中で、リターン電極126はリターン電極306の長さ方向の長さの全体にわたって少なくとも1箇所で横方向軸306と交差し得る。例えば、図4は、リターン電極126が長尺管状部材106の円周の半分を超えて(例えば、180度を超えて)円周方向に延び、リターン電極が2箇所402、404で横方向軸306と交差する例示的構成を示す。これらの実施形態の幾つかにおいて、長尺管状部材106の外径は0.050インチ~0.100インチであり得、他方で最小距離は少なくとも0.050インチである。他の実施形態において、長尺管状部材106の外径は0.100インチを超えてよく、それによってリターン電極126は180度を超えて円周方向に延び、他方で切刃124とリターン電極126との間の最小距離は依然として少なくとも約0.050インチである。特にこれらの実施形態の中で、最小距離は前述のように0.060インチ~0.080インチの範囲内であり得る。
【0032】
本明細書の主旨はまた、以下の態様その他にも関する。
【0033】
第一の態様において、バイポーラスフィンクテロトームは、近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、長尺管状部材の外側に露出する切刃を含むアクティブパスと、長尺管状部材の外面上に配置されるリターン電極と、を含み、バイポーラスフィンクテロトームの軸方向断面において、リターン電極はバイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差せず、横方向軸はバイポーラスフィンクテロトームの長さ方向軸及び切刃により画定される半径方向に対して垂直である。
【0034】
第二の態様において、第一の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、切刃とリターン電極との間の最小距離が少なくとも約0.050インチであることをさらに含む。
【0035】
第三の態様において、第二の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、最小距離が0.060インチ~0.080インチの範囲内であることをさらに含む。
【0036】
第四の態様において、第一から第三の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、長さ方向軸に対して垂直で、切刃の絶縁されていない部分の近位端により画定される平面から遠位方向に延びる長さ方向の長さにわたり、リターン電極の表面積対切刃の表面積の比は少なくとも約3:1であることをさらに含む。
【0037】
第五の態様において、第一から第四の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、長尺管状部材の外径が約0.050インチ~約0.100インチの範囲であることをさらに含む。
【0038】
第六の態様において、第一から第五の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が、切刃のための出口ポートを通過して近位方向又は切刃の固定点を通過して遠位方向の少なくとも一方に長さ方向に延びることをさらに含む。
【0039】
第七の態様において、第五の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が固定点を通過して遠位方向に延びることをさらに含む。
【0040】
第八の態様において、第一から第七の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が湾曲するように構成された長尺管状部材の遠位部分にわたって長さ方向に延びることをさらに含む。
【0041】
第九の態様において、第一から第八の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極がリターン電極の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって横方向軸と交差しないことをさらに含む。
【0042】
第十の態様において、第九の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が長さ方向の長さ全体にわたって横方向軸と交差しないことをさらに含む。
【0043】
第十一の態様において、第一から第十の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、長尺管状部材が軸方向断面において少なくとも1つのルーメンを含むことをさらに含む。
【0044】
第十二の態様において、バイポーラスフィンクテロトームは、近位部分から遠位部分へと長さ方向に延びる長尺管状部材と、長尺管状部材の外側に配置された切刃を含むアクティブパスと、長尺管状部材の外面上に配置されたリターン電極と、を含み、切刃とリターン電極との間の最小距離は少なくとも約0.050インチである。
【0045】
第十三の態様において、第十二の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、最小距離が0.060インチ~0.080インチの範囲であることをさらに含む。
【0046】
第十四の態様において、第一二又は第十三の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、長尺管状部材の外径が約0.050インチ~約0.100インチの範囲であることをさらに含む。
【0047】
第十五の態様において、第十二から第十四の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が切刃のための出口ポートを通過して近位方向又は切刃のための固定点を通過して遠位方向の少なくとも一方に長さ方向に延びることをさらに含む。
【0048】
第十六の態様において、第十五の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が固定点を通過して遠位方向に延びることをさらに含む。
【0049】
第十七の態様において、第十二から第十六の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が湾曲するように構成された長尺管状部材の遠位部分にわたって長さ方向に延びることをさらに含む。
【0050】
第十八の態様において、第十二から第十七の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が、長さ方向にリターン電極の長さ方向の長さの少なくとも半分にわたって長尺管状部材の外面の周囲に180度未満だけ円周方向に延びることをさらに含む。
【0051】
第十九の態様において、第十八の態様のバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が、長さ方向の長さの全体にわたって外面の周囲に180度未満だけ円周方向に延びることをさらに含む。
【0052】
第二十の態様において、第十二から第十七の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、リターン電極が長尺管状部材の外面の周囲で180度を超えて円周方向に延び、それによってリターン電極は少なくとも1箇所でバイポーラスフィンクテロトームの横方向軸と交差することをさらに含む。
【0053】
第二十一の態様において、第十一から第二十の態様の何れかのバイポーラスフィンクテロトームは、バイポーラスフィンクテロトームの長さ方向軸に垂直で、切刃の絶縁されていない部分の近位端により画定される平面から遠位方向に延びる長さ方向の長さにわたり、リターン電極の表面積対切刃の表面積の比が少なくとも約3:1であることさらに含む。
【0054】
本発明の各種の実施形態の上述の説明は、例示と説明を目的として提示されている。これは、網羅的であること、又は本発明を開示された詳細な実施形態に限定することを意図したものではない。上述の教示を参考にして、多くの改良又は変更が可能である。論じられた実施形態は、本発明の原理及びその実践的応用の最善の例示を提供して、当業者が本発明を様々な実施形態で利用できるようにするために選択され、記載されており、特定の用途に適した各種の改良が想定される。かかる改良及び変更は、付属の特許請求の範囲を公正に、合法的に、及び均衡法により正当とされる幅により解釈した場合に判断される本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】