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  • 特表-新規三誘導体化合物およびその用途 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】新規三誘導体化合物およびその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20241008BHJP
   C07D 217/16 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 239/74 20060101ALI20241008BHJP
   C07D 217/02 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/472 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20241008BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241008BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241008BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20241008BHJP
【FI】
C07D401/04
C07D217/16 CSP
C07D405/04
C07D409/04
C07D471/04 116
C07D239/74
C07D471/04 113
C07D471/04 106A
C07D471/04 108K
C07D471/04 103Z
C07D217/02
C07D471/04 101
A61K31/472
A61K31/4725
A61K31/4985
A61K31/517
A61K31/4375
A61K31/437
A61P29/00
A61P37/02
A23L33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548338
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 KR2022016290
(87)【国際公開番号】W WO2023075339
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0144666
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0136853
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Witepsol
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524155507
【氏名又は名称】ヒューケムバイオ株式会社
【氏名又は名称原語表記】HUCHEMBIO CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】807ho, 570-6 Dongtangiheung-ro Hwaseong-si Gyeonggi-do 18469 KR
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李相學
(72)【発明者】
【氏名】尹美子
(72)【発明者】
【氏名】金美善
(72)【発明者】
【氏名】李到炯
(72)【発明者】
【氏名】姜承喜
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB03
4B018LB06
4B018LB07
4B018LB08
4B018MD07
4B018MD18
4B018ME14
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC30
4C086BC46
4C086CB05
4C086CB09
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA15
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB33
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明は、新規な三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩およびその用途に関し、優れたSTAT3阻害活性を有するもので、現在第3相臨床進行中である公知の化合物よりも優れた抑制効果を示すことに確認されて、STAT3関連疾患の治療剤として用いられることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】


前記化学式1において、
~Aは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、
およびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、S、SO、SO、NRおよびCHRのいずれか一つであり、
lおよびnは、それぞれ同一または異なってもよく、0または1であり、mは、1または2であり、
Xは、H、ハロゲン、(C1~C4)アルキルおよび(C1~C4)アルコキシのいずれか一つであり、
は、
【化2】


のいずれか一つであり、
~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、
は、H、ヒドロキシ基、エーテル基、ハロゲン、カルボニル基、ニトロ基、ナフチル基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、(C1~C12)アルキル、(C1~C12)アルケニル、(C1~C12)アルキニル、(C6~C10)アリール、および(C7~C10)アリールアルキルからなる群で選択される。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式1-1である、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化3】


前記化学式1-1において、
A’~A’は、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、
およびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、SおよびSOのいずれか一つであり、
nは、0または1であり、mは、1または2であり、
Xは、Hまたはハロゲンであり、
は、
【化4】


のいずれか一つであり、E~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNである。
【請求項3】
前記化学式1-1において、A’、A’、A’~A’は、CHであり、A’は、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CO、NH、OおよびSのいずれか一つであり、Xは、Hまたはハロゲンである、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記化合物は、3-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(3-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-ブロモ-7-(イソキノリン-4-イル)フェナントレン-9,10-ジオン(2-bromo-7-(isoquinolin-4-yl)phenanthrene-9,10-dione)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-キサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-xanthen-9-one)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-thioxanthen-9-one)、2-(ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrido[3,4-b]pyrazin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(キナゾリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(quinazolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(1,6-ナフチリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(1,6-ナフチリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrazolo[1,5-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)、4-(ジベンゾ[b,d]チオフェン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]thiophen-3-yl)isoquinoline)、4-(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]furan-3-yl)isoquinoline)、7-(イソキノリン-4-イル)-5H-ピリド[4,3-b]インドール(7-(isoquinolin-4-yl)-5H-pyrido[4,3-b]indole)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-carbazole)、7-(イソキノリン-4-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(7-(isoquinolin-4-yl)-2,3,4,9-tetrahydro-1H-carbazole)、2-(イソキノリン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-([1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-([1,2,4]triazolo[4,3-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-1-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-1-yl)-9H-fluoren-9-one)および2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)からなる群で選択される、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
前記化学式1は、下記化学式1-2である、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化5】


前記化学式1-2において、
A’’~A’’は、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、
およびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、SおよびSOのいずれか一つであり、
nは、0または1であり、mは、1または2であり、
Xは、Hまたはハロゲンであり、
は、
【化6】


のいずれか一つであり、
~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNである。
【請求項6】
前記化学式1-2において、A’’~A’’は、CHであり、nは0であり、mは1であり、LはCHまたはNHであり、XはHである、ことを特徴とする請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
前記化合物は、6-(イソキノリン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール(6-(isoquinolin-4-yl)-1,2,3,4-tetrahydrocyclopenta[b]indole)である、ことを特徴とする請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
請求項1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、STAT3関連疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項9】
前記STAT3関連疾患は、癌、骨粗鬆症、アトピー、ウイルス性炎症疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病、血友病性関節症、アテローム性動脈硬化、ケロイド、怪我顆粒化、血管接着、自己免疫疾患、再発狭窄症、腸管接着、キャットスクラッチ疾患、潰瘍、肝硬変、糖尿病性腎臓病症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症、器官移植拒絶、腎糸球体病症、神経変性疾患および炎症性疾患のいずれか一つである、あることを特徴とする請求項8に記載のSTAT3関連疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項10】
請求項1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、STAT3関連疾患の予防または改善用保健機能食品組成物。
【請求項11】
前記STAT3関連疾患は、癌、骨粗鬆症、アトピー、ウイルス性炎症疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病、血友病性関節症、アテローム性動脈硬化、ケロイド、怪我顆粒化、血管接着、自己免疫疾患、再発狭窄症、腸管接着、キャットスクラッチ疾患、潰瘍、肝硬変、糖尿病性腎臓病症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症、器官移植拒絶、腎糸球体病症、神経変性疾患および炎症性疾患のいずれか一つである、請求項10に記載のSTAT3関連疾患の予防または改善用保健機能食品組成物。
【請求項12】
請求項1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、STAT3活性阻害用試薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な三環式誘導体化合物およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
STATは、1994年に初めて発見されたSTATタンパク質として、サイトカインおよび成長因子信号伝達経路で主な役割を果たすものと知られている。STATファミリは、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5BおよびSTAT6を含む7つの構造的および機能的に類似するタンパク質で構成され、これは、細胞増殖、生存、分化、血管新生および関連遺伝子発現を調節することが示されている。
【0003】
STATは、細胞質に限られた非活性転写因子である。多くのサイトカイン、ホルモンおよび成長因子が当該収容体に結合すると、収容体の細胞質ドメインにあるチロシン残基をリン酸化することができる収容体関連ヤヌス活性化キナーゼ(JAK)が活性化されて、SRC相同性2(SH2)ドメインにドッキングサイトを提供する。結果的に、このようなSTATタンパク質は、JAKによってC-末端でチロシン残基のリン酸化を通じて活性化されて同種またはヘテロ二量体化および活性化を誘導する。最後に、このようなSTAT二量体は、核に移動して標的遺伝子のプローモーターにある特定序列に結合して転写を誘導する。
【0004】
特に、転写調節因子であるSTAT3は、脊椎動物の発達と炎症および免疫調節を含む成熟した組職機能に重要な役割を果たす。人間STAT3の突然変異は、免疫欠乏、自己免疫および癌のような疾病と連関される。しかしながら、驚くべきことに、STAT3の過活性化または非活性化は、人間疾病を誘発し、これは厳格に調節されるSTAT3機能が健康の核心であることを示す。非正常的なSTAT3機能が人間の疾病を誘発するメカニズムと疾病結果を調節するのに用いられ、特に、活性化されたSTAT-3は、リンパ球の形成、血管内皮細胞によるE-カドヘリンの発現、Treg細胞活性および抗ウイルス免疫反応(類型I IFN媒介信号、NK細胞活性、Th1細胞反応およびCD8+CTL含み)を下向きに調節することができる。活性化されたSTAT-3は、リンパ球減少証、血管漏出、過炎症およびウイルス持続性、細胞外マトリックスの形成、ラスミノーゲン活性化剤抑制剤-1の発現、Th17細胞の極性化および活性化、肺線維症、血栓症、過炎症/サイトカインストームを促進するM2マクロファージの極性化を上向きに調節することができる。上記で言及した多様な論文や文献発表を参考して、stat3阻害剤を開発すると、炎症と自己免疫に関する疾患を治療できる優れた薬物の開発が可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規な三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供することにある。
【0006】
本発明のまた他の目的は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または治療用薬学組成物を提供することにある。
【0007】
本発明のまた他の目的は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または改善用保健機能食品組成物を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3活性阻害用試薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達するために、本発明は、下記化学式1で表される三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0010】
【化1】
【0011】
前記化学式1において、A~Aは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、S、SO、SO、NRおよびCHRのいずれか一つであり、lおよびnは、それぞれ同一または異なってもよく、0または1であり、mは1または2であり、Xは、H、ハロゲン、(C1~C4)アルキルおよび(C1~C4)アルコキシのいずれか一つであり、R
【化2】


のいずれか一つであり、E~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、Rは、H、ヒドロキシ基、エーテル基、ハロゲン、カルボニル基、ニトロ基、ナフチル基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、(C1~C12)アルキル、(C1~C12)アルケニル、(C1~C12)アルキニル、(C6~C10)アリール、および(C7~C10)アリールアルキルからなる群で選択されてもよい。
【0012】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または改善用保健機能食品組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3転写活性阻害用試薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、新規な三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩およびその用途に関するもので、前記化合物は、現在第3相臨床が進行中であるBBI608よりも優れたSTAT3転写活性抑制効果を示すことが確認され、これは今まで知られなかった優れたSTAT3阻害活性を有するもので、本発明の化合物はSTAT3関連疾患の治療剤として用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】新規な三環式誘導体化合物のSTAT3抑制効果実験の結果をグラフで示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは特に反対される記載がない限り他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0018】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0019】
本発明は、下記化学式1で表される三環式誘導体化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0020】
【化3】

【0021】
前記化学式1において、A~Aは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、S、SO、SO、NRおよびCHRのいずれか一つであり、lおよびnは、それぞれ同一または異なってもよく、0または1であり、mは1または2であり、Xは、H、ハロゲン、(C1~C4)アルキルおよび(C1~C4)アルコキシのいずれか一つであり、R
【化4】


のいずれか一つであり、E~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、Rは、H、ヒドロキシ基、エーテル基、ハロゲン、カルボニル基、ニトロ基、ナフチル基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、(C1~C12)アルキル、(C1~C12)アルケニル、(C1~C12)アルキニル、(C6~C10)アリール、および(C7~C10)アリールアルキルからなる群で選択されてもよい。
【0022】
前記化学式1は、下記化学式1-1であってもよい。
【化5】

【0023】
前記化学式1-1において、A’~A’は、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、SおよびSOのいずれか一つであり、nは、0または1であり、mは、1または2であり、Xは、Hまたはハロゲンであり、
は、
【化6】


のいずれか一つであり、E~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであってもよい。
【0024】
前記化学式1-1において、A’、A’、A’~A’は、CHであり、A’は、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CO、NH、OおよびSのいずれか一つであり、Xは、HまたはBrであってもよい。
【0025】
前記化合物は、3-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(3-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-ブロモ-7-(イソキノリン-4-イル)フェナントレン-9,10-ジオン(2-bromo-7-(isoquinolin-4-yl)phenanthrene-9,10-dione)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-キサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-xanthen-9-one)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-thioxanthen-9-one)、2-(ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrido[3,4-b]pyrazin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(キナゾリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(quinazolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(1,6-ナフチリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(1,6-ナフチリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrazolo[1,5-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)、4-(ジベンゾ[b,d]チオフェン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]thiophen-3-yl)isoquinoline)、4-(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]furan-3-yl)isoquinoline)、7-(イソキノリン-4-イル)-5H-ピリド[4,3-b]インドール(7-(isoquinolin-4-yl)-5H-pyrido[4,3-b]indole)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-carbazole)、7-(イソキノリン-4-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(7-(isoquinolin-4-yl)-2,3,4,9-tetrahydro-1H-carbazole)、2-(イソキノリン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-([1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-([1,2,4]triazolo[4,3-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)、2-(イソキノリン-1-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-1-yl)-9H-fluoren-9-one)、および2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)からなる群で選択されてもよい。
【0026】
前記化学式1は、下記化学式1-2であってもよい。
【0027】
【化7】

【0028】
前記化学式1-2において、A’’~A’’は、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであり、LおよびLは、それぞれ同一または異なってもよく、CH、CO、NH、O、SおよびSOのいずれか一つであり、nは、0または1であり、mは、1または2であり、Xは、Hまたはハロゲンであり、

【化8】


のいずれか一つであり、E~Eは、それぞれ同一または異なってもよく、CHまたはNであってもよい。
【0029】
前記化学式1-2において、A’’~A’’はCHであり、nは0であり、mは1であり、LはCHまたはNHであり、XはHであってもよい。
【0030】
前記化合物は、6-(イソキノリン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール(6-(isoquinolin-4-yl)-1,2,3,4-tetrahydrocyclopenta[b]indole)であってもよい。
【0031】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0032】
前記STAT3関連疾患は、癌、骨粗鬆症、アトピー、ウイルス性炎症疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病、血友病性関節症、アテローム性動脈硬化、ケロイド、怪我顆粒化、血管接着、自己免疫疾患、再発狭窄症、腸管接着、キャットスクラッチ疾患、潰瘍、肝硬変、糖尿病性腎臓病症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症、器官移植拒絶、腎糸球体病症、神経変性疾患および炎症性疾患のいずれか一つであってもよい。
【0033】
本発明の他の具体例において、薬学組成物は、通常薬学組成物の製造に用いる適切な担体、賦形剤、崩壊剤、甘味剤、被覆剤、膨張剤、滑沢剤、香味剤、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤および潤滑剤からなる群で選択される一つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。
【0034】
具体的には、担体、賦形剤および希釈剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱物油を用いてもよく、経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調剤してもよい。また、単純な賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤も用いてもよい。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内容液剤、乳剤、シロップ剤などがあり、通常用いられる単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤などが含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが用いられてもよい。坐剤の基材としては、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴ-ル、tween61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが用いられてもよい。
【0035】
本発明の一実施例によれば、前記薬学組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、胸骨内、経皮、鼻側内、吸入、局所、直腸、経口、眼球内または皮内経路を介して通常の方式で対象体に投与してもよい。
【0036】
本発明に係る有効成分の投与量は、対象体の状態および体重、疾患の種類および程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なってもよく、当業者によって適切に選択されてもよく、1日投与量が0.01mg/kg~200mg/kg、好ましくは、0.1mg/kg~200mg/kg、より好ましくは、0.1mg/kg~100mg/kgであってもよい。投与は、一日に一度投与してもよく、数回に分けて投与してもよく、これによって本発明の範囲が制限されるものではない。
【0037】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3関連疾患の予防または改善用保健機能食品組成物を提供する。
【0038】
前記保健機能食品は、各種営養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤および天然風味剤などの風味剤、着色剤および充填剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有してもよい。
【0039】
その他に、天然フルーツジュース、合成フルーツジュースおよび野菜飲料を製造するための果肉を含んでもよい。このような成分は独立的にまたは組み合わせて用いてもよい。また、保健機能食品組成物は、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデー類、スナック類、お菓子類、ピザ、ラーメン、ガム類、アイスクリーム類、スープ、飲み物、お茶、機能水、ドリンク剤、アルコールおよびビタミン複合剤のいずれか一つの形態であってもよい。
【0040】
また、前記保健機能食品は、食品添加物をさらに含んでもよく、「食品添加物」として適合するか否かは、特に規定がない限り食品医薬品安全庁に承認された食品添加物公典の総則および一般試験法などによって当該品目に関する規格および基準によって判定する。
【0041】
前記「食品添加物公典」に収載された品目としては、例えば、ケトン類、グリシン、クエン酸カリウム、ニコチン酸、桂皮酸などの化学的合成品、柿色素、甘草抽出物、結晶セルロース、コウリャン色素、グアーガムなどの天然添加物、L-グルタミン酸ナトリウム製剤、麺類添加アルカリ剤、保存料製剤、タール色素製剤などの混合製剤類などを挙げられる。
【0042】
この時、保健機能食品を製造する過程で食品に添加される有効成分は、必要によって、その含量を適切に加減してもよく、好ましくは、食品100重量部に1重量部~90重量部含まれるように添加されてもよい。
【0043】
また、本発明は、前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むSTAT3活性阻害用試薬組成物を提供する。
[実施形態]
【0044】
以下、本発明を実施例および実験例によって詳しく説明する。ただ、下記実施例および実験例は、本発明を例示するだけであって、本発明の内容が下記実施例および実験例に限定されるものではない。
【0045】
[合成例]
三環式誘導体化合物の合成
【0046】
本発明のすべての化合物に対する合成反応は、鈴木*宮浦反応を行った。合成法は次の通りである。
【0047】
【化9】

【0048】
臭化化合物(1eq)とボロン酸ピナコールエステル化合物(1eq)を4:1のDME/HOに溶かして撹拌した。その後、KCO(3eq)とPd(PhP)(0.2eq)を入れ、80℃に加熱して撹拌した。3時間撹拌した後、TLCで反応を確認し、その後、反応が完了されると、温度を常温に下げた。塩水とエチルアセテートを入れて抽出した後、塩水でさらに2回洗浄した。抽出したエチルアセテートにNaSOを入れて乾燥させた後、濾過した。濾過した溶液を減圧乾燥させた後、カラムを通じて精製して目的化合物を得た。
【0049】
前記合成によって、本発明者は、以下の化合物を合成した。
【0050】
<化合物1>
【0051】
3-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(3-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化10】
【0052】
NMR(H):9.45(s,1H),8.59(s,1H),8.29(d,1H),8.07(s,1H),8.07~7.85(m,3H),7.80(d,2H),7.65(dd,2H),7.57(d,1H),7.40(t,1H);MS:308.48
【0053】
<化合物2>
【0054】
2-ブロモ-7-(イソキノリン-4-イル)フェナントレン-9,10-ジオン(2-bromo-7-(isoquinolin-4-yl)phenanthrene-9,10-dione)
【化11】
【0055】
H NMR:9.45(s,1H),8.56(s,1H),8.53(d,1H),8.38(d,1H),8.28(d,1H),8.15(d,2H),8.02~7.95(m,2H),7.87(s,2H),7.82~7.78(m,1H);MS:413.95
【0056】
<化合物3>
【0057】
2-(イソキノリン-4-イル)-9H-キサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-xanthen-9-one)
【化12】
【0058】
H NMR:9.42(s,1H),8.55(s,1H),8.28~8.23(m,3H),8.08(d,1H),7.98~7.75(m,6H),7.55(t,1H);MS:324.50
【0059】
<化合物4>
【0060】
2-(イソキノリン-4-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-thioxanthen-9-one)
【化13】
【0061】
H NMR:9.43(s,1H),8.6~8.55(m,2H)8.51(d,1H),8.28(d,1H),8.10(d,1H),8.02(d,1H),7.93(d,1H),7.88~7.75(m,4H),7.65(t,1H);MS:340.35
【0062】
<化合物5>
【0063】
2-(ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrido[3,4-b]pyrazin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化14】
【0064】
H NMR:9.57(s,1H),9.25(s,1H),9.18(s,1H),9.02(s,1H),8.01(s,3H),7.93(d,1H),7.69~7.65(m,2H),7.45(t,1H);MS:310.23
【0065】
<化合物6>
【0066】
2-(キナゾリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(quinazolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化15】
【0067】
H NMR:9.38(s,1H),8.20~8.08(m,5H),7.98~7.92(m,2H),7.75(t,1H),7.72~7.68(m,2H),7.49(t,1H);MS:309.15
【0068】
<化合物7>
【0069】
2-(1,6-ナフチリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化16】
【0070】
H NMR:9.47(s,1H),9.20(d,1H),8.89(s,1H),8.70(d,1H),8.02~7.92(m,3H),7.89(d,1H),7.80(dd,1H),7.70~7.62(m,2H),7.45(t,1H);MS:309.24
【0071】
<化合物8>
【0072】
2-(1,6-ナフチリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(1,6-naphthyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化17】
【0073】
H NMR:9.47(s,1H),9.14(d,1H),8.70(s,1H),8.33(d,1H),8.03(d,1H),7.93(d,1H),7.84(d,2H),7.76(s,1H),7.70~7.62(m,2H)7.45(t,1H);MS:309.29
【0074】
<化合物9>
【0075】
2-(ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(pyrazolo[1,5-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化18】
【0076】
NMR(H):8.78(d,1H),8.54(S,1H),8.03(d,1H),7.95(d,1H),7.95~7.89(m,3H),7.68~7.63(m,2H),7.40(q,2H),7.03(t,1H);
MS+:297.40
【0077】
<化合物10>
【0078】
2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-3-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化19】
【0079】
NMR(H):8.62(d,1H),8.54(S,1H),8.40(d,1H),8.08(1H,S),7.95(d,1H),7.90(d,1H),7.70~7.65(m,4H),7.43(t,1H),7.03(t,1H);MS+:297.54
【0080】
【0081】
<化合物11>
【0082】
4-(ジベンゾ[b,d]チオフェン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]thiophen-3-yl)isoquinoline)
【化20】
【0083】
NMR(H):9.40(s,1H),8.57(d,2H),8.49(d,1H),8.30(d,2H),8.10(d,1H),7.92(d,1H),7.83(t,1H),7.75(t,1H),7.70(d,1H),7.58(d,2H);MS+:312.89
【0084】
<化合物12>
【0085】
4-(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)イソキノリン(4-(dibenzo[b,d]furan-3-yl)isoquinoline)
【化21】
【0086】
MS+:296.37
【0087】
<化合物13>
【0088】
7-(イソキノリン-4-イル)-5H-ピリド[4,3-b]インドール(7-(isoquinolin-4-yl)-5H-pyrido[4,3-b]indole)
【化22】
【0089】
NMR(H):9.39(d,2H),8.55(s,1H),8.43(d,1H),8.41(d,1H),8.25(d,1H),8.00(d,1H),7.82~7.74(m,3H),7.65(br,1H),7.40(d,1H);MS+:296.28
【0090】
<化合物14>
【0091】
2-(イソキノリン-4-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化23】
【0092】
H NMR:9.30(s,1H),8.52(s,1H),8.07(d,1H),7.90(d,1H),7.84(s,1H),7.74~7.56(m,7H),7.38(t,1H);MS:308.04
【0093】
<化合物15>
【0094】
2-(イソキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール(2-(isoquinolin-4-yl)-9H-carbazole)
【化24】
【0095】
H NMR:9.30(s,1H),8.60(s,1H),8.27(s,1H),8.21(d,1H),8.14(d,1H),8.12~8.01(m,2H),7.69~7.64(m,2H),7.58(s,1H),7.51(t,2H),7.40(d,1H),7.30~7.26(m,1H);MS+:295.40
【0096】
<化合物16>
【0097】
7-(イソキノリン-4-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(7-(isoquinolin-4-yl)-2,3,4,9-tetrahydro-1H-carbazole)
【化25】
【0098】
NMR(DMSO d6):10.82(s,1H),9.29(s,1H),8.45(s,1H),8.20(d,1H),7.95(d,1H),7.76(m,1H),7.71(m,1H),7.50(d,1H),7.39(d,1H),7.09(dd,1H),2.75(m,2H),2.69(m,2H),1.86(m,4H);
【0099】
MS+:299.25
【0100】
<化合物17>
【0101】
2-(イソキノリン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化26】
【0102】
NMR(CDCl3):9.33(s,1H),8.58(d,1H),7.90(d,1H),7.83(d,1H),7.79(m,2H),7.73(d,1H),7.70(dd,1H),7.65(dd,1H),7.63(m,1H),7.60(dd,1H),7.56(m,1H),7.36(m,1H);
【0103】
MS+:308.22
【0104】
<化合物18>
【0105】
2-(イソキノリン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化27】
【0106】
NMR(CDCl3):9.36(s,1H),8.52(d,1H),8.07(dd,1H),7.80(d,1H),7.73(m,5H),7.62(d,2H),7.56(m,1H),7.36(m,1H);
【0107】
MS+:308.26
【0108】
<化合物19>
【0109】
2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-5-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化28】
【0110】
NMR(CDCl3):7.94(d.1H),7.79(dd,1H),7.69(m,6H),7.57(m,1H),7.39(m,1H),7.31(m,1H),6.84(d,1H);
【0111】
MS+:297.24
【0112】
<化合物20>
【0113】
2-([1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-([1,2,4]triazolo[4,3-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化29】
【0114】
NMR(DMSO d6):9.29(d,1H),8.06(s,2H),7.96(m,2H),7.85(d,1H),7.71(m,2H),7.49(m,2H),7.13(dd,1H);
【0115】
MS+:298.23
【0116】
<化合物21>
【0117】
6-(イソキノリン-4-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール(6-(isoquinolin-4-yl)-1,2,3,4-tetrahydrocyclopenta[b]indole)
【化30】
【0118】
NMR(CDCl3):9.25(s,1H),8.54(s,1H),8.05(m,3H),7.65(m,2H),7.57(d,1H),7.47(d,1H),7.23(dd,1H),2.92(m,4H),2.60(m,2H);
【0119】
MS+:285.27
【0120】
<化合物22>
【0121】
2-(イソキノリン-1-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(isoquinolin-1-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化31】
【0122】
NMR(CDCl3):8.63(d,1H),8.11(d,1H),8.02(s,1H),7.91(t,2H),7.71(m,4H),7.58(m,3H),7.35(t,1H);
【0123】
MS+:308.26
【0124】
<化合物23>
【0125】
2-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)-9H-フルオレン-9-オン(2-(imidazo[1,2-a]pyridin-8-yl)-9H-fluoren-9-one)
【化32】
【0126】
8.63(d,1H),8.00(d,1H),7.98~7.92(m,3H),7.86(S,1H),7.72~7.65(m,3H),7.43(t,1H),7.35(t,1H),7.01(t,1H)
【0127】
MS+:297.54
【0128】
【実施例1】
【0129】
STAT3転写活性抑制効能確認
【0130】
不死化人間腎臓細胞株であるHEK293細胞にSTAT3プローモーターとルシフェラーゼレポータが安定的に発現する形質転換されたHEK293細胞を用いた。STAT3プローモーターが安定的に発現されるHEK293細胞は、MEM(10%FBS)培地を用いて、5%CO、37℃条件の細胞培養器で培養した後、次のような方法でSTAT3転写活性抑制効果を確認した。
【0131】
まず、96ウェルプレート(white、clear bottom culture plate)にSTAT3プローモータが安定的に発現されるHEK293細胞を2×10細胞/wellの密度で接種した後、37℃、5%CO培養器で24時間培養した。その後、前記合成例によって合成された化合物(1μM)またはBBI-608(Napabucasin;比較群3μM)とIL-6(10ng/mL)を一緒に処理し、37℃、5%CO培養器で24時間反応させた。その後、96ウェルプレート内の培養液を除去し、受動的溶解バッファ(Passive Lysis Buffer)(Promega/ Cat. Number E1941)処理して細胞を溶解させた。ルシフェラーゼ活性は、Luciferase Assay System(Promega/ Cat. Number E1501)を利用し、マイクロリーダー(microplate reader)器で発光値を測定した。試験物質処理なしにIL-6(10ng/mL)を処理していないウェルを陰性対照群として用い、試験物質の処理なしにIL-6(10ng/mL)を処理したウェルを陽性対照群として用いた。それぞれのウェルから出る発光値を比較して、本発明の化合物によるSTAT3転写活性抑制効果程度を評価した。
【0132】
【表1】
【0133】
その結果、図1および表1によれば、化合物7、化合物8、化合物9、化合物13、化合物14、化合物21および化合物23では、特に、対比群で第3相臨床進行中であるBBI-608より少ない濃度でも優れたSTAT3活性抑制効果を示すことを確認できた。
【0134】
本明細書において、本発明を限定された実施例を中心に説明したが、本発明の思想的範囲内で多様な実施例が可能である。また説明されなかったが、均等な手段もまた本発明にそのまま結合されるものと言えるはずである。したがって、本発明の真正な保護範囲は特許請求範囲によって定められるべきである。
図1
【国際調査報告】