(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-17
(54)【発明の名称】垂直芝生
(51)【国際特許分類】
A01G 20/20 20180101AFI20241009BHJP
A01G 9/033 20180101ALI20241009BHJP
【FI】
A01G20/20
A01G9/033
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024545074
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2022059711
(87)【国際公開番号】W WO2023062513
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202121046149
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524137112
【氏名又は名称】シャー,スジェイ アシュヴィン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シャー,スジェイ アシュヴィン
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022AB04
2B022AB08
2B327NA10
2B327NC12
2B327NC39
2B327ND02
2B327NE12
2B327QA04
(57)【要約】
本開示は垂直庭園に関する。本開示は垂直芝生(100)を想定している。垂直芝生(100)は、人工基材(140)と、基材(140)に塗布された防水層と、防水層に設けられた排水シート(105)と、を備える。排水シート(105)は、その上部に構成された複数の突起(107)を有し、それらの突起の間で水の流れを容易にする。ジオテキスタイルシート(106)は、排水シート(105)の動作前面に適合する。親水性ロックミネラルウール層(110)は、ジオテキスタイルシート(106)の動作前面に固定されている。ロックミネラルウール層(110)は、その内部で水分を吸収及び保持するように構成されている。芝生マットは、ロックミネラルウール層(110)に固定されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直芝生(100)であって、
・人工基材(140)と、
・前記基材(140)に塗布された防水層と、
・前記防水層に設けられた排水シート(105)であって、上部に構成された複数の突起(107)を有し、前記突起(107)の間で水の流れを容易にする、排水シート(105)と、
・前記排水シート(105)の動作前面に適合するジオテキスタイルシート(106)と、
・前記ジオテキスタイルシート(106)の動作前面に固定された親水性ロックミネラルウール層(110)であって、前記ロックミネラルウール層(110)は内部で水分を吸収及び保持するように構成されている、親水性ロックミネラルウール層(110)と、
・前記ロックミネラルウール層(110)に固定された芝生マット(115)と、
を備える、垂直芝生(100)。
【請求項2】
地面に対して45°~120°の範囲にわたる角度で傾斜するように構成されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項3】
前記防水層は、天然撥水剤の層、または合成撥水剤の層である、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項4】
前記防水層は撥水シートである、請求項3に記載の垂直芝生(100)。
【請求項5】
前記防水層は塗膜に液体撥水剤を塗布したものである、請求項3に記載の垂直芝生(100)。
【請求項6】
前記防水層は、エラストマー材料、セメント材料、ラテックス、アクリル、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択される、請求項3に記載の垂直芝生(100)。
【請求項7】
前記防水層の厚さは100ミクロン~2000ミクロンの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項8】
前記突起(107)は、前記排水シート(105)の動作前面に構成されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項9】
前記突起(107)は、前記排水シート(105)の動作前面及び動作後面の両方に構成されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項10】
前記突起(107)はスタガード構成の前記排水シート(105)に構成されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項11】
前記突起(107)のそれぞれは、カップ形構成、台形構成、及びくぼみ構成から成るグループから選択された構成を有する、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項12】
前記突起(107)は、円形、楕円形、卵状、長方形、及び八角形から成るグループから選択された形状を有する、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項13】
前記突起(107)のそれぞれの高さは4mm~25mmで変化する、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項14】
前記排水シート(105)は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、再生ポリマー、合成物、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択された材料である、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項15】
前記排水シート(105)の厚さは0.5mm~1.5mmの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項16】
前記ジオテキスタイルシート(106)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(PET)、バージンポリマー、再生ポリマー、合成物、またはそれらの組み合わせから選択された材料の不織布連続ファイバーから製造されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項17】
前記ジオテキスタイルシート(106)の厚さは0.3mm~40mmの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項18】
前記ジオテキスタイルシート(106)の重量は80GSM~4000GSMの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項19】
前記ジオテキスタイルシート(106)の重量は80GSM~1000GSMの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項20】
前記ロックミネラルウール層(110)は、ドロマイト、玄武岩、グラナイト、輝緑岩、粗粒玄武岩、または再生スラグから成るグループから選択された材料である、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項21】
前記ロックウール層(110)の厚さは10mm~100mmの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項22】
前記ロックウール層(110)の厚さは20mm~40mmの範囲にわたる、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項23】
前記ロックミネラルウール層(110)は、ファスナー(130)を用いて前記排水シート(105)で締結される、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項24】
前記ロックミネラルウール層(110)の底層に固定されるように構成された複数のブラケット(127)を含み、その結果、前記ブラケット(127)は、前記ロックミネラルウール層(110)及び前記芝生マットを通って外に突出する、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項25】
前記芝生マット(115)を横断して横になるように構成された金属片備品(125)を含み、前記芝生マット(115)を確実に保持するために、前記ブラケット(127)で前記片備品(125)を受けるように構成されている、請求項24に記載の垂直芝生(100)。
【請求項26】
前記片備品(125)は十字状に前記芝生マット(115)を横断して横になる、請求項25に記載の垂直芝生(100)。
【請求項27】
前記片備品(125)は、既製のメッシュパネルのように構成されている、請求項25に記載の垂直芝生(100)。
【請求項28】
ブレース(142)を含み、前記ブレース(142)は、ベース(143)によって画定されたL字形構成と、前記ベース(143)の第1のエッジから延在する第1のアーム(144)と、前記ベース(143)に平行な方向における、前記ベース(143)から離間距離で、前記第1のアームから延在する中間アーム(145)と、を有し、前記ブレース(142)は、前記基材(140)及び前記排水シート(105)の動作上部に取り付けられ、追加の支持を前記垂直芝生(100)に提供するように構成されている、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項29】
複数の穿孔(146)は前記中間アーム(145)に構成され、前記穿孔(146)を通る水の流れを容易にする、請求項28に記載の垂直芝生(100)。
【請求項30】
前記中間アーム(145)はメッシュ構成を有し、前記中間アーム(145)を通る水の流れを容易にする、請求項28に記載の垂直芝生(100)。
【請求項31】
前記芝生マット(115)は、上部で成長する草層(117)を有する芝生基材を有する、請求項1に記載の垂直芝生(100)。
【請求項32】
前記草層(117)は、草、セダム、多肉植物、水耕栽培植物、またはハーブから成るグループから選択される、請求項31に記載の垂直芝生(100)。
【請求項33】
前記芝生マット(115)の厚さは30mm~80mmの範囲にわたる、請求項31に記載の垂直芝生(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は垂直庭園に関する。
【0002】
定義
本開示で使用される場合、以下の用語は、概して、それが使用される文脈が別の意味を示す場合を除き、下記に記載される意味を有することが意図される。
【0003】
芝生:本明細書の「芝生」という用語は、本明細書では、草、セダム、グランドカバー、及び多肉植物、水耕栽培植物、または顕花植物を含む連続した一連の植物を指す。
【0004】
草マット:本明細書の「草マット」という用語は、本明細書では、土壌上で草苗から成長する天然芝を指す。草マットは、切断され得る草の長方形ピースまたはロールであり得る。
【0005】
垂直:本明細書の「垂直」という用語は、本明細書では、地面に対して45°~120°の範囲にわたる傾斜角を指す。
【背景技術】
【0006】
下記の本明細書の背景情報は本開示に関するものであるが、必ずしも、先行技術のものではない。
【0007】
垂直庭園について、表面積に制限があるスペースを美しくするために壁に垂直に吊るされる袋、植木鉢、またはカップで成長する、草等の一連の草木、または多肉植物もしくは水耕栽培植物等の一連の植物が挙げられる。袋、植木鉢、またはカップは、別々のフレームが必要な個別の要素であり、これまで、草または植物に対するそれらの支援がない場合、あらゆる傾斜角でも成長できなかった。
【0008】
垂直庭園の最大の不利点として、袋または植木鉢からの水分は、それらを支持する壁の上に染み込み、そして、不適切に設置される場合、壁を腐らせる。さらに、垂直庭園からの余分な水は、傾向として、壁及び周囲エリアを汚す、または汚くすることがある。
【0009】
したがって、前述の欠点を軽減する垂直庭園の必要性を感じる。
【発明の概要】
【0010】
目的
本明細書の少なくとも1つの実施形態が満足する本開示の目的の一部は、次のとおりである。
【0011】
本開示の目的は、垂直芝生を提供することである。
【0012】
本開示の別の目的は、スペースの美的魅力を増大させる垂直芝生を提供することである。
【0013】
本開示のさらに別の目的は、垂直芝生を支持する壁に影響を与えることなく、水の排水を可能にする垂直芝生を提供することである。
【0014】
本開示の他の目的及び利点は、以下の説明からより明らかになり、その説明は本開示の範囲を限定する意図がない。
【0015】
垂直芝生は、人工基材と、基材上に塗布された防水層と、防水層に設けられた排水シートと、を備える。排水シートは、その上部に構成された複数の突起を有し、突起の間で水の流れを容易にする。ジオテキスタイルシートは、排水シートの動作前面に適合する。親水性ロックミネラルウール層は、ジオテキスタイルシートの動作前面に固定されている。ロックミネラルウール層は、その内部で水分を吸収及び保持するように構成されている。芝生マットは、ロックミネラルウール層に固定されている。
【0016】
ここで、本開示の垂直芝生は、添付図を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本開示の態様による、垂直軸において壁に搭載された芝生の側断面図を示す。
【
図1B】傾斜軸において壁に搭載された芝生の別の側断面図を示す。
【
図3】
図1の芝生の排水シートの動作前面図を示す。
【
図4】ブラケットが設けられている
図1Aの芝生の断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、本開示の実施形態は、添付図を参照して詳細に説明される。
【0019】
複数の実施形態は、本開示の範囲を当業者に完全かつ十分に伝えるように提供されている。いくつかの詳細は、特有の構成要素、及び方法に関して記載され、本開示の実施形態の完全な理解を提供する。複数の実施形態に提供された詳細が、本開示の範囲を限定するものと解釈するべきでないことは当業者に明らかであろう。いくつかの実施形態では、十分に既知のプロセス、十分に既知の装置構造、及び十分に既知の技術は詳細に説明されない。
【0020】
本開示で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的だけのためのものであり、そして、そのような専門用語は、本開示の範囲を限定するものと考えるべきでない。本明細書に使用されるように、「a」、「an」、及び「the」という形は、文脈上明らかに他の意味を示す場合を除いて、複数形も含むことを意図し得る。したがって、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、及び「有する(having)」という用語は、記述された特徴、要素、モジュール、ユニット、及び/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在もしくは追加を禁止する。
【0021】
ここで、本開示の垂直芝生(100)は、
図1A~
図4を参照して詳細に説明される。
【0022】
垂直芝生(100)は、人工基材(140)と、基材(140)に塗布された防水層と、防水層(具体的に、図に数字で示されない)上に設けられた排水シート(105)と、を備える。排水シート(105)は、その上部に構成された複数の突起(107)を有し、突起(107)の間で水の流れを容易にする。ジオテキスタイルシート(106)は、排水シート(105)の動作前面に適合する。親水性ロックミネラルウール層(110)は、ジオテキスタイルシート(106)の動作前面に固定されている。ロックミネラルウール層(110)は、その内部で水分を吸収及び保持するように構成されている。芝生マット(115)は、ロックミネラルウール層(110)に固定されている。
【0023】
垂直芝生(100)は、上部で成長する草層(117)を有する芝生マット(115)を含む。草層は、多肉植物、または水耕栽培植物もしくはハーブ等の植物の代わりになり得る。芝生マット(115)は、ロックミネラルウール層(110)に搭載されている。
【0024】
ある実施形態では、
図1A~
図1Cに示されるように、垂直芝生(100)は、地面に対して45°~120°の範囲にわたる角度で傾斜するように構成されている。別の実施形態では、垂直芝生(100)は、特に
図1Aに見られるように、地面に対して90°の角度で傾斜するように構成されている。
【0025】
さらに別の実施形態では、人工基材(140)は傾斜壁である。
【0026】
一実施形態では、防水層は、天然撥水剤の層、または合成撥水剤の層である。
【0027】
ある実施形態では、防水層は撥水シートである。別の実施形態では、防水層は、塗膜の基材(140)に塗布された液体撥水剤である。
【0028】
さらに別の実施形態では、防水層は、エラストマー材料、セメント材料、ラテックス、アクリル、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択される。
【0029】
また別の実施形態では、防水層の厚さは100ミクロン~2000ミクロンの範囲にわたる。
【0030】
ある実施形態では、突起(107)は、排水シート(105)の動作前面に構成されている。別の実施形態では、突起(107)は、排水シート(105)の動作前面及び動作後面の両方に構成されている。
【0031】
ある実施形態では、突起(107)は、
図3に示されるように、スタガード構成の排水シート(105)に構成され、突起(107)のそれぞれの間でスペースを画定する。
【0032】
別の実施形態では、突起(107)のそれぞれは、カップ形構成、台形構成、及びくぼみ構成から成るグループから選択された構成を有する。
【0033】
さらに別の実施形態では、突起(107)は、円形、楕円形、卵状、長方形、及び八角形から成るグループから選択された形状を有する。また別の実施形態では、突起(107)のそれぞれの高さは4mm~25mmで変化する。
【0034】
ある実施形態では、排水シート(105)は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、再生ポリマー、合成物、またはそれらの組み合わせから成るグループから選択された材料である。
【0035】
別の実施形態では、排水シート(105)の厚さは0.5mm~1.5mmの範囲にわたる。
【0036】
ジオテキスタイルシート(106)はそれを通る水の浸透を可能にし、同時に、排水シート(105)とのロックミネラルウール層(110)の直接的接触を防止する。さらに、ジオテキスタイルシートは、ロックミネラルウール層(110)のあらゆる緩いファイバーの排水を防止する。
【0037】
ある実施形態では、ジオテキスタイルシート(106)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(PET)、バージンポリマー、再生ポリマー、合成物、またはそれらの組み合わせから選択された材料の不織布連続ファイバーから製造されている。別の実施形態では、ジオテキスタイルシート(106)の厚さは0.3mm~40mmの範囲にわたる。さらに別の実施形態では、ジオテキスタイルシート(106)の重量は80GSM~4000GSMの範囲にわたる。好ましい実施形態では、ジオテキスタイルシート(106)の重量は80GSM~1000GSMの範囲にわたる。
【0038】
一実施形態では、ロックミネラルウール層(110)は、ドロマイト、玄武岩、グラナイト、輝緑岩、粗粒玄武岩、または再生スラグから成るグループから選択された材料である。その親水性に起因して、ロックミネラルウール層(110)は、10時間よりも長く、内部に水分を保持でき、したがって、草マットが常に水和されることが確実になる。別の実施形態では、ロックウール層(110)の厚さは10mm~100mmの範囲にわたる。好ましい実施形態では、ロックウール層(110)の厚さは20mm~40mmの範囲にわたる。
【0039】
ある実施形態では、ロックミネラルウール層(110)は、ファスナー(130)を用いて排水シート(105)で締結される。別の実施形態では、ファスナーは、ロックミネラルウール層(110)に一時的に締結される。
【0040】
ある実施形態では、垂直芝生(100)は、ロックミネラルウール層(110)の底層に固定されるように構成された複数のブラケット(127)を含む。ブラケット(127)は、ロックミネラルウール層(110)を通って、かつ芝生マット(115)を通って外に突出するように固定されている。
【0041】
別の実施形態では、垂直芝生(100)は、芝生マット(115)を横断するように横になるように構成された複数の金属片備品(125)を含む。片備品(125)は、ブラケット(127)で受けるように締結し、芝生マット(115)をロックミネラルウール層(110)に確実に保持して、芝生マット(115)の滑りを防止するように構成されている。
【0042】
さらに別の実施形態では、
図2A及び
図2Bに示されるように、片備品(125)は十字状に芝生マット(115)を横断して横になる。また別の実施形態では、片備品(125)は、既製のメッシュパネルのように構成されている。
【0043】
ある実施形態では、
図4に示されるように、垂直芝生(100)はブレース(142)を含み、ブレース(142)は、ベース(143)によって画定されたL字形構成と、ベース(143)の第1のエッジから延在する第1のアーム(144)と、を有する。ブレース(142)は、さらに、ベース(143)に平行な方向に、ベース(143)から離間距離において、第1のアームから延在する中間アーム(145)を含む。
【0044】
ある実施形態では、複数の穿孔(146)は中間アーム(145)に構成されている。別の実施形態では、中間アーム(145)は、メッシュ構成(図に示されない)を有する。
【0045】
ブレース(142)のベース(143)は、ファスナー(特に、図に示されない)を用いて、基材(140)及び排水シート(105)の動作上部に取り付けられるように構成されている。より具体的には、ベース(143)は、基材(140)と、排水シート(105)の動作上部との間に挿入されている。ブレース(142)は、特に強風流動領域で垂直芝生を支持するように構成されている。さらに、排水シート(105)及びロックミネラルウール層(110)は、ベース(143)と中間アーム(145)との間に画定されたスペースを受ける。中間アーム(145)の穿孔(146)またはメッシュ構成は、ロックミネラルウール層(110)の中に水が流れることを容易にすることに加えて、芝生の根がロックミネラルウール層(110)に向かって成長することを容易にする。
【0046】
ある実施形態では、芝生マット(115)は、上部で成長する草層(117)を有する芝生基材を含む。別の実施形態では、草層(117)は、草、セダム、多肉植物、水耕栽培植物、またはハーブから成るグループから選択される。さらに別の実施形態では、芝生マット(115)の厚さは30mm~80mmの範囲にわたる。
【0047】
動作構成では、ロックミネラルウール層(110)が排水シート(105)で適合した後、ロックミネラルウール層(110)は湿る。その後、芝生マット(115)は、ロックミネラルウール層(110)で適合する。ロックミネラルウール層(110)は、芝生マット(115)及びロックミネラルウール層(110)に水を掛けることによって、芝生マット(115)が湿った状態を維持するために定期的に湿らされる。余分な水は、ロックミネラルウール層(110)からのジオテキスタイルシート(106)に浸透する。ジオテキスタイルシート(106)から、水は排水シート(105)上を通過し、水は、突起(107)の間に生じた経路を通って流れ出る。
【0048】
排水シート(105)は、壁(140)が水分と接触することを防止する。他方では、ロックミネラルウール層(110)は、芝生マット(115)の草木の根への支持を提供する。草木が土壌及びロックミネラルウール層(110)を通って植え付けられると、片備品(125)は取り外される。
【0049】
垂直芝生(100)は、それを植える建物またはスペースの美的魅力の向上を助けるだけでなく、都市のヒートアイランド現象の低減も助ける。より具体的には、垂直芝生(100)は、多くの熱を吸収して、使用される吸収された熱エネルギーは、植物によって蒸発及び蒸散するために使用され、これは、その植物の周囲の気温の増加、またコンクリート表面の温度の増加も助けるわけでもない。さらに、芝生/植物/草は、CO2を吸収して、CO2排出を減らす酸素を放出する。また、それによって、葉に沈着する空気粒子状物質が減り、大気中の空気汚染が減る。
【0050】
さらに、芝生(100)によって吸収されたエネルギーは、その表面の後ろに伝送されないため、室温が冷却され、建物の熱効率の増加及びエネルギー必要量の削減につながる。
【0051】
複数の実施形態の前述の説明は、例証の目的のために提供されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。特定の実施形態の個々の構成要素は、概して、特定の実施形態に限定されないが、置き換え可能である。そのような変形は本開示からの逸脱と見なすべきではなく、そのような修正の全ては、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0052】
技術的進歩
本明細書の上記に説明した開示は、限定ではないが、以下に挙げる垂直芝生の実現を含むいくつかの技術的な利点をもたらす。その利点として、
・スペースの美的魅力を増大させること、
・垂直芝生を支持する壁に影響を与えることなく、水の排水を可能にすること、
・都市のヒートアイランド現象を減らすこと、
・空気汚染及び空気中のCO2含有量を減らすこと、
・建物の熱効率が増加すること、
が挙げられる。
【0053】
前述の開示は、本開示の範囲及び境界を限定しない付随の実施形態を参照して説明されている。提供される説明は、純粋に、例及び例証を目的とするものである。
【0054】
本明細書の実施形態及びその様々な特徴ならびに有利な詳細は、以下の説明で非限定的な実施形態を参照して説明されている。十分に既知の構成要素及び処理技術の説明は、本明細書の実施形態を不必要に曖昧にしないように省略されている。本明細書に使用される例は、単に、本明細書の実施形態が実践され得る方法の理解を容易にすることと、当業者が本明細書の実施形態を実践することをさらに可能にすることと、が意図される。したがって、それらの例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものと解釈するべきでない。
【0055】
したがって、具体的な実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにするものではない。そして、他人が、現在の知識を使うことによって、一般的な概念から逸脱することなく、様々な用途に対して、そのような具体的な実施形態を容易に修正でき及び/またはそれに適応でき、ひいては、そのような適応及び修正は、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲の中で理解するべきであり、その範囲内で理解することを意図するものである。本明細書で利用される用語または専門用語は、説明する目的のためのものであり、限定するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態が好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者は、本明細書の実施形態が、本明細書に説明されるような実施形態の主旨及び範囲の中で修正がなされた場合に実践できることを認識するだろう。
【0056】
本明細書に含まれている材料、デバイス、物品、または同等物のあらゆる考察は、単に、開示に関する文脈を提供する目的のためである。これらの事項のいずれかまたは全てが、先行技術の基礎の一部を形成すること、または、本願の優先日の前にどこかで存在しているとして、本開示に関連する分野でありふれた一般に知られている知識であったこと、を認めると解釈するべきはない。
【0057】
様々な物理パラメーター、寸法、または量について言及される数値は単に近似値にすぎず、そして、逆の意味について具体的に本明細書に記述がない限り、パラメーター、寸法、または量に割り当てられた数値よりも高い/低い値が本開示の範囲内に含まれることが想定される。
【0058】
本明細書では、好ましい実施形態の構成要素及び構成要素の一部にかなり重点を置いているが、多くの実施形態を作ることができることと、本開示の原理から逸脱することなく、好ましい実施形態で多くの変更を加えることができることと、を認識するであろう。本開示の好ましい実施形態及び他の実施形態におけるこれらの及び他の変更は、本明細書の開示から当業者に明らかであり、それによって、前述の説明事項は、単に、限定するものではなく、本開示の例証として解釈されることを明瞭に理解されたい。
【符号の説明】
【0059】
100 垂直芝生
105 排水シート
106 ジオテキスタイルシート
107 突起
110 ロックミネラルウール層
115 芝生マット
117 草層
125 片備品
127 ブラケット
130 ボルト
140 基材
142 ブレース
143 ブレースの基部
144 ブレースの第1のアーム
145 ブレースの中間アーム
146 ブレースの中間アーム上の穿孔
X 水平からの垂直芝生の角度
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直芝生(100)であって、
・人工基材(140)と、
・前記基材(140)に塗布された防水層と、
・前記防水層に設けられた排水シート(105)であって、上部に構成された複数の突起(107)を有し、前記突起(107)の間で水の流れを容易にする、排水シート(105)と、
・前記排水シート(105)の動作前面に適合するジオテキスタイルシート(106)と、
・前記ジオテキスタイルシート(106)の動作前面に固定された親水性ロックミネラルウール層(110)であって、前記ロックミネラルウール層(110)は内部で水分を吸収及び保持するように構成されている、親水性ロックミネラルウール層(110)と、
・前記ロックミネラルウール層(110)に固定された芝生マット(115)と、
を備え
、
前記垂直芝生(100)は前記ブレース(142)を含み、前記ブレース(142)は
、前記基材(140)及び前記排水シート(105)に取り付けられ、追加の支持を前記
垂直芝生(100)に提供するように構成されている、垂直芝生(100)。
【請求項33】
前記芝生マット(115)の厚さは30mm~80mmの範囲にわたる、請求項31に記載の垂直芝生(100)。
【国際調査報告】