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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】インヘイラー
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/02 20060101AFI20241010BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61M11/02 K
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557767
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 KR2023007558
(87)【国際公開番号】W WO2024058343
(87)【国際公開日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0115383
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンセオク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨンミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウンミ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、タエ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウン キュ
(57)【要約】
一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;前記ハウジングの内部に配置され、吸入可能な組成物を貯蔵する貯蔵所;前記マウスピースから前記貯蔵所まで延長されるノズル;前記ノズル内部に移動可能に配置され、前記ノズルを密閉する第1状態または前記ノズルを開放する第2状態で動作するニードルバルブ;および前記ノズルに固定式で設置されるシーリング部材;を含み、前記第1状態で前記ニードルバルブおよび前記ノズルの間に第1間隔が形成され、前記第2状態で前記ニードルバルブおよび前記シーリング部材の間に第2間隔が形成されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;
前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;
前記ハウジングの内部に配置され、吸入可能な組成物を貯蔵する貯蔵所;
前記マウスピースから前記貯蔵所まで延長されるノズル;
前記ノズル内部に移動可能に配置され、前記ノズルを密閉する第1状態、または前記ノズルを開放する第2状態で動作するニードルバルブ;および
前記ノズルに固定式で設置されるシーリング部材;
を含み、
前記第1状態で前記ニードルバルブおよび前記ノズルの間に第1間隔が形成され、
前記第2状態で前記ニードルバルブおよび前記シーリング部材の間に第2間隔が形成される、インヘイラー。
【請求項2】
前記第1状態は、前記ニードルバルブが前記シーリング部材と接する状態と定義され、
前記第2状態は、前記ニードルバルブが前記シーリング部材と接しない状態と定義される、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項3】
前記第1間隔は、前記第2間隔よりもさらに小さい、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項4】
前記ノズルは、
前記マウスピースに隣接した第1ノズル部分;および
前記貯蔵所に隣接した第2ノズル部分;
を含み、
前記第1ノズル部分は、前記第2ノズル部分よりも小径になるように形成される、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項5】
前記ニードルバルブは、
先端に形成されて前記ハウジングの他面から一面に向かう第1方向または前記ハウジングの一面から他面に向かう第2方向に前記第1ノズル部分および前記第2ノズル部分に渡って垂直往復移動可能な第1バルブ部分;および
前記第1バルブ部分の下部に形成される第2バルブ部分;
を含み、
前記第1バルブ部分は、前記第2バルブ部分よりも小径になるように形成される、請求項4に記載のインヘイラー。
【請求項6】
前記第1バルブ部分は、前記第1ノズル部分よりもさらに小径になるように形成される、請求項5に記載のインヘイラー。
【請求項7】
前記第1バルブ部分は、前記第1状態または前記第2状態で前記第1ノズル部分と接せず、
前記第2バルブ部分は、前記第1状態で前記シーリング部材と接し、前記第2状態で前記シーリング部材と接しない、請求項5に記載のインヘイラー。
【請求項8】
前記第1間隔は、前記第1バルブ部分と前記第1ノズル部分との間に形成され、
前記第2間隔は、前記第1バルブ部分と前記シーリング部材との間に形成される、請求項5に記載のインヘイラー。
【請求項9】
前記第2間隔は、前記貯蔵所から噴出された吸入可能な組成物の移動を許容し、
前記第1間隔は、前記第2間隔を通過する吸入可能な組成物の粒子の大きさを制御して前記マウスピースへの移動を許容する、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項10】
前記第1間隔は、0.015~0.03mmに形成される、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項11】
一面に前記ニードルバルブが結合され、前記ハウジングの他面から一面に向かう第1方向、または前記ハウジングの一面から他面に向かう第2方向で垂直往復運動可能なピストン;および
前記ピストンの下部に予圧状態で設置されるスプリング;
をさらに含み、
前記マウスピースを通じて吸入力が加えられないと、前記スプリングは前記ピストンを前記第1方向に押し上げて前記第1状態が維持され、
前記マウスピースを通じて吸入力が加えられると、前記ピストンは前記スプリングの予圧を克服して前記第2方向に移動して前記第2状態に切り替えられる、請求項1から10の何れか1つに記載のインヘイラー。
【請求項12】
前記ハウジング内部に形成され、前記マウスピースの一側から前記ピストンの下部まで延長される通路をさらに含み、
前記通路は、前記マウスピースに加えられる吸入力を前記ピストンに伝達する、請求項11に記載のインヘイラー。
【請求項13】
前記ピストンと前記通路との間に空間を形成する陰圧形成部をさらに含み、
前記陰圧形成部は、前記吸入力によって陰圧を発生させて、前記ピストンが前記第2方向に移動するように誘導する、請求項12に記載のインヘイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インヘイラーが開示される。
【背景技術】
【0002】
一般的にインヘイラーは、吸入する過程において薬物などの組成物を液体またはガスの状態で口腔または鼻腔を通じて吸入させるのに使用される器具である。このようなインヘイラーは、吸入可能な組成物を収容する容器を備え、組成物は、細管を通じて容器から最終的に吸入口を通じて口腔または鼻腔に噴射されてユーザに吸入されることになる。
【0003】
前述の背景技術は、発明者が本願の開示内容を導き出す過程で保有、または習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知の技術であるとは言えない。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]大韓民国登録特許公報第10-1759972号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施例による目的は、エアロゾルが放出される流路がバルブの動作によって断面積の異なる2つの空間に分離生成され、分離された2つの空間の適正区間を特定してエアロゾルの形成条件を導出して、噴射されるエアロゾルの均一な放出を可能にする技術が搭載されたインヘイラーを提供することである。
【0005】
実施例において解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに別の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるあろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための一実施例によるインヘイラーは、一面、前記一面と対向する他面、および前記一面と他面とを連結する複数の側面を備えるハウジング;前記ハウジングの一面に配置されるマウスピース;前記ハウジングの内部に配置され、吸入可能な組成物を貯蔵する貯蔵所;前記マウスピースから前記貯蔵所まで延長されるノズル;前記ノズル内部に移動可能に配置され、前記ノズルを密閉する第1状態または前記ノズルを開放する第2状態で動作するニードルバルブ;および前記ノズルに固定式で設置されるシーリング部材;を含み、前記第1状態で前記ニードルバルブおよび前記ノズルの間に第1間隔が形成され、前記第2状態で前記ニードルバルブおよび前記シーリング部材の間に第2間隔が形成される。
【0007】
一側面によれば、前記第1状態は、前記ニードルバルブが前記シーリング部材と接する状態と定義され、前記第2状態は、前記ニードルバルブが前記シーリング部材と接しない状態と定義されてもよい。
【0008】
一側面によれば、前記第1間隔は、前記第2間隔よりもさらに小さくてもよい。
【0009】
一側面によれば、前記ノズルは、前記マウスピースに隣接した第1ノズル部分;および前記貯蔵所に隣接した第2ノズル部分;を含み、前記第1ノズル部分は、前記第2ノズル部分よりも小径になるように形成されてもよい。
【0010】
一側面によれば、前記ニードルバルブは、先端に形成されて前記ハウジングの他面から一面に向かう第1方向または前記ハウジングの一面から他面に向かう第2方向に前記第1ノズル部分および前記第2ノズル部分に渡って垂直往復移動可能な第1バルブ部分;および前記第1バルブ部分の下部に形成される第2バルブ部分;を含み、前記第1バルブ部分は、前記第2バルブ部分よりもさらに小径になるように形成されてもよい。
【0011】
一側面によれば、前記第1バルブ部分は、前記第1ノズル部分よりもさらに小径になるように形成されてもよい。
【0012】
一側面によれば、前記第1バルブ部分は、前記第1状態または前記第2状態で前記第1ノズル部分と接せず、前記第2バルブ部分は、前記第1状態で前記シーリング部材と接し、前記第2状態で前記シーリング部材と接しなくてもよい。
【0013】
一側面によれば、前記第1間隔は、前記第1バルブ部分と前記第1ノズル部分との間に形成され、前記第2間隔は、前記第1バルブ部分と前記シーリング部材との間に形成されてもよい。
【0014】
一側面によれば、前記第2間隔は、前記貯蔵所から噴出された吸入可能な組成物の移動を許容し、前記第1間隔は、前記第2間隔を通過する吸入可能な組成物の粒子の大きさを制御して前記マウスピースへの移動を許容してもよい。
【0015】
一側面によれば、前記第1間隔は、0.015~0.03mmに形成されてもよい。
【0016】
一側面によれば、一面に前記ニードルバルブが結合され、前記ハウジングの他面から一面に向かう第1方向、または前記ハウジングの一面から他面に向かう第2方向で垂直往復運動可能なピストン;および前記ピストンの下部に予圧状態で設置されるスプリング;をさらに含み、前記マウスピースを通じて吸入力が加えられないと、前記スプリングはピストンを前記第1方向に押し上げて前記第1状態が維持され、前記マウスピースを通じて吸入力が加えられると、前記ピストンは前記スプリングの予圧を克服して前記第2方向に移動して前記第2状態に切り替えられてもよい。
【0017】
一側面によれば、前記ハウジング内部に形成され、前記マウスピースの一側から前記ピストンの下部まで延長される通路をさらに含み、前記通路は、前記マウスピースに加えられる吸入力を前記ピストンに伝達してもよい。
【0018】
一側面によれば、前記ピストンと前記通路との間に空間を形成する陰圧形成部をさらに含み、前記陰圧形成部は、前記吸入力によって陰圧を発生させて、前記ピストンが前記第2方向に移動するように誘導してもよい。
【発明の効果】
【0019】
一実施例によるインヘイラーによれば、エアロゾルが放出される流路がバルブの動作によって断面積の異なる2つの空間に分離生成され、分離された2つの空間の適正区間を特定してエアロゾルの形成条件を導出して噴射されるエアロゾルの均一な放出が可能な効果がある。
【0020】
一実施例によるインヘイラーの効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例によるインヘイラーの斜視図である。
図2】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
図3】一実施例によるインヘイラーの断面図である。
図4】第1状態および第2状態のインヘイラーを示す。 本明細書に添付された以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるので、本発明はそのような図面に記載された事項だけに限定して解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を例示的な図面を通じて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付ける場合において、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号になるようにしていることに留意されたい。また、実施例の説明において、関連する公知構成または機能に対する具体的な説明が実施例に対する理解を妨げると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0023】
また、実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけであり、その用語によって該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載した場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結され、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに別の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもあり得ると理解されるべきである。
【0024】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を用いて説明することとする。断りのない限り、いずれかの実施例に記載した説明は、他の実施例にも適用可能であり、重複される範囲で具体的な説明は省略する。
【0025】
図1は、一実施例によるインヘイラー10の斜視図である。
【0026】
図2は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0027】
図3は、一実施例によるインヘイラー10の断面図である。
【0028】
図4は、第1状態および第2状態のインヘイラー10を示す。
【0029】
図1を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ハウジング101およびマウスピース102を含む。
【0030】
ハウジング101は、一面に形成された第1面、前記第1面と対向する第2面、および前記第1面と第2面とを連結する複数の側面を含む。ハウジング101の第1面は、例えばハウジング101の上部に位置する面であり、第2面は、例えばハウジング101の底面である。以下においては、第2面から第1面に向かう方向を第1方向と定義し、第1面から第2面に向かう方向を第2方向と定義する。
【0031】
マウスピース102は、前記ハウジング101の第1面に配置されてもよい。ユーザは、マウスピース102を通じてインヘイラー10に収容されている吸入可能な組成物を吸入することができる。このとき、ユーザは、組成物を、例えばエアロゾル状態で吸入することができ、粉末などの形態でも吸入することができる。以下においては、吸入可能な組成物をエアロゾル状態で噴射するインヘイラー10を例として、一実施例によるインヘイラー10を説明することにする。
【0032】
図2を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ハウジング101内部に吸入可能な組成物を収容するキャニスタ200が取り付けられ、キャニスタ200の組成物は、貯蔵所103内部に一定量が充填されてもよい。ユーザは、貯蔵所103内に貯蔵された組成物の残量をハウジング101に設けられた顕示窓(図示せず)を通じて視覚的に確認することができる。貯蔵所103内部へキャニスタ200に収容された組成物を充填するためにユーザが加圧可能な充填レバー300が備えられている。充填レバー300は、ハウジング101の第2面に位置してもよく、ユーザが充填レバー300を加圧すると、充填レバー300がキャニスタ200の底面を第1方向に押し上げてキャニスタ200の噴射口が貯蔵所103と連通され、噴射口を通じて組成物がキャニスタ200から貯蔵所103に移動する。また、一実施例によるインヘイラー10には、貯蔵所103への充填の際にキャニスタ200の上下運動に連携して充填回数をカウントするカウンタ(図示せず)およびキャニスタ200内の組成物の残量を表示する表示窓(図示せず)が備えられてもよい。貯蔵所103内に貯蔵された組成物は、ユーザがマウスピース102に吸入力を加えることによってエアロゾル状態で噴射され、このとき、吸入力によって貯蔵所103を開閉するインヘイル連動バルブ105が作動し、インヘイル連動バルブ105の開閉動作は、ピストン106によって制御されてもよい。また、貯蔵所103にはリリーフ弁(図示せず)が設置されており、ハウジング101の第1面にはリリーフベントホール400が備えられてもよい。このようなリリーフ弁は、リリーフバー(図示せず)およびリリーフバー移動突起(図示せず)などを通じて充填レバー300と連動されており、充填レバー300がキャニスタ200を第1方向に押し上げて貯蔵所103を充填する直前に、リリーフバルブが先に開放されて、貯蔵所103内の残余ガスを排出することができる。さらに、一実施例によるインヘイラー10には、キャニスタ200の離脱を防止するカバー500およびロック装置600が備えられてもよい。
【0033】
前述のインヘイラー10は、エアロゾルがユーザの鼻腔または口腔に噴射されるときに発生する問題点を解決するために開発されたニードルバルブ方式がハウジング101内部に適用され、このようなニードルバルブ方式は、以下で図3および図4を参照して具体的に説明される。
【0034】
一般的に吸入器にピンチバルブ方式が適用されると、円形の断面積を有するノズルを通じてエアロゾルが噴射されるとき、噴射されるエアロゾルの粒子が大き過ぎてユーザの口腔の内部を濡らす問題が発生することがある。また、噴射ノズルの端が口腔内に位置するようになり、噴射時にエアロゾルが口腔を強く打つ問題が発生することもある。このような問題を解決するために、本発明は、ニードル(needle)バルブ方式を適用する。
【0035】
図3を参照して、一実施例によるインヘイラー10は、貯蔵所103、ノズル104、およびニードルバルブ105をさらに含んでもよい。
【0036】
貯蔵所103は、ハウジング101の内部に配置されてもよい。貯蔵所103は、吸入可能な組成物を貯蔵してもよい。
【0037】
ノズル104は、マウスピース102と貯蔵所103とを連通させてもよい。ノズル104は、マウスピース102から貯蔵所103まで延長される管として設けられてもよい。
【0038】
ニードルバルブ105は、ノズル104の内部に移動可能に配置されてもよい。例えば、ニードルバルブ105は、ノズル104の内部において上下に移動することができる。このようなニードルバルブ105は、ノズル104内の位置によってノズル104を開放し、または閉鎖することができる。すなわち、ニードルバルブ105は、マウスピース102と貯蔵所103とが連通するようにノズル104を開放したり、マウスピース102と貯蔵所103とが離隔されるようにノズル104を閉鎖したりすることができる。
【0039】
このようなニードルバルブ105を用いたニードルバルブ方式は、ニードル状のバルブ105がノズル104の中間に位置することにより、エアロゾルを噴射する断面積はドーナツ状を維持することができる。また、同一噴射面積に対してさらに狭い区間でエアロゾルを噴射することにより、さらに微細な粒子を形成することができ、エアロゾルを噴射するノズル104がマウスピース102の下側の端に位置しており、口腔とは遠く、口腔の内部を打ったり濡らしたりする現象を改善することができる。
【0040】
ニードルバルブ105により、ノズル104は、第1状態または第2状態のいずれかの状態に切り替えられる。第1状態はノズル104が密閉される状態で、第2状態はノズル104が開放される状態である。第1状態においてマウスピース102と貯蔵所103とは互いに離隔され得る。第2状態においては、マウスピース102と貯蔵所103とは互いに連通され得る。すなわち、第2状態において貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物が、矢印で示されたようにノズル104を通じてマウスピース102へ噴出され得る。
【0041】
また、ニードルバルブ105は、吸入連動方式で作動してもよい。
【0042】
具体的に、マウスピース102に吸入力が加えられないと、ニードルバルブ105は、ノズル104を第1状態に維持することができる。マウスピース102を通じて吸入力が加えられると、ニードルバルブ105は、第2方向に移動してノズル104を第2状態に切り替えることができる。
【0043】
図3をさらに参照して、一実施例によるインヘイラー10は、ピストン106、スプリング107、通路108および陰圧形成部109をさらに含んでもよい。
【0044】
ピストン106は、ハウジング101の内部に配置され、一面にニードルバルブ105の一端が結合されてもよい。ピストン106は、シリンダー内で垂直往復運動してもよい。
【0045】
スプリング107は、ピストン106の下部に設置されてもよい。この場合、スプリング107は、予圧状態で設置されてもよい。
【0046】
通路108は、ハウジング101の内部に形成されてもよい。通路108は、マウスピース102とピストン106とを連通させてもよい。具体的に、通路108は、一端がマウスピース102の一側に連結され、他端がピストン106の下部まで連結されてもよい。この場合、通路108の一端は、前記ノズル104がマウスピース102と連結された位置から離れた位置でマウスピース102と連結されてもよい。このような通路108は、マウスピース102に加えられる吸入力をピストン106に伝達することができる。
【0047】
陰圧形成部109は、ピストン106およびピストン106と連結された通路108の一端との間に形成されてもよい。陰圧形成部109は、ピストン106と通路108との間に空間を形成してもよい。マウスピース102に吸入力が加えられると、通路108を通じて伝達された吸入力が陰圧形成部109に到逹することができ、陰圧形成部109は、陰圧を発生させることができる。これにより、陰圧形成部109は、ピストン106が第2方向に移動するように誘導することができる。
【0048】
結局、マウスピース102に吸入力が加えられないと、スプリング107は、ピストン106を第1方向に押し上げてニードルバルブ105とノズル104とが第1状態で維持されることができる。一方、マウスピース102に吸入力が加えられると、吸入力は、通路108を通じて陰圧形成部109に伝達され、陰圧形成部109で発生した陰圧によりピストン106がスプリング107の予圧を克服して第2方向に移動することができる。これにより、ニードルバルブ105が第2方向に移動するようになり、ノズル104が第2状態に切り替えられる。
【0049】
以下においては、図4を参照して、第1状態および第2状態のノズル104およびニードルバルブ105をより詳しく説明し、ニードルバルブ105の動作によってノズル104上に断面積の異なる2つの間隔G1、G2が構成されてエアロゾルの噴射量が制御される構成について詳しく説明する。
【0050】
図4(a)は、第1状態のインヘイラー10を示表し、図4(b)は、第2状態のインヘイラー10を示す。
【0051】
第1状態の場合、ノズル104とニードルバルブ105は、互いに接してマウスピース102と貯蔵所103とが隔離された状態であってもよい。
【0052】
第2状態の場合、ニードルバルブ105が第2方向に移動されてノズル104とニードルバルブ105は互いに接しなくなり、マウスピース102と貯蔵所103がノズル104を通じて連通される状態であってもよい。これにより、貯蔵所103の吸入可能な組成物が、貯蔵所103からマウスピース102を通じて外部に噴出され得る。
【0053】
具体的に、ノズル104は、第1ノズル部分1041および第2ノズル部分1042を含んでもよい。
【0054】
第1ノズル部分1041は、マウスピース102と隣接した部分であってもよい。
【0055】
第2ノズル部分1042は、例えば、第1ノズル部分1041の下部に位置し、貯蔵所103と隣接した部分であってもよい。
【0056】
このようなノズル104は、第1ノズル部分1041が第2ノズル部分1042より小径になるように形成されてもよい。
【0057】
ニードルバルブ105は、第1バルブ部分1051および第2バルブ部分1052を含んでもよい。
【0058】
第1バルブ部分1051は、ニードルバルブ105の先端に形成された部分であってもよい。第1バルブ部分1051は、ピストン106による垂直移動の際に第1ノズル部分1041または第2ノズル部分1042に隣接して移動してもよい。例えば、第1状態で第1バルブ部分1051は、第1ノズル部分1041と隣接して配置されてもよい。また、第2状態で第1バルブ部分1051は、第2ノズル部分1042と隣接するように第2方向に移動されてもよい。
【0059】
第2バルブ部分1052は、例えば、第1バルブ部分1051の下部に形成された部分であってもよい。第2バルブ部分1052の下端は、ピストン106の一面に結合されてもよい。これにより、ピストン106の垂直往復運動の際にニードルバルブ105が垂直往復運動することができる。
【0060】
このようなニードルバルブ105は、第1バルブ部分1051が第2バルブ部分1052より小径になるように形成されてもよい。
【0061】
また、第1バルブ部分1051は、第1ノズル部分1041より小径になるように形成されてもよい。すなわち、第1バルブ部分1051は、第1状態または第2状態で第1ノズル部分1041および第2ノズル部分1042のいずれとも接しなくてもよい。
【0062】
一方、ノズル104は、第2ノズル部分1042に設けられるシーリング部材1043をさらに含んでもよい。シーリング部材1043は、例えば、シリコーン、ゴムなどの弾性材料で構成されたオーリングまたはクワドリングなどで製作されてもよい。このようなシーリング部材1043の内径は、第1バルブ部分1051の直径よりも大きく、第2バルブ部分1052の直径と等しいかまたはさらに小さくてもよい。また、シーリング部材1043の内径は、第1ノズル部分1041の直径よりもさらに大きくてもよい。
【0063】
第2バルブ部分1052は、第1状態でシーリング部材1043と隣接して配置されてもよい。すなわち、第1状態で第2バルブ部分1052は、シーリング部材1043と接してもよい。これにより、ノズル104を通じてエアロゾルが漏れないように貯蔵所103が密閉されることができる。
【0064】
一方、第2バルブ部分1052は、第2状態でシーリング部材1043よりも第2方向に移動されてノズル104と接しなくなってもよい。これにより、貯蔵所103に貯蔵された吸入可能な組成物は、ノズル104を通じてマウスピース102に噴出されることができる。
【0065】
図4(b)を参照して、第1ノズル部分1041と第1バルブ部分1051との間に形成される間隔を第1間隔G1と定義し、シーリング部材1043と第1バルブ部分1051との間に形成される間隔を第2間隔G2と定義する。前述のノズル104およびニードルバルブ105の構造により、第1間隔G1は、第2間隔G2よりもさらに小さく形成されることができる。
【0066】
このように断面積が互いに異なる第1間隔G1および第2間隔G2が形成されるように、ニードルバルブ105の直径を区間によって異なるように構成してノズル104を空間的に分離する理由は、エアロゾルの噴射量を均一に制御するためである。
【0067】
エアロゾルの噴射量は、一般的にノズル104の断面積に比例し、ノズル104が第1間隔G1および第2間隔G2のように空間的に分離されない場合、ノズル104の断面積はシーリング部材1043およびニードルバルブ105の間の間隔のみで決められる。このとき、例えばクワドリングなどで設けられたシーリング部材1043が用いられる場合、クワドリングの許容公差は一般的に0.05mmであるので、一定の噴射断面積が保障されにくい。よって、第2間隔G2では吸入可能な組成物の開閉のみを制御し、公差管理が比較的に容易な第1間隔G1で最終的にエアロゾルを噴射するように、ノズル104が空間的に分離されてもよい。
【0068】
開放および噴射が同時に起こる場合に、エアロゾルの噴射量は第1間隔G1の噴射面積のみで制御されてもよい。
【0069】
噴射量に影響を与える因子としては、前述のノズルの断面積のみではなく、管路抵抗、推進圧力、流体粘性などが考えられる。
【0070】
具体的に、第1間隔G1で吸入可能な組成物が移動する距離によってエアロゾルの噴射量が変わってもよい。第2間隔G2が同一である場合、ニードルバルブ105の行程距離によってエアロゾルの噴射量が変わってもよい。例えば、ニードルバルブ105の行程距離が短くなると、吸入可能な組成物が第1間隔G1を通過する距離が長くなり、噴射量は減少する。
【0071】
第1間隔G1は、第1状態または第2状態で形成されてもよい。第2間隔G2は、第1バルブ部分1051がシーリング部材1043に隣接して配置される場合に形成されるので、ニードルバルブ105が第2方向に移動された第2状態で形成されることができる。
【0072】
このような第2間隔G2は、貯蔵所103から噴出された吸入可能な組成物の移動を許容することができる。第1間隔G1は、第2間隔G2を通過したエアロゾル粒子の大きさを制御することができる。すなわち、第1間隔G1は、第2間隔G2よりもさらに小さいので、エアロゾル中の微細粒子のエアロゾルの移動のみを許容することができる。結局、第1間隔G1を通過できる大きさのエアロゾルのみがマウスピース102に移動してユーザに噴出されることができる。
【0073】
すなわち、吸入力によってノズル104が開放されると、エアロゾルは最終的に第1間隔G1を通じて外部に噴射されるが、貯蔵所103からの最初の噴出は、シーリング部材1043と第1バルブ部分1051との間で形成される第2間隔G2を通じて行われる。
【0074】
すなわち、ノズル104とニードルバルブ105は、いずれも真っ直ぐな形態に加工されており、第1間隔G1は、ノズル104の開閉とは関係なく、いつも形成されている方式で実質的な開閉はシーリング部材1043とニードルバルブ105との間で形成される。
【0075】
このとき、第1間隔G1は、充分に小さな粒子のエアロゾル噴射のために0.015~0.03mmに形成されてもよい。例えば、第1間隔G1が0.015mmよりもさらに小さいと、液状の組成物が狭い隙間を介して移動し難くなり、主にガスとして噴射され、一部の液滴が沸くように弱く飛び出る現象が生じることがある。これに対し、第1間隔G1が0.03mmよりも大きいと、主に大きい液滴として噴射されて単位時間当たりの噴射量が多すぎてユーザに鼻腔または口腔が濡れる感じを与えることがある。また、シーリング部材1043の製造公差によって第2間隔G2があまりにも狭く形成されると、第1間隔G1が狭いときと同様な現象が現われることがあり、これを考慮して第2間隔G2は、第1間隔G1よりも充分に大きく形成されることができる。これにより、一実施例によるインヘイラー10は、微細粒子のエアロゾル噴射が可能で、噴射量を容易に調節することができる。
【0076】
前述のように一実施例によるインヘイラー10は、ニードルバルブ105の開閉動作によって、エアロゾルが放出されるノズル104上に断面積の異なる第1間隔G1および第2間隔G2が分離生成され、分離された2つの間隔G1、G2の適正区間を特定することにより、噴射されるエアロゾルの均一な放出が可能に制御することができる。
【0077】
また、ドーナツ形状を維持する第1間隔G1、第2間隔G2により、噴射面積に対しさらに狭い区間でエアロゾルを噴射するようにしてさらに微細な粒子を形成して、ユーザの口の中を濡らしたり、打ったりする現象を改善することができる。
【0078】
また、一実施例によるインヘイラー10は、ニードルバルブ105が普段スプリング107の予圧によって第1方向に押し上げる力を受けてノズル104を閉鎖している状態を維持することができる。しかしながら、一実施例によるインヘイラー10は、ユーザによってマウスピース102を通じて吸入力が加えられると、ピストン106の下部に陰圧が形成されながらスプリング107の予圧に対抗してピストン106が下に運動し、ピストン106に連結されたニードルバルブ105が下降しながらシーリング部材1043とニードルバルブ105との間に第2間隔G2が形成されることができる。これにより、貯蔵所103の吸入可能な組成物は、エアロゾル状態で第2間隔G2を経て第1間隔G1を通じて外部、例えばユーザの口腔へ噴出されることができる。ユーザが吸入を止めると、スプリング107の復元力によってピストン106とニードルバルブ105がさらに上昇し、ノズル104を閉鎖してエアロゾルの噴射が中止されることができる。
【0079】
以上のように本発明の実施例では、具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる手順で行われ、および/または説明された構造、装置などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組合され、他の構成要素または均等物によって交換または置き換えられても、適切な結果が達成されることができる。よって、本発明の思想は、説明された実施例に限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものは、本発明の思想に属するとするみなす。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
【国際調査報告】