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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】開閉装置の操作機構及び開閉装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 5/10 20060101AFI20241010BHJP
   H01H 33/42 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01H5/10
H01H33/42 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566415
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2022125590
(87)【国際公開番号】W WO2023071840
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111282396.X
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523405111
【氏名又は名称】チント ロウ ボルテージ エレクトリカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シュー ダーシェン
(72)【発明者】
【氏名】レイ ホンジアン
(72)【発明者】
【氏名】チン チービン
(57)【要約】
本発明は、低電圧電気の分野に関し、特に開閉装置の操作機構に関する。当該操作機構に転動軸と凸輪と操作軸をそれぞれ回転可能に設け、前記操作軸が前記凸輪と駆動可能に協働してそれを回転に駆動し、前記凸輪は、回転するとエネルギー貯蔵バネにエネルギーを貯蔵させ、前記凸輪が死点位置に回転していた時に前記エネルギー貯蔵バネがエネルギーを最大限に貯蔵しており、前記凸輪が死点位置を回転した後に前記エネルギー貯蔵バネがエネルギーを放出して前記凸輪を回転させ、開閉装置を開閉するように前記転動軸が前記凸輪と駆動可能に協働し且つ開閉装置の可動接触結構に駆動力を出力するのに用いられ;前記凸輪と前記転動軸の間に設けられる回転余裕により、前記凸輪が死点位置に向けて回転している最中に前記転動軸を静止させ、前記凸輪は、死点位置に回転した後、第1角度φ1を回転し続け、次に前記転動軸と接触してそれを回転に駆動し、第1角度φ1>0°である。本発明は、簡易な結構と高速な開閉動作を備える開閉装置の操作機構を提供し、並びに高速な開閉動作と良好な通電容量を備える上記操作機構の開閉装置を提供する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動軸(2)と凸輪(3)と操作軸(4)とエネルギー貯蔵バネ(5)とを備え、前記転動軸(2)と前記凸輪(3)と前記操作軸(4)をそれぞれ回転可能に設け、前記操作軸(4)が前記凸輪(3)と駆動可能に協働してそれを回転に駆動し、前記凸輪(3)は、回転すると前記エネルギー貯蔵バネ(5)にエネルギーを貯蔵させ、前記凸輪(3)が死点位置に回転していた時に前記エネルギー貯蔵バネ(5)がエネルギーを最大限に貯蔵しており、前記凸輪(3)が死点位置を回転した後に前記エネルギー貯蔵バネ(5)がエネルギーを放出して前記凸輪(3)を回転させ、前記転動軸(2)が前記凸輪(3)と駆動可能に協働し且つ開閉装置の可動接触結構に駆動力を出力するのに用いられ;前記凸輪(3)と前記転動軸(2)の間に設けられる回転余裕により、前記凸輪(3)が死点位置に向けて回転している最中に前記転動軸(2)を静止させる開閉装置の操作機構であって、前記凸輪(3)は、死点位置に回転した後、第1角度φ1を回転し続け、次に前記転動軸(2)と接触してそれを回転に駆動し、第1角度φ1>0°である
ことを特徴とする開閉装置の操作機構。
【請求項2】
前記第1角度φ1が2°~20°であることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項3】
前記第1角度φ1が2°~10°であることを特徴とする請求項2に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項4】
前記凸輪(3)は少なくとも1組の第1転動結構を介して前記転動軸(2)と協働し;各組の前記第1転動結構は、第1協働部と第2協働部とを含み、前記第1協働部は相対間隔で設けられる第1止まり部材と第2止まり部材とを含み、前記第2協働部は、前記第1止まり部材と前記第2止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ前記第1止まり部材と前記第2止まり部材と協働し;各組の前記第1転動結構の第1協働部と前記第2協働部のうちには、一方が前記凸輪(3)に設けられ、他方が前記転動軸(2)に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項5】
前記第1協働部は前記凸輪(3)に設けられ、前記第1止まり部材は第1凸輪面(3-20)であり、前記第2止まり部材は第2凸輪面(3-21)であり;前記第2協働部は、前記転動軸(2)に設けられて転動軸凸台(2-20)となる
ことを特徴とする請求項4に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項6】
前記凸輪(3)の回転軸線は、前記転動軸(2)の回転軸線と重なり;前記凸輪(3)は、それの軸方向の片端に設けられる凸輪駆動端を備え、前記凸輪駆動端の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第1協働部を設け、2つの第1協働部の間には前記凸輪(3)と同軸に配置された凸輪軸台(3-5)が設けられ、前記凸輪軸台(3-5)の中部には第1凸輪軸孔(3-50)が設けられ;前記転動軸(2)は、それの軸方の片端に設けられる転動軸協働端(2-2)を備え、前記転動軸協働端(2-2)の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第2協働部が設けられ、前記転動軸協働端(2-2)の中部には前記転動軸(2)と同軸に配置された転動軸協働孔(2-21)が設けられ、前記転動軸協働孔(2-21)の中部にはそれと同軸に配置された転動軸柱(2-3)が設けられ;前記凸輪軸台(3-5)は前記転動軸協働孔(2-21)に回転可能に挿入され、前記転動軸柱(2-3)は前記第1凸輪軸孔(3-50)に回転可能に挿入され、2つの第1協働部はそれぞれ2つの第2協働部と協働する
ことを特徴とする請求項5に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項7】
前記操作軸(4)と前記凸輪(3)との間には第1自由行程が設けられ;前記操作軸(4)は、前記凸輪(3)を駆動して死点位置に回転させ、前記凸輪(3)は、死点位置を回転していた後、前記操作軸(4)に対して第1自由行程を経由する
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項8】
前記操作軸(4)は第2転動結構を介して前記凸輪(3)と駆動可能に協働し;前記第2転動結構は、第3協働部と第4協働部とを含み、前記第3協働部は相対間隔で設けられる第3止まり部材と第4止まり部材とを含み、前記第4協働部は、前記第3止まり部材と前記第4止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ前記第3止まり部材と前記第4止まり部材と協働し;前記第3協働部と前記第4協働部のうちには、一方が前記操作軸(4)に設けられ、他方が前記凸輪(3)に設けられる
ことを特徴とする請求項7に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項9】
前記第3協働部は前記凸輪(3)に設けられ、前記第3止まり部材は第3凸輪面(3-30)であり、前記第4止まり部材は第4凸輪面(3-31)であり;前記第4協働部は、前記操作軸(4)に設けられて操作軸駆動部(4-2)となる
ことを特徴とする請求項8に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項10】
前記操作軸(4)は前記凸輪(3)の回転軸線と平行な間隔で設けられ;前記操作軸(4)は操作軸主棒(4-0)を備え、前記操作軸駆動部(4-2)は、前記操作軸主棒(4-0)に設けられて前記凸輪(3)に向けて偏位する
ことを特徴とする請求項9に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項11】
前記凸輪(3)の軸方向の両端は、それぞれ前記操作軸(4)と前記転動軸(2)と駆動可能に協働する
ことを特徴とする請求項7に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項12】
操作機構は、2つのエネルギー貯蔵バネ(5)を備え、2つのエネルギー貯蔵バネ(5)は、前記凸輪(3)の回転軸線について中央対称に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項13】
操作機構は、機構筐体を更に備え、前記機構筐体は、対面して協働する筐体底部台座(1)と筐体基部(6)とを含み、前記転動軸(2)は前記筐体底部台座(1)に回転可能に設けられ、前記凸輪(3)は前記転動軸(2)と前記筐体基部(6)の間に回転可能に設けられ、前記操作軸(4)は前記筐体基部(6)に回転可能に設けられ、前記エネルギー貯蔵バネ(5)は一端が前記筐体底部台座(1)に回転可能に設けられ、他端が前記凸輪(3)と協働する
ことを特徴とする請求項8に記載の開閉装置の操作機構。
【請求項14】
請求項1-13何れか一項に記載の操作機構を備えることを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低電圧電気の分野に関し、特に開閉装置の操作機構及び当該操作機構を備える開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低電圧配電システムでは、回路を通電と遮断と切り替えるために断路器をよく用いる。断路器では、操作機構が重要な構成要素であり、作業員が手動又は電気的に操作機構を駆動して断路器の接触子間での通電とその遮断とを操作する。
【0003】
既存の断路器の操作機構には、多分に次の問題がある。
【0004】
1.開閉の動作速度が足りないため、可動接触子と固定接触子との間で融接を引き起こしやすい。
【0005】
2.複雑な結構と大きな操作力を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、簡易な結構と高速な開閉動作を備える開閉装置の操作機構を提供し、並びに高速な開閉動作と良好な通電容量を備える上記操作機構の開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の解決手段は以下のとおりである。
【0008】
開閉装置の操作機構は、転動軸と凸輪と操作軸とエネルギー貯蔵バネとを備え、前記転動軸と前記凸輪と前記操作軸をそれぞれ回転可能に設け、前記操作軸が前記凸輪と駆動可能に協働してそれを回転に駆動し、前記凸輪は、回転すると前記エネルギー貯蔵バネにエネルギーを貯蔵させ、前記凸輪が死点位置に回転していた時に前記エネルギー貯蔵バネがエネルギーを最大限に貯蔵しており、前記凸輪が死点位置を回転した後に前記エネルギー貯蔵バネがエネルギーを放出して前記凸輪を回転させ、前記転動軸が前記凸輪と駆動可能に協働し且つ開閉装置の可動接触結構に駆動力を出力するのに用いられ;前記凸輪と前記転動軸の間に設けられる回転余裕により、前記凸輪が死点位置に向けて回転している最中に前記転動軸を静止させる開閉装置の操作機構であって、前記凸輪は、死点位置に回転した後、第1角度φ1を回転し続け、次に前記転動軸と接触してそれを回転に駆動し、第1角度φ1>0°である。
【0009】
好ましくは、前記第1角度φ1が2°~20°である。
【0010】
好ましくは、前記第1角度φ1が2°~10°である。
【0011】
好ましくは、前記凸輪は少なくとも1組の第1転動結構を介して前記転動軸と協働し;各組の前記第1転動結構は、第1協働部と第2協働部とを含み、前記第1協働部は相対間隔で設けられる第1止まり部材と第2止まり部材とを含み、前記第2協働部は、前記第1止まり部材と前記第2止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ前記第1止まり部材と前記第2止まり部材と協働し;各組の前記第1転動結構の第1協働部と前記第2協働部のうちには、一方が前記凸輪に設けられ、他方が前記転動軸に設けられる。
【0012】
好ましくは、前記第1協働部は前記凸輪に設けられ、前記第1止まり部材は第1凸輪面であり、前記第2止まり部材は第2凸輪面であり;前記第2協働部は、前記転動軸に設けられて転動軸凸台となる構。
【0013】
好ましくは、前記凸輪の回転軸線は、前記転動軸の回転軸線と重なり;前記凸輪は、それの軸方向の片端に設けられる凸輪駆動端を備え、前記凸輪駆動端の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第1協働部を設け、2つの第1協働部の間には前記凸輪と同軸に配置された凸輪軸台が設けられ、前記凸輪軸台の中部には第1凸輪軸孔が設けられ;前記転動軸は、それの軸方の片端に設けられる転動軸協働端を備え、前記転動軸協働端の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第2協働部が設けられ、前記転動軸協働端の中部には前記転動軸と同軸に配置された転動軸協働孔が設けられ、前記転動軸協働孔の中部にはそれと同軸に配置された転動軸柱が設けられ;前記凸輪軸台は前記転動軸協働孔に回転可能に挿入され、前記転動軸柱は前記第1凸輪軸孔に回転可能に挿入され、2つの第1協働部はそれぞれ2つの第2協働部と協働する。
【0014】
好ましくは、前記操作軸と前記凸輪との間には第1自由行程が設けられ;前記操作軸は、前記凸輪を駆動して死点位置に回転させ、前記凸輪は、死点位置を回転していた後、前記操作軸に対して第1自由行程を経由する。
【0015】
好ましくは、前記操作軸は第2転動結構を介して前記凸輪と駆動可能に協働し;前記第2転動結構は、第3協働部と第4協働部とを含み、前記第3協働部は相対間隔で設けられる第3止まり部材と第4止まり部材とを含み、前記第4協働部は、前記第3止まり部材と前記第4止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ前記第3止まり部材と前記第4止まり部材と協働し;前記第3協働部と前記第4協働部のうちには、一方が前記操作軸に設けられ、他方が前記凸輪に設けられる。
【0016】
好ましくは、前記第3協働部は前記凸輪に設けられ、前記第3止まり部材は前記第3凸輪面であり、前記第4止まり部材は第4凸輪面であり;前記第4協働部は、前記操作軸に設けられて操作軸駆動部となる。
【0017】
好ましくは、前記操作軸は前記凸輪の回転軸線と平行な間隔で設けられ;前記操作軸は操作軸主棒を備え、前記操作軸駆動部は、前記操作軸主棒に設けられて前記凸輪に向けて偏位する。
【0018】
好ましくは、前記凸輪の軸方向の両端は、それぞれ前記操作軸と前記転動軸と駆動可能に協働する。
【0019】
好ましくは、前記操作機構は、2つのエネルギー貯蔵バネを備え、2つのエネルギー貯蔵バネは、前記凸輪の回転軸線について中央対称に配置される。
【0020】
好ましくは、前記操作機構は、機構筐体を更に備え、前記機構筐体は、対面して協働する筐体底部台座と筐体基部とを含み、前記転動軸は前記筐体底部台座に回転可能に設けられ、前記凸輪は前記転動軸と前記筐体基部の間に回転可能に設けられ、前記操作軸は前記筐体基部に回転可能に設けられ、前記エネルギー貯蔵バネは一端が前記筐体底部台座に回転可能に設けられ、他端が前記凸輪と協働する。
【0021】
また、開閉装置は、上記の操作機構を備える。
【0022】
本発明の開閉装置の操作機構では、凸輪が死点位置を回転した後、転動軸を回転に駆動するように第1角度φ1を回転し続けてそれと接触する必要があると、エネルギー貯蔵バネのエネルギー放出の初期段階での凸輪を有効的に加速できるようになり、従って転動軸の回転速度を高めるため、開閉装置の開閉速度と開閉装置の通電容量における性能向上の助けとなる。
【0023】
その上、操作軸は凸輪の回転軸線と平行な間隔で設けられるため、操作軸の操作力の低減の助けとなる。
【0024】
本発明の開閉装置は、前記操作機構を備える。操作機構は、開閉装置の開閉速度と開閉装置の通電容量を上げることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の開閉装置の操作機構の分解結構図である。
【0026】
図2】本発明の操作軸の概略図である。
【0027】
図3】第3凸輪面及び第4凸輪面を示す本発明の凸輪の概略図である。
【0028】
図4】第1凸輪面及び第2凸輪面を示す本発明の凸輪の概略図である。
【0029】
図5】本発明の転動軸の概略図である。
【0030】
図6】スイッチオフ状態にある本発明の開閉装置の操作機構の概略図である。
【0031】
図7】凸輪が死点位置にある本発明の開閉装置の操作機構の概略図である。
【0032】
図8】凸輪が死点位置にある本発明の凸輪と転動軸の組立図であり、ここで凸輪は第1方向D1に向けて第1角度φ1を回転し続ける必要さえあれば、転動軸と接触して協働できる。
【0033】
図9】スイッチオン状態にある本発明の開閉装置の操作機構の概略図である。
【0034】
図10】凸輪が死点位置にある本発明の凸輪と転動軸の組立図であり、ここで凸輪は第2方向D2に向けて第1角度φ1を回転し続ける必要さえあれば、転動軸と接触して協働できる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
我々は、図1図10に与えられた次の実施例と組み合わせて本発明の操作機構及び開閉装置の具体的な実施形態を更に説明する。本発明の操作機構及び開閉装置は、以下の実施例の記述に限定されるものではない。
【0036】
好ましくは、本発明の開閉装置は、操作機構と接触子体系とを備える断路器である。接触子体系は、協働可能に使われる可動接触結構と固定接触結構とを備える。操作機構は、可動接触結構と駆動可能に接続し、接触結構を閉合又は切断に駆動し、即ち断路器をスイッチオフ又はスイッチオンに駆動する。
【0037】
図1図6-7及び図9に示されたものは、本発明の操作機構の一実施例がある。前記操作機は、転動軸2と凸輪3と操作軸4とエネルギー貯蔵バネ5とを備える。転動軸2と凸輪3と操作軸4は、それぞれ回転可能に設けられ、操作軸4は凸輪3と駆動可能に協働してそれを回転に駆動し、エネルギー貯蔵バネ5は凸輪3と協働する。凸輪3は、回転するとエネルギー貯蔵バネ5にエネルギーを貯蔵させ、エネルギー貯蔵バネ5は、凸輪3が死点位置に回転していた時にエネルギーを最大限に貯蔵しており、エネルギー貯蔵バネ5は、凸輪3が死点位置を回転した後にエネルギーを放出して凸輪3を回転させる。転動軸2は、開閉装置を開閉するように、凸輪3と駆動可能に協働し且つ開閉装置の可動接触結構に駆動力を出力するのに用いられる。凸輪3と転動軸2の間に設けられる回転余裕は、凸輪3が死点位置に向けて回転している最中に転動軸2を静止させる。凸輪3は、死点位置に回転した後、第1角度φ1を回転し続け、次に転動軸2と接触してそれを回転に駆動する。ここまでは、第1角度φ1>0°である。
【0038】
本発明の開閉装置の操作機構では、凸輪が死点位置を回転した後、転動軸を回転に駆動するように第1角度φ1を回転し続けてそれと接触する必要があると、エネルギー貯蔵バネのエネルギー放出の初期段階での凸輪を有効的に加速できるようになり、従って転動軸の回転速度を高めるため、開閉装置の開閉速度と開閉装置の通電容量における性能向上の助けとなる。
【0039】
第1角度φ1は2°~20°である。更に、第1角度φ1は2°~10°である。
【0040】
図1図6-7及び図9に示されるように、操作軸4と凸輪3との間には第1自由行程が設けられる。操作軸4は、凸輪3を駆動して死点位置に回転させ、凸輪3は、死点位置を回転していた後、操作軸4に対して第1自由行程を経由する。指摘すべきであるのは、作業員が手動で操作軸4を回転に操作できるか、電気手段で操作軸4を回転に駆動できる。
【0041】
図1図3及び図5に示されるように、凸輪3は少なくとも1組の第1転動結構を介して転動軸2と協働する。各組の第1転動結構は、第1協働部と第2協働部とを含む。第1協働部は相対間隔で設けられる第1止まり部材と第2止まり部材とを含む。第2協働部は、第1止まり部材と第2止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ第1止まり部材と第2止まり部材と協働する。各組の第1転動結構の第1協働部と第2協働部のうちには、一方が凸輪3に設けられ、他方が転動軸2に設けられる。更に、図4に示されるように、第1協働部は凸輪3に設けられ、第1止まり部材は第1凸輪面3-20であり、第2止まり部材は第2凸輪面3-21である。図5に示されるように、第2協働部は、転動軸2に設けられて転動軸凸台2-20となる。
【0042】
具体的には、図1に示されるように、凸輪3の回転軸線は転動軸2の回転軸線と重なる。図4に示されるように、凸輪3は、それの軸方向の片端に設けられる凸輪駆動端を備え、凸輪駆動端の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第1協働部を設ける。図5に示されるように、転動軸2は、それの軸方の片端に設けられる転動軸協働端2-2を備え、転動軸協働端2-2の半径方向の両端にはそれぞれ一つの第2協働部が設けられる。凸輪駆動端は、転動軸協働端2-2に対向して設けられる。2つの第1協働部はそれぞれ2つの第2協働部と駆動可能に協働する。更に、図4に示されるように、2つの第1協働部の間には凸輪3と同軸に配置された凸輪軸台3-5が設けられる。凸輪軸台3-5の中部には第1凸輪軸孔3-50が設けられる。図5に示されるように、転動軸協働端2-2の中部には転動軸2と同軸に配置された転動軸協働孔2-21が設けられる。転動軸協働孔2-21の中部にはそれと同軸に配置された転動軸柱2-3が設けられる。凸輪軸台3-5は転動軸協働孔2-21に回転可能に挿入され、転動軸柱2-3は第1凸輪軸孔3-50に回転可能に挿入される。更に、図4に示されるように、凸輪3は、凸輪駆動端に配置された2つの扇状凸台を備え、2つの扇状凸台はそれぞれ凸輪駆動端の半径方向の両端に設けられる。各扇状凸台は、一方の端面が第1凸輪面3-20となり、他方の端面が第2凸輪面3-21となる。
【0043】
別の実施例として、第1転動結構の第1協働部と第2協働部のうちには、第1協働部が転動軸2に設けられ、第2協働部が凸輪3に設けられる。
【0044】
図1-3、図6-7及び図9に示されるように、操作軸4は第2転動結構を介して凸輪3と駆動可能に協働する。第2転動結構は、第3協働部と第4協働部とを含む。第3協働部は相対間隔で設けられる第3止まり部材と第4止まり部材とを含む。第4協働部は、第3止まり部材と第4止まり部材の間に設けられ、且つそれぞれ第3止まり部材と第4止まり部材と協働する。第3協働部と第4協働部のうちには、一方が操作軸4に設けられ、他方が凸輪3に設けられる。更に、図3に示されるように、第3協働部は凸輪3に設けられ、第3止まり部材は第3凸輪面3-30であり、第4止まり部材は第4凸輪面3-31である。図1-2、図6-7及び図9に示されるように、第4協働部は、操作軸4に設けられて操作軸駆動部4-2となる。更に、図2に示されるように、操作軸4は凸輪3の回転軸線と平行な間隔で設けられる。操作軸4は、操作軸主棒4-0を備え、操作軸駆動部4-2は、操作軸主棒4-0に設けられて凸輪3に向けて偏位し、操作軸4の操作力の低減の助けとなる。
【0045】
具体的には、図3に示されるように、凸輪3は、それの軸方向の片端に配置された凸輪被駆動端を備え、凸輪被駆動端と凸輪駆動端は、それぞれ凸輪3の軸方向の両端に位置する。凸輪被駆動端にはV形溝が設けられており、第3凸輪面3-30と第4凸輪面3-31はそれぞれV形溝の一対の側壁である。図2に示されるように、操作軸主棒4-0の軸方向の片端には操作軸接続部4-1が設けられており、操作軸駆動部4-2は、操作軸接続部4-1に配置された触輪となる。この結構は、操作軸駆動部4-2と凸輪3との摩擦を低減し、作動の平滑性を向上させるのに有利である。
【0046】
別の実施例として、第3協働部は操作軸4に設けられ、第4協働部は凸輪3に設けられる。
【0047】
図1及び図6図9に示されるように、操作機構は、2つのエネルギー貯蔵バネ5を備え、2つのエネルギー貯蔵バネ5は、凸輪3の回転軸線について中央対称に配置される。更に、図1及び図6図9に示されるように、2つのエネルギー貯蔵バネ5の片端は、それぞれ凸輪3の半径方向の両端と協働し、2つのエネルギー貯蔵バネ5の他端は、それぞれ操作機構の機構筺体に回転可能に配置される。
【0048】
具体的には、図3-4に示されるように、凸輪3の半径方向には、それぞれ一つの凸輪協働溝3-4が設けられる。図1に示されるように、エネルギー貯蔵バネ5は圧力バネであり、各エネルギー貯蔵バネの片端には、凸輪協働溝3-4と制限的に組み合わせるバネ位置制限棒が設けられる。凸輪3が死点位置に位置する時、エネルギー貯蔵バネ5の両端と凸輪3の回転軸線は同じ直線上に位置する。凸輪3が死点位置の片側を回転した後、凸輪3に対するエネルギー貯蔵バネ5の作用力は凸輪3を片側に向けて回転に駆動し、凸輪3が死点位置の他側を回転した後、凸輪3に対するエネルギー貯蔵バネ5の作用力は凸輪3を他側に向けて回転に駆動する。
【0049】
別の実施例として、エネルギー貯蔵バネ5は、ねじりばねでもあり得る。ねじりばねは、片端が凸輪3と協働し、他端が機構筐体に回転可能に配置される。凸輪3が死点位置に位置する時、凸輪3に対するエネルギー貯蔵バネ5の作用力と凸輪3の回転軸線は同じ直線に位置する。
【0050】
我々は、次に明細書の図6-9と組み合わせて、操作機構の作動フロセスを説明する。
【0051】
図6に示されるように、操作機構はスイッチオフ状態にある。図7と組み合わせると、操作機構がスイッチを入れる時、操作軸4は回転して操作軸駆動部4-2を介して凸輪3を第1方向D1に向けて回転に駆動し(図7に示されるように、好ましくは、第1方向D1は反時計回りの方向である)、エネルギー貯蔵バネ5は凸輪3の回転に伴ってエネルギーを貯蔵する。図7~8に示されるように、凸輪3が転動軸2に対して回転余裕を回転して死点位置に回転する時に、エネルギー貯蔵バネ5は、エネルギーを最大限に貯蔵し、且つそれの幾何軸線と凸輪3の回転軸線は同じ線に位置し、この時凸輪3はまだ転動軸2と接触しておらず、凸輪3と転動軸2との間の第1協働部と第2協働部の間にも隙間がある。図8と組み合わせると、凸輪3は、死点位置から第1方向D1に向けて第1角度φ1を回転し続けた後、転動軸2と接触して転動軸2を回転に駆動する。凸輪3は、死点位置から第1角度φ1を回転する時、まだ転動軸2と接触していないため、操作軸4とエネルギー貯蔵バネ5はエネルギーを放出して凸輪3をより高速にさせる。従って、凸輪3は、転動軸2と接触した後、転動軸2をより高速回転にさせることで、開閉装置がより高速でスイッチを入れるようにそれを駆動し、開閉装置の可動接触子と固定接触子との融接を防止し、次に操作機構は図9に示されるようにスイッチオン状態に切り替わる。
【0052】
図9に示されるように、操作機構はスイッチオン状態にある。図10と組み合わせると、操作機構がスイッチを切る時、操作軸4は回転して操作軸駆動部4-2を介して凸輪3を第2方向D1に向けて回転に駆動し(図10に示されるように、好ましくは、第2方向D2は時計回りの方向である)、第2方向D2は、第1方向D1と反対である。エネルギー貯蔵バネ5は凸輪3の回転に伴ってエネルギーを貯蔵する。図10に示されるように、凸輪3が転動軸2に対して回転余裕を回転して死点位置に回転する時に、エネルギー貯蔵バネ5は、エネルギーを最大限に貯蔵し、この時凸輪3はまだ転動軸2と接触していない。図10と組み合わせると、凸輪3は、死点位置から第2方向D2に向けて第1角度φ1を回転し続けた後、転動軸2と接触して転動軸2を回転に駆動し、次に転動軸2は開閉装置が図6に示されるようにスイッチオン状態に切り替わるようにそれを駆動する。
【0053】
図1図6-7及び図9に示されるように、操作機構は、機構筐体を更に備え、当該機構筐体は、対面して協働する筐体底部台座1と筐体基部6とを含む。転動軸2は筐体底部台座1に回転可能に設けられ、凸輪3は筐体基部6と転動軸2の間に回転可能に設けられ、操作軸4は筐体基部6に回転可能に設けられ、エネルギー貯蔵バネ5は一端が筐体底部台座1に回転可能に設けられ、他端が凸輪3と協働する。更に、図5に示されるように、転動軸2は、順次接続される転動軸出力端2-0と転動軸位置制限部2-1と転動軸協働端2-2とを備える。転動軸出力端2-0は、筐体底部台座1における台座転動軸孔に回転可能に設けられて開閉装置の可動接触子に駆動力を出力し、転動軸位置制限部2-1は筐体底部台座1と位置制限に協働して、伝動軸2を台座駆動軸孔から抜け出さないように阻む。図1に示されるように、筐体基部6には台座操作軸孔が設けられており、操作軸4の操作軸主棒4-1は台座操作軸孔に回転可能に挿入される。図3に示されるように、凸輪3の凸輪被駆動端には凸輪軸柱3-1が設けられ、凸輪軸柱3-1の中部には第2凸輪軸孔3-10が設けられ、凸輪3は、第2凸輪軸孔3-10を通して筐体基部6と協働して筐体基部6に回転可能に設けられる。例えば、筐体基部6には第2凸輪軸孔3-10に回転可能に挿入される台座軸が設けられているか、筐体基部6には第2凸輪軸孔3-10に対応する台座軸孔が設けられている。凸輪軸の両端は、それぞれ第2凸輪軸孔3-10と台座軸孔に挿入される。
【0054】
本発明の開閉装置は、前記操作機構を備えることで、操作機構が開閉装置の開閉速度と開閉装置の通電容量を上げることになる。
【0055】
上記のように、本発明はさらに特定の好ましい実施形態と組み合わせて詳細に説明されるが、本発明の特定の実施例がこれらの説明に限定されると考えることはできない。本発明の当業者にとって、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの単純な推論又は置換を行うことができ、これは、本発明の保護範囲に属すると見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】