(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付け
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20241010BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20241010BHJP
A61B 5/1486 20060101ALI20241010BHJP
A61B 5/1473 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G16H20/10
A61B5/00 102A
A61B5/00 N
A61B5/1486
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508059
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022047880
(87)【国際公開番号】W WO2023076383
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マーガレット・エー・クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】マーク・デルジンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジャーダ・アッチャロリ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジェイ・ダウド
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・エイチ・ジェプソン
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ケイト・ピッカス
(72)【発明者】
【氏名】アプルヴ・ユー・カマス
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK07
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX01
4C117XB01
4C117XB04
4C117XB15
4C117XC11
4C117XE04
4C117XE13
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE38
4C117XE52
4C117XG19
4C117XJ13
4C117XJ52
4C117XP03
5L099AA25
(57)【要約】
過去数日にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、正の持続パターンを識別するフィードバック、期間の間のグルコース測定値の偏差を識別するフィードバック、有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバック、特定の事象又は状態が発生しなかったか、又は存在しなかった場合にユーザが有したであろうグルコースを識別するフィードバックなどユーザによる糖尿病管理に関連するフィードバックが生成される。フィードバック提示システムは、識別されたフィードバックを分析し、ユーザに表示するために様々なランク、規則、及び条件に基づいてフィードバックを選択する。選択したフィードバックは、定期報告書(例えば、日報又は週報)、リアルタイムで(例えば、ユーザが単に散歩に行かなかった場合にユーザが有したであろうグルコースレベルをユーザに通知する)など様々な時間にユーザに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病管理モニタリングシステムにおいて実施される方法であって、前記方法は、
前記糖尿病管理モニタリングシステムのセンサから、ユーザについて測定された糖尿病管理測定値を取得する(2502)ことと、
前記糖尿病管理測定値に基づいて、前記糖尿病管理測定値に対応する複数の糖尿病管理フィードバックを識別する(2504)ことと、
最も高いランクを有する、前記複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上を決定する(2506)ことと、
前記最も高いランクを有する、前記決定した糖尿病管理フィードバックを表示させる(2508)ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の糖尿病管理フィードバックは、1日の異なる期間に対応し、前記決定することは、前記1日のある期間について、前記1日の前記ある期間に対応する前記複数の糖尿病管理フィードバックのうちのいくつかをランク付けすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の糖尿病管理フィードバックはそれぞれ、期間の1つ以上の特徴又はメトリックに対応し、前記決定することは、前記糖尿病管理フィードバックに対応する前記特徴又は前記メトリックに基づいて、前記複数の糖尿病管理フィードバックのそれぞれをランク付けすることを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定することは、前記フィードバックに対応する前記糖尿病管理測定値の改善の大きさに基づいて、前記複数の糖尿病管理フィードバックのそれぞれをランク付けすることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記決定することは、閾値過去日数内に表示された糖尿病管理フィードバックが最も高いランクの糖尿病管理フィードバックではないと判定することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記最も高いランクを有する、前記複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上を前記決定することは、
ユーザのグルコースレベルが、1日の期間中の少なくとも閾値時間について閾値量未満であったと判定することと、
前記ユーザが、前記期間中に低血糖範囲にあったことを示すフィードバックが前記最も高いランクの糖尿病管理フィードバックであると判定することと、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記閾値量は70mg/dLを含み、前記閾値時間は前記1日の前記期間の1パーセントを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の糖尿病管理フィードバックは、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバックを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
デバイス(106)であって、
ディスプレイデバイスと、
少なくとも部分的にハードウェアに実装されて、センサから、ユーザについて測定された糖尿病管理測定値を取得し、前記糖尿病管理測定値に基づいて、前記糖尿病管理測定値に対応する複数の糖尿病管理フィードバックを識別するフィードバック生成システム(120)と、
少なくとも部分的にハードウェアに実装されて、最も高いランクを有する、前記複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つを決定し、前記最も高いランクを有する、前記決定した糖尿病管理フィードバックを表示させるフィードバック提示システム(122)と、を含む、デバイス。
【請求項10】
前記複数の糖尿病管理フィードバックは、
過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、又はグルコース測定値が最適範囲内にあった日の期間を識別するフィードバック、又は前記ユーザによるグルコース測定値の正の持続パターンを識別するフィードバックと、
有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバックと、を含む、請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年10月28日に出願され、「Ranking Feedback For Improving Diabetes Management」と題された米国特許仮出願第63/263,188号の利益を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、数億人の人々に悪影響を及ぼす代謝状態であり、世界的に突出する死因のうちの1つである。I型糖尿病を患って生活する人々の場合、治療へのアクセスは、人々の生存にとって必要不可欠であり、それは、II型糖尿病を患う人々の間の有害転帰を減少させることができる。適切な治療を行えば、糖尿病に起因する心臓、血管、眼、腎臓、及び神経への重大な損傷を回避することができる。糖尿病の型(例えば、I型又はII型)のいかんにかかわらず、糖尿病をうまく管理することには、食物及び活動をモニタリングし、何度も調整して、人の血糖を制御すること、例えば、人のグルコースの深刻な変動を低減すること、及び/又は人のグルコースを総体的に低下させることが含まれる。
【0003】
しかしながら、多くの従来のグルコースモニタリングアプリケーションは、ユーザ、特に自身のグルコースのモニタリングを最近開始したばかりのユーザにとっては解釈しづらい方式で未処理のグルコース情報を表示するユーザインタフェースを用いる。結果として、ユーザは、データから洞察を引き出すことができない場合があり、したがって、ユーザのグルコースを改善するために、ユーザの行動に有意な方法で変更することができない。時間が経つにつれ、これらのユーザは、これらの従来のグルコースモニタリングアプリケーションによる情報の提示のされ方に圧倒され、苛立つことが多く、したがって、グルコース及び全体的な健康の改善が実現できる前に、これらのアプリケーションの使用を中断してしまう。更に、ユーザが、モバイルデバイス(例えば、スマートウォッチ及びスマートフォン)を利用してグルコースモニタリング情報にアクセスすることが多くなるにつれて、これらのモバイルデバイスの小型画面によって課される制約によって、従来のシステムでは、ユーザが理解できるように有意なグルコース情報を提供できないことが、更に深刻化する。
【発明の概要】
【0004】
これらの問題を克服するために、糖尿病管理を改善するためのフィードバックをランク付けするための技法が論じられる。1つ以上の実装形態では、糖尿病管理モニタリングシステムにおいて、糖尿病管理測定値は、糖尿病管理モニタリングシステムのセンサから取得される。糖尿病管理測定値に基づいて、糖尿病管理測定値に対応する複数の糖尿病管理フィードバックが識別される。最も高いランクを有する、複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上が決定され、決定された糖尿病管理フィードバックが表示される。
【0005】
この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態で更に記載される概念の選択を簡略化された形態で紹介している。したがって、この発明の概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【0006】
詳細な説明は、添付の図を参照して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書で説明されるように糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けを実施するように動作可能である実装形態の例における環境を示す。
【
図2】装着型グルコースモニタリングデバイスの実装形態の例を示す。
【
図3】本明細書で説明される技法を実施するシステムの例示的なアーキテクチャを示す。
【
図4】糖尿病管理フィードバック生成システムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図5】ある期間について少なくとも1つの特徴の改善を示すフィードバックを提供する例を示す。
【
図6】1日の間の最良の期間を示すフィードバックを提供する例を示す。
【
図7】正の持続パターンを示すフィードバックを提供する例を示す。
【
図8】糖尿病管理を改善するための糖尿病管理フィードバックを実施する例における手順を示す。
【
図9】糖尿病管理を改善するための糖尿病管理フィードバックを実施する別の例における手順を示す。
【
図10】グルコースレベル偏差検出システムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図11】コンテンツベース偏差検出モジュールの例示的な実装形態の図である。
【
図12】偏差インジケーションを生成する例を示す。
【
図13】グルコースレベル偏差検出を実施する例における手順を示す。
【
図14】グルコースレベル偏差検出を実施する別の例における手順を示す。
【
図15】行動修正識別システムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図16】糖尿病管理を改善するための行動修正の推奨を提供する例を示す。
【
図17】異なる検出パターンに対する正規化サイズの例を示す。
【
図18】糖尿病管理を改善するための行動修正フィードバックを実施するための例示的な手順を説明する。
【
図19】グルコース予測システムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図20】予測グルコース測定値を生成する例を示す。
【
図21】予測グルコース測定値を提供する例を示す。
【
図22】糖尿病管理を改善するための血糖影響予測を実施する例における手順を示す。
【
図23】糖尿病管理を改善するための血糖影響予測を実施する例における手順を示す。
【
図25】糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けを実施するための手順の例を説明する。
【
図26】本明細書で説明される様々な技法を実施し得る1つ以上のコンピューティングシステム及び/又はデバイスを表現するコンピューティングデバイスの例を含む、システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
糖尿病管理を改善するためのフィードバックをランク付けするための技法が、本明細書で論じられる。概して、ユーザの血糖値測定値は経時的に取得される。これらのグルコースレベル測定値は、通常、ユーザが装着する装着型グルコースモニタリングデバイスによって取得される。これらのグルコースレベル測定値は、デバイスが、異なるデバイスとの通信結合の確立(例えば、コンピューティングデバイスが、測定値のうちの1つ以上を取り出すために装着型グルコースレベルモニタリングデバイスとの無線接続を確立するとき)などに応答して、規則的又は不規則な時間間隔(例えば、約1時間ごと、約30分ごと、約5分ごとなど)でグルコースレベル測定値を生成するように構成され得るように、実質的に連続的に生成され得る。これらのグルコースレベル測定値は、ユーザによる良好な(又は任意選択的に不良な)糖尿病管理の期間を決定するための様々な規則に基づいて分析され、そのように示すフィードバックがユーザに提供される。
【0009】
過去1日以上にわたる所与の期間についてグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、グルコース測定値が最良であった(例えば、最適範囲内であった、又は最適値に最も近かった)、1日のうちの期間を識別するフィードバック、正の持続パターン(例えば、複数日のそれぞれの同一期間についての良好な糖尿病管理)を識別するフィードバック、期間の間でのグルコース測定値の偏差を識別するフィードバック、有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザがとることができる潜在的な行動修正(例えば、アクション)を識別するフィードバック、特定の事象又は状態が発生しなかったか、又は存在しなかった(例えば、ユーザが散歩しなかった)場合にユーザが有したであろうグルコースを識別するフィードバックなど、ユーザによる糖尿病管理に関する様々な異なるフィードバックが生成される。
【0010】
生成され得る大量のフィードバックを前提として、フィードバック提示システムは、識別したフィードバックを分析し、ユーザに表示するために様々なランク、規則、及び条件に基づいてフィードバックを選択する。フィードバック提示システムは、規則的間隔で(例えば、日報又は週報)、リアルタイムで(例えば、ユーザが単に散歩に行かなかった場合にユーザが有したであろうグルコースレベルをユーザに通知する)など様々な時間に、選択したフィードバックをユーザに提供することができる。
【0011】
本明細書で論じられる技法は、ユーザに提供されるフィードバックの量(一度に又は経時的に提供されるフィードバックの項目数)を低減することによって、ユーザに提示されるユーザインタフェースを改善する。ユーザに提示するために大量のフィードバックが利用可能であり得るが、あまりにも多くのフィードバックを提示するシステムは、ユーザをすぐに圧倒し得る。そのような状況では、ユーザがフィードバックに従って行動するのであれば有益であり、糖尿病管理を改善し得るフィードバックは、フィードバックの量が圧倒的であるために失われ、ユーザはこれに従って行動しなくなる。更に、大量のフィードバックは、ユーザの感度を低下させる可能性があり、この場合も、ユーザが従って行動するのであれば糖尿病管理を改善し得るフィードバックが、実際には無視され、ユーザは、これに従って行動しない。したがって、過剰なフィードバックを提供するシステムとは対照的に、本明細書で論じられる技法は、ユーザに提供されるフィードバックの量を低減し、ユーザがフィードバックに基づいて行動する可能性を増加させ、ユーザの短期的又は長期的な健康を増加させることによって、ユーザの糖尿病管理を改善する。
【0012】
本明細書で論じられる技法は、未処理のグルコースデータではなく(又はそれに加えて)、ユーザによって容易に解釈可能である方法でフィードバックを提示することによって、ユーザに提示されるユーザインタフェースを更に改善し、グルコースの利益になった、ユーザによるアクションを強調し、糖尿病管理を改善するために取られ得る他のアクションを提案するなどのフィードバックが、ユーザに提供される。
【0013】
本明細書で論じられる技法は、ユーザに提供されるフィードバックにおける反復性を更に低減し(例えば、同じフィードバックが毎日は表示されない)、同時に、ユーザにパーソナライズされたフィードバック(例えば、最も高くランク付けされたフィードバック)を提供する。同じ又は同様のフィードバックを繰り返し提供することは、フィードバックに対するユーザの感度を低減し得、それに従って行動するのであれば有益であり、糖尿病管理を改善し得るフィードバックが実際には無視され、ユーザは、これに従って行動しない。したがって、ユーザに提供されるフィードバックの反復性を低減し、パーソナライズを増加させることは、コンピューティングデバイスとのユーザ対話を改善し、ユーザがフィードバックに従って行動する可能性を高め、ユーザの短期的又は長期的な健康を高めることによって、ユーザの糖尿病管理を改善する。
【0014】
以下の説明では、最初に、本明細書で説明される技法を使用することができる例示的な環境が説明される。次いで、例示的な環境及び他の環境で実行され得る実装形態の例の詳細及び手順が説明される。例示的な手順の実行は、例示的な環境に限定されず、例示的な環境は、例示的な手順の実行に限定されない。
【0015】
環境の例
図1は、本明細書で説明されるように糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けを実施するように動作可能である実装形態の例における環境100を示す。この例示された環境100は、装着型グルコースモニタリングデバイス104を装着して描かれている人102を含む。図示された環境100はまた、コンピューティングデバイス106、グルコースモニタリングデバイス104を装着するユーザ母集団108内の他のユーザ、及びグルコースモニタリングプラットフォーム110を含む。装着型グルコースモニタリングデバイス104、計算デバイス106、ユーザ母集団108、及びグルコースモニタリングプラットフォーム110は、ネットワーク112を介することを含めて、通信可能に接続される。
【0016】
代替的に又は追加的に、装着型グルコースモニタリングデバイス104及び計算デバイス106は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技法を使用するなど、他の方法で通信可能に接続することができる。例として、装着型グルコースモニタリングデバイス104及びコンピューティングデバイス106は、Bluetooth(例えば、Bluetooth Low Energyリンク)、近距離無線通信(near-field communication、NFC)、5Gなどのうちの1つ以上を使用して、互いに通信することができる。
【0017】
記載される技法によれば、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、人102のグルコースの測定値を提供するように構成されている。本明細書では、装着型グルコースモニタリングデバイスを議論するが、グルコースモニタリングのためのユーザインタフェースは、グルコース測定値を提供することが可能な他のデバイス、例えば、フィンガースティック、パッチなどを必要とする血糖測定器などの非装着型グルコースデバイスと関連して生成及び提示できることを理解されたい。しかしながら、装着型グルコースモニタリングデバイス104を含む実装形態では、例えば、人102のグルコースを示す分析物を連続的に検出し、かつグルコース測定値の生成を可能にするグルコースセンサで構成することができる。例示された環境100において、また詳細な説明全体にわたって、これらの測定値は、グルコース測定値114として表される。
【0018】
1つ以上の実装形態では、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、連続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring、CGM)システムである。本明細書で使用される場合、グルコースモニタリングに関連して使用される「連続的」という用語は、デバイスが、規則的又は不規則な時間間隔(例えば、1時間ごと、30分ごと、5分ごとなど)で、異なるデバイスと通信結合を確立すること(例えば、コンピューティングデバイスが、測定値のうちの1つ以上を取り出すために装着型グルコースモニタリングデバイス104との無線接続を確立するとき)などに応答して、グルコース測定値114を生成するように構成され得るように、実質的に連続して測定値を生成するデバイスの能力を指し得る。この機能は、装着型グルコースモニタリングデバイス104の構成の更なる態様とともに、
図2に関連してより詳細に説明される。
【0019】
更に、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、無線接続などを介して、グルコース測定値114をコンピューティングデバイス106に送信する。装着型グルコースモニタリングデバイス104は、例えば、これらの測定値がグルコースセンサを使用して生成されたときに、それらの測定値をリアルタイムで通信することができる。代替的に又は追加的に、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、設定された時間間隔でグルコース測定値114をコンピューティングデバイス106に伝達することができる。例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、グルコース測定値114をコンピューティングデバイス106に(それらの測定値が生成されているときに)5分ごとに伝達するように構成することができる。
【0020】
確実に、グルコース測定値114が伝達される時間間隔は、本記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記の例とは異なってもよい。それらの測定値は、コンピューティングデバイス106からの要求に基づくなど、本記載の技法による他の基礎に従って、装着型グルコースモニタリングデバイス104によってコンピューティングデバイス106に通信することができる。いずれにしても、コンピューティングデバイス106は、人102のグルコース測定値114を少なくとも一時的に、例えば、コンピューティングデバイス106のコンピュータ可読記憶媒体内に維持することができる。
【0021】
コンピューティングデバイス106は、モバイルデバイス(例えば、携帯電話)として例示されているが、本記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な方法で構成され得る。限定ではなく例として、コンピューティングデバイス106は、モバイルデバイス(例えば、装着型デバイス、タブレットデバイス、又はラップトップコンピュータ)、固定デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ)、自動車用コンピュータなど、異なるタイプのデバイスとして構成され得る。1つ以上の実装形態では、コンピューティングデバイス106は、グルコースモニタリングプラットフォーム110に関連付けられた専用デバイスとして構成され得、その専用デバイスは、例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104からグルコース測定値114を取得し、グルコース測定値114に関連する様々な計算を実行し、グルコース測定値114及びグルコースモニタリングプラットフォーム110に関連する情報を表示し、グルコース測定値114をグルコースモニタリングプラットフォーム110に伝達するなどのための機能を有する。
【0022】
更に、コンピューティングデバイス106は、本記載の技法による2つ以上のデバイスを表すことができる。1つ以上のシナリオでは、例えば、コンピューティングデバイス106は、装着型デバイス(例えば、スマートウォッチ)と携帯電話との両方に対応することができる。そのようなシナリオでは、これらのデバイスの両方は、装着型グルコースモニタリングデバイス104からグルコース測定値114を取り出し、ネットワーク112を介してそれらの測定値をグルコースモニタリングプラットフォーム110に伝達し、グルコース測定値114に関連する情報を表示するなどのために、同じ動作のうちの少なくともいくつかを実行することが可能であり得る。代替的には追加的に、異なるデバイスは、他のデバイスが有さない、又は計算命令を通して指定されたデバイスに制限される、異なる能力を有していてもよい。
【0023】
コンピューティングデバイス106が別個のスマートウォッチ及び携帯電話に対応するシナリオでは、例えば、スマートウォッチは、人102の様々な生理学的マーカ(例えば、心拍数、心拍数変動性、呼吸、血流速度など)及び活動(例えば、歩行又は他の運動)を測定するための様々なセンサ及び機能を備えて構成され得る。このシナリオでは、携帯電話は、これらのセンサ及び機能を備えて構成されなくてもよいか、又はその機能の限定された量を含むことができる-ただし、他のシナリオでは、携帯電話は、同じ機能を提供することが可能である場合がある。この特定のシナリオを用いて続けると、携帯電話は、グルコースモニタリングに関連付けられた画像を取り込むためのカメラ、及びその携帯電話がグルコース測定値114に関連する計算をより効率的に実行することを可能にするコンピューティングリソース(例えば、バッテリ及び処理速度)の量など、スマートウォッチが有しない能力を有することができる。スマートウォッチがそのような計算を実行することができるシナリオにおいても、コンピューティング命令は、それらの計算の実行を携帯電話に限定して、両方のデバイスに負担をかけず、利用可能なリソースを効率的に利用することができる。この程度まで、コンピューティングデバイス106は、本記載の技術の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されたものとは異なる方法で構成され、かつ異なる数のデバイスを表すことができる。
【0024】
論じられる技法によると、コンピューティングデバイス106は、糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けを実施するように構成されている。環境100において、計算デバイス106は、グルコースモニタリングアプリケーション116及び記憶デバイス118を含む。ここで、グルコースモニタリングアプリケーション116は、糖尿病管理フィードバック生成システム120と、糖尿病管理フィードバック提示システム122と、を含む。コンピューティングデバイス106に含まれるものとして示されているが、追加的に又は代替的に、糖尿病管理フィードバック生成システム120及び糖尿病管理フィードバック提示システム122の一方又は両方の少なくとも一部の機能は、グルコースモニタリングプラットフォーム110など他の場所に位置する。更に、グルコース測定値114及びフィードバックライブラリ124は、記憶デバイス118に記憶されて示されている。記憶デバイス118は、1つ以上のデータベース、並びにグルコース測定値114及びフィードバックライブラリ124を記憶することが可能な他のタイプの記憶装置も表し得る。フィードバックライブラリ124は、例えば、ユーザ102による反省及び動機付けのために最近の糖尿病管理選択の正の影響を強調するため、偏差を識別するため、目標を識別するため、特定の活動が行われなかった場合のグルコース測定値を識別するなどのためにユーザ102に提供され得る複数のフィードバック項目(例えば、メッセージ又はメッセージテンプレート)を記憶する。
【0025】
1つ以上の実装形態では、グルコース測定値114及び/又はフィードバックライブラリ124は、少なくとも部分的にコンピューティングデバイス106から遠隔に、例えば、グルコースモニタリングプラットフォーム110の記憶装置に記憶されて、糖尿病管理フィードバックを提示するためのユーザインタフェースを構成し、出力する(例えば、表示する)ことに関連して取り出されるか、又は別様にアクセスされ得る。例として、グルコース測定値114及び/又はフィードバックライブラリ124は、概して、ユーザ母集団のグルコース測定値108及び/又はユーザ母集団のフィードバックライブラリ124とともにグルコースモニタリングプラットフォーム110の記憶装置に記憶され得、当該データの一部は、糖尿病管理フィードバックを提示するためのユーザインタフェースを表示するために、必要に応じて取り出され得るか、又は別様にアクセスされ得る。
【0026】
大まかに言えば、グルコースモニタリングアプリケーション116は、ユーザのグルコースに関するフィードバックが提示できるようにする、ユーザとの対話をサポートするように構成されている。これは、例えば、処理のために(例えば、適切なフィードバックを決定するために)グルコース測定値114を取得すること、(例えば、オンボーディング処理及び/又はユーザフィードバックを通して)ユーザに関する情報を受信すること、情報を医療提供者に通信させること、情報をグルコースモニタリングプラットフォーム110に通信させることなどを含み得る。
【0027】
1つ以上の実装形態では、グルコースモニタリングアプリケーション116はまた、糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けに関連してグルコースモニタリングプラットフォーム110のリソースを活用する。上述したように、例として、グルコースモニタリングプラットフォーム110は、ユーザ(例えば、人102)及び/又はユーザ母集団108のユーザに関連付けられたグルコース測定値114などのデータ、並びにフィードバックライブラリ124を記憶するように構成され得る。グルコースモニタリングプラットフォーム110はまた、グルコースモニタリングアプリケーション116に対する更新及び/又は追加を提供することができる。更にまた、グルコースモニタリングプラットフォーム110は、アルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)を訓練、維持、及び/又は展開して、人102及びユーザ母集団108のユーザから収集された豊富なデータを使用することなどによって、フィードバックを生成するか、若しくは選択する、又はフィードバックが提供される期間を識別することができる。1つ以上のそのようなアルゴリズムは、典型的なパーソナル計算デバイス、例えば、ほんの数例を挙げると、携帯電話、ラップトップ、タブレットデバイス、及び装着型のリソースを超える計算リソースの量を必要とする場合がある。それでもなお、グルコースモニタリングプラットフォーム110は、そのようなアルゴリズムを動作させるために必要とされるリソース、例えば、クラウドストレージ、サーバデバイス、仮想化リソースなどを含むか、又は別様にそれらへアクセスすることができる。グルコースモニタリングプラットフォーム110は、ユーザインタフェースを介した糖尿病管理フィードバックの提示を可能にすることに関連してグルコースモニタリングアプリケーション116が活用する様々なリソースを提供し得る。
【0028】
説明される技法によると、糖尿病管理フィードバック生成システム120は、グルコース測定値114を使用してフィードバックライブラリ124内の1つ以上のフィードバック項目を識別するように構成されており、糖尿病管理フィードバック提示システム122は、識別した糖尿病管理フィードバックを提示する1つ以上のユーザインタフェースを出力させるように構成されている。グルコースモニタリングアプリケーション116は、コンピューティングデバイス106のディスプレイデバイス又は他のディスプレイデバイスを介して、構成されたユーザインタフェース126を表示させ得る。
【0029】
上記及び下記で論じられるように、記載の技法に従って、ユーザのグルコース測定値114に基づいて、様々な管理フィードバック(例えば、メッセージ)が選択され得るか、又は生成され得る。グルコースを、例えば、連続的に測定し、そのような測定値を記載するデータを取得するコンテキストにおいて、
図2の以下の説明を考察する。
【0030】
図2は、
図1の装着型グルコースモニタリングデバイス104の実装形態のより詳細な例200を示している。特に、図示された例200は、装着型グルコースモニタリングデバイス104の上面図及び対応する側面図を含む。装着型グルコースモニタリングデバイス104は、本記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、以下の説明から、実装形態において、様々な方法で変更を行うことができることを理解されたい。上述したように、例として、糖尿病管理フィードバックの提示を含むユーザインタフェースは、非装着型デバイス(例えば、フィンガースティックを必要とする血糖測定器)、パッチなどグルコースモニタリングのための他のタイプのデバイスに関連して構成及び表示(又は別様に出力)され得る。
【0031】
この例200では、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、センサ202及びセンサモジュール204を含むように図示されている。ここでは、センサ202は、例えば、人102の皮膚206中の皮下に挿入されている側面図に示してある。センサモジュール204は、上面図に破線長方形として図示してある。装着型グルコースモニタリングデバイス104はまた、図示の例200において送信機208を含む。センサモジュール204について破線長方形を使用することにより、そのセンサモジュールが送信機208のハウジング内に収容されるか、又はそうでなければ実装され得ることが示されている。この例200では、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、接着パッド210及び取り付け機構212を更に含む。
【0032】
動作中、センサ202、接着パッド210、及び取り付け機構212は、アプリケーションアセンブリを形成するように組み立てられ得、アプリケーションアセンブリは、描写されているようにセンサ202が皮下挿入されるように皮膚206に適用されるように構成されている。そのような状況で、送信機208は、取り付け機構212などを介して皮膚206に適用された後、アセンブリに取り付けることができる。あるいは、送信機208は、貼り付けアセンブリの一部として組み込まれ得、その結果、センサ202、接着パッド210、取り付け機構212、及び送信機208(センサモジュール204を有する)は、皮膚206に一度に全て貼り付けることができる。1つ以上の実装形態では、この貼り付けアセンブリは、別個のセンサ貼り付け具(図示せず)を使用して皮膚206に貼り付けられる。従来の血糖測定器によって必要とされる指穿刺とは異なり、装着型グルコースモニタリングデバイス104の、ユーザが開始する貼り付けは、ほぼ無痛であり、血液の回収を必要としない。更に、自動センサ貼り付け具により、一般に、臨床医又は医療サービス提供者の支援なしに、人102がセンサ202を皮膚206中の皮下に埋め込むことが可能になる。
【0033】
この貼り付けアセンブリはまた、接着パッド210を皮膚206から剥離することによって取り外すこともできる。図示されているように、装着型グルコースモニタリングデバイス104及びその様々な構成要素は、単純に、1つの例示的なフォームファクタであり、装着型グルコースモニタリングデバイス104及びその構成要素は、本記載の技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なるフォームファクタを有することができることを理解されたい。
【0034】
動作中、センサ202は、無線接続又は有線接続であり得る少なくとも1つの通信チャネルを介してセンサモジュール204に通信可能に結合される。センサ202からセンサモジュール204への通信、又はセンサモジュール204からセンサ202への通信は、能動的又は受動的に実施され得、これらの通信は、連続的(例えば、アナログ式)又は離散的(例えば、デジタル式)であり得る。
【0035】
センサ202は、センサ202から少なくとも部分的に独立している事象に応答して変化するか、又は変化を引き起こすデバイス、分子、及び/又は化学物質であってもよい。センサモジュール204は、センサ202に対する変化のインジケーション、又はセンサ202によって引き起こされた変化のインジケーションを受信するように実装されている。例えば、センサ202は、グルコース及び酸素と反応して、電極を含み得るセンサモジュール204によって電気化学的に検出可能である過酸化水素を形成するグルコースオキシダーゼを含むことができる。この例では、センサ202は、1つ以上の測定技法を使用して糖尿病管理を示す、血液又は間質液中の分析物を検出するように構成されたグルコースセンサとして構成され得るか、又はグルコースセンサを含み得る。1つ以上の実装形態では、センサ202はまた、乳酸レベルなど他のマーカを示す血液又は間質液中の分析物も検出するように構成され得、これは、様々な糖尿病管理フィードバックを生成する際の精度を向上することができる。追加的又は代替的に、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、他のマーカを示す分析物を検出するために、センサ202に追加のセンサを含むことができる。
【0036】
別の例では、センサ202(又は装着型グルコースモニタリングデバイス104の追加の図示されていないセンサ)は、第1及び第2の導体を含むことができ、センサモジュール204は、センサ202のその第1及び第2の導体の両端の電位の変化を電気的に検出することができる。この例では、センサモジュール204及びセンサ202は、電位変化が温度変化に対応するように、熱電対として構成されている。いくつかの例では、センサモジュール204及びセンサ202は、単一の分析物、例えば、グルコースを検出するように構成されている。他の例では、センサモジュール204及びセンサ202は、複数の分析物、例えば、ナトリウム、カリウム、二酸化炭素、及びグルコースを検出するように構成されている。代替的に又は追加的に、装着型グルコースモニタリングデバイス104は、1つ以上の分析物(例えば、ナトリウム、カリウム、二酸化炭素、グルコース、及びインスリン)だけでなく、1つ以上の環境条件(例えば、温度)も検出するための複数のセンサを含む。したがって、センサモジュール204及びセンサ202(及び任意の追加のセンサ)は、1つ以上の分析物の存在、1つ以上の分析物の不在、及び/又は1つ以上の環境条件の変化を検出し得る。
【0037】
1つ以上の実装形態では、センサモジュール204は、プロセッサ及びメモリ(図示せず)を含むことができる。このセンサモジュール204は、プロセッサを活用することによって、上述した変化を示すセンサ202との通信に基づいて、グルコース測定値114を生成することができる。センサ202からのこれらの通信に基づいて、センサモジュール204は、少なくとも1つのグルコース測定値114を含む通信可能なデータパッケージを生成するように更に構成される。1つ以上の実装形態では、センサモジュール204は、限定ではなく例として、センサ識別子、センサの状態、グルコース測定値114に対応する温度、グルコース測定値114に対応する他の分析物の測定値などを含む追加のデータを含むようにこれらのパッケージを構成することができる。このようなパケットは、記載される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、少なくとも1つのグルコース測定値114に加えて、様々なデータを含むことができることを理解されたい。
【0038】
装着型グルコースモニタリングデバイス104が無線送信用に構成される実装形態では、送信機208は、グルコース測定値114をデータストリームとして計算デバイスに無線で送信することができる。代替的に又は追加的に、センサモジュール204は、グルコース測定値114を(例えば、センサモジュール204のメモリ及び/又は装着型グルコースモニタリングデバイス104の他の物理的コンピュータ可読記憶媒体に)バッファリングし、後ほど様々な間隔、例えば、時間間隔(1秒ごと、30秒ごと、1分ごと、5分ごと、1時間ごとなど)、記憶間隔(バッファリングされたグルコース測定値114がデータの閾値量又は測定値の数に達するとき)などにおいて、バッファリングされたグルコース測定値114を送信機208に送信させてもよい。
【0039】
環境の例、及び装着型グルコースモニタリングデバイスの例を検討してきたが、ここで、糖尿病管理を改善するためにフィードバックをランク付けするための技法の詳細のいくつかの例に関する説明について検討する。
【0040】
システムアーキテクチャ
図3は、本明細書で説明される技法を実施するシステム300の動作の例示的なアーキテクチャを示す。システム300は、フィードバック生成システム120と、フィードバック提示システム122と、を含む。図示の例では、フィードバック生成システム120は、グルコース測定値114及び追加データ302を受信する。この追加データ302は、活動データ、食事データ、薬剤データなど、以下でより詳細に論じられる、様々な異なるデータのいずれかであり得る。フィードバック生成システム120は、糖尿病管理フィードバック生成システム304と、グルコースレベル偏差検出システム306と、行動修正識別システム308と、グルコース予測システム310と、を含む。システム304~310のそれぞれは、グルコース測定値114、及び任意選択的に追加データ302を分析して、グルコース管理フィードバックインジケーション、又は単にフィードバックインジケーションとも呼ばれる糖尿病管理フィードバックインジケーション312を生成する。フィードバックインジケーション312は、ユーザ102についての糖尿病管理フィードバック又はグルコース管理フィードバックのインジケーションである。フィードバックインジケーション312は、ユーザ102に提供するためのフィードバック(例えば、特定のテキスト)、フィードバック提示システム122がユーザ102に提供するフィードバック(例えば、特定のテキスト)を決定することを可能にする、グルコース測定値114及び任意選択的に、追加データ302を分析した結果など様々な形態を取り得る。システム304~310は、以下でより詳細に論じられるように、様々な異なる方法でフィードバックインジケーション312を生成することができる。
【0041】
フィードバック生成システム120は、糖尿病管理フィードバック生成システム304と、グルコースレベル偏差検出システム306と、行動修正識別システム308と、グルコース予測システム310と、を含むものとして示されているが、フィードバック生成システム120は、システム304、306、308、及び310の全てを含む必要はない。例えば、フィードバック生成システム120は、糖尿病管理フィードバック生成システム304、グルコースレベル偏差検出システム306、行動修正識別システム308、及びグルコース予測システム310のサブセット(例えば、そのうちの2つ又は3つ)を含み得る。追加的に又は代替的に、フィードバック生成システム120は、追加のフィードバック生成システムを含み得る。
【0042】
糖尿病管理フィードバック生成システム304は、グルコース測定値114及び任意選択的に追加データ302を使用して、フィードバックインジケーション312を生成するように構成されている。概して、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザによる良好な糖尿病管理を示すグルコース測定値114内のパターンを探す。良好な糖尿病管理は、グルコース測定値114が特定範囲内に留まること、グルコース測定値114が特定量を超えて変動しないことなど、様々な方法で定量化され得る。1つ以上の実装形態では、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、過去1日以上にわたる所与の期間についてグルコース測定値114の改善を識別すること、グルコース測定値114が最良であった(例えば、最適範囲内であった又は最適値に最も近かった)、1日のうちの期間を識別すること、正の持続パターン(例えば、複数の日のそれぞれの同一期間についての良好な糖尿病管理)を識別すること、又はそれらの組み合わせによって、良好な糖尿病管理を識別する。糖尿病管理フィードバック生成システム304は、フィードバックインジケーション312に、良好な糖尿病管理を示すフィードバック、又はフィードバック提示システム122が良好な糖尿病管理を示すフィードバックを生成することができるデータを含む。このフィードバックは、ユーザによる反省及び動機付けのために提供され、多くの場合、良好な糖尿病管理を継続してユーザの健康を改善し、寿命を延ばすなどのために、心に響く洞察をユーザに提供する。このフィードバックはまた、例えば、改善(例えば、摂取した野菜の量の増加)を示したある期間から他の期間へのユーザの変化を自身が模倣することを可能にすることによって、良好な糖尿病管理の選択に関してユーザを教育する。
【0043】
グルコースレベル偏差検出システム306は、グルコース測定値114及び任意選択的に追加データ302を使用して、ユーザのグルコースレベルの偏差を識別し、フィードバックインジケーション312を生成するように構成されている。概して、グルコースレベル偏差検出システム306は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザの標準からの偏差を探す。標準からのこれらの偏差は、1日のより早い時期のユーザのグルコースレベルに対するユーザの現在又は最近のグルコースレベル、過去数日の対応する時間におけるユーザのグルコースレベルに対するユーザの現在又は最近のグルコースレベルなど様々な要因に基づき得る。1つ以上の偏差を検出すると、グルコースレベル偏差検出システム306は、フィードバックインジケーション312に、ユーザ向けフィードバック(偏差の識別など)、又はフィードバック提示システム122がユーザ向けフィードバックを生成し得るデータを含む。
【0044】
行動修正識別システム308は、グルコース測定値114を使用してフィードバックインジケーション312を生成するように構成されている。実行可能な目標とも呼ばれる行動修正フィードバックは、ユーザが自身の糖尿病管理を変更(例えば、改善)するために行うことができる1つ以上のアクションを指す。概して、行動修正識別システム308は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザによる不十分な(又は最適ではない)糖尿病管理を示す、グルコース測定値114内のパターンを探す。不十分な糖尿病管理は、グルコース測定値114が特定範囲内に留まらないこと、グルコース測定値114が特定量を超えて変動することなど、様々な方法で定量化され得る。1つ以上の実装形態では、行動修正識別システム308は、複数の時間窓にわたる時間窓の所与の期間(例えば、複数日のそれぞれにおける午前6時から正午など所与の複数時間期間)についてグルコース測定値114内のパターンを識別することによって不十分な糖尿病管理を識別する。行動修正識別システム308は、識別した不十分な行動修正管理に対応する糖尿病フィードバックを識別する。行動修正識別システム308は、フィードバックインジケーション312に、行動修正識別システム308によって識別された、不十分な糖尿病管理に対応するフィードバック、又はフィードバック提示システム122が、行動修正識別システム308によって識別された不十分な糖尿病管理に対応するフィードバックを生成することができるデータを含む。
【0045】
グルコース予測システム310は、グルコース測定値114及び任意選択的に追加データ302を使用して、フィードバックインジケーション312を生成するように構成されている。概して、グルコース予測システム310は、ユーザの活動データを分析し、身体活動の期間が発生する時期を決定する。グルコース予測システム310は、身体活動が発生しなかった場合のユーザ102のグルコース測定値を予測し、予測グルコース測定値に基づいて様々なアクションをとる(例えば、身体活動に関与しなかった場合のユーザのグルコースを示す、ユーザについてのフィードバックを生成する)。グルコース予測システム310は、フィードバックインジケーション312に、ユーザが身体活動に関与しなかった場合のユーザのグルコースを示す、ユーザについてのフィードバック、又はフィードバック提示システム122が、ユーザが身体活動に関与しなかった場合のユーザのグルコースを示す、ユーザについてのフィードバックを生成することができるデータを含む。
【0046】
フィードバック提示システム122は、システム304~310によって生成されたフィードバックインジケーション312を受信する。概して、フィードバック提示システム122は、フィードバックインジケーション312によって示された糖尿病管理フィードバックを提示する、1つ以上のユーザインタフェースを出力させる。フィードバック提示システム122は、フィードバックランク付けモジュール320と、フィードバック選択モジュール322と、UIモジュール324と、フィードバックログ326と、を含む。フィードバックランク付けモジュール320は、フィードバックインジケーション312によって示される様々なフィードバックをランク付けし、ランク付けしたフィードバック332をフィードバック選択モジュール322に提供する。フィードバック選択モジュール322は、ランク付けしたフィードバック332のうちの1つ以上を選択し、選択したフィードバック334をUIモジュール324に提供する。フィードバックログ326は、これまでにユーザに届けられたフィードバックを記録し、ランク付けされたフィードバックを調整して、届けられた洞察が反復しないようにすることを可能にする。
【0047】
UIモジュール324は、選択したフィードバック334を受信し、選択したフィードバック334を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。
【0048】
糖尿病管理フィードバック生成システムのアーキテクチャ
概して、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、グルコース測定値のデータストリームを受信する。活動データ(例えば、ユーザの歩数)など種々の他のデータストリームは、任意選択的に受信され得る。特定期間について1つ以上の特徴が生成され、記憶される。各特徴は、データストリーム内のデータから計算され得、ユーザが有益な糖尿病管理行動又はライフスタイル選択に関与しているか否かを示す値である。特徴は、特定期間についてのデータストリーム内のデータの表現又は要約であり、生成され、記憶されるメトリックを含み得る。これらの期間は、例えば、1日のうちの時間の異なる複数時間ブロックである。例えば、1日は、真夜中から午前6時までの第1の期間(睡眠に対応する)、午前6時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後6時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後6時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含み得る。これらの期間は、固定され得るか、又は別のデータストリームにおいて識別される特徴に基づいて適応的に識別され得る(例えば、睡眠開始は、活動モニタによって検出され得、当該日の「睡眠」期間の開始を決定するために使用され得る)。
【0049】
良好な糖尿病管理は、例えば、過去1日以上にわたる所与の期間についてグルコース測定値の改善を識別すること、グルコース測定値が最良であった(例えば、最適範囲内であった又は最適値に最も近かった)、1日のうちの期間を識別すること、正の持続パターン(例えば、複数日のそれぞれの同一期間についての良好な糖尿病管理)を識別することなどによって識別される。識別されると、グルコース測定値のこれらの改善、1日のうちの最良の期間、正の持続パターン、それらの組み合わせなどをユーザに通知するフィードバックが生成される。このフィードバックは遡及的であり得、例えば、前日又は当日の終わりに糖尿病管理に関するユーザの評価をユーザに通知することができる。
【0050】
本明細書で論じられる技法は、不良な糖尿病管理を識別するために同様に適用される。不十分な糖尿病管理を識別し、フィードバック(例えば、警告又は悪影響)をユーザに表示するか、又は別様に提示して、ユーザによるより良好な糖尿病管理を促すことができる。このフィードバックは、対応が必要とされる問題領域、将来回避されるべきアクション又は選択などを識別するために使用され得る。
【0051】
本明細書で論じられる技法は、ユーザが行った良好な糖尿病管理の選択(又は不良な糖尿病管理の選択)をユーザに通知する、ユーザについてのフィードバックを生成する。このフィードバックは、ユーザによる反省及び動機付けのために提供され、多くの場合、良好な糖尿病管理を継続してユーザの健康を改善し、寿命を延ばすなどのために、心に響く洞察をユーザに提供する。このフィードバックはまた、例えば、改善(例えば、摂取した野菜の量の増加)を示したある期間から他の期間へのユーザの変化を自身が模倣することを可能にすることによって、良好な糖尿病管理の選択に関してユーザを教育する。
【0052】
図4は、糖尿病管理フィードバック生成システム304の例示的なアーキテクチャの図である。糖尿病管理フィードバック生成システム304は、糖尿病管理特徴決定モジュール402と、糖尿病管理特徴比較モジュール404と、正規化モジュール406(任意選択)と、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408と、UIモジュール410(任意選択)と、ユーザ固有糖尿病管理特徴閾値決定モジュール412と、を含む。概して、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザによる良好な糖尿病管理を示すグルコース測定値114内のパターンを探す。良好な糖尿病管理は、グルコース測定値114が特定範囲内に留まること、グルコース測定値114が特定量を超えて変動しないことなど、様々な方法で定量化され得る。1つ以上の実装形態では、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、過去1日以上にわたる所与の期間についてグルコース測定値114の改善を識別すること、グルコース測定値114が最良であった(例えば、最適範囲内であった又は最適値に最も近かった)、1日のうちの期間を識別すること、正の持続パターン(例えば、複数の日のそれぞれの同一期間についての良好な糖尿病管理)を識別すること、又はそれらの組み合わせによって、良好な糖尿病管理を識別する。
【0053】
糖尿病管理特徴決定モジュール402は、データストリーム420(例えば、
図3のグルコース測定値114及び追加データ302)を受信する。1つ以上の実装形態では、データストリーム420は、グルコース測定値114と、グルコース測定値114のそれぞれを取得した(例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104によって)又は受信した(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116によって)時刻を示すタイムスタンプと、を含む。タイムスタンプは、例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104又はグルコースモニタリングアプリケーション116によって提供され得る。追加的に又は代替的に、データストリーム420は、良好な糖尿病管理を識別するために使用され得る追加データ(例えば、ユーザ102のグルコースレベルに影響を及ぼす他のデータ)を含む。この追加データは、追加データストリームと呼ばれ得る(例えば、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、異なるソース又はセンサからのデータをそれぞれ含む、複数のデータストリーム420を受信する)。
【0054】
例えば、データストリーム420は、特定の時間範囲(例えば、10秒ごと、1分ごと)にわたる歩数、特定の時間範囲(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)にわたる心拍数とタイムスタンプ、移動速度とタイムスタンプ(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)など活動データを含み得る。活動データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される活動追跡アプリケーション、ユーザ102が装着する活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0055】
別の例として、データストリーム420は、ユーザの睡眠パターンに関するデータを含み得る。例えば、データストリーム420は、ユーザの睡眠時間、特定の時間におけるユーザの睡眠状態(例えば、ステージ1、ステージ2、ステージ3、又は急速眼球運動(rapid eye movement、REM)睡眠)などを示すデータを含み得る。
【0056】
別の例として、データストリーム420は、グルコースモニタリングアプリケーション116へのユーザ関与に関するデータを含み得る。例えば、このアプリケーション関与データは、ユーザ102がアプリケーションを閲覧した時刻のタイムスタンプ並びに閲覧した画面又はUIの部分、ユーザ102がアプリケーション116に入力を提供した(又は別様に対話した)時刻のタイムスタンプ並びにその入力内容、糖尿病管理フィードバック生成システム304によって提供されたフィードバックをユーザが閲覧又は承認した時刻のタイムスタンプなどを含み得る。
【0057】
別の例として、データストリーム420は、グルコースモニタリングプラットフォーム110などを介してユーザ母集団108の他人へのユーザの関与に関するデータを含み得る。例えば、この他ユーザ関与データは、ユーザ102が別のユーザと通信した時刻のタイムスタンプ、並びに当該他ユーザが誰であったか、別のユーザと通信した情報の説明などを含み得る。
【0058】
別の例として、データストリーム420は食事データを含み得る。例えば、この食事データは、ユーザ102が食事した時刻のタイムスタンプ及び消費された食物、特定の種類又はクラスの食物(例えば、野菜、穀物、肉、菓子、炭酸飲料)が消費された時刻のタイムスタンプ、食物の消費量などを含み得る。
【0059】
別の例として、データストリーム420は、ユーザの1日の睡眠分数を示すデータなどの睡眠データを含み得る。睡眠データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される睡眠追跡アプリケーション、ユーザ102が装着する活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0060】
別の例として、データストリーム420は、薬剤データを含み得る。例えば、この薬剤データは、ユーザ102が薬剤を服用した時刻のタイムスタンプ、及び服用した薬剤(ユーザ102が所定の時間に、又は所定の間隔で自身の薬を服用したか否かを判定するために使用され得る)、薬剤の変更のインジケーション(例えば、服用した薬剤の種類又は用量の変更)などを含み得る。
【0061】
別の例として、データストリーム420は、心拍変動(heart rate variability、HRV)、皮膚伝導度及び温度、呼吸速度測定値、脳波(electroencephalogram、EEG)からのデータ、生体液中のコルチゾール、皮膚から放出される揮発性有機成分(volatile organic component、VOC)などストレス管理を反映するデータを含み得る。
【0062】
別の例として、データストリーム420は、コンピューティングデバイス106、コンピューティングデバイス106のディスプレイ、又は糖尿病管理への関与レベルを示す他のシステム構成要素とのユーザ対話に関係するデータを含み得る。そのようなデータの例は、アプリケーション(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション)が開かれた回数、グルコースデータ又は以前の洞察若しくは教材の再検討に費やされた時間、コーチ又は臨床医との対話頻度などを含む。
【0063】
1つ以上の実施形態では、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、グルコース測定値114を含むデータストリーム420を受信し、糖尿病管理を改善するためのフィードバックを提供する。更に、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、グルコース測定値114が存在しない場合に、正の糖尿病管理行動又はこれらの行動の影響を識別するために使用され得るデータストリーム420内の追加のデータを任意選択的に受信する。例えば、ユーザ102がCGMのみを定期的に使用するが、グルコースモニタリングアプリケーション116又は別の糖尿病管理アプリケーションを使用し続ける(又は追加データを収集する他のデバイスを装着する)場合、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、CGMが使用されていない時間中に、この他のデータから導出されるフィードバックを提供し続ける。
【0064】
糖尿病管理特徴決定モジュール402は、1つ以上の特徴422を生成する。特徴422は、1つ以上のデータストリーム内のデータから計算され得、ユーザが有益な糖尿病管理行動又はライフスタイル選択に関与しているか否かを示す任意の値を指す。特徴422は、特定期間についてのデータストリーム420内のデータの表現又は要約であるメトリックであり得る。1つ以上の実装形態では、各特徴422は、特定期間についてデータストリーム420内のデータを表すか又は要約する、1つ又は2つの値であり、データストリーム420から取得した未処理データを、有益な糖尿病管理及びライフスタイル選択を厳守する数値インジケータに変換する。糖尿病管理特徴決定モジュール402は、生成した特徴422をデータストア424(例えば、記憶デバイス118上に維持される)に記憶する。生成された特徴422は、実施形態によって異なり得る期間にわたって維持される。例えば、生成された特徴422は、2週間、1か月、1年などにわたって維持され得る。
【0065】
1つ以上の実装形態では、各期間は、1日の一部(又は他の24時間間隔)である。これらの期間は、特定の糖尿病管理の決定及びライフスタイルの選択の影響を捉えるように選択される。1つ以上の実装形態では、各日は、ユーザが食事する時刻及びユーザが就寝する時刻に基づいて複数の期間に分割される。例えば、1日は、真夜中から午前6時までの第1の期間(睡眠に対応する)、午前6時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後6時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後6時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含み得る。追加的に又は代替的に、追加期間は、ユーザが運動するときなどグルコースレベルに影響を及ぼす他のユーザアクションに対応し得る。
【0066】
グルコースモニタリングアプリケーション116は、任意選択的に、ユーザ102が自身の典型的なスケジュールに合わせて期間をカスタマイズすることができるユーザインタフェースを提供する。例えば、ユーザ102が通常、午後10時に就寝し、午前7時に朝食を食べ、正午に昼食を食べ、午後5時に夕食を食べると仮定する。これらの時間は、(例えば、ユーザによって)グルコースモニタリングアプリケーション116に提供され得、グルコースモニタリングアプリケーション116は、午後10時から午前7時までの第1の期間(睡眠に対応する)、午前7時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後5時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後5時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含むように1日の期間を決定する。1日は、4以外の数の期間に分割されてもよい。例えば、ユーザ102が通常、午後10時に就寝し、午前5時に運動し、午前7時に朝食を食べ、午前11時に昼食を食べ、午後2時におやつを食べ、午後6時に夕食を食べると仮定する。これらの時間は、グルコースモニタリングアプリケーション116に提供され得、グルコースモニタリングアプリケーション116は、午後10時から午前5時までの第1の期間(睡眠に対応する)、午前5時から午前7時までの第2の期間(運動に対応する)、午前7時から午前11時までの第3の期間(朝食後に対応する)、午前11時から午後2時までの第4の期間(昼食後に対応する)、午後2時から午後6時までの第4の期間(おやつに対応する)、及び午後6時から午後10時までの第6の期間(夕食後に対応する)を含むように1日の期間を決定する。
【0067】
追加的に又は代替的に、ユーザ102の異なる期間は、グルコースモニタリングアプリケーション116に利用可能な種々のデータ(例えば、活動トラッカからの運動又は睡眠パターン、食物又はカロリー追跡アプリケーションからの食事パターン)をモニタリングすることによって、グルコースモニタリングアプリケーション116によって自動的に学習されるか、又は直接検出される(例えば、活動トラッカによって検出される睡眠開始)ことができる。活動トラッカから睡眠開始及び睡眠停止を検出し、睡眠開始時刻及び睡眠停止時刻を使用して睡眠に対応する期間を決定するなど、グルコースモニタリングアプリケーション116に利用可能な様々なデータに基づいて期間を決定するために様々な規則又は基準を使用することができる。
【0068】
1つ以上の実装形態では、グルコースモニタリングアプリケーション116は、機械学習システムを使用して、ユーザ102の異なる期間を決定する。機械学習システムは、未知の関数を近似するために、入力に基づいて調整(例えば、トレーニング)され得るコンピュータ表現を指す。特に、機械学習システムは、既知のデータのパターン及び属性を反映する出力を生成するように学習するために、既知のデータを分析することによって、既知のデータから学習し、既知のデータに対して予測を行うアルゴリズムを利用するシステムを含むことができる。例えば、機械学習システムは、決定木、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティック回帰、ベイジアンネットワーク、ランダムフォレスト学習、次元削減アルゴリズム、ブースティングアルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、深層学習などを含むことができる。
【0069】
機械学習システムは、例えば、複数のデータ(例えば、1日の間の運動、睡眠、又は食事の回数)と、運動、睡眠、又は食事が行われた時刻を示すタイムスタンプとのセットである訓練データを使用することによって訓練される。既知のラベルは、データが対応する期間を示す複数のデータのセットに関連付けられている。機械学習システムは、訓練データについて機械学習システムによって生成された期間と訓練データの対応する既知のラベルとの間の損失を最小限に抑えるように、機械学習システム内の層の重み又は値を更新することによって訓練される。機械学習システムをトレーニングする際に、クロスエントロピー損失、平均二乗誤差損失などの様々な異なる損失関数を使用することができる。
【0070】
1つ以上の実装形態では、機械学習システムは、グルコースモニタリングアプリケーション116が経時的に使用されるにつれて経時的に訓練される。例えば、ユーザは、特定の期間が正しいか否かのインジケーションを提供することができ、このインジケーションは、現在の期間に対する既知のラベルとして使用され、機械学習システムを更に訓練するために使用され得る。
【0071】
したがって、異なるユーザに対して異なる期間を確立することができる。更に、異なる日に対して異なる期間を確立することができる。例えば、ユーザ102は、異なる種類の日に異なるスケジュールを有し得る(例えば、週末及び休日に、平日とは異なるスケジュール)。したがって、異なる種類の日の期間は、ユーザ102によって提供され得るか、又はグルコースモニタリングアプリケーション116の機械学習システムによって決定され得る。
【0072】
1つ以上の実施形態では、異なる期間の時間のブロックは、異なる日にわたってユーザに対して異なり得る。例えば、あるユーザは、通常、午後11時~真夜中の間に就寝し、午前5時30分~午前6時30分の間に起床し得る。任意の所与の日について、ユーザの就寝時間及びユーザの起床時間は、ユーザが装着する活動トラッカからのデータなど種々のデータストリームを使用して検出され得る。したがって、ユーザの睡眠に対応する期間が、ある日は午後11:13~午前6:00、その翌日は午後11:27~午前5:48、その翌日は午後11:45~午前6:12などであり得る。
【0073】
1つ以上の実施形態では、期間は、異なるデータストリームに対して異なり得る。異なるデータストリームに対する期間は、行動自体(例えば、食事の選択)の発生若しくは特徴、行動に対して遅延し得る生理機能に対する行動の影響(例えば、グルコース、睡眠の質など)、又は行動とその影響との組み合わせに関連するデータを最良に捕捉する時間窓を選定する目的で選択され得るか、又は識別され得る。
【0074】
糖尿病管理特徴決定モジュール402は、期間ごとに、データストリーム420について様々な特徴422のうちのいずれかを生成することができ、データストリーム420内の異なるタイプのデータについて異なる特徴422(例えば、活動についての特徴とは異なるグルコース測定値についての特徴422)を生成することができる。例えば、グルコース測定値について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、グルコース測定値がグルコースレベルの許容範囲内又は所望の範囲内、例えば、70ミリグラム/デシリットル(mg/dL)~180mg/dL、又は70mg/dL~140mg/dLの狭い範囲内であった期間中の時間など範囲内時間特徴を生成することができる。この許容範囲又は所望の範囲は、デフォルト範囲であり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されるカスタム範囲であり得る。別の例として、グルコース測定値について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、グルコース測定値が特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL又は70mg/dL)未満であった期間中の時間など閾値未満時間特徴を生成することができる。この特定のグルコースレベルは、デフォルトレベルであり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されたカスタムレベルであり得る。別の例として、グルコース測定値について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、グルコース測定値が特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)超であった期間中の時間など閾値超時間特徴を生成することができる。この特定のグルコースレベルは、デフォルトレベルであり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されたカスタムレベルであり得る。別の例として、グルコース測定値について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、期間内のグルコース測定値の変動係数(標準偏差対期間内のグルコース測定値の平均の比率)、期間内の平均グルコース測定値、期間内のグルコース測定値の標準偏差など様々な統計値のいずれかを生成することができる。別の例として、グルコース測定値について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、期間内の最大グルコース測定値、期間内の最大グルコース測定値変化率、期間内の最大グルコース測定値の上昇、期間内の低血糖指数(low blood glucose index、LBGI)、期間内の高血糖指数(high blood glucose index、HBGI)など様々な追加の値のいずれかを生成し得る。別の例として、グルコース測定について、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、グルコースレベルの増加又は減少の速度を示す値を生成することができる(例えば、予測食事時間前後の急速な上昇により、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、患者が高血糖指数の食物を消費したことを推測することが可能になり得るか、又は検出された身体活動に関連付けられた高グルコースレベルからの急速な低下により、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、ユーザが運動によってグルコースを低減するためのアクションを行ったことを推測することが可能になり得る)。
【0075】
別の例として、活動データについて、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、期間中の歩数である歩数特徴、期間中の予備心拍数の平均又は範囲、期間中に費やされた代謝当量(metabolic equivalent、MET)などを生成することができる。別の例として、活動データについて、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、ユーザの心拍数が、例えば、304拍/分(beats per minute、BPM)~170BPMの心拍数の許容可能又は所望の範囲内にあった期間中の時間など、範囲内時間特徴を生成することができる。この許容範囲又は所望の範囲は、デフォルト範囲であり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されるカスタム範囲であり得る。別の例として、活動データについて、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、ユーザの心拍数が特定レベル(例えば、304BPM)を上回っていた期間中の時間など、閾値超時間特徴を生成することができる。この特定レベルは、デフォルトレベルや、ユーザ又は医療専門家などによって設定されるカスタム設定などであり得る。
【0076】
別の例として、睡眠データについて、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、睡眠持続時間、睡眠障害又は睡眠中断の回数、特定の睡眠状態で費やされた時間などを示す値を生成することができる。
【0077】
糖尿病管理特徴比較モジュール404は、データストア424から異なる特徴422を受信し(追加的に又は代替的に、特徴422は、糖尿病管理特徴決定モジュール402から直接受信され得る)、期間スコア426を生成する。期間スコア426は、異なる期間について生成された異なる特徴422間の差を示す。糖尿病管理特徴決定モジュール402は、上述したように、1日の期間ごとに異なる特徴422を生成する。期間スコア426により、糖尿病管理特徴決定モジュール402が、同日内の異なる期間について、異なる日にわたる又は異なる種類の日にわたる同一期間についてなどの特徴422を比較できるようになる。
【0078】
1つ以上の実装形態では、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、1日の期間ごとに特徴422を互いに比較する。追加的に又は代替的に、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、当日の1つ以上の期間の特徴422を、過去1日以上の対応する期間(例えば、直前の1週間又は2週間)と比較する。「当日」は、糖尿病管理フィードバック生成システム304が分析している日(又は他の24時間間隔)を指す。当日は、例えば、ユーザ102が現在生きている日、ユーザ102が現在生きている日の直前の日、又はユーザの過去の別の日であり得る。複数種類の日(例えば、ある種類として週末及び休日、別の種類として平日)が存在する状況では、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、当日(例えば、ユーザ102が現在生きている日、又は直前の日)の1つ以上の期間の特徴422を、同一種類の過去1日以上の対応する期間(例えば、平日の場合は直前の1週間又は2週間、週末及び休日の場合は直前の3週間又は4週間)と比較する。
【0079】
追加的に又は代替的に、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、ある過去数日のセットの対応する期間から計算された特徴422の要約統計値を比較する。例えば、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、ある過去数日のセットの対応する期間から計算された特徴422の平均、中央値、四分位範囲(interquartile range、IQR)、XX位数、標準偏差などを比較することができる。
【0080】
追加的に又は代替的に、糖尿病管理特徴比較モジュール404は、1週間の複数日における1つ以上の期間の特徴422を、過去1週間以上の複数日における対応する期間と比較する。例えば、特定の糖尿病管理特徴又は特徴(例えば、範囲内時間)について、全週のデータ(当該週からの朝食後時間窓の集合)からの特定の日中時間窓に対応する特徴値は、過去の日付範囲(例えば、前週又は前月)にわたって計算された、対応する日中時間窓の同一の特徴値と比較され得る。
【0081】
1つ以上の実装形態では、期間のスコアは、期間のエフェクトサイズ、期間の有意性、期間について生成されたフィードバックの新規性、又はそれらの組み合わせに基づいている。追加的に又は代替的に、フィードバックに関与する可変期間枠(例えば、正の血糖コントロールの一貫したパターンが検出される日数)が存在し、時間枠の持続時間がフィードバックの相対的な「注目度」を示す場合、この持続時間(又はこの持続時間の正規化バージョン)は、スコアとして、又は期間の複合スコアの1つの構成要素として機能することができる。
【0082】
ある期間のエフェクトサイズは、ある期間と、この期間が比較される他の期間との差を指す。エフェクトサイズは、ある期間の特徴を他の期間の特徴から減算すること、又はある期間の特徴を他の期間セットにわたって計算された要約統計値と比較すること(例えば、当日の朝食後の範囲内時間を、過去14日のそれぞれの朝食後期間について計算された範囲値内の時間の90位数と比較すること)など、様々な方法で計算される。例えば、グルコース測定値の範囲内時間特徴について、エフェクトサイズは、ある期間の範囲内時間を他の期間の範囲内時間から減算することによって計算することができる。例えば、前日のある期間の範囲内時間が304分であり、当日の対応する期間の範囲内時間が150分である場合、エフェクトサイズは30分である。追加的に又は代替的に、エフェクトサイズは、パーセンテージ改善として計算することができる。例えば、前日のある期間の範囲内時間が304分であり、当日の対応する期間の範囲内時間が150分である場合、150分は304分よりも25%大きいため、エフェクトサイズは25%である。追加的に又は代替的に、範囲内時間は、分数ではなく、期間のパーセンテージとして識別され得る。例えば、前日の期間の範囲内時間は60%であり得、当日の対応する期間の範囲内時間は70%であり得、したがって、エフェクトサイズは10%である。
【0083】
期間の有意性は、ある期間と、その期間が比較されている他の期間との差を指し、ユーザ102の典型的な日々の変動性を説明する。これにより、糖尿病管理フィードバック生成システム304が、ユーザ全体に共通の閾値又は規則を適用するのではなく、ユーザ102の典型的な行動、並びに経時的なユーザ102の典型的な行動の変化に対するフィードバックをカスタマイズすることが可能になる。例えば、あるユーザは行動がかなり一貫していて相当に一貫したグルコースレベルをもたらし得るが、別のユーザは行動がそれほど一貫しておらず、グルコースレベルに大幅な変動をもたらし得る。したがって、特徴のより小さい変化は、ユーザの行動が一貫していないユーザよりも、ユーザの行動が一貫しているユーザにより顕著であるだろう。比較の有意性は、これらの異なる行動を説明する。
【0084】
比較の有意性は、様々な方法のいずれかで生成され得る。例えば、比較の有意性は、ある期間に生成された特徴について、生成された特徴である特徴平均(例えば、平均は、2週間など複数日にわたる期間の特徴に基づいて計算される)から離れた標準偏差の数を示す値であり得る、又はそれを含み得る。したがって、標準偏差のサイズは、ユーザごとに異なり得る、又は所与のユーザについて経時的に変化し得る(例えば変動窓にわたって計算される)。平均から離れた標準偏差の数が大きいほど、より有意な差異を示す。
【0085】
期間について生成されたフィードバックの新規性は、特定のフィードバックが当該期間についてどの程度頻繁に、すなわちどの程度の頻度で生成されるかを指す。例えば、朝食期間に対応する期間がその日の最良のグルコースレベル(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近いグルコースレベルを有する期間)であることを示すフィードバックが頻繁に提供される場合、当日の朝食期間の新規性スコアを低くすることにより、同一フィードバック(ユーザがあまり興味を示さないと予想される)を繰り返し提供することを回避することができる。期間について生成されたフィードバックの新規性は、フィードバックが生成された回数のカウント(例えば、過去2週間又は前月にわたって)、他のフィードバックに対してフィードバックが生成された頻度を示す値など、様々な異なる方法のいずれかで測定される。
【0086】
期間スコア426は、様々な異なる値のいずれかとして出力され得る。1つ以上の実装形態では、ある期間の期間スコア426は、糖尿病管理特徴比較モジュール404によって決定されたエフェクトサイズである。追加的に又は代替的に、ある期間の期間スコア426は、エフェクトサイズ、有意性、新規性(可能なフィードバックごとの)、異なる特徴間の差異の他のインジケーションなどのうちの1つ以上を含むタプルであり得る。追加的に又は代替的に、ある期間の期間スコア426は、エフェクトサイズ、有意性、新規性、異なる特徴間の差異の他のインジケーションなどのうちの1つ以上を組み合わせる(例えば、加重平均)ことによって決定される値であり得る。そのような状況では、(例えば、異なるフィードバックが異なる新規性を有し得るので)可能なフィードバックごとに異なる期間スコア426が生成され得る。
【0087】
1つ以上の実装形態では、期間スコア426は正規化モジュール406に提供され、正規化モジュール406は、異なるスコア(例えば、エフェクトサイズ、有意性、及び新規性)から発生する期間スコア426を共通スケール又は共通単位(例えば、0と1との間の範囲の値)に調整する。正規化モジュール406は、正規化データを正規化期間スコア428として出力する。この正規化は、様々な周知の技法又は独自の技法のいずれかを使用して実行され得る。正規化モジュール406は任意選択であり、特定の状況では正規化を実行する必要がないことに留意されたい。例えば、単一種類のスコア(例えば、エフェクトサイズ、有意性、又は新規性のうちの1つ)のみが糖尿病管理フィードバック生成システム304によって使用されるいくつかの状況では、期間スコア426を共通スケール又は単位に調整する必要はない(ただし、エフェクトサイズがいくつかの可能な糖尿病管理特徴のうちの1つに関して計算され、各特徴が潜在的に異なる単位を有する場合、期間スコア426は依然として共通スケール又は単位に調整され得る)。別の例として、複数種類のスコア(例えば、エフェクトサイズ、有意性、又は新規性のうちの2つ以上)が糖尿病管理フィードバック生成システム304によって使用されるが、既に共通スケール又は単位を有する場合、期間スコア426を共通スケール又は単位に調整する必要はない。
【0088】
糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、期間スコア426又は正規化期間スコア428である期間スコアを受信し、フィードバックインジケーション312としてUIモジュール410又はフィードバック提示システム122に提供されるフィードバック430を選択する。糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、規則ライブラリ434からの様々な異なる規則432のいずれかを適用して、フィードバックライブラリ438から取り出して、UIモジュール410又はフィードバック提示システム122に提供する複数のフィードバック項目を決定する。1つ以上の実装形態では、フィードバックライブラリ438は、
図1のフィードバックライブラリ124である。規則ライブラリ及びフィードバックライブラリ438は、記憶デバイス118に記憶されるなど、様々な場所に記憶され得る。
【0089】
様々な異なるフィードバック項目がフィードバックライブラリ438に含まれて、フィードバック430として提供され得、それぞれがユーザ102にフィードバックを提供する。そのようなフィードバックの例としては、過去数日に対する当日の期間のグルコースレベルの改善を示すこと、1日のうちの最良の期間(例えば、グルコースレベルが最適範囲内にあったか、又は最適値に最も近かった当該日の期間(例えば、上述の特徴のいずれか1つ以上に基づいて))、正の持続パターン(例えば、複数日にわたる同一期間について満たされている特徴)を識別するフィードバックなどが挙げられる。
【0090】
1つ以上の実装形態では、フィードバックライブラリ438内のフィードバックは、ユーザの特定の特徴又はグルコース値に基づいて変更される必要がない一般的なフィードバックである(例えば、「今日は、朝食後のグルコースレベルが最良でした!」などのメッセージ)。追加的に又は代替的に、フィードバックライブラリ438内のフィードバックは、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408が特徴又はグルコース値を追加するテンプレートを含む。例えば、フィードバックライブラリ438は、「___夜連続で範囲内です!」(下線は、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408が入力する)などのメッセージを含み得る。例えば、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、ユーザが睡眠に対応する3期間について所望の範囲内にあったと判定した場合、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、空白スペースを「3」に置き換える。
【0091】
フィードバックの更なる例としては、「夜間グルコースは、5日間連続して>40%の時間で70~140mg/dLでした」、「昼食後のピークグルコースは、3日間連続して<130mg/dLでした」、「昼食後のピークグルコースは、過去7日間のどの日よりも22mg/dL低かったです」、「夕食後に70~140mg/dLであった時間は、最近7日間のどの日よりも18%多かったです」、「夕食後に70~180mg/dLであった時間は、本日のどの期間よりも5%多かったです」、「昼食後のピークグルコースは、本日のどの期間よりも14mg/dL低かったです」、「本日の夕食後平均グルコースは、最近7日間のどの日よりも21mg/dL低かったです」、「夕食後に70~140mg/dLであった時間は、本日のどの期間よりも4%多かったです」、及び「昼食後の70~140mg/dLの時間は、過去7日間のどの日よりも3%高かったです」が挙げられる。
【0092】
様々な異なる規則432を規則ライブラリ434に含めることができ、各規則432は、フィードバックライブラリ438内のフィードバックの項目のうちの1つに対応する。規則は、1日内又は複数日にわたる対応する期間内の異なる特徴及び異なる期間を対象とし得る。例えば、ある規則は、1日のうちの最高スコアを有する期間(例えば、1日の特定期間のグルコース測定値が、1日の他の期間中のグルコース測定値よりも長い期間に特定範囲内にあったか、又は特定のグルコースレベル未満であったか)であり得る。別の規則は、1日の特定期間のグルコース測定値が、過去1日以上の対応する期間のグルコース測定値よりも閾値量を改善したか否か(例えば、グルコース測定値が、過去1日以上の期間中にユーザについて測定されたグルコース測定値よりも長い期間に、少なくとも1つの閾値について特定範囲内にあったか、又は特定のグルコースレベル未満であったか否か)であり得る。別の規則は、1日の特定期間のグルコース測定値が、良好なグルコース測定値の持続パターンの一部であったか否か(例えば、当日のグルコース測定値、並びに過去1日以上の期間(例えば、2~4週間)に測定されたグルコース測定値が、当日及び過去1日以上のそれぞれについて特定範囲内にあったか、又は特定のグルコースレベル未満であったか否か)であり得る。
【0093】
規則432は、閾値を超えている、又は超えていないなど、様々な閾値への参照を含み得る。1つ以上の実装形態では、ユーザ固有糖尿病管理特徴閾値決定モジュール412は、特徴422に基づいて閾値436を生成する。これは、ユーザ102の履歴時間窓にわたって観察された糖尿病管理特徴の分布に基づいたユーザ固有糖尿病管理特徴閾値である(例えば、閾値は、前月にわたる所与の1日以内の期間において観察された糖尿病管理特徴の75位数に設定され得る)。次いで、この閾値436は、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408によって、様々な規則432で閾値として使用される(例えば、当該閾値(例えば、正の持続パターン)を満たすか又は超える連続日数を識別するために)。ユーザ自身の履歴データから閾値436を導出することにより、閾値436が、当該ユーザについて観察される典型的なレベルに対して「良好」であるが、依然として達成可能である血糖コントロールを表す血糖コントロールのレベルを表すことを可能にする。閾値(例えば、60位数対80位数)を設定するために使用する要約統計値の選択は、正の持続パターンの「注目度」と当該特定患者の達成可能性との間のバランスの制御を可能にするパラメータである。閾値を設定するために使用する要約統計値の選択は、ユーザ102、医療専門家、グルコースモニタリングアプリケーション116又はグルコースモニタリングプラットフォーム110の管理者又は設計者などによって行われ得る。閾値436はまた、閾値436を導出するために使用される履歴時間窓が時間的に進むにつれて更新され得るので、長期間にわたる血糖コントロールのユーザ内変化に適応することができる。
【0094】
1つ以上の実装形態では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、ある期間の特徴に対応するスコアが閾値を超える場合に規則が満たされたことを示す規則432を使用し、当該規則に対応するフィードバックがフィードバック430として選択される。これにより、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408が、UIモジュール410によって表示されるか、若しくは別様に提示されるか、又はフィードバック提示システム122に提供されるフィードバック430の複数項目を選択することになる。
【0095】
追加的に又は代替的に、複数規則が満たされる状況では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、満たされた規則のうちの1つを選択し、選択した規則に対応するフィードバックをフィードバック430として選択する。糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、満たされた複数の規則のうちの1つをランダム又は擬似ランダムに選択するなど、様々な方法で複数の規則のうちの1つを選択することができる。追加的に又は代替的に、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、複数の規則に優先度を付け、最も高い優先度を有する、複数の規則のうちの1つを選択することができる。例えば、最も高い優先度を有する規則が選択される。
【0096】
糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、任意選択的に、様々な基準を使用して、満たされた複数の規則のうちの選択する規則を決定する。これらの基準は、どの程度最近に規則を満たしたか、規則のランク又は優先度、規則のカテゴリ、規則を満たした連続日数など、様々な要因に基づき得る。例えば、より最近に満たされた規則よりも、それほど最近ではなく満たされた規則が選択される。例えば、これにより、(異なる規則に対応する)異なるフィードバックがフィードバック430として選択されることが可能になり、あまり頻繁にフィードバックが繰り返されないようにする。
【0097】
別の例として、規則は、改善カテゴリ(例えば、過去1日以上にわたる期間のグルコース測定値の改善に対応する規則)、最良カテゴリ(例えば、グルコース測定値が最良であった(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近い)、1日のうちの期間を識別する規則)、持続パターンカテゴリ(例えば、正の持続パターンを識別する規則)など異なるカテゴリに対応し得る。特定のカテゴリに対応する規則は、他のカテゴリに対応する規則よりも優先して選択され得る。例えば、持続パターンカテゴリに対応する規則は、例えば、同じ改善をあまりにも頻繁に繰り返すフィードバックを表示することを回避するために、改善カテゴリに対応する規則よりも優先して選択され得る。
【0098】
別の例として、(例えば、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408の開発者又は設計者によって)緊急性又は安全性への関連が高いと指定された規則は、緊急性又は安全性への関連が低い規則よりも優先して選択される。例えば、これにより、緊急性又は安全性関連の特徴(例えば、範囲内に留まらない、又は閾値グルコースレベルを超える)に対応するフィードバックが、他の非緊急性又は非安全性関連の特徴よりも優先して選択され、より重要な糖尿病管理フィードバックをユーザに表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0099】
別の例として、(例えば、ユーザ102によって)より高い優先度であると指定された規則は、(例えば、ユーザ102によって)より低い優先度であると指定された規則よりも優先して選択される。例えば、これにより、ユーザにとって関心の低い規則に対応するフィードバックではなく、ユーザにとって関心の高い規則に対応するフィードバックを表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0100】
別の例として、少なくとも閾値連続日数を満たした規則は、少なくとも閾値連続日数を満たさなかった規則よりも優先して選択される。例えば、これにより、何日もの間、良好な傾向又は良好なパターン(例えば、昼食後期間中にピークグルコースが200mg/dL未満に留まる)がユーザに表示されるか、又は別様に提示されることが可能になり、ユーザにこの傾向又はパターンを継続するように促す。
【0101】
1つ以上の実装形態では、フィードバック430は、本質的に一般的であり、改善の量を示す特定の値を指定することなく、グルコース管理が良好であった特定期間をユーザ102に通知する(例えば、「今日の夕食後のグルコースは、いつもより低かったです」ではなく、「夕食後のグルコースは、素晴らしいです!」を示す)。そのような状況では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、複数の規則が満たされた期間に対応するフィードバック430を選択する。例えば、当日について、第1の期間及び第2の期間の両方が範囲内時間規則を満たし、第1の期間は、期間内のグルコース測定値について変動係数規則を満たさなかったが、第2の期間は、期間内のグルコース測定値について変動係数規則を満たしたと仮定する。この状況では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、第1の期間ではなく第2の期間に対応するフィードバック430を選択する。これは、第3の期間よりも第2の期間の方が多くの規則を満たしているためである。別の例として、当日について、第1の期間及び第2の期間の両方が範囲内時間規則を満たし、第1の期間は期間中に歩数規則を満たさなかったが、第2の期間は期間中に歩数規則を満たしたと仮定する。この状況では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、第1の期間ではなく第2の期間に対応するフィードバック430を選択する。これは、第3の期間よりも第2の期間の方が多くの規則を満たしているためである。
【0102】
1つ以上の実施形態では、UIモジュール410は、フィードバック430を受信し、フィードバック430を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。1つ以上の実装形態では、異なる種類又はカテゴリのフィードバックが、異なる方法で表示されるか、又は別様に提示される。例えば、フィードバックカテゴリとしては、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善のカテゴリ、最良のグルコース測定値を有していた、1日のうちの期間(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近いグルコース測定値を有していた期間)のカテゴリ、及び正の持続パターンのカテゴリが挙げられ得る。これらの異なるカテゴリに対応するフィードバックは、異なる色、異なるアイコンなどを使用して表示され得る。
【0103】
1つ以上の実装形態では、フィードバック430は、優先度に基づいて順序付けされる。例えば、複数の規則が満たされた場合、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、最も高い優先度のフィードバックをフィードバック430として最初に選択する。ユーザ102が所望する、より低い優先度の追加のフィードバックを要求するユーザ入力を受信することができ、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、ユーザが要求する、より低い優先度のフィードバックを提供する。例えば、これにより、最も高い優先度のフィードバックの提示が可能になり、次いで、追加フィードバックに対するユーザ要求に応答して、2番目に高い優先度のフィードバックの提示が可能になり、次いで、追加フィードバックに対する追加のユーザ要求に応答して、3番目に高い優先度のフィードバックの提示が可能になるなど、以下同様である。
【0104】
1つ以上の実装形態では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、少なくとも1つの特徴に基づいて、直前の週又は2週間前など過去1日以上(これらの過去の複数日は任意選択的に同じ種類の日である)に対して当日の期間ごとにユーザのグルコースレベルの改善があるか否かを判定する。糖尿病管理フィードバック識別モジュール408が、ある規則は、ある期間の改善が閾値(例えば、少なくとも特定のパーセンテージの改善)を満たすことを示していると判定する場合、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、規則に対応するフィードバック430を選択する。
【0105】
図5は、ある期間について少なくとも1つの特徴の改善を示すフィードバックを提供する例500を示す。例500における改善は、直前の複数日のそれぞれの対応する期間に対する当日の期間における改善である。例500は、複数日(2021年6月23日~2021年6月29日として示される)を示し、各日は、夜間(例えば、ユーザの睡眠中)、朝食(例えば、朝食中及び朝食後)、昼食(例えば、昼食中及び昼食後)、及び夕食(例えば、夕食中及び夕食後)の期間を有する。期間スコアは、当日(6月29日)の期間502(夕食)について生成され、期間502の1つ以上の特徴と、過去複数日の6月23日~6月28日の対応する期間(夕食)の同一の1つ以上の特徴との差異を示す。図示された例では、これらの期間及び生成されたスコアの比較は、期間502中のユーザのグルコースレベルが、過去複数日の6月23日~6月28日の間のユーザの典型的な量よりも低く、規則432を満たすことを示す。この決定は、6月29日の期間502のグルコースレベルが6月23日~6月28日の対応する期間について生成された平均からどれだけの標準偏差で離れていたかを決定するなど、様々な方法で行われ得る。
【0106】
糖尿病管理フィードバック識別モジュール408はフィードバック504を識別し、UIモジュール410(又はフィードバック提示システム122)はフィードバック504を表示させる。図示された例では、フィードバック504は、今日の夕食後のグルコースが通常よりも低かったことをユーザに通知する、心に響く洞察である。これは、ある期間の改善されたグルコースレベルにユーザの注意を向けさせ、ユーザが、過去数日に対して6月29日に自身の夕食に対して行った変更を検討し、より良好な糖尿病管理のためにそれらの変更を継続することを可能にする。
【0107】
図6は、1日の間で最良の期間を示すフィードバックを提供する例600を示す。例600は、単一の日(2021年6月29日として示される)を示し、この日は、夜間(例えば、ユーザの睡眠中)、朝食(例えば、朝食中及び朝食後)、昼食(例えば、昼食中及び昼食後)、及び夕食(例えば、夕食中及び夕食後)の期間を有する。期間スコアは、当日(6月29日)の期間602(朝食)について生成され、期間602の1つ以上の特徴と、6月29日の他の3期間の1つ以上の特徴との差異を示す。図示された例では、これらの期間及び生成されたスコアの比較は、期間602中のユーザのグルコースレベルが、6月29日の任意の他の期間よりも良好であり、規則432を満たすことを示す。この判定は、ユーザのグルコースレベルが6月29日の任意の他の期間中よりも長く特定範囲内にあったと判定すること、ユーザのグルコースレベルが、6月29日の他の期間中ではなく、期間602中に閾値レベル未満のままであったと判定することなど、様々な方法で行うことができる。
【0108】
糖尿病管理フィードバック識別モジュール408はフィードバック604を識別し、UIモジュール410(又はフィードバック提示システム122)はフィードバック604を表示させる。図示された例では、フィードバック604は、夕食後のグルコースが本日の他のいずれの期間よりも良好であったことをユーザに通知する、心に響く洞察である。これにより、ある期間の改善されたグルコースレベルにユーザの注意を向けさせ、ユーザが、6月29日の他の期間中に摂取した食物に対して朝食中に摂取した食物を検討することを可能にし、当該知識を使用して、より良好な糖尿病管理のために他の期間中に摂取した食物を変更する。
【0109】
図7は、正の持続パターンを示すフィードバックを提供する例700を示す。例700における正の持続パターンは、同一種類(例えば、平日)の連続する複数日にわたる対応期間のパターンである。例700は、複数の日(2021年6月21日~2021年6月25日、2021年6月28日及び2021年6月29日として示される)を示し、各日は、夜間(例えば、ユーザの睡眠中)、朝食(例えば、朝食中及び朝食後)、昼食(例えば、昼食中及び昼食後)、及び夕食(例えば、夕食中及び夕食後)の期間を有する。期間スコアは、当日(6月29日)の期間702(昼食)について生成され、期間702の1つ以上の特徴と、過去数日の6月21日~6月25日及び6月28日のそれぞれの対応する期間(昼食)の同一の1つ以上の特徴との差異を示す。図示された例では、これらの期間及び生成されたスコアの比較は、期間702、並びに6月24日、6月25日、及び6月28日の対応する期間中のユーザのグルコースレベルが特定の範囲内にあり、規則を満たすことを示す。
【0110】
糖尿病管理フィードバック識別モジュール408はフィードバック704を識別し、UIモジュール410(又はフィードバック提示システム122)はフィードバック704を表示させる。図示された例では、フィードバック704は、ユーザの夜間グルコースが平日の4日間連続して昼食後に所望の範囲内にあったことをユーザに通知する、心に響く洞察である。これにより、所望の範囲内に留まる持続パターンにユーザの注意を向けさせ、ユーザが過去数日の平日にわたって昼食に摂取した食物の種類を検討し、より良好な糖尿病管理のために同様の種類の食物を摂取し続けることを可能にする。
【0111】
図4に戻ると、ここでは、1日である時間範囲内の複数の期間を参照して説明が行われる。追加的に又は代替的に、異なる期間又は時間範囲を使用することができる。例えば、各期間は丸1日であり得、時間範囲は1週間、1か月、複数か月、1年などであり得る。別の例として、各期間は丸1週間であり得、時間範囲は1か月、複数か月、又は丸1年であり得る。
【0112】
本明細書ではまた、良好な糖尿病管理を示し、フィードバック(例えば、心に響く洞察)を表示するか、又は別様に提示してユーザを動機付ける、肯定的な比較に関しても議論が行われる。同様に、不十分な糖尿病管理を示す否定的な比較が行われ得、フィードバック(例えば、警告又は悪影響)をユーザに表示するか、又は別様に提示して、ユーザによるより良好な糖尿病管理を促す。否定的な比較は、本明細書で論じられる技法に類似しているが、特徴に適用される規則は異なる。例えば、1日の最良グルコースレベルを有する期間(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近いグルコースレベルを有する期間)ではなく、1日の最悪グルコースレベルを有する期間(例えば、最適範囲外又は最適値から最も遠いグルコースレベルを有する期間)を示すフィードバックが表示され得る。別の例として、フィードバックは、所与の期間の範囲内時間が、過去数日の対応する期間よりも25%短かったことを示す。否定的比較のために、追加の特徴も含めることもできる。例えば、グルコース測定値の場合、糖尿病管理特徴決定モジュール402は、期間中に特定のグルコースレベル(例えば、400mg/dL)を超過したか否かなど閾値超過特徴を生成し得る。
【0113】
1つ以上の実装形態では、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、警告又は悪影響など否定的なフィードバックを表示するか、又は別様に提示するときを決定するために、追加基準を適用する。この追加基準は、例えば、特定期間が、連続複数日について1日の最悪グルコースレベルであること、又は所与の期間の範囲内時間が、連続2日間について過去数日の対応する期間よりも25%短いことなど、複数回の発生で満たされる特徴のパターンを識別することを含み得る。この追加基準は、警告又は否定的な影響が、単一の不良な日にユーザに表示されないか、又は別様に提示されないようにして、ユーザに不必要に警告するか、又は単一の異常に対する否定的な影響をユーザに通知することを回避する。
【0114】
上述したように、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408が様々な基準を使用して、満たされた複数の規則のうちの選択する規則を決定する状況が発生する。1つ以上の実装形態では、否定的な比較は、これらの基準のうちの1つであり、否定的な比較を満たさなかった期間に対応する規則が、否定的比較を満たした期間にわたって選択されるように動作する。例えば、当日について、第1の期間及び第2の期間の両方が範囲内時間規則を満たし、第1の期間は閾値超過規則の否定的な比較を満たさなかった(例えば、期間中に閾値グルコースレベルを超えなかった)が、第2の期間は閾値超過規則の否定的な比較を満たした(例えば、期間中に閾値グルコースレベルを超えた)と仮定する。この状況では、糖尿病管理フィードバック識別モジュール408は、第2の期間ではなく第1の期間の規則を選択する。これは、第1の期間について満たされた否定的な比較が存在しないためである。
【0115】
糖尿病管理フィードバック生成システム304は、任意選択的に、フィードバック430に基づいて追加のアクションを行う。1つ以上の実装形態では、これらのアクションは、グルコース測定値114の生成頻度が低減され得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知することを含む。例えば、糖尿病管理フィードバック生成システム304が、少なくとも閾値日数の特定期間について正の持続パターン(例えば、特定範囲内のグルコース)を識別する場合、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、グルコース測定値114の生成頻度を低減して(例えば、5分ごとから10分ごとに)、グルコース測定値114の生成に消費される電力を低減させ得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知する。
【0116】
追加的に又は代替的に、これらのアクションは、現在進行中のCGMの使用を推奨するか否か(例えば、現在のセンサが使用期限切れになった直後に新しいセンサを開始する)、又はCGMの使用を中断し、数日後に新しいセンサを開始することが適切であり得るか否かを判定することを含む。例えば、糖尿病管理フィードバック生成システム304が、少なくとも閾値日数の特定期間について正の持続パターン(例えば、特定範囲内のグルコース)を識別しない場合、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、(例えば、ユーザへの表示又は他の提示を介して)現在進行中のCGMの使用を推奨する。
【0117】
本明細書ではまた、フィードバックがユーザ102に表示されるか、又は別様に提示されることに関して説明される。追加的に又は代替的に、フィードバックは、臨床医(例えば、ユーザの主治医又は看護師)、薬剤師など他人に通信されるか、又は別様に送達される。これは、生成されたフィードバックがない場合に臨床医が自身で行う必要があり得る、未処理のグルコース又は他の糖尿病管理データを再検討する手動作業の一部を部分的に自動化するのに役立つことができる。追加的に又は代替的に、期間スコア426又は正規化期間スコア428は、臨床医、薬剤師、又は他人に提供され得、臨床医、薬剤師、又は他人が、ユーザに伝えるべきフィードバックを決定する際に、自身の推奨する規則セットを適用することを可能にする。
【0118】
上述したように、フィードバック430は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得ることに留意されたい。そのような状況では、糖尿病管理フィードバック生成システム304は、UIモジュール410を含む必要はない。追加的に又は代替的に、期間スコア426(又は正規化期間スコア428)及び任意選択的に閾値436は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得る。そのような状況では、フィードバック提示システム122は、以下でより詳細に論じられるように、任意選択的にフィードバックライブラリ438及び規則ライブラリ434を使用して、ユーザ(又は臨床医若しくは薬剤師など他人)に提供されるフィードバックを識別する。フィードバック提示システム122は、任意選択的に、報告可能な糖尿病管理フィードバック識別モジュール408に関して本明細書で論じられる技法のうちの任意の1つ以上を使用して、ユーザに提供されるフィードバックを識別する。
【0119】
図8及び
図9は、糖尿病管理を改善するための糖尿病管理フィードバックを実施するための手順の例を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。
【0120】
図8は、糖尿病管理を改善するための糖尿病管理フィードバックを実施する例における手順800を示す。手順800は、例えば、糖尿病管理フィードバック生成システム304など糖尿病管理フィードバック生成システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0121】
複数の期間のうちの第1の期間についてのユーザの第1のグルコース測定値を取得する(ブロック802)。これらの第1のグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。
【0122】
第1の期間について1つ以上の特徴を生成する(ブロック804)。これらの1つ以上の特徴は、第1のグルコース測定値から生成する。
【0123】
1つ以上の特徴を分析して、第1の期間について1つ以上の規則を満たす少なくとも1つの特徴を決定する(ブロック806)。分析は、第1の期間と同じ24時間間隔の異なる期間、又は複数の24時間間隔にわたる対応する期間を含み得る。
【0124】
1つ以上の規則に対応する、糖尿病管理フィードバックのライブラリ内の複数の糖尿病管理フィードバックのうちの少なくとも1つの糖尿病管理フィードバックを識別する(ブロック808)。異なる規則は異なるフィードバックに対応し得、当該フィードバックはブロック808で識別する。追加的に又は代替的に、異なる期間は異なるフィードバックに対応し得、ブロック808において、第1の期間に対応するフィードバックを識別する。
【0125】
識別した少なくとも1つの糖尿病管理フィードバック及び第1の期間のインジケーションを含むユーザインタフェースを生成する(ブロック810)。識別した少なくとも1つの糖尿病管理フィードバックを表示させる(ブロック812)か、又は別様に提示させる。
【0126】
図9は、糖尿病管理を改善するための糖尿病管理フィードバックを実施する別の例における手順900を示す。手順900は、例えば、糖尿病管理フィードバック生成システム304など糖尿病管理フィードバック生成システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0127】
複数の期間のうちの第1の期間についてのユーザの第1の糖尿病管理測定値を取得する(ブロック902)。これらの第1の糖尿病管理測定値は、上述したような様々な他のセンサ(例えば、データストリーム420にデータを提供する任意のセンサ)のいずれかのグルコースセンサから取得することができる。
【0128】
第1の期間について1つ以上の特徴を生成する(ブロック904)。これらの1つ以上の特徴は、第1の糖尿病管理測定値から生成する。
【0129】
1つ以上の特徴を分析して、第1の期間について1つ以上の規則を満たす少なくとも1つの特徴を決定する(ブロック906)。分析は、第1の期間と同じ24時間間隔の異なる期間、又は複数の24時間間隔にわたる対応する期間を含み得る。
【0130】
1つ以上の規則に対応する、糖尿病管理フィードバックのライブラリ内の複数の糖尿病管理フィードバックのうちの少なくとも1つの糖尿病管理フィードバックを識別する(ブロック908)。異なる規則は異なるフィードバックに対応し得、当該フィードバックはブロック908で識別する。追加的に又は代替的に、異なる期間は異なるフィードバックに対応し得、ブロック908において、第1の期間に対応するフィードバックを識別する。
【0131】
識別した少なくとも1つの糖尿病管理フィードバックを表示させる(ブロック910)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、識別した糖尿病管理フィードバックを、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得るか、又は別様に提示し得る。
【0132】
グルコースレベル偏差検出システムのアーキテクチャ
概して、グルコースレベル偏差検出システム306は、グルコース測定値のデータストリームを受信する。集約メトリック(例えば、高血糖リスク値、低血糖リスク値、平均グルコース、平均変動係数など)は、ローリング時間窓(例えば、5分ごと、グルコース測定値の集合は、過去30分間又は60分間のグルコース測定値を含む)、固定された30分間隔(例えば、1日の1時間ごと及び1/2時間ごと)、過去60分などにわたるグルコース測定値の集合に対して生成される。これらの集約メトリックは、他の期間に生成された集約メトリックと比較されて、期間の間のグルコース測定値の偏差を識別する。
【0133】
例えば、リスク値は、特定の固定時間(例えば、1日のほぼ半時間ごと)の間に受信されたグルコース測定値を含む期間について生成され得る。所与の期間の集約メトリックは、同日の直前の期間のうちのいくつか(例えば、24)にわたる集約メトリックと比較されて、所与の期間の集約メトリックが、過去の期間の集約メトリックから逸脱するか否かが判定される。偏差が検出された場合、所与の期間中に測定されたグルコース測定値と過去の期間中に測定されたグルコース測定値との間に偏差が存在するというインジケーションが表示されるか、又は別様に通信される。例えば、「グルコースが、今朝からの最高レベルに増加しています」というユーザインタフェースが、ユーザに表示され得る。
【0134】
別の例として、集約メトリックは、過去のある時間にわたって受信されたグルコース測定値を含む期間に対して生成され得る(例えば、集約メトリックは、過去60分にわたって受信されたグルコース測定値に基づいて5分ごとに生成される)。当日の所与の期間の集約メトリックは、過去複数日のそれぞれの対応する期間に対して生成された集約メトリックと比較されて、所与の期間の集約メトリックが過去数日の対応する期間の集約メトリックから逸脱しているか否かを判定する。偏差が検出された場合(及び任意選択的に、表示するために偏差が選択される場合)、当日の所与の期間中に測定されたグルコース測定値と過去の期間中に測定されたグルコース測定値との間に偏差が存在するというインジケーションが表示されるか、又は別様に通信される。例えば、「直近1時間のグルコースは、過去数日の各日のこの時間よりも高いです」というユーザインタフェースがユーザに表示され得る。
【0135】
本明細書で議論される技法は、ユーザのグルコースレベルの偏差を自動的に検出し、そうである旨の通知をユーザに提供する。これにより、ユーザは、偏差が生じたときにリアルタイムで偏差を認識するようになり、ユーザは、自身のグルコースレベルに著しい影響を及ぼす、何か異なることを行っている可能性があることを警告される。これは、ユーザに教示可能な瞬間を提供し、ユーザがリアルタイムの事象又はアクションとグルコースレベルの変化とを結び付け、したがって、グルコースレベルのそのような変化を回避するように(例えば、変化が不良な場合)、又はグルコースレベルのそのような変化を維持するように(例えば、変化が良い場合)、現在及び将来の自身の行動を変更することを支援する。更に、これにより、警告又は更新が医療提供者に通信されることが可能になり、その結果、これらの提供者は、ユーザが修正アクションを行うこと、変化の重大度について警告を受けることなどを支援し得る。
【0136】
図10は、グルコースレベル偏差検出システム306の例示的なアーキテクチャの図である。グルコースレベル偏差検出システム306は、データ収集モジュール1002と、メトリック決定モジュール1004と、コンテンツベース偏差検出モジュール1006と、コンテキスト偏差検出モジュール1008と、偏差選択モジュール1010と、UIモジュール1012(任意選択)と、を含む。概して、グルコースレベル偏差検出システム306は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザの標準からの偏差を探す。標準からのこれらの偏差は、当該日の以前のユーザのグルコースレベルから生成されたメトリックに対するユーザの現在又は最近のグルコースレベルから生成されたメトリック、過去数日の対応する時間におけるユーザのグルコースレベルから生成されたメトリックに対するユーザの現在又は最近のグルコースレベルから生成されたメトリックなど、様々な要因に基づき得る。1つ以上の偏差が検出されると、グルコースレベル偏差検出システム306は、ユーザに偏差の識別情報を提示すること、医療専門家に偏差の識別情報を通信することなどの応答動作を行い、フィードバックインジケーション312などに偏差を含める。
【0137】
より具体的には、データ収集モジュール1002は、ユーザ102のグルコース測定値114を受信する。データ収集モジュール1002はまた、任意選択的に、
図3の追加データ302を受信する。グルコース測定値114は、約1分ごと又は約5分ごとなど特定間隔で受信される。グルコース測定値114は、測定値の集合にグループ化される。1つ以上の実装形態では、測定値の集合は、半時間ごとの期間(例えば、午後1:00~午後1:30、午後1:30~午後2:00、午後2:00~午後2:30など)中に受信されたグルコース測定値114など、24時間以内の設定期間である。追加的に又は代替的に、測定値の集合は、過去30分又は60分にわたって受信したグルコース測定値114などローリング時間窓である。例えば、新しいグルコース測定値114を受信すると(約5分ごとなど)、データ収集モジュール1002は、過去30分又は1時間にわたって受信したグルコース測定値114を測定値の集合にグループ化する。データ収集モジュール1002は、測定値の集合を収集された測定値1020として出力する。
【0138】
メトリック決定モジュール1004は、収集された測定値1020を受信し、収集された測定値1020から1つ以上の集約メトリック1022(又は単一値メトリック)を生成する。集約メトリック(単にメトリックとも呼ばれる)は、収集された測定値1020内のデータの表現又は要約である。メトリック決定モジュール1004は、収集された測定値1020に基づいて、様々な異なるメトリックのいずれかを生成することができる。1つ以上の実装形態では、メトリック決定モジュール1004は、グルコースレベルに起因した、ユーザ102に対する潜在的な健康リスクを示す血糖リスク値であるリスク値を生成する。
【0139】
追加的に又は代替的に、メトリック決定モジュール1004は、集約メトリック1022として、収集された測定値1020での平均グルコース測定値、収集された測定値1020でのグルコース測定値の平均変動係数(収集された測定値1020でのグルコース測定値の標準偏差対平均の比率)、収集された測定値1020でのグルコース測定値の平均血糖変動幅(mean amplitude of glycemic excursion、MAGE)、収集された測定値1020でのグルコース測定値のグルコース曲線下面積、収集された測定値1020でのグルコース測定値のグルコース曲線上面積、収集された測定値1020でのグルコース測定値の平均絶対変化率、収集された測定値1020でのグルコース測定値の標準偏差、収集された測定値1020の収集中に、グルコース測定値が特定グルコースレベル(例えば、250mg/dL又は70mg/dL)を下回った平均時間、収集された測定値1020の収集中に、グルコース測定値が特定グルコースレベル(例えば、250mg/dL)を超えた平均時間、収集された測定値1020での最大グルコース測定値など様々な統計値のいずれかを、収集された測定値1020から生成する。
【0140】
追加的に又は代替的に、メトリック決定モジュール1004は、中央値、四分位範囲(IQR)、XX位数、標準偏差など、収集された測定値1020内のグルコース測定値を組み合わせるために異なる技法を使用して集約メトリック1022を生成する。
【0141】
追加的に又は代替的に、メトリック決定モジュール1004は、集約メトリックではない単一値メトリックを生成する。例えば、メトリック決定モジュール1004は、収集された測定値1020での最大グルコース測定値、収集された測定値1020でのグルコース測定値の絶対変化率などであるメトリックを生成することができる。メトリック決定モジュール1004は、集約メトリック1022と同様に、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008によって使用される、これらの単一値メトリックを出力する。
【0142】
1つ以上の実装形態では、集約メトリック1022は、グルコースレベルに起因する、ユーザ102に対する潜在的な健康リスクを示す血糖リスク値である。1つ以上の実施形態では、これらのリスク値は、高血糖リスク値及び低血糖リスク値の一方又は両方を含む。高血糖リスク値及び低血糖リスク値は、様々な異なる方法のいずれかで決定することができる。
【0143】
1つ以上の実施形態では、高血糖リスク値は、血糖自己測定(self-monitoring blood glucose、SMBG)測定値用に生成された高血糖指数(HBGI)値に基づいている。HBGI値(HBGI)は、以下のようにリスクr(BG)を発生させることによって生成される。
r(BG)=10(1.509([log(BG)]1.084-5.381))2
式中、BGは、収集された測定値1020を指す。リスクr(BG)は、低血糖範囲及び高血糖範囲の振幅のバランスをとり(低血糖範囲の振幅を拡大し、高血糖範囲の振幅を縮小する)、変換されたデータを0付近で対称にさせ、正規分布に適合させる。
【0144】
HBGI値(HBGI)は、以下のように生成される。
【0145】
【数1】
式中、N
hは、閾値レベル(例えば、112.5mg/dL)よりも大きいグルコース測定値の数を指し、rh(BG
i)は、閾値レベル(例えば、112.5mg/dL)よりも大きい測定値のそれぞれのリスクr(BG)値を指す。
【0146】
1つ以上の実施形態では、低血糖リスク値は、SMBG測定値用に生成された低血糖指数(LBGI)値に基づいている。LBGI値(LBGI)は、以下のように生成される。
【0147】
【数2】
式中、Nlは、閾値レベル(例えば、112.5mg/dL)よりも小さいグルコース測定値の数を指し、rl(BG
i)は、閾値レベル(例えば、112.5mg/dL)よりも小さい測定値のそれぞれのリスクr(BG)値を指す。
【0148】
コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、集約メトリック1022をモニタリングすることによって、最近の履歴におけるユーザの典型的なグルコースレベル傾向からの偏差を検出する。検出が最近のグルコース測定値に基づいて実行されるので、これは、コンテンツベース偏差検出とも呼ばれる。コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、集約メトリック1022を受信し、集約メトリック1022に基づいて、直近に収集された測定値1020が、過去に(例えば、過去12時間にわたって)収集された測定値1020に対するユーザ102のグルコースレベルの偏差を示すか否かを判定する。
【0149】
コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、過去の期間に基づいて、規則的又は不規則な間隔で、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。1つ以上の実装形態では、メトリック決定モジュール1004は、約30分ごとに集約メトリック1022を生成し、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、メトリック決定モジュール1004から新しい集約メトリック1022を受信したことに応答して、直近に受信した集約メトリック1022を以前に受信した24の集約メトリック1022(例えば、過去12時間にわたって受信した集約メトリック1022)と比較することによって、約30分ごとにユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。集約メトリック1022は、例えば、集約メトリックストア1024に格納され、したがって、以前受信した集約メトリック1022は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006にとって容易に利用可能である。集約メトリックストア1024は、様々な種類の記憶デバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクなど)のいずれかであり得る。
【0150】
追加的に又は代替的に、他の間隔又は期間を使用することができる。例えば、メトリック決定モジュール1004は、約15分ごとに1つ以上の集約メトリック1022を生成し得、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、メトリック決定モジュール1004から新しい集約メトリック1022を受信したことに応答して、直近に受信した集約メトリック1022を過去10時間にわたって受信した集約メトリック1022と比較することによって、約15分ごとにユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。別の例として、メトリック決定モジュール1004は、(過去30分のローリング時間窓を使用して)約5分ごとに1つ以上の集約メトリック1022を生成し得、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、メトリック決定モジュール1004から新しい集約メトリック1022を受信したことに応答して、直近に受信した集約メトリック1022を、過去12時間にわたって受信した集約メトリック1022と比較することによって、約5分ごとにユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。
【0151】
1つ以上の実施形態では、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、直近に生成された集約メトリック1022(例えば、メトリック決定モジュール1004によって直近に生成された低血糖リスク値及び高血糖リスク値)を受信し、以前に受信した集約メトリック1022に基づいて予測集約メトリック(例えば、予測低血糖リスク値及び予測高血糖リスク値)を生成する。コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、予測集約メトリックを受信した集約メトリックと比較し、予測集約メトリックと受信した集約メトリックとが特定量よりも大きく異なる(例えば、5.5などの閾値量よりも大きい)場合、過去に収集された測定値1020に対してユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在すると判定する。コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、集約メトリック1022に基づいて検出された偏差のインジケーションを出力する。
【0152】
図11は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006の例示的な実装形態の図である。
図11の例では、集約メトリック1022は、低血糖リスク値及び高血糖リスク値を含む。低血糖リスク値及び高血糖リスク値を参照して説明したが、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、低血糖リスク値及び高血糖リスク値に加えて、又はその代わりに、任意の他の集約メトリックを同様に使用することができることに留意されたい。
【0153】
図11の例では、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、低血糖リスク値予測モジュール1102と、高血糖リスク値予測モジュール1104と、偏差識別モジュール1106と、を含む。低血糖リスク値1108及び1110並びに高血糖リスク値1112及び1114は、上述のように、収集された測定値1020からメトリック決定モジュール1004によって生成される。図示されるように、低血糖リスク値及び高血糖リスク値は、測定値1020の集合ごとに生成される。低血糖リスク値1108は、低血糖リスク値予測モジュール1102に提供される。低血糖リスク値予測モジュール1102は、過去の低血糖リスク値1108に基づいて、直近に受信した低血糖リスク値(
図11の例では低血糖リスク値1110)の予測リスク値1116を生成する。同様に、高血糖リスク値1112は、高血糖リスク値予測モジュール1104に提供される。高血糖リスク値予測モジュール1104は、過去の高血糖リスク値1112に基づいて、直近に受信した高血糖リスク値(
図11の例では高血糖リスク値1114)の予測リスク値1118を生成する。
【0154】
1つ以上の実装形態では、低血糖リスク予測モジュール1102は、機械学習システムを使用して予測リスク値1116を生成し、高血糖リスク値予測モジュール1104は、機械学習システムを使用して予測リスク値1118を生成する。機械学習システムは、未知の関数を近似するために、入力に基づいて調整(例えば、トレーニング)され得るコンピュータ表現を指す。特に、機械学習システムは、既知のデータのパターン及び属性を反映する出力を生成するように学習するために、既知のデータを分析することによって、既知のデータから学習し、既知のデータに対して予測を行うアルゴリズムを利用するシステムを含むことができる。例えば、機械学習システムは、決定木、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティック回帰、ベイジアンネットワーク、ランダムフォレスト学習、次元削減アルゴリズム、ブースティングアルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、深層学習などを含むことができる。
【0155】
低血糖リスク値予測モジュール1102の機械学習システムは、例えば、複数のリスク値のセットである訓練データを使用することによって訓練される。複数(X個)のリスク値の各セットは、測定値の複数の集合ごとに低血糖リスク値(値1、...、X-1)を含む。機械学習システムは、訓練データ値(1、...、X-1)に基づいて予測低血糖リスク値を生成し、機械学習システムは、予測低血糖リスク値1116と実際の低血糖リスク値(値X)との間の損失を最小化するように機械学習システム内で層の重み又は値を更新することによって訓練される。機械学習システムをトレーニングする際に、クロスエントロピー損失、平均二乗誤差損失などの様々な異なる損失関数を使用することができる。
【0156】
同様に、高血糖リスク値予測モジュール1104の機械学習システムは、例えば、複数のリスク値のセットである訓練データを使用することによって訓練される。この訓練データは、低血糖リスク値予測モジュール1102の機械学習システムを訓練するために使用されるものと同じ訓練データであり得る。複数(X個)のリスク値の各セットは、測定値の複数の集合ごとに高血糖リスク値(値1、...、X-1)を含む。機械学習システムは、訓練データ値(1、...、X-1)に基づいて予測高血糖リスク値を生成し、機械学習システムは、予測高血糖リスク値1118と実際の高血糖リスク値(値X)との間の損失を最小化するように機械学習システム内で層の重み又は値を更新することによって訓練される。機械学習システムをトレーニングする際に、クロスエントロピー損失、平均二乗誤差損失などの様々な異なる損失関数を使用することができる。
【0157】
1つ以上の実施形態では、ユーザは、1つ以上の類似特性を有する異なる母集団に分けられる。ユーザ102は、これらの異なる母集団のうちの1つの一部であり、低血糖リスク値予測モジュール1102及び高血糖リスク値予測モジュール1104の機械学習システムは、ユーザ102と同じ母集団に属する他ユーザから取得された訓練データを使用して(例えば、ユーザ102と同じ母集団に属さないユーザから取得された全てのデータを除外して)訓練される。母集団は、様々な異なる方法のいずれかで定義され得る。1つ以上の実施形態では、母集団は、糖尿病診断によって定義される(例えば、ユーザは糖尿病ではない、ユーザは1型糖尿病である、又はユーザは2型インスリン非依存性糖尿病である)。追加的に又は代替的に、母集団は、例えば年齢ベースの母集団など異なる方法で定義される。例えば、母集団は、ユーザが成人であるか、又は子供であるか(例えば、18歳超又は18歳未満)、ユーザが属する年齢層(例えば、0~5歳、5~10歳、10~20歳、20~30歳など)などに基づいている。別の例として、母集団は、高血圧、肥満、心血管疾患、神経障害、腎症、網膜症、アルツハイマー病、うつ病など、ユーザが有し得る追加の医学的状態に基づいて定義され得る。別の例として、母集団は、運動又は他の身体活動、睡眠パターン、労働時間対余暇時間など、ユーザの習慣又は活動に基づいて定義され得る。別の例として、母集団は、グルコース測定値114が取得される方法又はグルコース測定値114を取得するために使用される機器、例えば、グルコース測定値114がCGMを介して取得されるか否か、装着型グルコースモニタリングデバイス104のブランド、グルコース測定値114の取得頻度など、に基づいて定義され得る。
【0158】
別の例として、母集団は、ユーザの過去のグルコース測定値114に基づいて、例えば、過去のグルコース測定値114に基づいてクラスタリングすることによってユーザをグループ化することなどによって定義され得る。そのようなクラスタの例としては、高血糖変動性を有するユーザ、頻繁に低血糖になるユーザ、頻繁に高血糖になるユーザなどが挙げられる。別の例として、ユーザは、ユーザの過去の活動データ(例えば、ユーザが装着する活動トラッカから取得した歩数、エネルギー消費量、運動分数、睡眠時間など)を使用することによるクラスタリングによってグループ化され得る。そのようなクラスタの例としては、1日当たりの平均歩数が高いユーザ、1日当たりの平均エネルギー消費量が低いユーザ、平均睡眠時間数が低いユーザなどが挙げられる。
【0159】
ユーザを異なる母集団に分けることにより、グルコースレベル偏差検出システム306が、同様の特性を有する他ユーザからのデータに基づいて機械学習システムを訓練することなどによって、特定のユーザ102に合わせてカスタマイズされることが可能になる。これは、特定のユーザ102とは異なるユーザからのデータを考慮する必要がないので、低血糖リスク値予測モジュール1102及び高血糖リスク値予測モジュール1104の機械学習システムの精度を改善する。
【0160】
別個の低血糖リスク値予測モジュール1102及び高血糖リスク値予測モジュール1104が論じられているが、追加的に又は代替的に、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、予測リスク値1116及び予測リスク値1118(及び任意選択で追加の集約メトリック)の両方を生成する単一のリスク値予測モジュールを含む。例えば、単一の機械学習システムを訓練して、予測リスク値1116及び予測リスク値1118(及び任意選択で他の予測集約メトリック)の両方を生成することができる。追加的に又は代替的に、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は、他の集約メトリック(例えば、平均グルコース、平均変動係数、平均範囲内時間など)の予測集約メトリックを生成する予測モジュールを含み得る。
【0161】
偏差識別モジュール1106は、予測リスク値1116及び実際のリスク値1110に基づいて、ユーザ102のグルコースレベルに低血糖偏差が存在するか否かを判定する。偏差識別モジュール1106は、様々な異なる方法のいずれかでこの判定を行うことができる。1つ以上の実施形態では、偏差識別モジュール1106は、予測リスク値1116及び実際のリスク値1110が少なくとも閾値量だけ異なることに応答して、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在すると判定する。この閾値量は、固定値(例えば、5.5)又は可変値(例えば、予測リスク値1116又は実際のリスク値1110の10%)であり得る。
【0162】
同様に、偏差識別モジュール1106は、予測リスク値1118及び実際のリスク値1114に基づいて、ユーザ102のグルコースレベルに高血糖偏差が存在するか否かを判定する。偏差識別モジュール1106は、様々な異なる方法のいずれかでこの決定を行うことができる。1つ以上の実施形態では、偏差識別モジュール1106は、予測リスク値1118及び実際のリスク値1114が少なくとも閾値量だけ異なることに応答して、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在すると判定する。この閾値量は、固定値(例えば、5.5)又は可変値(例えば、予測リスク値1118又は実際のリスク値1114の10%)であり得る。
【0163】
偏差識別モジュール1106は、ユーザ102についてグルコースレベルの偏差(高血糖又は低血糖)が存在するか否かを示す偏差インジケーション1026を出力する。
【0164】
したがって、偏差識別モジュール1106は、低血糖リスク値予測モジュール1102及び高血糖リスク値予測モジュール1104による予測における誤差に焦点を当てていることが分かる。大きな予測誤差は、収集された測定値1020内のグルコース測定値が予測不能な様式で変化しており、したがって予測測定値から潜在的に逸脱していることを示す。
【0165】
図10に戻ると、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、ユーザのグルコースレベルの拡張履歴において見出される、繰り返される、典型的なグルコースレベル傾向からリアルタイム偏差を検出する。検出が、ユーザのグルコースレベルの拡張履歴(例えば、過去3日間、過去2週間など)のコンテキストで現在のグルコースレベルに基づいて検出が行われるので、これは、コンテキストベースの外れ値検出とも呼ばれる。コンテキスト偏差検出モジュール1008は、集約メトリック1022を受信し、集約メトリック1022に基づいて、直近に収集された(例えば、過去1時間にわたって受信した)測定値1020が、以前に(例えば、過去3~14日のそれぞれの対応する期間にわたって)収集された測定値1020に対するユーザ102のグルコースレベルの偏差を示すか否かを判定する。
【0166】
コンテキスト偏差検出モジュール1008は、最近の期間及び過去複数日のそれぞれにおける対応する期間に基づいて、ユーザ102のグルコースレベルの偏差が存在するか否かを判定する。コンテキスト偏差検出モジュール1008は、メトリック決定モジュール1004から1つ以上の集約メトリック1022を受信する。同一の集約メトリックとして示されているが、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008は、任意選択的に、異なる集約メトリックを受信する。例えば、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008は、異なる期間又は過去数分間にわたって収集された測定値1020に基づいて、異なる時間間隔で集約メトリック1022を受信し得、異なるメトリックについて集約メトリックを受信し得る(例えば、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は低血糖リスク値及び高血糖リスク値を受信し得、コンテキスト偏差検出モジュール1008は血糖変動メトリックの平均グルコース及び平均振幅を受信し得る)などである。
【0167】
1つ以上の実装形態では、メトリック決定モジュール1004は、(過去60分間など特定期間のローリング窓を使用して)約5分ごとに集約メトリック1022を生成し、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、メトリック決定モジュール1004から新しい集約メトリック1022を受信したことに応答して、特定の期間について受信された集約メトリック1022と、過去の複数日のそれぞれの対応する期間について受信された集約メトリック1022と、を比較することによって、約5分ごとにユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。データ収集モジュール1002は、測定値1020の集合を生成することができ、メトリック決定モジュール1004は、グルコース測定値114の受信に応答して、1つ以上の集約メトリック1022を生成することができる。
【0168】
コンテキスト偏差検出モジュール1008は、直近に生成された集約メトリック1022(例えば、メトリック決定モジュール1004によって直近に生成された低血糖リスク値及び高血糖リスク値)を、過去の複数日のそれぞれの対応期間における集約メトリックと、様々な異なる方法のいずれかで比較して、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定することができる。
【0169】
1つ以上の実施形態では、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、過去の複数日のそれぞれの対応期間について集約メトリックを表す又は組み合わせる値を生成する。例えば、この値は、過去の複数日のそれぞれにおける(又は過去の複数日のサブグループにおける)リスク値の平均、過去の複数日のそれぞれにおける(又は過去の複数日のサブグループにおける)リスク値の平均など、様々な統計値のいずれかであり得る。コンテキスト偏差検出モジュール1008は、過去の複数日のそれぞれの対応する期間の集約メトリックを表す値と、直近に生成された集約メトリック1022との差が少なくとも閾値量であることに応答して、ユーザ102のグルコースレベルの偏差が存在すると判定する。この閾値量は、固定値(例えば、7)又は可変値(例えば、直近に受信した集約メトリック1022の10%、又は過去の複数日のそれぞれの対応する期間の集約メトリックを表す値の10%)であり得る。
【0170】
コンテキスト偏差検出モジュール1008は、直近に生成された集約メトリックと比較するための過去の日数(又は過去の日)を決定するために、様々な規則又は基準のいずれかを使用し得る。例えば、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、直近に生成された集約メトリックを、14日など事前定義の日数にわたって過去の日のそれぞれの集約メトリックと比較することができる。日数は、コンテキスト偏差検出モジュール1008の開発者又は設計者によって、ユーザ102からのユーザ入力によって、医療提供者からの入力によってなど、様々な方法で事前定義され得る。別の例として、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、直近に生成された集約メトリックを少なくとも特定の日数の集約メトリックと比較することができ、次いでその数を増加させる(例えば、過去3日間の集約メトリック、次いで過去4日間の集約メトリック、次いで過去5日間の集約メトリックなど)。
【0171】
コンテキスト偏差検出モジュール1008は、メトリック決定モジュール1004によって生成された集約メトリックに基づいて、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを判定する。コンテキスト偏差検出モジュール1008は、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在するか否かを示す偏差インジケーション1028(例えば、及びグルコースレベルの偏差の識別をもたらす集約メトリックのインジケーション)を出力する。
【0172】
図12は、偏差インジケーション1028を生成する例1200を示す。
図12の例では、集約メトリック1022は低血糖リスク値を含む。低血糖リスク値を参照して説明したが、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、低血糖リスク値に加えて、又はその代わりに、任意の他の集約メトリックを同様に使用することができることに留意されたい。
【0173】
図12の例では、例1200は、複数日(12月27日~1月1日)にわたるグルコース測定値及びリスク値のグラフ1202を示す。グラフ1202は、右側に0~300の範囲のグルコース測定値、左側に0~30の範囲の高血糖リスク値を示す。実線1204はグルコース測定値をプロットし、破線1206は高血糖リスク値の前兆をプロットする。複数のリスク値1208は、1時間の期間にわたって生成される。
【0174】
図示の例では、メトリック決定モジュール1004は、(60分の期間のローリング窓を使用して)約5分ごとに高血糖リスク値1208を生成する。コンテキスト偏差検出モジュール1008は、メトリック決定モジュール1004から新しい高血糖リスク値1210を受信したことに応答して、当日の前60分間についてのユーザ102のグルコースレベルと、過去の複数日のそれぞれにおける対応する期間の高血糖リスク値1212とに偏差が存在するか否かを判定する。図示の例では、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、2022年1月1日の午後3:40頃にリスク値1210を受信し、リスク値1210を、2021年12月27日~2021年12月31日の各日からの同じ前60分(午後2:40~午後3:40)に対応するリスク値1212と比較する。
【0175】
図示の例では、コンテキスト偏差検出モジュール1008は、直近に生成された高血糖リスク値と直前3日間の高血糖リスク値を表す値との差が少なくとも閾値量であることに応答して、ユーザ102のグルコースレベルに偏差が存在すると判定する。各日の高血糖リスク値は、グラフ1202において円で示されており、直前3日間の高血糖リスク値は、クロスハッチングされた塗りつぶしの円によって示されている。
【0176】
図10に戻ると、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008はそれぞれ、他のモジュールが検出することができないグルコースレベル偏差の検出を可能にする。例えば、ある期間にわたるグルコースレベルが、前12時間については小さな範囲内で比較的一貫しているが、過去数日の対応する期間とは大きく異なる場合がある。したがって、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は偏差を検出しないが、コンテキスト偏差検出モジュール1008は偏差を検出する。別の例として、ある期間にわたるグルコースレベルは、過去数日の対応する期間と比較的一貫しているが、前12時間とは大きく異なる場合がある。したがって、コンテキスト偏差検出モジュール1008は偏差を検出しないが、コンテンツベース偏差検出モジュール1006は偏差を検出する。
【0177】
偏差選択モジュール1010は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008から、それぞれ偏差インジケーション1026及び偏差インジケーション1028を受信する。偏差選択モジュール1010は、偏差インジケーション1026及び偏差インジケーション1028のうちの1つ以上を選択し、(例えば、記憶デバイス118上に維持される)偏差識別ライブラリ1032から対応する偏差識別情報1030を取得する。取得した偏差識別情報1030は、対応する偏差インジケーション1026又は偏差インジケーション1028を識別するか、又は説明する、別のデバイス、ユーザ、医療専門家などに表示され得るか、又は通信され得るメッセージ又は通信である。偏差選択モジュール1010は、取得した対応する偏差識別情報1030をUIモジュール1012(又はフィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122)に提供する。
【0178】
偏差選択モジュール1010は、様々な異なる方法のいずれかで、偏差インジケーション1026又は偏差指示1028に対応する偏差識別情報1030を決定する。1つ以上の実装形態では、偏差選択モジュール1010は、偏差識別情報1030の偏差インジケーションへのマッピングを維持する。追加的に又は代替的に、偏差選択モジュール1010は、様々な他の規則又は基準のいずれかを使用して、偏差インジケーション1026又は偏差インジケーション1028に対応する偏差識別情報1030を決定することができる。
【0179】
1つ以上の実施形態では、偏差選択モジュール1010は、偏差インジケーション1026及び偏差インジケーション1028において識別された各偏差について偏差識別情報1030を選択する。これにより、偏差選択モジュール1010が、UIモジュール1012(又はフィードバック提示システム122)によって表示されるか、若しくは別様に提示される複数の偏差識別情報1030を選択するようになる。
【0180】
追加的に又は代替的に、複数の偏差識別情報が受信される状況では、偏差選択モジュール1010は、偏差のサブセット(例えば、1つ)を選択する。偏差選択モジュール1010は、複数の偏差のうちの1つをランダムに又は擬似ランダムに選択するなど、様々な方法で複数の偏差のうちの1つを選択することができる。追加的に又は代替的に、偏差選択モジュール1010は、複数の偏差に優先度を付け、最も高い優先度を有する、複数の偏差のうちの1つを選択することができる。例えば、最も高い優先度を有する偏差が選択される。
【0181】
偏差選択モジュール1010は、任意選択的に、様々な基準を使用して、複数の偏差のうちの選択する偏差を決定する。これらの基準は、偏差がどの程度前に発生したか、偏差又はメトリックのランク又は優先度、偏差又はメトリックのカテゴリ、偏差又はメトリックが発生した連続日数など様々な要因に基づき得る。例えば、それほど最近ではない、以前に発生した偏差は、より最近に発生した偏差よりも優先して選択される。例えば、これにより、別の偏差が選択されることを可能にし、同じ偏差があまりに頻繁に繰り返し表示されないようにする。
【0182】
別の例として、偏差選択モジュール1010は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008のうちの一方から、他方よりも優先して偏差を選択することができる。例えば、偏差選択モジュール1010は、コンテキスト偏差検出モジュール1008によって識別された偏差よりも優先して、コンテンツベース偏差検出モジュール1006によって識別された偏差を選択し得る。又は、偏差選択モジュール1010は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008のうちの一方から、最も長期間識別されていない偏差を選択し得る。
【0183】
別の例として、(例えば、偏差選択モジュール1010の開発者又は設計者によって)緊急性又は安全性への関連が高いと指定された偏差は、緊急性又は安全性への関連が低い偏差よりも優先して選択される。例えば、これにより、緊急性又は安全性関連の特徴(例えば、範囲内に留まらない、又は閾値グルコースレベルを超えない)に対応する偏差が、他の非緊急性又は非安全性関連の特徴よりも優先して選択され、より重要な糖尿病管理情報をユーザに表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0184】
別の例として、(例えば、ユーザ102によって)より高い優先度であると指定された偏差は、(例えば、ユーザ102によって)より低い優先度であると指定された偏差よりも優先して選択され得る。例えば、これにより、ユーザにとって関心の低い偏差ではなく、ユーザにとって関心の高い偏差を表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0185】
別の例として、偏差選択モジュール1010は、偏差が少なくとも閾値時間中に選択されていない場合にのみ偏差を選択し得る。例えば、偏差選択モジュール1010は、偏差が少なくとも30分間又は2日間選択されなかった場合にのみ偏差を選択し得、偏差選択モジュール1010は、特定の偏差が最後に選択されてから少なくとも閾値数(例えば、3又は5)の他の偏差が選択された場合にのみ、その特定の偏差を選択し得るなどである。
【0186】
別の例として、偏差選択モジュール1010は、ユーザ102がその一部である母集団に基づいて偏差を選択し得る。母集団は、上述したように様々な方法で定義され得るか、又は記述され得る。例として、特定の偏差は、ユーザが1型糖尿病であるか2型糖尿病であるかに基づいて、ユーザの年齢に基づいて、ユーザが有する他の医学的状態に基づいて、他の偏差よりも優先して選択され得る。
【0187】
別の例として、偏差選択モジュール1010は、他の要因又は様々な医学的ソースからの入力に基づいて偏差を選択し得る。例として、特定の偏差は、主題の専門家(例えば、糖尿病管理分野の専門家)、臨床ガイドライン、専門文献などからの入力に基づいて、他の偏差よりも優先して選択され得る。
【0188】
UIモジュール1012は、1つ以上の偏差識別情報1030を受信し、(例えば、コンピューティングデバイス106において)偏差識別情報1030を表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。追加的に又は代替的に、1つ以上の偏差識別情報1030は、臨床医、薬剤師、他の医療提供者などに通信され得るか、又は別様に提示され得る。
【0189】
UIモジュール1012(又はフィードバック提示システム122)によって提示される、偏差識別情報1030向けの特定のコンテンツ又はメッセージは、様々であり得る。偏差識別情報1030内のコンテンツ又はメッセージは、選択された偏差に基づいた、任意の適切なテキスト又は他のコンテンツであり得る。そのようなコンテンツ又はメッセージの例としては、「グルコースは、通常よりも少し高いです」、「グルコースは、通常よりも少し低いです」、「グルコースは、過去数日の午後よりも少し高いです」、「グルコースは、今朝からかなり上昇しています」、「グルコースは、今朝以降の最高レベルに増加しています」、「グルコースは、過去数日の各日のこの時間よりも高いです」などが挙げられる。
【0190】
したがって、偏差識別情報1030内のコンテンツ又はメッセージは、正常な行動から離れる傾向にある偏差を肯定的に、又は自己の利益になるように褒める応答など肯定的な応答であり得る。追加的に又は代替的に、偏差識別情報1030内のコンテンツ又はメッセージは、悪化パターンを未然に食い止めるために、否定的な傾向にある偏差を認めるなどの先制的警告であり得る。
【0191】
UIモジュール1012は、任意選択的に、様々な異なるタイミングのいずれかにおいて、偏差識別情報1030を通信するか、表示するか、又は別様に提示することができる。1つ以上の実施形態では、UIモジュール1012は、偏差選択モジュール1010から偏差識別情報1030を受信したことに応答して(例えば、コンテンツベース偏差検出モジュール1006又はコンテキスト偏差検出モジュール1008によって偏差が検出されるのとほぼ同時に)、偏差識別情報1030を通信するか、表示するか、又は別様に提示する。追加的に又は代替的に、UIモジュール1012は、食事の完了時に、規則的又は不規則な間隔で(例えば、約5分ごとに、偏差選択モジュール1010が5分ごとに複数の偏差識別情報1030のうちの異なる1つを任意選択的に選択すると)、最新の偏差識別情報1030を要求するユーザ入力に応答してなど、他の時間に、偏差識別情報1030を通信するか、表示するか、又は別様に提示する。
【0192】
グルコースレベル偏差検出システム306は、任意選択的に、検出された偏差(又はその欠如)に基づいて追加のアクションを行う。1つ以上の実装形態では、これらのアクションは、グルコース測定値114の生成頻度が増減し得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知することを含む。例えば、グルコースレベル偏差検出システム306が、偏差が検出されない(例えば、複数日の)期間を識別する場合、グルコースレベル偏差検出システム306は、当該期間中にグルコース測定値114の生成頻度を(例えば、5分ごとから10分ごとに)低減して、グルコース測定値114の生成に消費される電力を低減し得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知する。別の例として、グルコースレベル偏差検出システム306がある期間の偏差を識別した場合、グルコースレベル偏差検出システム306は、グルコース測定値114の生成頻度を、以降数日の当該期間中又は当日以降の期間中に(例えば、5分ごとから2分ごとに)増加させて、グルコース測定値114の数の増加に起因して生成されるリスク値の精度を増加させ得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知する。
【0193】
集約メトリック1022を使用するものとして説明されたが、追加的に又は代替的に、収集された測定値1020は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008の一方又は両方に提供される。そのような状況では、コンテンツベース偏差検出モジュール1006又はコンテキスト偏差検出モジュール1008は、上記の説明に類似するが、集約メトリック1022ではなく収集された測定値1020を使用して偏差を識別する。
【0194】
更に、グルコースレベル偏差検出システム306は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008の両方を含むものとして説明されており、これらは同時に動作して、偏差インジケーションを生成することができる。追加的に又は代替的に、グルコースレベル偏差検出システム306は、コンテンツベース偏差検出モジュール1006及びコンテキスト偏差検出モジュール1008のうちの1つのみを含む。
【0195】
上述したように、偏差識別情報1030は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得ることに留意されたい。そのような状況では、グルコースレベル偏差検出システム306は、UIモジュール1012を含む必要はない。追加的に又は代替的に、偏差インジケーション1026及び1028は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得る。そのような状況では、フィードバック提示システム122は、以下でより詳細に論じられるように、任意選択的にフィードバックライブラリ1032を使用して、ユーザ(又は臨床医若しくは薬剤師など他人)に提供される偏差を識別する。フィードバック提示システム122は、任意選択的に、偏差選択モジュール1010に関して本明細書で論じられる技法のうちの任意の1つ以上を使用して、ユーザに対して識別される偏差を識別する。
【0196】
図13及び
図14は、グルコースレベル偏差検出を実施するための手順の例を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。
【0197】
図13は、グルコースレベル偏差検出を実施する例における手順1300を示す。手順1300は、例えば、グルコースレベル偏差検出システム306などグルコースレベル偏差検出システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0198】
複数の期間ごとにユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック1302)。これらのグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。これらの期間は、例えば30分間である。
【0199】
複数の各期間中に、1つ以上の集約メトリックをユーザに対して生成する(ブロック1304)。これらの1つ以上の集約メトリックとしては、例えば、高血糖リスク値及び低血糖リスク値(例えば、高血糖指数及び低血糖指数)、平均グルコース、平均変動係数、平均範囲内時間などが挙げられ得る。
【0200】
集約メトリックは、一連の過去の複数期間中に測定されたグルコース測定値からの偏差を示す(ブロック1306)。例えば、直近に生成された集約メトリックが、前12時間中に測定されたグルコース測定値からの偏差を示すか否かに関する判定を行う。
【0201】
偏差を識別するユーザインタフェースを生成する(ブロック1308)。いくつかの状況では、ブロック1304において複数の偏差が示され得、そのような状況では、ブロック1308のユーザインタフェースに含めるために、識別した偏差のうちの1つ以上を選択する。
【0202】
識別した偏差を含むユーザインタフェースを表示させる(ブロック1310)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、識別した、又は選択した偏差を、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0203】
図14は、グルコースレベル偏差検出を実施する別の例における手順1400を示す。手順1400は、例えば、グルコースレベル偏差検出システム306などグルコースレベル偏差検出システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0204】
当日のある期間についてのユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック1402)。これらのグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。この期間は、例えば30分間である。
【0205】
当日の当該期間中に、1つ以上の集約メトリックをユーザについて生成する(ブロック1404)。これらの1つ以上の集約メトリックとしては、例えば、高血糖リスク値及び低血糖リスク値(例えば、高血糖指数及び低血糖指数)、平均グルコース、平均変動係数、平均範囲内時間などが挙げられ得る。
【0206】
過去の複数日のそれぞれの対応する期間中に、ユーザについて集約メトリックを生成する(ブロック1406)。例えば、これらの対応する期間は、当日の期間と同じ30分間である。この集約メトリックは、ブロック1404で生成した集約メトリックのうちの少なくとも1つと同じ集約メトリックである。当日の期間の集約メトリックが、過去の複数日の対応する期間中に測定されたグルコース測定値からの偏差を示すか否かについての判定を行う(ブロック1408)。
【0207】
偏差を識別するユーザインタフェースを生成する(ブロック1410)。いくつかの状況では、ブロック1408において複数の偏差が示され得、そのような状況では、ブロック1410のユーザインタフェースに含めるために、識別した偏差のうちの1つ以上を選択する。
【0208】
識別した偏差を含むユーザインタフェースを表示させる(ブロック1412)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、識別した、又は選択した偏差を、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0209】
行動修正識別システムのアーキテクチャ
概して、行動修正識別システム308は、グルコース測定値のデータストリームを受信する。特定期間について1つ以上の特徴が生成され、記憶され、各特徴は、グルコース測定値から計算され得、ユーザが有益な糖尿病管理行動に関与しているか否かを示す値である。特徴は、特定期間についてのデータストリーム内のデータの表現又は要約であるメトリックを含み得る。これらの期間は、例えば、1日の間の異なる複数時間の時間ブロックである。例えば、1日は、真夜中から午前6時までの第1の期間(睡眠又は夜間に対応する)、午前6時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後6時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後6時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含み得る。これらの期間は、固定され得るか、又は様々な受信データに基づいて適応的に識別され得る(例えば、睡眠開始は、活動モニタによって検出され得、当該日の「睡眠」期間の開始を決定するために使用され得る、ユーザ入力は、期間の開始時間又は終了時間を指定し得る(例えば、ユーザに表示されるユーザ設定ユーザインタフェースを介して受信されるユーザ入力)など)。
【0210】
期間の特徴は、1週間などの時間窓にわたって集約される。これらの集約された特徴は、有益な糖尿病管理行動が関与していないことを示すパターンを識別するために使用される。例えば、ある特徴は、範囲内時間特徴(例えば、範囲は、70ミリグラム/デシリットル(mg/dL)~180mg/dLの間のグルコースレベルである)であり得、有益な糖尿病管理行動が関与していないことを示すパターンは、1週間にわたる特定期間の範囲内時間が70%未満であることであり得る。有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正フィードバックが、識別されたパターンごとに生成される。潜在的な行動修正フィードバックのうちの少なくとも1つが選択され、ユーザに表示されるか、又は別様に提示される。
【0211】
実行可能な目標とも呼ばれる行動修正フィードバックは、ユーザが自身の糖尿病管理を変更(例えば、改善)するために行うことができる1つ以上のアクションを指す。行動修正の例としては、「今週3回は、夕方に散歩して下さい」、「今週2晩は、低炭水化物の夕食にして下さい」、「就寝間際に食べないように、毎晩食べない時間を設定して下さい」などが挙げられる。
【0212】
本明細書で説明される技法は、糖尿病管理を改善するための行動修正フィードバックを生成し、そのような通知をユーザに提供する。これにより、ユーザが自身の健康、寿命、糖尿病管理などを改善するために有益かつ実用的である方法で、目標又は行動修正フィードバックをユーザに提供する。このため、ユーザがライフスタイルを適切に変更することが可能になり、ユーザが行動修正フィードバックに従う場合には、グルコースレベルを注意深くモニタリングする必要性が低減する。
【0213】
更に、本明細書で論じられる技法は、糖尿病管理を改善する方法の目標又は提案が生成され、ユーザに提示されることを可能にする。したがって、未処理のグルコースデータを単純に表示するのではなく、本明細書で論じられる技法は、ユーザが、未処理のグルコースデータのみに基づいて糖尿病管理の方法を考え出そうとする必要なく、糖尿病管理を改善することができるように、有用なアクション又は手順がユーザに対して識別されることを可能にする。
【0214】
図15は、行動修正識別システム308の例示的なアーキテクチャの図である。行動修正識別システム308は、グルコース測定値収集モジュール1502と、特徴決定モジュール1504と、パターン検出モジュール1506と、標準化モジュール1508と、マッピングモジュール1510と、行動修正選択モジュール1512と、UIモジュール1514(任意選択)と、を含む。概して、行動修正識別システム308は、ユーザ102のグルコース測定値114を分析し、ユーザによる不十分な(又は最適ではない)糖尿病管理を示す、グルコース測定値114内のパターンを探す。不十分な糖尿病管理は、グルコース測定値114が特定範囲内に留まらないこと、グルコース測定値114が特定量を超えて変動することなど、様々な方法で定量化され得る。1つ以上の実装形態では、行動修正識別システム308は、複数の時間窓にわたる時間窓の所与の期間(例えば、複数日のそれぞれにおける午前6時から正午など所与の複数時間期間)についてグルコース測定値114内のパターンを識別することによって不十分な糖尿病管理を識別する。
【0215】
グルコース測定値収集モジュール1502は、グルコース測定値114と、任意選択的に、グルコース測定値114のそれぞれが取得された(例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104によって)又は受信された(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116によって)時刻を示すタイムスタンプと、を含む。タイムスタンプは、例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104又はグルコースモニタリングアプリケーション116によって提供され得る。グルコース測定値収集モジュール1502は、グルコース測定値114を異なる期間にグループ化し、グループ化測定値1520と呼ばれる。
【0216】
1つ以上の実装形態では、各期間は、1日の一部(又は他の24時間間隔)である。これらの期間は、特定の糖尿病管理の決定及びライフスタイルの選択の影響を捉えるように選択される。1つ以上の実装形態では、各日は、ユーザが食事する時刻及びユーザが就寝する時刻に基づいて複数の期間に分割される。例えば、1日は、真夜中から午前6時までの第1の期間(睡眠又は夜間に対応する)、午前6時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後6時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後6時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含み得る。追加的に又は代替的に、追加期間は、ユーザが運動するときなどグルコースレベルに影響を及ぼす他のユーザアクションに対応し得る。
【0217】
グルコースモニタリングアプリケーション116は、任意選択的に、ユーザ102が自身の典型的なスケジュールに合わせて期間をカスタマイズすることができるユーザインタフェースを提供する。例えば、ユーザ102が通常、午後10時に就寝し、午前7時に朝食を食べ、正午に昼食を食べ、午後5時に夕食を食べると仮定する。これらの時間は、(例えば、ユーザによって)グルコースモニタリングアプリケーション116に提供され得、グルコースモニタリングアプリケーション116は、午後10時から午前7時までの第1の期間(睡眠又は夜間に対応する)、午前7時から正午までの第2の期間(朝食後に対応する)、正午から午後5時までの第3の期間(昼食後に対応する)、及び午後5時から真夜中までの第4の期間(夕食後に対応する)を含むように1日の期間を決定する。1日は、4以外の数の期間に分割されてもよい。例えば、ユーザ102が通常、午後10時に就寝し、午前5時に運動し、午前7時に朝食を食べ、午前11時に昼食を食べ、午後2時におやつを食べ、午後6時に夕食を食べると仮定する。これらの時間は、グルコースモニタリングアプリケーション116に提供され得、グルコースモニタリングアプリケーション116は、午後10時から午前5時までの第1の期間(睡眠又は夜間に対応する)、午前5時から午前7時までの第2の期間(運動に対応する)、午前7時から午前11時までの第3の期間(朝食後に対応する)、午前11時から午後2時までの第4の期間(昼食後に対応する)、午後2時から午後6時までの第4の期間(おやつに対応する)及び午後6時から午後10時までの第6の期間(夕食後に対応する)を含むように1日の期間を決定する。
【0218】
追加的に又は代替的に、ユーザ102の異なる期間は、グルコースモニタリングアプリケーション116に利用可能な種々のデータ(例えば、活動トラッカからの運動又は睡眠パターン、食物又はカロリー追跡アプリケーションからの食事パターン)をモニタリングすることによって、グルコースモニタリングアプリケーション116によって自動的に学習されるか、又は直接検出される(例えば、活動トラッカによって検出される睡眠開始)ことができる。活動トラッカから睡眠開始及び睡眠停止を検出し、睡眠開始時刻及び睡眠停止時刻を使用して睡眠に対応する期間を決定するなど、グルコースモニタリングアプリケーション116に利用可能な様々なデータに基づいて期間を決定するために様々な規則又は基準を使用することができる。
【0219】
1つ以上の実装形態では、グルコースモニタリングアプリケーション116は、機械学習システムを使用して、ユーザ102の異なる期間を決定する。機械学習システムは、未知の関数を近似するために、入力に基づいて調整(例えば、トレーニング)され得るコンピュータ表現を指す。特に、機械学習システムは、既知のデータのパターン及び属性を反映する出力を生成するように学習するために、既知のデータを分析することによって、既知のデータから学習し、既知のデータに対して予測を行うアルゴリズムを利用するシステムを含むことができる。例えば、機械学習システムは、決定木、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティック回帰、ベイジアンネットワーク、ランダムフォレスト学習、次元削減アルゴリズム、ブースティングアルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、深層学習などを含むことができる。
【0220】
機械学習システムは、例えば、複数のデータ(例えば、1日の間の運動、睡眠、又は食事の回数)と、運動、睡眠、又は食事が行われた時刻を示すタイムスタンプとのセットである訓練データを使用することによって訓練される。既知のラベルは、データが対応する期間を示す複数のデータのセットに関連付けられている。機械学習システムは、訓練データについて機械学習システムによって生成された期間と訓練データの対応する既知のラベルとの間の損失を最小限に抑えるように、機械学習システム内の層の重み又は値を更新することによって訓練される。機械学習システムをトレーニングする際に、クロスエントロピー損失、平均二乗誤差損失などの様々な異なる損失関数を使用することができる。
【0221】
1つ以上の実装形態では、機械学習システムは、グルコースモニタリングアプリケーション116が経時的に使用されるにつれて経時的に訓練される。例えば、ユーザは、特定の期間が正しいか否かのインジケーションを提供することができ、このインジケーションは、現在の期間に対する既知のラベルとして使用され、機械学習システムを更に訓練するために使用され得る。
【0222】
したがって、異なるユーザに対して異なる期間を確立することができる。更に、異なる日に対して異なる期間を確立することができる。例えば、ユーザ102は、異なる種類の日に異なるスケジュールを有し得る(例えば、週末及び休日に、平日とは異なるスケジュール、勤務日には、非勤務日とは異なるスケジュール)。したがって、異なる種類の日の期間は、ユーザ102によって提供され得るか、又はグルコースモニタリングアプリケーション116の機械学習システムによって決定され得る。
【0223】
1つ以上の実施形態では、異なる期間の時間のブロックは、異なる日にわたってユーザに対して異なり得る。例えば、あるユーザは、通常、午後11時~真夜中の間に就寝し、午前5時30分~午前6時30分の間に起床し得る。任意の所与の日について、ユーザの就寝時間及びユーザの起床時間は、ユーザが装着する活動トラッカからのデータなど種々のデータストリームを使用して検出され得る。したがって、ユーザの睡眠に対応する期間が、ある日は午後11:13~午前6:00、その翌日は午後11:27~午前5:48、その翌日は午後11:45~午前6:12などであり得る。
【0224】
特徴決定モジュール1504は、グループ化測定値1520に基づいて1つ以上の特徴1522を生成する。特徴1522は、グルコース測定値114(及び任意選択的に追加データ)から計算され得、ユーザが有益な糖尿病管理行動又はライフスタイル選択に関与しているか否かを示す任意の値を指す。特徴1522は、グルコース測定値114内の、又は時間窓中の特定期間のデータの表現又は要約であるメトリックであり得る。
【0225】
1つ以上の実装形態では、特徴決定モジュール1504はまた、追加データ1524(例えば、
図3の追加データ302)を受信する。追加データ1524は、不十分な糖尿病管理を識別するために使用され得る、任意の追加データを指す。例えば、追加データ1524は、コンピューティングデバイス106、コンピューティングデバイス106のディスプレイ、又は糖尿病管理への関与レベルを示す他のシステム構成要素とのユーザ対話に関係するデータを含み得る。例えば、このデータとしては、ユーザ102がアプリケーションを閲覧した時刻のタイムスタンプ、並びに閲覧した画面又はUIの部分、ユーザ102がアプリケーション116に入力を提供した(又は別様に対話した)時刻のタイムスタンプ、並びに入力内容、ユーザが行動修正識別システム308によって提供されるフィードバックを閲覧又は認識した時刻のタイムスタンプ、アプリケーション(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116)の閲覧回数又は起動回数、アプリケーション(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116)が閲覧又は起動されたタイミング、グルコースデータ又は以前の洞察若しくは教材を検討するのに費やされた時間、コーチ又は臨床医との対話の頻度などが挙げられ得る。そのようなデータは、グルコースモニタリングアプリケーション116から、コンピューティングデバイス106上で実行されるオペレーティングシステムから、グルコースモニタリングプラットフォーム110からなど、様々なソースから受信することができる。追加データ1524はまた、以下でより詳細に論じられるように、他のソースからの他のデータを含み得る。
【0226】
1つ以上の実装形態では、各特徴1522は、時間窓にわたる特定期間についてグルコース測定値114又は追加データ1524を表すか又は要約する1つ又は2つの値であり、グルコース測定値114を、有益な糖尿病管理及びライフスタイル選択を厳守する数値インジケータに変換する。例えば、各特徴1522は、1週間の間の睡眠に対応する期間の1週間にわたるグルコース測定値114を表すか又は要約する値であり得る。
【0227】
特徴決定モジュール1504は、時間窓内の対応する時間期間について、様々な特徴1522のいずれかを生成する。1つ以上の実装形態では、特徴決定モジュール1504は、グルコース測定値114から、対応する期間における平均グルコース測定値、対応する期間におけるグルコース測定値の変動係数(当該期間におけるグルコース測定値の標準偏差対平均の比率)、当該期間におけるグルコース測定値の標準偏差、受信者動作特性(receiver operating characteristics、ROC)など様々な統計値のいずれかを生成する。
【0228】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、グルコース測定値がグルコースレベルの許容範囲内又は所望の範囲内、例えば、70mg/dL~180mg/dL、又は70mg/dL~130mg/dLの狭い範囲内にあった期間中の時間などの範囲内時間特徴を生成する。この許容範囲又は所望の範囲は、デフォルト範囲であり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されるカスタム範囲であり得る。異なるグルコースレベルの許容範囲又は所望の範囲を有する異なる範囲内時間特徴は、異なる対応する期間に対して生成され得る(例えば、睡眠に対応する期間に対するグルコースレベルの範囲は、昼食後に対応する期間に対するグルコースレベルの範囲とは異なり得る)。
【0229】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、グルコース測定値が特定のグルコースレベル(例えば、180mg/dL又は250mg/dL)を上回った期間中の時間など閾値超過時間特徴を生成する。この特定のグルコースレベルは、デフォルトレベルであり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されたカスタムレベルであり得る。それぞれ異なる特定のグルコースレベルを有する複数の閾値超過時間特徴が生成され得る。
【0230】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、グルコース測定値が特定のグルコースレベル(例えば、又は70mg/dL)を下回った期間中の時間など閾値未満特徴の時間を生成する。この特定のグルコースレベルは、デフォルトレベルであり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されたカスタムレベルであり得る。それぞれ異なる特定のグルコースレベルを有する複数の閾値未満時間特徴が生成され得る。
【0231】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、期間中に受信した最大グルコース測定値である最大グルコース測定値特徴を生成する。
【0232】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、食後グルコースレベルピーク、食後曲線下面積(AUC)、グルコース測定値が特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dl)を上回った食後時間の量など食後特徴を生成する。
【0233】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、特定のグルコース測定値がグルコースレベルの許容範囲内又は所望の範囲内、例えば、70ミリグラム/デシリットル(mg/dL)~180mg/dL、又は70mg/dL~130mg/dLの狭い範囲内にあったか否かを示すインジケーション(例えば、真又は偽)など範囲内空腹時グルコース特徴を生成する。この許容範囲又は所望の範囲は、デフォルト範囲であり得、ユーザ又は医療専門家などによって設定されるカスタム範囲であり得る。グルコースレベルの異なる許容範囲又は所望の範囲を有する異なる範囲内時間特徴は、異なる対応する期間に対して生成され得る。例えば、範囲内空腹時グルコース特徴は、ユーザが毎朝摂取する第1の食物の直前に受信したグルコース測定値、睡眠に対応する期間の終了時に受信した最終グルコース測定値のうちの1つなどに基づいて生成され得る。別の例として、範囲内就寝時グルコース特徴は、睡眠に対応する期間の開始時に受信したグルコース測定値などに基づいて生成され得る。
【0234】
追加的に又は代替的に、特徴決定モジュール1504は、期間内の最大グルコース測定値変化率、期間内の最大グルコース測定値の上昇、期間内の低血糖指数(LBGI)、期間内の高血糖指数(HBGI)、期間内のグルコースレベルの増加率又は減少率を示す値など他の特徴を生成する。
【0235】
1つ以上の実装形態では、特徴決定モジュール1504は、本明細書で説明される様々な異なるソースから受信した、様々な異なる種類のデータであり得る追加データ1524から特徴を生成する。例えば、特徴決定モジュール1504は、期間中のグルコースモニタリングアプリケーション116の閲覧回数又は起動回数、食後の(例えば、朝食後、昼食後、夕食後など対応する期間の開始時の)グルコースモニタリングアプリケーション116の起動回数又は閲覧回数などを特徴1522として生成することができる。
【0236】
特徴決定モジュール1504は、生成された特徴1522を特徴ストア1526(例えば、記憶デバイス118上に維持される)に記憶する。生成された特徴1522は、実施形態によって異なり得る期間にわたって維持される。例えば、生成された特徴1522は、2週間、1か月、1年などにわたって維持され得る。
【0237】
図16は、糖尿病管理を改善するための行動修正の推奨を提供する例1600を示す。例1600は、横軸に沿って複数日の時間窓(月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、及び金曜日として示される)を示し、縦軸に沿ってグルコース測定値を示す。各日は、複数の期間(例えば、夜間、朝食、昼食、及び夕食)を有し、各日の夜間期間中のグルコース測定値は、1602、1604、1606、1608、及び1610として示される。範囲内時間特徴1522は、80~130mg/dLの範囲を有する対応する期間(例えば、夜間期間)について生成される。図示の例1600では、範囲内時間特徴1522は、約0.37である(夜間期間の37%が範囲内にある)。以下でより詳細に説明されるように、パターンは、夜間期間について範囲内時間特徴1522を考慮して検出され、その結果、行動修正フィードバック1612がコンピューティングデバイス106上に表示される。
【0238】
図15に戻ると、パターン検出モジュール1506は、(例えば、特徴ストア1526から、又は特徴決定モジュール1504から直接)異なる特徴1522を受信し、特徴1522から、時間窓の対応する期間内のパターンを検出する。これらのパターンは、ユーザによる不十分な(すなわち、最適ではない)糖尿病管理を示すパターンである。パターン検出モジュール1506は、これらのパターンを識別するために、様々な規則、基準、又は他の技法のいずれかを使用し得る。
【0239】
パターン検出モジュール1506は、時間窓内の対応する期間からの特徴1522に基づいてパターン(例えば、夜間期間のパターン、朝食期間のパターン、昼食期間のパターン、夕食期間のパターンなど)を識別する。パターン検出モジュール1506は、異なる対応する期間内で同じパターン又は異なるパターンを識別し得る。例えば、パターンは、夜間期間及び昼食期間について、それらの期間についての範囲内時間特徴1522を前提として検出され得るが、そのようなパターンは、朝食及び夕食期間について検出されないことがある。
【0240】
1つ以上の実装形態では、パターン検出モジュール1506は、特徴1522について所望の値を示す特徴1522のターゲット基準に基づいた規則を使用する。表Iは、特徴1522及びそれらの対応するターゲット基準の例を示す。
【0241】
【0242】
パターン検出モジュール1506は、ユーザによる不十分な(すなわち、最適ではない)糖尿病管理を示すパターンとして、その基準を満たさない各特徴を検出する。例えば、対応する期間(例えば、朝食後に対応する期間)内のグルコース測定値の平均が155mg/dL以上である場合、パターン検出モジュール1506は、朝食後期間内の平均特徴のグルコース測定値を、不十分な糖尿病管理を示すパターンとして検出する。別の例として、対応する期間(例えば、昼食後に対応する期間)内のグルコース測定値が、時間の70%を超えて70~180mg/dLの範囲内にある場合、パターン検出モジュール1506は、昼食後期間内の範囲内時間(夜間以外)特徴を、不十分な糖尿病管理を示すパターンとして検出しない。
【0243】
パターン検出モジュール1506は、時間窓中に検出されたパターン(それらの基準を満たさなかった特徴1522、例えば、時間窓内の様々な対応する期間内の様々な特徴1522について検出されたパターンの全て)を、検出パターン1528として出力する。各検出パターン1528は、検出パターンのインジケーション(例えば、パターンが検出された特徴、及びパターンが検出された対応する期間)を含む。1つ以上の実装形態では、各検出パターン1528はまた、パターンが検出された特徴のインジケーションを含む。例えば、昼食後に対応する期間についてパターンが検出され、70~180mg/dLの範囲内にない時間が70%を超える場合、検出パターン1528は、昼食後に対応する期間についてグルコース測定値が70~180mg/dLの範囲内にあった時間(例えば、45%)を含む。
【0244】
1つ以上の実装形態では、検出パターン1528(又は少なくとも、パターンが検出された特徴)は正規化モジュール1508に提供され、正規化モジュール1508は、検出パターン1528の特徴を共通スケール又は共通単位(例えば、0~100、又は0~1の範囲の値)に調整する。正規化モジュール1508は、正規化された特徴を正規化特徴1530として出力する。この正規化は、様々な周知の技法又は独自の技法のいずれかを使用して実行され得る。正規化モジュール1508は任意選択であり、ある状況では正規化を実行する必要がないことに留意されたい。例えば、いくつかの状況では、共通スケール又は共通単位を有する特徴のみがパターン検出モジュール1506によって使用される場合(例えば、180超時間特徴及び250超時間特徴)、検出パターン1528の特徴を共通スケール又は単位に調整する必要はない。
【0245】
1つ以上の実施形態では、正規化モジュール1508によって実行される正規化は、パターンのサイズを示し、このサイズのインジケーションは、正規化特徴1530に含まれる。パターンのサイズは、特徴の基準が不十分に満たされた程度を示す。例えば、範囲内時間特徴についての場合に、特定範囲(例えば、70~180mg/dL)内の時間が45%であるが、基準は少なくとも70%であると、このパターンのサイズは、35.7のサイズについて
【0246】
【数3】
として計算され得、一方、異なる範囲(例えば、80~10mg/dL)内の時間が68%であるが、基準は少なくとも70%であると、このパターンのサイズは、2のサイズについて
【0247】
【数4】
として計算され得る。これらのサイズは、行動修正選択モジュール1512が、最大サイズを有する(例えば、より不十分と考えられるか、又はより不十分な糖尿病管理行動に対応する)パターンに基づいて行動修正を選択することを可能にする。
【0248】
図17は、異なる検出パターンに対する正規化サイズの例1700を示す。検出パターン(及びそれらが検出された期間)1702が縦軸に沿って示され、サイズ1704が横軸に沿って示される。図示のように、就寝期間中の80~130mg/dLの範囲内時間について検出されたパターンは最大サイズを有し、これにより、行動修正選択モジュール1512は、就寝期間中の80~130mg/dLの範囲内時間がマッピングする行動修正フィードバックを選択し得る。
【0249】
図15に戻ると、1つ以上の実装形態では、パターン検出モジュール1506によって検出され得る様々なパターンは、1つ以上のトピックに対応する(マッピングされる)。マッピングモジュール1510は、検出パターン1528(及び任意選択的に正規化特徴1530)を受信し、検出パターン1528を1つ以上のトピック1532にマッピングする。トピック1532は、1つ以上のパターンへのマッピングとも呼ばれる。様々な行動修正フィードバックが、カテゴリとも呼ばれる複数の異なるトピックにグループ化される。そのようなトピックのそれぞれは、1つ以上の行動修正フィードバックにマッピングされる、1つ以上のパターンを含む。マッピングモジュール1510は、検出パターン1528を1つ以上のトピック1532にマッピングし、行動修正選択モジュール1512は、以下でより詳細に説明されるように、それら1つ以上のトピック1532に対応する行動修正フィードバックを(記憶装置118上に維持され得る行動ライブラリ1538から)選択して、出力するためにUIモジュール1514(又はフィードバック提示システム122)に提供する。1つ以上の実装形態では、行動ライブラリ1538は、
図1のフィードバックライブラリ124である。どの検出パターンが、1つ以上のどのトピックにマッピングされるかは、行動修正識別システム308の開発者又は設計者によって、医療提供者又は専門家によってなど、様々な方法で指定され得る。
【0250】
マッピングモジュール1510は、検出パターン1528を様々な異なるトピックのいずれかにマッピングすることができる。例えば、行動修正の1つのトピックは、グルコースモニタリングアプリケーション116などグルコースモニタリングアプリケーションとの関与である。このトピックにマッピングされ得るパターンは、例えば、少数(例えば、固定数(例えば、3)又は可変数(例えば、1時間当たり2未満)など閾値未満の数)の画面閲覧又はアプリケーションの起動、食事の前後に画面閲覧がないことなどによって測定される、グルコースモニタリングアプリケーションへの関与が低いことを含む。1つ以上の実装形態では、期間のいずれかにおいて検出されたパターンは、グルコースモニタリングアプリケーショントピックへの関与にマッピングされ得る。グルコースモニタリングアプリケーショントピックへの関与は、1)グルコースを1日にX回チェックすること、2)毎日指定された時間(例えば、食前/食後、就寝時、朝)にグルコースをチェックすること、3)グルコースのチェックを思い出させるためにアラームを設定することなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0251】
別の例として、行動修正の1つのトピックは食後グルコースである。このトピックにマッピングすることができるパターンとしては、高食後グルコースピーク(例えば、固定値(例えば、300mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)など閾値を超える)、高食後曲線下面積(AUC)(例えば、固定値(例えば、300mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)など閾値を超える)、グルコースレベル250mg/dl超の高食後時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)など閾値時間を超える)、グルコースレベル180mg/dl超の高食後時間(例えば、固定時間(例えば、90分)又は可変時間(例えば、期間の20%)などの閾値時間を超える)、高平均(average or mean)グルコース(例えば、固定値(例えば、180mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した平均値)など閾値を超える)、低範囲(70~180mg/dLなど)内時間(例えば、固定時間(例えば、90分)又は可変時間(例えば、期間の20%)など閾値時間未満である)などが挙げられる。1つ以上の実装形態では、期間のいずれかにおいて検出されたパターンは、食後グルコーストピックにマッピングされ得る。
【0252】
高食後グルコーストピックは、1)グルコースを範囲内に維持するのに役立つ食品(例えば、低炭水化物)を摂取することによって、Xだけ平均グルコースを低下させるように努める、2)食後グルコースレベルを上昇させた(Xよりも高い)原因に注釈を付ける(例えば、食品の種類、行動)、3)食後に活動的であるように努めて、グルコースを範囲内に維持する(例えば、翌週X日間(又は連続X日間)について、食事(例えば、朝食/昼食/夕食)後に活動的にして(例えば、15分の散歩を追加するように努める)、グルコースを調整し、急上昇を低減するなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0253】
別の例として、行動修正の1つのトピックは、A1C-GMI(グルコース管理指標)又は単にGMIである。このトピックにマッピングされ得るパターンは、高平均グルコース(例えば、固定値(例えば、180mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した平均値)など閾値よりも大きい)を含む。1つ以上の実装形態では、朝食後期間、昼食後期間、及び夕食後期間内で検出されたパターンは、A1C-GMIトピックにマッピングされ得る。
【0254】
A1C-GMIトピックは、1)平均グルコースをX低下させる、2)処方どおり忘れずに薬剤を服用し、医師に相談する、3)発生したときに感情/ストレスに注釈を付ける、4)日中により活動的であるように努める(例えば、翌週はX歩の達成を目指す、翌週はX時間の運動を目指す、翌週はX回の身体活動(例えば、散歩、サイクリング、ダンス、階段を上ること、ジョギングなど)など身体活動の目標)などの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0255】
別の例として、行動修正の1つのトピックは夜間グルコースである。このトピックにマッピングされ得るパターンとしては、高平均夜間グルコース(例えば、固定値(例えば、180mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)など閾値よりも大きい)、低夜間範囲(70~180mg/dLなど)内時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)など閾値時間よりも小さい)、低夜間範囲内(80~130mg/dLなど)時間(例えば、固定時間(例えば、15分)又は可変時間(例えば、期間の5%)など閾値時間よりも小さい)、高夜間高血糖範囲内時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)など閾値時間よりも大きい)、高就寝時グルコース(例えば、固定値(例えば、250mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)など閾値よりも大きい)、低就寝時グルコース(例えば、固定値(例えば、70mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最低値)など閾値よりも小さい)、グルコースレベル250mg/dL超の高夜間時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)など閾値時間よりも大きい)、グルコースレベル180mg/dL超の高夜間時間(例えば、固定時間(例えば、90分)又は可変時間(例えば、期間の20%)など閾値時間よりも大きい)などが挙げられる。1つ以上の実装形態では、就寝期間後に検出されたパターンは、夜間グルコーストピックにマッピングされ得る。
【0256】
夜間グルコーストピックは、1)夜間範囲内時間をX%増加させる、2)処方どおり忘れずに薬剤を服用し、医師に相談する、3)グルコースを上昇させ過ぎない夕食(例えば、少量、低炭水化物)を食べるように努める、4)就寝間際に食べないようにする(例えば、午後X時以降は食べないように努める、合図としてアラームを設定する)、5)範囲内であるか否かを確認する(自己反省)ために、就寝前にグルコースをチェックするなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0257】
別の例として、行動修正の1つのトピックはグルコース変動性である。このトピックにマッピングされ得るパターンは、高変動性メトリックに対する高い値(例えば、固定数(例えば、2)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)、例えば、変動係数又は|ROC|>2で費やされた時間などを含む。1つ以上の実装形態では、期間のいずれかにおいて検出されたパターンは、グルコース変動性トピックにマッピングされ得る。
【0258】
グルコース変動性トピックは、1)翌週X日間は低炭水化物食品を選択し、高炭水化物食品を制限する、2)翌週X日間は、食事関連のグルコース急上昇の頻度に注意する、3)日中に食べるのは、X回以下に努める、4)食事の前/後にグルコースをチェックして範囲内か否かを確認し、特定の食物がグルコースに与える影響を理解する(自己反省)、5)摂取頻度のより多い食物の炭水化物含有量をチェックし、注釈を付ける(自己反省)、6)翌週に発生したときに感情/ストレスに注釈を付けるなどの行動修正フィードバックにマップされ得る。
【0259】
別の例として、行動修正の1つのトピックは空腹時グルコースである。このトピックにマッピングされ得るパターンは、高い予測空腹時グルコース(例えば、固定値(例えば、250mg/dL)又は可変数(例えば、2週間などの期間にわたる期間中にユーザが有した最高値)など閾値よりも大きい)を含む。1つ以上の実装形態では、朝食後期間の開始時、昼食後期間、及び就寝期間の終了時に検出されたパターンは、空腹時グルコーストピックにマッピングされ得る。空腹時グルコーストピックは、1)グルコースを上昇させ過ぎない夕食(少量、低炭水化物)を食べるように努める、2)最後の食事と最初の食事との間に何時間空けるかに注意する、3)夕食と朝食との間にX時間空けるように努めるなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0260】
別の例として、行動修正の1つのトピックは高血糖(持続的高血糖とも呼ばれる)である。このトピックにマッピングされ得るパターンとしては、180mg/dl超の高時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)など閾値時間よりも大きい)、250mg/dl超の高時間(例えば、固定時間(例えば、10分)又は可変時間(例えば、期間の3%)など閾値時間よりも大きい)などを含む。1つ以上の実装形態では、朝食後期間、昼食後期間、及び夕食後期間において検出されたパターンは、高血糖トピックにマッピングされ得る。
【0261】
高血糖トピックは、1)高時間が15%超の場合は、医者に相談する、2)処方どおり忘れずに薬剤を服用する、3)翌週に発生したときに感情/ストレスに注釈を付ける、4)日中により活動的であるように努め(身体活動)、例えば、翌週にX歩の達成を目指す、翌週にX時間運動することを目指す、翌週にX回身体活動を行うこと(例えば、歩行、サイクリング、ダンス、階段を上ること、ジョギングなど)などの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0262】
別の例として、行動修正の1つのトピックは、範囲内時間である。このトピックにマッピングされ得るパターンとしては、範囲内(70~180mg/dLなど)の低時間(例えば、固定時間(例えば、90分)又は可変時間(例えば、期間の20%)など閾値時間未満)を含む。1つ以上の実装形態では、朝食後期間、昼食後期間、及び夕食後期間において検出されたパターンは、範囲内時間トピックにマッピングされ得る。範囲内時間トピックは、範囲内時間をX増加させるなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0263】
別の例として、行動修正の1つのトピックは低血糖である。このトピックにマッピングされ得るパターンとしては、高低血糖範囲(例えば、70mg/dL未満)内時間(例えば、固定時間(例えば、30分)又は可変時間(例えば、期間の10%)が挙げられる。1つ以上の実装形態では、期間のいずれかにおいて検出されたパターンは、低血糖トピックにマッピングされ得る。低血糖トピックは、1)医師に相談する、2)これらの提案(ユーザへのメッセージに追加され得る教育コンテンツ)を検討する、例えば、70未満の場合の15の規則を知っているか、身体的に活動的である前にグルコースをチェックする、運転前にグルコースをチェックするなどの行動修正フィードバックにマッピングされ得る。
【0264】
1つ以上の実装形態では、期間のいずれかにおいて検出されたパターンは、トピックにマッピングされ得る。追加的に又は代替的に、特定期間においてのみ検出されたパターンは、トピックにマッピングされ得る。例えば、空腹時グルコーストピックにマッピングされたパターンは、就寝期間の終了時又は朝食後期間の開始時に検出され得るが、他の期間中には検出され得ない。別の例として、夜間グルコーストピックにマッピングされたパターンは、就寝期間中に検出され得るが、他の期間中には検出され得ない。
【0265】
1つ以上の実装形態では、一部のパターンは、トピックに対して1対1のマッピングを有する。例えば、高予測空腹時グルコースパターンは、空腹時グルコーストピックのみにマッピングされる。しかしながら、他のパターンは、複数のトピックにマッピングされる可能性がある。例えば、180mg/dl超の高時間パターンは、食後グルコーストピック又は高血糖トピックにマッピングされ得る。そのようなパターンに対して、マッピングモジュール1510は、パターンが識別される期間の数に基づいて、パターンにマッピングするトピックを決定する。
【0266】
例えば、グルコースレベル180mg/dl超の高食後時間又はグルコースレベル250mg/dl超の高食後時間のパターンの一方又は両方が、1日又は他の24時間(例えば、3期間)の閾値数未満の期間で検出される場合、パターンは食後グルコーストピックにマッピングされる。しかしながら、パターンが、1日又は24時間の少なくとも閾値数の期間(例えば、少なくとも3期間)で検出される場合、パターンは、高血糖トピックにマッピングされる。
【0267】
別の例として、高平均グルコースパターンが、1日又は他の24時間の閾値数未満の期間(例えば、3期間)で検出される場合、パターンは食後グルコーストピックにマッピングされる。しかしながら、パターンが、1日又は24時間の少なくとも閾値数の期間(例えば、少なくとも3期間)で検出される場合、パターンは、GMIトピックにマッピングされる。
【0268】
別の例として、70~180mg/dLなど範囲内低時間パターンが、1日又は他の24時間の閾値数未満の期間(例えば、3期間)で検出される場合、パターンは食後グルコーストピックにマッピングされる。しかしながら、パターンが、1日又は24時間の少なくとも閾値数の期間(例えば、少なくとも3期間)で検出される場合、パターンは、範囲内時間トピックにマッピングされる。
【0269】
マッピングモジュール1510は、複数のパターンを同一トピックにマッピングして、同一の行動修正フィードバックが糖尿病管理を改善するために提供され得る状況における冗長性を低減する。例えば、昼食後に高食後グルコースピークパターン及び昼食後にグルコースレベル250mg/dl超の高食後時間パターンが検出される状況において、同一の行動修正フィードバックを提供して、糖尿病管理を改善することができる。これらの両パターンを「食後グルコース」トピックにマッピングすることによって、行動修正識別システム308は、両パターンがある期間内に検出された場合に同一の行動修正フィードバックを提供することを回避することができる。
【0270】
様々な異なる例示的な時間、グルコースレベル、及び他の値が、検出パターン1528を参照して論じられる。これらの様々な異なる時間、グルコースレベル、及び他の値は単なる例であり、様々な他の時間、グルコースレベル、及び他の値が代わりに使用され得ることに留意されたい。
【0271】
マッピングモジュール1510は、行動修正選択モジュール1512に対して1つ以上のトピック1532を出力する。1つ以上のトピック1532としては、検出パターン1528がマッピングされる各トピックが挙げられる。複数パターンが同一トピックにマッピングされる状況では、1つ以上のトピック1532は、当該トピックを1回だけ含む必要がある(典型的には含む)。しかしながら、1つ以上のトピック1532は、パターンが複数の異なる期間で同一トピックにマッピングされた状況などにおいて、異なる期間に対して同一トピックを含み得る。1つ以上の実装形態では、各トピック1532について、マッピングモジュール1510はまた、トピック1532にマッピングされた検出パターン1528及び正規化特徴1530の一方又は両方を提供する。
【0272】
パターンがマッピングされる様々なトピックは、1つ以上の行動修正フィードバックにマッピングされ、対応する(マッピングされる)。行動修正選択モジュール1512は、1つ以上のトピック1532(及び任意選択的に正規化特徴1530)を受信し、行動ライブラリ1538から行動修正フィードバックを選択して、出力するためにUIモジュール1514(又はフィードバック提示システム122)に提供する。1つ以上の実施形態では、行動修正選択モジュール1512は、各トピック1532を特定の行動修正フィードバック(例えば、特定のメッセージ又はテキスト)にマッピングする。行動ライブラリ1538内の行動修正フィードバックのそれぞれは、トピック1532にマッピングされているとも呼ばれる。トピック1532と行動修正フィードバックとの間のマッピングは、行動修正識別システム308の開発者又は設計者によって、医療提供者又は専門家によってなど、様々な方法で指定され得る。
【0273】
行動ライブラリ1538内の行動修正フィードバックは、様々なソースのいずれかから取得され得る。例えば、行動修正フィードバックは、医療提供者又は専門家、臨床医、標準治療又は他の刊行物などから得ることができる。1つ以上の実装形態では、行動ライブラリ1538は、ユーザ入力又は指定された行動修正フィードバックを含み、ユーザが、自身の行動修正フィードバックにマッピングするパターンが検出されたか否かを確認する行動修正フィードバックを選択又は作成することを可能にする。行動修正フィードバックはまた、任意選択的に、行動修正フィードバックを説明する追加情報、行動修正フィードバック内の用語を説明する追加情報などのための追加教材又は(例えば、インターネットを介した)リソースへのリンクを含む。例えば、行動修正フィードバックが、より少量の炭水化物を含む夕食を食べるように努めることである場合、行動修正フィードバックは、低炭水化物の食品又はレシピを識別するガイドへのリンクを含み得る。
【0274】
1つ以上の実装形態では、行動修正選択モジュール1512は、少なくとも1つのトピック1532によってマッピングされる全ての行動修正フィードバックを選択して、UIモジュール1514(又はフィードバック提示システム122)に提供する。
【0275】
追加的に又は代替的に、複数の行動修正フィードバックが異なるトピックによってマッピングされる状況では、行動修正選択モジュール1512は、マッピングされた行動修正フィードバックのうちの1つ以上を選択して、UIモジュール1514(又はフィードバック提示システム122)に提供する。行動修正選択モジュール1512は、マッピングされた行動修正フィードバックのうちの1つをランダムに又は擬似ランダムに選択するなど、マッピングされた行動修正フィードバックのうちの1つ以上を様々な方法で選択し得る。追加的に又は代替的に、行動修正選択モジュール1512は、複数のマッピングされた行動修正フィードバックに優先度を付け、複数のマッピングされた行動修正フィードバックのうちの1つ以上を最も高い優先度に選択することができる。例えば、最も高い優先度を有する、マッピングされた行動修正フィードバックが選択される。
【0276】
行動修正選択モジュール1512は、任意選択的に、様々な基準を使用して、マッピングされた行動修正フィードバックのうちのいずれを選択するかを決定する。これらの基準は、トピックにマッピングされたパターンがどの位前に検出されたか、行動修正フィードバック、トピック、又は行動修正フィードバックのカテゴリのランク又は優先度など、様々な要因に基づき得る。例えば、正規化特徴1530に対応するパターンは、上述のように様々なサイズを有する。したがって、最大サイズを有するパターンがマッピングされたトピックによってマッピングされた行動修正フィードバックが選択される。
【0277】
別の例として、それほど最近ではなく検出されたパターンがマッピングされるトピックによってマッピングされる行動修正フィードバックは、より最近に検出されたパターンがマッピングされるトピックによってマッピングされる行動修正フィードバックに優先して選択される。例えば、これにより、異なるトピックによってマッピングされる行動修正フィードバックが行動修正フィードバック1534として選択されることを可能にし、あまりに頻繁に行動修正フィードバックを繰り返すことを回避する。
【0278】
別の例として、特定のトピック又はカテゴリに対応する行動修正フィードバックは、他のトピック又はカテゴリに対応する行動修正フィードバックよりも優先して選択され得る。例えば、低血糖トピックによってマッピングされた行動修正フィードバックは、グルコースモニタリングアプリケーショントピックへの関与によってマッピングされた行動修正フィードバックよりも優先して選択され得る。例えば、これにより、ユーザの健康にとってより重要であるとみなされるトピック又はカテゴリによってマッピングされる行動修正フィードバックが、あまり重要ではないとみなされるトピック又はカテゴリによってマッピングされる行動修正フィードバックよりも前に選択されることが可能になる。
【0279】
別の例として、(例えば、行動修正選択モジュール1512の開発者又は設計者によって)緊急性又は安全性への関連が高いと指定された行動修正フィードバックは、緊急性又は安全性への関連が低い偏差よりも優先して選択される。例えば、これにより、緊急性又は安全性関連の特徴(例えば、範囲内に留まらない、又は閾値グルコースレベルを超えない)に対応する行動修正フィードバックが、他の非緊急性又は非安全性関連の特徴よりも優先して選択され、より重要な行動修正フィードバックをユーザに表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0280】
別の例として、(例えば、ユーザ102によって)より高い優先度であると指定された行動修正フィードバックは、(例えば、ユーザ102によって)より低い優先度であると指定された行動修正フィードバックよりも優先して選択される。例えば、これにより、ユーザにとって関心の低い行動修正フィードバックではなく、ユーザにとって関心の高い行動修正フィードバックを表示するか、又は別様に提示することが可能になる。
【0281】
別の例として、ユーザ102によって有用であると指定された、又は糖尿病管理の改善に関連付けられた行動修正フィードバックは、ユーザ102によって有用であると指定されていない、又は糖尿病管理の改善をもたらさなかった行動修正フィードバックよりも優先して選択される。例えば、これにより、他の行動修正フィードバックではなく、ユーザにとってより有用であるか、又は以前に糖尿病管理の改善をもたらした行動修正フィードバックが再びユーザに提示されることが可能になる(任意選択的に、週2回ではなく週4回の散歩など、更新された値でカスタマイズされる)。
【0282】
更に、行動修正選択モジュール1512は、追加データ1524を受信することができ、これは、上述したように不十分な糖尿病管理を識別するために使用され得る任意の追加のデータであり得る。追加データ1524は、様々なソース、例えば、コンピューティングデバイス106のアプリケーション又はプログラム、ユーザ102によるユーザ入力、医療提供者(例えば、ユーザの医師又は看護師)による入力、アクティビティトラッカなど外部デバイスなどからのデータを含み得る。
【0283】
追加データ1524は、上述のように、コンピューティングデバイス106、コンピューティングデバイス106のディスプレイ、又は糖尿病管理への関与レベルを示す他のシステム構成要素とのユーザ対話に関係するデータを含み得る。
【0284】
別の例として、追加データ1524は、特定の時間範囲(例えば、10秒ごと、毎分)にわたる歩数、特定の時間範囲(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)にわたる心拍数とタイムスタンプ、移動速度(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)とタイムスタンプなど活動データを含み得る。活動データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される活動追跡アプリケーション、ユーザ102が装着する活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0285】
別の例として、追加データ1524は、ユーザの睡眠パターンに関するデータを含み得る。例えば、追加データ1524は、ユーザの睡眠時間、特定の時間におけるユーザの睡眠状態(例えば、ステージ1、ステージ2、ステージ3、又は急速眼球運動(REM)睡眠)などを示すデータを含み得る。
【0286】
別の例として、追加データ1524は、グルコースモニタリングプラットフォーム110などを介してユーザ母集団108の他人へのユーザの関与に関するデータを含み得る。例えば、この他ユーザ関与データは、ユーザ102が別のユーザと通信した時刻のタイムスタンプ、並びに当該他ユーザが誰であったか、別のユーザと通信した情報の説明などを含み得る。
【0287】
別の例として、追加データ1524は食事データを含み得る。例えば、この食事データは、ユーザ102が食事した時刻のタイムスタンプ及び消費された食物、特定の種類又はクラスの食物(例えば、野菜、穀物、肉、菓子、炭酸飲料)が消費された時刻のタイムスタンプ、食物の消費量などを含み得る。
【0288】
別の例として、追加データ1524は、ユーザが眠っていた1日の分数を示すデータなどの睡眠データを含み得る。睡眠データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される睡眠追跡アプリケーション、ユーザ102が装着する活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0289】
別の例として、追加データ1524は薬剤データを含み得る。例えば、この薬剤データは、ユーザ102が薬剤(例えば、基礎インスリン)を服用した時刻のタイムスタンプ、及び服用した薬剤(ユーザ102が所定の時間又は間隔で自身の薬剤を服用しているかどうかを判定するために使用され得る)、薬剤変更のインジケーション(例えば、服用した薬剤の種類又は用量の変更)などを含み得る。
【0290】
別の例として、追加データ1524は、心拍変動(HRV)、皮膚伝導度及び温度、呼吸速度測定値、脳波(EEG)からのデータ、生体液中のコルチゾール、皮膚から放出される揮発性有機成分(VOC)などのストレス管理を反映するデータを含み得る。
【0291】
別の例として、追加データ1524は現在の健康データを含み得る。例えば、この現在の健康データは、ユーザが現在病気である(例えば、風邪を引いている、ウイルスに感染している)か否か、ユーザが手術又は他の処置から現在回復中であるか否か、ユーザが現在診断されている疾患又は慢性疾患(例えば、腎疾患又は肝疾患)などを含み得る。
【0292】
1つ以上の実装形態では、行動修正選択モジュール1512は、追加データ1524を使用して行動修正フィードバックに優先度を付けるか、又は行動修正フィードバックをフィルタにかけて除去することなどによって、追加データ1524に基づいて、マッピングされた行動修正フィードバックのうちの1つ以上を選択することができる。例えば、行動修正選択モジュール1512は、追加データ1524が、ユーザは病気であるか又は足の手術から回復中であることを示す場合、翌週に身体活動をX回実行する行動修正フィードバックをフィルタリングして除去する(選択しない)。別の例として、行動修正選択モジュール1512は、追加データ1524が、ユーザは、通常、食後に活動的であることを示す場合、食後に活動的であるように努めて、グルコースを範囲内に維持するように支援する行動修正フィードバックをフィルタリングして除去する(選択しない)。別の例として、行動修正選択モジュール1512は、追加データ1524が、ユーザは、ほとんど(又は決して)食後に活動的ではないことを示す場合、食後に活動的であるように努めて、グルコースを範囲内に維持するように支援する行動修正フィードバックを選択し得るか、又はこのフィードバックにより高い優先度を与える。
【0293】
1つ以上の実装形態では、行動修正選択モジュール1512は、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536と通信する。一部の行動修正フィードバックは、特定のユーザ102に基づいて変更される変数又は空白箇所を含む。行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、グルコース測定値114、グループ化測定値1520、特徴1522、及び追加データ1524のうちの1つ以上を受信し、行動修正フィードバック内のこれらの変数又は空白箇所を変更するか、又は記入して、ユーザ102に合わせてグルコース測定値フィードバックをカスタマイズする。例えば、上述の様々な異なる行動修正フィードバックは、例えば、グルコースを1日にX回チェックする、又はグルコースを範囲内に維持するのに役立つ食物(例えば、低炭水化物)を摂取することによって食後グルコースをXよりも低く維持するように努めるなどのXを含む。行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、ユーザに表示される行動修正フィードバック1534が、単に「グルコースを範囲内に維持するのに役立つ食品(例えば、低炭水化物)を摂取することによって、食後グルコースをより低く維持して下さい」である、又はXを標準値(例えば、180)に置き換えるのではなく、「グルコースを範囲内に維持するのに役立つ食品(例えば、低炭水化物)を摂取することによって、食後グルコースを197よりも低く維持して下さい」であるようにXを置き換える値(例えば、特定の数又は数の範囲)を決定する。
【0294】
行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、様々な方法で行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536をカスタマイズする。1つ以上の実装形態では、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、グルコース測定値114又は特徴1522にデフォルト値(例えば、50)を加える。例えば、特徴1522は、対応する期間(例えば、夕食期間)の開始時の平均グルコース測定値114であり得る。行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、デフォルト値(例えば、50)を平均値(例えば、147)に加算し、「グルコースを範囲内に維持するのに役立つ食品(例えば、低炭水化物)を摂取して、食後グルコースを197未満に維持して下さい」というカスタマイズされた行動修正フィードバックをもたらす。
【0295】
追加的に又は代替的に、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、受信する様々なデータを分析して、ユーザ102のために現実的で実行可能な目標を決定する。例えば、ユーザが食後に定期的に散歩しない場合、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、食後に週2回散歩することを提案するように行動修正フィードバックをカスタマイズすることを決定し得る。しかしながら、ユーザが食後に定期的に週2回散歩する場合、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、食後に週4回散歩することを提案するように行動修正フィードバックをカスタマイズすることを決定し得る。別の例として、ユーザがグルコースモニタリングアプリケーション116を介して自身のグルコースレベルを毎日チェックしない場合、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、「グルコースを1日3回チェックして下さい」と提案するように行動修正フィードバックをカスタマイズすることを決定し得る。しかしながら、ユーザがグルコースモニタリングアプリケーション116を介して自身のグルコースレベルを定期的に毎日2回チェックする場合、行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536は、「グルコースを1日6回チェックして下さい」と提案するように行動修正フィードバックをカスタマイズすることを決定し得る。
【0296】
UIモジュール1514は、任意選択的に、選択された行動修正フィードバック1534を受信し、行動修正フィードバック1534を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。1つ以上の実装形態では、異なるトピック又はカテゴリの行動修正フィードバックが、異なる方法で表示されるか、又は別様に提示される。例えば、異なるトピック又はカテゴリに対応する行動修正フィードバックは、異なる色、異なるアイコンなどを使用して表示され得る。
図16の例1600は、行動修正フィードバックとして行動修正フィードバック1612の一例を示す。
【0297】
行動修正識別システム308は、選択された行動修正フィードバック1534を様々な間隔で生成し、表示するか、又は別様に通信する。1つ以上の実施形態では、行動修正フィードバック1534は、日曜日の夕方など、毎週生成され、表示されるか、又は別様に通信され、したがって、行動修正フィードバック1534は、週明けにユーザが利用可能である(例えば、その週に達成する目標をユーザに与える)。追加的に又は代替的に、隔週、毎日、1日2回など他のタイミングを使用することができる。追加的に又は代替的に、行動修正選択モジュール1512は、(例えば、低血糖に起因して)切迫した安全リスクが存在する状況などにおいて、高優先度の行動修正フィードバック1534を即時に表示し得る、又は別様に通信し得る。
【0298】
1つ以上の実装形態では、行動修正選択モジュール1512は、UIモジュール1514に与えられた行動修正フィードバック1534を追跡し、行動修正フィードバック1534に従ったか否かを判定し、行動修正フィードバック1534に従ったか否かに基づいて追加の行動修正フィードバック1534を提供する。例えば、行動修正フィードバック1534が、翌週に35,000歩を達成することである場合、追加データ1524は、ユーザがその週に35,000歩を達成したか否かを示す活動データを含み得る。例えば、ユーザが35,000歩を達成した場合には、ユーザが前週の行動修正フィードバックにきちんと従ったことを褒める行動修正フィードバックが提供され得る、又はユーザが35,000歩を達成しなかったが、前週よりも近づいたか、若しくは有意な改善を有した場合には、頑張り続けるようにユーザを促す行動修正フィードバックが提供され得る。
【0299】
行動修正識別システム308は、任意選択的に、行動修正フィードバック1534に基づいて追加アクションを行う。1つ以上の実装形態では、これらのアクションは、グルコース測定値114の生成頻度が低減され得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知することを含む。例えば、行動修正識別システム308が、特定期間(例えば、睡眠に対応する)についてパターンが検出されないことを識別する場合、行動修正識別システム308は、グルコース測定値114の生成頻度を(例えば、5分ごとから10分ごとに)低減して、グルコース測定値114の生成に消費される電力を低減し得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知する。
【0300】
追加的に又は代替的に、これらのアクションは、現在進行中のCGMの使用を推奨するか否か(例えば、現在のセンサが使用期限切れになった直後に新しいセンサを開始する)、又はCGMの使用を中断し、数日後に新しいセンサを開始することが適切であり得るか否かを判定することを含む。例えば、行動修正識別システム308が、全ての期間内でパターンが定期的に検出されることを識別する場合、行動修正識別システム308は、(例えば、ユーザへの表示又は他の提示を介して)進行中のCGMの使用を推奨する。
【0301】
本明細書では、行動修正フィードバックがユーザ102に表示されるか、又は別様に提示されることに関しても説明する。追加的に又は代替的に、行動修正フィードバックは、臨床医(例えば、ユーザの主治医又は看護師)、薬剤師など他人に通信されるか、又は別様に送達される。これは、生成された行動修正フィードバックがない場合に臨床医が自身で行う必要があり得る、未処理のグルコース又は他の糖尿病管理データを再検討する手動作業の一部を部分的に自動化するのに役立つことができる。追加的に又は代替的に、行動修正フィードバック1534を提供するのではなく、行動修正選択モジュール1512は、特徴1522、正規化特徴1530を提供し得るか、又は検出パターン1528は、臨床医、薬剤師、若しくは他人に提供され得、彼らが、ユーザ102に渡されるべき行動修正フィードバックを決定する際に自身の好ましい行動修正選択(存在する場合)を適用することを可能にする。
【0302】
本明細書では、時間窓内の特定期間を決定することに関しても論じられている。これらの期間は、パターン検出モジュール1506による特徴1522の分析の前に決定されて、時間窓の対応する期間内のパターンを検出し得る。追加的に又は代替的に、これらの期間は後に決定され得る。1つ以上の実装形態では、パターン検出モジュール1506又は別のモジュールは、1日のうちの様々な時間範囲(例えば、5分又は10分などの何らかの間隔で30分、60分、120分などの時間範囲)内で特徴1522を分析し得る。パターン検出モジュール1506が1日のそれらの時間範囲のうちの1つにおいてパターンを検出した場合、当該時間範囲は、行動修正識別システム308によって期間として処理される。時間範囲は、任意選択的に拡大されて(例えば、いずれかの側で10分)、期間を作成する。次に、他の時間窓内の対応する期間(例えば、他の複数日の同一時間範囲)を使用して、複数の時間窓にわたる対応する期間にパターンが存在するか否かを判定する。
【0303】
例えば、時間窓が1日であると仮定する。パターン検出モジュール1506は、特定日の午前1:00に始まり、10分間隔で進む、前60分間の特徴1522の分析を開始し得る。午前1:20~午前2:20の時間範囲について特徴1522を分析すると、パターン検出モジュール1506は、午前1:20~午前2:20の時間範囲内でパターンを検出し得る。パターン検出モジュール1506は、午前1:20~午前2:20の時間範囲を期間として使用し(又は時間範囲を午前1:10~午前2:30に拡大し)、複数日(例えば、前週)にわたって当該期間について特徴1522を分析して、複数日の対応する期間にパターンが存在するか否かを検出する。
【0304】
追加的に又は代替的に、1つ以上の実装形態では、行動修正識別システム308(例えば、行動修正選択モジュール1512)は、検出パターン1528、特徴1522、及び行動修正フィードバック1534のうちの1つ以上の記録を維持する。行動修正識別システム308(例えば、行動修正選択モジュール1512)は、検出パターン1528又は特徴1522を、数か月又は数年などより長い時間範囲にわたって分析し、それらのより長い時間範囲にわたって改善を識別する。例えば、行動修正識別システム308は、今週1週間の時間窓の検出パターン1528又は特徴1522を、6か月又は1年前の1週間の時間窓の検出パターン1528又は特徴1522と比較する。この比較によって識別された糖尿病管理の改善(例えば、特徴1522によって、又は今週は検出されず、6か月前若しくは1年前に検出されたパターンによって示されるように)は、UIモジュール1514を介してユーザに対して識別され得る。例えば、改善を識別する、褒める内容のメッセージが、ユーザ又は他人(例えば、医療提供者又は臨床医)に通信、表示、又は別様に提示され得る。以前(例えば、6か月前又は1年前)にユーザに提供された行動修正フィードバックはまた、ユーザ又は他人に通信、表示、又は別様に提示され得、ユーザがどの行動修正フィードバックに従って、糖尿病管理の改善をもたらしたかを示すインジケーションを提供する。
【0305】
本明細書には、パターンを検出すること、パターンをトピックにマッピングすること、及びトピックを行動修正フィードバックにマッピングすることに関する議論も含まれる。追加的に又は代替的に、本明細書で説明される技法は、トピックを使用する必要はない。そのような状況では、検出パターンが行動修正フィードバックにマッピングされ得る。どのパターンが、どの行動修正フィードバックにマッピングされるかは、行動修正識別システムの開発者又は設計者によって、医療提供者又は専門家によってなど、様々な方法で指定され得る。
【0306】
上述したように、行動修正フィードバック1534は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得ることに留意されたい。そのような状況では、行動修正識別システム308は、UIモジュール1514を含む必要はない。追加的に又は代替的に、トピック1532、正規化特徴1530、及び追加データ1524は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得る。そのような状況では、フィードバック提示システム122は、以下でより詳細に論じられるように、任意選択的にフィードバックライブラリ1538及び行動修正フィードバックカスタマイズモジュール1536を使用して、ユーザ(又は臨床医若しくは薬剤師など他人)に提供されるフィードバックを識別する。フィードバック提示システム122は、任意選択的に、行動修正選択モジュール1512に関して本明細書で論じられる技法のうちの任意の1つ以上を使用して、ユーザに提供される行動修正フィードバックを識別する。
【0307】
図18は、糖尿病管理を改善するための行動修正フィードバックを実施するための例示的な手順1800を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。手順1800は、例えば、行動修正識別システム308などの行動修正識別システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。手順1800は、例えば、行動修正識別システム308などの行動修正識別システムによって実行される。
【0308】
複数の時間窓のそれぞれの期間についてユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック1802)。グルコース測定値は、複数日の昼食期間など、複数の時間窓にわたる対応期間について取得する。これらのグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。
【0309】
複数の時間窓の期間について1つ以上の特徴を生成する(ブロック1804)。これらの1つ以上の特徴は、グルコース測定値から生成する。
【0310】
複数の時間窓の期間内でグルコース測定値のパターンを検出する(ブロック1806)。この検出は、複数の時間窓の期間について生成した特徴に基づいて行われる。
【0311】
検出パターンに対応する、グルコースレベルを改善するための行動修正フィードバックを決定する(ブロック1808)。検出パターンは、1つ以上の行動修正フィードバックにマッピングされるトピックにマッピングされ得、そのうちの1つ以上が608において選択される。追加的に又は代替的に、検出パターンは、複数の行動修正フィードバックにマッピングされるか、又はそれらに対応し得、複数の行動修正フィードバックのうちの1つ以上を、ブロック1808において選択する。
【0312】
識別した行動修正フィードバックを含むユーザインタフェースを生成する(ブロック1810)。識別した糖尿病管理フィードバックを表示させる(ブロック1812)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、識別した糖尿病管理フィードバックを、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0313】
グルコース予測システムのアーキテクチャ
概して、グルコース予測システム310は、グルコース測定値のデータストリームを受信する。活動データ(例えば、ユーザの歩数)など種々の他のデータストリームも受信される。グルコース予測システムは、例えば、ユーザの活動データを分析し、一連の身体活動がいつ発生するかを決定する。グルコース予測システムは、身体活動が発生しなかった場合にユーザが有したであろうグルコース測定値を予測し、予測グルコース測定値に基づいて様々なアクションを行う(例えば、身体活動に関与しなかった場合にユーザが有したであろうグルコースを示すフィードバックをユーザに提供する)。
【0314】
追加的に又は代替的に、受信したデータストリームは、ユーザが関与する活動、ユーザの行動、ユーザの反応、ユーザの医学的状態、ユーザの生体データなどユーザのグルコースに影響を及ぼし得る事象又は状態を示す、種々の他のデータを含む。グルコース予測システムは、このデータを分析して、そのような事象又は状態を識別し、識別した事象又は状態が発生しなかった、又は存在しなかった場合にユーザが有したであろうグルコース測定値を予測する。グルコース予測システムは、予測グルコース測定値に基づいて様々なアクションを行う(例えば、識別された事象又は状態が発生しなかった、又は存在しなかった場合にユーザが有したであろうグルコースを示すフィードバックをユーザに提供する)。
【0315】
本明細書で論じられる技法は、身体活動が発生しない(又は他の事象若しくは状態が発生しないか、若しくは存在しない)期間を決定することに同様に適用される。グルコース予測システムは、身体活動が発生した(又は他の事象若しくは状態が発生したか、若しくは存在した)場合にユーザが有したであろうグルコース測定値を予測し、予測グルコース測定値に基づいて様々なアクションを行う(例えば、身体活動に関与したか、又は他の事象若しくは状態が発生したか、若しくは存在した場合にユーザが有したであろうグルコースを示すフィードバックをユーザに提供する)。
【0316】
本明細書で論じられる技法は、特定の事象又は状態が発生したか、又は存在した(あるいは発生しなかったか、又は存在しなかった)場合にユーザが有したであろうグルコース測定値を予測するか、又は推定する。健全なグルコース管理行動の修正及び患者固有の目標(例えば、食後の急上昇を緩和する活動又は持続性高血糖後の血糖を低下させる活動を使用する)の一方又は両方の肯定的な強化を与えるフィードバックが提供される。これは、ユーザが糖尿病管理及び自身の健康全般を改善するのに役立つ。
【0317】
更に、本明細書で説明される技法は、特定の行動修正を改善された糖尿病管理結果にリンクさせることによって、リアルタイムで教示可能な時点を提供する。ユーザは、リアルタイムフィードバックを受信し、これにより、ユーザは、自身の行動又は選択が自身のグルコースに好影響を及ぼしたことを把握できるようになり、今後もそのような行動を継続し、自身の健康全般を改善できるようになる。
【0318】
図19は、グルコース予測システム310の例示的なアーキテクチャの図である。グルコース予測システム310は、事象検出モジュール1902と、生体データ検出モジュール1904と、予測制御モジュール1906と、グルコース測定値予測モジュール1908と、UIモジュール1910(任意選択)と、を含む。概して、グルコース予測システム310は、ユーザの活動データを分析し、一連の身体活動がいつ発生するかを決定する。グルコース予測システム310は、身体活動が発生しなかった場合にユーザ102が有したであろうグルコース測定値を予測し、予測グルコース測定値に基づいて様々なアクションを行う(例えば、身体活動に関与しなかった場合にユーザが有したであろうグルコースを示すフィードバックを、任意選択的にフィードバック提示システム122とともに、ユーザに提供する)。
【0319】
事象検出モジュール1902及び生体データ検出モジュール1904は、データストリーム1920(例えば、
図3のグルコース測定値114及び追加データ302)をそれぞれ受信する。データストリーム1920内のデータは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106の1つ以上のセンサ、ユーザ102が装着する別のセンサ又はデバイス、ユーザ入力(例えば、特定の活動が発生した時間又はユーザがアクションを行った時間を指定する、種々のセンサから受信した測定値を指定する)、ローカル又はリモートデータベース(例えば、ネットワーク112を介してアクセスされる)など種々の異なるソースから受信され得る。データストリーム1920内のデータは、一定間隔(例えば、約5分ごと)で受信されたデータ、単発データ(例えば、特定時間に食べた食事を記述するデータなどユーザインタフェースを介して入力されたデータ)などを含み得る。1つ以上の実装形態では、データストリーム1920は、グルコース測定値114と、グルコース測定値114のそれぞれを取得した(例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104によって)又は受信した(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116によって)時刻を示すタイムスタンプと、を含む。タイムスタンプは、例えば、装着型グルコースモニタリングデバイス104又はグルコースモニタリングアプリケーション116によって提供され得る。追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、ユーザ102が関与する活動、ユーザ102の行動、ユーザ102の反応、ユーザ102の医学的状態、ユーザ102の生体データなどユーザ102のグルコース(例えば、ユーザ102のグルコースレベル)に影響を及ぼし得る事象又は状態を示す、種々の他のデータのいずれかを含む。
【0320】
1つ以上の実装形態では、データストリーム1920は、特定の時間範囲(例えば、10秒ごと、毎分)にわたる歩数、特定の時間範囲(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)にわたる心拍数とタイムスタンプ、移動速度とタイムスタンプ(例えば、15秒ごとなど規則的又は不規則な間隔)、未処理の、又はフィルタ済みの加速度計データなど身体活動データを含み得る。身体活動データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される活動追跡アプリケーション、ユーザ102によって装着される活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0321】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は食事データを含む。例えば、この食事データは、ユーザ102が食事した時刻のタイムスタンプ及び消費された食物、特定の種類又はクラスの食物(例えば、野菜、穀物、肉、菓子、炭酸飲料)が消費された時刻のタイムスタンプ、食物の消費量などを含み得る。
【0322】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、ユーザの1日の睡眠分数を示すデータなどの睡眠データを含む。睡眠データはまた、ユーザの睡眠パターンに関するデータを含み得る。例えば、データストリーム1920は、ユーザの睡眠時間、特定の時間におけるユーザの睡眠状態(例えば、ステージ1、ステージ2、ステージ3、又は急速眼球運動(REM)睡眠)などを示すデータを含み得る。睡眠データは、装着型グルコースモニタリングデバイス104、コンピューティングデバイス106上で実行される睡眠追跡アプリケーション、ユーザ102が装着する活動又はフィットネストラッカなど様々なソースから受信され得る。
【0323】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は薬剤データを含む。例えば、この薬剤データは、ユーザ102が薬剤を服用した時刻のタイムスタンプ、及び服用した薬剤(ユーザ102が所定の時間に、又は所定の間隔で自身の薬を服用したか否かを判定するために使用され得る)、薬剤の変更のインジケーション(例えば、服用した薬剤の種類又は用量の変更)などを含み得る。
【0324】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、心拍変動(HRV)、皮膚伝導度及び温度、呼吸速度測定値、脳波(EEG)からのデータ、生体液中のコルチゾール、皮膚から放出される揮発性有機成分(VOC)などのストレス管理を反映するデータを含む。
【0325】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、グルコースモニタリングアプリケーション116へのユーザ関与に関するデータを含む。例えば、このアプリケーション関与データは、ユーザ102がアプリケーションを閲覧した時刻のタイムスタンプ並びに閲覧した画面又はUIの部分、ユーザ102がアプリケーション116に入力を提供した(又は別様に対話した)時刻のタイムスタンプ並びにその入力内容、アプリケーション116によって提供されたフィードバックをユーザが閲覧又は承認した時刻のタイムスタンプなどを含み得る。
【0326】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、コンピューティングデバイス106、コンピューティングデバイス106のディスプレイ、又は糖尿病管理への関与レベルを示す他のシステム構成要素とのユーザ対話に関係するデータを含む。そのようなデータの例は、アプリケーション(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション)が開かれた回数、グルコースデータ又は以前のフィードバック若しくは教材の再検討に費やされた時間、コーチ又は臨床医との対話頻度などを含む。
【0327】
追加的に又は代替的に、データストリーム1920は、グルコースモニタリングプラットフォーム110などを介してユーザ母集団108の他人へのユーザの関与に関するデータを含む。例えば、この他ユーザ関与データは、ユーザ102が別のユーザと通信した時刻のタイムスタンプ、並びに当該他ユーザが誰であったか、別のユーザと通信した情報の説明などを含み得る。
【0328】
事象検出モジュール1902は、データストリーム1920を受信し、ユーザのグルコースレベルに影響を及ぼし得るデータストリーム1920内の事象又は状態を識別する。これらの事象又は状態は、身体活動、睡眠、摂取した食事、服用した薬剤など、データストリーム1920内のデータによって示される任意の事象又は状態であり得る。事象検出モジュール1902は、ユーザ102による一連の身体活動のインジケーション、ユーザ102の睡眠時間のインジケーション、ユーザ102が摂取した食事のインジケーション、ユーザ102が服用した薬剤のインジケーションなど、これらの事象又は状態を識別する事象インジケーション1922を出力する。
【0329】
1つ以上の実装形態では、事象検出モジュール1902は、データストリーム1920内の身体活動データを受信し、ユーザ102による一連の身体活動を識別する。身体活動とは、安静時(基礎)レベルを上回るエネルギー消費をもたらす、骨格筋によって発生する任意の身体運動を指す。事象検出モジュール1902は、ユーザによるエネルギー消費が少なくとも安静時レベルを上回る閾値量である間の時間である、一連の身体活動を識別する。事象検出モジュール1902は、様々な異なる方法のいずれかで一連の身体活動を識別する。1つ以上の実装形態では、事象検出モジュール1902は、歩数に基づいて一連の身体活動を識別する。例えば、一連の身体活動は、ユーザ102が、少なくとも閾値時間(例えば、5分)の間に、少なくとも閾値歩数(例えば、60歩)/分を歩き、少なくともある連続時間(例えば、5分)の間に閾値歩数(例えば、60歩)を下回らないことである。少なくとも連続分数(例えば、5分)の間にユーザ102が閾値歩数(例えば、60歩)を下回ると、一連の身体活動は終了する。連続時間に満たない間に歩数が閾値歩数未満に低下することを可能にすることにより、ユーザが身体活動中に小休止したとしても、単一の一連の身体活動期間が識別されることが可能になる。これらの閾値(例えば、閾値時間又は閾値歩数)は、年齢、フィットネスレベル、歩行速度(walking gate speed)に影響を及ぼし得る併存疾患の有病率などユーザの様々な特性に基づいて、任意選択的に調整又は修正される。例えば、より高齢の個人は、より高い閾値を有するより若い個体と同じ強度に達するために、より控え目な閾値を必要とし得る。
【0330】
追加的に又は代替的に、事象検出モジュール1902は、様々な心拍数ベースの強度値のいずれかに基づいて一連の身体活動を識別する。1つのそのような心拍数ベースの強度値は、ユーザ102のパーセント予備心拍数値である。パーセント予備心拍数値は、ユーザの予測最大心拍数にどれだけ近いかを示す。例えば、現在時刻におけるユーザのパーセント予備心拍数(%HHR)値は、以下のように識別することができる。
【0331】
【数5】
式中、HR
exは、現在時刻におけるユーザの心拍数を指し、HR
restは、ユーザの安静時心拍数を指し、HRRは、ユーザ102の予備心拍数を指し、これは、HRR=HR
max-HR
restとして決定され、HR
maxは、ユーザの最大心拍数を指す。
【0332】
ユーザの現在の心拍数は、ユーザが装着する活動モニタなどからなど様々な方法で取得される。ユーザの安静時心拍数は、ユーザが装着する活動モニタから、(例えば、コンピューティングデバイス106の)UIを介したユーザからの入力など様々な方法で取得される。ユーザの最大心拍数は、様々な式から推定される、VO2最大検定など様々な様式で得られる。
【0333】
事象検出モジュール1902は、様々な方法でパーセント予備心拍数値を使用して、ユーザ102の一連の身体活動を決定する。例えば、一連の身体活動は、少なくとも閾値時間(例えば、3分)の間に閾値量(例えば、40%)を超え、少なくともある連続時間(例えば、3分)の間に閾値量(例えば、40%)を下回らない、ユーザ102のパーセント予備心拍数値である。少なくとも連続時間(例えば、3分)の間にユーザ102が閾値量(例えば、40%)を下回ると、一連の身体活動は終了する。連続時間未満の間にパーセント予備心拍数値が閾値量未満に低下することを可能にすることにより、ユーザが身体活動中に小休止したとしても、単一の一連の身体活動期間が識別されることが可能になる。
【0334】
別のそのような心拍数ベースの強度値は、最大心拍数のパーセントである。ユーザの最大心拍数は、上述したように様々な方法で取得される。事象検出モジュール1902は、様々な方法で最大心拍数のパーセントを使用して、ユーザ102の一連の身体活動を決定する。例えば、一連の身体活動は、少なくとも閾値時間(例えば、3分)にわたって閾値量(例えば、60%)を超え、少なくともある連続時間(例えば、3分)の間に閾値量(例えば、60%)を下回らない、ユーザ102の最大心拍数である。少なくとも連続時間(例えば、3分)の間にユーザ102が閾値量(例えば、60%)を下回ると、一連の身体活動は終了する。連続時間未満の間に最大心拍数が閾値量未満に低下することを可能にすることにより、ユーザが身体活動中に小休止したとしても、単一の一連の身体活動期間が識別されることが可能になる。
【0335】
追加的に又は代替的に、事象検出モジュール1902は、ユーザ102の代謝当量(MET)に基づいて一連の身体活動を識別する。METは、安静に座っているユーザに対して使用されるエネルギーの量の推定値であり、1METは、安静に座っている間にユーザによって消費された酸素の量である。任意の現在時間においてユーザによって消費されたMETは、ユーザが装着する活動モニタなどから様々な方法で取得される。
【0336】
事象検出モジュール1902は、様々な方法でMETを使用して、ユーザ102の一連の身体活動を判定する。例えば、一連の身体活動は、少なくとも閾値時間(例えば、5分間)にわたって閾値量(例えば、2MET)を超え、少なくともある閾値時間(例えば、5分間)の間に閾値量(例えば、2MET)を下回らない、ユーザ102のMETの数である。少なくとも連続分数(例えば、5分)の間にユーザ102が閾値量(例えば、2MET)を下回ると、一連の身体活動は終了する。連続時間未満の間にMETが閾値量未満に低下することを可能にすることにより、ユーザが身体活動中に小休止したとしても、単一の一連の身体活動期間が識別されることが可能になる。
【0337】
事象検出モジュール1902はまた、複数の異なる技法を同時に使用して一連の身体活動を識別し得る。そのような状況では、閾値量又は値は、単一の技法が使用される場合とは異なり得る。例えば、一連の身体活動は、閾値量(例えば、45%)を超えるユーザ102、及び少なくとも閾値時間(例えば、5分)の間に少なくとも閾値歩数(例えば、40歩)/分を歩くユーザ102のパーセント予備心拍数値である。一連の身体活動は、ユーザ102が少なくとも連続時間(例えば、5分)の間に閾値量(例えば、45%の予備心拍数かつ40歩/分)を下回らない限り継続する。少なくとも連続時間(例えば、5分)の間にユーザ102が閾値量(例えば、45%の予備心拍数かつ40歩/分)を下回ると、一連の身体活動は終了する。この組み合わせにより、例えば、ユーザの心拍数が十分に高い場合に、より少ない歩数が一連の身体活動として識別されることが可能になる。
【0338】
追加的に又は代替的に、一連の身体活動は、種々の他の様式で識別され得る。例えば、一連の身体活動の開始及び終了を示すユーザ入力(例えば、音声入力、ジェスチャ、コンピューティングデバイス106上のボタンの選択)が受信され得る。別の例として、一連の身体活動は、心拍数モニタ(例えば、ユーザが装着する)がオンになると開始し、心拍数モニタがオフになると終了し得る。別の例として、一連の身体活動は、心拍数モニタ(例えば、ユーザが装着する)が、Bluetooth(登録商標)又はANT通信を介してなどエクササイズマシン(例えば、トレッドミル又は他のエクササイズマシン)によって検出されると開始し、心拍数モニタがマシンによって検出されなくなると終了し得る。エクササイズマシンは、例えば、一連の身体活動の開始及び終了をコンピューティングデバイス106に通信し得る。
【0339】
事象検出モジュール1902は、識別された一連の身体活動ごとに、事象インジケーション1922を予測制御モジュール1906及びグルコース測定値予測モジュール1908に出力する。各事象インジケーション1922は、一連の身体活動が発生した期間を示す。この時間は、例えば、一連の身体活動の開始時間及び終了時間であり得る。
【0340】
生体データ検出モジュール1904は、データストリーム1920を受信し、データストリーム1920内のグルコース測定値を識別する。これらの識別されたグルコース測定値は、グルコース測定値1924として予測制御モジュール1906に提供される。追加的に又は代替的に、生体データ検出モジュール1904は、ユーザ102のグルコースに影響を及ぼし得る心拍数データ、HRVデータ、呼吸数データなど、データストリーム1920に含まれる様々な他のデータのいずれかを検出し、検出した当該データを予測制御モジュール1906に提供する。追加的に又は代替的に、生体データ検出モジュール1904は、グルコース予測システム310が、グルコース測定値の予測に役立つようにユーザ及びユーザと同様の特性を有するコホート(例えば、ユーザ母集団108内の他のユーザ)について有する情報に基づいて(based off)、データストリーム1920から(例えば、構内のデータベースから又はネットワーク112を介してクラウド内で)他の種類の情報を検出し得る。例えば、生体データ検出モジュール1904が、ユーザのフィットネスレベルに関する情報を検出していない場合(例えば、予測グルコース測定値を生成する際に、グルコース測定値予測モジュール1908によってユーザのフィットネスレベルが使用される状況において)、生体データ検出モジュール1904は、個人の人口統計情報を検出するか、又は取り出し、個人の最も類似するコホートのフィットネスレベルに基づいて個人のフィットネスレベルを推定する。生体データ検出モジュール1904は、予測グルコース測定値の生成のために、このデータ又は情報のいずれかをグルコース測定値予測モジュール1908に提供し得る。
【0341】
予測制御モジュール1906は、事象インジケーション1922において識別された一連の身体活動について、一連の身体活動の直前の時間を識別する。この時間は、例えば、30~40分であり得る。予測制御モジュール1906は、一連の身体活動の直前の時間に対応するグルコース測定値1924(例えば、一連の身体活動の直前30~40分以内のタイムスタンプを有する)を識別し、グルコース測定値をグルコース測定値1926としてグルコース測定値予測モジュール1908に提供する。
【0342】
グルコース測定値予測モジュール1908は、事象インジケーション1922及びグルコース測定値1926を受信し、ユーザのグルコースに対する一連の身体活動の影響を予測する。グルコース測定値予測モジュール1908は、グルコース測定値1926(及び任意選択的に他の生理学的データ又は人口統計データ)に基づいて、ユーザが(事象インジケーション1922によって示されるように)一連の身体活動を行っていた期間中にユーザが一連の身体活動を行っていなかった場合にユーザが有していたであろう1つ以上の予測グルコース測定値を生成することによって、この予測を生成する。予測グルコース測定値は、予測グルコース測定値1928として出力されるか、又はフィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供される。
【0343】
1つ以上の実装形態では、グルコース測定値予測モジュール1908は、予測グルコース測定値を生成する機械学習システムを含む。機械学習システムは、未知の関数を近似するために、入力に基づいて調整(例えば、トレーニング)され得るコンピュータ表現を指す。特に、機械学習システムは、既知のデータのパターン及び属性を反映する出力を生成するように学習するために、既知のデータを分析することによって、既知のデータから学習し、既知のデータに対して予測を行うアルゴリズムを利用するシステムを含むことができる。例えば、機械学習システムは、一次自己回帰モデル及び二次自己回帰モデルなど統計的時系列予測モデル、決定木、サポートベクトルマシン、線形回帰、ロジスティック回帰、ベイジアンネットワーク、ランダムフォレスト学習、次元削減アルゴリズム、ブースティングアルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、深層学習などを含み得る。
【0344】
機械学習システムは、例えば、ユーザの複数のグルコース測定値のセットである訓練データを使用することによって訓練される。これらは、例えば、ある時間(一連の身体活動の直前のグルコース測定値が予測制御モジュール1906によって識別されるのと同じ時間、例えば30~40分)にわたる複数の連続グルコース測定値のセットである。訓練データは、様々な日、週、月などの間にわたってユーザについて受信したグルコース測定値に基づいて(例えば、ランダムに又は擬似ランダムに)選択され得る。訓練データは、一連の身体活動を含まない時間のグルコース測定値を含む。これにより、機械学習システムが、身体活動の不在下で発生するグルコース測定値を予測するように訓練されることが可能になる。
【0345】
既知のラベルは、後続のグルコース測定値(例えば、訓練データ内のグルコース測定値の直後に発生するグルコース測定値)を示す複数データのセットに関連付けられている。機械学習システムは、訓練データについて機械学習システムによって生成されたグルコース測定値と訓練データの対応する既知のラベルとの間の損失を最小限に抑えるように、機械学習システム内の層の重み若しくは値又は係数を更新することによって訓練される。機械学習システムをトレーニングする際に、クロスエントロピー損失、平均二乗誤差損失などの様々な異なる損失関数を使用することができる。
【0346】
追加的に又は代替的に、機械学習システムは、データストリーム1920内の、又は生体データ検出モジュール1904によって検出された様々な他のデータのいずれかに基づいて、予測グルコース測定値を生成するように訓練される。そのような状況では、訓練データは、ある時間にわたって測定された複数のデータのセットなど、ユーザ用のデータセットを含む。例えば、機械学習システムは、生理学的パラメータ(例えば、未処理の心拍数データ、相対的な心拍数ベースの強度測定値、血圧測定値など)、人口統計情報(例えば、年齢、性別など)、臨床情報(薬剤スタックデータ、共存症の有病率データ、フィットネスレベルデータなど)などの任意の組み合わせに基づいて予測グルコース測定値を生成するように訓練され得る。
【0347】
機械学習システムは、訓練データの後に(例えば、訓練データの直後に)発生する複数のグルコース測定値を生成するように訓練される。機械学習システムが生成するように訓練されるグルコース測定値の数は、ユーザの以前の一連の身体活動に基づいてユーザの一連の身体活動の平均持続時間を決定すること、ユーザの一連の身体活動の典型的な持続時間を指定するユーザ入力を受信することなど、様々な異なる方法で決定され得る。1つ以上の実装形態では、機械学習システムは、一連の身体活動中(例えば、一連の身体活動の平均持続時間中又は典型的な持続時間中)に典型的に測定されるであろう訓練データに従って、多数のグルコース測定値を生成するように訓練される。例えば、グルコース測定値が5分ごとに取得され、1回の一連の身体活動の典型的な持続時間が30分であると仮定すると、機械学習システムは、5分後、10分後、15分後、20分後、25分後、及び30分後に予測グルコース測定値を生成するように訓練される。追加的に又は代替的に、機械学習システムは、予測時点の直近ではない(例えば、訓練期間と予測時点との間にずれがあり得る)データで訓練され得る。
【0348】
追加的に又は代替的に、機械学習システムは、一連の身体活動中(例えば、一連の身体活動の平均持続時間中又は典型的な持続時間中)に、及び一連の身体活動をある期間(例えば、15分又は20分)を超えて延長して典型的に測定されるであろう訓練データに従って、多数のグルコース測定値を生成するように訓練される。例えば、グルコース測定値が5分ごとに取得され、1回の一連の身体活動の典型的な持続時間が30分であると仮定すると、機械学習システムは、5分後、10分後、15分後、20分後、25分後、30分後、35分後、40分後、及び45分後に予測グルコース測定値を生成するように訓練される。
【0349】
1つ以上の実装形態では、機械学習システムは、予測グルコース測定値ごとに信頼レベルを生成する。そのような状況では、グルコース予測システム310は、予測グルコース測定値の信頼レベルに基づいて様々なアクションを行い得る。例えば、グルコース予測システム310は、予測グルコース測定値の信頼レベルが閾値(例えば、75%)を超える状況においてのみ、(以下でより詳細に論じられるように)予測グルコース測定値をユーザに通知し得る。別の例として、グルコース予測システム310は、グルコース測定値の信頼レベルが閾値(例えば、75%)を超える場合にのみ、予測グルコース測定値をユーザに通知し得る。信頼レベルが閾値を超えなくなった後、グルコース予測システム310は、ユーザが今なお一連の身体活動に関与しているか否かにかかわらず、予測グルコース測定値をユーザに通知し得ない。
【0350】
1つ以上の実装形態では、機械学習システムは、予測グルコース測定値ごとに予測区間を生成する。例えば、10分後の予測グルコース測定値について、閾値(例えば、75%)を超える信頼レベルを有する予測グルコース測定値の範囲など予測区間又は範囲が生成される。そのような実装形態では、グルコース予測システム310は、一連の身体活動時のユーザの実際のグルコース測定値が予測区間若しくは範囲の外側にあるか、又は何らかの閾値(例えば、250mg/dL)を超える場合にのみ、予測グルコース測定値をユーザに通知し得る。したがって、ユーザは、自身の実際のグルコース測定値と予測グルコース測定値との間に有意な差がない状況(ユーザが一連の身体活動に関与していた場合)を通知される必要はない。
【0351】
追加的に又は代替的に、グルコース測定値予測モジュール1908は、種々の他のモデルのうちのいずれかを使用して、予測グルコース測定値1928を生成することができる。例えば、グルコース測定値予測モジュール1908は、生理学的(薬物動態)又は現象学的モデルを使用することができる。例えば、グルコース取り込みは、グルコース取り込み及び運動強度などパラメータを有する常微分方程式を使用してモデル化され得る。
【0352】
図20は、予測グルコース測定値を生成する例2000を示す。例2000では、複数(8個)のグルコース測定値2002が示されている(例えば、グルコース測定値1924として受信される)。(例えば、事象表示1922によって示されるような)ユーザの一連の身体活動の開始に対応する時間2004が示されている。グルコース測定値2006は、グルコース測定値2002のサブセットであり、時間2004の直前のグルコース測定値である。グルコース測定値2006はグルコース測定値予測モジュール1908によって使用されて、グルコース測定値2002の直後に発生する予測グルコース測定値2008を生成する。予測グルコース測定値2008は、時間2004において開始した一連の身体活動の持続時間に対して生成される。追加的に又は代替的に、予測グルコース測定値2008は、一連の身体活動を超えて延長する時間(例えば、15分又は20分)など他の期間に対して生成され得る。これにより、より有意な血糖影響フィードバックがユーザ102に提供されるようになる。例えば、一連の身体活動の持続時間がわずか8分であり、予測グルコース測定値2008を15分又は20分延長することにより、ユーザの身体が身体活動に反応してユーザのグルコース測定値に有意な変化を与えるのにかかる時間を考慮して、より正確なフィードバックをユーザに提供できるようになる。
【0353】
別の例として、予測グルコース測定値2008は、身体活動の強度に基づいて異なる期間について生成され得る。例えば、身体活動の強度が高いほど、予測グルコース測定値2008が生成される期間が長くなる。
【0354】
図19に戻ると、機械学習システムの訓練に使用される訓練データは、特定のユーザ102のグルコース測定値を含む。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908の機械学習システムは、個人ユーザ102に合わせて訓練されるか、又はカスタマイズされ、当該個人ユーザの身体及びグルコースを考慮する。
【0355】
個人ユーザ102に合わせてカスタマイズされるが、グルコース測定値予測モジュール1908の機械学習システムは、任意選択的に、ユーザのグルコース管理を変更し得る様々な事象に応答して経時的に再訓練され得る。例えば、機械学習システムは、ユーザの身体の変化を考慮するために、ある期間(例えば、6か月又は1年)後に新しい訓練データを使用して再訓練され得る。別の例として、機械学習システムは、ユーザの薬剤の変更後に取得された新しい訓練データを使用して、再訓練され得る。
【0356】
UIモジュール1910は、任意選択的に、予測グルコース値1928を受信し、予測グルコース値1928を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。追加的に又は代替的に、予測グルコース測定値1928は、医療提供者又は臨床医など別のユーザ又はシステムに通信される。グルコース測定値予測モジュール1908は、任意選択的に、予測グルコース測定値1928を、ユーザへのメッセージ又はフィードバック、例えば、一連の身体活動がない場合のユーザのグルコース測定値に対するグルコースの改善(予測グルコース測定値1928によって示されるように)を識別する、褒める内容のメッセージに組み込む。
【0357】
UIモジュール1910(又はフィードバック提示システム122)は、様々な時間のいずれかにおいて予測グルコース測定値1928を表示するか、又は別様に提示することができる。1つ以上の実装形態では、UIモジュール1910(又はフィードバック提示システム122)は、一連の身体活動の終了時に予測グルコース測定値1928を表示するか、又は別様に提示する。追加的に又は代替的に、UIモジュール1910(又はフィードバック提示システム122)は、予測グルコース測定値1928に対するユーザ要求に応答して、特定の時間間隔(例えば、毎晩又は毎朝)で、グルコースレベル又は動態の正の有意な変化(例えば、ユーザのグルコースレベルが閾値量未満に低下した、又は閾値量分を低下した)に応答してなど、他の時間に予測グルコース測定値1928を表示するか、又は別様に提示する。
【0358】
図21は、予測グルコース測定値を提供する例2100を示す。例2100は、横軸に沿った時間に対して縦軸に沿ってmg/dL単位でグルコース測定値をプロットしたグラフ2102を含む。例2100では、ユーザが時間2104において食事をすると仮定する。実線2106によって示されるユーザのグルコース測定値は、食事後に増加する。更に、ユーザが時間2108において一連の身体活動を開始すると仮定する。身体活動の結果として、ユーザのグルコース測定値は、示されるように減少し始める。グルコース予測システム310は、時間2108(一連の身体活動の開始)に始まり、時間2112(例えば、一連の身体活動の終了)までの破線2110によって示される予測グルコース測定値を生成する。グルコース予測システム310は、コンピューティングデバイス106に表示するためのフィードバック2114を提供し、予測グルコース測定値及び実際のグルコース測定値のインジケーションをユーザに提供する。図示されるように、フィードバック2114は、ユーザのグルコースに対する一連の身体活動の結果を示し、ユーザが一連の身体活動を実行しなかった場合よりもユーザのグルコースがどの程度良好であるかを示す。
【0359】
図19に戻ると、グルコース測定値予測モジュール1908は、予測グルコース測定値1928をUIモジュール1910(又はフィードバック提示システム122)に提供するものとして論じられる。グルコース予測システム310は、任意選択的に、予測グルコース測定値1928に基づいて追加のアクションを行う。1つ以上の実装形態では、これらのアクションは、グルコース測定値114の生成頻度が低減され得ることをグルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に通知することを含む。例えば、グルコース予測システム310が一連の身体活動を識別し、以前の一連の身体活動の予測グルコース測定値1928が、一連の身体活動に関与していないユーザ102に対してグルコース測定値の改善を示す場合、グルコース予測システム310は、グルコースモニタリングアプリケーション116又は装着型グルコースモニタリングデバイス104に、一連の身体活動中にグルコース測定値114の生成頻度が低減され(例えば、5分ごとから10分ごとに)、グルコース測定値114の生成に費やされる電力を低減することができることを通知し得る。
【0360】
グルコース予測システム310の議論はまた、一連の身体活動の検出に応答して予測グルコース測定値1928を生成することを含む。追加的に又は代替的に、グルコース予測システム310は、他の事象、状態、生体データなどに対する一連の身体活動に基づいて(例えば、データストリーム1920内の任意のデータに基づいて)、予測グルコース測定値1928を生成する。例えば、グルコース予測システム310は、ユーザが飲食する閾値時間(例えば、30分)内に発生する身体活動に応答して、予測グルコース測定値1928を生成し得る。
【0361】
更に、グルコース予測システム310の議論は、一連の身体活動中のグルコース測定値を予測することを含む。1つ以上の実装形態では、グルコース予測システム310は、複数の異なる種類の身体活動を区別する。例えば、事象検出モジュール1902は、低速の散歩(例えば、60~79歩/分)、中速の散歩(80~99歩/分)、高速の散歩(例えば、100~119歩/分)、筋力トレーニングなど異なる種類の身体活動を検出し得る。グルコース測定値予測モジュール1908は、これらの種類の身体活動のうちの1つの間に取得された訓練データを使用して訓練された機械学習システムを含み得、ある種類の身体活動のユーザのグルコース測定値を、別の種類の一連の身体活動がユーザによって行われたときに予測することができる。例えば、機械学習システムは、一連の低速の散歩中に取得された訓練データを使用して訓練され得る。その後、ユーザが一連の高速の散歩に関与すると、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザが代わりに低速の散歩に関与した場合のグルコースを示す予測グルコース測定値1928を生成することができる。これらの予測グルコース測定値1928は、表示されるか、又は別様にユーザに提供され、低速の散歩よりも改善された、高速の散歩に起因するグルコース測定値をユーザに通知することができる。
【0362】
追加的に又は代替的に、1つ以上の実装形態では、グルコース予測システム310は、ユーザが一連の身体活動に関与していない期間のグルコース測定値を予測する。そのような予測グルコース測定値は、グルコース測定値予測モジュール1908が、一連の身体活動中に予測グルコース測定値を生成するように訓練された機械学習システムを含むことを除いて、一連の身体活動中にグルコース測定値を予測することに関する本明細書の考察と同様に生成され得る。これにより、グルコース予測システム310は、ユーザが実際に一連の身体活動に関与していた場合のユーザの予測グルコース測定値を示すフィードバックをユーザ又は他人又はシステムに提供することができるようになる。
【0363】
追加的に又は代替的に、グルコース予測システム310は、ユーザ102のグルコースに影響を及ぼし得る事象又は状態を示すデータなどデータストリーム1920に含まれる任意のデータに基づいて、グルコース測定値を予測することができる。そのような予測グルコース測定値は、一連の身体活動中のグルコース測定値を予測することに関する本明細書の考察と同様に生成され得る。これにより、グルコース予測システム310は、他の活動又は生物学的反応が発生している他の期間又は持続時間のグルコース測定値を予測することが可能になる。
【0364】
一例として、データストリーム1920は食事データを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザが飲食していなかった時間にわたって取得された訓練データ(及び任意選択的に、ユーザによって消費された食品又は飲料の種類)を使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、飲食中又は飲食後の期間について、ユーザが食品又は飲料を全く消費しなかった(又は異なる種類の食品若しくは飲料を消費した)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザが食品又は飲料を全く消費しなかった(又は異なる種類の食品若しくは飲料を消費した)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0365】
別の例として、データストリーム1920は、睡眠データを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザが眠っていなかった(又は特定の睡眠状態にあった)時間にわたって取得された訓練データを使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、睡眠中、又は睡眠後の期間について、ユーザが眠らなかった(又は異なる睡眠状態で若しくは異なる期間眠った)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザが眠らなかった(又は異なる睡眠状態で、若しくは異なる期間眠った)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0366】
別の例として、データストリーム1920は、薬剤データを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザが薬剤を服用した時間にわたって取得された訓練データ(及び任意選択的に、ユーザが服用した薬剤の種類若しくは用量)を使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、薬剤の服用中又は服用後の期間について、ユーザが薬剤を服用しなかった(又は異なる種類若しくは用量の薬剤を服用した)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザが薬剤を服用しなかった(又は異なる種類若しくは用量の薬剤を服用した)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0367】
別の例として、データストリーム1920は、ストレス管理を反映するデータを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザがストレスを感じていなかった(又は強いストレスを感じていた)時間にわたって取得された訓練データを使用して訓練された機械学習システムを含み得る。ユーザがストレスを感じているか、又は強いストレスを感じていることは、1つ以上の閾値を超える様々な生体データ(例えば、HRV、皮膚伝導度及び温度、呼吸数、EEGデータ、生体液中のコルチゾール、皮膚から放出されるVOC)、1~10のストレススケールでの評価など、ユーザが感じているストレスの程度に関する、(例えば、グルコースモニタリングアプリケーション116若しくは他のモバイルアプリケーション、又はデスクトップユーザインタフェースを介して)受信されたユーザフィードバックなど様々な方法で判定することができる。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザがストレスを感じている(又は強いストレスを感じている)期間に、ユーザがストレスを感じていなかった(又は強いストレスを感じていなかった)場合のユーザのグルコース測定値を予測することができる。実際のグルコース測定値と、ユーザがストレスを感じていなかった(又は強いストレスを感じていなかった)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0368】
別の例として、データストリーム1920は、グルコースモニタリングアプリケーション116へのユーザ関与に関するデータを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザがグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していなかった、又は特定の様式でグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していた期間にわたって取得された訓練データ(例えば、閲覧された画面、又は入力されたデータ)を使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、グルコースモニタリングアプリケーション116に関与している(又は特定の様式でグルコースモニタリングアプリケーション116に関与している)期間又はその後の期間に、ユーザがグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していなかった(又は異なる様式でグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していた)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザがグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していなかった(又は異なる様式でグルコースモニタリングアプリケーション116に関与していた)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0369】
別の例として、データストリーム1920は、コンピューティングデバイス106、コンピューティングデバイス106のディスプレイ、又は糖尿病管理への関与レベルを示す他のシステム構成要素とのユーザ対話に関係するユーザ対話データを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザがコンピューティングデバイス106、ディスプレイ、又は他の構成要素と対話していた時間にわたって取得された訓練データ(及び任意選択的に、ユーザが行った対話の種類)を使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908が、コンピューティングデバイス106、ディスプレイ、若しくは他のシステム構成要素と対話している期間、又はその後の期間に、ユーザがコンピューティングデバイス106、ディスプレイ、又は他のシステムと対話した(又はコンピューティングデバイス106、ディスプレイ、若しくは他のシステムのうちの異なる1つと対話した)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザがコンピューティングデバイス106、ディスプレイ、又は他のシステムと対話した(又はコンピューティングデバイス106、ディスプレイ、若しくは他のシステムのうちの異なる1つと対話した)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0370】
別の例として、データストリーム1920は、ユーザ母集団108の他のユーザへのユーザの関与に関するデータを含み得る。したがって、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザがユーザ母集団108の他のユーザに関与していなかった時間にわたって取得された訓練データ(又は任意選択的に、ユーザが関与していたユーザ母集団108)を使用して訓練された機械学習システムを含み得る。これにより、グルコース測定値予測モジュール1908は、ユーザ母集団108の他のユーザに関与している期間又はその後の期間に、ユーザがユーザ母集団108の他のユーザに関与していなかった(又はユーザがユーザ母集団108の異なるユーザに関与していた)場合のユーザのグルコース測定値を予測することが可能になる。実際のグルコース測定値と、ユーザがユーザ母集団108の他のユーザに関与していなかった(又はユーザがユーザ母集団108の異なるユーザに関与していた)場合のユーザの予測グルコース測定値との差は、ユーザ又は他人又はシステムに表示され得るか、又は別様に提供され得る。
【0371】
様々な異なる機械学習システムが本明細書で説明される(例えば、異なる種類のデータ、異なる種類の身体活動などに対して)。グルコース予測システム310は、これらの機械学習システムのうちの1つのみ、又は本明細書で説明される機械学習システムの任意の組み合わせを含み得ることに留意されたい。したがって、本明細書で論じられる予測グルコース測定値のいずれも、予測グルコース測定値の他のいずれかと同時に生成することができる。
【0372】
グルコース測定値予測モジュール1908は、特定のユーザ102のグルコース測定値に基づいて訓練された機械学習システムを含むものとして説明される。追加的に又は代替的に、ユーザは、1つ以上の類似特性を有する異なる母集団に分けられる。ユーザ102は、これらの異なる母集団のうちの1つの一部であり、グルコース測定値予測モジュール1908の機械学習システムは、ユーザ102と同じ母集団に属する他のユーザから取得された訓練データを使用して(例えば、ユーザ102と同じ母集団に属さないユーザから取得された全てのデータを除外して)訓練される。
【0373】
母集団は、様々な異なる方法のいずれかで定義され得る。1つ以上の実施形態では、集団は、糖尿病診断によって定義される(例えば、ユーザは糖尿病ではない、ユーザは1型糖尿病である、又はユーザは2型インスリン非依存性糖尿病である)。追加的に又は代替的に、母集団は、例えば年齢ベースの母集団など異なる方法で定義される。例えば、母集団は、ユーザが成人であるか、又は子供であるか(例えば、18歳超又は18歳未満)、ユーザが属する年齢層(例えば、0~5歳、5~10歳、10~20歳、20~30歳など)などに基づいている。別の例として、母集団は、高血圧、肥満、心血管疾患、神経障害、腎症、網膜症、アルツハイマー病、うつ病など、ユーザが有し得る追加の医学的状態に基づいて定義され得る。別の例として、母集団は、運動又は他の身体活動、睡眠パターン、労働時間対余暇時間など、ユーザの習慣又は活動に基づいて定義され得る。別の例として、母集団は、グルコース測定値114が取得される方法又はグルコース測定値114を取得するために使用される機器、例えば、グルコース測定値114がCGMを介して取得されるか否か、装着型グルコースモニタリングデバイス104のブランド、グルコース測定値114の取得頻度など、に基づいて定義され得る。
【0374】
別の例として、母集団は、ユーザの過去のグルコース測定値114に基づいて、例えば、過去のグルコース測定値114に基づいてクラスタリングすることによってユーザをグループ化することなどによって定義され得る。そのようなクラスタの例としては、高血糖変動性を有するユーザ、頻繁に低血糖になるユーザ、頻繁に高血糖になるユーザなどが挙げられる。別の例として、ユーザは、ユーザの過去の活動データ(例えば、ユーザが装着する活動トラッカから取得した歩数、エネルギー消費量、運動分数、睡眠時間など)を使用することによるクラスタリングによってグループ化され得る。そのようなクラスタの例としては、1日当たりの平均歩数が高いユーザ、1日当たりの平均エネルギー消費量が低いユーザ、平均睡眠時間数が低いユーザなどが挙げられる。
【0375】
上述したように、予測グルコース測定値1928は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得ることに留意されたい。そのような状況では、グルコース予測システム310は、UIモジュール1910を含む必要はない。追加的に又は代替的に、グルコース測定値1926及びイベントインジケーション1922は、フィードバックインジケーション312としてフィードバック提示システム122に提供され得る。そのような状況では、フィードバック提示システム122は、以下でより詳細に論じられるように、ユーザ(又は臨床医若しくは薬剤師など他人)に提供されるフィードバックを識別する。フィードバック提示システム122は、任意選択的に、報告可能な糖尿病管理フィードバック識別モジュール408に関して本明細書で論じられる技法のうちの任意の1つ以上を使用して、ユーザに提供されるフィードバックを識別する。
【0376】
図22及び
図23は、糖尿病管理を改善するための血糖影響予測を実施するための手順の例を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。
【0377】
図22は、糖尿病管理を改善するための血糖影響予測を実施する例における手順2200を示す。手順2200は、例えば、グルコース予測システム310など糖尿病管理フィードバック生成システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0378】
ユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック2202)。これらのグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。
【0379】
ユーザのグルコースレベルに影響を及ぼすユーザの事象又は状態を検出する(ブロック2204)。一連の身体活動、消費された食事、睡眠など、様々な事象又は状態のいずれかを検出することができる。
【0380】
1つ以上の予測グルコース測定値を生成する(ブロック2206)。1つ以上の予測グルコース測定値は、事象又は状態が発生しなかった場合にユーザが有していたであろうグルコース測定値である。これらの予測グルコース測定値は、ユーザのグルコースに対する事象又は状態の影響の予測である。
【0381】
予測グルコース測定値を表示させる(ブロック2208)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、予測グルコース値を、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0382】
図23は、糖尿病管理を改善するための血糖影響予測を実施する例における手順2300を示す。手順2200は、例えば、グルコース予測システム310など糖尿病管理フィードバック生成システムによって実行され、任意選択的に、フィードバック提示システム122などのフィードバック提示システムによって部分的に実行される。
【0383】
ユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック2302)。これらのグルコース測定値は、例えば、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。
【0384】
ユーザのグルコースレベルに影響を及ぼすユーザの事象又は状態が発生しなかった期間を検出する(ブロック2304)。これらの事象又は状態は、一連の身体活動、消費された食事、睡眠など様々な事象又は状態のいずれかであり得る。
【0385】
1つ以上の予測グルコース測定値を生成する(ブロック2306)。1つ以上の予測グルコース測定値は、事象又は状態が発生した場合にユーザが有していたであろうグルコース測定値である。これらの予測グルコース測定値は、ユーザのグルコースに対する事象又は状態の影響の予測である。
【0386】
予測グルコース測定値を表示させる(ブロック2308)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、予測グルコース値を、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0387】
フィードバック提示システムのアーキテクチャ
図3に戻ると、フィードバック提示システム122は、システム304~310によって生成されたフィードバックインジケーション312を受信する。概して、フィードバック提示システム122は、フィードバックインジケーション312によって示された糖尿病管理フィードバックを提示する、1つ以上のユーザインタフェースを出力させる。フィードバックランク付けモジュール320は、フィードバックインジケーション312によって示される様々なフィードバックをランク付けし、ランク付けしたフィードバック332をフィードバック選択モジュール322に提供する。フィードバック選択モジュール322は、ランク付けしたフィードバック332のうちの1つ以上を選択し、選択したフィードバック334をUIモジュール324に提供する。UIモジュール324は、選択したフィードバック334を受信し、選択したフィードバック334を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。フィードバック提示システム122はまた、フィードバック選択モジュール322によって選択されたフィードバックの記録であり、フィードバックがフィードバック提示システム122によって選択された、又はUIモジュール324によって表示(又は別様に提示された)された時刻(例えば、日時)であるフィードバックログ326を含む。フィードバック選択モジュール322は、以下でより詳細に説明されるように、フィードバックを選択する際にフィードバックログ326内のこの記録を使用することができる。
【0388】
1つ以上の実施形態では、フィードバック提示システム122は、糖尿病管理フィードバック生成システム304からフィードバックインジケーション312を受信する。糖尿病管理フィードバック生成システム304からのフィードバックインジケーション312は、上述したように満たされた各規則(例えば、
図4の各規則432)に対応するフィードバックのインジケーションを含む。フィードバックに対応する追加情報は、満たされた規則のインジケーション、満たされた規則が対象とする特徴、満たされた規則が対象とする期間、改善の大きさ(例えば、エフェクトサイズ)、フィードバックの種類(例えば、過去1日以上の所与の期間についてのグルコース測定値の改善、グルコース測定値が最良(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近い)であった、1日のうちの期間、正の持続パターン)などのフィードバックインジケーション312に任意選択的に含まれる。
【0389】
追加的に又は代替的に、フィードバック提示システム122は、グルコースレベル偏差検出システム306からフィードバックインジケーション312を受信する。グルコースレベル偏差検出システム306からのフィードバックインジケーション312は、グルコースレベル偏差検出システム306によって検出された各偏差の偏差識別情報(例えば、各偏差インジケーション1026及び偏差インジケーション1028に対応する偏差識別情報1030)を含む。偏差識別情報に対応する追加情報は、偏差の有意性のインジケーション(例えば、偏差の大きさ又はサイズ、偏差の方向(例えば、糖尿病管理に対する正又は負の影響))、偏差識別情報が肯定応答又は先制的警告であるか否かのインジケーションなど、フィードバックインジケーション312に任意選択的に含まれる。
【0390】
追加的に又は代替的に、フィードバック提示システム122は、行動修正識別システム308からフィードバックインジケーション312を受信する。行動修正識別システム308からのフィードバックインジケーション312は、行動修正フィードバック(実行可能な目標)など、少なくとも1つのトピックによってマッピングされる行動修正フィードバック(例えば、少なくとも1つのトピック1532によってマッピングされる行動修正フィードバックの全て)を含む。
【0391】
追加的に又は代替的に、フィードバック提示システム122は、グルコース予測システム310からフィードバックインジケーション312を受信する。グルコース予測システム310からのフィードバックインジケーション312は、フィードバックとして、予測グルコース測定値(例えば、予測グルコース測定値1928)及び予測グルコース測定値のコンテキスト情報(例えば、予測グルコース測定値が散歩などユーザの身体活動の結果であるというインジケーション)を含む。
【0392】
フィードバックインジケーション312は、フィードバック生成システム120によって生成される、様々な異なる糖尿病管理フィードバックを含む。フィードバックランク付けモジュール320は、フィードバックインジケーション312を受信し、フィードバックインジケーション312によって示される様々なフィードバックをランク付けし、ランク付けしたフィードバック332をフィードバック選択モジュール322に提供する。フィードバックランク付けモジュール320は、示されたフィードバックをランク付けするか、又は優先順位付けし、フィードバック選択モジュール322は、ユーザに提示するためにフィードバックを選択する。フィードバック提示システム122は、様々な異なる方法で、選択するためにフィードバックをランク付けするか、又は優先度を付けることができる。
【0393】
1つ以上の実装形態では、異なる特徴を異なる規則の対象とすることができ、満たされた規則に対応するフィードバックを、満たされた規則が対象とする特徴のタイプに基づいて優先度を付けるか、又はランク付けすることができる。例えば、臨床ガイドラインタイプを対象とする特徴から生じるフィードバックは、最近のグルコース測定値タイプを対象とする特徴よりも高くランク付けすることができ、最近のグルコース測定値タイプを対象とする特徴は、典型的に多大な変動性を有する特徴よりも高くランク付けすることができる、などである。特徴の種類は、フィードバック提示システム122の開発者又は設計者によって指定される、医療提供者又は専門家によって指定されるなど、様々な方法で決定され得る。例えば、これにより、より高い優先度又はランク付けされた特徴に対応するフィードバックが、ユーザへの表示又は別様での提示のために、他のより低い優先度又はランク付けされた特徴よりも優先して選択されることを可能にする。
【0394】
追加的に又は代替的に、特徴の種類ごとに最上の選択肢又は最も高くランク付けされたフィードバックが選択される。異なる種類の特徴は、フィードバック提示システム122の開発者又は設計者によって指定される、医療提供者又は専門家によって指定されるなど、様々な方法のいずれかでランク付けされ得る。これにより、特徴の種類ごとに最も高くランク付けされたフィードバックが識別されることが可能になり、次いで、それらのフィードバックが特徴の種類に基づいて互いに対してランク付けされることが可能になる。
【0395】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、ブール値(例えば、低い又は緊急性のない安全性評価に対応する0、高い又は緊急の安全性評価に対応する1)など異なる安全性評価を有し得る。例えば、これにより、緊急性又は安全性関連の特徴(例えば、範囲内に留まらない、又は閾値グルコースレベルを超える)に対応するフィードバックが、他の非緊急性又は非安全性関連の特徴よりも優先して選択され、より重要な糖尿病管理フィードバックをユーザに表示するか、又は別様に提示することが可能になる。フィードバックの安全性評価は、フィードバック提示システム122の開発者又は設計者によって指定される、医療提供者又は専門家によって指定されるなど、様々な方法で決定され得る。
【0396】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、満たされる異なる値(例えば、閾値、範囲内時間など)を伴う異なる規則に対応し得る。異なるフィードバックは、これらの異なる値のサイズ又は量に基づいて優先度又はランクを付けられ得る。例えば、より大きい程度(例えば、閾値を上回る又は下回るより大きい量、より長い範囲内時間など)満たされる規則に対応するフィードバックは、より小さい程度満たされる規則よりも高くランク付けされ得る。
【0397】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、(例えば、フィードバックログ326によって示されるように)対応する規則がどの程度最近に満たされたかに基づいて優先度又はランクを付けられ得る。例えば、それほど最近ではなく満たされた規則に対応するフィードバックは、より最近に満たされた規則に対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。例えば、これにより、(異なる規則に対応する)異なるフィードバックがユーザに提供されることが可能になり、あまりに頻繁にフィードバックを繰り返すことを回避する。
【0398】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、対応する規則が満たされる頻度に基づいて優先度又はランクを付けられ得る。例えば、それほど頻繁ではなく満たされる規則に対応するフィードバックは、より頻繁に満たされる規則に対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。例えば、これにより、(異なる規則に対応する)異なるフィードバックがユーザに提供されることが可能になり、あまりに頻繁にフィードバックを繰り返すことを回避する。
【0399】
追加的に又は代替的に、異なる検出パターンは異なるサイズを有し得、これらの検出パターンは、上述のように異なるトピックにマッピングされ得る。異なるフィードバックは、トピックによってマッピングされたフィードバックについて、当該トピックにマッピングされた検出パターンのサイズに基づいて優先度又はランクが付けられ得る。例えば、より大きいサイズを有するパターンがマッピングされるトピックによってマッピングされるフィードバックは、より小さいサイズを有するパターンがマッピングされるトピックによってマッピングされるフィードバックよりも高くランク付けされ得る。
【0400】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、検出パターンがどの程度最近にトピックにマッピングされたか(例えば、フィードバックログ326によって示されるように)に基づいて優先度又はランクが付けられ得る。例えば、検出パターンがあまり最近にマッピングされなかったトピックに対応するフィードバックは、検出パターンがより最近マッピングされたトピックに対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。例えば、これにより、(異なる検出パターンに対応する)異なるフィードバックがユーザに提供されることが可能になり、あまりに頻繁にフィードバックを繰り返すことを回避する。
【0401】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、検出パターンがトピックにマッピングされた頻度に基づいて優先度又はランクが付けられ得る。例えば、検出パターンがあまり頻繁にマッピングされないトピックに対応するフィードバックは、検出パターンがより頻繁にマッピングされるトピックに対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。例えば、これにより、(異なる検出パターンに対応する)異なるフィードバックがユーザに提供されることが可能になり、あまりに頻繁にフィードバックを繰り返すことを回避する。
【0402】
追加的に又は代替的に、異なるフィードバックは、通信のトーン又はタイプに基づいて優先度又はランクが付けられ得る。例えば、フィードバックは、情報トーンタイプ(例えば、ユーザに教育情報を提供する)又は建設的トーンタイプ(例えば、ユーザが実行可能な行動変化に関する提案)であり得る。建設的トーンタイプのフィードバックは、情報トーンタイプのフィードバックよりも高くランク付けされ得る。例えば、これにより、単に教育的な情報ではなく、ユーザが糖尿病管理を改善する変更を行う可能性がより高くなるフィードバックがユーザに提供されることが可能になる。フィードバックのトーン又はタイプは、フィードバック提示システム122の開発者又は設計者によって指定される、医療提供者又は専門家によって指定されるなど、様々な方法で決定され得る。
【0403】
フィードバックランク付けモジュール320は、フィードバックインジケーション312によって示されるフィードバックをランク付けするために、様々な異なる規則又は基準のいずれかを使用する。1つ以上の実施形態では、フィードバックランク付けモジュール320は、フィードバックの種類(例えば、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善、グルコース測定値が最良(例えば、最適範囲内又は最適値に最も近い)であった、1日のうちの期間、正の持続パターン)などに基づいて、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信したフィードバックをランク付けする。
【0404】
過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善タイプ、及びグルコース測定値が最良であった、1日のうちの期間タイプに対応するフィードバックのそれぞれについて、フィードバックランク付けモジュール320は、大きさによって、次いで期間によって、次いで対応する特徴(例えば、メトリック)によってフィードバックをランク付けする。大きさによってランク付けする場合、より大きい大きさ(より大きい改善)を有する特徴に対応するフィードバックは、より小さい大きさ(より小さい改善)を有する特徴に対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。期間によってランク付けする場合、夜間又は就寝期間は、他の期間よりも低くランク付けされる(例えば、ユーザがアクションを行う可能性がより高くなるように、食事後などユーザがアクションを行うことができる期間に焦点を当てたフィードバックを可能にする)。これらの他の期間は、互いに対して同じランクを有する。
【0405】
対応する特徴によってランク付けする場合、ランクは、期間に基づいて変化する。例えば、夜間又は就寝期間の場合、最高ランク~最低ランクは、狭い範囲(例えば、70mg/dL~140mg/dL)内の時間、次いで、より広い範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間、次いで、特定のグルコースレベル(例えば、70mg/dL)を下回る時間、次いで、特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間、次いで、平均グルコースレベルとなる。他の期間の場合、最高ランク~最低ランクは、最大グルコースレベル、次いで狭い範囲(例えば、70mg/dL~140mg/dL)内の時間、次いでより広い範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間、次いで特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間、次いで特定のグルコースレベル(例えば、70mg/dL)を下回る時間、次いで平均グルコースレベルとなる。
【0406】
1つ以上の実装形態では、対応する特徴によってランク付けするとき、ランクは、特定の特徴の特定の値に基づいて変動し得る。例えば、範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間が少なくとも閾値量(例えば、期間の70%)である場合、狭い範囲(例えば、70mg/dL~140mg/dL)内の時間は、特徴の中で最も高くランク付けされ、平均グルコースレベルは、特徴の中で2番目に高くランク付けされる。別の例として、変動係数が少なくとも閾値量(例えば、期間中に30%)である場合、特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間は、特徴の中で最も高くランク付けされ、最大グルコースレベルは、特徴の中で2番目に高くランク付けされる。
【0407】
正の持続パターンタイプの場合、フィードバックランク付けモジュール320は、大きさによって、次いで対応する特徴(例えば、メトリック)によってフィードバックをランク付けする。大きさによってランク付けする場合、より大きい大きさ(より長い傾向持続期間)を有する特徴に対応するフィードバックは、より小さい大きさ(より短い傾向持続期間)を有する特徴に対応するフィードバックよりも高くランク付けされる。対応する特徴によってランク付けする場合、ランク付けは、期間に基づいて変動する(過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善タイプ及びグルコース測定値が最良であった、1日のうちの期間タイプに対応するフィードバックに関して上述したのと同様である)。
【0408】
1つ以上の実施形態では、フィードバックランク付けモジュール320は、行動修正識別システム308から受信したフィードバックを、対応する特徴(例えば、メトリック)によって、次いで、大きさによって、次いで、時刻(例えば、期間)によってランク付けする。期間によってランク付けする場合、期間は、晩(例えば、夕食後)、朝(例えば、朝食後)、真昼(例えば、昼食後)、及び夜間(例えば、就寝中)の順で(最も重要なものから重要性の低いものへと)ランク付けされる。
【0409】
1つ以上の実装形態では、対応する特徴によってランク付けする場合、様々な時間枠におけるランク付けは同じである。例えば、最高ランク~最低ランクは、最大グルコースレベル、次いで特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間、次いで範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間、次いで変動係数、次いで平均グルコースである。追加的に又は代替的に、異なる期間に対して異なるランクが使用され得る。例えば、最大グルコースメトリックは、夜間期間に優先度が下げられ得る(例えば、より低くランク付けされ得る)。これは、人々による当該期間中の最大グルコースの管理がより少ない傾向があり、したがって、他のメトリックよりも実用的ではないためである。
【0410】
1つ以上の実装形態では、対応する特徴によってランク付けするとき、ランクは、特定の特徴の特定の値に基づいて変動し得る。例えば、特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間が、少なくとも閾値量(例えば、期間の1%)である場合、夜間又は就寝期間について、特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間は、特徴の中で最も高くランク付けされ、夜間グルコースレベルは、特徴の中で2番目に高くランク付けされる。別の例として、変動係数が少なくとも閾値量(例えば、期間中に30%)である場合、最高グルコースレベルは、特徴の中で最も高くランク付けされ、変動係数は、特徴の中で2番目に高くランク付けされる。
【0411】
大きさによってランク付けする場合、フィードバックにマッピングするトピックにマッピングする検出パターンの大きさが比較される。より大きい大きさ(より大きいサイズ)を有する検出パターンの場合、検出パターンと同じトピックにマッピングされているフィードバックは、より小さい大きさ(より小さいサイズ)を有する検出パターンと同じトピックにマッピングされているフィードバックよりも高くランク付けされる。
【0412】
1つ以上の実装形態では、フィードバックランク付けモジュール320は、安全性関連フィードバックを他のフィードバックとは別個に扱う。安全性関連フィードバックとは、ユーザにとっての深刻な健康リスクを示すフィードバックであって、ユーザが医療専門家からの支援を迅速に求めるか、又は是正措置を迅速にとるべきフィードバックを指す。例えば、特定のグルコースレベル(例えば、70mg/dL)を下回る時間が少なくとも閾値量(例えば、期間の1%)であること、又は特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間が少なくとも閾値量(例えば、期間の1%)であることから生じるフィードバックは、安全性関連フィードバックとみなされる。フィードバックランク付けモジュール320は、この安全性関連フィードバックを安全性関連フィードバック336としてフィードバック選択モジュール322に提供し、フィードバック選択モジュール322が、安全性関連フィードバック336をユーザに迅速に提供できるようにする。
【0413】
フィードバックランク付けモジュール320によってランク付けされたフィードバックは、ランク付けされたフィードバック332として出力される。フィードバック選択モジュール322は、ランク付けされたフィードバック332及び安全性関連フィードバック336のうちの1つ以上を選択し、選択したフィードバック334をUIモジュール324に提供する。1つ以上の実装形態では、フィードバック選択モジュール322は、選択したフィードバック334として、安全性関連フィードバック336及びランク付けされたフィードバック332の全て(そのランク付けの順序で、例えば、システム304~310のうちのいずれからフィードバックが受信されたかに基づいて分類される)を提供する。例えば、選択したフィードバック334は、安全性関連フィードバック336、フィードバックランク付けモジュール320によってランク付けされた順序の糖尿病管理フィードバック生成システム304からのフィードバック、続いてフィードバックランク付けモジュール320によってランク付けされた順序の、行動修正識別システム308からのフィードバックであり得る。選択したフィードバック334は、ランク付けされたフィードバック332のうちの1つ又は2つの最も高いランクのフィードバックなど、ランク付けされたフィードバック332のサブセットのみを含み得る。
【0414】
1つ以上の実装形態では、安全性関連通信(例えば、安全性関連フィードバック336)は、UIモジュール324によって、UIモジュール324による受信の3分又は5分以内など迅速に出力される。したがって、安全性関連通信がユーザに迅速に提供され、ユーザが適切な医療又は是正措置を取ることが可能になる。
【0415】
1つ以上の実装形態では、複数の報告書が、UIモジュール324によって異なる間隔で生成される。例えば、(フィードバックランク付けモジュール320によってランク付けされた)糖尿病管理フィードバック生成システム304からの任意のフィードバックと、それに続く(フィードバックランク付けモジュール320によってランク付けされた)行動修正識別システム308からの任意のフィードバックと、を含む、日報及び週報が生成される。報告書には、任意の安全性関連フィードバックも任意選択的に含まれる。
【0416】
例として、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信した正の持続パターンに対応するフィードバックの場合、選択したフィードバック334は、(例えば、1日の)期間ごとに最長の傾向(正の持続パターン)、又は全期間にわたって最長の傾向(正の持続パターン)を含み得る。別の例として、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信したグルコース測定値が最良であった、1日のうちの期間(例えば、グルコース測定値が最適範囲内にあったか、又は最適値に最も近かった期間)に対応するフィードバックの場合、選択したフィードバック334は、日報に1日の最良の期間を識別するフィードバックと、週報に別個の3日のそれぞれの最良の期間を識別するフィードバックと、を含み得る。別の例として、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信した過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善に対応するフィードバックの場合、選択したフィードバック334は、日報に1日の最良の期間(例えば、グルコース測定値が最適範囲内にあったか、又は最適値に最も近かった、1日のうちの期間)を特定する、最も高くランク付けされたフィードバックと、週報に別個の3日のそれぞれの最良の期間(例えば、グルコース測定値が最適範囲内にあったか又は最適値に最も近かった、別個の3日のそれぞれの期間)を識別するフィードバックと、を含み得る。
【0417】
1つ以上の実装形態では、フィードバック提示システム122は、他のフィードバックがフィードバック提示システム122によって(例えば、リアルタイムで)生成又は受信されると、このフィードバックを提供する。例えば、グルコースレベル偏差検出システム306によって検出された偏差を識別するフィードバックは、対応するフィードバックインジケーション312の受信に応答して、選択したフィードバック334としてUIモジュール324に提供される。別の例として、グルコース予測システム310によって生成された予測グルコース測定値を識別するフィードバックは、対応するフィードバックインジケーション312の受信に応答して、選択したフィードバック334としてUIモジュール324に提供される。
【0418】
1つ以上の実施形態では、フィードバック選択モジュール322は、選択したフィードバック334として、定期報告書(例えば、日報又は週報)の一部として、又は他の時間に、種々のグルコース報告フィードバックを提供する。選択したフィードバック334に含まれるグルコース報告フィードバックは、特定の特徴に対する特定の値に基づいて異なり得る。例えば、ある期間の特定のグルコースレベル(例えば、70mg/dL)を下回る時間が、少なくとも閾値量(例えば、期間の1%)である場合、特定のグルコースレベルを下回る時間が、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、ある期間の特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間が、少なくとも閾値量(例えば、期間の1%)である場合、特定のグルコースレベルを上回る時間が、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、ある期間の範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間が閾値量(例えば、期間の70%)未満である場合、範囲内時間が、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、ある期間の範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間が閾値量(例えば、期間の70%)未満である場合、範囲内時間並びにより狭い範囲(例えば、70mg/dL~130mg/dL)内の時間が、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、変動係数が少なくとも閾値量(例えば、ある期間中に30%)である場合、高変動性を有する変動係数のインジケーションが、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、変動係数が特定の範囲(例えば、ある期間中に17%~29%)内である場合、低変動性を有する変動係数(安定したグルコース)のインジケーションが、選択したフィードバック334に含まれる。別の例として、変動係数が閾値量(例えば、ある期間中17%)未満であり、当該期間の範囲(例えば、70mg/dL~180mg/dL)内の時間が少なくとも閾値量(例えば、当該期間の70%)であり、当該期間の特定のグルコースレベル(例えば、250mg/dL)を上回る時間が閾値量(例えば、当該期間の1%)未満である場合、低変動性を有する変動係数(安定したグルコース)のインジケーションが、選択したフィードバック334に含まれる。
【0419】
1つ以上の実施形態では、フィードバック提示システム122は、フィードバック選択モジュール322によって選択されたフィードバックの記録であり、フィードバックがフィードバック提示システム122によって選択された、又はUIモジュール324によって表示された(又は別様に提示された)時刻(例えば、日付及び時間)であるフィードバックログ326を保持する。フィードバックログ326はまた、選択したフィードバック334(及び任意選択的に、ランク付けされたフィードバック332の全て)のランクを含み得、フィードバック選択モジュール322が、以前に複数回低くランク付けされたフィードバックを選択しないことを決定するなど、フィードバックの以前(例えば、過去数日)のランクを考慮に入れることを可能にする。
【0420】
フィードバックログ326を使用することにより、異なるフィードバックがユーザに提供されることが可能になり、あまり頻繁にフィードバックを繰り返さないようにする。例えば、フィードバック選択モジュール322は、前日の日報について、選択したフィードバック334に同一のフィードバックが含まれていたことをフィードバックログ326が示すことに応答して、日報では、選択したフィードバック334に特定のフィードバックを含まないことを決定し得る。別の例として、フィードバック選択モジュール322は、過去2週間のそれぞれの日報について選択したフィードバック334に、同一のフィードバックが含まれていたことをフィードバックログ326が示すことに応答して、週報では選択したフィードバック334に特定のフィードバックを含まないことを決定し得る。
【0421】
1つ以上の実施形態では、ランク付けされたフィードバック332が、システム304、306、308、及び310のうちの異なるシステムから受信した、ほぼ同期間に対応するフィードバックを含む状況では、フィードバック選択モジュール322は、ほぼ同期間に対応する、矛盾する可能性のあるフィードバックがユーザに表示されることを考慮して、システム304、306、308、及び310のうちの1つのみからフィードバックを選択することができる。例えば、糖尿病管理フィードバック生成システム304及び行動修正識別システム308は、同一期間に対応するフィードバックをそれぞれ提供し、糖尿病管理フィードバック生成システム304からのフィードバックは、典型的には、より肯定的であり、一方、行動修正識別システム308からのフィードバックは、典型的には、より否定的である(例えば、糖尿病管理を改善するために行うべきアクションを示す)。そのような状況では、フィードバック選択モジュール322は、2つのフィードバックのうちの1つのみを選択する(例えば、行動修正識別システム308からのフィードバックを選択する)。別の例として、低血糖が期間内に検出された場合(例えば、特定のグルコースレベル(70mg/dLなど)を下回る時間が少なくとも閾値量(期間の1%など)である場合)、フィードバック選択モジュール322は、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信した、当該期間の平均グルコース特徴に対応するフィードバックを選択しない。これにより、フィードバック選択モジュール322が、期間中のユーザの平均グルコースが良好であったことを示す、糖尿病管理フィードバック生成システム304から受信したフィードバックを選択しないようにする(例えば、平均グルコースは、低血糖に起因してより低かった可能性が高いため)。追加的に又は代替的に、フィードバック選択モジュール322は、システム304、306、308、及び310のうちの2つ以上からフィードバックを選択して、ほぼ同期間の複数のフィードバックがユーザに表示されることを可能にすることができる。そのような状況では、フィードバック選択モジュール322は、複数のフィードバックを分析し、ほぼ同期間について異常な、又は矛盾するフィードバックが表示されることを軽減する(例えば、選択しない)機能を含む。
【0422】
1つ以上の実施形態では、UIモジュール324は、選択したフィードバック334を受信し、選択したフィードバック334を(例えば、コンピューティングデバイス106において)表示させるか、又は別様に提示させる。この表示又は他の提示は、静的テキスト表示、グラフィック又はビデオ表示、オーディオ提示、それらの組み合わせなど、様々な形態を取り得る。追加的に又は代替的に、選択したフィードバック334は、臨床医(例えば、ユーザの主治医又は看護師)、薬剤師など他人に通信され得るか、又は別様に送達され得る。
【0423】
フィードバックの表示の様々な例が本明細書に含まれている。そのような例としては、
図5のフィードバック504、
図6のフィードバック604、
図7のフィードバック704、
図16の行動修正フィードバック1612、
図21のフィードバック2114などが挙げられる。
【0424】
図24は、フィードバックの例2400を示す。例2400は、コンピューティングデバイス106によって表示され、別のユーザ又はデバイスに(例えば、電子メールを介して)通信され得るなど、日報2402向けである。日報2402は、糖尿病管理フィードバック生成システム304によって生成されたフィードバック2404、並びに行動修正識別システム308によって生成されたフィードバック2406及び2408を含む。
【0425】
図3に戻ると、表示又は他の提示のために選択するフィードバックを決定するために使用され得る様々な技法は、個々のシステム304、306、308、及び310に関して上記で説明されていることに留意されたい。これらは、糖尿病管理フィードバック生成システム304によって満たされた規則に対応するフィードバックを選択すること、グルコースレベル偏差検出システム306によって偏差を選択すること、行動修正識別システム308によって行動修正にマッピングされたものを選択することなどを含む。システム304、306、308、及び310に関して上記で説明した技法のいずれも、フィードバックを選択する際にフィードバック選択モジュール322によって使用され得る。
【0426】
様々な機能がフィードバック生成システム120又はフィードバック提示システム122によって実行されるものとして本明細書で説明されているが、追加的に又は代替的に、この機能の少なくとも一部は、システム120及び122のうちの他方によって実行され得ることにも留意されたい。例えば、システム304、306、308、及び310のそれぞれは、フィードバックのサブセットを選択し、フィードバックの選択した当該サブセットをフィードバックインジケーション312として提供することができ、次にフィードバック選択モジュール322は、フィードバックのそれらのサブセットから選択する。別の例として、システム304、306、308、及び310のいずれかを参照して上述した機能のいずれかは、フィードバック提示システム122によって、追加的に又は代替的に実行され得る。
【0427】
図25は、糖尿病管理を改善するためのフィードバックのランク付けを実施するための手順の例を説明する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。手順2500は、例えば、フィードバック生成システム120及びフィードバック提示システム122など糖尿病管理フィードバック生成システム及びフィードバック提示システムによって実行される。
【0428】
ユーザのグルコース測定値を取得する(ブロック2502)。これらの糖尿病管理測定値は、例えば、これらのグルコース測定値は、グルコースセンサがユーザの挿入部位において挿入されている、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから取得する。
【0429】
糖尿病管理測定値に対応する複数の糖尿病管理フィードバックを識別する(ブロック2504)。これらの糖尿病管理フィードバックは様々なシステムによって生成され、過去1日以上にわたる所与の期間についてグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、グルコース測定値が最良であった(例えば、最適範囲内であった、又は最適値に最も近かった)、1日のうちの期間を識別するフィードバック、正の持続パターン(例えば、複数の日のそれぞれの同一期間にわたる良好な糖尿病管理)を識別するフィードバック、期間の間でのグルコース測定値の偏差を識別するフィードバック、有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取ることができる潜在的な行動修正(例えば、アクション)を識別するフィードバック、特定の事象又は状態が発生しなかったか、又は存在しなかった(例えば、ユーザが散歩しなかった)場合のユーザのグルコースを識別するフィードバックなどを含み得る。
【0430】
最も高いランクを有する、複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上を決定する(ブロック2506)。これらのランクは、糖尿病管理フィードバックに対応する1日の期間に基づいて、糖尿病管理フィードバックに対応する特徴に基づいて、フィードバックに対応する改善の大きさに基づいて糖尿病管理フィードバックをランク付けするなど、様々な規則又は基準に基づき得る。
【0431】
1つ以上の糖尿病管理フィードバックを表示させる(ブロック2508)か、又は別様に提示させる。追加的に又は代替的に、予測グルコース値を、臨床医、薬剤師、又は他の医療提供者に通信し得る、又は別様に提示し得る。
【0432】
例示的なシステム及びデバイス
図26は、概して2600において、システムの例を示しており、このシステムには、本明細書に説明される様々な技術を実施することができる1つ以上のコンピューティングシステム及び/又はデバイスを表すコンピューティングデバイス2602の例が含まれる。これは、フィードバック生成システム120及びフィードバック提示システム122を含めて例示されている。コンピューティングデバイス2602は、例えば、サービスプロバイダのサーバ、クライアントに関連付けられたデバイス(例えば、クライアントデバイス)、オンチップシステム、及び/又は任意の他の好適なコンピューティングデバイス若しくはコンピューティングシステムであり得る。
【0433】
図示されているような例示的なコンピューティングデバイス2602は、処理システム2604、1つ以上のコンピュータ可読媒体2606、及び互いに通信可能に結合されている1つ以上のI/Oインタフェース2608を含む。図示されていないが、コンピューティングデバイス2602は、様々な構成要素を互いに結合するシステムバス又は他のデータ及びコマンド転送システムを更に含み得る。システムバスは、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス、ユニバーサルシリアルバス、及び/又は多様なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサ若しくはローカルバスなどの異なるバス構造のうちの任意の1つ又は組み合わせを含み得る。制御ライン及びデータラインなど、多様な他の例も企図されている。
【0434】
処理システム2604は、ハードウェアを使用して1つ以上の動作を実行するための機能を表す。したがって、処理システム2604は、プロセッサ、機能ブロックなどとして構成され得るハードウェア要素2610を含むものとして例示されている。これは、1つ以上の半導体を使用して形成された特定用途向け集積回路又は他のロジックデバイスとして、ハードウェア内の実装形態を含み得る。ハードウェア要素2610は、それらが形成される材料、又はその中に採用される処理機構によって限定されない。例えば、プロセッサは、半導体及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(electronic integrated circuits、IC))で構成され得る。このような文脈では、プロセッサ実行可能な命令は、電子的に実行可能な命令であり得る。
【0435】
コンピュータ可読媒体2606は、メモリ/記憶装置2612を含むものとして例示されている。メモリ/記憶装置2612は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に関連付けられたメモリ/記憶容量を表す。メモリ/記憶装置構成要素2612は、揮発性媒体(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)及び/又は不揮発性媒体(読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスクなど)を含み得る。メモリ/記憶装置構成要素2612は、固定媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハードドライブなど)、並びに取り外し可能媒体(例えば、フラッシュメモリ、取り外し可能ハードドライブ、光ディスクなど)を含み得る。コンピュータ可読媒体2606は、以下で更に説明されているように、様々な他の方法で構成され得る。
【0436】
入力/出力インタフェース2608は、ユーザが、コマンド及び情報をコンピューティングデバイス2602に入力することを可能にし、また、様々な入力/出力デバイスを使用して情報がユーザ及び/又は他の構成要素若しくはデバイスに提示されることを可能にする機能を表す。入力デバイスの例としては、キーボード、カーソル制御デバイス(例えば、マウス)、マイクロフォン、スキャナ、タッチ機能(例えば、物理的接触を検出するように構成されている容量型センサ又は他のセンサ)、カメラ(例えば、可視波長、又は赤外線周波数などの非可視波長を採用して、非接触ジェスチャとして動きを認識することができる)などが挙げられる。出力デバイスの例は、ディスプレイデバイス(例えば、モニタ又はプロジェクタ)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカード、触覚応答デバイスなどを含む。したがって、コンピューティングデバイス2602は、以下に更に説明されているように、様々な方法で構成されて、ユーザ対話をサポートすることができる。
【0437】
本明細書では、ソフトウェア、ハードウェア要素、又はプログラムモジュールの一般的なコンテキストで様々な技法が記載され得る。一般に、そのようなモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、エレメント、コンポーネント、データ構造などを含む。本明細書で使用される場合、「モジュール」、「機能」、及び「構成要素」という用語は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを表す。本明細書に記載の技法の特徴は、プラットフォームに依存せず、つまり、この技法は、多様なプロセッサを有する多様な商用計算プラットフォームに実装され得ることを意味する。
【0438】
記載されるモジュール及び技法の実装形態は、何らかの形式のコンピュータ可読媒体に記憶されるか、又はそれを介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス2602によってアクセスされ得る様々な媒体を含み得る。例として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ可読記憶媒体」及び「コンピュータ可読信号媒体」を含み得る。
【0439】
「コンピュータ可読記憶媒体」とは、単なる信号送信、搬送波、又は信号それ自体とは対照的に、情報の永続的及び/又は非一時的記憶を可能にする媒体及び/又はデバイスを指し得る。したがって、コンピュータ可読記憶媒体は、非信号担持媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性及び非揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体などのハードウェア、並びに/又はコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、論理要素/回路、若しくは他のデータなどの情報の記憶に好適な方法若しくは技術で実装された記憶デバイスを含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光記憶装置、ハードディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、若しくは他の記憶デバイス、有形媒体、又は所望の情報を記憶するのに好適であり、コンピュータによってアクセスされ得る製品を含み得るが、これらに限定されない。
【0440】
「コンピュータ可読信号媒体」とは、ネットワークなどを介して、コンピューティングデバイス2602のハードウェアに命令を送信するように構成されている信号担持媒体を指し得る。信号媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波、データ信号、若しくは他の輸送機構などの変調されたデータ信号における他のデータを具体化し得る。信号媒体は、任意の情報送達媒体も含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号における情報を符号化するような様式で設定又は変更されたその特性のうちの1つ以上を有する信号を意味する。例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。
【0441】
以前に説明されているように、ハードウェア要素2610及びコンピュータ可読媒体2606は、いくつかの実施形態において採用されて、1つ以上の命令を実行するためなどの、本明細書で説明される技法の少なくともいくつかの態様を実施することができる、ハードウェア形態で実装されるモジュール、プログラマブルデバイスロジック、及び/又は固定デバイスロジックを表す。ハードウェアは、集積回路又はオンチップシステムの構成要素、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、及びシリコン又は他のハードウェアにおける他の実装形態を含み得る。この文脈において、ハードウェアは、ハードウェアによって具現化された命令及び/又はロジックによって定義されるプログラムタスク、並びに、実行のための命令を格納するために利用されるハードウェア、例えば、以前説明されたコンピュータ可読記憶媒体、を実行する処理デバイスとして動作することができる。
【0442】
前述の組み合わせを用いて、本明細書に記載の様々な技法を実装し得る。したがって、ソフトウェア、ハードウェア、又は実行可能モジュールは、何らかの形態のコンピュータ可読記憶媒体上に、かつ/又は1つ以上のハードウェア要素2610によって具現化された1つ以上の命令及び/又はロジックとして実装され得る。コンピューティングデバイス2602は、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実装するように構成され得る。したがって、コンピューティングデバイス2602によって、ソフトウェアとして実行可能であるモジュールの実装形態は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、及び/又は処理システム2604のハードウェア要素2610の使用を介して、少なくとも部分的にハードウェア内で達成され得る。命令及び/又は機能は、本明細書で説明される技法、モジュール、及び例を実施するための1つ以上の製造物品(例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス2602及び/又は処理システム2604)によって実行可能/動作可能であり得る。
【0443】
本明細書で説明される技法は、コンピューティングデバイス2602の様々な構成によってサポートされ得、本明細書で説明される技法の特定の例に限定されない。この機能はまた、以下に説明されるように、プラットフォーム2616を介した「クラウド」2614上などでの分散システムの使用を通じて、全て又は部分的に実装され得る。
【0444】
クラウド2614は、リソース2618のためのプラットフォーム2616を含み、かつ/又は表す。プラットフォーム2616は、クラウド2614のハードウェア(例えば、サーバ)及びソフトウェアリソースの基礎となる機能を抽象化する。リソース2618は、コンピューティングデバイス2602から遠隔にあるサーバ上でコンピュータ処理が実行されている間に利用することができるアプリケーション及び/又はデータを含み得る。リソース2618はまた、インターネットを介して、かつ/又はセルラーネットワーク若しくはWi-Fiネットワークなどの加入者ネットワークを介して提供されるサービスも含むことができる。
【0445】
プラットフォーム2616は、コンピューティングデバイス2602を他のコンピューティングデバイスと接続するためのリソース及び機能を抽象化することができる。プラットフォーム2616はまた、リソースのスケーリングを抽象化して、プラットフォーム2616を介して実装されている、リソース2618が直面した需要に対応するスケールレベルを提供する役割も果たすことができる。したがって、相互接続されたデバイスの実施形態では、本明細書に説明されている機能の実装形態は、システム2600全体にわたって分散することができる。例えば、機能は、部分的にコンピューティングデバイス2602上に、並びにクラウド2614の機能を抽象化するプラットフォーム2616を介して、実装され得る。
【0446】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、糖尿病管理モニタリングシステムにおいて実施される方法に関し、この方法は、糖尿病管理モニタリングシステムのセンサから、ユーザについて測定された糖尿病管理測定値を取得することと、糖尿病管理測定値に基づいて、糖尿病管理測定値に対応する、複数の糖尿病管理フィードバックを識別することと、最も高いランクを有する、複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上を決定することと、最も高いランクを有する、決定した糖尿病管理フィードバックを表示させることと、を含む。
【0447】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、1日の異なる期間に対応し、決定することは、1日のある期間について、1日のある期間に対応する複数の糖尿病管理フィードバックのうちのいくつかをランク付けすることを含む。
【0448】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックはそれぞれ、期間の1つ以上の特徴又はメトリックに対応し、決定することは、糖尿病管理フィードバックに対応する特徴又はメトリックに基づいて、複数の糖尿病管理フィードバックのそれぞれをランク付けすることを含む。
【0449】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、決定することは、フィードバックに対応する糖尿病管理測定値の改善の大きさに基づいて、複数の糖尿病管理フィードバックのそれぞれをランク付けすることを含む。
【0450】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、決定することは、閾値過去日数内に表示された糖尿病管理フィードバックが最も高いランクの糖尿病管理フィードバックではないと判定することを含む。
【0451】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、最も高いランクを有する、複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つ以上を決定することは、ユーザのグルコースレベルが、1日の期間中の少なくとも閾値時間について閾値量未満であったと判定することと、ユーザが期間中に低血糖範囲内であったことを示すフィードバックが最も高いランクの糖尿病管理フィードバックであると判定することと、を含む。
【0452】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、閾値量は70mg/dLを含み、閾値時間は、1日の期間の1パーセントを含む。
【0453】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックが、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバックを含む。
【0454】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、グルコース測定値が最適範囲内にあった、1日の期間を識別するフィードバックを含む。
【0455】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、ユーザによるグルコース測定値の正の持続パターンを識別するフィードバックを含む。
【0456】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、期間の間のグルコース測定値の偏差を識別するフィードバックを含む。
【0457】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技術は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバックを含む。
【0458】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技術は方法に関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、一連の身体活動がユーザによって関与されていなかった場合にユーザが有したであろうグルコースレベルを識別するフィードバックを含む。
【0459】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法はデバイスに関し、このデバイスは、ディスプレイデバイスと、少なくとも部分的にハードウェアに実装されて、センサから、ユーザについて測定された糖尿病管理測定値を取得し、糖尿病管理測定値に基づいて、糖尿病管理測定値に対応する複数の糖尿病管理フィードバックを識別するフィードバック生成システムと、少なくとも部分的にハードウェアに実装されて、最も高いランクを有する、複数の糖尿病管理フィードバックのうちの1つを決定し、最も高いランクを有する、決定した糖尿病管理フィードバックを表示させるフィードバック提示システムと、を含む。
【0460】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法はデバイスに関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバックと、グルコース測定値が最適範囲内にあった日の期間を識別するフィードバックと、ユーザによるグルコース測定値の正の持続パターンを識別するフィードバックと、を含む。
【0461】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技術はデバイスに関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバックを含む。
【0462】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技術はデバイスに関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、一連の身体活動がユーザによって関与されていなかった場合にユーザが有したであろうグルコースレベルを識別するフィードバックを含む。
【0463】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法はデバイスに関し、複数の糖尿病管理フィードバックは、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、又はグルコース測定値が最適範囲内にあった日の期間を識別するフィードバック、又はユーザによるグルコース測定値の正の持続パターンを識別するフィードバック、及び有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバックを含む。
【0464】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技法は、連続グルコースレベルモニタリングシステムにおいて実施される方法に関し、この方法は、連続グルコースレベルモニタリングシステムのグルコースセンサから、当日の複数期間のうちの第1の期間にユーザについて測定された第1のグルコース測定値を取得することであって、グルコースセンサはユーザの挿入部位において挿入されている、ことと、グルコース測定値に基づいて、グルコース測定値に対応する複数のグルコース管理フィードバックを識別することと、最も高いランクを有する、複数のグルコースフィードバックのうちの1つを決定することと、最も高いランクを有する、決定したグルコースフィードバックを表示させることと、を含む。
【0465】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法に関し、複数のグルコース管理フィードバックは、過去1日以上にわたる所与の期間についてのグルコース測定値の改善を識別するフィードバック、又はグルコース測定値が最適範囲内にあった日の期間を識別するフィードバック、又はユーザによるグルコース測定値の正の持続パターンを識別するフィードバック、及び有益な糖尿病管理行動に関与するためにユーザが取り得る、潜在的な行動修正を識別するフィードバックを含む。
【0466】
結論
システム及び技法は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義されるシステム及び技法は、必ずしも記載される特定の特徴又は行為に限定されないと理解するべきである。むしろ、特定の特徴及び行為は、特許請求される主題を実装するための例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0467】
100 環境
102 ユーザ
104 装着型グルコースモニタリングデバイス
106 コンピューティングデバイス
108 ユーザ母集団
110 グルコースモニタリングプラットフォーム
112 ネットワーク
114 グルコース測定値
116 グルコースモニタリングアプリケーション
118 記憶デバイス
120 フィードバック生成システム
122 フィードバック提示システム
124 フィードバックライブラリ
126 ユーザインタフェース
202 センサ
204 センサモジュール
206 皮膚
208 送信機
210 接着パッド
212 機構
300 システム
302 追加データ
304 糖尿病管理フィードバック生成システム
306 グルコースレベル偏差検出システム
308 行動修正識別システム
310 グルコース予測システム
312 フィードバックインジケーション
320 フィードバックランク付けモジュール
322 フィードバック選択モジュール
324 UIモジュール
326 フィードバックログ
332 ランク付けしたフィードバック
334 選択したフィードバック
336 安全性関連フィードバック
402 糖尿病管理特徴決定モジュール
404 糖尿病管理特徴比較モジュール
406 正規化モジュール
408 糖尿病管理フィードバック識別モジュール
410 UIモジュール
412 ユーザ固有糖尿病管理特徴閾値決定モジュール
420 データストリーム
422 特徴
424 データストア
426 期間スコア
428 正規化期間スコア
430 フィードバック
432 規則
434 規則ライブラリ
436 閾値
438 フィードバックライブラリ
502 期間
504 フィードバック
602 期間
604 フィードバック
702 期間
704 フィードバック
1002 データ収集モジュール
1004 メトリック決定モジュール
1006 コンテンツベース偏差検出モジュール
1008 コンテキスト偏差検出モジュール
1010 偏差選択モジュール
1012 UIモジュール
1020 測定値
1022 集約メトリック
1024 集約メトリックストア
1026 偏差インジケーション
1028 偏差インジケーション
1030 偏差識別情報
1032 偏差識別ライブラリ
1102 低血糖リスク値予測モジュール
1104 高血糖リスク値予測モジュール
1106 偏差識別モジュール
1108 低血糖リスク値
1110 低血糖リスク値
1112 高血糖リスク値
1114 高血糖リスク値
1116 予測低血糖リスク値
1118 予測高血糖リスク値
1208 高血糖リスク値
1210 高血糖リスク値
1212 高血糖リスク値
1502 グルコース測定値収集モジュール
1504 特徴決定モジュール
1506 パターン検出モジュール
1508 正規化モジュール
1510 マッピングモジュール
1512 行動修正選択モジュール
1514 UIモジュール
1520 グループ化測定値
1522 特徴
1524 追加データ
1526 特徴ストア
1528 検出パターン
1530 正規化特徴
1532 トピック
1534 行動修正フィードバック
1536 行動修正フィードバックカスタマイズモジュール
1538 行動ライブラリ
1612 行動修正フィードバック
1702 検出パターン
1704 サイズ
2600 システム
2602 コンピューティングデバイス
2604 処理システム
2606 コンピュータ可読媒体
2608 I/Oインタフェース
2610 ハードウェア要素
2612 記憶装置
2614 クラウド
2616 プラットフォーム
2618 リソース
【国際調査報告】