(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ペット用歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20241010BHJP
A46D 1/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A01K13/00 P
A46D1/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510677
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022078788
(87)【国際公開番号】W WO2023077004
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500013142
【氏名又は名称】ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アクセルロッド,グレン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ガジリア,アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】フェター,メアリー ルイズ
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202BA02
3B202CA02
3B202CA06
3B202EA01
(57)【要約】
【課題】家庭で飼育されるペットの歯の条件に好適なペット用歯ブラシの設計及び使用
【解決手段】複数のナノ毛を有するブラシヘッドを含む歯ブラシ。一実施形態において、複数のナノ毛は、それぞれある長さを有し、且つ、その長さの少なくとも一部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある。別の実施形態において、ナノ毛は、ベース部分及びトップ部分を有し、ナノ毛のベース部分の直径は、400ミクロン~500ミクロンの範囲にあり、且つ、ナノ毛のトップ部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナノ毛を有するブラシヘッドを含む歯ブラシであって、
前記複数のナノ毛は、それぞれある長さを有し、且つ、前記ある長さの少なくとも一部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲である、
歯ブラシ。
【請求項2】
前記複数のナノ毛は、それぞれ、歯垢及び/又は細菌を減らすために添加剤が染み込ませられているか、又は、コーティングされている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記複数のナノ毛の各ナノ毛の前記添加剤は、前記複数のナノ毛の前記ナノ毛のそれぞれの0.1重量%~10.0重量%のレベルでそれぞれ存在する、請求項2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記複数のナノ毛は、それぞれ、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アスコルビン酸、及びベータグルカンのうちの少なくとも1種が染み込ませられているか、又は、コーティングされている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記複数のナノ毛は、それぞれ、キトサンが染み込ませられているか、又は、コーティングされている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記複数のナノ毛は、5,000~15,000本の範囲のナノ毛である、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記複数のナノ毛の長さは、1.5cm以下である、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記複数のナノ毛は、外周領域と、前記外周領域によって囲まれる内側領域とを規定し、
前記外周領域の前記ナノ毛の前記長さは、前記内側領域の前記ナノ毛の前記長さよりも短い、
請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項9】
前記複数のナノ毛は、外周領域と、前記外周領域によって囲まれる内側領域とを規定し、
前記外周領域の前記ナノ毛の前記長さの少なくとも一部分の前記直径は、100ミクロン~150ミクロンの範囲にあり、
前記内側領域の前記ナノ毛の前記長さの少なくとも一部分の前記直径は、50ミクロン~100ミクロン未満の範囲にある、
請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項10】
前記外周領域の前記ナノ毛は、前記内側領域の前記ナノ毛の周りに完全なループを形成する、請求項9に記載の歯ブラシ。
【請求項11】
前記複数のナノ毛の前記長さの少なくとも25%の前記直径は、50ミクロン~150ミクロンの前記範囲にある、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項12】
前記複数のナノ毛は、前記歯ブラシを使用するにつれて薄くなる着色剤で着色され、
前記着色剤は、前記ナノ毛によって提供される抗菌及び/又は防カビ処理効果が減少するにつれて薄くなる、
請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項13】
前記複数のナノ毛は、ポリマー組成で形成される、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項14】
前記ポリマー組成は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びポリウレタンのうちの少なくとも1種を含む、請求項13に記載の歯ブラシ。
【請求項15】
前記ブラシヘッドは、さらに、前記複数のナノ毛を有する側面とは反対側の前記ブラシヘッドの側面に複数の突起を有する摩耗面を含む、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項16】
前記歯ブラシは、前記歯ブラシを保持するために細長いハンドルを含み、
前記細長いハンドルと前記ブラシヘッドは、単体として形成される、
請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項17】
前記歯ブラシは、使用者の指に配置されるように構成されたフィンガーブラシの形をしている、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項18】
前記フィンガーブラシは、前記歯ブラシを保持するために前記使用者の前記指を受け入れるように構成された指用空洞部を含む、請求項17に記載の歯ブラシ。
【請求項19】
前記複数のナノ毛は、前記フィンガーブラシの長手方向軸に対して実質的に垂直に延在する、請求項18に記載の歯ブラシ。
【請求項20】
複数のナノ毛を有するブラシヘッドを含む歯ブラシであって、
前記ナノ毛は、ベース部分及びトップ部分を有し、
前記ナノ毛の前記ベース部分の直径は、400ミクロン~500ミクロンの範囲にあり、
前記ナノ毛の前記トップ部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある、歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この米国仮特許出願は、2021年10月28日出願の米国仮特許出願第63/263,164号の出願日の利益を主張し、その開示全体を本願明細書に援用する。
【0002】
分野
本開示は、歯ブラシ、より詳細には、ペットの口腔衛生をサポートするための、ナノファイバーを含む歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ペットの口腔衛生は、引き続き開発の焦点となっている問題である。取り組みは、非食用又は食用タイプの噛み物(chews)の使用を含み、これらは、歯垢を除去して歯茎の健康状態を改善するために、歯にある程度の摩耗をもたらすように設計されている。他の取り組みは、単に、ヒト用歯ブラシを、動物が比較的気に入る歯磨組成物と一緒に使用することに頼ってきた。従って、依然として、動物、特に犬や猫などの家庭で飼育されるペットの歯の条件に特に好適なペット用歯ブラシの設計及び使用によって、ペットの口腔衛生を改善するためのニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
複数のナノ毛を有するブラシヘッドを含む歯ブラシであって、複数のナノ毛は、それぞれある長さを有し、且つ、その長さの少なくとも一部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある、歯ブラシ。
【0005】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、それぞれ、歯垢及び/又は細菌を減らすために添加剤が染み込ませられているか、又は、コーティングされている。
【0006】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛の各ナノ毛の添加剤は、複数のナノ毛のそれぞれのナノ毛の0.1重量%~10.0重量%のレベルでそれぞれ存在する。
【0007】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、それぞれ、ヘキサメタリン酸ナトリウム(sodium hexametaphosphate)、アスコルビン酸、及びベータグルカンのうちの少なくとも1種が染み込ませられているか、又は、コーティングされている。
【0008】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、それぞれ、キトサンが染み込ませられているか、又は、コーティングされている。
【0009】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、5,000~15,000本の範囲のナノ毛である。
【0010】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛の長さは、1.5cm以下である。
【0011】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、外周領域と、外周領域によって囲まれる内側領域とを規定し;及び外周領域のナノ毛の長さは、内側領域のナノ毛の長さよりも短い。
【0012】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、外周領域と、外周領域によって囲まれる内側領域とを規定し;及び外周領域のナノ毛の長さの少なくとも一部分の直径は、100ミクロン~150ミクロンの範囲にあり;及び内側領域のナノ毛の長さの少なくとも一部分の直径は、50ミクロン~100ミクロン未満の範囲にある。
【0013】
少なくとも1つの実施形態において、外周領域のナノ毛は、内側領域のナノ毛の周りに完全なループを形成する。
【0014】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛の長さの少なくとも25%の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある。
【0015】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、歯ブラシを使用するにつれて薄くなる着色剤で着色され;及び着色剤は、ナノ毛によって提供される抗菌及び/又は防カビ処理効果が減少するにつれて、薄くなる。
【0016】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、ポリマー組成で形成される。
【0017】
少なくとも1つの実施形態において、ポリマー組成は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びポリウレタンのうちの少なくとも1種を含む。
【0018】
少なくとも1つの実施形態において、ブラシヘッドは、さらに、複数のナノ毛を有する側面とは反対側のブラシヘッドの側面に複数の突起を有する摩耗面を含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態において、歯ブラシは、歯ブラシを保持するために細長いハンドルを含み;及び細長いハンドルとブラシヘッドは、単体として形成される。
【0020】
少なくとも1つの実施形態において、歯ブラシは、使用者の指に配置されるように構成されたフィンガーブラシ(finger-cap brush)の形をしている。
【0021】
少なくとも1つの実施形態において、フィンガーブラシは、歯ブラシを保持するために使用者の指を受け入れるように構成された指用空洞部を含む。
【0022】
少なくとも1つの実施形態において、複数のナノ毛は、フィンガーブラシの長手方向軸に対して実質的に垂直に延在する。
【0023】
複数のナノ毛を有するブラシヘッドを含む歯ブラシであって、ナノ毛は、ベース部分及びトップ部分を有し、ナノ毛のベース部分の直径は、400ミクロン~500ミクロンの範囲にあり、且つ、ナノ毛のトップ部分の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある、歯ブラシ。
【0024】
ブラシヘッドから突出する複数のナノ毛を含むブラシヘッドを含む歯ブラシであって、ナノ毛の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲にある、歯ブラシ。任意選択的に、ナノ毛は、歯垢及び/又は細菌を減らす添加剤が染み込ませられているか又はコーティングされている。
【0025】
ブラシヘッドから突出する複数のナノ毛を含むブラシヘッドを含む歯ブラシであって、ナノ毛は、ベース部分及びトップ部分を有し、ベース部分に400ミクロン~500ミクロンの範囲の直径、及びトップ部分に50ミクロン~150ミクロンの範囲の直径を有する、歯ブラシ。
【0026】
図面の簡単な説明
下記の詳細な説明は、添付図面を参照してよりよく理解され得、図面は、説明目的で提供され、且つ本開示のいずれの態様も限定するとみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示によるナノ毛を有するペット用歯ブラシの或る実施形態の斜視的な側面図であり、歯ブラシは、細長いハンドルを含む。
【
図2】
図1のペット用歯ブラシのヘッド部分の斜視的な拡大側面図である。
【
図3】本開示によるナノ毛を有するペット用歯ブラシの別の実施形態の側面図であり、歯ブラシは、フィンガーブラシを含む。
【
図4】
図3のペット用歯ブラシの別の側面図である。
【
図5】本開示による代替的な毛の或る実施形態の側面図である。
【
図6】本開示によるペット用歯ブラシの或る実施形態のナノ毛を見下ろす上端面図であり、異なる直径を有するナノ毛を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
本開示は、以下の説明に記載するか又は図面に示す構成要素の構造及び配置の詳細へのその応用に限定されないことが分かり得る。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、且つ様々な方法で実施又は実行できるとし得る。また、本明細書で使用する語句及び用語は、説明目的であり、限定とみなされるべきではないことが分かり得る。
【0029】
ここで図面を検討すると、
図1は、本開示によるペット用歯ブラシ10の形態の斜視的な側面図である。観察されるように、ペット用歯ブラシ10は、細長いハンドル部分12と、ハンドル部分につながっているヘッド部分14(単体として形成される)とを含み、ヘッド部分14から毛16が延在している。
【0030】
さらに、
図2に最もよく示すように、歯ブラシ10は、好ましくは毛16と反対側のヘッド部分14の側面に、好ましくは摩耗面22を含み得る。そのような摩耗面22は、好ましくは、複数の離間した突起24を含み、これら突起は、0.1mm~1.0mmの範囲の高さ及び0.5mm~1.5mmの範囲の直径を有し、0.1mm~1.0mmの距離で離間している。一層好ましくは、高さは0.4mm~0.6mmの範囲にあるとし得、直径は0.8mm~1.2mmの範囲にあるとし得、及び突起は0.4mm~0.6mmの距離で離間され得る。
【0031】
図1及び
図2は、本開示による歯ブラシ10の1つの形態を示すが、本明細書の歯ブラシ10は、人間の使用者の指の末節部上にわたって配置されるように構成されたフィンガーブラシの形であってもよいと考えられる。
図3及び4に示すように、消費者/使用者は、テーパ状チューブ/チューブ状壁を含む中空カップ本体40(指ぬきと同様)のチューブ状の指用空洞部42に人差し指の末節部分を挿入して歯ブラシ10を保持し得る。毛16は、特に長尺状の凹部46に配置されてそこから延在することによって、中空カップ本体40の上方/外側ヘッド部分44の末節部領域に取り付けられ得、長尺状の凹部の長手方向長は、歯ブラシ10の長手方向軸L-Lに対して実質的に平行(例えば10度以内の平行であって、平行を含む)に延在する。同様に図示されるように、毛16の長さは、歯ブラシ10の長手方向軸L-Lと実質的に垂直(例えば10度以内の垂直であって、垂直を含む)に延在する。テーパ状チューブ/チューブ状壁を含む中空カップ本体40は、15mm~35mmの範囲の外径50、及び10mm~32mmの範囲の内(空洞)径52を有し得る。中空カップ本体40の長手方向長54は、20mm~75mmの範囲とし得る。
【0032】
本明細書で開示するペット用歯ブラシ10の様々な実施形態に関し、本明細書の毛16は、好ましくはナノ毛である。より詳細には、毛16の、それらの長さの少なくとも一部分、より詳細には、全作業長の直径は、50ミクロン~150ミクロンの範囲、一層好ましくは、50ミクロン~100ミクロンである。
図5に示すように、毛16は、また、好ましくはテーパがつけられていてもよく、つまり、直径D
Bは、ヘッド16に取り付けられているそれらのベース部分19では、400ミクロン~500ミクロンであり、その後、ペットの歯や歯茎と接触するように設計されるそれらのトップ部分21では小径D
Tまで細くなる。従って、そのため、ナノ毛16の直径は、それらのベースでは400ミクロン~500ミクロンであり、その後、50ミクロン~150ミクロンの範囲の直径まで細くなり得る。
【0033】
好ましくは、ヘッド部分は、5,000~15,000本のナノ毛16、一層好ましくは8,000~12,000本のナノ毛16を含む。1つの特に好ましい実施形態において、ヘッド部分は、9,500~10,500本のナノ毛16を含む。ナノ毛16は、好ましくは、ポリマー材料組成、例えばナイロン(ポリアミド)、ポリエチレン、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及び/又はポリウレタンから作製され得る。
【0034】
ナノ毛16は、好ましくは、動物の口腔衛生を改善し且つ細菌の住みかとなる歯垢を減らすのに特に有用な添加剤がコーティングされるか又は染み込ませられる。例えば、本明細書のナノ毛16は、好ましくは、0.1重量%~10.0重量%の添加剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、アスコルビン酸、又はベータグルカンのコーティングを有しても、又は、それが染み込ませられてもよい。ベータグルカンは、天然又は遺伝子組み換えされたソース、例えばイースト、マッシュルーム、又は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(saccharomyces cerevisiae)から抽出され得る。さらに、本明細書では、ナノ毛16は、キトサンがコーティングされても又は染み込ませられてもよいと考えられ、キトサンは、ランダムに分散したβ-(1→4)-結合D-グルコサミン(脱アセチル化ユニット)及びN-アセチル-D-グルコサミン(アセチル化ユニット)で主に(少なくとも50%以上)構成される多糖と関連付けられる。キトサンは、グラム陰性及びグラム陽性菌に特に有効であり、並びに真菌に対する活性があると考えられる。
【0035】
さらに、本明細書のナノ毛16は、任意選択的に着色されてもよい。例えば、本明細書のナノ毛16が、好ましくは、キトサンと着色剤、又は、ヘキサメタリン酸ナトリウムと着色剤でコーティング又は含浸されるとき、ペットの歯や歯茎を磨くにつれて着色剤は、薄くなるか又は完全に消えてしまうため、消費者/使用者は、キトサン及び/又はヘキサメタリン酸ナトリウムがすっかり使われた時点に関し注意喚起される。そのため、消費者/使用者は、ナノ毛16によって提供された抗菌及び/又は防カビ処理効果が減少していること又はもはや存在しないことに気づく。
【0036】
ここで
図6を参照すると、
図6は、異なる直径のナノ毛16を使用していることを示す、(
図1~2又は
図3~4のペット用歯ブラシヘッド14)のナノ毛16を見下ろす上端面図である。すなわち、ナノ毛16は、幅1.0~6.0mmの外周領域60を含み得、これは、直径が100ミクロン~150ミクロンの範囲のナノ毛16を含む。そのため、ナノ毛16は、好ましくは、外周領域60によって囲まれる、幅8.0~13.0mmの内側領域62を含み得、これは、直径50ミクロン~100ミクロン未満、一層好ましくは、70ミクロン~90ミクロンの範囲のナノ毛16を含む。図示の通り、外周領域60は、内側領域62を完全に囲む、すなわち完全な360度のループを形成する。
【0037】
ナノ毛16は、好ましくは2.0cm以下、より詳細には1.5cm以下の、露出作業長18を有する(ヘッド14/44の植毛領域15の面17から延在/突出する)。一層好ましくは、ナノ毛16は、0.5cm~1.3cmの距離で延在する。さらに、外周領域60に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)は、好ましくは、内側領域62に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)を下回る。例えば、外周領域60に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)は、0.8cm~1.1cmの範囲内とし得、及び内側領域62に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)は、1.1cm~1.2cmの範囲内とし得、そのような範囲に関して、歯ブラシ10の外周領域60に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)は、内側領域62のナノ毛16の高さ(露出長18)を下回るという規定付きである。例えば、
図7に示すように、比較的短いナノ毛16が、ナノ毛14の外側にある
図6の領域60に、及び内側領域22に比較的長い毛が存在し得る。また、例えば、外周領域60に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)は、0.1mm~0.4mm、一層好ましくは0.1mm~0.3mmの範囲内にあり、内側領域62に位置するナノ毛16の高さ(露出長18)を下回り得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、ナノ毛16の長さ18の少なくとも25%の直径は、50ミクロン~150ミクロン、一層好ましくは50ミクロン~100ミクロンの範囲にある。他の実施形態において、ナノ毛16の長さ18の少なくとも50%の直径は、50ミクロン~150ミクロン、一層好ましくは50ミクロン~100ミクロンの範囲にある。他の実施形態において、ナノ毛16の長さ18の少なくとも75%の直径は、50ミクロン~150ミクロン、一層好ましくは50ミクロン~100ミクロンの範囲にある。他の実施形態において、ナノ毛16の長さ18の100%の直径は、50ミクロン~150ミクロン、一層好ましくは50ミクロン~100ミクロンの範囲にある。
【0039】
本発明の特定の実施形態を説明してきたが、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、そこに様々な変更、適応及び修正がなされ得ることを理解すべきである。それゆえ、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定され得るのでなく、代わりに、添付の特許請求の範囲をその等価物の全範囲と一緒に参照して決定されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲は、必ずしも、本出願人が特許請求する権利を有する本発明の最も広い範囲を含むわけでも、若しくは、本発明が特許請求され得る唯一の方法を含むわけでもないこと、又は、列挙した全ての特徴が必要であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0040】
10 ペット用歯ブラシ
12 ハンドル部分
14 ヘッド部分
15 植毛領域
17 植毛面
16 毛
18 毛長
19 ベース部分
21 トップ部分
22 摩耗面
24 突起
40 カップ本体
42 指用空洞部
44 上方/外側ヘッド部分
46 長尺状の凹部
50 外径
52 内径
54 長手方向長
60 外周領域
62 内側領域
L 長手方向軸
DB ベースの直径
DT トップの直径
【国際調査報告】