(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20241010BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241010BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20241010BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241010BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516953
(86)(22)【出願日】2023-09-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2023013197
(87)【国際公開番号】W WO2024058477
(87)【国際公開日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0115680
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビョン・ジュン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ス・ソン
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
(57)【要約】
本発明は冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、具体的には、複数の電池セルと、複数の側面プレートおよび前記側面プレートの下側エッジを連結する底プレートからなり、前記電池セルを収容するように空間部が形成されたセルフレームと、前記空間部に位置し、収容された電池セルの外側面の一部を取り囲む形状に配置された冷却部材と、を含み、前記冷却部材は、電池セルの長手方向に沿って位置する第1部材、および前記第1部材の一側端部と連結された第2部材で構成され、前記第2部材の一部は前記底プレートに陥没した状態であることを特徴とする冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、
複数の側面プレートおよび前記側面プレートの下側エッジを連結する底プレートからなり、前記電池セルを収容するように空間部が形成されたセルフレームと、
前記空間部に位置し、収容された前記電池セルの外側面の一部を取り囲む形状に配置された冷却部材と、を含み、
前記冷却部材は、前記電池セルの長手方向に沿って位置する第1部材、および前記第1部材の一側端部と連結された第2部材で構成され、前記第2部材の一部は前記底プレートに陥没した状態である、電池モジュール。
【請求項2】
前記第1部材は、隣接して位置する複数の前記電池セルの外側面の一部を取り囲むように一定の曲率半径を有する湾曲形状を有する複数の第1面、および前記第1面と隣接して位置し、前記第1面を連結する複数の第2面を含み、
前記第2部材は一定の厚さを有する平板であり、前記第1部材に対して直角を成している、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1部材および前記第2部材は金属からなる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第2部材の外縁部の外側面には凹凸部が備えられ、前記凹凸部は前記底プレートに陥没した状態である、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記底プレートは複数の放熱口を備え、前記第2部材の中央部が前記放熱口を通して外部に露出される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1部材の一側端部は前記第2部材の中心に位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記電池セルの外面と前記セルフレームの内側面との間、および前記電池セルの外面と前記冷却部材との間には樹脂層が介在する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記樹脂層は熱伝導性樹脂である、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
一つの前記電池セルの外側面には3個以上の前記冷却部材が位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記冷却部材は、複数の前記第1部材が単一の前記第2部材に固定され、前記第2部材には複数の開放口が形成されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む、電池パック。
【請求項12】
電池セルの長手方向に沿って位置する第1部材、および前記第1部材の一側端部と連結された第2部材で構成された金属材質の冷却部材を準備する第1段階と、
複数の側面プレートおよび底プレートで構成され、前記電池セルを収容する空間部を有し、前記冷却部材が前記空間部に備えられた、セルフレームを準備する第2段階と、
前記セルフレームの空間部に前記電池セルを収容する第3段階と、を含み、
前記第2段階は、前記第2部材の一部が前記底プレートに陥没した状態になるように、インサート射出方式で前記セルフレームを準備する、電池モジュール製造方法。
【請求項13】
前記第2段階の後、前記電池セルの外側面と前記セルフレームの内側面との間、および前記電池セルの外側面と前記冷却部材との間に熱伝導性樹脂層が介在するように、前記空間部に熱伝導性樹脂を充填する段階をさらに含む、請求項12に記載の電池モジュール製造方法。
【請求項14】
前記第2段階は、前記第2部材の一部が外部に露出されるように、前記底プレートに複数の放熱口を形成する、請求項12または13に記載の電池モジュール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年9月14日付け韓国特許出願第10-2022-0115680号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、具体的には電池セルで発生した熱を放熱し、さらに外部衝撃に強い構造を有する冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、産業用ロボットなどの多様な分野に広く使用されている。
【0004】
現代社会で必要不可欠に使用されている各種の電子機器のエネルギー源として使用されている二次電池は、モバイル機器の使用量の増加および複雑化、電気自動車などの開発によって所要容量が増加している。使用者の需要を満たすために、小型機器には多数の電池セルを配置しているが、自動車などには多数の電池セルを電気的に連結する電池モジュールまたはこのような電池モジュールを多数備えた電池パックが使用される。
【0005】
一方、電池セルの過熱や過充電などの外部衝撃を受けて電池セルの内部で火災が発生する問題のため、安全に対する重要性が次第に高くなっている。電池セルで発生した熱を適切に冷却させなければ、電池セルの寿命が縮み、極端的な状況では火災や爆発にまでつながることがあるので、電池セルの冷却は必須である。
【0006】
これに関連して、先行文献には、隣接した複数の円筒型セルで発生した熱を分散する熱分散チューブ部を含む熱分散構造を有するバッテリーモジュールが開示されている。
【0007】
前記先行文献によれば、バッテリーモジュール内の一部領域に高温の熱が集中することを防止し、また熱分散チューブによってバッテリーの冷却性能を向上させることができるという利点がある。
【0008】
しかし、熱分散チューブ11は、環形断面の円形チューブである第1熱分散チューブ部と、第1熱分散チューブ部を取り囲む環形断面の円形チューブである第2熱分散チューブ部と、第1熱分散チューブ部と第2熱分散チューブ部とを連結するフレーム部とからなるので、複雑な構造であるため製造が容易でない。また、円筒型セルを取り囲んで固定するために、ケース10の内側にホルダー部12を備えなければならず、さらにケースの内壁にはグラファイト素材の熱分散部を備え、さらにケースの外側には伝達された熱を放熱するための放熱部13を備えなければならない。
【0009】
したがって、先行文献のバッテリーモジュールは、構造が非常に複雑であって製造コストが高くかかり、特に外部衝撃の印加の際、円筒型セルはホルダー部のみに依存するから、物理的に脆弱になるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、構造が簡単でありながらも電池セルで発生した熱を外部に迅速に放熱することができる冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、外部衝撃がかかっても電池セルの破損や遊動を最小化することができる耐衝撃性に優れた電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するために、本発明による電池モジュールは、複数の電池セル(B)と、複数の側面プレート(110)および前記側面プレート(110)の下側エッジを連結する底プレート(120)からなり、前記電池セル(B)を収容するように空間部(S)が形成されたセルフレーム(100)と、前記空間部(S)に位置し、収容された電池セル(B)の外側面の一部を取り囲むように配置された冷却部材(200)と、を含み、前記冷却部材(200)は、電池セル(B)の長手方向に沿って位置する第1部材(210)および前記第1部材(210)の一側端部と連結された第2部材(220)で構成され、前記第2部材(220)の一部は前記底プレート(120)に陥没した状態であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記第1部材(210)は隣接して位置する複数の電池セル(B)の外側面の一部を取り囲むように一定の曲率半径を有する湾曲形状を有する複数の第1面(211)および第1面(211)と隣接して位置し、第1面(211)を連結する複数の第2面(212)で構成され、前記第2部材(220)は一定の厚さを有する平板であり、前記第1部材(210)に対して直角を成していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記第1部材(210)および第2部材(220)は金属からなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記第2部材(220)の外縁部の外側面には凹凸部を備え、前記凹凸部は前記底プレート(120)に陥没した状態であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記底プレート(120)には複数の放熱口(121)を備え、前記第2部材(220)の中央部分が前記放熱口(121)を通して外部に露出されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記第1部材(210)の一側端部は前記第2部材(220)の中心に位置することを特徴とする。
【0019】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記電池セル(B)の外面とセルフレーム(100)の内側面との間、および前記電池セル(B)の外面と冷却部材(200)との間には樹脂層(300)が介在することを特徴とする。
【0020】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記樹脂層(300)は熱伝導性樹脂であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による電池モジュールにおいて、一つの電池セル(B)の外側面に3個以上の冷却部材(200)が位置することを特徴とする。
【0022】
また、本発明による電池モジュールにおいて、前記冷却部材(200)は、複数の第1部材(210)が単一の第2部材(220)に固定され、前記第2部材(220)には複数の開放口(221)が形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前述した電池モジュールを含む電池パックを提供することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の電池モジュール製造方法は、電池セル(B)の長手方向に沿って位置する第1部材および前記第1部材の一側端部と連結された第2部材で構成された金属材質の冷却部材を準備する第1段階と、複数の側面プレートおよび底プレートで構成され、前記電池セル(B)を収容する空間部(S)を有し、前記冷却部材が空間部(S)に備えられた、セルフレームを準備する第2段階と、前記セルフレームの空間部(S)に電池セル(B)を収容する第3段階と、を含み、前記第2段階は、前記第2部材の一部が前記底プレートに陥没した状態になるように、インサート射出方式でセルフレームを準備することを特徴とする。
【0025】
また、本発明による電池モジュール製造方法において、前記第2段階の後、前記電池セル(B)の外側面とセルフレームの内側面との間、および前記電池セル(B)の外側面と冷却部材との間に熱伝導性樹脂層が介在するように、前記空間部(S)に熱伝導性樹脂を充填する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明による電池モジュール製造方法において、前記第2段階は、前記第2部材一部が外部に露出されるように、前記底プレートに複数の放熱口を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上で説明したように、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックによれば、セルフレームに固定された金属素材の冷却部材が電池セルを取り囲むように位置するので、電池セルで発生した熱の放熱が容易であり、さらに構造的に簡単であって工程の簡素化に寄与することができるという利点がある。
【0028】
また、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックによれば、電池セルの外側面には熱伝導性樹脂層を備えることにより、冷却部材への熱伝逹が容易であるだけでなく、外部衝撃がかかるとき、電池セルが搖れることを防止することができるという利点がある。
【0029】
また、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックによれば、冷却部材の一部がインサート射出方式でセルフレームと結合されるので、セルフレームに冷却部材を固定させることが容易であるだけでなく、堅固に固定することができるという利点がある。
【0030】
さらに、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールおよびこれを含む電池パックによれば、冷却部材の一部がセルフレームの放熱口を通して外部に露出されるので、放熱効果を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来技術による電池モジュールの概念図である。
【
図2】本発明の第1実施例による電池モジュールの斜視図である。
【
図4】
図2に示す電池モジュールを構成するセルフレームを上部一側の方向から見た斜視図である。
【
図5】
図2に示す電池モジュールを構成するセルフレームを下部一側の方向から見た斜視図である。
【
図6】
図4のセルフレームに備えられた冷却部材を拡大した斜視図である。
【
図7】
図3のA-A方向に沿って切断した部分断面図である。
【
図8】本発明の第2実施例による冷却部材の斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施例による電池モジュールを構成するセルフレームを下部一側の方向から見た斜視図である。
【
図10】
図9に示す電池モジュールを構成する冷却部材の斜視図である。
【
図11】本発明の第4実施例による冷却部材の斜視図である。
【
図12】本発明の第1実施例による電池モジュールの製造方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判定される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0033】
また、図面全般にわたって類似の機能および作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0034】
以下、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールについて添付図面を参照しながら説明する。
【0035】
図2は本発明の第1実施例による電池モジュールの斜視図であり、
図3は
図2に示す電池モジュールの平面図である。また、
図4は
図2に示す電池モジュールを構成するセルフレームを上部一側の方向から見た斜視図であり、
図5は
図2に示す電池モジュールを構成するセルフレームを下部一側の方向から見た斜視図である。
【0036】
図2~
図5に示すように、本発明による冷却機能を備えた電池モジュールは、複数の電池セルBと、これらの電池セルBを収容するためのセルフレーム100と、電池セルBで発生した熱を放出するとともに電池セルBを支持および固定するための冷却部材200と、を含む。もちろん、電池セルBを電気的に連結するためのワイヤ、およびバスバーなどを備えることができるというのは言うまでもない。
【0037】
本発明による電池セルBは、円筒型電池セル、または角型電池セルであり得るが、好ましくは円筒型電池セルである。円筒型電池セルBは、電極組立体と、絶縁部材と、正極リード線と、キャップ組立体と、これらを収容する電池缶と、を含んでなる。電極組立体は、長いシート状の負極と正極との間に分離膜が介在して巻き取られる構造を有するゼリーロール型電極組立体、長方形の正極および負極が分離膜を間に介在した状態で積層される構造を有する単位セルで構成されるスタック型電極組立体、単位セルが長い分離フィルムによって巻き取られるスタックフォールディング型電極組立体、または単位セルが分離膜を間に介在した状態で積層されて互いに付着されるラミネーションスタック型電極組立体などからなり得る。
【0038】
一般的に、電極組立体の上端に付着される正極リード線はキャップ組立体に電気的に連結され、電極組立体の下端に付着される負極リード線は電池缶の底に連結される。一方、電極組立体の上部には絶縁部材が位置し得る。このような絶縁部材は電極組立体とキャップ組立体との間を絶縁させる役割を果たす。
【0039】
キャップ組立体は絶縁部材の上部に位置し、電極組立体の上端に付着された正極リード線と電気的に連結され、電池缶の上部開放端に結合されることにより、電池缶の内部に収容される電極組立体を密封する。
【0040】
具体的には、キャップ組立体は、電流遮断部材、電流遮断ガスケット、安全ベントおよびトップキャップが下から順次積層され、安全ベントおよびトップキャップの外縁にはクリンピングガスケットおよび溶接用ホルダーが位置し得る。
【0041】
セルフレーム100は、電池セルBを収容するように空間部Sを備えた略六面体状を有し、より詳細には、4個の側面プレート110と、これらの側面プレート110の下側エッジを連結する一つの底プレート120とで構成され得る。
【0042】
ここで、底プレート120は複数の放熱口121を備えることが好ましく、これに関連した詳細な説明は後述する。
【0043】
一方、4個の側面プレート110および一つの底プレート120からなるセルフレーム100の素材はプラスチックからなり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
冷却部材200は空間部Sに位置し、収容された電池セルBの外側面の一部を取り囲む形状に配置される。ここで、冷却部材200は底プレート120に固定されている。
【0045】
図2および
図3のように、6個の冷却部材200が一つの電池セルBを取り囲む形状に配置されている。ここで、一つの冷却部材200は隣接して収容された合計3個の電池セルBの外側面の間に位置する。
【0046】
図面は一つの電池セルBの外側面に6個の冷却部材200が配置されたものとして示しているが、これは一例示に過ぎず、3個以上の冷却部材200が一つの電池セルBの外側面に配置されることも可能である。
【0047】
図6は
図4のセルフレームに備えられた冷却部材を拡大した斜視図であり、
図7は
図3のA-A方向に沿って切断した部分断面図である。
【0048】
まず、
図6を参照すると、冷却部材200は、電池セルBの長手方向に位置する第1部材210と、第1部材210の一側端部と連結されている第2部材220とで構成され得る。
【0049】
第1部材210は、3個の第1面211と、互いに隣接して位置する第1面211を連結する3個の第2面212とを含むことができる。ここで、第1面211は、電池セルBの外側面を取り囲むように、電池セルBの外側面と同一または類似の曲率半径を有する湾曲形のものであることが好ましい。そして、第2面212は、互いに隣接して収容される電池セルBを所定の間隔で離隔させるためのものである。このような冷却部材200は、熱伝導性に優れた金属素材、好ましくはアルミニウムからなり得る。
【0050】
一方、電池セルBを安定的に支持し、さらに発生した熱を迅速に放出することができるように、第1部材210の長さは電池セルBの長さの0.5倍以上であることが好ましいが、これに限定されない。
【0051】
第2部材220は一定の厚さを有する平板であり、質量中心に相当する中心には第1部材210の一側端部が固定される。ここで、第1部材210と第2部材220とは互いに直角を成している。
【0052】
前述したように、第1部材210と第2部材220とからなる冷却部材200は底プレート120に固定される。
図7に示すように、第2部材220の外縁部の一部が底プレート120に陥没した状態で位置することにより、冷却部材200が底プレート120に固定される。
【0053】
ここで、底プレート120と第2部材220とをより堅固に密着して固定することができるように、第2部材220の外縁部の外側面には凹凸部を備えることがより好ましい。
【0054】
第2部材220は底プレート120の放熱口121を横切るように位置することが好ましい。すなわち、第2部材220の中央部分は放熱口121を通して外部に露出される一方で、外縁部は放熱口121付近の底プレート120に陥没した状態で固定される。
【0055】
一方、電池セルBの外面、すなわち電池セルBの側面および底面には、電池セルBで発生した熱を排出させ、さらに電池セルBを確実に固定する目的で樹脂層300が位置する。具体的には、電池セルBの側面と第1部材210との間、電池セルBの底面の中部と底プレート120との間、および電池セルBの底面の外縁部と第2部材220との間に樹脂層300が介在する。
【0056】
ここで、樹脂層300を構成する物質としては、熱伝導性物質((TIM:Thermal Interface Material)、すなわち熱伝導性を有するとともに接着性を有する物質であり、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂またはシリコン系樹脂であり得る。もちろん、これらと類似した物理的性質を有する樹脂であってもよい。
【0057】
電池モジュールが前記のような構造を有する場合、電池セルBで発生した熱は樹脂層300に移動した後、冷却部材200を介して外部に放熱される。詳細には、電池セルBの側面の熱は、樹脂層300、第1部材210および第2部材220を順次経由し、特に第2部材220は外部に露出された状態の放熱口121に位置するので、迅速に放熱することができる。もちろん、一部の熱は第1部材210の上部に放熱することができるというのは言うまでもない。
【0058】
また、電池セルBの底面の熱は樹脂層300に移動した後、第2部材220を介して放熱される。
【0059】
このように、本発明による電池モジュールは、電池セルBの側面だけでなく、電池セルBの底面で発生した熱も迅速に放熱することができる構造を有する。さらに、冷却部材200を構成する第1部材210と第2部材220とが互いに直角を成すとともに第2部材220が底プレート120に陥没した状態で位置するので、冷却部材200がセルフレーム100に堅固に固定される。
【0060】
図8は本発明の第2実施例による冷却部材の斜視図である。
図6を参照しながら説明した第1実施例の冷却部材は一つの第2部材に一つの第1部材が対応して連結されて冷却部材を構成する一方で、第2実施例の冷却部材は一つの第2部材に複数の第1部材が備えられる。
【0061】
具体的には、平らな一つの第2部材220には複数の開放口221が備えられており、開放口221の周囲には複数の第1部材210が垂直に連結されている。
【0062】
ここで、開放口221には底プレート120が満たされ、また開放口221の外縁付近の上面および下面にも底プレート120が位置することにより、冷却部材200が底プレート120に堅固に固定される。
【0063】
一方、第1部材210は前述した第1実施例と同様であるので、重複説明は省略する。
【0064】
図9は本発明の第3実施例による電池モジュールを構成するセルフレームを下部一側の方向から見た斜視図であり、
図10は
図9に示す電池モジュールを構成する冷却部材の斜視図である。
【0065】
図9および
図10に示すように、本発明の第3実施例による電池モジュールは、一つの第2部材に複数の第1部材が備えられる。ここで、第2部材220は開放口を備えておらず、また底プレート120も放熱口を備えていないことを除き、残りは第2実施例と同様である。
【0066】
このような第3実施例によれば、冷却部材200が構造的に一層堅固であり、また製造が相対的に容易であるという利点がある。
【0067】
図11は本発明の第4実施例による冷却部材の斜視図である。
【0068】
第4実施例による冷却部材200は第1部材210と第2部材220とで構成される。ここで、第1部材210は、4個の第1面211と、互いに隣接して位置する第1面211を連結する4個の第2面212とを含むことができる。
【0069】
第1実施例と同様に、第1面211は電池セルの外側面を取り囲むように、電池セルの外側面と同一または類似の曲率半径を有する湾曲形のものであることが好ましい。
【0070】
第2部材220は一定の厚さを有する平板であり、質量中心に相当する中心には、第1部材210の一側端部が第2部材220に対して直角を成して固定されている。
【0071】
図12は本発明の第1実施例による電池モジュールの製造方法を説明するフローチャートである。
図12を参照しながら第1実施例の電池モジュールを例として挙げて製造方法について説明する。
【0072】
この製造方法は、冷却部材を準備する第1段階と、冷却部材が固定された状態のセルフレームを準備する第2段階と、セルフレームに電池セルを収容する第3段階と、を含むことができる。
【0073】
まず、第1段階は、電池セルの長手方向に沿って位置する第1部材と、第1部材の一側端部と連結された第2部材とから構成された金属材質の冷却部材を準備する段階であり、製造方法は特に限定されない。
【0074】
第2段階は、複数の側面プレートおよび底プレートで構成されて、電池セルを収容することができる空間部を形成し、また第1段階で準備した複数の冷却部材が空間部に固定されているセルフレームを準備する段階である。ここで、セルフレーム射出の際、冷却部材をインサート射出することにより、セルフレームと冷却部材とを一体型構造に製造することが好ましい。
【0075】
一方、底プレートの放熱口はセルフレーム射出の際に形成することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、セルフレームを製造した後、追加的に打抜きすることも可能である。
【0076】
第3段階は、冷却部材がセルフレームの空間部に位置するように、より詳しくは冷却部材が電池セルの外側面に位置するように、電池セルを収容する段階である。
【0077】
また、電池セルを固定するとともに発生した熱の移動のための熱伝導性樹脂層は、第2段階の後、すなわちセルフレームに電池セルを収容するに先立ち、空間部に所定量を充填することが好ましいが、電池セルを収容した後に充填することも可能である。
【0078】
本発明は前述した電池モジュールを含む電池パックを提供することができる。また、電池モジュールまたは電池パックはデバイスに装着することができる。例えば、デバイスは、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド電気自動車などのように大容量の電池を含む電子機器であり得る。
【0079】
以上で本発明の内容の特定の部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単に好適な実施様態であるだけであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形および修正が添付の特許請求の範囲に属するというは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
100 セルフレーム
110 側面プレート
120 底プレート
121 放熱口
200 冷却部材
210 第1部材
211 第1面
212 第2面
220 第2部材
221 開放口
300 樹脂層
B 電池セル
S 空間部
【国際調査報告】